JP2024000262A - ハチの巣駆除方法及びハチの巣駆除システム - Google Patents

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格朗 菅野
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Yoshihiro Ishikawa
竣介 道上
Shunsuke Michigami
武士 猪原
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Abstract

【課題】効率的かつ確実性高く速やかに駆除対象ハチの巣を壊滅させることができる方法及びシステムを提供する。【解決手段】ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を、巣外の駆除対象ハチの体表に付与するハチの巣駆除方法及びハチの巣駆除システムである。【選択図】図1

Description

本発明は、スズメバチ等のハチの巣を駆除する方法、及びハチの巣を駆除するシステムに関する。
近年、外来生物の一種であるツマアカスズメバチの国内への侵入が報告されている。このツマアカスズメバチは、社会性を有する肉食系のハチで節足動物を狩る強力な捕食者であり、他のスズメバチよりも繁殖力が強く、在来生態系に甚大な被害を及ぼすことが懸念されている。また、養蜂業に用いるミツバチを捕食することや、人間を刺傷することや、都市部で営巣することがわかっており、重要な害虫となることが懸念されており、防除方法の確立が望まれている。
一方、従来のハチの駆除方法としては、1)飛んでいるハチに殺虫剤を噴霧する方法(特許文献1参照)、2)ハチを誘引剤でおびき寄せてトラップにより捕獲する方法(特許文献2参照)、3)ハチの巣に殺虫剤を噴霧する方法(特許文献3参照)、4)毒餌を喫食したハチに毒餌(ベイト剤)を巣へ運搬させて巣のハチに毒餌を与える方法(特許文献4参照)などが提案されている。
特開2008-156235号公報 特開2020-005590号公報 実登3188587号公報 特開2021-121610号公報
しかしながら、従来の駆除方法では、ハチの巣を壊滅させることはできないという問題があった。すなわち、従来の駆除方法1)では、飛んでいる個体を駆除できても巣に存在する大量のハチに与える影響がないという問題や、殺虫剤を噴霧する際、興奮したハチに襲われる危険性があるという問題があった。また、従来の駆除方法2)では、大量のハチを捕獲することはできないという問題があった。また、従来の駆除方法3)では、高所などの直接噴霧することができない場所に巣がある場合や、巣の場所がわからない場合には適用できないという問題があった。また、従来の駆除方法4)では、毒餌を喫食したハチが途中で死んでしまい巣まで運搬できないという問題や、巣内のハチを死滅させる程の十分な毒餌を運搬できないという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、本発明の課題は、効率的かつ確実性高く速やかにハチの巣を壊滅させることができる方法及びシステムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤(MC剤)、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を、巣外の駆除対象ハチに付与することにより、帰巣した駆除対象ハチに付着した液状駆除剤によって、巣内の駆除対象ハチを死滅させることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を、巣外の駆除対象ハチの体表に付与することを特徴とするハチの巣駆除方法。
[2]羽音選別手段及び画像選別手段から選ばれる少なくとも1つのハチ選別手段によって駆除対象ハチを選別し、該選別した駆除対象ハチの体表に前記液状駆除剤を付与することを特徴とする上記[1]記載のハチの巣駆除方法。
[3]前記ハチ殺虫成分が、有機リン系殺虫成分であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載のハチの巣駆除方法。
