JP2024000238A - 鏡筒装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いエルゴノミック性を維持しながらAR表示機能を提供する。【解決手段】鏡筒装置は、接眼レンズを装着可能な接眼スリーブと、結像レンズと、結像レンズが形成した一次像を接眼レンズの物体面にリレーして二次像を形成するリレー光学系と、結像レンズからの光束を反射させて水平方向に折り返す第1の反射光学系M1と、第1の反射光学系M1が配置される第1の水平平面上に配置され第1の反射光学系M1を経由した光束を反射させて鉛直上方方向に折り返す第2の反射光学系M2と、第2の水平平面上に配置され第2の反射光学系M2を経由した光束を反射させて水平方向に折り返す第3の反射光学系M3と、接眼レンズの物体面に二次像とは別の画像を形成するための光束が通過する付加光学系と、第2の水平平面上に配置され付加光学系からの光束を接眼レンズの物体面へ至る光路へ導く合成光学素子M4を備える。【選択図】図3

Description

本明細書の開示は、鏡筒装置に関する。
近年、顕微鏡下で行う作業をAI(Artificial Intelligence)でサポートすることが期待されている。このようなAIサポートを提供可能な顕微鏡として、AR(Augmented Reality)顕微鏡が知られている。
AR顕微鏡は、接眼レンズを覗いて観察する標本の光学像上に補助的な情報を重ねて表示する顕微鏡であり、例えば、特許文献1、特許文献2に記載されている。AR顕微鏡が表示する補助的な情報は、典型的には、その標本を撮影した画像を解析することによって生成される。特に、画像解析にディープラーニングなどのAI技術を用いることで、顕微鏡利用者に、AIによる高度なサポートを提供することができる。
国際公開第2018/042413号公報 国際公開第2020/066041号公報
ところで、特許文献1、特許文献2に記載の顕微鏡システムはどちらも、プロジェクタを内蔵した中間鏡筒を鏡筒と顕微鏡本体部分との間に取り付ける構成を採用している。
しかしながら、顕微鏡に中間鏡筒が取り付けられると、中間鏡筒の高さの分だけアイポイントの高さが高くなってしまう。このため、システムのエルゴノミック性を劣化させる虞がある。また、中間鏡筒が取り付けられることで、鏡筒内の結像レンズと対物レンズとの距離も延長されてしまう。このため、結像性能や周辺光量などのシステムの光学性能への悪影響も懸念される。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、高いエルゴノミック性を維持しながら光学像上に補助的な情報を重ねるAR表示機能を提供することである。
本発明の一態様に係る鏡筒装置は、顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であって、接眼レンズを装着可能な接眼スリーブと、前記鏡筒装置が装着された顕微鏡本体からの光束が入射する結像レンズと、前記結像レンズが形成した一次像を前記接眼スリーブに装着された接眼レンズの物体面にリレーして二次像を形成するリレー光学系と、前記結像レンズからの光束を反射させて第1の水平方向に折り返す第1の反射光学系と、前記第1の反射光学系が配置される第1の水平平面上に配置され、前記第1の反射光学系を経由した光束を反射させて鉛直上方方向に折り返す第2の反射光学系と、前記第1の水平平面とは異なる第2の水平平面上に配置され、前記第2の反射光学系を経由した光束を反射させて第2の水平方向に折り返す第3の反射光学系と、前記接眼レンズの前記物体面に前記二次像とは別の画像を形成するための光束が通過する付加光学系と、前記第2の水平平面上に配置され、前記付加光学系からの光束を前記接眼レンズの前記物体面へ至る光路へ導く光学素子と、を備える。
上記の態様によれば、高いエルゴノミック性を維持しながらAR表示機能を提供することができる。
一実施形態に係る顕微鏡システムの構成を示した図である。 鏡筒装置内の光学系について説明するための図である。 鏡筒装置内の2階層構成を説明するための図である。 像の回転について説明するための図である。 第1の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した斜視図である。 第1の実施形態に係る鏡筒装置の1階部分の構成を示した上面図である。 第1の実施形態に係る鏡筒装置の2階部分の構成を示した上面図である。 第1の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した側面図である。 鏡筒装置内で光路長を稼ぐための構成を示した例を示した図である。 第1の実施形態に係る鏡筒装置が採用する水平方向の光路を示した図である。 第1の実施形態において接眼レンズ経由で観察される画像の一例である。 第1の実施形態において接眼レンズ経由で観察される画像の別の例である。 第1の実施形態において接眼レンズ経由で観察される画像の更に別の例である。 変形例において接眼レンズ経由で観察される画像の例である。 第1の反射光学系が固定されたスライダの構成を例示した図である。 第2の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した斜視図である。 第2の実施形態に係る鏡筒装置の1階部分の構成を示した上面図である。 第2の実施形態に係る鏡筒装置の2階部分の構成を示した上面図である。 第2の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した側面図である。 第2の実施形態に係る鏡筒装置が採用する水平方向の光路を示した図である。 第3の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した斜視図である。 第4の実施形態に係る鏡筒装置の構成を示した側面図である。 別の実施形態に係る顕微鏡システムの構成を示した図である。 図23に示す顕微鏡システムにおいて接眼レンズ経由で観察される画像の一例である。
図1は、一実施形態に係る顕微鏡システム1の構成を示した図である。顕微鏡システム1は、AR表示機能を有する鏡筒装置20を備えた顕微鏡システムである。顕微鏡システム1は、例えば、生物系の顕微鏡システムであってもよく、工業用の顕微鏡システムであってもよい。
顕微鏡システム1は、図1に示すように、顕微鏡と、顕微鏡を制御する制御装置50を備えている。顕微鏡には、顕微鏡本体10と、顕微鏡本体10に装着可能な鏡筒装置20と、接眼レンズ30と、撮像装置40が設けられている。なお、図1では、正立顕微鏡が例示されているが、顕微鏡システム1に含まれる顕微鏡は、倒立顕微鏡であってもよい。
顕微鏡本体10は、標本Sを配置するステージ11と、光源13を収容したランプハウス12と、対物レンズ15が取り付けられるレボルバ14を備えている。鏡筒装置20は、顕微鏡本体10に取り付けられている。また、接眼レンズ30と撮像装置40は、鏡筒装置20に取り付けられている。
ステージ11は、ラックアンドピニオン機構によって焦準ハンドルと接続されている。焦準ハンドルの回転運動がラックアンドピニオン機構によりステージ11の直線運動に変換される。これにより、ステージ11は、焦準ハンドルを回転することで上下へ移動する。ステージ11は、標本Sに対する対物レンズ15の焦点面の位置を対物レンズ15の光軸方向に調整する焦準機構の一例である。
また、ステージ11は、対物レンズ15の光軸方向と直交する方向に移動するXYステージを含んでいる。図示しないハンドルを操作することで、ステージ11は、対物レンズ15の光軸方向と直交する方向に移動する。なお、ステージ11には、コンデンサからの照明光が通過する、標本Sが落下しない程度の大きさの開口が形成されている。
ランプハウス12は、標本Sに照射する照明光を出射する光源13を含んでいる。図示しない電源スイッチを入れることで光源13は点灯し、電源スイッチをオフにすることで光源13は消灯する。
光源13は、例えば、ハロゲンランプなどである。光源13から出射した照明光は、顕微鏡本体10に設けられたコンデンサ経由で、ステージ11に配置された標本Sに照射される。ステージ11から出射する照明光の光量は、顕微鏡本体10に設けられたダイヤルで調整可能である。調光入力部として機能するダイヤルの回転に応じて、光源13から発光される照明光の光量が制御される。
