JP2023547508A - 車両用ガラスアンテナ - Google Patents

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Abstract

本発明はアンテナシステムを備え、車両本体の開口部に配置されることを意図される車両用ウインドウペインに関し、開口部が角部により連続的に接続された少なくとも第1の縁部及び第2の縁部を有し、アンテナシステムが、角部の近傍に配置された少なくとも第1及び第2のアンテナを含み、第1及び第2のアンテナが略同一の周波数帯で電波を送受信するように設計されており、第1及び第2のアンテナが各々、給電部を有し、これらの給電部が互いに近接して配置されており、第1のアンテナが、第1の部分及び第2の部分を有し、第1の部分がその給電部から開口部の第1の縁部、角部及び縁部と平行に延在し、第1の部分が給電部から第1の縁部、角部、及び第2の縁部に沿って延在して、第2の縁部に沿った1個の交点で終端する連続線であり、交点が第2の縁部に略平行な第1の部分の一部分に位置され、第2の部分が第1の部分の交点から延在し、第2の部分が交点から開口部の第2の縁部に対して略直交する方向に第2の縁部から離れるように延在し、第2のアンテナが開口部の第1の縁部に対して略直交する少なくとも1個の部分を有し、この部分が給電部に電気的に接続されており、第2のアンテナの給電部と交点の間の距離Dが次式:D≧αλe/2を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波波長の短縮率であり、λeは真空中の周波数feにおける電波波長であり、feは第1のアンテナ及び第2のアンテナがダイバーシティアンテナシステムとして動作する周波数帯の最大周波数であり、第1のアンテナの第2の部分と第1の縁部の間の距離D11が次式:TIFF2023547508000008.tif9170を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波の波長の短縮率であり、λsは真空中の周波数fsにおける電波の波長であり、fsは第1のアンテナ及び第2のアンテナがダイバーシティアンテナシステムとして機能する周波数帯の最小周波数である。【選択図】図2a

Description

本発明は、同一周波数帯に対応する少なくとも2個のアンテナを備える車両用ガラスに関する。本発明はまた、同一周波数帯に対応する少なくとも2個のアンテナを備える車両用ガラスのアンテナシステムにも関する。
従来のガラスアンテナでは、同一周波数帯で動作する複数のアンテナが1枚のウインドウペインに配置されてダイバーシティアンテナシステムを形成している。各アンテナは、無線周波数(RF)ケーブル及び/又は電子機器(例えば増幅器モジュール)に別々に接続されている。一般に、2個以上のアンテナを電気的に絶縁するには互いに間隔を空けて配置する必要がある。一方、このようなダイバーシティアンテナシステムでは車両の設計がより複雑になる。実際、各アンテナに、何らかの追加的なケーブル及び/又は電子機器を別々に設置する必要がある。従って、材料コスト、製造コスト及び車両の重量が増大する。
一般に、車両設計の影響を抑えるべく、複数のアンテナが互いに近接して配置されている。しかし、ケーブル及び電子機器を一体化すべくこれらのアンテナの給電点を互いに近接して配置したならば、これらのアンテナ間の強い結合に起因してダイバーシティアンテナシステムの利点が得られない恐れがある。
欧州特許第2009733号明細書から、ダイバーシティアンテナシステムによる電波の受送信のため車両のウインドウガラスの表面に設けられたガラスアンテナが知られている。欧州特許第2009733号明細書に記載のガラスアンテナは、各アンテナ間の結合を低減することにより良好なダイバーシティアンテナシステムを実現すべく互いに間隔を空けた位置に給電点を有する複数のアンテナを有している。しかし、給電点同士の間隔を空けると2個の給電構造を別々に備える必要があるため、自動車製造業者には設計上の問題が生じる(より多くのスペース及び電子機器が必要になる)。
従って、これらのアンテナの給電点が互いに近接して配置されている場合でも良好に絶縁されたアンテナが必要とされる。
従って、本発明は、車両用ガラスに設けられた車両用アンテナシステムを提案するものであり、これらのアンテナの給電点が互いに近接して配置されていても良好なダイバーシティアンテナシステムを形成する複数のアンテナを含んでいる。
そのため、本発明の目的は、同一周波数帯に対応する少なくとも2個のアンテナを有し、それらの給電点が互いに近接して配置されていて、両者が良好な利得を有する、請求項1に開示する車両用ガラスアンテナシステム及び車両用ガラスアンテナ用の車両用ウインドウガラスを提供することである。例えば、これらのアンテナは、テレビジョン(TV)放送サービス用の電波受信用であってよい。
本発明による、1枚のウインドウペインに設けられたアンテナは、同一周波数(f)で良好な利得(G)を有し、各アンテナ間の相関係数(ρ)が少ないように設計されている。本発明によるアンテナは無線信号の送信/受信性能の向上に寄与する。本発明によれば、各アンテナの利得(G)は次式に従い計算される。
Figure 2023547508000002
ここでfはアンテナが受信/送信する電波の周波数であり、φはアンテナが設置された車両を中心とする方位角である。E(f,φ)は車両の周囲の略水平な面内でアンテナが方向φに向けて受信/送信する信号強度である。E(f,φ)は信号の振幅及び位相情報を含む複素数値である。Nφは測定された方位角の個数である。従って、G(f)及びG(f)は、車両の全周囲にわたる方位角について平均化された周波数fにおける第1のアンテナ及び第2のアンテナの利得を表す。Gtotalは第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2の信号強度の和を表す。ここでG、G、及びGtotalはdBスケールで計算される。
