JP2024002199A - 物流倉庫の制御装置、及び物流倉庫の制御方法 - Google Patents

物流倉庫の制御装置、及び物流倉庫の制御方法 Download PDF

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三幸 越村
Miyuki Koshimura
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幸和 小出
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Abstract

【課題】物品を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することができる物流倉庫の制御装置、及び物流倉庫の制御方法を提供する。【解決手段】経路演算部は、列のうちの一方の端部における第1の端部物品(端部物品150EAまたは端部物品150EB)を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品150を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理を行う。これにより、経路演算部は、第1の端部物品以外のグループGについては一つの物品とみなしつつも、第1の端部物品についてはグループGの物品とは異なる動作を許容した、第2の候補経路情報を演算することができる。そして、経路演算部は、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用することで、より搬送効率の良い搬送経路情報を演算できる。【選択図】図32

Description

本発明は、物流倉庫の制御装置、及び物流倉庫の制御方法に関する。
従来、物品を保管する物流倉庫として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この物流倉庫は、搬送レーンから物品を搬入して、自動倉庫へ保管する。また、この物流倉庫は、自動倉庫に保管された物品を所定のタイミングで搬送して出庫する。
特開2018-81008号公報
ここで、自動倉庫には多数の物品が保管される。そのため、制御装置が、物品を入庫するとき、及び物品を出庫するときには、効率のよい搬送経路を演算する必要がある。しかしながら、このような搬送経路の演算は、演算の負荷が膨大になるという問題がある。また、演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することが求められる。
従って、本発明は、物品を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することができる物流倉庫の制御装置、及び物流倉庫の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る物流倉庫の制御装置は、物品を保管する自動倉庫と、並べられた複数の物品を入庫する入庫レーンと、入庫レーンと自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御装置であって、物品が入庫レーン、搬送機、及び自動倉庫の順で移動するとき、物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算部と、を有し、移動初期状態において、複数の物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、経路演算部は、列の中の複数の物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、を行い、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用する。
物流倉庫の制御装置において、物品情報取得部は、物品が入庫レーン、搬送機、及び自動倉庫の順で移動するとき、物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する。また、経路演算部は、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する。この場合、経路演算部は、物品の移動初期状態と、物品完了状態との間において、どのような搬送経路にて移動するべきかを演算することができる。このとき、経路演算部は、制約条件に基づく基準論理式を満たすように演算することで、搬送経路において制約される動作などを、基準論理式を演算することで容易に排除することができる。その結果、経路演算部は、少ない演算の負荷にて、適切な搬送経路を演算することができる。更に、経路演算部は、列の中の複数の物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理を行う。これにより、経路演算部は、連続して並ぶ複数の物品を一つの第1の統合物品として扱うことで、少ないフェーズで物品を物品完了状態とすることができる第1の候補経路情報を演算することができる。しかし、連続して並ぶ複数の物品のうち、列の端部の端部物品については、列の中の他の物品とは異なる動作を許容したほうが、搬送機の動作が少ない経路を作成することができる場合がある。従って、経路演算部は、列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理を行う。これにより、経路演算部は、第1の端部物品以外のグループについては一つの物品とみなしつつも、第1の端部物品についてはグループの物品とは異なる動作を許容した、第2の候補経路情報を演算することができる。そして、経路演算部は、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用することで、より搬送効率の良い搬送経路情報を演算できる。以上より、物品を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することができる。
列は連続する三つ以上の物品を含み、経路演算部は、第2の処理において、列のうちの他方の端部における第2の端部物品を分離し、第1の端部物品及び第2の端部物品以外の列の中の物品を含むグループを一つの物品とみなして第2の候補経路情報を演算してよい。これにより、経路演算部は、列の両端の端部物品の動作の制約を無くした状態で第2の候補経路情報を演算することができる。
列は連続する三つ以上の物品を含み、グループは、第1の端部物品以外の列の中の物品を全部まとめた一つの第2の統合物品で構成されてよい。この場合、経路演算部は、一方の端部の第1の端部物品のみの動作の制約を無くし、それ以外の物品は全てまとめた状態で、第2の候補経路情報を演算することができる。
列は連続する二つの物品で構成され、グループは、第1の端部物品以外の一つの物品で構成されてよい。この場合、経路演算部は、列が二つの物品で構成される場合は、両者をまとめた第1の候補経路情報と、両者を分けた第2の候補経路情報とを演算することができる。
本発明の一態様に係る物流倉庫の制御方法は、物品を保管する自動倉庫と、並べられた複数の物品を入庫する入庫レーンと、入庫レーンと自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御方法であって、物品が入庫レーン、搬送機、及び自動倉庫の順で移動するとき、物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得ステップと、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算ステップと、を有し、移動初期状態において、複数の物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、経路演算ステップでは、列の中の複数の物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、が行われ、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方が搬送経路情報として採用される。
この物流倉庫の制御方法によれば、上述の制御装置と同様な作用・効果を得ることができる。
本発明によれば、物品を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することができる。
本発明の実施形態に係る制御装置を備える物流倉庫を示す概略側面図である。 本発明の実施形態に係る物流倉庫の構成を示す概略構成図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 本実施形態に係る制御装置のブロック構成図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 (a)はフェーズと移動方向の関係を示す図であり、(b)は物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 (a)は論理式の具体的な内容を例示する図であり、(b)(c)は物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 物流倉庫をモデル化した図である。 論理式の具体的な内容を例示する図である。 制御装置の処理内容を示すフローチャートである。 (a)は、第1の処理における物品の分け方であるパターンA1を示す図であり、(b)は、第2の処理における物品の分け方であるパターンA2を示す図である。 (a)は、第1の処理における物品の分け方であるパターンB1を示す図であり、(b)(c)(d)は、第2の処理における物品の分け方であるパターンB2,B3,B4を示す図である。 連続した三つの物品が移動初期状態にある様子をモデル化した図である。 第1の候補経路情報の一例をモデル化した図である。 第1の候補経路情報の一例をモデル化した図である。 第2の候補経路情報の一例をモデル化した図である。 第2の候補経路情報の一例をモデル化した図である。 経路演算部の処理内容を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る制御装置を備える物流倉庫1を示す概略側面図である。図1に示すように、物流倉庫1は、複数の物品150を入庫して保管し、保管された各物品150のうち、出庫すべきものを出庫可能なシステムである。物流倉庫1は、自動倉庫100と、出庫エレベータ104(搬送機)と、入庫エレベータ105(搬送機)と、出庫レーン121(搬送レーン)と、入庫レーン21(搬送レーン)と、を備える。自動倉庫100は、物品150を保管する倉庫である。自動倉庫100は、倉庫本体部101と、出庫渡り通路102と、入庫渡り通路103と、を備える。倉庫本体部101は、複数段の棚110を有している。棚110は、倉庫本体部101の一方側の端部から他方側の端部へ延在している。棚110では、移載装置111にて、入庫経路から出庫経路への物品の移載動作が行われる。入庫渡り通路103は、倉庫本体部101の一方側の端部に設けられ、各段の棚110に対して物品150を入庫する機構である。出庫渡り通路102は、倉庫本体部101の他方側の端部に設けられ、各段の棚110から物品150を出庫する機構である。入庫エレベータ105は、入庫レーン21から入庫される物品150を上下させて、所望の棚110に対応する段の入庫渡り通路103へ物品150を供給する。出庫エレベータ104は、出庫対象となる物品150を棚110及び出庫渡り通路102から受け取り、図示しない出庫口へ昇降させる。出庫エレベータ104から出庫された物品150は、出庫レーン121へ搬出される。
