JP2024000086A - コンパウンドヘリコプタ - Google Patents

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安忠 田辺
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瑛明 菅原
Hideaki Sugawara
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Abstract

【課題】ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても効率が高い条件で運転が可能なサイドプロペラを含むコンパウンドヘリコプタを提供すること。【解決手段】本技術に係るコンパウンドヘリコプタは、胴体と、一対の主翼部と、メインロータと、第1のサイドプロペラと、第2のサイドプロペラとを具備する。前記主翼部は、前記胴体の左右方向に延びるように設けられる。前記メインロータは、前記胴体の上部に設けられる。前記第1のサイドプロペラは、第1のコード長分布を有する複数の第1のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが前方に運動する側の主翼部に設けられる。前記第2のサイドプロペラは、前記第1のコード長分布とは異なる第2のコード長分布を有する複数の第2のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが後方に運動する側の主翼部に設けられる。【選択図】図3

Description

本技術は、コンパウンドヘリコプタに関する。
従来から、前進飛行動作、ホバリング動作等が可能なコンパウンドヘリコプタが広く知られている。
左右の主翼に対してそれぞれサイドプロペラが設けられたコンパウンドヘリコプタの例として、特許文献1に記載のコンパウンドヘリコプタが知られている。ヘリコプタにおいては、メインロータが回転することで機体に発するヨー方向のトルクを相殺する必要があり、一般的なヘリコプタでは、この役割をテールロータが担っている。一方、特許文献1に記載のコンパウンドヘリコプタにおいては、左右の主翼に対してそれぞれ設けられたサイドプロペラにより、機体の推進力を得ると同時にヨー方向にアンチトルクを発生させることで、機体姿勢が制御される仕組みとなっている。
左右の主翼に対してそれぞれサイドプロペラが設けられたタイプのコンパウンドヘリコプタの別の例として、特許文献2に記載のコンパウンドヘリコプタが知られている。このコンパウンドヘリコプタにおいては、左右のサイドプロペラにおけるプロペラブレードのねじり下げ角に差がつけられている。このため、左右のサイドプロペラを同一の回転速度及びピッチ角で運転させた場合に、左右で推力に差分が生じるので、機体をヨー方向に静止させるためのアンチトルクが発生し易くなっている。
また、機体の尾部にプロペラが設けられたタイプのコンパウンドヘリコプタとして、下記特許文献3に記載のコンパウンドヘリコプタが知られている。機体の尾部に設けられたプロペラは、機体の前後方向を向く軸回りに回転される。このコンパウンドヘリコプタでは、機体の上部に設けられた2重反転式のメインロータによってアンチトルクが発生され、一方で尾部のプロペラは高速飛行時に推進力を発生させる役割を担っている。
欧州特許出願公開第3141478号明細書 特開2021-115925号公報 欧州特許第3201085号明細書
コンパウンドヘリコプタの左右のサイドプロペラは、(1)ホバリング時にメインロータが発生するヨー方向のトルクを相殺するためのアンチトルクを発生すること、(2)前進飛行時に機体の推進力を発生することの2種類の役割を持つ。
ここで、左右のサイドプロペラは、ホバリング時においては逆向きに推力を発生する必要があり、一方で、前進飛行時においては機体前方に同じ向きに推力を発生する必要がある。従って、左右のサイドプロペラにおいて運用が全く異なるので、左右のサイドプロペラのプロペラブレードの形状が同じであると、空力性能に限界があるといった問題がある。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても効率が高い条件で運転が可能なサイドプロペラを含むコンパウンドヘリコプタを提供することにある。
本技術に係るコンパウンドヘリコプタは、胴体と、一対の主翼部と、メインロータと、第1のサイドプロペラと、第2のサイドプロペラとを具備する。
前記主翼部は、前記胴体の左右方向に延びるように設けられる。
前記メインロータは、前記胴体の上部に設けられる。
前記第1のサイドプロペラは、第1のコード長分布を有する複数の第1のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが前方に運動する側の主翼部に設けられる。
前記第2のサイドプロペラは、前記第1のコード長分布とは異なる第2のコード長分布を有する複数の第2のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが後方に運動する側の主翼部に設けられる。
このように、第1のプロペラブレードの第1のコード長分布と、第2のプロペラブレードの第2のコード長分布とを異ならせることで、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても効率が高い条件で運転が可能なサイドプロペラを含むコンパウンドヘリコプタを提供することができる。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のコード長分布は、最大値及び最小値を含む、一定でない分布であり、前記第2のコード長分布は、最大値及び最小値を含む、一定でない分布であってもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のコード長分布におけるコード長の最大値と、前記第2のコード長分布におけるコード長の最大値とが異なっていてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第2のコード長分布におけるコード長の最大値は、前記第1のコード長分布におけるコード長の最大値よりも大きくてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第2のコード長分布において、プロペラ半径位置がプロペラ半径の70%以上90%以下の位置でコード長が最大値とってもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のコード長分布において、プロペラ半径位置がプロペラ半径の100%の位置でコード長が最小値となってもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1のねじり角分布を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1のねじり角分布とは異なる第2のねじり角分布を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のねじり角分布におけるねじり角が、一定でなく、前記第2のねじり角分布におけるねじり角が、一定でなくてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角と、前記第2のねじり角分布における全体でのねじり角とが異なっていてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第2のねじり下げ角分布における全体でのねじり角は、前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角よりも小さくてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角は、絶対値が20°以上のねじり下げ角であってもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第2のねじり角分布における全体でのねじり角は、絶対値が10°以下のねじり下げ角、又は、絶対値が10°以下のねじり上げ角であてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記胴体の尾部に設けられ、前後方向の軸回りに回転可能な尾部プロペラをさらに具備していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記尾部プロペラは、前記第1のサイドプロペラと同一の回転速度で回転させたときに、前記第1のサイドプロペラよりも大きい推力を発生し、かつ、前記第2のサイドプロペラと同一の回転速度で回転させたときに、前記第2のサイドプロペラよりも大きい推力を発生してもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1の上反角を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1の上反角とは異なる第2の上反角を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1の下反角を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1の下反角とは異なる第2の下反角を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1の前進角を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1の前進角とは異なる第2の前進角を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1の後退角を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1の後退角とは異なる第2の後退角を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のプロペラブレードは、第1のプロペラ半径を有し、前記第2のプロペラブレードは、前記第1のプロペラ半径とは異なる第2のプロペラ半径を有していてもよい。
上記コンパウンドヘリコプタにおいて、前記第1のサイドプロペラは、第1の回転速度で回転され、前記第2のサイドプロペラは、前記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で回転されてもよい。
以上のように、本技術によれば、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても効率が高い条件で運転が可能なサイドプロペラを含むコンパウンドヘリコプタを提供することができる。
本技術の第1実施形態に係るコンパウンドヘリコプタを示す正面図である。 ホバリング時におけるコンパウンドヘリコプタを示す上面図である。 前進飛行時におけるコンパウンドヘリコプタを示す上面図である。 前進側サイドプロペラにおける前進側プロペラブレードの一例を示す図である。 後退側サイドプロペラにおける後退側プロペラブレードの一例を示す図である。 前進側プロペラブレードのねじり角分布の一例を示す図である。 後退側プロペラブレードのねじり角分布の一例を示す図である。 前進側プロペラブレードのコード長分布の一例を示す図である。 後退側プロペラブレードのコード長分布の一例を示す図である。 前進飛行時におけるプロペラブレードに対する流入風角を示す図である。 プロペラブレードに対する各プロペラ半径位置での流入風角の一例を示す図である。 本実施形態の消費パワーと、比較例の消費パワーとを比較する図である。
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
≪第1実施形態≫
<全体構成及び各部の構成>
図1は、本技術の第1実施形態に係るコンパウンドヘリコプタ100を示す正面図である。図2は、ホバリング時におけるコンパウンドヘリコプタ100を示す上面図である。図3は、前進飛行時におけるコンパウンドヘリコプタ100を示す上面図である。
本実施形態に係るコンパウンドヘリコプタ100は、離着陸動作、前進飛行動作、旋回動作、ホバリング動作等が可能とされている。コンパウンドヘリコプタ100は、有人式であってもよいし、無人式であってもよい。
図1~図3に示すように、コンパウンドヘリコプタ100は、胴体10と、胴体10の左右両側に延びる一対の主翼部11、12と、胴体10の尾部に設けられた尾翼部13とを備えている。
また、コンパウンドヘリコプタ100は、胴体10の上部に設けられたメインロータ20と、左右一対の主翼部11、12のうち、メインロータ20が機体の前方に運動する側の主翼部11(左側の主翼部11)に設けられた前進側サイドプロペラ30(第1のサイドプロペラ:左側)と、左右一対の主翼部11、12のうち、メインロータ20が機体の後方に運動する側の主翼部12(右側の主翼部12)に設けられた後退側サイドプロペラ40(第2のサイドプロペラ:右側)とを備えている。また、コンパウンドヘリコプタ100は、胴体10の尾部に設けられた尾部プロペラ50を備えている。
胴体10は、左右対称に構成されており、前方から後方に向けて、徐々に径(ZX方向)が大きくなった後、徐々に径が小さくなる形状を有している。
左側の主翼部11と、右側の主翼部12は、同様の形状を有しており、胴体10に対して左右対称に構成されている。本実施形態において、左側の主翼部11は、メインロータ20が機体の前方に運動する側の主翼部であり(図2、図3参照)、右側の主翼部12は、メインロータ20が機体の後方に運動する側の主翼部である(図2、図3参照)。
なお、ここでの例では、メインロータ20の回転方向が時計回りとされているが、メインロータ20の回転方向は、反時計回りとされてもよい。メインロータ20の回転方向が、反時計回りとされる場合、右側の主翼部12が、メインロータ20が機体の前方に運動する側の主翼部となり、左側の主翼部11が、メインロータ20が機体の後方に運動する側の主翼部となる。
尾翼部13は、左右方向に延びる水平フィン13aと、水平フィン13aの左右の両端にされた一対の翼端フィン13bとを含む。尾翼部13は、コンパウンドヘリコプタ100の前進飛行時において、横方向(左向き)に揚力Feを発生することが可能とされている(図3参照)。
胴体10の上部には、メインロータ20を駆動するためのメイン駆動部22が設けられている。メイン駆動部22は、上下方向を向く回転可能なメイン駆動軸や、メイン駆動軸を回転させるための動力を発生する駆動源(エンジン)などを含む。メイン駆動軸は、胴体10の左右方向の中心、かつ、前後方向の中央よりも前側に配置される。
メインロータ20は、コンパウンドヘリコプタ100の飛行に必要な揚力を発生させる。メインロータ20は、メイン駆動軸に取り付けられており、上下方向の軸回りを時計回り(上側から見て)に回転可能とされている。なお、上述のように、メインロータ20の回転方向は、時計回りに限られず、反時計回りであってもよい。
メインロータ20は、複数のロータブレード21を含む。ロータブレード21は、一方向に長い矩形の形状を有しており、基端部側がメイン駆動軸に取り付けられている。ロータブレード21は、周方向(Z軸回り)に沿って等間隔で配置されており、メイン駆動軸から放射状に延びるように配置されている。なお、図に示す例では、ロータブレード21の数が4枚とされているが、ロータブレード21の数については特に限定されない。
前進側サイドプロペラ30(左側:第1のサイドプロペラ)は、左側の主翼部11(前進側の主翼部)の翼端において、左側の主翼部11の前方側又は後方側に設けられる。左側の主翼部11の翼端には、前進側サイドプロペラ30を駆動するため前進側駆動部32が設けられている。前進側駆動部32は、前後方向を向く回転可能な前進側駆動軸と、前進側駆動軸のピッチ角θ(X軸回り)を変化させる前進側ピッチ可変部と、前進側駆動軸を回転させる動力を発生する前進側駆動源(電動モータなどのアクチュエータ)を含む。
前進側サイドプロペラ30は、前進側駆動軸に取り付けられており、前後方向の軸回りを時計回り又は反時計回り(前方から見て)に回転可能とされている。
前進側サイドプロペラ30は、複数の前進側プロペラブレード31(第1のプロペラブレード)を含む。前進側プロペラブレード31は、一方向に長い所定の形状(詳細後述)を有しており、基端部側が前進側駆動軸に取り付けられている。前進側プロペラブレード31は、周方向(Y軸回り)に沿って等間隔で配置されており、前進側駆動軸から放射状に延びるように配置されている。なお、図に示す例では、前進側プロペラブレード31の数が4枚とされているが、前進側プロペラブレード31の数については特に限定されない。
