JP2023546740A - プロテオグリカン複合体及びその用途 - Google Patents

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Abstract

本出願は、テタノスパスミンタンパク質バリアントを提供し、前記テタノスパスミンタンパク質バリアントは、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む。本出願は、さらに、タンパク質-多糖複合体を提供し、前記タンパク質-多糖複合体は、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含む。本出願は、さらに、免疫原性を向上する方法を提供し、当該方法が、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含むタンパク質-多糖複合体を提供するステップを含む。

Description

本出願は、生物医薬品分野に関し、具体的に、プロテオグリカン複合体及びその用途に関する。前記プロテオグリカン複合体は、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含む。前記プロテオグリカン複合体は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖の免疫原性を向上することができる。
肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae、肺炎球菌)、以前は「Deplococcus pneumoniae」として知られ、莢膜を持つグラム陽性双球菌であり、莢膜多糖の組成の差に応じて、それは91以上の血清型に分けられ、その中でも、莢膜多糖は重要な病原因子である。肺炎球菌疾患は、世界中で深刻な公衆衛生問題の1つである。世界保健機関によると、2005年には、世界で毎年160万人が肺炎球菌疾患で死亡し、その中には、70万人~100万の5歳未満の子供が含まれ、ほとんどは開発途上国に住んでいた。肺炎球菌が、子供たちの健康を深刻に危険にさらしていることがわかる。先進国では、肺炎球菌の疾患は、主に2歳未満の子供と高齢者、およびすべての年齢層の免疫不全者に発生する。
肺炎球菌多糖複合体ワクチンは、肺炎球菌多糖とキャリアタンパク質を結合させたもので、キャリアタンパク質は、肺炎球菌多糖の免疫原性を向上させる上で非常に重要な役割を果たしている。肺炎連鎖球菌ワクチンの国内外での数々の臨床研究では、予防効果が得られない場合に打ち切られることも珍しくない(Marilla G Luceroら, The Pediatric Infectious Disease Journal. 28 (6):455 462, JUN 2009) (Jan Poolmanら, Vaccine. 2009 May 21;27(24):3213-22)。したがって、より高い免疫原性を誘導できる肺炎連鎖球菌ワクチンを開発する緊急の必要性がある。
US6372225B1
本出願は、破傷風菌タンパク質バリアントを提供し、前記破傷風菌タンパク質バリアントは、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含み、前記タンパク質バリアントは、キャリアタンパク質として肺炎連鎖球菌多糖と結合し、かつ肺炎連鎖球菌多糖の免疫原性を向上する効果を持つ。本出願は、さらに、タンパク質-多糖複合体を提供し、前記タンパク質-多糖複合体は、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含み、前記多糖は、著しくより良い免疫原性を持つ。本出願は、さらに、免疫原性を向上することができる方法を提供し、前記方法は、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含むタンパク質-多糖複合体を提供するステップを含み、前記方法は、肺炎連鎖球菌の免疫原性を向上することができる。
一方、本出願は、テタノスパスミンタンパク質バリアントを提供し、それが、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域のT細胞エピトープP2を含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:7-8のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記のテタノスパスミンタンパク質バリアントは、SEQ ID NO:1-2のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。
他方、本出願は、タンパク質-多糖複合体を提供し、それが、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質(TTD)を含む。
ある実施形態において、前記多糖は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖に由来する。
ある実施形態において、前記多糖は、一種以上の肺炎連鎖球菌血清型を有する。
ある実施形態において、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33F。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含み、ただし、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。
ある実施形態において、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域の広域スペクトラムT細胞エピトープP2を含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:7-8のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、1型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、3型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、5型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、6A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、6B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、7F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、10A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、12F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、15B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、19A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、19F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、33F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、前記のタンパク質-多糖複合体には、カップリングの方法で、前記多糖と前記タンパク質バリアントとを結合しても良い。
ある実施形態において、前記カップリングの方法は、以下のいずれか一つ方法を含む:臭化水素法、CDAP法、還元アミン法。
他方、本出願は、免疫原性を向上する方法を提供し、それが、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含むタンパク質-多糖複合体を提供するステップを含む。
ある実施形態において、前記多糖は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖に由来する。
ある実施形態において、前記多糖は、一種以上の肺炎連鎖球菌血清型を有する。
ある実施形態において、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33F。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含み、ただし、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。
ある実施形態において、前記破傷風菌タンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントとテタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む。
ある実施形態において、前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域の広域スペクトラムT細胞エピトープP2を含む。
ある実施形態において、前記のテタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む。
ある実施形態において、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。
ある実施形態において、前記肺炎連鎖球菌多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、1型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、3型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、5型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、6A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、6B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、7F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、10A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、12F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、15B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、19A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、19F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、33F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である。
ある実施形態において、前記方法は、カップリングの方法で、前記多糖と前記タンパク質バリアントとを結合することを含む。
ある実施形態において、前記カップリングの方法は、以下のいずれか一つ方法を含む:臭化水素法、CDAP法、還元アミン法。
ある実施形態において、前記細菌多糖の免疫原性の向上は、多糖CRM197複合体と比較し、前記タンパク質-多糖複合体は、より高い免疫原性を有することを含む。
ある実施形態において、前記より高い免疫原性は、動物の免疫実験に検出された。
ある実施形態において、前記動物免疫試験は、以下ステップを含む:前記のタンパク質-多糖複合体とアジュバントとを配合し、免疫抗原を調製する。
ある実施形態において、前記の免疫抗原の注射方法は、腹腔内注射、皮下注射、筋肉内注射、および/または静脈内注射を含む。
ある実施形態において、前記動物免疫試験は、以下ステップを含む:得られる免疫動物の血清中の抗体を、ELISAで検出する。
ある実施形態において、前記動物免疫試験は、以下ステップを含む:得られる免疫動物の血清に対して、オプソニン食作用試験を行う。
ある実施形態において、前記動物は、マウス、ラット及び/又はウサギを含む。
ある実施形態において、前記アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、および/またはフロイントアジュバントなどを含む。
他方、本出願は、核酸分子を提供し、それが、前記のテタノスパスミンタンパク質バリアントをコードする配列を含む。
ある実施形態において、前記の核酸分子は、SEQ ID NO:4-6に示されたヌクレオチド配列を含む。
他方、本出願は、ベクターを提供し、それが、前記の核酸分子を含む。
他方、本出願は、さらに、細胞を提供し、それが、前記の核酸分子または前記のベクターを含む。
他方、本出願は、さらに、キャリアタンパク質を提供し、それが、前記のテタノスパスミンタンパク質バリアントを含む。
他方、本出願は、薬物組成物を提供し、それが、前記のタンパク質-多糖複合体と、任意的な薬学に許容されるアジュバントを含む。
他方、本出願は、さらに、薬物の調製における前記テタノスパスミンタンパク質バリアントの用途を提供する。
他方、本出願は、さらに、薬物の調製における前記多糖複合体の用途を提供する。
ある実施形態において、前記薬物は、肺炎連鎖球菌性疾患を予防及び/又は治療することに用いられる。
ある実施形態において、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含む。
他方、本出願は、ワクチンを提供し、それが、前記のタンパク質-多糖複合体、前記の薬物組成物及び/又は任意的な薬学に許容されるアジュバントを含む。
他方、本出願は、さらに、肺炎連鎖球菌性疾患を予防する方法を提供し、それが、必要が有る被験者に、前記タンパク質-多糖複合体、前記核酸分子、前記ベクター、前記細胞、前記キャリアタンパク質、
前記薬物組成物及び/又は前記ワクチンを投与することを含む。
ある実施形態において、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含む。
他方、本出願は、さらに、抗体の調製における前記多糖複合体の抗原としての用途を提供する。
