JP2023545503A - メッセンジャーrnaの大規模合成 - Google Patents

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Abstract

本発明は、とりわけ、二本鎖RNAを実質的に含まない全長メッセンジャーRNA産物を含む組成物の大規模生成のための方法、およびこのような方法を用いて生成される組成物およびそれらの使用を提供する。本発明は、一部には、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写によって生成されたmRNA産物が二本鎖RNAを実質的に含まないという驚くべき発見に基づく。一態様では、本発明は、クロマトグラフィー工程を必要とせずに、mRNA療法のための大規模mRNA産物を生成する方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月15日に出願された米国仮特許出願第63/092,274号の利益を主張するものであり、その全開示を参照によって本明細書に組み入れる。
メッセンジャーRNA(mRNA)療法は、種々の疾患を処置するためにますます重要なアプローチとなっている。mRNA療法は、療法を必要とする患者にインビトロ転写(IVT)および高純度メッセンジャーRNA(mRNA)を含む製剤を投与し、患者の体内でmRNAによってコードされるタンパク質を生成することを伴う。
インビトロ転写によるmRNAの生成はまた二本鎖RNA(dsRNA)を生成するが、これはmRNA療法には適さないmRNA産物の主要な混入物である。二本鎖RNAは、投与されたmRNA産物の非効率的な翻訳をもたらし、サイトカインの誘導をもたらし、免疫応答を引き起こすため、望ましくない。
伝統的に、インビトロ転写から生成されたmRNAは、市販のクロマトグラフィーシステムを用いて、および/または有機混合物(フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール)への抽出およびその後のエタノール沈殿により精製される。しかしながら、dsRNA不純物は、塩化リチウムまたはアルコールベースの沈殿、サイズ排除およびイオン交換クロマトグラフィー、またはシリカマトリックスに基づく精製を含む標準的な精製方法によっては効率的に除去されない。
dsRNA不純物は、特別な計装を必要とし、有害廃棄物を生成する手順によってのみ除去することができる。現在、イオン対逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、長いIVT mRNAからdsRNA混入物を消失させるために使用される方法である。しかしながら、この方法は高価であり、スケーラブルではなく、毒性アセトニトリルを使用する。
mRNA療法に適した、混入している二本鎖RNA(dsRNA)を欠く高純度mRNA産物を生成するための費用対効果の高い大規模合成方法が必要である。本発明は、とりわけ、混入しているdsRNAを欠くかまたは実質的に含まないmRNAを生成する、大規模なインビトロ合成方法を提供する。本発明は、とりわけ、混入しているdsRNAを除去するために、クロマトグラフィー法(例えば、イオン対逆相高速液体クロマトグラフィーまたはサイズ排除およびイオン交換クロマトグラフィー)などの合成後精製工程を必要とせずにSP6 RNAポリメラーゼを使用してmRNA産物を生成する方法を提供する。
本発明は、一部には、SP6 RNAポリメラーゼが、T7 RNAポリメラーゼなどの他のRNAポリメラーゼと比較して有意に減少したdsRNAを有する全長mRNAを合成するという驚くべき発見に基づく。以下に詳細に記載するように、実施例のセクションを含めて、SP6 RNAポリメラーゼによって合成されたmRNA産物は、T7 RNAポリメラーゼによって合成されたmRNA産物と比較して、高収率であり、実質的にdsRNAを含まない。SP6 RNAポリメラーゼによりIVTを介して生成されたmRNA産物は、実質的に減少した中断転写物を有する全長mRNAに富化されるだけでなく、dsRNAを実質的に含まないという驚くべき予期せぬ特性を有する。SP6 RNAポリメラーゼのこれらの独特で有利な特性は、T7 RNAポリメラーゼによって生成されたmRNA産物と比較して、mRNA療法に適した有意に高い品質のmRNA産物を生じさせる。したがって、本発明は、一部には、dsRNAを除去するために、例えば、クロマトグラフィー法(例えば、上述のものおよび本発明の背景技術におけるもの)を含む、合成後精製方法を必要とせずに、インビトロでmRNAを合成する方法を提供する。
必要に応じて、本発明の方法によって生成されたインビトロで合成されたmRNAを精製して、インビトロでの合成反応から誘導される混入物(例えば、その反応において使用される1種またはそれ以上の酵素(複数可))を、例えば、1グラムまたはそれ以上のインビトロで合成されたmRNAのバッチで操作することができる沈殿およびろ過に基づくプロセスによって除去することができる。このようなプロセスは、例えば、接線流ろ過、深度ろ過、または遠心分離(例えば、ろ過遠心分離機を用いる)を含み得る。適切なプロセスは、例えば、WO2015/164773、WO2018/157141およびWO2020/041793に記載される。
