JP2024000822A - 精鉱バーナー - Google Patents
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Abstract
【課題】 製錬原料を精鉱シュートの下端開口部から周方向に均一に分散した状態で導入できる精鉱バーナーを提供する。【解決手段】 製錬原料を放出する略円筒形状の精鉱シュート11と、精鉱シュート11の内側に同芯軸状に設けられた略円管状の酸素燃料バーナー12と、精鉱シュート11の上端部の側壁の同じ高さ位置において周方向に等間隔に且つ斜め上方から接続された複数本の精鉱供給管13と、精鉱シュート11の該上端部以外の部分を収容するように同芯軸状に設けられた反応用ガスの流路となるバーナーコーンスリーブ14とからなる精鉱バーナー10であって、該複数本の精鉱供給管13の中心線O2はいずれも精鉱シュート11の中心線O1に対してねじれの位置関係にあって且つ真上から見たときに全体として精鉱シュート11の中心線O1に関して回転対称になっている。【選択図】 図4
Description
本発明は、硫化鉱の製錬で使用する自熔炉の精鉱バーナーに関する。
銅、ニッケル等の非鉄金属の製錬では、主として硫化鉱からなる鉱石原料に対して粉砕や篩別などの前処理を施した後、浮遊選鉱によって濃縮することで製錬原料の精鉱を生成している。生成された精鉱は、先ず熔錬工程において精鉱を酸化・熔融することで、鉄の一部と脈石成分をスラグ(酸化物)として分離すると共に、該精鉱に含まれる有価金属をマットとして回収した後、続けて設けられている工程において該マットを乾式又は湿式で精製処理することで最終製品を生成している。
上記の一連の工程のうち、熔錬工程では自熔炉に代表される製錬炉が用いられる。自熔炉は、頂部から装入した精鉱の酸化・熔融が行われる反応塔と、該酸化・熔融により生成されたスラグ及びマットの比重分離が行われるセトラーと、自熔炉内で生じた排ガスを排出口に導くアップテイクとから主として構成される。かかる構成の自溶炉の反応塔頂部の中心に精鉱バーナーが設けられており、前段の乾燥設備で乾燥処理された精鉱(乾鉱とも称する)は、珪砂などのフラックスや補助燃料(反応用の酸素富化空気や重油等)と共にこの精鉱バーナーを介して反応塔内に放出される。
上記の精鉱バーナーには様々な構造のものが提案されており、例えば特許文献1には、精鉱をガイドしてその下端開口部から反応塔内に放出する略円筒形の精鉱シュートと、該精鉱シュートの内側に同芯軸状に設けられ、反応塔内に補助燃料及び酸素を導入する酸素燃料バーナー(OFバーナーとも称する)と、該精鉱シュートを収容すると共に、一般に空気からなる反応用ガスの流路の役割を担う上部が略円筒状で下部が略逆円錐形状のバーナーコーンスリーブ(バーナーコーンライナーとも称する)とから構成される精鉱バーナーが開示されている。上記の精鉱シュートの上端部側壁には、複数本の精鉱供給管がいずれも同じ高さ位置において周方向に等間隔に接続している。精鉱バーナーの上方には乾鉱庫が設けられており、この乾鉱庫に一時的に貯められている精鉱は、これら精鉱供給配管を介して精鉱バーナーに供給されるようになっている。
上記の特許文献1の精鉱バーナーは、更に酸素燃料バーナーを水平方向に移動させる位置調整部を有している。これにより、反応塔の側壁に周方向に等間隔に設けた複数の温度計のうちのいずれかの温度測定値が管理範囲を超えたとき、該位置調節部により酸素燃料バーナーを水平方向に位置調整できるので、反応塔の側壁に形成されたコーチング層を減少させることなく、該コーチング層を健全に保持することが可能になると記載されている。
上記のように、鉛直方向に延在する略円筒形状の精鉱シュートの上端部側壁に複数本の精鉱供給管を周方向に等間隔に接続することで、該精鉱シュートの内側に同芯軸状に設けた略円管状の酸素燃料バーナーの外壁と、略円筒形状の精鉱シュートの内壁との間の環状の流路に効率よく精鉱を自由落下させることができ、よって精鉱シュートの下方に位置する反応塔の内部に精鉱を分散して放出することが可能になる。このようにして反応塔内に放出された精鉱は、反応塔からの輻射熱や補助燃料の燃焼熱等によって直ちに昇温され、精鉱バーナーから供給される反応用ガスとの酸化反応により燃焼して熔融する。
しかしながら、従来の精鉱バーナーは、精鉱シュートの下端開口部から精鉱を放出する際に周方向に均一に分散されないことがあった。その理由としては、互いに隣接する精鉱供給管のそれぞれから精鉱シュート内に導入された精鉱同士が、精鉱シュート内で衝突等により干渉して精鉱シュート内で局所的に過密状態になっていることが一因として考えられ、これが精鉱シュートの下端開口部からの精鉱の均一な分散を悪化させていると考えられる。
