JP2023553913A - リアルタイム位置情報システム(rtls)のデータから患者ワークフローをマイニングするプロセス - Google Patents

リアルタイム位置情報システム(rtls)のデータから患者ワークフローをマイニングするプロセス Download PDF

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Abstract

追跡データの品質管理を最適化するシステム10は、関連する赤外線(IR)又は無線周波数(RF)タグ14でタグ付けされた建物内の人又は物品の追跡を実行して候補痕跡40を生成するように構成されたリアルタイム位置特定サービス(RTLS)12を含む。少なくとも1つの電子プロセッサ20は:スコア付けされている各候補痕跡について、当該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを決定すること、及び当該候補痕跡の適合度スコアを欠落しているレポートの数に基づいて低減することを含んで、これら候補痕跡をスコア付けし;候補痕跡と意図したワークフローとの間の偏差を検出し;これら偏差をデータベース23、26に記憶する;ようにプログラムされている。

Description

[0001] 以下の記載は、広くは、追跡技術、医療処置ワークフロー技術、リアルタイム位置情報システム(RTLS)技術、ペトリネットプロセス適合性チェックワークフロー分析技術、及び関連する技術に関する。
[0002] リアルタイム位置情報は、病院管理者、臨床医及び看護師が、患者の治療が何時及び何処で必要とされるかついて判断を行うことを可能にする。一般的なデザインにおいて、追跡される人(例えば、患者、医師、看護師等)及び追跡される物体(例えば、携帯型医療装置)にはRFID又は赤外線(IR)タグが付けられ、静止型のRF又はIRタグリーダ(読取器)又はビーコンが、追跡が実行されるべき病院(又はその一部)にわたって戦略的に配置される。或るデザインでは、タグは最寄りの静止ビーコンから信号を受信し、これにより該タグにおいて位置が決定され、該タグは、次いで、この位置をRTLSサーバに再送信する。他のデザインでは、タグがIR(又はRF)信号を送信し、これら信号は静止タグリーダにより受信され、該タグリーダがタグ位置をRTLSサーバに伝達する。何れの場合においても、RTLSにより取得される追跡データは、通常、指定された時間間隔で取得される個別の(離散的な)位置レポートの形態である。一部のRTLSでは、レポート間の時間間隔は可変であり、例えば、追跡される人又は物体が静止している場合には時間間隔が長くなり、追跡される人又は物体が、タグ内に配置された移動検出器により検出されるように、移動している場合には時間間隔が短くなる。通常、これらの個別のレポートを軌跡に、例えば病院内での患者の経路を描く患者軌跡に変換することが望ましい。このような患者軌跡は、個別に分析して設計ベースのワークフローからの逸脱を追跡でき、又は集約して(例えば、指定された時間枠にわたる設計ベースのワークフローに従った全ての患者の患者軌跡)ワークフローの逸脱の統計分析を可能にすることができる。
[0003] 典型的なRTLSシステムの解説的な例は、CenTrak RTLS(アメリカ合衆国、ペンシルバニア州、ニュータウンのCenTrakから入手可能)である。このRTLSは、固有の赤外線(IR)信号を送信する「モニタ」を有し、したがって、該モニタはビーコンとして機能する。このシステムは、無線受信機として機能する「スター」も備えている。患者又はスタッフには、IR検出器及び無線送信機を有するリストバンド又は他のタグが設けられる。患者タグのIR検出器は、近くのモニタ(すなわち、ビーコン)のIR信号を感知し、該モニタの識別子を自身の無線機を介してスターに送信する。該スターは、次いで、この位置レポートをRTLSサーバに送信する。送信率は調整可能であり、タグが移動しているか否かに依存し得る。位置特定信号としてIRを使用する利点は、赤外線信号は壁を透過せず、したがって部屋レベルの位置精度を提供できることである。一方、タグからの無線送信は壁を透過し、したがって、多数のIRビーコンと比較して、少数のスター(すなわち、無線受信機)を配備できる。
[0004] 患者の追跡を目的としたRTLSシステムは、リストバンドを適切な時点で患者に装着すると共に、該リストバンドが露出されたままとなることを確認する(衣服、ベッドシーツ等はIRを遮断し得る)等の、余分なステップをスタッフのワークフローに追加する。これらのステップは、実際の介護ワークフローと並行して実行され、低い優先度を有する。その結果、標準以下のRTLSデータとなり、その分析を困難にさせる。幾つかの結果として生じる問題は、とりわけ、スタッフが患者のための複数のIRタグを携帯すること、患者に取り付けられている際に毛布又は衣服により覆われるIRタグ(したがって、IR信号が阻止される)、IRタグがワークフローの開始後に患者に取り付けられること、IRタグがワークフローの完了後に過度に遅く外されること、を含み得る。追跡データの斯様な欠陥は、該追跡データを処理して信頼性の高い患者(又は物体)の痕跡(軌跡)を生成することを困難又は不可能にさせ得る。
[0005] 以下の記載は、これらの問題及び他の問題を克服するための特定の改善を開示する。
[0006] 一態様において、追跡データの品質管理を最適化するシステムは、建物内において関連する赤外線(IR)タグ又は無線周波数(RF)タグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して候補痕跡を生成するように構成されたリアルタイム位置特定サービス(RTLS)を含む。少なくとも1つの電子プロセッサは:スコア付けされる各候補痕跡に関して、当該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを判断すること、及び候補痕跡の適合度スコアを欠落しているレポートの数に基づいて低減することを含んで、候補痕跡をスコア付けし;候補痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差(逸脱)を検出し;及び偏差をデータベースに記憶する;ようにプログラムされている。
[0007] 他の態様において、追跡データの品質管理を最適化するシステムは、建物内において関連するタグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して分析痕跡を生成するように構成されたRTLSを含む。1以上の位置特定局は、関連するタグのうちの1以上のタグの位置を、該関連するタグと当該1以上の位置特定局との間の通信に基づいて決定するように構成される。少なくとも1つの電子プロセッサは、分析痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差を、ペトリネットを使用して検出するようにプログラムされる。
[0008] 他の態様において、追跡データの品質管理を最適化するシステムは、建物内において関連するタグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して候補痕跡を生成するように構成されたRTLSを含む。少なくとも1つのコンテナは、当該建物内に配置されると共に、該コンテナ内に含まれる関連するタグを読み取るためのモニタを含み、該モニタは当該コンテナの外側に位置する位置特定局が該コンテナ内に格納された関連するタグを読み取ることを阻止する。少なくとも1つの電子プロセッサは:スコア付けされる各候補痕跡に関して、当該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを判断すること、当該候補痕跡における全ての欠落している位置レポートを置換するために補間されたレポートを追加すること、当該候補痕跡が意図されたワークフローにどの程度良好に合致するかを示す適合度スコアを当該候補痕跡に割り当てること、及び追加された補間されたレポートの数に基づいて前記候補痕跡の適合度スコアを低減することを含んで、候補痕跡をスコア付けし;スコア付けされた候補痕跡から分析痕跡を各スコアに基づいて選択し;分析痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差を検出し;及び偏差をデータベースに記憶する;ようにプログラムされている。