レボルバ14には、複数の対物レンズを取り付け可能であり、望ましくは倍率の異なる複数の対物レンズが取り付けられる。レボルバ14が回転することで、顕微鏡の光路上に配置される対物レンズが切り替わる。レボルバ14は、対物レンズを切り替える切り替え機構の一例である。
鏡筒装置20は、接眼レンズ30と撮像装置40を装着可能な3眼鏡筒である。照明光が照射された標本Sからの光は、対物レンズ15を経由して鏡筒装置20へ入射する。鏡筒装置20へ入射した光は、鏡筒装置20内で接眼レンズ30へ至る光と撮像装置40へ至る光へ分割される。
鏡筒装置20は、接眼スリーブ21と、回動部22と、プロジェクタ23と、結像レンズ24を備えている。接眼スリーブ21には、接眼レンズ30を装着可能である。接眼スリーブ21は、回動部22に設けられる。回動部22は、水平方向の軸周りにあおり方向に回動する。回動部22とともに接眼スリーブ21に取り付けられた接眼レンズ30が回動することで、アイポイントの高さが調整される。
プロジェクタ23は、標本Sの光学像が形成される像面(二次像面P2)に補助的な情報(以降、単に、補助情報と記す)を重畳する重畳装置の一例である。プロジェクタ23は、液晶デバイスを用いた液晶プロジェクタであってもよく、有機ELデバイスを用いた有機ELプロジェクタ、または、DMD(登録商標)プロジェクタでもよい。
結像レンズ24には、顕微鏡本体10からの光束が入射する。結像レンズ24は、対物レンズ15経由で入射する平行光束を収斂する。収斂光束は、その後、スプリッタによって、接眼レンズ30へ至る光と撮像装置40へ至る光へ分割される。撮像装置40へ至る光は、イメージセンサ41の撮像面上に結像する。一方で、接眼レンズ30へ至る光は、AR表示機能を顕微鏡利用者に提供するために、鏡筒装置20内で2回結像し、接眼レンズ30へ入射する。この点について図2を参照しながら後に詳述する。
接眼レンズ30は、鏡筒装置20に設けられた接眼スリーブ21に取り付けられている。撮像装置40は、例えば、イメージセンサ41を備えたデジタルカメラである。撮像装置40は、標本Sを撮像して、標本Sの画像を取得する。イメージセンサ41は、CCDやCMOSなどである。撮像装置40は、鏡筒装置20に装着されることで、対物レンズ15から結像レンズ24を経由して接眼レンズ30へ至る目視観察光路から分岐した撮像光路上に設けられる。
制御装置50は、顕微鏡を制御する装置である。制御装置50は、例えば、顕微鏡に含まれるプロジェクタ23を制御する。なお、図1では、制御装置50は、単一の装置として示されているが、制御装置50は、2以上の装置の集合であってもよい。制御装置50は、例えば、顕微鏡制御専用のコントロールボックスと、汎用のコンピュータとで構成されてもよい。
図2は、鏡筒装置20内の光学系について説明するための図である。以下、図2を参照しながら、AR表示機能の提供に好適な光学系の構成について説明する。図2に示すように、鏡筒装置20は、さらに、スプリッタ25と、リレー光学系26と、投影レンズ27と、ハーフミラー28を備えている。
結像レンズ24で収斂され、スプリッタ25で分離された光束のうち、撮像装置40へ至る光束は、そのまま撮像装置40の撮像面上に結像する。一方で、スプリッタ25で分離された収斂した光束のうち、接眼レンズ30へ至る光束は、スプリッタ25の後段に配置されたリレー光学系26の手前で結像し、一次像面P1に一次像が形成される。
さらに、リレー光学系26は、結像レンズ24が形成した一次像を接眼スリーブ21に装着された接眼レンズ30の物体面にリレーして二次像を形成する。より詳細には、一次像面P1からの光をリレーレンズ26aが一旦平行光束に変換し、その後、リレーレンズ26bで平行光束を収斂光束に変換することで、二次像を形成する。即ち、接眼レンズ30の物体面は、標本Sの二次像面P2であり、顕微鏡利用者は、二次像面P2に形成された二次像を接眼レンズ30経由で観察する。
プロジェクタ23からの光は、平行光束が通過するリレーレンズ26aとリレーレンズ26bの間の光路上に配置されたハーフミラー28によって、平行光束と合成される。より具体的には、プロジェクタ23からの光は投影レンズ27で平行光束に変換され、その後、結像レンズ24経由で入射した平行光束とハーフミラー28によって合成される。これにより、標本Sの二次像が形成される二次像面P2に、プロジェクタ23からの光が結像し、補助情報が重畳される。従って、顕微鏡利用者は、二次像面P2に形成された標本Sの二次像とともに補助情報を接眼レンズ30経由で観察する。
なお、投影レンズ27は、接眼レンズ30の物体面に二次像とは別の画像(補助情報)を形成するための光束が通過する付加光学系の一例である。ハーフミラー28は、付加光学系(投影レンズ27)からの光束を接眼レンズ30の物体面へ至る光路へ導く光学素子(以降、合成光学素子と記す)の一例である。ハーフミラー28の代わりに、反射光と透過光の比率がハーフミラー28とは異なる任意のビームスプリッタが、合成光学素子として用いられてもよい。
鏡筒装置20では、プロジェクタ23からの光を結像レンズ24からの光と合成する必要があり、そのためのスペースが必要である。鏡筒装置20にリレー光学系26が設けられることで、光を合成するためのスペースを確保してハーフミラー28を配置することができる。
また、リレー光学系26が設けられることで、一次像面P1ではなく二次像面P2にプロジェクタ23からの光が結像する。この構成では、プロジェクタ23からの光を標本Sからの光へ合成するハーフミラー28を、標本Sからの光が平行光束として進行する光路上に配置することができる。このため、ハーフミラー28によってゴーストが発生することを回避しながら、鏡筒装置20がAR表示機能を提供することができる。
なお、上述した特許文献1、特許文献2のように、AR表示機能を提供するプロジェクタを中間鏡筒内に設けた場合にも、対物レンズと結像レンズの間の平行光束中でプロジェクタからの光を合成可能である。しかしながら、この場合、鏡筒装置20内にプロジェクタ23を設けた場合と比較して、対物レンズと結像レンズの間の距離が延長されることによって光学性能が劣化する可能性がある。具体的には、像の周辺が暗くなったり、レンズの周辺を通過することになるので結像性能に劣化が生じたりする。鏡筒装置20によれば、対物レンズと結像レンズの間の距離を延長することがないため、光学性能の劣化を回避することができる。
さらに、上述した特許文献1、特許文献2のような中間鏡筒にプロジェクタを設ける構成は、3眼鏡筒に撮像装置を取り付ける構成との組み合わせに適しない。撮像装置で取得した画像は、画像解析などに用いられるため、補助情報が重畳されていないことが望ましい。しかしながら、中間鏡筒にプロジェクタを設けるとプロジェクタからの光が合成された光が3眼鏡筒内のスプリッタで分離されることになる。このため、3眼鏡筒に取り付けられた撮像装置で取得する画像にも補助情報が重畳してしまう。これに対して、鏡筒装置20内にリレー光学系26を設ける構成は、スプリッタ25よりも後段でプロジェクタ23からの光を合成することができる。このため、撮像装置40へプロジェクタ23からの光が入射することを回避することができる。従って、鏡筒装置20内にリレー光学系26を設ける構成は、鏡筒装置20を3眼鏡筒として構成し既存の撮像装置を活用する上でも好適である。
AR表示機能を有する鏡筒装置20は、上述したように、光学性能の面でも、顕微鏡利用者が所有する既存の装置の有効活用の面でも、AR表示機能を有する中間鏡筒に比べて優位性を有している。また、中間鏡筒が取り付けられると、アイポイントの高さが中間鏡筒の高さだけ高くなり、顕微鏡システム1のエルゴノミック性が犠牲になってしまうが、鏡筒装置20内にプロジェクタ23を設けることで、中間鏡筒を省略することができる。このため、鏡筒装置20によれば、中間鏡筒を顕微鏡本体10と鏡筒装置20の間に挿入することによるアイポイントの高さの上昇を抑えることができる。