[4]前記駆除対象ハチが、スズメバチ科のハチであることを特徴とする上記[1]~[3]のいずれか記載のハチの巣駆除方法。
[5]ハチの誘引成分を含む誘引剤により駆除対象ハチを誘引し、該誘引した駆除対象ハチの体表に前記液状駆除剤を付与することを特徴とする上記[1]~[4]のいずれか記載のハチの巣駆除方法。
[6]駆除対象ハチを選別するハチ選別手段と、
前記ハチ選別手段の近傍に設置され、該ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチの体表に、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を付与する駆除剤付与手段と、
を備えることを特徴とするハチの巣駆除システム。
[7]前記ハチ選別手段が、羽音選別手段及び画像選別手段から選ばれる少なくとも1つの選別手段であることを特徴とする上記[6]記載のハチの巣駆除システム。
[8]前記ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチを、前記液状駆除剤付与のために一時的に捕獲する捕獲手段を備えていることを特徴とする上記[6]又は[7]記載のハチの巣駆除システム。
本発明によれば、効率的かつ確実性高く速やかに駆除対象ハチの巣を壊滅させることができる。
本発明のハチの巣駆除システムの一例を示す説明図である。 ハチの巣駆除試験における試験1(実施例1)の方法の概要を示す写真であり、左は試験対象としたコガタスズメバチの巣を示し、右は捕獲したコガタスズメバチに液状駆除剤を噴霧する様子を示す。 ハチの巣駆除試験における試験1(実施例1)の結果の概要を示す写真であり、左は巣の下の死骸の様子を示し、右は回収した巣の内部の様子を示す。 ハチの巣駆除試験における試験2(比較例1)で試験対象としたコガタスズメバチの巣の写真である。 ハチの巣駆除試験における試験3-1(比較例2)で試験対象としたコガタスズメバチの巣の写真である。 ハチの巣駆除試験における試験3-2(実施例2)で、試験実施後に回収した巣で発見したコガタスズメバチの写真であり、左の列は死滅した35匹を示し、右の列は瀕死の20匹を示す。
本発明のハチの巣駆除方法は、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を、巣外の駆除対象ハチの体表に付与することを特徴とする。
本発明のハチの巣駆除方法においては、液状駆除剤が付与されたハチが帰巣することにより、巣内の他の駆除対象ハチを死滅させ、効率的かつ確実性高く速やかにハチの巣を壊滅させることができる。具体的には、液状駆除剤を駆除対象ハチの体表に付与させるため、一度に大量の液状駆除剤を巣に持ち帰らせることができ、また、液状駆除剤がマイクロカプセル化されているため、液状駆除剤を付与したハチが途中で死滅することなく確実に帰巣することができ、さらには、液状駆除剤がハチ嗜好剤を含んでいるため、巣内の他のハチが、帰巣したハチの体表に付着した液状駆除剤を口から体内に取り込みやすくなっていることから、効率的かつ確実性高く速やかに巣内のハチを死滅させ、巣を壊滅させることができる。
また、ハチの帰巣本能を利用するため、高所や発見できない所に営巣されたハチの巣を壊滅させることができる。
本発明の駆除対象ハチとしては、駆除の必要性のあるハチであれば特に制限されるものではなく、在来生態系に被害を及ぼす外来種のハチや、人間を刺傷するハチを好適に例示することができる。また、例えば3m以上、好ましくは5m以上といったヒトの手の届かない所に営巣するハチや、人里離れた密林などに営巣するハチに特に有効である。なお、通常、養蜂に用いるミツバチなどの益虫は、駆除対象から除かれる。
このようなハチとしては、スズメバチ科(Vespidae)に属するハチを挙げることができる。スズメバチ科のハチとしては、スズメバチ亜科(Vespinae)及びアシナガバチ亜科(Polistinae)に属するハチを挙げることができる。スズメバチ亜科に属するハチとしては、ツマアカスズメバチ、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、チャイロスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、ヤドリスズメバチなどを例示することができる。また、アシナガバチ亜科に属するハチとしては、キアシナガバチ、セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、ヤエヤマアシナガバチ、ムモンホソアシナガバチ、ヒメホソアシナガバチなどを例示することができる。これらの中でも、ツマアカスズメバチが特に好ましい。