一態様では、本発明は、全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物の大規模生成方法であって、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも1グラム(1g)のmRNAが単一バッチで合成され、組成物が1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有する方法を提供する。
一部の実施形態では、本方法は、クロマトグラフィー工程を含まない。
一部の実施形態では、方法全体は、非変性条件下で行われる。一部の実施形態では、mRNAは、非変性条件で合成される。
一態様では、本発明は、全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物を生成する方法であって、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有し、本方法は、クロマトグラフィー工程を含まない方法を提供する。
一態様では、本発明は、全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物を生成する方法であって、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有し、mRNAは非変性条件で合成される方法を提供する。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも1gのmRNAが単一バッチで合成される。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも10g、100g、250g、500g、1kg、または10kgのmRNAが単一バッチで合成される。したがって、一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも10gのmRNAが合成される。一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも100gのmRNAが合成される。一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも500gのmRNAが合成される。一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも1kgのmRNAが合成される。一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも10kgのmRNAが合成される。一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、10kgを超えるmRNAが単一バッチで合成される。例えば、一部の実施形態では、25kg、50kg、75kg、100kgまたはそれ以上のインビトロで合成されたmRNAが単一バッチで合成される。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含有する。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は実質的にdsRNAを含まない。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、mRNAのインビトロ合成は、約6~8.5、約6.5~8.0、または約7.0~7.5のpHで行われる。具体的な実施形態では、mRNAのインビトロ合成は、pH7.5~7.7で行われる。一部の実施形態では、pHは、6、6.2、6.4、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、8.2または8.4である。一部の実施形態では、pHは7.5である。一部の実施形態では、pHは7.7である。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、mRNAのインビトロ合成は、25mMトリスHCl、2mMスペルミジン、25mM MgCl、0.5mM NaClを含む緩衝液中、およびpH7.5で行われる。
一部の実施形態では、本方法は、インビトロでmRNAを合成することを含み、本方法はカオトロピック剤を含まない。カオトロピック剤は、水素結合やファン・デル・ワールス力などの非共有結合力を妨害することにより、タンパク質および核酸などの高分子の構造を破壊する物質である。一部の実施形態では、カオトロピック剤には、例えば、尿素、チオ尿素、塩化グアニジニウム、グアニジニウムチオシアネート、グアニジニウムイソチオシアネート、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、ドデシル硫酸ナトリウム、過塩素酸リチウムおよびそれらの組み合わせが含まれる。
一態様では、本発明は、全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物の大規模生成方法であって、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は、1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含み、少なくとも100mgのmRNAが単一バッチで合成される方法を提供する。
一部の実施形態では、組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含有する。
一部の実施形態では、組成物はdsRNAを実質的に含まない。
一部の実施形態では、dsRNAは、ドットブロットアッセイまたはELISAによって検出される。
