JP2023549165A - 硫酸化界面活性剤を含まないパーソナルケア組成物 - Google Patents

Abstract

硫酸化界面活性剤を使用することも含めることもなく、優れた洗浄品質を呈し、同時にフケ防止効果ももたらす、パーソナルケア組成物。本パーソナルケア組成物は、７％～１２％のココイルアラニン酸ナトリウムと、３％～約１０％のグリセリルエステルと、フケ防止剤と、液体担体を、を含み、本パーソナルケア組成物は、硫酸化界面活性剤を実質的に含まない。ココイルアラニン酸ナトリウム対グリセリルエステルの比は、２：１であり得る。本パーソナルケア組成物の粘度は、３ｍＰａ－ｓ～１２Ｐａ－ｓであり得る。

Description

本開示は、概して、頭皮を優しく洗浄し、フケ防止活性物質を頭皮に送達する、スルホン化界面活性剤を含まないパーソナルケア組成物に関する。

ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触及び頭皮によって分泌される皮脂が原因で汚れる。汚れた毛髪は、不潔な感触を有し、魅力のない外観を呈する。汚れた毛髪にシャンプー組成物を塗布し、洗浄することによって、毛髪から油及び他の汚れを除去することにより毛髪に清潔で魅力的な外観を回復させることができる。公知のシャンプー組成物は、典型的には、硫酸化界面活性剤を含めることによって毛髪から油及び汚れを除去する。しかしながら、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウレス硫酸ナトリウムなどの硫酸化界面活性剤を含むシャンプーは、毛髪の感触の質の低さ、並びに洗浄後の毛髪及び皮膚の乾燥などのいくつかの望ましくない特徴を呈し得る。また、硫酸化界面活性剤を含むシャンプーは、この知覚される刺激の強さの結果として、消費者の支持をあまり得られない。したがって、汚れた毛髪に許容可能な洗浄品質を提供することができ、同時に消費者が望むフケ防止効果を提供することができるパーソナルケア組成物を提供することが望ましいであろう。本製品は、加えて、シリコーンを実質的に含まない場合がある。

パーソナルケア組成物であって、ココイルアラニン酸ナトリウムと、グリセリルエステルと、フケ防止剤と、液体担体と、を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まない、パーソナルケア組成物。いくつかの態様では、パーソナルケア組成物は、ココイルアラニン酸ナトリウムと、グリセリルエステルと、フケ防止剤と、液体担体と、を含み、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、単層小胞、多層小胞、又はオリゴベシキュラー小胞を含む。

小胞を示す。左側の図は、単層の代表であり、中央の図は、多層の代表である。右側の図は、オリゴベシキュラーを表す。 交差偏光顕微鏡画像である。捕捉された交差偏光画像は、ラメラ小滴に典型的なマルタ十字を表す。 多層小胞の凍結割断断面を示すクライオＳＥＭである。 クライオＴＥＭであり、形成された小胞構造を代表する試料である。

本明細書中での「実施形態」などへの言及は、その実施形態と関連付けて説明される、特定の材料、特徴、構造、及び／又は特性が、少なくとも１つの実施形態、任意選択で多数の実施形態に含まれていることを意味するが、全ての実施形態に、説明された材料、特徴、構造、及び／又は特性が組み入れられることを意味するものではない。更に、材料、特徴、構造、及び／又は特性は、異なる実施形態にわたって、任意の好適な方法で組み合わされてもよく、材料、特徴、構造、及び／又は特性は、説明されるものから除外されてもよいし、代用されてもよい。したがって、本明細書に記載されている実施形態及び態様は、特に記載されない限り又は不適合性が記載されない限り、組み合わせて明示的に例示されていなくても、他の実施態様及び／又は態様の要素又は構成成分を含むか又はこれらと組み合わされることが可能である。

本明細書に記載される組成物に関して、全ての百分率は、特に明記されない限り、組成物の重量による。特に記載されない限り、全ての比率は重量比である。列挙された成分に関連する重量は、全て、活性レベルに基づいており、特に記載されない限り、市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に明記されない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。特に示されない限り、全ての測定は、およそ２５℃の周囲条件でなされたと理解され、「周囲条件」とは、約１気圧及び相対湿度約５０％の条件を意味する。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲制限は、明示的に区切られていない更なる範囲を作る上で互換性がある。

本発明の組成物は、本明細書に記載の必須の成分及び任意選択の成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。本明細書で使用するとき、「～から本質的になる」は、組成物又は構成成分が、追加成分を含み得るが、追加成分が、特許請求される組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変えない場合に限ることを意味する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される単数形「ａ」、「ａｎ」、及び「ｔｈｅ」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数形も含むことが意図される。

「約」は、言及された値のプラスマイナス２０パーセント（±２０％）又はそれよりも低い値（例えば、１５％、１０％未満、若しくは更には５％未満）に等しい範囲を指すことで、特定の値を修飾する。

「電荷密度」は、ポリマー上の正電荷数対当該ポリマーの分子量の比を指す。

「誘導体」は、所定の化合物のアミド、エーテル、エステル、アミノ、カルボキシル、アセチル、及び／又はアルコールの誘導体を意味する。

「ヘアケア」は、毛髪及び／又は頭皮の状態を調節及び／又は改善すること、例えば、毛髪の外観（例えば、ボリューム、弾み、光沢、質感）を改善すること、並びに毛髪及び／又は頭皮の健康（例えば、フケ、切れ毛、枝毛、抜け毛）を改善することを意味する。

「ヘアケア活性物質」は、毛髪又は皮膚に塗布すると、毛髪及び／若しくは頭皮又はその中に通常見られる細胞の一種に急性効果及び／又は慢性効果をもたらす、化合物又は化合物の組み合わせを意味する。

「ヘアケア組成物」は、ヘアケア活性物質を含み、毛髪及び／又は頭皮の状態を調節及び／又は改善する組成物を意味する。

「パーソナルケア組成物」は、毛髪及び／又は皮膚に局所的に塗布されることが意図される組成物を意味する。パーソナルケア組成物は、溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル、球体、スポンジ、固体剤形、フォーム、これらの組み合わせなどの形態であってもよい。パーソナルケア組成物のいくつかの非限定的な例としては、ヘアトニック、トリートメントなどの洗い流さないヘア製品、並びにスタイリング製品、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、及び石鹸などの洗い流すヘア製品が挙げられる。

