JP2023548316A - 細胞培養足場を製造するための方法およびシステム - Google Patents

細胞培養足場を製造するための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

三次元細胞増殖用途のための可消化足場を連続生産するためのシステムおよび方法が提供される。細胞培養足場を生産するためのシステムは、筐体と、その筐体内に直列配列で配置された複数のモジュラーコンポーネントであって、複数の微小流体流路でつなげられたモジュラーコンポーネントとを備える。このモジュラーコンポーネントは、乳化機、被覆反応器、および分離器を含むことがある。必要に応じて、システムは、多孔質膜を含むことがある。方法は、高分子溶液を不連続形状のゲルに架橋させる工程、細胞培養培地の層をそのゲルに結合させる工程、およびそのゲルを乾燥または脱水させて、細胞培養培地として使用するために官能化されたエアロゲルを形成する工程を有してなる。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2020年10月30日に出願された米国仮特許出願第63/107660号の米国法典第35編第119条の下で優先権の恩恵を主張するものである。
本明細書は、広く、製造システムと方法に関し、より詳しくは、細胞培養に使用するための足場を製造する方法およびシステムに関する。
三次元で培養された細胞は、単層として二次元で培養されたその対応物よりも生体内のような機能性を示すことができる。2D細胞培養システムにおいて、細胞は、剛性表面に付着せざるを得ず、幾何学的に拘束され、細胞内シグナル伝達において重要な細胞骨格調節性を変え、その結果、細胞成長、移動、およびアポトーシスに影響を与え得る平らな形態を取る。さらに、細胞分化、増殖、および遺伝子発現にとって重要な、ECMの組織が、ほとんどの2D細胞にはない。
細胞が3Dで増殖している場合、細胞は、基体に付着するよりも、互いに相互作用する傾向がある。3D培養の追加の次元性は、周囲の細胞との相互作用に関わる細胞表面受容体の空間的構成に影響し、細胞に対する物理的制約を誘発するので、細胞応答に差をもたらすと考えられる。3D培養におけるこれらの空間的特徴と物理的特徴は、細胞の外部から内部へのシグナル伝達に影響を与え、最終的に、遺伝子発現と細胞挙動に影響すると考えられる。それゆえ、3Dで培養された細胞は、細胞間伝達と細胞外基質の開発の観点から、生体内組織に非常によく似ている。
3D細胞培養物を産生するために、細胞は、細胞増殖のための栄養素を提供する、細胞培養培地と共に、適切な条件下で増殖または培養されなければならない。いくつかの従来の3D細胞培養方法は、培養中にビーズまたは足場を使用することを含む。
しかしながら、そのようなビーズまたは足場の既存の生産方法は、非常に時間がかかり、プロセス段階で著しいボトルネックに曝される。処理に関与する設備のタイプのために、既存の生産方法は、遅く、操作者に依存し、変えるのが難しく、その結果、製造プロセスにばらつきが生じてしまう。
細胞培養に使用するための足場をうまく生産するためには、プロセス速度と機敏性が、一貫して反復可能な製造実践と共に求められる。ここに開示されたシステムおよび方法は、被覆されたマイクロキャリアを生成するための反復可能な効率的プロセスを提供し、そのマイクロキャリアは、多様な用途のためにサイズと形状を調整することができる。ここに記載された実施の形態は、各重要なプロセス段階の手動操作により導入されるばらつきを排除し、ゲル化から乾燥まで閉鎖系を維持することによって、汚染のリスクを減少させ、アルコール溶媒を使用することによって、無菌環境を維持する。
ある態様によれば、細胞培養足場を製造するためのシステムは、筐体と、その筐体内に直列配列で配置された複数のモジュラーコンポーネントであって、複数の微小流体流路でつなげられたモジュラーコンポーネントとを備える。
いくつかの実施の形態において、このモジュラーコンポーネントは、乳化機、被覆反応器、および分離器を含むことがある。
いくつかの実施の形態において、乳化機は、有機溶液流路、および架橋溶液流路を含む入力部と、被覆反応器と連通した乳化流路を含む出力部とを備えることがある。
いくつかの実施の形態において、有機溶液流路および架橋溶液流路は、この有機溶液流路とこの架橋溶液流路との間に配置された微小流体細孔でつながっている。
いくつかの実施の形態において、乳化機は多孔質膜をさらに備える。いくつかの実施の形態において、各細胞培養足場の限界寸法は、多孔質膜の細孔径により決まる。いくつかの実施の形態において、多孔質膜は、取り外しでき、交換可能である。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、乳化機への入力ラインを有する有機溶液貯蔵部、および乳化機への入力ラインを有する架橋溶液貯蔵部をさらに備える。いくつかの実施の形態において、そのシステムは、有機溶液貯蔵部と乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える。いくつかの実施の形態において、有機溶液貯蔵部の入力ラインは、質量流量制御装置をさらに備える。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、架橋溶液貯蔵部と乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える。いくつかの実施の形態において、架橋溶液貯蔵部の入力ラインは、質量流量制御装置をさらに備える。いくつかの実施の形態において、架橋溶液の流量は、有機溶液の流量以上である。
いくつかの実施の形態において、有機溶液は、高分子溶液または糖溶液を含む。いくつかの実施の形態において、有機溶液は、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む。
いくつかの実施の形態において、有機溶液は、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施の形態において、非極性流体は、非極性炭化水素、他の非極性流体、またはその組合せを含むことがある。いくつかの実施の形態において、アルコールは、異なる鎖長のアルコール、アルコールの混合物、アルコールと水の混合物、またはその組合せを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、架橋溶液は、イオン性塩溶液を含む。いくつかの実施の形態において、イオン性塩溶液は、イオン性カルシウム塩溶液を含む。いくつかの実施の形態において、イオン性カルシウム塩溶液中の溶媒がエタノールである。
いくつかの実施の形態において、被覆反応器は、乳化機と連通した乳化流路、および乳化流路と交差する被覆溶液流路を含む入力部と、分離器と連通した被覆乳化流路を含む出力部とを備える。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、被覆反応器への入力ラインを有する被覆溶液貯蔵部をさらに備える。いくつかの実施の形態において、そのシステムは、被覆溶液貯蔵部と被覆反応器との間に配置されたポンプをさらに備える。いくつかの実施の形態において、被覆溶液貯蔵部の入力ラインは、質量流量制御装置をさらに備える。いくつかの実施の形態において、被覆溶液は、高分子被覆溶液またはペプチド被覆溶液を含む。いくつかの実施の形態において、被覆反応器は、連続流被覆反応器である。
いくつかの実施の形態において、分離器への入力部は、被覆反応器と連通した被覆乳化流路、およびその被覆乳化流路と連通した超臨界流体供給源を備える。
いくつかの実施の形態において、分離器からの出力部は、溶媒蒸発通路であって、その中で、被覆乳化流路からの溶媒は、蒸発させられ、超臨界流体によって除去される、溶媒蒸発通路、および細胞培養足場を構成する固体を含む。
いくつかの実施の形態において、超臨界流体は、超臨界COを含む。いくつかの実施の形態において、前記システムは、CO貯蔵部および圧力調整器をさらに備える。いくつかの実施の形態において、CO貯蔵部および圧力調整器は、筐体の外部にある。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、アルコール貯蔵部および圧力調整器をさらに備える。いくつかの実施の形態において、アルコール貯蔵部および圧力調整器は、筐体の外部にある。いくつかの実施の形態において、アルコール貯蔵部中のアルコールは、エタノールを含む。いくつかの実施の形態において、アルコール貯蔵部からのアルコールは、乳化機と被覆反応器との間に配置された第1のアルコール洗浄部に供給され、乳化流体が、乳化機から出た後であって、被覆反応器に入る前に、アルコールで洗浄される。
いくつかの実施の形態において、アルコール貯蔵部からのアルコールは、被覆反応器と分離器との間に配置された第2のアルコール洗浄部に供給され、被覆乳化流体は、被覆反応器から出た後であって、分離器に入る前にアルコールで洗浄される。
いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、動物質を含まない可消化細胞培養培地基体から作られる。
いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、高分子ビーズまたはスラグから作られる。
いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、可溶性マイクロキャリア(DMC)から作られる。いくつかの実施の形態において、可溶性マイクロキャリアは、酵素またはキレート剤で溶けるまたは消化されやすい。いくつかの実施の形態において、各DMCは、約300μm以下の限界寸法を有する。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、筐体の外部の雰囲気から閉じられており、無菌である。
ある態様によれば、細胞培養足場を製造する方法は、有機水溶液を成形ゲルに架橋する工程、細胞増殖培地の層またはコーティングを成形ゲルに結合させる工程、および被覆された成形ゲルを乾燥させて、細胞増殖培地として使用するために官能化されたエアロゲルを含む細胞培養足場を形成する工程を含む。
いくつかの実施の形態において、有機水溶液は、高分子溶液または糖溶液を含む。いくつかの実施の形態において、有機水溶液は、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む。
いくつかの実施の形態において、有機水溶液は、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施の形態において、非極性流体は、非極性炭化水素、他の非極性流体、またはその組合せを含むことがある。いくつかの実施の形態において、アルコールは、異なる鎖長のアルコール、アルコールの混合物、アルコールと水の混合物、またはその組合せを含むことがある。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、細胞培養足場の連続生産を含む。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、三次元細胞増殖用途のためである。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、可消化細胞培養足場を含む。
いくつかの実施の形態において、架橋する工程、結合させる工程、および乾燥させる工程は、単一装置内で行われるモジュラープロセスである。
いくつかの実施の形態において、架橋する工程は、微小流体通路または細孔を通じて有機水溶液を架橋溶液に導入して、エマルション内で成形ゲルを形成する工程を含み、このエマルションは、分散相としての成形ゲルおよび連続相としての溶媒を含む。