[0009] 1つの利点は、より多くのフローの問題に一層迅速かつ効率的に対処することにある。
[0010] 他の利点は、IRタグにより生成された痕跡信号から患者のワークフローの逸脱を特定することにある。
[0011] 他の利点は、RTLSデータ収集のワークフローの逸脱及びIRタグのログからの候補痕跡を比較することにより、患者のワークフローの逸脱を特定することにある。
[0012] 他の利点は、複数のIRタグ、覆われたIRタグ、及びタグが正しくない時点で取り付けられ又は取り外されることからのワークフローの問題を解決することにある。
[0013] 他の利点は、ワークフローに従う患者(又は医師、又は物体等)の痕跡に関する最初及び/又は最後のレポートを積極的に描写するための装置を提供することにある。
[0014] 他の利点は、タグコンテナの識別情報を読み取るためにタグを備えた装置を提供することにある。
[0015] 他の利点は、欠落した位置レポート(これに限定されるものではない)等の追跡データの欠陥に対して堅牢な患者(又は医師、物体等)の痕跡を生成するように追跡データを処理することにある。
[0016] 所与の実施形態は、上述した利点の1つ、2つ、それ以上若しくは全てを提供し得るか又は提供しないものであり得、及び/又は当業者にとり本開示を精読及び理解すれば明らかになるように他の利点も提供し得るものである。
[0017] 本開示は、様々な構成要素及び構成要素の配置、並びに様々なステップ及びステップの配置の形態をとり得る。図面は、好ましい実施形態を解説することのみを目的としており、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。
[0018] 図1は、本開示による患者の痕跡の品質管理を最適化するための例示的システムを概略的に示す。 [0019] 図2は、図1のシステムの動作の例示的なフローチャートを示す。 [0020] 図3は、図1のシステムにより使用されるガード構造の一例を示す。 図4は、図1のシステムにより使用されるガード構造の他の例を示す。 図5は、図1のシステムにより使用されるガード構造の更に他の例を示す。
[0021] 以下の記載は、検討されている様々なタスクでのRTLSの活用に関連するものである。これらのうちの幾つかは:患者の滞在期間をモニタリングすること;人工知能(AI)予測アルゴリズムのためのワークフロートレーニングデータを供給すること;意図されたワークフローの順守に関する品質管理を実行すること;等の、遡及的なものである。他の想定されるタスクは、ワークフローの順守に関するフィードバックをリアルタイムで、シフト毎、又は1日毎に、例えばダッシュボード又は日次レポートに提示される重要目標達成指標(KPI)として供給する等の、より短期的又はリアルタイムのものである。当該例示的RTLSシステムは、赤外線(IR)タグを使用し、これは、特定の部屋に対して非常に高い位置確実性を提供するという利点を有するが(IR信号は壁を透過しないため)、開示される当該アプローチは、他のタイプのタグ(例えば、RFタグ)を使用するRTLS、又はGPSベースのRTLSと共に使用することもできる。
[0022] 典型的なワークフローでは、患者が病院に入り、保管場所からIRタグが取り出され、そのバーコードが患者の電子医療記録(EMR、時には電子健康記録等の他の名称により呼ばれ得る)にスキャンで読み込まれて、該タグを患者に関連付け、そして、該タグは例えばリストバンドとして患者に固定される。CenTrakシステム等の一部のRTLSシステムにおいて、タグは、専用のバーコードスキャナ又はモバイル装置(すなわち、スマートフォン)によりスキャンされ得るバーコードを含む。スキャン装置は、タグのバーコードをEMRに記憶する。その後、患者は、例えば医療画像化検査を受け、手術を受け、病室へ入室する(入院患者の場合)等のワークフローを経て進む。ワークフローの最後に関連付け解除ステップが実行され、患者からタグの関連付けが解除される。同様の追跡を、携帯型超音波マシン等の移動可能な病院資産に対しても採用できる。例えば、IRタグは、超音波マシンが看護師又は他の医療専門家により貸し出される際に該超音波マシンに関連付けられ、次いで、患者の超音波撮像を実行するために使用され、最後に超音波マシンが返却される際に該超音波マシンから関連付けを解除され得る。超音波マシンからタグの関連付けを解除するために、該タグは、それに含まれるモニタで「ドロップボックス」に投入される。
[0023] 先に列挙した想定されるタスクの殆どは、RTLSデータ(本明細書では追跡データとも呼ばれる)を患者痕跡又は機器痕跡に変換することを含む。生のRTLSデータは位置「レポート」の形式であり、各レポートはタグID(関連付けステップにより患者にリンクされる)、タイムスタンプ及び位置等の情報を含む。レポート率(頻度)は、オプションとして可変にすることができ、例えば、タグが静止している場合の5分毎からタグが移動している場合の3秒毎までの範囲である。原則として、患者痕跡は、タグが患者に関連付けられてから関連付け解除までの一連のレポートにより定義される。(本明細書では「患者の痕跡」が解説的な例として使用されるが、当該痕跡は、当該タグが取り付けられる人又は物体に依存して、医師又は看護師等の他のタイプの人に関するもの、又は上述した資産に関するものであり得ることが理解されよう。更に、「患者」痕跡の代わりに、当該痕跡は医療機器に接続されたタグの痕跡に関するもの、すなわち機器痕跡でもあり得る。)
[0024] しかしながら、患者の痕跡を抽出するには多くの困難さが存在し得る。IRタグの検出の指向的性質は特定の部屋に局部化するには有益であるが、タグが衣服又は介在する物体等により覆い隠される場合、レポート(位置情報を含み得る)が欠落され得ることも意味する。更に、一部のIRタグはオン/オフスイッチを有さない。これは、例えば、典型的なIRタグの低電力消費(したがって、不使用時にオフにすることは、特に有効というものではない)、コスト的配慮考慮事項(1つの病院でも多数のタグを使用し得ると共に、タグの寿命は摩滅及び衛生上の考慮により短いものであり得る)、及び操作の容易さへの要望(タグを患者に装着する際に看護師がタグをオンにすることを必要にすることは、ワークフローに他の可能性のある「見逃されるステップ」を生じさせ;また、単純なオン/オフスイッチが設けられる場合、該スイッチは患者により不注意に又は意図的にオフされる可能性がある)により動機付けられるデザイン選択事項である。オン/オフスイッチを備えないIRタグは「常にオン」であるので、看護師がタグを患者から外したが、該タグを患者から関連付けを解除し損なうと共に、該タグを看護師が携帯した場合、該看護師の動きが誤って患者に関連付けられ得る。一般的に、患者に対するタグの適時な関連付け/関連付け解除をし損じることは、患者の痕跡が見逃される(欠落する)又は「患者」の痕跡が誤って割り当てられる可能性を生じさせる。
[0025] このような問題を認識して、以下の記載は、患者痕跡の品質管理を改善するための幾つかの態様又はフェーズ:すなわち、(1)患者痕跡の開始/終了を正確に描くためにコンテナ又はボックスを使用すること;(2)RTLSデータのクリーンアップ及び強化;(3)患者痕跡の選択;及び(4)患者痕跡の分析;を開示する。
[0026] 態様又はフェーズ(1)に関して、ワークフローの開始/終了時においてタグを関連付ける/関連付けを解除する際のエラーに対処するために、タグを患者に関連付け及び患者から関連付けを解除することができる複数のボックスが、医療施設にわたって分散される。これらのボックスは、IRタグが使用のために保管され又は使用後に配置される物理的なコンテナであり得る。CenTrakシステムの場合、各ボックスは、固有のIR信号を送信し、ビーコンとして機能するIR送信装置を内部に有する。該ボックスの筐体はIR信号を阻止するので、ボックス内のタグは該ボックス内のIR送信装置から固有のIR信号は読み取るが、該ボックスの外にはIR信号は送信されない。これらのレポートの一方又は両方が候補患者痕跡から欠落している場合、この(欠落している)情報は様々に使用されて痕跡を破棄し得るか、又は候補痕跡は依然として考慮され得るが、欠落しているボックスレポートにはワークフローの逸脱としてフラグが付され得る。