後退側サイドプロペラ40(右側:第2のサイドプロペラ)は、右側の主翼部12(後退側の主翼部)の翼端において、右側の主翼部12の前方側又は後方側に設けられる。右側の主翼部12の翼端には、後退側サイドプロペラ40を駆動するため後退側駆動部42が設けられている。後退側駆動部42は、前後方向を向く回転可能な後退側駆動軸と、後退側駆動軸のピッチ角θ(X軸回り)を変化させる後退側ピッチ可変部と、後退側駆動軸を回転させる動力を発生する後退側駆動源(電動モータなどのアクチュエータ)を含む。
後退側サイドプロペラ40は、後退側駆動軸に取り付けられており、前後方向の軸回りを時計回り又は反時計回り(前方から見て)に回転可能とされている。なお、前進側サイドプロペラ30の回転方向と、後退側サイドプロペラ40の回転方向とは、同じであってもよいし、逆向きであってもよい。
本実施形態では、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40は、別々の駆動源(電動モータ等のアクチュエータ)により駆動されており、典型的には、前進側サイドプロペラ30は、第1の回転速度で回転され、後退側サイドプロペラ40は、第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で回転される。
また、前進側サイドプロペラ30における第1の回転速度は、可変に制御され、また、後退側サイドプロペラ40における第2の回転速度も、可変に制御される。可変回転速度での運転は、プロペラ性能を最適化するように設定できることに加え、回転速度を遅くすることで騒音を減らすような制御も可能となる。
後退側サイドプロペラ40は、複数の後退側プロペラブレード41を含む。後退側プロペラブレード41は、一方向に長い所定の形状(詳細後述)を有しており、基端部側が後退側駆動軸に取り付けられている。後退側プロペラブレード41は、周方向(Y軸回り)に沿って等間隔で配置されており、後退側駆動軸から放射状に延びるように配置されている。なお、図に示す例では、後退側プロペラブレード41の数が4枚とされているが、後退側プロペラブレード41の数については特に限定されない。
ここで、本実施形態においては、メインロータ20の回転方向が時計回りとされているため、左側のサイドプロペラが前進側サイドプロペラ30とされており、右側のサイドプロペラが後退側サイドプロペラ40とされている。一方、メインロータ20の回転方向が反時計回りとされている場合、右側のサイドプロペラが前進側サイドプロペラ30とされ、左側のサイドプロペラが後退側サイドプロペラ40とされる。
尾部プロペラ50は、胴体10の尾部において最も後端側に設けられている(尾翼部13よりも後方)。胴体10の尾部の後端には、尾部プロペラ50を駆動するため尾部側駆動部52が設けられている。尾部側駆動部52は、前後方向を向く回転可能な尾部側駆動軸と、尾部側駆動軸を回転させる動力を発生する尾部側駆動源(電動モータなどのアクチュエータ)を含む。
尾部プロペラ50は、尾部側駆動軸に取り付けられており、前後方向の軸回りを時計回り(前方から見て)に回転可能とされている。
尾部プロペラ50は、複数の尾部側プロペラブレード51を含む。尾部側プロペラブレード51は、例えば、一方向に長い矩形の形状を有しており、基端部側が尾部側駆動軸に取り付けられている。尾部側プロペラブレード51は、周方向(Y軸回り)に沿って等間隔で配置されており、尾部側駆動軸から放射状に延びるように配置されている。なお、尾部側プロペラブレード51の数については特に限定されない。
尾部プロペラ50は、前進側サイドプロペラ30と同一の回転速度で回転させたときに、前進側サイドプロペラ30よりも大きい推力を発生することが可能とされており、かつ、後退側サイドプロペラ40と同一の回転速度で回転させたときに、後退側サイドプロペラ40よりも大きい推力を発生することが可能とされている。
典型的には、尾部プロペラ50における尾部側プロペラブレード51は、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41よりも大きなプロペラ半径を有している。これに加えて(あるいは、これに代えて)、尾部プロペラ50における尾部側プロペラブレード51は、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41よりも大きな等価コード長(詳細後述)を有している。
図2に示すように、ホバリング時において、メインロータ20が時計回り回転することにより、機体に対しては反時計回りのロータ反トルクMが発生する。従って、何ら対策を講じないと機体が反時計回りに回転してしまう。そこで、本実施形態では、ホバリング時において、ロータ反トルクMを相殺するためのアンチトルクを、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40により発生させることとしている。
図2に示すように、ホバリング時において、前進側サイドプロペラ30は、前進側ピッチ可変部によりピッチ角θが例えば+12°に設定され、前方への推力Ta1を発生する。一方、ホバリング時において、後退側サイドプロペラ40は、後退側ピッチ可変部によりピッチ角θが例えば-14°に設定され、後方への推力Tr1(Ta1とは前後が逆向き)を発生する。
前進側サイドプロペラ30による前方への推力Ta1及び後退側サイドプロペラ40による後方側への推力Tr1により、ロータ反トルクMを相殺するためのアンチトルクが発生され、機体姿勢がヨー方向で維持される。なお、前進側サイドプロペラ30による前方への推力Ta1と、後退側サイドプロペラ40による後方側への推力Tr1とは典型的には同じとされる。
なお、ピッチ角θは、左右方向の軸(X軸)回りの角度であり、水平方向(Y軸方向)が基準(0°)とされる。また、ピッチ角θが正となるのは、駆動軸の前側が上側となる場合であり、ピッチ角θが負となるのは駆動軸の前側が下側となる場合である。
なお、尾部プロペラ50は、ホバリング時においては駆動されない。
図3に示すように、前進飛行時においても、ホバリング時と同様に、メインロータ20が時計回り回転することにより、機体に対しては反時計回りのロータ反トルクMが発生する。従って、何ら対策を講じないと機体が反時計回りに回転してしまう。そこで、本実施形態では、ホバリング時において、ロータ反トルクMを相殺するためのアンチトルクを、前進側サイドプロペラ30の推力及び後退側サイドプロペラ40の推力の差分、並びに、尾翼部13が発生する揚力Feにより発生させることとしている。
上述のように、本実施形態では、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40は、異なる回転速度での運用が可能とされている。従って、本実施形態では、アンチトルクを発生させるために、前進側サイドプロペラ30の推力及び後退側サイドプロペラ40の推力の差分を生じさせ易い構成となっている。
図3に示すように、前進飛行時において、前進側サイドプロペラ30は、前進側ピッチ可変部によりピッチ角θが例えば+40°に設定され、前方への推力Ta2を発生する。一方、前進飛行時において、後退側サイドプロペラ40は、後退側ピッチ可変部によりピッチ角θが例えば+40°に設定され、前方への推力Tr2(Ta2と前後が同じ向き)を発生する。
前進側サイドプロペラ30による前方への推力Ta2は、後退側サイドプロペラ40による前方への推力Tr2よりも大きく、その差分(Ta2-Tr2)は、ロータ反トルクMを相殺するためのアンチトルクの一部として利用される。
なお、前進飛行時における前進側サイドプロペラ30にピッチ角θ(例えば、+40°)は、ホバリング時のピッチ角θ(12°)よりも正の値が大きく設定される。これにより、前進側サイドプロペラ30は、流入風角が大きい前進飛行時においても、前方への推力Ta2を適切に発生することができる。
また、前進飛行時における後退側サイドプロペラ40のピッチ角θ(例えば、+40°)は、ホバリング時のピッチ角θ(-12°)とは、正負が逆であり、かつ、ホバリング時のピッチ角θよりもピッチ角θの絶対値が大きく設定される。これにより、前進飛行時における後退側サイドプロペラ40の推力Tr2は、ホバリング時における後退側サイドプロペラ40の推力Tr1とは向きが前後で逆となる。
前進飛行時において、尾部プロペラ50は、前方への推力Ttを発生する。尾部プロペラ50による前方への推力Ttは、前進側サイドプロペラ30による前方への推力Ta2よりも大きく、かつ、後退側サイドプロペラ40による前方への推力Tr2よりも大きい。