その一方で、鏡筒装置20は、鏡筒装置20内で2回結像するためにリレー光学系26を必要とする。このため、結像レンズ24から接眼レンズ30までの光路長は中間鏡筒を用いた場合と比較して必然的に長くなる。この中間鏡筒の場合と比較した光路長の延長分が鉛直方向に伸びてしまうと、中間鏡筒と比較したアイポイントの高さに関する優位性が小さくなる、又は失われてしまう。
そこで、鏡筒装置20では、アイポイントの高さを抑えるために2階層構成が採用されている。以下、図3を参照しながら、アイポイントの高さを抑える2階層構成について説明する。
図3は、鏡筒装置内の2階層構成を説明するための図である。アイポイントの高さを抑えるためには、可能な限り水平方向に光路を伸ばして光路長を消費することが望ましい。しかしながら、水平方向に光路を伸ばしすぎると鏡筒装置20の水平方向の大きさ、つまり、フットプリントが大きくなりすぎてしまう。そこで、鏡筒装置20では、鏡筒装置20を限られたスペースに納めながらアイポイントの高さを抑えるために、2階層構成を採用する。具体的には、鏡筒装置20は、図3に示すように、第1の反射光学系M1と第2の反射光学系M2と第3の反射光学系M3を備え、これらの反射光学系によって2階層構成を実現する。
第1の反射光学系M1は、結像レンズ24からの光束を反射させて第1の水平方向に折り返す。光束が第1の反射光学系M1で第1の水平方向へ反射することで、光路が水平方向へ伸びて、アイポイントの高さの上昇を伴うことなく光路長が消費される。なお、第1の反射光学系M1は、例えば、スプリッタ25である。第1の反射光学系M1は、結像レンズ24からの光束の一部を反射させて第1の水平方向に折り返し、且つ、結像レンズ24からの光束の一部を透過させて撮像装置40へ導いてもよい。
第2の反射光学系M2は、第1の反射光学系M1が配置される第1の水平平面上に配置され、第1の反射光学系M1を経由した光束を反射させて鉛直上方方向に折り返す。つまり、第1の反射光学系M1から第2の反射光学系M2までの間の光路が第1階層を構成する。光束が第2の反射光学系M2で鉛直上方方向へ反射することで、鏡筒装置20が水平方向に広がりすぎることを防止することができる。
第3の反射光学系M3は、第1の水平平面とは異なる第2の水平平面上に配置され、第2の反射光学系M2を経由した光束を反射させて第2の水平方向に折り返す。第3の反射光学系M3以降の光路が第2階層を構成する。光束が第3の反射光学系M3で第2の水平方向へ反射することで、光路が水平方向へ伸びて、再び、アイポイントの高さの上昇を伴うことなく光路長が消費される。
このように、鏡筒装置20は、第1の反射光学系M1と第2の反射光学系M2と第3の反射光学系M3を備えることで、2階層構成を実現して、アイポイントの高さの過度な上昇を抑えながら、リレー光学系の導入に伴う光路長の延長に対処することができる。従って、鏡筒装置20によれば、中間鏡筒と比較したアイポイントの高さに関する優位性を維持することが可能であり、高いエルゴノミック性を維持しながらAR表示機能を提供することができる。
さらに、鏡筒装置20は、図3に示すように、第2の水平平面上に配置された合成光学素子M4を備えている。合成光学素子M4は、プロジェクタ23から出射した投影レンズ27からの光束を接眼レンズ30の物体面へ至る光路へ導く。なお、合成光学素子M4は、例えば、ハーフミラー28である。
合成光学素子M4が第1の水平平面よりも上方にある第2の水平平面上に配置されることで、プロジェクタ23も鏡筒装置20内の比較的高い位置に設けられる。プロジェクタ23としては、任意の方式のプロジェクタが採用し得るが、いずれも方式のプロジェクタであっても発熱する。このため、プロジェクタ23からの熱の影響で鏡筒装置20内のレンズやミラーが変形して光学性能が劣化することを防ぐためには、プロジェクタ23は熱を効率良く放熱可能な位置に配置されることが望ましい。具体的には、プロジェクタ23は、鏡筒装置20の外装部近傍に配置されることが望ましく、熱が逃げる上方にスペースがある位置に配置されることが望ましい。鏡筒装置20では、プロジェクタ23を第2の水平平面上に配置することで鏡筒装置20の上面から熱を上方に逃がすことができるため、効率良くプロジェクタ23から放熱可能である。従って、鏡筒装置20によれば、プロジェクタ23による発熱に起因する光学性能の劣化も防止することができる。
以上の様に、プロジェクタ23とプロジェクタ23からの光束を接眼レンズ30の物体面に導く合成光学素子M4を備える鏡筒装置20は、第1の反射光学系M1と第2の反射光学系M2と第3の反射光学系M3で2階層構成を実現することでアイポイントの上昇を抑えることができる。また、合成光学素子M4を2階層構成の第2階層に配置することで、プロジェクタ23で生じた熱を効率良く放熱することができる。従って、鏡筒装置20によれば、高いエルゴノミック性を維持しながらAR表示機能を提供することが可能である。また、熱に起因する種々の問題を回避して高い信頼性でAR表示機能を提供することができる。
以下、上述した2階層構成を有する鏡筒装置20の具体例について各実施形態で説明する。なお、第1の実施形態から第3の実施形態として例示される鏡筒装置は、病理診断などに使用される生物顕微鏡システムに装着される鏡筒装置である。また、第4の実施形態として例示される鏡筒装置は、工業顕微鏡システムに装着される鏡筒装置である。第1の実施形態から第4の実施形態に係る鏡筒装置は、各鏡筒装置内で2回結像する点については、同様である。
図4は、像の回転について説明するための図である。鏡筒装置は、元の像S0(例えば、標本S)と同じ向きの正立像S1を観察する正立像鏡筒と、元の像S0とは上下左右が反転した倒立像S2を観察する倒立像鏡筒と、に大別される。鏡像を形成する平面反射を無視すると、鏡筒装置は、結像回数が偶数回であれば、正立像S1を形成し、結像回数が奇数回であれば、倒立像S2を形成する。
さらに、水平平面内での平面反射が発生する度に、像は左右反転する。このため、水平平面内での平面反射が奇数回発生すると、正立像S1は鏡像S3に変換される。また、鉛直平面内での平面反射が発生する度に、像は上下反転する。このため、鉛直平面内での平面反射が奇数回発生すると、正立像S1は鏡像S4に変換される。従って、鏡筒装置が形成する像の向きは、結像回数と、水平平面と鉛直平面のそれぞれにおける平面反射の回数によって決定される。
病理市場では、倒立鏡筒が多く使われており病理医が倒立像の観察に慣れている。従って、圧倒的に正立像よりも倒立像が顕微鏡利用者に好まれるため、第1の実施形態から第3の実施形態として例示される鏡筒装置は、倒立像鏡筒として構成されている。これらの鏡筒装置は、鏡筒装置内で2回結像するため、平面反射を考慮しない場合、正立像S1が形成されてしまう。そこで、リレー光学系の導入に伴って延長された光路長を消費するために光路を折り曲げる平面反射を、鏡筒装置内で水平方向と鉛直方向のそれぞれについて奇数回ずつ発生させる。これにより、鏡筒装置内で正立像S1が左右方向と上下方向の両方について反転し、倒立像S2が形成される。
一方で、工業用途では、正立像が顕微鏡利用者に好まれるため、第4の実施形態として例示される鏡筒装置は、正立像鏡筒として構成されている。第4の実施形態に係る鏡筒装置も、鏡筒装置内で2回結像するため、平面反射を考慮しない場合、正立像S1が形成される。そこで、リレー光学系の導入に伴って延長された光路長を消費するために光路を折り曲げる平面反射を、鏡筒装置内で水平方向と鉛直方向のそれぞれについて偶数回ずつ発生させる。平面反射の影響が排除されるため、正立像S1が形成される。
(第1の実施形態)
図5は、本実施形態に係る鏡筒装置100の構成を示した斜視図である。図6は、本実施形態に係る鏡筒装置100の1階部分の構成を示した上面図である。図7は、本実施形態に係る鏡筒装置100の2階部分の構成を示した上面図である。図8は、本実施形態に係る鏡筒装置100の構成を示した側面図である。図5から図8を参照しながら、鏡筒装置100の構成について説明する。
なお、図5から図8に示す直交座標系のZ方向は、鉛直方向であり、XY方向は水平方向である。X方向は、鏡筒装置100を備える顕微鏡システムの左右方向であり、Y方向は、鏡筒装置100を備える顕微鏡システムの前後方向である。
