JP2024002218A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の光照射装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、光照射装置の通信経路の機器構成の簡単化および印刷物の品質の安定化を図る。【解決手段】インクジェットプリンタ10は、記録媒体11に光硬化性インクを吐出するインクヘッド40と、光硬化性インクに光を照射する第1光照射装置61および第2光照射装置62と、インクヘッド40、第1光照射装置61および第2光照射装置62を制御する制御装置80と、制御装置80、第1光照射装置61および第2光照射装置62とを直列に接続する伝送路60と、を備えている。制御装置80は、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングと、第2光照射装置62の作動状態を変更するタイミングと、が一致すると判定した場合に、何れか一方を他方に対してずらす調整をする。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、光硬化性インクを記録媒体上に吐出するノズルと、光硬化性インクを硬化する光を照射する光照射装置と、光照射装置を制御する制御装置と、を備え、インクジェット方式により記録媒体に印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。かかるインクジェットプリンタでは、光照射装置から照射された光が反射し、ノズルに付着している光硬化性インクを硬化させてしまうことがある。ノズルに付着した光硬化性インクが硬化すると、ノズルの目詰まりを発生させるおそれがある。ノズルの目詰まりを回避するために、照射が必要な領域にのみ光を照射するように、光照射装置が制御装置によって制御される。
例えば、特許文献1には、ノズルが搭載されたインクヘッドの位置に基づいて、光照射装置の点灯および消灯を制御するインクジェットプリンタが開示されている。このインクジェットプリンタではさらに、インクヘッドの移動速度や記録媒体からノズルまでの高さによって、照射する光の強度を制御することとしている。
上記インクジェットプリンタは、インクヘッドの左側に配置された光照射装置と右側に配置された光照射装置とを備える。制御装置は2つの光照射装置を制御する。上記インクジェットプリンタによれば、インクヘッドが左側に移動しながらインクを吐出するときには、右側の光照射装置によって、吐出後のインクを直ちに硬化させることができる。インクヘッドが右側に移動しながらインクを吐出するときには、左側の光照射装置によって、吐出後のインクを直ちに硬化させることができる。
特開2011-148126号公報
ところで、光照射装置の個数が多いと、制御装置と光照射装置とを接続する信号線の数が増加し、通信経路が複雑化する。制御装置と光照射装置との接続方法の例として、I/Oポートを使用した接続がある。I/Oポートを使用した接続の場合には、単一の制御装置により複数の光照射装置の制御が可能である。しかし、I/Oポートを使用した接続方法は、複数の信号線で並行して信号を伝送する方法であるため、制御装置と光照射装置とを接続する信号線の数が増加する。また、I/Oポートを使用した接続方法の場合、複数の信号線にて並行して信号が伝送されるため、端子間の伝送のタイミングの同期を図る制御が行われる。よって、複数の光照射装置を同時に制御するといった複雑な制御の場合、信号線間の電磁的干渉が懸念される。
一方、制御装置と光照射装置とを、シリアル通信を使用して接続する方法もある。シリアル通信を使用した接続方法は、単一の信号線にて、1ビットずつ信号が伝送される方法のため、電磁的干渉が発生しない。しかし、複数の制御装置を設け、複数の光照射装置と複数の制御装置とをそれぞれシリアル通信を使用して接続しようとすると、光照射装置の数だけ制御装置および信号線が必要となり、やはり通信経路が複雑化する。
そこで、例えば、シリアル通信を使用して、制御装置と2つ以上の光照射装置とを直列に接続することで、制御装置および信号線の増加を抑えることができると考えられる。しかし、制御装置から一の光照射装置に信号を送信するタイミングと、他の一の光照射装置に信号を送信するタイミングとが重なってしまった場合、それらの信号が干渉してしまうことがある。すなわち、信号の衝突が発生する場合がある。信号の衝突が発生すると、光照射装置に本来の信号が送信されない場合があり、光照射装置が所望の照射を実行できなくなる場合がある。例えば、光を照射すべき箇所で光が照射されず、照射不足が発生することがある。これにより、光硬化性インクの硬化不良が発生し、印刷物のインクのにじみ等を引き起こすことがある。したがって、信号の衝突は、印刷物の品質低下につながる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の光照射装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、光照射装置の通信経路の機器構成を簡単化すること、および印刷物の品質を安定化させることである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体が載置されるプラテンと、前記プラテンより上方に配置され、光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、前記プラテンに載置された前記記録媒体に対して前記インクヘッドを相対的に主走査方向に往復移動させる移動機構と、前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクに向けて光を照射する第1光照射装置および第2光照射装置と、前記インクヘッドと前記第1光照射装置と前記第2光照射装置とを制御する制御装置と、前記制御装置と一点で接続し、かつ、前記制御装置と前記第1光照射装置と前記第2光照射装置とを直列または並列に接続する伝送路と、を備える。前記制御装置は、前記第1光照射装置および前記第2光照射装置の作動状態を変更する照射制御部と、前記第1光照射装置の作動状態を変更するタイミングである第1タイミングを取得する第1取得部と、前記第2光照射装置の作動状態を変更するタイミングである第2タイミングを取得する第2取得部と、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致するか否かを判定し、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第1タイミングおよび前記第2タイミングの何れか一方を他方に対してずらす調整部と、を有する。
