JP2023550522A - 炭素/窒素結合を有するプロ有益剤化合物 - Google Patents

炭素/窒素結合を有するプロ有益剤化合物 Download PDF

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Abstract

炭素/窒素連結結合によって疎水変性アミノ酸などの疎水変性コアに結合した有益剤断片を含むプロ有益剤化合物であって、断片が、アルデヒド部分又はケトン部分を含む香料原料などの有益剤から誘導される、プロ有益剤化合物。関連する処理組成物、プレミックス組成物、並びにそのような組成物の製造方法及び使用方法。

Description

本開示は、炭素/窒素結合を有する特定のプロ有益剤化合物、関連する処理組成物、並びにそのような組成物を作製及び使用する方法に関する。プロ有益剤化合物は、疎水性変性アミノ酸から誘導されてもよい。
処理組成物の製造業者は、特定の有益剤に関連する送達効率及び/又は性能利益を改善する方法を絶えず求めている。プロ有益剤断片が切断可能又は加水分解可能な結合によって担体又は前駆体分子に結合され、次いで結合が破壊されたときに放出される、プロ有益剤化合物の使用は、有用な戦略であり得る。例えば、特定のアミン化合物は、プロ香料又はプロフレグランス技術の基礎であり得る。しかしながら、安定性及び/又は堆積プロファイルに関して改善の余地が残っている。
更に、消費者は、望ましい環境プロファイル又は持続可能性プロファイルに関連する材料を望む場合がある。
改善された送達、放出、及び/又は安定性プロファイルを提供するプロ有益剤化合物、並びにそのような化合物を含む処理組成物が必要とされている。また、このような処理組成物を製造及び使用する方法も必要とされている。
本開示は、炭素-窒素結合及び疎水性部分を含むプロ有益剤化合物に関する。
例えば、本開示は、プロ有益剤化合物に関し、化合物は、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含む炭素含有コアであって、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、ヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分は、5~34個の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、単結合又は二重結合である連結結合によってコアに結合した有益剤断片であって、連結結合は、炭素含有コアの窒素原子と有益剤断片の炭素原子との間にあり、単結合は、存在する場合、1,4-付加プロセスによって形成され、二重結合は、存在する場合、イミン結合の一部であり、連結結合が開裂すると、有益剤が放出され、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、有益剤断片とを含む。プロ有益剤化合物は、好ましくは疎水変性アミノ酸から誘導される。
本開示はまた、化合物が、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含む炭素含有コアであって、カルボニル基がアミド部分であるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分がカルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子が窒素であり、カルボニル含有部分がヘテロ原子に結合した1つ又は2つの疎水性部分を更に含み、1つ又は2つの疎水性部分が有機基であり、1つ又は2つの疎水性部分における鎖原子の総数(例えば、存在する場合、第2の疎水性部分における鎖原子の数に加えられた第1の疎水性部分における鎖原子の数)が5~34であり、好ましくは鎖原子が少なくとも1つのアルコキシレート基を形成する炭素原子又は炭素原子と酸素原子の混合物であり、より好ましくは鎖原子が炭素原子である、炭素含有コアと、単結合又は二重結合である連結結合によってコアに結合された有益剤断片であって、連結結合が、炭素含有コアの窒素原子と有益剤断片の炭素原子との間にあり、単結合が、存在する場合、1,4-付加プロセスによって形成されており、二重結合が、存在する場合、イミン結合の一部であり、連結結合が開裂すると、有益剤が放出され、有益剤が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、有益剤断片と、を含む、プロ有益剤化合物に関する。
本開示はまた、補助成分及び上記のようなプロ有益剤化合物を含む処理組成物に関する。
本開示はまた、前駆体化合物が炭素含有コアを含み、炭素含有コアが炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子(好ましくは第一級アミン基)、及びカルボニル基を含み、カルボニル基がエステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分がカルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子が酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分がヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分が5~34個の鎖原子を含む有機基である、プロ有益剤化合物と、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを有する有益剤と、を含むプレミックス組成物に関する。プロ有益剤前駆体及び有益剤は、任意に反応して、上記のようなプロ有益剤化合物を形成してもよい。プレミックス組成物において、プロ有益剤前駆体、有益剤、及び存在する場合にはプロ有益剤化合物の重量パーセントの合計は、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%であってもよい。
本開示は、本明細書に記載される処理組成物の製造方法に関する。本方法は、以下のうちの少なくとも1つを含んでもよい:(a)プロ有益剤化合物を補助成分と組み合わせる工程であって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部である工程と、(b)上記のプレミックス組成物を、好ましくはベース組成物の一部である補助成分と組み合わせる工程と、(c)プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を組み合わせる工程であって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤がそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加される工程と、を含む、方法。
本開示はまた、物品又は表面を処理する方法であって、任意に水の存在下で、本開示による処理組成物で物品又は表面を処理することを含み、任意にすすぎ及び/又は乾燥する工程を更に含む、方法に関する。
本開示は、変性アミノ酸から誘導され得るプロ有益剤化合物に関する。化合物は、アルデヒド又はケトン部分を含む、香料原料又は抗菌剤などの有益剤の断片又は残基を含んでもよい。本開示のプロ有益剤化合物において、有益剤断片又は残基は、イミン結合又は1,4-付加プロセスを介して形成される結合などの炭素/窒素結合である連結結合によって変性アミノ酸の窒素原子に結合される。理論に束縛されるものではないが、連結結合が(例えば、加水分解又は逆戻りによって)破壊されると、有益剤が放出されると考えられている。
更に、変性アミノ酸は、アミノ酸の酸末端に結合した有機基を含み、それによって、エステル基、アミド基、又はチオエステル基から選択され得るカルボニル含有基を形成する。有機基は、得られる化合物の全体的な疎水性を増加させるように選択されてもよく、これは、意図される標的表面又は物品へのプロ有益剤化合物の送達及び/又は付着を改善すると考えられる。
このようなプロ有益剤化合物、関連する処理組成物、及び関連する方法は、以下により詳細に記載される。
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」という用語とは、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の構成要素を含み得る、それらから本質的になり得る、又はそれらからなり得る。
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語を使用してもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能なレベルで存在しないことを意味する。それは、指示される材料が、意図的に含まれるその他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される材料は、存在したとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句とは、布地を処理するために設計された組成物及び製剤を含む。このような組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地軟化組成物、布地増強組成物、布地消臭組成物、洗濯前洗浄剤、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量製剤、遅延送達製剤、多孔質基材又は不織布シート上又は中に含まれる洗剤、及び本明細書の教示を考慮して当業者に明らかであり得る他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用することができ、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄サイクル中に添加することができる。
本明細書で使用される場合、「鎖原子」という語句は、水素原子を除く、示された基又は部分における全ての原子の合計を意味する。鎖原子は、直鎖配置、分岐配置、及び/又は環配置であってもよい。
別途注記がない限り、全ての構成成分又は組成物のレベルは、その構成成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような構成成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
本明細書における全ての温度は、別途指示がない限り、摂氏(℃)である。別途記載のない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で実施される。
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載されない限り、全ての比率は重量比である。
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、全てのより低い数値制限を、あたかもこのようなより低い数値制限が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことが理解されるべきである。本明細書の全体を通して示されている全ての最小数極限値は、それよりも高い全ての数値限定を、このようなより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、このような広い数値範囲内に入るあらゆる狭い数値範囲を、あたかもこのような狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように含む。
プロ有益剤化合物
本開示は、プロ有益剤化合物に関する。プロ有益剤化合物は、有益剤の断片(例えば、残基)を含む。有益剤は、酸素含有部分、すなわちアルデヒド部分又はケトン部分を含む。
好ましくは第1の有益剤断片である有益剤断片は、炭素/窒素連結結合によって担体分子(例えば、前駆体化合物)の窒素原子に結合している。連結結合は、1,4-付加プロセスによって形成される単結合であってもよい。連結結合は、イミン結合の一部である二重結合であってもよい。炭素/窒素結合が(例えば、加水分解によって)破壊されると、有益剤が放出される。有益剤の放出は、特に連結結合がイミン結合である場合、水又は熱、好ましくは水の存在などの任意の好適な機構によって引き起こされてもよい。
本開示のプロ有益剤化合物は、変性されたアミノ酸に由来してもよい。タンパク質構成アミノ酸は、天然に存在する傾向があるので、そのような化合物は環境的又は持続可能性の理由から魅力的であるので、好ましい出発物質であり得る。ほとんどの天然に存在するアミノ酸について、アミノ基に対してα位のステレオジェン炭素は、L配置を有する。D-アミノ酸は、天然に時折見出される。L-アミノ酸又はD-アミノ酸のいずれか、並びに混合物を使用することができるが、経済的要因により、より豊富なL-アミノ酸が好まれる可能性がある。関連して、生合成アミノ酸が好ましい場合がある。
出発アミノ酸は、アミノ酸のカルボン酸基を、(a)エステル化反応を介して有機基のアルコールと、(b)アミド化反応を介して有機基のアミンと、又は(c)チオエステル化反応を介して有機基のチオール基と反応させることによって疎水的に変性することができる。このような反応は、それぞれエステル、アミド、又はチオエステル連結基を生じ得る。それぞれがカルボニル含有部分基のタイプであるこのような連結基は、反応を容易にするために他のものと比較して好ましい場合がある。このようなカルボニル含有部分を用いて形成される化合物は、これらのタイプの基が経時的に及び/又は水の存在下で分解(例えば、加水分解)して、コア材料が例えば共通のアミノ酸に戻るままにすることができるので、環境上の理由から更に好ましい場合がある。
本開示は、プロ有益剤化合物に関し、化合物は、炭素含有コアであって、炭素骨格と、1つ以上の側基と、窒素原子と、カルボニル基とを含み、カルボニル基が、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分が、カルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子が、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分が、ヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分が、5~34個の鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、単結合又は二重結合である連結結合によってコアに結合された有益剤断片であって、連結結合が、炭素含有コアの窒素原子と有益剤断片の炭素原子との間に位置し、単結合が、存在する場合、1,4-付加プロセスによって形成されており、二重結合が、存在する場合、イミン結合の一部であり、連結結合が開裂(例えば、場合によっては加水分解によるものであり得る破壊)すると、有益剤が放出され、有益剤が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、有益剤断片と、を含む。
炭素含有コアは、炭素骨格を含む。炭素骨格は、カルボニル含有部分又は側基(存在する場合)の炭素を含まないと理解される。炭素骨格は、1~6個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子を含むことができる。質量効率の理由から、比較的少ない炭素原子が好ましい場合がある。特に、1個のみの炭素原子を含む骨格は、このような構造が天然に存在するタンパク質構成アミノ酸を示すため、好ましい場合がある。
炭素含有コアは、アミノ酸に由来し得る。好ましくは、コアはタンパク質構成アミノ酸に由来する。特に、天然由来又は生合成されたアミノ酸が好ましい場合がある。そのような材料は、環境的/持続可能性の理由から、及びそれらが妥当なコストで容易に入手可能である傾向があるので、好ましい場合がある。
少なくとも1つの側基は、水素又は好適な有機基、好ましくは水素又は1~約20個の鎖原子、好ましくは炭素原子を有する有機基から選択することができる。少なくとも1つの側基は、カルボキシル基、アミン基、チオール基、又はヒドロキシル基などの1つ以上の官能基を含んでもよい。少なくとも1つの側基は、直鎖又は分岐鎖であってもよい。少なくとも1つの側基はアリール環を含んでもよい。化合物は、好ましくは、1つのみの非水素側基(例えば、1つのみの有機基)を含んでもよい。化合物は、2つ以上の非水素側基を含んでもよい。少なくとも1つの側基は、好ましくは、タンパク質構成アミノ酸の側基を含む。炭素含有コアは、水素である少なくとも1つの側基と、有機基である少なくとも1つの側基とを含み得る。例えば、コアがグリシンに基づくか、又はグリシンから誘導される場合、全ての側基は水素であってもよい。
側基は、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、好ましくはバリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせ、より好ましくはバリン、フェニルアラニン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有し得る。その誘導体は、側基誘導体に結合している有益剤断片を含む置換を含んでもよい。
少なくとも1つの側基は、以下の群から選択される構造を有するメンバーを含むことができ、式中、「#」は、側基が炭素含有コアの炭素原子に結合している場所を表す。
炭素含有コアが、タンパク質構成酸の側基である構造を有する側基、好ましくは上の表から選択される側基を含む場合、残りの側基は水素であることが好ましい場合がある。
炭素含有コア(例えば、親アミノ酸)は、比較的疎水性の側基、例えば、カルボキシ基などの親水性官能基を含有しないものを含有することが好ましい場合がある。比較的疎水性の側基は、特に化合物が洗濯洗浄液などの水溶液中で送達される場合に、プロ有益剤化合物の標的表面への付着を容易にすると考えられる。
炭素含有コアが由来するタンパク質構成アミノ酸は、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよく、好ましくはバリン、フェニルアラニン、又はそれらの組み合わせである。これらのアミノ酸から誘導されるこのようなプロ有益剤化合物は、有益剤、特に香料原料を送達するのに、より具体的には洗濯用途において特に有効であることが見出されている。
本開示のプロ有益剤化合物は、疎水性部分(本明細書では単に「疎水性物質」と呼ばれることもある)を含む。この文脈において使用される場合、「疎水性」は、少なくとも1.3のlogPを有する有機基を記載することを意味し、ここで、logPは、有機基がアルコール、アミン、又はチオールから誘導されるかどうかにかかわらず、有機基の親アルコールについて決定される。例えば、疎水性部分が8個の炭素を有する直鎖基であり、疎水性物質の末端位置でカルボニル含有部分のヘテロ原子に結合している場合、logPは、疎水性部分がエステル結合、アミド結合、又はチオエステル結合を介してコアに結合しているかどうかにかかわらず、1-オクタノールのlogP値(この場合、logP=約3.0)に従って決定される(以下の表A参照)。疎水性部分(例えば、以下に記載されるようなQ基)は、少なくとも1.3、又は約2.8~約10.8、又は約3.0~約7.8、又は約5.0~約6.9のlogPによって特徴付けられ得る。疎水性部分(例えば、疎水性部分/Qの親アルコール)は、好ましくは、約1.6~約10、好ましくは約2~約8、より好ましくは約2.5~約8、更により好ましくは約2.5~約5のlogPによって特徴付けられ得る。
logPを決定するための方法は、以下の試験方法の節に見出される。
個々のPRMのlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.5(Linux(登録商標))を用いて計算される。
上記のように、疎水性部分は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分によって炭素含有コアに結合することができる。このようなカルボニル含有部分は、コアアミノ酸のカルボン酸末端を、適切な(疎水性)有機基の適切な官能基(例えば、アルコール、アミン、又はチオール)と反応させることによって形成され得る。疎水性部分をコアに結合するカルボニル含有部分は、例えば、アルコール前駆体の低コストのため、又は得られるエステルの有利な環境プロファイルのために、エステル部分であることが好ましい場合がある。
上記のように、疎水性部分は、5~34個の鎖原子、好ましくは炭素原子を含む有機基であってもよい。理論に束縛されるものではないが、鎖原子の特定の最小値は、基、したがって得られる化合物の相対的疎水性を増加させるのに有用であり、これは次に、堆積又は性能の増加を容易にするのに役立ち得ると考えられる。疎水性部分は、約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含む有機基であってもよく、更により好ましくは、鎖原子のほとんど又は更に全てが炭素原子である。鎖原子は、少なくとも1つのアルコキシレート基を形成する炭素原子又は炭素原子と酸素原子の混合物であることが好ましい場合がある。
カルボニル含有部分はアミド部分であることが好ましい場合がある。アミド部分は、安定性の理由から、及び/又は有益剤断片が抗菌剤の断片である場合に好ましい場合がある。そのような場合、化合物は、カルボニル含有部分の一部である1つ又は2つの疎水性部分を有し得る。理論に束縛されるものではないが、2つの疎水性部分は、比較的小さい場合であっても、化合物が1つのより大きな疎水性物質を有する場合と同様に機能するように、適切な程度の疎水性を提供することができると考えられる。
