JP2023554320A - 自閉症スペクトラム症の処置のための方法および化合物 - Google Patents

自閉症スペクトラム症の処置のための方法および化合物 Download PDF

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Abstract

自閉症スペクトラム症において、抗菌剤として療法で使用するためのメチオニルtRNAシンテターゼ阻害剤(MetRS)が提供される。

Description

[0001]本発明は、自閉症スペクトラム症(ASD)の処置における抗菌剤としての細菌メチオニルtRNAシンテターゼ(MetRS)阻害剤の使用に関し、特にClostridium感染症に関連している自閉症スペクトラム症(ASD)の処置におけるMetRS阻害剤の使用に関する。
[0002]自閉症スペクトラム症は、現在米国で68人の小児に1人が影響を受け、男児は女児よりも4.5倍多く影響を受ける、ますます多く見られる神経発達障害である(Christensenら、MMWR Surveillance Summ.(2016)65:1~28)。広範な重症度に及ぶ症状には、コミュニケーションにおける障害、減少した社会的相互作用、減弱した言語発達、反復行動および限定された関心が含まれる。1~2%の有病率は、北アメリカ、ヨーロッパおよびアジアにおいて同様であり、全ての人種、民族および社会経済的集団が影響を受ける。例えば、脆弱X症候群とともに観察されるように、定義された遺伝的異常を有するまれな症例を例外として、自閉症の有病率の上昇の原因も理由も、十分解明されていない。現在、FDAに承認された自閉症の処置はない。
[0003]自閉症において、脳腸相関(gut-brain connection)が存在する証拠が増えてきている(Fryeら、Microbial Ecol.Health Dis.(2016)26:26878、Dingら、J.Autism Dev.Disord.(2017)47:480~89、Liら、Front.Cell.Neurosci.(2017)11:120、Vuongら、Biol.Psychiatry(2017)81:411~23)。消化管(GI)症状は、自閉症の子どもに頻繁に起こる。便秘、下痢、または便秘および下痢の交互のエピソードは、一般的に起こることである(Bresnahanら、JAMA Psychiatry(2015)72:466~74、McElhanonら、Pediatrics(2014)133:872~83)。GI症状は、自閉症の重症度と強く相関している(Chaidezら、J.Autism Dev.Disord.(2014)44:1117~27、Adamsら、BMC Gastroenterol.(2011)11:22)。消化管運動の変化および腸透過性(「腸管壁浸漏」)の上昇は、一般的である(Hsiaoら、Cell(2013)155:1451~63)。現在、自閉症の子ども(少なくとも個人のサブセット)では、定型発達の(通常の)子どもと比較して、腸内マイクロバイオームが異なり多様性が著しく低いという考えをかなりの量の証拠が支持する(Kangら、PLoS One(2013)8:e68322、Kangら、Microbiome(2017)5:10)。Sharonら((2019)Cell 177、1600)およびKangら((2019)Sci.Reports 9、5821)も参照されたい。
[0004]症例の約3分の1では、通常の小児期発達の初期の後に、発達退行の発現が続き、それは遅発性自閉症または退行性自閉症と言われてきた(Sandlerら、J.Child Neurol.(2000)15:429~35)。影響を受ける子どもは、自閉症症状の発現の前に、再発する感染症(例えば、中耳炎)に対する抗生物質の使用の増加の経緯を有し(Niehusら、J.Dev.Behav.Pediatr.(2006)27:S120~7)、症状の発現は、抗菌療法に続くことが多い(Finegold、Med.Hypotheses(2008)70:508~11)。自閉症におけるディスバイオシスは、ClostridiumクラスターI、IIおよびXIの増加(しかし、クラスターXIVaおよびbではない)、Lactobacilliの増加、ならびにBifidobacteriaおよびBacteroidesの減少を特徴とする方向性の傾向を示す(Finegold、Med.Hypotheses(2008)70:508~11、Parrachoら、J.Med.Microbiol.(2005)54:987~91、Finegoldら、Anaerobe(2017)45:133~37、Adamsら、BMC Gastroenterol.(2011)11:22、Hsiaoら、Cell(2013)155:1451~63)。
[0005]この文脈では、特にClostridiaが、かなり注目されている。大部分の腸内Clostridiaは、抗生物質による処置を生き延びることができる芽胞形成体であり、その後に発芽および共生腸内フローラの異常増殖が続く(Finegold(2008)、上記参照、Parrachoら(2005)、上記参照、Dingら、J.Autism Dev.Disord.(2017)47:480~89、Finegold(2017)、上記参照)。さらに、Clostridiaは、エンテロトキシン、神経毒、ならびに毒性代謝物の可能性があるフェノール類、P-クレゾールおよびインドール誘導体などの主要な産生株である(Finegold(2008)、上記参照、Parrachoら(2005)、上記参照、Dingら(2017)、上記参照、Finegold(2017)、上記参照)。Clostridiaの短い世代時間によって、ディスバイオシスの腸に典型的な日和見状態などの許容的な環境で、Clostridiaは急速に増殖することが可能になる(Finegoldら(2017)、上記参照)。GI異常を有する33人の自閉症の子どもの腸内フローラを、GI症状を有しない13人の定型発達の子どもの腸内フローラと比較したという最近の研究では、自閉症の子どもは10倍よりも高いC.perfringensの便回数(それぞれ、2.1×10CFU/g対1.7×10CFU/g)を有しており、統計的に有意な差であった(Finegoldら(2017)上記参照)。C.perfringensベータ2、アルファ、およびエンテロトキシンも、定型発達の子どもと比較して、自閉症の子どもにおいて、より高い割合で検出された(Finegoldら(2017)上記参照)。迅速発育菌および毒素の大量産生株として、C.perfringensは、周知のヒト病原体および動物病原体である。ヒトでは、C.perfringensは、2番目に一般的な細菌による食中毒の原因であり、その大抵の場合が、汚染された肉および家禽に起因する(Grassら、Foodborne Pathog.Dis.(2013)10:131~136)。C.perfringensは、様々な重症度の毒素媒介軟部組織壊死、および極端な場合には、ガス壊疽と呼ばれる致死的な状態も引き起こす可能性がある(Finegoldら(2017)上記参照)。家畜では、C.perfringens毒素血症(C.perfringens toxemia)は、草食動物において、特に子ヒツジ、ヤギおよび子ウシにおいて、重要な疾患である(Finnie、Anaerobe(2004)10:145~50)。子ヒツジでは、イプシロン毒素によって引き起こされる毒素血症は、よく研究されており、典型的に、しばしば致死的になり得る神経傷害において発現する。「過食症」としても知られるこの疾患は、C.perfringensなどの糖分解細菌の異常増殖に都合が良いデンプンに富んだ農作物の大量摂取によって引き起こされることが多い。活発な腸ぜん動運動は、C.perfringensの異常増殖を減弱するが、このような腸運動が鈍くなる場合、毒素は、局所的な領域に蓄積し、体循環内への毒素の漏出をもたらす腸透過性の上昇を引き起こすレベルまで増える可能性がある。ひとたび血流に入ると、毒素は脳に選択的に蓄積し、より少ない程度で腎臓に蓄積する。特定の毒素受容体によって、脳毛細血管内皮の管腔側に引き起こされるように見える脳への蓄積は、血液脳関門の破壊、重度の脳浮腫および神経細胞毒性を引き起こす(Finnie(2004)上記参照)。したがって、家畜化した動物では、腸管に存在するC.perfringensは、Clostridium毒素によって引き起こされる神経障害の周知の原因である。
[0006]Clostridium(C)perfringens、C.tetani、C.botulinumおよびC.difficileを含むClostridium細菌は、グラム陽性嫌気性菌の芽胞形成群である。細菌のClostridium科は、C.perfringensを除いて、上述したように、多くのヒト疾患に関連しており、別の周知で注目すべき病原体は、偽膜性大腸炎および中毒性巨大結腸症ならびに他の抗生物質による下痢(ADD)の主要な原因病原体であるC.difficileである。C.difficileは、1935年に新生児の腸内フローラから初めて分離された(Hallら、Am.J.Dis.Child.(1935)49:390~402)。1978年、C.difficileは、軽度から劇症の重症度に及ぶ下痢によって特徴付けられる大腸の炎症状態である偽膜性大腸炎(現在、C.difficile関連下痢症(CDAD)またはC.difficile感染症(CDI)と呼ばれている)の主要な原因病原体であると同定され(Bartlettら、Gastroenterology(1978)75:778~782)、特徴的な隆起したプラークおよび腸内層の管腔における好中球の蓄積の出現に関連している。一般に、このC.difficile関連の下痢は、特に高齢者および特に病院環境における高齢者において約10%~30%の死亡率をもたらす。
[0007]C.difficileは、特に病院環境または医療環境においては、根絶するのがかなり困難であることが判明している(Looら、N.Engl.J Med.(2005)353:2442~2449、Thomasら、J Antimicrob Chemother(2003)51:1339~1350)。実際に、成人健常者の1~3%のみがC.difficileの保菌者であるのに対して、入院によって、入院期間に正比例する形で、コロニー形成の危険が50%にまで上昇する(BartlettおよびPerl、N.Engl.J Med.(2005)353:2503~2505、Clabotsら、J Infect.Dis.、166、561~567、1992、McFarlandら、N.Engl.J Med.、320、204~210、1989)。したがって、C.difficile感染症は、医療産業に多く見られ深刻化している問題である。
[0008]CDIの処置において有望であることが示された薬物はほとんどない。現在では、CDIの処置に関して、FDAによって承認されているのは、バンコマイシン(125mgを1日4回、7~14日間)のみである。メトロニダゾール(250mgを1日3回、7~14日間)も、CDIにおけるその有効性の初期の報告(Teasleyら、Lancet(1983)2:1043~1046、WilcoxおよびSpencer、J.Hosp.Infect.(1992)22:85~92)に従って、臨床診療において広く使用されている。しかし、最近の研究は、相対的に高く、上昇している処置失敗の発生率およびメトロニダゾール療法に続く再発に言及している(Pepinら、Clin.Infect.Dis.(2005)40:1591~1597)。CDI(ならびにより一般的な他の感染症)の処置におけるバンコマイシンの使用の普及によって、C.difficileおよび他の細菌のバンコマイシン耐性株が選択されることについて懸念が生じている。この懸念は、最初にメトロニダゾールを使用し、容体が重篤である患者または以前の療法が不成功であった患者のためにバンコマイシンを確保しておくという提案をもたらした(Bartlettら、上記参照)。概して、CDIの処置の選択肢は、限定されている。