[0027] クリーンアップ/強化フェーズ(2)において、RTLSデータはクリーンアップされ及び強化される。欠落しているレポートは、欠落しているデータを埋めるために補間レポートを追加することにより対処される。しかしながら、そのような補間は推定であり、誤っている可能性があるため、各補間レポートはフラグ又は指示子によりそのように識別され、オプションとして不確実性が割り当てられ得る。例えば、各補間レポートの不確実性は、当該補間レポートが候補患者痕跡に1つ又は2つの時間的に隣接する補間レポートを有する場合に増加され得る。
[0028] 患者痕跡選択フェーズ(3)において、各候補患者痕跡には、当該患者痕跡が目的とするワークフローにどの程度良好に合致しているかを示す適合度スコアが割り当てられる。この目的のために、ペトリネットが使用される。ペトリネットは、時間的シーケンスを分析するための既知のツールであるが、以下の記載はRTLSデータ分析タスクのためのペトリネットの使用を開示する。オプションとして、当該ペトリネットにはガード構造が追加され得る。ガード構造は、当該ガード構造から出る許容可能な軌道を該ガード構造に入る軌道に基づいて制限し、したがって、当該ペトリネットに幾らかのメモリ能力を追加する。フェーズ(3)の他の態様では、患者の痕跡にとり非現実的であるパターンが、特定のレポートを破棄するために使用され得る。例えば、患者タグが多くの異なる位置を訪れる場合、これは、該タグが患者に取り付けられているのではなく看護師により携帯されていることの指示情報であり得、これらのレポートは破棄できる。
[0029] 上記適合度スコアは候補患者痕跡全体について計算され、次いで、この適合度スコアは、好ましくは、該候補患者痕跡における補間された痕跡部分の数に基づいて低減される。この後者の低減は補正である。補間レポートは、当該痕跡が意図したワークフローに従っていると仮定されることに基づいて補間されるので、この修正を省略すると、当該患者痕跡選択が、多数の補間されたレポートを有する候補患者痕跡を選択する方向にバイアスされることになり得る。
[0030] 最後に、患者痕跡分析フェーズ(4)は、分析のための痕跡を前記適合度スコアに基づいて選択し、次いで、選択された各痕跡(本明細書では分析痕跡とも呼ばれる)に関して補間レポートが削除され、該選択された患者痕跡に(同一の)ペトリネットが適用されて、意図したワークフローからの逸脱を検出する。幾つかの実施形態では、逸脱を検出するために、最良の適合を有する患者痕跡の部分シーケンスだけでなく、患者痕跡の全体シーケンスが分析され得る。これらの実施形態における最良に適合する部分シーケンスの選択は、選択された患者痕跡の前又は後の逸脱(偏差)の存在を決定するために使用される。
[0031] 図1を参照すると、追跡データの品質管理を最適化するための例示的な追跡システム10が示されている。追跡システム10は、建物A内の人(すなわち、患者又は医療関係者)又は物品(IVポンプ等の医療装置、ベッド、機器等)の追跡を、タグ14(例えば、無線周波数識別(RFID)タグ、又はIRタグ)及び対応するタグ位置特定局16(事前に知られている固定位置に配置され、図1では長方形として概略的に示されている)を用いて実行するように構成されたリアルタイム位置特定システム(RTLS)12を含む。当該Centrakシステムにおいては、例えば、タグ位置特定局16はビーコンとして動作し、これらビーコンはIR識別子信号を送信し、これらIR識別子信号は当該ビーコンの近傍の何れかのタグ14により検出される。タグ14は、受信されたビーコン信号から決定される位置レポートを、無線送信を介して無線受信機(Centrakシステムでは「スター」と呼ばれる)に出力し、位置追跡を行う。他の実施形態において、タグ位置特定局16はタグリーダ(タグ読取器)とすることができ、これらタグリーダは当該タグリーダの近傍のタグ14により放出されるIR信号を読み取り、位置追跡を行うようにする。位置特定局16は、監視される領域Aにわたって分散され、該監視領域内のタグ14の位置を、Centrakシステムにおけるようにビーコンとして動作することにより又はタグ14により放出されるIR信号若しくはRF信号を読み取ることにより追跡するよう構成される。例えば、タグ14は1以上のノード8(例えば、患者、医療専門家、医療機器の一部等の移動物体、及び建物A内のゾーン等)に取り付けられ又はそれ以外で固定される。タグ14は、例えば、バッジ、追跡チップ等の他の用語で呼ぶこともでき、本明細書で使用される「タグ」という用語は、そのような代替的命名も包含することを意図している。位置特定局16は、追跡されるべき人又は移動物体が通過し得る建物Aにわたって(例えば、病室内、廊下内、医療専門家のワークステーション等に)分散される。幾つかの例において建物Aは二次元領域(すなわち、病院の単一フロア)であり得る一方、他の例において監視領域は三次元領域(すなわち、病院の複数のフロア)であり得る。
[0032] 位置特定局16は、近傍のタグ14の位置データを確立するように構成されており、これにより、該RTLSが対応するノード8を追跡できるようにする。最も単純なデザインにおいて、位置特定局16は例えば5メートルの動作範囲を有することができ、当該位置特定局16により位置特定された如何なるタグも該位置特定局の5メートル半径内にあることが分かる。他の設計では、動作範囲が重複する2以上の位置特定局が、例えば三角測量等を使用して一層正確にタグを位置特定するように協調して動作し得る。更に他の設計では、単一の位置特定局が、フェーズドアレイトランスデューサ、回転トランスデューサ等を使用して方向的情報を提供することができる。これらは、RTLS測距及び角度測定技術の単なる解説例であり、より一般的には、RTLS12は、建物A内に存在するタグに関するリアルタイムな位置情報を提供するために、如何なる適切な追跡技術も使用できる。更に、位置特定局16は、当該RTLSが追跡されている特定のタグ14(したがって対応するノード8)の位置を決定できるように、位置ビーコンを送信し、又は対応するタグ14からタグ識別情報を受信するように構成される。
[0033] タグ位置特定情報は様々な形式をとることができ、例えば能動型デザインにおいて、タグ14はオンボードのバッテリ駆動されるマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ及び関連する非一時的メモリ(例えば、フラッシュ、PROM、又は他の電子メモリチップ)を含み、該メモリは当該タグ14が位置特定局16(この実施形態ではタグリーダ16)に送信する識別子番号等を記憶する。受動型タグデザインでは、位置特定局16によりタグ14に送信される無線周波数エネルギーが該タグを給電し、そのタグ識別子を送信するように該タグを駆動する。余り複雑でないデザインにおいて、各タグは異なる周波数で送信でき、当該タグはその応答周波数により識別される。これらはタグ識別技術の単なる例示であり、より一般的には、RTLS12は、タグ14及び位置特定局16が協働して、検出/追跡されたタグに関するリアルタイムな位置レポートを生成する如何なる適切なタグ識別技術を使用することもできる。オプションとして、RTLS12は、業界で定義されたRTLS標準、例えばISO/IEC24730-1又はその変形に準拠できる。
[0034] CenTrak RTLS(アメリカ合衆国、ペンシルバニア州、ニュータウンのCenTrak社から入手可能)等の他の実施形態において、タグ14はIR受信機として機能し、位置特定局16はIR送信機、すなわちIRビーコンとして機能する。タグ14は、この場合も、病院スタッフ若しくは患者により着用され、又はノード8に取り付けられるように構成される。タグ14は、IR受信機及びRF送受信機(図示せず)を含む。当該CenTrakシステムは、更に、通信局19(図1では、星印として示す)を含む。通信局19は、タグ14からの無線送信を受信する無線受信機を備える。これらの無線送信は、位置特定局16(これも、CenTrakの実施形態ではIRビーコンとして動作する)から受信されたIR信号に基づいてタグ位置を提供する。したがって、各CentTrakタグ14は、特定のゾーンを表す固有のIDを持つIR信号をブロードキャストするように構成される。