前進飛行時において、尾翼部13は、左方向への揚力Feを発生する。尾翼部13による左方向への揚力Feは、ロータ反トルクMを相殺するためのアンチトルクの一部として利用される。
<本技術の基本的な考え方>
次に、本技術の基本的な考え方について説明する。本実施形態において、コンパウンドヘリコプタ100の前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40は、(1)ホバリング時にメインロータ20が発生するヨー方向のトルクを相殺するためのアンチトルクを発生すること、(2)前進飛行時に機体の前方へ推力を発生することの2種類の役割を持つ。
ここで、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40は、ホバリング時においては逆向きに推力を発生する必要があり、一方で、前進飛行時においては機体前方に同じ向きに推力を発生する必要がある。従って、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40において運用が全く異なるので、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41の形状が同じであると、空力性能に限界があるといった問題がある。
そこで、本実施形態においては、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても効率が高い条件で運転が可能なように、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41の形状を異ならせてその形状の最適化を図ることとしている。典型的には、本実施形態においては、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、コード長分布や、ねじり角分布等を異ならせることで、その形状の最適化を図っている。
一方、上述のように、本実施形態においては、前進側サイドプロペラ30及び後退側プロペラは、上記2種類の役割を持つため、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、前進飛行に特化した設計を行うことができないという問題もある。つまり、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、ホバリング性能を確保した設計を行うことは、前進飛行時の性能を或る程度妥協することを意味している。
そこで、本実施形態においては、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40とは別に、前方への推力を発生させるための尾部プロペラ50を設けることとし、これにより、前進飛行時において、高速での飛行を可能とすることとしている。つまり、前進飛行時においては、尾部プロペラ50に主な推進力の発生源としての役割を担わせ、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40に補助的な推進力の発生源としての役割を担わせることとしている。
以上が、本技術の基本的な考え方である。
<ねじり角分布及びコード長分布>
次に、ねじり角分布及びコード長分布について説明する。図4は、前進側サイドプロペラ30における前進側プロペラブレード31の一例を示す図である。図5は、後退側サイドプロペラ40における後退側プロペラブレード41の一例を示す図である。
図4に示すように、プロペラ半径R1は、前進側プロペラブレード31の長さ方向において、回転中心から先端部までの長さである。また、プロペラ半径位置r1は、前進側プロペラブレード31の長さ方向において、回転中心からの任意の位置である。また、コード長c1(r1)は、前進側プロペラブレード31において、任意のプロペラ半径位置r1におけるプロペラブレードの幅(回転方向において先行する側の前縁から、後続する側の後縁までの距離)である。
また、図5に示すように、プロペラ半径R2は、後退側プロペラブレード41の長さ方向において、回転中心から先端部までの長さである。また、プロペラ半径位置r2は、後退側プロペラブレード41の長さ方向において、回転中心からの任意の位置である。また、コード長c2(r2)は、後退側プロペラブレード41において、任意のプロペラ半径位置r2におけるプロペラブレードの幅(回転方向において先行する側の前縁から、後続する側の後縁までの距離)である。
本実施形態では、典型的には、前進側プロペラブレード31のプロペラ半径R1と、前進側プロペラブレード31のプロペラ半径R1とは、異なるように設計されている(同じであってもよい)。
[ねじり角分布]
図6は、前進側プロペラブレード31のねじり角分布の一例を示す図である。図7は、後退側プロペラブレード41のねじり角分布の一例を示す図である。
図6の横軸は、前進側プロペラブレード31において、プロペラ半径R1を1とした場合のプロペラ半径位置(r1/R1)を表している。また、図6の縦軸は、前進側プロペラブレード31におけるねじり角を示している。なお、この縦軸におけるねじり角は、前進側プロペラブレード31のねじり角が、前進側プロペラブレード31の回転面に対して平行となる箇所が0°(基準)とされている。
同様に、図7の横軸は、後退側プロペラブレード41において、プロペラ半径R2を1とした場合のプロペラ半径位置(r2/R2)を表している。また、図7の縦軸は、後退側プロペラブレード41におけるねじり角を示している。なお、この縦軸におけるねじり角は、後退側プロペラブレード41のねじり角が、後退側プロペラブレード41の回転面に対して平行となる箇所が0°(基準)とされている。
なお、図6及び図7において、右下がりのグラフは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41がねじり下げとなっていることを意味している。
ここで、本実施形態において、ねじり角分布とは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部(r/R≒30%)から先端部(r/R=100%)にかけての各プロペラ半径位置において、どのようなねじり角が付されているかの分布を意味する(図6及び図7参照)。
また、本実施形態において、ねじり角分布におけるねじり角が一定とは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部から先端部にかけての各プロペラ半径位置において、どの箇所でも同じ勾配のねじり角が付されていることを意味する(例えば、図6及び図7におけるグラフの勾配がどこでも同じ)。
また、本実施形態において、ねじり角分布におけるねじり角が一定でないとは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部から先端部にかけての各プロペラ半径位置において、少なくとも一部のねじり角の勾配が他の部分のねじり角の勾配とは異なることを意味する(例えば、図6及び図7のグラフ参照)。
まず、図6を参照して、前進側プロペラブレード31のねじり角分布(第1のねじり角分布)について説明する。図6に示すように、、前進側プロペラブレード31のねじり角分布では、ねじり角が一定でない(単純な直線の右下がりのグラフでない)。
具体的には、前進側プロペラブレード31のねじり角分布では、プロペラ半径位置r1/R1が約30%~約90%の範囲では、ほぼ同じ勾配のねじり下げ角が付されている。一方、約90%~100%の範囲においても、ほぼ同じ勾配のねじり下げ角が付されているが、約90%~100%の範囲でのねじり下げ角は、約30%~約90%の範囲のねじり下げ角よりも大きい。
また、図6では、プロペラ半径位置r1/R1が約30%の位置(基端部)でのねじり角が約13°であり、プロペラ半径位置r1/R1が100%の位置(先端部)でのねじり角が約-17°であるため、前進側プロペラブレード31のねじり角分布における全体のねじり下げ角は、約-30°とされている。なお、典型的には、前進側プロペラブレード31のねじり角分布における全体のねじり下げ角は、その絶対値が20°以上とされればよい。
なお、全体のねじり角における負の符号は、ねじり下げ(ねじり下げ角)であることを意味し、正の符号は、ねじり上げ(ねじり下げ角)であることを意味する。
