JP2023552600A - 結晶状態のポリコナゾールを含む吸入粉末剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、スプレードライにより得られる吸入用の乾燥粉末組成物であって、実質的に結晶の形態であるボリコナゾール又はその薬学的に活性な塩を、粉末の総量に対して50重量%以上含む乾燥粉末組成物に関する。前記粉末は50%以上の吸入可能画分(FPF)を有し、6μm以下のX50及び5μm以下のMMADを有する。【選択図】なし

Description

本発明は特定の吸入器を用いて吸入投与するための乾燥粉末状の薬剤の製剤であって、高度に吸入可能で安定な製剤に関するものである。特に本発明は、トリアゾール類に属する薬剤であって、肺真菌症の治療に適した吸入粉末剤に関する。
エアロゾル製剤による吸入療法は、呼吸器、粘膜、気管及び気管支領域への有効成分の投与に用いられる。エアロゾルという用語は、ガス(通常は空気)によって、治療の作用部位まで運ばれる微粒子又は液滴で形成された製剤を表す。治療の適用部位が肺胞及び気管支の場合、薬剤は空気動力学径5.0μm以下のサイズの粒子又は液滴として分散されなければならない。治療の標的が咽頭部の場合は、より大きな粒子が適している。これらの治療に適した症状は、気管支痙攣、炎症、粘膜浮腫及び肺感染症などが代表的である。
現在、肺深部への薬物投与は以下のような吸入装置による送達によってなし得る;
- ネブライザー:薬剤は溶解され又は懸濁液に分散され、噴霧された微細な液滴として肺へ運ばれる;
- 加圧式吸入器:加圧容器によって空気中で急速に膨張させた不活性化ガスにより薬剤(再び溶液又は懸濁液の液滴の形)が肺深部まで運ばれる;
- 粉末吸入器:吸入器内に存在する薬剤を微粉化した乾燥粒子として定量分配することができる。
これらすべての場合において、有効な製品の製造には技術的課題があり、今日でも薬剤吸入投与は制限されている。
粉末形態の吸入製剤の場合、吸入製剤は一般に直径が5.0μm以下、より好ましくは2.0μm以下の粒子を得るため、結晶形態の有効成分を粉砕/微粉化することで本質的に得られる。一般的に、賦形剤の使用は微粉化された有効成分の粉末流動性に関する課題を解決する場合に限定され、この問題は希釈剤として利用される粒径の大きな乳糖を混合することで対処される。
粉砕/微粉化に基づく製剤技術には、たとえ化学的及び化学物理的性質が大きく異なっても、最終製剤が呼吸器深部への吸入投与に適した空気動力学的特性を有することを保証できる有効成分の加工可能性という観点からは、いくつかの限界があることは明らかである。この意味で、良好な空気力学的特性を有する粉末吸入剤を得るための良好なアプローチは、スプレードライ製造技術を用いて得られる粒子工学に代表される。この技術によれば、有効成分と適切な賦形剤を組み合わせて、空気動力学的特性が、用いられる加工条件と組成によって規定される粒子を形成することができる。粒子工学が提示する見込みにも関わらず、この技術には克服すべき製剤上の困難がないわけではない。
粉末吸入剤製品の開発において、最も関連し遭遇する困難の一つは、開発されている製品が、大気中の作因と関連し、経時的に十分な化学的及び物理的安定性を有することを保証する必要性があることであるのは間違いない。実際、このような大気中の作因は吸入製剤の化学的劣化及び/又は物理的変化を引き起こす可能性があり、その有効性を大きく制限する。
吸入製剤の安定性は、粒子又は液滴を肺深部まで定量的に入り込ませるために、その物理的性質を維持したまま肺深部まで投与されなければならないという事実に関して特に重要である。これに加えて、現在吸入投与が承認され、従って肺組織に対する毒性の点で許容される賦形剤の数は極めて限られている。
臨床的な観点から、本発明の主な対象に関して言えば、肺真菌症は喘息患者から血液腫瘍患者まで、様々なタイプの患者において罹患率及び致死率の主要な原因となっている。アスペルギルスは約200のカビを含むトリココマ科の真菌属である。アスペルギルスは自然界に遍在する真菌の代表的なグループであって、高湿度の条件の様々な環境で容易に増殖する。適切な条件下では、大量の胞子が形成され、それが環境中に放出され、長期間にわたって浮遊する。
最も一般的な種として、アスペルギルス・フミガータス及びアスペルギルス・フラバスがあり、人及び動物においてアスペルギルス症として知られる感染症の原因となる。アスペルギルス属の胞子は小さく(直径2.5~3.5μm)、容易に気道に吸い込まれる。健康な人に起こった場合のように、胞子がすぐに排除されれば、病理的事象は起こらない。その代わり、コロニー形成が起こった場合、コロニーの持続期間は長い場合も短い場合もある。本疾患のプロファイルは、罹患個体の性質及び健康状態によって、おそらくは最初のコロニー形成をもたらす接種菌のサイズとの組合せで決定される。侵襲性疾患は通常、免疫不全患者において、吸入を主な感染経路として発生する。アレルギー性アスペルギルス症は、喘息、アトピー又は嚢胞性繊維症の患者において発生する。
肺アスペルギルス症の治療には、全身性の薬剤の使用が必要である。それにも関わらず、血流から肺などの組織サブコンパートメントへの治療薬の分布は、しばしばかなりのばらつきがあり、標的部位における薬剤濃度は、血漿中で測定される濃度としばしば大きく異なっている。さらに、標的部位における濃度が低く最適でないことが、抗真菌有効成分が無効である症例の原因になることがある。
トリアゾール系抗真菌剤は基本環に3個の窒素原子を含む特徴的な構造を有している。現在臨床で使用されている有効成分には、イトラコナゾール、フルコナゾール、ボリコナゾール及びポサコナゾールが含まれる。これらの化合物は化学構造、分子量、親油性及び代謝の点ですべて異なっている;これらの違いはこれらの薬物動態と薬力学に重要な影響を及ぼす。実際、前記化学-物理的性質は、身体の様々な組織における浸透や分布の速度及び程度並びに組織、臓器及び生体液における相対的な生物学的利用能を決定する。
抗真菌性トリアゾールであるフルコナゾールは、侵襲性アスペルギルス症には有効ではない。イトラコナゾールは、標準的な抗真菌療法に反応しない又は不耐容の患者における侵襲性アスペルギルス症の治療のための全身投与が承認されている。ポサコナゾールは侵襲性アスペルギルス症の予防薬としてFDAに承認されている。ボリコナゾールは、侵襲性アスペルギルス症の一次治療薬としてFDAに承認されており、現在この疾患の標準的な治療法と考えられている;ボリコナゾールは経口錠剤として又はスルホブチルエーテルシクロデキストリン包接体の形で静注液として処方される。