ある実施形態において、前記抗体は、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる。
他方、本出願は、さらに、キットを提供し、それが、前記多糖複合体を含む。
ある実施形態において、前記キットは、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる。
本出願が関する本発明の特定の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されている。本出願が関する本発明の特徴および利点は、以下に詳細に説明する例示的な実施形態および添付の図面を参照して、よりよく理解することができる。図面を、以下の通り簡単に説明する:
図1は、本出願に記載の短縮されたテタノスパスミンタンパク質(TTD)発現プラスミドのエレクトロフェログラムを示す。 図2は、大腸菌で発現された後本出願に記載のTTDのエレクトロフェログラムを示す。 図3は、精製された後の本出願に記載のTTDのエレクトロフェログラムを示す。 図4は、精製された後の本出願に記載のTTDのSEC-HPLCスペクトルを示す。 図5は、本出願に記載の3型多糖-TTD-1、2、3と3型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の抗体価を示す。 図6は、本出願に記載の3型多糖-TTD-1と3型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図7は、本出願に記載の6B型多糖-TTD-1と6B型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の抗体価を示す。 図8は、本出願に記載の6B型多糖-TTD-1と6B型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図9は、本出願に記載の15B型多糖-TTD-3と15B型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の抗体価を示す。 図10は、本出願に記載の15B型多糖-TTD-3と15B型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図11は、本出願に記載の6A型多糖-TTD-3と6A型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の抗体価を示す。 図12は、本出願に記載の6A型多糖-TTD-3と6A型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図13は、本出願に記載の7F型多糖-TTD-1複合体と7F型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の抗体価を示す。 図14は、本出願に記載の7F型多糖-TTD-3と7F型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図15は、本出願に記載の10A型多糖-TTD-2複合体と10A型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の抗体価を示す。 図16は、本出願に記載の10A型多糖-TTD-2と10A型多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図17は、本出願に記載の19A型多糖-TTD-1複合体と19A型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の抗体価を示す。 図18は、本出願に記載の19A型多糖-TTD-1複合体と19A型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図19は、本出願に記載の1型多糖-TTD-3複合体と1型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の抗体価を示す。 図20は、本出願に記載の1型多糖-TTD-3複合体と1型多糖-CRM197複合体による免疫後のウサギ血清中の特異的抗体のオプソニン食作用を示す。 図21は、本出願に記載の5、12F、33F、19F型多糖-TTDと対応する多糖-CRM197複合体による免疫後のマウス血清中の抗体価を示す。
本願発明の実施形態は、以下の特定の具体的な実施例で説明されるが、当業者は、本明細書に開示された内容から、本願発明の他の利点および効果を容易に理解することができる。
[用語の定義]
本出願において、「破傷風菌」という用語は、「clostridium tetani」としても知られ、一般に、感染症および中毒性疾患を引き起こすことができる細菌を指す。それが、毒素タンパク質を合成することにより、感染者の神経系に影響を与える。破傷風菌が産生する毒素タンパク質は、「テタノスパスミンタンパク質」、「破傷風菌トキソイド」または「破傷風痙攣毒素」と呼ぶことができる。前記テタノスパスミンタンパク質は、A、BとCの三つのフラグメントを含んてもよく、各フラグメントの分子量は、約50 kDaである。例えば、Aフラグメントは、エンドペプチダーゼ活性をもつ触媒領域であっても良い。例えば、Bフラグメントは、転座ドメインであっても良い。例えば、Cフラグメントは、受体結合能をもつドメインであっても良い(Ana C. Calvo, Int. J. Mol. Sci. 2012, 13, 6883-6901; doi:10.3390/ijms13066883)。例えば、Bフラグメントは、SEQ ID NO:7中に示されたアミノ酸配列を含んでも良い。例えば、Bフラグメントは、SEQ ID NO:8中に示されたアミノ酸配列を含んでも良い。例えば、Cフラグメントは、SEQ ID NO:3中に示されたアミノ酸配列を含んでも良い。本出願において、用語「テタノスパスミンタンパク質転座領域」は、前記テタノスパスミンタンパク質のBフラグメントを指しても良い。本出願において、用語「テタノスパスミンタンパク質Cフラグメント」は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを指しても良い。
本出願において、用語「タンパク質バリアント」、「バリアント」は、一般に、天然の生物学的に活性なタンパク質またはポリペプチドに対して、配列相同性を有する化合物を指す。本出願に記載のタンパク質バリアントは、親配列の少なくとも1つの生物学的活性を保持しながら、1つまたは複数のアミノ酸残基の付加(挿入を含む)、欠失、修飾および/または置換によって改変されたアミノ酸配列を有するタンパク質を含んでも良い。例えば、バリアントは、親タンパク質に対して、少なくとも約0%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%又は少なくとも約99%の配列同一性を有する。バリアントは、天然または非天然に存在する可能性がある。非天然に存在する変異体は、当技術分野で既知される技術を使用して生成することができる。タンパク質バリアントは、保存的又は非保存的なアミノ酸の置換、削除又は付加を含んでも良い。本出願において、前記「テタノスパスミンタンパク質バリアント」は、前記テタノスパスミンタンパク質の部分アミノ酸配列欠失のタンパク質を指しても良い。
本出願において、用語「短縮された」ものは、一般的に、全体に満たないあらゆるものを指す。本出願において、前記「短縮されたテタノスパスミンタンパク質(TTD)」は、そのアミノ酸配列はが、テタノスパスミンタンパク質の全配列より少ない化合物を指しても良い。例えば、短縮されたものは、親タンパク質より、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%又は少なくとも約99%少ないアミノ酸配列を有する。短縮されたものは、天然または非天然に存在する可能性がある。非天然に存在する短縮されたものは、当技術分野で既知される技術を使用して生成することができる。
本出願において、用語「T細胞エピトープ’は、一般的に、Tリンパ球に認識され得るポリペプチド又はタンパク質フラグメントを指す。前記「T細胞エピトープP2」は、一般的に、T細胞に認識され得るテタノスパスミンタンパク質のポリペプチドを指し、それがp2、p4及び/又はp30を含んでも良い。例えば、p2は、全てのMHC(組織適合複合体分子)を認識できるDR分子を有しても良い。前記T細胞エピトープp2は、テタノスパスミンタンパク質830-844位のアミノ酸配列を含んでも良い。例えば、p30は、多数の異なるMHC IIに結合でき、T細胞に認識され得、免疫原性を有するという特性を示す。前記T細胞エピトープp30は、テタノスパスミンタンパク質947-967位のアミノ酸配列を含んでも良い。前記T細胞エピトープp4は、テタノスパスミンタンパク質1273-1284位のアミノ酸配列を含んでも良い。本出願において、例えば、タンパク質バリアントは、前記「T細胞エピトープp2」領域を含んでも良い。
本出願において、用語「肺炎連鎖球菌莢膜多糖」、「肺炎連鎖球菌多糖」と「肺炎球菌多糖」は、交換可能に使用され、一般的に肺炎連鎖球菌の表面にあるゆるい粘液物質を指す。肺炎連鎖球菌多糖は、主に、T細胞とは無関係に体の免疫応答を誘導する。本出願において、前記免疫応答は、体が抗原によって刺激された後、免疫細胞が抗原分子を認識、活性化、増殖および分化し、免疫物質を産生して特定の免疫効果を生じるプロセスを含んでも良い。前記免疫応答は、抗原提示、リンパ球の活性化、免疫分子の形成、および免疫効果の生成などの一連の生理学的反応を含んでも良い。肺炎連鎖球菌は、莢膜多糖の抗原性に応じて、異なる血清型に分けることができる。ある場合には、莢膜多糖抗原に応じて、肺炎連鎖球菌は、91種類の血清型を含んでも良い。肺炎連鎖球菌の主な病原性血清型には、次の24種類がある:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33F。
ある場合には、肺炎連鎖球菌の莢膜多糖は、最大8個の糖残基を含み得る繰り返すオリゴ糖単位を含んでも良い。ある場合には、莢膜多糖は、全長の多糖であっても良い。ある場合には、莢膜多糖は、1つのオリゴ糖単位または天然の長さよりも短い繰り返すオリゴ糖単位の糖鎖であっても良い。
本出願において、用語「肺炎連鎖球菌性疾患」とは、肺炎連鎖球菌による体の感染によって引き起こされる疾患を指し、小児肺炎、髄膜炎、菌血症、急性中耳炎・副鼻腔炎などを含むが、これらに限定されない。
本出願において、用語「キャリアタンパク質」は、一般的に、微生物由来の糖類または多糖と結合して、微生物由来の糖類または多糖を被験者の体内に運び、免疫応答を引き起こすことができるタンパク質、タンパク質相同体またはポリペプチドを指す。キャリアタンパク質への糖の結合は、糖を胸腺非依存性抗原(thymus independent antigen)から胸腺依存性抗原(thymus dependent antigen)に変換し、それによって免疫記憶を誘発するため、糖の免疫原性を高める。胸腺依存性抗原は、T細胞依存性抗原とも言う;胸腺非依存性抗原は、T細胞非依存性抗原ともいう。子供、高齢者、および免疫不全の人にとって、T細胞依存性抗原は効果的な免疫応答を生成し、免疫効果をより適切に維持できる抗体を産生することができる。本出願において、用語「タンパク質-多糖複合体」は、前記キャリアタンパク質と細菌由来の糖又は多糖とを結合してなる単一構造の物質である。
本出願において、用語「カップリング」は、単一の構造を形成するために二つの部分の物質を共有結合または非共有結合によって結合させることを指し、ただし、第一の部分は抗原、特に多糖であり、第二の部分は免疫原性キャリア、特にキャリアタンパク質である。前記結合は、分子間の共有化学結合を介して、またはアジピン酸ジヒドラジドのような連結基を使用して達成することができる。
本出願において、用語「免疫原性」は、一般に、免疫応答を誘発することができる特性を指し、細胞の活性化、増殖、分化を刺激し、免疫エフェクター抗体を産生し、リンパ球を感作できるという特性を含むが、これらに限定されない。本出願において、より高い免疫原性は、被験者が免疫化された後の被験者の血清におけるより高い抗体価、より血清型特異的な抗体およびより高い殺菌効率を含むが、これらに限定されない。
本出願において、「多糖とタンパク質との質量比」は、通常に、複合体中のタンパク質のグリコシル化修飾の程度を量るために使用し、異なる質量比が、複合体の免疫原性に影響を与え、遊離多糖と遊離タンパク質の両方が結合反応の基質であり、複合体中の遊離莢膜多糖は、複合体の免疫応答を低下させ、過剰な遊離タンパク質は、免疫反応を抑制する効果もある。ある場合には、複合体の分子サイズの分布は、製品の免疫原性に直接関係し、コンジュゲートのプロセスと複合体の安定性を量る重要な指標でもある。
本出願において、用語「ベクター」は、一般的に、クローニングされた1つまたは複数の核酸分子の転写および翻訳に必要な調節配列を含み、かつ、それによって核酸分子の転写およびクローニングを可能にするベクターを指す。ベクターは、核酸分子に作動可能に連結された1つまたは複数の調節配列を含んでも良く、この調節配列は、使用される宿主細胞のタイプに従って選択されても良い。調節配列は、プロモーター、エンハンサーと他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化(poly(A)+)配列)を含む。他のベクター成分は、信号配列、複製開始点、1つまたは複数の選択遺伝子、および転写終了配列の1つまたは複数が含まれるが、これらに限定されない。
本出願において、用語「薬物組成物」は、一般に、必要が有る被験者への投与に適した組成物を指す。例えば、本出願に記載の薬物組成物は、本明細書に記載のタンパク質多糖複合体及び薬学的に許容される担体を含んでも良い。
本出願において、用語「ワクチン」は、被験者の特定の病原体または疾患に対する治療程度の免疫性に効果的に誘導する活性成分を含む試薬または組成物を指す。本出願において、前記ワクチンは、細菌多糖とキャリアタンパク質を含んでも良い。本出願において、前記ワクチンは、さらに、他の免疫原活性成分を含んでも良い。本出願において、前記細菌多糖とタンパク質との複合体は、多成分ワクチン中の活性成分としてもよい。本出願において、前記「ワクチン」は、さらに医薬組成物を含んでも良く、且つそして、通常に、医薬学的に許容される希釈剤、担持剤又は賦形剤を含んでも良い。これは、他の活性成分を含むか、含まないことがある。ある場合には、免疫反応(例えば抗細菌多糖の他のタンパク質及び/又は抗他感染物)を誘導する他の成分をさらに含む組合せワクチンであってもよい。