一部の実施形態では、dsRNAは、合成されたmRNAをキャッピングするかまたはテーリングする前に検出される。
一部の実施形態では、本方法は、合成されたmRNAをキャッピングおよび/またはテーリングする工程をさらに含む。
一部の実施形態では、dsRNAは、合成されたmRNAのキャッピングおよびテーリングの後に検出される。
一部の実施形態では、少なくとも200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、150g、200g、250g、500g、750g、1kg、5kg、10kg、またはそれ以上のmRNAが、単一バッチで合成される。典型的な実施形態では、1g~100kgのmRNA(例えば、100g~10kg、または250g~5kg)が単一バッチで合成される。一部の実施形態では、10kgまたはそれ以上のmRNAが単一バッチで合成される。具体的な実施形態では、10kg~100kgのmRNAが単一バッチで合成される。一部の実施形態では、15kg、20kg、25kg、30kg、35kg、40kg、45kg、50kg、75kgもしくは100kg、またはそれ以上のmRNAが単一バッチで合成される。
一部の実施形態では、本方法は、dsRNAを特異的に除去する工程を含まない。
一部の実施形態では、本方法は、クロマトグラフィー工程を含まない。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼは、天然に存在するSP6 RNAポリメラーゼである。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼは、組換えSP6 RNAポリメラーゼである。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼはタグを含む。一部の実施形態では、タグはHis-タグである。
一部の実施形態では、mRNAは、DNA鋳型、例えば、合成されるmRNA配列をコードするDNA配列に作動可能に連結されたSP6プロモーターを含むDNA鋳型に基づいて、SP6 RNAポリメラーゼによって合成される。一部の実施形態では、DNA配列は最適化される。一部の実施形態では、DNA配列は、合成されたmRNAにおいてヘアピン構造を形成する機会を減少させるように最適化される。
一部の実施形態では、反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼの重量は、DNA鋳型の重量と等しいかまたはそれよりも大きい。具体的な実施形態では、DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は、1:1~1:3である。一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの量は、所望の収率を達成するために、反応条件においてDNA鋳型の量に対して調整される。例えば、一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの量は、DNA鋳型の量に対して増加される。
一部の実施形態では、mRNAは、各NTPについて1~10mM(例えば、1~8mM、1~6mM、1~5mM、2~10mM、2~8mM、2~6mM、および4~5mM)の範囲の濃度のNTP、0.01~0.5mg/mL(例えば、0.05~0.4mg/mL、0.05~0.3mg/mL、0.05~0.2mg/mL、および0.05~0.15mg/mL)の範囲の濃度のDNA鋳型、および0.01~0.1mg/mL(例えば、0.02~0.08mg/mL、および0.04~0.06mg/mL)の範囲の濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む反応混合物中で合成される。
一部の実施形態では、反応混合物は、各NTPについて5mMの濃度のNTP、0.1mg/mLの濃度のDNA鋳型、および0.05mg/mLの濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む。
一部の実施形態では、mRNAは、37~42℃の範囲の温度で合成される。一部の実施形態では、mRNAは、約37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃または45℃の温度で合成される。
一部の実施形態では、NTPは、天然に存在するNTPである。一部の実施形態では、NTPは、修飾されたNTPを含む。一部の実施形態では、修飾されたNTPは、プソイドウリジンを含む。より特定の実施形態では、プソイドウリジンはN-1-メチル-プソイドウリジンである。
一部の実施形態では、mRNAは、ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)をコードする。
一部の実施形態では、mRNAはヒトオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする。
一部の実施形態では、全長mRNA分子は、長さが少なくとも100塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、8kb、10kb、または15kbである。
一部の実施形態では、mRNAはコドン最適化される。
一部の実施形態では、本発明の方法によって生成されたmRNAを含む組成物が提供される。
