JP2023549779A - カスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信のための方法及びシステム - Google Patents

Abstract

サーバ装置から複数のクライアントにカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツを配信するための方法であって、オーディオ及び／又はビデオコンテンツはデータセグメントにセグメント化されており、本方法は、マルチキャスト通信を介して共通データセグメントを配信することと、ユニキャスト通信を介してカスタマイズされたデータセグメントを配信することと、各クライアントについて、当該クライアントの識別子又はそこから導出された情報に従って、サーバ装置によってマルチキャスト形式で提供された共通データセグメントから１つのカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオストリームを構築することであって、当該クライアントへのカスタマイズのためにサーバ装置によってユニキャスト形式で提供されたカスタマイズされたデータセグメントを更に含み、１つ以上のカスタマイズされたデータセグメントが共通データセグメントの間にインターリーブされる、構築することと、を含む。

Description

本発明は、一般に、クライアントにカスタマイズされたデータを含むオーディオ及び／又はビデオコンテンツをサーバ装置からクライアントに配信することに関する。

ＨＴＴＰベースのストリーミング技術は、ＨＴＴＰがファイアウォールを通過することを可能にし、ＴＣＰ（規範文書ＲＦＣ７９３によって定義される「トランスミッションコントロールプロトコル」）に依存することによってデータ完全性を保証するので、非常に便利である。ＨＴＴＰベースのストリーミング技術は、現在、例えば、適応ビットレート（ＡＢＲ）アプローチを使用して、様々なネットワーク条件におけるサービス継続性を保証し、その結果、向上したエンドユーザ体験を提供する、オーディオ及び／又はビデオコンテンツを配信するために、インターネット上で広く使用されるようになっている。

オーディオ及び／又はビデオコンテンツへのアクセスは、ますますオンデマンドで実行されている。コンテンツプロバイダは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツが配信されるユーザ又は端末に対して、個人向け追加コンテンツ（ターゲット広告など）を提供することにますます意欲的になっている。ウォーターマーク及び個人向け広告の使用事例とともに以下に例示的に開示されるように、したがって、オーディオ及び／又はビデオコンテンツをユーザ又は端末に配信するときにカスタマイズされたデータを提供することを可能にすることが望ましい多くの状況がある。

第１の使用事例によれば、スタジオ並びにオーディオ及び／又はビデオコンテンツプロバイダは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツの不法な又は要求されていないコピーに対抗するのを助けるために、インターネット上でストリーミングされる高品質コンテンツがウォーターマークなどによって保護されることを要求する。ウォーターマークは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ内の隠しマークであり、オーディオ及び／又はビデオコンテンツが再生されているときに人間の知覚には見えない。そのようなウォーターマークは、典型的には、オーディオ及び／又はビデオコンテンツの偶発的又は悪意のある変更に対処するために、（誤り訂正符号又はＴａｒｄｏｓ符号などの不正者追跡符号を使用して）オーディオ及び／又はビデオコンテンツをコピー及び変更することに対して永続的である。コピーが存在する場合、ウォーターマークをそこから抽出することができ、漏洩は、オーディオ及び／又はビデオコンテンツのコピーを共有した人に遡って追跡することができる。効率的にするために、ウォーターマーク（すなわち、「０」及び「１」の２進符号のシーケンス）は、オーディオ及び／又はビデオコンテンツが配信されるユーザ又は端末に一意に関連付けられるものとする。

オンラインストリーミングにおいてウォーターマークを使用するとき、ユーザ又は端末に配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツセグメントは、ユーザ又は端末の識別子、若しくは当該識別子から一意に導出される情報に依存する。各セグメントは、第１のセグメントのＡのセット（例えば、「０」の２進符号でマークされる）又は第２のセグメントのＢのセット（例えば、「１」の２進符号でマークされる）のいずれかから引用され、オーディオ及び／又はビデオコンテンツの連続するセグメントに含まれるウォーターマークは、連続するセグメントから検索可能であるように、ユーザ又は端末の識別子を形成する。「０００１１０１０１１０」に等しい識別子の概略的な例を考慮すると、端末に配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツは、「ＡＡＡＢＢＡＢＡＢＢＡ」のようにＡ及びＢのセットから引用された連続するセグメントから構築される。これは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツセグメントの２つのコピー（セグメントＡのセットのための１つ（例えば、「０」の２進符号でマークされる）及びセグメントＢのセットのための１つ（例えば、「１」の２進符号でマークされる））のみを符号化及び記憶することによって容易に達成されることができ、したがって、エンコーダの最適化された処理リソース使用及びサーバ装置の記憶リソース使用につながる。

第２の使用事例によれば、コンテンツプロバイダは、カスタマイズされた広告コンテンツを各ユーザ又は端末に提供することを望む。この場合、コンテンツプロバイダは、同じオーディオ及び／又はビデオコンテンツを複数のクライアントに配信し、更にいくつかの時点で（クライアント毎に）カスタマイズされた広告を配信することを望む。

ＨＴＴＰのユニキャストの性質は、容易に実行されるクライアント毎のカスタマイズを可能にする。しかしながら、ＨＴＴＰのユニキャストの性質は、クライアントがサーバ装置を同時に大量に要求し得るので、インフラストラクチャの確保にとって困難である。したがって、それは、クライアント要求を処理するための多数のサーバ処理リソース（マシンなど）、並びに多数のクライアントをサーバ装置に相互接続するための高帯域幅通信ネットワークを要求する。

処理及び帯域幅リソースの消費に対処するために、ライブストリーミングに関する限り、マルチキャスト送信に依存することが知られている。しかしながら、マルチキャストは、クライアント毎のカスタマイズと矛盾する。

したがって、従来技術の前述の欠点を克服することが望ましく、より詳細には、コンテンツ配信ネットワーク（ＣＤＮ）内のサーバ装置から複数のクライアントにオーディオ及び／又はビデオコンテンツを配信しながら、処理リソース及び帯域幅リソースの消費を向上させながら、クライアント毎のカスタマイズを可能にする解決策を提供することが望ましい。特に、クライアント毎のウォーターマークを考慮して動作する解決策を提供することが望ましい。特に、クライアント毎の広告考慮事項のために動作する解決策を提供することが望ましい。特に、単純で費用効果の高い解決策を提供することが望ましい。

そのために、本明細書では、カスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオストリームをサーバ装置からコンテンツ配信ネットワークＣＤＮ内の複数のクライアントに配信するための方法が開示され、オーディオ及び／又はビデオストリームは、経時的にデータセグメントにセグメント化され、本方法は、マルチキャスト通信を介して共通データセグメントを配信することであって、共通データセグメントが、複数のクライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントである、配信することと、ユニキャスト通信を介してカスタマイズされたデータセグメントを配信することであって、カスタマイズされたデータセグメントが、具体的には、各クライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントである、配信することと、各クライアントについて、当該クライアントの識別子又はそれから導出された情報に従って、サーバ装置によってマルチキャスト形式で提供され、当該クライアントへのカスタマイズのためにサーバ装置によってユニキャスト形式で提供されるカスタマイズされたデータセグメントを更に含む共通データセグメントから１つの前記カスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオストリームを構築することであって、１つ以上のカスタマイズされたデータセグメントが共通データセグメント間でインターリーブされる、構築することと、を含む。したがって、クライアント毎のカスタマイズが達成され、処理リソース及び帯域幅リソースの消費は、共通データセグメントのためのマルチキャスト通信に依存することによって向上する。