[0035] 何れの場合においても(すなわち、位置特定局16がタグリーダであるかビーコンであるかによらず)、各位置特定局16の識別子(ID)は建物A内の特定のゾーンにマッピングされる。タグの位置は、位置特定局16との通信に基づいて決定され、当該RTLSのサーバ23にレポートされる。当該CenTrakシステムでは、タグ14自体が、感知されたIR IDを、RF信号を介して通信局19にレポートするように構成される。位置特定局16がタグリーダである代替アプローチにおいて、静止型位置特定局16は有線及び/又は無線通信リンクを介してサーバ23と適切に接続され、該位置特定局16(ここではタグリーダ)がタグ14の位置を、これらタグから受信されたIR信号に基づいてレポートできるようにする。サーバ23は、各タグ14のIR IDを、対応するゾーン(RTLS12の設置者により設定できる)にマッピングするように構成される。他の実施形態において、RTLS12は、例えばRF、超音波、赤外線又はビジョン技術を使用した任意の他の位置識別システムを含むことができる。
[0036] 簡潔にするために、今後使用される「タグ」という用語はIRタグ14を指すが、上述した説明はRFタグにも等しく適用できる。前述したように、RF送信モードとIR送信モードとの違いは、性能にある程度の影響を与える。例えば、IR信号は壁を透過しないが、RF信号は一般的に透過するので、IRタグは特定の部屋に局所化され得る。対照的に、RF信号は壁を透過し得るので、タグの位置特定を実行するためにタグと位置特定局との間のRF通信を採用するRTLSは、他の部屋内のRFタグを検出し得る可能性がある。CenTrak RTLS等の多様式RTLSは、これらの異なる信号タイプ(例えば、IR及びRF)を組み合わせて、改善された位置特定の精度及び性能を提供することができる。
[0037] システム10は、ワークステーション18、サーバコンピュータ23、これらの様々な組み合わせ、又はより一般的にはコンピュータ等の電子処理装置18、23を含む。サーバコンピュータ23は、より複雑な計算タスクを実行するために、例えばサーバクラスタ、クラウドコンピューティング資源等を形成するために相互接続された複数のサーバコンピュータを備え得る。ワークステーション18及び/又はサーバ23は、電子プロセッサ20(例えば、マイクロプロセッサ)、少なくとも1つのユーザ入力装置(例えば、マウス、キーボード、トラックボール、タブレット等の埋め込みスクリーンを備えた装置、スマートフォン、スマートウォッチ、代替現実/仮想現実ヘッドセット又はゴーグル等)22、及び表示装置24(例えば、LCDディスプレイ、プラズマディスプレイ、陰極線管ディスプレイ等)等の典型的な構成要素を含む。幾つかの実施形態において、表示装置24は、ワークステーション18とは別個の構成要素であってもよく、又は2つ以上の表示装置を含んでもよい。
[0038] 電子プロセッサ20は、1以上の非一時的記憶媒体26と動作可能に接続される。非一時的記憶媒体26は、限定するものでない解説例として、磁気ディスク、RAID又は他の磁気記憶媒体;ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、電子的に消去可能な読み取り専用メモリ(EEROM)、又は他の電子メモリ;光ディスク又は他の光ストレージ;これらの様々な組み合わせ等;の1以上を含むことができ、又は、例えば、ネットワークストレージ、ワークステーション18の内蔵ハードドライブ、これらの様々な組み合わせ等とすることができる。本明細書における非一時的媒体又は複数の媒体26への如何なる言及も、単一の媒体又は同一若しくは異なるタイプの複数の媒体を包含するものと広く解釈されるべきであることを理解されたい。同様に、電子プロセッサ20は、単一の電子プロセッサとして又は2以上の電子プロセッサとして具現化され得る。非一時的記憶媒体26は、少なくとも1つの電子プロセッサ20により実行可能な命令を記憶する。これら命令は、表示装置24上に表示するためのグラフィックユーザインターフェース(GUI)28の視覚化を生成するための命令を含む。
[0039] システム10は、建物Aにわたって分散された1以上のコンテナ30(すなわち、ボックス)を含む。例えば、コンテナ30は、壁に掛けられ、棚上に配置され、壁内に設置され(すなわちドロップボックス)たりされ得る。コンテナ30は、タグ14を医療従事者によりノード8に取り付けるために取り上げられるべく保持し、又は医療従事者によりノード8から取り外した後に投入されるような大きさとされる。コンテナ30は、当該コンテナ内に含まれた関連するタグ14を読み取るためのモニタ32も含む。更に、モニタ32は、コンテナ30の外側に位置するタグ位置特定局16が該コンテナ内に含まれた関連するIRタグ又はRFタグを読み取ることを阻止するように構成されている。有利なことに、これにより、タグ位置特定局16により「間違った」タグが読み取られることが防止される。
[0040] 非一時的コンピュータ可読媒体26は、以下を実行するために少なくとも1つの電子プロセッサ20により読み取り可能且つ実行可能な命令を記憶している。
[0041] 図2を参照すると共に、引き続き図1を参照すると、コンピュータ18又はサーバコンピュータ23(又は、これら2つの組み合わせ)は、前述したように、タグの移動の経時的な軌跡を示す、タグ14により生成される患者又は機器の痕跡40の品質管理を最適化するための方法又はプロセス100を実行するように構成される。以下の記載は、主に患者痕跡40に関して説明されるが、機器又は物品の痕跡40にも適用できる。非一時的記憶媒体26は、当該方法又はプロセス100の実行を含む開示された動作を実行するために少なくとも1つの電子プロセッサ18(又はサーバコンピュータ23)により読み取り及び実行可能な命令を記憶している。幾つかの例において、方法100は、クラウド処理により少なくとも部分的に実行され得る。
[0042] 方法100を開始するために、タグが様々なコンテナ30において取り上げられ又は投入される間において、タグ14により患者痕跡40が生成される。患者痕跡40は、治療ワークフローの間における或る時間間隔又は軌跡全体にわたるタグ14の位置レポートを含み得る。処理102において、候補痕跡40がスコア付けされる。そのようにするために、処理102は処理202~208を含む。
[0043] 処理202では、患者痕跡のうちの1つが候補痕跡として選択され、この候補痕跡は分析されて、該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを決定する。処理204においては、補間されたレポートが候補痕跡40に追加され、該候補痕跡内の全ての欠落している位置レポートを置換する。処理206では、当該候補痕跡に、該候補痕跡が意図されたワークフロー(すなわち、当該タグ14が監視されているワークフロー)にどの程度良好に合致するかを示す適合度スコアが割り当てられる。適合度スコアを割り当てるために、ペトリネットプロセスが候補痕跡40に適用され、該候補痕跡の時間的シーケンスを分析する。幾つかの例において、ペトリネットに適用することは、以下で更に詳細に説明するように、ペトリネットの1以上のガード構造50 (図3を参照)を用いて、該ペトリネットにメモリ能力を提供することを含む。図2に戻って参照すると、処理208において、候補痕跡40の適合度スコアは、追加された補間スコアの数に基づいて低減される。これらの処理202~208は、各患者痕跡40に対して繰り返される。
[0044] 処理104では、各適合度スコアに基づいてスコア付けされた候補痕跡から分析痕跡が選択される。幾つかの例において、スコア付けされた候補痕跡からの分析痕跡の選択は、更に、(1)スコア付けされた候補痕跡の最初のレポートがコンテナ30のモニタ32からのものであるか、及び(2)スコア付けされた候補痕跡の最後のレポートがコンテナ30のモニタ32からのものであるかに基づくものである。
[0045] 処理106では、分析痕跡(すなわち、全体のデータストリーム又はログ)と意図されたワークフローとの間の偏差(逸脱)が検出される。幾つかの例において、分析痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差の検出は、分析痕跡の最初のレポートがモニタ32からのものではないことを偏差として検出することを含む。他の例において、当該偏差の検出は、分析痕跡の最後のレポートがモニタ32からのものではないことを偏差として検出することを含む。