図2は、本発明の実施形態に係る制御装置10を備える物流倉庫1の構成を示す概略構成図である。以降の説明においては、入庫エレベータ105、及び出庫エレベータ104を単に「搬送機22」と称する場合がある。図2は、物流倉庫1のうち、入庫側の構成を示す。なお、物流倉庫1の出庫側は、物品150の流れが自動倉庫100、搬送機22(出庫エレベータ104)、出庫レーン121で流れていく点以外は入庫側と同様な構成を有するため、説明を省略する。図2に示すように、物流倉庫1は、物品150を搬送する搬送系2と、搬送系2を制御する制御装置10と、を備える。搬送系2は、入庫レーン21と、搬送機22と、自動倉庫100のコンベア23と、を備える。このうち、搬送機22は、前述の入庫エレベータ105を構成する機器である。入庫レーン21は、物品150を水平に搬送して搬送機22へ受け渡す装置である。入庫レーン21は、搬送機22の所定の段に対して設けられている。コンベア23は、自動倉庫100の各階において、搬送機22から物品を受け取って水平に搬送する装置である。コンベア23は、入庫渡り通路103の各階(ここでは四階)に設けられる。
搬送機22は、水平方向移動手段(例えばコンベア)と、上下移動手段と、を備え、物品150を上下方向及び水平方向に移動させる装置である。入庫される物品150のそれぞれには、搬送先である目的階が紐づけされている。これにより、搬送機22は、各物品150を入庫渡り通路103における目的階へ移動させる。なお、図では、「n階」を目的地とした物品150に対して、「n」の数字が付されている。以降の図においても同様である。また、以降の説明では、n階を目的地とした物品150を「n階への物品」と称する場合がある。
搬送機22は、隣り合う複数の搬送箱22aを交互に昇降しつつ、物品150を水平方向(横方向)に移動させることで垂直搬送を行う垂直搬送機である。搬送機22は、交互動作式の昇降装置であり、入庫レーン21側の搬送棚22Aと、コンベア23側の搬送棚22Bと、を有している。搬送棚22A、22Bは、それぞれ「自動倉庫の階数+一階」分の段数の収容可能エリアCEを有している。そして、「自動倉庫の階数」分の段数(ここでは四段)で連続した搬送箱22aを有している。連続した搬送箱22aは、同時に上下移動する。連続した搬送箱22aが下側へ移動すると、下から順に一段目から四段目の収容可能エリアCEに各搬送箱22aが配置される。連続した搬送箱22aが上側へ移動すると、下から順に二段目から五段目の収容可能エリアCEに各搬送箱22aが配置される。なお、以降の説明において、単に段数について述べた場合、特に注意が無い限り、下からカウントした段数を示すものとする。また、搬送棚22Aの搬送箱22aと搬送棚22Bの搬送箱22aは、交互に上下移動する。すなわち、搬送棚22Aの搬送箱22aが上側へ移動すると、搬送棚22Bの搬送箱22aが下側へ移動する。これにより、搬送棚22A中の物品150を一段上昇させることができる(動作M1参照)。また、搬送棚22Aの搬送箱22aが下側へ移動すると、搬送棚22Bの搬送箱22aが上側へ移動する。これにより、搬送棚22B中の物品150を一段上昇させることができる。また、同じ段数において、搬送棚22Aの搬送箱22aと搬送棚22Bの搬送箱22aとの間にて、物品150を水平方向に移動させることができ、相互に物品150の受け渡しと受け取りを行うことができる(動作M2参照)。また、搬送棚22Bの搬送箱22aから目的の階数のコンベア23へ物品150を受け渡すことができる(動作M3参照)。
本実施形態では、下から二段目の収容可能エリアCEに対して入庫レーン21が設けられ、下から一段目~四段目の収容可能エリアCEに対して四つのコンベア23が設けられる。なお、図2において収容可能エリアCEの中で「S1」「S2」と示された箇所は、搬送棚22A,22Bが昇降動作をするために設けられたスペースである。ただし、収容可能エリアCE、入庫レーン21、及びコンベア23との位置関係は特に限定されるものではなく、物流倉庫1の構成に応じて、適宜設定されてよい。なお、本実施形態では、入庫レーン21が接続される自動倉庫100の階層に2つ以上連続で物品150を搬送するときになるため、入口階と目的階は同じになる。
以降の説明においては、物流倉庫1を図3のようにモデル化して示す場合がある。搬送機22の搬送箱22aが一つの四角形で示されている。なお、各物品150は、干渉物がないかぎり、水平方向に同時動作が可能である。垂直動作としては、搬送機22の搬送棚の垂直動作中は、搬送機22内の物品150は動作不可である。搬送機22の垂直動作中は、入庫レーン21及びコンベア23は水平動作可能である。なお、以降の説明においては、搬送棚22Aを「右側(R)の搬送棚」と称し、搬送棚22Bを「左側(L)の搬送棚」と称する場合がある。図3(a)のように左側の搬送棚22Bが上がっている状態を「左側搬送棚上昇状態」と称し、図3(b)のように右側の搬送棚22Aが上がっている状態を「右側搬送棚上昇状態」と称する場合がある。また、搬送棚22A,22Bの各搬送箱22aには、下から順に「0,1,2,3」という識別番号が付されている。図においては、当該識別番号は、搬送箱22aの中に円で囲まれた数字にて示されている。
次に、図4を参照して、制御装置10のブロック構成について説明する。図4は、本実施形態に係る制御装置10のブロック構成図である。制御装置10は、搬送系2を制御するユニットである。制御装置10は、物流倉庫1を統括的に管理するECU[ElectronicControl Unit]を備えている。ECUは、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]のほか、CAN[Controller Area Network]などの通信回路等を有する電子制御ユニットである。ECUでは、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。制御装置10は、動作制御部11、物品情報取得部12と、経路演算部13と、を備える。
動作制御部11は、経路演算部13で演算した搬送経路に基づいて、各物品150が搬送されるように、物流倉庫1の搬送動作を制御するユニットである。動作制御部11は、搬送系2に制御信号を送信することによって搬送動作を制御する。動作制御部11は、搬送系2の入庫レーン21、搬送機22、及びコンベア23の各駆動部へ制御信号を送信することで、各駆動部を動作させる。
物品情報取得部12は、物品150が入庫レーン21、搬送機22、及び自動倉庫100の順で移動するとき、または自動倉庫100、搬送機22、及び出庫レーン121の順で移動するとき、物品150の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する。移動初期状態とは、図5(a)に示すように、搬送対象となる物品150が入庫レーン21に存在している状態である。また、移動完了状態とは、図5(b)に示すように、搬送対象となる物品150が自動倉庫100全て搬送された状態である。物品情報は、入庫時における、入庫レーン21に存在する物品150の目的地の階数、各階数に対する物品150の個数、及び入庫順序などの情報を含む。また、物品情報は、自動倉庫100からどの階数から何個の物品150を出庫するかなどの情報、及びそれらの出庫順序などの情報を含む。
経路演算部13は、物品状態情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算するユニットである。経路演算部13は、搬送系2における、各物品150の搬送経路を探索する。ここで、図5(a)に示す移動初期状態と移動完了状態との間では、搬送系2は、各物品150の水平移動、及び垂直移動を同時に行い、各動作を組み合わせることによって、各物品150の目的地まで搬送する。このとき、制御装置10は、複数の物品を搬送系2における動作的制限下において、互いの物品150が干渉しないように、且つ、速やかに仕分けできるように、物品150を移動させる。この際、経路演算部13は、各物品150が搬送系2内にてどのような経路を通って、目的地まで到達するかを演算する。経路演算部13は、所定個数の物品150を搬送系2の各部位を探索ノードとして、最短経路探索手法などを用いて各物品150の経路を探索する。
ここで、経路演算部13は、制約条件を充足可能性判定問題(SAT問題:Satisfiability Problem)として定義する。SAT問題は、命題変数を含む理論式に対し、その理論式を真にするような命題変数への値の割り当てが存在するかを決定する問題である。SAT問題は、決定問題を解くこと、すなわち制約を満たす解があるか否かを求めることである。例えば、「搬送機22の搬送棚22A,22Bの上下動五回以下で全ての物品150が目的階に到着できるか?」という問題に対して、「はい。具体的なスケジュールは~です。」という回答が出される。基準論理式は物品150の移動に関する移動制約、物品の初期状態に関する初期制約、及び物品150の目的地への到達に関する到着制約を含む。
また、経路演算部13は、取得される複数の搬送経路情報を、充足性最大化問題(MaxSAT問題:Maximum Satisfiability Problem)として定義する。MaxSAT問題は、入力として与えられる節集合に対して、充足する節の数が最大となる変数割合を求める問題である。MaxSAT問題は、最適化問題を解くこと、すなわち制約を満たす最適解を求めることである。例えば、例えば、「全ての物品150が目的階に到着する最短時間は?」という問題に対して、「10秒です。具体的なスケジュールは~です。」という回答が出される。経路演算部13は、全てのハード節を満たし、かつ、充足するソフト節の重みの和が最大になる解、及び、全てのハード節を満たし、かつ、充足されないソフト節の重みの和が最小になる解の少なくとも一方を演算する。ハード節とは、必ず満たさなければならない節である。ソフト節とは、できるだけ満たして欲しい節であって、その度合いが重み(正の整数)で表される。
[説明の準備]
まず、SAT問題、及びMaxSAT問題の制約条件について説明する前に、用語について説明する。以降は、SAT問題、及びMaxSAT問題の共通事項として説明する。「制約」は、節の集合で表現される。「節(clause)」は、リテラルの論理和であり、以下の式(1)で示される。「リテラル(literal)」は、論理変数、またはその否定であり、式(2)で示される。「変数(variable)は「True(真)」か「False(偽)」の値を取るものであり、Trueを「1」、Falseを「0」と見なす場合もある。本明細書では、節の代用として、式(3)、式(4)及び式(5)を用いるものとする。なお、式(3)は、式(6)のようにも示される。
Figure 2024002199000002

