JP2024001749A - パラメータ調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲインスケジュール制御の制御パラメータを迅速かつ精度良く求めることができるパラメータ調整装置を提供する。【解決手段】パラメータ調整装置は、目標値と制御対象の出力との偏差に基づいて、スケジューリングパラメータと制御パラメータとが対応付けられたスケジューリング関数を使用して制御対象をフィードバック制御する制御器と、目標値に対する応答を示す目標応答伝達関数を有する参照モデルと、スケジューリング関数を設定する設定部と、制御対象の入出力データに基づいて、制御対象の出力と応答との差分を示す評価関数が最小となるように、制御パラメータを算出する算出部と、を備え、評価関数は、FRITを用いたゲインスケジュールPID制御のための評価関数である。【選択図】図7

Description

本開示は、パラメータ調整装置に関する。
制御対象を制御する制御方法として、例えば、PID(Proportional Integral Differential)制御等のフィードバック制御が従来から採用されている。また、フィードバック制御で用いられる制御ゲインを調整するゲインスケジュール制御が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-14031号公報
ゲインスケジュール制御においては、制御対象の状態や外部環境に応じて制御パラメータを変更する。しかし、ゲインスケジュール制御の場合には、通常、多くの数のパラメータを調整する必要があり、パラメータ調整に多大な作業時間や計算負荷が必要であった。
本開示の目的は、ゲインスケジュール制御の制御パラメータを迅速かつ精度良く求めることができるパラメータ調整装置を提供することである。
上記の目的を達成するため、本開示におけるパラメータ調整装置は、
目標値と制御対象の出力との偏差に基づいて、スケジューリングパラメータと制御パラメータとが対応付けられたスケジューリング関数を使用して前記制御対象をフィードバック制御する制御器と、
前記目標値に対する応答を示す目標応答伝達関数を有する参照モデルと、
前記スケジューリング関数を設定する設定部と、
前記制御対象の入出力データに基づいて、前記制御対象の出力と前記応答との差分を示す評価関数が最小となるように、前記制御パラメータを算出する算出部と、
を備え、
前記評価関数は、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)を用いたゲインスケジュールPID(Proportional Integral Differential)制御のための評価関数である。
本開示によれば、ゲインスケジュール制御の制御パラメータを迅速かつ精度良く求めることができる。
図1は、本開示の実施の形態に係るゲインスケジュール制御システムを説明するための模式図である。 図2は、ゲインスケジュール制御によるモデル参照制御のブロック線図である。 図3は、FRITのコンセプトを示す図ある。 図4は、速度型PID制御のブロック線図である。 図5は、閉ループ試験で与えた初期の入出力データを示す図である。 図6は、入出力データからゲインスケジュールパラメータを求めたときの時系列データを示す図である。 図7は、本開示の実施の形態に係るパラメータ調整装置の構成の一例を示す模式図ある。 図8は、本開示の実施の形態に係るパラメータ調整装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
<ゲインスケジュール制御の概要>
本開示の実施の形態に係るゲインスケジュール制御の概要について、図1を参照しながら説明する。ゲインスケジュール制御は、制御対象の状態や外部環境に応じて、制御に用いるパラメータ(制御パラメータまたは制御器パラメータといってもよい)を変更し、所望の制御性能を実現する手法である。
図1は、本開示の実施の形態に係るゲインスケジュール制御システムを説明するための模式図である。図中のxは状態量を意味し、uは制御入力(以下、入力信号ともいう)を意味し、yは出力を意味し、rは目標値を意味し、eは偏差を意味し、Pは制御対象を意味する。C(ρ)は制御器、ρは可変な制御器パラメータ、ψ(z)は有理関数ベクトル、pは計測可能なスケジューリングパラメータである。wはスケジューリング関数を構成するパラメータベクトルを意味し、f(p,w)はスケジューリング関数により構成されるゲインスケジュール制御システムの対象を意味する。
制御器は次式で記述される。
Figure 2024001749000002
ここで、
Figure 2024001749000003
ここで、wはi番目のスケジューリング関数を構成するパラメータベクトルである。式(2)より、制御器パラメータρはスケジューリング関数f(p,w)に応じてゲインが変化する。これまで検討されてきたデータ駆動制御と同様にモデル参照制御を提案する。図2にゲインスケジュール制御によるモデル参照制御のブロック線図を示す。ここで、r,u,y,yは、それぞれ目標値(参照入力)、制御入力(操作量)、参照モデル出力、制御対象出力(制御量)である。また、C(ρ)は制御器、ρは制御器パラメータ、Mは参照モデルであり目標値rから制御量yまでの目標応答伝達関数(目標相補感度関数)である。