いくつかの実施の形態において、架橋溶液は塩溶液を含む。いくつかの実施の形態において、塩溶液は、アルコール中にCaCl、CaCO、CaSO、またはその組合せを含むカルシウム塩溶液を含む。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む。
いくつかの実施の形態において、結合させる工程は、架橋試薬により促進される架橋反応によって、細胞増殖培地を成形ゲルに結合させる工程を含む。
いくつかの実施の形態において、細胞増殖培地は、高分子被覆培地またはペプチド被覆培地を含む。
いくつかの実施の形態において、前記方法は、被覆した成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む。
いくつかの実施の形態において、乾燥させる工程は、微小通路内で小さい細孔または膜を使用して、エマルションの連続相の溶媒から分散相の被覆された成形ゲルを分離する工程をさらに含む。
いくつかの実施の形態において、被覆された成形ゲルは、分離容器に運ばれる。いくつかの実施の形態において、溶媒は、被覆された成形ゲルから除去される。いくつかの実施の形態において、溶媒は、超臨界流体抽出によって被覆された成形ゲルから除去される。いくつかの実施の形態において、この方法は、減圧し、溶媒を再生する工程をさらに含む。
ここに記載された実施の形態の追加の特徴と利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載された実施の形態を実施することによって、認識されるであろう。
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、様々な実施の形態を記載しており、請求項の主題の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、その様々な実施の形態のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、ここに記載された様々な実施の形態を図示しており、説明とともに、請求項の主題の原理および作動を説明する働きをする。
ここに記載された実施の形態によるシステムの概略図 ここに記載された実施の形態によるシステムの概略図 ここに記載された実施の形態による工程系統図 ここに記載された実施の形態によるビーズ生成工程の概略図 ここで、その例が添付図面に示されている、細胞培養足場を製造するためのシステムおよび方法の実施の形態を詳しく参照する。できるときはいつでも、同じまたは同様の部分を指すために、図面に亘り同じ参照番号が使用されている。
ここに記載された実施の形態は、三次元細胞増殖用途のための可消化足場の連続生産を含む。ここに記載された実施の形態によるシステムおよび方法は、具体的に、三次元細胞増殖用途のための、被覆エアロゲルの連続生産のための微小通路形成体、反応器、および分離容器の連続したモジュラー配列を含む。より詳しくは、ここに記載された実施の形態は、糖溶液を不連続形状のゲルに架橋する(ここでは、ゲル化とも称される)工程、細胞増殖培地の層をゲルに結合させる工程、およびそのゲルを乾燥または脱水させて、細胞増殖培地として使用するために官能化されたエアロゲルを形成する工程のためのシステムおよび方法を提供する。
細胞培養足場のための従来の製造方法は、ゲル化、被覆、および乾燥の3つの全般的な単位操作またはバッチプロセス段階に分けられる。この製造方法は、非常に時間がかかり、各プロセス段階に関して、重大なボトルネックが記載されている。例えば、従来の製造方法において、アルギン酸塩、デンプン溶液、または多糖溶液が、水性塩の浴中に滴下される。アルギン酸塩、デンプン溶液、または多糖溶液中で陽イオンが個々の単量体、二量体、三量体などと相互作用して、それらを架橋させ、ヒドロゲルを形成する。ヒドロゲルの液滴は、架橋プロセス中にその球状を維持し、比較的単分散のヒドロゲルビーズがもたらされる。これらのビーズをアルコールで濯ぎ、結果として生じたヒドロゲル中の水を置換し、アルコール系ゲル(「アルコゲル」)を形成する。このアルコゲルは、細胞増殖培地で「被覆」される前に、バッチ式反応器内に保持される。ここでは、「被覆する」とは、真の被覆プロセスであることがあり、細胞増殖培地がゲルの表面と物理的および/または化学的に結合する現象も含むことがある。ある場合には、細胞増殖培地が反応器に加えられて、ゲルの表面に結合し、これにより、細胞増殖のために特異的に官能化された被覆層をゲルに提供する。反応の下流で、被覆ビーズに多数のアルコール洗浄が施されることがある。この被覆プロセス後、濡れた被覆ビーズ(エアロゲル)に、湿ったアルコゲルが回転式蒸発器に入れられ、数時間に亘り著しい熱と真空下で乾燥される、加熱回転蒸発工程などの一連の乾燥工程が施される。次に、乾燥ビーズが凍結乾燥工程(a freeze-drying step (lyophilization))に送られて、材料から全ての水が完全に除去される。これには、数日程度かかり得る。
従来の技術に使用されているバッチ式製造方法とは対照的に、ここに記載されたシステムおよび方法により、三次元細胞増殖用途のための足場をオンデマンドで連続的に製造することができる。ここに記載されたシステムおよび方法は、乳化技術、被覆反応器、および分離容器のモジュール配置により、動物質を含まない可消化細胞培養培地基体の迅速生産に使用することができる。実施の形態において、細胞培養足場は、可消化細胞培養培地基体を含むことがある。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、限界寸法が300マイクロメートル(μm)未満であることがある。このシステムには、培地に求められる小さい長さスケールを可能にする微小流体細孔および流路が組み込まれている。実施の形態において、このシステムおよび方法は、可溶性マイクロキャリア(DMC)ビーズを生産するために使用することができる。実施の形態において、このシステムおよび方法は、高分子ビーズまたはスラグの生産に使用することができ、そのような高分子ビーズまたはスラグのその場形成、被覆、および乾燥を含むことがある。
実施の形態において、ここに記載された方法は、多糖溶液の不連続形状のゲルへの架橋(ここでは、ゲル化とも称される)、これらのゲルへの細胞増殖培地の層の結合、およびこれらのゲルを乾燥させて、または脱水して、細胞増殖培地として使用するために官能化されたエアロゲルを形成することを提供する。
ここに記載された実施の形態によるシステムにより、細胞培養足場が効率的かつ効果的に生産される。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、可溶性細胞培養足場である。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、被覆されたエアロゲルビーズである。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、被覆された高分子ビーズまたはスラグである。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、可溶性マイクロキャリア(DMC)ビーズである。いくつかの実施の形態において、方法およびシステムは、可溶性マイクロキャリア(DMC)を確実に連続的に生産する。ここに記載されたシステムは、微小流体乳化機、被覆機、および分離容器の直列配置によりこれらのタイプの細胞培養足場を迅速に生産する。方法およびプロセスは、形成工程、その後の被覆工程、その後の乾燥工程を含む。詳しくは、形成工程は、ビーズと液滴の形成を含み、被覆工程は、ビーズの被覆を含み、乾燥工程は、ビーズの乾燥を含む。
微小流体通路または細孔は、有機水溶液と架橋溶液との間で流れプロファイルを交差させる。有機水溶液の非限定例としては、高分子溶液または糖溶液が挙げられる。いくつかの実施の形態において、架橋溶液は、塩溶液である。塩溶液の非限定例としては、イオン性塩溶液またはカルシウム塩溶液が挙げられる。一般に、塩溶液の流量は、有機水溶液の流量以上である。これら2つの溶液の間の界面張力により、有機水溶液の液滴、スラグ、または他の不連続形状への分裂が促進されて、エマルションが作られる。ほとんどの場合、連続相と分散相の表面張力値の間には、大きい差異が存在する。エマルションは、塩溶液中に分散された有機水溶液の液滴を含む。塩溶液中のカルシウムイオンは、架橋剤の機能を果たし、エマルション中の分散相の形状を維持する。架橋の速度は、イオン性カルシウム塩(例えば、CaCl、CaCO、CaSOなど)のブレンドを使用することによって、制御される。
エマルションは、連続流被覆反応器へと下流に運ばれ、そこで、高分子またはペプチド溶液が、分散相の表面を被覆するか、またはそれに結合し、大抵、官能化表面を作る。被覆溶液はエマルションの流れと交差し、溶液間で層流または乱流混合を強いる。典型的に、被覆溶液は、分散相に対しては相対的に親和性を示し、連続相に対しては相対的に親和性の欠如を示す。分散相に対するこの親和性により、被覆溶液が分散相を被包するかまたは他のやり方で接着するのが促進される。架橋剤の添加により、被覆溶液と分散相との間の化学結合が促進され、頑丈な被覆層が確立されることになる。
連続相と被覆された分散相(被覆溶液コーティングまたは層を有する架橋した有機水溶液)からなるエマルションは、超臨界流体抽出(SFE)または他の抽出技術を利用するように設計された分離容器に向かって流れる。連続相中の溶媒は、選択された抽出技術によって、このシステムから除去される。いくつかの実施の形態において、溶媒はアルコールである。その溶媒は、連続相からと、分散相の架橋した基質内から除去され、高分子で被覆されたエアロゲルが得られる。いくつかの実施の形態において、抽出技術は、抽出溶媒を再利用する上で収率が高いために、SFEである。いくつかの実施の形態において、連続相中の溶媒の消費は最小である。
ここに記載された実施の形態は、従来の技術とは異なり、操作者の介入に依存しない。前記システムは、雰囲気(例えば、筐体の外部の雰囲気)から閉じられており、潜在的な汚染源が減少し、外部プロセスの摂動の可能性も減少する。さらに、主にアルコール系溶液の存在のために、無菌雰囲気(例えば、筐体内の雰囲気)が提供される。さらに、ここに記載された実施の形態によるシステムおよびプロセスは、長く時間がかかるか、またはエネルギーを大量に消費する乾燥プロセスに依存せず、代わりに、リアルタイムの現場観察およびプロセス変数の制御を与える。ここに記載された実施の形態は、減少した設置面積と減少したプロセスの複雑さのために費用の節約を可能にし、減少したオペレータ時間のために運営コストの減少を可能にし、プロセス変数と特徴のリアルタイム追跡により廃棄物の減少を可能にし、高価なコーティングの使用の改善のために運営コストの減少を可能にする。それに加え、このシステムおよび方法は、ビーズサイズを高度に制御し、コーティング層を高度に制御する。このプロセスは、オンデマンドとして構成され、ユーザの要求に直ちに従うことができる。