肺感染症は気道から始まる。このため、気道感染症の予防又は治療に使用される抗真菌剤の場合、上皮内層液(epithelial lining fluid;ELF)及び肺胞マクロファージレベルで高い濃度を得ることが重要である。ボリコナゾールで処置された患者の肺組織のホモジネートを用いた死後研究にて、血漿中で測定されたボリコナゾール濃度に匹敵する濃度が示された。ボリコナゾールを負荷量静脈内投与し、その後200mgを一日二回経口投与した健康なボランティアでは、ELF/血漿中の濃度比は11であった(Felton T., Troke PF., Hope WW. 2014. Tissue penetration of antifungal agents. Clin Microbiol Rev. 27(1): 68-88.)。
移植を受けたことがない患者への経口投与後のボリコナゾールの生物学的利用能は96%である。
その代わり、初回に負荷投与を行った後に、12時間ごとに4mg/kgを3回投与する静脈投与をした場合、文献によると、ELF/血漿中濃度比は6~9の範囲で、肺胞マクロファージ/血漿中濃度比は3.8~6.5の間で変動すると報告されている。
イトラコナゾールの場合、健康なボランティアにおけるELF曝露量は血漿中濃度の約1/3であった一方、肺胞細胞中の濃度は血漿中濃度の2倍以上であった。他のケースでは、気道の肺組織及び気管支肺胞洗浄により得られた液中のイトラコナゾールの濃度は、血漿中で測定された濃度よりも10倍低かった。4人の血液疾患患者から得られた死後検体では、イトラコナゾールの肺組織/血漿中の平均濃度比は0.9~7であったと報告されている。したがって、報告された結果は経口投与後及び注射投与後のどちらでも、上皮液、肺胞マクロファージ及び組織そのものを含む呼吸器系の異なる要素レベルにおいて、抗真菌作用を示す、比較的高濃度のトリアゾール活性成分を得ることができることを、説得力をもって示している。しかしながら、このような高濃度によるポジティブな効果は、他の重要な身体システムの関与なくして達成されるものではない。
第一に、親油性の高い有効成分の滞留時間の延長及び血漿中の濃度よりもはるかに高い濃度で様々な臓器に蓄積する危険性は、適切に考慮されなければならない。ボリコナゾールの場合、経口又は静脈内投与の後に、本剤のわずか5%しか尿中に未変化で排出されないことから、本剤の肝代謝は懸念要素の代表例である。ボリコナゾールは、非線形の薬物動態プロファイルを示し、投与量の増加に比例しない様式の血漿最高濃度及び血漿濃度―時間曲線下面積(AUC)を示す。ボリコナゾールはチトクロームCYP2C19、CYP2C9及びCYP3A4の代謝基質及び阻害剤である。他の疾患で異なる薬剤による治療を受けている患者の場合、これらの薬剤との相互作用の可能性について大変慎重な評価が実施されなければならない。
ボリコナゾールによる侵襲性アスペルギルス症の治療では、最初の24時間の間に、12時間ごとに初期負荷量6mg/kgを静脈内投与し、その後12時間ごとに4mg/kgを投与する。この用量は、経口でルーチンに使用される用量(12時間ごとに200mg)より高い。小児患者の場合、代謝が促進されクリアランスが迅速であるため、ポリコナゾールの用量はさらに高くなる可能性がある。ボリコナゾールによって起こりうる副作用のプロファイルは、一時的な視覚障害(光視症)、血清ビリルビンとアルカリフォスファターゼ及び肝アミノトランスフェラーゼの増加により発現し、投与量に影響し得る肝毒性、皮膚発疹、幻覚及びその他の副作用が含まれる。
前述のすべての理由のため、吸入経路をするボリコナゾールによる治療は有効成分を全身に分布させる必要がもはや必要ないため、大幅な投与量の減少を伴って標的器官への投与を最適化できるであろうことは明らかである。具体的には、ボリコナゾールの化学的-物理的特性及びイトラコナゾールに関する親油性の度合いから、該有効成分が肺に直接投与されると、上皮内層液中及び場合によってはマクロファージの双方に肺組織レベルで高濃度に分布することができると示唆される。イトラコナゾールに関しては、この有効成分が治療された様々な組織に蓄積する傾向がない事実も重要視されなければならない。
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は、侵襲性疾患ではなく、むしろアスペルギルスに対する過敏症によって特徴づけられる疾患である。治療適応(therapeutic indications)は、侵襲性アスペルギルス症に対する治療適応と大きく異なる。ABPAの治療目的は、急性憎悪の予防及び治療並びに、患者に起こりうる末期の線維症の予防である。コルチコステロイドの全身投与がこの治療の選択薬である。最初に処方される量はプレドニゾン(又は同等のほかのコルチコステロイド)0.5mg/kg/日で、症状が改善し始めた時点から、用量を徐々に減らしていく。それほど重症ではない憎悪は、コルチコステロイド及び吸入による気管支拡張薬の使用によって管理できる。急性憎悪の場合、推奨される治療サイクルは0.5~1.0mg/kg/日のプレドニゾンを1~2週間投与し、その後0.5mg/kg/日を一日おきに6~12週間投与して、臨床寛解後は憎悪前に元々使用していた用量までさらに用量を減らす。喘息の憎悪は、この管理戦略に照らすと、通常7.5mg/kg/日以上のコルチコステロイドを用いた慢性療法が必要である。ABPAは嚢胞性線維症患者において特に危険であり、すべての嚢胞性線維症患者のうち10%が罹患していることには、注意しなければならない。重篤な肺障害は無症状の患者にも起こりうるという事実を考慮すると、定期的に(1~2ヶ月ごと)血清IgEレベルを注意深くモニターすることが重要である。呼吸機能の定期的なモニタリング及び胸部X線検査も推奨される。肺に浸潤、ムコイド、線維化、気管支喘息の悪化又は生理学的悪化が存在する場合、コルチコステロイドによる治療の適用が推奨される。このような患者では、ステロイドと併用して、イトラコナゾール200mgを一日二回、最長六ヶ月間経口投与する方法が提案されており、コルチコステロイドの経口使用量を有意に減らすことができる良好な結果が得られている。
抗真菌薬の吸入投与は非常に魅力的な選択肢であり、この経路を使うことで理論的には全身への曝露量を最小限に抑えつつ、薬剤の局所濃度を非常に高くすることが可能であるため、全身投与が重大な副作用を伴ういくつかの薬剤の場合に特に重要である。組織や器官内で薬剤と病原体を共在させることは、実際、感染因子に対して治療処置を効果的にするための理想的な方法である。感染部位まで届くために拡散を必要とする経口及び注射による薬剤投与とは異なり、吸入による薬剤投与は抗感染剤を呼吸器系に直接届ける。その結果、吸入投与は薬剤の効果を最大化し、全身毒性を抑えることができる。