なお、sはラプラス演算子、zはシフトオペレータを表す。目標値(Set point)rから出力yまでの伝達特性が設計者により決められた参照モデルMに一致するようなゲインスケジューラを構成する制御パラメータwを自動で調整する。すなわち、次式の評価関数を最小にするゲインスケジュールを構成する最適パラメータを得ることを目的とする。
Figure 2024001749000004
制御対象は式(4)または(5)で表現可能な非線形なSISO(single-input single-output)システムとする。
Figure 2024001749000005
Figure 2024001749000006
ここで、f()は未知な非線形関数を意味し、uは制御入力を意味し、yは出力を意味し、n,nはそれぞれ入力と出力の未知な次数を意味し、xは状態量を意味し、pはスケジューリングパラメータを意味し、A,B,C,Dは有界でpに対して連続な未知な連続関数とする。本開示では、制御対象が式(4)で表現できる場合にはy(k)に関する値、制御対象が式(6)で表現できる場合に状態量に関する値をスケジューリングパラメータの候補とする。
(標準FRIT)
FRITは、1組の制御対象の入出力データと参照モデルから閉ループ系の制御器パラメータを自動調整する手法である。図3にFRITのコンセプトを示す。FRITはモデルフリーのモデルマッチング制御系設計法であり、次式の目的関数を最小にする制御器パラメータを求める。
Figure 2024001749000007
ここで、y(t,w)は閉ループ応答を示す。式(6)は制御対象の応答を参照モデル応答に近づけることを目的とすることを表している。
次に、FRITの手順を述べる。まず、システムが安定となる制御器パラメータを用いて閉ループ実験を行い、入出力の時系列データu,yを取得する。次に、取得した初期の入出力時系列データと制御器を用いて、擬似参照信号を次式のように計算する。
Figure 2024001749000008
ここで、r(チルダ)は擬似参照信号、u,yは予め実験により計測した1組の入出力時系列データである。この擬似参照信号に基づいて、次式の目的関数を最小にすることで、最適な制御器パラメータを得る。
Figure 2024001749000009
(ゲインスケジュールPIDゲインの自動調整)
ゲインスケジュール制御ではゲインが急激に変化することにより閉ループ系を不安定にすることがある。その対策として、速度型PID制御器の採用とスケジューリング関数を多項式で記載する。
ゲインスケジュール制御に適した速度型PID制御則を採用する。速度型PID制御則は、積分項のリセットが不要なことや、急激にゲインが変化した場合にも制御入力が急激に変化しにくい利点がある。ゲインが急激に変化すると、制御入力に時間変化が生じシステムへの外乱となる。この影響が少ない速度型PID制御のブロック線図を図4に示す。制御入力の直前に積分要素が現れ時間変化を軽減できる。さらに、Kの要素のあとに積分要素を用い、差分要素のあとにKの要素を用いている。これらの順番が、それぞれ逆のときには切り替え時の入力の時間変化が大きくなるので好ましくない。図4に示した速度型PID制御は次式で表される。
Figure 2024001749000010
ここで、
Figure 2024001749000011
e(t)は制御偏差であり、目標値をr(t)とすると、e(t)=r(t)-y(t)で与えられる。K(t)、K(t)、K(t)は、それぞれ比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲインである。Δは差分演算子を表しており、z-1y(t)=y(t-1)なる後退演算子z-1を用いてΔ=1-Z-1と表される。
本開示では、式(10)におけるゲインスケジューラは多項式を用いる。ジャストインタイム(Just-In-Time)法や、データベース制御、ニューラルネットワークの使用は計算コストや、ROM領域の制限から量産コントローラに搭載するのは難しい。また、産業界、特に自動車制御では古くからLUT(ルックアップテーブル)を用いたゲインスケジューラが使用されているが、ROM容量が増えることや調整パラメータが多くなる。さらに、動作点ごとに設計したゲインをそのままLUTで表現したゲインスケジュール制御の懸念点として、PIDゲインが急激に変動し、システムが不安点になる可能性がある。ゆえに、本開示では、スケジューリング関数を式(15)に示す二次多項式で表す。これにより、保存パラメータの削減に加え、ゲインが連続的に変化するため、急激なゲイン変化が発生しにくくなる。
Figure 2024001749000012