続いて、本発明の方法で用いる液状駆除剤について説明する。
<液状駆除剤>
本発明の液状駆除剤は、上記のように、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤(MC剤)と、糖類を含有するハチ嗜好剤とを含有する。
[マイクロカプセル剤(MC剤)]
マイクロカプセル剤は、ハチ殺虫成分がマイクロカプセル化されたものである。マイクロカプセル剤は、遅効性であり、液状駆除剤が付与された巣外の駆除対象ハチを途中で死滅させることなく帰巣させることができる。マイクロカプセル化の方法としては、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を用いることができ、例えば、界面重合法、in-situ重合法、液中硬化方(オリフィス法)等の化学的方法や、気中懸濁被覆法、噴霧乾燥法、乾式混合法等の機械的方法や、液中乾燥法、コアセルベーション法等の物理化学的方法などを挙げることができる。
(ハチ殺虫成分)
ハチ殺虫成分としては、成虫のハチを死滅させることができるものであれば特に限定されるものではなく、公知の殺虫成分を用いることができる。具体的に例えば、フェニトロチオン、ダイアジノン、マラソン、ピリダフェンチオン、プロペタンホス、クロルピリホスメチル等の有機リン系殺虫成分や、カルバリル(NAC)、プロポクスル、エチオフェンカルブ等のカーバメート系殺虫成分や、ピレトリン、フェノトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、フタルスリン、エトフェンプロックス、レスメトリン、シラフルオフェン、サイパーメスリン、アレスリン、フラメトリン、プラレトリン、エンペントリン、シラフルオフェン等のピレスロイド系殺虫成分や、ヒドラメチルノン等のアミノヒドラジン系殺虫成分、フィプロニル等のフェニルピラゾール系殺虫成分、ジノテフラン等のネオニコチノイド系殺虫成分などを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、殺虫性の点から、有機リン系殺虫成分が好ましく、具体的に、フェニトロチオン、プロペタンホスが好ましい。なお、本発明のハチ殺虫成分には、成長抑制剤(IGR剤)などのハチの幼虫を対象とするものは含まれず、成虫のハチを対象とするものであることから、迅速かつ効果的に成虫のハチを死滅させることができる。なお、成虫のハチが死滅することにより、巣内の幼虫は、成虫から給餌を受けることができずやがて餓死することになる。
[ハチ嗜好剤]
ハチ嗜好剤は、ハチが好む糖類を含有するものである。ハチ嗜好剤により巣内のハチを誘引し、巣内のハチが液状駆除剤の殺虫成分を体内へ取り込むことを促進する。すなわち、その体表にハチ嗜好剤を含む液状駆除剤が付着した帰巣ハチに、巣内のハチが寄り集まり、帰巣ハチの体表の液状駆除剤(殺虫成分)を舐める等して体内に取り込む。より詳細には、一般にハチはグルーミングや仲間のハチにエサを分け与える習性があることから、このような一連の習性により、液状駆除剤の殺虫成分が巣内のハチに広がり、巣内のハチの体内に取り込まれる。なお、帰巣ハチが死亡した場合であっても、その体表を巣内のハチが舐めることで、液状駆除剤の殺虫成分は伝播する。
(糖類)
糖類としては、特に制限されるものではなく、例えば、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース等の単糖類や、ショ糖(スクロース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、トレハロース等の二糖類や、キシリトール、マルチトール等の糖アルコールを挙げることができる。このような糖類を含むものとしては、具体的に例えば、ハチミツ、メープルシュガー、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖、白糖、水あめ等を挙げることができ、これらを配合してもよい。