抗感染症の吸入薬の場合、該薬を有効にするため、投与は呼吸器の最深部にある感染部位で治療濃度が得られるように最適化されなければならない。投与技術の違いによって、効果的に投与される用量にはかなりのばらつきが生じ得、100%を超えることさえある。呼吸器への抗菌薬の直接投与に関する2つの重要な側面は、エアロゾル粒子の特性及びエアロゾル投与方法に関するものである。抗菌製剤の物理的特性は、薬剤の投与に重大な影響を及ぼすだけでなく、患者の忍容性にも影響する可能性がある。このため、吸入投与用に特別に処方された抗感染療法はほとんどなく、場合によっては、注射可能な製剤がネブライザーを通じてエアロゾルの形で投与される。時には、これらの製剤はエアロゾル投与に最適化されておらず、投与を困難及び/又は有害にする物理学的特性(すなわち、粒度分布、粘度、表面張力、浸透圧、張度及びpH)を有する可能性があり、場合によっては咳及び気管支収縮のような副作用を引き起こすことがある。
一般に、エアロゾルで投与する液体製剤の薬剤は、150~1200mOms/kgの浸透圧、77~154mEq/Lのナトリウム含量及び2.6~10のpHを有するべきである。製剤のこれらの特性は、静脈内投与製剤であっても、常に当てはまるとは限らない。さらに、一部の非経口製剤に含まれるフェノールや亜硫酸塩などの防腐剤は、気管支収縮と同様に咳や気道の刺激を引き起こす要因となる。気道及び肺胞への沈着に関する主な特性は、エアロゾル粒子(又は液滴)の空気動力学径である。吸入用エアロゾル粒子の空気動力的サイズ分布を特徴づける参照パラメーターは、MMAD(Mass Median Aerodynamic Diameter、空気動力学的質量中央径)である。
様々なタイプのアスペルギルス症の治療において、経口及び静脈内投与されるトリアゾール系抗真菌活性成分で見られるポジティブな臨床効果を鑑みると、侵襲性アスペルギルス症及びABPAを含む様々な形態のアスペルギルス症の治療におけるボリコナゾールの吸入使用の可能性を考えなければならない。ボリコナゾールの全身療法が、受け入れがたい有害な副作用のために中止された侵襲性アスペルギルス症の異なる3つの症例において、ボリコナゾールの静脈内投与製剤を、ネブライザーを用い吸入投与した予備的研究では、有望な効果が発表されている(Hilberg O., Andersen CU., Henning O., Lundby T., Mortensen J., Bendstrup E.; Remarkably efficient inhaled antifungal monotherapy for invasive pulmonary aspergillosis. Eur. Resp. J. 40 (1) 271-273)。前述のとおり、静脈内投与が可能な製剤を変換して得られる吸入製剤の製造は、すでに述べた理由によって技術的に許容される経路ではない。特に、薬剤を水に可溶化するために、ポリコナゾールをシクロデキストリンに含有させることは規制上の観点から承認されていない。このため、アスペルギルス・フミガータス及び同属の真菌によって引き起こされる肺感染症を効果的かつ安全に治療できるトリアゾール系抗真菌剤を含む望ましい吸入製剤は、ボリコナゾールを含み、適切な空気動力的性質及び十分な物理的及び化学的安定性を備えた吸入粉末剤の調製によって製造することが可能である。当業者が直面しなければならない製剤化の技術的課題の確認として、トリアゾール系抗真菌剤、特にボリコナゾールは前世紀から知られている有効成分であり、吸入による使用は1990年代から提案されていることには言及しておくべきだろう。しかしながら、現在に至るまで、前記有効成分を含む肺投与に適した薬剤は市場になく、所轄の規制当局によって承認された薬剤もない。科学文献及び特許文献には肺真菌症の治療に有用な可能性がある抗真菌剤を含む粉末吸入剤が記載されている。
US2019/0167579は肺アスペルギルス症の治療に使用可能であり、非晶質のイトラコナゾールを45~75%の量で含む乾燥粉末を記載している。しかしながら、前記粉末は特に高温多湿の条件下において、粉末が一般的に非晶質の固体状態であるために、物理的及び化学的安定性に課題がある可能性があり、この結果、経時的に該粉末の性能及び安定性に影響を与える可能性がある。
WO2018/071757には、サブ粒子の形態で結晶性の抗真菌剤を含む、吸入用乾燥医薬組成が記載されている。最終的な吸入製剤の粒子は、抗真菌有効成分のナノ粒子の安定化懸濁液を最初に調製し、その後スプレードライ工程を経て製造される。この製剤はパイロットスケールから工業スケールへの移行が難しい製造工程を有する。該国際特許出願の実験部分は、有効成分のイトラコナゾールを含む乾燥粉末の開発を目的としていることに留意しなければならない。
EP2788029B1には、非晶質のトリアゾールを含む吸入用医薬組成物が記載されている。これらの組成物は、有効成分の搭載量が小さく、記載された物理的形態と共に、製剤の安定性の問題があるとともに、いくつかの肺疾患における使用が制限される。さらに、ポリオール及び糖類のような、有効成分の安定性を変化させる可能性がある特定の賦形剤が製剤中に存在する場合がある。該特許の実験部分は、有効成分イトラコナゾールを含む乾燥粉末の開発に専ら向けられていることに留意しなければならない。
上記の考察に照らして、トリアゾール、特にボリコナゾールを含む乾燥粉末形態の吸入用の医薬組成物であって、安定性があり、一般的な乾燥粉末吸入器で容易に投与可能であり、同時に製造も容易なままの医薬組成物を製造することは先進性がある。
従来の技術では、ボリコナゾールを含む薬剤の吸入製剤であって、安定で、一般的な乾燥粉末吸入器を用いて投与でき、高い送達性能及び吸入性能という特徴を維持しており、経済的な観点で有利な方法で製造できるものを提供するという課題は、未だ解決されていない又は不満足な様態で解決されている。
そのため、本発明の主な様態は、ボリコナゾール又は薬学的に有効なその塩を、実質的に結晶の形態で、粉末の総量に対して50重量%以上含む粉末吸入剤を提供することである。特に本発明は、スプレードライによって得られる吸入用の乾燥粉末組成物であって、以下を含むものに関する:
-ボリコナゾール又は薬学的に活性なその塩を、実質的に結晶の形態で、粉末の総量に対して50重量%以上含む;
-ロイシンを含む。