式(3)及び式(6)は、「現在の状態でaからaの全てが成り立っていれば、cからcの何れかが成り立っていなければならない。」と解釈される。式(3)及び式(6)を用いて、例えば、「物品が右側の搬送棚のXXにあるなら(それぞれのaを意味する)、次の状態では、そこに止まっているか、左側の搬送棚のYYにある(それぞれのcを意味する)。」などを示すことができる。式(4)は、「lからlのうち、Trueとなるのは、たかだか一つ」と解釈される。lからlが全てFalseの場合は、式(4)の左辺は「0」となる。すなわち、式(4)の左辺は「1」か「0」となる。式(4)を用いて、例えば「搬送棚の各搬送箱(各搬送箱がlを意味する)に入る、ある物品は、たかだか一つ。」などを示すことができる。これは、同じ搬送箱22aに同じ時刻に同じ物品150が存在してはいけないことを意味する。ある物品150が何れの搬送箱22aにも入らなければ、式(4)の左辺は「0」となる。式(5)は、「lからlのうち、Trueとなるのは、丁度一つ」と解釈される。式(5)を用いて、例えば「ある物品は、入庫レーン、搬送棚、目的階(各場所がlを意味する)の何れかに必ず存在している。」などを示すことができる。なお、以降の説明では、制約条件を説明する際に単に「入口」と称した場合、入庫レーン21を意味するものとする。また、制約条件を説明する際に単に「荷物」と称した場合、物品150を意味するものとする。
[ステップとフェーズ]
本説明では、物流倉庫1の初期状態は、図3(a)に示すように、左側の搬送棚22Bが上がって、右側の搬送棚22Aが下がっている状態であるものとする。経路演算部13は、物品150の横方向への移動を可能とする3フェーズの動作、及び搬送機22の1回の昇降動作を1ステップとして、演算を行う。経路演算部13は、「3フェーズ・1ステップ」の動作を基本動作として、当該動作を繰り返し行うものとする。図6に示すように、1フェーズ毎に、物品150が隣の位置へ水平移動(横方向への移動)し得る。なお、1フェーズで水平移動が行われる荷物の数は特に限定されず、荷物の水平移動が一つも行われなくともよい。なお、経路演算部13は、水平移動が行われないフェーズについては、後の演算で搬送経路の演算の際に時間を割り振ることなく省略すればよい。3フェーズが終了するとステップが切り替わる。ステップが切り替わるタイミングでは、搬送棚22A,22Bの「左側搬送棚上昇状態(図3(a)参照)」と「右側搬送棚上昇状態(図3(b)参照)」との間の切り替えが行われる。なお、このような繰り返しの基本動作は、本願発明者らが、搬送棚22A,22Bの切替動作が連続で発生しても物品150の移動は進行しないものであるのに対し、物品150の水平移動は、連続で行われても物品150の移動は進行する点を見出したことによるものである。また、本願発明者らは、水平移動も4回以上連続で行っても、(例外を除き)物品150の移動は進行しないため、1ステップの中のフェーズ数として適切な数である3を採用した。なお、フェーズ数が3である理由は、搬送棚22A,22Bの中の垂直移動が行われない間(1ステップの間)の水平移動としては、右移動は最大1回、左移動は(例外を除き)最大2回であるため、その合計値3とした。
ステップとフェーズを示すための変数について説明する。以下に示される(7)は「i番目の荷物が、ステップtのフェーズpに入口に並んでいる」ことを示す変数である。(8)は「i番目の荷物が、ステップtのフェーズpには目的階にある」ことを示す変数である。(9)は「i番目の荷物が、ステップtのフェーズpに左側の搬送棚の搬送箱jにある」ことを示す変数である。なお、搬送箱22aを識別する「j」は、図3において円の中に示された識別番号である。(10)は「i番目の荷物が、ステップtのフェーズpに右側の搬送棚の搬送箱jにある」ことを示す変数である。「ステップtのフェーズp」を時刻を示す「(t,p)」と略して、以降の説明で用いる場合がある。なお、添数は「0オリジン」である。また、開始時は「ステップ0、フェーズ0」である。従って、(t,p)は「(0,0)→(0,1)→(0,2)→(1,0)→(1,1)→…」のように遷移する。なお、ステップtの切り替わりのタイミングにて、搬送棚22A,22Bの切替動作が行われる。ステップtが偶数であれば「左側搬送棚上昇状態(図3(a)参照)」にあり、ステップtが奇数であれば「右側搬送棚上昇状態(図3(b)参照)」にあることが示される。(t,p)の遷移を表現するために、(11)に示す変数を採用する。(11)は、(t,p)の次のステップ及びフェーズを返す変数である。具体的に、(11)の変数は、図7(a)に示す内容を示す。
Figure 2024002199000003

[入口制約]
入口(すなわち入庫レーン21)に関する制約条件について説明する。基準論理式は、初期状態に関する初期制約として、入口制約を示す式(12)及び式(13)の論理式を含む。式(12)は、「荷物iが(t,p)に入口に並んでいれば、それ以前にも並んでいる」と解釈される。式(13)は、「荷物iが(t,p)に入口に並んでいれば、荷物i+1も並んでいる」と解釈される。式(12)の具体的な内容を図7(b)に示す。式(13)の具体的な内容を図7(c)に示す。なお、「M」は、搬送棚22A,22Bの上下動の最大値を意味する。以降の説明においても、「M」の意味は同様である。
Figure 2024002199000004

[目的階制約]
自動倉庫100の目的階に関する制約条件について説明する。基準論理式は、物品の目的階(目的地)への到着に関する到着制約として、目的階制約を示す式(14)の論理式を含む。式(14)は、「荷物iが(t,p)に目的階に到着していれば、それ以降もそのまま」と解釈される。式(14)の具体的な内容を図8(a)に示す。
Figure 2024002199000005

[搬送棚の搬送箱制約]
搬送棚22A,22Bの搬送箱22aに関する制約条件について説明する。基準論理式は、物品の移動に関する移動制約として、搬送箱制約を示す式(15)及び式(16)の論理式を含む。式(15)は、「(t,p)において、左側の搬送棚の搬送箱jには二つ以上の荷物が入ることはない」と解釈される。式(16)は、「右側の搬送棚の搬送箱jには二つ以上の荷物が入ることはない」と解釈される。なお、「N」は荷物の個数を意味する。以降の論理式においても同様である。式(17)は(t,p)が取り得る値の範囲を示す。
Figure 2024002199000006

[荷物の存在制約]
荷物が搬送系2の中の何れかに存在していることに関する制約条件について説明する。基準論理式は、移動制約として、荷物が移動している過程における荷物の存在についての存在制約を示す式(18)の論理式を含む。式(18)は、「(t,p)において、荷物iは、入口に並んでいる、搬送棚の中にある、目的階に到達している、の何れかである」と解釈される。式(19)は(t,p)が取り得る値の範囲を示す。
Figure 2024002199000007

[補助関数(搬送箱の位置)]
搬送棚22A,22Bの搬送箱22aの関係を示す補助関数を設定する。以下に示される(20)は、「右側の搬送棚の搬送箱jから移動可能な左側の搬送棚の搬送箱」を示す補助関数である。以下に示される(21)は、「左側の搬送棚の搬送箱jから移動可能な右側の搬送棚の搬送箱」を示す補助関数である。以下に示される(22)は、「ステップtで入口階に止まっている左側の搬送棚の搬送箱」を示す補助関数である。以下に示される(23)は、「ステップtで入口階に止まっている右側の搬送棚の搬送箱」を示す補助関数である。
Figure 2024002199000008