本発明のインクジェットプリンタによると、制御装置は、一点で第1光照射装置および第2光照射装置と接続されている。そのため、通信経路の機器構成が簡単化されている。また、第1光照射装置の作動状態を変更するタイミング(第1タイミング)と第2光照射装置の作動状態を変更するタイミング(第2タイミング)とが一致する場合がないか、調整部が判定を行う。そして、第1タイミングと第2タイミングとが一致する場合が存在したとき、第1タイミングまたは第2タイミングをずらすことで、制御装置から第1光照射装置に送信される信号と、制御装置から第2光照射装置に送信される信号との衝突を回避することが可能となる。したがって、信号の衝突に起因する照射不良を回避することができ、印刷物の品質低下を防ぐことができる。
本発明によれば、複数の光照射装置を備えたインクジェットプリンタにおいて、光照射装置の通信経路の機器構成を簡単化することができ、印刷物の品質を安定化させることができる。
一実施形態に係るプリンタの斜視図である。 一実施形態に係るプリンタの正面図である。 一実施形態に係るインクヘッドおよび光照射装置の底面の構成を示す模式図である。 一実施形態に係るプリンタの制御装置のブロック図である。 第1光照射装置が往路方向への移動中に点灯するときの図である。 第2光照射装置が往路方向への移動中に点灯するときの図である。 第1光照射装置が往路方向への移動中に消灯するときの図である。 第2光照射装置が往路方向への移動中に消灯するときの図である。 第1光照射装置の消灯のタイミングをずらすときの図である。 一実施形態に係る画像の印刷手順を示したフローチャートである。 他の一実施形態に係るインクヘッドおよび光照射装置の説明図である。 ある時間における、光照射装置の照射量の変更を表すグラフである。 他の一実施形態に係るインクヘッドおよび光照射装置の底面の構成を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」という。)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。プリンタ10は、所謂、Roll-to-Rollタイプのインクジェット式のプリンタである。プリンタ10は、記録媒体11に印刷を行う。以下の説明では、便宜上、プリンタ10の方向を下記のように定義することとする。プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。符号Zは上下方向を示している。上下方向Zは、正面視において主走査方向Yと直交している。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
図1に示すように、プリンタ10は、記録媒体11に印刷を行う。記録媒体11は、例えば、長尺に形成され、ロール状に巻かれて用いられる。なお、記録媒体11は、ロール状に巻かれたものが所定の長さに切断されたシート状のものであってもよい。記録媒体11は、例えば、記録紙である。ただし、記録媒体11は、記録紙に限定されない。例えば、記録媒体11には、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステルなどの樹脂材料から形成されたシート、台紙と台紙上に積層されかつ接着剤が塗布された剥離紙とからなるシール材等が含まれる。
図1および図2に示すように、プリンタ10は、プラテン12と、キャリッジ移動機構20と、キャリッジ30と、本体ケース70と、脚部72と、制御装置80とを備えている。
プラテン12は、記録媒体11への印刷の際、記録媒体11を支持する部材である。プラテン12は、主走査方向Yに延びている。プラテン12には、記録媒体11が載置される。プラテン12は、本体ケース70に設けられている。
図2に示すように、キャリッジ移動機構20は、キャリッジ30を主走査方向Yに移動させる機構である。キャリッジ移動機構20は、ガイドレール21と、プーリ22と、プーリ23と、無端状のベルト24と、キャリッジモータ25とを備えている。ガイドレール21は、キャリッジ30の主走査方向Yへの移動をガイドする。ガイドレール21は、プラテン12の上方に配置されている。ガイドレール21は、本体ケース70に設けられている。ガイドレール21は主走査方向Yに延びている。プーリ22は、ガイドレール21の左端より左方に設けられている。プーリ23は、ガイドレール21の右端より右方に設けられている。ベルト24は、プーリ22とプーリ23とに巻き掛けられている。右側のプーリ23には、キャリッジモータ25が接続されている。ただし、キャリッジモータ25は、左側のプーリ22に接続されていてもよい。キャリッジモータ25が駆動して、プーリ23が回転することで、プーリ22とプーリ23との間においてベルト24が走行する。
図2に示すように、キャリッジ30は、ベルト24に取り付けられている。キャリッジ30は、ガイドレール21に係合しており、ガイドレール21に摺動自在に設けられている。キャリッジ30には、複数のインクヘッド40と、第1光照射装置61と、第2光照射装置62と、が搭載されている。プラテン12に載置された記録媒体11に光硬化性を有するインク(光硬化性インク)が、インクヘッド40から吐出される。記録媒体11に吐出された光硬化性インクに、第1光照射装置61、第2光照射装置62から光が照射されることで、光硬化性インクが硬化される。キャリッジモータ25の駆動によって、ベルト24が走行することで、キャリッジ30は主走査方向Yに移動する。これに伴い、キャリッジ30に搭載された複数のインクヘッド40と、第1光照射装置61と、第2光照射装置62とが主走査方向Yに移動する。
