JP2023551764A - 制御されたパーソナル呼吸ゾーンなどの清浄空気ゾーンを提供するための改良された装置 - Google Patents

制御されたパーソナル呼吸ゾーンなどの清浄空気ゾーンを提供するための改良された装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、フィルタ処理された空気の、温度制御された層状空気流(TLA)を供給して、ポイントオブケアで、清浄空気ゾーン、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成する、改良された装置に関する。本発明の装置の空気入口及び出口の特定の相対的な配置により、先行技術の装置よりも安定したTLAによる清浄空気ゾーンを提供することが可能になり、同時に広範な監視及び報告機能が可能になる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成するために、清浄空気ゾーンに清浄化空気を提供するように適合された、改良された空気処理装置、及び例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成するために、清浄化空気を清浄空気ゾーンに提供するための改良された方法に関する。
温度制御された層状空気流(Temperature-controlled laminar air flow、TLAと略される)は、実質的に層流の、下降する、下向きの空気流を提供することを含む。TLAで下降空気流が発生するのは、供給される空気が周囲空気よりわずかに低温(通常は0.1~3°C、例えば0.3~1°C又は0.5~0.8°C)であるためである。先行技術では、TLA装置の動作中に、空気流及び温度を、あるレベルに慎重に調整できる方法について記載しているが、これは単に、例えば、休息場所(ベッドなど)内又はその上で安静中の、ケアを必要とする個体の、身体対流によって生じる上向きの流れに対処するものである。このような状況では、下降する層流空気流は、清浄空気ゾーンの境界で、周囲空気とごくわずかしか混合されないため、慎重に制御すれば、TLAを用いてポイントオブケアを取り囲む清浄化空気ゾーンを効果的に生成でき、例えば、すきま風を感じさせることなく、ケアを必要とする安静中の個体の制御された呼吸ゾーンを生成できる。
例えば睡眠中における、TLAの形態で供給される清浄化空気流の供給(それにより、例えば上記に従ってパーソナル呼吸ゾーンを生成する)は、アトピー性喘息の症状を軽減することがわかっており(非特許文献1~3)、また、アトピー性湿疹などの他のアレルギー状態の症状を軽減することがわかっている(非特許文献4及び5)。
上記に従ってTLAによって供給される清浄化空気の形態で、清浄化空気を清浄空気ゾーンに提供すること(例えば、ケアを必要とする安静中の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成すること)により、アレルゲン及び汚染物質などの住宅の空中浮遊汚染物質への暴露を75%超、場合によっては最大95%削減できるいくつかの装置が、先行技術に記載されている。
特許文献1は、供給される空気が周囲空気よりも低温である、清浄空気のゾーンを生成するための空気供給装置を開示し、この空気供給装置では、空気は、通気体を通して供給され、通気体の外側部分が通路を有し、これらの通路は、実質的に直線的で、実質的に均一な太さを有し、通路の長さは通路の幅の少なくとも4倍ある。
特許文献2は、送風機ユニットを含むシステムを開示しており、この送風機ユニットは、調整された空気流を生成し、その空気流を人の呼吸ゾーンに送達する。このシステムは、床付近(即ち、ベッドの下方)の空気と、ベッドの上方の空気との間の温度差に基づくものと記載されている(セクション[0093]、[0097]、及び[0098]を参照)。
特許文献3は、TLA空気処理システムを使用して空中浮遊微粒子への暴露を減らすことにより、ヒト及び哺乳動物の微小血管機能を改善するための方法及び装置を開示している。
特許文献4は、TLAを使用して制御されたパーソナル呼吸ゾーンを維持する方法及び装置を開示している。この装置は、好ましくは、装置が使用される建物の床の高さ付近に配置された1つ以上の空気入口を有するものとして記載されている(p.7、l.17~18及び図3参照)。
特許文献5は、TLAを使用して身体対流を排除することによって、睡眠中又は睡眠に相当する状況で、パーソナル呼吸ゾーン内でのアレルゲン及び他の空中浮遊微粒子への暴露を低減する、方法及び装置を開示している。この装置は、好ましくは、装置が使用される建物の床の高さ付近に配置された1つ以上の空気入口を有するものとして記載されている(p.14、l.28~29及び図3参照)。
特許文献6は、TLA空気治療に基づく、アトピー性皮膚炎を治療するための方法及び装置を開示している。この装置は、好ましくは、装置が使用される建物の床の高さ付近に配置された1つ以上の空気入口を有するものとして記載されている(p.9、l.19~20及び図3参照)。
上述の参照文献に開示された特定の装置は非常に効果的であるものの、それらは比較的大型でもあり、それらの動作には、比較的大きなエネルギー消費と比較的高い騒音レベルを伴う。
しかしながら、より重要なのは、上記の参照文献に開示されている特定の装置の全てについて、それらが効率的に機能することが、ある程度は、生成される清浄空気ゾーン、例えば、ケアを必要とする安静中の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーン、及びそのすぐ近くの周囲の両方に対する、装置の特定の配置に依存していることである。したがって、上記の参照文献及びその後の研究(非特許文献6)で開示された特定の先行技術の装置の使用の増加と継続の両方により、これらの特定の装置について、相当数の現実の状況で、効率が限定的となる傾向があることが明らかになった。実際、先行技術の装置が最適に機能するためには、装置の空気出口から供給され、温度制御された層状空気流(TLA)としてポイントオブケアまでゆっくりと下降する空気は、ポイントオブケア(例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーン)から離れる方へ、全方向に自由に移動できる必要がある。即ち、先行技術の装置は、ポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーンから離れる全ての方向、即ち、ポイントオブケアで清浄空気ゾーンに供給される清浄なTLA流の境界を構成する周囲360°にわたる全方向について、妨げられない空気の移動が可能である場合にのみ、最適に機能する。
しかし、現実の多くの状況では、ポイントオブケア、例えば、ケアを必要とする個体が安静中の休息場所(例えば、ベッド)で生成される清浄空気ゾーンに対して、空気が、ポイントオブケアから離れる方へ真に自由に移動できるのは(かつ、清浄空気ゾーンから排出され得るのは)概ね1つ又は2つの方向のみである。したがって、多くの現実の状況では、空気がポイントオブケアから離れる方へ真に移動し得る方向は、TLA流によって生成される清浄空気ゾーンを構成する外周のわずかな部分のみに及ぶこととなり、そうでなければポイントオブケアの領域に供給される。したがって、多くの状況では、ポイントオブケアでの真の自由な空気の排出は、ポイントオブケア、例えば、休息場所(ベッドなど)の側面の1つに対して垂直にのみ可能であり、ほとんどの状況では一方向にのみ可能である。ある制御されたパーソナル呼吸ゾーンの場合には、これは、例えば、休息場所(ベッドなど)の足側端部の方向となり得る。多くの場合、空気は休息場所(ベッドなど)の頭側端部の方向には移動できず、また、多くの場合、休息場所(ベッドなど)の反対側に垂直に移動することもできない。なぜなら、休息場所(ベッドなど)はしばしば、少なくとも1つの壁に沿って配置され、多くの場合、隅に配置されるからである。これはとりわけ、例えば、ベッドに横になっている子供について典型的な状況である。
ポイントオブケアでの空間的に制限された空気の排出に関しての同様の状況は、ワークステーション(例えば作業テーブルを含む)手術室、外科手術室、器具テーブルなどの場合に生成される清浄空気ゾーンの場合に見られる。
ポイントオブケアからから離れる方への空気の自由な移動(排出)可能性に関するこの制限は、さもなければ装置によってポイントオブケアで生成されることが意図されていた、清浄ゾーンのサイズと清浄度の両方に大きな影響を与える場合がある。
最後に、継続的な使用により、治療コンプライアンスの最適化、及び例えば、使用済みフィルタから物質がこぼれることによる清浄ゾーンの望ましくない汚染のリスクを伴わない、ユーザによるフィルタ交換など、標準的なメンテナンス手順の実行の促進に関して、先行技術の装置の構成が、なお更に最適化され得ることが明らかになっている。
国際公開第2005/017419号(A1)号 米国特許第7037188(B2)号 米国特許第8956442(B2)号 国際公開第2011/042801(A1)号 国際公開第2011/114186(A1)号 国際公開第2012/136728(A1)号
Boyle RJ,Pedroletti C,Wickman M,et al.Nocturnal temperature controlled laminar airflow for treating atopic asthma:a randomised controlled trial.Thorax 2012;67:215-221 Pedroletti C,Millinger E,Dahlen B,et al.Clinical effects of purified air administered to the breathing zone in allergic asthma:A double-blind randomized cross-over trial.Respir Med 2009;103:1313-9 Schauer U,Bergmann K-C,Gerstlauer M,et al.Improved asthma control in individual in need of cares with severe persistent allergic asthma after 12 months of nightly temperature-controlled laminar airflow(TLA):An observational study with retrospective comparisons.Eur Clin Respir J 2015;2:28531 Brazier P et al.(2016)BMJ Open Resp Res 2016;3:e000117 Gore C,Gore RB,Fontanella S,et al.Temperature-controlled laminar airflow(TLA)device in the treatment of children with severe atopic eczema:Open-label,proof-of-concept study.Clin Exp Allergy.2018 May;48(5):594-603 Gore et al,Effect of a novel temperature-controlled laminar airflow device on personal breathing zone aeroallergen exposure,Indoor Air 2015;25:36-44
本発明の一般的な目的は、下降する、温度制御された、清浄で実質的に層流の空気流(TLA)を、ポイントオブケアに提供するための改良された空気処理装置を提供することであり、このTLAは、より(即ち、先行技術の装置により提供されるものと比較して)安定しており、これにより、より良好に制御され、より安定した清浄空気ゾーン、例えば、ケアを必要とする安静中の個体のパーソナル呼吸ゾーンを、ポイントオブケアで生成する。
ポイントオブケアの幾何学的中心点の高さでポイントオブケアを包含することとは別に、TLAにより生成される清浄空気ゾーン、例えばケアを必要とする安静中の個体のパーソナル呼吸ゾーンは、上記空気処理装置の空気出口から提供されることにより、ポイントオブケアの幾何学的中心点の高さにおいて、上記空気処理装置の空気出口とポイントオブケアとの間の、一定体積の空間をも包含することになる。
先行技術の装置と比較して、本発明の装置は、TLAにより生成される清浄空気ゾーン、例えば、ケアを必要とする安静中の個体のパーソナル呼吸ゾーンの清浄性の向上、清浄空気の分配の改善、及びポイントオブケアの清浄空気ゾーンからの改善された空気の排出の両方を可能にする。これにより、ポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーンの安定性が大幅に向上し、例えば、ポイントオブケアで安静中のケアを必要とする個体の動きによってかき乱された場合に、ポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーンが回復するのにかかる時間が大幅に短縮される。更に、本発明の装置は、ポイントオブケアの幾何学的中心点の高さよりも下に、例えば床の高さから配置された空気入口空気に依存せず、したがって、先行技術の装置とは対照的に、効率的に機能するために床の高さでの熱成層に依存しない。全く反対に、本発明の装置は、空気の供給に基づいており、この空気は少なくとも部分的には、ポイントオブケアにおいて生成される清浄空気ゾーン、例えばパーソナル呼吸ゾーンの直近から、ポイントオブケアの幾何学的中心点の高さにおいて、又はそのすぐ上のいずれかで、排出されたものである。好ましい実施形態では、出口から提供される供給空気は、ポイントオブケアにおいて生成される清浄空気ゾーン、例えばパーソナル呼吸ゾーンの直近から、ポイントオブケアの幾何学的中心点の高さにおいて、又はそのすぐ上のいずれかで、排出される。