図1は、ここに記載された実施の形態によるシステム100の概略図を示す。図1に示されるように、乳化機120、被覆反応器130、および分離器140が、筐体110内に配置されている。乳化機120内には、有機溶液122の流路121が、有機溶液122の流路と交差する架橋溶液124の流路123と共に示されている。この実施の形態において、有機溶液122は水中のPGAであり、架橋溶液124はエタノール中のカルシウムである。交差点では、2つの溶液が混ざって、微小流体通路152内にエマルションを形成する。2つの溶液間の界面張力により、PGA溶液の液滴またはPGAビーズ162への分裂が促進される。ビーズ162は、架橋溶液の連続相(CP)164中のエマルションの分散相(DP)である。エマルションは、乳化流路154内で被覆反応器130へと下流に運ばれる。被覆反応器130は、乳化流路154と交差する被覆溶液流路133を含む。被覆溶液135は、PGAビーズ162の表面を被覆して、またはそれに結合して、官能化表面を作る。いくつかの実施の形態において、被覆溶液135は、その内容がここに全て引用される、米国特許出願公開第2019/0153256号明細書に記載されているSynthemax II(登録商標)(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporated)(ここではSMIIとも称される)などの細胞増殖培地を含む。このエマルションは、今では、連続相164と被覆された分散相166を含み、これは、被覆乳化流路156内で分離器140へと下流に運ばれる。分離器140内には、超臨界流体を含む流路158がある。この実施の形態において、超臨界流体はCOである。超臨界COによりエマルションから溶媒が除去され、それによって、被覆されたPGAビーズ168からエタノールとCOが分離される。システム100は、分離器140内での処理後に乾燥した被覆ビーズを貯蔵するためのビーズ貯蔵部(図示せず)をさらに備えることがある。システム100は、流量、圧力、温度、センサ、および任意の他のシステム制御特徴を監視し、制御するために、システム100と通信する制御装置(図示せず)をさらに備えることがある。
図2は、ここに記載された実施の形態によるシステム200の概略図を示す。図2に示されるように、乳化機220、被覆反応器230、および分離器240が、筐体210内に配置されており、微小流体流路252、254、256、258により接続されている。このシステムおよび方法は、3つのモジュラープロセスユニットに分割されることがある:乳化機220内でのゲル形成、被覆反応器230内でのゲル被覆、および分離器240内でのゲル乾燥。乳化機220内で、架橋溶液222が微小流体流路252に投与される。例えば、架橋溶液222は、エタノール中にカルシウムを含むことがある。有機溶液224が、この流れに対向しないある角度で同じ流路252にポンプで送られる。例えば、有機溶液224は、水中にPGAを含むことがある。PGAは、小さい通路または細孔226を通ってカルシウム溶液と交差し、表面張力と剪断力により、PGA溶液のビーズ262への分裂が促進される。ビーズ262は、架橋溶液の連続相(CP)264中のエマルションの分散相(DP)である。エマルションは、乳化流路254内で被覆反応器230へと下流に運ばれる。被覆反応器230は、乳化流路254と交差する被覆溶液流路233を含む。被覆溶液235は、PGAビーズ262の表面を被覆して、またはそれに結合して、官能化表面を作る。例えば、被覆溶液は、「Synthemax II」(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporated)などの細胞増殖培地を含むことがある。このエマルションは、今では、連続相264と被覆された分散相266を含み、これは、被覆乳化流路256内で分離器240へと下流に運ばれる。分離器240内には、超臨界流体を含む流路258がある。例えば、超臨界流体はCOを含むことある。超臨界COによりエマルションから溶媒が除去され、それによって、被覆されたPGAビーズからエタノールとCOが分離される。次いで、エタノールとCOは、分離器から出力され、必要に応じて、再生されて、乾燥した被覆されたPGAビーズが得られる。このシステムは、乾燥した被覆されたPGAビーズ268の貯蔵部270をさらに備えることがある。いくつかの実施の形態において、ビーズ貯蔵部は、筐体の内部にあることがある(図示せず)。いくつかの実施の形態において、ビーズ貯蔵部は、筐体の外部にあることがある。システム200は、制御装置280をさらに備える。制御装置280は、流量、圧力、温度、センサ、および任意の他のシステム制御特徴を監視し、制御するために、システム200と通信する。
ここに記載された実施の形態によるシステムは、制御装置を備えることがある。この制御装置は、システム内のセンサ、流量、圧力、温度、および他の制御可能な特徴を監視し、制御するために使用することができる。いくつかの実施の形態において、制御装置は、システムのコンポーネントと無線通信することができる。制御装置は、メモリおよびプロセッサを備えることがある。いくつかの実施の形態において、制御装置は、ユーザインターフェースと通信する。
制御装置は、システムのコンポーネントから収集されたデータを処理することができる。このデータには、圧力、温度、および/または流量のデータが含まれることがある。制御装置は、ポンプまたはセンサからプロセッサを通じてデータを受信するか、またはデータをユーザが指定したパラメータへと他のやり方で操作する。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースを使用して、モジュールの様々なパラメータまたは仕様を選択することができる。受信された、および/または処理されたデータは、さらなる処理および/または表示のために表示装置に転送することができる。データ転送は、データリンクまたはUBSB接続などのデータインターフェースにより行うことができる。制御装置は、メモリも備えることがある。メモリは、データを格納するために使用することができる。データは、未処理データであっても、処理データであってもよい。格納されたデータは、処理のために外部コンピュータにダウンロードすることができ、オフラインで処理することができる。
いくつかの実施の形態において、前記システムは、ビーズ形成と粒径のインライン監視、および/または光学的透明度の測定のために、カメラまたは散乱系など、撮像コンポーネントをさらに備えることがある。
図3は、ここに記載された実施の形態による工程系統図(PFD)を示す。詳しくは、被覆エアロゲルビーズの連続製造のためのPFDが与えられている。PFD全体を単一ユニット内で行うことができ、ゲル形成、洗浄、被覆、および分離のプロセスは、モジュラープロセスである。気体(例えば、CO)とアルコール(例えば、エタノール)の圧力調整および質量補給が、実施の形態において、含まれることがある。いくつかの実施の形態において、COおよびエタノールの圧力調整および質量補給は、このプロセスの外部にある。
ゲル形成プロセスにおいて、約0.5~3質量%の有機水溶液が、分散相として使用されることがある。いくつかの実施の形態において、有機水溶液は、1.7質量%のポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含むことがある。いくつかの実施の形態において、約3~6質量%の架橋溶液が、連続相として使用されることがある。いくつかの実施の形態において、架橋溶液は、アルコール(例えば、エタノール)中の4質量%のカルシウム塩(例えば、CaCl、CaCO、および/またはCaSOの混合物)の溶液を含み、連続相として使用される。系における界面エネルギーが、水-アルコール系におけるように、低い場合、液滴は、自発的に形成されることがない。いくつかの実施の形態において、液滴を形成するために、分散相から形成された安定ジェットに摂動を与えることができる(例えば、圧電素子または他のデバイスにより)。いくつかの実施の形態において、分散相に、機械的に摂動が与えられる(例えば、振動力または回転力により)。いくつかの実施の形態では、分散相としてPGA/グルコース溶液が使用されることがある。連続相は、PGA溶液にとって架橋溶液の働きをすることになる。カルシウム溶液は、注射器ポンプ(または他の方法)により約5mL/分と約200mL/分の間の速度で微小流体通路に投与される。PGA溶液は、カルシウム溶液の流量より約1倍から約40倍小さい流量でその流れに対向しないある角度で同じ通路にポンプで送られる。1つの通路またはノズルを通る流量は、様々であってよい。PGAは、小さい通路または細孔を通じてカルシウム溶液と交差する。表面張力および剪断力により、PGA溶液のビーズ、液滴、またはスラグへの分裂が促進される。実施の形態において、ビーズ、液滴、またはスラグは、その限界寸法で約100から約500マイクロメートル(μm)であることがある。
分散相中のPGAの形状とサイズは、通路サイズおよび各溶液の流量に依存する。いくつかの実施の形態において、PGA高分子ビーズが形成される。いくつかの実施の形態において、PGA「スラグ」が形成される。ここでは、「弾丸」または楕円体形状などの楕円形を生じるために、ゲル製造段階の壁は十分に小さく、分散相(DP)および連続相(CP)の流量は十分である。
表面張力は、ビーズのサイズ、形状、および稠度などのビーズ形成に影響を与える重要な要因である。いくつかの実施の形態において、有機溶液は、ビーズまたは足場の形成に適したどのような流体を含んでもよい。いくつかの実施の形態において、流体は、油、非極性炭化水素、他の非極性流体、異なる鎖長のアルコール、アルコールの混合物、アルコールと水の混合物、水、および界面活性剤を含むことがあり、ゲル化培地の表面張力を制御するために使用されることがある。いくつかの実施の形態において、ビーズは、球状のものであることがあり、流体は、油、非極性炭化水素、および/または他の非極性流体を含むことがある。例えば、界面活性剤を添加すると、タマネギ形のビーズの代わりに、丸いビーズを得ることができるであろう。界面活性剤および界面活性剤の濃度は、ジェットの分裂モードに対する影響のために、微小流体液滴の形成に重要な役割を果たすことがある。例えば、界面活性剤の濃度を高めると、分散相中に長い「糸(threads)」を形成するのに役立つであろう。その機構は十分には理解されていないが、界面活性剤が存在すると、液体ジェットの安定性が影響を受けると一般に認められている。液滴形成は、連続相と分散相の合流点(すなわち、液滴のくびれで切れるところ)で生じることがある、もしくは合流点の下流の分散相の分裂のために(すなわち、糸の分裂)、または多数の他の分裂モードにより、生じることがある。系に界面活性剤が存在する程度が、分裂モードに影響すると考えられる。
CaCl:CaCO:CaSOの相対比は、PGA溶液のゲル化速度を決定し、そのプロセスおよび最終生成物の仕様に適合するように調整することができる。溶液中の遊離カルシウムイオンは、PGAのゲル化を促進し、分裂後の分散相の形状を保持する。ゲル化されたPGA/Ca2+/エタノール基質により、アルコール系ゲル、すなわち「アルコゲル」が形成される。
アルコゲルは、連続相によって被覆マイクロリアクタに運ばれる。いくつかの実施の形態において、アルコゲルにアルコール洗浄段階を施して、ゲル製造段階中に消費されていないカルシウムイオンを除去することができる。いくつかの実施の形態において、動物質を含まない細胞増殖培地として設計された高分子が被覆培地として使用されることがある。いくつかの実施の形態において、被覆培地は、「Synthemax II」(SMII)(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporatedから市販されている)を含むことがある。いくつかの実施の形態において、代わりの細胞増殖用途のための被覆培地として、コラーゲンが使用されることがある。この被覆培地は、架橋反応によってアルコゲルに結合されており、その反応は、一般に、グルタルアルデヒドなどの架橋剤によって促進される。被覆培地は、溶液中のアルコゲルの流れプロファイルと交差する。各種の流量は、被覆マイクロリアクタ中の通路のサイズおよび被覆反応(またはこの例では、架橋)の反応速度に依存する。ここに記載されたシステムおよび方法では、調整目的のために溶液レオロジーを使用することができる。例えば、溶液中のPGAの量およびグレードは、形成されるビーズに影響することがある。実施の形態において、通路の幅は、一般に、アルコゲルの幅よりも広くなり、これにより、高分子コーティングが脆弱であるかもしれない場合、架橋の初期段階の高分子コーティングに対する剪断が排除される。しかしながら、いくつかの実施の形態では、被覆段階中の通路内のアルコゲルの回転を促進するために壁剪断が使用されることがあり、これにより、より均一なコーティング層が生じるであろう。この被覆培地は、被覆段階中に5~500mL/分の速度で投与されることがある。