図2に示すように、キャリッジ30は、複数のインクヘッド40を備えている。図3に示すように、インクヘッド40は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。複数のインクヘッド40は、同じ形状かつ同じ大きさに形成されている。インクヘッド40は、副走査方向Xに並ぶ複数の第1ノズル41と、副走査方向Xに並ぶ複数の第2ノズル42と、第1ノズル41および第2ノズル42が形成されたノズル面43とを備えている。なお、第1ノズル41および第2ノズル42は微小であるため、図3では複数の第1ノズル41および複数の第2ノズル42を直線で表している。インクヘッド40の第1ノズル41および第2ノズル42は、記録媒体11に光硬化性インクを吐出する。本実施形態では、プリンタ10は3つのインクヘッド40を備えているが、インクヘッド40の数は3つに限定されない。また、インクヘッド40は、第1ノズル31および第2ノズル32の2列のノズルを備えているが、1列のノズルまたは3列以上のノズルを備えていてもよい。
光硬化性インクは、光(例えば紫外線や赤外線)が照射されると硬化する性質を有する。光硬化性インク(例えば紫外線硬化型インクや赤外線硬化型インク)は、顔料等の着色剤と光重合性モノマーと光重合開始剤とを含み、必要に応じてその他の各種添加剤、例えば、光増感剤、重合禁止剤、捕捉剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、レベリング剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、防腐剤、溶剤等を含み得る。光硬化性インクは、有色インクである。光硬化性インクは、例えば、プロセスカラーインクやホワイトインクである。例えば、プロセスカラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等が挙げられる。なお、光硬化性インクは、無色インクであってもよい。光硬化性インクとしては、例えば、紫外線硬化型のインクが挙げられる。
図2に示すように、キャリッジ30は、第1光照射装置61と第2光照射装置62とを備えている。第1光照射装置61および第2光照射装置62は、記録媒体11に吐出された光硬化性インクに向けて光(典型的には紫外線)を照射する。これにより、記録媒体11上にインク層が形成される。ここで、図3に示すように、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、それぞれ複数の紫外線照射LED63を備えている。複数の紫外線照射LED63は、主走査方向Y及び副走査方向Xに並んで配置されている。しかし、紫外線照射LED63の配置はこれに限定されない。紫外線照射LED63が主走査方向Yと副走査方向Xのいずれか一方向にのみ並んで配置されていてもよいし、1つの紫外線照射LED63のみが配置されていてもよい。第1光照射装置61および第2光照射装置62は、プラテン12より上方に設置されている。第1光照射装置61は、インクヘッド40の左方に配置されている。第2光照射装置42は、インクヘッド40の右方に配置されている。第1光照射装置61と、第2光照射装置62と、インクヘッド40とは、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。本実施形態では、第1光照射装置61、第2光照射装置62は、それぞれインクヘッド40の左右に配置されているが、この配置は限定されない。例えば、インクヘッド40の左方に第1光照射装置61および第2光照射装置62が配置されていてもよい。また、本実施形態では、第1光照射装置61と、第2光照射装置62と、インクヘッド40とは、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されているが、第1光照射装置61と、第2光照射装置62と、インクヘッド40の副走査方向Xにおける位置はこれに限定されない。例えば、第1光照射装置61または第2光照射装置62がインクヘッド40の一部または全体と副走査方向Xにおいて重ならない位置に配置されていてもよい。また、キャリッジ30は、光照射装置を2つ備えているが、3つ以上の光照射装置を備えていてもよい。また、本実施形態では、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、キャリッジ30に備えられているが、プリンタ10において、プラテン12に載置された記録媒体11に光を照射可能な位置に設置されていてもよい。
図2に示すように、プリンタ10は、媒体搬送機構50を備えている。媒体搬送機構50は、プラテン12に載置された記録媒体11を副走査方向Xに移動させる機構である。媒体搬送機構50は、グリットローラ51と、ピンチローラ52と、フィードモータ53(図4参照)と、を備えている。グリットローラ51は、プラテン12に設けられている。ここでは、グリットローラ51の一部はプラテン12に埋設されている。ピンチローラ52は、グリットローラ51と上下方向に対向するように、グリットローラ51の上方に配置されている。ピンチローラ52は、記録媒体11を上から押え付ける部材である。ピンチローラ52は、記録媒体11の厚みに応じて、上下方向に移動可能に構成されていてもよい。なお、グリットローラ51およびピンチローラ52のそれぞれの配置位置および数は特に限定されない。フィードモータ53は、グリットローラ51に接続されている。グリットローラ51とピンチローラ52との間に記録媒体11が挟まれた状態で、フィードモータ53が駆動してグリットローラ51が回転すると、記録媒体11は副走査方向Xに搬送される。
図1に示すように、本体ケース70のうち右前カバー71Rの前方には、操作パネル13が設けられている。図2に示すように、操作パネル13は、プリンタの状態を表示する表示部と、ユーザによって操作される入力キーが設けられている。操作パネル13は、プリンタ10の各種の動作を制御する制御装置80(図4参照)に接続されている。
図4に示すように、制御装置80は、記録媒体11への印刷を制御する装置である。制御装置80の構成は特に限定されない。制御装置80は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータなどの外部機器から印刷データなどを受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、プログラムや各種データを格納するメモリなどの記憶装置と、を備えている。図2に示すように、制御装置80は、右前カバー71Rの内部に設けられている。ただし、制御装置80は、右前カバー71Rの内部に設けられていなくてもよい。例えば、制御装置80は、右前カバー71Rの外部に設置されたコンピュータなどであってもよい。この場合、制御装置80は、有線または無線を介してプリンタ10と通信可能に接続されている。