例えば、本開示は、炭素含有コアであって、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基がアミド部分であるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分がカルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子が窒素であり、カルボニル含有部分がヘテロ原子に結合した1つ又は2つの疎水性部分を更に含み、1つ又は2つの疎水性部分が有機基であり、1つ又は2つの疎水性部分における鎖原子の総数(例えば、存在する場合、第2の疎水性部分における鎖原子の数に加えた第1の疎水性部分における鎖原子の数)が5~34であり、好ましくは鎖原子が少なくとも1つのアルコキシレート基を形成する炭素原子又は炭素原子と酸素原子との混合物であり、より好ましくは鎖原子が炭素原子である、炭素含有コアと、単結合又は二重結合である連結結合によってコアに結合された有益剤断片であって、連結結合が、炭素含有コアの窒素原子と有益剤断片の炭素原子との間にあり、単結合が、存在する場合、1,4-付加プロセスによって形成されており、二重結合が、存在する場合、イミン結合の一部であり、連結結合が開裂すると、有益剤が放出され、有益剤が、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、有益剤断片と、を含む、プロ有益剤化合物に関する。1つ又は2つの疎水性部分における鎖原子の総数は、約8~約18個の鎖原子、好ましくは約8~約14個の鎖原子であってもよい。カルボニル含有部分は、ヘテロ原子に結合した2つの疎水性部分を含むことができ、これは安定性の理由から好ましい場合がある。ヘテロ原子に結合した2つの疎水性部分の少なくとも1つは、少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個の鎖原子を含む。ヘテロ原子に結合した2つの疎水性部分の各々は、独立して、少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個、好ましくは少なくとも4個の鎖原子を含む。1つ又は2つの疎水性部分は、独立して、非置換有機基、非分岐有機基、又はそれらの組み合わせ、好ましくはそれらの組み合わせであってもよい。
有益剤断片が香料原料に由来する場合、付着又は性能の理由から、比較的高い疎水性が好ましい場合がある。例えば、放出される有益剤が香料原料である場合、有機基は、約8~約18個、好ましくは約10~約18個、より好ましくは約12~約18個、更により好ましくは約12~約16個の鎖原子を含んでもよく、好ましくは鎖原子のほとんど又は更には全てが炭素原子である。
有益剤断片が抗菌剤から誘導される場合、性能上の理由から、比較的低い疎水性が好ましい場合がある。例えば、放出される有益剤が抗菌剤である場合、有機基は、約6~約14個、好ましくは約6~約12個、好ましくは約8~約12個、好ましくはより好ましくは約8~約10個の鎖原子を含んでもよく、好ましくは鎖原子は炭素原子である。このような場合、疎水性部分がアミド結合を介して接続されることが特に好ましい場合がある。
疎水性部分は任意に置換されていてもよいが、そのような置換は有機基の疎水性を維持するように選択されることが好ましい。例えば、有機基は、比較的疎水性の置換を含んでもよい。追加的に又は代替的に、有機基は親水性置換を含んでもよいが、それらは最小限に保たれること、及び/又は鎖原子の数は、置換の親水性の一部を相殺するように適宜選択されることが好ましい。例えば、有機基がヒドロキシル置換を含む場合、有機基が少なくとも10個、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を含むことが好ましい場合がある。
疎水性部分は、非置換有機基、非分岐有機基、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、疎水性部分は、非置換及び非分枝の両方である。そのような部分は、便利な入手可能性、性能プロファイル、及び比較的低い環境影響のために好ましい場合がある。好適な部分は、n-オクタノール、n-デカノール、n-ドデカノールなどから誘導され得る。
疎水性部分は、脂肪アルコールなどの供給原料材料の混合物に由来してもよい。供給原料材料は、可変鎖長を有する材料を含み得る。そのような場合、疎水性部分について本明細書に記載される鎖長は、重量平均鎖長であると理解される。
追加的又は代替的に、疎水性部分を形成するために使用される供給原料材料は、直鎖状であるいくつかの材料及び分岐状であるいくつかの材料を含んでもよい。したがって、供給原料を反応させて本開示の前駆体又はプロ有益剤化合物を形成する場合、一部の材料は直鎖一価部分を含み、他の材料は分岐鎖一価部分を含む。そのような混合物は、本開示において企図される。
疎水性部分は、第2の有益剤の第2の断片を含んでもよく、これは、第1の有益剤と呼ばれてもよいコアの窒素原子に結合した有益剤に加えて、最終的にプロ有益剤化合物から放出されてもよい。このような構成は、負荷効率の理由から好ましい場合がある。2つの断片は、化合物に結合され得、そして化合物から放出され得る。このような構成は、様々な有益剤が同じ化合物から放出されることを可能にするためにも好ましい場合がある。
例えば、第2の有益剤断片は、コアの窒素に結合している有益剤断片とは異なる同一性を有してもよい。両方の断片は、同じカテゴリーの有益剤であってもよいが(例えば、両方とも香料原料に由来する)、それらは異なる同一性を有してもよい。好ましくは、第1及び第2の有益剤は異なる官能基を含む。例えば、第1の有益剤はアルデヒド又はケトン部分を含んでもよく、第2の有益剤はアルデヒド又はケトン部分ではない官能基を含んでもよい。第2の有益剤は、アルコール、アミン、チオール、又はこれらの組み合わせである官能基を含んでもよい。
好ましくは、第2の有益剤は、アルコール基である官能基を含む。そのようなアルコール含有材料は、アミノ酸コアのカルボン酸との反応(例えば、それによってエステルを形成する)を容易にするために好ましい場合がある。このような材料はまた、プロ有益剤化合物(例えば、アルコール含有有益剤と組み合わせたアルデヒド又はケトン含有有益剤)から放出されるより広いスペクトルの材料を提供するのに好ましい場合がある。
疎水性部分は、第2の有益剤の断片で置換されてもよい。疎水性部分は、(その全体が)第2の有益剤の断片であってもよい。
第2の有益剤は、香料原料、好ましくはアルコール含有香料原料であってもよい。このような場合、第1の有益剤(例えば、コアの窒素原子に結合した断片の親材料)も香料原料であることが好ましく、これにより、より効率的な香料送達及び/又はより複雑な嗅覚経験が可能になる。
環境上の理由から、特に炭素含有コアが天然に存在するアミノ酸に由来する場合、疎水性部分が天然由来の材料又は供給原料に由来することが好ましい場合がある。好適な天然由来の材料又は供給原料としては、天然脂肪及び/又は油を挙げることができる。
疎水性部分は、一価部分、例えば、一価有機基であってもよい。反応の容易さ及び/又は加工上の理由から、一価の疎水性部分が好ましい場合がある。このような場合、疎水性部分はヘテロ原子に結合しており、これは次に、末端又はキャッピング位置において効果的に、炭素含有コア(例えば、アミノ酸誘導体)のカルボニル基の炭素に結合している。
式Iとして以下により詳細に記載されるように、このような化合物は、「Z**A-Q」の形態をとってもよく、式中、Zは有益剤断片であり、Aは炭素含有コア(例えば、親アミノ酸)であり、Qは疎水性部分、例えば一価有機基である。
プロ有益剤化合物は、式Iによる構造によって特徴付けられ得る。
**A-Q 式I
式中、Zは、有益剤断片、好ましくは第1の有益剤断片であり、式中、Aは、炭素含有コアを表し、式中、**は、A基の窒素原子とZ基の炭素原子との間の連結結合を表し、連結結合は、(a)二重結合であり、それによってイミン結合を形成するか、又は(b)有益剤断片が由来する有益剤が、アルデヒド部分又はケトン部分であるアルファ-ベータ不飽和カルボニル含有部分を含む場合、1,4-付加から形成される単結合のいずれかであり式中、Qは疎水性部分、例えば一価の有機基である。
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられ得る。
式中、Gは、-O-、-S-、又は-N(R)-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、式中、Rは、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは、Rは、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、Rは、-Hであり式中、Qは5~34個の鎖原子、好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含み、最も好ましくは鎖原子は炭素原子である。式中、R及びRは、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、**が単結合を表す場合、窒素原子は更に水素(-H)に結合しており式中、添え字mは1~6であり、好ましくはmは1~3であり、より好ましくは、mは1である。
式IIにおいて、Gは、-O-、-S-、又は-N(R)-から選択されてもよく、好ましくはGは-O-である。Gが-Oである場合に得られるエステルは、環境上の理由、並びにアルコールベースの供給原料材料の便利な入手可能性のために好ましい場合がある。明確にするために、式IIの-C(O)G部分は、疎水性物質(Q)に結合しているカーボン含有コアのカルボニル含有部分を表す。
式IIにおいて、Gは、-N(R-から選択されてもよく、式中、Rは、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは、Rは、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、Rは、-Hである。比較的小さいR部分、特に水素は、例えば、好都合な反応及び供給原料材料の入手可能性のために、アミド結合を形成する場合に好ましい場合がある。アミドは、例えば、保護アミノ酸又は非保護アミノ酸から形成することができる。保護されている場合、無機酸及び有機酸が最も好ましい場合がある。保護されていないアミノ酸については、第III族元素、第IV族元素からのキレート触媒、及び遷移金属触媒が好ましい場合がある。B、Si、及びTiの元素を含有する触媒が更により好ましい。
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造を特徴とすることが好ましい場合があり、式中、Gは-NR3-であり、式中、Rは-H又は分子量が約15~約142Daの一価部分から選択され、好ましくは式中、Rは分子量が約15~約142Daの一価部分、より好ましくは分子量が約15~約30Daの一価部分である。式中、Q及びRは、存在する場合、一緒になって、合計5~34個の鎖原子、好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含む。
式I又はIIにおいて、Qは、5~34個の鎖原子、好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含むことができ、最も好ましくは鎖原子は炭素原子である。上述したように、このような疎水性部分は、効率的な堆積及び性能の利点のために好ましい。Q基は、非置換、非分岐、又はそれらの組み合わせ、好ましくはそれらの組み合わせであってもよい。
Q基は、第2の有益剤、好ましくは第2の香料原料、より好ましくはアルコール含有第2の香料原料の第2の断片を含んでもよい。そのような場合、Gは-O-であり得る。このような材料が存在する場合、炭素含有コア及び疎水性部分を含むが、炭素含有コアの窒素に結合している第1の有益剤断片を含まない他の材料が存在してもよい。
式IIにおいて、R及びRは、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から独立して選択され得、好ましくは、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から独立して選択され得、より好ましくは、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から独立して選択され得る。R及び/又はRは、炭素含有コアの側基である。R及びRの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも1つのRは、好ましくはRが水素(-H)であり、m=1である場合、タンパク質構成アミノ酸の側鎖である一価部分である。R及びRの少なくとも1つが、有益剤断片を含むことが可能である。そのような構成は、1つの担体が2つの断片(側鎖上に1つ、アミン基上に1つ)を含むという点で、質量効率の理由から好ましい場合がある。
式I又はIIにおいて、**は、コア(例えば、A基)の窒素原子とZ基の炭素原子との間の結合を表す。**結合は二重結合であってもよく、それによってイミン結合(例えば、C=N-)を形成する。**結合は、有益剤断片が由来する有益剤が、アルデヒド部分又はケトン部分であるα-β不飽和カルボニルを含む場合、1,4-付加から形成される単結合であってもよい。好ましくは、1,4-付加は、マイケル型付加である。**が単結合を表す場合、窒素原子は更に水素(-H)に結合していてもよい(例えば、C-NH-)。
式IIにおいて、添え字mは1~6であり、好ましくはmは1~3であり、より好ましくは、mは1である。mが1である場合、炭素含有コアは、天然由来又は生合成のタンパク質構成アミノ酸であってもよく、これは環境上の理由から好ましい場合がある。
式I又はIIにおいて、**Z基は、有益剤断片(Z)が連結結合(**)によって炭素含有コアの窒素原子に結合している基である。上述のように、**連結結合は、単結合又は二重結合であってもよい。好ましくは、Z部分は約4~約34個の炭素原子を含む。Z部分は、好ましくは香料原料の断片である。有益剤及びその断片は、以下でより詳細に論じられる。
**連結結合が二重結合である(例えば、イミン結合を形成する)場合、Z基は、以下の構造によって表され得る。
式中、#は、炭素含有コアの窒素原子への連結結合の結合点を表し、Rは、一価有機部分から選択され、Rは、水素及び一価有機部分からなる群から選択されるが、ただし、R及びRは、結合して環状二価部分を形成してもよい。Z基がアルデヒド含有有益剤の断片である場合、Rは水素である。Z基がケトン含有有益剤の断片である場合、Rは有機部分である。このような断片は、式R-C(O)-Rによる有益剤から誘導されてもよく、及び/又は有益剤の放出をもたらしてもよい。有益剤及びその断片は、比較的低分子量、例えば、約100g/mol~約1000g/mol、好ましくは約100g/mol~約500g/molを特徴とし得る。R及びR基は、それに応じて選択することができる。
**連結結合が単結合である場合、Z基は、以下の構造によって表され得る。
式中、#は、窒素原子への連結結合の結合点を表し(この場合、単結合により窒素に結合した水素部分も含む)、Rは、水素及び一価有機部分からなる群から選択され、Rは、一価有機部分である。このような場合、Z基は、α-β不飽和カルボニル(例えば、アルデヒド又はケトン)から誘導され得る。Z基がアルデヒド含有有益剤の断片である場合、Rは水素である。Z基がケトン含有有益剤の断片である場合、Rは有機部分である。このような断片は、式R-CH=CH-C(O)-Rによる有益剤から誘導されてもよく、及び/又は有益剤の放出をもたらしてもよい。
式Iにおいて、A基は、以下の構造、式IIIによって特徴付けられてもよい。
式中、R、R、G、mは上記のように定義され、#は疎水性部分QへのGの結合点を表し、**はZへの結合点を表し、単結合(この場合、窒素原子にも結合している-Hを伴う)又は二重結合(有益剤断片Zとのイミン結合を形成する)であり得る。
プロ有益剤化合物は、式IIによる構造によって特徴付けられてもよく、m=1であり、Rはタンパク質構成アミノ酸の側基であり、Rは-Hである。この実施形態は、天然に存在するアミノ酸コアに基づくことができるので、好ましい場合がある。このような場合、得られるエステルが環境上の理由から好ましい場合があるので、G=-O-であることが更に好ましい場合がある。
プロ有益剤化合物は、好ましくは式IIで表され、式中、G=-O-である。m≧1であり、Rはタンパク質構成アミノ酸の側基であり、RはHであり、Zは香料原料の断片であり、Qは約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子である。このような構成では、プロ有益剤化合物は、有利な性能上の利益を提供すると共に、有益な環境プロファイルを有すると考えられる。
プロ有益剤化合物は、好ましくは式IIによるものであってもよく、式中、G=-N(R)-であり、m≧1であり、Rはタンパク質構成アミノ酸の側基であり、RはHであり、Zは香料原料の断片であり、Qは約1~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子であり、Rは、約1~約16個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子であり、式中、Q及びR中の鎖原子の総数は5~34である。
プロ有益剤化合物は、好ましくは式IIによるものであってもよく、式中、G=-N(R)-であり、m≧1であり、Rはタンパク質構成アミノ酸の側基であり、RはHであり、Zは、抗菌剤の断片であり、Qは、約1~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子であり、Rは、約1~約16個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子であり、式中、Q及びR中の鎖原子の総数は5~34である。
有益剤及びその断片
本開示のプロ有益剤化合物は、アルデヒド含有有益剤、ケトン含有有益剤、又はこれらの組み合わせに由来する有益剤断片を含む。有益剤断片は、アルデヒド部分を含む有益剤に由来してもよい。有益剤断片は、ケトン部分を含む有益剤に由来してもよい。有益剤は、アルデヒド又はケトン部分であるα-β不飽和カルボニル基を含んでもよい。
本明細書で使用される場合、有益剤断片が由来する有益剤は、親有益剤と呼ばれ得る。
親有益剤のアルデヒド又はケトン部分は、化合物のコアの窒素原子(例えば、アミノ酸の窒素)と反応して、窒素原子でコアに結合している有益剤断片をもたらし得る。上述のように、これは、イミン結合である二重結合、又は1,4-マイケル型付加などの1,4-付加プロセスを介して形成される単結合であり得る連結結合を介してであり得る。有益剤断片を窒素原子に接続する連結結合が1,4-付加を介して形成される場合、親有益剤は、アルファ-ベータ不飽和カルボニルを含んでもよく、カルボニルはアルデヒド部分又はケトン部分である。
例えば加水分解によって連結結合が破壊されると、有益剤が放出される。連結結合は、水の存在又は温度上昇などの誘発条件によって破壊され得る。
有益剤断片は、香料原料、抗菌剤、殺虫剤、虫除け、抗真菌剤、除草剤、色相染料、抗酸化剤、非香料感覚刺激剤、又はこれらの組み合わせ、好ましくは香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは香料原料を含み得る、任意の好適な有益剤に由来し得る。これらの有益剤のいくつかは、下記でより詳細に述べられる。
香料原料
有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの混合物を含む香料原料(「PRM」)であってもよい。有益剤断片(例えば、Z基)は、香料原料に由来してもよい。
本明細書で使用するとき、「香料原料(又は「PRM」)」という用語は、少なくとも約100g/モル(場合により約1000g/molまで、好ましくは約500g/molまで)の分子量を有し得る化合物であって、匂い、芳香、エッセンス又は香気を、単独で又は他の香料原料と共に付与する上で有用な化合物のことを指す。一般的なPRMのリストは、例えば、「Perfume and Flavor Chemicals」第I巻及び第II巻、Steffen Arctander Allured Pub.Co.(1994)及び「Perfumes:Art,Science and Technology」、Miller,P.M.and Lamparsky,D.,Blackie Academic and Professional(1994)のような様々な参照元に見出され得る。
アルデヒド部分を含む香料原料を以下の表Bに提供する。表Bに提供される材料は、本開示による使用に好適なPR Mの例示的な(しかし非限定的な)例であると考えられる。
有益剤断片を形成した香料原料は、上記表Aのアルデヒド含有PRMからなる群から選択されてもよい。PRM断片を形成したPRMは、アルデヒド部分を含んでもよく、好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone)、イソシクロシトラール、トリプラル(リグストラル)、プレシルケモンB、リリアール(lilial)、デシルアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、シクラメン属ホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル(Dupical)、オンシダール、アドキザール(adoxal)、メロナール(melonal)、カリプソン(calypsone)、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール(scentenal)、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal)、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレン酸アルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカジエナール、シス-4-ヘプテナール、フローヒドラール(Florydral)、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラル、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、及びそれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
上述のように、プロ有益剤化合物は、ケトン部分を含む香料原料の断片を含んでもよい。ケトン部分を含む香料原料を以下の表Cに提供する。表Cに提供される材料は、本開示による使用に適したPRMの例示的な(しかし非限定的な)例であると考えられる。
PRM断片を形成した香料原料は、上記表Cのケトン含有PRMからなる群から選択されてもよい。PRM断片を形成したPRMは、ケトン部分を含んでいてもよく、好ましくは、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、デルタ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガルバスコン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