本発明による装置は、とりわけ以下の特徴によって特徴付けることができる。
1つ以上の空気入口(4)を、上記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近において、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上に、設けることにより、ポイントオブケア(2)に向かうTLA流として出口(10)から提供される供給空気が、上記装置(1)の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近から連続的に排出されること、
それらの装置が好ましくは、壁に取り付けられるか、かつ/又は、例えばベッドのヘッドボードなどに取り付け可能なスタンドに取り付けられること、
フィルタ(7)は、例えば平らなフィルタの形態で、フィルタチャンバ内に位置し、かつ簡単に交換可能であること、
清浄空気の供給を提供する手段は、インペラタイプの装置、例えばインライン・ターボ・インペラ(15)を含むこと、
それらの装置が、空洞のある有孔シート(27)の使用による騒音低減の向上に基づくものであること、
それらの装置が、例えば正弦波による、モータ制御に基づくものであること、
それらの装置が、例えばシリコンなどの、モータサスペンションに基づくものであること、
それらの装置が、例えば円筒形の、冷却用ヒートシンク構成(29)を含むこと、
それらの装置が、例えば1を超える成績係数(COP)を示す、ペルチェ構成(28)に基づくものであること、
それらの装置が、例えば赤外線カメラ(13)を用いてポイントオブケアでの個体の存在又は不存在を監視することによる、自動起動/停止に基づくものであること。
したがって、本明細書に開示されるTLA装置は、現実の状況において、空気がポイントオブケア(2)から、はるかに効率的に排出/排除させられることにより、本明細書に開示されるTLA装置の正しい動作が、それらのTLA装置の特定の配置にあまり依存しない点、及びこれらのTLA装置が、自己支援型の操作及びメンテナンスが行いやすいように設計されており、任意選択で、自動的な操作、監視、及び報告機能を提供するセンサ(13)と制御ユニットを装備する点で、上記の参照文献に開示される特定の先行技術の装置とは異なる。
本発明の性質及び利点の更なる理解は、本明細書の残りの部分及び添付の図面を参照することによって理解され得る。以下では、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
本発明による空気処理装置(1)の好ましい実施形態及び特定の使用法を示し、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)を含む。図示されている装置は、上記ポイントオブケア(2)に向かって、周囲空気(34)に対して空気温度差を有する、実質的に層流の、下降する、下向きの浄化空気流(36)を提供するように適合され、この空気温度差は、ポイントオブケア(2)において、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)において測定して、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)の周囲空気(34)よりも0.1~3°Cの範囲内で低い空気温度差である。上記装置は、 1つ以上の空気入口(4)と、 1つ以上の空気出口(10)であって、上記出口(10)のうちの少なくとも1つは、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)より上に位置し、上記実質的に層流の、下向きの浄化空気流(36)を放出するように適合された、1つ以上の空気出口(10)と、 1つ以上のフィルタ(7、図1には示されていない)と、 ファンアセンブリ(5、図1には示されていない)と、 上記供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、 ハウジング(6)と、を備える。 上記装置は、上記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つが、使用時に装置(1)によって、とりわけとりわけポイントオブケア(2)で生成される、上記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置していることと、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上に、かつポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、ポイントオブケア(2)の上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から距離R2のところに、位置していることであって、距離R2は、距離R1よりも大きいが、距離R1の2倍未満であり、距離R1は、ポイントオブケア(2)の上記清浄空気ゾーン(31)の同じ幾何学的中心点(37)から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の「外側境界」までの距離である、ことと、を更に特徴とする。また、図1に示される実施形態では、空気処理装置(1)は、上記ポイントオブケア(2)にて、安静時のケアを必要とする個体(3)からの身体対流を排除することで、上記ポイントオブケア(2)にて、安静時の上記個体(3)のための制御されたパーソナル呼吸ゾーンの形態で、上記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成することにより、上記ポイントオブケア(2)にて、上記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成するように適合されており、空気清浄空気ゾーン(31)から空気を排出するために、清浄空気ゾーン(31)の直近に配置された空気入口(4)は、図1に示される実施形態では、ポイントオブケアのすぐ上に配置されている。 本発明による空気処理装置(1)の実施形態を示し、とりわけ使用中の本発明による装置により生成される典型的な清浄空気ゾーン(31)に対する、空気入口(4)の配置を含む。したがって、図2aに示される実施形態は、 1つ以上の空気入口(4)と、 実質的に層流の、下向きの浄化空気流を放出するように適合された1つ以上の空気出口(10)と、 1つ以上のフィルタ(7)と、 ファンアセンブリ(5)と、 上記供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、 ハウジング(6)と、を備える。 本発明による空気処理装置(1)の実施形態を示し、とりわけ使用中の本発明による装置により生成される典型的な清浄空気ゾーン(31)に対する、空気入口(4)の配置を含む。したがって、図2bに示される実施形態は、 1つ以上の空気入口(4)と、 実質的に層流の、下向きの浄化空気流を放出するように適合された1つ以上の空気出口(10)と、 1つ以上のフィルタ(7)と、 ファンアセンブリ(5)と、 上記供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、 ハウジング(6)と、を備える。 フィルタの清浄な側(8)のみが周囲に露出するような様式で、ロック解除された水平、又はほぼ水平な姿勢にて、フィルタ(7)の交換を可能にする解放機構を備える、本発明による空気処理装置の一実施形態を示す。 本発明による空気処理装置の異なる実施形態を示し、装置をどのように用いて、ポイントオブケアで安静時の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成し得るか、が示されている。 本発明による空気処理装置の異なる実施形態を示し、装置をどのように用いて、ポイントオブケアで安静時の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成し得るか、が示されている。 先行技術の空気処理装置を示し、装置をどのように用いて、ポイントオブケアで安静時の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成し得るか、が示されている。 本発明による空気処理装置の異なる実施形態を示し、装置をどのように用いて、ポイントオブケアで安静時の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成し得るか、が示されている。 本発明による空気処理装置の異なる実施形態を示し、装置をどのように用いて、ポイントオブケアで安静時の個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成し得るか、が示されている。 本発明による装置の空気入口(4)への空気流の主方向ベクトル(primary direction vector)(38)の拡大図を示す。 装置の使用時に、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)で、とりわけポイントオブケア(2)に生成される、制御された清浄空気ゾーン(31)を安定的に維持する装置の能力に関して、先行技術の装置(AIR4、即ち、特許文献6に記載の装置)の性能を、本発明による装置(AIR5)の性能と比較して示す。示されたデータは、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)での、幾何学的中心点(37)からのさまざまな位置/距離(Φ/R)における、清浄空気ゾーン(31)の粒子清浄度を図で示したものであり、また、それぞれ、壁の隣に配置されたベッドの形態でのポイントオブケア(2)と、孤立した(free standing)ベッドの形態での孤立したポイントオブケア(2)の測定値の平均である。
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面、特に図4a1及び図4a2を参照して、本発明をより十分に記載する。しかしながら、本発明は、例えば図4c、図4d、及び図4eに示されるように、異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を十分で不足のないものとし、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。
本発明のTLA装置は、
ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上において、使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で、装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の直近に配置された、1つ以上の空気入口(4)と、
ポイントオブケア(2)の清浄空気ゾーン(31)の高さより上に位置し、実質的に層流の、下向きの空気流を放出するように適合された、1つ以上の空気出口(10)と、
1つ以上のフィルタ(7)と、
ファンアセンブリ(5)と、
供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、
ハウジング(6)と、を備えることを特徴とする。
本発明による装置によって、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)は、複数の状況で使用することができる。したがって、清浄空気ゾーン(31)を提供することは、例えばワークステーション(例えば作業テーブル)、ドラフトチャンバ/ヒュームフード、外科手術室、又は手術器具テーブルの状況において重要となり得る。
好ましい実施形態では、本発明のTLA装置は、安静時のケアを必要とする個体からの、身体対流を排除し、ポイントオブケア(2)にいる安静時の上記個体のために、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成するために用いられる。そのような実施形態では、本発明のTLA装置は、
ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上において、使用時に、ポイントオブケア(2)で、装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に位置する、1つ以上の空気入口(4)と、
ポイントオブケア(2)のパーソナル呼吸ゾーンの高さより上に位置し、実質的に層流の、下向きの浄化空気流(36)を放出するように適合された、1つ以上の空気出口(10)と、
1つ以上のフィルタ(7)と、
ファンアセンブリ(5)と、
供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、
ハウジング(6)と、を備えることを特徴とする。
本発明の文脈において、ケアを必要とする個体は、ケアを必要とする任意の種類の個体であると理解されるべきである。即ち、ケアを必要とする上記個体は、ヒトなどの哺乳動物であってもよいし、又は鳥、爬虫類、両生類、若しくは無脊椎動物などの任意の他の動物であってもよい。