(その他の嗜好成分)
糖類以外の嗜好成分としては、公知のハチの嗜好成分を挙げることができ、例えば、ローヤルゼリー、バルサミコ酢、リンゴ酢、米酢、玄米酢、粕酢、大豆酢、黒酢、ワインビネガー、すだち酢、赤酢、柿酢、麦芽酢、紫イモ酢、サトウキビ酢等の酢、果実酒、ビール、日本酒、焼酎、ウィスキー、ブランデー、ウォッカ、ラム、ジン、テキーラ、紹興酒、白酒、老酒等の酒類、乳酸製品(乳酸菌飲料等)、果実、果実加工品、酒粕、魚介類、魚介類加工品、食肉、食肉加工品、香料等を挙げることができる。上記糖類と組み合わせることにより、より確実に巣内のハチを誘引し、液状駆除剤を巣内のハチに伝播させることができる。
[添加剤]
本発明の液状駆除剤には、本効果を阻害しない範囲で必要に応じて添加剤を含有していていもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、消臭剤、色素、キレート剤、保留剤、pH調整剤、殺菌剤、防カビ剤、増粘剤、酸味料等を挙げることができる。
続いて、駆除対象ハチへの液状駆除剤の付与方法について説明する。
液状駆除剤の付与方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、液状駆除剤を噴霧する方法や、液状駆除剤を滴下する方法や、液状駆除剤に浸漬する方法を挙げることができる。また、液状駆除剤の付与は、手動で行うものであってもよいし、自動で行うものであってもよい。
本発明においては、液状駆除剤の付与対象は、巣外で活動を行う成虫のハチ(働き蜂)である。1匹以上に付与すればよいが、3匹以上に付与することが好ましく、5匹以上に付与することがより好ましい。20匹以内、好ましくは10匹以内の付与で十分な効果を発揮する。
液状駆除剤を巣外の駆除対象ハチに対してより効率的に付与するために、ハチの誘引成分を含む誘引剤により駆除対象ハチを誘引することが好ましい。すなわち、ハチの誘引成分を含む誘引剤により駆除対象ハチを誘引し、誘引した駆除対象ハチの体表に液状駆除剤を付与することが好ましい。
誘引剤に含まれる誘引成分は、上述したハチ嗜好剤の成分と同様のものを用いることができる。また、誘引剤には、駆除対象ハチ以外のハチを忌避する忌避成分が含まれていてもよい。これにより、駆除対象ハチのみを誘引し、駆除対象ハチのみに液状駆除剤を付与することが可能となる。例えば、スズメバチには誘引効果を発揮し、ミツバチには忌避効果を発揮するエタノールを挙げることができる。
液状駆除剤を付与する際、ハチ選別手段を用いて駆除対象ハチを選別して付与することが好ましい。具体的には、パターン認識処理を用いたハチ選別手段により駆除対象ハチを選別して付与することが好ましい。パターン認識処理としては、音声認識処理や画像認識処理を挙げることができる。この音声認識処理を用いたハチ選別手段の中でも、音源を分離抽出して処理する音源認識処理を用いたハチ選別手段が好ましく、具体的には、駆除対象ハチの羽音を分離抽出して処理する羽音認識処理を用いた羽音選別手段が好ましい。すなわち、本発明の液状駆除剤の付与方法は、羽音選別手段及び画像選別手段から選ばれる少なくとも1つのハチ選別手段によって駆除対象ハチを選別し、選別した駆除対象ハチの体表に液状駆除剤を付与することが好ましい。このようなハチ選別手段を用いることにより、益虫等に悪影響を与えることなく、確実に駆除対象ハチに液状駆除剤を付与することができる。また、液状駆除剤の付与の自動化が可能となる。
羽音選別手段としては、例えば、マイクで集音したハチの羽音を解析し、対象のハチの有無を判断する集音解析装置を挙げることができる。羽音の解析方法としては、例えば、FFT解析を用いた方法や、さらに機械学習やDeepLearningを組み合わせた方法などの音解析方法を用いることができる。このような集音解析装置を用いることにより、正確に駆除対象ハチを選別することができる。具体的には、羽音センシングデバイス「HOR-net」(佐世保工業高等専門学校,iha_labo製作)や、森見守りシステム「OtoDeMiru」(同チーム製作)が備える集音解析装置を適用することができる。