本出願において、用語「ELISA」は、通常に、酵素結合免疫吸着アッセイを指す。これは、免疫検査のための様々なプロトコルを含んでも良い。例えば、ELISA方法は、サンドイッチELISA、ブリッジELISA、ELISA直接法、ELISA間接法などを含んでも良い。ある場合には、ELISA免疫測定は手動測定でもよいし、自動方式で実施してもよい。例えば、本出願において、肺炎連鎖球菌多糖免疫原性をELISA法で評価しても良い。
本出願において、用語「オプソニン食作用試験」は、「OPA」ともいい、通常に、抗体、補体を介して細菌などの粒子性抗原に対する食細胞の食作用を促進する試験を指す。前記抗体は、抗原免疫を介して被験者から産生された抗体を含む。前記抗体は、血清由来のものを含む。前記食細胞は、食細胞または分化能を有する細胞(例えばHL(Hela細胞)-60)から分化された食細胞を含む。前記細菌は、肺炎連鎖球菌を含む。
本出願において、用語「被験者」又は「個体」又は「動物」又は「患者」は、本出願の薬物組成物を投与する必要が有る被験者、例えば哺乳動物被験者を指すことに交換可能に使用される。動物被験者は、ヒト、非ヒト霊長類、犬、猫、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、馬、黄牛、乳牛など、例えばマウス、例えばラット、例えばウサギを含む。ただし、ウサギは、ラビットであってもよく、例えばニュージーランドホワイトラビットであってもよい。
本出願において、用語「相同性」は、通常に、比較されるアミノ酸配列と比較されるヌクレオチド配列に対して、一定の相同性を有するアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を指す。用語「相同性」は、配列の「同一性」と同等であってもよい。相同配列は、主題配列と少なくとも80%、85%、90%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%又は99.9%同一のアミノ酸配列を含んでも良い。一般に、ホモログは、主題アミノ酸配列と同じ活性部位などを含む。相同性は、類似性(すなわち、類似の化学的性質/機能を有するアミノ酸残基)に基づいて考慮することができ、又は、配列同一性の点で相同性を発現することもできる。本出願において、言及されたアミノ酸配列またはヌクレオチド配列のSEQ ID NOのいずれか1つの同一性パーセントを有する配列は、言及されたSEQ ID NOの全長にわたって前記同一性パーセントを有する配列を指す。
配列同一性を決定するために、BLAST、BLAST-2、ALIGN、NEEDLE、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどを使用するなど、当業者に理解されるさまざまな方法で配列のアラインメントを行うことができる。当業者は、アラインメントされる全長配列において最適なアラインメントを実現するために必要な任意のアルゴリズムを含む、アラインメントのための適切なパラメータを決定することができる。
本出願において、用語「および/または」は、オプションのいずれかまたはオプションの2つを意味すると理解されるべきである。
本出願において、用語「含む」または「包含する」は、通常は明示的に指定された特徴を含むことを意味するが、他の要素は除外されない。
本出願において、用語「約」は、通常、指定された値以上または以下の0.5~10%の範囲内で変動することを意味し、例えば、指定された値以上または以下の0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%の範囲内で変動する。
[具体的な実施形態]
タンパク質バリアント
一つは、本出願は、テタノスパスミンタンパク質(tetanus toxin)バリアント(Tetanus Toxin Domain、TTD)を提供し、野生型テタノスパスミンタンパク質(NBCI登録番号WP011100836)のアミノ酸配列と比較すると、前記テタノスパスミンタンパク質バリアントが、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む。
ある場合には、前記破傷風菌タンパク質バリアントは、遺伝子工学組換えタンパク質技術によって、テタノスパスミンタンパク質のN末端のアミノ酸配列を除去し、N末端部分のアミノ酸配列を含まない新のタンパク質フラグメントを得る。テタノスパスミンタンパク質N末端のAフラグメントは、神経伝達物質の放出を抑制することによって毒性作用を発揮することができるので、本出願では、毒性のあるNフラグメントは当技術分野でよく用いられる技術によって除去された。
ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む。ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでも良い。
ある場合には、前記のテタノスパスミンタンパク質転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域のT細胞エピトープP2を含む。
ある場合には、前記のテタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む。
ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質転座領域の1-36個のアミノ酸、例えば:1個のアミノ酸、2個のアミノ酸、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、8個のアミノ酸、9個のアミノ酸、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、20個のアミノ酸、21個のアミノ酸、22個のアミノ酸、23個のアミノ酸、24個のアミノ酸、25個のアミノ酸、26個のアミノ酸、27個のアミノ酸、28個のアミノ酸、29個のアミノ酸、30個のアミノ酸、31個のアミノ酸、32個のアミノ酸、33個のアミノ酸、34個のアミノ酸、35個のアミノ酸又は36個のアミノ酸を含んでも良い。
ある場合には、前記829-864位のアミノ酸は、SEQ ID NO:1に示されたアミノ酸配列の1-36位のアミノ酸残基である。
ある場合には、例えば、前記テタノスパスミンタンパク質転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の:830-864位のアミノ酸、831-864位のアミノ酸、832-864位のアミノ酸、833-864位のアミノ酸、834-864位のアミノ酸、835-864位のアミノ酸、836-864位のアミノ酸、837-864位のアミノ酸、838-864位のアミノ酸、839-864位のアミノ酸、840-864位のアミノ酸、841-864位のアミノ酸、842-864位のアミノ酸、843-864位のアミノ酸、844-864位のアミノ酸、845-864位のアミノ酸、846-864位のアミノ酸、847-864位のアミノ酸、848-864位のアミノ酸、849-864位のアミノ酸、850-864位のアミノ酸、851-864位のアミノ酸、852-864位のアミノ酸、853-864位のアミノ酸、854-864位のアミノ酸、855-864位のアミノ酸、856-864位のアミノ酸、857-864位のアミノ酸、858-864位のアミノ酸、859-864位のアミノ酸、860-864位のアミノ酸、862-864位のアミノ酸又は863-864位のアミノ酸を含む。
ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:7に示されたアミノ酸配列を含んでも良い。
ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:8に示されたアミノ酸配列を含んでも良い。
ある場合には、前記のテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3に示されたアミノ酸配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでも良い。
ある場合には、前記タンパク質バリアントは、前記破傷風菌Cフラグメントの少なくとも約70%(例えば約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)の部分と、前記転座領域フラグメントの少なくとも約70%(例えば約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)の部分を含んでも良い。
ある場合には、前記のタンパク質バリアントは、SEQ ID NO:1-2のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む。ある場合には、前記のタンパク質バリアントは、SEQ ID NO:1-2に示されたアミノ酸配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでも良い。
ある場合には、前記タンパク質バリアントアミノ酸配列は、分子のキャリア能力に悪影響を与えることなくバリアントを生成するために種々の添加、削除、置換を行うことができる。例えば、保存的および半保存的アミノ酸置換を行うことができる。例示的な保存的アミノ酸置換には、以下の変換が含まれるが、これらに限定されない:アラニンからセリンに変換する;アルギニンからリジンに変換する;アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジンに変換する;システインからセリンに変換する、グルタミンからアスパラギンに変換する、グルタミン酸からアスパラギンに変換する;グリシンからプロリンに変換する;ヒスチジンからアスパラギンまたはグルタミンに変換する;イソロイシンからロイシン又はバリンに変換する;ロイシンからバリンまたはイソロイシンに変換する;リジンからアルギニン、グルタミンまたはグルタミン酸に変換する;メチオニンからロイシンまたはイソロイシンに変換する;フェニルアラニンからチロシン、ロイシンまたはメチオニンに変換する;セリンからトレオニンに変換する;トレオニンからセリンに変換する;チロシンからチロシンに変換する;チロシンからロイシン又はフェニルアラニンに変換する;バリンからイソロイシンまたはロイシンに変換する。タンパク質工学分野の一般的な当業者が理解するように、本明細書に記載された保存的および半保存的突然変異は、TTDのキャリア機能に影響を与えない。例えば、様々な目的の突然変異のための適切な領域(例えば、タンパク質の精製を容易にするためにポリペプチド「ラベル」を添加する)は、C末端領域とN末端領域を含む。
他方、本出願は、核酸分子を提供し、それが、前記のテタノスパスミンタンパク質バリアントをコードする配列を含む。ある場合には、前記のTTDをコードする核酸配列は、野生型のTTDの核酸配列、配列フラグメント、相補配列及び/又はそのホモログを含む。ある場合には、前記のTTDをコードする核酸配列は、野生型TTD核酸配列の突然変異、切断、置換突然変異または転位を含む。
ある場合には、前記TTDタンパク質発現の核酸コード配列は、コドン最適化によって得られる。例えば、前記TTDタンパク質の核酸コード配列は、SEQ ID NO: 4-6のいずれか一つに示された。例えば、前記のコドン最適化されたTTDヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 4-6のいずれか一つに示されたヌクレオチド配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでも良い。ある場合には、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントの核酸コード配列は、コドン最適化によって得られる。例えば、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントの核酸コード配列は、SEQ ID NO: 6に示された。例えば、前記のコドン最適化されたテタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO: 6に示されたヌクレオチド配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでも良い。前記のコドン最適化は、前記TTDのタンパク質の発現量を向上することができる。例えば、前記コドン最適化後、前記TTDタンパク質発現の核酸配列を細胞に導入した後に、タンパク質の発現量、配列の完全性、配列の正確性及び/又は増幅が、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%又は以上)向上する。
ある場合には、前記TTDタンパク質は、前記T細胞エピトープp2を含んでも良い。ある場合には、前記T細胞エピトープp2は、テタノスパスミンタンパク質の830位~844位のアミノ酸を含んでも良い。ある場合には、前記TTDタンパク質は、前記T細胞エピトープp2のアミノ酸配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでも良い。
ある場合には、前記TTDタンパク質を、その発現配列をタンパク質発現ベクターにクローニングすること、高い産量でタンパク質発現を達成する。ある場合には、前記タンパク質発現ベクターの宿主は、当分野に良く用いられる発現システム、例えば、大腸菌発現システム、ピキア酵母発現システム、または枯草バチルス発現システム、昆虫細胞発現システム、植物細胞発現システム、および/または哺乳動物発現システムであっても良い。例えば、前記タンパク質発現システムは、大腸菌発現システムを含んでも良い。