本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、１種類のモノマーの重合によって製造される物質、又は２種類以上のモノマーによって製造される物質（すなわち、コポリマー）を含むものとする。

本明細書で使用するとき、「ヒトの毛髪への塗布に好適」という用語は、パーソナルケア組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトの毛髪及び頭皮及び皮膚と接触して使用するのに許容可能であることを意味する。

「実質的に含まない」は、３％未満（例えば、２％、１％、０．５％、０．２５％、０．１％、０．０１％、又は更に０％未満）の対象成分を含有する組成物を指す。例えば、「硫酸塩を実質的に含まない」組成物は、微量の構成成分（例えば、キャリーオーバー成分）として０．１％未満のレベルで付随的に組み込まれる硫酸塩含有化合物のみを含む組成物を指し得る。

「硫酸塩を含まない」とは、組成物が検出可能な硫酸化界面活性剤を含有しない（すなわち、０％）ことを意味する。

「硫酸化界面活性剤」という用語は、硫酸基を含有する界面活性剤を意味する。

本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、物質が水に可溶であることを意味する。特定の実施形態では、物質は、０．１重量％の水溶媒、特定の実施形態では、１重量％の水溶媒、特定の実施形態では、５重量％の水溶媒、及び特定の実施形態では、１５重量％以上の水溶媒濃度で、２５℃において可溶であり得る。

パーソナルケア組成物
本明細書に記載されるように、パーソナルケア組成物が開示され、これは、硫酸化界面活性剤を使用することも、含めることもなく、優れた洗浄品質を呈し、同時にフケ防止効果ももたらす。本明細書のパーソナルケア組成物は、ココイルアラニン酸ナトリウムと、グリセリルエステルと、フケ防止剤と、液体担体と、を含む。本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、硫酸化界面活性剤を実質的に含まず、理想的には硫酸塩を含まない。更に、パーソナルケア組成物は、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンを実質的に含まない場合がある。更に、パーソナルケア組成物は、６％未満（例えば、３％、２％、又は更に０％未満）の添加塩を含んでもよい。いくつかの態様では、ココイルアラニン酸ナトリウム及びグリセリルエステルは、５：１～１：２（例えば、９：２～１：１、４：１～２：１、又は３：１～３：２）の重量比で含まれる。パーソナルケア組成物の粘度は、１ｍＰａ－ｓ～１２Ｐａ－ｓ（例えば、３ｍＰａ－ｓ～１０Ｐａ－ｓ、１０ｍＰａ－ｓ～５Ｐａ－ｓ、又は更に１００ｍＰａ－ｓ～３Ｐａ－ｓ）であり得る。

硫酸塩を含まないミセル型シャンプーなどのパーソナルケア組成物は、歴史的に、ポリアクリル酸（例えば、カルボマー）、ジステアリン酸エチレングリコール（ＥＧＤＳ）、若しくはトリヒドロキシステアリン（例えば、Ｅｌｅｍｅｎｔｉｓ、Ｎｅｗ ＪｅｒｓｅｙからのＴＨＩＸＣＩＮ）などのポリマー増粘剤又は懸濁化剤なしで、フケ防止活性物質などの粒子状活性物質を増粘、安定化、及び付着させることが困難であった。フケ防止効果をもたらし、硫酸塩を含まないパーソナルケア組成物が、硫酸塩含有フケ防止パーソナルケア組成物以上に、増粘され、安定化され、可溶性及び不溶性フケ防止活性物質の両方を付着させることができることが見出された。これは、ココイルアラニン酸ナトリウムなどの硫酸塩を含まないアミノ系界面活性剤が、カチオン性ポリマーの存在下でグリセリルエステルと結合するとき、ラメラ小胞の形成を介して達成することができる。更に、例えば、ピロクトンオラミンなどの可溶性フケ防止活性物質が、ラメラ小胞に組み込まれ、アニオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーによって生じるコアセルベート形成を介してヒト頭皮に効率的に付着することができることが見出された。これらの製品は、ジンクピリチオンのような不溶性フケ防止活性物質にも利益をもたらす。これらの不溶性活性物質は、典型的には懸濁及び安定性のためにＥＧＤＳ又はポリマー増粘剤を必要とするミセル系と比較して、高い低剪断降伏応力を生成する小胞を介して安定化され得る。この系におけるヘアケア活性物質のコアセルベート補助送達は、効率的であり、不溶性フケ防止活性物質を毛髪及び／又は頭皮上に効果的に付着させることができる。

本明細書のパーソナルケア組成物は、０．００５Ｐａ～２０Ｐａ（例えば、０．０１～約１０Ｐａ又は０．１～６Ｐａ）の低剪断降伏応力値を有する。この低剪断降伏応力値は、粒子状活性物質の安定な包含を可能にする。更に、パーソナルケア組成物は、５℃及び／又は４０℃で安定であり得る。低剪断降伏応力は、以下により詳細に記載されるレオロジー法に従って決定することができる。

小胞は、典型的には、組成物のｐＨ調整時に形成される。小胞形成は、配合物を構造化するのに役立ち、典型的には、組成物を透明又は半透明から不透明に（例えば、透明から白色に）移行させるであろう。小胞は、単層、多層、又はオリゴ小胞であり得る。単層小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の単一の二重層によって結合された球状チャンバーであり、チャンバー内に水溶液を含有する。多層小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の複数の二重層によって結合された複数の球状チャンバーを含み、チャンバー内に水溶液を含有する。オリゴベシキュラー小胞は、両親媒性脂質又はそのような脂質の混合物の単一の二重層によって結合された球状チャンバーであり、チャンバー内の水溶液に加えて、主小胞内の他の独立した球状小胞を含有する。小胞の存在は、当技術分野において周知であるような、交差偏光顕微鏡法、ＳＥＭ、並びにクライオＳＥＭ及びクライオＴＥＭを使用して見ることができる。小胞の例を図１～図３に示す。図１は、単層（左）、多層（中央）、及びオリゴ小胞（右）の構造を示す。