続いて、本発明のハチの巣駆除システムについて説明する。本発明のハチの巣駆除システムを用いて上記ハチの巣駆除方法を実施することができる。
本発明のハチの巣駆除システムは、駆除対象ハチを選別するハチ選別手段と、ハチ選別手段の近傍に設置され、ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチの体表に、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を付与する駆除剤付与手段とを備えることを特徴とする。
なお、駆除対象ハチ、ハチ選別手段、液状駆除剤については、上記本発明のハチの巣駆除方法で説明したものと同様のものを用いることができる。
本発明のハチの巣駆除システムにおいては、ハチ選別手段が駆除対象ハチを選別することにより、液状駆除剤を確実に駆除対象ハチに付与することができるため、駆除対象以外のハチなどに液状駆除剤を付与することがなく、精度よく駆除対象ハチの巣を壊滅させることができる。また、自動化が容易であり、人の手によることなく、効率的にハチの巣を壊滅させることができる。また、自動化により、人里離れた密林などハチの巣の発見が困難な場所などに設置することも可能となる。
ハチ選別手段としては、駆除対象ハチを選別できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、羽音選別手段、画像選別手段を挙げることができる。なお、羽音選別手段、画像選別手段については、上記本発明のハチの巣駆除方法で説明したとおりである。
駆除剤付与手段は、液状駆除剤を上記ハチ選別手段によって選別された巣外の駆除対象ハチに付与するものであり、付与方法としては、上記本発明のハチの巣駆除方法で説明したものと同様の方法を採用することができ、駆除対象ハチの体表へ噴霧(スプレー)する噴霧手段が好ましい。これにより、俊敏なハチを捉えることができる。また、簡単な構成とすることができるため、自動化が容易である。噴霧手段としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、液状駆除剤を収容したスプレーボトルを備えた手段を挙げることができる。スプレーボトルは、空気による噴霧方式であってもよいし、圧縮ガスなどの噴射剤による噴霧方式であってもよい。
本発明のハチの巣駆除システムは、巣外の駆除対象ハチを誘引する誘引手段を備えていることが好ましい。これにより、駆除対象ハチを誘引することができ、効率的にハチの選別や、液状駆除剤の付与を行うことができる。誘引手段としては、例えば、ハチ選別手段や駆除剤付与手段の近傍に設けられた、誘引成分を含有する誘引剤を具備した装置などを挙げることができる。
本発明のハチの巣駆除システムは、ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチを、液状駆除剤付与のために一時的に捕獲する捕獲手段を備えていることが好ましい。これにより、確実かつ十分に駆除対象ハチの体表へ液状駆除剤を付与することができる。捕獲方法としては、特に制限されるものではなく、網により捕獲する方法や、容器に閉じ込める方法や、粘着剤で一時的にその場に留める方法等を挙げることができる。
以下、本発明のハチの巣駆除システムの一例を図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明のハチの巣駆除システム100は、駆除対象ハチを選別するハチ選別手段としての羽音選別装置1と、駆除剤付与手段としての噴霧装置2を備えている。
また、羽音選別装置1及び噴霧装置2の近傍には、誘引剤を載置した誘引皿3を備えている。
上記のようなハチの巣駆除システム100においては、まず、誘引皿3に載置された誘引剤によりハチAが誘引される。次に、羽音選別装置1により、誘引されたハチAの羽音で駆除対象ハチか否かが判定される。駆除対象ハチと判定された(選別された)駆除対象ハチAの体表に、噴霧装置2により液状駆除剤が噴霧される。その後、駆除対象ハチAは巣Bへ帰巣する。