ここで、K(p)は、PIDゲインのスケジューラ(スケジューリング関数)、pLはスケジューリングパラメータ(L=1,2)、psfはスケジューリングパラメータから構成される関数ベクトル(基底関数)、wはPIDゲインに関するそれぞれの重み係数(回帰係数)ベクトルであり、調整パラメータである。スケジューリングパラメータは、一般に、制御対象の位置や速度等の状態量や温度等の外部環境の信号が用いられる。式(11)では、スケジューリングパラメータを1つとし、スケジューリング関数を2次多項式で表されるが、これに限定されず、2次以上の多項式で表されてもよい。
ゲインスケジューリング関数の重み係数の最適値を求める評価関数を導出する。VRFT(Virtual Reference Feedback Tuning)の評価関数およびゲインスケジュールPID制御に関する式(7)、(13)-(15)より、FRITを用いたゲインスケジュールPID制御(GS-PID-FRIT)のための評価関数は次式となる。
Figure 2024001749000013
ここで、
Figure 2024001749000014
Figure 2024001749000015
ここで、
Figure 2024001749000016
(アルゴリズム)
FRITを用いたPIDゲインのスケジューリング関数の重み係数(制御器パラメータ)自動調整法のアルゴリズムを以下に示す。
ステップ1において、入出力データを計測する。
ステップ2において、参照モデルを設定する。
ステップ3において、スケジューリングパラメータの候補の決定と、PIDゲインそれぞれのスケジューリング関数を設計する。
ステップ4において、評価関数を最小にするスケジューリング関数の重み係数(制御パラメータ)を求める。
(シミュレーション検証)
2つの非線形システムを制御対象にする。1つ目のハマースタイン(Hammerstein)モデルは静的非線形写像の出力に線形動的システムを直列に結合したモデルであり、非線形システムを記述するモデルとして広く用いられている。また、データ駆動制御の検証モデルとして使われている。2つ目は、非線形な動的システムである。産業システムで多くみられるばね質量系であり、各パラメータを時変とする。
非線形システムを記述するモデルとして広く用いられるハマースタイン(Hammerstein)モデルを制御対象とする。
ここでのシステム定式化は公知技術である。制御器を含めたシミュレーションのサンプリング周期は1(sec)とし、次式に示すようなハマースタインモデルを制御対象とする。
Figure 2024001749000017
νは分散1×10-3の白色雑音とする。各時刻の目標値は以下のように設定した。
Figure 2024001749000018
参照モデルは次式を用いる。
Figure 2024001749000019
スケジューリングパラメータを次式とする。
Figure 2024001749000020
ゲインスケジューラは式(15)を用いる。
(シミュレーション結果)
開ループ試験で与えた入出力データを図5の上段および下段のそれぞれに示す。初期の固定PIDゲインは、CHR法により求めたPIDゲインは、K=0.059、K=0.058、K=0.0038である。図5の下段の横軸に時間[s]を示し、縦軸に入力データを示す。図5の上段の横軸に時間[s]を示し、縦軸に出力データを示す。目標値はランダム信号を印加し、そのときの入出力データを計測する。この入出力データからゲインスケジュールパラメータを求めたときの時系列データを図6の上下方向の複数段のそれぞれに示す。図6の下から1段目の横軸に時間[s]を示し、縦軸に微分ゲインを示す。図6の下から2段目の横軸に時間[s]を示し、縦軸に積分ゲインを示す。図6の下から3段目の横軸に時間[s]を示し、縦軸に比例ゲインを示す。図6の下から4段目の横軸に時間[s]を示し、縦軸に入力データを示す。図6の下から5段目の横軸に時間[s]を示し、縦軸に出力データを示す。図6の1段目から5段目のそれぞれに、出力,入力,比例ゲイン,積分ゲイン,微分ゲインを示す。比較のため、PIDゲインの古典的な調整法であるChien-Hrones-Reswick(CHR)法、提案法であるGSによるFRIT(GS-FRIT)を用いたときの時系列データを示す。同図より、古典的に有名なCHR法では応答が非常に遅い。一方で、GS-FRITの方はPIDゲインが制御対象の状態に応じてゲインが変化しており、目標応答に追従していることが確認できる。
(まとめ)
本開示では、非線形システムに対し、システム同定を介することなく、データ駆動ゲインスケジュールPID制御器の設計法を提案した。本手法は、スケジューリング関数に多項式を用い、スケジューリング関数の重み係数、すなわち,制御器パラメータをFRITに基づいて求めた。FRITの適用により、1組の入出力データからシステム同定をすることなく、直接的にゲインスケジュールPID制御器を設計できる。本手法の有効性を非線形システムに対してシミュレーションにより検討した。その結果、ゲインスケジューラの大量の制御パラメータを制御対象の特性を知ることなく、所望の応答を実現する制御器が得られることを確認した。これより、試行錯誤的なパラメータ調整を不要とし、非線形システムに対応可能なゲインスケジュールPID制御が実現できる。これにより、エンジンや自動変速機等の非線形性が強い産業システムへの適用を図ることができる。