本発明の文脈において、使用時の本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)は、少なくともポイントオブケア(2)において、混合した、汚染された周囲空気を、実質的に含まないものと理解されるべきである。したがって、本発明による空気処理装置の出口(10)から供給される処理済み空気のゾーンは、ポイントオブケア(2)で、空中浮遊微粒子数(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の95%超の減少、例えば、99.5%の減少をもたらすことができ、典型的には、使用時にポイントオブケア(2)で、空中浮遊微粒子数の少なくとも75%超の減少をもたらす。特定の好ましい実施形態では、周囲空気中に存在する0.5μm以上の粒子の95%超が、使用時の本発明による空気処理装置の出口(10)から供給される処理済み空気から除去される。特に好ましい実施形態では、本発明による空気処理装置は、先行技術の装置について同様に報告されている性能の通り、出口(10)から空気を供給し、これにより、清浄空気ゾーン(31)、例えばパーソナル呼吸ゾーンを生成し、清浄空気ゾーン(31)では、猫アレルゲン濃度は、30分の1に減少し、呼吸ゾーンの総微粒子暴露量は、0.5μm超の粒子については3000分の1、10μm超の粒子については3700分の1に減少する。したがって、使用時に、ポイントオブケア(2)におけるペットの鱗屑(主に5μm未満)及びイエダニ(10μm超)などの空気アレルゲンへの暴露を効果的に減らす。
上記のように、上記TLAにより生成される清浄空気ゾーン(31)、例えばパーソナル呼吸ゾーンは、上記空気処理装置の空気出口(10)から提供されることにより、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)においてポイントオブケア(2)を包含することとは別に、上記空気処理装置の空気出口(10)とポイントオブケア(2)との間の一定体積の空間をも包含することになる。
したがって、本発明の文脈において、本発明による空気処理装置によって生成される上記TLAによる清浄空気ゾーン(31)、例えばパーソナル呼吸ゾーンによって占有される空間の上記体積の「外側境界」は、上記空気処理装置の空気出口(10)と、使用時に、空気中の空中浮遊微粒子(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の数のレベルが、周囲空気と比較して少なくとも75%減少する、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)との間の空間内の個別の点によって画定される「表面」であると理解されるべきである。特定の好ましい実施形態では、「外側境界」は、上記空気処理装置の空気出口(10)と、使用時に、周囲空気と比較して、0.5μmより大きい粒子の少なくとも95%、例えば0.5μmより大きい粒子の99.5%が除去される、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)と、の間の空間内の個別の点によって画定される「表面」であると理解されるべきである。特に好ましい実施形態では、「外側境界」は、上記空気処理装置の空気出口(10)と、使用時に、猫アレルゲン濃度が30分の1に減少し、呼吸ゾーンの総微粒子暴露量が0.5μm超の粒子について3000分の1、10μm超の粒子について3700分の1に減少する、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)と、の間の空間内の個別の点によって画定される「表面」であると理解されるべきである。
上記によれば、本発明による空気処理装置によって生成される上記TLAによる清浄空気ゾーン(31)、例えばパーソナル呼吸ゾーンは、本発明の文脈では、上記空気処理装置の空気出口(10)と、使用時に、空中浮遊微粒子(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の数のレベルが、周囲空気と比較して少なくとも75%減少する、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)と、の間の特定体積の空間内の空気であると理解されるべきである。特定の好ましい実施形態では、TLAによる清浄空気ゾーン(31)は、上記空気処理装置の空気出口と、使用時に、周囲空気と比較して、0.5μmより大きい粒子の少なくとも95%が除去される、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)と、の間の特定体積の空間内の空気であると理解されるべきである。特に好ましい実施形態では、TLAによる清浄空気ゾーン(31)は、上記空気処理装置の空気出口(10)と、使用時に、猫アレルゲン濃度が30分の1に減少し、呼吸ゾーンの総微粒子暴露量が0.5μm超の粒子について3000分の1、10μm超の粒子について3700分の1に減少する、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)と、の間の特定体積の空間内の空気であると理解されるべきである。
上記によれば、ポイントオブケア(2)において本発明による空気処理装置によって生成される上記清浄空気ゾーン(31)、例えばパーソナル呼吸ゾーンの「外側境界」は、ポイントオブケアの高さ(35)において、最短距離R1として定義されるものと理解されるべきであり、この最短距離R1は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における他の点であって、使用時に、空中浮遊微粒子(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の数のレベルが、周囲空気と比較して少なくとも75%減少する点まで、の距離である。特定の好ましい実施形態において、「外側境界」は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における他の点であって、使用時に、周囲空気と比較して、0.5μmより大きい粒子の少なくとも95%が除去される点まで、の最短距離R1として理解されるべきである。特に好ましい実施形態では、「外側境界」は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における他の点であって、使用時に、猫アレルゲン濃度が30分の1に減少し、呼吸ゾーンの総微粒子暴露量が0.5μm超の粒子について3000分の1、10μm超の粒子について3700分の1に減少する点まで、の最短距離R1として理解されるべきである。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の寸法、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、その「外側境界」までの、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、その幾何学的中心点(37)からの距離R1などは、全体的であれ、部分的であれ、好ましくはmmで定義される。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「外側境界」までの、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、その幾何学的中心点(37)からの距離R1は、好ましくは150mm以上であり、200mmなど、例えば250mm、300mmなど、例えば350mm、400mmなど、例えば450mm、500mmなど、例えば550mm、600mmなど、例えば650mm、700mmなど、例えば750mmである。
本発明の特に好ましい実施形態では、とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「外側境界」までの、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、その幾何学的中心点(37)からの距離R1は、300mm以上であり、400mmなど、例えば450mm、500mmなど、例えば550mm、600mmなど、例えば650mm、700mmなど、例えば750mmである。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」によって画定される「表面積」のサイズは、全体的であれ、部分的であれ、好ましくはmm2で定義される。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成される上記TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」によって画定されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の「体積」は、全体的であれ、部分的であれ、好ましくはmm3で定義される。
本発明による空気処理装置によって生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)は、3次元(例えば、x、y、及びz)における「表面」を有する任意の形態をとってよい。
本発明の好ましい実施形態では、本発明による空気処理装置によって生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)で、比較的大きい平らな面を有する形状を有することになる。この平らな面は、上記清浄空気ゾーン(31)の上側ベースとも呼ばれる空気処理装置の空気出口(10)の平面との比較から、上記清浄空気ゾーン(31)の下側ベースとも呼ばれる。上記形状の全体「表面」は更に、並んで交差する面によって画定されることになる。
本発明による空気処理装置によって生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)に関連する幾何学的形状としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:
部分球体:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)にあるかどうかとは関係なく、幾何学的中心点(37)から実質的に等距離R1にある場合。
部分楕円体:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、球が、方向スケーリング(directional scaling)によって、又はより一般的には、アフィン変換によって変形させられることにより生成された点に実質的に対応する、と言える場合。このような状況では、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)において、とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の点のうち、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の点であって、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)より上にある点は、幾何学的中心点(37)から、幾何学的中心点(37)からの距離R1より大きいか、又は小さい、ある距離にあってもよい。
部分トーラス:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、3次元空間で、円を、その円と同一平面にある軸の周りに回転させることによって生成される点に実質的に対応すると言える場合。
円柱:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、サイズが等しいか又は異なる2つの平行な円形底面を結ぶ線によって生成される点に実質的に対応すると言える場合。
円錐:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、円形の底面と、一点で終端する湾曲した側面から生成される点に実質的に対応すると言える場合。
ピラミッド:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、多角形(例えば、三角形又は正方形)の底面と、一点で終端する三角形の側面から生成される点に実質的に対応すると言える場合。
角柱:とりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の「表面」上の各点が、2つの合同で平行な面から生成される点に対応すると言える場合、例えば、直角プリズム、三角柱、八角柱、又は六角柱の形態。
上記の形状のうちのいずれかの組み合わせ。
本発明による好ましい実施形態では、本発明による空気処理装置によって生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)は、部分球体又は部分楕円体に実質的に対応する「表面」を有する形状をとってもよい。
ある特定の好ましい実施形態、例えば部分球体又は部分楕円体では、本発明に従ってとりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の1つの次元、例えばxは、生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の他の2つの次元、例えばy及びzと比較して、相対的に小さくてもよい。また、ある特定の好ましい実施形態、例えば部分球体又は部分楕円体では、本発明に従ってとりわけポイントオブケア(2)で生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の次元のうちの1つ、例えばyは、他の2つの次元、例えばx及びzと比較して、相対的に大きくてもよい。