最小レベルの成分を有する、シャンプーなどのパーソナルケア組成物を有することが消費者にとって望ましい場合がある。本明細書のパーソナルケア組成物により、例えば、カルボマー、ＥＧＤＳ、又はトリヒドロキシステアリンなどのポリマー増粘剤又は懸濁化剤を含まない成分の量を最小限にすることができるようになる。本明細書に記載されるシャンプーの形態でのパーソナルケア組成物は、以下の成分うちの一部又は全てからなり得る：水、ココイルアラニン酸ナトリウム、カプリル酸／カプリン酸グリセリル、カチオン性ポリマー、安息香酸ナトリウム、クエン酸、香料、フケ防止活性物質、及び塩化ナトリウム。香料は、１つ以上のフレグランスから形成され得ることが理解される。

洗浄性界面活性剤
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、洗浄性界面活性剤であるココイルアラニン酸ナトリウムを含む。ココイルアラニン酸ナトリウムなどの洗浄性界面活性剤は、一般に、汚れた毛髪からの油及び他の汚れ構成成分の除去を促進することによって、汚れた毛髪及び毛嚢に洗浄効果をもたらす。界面活性剤は、その両親媒性により、毛髪中の油及び他の汚れの周りにミセルを形成させ、次いで毛髪から洗い流すことができるので、そのような洗浄を容易にする。ココイルアラニン酸ナトリウムは、アニオン性アミノ酸（アラニン）及びヤシ脂肪酸由来の界面活性剤である。この界面活性剤は、硫酸塩を含まず、生分解性であり、低アレルギー性であり、皮膚及び目に対して低刺激である。ココイルアラニン酸ナトリウムは、低刺激の洗浄をもたらし、これは、乾燥後に心地よい保湿感を与える。ココイルアラニン酸ナトリウムは、５％～２０％（例えば、６％～１５％、７％～１２％、又は８％～１０％）で存在し得る。ココイルアラニン酸ナトリウムは、Ａｊｉｎｏｍｏｔｏ及びＳｉｎｏ Ｌｉｏｎから供給され得る。

グリセリルエステル
いくつかの態様では、パーソナルケア組成物は、１％～２０％（例えば、２．５％～１５％、３％～１２％、４％～１０％、又は５％～８％）のグリセリルエステルを含有する。グリセリルエステルのいくつかの非限定的な例は、カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、及びトリイソステアリン酸ポリグリセリル２などのポリグリセリルエステルである。他のグリセリルエステルは、Ｃ８～Ｃ１０モノ又はジカプリレート１，２，３－プロパントリオールとは異なるＣ８～Ｃ１０モノ、ジ、及びトリグリセリドを含有する化合物から選択することができる。カプリル酸グリセリルとカプリン酸グリセリルとの混合物（例えば、Ｓｔｅｐａｎから供給される）は、低刺激であり、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド／プロピレンオキシド、及び窒素を実質的に含まないので、本組成物における使用に特に好適であり得る。カプリル酸／カプリン酸グリセリルの多機能的な利点としては、製品安定化のための高温での粒子の懸濁のための収量生成、粘度調整剤、保存活性の強化、頭皮皮膚湿潤、湿潤及び乾燥コンディショニング、並びに可溶性活性物質の強化された付着の可能性が挙げられる。本明細書での使用に好適であり得るグリセリルエステルの更なる例は、米国特許第１０，２６５，２６１号で見ることができる。

いくつかの態様では、パーソナルケア組成物は、ラウリン酸と組み合わせて１％～２０％（例えば、２．５％～１５％又は３％～１０％）のグリセリルエステルを含んでもよい。ラウリン酸は、組成物中に０．１％～３％（例えば、０．１％～２．５％）で存在し得る。

本組成物は、双性イオン性共界面活性剤を含んでもよく、この双性イオン性界面活性剤は、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体であり、脂肪族基は、直鎖状又は分岐状であってもよく、脂肪族置換基のうちの１つは、８～約１８個の炭素原子を含有し、１つは、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン性基を含有する。双性イオン性界面活性剤のいくつかの非限定的な例は、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルジメチルアミノヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタインアミドアンホプロピオネート、ココ－ベタイン、ココ－ヒドロキシスルタイン、ココ／オレアミドプロピルベタイン、ココ－スルタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、及びこれらの混合物である。好適な双性イオン性界面活性剤は、ラウリルヒドロキシスルタインである。

カチオン性ポリマー
パーソナルケア組成物は、カチオン性付着ポリマーを含んでもよい。カチオン性付着ポリマーは、０．１％～３％（例えば、０．１％～２．０％、又は０．１％～１．０％）で存在し得る。カチオン性ポリマーは、グアー、セルロース、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせであり得る。カチオン性付着ポリマーは、５００，０００ダルトン（ｄａ）～２．２Ｍｄａ（例えば、８００Ｋｄａ～約２Ｍｄａ）の重量平均分子量、及び０．４ｍｅｑ／ｇ～２．６ｍｅｑ／ｇ（例えば、０．４～２、０．７～２、又は０．６～１．６）の電荷密度を有することができる。電荷密度を決定する方法は、周知であり、パーソナルケア組成物の意図される使用のｐＨで決定することができ、これは、典型的にはｐＨ３～ｐＨ９である。本明細書で使用するのに特に好適なカチオン性付着ポリマーとしては、Ｄｏｗから入手可能なＫＧ３０Ｍ及びＬＲ３０Ｍが挙げられる。

いくつかの実施形態では、カチオン性付着ポリマーは、四級アンモニウムなどのカチオン性窒素含有部分、又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有することができる。カチオン性プロトン化アミンは、具体的な化学種及び組成物の選択されたｐＨによって、一級、二級、又は三級アミンであり得る。カチオン性ポリマーが水中、組成物中、及び組成物のコアセルベート相中で可溶のままである限り、アニオン性対イオンをカチオン性ポリマーと併用することができる。好適な対イオンの例としては、ハロゲン化物対イオン（例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物）が挙げられる。好適なカチオン性ポリマーの非限定例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、ビニルカプロラクトン又はビニルピロリドンのような、水溶性スペーサーモノマーと、カチオン性プロトン化アミン又は四級アンモニウム官能基を有するビニルモノマーとのコポリマーが挙げられる。