<パラメータ調整装置の構成>
本実施の形態に係るパラメータ調整装置1の構成について、図7を参照しながら説明する。パラメータ調整装置1は、上述した制御システム100のスケジューリング関数の制御パラメータを調整する情報処理装置(コンピュータという場合がある)である。
図7は、パラメータ調整装置1の構成の一例を示す模式図である。図7に示すように、パラメータ調整装置1は、記憶部20と、制御部30と、を有する。
記憶部20は、コンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。また、記憶部20は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、および、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納する大容量記憶装置である。大容量記憶装置としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。記憶部20は、例えば、スケジューリング関数の制御パラメータを記憶する。
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサである。制御部30は、記憶部20に記憶されたプログラムを実行することによって、関数設定部32、データ取得部34、およびパラメータ算出部36として機能する。
関数設定部32は、スケジューリング関数を設定する。具体的には、関数設定部32は、制御パラメータとスケジューリングパラメータとを含む多項式のスケジューリング関数を設定する。そのスケジューリング関数は、例えば、上記式(11)で示される2次多項式で表されるが、これに限定されず、3次以上の多項式で表されてもよい。
関数設定部32は、設定したスケジューリング関数を示す情報を、パラメータ算出部36に出力する。
データ取得部34は、制御器102の出力である第1出力データを取得する。例えば、データ取得部34は、第1出力データとして、図2に示す入力uを取得する。
また、データ取得部34は、制御対象104の出力である第2出力データを取得する。すなわち、データ取得部34は、関数設定部32が設定したスケジューリング関数に基づいて制御される制御対象104の第2出力データを取得する。例えば、データ取得部34は、第2出力データとして、図2に示す出力yを取得する。
データ取得部34は、取得した第1出力データおよび第2出力データをパラメータ算出部36に出力する。
パラメータ算出部36は、第1出力データおよび第2出力データに基づいて、スケジューリング関数の制御パラメータを求める。パラメータ算出部36は、第1出力データおよび第2出力データに基づいて評価関数を求めることにより、制御パラメータを求める。その手順について、以下に説明する。
まず、パラメータ算出部36は、第1出力データ(入力u)および第2出力データ(出力y)に基づいて、制御器102に入力する入力信号を推定する。例えば、パラメータ算出部36は、入力信号rを推定する。
次に、パラメータ算出部36は、推定した入力信号rを参照モデル108に入力した場合の、参照モデル108の出力である第3出力データを求める。
次に、パラメータ算出部36は、求めた第3出力データと、データ取得部34が取得した第2出力データとの誤差に関する評価関数を求める。例えば、パラメータ算出部36は、上記式(12)で示す評価関数(FRITを用いたゲインスケジュールPID制御のための評価関数)を求める。
次に、パラメータ算出部36は、求めた評価関数の評価値に基づいて、スケジューリング関数の制御パラメータを求める。具体的には、パラメータ算出部36は、評価関数の評価値を最小化するように、制御パラメータを求める。これにより、目標値応答特性に優れた制御パラメータに調整できる。
上述したように、スケジューリング関数は、制御パラメータである重み係数と、スケジューリングパラメータとから成る。パラメータ算出部36は、スケジューリング関数の重み係数を、制御パラメータとして求める。
また、パラメータ算出部36は、評価関数の評価値に基づいて、制御パラメータ(すなわち、重み係数)を求める。これにより、PIDゲインを構成する重み係数は9個となる。これにより、ゲインスケジュールPID制御器を求めることができる。
なお、本実施の形態のゲインスケジュール制御の場合には、ルックアップテーブルLUTを用いたゲインスケジュール制御に比べて、以下のような利点がある。LUTを用いた場合には、調整するパラメータが大量にあり、手作業で実験を繰り返しながら調整しており、開発工数が増加する。また、求めたパラメータが最適とは限らないという問題がある。これに対して、本実施の形態の場合には、システムを同定することなく、入出力データから自動でゲインスケジュールの制御パラメータ(重み係数)を求めることで、開発工数を低減することができ、また、設定された制御パラメータが属人的でなくなり、所望の制御を実現することができる。また、本実施の形態の場合は、制御対象の状態に応じて制御パラメータ(重み係数)が適切に変化するため、良好な目標値の追従が可能となる。