補助関数(20)の具体的な内容を図9(a)に示す。補助関数(21)の具体的な内容を図9(b)に示す。補助関数(22)の具体的な内容を図9(c)に示す。補助関数(23)の具体的な内容を図9(d)に示す。ステップtが偶数であれば「左側搬送棚上昇状態(図3(a)参照)」にある。従って、右側の搬送棚22Aの搬送箱20aと、左側の搬送棚22Bの搬送箱22aとの関係は、図3(a)に示される。また、入口階である2階に止まっている搬送棚22A,22Bの搬送箱22aについては、図3(a)に示されるように、右側の搬送棚22Aが「識別番号1」で、左側の搬送棚22Bが「識別番号0」である。ステップtが奇数であれば「右側搬送棚上昇状態(図3(b)参照)」にある。従って、右側の搬送棚22Aの搬送箱20aと、左側の搬送棚22Bの搬送箱22aとの関係は、図3(b)に示される。また、入口階である2階に止まっている搬送棚22A,22Bの搬送箱22aについては、図3(b)に示されるように、右側の搬送棚22Aが「識別番号0」で、左側の搬送棚22Bが「識別番号1」である。
[移動制約(入口)]
荷物が入口に並んでいる場合の荷物の移動に関する制約条件について説明する。基準論理式は、移動制約として、入口側の荷物の移動制約を示す式(24)の論理式を含む。式(24)は、「荷物iが(t,p)に入口に並んでいれば、次のフェーズnext(t,p)では右側の搬送棚にいるか、そのまま入口に並んでいる」と解釈される。式(24)の具体的な内容を図8(b)に示す。
Figure 2024002199000009

[移動制約(搬送棚)]
荷物が搬送棚22A,22Bにある場合の荷物の移動に関する制約条件について説明する。ここで、搬送棚22A,22Bの移動制約の基本条件について説明する。3フェーズのうち、最初の2フェーズは左移動が行われ、最後のフェーズは右移動が行われる条件を設定する。具体的なフェーズと移動方向の関係を図10(a)に示す。このような条件を設定することで、図10(b)に示すように、各荷物A,Bが水平移動をしているときに、搬送棚22Bの荷物Aと搬送棚22Aの荷物Bとが、次のフェーズで一気に入れ替わるような動作を排除することが可能となる。基準論理式は、移動制約として、右側の搬送棚22Aの移動できない搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(25)及び式(26)の論理式を含む。式(25)は、「荷物iが、tが偶数である(t,p)に右側の搬送棚の搬送箱「0」にあるとき、次のフェーズnext(t,p)では、同じ搬送箱「0」にある」と解釈される。式(26)は、「荷物iが、tが奇数である(t,p)に右側の搬送棚の搬送箱「3」にあるとき、次のフェーズnext(t,p)では、同じ搬送箱「3」にある」と解釈される。式(25)及び式(26)の具体的な内容を図11(a)に示す。tが偶数の場合、右側の搬送棚22Aの「識別番号0」の一番下の搬送箱22aは、他の搬送箱22a、自動倉庫100、入庫レーン21とも隣接しない(図11(b)参照)。tが奇数の場合、右側の搬送棚22Aの「識別番号3」の一番上の搬送箱22aは、他の搬送箱22a、自動倉庫100、入庫レーン21とも隣接しない(図11(c)参照)。従って、それらの「識別番号1,3」の搬送箱22aに配置された荷物は、次のフェーズではいずれの場所にも移動することができず、その場に留まる。
Figure 2024002199000010

基準論理式は、移動制約として、右側の搬送棚22Aの入口階以外の左移動可能とする搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(27)及び式(28)の論理式を含む。式(27)は、「右側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、左側へ移動する、または同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(28)は、「右側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,1)から(t,2)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(27)及び式(28)の具体的な内容を図12(a)に示す。tが偶数の場合、図12(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号2,3」の搬送箱22aが、入口階である2階以外の左移動できる搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図12(c)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1,2」の搬送箱22aが、入口階である2階以外の左移動できる搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000011

基準論理式は、移動制約として、右側の搬送棚22Aの入口階で止まっている搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(29)、式(30)、及び式(31)の論理式を含む。式(29)は、「右側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、左側へ移動する、または同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(30)は、「右側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,1)から(t,2)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、直前もそこにいたら、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(31)は、「右側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,1)から(t,2)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、直前はそこにいなかったら、左側へ移動する、または同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。tが偶数の場合、図13(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1」の搬送箱22aが、入口階である2階に止まってる搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図12(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0」の搬送箱22aが、入口階である2階に止まっている搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000012

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの移動できない搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(32)の論理式を含む。式(32)は、「荷物iが、tが偶数である(t,p)に左側の搬送棚の搬送箱「3」にあるとき、次のフェーズnext(t,p)では、同じ搬送箱「3」にある」と解釈される。式(32)の具体的な内容を図14(a)に示す。tが偶数の場合、左側の搬送棚22Bの「識別番号3」の一番上の搬送箱22aは、他の搬送箱22a、自動倉庫100、入庫レーン21とも隣接しない(図14(b)参照)。従って、「識別番号3」の搬送箱22aに配置された荷物は、次のフェーズではいずれの場所にも移動することができず、その場に留まる。なお、tが奇数の場合、左側の搬送棚22Bには、移動出来ない搬送箱22aは存在しない(図14(c)参照)。
Figure 2024002199000013

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの目的階の搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(33)、式(34)、及び式(35)の論理式を含む。式(33)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、左側へ移動する、または同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(34)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,1)から(t,2)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、直前もそこにいたら、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(35)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,1)から(t,2)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、直前はそこにいなかったら、左側へ移動する、または同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。tが偶数の場合、図15(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが、目標階に止まってる搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図15(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2,3」の搬送箱22aが、目標階に止まっている搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000014

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの目的階ではない階で止まっている搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(36)の論理式を含む。式(36)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、または(t,1)から(t,2)に遷移するとき、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(36)の具体的な内容を図16(a)に示す。tが偶数の場合、図16(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが、目的階ではない階に止まってる搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図16(c)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2,3」の搬送箱22aが、目的階ではない階に止まっている搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000015

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの目的階ではない階であって、右側への移動が不可能な階に止まっている搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(37)の論理式を含む。式(37)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(37)の具体的な内容を図17(a)に示す。tが偶数の場合、図17(b)に示すように、左側の搬送棚22Bには、目的階ではなく、右側への移動が不可能な階は存在しない。tが奇数の場合、図17(c)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0」の搬送箱22aが、目的階ではなく、右側への移動が不可能な搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000016

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの目的階ではない階であって、右側への移動が可能であって、入口階ではない階に止まっている搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(38)及び式(39)の論理式を含む。式(38)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、フェーズ0にそこに居なかったら、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(39)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、フェーズ0にそこに居たら、右側へ移動するか、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(38)及び式(39)の具体的な内容を図18(a)に示す。tが偶数の場合、図18(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号1,2」の搬送箱22aが、目的階ではなく、右側への移動が可能で、入口階ではない搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図18(c)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号2,3」の搬送箱22aが、目的階ではなく、右側への移動が可能で、入口階ではない搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000017

ここで、以下に示す(40)は、「右側の搬送棚の入口階の搬送箱jに荷物が入っている(p=2)」ことを示す補助変数である。当該補助変数を用いて、ド・モルガンの法則に基づいて、右側の搬送棚22Aの入口階の2階である搬送箱22aに荷物が入っていることは、式(41)及び式(42)で示される。tが偶数の場合、図19(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1」の搬送箱22aが、入口階の搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図19(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0」の搬送箱22aが、入口階の搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000018

基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚22Bの目的階ではない階であって、右側への移動が可能であって、入口階に止まっている搬送箱に配置された荷物の移動制約を示す式(43)、式(44)、及び式(45)の論理式を含む。式(43)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、フェーズ0にそこに居なかったら、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(44)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、フェーズ0にそこに居たら、右隣の搬送箱が空なら、右側へ移動するか、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。式(45)は、「左側の搬送棚の搬送箱jにある荷物iは、(t,2)から(t+1,0)に遷移するとき、フェーズ0にそこに居たら、右隣の搬送箱に何かあれば、同じ搬送箱jに留まる」と解釈される。tが偶数の場合、図20(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0」の搬送箱22aが、目的階ではなく、右側への移動が可能で、入口階に止まっている搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図20(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号1」の搬送箱22aが、目的階ではなく、右側への移動が可能で、入口階に止まっている搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000019