図4に示すように、制御装置80は、操作パネル13と、キャリッジ移動機構20のキャリッジモータ25と、インクヘッド40と、第1光照射装置61と、第2光照射装置62と、媒体搬送機構50のフィードモータ53と、に通信可能に接続している。制御装置80は、操作パネル13、インクヘッド40、第1光照射装置61、第2光照射装置62、キャリッジモータ25およびフィードモータ53を制御する。制御装置80と第1光照射装置61と第2光照射装置とは、シリアル通信を使用して、直列に接続されている。制御装置80と第1光照射装置61と第2光照射装置とは、伝送路60によって直列に接続されている。なお、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、制御装置80に対して、並列に接続されていてもよい。すなわち、制御装置80と一点で接続する伝送路60が、途中で分岐し、第1光照射装置61と第2光照射装置62とのそれぞれに接続されていてもよい。
制御装置80は、インクヘッド40が光硬化性インクを吐出するタイミングや、その吐出量等を制御する。制御装置80は、キャリッジモータ25を制御することによって、キャリッジ30の主走査方向Yの移動を制御する。制御装置80は、フィードモータ53を制御することで、記録媒体11の副走査方向Xの移動を制御する。制御装置80は、第1光照射装置61および第2光照射装置62を制御する。制御装置80は、第1光照射装置61および第2光照射装置62に信号を送信することにより、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を変更する。なお、作動状態の変更には、点灯、消灯、および、点灯中の照射量の変更が含まれる。本実施形態では、第1光照射装置61および第2光照射装置62の照射量は一定とする。制御装置80は、第1光照射装置61に信号を送信することによって、第1光照射装置61の点灯および消灯を切り替える。制御装置80は、第2光照射装置62に信号を送信することによって、第2光照射装置62の点灯および消灯を切り替える。
図4に示すように、制御装置80は、印刷指示や印刷データを受信する受信部81と、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミング(以下、第1タイミングという)を取得する第1取得部82と、第2光照射装置62の作動状態を変更するタイミング(以下、第2タイミングという)を取得する第2取得部83と、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を変更する照射制御部84と、第1タイミングまたは第2タイミングを調整する調整部85と、を備えている。これら各部は、プログラムによって実現されている。このプログラムは、例えばCDやDVDなどの記録媒体から読み込まれる。なお、このプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、これら各部は、プロセッサおよび/または回路などによって実現可能なものであってもよい。
上述の通り、第1取得部82は、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングを取得する。本実施形態では、第1取得部82は、第1光照射装置61をOFFからONにするタイミング、および、ONからOFFにするタイミングを取得する。第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングは、キャリッジ30の主走査方向Yの1回の往復移動(パス)のうちの所定のタイミングである。第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングは、例えば、キャリッジ30の主走査方向Yの座標によって指示される。第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングは、受信部81が取得した印刷データに基づいて決定される。第1取得部82は、印刷中にキャリッジ30がデータ取得位置にあるときに、次のパスにおける第1光照射装置61の作動状態の変更タイミングを取得する。ここで、データ取得位置とは、次のパスを開始する前に、キャリッジ30が存在する位置である。例えば、データ取得位置は、プラテン12よりも右側の位置である。
第2取得部83は、第1取得部と同様にして、第2光照射装置62の作動状態の変更タイミングを取得する。本実施形態では、第2取得部83は、第2光照射装置62をOFFからONにするタイミング、および、ONからOFFにするタイミングを取得する。
照射制御部84は、第1取得部82および第2取得部83が取得した変更タイミングに基づいて、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を変更する制御を行う。照射制御部84は、第1取得部82が取得した変更タイミングにおいて、第1光照射装置61に信号(以下、第1信号という)を送信する。照射制御部84は、第2取得部83が取得した変更タイミングにおいて、第2光照射装置62に信号(以下、第2信号という)を送信する。第1光照射装置61は、第1信号を受信することによってON/OFFが切り替えられる。第2光照射装置62は、第2信号を受信することによってON/OFFが切り替えられる。第1取得部82および第2取得部83が取得したタイミングで、照射制御部84が制御を実行することで、所望のとおりに、第1光照射装置61および第2光照射装置62が動作する。
第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態の変更は、複数の紫外線照射LED63の全てのON/OFFを変更するものであってもよく、複数の紫外線照射LED63の一部のON/OFFを変更するものでもよい。例えば、図3に示すように、第1光照射装置61を副走査方向Xに4等分し、前方から光照射装置61a、61b、61c、61dが並んでいるとする。光照射装置61a~61dには、それぞれ複数の紫外線照射LED63が含まれる。照射制御部84は、光照射装置61a~61dごとに作動状態を変更してもよい。ただし、第1光照射装置61および第2光照射装置62の分割の数は4つに限定されない。また、第1光照射装置61および第2光照射装置62を主走査方向Yに分割してもよい。さらに、照射制御部84は、第1光照射装置61および第2光照射装置62にそれぞれ配置された紫外線照射LED63の作動状態を紫外線照射LED単位ごとに変更して行うようにしてもよい。