一態様では、本発明は、クロマトグラフィー工程による精製を伴わずにSP6 RNAポリメラーゼを用いて単一バッチで生成されたインビトロで合成されたメッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物を提供し、組成物は、1%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有する。
一部の実施形態では、組成物は、少なくとも100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、150g、200g、250g、500g、750g、1kg、5kg、10kg、またはそれ以上のmRNAを含む。典型的な実施形態では、組成物は、1g~100kgのmRNA(例えば、100g~10kg、または250g~5kg)を含む。一部の実施形態では、組成物は、10kgのmRNAまたはそれ以上を含む。具体的な実施形態では、組成物は、10kg~100kgのmRNAを含む。例えば、一部の実施形態では、組成物は、15kg、20kg、25kg、30kg、35kg、40kg、45kg、50kg、75kgもしくは100kg、またはそれ以上のmRNAを含む。
一部の実施形態では、本発明は、mRNAがSP6 RNAポリメラーゼを用いて合成される組成物を提供する。
一部の実施形態では、組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含む。したがって、一部の実施形態では、組成物は、0.9重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.8重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.7重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.6重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.5重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.4重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.3重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.2重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.1重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.05重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、組成物は、0.01重量%未満のdsRNAを含む。
一部の実施形態では、組成物は、dsRNAを実質的に含まない。一部の実施形態では、組成物は、ショートマー混入を実質的に含まない。さらなる実施形態では、組成物は、dsRNAおよびショートマー混入の両方を実質的に含まない。
一部の実施形態では、dsRNAは、ドットブロットアッセイによって検出される。
一部の実施形態では、mRNAは、ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)をコードする。
一部の実施形態では、mRNAはヒトオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする。
一部の実施形態では、mRNAはコドン最適化される。一部の実施形態では、mRNAは修飾されていない。一部の実施形態では、mRNAは修飾されている。ある種の実施形態では、修飾されたmRNAは、プソイドウリジンを含む。より具体的な実施形態では、プソイドウリジンはN-1-メチル-プソイドウリジンである。
一部の実施形態では、mRNAは、長さが少なくとも100塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、8kb、10kb、または15kbである。
一部の実施形態では、mRNAはリポソーム内に封入される。
一部の実施形態では、リポソームは、1種またはそれ以上のカチオン性脂質、1種またはそれ以上の非カチオン性脂質、および1種またはそれ以上のPEG修飾脂質を含む。
一部の実施形態では、リポソームは、コレステロールベースの脂質をさらに含む。
一態様では、本明細書に記載される組成物の使用を含む、疾患または障害を処置する方法が提供される。
本明細書に記載される任意の態様または実施形態は、本明細書に開示される任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。本開示は、その詳細な説明とともに記載されているが、前述の記載は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲を例示することを意図しており、限定するものではない。他の態様、利点、および変更は、以下の特許請求の範囲内である。
本明細書で言及される特許文献および科学文献は、当業者が利用できる知識を確立するものである。本明細書において引用される米国特許および公開または未公開の米国特許出願をすべて、参照によって組み入れる。本明細書に引用されるすべての公開された外国特許および特許出願を、参照によって本明細書に組み入れる。本明細書に引用される他のすべての公開された参考文献、文献、原稿および科学文献を、参照によって本明細書に組み入れる。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面および特許請求の範囲から明らかになる。しかしながら、詳細な説明、図面、および特許請求の範囲は、本発明の実施形態を示しているが、限定ではなく、例示としてのみ示されていることを理解されたい。本発明の範囲内の種々の変更および修飾は、当業者に明らかになる。