[初期制約と到着制約]
初期制約について説明する。以下に示される(46)は、「最初に全ての荷物は入口に並んでいる」ことを示すため、Trueとなる。到着制約について説明する。以下に示される(47)は、「M回の搬送棚の上下動の後、全ての荷物は目的階に到着していなければならない」ことを示すため、Trueとなる。
Figure 2024002199000020

[二階行きの荷物が連続している場合]
入口階と目的階が同じ荷物が連続して搬送機22を通過する場合、搬送機22を素通りするために、(例えば荷物が2個の場合)4フェーズ必要である。例えば、図21(a)に示すように、手前側の荷物は3フェーズの水平移動で目的階である2階に到着できるが、後側の荷物は4フェーズの水平移動を行わなくては目的階に到着できない。このように、3フェーズ1ステップでは、このような素通りがスケジューリングされない。従って、経路演算部13は、連続した複数の荷物を一つの荷物とみなす。図21(b)に示すように、経路演算部13は、二つの荷物を「150B」で示すような一つの荷物とみなす。この場合、「150B」は、3フェーズの水平移動で目的階に到着できる。なお、まとめる荷物の数は特に限定されず、三つ以上の荷物をまとめてもよい。
[移動制約(入口)]
基準論理式は、移動制約として、入口での移動制約を示す式(48)、式(49)、及び式(50)の論理式を含む。式(48)は、「入口の荷物iはフェーズ0の時にのみ右側の搬送棚に移動できる」と解釈される。式(49)は、「入口の荷物iはフェーズ1の時、そのまま入口に止まる」と解釈される。式(50)は、「入口の荷物iはフェーズ2の時、そのまま入口に止まる」と解釈される。
Figure 2024002199000021

[移動制約(右側の搬送棚)]
基準論理式は、移動制約として、右側の搬送棚の入口階の搬送箱での移動制約を示す式(51)及び式(52)の論理式を含む。式(51)は、「右側の搬送棚の入口階の搬送箱の荷物iは、tが偶数で(t,1)から(t,2)に遷移するときは、必ず左側の搬送棚へ移動する」と解釈される。式(51)は、「右側の搬送棚の入口階の搬送箱の荷物iは、tが奇数で(t,1)から(t,2)に遷移するときは、必ず左側の搬送棚へ移動する」と解釈される。なお、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、または(t,2)から(t+1,0)に遷移するときは「制約なし」となる。tが偶数の場合、図19(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1」の搬送箱22aが、入口階の搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図19(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0」の搬送箱22aが、入口階の搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000022

[移動制約(左側の搬送棚)]
基準論理式は、移動制約として、左側の搬送棚の目的階及び入口階の搬送箱での移動制約を示す式(53)及び式(54)の論理式を含む。式(53)は、「左側の搬送棚の目的階及び入口階の搬送箱の荷物iは、tが偶数で(t,2)から(t+1,0)に遷移するときは、必ず左側へ移動する」と解釈される。式(54)は、「左側の搬送棚の目的階及び入口階の搬送箱の荷物iは、tが奇数で(t,2)から(t+1,0)に遷移するときは、必ず左側へ移動する」と解釈される。なお、(t,0)から(t,1)に遷移するとき、または(t,1)から(t,2)に遷移するときは「制約なし」となる。図20(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0」の搬送箱22aが、目的階及び入口階に止まっている搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図20(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号1」の搬送箱22aが、目的階及び入口階に止まっている搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000023

[SATでできる最適解探索]
次に、SAT独自の最適解探索について説明する。「S」を「Mが与えられた時に得られる制約(節)の集合」とする。Sが「解あり」の場合、「搬送棚の上下動M回以内で、全ての荷物が目的階に到達可能」と解釈できる。Sが「解なし」の場合、「搬送棚の上下動M回以内では、全ての荷物が目的階に到達することはない」と解釈できる。例えば、「S,S,…Sm-1」が「解なし」であり、「S,…」が「解あり」の場合、「m」が最適値となる。
[MaxSAT]
次に、MaxSAT独自の内容について説明する。MaxSATの説明のため、(55)(56)の変数を準備する。以下に示される(55)は「ステップtのフェーズ0には全ての荷物が目的階に到着している」ことを示す変数である。以下に示される(56)は「(t,0)→(t,1)→(t,2)→(t+1,0)に遷移する間に、荷物が水平移動をk+1回行った」ことを示す変数である。なお、経路演算部13がMaxSAT問題を演算するときは、SAT問題として演算した上述の制約条件についても同様に演算するものとする。
Figure 2024002199000024

[ソフト節と関連するハード節]
ソフト節と関連するハード節について説明する。まず、上述の(55)の変数について説明する。(55)は、搬送棚22A,22Bの上下動のコストを示しており、「重み:1」を設定できる。この変数に関して、式(57)に示す論理式が成り立つ。「N」は、荷物の個数を意味する。以降の説明においても、「N」の意味は同様である。式(57)は、「ステップtのフェーズ0には全ての荷物が目的階に到着している」と解釈される。式(57)の具体的な内容を図22(a)に示す。
Figure 2024002199000025

上述の(56)の変数について説明する。この変数は、(58)に示すように否定形の形で用いられる。(58)は、荷物の水平移動のコストを示しており、「重み:1」を設定できる。式(59)は、「(t,0)→(t,1)→(t,2)→(t+1,0)に遷移する間に、荷物の水平移動が行われていない」と解釈される。
Figure 2024002199000026

入口からの水平移動に関し、式(60)が成り立つ。式(60)は、「荷物iが(t,0)に入口に並んでおり、次のステップ(t+1,0)で右側の搬送棚にあれば、水平移動コストが1かかる」と解釈される。式(60)の具体例を図22(b)に示す。tが偶数の場合、図19(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1」の搬送箱22aが、入口から荷物が移動してくる搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図19(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0」の搬送箱22aが、入口から荷物が移動してくる搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000027

入口からの水平移動に関し、式(61)が成り立つ。式(61)は、「荷物iが(t,0)に入口に並んでおり、次のステップ(t+1,0)で左側の搬送棚にあれば、水平移動コストが2かかる」と解釈される。式(61)の具体例を図23(a)に示す。tが偶数の場合、図20(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0」の搬送箱22aが、入口から荷物が移動する搬送箱22aに該当する。tが奇数の場合、図20(b)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号1」の搬送箱22aが、入口から荷物が移動する搬送箱22aに該当する。
Figure 2024002199000028

入口からの水平移動に関し、式(62)が成り立つ。式(62)は、「荷物iが(t,0)に入口に並んでおり、次のステップ(t+1,0)で目的階に到着しているなら、水平移動コストが3かかる。」と解釈される。式(62)の具体例を図23(b)に示す。
Figure 2024002199000029

入口からの水平移動に関し、式(63)が成り立つ。式(63)は、「荷物iが(t,0)に右側の搬送棚にあり、次のステップ(t+1,0)で左側の搬送棚にあれば、水平移動コストが1かかる」と解釈される。式(63)の具体例を図24(a)に示す。tが偶数の場合、図25(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1,2,3」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aであり、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが移動先の搬送箱22aである。tが奇数の場合、図25(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aであり、左側の搬送棚22Bの「識別番号1,2,3」の搬送箱22aが移動先の搬送箱22aである。
Figure 2024002199000030

入口からの水平移動に関し、式(64)が成り立つ。式(64)は、「荷物iが(t,0)に右側の搬送棚にあり、次のステップ(t+1,0)で目的階に到着していれば、水平移動コストが2かかる」と解釈される。式(64)の具体例を図24(b)に示す。tが偶数の場合、図26(a)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号1,2,3」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。tが奇数の場合、図26(b)に示すように、右側の搬送棚22Aの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。
Figure 2024002199000031

入口からの水平移動に関し、式(65)が成り立つ。式(65)は、「荷物iが(t,0)に左側の搬送棚にあり、次のステップ(t+1,0)で右側の搬送棚にあれば、水平移動コストが1かかる」と解釈される。式(65)の具体例を図27(a)に示す。tが偶数の場合、図28(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。tが奇数の場合、図28(b)に示すように、左側の搬送棚22Aの「識別番号1,2,3」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。
Figure 2024002199000032