既に上で述べたように、本発明の装置は、使用時に、清浄TLA流の改善、清浄空気の分配の改善、及びとりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)からの清浄空気の排除/排出の改善の両方を可能とする。これにより、ポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーン(31)の安定性が大幅に向上し、例えば、ポイントオブケア(2)で安静中の、ケアを必要とする個体の動きによってかき乱された場合に、ポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーン(31)が回復するのにかかる時間、即ち、空中浮遊微粒子(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の数のレベルが、周囲空気と比較して少なくとも例えば75%減少した状況を再び確立するのにかかる時間、が大幅に短縮される。
したがって、本発明による装置の機能は、先行技術の装置と比べると、ポイントオブケア(2)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンに対する装置の特定の配置に、あまり依存しない。このことは、本発明による装置で得ることができるコンプライアンス、例えば治療コンプライアンスのレベルに、それ故、臨床効果に、先行技術の装置で得られるコンプライアンス、例えば治療コンプライアンスのレベルと比較して、有意な、よい影響を与える。それ故、先行技術の装置と比較して、本発明の装置は、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)に継続的に供給される清浄な空気が、ポイントオブケア(例えば、パーソナル呼吸ゾーン)から離れる方へ、全方向に自由に移動できない場合にも、効率性の限定を示し難い。即ち、本発明による装置は、ポイントオブケアから離れる全方向(即ち、ポイントオブケアを構成する領域をなす外周の周囲360°にわたる全方向)に、空気の妨げられない移動が困難である場合にも、機能を発揮することができる。結果として、本発明の装置は、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)に継続的に供給される清浄空気が、ポイントオブケア(2)、例えば、ケアを必要とする個体が安静中の休息場所(ベッドなど)の1つの側の方向にのみ、及び/又は、例えば、休息場所(ベッドなど)の足側端部の方向のみ、真に自由に移動できる(かつ、その側から排出され得る)ような状況においても、機能を発揮することができる。これは、装置の使用時に清浄空気ゾーン(31)を生成するために継続的に供給されるTLA流が、さもなければ、ポイントオブケア(2)から離れるように、ケアを必要とする個体が安静中の休息場所(ベッドなど)の頭側の端部の方向に移動することができない場合に、かつ/又はさもなければ、ポイントオブケア(2)から離れるように、休息場所(ベッドなど)の1つの側の方向に移動することができない場合に、例えば、休息場所(ベッドなど)が少なくとも1つの壁に沿って、又は隅に配置されている場合に、特に当てはまる。また、個体は大抵、休息場所の中又はその上で安静中のときに動いてしまい、場合によっては、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の境界の周辺付近に、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心(37)の高さ(35)における、清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、その「外側境界」までの距離R1に近いところに、個体の頭、それ故、例えば鼻及び口を置いてしまうことになる。このとき、もし壁が近くにあれば、先行技術のTLAシステムを用いた場合、ほとんどの状況で空気の清浄性が乱されるが、本発明による装置の場合は、ほぼ乱されないままである。
上記により必然的に、本発明の装置は、例えばベッドに横たわっている子供のために清浄空気ゾーン(31)を提供する場合に特に関連することになる。なぜなら、そうした状況において、さもなければ、使用時にポイントオブケア(2)において装置によって生成することが意図される、清浄ゾーン(31)のサイズ及び清浄度の両方が、先行技術の装置で観察され得るものよりも、はるかに安定しているからであり、物体、例えば個体は、清浄空気ゾーン(31)の空気の清浄性を危険にさらすことなく、清浄ゾーン(31、幾何学的中心点37から距離R1以内)内で自由に動くことができ、又は動かされ得るからである。最後に、先行技術の装置と比較して、本発明の装置は、例えば、使用済みフィルタから物質がこぼれることによる清浄ゾーンの望ましくない汚染のリスクを伴わない、ユーザによるフィルタ交換など、標準的なメンテナンス手順を容易にするように設計されている。
また、ほとんどの先行技術の装置と比較して、本発明の装置の動作は、最適な性能を得るために、床の高さからの空気の入口に依存せず、したがって、先行技術の装置とは対照的に、床の高さでの熱成層に依存しない。正反対に、本発明の装置は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)での、又はそのすぐ上での、使用時にとりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近から排出される空気の供給のみに基づく。
本発明の文脈において、ポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーンの「直近」という表現は、(清浄空気ゾーンの)上記定義に沿った、当該空気処理装置によって、とりわけポイントオブケア(2)で生成される、清浄空気ゾーン(31)の寸法に従って定義されているものと理解されるべきである。したがって、本発明の文脈において、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」とは、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、使用時にポイントオブケア(2)にて、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から距離R2のところに配置された点として定義されるものと理解されるべきであり、この距離は、上で定義したような、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(35)の高さ(35)における、同じ幾何学的中心点(37)から、使用時にポイントオブケア(2)において、本発明による空気処理装置によって生成される上記清浄空気ゾーン(31)、例えば、パーソナル呼吸ゾーンの「外側境界」(即ち「表面」)までの距離、即ちR1よりも大きいが、R1の2倍未満である。したがって、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」とは、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)にて、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から距離R2のところに配置された点として定義されるものと理解されるべきであり、この距離は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、空中浮遊微粒子(即ち、2.5μm以下の粒子状物質粒子)の数のレベルが、周囲空気と比較して少なくとも75%減少する他の点までの最短距離、即ちR1よりも大きいが、R1の2倍未満である。特定の好ましい実施形態では、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」とは、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、周囲空気と比較して、0.5μmよりも大きな粒子の少なくとも95%が除去される他の点までの最短距離、即ちR1よりも大きいが、R1の2倍未満である、距離R2として理解されるべきである。特に好ましい実施形態では、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」とは、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、猫アレルゲン濃度が30分の1に減少し、呼吸ゾーンの総微粒子暴露量が0.5μm超の粒子について3000分の1、10μm超の粒子について3700分の1に減少する他の点までの最短距離、即ちR1よりも大きいが、R1の2倍未満である、距離R2として理解されるべきである。
上記によれば、装置の使用時に、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」という表現は、本発明の文脈においては、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、使用時にポイントオブケア(2)にて、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から距離R2のところに配置された点として理解されるべきであり、この距離R2は、距離R1よりも大きいが、距離R1の2倍未満であり、距離R1は、上で定義したように、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、同じ幾何学的中心点(37)から、使用時にとりわけポイントオブケア(2)において、本発明による空気処理装置によって生成される上記清浄空気ゾーン(31)、例えば、パーソナル呼吸ゾーンの「外側境界」(即ち「表面」)までの距離である。
即ち、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の「直近」という表現は、本発明の文脈では、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)において、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)からの距離R2を定義するものとして理解されるべきであり、距離R2は、2*R1>R2>R1として定義され得る。
本発明の装置は、実質的に層流の、下降する、下向きの浄化空気流を、例えばケアを必要とするユーザ若しくは個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーン、又は別のポイントオブケア(2)に向かって、又はその中へと提供するように適合されており、ケアを必要とする個体のパーソナル呼吸ゾーンの高さ、又はポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)で測定した、供給された空気の空気温度と周囲空気の空気温度には差があり、この空気温度の差は、パーソナル呼吸ゾーン又はポイントオブケアの高さで周囲空気よりも0.1~3°Cの範囲内で、例えば0.3~1°C、又は0.5~0.8°C、低温となるように維持される。
1)少なくとも1つの空気入口(4)を、ポイントオブケア(2)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近、即ち、例えばポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)にて、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、2*R1>R2>R1として定義し得る、距離R2のところに配置することと、2)少なくとも1つの空気出口(10)を、ポイントオブケア(2)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの幾何学的中心点(37)の高さ(35)のすぐ上に、配置すること、により達成される技術的効果は、これにより、ポイントオブケア(2)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの幾何学的中心点(37)の高さ(35)における周囲空気よりも、0.1~3°C、例えば0.3~1°C、又は0.5~0.8°C、低温の、求められる温度を有する清浄空気の、明瞭に画定された、より安定なゾーンが生成されることである。それ故、先行技術の装置と比較して、本発明による装置は、清浄空気流の改善、清浄空気の分配の改善、及びポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーンからの空気排出の改善の両方を可能とする。これにより、とりわけポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーン(31)の安定性が大幅に向上し、例えば、物体、若しくはポイントオブケアで安静中のケアを必要とする個体、又はその動きによってかき乱された場合に、とりわけポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーン(31)が、回復するのにかかる時間が大幅に短縮される。