有益剤断片は、香料原料、好ましくはメチルノニル、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone)、イソシクロシトラール、トリプラル(リグストラル)、プレシルケモンB、リリアール(lilial)、デシルアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、シクラメン属ホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル(Dupical)、オンシダール、アドキザール(adoxal)、メロナール(melonal)、カリプソン(calypsone)、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒドセンテナール(scentenal)、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal)、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレン酸アルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカジエナール、シス-4-ヘプテナール、フローヒドラール(Florydral)、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラル、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、デルタ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガルバスコン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る香料原料である有益剤から誘導され得る。
有益剤断片が香料原料、好ましくは前段落に列挙したPRMに由来する場合、疎水性部分は、約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約10~約18個の鎖原子を含む有機基であることが好ましい場合があり、好ましくは鎖原子は炭素原子である。このような鎖長は、特にプロ有益剤化合物が水性液中で使用される洗濯用途において、付着効果を促進するのに好適な程度の疎水性を提供すると考えられる。
上記に列挙した香料原料を含む、本明細書における香料原料は、New York,NY USAのInternational Flavors and Fragrances、Vernier SwitzerlandのGivaudan、Geneva,SwitzerlandのFirmenich、Holzminden,GermanyのSymrise、Tokyo,JapanのKao、Tokyo,JapanのTakasago、及びTel-Aviv,IsraelのFlorasynthを含む様々なサプライヤーから入手できる。
B.抗菌剤
有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの混合物を含む抗菌剤であってもよい。
本プロ有益剤化合物における使用に適した抗菌剤としては、アセチルアセトンエノラート、ゴシポール、ヌートカトン、又はそれらの混合物を挙げることができる。
有益剤断片が抗菌剤、好ましくは前段落に列挙した抗菌剤に由来する場合、疎水性部分は、約6~約12個の鎖原子を含む有機基であることが好ましい場合があり、好ましくは鎖原子は炭素原子である。このような鎖長は、抗菌効果を促進するのに好適な程度の疎水性を提供すると考えられ、抗菌剤と標的微生物との間の所望の相互作用を促進すると考えられる。
プロ有益剤化合物及び関連前駆体化合物の製造方法
本開示によるプロ有益剤化合物は、プロ有益剤前駆体化合物を有益剤と反応させることによって作製することができる。したがって、本開示は、プロ有益剤化合物の製造方法に関する。
プロ有益剤前駆体化合物(又は本明細書で使用される場合、単に「前駆体化合物」)は、炭素含有コアを含んでもよく、炭素含有コアは、炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子(好ましくは第一級アミン基の一部である窒素原子、-NH)、及びカルボニル基を含み、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、ヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分は、5~34個の鎖原子を含む有機基である。
実際に、前駆体化合物は、有益剤との反応前のプロ有益剤化合物であってもよく、この場合、窒素原子は一級アミン(-NH)形態である。コア、側基、カルボニル含有部分、及び疎水性部分は、好ましくは前述のとおりである。
プロ有益剤前駆体化合物は、式IVによる構造によって特徴付けられてもよい。
-A-Q式IV
式中、2個の水素原子はそれぞれA基の窒素原子に結合しており、A及びQは実質的に上記のとおりである。
プロ有益剤前駆体化合物は、式Vによる構造によって特徴付けられてもよい。
式中、R、R、m、G及びQは、上記のように定義される。残りの基又は添え字について上記で提供された選好は、式Vに等しく適用される。
プロ有益剤前駆体化合物は、アミノ酸のカルボキシル基を以下の式H-G-Qに従う化合物と、例えばエステル化、アミド化、又はチオエステル化反応によって反応させることによって作製されてもよい。
プレミックス
本開示は、更に、特定のプレミックス組成物及びそのような組成物の作製方法にも関する。プレミックスは、製品製剤の前に都合よく調製することができ、1つの製造現場で調製し、製品製剤のために別の製造現場に輸送することさえできる。
プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物(この前駆体化合物は上述のとおりである)と、有益剤(この有益剤は上述のとおりである)とを含んでもよい。プロ有益剤化合物、その成分、及び/又はその前駆体に関して上述した選好は、ここでも同様に適用される。
例えば、プレミックス組成物は、前駆体化合物が炭素含有コアを含み、コアが側基及びアミン基、並びにカルボニル部分によってコアに結合した疎水性部分を含み、カルボニル部分がエステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択される、プロ有益剤前駆体化合物と、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む有益剤と、を含んでもよい。
負荷効率の理由から、有益剤、好ましくは第1の有益剤のモル量を、上記の担体分子(ここでは、プロ有益剤前駆体化合物)のモル量と合理的に一致させることが好ましい。例えば、プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤を、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で含んでもよい。
更により具体的には、装填効率の理由から、有益剤、好ましくは第1の有益剤のモル量を、上述の担体分子(ここでは、プロ有益剤前駆体化合物)の反応性官能基(例えば、好ましくはアミン基)のモル当量と合理的に一致させることが好ましい。例えば、プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤の反応性官能基(例えば、好ましくはアミン基)を、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で含んでもよい。プロ有益剤前駆体化合物が、有益剤及び任意に第2の有益剤に対して、複数の結合点、又はこのような結合点を形成することができる複数の官能基を含む場合、プレミックス組成物は、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1のモル比で存在するプロ有益剤前駆体化合物及び有益剤(加えて、任意に、前駆体化合物に結合することもできる第2の有益剤)のこのような官能基を含んでもよい。
プレミックス組成物は、未希釈(neat)流体の形態であってもよく、水はほとんど又は全く存在しなくてもよい。そのような場合、プレミックス中に硫酸マグネシウムなどの水捕捉剤を含めること、及び/又はモレキュラーシーブを介して若しくは真空中などで水を物理的に除去することが望ましい場合がある。プレミックス組成物は、プレミックス組成物の約10重量%未満、好ましくは約5重量%未満、より好ましくは約1重量%未満、更により好ましくは約0.1重量%未満の水を含んでもよい。低水分プレミックス組成物は、パスティルのような固体などの低水分製品組成物、又は水溶性フィルムに封入された単位用量組成物のようなコンパクト製剤に製剤化されることが意図される場合、特に好ましい場合がある。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約1重量%~約100重量%、好ましくは約5重量%~約100重量%、より好ましくは約20重量%~約100重量%のプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約0.01重量%~約80重量%、好ましくは約0.01重量%~約20重量%のプロ有益促進剤前駆体化合物を含んでもよい。プレミックスが低水分プレミックスである場合、プレミックスは、プレミックス組成物の約0.01重量%~約80重量%、好ましくは約0.01重量%~約20重量%の有益剤を含んでもよい。
プレミックス組成物は水を含み得る。プレミックス組成物は、エマルション、好ましくは水中油型エマルションの形態であってもよい。プレミックスがエマルションの形態であり、水を含む場合、水は、プレミックス組成物の約50重量%~約95重量%、好ましくは約60重量%~約90重量%の濃度で存在してもよい。プレミックスが水を含む場合、プロ有益剤前駆体化合物は、プレミックス組成物の約0.01重量%~約7.5重量%の濃度で添加されてもよい。プレミックスが水を含む場合、有益剤は、プレミックス組成物の約0.01重量%~約7.5重量%の濃度で添加されてもよい。
プレミックス組成物において、前駆体化合物及び有益剤は、上述のように反応してプロ有益剤化合物を形成してもよい。前駆体化合物、有益剤、及びプロ有益剤化合物は、全て平衡状態で存在してもよい。イミンを含むプロ有益剤化合物の形成は、縮合プロセスによって水を生成するので、平衡は、プレミックスが水を含む場合、反応の反応物側(例えば、前駆体化合物及び有益剤)に向かって傾く場合がある。逆に、プレミックスが意図的に添加された水を実質的に含まない場合、比較的多くのプロ有益剤化合物が存在してもよいが、縮合反応の結果としていくらかの水が形成されることが認識される。プロ有益剤化合物の形成が1,4-付加を含む場合、平衡は水に依存せず、むしろエントロピー寄与とエンタルピー寄与との間のバランスに依存すると考えられる。
プロ有益剤前駆体、有益剤、及び存在する場合にはプロ有益剤化合物の重量パーセントの合計は、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%、好ましくは約25重量%~約100重量%、好ましくは約50重量%~約100重量%、より好ましくは約75重量%~約100重量%であってもよい。
プレミックス組成物又はその一部は、約1重量部~約99重量部、好ましくは約5重量部~約80重量部のプロ有益剤前駆体化合物と、約1重量部~約99重量部、好ましくは約5重量部~約80重量部の有益剤とを組み合わせることによって得ることができ、得られる混合物は合計100重量部を構成すると理解される。
プレミックス組成物は、複数の前駆体、複数の有益剤、及び/又は複数のプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックス組成物は、反応して本開示によるプロ有益剤化合物を形成しない追加の薬剤を更に含んでもよい。例えば、プレミックス組成物は、追加のPR M、界面活性剤、溶媒、又は他の加工助剤若しくは安定化助剤を含んでもよい。
プレミックス組成物は、界面活性剤、好ましくは非イオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、プレミックス組成物の安定性及び/又は乳化プロセスに役立ち得る。
本開示は更に、そのようなプレミックス組成物の作製方法に関する。本方法は、本明細書に記載のプロ有益剤前駆体(例えば、上記の式IV又はVによる)を本明細書に記載の有益剤と組み合わせる工程を含んでもよく、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む。材料は、上記で提供される割合で組み合わせられてもよい。本方法は、遊離水を除去するか又は別の方法で結合させることを含んでもよく、これは、プレミックス中の反応を製品(例えば、プロ有益剤化合物)に向けて促進するのに役立ち得る。プレミックス組成物が水を含む場合、前駆体化合物及び水は、好ましくは、有益剤が添加される前に組み合わされてもよい。あるいは、有益剤及び水は、有益剤が添加される前に混合されてもよい。
処理組成物
本組成物は、上記のような補助成分及びプロ有益剤化合物を含む処理組成物に関する。
処理組成物は、消費者製品組成物であってもよい。本開示の消費者製品組成物は、ベビーケア、ビューティケア、布地ケア、ホームケア、ファミリーケア、女性用ケア、及び/又はヘルスケア用途において有用であり得る。処理組成物は、布地、毛髪、又は皮膚等の表面を処理するのに有用であり得る。消費者製品組成物は、それが販売される態様で使用又は消費されることを意図し得る。消費者製品組成物は、後続する商業的製造又は修正が意図されなくてもよい。
処理組成物は、布地ケア組成物であり得る。処理組成物は、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物(シャンプー又はコンディショナーなど)、ボディクレンジング組成物、又はこれらの組み合わせであってもよい。
処理組成物は、洗濯洗剤組成物(強力洗浄液体洗剤又は単位用物品を含む)、布地コンディショニング組成物(液体布地柔軟化組成物及び/又は布地強化組成物を含む)、洗濯添加剤、布地前処理組成物(スプレー、注ぐことができる液体、又はスプレーを含む)、布地リフレッシャー組成物(スプレーを含む)、又はこれらの混合物等の布地ケア組成物であってもよい。
処理組成物は、美容ケア組成物、例えば、毛髪トリートメント製品(シャンプー及び/又はコンディショナーを含む)、スキンケア製品(クリーム、ローション、又は消費者使用のための他の局所適用製品を含む)、シェービングケア製品(シェービングローション、フォーム、又はシェービング前若しくはシェービング後トリートメントを含む)、パーソナルクレンジング製品(液体ボディー洗浄剤、液体手洗い石鹸、及び/又は固形石鹸を含む)、デオドラント及び/又は制汗剤、又はこれらの混合物であってよい。
処理組成物は、空気ケア、カーケア、食器洗浄、硬質表面洗浄及び/又は処理、並びに消費者又は業務用の他の洗浄などのホームケア組成物であり得る。
処理組成物は、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態であってもよい。
処理組成物は、液体の形態であってよい。液体組成物は、組成物の約30重量%から、又は約40重量%から、又は約50重量%から、約99重量%まで、又は約95重量%まで、又は約90重量%まで、又は約75重量%まで、又は約70重量%まで、又は約60重量%までの水を含み得る。液体組成物は、液体洗濯洗剤、液体布地柔軟剤、液体食器洗剤、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、又はこれらの混合物であり得る。
処理組成物は、固体の形態であってもよい。固体組成物は、粉末状又は顆粒状組成物であってもよい。このような組成物は、凝集されても、又は噴霧乾燥されてもよい。このような組成物は、複数の顆粒又は粒子であって、そのうちの少なくともいくつかは、異なる組成物を含む、複数の顆粒又は粒子を含んでいてよい。組成物は、漂白剤を含んでもよい粉末状又は顆粒状洗浄組成物であってよい。組成物は、ビーズ又はパスティルの形態であってもよく、それらは液体溶融物から成形錠剤化されたものであり得る。組成物は、押出成形された製品であり得る。
処理組成物は、複数の微粒子などの粒子状形態であり得る。個々の微粒子は、約1mg~約1gの質量を有してもよい。エマルジョンは水溶性担体中に分散されてもよい。水溶性担体は、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、硫酸ナトリウム、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。水溶性担体は、水溶性ポリマーであり得る。処理組成物は、粒子状形態である場合、約25重量%~約99.99重量%の水溶性担体、及び約0.001重量%~約50重量%のプロ有益剤化合物を含み得る。粒子状形態は、ビース又はパスティルの形態であり得る。
処理組成物は、錠剤、パウチ、シート、又は繊維物品等の単回用物品の形態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチ又は多区画パウチに封入することができる。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねて配置された区画を含んでもよい。パウチ又はその区画に収容される組成物は、液体、固体(粉末等)、又はこれらの組み合わせであってもよい。パウチにした組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有してもよい。
処理組成物は、スプレーの形態であってもよく、例えば、トリガー噴霧器及び/又はバルブを有するエアロゾル容器を介して分配されてもよい。
処理組成物は、20秒-1及び21℃で、1~1500センチポアズ(1~1500mPas)、100~1000センチポアズ(100~1000mPas)、又は200~500センチポアズ(200~500mPas)の粘度を有し得る。
処理組成物は、処理組成物の約0.001重量%~約30重量%、好ましくは約0.001重量%~約20重量%、より好ましくは約0.001重量%~約15重量%、0.001重量%~約10重量%、好ましくは約0.01重量%~約5重量%のプロ有益剤化合物を含んでもよい。
処理組成物は、有益剤促進化合物によって放出される有益剤を、処理組成物の約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.1重量%~約5重量%送達するのに十分な量で、プロ有益剤化合物を含んでもよい。
補助成分
消費者製品であり得る本開示の処理組成物は、補助材料を含んでもよい。補助材料は、組成物の意図される最終用途において利益を提供してもよく、又は加工助剤及び/又は安定助剤であってもよい。
好適な補助材料としては、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、抗酸化物質、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー系分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、未希釈(neat)香料、香料送達系(コア/シェルカプセル、その他のプロフレグランス素材など)、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料を挙げ得る。
意図される形態、製剤、及び/又は最終用途によって、本開示の組成物は、以下の補助材料すなわち、界面活性剤、コンディショニング活性剤、堆積助剤、レオロジー調整剤又は構造剤、抗酸化物質、漂白活性化剤、界面活性剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、粘土及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、追加の香料及び香料送達系、構造弾性化剤、布地柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、構造化剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、並びに/又は顔料のうちの1つ以上を含有してもしなくてもよい。
これらの追加の成分の正確な性質及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用される作業の性質に依存する。しかしながら、1種以上の補助剤が存在する場合、このような1種以上の補助剤は、以下に詳述されるように存在することができる。以下は、好適な追加の補助剤の非限定的なリストである。
A.界面活性剤
本開示の処理組成物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、例えば、洗浄上の利益を提供するために有用であり得る。組成物は、1種以上の界面活性剤を含有し得る界面活性剤系を含んでもよい。
本開示の処理組成物は、組成物の約0.1重量%~約70重量%、又は約2重量%~約60重量%、又は約5重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。液体組成物は、組成物の約5重量%~約40重量%の界面活性剤系を含んでもよい。密な製剤、例えば密な、液体、ゲル、及び/又は単位用量形態に好適な組成物は、組成物の約25重量%~約70重量%、又は約30重量%~約50重量%の界面活性剤系を含んでもよい。
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。界面活性剤系は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエトキシル化サルフェート、アルキルサルフェート、エトキシル化アルコール等の非イオン性界面活性剤、アミンオキシド、又はこれらの混合物を含んでもよい。界面活性剤は、少なくとも部分的に、天然供給原料アルコール等の天然の資源に由来してもよい。
好適なアニオン性界面活性剤は、任意の従来のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。アニオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状、又はこれらの組み合わせのであってもよい。好ましい界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulfonate、LAS)、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、AES)、アルキルサルフェート(alkyl sulfate、AS)、又はこれらの混合物が挙げられる。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、分岐鎖状変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、及び/又はアルキルエトキシル化カルボキシレート(AEC)が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、酸形態、塩形態、又はこれらの混合物で存在してもよい。アニオン性界面活性剤は、部分的に又は全体的に、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)又はアミン(例えば、モノエタノールアミン)によって中和されてもよい。