鏡筒装置100は、例えば、顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であり、病理診断などで用いられる倒立像を形成する倒立像鏡筒装置である。鏡筒装置100は、接眼レンズ30と撮像装置40が装着される3眼鏡筒である。
鏡筒装置100は、合成光学素子111を配置するスペースを確保するためにリレー光学系(リレーレンズ106とリレーレンズ113)を備えている。合成光学素子111は、投影レンズ110によって平行光束に変換されたプロジェクタ109からの光束を接眼レンズ30へ導く光学素子である。合成光学素子111は、平行光束が通過するリレーレンズ106とリレーレンズ113の間の光路上に配置される。鏡筒装置100は、リレー光学系を有することでAR機能を顕微鏡利用者に提供することができる。
なお、リレー光学系を構成するリレーレンズ106の焦点距離は、結像レンズ101の焦点距離と同じであっても異なっていてもよい。ただし、リレーレンズ106とリレーレンズ113からなるリレー光学系の倍率は1倍であることが望ましく、従って、リレー光学系は、一次像と同じ大きさの二次像を形成することが望ましい。
また、図5では、図面を簡略化するため、接眼レンズ30へ至る目視観察光路を1つのみ記載しているが、鏡筒装置100は、上述したように3眼鏡筒であり、左目用と右目用の2つの接眼レンズ30を備えている。図5では、記載が省略されているが、後述するミラー115と接眼レンズ30の間に図示しない光線分岐部(プリズムを用いたビームスプリッタ等で構成される)が設けられていて、その光線分岐部により左目用と右目用の接眼レンズ30のそれぞれへ光が導かれる。
また、鏡筒装置100は、リレー光学系によって従来に比べて延長された光路長をアイポイントの上昇を抑制しながら限られたスペース内で効率良く消費するために、2階層構成を有している。具体的には、鏡筒装置100の2階層構成は、第1の反射光学系102と、第2の反射光学系107と、第3の反射光学系108を備えることによって実現されている。これにより、鏡筒装置100は、フットポイントを大きくしすぎることなくアイポイントの高さを抑えることができる。
また、鏡筒装置100は、合成光学素子111を、2階層構成の上層である第2階層に備えている。これにより、鏡筒装置100は、合成光学素子111近傍に設けられるプロジェクタ109で生じた熱を効率良く放熱することができる。
さらに詳細には、鏡筒装置100は、図5に示すように、鉛直方向に光軸を向けた結像レンズ101と、第1の反射光学系102と第2の反射光学系107を含む第1階層に配置された光学系と、第3の反射光学系108を含む第2階層に配置された光学系と、接眼レンズ30をあおり方向に回動する図示しない回動部の軸に取り付けられたミラー115と、を備えている。
鏡筒装置100では、結像レンズ101は鏡筒装置100内の顕微鏡本体(対物レンズ)に最も近い位置に配置されている。これにより、鏡筒装置100は、顕微鏡本体からの光を効率良く取り込むことをできる。
鏡筒装置100は、図5及び図6に示すように、第1階層に配置された光学系として、第1の反射光学系102と、ミラー103と、視野絞り104と、ミラー105と、リレーレンズ106と、第2の反射光学系107を備えている。また、鏡筒装置100は、図5及び図7に示すように、第2階層に配置された光学系として、第3の反射光学系108と、投影レンズ110と、合成光学素子111と、ミラー112と、リレーレンズ113と、ミラー114を備えている。また、プロジェクタ109も第2階層に配置されている。
第1の反射光学系102は、結像レンズ101からの光を撮像装置40へ至る光と接眼レンズ30へ至る光に分離するビームスプリッタである。第1の反射光学系102では、鉛直平面内での平面反射が生じる。詳細には、第1の反射光学系102は、結像レンズ101からの光束の一部を反射させて第1の水平方向(Y+方向)に折り返し、且つ、結像レンズ101からの光束の一部を透過させて撮像装置40へ導く。
なお、第1の水平方向は、顕微鏡システムの前後方向のうち接眼スリーブが設けられている鏡筒装置100の正面から、背面に向かう方向である。結像レンズ101からの光束を第1の反射光学系102で第1の水平方向に偏向することで、顕微鏡利用者が存在する正面側のスペースを鏡筒装置100が占有することを回避することができる。
第1の反射光学系102で反射して第1階層を進行する収斂光束は、それぞれ水平平面内での平面反射を生じさせるミラー103とミラー105の間で結像し、発散光束としてリレーレンズ106へ入射する。結像レンズ101が一次像を形成する、ミラー103とミラー105の間の一次像面には、鏡筒装置100の第1の視野絞りである視野絞り104が設けられている。視野絞り104の径は、例えば、顕微鏡の視野として標準的なφ22である。
なお、ミラー103とミラー105は、入射光束の方向に対して出射光束の方向を水平平面内で90度異ならせる一組の反射面を有する。ミラー103とミラー105が有する一組の反射面は、Y+方向へ進行する光束を水平平面内で90度折り曲げてX+方向へ進行させる。
リレーレンズ106は、鏡筒装置100に設けられたリレー光学系を構成する第1のリレーレンズであり、第1の反射光学系102を経由した光束を平行光束に変換する。その後、平行光束は、第2の反射光学系107に入射する。第2の反射光学系107では、鉛直平面内での平面反射が生じる。これにより、平行光束が第2の反射光学系107で鉛直上方方向(Z+方向)へ向けて反射し、第3の反射光学系108へ入射する。
第3の反射光学系108では、鉛直平面内での平面反射が生じる。これにより、第2の反射光学系107を経由した平行光束が第3の反射光学系108で第2の水平方向(X-方向)へ向けて反射する。第3の反射光学系108で反射した平行光束は、プロジェクタ109から出射し投影レンズ110でコリメートされた平行光束と合成光学素子111によって合成され、その後、ミラー112へ入射する。
ミラー112では、水平平面内での平面反射が生じる。これにより、合成された平行光束がY-方向へ向けて反射し、リレーレンズ113へ入射する。リレーレンズ113は、鏡筒装置100に設けられたリレー光学系を構成する第2のリレーレンズである。リレーレンズ113へ入射した平行光束は、リレーレンズ113で収斂光束に変換され、その後、ミラー114に入射する。
ミラー114は、第3の反射光学系108を経由した光束を回動部の軸に取り付けられたミラー115へ向けて下方向へ反射させる反射面を備えている。ミラー114(の反射面)では、鉛直平面内での平面反射が生じる。これにより、収斂光束がZ-方向へ向けて反射し、ミラー115へ入射する。ミラー115でも、鉛直平面内での平面反射が生じる。これにより、収斂光束が接眼レンズ30へ向けて反射する。
図5及び図8に示すように、鏡筒装置100内では、第2階層に配置されたミラー114で一旦光束を下げて、その後、ミラー115で光束を接眼レンズ30へ向かって跳ね上げる。この構成により、鏡筒装置100は、回動部のあおり方向の回動によって、顕微鏡利用者に応じた様々なアイポイントへ対応することが可能となっている。また、ミラー114で一旦光束を下げる構成は、光路長を消費するために採用した2階層構成によって生じるアイポイントの上昇分を相殺する上でも好適である。
なお、ミラー115は、回動部の回動量の1/2だけ軸周りに回転する反射部材である。ミラー115が回動部の回動量の1/2だけ回転することで、ミラー114からミラー115へ入射する光の入射角とミラー115で反射した光の出射角とがそれぞれ回動量の1/2だけ大きく(又は小さく)なる。これにより、ミラー114からミラー115へ入射する光が回動部の回動量と同じ角度だけミラー115で偏向するため、回動量によらず接眼レンズ30へ光束を導くことができる。
ミラー115で反射した収斂光束は、接眼レンズ30の物体面(二次像面)に結像し、発散光束として接眼レンズ30へ入射する。リレー光学系が二次像を形成する二次像面(接眼レンズ30の物体面)には、鏡筒装置100の第2の視野絞りである視野絞り31が設けられている。視野絞り31の径は、例えば、φ26.5である。