本発明によると、「吸入可能」という用語は、粉末が肺投与に適していることを意味する。吸入可能な粉末は、適切な吸入器によって分散及び吸入することが可能であり、その結果、それによって構成される粒子は、含有する有効成分の薬理学的特性を発揮するために、肺に浸透して肺胞に到達することが可能である。空気動力学径が5.0μm以上の粒子は通常、吸入可能であると考えられる。
本発明の一様態では、有効成分は結晶状態で存在する;すなわち、ボリコナゾールは特定の固相状態を有し、固定された幾何学モデルで配置された構造単位が規則正しく再配列している。本発明によると、「実質的に結晶」という用語は、有効成分ボリコナゾールの結晶性の固体状態であるものの割合が、粉末中の該成分の総量に対して、51~100%、好ましくは70%~100%、より好ましくは90~100%の範囲であることを意味する。
好ましくは、本発明の方法で得られる粉末は、50%以上の微粒子画分(FPF)を有する。微粒子画分(FPF)とは、吸入器により送達される粉末の総量に対して、空気動力学径(AED)が5.0μm以下である粉末の割合を意味する。「送達画分(DF)」とは、全投与量に対して、送達される有効成分の割合を意味する。粉末の特性を評価するために実施される特性試験は、欧州薬局方の現行版に記載されているNext Generation Impactor(NGI)試験である。本発明によると、該試験を実施するための条件は、60±2リットル/分の流量を発生させるように、吸入器を通じて粉末を吸入させることである。吸入器モデルRS01(Plastiape, Osnago IT)の場合、この流量はシステム中に2Kpaの圧力損失を発生させることによって得られる。
本発明によれば、ボリコナゾールの薬学的に活性な塩は、例えば、酢酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、ギ酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、ラクテート及びバリネート塩などである。安定及び薬学的に有効な粉末吸入剤を得るために、ボリコナゾール又は薬学的に有効なその塩は、好ましくは粉末の総量に対して50~85%重量で存在する。さらに好ましくは、ボリコナゾール又は薬学的に有効なその塩は、粉末の総量に対して70重量%存在する。該粉末の好ましい粒子径では、肺深部沈着を最適化する表面積を増加させるため、粒子径分布の少なくとも90%(X90)は6.0μm以下である。本発明によれば、記載された方法で得られる粉末は、送達される粒子の空気動力学的質量中央径(MMAD)は5μm以下であり、好ましくは3~4.5μmである。
好ましくは、前記ロイシンは粉末の総量に対して10重量%以上量存在し、さらに好ましくは粉末の総量に対して14~49重量%の量で存在し、さらに好ましくは粉末の総量に対して25~35重量%の量で存在する。ロイシンは好ましくは非晶質でない状態であり、より好ましくは結晶状態である。
本発明の粉末は、実質的に乾燥粉末であり、すなわち水分含量が10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下である。該乾燥粉末は、好ましくは活性成分を加水分解して不活化するのに十分な量の水を含まない。組成物中の湿度量はロイシンの存在によって制御されるが、これはロイシンの疎水性の性質のおかげで、粉末の製造段階及びその後の取り扱い段階の双方において水分含量が制限されるためである。
本発明の粉末は界面活性剤を含む。好ましくは、前記界面活性剤は、各粉末の量に対して0.2~2.0重量%、好ましくは各粉末の量に対して0.4~1.2重量%、より好ましくは各粉末の量に対して1重量%の量で存在する。本発明の医薬組成物における界面活性剤は、医療用界面活性剤の様々なクラスから選択することができる。本発明で使用できる界面活性剤は、中分子量又は低分子量を特徴とする物質であって、一般に有機溶媒には溶けやすいが、水には溶けにくい又は不溶である疎水性部分及び有機溶媒には溶けにくい又は溶けないが、水には溶けやすい親水性部分(又は極性)を含むものである。
界面活性剤はそれらの極性部位によってクラス分けされる;したがって、負に帯電した極性部分を有する界面活性剤は、アニオン界面活性剤と定義され、一方カチオン界面活性剤は、正に帯電した極性部分を持つ。電荷を持たない界面活性剤は一般に、非イオン性界面活性剤と定義され、正電荷の基及び負電荷の基を双方有する界面活性剤は両性界面活性剤と呼ばれる。脂肪酸塩(石けんとしてよく知られている)、硫酸塩、硫酸エーテル及び硫酸エステルは、アニオン界面活性剤の代表例である。カチオン界面活性剤はアミノ基を含む極性基をベースにしていることが多い。最も一般的な非イオン界面活性剤は、オリゴ-(エチレンオキシド)基を含む極性基をベースとしている。両性イオン界面活性剤は、一般に4級アミン及び硫酸又はカルボン酸基からなる極性基を特徴とする。
この用途の具体的な実施例では、以下の界面活性剤である:塩化ベンザルコニウム、セトリミド、ドクサートナトリウム、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、リン脂質、胆汁酸塩。ポリソルベート並びに「ポロキサマー」として知られているポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマーのような非イオン界面活性剤が好ましい。ポリソルベート類は、CTFA国際化粧品成分辞典で、ソルビトールと、エチレンオキシドと縮合した無水ソルビトール脂肪酸エステルとの混合物であると定義されている。特に好ましいのは、「Tween」として知られるシリーズの非イオン界面活性剤であり、これは特に「Tween 80」として知られ、市販されているモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンである。界面活性剤の使用は、界面活性剤を含まない製剤に見られる静電荷の低減、粉末の流動性及び初期結晶化を伴わない均質な固相の維持を保証するために有用である。
本発明によると、粉末は吸入投与に適した賦形剤を含むこともできる。これらの賦形剤は好ましくは、ラクトース、マンニトール、スクロース、トレハロース、マルトデキストリン及びシクロデキストリンのような糖;脂肪酸;脂肪酸のエステル;脂質、好ましくはリン脂質、例えば天然及び合成スフィンゴリン脂質、並びに天然及び合成グリセロリン脂質、これらにはジアシルリン脂質、アルキルアシルリン脂質及びアルケニルアシルリン脂質が含まれる;アミノ酸;及びジ-ロイシン、トリ-ロイシンのようなペプチド又は疎水性タンパク質である。