好適なカチオン性プロトン化アミノ及び四級アンモニウムモノマーとしては、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、モノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム塩、ジアリル四級アンモニウム塩で置換されたビニル化合物、並びにピリジニウム、イミダゾリウム、及び四級化ピロリドンなどの環状カチオン性窒素含有環を有するビニル四級アンモニウムモノマー、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、アルキルビニルピロリドン塩を挙げることができる。

他の好適なカチオン性ポリマーとしては、１－ビニル－２－ピロリドンと１－ビニル－３－メチルイミダゾリウム塩（例えば、塩化物塩）とのコポリマー（業界では、米国化粧品工業会（Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association、「ＣＴＦＡ」）によってポリクオタニウム－１６と呼ばれている）、１－ビニル－２－ピロリジンとジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマー（業界では、ＣＴＦＡによってポリクオタニウム－１１と呼ばれている）、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー、アクリルアミドとジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー（それぞれ、業界では、ＣＴＦＡによってポリクオタニウム６及びポリクオタニウム７と呼ばれている）を含む、カチオン性ジアリル四級アンモニウム含有ポリマー、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー（業界では、ＣＴＦＡによってポリクオタニウム２２と呼ばれている）、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びアクリルアミドとのターポリマー（業界では、ＣＴＦＡによってポリクオタニウム３９と呼ばれている）、並びにアクリル酸とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びメチルアクリレートとのターポリマー（業界では、ＣＴＦＡによってポリクオタニウム４７と呼ばれている）を含む、アクリル酸の両性コポリマーを挙げることができる。特定の実施形態では、好適なカチオン性置換モノマーとしては、カチオン性置換ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。概して、カチオン性モノマーは、式ＩＩＩに一致し得る：

（式中、Ｒ^１４は、水素、メチル、又はエチルであり、Ｒ^１５、Ｒ^１６、及びＲ^１７は、それぞれ独立して、水素、又は１～８個の炭素原子、若しくは１～５個の炭素原子、若しくは１～２個の炭素原子を有する短鎖アルキルであり、ｎは、１～８、又は１～４の値を有する整数であり；Ｘは、対イオンである）。Ｒ^１５、Ｒ^１６、及びＲ^１７に結合している窒素は、プロトン化アミン（一級、二級、又は三級）であってもよいが、四級アンモニウム（Ｒ^１５、Ｒ^１６、及びＲ^１７は、それぞれアルキル基である）であってもよい。特定の実施形態では、カチオン性モノマーは、Ｒｈｏｎｅ－Ｐｏｕｌｅｎｃ、Ｃｒａｎｂｅｒｒｙ、Ｎ．Ｊ．、Ｕ．Ｓ．Ａ．から商標名ＰＯＬＹＣＡＲＥ １３３として入手可能なポリメチルアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドであり得る。特定の実施形態では、カチオン性モノマーのコポリマーも好適である。そのような実施形態では、総コポリマーの電荷密度は、２．０ｍｅｑ／ｇ～４．５ｍｅｑ／ｇであり得る。

カチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体などの多糖ポリマーを含む他のカチオン性ポリマーも好適である。好適なカチオン性多糖ポリマーとしては、式ＩＶに一致するものが挙げられる：

（式中、Ａは、デンプン又は無水セルロース残基などの無水残基であり、Ｒ^１８は、アルキレンオキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、若しくはヒドロキシアルキレン基、又はこれらの組み合わせであり、Ｒ^１９、Ｒ^２０、及びＲ^２１は、独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であり、各基は、１８個以下の炭素原子を含有し、各カチオン性部分についての炭素原子の総数（すなわち、Ｒ^１９、Ｒ^２０、及びＲ^２１における炭素原子の合計）は２０個以下であり、Ｘはアニオン性対イオンである）。

特定の実施形態では、カチオン性セルロースポリマーは、業界（ＣＴＦＡ）ではポリクオタニウム１０と呼ばれ、それらのポリマーＬＲ、ＪＲ、及びＫＧシリーズのポリマーでＡｍｅｒｃｈｏｌ Ｃｏｒｐ．（Ｅｄｉｓｏｎ、Ｎ．Ｊ．、ＵＳＡ）から入手可能である、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩から選択され得る。他の好適なカチオン性セルロースポリマーとしては、業界（ＣＴＦＡ）ではポリクオタニウム２４と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースのポリマー四級アンモニウム塩を挙げることができる。これら物質は、Ａｍｅｒｃｈｏｌ Ｃｏｒｐ．から商標名Ｐｏｌｙｍｅｒ ＬＭ－２００として入手可能である。

他の好適なカチオン性ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムなどのカチオン性グアーガム誘導体を挙げることができる。好適なカチオン性グアーガム誘導体の追加的な例としては、Ｒｈｏｎｅ－Ｐｏｕｌｅｎｃ Ｉｎｃｏｒｐｏｒａｔｅｄから市販されているＪａｇｕａｒシリーズ、及びＨｅｒｃｕｌｅｓ，Ｉｎｃ．のＡｑｕａｌｏｎ部門から市販されているＮ－Ｈａｎｃｅシリーズを挙げることができる。カチオン性グアーガム誘導体についての追加的な詳細は、米国特許第６，９３０，０７８号に開示されている。

理解され得るように、パーソナルケア産業において知られている他のカチオン性ポリマーも好適である。例えば、四級窒素含有セルロースエーテルが好適である。四級窒素含有セルロースエーテルの例は、米国特許第３，９６２，４１８号に記載されている。