このように、反応塔内に精鉱を放出する際に、精鉱シュートの下端開口部から周方向に均一に分散されなくなると、燃焼効率が顕著に低下するおそれがある。従って、精鉱シュートの下端開口部から周方向に均一に分散した状態で製錬原料である精鉱を放出できる精鉱バーナーが求められていた。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、主として精鉱からなる製錬原料を精鉱シュートの下端開口部から周方向に均一に分散した状態で放出可能な精鉱バーナーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る精鉱バーナーは、硫化鉱の製錬で使用される自熔炉の反応塔頂部の中心に設けられる精鉱バーナーであって、精鉱を主成分とする製錬原料を前記反応塔内に放出する略円筒形状の精鉱シュートと、前記精鉱シュートの内側に同芯軸状に設けられた略円管状の酸素燃料バーナーと、前記精鉱シュートの上端部の側壁の同じ高さ位置において周方向に等間隔に且つ斜め上方から接続された複数本の精鉱供給管と、前記精鉱シュートの該上端部以外の部分を収容するように同芯軸状に設けられた上部が略円筒形状で下部が略逆円錐形状の反応用ガスの流路となるバーナーコーンスリーブとからなり、前記複数本の精鉱供給管の中心線は、いずれも前記精鉱シュートの中心線に対してねじれの位置関係にあって且つ真上から見たときに全体として精鉱シュートの中心線に関して回転対称になっていることを特徴とする。
本発明によれば、主として精鉱からなる製錬原料を精鉱シュートの下端開口部から周方向に均一に分散した状態で放出することが可能になる。
以下、硫化鉱の乾式製錬において使用される自熔炉に設けられている本発明の実施形態の精鉱バーナーについて詳細に説明する。本発明の実施形態の精鉱バーナーは、図1に示すような硫化鉱の製錬で使用される自熔炉1に設けられている。すなわちこの図1に示す自熔炉1は、精鉱バーナーを介して頂部から導入される精鉱の酸化・熔融を行なう略円筒形状の反応塔(リアクションシャフトとも称する)1aと、反応塔1aの下方に位置し、該酸化・熔融により生成されたスラグ及びマットの比重分離を行なう略直方体形状のセトラー1bと、該酸化・熔融時に発生する硫黄分を含んだ排ガスを排出口に導く筒状のアップテイク1cとから主として構成される。なお、上記のスラグ及びマットは樋を介して別々に抜き出されて後段の装置に移送され、排ガスはダクトを介して硫酸製造設備に移送される。
図2に示すように、上記自熔炉1の反応塔頂部の中心に、本発明の実施形態の精鉱バーナー10がその中心軸を鉛直方向に延在させた状態で取り付けられている。本発明の実施形態の精鉱バーナー10は、図3に示すように、図示しない乾鉱庫から供給される主成分としての精鉱及びそれ以外の原料(雑原料とよぶこともある)と、別途供給される珪素などのフラックスとからなる製錬原料を反応塔1a内に放出する略円筒形状の精鉱シュート11と、この精鉱シュート11の内側に同芯軸状に設けられており、重油などの補助燃料を酸素を含む含酸素ガスと共に反応塔1a内に吹き込む略円管状の酸素燃料バーナー(OFバーナー)12と、精鉱シュート11の上端部の側壁の同じ高さ位置において周方向に等間隔に且つ斜め上方から接続された4本の精鉱供給管13と、精鉱シュート11の該上端部以外の部分を収容するように同芯軸状に設けられた、予熱空気などの反応用ガスの流路となる上部が略円筒形状で下部が略逆円錐形状のバーナーコーンスリーブ14とから主として構成される。
なお、バーナーコーンスリーブ14の略円筒形状の上部には1又は複数本の反応用ガスの供給管15が接続している。このバーナーコーンスリーブ14の略円筒形状の上部は、ウインドボックスと称されることがある。また、精鉱シュート11は、その上部と下部を除く外周部に円筒状の風速調整器16が外嵌している。この風速調整器16は、下端部が部分的に拡径しており、また、精鉱シュート11と共に上下方向に移動できるようになっている。かかる構成により、風速調整器16を精鉱シュート11と共に上下させることで、この風速調整器16とバーナーコーンスリーブ14との間の環状の流路を狭くしたり広くしたりできるので、反応塔1a内に吹き込まれる反応用ガスの速度や流量を調整することが可能になる。