また、本発明によれば、少なくとも2個のアンテナ間のエンベロープ相関係数(ECC)は次式に従い計算される。
Figure 2023547508000003
エンベロープ相関係数(ECC)については、以下のWebサイト(http://www.antenna-theory.com/definitions/envelope-correlation-coefficient-ecc.php)で説明されているように当業者には公知である。
一般に、このようなダイバーシティアンテナシステムの送信/受信性能を向上させるには全てのアンテナが良好な利得を有し、且つ相関係数が小さくなければならない。従って、本発明は、Gtotalが高く、且つρが低い車両用ガラスアンテナシステムを提案する。
本発明において、発明者らは、少なくとも本発明によるガラスアンテナシステム内でこれらのアンテナの給電点が近接して配置されていても、良好な利得及び小さい相関係数が得られることを示した。
本発明は、車両に設置するウインドウペインに設けることができる低コスト且つ車両設計が容易な良好なダイバーシティガラスアンテナシステムを提案する。
上述の目的を達成すべく、本発明は、アンテナシステム100を備え、車両本体の開口部に配置されることを意図される車両用ウインドウペインを提供し、開口部が少なくとも第1の縁部E1及び第2の縁部E2を有し、E1とE2が角部C1により連続的に接続されており、アンテナシステム100が、
-角部C1の近傍に配置された少なくとも第1及び第2のアンテナ(A1,A2)を含み、
-第1及び第2のアンテナが略同一の周波数帯で電波を送受信するように設計されており、
-第1及び第2のアンテナが各々、給電部FP1,FP2を有し、前記給電部が互いに近接して配置されており、
-第1のアンテナA1が、第1の部分L11及び第2の部分L12を有し、
-第1の部分L11がその給電部FP1から開口部Oの縁部E1、角部C1及び縁部E2と平行に延在し、第1の部分L11がFP1からE1、C1、及びE2に沿って延在して、E2に沿った1個の交点BPで終端する連続線であり、交点BPがE2に略平行なL11の一部分に位置され、
-第2の部分L12がL11の交点BPから延在し、第2の部分L12が交点BPから開口部Oの縁部E2に対して略直交する方向に縁部E2から離れるように延在し、
-第2のアンテナA2が開口部Oの縁部E1に対して略直交する少なくとも1個の部分L2を有し、L2が給電部FP2に電気的に接続されている。
本発明によれば、第2のアンテナA2の給電部FP2と交点BPの間の距離Dは次式:D≧αλ/2を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波波長の短縮率であり、λは周波数fにおける真空中の電波の波長であり、fは第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2がダイバーシティアンテナシステムとして動作する周波数帯の最大周波数である。本発明によれば、第1のアンテナ(A1)の第2の部分(L12)と第1の縁部(E1)の間の距離D11は次式:
Figure 2023547508000004
を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波波長の短縮率であり、λは真空中の周波数fにおける電波の波長であり、fは第1のアンテナ(A1)及び第2のアンテナ(A2)がダイバーシティアンテナシステムとして機能する周波数帯の最小周波数である。
好適な一実施形態において、少なくとも第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2は車両のバックライトウインドウガラスに設けられている。
例えば、第1及び第2のアンテナは、470MHz~710MHzの周波数帯域で動作するように設計されている。この場合、α=0.7ならばD≧αλ/2=148mmである。この特徴により、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2はエンベロープ相関係数を小さく維持したまま高い利得を得ることができる。
本発明によれば、第1の縁部E1は、車両本体の開口部Oの水平縁部(上側縁部又は下側縁部)又は縦方向(横方向)の縁部であってよく、第2の縁部E2は、縁部E1とE2が略直交する前提で上側縁部又は下側縁部或いは横方向縁部であってよい。
本発明における「水平」とは、車両の設置面に対して略平行な方向の意味で用いられ、「垂直」は「水平」と略直交する方向を指す。従って、「水平」及び「垂直」は必ずしも厳密な方向を示すものではなく、例えば「水平」と称する方向は車両の設置面に対して厳密に平行ではなく若干傾斜している場合がある。「水平」及び「垂直」の意味は本明細書全体を通じて不変である。
本発明によれば、給電部は、アンテナ導体を車両内のケーブル及び/又は電子機器に電気的に接続することによりウインドウペインの受容を意図した車両の開口部にウインドウペインが設置される部分を含んでいる。
本発明によれば、少なくとも第1のアンテナ及び第2のアンテナの給電部は、ウインドウペインの縁部の少なくとも一方に沿って、基準方向に沿うように配置されている。更に、第1のアンテナ及び第2のアンテナは互いに近接して配置されている。
更に、本発明は上述の目的を達成すべく、本発明によるガラスアンテナが設けられた車両用ウインドウガラスを提供する。
本発明によれば、テレビジョン(TV)放送サービス用の線電波の受信に適した車両ガラスパネルに設けられた良好な性能のダイバーシティアンテナシステムを低コスト且つ車両設計が容易な状態で得られる。