次に、図7を参照して、後退側プロペラブレード41のねじり角分布について説明する。図7に示すように、後退側プロペラブレード41のねじり角分布では、ねじり角が一定でない(単純な直線の右下がりのグラフでない)。
具体的には、後退側プロペラブレード41のねじり角分布では、プロペラ半径位置r1/R1が約30%~約70%の範囲では、ほぼ同じ勾配のねじり下げ角が付されている。一方、プロペラ半径位置r1/R1が約70%~約90%の範囲では、ねじり下げ角がほとんど付されていない。また、約90%~100%の範囲では、ほぼ同じ勾配のねじり下げ角が付されているが、約90%~100%の範囲でのねじり下げ角は、約30%~約70%の範囲のねじり下げ角よりも大きい。
また、図7では、プロペラ半径位置r1/R1が約30%の位置(基端部)でのねじり角が約3°であり、プロペラ半径位置r1/R1が100%の位置(先端部)でのねじり角が約-3°であるため、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり下げ角は、約-6°とされている。なお、典型的には、後退側後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり下げ角は、その絶対値が10°以下とされればよい。
ここで、図7に示す例では、後退側プロペラブレード41のねじり角がねじり下げとされているが、後退側プロペラブレード41のねじり角は、ねじり上げとされてもよい(なお、前進側プロペラブレード31は、ねじり下げのみ)。この場合、典型的には、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり上げ角は、その絶対値が10°以下とされればよい。
ここで、後退側プロペラブレード41にねじり下げが採用された場合、ねじり上げが採用された場合と比べて、前進飛行時の性能が向上するが、ホバリング時の性能が劣化する。逆に、後退側プロペラブレード41にねじり上げが採用された場合、ねじり下げが採用された場合と比べて、ホバリング時の性能が向上するが、前進飛行時の性能が劣化する。
従って、コンパウンドヘリコプタ100が前進飛行優位の設計とされるのであれば、後退側プロペラブレード41にねじり下げが採用される。一方で、コンパウンドヘリコプタ100がホバリング優位の設計とされるのであれば、後退側プロペラブレード41にねじり上げが採用される。このような観点から、後退側プロペラブレード41に対して、ねじり下げ及びねじり下げのうちいずれかが採用されるかが適宜選択されればよい。
ここで、図6及び図7の比較から明らかなように、本実施形態では、前進側サイドプロペラ30のねじり角分布と、後退側サイドプロペラ40のねじり角分布とは、異なる分布とされている。
本実施形態では、前進側プロペラブレード31のねじり角分布におけるねじり角(ねじり下げ角)の勾配は、後退側のねじり角分布におけるねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角)の勾配よりも大きくなるように設計されている。また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角の絶対値)は、後退側のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)よりも大きくなるように設計されている。
これは、以下の理由による。上述のように、前進側サイドプロペラ30は、ホバリング時及び前進飛行時で発生する推力の向きは変わらず、常に機体前方に向けて推力を発生する。高速で前進飛行する際には前進側サイドプロペラ30に対する軸流速度が大きいので、プロペラ性能を十分に発揮するためには、前進側サイドプロペラ30に対して、相対的に大きなねじり下げを付加する必要がある。なお、このねじり下げは、ホバリング時におけるプロペラ性能の向上にも寄与する。
このため、本実施形態では、前進側プロペラブレード31のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角の絶対値)が、後退側のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)よりも大きくなるように設定されている。
本実施形態では、前進側プロペラブレード31のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角の絶対値)は、20°以上とされている。これにより、流入風角が大きくなる前進飛行時においても、各プロペラ半径位置(r1/R1)での有効迎角を、一般的に揚抗比最大となるような範囲に設定することができる。
逆に、本実施形態では、後退側プロペラブレード41のねじり角分布におけるねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角)の勾配は、前進側のねじり角分布におけるねじり角(ねじり下げ角)の勾配よりも小さくなるように設計されている。また、本実施形態では、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)は、前進側のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角の絶対値)よりも小さくなるように設計されている。
これは、以下の理由による。上述のように、後退側サイドプロペラ40については、ホバリング時には機体後方に、前進飛行時には機体前方に推力を発生する必要があるため、飛行条件に応じて逆向きのピッチ角θが付加されることになる。このため、後退側サイドプロペラ40の後退側プロペラブレード41に対して大きなねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角)を付加してしまうと、逆向きのピッチ角θを加えた場合に迎角が大きくなりすぎてしまい、大きな抵抗源となってしまう。
このため、本実施形態では、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)が、前進側のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角の絶対値)よりも小さくなるように設計されている。
ここで、上述のように、後退側プロペラブレード41にねじり下げが採用された場合、前進飛行時の性能が向上するが、ホバリング時の性能が劣化し、逆に、後退側プロペラブレード41にねじり上げが採用された場合、逆のことが起こる。後退側サイドプロペラ40において、ホバリング時及び前進飛行時のプロペラ性能の両立を考えた場合、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)を10°を超える値に設定してしまうと、ホバリング時及び前進飛行時のどちらかで大きな性能劣化を起こしてしまう可能性がある。
このため、本実施形態では、後退側プロペラブレード41のねじり角分布における全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)は、10°以下とされている。これにより、後退側サイドプロペラ40において、ホバリング時及び前進飛行時のプロペラ性能の両立を図ることができる。
[コード長分布]
図8は、前進側プロペラブレード31のコード長分布の一例を示す図である。図9は、後退側プロペラブレード41のコード長分布の一例を示す図である。
図8の横軸は、前進側プロペラブレード31において、プロペラ半径R1を1とした場合のプロペラ半径位置(r1/R1)を表している。また、図8の縦軸は、前進側プロペラブレード31において、等価コード長Ceq1を基準(1)とした場合のコード長c1を表している。なお、等価コード長Ceq1は、以下の式により表される。
Figure 2024000086000002
図9の横軸は、後退側プロペラブレード41において、プロペラ半径R2を1とした場合のプロペラ半径位置(r2/R2)を表している。また、図9の縦軸は、後退側プロペラブレード41において、等価コード長Ceq2を基準(1)とした場合のコード長c2を表している。なお、等価コード長Ceq2は、以下の式により表される。
Figure 2024000086000003