[0009]アミノアシルtRNAシンテターゼは、現在市販されている抗生物質に対してほとんど交差耐性がない新規の抗菌剤の開発の有望なプラットフォームとなる(Hurdleら、Antimicrob、Agents Chemother.(2005)49:4821~33)。このシンテターゼは、タンパク質合成のためにリボソームにアミノ酸を送達することができるように、tRNA分子に、これらに対応しているアミノ酸をチャージすることによって、タンパク質合成において重要な役割を果たす。C.perfringensおよびC.difficileなどのClostridiaを含む大部分の細菌では、非チャージのtRNAに対するチャージしたtRNAの比率が低下することによって、「緊縮応答」と呼ばれる生理的反応が誘発される。緊縮応答によって、rRNAおよびtRNAの合成の下方制御が誘発され、そのためタンパク質合成が阻害され、最終的に細菌増殖が減弱される。したがって、アミノアシルtRNAシンテターゼは、抗菌剤のための潜在的に新規の分子標的となる。阻害剤ムピロシン(イソロイシルtRNAシンテターゼの阻害剤)は、S.aureus感染症およびS.pyogenes感染症の処置における局所抗生物質として発売された。ムピロシンは、生物Pseudomonas fluorescensによって生成され、GlaxoSmithKlineによって販売される商品Bactroban(登録商標)中の有効成分として使用される抗菌剤である。
[0010]本出願は、2006年9月26日出願の「Methods and Compositions For Treatment of Clostidium Based Infection」という名称の米国仮特許出願第60/826,957号、ならびに全体が参照により本明細書に組み込まれる以下の米国特許出願、2006年9月26日出願の「ENANTIOMERIC COMPOUNDS WITH ANTIBACTERIAL ACTIVITY」という出願第60/826,940号ならびに2007年9月11日出願の対応している米国非仮特許出願およびPCT出願、2006年9月26日出願の「SUBSTITUTED THIENOPYRIDONE COMPOUNDS WITH ANTIBACTERIAL ACTIVITY」という出願第60/826,945号ならびに2007年9月11日出願の対応している米国非仮特許出願およびPCT出願、ならびに2006年9月26日出願の「SUBSTITUTED PHENYLETHER-THIENOPYRIDONE COMPOUNDS WITH ANTIBACTERIAL ACTIVITY」という出願第60/826,954号ならびに2007年9月11日出願の対応している米国非仮特許出願およびPCT出願、2003年12月5日出願の米国特許第6,943,175号、2004年2月27日出願の米国特許第7,030,137号、ならびに2003年12月5日出願の米国特許出願第10/729,416号および2005年9月9日出願の米国特許出願第11/223327号で開示された化合物を記載している。上記で参照した出願および特許はそれぞれ、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
[0011]こうした状況を背景に、本発明は開発された。
Clostridium
[0012]Clostridiumは、芽胞形成、嫌気性の、グラム陽性桿菌である。Clostridium属メンバーには、以下の一般的な自由生活細菌ならびにいくつかの重要な病原体が含まれる。すなわち、Clostridium(C)perfringens、C.tetani、C.botulinumおよびC.difficileである。C.perfringensは、土壌に存在する一般的な細菌であり、食中毒およびガス壊疽に関与することが多く、C.tetaniは、破傷風または開口障害(破傷風ワクチンにより先進工業国では大部分が根絶された疾患)における原因病原体であり、C.botulinumは、ボツリヌス中毒症における原因病原体であり、典型的には、土壌または魚に存在し、ならびにC.difficileは、結腸の重度の感染症に関連している細菌であり、腸内で繁栄する能力を示す一方で、他の細菌は、抗生物質による処置時に除去される。
[0013]本発明の方法および化合物は、これらのClostridium細菌感染症のぞれぞれの処置において有効である。しかし、疾患の因果関係におけるその相対的な上昇している有病率のために、本件およびその方法は、自閉症スペクトラム症(ASD)、ならびに特に腸内ディスバイオシスによって引き起こされるASD、ならびに特にClostridiaによって引き起こされるこの症例、ならびに特にC.perfringens、C.botulinum、C.tetaniおよびC.difficileを含むClostridiumクラスターI、IIおよびXIに属するClostridiaによって引き起こされるこの症例のために行われる。しかし、本発明の阻害剤は、いずれのClostridiumに基づく感染症の根絶および処置に有効であることに注意されたい。
[0014]C.difficile感染症は、Clostridia(クラスターXI)によって引き起こされる周知の腸疾患である。C.difficile感染症は、一群の分泌毒素によって引き起こされるので、感染した宿主の腸内層の極度の炎症をもたらす。クロストリジウム毒素AおよびB(TcdAおよびTcdB)は、このようにして可能性のある原因病原体として判明している(Lyerlyら、Clin.Microbiol.Rev.(1988)1:1~18、Vothら、Clin.Microbiol.Rev.(2005)18:247~363)。TcdAおよびTcdBは、構造的におよび機能的に、受容体媒介エンドサイトーシスによって腸上皮細胞に侵入し、Rasスーパーファミリー(Rho、RacおよびCdc42のような)の低分子量GTPaseのUDPグルコース媒介グルコシル化を触媒するグリコシルトランスフェラーゼに関連している。このRasスーパーファミリーGTPaseのグルコシル化によって、これらの不可逆的な不活性化ならびに結果として生じるアクチン凝縮、細胞円形化、膜ブレブ形成、細胞間のタイトジャンクションの破壊および最終的にアポトーシスによる細胞死がもたらされる。
[0015]C.difficileのゲノムには、19.6kbの病原性遺伝子座(PaLoc)にTcdAおよびTcdBがコードされている。また、TcdCおよびTcdDもPaLocにコードされており、TcdAおよびTcdB発現の想定される負の調節因子および正の調節因子である。さらに、細胞透過化因子であるTcdEは、PaLocにコードされており、2つの毒素の放出に関与する因子である。
[0016]TcdAおよびTcdBの他に、C.difficileいくつかの株は、cdtA遺伝子およびcdtB遺伝子よってコードされる二成分毒素をコードする。この2つの遺伝子は、PaLocにコードされない。このCDTa遺伝子およびCDTb遺伝子によってコードされるタンパク質は、CDTbが受容体媒介エンドサイトーシスを媒介し、CDTaがそのADP-リボシルトランスフェラーゼ活性によってアクチン線維を修飾する二成分毒素を形成する。CDTaタンパク質およびCDTbタンパク質は、C.perfringensのイオタ毒素の対応している成分と配列が80%を超えて同一である。
[0017]バンコマイシンは、現在、C.difficileに基づく感染症の処置のために、FDAによって承認されている唯一の抗生物質である。メトロニダゾールも、CDIにおけるその有効性の初期の報告に従って、臨床診療において広く使用されている。しかし、最近の研究は、相対的に高く、上昇している処置失敗の発生率およびメトロニダゾール療法に続く再発に言及している(Pepinら、Clin.Infect.Dis.(2005)40:1591~1597)。しかし、バンコマイシンの使用の普及によって、容体が重篤である患者または以前の療法が不成功であった患者のためにバンコマイシンを確保しておくという選択についての懸念が生じている。
[0018]したがって、本発明の一態様は、Clostridiumに基づく感染症の処置のための新規の療法の開発のために行われる。本発明の化合物および方法は、これらの相互に関係する目的を達成する。
メチオニルtRNAシンテターゼ
[0019]アミノアシルtRNAシンテターゼは、新規の抗菌剤の開発の有望なプラットフォームとなる。この酵素は、リボソームがタンパク質合成を行うことができるように、tRNA分子に、これらに対応しているアミノ酸をチャージすることによって、タンパク質合成において重要な役割を果たす。病原体を含む大部分の細菌では、非チャージのtRNAに対するチャージしたtRNAの比率が低下することによって、「緊縮応答」と呼ばれる生理的反応が誘発される。緊縮応答によって、rRNAおよびtRNAの下方制御が誘発され、その結果、細菌増殖の減弱がもたらされる。
[0020]メチオニルtRNAシンテターゼ(MetRS)酵素は、Clostridiumに基づく感染症、特にC.difficileによって引き起こされる感染症のために行われる処置のための新規のおよび未開発の標的である。MetRS酵素の系統発生解析によって、MetRS酵素は、I型クラスまたはII型クラスのいずれかに分類されることが明らかになり、グラム陽性細菌は一般的にI型特性を示す。
[0021]したがって、本発明は、MetRS酵素を標的にする。好ましい実施形態では、本発明の阻害剤化合物は、MetRS酵素を標的にし、特にClostridium、ならびにより特には、C.perfringens、C.botulinum、C.tetaniおよびC.difficileによって引き起こされるASDを含む、ClostridiumクラスターI、IIおよびXIに属する細菌によって引き起こされるASDの処置において有効である。
MetRS阻害剤
[0022]本発明は、Clostridium由来MetRSの阻害剤を提供する。一連の例示的な化合物は本発明で提供されるが、MetRS酵素を標的とするいずれの阻害剤も本発明の範囲に含まれる。本発明は、MetRS酵素を標的とする阻害剤が、Clostridium細菌、ならびに特にC.perfringens、C.botulinum、C.tetaniおよびC.difficileの処置において、非常に強力な抗菌剤であることを教示する。
[0023]Clostridium由来MetRSの多くの強力な阻害剤が提供される。これらの化合物は、Clostridium感染症、ならびに特にC.perfringens、C.botulinum、C.tetaniおよびC.difficile感染症の処置において、有効な強力な抗菌剤であると同定されている。
[0024]要するに、本発明の例示的な化合物は、IC50、MIC90および動物実験データによって測定されたように、優れた抗Clostridium活性を示す(実施例2~5を参照されたい)。さらに、本発明の化合物は、C.difficile毒素の増殖および産生を阻害し(実施例6)、C.difficileの芽胞形成を減少させる(実施例7)。特に、本発明の例示的な化合物は、MetRSおよびC.difficile増殖の驚くほど強力な阻害剤であり、C.difficile感染症を有する動物を処置する能力を示す。MetRS阻害剤は、C.difficileおよびC.perfringensに対する良好な活性を有するが、他の「友好的な」腸内の株に対しては限定された活性しか有しない(Citronら、J.Antimicrob.Chemother.(2009)63:972~976)。MetRS阻害剤が芽胞形成および毒素産生を阻害する能力は、GI症状、ならびに場合によっては、遅発性ASDを含むASDの発生に関連していることが知られている慢性耳感染症の処置に使用される抗生物質などの子どもにおける広域抗生物質の使用に続く病原性Clostridium種の異常増殖を含む、激増率、再発率および再感染率の減少に有効であることがある。これらの利点の組み合わせは、本発明の方法および化合物の有用性を示す。
[0025]多くの実施形態では、本発明の阻害剤は、式(I)に示すような全体構造を有する。
Figure 2023554320000002
[式中、
[0026]Xは、左側(LHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基であり、
[0027]Zは、右側(RHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し、