周知のように、スプレードライは均一及び実質的に非結晶の粒子をもつ粉末を、適切な溶媒又は混合溶媒中の有効成分及び賦形剤の溶液から得ることができる技術である。この技術は、以下に示す一連の操作からなる:
-有効成分及び賦形剤を適切な液体媒体に溶解又は分散させて第一相を調製する工程;
-前記相を制御された条件下で乾燥し、平均直径が10μm以下の粒度分布を有する粒子の乾燥粉末を得る工程;
-前記乾燥粉末を回収する工程。
前記第一層は、水性又は非水性の液体媒体中の有効成分の懸濁液又は適切な溶媒に溶けた有効成分の溶液であり得る。溶液の調製が好ましく、有機溶媒は水と混和性のものから選択される。乾燥操作は液体媒体すなわち溶媒又は分散媒を除去し、所望のサイズ特性を有する乾燥粉末を得る工程である。ノズルの特性及びプロセスパラメーターは、液体媒体が溶液又は懸濁液から蒸発し、所望の粒子径の粉末が形成されるように選択される。
本発明の粉末は、以下のステップを含む方法によって製造され得る;
a)適切なビヒクル中でボリコナゾール又はその薬学的に有効な塩及びロイシンの均一溶液を提供するステップ;
b)前記粉末を出口温度40~75℃及び10g/分以上の供給速度でスプレードライするステップ;
c)前記粉末を回収するステップ。
好ましくは、ボリコナゾールとロイシンを溶解するビヒクルは水アルコール混合物からなる。特に、それは水とアルコール類の混合物であり、前記アルコール類はメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール及び1-ペンタノール等からなる群から有利に選択され、単独または混合物である。好ましくは、アルコール類は水と70/30~30/70 v/v、より好ましくは60/40 v/vの割合である。好ましくは、該アルコールはエタノールであり、したがって好ましいビヒクルは水とエタノールの水アルコール混合物である。
本発明に従い所望の特性の粉末を得るためには、スプレードライの供給速度は10g/分以上、好ましくは15g/分以上、さらに好ましくは20g/分以上でなければならない。このようにすると、上記のスプレードライ技術で通常生じるものとは逆で、実質的に結晶状態のボリコナゾール及びロイシンを含む粉末を得られる。本発明の所望する特性を有する粉末を得るために操作可能な最大供給速度は、使用するスプレードライヤーのタイプ(すなわち、工業スケール又はパイロットスケールのスプレードライヤー)で決まる。そのため、最大供給速度は現在150/200g/分であるが、より大きな機械を使用する場合には制限はない。上記と同じ理由から、出口温度は40~75℃、好ましくは50℃~70℃でなければならない。本発明で「出口温度」とは、乾燥チャンバーから出てサイクロン分離機に入る前の、すでに乾燥された製品の温度を意味する。本発明の「入口温度」とは、溶液がスプレードライのノズルから出るとき、溶液が出くわす温度を意味する。本発明で入口温度は80~120℃である。
すでに詳細に前述したように、ボリコナゾールを含む粉末吸入製剤を得るためには、可能な限りの量の薬剤を肺深部に送達するための空気力学的性能など、医薬品としての性能に不可欠な側面だけでなく、製品の性質及び効率的な工業的製造の側面も組み合わせることでさまざまな固有の性質を考慮することが不可欠である。このため、理想的な製剤は以下の特徴を同時に備えていなければならない:
- 一回の投与で高用量投与が可能であること;
- 粒子の空気動力学的サイズが小さいこと;
- 製剤の化学・物理的安定性;
- 収率の観点で製造工程の効率が高いこと。
吸入による高用量投与については、選択された有効成分であるボリコナゾールの場合、経口又は非経口で従来投与された用量が200mg/回以上であるという事実のため、関連して考慮されなければならない。粉末での吸入投与の場合、用量は有意に低く、10~40mg/回程度であるが、いずれにしても吸入投与経路では比較的高用量である。
粉末を吸入により高用量投与する実現性に関しては、多量の粉末を吸入することによる患者の咳嗽反射の刺激を防ぐため、少なくとも50重量%の有効成分を導入するよう管理することで達成できる可能性がある。スプレードライ製造技術によって一般に、適切な量の有効成分及び粒子の分離を促進する又は低密度構造の形成を促進する機能を果たす賦形剤を組み合わせた粉末人工粒子を製造することが可能になる。これらの促進効果は、粉末の組成物に添加できる賦形剤の割合と比例して明らかによくなる。水性溶媒への溶解度が低い特徴を持つボリコナゾールのような有効成分の場合、ボリコナゾールは、そもそもスプレードライによって異なる賦形剤と均質な粒子を形成せず、均一な構造で賦形剤と会合しない傾向が高く、所望のように組成物中のボリコナゾール含量が高い場合はなおさらである。したがって、得られた粉末は、各粒子が初期成分の溶液に対して完全に均一な組成ではない粒子の分布を特徴とする可能性がある。しかしながら、最終的に期待される結果は、初期の溶液及び導入した賦形剤に対して有効成分の含有量が均一な粉末である。このように粉末中の単一粒子が均質性を欠く可能性の原因となるのは、スプレードライ工程中に有効成分ボリコナゾールが粒子又は結晶構造を形成する傾向があることにある。しかしながら、該粉末の最終的な均一性を保証するためには、このような均質性に有利なプロセス条件を使用する必要がある。より具体的には、乾燥温度が高すぎる条件では、異なる成分の混合物の場合、工程中にこれらの成分の乾燥がばらつくことがわかっている。
粉末粒子の空気動力学径に関しては、患者に投与される用量の50%以上の吸入性能を保証するように、スプレードライ製造技術によって、吸入時に粉末吸入器によって発生するような気流にさらされると容易に分散する粉末の粒子形成を確実にできる賦形剤と結合した多量のボリコナゾールからなる空気動力学的に微細な粒子(空気動力学的質量中央径(MMAD)が5.0μm以下)を設計することが可能になる。この製剤方法では、ボリコナゾールを含む製剤の場合、異なる粉末吸入剤について文献で報告されている他の例とは異なり、製剤中で特に高い割合の賦形剤を使用する必要がなく、組成物中に50%以上の量のボリコナゾールを包含させることができる。
粉末の化学的・物理的安定性に関しては、25℃の温度条件下で24ヶ月安定でなければならない。したがって、化学的及び物理的に安定な粉末吸入剤の製造は使用する有効成分の安定性への必要性及び肺深部への送達の観点から適切なエアロゾル性能を確保する必要性を調和させなければならない。化学的及び物理学的安定性を得るための理想的な方法は、大量の有効成分を医薬賦形剤と組み合わせて含み、吸入投与が可能であり、肺上皮に対して高い局所許容性を有する、ボリコナゾールの乾燥粉末を製造することである。