いくつかの実施の形態において、被覆されたアルコゲルをアルコール洗浄に回されて、任意の未反応のSMIIまたは被覆プロセスにおける他の試薬を除去してもよい。被覆されたアルコゲルは、連続相からゲルを分離し、ゲル基質から連続相のいずれも除去するために、連続相によって、分離容器に運ばれる。微小流路内の小さい細孔または膜により、分散相が連続相から分離される。分散相は分離容器に運ばれ、一方で、連続相は再生または廃棄に送られる。この実施の形態において、アルコール溶媒は、超臨界CO(sCO)を使用する超臨界流体抽出(SFE)によりアルコゲルから除去される。しかしながら、溶液からアルコールを除去するために、液体/流体抽出のどの方法を使用してもよい。この実施の形態において、sCOは、それぞれ、72.9気圧(約7.4GPa)超の圧力および304.25K超の温度で、COガスから形成される。被覆されたアルコゲルは、アルコゲル基質中のアルコールの溶媒の働きをする、sCOに曝露される。sCOとアルコールの混合物が、減圧容器に運ばれて、ガス状COおよび液体アルコールが形成される。このアルコールは、再生し、溶媒段階または洗浄段階のいずれにも再使用することができる。乾燥された被覆PGAエアロゲルは、微小流体システムから貯蔵容器または他の保持ユニットに運ばれる。
いくつかの実施の形態において、亜臨界液体COを使用して、溶液から溶媒が除去されるであろう。あるいは、いくつかの実施の形態において、システムのアセンブリ全体は、COの臨界点より高い温度と圧力で作動されることがある。何故ならば、そのような温度と圧力で作動させると、アセンブリ全体を超臨界CO形成に合うようにすることによって、架橋反応を促進し、設計の複雑さを低下させるであろうからである。
いくつかの実施の形態において、COは、エタノール/培地抽出に使用される超臨界流体である。いくつかの実施の形態において、エタノール/他の培地抽出に、他の超臨界流体を使用してもよい。他の超臨界流体の非限定例としては、窒素およびメタンが挙げられ、これらは、COより相当低い圧力で超臨界である気体であり、これにより、再加圧の費用が節約され、ビーズにとってより機械的に安定な環境が与えられるであろう(すなわち、より低い圧力は、より少ない機械的変形をもたらし、被覆層の形態への影響が少なくなるであろう)。超臨界流体としてNまたはCHを維持するのに必要な低温は、凍結乾燥工程と「熱統合」し、それによって、低温超臨界流体を維持することに関連する費用を相殺することができるであろう。
いくつかの実施の形態において、凝縮器による従来の熱駆動蒸発などのエタノール除去/回収方法を使用して、エタノールを回収してもよい。例えば、そのようなエタノール除去および回収方法を使用して、高圧COからビーズへの望ましくない影響(ビーズの不可逆的変形、コーティング形態の望ましくない変化、またはコーティングの剥離など)を避けることができる。いくつかの実施の形態において、方法は、要求されるレベルの純度を維持するための回収したアルコールまたは超臨界流体の処理を含むことがある。
それに加え、実施の形態において、マイクロキャリアの均一なサイズ分布が与えられるであろう。均一なサイズ分布により、使用中に上澄みからのマイクロキャリアのより速くより清浄な分離が確実になり、これにより、培地の交換および最終生成物の単離が、より予測可能になり、より信頼性があり、高価ではなくなるであろう。実施の形態において、マイクロキャリアのサイズを異なる範囲に正確に調整することができる。これにより、ビーズの材料特性を変えずに、ビーズの沈降速度を、異なるバイオプロセスの要求に合うようにカスタマイズすることができる。
マイクロキャリアビーズは、球状または実質的に球状であることがある。そのビーズは、どのような適切なサイズであってもよく、ここに記載されたシステムおよび方法は、異なるビーズサイズを達成するためにパラメータを調整することができる。ある場合には、対象用途のために調整することによって、ビーズサイズのカスタム分布を達成することができる。いくつかの実施の形態において、ビーズは、10から500マイクロメートルに及ぶ、例えば、下記の値のいずれかの間の範囲を含む、10、20、25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、または500マイクロメートルの平均直径を有することがある。実施の形態において、マイクロキャリアビーズは、狭い特定のサイズ範囲内に製造することができる。すなわち、それらは、サイズ制御できる。マイクロキャリアビーズのサイズの制御は、いくつかの理由のために重要である。サイズ分布が、小さいマイクロキャリアから大きいマイクロキャリアまでに及んで広いと、サイズが小さい方のマイクロキャリアは、サイズが大きい方のマイクロキャリアよりもずっと長く懸濁することになる。このプロセスにおける 正確な沈降時間は、ずっと長くなる(小さい方のビーズが存在するために)か、または規定するのが難しいであろう。使用にあたり、上澄みからマイクロキャリアがなくなったことを保証にするために、より長い時間が必要とされる。
狭いサイズ分布により、培地の交換または培養産生物の単離中に、上澄みからマイクロキャリアをより予測可能に分離できるようにする、一貫した速度でのビーズの沈降が可能である。マイクロキャリアのサイズは、沈降速度を制御するために異なる範囲に微調整することができる。これにより、様々なプロセスの要求に合致するように沈降速度をカスタマイズすることが可能になる。サイズ制御されたマイクロキャリアは、均一な表面積を有し、これにより、マイクロキャリア当たりで播種すべき細胞が利用できる面積が同じになる。このため、細胞播種に利用できる表面積の計算がより容易になる。それに加え、細胞は、同じ時に、または同じような時間に、コンフルエンスに到達することになる。ここに用いられているように、「コンフルエンス」または「コンフルエント」という用語は、細胞が、成長表面上で密着層を形成した場合、全ての細胞が他の細胞と接触し、よって、利用できる成長表面の実質的に全てが使用されることを示すために使用される。例えば、「コンフルエント」は、全ての細胞が、他の細胞とその周囲の全てで接触し、利用できる基体が覆われずに残っていない状況として従来定義されている。細胞に覆われている成長表面の量は、コンフルエンスの割合と称されることがある。例えば、成長表面の約半分が細胞に覆われている状況は、ここでは50%のコンフルエンス、または代替例では、半コンフルエンスと称される。サイズ制御されたマイクロキャリアは、同じ撹拌状態で懸濁することができ、これにより、マイクロキャリアの良好な懸濁を釣り合わせる剪断力を微細に制御することが可能になり、細胞に損傷をあまり与えない条件が設けられるであろう。異なる群のサイズ制御されたマイクロキャリアに関する明確に定義された沈降時間が、異なる時間で供給されたビーズ上の不均一な細胞増殖を防ぐために、連続細胞培養中の容易な分離に役立ち得る。例えば、細胞は、最初に、サイズが250μmであるサイズ制御されたマイクロキャリア上に播種することができる。細胞が半コンフルエンスに到達した後、サイズが350μmのサイズ制御されたマイクロキャリアを、ビーズ毎の移送(bead-to-bead transfer)のためにバイオリアクター内に加えることができる。250μmのマイクロキャリアがコンフルエンスに到達した時に、このサイズのマイクロキャリアは、固有の沈降速度で、または濾過によって、除去することができる。サイズが350μmであり、半コンフルエントのビーズのみが、バイオリアクター内に残される。次に、新たな250μmのマイクロキャリアを加えることができる。350μmのマイクロキャリアがコンフルエンスに到達した後、それらを収集し、新たな350μmのマイクロキャリアを加えることができる。このプロセスにより、全てのビーズが、コンフルエンスに到達したときに、確実に除去されるであろう。反対に、同じサイズのマイクロキャリアが、ビーズ毎の移送および連続細胞培養を行うために使用される場合、先に播種したビーズ上の細胞は、後に播種したビーズ上の細胞よりもずっと長くバイオリアクター内に滞在し、コンフルエンスを超えた結果、細胞の品質は劣化し得る。
実施の形態において、可溶性マイクロキャリアは、振動式エンカプスレータを使用した製造中にサイズ制御されることがある。サイズ制御されたビーズは、規定の孔サイズ、流量、および/または振動数で微小流体通路、ノズル、膜、またはメッシュを通過することによって、形成されるであろう。得られたビーズのサイズは、10%未満の変動係数で狭い範囲に制御することができる。
ここに提供されるビーズのサイズは、水和測定にしたがって、測定されることがある。非限定例として、ビーズの形成後であって、被覆と乾燥の前にビーズを測定することなど、水和系測定が使用される。
ここに記載されたシステムおよび方法によれば、乳化機は、ビーズ形成のための微小流体装置を備えることがある。微小流体装置は、微小流体通路、膜、またはメッシュであることがある。いくつかの実施の形態において、ビーズサイズは、メッシュを使用して制御されることがある。メッシュの非限定例に、開口サイズが約25マイクロメートルから約1000マイクロメートルの規定の開口を有するPETメッシュがある。いくつかの実施の形態において、ビーズサイズは、膜を使用してさらに制御されることがある。
図4は、ある実施の形態による乳化機420内でのビーズ生成のための流れ図を示す。架橋溶液422(例えば、エタノールなどのアルコール中のカルシウム)が、連続相の機能を果たし、ポンプ427を通って微小流体流路に移動する。貯蔵有機溶液424(例えば、PGA貯蔵液)が分散相の機能を果たす。有機溶液424はポンプ428を通って移動し、有機溶液圧力容器431にポンプで送られている間に質量流量制御装置429により制御される。加圧されたPGA溶液は、特定の細孔径を有する膜432を流れて、微小流体流路内で公知の直径のビーズ462を生成する。次に、ビーズは、さらなる処理と被覆のために下流に流れる。
膜の非限定例としては、独国のMembraflowにより製造されているものなどの、0.2~0.8マイクロメートルの細孔径を有する膜;英国のFairey Industrial Ceramics LTDにより製造されているものなどの、0.2~10マイクロメートルの細孔径を有する膜;日本国のAGC株式会社により製造されているものなどの、0.05~14マイクロメートルの細孔径を有する膜;仏国のMembralox,SCTにより製造されているものなどの、0.05~14マイクロメートルの細孔径を有する膜;および英国のMicropore Technologies,LTDにより製造されているものなどの、7~60マイクロメートルの細孔径を有する膜が挙げられる。
実施の形態において、その膜は、異なる細孔径を有する膜を置換することによって、細孔径を調整するために、取り外しでき、交換できることがある。架橋溶液、PGA溶液、またはその組合せの質量流量を調節して、最終的なビーズの直径をカスタマイズし、制御してもよい。