[0046] 幾つかの実施形態において、当該偏差は、ペトリネット処理(処理206からの)を使用して検出できる。幾つかの例において、処理106は、分析痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差を検出するためにペトリネットを適用する前に分析痕跡から補間レポートを削除することを含む。
[0047] 処理108において、当該偏差は、サーバコンピュータ23又はワークステーション18の非一時的コンピュータ可読媒体26等のデータベースに記憶される。
[0048] 以下の例は方法100をより詳細に記載する。方法100は、患者タグとして指定されたタグに関するデータ収集の過程の間に発生するエラーを識別することを目的とする。これは、通常、システム10内の1以上のソフトウェアプログラムとして実装される。システム10は、サーバコンピュータ23又はワークステーション18の非一時的コンピュータ可読媒体26等のデータベースからのクリーンにされ強化されたRTLS位置レポートを分析し、その分析結果を該データベースに出力する。
[0049] 同一のタグからの一連のレポートは、「患者ログ」と呼ばれる。患者ログの開始と終了は、介護経路又は標準のワークフローの開始と終了と一致する必要はない。例えば、病院スタッフは、タグ14が患者タグとして機能する前又は後に、該タグ14を持って歩き回ることができる。したがって、システム10の機能の1つは、患者痕跡40の識別、すなわち、タグが何時患者タグ14の役割を有し始め及び終了するかを決定することである。
[0050] システム10の一態様は、病院内の介護経路の「標準ワークフロー」に基づいたペトリネットの構築である。該ペトリネットは、ログから患者痕跡を識別するために使用される。このペトリネットの使用は、該ペトリネットに厳しい要件を課す。これらの要件を満たすために、ペトリネットでは制御構造が使用される。これらの制御構造は、所謂カラーペトリネットにおけるガードと同様の目的を果たす(例えば、Transactions on Petri Nets and Other Models of Concurrency VII,Springer,2013,pp.6-55における、Wil M.P. van der Aalst,Christian Stahl and Michael Westergaard,“Strategies for modelling complex processes using coloured Petri nets”参照)。
[0051] 当該クリーンにされ強化されたデータは、生のRTLS患者痕跡40の補間により得られたレポートを含み得る(例えば、図2の補間処理204に対応するもので、タグの2つの連続したレポートが異なる隣接しない位置に対応する場合、補間されたレポートが追加される)。補間により得られたレポートに対応する位置は実際には観測されていないので、これら位置に関しては或る程度の不確実性が存在する。当該データ品質ツールは、候補患者痕跡の選択の間に、この不確実性を組み入れるための「調整された適合度スコア」と呼ばれる基準を使用する。このことは、データのクリーニングと強化の間に、補間により得られたレポートに信頼性指標が含まれることを要する。
[0052] ペトリネットは、リプレイ(再生)技術のようなプロセス分析におけるペトリネットからの標準的適合性技術を使用して、識別されたワークフローを所定のワークフローに対して分析するためにも使用される(図2の処理106)。
[0053] この分析において(すなわち、図2の偏差検出分析106を実行する際に)、補間により得られたレポートは削除される。レポートイベントが欠落しているために導入されたレポートは保持される。
[0054] 痕跡選択処理104の前に、システム10は、好ましくは、患者ログのデータ収集における共通のエラーを分析する。欠落したレポートイベントの場合、モニタIDが当該RTLSシステムで使用されている全てのモニタIDとは異なるレポートが生成される。このことは、識別された痕跡の分析中に、これらのイベントを検出するために実行される。
[0055] 一実施形態において、システム10により提供される分析100は定期的に(すなわち、毎日)実行される。そのようにするために、適切な時間枠内で分析するための何らかの対策を要する。他の実施形態では、人のユーザが、データが分析される時間間隔を規定することができる。
[0056] 候補患者痕跡40をクリーニングするために、クリーンにされ強化されたRTLSデータを含むデータベースからデータが読み取られる。クリーンにされ強化されたデータは、隣接しない位置に対応するタグの連続したレポートの間の「補間」により得られたレポートを含み得る(図2の処理202、204に対応する)。補間により得られる位置のための選択は、隣接しない位置の任意の対について事前に計算して保存することができる。これは、ダイクストラの最短経路アルゴリズム、標準のワークフロー、又はその両方に基づくものであり得る。信頼性尺度が、補間により得られたレポートに割り当てられ得る。このような信頼性尺度の一例は、2つの隣接しない位置の間の最短経路の数である。各レポートは、当該位置が補間により推定されたか否かを示すブール値、及び当該位置が推定された場合の信頼性の尺度で強化される。
[0057] エラーは、患者痕跡の逸脱以外にデータ収集の間に生じ得る(すなわち、「一般的なエラー」)。ログが1以上のタイプの一般的エラーを含むタグIDは、該タイプのエラーと一緒に記憶することができる。標準的タイプのエラーは、「痕跡が長過ぎた」、「レポートが欠落している」、「タグが欠落している」(すなわち、候補痕跡の最初のレポートがコンテナ30内のモニタ32からのものではない)、「コンテナが欠落している」(すなわち、候補痕跡の最後のレポートがモニタ32からのものではない)等を含み得る。一般的エラーを含むタグログは、患者痕跡を選択するために更なる分析から除外されることはない。
[0058] 各タグ14は、レポートを少なくとも5分毎に1回送信することができる。システム障害及びタグが圏外になる等により、レポートは長い期間にわたり受信されなくなり得る。各タグ14について、分析間隔の間に、mis_rep_interval秒よりも長い期間にわたりレポートが受信されなかった場合がチェックされる。例えば、miss_rep_interval=610であり得るデフォルト値は、1つのレポートが欠落されるのを許容する。タグの2つの連続するレポートの間のmiss_rep_interval閾値が超過されると、タグID及び欠落したレポートの前後の位置が記憶される。これらの位置を追跡することは、タグが頻繁に範囲外になる場所を示し得る。更に、欠落しているレポート毎に、タグのログに、特別な場所/行が当該システムで使用されていない位置IDで追加される。このようにして、当該ペトリネットリプレイ処理は、患者痕跡の選択の間及び選択された患者痕跡の分析の間の両方において、欠落レポートを逸脱として示すであろう。
[0059] 各タグ14について、位置の数をカウントできる。これが、データ収集中にエラーが発生したかを示し得るからである。実際に、パイロット研究は、スタッフがたびたび患者タグを持って歩き回り、これがデータにノイズを生じさせることを示した。したがって、ユーザは患者痕跡が有すべき位置の最大数を指定する(max_length_traces、デフォルト=50)。ログがmax_length_tracesを超える位置を有するタグIDは記憶されるであろう。また、これらのタグ14については、患者痕跡が選択されるであろう。そのようにする理論的根拠は、タグが患者により装着される前及び/又は後にスタッフが該患者タグを持って歩き回る使用例である。
[0060] 候補患者痕跡40の開始と終了を見つけるのを助けるために、特定のモニタが設置され、特定の手順が従われ得る。例えば、患者タグ14は、患者が病院に入る場所のコンテナ30内に保管される。新しい患者が到着した場合、タグ14がコンテナ30から取り出され、位置特定局16の近く、例えば机の下に配置される。このようにして、タグ14は高い確度でこの位置特定局16のIDをレポートし、実際の患者タグ(すなわち、実際に患者により装着された)の痕跡が高い確度でこの特定のリーダで開始する。同様に、患者が監視領域から離れそうな位置に、他のコンテナ30を配置でき、該コンテナ内にタグ14が収集され、該コンテナは内部にモニタ32を備える。他の一般的なエラーは、患者ログが位置特定局16又はモニタ32のIDに対応するレポートを含まないというものであり得る。