他方、本出願は、ベクターを提供し、それが、前記の核酸分子を含む。ある場合には、前記ベクターは、前記核酸分子、複製開始部位、選択マーカー遺伝子、マルチクローニングサイト、エンハンサー、プロモーター及びエンドターを含んでも良い。発現ベクターには、色々なタイプがあり、いずれか好適な発現ベクターを使用しても良い。通常に、プラスミド発現ベクターや、cosmidベクターや、ウイルスベクターを使用する。ある場合には、前記ベクターは、原核発現ベクターと真核発現ベクターを含んでも良く、例えば大腸菌発現システムのpET300、pET302、pBADベクター;ファージDNAの誘導体、例えばM 13や他の糸状単鎖DNAファージ;ピロリ酵母発現システムのpPIC9、pPIC9K、pPIC3K、pPICZ;枯草バチルス発現システムのpGPST、pEB10、pEB20、pUB18;哺乳動物発現システムのSV40、アデノウイルス、レトロウイルスから誘導するDNA配列の公知される誘導体と、機能性哺乳類ベクター(例えば上述のもの)の組み合わせから誘導されるシャトルベクター、及び機能性プラスミドとファージDNAである。ある場合には、前記ベクターは、pGEX-4T、pET21を含んでも良い。
他方、本出願は、前記核酸分子及び/又は前記ベクターを含む細胞を提供する。ある場合には、前記核酸分子は、コドン最適化されたTTDのヌクレオチド配列を含んでも良い。本出願に記載の細胞は、正確な前記TTDタンパク質を発現することができる。前記細胞は、真核生物と原核生物から由来しても良く、例えば、醸造酵母、ビヒクル酵母、大腸菌、枯草バチルス、sf9、植物細胞、CHO細胞、HEK293細胞、COS細胞、BHK細胞、SP2/0細胞、NIH3T3細胞などである。本出願において、前記細胞は、大腸菌細胞を含んでも良い。
他方、本出願は、キャリアタンパク質を提供し、それが、前記破傷風菌タンパク質バリアント及び前記タンパク質バリアントの誘導体、ホモログ、類似物を含む。ある場合には、前記破傷風菌タンパク質バリアントは、細菌から由来する多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖と結合しても良い。ある場合には、前記細菌多糖は、肺炎連鎖球菌多糖、トラバクテリウム内多糖、炭疽菌多糖、インフルエンザ好血桿菌多糖、チフスサルモネラ菌多糖、サルモネラ菌種多糖、志賀菌多糖を含むが、これらに限定されない。
タンパク質多糖複合物及び調製方法
他方、本出願は、タンパク質-多糖複合体を提供し、前記タンパク質-多糖複合体は、前記肺炎連鎖球菌から由来する多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質とを含んでも良い。多くの多糖は、胸腺依存の免疫応答反応を誘導できず、2歳未満の子供や高齢者は免疫能力を得ることができないため、タンパク質キャリアと化学結合することで多糖に胸腺依存性特性を持たせる必要があり、これにより、比較的強い免疫原性を誘導でき、抗多糖と抗タンパク質の抗体を同時に誘導することができる。
ある場合には、前記「肺炎連鎖球菌から由来する多糖」は、肺炎連鎖球菌莢膜から由来する多糖と、多糖に誘導されるオリゴ糖を含んでも良い。前記肺炎連鎖球菌は、天然から由来する肺炎連鎖球菌であっても良く、人為的に改造された肺炎連鎖球菌であっても良い。莢膜多糖の抗原性によって、肺炎連鎖球菌は、91種類の血清型を含んでも良いが、肺炎球菌の主な病原性の血清型は、以下の24種類を含むことができ、それぞれは、1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33Fである。ある場合には、前記のタンパク質-多糖複合体の多糖は、一種類以上、例えば、少なくとも1種類、少なくとも2種類、少なくとも3種類、少なくとも4種類、少なくとも5種類、少なくとも6種類、少なくとも7種類、少なくとも9種類、少なくとも12種類、少なくとも15種類又は少なくとも24種類の肺炎連鎖球菌血清型を有する。
ある場合には、前記のタンパク質-多糖複合体の多糖は、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌の血清型から選べられても良い:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。
本出願において、前記の肺炎連鎖球菌莢膜から由来する糖は、莢膜多糖から誘導されるオリゴ糖を含んでも良い。前記「多糖」は、通常に、少なくとも10個の単糖からなる重合糖高分子炭水化物を指す。前記「オリゴ糖」は、少なくとも2個の糖残基を含有する。肺炎連鎖球菌の莢膜多糖は、8個までの糖残基の繰り返すオリゴ糖単位を含んでも良い。ある場合には、抗原とする莢膜糖は、全長の多糖であっても良く、一つのオリゴ糖単位や、繰り返すオリゴ糖単位の天然長さの糖鎖より短い単位であっても良い。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体に存在する全ての糖は、多糖である。
ある場合には、前記多糖及び/又はオリゴ糖は、天然に存在する多糖及び/又はオリゴ糖ではなくても良く、これは、当技術分野で知られている任意の技術によって合成されてもよく、天然に存在する化合物から誘導されてもよく、またはそれを修飾して得られてもよい。例えば、全長多糖は、「サイズ調整」されてもよく、例えば、酸分解処理、過酸化物処理、その後過酸化物処理によりオリゴ糖断片を生成することにより、そのサイズを調整するなど、様々な方法によりサイズを縮小することができる。例えば、多糖及び/又はオリゴ糖に対する修飾は、精製、カルボキシル化、スルホン化、硫酸化、解重合及び/又は脱アセチル基を含んでも良い。
ある場合には、多糖及び/又はオリゴ糖に対する修飾は、それらが活性化される前に行われても良いが、後処理のステップを採用しても良い。
ある場合には、修飾された多糖又はオリゴ糖は、野生型に比べて、抗原性を高めることができる。
ある場合には、本出願に記載の多糖及び/又はオリゴ糖は、前記肺炎連鎖球菌の抗原結合フラグメントから由来しても良い。
ある場合には、本出願に記載の多糖及び/又はオリゴ糖は、異なるタイプ及び/又は菌株から由来する多糖及び/又はオリゴ糖のフラグメントによって、合成の手法で連結し、複数のエピトープを含む多糖及び/又はオリゴ糖を形成する。
ある場合には、肺炎連鎖球菌多糖は、当分野に既知の技術で調製されても良い。例えば、調製された肺炎連鎖球菌の菌種を増幅培養した後に、殺菌・不活性化し、清澄培養液を収集し、多糖沈殿剤を加え、さらに精製工程により精製された多糖を得た。精製のステップは、NaCl溶液を加え、複合糖を溶解し、溶解後に遠心分離し、上澄みを取り、アルコールの添加で不純物と沈殿糖を除去することを含むことができる。精製された多糖は、複数回の洗浄沈殿により、不純物を除去し、イオン交換カラム、複合充填剤などのクロマトグラフィー法を用いて得ることができる。
ある場合には、前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと前記テタノスパスミンタンパク質バリアントを含んでも良い。
ある場合には、前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含んでも良い。
ある場合には、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含んでも良い。前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3に示されたアミノ酸配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含んでも良い。ある場合には、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質を発現する核酸コード配列は、コドン最適化によって得られる。例えば、短縮されたテタノスパスミンタンパク質の核酸コード配列は、SEQ ID NO: 4-6のいずれか一つに示された。例えば、前記のコドン最適化された短縮されたテタノスパスミンタンパク質のヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 4-6のいずれか一つに示されたヌクレオチド配列と少なくとも約70%(例えば、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は少なくとも約100%)配列同一性を有するヌクレオチド配列を含んでも良い。
ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質と、前記いずれか一つの血清型肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含む。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質と、前記肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含み、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型から選べられる:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記の短縮されたテタノスパスミンタンパク質と、前記肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含み、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型から選べられる:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含み、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型から選べられる:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含み、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型から選べられる:1、3、6Aと15B。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記テタノスパスミンタンパク質のバリアントTTD-1と、前記肺炎連鎖球菌から由来する莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含み、以下のいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型から選べられる:3、6B、7Fと19A。ある場合には、前記タンパク質-多糖複合体は、前記テタノスパスミンタンパク質バリアントTTD-2と、10A型肺炎連鎖球菌の莢膜多糖又はそれに誘導されるオリゴ糖を含む。
本出願において、前記タンパク質は、少なくとも1個(例えば少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個又は少なくとも5個)の前記多糖と結合してもよく、前記多糖は、1種類又は1種類以上(例えば少なくとも2種類、少なくとも3種類又は少なくとも4種類)の肺炎連鎖球菌血清型の多糖を含んでも良い。本出願において、前記多糖は、1個以上の前記タンパク質分子と結合しても良い(例えば少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個又は少なくとも5個)。
本出願において、前記「質量比」は、前記多糖の分子質量と前記タンパク質の分子質量との比の値を含んでも良い。ある場合には、前記多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質の質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、3型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、5型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、6A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、6B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、12F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、15B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、19A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、19F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
ある場合には、33F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質との質量比は、0.4-2.5であっても良い。
本出願において、前記タンパク質多糖結合体は、任意の公知のカップリング技術によって製造することができる。結合方法は、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)を用いて糖を活性化することによりシアン酸エステルを形成することができる。したがって、活性化された糖は、キャリアタンパク質上のアミノ基に直接又はスペーサー(リンカー)基を介して結合することができる。例えば、スペーサーは、チオール化(thiolated)多糖を生成するために、シスチアミンまたはシステアミンであってもよく、後者は、マレイミドで活性化されたキャリアタンパク質(例えばGMBSを使用)、またはハロアセチル化キャリアタンパク質(例えば、ヨードアセトイミド(例えば、エチルヨードアセトイミド)または臭素酢酸N-スクシンイミドまたはSIAB、またはSIA、またはSBAPを使用)と反応させた後に得られるチオエーテル結合によって、キャリアにカップリングすることができる。ある場合には、多糖の特徴に応じて、臭化シアン法(US5952454)、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)(EP0720485)、過ヨウ素酸酸化法(US4711779)を選択することができる。
免疫原性を向上する方法