調整部85は、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミング(第1タイミング)と、第2光照射装置62の作動状態を変更するタイミング(第2タイミング)とが一致するか否かを判定する。調整部85は、第1タイミングと第2タイミングとが一致すると判定した場合に、第1タイミングおよび第2タイミングの一方を他方に対してずらす調整を行う。この調整が行われた場合は、照射制御部84は、調整部85により調整されたタイミングにて第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を変更する。第1タイミングと第2タイミングとが一致する場合が存在しないときは、調整部85による調整は実行されない。
以上、プリンタ10の構成について説明した。次に、プリンタ10の印刷動作について説明する。
図5A~図5Eは、キャリッジ30の往路方向(例えば、左方向)の移動を示す説明図である。図5A~図5Eにおいて、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、点灯位置R1にて、消灯した状態から点灯した状態に切り換わる。また、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、消灯位置R2にて、点灯した状態から消灯した状態に切り換わる。例えば、点灯位置R1および消灯位置R2は、それぞれ主走査方向Yの座標によって指示される。点灯位置R1と消灯位置R2は、受信部81が受信した印刷データによって決定される。例えば、点灯位置R1および消灯位置R2は、主走査方向Yにおける印刷データの両端の位置として決定される。また、印刷データに画像が複数含まれる場合、点灯位置R1および消灯位置R2は、各画像について、主走査方向Yにおける画像の両端の位置をそれぞれ点灯位置R1と消灯位置R2として決定されてもよい。点灯位置R1および消灯位置R2で挟まれた領域は、光の照射が必要な範囲である。なお、点灯位置R1および消灯位置R2は、主走査方向Yにおけるプラテン12の両端の位置であってもよい。
図5Aは、第1光照射装置61が点灯するタイミングを表す。図5Bは第2光照射装置62が点灯するタイミングを表す。図5Cは、第1光照射装置61が消灯するタイミングを表す。図5Dは、第2光照射装置62が消灯するタイミングを表す。図5A~図5Dに示す例では、第1光照射装置61の作動状態が変更されるタイミングと第2光照射装置62の作動状態が変更されるタイミングとは一致しない。制御装置80が第1光照射装置61に第1信号を送信するタイミングと、第2光照射装置62に第2信号を送信するタイミングとは、一致しない。そのため、制御装置80と第1光照射装置61と第2光照射装置62とを直列に接続する伝送路60(図4参照)にて、第1信号と第2信号とが衝突することはない。すなわち、伝送路60において信号の衝突は発生しない。
一方、図5Eに示す例では、第1光照射装置61が消灯するタイミングと第2光照射装置62が点灯するタイミングとが一致する。図5Eは、第1タイミングと第2タイミングとが一致する場合が存在するときの説明図である。図5Eに示す例では、制御装置80は、第1信号および第2信号を同時に送信する。そのため、伝送路60にて、第1信号と第2信号とが衝突する。すなわち、伝送路60において信号の衝突が発生する。信号の衝突が発生すると、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態の変更が良好に行われないおそれがある。そこで、調整部85は、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミングと、第2光照射装置62の作動状態を変更するタイミングとが一致する場合は、いずれか一方を他方に対してずらす調整を行う。
第1光照射装置61および第2光照射装置62の消灯のタイミングを遅らせたとしても、インクの硬化は正常に行われるので印刷品質は低下しない。また、第1光照射装置61および第2光照射装置62の点灯のタイミングを早めたとしても、インクの硬化は正常に行われるので印刷品質は低下しない。そこで、タイミングの調整に当たっては、消灯のタイミングを遅らせること、または、点灯のタイミングを早めることが好ましい。図5Eに示す例では、第1光照射装置61を消灯させるタイミングと第2光照射装置62を点灯させるタイミングとが一致するので、調整部85は、第1光照射装置61を消灯させるタイミングを遅らせている。遅らせることにより、信号の衝突を防ぐことが好ましい。
図6は、本実施形態に係るプリンタ10の印刷手順を示したフローチャートである。図6に示すように、制御装置80は、パスごとに調整が必要か否かを判定し、必要であれば調整部85による調整動作を行う。
ステップS10において、ユーザは、例えば、プリンタ10に接続された操作端末を操作して所定の画像の印刷を決定する。これにより、操作端末から受信部81に印刷指示信号および印刷データが送信され、受信部81は、印刷指示信号および印刷データを受信する。
ステップS20において、制御装置80は、受信部81が受信した印刷信号および印刷データに基づいて、記録媒体11上に画像の印刷を行う動作の準備を開始する。
ステップS30において、第1取得部82、第2取得部83はそれぞれ、第1光照射装置61の作動状態を変更するタイミング(第1タイミング)、第2光照射装置62の作動状態を変更するタイミング(第2タイミング)を、受信部81が取得したデータに基づいて取得する。さらにこのとき、制御装置80は、実行しようとするパスの点灯位置R1および消灯位置R2の位置の決定や、インクヘッド40が吐出する光硬化性インクの吐出量等も決定する。