界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を含んでいてよい。好適な非イオン性界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アルコール等のアルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。その他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合体、中鎖分枝鎖状アルコール、中鎖分枝鎖状アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテルキャップされたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖状、分岐鎖状(例えば、中鎖分岐状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。特定の非イオン性界面活性剤は、平均約12~約16個の炭素を有し、かつ平均約3~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えばC12~C14のEO7非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
好適な双性イオン界面活性剤としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタインをはじめとするベタイン、C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド(例えば、C1214ジメチルアミンオキシド)、並びに/又は、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネート(ここで、アルキル基は、C~C18又はC10~C14であってもよい)等のスルホ及びヒドロキシベタイン等の、任意の従来の双性イオン界面活性剤を挙げることができる。双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含んでもよい。
製剤及び/又は意図される最終用途に応じて、組成物は、特定の界面活性剤を実質的に含まなくてもよい。例えば、布地柔軟剤等の液体布地強化組成物は、アニオン性界面活性剤を実質的に含まなくてもよいが、それは、このような界面活性剤がカチオン性成分と負の相互作用をし得るためである。
B.コンディショニング活性物質
本開示の処理組成物は、コンディショニング活性物質を含んでもよい。コンディショニング活性物質を含有する組成物は、柔軟性、しわ防止、静電防止、コンディショニング、抗伸張、色、及び/又は外観に関する利益を提供し得る。
コンディショニング活性物質は、組成物の約1重量%~約99重量%のレベルで存在してもよい。組成物は、組成物の約1重量%から、又は約2重量%から、又は約3重量%から、約99重量%まで、又は約75重量%まで、又は約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約35重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約15重量%まで、又は約10重量%までのコンディショニング活性物質を含んでもよい。組成物は、組成物の約5重量%~約30重量%のコンディショニング活性物質を含んでよい。
本開示の組成物に好適なコンディショニング活性物質としては、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン、非エステル四級アンモニウム化合物、アミン、脂肪酸エステル、ショ糖エステル、シリコーン、分散性ポリオレフィン、多糖類、脂肪酸、柔軟化若しくはコンディショニング油、ポリマーラテックス、ポリヒドロキシステアリン酸及び/又はその誘導体、グリセリドコポリマー、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。好ましくは、コンディショニング活性物質はカチオン性コンディショニング活性物質であり、これはプロ有益剤化合物の送達/付着を改善し得る。
処理組成物はコンディショニング活性物質を含んでもよく、コンディショニング活性物質は第四級アンモニウムエステル化合物を含む。好ましくは、第四級アンモニウムエステル化合物は、処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、更により好ましくは約6重量%~約15重量%、更により好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する。第四級アンモニウムエステル化合物(「エステル第四級アンモニウム」としても知られる)は、モノエステル第四級アンモニウム、ジエステル第四級アンモニウム、トリエステル第四級アンモニウム、又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、ジエステル第四級アンモニウム材料は、エステル第四級アンモニウム化合物の主要部分(大部分であろうと複数であろうと)を形成する。コンディショニング効果を提供することに加えて、コンディショニング活性物質(すなわち、第四級アンモニウムエステル化合物)の適切な種類及び/又は濃度を選択することにより、本開示に記載のプロ有益剤化合物の付着及び/又は性能を改善することができると考えられる。
四級アンモニウムエステル化合物は、以下の式による化合物を含み得、
{R (4-m)-N+-[X-Y-R}A
式中、
mは、1、2又は3であるが、ただし、与えられた分子において、各mの値は、同一であり、
13個~22個の炭素原子を含んでもよい各Rは、独立して、直鎖状ヒドロカルビル基又は分岐鎖状ヒドロカルビル基であり、好ましくは、Rは、直鎖状であり、より好ましくは、Rは、部分不飽和直鎖状アルキル鎖であり、
各Rは、独立して、C~Cアルキル基又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は、各Rは、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C~Cアルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、より好ましくはメチル又はヒドロキシエチルから選択され、
各Xは独立して、-(CH)n-、-CH-CH(CH)-又は-CH(CH)-CH-であり、各nは独立して1、2、3又は4であり、好ましくは、各nは2であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、及び
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から独立して選択され、好ましくは、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、より好ましくは、A-は硫酸メチルである。
モノエステル第四級アンモニウムの場合、mは1である。ジエステル第四級アンモニウムの場合、mは2である。トリエステル第四級アンモニウムについては、mは3である。コンディショニング活性物質は、モノエステル第四級アンモニウムとジエステル第四級アンモニウムとの混合物、又は更にはモノエステル第四級アンモニウム、ジエステル第四級アンモニウム、及びトリエステル第四級アンモニウムの混合物を含んでもよい。当業者によって理解されるように、混合物は、部分的に、ジアルカノールアミン又はトリアルカノールアミンなどの出発/供給原料材料に依存し得る。
第四級アンモニウムエステル化合物は、ヨウ素価が0~140、又は0~約90、又は約10~約70、又は約15~約50、又は約18~約30であることを特徴とする脂肪酸から誘導され得る。ヨウ素価は、米国特許出願公開第2020/0407665号(国際公開第2020/264566号に相当)に提供されている方法に従って決定することができる。
この組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はこれらの複数組の組み合わせ、好ましくは一組の組み合わせを含んでもよい。四級アンモニウムエステル化合物とシリコーンとの合計量は、組成物の約5重量%~約70重量%、又は約6重量%~約50重量%、又は約7重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約15重量%~約25重量%であってもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物及びシリコーンを、約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:3~約1:3、又は約1:2~約2:1、又は約1:1.5~約1.5:1、又は約1:1の重量比で含んでもよい。
組成物は、異なる種類のコンディショニング活性物質の混合物を含有していてもよい。本開示の組成物は、特定のコンディショニング活性物質を含有してもよいが、他のコンディショニング活性物質を実質的に含まなくてもよい。例えば、組成物は、四級アンモニウムエステル化合物、シリコーン又はその両方を含まなくてもよい。組成物は、四級アンモニウムエステル化合物を含んでもよいが、シリコーンを実質的に含まなくてもよい。組成物はシリコーンを含んでもよいが、四級アンモニウムエステル化合物を実質的に含まなくてもよい。
コンディショニング活性物質は、グリセリドコポリマーを含んでもよい。グリセリドコポリマーは、天然油に由来し得る。天然油の例としては、これらに限定されるものではないが、植物油、藻類油、魚油、動物脂、トール油、これらの油の誘導体、これらの油のいずれかの組み合わせなどが挙げられる。植物油の代表的な非限定的な例としては、低エルカ酸ナタネ油(キャノーラ油)、高エルカ酸ナタネ油、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、アマニ油、パーム核油、きり油、ジャトロファ油、カラシ油、ペニークレス油、カメリナ油、麻実油、及びヒマシ油、好ましくはキャノーラ油が挙げられる。動物脂の代表的な非限定例としては、ラード、獣脂、家禽油、黄色油脂、及び魚油が挙げられる。トール油は、木材パルプ製造の副生成物である。グリセリドコポリマーは、金属化不飽和ポリオールエステルであってもよい。
C.付着助剤
本開示の処理組成物は、付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、本開示のプロ有益剤化合物、コンディショニング活性物質、香料若しくは香料送達系(カプセル化香料など)、又はこれらの組み合わせを含む様々な有益剤の付着を促進することができ、組成物の性能効果を改善し、及び/又はこのような有益剤のより効率的な製剤を可能にする。組成物は、組成物の0.0001重量%~3重量%、好ましくは0.0005重量%~2重量%、より好ましくは0.001重量%~1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.05重量%~約0.3重量%の付着助剤を含んでもよい。付着助剤は、カチオン性又は両性ポリマー、好ましくはカチオン性ポリマーであってもよい。
全般的なカチオン性ポリマー及びそれらの製造方法は、文献において周知である。好適なカチオン性ポリマーとしては、化粧品成分の国際命名法で命名された「ポリクオタニウム」ポリマーとして知られる四級アンモニウムポリマー、例えば、ポリクオタニウム-6(ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)、ポリクオタニウム-7(アクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)、ポリクオタニウム-10(四級化ヒドロキシエチルセルロース)、ポリクオタニウム-22(アクリル酸とジアリルジメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー)などを挙げることができる。
付着助剤は、ポリビニルホルムアミド、部分的にヒドロキシル化されたポリビニルホルムアミド、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、エトキシル化ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
カチオン性ポリマーは、カチオン性アクリレート及び/又はカチオン性メタクリレートを含んでもよい。このようなポリマーは、例えばアクリルアミドなどの非イオン性モノマーを更に含むコポリマーであってもよい。カチオン性ポリマーは、線状であっても架橋されていてもよい。付着助剤は、線状カチオン性ポリマーと架橋カチオン性ポリマーとの組み合わせを含んでもよい。
付着助剤は、送達粒子と同時に(例えば、封入された香水などの封入された有益剤と同時に)、又は直接/独立して消費者製品組成物中に添加することができる。ポリマーの重量平均分子量は、屈折率(Refractive Index、RI)検出を使用するポリエチレンオキシド標準に対してサイズ排除クロマトグラフィーにより測定した場合、500ダルトン~5000000ダルトン、又は1000ダルトン~2000000ダルトン、又は2500ダルトン~1500000ダルトンであってもよい。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、5000ダルトン~37500ダルトンであってもよい。
D.香料及び/又は香料送達系
香料本開示の処理組成物は、香料及び/又は香料送達系を含んでもよい。これは、プロ有益剤化合物の有益剤断片が香料原料に由来する場合であっても当てはまる場合がある。
本開示の処理組成物は、アルデヒド又はケトン部分を含有しないPRMを含む、他の香料原料を、例えば、未希釈又は遊離形態で含んでもよい。例えば、他のPR Mは、プロ有益剤前駆体化合物と反応しない場合であっても、本開示によるプレミックス組成物及び/又は処理組成物に未希釈油又は遊離油として提供されてもよい。このような混合物は、例えば、より適切な嗅覚経験を提供するために望ましい場合がある。
本開示の処理組成物は、未希釈香料、好ましくはアルデヒド又はケトン部分を含まない未希釈香料原料を更に含んでもよい。好ましくは、未希釈香料はアルコール含有香料原料を含む。好適なアルコール含有香料原料は、当業者に公知であり、ゲラニオール、シトロネロール、桂皮アルコール、オイゲノール等を含んでもよい。そうではあるが、未希釈香料は、アルデヒド及び/又はケトン部分を含む遊離香料原料を更に含んでもよい。
本開示の処理組成物は、追加的に又は代替的に、香料送達系を含んでもよい。このような香料送達系は、ポリマー支援送達系の形態をとってもよい。このような香料送達系は、カプセル化物、例えばコア-シェルカプセル化物の形態をとってもよく、この場合、コアは香料原料を含み、ポリマーシェルによって取り囲まれる。ポリマーシェルは、ポリアクリレート、ポリ尿素、ポリウレタン、多糖類、ポリビニルアルコール、メラミン、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせから誘導されるポリマー材料を含んでもよい。追加的に又は代替的に、好適な香料送達系は、既知のプロ香料/プロフレグランス材料を含んでもよい。
その他の材料
本開示の処理組成物、及び/又は更にはプレミックス組成物は、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の未反応反応物質及び/又は分解生成物を含んでもよい。例えば、本開示の処理組成物及び/又はプレミックス組成物は、親アミノ酸などの炭素含有コア単独の前駆体又は誘導体(例えば、H-A-H、式中、Aは、式IIIに従って実質的に上で定義されたとおりであり、式中、G=酸素である)、疎水性変性アミノ酸(例えば、H-A-Q、式中、Aは、実質的に式IIIに従って上で定義されたとおりである)、遊離形態の疎水性物質(例えば、ドデカノールのような脂肪アルコールなどのH-G-Q)、疎水性物質を含まないプロ有益剤化合物の形態(例えば、Z-A-H、式中、Aは実質的に式IIIに従って上で定義されたとおりであり、G=酸素である)、遊離有益剤、例えばアルデヒド又はケトン含有PRM、又はこれらの組み合わせを含み得る。
処理組成物の製造方法
本開示は、本明細書に記載された組成物のいずれかの製造プロセスに関する。消費者製品であり得る処理組成物の製造プロセスは、本明細書に記載されるプロ有益剤化合物を、本明細書に記載される補助材料と組み合わせる工程を含み得る。
プロ有益剤化合物は、混合及び/又は噴霧を含む方法によって、このような補助材料と組み合わせることができる。
本開示の組成物は、任意の好適な形態に製剤することができ、製剤者によって選択される任意のプロセスによって調製することができる。プロ有益剤化合物及び補助材料は、バッチプロセス、循環ループプロセス、及び/又はインライン混合プロセスで組み合わされてもよい。本明細書に開示されるプロセスでの使用に好適な装置としては、連続撹拌槽型反応器、ホモジナイザー、タービン撹拌機、再循環ポンプ、パドルミキサー、高せん断ミキサー、静的ミキサー、プラウせん断ミキサー、リボンブレンダー、垂直軸造粒機及びドラムミキサー(いずれもバッチ式であり、利用可能な場合、連続プロセス構成のもの)、噴霧乾燥機、並びに押出成形機を挙げることができる。
例えば、処理組成物の製造方法は、本開示によるプロ有益剤化合物をベース組成物、好ましくは液体ベース組成物と組み合わせる工程を含んでもよく、ベース組成物は補助成分を含む。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。
処理組成物の製造方法は、本明細書に記載されるように、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を組み合わせる工程を含んでもよい。好ましくは、補助成分はベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤はそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加される。別々の入力は、順次(例えば、連続して)、又は実質的に同時に添加されてもよい。好ましくは、ベース組成物は液体である。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。
処理組成物の製造方法は、プレミックスをベース組成物に添加する工程を含んでもよい。プレミックス組成物は、本明細書に記載のように、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤を含んでもよい。プレミックス組成物は、本明細書に記載されるように、プロ有益剤前駆体化合物と有益剤とを組み合わせることによって得ることができる。プレミックス組成物は、例えば前駆体化合物と有益剤との反応に起因して、本開示によるプロ有益剤化合物を含んでもよい。プレミックス組成物は、プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及びプロ有益剤化合物の混合物を含んでもよい。プレミックスは任意に水を含有してもよい。このプロセスは、例えば、バッチプロセス又はインライン混合プロセス、好ましくはインライン混合プロセスで行うことができる。プレミックスは、PEGベースのパスティルなどの固体形態であるか、又は固体形態になる処理組成物を作製する場合に特に好ましい場合がある。そのような場合、プレミックスからの水の除去又は低減は、例えば、硫酸マグネシウムなどの水スカベンジャーを介して、又はモレキュラーシーブの使用若しくは真空中での留去を介して有用であり得る。
表面を処理する方法
本開示は更に、本開示による処理組成物で表面(例えば、物品の表面)を処理する方法に関する。このような方法は、洗浄、コンディショニング、衛生、及び/又は清涼効果に関わる利益を提供し得る。
好適な表面としては、布地(衣類、タオル、又はリネンを含む)、硬質表面(タイル、磁器、リノリウム、又は木床等)、食器類、毛髪、皮膚、又はこれらの混合を挙げることができる。
本方法は、物品又は表面を、任意に水の存在下で、本開示の処理組成物と接触させる工程を含んでもよく、任意に物品又は表面をすすぐ及び/又は乾燥させる工程を更に含む。処理組成物は、未希釈形態であってもよく、又は液体、例えば、洗浄液若しくはすすぎ液で希釈されていてもよい。処理組成物は、表面又は物品との接触前、接触中、又は接触後に水で希釈されてもよい。表面又は物品を、接触工程の前及び/又は後に、任意に洗浄及び/又はすすいでもよい。
表面を処理及び/又は洗浄する方法は、以下の工程を含み得る。
a)任意に、表面を洗浄、すすぎ、及び/又は乾燥させる工程、
b)任意に水の存在下で、表面を本明細書に記載の処理組成物と接触させる工程、
c)任意に、表面を洗浄及び/又はすすぐ工程、並びに
d)任意に、受動的に乾燥させることによって、かつ/又は洗濯乾燥機等の能動的方法によって乾燥させる工程。
本発明の目的に関して、洗浄は、こすり洗い及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。布地は、通常の消費者、又は工業的使用条件で洗濯又は処理することができるほとんどの任意の布地を含んでもよい。
開示される組成物を含み得る液体は、約3~約11.5のpHを有し得る。希釈される場合、このような組成物は、典型的には、溶液中で約500ppm~約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水である場合、水温は、典型的には、約5℃~約90℃の範囲であり、表面が布地の一部である場合、水と布地との重量比は、典型的には、約1:1~約30:1である。
本開示は、表面又は物品、好ましくは布地を、本開示によるプロ有益剤前駆体化合物を含む水性処理液で処理するプロセスであって、好ましくは有益剤断片が香料原料又は抗菌剤の断片、好ましくは香料原料の断片であるプロセスを更に開示する。本プロセスは、表面又は物品、好ましくは布地を水性液と接触させる工程を含んでもよい。プロ有益剤化合物は、約0.001重量ppm(例えば、1ppb)~約1000重量ppmの濃度で水性液中に存在してもよい。