特定の実施形態によれば、クライアントはグループによって集められ、カスタマイズされたデータセグメントは、オーディオ及び／又はビデオストリーム内の所定のタイムスロットに存在し、所定のタイムスロットのうちの少なくともいくつかは、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する。したがって、クライアント毎のカスタマイズに使用されるカスタマイズされたデータセグメントを取得するためのユニキャスト要求を経時的に拡散することによって、サーバ装置の負荷が低減される。

特定の実施形態によれば、通常、カスタマイズされたデータセグメントのための１つ以上の所定のタイムスロットは、すべてのグループに共通であるが、カスタマイズされたデータセグメントのための他の所定のタイムスロットは、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する。したがって、カスタマイズされたデータを取得するためのサーバ装置のユニキャスト要求は、経時的に拡散され、したがって、カスタマイズされたデータを配信するために必要とされるリソースが少なくなる。

特定の実施形態によれば、サーバ装置は、共通データセグメントよりも低いスループットでカスタマイズされたデータセグメントを送信する。したがって、マルチキャスト通信よりもユニキャスト通信についてより低いスループットが強制されるので、サーバ装置における処理リソース消費のピークが低下する。

特定の実施形態によれば、カスタマイズされたデータは、クライアントの識別子又はそこから導出される情報に固有のウォーターマークである。したがって、マルチキャスト通信のおかげで処理及びネットワークリソース使用を向上しているにもかかわらず、オーディオ及び／又はビデオストリームのコピーが漏洩したユーザの識別情報の検索を容易に達成することができる。

特定の実施形態によれば、複数のバージョンの数量Ｑｖが、各カスタマイズされたデータセグメントについて利用可能であり、各カスタマイズされたデータセグメントは、クライアントの識別子又はそこから導出された情報の一部のみを含み、数量Ｑｖは、各カスタマイズされたデータセグメントにおけるウォーターマーク可能なバリアントの数量である。したがって、ウォーターマークを容易に達成することができる。

特定の実施形態によれば、クライアントはグループによって集められ、各グループの共通データセグメントは、オーディオ及び／又はビデオストリーム内の所定のタイムスロットに存在し、共通データは、具体的には、共通データが対象とするグループの識別子又はそこから導出される情報に対してウォーターマークが入れられ、複数のバージョンの数量Ｑ’ｖが各共通データセグメントについて利用可能であり、各共通データセグメントは、グループの識別子又はそこから導出される情報の一部のみを含み、数量Ｑ’ｖは、各共通データセグメント内のウォーターマーク可能なバリアントの数量である。したがって、ウォーターマークは、各セグメントについて少量のバージョンしか必要とせずに、グループ単位で容易に達成することができる。

特定の実施形態によれば、カスタマイズされたデータは広告データである。したがって、マルチキャスト通信のおかげで処理及びネットワークリソース使用を向上させながら、クライアント毎の広告カスタマイズを達成することができる。

特定の実施形態によれば、少なくとも１つのクライアントについて、オーディオ及び／又はビデオストリームは、当該少なくとも１つのクライアントがエージェントにアクセス可能にされる第１のネットワークと、サーバ装置がエージェントにアクセス可能にされる第２のネットワークとを相互接続するデバイス内のエージェントによって構築され、エージェントは、ユニキャスト形式で少なくとも１つのクライアントと通信し、エージェントは、サーバ装置からマルチキャスト形式で受信された共通データのマルチキャスト－ユニキャストの変換を実行する。したがって、共通データの送信のマルチキャストの性質をクライアントに隠され得り、これは、マルチキャスト送信のネットワークリソース消費の利点から依然として恩恵を受けながら、マルチキャスト送信の使用がユニキャストのみのクライアントについて透過的に行われることを意味する。

特定の実施形態によれば、少なくとも１つのクライアントについて、オーディオ及び／又はビデオストリームは、当該少なくとも１つのクライアントによって構築され、少なくとも１つのクライアントは、サーバ装置からカスタマイズされたデータを取得し、少なくとも１つのクライアントがユニキャスト形式で通信するエージェントから共通データを取得し、エージェントは、当該少なくとも１つのクライアントがエージェントにアクセス可能にされる第１のネットワークと、サーバ装置がエージェントにアクセス可能にされる第２のネットワークとを相互接続するデバイスに組み込まれ、エージェントは、サーバ装置からマルチキャスト形式で受信された共通データのマルチキャスト－ユニキャストの変換を実行する。したがって、共通データの送信のマルチキャストの性質は、（上記のような異なるアプローチにおいて）クライアントに対して隠され得り、これは、マルチキャスト送信のネットワークリソース消費の利点から依然として恩恵を受けながら、マルチキャスト送信の使用がユニキャストのみのクライアントについて透過的に行われることを意味する。

特定の実施形態によれば、サーバ装置は、連続するセグメントをマルチキャスト形式で配信し、オーディオ及び／又はビデオストリームは、マルチキャスト形式で受信されたセグメントをカスタマイズされたデータセグメントで置換することによって構築される。したがって、マルチキャスト送信は容易に管理される。

コンテンツ配信ネットワークＣＤＮのサーバ装置から複数のクライアントにカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオストリームを配信するように構成されたコンテンツ配信ネットワークＣＤＮが更に提案され、オーディオ及び／又はビデオストリームが、経時的にセグメントにセグメント化され、コンテンツ配信ネットワークＣＤＮが、電子回路を備え、電子回路が、マルチキャスト通信を介して共通データセグメントを配信し、共通データセグメントが、複数のクライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントであり、ユニキャスト通信を介してカスタマイズされたデータセグメントを配信し、カスタマイズされたデータセグメントが、具体的には、各クライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントであり、各クライアントについて、当該クライアントの識別子から導出される情報に従って、サーバ装置によってマルチキャスト形式で提供される共通データセグメントからカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオストリームを構築し、更に、当該クライアントへのカスタマイズのためにサーバ装置によってユニキャスト形式で提供されるカスタマイズされたデータセグメントを含み、１つ以上のカスタマイズされたデータセグメントが共通データセグメントの間にインターリーブされる、ように構成されている。

特定の実施形態によれば、コンテンツ配信ネットワークＣＤＮが、カスタマイズされたデータが、クライアントの識別子又はそこから導出される情報に固有のウォーターマークであるように構成されている。

特定の実施形態によれば、コンテンツ配信ネットワークＣＤＮが、カスタマイズされたデータが広告データであるように構成されている。

本発明の特徴は、少なくとも１つの実施形態の以下の説明を読むことからより明らかになり、当該説明は、添付の図面を参照して行われる。
本発明を実装し得るオーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システムを概略的に表す。 オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システムの範囲内で使用可能なデバイスのハードウェアアーキテクチャの例を概略的に表す。 第１の実施形態による、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システムにおいてクライアントに配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのデータの送信経路を概略的に表す。 第２の実施形態による、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システムにおいてクライアントに配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのデータの送信経路を概略的に表す。 第３の実施形態による、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システムにおいてクライアントに配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのデータの送信経路を概略的に表す。 クライアント毎にカスタマイズされた４つのオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームの構築を例示的に可能にするためのセグメントの連続候補を概略的に表す。 第１の実施形態による、クライアントの異なるグループにおけるクライアント毎のカスタマイズを可能にするためのセグメントのストリームを概略的に表す。 第２の実施形態による、クライアントの異なるグループにおけるクライアント毎のカスタマイズを可能にするためのセグメントのストリームを概略的に表す。 カスタマイズされたデータを含むオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのアルゴリズムを概略的に表す。 一実施形態における、クライアント毎にカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリーム内のセグメントの送信を管理するためのアルゴリズムを概略的に表す。 別の実施形態における、クライアント毎にカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリーム内のセグメントの送信を管理するためのアルゴリズムを概略的に表す。