ステップS40において、制御装置80は、第1取得部82が取得したデータと第2取得部83が取得したデータを比較し、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を同時に変更する場合がパス中に存在しているか否かを判定する。第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を同時に変更する場合が存在するとき、ステップS50に進む。一方、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を同時に変更する場合が存在しないときには、ステップS60に進む。
第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を同時に変更する場合が存在するときには、ステップS50において、調整部85は調整動作を実行する。調整動作は、例えば図5Eの状態のとき、第1光照射装置61の消灯を所定のタイミングだけ遅らせる動作である。所定のタイミングは、予め定められていてもよく、ユーザによって適宜設定されてもよい。所定のタイミングは、例えば、制御装置80が第1光照射装置61に向けて信号を送信してから、第1光照射装置61が実際に消灯するまでのタイムラグと等しくてもよい。また、所定のタイミングは、時間に限らず、距離により設定してもよい。例えば、所定のタイミングは、制御装置80が第1光照射装置61に信号を発してから、第1光照射装置61が消灯するまでの時間と、キャリッジ30が主走査方向Yに移動するときの速度と、の積により求まる距離により設定してもよい。すなわち、第1光照射装置61の消灯位置R2を上記距離の分だけ左方にずらすようにしてもよい。
ステップS60において、制御装置80は、調整されたタイミングに基づいて、インクヘッド40と第1光照射装置61と第2光照射装置62とを制御しながらパスを実行する。インクヘッド40は光硬化性インクを吐出し、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、調整されたタイミングに基づいて光を照射する。
ステップS70において、制御装置80は、受信部81が取得した印刷データに基づいて、画像の印刷が終了したか否かを判定する。画像の印刷が終了したと判定した場合には、印刷を終了する。画像の印刷が終了していないと判定した場合には、次のパスの制御を決定するために、ステップS30に戻る。
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を同時に変更する場合が存在するときに、調整部85により第1光照射装置61の消灯を所定のタイミングだけずらすことで、第1信号と第2信号との衝突を回避することができる。第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動不良を回避することができるので、印刷物の品質の低下を防ぐことができる。
本実施形態によると、プリンタ10は、インクヘッド40の左側に第1光照射装置61を有し、インクヘッド40の右側に第2光照射装置62を有している。インクヘッド40が光硬化性インクを吐出した後、第1光照射装置61および第2光照射装置62から光硬化性インクに光を照射することで、吐出された光硬化性インクが硬化される。インクヘッド40が左方に移動しながら光硬化性インクを吐出するときに、右側の第2光照射装置62によって光硬化性インクを直ちに硬化させることができる。また、インクヘッド40が右方に移動しながら光硬化性インクを吐出するときに、左側の第1光照射装置61によって光硬化性インクを直ちに硬化させることができる。プリンタ10は、往路と復路のいずれでも、光硬化性インクを直ちに硬化させることができる。また、インクヘッド40が左方に移動するときまたは右方に移動するときに、第1光照射装置61および第2光照射装置62の両方から光を照射することにより、光硬化性インクに対する照射量を大きくすることができる。このことにより、プリンタ10は、効率的に印刷を実行することができる。
本実施形態によると、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、点灯位置R1に到達したときに点灯し、消灯位置R2に到達したときに消灯する。ここで、第1光照射装置61および第2光照射装置62から照射された光が記録媒体11に反射すると、インクヘッド40に反射光が照射されてしまう。これにより、ノズル41、42に付着している光硬化性インクが硬化し、ノズル41,42の目詰まりが発生するおそれがある。よって、第1光照射装置61および第2光照射装置62が光を照射する時間は、可能な限り短いことが望ましい。点灯位置R1および消灯位置R2を、光の照射が必要な範囲の両端として設定しておくことで、第1光照射装置61および第2光照射装置62の点灯時間が短くなる。このことにより、ノズル41、42に付着している光硬化性インクの硬化を抑制することができる。
インクの硬化が不十分であると、印刷物の品質が低下する。光の照射が必要な範囲においては、第1光照射装置61および第2光照射装置62を点灯させる必要がある。点灯が遅れると、第1光照射装置61および第2光照射装置62は、必要な範囲に必要な量の照射を行うことができない。一方、消灯が多少遅れたとしても、必要な範囲に必要な量の照射を行うことが可能である。本実施形態によれば、調整部85は、第1光照射装置61が消灯するタイミングと第2光照射装置62が点灯するタイミングとが一致すると判定した場合、第1光照射装置61を消灯させるタイミングを所定の時間遅らせる。そのため、照射が必要な領域への照射量を減少させることなく、信号の衝突を回避することができ、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動不良を防止することができる。したがって、印刷物の品質低下を回避することができる。
本実施形態によると、調整部85は、第1光照射装置61の消灯位置を所定の距離ずらすことにより、第1光照射装置61の消灯タイミングを遅らせる。所定の距離は、制御装置80が第1光照射装置61に消灯を指示する信号を発してから第1光照射装置61が消灯するまでの時間と、キャリッジ30が主走査方向Yを移動するときの移動速度と、の積により定められる。本実施形態によれば、第1光照射装置61の消灯の遅れを最小限に留めることができる。調整動作によるノズル41、42の目詰まりの発生を最小限にすることができる。