なお、二次像面に形成される視野絞り104の開口部の像は視野絞り31の開口部よりも小さいことが望ましい。即ち、リレー光学系の倍率が1倍であれば、視野絞り104の径は、視野絞り31の径よりも小さいことが望ましい。視野絞り104の径を視野絞り31の径よりも小さくすることで、視野絞り31の開口部内に光学像(二次像)が投影されない領域を設けることができる。光学像が投影されない領域にプロジェクタ109から補助情報を投影することで光学像の影響を受けることなく高いコントラストで補助情報を表示することができる。
以上のように構成された鏡筒装置100では、図8に示すように、鉛直平面内での平面反射は、2層構成を実現する第1の反射光学系102と第2の反射光学系107と第3の反射光学系108に加えて、アイポイントの高さを調整するためのミラー114とミラー115で発生する。即ち、計5回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の上下を反転することができる。
さらに、鏡筒装置100では、図6及び図7に示すように、水平平面内での平面反射は、第1階層に設けられたミラー103とミラー105に加えて、第2階層に設けられたミラー112で発生する。即ち、計3回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の左右も反転することができる。
従って、鏡筒装置100によれば、2回結像により形成される正立像を上下左右に反転し、最終的に倒立像を出力することができる。なお、図示しない左目用と右目用の光路(以降、双眼光路と記す。)での反射回数は水平方向について偶数回となるので、双眼光路中の反射は像の向きへ影響しない。
図9は、鏡筒装置内で光路長を消費するための構成を示した例を示した図である。図10は、本実施形態に係る鏡筒装置100が採用する水平方向の光路を示した図である。以下、図9及び図10を参照しながら、鏡筒装置100における水平平面内での平面反射についてさらに詳細に説明する。
上述したように、鏡筒装置100では、リレー光学系の導入により延長された光路長を水平方向に伸ばした光路によって効率良く消費することが望ましい。また、鏡筒装置100のフットプリントの過度な増大や鏡筒装置100が一方向へ極端に長い形状となることも回避することが望ましい。さらに、結像レンズ101の上方に設けられた第1の反射光学系102で水平方向に反射した光束は、最終的には、平面視したときに結像レンズ101の手前(Y-方向)に位置する、接眼レンズ30へ導く必要がある。
これらの要件を満たす水平方向についての光路を検討すると、水平平面(XY平面)内において、Y方向への往復光路(Y+方向の光路とY-方向の光路)とX方向への往復光路(X+方向の光路とX-方向の光路)の計4つの光路を組み合わせた光路を設計することが考えられる。
しかしながら、このような光路設計では、水平平面内での平面反射は、2回しか生じない。具体的には、図9に示すように、4つの光路を接続する3つ接続点のうちの1点には、第2の反射光学系107と第3の反射光学系108の組み合わせが配置されるため、水平平面内での平面反射は、残りの2つの接続点に配置されたミラー121とミラー122のそれぞれでしか生じない。従って、Y方向への往復光路とX方向への往復光路かなる計4つの光路を組み合わせでは奇数回の平面反射が発生せず、2回結像により形成される正立像を左右に反転させることができない。
そこで、鏡筒装置100は、奇数回の平面反射を発生させるために、入射光束の方向に対して出射光束の方向を水平平面内で90度異ならせる一組の反射面を用いる。具体的には、それぞれが入射光束の方向に対して出射光束の方向を水平平面内で90度異ならせる図9に示す2つのミラー(ミラー121、ミラー122)の一方を、図10に示すように、上述した一組のミラー(ミラー103、ミラー105)に置き換えて、4の字光路を形成する。つまり、1つのミラーで90度異なる方向に光束を偏向する代わりに、一組のミラー(一組の反射面)で90度異なる方向に光束を偏向する。
これにより、Y方向への往復光路とX方向への往復光路に一組のミラーの間に形成される斜めの光路を加えた計5つの光路が形成され、この5つの光路を接続する4点のうちの、第2の反射光学系107と第3の反射光学系108が配置される1点を除く、3点で平面反射を発生させることができる。
このように、鏡筒装置100に、入射光束の方向に対して出射光束の方向を水平平面内で90度異ならせる一組の反射面を用いて4の字光路を形成することで、水平平面内での奇数回の平面反射を発生させることができる。このため、2回結像により形成される正立像を左右に反転させることが可能である。また、上述した鉛直平面内での奇数回の平面反射との組み合わせで、正立像を倒立像に変換して出力することができる。従って、鏡筒装置100によれば、生物顕微鏡システムに好適な倒立像を出力するAR表示機能を有する鏡筒装置を実現することができる。
また、図10に示すように、鏡筒装置100では、一組の反射面(ミラー103、ミラー105)の一方は、結像レンズ101の光軸と接眼レンズ30の中心線を含む平面(以降、中心鉛直平面と記す)で区分される2つの領域の一方に配置され、第2の反射光学系107又は第3の反射光学系108の少なくとも一方は、中心鉛直平面で区分される2つの領域の他方に配置されることが望ましい。このように、ミラー105と第2の反射光学系107(第3の反射光学系108)とを中心鉛直平面を挟んで反対の領域に配置することで、図9に示す場合と比較して、鏡筒装置100の中心付近に接眼スリーブを配置することが可能となる。なお、接眼レンズ30の中心線は、接眼レンズ30が単眼の場合であれば、その接眼レンズ30の光軸であり、接眼レンズ30が双眼の場合であれば、左右の接眼レンズ30の光軸の中間に引かれた中間線である。
また、像を反転する光学系としてポロプリズムが良く知られているが、鏡筒装置100に含まれる光学系は、ポロプリズムを用いた光学系よりもコンパクトに構成可能である。これは、ポロプリズムでは、入射光束と出射光束の方向が同じ方向となるからである。従って、例えば、入射光束と出射光束の方向が鉛直方向を向くようにポロプリズムを配置すると、アイポイントを抑えることが難しくなってしまう。
図11から図13は、本実施形態において接眼レンズ30経由で観察される画像の例である。なお、図11から図13に示す視野FS1は、二次像面に形成された視野絞り104の開口部の像であり、一次像面に配置された視野絞り104によって制限された視野を示している。また、視野FS2は、二次像面に形成された視野絞り31の開口部であり、二次像面に配置された視野絞り31によって制限された視野を示している。
図11は、プロジェクタ109の電源がOFFの状態において、接眼レンズ30経由で観察される画像の一例を示している。プロジェクタ109の電源がOFFの状態では、標本Sの光学像S10のみが二次像面の視野FS1内に投影される。
図12は、プロジェクタ109の電源がONの状態において、接眼レンズ30経由で観察される画像の一例を示している。プロジェクタ109の電源がONの状態では、光学像S10に加えて撮像装置40で取得した画像を解析することで生成された解析情報S11が補助情報として二次像面に投影される。なお、この例では、解析情報S11は、細胞の核をマーキングする情報である。解析情報S11は、例えば、予め機械学習によって画像中の細胞の核を検出するように学習した学習済みモデルを用いて制御装置50が撮像装置40で取得した画像を解析することで生成される。
図13は、プロジェクタ109の電源がONの状態において、接眼レンズ30経由で観察される画像の別の例を示している。図12では、補助情報が撮像装置40で取得した画像を解析した情報である場合を示したが、補助情報は撮像装置40で取得した画像を解析した情報に限らない。例えば、顕微鏡システムの設定情報などを含んでもよい。図13には、解析情報S11に加えて、設定情報S12が二次像面に投影された様子が示されている。なお、設定情報S12は、視野FS1の外側で且つ視野FS2の内側に投影することが望ましい。この領域は光学像が投影されていないため、背景が黒であり、コントラスト良く設定情報S12を表示することができる。