図１は、オーディオ及び／又はビデオコンテンツをクライアント１１１、１１２、１１３、１１４に配信するように構成されたサーバ装置１２１を備えるオーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００を概略的に表す。オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００は、ライブオーディオ及び／又はビデオコンテンツ（例えば、ＴＶチャンネル、スポーツイベントなど）の配信専用である。オーディオ及び／又はビデオコンテンツは、識別目的のために番号付けされ及び／又は時間参照される連続するセグメントに分割される。セグメントに分割することは、通信ネットワーク上での送信及び回復を容易にする。

サーバ装置は、ユニキャストサーバ装置部１２１ａとマルチキャストサーバ装置部１２１ｂとを備える。ユニキャストサーバ装置部１２１ａ及びマルチキャストサーバ装置部１２１ｂは、以下に詳述するように、オーディオ及び／又はビデオコンテンツデータ並びにカスタマイズされたデータをクライアント１１１、１１２、１１３、１１４に配信するために共同で使用される。サーバ装置１２１は、単一のサーバマシン又はサーバマシンのクラスタであってもよい。例えば、ユニキャストサーバ装置部１２１ａ及びマルチキャストサーバ装置部１２１ｂは、別個のサーバマシン上に配置される。

クライアント１１１は、サーバ装置１２１がネットワーク相互接続デバイス１０１ａにアクセス可能にされる第１のネットワーク１２０と、クライアント１１１がネットワーク相互接続デバイス１０１ａにアクセス可能にされる第２のネットワーク１１０ａとを相互接続するように構成されたホームゲートウェイなどのネットワーク相互接続デバイス１０１ａを介してサーバ装置１２１と通信し得る。例えば、第１のネットワーク１２０は、インターネットなどの広域ネットワーク（ＷＡＮ）であり、第２のネットワークは、標準仕様のＩＥＥＥ ８０．１１セットによる無線ＬＡＮなどのローカルエリアネットワーク（ＬＡＮ）である。

同様に、クライアント１１２、１１３は、第１のネットワーク１２０と別の第２のネットワーク１１０ｂとを相互接続するように構成されたホームゲートウェイなどのネットワーク相互接続デバイス１０１ｂを介してサーバ装置１２１と通信し得り、それを介してクライアント１１２、１１３はネットワーク相互接続デバイス１０１ｂにアクセス可能にされる。

ネットワーク相互接続デバイス１０１ａ、１０１ｂはそれぞれ、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂを含む。マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂは、マルチキャスト形式でサーバ装置１２１からオーディオ及び／又はビデオセグメントを受信し、オーディオ及び／又はビデオデータの配信のためにユニキャスト方式でクライアント１１１、１１２、１１３と永続的に通信するために、それらをユニキャスト形式に変換する。例えば、ＵＤＰ（規範文書ＲＦＣ７６８によって定義される「ユーザデータグラムプロトコル」）上のＲＴＰ（規範文書ＲＦＣ３５５０によって定義される「リアルタイムトランスポートプロトコル」）を使用して、サーバ装置１２１からネットワーク相互接続デバイス１０１ａ、１０１ｂへのマルチキャスト送信を実行し得る。マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂは、サーバ装置１２１からマルチキャスト形式で受信されたオーディオ及び／又はビデオセグメントを、サーバ装置１２１からユニキャスト形式で受信されたオーディオ及び／又はビデオセグメントで補完し得る。

クライアント１１４は、第１のネットワーク１２０が接続された無線アクセスネットワーク１３０を介してサーバ装置１２１と通信し得る。例えば、無線アクセスネットワーク１３０は、標準仕様の３ＧＰＰロングタームエボリューション（ＬＴＥ）セットによるセルラ通信ネットワークである。

クライアント１１４は、ユニキャスト及びマルチキャスト可能な送信インターフェースを含む。例えば、クライアント１１４は、３ＧＰＰマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス（ＭＢＭＳ）機能を実装し得る。したがって、クライアント１１４は、マルチキャスト形式でサーバ装置１２１からオーディオ及び／又はビデオセグメントを受信することができる。クライアント１１４は、サーバ装置１２１からマルチキャスト形式で受信したオーディオ及び／又はビデオセグメントを、サーバ装置１２１からユニキャスト形式で受信したオーディオ及び／又はビデオセグメントで補完する。

クライアント１１１、１１２、１１３、１１４は、スマートフォン、コンピュータ、ラップトップ、タブレット、パーソナル音楽プレーヤ、家庭用娯楽メディアプレーヤなどのオーディオ及び／又はビデオプレーヤを含むユーザ端末である。以下に詳述するように、クライアント１１１、１１２、１１３、１１４は、マルチキャストサーバ装置部１２１ｂによって発行された共通データ及びユニキャストサーバ装置部１２１ａによって発行されたカスタマイズされたデータとともに、カスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツをサーバ装置１２１から受信する。したがって、オーディオ及び／又はビデオコンテンツの配信は、マルチキャスト送信の帯域幅節約の利点から恩恵を受け、それにもかかわらず、カスタマイズされたデータをクライアント単位に提供することができる。そのようなカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツを構築するための様々な実施形態が、本明細書で開示される。

図２は、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００の範囲内で使用可能なハードウェアアーキテクチャ２００の例を概略的に表す。ハードウェアアーキテクチャ２００は、サーバ装置１２１の一部であってもよい。ハードウェアアーキテクチャ２００は、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂを実装するネットワーク相互接続デバイス１０１ａ、１０１ｂの一部であってもよい。ハードウェアアーキテクチャ２００は、クライアント１１１、１１２、１１３、１１４を実装する端末の一部であってもよい。

ハードウェアアーキテクチャ２００は、通信バス２１０によって相互接続された以下の構成要素、すなわち、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はＣＰＵ（中央処理装置）２０１と、ＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）２０２と、例えばフラッシュメモリなど、ＥＥＰＲＯＭ（電気的消去可能プログラマブルＲＯＭ）などのＲＯＭ（読み出し専用メモリ）２０３と、ＨＤＤ（ハードディスクドライブ）２０４、又はＳＤ（セキュアデジタル）カードリーダなど、記憶媒体上に記憶された情報を読み出すように適合された任意の他のデバイスと、少なくとも１つの通信インターフェースＣＯＭ２０５と、を備える。

ＣＰＵ２０１は、ＲＯＭ２０３から、又はＨＤＤ２０４若しくはＳＤカードなどの外部メモリからＲＡＭ２０２にロードされた命令を実行することができる。ハードウェアアーキテクチャ２００に電源が投入された後、ＣＰＵ２０１は、ＲＡＭ２０２から命令を読み出し、これらの命令を実行することができる。命令は、ＣＰＵ２０１に、サーバ装置１２１、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂ、及びクライアント１１１、１１２、１１３、１１４に関して本明細書で開示されるステップ及び挙動を実行させる１つのコンピュータプログラムを形成する。