本開示のいくつかの実施の形態は、細胞培養のための可溶性足場を製造する方法に関する。いくつかの実施の形態において、ここに開示される足場は、可溶性であり、不溶性であると記載されている。ここに用いられているように、「不溶性」という用語は、例えば、細胞培養培地を含む従来の細胞培養条件下で、溶けやすくなく、架橋したままである材料または材料の組合せを称するために使用される。また、ここに用いられているように、「可溶性」という用語は、その材料または材料の組合せを消化するまたは分解する適切な濃度の酵素に曝されたときに、消化される材料または材料の組合せを称するために使用される。ここに記載されたような可溶性足場は、開放細孔構造および高度に接続された細孔を有する多孔質足場である。足場の細孔は、細胞を培養するための保護された環境を提供し、ここで、細胞間の相互作用と3D形態のECMの形成が支援される。可溶性足場は、完全に消化されることがあり、これにより、プロテアーゼ処理および/または機械的収穫技術を使用して細胞に損傷を与えずに、細胞を収穫することができる。
実施の形態において、前記システムおよび方法を使用して、可消化または可溶性マイクロキャリア(DMC)ビーズを生成することができる。いくつかの実施の形態において、足場は、細胞増殖培地として使用するための可溶性マイクロキャリア(DMC)を含む。いくつかの実施の形態において、マイクロキャリアは、その各々の内容がここに全て引用される、国際公開第2016/200888号および同第2019/104069号に記載されているものなどの、Synthemax(登録商標)II-SC(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporatedから市販されている)で被覆されたDMCを含む。可消化細胞培養物品が、その内容がここに全て引用される、国際公開第2014/209865号に開示されている。
実施の形態において、ここに記載されたシステムおよび方法から形成された細胞培養物品は、細胞接着と増殖を促進することができる。PGAビーズは、そのヒドロゲルの性質と負電荷のために、特定の処理をせずには、細胞接着を容易には支援しない。足場依存性細胞の接着を促進するために、ビーズに、コーティングまたは他の表面処理を設けることができる。一例として、PGAビーズは、細胞接着を促進する部位、例えば、RGD配列を含むペプチドなどのペプチドで官能化することができる。
さらなる候補のペプチドとしては、インテグリン族からのタンパク質により潜在的に認識される、または細胞接着を維持することのできる細胞分子との相互作用をもたらす、アミノ酸配列を含有するものが挙げられる。その例としては、BSP、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ラミニン、I型またはIV型コラーゲン、変性コラーゲン(ゼラチン)、および同様のペプチド、並びにその混合物が挙げられる。さらなる例示のペプチドに、BSPおよびビトロネクチン(VN)ペプチドがある。
実施の形態において、ビーズは、細胞接着促進組み換えタンパク質で表面官能化されており、これは、グラフト化する、またはコーティングとして施すことができる。例示の組み換えタンパク質としては、ProNectin(登録商標)および「ProNectin」plusの商標名で市販されている、フィブロネクチンのような人工的に作られたタンパク質が挙げられるが、足場依存性細胞の接着を促進する他の組み換えタンパク質を使用しても差し支えない。
本開示の実施の形態によれば、ここに記載されたような足場は、接着高分子コーティングをさらに含むことがある。接着高分子には、ペプチドが含まれることがある。例示のペプチドとしては、以下に限られないが、BSP、ビトロネクチン、フィブロネクチン、ラミニン、I型またはIV型コラーゲン、変性コラーゲン(ゼラチン)、および同様のペプチド、並びにその混合物が挙げられるであろう。それに加え、ペプチドは、RGD配列を有するものであってもよい。コーティングは、例えば、「Synthemax」II-SC(ニューヨーク州、コーニング所在のCorning Incorporatedから市販されている)であることがある。
いくつかの実施の形態において、有機溶液は、多糖溶液を含むことがある。いくつかの実施の形態において、多糖溶液は、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含むことがある。一般に、多糖類は、細胞培養用途に有益な属性を有する。多糖類は、親水性であり、非細胞毒性であり、培地中で安定している。その例としては、ポリガラクツロン酸(PGA)としても知られているペクチン酸、またはその塩、部分エステル化ペクチン酸またはその塩、もしくは部分アミド化ペクチン酸またはその塩が挙げられる。ペクチン酸は、特定のペクチンエステルの加水分解によって、形成できる。ペクチンは、細胞壁多糖類であり、本来は、植物中で構造的役割を持つ。ペクチンの主な供給源に、柑橘果皮(例えば、レモンやライムの果皮)およびリンゴの皮がある。ペクチンは、主に、1,2-結合L-ラムノースにより無作為に中断された、1,4-結合アルファ-D-ガラクツロネート主鎖に基づく主に線状の高分子である。平均分子量は、約50,000から約200,000ダルトンに及ぶ。
いくつかの実施の形態において、PGA溶液は、部分的にエステル化されたペクチンのポリガラクツロン酸鎖を含むことがあり、例えば、メチル基と遊離酸基が、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはアンモニウムイオンなどの一価イオンで部分的にまたは完全に中和されることがある。メタノールで部分的にエステル化されたポリガラクツロン酸は、ペクチン酸と呼ばれ、その塩は、ペクチネートと呼ばれる。高メトキシル(HM)ペクチンのメチル化の程度(DM)は、例えば、60から75モル%であり得、低メトキシル(LM)ペクチンのものは、1から40モル%であり得る。ここに記載されたような部分的にエステル化されたポリガラクツロン酸のエステル化の程度は、約70モル%未満、または約60モル%未満、または50モル%未満、またさらには約40モル%未満、およびそれらの間の全ての値であることがある。どの特定の理論で束縛されることも意図しないが、最小量の遊離カルボン酸基(エステル化されていない)で、不溶性である可溶性足場の形成を可能にするイオンチャンネル型架橋の程度が促進されると考えられる。
いくつかの実施の形態において、PGA溶液は、部分的にアミド化されたペクチンのポリガラクツロン酸鎖を含むことがある。部分的にアミド化されたポリガラクツロン酸は、例えば、アンモニアによる処理で製造することができる。アミド化されたペクチンは、カルボキシル基(~COOH)、メチルエステル基(~COOCH)、およびアミド化基(-CONH)を含有する。アミド化の程度は、様々であってよく、例えば、約10%から約40%アミド化されることがある。
いくつかの実施の形態によれば、可溶性足場は、ペクチン酸と部分的にエステル化されたペクチン酸との混合物を含むことがある。相溶性高分子とのブレンドも使用してよい。例えば、ペクチン酸および/または部分的にエステル化されたペクチン酸は、デキストラン、置換セルロース誘導体、アルギン酸、デンプン、グリコーゲン、アラビノキシラン、アガロースなどの他の多糖類と混合されてもよい。ヒアルロン酸およびコンドロイチン硫酸のようなグリコサミノグリカン、またはエラスチン、フィブリン、絹フィブロイン、コラーゲンおよびその誘導体などの様々なタンパク質も使用することができる。水溶性合成高分子も、ペクチン酸および/または部分的にエステル化されたペクチン酸とブレンドすることができる。例示の水溶液合成高分子としては、以下に限られないが、ポリアルキレングリコール、ポリ(ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミドと誘導体、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)、およびポリビニルアルコールが挙げられる。
ここに記載されたような可溶性足場は、その機械的強度を増加させ、細胞培養培地と接触するように置かれたときに、足場が溶解するのを防ぐように、架橋させてもよい。架橋は、下記に記載されるようなイオンチャンネル型ゲル化によって行うことができ、ここで、イオンチャンネル型ゲル化は、架橋足場を形成するために、多価対イオンの存在下で架橋する多価電解質の能力に基づく。どの特定の理論で束縛されることも意図しないが、可溶性足場の多糖類のイオンチャンネル型ゲル化は、二価陽イオンと多糖類との間の強力な相互作用の結果であると考えられる。
いくつかの実施の形態において、可溶性足場は、可溶性発泡体足場である。例えば、可溶性発泡体足場は、開放細孔構造を備えた多孔質発泡体を含むことがある。ここに記載されたような可溶性多孔質発泡体足場は、約85%から約96%の気孔率を有することがある。例えば、ここに記載されたような発泡体足場は、約91%から約95%、または約94%から約96%の気孔率を有することがある。ここに用いられているように、「気孔率」という用語は、可溶性足場中の開放細孔体積の尺度を称し、気孔率%で言及され、ここで、気孔率%は、可溶性発泡体足場の全体積中の空隙のパーセントである。ここに記載されたような発泡体足場は、約50μmと約500μmの間の平均細孔径(直径)を有することがある。例えば、平均細孔径(直径)は、約75μmと約450μmの間、または約100μmと約400μmの間、またさらには約150μmと約350μmの間、並びにそれらの間の全ての値であることがある。可溶性足場は、足場の細孔内に細胞を培養するための保護された環境を提供する。それに加え、可溶性足場は、細胞に損傷を与えずに足場内で培養される細胞の収穫を容易にする材料を消化するまたは分解する適切な酵素に曝されたときに、溶かすことができる。
ここに記載されたような足場は、約0.40g/cc未満の湿潤密度を有することがある。例えば、ここに記載されたような足場は、約0.35g/cc未満、または約0.30g/cc未満、または約0.25g/cc未満の湿潤密度を有することがある。ここに記載されたような足場は、約0.16g/ccと約0.40g/ccの間、または約0.16g/ccと約0.35g/ccとの間、または約0.16g/ccと約0.30g/ccとの間、またさらには約0.16g/ccと約0.25g/ccとの間、およびそれらの間の全ての値の湿潤密度を有することがある。ここに記載されたような足場は、約0.20g/cc未満の乾燥密度を有することがある。例えば、ここに記載されたような足場は、約0.15g/cc未満、または約0.10g/cc未満未満、または約0.05g/cc未満の乾燥密度を有することがある。ここに記載されたような足場は、約0.02g/ccと約0.20g/ccの間、または約0.02g/ccと約0.15g/ccとの間、または約0.02g/ccと約0.10g/ccとの間、またさらには約0.02g/ccと約0.05g/ccとの間、およびそれらの間の全ての値の乾燥密度を有することがある。
いくつかの細孔タイプが足場に可能である。開放細孔は、足場の両側の細胞アクセスを可能にし、可溶性足場を通じた液体の流れと栄養素の輸送を可能にする。部分的に開いた細孔は、足場の片側への細胞アクセスを可能にするが、栄養素と老廃物の大量輸送は、拡散に限定される。閉じた細孔は、開口がなく、細孔により、または栄養素と老廃物の大量輸送により、アクセスできない。いくつかの実施の形態において、細胞培養足場は、開放細孔構造および高度に相互接続された細孔を有する可溶性発泡体足場を含む。一般に、開放細孔構造および高度に相互接続された細孔は、細胞の、可溶性足場の細孔中への移動を可能にし、栄養素、酸素、および老廃物の向上した大量輸送を促進させる。開放細孔構造は、細胞間の相互作用のための高表面積およびECM再生のための空間を提供することによって、細胞接着と細胞移動にも影響を与える。