入口からの水平移動に関し、式(66)が成り立つ。式(66)は、「荷物iが(t,0)に左側の搬送棚にあり、次のステップ(t+1,0)で目的階に到着していれば、水平移動コストが1かかる」と解釈される。式(66)の具体例を図29に示す。tが偶数の場合、図28(a)に示すように、左側の搬送棚22Bの「識別番号0,1,2」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。tが奇数の場合、図28(b)に示すように、左側の搬送棚22Aの「識別番号1,2,3」の搬送箱22aが移動元の搬送箱22aである。
Figure 2024002199000033

複数の荷物が連続して入口から2階の目的階へ行く(前述の図21に示す状況)場合の水平移動に関し、(67)の変数を準備する。この変数については、「重み:s-1」と設定される。なお、sは荷物の連続個数である。また、式(68)及び式(60)が成り立つ。「荷物i」は、複数の連続荷物をまとめたまとめ荷物である。式(68)及び式(69)は、「2階行き連続荷物s個の水平移動コストはS+2」と解釈される。式(68)は「重み:s-1」に設定され、式(69)は「重み:3」に設定される。
Figure 2024002199000034

次に、図30を参照して、制御装置10による制御方法を示す処理内容の一例について説明する。図30に示すように、物品情報取得部12は、物品150が入庫レーン21、搬送機22、及び自動倉庫100の順で移動するとき、または自動倉庫100、搬送機22、及び出庫レーン121の順で移動するとき、物品150の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する(ステップS10)。次に、経路演算部13は、ステップS10で取得した物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する(ステップS20)。
このとき、経路演算部13は、M回以下の搬送棚22A、22Bの上下動でスケジューリングできるかをSAT問題として演算する。経路演算部13は、基準論理式が物品150の移動に関する移動制約、物品150の初期状態に関する初期制約、及び物品150の目的地への到達に関する到着制約を含むように演算する。すなわち、経路演算部13は、基本制約(入口、目的階、リフトの箱、荷物の存在)と、移動制約(入口→搬送棚→目的階への移動)に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する。更に、経路演算部13は、取得される複数の搬送経路情報を、MaxSAT問題として演算する。経路演算部13は、全てのハード節を満たし、かつ、充足するソフト節の重みの和が最大になる解、及び、全てのハード節を満たし、かつ、充足されないソフト節の重みの和が最小になる解の少なくとも一方を演算する。経路演算部13は、上述のSAT問題として演算した制約条件に加えて、ソフト節(搬送棚22A,22Bの上下動、物品150の水平移動のコスト)を演算する。
動作制御部11は、ステップS20で演算された搬送経路情報に基づいて、物品150の搬送動作を制御する(ステップS30)。以上により、図30に示す制御処理が終了する。
次に、上述のような物流倉庫1の制御装置10、制御方法の作用・効果について説明する。
物流倉庫1の制御装置10において、物品情報取得部12は、物品150が入庫レーン21、搬送機22、及び自動倉庫100の順で移動するとき、または自動倉庫100、搬送機22、及び出庫レーン121の順で移動するとき、物品150の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する。また、経路演算部13は、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する。この場合、経路演算部13は、物品150の移動初期状態と、物品完了状態との間において、どのような搬送経路にて移動するべきかを演算することができる。このとき、経路演算部13は、制約条件に基づく基準論理式を満たすように演算することで、搬送経路において制約される動作などを、基準論理式を演算することで容易に排除することができる。その結果、経路演算部13は、少ない演算の負荷にて、適切な搬送経路を演算することができる。以上より、物品150を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減することができる。
経路演算部13は、制約条件を充足可能性判定問題として定義し、基準論理式は物品150の移動に関する移動制約、物品150の初期状態に関する初期制約、及び物品150の目的地への到達に関する到着制約を含んでよい。
搬送機22は、隣り合う搬送棚22Aの搬送箱22a、搬送棚22Bの搬送箱22aを交互に昇降しつつ、物品150を横方向に移動させることで垂直搬送を行う垂直搬送機であり、経路演算部13は、物品150の横方向への移動を可能とする3フェーズの動作、及び搬送機22の1回の昇降動作を1ステップとして、演算を行ってよい。このように、垂直搬送機の構造上、横方向の移動が3回程度連続することで、効率よく移動することが可能となる場合は存在するが、昇降動作を連続させても物品の移動は生じない。従って、経路演算部13は、横方向への移動を3フェーズという適切な数のフェーズにするのに対し、昇降動作を1ステップとすることで、効率のよい搬送経路の演算を行い易くなる。
経路演算部13は、取得される複数の搬送経路情報を、充足性最大化問題として定義し、全てのハード節を満たし、かつ、充足するソフト節の重みの和が最大になる解、及び、全てのハード節を満たし、かつ、充足されないソフト節の重みの和が最小になる解の少なくとも一方を演算してよい。この場合、経路演算部13は、ハード節を満たすことで、必要な制約条件をクリアできる搬送経路の中で、ソフト節の重みに基づいて最も効率よく物品を移動できるものを採用することが可能となる。
入庫レーン21、出庫レーン121の階数と自動倉庫100における目標位置の階数が同じ物品が連続して搬送機22を通過する場合、経路演算部13は、連続した複数の物品150を一つの物品とみなしてよい(図21参照)。例えば、物品150の横方向の連続移動の回数に制約がかかっていた場合、連続する複数の物品150のうち、後側の物品150がそのまま目的位置に到達できない可能性がある。これに対し、経路演算部13が、連続した複数の物品150を一つの物品とみなすことで、後側の物品150もそのまま目的位置へ到達させることができる。
物流倉庫1の制御方法は、物品150が入庫レーン21、搬送機22、及び自動倉庫100の順で移動するとき、または自動倉庫100、搬送機22、及び出庫レーン121の順で移動するとき、物品150の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得ステップS10と、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算ステップS20と、搬送経路情報に基づいて、物品150の搬送動作を制御する搬送制御ステップS30と、を有する。
この物流倉庫1の制御方法によれば、上述の制御装置10と同様な作用・効果を得ることができる。
次に、上述のように、制約条件に基づく基準論理式を満たすように搬送経路情報を演算することで演算の負荷を低減しつつも、搬送効率をより向上することができる処理内容について、図32~38を参照して説明する。
図21を参照して説明したように、入庫レーン21が接続される自動倉庫100の階層(ここでは2階)に対し、連続する二つ以上の物品150を入口階と同一階の目的階へ搬送するとき、複数の物品150を一つの物品とみなす点について言及した。この場合、一つの物品とみなされた物品150の列が搬送機22を通過しているときは、搬送棚22A,22Bの縦移動は許容されない。しかしながら、連続する物品150を搬送するときも、途中で搬送棚22A,22Bの縦移動を許容したほうが搬送効率が良くなる場合もある。従って、経路演算部13は、連続する物品150のまとめ方を複数のパターンに分けて演算を行う。また、経路演算部13は、連続する物品150の個数に応じてパターンを分けて演算を行う。なお、図31には、連続した二つの物品150の列が示されている。これらの二つの物品150は、図21(a)に示す移動初期状態にあるものとする。図32には、連続した三つ以上の物品150の例が示されている。これらの三つ以上の物品150(例えば三つ)は、図33に示す移動初期状態にあるものとする。
具体的に、移動初期状態において、複数の物品150が連続して並ぶことで列をなしている場合、経路演算部13は、第1の処理と第2の処理を行う。第1の処理は、列の中の複数の物品150を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する処理である。第2の処理は、列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する処理である。また、経路演算部13は、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用する。
図31を参照して、列が連続する二つの物品150で構成される場合について説明する。図31(a)は、第1の処理における物品150の分け方であるパターンA1を示す図である。図31(b)は、第2の処理における物品150の分け方であるパターンA2を示す図である。二つの物品150の場合、搬送方向の上流側の物品150が端部物品150EAに該当し、下流側の物品150が端部物品150EBに該当する。図31(a)に示すように、第1の処理において、経路演算部13は、二つの物品150を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品150UNAとみなす(パターンA1)。図31(b)に示すように、第2の処理において、経路演算部13は、列のうちの上流側の端部における端部物品150EAを分離し、端部物品150EA以外の列の中の物品150を含むグループGを一つの物品と150とみなす(パターンA2)。ここでは、グループGは、端部物品150EA以外の一つの物品150である、下流側の端部物品150Bで構成される。
列が連続する二つの物品150で構成される場合、経路演算部13は、「第1の統合物品150UNA」という一つの物品に対して第1の候補経路情報を演算し、「端部物品150EA」「端部物品150EB」という二つの物品に対して第2の候補経路を演算する。
なお、当該説明では、上流側の端部における端部物品150EAが請求項における「第1の端部物品」に該当し、下流側の端部における端部物品150EBが請求項における「グループ」を構成する一つの物品に該当する。ただし、下流側の端部における端部物品150EBが請求項における「第1の端部物品」に該当し、上流側の端部における端部物品150EAが請求項における「グループ」を構成する一つの物品に該当してもよい。
図32を参照して、列が連続する三つ以上の物品150で構成される場合について説明する。図32(a)は、第1の処理における物品150の分け方であるパターンB1を示す図である。図32(b)(c)(d)は、第2の処理における物品150の分け方であるパターンB2,B3,B4を示す図である。二つの物品150の場合、搬送方向の最も上流側に位置する物品150が端部物品150EAに該当し、最も下流側に位置する物品150が端部物品150EBに該当する。図32(a)に示すように、第1の処理において、経路演算部13は、三つ以上の物品150を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品150UNAとみなす(パターンA1)。
図32(b)を参照してパターンB2について説明する。第2の処理において、経路演算部13は、列のうちの上流側の端部における端部物品150EAを分離する。経路演算部13は、列のうちの下流側の端部における端部物品150EBを分離する。経路演算部13は、端部物品150EA及び端部物品150EB以外の列の中の物品150を含むグループGを一つの物品とみなす。なお、列が連続する四つ以上の物品150で構成される場合、グループGは、端部物品150EA,150EB以外の複数の物品150を統合した一つの第3の統合物品150UNCで構成される。列が連続する三つの物品150で構成される場合、グループGは、端部物品150EA,150EB以外の一つの物品150で構成される。
なお、当該説明では、上流側の端部における端部物品150EAが請求項における「第1の端部物品」に該当し、下流側の端部における端部物品150EBが請求項における「第2の端部物品」に該当する。ただし、下流側の端部における端部物品150EBが請求項における「第1の端部物品」に該当し、上流側の端部における端部物品150EAが請求項における「第2の端部物品」に該当してもよい。
図32(c)を参照してパターンB3について説明する。第2の処理において、経路演算部13は、列のうちの上流側の端部における端部物品150EAを分離する。経路演算部13は、端部物品150EA以外の列の中の物品150を含むグループGを一つの物品とみなす。グループGは、端部物品150EA以外の複数の物品150を統合した一つの第2の統合物品150UNBで構成される。ここでの第2の統合物品150UNBは、下流側の端部の端部物品150EBを含む。
図32(d)を参照してパターンB4について説明する。第2の処理において、経路演算部13は、列のうちの下流側の端部における端部物品150EBを分離する。経路演算部13は、端部物品150EB以外の列の中の物品150を含むグループGを一つの物品とみなす。グループGは、端部物品150EB以外の複数の物品150を統合した一つの第2の統合物品150UNBで構成される。ここでの第2の統合物品150UNBは、上流側の端部の端部物品150EAを含む。
列が連続する三つ以上の物品150で構成される場合、経路演算部13は、「第1の統合物品150UNA」という一つの物品に対して第1の候補経路情報を演算する。また、経路演算部13は、「端部物品150EA」「グループG(第3の統合物品150UNC)」「端部物品150EB」という三つの物品に対して第2の候補経路を演算する。経路演算部13は、「端部物品150EA」「グループG(第2の統合物品150UNB)」という二つの物品に対して第2の候補経路を演算する。経路演算部13は、「グループG(第2の統合物品150UNB)」「端部物品150EB」という二つの物品に対して第2の候補経路を演算する。このように、経路演算部13は、三つの第2の候補経路を演算することができる。ただし、経路演算部13は、第2の処理においては、パターンB2,B3,B4の中の少なくとも一つのパターンを採用すればよく、一部パターンを省略してもよい。