ボリコナゾールと同様に、スプレードライの場合、賦形剤は工程中に優先して結晶性の固体状態となる必要がある。スプレードライ後、成分の大部分が結晶状態で得られる粉末吸入剤の製剤は、高温多湿の条件下でも長期にわたって物理的及び化学的安定性を保証することができる。得られた粉末は、ボリコナゾール及び賦形剤から形成された粒子を含み、各単一粒子はスプレードライ工程に供された組成物と同等の組成を有する。また、最終的な組成物は、全組成が、スプレードライ工程に供されたボリコナゾール及び賦形剤の割合を反映しているが、個々には互いに異なる成分を有する粒子から形成されることも許容される。
本発明では、前記粉末は、有利には、1/5~1/100の割合で、35~75μmのX50を有する第一のラクトース及び1.5~10μmのX50を有する第二のラクトースからなる混合物と混合することができ、前記ラクトース混合物中の前記第一のラクトース及び第二のラクトースの割合はそれぞれ85~96%及び4%~15%である。このようにして、あらゆるタイプのカプセル又はその他の容器に容易に小分けでき、同時に高い製品安定性を確保できる組成物を得ることができる。本プロセスの生産収量に関して、高い吸入性能をもって吸入により投与することができるボリコナゾールを含む粒子を製造することは理論上可能であるが、該粒子は特に効率的な製造工程で得られるものでないため、これは過小評価できない。実験室で使用されるスプレードライ装置の場合は疑いようがない。粉末のスプレードライ工程の収量としては、6時間で少なくとも50gの粉末を製造することが、パイロット又は工業生産工程の参照目標であるべきである。このような製造効率は、単位時間内に大量の溶液をスプレードライすることによってのみ達成できる。純粋に指標として、効率的な製造工程では毎分少なくとも20gの溶液を処理できるはずである。
本発明をよりよく説明するために、いくつかの実施例を以下に示す。

実施例
本発明の実質的に結晶状態であるボリコナゾールを含む粉末吸入剤の製造方法のいくつかの例を以下に記載する。
粉末の製造。
上述したように、有効成分を含む粉末はスプレードライにより得られた。記載した製剤のために使用した溶媒は54/45(p/p)の一定比率で混合した水及びエチルアルコールであった。溶解した固形分濃度は1%p/vであった。粉末の製造のために、二つの溶液を調製した:賦形剤であるロイシンと界面活性剤を含む水溶液及びポリコナゾールを含むアルコール溶液。次に、水溶液部分をアルコール溶液に室温でゆっくりと加え、いずれの成分の沈殿も生じないように注意しながら単一な透明の水アルコール溶液を得た。このようにして得られた水アルコール溶液を以下のプロセスで処理した:
・GEA NIRO PSD1のスプレードライヤーを、クローズドサイクルを使用して以下のプロセスパラメーターに設定する:
-直径5mmのガス出口ノズルカップを備え、溶液送達用の直径0.5mmを有するる二流体ノズル
-噴霧ガス:窒素
-噴霧圧力:3bar
-乾燥ガス:窒素
-乾燥ガス流量:80kg/h
-入口温度:90~120℃
-供給速度:20g/分
-粉体回収システム:サイクロンセパレーター
-出口フィルターシステム:テフロンメンブレンフィルター。
・GEA NIRO PSD2のスプレードライヤーを、クローズドサイクルを使用して以下のプロセスパラメーターに設定する:
-直径5mmのガス出口ノズルカップを備え、溶液送達用の直径0.5mmを有する二流体ノズル
-噴霧ガス:窒素
-噴霧圧力:4bar
-乾燥ガス:窒素
-乾燥ガス流量:360kg/h
-入口温度:98~103℃
-供給速度:100~120g/分
-粉体回収システム:サイクロンセパレーター
-出口フィルターシステム:テフロンメンブレンフィルター。
乾燥工程終了後、粉末は製造後直ちにポリエチレン袋に入れられ、次にヒートシールされたアルミ袋に保管された。
粉末の特性評価:粒度分析。
得られた粉末は、粒子径を分析でき、粉末分析用のRODOS/L分散ユニット及び試料の自動装填のためのASPIROS/Lシステムを備えるSympatec HELOS/BRレーザー回折装置を使用して、乾燥粒子径を測定した。装置は標準物質で校正され、装置のユーザーマニュアルに記載された指示に従って準備された。
分析手順:
製品をASPIROS用のサンプルホルダー(バイアル)に採取し、分析した。使用した分散ガスは、粒子を適切に除去し、圧縮した空気であった。粒度分布分析に使用した方法は以下の通りである:
-分析装置:Sympatec HELOS/BRレーザー回折装置
-レンズ:R1(0.1~35μm)
-サンプル分散システム:RODOS/L
-サンプル供給システム:ASPIROS/Lシステム
-分散圧力:3bar、真空圧の自動調節機能つき
-シグナル積分時間:10.0秒
-基準測定の継続時間:10秒
-チャンネル20の有効な測定濃度範囲:1.5~50%
-ソフトウェアバージョン:PAQXSOS 3.1.1
-計算方法:自由(FREE)
分析はすべて室温、室湿度で行った。粒度分析では、粉末試料中の粒子集団の10%の直径(X10);粒子集団の50%の直径(X50);粒子集団の90%の直径(X90)及び体積中央径(VMD)がそれぞれ測定される。
粉末の特性評価:力価及び関連物質の特定。
HPLC(High Performance Liquid Chromatography)分析法を用いて、有効成分の含有量(力価)と関連物質の含有量を測定した。使用した方法は以下のパラメーターによって特徴づけられる:
溶媒:70/30 メタノール/水
移動相:メタノール/10mMリン酸緩衝液 pH7.5
グラジエント溶出
流量:1ml/分
注入量:2μl
分析カラム:Agilent Poroshell 120 EC-C18、100mm×4.6mm、2.7μm
カラム温度:45℃
波長:254nm
保持時間:1.8分
分析には、モデルG1315Cダイオードアレイ型検出器を備えた1200HPLC Agilentを使用した。有効成分含有量の分析試料は、標準液に準じて、ボリコナゾールの濃度が50μg/ml~90μg/mlとなる量の粉末を溶媒に溶かして得た。不純物分析用の試料は、ボリコナゾールの濃度が500μg/ml~900μg/mlとなるような量の粉末を溶媒に溶かして得た。分析システムの精度を決定するために、標準液を試料の前に3回連続して注入した。この精度は相対標準偏差パーセンテージ(RSD%)で表され、2%以下でなければならない。有効成分の含有量は既知濃度の基準溶液に対する、面積の比率を計算することによって求められる。製品の分解度は、各応答因子で補正した分解生成物に対応する分析ピークの面積の和と、試料中に存在する有効成分の面積の比として計算される。有効成分の面積に対して0.1%以上の面積を持つすべての分析ピークは、分解生成物の和に含まれた。