したがって、本明細書で説明されるステップ及びアルゴリズムは、ＰＣ、ＤＳＰ（デジタル信号プロセッサ）、又はプロセッサなどのプログラマブルコンピューティングマシンによる命令又はプログラムのセットの実行によって、ソフトウェア形態で実装されてもよく、或いは、ＦＰＧＡ（フィールドプログラマブルゲートアレイ）又はＡＳＩＣ（特定用途向け集積回路）などのマシン又は専用の構成要素、チップ又はチップセットによってハードウェア形態で実装されてもよい。より一般的には、サーバ装置１２１、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂ、及びクライアント１１１、１１２、１１３、１１４は、当該デバイス又は装置に関して本明細書で説明するステップ及びアルゴリズムを実行するように構成された電子回路を備える。

図３Ａ、図３Ｂ及び図３Ｃは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００において、クライアント１１１又は１１４などのクライアントに配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのデータの送信経路の様々な実施形態を概略的に表す。

図３Ａにおいて、クライアント１１１は、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａからユニキャスト形式で第１のセグメントを受信する。これらの第１のセグメントは、マルチキャストサーバ装置部１２１ｂからマルチキャスト形式で受信されたセグメントのマルチキャスト－ユニキャスト変換から生じる。第１のセグメントはマルチキャストサーバ装置部１２１ｂによってマルチキャスト形式で送信されるので、それらは、マルチキャスト送信が最終的に対象とするすべてのクライアントに共通のオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。クライアント１１１は更に、クライアント１１１とユニキャストサーバ装置部１２１ａとの間のユニキャスト交換中にユニキャスト形式で第２のセグメントを受信する。第２のセグメントは、クライアント毎にカスタマイズされるオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。これらのユニキャスト交換は、（例えば、ネットワークアドレス変換（ＮＡＴ）を考慮して）ネットワーク相互接続デバイス１０１ａを介して行われてもよいが、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａの動作フレームワーク外で行われてもよい。変形形態では、これらの交換は、別個のネットワークアクセスを介して、例えば、セルラ通信ネットワークなどの別の無線アクセスネットワークを介して行われる。したがって、クライアント１１１は、カスタマイズされたデータのためにユニキャストサーバ装置部１２１ａによって発行されたセグメントと、共通データのためにマルチキャストサーバ装置部１２１ｂによって発行されたセグメントとを受信する。

図３Ｂにおいて、クライアント１１１は、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａからユニキャスト形式ですべてのセグメントを受信する。マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、マルチキャストサーバ装置部１２１ｂからマルチキャスト形式で第１のセグメントを受信する。これらの第１のセグメントは、マルチキャスト送信が最終的に対象とするすべてのクライアントに共通のオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、ユニキャストサーバ装置部１２１ａからユニキャスト形式で第２のセグメントを更に受信する。第２のセグメントは、クライアント毎にカスタマイズされるオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、第２のセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータと、第１のセグメントのマルチキャスト／ユニキャスト変換から発行されたオーディオ及び／又はビデオデータとのストリームを構築する。次に、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、このストリームをユニキャスト形式でクライアント１１１に送信する。したがって、クライアント１１１は、カスタマイズされたデータのためにユニキャストサーバ装置部１２１ａによって発行されたセグメントと、共通データのためにマルチキャストサーバ装置部１２１ｂによって発行されたセグメントとを受信する。図３Ｂの構成は、ホームゲートウェイなどのネットワーク相互接続デバイス以外の他の場所に実装され得ることに留意されたい。実際に、それは、サーバ装置１２１と対話し、共通データについてマルチキャスト－ユニキャストの変換を実行し、クライアント１１１に配信されるオーディオ及び／又はビデオストリームにカスタマイズされたデータを含めることを保証する、セットトップボックスなどの信頼できるボックス内に実装され得る。

図３Ｂにおいて、カスタマイズされたデータは、サーバ装置１２１及びクライアント１１１に代わってオーディオ及び／又はビデオストリームを再構築する中間デバイス、すなわちマルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ又はセットトップボックスを介して受信されるので、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ又はセットトップボックスの委託は、認証交換によって事前に確認され得る。

図３Ｃにおいて、クライアント１１４は、マルチキャストサーバ装置部１２１ｂからマルチキャスト形式で第１のセグメントを受信する。これらの第１のセグメントは、マルチキャスト送信が最終的に対象とするすべてのクライアントに共通のオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。クライアント１１４は、ユニキャストサーバ装置部１２１ａからユニキャスト形式で第２のセグメントを更に受信する。第２のセグメントは、クライアント毎にカスタマイズされるオーディオ及び／又はビデオストリームの部分に対応する。したがって、クライアント１１１は、カスタマイズされたデータのためにユニキャストサーバ装置部１２１ａによって発行されたセグメントと、共通データのためにマルチキャストサーバ装置部１２１ｂによって発行されたセグメントとを受信する。クライアント１１４は、第２のセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータと、第１のセグメントのマルチキャスト－ユニキャストの変換から発行されたオーディオ及び／又はビデオデータとのストリームを生成する。

図４は、例示的に４つのクライアント毎のカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築することを可能にするためのセグメントの連続候補を概略的に表す。図４は、例示的に、オーディオ及び／又はビデオストリームにおける９つの連続するセグメントタイムスロットを考慮する。９つの連続するセグメントタイムスロットにおいて、最初の３つのシーケンスのセグメントタイムスロットは、マルチキャスト形式で送信されるセグメントから来るオーディオ及び／又はビデオデータを提供する。再生のために配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツのこの部分は、共通データに対応する。シーケンス内の後続のセグメントタイムスロットは、ユニキャスト形式で送信されるセグメントから来るオーディオ及び／又はビデオデータを提供する。再生のために配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツのこの部分は、カスタマイズされたデータに対応する。次に、３つのシーケンスのセグメントタイムスロットは、マルチキャスト形式で送信されるセグメントから来るオーディオ及び／又はビデオデータを提供する。再生のために配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツのこの部分は、共通データに対応する。次に、シーケンス内の後続のセグメントタイムスロットは、ユニキャスト形式で送信されたセグメントから来るオーディオ及び／又はビデオデータを提供する。再生のために配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツのこの部分は、カスタマイズされたデータに対応する。最終的に、シーケンス内の最後のセグメントタイムスロットは、マルチキャスト形式で送信されるセグメントから来るオーディオ及び／又はビデオデータを提供する。再生のために配信されるオーディオ及び／又はビデオコンテンツのこの部分は、共通データに対応する。

ウォーターマークの特定の実施形態を考慮すると、図４は、４つの別個のクライアントのためにカスタマイズされた４つのオーディオ及び／又はビデオストリームを構築する原理を示す。４つのクライアントが、ここでは２桁（「００」、「０１」、「１０」、「１１」）で表される別個の識別子を割り当てられていると考える。サーバ装置１２１は、複数のクライアントに共通のデータを含み、ウォーターマークを含まないいくつかのセグメントを有し、クライアント毎にカスタマイズされたデータを含むいくつかのセグメントを有する。共通データを含むセグメントの位置（図４のシーケンスにおける１番目、２番目、３番目、５番目、６番目、７番目及び９番目の位置）及びカスタマイズされたデータを含むセグメントの位置（図４のシーケンスにおける４番目及び８番目の位置）は所定のものである。