以上、本発明の好適な一実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
本実施形態のプリンタ10は、第1光照射装置61と第2光照射装置62とがインクヘッド40の左右に1つずつ配置されているが、これに限定されない。例えば、インクヘッド40の左右何れかに2つの光照射装置が配置されていてもよい。また、光照射装置の数は2つに限定されない。プリンタ10は、3つ以上の光照射装置を備えていてもよい。
本実施形態のプリンタ10は、第1光照射装置61の消灯タイミングと第2光照射装置62の点灯タイミングとが一致する場合に、第1光照射装置の消灯タイミングを遅らせていたが、これに限定されない。図7に示すように、第1光照射装置61の消灯タイミングと第2光照射装置62の点灯タイミングとが一致する場合に、第2光照射装置62の点灯タイミングを早めるようにしてもよい。この場合でも信号の衝突を回避することができ、前記実施形態と同様の効果を得ることができる。このとき、調整部85が調整する所定のタイミングを、制御装置80が第2光照射装置62に点灯を指示する信号を発してから第2光照射装置62が点灯するまでの時間と、キャリッジ30が主走査方向Yを移動するときの移動速度との積とすることで、第2光照射装置62の点灯位置のずれ量が最小距離となる。点灯位置のずれ量を最小とすることで、第2光照射装置62が点灯している時間を短くすることができ、調整動作によるノズル41、42の目詰まりの発生を最小限にすることができる。
本実施形態のプリンタ10は、第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態を変更させるタイミングを、主走査方向Yの座標にて決定していたが、これに限定されない。例えば、パスを開始してからの経過時間に基づいて、作動状態を変更させるタイミングを決定することもできる。また、このとき調整部85は、例えば、制御装置80が第1光照射装置61および第2光照射装置62に信号を発してから第1光照射装置61および第2光照射装置62が消灯もしくは点灯するまでの時間の分だけタイミングをずらすことで、信号の衝突が発生しない範囲で最小の時間だけずらすことができる。調整部85によりずらす時間を最小とすることで、第1光照射装置61および第2光照射装置62の点灯している時間が短くなり、調整動作によるノズルの目詰まり発生を、最小限にすることができる。
本実施形態のプリンタ10の第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態は、点灯および消灯の2通りとなっているが、これに限定されない。第1光照射装置61および第2光照射装置62の作動状態は、例えば、図8に示すように、第1光照射装置61および第2光照射装置62の光の照射量であってもよい。図8(a)、(b)は、横軸がパス開始時からの時間[ms]、縦軸が光照射装置の照射する光の照射量[%]を表すグラフであり、制御装置80による制御の一例である。図8(a)は、第1光照射装置61における、時間と光の照射量との関係を、図8(b)は、第2光照射装置62における、時間と光の照射量との関係を表している。時間t[ms]において、第1光照射装置61の照射量をL1[%]からL2[%]まで小さくする必要があるとする。また、時間t[ms]において、第2光照射装置62の照射量をL2[%]からL1[%]まで大きくする必要があるとする。このとき、第1光照射装置61および2光照射装置62は、同時に照射量を変更することとなる。よって、調整部85は、図8(a)に示すように、第1光照射装置61の照射量を変更する時間をΔtだけずらす動作を実行する。このことにより、伝送路60において、信号の衝突は発生しない。なお、第1光照射装置61および第2光照射装置62の光の照射量を変更する場合、例えば、図3に示す光照射装置61a~61dごとに光の照射量を変更してもよい。
なお、第1光照射装置61および第2光照射装置62が、同時に点灯もしくは照射量を大きくする場合、または、第1光照射装置61および第2光照射装置62が同時に消灯もしくは照射量を小さくする場合も想定される。第1光照射装置61および第2光照射装置62が、同時に点灯もしくは照射量を大きくする場合は、第1光照射装置61および第2光照射装置62の何れか一方の点灯もしくは照射量を大きくするタイミングを早くする調整動作を実行することで、照射が必要な領域への照射量を減らすことなく、調整を実行できる。第1光照射装置61および第2光照射装置62が、同時に消灯もしくは照射量を小さくする場合は、第1光照射装置61および第2光照射装置62の何れか一方の消灯もしくは照射量を小さくするタイミングを遅くする調整動作を実行することで、照射が必要な領域への照射量を減らすことなく調整を実行できる。
本実施形態における第1光照射装置61および第2光照射装置62は、キャリッジ30の左右にそれぞれ配置されている。しかし、第1光照射装置61および第2光照射装置62の配置はこれに限定されない。例えば、図9に示すように、キャリッジ30の右方には、複数の紫外線照射LED63を備えた第3光照射装置64が設けられている。第3光照射装置64は、前方の領域と後方の領域とに2分割されている。2分割された領域のうち、前方の領域を第1光照射装置61とし、後方の領域を第2光照射装置62としてもよい。
ここで開示される技術は、様々なタイプのプリンタに適用することができる。上述した実施形態で示したRoll-to-Rollタイプのプリンタ10の他、例えば、記録媒体を台の上に載置し、台を副走査方向Xに搬送し印刷する、所謂、フラットベッドタイプのプリンタ10にも同様に適用することができる。また、記録媒体を台の上に載置し、台に対してキャリッジ30を主走査方向Y及び副走査方向Xに移動させて印刷する、所謂、ガントリータイプのプリンタ10にも同様に適用することができる。
10 プリンタ
11 記録媒体
12 プラテン
20 キャリッジ移動機構
40 インクヘッド
60 伝送路
61 第1光照射装置
62 第2光照射装置
80 制御装置
82 第1取得部
83 第2取得部
84 照射制御部
85 調整部

Claims (12)

  1. 記録媒体が載置されるプラテンと、
    前記プラテンに載置された前記記録媒体に、光硬化性インクを吐出するインクヘッドと、