ここで、本実施形態において、コード長分布とは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部(r/R≒30%)から先端部(r/R=100%)にかけての各プロペラ半径位置において、どのようなコード長が設定されているかの分布を意味する(図8及び図9参照)。
また、本実施形態において、コード長分布におけるコード長が一定とは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部から先端部にかけての各プロペラ半径位置において、どの箇所でも同じコード長が設定されていることを意味する(例えば、図8及び図9におけるグラフが横一直線)。
また、本実施形態において、コード長分布におけるコード長が一定でないとは、前進側プロペラブレード31及び後退側プロペラブレード41において、その基端部から先端部にかけての各プロペラ半径位置において、少なくとも一部のコード長が他の部分のコード長とは異なることを意味する(例えば、図8及び図9のグラフ参照)。
まず、図8を参照して、前進側プロペラブレード31のコード長分布について説明する。図8に示すように、前進側プロペラブレード31のコード長分布のコード長c1は、最大値及び最小値を含む一定でない分布である(単純な横一直線のグラフでない)。
具体的には、前進側プロペラブレード31のコード長分布では、コード長c1/ceq1は、プロペラ半径位置r1/R1が約30%のプロペラ位置(基端部)から約73%の位置にかけて徐々に大きくなる。そして、コード長c1/ceq1は、プロペラ半径位置r1/R1が約73%の位置で最大値となる。
そして、コード長c1/ceq1は、プロペラ半径位置r1/R1が約73%の位置から100%の位置にかけて徐々に小さくなり、プロペラ半径位置r1/R1が100%の位置(先端部)で最小値となる。
本実施形態では、前進側プロペラブレード31のコード長c1/ceq1は、先端部側で基端部側よりも小さくなっている。前進側プロペラブレード31の先端部側は渦の発生源となり得るので、先端部側を大きくしてしまうと、特にホバリング時に大きな抵抗となり損失源となってしまう。
このため、本実施形態では、前進側プロペラブレード31のコード長c1/ceq1について、先端部側を基端部側よりも小さくすることとし、先端部(r1/R1=100%)で最小値となるようにしている。これにより、抵抗を減らすことができる。
次に、図9を参照して、後退側プロペラブレード41のコード長分布について説明する。図9に示すように、後退側プロペラブレード41のコード長分布のコード長c2は、最大値及び最小値を含む一定でない分布である(単純な横一直線のグラフでない)。
具体的には、後退側プロペラブレード41のコード長分布では、コード長c2/ceq2は、プロペラ半径位置r2/R2が約30%のプロペラ位置(基端部)から約78%の位置にかけて徐々に大きくなる。そして、コード長c2/ceq2は、プロペラ半径位置r1/R1が約78%の位置で最大値となる。
そして、コード長c2/ceq2は、プロペラ半径位置r1/R1が約78%の位置から100%の位置にかけて徐々に小さくなり、プロペラ半径位置r1/R1が100%の位置(先端部)で最小値となる。
本実施形態では、典型的には、後退側プロペラブレード41のコード長c2/ceq2は、プロペラ半径位置r2/R2が70%以上90%以下の範囲において最大値をとるように設計される。
このように、後退側プロペラブレード41の先端部側(70%以上90%以下)において、コード長c2/ceq2が最大値をとるように設計を行うことで、基端部側のコード長c2/ceq2を相対的に小さくすることができる。
上述のように、後退側プロペラブレード41においては大きなねじり角の付加は好ましくなく、典型的には、後退側プロペラブレード41の全体のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)は、10°以下に設定される。
この場合、前進飛行時に、後退側プロペラブレード41の基端部付近の迎角が大きくなり過ぎてしまい、抵抗源となってしまう。これを軽減するために、本実施形態では、後退側プロペラブレード41の基端部付近(例えば、30%~60%)のコード長c2/ceq2を相対的に小さくし、後退側プロペラブレード41の先端部付近(例えば、60%~90%)のコード長c2/ceq2を相対的に大きくすることで、抵抗源となりやすい箇所の面積を減らしている。
これについて、詳細に説明する。図10は、前進飛行時におけるプロペラブレード31、41に対する流入風角を示す図である。
前進飛行時において、プロペラブレード31、41に対する実質的な流入風を考えたとき、この流入風の速度は、前進飛行速度と、プロペラブレード31、41の回転速度とを合成した値となる。前進飛行速度のベクトルの大きさと、プロペラブレードの回転速度のベクトルの大きさにより決定される角度を流入風角として考えることができ、適切な迎角条件を設定するためには、プロペラブレード31、41のピッチ角θ(制御)及びプロペラブレードのねじり角(設計)を適切に調整する必要がある。
図11は、プロペラブレード31、41に対する各プロペラ半径位置(r/R)での流入風角の一例を示す図である。図11の横軸は、プロペラブレード31、41において、プロペラ半径Rを1とした場合のプロペラ半径位置r(r/R)を表している。また、図11の縦軸は、プロペラブレード31、41に対する流入風角を表している。また、図11では、プロペラブレードに対する適切な迎角の一例が示されている(例えば、10°程度)。
プロペラブレードの基端部付近では、プロペラブレードの回転速度が小さいため、プロペラブレードに対する相対風は、前進飛行速度優位となり、流入風角は、90°に近い値となる。これをピッチ角制御と、ねじり角の設計によって適切な迎角(10°程度)に調整することを考えたとき、ピッチ角θ及びねじり角を加算して70°程度動かす必要がある。
一般的にサイドプロペラのピッチ角θの動作範囲は、性能面を考慮すると、50°程度が限界であり、残りの20°程度は、ねじり角で補償する必要がある。
ここで、上述のように、前進側サイドプロペラ30において、前進側プロペラブレード31のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)は、20°以上に設定される。従って、流入風角が大きくなる前進飛行時においても、各プロペラ半径位置での迎角を、一般的に揚抗比最大となるような範囲に設定することができる。
一方、上述のように、後退側サイドプロペラ40において、ホバリング時及び前進飛行時の性能の両立を考えた場合、典型的には、後退側プロペラブレード41のねじり角(ねじり下げ角又はねじり上げ角の絶対値)は、10°以下に設定される。
従って、前進飛行時において、後退側プロペラブレード41の基端部付近の迎角が大きくなり過ぎてしまい、これが抵抗源となってしまう。これのため、本実施形態では、後退側プロペラブレード41の先端部付近(70%以上90%以下)において、コード長c2/ceq2が最大値をとるように設計を行うことで、後退側プロペラブレード41の基端部付近のコード長c2/ceq2を相対的に小さくし、後退側プロペラブレード41の先端部付近のコード長c2/ceq2を相対的に大きくしている。これにより、抵抗源となりやすい基端部付近の面積を減らすことができ、抵抗を減らすことができる。
次に、図8及び図9の比較から明らかなように、本実施形態では、前進側サイドプロペラ30のコード長分布と、後退側サイドプロペラ40のコード長分布とは、異なる分布とされている。
図4、図5、図8及び図9を参照して、本実施形態では、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最大値と、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最大値とは異なっており、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最大値は、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最大値よりも大きい。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最小値と、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最小値とは異なっており、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最小値は、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最小値よりも小さい。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最小値及び最大値の差と、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最小値及び最大値の差とは異なっており、後退側プロペラブレード41におけるコード長c2の最小値及び最大値の差は、前進側プロペラブレード31におけるコード長c1の最小値及び最小値の差よりも大きい。