本開示は、表面又は物品、好ましくは布地を、本開示によるプロ有益剤前駆体化合物、及び本開示による有益剤を含む水性処理液で処理するプロセスを更に開示する。有益剤は、香料原料又は抗菌剤、好ましくは香料原料であってもよい。本方法は、表面又は物品、好ましくは布地を水性液と接触させる工程を含んでもよい。プロ有益剤前駆体化合物は、約001ppm(例えば、1ppb)~約1000重量ppmの濃度で水性液中に存在してもよい。
使用
本開示は、プロ有益剤化合物が香料原料の断片を含む場合、特に処理組成物の一部である場合に、鮮度効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
本開示は、プロ有益剤化合物が抗菌剤の断片を含む場合、特に処理組成物の一部である場合に、抗菌効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
本開示は、特に処理組成物の一部である場合に、抗悪臭効果を提供するための、本明細書に記載のプロ有益剤化合物の使用に関する。
組み合わせ
本開示の具体的に企図される組み合わせを、本明細書において以下のアルファベット付きの項に記載する。これらの組み合わせは、本質的に例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではない。
A.炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含む炭素含有コアであって、カルボニル基は、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分は、カルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子は、酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分は、ヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分は、5~34個の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、単結合又は二重結合である連結結合によってコアに結合した有益剤断片であって、連結結合は、炭素含有コアの窒素原子と有益剤断片の炭素原子との間にあり、単結合は、存在する場合、1,4-付加プロセスによって形成されており、二重結合は、存在する場合、イミン結合の一部であり、連結結合が開裂すると、有益剤が放出され、有益剤は、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む、有益剤断片と、を含む、プロ有益剤化合物。
B.炭素骨格が、1~6個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、より好ましくは1個の炭素原子を含む、段落Aに記載のプロ有益剤化合物。
C.炭素含有コアが、アミノ酸、好ましくはタンパク質構成アミノ酸、更により好ましくはバリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸、より好ましくはバリン、フェニルアラニン、又はこれらの組み合わせに由来する、段落A又はBのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
D.少なくとも1つの側基が、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、好ましくはバリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の側基、より好ましくはバリン、フェニルアラニン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせの構造を有する、段落A~Cのいずれかに記載のプロ有益剤前駆体化合物。
E.カルボニル含有部分がエステル部分である、段落A~Dのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
F.疎水性部分が、約8~約18個の鎖原子、好ましくは約8~約14個の鎖原子、より好ましくは炭素鎖原子を含む有機基である、段落A~Eのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
G.疎水性部分が、非置換有機基、非分岐有機基、又はこれらの組み合わせ、好ましくはこれらの組み合わせである、段落A~Fのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
H.疎水性部分が第2の有益剤の第2の断片を含み、好ましくは第2の有益剤が香料原料であり、より好ましくは第2の有益剤がアルコール含有香料原料である、段落A~Gのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
I.有益剤断片が、アルデヒド部分を含む有益剤に由来する、段落A~Hのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
J.有益剤断片が、ケトン部分を含む有益剤に由来する、段落A~Iのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
K.有益剤断片が、香料原料、抗菌剤、殺虫剤、虫除け、抗真菌剤、除草剤、色相染料、抗酸化剤、非香料感覚刺激剤、又はこれらの組み合わせ、好ましくは香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、より好ましくは香料原料から選択される有益剤に由来する、段落A~Jのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
L.有益剤が、香料原料、好ましくはメチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone)、イソシクロシトラール、トリプラル(リグストラル)、プレシルケモンB、リリアール(lilial)、デシルアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、シクラメン属ホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル(Dupical)、オンシダール、アドキザール(adoxal)、メロナール(melonal)、カリプソン(calypsone)、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール(scentenal)、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal)、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレン酸アルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカジエナール、シス-4-ヘプテナール、
フローヒドラール(Florydral)、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラル、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、デルタ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガルバスコン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料であり、より好ましくは、疎水性部分は、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子である、段落A~Kのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
M.有益剤が抗菌剤、好ましくはアセチルアセトンエノラート、ゴシポール、ヌートカトン、又はこれらの混合物から選択される抗菌剤であり、より好ましくは疎水性部分が約6~約12個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子が炭素原子である、段落A~Lのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
N.プロ有益剤化合物は、式Iによる構造を特徴とし、
**A-Q 式I
式中、Aは炭素含有コアを表し、Zは有益剤断片であり、**はA基の窒素原子とZ基の炭素原子との間の連結結合を表し、連結結合は、(a)二重結合であり、それによってイミン結合を形成するか、又は(b)有益剤断片が由来する有益剤が、アルデヒド部分若しくはケトン部分であるアルファ-ベータ不飽和カルボニル含有部分を含む場合、1,4-付加から形成される単結合のうちの1つであり、式中、Qは疎水性部分であり、一価の有機基である、段落A~Mのいずれかに記載のプロ有益剤化合物。
O.化合物が、式IIによる構造によって特徴付けられ、
式中、Gは、-O-、-S-、又は-N(R)-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、Rは、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは、Rは、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは、Rは、-Hであり、式中、Qは、5~34個の鎖原子、好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含み、式中、R及びRは、独立して、-H又は約15~約1000 Daの分子量を有する一価部分から選択され、好ましくは独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、より好ましくは独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、式中、**が単結合を表す場合、窒素原子は更に水素(-H)に結合しており式中、添え字mは1~6であり、好ましくは、mは1~3であり、より好ましくは、mは1である、段落Nに記載のプロ有益剤化合物。
P.G=-O-であり、m≧1であり、Rは、タンパク質構成アミノ酸の側基の構造を有し、RはHであり、Zは香料原料の断片であり、Qは約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、好ましくは鎖原子は炭素原子である、段落Oに記載のプロ有益剤化合物。
Q.補助成分と、段落A~Pのいずれかに記載のプロ有益剤化合物とを含む、処理組成物。
R.補助成分が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、抗酸物質、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、未希釈(neat)香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料からなる群から選択される、段落Qに記載の処理組成物。
S.補助成分が、コンディショニング活性物質を含み、好ましくは、コンディショニング活性物質が第四級アンモニウムエステル化合物を含み、より好ましくは、第四級アンモニウムエステル化合物が、処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、段落Q又はRのいずれかに記載の処理組成物。
T.処理組成物が、未希釈香料、好ましくは、アルコール含有香料原料を含む未希釈香料を更に含む、段落Q~Sのいずれかに記載の処理組成物。
U.処理組成物が、消費者製品であり、好ましくは布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの組み合わせから選択される消費者製品である、段落Q~Tのいずれかに記載の処理組成物。
V.処理組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、段落Q~Uのいずれかに記載の処理組成物。
W.プロ有益剤化合物が、当該処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で当該洗剤組成物中に存在する、段落Q~Vのいずれかに記載の処理組成物。
X.プロ有益剤前駆体化合物を含み、前駆体化合物が炭素含有コアを含み、炭素含有コアが炭素骨格、1つ以上の側基、窒素原子、及びカルボニル基を含み、カルボニル基が、エステル部分、アミド部分、又はチオエステル部分から選択されるカルボニル含有部分の一部であり、カルボニル含有部分が、カルボニル基の炭素に結合したヘテロ原子を含み、ヘテロ原子が酸素、窒素、又は硫黄から選択され、カルボニル含有部分が、ヘテロ原子に結合した疎水性部分を更に含み、疎水性部分が、5~34個の鎖原子を含む有機基である、炭素含有コアと、有益剤であって、有益剤がアルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含み、プロ有益剤前駆体及び有益剤が段落A~Pのいずれかに従って任意に反応してプロ有益剤化合物を形成することができ、プロ有益剤前駆体、有益剤、及びプロ有益剤化合物の重量パーセントの合計は、存在する場合、プレミックス組成物の約10重量%~約100重量%、好ましくは約25重量%~約100重量%、より好ましくは約50重量%~約100重量%、更により好ましくは約75重量%~約100重量%である、有益剤と、を含む、プレミックス組成物。
Y1.プレミックス組成物が水を更に含み、好ましくはプレミックス組成物がエマルション、より好ましくは水中油型エマルションの形態である、段落Xに記載のプレミックス組成物。
Y2.プレミックス組成物が、プレミックス組成物の約10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、更により好ましくは0.1重量%未満の水を含む、段落Xに記載のプレミックス組成物。
Z.プロ有益剤前駆体化合物と有益剤とのモル比が、約3:1~約1:3、好ましくは約2:1~約1:2、より好ましくは約1.5:1~約1:1.5、より好ましくは約1.2:1~約1:1.2、更により好ましくは約1:1である、段落X、Y1、又はY2のいずれかに記載のプレミックス組成物。
AA.以下のうちの少なくとも1つを含む、請求項Q~Wのいずれか一項に記載の処理組成物を作製する方法:(a)プロ有益剤化合物を補助成分と組み合わせる工程であって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部である、工程と、(b)請求項X~Zのいずれか一項に記載のプレミックス組成物を補助成分と組み合わせる工程であって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部である工程と、(c)プロ有益剤前駆体化合物、有益剤、及び補助成分を組み合わせる工程であって、好ましくは、補助成分がベース組成物の一部であり、プロ有益剤前駆体化合物及び有益剤がそれぞれ別個の投入物としてベース組成物に添加される工程と、を含む、方法。
BB.物品又は表面を処理する方法であって、任意に水の存在下で、段落Q~Wのいずれかに記載の処理組成物で物品又は表面を処理することを含み、任意に物品又は表面をすすぐ及び/又は乾燥させる工程を更に含む、方法。
試験方法
プレミックス流体(例えば、水なし)の調製
プレミックス流体は、以下のように調製することができる。
方法A:アルデヒド又はケトン部分を含む有益剤は、前駆体化合物(例えば、上記式Iの前駆体化合物)中に存在するアミンラジカルのモル濃度とほぼ等しいモル当量で添加される。この材料を磁気撹拌棒を用いて150rpmで少なくとも12時間撹拌する。
方法B:アルデヒド又はケトン部分を含む有益剤は、前駆体化合物(例えば、上記式Vの前駆体化合物)中に存在するアミンラジカルのモル濃度とほぼ等しいモル当量で添加される。この材料を、水捕捉剤の存在下で少なくとも12時間、150rpmで磁気撹拌棒を用いて撹拌する。得られた流体は、機械的に濾過するか、又は処理組成物に直接添加することができる。
例示的な例として、IKA RW20DSlミキサー、モデルRW20DSl、及びIKA R 1 342インペラブレードを350rpmで使用して、以下の合成実施例3Aに開示されるような59重量部の変性アミノ酸を、41重量部の有益剤(例えば、シクラメンアルデヒド)と組み合わせる。
プレミックスエマルジョン(例えば、水による)の調製
プレミックスエマルジョンは以下のように調製することができる。
方法A:前の実施例で提供された1重量部のプレミックス流体から出発して、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(10.0部、例:TCI)及びECOSURF(商標)EH-9(1部、例The Dow Chemical Company)を添加する。混合物をFlacktek DA150.FVZ-Kスピードミキサーに3,500rpmで1分間添加する。水(合計88部)を2回に等しく分けて添加する。各水の添加後、混合物をFlacktek DA150.FVZ-Kスピードミキサーを用いて3,500rpmで10~15分間混合する。
方法B:1重量部の前駆体化合物(例えば、疎水性変性アミノ酸)から出発して、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(10.0部、例:TCI)及びECOSURF(商標)EH-9(1部、例:The Dow Chemical Company)を添加する。混合物をFlacktek DA150.FVZ-Kスピードミキサーに3,500rpmで1分間添加する。水(合計88部)を2回に等しく分けて添加する。各水の添加後、混合物をFlacktek DA150.FVZ-Kスピードミキサーを用いて3,500rpmで10~15分間混合する。有益剤は、前駆体化合物中に存在するアミンラジカルのモル濃度にほぼ等しいモル当量で添加される。
例示的な例として、上記のように乳化された、以下の合成実施例1に開示されるような変性アミノ酸を含有する99重量部の乳化流体(約1重量部の変性アミノ酸を含む)を、1部の有益剤(例えば、シクラメンアルデヒド)と組み合わせる。
試験布地増強剤/柔軟剤組成物の調製
水混合物中7.5重量%のN,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリドを提供する。上述のプレミックス流体、上述のプレミックスエマルション、又は2つの別個の未希釈流体(1つは、変性アミノ酸などのプロ有益剤前駆体、他方は1つ以上の香料原料などの有益剤)は、布地柔軟剤中の有益剤又は有益物質断片の濃度が最終布地柔軟剤組成物の約0.3重量%であるような量で添加される。混合物を、IKA RW 20 D Slミキサー、モデルRW20DSl、及びIKA R1342インペラブレードを使用して350rpmで5分間撹拌する。構造化剤及び付着助剤を添加し、混合物を10分間撹拌する。必要に応じて水を加えて、試験脚間のN,Nジ(タローオイルオキシエチル)-N,Nジメチルアンモニウムクロリドの濃度を7.3重量%に標準化し、混合物を5分間撹拌する。必要な場合、HClでpHを2~3に調整する。
試験パスティル組成物の調製
92.59重量部の溶融PEG-8000材料と6.00重量部の香料アコードとの混合物を提供する。高速ミキサーカップに、0.59重量部の合成実施例1のプロ有益剤プレミックス流体を添加する。スピードミキサーカップを素早くFlacktek DA150.FVZ-Kスピードミキサーに3500rpmで1分間入れる。4℃に予め平衡化した青色シリコーン処理ゴム型に注ぎ、10”プラスチックテーピングナイフで広げることにより、混合物から試料パスティルを直ちに作製する。香錠を室温で約30分間冷却し、次いでパスティルを型から取り出し、周囲条件下で保存する。
試験布地洗剤組成物の調製
97.58重量部のTIDE Original Scent液体洗剤に、2.42重量部の合成実施例3Bのプロ有益剤-化合物プレミックス流体を添加する。量は、最終洗剤中の選択された有益剤又は有益物質断片の濃度が、布地処理組成物後に約1重量%であるように選択される。IKA RW 20 D Slミキサー、モデルRW20DSl、及びIKA R1342インペラブレードを使用して、350rpmで10分間、混合物を撹拌する。
食器洗浄用液体洗剤の調製
プロ有益剤化合物プレミックス流体0.6重量部を、Ultra Dawn Blue Diswashing Liquid 99.4重量部に添加する。プロ有益剤アミノ酸エステルは、食器洗浄液中の有益剤又は有益物質断片の濃度が組成後に約0.2重量%となるような量で添加される。混合物をThermo Scientific Tube Roller,Model No.88881003上で80rpmで1時間混合する。
A.布地の調製方法
ヘッドスペース分析試験用の布地を調製するために、布地試料(綿100%テリークロス、アイテム番号ITL 1022-15PGP、Calderon Textiles,Inc.6131 W.80th St.、Indianapolis、IN 46278、洗剤と布地柔軟剤の3回の洗浄サイクルで糊抜きし、調整する)を、衣類のミニ洗濯機、フルスケール洗濯機、及び衣類乾燥機を介して、北米の消費者に一致する方法で洗剤又は布地柔軟剤で処理する。ヘッドスペースGCMS分析(以下の方法を参照)の前に、別段の記載がない限り、布地を21.1℃及び相対湿度50%で12~24時間平衡化する。バラスト負荷は、20x20インチ(50x50cm)のサイズで綿及びポリコットンニットの見本からなる。
洗浄処理条件
以下の布地増強剤/柔軟剤組成物性能試験において、布地は以下の洗浄処理条件で処理される。洗浄:12分間撹拌、30.6℃。すすぎ:2分間撹拌、15.5℃。水硬度:137ppm。水:7.6 pH。布地負荷重量:290g。タンブル乾燥設定:50分高、綿。洗剤用量:9.65g。布地柔軟剤用量:5.71g。以下のパスティル組成物性能試験において、布地を以下の洗浄処理条件で処理する。North America Kenmore 600シリーズトップローディング洗濯機が使用される。各機械を、12分間の洗浄撹拌期間及び1回の3分間のすすぎを含む通常の単一サイクルを実行するように設定した。使用した水は、137ppmの硬度を有し、各洗浄に関して30.6℃であり、すすぎに関しては15.5℃であった。各工程における水の体積は、64リットルであった。総布地負荷重量は3.6kgである(32枚の試験布地ハンドタオルテリークロス、9枚の100%綿バラスト、及び約5枚の50/50ポリ綿バラストを含んだ)。使用した洗剤は、(The Procter & Gamble Companyにより製造されている)無香料液体TIDE Original Scentであった。洗浄水が満たされている間に、洗剤を81gで洗浄水中に投入する。また、洗剤を添加した後、評価するパスティル25gを加え、続いて布地負荷を入れた。水の充填が完了した後、機械は撹拌期間に入った。これに続いて、洗浄撹拌(通常設定)、及びすすぎ工程(対応するスピンサイクルで)を行った。洗浄プロセスが完了した後、布地を取り出した。試験布をCotton/High設定のKenmore乾燥機で50分間機械乾燥するか、又は試験布を21.1℃/相対湿度50%に制御された室内で16時間ライン乾燥する。