特定の実施形態では、合成カチオン性ポリマー又はその誘導体が、カチオン性ポリマーとして有用であり得る。概して、そのような合成カチオン性ポリマーは、０．０２５％～５％の濃度で含まれ得る。好適な合成カチオン性ポリマーは、水溶性又は水分散性のポリマーを含んでもよく、カチオン性であり、かつ架橋されていない。特定の実施形態では、好適なポリマーは、（ｉ）１つ以上のカチオン性モノマー単位、及び（ｉｉ）１つ以上の非イオン性モノマー単位又は末端負電荷を有するモノマー単位を含むコンディショニングコポリマーであってもよく、当該コポリマーは、正味の正電荷を有する。特定の実施形態では、合成カチオン性ポリマーは、０．５ｍｅｑ／ｇ～１０ｍｅｇ／ｇのカチオン電荷密度、及び約１，０００ｄａ～約５，０００，０００ｄａの平均分子量を有し得る。好適な合成カチオン性付着ポリマーの非限定的な例は、米国特許出願公開第２００３／０２２３９５１号に記載されている。

他の好適なカチオン性ポリマーには、エーテル化セルロース、グアー、及びデンプンのコポリマーが挙げられ、そのいくつかの例は、米国特許第３，９５８，５８１号に記載されている。追加的なカチオン性ポリマーは、ＣＴＦＡ Ｃｏｓｍｅｔｉｃ Ｉｎｇｒｅｄｉｅｎｔ Ｄｉｃｔｉｏｎａｒｙ、第３版、Ｅｓｔｒｉｎ、Ｃｒｏｓｌｅｙ、及びＨａｙｎｅｓ編（Ｔｈｅ Ｃｏｓｍｅｔｉｃ，Ｔｏｉｌｅｔｒｙ，ａｎｄ Ｆｒａｇｒａｎｃｅ Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏｎ，Ｉｎｃ．（Ｗａｓｈｉｎｇｔｏｎ，Ｄ．Ｃ．）（１９８２））にも記載されている。

組成物中に存在する場合、カチオン性ポリマーカチオン性ポリマーは、組成物に可溶であるべきであるか、又は組成物中の複合コアセルベート相に可溶であるべきであり、複合コアセルベート相は、カチオン性ポリマーとサルフェートを含まないアニオン性、両性、又は双性イオン性の洗浄性界面活性剤との相互作用によって形成され得る。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートは、パーソナルケア組成物中の他のアニオン性の帯電された物質と形成することもできる。

複合コアセルベートの形成について分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、任意の選択された希釈段階における組成物の顕微鏡分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。このようなコアセルベート相は、組成物における更なる乳化相として同定可能である。染料を使用すると、コアセルベート相を組成物中に分散している他の不溶性相と区別するのを補助することができる。カチオン性ポリマー及びコアセルベートの使用に関する追加的な詳細は、米国特許第９，２７２，１６４号に開示されている。

フケ防止活性物質
本明細書のパーソナルケア組成物は、フケ防止剤を含有する。好適なフケ防止剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物を挙げることができる。このようなフケ防止粒子は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合する必要があり、また、製品の安定性、審美性又は性能を他の方法で過度に損なってはならない。特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、フケ防止活性物質の付着を強化するためにカチオン性ポリマーを含んでいてもよい。特に好適なフケ防止活性物質としては、ジンクピリチオン、ピロクトンオラミン、アゾキシストロビン、硫黄、サリチル酸、及びこれらの組み合わせが挙げられる。

ａ．ピリジンチオン塩
特定の実施形態では、フケ防止剤は、１－ヒドロキシ－２－ピリジンチオン塩などのピリジンチオン粒子であってもよい。ピリジンチオンは、０．１％～４％（例えば、０．１％～３％、０．１％～約２％、又は０．３％～２％）で存在してもよい。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムなどの重金属から形成されるもの、１－ヒドロキシ－２－ピリジンチオンの亜鉛塩（「ジンクピリジンチオン」又は「ＺＰＴ」として知られている）、代替として、平板状粒子の形態の１－ヒドロキシ－２－ピリジンチオン塩が挙げられ、粒子は、最大２０μｍ（最大５μｍ又は２．５μｍ）の平均サイズを有する。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオンフケ防止剤は、米国特許第２，８０９，９７１号、同第３，２３６，７３３号、同第３，７５３，１９６号、同第３，７６１，４１８号、同第４，３４５，０８０号、同第４，３２３，６８３号、同第４，３７９，７５３号、及び同第４，４７０，９８２号に更に記載されている。ＺＰＴをフケ防止粒子として使用したとき、毛髪の成長又は再生が刺激若しくは調節され得るか又はその両方であるか、あるいは脱毛が低減又は阻害され得るか、あるいは毛髪がより濃く又はより豊かに見え得ると想到される。

ｂ．他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択されるフケ防止活性物質に加えて、パーソナルケア組成物は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、１つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、ベータヒドロキシ酪酸、硫化セレン、硫黄、アゾキシストロビン、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス（ピロクトンオラミン）、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、８－ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン（テルビナフィンなど）、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール（hinokitol）、イヒチオールペール（ichthyol pale）、Ｓｅｎｓｉｖａ ＳＣ－５０、Ｅｌｅｓｔａｂ ＨＰ－１００、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート（ＩＰＢＣ）、アゾール、イソチアザリノン、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。

特定の例では、本明細書のパーソナルケア組成物は、０．０２％～１０％のアゾキシストロビンと、０．１％～２％のピロクトンオラミンと、０．１％～１０％のベータヒドロキシ酸（例えば、サリチル酸）と、０．０１％～５％のアゾール（例えば、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール）と、及び／又は０．１％～４％の硫化セレンと、０．１％～５％の硫黄と、を含有し得る。更に他の例では、フケ防止化合物及び／又は殺生物化合物との組み合わせ、例えば、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物。

保湿剤
パーソナルケア組成物はまた、毛髪又は皮膚からの水分蒸発速度を低下させるために保湿剤を含むことができる。好適な保湿剤としては、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。好適な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、１，２－ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物を挙げることができる。好適な水溶性アルコキシル化非イオンポリマーとしては、約１，０００以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、ＣＴＦＡ名称がＰＥＧ－２００、ＰＥＧ－４００、ＰＥＧ－６００、ＰＥＧ－１０００を有するもの、及びこれらの混合物を挙げることができる。保湿剤は、含まれる場合、０．１％～２０％（例えば、０．５％～約５％）で存在し得る。