他方、本出願は、免疫原性を向上する方法を提供し、それが、肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含むタンパク質-多糖複合体を提供するステップを含んでも良い。多糖の大部分は、2型T細胞非依存抗原(T cell-independent type 2、TI-2)に属し、生体に入ると、B細胞表面の抗原識別受容体(即ち、表面免疫グロブリン分子(surface immunoglobulin molecules、sIg))と架橋することでB細胞を活性化させ、一連の下流変化を引き起こすことができ、B細胞を抗体分泌が可能な形質細胞に分化させ、免疫過程全体でT細胞の関与がないため、免疫記憶は形成されず、生成される抗体は、主に親和性の低いIgMとIgG 2である。糖タンパク質と結合した後、タンパク質-多糖複合体は、抗体提示細胞によって提示することができ、T補助細胞によって成熟したB細胞を活性化させ、lgG類抗体の産生を誘導し、免疫記憶性応答を引き起こすことができる。したがって、キャリアタンパク質のタイプは、多糖複合体の免疫原性に影響を与える。最も典型的な例は、DTをタンパク質キャリアとするHib結合ワクチンの市場からの淘汰である:破傷風トキソイド(TT)、CRM 197などのタンパク質をキャリアとする結合ワクチンと比較すると、DTをキャリアとするHib結合ワクチンは、18カ月以下の乳幼児に免疫原性が劣るため、発売後に淘汰された;また、海外の11価肺炎結合ワクチンの臨床研究によると、百白破結合ワクチンと共同免疫する際に、TTをキャリアとする多糖血清抗体は、明らかに抑制され、この研究は、この結果により開発を中止したが、この抑制効果はDTをキャリアとする結合物には現れなかった。
現在、市販されている結合ワクチンに使用されるキャリアタンパク質は、ジフテリアトキソイド(DT)、ジフテリアトキソイド突然変異体(CRM 197)、破傷風トキソイド(TT)、B群流脳外膜タンパク質複合体(OMP)、不可分型インフルエンザ好血桿菌タンパク質D(PD)を含む。現在研究開発されているキャリアタンパク質は、さらに、組換え銅緑仮細胞菌外毒素A(rEPA)、組換え黄色ブドウ球菌腸毒素C 1(rSEC)、コレラ毒素Bサブユニット(CTB)などがある。ジフテリアトキソイド無毒変異体(CRM 197)は、常用され、臨床で安全、有効なキャリアタンパク質であり、市販されている肺炎球菌多糖結合ワクチンで広く使用されている。CRM 197は、非毒性ファージβ197 toxに感染したジフテリア菌(C diphthheriae)から産生し、ファージβ197 toxは、ニトロソグアニジン変異誘発毒素carynephage bにより産生する(Uchidaら、Nature New Biology(1971)233;8-11)。CRM 197タンパク質は、ジフテリア毒素と類似する配列と分子量を有するが、ジフテリア毒素との相違点は、構造遺伝子における単一塩基変化である。これにより、52位のアミノ酸が、グリシンからグルタミンに変化し、当該変化により、フラグメントが、NADと結合できず、毒性を持たない(Pappenheimer 1977,Ann Rev,Biochem .46;69-94,Rappuoli Applied and Environmental Microbiology Sept 1983p560-564)。
ファイザー社が開発した13価肺炎球菌結合ワクチンPrevenar-13は、CRM 197(ジフテリアトキソイド無毒変異体)をキャリアタンパク質として2010年に米国で初めて発売されたが、臨床応用において、異なる血清型多糖の免疫原性に比較的大きな差が見られた。CRM 197の比較として、TTDは、新しいキャリアタンパク質と重要な臨床的意義と価値を有する。本出願において、前記免疫原性を向上することとは、前記多糖が、短縮された破傷風菌と結合した後、多糖の免疫原性を高めることができる作用を有することを意味する。ある場合には、免疫原性のアップレギュレーションは、多糖CRM 197結合体と比較して、多糖と短縮された破傷風菌との複合体が免疫原性に劣らない、またはそれ以上の免疫原性を有することを含む。
本出願において、前記免疫原性は、当業者に周知のいずれかの方法で検出することができる。ある場合には、前記検出方法は、以下のステップを含んでも良い:多糖-短縮されたタンパク質複合体と多糖-CRM197複合体とを、それぞれに任意のアジュバントに添加し、免疫抗原に調製する;前記免疫抗原は、被験者に導入され、一定期間に被験者の血液サンプルを抽出して検出することができる。本出願において、アジュバントは、水酸化アルミニウムゲル、リン酸アルミニウムまたはミョウバンのアルミニウム塩を含んでも良いが、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩または亜鉛塩などの他の金属塩であってもよい;あるいは、アシル化チロシン、またはアシル化糖、カチオン誘導体化またはアニオン誘導体化糖またはポリホスファゼン含有不溶性混合液であってもよい。ある場合には、前記アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、および/またはフロイントアジュバントを含んでも良い。ある場合には、前記導入は、静脈内注射、腹腔内注射、筋肉内注射、皮下注射などの注射方法を含んでも良い。
ある場合には、前記検出方法は、ELISA-ブリッジ法、ELISA直接法、ELISA間接法、放射免疫分析法、電気化学発光法、表面プラズモン共鳴、酵素結合免疫斑点法、免疫PCR法によって、免疫血清中の抗体価を検出することを含んでも良い。ある場合には、前記検出方法は、オプソニン食作用試験によって、特異的抗体の産生を検出することを含んでも良い。
薬物組成物、ワクチン、用途と予防方法
他方、本出願は、薬物組成物を提供し、それが、前記のタンパク質-多糖複合体と、任意的な薬学に許容されるアジュバントを含む。好適なアジュバントは、水酸化アルミニウムゲル、リン酸アルミニウムまたはミョウバンのアルミニウム塩を含んでも良いが、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩または亜鉛塩などの他の金属塩であってもよい;あるいは、アシル化チロシン、またはアシル化糖、カチオン誘導体化またはアニオン誘導体化糖またはポリホスファゼン含有不溶性混合液であってもよい。
他方、本出願は、薬物の調製における前記テタノスパスミンタンパク質バリアントの用途を提供する。ある場合には、前記用途は、グラム陽性菌に引かられる細菌性疾患、例えば黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、α型溶血連鎖球菌、β型溶血連鎖球菌、非溶血連鎖球菌、肺炎球菌、腸球菌などに引かれる疾患を治療することを含んでも良い。ある場合には、前記用途は、グラム陰性菌、例えば髄膜炎球菌、淋菌、モラカタ菌、不動桿菌属、偽単胞菌属、糞産アルカリ桿菌、ブルセラ菌属、百日ぜき桿菌、軍団菌、サルモネラ属、志賀菌属、クレバー菌属に引かれる疾患を治療することを含んでも良い。ある場合には、前記細菌性疾患は、肺炎連鎖球菌性疾患を含んでも良い。ある場合には、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含んでも良い。
他方、本出願は、薬物の調製における前記多糖複合体の用途を提供する。ある場合には、前記用途は、細菌性疾患を予防及び/又は治療することを含んでも良い。ある場合には、前記細菌性疾患は、肺炎連鎖球菌性疾患を含んでも良い。ある場合には、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含んでも良い。
本出願において、「予防」とは、一般に、疾患またはその1つまたは複数の症状の発生および発作、再発、および/または拡散を防止するための事前措置を講じることを意味する。「治療」とは、一般に、疾患の除去または改善、または疾患に関連する1つまたは複数の症状の緩和を意味する。例えば、本出願に記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント及び/又はそれに調製された薬物を用い、細菌性疾患の発生、発作、再発及び/又は拡散を防止する。例えば、本出願に記載の多糖複合体及び/又はそれに調製された薬物を用い、細菌性疾患の発生、発作、再発及び/又は拡散を防止する。例えば、前記細菌性疾患は、肺炎連鎖球菌性疾患であっても良い。例えば、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含んでも良い。
他方、本出願は、ワクチンを提供し、それが、前記のタンパク質-多糖複合体、前記の薬物組成物及び/又は任意的な薬学に許容されるアジュバントを含む。前記タンパク質-多糖複合体は、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質、前記テタノスパスミンタンパク質バリアント及び/又は前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含んでも良い。各タイプのキャリアタンパク質は、複数の糖のキャリアとして使用することができ、ただし、前記の糖は同じであっても異なっていてもよい。例えば、肺炎連鎖球菌血清型3及び5は、同じキャリアタンパク質と結合してもよく、或いはキャリアタンパク質の同じ分子と結合してもよく、又は同じキャリアタンパク質の異なる分子と結合してもよい。ある場合には、三種類又はこれ以上の異なる糖は、同じキャリアタンパク質と結合しても良く、あるいはキャリアタンパク質の同じ分子と結合しても良く、あるいは同じキャリアタンパク質の異なる分子と結合しても良い。
本出願の薬物組成物を含むワクチン製剤は、感染しやすい哺乳類を保護または治療するために、系統的経路または粘膜経路を介してワクチンを投与しても良い。これらの投与は、筋肉内、腹膜内、皮内または皮下経路による注射を含んでも良く、または粘膜を介して口腔/消化管、呼吸道、泌尿器生殖道に投与しても良い。ある場合には、前記薬物組成物の成分は、同じ時間または異なる時間に共同で投与しても良い(例えば、ワクチンの任意のバクテリアタンパク質成分を同時に、または投与した1~2週間後に、肺炎連鎖球菌糖複合体を単独で投与し、両者の間の免疫応答を最適な配合にすることができる)。共同で投与は、任意のまたはすべての異なる投与には、任意のアジュバントが存在しても良い。単一の投与経路に加えて、2つの異なる投与経路を使用しても良い。例えば、糖または糖複合体は、筋肉内(または皮内)で投与しても良いが、細菌タンパク質は、粘膜(または皮内)で投与しても良い。
他方、本出願は、肺炎連鎖球菌性疾患を予防する方法を提供し、それが、必要が有る被験者に、前記タンパク質-多糖複合体、前記核酸分子、前記ベクター、前記細胞、前記キャリアタンパク質、前記薬物組成物及び/又は前記ワクチンを投与することを含む。ある場合には、前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含んでも良い。
ある場合には、本出願に提供される前記タンパク質-多糖複合体、前記薬物組成物及び/又は薬学に許容されるアジュバントは、抗血清の調製に使用しても良い。ある場合には、本出願に提供される前記タンパク質-多糖複合体、前記薬物組成物及び/又は薬学に許容されるアジュバントは、抗体の調製に使用しても良い。前記タンパク質-多糖複合体は、前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質、前記テタノスパスミンタンパク質バリアント及び/又は前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含んでも良い。各タイプのキャリアタンパク質は、複数の糖のキャリアとして使用することができ、ただし、前記の糖は同じであっても異なっていてもよい。前記糖は、肺炎連鎖球菌の莢膜多糖であっても良い。
ある場合には、本出願に提供される前記タンパク質-多糖複合体、前記薬物組成物及び/又は薬学に許容されるアジュバントは、サンプルにおける抗体の検出に使用しても良い。ある場合には、本出願に提供される前記タンパク質-多糖複合体、前記薬物組成物及び/又は薬学に許容されるアジュバントは、サンプルにおける抗体を検出するキットの製造に使用しても良い。
例えば、前記抗体は、細菌の抗体であっても良い。例えば、前記細菌の抗体は、肺炎連鎖球菌の抗体であっても良い。例えば、肺炎連鎖球菌血清型3の抗体、肺炎連鎖球菌血清型5の抗体、肺炎連鎖球菌血清型6Aの抗体、肺炎連鎖球菌血清型6Bの抗体、肺炎連鎖球菌血清型10Aの抗体、肺炎連鎖球菌血清型12Fの抗体、肺炎連鎖球菌血清型15Bの抗体、肺炎連鎖球菌血清型19Aの抗体及び/又は肺炎連鎖球菌血清型33Fの抗体である。
ある場合には、本出願に提供される前記テタノスパスミンタンパク質バリアント、短縮されたテタノスパスミンタンパク質及び/又は前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、抗テタノスパスミンの抗体の調製、抗テタノスパスミンの抗原及び/又はワクチンの調製、及び/又はテタノスパスミン抗体を診断するキットの製造に使用しても良い。
他方、本出願は、さらに、抗体の調製における前記多糖複合体の抗原としての用途を提供する。
ある実施形態において、前記抗体は、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる。
他方、本出願は、さらに、キットを提供し、それが、前記多糖複合体を含む。
ある実施形態において、前記キットは、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる。
いかなる理論によっても制限されることは意図されておらず、以下の実施例は、本願のタンパク質バリアント、製造方法、および用途などを説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するためのものではない。
実施例1:TTD組換えタンパク質の配列設計
Clostridium tetani のtetanus neurotoxin 配列(NBCI WP011100836)及びその結晶構造(PDB: 5N0B)に基づき、本出願が、短縮されたテタノスパスミンタンパク質(Tetanus Toxin Domain、TTD)を設計し、テタノスパスミンタンパク質(Tetanus toxin、TT)のN末端の配列を排除したが、そのC末端の配列を含む。したがって、TTDタンパク質が、テタノスパスミンタンパク質の毒性を有しないが、そのC末端のドメイン及び機能性フラグメントを保持し、タンパク質の正確な折り畳み、安定性を維持する上で、T細胞エピトープと構造の柔軟性を提供し、化学結合に有利である。
設計されたタンパク質配列01(TTD-1)は、TT配列からN末端の828個アミノ酸を除去して得た、487個アミノ酸を含有するTTDタンパク質配列であり、即ち、N末端のポリペプチド酵素M 27及び部分転位領域を除去し、C末端の機能ドメイン(受容体結合ドメイン)を保持した:そのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 1に示された。コドン最適化された相応する核酸配列(TTD-4)は、配列SEQ ID NO: 4に示された。