<上反角、下反角、前進角、後退角>
前進側プロペラブレード31及び前進側プロペラブレード31の設計変数として、上反角、下反角、前進角、後退角等を加えることで、前進側プロペラブレード31及び前進側プロペラブレード31に流入する相対風角を変化させることができ、特に、先端部側における渦の影響を加味したプロペラ性能の最適化が可能となる。
つまり、前進側プロペラブレード31は、第1の上反角を有し、後退側プロペラブレード41は、第1の上反角とは異なる第2の上反角を有していてもよい。この場合、第1の上反角は、例えば、プロペラ半径位置r1/R1が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。また、第2の上反角は、例えば、プロペラ半径位置r2/R2が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。
また、前進側プロペラブレード31は、第1の下反角を有し、後退側プロペラブレード41は、第1の下反角とは異なる第2の下反角を有していてもよい。この場合、第1の下反角は、例えば、プロペラ半径位置r1/R1が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。また、第2の上反角は、例えば、プロペラ半径位置r2/R2が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。
また、前進側プロペラブレード31は、第1の前進角を有し、後退側プロペラブレード41は、第1の前進角とは異なる第2の前進角を有していてもよい。この場合、第1の前進角は、例えば、プロペラ半径位置r1/R1が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。また、第2の前進角は、例えば、プロペラ半径位置r2/R2が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。
また、前進側プロペラブレード31は、第1の後退角を有し、後退側プロペラブレード41は、第1の後退角とは異なる第2の後退角を有していてもよい。この場合、第1の後退角は、例えば、プロペラ半径位置r1/R1が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。また、第2の後退角は、例えば、プロペラ半径位置r2/R2が50%以上100%未満の位置から、先端部(100%)の位置にかけて付加される。
<作用等>
本実施形態では、前進側プロペラブレード31のコード長分布(第1のコード長分布)と、後退側プロペラブレード41のコード長分布(第2のコード長分布)とが異なっている。これにより、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても、プロペラ性能の高い機体の実現が可能となる。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31のコード長の最大値と、後退側プロペラブレード41のコード長の最大値とが異なっており、後退側プロペラブレード41のコード長の最大値は、前進側プロペラブレード31のコード長の最大値よりも大きい。これにより、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても、さらに、プロペラ性能が高い機体の実現が可能となる。
また、本実施形態では、後退側プロペラブレード41は、プロペラ半径位置r2がプロペラ半径R2の70%以上90%以下の位置でコード長が最大値となるように設計されている。このように、後退側プロペラブレード41の先端部側(0.7以上0.9以下)において、コード長c2/ceq2が最大値をとるように設計を行うことで、基端部側のコード長c2/ceq2を相対的に小さくすることができる。従って、後退側プロペラブレード41の基端部付近のコード長c2/ceq2を相対的に小さくし、後退側プロペラブレード41の先端部付近のコード長c2/ceq2を相対的に大きくすることで、抵抗源となりやすい基端部側の面積を減らすことができる。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31は、プロペラ半径位置r1がプロペラ半径R1の100%の位置(先端部)でコード長が最小値となるように設計されている。これにより、渦の発生を抑制することができ、抵抗を減らすことができる。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31のねじり角分布(第1のねじり角分布)と、後退側プロペラブレード41のねじり角分布(第2のコード長分布)とが異なっている。これにより、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても、さらに、プロペラ性能が高い機体の実現が可能となる。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31の全体でのねじり角と、後退側プロペラブレード41の全体でのねじり角とが異なっており、後退側プロペラブレード41の全体でのねじり角は、前進側プロペラブレード31の全体でのねじり角よりも小さい。これにより、ホバリング時及び前進飛行時のいずれにおいても、さらに、プロペラ性能が高い機体の実現が可能となる。
また、本実施形態では、前進側プロペラブレード31の全体でのねじり角は、絶対値が20°以上のねじり下げ角とされる。これにより、流入風角が大きくなる前進飛行時においても、各プロペラ半径位置(r1/R1)での有効迎角を、一般的に揚抗比最大となるような範囲に設定することができる。
また、本実施形態では、後退側プロペラブレード41の全体でのねじり角は、絶対値が10°以下のねじり下げ角、又は、絶対値が10°以下のねじり上げ角とされる。これにより、後退側サイドプロペラ40において、ホバリング時及び前進飛行時のプロペラ性能の両立を図ることができる。
また、本実施形態では、尾部プロペラ50が設けられている。この尾部プロペラ50は、前進側サイドプロペラ30と同一の回転速度で回転させたときに、前進側サイドプロペラ30よりも大きい推力を発生し、かつ、後退側サイドプロペラ40と同一の回転速度で回転させたときに、個体側サイドプロペラよりも大きい推力を発生する。これにより、前進飛行時において、高速での飛行が可能となる。
また、本実施形態において、前進側プロペラブレード31及び前進側プロペラブレード31で、上反角、下反角、前進角、後退角等を異ならせることで、前進側プロペラブレード31及び前進側プロペラブレード31に流入する相対風角を変化させることができ、特に、先端部側における渦の影響を加味したプロペラ性能の最適化が可能となる。
[比較例との比較]
次に、比較例との比較について説明する。図12は、本実施形態に係る前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40が採用された場合における消費パワー(ホバリングパワー+前進飛行パワー)と、比較例に係る前進側サイドプロペラ及び後退側サイドプロペラが採用された場合における消費パワーとを比較する図である。なお、図12では、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40のそれぞれのねじり下げ角を最適化したプロペラの消費パワーを1として、本実施形態のプロペラ消費パワーを正規化して表示している。
比較例においては、前進側プロペラブレードのコード長と、後退側プロペラブレードのコード長とは、同じであり、かつ、一定である。また、比較例においては、前進側プロペラブレードの全体のねじり角と、後退側プロペラブレードの全体のねじり角は異なっているが、そのねじり角(ねじり下げ角の勾配)は一定である。つまり、比較例では、前進側プロペラブレード及び後退側プロペラブレードにおいて、全体のねじり角の差だけで最適化が行われている。