[0028]Yは、直鎖に1から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたは(C1~6)アルキリデニル置換基を有してもよい]
[0029]リンカーは、
Figure 2023554320000003
2つのアリール基の間で最適な間隔を提供するものが好ましいことに注意されたい(他の同様に間隔があいたリンカーは置換され得ることに注意されたい)。
[0030]一実施形態では、本発明の化合物は、式(II)に示される
Figure 2023554320000004
[式中、
[0031]Arは、右側(RHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し、
[0032]Xは、NH、O、S、SO、SO、またはCHからなる群より選択され、
[0033]nは、1、2または3であり、
[0034]*は、不斉炭素原子を示し、上式でnが2または3である場合、*はR立体配置であり、上式でnが1およびXがCHである場合、*はR立体配置であり、上式でnが1およびXがNH、O、S、SOまたはSOからなる群より選択される場合、*はS立体配置であり、
[0035]mは、0、1、2、3、または4であり、
[0036]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択される]。
[0037]本発明の好ましい実施形態は、式(IIa)および(IIb)のこれらの化合物である
Figure 2023554320000005
[式中、
[0038]Xは、NH、O、S、SO、SO2、またはCHからなる群より選択され、
[0039]nは、1、2または3であり、
[0040]*は、不斉炭素原子を示し、上式でnが2または3である場合、*はR立体配置であり、上式でnが1およびXがCHである場合、*はR立体配置であり、上式でnが1およびXがNH、O、S、SO、またはSOからなる群より選択される場合、*はS立体配置であり、
[0041]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され、
[0042]mは、0、1、2、3または4であり、
[0043]pは、0、1、2または3であり、
[0044]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され、
[0045]ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHである]。
[0046]式(IIa)および(IIb)の特に好ましい化合物には、以下の、
5-[3-((R)(-)-5,7-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-((R)(+)-8-ブロモ-6-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
2-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-1H-キノリン-4-オン;および
5-[3-((S)-5,7-ジブロモ-ベンゾフラン-3イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン
が含まれる。
[0047]本発明のいくつかの化合物は、化合物がジアステレオ異性体および鏡像異性体を含む立体異性体として存在できるように、1つまたは複数のキラル中心を含むことがあることを理解されたい。本発明の実施形態は、ラセミ化合物および鏡像異性体のうちの1つの鏡像体過剰率を有する混合物を含む、このような全ての立体異性体、ならびにその混合物に及ぶ。
[0048]本発明の別の実施形態は、式(III)の化合物を提供する
Figure 2023554320000006
[式中、
[0049]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルファニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択され、
[0050]Yは、直鎖に1から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたは(C1~6)アルキリデニル置換基を有してもよく、
[0051]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C(1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシル、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルファニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択され、
[0052]ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、
[0053]Xは、NH、S、SO、SO2、OまたはCHであり、
[0054]mは、0または1から4の整数であり、
[0055]nは、1、2または3である]。
[0056]式(III)の好ましい化合物には、以下の、
5-[3-(6,8-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(8-ブロモ-6-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(6-クロロ-8-ヨード-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(6-ブロモ-8-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(6-ブロモ-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(8-ブロモ-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(8-ブロモ-6-メチルスルファニル-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;および
5-[3-(6-ブロモ-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン
が含まれる。
[0057]本発明の別の実施形態は、式(IV)の化合物を提供する
Figure 2023554320000007
[式中、
[0058]Rは、置換および非置換ベンゼン、トルエン、フェノール、アニソール、チアゾール、チアゾリジンおよびピリジンを含むがそれだけに限定されない、アリールおよびヘテロアリール基、アルケン、イミン、ならびに他の同様な置換基からなる群より選択され、
[0059]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C1~6)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロキシ(heteroxy)より独立に選択され、
[0060]Rは、ハロ、(C1~3)アルキル、(C2~3)アルケニル、(C2~3)アルキニルまたは他の同様な置換基より選択され、
[0061]nは、1、2または3であり、
[0062]mは、0、1、2または3である]。
[0063]式(IV)の好ましい化合物には、以下の、
5-{3-[3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-(2-ピリジン-3-イル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-[2-(4-メチル-チアゾール-5-イル)-エトキシル]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-フェネチルオキシ-ベンジルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-メチル-チアゾール-5-イル)-エトキシル]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(2-ピリジン-3-イル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4,5-ジメチル-チアゾール-2-イル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-[3-(3,5-ジブロモ-2-フェネチルオキシ-ベンジルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(3-ピリジン-3-イル-プロポキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(2-p-トリル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(フルオロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-クロロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4Hチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;および
5-{3-[3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-(3-ピリジン-3-イル-プロポキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン
が含まれる。
[0064]本発明の別の実施形態は、式(V)の化合物を提供する
Figure 2023554320000008
[式中、
[0065]Rは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリール環であり、
[0066]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより独立に選択され、
[0067]mは、0、1、2、または3であり、
[0068]Xは、CHまたはCHRであり、上式でRは、(C1~6)アルキルであるかまたはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、場合により環原子として酸素または窒素を含む5から7員環を形成し、
[0069]Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンである]
[0070]本発明の別の実施形態は、式(VI)の化合物を提供する。
Figure 2023554320000009
[式中、
[0071]Rは、Br、場合によりフルオロ置換(C1~3)アルキル、場合によりフルオロ置換(C2~3)アルケニル、および(C2~3)アルキルからなる群より選択され、
[0072]Rは、ハロゲン、好ましくはBrであり、
[0073]Rは、(C1~3)アルキル、(C2~5)アルケニル、(C2~3)アルキニルからなる群より選択され、
[0074]Rは、H、および(C1~3)アルキルからなる群より選択され、
[0075]Yは、(C1~3)アルキルであり、
[0076]Arは、置換もしくは非置換ヘテロアリールイミジアゾール(heteroaryl imidiazole)、置換もしくは非置換キノロン、置換もしくは非置換ベンズイミダゾール、置換もしくは非置換縮合ヘテロアリールピリドン、置換もしくは非置換縮合アリールピリミドン、または置換もしくは非置換縮合ヘテロアリールピリミドンからなる群より選択される]。
[0077]本発明の別の実施形態は、式(VII)の化合物を提供する
Figure 2023554320000010
[式中、
[0078]Rは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリール環であり、
[0079]Xは、CHまたはCHRであり、上式でRは、(C1~6)アルキルであるかまたはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、場合により環原子として酸素または窒素を含む5から7員環を形成し、