ここに記載されたシステムおよび方法から製造された細胞培養物品はさらに、プロテアーゼを使用せずに細胞の収穫を可能にすることができる。例示の細胞培養物品はマイクロキャリアであり、これは、ビーズまたはマイクロビーズ(総称して「マイクロキャリア」)とも称される。実施の形態において、細胞培養物品は、ペクチン酸、部分的にエステル化されたペクチン酸、またはその塩を含むゲルから作られた滑らかで透明な(または半透明な)ビーズである。その細胞培養物品は、球状または実質的に球状であることがあり、ゲル化よって形成される。その細胞培養物品のカルシウム含有量は、細胞に対する損傷を軽減する穏やかな条件下で、迅速な細胞収穫を可能にするように調節することができる。足場依存性細胞の接着を促進させる分子が、化学結合または物理吸着によって細胞培養物品の表面に結合されることがある。
マイクロキャリアの消化、細胞の収穫、またはその両方に適した非タンパク質分解酵素としては、ペクチン分解酵素またはペクチナーゼが挙げられ、これらは、ペクチン質を加水分解する関連酵素の異質群である。
細胞収穫は、細胞内包マイクロキャリアを、ペクチン分解酵素またはペクチナーゼと二価陽イオンキレート剤との混合物を含む溶液と接触させる工程を含む。培養された細胞を収穫する例示の方法は、ここに開示されたようなマイクロキャリアの表面上で細胞を培養する工程、および培養された細胞を、ペクチナーゼとキレート剤の混合物と接触させて、細胞をマイクロキャリアから分離する工程を含む。ここに記載されたような可溶性足場は、材料を消化または分解する適切な酵素、キレート剤、またはその組合せに曝されたときに、消化される。足場を消化する、細胞を収穫する、またはその両方に適した非タンパク質分解酵素としては、ペクチン分解酵素またはペクチナーゼが挙げられ、これらは、ペクチン質を加水分解する関連酵素の異質群である。
ペクチナーゼ(ポリガルクツロナーゼ)は、複雑なペクチン分子をガラクツロン酸のより短い分子に分解する酵素である。ペクチナーゼは、ポリガラクツロン酸からのペクチンオリゴ糖(POS)の遊離を触媒する。ペクチナーゼは、菌類、酵母、細菌、原生動物、昆虫、線虫および植物により産生される。ペクチナーゼの市販の供給源は、アスペルギルス・アクレータス(Aspergillus aculeatus)の選択された株から産生されたペクチン分解酵素製剤である、Novozyme Pectinex(商標)ULTRA SPLなど、一般に、多酵素からなる。「Novozyme Pectinex」ULTRA SPLは、主に、ポリガラクツロナーゼ(EC:3.2.1.15)、ペクチントランスエリミナーゼ(EC:4.2.2.2)、およびペクチンエステラーゼ(EC:3.1.1.11)を含有する。EC表示は、酵素が触媒する化学反応に基づく酵素の酵素委員会分類スキームである。ペクチナーゼは、ペクチンを加水分解することが知られている。それらは、メチルエステル化されたペクチンまたは脱エステル化されたペクチンを攻撃することができる。消化溶液中のペクチン分解酵素の濃度は、下記のいずれかの間の範囲を含む、1から200U、例えば、1、2、5、10、20、50、100、150、または200Uであることがある。
本開示の実施の形態によれば、可溶性足場の消化は、足場を二価陽イオンキレート剤に曝露する工程も含むことがある。例示のキレート剤としては、以下に限られないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、エチレングリコール四酢酸(ETGA)、クエン酸、および酒石酸が挙げられる。消化溶液中のキレート剤の濃度は、1から200mM、例えば、10、20、50、100、150、または200mMであることがある。細胞毒性副作用を防ぐために、消化溶液中のキレート剤の濃度は、10mM以下、例えば、以下のいずれかの間の範囲を含む、1、2、5、または10mMであることがある。
実施の形態において、ペクチン分解酵素およびキレート剤を含む消化溶液の総体積は、マイクロキャリアの体積の10倍未満、例えば、以下の値のいずれかの間の範囲を含む、マイクロキャリアの体積の1倍未満、2倍未満、4倍未満、5倍未満、または10倍未満であることがある。
ここに記載されたような可溶性足場の消化を完了するのにかかる時間は、約1時間未満であることがある。例えば、足場の消化を完了するのにかかる時間は、約45分未満、または約30分未満、または約15分未満、または約1分と約25分の間、約3分と約20分の間、またさらには約5分と約15分の間であることがある。
消化時間、温度、および添加するペクチン分解酵素の量に応じて、消化ビーズの大きさを選択することができる、または予め決めることができる。ビーズが完全に消化される前に、細胞がマイクロキャリアの表面から取り外されることが観察された。したがって、ビーズが完全に消化されても、されなくても、細胞を収穫することが可能である。細胞が、部分的に消化されたマイクロキャリアから収穫される実施の形態において、マイクロキャリアの残りからの細胞の分離は、濾過、デカンテーション、遠心分離、および同様の処理の内の1つ以上によって行うことができる。
ビーズは、カルシウム含有量が、湿ったビーズの2g/l未満、例えば、2g/l未満、1.5g/l未満、1g/l未満、0.8g/l未満、または0.5g/l未満である場合、容易に消化される。収穫段階でのビーズのカルシウム含有量が1g/lを超える場合、より大きい体積および/または濃度のペクチン分解酵素および二価陽イオンキレート剤を使用することができる。完全な消化にかかる時間は、1時間未満、例えば、10分、15分、30分、または45分であることがある。ここに用いられているように、「完全な消化」という用語は、「Particulate Matter in Injections」と題する米国薬局方および国民医薬品集のセクション788(USP<788>)に記載されたような粒子数試験に適合するマイクロキャリア粒子数をもたらすマイクロキャリアの消化を称する。USP<788>に示されているように、試験したユニット中に存在する粒子の平均数が、1mL当たり10μm以上の25個の粒子を超えず、1mL当たり25μm以上の3個の粒子を超えない場合、製剤は、試験に適合する。実施の形態において、マイクロキャリアの消化後に10μm以上のサイズを有する粒子に関するマイクロキャリアの粒子数は、10粒子未満、例えば、以下のいずれかの間の範囲を含む、0、1、2、3、4、5、6、7、8または9である。実施の形態において、マイクロキャリアの消化後に25μm以上のサイズを有する粒子に関するマイクロキャリアの粒子数は、1粒子未満、例えば、以下のいずれかの間の範囲を含む、0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8または0.9である。
ここに定義されるように、「湿ったビーズ」の体積は、デカンテーションまたは遠心分離後のビーズ床の体積である。この床は、膨潤したビーズ並びに間隙水を含む。測定によれば、湿ったビーズは、70体積%の膨潤ビーズおよび30体積%の間隙水を含有する。膨潤ビーズは、1%のPGA溶液では99%の水を、2%のPGA溶液では98%の水を、3%のPGA溶液では97%の水を、以下同様に水を含有する。
実施の形態において、約0.5~3質量%の範囲の水性PGA(分散相、DP)を、純粋なエタノール中に、約1gから約10gの塩/100gの溶液となるように溶かされた0~5%のCaCO、0~5%のCaSO、および90~100%のCaClの塩混合物から作られたエタノール中カルシウム溶液(連続相、CP)と架橋させる。CPは、5~200mL/分の流量で直径1/16インチ(約1.59mm)の通路を流れる。DPは、5~200mL/分の総流量で-クロスフロー膜乳化構成におけるように-CPの流量に接線の、または対向しない、通路内の一連の細孔を流される。1つの通路またはノズルを通る流量は、異なるであろう。DPに摂動を印加して、必要であれば均一な分裂(例えば、回転または振動)を促進してもよく、摂動は、名目上は、レイリーにより予測される周波数のものである。直径が100~500マイクロメートルであり、形状がほぼ球状のPGA液滴が細孔から出るが、液滴がCP内で融合する機会をもつ前に、ゲル化が生じる。ゲル化時間およびゲルの光学的透明度のために、CaCO:CaCl:CaSOの比が最適化される。
溶液を、バルク溶液中のエタノールを置き換えるのに相当する流量のエタノールで洗浄する。洗浄した溶液を被覆反応器に送って、全表面積の60~100%が被覆されるようにSMIIで各ビーズを被覆する。反応器の幅は、ビーズに対する壁剪断を防ぐのに十分に大きい。
被覆ビーズを、最初のものと平行な洗浄段階へと下流に送る。これらの洗浄したビーズを最初に、膜分離によって、CPから機械的に分離し、その後、分離容器に送り、そこで、ビーズは、公称3秒の滞留時間に亘りsCOと接触させられる。sCOの質量流量は、約1kg/分である。sCOを減圧して、液体エタノールから気体COを分離し、気体COを臨界COに再加圧し、液体エタノールを再生し、洗浄段階に使用する。エアロゲルビーズをゆっくりと減圧し、貯蔵部に送る。
説明のための実施例
以下は、開示された主題の実施の様々な態様の記載である。各態様は、開示された主題の様々な特性、特徴、または利点の1つ以上を含むことがある。これらの実施は、開示された主題の少しの態様を説明する意図があり、可能な実施の全ての包括的なまたは徹底的な記載と考えるべきではない。
態様1は、細胞培養足場を製造するためのシステムにおいて、筐体と、その筐体内に直列配列で配置された複数のモジュラーコンポーネントであって、複数の微小流体流路でつなげられたモジュラーコンポーネントとを備えるシステムに関する。
態様2は、そのモジュラーコンポーネントが、乳化機、被覆反応器、および分離器を含む、態様1のシステムに関する。
態様3は、その乳化機が、有機溶液流路、および架橋溶液流路を含む入力部と、被覆反応器と連通した乳化流路を含む出力部とを備える、態様2のシステムに関する。
態様4は、有機溶液流路および架橋溶液流路が、この有機溶液流路とこの架橋溶液流路との間に配置された微小流体細孔でつながっている、態様3のシステムに関する。
態様5は、乳化機が多孔質膜をさらに備える、態様3のシステムに関する。
態様6は、各細胞培養足場の限界寸法が、多孔質膜の細孔径により決まる、態様5のシステムに関する。
態様7は、多孔質膜が、取り外しでき、交換可能である、態様5のシステムに関する。
態様8は、システムが、乳化機への入力ラインを有する有機溶液貯蔵部、および乳化機への入力ラインを有する架橋溶液貯蔵部をさらに備える、態様3のシステムに関する。
態様9は、有機溶液貯蔵部と乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える、態様8のシステムに関する。
態様10は、有機溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、態様9のシステムに関する。
態様11は、架橋溶液貯蔵部と乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える、態様8のシステムに関する。
態様12は、架橋溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、態様11のシステムに関する。
態様13は、架橋溶液の流量が、有機溶液の流量以上である、態様8のシステムに関する。
態様14は、有機溶液が、高分子溶液または糖溶液を含む、態様3のシステムに関する。
態様15は、有機溶液が、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む、態様3のシステムに関する。