本実施形態では、視野絞り104の開口形状が円形の場合を例に説明したが、開口形状は円形に限らない。用途に応じて異なる開口形状の視野絞りが用いられてもよい。顕微鏡利用者は、例えば、スライダに固定された開口形状又は開口サイズの異なる複数の視野絞りの中から任意の視野絞りを選択して光路上に配置してもよい。
図14は、変形例において接眼レンズ30経由で観察される画像の例である。図14には、視野絞り104の代わりに開口形状が矩形の視野絞りが光路中に配置された例が示されている。なお、図14に示す視野FS1aは、二次像面に形成された開口形状が矩形の視野絞りの開口部の像であり、一次像面に配置された視野絞りによって制限された視野を示している。
図14には、視野FS1aの外側で且つ視野FS2の内側の領域を比較的広く確保し、その領域に設定情報S12とGUI情報S13を投影した様子が示されている。このように、二次像面に投影する補助情報に応じて視野絞りを交換することで、顕微鏡利用者が補助情報を把握しやすくしてもよい。
図15は、光路切替機構130の構成を例示した図である。本実施形態では、第1の反射光学系102が光路上に固定されている例を示したが、第1の反射光学系102は、図15に示すような光路切替機構130に収容されてもよい。光路切替機構130は、スライダ131上に固定された複数の光学素子(光学素子132、光学素子133、光学素子134)を収容し、接眼レンズ30へ至る光路と撮像装置40へ至る光路が交差する位置にこれらの複数の光学素子のうちのいずれかを選択的に配置する。これらの複数の光学素子のいずれかが第1の反射光学系102であってもよい。なお、光学素子132、133、134の具体例を説明する。光学素子134は接眼レンズ30による観察と撮像装置40による撮影を同時にできるハーフプリズムである。光学素子133は撮像装置40にのみ光線が透過するプリズムである。光学素子132は、接眼レンズ30側にのみ光線を向けるプリズムである。
(第2の実施形態)
図16は、本実施形態に係る鏡筒装置200の構成を示した斜視図である。図17は、本実施形態に係る鏡筒装置200の1階部分の構成を示した上面図である。図18は、本実施形態に係る鏡筒装置200の2階部分の構成を示した上面図である。図19は、本実施形態に係る鏡筒装置200の構成を示した側面図である。図20は、本実施形態に係る鏡筒装置が採用する水平方向の光路を示した図である。図16から図20を参照しながら、鏡筒装置200の構成について説明する。
鏡筒装置200は、顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であり、病理診断などで用いられる倒立像を形成する倒立像鏡筒装置である。また、鏡筒装置200は、接眼レンズ30と撮像装置40が装着される3眼鏡筒である。この点は、鏡筒装置100と同様である。
鏡筒装置200は、リレー光学系(リレーレンズ207、リレーレンズ213)を備えている点、第1の反射光学系202と第2の反射光学系208と第3の反射光学系209を用いて2階層構成を実現している点、第2階層に合成光学素子212を配置している点も、鏡筒装置100と同様である。
鏡筒装置200は、図16に示すように、鉛直方向に光軸を向けた結像レンズ201と、第1の反射光学系202と第2の反射光学系208を含む第1階層に配置された光学系と、第3の反射光学系209を含む第2階層に配置された光学系と、接眼レンズ30をあおり方向に回動する図示しない回動部の軸に取り付けられたミラー215と、を備えている。
鏡筒装置200でも、結像レンズ201は鏡筒装置200内の顕微鏡本体に最も近い位置に配置されている。また、鏡筒装置200は、図16及び図17に示すように、第1階層に配置された光学系として、第1の反射光学系202と、ミラー203と、ミラー204と、視野絞り205と、ミラー206と、リレーレンズ207と、第2の反射光学系208を備えている。また、鏡筒装置200は、図16及び図18に示すように、第2階層に配置された光学系として、第3の反射光学系209と、投影レンズ211と、合成光学素子212と、リレーレンズ213と、ミラー214を備えている。また、プロジェクタ210も第2階層に配置されている。
鏡筒装置200では、図16及び図19に示すように、鉛直平面内での平面反射は、2層構成を実現する第1の反射光学系202と第2の反射光学系208と第3の反射光学系209に加えて、アイポイントの高さを調整するためのミラー214とミラー215で発生する。即ち、計5回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の上下を反転することができる。この点は、鏡筒装置100と同様である。
また、鏡筒装置200では、図17及び図18に示すように、水平平面内での平面反射は、第1階層に設けられたミラー203とミラー204とミラー206で発生する。即ち、計3回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の左右も反転することができる。従って、鏡筒装置200は、2回結像により形成される正立像を上下左右に反転し、最終的に倒立像を出力することができる。この点は、鏡筒装置100と同様である。
さらに、鏡筒装置200では、図20に示すように、ミラー203とミラー204が有する一組の反射面を用いて4の字光路(図20では、4の字の左右を反転した形状の光路)を形成し、それによって、奇数回の水平平面内での平面反射を生じさせる点も鏡筒装置100と同様である。ただし、水平平面内での平面反射が第1階層でのみ発生し、第2階層で発生しない点については、鏡筒装置200は、鏡筒装置100とは異なっている。
以上のように構成された鏡筒装置200によっても、鏡筒装置100と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図21は、本実施形態に係る鏡筒装置300の構成を示した斜視図である。図21を参照しながら、鏡筒装置300の構成について説明する。
鏡筒装置300は、顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であり、病理診断などで用いられる倒立像を形成する倒立像鏡筒装置である。また、鏡筒装置300は、接眼レンズ30と撮像装置40が装着される3眼鏡筒である。この点は、鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様である。
鏡筒装置300は、リレー光学系(リレーレンズ307、リレーレンズ312)を備えている点、第1の反射光学系302と第2の反射光学系304と第3の反射光学系306を用いて2階層構成を実現している点、第2階層に合成光学素子311を配置している点も、鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様である。
鏡筒装置300は、図21に示すように、鉛直方向に光軸を向けた結像レンズ301と、第1の反射光学系302と第2の反射光学系304を含む第1階層に配置された光学系と、第3の反射光学系306を含む第2階層に配置された光学系と、接眼レンズ30をあおり方向に回動する図示しない回動部の軸に取り付けられたミラー314と、を備えている。
鏡筒装置300でも、結像レンズ301は鏡筒装置300内の顕微鏡本体に最も近い位置に配置されている。また、鏡筒装置300は、第1階層に配置された光学系として、第1の反射光学系302と、ミラー303と、第2の反射光学系304を備えている。また、鏡筒装置300は、第2階層に配置された光学系として、第3の反射光学系306と、リレーレンズ307と、ミラー308と、投影レンズ310と、合成光学素子311と、リレーレンズ312と、ミラー313を備えている。また、プロジェクタ309も第2階層に配置されている。なお、視野絞り305は、第1階層と第2階層の間に設けられている。