[0080]Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンであり、
[0081]Z、ZおよびZは、NまたはCRよりそれぞれ独立に選択され、上式でRは、水素またはハロゲン、シアノ、(C1~6)アルキル、モノ-からペル-フルオロ(C1~3)アルキル、(C3~7)シクロアルキル、(C2~6)アルケニル、(C1~6)アルコキシ、(C2~6)アルケノキシ、アリール(C1~6)アルコキシ、ハロ(C1~6)アルキル、ヒドロキシル、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、(C1~6)アルケニルオキシカルボニル、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルキル、カルボキシ(C1~6)アルキル、(C1~6)アルキルカルボニルオキシ、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルコキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)-アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択される置換基である]。
[0082]本発明の別の実施形態は、式(VIII)の化合物を提供する
Figure 2023554320000011
[式中、
[0083]WはCHであり、Rは5もしくは6員ヘテロアリール環の残基であり、またはWはNであり、Rは5もしくは6員ヘテロアリール環もしくはアリール環の残基であり、このヘテロアリールもしくはアリール環はハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、もしくは(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~6)アルコキシカルボニル、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキチオ、(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキカルバモイル、ならびにヘテロシクリルより選択される1から3つの置換基によって場合により置換され、
[0084]Rは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリール環であり、
[0085]Xは、CHもしくはCHRであり、上式でRは、C(1~6)アルキルであるか、またはRは、オルト位もしくはRのアリールもしくはヘテロアリール環に連結して、場合により環原子として酸素もしくは窒素を含む5から7員環を形成してもよく、
[0086]Yは、C(1~3)アルキレンまたはC(4~6)シクロアルキレンである]。
[0087]本発明の別の実施形態は、式(IX)の化合物を提供する
Figure 2023554320000012
[式中、
[0088]Rは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリール基であり、
[0089]Rは、水素、C(1~6)アルキル、アリール(C1~4)アルキル、アリール(C2~4)アルケニルまたはC(1~6)アルキルカルボニルであり、
[0090]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキ、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルコキシカルボニル、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキチオ、(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択され、
[0091]mは、0または1から3の整数であり、
[0092]Xは、CHRであり、上式中Rは、水素、C(1~6)アルキルもしくはアリール、C(2~4)アルキレン、C(3~4)アルケニレンまたはCOであり、
[0093]Yは、直鎖に2から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数のC(1~6)アルキル、C(1~6)アルコキシまたはC(1~6)アルキリデニル置換基を有してもよく、鎖1,2-または1,3-炭素原子は、C(2~3)アルキエン(alkyene)またはC3アルケニレン架橋によって連結されてもよく、
[0094]RおよびXまたはRおよびRは、ポリメチレン鎖によって連結され5から7員環を形成し、C(1~6)アルキルによって場合により置換されてもよく、
[0095]XおよびR、XおよびYまたはYおよびRは、ポリメチレン鎖によって連結され4から7員環を形成し、C(1~6)アルキルによって場合により置換されてもよく、
[0096]Zは、NHまたはOである]。
[0097]最後に、本発明の別の実施形態は、式(X)の化合物を提供する
Figure 2023554320000013
[式中、
[0098]Rは、場合により置換されたアリールまたは場合により置換されたヘテロアリール環であり、
[0099]Rは、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって場合により置換される)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイル、ならびにヘテロシクリルより選択される1から3つの置換基によって場合により置換された5または6員ヘテロアリール環の残基であり、
[00100]Xは、CHもしくはCHRであり、上式でRは、(C1~6)アルキルであるか、またはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、場合により環原子として酸素もしくは窒素を含む5から7員環を形成し、
[00101]Yは、C(1~3)アルキレンまたはC(4~6)シクロアルキレンである]。
[00102]本発明の化合物はまた、式(I)~(X)に示すこの化合物の塩とすることもできる。塩は、無機酸および有機酸から形成することが可能である。式(I)~(X)の化合物の薬学的に許容される塩を形成することができる適切な無機酸および有機酸の代表的な例には、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、パモン酸、コハク酸、ビスメチレン-サリチル酸(bismethylene-salicylic)、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パラアミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、シクロヘキシルスルファミン酸、リン酸および硝酸が含まれる。
[00103]本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語および「アルコキシ」などの類似の用語には、全ての直鎖および分岐異性体が含まれる。その代表的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルが含まれる。
[00104]本明細書で使用される場合、「アルケニル」および「アルキニル」という用語には、全ての直鎖および分岐異性体が含まれる。その代表的な例には、ビニル、エチニルおよび1-プロピニルが含まれる。
[00105]アルキルおよびアルケニル基の好ましい置換基には、例えば、および特に定義されない限り、ハロゲン、シアノ、アジド、ニトロ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルカルバモイル、スルホ、スルファモイル、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ウレイド、(C1~6)アルコキシカルボニルアミノ、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニルアミノ、アリール、ヘテロシクリル、ヒドロキシ、(C1~6)アルコキシ、アシルオキシ、オキソ、アシル、2-チエノイル、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、ヒドロキシイミノ、(C1~6)アルコキシイミノ、ヒドラジノ、ヒドラゾノ、ベンゾヒドロキシモイル、グアニジノ、アミジノおよびイミノアルキルアミノが含まれる。
[00106]本明細書で使用される場合、「アリール」という用語には、特に定義されない限り、5つまでの、好ましくは3つまでの置換基によって場合により置換されたフェニルまたはナフチルが含まれる。
[00107]置換される場合、アリール基は3つまでの置換基を有してもよい。アリール基の好ましい置換基には、例えば、および特に定義されない限り、ハロゲン、シアノ、(C1~6)アルキル、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、(C3~7)シクロアルキル、(C2~6)アルケニル、(C1~6)アルコキシ、(C2~6)アルケノキシ、アリール(C1~6)アルコキシ、ハロ(C1~6)アルキル、ヒドロキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、(C1~6)アルケニルオキシカルボニル、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルキル、カルボキシ(C1~6)アルキル、(C1~6)アルキルカルボニルオキシ、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルコキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイル、ならびにヘテロシクリルが含まれる。
[00108]本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語には、環に、酸素、窒素および硫黄より選択される4つまでのヘテロ原子を含む単環または縮合環が含まれる。好ましくは、ヘテロアリール環は、4から7つ、好ましくは5から6つの環原子を含む。縮合ヘテロアリール環系には、炭素環が含まれてもよく、1つの複素環を含みさえすればよい。
[00109]本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」という用語には、環に、酸素、窒素および硫黄より選択される4つまでのヘテロ原子を含む芳香族および非芳香族単環または縮合環が含まれる。適切には、複素環は、4から7つ、好ましくは5から6つの環原子を含む。縮合複素環系には、炭素環が含まれてもよく、1つの複素環を含みさえすればよい。
[00110]置換される場合、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基は、3つまでの置換基を有してもよい。好ましいこのような置換基には、アリール基について前述したのもの、ならびにオキソが含まれる。
[00111]本明細書で使用される場合、「ハロゲン」および「ハロ」という用語には、それぞれ、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素、ならびにフルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。
[00112]本明細書の化合物は、実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも50%純粋、適切には少なくとも60%純粋、有利には少なくとも75%純粋、好ましくは少なくとも85%純粋、より好ましくは少なくとも95%純粋、特に少なくとも98%純粋で適切に提供される。全ての割合は、重量/重量を基準にして算出される。本発明による化合物の全ての純粋ではないまたはさほど純粋ではない形態は、例えば、薬学的使用に適切な、同じ化合物のまたは関連化合物(例えば、対応する誘導体)のより純粋な形態の調製において使用されてもよい。