カスタマイズされたデータは、クライアント識別子、又はそこから導出される情報に依存する。カスタマイズされたデータを対象とする各タイムスロットは、識別子の１桁に関連付けられる（図４において、考慮されたシーケンス内の４番目の位置は、識別子の左の桁に関連付けられ、考慮されたシーケンス内の８番目の位置は、識別子の右の桁に関連付けられる）。セグメントの２つのバージョンが、カスタマイズされたデータを対象とする各タイムスロットについて存在し、１つ（Ｕ＿０）は、タイムスロットがクライアント識別子の桁又はそれから導出された情報に対応するときに１つのウォーターマークを有し、「０」に等しく、１つ（Ｕ＿１）は、タイムスロットがクライアント識別子の桁又はそれから導出された情報に対応するときに１つの他のウォーターマークを有し、「１」に等しい。

例えば、識別子「００」を有するクライアントは、９つの連続するセグメントを有するストリームシーケンスを配信され、最初の３つのセグメントはマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿０の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の３つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿０の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、最後の１つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含む。識別子「０１」を有するクライアントには、９つの連続するセグメントを有するストリームシーケンスが配信され、最初の３つのセグメントはマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿０の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の３つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿１の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、最後の１つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含む。識別子「１０」を有するクライアントには、９つの連続するセグメントを有するストリームシーケンスが配信され、最初の３つのセグメントはマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿１の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の３つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントはバージョンＵ＿０の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、最後の１つのセグメントは対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含む。識別子「１１」を有するクライアントには、９つの連続するセグメントを有するストリームシーケンスが配信され、最初の３つのセグメントは、マルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントは、バージョンＵ＿１の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の３つのセグメントは、対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、次の１つのセグメントは、バージョンＵ＿１の対応するセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含み、最後の１つのセグメントは、対応するマルチキャストセグメントから発行されたオーディオ及び／又はビデオデータを含む。したがって、オーディオ及び／又はビデオコンテンツのコピーが見つかると、セグメントの連続するシーケンスを分析することによって、カスタマイズされたデータ専用の所定のタイムスロットにおいて挿入されたウォーターマークを検索し、そこからコピーの発信元のクライアントを推定することが可能になる。

特定の実施形態では、カスタマイズされたデータを対象とする各セグメントタイムスロットについて３つ以上のバージョンのセグメントが存在する。各セグメントのバージョンの数量Ｑｖは、各カスタマイズされたデータセグメントにおけるウォーターマークの利用可能なバリアントの数量である。例えば、利用可能なバージョンの数量Ｑｖは、カスタマイズされたデータセグメントタイムスロット内のウォーターマークによって表される（２進）桁の数量Ｑｄに依存し、Ｑｖ＝２^Ｑｄである。クライアント１１１、１１２、１１３、１１４に配信されるすべてのセグメントのうちのマルチキャストセグメント（カスタマイズされていない）の割合は、当該クライアント１１１、１１２、１１３、１１４に配信されるすべてのセグメントのうちのユニキャスト（カスタマイズされた）セグメントの割合と比較して著しく大きい可能性があるので、この特定の実施形態は、オーディオ及び／又はビデオデータストリームから完全な識別子のためのウォーターマークを取得するための妥当な時間を維持しながら、同時に管理が可能であるクライアントの数の増加を可能にする。マルチキャスト送信の利点は、カスタマイズされたデータを対象とする各セグメントタイムスロットの様々なバージョンを生成し、利用可能にするための余分な処理リソース及び記憶リソースを犠牲にして、維持される。

前述の例から、セグメントの１０分の１が、クライアント１１１、１１２、１１３、１１４に配信される各ストリームについてユニキャストサーバ装置部２０１ａによって発行され得ることが明らかである。これは、ユニキャストサーバ装置部２０１ａにおける処理リソースと同様に、帯域幅リソース消費の観点から非常に有利である。

特定の実施形態では、複数のマルチキャストストリームが、同じ表現（オーディオ及び／又はビデオ品質）のために並行して利用可能であり得り、グループの所定のセットの各グループについて１つのマルチキャストストリームが利用可能であり、各グループは、それ自体の識別子を有する。この場合、カスタマイズされたユニキャストセグメントについて上で説明したのと同じ原理がマルチキャストセグメントに適用される。セグメントの２つのバージョンが、マルチキャストデータを対象とする各タイムスロットについて存在し、１つ（Ｍ＿０）は、タイムスロットが「０」に等しいグループ識別子の桁に対応するときに１つのウォーターマークを有し、１つ（Ｍ＿１）は、タイムスロットが「１」に等しいグループ識別子の桁に対応するときに１つの他のウォーターマークを有する。そのようなアプローチは、ユーザ識別子の一部が当該ユーザが属するグループの識別子によって形成されることを考慮して、ユニキャスト送信へのリソースを過度に増加させることなく、より多くのユーザを管理することを可能にする。更に、共通データセグメントの３つ以上のバージョンが、ウォーターマークが入れられた共通データを対象とする各セグメントタイムスロットについて存在し得ることに留意されたい。各セグメントのバージョンの数量Ｑｖは、各共通データセグメントにおけるウォーターマークの利用可能なバリアントの数量である。例えば、利用可能なバージョンの数量Ｑ’ｖは、Ｑ’ｖ＝２^Ｑ’ｄで、共通データセグメントタイムスロット内のウォーターマークによって表される（２進）桁の数量Ｑ’ｄに依存する。

ここで広告の特定の実施形態を考慮すると、カスタマイズされたデータを対象とする複数のセグメントタイムスロットは、そこに含まれるカスタマイズされたデータのための十分な表示時間を可能にするために（例えば、クライアントのプロファイルに適合されたオーディオビジュアルコマーシャルを表示するために）、シーケンスにおいて連続する可能性が最も高い。しかしながら、図４の原理は依然として適用される。例えば、識別子「００」を有するクライアントは、カスタマイズされたデータを対象とする各セグメントタイムスロットにおいて、対応するクライアント識別子又はそこから導出される情報に従って具体的に選択されるオーディオ及び／又はビデオデータセグメントが配信される。他の識別子を有するクライアントには、これらのセグメントタイムスロット中に別個のオーディオ及び／又はビデオセグメントコンテンツが配信される。

別の特定の実施形態では、セグメントの３つ以上のバージョンが、広告コンテキストの範囲内のカスタマイズされたデータを対象とする各セグメントタイムスロットについて存在し得る。バージョンの数量Ｑｖは、同時に利用可能な代替広告プログラムの数量を表す。例えば、ユーザは、（例えば、ユーザの年齢又は関心に従う）所定のプロファイルのセットに分割され、各々が一意の識別子を有し、カスタマイズされたデータとしてそのようなユーザに配信される広告プログラムは、当該ユーザが影響を受けたプロファイルに依存する。