他の任意選択の成分
理解され得るように、パーソナルケア組成物は、なお更なる任意選択の成分を含んでもよい。例えば、アミノ酸を含むことができる。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンＢ１、Ｂ２、Ｂ６、Ｂ１２、Ｃ、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンＡ、Ｄ、Ｅ及びこれらの誘導体などの水不溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン及びこれらの塩などの水不溶性アミノ酸を挙げることができる。

特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、任意選択で、カラーインデックス名（Ｃ．Ｉ．Ｎａｍｅ）を有するものなどの水溶性構成成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン（phthalocianine）、植物色素、天然色素などの色素材を含み得る。 また、組成物は、ピロクトンオラミンなどの水溶性成分、３，４，４’－トリクロロカルバニリド（トリクロサン）などの水不溶性成分、トリクロカルバン、及びジンクピリチオンを含む、化粧品用の殺生物剤及びフケ防止剤として有用である抗菌剤を含んでもよい。

特定の実施形態では、１つ以上の安定剤及び防腐剤を含んでもよい。例えば、パーソナルケア組成物の寿命を改善するために、トリヒドロキシステアリン、ジステアリン酸エチレングリコール、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、防腐剤、例えば、カトン、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸（「ＥＤＴＡ」）のうちの１つ以上を含んでもよい。特に好適なのは、０．１０％～０．４５％のレベルの安息香酸ナトリウムである。パーソナルケア組成物はまた、０．５％～１％のクエン酸を含んでもよい。安息香酸ナトリウム及びクエン酸は、単独で又は組み合わせてパーソナルケア組成物に添加することができる。

また、金属を捕捉し、紫外線に曝露することによって引き起こされる毛髪のダメージを低減するために、キレート剤が含まれていてもよい。好適なキレート剤の例としては、ヒスチジン及びＮ，Ｎ’エチレンジアミンニコハク酸（「ＥＤＤＳ」）を挙げることができる。

使用方法
本明細書に記載されるパーソナルケア組成物は、毛髪又は皮膚をクレンジング及びコンディショニングするために従来の方法で使用することができる。概して、毛髪又は皮膚の処理方法は、パーソナルケア組成物を毛髪又は皮膚に塗布することを含み得る。例えば、水で濡らした毛髪又は皮膚に有効量のパーソナルケア組成物を塗布してもよく、次いで、組成物をすすぎ落としてもよい。有効量は、概して、特定の実施形態では約１ｇ～約５０ｇ、及び特定の実施形態では約１ｇ～約２０ｇの範囲であり得る。毛髪に対する塗布は、通常、毛髪のほとんど又は全てが組成物と接触するように毛髪を通して組成物を動かすことを含む。

特定の実施形態では、毛髪又は皮膚を処理する方法は、（ａ）毛髪又は皮膚を水で濡らす工程と、（ｂ）毛髪又は皮膚に有効量のパーソナルケア組成物を塗布する工程と、（ｃ）皮膚又は毛髪の塗布された箇所を水ですすぐ工程と、を含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望に応じて何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。

特定の実施形態では、ダメージを受けた毛髪を処理するために本明細書に記載されるパーソナルケア組成物を使用してもよい。ダメージを受けた毛髪としては、パーマをかけた毛髪、酸化的に染色された毛髪、及び機械的に損傷した毛髪を挙げることができる。

パーソナルケア組成物は、添加された噴射剤と共に加圧容器に入れられた液体、固体、半固体、フレーク、ジェルとして使用することができ、ポンプ式スプレーの形態で使用することもできる。製品の粘度は、望ましい形態に対応するように選択することができる。

方法
安定性
この方法は、不安定性の徴候（例えば、クリーミング、沈殿、相分離、及び沈降）について試験組成物を視覚的に検査することを含み、これらは、当技術分野においてよく認識されている。組成物の２つの試験試料（約５０ｇ）を各々、別個の透明容器に入れる。次いで、容器を好適な蓋で覆って、蒸発及び汚染を防止する。一方の容器を５℃に温度制御された部屋に置き、他方を４０℃に温度制御された部屋に置く。１ヶ月後、試料を温度制御室から取り出し、室温に平衡化させる（例えば、１時間）。次に、試料を目視検査して、組成物の物理的特性のいかなるの変化（例えば、相分離又は沈殿）をも観察する。不安定性の観察可能な徴候を有しない試料は、組成物が相安定であることを示すために「はい」で識別される。不安定性の視覚的徴候を呈する試料は、組成物が相安定でないことを示すために「いいえ」で識別される。

粘度測定
この方法は、好適なレオメーター（例えば、Ｃｏｎｅ／Ｐｌａｔｅ Ｃｏｎｔｒｏｌｌｅｄ Ｓｔｒｅｓｓ Ｂｒｏｏｋｆｉｅｌｄ Ｒｈｅｏｍｅｔｅｒ Ｒ／Ｓ Ｐｌｕｓ又は同等物）を使用して、組成物又は材料の粘度を測定する方法を提供する。１^ｏの角度を有する直径７５ｍｍの円錐（例えば、スピンドルＣ－７５－１）が使用される。液体試料の粘度を、一定の剪断速度２ｓ^－１及び温度２６．７℃で定常状態流動実験を使用して決定する。試料サイズは、３ｍｌであり、合計測定読み取り時間は、３分である。

レオロジー測定
この方法は、適切なレオメーター（例えば、ＴＲＩＯＳブランドのレオメーター又は同等物）を使用して低剪断降伏応力を決定する方法を提供する。このレオメーターは、２．００５度の角度を有する６０ｍｍ（直径）の円錐及びＰｅｌｔｉｅｒアルミニウムプレートを使用して２６．７℃で試料組成物を試験するように構成されている。試料ギャップを５２μｍに設定し、試料を１０～１．０×１０^－４ｓ^－１の対数掃引を介して実行する。例えば、Ｔｒｉｏｓ Ｒｈｅｏｍｅｔｅｒにインストールされた製造業者のソフトウェアを使用して、１０^－４Ｐａ～１０^－２Ｐａの剪断応力曲線のＨｅｒｓｃｈｅｌ Ｂｕｌｋｌｅｙ分析を実施して、パスカル（Ｐａ）単位の低剪断降伏応力を決定する。