本発明の実施形態の精鉱バーナー10においては、図4に示すように、上記の4本の精鉱供給管13の中心線O2は精鉱シュート11の中心線O1に交差しておらず、いずれも精鉱シュート11の中心線O1に対してねじれの位置関係にあり、且つ真上から見たときに全体として精鉱シュート11の中心線O1に関して回転対称になっている。より詳しくは、精鉱バーナー10に接続している精鉱供給管13がn本の場合は、n回対称又は(360/n)度対称になっている。本発明の実施形態の精鉱バーナー10では、精鉱供給管13の本数は4本であるので、4回対称又は90度対称になっている。
上記構成により、乾鉱庫等の底部からコンベアー等の搬送設備によって抜き出された後、鉛直方向に延在する筒状ガイド等を介して4本の精鉱供給管13に分配して供給された製錬原料は、精鉱シュート11に向かって傾斜して配置されているこれら4本の精鉱供給管13内で加速しながら滑り落ちて精鉱シュート11内に導入される。その際、製錬原料は精鉱シュート11の中心に向かって流れるのではなく、該中心に対していずれも向かって同じ側にずれた位置に向かって流れる。このため、精鉱シュート11の内壁面に沿って製錬原料をスムーズに流すことができる。
すなわち、図4に示すように、4本の精鉱供給管13から精鉱シュート11内に導入された製錬原料が、例えば精鉱シュート11の中心線O1に対していずれも向かって左側にずれた位置に向かって流れる場合は、精鉱シュート11を真上から見たとき、精鉱シュート11内で製錬原料を時計回りに旋回させながら自由落下させることができ、4本の精鉱供給管13からそれぞれ供給される製錬原料が精鉱シュート11内で互いに衝突しにくくなる。よって、精鉱シュート11の下端開口部から反応塔1a内に製錬原料を放出するときに、周方向に均一に分散させることができる。
他方、従来の精鉱バーナーは、図5に示すように精鉱供給管113の中心線が精鉱シュート111の中心線と交差していたので、精鉱供給管113から精鉱シュート111内に導入された製錬原料は、精鉱シュート111の中心部に設けられている酸素燃料バーナーによってスムーズな流れが妨げられたり、複数本の精鉱供給管111からそれぞれ供給される製錬原料が精鉱シュート111内で互いに衝突して精鉱シュート111内で製錬原料が局所的に過密状態になったりすることがあった。この場合は、精鉱シュート111の下端開口部から反応塔1a内に製錬原料を放出する際に均一に分散させることが困難になるので、燃焼効率が著しく低下することがあった。これに対して、上記した本発明の実施形態の精鉱バーナー10を採用することで、上記の従来の精鉱バーナーが抱える問題を解消することが可能になる。
図4(b)に示すように、精鉱シュート11を真上から見たとき、4本の精鉱供給管13の各々において、精鉱シュート11の中心線O1を真上から見た中心点Aと、精鉱供給管13の上端の中心点Bとを結ぶ線分Cは、精鉱供給管13の中心線O2に対して1度以上5度以下の偏角αで偏向していることが好ましい。この偏角αが1度未満では、精鉱供給管13から精鉱シュート11内に導入された精鉱のほとんどが精鉱シュート11の中心点Aに向かって流れるので、精鉱シュート11内に導入された製錬原料のうち、精鉱シュート11の内壁面に沿って旋回するものの割合が極端に少なくなる。逆に、この偏角αが5度を超えると、精鉱供給管13を精鉱シュート11に接続するのが困難になるうえ、製錬原料が精鉱シュート11の内壁面に強く衝突しすぎるため、精鉱シュート11の内壁面が摩耗しやすくなる。
本発明の実施形態の精鉱バーナー10は、図3に示すように、4本の精鉱供給管13がいずれも水平面に対して45度以上75度以下の傾斜角βで斜め上方から精鉱シュート11に接続していることが好ましい。これにより、精鉱シュート11の下端開口部から反応塔1a内に製錬原料を放出する際に、周方向により均一に分散させることができる。この傾斜角βが75度を超えると、精鉱供給管13を精鉱シュート11に接続するのが困難になるうえ、精鉱シュート11内に導入した製錬原料のほとんどが精鉱シュート11の内壁面に沿って旋回することなくそのまま真下に向かって自由落下するので好ましくない。逆に、この傾斜角βが45度未満では、精鉱シュート11内に製錬原料を導入するときの初速度が遅くなるため、精鉱シュート11内で製錬原料が旋回しにくくなり、この場合も製錬原料のほとんどが真下に向かって自由落下するので好ましくない。
また、本発明の実施形態の精鉱バーナー10は、図3に示すように、4本の精鉱供給管13の長さLがいずれも内径Dの2倍以上であることが好ましい。この長さLが内径Dの2倍未満では、製錬原料が精鉱供給管13内を滑りながら流下する際に十分な直進性が得られないので、精鉱供給管13から精鉱シュート11内に導入された製錬原料のうち、精鉱供給管13の中心線の方向とは異なる方向に向かうものの割合が増大し、結果的に精鉱シュート11内で製錬原料を旋回させることが難しくなったり、他の精鉱供給管13から導入された製錬原料と干渉してスムーズに流下しなくなったりするので好ましくない。