粉末の特性評価:NGI(Next Generation Impactor)による吸入性能試験。
Next Generation Impactor(NGI)は、薬局方(EP;USP)に記載されている粉末インパクターであって、エアロゾルの形で空気中に分散した粉末粒子の空気動力学径の測定に用いられる。適切な吸入器によって分注され、吸引によって装置内に運ばれる吸入製剤は、粒子径、密度及び形態に依存する空気力学的特性によって、直列に配置されたインパクターの様々なステージに堆積される。NGIの各ステージは、そこに堆積した粉末の空気動力学径の範囲に対応し、存在する有効成分がHPLC定量分析によって測定される。各ステージの有効成分の定量的な測定によって、粉末の空気動力学的なサイズ分布が得られ、空気動力学径の中央値及び空気動力学径<5.0μmである画分として欧州薬局方で定義されている吸入可能画分を計算することができる。吸入性能試験のために、実施例の製剤の粉末を3HPMCカプセルに分割し、7single dose RS01粉末吸入器239700001AB(Aerolizer-Plastiape S.p.A)で吐出した。装置は使用説明書に従い、欧州薬局方の指示に従って組み立てた。試験を実施するためには、粉末カプセル一つの送達で、各吸入性能試験には十分である。試験はシステム内の2Kpaの圧力降下で生じる4秒間60lpmの流量下にて行なわれた。以下の空気動力学径のカットオフ値は、NGIの各ステージにおけるこの流量に対応している。
-ステージ1:>8.06μm
-ステージ2:8.06~4.46μm
-ステージ3:4.46~2.82μm
-ステージ4:2.82μm~1.66μm
-ステージ5:1.66μm~0.94μm
-ステージ6:0.94μm~0.55μm
-ステージ7:0.55μm~0.34μm
-ステージ8(MOC):<0.34μm
吸入可能画分(微粒子画分)は空気動力学径の中央値が5.0μm以下の粒子によって特徴づけられる、送達される用量に対して計算される薬剤の量であり、特定の有効なソフトウェア(CITDAS Copley)によって算出される。NGI分析に供される吸入製剤の空気動力学的なパラメーターは以下の用語で表される:
-送達画分(DF);すなわち、装填用量に対する、吸入器のマウスピースから送達される有効成分の用量の割合。
-微粒子量(FPD):空気動力学径<5.0μmであることを特徴とする、理論的に吸入可能な有効成分の割合。
-微粒子画分(FPF):送達量に対する有効成分の理論的に吸入可能な割合(空気動力学径<5.0μm)。
-空気動力学的質量中央径(MMAD):送達される粒子の空気動力学径の中央値。
各ステージにおける有効成分の定量は、力価及び関連物質の試験法を用いてHPLCで行ったが、唯一の違いは溶媒レベルにあり、NGI試験試料からの回収段階における蒸発によって生じる分析誤差を最小化させる目的で、内部標準物質(テストステロン)を添加した。力価及び関連物質の分析方法とは異なり、新しい溶媒ではテストステロンは約10μg/mlの濃度で、70/30 メタノール/水溶液中に添加された。ボリコナゾール含量は試料中のテストステロン(保持時間2.6分)の面積に対する有効成分の面積比から、既知の標準溶液中の同比を基準として算出される。
粉末の特性評価:X線回折法による固体状態の分析と結晶化率の算出
X線回折法測定
粉末の固体状態を決定するためにX線回折測定を行った。結晶はその構造に特徴的な様式でX線を回折する。このため、X線回折法では試料の成分の結晶性または非晶性の固体状態を決定することができる。使用装置はBruker AXS D2-Phaser、検出器はLYNXEYE、測定ソフトウェアはDIFFRAC.MEASUREMENT CENTER. V7.である。粉末試料は、セパレーターつきドーム型シリコン試料ホルダーA100B139(Steel Airtight Specimen Holder)に、均一な層となるように配置した。選択した分析方法では、以下の装置構成を使用した:
-X線源:銅
-発散スリット:0.2mm
-散乱スリット:4°
以下のスキャンパラメーターを使用した:
-角度範囲:4~50°2θ
-ステップサイズ:0.03°
-各角度での滞留時間:1秒
-検出器口径:4mm
-試料の回転なし
結晶化率の計算
成分の結晶性は、文献にある参照構造及び結晶性原料の試料と比較することで測定した。回折像の解析には、Bruker AXS DIFFRAC.TOPAS.V6ソフトウェアを使用した。回折像はソフトウェアに読み込まれ、Crystallography Open Databaseのウェブサイト上のオンラインCIFファイル(それぞれ2212055及び2108011)から作成されたボリコナゾール及びロイシンのSTR形式の参照構造と比較された。参照構造の作成時に、以下の変更が加えられた:
-セルパラメータの精密化
-ロイシンの優先方位を(001)、ボリコナゾールの優先方位を(002)に変更。
回折像の分析には、以下のパラメーターを選択した:
-バックグラウンド:チェビシェフ補正及び1/X Bkgを用いた次数3のアルゴリズム
-ピークシフト:試料変位補正
-サンプルコンボリューション:固定試料の厚さ0.5mmによる吸収補正
非晶質成分の指標として、ピーク位相を追加した。19°2θ及び21°2θのピークの間の最小点を各回折像のグラフ上で選択した。これが非晶質成分の基準であるため、ピークの位置及び面積のパラメーターは固定設定とし、結晶子径Lは微調整の可能性を残して1と示唆された。試料の結晶化率を計算するため、この相を非晶質であると同定した。フィッティングは常にソフトウェアの計算限界まで行われ、Rwpが15を超えない範囲で受け入れられた。
以下の表は、高濃度及び高い吸入性能でボリコナゾールを含有する粉末が本発明の製造方法でどのように得られるかを示すために、上記の記載に従って実施した一連の実施例を示す。特に、表1は実施例が実施されたプロセス条件を示し、表2は本発明のプロセスで得られた粉末の特性を示す。
実施例1~2