[0061] 各タグ14について、連続して訪れた位置の全ての可能性のあるシーケンス(すなわち、候補痕跡)がログから得られる。これら全ての候補痕跡40から、真の患者痕跡に最もよく対応する候補痕跡が選択される。そのようにするために、全ての候補痕跡はペトリネットに供給され、該ペトリネットは当該候補痕跡が事前に定義されたワークフローにどの程度良好に合致するかを示す適合度スコアを出力する。より高い適合度スコアを持つ他の候補痕跡と重複する(訪れた位置の共通のシーケンスを有する)候補痕跡40は除外される。(完全な)患者痕跡を表しそうにない候補痕跡を除外するために、予め定められたレベルよりも低い適合度スコアを有する候補痕跡も同様に除外される。
[0062] データの強化の間において、欠落している位置は、最後の分かっている位置及び新しい位置に基づいて補間された。これは、患者痕跡の発見を支援するために行われる。さもなければ、ワークフローの大きな部分が欠落し、これが患者痕跡の選択に支障をきたし得るからである。一方、補間することは、実際の患者痕跡の選択に関して不確実性を生じさせる。このことを考慮に入れるために、補間による不確実性を補正する調整された適合度スコアが計算され得る。該調整された適合度スコアは、局部的増分適合度スコア(当該補間が全体の適合度スコアに加算する値)の、局部的信頼性スコアによる乗算により計算される。局部的信頼性スコアは、正しく補間された確実性を表すもので、1を最後の既知の位置と新しい位置との間の最短経路の数で割った値に等しい。最高の調整された適合度コアを持つ候補痕跡40が、患者痕跡とみなされる。
[0063] 式で表すと、痕跡T=(T,…,T)の調整された適合度スコアFadj(T)は、以下のように計算される。kは補間の数を表し、補間iの開始インデックス及び終了インデックスは、各々、s及びeで表される。1≦i≦kに対し、局部的増分Δは、Δ=F(T)-F(T,…,Tsi-1,Tei+1,…,T)と定義される。ここで、Fは適合度スコアを示す。局部的増分は、全体の適合度スコアに対する補間の寄与分と見ることができる。調整された適合度スコアは:
Figure 2023553913000002
として計算され、ここで、Nは、補間iの直前及び直後の位置、Tsi-1及びTei+1の間の最小長の経路数を示す。
[0064] 前記特定のモニタ及び手順が設定されている場合、選択された患者痕跡40 の開始位置及び終了位置は、これら特定のモニタに対応し、開始モニタ及び終了モニタの両方が患者ログに現れる場合、患者痕跡40の選択に対しペトリネットは必要とされない。両方のモニタが欠落している場合、当該プロセスが開始される。開始モニタ又は終了モニタのみが検出される場合、前又は後の位置は対応して除外される。更に、当該プロセスは、痕跡40の開始位置又は終了位置の何れかが固定されている場合、ログ内の位置の残りに対して開始される。
[0065] 患者痕跡選択後に得られた痕跡40は、可能性の或る逸脱について調査される。補間により得られたレポートは削除される一方、欠落したレポートイベントにより導入されたレポートは保持される。元々の患者痕跡及び欠落したレポートイベントにより導入されたレポートからなる残りの痕跡40は、適合性チェックを行うためのプロセスマイニングの分野に由来する位置合わせ技術をペトリネットに適用することにより分析することができる。この技術は、患者痕跡をモデルと比較し、該患者痕跡が何処で該モデルから逸脱するかを示す。更に詳細には、該技術は、何処で位置が予期されるが観測されていないかを示すと共に、何処で位置が観測されているがワークフローによれば予期されなかったかも示す。これらの逸脱(偏差)は、他の識別されたエラー、患者痕跡選択に関する情報、選択された患者痕跡、及び全てのタグ14のログと一緒にデータベース18、23に記憶される。
[0066] システム10は、患者痕跡40を選択すると共に、選択された痕跡における逸脱を識別するために、このペトリネットを使用する。ペトリネットは、プロセスマイニング及び分析において人気のあるツールである(例えば、Wil MP van der Aalst、「Process Mining」、Springer、2011参照)。
[0067] ペトリネットは、トークンを保持できるプレース、トークンを消費及び生成するトランジション、並びにプレース及びトランジションを接続するアークから構成される。更に、ペトリネットは隠れたトランジションを含み得る。隠れたトランジションは、ワークフローの実際の部分に対応しないが、ルーティングの目的で必要とされ、それらの実行はイベントログには決して記録されることはない。ペトリネットにおけるトランジションは、ワークフローにおける位置に対応する。ペトリネットにおけるトランジションとの混同を避けるために、ワークフローにおける位置間の現実の移行はクロスオーバ(転向)と呼ばれる。位置を表すペトリネットのトランジションは、位置トランジションと呼ぶことにする。
[0068] 他のタイプのトランジションはクロスオーバを表し、クロスオーバトランジションと呼ばれる。クロスオーバトランジションは、位置の間の対応する移行の方向に関する追加情報を提供するので使用される。一方、位置トランジションは位置の発生に関する情報のみを提供する。位置トランジションをクロスオーバトランジションに接続するために、プリプレイス及びポストプレースが使用される。
[0069] 最初のステップにおいて、標準的なワークフローのための単純化されたペトリネットが生成される。ユーザは、全ての有効なクロスオーバ(すなわち、少なくとも標準ワークフローの具体化で生じる或る場所から他の場所への全ての移行)のリストを手動で生成する。ソフトウェアプログラムが、このリストから全ての固有の位置を抽出し、これらをトランジションとしてペトリネットに追加する。プリプレイス及びポストプレースが該ネットに追加され、対応する位置トランジションに接続される。有効なクロスオーバのリストを使用して、クロスオーバトランジションが該ネットに追加され、対応する位置トランジションのプリ及びポストプレースに接続される。
[0070] 上述した単純化ペトリネット構造は、有効なワークフロー間の交差による無効なワークフローを許容するため、適合不足である。例えば、ワークフロー1において、患者は位置Aから位置EにCを経由して移動し得る。ワークフロー2において、患者は位置BからDにCを経由して移動し得る。これまでに構築された上記ペトリネットは、患者が位置Aから位置DにCを経由して移動することも許容する。当該標準ワークフローに準拠していない斯様な軌跡が見逃されるのを防ぐために、可能とされるクロスオーバトランジション(独立の)に関する情報を使用して、当該ワークフローにおいて後に何のような他のクロスオーバトランジション(従属の)が可能にされ得るかを判定する。この情報は、トークンを独立したクロスオーバトランジションにより挿入することにより、いわゆる「制御プレース」に記憶され得る。このようにして、制御プレースは過去のトランジションを記憶する。従属クロスオーバトランジションは、活性化されるために、制御位置からの入力を必要とする。したがって、これらの制御プレースは、ペトリネットにおける誤ったフローを防止するために、メモリを使用することによるガードとして機能する。ガードは、同じ機能を持つカラーペトリネットにも使用される。
[0071] ペトリネットの作成のためにユーザにより与えられる入力は:有効なクロスオーバのリスト:[Loc A,Loc B];依存性のリスト:[従属クロスオーバの第1の位置、従属クロスオーバの第2の位置、独立クロスオーバの第1の位置、独立クロスオーバの第2の位置、依存性のタイプ(オプション/必須)];開始位置のリスト;及び終了位置のリスト;である。
[0072] 最初のステップにおいて、前述したように、単純化されたペトリネットが生成される。次に、該ペトリネットが有効な経路のみを許可することを保証するために、ユーザにより指定された依存性のリストを使用してガード50が追加される。これらの依存性毎に、ガードがネットに追加される。従属クロスオーバトランジションがオプションであるか必須であるかを示すガードタイプは、ユーザが何を指定したかに依存する。