鏡筒装置300では、鉛直平面内での平面反射は、2層構成を実現する第1の反射光学系302と第2の反射光学系304と第3の反射光学系306に加えて、アイポイントの高さを調整するためのミラー313とミラー314で発生する。即ち、計5回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の上下を反転することができる。この点は、鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様である。
また、鏡筒装置300では、水平平面内での平面反射は、第1階層に設けられたミラー303と、第2階層に設けられたミラー308と合成光学素子311で発生する。即ち、計3回の奇数回の平面反射が発生する。これにより、2回の結像によって形成される正立像の左右も反転することができる。従って、鏡筒装置300は、2回結像により形成される正立像を上下左右に反転し、最終的に倒立像を出力することができる。この点は、鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様である。
さらに、鏡筒装置300では、一組の反射面を用いて4の字光路を形成し、それによって、奇数回の水平平面内での平面反射を生じさせる点も鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様である。ただし、一組の反射面が第2階層に配置されたミラー308と合成光学素子311が有する反射面によって構成されている点が、鏡筒装置300は、鏡筒装置100と鏡筒装置200とは異なっている。即ち、一組の反射面は、第2階層に配置され、また、一組の反射面の一方は、合成光学素子311に設けられる点が、鏡筒装置300は、鏡筒装置100と鏡筒装置200とは異なっている。
以上のように構成された鏡筒装置300によっても、鏡筒装置100と鏡筒装置200と同様の効果を得ることができる。また、鏡筒装置300によれば、一組の反射面の一方を合成光学素子311に設けることで、鏡筒装置100と鏡筒装置200に比べて部品点数を少なく抑えることができる。
(第4の実施形態)
図22は、本実施形態に係る鏡筒装置400の構成を示した側面図である。図22を参照しながら、鏡筒装置400の構成について説明する。
鏡筒装置400は、顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であり、工業用途で用いられる正立像を形成する正立像鏡筒装置である。この点は、鏡筒装置100から鏡筒装置300とは異なっている。また、鏡筒装置400は、接眼レンズ30と撮像装置40が装着される3眼鏡筒である。この点は、鏡筒装置100から鏡筒装置300と同様である。
鏡筒装置400は、リレー光学系(リレーレンズ407、リレーレンズ411)を備えている点、第1の反射光学系402と第2の反射光学系403と第3の反射光学系406を用いて2階層構成を実現している点、第2階層に合成光学素子410を配置している点は、鏡筒装置100から鏡筒装置300と同様である。
鏡筒装置400は、図22に示すように、鉛直方向に光軸を向けた結像レンズ401と、第1の反射光学系402と第2の反射光学系403を含む第1階層に配置された光学系と、第3の反射光学系406を含む第2階層に配置された光学系と、接眼レンズ30をあおり方向に回動する図示しない回動部の軸に取り付けられたミラー412と、を備えている。
鏡筒装置400でも、結像レンズ401は鏡筒装置400内の顕微鏡本体に最も近い位置に配置されている。また、鏡筒装置400は、第1階層に配置された光学系として、第1の反射光学系402と、第2の反射光学系403を備えている。また、鏡筒装置400は、第2階層に配置された光学系として、第3の反射光学系406と、リレーレンズ407と、合成光学素子410を備えている。リレーレンズ411は、合成光学素子410とミラー412の間に設けられている。視野絞り404は、第1階層と第2階層の間に設けられている。
プロジェクタ408と投影レンズ409は、第2階層に配置された合成光学素子410の上方に配置されている。この点について、鏡筒装置400は、鏡筒装置100から鏡筒装置300とは異なっている。ただし、プロジェクタ408が第2階層よりも上方に配置される構成は、第2階層に配置される構成と同様に、プロジェクタ408からの熱を効率良く放熱可能である。
鏡筒装置400では、水平平面内での平面反射は生じない。このため、鏡筒装置400は、2回の結像によって形成される正立像の左右を反転しない。また、鏡筒装置400では、鉛直平面内での平面反射は、2層構成を実現する第1の反射光学系402と第2の反射光学系403と第3の反射光学系406に加えて、第3の反射光学系406とともに一組の反射面を有するミラー405と、アイポイントの高さを調整するための合成光学素子410とミラー412で発生する。即ち、計6回の偶数回の平面反射が発生する。このため、鏡筒装置400は、2回の結像によって形成される正立像の上下を反転しない。従って、鏡筒装置400は、2回結像により形成される正立像を上下左右に反転せず、最終的に正立像を出力することができる。
以上のように構成された鏡筒装置400によれば、正立像鏡筒として構成しながら、鏡筒装置100から鏡筒装置300と同様に、高いエルゴノミック性を維持しながらAR表示機能を提供することができる。また、鏡筒装置400によれば、合成光学素子311を水平平面内での平面反射に利用し、且つ、一組の反射面の一方を第3の反射光学系406に設けることで、鏡筒装置100から鏡筒装置300に比べて部品点数を少なく抑えることができる。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。上述の実施形態を変形した変形形態および上述した実施形態に代替する代替形態が包含され得る。つまり、実施形態は、その趣旨および範囲を逸脱しない範囲で構成要素を変形することが可能である。また、1つ以上の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、新たな実施形態を実施することができる。また、各実施形態に示される構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよく、または実施形態に示される構成要素にいくつかの構成要素を追加してもよい。さらに、各実施形態に示す処理手順は、矛盾しない限り順序を入れ替えて行われてもよい。即ち、本発明の鏡筒装置は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
例えば、上述した実施形態に係る鏡筒装置は、顕微鏡システム1の代わりに、図23に示す顕微鏡システム2に取り付けられてもよい。図23は、別の実施形態に係る顕微鏡システムの構成を示した図である。
図23に示す顕微鏡システム2は、バーコードリーダ60を備えている点が、顕微鏡システム1とは異なっている。その他の点は、顕微鏡システム1と同様である。病理標本には、その標本の情報(例えば、標本が採取された部位、患者の年齢、染色条件)を特定するためのバーコードが付されていることが多い。顕微鏡システム2を用いることで、バーコードリーダ60で標本Sに付されたバーコードを読み込んで、顕微鏡システム2に接続された外部システムから標本Sの情報を取得してもよい。さらに、取得した情報を図24に示すように、補助情報として像面に投影してもよい。
図24は、図23に示す顕微鏡システムにおいて接眼レンズ経由で観察される画像の一例である。図24では、撮像装置40で取得した画像を解析した解析情報S11と顕微鏡システム2の設定情報S12に加えて、標本Sの情報(標本情報S14、標本情報S15、標本情報S16)が二次像面に投影された様子が示されている。標本情報S14は、標本Sが採取された患者のIDと採取した部位の情報である。標本情報S15、標本情報S16は、標本Sが採取された患者の年齢と性別の情報である。なお、これらの標本情報は、設定情報S12と同様に、視野FS1の外側で且つ視野FS2の内側に投影することが望ましい。この領域は光学像が投影されていないため、背景が黒であり、コントラスト良く設定情報S12を表示することができる。
また、上述した実施形態に係る鏡筒装置では、接眼部が双眼、つまり、右目用と左目用の接眼レンズを有する例で説明したが、鏡筒装置の接眼部は単眼であってもよい。