本ハチの巣駆除システム100においては、液状駆除剤を駆除対象ハチAの体表に付与させるため、一度に大量の液状駆除剤を巣Bに持ち帰らせることができる。また、液状駆除剤がマイクロカプセル化されているため、液状駆除剤を付与した駆除対象ハチAが途中で死滅することなく確実に巣Bへ帰巣することができる。さらには、液状駆除剤がハチ嗜好剤を含んでいるため、巣B内において、他のハチが、体表に付着した液状駆除剤を口から体内に取り込みやすくなっている。したがって、効率的かつ確実性高く速やかに巣B内の成虫のハチを死滅させ、巣に残された幼虫も餓死に至り、巣Bを壊滅させることができる。
[ハチの巣駆除試験]
1.液状駆除剤Iの調製
ハチ殺虫成分であるフェニトロチオンを20.0%含有するマイクロカプセル剤(住化エンバイロメンタルサイエンス株式会社、スミチオンMC「SES」)を水で10倍希釈したものと、果糖ブドウ糖液糖、三温糖、黒砂糖、白糖、クエン酸、香料、及び酸味料を水に溶解させたハチ嗜好剤を含む液体を混合して液状駆除剤Iを調製した。
2.試験方法
巣の所在が明らかなコガタスズメバチを捕獲し、スプレーボトルに収容した液状駆除剤Iを噴霧し、放置した。数日後、巣を回収し評価を行った。なお、比較例として、マイクロカプセル剤のみを含む液状駆除剤の噴霧を行った。
試験の詳細は以下のとおりである。
(1)試験1(実施例1)
巣の付近にいたコガタスズメバチを5匹網で捕獲し、液状駆除剤Iを噴霧した(図2)。5日後、巣を回収したところ、巣の付近の死骸を含めて50匹程度の成虫の死骸を確認した(図3)。
(2)試験2(比較例1)
図4に示す巣の付近にいたコガタスズメバチを5匹捕獲し、マイクロカプセル剤のみを含む液状駆除剤を噴霧した。8日後、巣に大量の成虫の生存を確認した。
(3)試験3-1(比較例2)
図5に示す巣の付近にいたコガタスズメバチを10匹捕獲し、マイクロカプセル剤のみを含む液状駆除剤を噴霧した。14日後、巣に大量の成虫の生存を確認した。
(4)試験3-2(実施例2)
試験3-1の後、マイクロカプセル剤のみを含む液状駆除剤から液状駆除剤Iに変更し、捕獲した20匹に液状駆除剤Iを噴霧した。8日後、巣を回収したところ、35匹程度の成虫の死骸を確認し、20匹程度の飛行ができない程度に瀕死の成虫を確認した(図6)。
試験の概要と評価を表1に示す。
表1に示すように、液状駆除剤Iを用いた本発明のハチの巣駆除方法は、巣内のハチを死滅させ、ハチの巣を壊滅できることが確認できた。
本発明のハチの巣駆除方法は、スズメバチなどのハチの巣を駆除できることから、産業上有用である。
100ハチの巣駆除システム
1 羽音選別装置
2 噴霧装置
3 誘引皿
A ハチ(駆除対象ハチ)
B 巣

Claims (8)

  1. ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を、巣外の駆除対象ハチの体表に付与することを特徴とするハチの巣駆除方法。
  2. 羽音選別手段及び画像選別手段から選ばれる少なくとも1つのハチ選別手段によって駆除対象ハチを選別し、該選別した駆除対象ハチの体表に前記液状駆除剤を付与することを特徴とする請求項1記載のハチの巣駆除方法。
  3. 前記ハチ殺虫成分が、有機リン系殺虫成分であることを特徴とする請求項1又は2記載のハチの巣駆除方法。
  4. 前記駆除対象ハチが、スズメバチ科のハチであることを特徴とする請求項1又は2記載のハチの巣駆除方法。
  5. ハチの誘引成分を含む誘引剤により駆除対象ハチを誘引し、該誘引した駆除対象ハチの体表に前記液状駆除剤を付与することを特徴とする請求項1又は2記載のハチの巣駆除方法。
  6. 駆除対象ハチを選別するハチ選別手段と、
    前記ハチ選別手段の近傍に設置され、該ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチの体表に、ハチ殺虫成分を内包するマイクロカプセル剤、及び糖類を含むハチ嗜好剤を含有する液状駆除剤を付与する駆除剤付与手段と、
    を備えることを特徴とするハチの巣駆除システム。
  7. 前記ハチ選別手段が、羽音選別手段及び画像選別手段から選ばれる少なくとも1つの選別手段であることを特徴とする請求項6記載のハチの巣駆除システム。
  8. 前記ハチ選別手段によって選別された駆除対象ハチを、前記液状駆除剤付与のために一時的に捕獲する捕獲手段を備えることを特徴とする請求項6又は7記載のハチの巣駆除システム。
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