好適な一実施形態において、少なくとも第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2は典型的なバックライトウインドウガラスに設けられていて、セダン型の自動車に装備されている。好適には、これらのアンテナは470MHz~710MHzの周波数帯域用に作られていた。この場合、α=0.7ならばD≧αλ/2=148mmである。
本発明の一実施形態によれば、給電部FP1と給電部FP2の間の距離dは次式:d≦50mmを満たす。従って、A1及びA2に接続される給電ケーブル及び/又は電子機器は物理的一体化が容易になる。
本発明の一実施形態によれば、給電部FP1と、開口部の最も近接する縁部E1の間の距離dは次式:d≦αλ/8を満たす。ここでλは依然として周波数fにおける真空中の電波の波長であり、fは第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2がダイバーシティアンテナシステムとして機能する周波数帯の最小周波数である。従って、第1のアンテナA1の入力インピーダンスの調整が容易になって効率的な給電を実現することができる。更に、給電点FP1は、開口部Oの縁部に近いため乗客から見え難くすることができる。
本実施の一実施形態によれば、FP2と、車両本体の最も近接する縁部E1の間の距離dは次式:d≦αλ/8を満たす。従って、第1のアンテナA2の入力インピーダンスの調整が容易になって効率的な給電を実現することできる。更に、給電点FP2は、開口部Oの縁部に近いため乗客から見え難くすることができる。
本発明の一実施形態によれば、第1のアンテナA1の第1の部分L11と、開口部Oの縁部E1、C1及びE2の間の距離gはg≦αλ/8を満たす。従って、電波放射に対する第1の部分L11の寄与を開口部Oに誘導される画像電流により低減することができる。第1のアンテナA1間の結合も低減され、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2とのエンベロープ相関係数は低くなる。
本発明の一実施形態によれば、FP1からアンテナA1に沿ってL12の終端点までの最短経路の長さL1は次式:(2n-1)αλ/4≦L≦(2n-1)αλ/4を満たし、ここでnは自然数であり、かつn≧2である。
従って、第1のアンテナA1は、指定された周波数帯域においてより高次のモードで共振するため、第1のアンテナA1の良好な利得が得られる。
本発明の一実施形態によれば、アンテナA1の第2の部分(L12)の長さは次式:(2n12-1)αλ/4≦L12≦(2n12-1)αλ/4を満たし、※ここでn12は自然数であり、かつn12≧1である。従って、第1のアンテナA1上の交点BPが指定周波数帯の電流分布の波腹になるためA1の利得を更に向上させることができる。
本発明の一実施形態によれば、第2のアンテナA2の部分L2の長さは次式:(2n-1)αλ/4≦L≦(2n-1)αλ/4を満たし、ここでnは自然数であり、かつn≧1である。従って、第2のアンテナA2は、指定された周波数帯域において1次以上のモードで共振するため、A2の良好な利得が得られる。
本発明の一実施形態によれば、給電部FP1及びFP2は各々増幅器31回路に電気的に接続されている。好適な一実施形態において、増幅器31回路は同一の筐体に設けられていて、車両本体に電気的に接続された共通の接地極を有している。従って、このような増幅器の設置及び配備がより簡単になり、製造コスト及び車両の設計を向上させることができる。
本発明の一実施形態によれば、バックライト(リアウインドウとも呼ばれる)にデフォッガが備えられている。デフォッガは、例えば銀プリント線等のアンテナ導体と同一材料で形成されていてよい。
ここで「終端部分」とは、終端点の前方及び近傍のアンテナの一部の延長線の終端点であってよい。
給電部FP1及びFP2、並びに給電部に接続されたアンテナ部は、銀ペースト等の導電性金属を含むペーストをウインドウガラスのペインの内側面にプリント及び焼成することにより形成される。しかし、本発明は当該形成方法に限定されない。銅等の導電性材料製の線状素子又は箔状素子をウインドウガラスの内側面又は外側面に形成しても、又はウインドウガラスに接着剤で固定しても、或いはウインドウガラス自体の内部に設けてもよい。また、ガラスアンテナは、ウインドウガラスのペインの内側面又は外側面の合成樹脂フィルムの内部又は表面にアンテナ導体の導体層が設けられている導体層が設けられている合成樹脂フィルムを形成することにより形成されてよい。更に、ガラスアンテナは、ウインドウガラスのペインの内側面又は外側面にアンテナ導体が形成されている柔軟な回路基板を形成することにより形成されてよい。
本発明の一実施形態によれば、アンテナA1及びA2の部品は好適には同一材料製である。好適な一実施形態において、アンテナA1及びA2は、車両本体に電気的に接続された接地極に電気的に接続された金属板で作られている。
一方、ウインドウペインの外周にはウインドウペインの美観が劣る部分を隠すためにエナメルが設けられてよい。好適には、FP1、FP2及びL11はエナメル部分に配置されて車両の外側から視認できない。
また、給電部FP1及びFP2を介してアンテナA1及びA2に給電するのに2本の同軸ケーブルを用いる場合、2本の同軸ケーブルの内側導体が給電部FP1及びFP2に別々に電気的に接続されていてよいのに対し、同軸ケーブルの外側導体は車両本体に電気的に接続されていてよい。
また、電子機器(典型的には増幅器又はチューナー)がアンテナに接続されている場合、単純な導電線を給電部FP1及びFP2からこれらの電子機器の入力端に別々に接続することができ、電子機器は同一筐体に収納され、且つ両方の電子機器が共通の接地極を有して、共通の接地極が自動車本体に接続されていてよい。従って、ケーブルの長さを短くすることができ、電子機器の取り付けが簡単になるため、車両設計を簡素化でき、且つ車両の材料コスト低減及び重量の軽量化を実現することができる。