[0073] 図3はガード構造50の一例を示す。楕円は位置(緑の楕円はソース(source)位置であり、赤の楕円はシンク(sink)位置である)を示し、四角はトランジション(黒い四角は隠れたトランジションを示す)であり、アークはトランジション間の接続を示す。独立したクロスオーバトランジション「B_C」は、位置トランジションCのプリ位置及び制御位置(図下側のCtrl_B_D)に供給する。従属クロスオーバトランジション「C_D」は、この制御位置「ctrl_B_D」からのトークンを必要とする。このように、独立トランジション´B_C´ は、ペトリネットにおいて従属トランジション´C_D´を後に有効にする。図3は、CからDへのトランジションが、BからCへのトランジションがあった場合にのみ許可されることを示している。この構造の追加の特徴は、独立クロスオーバトランジションが従属クロスオーバトランジションを強制的に有効にする(そうでないと、1つのトークンが制御位置に残るからである)ことである。したがって、これらの構造は必須の依存性と呼ばれる。
[0074] 従属クロスオーバトランジションを強制することが望ましくない場合、追加の隠れトランジションを追加することができ、該隠れトランジションは制御位置で生成されたトークンを、トークンを出力せずに消費する。この追加の隠れトランジションは「REMOVER」と呼ばれる。一例が図4に示されている。この図において、トランジション´C_D´は、トランジション´B_C´が有効にされた場合にのみ有効にされ得るが、トランジション´C_D´の有効化は必須ではない。何故なら、前例では残るであろうトークンが、ここでは、「REMOVER」トランジションにより削除され得るからである。
[0075] クロスオーバトランジションTは、複数のクロスオーバトランジションに依存し得る。これは、クロスオーバトランジションの空でない集合(非空集合)Mに対する必須クロスオーバトランジション及びクロスオーバトランジションの非空集合Oに対するオプションのクロスオーバトランジションである。この状況に対処するために、制御構造が採用される。2つの制御プレースctrl_T_M及びctrl_T_Oが作成される。M及びOからの全てのクロスオーバトランジションは、各々、ctrl_T_M及びctrl_T_Oと接続される。このように、コントロールプレースctrl_T_M及びctrl_T_O は、各々、M及びOからのクロスオーバトランジションからトークンを収集できる。ctrl_T_M及びctrl_T_Oは異なる機能を有するので、これらは1つの制御プレースに結合することはできない。これを解決するために、「ダブラ(doubler)」と呼ばれる隠れトランジションが、クロスオーバトランジションTが有効にされ得ることを保証するために、両プレース、すなわちcrtl_T_M及びctrl_T_Oにトークンを配置する。
[0076] 図5に一例が示されている。この例において、クロスオーバトランジション´C_D´はクロスオーバトランジション´A_C´及び´B_C´に依存し、これらトランジションにおいて、依存性のタイプは各々必須及びオプションである。B_Cが有効にされる場合、該トランジションは「pre_C」及び「ctrl_C_D_opt」にトークンを出力する。この時点では、未だ「C_D」を有効にすることはできない。「ctrl_C_D_man」にトークンがないからである。前記「ダブラ」トランジションの1つが「crtl_C_D_opt」内のトークンを複製し、トークンを「ctrl_C_D_man」内に配置し、このようにして、C_Dが有効にされ得る。
[0077] 幾つかのシナリオにおいて、クロスオーバトランジションは最大でも特定の回数だけ、例えば最大でk回だけ有効にできる。この場合、予算ポジションと称される呼ばれる特殊なタイプの制御ポジションが、当該クロスオーバトランジションに対する入力として追加される。予算ポジションは入力を有さず、初期化時に、k個のトークンがこの制御ポジションに追加される。最後に、リムーバ(REMOVER)が、この予算ポジションに追加される。位置が正確にk回訪問されねばならない場合、REMOVERは必要とされない。クロスオーバトランジションのクラスタがk回しか訪問できない場合、予算ポジションは全てのクロスオーバトランジションに接続される。
[0078] このフィーチャの現在の実施化例は、アライメント及びトークンリプレイ等のペトリネット評価方法の実行時間(ランタイム)を大幅に増加させる。したがって、該フィーチャは、現在のところ、ペトリネット生成モジュールの一部ではない。該フィーチャは、ランタイムの問題が解決されたなら、追加されるであろう。
[0079] システム10は、ユーザにより指定されるように、従属クロスオーバトランジション、独立クロスオーバトランジション、及びタイプt(すなわち、tは「オプション」又は「必須」である)の3連(d、i、t)を処理するように構成される。先ず、当該ペトリネットが、dへの出力アークを備えたタイプtのコントローラcを含んでいるかがチェックされる。そうであれば、Iからcへの出力アークが、当該ペトリネットに追加される。そうでない場合は、次の手順が実行される。先ず、制御ポジションc´が、c´からdへの出力アーク、及びIからcへの出力アークと共にペトリネットに追加される。tが「オプション」である場合、(隠れ)REMOVERトランジションが、c´からの入力アークと共にペトリネットに追加される。最後に、当該ペトリネットがtとは異なるタイプで、dへの出力アークを持つコントローラc”を既に有している場合、該ペトリネットに2つのダブラが追加される。両方のダブラに対して、c´及びc”の両方への出力アークが追加される。c´から当該ダブラの一方への出力アークが、c”から他方のダブラへの出力アークと共に追加される。
[0080] 要約すると、患者痕跡の品質管理を改善するための幾つかの態様又はフェーズが開示され、これらは:(1)患者痕跡の開始/終了を正確に描くためにコンテナ又はボックスを使用すること;(2)RTLSデータのクリーンアップ及び強化;(3)患者痕跡の選択;及び(4)患者痕跡の分析;を含む。一般的に、これらの種々の態様又はフェーズの各々は、単独で又は様々な組み合わせで採用できる。例えば、開示されたコンテナ又はボックスは、分析の態様(2)~(4)と組み合わせて配備することができ、又は何らかの他の種類の分析と関連して配備することもできる。
[0081] 本開示は、好ましい実施形態を参照して説明された。上述した詳細な説明を精読及び理解すれば、修正例及び変形例を思い付くことができるであろう。例示的実施形態は、添付請求項又はその均等物の範囲内に入る限り、そのような全ての修正例及び変形例を含むものとして解釈されるべきことが意図されている。

Claims (20)

  1. 追跡データの品質管理を最適化するシステムであって、
    建物内において関連する赤外線(IR)タグ又は無線周波数(RF)タグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して候補痕跡を生成するリアルタイム位置特定サービス(RTLS)と、
    少なくとも1つの電子プロセッサと
    を有し、前記少なくとも1つの電子プロセッサが、
    スコア付けされる各候補痕跡に関して、当該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを判断すること、及び欠落しているレポートの数に基づいて該候補痕跡の適合度スコアを低減することを含んで、前記候補痕跡をスコア付けし、
    前記候補痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差を検出し、及び
    前記偏差をデータベースに記憶する
    ようにプログラムされている、システム。
  2. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、
    前記候補痕跡における全ての欠落している位置レポートを置換するために、補間されたレポートを追加し、
    前記候補痕跡に、該候補痕跡が意図されたワークフローにどの程度良好に合致するかを示す適合度スコアを割り当て、及び
    前記候補痕跡の適合度スコアを、前記追加された補間されたレポートの数に基づいて低減する
    ようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、前記候補痕跡にペトリネットプロセスを適用して該候補痕跡の時間的シーケンスを分析することにより、前記適合度スコアを割り当てるようにプログラムされている、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記ペトリネットプロセスを適用する処理が、該ペトリネットプロセスの1以上のガード構造を使用して該ペトリネットプロセスにメモリ能力を付与する処理を含む、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記ペトリネットプロセスを適用する処理が、該ペトリネットプロセスを適用する前に分析痕跡から前記補間されたレポートを削除して該分析痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差を検出する処理を含む、請求項3又は4に記載のシステム。
  6. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、前記ペトリネットプロセスを使用して前記偏差を検出するようにプログラムされる、請求項3から5の何れか一項に記載のシステム。
  7. 1以上の位置特定局であって、前記関連するタグのうちの1以上のタグの位置を、該関連するタグと当該1以上の位置特定局との間の通信に基づいて決定する、1以上の位置特定局と、
    前記建物内に配置された少なくとも1つのコンテナであって、該コンテナ内に含まれる関連するIRタグ又はRFタグを読み取るためのモニタを含み、該モニタが、前記コンテナの外側に位置する前記位置特定局が当該コンテナ内に格納された前記関連するIR又はRFタグを読み取ることを阻止する、少なくとも1つのコンテナと
    を更に含む、請求項1から6の何れか一項に記載のシステム。
  8. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、前記スコア付けされた候補痕跡から分析痕跡を各スコアに基づいて選択し、前記スコア付けされた候補痕跡からの該分析痕跡の選択が、(1)該スコア付けされた候補痕跡の最初のレポートが前記モニタからのものであるか、又は(2)該スコア付けされた候補痕跡の最後のレポートが前記モニタからのものであるかに基づくものとするようにプログラムされている、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記候補痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差の検出が、前記分析痕跡の最初のレポートが前記モニタからのものではないことを偏差として検出する処理を含む、請求項7又は8に記載のシステム。
  10. 前記候補痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差の検出が、前記候補痕跡の最後のレポートが前記モニタからのものではないことを偏差として検出する処理を含む、請求項7から9の何れか一項に記載のシステム。
  11. 追跡データの品質管理を最適化するシステムであって、
    建物内において関連するタグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して分析痕跡を生成するリアルタイム位置特定サービス(RTLS)と
    1以上の位置特定局であって、前記関連するタグのうちの1以上のタグの位置を、該関連するタグと当該1以上の位置特定局との間の通信に基づいて決定する1以上の位置特定局と、
    前記分析痕跡と意図されたワークフローとの間の偏差を、ペトリネットを使用して検出するようにプログラムされた少なくとも1つの電子プロセッサと
    を有する、システム。
  12. 前記建物内に配置された少なくとも1つのコンテナであって、当該コンテナは該コンテナ内に含まれる関連するタグを読み取るためのモニタを含み、該モニタが当該コンテナの外側に位置する前記位置特定局が当該コンテナ内に格納された前記関連するタグを読み取ることを阻止する、少なくとも1つのコンテナ
    を更に含む、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、前記分析痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差を検出するために使用されるのと同じペトリネットを使用して複数の候補痕跡をスコア付けすることにより、前記複数の候補痕跡から前記分析痕跡を選択するようプログラムされている、請求項11又は12に記載のシステム。
  14. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、前記候補痕跡をスコア付けする前に、これら候補痕跡における欠落している位置レポートを置換するために補間されたレポートを追加するようにプログラムされている、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記候補痕跡にスコア付けする処理が、各候補痕跡における欠落した位置レポートを置換するために、どれだけ多くの補間されたレポートが追加されるかに基づいて、これら候補痕跡のスコアを低減する処理を含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 追跡データの品質管理を最適化するシステムであって、
    建物内において関連するタグでタグ付けされた人又は物品の追跡を実行して候補痕跡を生成するリアルタイム位置特定サービス(RTLS)と、
    前記建物内に配置された少なくとも1つのコンテナであって、当該コンテナは該コンテナ内に含まれる前記関連するタグを読み取るためのモニタを含み、該モニタが当該コンテナの外側に位置する位置特定局が当該コンテナ内に格納された前記関連するタグを読み取ることを阻止する、少なくとも1つのコンテナと、
    少なくとも1つの電子プロセッサと
    を有し、前記少なくとも1つの電子プロセッサが、
    スコア付けされる各候補痕跡に関して、当該候補痕跡から1以上の位置レポートが欠落しているかを判断すること、当該候補痕跡における全ての欠落している位置レポートを置換するために補間されたレポートを追加すること、当該候補痕跡が意図されたワークフローにどの程度良好に合致するかを示す適合度スコアを当該候補痕跡に割り当てること、及び前記追加された補間されたレポートの数に基づいて前記候補痕跡の適合度スコアを低減することを含んで、前記候補痕跡をスコア付けし、
    前記スコア付けされた候補痕跡から分析痕跡を、各スコアに基づいて選択し、 前記分析痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差を検出し、及び
    前記偏差をデータベースに記憶する
    ようにプログラムされている、システム。
  17. 前記少なくとも1つの電子プロセッサが、更に、ペトリネットプロセスを前記候補痕跡に適用して該候補痕跡の時間的シーケンスを分析することにより、前記適合度スコアを割り当てるようプログラムされている、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記ペトリネットプロセスを適用する処理が、該ペトリネットプロセスを適用する前に前記分析痕跡から前記補間されたレポートを削除して前記分析痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差を検出する処理を含む、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記スコア付けされた候補痕跡からの該分析痕跡の選択が、更に、(1)該スコア付けされた候補痕跡の最初のレポートが前記モニタからのものであるか、及び(2)該スコア付けされた候補痕跡の最後のレポートが前記モニタからのものであるかに基づくものである、請求項16から18の何れか一項に記載のシステム。
  20. 前記分析痕跡と前記意図されたワークフローとの間の偏差の検出が、
    前記分析痕跡の最初のレポートが前記モニタからのものではないことを偏差として検出する処理、及び
    前記分析痕跡の最後のレポートが前記モニタからのものではないことを偏差として検出する処理
    の少なくとも一方を含む、請求項19に記載のシステム。
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