次に、図33~図38を参照して、経路演算部13の処理内容の一例について説明する。図33は、連続した三つの物品150が移動初期状態にある様子をモデル化した図である。図34及び図35は、第1の候補経路情報の一例をモデル化した図である。図36及び図37は、第2の候補経路情報の一例をモデル化した図である。図38は、経路演算部13の処理内容を示すフローチャートである。図38は、図30のステップS20の中において、所定のタイミングで実行される。
図38に示すように、まず、経路演算部13は、取得した物品情報に基づいて、入庫レーン21の中に、2階へ向かう物品150であって、連続した物品150があるか否かを判定する(ステップS110)。ステップS110において連続した物品150がないと判定された場合、経路演算部13は、2階へ向かう物品150が連続していない一つの物品150であるとして、搬送経路を演算する(ステップS120)。ステップS120の搬送経路の演算が完了したら、図38に示す処理が終了する。
ステップS110において連続した物品150があると判定された場合、経路演算部13は、当該連続する物品150は三つ以上であるか否かを判定する(ステップS130)。ステップS130においてNOと判定された場合は、連続する物品150が二つであることを意味する。従って、経路演算部13は、図31に示すように、連続した二つの物品150をパターンA1、及びパターンA2に分ける(ステップS140)。ステップS130においてYESと判定された場合は、経路演算部13は、図32に示すように、連続した三つ以上の物品150をパターンB1~B4に分ける(ステップS150)。図33に示す例では、2階へ向かう物品150が三つ連続している。従って、ステップS110,S130においてYESと判定される。
次に、経路演算部13は、第1の候補経路情報を演算する第1の処理及び第2の候補経路情報を演算する第2の処理を行う(ステップS160)。例えば、経路演算部13は、第1の候補経路情報として、図34及び図35に示す候補経路情報を作成する。三つの物品150を統合した第1の統合物品150UNAは、図33に示す移動初期状態の位置から、横移動によって、自動倉庫100の二階に入庫される(図34(a)(b)参照)。このとき、搬送棚22A,22Bの縦移動は規制されるため、4階へ向かう物品150は、搬送棚22Aに留まる(図34(a)(b)参照)。第1の統合物品150UNAの全ての物品150が入庫されたら、搬送機22は、搬送棚22A,22Bによる縦移動と横移動を組み合わせて4階へ向かう物品150を自動倉庫100の4階へ入庫する(図34(c)、図35(a)(b)(c))。このように、2階へ向かう物品150が二つ入庫された図34(a)に示す状態の後、図34(b)(c)及び図35(a)(b)(c)の五つの動作にて、全ての物品150の入庫が完了する。
例えば、経路演算部13は、第2の候補経路情報として、図36及び図37に示す候補経路情報を作成する。ここでは、二つ物品150を統合した第2の統合物品150UNBと、端部物品150EBに分けられている。経路演算部13は、図33に示す移動初期状態の位置から、第2の統合物品150UNBを横移動によって、自動倉庫100の二階に入庫する(図36(a))。このとき、端部物品150EBは搬送棚22Bに残っているが、第2の統合物品150UNBとは別物品であるため、搬送棚22A,22Bの縦移動が許容される。従って、搬送棚22A,22Bが縦移動する(図36(b)参照)。その後、搬送棚22A,22Bによる縦移動と横移動を組み合わせて、2階へ向かう端部物品150EBを2階へ入庫し、4階へ向かう物品150を自動倉庫100の4階へ入庫する(図36(c)、図37(a)(b))。このように、2階へ向かう物品150が二つ入庫された図36(a)に示す状態の後、図36(b)(c)及び図37(a)(b)の四つの動作にて、全ての物品150の入庫が完了する。
次に、経路演算部13は、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用する(ステップS170)。図33~図37に示す例では、第1の候補経路情報よりも、第2の候補経路情報の方が少ない動作にて全ての物品150を入庫できている。従って、経路演算部13は、第2の候補経路情報の方が搬送効率がよく、評価が高いため、第2の候補経路情報を採用する。以上により、図38に示す処理が終了する。
次に、本実施形態に係る物流倉庫1の制御装置10、制御方法の作用・効果について説明する。
経路演算部13は、列の中の複数の物品150を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品150UNAとみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理を行う。これにより、経路演算部13は、連続して並ぶ複数の物品150を一つの第1の統合物品150UNAとして扱うことで、少ないフェーズで物品150を物品完了状態とすることができる第1の候補経路情報を演算することができる。しかし、連続して並ぶ複数の物品150のうち、列の端部の端部物品については、列の中の他の物品150とは異なる動作を許容したほうが、搬送機22の動作が少ない経路を作成することができる場合がある。従って、経路演算部13は、列のうちの一方の端部における第1の端部物品(端部物品150EAまたは端部物品150EB)を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品150を含むグループを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理を行う。これにより、経路演算部13は、第1の端部物品以外のグループGについては一つの物品とみなしつつも、第1の端部物品についてはグループGの物品とは異なる動作を許容した、第2の候補経路情報を演算することができる。そして、経路演算部13は、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を搬送経路情報として採用することで、より搬送効率の良い搬送経路情報を演算できる。以上より、物品150を搬送するための搬送経路を演算する際の演算の負荷を低減しつつも、搬送効率のよい搬送経路を演算することができる。
列は連続する三つ以上の物品を含み、経路演算部13は、第2の処理において、列のうちの他方の端部における第2の端部物品(端部物品150EAまたは端部物品150EB)を分離し、第1の端部物品及び第2の端部物品以外の列の中の物品150を含むグループGを一つの物品とみなして第2の候補経路情報を演算してよい。これにより、経路演算部13は、列の両端の端部物品150EA,150EBの動作の制約を無くした状態で第2の候補経路情報を演算することができる。
列は連続する三つ以上の物品を含み、グループGは、第1の端部物品以外の列の中の物品150を全部まとめた一つの第2の統合物品UNBで構成されてよい。この場合、経路演算部13は、一方の端部の第1の端部物品のみの動作の制約を無くし、それ以外の物品150は全てまとめた状態で、第2の候補経路情報を演算することができる。
列は連続する二つの物品で構成され、グループGは、第1の端部物品以外の一つの物品150で構成されてよい。この場合、経路演算部13は、列が二つの物品150で構成される場合は、両者をまとめた第1の候補経路情報と、両者を分けた第2の候補経路情報とを演算することができる。
本実施形態の一態様に係る物流倉庫1の制御方法は、物品150が入庫レーン21、搬送機22、及び自動倉庫100の順で移動するとき、物品150の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得ステップS10と、物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算ステップS20と、を有する。移動初期状態において、複数の物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、経路演算ステップS20では、列の中の複数の物品150を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品150UNAとみなして搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、第1の端部物品以外の列の中の物品を含むグループGを一つの物品とみなして搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、が行われ、第1の候補経路情報及び第2の候補経路情報のうち、評価が高い方が搬送経路情報として採用される。
この物流倉庫1の制御方法によれば、上述の制御装置10と同様な作用・効果を得ることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
上述のSAT問題、及びMaxSATの各種制約条件は、あくまでも一例であって、適宜変更可能である。また、自動倉庫100の階数、搬送機22、入庫レーン21、出庫レーン121の階数なども適宜変更可能であり、それに応じて制約条件を変更してもよい。
例えば、物流倉庫は、図1に示すものに限定されない。例えば、一対の入庫レーン21、出庫レーン121に対して、並列な複数の自動倉庫が設けられてもよい。また、搬送機は、図2に示すような交互に上下動するような一対の収容棚を有する垂直搬送機のタイプのものでなくてよい。例えば、ロータリー式の搬送機(収容棚が一段ずつ一定方向に周回移動するとともに、収容棚が周回移動しない際には、物品が収容棚間で移動可能な搬送機)を採用してよい。その他、エスカレータ式、トラクション式の搬送機が採用されてもよい。この場合、制御装置は、搬送機に態様する制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算すればよい。
[形態1]
物品を保管する自動倉庫と、
並べられた複数の前記物品を入庫する入庫レーンと、
前記入庫レーンと前記自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御装置であって、
前記物品が前記入庫レーン、前記搬送機、及び前記自動倉庫の順で移動するとき、前記物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、
前記物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算部と、を有し、
前記移動初期状態において、複数の前記物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、前記経路演算部は、
前記列の中の複数の前記物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして前記搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、
前記列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、を行い、
前記第1の候補経路情報及び前記第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を前記搬送経路情報として採用する、物流倉庫の制御装置。
[形態2]
前記列は連続する三つ以上の前記物品を含み、
前記経路演算部は、前記第2の処理において、前記列のうちの他方の端部における第2の端部物品を分離し、前記第1の端部物品及び前記第2の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記第2の候補経路情報を演算する、形態1に記載の物流倉庫の制御装置。
[形態3]
前記列は連続する三つ以上の前記物品を含み、
前記グループは、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を全部まとめた一つの第2の統合物品で構成される、形態1又は2に記載の物流倉庫の制御装置。
[形態4]
前記列は連続する二つの前記物品で構成され、
前記グループは、前記第1の端部物品以外の一つの前記物品で構成される、形態1~3の何れか一項に記載の物流倉庫の制御装置。
[形態5]
物品を保管する自動倉庫と、
並べられた複数の前記物品を入庫する入庫レーンと、
前記入庫レーンと前記自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御方法であって、
前記物品が前記入庫レーン、前記搬送機、及び前記自動倉庫の順で移動するとき、前記物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得ステップと、
前記物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算ステップと、を有し、
前記移動初期状態において、複数の前記物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、前記経路演算ステップでは、
前記列の中の複数の前記物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして前記搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、
前記列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、が行われ、
前記第1の候補経路情報及び前記第2の候補経路情報のうち、評価が高い方が前記搬送経路情報として採用される、物流倉庫の制御方法。
1…物流倉庫、10…制御装置、12…物品情報取得部、13…経路演算部、21…入庫レーン(搬送レーン)、22…搬送機、100…自動倉庫、121…出庫レーン(搬送レーン)、150…物品。