図５Ａは、第１の実施形態による、クライアントの異なるグループにおけるクライアント毎のカスタマイズを可能にするためのセグメントのストリームを概略的に表す。

この実施形態では、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００のクライアントはグループによって集められ、１つのマルチキャストストリームがグループ毎に生成され、送信される。クライアントのグループは、例えば、地理的（クライアントのＩＰアドレスによって明らかにされる位置）グループ化によって形成される。共通データ及びカスタマイズされたデータ専用のセグメントタイムスロットのシーケンスは、グループ毎に異なる。例示的に、グループＩについての図５Ａにおいて、共通データを含むセグメントの位置は、１番目、２番目、３番目、５番目、６番目、７番目及び９番目の位置であり、カスタマイズされたデータを含むセグメントの位置は、４番目及び８番目の位置である。グループＩＩの場合、共通データを含むセグメントの位置は、１番目、２番目、５番目、６番目、７番目、８番目及び９番目の位置であり、カスタマイズされたデータを含むセグメントの位置は、３番目及び４番目の位置である。グループＩＩＩの場合、共通データを含むセグメントの位置は、１番目、２番目、４番目、６番目、７番目、８番目及び９番目の位置であり、カスタマイズされたデータを含むセグメントの位置は、３番目及び５番目の位置である。図５Ａに示されるように、いくつかの位置のみが、カスタマイズされたデータを配置するために１つのグループから別のグループに共通であってもよい。言い換えれば、クライアントがグループによって集められることを考慮すると、カスタマイズされたデータセグメントは、オーディオ及び／又はビデオストリーム内の所定のタイムスロットに存在し、所定のタイムスロットのうちの少なくともいくつかは、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する。それは、すべてのクライアントがユニキャストサーバ装置部を同時に要求するわけではないことを保証することを可能にし（カスタマイズされたデータ専用のすべてのセグメントタイムスロットが任意のグループに一意に割り当てられる場合、同じグループのクライアントのみがユニキャストサーバ装置部２０１ａを同時に要求し）、したがってユニキャストサーバ装置部２０１ａの要求ピークを平滑化する。

第２の実施形態が図５Ｂに示される。ここでも、共通データ及びカスタマイズされたデータに専用のセグメントタイムスロットのシーケンスは、グループ毎に異なる。しかしながら、シーケンス内の１つ以上のセグメントタイムスロットは、（図３Ｂの４番目の位置における）任意の及びすべてのグループのためのカスタマイズされたデータに専用である。言い換えれば、通常、カスタマイズされたデータセグメントのための１つ以上の所定のタイムスロットは、すべてのグループに共通であるが、カスタマイズされたデータセグメントのための他の所定のタイムスロットは、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する。それはユニキャストサーバ装置部２０１ａへの要求の規則的なピークを生成するにもかかわらず、それは、より詳細には、ウォーターマーク使用事例において、完全な単一のオーディオ及び／又はビデオストリームがそれぞれのクライアントを対象とする複数のストリームから再構築可能でないことを保証する。

ウォーターマークの使用事例では、図５Ａ又は図５Ｂに示される方式は、どのグループから漏洩（コピー）が来るか、及びグループ内の漏洩の発生源を識別することを更に可能にし、これは調査を容易にし得ることに留意されたい。

クライアントが属するグループは、セグメントに関する位置情報（あるグループから別のグループへの別個のユニフォームリソースロケータ又はユニフォームリソース指示パス情報）を提供するために、当該クライアントに配信されるマニフェストファイルに挿入されるユニフォームリソースロケータ（ＵＲＬ）又はユニフォームリソース指示（ＵＲＩ）パスを定義する。

マニフェストファイル（プレイリストファイルとも呼ばれる）は、オーディオ及び／又はビデオストリームがどのように編成されるかを記述する。それは、オーディオ及び／又はビデオコンテンツに関する情報を提供する。それは、例えば、適応ビットレート（ＡＢＲ）の場合にオーディオ及び／又はビデオコンテンツがどの表現（品質）で利用可能であるかを示してもよい。それは、例えば、当該オーディオ及び／又はビデオコンテンツに関連するそのような又はそのようなマルチキャスト通信に参加するための、又はユニキャストサーバ装置部１２１ａに連絡するためのアドレスを提供してもよく、また、この情報は、多くの他の方法によって知られてもよい。

クライアント１１１、１１２、１１３、１１４又はマルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａ、１０２ｂが、カスタマイズされたデータのユニキャストセグメントを適切に要求することを保証するために、マニフェストファイルは、クライアント（識別子）に従って、場合によってはクライアントが属するグループに従って適合されたＵＲＬ又はＵＲＩパス情報を含んでもよい。したがって、マニフェストファイルは、各クライアントに固有であり、提供されるカスタマイズされたセグメントを直接指し示す。このＵＲＬ又はＵＲＩパス情報により、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信セッション中にユニキャストサーバ装置部１２１ａが保持すべき情報が制限される。

変形形態では、マニフェストファイルは、それを要求するクライアントから独立している。したがって、サーバ装置１２１は、どの適切なカスタマイズされたセグメント（例えば、バージョンＵ＿１又はＵ＿０のセグメントが配信されるべきか）をそれ自体で決定する。サーバ装置１２１は、カスタマイズされたデータに対する各ユニキャスト要求に含まれるクライアント識別子指示を使用する。サーバ装置１２１は、そこから、及び関連するセグメントタイムスロットの知識から、どの適切なカスタマイズされたデータが応答して送信されなければならないかを知る。

図６は、カスタマイズされたデータを含むオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリームを構築するためのアルゴリズムを概略的に表す。図６のアルゴリズムは、表示されるべき完全なオーディオ及び／又はビデオストリームを再構築するために、ユニキャスト形式のデータと同様にマルチキャスト形式のデータを受信するオーディオ及び／又はビデオコンテンツ配信システム１００のデバイスによって実装される方法である。図３Ａを考慮すると、図６のアルゴリズムはクライアント１１１によって実装される。図３Ｂを考慮すると、図６のアルゴリズムは、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａによって実装される。図３Ｃを考慮すると、図６のアルゴリズムはクライアント１１１によって実装される。

ステップ６００において、本方法は、クライアント識別子を取得することを含む。クライアント識別子は、オーディオ及び／又はビデオストリームが対象とするクライアントに対応する。図３Ｂの場合、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、クライアント１１１との間で行われるユニキャスト交換からクライアント識別子を取得する。

本方法は、クライアント識別子から導出された情報を取得することを含んでもよい。クライアント識別子から導出される情報は、例えば、ｋ＝３２ビットによって表されるクライアント識別子からｎ＝４０９６ビットのセットを取得するために、クライアント識別子に適用される誤り訂正符号（リードソロモン、低密度パリティチェック（ＬＤＰＣ）符号など）から生じ得る。本方法は、好ましくは、当該ビットストリームの少なくとも１つの桁（典型的にはＵ＿０又はＵ＿１）がカスタマイズされたデータのための各ユニキャストセグメントに関連付けることができるように、クライアント識別子又はそれから導出される情報の連続的な繰り返しのビットストリームを生成することを含む。クライアント識別子から導出される情報は、所定のセパレータ（当該セパレータを一意に表すために固有であり、クライアント識別に使用されない所定の連続の桁）を含んでもよい。クライアントが属するグループの識別がマルチキャストセグメント（典型的にはＭ＿０又はＭ＿１）に関連付けられたウォーターマークデータのおかげで実行されるとき、同じ処理がマルチキャストセグメントに適用される。

ステップ６０１において、本方法は、マルチキャストサーバ装置部２０１ｂによって提供される共通セグメントを取得することを含む。好ましくは、クライアントが属するグループの識別がマルチキャストセグメントに関連付けられたウォーターマークデータのおかげで実行される場合、本方法は、取得されるべき各共通セグメントに関連付けられたクライアントが属するグループのグループ識別子から生成されたビットストリーム内の次の桁を取得することを含み、マルチキャストサーバ装置部２０１ａは、当該クライアントへの更なる配信のために、当該桁に対応する共通セグメントを送信する。