設計されたタンパク質配列02(TTD-2)は、TT配列からN末端の839個アミノ酸を除去して得た、476個アミノ酸を含有するTTDタンパク質配列であり、即ち、N末端のポリペプチド酵素M 27及び部分転位領域を除去し、C末端の機能ドメイン(受容体結合ドメイン)を保持した:そのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 2に示された。コドン最適化された相応する核酸配列(TTD-5)は、配列SEQ ID NO: 5に示された。
設計されたタンパク質配列03(TTD-3)は、TT配列からN末端の864個アミノ酸を除去して得た、451個アミノ酸を含有するTTDタンパク質配列であり、即ち、N末端のポリペプチド酵素M 27及び部分転座領域を除去し、C末端の機能ドメイン(受容体結合ドメイン)を保持した:そのアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 3に示された。コドン最適化された相応する核酸配列(TTD-6)は、配列SEQ ID NO: 6に示された。
実施例2:発現ベクターの構築及びタンパク質の発現
大腸菌タンパク質発現システムを利用するために、設計されたタンパク質TTDとその対応する遺伝子配列を、遺伝子配列合成、プライマー設計、PCR増幅、分子クローニングなどの一般的な技術によって、タンパク質発現ベクター(例えばpGEX-4 T、pET 21)に構築し、組換え発現プラスミドを得た。組換えタンパク質発現プラスミドを、BL21(DE 3)コンピテント細胞(Thermo Fisher社)により形質転換した後、組換え発現プラスミドを得た。TTD-4、TTD-5及びTTD-6のPCR電気泳動の結果を図1に示す。保存した菌種を、Ampを含むプレートにストリークして活性化し、シングルコロニーを採取し、Ampを含むLB液体培地に播種し、37℃、250 rpmで一晩培養した。培養した菌種を、Ampを含むLB液体培地に比例希釈し、播種し、37℃でOD 600が0.5~1.5に達するまで揺動培養した後、1 mMのIPTGを加えて誘導した。培養を終了した後、1mLのサンプルを採取して遠心分離し、上澄みを除去した後、溶解液を加え、SDS-PAGE電気泳動分析を行い、組換えタンパク質発現を確定した。電気泳動の結果を、図2に示すように、いずれも目標TTDタンパク質が得られた。
実施例3:TTDタンパク質の精製
組換えTTD菌種を発酵により得た菌体25gを、10倍50 mMのTris-HCl緩衝液で溶解し、250 mLの系になり、高圧ホモジナイザで2回破砕し、高速遠心分離により沈殿を除去し、上澄みを保持した。上澄みに硫酸アンモニウムを加えて沈殿させ、低温で2時間攪拌し、さらに1時間の高速遠心により沈殿を収集し、収集した沈殿を緩衝液で溶解した後、限外濾過により液を交換し、その後、それぞれ複合型クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーを行い、そして異なるNaCl濃度勾配を用いて溶出し、不純物を除去し、最後に精製度が95%を超えるTTDタンパク質を得た。精製結果は、図3に示された。精製されたTTDタンパク質はSEC-HPLC分析により、タンパク質に良好な均一性があることが明らかになった。TTD-1のSEC-HPLCの結果を図4に示す。
実施例4:肺炎連鎖球菌多糖の調製
管で調製した肺炎連鎖球菌菌種(ATCC)をシェイクボトルに接種し、37℃ CO培養箱で一晩培養し、鏡検査の結果が正常になった後、培養液を10Lの発酵タンクに接種し、6~10時間発酵培養した。培養終了後、不活化剤を添加して殺菌・不活化し、次いで遠心分離により清澄培養液を収集し、清澄培養液に多糖沈殿剤を添加し、粗沈殿複合糖を得た。その後、一連の精製後に精製多糖を得た。通常の精製多糖精製プロセスは、NaCl溶液を加え、複合糖を溶解し、溶解後に遠心分離し、上澄みを取り、アルコールの添加で不純物と沈殿糖を除去することを含むが、これらに限定されない。精製された多糖は、複数回の洗浄沈殿により、不純物を除去し、イオン交換カラム、複合充填剤などのクロマトグラフィー法を用いて得ることができる。調製した異なるタイプの多糖には、品質分析の結果としては、各指標は欧州薬局方基準に符合し、例えばタンパク質及び核酸などの不純物含有量はいずれも1%未満であった。
実施例5:肺炎連鎖球菌多糖-タンパク質複合体の調製
活性化された肺炎連鎖球菌多糖は、キャリアタンパク質との化学反応活性を有する。多糖-タンパク質の化学カップリングは、直接カップリングしてもよく、またはリンカーを介して実施してもよく、例えば、リンカーであるアジピン酸ジヒドラジドを用いてカップリングする。化学カップリングの通常の方法は、臭化シアン法、CDAP法または還元アミン化法(US 5952454、EP 0720485、US 4711779)によるものである。カップリングにより得られた多糖-タンパク質複合体は、比較的強い免疫原性を誘導することができ、抗多糖と抗タンパク質の特異的抗体を同時に誘導することができる。
臭化シアン法を用いた細菌多糖-タンパク質複合体の製造方法は以下の通りである:精製された多糖200 mgを、20 mlの0.9%NaCl溶液に溶解し、臭化シアンを加え、0.5 NのNaOH溶液を加え、溶液pHを10.5に調整し、10-15分間反応した後、0.5 NのHClを加えてpH 7.8に調整した。次いで、アジピン酸ジヒドラジド溶液(ADH)を加えて、多糖-ADH誘導体を調製した。同時に、キャリアタンパク質(TTDまたはCRM 97)を、EDC(1-ethyl-3-(3-dimethylaminopropyl)-carbodimide hydrochloride)と反応させ、キャリアタンパク質誘導体を調製した。最後に、多糖-ADH誘導体と活性化されたキャリアタンパク質を、比例的に混合した後、反応により、多糖-タンパク質複合体を生成し、さらに限外濾過による濃縮またはクロマトグラフィーにより、不純物と未反応物質を除去し、精製して、多糖-タンパク質複合体を得た。
CDAP法を用いた細菌多糖-タンパク質複合体の製造方法は以下の通りである:典型的な反応では、肺炎多糖(50 mg)を、ホウ酸ナトリウム緩衝液10 ml(100 mM、pH 9.0)に溶解した後、順に、CDAP溶液、0.2 NのNaOH溶液を加えて、反応液のpHを9.0に調整した。室温で5~10分間攪拌反応した後、0.1 NのHCl溶液を加えてpHを7.5に調整した。次いで、反応液をG25カラムにより脱塩し、活性化多糖を収集した。同時に、キャリアタンパク質を、0.1 MのNaHCO pH 8.0緩衝液に溶解し、その後、活性化された多糖と混合し、室温条件下で6~10時間攪拌した。反応終了後、液を限外濾過による濃縮より交換し、不純物を除去し、最終的に多糖-タンパク質複合体を得た。
還元アミン法を用いた細菌多糖-タンパク質複合体の製造方法は以下の通りである:典型的な反応では、凍結乾燥された多糖を、リン酸緩衝液(4 mg/ml)に溶解し、100 mMの過ヨウ素酸ナトリウム溶液を加え、一晩攪拌した後、G 25カラムにより脱塩し、活性化された多糖を得た。同時に、キャリアタンパク質を、リン酸緩衝液に溶解し、その後、活性化された多糖溶液と、比例的に混合し、一定当量のシアノホウ素水素化ナトリウムを加え、室温または37℃度で一晩攪拌した。反応終了後、反応液をクロマトグラフィーに通じ、不純物を除去し、精製された多糖-タンパク質複合体を得た。
実施例6-15:タンパク質-多糖複合体の免疫原性評価
マウス免疫試験プロトコル:肺炎連鎖球菌多糖-タンパク質複合体を、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムアジュバントに添加し、免疫抗原を調製し、6-8週齢のBalb/cマウスを選択し、腹腔免疫を行い、ただし、各群5-8マウスであり、毎回の免疫用量は2マイクログラムで、それぞれ0日目、14日目、21日目に免疫を行い、21日目と35日目に採血して多糖の免疫原性を評価した。
ウサギ免疫試験プロトコル:多糖-タンパク質複合体をフロイントアジュバントに加え、免疫抗原として調製し、2~2.5 kgのニュージーランドホワイトラビットを選択し、免疫し、1群2匹のウサギを免疫した。初めに、完全フロイントアジュバントと抗原を乳化して混合し、皮下免疫を行い、用量は200マイクログラムであった;14日目に、不完全フロイントアジュバントと抗原を乳化そて混合し、2回目の皮下免疫を行い、用量は200マイクログラムであった;28日目に、100マイクログラムの抗原で静脈免疫した。21日目と42日目に採血し、多糖の免疫原性を評価した。
ELISA法で肺炎連鎖球菌多糖免疫原性を評価する:肺炎連鎖球菌多糖をコーティング緩衝液で希釈し、96ウェルマイクロプレートを100μl/ウェルでコーティングし、37℃で5時間インキュベート後にプレートを洗浄した。マウス、ウサギの抗血清を、吸着剤で処理した後、マウスの血清をまず1:200で希釈し(ウサギの血清をまず1:10000で希釈し)、それから2.5倍の勾配で希釈し、8つの勾配を希釈し、それからマイクロプレートに加え、1ウェル当たり50μl、一晩インキュベートした。プレートを洗浄した後、二次抗体を1:20000で希釈した後、マイクロプレートに添加し、1ウェル当たり100μl、2時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、その後、1 mg/mlのPNPP-Na発色基質を添加し、1ウェル当たり100μl、2時間インキュベートした後、50 μl/ウェルで3 MのNaOHを添加して反応を中止し、マシンで波長405 nmの吸収値を読み取った。測定されたウェルのOD値と陰性ウェルのOD値の比が2.1以上である場合、陽性として判定し、希釈の最大倍数が陽性である希釈度を血清ごとの抗体価とし、群ごとの免疫動物の抗体価の幾何平均値を計算し、T-testを用いて、異なる群の間の統計学的意義を分析した。
肺炎連鎖球菌莢膜多糖特異的抗体オプソニン食作用試験: 肺炎連鎖球菌を10CFU/ml希釈し、10 μl/ウェルで96ウェル細胞プレートに添加した。不活性化された血清サンプルを、勾配希釈した後、20μl/ウェルで上記の細胞プレートに添加し、菌体と抗血清を、700 rpm/minで30 minインキュベートし、DMFより分化されたHL-60細胞を、HBSS緩衝液で洗浄した後、濃度1×10個/mlに調整した後に、1×10個/mlの細胞液と、希釈された補体を1:4体積比で混合し、混合液を50 μl/ウェルで96ウェル細胞プレートに添加した。96ウェル細胞プレートをホモジナイザ上に置き、5%CO、温度37℃のCO培養箱に入れ、45分間振動培養した。オプソニン食を中止した後に、血液プレートに点滴し、CO培養箱で一晩培養した。各希釈された血清下の殺菌率を算出した。
実施例6:3型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
3型(T3)肺炎連鎖球菌多糖-TTD複合体と3型肺炎連鎖球菌多糖-CRM197との免疫効果を比較することで、当該型の肺炎連鎖球菌多糖-TTDが、マウスにおける免疫増強効果を分析した。
それぞれに、3型多糖-CRM197複合体と3型多糖-TTD-1、2、3複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価した。結果は、図5に示すように、35日目に、T 3-TTD-1、T 3-TTD-2、T 3-TTD-3の群は、いずれもより高い抗体価を誘導することができた。
35日目の免疫血清の抗体価を群間分析し、ANOVA単因子分散分析を経て、T 3-TTD群はT 3-CRM 197群と比較し、P=0.001<0.01、統計差異は、統計学的に高度に有意であり、TTD-1、TTD-2、TTD-3キャリアタンパクは、いずれもCRM 197より明らかな免疫強化効果を持つことを説明した。
T 3-CRM 197とT 3-TTD-1の2群を、35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図6に示すように、T 3-CRM 197とT 3-TTD-1、T 3-TTD-2とT 3-TTD-3のIC 50(50%殺菌率における抗血清の希釈倍数)はそれぞれ1599と9926、7142と5728であった。結果は、TTD-1、TTD-2及びTTD-3キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる3型多糖特異性抗体は、いずれもCRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
実施例7:肺炎6B型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
6B型(T6B)肺炎連鎖球菌多糖-TTD-1複合体と6B型肺炎連鎖球菌多糖-CRM197との免疫効果を比較することで、当該型の肺炎連鎖球菌多糖-TTD-1が、マウスにおける免疫増強効果を分析した。
それぞれに、6B型多糖-CRM197複合体と6B型多糖-TTD-1複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価した。結果は、図7に示すように、35日目に、6B多糖-TDD-1複合体はより高い抗体価を誘導することができた。
6B-TTD-1と6B-CRM-1の2群を、21日目と35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図8に示すように、6 B-TTD-1と6 B-CRM 197による免疫21日目の血清のIC 50(50%殺菌率における抗血清の希釈倍数)はそれぞれ2851と746.3であり、6 B-TTD-1と6 B-CRM 197による免疫35日目の血清のIC 50(50%殺菌率における抗血清の希釈倍数)は、それぞれ7677と1802であり、TTD-1キャリアタンパク質複合体が、CRM 197キャリアタンパク質複合体よりも高い6 B型多糖特異的機能抗体の産生を誘導できることを示した。
実施例8:肺炎15B型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
15B型(T15B)肺炎連鎖球菌多糖-TTD-3複合体と15B型肺炎連鎖球菌多糖-CRM197との免疫効果を比較することで、当該型の肺炎連鎖球菌多糖-TTDが、マウスにおける免疫増強効果を分析した。