上述の効果が、ポイントオブケア(2)において装置によって生成される、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に1つ以上の空気入口(4)を配置すること、即ち、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)において本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、2*R1>R2>R1と定義し得る、距離R2のところに、1つ以上の空気入口(4)を配置すること、によって得られるということは、は非常に驚くべきことであり、先行技術で利用可能な科学的証拠の評価により、事前に予測可能なものではなかったであろう。
実際のところ、先行技術で利用可能な科学的証拠の評価に基づけば、アプリオリに合理的に引き出すことができた唯一の合理的な推論は、ポイントオブケア(2)において装置によって生成される、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に1つ以上の空気入口(4)を配置すれば、即ち、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)において本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、2*R1>R2>R1と定義し得る、距離R2のところに、1つ以上の空気入口(4)を配置すれば、清浄空気ゾーン(31)の有害な擾乱を引き起こすであろう、というものであったと考えられる。それ故、1つ以上の空気入口(4)を、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に、即ち、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、とりわけポイントオブケア(2)において本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から、2*R1>R2>R1と定義し得る、距離R2のところに、また、好ましい実施形態では、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)の高さに、又はそのおよそ5~30センチメートル上に、それらがあるように、配置すれば、そして更には、上記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つへの、空気流の主方向ベクトル(38)(図4e参照)が、上記制御された清浄空気ゾーン(31)から排除/排出されている空気の主方向ベクトル(39)に対して、90°以上かつ270°以下の角度になるように配置すれば、清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの完全性がかき乱されなくなるどころか、実際にはむしろ強化される、という本発明の重要な発見は、非常に驚くべきことである。即ち、入口(4)は、好ましい実施形態では、主に、ある空間体積にのみ面するように配置され、その大部分は、装置の作動中に上記制御された清浄空気ゾーン(31)からの空気が排除/排出(39)されている、その空間体積と比較して、90°以上かつ270°以下、例えば180°の角度にある。
本発明による装置では、供給空気の少なくとも一部は、周囲から、空気入口(4)を通して、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)で、又はそのすぐ上のどちらかで、排出される。好ましい実施形態では、供給空気は、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近から、かつポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)のすぐ上で排出される。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近に1つ以上の空気入口(4)を配置するとは、上で定義したR1が300mmに等しい場合、1つ以上の空気入口(4)が、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、ポイントオブケア(2)に中心がある球体の幾何学的中心点(37)から、300mm超かつ600mm未満のところに配置されることを意味するものと解釈されるべきである。即ち、上で定義したR1が300mmである場合、上で定義したR2は、600mm>R2>300mmとなる。
本発明の文脈において、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の直近に1つ以上の空気入口(4)を配置するとは、上で定義したR1が300~500mmである場合、1つ以上の空気入口(4)が、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、ポイントオブケア(2)に中心がある球体の幾何学的中心点(37)から、それぞれ300mm超~500mm超のところに配置されることを意味するものと解釈されるべきである。即ち、上で定義したR1が300mm超~500mm超の範囲である場合、上で定義したR2は、1000mm>R2>300mmとなる。
本発明の文脈において、使用中の装置によって生成される、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンのポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上に、1つ以上の空気入口(4)を配置するとは、1つ以上の空気入口(4)が、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)におけるポイントオブケア(2)に中心を有し、清浄空気ゾーン、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンを画定する球体の幾何学的中心点(37)よりも、およそ2~50センチメートル、例えば3~45センチメートル(例えば、およそ25センチメートル)、即ち3~45センチメートル、例えば4~40センチメートル(例えばおよそ30センチメートル)、即ち5~35センチメートル、例えば10~25センチメートル(例えば、およそ10~20センチメートル)上に配置されることを意味すると解釈されるべきである。好ましい実施形態では、1つ以上の空気入口(4)は更に、これらの空気入口(4)への、空気流の主方向ベクトル(38)(図4e参照)が、装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)から排除/排出される空気の流れの主方向ベクトル(39)に対して、それから、90°以上かつ270°以下の角度の方向に生じるように、配置されることになる。例えば、図4a1及び4a2に示される実施形態の場合、1つ以上の空気出口(10)が配置された装置の側と比べた装置の反対側に、1つ以上の入口(4)を配置することによって、使用時に装置(1)によって生成される、上記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置する、上記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つへの空気流の主方向ベクトル(38)が、上記制御された清浄空気ゾーン(31)から排除/排出される空気の主方向ベクトル(39)に対して、90°以上かつ270°以下の角度となることを確保している。
非常に驚くべきことに、入口(4)が上記に従って構成/配置される場合、本発明による空気処理装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の安定性に、実質的に影響がないことがわかっている。したがって、当業者は、出発点として、空気入口(4)をTLAによる清浄空気ゾーンの直近にて、とりわけポイントオブケア(2)で生成される清浄空気ゾーン(31)の清浄TLA流の一般又は主方向ベクトルとの比較において、非対称であると認識されるはずの位置に、配置することはなかったであろう。なぜなら、このように空気入口(4)を配置すれば、出発点として、清浄空気ゾーン(31)への清浄空気の供給の流れの方向に著しく影響を与えると予想されたと考えられるからである。しかしながら、この幾分非対称な空気入口(4)の配置と、清浄空気ゾーン(31)へのTLA流として供給される(周囲空気と比較して)より低温の空気の幾分高い密度との組み合わせにより、ポイントオブケア(2)での清浄な空気のTLA流の一般及び主方向ベクトルを維持できること、及び、同時に、さもなければ、例えば、ヘッドボード又は壁の近くで留められて、蓄積することにより、乱流又はその他の清浄空気ゾーン(31)に対する擾乱を引き起こす可能性がある空気を、ポイントオブケア(2)から効果的に排出/排除できること、の両方が、明らかに保証される。理論に束縛されることを望むものではないが、この驚くべき発見の背後にある現在の仮説は、吹き出しは、関連するTLAの流れから多少離れた場所で行われたとしても、温度制御された層状空気(TLA)の流れをかき乱す効果を及ぼし得る一方で、吸引(又は、おそらく、むしろ空気の排出)によるかき乱し効果はずっと目立たないものである、というものである。これはまた、本発明による装置について、たとえ1つ以上の空気入口(4)が、装置の使用時に生成される、清浄空気ゾーン(31)、例えば、制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に配置されていても、1つ以上の空気入口(4)が、空気入口(4)への、空気流の主方向ベクトル(38)(図4e参照)が、装置の直近にてパーソナル呼吸ゾーンから排除/排出される空気の主方向ベクトルに対して、90°以上かつ270°以下の角度の方向に生じるように、配置された場合(例えば、図4a1、図4a2、図4c、図4d、及び図4eに示される実施形態の場合、1つ以上の空気出口(10)が配置された装置の側と比べた装置の反対側に、1つ以上の入口(4)を配置することによって、使用時に装置(1)によって生成される、上記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置する、上記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つへの空気流の主方向ベクトル(38)(図4e参照)が、上記制御された清浄空気ゾーン(31)から排除/排出される空気の主方向ベクトル(39)に対して、90°以上かつ270°以下の角度となることを確保している)には、1つ以上の空気入口(4)が特に、清浄空気ゾーン(31)に悪影響を与え難いこと、が観察される理由の一部であるかもしれない。
また、本発明者らは現時点では、本発明による装置の1つ以上の空気入口(4)及び1つ以上の空気出口(10)の相対的な配置(ポイントオブケアに対するそれらの配置など)が実際のところ、先行技術の装置と比較して、吸気口(4)が清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に配置されていることから、本発明による空気処理装置によって生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)の詳細、及び特に安定性が、ある程度は、これらの入口(4)の配置、及び出口(10)の配置の両方によって決定されることになる、という意味において、とりわけポイントオブケアで生成される、TLAによる清浄空気ゾーン(31)を、効果的に安定化させているものと推測している。対照的に、先行技術の装置によって生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)の詳細/安定性は、主な又は唯一の要因でなくても、第一には、出口(10)の配置によって決定される。
より安定して使用できること以外にも、この特徴に関連する、いくつかの他の利点がある。1つは、例えば床の高さからの空気の取り込み(先行技術など)ではなく、ポイントオブケア(2)からの空気の再循環であることから、こうして生成される、明瞭に画定された清浄空気ゾーン(31)が、長時間の動作中に、ますます清浄になっていくであろう、ということである。更に、空気入口が床の高さにある場合と比べると、入口(4)が生成される清浄ゾーン(31)に近接して配置されている場合には、入口空気は周囲空気と混合され難くなるであろう。これにより、例えば冷却に関して、空気清浄装置の全体的な効率が向上するとともに、フィルタの寿命(7)が延びる。これによりひいては、装置のサービスフリーでの動作期間が延びる。なぜなら、フィルタ(7)は装置の中で最も寿命が短い部品だからである。別の利点は、装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の空気を、周囲温度より低い任意の所与の温度に冷却するために必要とされる全体的な電力消費が、時間の経過とともに減少することである。これは、動作中は、再循環した空気が継続的に所望の温度まで冷却されることになるためである。