ステップ６０２において、本方法は、ユニキャストサーバ装置部２０１ｂによって提供されるカスタマイズされたセグメントを取得することを含む。カスタマイズされたセグメントは、既に開示したように、ステップ６００で取得されたクライアント識別子、又はクライアント識別子から導出された情報に依存する。好ましくは、本方法は、取得されるべき各カスタマイズされたセグメントに関連付けられたクライアント識別子から生成されたビットストリーム内の次の桁を取得することを含み、ユニキャストサーバ装置部２０１ｂは、当該クライアントへの更なる配信のために、当該桁に対応するカスタマイズされたセグメントを送信する。

特定の実施形態では、サーバ装置１２１は、共通データセグメントよりも低いスループットでカスタマイズされたデータセグメントを送信する。それは、カスタマイズされたデータを取得するためのユニキャスト要求のピークを低下させることを可能にする。

ステップ６０３において、本方法は、ユニキャスト及びマルチキャストサーバ及びマルチキャストサーバ装置部によって提供されるセグメントからオーディオストリーム及び／又はビデオストリームを構築することを含み、再構築されたオーディオ及び／又はビデオコンテンツが当該クライアントに対して部分的にカスタマイズされるようにする。

第１の実施形態では、マルチキャストサーバ装置部２０１ｂによって送信されるマルチキャストストリームにおいて、セグメントが欠落していない。この場合、オーディオ及び／又はビデオストリームを構築するために、本方法は、カスタマイズされたデータ専用のセグメントタイムスロットにおいて、マルチキャストセグメントを、カスタマイズされたデータ（例えば、ウォーターマーク）を含む対応するユニキャストセグメントによって置換することを含む。しかしながら、この動作は、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ全体がマルチキャストデータによってのみ再生され得るので、信頼できるデバイスによって実行されなければならない。カスタマイズされたデータによる更なる置換のための共通セグメントの撤回は、グループ暗号化方式を使用してマルチキャストサーバ装置部２０１ａによって強制され得る。受信機の正当なグループのみが、適切な復号鍵を使用して共通セグメントを復号することができる。受信機が復号化することができない共通セグメントを当該受信機に送信することにより、当該受信機は、共通データを強制的に削除又は無視し、代わりにカスタマイズされたデータを要求する。この構成は、マルチキャストがブロードキャストインフラストラクチャを使用して実行されるときに特に適している（ブロードキャスト送信は、特定のタイプのマルチキャスト送信である）。したがって、信頼できるブロードキャスト受信機は、適切なときはいつでも、ブロードキャスト（マルチキャスト）送信を介して受信された共通セグメントを、信頼できるブロードキャスト受信機によってユニキャストサーバ装置部２０１ｂに要求されたカスタマイズされたセグメントに置換する。この構成は、クライアントと対話し、オーディオ及び／又はビデオコンテンツをクライアントに配信する、セットトップボックスなどの信頼できるボックスにも適用される。この構成は、クライアントに組み込まれた信頼できるモジュールにも適用される。

第２の実施形態では、マルチキャストサーバ装置部２０１ｂによって送信されたマルチキャストストリームにおいてセグメントが欠落している。欠落しているセグメントは、カスタマイズされたデータ（例えば、ウォーターマーク）を含むユニキャストセグメントを挿入するための余地を残す。更なるカスタマイズされたデータ挿入のために意図的に欠落しているセグメントを通知するために、マルチキャストサーバ装置部２０１ｂによって特定のシグナリングが使用され得る。

ストリームが構築されると、ストリームは表示のために利用可能になる。図３Ａを考慮すると、クライアント１１１は、オーディオ及び／又はビデオストリームを構築し、表示する。これら２つの動作は、クライアント１１１内の別個のモジュール、ハードウェア及び／又はソフトウェアによって行われてもよい。図３Ｂを考慮すると、マルチキャスト－ユニキャストコンバータエージェント１０２ａは、オーディオ及び／又はビデオストリームを構築し、それをユニキャスト形式でクライアント１１１に表示のために送信する。図３Ｃを考慮すると、クライアント１１４は、オーディオ及び／又はビデオストリームを構築し、表示する。これら２つの動作は、クライアント１１４内の別個のモジュール、ハードウェア及び／又はソフトウェアによって行われてもよい。

図７Ａは、一実施形態における、クライアント毎にカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリーム内のセグメントの送信を管理するためのアルゴリズムを概略的に表す。図７Ａのアルゴリズムは、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂによって実装される方法である。

ステップ７００において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂはユニキャストセグメント要求を受信する。したがって、要求はカスタマイズされたデータを対象とする。

ステップ７０１において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、ターゲットとされたカスタマイズされたデータがどのクライアントを対象としているかを決定する。ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、当該クライアントの識別子を取得する。典型的には、クライアントの識別子が要求において示される。

ステップ７０２において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、クライアントが当該セグメントを要求することを許可されているか否かをチェックする。例えば、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが、カスタマイズされたデータが送信される予定であるセグメントタイムスロットに対応するか否かをチェックする。例えば、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが、当該クライアントが属するクライアントのグループについてカスタマイズされたデータが送信される予定のタイムスロットに対応するか否かをチェックする。更に、要求の発信元（信頼できるデバイス）の信頼性を保証するために、署名などが要求に適用又は追加され得ることに留意されたい。チェックの結果はステップ７０３で処理され、クライアントが当該セグメントを要求することを許可された場合、ステップ７０４が実行され、そうでない場合、ステップ７０５が実行される。

ステップ７０４において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求に応答してカスタマイズされたセグメントを送信する。既に説明したように、カスタマイズされたデータの複数のバージョンの場合、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、関連するセグメントタイムスロット及び当該クライアントの識別子、場合によってはグループからどのバージョンを送信するかを決定する。変形形態では、要求は、提供されるべきバージョンの指示（専用ＵＲＬ又はＵＲＩパスなど）を含む。

ステップ７０５において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが要求に関連付けられたクライアント識別子と一致しないので、要求を拒絶する。

図７Ｂは、別の実施形態において、クライアント毎にカスタマイズされたオーディオ及び／又はビデオコンテンツストリーム内のセグメントの送信を管理するためのアルゴリズムを概略的に表す。図７Ｂのアルゴリズムは、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂによって実装される方法であり、カスタマイズされたセグメント、セグメントを修復するためのユニキャストデータのいずれかを提供する。修復セグメントは、受信されなかった、又は誤りを伴って受信された共通（マルチキャスト）セグメントを修復するために送信されるユニキャストセグメントである。

ステップ７１０において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂはユニキャストセグメント要求を受信する。

ステップ７１１において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求が修復考慮事項のためにカスタマイズされたデータ又は共通データを対象とする否かを決定する。要求がカスタマイズされたデータを対象とする場合、ステップ７１３が実行され、そうでない場合、ステップ７１２が実行される。

ステップ７１２において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、修復考慮事項の要求に応答して共通データセグメントを送信する。

ステップ７１３において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、対象のカスタマイズされたデータがどのクライアントを対象としているかを決定する。ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、当該クライアントの識別子を取得する。典型的には、クライアントの識別子が要求において示される。

ステップ７１４において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、クライアントが当該セグメントを要求することを許可されているか否かをチェックする。例えば、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが、カスタマイズされたデータが送信される予定であるセグメントタイムスロットに対応するか否かをチェックする。例えば、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが、当該クライアントが属するクライアントのグループについてカスタマイズされたデータが送信される予定のタイムスロットに対応するか否かをチェックする。更に、要求の発信元（信頼できるデバイス）の信頼性を保証するために、署名などが要求に適用又は追加され得ることに留意されたい。チェックの結果はステップ７１５で処理され、クライアントが当該セグメントを要求することを許可された場合、ステップ７１６が実行され、そうでない場合、ステップ７１７が実行される。