それぞれに、15B型多糖-CRM197複合体と15B型多糖-TTD-1複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価し、結果は、図9に示すように、35日目に、多糖-TDD-3複合体は、より高い抗体価を誘導することができた。
15B-CRM197と15B-TTD-3の2群を、21日目と35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図10に示すように、15B-CRM197と15B-TTD-3との21日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、1392と2633であった。15B-CRM197と15B-TTD-3との35日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、9005と14997であった。TTD-3キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる15B型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
実施例9:肺炎6A型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
それぞれに、6A型(T6A)肺炎連鎖球菌多糖-CRM197複合体と6A型多糖-TTD-3複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価した(図11に示された)。35日目に、多糖-TDD複合体は、多糖-CRM 197以上の抗体価を誘導することができた。
T6A-CRM197とT6A-TTD-3の2群を、21日目と35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図12に示すように、T6A-CRM197とT6A-TTD-3との21日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、458と1606であった。T6A-CRM197とT6A-TTD-3との35日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、9103と20850であり、TTD-3キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる6型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
実施例10:肺炎7F糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
7F型(T7F)肺炎連鎖球菌多糖-TDD-1複合体と多糖-CRM 197複合体とを比較した。それぞれに、多糖-CRM197複合体と多糖-TTD-1複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価した。結果は、図13に示すように、35日目に、7F多糖-TDD-1複合体は、多糖-CRM 197に相当する抗体価を誘導することができた。
T7F-CRM197とT7F-TTD-1の2群を、21日目と35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図14に示すように、T7F-CRM197とT7F-TTD-1との21日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、1213と1925であった;T7F-CRM197とT7F-TTD-1との35日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、5362と7975であった。結果は、TTD-1キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる7F型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より低くなかったことを示した。
実施例11:肺炎10A型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
10A型(T10A)肺炎連鎖球菌多糖-TDD-2複合体と多糖-CRM 197複合体とを比較した。それぞれに、多糖-CRM197複合体と多糖-TTD-2複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価し、結果は、図15に示すように、35日目に、10A多糖-TDD-2複合体は、多糖-CRM197複合体より高い抗体価を誘導することができた。
T10A-CRM 197とT10A-TTD-2の2群を、35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図16に示すように、T10A-CRM197とT10A-TTD-2との35日目の免疫血清のIC50は、それぞれに、23264と30709であった。結果は、TTD-2キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる10A型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物と相当することを示した。
実施例12:肺炎19A型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
19A型(T19A)肺炎連鎖球菌多糖-TTD複合体と19A型肺炎連鎖球菌多糖-CRM197との免疫効果を比較することで、当該型の肺炎連鎖球菌多糖-TTDが、ニュージーランドホワイトラビットにおける免疫増強効果を分析した。
それぞれに、19A型多糖-CRM197複合体と19A型多糖-TTD-1複合体でニュージーランドホワイトラビットを免疫し、それぞれに21日目と42日目の抗体価を評価した。結果は、図17に示すように、42日目に、多糖-TDD複合体はより高い抗体価を誘導することができた。
T19A-CRM 197とT19A-TTD-1の2群を、42日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図18に示すように、19A-CRM197と19A-TTD-1との42日目免疫血清のIC50は、それぞれに、8617と35780であった。結果は、TTD-1キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる19A型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
実施例13:肺炎1型多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
1型(T1)肺炎連鎖球菌多糖-TDD-3複合体と多糖-CRM 197複合体とを比較した。それぞれに、多糖-CRM197複合体と多糖-TTD-3複合体でウサギを免疫し、それぞれに21日目と42日目の抗体価を評価した。結果は、図19に示すように、42日目に、多糖-TDD複合体はより高い抗体価を誘導することができた。
T1-CRM197とT1-TTD-3の2群を、21日目と42日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、図20に示すように、T1-CRM197とT1-TTD-3との21日目免疫血清のIC50は、それぞれに、6523と35571であった;T1-CRM197とT1-TTD-3との42日目免疫血清のIC50は、それぞれに、193732と493114であった。結果は、TTD-3キャリアタンパク質結合物に誘導されてなる1型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
実施例14:他のタイプの肺炎連鎖球菌多糖に対するキャリアタンパク質TTDの免疫増強効果
他の血清型の肺炎連鎖球菌多糖複合体は、例えば血清型5、12F、33F、19Fである。それぞれに、多糖-CRM197複合体と多糖-TTD複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価した(図21に示された)。35日目に、多糖-TDD複合体は、より高い抗体価を誘導することができた。
本発明は、同時にTTDタンパク質の他の血清型の肺炎多糖に対する免疫増強効果を比較し、TTDタンパク質がCRM 197より高い免疫原性を誘導できることを発見した。例えば、それぞれに、多糖-CRM197複合体と多糖-TTD複合体でマウスを免疫し、それぞれに21日目と35日目の抗体価を評価し、35日目に、多糖-TDD複合体に誘導された抗体価と多糖-CRM 197複合体の抗体価との比は、2~20倍に至り、さらにTTDがキャリアタンパク質としての優位性を説明することができた。
実施例15:多糖-TTD変異体複合体の免疫原性
TTD変異体の設計:タンパク質配列01、02、03を基礎として、N末端の異なる長さのアミノ酸を切断し、そのC末端配列を含む。
多糖-TTD変異体複合体の免疫原性:X型多糖-CRM 197複合体(TX-CRM 197群)とX型多糖-TDD複合体(TX-TTD)で、それぞれにマウスを免疫し、21日目と35日目の抗体価をそれぞれ評価した。35日目に、多糖-TDD複合体は、より高い抗体価を誘導することができた。Xは、いずれかの肺炎連鎖球菌多糖型である。
TX-CRM 197とTX-TTDの2群を、35日目の免疫血清をOPA試験に供した。結果は、TTD-1キャリアタンパク質結合物に誘導されてなるX型多糖特異性抗体は、CRM 197キャリアタンパク質結合物より明らかに多かったことを示した。
前述の詳細な説明は、説明および例として提供され、添付の請求項の範囲を限定するものではない。現在、本願に列挙されている実施形態の様々な変化は、当業者にとって自明なものであり、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内にある。

Claims (84)

  1. テタノスパスミンタンパク質バリアントであって、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含むテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  2. 前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域のT細胞エピトープP2を含む請求項1に記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  3. 前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む請求項1又は2に記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  4. 前記転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:7-8のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む請求項1-3のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  5. 前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む請求項1-4のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  6. SEQ ID NO:1-2のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む請求項1-5のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアント。
  7. 肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質(TTD)を含むタンパク質-多糖複合体。
  8. 前記多糖は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖に由来する請求項7に記載のタンパク質-多糖複合体。
  9. 前記多糖は、一種以上の肺炎連鎖球菌血清型を持つ請求項7-8のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  10. 前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である請求項7-9のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33F。
  11. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含む請求項7-10のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  12. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含み、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である請求項7-11のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。
  13. 前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む請求項7-12のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  14. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む請求項7-13のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  15. 前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域の広域スペクトラムのT細胞エピトープP2を含む請求項14に記載のタンパク質-多糖複合体。