本発明による装置で使用されるフィルタ(7)は、好ましくは、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)であり、好ましくは、ポイントオブケアにおいて、0.5um超のサイズの粒子を、少なくとも75%、少なくとも85%、若しくは少なくとも95%、又は、必要な場合にはそれ以上、除去できるフィルタである。他の実施形態では、ポイントオブケア(2)で望ましくない粒子又はガスを除去するように適合された、任意の適切な濾材又は装置を使用してもよい。例えば、グラスファイバー及び/若しくはポリマー繊維フィルタ、静電フィルタ、若しくはハイブリッドフィルタ(即ち、入ってくる粒子及び/又は濾材を帯電させる)、又は放射法(即ち、紫外線)、又は化学法及び/若しくは流体法、又は活性炭フィルタ、又は他の種類のフィルタの任意の組み合わせなど。
本発明による装置の日常的な操作は、1つ以上のフィルタ(7)をフィルタ区画に組み込むことによって更に改善することができる。装置の前面からフィルタ区画を取り外すことにより、その中に、フィルタ(7)を挿入又は交換することができる。図3を参照されたい。
更なる実施形態では、本発明のTLA装置は、区画が装置から取り外された/分離されたとき、フィルタ区画内のフィルタ(7)の最も外側が下を向くように、解放機構により装置から取り外す/分離することができるフィルタ区画を含んでもよい。図3を参照されたい。これにより、フィルタの最も外側を下向きにする一方で、フィルタの清浄な側(8)が上を向いた状態で、フィルタ区画を水平姿勢にして、フィルタ区画内のフィルタ(7)を交換することが可能となる。そして、フィルタ(7)を交換する際、ユーザとポイントオブケアの両方は、フィルタ区画内に含まれている、収集されたアレルゲン及びほこりから保護されることになる。次いで、フィルタ区画をプラスチックバッグ(好ましくは、該当する場合、交換用フィルタを収容したプラスチックバッグ)に入れることができ、そのプラスチックバッグ内で、使用済みフィルタ(7)を、ある機構によって区画から解放してもよい。その後、フィルタ区画を、垂直の姿勢のままプラスチックバッグから取り出し、区画内に新しいフィルタ(7)を配置した状態で、装置に再度取り付けることができる。結果として、ユーザとポイントオブケアの、アレルゲン及びほこりに対する露出が最小限に抑えられる。これにより、本発明の特に好ましい実施形態では、フィルタ交換の際の、例えば就寝エリアなどの粒子汚染の可能性が大幅に低減される。
本発明によるTLA装置(1)の例、及びその可能な使用法が図1に示され、とりわけポイントオブケア(2)で生成されるTLAによる清浄空気ゾーン(31)が含まれている。図示されている装置は、上記ポイントオブケア(2)に向かって、周囲空気(34)に対して空気温度差を有する、実質的に層流の、下降する、下向きの浄化空気流(36)を提供するように適合され、この空気温度差は、ポイントオブケア(2)において、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)において測定して、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)の周囲空気(34)よりも0.1~3°Cの範囲内で低い空気温度差である。上記装置は、
1つ以上の空気入口(4)と、
1つ以上の空気出口(10)であって、上記出口(10)のうちの少なくとも1つは、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)より上に位置し、上記実質的に層流の、下向きの浄化空気流(36)を放出するように適合された、1つ以上の空気出口(10)と、
1つ以上のフィルタ(7)と、
ファンアセンブリ(5)と、
上記供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、
ハウジング(6)と、を備える。
上記装置は、上記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つが、使用時に装置(1)によって、とりわけポイントオブケア(2)で生成される、上記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置していることと、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上に、かつポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、ポイントオブケア(2)の上記清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点(37)から距離R2のところに、位置していることであって、距離R2は、距離R1よりも大きいが、距離R1の2倍未満であり、距離R1は、ポイントオブケア(2)の上記清浄空気ゾーン(31)の同じ幾何学的中心点(37)から、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における、上記清浄空気ゾーン(31)の「外側境界」までの距離である、ことと、を更に特徴とする。また、図1に示される実施形態では、空気処理装置(1)は、上記ポイントオブケア(2)にて、安静時のケアを必要とする個体からの身体対流を排除することで、上記ポイントオブケア(2)にて、安静時の上記個体のための制御されたパーソナル呼吸ゾーンの形態で、上記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成することにより、上記ポイントオブケア(2)にて、上記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成するように適合されており、空気清浄空気ゾーン(31)から空気を排出するために、清浄空気ゾーン(31)の直近に配置された空気入口(4)は、図1に示される実施形態では、ポイントオブケアのすぐ上に配置されている。
図1から分かるように、TLA装置は好ましくは垂直取り付けされるように設計されており、したがって、装置は例えば壁に取り付けられてもよい。
ほとんどの実施形態では、本発明による装置の空気出口(10)は、使用時に装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の頂部付近、又は頂部に位置している。
空気入口(4)のうちの少なくとも1つを、使用時にとりわけポイントオブケア(2)において、装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の近くに、例えばパーソナル呼吸ゾーンの近くに、配置することにより、また、空気出口(10)を、ポイントオブケア(2)、例えば、パーソナル呼吸ゾーンの幾何学的中心点(37)の高さ(35)より上に配置することにより、達成される技術的効果により、たとえ壁又は隅に配置されている場合であっても、本発明の装置はなお、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における周囲空気よりも0.1~3°C、例えば0.3~1°C又は0.5~0.8°C低温の、求められる温度を有する、明瞭に画定された清浄空気ゾーン(31)を生成できる。
同時に、装置を、ポイントオブケア(2)、例えばユーザ/「ケアが必要な個体」の呼吸ゾーンの非常に近くに配置することにより、装置の機能に、ある制限が課せられる。その制限とは、ポイントオブケア(2)、例えばパーソナル呼吸ゾーンの幾何学的中心点(37)の高さ(35)における周囲空気よりも0.1~3°C、例えば0.3~1°C又は0.5~0.8°C低温の、求められる温度を有する、所望の明瞭に画定された清浄空気ゾーン(31)を、ポイントオブケア(2)、例えばユーザ/「ケアを必要とする個体」の非常に近くに配置する場合にふさわしくない騒音レベルを発生させることなく、生成可能でなければならない、ということである。
本発明による装置のいくつかの詳細は、使用時に特定の低騒音レベルを確保するのに役立ち得る。例えば、適用可能なフィルタ(7)、例えば0.5um超のサイズの粒子の少なくとも75%、少なくとも85%、又は少なくとも95%を除去できるフィルタ(7)は、生成される清浄空気ゾーンによって覆われる面積と比べて、相対的に大きなフィルタ面積を備えていてもよい。例えば、フィルタは、ポイントオブケア(2)において清浄空気ゾーン(31)によって覆われる面積の少なくとも2倍の濾材面積を有する。濾材の面積が大きいほど、動作に必要なフィルタ(7)にわたる空気速度と圧力の差が小さくなる。したがって、他の全ての条件が同じであれば、濾材の面積が大きければ、発生する騒音の低減に寄与することになる。特定の好ましい実施形態では、ポイントオブケア(2)で清浄空気ゾーン(31)によって覆われる面積はおよそ0.10mであってよく、一方で濾材の面積はおよそ2mであってよい。即ち、濾材の面積は、使用中の装置によってとりわけポイントオブケアで生成される清浄空気ゾーン(31)によって覆われる面積の20倍大きい。
更に、装置の送風機又はファンアセンブリ(5)に関連して、用い得るいくつかの特徴は、装置の効率を高め、したがって、使用中の汚染騒音レベル及びエネルギー消費を低減することに関するものであり得る。
一般に、例えば図2を参照すると、本発明によるTLA装置は、
空気入口(4)であって、空気流が、その空気入口(4)を通じてファンアセンブリ(5)に向けて送られ、ファンアセンブリ(5)は、少なくともファン(14)と外側ファンハウジング(18)を備える、空気入口(4)と、
上記外側ファンハウジングの出口部分と、を備えることになる。
本発明によるTLA装置の外側ファンハウジング(18)内に配置されたインペラ/ファン(14)は典型的には、混流(mixed flow)/ターボファン/インペラ(15)と、上記ファン/インペラを駆動するためのモータ(16)を備える。そして、上記モータ(16)及び混流ファン/インペラ(15)は、上記ファンアセンブリの外側ハウジングの出口部分への空気流を生成するように作動することになる。
本発明によるTLA装置のファンアセンブリは、通常、上記モータを作動させるための駆動回路も備え、この駆動回路は、プログラム可能な制御ユニットに接続されている。
本発明によるファンアセンブリは好ましくは、クローズドインペラ構造の形態の混流又はターボインペラ(15)を備えることを特徴とし、このクローズドインペラ構造は、上部と、底部と、インペラのブレード又はベーンによって、複数のサブチャンバに分割された内部インペラチャンバと、を有する。これにより、ファンアセンブリは、インペラとインペラハウスの間に効果的な空気圧シールを備えることが可能となる。本発明によるファンアセンブリの特に好ましい実施形態では、インペラとインペラハウスとの間の空気圧シール(24)は、ラビリンス式のエアシールの形態となる。
(インペラ出口での)高圧の空気が、吸引側(インペラ入口)に戻る方へ漏出することを防ぐ効率的な空気圧シールにより、本発明による空気清浄装置の効率は、大幅に高められるため、インペラをより低い1分当たりの回転数(rpm)で運転することが可能となり、それ故、動作中の装置の騒音が低減される。
以前のTLA装置とは対照的に、本発明による装置はとりわけ、1つ以上の空気入口(4)を、例えば床の高さではなく、例えば、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)において、ポイントオブケア(2)において装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの直近に配置することを特徴とする。
上述したように、当業者は出発点として、さもなければ使用時に装置によって生成される清浄空気ゾーン(31)の直近に、空気処理装置の空気入口(4)を配置することに関しては、いくぶん懐疑的であったと考えられる。なぜなら、このように空気入口(4)を配置すれば、装置の空気出口(10)から供給される清浄なTLA空気流の一般及び主方向ベクトルに大きな影響を与えるものと、アプリオリに予想されたであろうからである。
また、一般的に、例えば典型的なポイントオブケア(2)、例えばベッドのパーソナル呼吸ゾーンの高さの温度と比較して、床の高さの空気温度はより低いであろうと予想される。したがってまた、上記を別にしても、当業者であれば、空気入口(4)がポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)に、又はそのすぐ上にあることをとりわけ特徴とする本発明によるTLA装置が、既に公知の装置よりも効率的な空気の冷却を提供する、という点に関して、困難に直面するものと推測したであろう。特定の好ましい実施形態では、ヒートシンク(29)のフィンスタックは、供給空気として定めた空気の総量のうちの一部をカバーする、円の3/4のみをカバーしてもよい。空気の総量のうち、ヒートシンクを迂回する部分は、電子回路などの冷却に使用される。ターボインペラ又は混流インペラでは、インペラの、あるセクションの入口からの空気流は、インペラ出口の対応する箇所でインペラを離れる。
このような設計により、ヒートシンクの効率が向上することにより、動作中のエネルギー消費が減り、結果として動作中の騒音レベルが低下する。したがって、インペラの入口(吸気)側にヒートシンク(26/29)を配置することで、ヒートシンクにわたる空気流の分布が最適化され、空気抵抗が減少し、これにより、インペラに求められるrpmが抑制されて、騒音レベルが低減される。
動作中に生じる騒音レベルをより一層低減するために、本発明による空気処理装置の特定の好ましい実施形態では、ファンアセンブリの周りの様々な位置にヘルムホルツ共鳴器が取り付けられた、微細孔を設けた多数のパネル(27)の挿入を利用する。図2を参照されたい。
そのような微細孔を設けたパネルが存在することで、動作中に生じる騒音レベルが大幅に低減される。例えば、米国特許出願公開第20140271132(A1)号(Tyler)を参照されたい。