ステップ７１６において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求に応答してカスタマイズされたセグメントを送信する。既に説明したように、カスタマイズされたデータの複数のバージョンの場合、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、関連するセグメントタイムスロット及び当該クライアントの識別子、場合によってはグループからどのバージョンを送信するかを決定する。変形形態では、要求は、提供されるべきバージョンの指示（専用ＵＲＬ又はＵＲＩパスなど）を含む。

ステップ７１７において、ユニキャストサーバ装置部１２１ｂは、要求されたセグメントが要求に関連付けられたクライアント識別子と一致しないので、要求を拒絶する。

Claims (11)

1. オーディオ及び／又はビデオコンテンツのウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオストリームをコンテンツ配信ネットワークＣＤＮにおいてサーバ装置から複数のクライアントに配信するための方法であって、前記オーディオ及び／又はビデオストリームが経時的にセグメントにセグメント化され、
   －マルチキャスト通信を介して共通データセグメントを配信することであって、共通データセグメントが、前記複数のクライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントである、配信することと、
   －ユニキャスト通信を介してカスタマイズされたデータセグメントを配信することであって、カスタマイズされたデータセグメントが、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ内の隠しマークであり、前記クライアントの識別子又はそれから導出される情報に固有のウォーターマークを含み、各カスタマイズされたデータセグメントが、前記クライアントの識別子又はそれから導出される情報に固有の前記ウォーターマークの一部のみを含むように、カスタマイズされたデータセグメントが、具体的には、各クライアントを対象とするウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオデータセグメントである、配信することと、
   －各クライアントについて、前記クライアントの識別子から導出される情報に従って、前記サーバ装置によってマルチキャスト形式で提供され、前記クライアントへのカスタマイズのために前記サーバ装置によってユニキャスト形式で提供されるカスタマイズされたデータセグメントを更に含む共通データセグメントから１つの前記ウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオストリームを構築することであって、１つ以上のカスタマイズされたデータセグメントが共通データセグメントの間でインターリーブされる、構築することと、を含む、方法。
2. 前記クライアント識別子又は前記クライアント識別子から導出された前記情報の連続的な繰り返しによって形成されたビットストリームの少なくとも１つの桁が、各カスタマイズされたデータセグメントの前記ウォーターマークに関連付けられる、請求項１に記載の方法。
3. 前記クライアントがグループによって集められ、前記カスタマイズされたデータセグメントが、前記オーディオ及び／又はビデオストリーム内の所定のタイムスロットに存在し、前記所定のタイムスロットのうちの少なくともいくつかが、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する、請求項１又は２に記載の方法。
4. 通常、カスタマイズされたデータセグメントのための１つ以上の所定のタイムスロットが、すべてのグループに共通であり、一方、カスタマイズされたデータセグメントのための他の所定のタイムスロットが、１つのグループから任意の他のグループへの異なる時点で発生する、請求項３に記載の方法。
5. 前記サーバ装置が、前記共通データセグメントよりも低いスループットで前記カスタマイズされたデータセグメントを送信する、請求項１から４のいずれか一項に記載の方法。
6. 複数のバージョンの数量Ｑｖが、各カスタマイズされたデータセグメントについて利用可能であり、前記数量Ｑｖが、各カスタマイズされたデータセグメント内のウォーターマーク可能なバリアントの数量である、請求項１から５のいずれか一項に記載の方法。
7. 前記クライアントがグループによって集められ、各グループの前記共通データセグメントが前記オーディオ及び／又はビデオストリーム内の所定のタイムスロットに存在し、前記共通データが、具体的には、前記共通データが対象とする前記グループの識別子又はそこから導出される情報に対してウォーターマークが入れられ、複数のバージョンの数量Ｑ’ｖが各共通データセグメントついて利用可能であり、各共通データセグメントは前記識別子又はグループ又はそこから導出される情報の一部のみを含み、前記数量Ｑ’ｖは各共通データセグメント内のウォーターマーク可能なバリアントの数量である、請求項６に記載の方法。
8. 少なくとも１つのクライアントについて、前記オーディオ及び／又はビデオストリームが、前記少なくとも１つのクライアントが前記エージェントにアクセス可能にされる第１のネットワークと、前記サーバ装置が前記エージェントにアクセス可能にされる第２のネットワークとを相互接続するデバイス内のエージェントによって構築され、前記エージェントがユニキャスト形式で前記少なくとも１つのクライアントと通信し、前記エージェントが前記サーバ装置からマルチキャスト形式で受信された前記共通データのマルチキャスト－ユニキャスト変換を実行する、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
9. 少なくとも１つのクライアントについて、前記オーディオ及び／又はビデオストリームが、前記少なくとも１つのクライアントによって構築され、前記少なくとも１つのクライアントが、前記サーバ装置から前記カスタマイズされたデータを取得し、前記少なくとも１つのクライアントがユニキャスト形式で通信するエージェントから前記共通データを取得し、前記エージェントが、前記少なくとも１つのクライアントが前記エージェントにアクセス可能にされる第１のネットワークと、前記サーバ装置が前記エージェントにアクセス可能にされる第２のネットワークとを相互接続するデバイスに組み込まれ、前記エージェントが、前記サーバ装置からマルチキャスト形式で受信された前記共通データのマルチキャスト－ユニキャスト変換を実行する、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記サーバ装置が、マルチキャスト形式で連続するセグメントを配信し、前記オーディオ及び／又はビデオストリームが、マルチキャスト形式で受信されたセグメントをカスタマイズされたデータセグメントで置換することによって構築される、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
11. コンテンツ配信ネットワークＣＤＮのサーバ装置から複数のクライアントにオーディオ及び／又はビデオコンテンツのウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオストリームを配信するように構成されたコンテンツ配信ネットワークＣＤＮであって、前記オーディオ及び／又はビデオストリームが経時的にセグメントにセグメント化されており、前記コンテンツ配信ネットワークＣＤＮが、電子回路を備え、前記電子回路が、
    －マルチキャスト通信を介して共通データセグメントを配信し、共通データセグメントが、前記複数のクライアントを対象とするオーディオ及び／又はビデオデータセグメントであり、
    －ユニキャスト通信を介してカスタマイズされたデータセグメントを配信し、カスタマイズされたデータセグメントが、具体的には、各クライアントを対象とするウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオデータセグメントであり、したがって、カスタマイズされたデータセグメントが、オーディオ及び／又はビデオコンテンツ内の隠しマークであり、前記クライアントの識別子又はそれから導出された情報に固有のウォーターマークを含み、したがって、各カスタマイズされたデータセグメントは、クライアントの識別子又はそれから導出された情報に固有のウォーターマークの一部のみを含み、
    －各クライアントについて、前記クライアントの識別子から導出される情報に従って、前記サーバ装置によってマルチキャスト形式で提供される共通データセグメントから１つの前記ウォーターマークが入れられたオーディオ及び／又はビデオストリームを構築し、前記クライアントへのカスタマイズのために前記サーバ装置によってユニキャスト形式で提供されるカスタマイズされたデータセグメントを更に含み、１つ以上のカスタマイズされたデータセグメントが、共通データセグメントの間にインターリーブされる、ように構成されている、コンテンツ配信ネットワークＣＤＮ。