Claims (5)

  1. 物品を保管する自動倉庫と、
    並べられた複数の前記物品を入庫する入庫レーンと、
    前記入庫レーンと前記自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御装置であって、
    前記物品が前記入庫レーン、前記搬送機、及び前記自動倉庫の順で移動するとき、前記物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得部と、
    前記物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算部と、を有し、
    前記移動初期状態において、複数の前記物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、前記経路演算部は、
    前記列の中の複数の前記物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして前記搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、
    前記列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、を行い、
    前記第1の候補経路情報及び前記第2の候補経路情報のうち、評価が高い方を前記搬送経路情報として採用する、物流倉庫の制御装置。
  2. 前記列は連続する三つ以上の前記物品を含み、
    前記経路演算部は、前記第2の処理において、前記列のうちの他方の端部における第2の端部物品を分離し、前記第1の端部物品及び前記第2の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記第2の候補経路情報を演算する、請求項1に記載の物流倉庫の制御装置。
  3. 前記列は連続する三つ以上の前記物品を含み、
    前記グループは、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を全部まとめた一つの第2の統合物品で構成される、請求項1に記載の物流倉庫の制御装置。
  4. 前記列は連続する二つの前記物品で構成され、
    前記グループは、前記第1の端部物品以外の一つの前記物品で構成される、請求項1に記載の物流倉庫の制御装置。
  5. 物品を保管する自動倉庫と、
    並べられた複数の前記物品を入庫する入庫レーンと、
    前記入庫レーンと前記自動倉庫との間に設けられた搬送機と、を備える物流倉庫の制御方法であって、
    前記物品が前記入庫レーン、前記搬送機、及び前記自動倉庫の順で移動するとき、前記物品の移動初期状態及び移動完了状態を示す物品情報を取得する物品情報取得ステップと、
    前記物品情報から、制約条件に基づく基準論理式を満たすように、搬送経路情報を演算する経路演算ステップと、を有し、
    前記移動初期状態において、複数の前記物品が連続して並ぶことで列をなしている場合、前記経路演算ステップでは、
    前記列の中の複数の前記物品を全部まとめることによって、一つの第1の統合物品とみなして前記搬送経路情報の第1の候補経路情報を演算する第1の処理と、
    前記列のうちの一方の端部における第1の端部物品を分離し、前記第1の端部物品以外の前記列の中の前記物品を含むグループを一つの物品とみなして前記搬送経路情報の第2の候補経路情報を演算する第2の処理と、が行われ、
    前記第1の候補経路情報及び前記第2の候補経路情報のうち、評価が高い方が前記搬送経路情報として採用される、物流倉庫の制御方法。

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