[00113]式(I)~(X)を有する化合物のそれぞれは、MetRSの強力な阻害剤であり、Clostridiumに基づく感染症に対して、特にC.difficileに基づく感染症に対して強力な抗菌活性を示した。さらに、本発明の化合物は、細菌MetRSに特異的であり、哺乳類MetRSに対して活性をほとんどまたは全く示さず、抗菌剤として使用するための良好な特徴を示す。
[00114]本発明の文脈において、「本発明の化合物」とは、IC50<64μM、MIC90≦16μg/mL、またはin vivoのClostridium difficile感染症環境における生存期間の延長を持つ活性を有するいずれの化合物を指す。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、式(I)に示すような構造を有し、より好ましい実施形態では、本発明の化合物は、式(II)~(X)に示す構造または本明細書に組み込まれている参照文献のうちの1つに記載されている化合物のうちの1つの構造を有する。
[00115]本発明の化合物は、米国特許第6,943,175号、米国特許第7,973,050号、米国特許第7,994,192号、米国特許第8,697,720号に記載されている方法、または参照によって組み込まれている参照文献のうち1つに記載されている方法によって調製することができる。
[00116]第1b相臨床試験の反復用量漸増試験における健常被験者の腸内フローラの主要な門へのCRS3123の影響を示す図である。
自閉症スペクトラム症処置のための方法
[00117]本発明の化合物(参照により本明細書に列挙または組み込まれている)は、C.perfringens、C.tetani、C.botulinumおよびC.difficileなどのClostridium細菌に対して活性がある。好ましい態様では、本発明の化合物は、C.perfringensおよびC.difficileに対して特に活性があり、これらの細菌の抗生物質耐性株に関連して使用することができる。
[00118]したがって、本発明は、哺乳動物および一部の実施形態ではヒトにおけるASDを処置する方法を提供し、この方法は、治療的有効量の本発明の化合物を、このような療法を必要とする哺乳動物に投与するステップを含む。化合物の治療的有効量とは、医療専門家(医師、看護師、医師助手、獣医師などを含む)によって処置されている哺乳動物において、生物学的反応または医学的反応を誘発するであろう量である。哺乳動物という用語は、ヒト、ヒツジ、ヤギ、雌ウシ、家禽、イヌ、ネコ、ウマなどの家畜および家畜化した動物を含む、哺乳綱のいずれの温血動物を指すことに注意されたい。
[00119]本発明の別の態様では、哺乳動物におけるASDを処置するための方法が提供され、この方法は、予防的有効量の本発明の化合物を、このような療法を必要とする哺乳動物に投与するステップを含む。本発明の化合物の予防的有効量とは、ASDを有する哺乳動物の苦痛を予防もしくは阻害し、または苦痛を軽減するであろう量である。
[00120]本発明は、薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。好ましい実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体および賦形剤と一緒に式(I)の化合物を含み、より好ましい実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に式(II)、(IIa)、(IIb)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)または(X)の化合物を含む。
[00121]本発明は、薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に本発明の2つ以上の化合物の組み合わせを含む医薬組成物をさらに提供する。例えば、本発明の医薬組成物は、担体または賦形剤と併せて、式(I)の化合物および式(II)の化合物を含むことができる。さらに、本発明の医薬組成物は、他の周知の抗生物質製剤、例えば、バンコマイシンまたはメトロニダゾールを含むことができる。さらに、本発明の医薬組成物は、C.perfringens、C.botulinum、C.tetaniおよびC.difficileによって産生される毒素を含む、Clostridium細菌によって産生される毒素に結合する薬剤などの他の周知の薬剤を含むことができる。
[00122]本発明は、哺乳動物における、特にヒトにおけるおよび家畜化した哺乳動物におけるASDを処置する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物、または本発明による組成物を、それを必要とする患者に投与するステップを含む。
[00123]本発明は、ASDの処置において使用するための医薬組成物の調製における本発明の化合物の使用をさらに提供する。
[00124]本発明による化合物および組成物は、他の抗生物質との類推によって、ヒトおよび獣医学的薬剤において使用するための、いずれの好都合な方法で投与するために製剤化され得る。
[00125]本発明による化合物および組成物は、いずれの経路、例えば、経口、局所、非経口、または直腸によって投与するために製剤化され得る。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、薬用キャンディー、クリーム、坐薬、シロップ剤、または経口使用のために、もしくは注射もしくは点滴による非経口投与のための無菌の形態に製剤化することが可能である液体製剤、例えば、溶液もしくは懸濁剤の形態に作られ得る。
[00126]経口投与のための錠剤およびカプセル剤は、単位剤形であってもよく、例えば結合剤、例えばシロップ剤、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、またはポリビニルピロリドン、充填剤、例えばラクトース、スクロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン、錠剤化滑沢剤(tabletting lubricants)、例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ、崩壊剤、例えばジャガイモデンプン、ならびに薬学的に許容される湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含む、従来の賦形剤を含有してもよい。錠剤は、通常の薬務で周知の方法によって被覆されてもよい。
[00127]経口液体製剤は、例えば水性懸濁剤もしくは油性懸濁剤、溶液、乳剤、シロップ剤もしくはエリキシル剤の形態であってもよく、または使用前に水もしくは別の適切なビヒクルで再構成するための乾燥製品として提供されてもよい。このような液体製剤は、例えば懸濁化剤、例えばソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化食用脂、乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノオレアートまたはアカシア、非水性ビヒクル(食用脂を含み得る)、例えばアーモンドオイル、油性エステル(例えば、グリセリン)、プロピレングリコール、またはエチルアルコール、保存剤、例えばパラオキシ安息香酸メチルもしくはパラオキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸、ならびに所望により、従来の香味剤および着色剤を含む、従来の添加剤を含有してもよい。
[00128]局所投与を目的とする本発明による組成物は、例えば軟膏、クリーム、ローション剤、眼軟膏、点眼薬、点耳薬、浸透性の包帯材、およびエアロゾルの形態であってよく、例えば保存剤、薬物透過を補助する溶媒、ならびに軟膏、ゲル、およびクリーム中の皮膚軟化剤を含む、適切な従来の添加剤を含有してもよい。このような局所製剤はまた、適合する従来の担体、例えばクリーム基剤または軟膏基剤、およびローション剤のためのエタノールまたはオレイルアルコールも含有してもよい。このような担体は、製剤の重量の約1%から約98%までの割合を占めてよく、より一般的には、担体は、製剤の重量の約80%までの割合を占めるであろう。
[00129]本発明による組成物は、坐薬として製剤化されてもよく、この坐薬は、従来の坐薬基剤、例えばココアバターまたは他のグリセリドを含有してもよい。
[00130]非経口投与を目的とする本発明による組成物は、好都合に液体単位剤形中にあってもよく、この液体単位剤形は、化合物および無菌のビヒクルを利用して調製されてもよいが、水が好ましい。化合物は、使用されるビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁されてもまたは溶解されてもいずれでもよい。溶液を調製する際、化合物は、注射用の水の中に溶解されてもよく、適切なバイアルまたはアンプル内に充填される前に濾過滅菌されてもよく、ついでこれらは密封される。有利には、例えば局所麻酔薬、保存剤、および緩衝剤を含む、従来の添加剤は、ビヒクル中に溶解することができる。溶液の安定性を高めるために、組成物は、バイアルに充填された後凍結されてもよく、真空下で水を取り除いてもよく、ついで得られた凍結乾燥粉末をバイアルに密封してもよく、使用前に液体を再構成するために注射用の水の付随バイアルを供給してもよい。化合物が溶解ではなくビヒクル中に懸濁されることおよび滅菌が濾過によって達成され得ないことを除いて、非経口懸濁剤は、実質的に同じ方法で調製されてもよい。代わりに、化合物は、無菌ビヒクル中に懸濁される前に、エチレンオキシドへ曝露することによって滅菌されてもよい。有利には、化合物の均一な分布を促進するために、このような懸濁剤中には、界面活性剤または湿潤剤が含まれる。
[00131]本発明による化合物または組成物は、ASDを処置するために有効な量または予防的な量で、患者に適切に投与され得る。
[00132]本発明による組成物は、投与の方法に応じて、本発明による化合物を0.1重量%、好ましくは10から60重量%(組成物の全重量に基づいて)適切に含有してもよい。
[00133]本発明による化合物は、1.0から100mg/kg体重の1日投与量で患者に適切に投与され得る。成人(およそ70kg体重の)に関しては、本発明による化合物を50から3000mg、例えば約1500mg毎日投与してもよい。適切には、成人のための投与量は1日あたり2から40mg/kgである。しかし、通常の臨床診療に従って、より高いまたはより低い投与量を使用してもよい。
[00134]本発明による組成物が単位剤形で提供される場合、各単位用量は、本発明による化合物を25から1000mg、好ましくは50から500mg適切に含んでもよい。
パックおよびキット
[00135]本発明はまた、本発明の化合物の1つまたは複数を有する1つまたは複数の容器を含む医薬パックまたは医薬キットも提供する。さらに、パックまたはキットは、使用説明書および製品の製造、使用または販売を規制する行政機関によるいずれの適切な通知を含むことができる。本発明のパックおよびキットは、Clostridiumに基づく感染症の処置において有効な他の生物学的薬剤を含むことができることも想定される。
[00136]以下の実施例は、例示目的のみに提供され、本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。
実施例1:本発明の化合物は、C.difficileおよびC.perfringensに対して強力な抗菌活性を有する
[00137]MetRS阻害剤化合物を、C.difficileおよびC.perfringens増殖を阻害するこれらの能力に関してもアッセイした。MIC90(C.difficileの90%の増殖を阻害するのに必要とされる最小発育阻止濃度)を、CLSIによる標準的な寒天ベースのアッセイを使用して測定した。