上記の本発明の実施形態の精鉱バーナー10では、精鉱シュート11の上端部側壁に精鉱供給管13が4本接続された場合について説明したが、精鉱供給管13の本数は4本に限定されるものではない。一般的には精鉱供給管の本数は、2本以上6本以下であることが好ましく、これにより精鉱シュート11内に製錬原料を分散させて導入できるので、精鉱シュート11の下端開口部から反応塔1aに製錬原料を放出させる際に、周方向により均一に分散させることが可能になる。
他方、精鉱供給管13の本数が1本では、精鉱シュート11の下端開口部から反応塔1a内に製錬原料を均一に分散することが困難になりやすく、逆に、精鉱供給管13の本数が6本を超えると、これらの精鉱供給管13の各々の上部に設ける精鉱やフラックスの定量供給用のコンベアー等の搬送設備の個数も増えるので、設備コストやメンテナンスコストがかさむうえ、反応塔1aの頂部の限られたスペースにこれらの設備を設けるのが困難になる。
図1に示すような銅製錬用の自熔炉1の反応塔1aの頂部中心に、図3に示すような本発明の実施例の精鉱バーナーを設けてその性能を評価した。具体的には、この実施例の精鉱バーナーは、鉛直方向に延在する略円筒形状の精鉱シュート11と、精鉱シュート11の内側に同芯軸状に設けられた略円管状の酸素燃料バーナー12と、精鉱シュート11の上端部の側壁の同じ高さ位置において周方向に等間隔に且つ水平面に対して60度の傾斜角βで斜め上方から接続された4本の精鉱供給管13と、この精鉱シュート11の上端部以外の部分を収容するように同芯軸状に設けられた、上部が略円筒形状で下部が略逆円錐形状のバーナーコーンスリーブ14とから構成した。
上記の4本の精鉱供給管13は、それらの中心線O2がいずれも精鉱シュート11の中心線O1に交差せずに、精鉱シュート11の中心線O1に対してねじれの位置関係にあって且つ真上から見たときに全体として精鉱シュート11の中心線O1に関して回転対称になるように精鉱シュート11に接続した。具体的には、精鉱シュート11を真上から見たとき、4本の精鉱供給管13の各々において、精鉱シュート11の中心線O1を真上から見た中心点Aと、精鉱供給管13の上端の中心点Bとを結ぶ線分Cが、精鉱供給管13の中心線O2に対して3度の偏角αで偏向するように接続した。なお、4本の精鉱供給管13の各々には、その長さLが内径Dの2.3倍の円管を用いた。
比較のため、図5に示すように、4本の精鉱供給管113を、それらの中心線O2がいずれも精鉱シュート111の中心線O1に交差するように精鉱シュート111に接続したことを除いて上記の実施例の精鉱バーナーと同様の比較例の精鉱バーナーを作製した。先ず、これら実施例及び比較例の精鉱バーナーにおいて、4本の精鉱供給管から精鉱シュートに製錬原料を導入したときの精鉱シュート内の精鉱の分布をシミュレーションした。その結果を図6に示す。この図6から、比較例の精鉱バーナーに比べて実施例の精鉱バーナーの方が精鉱シュート内でより均一に製錬原料が分散することが分かる。
次に、上記の実施例及び比較例の精鉱バーナーの各々に対して、精鉱供給管の1本当たり50~70t/hの範囲内で製錬原料を供給しながら自熔炉の操業を行なった。その際、図7及び8に示すように、バーナーコーンスリーブ14に設けられている点検口から6本の棒状の温度測定器21~26を挿入した。これら温度測定器21~26の各々は、軸方向に間隔をあけて6個の温度センサを有しており、よって、合計36個の温度センサで、精鉱バーナーの出口近傍のバーナーコーンスリーブ内の温度分布を測定した。そして、得られた温度分布に基づいて精鉱シュート11から精鉱が周方向に均一に分散されているか否かを判断した。
上記のように、合計36個の温度センサで温度分布を測定することで、精鉱シュート11から精鉱が周方向に均一に分散されているか否かを判断できる理由は、バーナーコーンスリーブ内の温度分布が一様ではなく例えば局所的に高温の部位が存在していれば、その部位の下方は精鉱が局所的に粗であるため反応塔1a下方からの輻射熱が精鉱で遮られることなく該高温の部位に到達していると考えることができ、逆に局所的に低温の部位が存在していれば、その部位の下方は精鉱が局所的に密であるため反応塔1a下方からの輻射熱が精鉱で過度に遮られていると考えることができるからである。