  16. 前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む請求項14-15のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  17. 前記転座領域部分フラグメントは、SEQ ID NO:7-8のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む請求項14-16のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  18. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む請求項7-17のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  19. 前記多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項7-18のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  20. 前記1型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-19のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  21. 前記3型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-20のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  22. 前記5型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-21のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  23. 前記6A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-22のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  24. 前記6B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-23のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  25. 前記7F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-24のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  26. 前記10A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-25のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  27. 前記12F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-26のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  28. 前記15B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-27のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  29. 前記19A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-28のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  30. 前記19F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-29のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  31. 前記33F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項10-30のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  32. 前記のタンパク質-多糖複合体には、カップリングの方法で、前記多糖と前記タンパク質バリアントとを結合する請求項7-31のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体。
  33. 前記カップリングの方法は、以下のいずれか一つ方法を含む請求項32に記載のタンパク質-多糖複合体:臭化水素法、CDAP法、還元アミン法。
  34. 肺炎連鎖球菌から由来する多糖と短縮されたテタノスパスミンタンパク質を含むタンパク質-多糖複合体を提供するステップを含む、免疫原性を向上する方法。
  35. 前記多糖は、肺炎連鎖球菌莢膜多糖に由来する請求項34に記載の方法。
  36. 前記多糖は、一種以上の肺炎連鎖球菌血清型を持つ請求項34-35のいずれか一つに記載の方法。
  37. 前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である請求項34-36のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体:1、2、3、4、5、6A、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19A、19F、20、22F、23Fと33F。
  38. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含む請求項34-37のいずれか一つに記載の方法。
  39. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、前記テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントを含み、前記多糖は、以下の組から選べられるいずれか一つの肺炎連鎖球菌血清型である請求項34-38のいずれか一つに記載の方法:1、3、5、6A、6B、7F、10A、12F、15B、19A、19Fと33F。
  40. 前記破傷風菌タンパク質のCフラグメントは、SEQ ID NO:3に示されたアミノ酸配列を含む請求項38-39のいずれか一つに記載の方法。
  41. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、テタノスパスミンタンパク質のCフラグメントと前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントを含む請求項34-40のいずれか一つに記載の方法。
  42. 前記転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の転座領域の広域スペクトラムのT細胞エピトープP2を含む請求項41に記載の方法。
  43. 前記のテタノスパスミンタンパク質の転座領域部分フラグメントは、前記テタノスパスミンタンパク質の829-864位のアミノ酸を含む請求項41-42のいずれか一つに記載の方法。
  44. 前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質は、SEQ ID NO:1-3のいずれか一つに示されたアミノ酸配列を含む請求項34-43のいずれか一つに記載の方法。
  45. 前記肺炎連鎖球菌多糖と前記短縮されたテタノスパスミンタンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項34-44のいずれか一つに記載の方法。
  46. 前記1型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-45のいずれか一つに記載の方法。
  47. 前記3型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-46のいずれか一つに記載の方法。
  48. 前記5型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-47のいずれか一つに記載の方法。
  49. 前記6A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-48のいずれか一つに記載の方法。
  50. 前記6B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-49のいずれか一つに記載の方法。
  51. 前記7F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-50のいずれか一つに記載の方法。
  52. 前記10A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-51のいずれか一つに記載の方法。
  53. 前記12F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-52のいずれか一つに記載の方法。
  54. 前記15B型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-53のいずれか一つに記載の方法。
  55. 前記19A型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-54のいずれか一つに記載の方法。
  56. 前記19F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-55のいずれか一つに記載の方法。
  57. 前記33F型肺炎連鎖球菌多糖と短縮された前記タンパク質の質量比は、0.4-2.5である請求項37-56のいずれか一つに記載の方法。
  58. 前記方法は、カップリングの方法で、前記多糖と前記タンパク質バリアントとを結合することを含む請求項34-57のいずれか一つに記載の方法。
  59. 前記カップリングの方法は、以下のいずれか一つ方法を含む請求項58に記載の方法:臭化水素法、CDAP法、還元アミン法。
  60. 前記細菌多糖の免疫原性の向上は、多糖CRM197複合体と比較し、前記タンパク質-多糖複合体は、より高い免疫原性を有することを含む請求項34-59のいずれか一つに記載の方法。
  61. 前記より高い免疫原性は、動物の免疫実験に検出された請求項34-60のいずれか一つに記載の方法。
  62. 前記動物免疫試験は、以下ステップを含む請求項61に記載の方法:請求項7-33に記載のタンパク質-多糖複合体とアジュバントとを配合し、免疫抗原を調製する。
  63. 前記の免疫抗原の注射方法は、腹腔内注射、皮下注射、筋肉内注射、および/または静脈内注射を含む請求項62に記載の方法。
  64. 前記動物免疫試験は、以下ステップを含む請求項61-63のいずれか一つに記載の方法:得られる免疫動物の血清中の抗体を、ELISAで検出する。
  65. 前記動物免疫試験は、以下ステップを含む請求項61-64のいずれか一つに記載の方法:得られる免疫動物の血清に対して、オプソニン食作用試験を行う。
  66. 前記動物は、マウス、ラット及び/又はウサギを含む請求項61-65のいずれか一つに記載の方法。
  67. 前記アジュバントは、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、および/またはフロイントアジュバントなどを含む請求項62-66のいずれか一つに記載の方法。
  68. 請求項1-6のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアントをコードする核酸分子。
  69. SEQ ID NO:4-6に示されたヌクレオチド配列を含む請求項68に記載の核酸分子。
  70. 請求項68-69のいずれか一つに記載の核酸分子を含むベクター。
  71. 請求項68-69のいずれか一つに記載の核酸分子又は請求項70に記載のベクターを含む細胞。
  72. 請求項1-6のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアントを含むキャリアタンパク質。
  73. 請求項7-33のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体と任意のな薬学に許容されるアジュバントを含む薬物組成物。
  74. 薬物の調製における請求項1-6のいずれか一つに記載のテタノスパスミンタンパク質バリアントの用途。
  75. 薬物の調製における請求項7-33のいずれか一つに記載の多糖複合体の用途。
  76. 前記薬物は、肺炎連鎖球菌性疾患の予防及び/又は治療に用いられる請求項74-75のいずれか一つに記載の用途。
  77. 前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含む請求項76に記載の用途。
  78. 請求項7-33のいずれか一つに記載のタンパク質-多糖複合体、請求項73に記載の薬物組成物及び/又は任意の薬学に許容されるアジュバントを含むワクチン。
  79. 必要が有る被験者に請求項7-33のいずれか一つ前記タンパク質-多糖複合体、請求項68-69のいずれか一つに記載の核酸分子、請求項70に記載のベクター、請求項71に記載の細胞、請求項72に記載のキャリアタンパク質、請求項73に記載の薬物組成物及び/又は請求項78に記載のワクチンを投与することを含む、肺炎連鎖球菌性疾患を予防する方法。
  80. 前記肺炎連鎖球菌性疾患は、肺炎、敗血症、髄膜炎及び/又は中耳炎を含む請求項79に記載の方法。
  81. 抗体の調製における請求項7-33のいずれか一つに記載の多糖複合体の抗原としての用途。
  82. 前記抗体は、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる請求項81に記載の用途。
  83. 請求項7-33のいずれか一つに記載の多糖複合体を含むキット。
  84. 前記抗体は、分離された菌株の診断的タイピングに用いられる請求項83に記載のキット。
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