インビボでの頭皮付着
この方法は、被験者の頭皮に付着したフケ防止（ＡＤ）活性物質の量を決定する方法を提供する。訓練された美容師は、約５ｇの対照シャンプーを被験者の頭部の右側又は左側の毛髪に塗布し、次いで、従来の毛髪洗浄技術（例えば、６０秒間泡立て、次いで全ての泡が毛髪からなくなるまですすぐ）を使用して被験者のその半分の毛髪を洗浄する。次に、訓練された美容師は、フケ防止活性物質を含有する約５ｇの試験シャンプーを被験者の頭部の他の半分に塗布し、次いで、従来の洗髪技術を使用して被験者のその半分の毛髪を洗浄する。次いで、毛髪を頭皮の対照側と試験側に分けて、液体不透過性シールを形成するように、開放端ガラスシリンダーを頭皮の表面上に保持させる。エタノール抽出溶媒のアリコートを、頭皮に対して保持された端部の反対側のシリンダーの開放端部に添加する。液体不透過性シールを破壊することなく、シリンダーを注意深く振盪又は揺動させることによって溶媒を撹拌する。抽出溶媒は、従来の手段（例えば、吸引）を使用して回収される。

エタノール抽出溶媒中のフケ防止剤の濃度を、ＨＰＬＣで測定する。定量化は、標準曲線を基準にして行われる。ＨＰＬＣにより検出された濃度は、体積で乗算された濃度を使用することにより収集された量にグラム単位で変換される。付着効率は、以下の等式を使用して計算することができる。各場合に抽出された頭皮の面積を、一定に保持する。

付着効率の計算例：
実施例の配合物により付着したＡＤの質量＝７．８μｇ
対照の配合物により沈着したＡＤ活性物質の質量＝１．３μｇ

付着効率＝６倍

以下の表１は、本明細書に記載される本発明のパーソナルケア組成物及び比較パーソナルケア組成物の例を提供する。もちろん、これらの例は、限定を意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の修正を行うことができる。本発明の組成物の例示された実施形態は、刺激の強い硫黄ベースの界面活性剤を使用することなく、好適な洗浄効果を毛髪に提供する。

以下の実施例で示されるパーソナルケア組成物は、従来の配合及び混合方法によって調製される。ｐＨは、使用前に較正されるＴｈｅｒｍｏ Ｓｃｉｅｎｔｉｆｉｃ Ｏｒｉｏｎ Ｓｔａｒ Ａ３２１ ｐＨメーター又は同等物を用いて測定することができる。組成物の他の特性は、本明細書に記載される方法に従って決定される。

^１Ｓｉｎｏ ＬｉｏｎからのＥＶＥＲＳＯＦＴ ＡＣＳ－３０Ｓ（約５％のＮａＣｌ）
^２Ｓｔｅｐａｎ ＣｏｍｐａｎｙからのＳＴＥＰＡＮ ＭＩＬＤ ＧＣＣ
^３ＤｏｗからのＫＧ３０Ｍ
^４ＤｏｗからのＬＲ３０Ｍ
^５ＳｏｌｖａｙからのＪＡＧＵＡＲ ＥＸＣＥＬ
^６Ｓｉｎｏ ＬｉｏｎからのＥＶＥＲＳＯＦＴ ＡＣＳ（約１％のＮａＣｌ）
^７Ａｂｉｔｅｃ Ｃｏｒｐ．からのＣＡＰＭＵＬ ＭＣＭ

^１Ｓｉｎｏ ＬｉｏｎからのＥＶＥＲＳＯＦＴ ＡＣＳ－３０Ｓ（約５％のＮａＣｌ）
^２Ｓｔｅｐａｎ ＣｏｍｐａｎｙからのＳＴＥＰＡＮ ＭＩＬＤ ＧＣＣ
^３ＤｏｗからのＫＧ３０Ｍ
^４ＳｏｌｖａｙからのＪＡＧＵＡＲ ＥＸＣＥＬ

^１ＡｓｈｌａｎｄからのＮ Ｈａｎｃｅ ３２７１
^２ＡｓｈｌａｎｄからのＮ Ｈａｎｃｅ ３１９６
^３Ｃｌａｒｉａｎｔ Ｓｐｅｃｉａｌｔｙ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓからのピロクトンオラミン
^４Ｌｏｎｚａからのジンクピリチオン
^５Ｒｏｈｍ ａｎｄ ＨａａｓからのＫａｔｈｏｎ
^６ＤｏｗからのＤＣ３３０Ｍ
^７ＷｈａｃｋｅｒからのＤＭ５５００

実施例／組み合わせ
１．パーソナルケア組成物であって、
ａ）ココイルアラニン酸ナトリウムと、
ｂ）グリセリルエステルと、
ｃ）フケ防止剤と、
ｄ．液体担体と、を含み、パーソナルケア組成物が、硫酸化界面活性剤を実質的に含まない、パーソナルケア組成物。

２．ココイルアラニン酸ナトリウムが、５％～２０％、好ましくは６％～１５％、より好ましくは７％～１２％、最も好ましくは８％～１０％で存在する、項目１に記載のパーソナルケア組成物。

３．グリセリルエステルが、約１％～２０％、好ましくは２．５％～１５％、より好ましくは３％～１２％、最も好ましくは４％～１０％で存在する、項目１又は２に記載のパーソナルケア組成物。

４．ココイルアラニン酸ナトリウム対グリセリルエステルの比が、５：１～２：３、好ましくは４：１～１：１、より好ましくは３：１～３：２、最も好ましくは２：１である、項目１～３のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

５．グリセリルエステルが、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、又はこれらの混合物である、項目１～４のいずれか１つのパーソナルケア組成物。

６．グリセリルエステルが、カプリル酸グリセリル及びカプリン酸グリセリルの混合物であり、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド／プロピレンオキシド、及び窒素を実質的に含まない、項目５に記載のパーソナルケア組成物。

７．パーソナルケア組成物が、０．００５Ｐａ～２０Ｐａの低剪断降伏応力値を有する、項目１～６のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

８．０．１％～２．５％のラウリン酸を更に含む、項目１～７のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