上記の実施例の精鉱バーナーにおける温度分布の測定結果を図9に、比較例の精鉱バーナーにおける温度分布の測定結果を図10に示す。図9に示す結果から、実施例の精鉱バーナーでは、バーナーコーンスリーブの中心側から外周側に向けて概ね温度が上昇しているが、いずれの曲線も温度上昇の傾向が同程度であり、図8の点線で示す同じ円周上であれば温度はあまりばらついていないことが分かる。よって、実施例の精鉱バーナーは、精鉱シュートから周方向に均一に精鉱を分散していると判断することができる。
一方、図10に示す結果から、比較例の精鉱バーナーでは、特にバーナーコーンスリーブの外周側において、図8の点線で示す同じ円周上であっても温度が大きくばらついていることが分かる。よって、比較例の精鉱バーナーは、精鉱シュートから周方向に均一に精鉱を分散していないと判断することができる。以上の結果から、本発明の精鉱バーナーを採用することで、製錬原料である精鉱を精鉱シュートから周方向に均一に反応炉内に分散できることが分かる。
1 自熔炉
1a 反応塔(リアクションシャフト)
1b セトラー
1c アップテイク
10 精鉱バーナー
11、111 精鉱シュート
12 酸素燃料バーナー(OFバーナー)
13、113 精鉱供給管
14 バーナーコーンスリーブ
15 反応用ガス供給管
16 風速調整器
21~26 温度測定器
1a 反応塔(リアクションシャフト)
1b セトラー
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10 精鉱バーナー
11、111 精鉱シュート
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13、113 精鉱供給管
14 バーナーコーンスリーブ
15 反応用ガス供給管
16 風速調整器
21~26 温度測定器
Claims (4)
- 硫化鉱の製錬で使用される自熔炉の反応塔頂部の中心に設けられる精鉱バーナーであって、精鉱を主成分とする製錬原料を前記反応塔内に放出する略円筒形状の精鉱シュートと、前記精鉱シュートの内側に同芯軸状に設けられた略円管状の酸素燃料バーナーと、前記精鉱シュートの上端部の側壁の同じ高さ位置において周方向に等間隔に且つ斜め上方から接続された複数本の精鉱供給管と、前記精鉱シュートの該上端部以外の部分を収容するように同芯軸状に設けられた上部が略円筒形状で下部が略逆円錐形状の反応用ガスの流路となるバーナーコーンスリーブとからなり、前記複数本の精鉱供給管の中心線は、いずれも前記精鉱シュートの中心線に対してねじれの位置関係にあって且つ真上から見たときに全体として精鉱シュートの中心線に関して回転対称になっていることを特徴とする精鉱バーナー。
- 前記精鉱バーナーを真上から見たとき、前記複数本の精鉱供給管の各々において、前記精鉱シュートの中心点と、前記精鉱供給管の上端の中心点とを結ぶ線は、該精鉱供給管の中心線に対して1度以上5度以下の偏角で偏向していることを特徴とする、請求項1に記載の精鉱バーナー。
- 前記複数本の精鉱供給管の各々は、その傾斜部の長さが該傾斜部の内径の2倍以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の精鉱バーナー。
- 前記複数本の精鉱供給管の本数が2本以上6本以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の精鉱バーナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022099757A JP2024000822A (ja) | 2022-06-21 | 2022-06-21 | 精鉱バーナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022099757A JP2024000822A (ja) | 2022-06-21 | 2022-06-21 | 精鉱バーナー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2024000822A true JP2024000822A (ja) | 2024-01-09 |
Family
ID=89451694
Family Applications (1)
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Country | Link |
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2022
- 2022-06-21 JP JP2022099757A patent/JP2024000822A/ja active Pending
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