1、2:顕微鏡システム、10:顕微鏡本体、11:ステージ、12:ランプハウス、13:光源、14:レボルバ、15:対物レンズ、20、100、200、300、400:鏡筒装置、21:接眼スリーブ、22:回動部、23、109、210、309、408:プロジェクタ、24、101、201、301、401:結像レンズ、25:スプリッタ、26:リレー光学系、26a、26b、106、113、207、213、307、312、407、411:リレーレンズ、27、110、211、310、409:投影レンズ、28:ハーフミラー、30:接眼レンズ、31、104、205、305、404:視野絞り、40:撮像装置、41:イメージセンサ、50:制御装置、60:バーコードリーダ、102、202、302、402、M1:第1の反射光学系、103、105、112、114、115、121、122、203、204、206、214、215、303、308、313、314、412 :ミラー、107、208、304、403、M2:第2の反射光学系、108、209、306、406、M3:第3の反射光学系、111、212、311、410、M4:合成光学素子、130:光路切替機構、131:スライダ、132、133、134:光学素子、FS1、FS1a、FS2:視野、P1:一次像面、P2:二次像面、S :標本、S0:像、S1:正立像、S10:光学像、S11:解析情報、S12:設定情報、S13:GUI情報、S14、S15、S16:標本情報、S2:倒立像、S3、S4:鏡像

Claims (14)

  1. 顕微鏡本体に装着可能な鏡筒装置であって、
    接眼レンズを装着可能な接眼スリーブと、
    前記鏡筒装置が装着された顕微鏡本体からの光束が入射する結像レンズと、
    前記結像レンズが形成した一次像を前記接眼スリーブに装着された接眼レンズの物体面にリレーして二次像を形成するリレー光学系と、
    前記結像レンズからの光束を反射させて第1の水平方向に折り返す第1の反射光学系と、
    前記第1の反射光学系が配置される第1の水平平面上に配置され、前記第1の反射光学系を経由した光束を反射させて鉛直上方方向に折り返す第2の反射光学系と、
    前記第1の水平平面とは異なる第2の水平平面上に配置され、前記第2の反射光学系を経由した光束を反射させて第2の水平方向に折り返す第3の反射光学系と、
    前記接眼レンズの前記物体面に前記二次像とは別の画像を形成するための光束が通過する付加光学系と、
    前記第2の水平平面上に配置され、前記付加光学系からの光束を前記接眼レンズの前記物体面へ至る光路へ導く光学素子と、を備える
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  2. 請求項1に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記第1の水平平面又は前記第2の水平平面上に配置され、水平方向に進行する光束を反射させる一組の反射面であって、入射光束の方向に対して出射光束の方向を水平平面内で90度異ならせる前記一組の反射面を備える
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  3. 請求項2に記載の鏡筒装置において、
    前記一組の反射面は、前記第2の水平平面上に配置され、
    前記一組の反射面の一方は、前記光学素子に設けられる
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の鏡筒装置において、
    前記一組の反射面の一方は、前記結像レンズの光軸と前記接眼レンズの中心線を含む平面で区分される2つの領域の一方に配置され、
    前記第2の反射光学系又は前記第3の反射光学系の少なくとも一方は、前記結像レンズの光軸と前記接眼レンズの中心線を含む前記平面で区分される前記2つの領域の他方に配置される
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  5. 請求項1に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記第1の水平平面と直交する鉛直平面上に配置され、鉛直方向に進行する光束を反射させる一組の反射面であって、入射光束の方向に対して出射光束の方向を鉛直平面内で90度異ならせる前記一組の反射面を備える
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  6. 請求項5に記載の鏡筒装置において、
    前記一組の反射面の一方は、前記第1の反射光学系、前記第2の反射光学系又は前記第3の反射光学系に設けられる
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  7. 請求項1に記載の鏡筒装置において、
    前記鏡筒装置は、撮像装置を装着する3眼鏡筒であり、さらに、
    前記第1の反射光学系は、前記結像レンズからの光束の一部を反射させて前記第1の水平方向に折り返し、且つ、前記結像レンズからの光束の一部を透過させて前記撮像装置へ導くビームスプリッタである
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  8. 請求項7に記載の鏡筒装置において、
    前記第1の水平方向は、前記接眼スリーブが設けられている前記鏡筒装置の正面から前記鏡筒装置の背面へ向かう方向である
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の鏡筒装置において、さらに、
    複数の光学素子を収容し、前記接眼レンズへ至る光路と前記撮像装置へ至る光路が交差する位置に前記複数の光学素子のうちのいずれかを選択的に配置する光路切替機構を備え、
    前記複数の光学素子は、前記第1の反射光学系を含む
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  10. 請求項1に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記接眼スリーブが設けられた、水平方向の軸周りにあおり方向に回動する回動部と、
    前記回動部の前記軸に取り付けられた、前記回動部の回動量の1/2だけ前記軸周りに回転する反射部材と、を備える
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  11. 請求項10に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記第2の水平平面上に配置され、前記第3の反射光学系を経由した光束を前記反射部材へ向けて下方向へ反射させる反射面を備える
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  12. 請求項11に記載の鏡筒装置において、
    前記反射面は、前記光学素子に設けられる
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  13. 請求項1に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記リレー光学系は、
    前記第1の反射光学系を経由した光束を平行光束に変換する第1のリレーレンズと、
    前記平行光束が入射する第2のリレーレンズと、を含み、
    前記光学素子は、前記第1のリレーレンズと前記第2のリレーレンズの間の光路上に配置される
    ことを特徴とする鏡筒装置。
  14. 請求項1に記載の鏡筒装置において、さらに、
    前記結像レンズが前記一次像を形成する一次像面に配置される第1の視野絞りと、
    前記リレー光学系が前記二次像を形成する二次像面に配置される第2の視野絞りと、を備え、
    前記二次像面に形成される前記第1の視野絞りの開口部の像が前記第2の視野絞りの開口部よりも小さい
    ことを特徴とする鏡筒装置。
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