車両に対するウインドウガラスの取り付け角度は好適には15~90°、より好適には30~90°である。アンテナの設計は自動車の設計及び開口部内へのウインドウの設置に適合させるべきである。
本発明による車両用ウインドウガラスの一実施形態が搭載された車両のリアウインドウの正面図である。 本発明の車両用ガラスアンテナの実施例によるウインドウガラスの平面図である。 図2aの囲まれた部分の拡大図である。 比較例1及び2によるウインドウガラスの平面図である。 本発明の一実施形態によるウインドウガラスの平面図である。 比較及び実施例における2個のアンテナ間の水平偏波電波に対するエンベロープ相関係数の測定データである。 比較例及び実施例のアンテナ利得の測定データである。 本発明の実施形態によるウインドウガラスの平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施する一実施形態を記述する。本実施形態を示す図面において、図面を見る特定の方向に言及することなく複数の方向に言及している場合、図面の方向を基準とする。明快にすべく、図1~4cにおいて同一部分には同一参照番号が付されている。また、図面は、車両の助手席の内側から見た場合のアンテナの様子を示すものする。ガラスアンテナの部分の各々の寸法は、図2及び3に示す値(mm単位)をとるものと理解されたい。例えば、ウインドウガラス1が車両の後部に載置されるバックライトである場合、各図面における左右方向は車両の幅方向に対応する。また、本発明では給電部は基準方向に沿って並ぶように配置されているが、基準方向はガラスアンテナを配置する領域に応じて自由に設定することができる。特に、車両のウインドウガラスの場合、基準方向は好適には、ウインドウガラスの配置が意図された車両本体の開口部の縁部と平行な方向であって、水平方向又は垂直方向に設定される。後述する一実施形態において、車両用ウインドウガラスが車両に設置される際の水平面が基準方向を構成する。本発明はバックライトへの適用に限定されず、フロントガラス、車両の後部に載置されるバックライト(リア)ウインドウガラス、又は車両の側部に載置されるサイドウインドウガラスに適用されてよい。
図1は、バックライト1が車両本体に設けられた開口部Oに配置されるべく意図された車両の後部の正面図である。開口部Oの寸法はウインドウガラス1の寸法よりも僅かに小さく、ウインドウガラス1の形状に合うように設計されている。開口部は、少なくとも第1の縁部E1及び第2の縁部E2を有している。縁部E1及びE2は、角部C1により連続的に接続され、ガラスアンテナシステム100を含んでいる。角部C1は略アーチ状の丸く湾曲した角部である。一般に、バックライトは開口部Oに接着され、開口部Oとバックライトの縁部の間にガスケットが設けられていて両部の間の密閉性を保証する。
図2aは、本実施形態による車両用ウインドウペイン1が設けられた車両のリアウインドウ1(バックライト)の正面図である。本実施形態における車両用ウインドウペイン1は、本発明によるガラスアンテナシステム100を含む強化ウインドウペイン1である。車両用ガラスアンテナ100は、少なくとも第1のアンテナ及び第2のアンテナ、各アンテナ用に車両用ウインドウガラス1に平面的に設けられた給電部FP1、FP2を含んでいる。給電部FP1、FP2は互いに近接して、開口部Oの縁部E1に沿って所定の基準方向(例えば、水平方向又は略水平方向)に配置されている。
車両用ガラスアンテナ100は、アンテナ導体パターンとして、第1のアンテナA1としてのアンテナ素子及び第2のアンテナA2としてのアンテナ素子を、アンテナ素子を車両内のケーブル及び/又は電子機器に接続する各給電点と共に含んでいる。本発明によれば、第1及び第2のアンテナA1、A2は、ウインドウペイン1の表面、より具体的にはウインドウペイン1を配置すべく意図された車両本体Vの開口部Oの角部C1近傍に設けられている。第1及び第2のアンテナA1、A2は、ウインドウペインの同一縁部に配置されている。
本発明によれば、ウインドウペインに設けられた第1のアンテナA1は、給電部FP1からウインドウペイン1が配置される車両本体の開口部Oの上側縁部E1、角部C1及び右側縁部E2と平行に連続して延在する第1の部分L11を備えている。本発明によれば、第1のアンテナA1の第1の部分L11には第2の部分L12が延在する起点である交点BPが設けられる。ここで、交点BPは開口部Oの右側縁部E2と平行なL11の部分にある。
本発明によれば、第1のアンテナA1の第2の部分L12は、第1のアンテナA1のL11上の交点BPから延在している。第1のアンテナA1の第2の部分L12は、アンテナA1の第1の部分の縁部である交点BPを起点として、第1方向とは反対方向である第2の方向(図面では左向き方向)に延在している。
本発明によれば、第1のアンテナA1の第2の部分L12は、車両本体の開口部Oの第2の縁部E2と略直交する第2の方向に延在し、ここで第2の縁部E2は車両本体の開口部の側縁部である。第2の部分L12はウインドウガラスの外周の内側を向いている。
本発明によれば、第1のアンテナA1の第1の部分及び第2の部分の寸法は、車両の設計及びアンテナが動作すると考えられる周波数帯により決定されることを理解されたい。ここで、第1のアンテナA1、第2のアンテナA2は銀プリント線と同一の材料で作られている。一般に、これらの銀プリント線の典型的な幅は0.4mm~1.0mmであるが、アンテナの性能を最適化すべく1.0mmより太くしてもよい。