以下の図面は、例示のためのものに過ぎず、限定するものではない。
インビトロ転写中のdsRNA生成のプロセスを示す概略図である。(a)全長RNAは相補性の内部領域を有するループを形成することができる。(b)IVTの開始期中に生成した中断RNA断片、および全長RNAの3’末端は、dsRNA混入物の生成を導く一次転写物からの相補的RNA合成をプライミングすることができる。(c)全長アンチセンスRNAのプロモーター非依存性転写は、dsRNA生成の別のメカニズムである。 SP6 RNAポリメラーゼ(1および2と標識されたレーン)対T7ポリメラーゼ(3および4と標識されたレーン)を用いてインビトロ転写によって生成されたmRNA産物中に存在するdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。存在するdsRNAの量は、2ngまたは25ngの標準dsRNA対照に対して定量される。 SP6 RNAポリメラーゼ対T7ポリメラーゼを用いたインビトロ転写によって生成された例示的mRNA産物中に存在するdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。mRNA産物の例としては、dsRNA対照(レーン1)と比較した、ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)mRNA(レーン2)、ホタルルシフェラーゼ(FFL)mRNA(レーン3)、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)mRNA(レーン4)、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)mRNA(レーン5)、またはヒトエリスロポエチン(EPO)mRNA(レーン6)が挙げられる。 図4Aは、dsRNA対照(レーン1)と比較した、旧プロセス(T7ポリメラーゼを使用する、レーン2)対新プロセス(SP6 RNAポリメラーゼを使用する、レーン3)による嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)mRNA産物のインビトロ転写によって生成されたdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。図4Bは、dsRNA対照(レーン1)と比較した、旧プロセス(T7ポリメラーゼを使用する、レーン2)対新プロセス(SP6 RNAポリメラーゼを使用する、レーン3)によるフェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)mRNA産物のインビトロ転写によって生成されたdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。図4Cは、dsRNA対照(レーン1)と比較した、旧プロセス(T7ポリメラーゼを使用する、レーン2)対新プロセス(SP6 RNAポリメラーゼを使用する、レーン3)によるオルニチントランスカルバモイラーゼ(OTC)mRNA産物のインビトロ転写により生成されたdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。図4Dは、dsRNA対照(レーン1)と比較した、修飾されていないリボヌクレオチド(レーン3)対修飾されたリボヌクレオチド(レーン4)を含むSP6 RNAポリメラーゼを用いたHA mRNA産物のインビトロ転写により生成されたdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。ドットはまた、生成されたmRNA産物(レーン2)を示す。 T7ポリメラーゼ(レーン2)対SP6ポリメラーゼ(レーン3)を用いた大規模インビトロ転写によって生成された、100グラムのCFTR mRNA産物中に存在するdsRNAの量の比較を示すドットブロットである。dsRNAの量は、標準的なdsRNA対照(レーン1)と比較することによって定量される。 図6Aは、SP6 RNAポリメラーゼを用いて250mgを生じさせる単一バッチで生成されたOTC mRNAのテール長および完全性を示す一連のグラフである。図6Bは、250mgを生じさせる単一バッチで生成されたOTC mRNAのUPLC-MSによって評価した場合のキャップ分析を要約した表である。図6Cは、250mgを生じさせる単一バッチで生成されたSP6 OTC mRNAのアガロースゲルを示す図である。図6Dは、T7 RNAポリメラーゼまたはSP6のいずれかを用いて生成された二本鎖RNAの存在を評価するためのドットブロットである。二本鎖対照レーンもまた示される。図6Eは、250mgを生じさせるSP6ポリメラーゼを用いて単一バッチで生成されたOTC mRNAの純度を評価するために使用された銀染色ゲルを示す図である。 図6-1の続き。 図6-2の続き。 SP6で生成されたOTC mRNAの「条件A」および「条件B」を比較する種々のデータを示す一連のグラフである。「条件A」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=20mg/g RNA;SP6=10mg/g RNA。