９．パーソナルケア組成物が、安定性法に従って、５℃及び４０℃で安定である、項目１～８のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１０．グアー、セルロース、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるカチオン性付着ポリマーを更に含む、項目１～９のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１１．カチオン性沈着ポリマーが、０．７ｍｅｑ／ｇ～２．０ｍｅｑ／ｇの電荷密度を有する、項目１０に記載のパーソナルケア組成物。

１２．カチオン性付着ポリマーが、５００，０００ダルトン～２，０００，０００ダルトンの重量平均分子量を有する、項目１０又は１１に記載のパーソナルケア組成物。

１３．組成物が、３％未満の添加塩を含む、項目１～１２のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１４．パーソナルケア組成物が、シャンプーである、項目１～１３のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１５．パーソナルケア組成物が、硫酸塩を実質的に含まない、項目１～１４のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１６．パーソナルケア組成物が、シリコーンを実質的に含まない、項目１～１５のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１７．フケ防止剤が、ピリジンチオン塩、ジンクピリチオン、アゾール、硫化セレン（selenium sulfide）、粒子状硫黄、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、ピロクトンオラミン、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン（selenium sulphide）、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、８－ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン（テルビナフィンなど）、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Ｓｅｎｓｉｖａ ＳＣ－５０、Ｅｌｅｓｔａｂ ＨＰ－１００、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート（ＩＰＢＣ）、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、アゾキシストロビン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、項目１～１６のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物。

１８．組成物が、約５～約６のｐＨを有する、項目１～１７に記載のパーソナルケア組成物。

１９．フケを処理する方法であって、
フケの徴候を呈する毛髪及び／又は頭皮の標的部分を特定することと、
パラグラフ１～１８のいずれか１つに記載のパーソナルケア組成物を毛髪及び／又は頭皮の標的部分に塗布することと、を含む、方法。

２０．パーソナルケア組成物であって、
ａ）水と、
ｂ）ココイルアラニン酸ナトリウムと、
ｃ）カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリセリルエステルと、
ｄ）カチオン性ポリマーと、
ｅ）安息香酸ナトリウムと、
ｆ）クエン酸と、
ｇ）フケ防止活性物質と、
ｈ）塩化ナトリウムと、
ｉ）任意選択で香料と、からなる、パーソナルケア組成物。

２１．パーソナルケア組成物であって、
ａ）約７％～約２０％のココイルアラニン酸ナトリウムと、
ｂ）約２．５％～約１０％のグリセリルエステルと、
ｃ）約０．１％～約２．５％のラウリン酸と、
ｄ）フケ防止剤と、
ｅ）液体担体と、を含み、パーソナルケア組成物が、硫酸化界面活性剤を実質的に含まない、パーソナルケア組成物。

本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「４０ｍｍ」と開示された寸法は、「約４０ｍｍ」を意味することが意図される。

相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献（単数又は複数）と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。

本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。

Claims (15)

1. パーソナルケア組成物であって、
   ａ．ココイルアラニン酸ナトリウムと、
   ｂ．グリセリルエステルと、
   ｃ．フケ防止剤と、
   ｄ．液体担体と、を含み、前記パーソナルケア組成物が、硫酸化界面活性剤を実質的に含まない、パーソナルケア組成物。
2. 前記ココイルアラニン酸ナトリウムが、５％～２０％、好ましくは６％～１５％、より好ましくは７％～１２％、最も好ましくは８％～１０％で存在する、請求項１に記載のパーソナルケア組成物。
3. 前記グリセリルエステルが、約１％～２０％、好ましくは２．５％～１５％、より好ましくは３％～１２％、最も好ましくは４％～１０％で存在する、請求項１又は２に記載のパーソナルケア組成物。
4. ココイルアラニン酸ナトリウム対グリセリルエステルの比が、５：１～２：３、好ましくは４：１～１：１、より好ましくは３：１～３：２、最も好ましくは２：１である、請求項１～３のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
5. 前記グリセリルエステルが、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、又はこれらの混合物であり、好ましくは、前記グリセリルエステルが、カプリル酸グリセリルとカプリン酸グリセリルとの混合物である、請求項１～４のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
6. 前記パーソナルケア組成物が、０．００５Ｐａ～２０Ｐａの低剪断降伏応力値を有する、請求項１～５のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
7. ０．１％～２．５％のラウリン酸を更に含む、請求項１～６のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
8. 前記パーソナルケア組成物が、安定性法に従って、５℃及び４０℃で安定である、請求項１～７のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
9. グアー、セルロース、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは５００，０００ダルトン～２，０００，０００ダルトンの重量平均分子量を有するカチオン性沈着ポリマーを更に含む、請求項１～８のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
10. 前記組成物が、３％未満の添加塩を含む、請求項１～９のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
11. 前記パーソナルケア組成物が、硫酸塩を実質的に含まない、請求項１～１０のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
12. 前記フケ防止剤が、ピリジンチオン塩、ジンクピリチオン、アゾール、硫化セレン（selenium sulfide）、粒子状硫黄、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、ピロクトンオラミン、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン（selenium sulphide）、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、橙皮油、尿素調製物、グリセオフルビン、８－ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン（テルビナフィンなど）、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、Ｓｅｎｓｉｖａ ＳＣ－５０、Ｅｌｅｓｔａｂ ＨＰ－１００、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート（ＩＰＢＣ）、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、アゾキシストロビン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項１～１１のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
13. 前記組成物が、約５～約６のｐＨを有する、請求項１～１２のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
14. 毛髪を処理する方法であって、
    フケの徴候を呈する毛髪又は頭皮の標的部分を特定することと、
    請求項１～１３のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物を前記標的部分又は毛髪若しくは頭皮に塗布することと、を含む、方法。
15. パーソナルケア組成物であって、
    ａ）水と、
    ｂ）ココイルアラニン酸ナトリウムと、
    ｃ）カプリル酸グリセリル、カプリン酸グリセリル、及びこれらの混合物からなる群から選択されるグリセリルエステルと、
    ｄ）カチオン性ポリマーと、
    ｅ）安息香酸ナトリウムと、
    ｆ）クエン酸と、
    ｇ）フケ防止活性物質と、
    ｈ）塩化ナトリウムと、
    ｉ）任意選択で香料と、からなる、パーソナルケア組成物。

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