本発明によれば、第2のアンテナA2は第1のアンテナA1に近接して配置されている。第1及び第2のアンテナA1、A2の給電部FP1及びFP2は、角部C1の近傍で基準方向に沿って、且つウインドウペインの同一縁部に沿うように整列配置されている。ここで同図では、第1及び第2のアンテナA1、A2は、車両本体の開口部の最も近接する上側縁部E1と平行なウインドウガラスの同一の上側縁部に配置されている。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して車両本体の開口部Oの上側縁部E1と略直交している。第2のアンテナA2はウインドウガラスの外周の内側を向いている。
図2bは、本実施形態による車両用ウインドウペイン1が設けられた車両の別の例である。第1及び第2のアンテナA1、A2の給電部FP1及びFP2は、角部C1の近傍で基準方向に沿って、且つ図面に点線で表すウインドウペインEWの同一縁部に沿って整列配置されている。ここで同図では、第1及び第2のアンテナA1、A2は、車両本体の開口部の最も近接する右側縁部E1と平行なウインドウガラスの同一右側縁部に配置されている。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して車両本体の開口部Oの右側縁部E1と略直交している。第2のアンテナA2はウインドウガラスの外周の内側を向いている。
図3は、図2aの囲まれた部分の拡大図であり、本発明によるアンテナシステム100を示す。第2のアンテナA2の給電部FP2と第1のアンテナA1の交点BPは次式:D≧αλ/2を満たす距離Dだけ離れており、ここでαはウインドウペインの波長の短縮率であり、λは周波数fにおける電波の波長である。fは本発明によるアンテナにより受信及び/又は送信される電波の最大周波数である。第1のアンテナ(A1)の第2の部分(L12)と第1の縁部(E1)の間の距離D11は次式:
Figure 2023547508000005
を満たし、ここでαはウインドウペインの電波波長の短縮率であり、λは真空中における周波数fでの電波の波長であり、fは第1のアンテナ(A1)及び第2のアンテナ(A2)がダイバーシティアンテナシステムとして機能する周波数帯の最小周波数である。図3において、本発明の一実施形態によれば、アンテナA1及びA2は以下のような寸法で設計されていた。第2のアンテナA2の給電部FP2と第1のアンテナA1の交点BPの間の距離Dは270mmに等しい距離Dだけ隔てられている。第1のアンテナ(A1)の第2の部分(L12)と第1の縁部(E1)の間の距離D11は120nmに等しい。本例によれば、第1のアンテナA1の給電部FP1の中心と第2のアンテナA2の給電部FP2の中心は20mmに等しい距離dだけ隔てられている。本例によれば、第1のアンテナA1の給電部FP1の中心及び第2のアンテナA2の給電部FP2の中心と、車両本体の開口部Oの縁部E1との各々の距離d1及びd2は20mmに等しい(d1=d2)。第1のアンテナA1の第1の部分L11の距離gはd1及びd2と等しく且つ20mmに等しい。本発明の一実施形態によれば、第1のアンテナA1の全長L1は345mm~545mm、L12は35mm~235mmである。本発明の一実施形態によれば、第2のアンテナA2の長さL2は80mmに等しい。
本発明の一実施形態による例及び比較例
比較例を図4a及び4bに示し、本発明による一例を図4cに示す。ここでα=0.7、f=470MHz、f=710MHzである。ここで図面ではデフォッガ30もウインドウペインに配置されている。第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2はデフォッガ30と接触しないように配置されている。ここで第1のアンテナA1、第2のアンテナA2及びデフォッガ30は、銀プリント線と同一材料で作られている。これらの銀プリント線の幅は0.4mmである。
図4a、4b及び4cにおいて、第1のアンテナA1の給電部FP1の中心と第2のアンテナA2の給電部FP2の中心は20mmに等しい距離dだけ離れている。第1のアンテナA1の給電部FP1の中心及び第2のアンテナA2の給電部FP2の中心の、車両本体の開口部Oの縁部E1との各々の距離d1及びd2は20mmに等しい(d1=d2)。
図4aにおいて、第1のアンテナA1は開口部Oの縁部E1と平行なガラスペインの縁部に、車両本体の角部C1に近接して設けられている。第1のアンテナA1は、給電部FP1の中心からアンテナA1の先端まで延在する80mmの部分L1を有している。ここでL1は式αλ/4≦L≦αλ/4を満たし、給電点FP1から直交方向に最も近接する縁部E1まで延在している。従って第1のアンテナA1は1/4波長のモノポールアンテナである。
第2のアンテナA2、より具体的には自身の給電部FP2は、第1のアンテナA1の給電部FP1に近接して配置されている。第2のアンテナA2は、アンテナA1の左側でガラスペインの、アンテナA1と同一の縁部に設けられている。
第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して車両本体の開口部Oの縁部E1と略直交する部分L2を有し、L2の長さは80mmである。従ってA2も1/4波長のモノポールアンテナを含んでいる。
図4bに第2の比較例を示す。従って、第1のアンテナA1はウインドウペインに設けられている。第1のアンテナA1は、給電部FP1から、ウインドウペイン1が配置されるべき車両本体の開口部Oの上側縁部E1、角部C1及び右側縁部E2と平行に連続的に延在する第1の部分L11を有している。第1のアンテナA1の、給電部FP1の中心からアンテナA1の先端までの全長Lは80mm~310mmである。例えば、L1の長さが80mm~110mmの範囲である場合、L1は式αλ/4≦L≦αλ/4を満たし、当該周波数帯域で共振する。L1の長さが222mm~310mmの範囲である場合、L1は式3αλ/4≦L≦3αλ/4を満たし、且つ当該周波数帯域で共振する。