[00138]生物:全ての化合物を、C.difficileおよびC.perfringensの非反復臨床分離株のコレクションに対する抗菌活性に関して試験した。生物は、20%グリセロールを補充したBrucellaブロス中で冷凍保存した。生物を冷凍庫から回収し、CDC寒天上で2回継代培養し、純度および増殖を確実にした。プレートを、嫌気状態下で、少なくとも24時間インキュベートした。細菌集落を形態に関して調査した。すなわち、黄色、すりガラスのような質感(ground glass texture)および特徴的な匂いである。試験した対照生物は、Bacteroides fragilis、ATCC 25285であった。
[00139]抗菌薬感受性試験:抗菌薬感受性試験を、CLSIガイドライン(CLSI、M11-A2)に従ってビタミンK、へミンおよび5%ヒツジ溶解血(laked sheep blood)を補充したBrucella寒天上で寒天希釈法によって行った。試験化合物を、連続的に希釈し、融解した補充Brucella寒天に添加した。各抗菌性プレートシリーズ(antimicrobial plate series)の接種前および後に、薬物を含まないプレートに接種し、増殖対照として使用した。2組の薬物プレートの後、嫌気性/好気性増殖対照を、薬物を含まないプレート上で行った。細菌集団を、Brucellaブロスに懸濁し、0.5McFarland標準の濁度と等しい濁度にして、10CFU/スポットを送達するSteersレプリケーターを用いてプレートに適用した。プレートを、結果を読み取る前に、嫌気状態下で、35℃で24時間インキュベートした。最小発育阻止濃度(MIC)は、増殖を完全に阻害したか、または薬物を含まない増殖対照のものと比較して、増殖の出現の顕著な減少を引き起こした濃度であった。
[00140]結果:この研究で試験した全ての生物に関して、MetRS阻害剤化合物のMIC90は、0.25から>32μg/mlの範囲であった(Citronら(2009)上記参照)。この結果は、代表的なMetRS阻害剤CRS3123(以前にREP3123と名付けられた、Citronら(2009)上記参照)に関して、典型的にはおよそ0.5μg/ml、および0.1μg/mlのMIC90値の、C.difficileに対する本発明の化合物の強力な活性を示す。同様に、CR3123は、0.25μg/mlのMIC90値の、C.perfringensに対する強力な活性を示した(Citronら(2009)上記参照)。さらに、IC50データは、本発明の化合物がC.difficileに特異的であり、哺乳類MetRSに対して活性をほとんどまたは全く示さないことを示した。MetRS阻害剤化合物は、C.difficileおよびグラム陽性細菌に対して強力な活性を示す一方で、正常腸内フローラを温存する。この文脈では、Clostridium属のメンバーが強いMetRS配列相同性を示すことに注意することは適切である(米国特許第8,658,670号)。
実施例2:動物モデルへの効果
[00141]本発明者らは、以前に、CRS3123が、C.difficile感染ハムスターモデルにおいて活性であることを示した(Ochsnerら、J.Antimicrob.Chemother.(2009)63:964~71)。ASDの動物モデルも開発してきた。多くのASDモデルは、シナプス機能に関連している特異的遺伝子が破壊されたマウスを利用する(Shinodaら、Exp.Anim.(2013)62:71~78)。このようなモデルは、自閉症における特異的遺伝子の役割を測定するのに有効であるが、自閉症の遺伝的な根拠は理解されているとは言い難いので、このモデルの一般有用性には疑問の余地がある。環境要因によって引き起こされ得るASDに関して、より適切なモデルは、母体免疫活性化(MIA)モデルであり、このモデルは、妊娠中の感染が出生児の自閉症の危険の増加に関連しているという疫学的観察に基づいて開発された。このモデルでは、妊娠中の雌親を、ポリイノシンポリシジン酸またはポリ(I:C)の腹腔内注射によって処置し、これは、ウイルス感染をシミュレートする形で、toll様受容体3(TLR3)経路によって自然免疫応答を活性化することが知られている2本鎖RNA模倣物である。出生児は、ヒトにおけるASDと同様の行動異常、コミュニケーション異常および不安様異常を示す。MIAモデルは、MIAマウスが、自閉症の子どもに典型的に観察される腸透過性ならびにディスバイオシスの上昇を示すことを実証するために近年使用されてきた。原理証明実験では、Lactobacillus reuteri(Buffingtonら、Cell(2016)165:1762~75)またはBacteroides fragilis(Hsiaoら、(2013)、上記参照)の経口送達などの特定の処置による腸内フローラの部分的な回復によって、MIAマウスにおける一部のASD症状が軽減されることが示されている。この文脈では、本発明者らは、反復投与第1b相臨床試験において、健常被験者に経口送達されるCRS3123は(下記参照)、200mgBID用量で正常フローラの組成物に対して最小の効果を示し、これは、正常腸内フローラの大部分の構成成分に対するその狭域および限定された活性と一致していることに注意する。400mgBID用量で、特に600mgBID用量で、CRS3123は、Bacteroidetesの割合の上昇を示し、このうちB.fragilisが主要なメンバーのうちの1つである。B.fragilisは、MIAモデルにおける自閉症症状の重症度を軽減できることを示しているので(Hsiaoら、(2013)上記参照)、CRS3123による、ならびに本明細書に記載されている他のMetRS阻害剤によるMIAマウスの処置は、同様に有効であることが予想される。
実施例3:健常ヒト被験者における第1相臨床試験の安全性および忍容性
単一用量漸増試験第1a相試験
[00142]CRS3123を、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(DMID 10-0008)の微生物感染症局(DMID)から資金提供を受けた「成人健常者に経口投与したCRS3123の安全性および薬物動態を測定するためのランダム化、二重盲検、プラセボ対照、単一用量漸増試験第1a相試験」という名称の最初のヒト第1相試験において評価した。この試験は、Johns Hopkins Universityで行った。この試験の主目的は、健常な絶食被験者への単回経口投与に続くCRS3123の用量漸増の安全性および忍容性を測定することであった。副次的目的は、単回経口投与の後のCRS3123の血漿PK特性を評価することであった。18から45歳の40人の健常男性および女性被験者を、以下の、100、200、400、800および1200mgの用量レベルで、ランダムに5つのコホートに分けた。コホートあたり、6人の被験者にCRS3123を与え、2人にプラセボを与えた。
[00143]CRS3123の低いが検出可能な割合が、調査した用量のそれぞれで、吸収されたように見えた。溶出ピークの質量スペクトル解析に基づいて、CRS3123は、グルクロン酸抱合によって体内で代謝されたように見えた。主要な溶出ピークにおける2つの代謝物の存在により、親化合物の排出を測定することができなかった。一部の親薬物およびその代謝物は、尿中に排出された。全身曝露は、用量に比例しているように見えなかったが、この観察は、主要ピークを含む複数の要素によって影響を受けた可能性がある。代謝物の解析標準がない中で、データは、親化合物の代謝時の3つのグルクロニド種の産生を示唆する。
[00144]同様の割合のCRS3123で処置した被験者(93.3%)およびプラセボで処置した被験者(90.0%)が、処置中に発生した有害事象(TEAE)を報告した。また、コホートあたりのおよびコホートにわたってCRS3123で処置した被験者に、TEAEの同様の発生頻度があった。CRS3123で処置した被験者に認められた死亡例、SAE、または重度のもしくは致死的なTEAEはなかった。CRS3123コホートにおけるTEAEを有する被験者の割合は、研究薬物の用量と相関しなかった。
[00145]CRS3123で処置した被験者(組み合わせた)に関して、最も高い発生頻度(≧5%)のTEAEは、ヘモグロビンの減少(23.3%)、頭痛(20.0%)、異常な尿検査(20.0%)、および尿中白血球エステラーゼ陽性(16.7%)であった。CRS3123で処置した被験者およびプラセボで処置した被験者の両方で報告されたTEAEの大半を、軽度(全体で92.6%)として分類した。中程度のTEAEが、CRS3123で処置した被験者の7.4%対プラセボで処置した被験者の3.7%で報告された。さらに、プラセボで処置した被験者1人に、処置なしで回復するグレード3のタンパク尿である重度のTEAEが1つあった。このTEAEの発生率は、研究薬物の用量に相関しなかった。CRS3123で処置した被験者において、重度のTEAEはなかった。CRS3123で処置した被験者およびプラセボで処置した被験者の両方で報告されたTEAEのおよそ半数が、研究薬物に関連していた。CRS3123処置に関連しているTEAEに関して、発生率の最も高い割合(組み合わせた)は、頭痛(20.0%)、ヘモグロビンの減少(16.7%)、異常な尿検査(16.7%)、および血中カルシウムの減少(13.3%)であった。プラセボ処置に関連しているTEAEに関して(組み合わせた)、分布の最も高い割合は、異常な尿検査(20%)であった。
[00146]この第1相試験の結果は、健常成人被験者の群で試験した漸増単回用量でのCRS3123の安全性および忍容性を実証する。可能性のある代謝物の測定のための解析標準が存在しない一方で、データは、CRS3123の代謝時の3つのグルクロニド種の産生を示唆する。概して、CRS3123は、この単回用量試験において安全であり十分に忍容された。
反復用量漸増試験第1b相試験
[00147]「成人健常者に経口投与したCRS3123の安全性および薬物動態を測定するためのランダム化、二重盲検、プラセボ対照、反復用量漸増試験第1相試験」という名称の、CRS3123の反復用量漸増試験第1相試験も、DMIDから資金提供を受けた(プロトコル番号10-0009)。この試験は、Overland Park、KSのQuintiles Phase I Servicesで行った。この試験の主目的は、健常被験者に10日間1日2回投与したCRS3123の用量漸増の安全性および忍容性を測定することであった。副次的目的は、反復経口投与の後のCRS3123の血漿薬物動態特性を測定することであった。探索的評価項目は、CRS3123の糞便マイクロバイオームに対する効果の評価であった。18から45歳の30人の健常男性および女性被験者を3つの用量漸増コホートにランダムに分け、コホートA、BおよびCについて、それぞれ10日間1日2回の200、400、600mgであった。
[00148]CRS3123の単回投与に続いて、Tmax中央値は、3つの用量群にわたって2.00時間から3.00時間の範囲であり、幾何平均t1/2は、3つの用量群にわたって3.01時間から3.53時間の範囲であった。CRS3123の10日間1日2回の投与に続いて、Tmax,ss中央値は、3つの用量群にわたって1.00時間から2.00時間の範囲であり、幾何平均t1/2,ssは、3つのCRS3123用量群にわたって4.71時間から6.32時間の範囲であった。10日間反復1日2回投与に続いて、CRS3123の最小の蓄積があった。試験した用量範囲にわたって、幾何平均RAUCは、1.13から1.61の範囲であり、幾何平均RCmaxは、1.12から1.34の範囲であった。この発見は、12時間の投与間隔で関連付けられる反復投与に続いて観察された相対的に短いt1/2,ssと一致している。1日目に観察されたCmax、およびAUC0~12、ならびに10日目に観察されたCmax,ssおよびAUC0~τに基づくCRS3123への曝露の増加は用量に関連していたが、試験した用量範囲にわたった用量の増加に比例するよりも少なかった。CRS3123の単回用量投与および反復用量投与に続いて、未変化のCRS3123の大部分はGI管中に保持され、糞便中に排出された一方で、グルクロニド抱合体としてのCRS3123の腎排出は最小で、投与された用量の2%未満を占めた。
[00149]反復用量漸増として投与されたCRS3123は、報告される死亡例、他のSAE、または重度のTEAEなく、一般に安全であり十分に忍容された。TEAEにより試験から脱退させた被験者はいなかった。全身、バイタルサインまたは検査所見のTEAEに傾向はなかった。試験において報告されたTEAEの大部分は、軽度の重症度のものであった。QTcF間隔の延長または他のECG間隔もしくは形態に、いずれの臨床的に有意な変化もなかった。