以下の洗剤組成物性能試験において、布地を以下の洗浄処理条件で処理する。洗浄:12分間撹拌、30.6℃。すすぎ:2分間撹拌、15.5℃。水硬度:137ppm。水:7.6 pH。布地負荷重量:290g。タンブル乾燥設定:50分高、綿。洗剤用量:9.65g。布地柔軟剤用量:5.71g。
布地上のヘッドスペース分析
次の手順を使用して、布地上のヘッドスペースにある香料原料のレベルを決定する。
以下の装置が使用される。質量選択検出器(5977B)(MSD)とケムステーション定量パッケージを備えたガスクロマトグラフ7890B、固相マイクロ抽出(SPME)プローブ又は同様のシステムを備えたGerstel多目的サンプラー、Supleco部品#57298-U(又は同様の繊維)からのジビニルベンゼン/Carboxen/ポリジメチルシロキサンSPME繊維、公称直径30mx0.25mm、膜厚0.25μm、J&W 122-5532UI DB-5、20mLのヘッドスペースバイアル。
分析用の布地を調製するために、上記方法で調製及び処理された綿テリーから、2.54cmx5.08cmの綿スワッチを3つ切り取る。各ピースを20mLのヘッドスペースバイアルとキャップに入れる。
Gerstelオートサンプラーのパラメータは、以下のとおりである:SPME-インキュベータ由来、インキュベーション温度-65°C.、インキュベーション時間-10.00分試料パラメータ、バイアル浸透量-22.00mm、抽出時間-5.00分、初期浸透量-54.00mm、脱着時間-300秒。フロントSSインレットHeのGCオーブンパラメータは次のとおりである:モード-スプリットレス、ヒータ:270℃、GC運転時間-14.28分。オーブンの場合、初期温度-40℃、保持時間-0.5分、加熱プログラム-17℃/分の速度、270℃の温度、0.25分の保持時間。MSDパラメータは以下のとおりである。スキャンモードで、最小範囲35~350m/zで実行する。
標準の有益材料から較正曲線を生成する。ケムステーションソフトウェア(又は同様の定量ソフトウェア)で、各香料成分の較正曲線を使用して、ヘッドスペースの質量を計算する。
組成物の色の変化
処理組成物は、以下の手順に従って色の変化について試験してもよい。L、a、及びbを含む反射率スペクトル及び色測定は、LabScan XE反射率分光光度計を用いて作製する(HunterLabs、バージニア州レストン、D65光源、10度視野、紫外光を除外)。処理組成物についてのL、a及びb値は、時間t初期、すなわち、有益剤中で混合した後の試験の開始時、及びt最終、すなわち、各実験において定義される安定性試験の終了時において測定される。処理組成物の総色変化(ΔE)は、以下の式を用いて、各時点tで収集されたデータに基づいて計算される:
ΔE=((L -L +(a -a +(b -b 1/2
(式中、下付き文字c及びsは、それぞれ、対照、すなわち有益剤を含まない処理組成物と、試料、すなわちそれぞれのアルデヒド/ケトン有益剤を有する処理組成物とを指し、ここで、ΔEを計算するために使用される値は、対応する時点t(t初期、t最終)における値である。
フォーブレードIKA RW 20インペラを用いてオーバーヘッド混合しながら、プロ有益剤流体プレミックス(水なし)をベース処理組成物に添加し、15分間穏やかに混合することによって、試料を調製した。処理組成物を、標準スクリューキャップを備えた50mL(25cm)CELLSTAR(登録商標)細胞培養フラスコに入れる。特定の温度でのt初期及びt最終後に、各処理組成物試料の色の外観を、LabScan XE 10反射分光光度計で測定する(HunterLabs,Reston,VA、B.D65光源、10度視野、紫外光を除外)。
非イオン性界面活性剤のHLB値
非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子中の親水性部分と親油性部分との間のバランスによって分類することができる。1949年にGriffinによって考案された親水性-親油性バランス(HLB)スケールは、界面活性剤の性質を特徴付けるために使用される0~20(20が親水性である)のスケールである。界面活性剤のHLBは、以下のように計算することができる:
HLB=20Mh/M
(式中、Mhは、分子の親水性部分の分子であり、Mは、分子全体の分子量であり、結果は0~20のスケールで与えられる)。HLB値0は完全に親油性/疎水性の分子に対応し、20の値は完全に親水性/疎油性の分子に対応する。Griffin,W.C.Calculation of HLB values of Nonionic Surfactants,J.Soc.Cosmet.Chem.1954,5,249-256を参照。一般に使用される界面活性剤のHLB値は、文献から容易に入手可能である(例えば、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,MC Publishing Co.,2004におけるHLB指数)。界面活性剤の混合物のHLB値は、界面活性剤のHLB値の加重平均として計算することができる。
logPを決定するための試験方法
オクタノール/水分配係数の対数(logP)の値は、本明細書に記載されるような材料(疎水性物質/Q基又はPRMのアルコールバージョンなど)について計算される。
個々のPRMのlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.5(Linux(登録商標))を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
以下に提供される実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定することを意図するものではない。
合成実施例
以下の合成実施例1~17は、本開示による、例示的なプロ有益剤化合物(例えば、合成実施例1)及びそれらのアミン含有前駆体(例えば、合成実施例1’)の合成を例示する。
比較合成実施例Aは、本開示で提供される小分子アミノ酸エステル部分を含まない比較アミノ変性シリコーンポリマーを示す。比較合成実施例B及びCは、本発明の範囲外の材料から誘導された変性アミノ酸エステルである。
一貫性及び例示/比較目的のために、各実施例は、異なる未希釈プロフレグランス前駆体を、以下の構造を有する同じ香料原料、シクラメンアルデヒド(アルデヒド部分を含有する)と反応させる。追加の例(1,4付加を介して形成されるもの)として、合成実施例3Bは、ケトン部分を含有するデルタ-ダマスコーンを有するプロ有益剤化合物を形成する。PR Mの構造を以下に示す。
しかしながら、本開示による他のアルデヒド又はケトン含有有益剤もまた、好適なプロ有益剤化合物の形成をもたらし得ることが理解される。これらのいくつかは、以下の性能実施例において例示され、試験される。
また、合成実施例は、液体プレミックスエマルションとして、又は未希釈流体として、又は上記のような液体プレミックス流体として処理組成物に製剤されてもよいことも理解される。しかしながら、以下に報告される性能及び安定性の実施例の場合、全ての合成実施例は、別段の指示がない限り、処理組成物中に液体プレミックス流体として直接製剤されると想定される。
各合成実施例について、得られたプロ有益剤化合物を、シクラメンアルデヒド(又は合成実施例3Bの場合、デルタ-ダマスコーン)と共に示し、以下の表Dに提供する。シリコーン系プロ香料である比較合成実施例Aは、表Dにおいてシクラメンアルデヒドで例示されているが、疎水性プロ有益アミノ酸エステルを含有せず、当業者によって低分子量であるとみなされない。
比較合成実施例A.
シクラメンアルデヒド(0.35g、Symrise、ホルツミンデン、ドイツから入手可能)を、アミノ変性シリコーン(A’)、KF-8003(5g、Shin-Etsu Silicones of America Inc.(Akron,OH)から入手可能)に添加する。混合物を12時間撹拌する。得られた透明な流体(合成実施例A)をH NMRによって分析する。
以下の表Dに示されるように、比較合成実施例Aの得られた材料は、本開示による疎水性エステル部分を含まない。
性能及び安定性の実施例の両方で使用された材料は、本明細書で例示される乳化シリコーン系に基づいていた。60.0重量部のKF-8003化合物から出発して、Surfonic L24-9(2.0部、例、Huntsman Holland BV)及びTergitol(商標)15-S-40(2.5部、例、The Dow Chemical Company)を添加する。混合物を、IKA RW 20を用いて800rpmで1分間混合する。水(合計35.5部)を2回に等しく分けて添加する。各水の添加後、混合物をIKA RW 20とおよそ10~15分間混合した。
次いで、有益剤を、KF-8003シリコーンポリマー中のアミンのモル量とほぼ等しいモル当量でエマルションに添加し、IKA RW 20を用いて275rpmで15分間撹拌する。例示的な例として、上記のように乳化された、上記で開示されたシリコーン流体93.5重量部を、香料原料(例えば、シクラメンアルデヒド)6.5重量部と組み合わせる。
比較合成実施例B及びC。
アミノ酸のメチル又はエチルエステル(Sigma-Aldrichから入手可能)が提供され、中和される。次に、比較プロ有益剤化合物を、以下に示す一般的方法Bに従って作製する。
プロ有益剤化合物(例えば、変性アミノ酸エステル)を調製する方法
以下の合成実施例において、材料は、以下に示される場合を除いて、一般的にSigma-Aldrich(St.Louis,MO,USA)から得られる/入手可能である。アミノ酸は、一般に>98%又は更に>99%の純度で提供される。アルコールは、一般に、>97%、>98%、又は更に>99%の純度で提供される。シクラメンアルデヒド(例えば、Sigma-Aldrich)は>95%純粋で提供される。δ-ダマスコーンは、Firmenich(Geneva,Switzerland)から入手可能である。デカノールのプロポキシル化からC10PO1を調製した。ISALCHEM 123及びNEODOL 123は、Sasol(Viale Forlanini,Milano,Italy)から入手した。
一般的方法A:前駆体化合物(例えば、アミノ酸エステル)の一般的調製
アミノ酸及びアルキルアルコールからプロ有益剤前駆体化合物を調製するために、丸底フラスコに1当量の遊離塩基アミノ酸出発材料を充填する。フラスコに、1当量のアルコール、続いて1.2当量のp-トルエン-スルホン酸一水和物(PTSA)又はメタンスルホン酸(MsOH)を添加する。次いでフラスコをベンゼンで希釈し、ディーン-スターク装置を用いて12時間還流する。溶媒を真空中で除去し、得られた粗材料をクロロホルムに溶解する。溶液をEtNで中和し、次いでNaHCOで3回洗浄し、MgSOで乾燥する。溶媒を除去し、洗浄した材料をシクロヘキサンで希釈し、0℃で12時間保存する。溶出液を回収し、所望の変性アミノ酸エステルを得る。
一般的方法B:プロ有益剤化合物の一般的調製
丸底フラスコに、1当量の変性アミノ酸エステル前駆体を入れる。このフラスコに、1当量のシクラメンアルデヒド又はδ-ダマスコーンのいずれかを添加する。流体に20重量%の4Åモレキュラーシーブを添加し、混合物を12時間撹拌する。得られた混合物を、Pyrex 36060-30M Brand 36060フリット漏斗を使用して濾過し、直接使用する。
合成実施例1
合成実施例1’は、10.0gのグリシン、24.8gの1-ドデカノール、及び30.4gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例1’の単離された固体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒド(≧95%、Sigma-Aldrich,St.Louis,MO)と混合して、合成実施例1を得た。独立した流体1は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例2
合成実施例2’は、10.0gのL-アラニン、21.0gの1-ドデカノール、及び25.6gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例2’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例2を得た。独立した流体2は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例3A
合成実施例3’は、10.0gのL-バリン、16.1gの1-ドデカノール、及び19.5gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例3’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例3Aを得た。独立した流体3Aは、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例3B
合成実施例3’は、10.0gのL-バリン、16.1gの1-ドデカノール、及び19.5gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例3’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにδ-ダマスコーンと混合して、合成実施例3Bを得た。独立した流体3Bは、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例4
合成実施例4’は、10.0gのL-バリン、11.1gの1-オクタノール、及び19.5gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例4’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例4を得た。独立した流体4は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例5
合成実施例5’は、10.0gのL-バリン、11.1gの2-エチル-1-ヘキサノール、及び19.5gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例5’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例5を得た。独立した流体5は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例6
合成実施例6’は、10.0gのL-バリン、11.1gの4-オクタノール、及び19.5gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例6’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例6を得た。独立した流体6は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例7
合成実施例7’は、10.0gのL-バリン、10.5gの4-メチルベンジルアルコール、及び9.90gのMsOHを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例7’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例7を得た。独立した流体7は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例8
合成実施例8’は、10.0gのL-バリン、18.3gの1-テトラデカノール、及び19.5gのPTSA・HOを使用した以外は、一般法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例8’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例8を得た。独立した流体8は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例9
合成実施例9’は、10.0gのL-バリン、20.8gの1-ヘキサデカノール、及び19.5gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例9’の単離した固体を、一般的方法Bに記載したようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例9を得た。独立した流体9は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例10
合成実施例10’は、10.0gのL-バリン、23.0gの1-オクタデカノール、及び19.5gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例10’の単離した固体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例10を得た。独立した流体10は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例11
合成実施例11’は、10.0gのL-トリプトファン、9.1gの1-ドデカノール、及び11.2gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例11’の単離した固体を、一般法Bに記載したようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例11を得た。独立した流体11は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例12
合成実施例12’は、10.0gのL-チロシン、10.3gの1-ドデカノール、及び12.6gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例12’の単離された固体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例12を得た。独立した流体12は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例13
合成実施例13は、10.0gのL-アスパラギン酸、2当量に相当する28gの1-ドデカノール、及び17.2gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例13’の単離された固体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例13を得た。独立した流体13は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例14
合成実施例14は、10.0gのL-メチオニン、12.5gの1-ドデカノール、及び15.3gのPTSA・HOを使用した以外は一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例14’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例14を得た。独立した流体14は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例15
合成実施例15’は、10.0gのL-フェニルアラニン、11.3gの1-ドデカノール、及び13.8gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載のように調製した。次いで、合成実施例15’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例15を得た。独立した流体15は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例16
合成実施例16’は、10.0gのL-イソロイシン、14.2gの1-ドデカノール、及び17.4gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載のように調製した。次いで、合成実施例16’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例16を得た。独立した流体16は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例17
合成実施例17’は、10.0gのL-ロイシン、14.2gの1-ドデカノール、及び17.4gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例17’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例17を得た。独立した流体17は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例18
合成実施例18’は、10.0gのL-フェニルアラニン、11.4gのC10PO1、及び13.8gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例18’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例18を得た。独立した流体18は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例19
合成実施例19’は、10.0gのL-フェニルアラニン、11.3gの2-ドデカノール、及び13.8gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例19’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例19を得た。独立した流体19は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例20
合成実施例20’は、10.0gのL-フェニルアラニン、11.6gのNEODOL 123、及び13.8gのPTSA・HOを用いた以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例20’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例20を得た。独立した流体20は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例21