第2のアンテナA2、より具体的には自身の給電部FP2は、第1のアンテナA1の給電部FP1に近接して配置されている。第2のアンテナA2は、アンテナA1の左側でウインドウペインの、アンテナA1と同一の縁部に設けられている。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して車両本体の開口部Oの縁部E1と略直交する部分L2を有している。第2のアンテナA2の長さは80mmである。ここでL2も式αλ/4≦L≦αλ/4を満たし、従って第2のアンテナA2は1/4波長のモノポールアンテナである。比較例2において、アンテナA2の設計は本発明による設計と同一である。アンテナA1は本発明と比べて第2の部分L12が省略されている。
図4cにおいて、本発明によるウインドウペインに設けられたアンテナシステム100は、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2を含んでいる。第1のアンテナA1は、給電部FP1から、ウインドウペイン1が配置されるべき車両本体の開口部Oの上側縁部E1、角部C1及び右側縁部E2と平行に連続して延在する第1の部分L11を有している。また、第1のアンテナA1は、L11上の交点BPから延在する第2の部分L12を有している。交点BPは、L11のE2と略平行な部分に位置している。ここで、第1の部分L11の長さは310mm、第2の部分L12の長さは35mm~235mmである。従って、L12の長さが60mm~235mmである場合、全長L1は式5αλ/4≦L≦5αλ/4を満たす。また、長さL12は、L12が74mm~112mmである場合、式αλ/4≦L12≦αλ/4を満たす。
第2のアンテナA2、より具体的には自身の給電部FP2は、第1のアンテナA1の給電部FP1に近接して配置されている。第2のアンテナA2は、アンテナA1の左側でウインドウペインの、アンテナA1と同一の縁部に設けられている。ここで、FP2とBPとの距離Dは270mmであり、D≧αλ/2を満たす。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して車両本体の開口部Oの縁部E1と略直交する部分L2を有している。部分L2の長さは80mmである。ここで、L2も式αλ/4≦L≦αλ/4を満たし、従って第2のアンテナA2は1/4波長のモノポールアンテナである。
アンテナの利得測定に基づいてダイバーシティ性能を評価すべく、発明者らは2個の指標を定義している。従って、測定された第1の指標はエンベロープ相関係数(ρ)である。相関係数は、第1のアンテナA1と第2のアンテナA2との振幅及び位相差を考慮する。係数ρが小さいほど、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2が良好に絶縁されてダイバーシティ性能が向上する。測定された第2の係数は平均利得である。平均が高いほど、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2を含むアンテナシステム100は優れている。
本発明による例と、第1及び第2の比較例とのアンテナ利得及びエンベロープ相関係数を図5a、5b及び5cに示す。これらの図に示すように、本発明によるガラスアンテナ100は、良好な効率で高周波帯域の電波を受信し、特にテレビ放送周波数帯域(470~710MHz)の受信に適している。
次いで、水平偏波電波用の遠距離アンテナ利得を、各周波数(f)について車両周囲の方位角(φ)1°毎にこれらのアンテナで測定した。試験場の床面状態は自由空間とみなされた。送信アンテナの床面からの仰角は約8度であった。
これらのアンテナが受信した信号強度を50Ω測定システムにより複素数値(E(f,φ))として測定してアンテナ利得をdBiスケールで計算した。自動車本体の金属部分は測定システムの接地極に接続されている。
次いで、利得とエンベロープ相関係数を次式に基づいて全ての測定された周波数にわたり平均化する。
Figure 2023547508000006
ここでNは指定された周波数帯域における測定周波数の個数である。
図5a、5b及び5cに示すように、本発明によるアンテナシステム100は、比較例よりも低い相関(ρ)及び高い利得(Gtotal)の両方を実現し、これは比較例よりもはるかに優れた「ダイバーシティアンテナシステム」であることを意味する。
本発明による第1のアンテナA1に屈曲形状(地面と平行なL11及び地面と直交するL12)を与えることにより、第2のアンテナA2の利得を略一定に保ちながら、第1のアンテナA1の利得が向上している。
第1のアンテナA1の第1の部分L11を第2のアンテナA2の給電部FP2から離して(αλ/2を超えて)延在させることにより、第1のアンテナA1の給電部FP1及び第2のアンテナA2の給電部FP2が互いに極めて近接していても、第1のアンテナA1と第2のアンテナA2の実効距離が、注目周波数帯(より低いρ)で良好に絶縁するのに充分大きくなった。
本発明は、地上波デジタルテレビ放送及びアナログテレビ放送を好適には470MHz~710MHzの周波数で受信するための自動車用ガラスアンテナに用いられる。
図6aに、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2を含む本発明によるウインドウペインの別の例を示す。ここで、第1のアンテナA1は、右側縁部E1に沿った給電部FP1と、右側縁部E1、角部C1及び上側縁部E2と平行に給電部FP1から連続的に延在する第1の部分L11を有している。また、第1のアンテナA1は、L11上の交点BPから延在する第2の部分L12を有している。交点BPは、上側縁部E2と略平行なL11の部分に位置している。第2のアンテナA2は、アンテナA1の下側でウインドウペインの、アンテナA1と同一の縁部に設けられている。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して縁部E1と略直交する部分L2を有している。