「条件B」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=10mg/g RNA;SP6=20mg/g RNA。図7Aは、条件Aまたは条件Bのいずれかを用いて生成されたOTC mRNAの収率を示すグラフである。図7Bは、条件Aまたは条件Bのいずれかとともに使用された試薬量を示すグラフである。図7Cは、mRNAを合成するために条件Aまたは条件Bのいずれかを用いた結果としての製造原価(CoGS)を示すグラフである。 SP6で生成されたOTC mRNAの「条件A」および「条件B」を比較する種々のデータを示す一連のグラフである。「条件A」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=20mg/g RNA;SP6=10mg/g RNA。「条件B」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=10mg/g RNA;SP6=20mg/g RNA。図7Aは、条件Aまたは条件Bのいずれかを用いて生成されたOTC mRNAの収率を示すグラフである。図7Bは、条件Aまたは条件Bのいずれかとともに使用された試薬量を示すグラフである。図7Cは、mRNAを合成するために条件Aまたは条件Bのいずれかを用いた結果としての製造原価(CoGS)を示すグラフである。 SP6で生成されたOTC mRNAの「条件A」および「条件B」を比較する種々のデータを示す一連のグラフである。「条件A」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=20mg/g RNA;SP6=10mg/g RNA。「条件B」について、以下のインビトロmRNA合成条件を使用した:pDNA=10mg/g RNA;SP6=20mg/g RNA。図7Aは、条件Aまたは条件Bのいずれかを用いて生成されたOTC mRNAの収率を示すグラフである。図7Bは、条件Aまたは条件Bのいずれかとともに使用された試薬量を示すグラフである。図7Cは、mRNAを合成するために条件Aまたは条件Bのいずれかを用いた結果としての製造原価(CoGS)を示すグラフである。
定義
本発明をより容易に理解するために、まず、ある用語を以下に定義する。以下の用語およびその他の用語の追加の定義は、本明細書全体にわたって記載される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、複数形の指示対象を含む。
本明細書で使用される場合、文脈から明確に記述されていないかまたは自明でない限り、用語「または」は包括的であると理解され、「または」と「および」の両方を包含する。
本明細書で使用される用語「例えば」および「すなわち」は、限定されるものではないが、単なる例示として使用され、本明細書中に明示的に列挙された項目のみを参照するものと解釈されるべきではない。
用語「またはそれ以上」、「少なくとも」、「より多い」など、例えば「少なくとも1つの」は、限定されないが、記述される値の少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000またはそれ以上を含むことが理解される。また、その間には、任意のより多くの数または分数が含まれる。
逆に、「以下」という用語は、記述された値より小さい各値を含む。例えば、「100ヌクレオチド以下」には、100、99、98、97、96、95、94、93、92、91、90、89、88、87、86、85、84、83、82、81、80、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60、59、58、57、56、55、54、53、52、51、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、および0個のヌクレオチドが含まれる。また、その間には、任意のより少ない数または分数が含まれる。
用語「複数」、「少なくとも2つ」、「2つまたはそれ以上」、「少なくとも第2の」などは、限定されないが、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149もしくは150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000またはそれ以上を含むことが理解される。また、その間には、任意のより多くの数または分数が含まれる。
明細書全体を通じて、単語「含んでいる」、または「含む」もしくは「含んでいる」などのバリエーションは、記述された要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程のグループを包含することを意味するが、任意の他の要素、整数もしくは工程、または要素、整数もしくは工程のグループを排除することは意味しないものと理解される。
本明細書で使用される場合、文脈から明確に記述されないかまたは明白でない限り、用語「約」は、当該技術分野における正常許容範囲内、例えば、平均の2標準偏差内であると理解される。「約」は、記述された値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%、0.01%、または0.001%内であることが理解される。文脈から別途明確でない限り、本明細書に提供されるすべての数値は、当業者に理解される正常な変動を反映する。