合成実施例21’は、10.0gのL-フェニルアラニン、11.6gのISALCHEM 123、及び13.8gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例21’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例21を得た。独立した流体21は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例22
合成実施例22’は、10.0gのL-フェニルアラニン、8.5gのシトロネロール、及び13.8gのPTSA・HOを使用した以外は、一般的方法Aに記載したように調製した。次いで、合成実施例22’の単離された流体を、一般的方法Bに記載されるようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例22を得た。独立した流体22は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例23
方法A:tert-アミルメチルエーテル(TAME、50mL)中のドデシルアミン(5g、27mmol)及びL-フェニルアラニン(2.2g、13mmol)の撹拌懸濁液を、ディーン-スタークを用いて加熱還流し、1当量のB(OCHCF33、8.3g、27mmol)をディーン-スタークを通して添加した。Westコンデンサーを取り付け、反応混合物をN下で24時間撹拌した。完了後、反応混合物を真空中で濃縮し、カラムクロマトグラフィーのためにシリカゲル上に乾燥充填した。精製後、23’を粉末状白色固体として得た。
方法B:上記の方法Aで説明したように、B(OCHCFの代わりに1当量のTi(OiPr)を用いる。
次いで、合成実施例23’の単離した固体を、一般的方法Bに記載したようにδ-ダマスコーンと混合し、混合物を10重量%EtOHで希釈して、合成実施例23を得た。独立した流体23は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例24
合成実施例24’は、AStatEch,Inc(Bristol,PA,USA)から入手した。次いで、合成実施例24’を、一般法Bに記載のシクラメンアルデヒド及び10重量%EtOHと混合して、合成実施例24を得た。独立した流体24は、H NMRによって数ヶ月間安定しているようである。
合成実施例25
合成実施例25を製造するために、以下の手順に従うことができる。フェニルアラニンは、N-メチルドデシルアミンから誘導された過剰のトリスアミノボランと結合される(これは、エーテル中に溶解されたBFを、グリニヤール試薬の存在において第二級アミンのC溶液で処理することによって調製され得る。Angewandte Chemie(1956),68,619参照)。混合物をMeCN(0.5 M)中、21℃で12時間撹拌する。完了したら、混合物をCHCl及び1当量の水で希釈する。Amberlite IRA-743及びAmberlyst A-26(OH)を混合物に添加し、30分間撹拌する。合わせた混合物をMgSOで乾燥させ、濾過する。濾液を減圧下で減少させ、カラムクロマトグラフィーによって精製して、化合物25’を得る。単離した合成実施例25’を、一般的方法Bに記載したようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例25を得る。
合成実施例26
合成実施例26を製造するために、以下の手順に従うことができる。化合物26’は、N-メチルドデシルアミンの代わりにジブチルアミンを用いて化合物25’の調製を繰り返すことによって得ることができる。単離した合成実施例26’を、一般法Bに記載したようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例26を得る。
合成実施例27
合成実施例27を製造するために、以下の手順に従うことができる。化合物27’は、N-メチルドデシルアミンの代わりにビス(2-エチルヘキシル)アミンを用いて化合物25’の調製を繰り返すことによって得ることができる。単離した合成実施例27’を、一般的方法Bに記載したようにシクラメンアルデヒドと混合して、合成実施例27を得る。
合成実施例の構造。
以下の表Dは、合成実施例1-27の構造、並びにそれらの前駆体化合物(「’」で示される)を示す。
表Dは、比較合成実施例A、イミン結合を含むシロキサン系(Si-)プロ香料も含む。表Dは、本発明の範囲外の材料に由来するエステル化アミノ酸である比較合成実施例B及びCを更に含む。すなわち、疎水性物質の長さは比較的短い(それぞれ1個又は2個の炭素)。比較例は、アスタリスク()でマークされる。
以下の性能実施例及び安定性実施例において、プロ有益剤前駆体化合物(例えば、アミノ酸エステル分子)及び示された香料原料は、上記の試験方法セクション(「プレミックス流体の調製」)に見出される方法と整合された手順に実質的に従って混合される。合成実施例と性能及び安定性実施例との間で調製方法が異なる(例えば、異なるPRMで作製される)にもかかわらず、プロ有益剤化合物に関する入力及び出力は、実質的に同じである。
性能実施例
以下の性能実施例1~14では、未希釈香油、又は本開示によるプロ有益剤化合物(例えば、変性アミノ酸エステルに基づく)、又は比較シリコーンポリマーを含むプレミックスエマルションを含む処理組成物を、上記の布地処理方法に従って自動洗濯機での処理サイクルを介して比較する。処理後、布地を、上に提供した試験方法に従ってヘッドスペース分析について試験する。以下のデータは、疎水的に変性されたアミノ酸エステルによって与えられる利益、及び有益剤の送達における、イミン又は1,4-付加物を介した有益剤とのそれらの相互作用を示す。
性能実施例1.一連の変性アミノ酸エステルを有する液体布地増強剤における適用。
これらの材料を更に評価するために、様々な有益剤材料を試験した。以下の実施例では、それぞれの試験脚に記載される等モル濃度のアルデヒド有益剤が、上記のような前駆体アミノ酸に提供され、次いで、上記の試験方法で提供されるように調製される試験布地増強剤/柔軟剤組成物に製剤される。試験布地を調製し、洗浄処理し、上記の試験方法に従って布地上のヘッドスペース分析について試験する。
表1及び後続の表の両方において「合成実施例1」等と書かれた行については、試料は、列挙された合成実施例において提供された方法及び前駆体に実質的に従って調製されたが、シクラメンアルデヒド又はデルタ-ダマスコーンだけではなく、性能表に列挙された有益剤材料(前駆体変性アミノ酸エステルと等モル濃度で)を用いて調製され、上で詳述されたようにプレミックス流体として製剤されたことが理解される。
上記のヘッドスペース分析布地試験の結果を以下の表1に示す。
表1に示すように、疎水的に変性されたアミノ酸エステル1-3は、純原料よりも全ヘッドスペースの改善をもたらした。
更に、アミノ酸側基2及び3を含有する材料は、合成実施例1よりも全ヘッドスペースの増加を示した。アミノ酸バリンに基づく合成実施例3は、立体的に妨害された有益剤、すなわち、フロラロゾン及びプレサイクルモンBに対してより好ましい相互作用を有する最も高い総ヘッドスペースを有した。
性能実施例2.シリコーンプロ香料対変性アミノ酸エステルの比較例。
この実施例は、本明細書に開示されるプロ有益剤化合物の相対的な性能を、工業的に匹敵するシリコーン系プロ香料と比較する。両方とも、イミン結合によって結合された香料断片を含む。
試験は、以下の表2に提供される有益剤及び合成実施例を用いて、性能実施例1と実質的に同じように行われる。性能実施例1と同様に、プロフレグランスシリコーンポリマーは、シクラメンアルデヒドだけではなく、列挙された有益剤を用いて作製され、上記の方法に記載されるようにプレミックスエマルションの形態で反応することが理解される。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表2に示す。
表2に示すように、比較合成実施例A及び合成実施例3は、純原料よりも高い総ヘッドスペースをもたらした。比較合成実施例A及び合成実施例3の両方は、同様のイミン機構を介して作用し、布地上でのその後の加水分解によって有益剤を放出すると考えられる。天然材料から構成される合成実施例3は、記載された試験方法に関して最も高い総ヘッドスペースをもたらす。
性能実施例3.有益剤を送達する際の変性バリンエステルの疎水性物質の好ましい構造。
有益剤の送達に対する式1中のQ基の性能影響を評価するために、一連の8炭素アルコールをバリンアミノ酸に結合させた。試験は、液体布地コンディショナーの形態で上述したものと同様の方法で行った。
試験した合成実施例の各々についての疎水性物質/Q基の構造及びlogP値を、以下の表3Aに提供する。ポンド記号/ハッシュタグ(#)は、エステル基の酸素への結合点を表す。
上記布地のヘッドスペース分析の結果を表3B(24時間の時点)に提供し、合成実施例4及び7の独立試験からの結果を表3Cに提供する。
この性能試験は、アルコール疎水性物質の構造的結合性が有益剤の送達に有意に影響することを強調する。表3Bに例示されたデータに基づく最も好ましい順序、24時間ヘッドスペース時点は以下のとおりである。合成実施例4>合成実施例5>>合成実施例6>>合成実施例7>純原料。
直鎖疎水性物質(例えば、合成実施例4)は、分岐疎水性物質(合成実施例5及び/又は6)よりも好ましい。更に、合成実施例4の末端アルコールは、合成実施例6の内部アルコールよりも好ましい。最後に、合成実施例7におけるアリール含有疎水性物質は、一般的に、24時間後に純原料よりも狭い利益を提供するようである。
異なる疎水性物質によって得られる有益剤親和性及び放出寿命のダイナミックレンジを例示するのを助けるために、第2の独立した試験を行い、表3Cに作表した。独立試験は、合成実施例4及び7について72時間の時点でヘッドスペースを測定した。表3Bの結果を参照すると、合成実施例4>合成実施例7>純原料の優先順序がある。更に、検討したところ、合成実施例4は、合成実施例7よりも、メチルノニルアセトアルデヒドのカウントが高かったが、フロラロゾンのカウントは低かった。これは、消費者製品において異なる嗅覚経験をもたらし得る。理論に束縛されるものではないが、有益剤の親和性の差は、変性アミノ酸骨格との双極子-双極子相互作用又は潜在的にアリール-アリール(π-π)相互作用のいずれかを介した正味の分子相互作用など、2つの分子の構造的立体配座によって部分的に影響され得ると考えられる。
性能実施例4.好ましい疎水性アルコール鎖長はアミノ酸コア上である。
性能実施例3に示すように、式1中の疎水性物質/Q基は、有益剤の送達効率において重要な役割を果たす。続いて、疎水性物質/Q基の最も好ましい鎖長を、有益剤送達に関して調査した。疎水性物質/Q基を作製するために使用される一連の直鎖アルコールは、上述の結果に基づいて最も好ましいものとして選択された。表4Aは、各実施例の直鎖状疎水性物質中の炭素数を示す。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表4Bに提供する。
表4Bに示されるように、少なくとも8個の直鎖炭素原子を有する式1で定義されるQ基は、最も高い利益を得るために必要とされるようである。新たに調製した試料において、最も好ましい炭素長は、合成実施例3及び合成実施例4によって表される。更に、8~18個の炭素範囲の各疎水性物質は、比較例B又はCと比較した場合に(それぞれ1つ又は2つの炭素)、性能上の利点を提供する。
追加の内部試験(結果はここでは示されていない)は、追加の炭素原子(例えば、20個以上)を加えても性能が著しく改善されないことを示す。したがって、質量効率の理由から、疎水性物質中に18個までの炭素を使用することが好ましい場合がある。加えて、追加の炭素(例えば、20個以上)を有する疎水性物質を使用することは、加工の困難さを呈するようであり、これは、溶媒などの追加の加工助剤の添加を必要とする場合があり、これは、追加の性能利益を加えることなく余分なコストをもたらす。より低い炭素の足場は、現在の方法の下で未希釈香料を超える利点を提供するが、その後の内部安定性研究は、より長い炭素鎖の足場とは異なり、この中程度の利点が経年劣化で失われ得ることを示す。
性能実施例5.すすぎを通じたイミン形成及び性能に対するアミノ酸側基の影響。
性能に対するアミノ酸側基の影響を調べるために、更なる実験を行う。異なる官能性及び置換基を有する種々のアミノ酸側基を選択して、最も好ましい構造変異体を調査した。試験したアミノ酸側基を表5Aに示す。ポンド記号/ハッシュタグ(#)は、アミノ酸の中心炭素への結合点を表す。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表5Bに提供する。
表5B中の合成実施例の各々は、純原料よりも改善されたヘッドスペースを示す。一連の中で、バリンに基づく合成実施例3は、最も高い総ヘッドスペースを有する。
興味深いことに、2つの疎水性物質を有する合成実施例13は、合成実施例3を超える全体的な改善をもたらさなかった。これは、有益剤を効率的に送達するために追加の疎水性物質(例えば、2つ以上)が必要とされないことを示唆する。
更に、合成実施例にわたる個々の有益剤間の比はほぼ保存されており、それによって、イミンがアミノ酸R基によってわずかに影響を受けることが示唆される。
性能実施例6.液体布地増強剤製剤における有益な送達に対する疎水性アミノ酸側基の選択された調査。
疎水性アミノ酸のサブセクションを、有益剤を送達するそれらの能力について調査する。液体布地増強剤中の新たに調製した試料を、有益剤のアコードを使用して試験する。試験したアミノ酸側基を表6Aに示す。ポンド記号/ハッシュタグ(#)は、アミノ酸の中心炭素への結合点を表す。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表6Bに提供する。
表6Bに例示されるように、試験された合成実施例の全ては、純原料を上回るヘッドスペースの改善をもたらした。このうち、合成実施例3、15はいずれも合成実施例16より若干優れている。個々の有益剤における同様の比率が、合成実施例にわたって観察された。
性能実施例7.液体布地増強剤中の有益剤の性能に対するアミノ酸側基の単一炭素伸長の影響。
興味深いのは、イミン形成に対する立体的要求及びすすぎを通してのこのような構築物の相対的性能の調査である。更に、単一炭素原子の影響は、アミノ酸側基に起因する疎水性及び付着助剤の程度への洞察を提供することができる。この現象を調査するために、バリン及びロイシンのアミノ酸コア(余分な炭素スペーサーを含む)を比較例として選択する。
試験したアミノ酸側基を表7Aに示す。ポンド記号/ハッシュタグ(#)は、アミノ酸の中心炭素への結合点を表す。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表7Bに提供する。
表7Bでは、アミノ酸側基上の1個の炭素原子の違いが例示されている。性能結果は、両方の材料が純原料よりも有意な利益をもたらすことを示す。更に、合成実施例3において示されるより小さい側基は、合成実施例17の側基よりも好ましいようである。
性能実施例8.様々な布地タイプにわたる性能。
性能実施例のそれぞれにおいて例示された綿テリーに加えて、消費者の洗濯負荷を密接に表す一連の布地タイプにわたる性能を調べることに関心がある。洗浄条件は、以下の布地負荷を使用することを除いて、上記の方法に記載されているものと一致する:以下の布地タイプのそれぞれの5つの8×8トレーサーを使用した:織布綿テリー(100%繊維含量)、緯編み綿ニット(100%繊維含量)、平織ポリエステル/綿(65:35繊維含量)、緯編みポリエステル(100%繊維含量)、織綾織綿/スパンデックス(98:2繊維含量)及び布地は、WFK Testgewebe GmbH,Christenfeld 10,D-41379 Bruggen,Deutschlandから購入した。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表8Aに提供する。
表8Aは、合成実施例3が、純原料よりも、布地タイプのそれぞれにわたって利益を提供することを示す。ポリエステルは、原料と合成実施例3との間で最大のデルタを示した。更に、スパンデックスの組成物は、全ヘッドスペースに基づいて、合成実施例3と純原料との間の最小デルタをもたらす。混合洗濯用途において、本発明者らは、布地全体に分布する個々の有益剤の分布比がより均一に近いことを観察する。
性能実施例9.液体布地増強剤における変性アミノ酸エステルのマルチサイクル効果。
マルチサイクル洗浄試験は、消費者による製品の連続使用を表すので、興味深い。この研究では、布地を、上記の試験方法及び性能実施例8に記載されるような複数の洗浄サイクルに供し、各繰り返し布地洗浄の間に24時間の休み日を置く。以下に記載するようなプロ有益剤化合物は、液体布地増強剤組成物の一部として各サイクルに含まれる。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表9Aに提供する。
合成実施例3による反復処理から、いくつかの布地にわたってマルチサイクル効果が観察される(表9Aを参照されたい)。マルチサイクル利益による性能の最大の増加は、ポリ-綿及びスパンデックスについて観察された。
性能実施例10.乾燥粒子製剤における合成実施例1の用途及び利点
最初に、エステル化グリシンを上記のようにシクラメンアルデヒドと反応させて合成実施例1を得る。この例では、材料の製剤は、乾燥形成粒子用途で調製される(例えば、担体としてポリエチレングリコールを含むパスティル、Procter&Gamble CompanyによってDOWNY UNSTOPABLES(商標)として販売されているものとサイズ及び形状が類似している)。各脚の粒子の製剤を表10Aに提供し、ここで、合成実施例1は、上で詳述したようにプレミックス流体として導入される。量は、組成物の重量に対する重量%として示す。
以下の実施例において、等モル濃度の香料原料が、上記の試験方法において提供されるように調製された試験布地パスティル組成物に提供される。試験布地を調製し、洗浄処理し、上記試験方法に従って布地上のヘッドスペース分析について試験する。結果を表10Bに提供する。
表10Bに示されるように、乾燥粒子製剤中の合成実施例1は、すすぎ及び乾燥機を通して、純原料を上回る利点を示す。
性能実施例11.乾燥粒子製剤における性能評価
好適なアミノ酸コアの範囲を調査するために、一連のシクラメンアルデヒド材料を乾燥パスティル製剤に製剤化する。特定のアミノ酸側基は、乾燥粒子製剤中により多量の有益剤を送達する際に他のものよりも好ましい場合があることが予想される。各コアのアミノ酸としてグリシン、アラニン、バリンを検討した。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表11Aに提供する。
表11Aに示すように、一連の疎水的に変性されたアミノ酸エステルを乾燥粒子形態で調べる。材料の各々は、純原料よりも大きな利益をもたらす。合成実施例1が最も大きなヘッドスペースを提供し、合成実施例2、次いで合成実施例3が続く。
この傾向は、液体/水性形態と比較して、ここで試験された固体粒子などの乾燥形態で材料が製剤化される場合、アミノ酸側基の選択があまり重要でないことを示唆している。例えば、上記の性能実施例3、4、5、及び7を参照されたい。
そうは言っても、プレミックス組成物は、前駆体化合物及び有益剤が液体中で会合することができるように、材料を乾燥形態に製剤する場合に有用であり得ると考えられる。
更に、上記の表においてわずかに低い性能を示すが、バリンに基づくコアは、安定性の理由のために、例えば、重合されないままであるその傾向のために、好まれ得ると考えられる。
性能実施例12.洗剤組成物における性能評価。
上記試験方法に記載した液体洗剤を、有益剤としてδ-ダマスコーンを含有する変性アミノ酸エステルと組み合わせる。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表12Aに提供する。
表12Aの結果は、合成実施例3Bが、液体洗濯洗剤中で使用される場合、純原料よりもヘッドスペース中の有益剤の改善をもたらすことを示す。
性能実施例13.柔軟剤レベル及び性能利益。
液体布地増強剤製剤物中の本開示によるプロ有益剤化合物とカチオン性柔軟剤との間の潜在的な相乗効果を調査するために、カチオン性柔軟剤(ジエステル第四級アンモニウム、すなわち、N,N-ジ(タローオイルオキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウム)の濃度を変化させる。上記の試験布地増強剤/柔軟剤組成物の調製に記載したように、3つの異なるジエステル第四級アンモニウム濃度(4重量%、7.3重量%、及び12重量%)を製剤する。
布地上のヘッドスペース分析の結果を表13Aに提供する。
表13Aに示すように、合成実施例3の性能は、ジエステル第四級アンモニウムの濃度によって影響を受ける。最良の性能は、記載された試験条件下で軟化剤が4%を超える場合に得られる。
性能実施例14.布地に有益剤を送達する際の未希釈香油とプロ有益促進アミノ酸エステルとの組み合わせ。
未希釈香油は、布地処理組成物において一般的である。香油とプロ有益剤化合物(例えば、変性アミノ酸エステル)との間の関係を、2%純油~10%純油の範囲の3つの濃度で調べる。
香油は、アミノ酸系有益促進剤によって送達されるアルデヒド又はケトンを含有しない香料原料の組み合わせである。具体的には、未希釈香油は、未希釈香油の重量基準で、10重量%のゲラニオール、20重量%のシトロネロール、20重量%のアセトフォン、30重量%のレモニール、及び20重量%の1,1-ジメトキシドデカンを含有する。特に、未希釈香油は、とりわけ、アルデヒド及びケトンがないために、例えば、本開示による変性アミノ酸とのイミン結合の形成に寄与しない可能性がある香料タイプ(例えば、アルコール、ニトリル、及び/又はエステル)を含む。
プロ有益剤化合物によって送達されたアルデヒド及び/又はケトンに関する布地上のヘッドスペース分析の結果を表14Aに提供する。
表14Aは、布地柔軟化製剤への未希釈香油の連続添加が、合成実施例3によって送達される有益剤の量において相関関係を有することを例示する。理論に束縛されるものではないが、疎水性物質(例えば、未希釈香油及び疎水変性アミノ酸)は、水性製品マトリックス及び/又は洗浄液中で会合する傾向があり、それによって、プロ有益剤化合物の少なくとも一部を水から保護し、加水分解が少なくなり、安定性が改善されると考えられる。
性能実施例15.第一級、第二級及びアルコキシレートアルコールからのアルコール性能の試験。