本実施形態によれば、第1のアンテナA1は、延在する第2の部分L12に加え、給電部FP1まで延在して縁部E1と略直交する第3の部分L120と、第1の部分L11から延在して縁部E1とも略直交する第4の部分L121と、第1の部分L11から延在して縁部E2と略直交すると共に第1のアンテナA1の第2の部分L12と平行な第5の部分L122を有している。
本実施形態によれば、第2のアンテナA2は、延在部L2に加え、第2のアンテナA2の給電部FP2から延在して開口部の第1の縁部E1と平行な第2の部分L21と、第2の部分L21の縁部から延在して第1の部分L2と平行な第2の部分L22を有している。
本発明によれば、アンテナA1の第1及び第2の部分(L11、L12)及びアンテナA2の第1の部分(L2)以外の異なる部分の個数、寸法及び形状は対象とする周波数に応じて固定されている。
これらのアンテナは、TV帯域でのダイバーシティアンテナシステムとして動作すべく車両用ウインドウガラス用に設計されているため、ここではα=0.7、f=470MHz、f=710MHzである。各部分の寸法は、D=350mm、L11=355mm、L12=110mm、L2=270mm、及びd=20mm、d1=d2=15mm、g=40mmである。ここで、D≧αλ/2、d1≦αλ/8、d2≦αλ/8、g≦αλ/8、5αλ/4≦L1=L11+L12≦5αλ/4、αλ/4≦L12≦αλ、3αλ/4≦L2≦3αλ/4が満たされる。第1のアンテナA1の部分が複数ある場合、Dは第1のアンテナA1の最遠の交点BPとアンテナA2の給電点FP2から計算されることが理解されよう。従って、これらのアンテナはTV帯域において良好な利得及び低い相関係数を有している。また、2個の給電部が互いに近接して配置されている(d≦50mm)ため、ケーブル及び増幅器を同一筐体内で物理的に一体化することが容易であり、車両設計を簡単且つ低コストにできる。A1及びA2の他の何らかの配線が、TV帯域とは異なる周波数帯におけるアンテナ利得を高めるべく配置されているため、本発明の効果とは直接関係がない。
図6bに、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2を含む本発明によるウインドウペインの別の実施例を示す。ここで、第1のアンテナA1は、上側縁部E1に沿った給電部FP1と、上側縁部E1、角部C1及び右側縁部E2と平行に給電部FP1から連続的に延在する第1の部分L11を有している。また、第1のアンテナA1は、L11上の交点BPから延在する第2の部分L12を有している。交点(BP)は、右側縁部E2と略平行なL11の部分に位置している。第2のアンテナA2は、アンテナA1の左側でウインドウペインの、アンテナA1と同一の縁部に設けられている。第2のアンテナA2は、自身の給電部FP2から延在して縁部E1と略直交する部分L2を有している。
図6aに示すように、第1のアンテナA1及び第2のアンテナA2は、アンテナA1及びA2の部分として一種の分岐部を有している。アンテナA1の第1及び第2の部分(L11、L12)及びアンテナA2の第1の部分(L2)以外の異なる部分の個数、寸法及び形状は対象とする周波数に応じて固定されている。
これらのアンテナは、TV帯域におけるダイバーシティアンテナシステムとして車両用ウインドウガラス用に設計されているため、ここではα=0.7、f=470MHz、f=710MHzになっている。各部分の寸法は、D=270mm、L11=260mm、L12=90mm、L2=110mm、d=20mm、d1=d2=15mm、g=40mmである。ここで、D≧αλe/2、d1≦αλ/8、d2≦αλ/8、g≦αλ/8、αλ/4≦L12≦αλ、αλ/4≦L2≦αλ/4が満たされる。従って、これらのアンテナはTV帯域において良好な利得及び低い相関係数を有している。また、2個の給電部が互いに近接して配置されている(d≦50mm)ため、ケーブル及び増幅器を同一筐体内で物理的に一体化することが容易であり、車両設計をより簡単且つ低コストにできる。A1及びA2の他の何らかの配線が、TV帯域とは異なる周波数帯におけるアンテナ利得を高めるべく配置されているため、本発明の効果とは直接関係ない。
本発明は、欧州、米国、日本、中華人民共和国における地上波デジタルテレビ放送及びアナログテレビ放送を受信するための自動車用ガラスアンテナに使用される。本発明は、米国における地上デジタルTV放送(698~806MHz)、EU内におけるデジタルTV放送(470~862MHz)又は中華人民共和国におけるデジタルTV放送を受信するための自動車用ガラスアンテナに用いられる。また、本発明は日本におけるFM放送帯域(76~90MHz)、米国におけるFM放送帯域(88~108MHz)、テレビのVHF帯(90~108MHz、170~222MHz)、自動車携帯電話用の800MHz帯域(810~960MHz)、自動車携帯電話用の1.5GHz帯域(1.429~1.501GHz)、UHF帯域(300MHz~3GHz)、GPS(全地球測位システム)、人工衛星からのGPS信号(1575.42MHz)、VICS(登録商標)(車両情報及び通信システム:2.5GHz)に利用できる。
更に、本発明はまた、ETC用通信(電子料金徴収システム:ノンストップ自動料金徴収システム、路側無線通信システム用送信周波数:5.795GHz又は5.805GHz、路側無線通信システム用受信周波数:5.835GHz又は5.845GHz)、DSRC(専用短距離通信、915MHz帯域、5.8GHz帯域、60GHz帯域)、マイクロ波(1GHz~3THz)、ミリ波(30~300GHz)、車両用キーレスエントリーシステム(300~450MHz)、及びSDARS(衛星デジタル音声ラジオサービス、2.34GHz、2.6GHz)に用いることができる。

Claims (10)