<パラメータ調整の流れ>
パラメータ調整の流れについて、図8を参照しながら説明する。
図8は、パラメータ調整装置1が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。なお、制御システム100の目標値は、制御システム100の設計者によって予め設定されている。
まず、制御部30の関数設定部32は、スケジューリング関数を設定する(ステップS102)。すなわち、関数設定部32は、制御パラメータとスケジューリングパラメータとを含む多項式のスケジューリング関数を設定する。
その後、制御システム100に目標値が入力されると、データ取得部34は、制御器102の出力データを取得する(ステップS104)。また、データ取得部34は、制御対象104の出力データを取得する(ステップS106)。
次に、パラメータ算出部36は、スケジューリング関数の制御パラメータを求める(ステップS108)。例えば、パラメータ算出部36は、上記式(12)の評価関数を用いて、スケジューリング関数の制御パラメータを求める。
次に、パラメータ調整装置1は、求めた制御パラメータを反映した制御器102の性能を確認する(ステップS110)。すなわち、パラメータ調整装置1は、ステップS108で求めた制御パラメータの制御システム100に対して目標値および外乱を入力した際に、制御対象104の出力が参照応答と一致しているかを確認する。これにより、求めた制御パラメータを適用した制御器102の性能を適切に評価できる。
<本実施の形態における効果>
本実施の形態におけるパラメータ調整装置1は、目標値と制御対象の出力との偏差に基づいて、スケジューリングパラメータと制御パラメータとが対応付けられたスケジューリング関数を使用して制御対象104をフィードバック制御する制御器102と、目標値に対する応答を示す目標応答伝達関数を有する参照モデル108と、スケジューリング関数を設定する関数設定部32と、制御対象104の入出力データに基づいて、制御対象104の出力と応答との差分を示す評価関数が最小となるように、制御パラメータを算出するパラメータ算出部36と、を備え、評価関数は、FRITを用いたゲインスケジュールPID制御のための評価関数である。
備える。
上記構成により、システムを同定することなく、制御対象104の1組の入出力データを用いて、ゲインスケジュールの制御パラメータを自動で調整できるため、試行錯誤を繰り返すことなく、制御パラメータを迅速かつ精度良く求めることが可能となる。また、評価関数がFRITを用いたゲインスケジュールPID制御のための評価関数であることにより、制御対象の状態に応じてPIDゲインが適切に変化するため、目標応答に追従することが可能となる。
また、実施の形態におけるパラメータ調整装置1では、制御器102は、速度型のPID制御器である。一般的にゲインが急激に変化すると制御入力に時間変化が生じ、システムへの外乱となるが、速度型のPID制御器では、急激にゲインが変化した場合にも制御入力が急激に変化し難い利点がある。また、積分項のリセットが不要となる利点もある。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本開示のパラメータ調整装置は、フィードバック制御における制御パラメータを調整する技術全般に有用である。
1 パラメータ調整装置
32 関数設定部
34 データ取得部
36 パラメータ算出部
102 制御器
104 制御対象
106 ゲインスケジュール部
108 参照モデル

Claims (3)

  1. 目標値と制御対象の出力との偏差に基づいて、スケジューリングパラメータと制御パラメータとが対応付けられたスケジューリング関数を使用して前記制御対象をフィードバック制御する制御器と、
    前記目標値に対する応答を示す目標応答伝達関数を有する参照モデルと、
    前記スケジューリング関数を設定する設定部と、
    前記制御対象の入出力データに基づいて、前記制御対象の出力と前記応答との差分を示す評価関数が最小となるように、前記制御パラメータを算出する算出部と、
    を備え、
    前記評価関数は、FRIT(Fictitious Reference Iterative Tuning)を用いたゲインスケジュールPID(Proportional Integral Differential)制御のための評価関数である、
    パラメータ調整装置。
  2. 前記算出部は、前記スケジューリング関数の重み係数である制御パラメータを算出する、
    請求項1に記載のパラメータ調整装置。
  3. 前記制御器は、速度型のPID制御器である、
    請求項1または2に記載のパラメータ調整装置。
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