態様16は、有機溶液が、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む、態様3システムに関する。
態様17は、架橋溶液が、イオン性塩溶液を含む、態様3のシステムに関する。
態様18は、イオン性塩溶液が、イオン性カルシウム塩溶液を含む、態様17のシステムに関する。
態様19は、イオン性カルシウム塩溶液中の溶媒がエタノールである、態様18のシステムに関する。
態様20は、被覆反応器が、乳化機と連通した乳化流路、および乳化流路と交差する被覆溶液流路を含む入力部と、分離器と連通した被覆乳化流路を含む出力部とを備える、態様3のシステムに関する。
態様21は、システムが、被覆反応器への入力ラインを有する被覆溶液貯蔵部をさらに備える、態様20のシステムに関する。
態様22は、被覆溶液貯蔵部と被覆反応器との間に配置されたポンプをさらに備える、態様21のシステムに関する。
態様23は、被覆溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、態様21のシステムに関する。
態様24は、被覆溶液が、高分子被覆溶液またはペプチド被覆溶液を含む、態様20のシステムに関する。
態様25は、被覆反応器が、連続流被覆反応器である、態様20のシステムに関する。
態様26は、分離器への入力部が、被覆反応器と連通した被覆乳化流路、およびその被覆乳化流路と連通した超臨界流体供給源を備える、態様20のシステムに関する。
態様27は、分離器からの出力部が、溶媒蒸発通路であって、その中で、被覆乳化からの溶媒は、蒸発させられ、超臨界流体によって除去される、溶媒蒸発通路、および細胞培養足場を構成する固体を含む、態様26のシステムに関する。
態様28は、超臨界流体が、超臨界COを含む、態様26のシステムに関する。
態様29は、CO貯蔵部および圧力調整器をさらに備える、態様26のシステムに関する。
態様30は、CO貯蔵部および圧力調整器が、筐体の外部にある、態様29のシステムに関する。
態様31は、アルコール貯蔵部および圧力調整器をさらに備える、態様3のシステムに関する。
態様32は、アルコール貯蔵部および圧力調整器が、筐体の外部にある、態様31のシステムに関する。
態様33は、アルコール貯蔵部中のアルコールが、エタノールを含む、態様31のシステムに関する。
態様34は、アルコール貯蔵部からのアルコールが、乳化機と被覆反応器との間に配置された第1のアルコール洗浄部に供給され、乳化流体が、乳化機から出た後であって、被覆反応器に入る前に、アルコールで洗浄される、態様31のシステムに関する。
態様35は、アルコール貯蔵部からのアルコールが、被覆反応器と分離器との間に配置された第2のアルコール洗浄部に供給され、被覆乳化流体が、被覆反応器から出た後であって、分離器に入る前にアルコールで洗浄される、態様31のシステムに関する。
態様36は、細胞培養足場が、動物質を含まない可消化細胞培養培地基体から作られる、態様27のシステムに関する。
態様37は、細胞培養足場が、高分子ビーズまたはスラグから作られる、態様27のシステムに関する。
態様38は、細胞培養足場が、可溶性マイクロキャリアから作られる、態様27のシステムに関する。
態様39は、可溶性マイクロキャリアが、酵素またはキレート剤で溶けるまたは消化されやすい、態様38のシステムに関する。
態様40は、各可溶性マイクロキャリアが、約300μm以下の限界寸法を有する、態様38のシステムに関する。
態様41は、システムが、雰囲気から閉じられており、無菌である、態様1のシステムに関する。
態様42は、細胞培養足場を製造する方法であって、有機水溶液を成形ゲルに架橋する工程、細胞増殖培地の層またはコーティングを成形ゲルに結合させる工程、および被覆された成形ゲルを乾燥させて、細胞増殖培地として使用するために官能化されたエアロゲルを含む細胞培養足場を形成する工程を含む方法に関する。
態様43は、有機水溶液が、高分子溶液または糖溶液を含む、態様42の方法に関する。
態様44は、有機水溶液が、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む、態様42の方法に関する。
態様45は、有機水溶液が、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む、態様42の方法に関する。
態様46は、その方法が、細胞培養足場の連続生産を含む、態様42の方法に関する。
態様47は、細胞培養足場が、三次元細胞増殖用途のためである、態様42の方法に関する。
態様48は、細胞培養足場が、可消化細胞培養足場を含む、態様42の方法に関する。
態様49は、架橋する工程、結合させる工程、および乾燥させる工程が、単一装置内で行われるモジュラープロセスである、態様42の方法に関する。
態様50は、架橋する工程が、微小流体通路または細孔を通じて有機水溶液を架橋溶液に導入して、エマルション内で成形ゲルを形成する工程を含み、このエマルションは、分散相としての成形ゲルおよび連続相としての溶媒を含む、態様42の方法に関する。
態様51は、架橋溶液が塩溶液を含む、態様50の方法に関する。
態様52は、塩溶液が、アルコール中にCaCl、CaCO、CaSO、またはその組合せを含むカルシウム塩溶液を含む、態様51の方法に関する。
態様53は、成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む、態様50の方法に関する。
態様54は、結合させる工程が、架橋試薬により促進される架橋反応によって、細胞増殖培地を成形ゲルに結合させる工程を含む、態様42の方法に関する。
態様55は、細胞増殖培地が、高分子被覆培地またはペプチド被覆培地を含む、態様54の方法に関する。
態様56は、被覆された成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む、態様54の方法に関する。
態様57は、乾燥させる工程が、微小通路内で小さい細孔または膜を使用して、エマルションの連続相の溶媒から分散相の被覆された成形ゲルを分離する工程をさらに含む、態様50の方法に関する。
態様58は、被覆された成形ゲルが、分離容器に運ばれる、態様57の方法に関する。
態様59は、溶媒が、被覆された成形ゲルから除去される、態様57の方法に関する。
態様60は、溶媒が、超臨界流体抽出によって被覆された成形ゲルから除去される、態様59の方法に関する。
態様61は、減圧し、溶媒を再生する工程をさらに含む、態様60の方法に関する。
様々な開示された実施の形態は、その特定の実施の形態に関連して記載された特定の特徴、要素、または工程を含むことがあるのが認識されよう。特定の特徴、要素、または工程が、ある特定の実施の形態に関連して記載されているにもかかわらず、様々な説明されていない組合せまたは配列で代わりの実施の形態と交換されてもよいまたは組み合わされてもよいことも認識されよう。
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つ」の対象を指し、特に明記のない限り、「ただ1つ」に限定されるべきではないことも理解されよう。それゆえ、例えば、「開口」に対する言及は、文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、そのような「開口」を2つ以上有する例を含む。
ここに用いられた全ての科学用語と技術用語は、特に明記のない限り、当該技術分野で一般に使用されている意味を持つ。ここに提供された定義は、ここに頻繁に使用されている特定の用語の理解を容易にするためであり、本開示の範囲を限定する意図はない。
ここに用いられているように、「有する」、「含む」、「構成する」などは、制約のない意味で使用され、一般に、「含むが、限定されない」ことを意味する。
範囲が、「約」ある特定値から、および/または「約」別の特定値まで、とここに表現されることがある。そのような範囲が表現された場合、例は、そのある特定値から、および/または他方の特定値までを含む。同様に、値が、「約」という先行詞を使用して、近似として表現される場合、その特定値が別の態様を形成することが理解されよう。範囲の各々の端点が、他方の端点との関連で、および他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
ここに表現される全ての数値は、特に明記のない限り、そのように記載されていようとなかろうと、「約」を含むものとして解釈されるべきである。しかしながら、列挙された各数値が、「約」その値と表現されているかいないかにかかわらず、同様に正確に考えられることがさらに理解されよう。それゆえ、「10mm未満の寸法」および「約10mm未満の寸法」の両方は、「約10mm未満の寸法」並びに「10mm未満の寸法」の実施の形態を含む。
特に明記のない限り、ここに述べられたどの方法も、その工程が特定の順序で行われることを必要とすると解釈されることは、決して意図されていない。したがって、方法の請求項が、その工程がしたがうべき順序を実際に列挙していない場合、または工程が、特定の順序に限定されるべきことが、特許請求の範囲または説明に他に具体的に述べられていない場合、どの特定の順序も暗示されることは、決して意図されていない。
特定の実施の形態の様々な特徴、要素または工程が、「含む」という移行句を使用して開示されることがあるが、「からなる」または「から実質的になる」という移行句を使用して記載されることのあるものを含む、代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、A+B+Cを含む方法に対して暗示される代わりの実施の形態は、方法がA+B+Cからなる実施の形態、および方法がA+B+Cから実質的になる実施の形態を含む。
本開示の多数の実施の形態を詳細な説明を記載してきたが、本開示は、開示された実施の形態に限定されず、以下の請求項により述べられ、定義されたような本開示から逸脱せずに、様々な再配置、改変および置換が可能であることを理解すべきである。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養足場を製造するためのシステムにおいて、
筐体と、
前記筐体内に直列配列で配置された複数のモジュラーコンポーネントであって、複数の微小流体流路でつなげられたモジュラーコンポーネントと、
を備えるシステム。
実施形態2
前記モジュラーコンポーネントが、乳化機、被覆反応器、および分離器を含む、実施形態1に記載のシステム。
実施形態3
前記乳化機が、
有機溶液流路、および
架橋溶液流路を含む、
入力部と、
前記被覆反応器と連通した乳化流路を含む出力部と、
を備える、実施形態2に記載のシステム。
実施形態4
前記有機溶液流路および前記架橋溶液流路が、該有機溶液流路と該架橋溶液流路との間に配置された微小流体細孔でつながっている、実施形態3に記載のシステム。
実施形態5
前記乳化機が多孔質膜をさらに備える、実施形態3に記載のシステム。
実施形態6
各細胞培養足場の限界寸法が、前記多孔質膜の細孔径により決まる、実施形態5に記載のシステム。
実施形態7
前記多孔質膜が、取り外しでき、交換可能である、実施形態5に記載のシステム。
実施形態8
前記システムが、
前記乳化機への入力ラインを有する有機溶液貯蔵部、および
該乳化機への入力ラインを有する架橋溶液貯蔵部、
をさらに備える、実施形態3に記載のシステム。
実施形態9
前記有機溶液貯蔵部と前記乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える、実施形態8に記載のシステム。
実施形態10
前記有機溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、実施形態9に記載のシステム。
実施形態11