  1. アンテナシステム(100)を備え、車両本体(V)の開口部(O)に配置されることを意図される車両用ウインドウペイン(1)であって、前記開口部が少なくとも第1の縁部(E1)及び第2の縁部(E2)を有し、(E1)と(E2)が角部(C1)により連続的に接続されており、前記アンテナシステム(100)が、
    -前記角部(C1)の近傍に配置された少なくとも第1及び第2のアンテナ(A1,A2)を含み、
    -前記第1及び第2のアンテナ(A1,A2)が略同一の周波数帯で電波を送受信するように設計されており、
    -前記第1及び第2のアンテナ(A1,A2)が各々、給電部(FP1,FP2)を有し、前記給電部(FP1,FP2)が互いに近接して配置されており、
    -前記第1のアンテナ(A1)が、第1の部分(L11)及び第2の部分(L12)を有し、
    -前記第1の部分(L11)がその給電部(FP1)から前記開口部(O)の前記第1の縁部(E1)、前記角部(C1)及び前記縁部(E2)と平行に延在し、前記第1の部分(L11)が前記給電部(FP1)から前記第1の縁部(E1)、前記角部(C1)、及び前記第2の縁部(E2)に沿って延在して、前記第2の縁部(E2)に沿った1個の交点(BP)で終端する連続線であり、前記交点(BP)が前記第2の縁部(E2)に略平行な前記第1の部分(L11)の一部分に位置され、
    -前記第2の部分(L12)が前記第1の部分(L11)の前記交点(BP)から延在し、前記第2の部分(L12)が前記交点(BP)から前記開口部(O)の前記第2の縁部(E2)に対して略直交する方向に前記第2の縁部(E2)から離れるように延在し、
    -前記第2のアンテナ(A2)が前記開口部(O)の前記第1の縁部(E1)に対して略直交する少なくとも1個の部分(L2)を有し、前記部分(L2)が前記給電部(FP2)に電気的に接続されており、
    前記第2のアンテナ(A2)の前記給電部(FP2)と前記交点(BP)の間の距離Dが次式:D≧αλ/2を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波波長の短縮率であり、λは真空中の周波数fにおける電波波長であり、fは前記第1のアンテナ(A1)及び前記第2のアンテナ(A2)がダイバーシティアンテナシステムとして動作する周波数帯の最大周波数であり、
    前記第1のアンテナ(A1)の前記第2の部分(L12)と前記第1の縁部(E1)の間の距離D11が次式:
    Figure 2023547508000007
    を満たし、ここでαはウインドウペインにおける電波の波長の短縮率であり、λは真空中の周波数fにおける電波の波長であり、fは前記第1のアンテナ(A1)及び前記第2のアンテナ(A2)がダイバーシティアンテナシステムとして機能する周波数帯の最小周波数である、車両用ウインドウペイン(1)。
  2. 前記第1のアンテナ(A1)の前記給電部(FP1)と前記第2のアンテナ(A2)の前記給電部(FP2)の間の距離dが次式:d≦50mmを満たす、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  3. 前記第1のアンテナ(A1)の前記給電部(FP1)と、前記開口部の最も近接する縁部(E1)の間の距離dが次式d≦αλ/8を満たす、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  4. 前記第2のアンテナ(A2)の前記給電部(FP2)と、前記車両本体の最も近接する縁部(E1)の間の距離dが次式d≦αλ/8を満たす、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  5. 前記第1のアンテナ(A1)の前記第1の部分(L11)と、前記車両本体の最も近接する縁部(E1)の間の距離gが次式g≦αλ/8を満たす、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  6. 前記第1のアンテナ(A1)の前記給電部(FP1)から前記第1のアンテナ(A1)に沿って前記第1のアンテナ(A1)の第2の部分(L12)の終端点までの最短経路の長さ(L1)が次式:(2n-1)αλ/4≦L≦(2n-1)αλ/4を満たし、nは自然数であり、かつn≧2である、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  7. 前記第1のアンテナ(A1)の前記第2の部分(L12)の長さが次式:(2n12-1)αλ/4≦L12≦(2n12-1)αλ/4を満たし、n12は自然数であり、かつn12≧1である、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  8. 前記第2のアンテナ(A2)の前記部分(L2)の長さが次式:(2n-1)αλ/4≦L≦(2n-1)αλ/4を満たし、nは自然数であり、かつn≧1である、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  9. 前記第1のアンテナ(A1)及び前記第2のアンテナ(A2)が更なる延在部分(L120、L121、L122、L21、L22)を有している、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
  10. 前記第1のアンテナ(A1)の前記給電部(FP1)及び前記第2のアンテナ(A2)の前記第2給電部(FP2)が各々増幅回路(31)に電気的に接続され、前記増幅回路が同一の筐体内に設けられており、前記車両本体(V)に電気的に接続された共通の接地極を有している、請求項1に記載の車両用ウインドウペイン。
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