本発明による空気処理装置では多数の利用可能な温度調節要素を使用することができるが、熱電ペルチェモジュール(28)を含む温度調節システムを備える処理装置が、本発明の特に好ましい実施形態である。
ヒートパイプとヒートシンクはどちらも金属製であってよく、金属は、典型的には熱伝導性のよい合金、又は金属であり、アルミナ、銅、鋼、真鍮などからなる金属の群から選択される金属などである。
先行技術のTLA装置の更なる欠点は、公知の装置は半自動化されているに留まり、真に個体に合わせた動作ができないことである。この欠点を克服するために、本発明による空気処理は、プログラム可能な制御ユニットを備えることが好ましい。
好ましい実施形態では、本発明による空気処理装置は、プログラム可能な制御ユニットに結合された1つ以上のセンサ(又はカメラ)(13)を更に備え、これにより、周囲空気温度、出口空気温度、清浄空気ゾーン(31)の「表面」温度、及び、清浄空気ゾーン(31)内、例えばポイントオブケア(2)における個体の存在又は不存在、の検出及び監視が可能となる。
本発明によるTLA装置は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における周囲空気温度より、わずかだけ(0.1~3°C、例えば0.3~1°C、又は0.5~0.8°C)低い温度で、かつ清浄化空気の流れがすきま風として認識されないことが確保されるような下向きの速度で、清浄化空気を送達する必要がある。
したがって、本発明による空気処理装置は、少なくとも1つのセンサ又はカメラ(13)、例えばIRセンサのアレイ及び2つ以上の温度センサを備えていてよく、これらは、プログラム可能な制御ユニットに結合されており、ポイントオブケアで、例えば清浄空気ゾーン(31)の「表面」で、高精度、例えば±0.1°C以内の精度で表面温度を検出できる。このレベルの精度であれば、実際の環境で装置の電源を入れたときに、電源を切ったときと比較して、生成される清浄空気ゾーン(31)内で、温度低下の均等な分布が実際に達成されているかどうかを監視することが可能となる。このようにして、実際の環境で生成される清浄空気ゾーン(31)の機能をチェックすることができ、TLA清浄ゾーンの機能の妨げとなる擾乱(ファンからの空気流の乱流又は窓からのすきま風など)を検出することができ、可能であれば打ち消すことができる。この種のゾーン完全性テストが、システムが使用されていないとき、即ち清浄空気ゾーン(31)に何も配置されていない状況においてのみ、実行できる場合でも、使用場所に設置する際に、装置の機能性をチェック可能であろうし、技術者の立会いは不要である。
好ましくは、センサ又はカメラ(13)、例えばIRセンサのアレイ及び2つ以上の温度センサは更に、空気出口(10)で空気温度を検出してもよい。
1つ以上のセンサ又はカメラ(13)、例えばIRセンサのアレイ及び2つ以上の温度センサの組み合わせは、それらのセンサがプログラム可能な制御ユニットに結合されることにより、例えば、清浄空気ゾーン(31)における個体などの物体の有無、即ちケアを必要とするエンドユーザ/個体などが、例えば彼女又は彼のベッドなどのパーソナル呼吸ゾーンに居るかどうかといった、多くのパラメータの検出が可能であり、したがって、物体、例えば個体がポイントオブケア(2)に存在するときに、装置を動作中とすることが可能となる。この自動起動/停止機能によれば、ユーザが装置を起動及び停止する必要がないため、他の場合では例えば喘息などで大きな問題となる、全体的なコンプライアンス、例えば治療コンプライアンス(治療に対するアドヒアランス)が向上する。同時に、自動起動/停止機能は、全体的なエネルギー消費量を減らし、フィルタ交換の頻度を減らすことに貢献する。
特定の好ましい実施形態では、本発明による空気処理装置は、測定されたパラメータのいずれかの実際の測定値を、例えばインターネット経由で、適当な医療又は技術サービスの専門家に報告できる構成要素(例えば、WiFi装置又はGSMモジュール)を組み込んだものであってもよい。したがって例えば、本発明による空気処理装置は、例えば、装置が推奨に従って使用されているかどうかに関して、技術サービスの専門家、ケアを必要とする個体、及び/又は医療提供者に、通知を送信するようにプログラムされた、プログラム可能な制御ユニットを備えていてもよい。したがって、装置は、装置の適切な使用法に関する文書を提供するようにプログラムされていてもよく、これは、例えば健康保険の取り決めなど、特定の状況に関連して有利な場合がある。同様に、装置は、装置の技術サービスが必要な場合、又はフィルタ交換などのユーザ介入が必要な場合に、メッセージをサービス施設に自動的に送信するか、ユーザにプロンプトを提供するようにプログラムされていてもよい。
本発明は更に、本発明による空気処理装置の使用により、ケアを必要とする個体の制御されたパーソナル呼吸ゾーンを提供することにより、粒子状アレルゲンへの暴露に関連する症状を軽減する方法に関する。
図1は、本発明の空気処理装置(1)の実施形態、及びその使用を示す。装置は、例えば図示されているように壁(33)に取り付けられてもよいし、又は例えばベッドの頭側端部に取り付けられてもよい。
装置は、1つ以上の空気入口(4)であって、好ましくは、ポイントオブケア(2)で生成された清浄空気ゾーン(31)、例えば制御された呼吸ゾーンの中、又はその非常に近くに、即ちその近傍に、配置された、1つ以上の空気入口(4)と、フィルタと、ファンアセンブリと、空気出口(10/12)であって、実質的に層流の、下降する、下向きの浄化空気流を、ポイントオブケア(2)に向かって、例えば、ケアを必要とするユーザ又は個体(3)のパーソナル呼吸ゾーンへと、放出するように適合された、空気出口(10/12)と、を備える。
装置は、プログラム可能な制御ユニットに接続された1つ以上のセンサ(又はカメラ)(13)、例えば、IRセンサのアレイ及び2つ以上の温度センサを備えることが好ましい。この組み合わせにより、装置が、空気出口(10)から供給される空気と、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)における周囲空気温度と、の間の空気温度の差を検出することに加えて、1つ以上の他の特徴、例えば、パーソナル呼吸ゾーン内などにおける、装置から適切な距離での、ケアを必要とするユーザ/個体(3)の存在を検出することも可能となることが、確保される。
IRセンサのアレイ及び2つ以上の温度センサ、並びにプログラム可能な制御ユニットを組み合わせることで、真に自動化された装置制御への道が開かれ、これにより、便利で問題の生じない使用感が大幅に向上する。例えば、この装置は、ポイントオブケア(2)で物体、例えばベッドにいるユーザを検出し、それに応じて自動的に電源オン又はオフとなり得る。また、ユーザの睡眠パターン(一晩あたりの寝返りの数、睡眠の妨げ(disturbed sleep)など)を検出してもよい。また、IRセンサのアレイの感度が±0.1°C以内であるため、センサ/制御ユニットは、とりわけポイントオブケア(2)、例えばパーソナル呼吸ゾーンで生成される清浄空気ゾーン(31)の安定性を直接検出することもできる。この装置は、設置チェックを実行でき、この場合、装置の設置時に、生成される清浄空気ゾーン(31)の安定性がチェックされる。この利便性、即ちユーザが実施する設置テストは、例えば装置がポイントオブケア(2)に対して別の場所に移動された場合、又はポイントオブケアが部屋の別の位置へ移動された場合などに、設置のための技術者の訪問に取って代わり得る。更に、装置が、明瞭に画定された清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンを生成しているかどうかを継続的に制御し、清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンが、季節的な変動(冬場の冷たいすきま風、又は夏場の扇風機/エアコンの使用など)により、不安定になっている場合には、ユーザに警告を発するように装置をプログラムすることができる。警告又はレポートが、GSM(global system for mobile communications、又は同様の)モジュールを介して、装置からユーザ又はサービス技術者に自動的に送信されてもよい。インターネットへの接続を提供するWiFi又はBlueTooth装置で、GSMモジュールを補完又は置き換えてもよい。いずれの場合も、そのような通信機能は、スマートフォンなどの一般的なハンドヘルド装置への通信を提供する。これにより、装置自体への表示を回避することができる。
使用時に装置によって生成される、ポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーン(31)、例えば制御されたパーソナル呼吸ゾーンの中、又は、その近く、即ちその近傍に、空気入口(4)のうちの少なくとも1つが位置していることにより、清浄ゾーン(31)内及びその周辺からの汚染された空気の排出が改善される。清浄ゾーンを循環した空気は効果的に排出され(「使用済み空気」の排出)、これにより清浄空気ゾーン(31)の安定性は大幅に向上する。
先行技術のTLA装置、例えば特許文献4(Kristensson)に記載された装置の場合、室内におけるベッド、したがって装置の実際の位置が装置の機能にとって重要であることが分かっている。その理由は、壁及び/又は隅に停滞した空気のゾーンが発生し、清浄ゾーンの確立を制限したためである。本明細書に記載の新しい空気処理装置は、この制限を大幅に上回るものである。
先行技術の装置と比較して、本発明の装置は、清浄空気流の改善、清浄空気の分配の改善、及びポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーン(31)からの清浄空気排出の改善の両方を可能とする。これにより、ポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーンの安定性が大幅に向上し、例えば、ポイントオブケアで安静中のケアを必要とする個体の動きによってかき乱された場合に、ポイントオブケア(2)での清浄空気ゾーン(31)が、回復するのにかかる時間が大幅に短縮される。
本発明による空気処理装置の更なる利点は、それらが更に大幅に小型化され、壁(33)又は例えばベッドのヘッドレストに容易に取り付けられるように適合されていることである。
図2a及び図2bは、本発明による空気処理装置(1)の2つの実施形態を示し、使用中の本発明による装置により生成される典型的な清浄空気ゾーン(31)に対する、空気入口(4)の配置を含む。したがって、図2a及び図2bに示される実施形態は、
1つ以上の空気入口(4)と、
実質的に層流の、下向きの浄化空気流を放出するように適合された1つ以上の空気出口(10)と、
1つ以上のフィルタ(7)と、
ファンアセンブリ(5)と、
上記供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、
ハウジング(6)と、を備える。
本発明による装置の設計は、圧力降下を最小限に抑え、したがって、インペラの必要な回転速度を下げ、かつ他の動作中の騒音及び熱の発生源を減らすことを目的とする。これを実現するには、いくつかの設計上の特徴が役立つ。装置内の空気流路(20)の「空気の曲がり部」の数を最小限に抑えることにより、全体として圧力降下が抑制され、したがって騒音が低減される。また、騒音は、比較的大きな空気入口及びフィルタ面積を用いた動作により、空気速度を低く維持することで、圧力降下を小さく保つことによっても低減される。また、特別に設計されたファンアセンブリ(5)も、騒音のない動作に重要である。インペラ(27)の近くで、微細孔を設けたパネルを使用すると、更に騒音が低減される。
典型的には、本発明による装置は、1つ以上のセンサ及び/又はカメラ(13)、例えばIRセンサのアレイを備え、この1つ以上のセンサ及び/又はカメラ(13)は、プログラム可能な制御ユニットに結合され、±0.1°Cの精度で温度差を検出できる。適切なセンサは、最高で0.1°Cの非接触温度センシング精度を提供する、非接触高精度IRセンサのアレイであってもよい。
本発明による装置(1)における空気の流れは、ファン(送風機)アセンブリ(5)の動作によって生成される。騒音とエネルギー消費を低減するために、装置には特別に設計されたファンアセンブリ(5)が装備されている。図2に、アセンブリの実施形態が2つ示されている。アセンブリ内の空気の流れは、混流/ターボインペラ(15)の回転によって生成される。インペラの回転は、モータ(16)によって生成される。モータ(16)は、DCブラシレスモータ、又は装置の制御回路によって速度を変更できる任意の他の種類のモータであってよい。
ファン/インペラの動作により、入口(4)を介してアセンブリに流入し、インペラ(15)を通過してハウジング(25)に至る空気の流れが生じる。図示した実施形態では、ファンアセンブリ(5)は、温度調整システムを更に備え、この温度調整システムは、多数のヒートパイプ(30)を介して一組のヒートシンク(29)に接続された、例えば熱電ペルチェモジュール(28)を含む。温度調整システムは、インペラハウスハウジング(25)の上部に直接取り付けられ、ファンアセンブリの一体化部分を形成していてもよい。
効率を最適化し、それによって動作中に発生する騒音を低減するために、本発明による空気処理装置のファンアセンブリは、インペラ(15)とインペラハウス(25)との間に空気圧シール(24)を備える。ファンアセンブリによって発生する騒音は、ちょうど正弦波モータ制御のように、微細孔を設けたパネル(27)を使用することで更に低減でき、それがモータの周波数の外側であることを確保するインペラチューニングを適用してもよい。