アルコール供給原料における柔軟性は、商業化にとって魅力的である。更に、エステルの化学反応性、エステル化の速度論、及び加水分解は、構造配置に基づいて影響を受ける。第一級、第二級及び平均12個の炭素原子を有するアルコキシル化アルコールを含有するQ基の間で性能の差が観察されたかどうかに関して調査を行う。
試験した合成実施例の各々についての疎水性物質/Q基の構造を、以下の表15Aに提供する。ポンド記号/ハッシュタグ(#)は、エステル基の酸素への結合点を表す。
布地を組成物で処理し、布地上のヘッドスペース分析の結果を表15Bに提供する。
表15Bの結果は、第一級、第二級又はアルコキシル化アルコールによる一連のQ基にわたる性能を示す。合成材料の各々は、未希釈油を超える利点を提供する。シリーズ内で、合成実施例18及び19は、合成実施例15よりも改善された性能を有した。更に、理論に束縛されるものではないが、合成実施例18及び19は、第二級アルコールから構成されているため、改善された加水分解安定性を有するであろう。
性能実施例16.布地増強剤/柔軟剤組成物中の有益剤送達における第二級アミドの試験。
上記の試験方法に記載した布地増強剤/柔軟剤組成物を、有益剤としてδ-ダマスコーンを含有する第二級アミドを構成する変性アミノ酸と組み合わせる。布地を組成物で処理し、布地上のヘッドスペース分析の結果を表16に提供する。
表16の結果は、合成実施例23が、布地増強剤/柔軟剤組成物中で使用される場合、純原料よりもヘッドスペース中の有益剤の改善をもたらすことを示す。
性能実施例17.布地増強剤/柔軟剤組成物中の第三級アミドの性能評価
上記の試験方法に記載した布地増強剤/柔軟剤組成物を、アルデヒド有益剤を含有する第三級アミドを構成する変性アミノ酸と組み合わせる。布地を組成物で処理し、布地上のヘッドスペース分析の結果を表17に提供する。
表17の結果は、合成実施例23が、布地増強剤/柔軟剤組成物中で使用される場合、純原料よりもヘッドスペース中の有益剤の改善をもたらすことを示す。
安定性実施例
安定性実施例1では、変性アミノ酸エステルプレミックス流体を処理組成物に製剤し、貯蔵時の色安定性を記録する。
安定性実施例1。変性アミノ酸エステルの色安定性。
プロ有益変性アミノ酸エステル、具体的には流体形態のプレミックス、及びこのようなプレミックス流体から形成される関連する布地柔軟剤製品が調製される。合成実施例3の変性アミノ酸エステルプレミックス流体を含む布地柔軟剤製品の色測定は、上記の試験方法に記載されるように測定される。より低いΔE値は、新鮮な生成物と比較してより少ない色変化を示す。
アルデヒド含有有益剤は、処理組成物全体の0.2重量%で製剤される(アルデヒド組成は以下のとおりである:10重量%のメチルノニルアセトアルデヒド、40重量%のP.T.ブシナール、20重量%のプレサイクルモンB、及び30重量%のフロラロゾン)。先の実施例と同様に、合成実施例は、単にシクラメンアルデヒド又はδ-ダマスコーンではなく、列挙されたアルデヒドを用いて作製され、上で詳述されたようなプレミックス流体の形態の有益剤と反応することが理解される。比較組成物は、KF-8003シリコーンプレミックスエマルション及び上記と同じアルデヒドを用いて作製される(例えば、比較例A)。
4週間の貯蔵時の布地柔軟剤製品の色安定性は、上に提供される組成物試験方法の色変化によって評価される。結果を下の表1に示す。
表1Sに示されるように、有益剤断片と組み合わせて変性アミノ酸エステルを含有する合成実施例3を用いて製剤化された製品は、比較的低いΔEを示し、純原料を用いて形成された製品と比較して、色の変化が比較的少ないことを示す。
更に、合成実施例3を用いて製剤された製品は、イミン含有シリコーン比較合成実施例Aを用いて製剤された製品と比較して、40℃で貯蔵後に比較的低いΔEを示す。理論に束縛されるものではないが、合成実施例3において構築されたイミンは、有益剤残基からの全体的な強度を低減すると考えられる。追加的に又は代替的に、経時的に改善された色安定性を有する合成実施例3をもたらす例示的な変性アミノ酸エステルにおける結合の性質は、部分的には、比較合成実施例Aにおいてより優勢であり得るゲル化と比較して低減されたゲル化に起因し得ると考えられる。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
本明細書では、以下の発明を開示する。
1.プロ有益剤化合物であって、前記化合物は式IIによる構造によって特徴付けられ、
式中、Gは、-O-、-S-、又は-N(R )-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、
は、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、式中、R は、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、R は-Hであり、
式中、Qは、5~34個の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子を含む疎水性部分であり、一価の有機基であり、
好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含む疎水性部分であり、
式中、添え字mは1~6であり、
好ましくは、mは1~3であり、より好ましくは、mは1であり、
式中、R 及びR は、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、
好ましくは、独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、
より好ましくは、独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
式中、Zは、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む有益剤の有益剤断片であり
式中、 ** は、Z基の窒素原子と炭素原子との間の連結結合を表し、前記連結結合は以下の1つであり、
(a)二重結合であり、それによってイミン結合を形成するか、又は
(b)前記有益剤断片が由来する前記有益剤が、アルデヒド部分又はケトン部分であるアルファ-ベータ不飽和カルボニル含有部分を含む場合、1,4-付加から形成される単結合、
ここで、 ** が単結合を表す場合、前記窒素原子は更に水素(-H)に結合しており、
ここで、前記連結結合が開裂すると、前記有益剤が放出される、プロ有益剤化合物。
2.前記添え字mが1である、1に記載のプロ有益剤化合物。
3.R 及びR の少なくとも1つが、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、
好ましくは、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の前記側基、
より好ましくは、バリン、フェニルアラニン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の前記側基、の構造を有する、1又は2に記載のプロ有益剤化合物。
4.Gが-O-である、1~3のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
5.Qが、約8~約18個の鎖原子、
好ましくは約8~約14個の鎖原子、より好ましくは炭素鎖原子を含む、1~4のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
6.Qが、非置換有機基、非分岐有機基、又はこれらの組み合わせであり、
好ましくはこれらの組み合わせである、1~5のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
7.Qが、第2の有益剤の第2の断片を含み、
好ましくは、前記第2の有益剤が香料原料であり、
より好ましくは、前記第2の有益剤はアルコール含有香料原料である、1~6のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
8.前記有益剤断片が、アルデヒド部分を含む有益剤に由来する、1~7のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
9.前記有益剤断片が、香料原料、抗菌剤、殺虫剤、虫除け、抗真菌剤、除草剤、色相染料、抗酸化剤、非香料感覚刺激剤、又はこれらの組み合わせ、
好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、
好ましくは香料原料、から選択される有益剤に由来する、1~8のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
10.前記有益剤が香料原料であり、
好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone)、イソシクロシトラール、トリプラル(リグストラル)、プレシルケモンB、リリアール(lilial)、デシルアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、シクラメン属ホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル(Dupical)、オンシダール、アドキザール(adoxal)、メロナール(melonal)、カリプソン(calypsone)、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール(scentenal)、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal)、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレン酸アルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカジエナール、シス-4-ヘプテナール、フローヒドラール(Florydral)、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラル、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、デルタ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガルバスコン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料であり、
より好ましくは、前記疎水性部分は、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
好ましくは、前記鎖原子は炭素原子である、1~9のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
11.G=-O-、
m≧1、
はタンパク質構成アミノ酸の側基であり、
はHであり、
Zは香料原料の断片であり、
Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
好ましくは、前記鎖原子は炭素原子である、1~9のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物。
12.補助成分と、1~11のいずれか1つに記載のプロ有益剤化合物とを含む処理組成物であって、
前記処理組成物は、消費者製品であり、
好ましくは、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの組み合わせから選択される消費者製品である、処理組成物。
13.前記補助成分が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、抗酸化物質、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、未希釈(neat)香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料の1つ以上を含む、12に記載の処理組成物。
14.前記補助成分が、コンディショニング活性物質を含み、
好ましくは、前記コンディショニング活性物質が第四級アンモニウムエステル化合物を含み、
より好ましくは、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、前記処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、12又は13に記載の処理組成物。
15.前記処理組成物が、未希釈香料、
好ましくは、アルコール含有香料原料を含む未希釈香料を更に含む、12~14のいずれか1つに記載の処理組成物。
16.前記処理組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、12~15のいずれか1つに記載の処理組成物。
17.前記プロ有益剤化合物が、前記処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で前記処理組成物中に存在する、12~16のいずれか1つに記載の処理組成物。
18.物品又は表面を処理する方法であって、任意に水の存在下で、前記物品又は表面を12に記載の処理組成物で処理することを含む、方法。

Claims (18)

  1. プロ有益剤化合物であって、前記化合物は式IIによる構造によって特徴付けられ、
    式中、Gは、-O-、-S-、又は-N(R)-から選択され、好ましくは、Gは-O-であり、
    は、存在する場合、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
    好ましくは、式中、Rは、-H又は約15~約30Daの分子量を有する一価部分から選択され、
    より好ましくは、Rは-Hであり、
    式中、Qは、5~34個の鎖原子、好ましくは炭素鎖原子を含む疎水性部分であり、一価の有機基であり、
    好ましくは約8~約18個の鎖原子、より好ましくは約8~約14個の鎖原子を含む疎水性部分であり、
    式中、添え字mは1~6であり、
    好ましくは、mは1~3であり、より好ましくは、mは1であり、
    式中、R及びRは、独立して、-H又は約15~約1000Daの分子量を有する一価部分から選択され、
    好ましくは、独立して、-H又は約15~約507Daの分子量を有する一価部分から選択され、
    より好ましくは、独立して、-H又は約15~約142Daの分子量を有する一価部分から選択され、
    式中、Zは、アルデヒド部分、ケトン部分、又はこれらの組み合わせを含む有益剤の有益剤断片であり、
    式中、**は、Z基の窒素原子と炭素原子との間の連結結合を表し、前記連結結合は以下の1つであり、
    (a)二重結合であり、それによってイミン結合を形成するか、又は
    (b)前記有益剤断片が由来する前記有益剤が、アルデヒド部分又はケトン部分であるアルファ-ベータ不飽和カルボニル含有部分を含む場合、1,4-付加から形成される単結合、
    ここで、**が単結合を表す場合、前記窒素原子は更に水素(-H)に結合しており、
    ここで、前記連結結合が開裂すると、前記有益剤が放出される、プロ有益剤化合物。
  2. 前記添え字mが1である、請求項1に記載のプロ有益剤化合物。
  3. 及びRの少なくとも1つが、タンパク質構成アミノ酸又はその誘導体の側基、
    好ましくは、バリン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の前記側基、
    より好ましくは、バリン、フェニルアラニン、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせからなる群から選択されるタンパク質構成アミノ酸の前記側基、の構造を有する、請求項1又は2に記載のプロ有益剤化合物。
  4. Gが-O-である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  5. Qが、約8~約18個の鎖原子、
    好ましくは約8~約14個の鎖原子、より好ましくは炭素鎖原子を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  6. Qが、非置換有機基、非分岐有機基、又はこれらの組み合わせであり、
    好ましくはこれらの組み合わせである、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  7. Qが、第2の有益剤の第2の断片を含み、
    好ましくは、前記第2の有益剤が香料原料であり、
    より好ましくは、前記第2の有益剤はアルコール含有香料原料である、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  8. 前記有益剤断片が、アルデヒド部分を含む有益剤に由来する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  9. 前記有益剤断片が、香料原料、抗菌剤、殺虫剤、虫除け、抗真菌剤、除草剤、色相染料、抗酸化剤、非香料感覚刺激剤、又はこれらの組み合わせ、
    好ましくは、香料原料、抗菌剤、又はこれらの組み合わせ、
    好ましくは香料原料、から選択される有益剤に由来する、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  10. 前記有益剤が香料原料であり、
    好ましくは、メチルノニルアセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、フロラロゾン(floralozone)、イソシクロシトラール、トリプラル(リグストラル)、プレシルケモンB、リリアール(lilial)、デシルアルデヒド、ウンデシレン酸アルデヒド、シクラメン属ホモアルデヒド、シクラメンアルデヒド、デュピカル(Dupical)、オンシダール、アドキザール(adoxal)、メロナール(melonal)、カリプソン(calypsone)、アニスアルデヒド、ヘリオトロピン、クミンアルデヒド、センテナール(scentenal)、3,6-ジメチルシクロヘキサ-3-エン-1-カルバルデヒド、サテンアルデヒド、カントキザール(canthoxal)、バニリン、エチルバニリン、ケイ皮アルデヒド、シス-4-デセナール、トランス-4-デセナール、シス-7-デセナール、ウンデシレン酸アルデヒド、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-オクテナール、2-ウンデセナール、2,4-ドデカジエナール、シス-4-ヘプテナール、フローヒドラール(Florydral)、ブチルシンナムアルデヒド、リモネラル、アミルシンナムアルデヒド、ヘキシルシンナムアルデヒド、シトロネラール、シトラール、シス-3-ヘキセン-1-アール、ネロリオン、4-(4-メトキシフェニル)ブタン-2-オン、1-ナフタレン-2-イルエタノン、ネクタリル、トリモフィックスO、フルーラモン、デルタ-ダマスコーン、β-ダマスコーン、α-ダマスコーン、メチルイオノン、2-ヘキシルシクロペンタ-2-エン-1-オン、ガルバスコン、及びこれらの混合物からなる群から選択される香料原料であり、
    より好ましくは、前記疎水性部分は、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
    好ましくは、前記鎖原子は炭素原子である、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  11. G=-O-、
    m≧1、
    はタンパク質構成アミノ酸の側基であり、
    はHであり、
    Zは香料原料の断片であり、
    Qは、約8~約18個の鎖原子を含む有機基であり、
    好ましくは、前記鎖原子は炭素原子である、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物。
  12. 補助成分と、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロ有益剤化合物とを含む処理組成物であって、
    前記処理組成物は、消費者製品であり、
    好ましくは、布地ケア組成物、硬質表面クリーナー組成物、食器ケア組成物、ヘアケア組成物、ボディクレンジング組成物、又はこれらの組み合わせから選択される消費者製品である、処理組成物。
  13. 前記補助成分が、界面活性剤、コンディショニング活性物質、付着助剤、レオロジー変性剤若しくは構造化剤、抗酸化物質、漂白系、安定剤、ビルダー、キレート化剤、移染阻害剤、分散剤、酵素、酵素安定剤、触媒金属錯体、ポリマー分散剤、泥及び汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、シリコーン、色相剤、審美染料、未希釈(neat)香料、香料送達系、構造弾性化剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、抗凝集剤、コーティング、ホルムアルデヒドスカベンジャー、及び/又は顔料の1つ以上を含む、請求項12に記載の処理組成物。
  14. 前記補助成分が、コンディショニング活性物質を含み、
    好ましくは、前記コンディショニング活性物質が第四級アンモニウムエステル化合物を含み、
    より好ましくは、前記第四級アンモニウムエステル化合物は、前記処理組成物の約2重量%~約35重量%、好ましくは約4重量%~約25重量%、より好ましくは約5重量%~約20重量%、好ましくは約6重量%~約15重量%、より好ましくは約7重量%~約12重量%の濃度で存在する、請求項12又は13に記載の処理組成物。
  15. 前記処理組成物が、未希釈香料、
    好ましくは、アルコール含有香料原料を含む未希釈香料を更に含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の処理組成物。
  16. 前記処理組成物が、液体組成物、顆粒状組成物、ヒドロコロイド、単区画パウチ、多区画パウチ、溶解性シート、パスティル若しくはビーズ、繊維物品、錠剤、スティック、バー、フレーク、フォーム/ムース、不織シート、又はこれらの混合物の形態である、請求項12~15のいずれか一項に記載の処理組成物。
  17. 前記プロ有益剤化合物が、前記処理組成物の約0.001重量%~約30重量%の濃度で前記処理組成物中に存在する、請求項12~16のいずれか一項に記載の処理組成物。
  18. 物品又は表面を処理する方法であって、任意に水の存在下で、前記物品又は表面を請求項1に記載の処理組成物で処理することを含む、方法。
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