実施例1及び2は、ボリコナゾールを有効成分として含む製剤であって、同じ割合の組成を含み、NIRO PSD1スプレードライヤーを用いて異なる乾燥温度でスプレードライすることよって、上述の成分の水アルコール溶液を乾燥させることによって得られた製剤を報告する。これらの実施例は、得られる粒子径並びに有効成分の力価によって決定される粉末の化学的均質性及び空気動力学的特性といった観点から、最適な特性を持つボリコナゾールのスプレードライ製剤を得るために、乾燥温度(入口温度)及び被乾燥溶液の供給速度(Feed rate)の複合的な影響の結果である出口温度(乾燥室から出る製品の温度)を意図したプロセス温度が重要性であると強調している。実施例1は、高温で実施されたプロセスにより、粒度分布の90%に対応する直径が13μmであり、そのうち約30%のみが吸入可能である(FPF30.5%)大きな粒子が特徴の粉末が生じることが強調している。実際、高温では単独成分の乾燥が異なる時間に起こり、その結果非均質な粉末となり、その中には捕集サイクロンに蓄積しやすい有効成分の粒子のみ、または代わりに捕集フィルターに蓄積しやすい賦形剤(ロイシン)の粒子のみが存在し、サイクロンによって蓄積された粉末は有効成分が豊富である(力価109%)。出口温度44℃に対応する入口温度を90℃に下げることで、最も沈殿しやすい成分の乾燥速度を下げることができ、その結果成分の乾燥が同時に起こるため、有効成分が均一に分布し(力価102.9%)、高い吸入性能(FPF 73.4%)の微粒子(X90=5.4μm)の形成が可能になる。物理的、空気動力的及び化学的特性の向上は、プロセス温度に反比例する(実施例1~2)。粉末の収率は、サイクロンに回収された粉末を評価することにより算出される。
実施例3
実施例3は、実施例2と比較して有効成分が少ない量で存在するフリーズドライされたボリコナゾールの製剤について報告する。この場合も、低いプロセス温度により高い吸入性能(FPF>75%)及び104.2%の有効成分の力価を持つ微粒子(X90=4.3μm)を特徴とする製剤が生じる。
実施例4
実施例4は実施例2と比較して有効成分が多い量で存在するフリーズドライされたボリコナゾールの製剤について報告する。この場合もまた、製剤の組成を再び変化させると、得られる製品の特性に対する温度の影響はいずれにしても明らかである。実際に、この場合もまた、低温で得られる製剤と比較して、高温ではより大きな粒子径を特徴とする製品が得られる。同様に、低温で得られる製剤の空気動力的特性は実施例5~15より高い。
実施例5~15
実施例5~15は、実施例2~3と同様の組成(70%ボリコナゾール)から出発して得られたが、PSD2-工業スケールのスプレードライヤーで操作した。同様に、このタイプのスプレードライヤーで、低温のプロセス温度を適用する条件を設定した。44~60℃の製品の出口温度を得るため、入口温度は98~117℃、供給速度100~160g/分とした。これらのプロセス条件により、X90が4.4~6.0μm及び吸入性能が47.4~59.7%のスプレードライされたボリコナゾール粉末を得ることができ、より低い供給速度(100g/分)で得られた粉末は後者であった。これらの実施例は、使用する装置のサイズ及びスケールに関係なく、吸入可能及び有効成分の含量が均一なスプレードライされたボリコナゾールの微細な粉末を得るために、プロセス温度を低くすることがいかに基本的であるかを示している。また、これらの実施例は本発明の方法が、本発明のボリコナゾール粉末の物理的特性及び空気動力学的性能を損なうことなく効率的な工業的スケーリングをいかに可能にしたかを示している。
実施例16
実施例16は本発明の粉末の化学的及び物理的安定性を評価するために行った。特に、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月及び24ヶ月における安定性を評価した。上記の実施例2に記載した一連の粉末を分割して密閉アルミニウム袋に包装し、25℃及び相対湿度(RH)60%の条件下で保存した。各時間間隔で試料を採取し、室温で平衡化させて、開封し、ボリコナゾール含有量、総不純物並びに例えばX50(μm)、X90(μm)、FPF(%)及びMMAD(μm)のような粉末の吸入性能に関与するいくつかのパラメーターを分析した。以下の表3は上記の説明による安定性のデータを示している。

Claims (10)

  1. スプレードライによって得られる吸入用の乾燥粉末組成物であって、以下を含む:
    -前記粉末の総量に対して50重量%以上の実質的に結晶状態であるボリコナゾール又はその薬学的に活性な塩;
    -ロイシン;
    -界面活性剤;
    ここで、前記粉末は6.0μm以下のX90及び5μm以下の空気動力学的質量中央径(MMAD)を有する。
  2. 前記粉末が50%以上の吸入可能画分(FPF)を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ロイシンが前記粉末の総量に対して10重量%以上で存在する請求項1~2のいずれか1項に記載の組成物。
  4. 前記界面活性剤が前記粉末の総量に対して0.2~2重量%で存在する請求項1~3に記載の組成物。
  5. 前記界面活性剤が、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、ドクサートナトリウム、モノオレイン酸グリセリル、ソルビタンエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート、リン脂質、胆汁酸塩、ポリソルベート、並びにポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマーからなる群から選択される請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記粉末のX90が5μm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記粉末のMMADが3~4.5μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記ボリコナゾール又はその薬学的に活性な塩が前記粉末の総量に対して50~85重量%で存在する請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記ボリコナゾール又はその薬学的に活性な塩が前記粉末中のボリコナゾールの総量に対して90~100重量%で存在する請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 前記ロイシンが結晶状態である請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
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