    前記プラテンに載置された前記記録媒体に対して前記インクヘッドを相対的に主走査方向に往復移動させる移動機構と、
    前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクに向けて光を照射する第1光照射装置および第2光照射装置と、
    前記インクヘッドと前記第1光照射装置と前記第2光照射装置とを制御する制御装置と、
    前記制御装置と一点で接続し、かつ、前記制御装置と前記第1光照射装置と前記第2光照射装置とを直列または並列に接続する伝送路と、を備え、
    前記制御装置は、
    前記第1光照射装置および前記第2光照射装置の作動状態を変更する照射制御部と、
    前記第1光照射装置の作動状態を変更するタイミングである第1タイミングを取得する第1取得部と、
    前記第2光照射装置の作動状態を変更するタイミングである第2タイミングを取得する第2取得部と、
    前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致するか否かを判定し、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第1タイミングおよび前記第2タイミングの何れか一方を他方に対してずらす調整部と、を有するインクジェットプリンタ。
  2. 前記第1光照射装置の作動状態の変更は、前記第1光照射装置を点灯させること、または、消灯させることであり、
    前記第2光照射装置の作動状態の変更は、前記第2光照射装置を点灯させること、または、消灯させることである、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記第1タイミングは、前記第1光照射装置を消灯させるタイミングであり、
    前記第2タイミングは、前記第2光照射装置を点灯させるタイミングであり、
    前記調整部は、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第1タイミングを所定の時間遅らせる、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記第1タイミングは、前記第1光照射装置を消灯させるタイミングであり、
    前記第2タイミングは、前記第2光照射装置を点灯させるタイミングであり、
    前記調整部は、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第2タイミングを所定の時間早める、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記第1光照射装置は、前記インクヘッドに対し、前記主走査方向の一方側に配置され、
    前記第2光照射装置は、前記インクヘッドに対し、前記主走査方向の他方側に配置され、
    前記移動機構は、前記プラテンに載置された前記記録媒体に対して前記インクヘッドと前記第1光照射装置と前記第2光照射装置とを相対的に主走査方向に往復移動させる、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記制御装置は、前記第1光照射装置および前記第2光照射装置が前記主走査方向の一方に移動するときに、前記第1光照射装置が所定の消灯位置に到達したときに前記第1光照射装置を消灯させ、前記第2光照射装置が所定の点灯位置に到達したときに前記第2光照射装置を点灯させるように構成され、
    前記調整部は、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第1光照射装置の前記消灯位置を前記主走査方向の一方側に所定の距離ずらすことにより、前記第1タイミングを遅らせる、請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記制御装置は、前記第1光照射装置および前記第2光照射装置が前記主走査方向の一方に移動するときに、前記第1光照射装置が所定の消灯位置に到達したときに前記第1光照射装置を消灯させ、前記第2光照射装置が所定の点灯位置に到達したときに前記第2光照射装置を点灯させるように構成され、
    前記調整部は、前記第1タイミングと前記第2タイミングとが一致すると判定した場合に、前記第2光照射装置の前記点灯位置を前記主走査方向の他方側にずらすことにより、前記第2タイミングを早める、請求項5に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記所定の時間は、前記制御装置が前記第1光照射装置を消灯させるための信号を発してから前記第1光照射装置が消灯するまでの時間である、請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記所定の時間は、前記制御装置が前記第2光照射装置を点灯させるための信号を発してから前記第2光照射装置が点灯するまでの時間である、請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記所定の距離は、前記制御装置が前記第1光照射装置を消灯させるための信号を発してから前記第1光照射装置が消灯するまでの時間と、前記第1光照射装置が前記主走査方向に移動するときの移動速度との積である、請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 前記所定の距離は、前記制御装置が前記第2光照射装置を点灯させるための信号を発してから前記第2光照射装置が点灯するまでの時間と、前記第2光照射装置が前記主走査方向に移動するときの移動速度との積である、請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 前記第1光照射装置の作動状態の変更は、前記第1光照射装置の照射量を大きくすること、または、小さくすることであり、
    前記第2光照射装置の作動状態の変更は、前記第2光照射装置の照射量を大きくすること、または、小さくすることである、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
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