[00150]予備的なマイクロバイオームデータは、正常腸内フローラの最も主要なクラスが、CRS3123処置の時に最小の撹乱を経験したことを示唆する(図1)。200mgBID用量は、処置レジメンからプラセボにわたって同様であるように見える。どの門もいずれの用量で失われない一方で、2つの最高用量(400mgおよび600mgBID)で、B.fragilisがMIAマウスにおける自閉症症状を軽減することを示しているので、Bacteroidetesの割合の上昇は注目すべきである(Hsiaoら、(2013)上記参照)。
[00151]本発明を、多くの実施形態を参照して具体的に示し記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示する様々な実施形態に対して形態および詳細の変更をしてもよく、本明細書に開示する様々な実施形態は、特許請求の範囲を限定するものとして働くことを意図したものではないことが当業者によって理解されるであろう。

Claims (32)

  1. 哺乳動物における自閉症スペクトラム症(ASD)の少なくとも1つの症状を処置し、または実質的に改善する方法であって、有効量のMetRS阻害剤化合物を哺乳動物に投与するステップを含む方法。
  2. ASDがClostridium感染症に関連している、請求項1に記載の方法。
  3. MetRS阻害剤が式(I)
    Figure 2023554320000014
    [式中、
    Xは、左側(LHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基であり、
    Zは、右側(RHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し、
    Yは、直鎖に1から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたは(C1~6)アルキリデニル置換基を有してもよい]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  4. MetRS阻害剤が式(II)
    Figure 2023554320000015
    [式中、
    Arは、右側(RHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し、
    Xは、NH、O、S、SO、SO、またはCHからなる群より選択され、
    nは、1、2または3であり、
    *は、不斉炭素原子を示し、nが2または3である場合、*はR立体配置であり、nが1およびXがCHである場合、*はR立体配置であり、nが1およびXがNH、O、S、SOまたはSOからなる群より選択される場合、*はS立体配置であり、
    mは、0、1、2、3、または4であり、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択される]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  5. MetRS阻害剤が式(IIa)または(IIb)
    Figure 2023554320000016
    [式中、
    pは、0、1、2または3であり、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびに複素環より独立に選択され、
    がSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHである]
    の化合物によってさらに表される、請求項4に記載の方法。
  6. MetRS阻害剤が以下
    5-[3-((R)(-)-5,7-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-1-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-((R)(+)-8-ブロモ-6-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    2-[3-((R)(+)-6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-1H-キノリン-4-オン;および
    5-[3-((S)-5,7-ジブロモ-ベンゾフラン-3イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン
    からなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. MetRS阻害剤が式(III)
    Figure 2023554320000017
    [式中、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシル、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルファニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択され、
    Yは、直鎖に1から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたは(C1~6)アルキリデニル置換基を有してもよく、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシル、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルファニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択され、
    がSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、ZがSである場合、ZおよびZはCHであり、
    Xは、NH、S、SO、SO2、OまたはCHであり、
    mは、0または1から4の整数であり、
    nは、1、2または3である]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  8. MetRS阻害剤が以下
    5-[3-(6,8-ジブロモ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(6,8-ジブロモ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(8-ブロモ-6-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(6-クロロ-8-ヨード-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(6-ブロモ-8-クロロ-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(6-ブロモ-8-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(8-ブロモ-6-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(8-ブロモ-6-メチルスルファニル-クロマン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;および
    5-[3-(6-ブロモ-8-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ-キノリン-4-イルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. MetRS阻害剤が式(IV)
    Figure 2023554320000018
    [式中、
    は、限定されないが、置換および非置換ベンゼン、トルエン、フェノール、アニソール、チアゾール、チアゾリジンおよびピリジンを含む、アリールおよびヘテロアリール基、アルケン、イミン、ならびに他の同様な置換基からなる群より選択され、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C1~6)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロキシより独立に選択され、
    は、ハロ、(C1~3)アルキル、(C2~3)アルケニル、(C2~3)アルキニルまたは他の同様な置換基より選択され、
    nは、1、2または3であり、
    mは、0、1、2または3である]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  10. MetRS阻害剤が以下
    5-{3-[3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-(2-ピリジン-3-イル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-[2-(4-メチル-チアゾール-5-イル)-エトキシル]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-フェネチルオキシ-ベンジルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-メチル-チアゾール-5-イル)-エトキシル]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(2-ピリジン-3-イル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4,5-ジメチル-チアゾール-2-イル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-[3-(3,5-ジブロモ-2-フェネチルオキシ-ベンジルアミノ)-プロピルアミノ]-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(3-ピリジン-3-イル-プロポキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-{3-[3,5-ジブロモ-2-(2-p-トリル-エトキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(フルオロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;
    5-(3-{3,5-ジブロモ-2-[2-(4-クロロ-フェニル)-エトキシ]-ベンジルアミノ}-プロピルアミノ)-4Hチエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン;および
    5-{3-[3-ブロモ-5-メチルスルファニル-2-(3-ピリジン-3-イル-プロポキシ)-ベンジルアミノ]-プロピルアミノ}-4H-チエノ[3,2-b]ピリジン-7-オン
    からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  11. MetRS阻害剤が式(V)
    Figure 2023554320000019
    [式中、
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール環であり、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより独立に選択され、
    mは、0、1、2、または3であり、
    Xは、CHまたはCHRであり、Rは、(C1~6)アルキルであるかまたはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、環原子として酸素または窒素を含んでもよい5から7員環を形成し、
    Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンである]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  12. MetRS阻害剤が式(VI)
    Figure 2023554320000020
    [式中、
    は、Br、フルオロ置換されていてもよい(C1~3)アルキル、フルオロ置換されていてもよい(C2~3)アルケニル、および(C2~3)アルキルからなる群より選択され、
    は、ハロゲン、好ましくはBrであり、
    は、(C1~3)アルキル、(C2~5)アルケニル、(C2~3)アルキニルからなる群より選択され、
    は、H、および(C1~3)アルキルからなる群より選択され、
    Yは、(C1~3)アルキルであり、
    Arは、置換もしくは非置換ヘテロアリールイミジアゾール、置換もしくは非置換キノロン、置換もしくは非置換ベンズイミダゾール、置換もしくは非置換縮合ヘテロアリールピリドン、置換もしくは非置換縮合アリールピリミドン、または置換もしくは非置換縮合ヘテロアリールピリミドンからなる群より選択される]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  13. MetRS阻害剤が式(VII)
    Figure 2023554320000021
    [式中、
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール環であり、
    Xは、CHまたはCHRであり、Rは、(C1~6)アルキルであるかまたはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、環原子として酸素または窒素を含んでもよい5から7員環を形成し、
    Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンであり、
    、ZおよびZは、NまたはCRよりそれぞれ独立に選択され、Rは、水素またはハロゲン、シアノ、(C1~6)アルキル、モノ-からペル-フルオロ(C1~3)アルキル、(C3~7)シクロアルキル、(C2~6)アルケニル、(C1~6)アルコキシ、(C2~6)アルケノキシ、アリール(C1~6)アルコキシ、ハロ(C1~6)アルキル、ヒドロキシル、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、ニトロ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、(C1~6)アルケニルオキシカルボニル、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルキル、カルボキシ(C1~6)アルキル、(C1~6)アルキルカルボニルオキシ、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル(C1~6)アルコキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)-アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイルならびにヘテロシクリルより選択される置換基である]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  14. MetRS阻害剤が式(VIII)
    Figure 2023554320000022
    [式中、
    WはCHであり、Rは5もしくは6員ヘテロアリール環の残基であり、またはWはNであり、Rは5もしくは6員ヘテロアリール環もしくはアリール環の残基であり、このヘテロアリールもしくはアリール環は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、もしくは(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-もしくはジ-(C1~6)アルコキシカルボニル、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキチオ、(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキカルバモイル、ならびにヘテロシクリルより選択される1から3つの置換基によって置換されていてもよい、
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール環であり、
    Xは、CHもしくはCHRであり、Rは、(C1~6)アルキルであるか、またはRは、Rのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、環原子として酸素もしくは窒素を含んでもよい5から7員環を形成してもよく、
    Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンである]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  15. MetRS阻害剤が式(IX)
    Figure 2023554320000023
    [式中、
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり、
    は、水素、(C1~6)アルキル、アリール(C1~4)アルキル、アリール(C2~4)アルケニルまたは(C1~6)アルキルカルボニルであり、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシル、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシル、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルコキシカルボニル、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキチオ、(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキカルバモイルならびにヘテロシクリルより独立に選択され、
    mは、0、1、2、または3であり、
    Xは、CHRであり、Rは、水素、(C1~6)アルキルもしくはアリール、(C2~4)アルキレン、(C3~4)アルケニレンまたはCOであり、
    Yは、直鎖に2から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたはC(1~6)アルキリデニル置換基を有してもよく、鎖1,2-または1,3-炭素原子は、(C2~3)アルキエンまたはCアルケニレン架橋によって連結されてもよく、
    およびXまたはRおよびRは、ポリメチレン鎖によって連結され5から7員環を形成し、(C1~6)アルキルによって置換されていてもよく、
    XおよびR、XおよびYまたはYおよびRは、ポリメチレン鎖によって連結され4から7員環を形成し、(C1~6)アルキルによって置換されていてもよく、
    Zは、NHまたはOである]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  16. MetRS阻害剤が式(X)
    Figure 2023554320000024
    [式中、
    は、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリール環であり、
    は、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、(C1~6)アルキル(ハロ、ヒドロキシ、アミノ、モノからペルフルオロ(C1~3)アルキル、カルボキシ、または(C1~6)アルコキシカルボニルによって置換されていてもよい)、(C3~7)シクロアルキル、(C1~6)アルコキシ、アミノ、モノ-またはジ-(C1~6)アルキルアミノ、アシルアミノ、カルボキシ、(C1~6)アルコキシカルボニル、カルボキシ(C1~6)アルキルオキシ、(C1~6)アルキルチオ、(C1~6)アルキルスルフィニル、(C1~6)アルキルスルホニル、スルファモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルスルファモイル、カルバモイル、モノ-およびジ-(C1~6)アルキルカルバモイル、ならびにヘテロシクリルより選択される1から3つの置換基によって置換されていてもよい5または6員ヘテロアリール環の残基であり、
    Xは、CHもしくはCHRであり、Rは、(C1~6)アルキルであるか、またはRのアリールもしくはヘテロアリール環のオルト位に連結して、環原子として酸素もしくは窒素を含んでもよい5から7員環を形成し、
    Yは、(C1~3)アルキレンまたは(C4~6)シクロアルキレンである]
    の化合物である、請求項1に記載の方法。
  17. 哺乳動物におけるASDの処置のための医薬組成物であって、ASDの少なくとも1つの症状を改善するようにMetRS阻害剤を有効量で含み、調製物が薬学的に許容される担体または賦形剤さらに含む、医薬組成物。
  18. 哺乳動物がヒトである、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. ASDがClostridium感染症に関連している、請求項18に記載の医薬組成物。
  20. 哺乳動物におけるASDの予防的処置のための医薬組成物であって、ASDを予防するようにMetRS阻害剤を予防的な量で含み、調製物が薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、医薬組成物。
  21. 哺乳動物がヒトである、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. ASDがClostridium感染症に関連している、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. ヒトにおけるASDの少なくとも1つの症状を処置し、または実質的に改善する方法であって、ASDを処置するための有効量のMetRS阻害剤をヒトに投与するステップを含む方法。
  24. MetRS阻害剤が式(I)
    Figure 2023554320000025
    [式中、
    Xは、左側(LHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基であり、
    Zは、右側(RHS)置換基であり、置換または非置換アリールまたはヘテロアリール基を有し、
    Yは、直鎖に1から6つのメチレン基を有するリンカー基であり、1つまたは複数のメチレン基は1つまたは複数の(C1~6)アルキル、(C1~6)アルコキシまたは(C1~6)アルキリデニル置換基を有してもよい]
    の化合物である、請求項23に記載の方法。
  25. ヒトにおけるASDを処置する方法であって、ASDの少なくとも1つの症状を改善するための有効量のMetRS阻害剤をヒトに投与するステップを含む方法。
  26. 処置を必要とする患者におけるASDを処置する方法であって、ASDの少なくとも1つの症状を改善するための有効量のMetRS阻害剤を患者に投与するステップを含む方法。
  27. 予防を必要とする患者におけるASDを予防する方法であって、有効量のMetRS阻害剤を患者に投与するステップを含む方法。
  28. ASDを処置する方法であって、プレバイオティック、プロバイオティックまたは微生物叢補充療法と併せて有効量のMetRS阻害剤化合物を哺乳動物に投与するステップを含む方法。
  29. 哺乳動物がヒトである、請求項28に記載の方法。
  30. 微生物叢補充療法が糞便微生物叢移植である、請求項28に記載の方法。
  31. 微生物叢補充療法がB.fragilisである、請求項28に記載の方法。
  32. 微生物叢補充療法がL.reuteriである、請求項28に記載の方法。
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