一方、本実施形態においては、前進側プロペラブレード31のコード長と、後退側プロペラブレード41のコード長とは、異なっており、かつ、一定でもない。また、前進側プロペラブレード31の全体のねじり角と、後退側プロペラブレード41の全体のねじり角は異なっており、かつ、そのねじり角(勾配)は一定ではない。つまり、コード長分布及びねじり角分布が最適化されている。
図12から明らかなように、本実施形態では、前進側サイドプロペラ30及び後退側サイドプロペラ40の両者において、比較例よりも消費パワーが低減していることが分かる。
10…胴体
11、12…主翼部
13…尾翼部
20…メインロータ
30…前進側サイドプロペラ
31…前進側プロペラブレード
40…後退側サイドプロペラ
41…後退側プロペラブレード
50…尾部プロペラ
100…コンパウンドヘリコプタ

Claims (20)

  1. 胴体と、
    前記胴体の左右方向に延びる一対の主翼部と、
    前記胴体の上部に設けられたメインロータと、
    第1のコード長分布を有する複数の第1のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが前方に運動する側の主翼部に設けられた第1のサイドプロペラと、
    前記第1のコード長分布とは異なる第2のコード長分布を有する複数の第2のプロペラブレードを含み、前記一対の主翼部のうち、前記メインロータが後方に運動する側の主翼部に設けられた第2のサイドプロペラと
    を具備するコンパウンドヘリコプタ。
  2. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のコード長分布は、最大値及び最小値を含む、一定でない分布であり、
    前記第2のコード長分布は、最大値及び最小値を含む、一定でない分布である
    コンパウンドヘリコプタ。
  3. 請求項2に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のコード長分布におけるコード長の最大値と、前記第2のコード長分布におけるコード長の最大値とが異なる
    コンパウンドヘリコプタ。
  4. 請求項3に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第2のコード長分布におけるコード長の最大値は、前記第1のコード長分布におけるコード長の最大値よりも大きい
    コンパウンドヘリコプタ。
  5. 請求項2に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第2のコード長分布において、プロペラ半径位置がプロペラ半径の70%以上90%以下の位置でコード長が最大値となる
    コンパウンドヘリコプタ。
  6. 請求項2に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のコード長分布において、プロペラ半径位置がプロペラ半径の100%の位置でコード長が最小値となる
    コンパウンドヘリコプタ。
  7. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1のねじり角分布を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1のねじり角分布とは異なる第2のねじり角分布を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  8. 請求項7に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のねじり角分布におけるねじり角が、一定でなく、
    前記第2のねじり角分布におけるねじり角が、一定でない
    コンパウンドヘリコプタ。
  9. 請求項8に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角と、前記第2のねじり角分布における全体でのねじり角とは異なる
    コンパウンドヘリコプタ。
  10. 請求項9に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第2のねじり下げ角分布における全体でのねじり角は、前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角よりも小さい
    コンパウンドヘリコプタ。
  11. 請求項10に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のねじり角分布における全体でのねじり角は、絶対値が20°以上のねじり下げ角である
    コンパウンドヘリコプタ。
  12. 請求項10に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第2のねじり角分布における全体でのねじり角は、絶対値が10°以下のねじり下げ角、又は、絶対値が10°以下のねじり上げ角である
    コンパウンドヘリコプタ。
  13. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記胴体の尾部に設けられ、前後方向の軸回りに回転可能な尾部プロペラ
    をさらに具備するコンパウンドヘリコプタ。
  14. 請求項13に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記尾部プロペラは、前記第1のサイドプロペラと同一の回転速度で回転させたときに、前記第1のサイドプロペラよりも大きい推力を発生し、かつ、前記第2のサイドプロペラと同一の回転速度で回転させたときに、前記第2のサイドプロペラよりも大きい推力を発生する
    コンパウンドヘリコプタ。
  15. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1の上反角を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1の上反角とは異なる第2の上反角を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  16. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1の下反角を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1の下反角とは異なる第2の下反角を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  17. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1の前進角を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1の前進角とは異なる第2の前進角を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  18. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1の後退角を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1の後退角とは異なる第2の後退角を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  19. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のプロペラブレードは、第1のプロペラ半径を有し、
    前記第2のプロペラブレードは、前記第1のプロペラ半径とは異なる第2のプロペラ半径を有する
    コンパウンドヘリコプタ。
  20. 請求項1に記載のコンパウンドヘリコプタであって、
    前記第1のサイドプロペラは、第1の回転速度で回転され、
    前記第2のサイドプロペラは、前記第1の回転速度とは異なる第2の回転速度で回転される
    コンパウンドヘリコプタ。
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