前記架橋溶液貯蔵部と前記乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える、実施形態8に記載のシステム。
実施形態12
前記架橋溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、実施形態11に記載のシステム。
実施形態13
前記架橋溶液の流量が、前記有機溶液の流量以上である、実施形態8に記載のシステム。
実施形態14
前記有機溶液が、高分子溶液または糖溶液を含む、実施形態3に記載のシステム。
実施形態15
前記有機溶液が、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む、実施形態3に記載のシステム。
実施形態16
前記有機溶液が、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態3に記載システム。
実施形態17
前記架橋溶液が、イオン性塩溶液を含む、実施形態3に記載のシステム。
実施形態18
前記イオン性塩溶液が、イオン性カルシウム塩溶液を含む、実施形態17に記載のシステム。
実施形態19
前記イオン性カルシウム塩溶液中の溶媒がエタノールである、実施形態18に記載のシステム。
実施形態20
前記被覆反応器が、
前記乳化機と連通した前記乳化流路、および
該乳化流路と交差する被覆溶液流路、
を含む入力部と、
前記分離器と連通した被覆乳化流路を含む出力部と、
を備える、実施形態3に記載のシステム。
実施形態21
前記システムが、前記被覆反応器への入力ラインを有する被覆溶液貯蔵部をさらに備える、実施形態20に記載のシステム。
実施形態22
前記被覆溶液貯蔵部と前記被覆反応器との間に配置されたポンプをさらに備える、実施形態21に記載のシステム。
実施形態23
前記被覆溶液貯蔵部の入力ラインが、質量流量制御装置をさらに備える、実施形態21に記載のシステム。
実施形態24
前記被覆溶液が、高分子被覆溶液またはペプチド被覆溶液を含む、実施形態20に記載のシステム。
実施形態25
前記被覆反応器が、連続流被覆反応器である、実施形態20に記載のシステム。
実施形態26
前記分離器への入力部が、
前記被覆反応器と連通した前記被覆乳化流路、および
該被覆乳化流路と連通した超臨界流体供給源、
を備える、実施形態20に記載のシステム。
実施形態27
前記分離器からの出力部が、
溶媒蒸発通路であって、その中で、前記被覆乳化からの溶媒は、蒸発させられ、前記超臨界流体によって除去される、溶媒蒸発通路、および
細胞培養足場を構成する固体、
を含む、実施形態26に記載のシステム。
実施形態28
前記超臨界流体が、超臨界COを含む、実施形態26に記載のシステム。
実施形態29
CO貯蔵部および圧力調整器をさらに備える、実施形態26に記載のシステム。
実施形態30
前記CO貯蔵部および前記圧力調整器が、前記筐体の外部にある、実施形態29に記載のシステム。
実施形態31
アルコール貯蔵部および圧力調整器をさらに備える、実施形態3に記載のシステム。
実施形態32
前記アルコール貯蔵部および前記圧力調整器が、前記筐体の外部にある、実施形態31に記載のシステム。
実施形態33
前記アルコール貯蔵部中のアルコールが、エタノールを含む、実施形態31に記載のシステム。
実施形態34
前記アルコール貯蔵部からのアルコールが、前記乳化機と前記被覆反応器との間に配置された第1のアルコール洗浄部に供給され、乳化流体が、該乳化機から出た後であって、該被覆反応器に入る前に、アルコールで洗浄される、実施形態31に記載のシステム。
実施形態35
前記アルコール貯蔵部からのアルコールが、前記被覆反応器と前記分離器との間に配置された第2のアルコール洗浄部に供給され、被覆乳化流体が、該被覆反応器から出た後であって、該分離器に入る前にアルコールで洗浄される、実施形態31に記載のシステム。
実施形態36
前記細胞培養足場が、動物質を含まない可消化細胞培養培地基体から作られる、実施形態27に記載のシステム。
実施形態37
前記細胞培養足場が、高分子ビーズまたはスラグから作られる、実施形態27に記載のシステム。
実施形態38
前記細胞培養足場が、可溶性マイクロキャリアから作られる、実施形態27に記載のシステム。
実施形態39
前記可溶性マイクロキャリアが、酵素またはキレート剤で溶けるまたは消化されやすい、実施形態38に記載のシステム。
実施形態40
各可溶性マイクロキャリアが、約300μm以下の限界寸法を有する、実施形態38に記載のシステム。
実施形態41
前記システムが、雰囲気から閉じられており、無菌である、実施形態1に記載のシステム。
実施形態42
細胞培養足場を製造する方法であって、
有機水溶液を成形ゲルに架橋する工程、
細胞増殖培地の層またはコーティングを前記成形ゲルに結合させる工程、および
被覆された前記成形ゲルを乾燥させて、細胞増殖培地として使用するために官能化されたエアロゲルを含む細胞培養足場を形成する工程、
を含む方法。
実施形態43
前記有機水溶液が、高分子溶液または糖溶液を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態44
前記有機水溶液が、ポリガラクツロン酸(PGA)溶液を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態45
前記有機水溶液が、油、非極性流体、アルコール、水、界面活性剤、またはそれらの任意の組合せを含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態46
前記方法が、細胞培養足場の連続生産を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態47
前記細胞培養足場が、三次元細胞増殖用途のためである、実施形態42に記載の方法。
実施形態48
前記細胞培養足場が、可消化細胞培養足場を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態49
前記架橋する工程、前記結合させる工程、および前記乾燥させる工程が、単一装置内で行われるモジュラープロセスである、実施形態42に記載の方法。
実施形態50
前記架橋する工程が、微小流体通路または細孔を通じて前記有機水溶液を架橋溶液に導入して、エマルション内で成形ゲルを形成する工程を含み、該エマルションは、分散相としての該成形ゲルおよび連続相としての溶媒を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態51
前記架橋溶液が塩溶液を含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態52
前記塩溶液が、アルコール中にCaCl、CaCO、CaSO、またはその組合せを含むカルシウム塩溶液を含む、実施形態51に記載の方法。
実施形態53
前記成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態54
前記結合させる工程が、架橋試薬により促進される架橋反応によって、細胞増殖培地を前記成形ゲルに結合させる工程を含む、実施形態42に記載の方法。
実施形態55
前記細胞増殖培地が、高分子被覆培地またはペプチド被覆培地を含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態56
前記被覆された成形ゲルにアルコール洗浄段階を施す工程をさらに含む、実施形態54に記載の方法。
実施形態57
前記乾燥させる工程が、微小通路内で小さい細孔または膜を使用して、前記エマルションの連続相の前記溶媒から分散相の前記被覆された成形ゲルを分離する工程をさらに含む、実施形態50に記載の方法。
実施形態58
前記被覆された成形ゲルが、分離容器に運ばれる、実施形態57に記載の方法。
実施形態59
前記溶媒が、前記被覆された成形ゲルから除去される、実施形態57に記載の方法。
実施形態60
前記溶媒が、超臨界流体抽出によって前記被覆された成形ゲルから除去される、実施形態59に記載の方法。
実施形態61
減圧し、前記溶媒を再生する工程をさらに含む、実施形態60に記載の方法。
100、200 システム
110、210 筐体
120、220、420 乳化機
121 有機溶液の流路
122、224、424 有機溶液
123 架橋溶液の流路
124、222、422 架橋溶液
130、230 被覆反応器
133、233 被覆溶液流路
135、235 被覆溶液
140、240 分離器
154、254 乳化流路
156、256 被覆乳化流路
158、258 超臨界流体を含む流路
162、262 PGAビーズ
164、264 連続相
166、266 分散相
168、268 被覆されたPGAビーズ
270 被覆されたPGAビーズの貯蔵部
280 制御装置
427、428 ポンプ
431 有機溶液圧力容器
432 膜
462 公知の直径のビーズ

Claims (14)

  1. 細胞培養足場を製造するためのシステムにおいて、
    筐体と、
    前記筐体内に直列配列で配置された複数のモジュラーコンポーネントであって、複数の微小流体流路でつなげられたモジュラーコンポーネントと、
    を備え、
    前記モジュラーコンポーネントが、乳化機、被覆反応器、および分離器を含む、システム。
  2. 前記乳化機が、
    有機溶液流路、および
    架橋溶液流路を含む、
    入力部と、
    前記被覆反応器と連通した乳化流路を含む出力部と、
    を備える、請求項1記載のシステム。
  3. 前記有機溶液流路および前記架橋溶液流路が、該有機溶液流路と該架橋溶液流路との間に配置された微小流体細孔でつながっている、請求項2記載のシステム。
  4. 前記乳化機が多孔質膜をさらに備える、請求項2記載のシステム。
  5. 各細胞培養足場の限界寸法が、前記多孔質膜の細孔径により決まる、請求項4記載のシステム。
  6. 前記多孔質膜が、取り外しでき、交換可能である、請求項4記載のシステム。
  7. 前記システムが、
    前記乳化機への入力ラインを有する有機溶液貯蔵部、および
    該乳化機への入力ラインを有する架橋溶液貯蔵部、
    をさらに備える、請求項2記載のシステム。
  8. 前記有機溶液貯蔵部と前記乳化機との間、または前記架橋溶液貯蔵部と前記乳化機との間に配置されたポンプをさらに備える、請求項7記載のシステム。
  9. 前記有機溶液貯蔵部の入力ラインおよび前記架橋溶液貯蔵部の入力ラインの少なくとも一方が、質量流量制御装置をさらに備える、請求項8記載のシステム。
  10. 前記被覆反応器が、
    前記乳化機と連通した前記乳化流路、および
    該乳化流路と交差する被覆溶液流路、
    を含む入力部と、
    前記分離器と連通した被覆乳化流路を含む出力部と、
    を備える、請求項2記載のシステム。
  11. 前記システムが、前記被覆反応器への入力ラインを有する被覆溶液貯蔵部をさらに備える、請求項10記載のシステム。
  12. 前記被覆反応器が、連続流被覆反応器である、請求項10記載のシステム。
  13. 前記分離器への入力部が、
    前記被覆反応器と連通した前記被覆乳化流路、および
    該被覆乳化流路と連通した超臨界流体供給源、
    を備える、請求項10記載のシステム。
  14. 前記分離器からの出力部が、
    溶媒蒸発通路であって、その中で、前記被覆乳化からの溶媒は、蒸発させられ、前記超臨界流体によって除去される、溶媒蒸発通路、および
    細胞培養足場を構成する固体、
    を含む、請求項13記載のシステム。
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