本発明による空気処理装置の空気圧シールは、好ましくは、摩擦のないラビリンス式のシールに基づく。このラビリンスシールは、1段のラビリンス、即ち、1つの周方向溝にはめ込む1つの周方向フィンを含むシール(図2参照)であってもよいし、又は2段以上のラビリンスシールであってもよい。
実施例1
先行技術(即ち、特許文献6)によるTLA装置であるAIR4(図4b参照)と、本発明によるTLA装置であるAIR5(図4a1及び図4a2参照)と間で、統計計算を伴う誘発試験、及び「清浄ゾーン」の比較を行った。測定は、壁の隣に配置したポイントオブケア(2)、この場合はベッドと、孤立したベッド、即ち孤立したポイントオブケア(2)の両方で行われた。AIR4(先行技術)及びAIR5(本発明による)について、例えばΦ600mm(両側)において、以下の表に示す値は、壁の隣に配置されたベッドと孤立したベッドの測定値の平均である。
より具体的には、テストは2つの異なる構成で実行された。
第1の構成、いわゆる誘発試験では、ポイントオブケア(2)にいる、即ちベッド内にいる対象が清浄ゾーンをかき乱した状態で空気清浄度を測定し、かき乱しが行われた時点から始まる1分間の間、粒子測定を行った。粒子測定は更に、ポイントオブケア(2)の中心(37)でベッドに居る対象の額のすぐ上の高さで、清浄空気ゾーンの幾何学的中心点(37)で行われた。これらのテストでは、ポイントオブケア、即ちベッドは孤立していた。
第2の構成では、先行技術(即ち、特許文献6)によるTLA装置であるAIR4(図4b参照)と、本発明によるTLA装置であるAIR5(図4a1及び図4a2参照)とについて、ポイントオブケア(2)、即ちベッドを部屋の隅に配置して試験を行い、粒子測定を、清浄ゾーンの幾何学的中心点(37)で(この場合も、ポイントオブケア(2)の中心(37)のベッドに居る対象の額のすぐ上の高さで)、R=±100mm、±200mm、それぞれ±300mmの位置で、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)のすぐ上で行い、装置は動作させたまま(即ち、人が清浄空気ゾーンの幾何学的中心点(37)に居る状態のまま)であった。これらの試験は、ISO-14664-1:1999規格、クリーンルームと関連する管理された環境-パート1、に従って実施された。次に、ポイントオブケア(2)、即ちベッドを同じ部屋の反対側の隅に配置して、試験を繰り返した。
実際の粒子測定は、空気ゾーンの誘発が行われるのと同時に開始された。6秒後、0.5μm超の粒子の総数を読み取った。この総数は、即ち、0~6秒間に収集された粒子の総数であり、上の表では、「時間」の見出しの下に「6」として示されている。次の粒子の読み取りは、6~12秒間に対するものであり、これは、上の表などでは、「時間」の見出しの下に「12」として示されている。全ての測定で、最初の測定値「6」が基準値100%として使用された。したがって、後続の全ての測定値が、「6」で測定された基準値と比較したパーセンテージ値として報告されている。例えば、シリーズ1の場合、基準値は19000(100%)であり、次の「12」での測定値は、450/19000=0.024、即ち2%として計算されている。
誘発試験からの上記データ及び図5の結果により、本発明による装置であるAIR5は、たとえベッドが壁の隣に配置されていても、Φ600で99.5%超の清浄ゾーンを維持できることが示されている。先行技術による装置であるAIR4は、99.5%超を維持できず、特に壁の隣に置かれた場合には99.5%超を維持できない。加えて、これらのデータは、本発明による装置であるAIR5での総曝露量が、先行技術による装置であるAIR4での総曝露量よりも著しく低いことを示している。即ち、清浄ゾーンの誘発に関しては、1分の経過にわたる総曝露量が、本発明による装置であるAIR5では、先行技術による装置であるAIR4と比べて著しく低くなっている。
図5に示す結果は、ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)での、幾何学的中心点(37)からのさまざまな位置における、(測定時の周囲空気の清浄度と比較した)清浄空気ゾーン(31)の平均粒子清浄度を図で示したものであり、また、それぞれ、壁の隣に配置されたベッドの形態でのポイントオブケア(2)と、孤立したベッドの形態での孤立したポイントオブケア(2)の測定値の平均である。この試験により、本発明によるTLA装置であるAIR5(図4a1及び4a2参照)の機能性は、ポイントオブケア、例えばベッドが隅に位置するかどうかとは無関係である一方で、先行技術(即ち、特許文献6)によるTLA装置であるAIR4(図4b参照)の機能性は、そうではないということと、先行技術によるTLA装置であるAIR4は、ポイントオブケア、例えばベッドが隅に配置されている場合に、同様のレベルの空気清浄度を達成できないということ、が実証されている。
1 空気処理装置
2 ポイントオブケア
3 ポイントオブケアに存在する物体、例えば、ケアを必要とする人/個体
4 空気入口
5 ファンアセンブリ
6 装置のハウジング
7 フィルタ
8 フィルタの清浄な側
10 空気出口
12 出口空気
13 センサ又はカメラ
14 ファン
15 ターボ又は混流インペラ
16 モータ
18 ファンアセンブリのハウジング
19 空気流路に沿って流れる空気流から駆動回路を保護するパネル
20 空気流路
21 インペラチャンバの上部
22 インペラチャンバの底部
23 インペラのブレード又はベーン
24 空気圧シール
25 インペラハウス
26 部分円筒ヒートシンク
27 微細孔を設けたパネル
28 ペルチェモジュール
29 ヒートシンク
30 ヒートパイプ
31 清浄空気ゾーン
32 フィルタを含むハウジング
33 壁
34 周囲空気
35 ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ
36 浄化空気流
37 ポイントオブケア(2)における制御された清浄空気ゾーン(31)の幾何学的中心点
38 空気入口(4)を通る装置への空気流の主方向ベクトル
39 制御された清浄空気ゾーン(31)から排除/排出される空気流の主方向ベクトル

Claims (10)

  1. 制御された清浄空気ゾーン(31)をとりわけポイントオブケア(2)に生成するための空気処理装置(1)であって、前記空気処理装置は、前記ポイントオブケア(2)に向かって、周囲空気(34)に対して空気温度差を有する、実質的に層流の、下降する、下向きの浄化空気流(36)を提供するように適合され、前記空気温度差は、前記ポイントオブケア(2)において、前記ポイントオブケア(2)の幾何学的中心点(37)の高さ(35)において測定して、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)の前記周囲空気(34)よりも0.1~3°Cの範囲内で低い空気温度差であり、
    前記空気処理装置は、
    1つ以上の空気入口(4)と、
    1つ以上の空気出口(10)であって、前記空気出口(10)のうちの少なくとも1つは、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)より上に位置し、前記実質的に層流の、下向きの浄化空気流(36)を放出するように適合された、1つ以上の空気出口(10)と、
    0.5um以上のサイズの粒子を少なくとも75%除去可能な1つ以上のフィルタ(7)と、
    ファンアセンブリ(5)と、
    供給空気流の加熱又は冷却のいずれかを提供するように適合された、空気温度調整システムと、
    ハウジング(6)と、を備え、
    前記空気処理装置は、
    前記1つ以上の空気入口(4)のうちの少なくとも1つが、使用時に前記空気処理装置(1)によってとりわけ前記ポイントオブケア(2)で生成される前記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置していることと、
    前記1つ以上の空気入口(4)のうちの前記少なくとも1つが、
    前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)に、又はそのすぐ上に、かつ前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)における、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)から距離R2のところに、配置されていることであって、前記距離R2は、距離R1よりも大きいが、前記距離R1の2倍未満であり、前記距離R1は、前記ポイントオブケア(2)の同じ前記幾何学的中心点(37)から、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)における、空気中の空中浮遊微粒子数、即ち2.5μm以下の粒子状物質粒子のレベルが、前記周囲空気と比較して少なくとも75%減少する点までの距離である、ことと、
    前記1つ以上の空気入口(4)のうちの前記少なくとも1つへの、空気流の主方向ベクトル(38)が、前記装置の直近において前記制御された清浄空気ゾーン(31)から排除/排出されている空気流の主方向ベクトル(39)に対して、90°以上かつ270°以下の角度になるように配置されていることと、を更に特徴とする、空気処理装置(1)。
  2. 前記ポイントオブケア(2)にて、安静時のケアを必要とする個体からの身体対流を排除することで、前記ポイントオブケア(2)にて、安静時の前記個体のための制御されたパーソナル呼吸ゾーンの形態で、前記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成することにより、前記ポイントオブケア(2)にて、前記制御された清浄空気ゾーン(31)を生成するように適合された、請求項1に記載の空気処理装置(1)。
  3. 使用時に前記空気処理装置(1)によってとりわけ前記ポイントオブケア(2)で生成される前記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置する、前記1つ以上の空気入口(4)のうちの前記少なくとも1つは、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)における、前記ポイントオブケア(2)の前記清浄空気ゾーン(31)の前記幾何学的中心点(37)から、距離R2のところに位置し、前記距離R2は、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)における、前記ポイントオブケア(2)の前記制御された清浄空気ゾーン(31)の前記幾何学的中心点(37)から300mm超かつ600mm未満である、請求項1又は2に記載の空気処理装置。
  4. 使用時に前記空気処理装置(1)によってとりわけ前記ポイントオブケア(2)で生成される前記制御された清浄空気ゾーン(31)の直近に位置する、前記1つ以上の空気入口(4)のうちの前記少なくとも1つは、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)よりも5~50cm上に位置する、請求項1~3のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  5. 前記空気処理装置の前記ハウジング(6)の一部が取り外し可能であることにより、少なくとも1つのフィルタ(7)の挿入又は取り外しが可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  6. 前記空気処理装置は、壁取り付け用に設計されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  7. 前記空気処理装置(1)によって生成される前記制御された清浄空気ゾーン(31)の頂部、又は前記頂部の付近に、少なくとも1つの空気出口(10)が位置している、請求項1~6のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  8. ±0.1°C以内の精度で温度差を検出可能な高精度IRセンサのアレイの形態の、1つ以上のセンサ又はカメラ(13)を更に備え、前記1つ以上のセンサ又はカメラ(13)は、プログラム可能な制御ユニットに結合され、かつ前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)で、前記ポイントオブケア(2)の表面温度を検出可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  9. 前記ポイントオブケア(2)で前記制御された清浄空気ゾーン(31)に送達される空気の温度は、前記ポイントオブケア(2)の前記幾何学的中心点(37)の前記高さ(35)において、前記制御された清浄空気ゾーン(31)を取り囲む前記周囲空気(34)よりも、0.3~1°C、より好ましくは0.5~0.8°C低温である、請求項1~8のいずれか一項に記載の空気処理装置。
  10. ポイントオブケア(2)で安静中のケアを必要とする個体の身体対流を排除する方法であって、請求項2に記載の空気処理装置の使用を含む、方法。
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