本明細書で使用される場合、用語「中断転写物」または「中断前転写物」などは、その最も広い意味において、DNA鋳型によりコードされる全長mRNA分子より短い任意の転写物である。一部の実施形態では、中断転写物は、標的DNA分子から転写される全長mRNA分子の長さの90%未満、例えば、全長mRNA分子の長さの80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%未満であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「バッチ」とは、一度に合成されたmRNAの数量または量を指し、例えば、同じ製造サイクル中に単一の製造オーダーに従って製造される。バッチとは、1セットの条件下で連続的に合成するために、酵素の単一アリコートおよび/またはDNA鋳型の単一アリコートを介して起こる1つの反応において合成されるmRNAの量を指すことができる。一部の実施形態では、バッチは、反応が進行するにつれてすべての試薬および/または成分が補充および/または補充されるわけではない反応から生成されるmRNAを含む。用語「バッチ」は、所望の量を達成するために組み合わされる、異なる時間に合成されるmRNAを意味しない。
本明細書で使用される場合、用語「送達」は、局所送達および全身送達の両方を包含する。例えば、mRNAの送達は、mRNAが標的組織に送達され、コードされたタンパク質が標的組織内で発現および保持される状況(「局所分布」または「局所送達」とも呼ばれる)、およびmRNAが標的組織に送達され、コードされたタンパク質が患者の循環系(例えば血清)に発現および分泌され、他の組織に体系的に分布および取り込まれる状況(「全身分布」または「全身送達」とも呼ばれる)を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「二本鎖RNA」または「dsRNA」とは、互いに塩基対を形成したリボ核酸の2つの相補鎖を含むインビトロ転写中に生成されるRNAを指す。IVT中、dsRNAは、相補性の内部領域を有する全長RNAのループによりシス内で生成される。加えて、IVTの開始期中に生成された中断RNA断片、および全長RNAの3’末端は、トランスにおける一次転写物からの相補的RNA合成をプライミングすることができる。全長アンチセンスRNAのプロモーター非依存性転写は、dsRNA生成の別のメカニズムである。
本明細書で使用される場合、用語「薬物」、「医薬」、「治療薬」、「活性剤」、「治療化合物」、「組成物」または「化合物」は、互換的に使用され、身体機能の疾患、病気、状態もしくは障害を処置または予防するために使用することができる任意の化学的実体、薬品、薬物、生物製剤、植物製剤などを指す。薬物は、公知および潜在的な治療化合物の両方を含み得る。薬物は、当業者に公知であるスクリーニングを用いてスクリーニングすることによって治療的であると決定することができる。「公知の治療化合物」、「薬物」、または「医薬」とは、このような処置において有効であることが(例えば、動物試験またはヒトへの投与に関する以前の経験を通して)示された治療化合物を指す。「治療レジメン」とは、本明細書に開示される「薬物」、「医薬」、「治療薬」、「活性剤」、「治療化合物」、「組成物」、または「化合物」を含む処置、および/または対象による行動変性を含む処置、および/または外科手段を含む処置に関する。
本明細書で使用される場合、用語「封入」または文法的同等物は、ナノ粒子内にmRNA分子を閉じ込めるプロセスを指す。所望のmRNAをナノ粒子に取り込むプロセスは、しばしば「装填」と呼ばれる。例示的な方法は、Lasicら、FEBS Lett.、312巻:255~258頁、1992年に記載され、これを参照によって本明細書に組み入れる。ナノ粒子に取り込まれた核酸は、ナノ粒子の内部空間、二分子膜内(リポソームナノ粒子の場合)、またはナノ粒子の外表面と結合して、完全にまたは部分的に配置することができる。
本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」とは、以下の事象:(1)DNA配列からのRNA鋳型の生成(例えば、転写による);(2)RNA転写物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、および/または3’末端形成による);(3)RNAのポリペプチドまたはタンパク質への翻訳;および/または(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾のうちの1つまたはそれ以上を指す。本出願において、「発現」および「生成」という用語、ならびに文法的同等物は、相互に変更可能に使用される。
本明細書で使用される場合、「全長mRNA」は、特異的アッセイ、例えば、ゲル電気泳動およびキャピラリー電気泳動による分離を伴うUVおよびUV吸収分光法を用いる検出を用いる場合に特徴付けられる。全長ポリペプチドをコードするmRNA分子の長さは、標的DNAから転写される全長mRNA分子の長さの少なくとも50%である。例えば、標的DNAから転写される全長mRNA分子の長さの少なくとも60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.01%、99.05%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%である。
本明細書で使用される場合、用語「改善する」、「増加する」もしくは「減少する」または文法的同等物は、本明細書中に記載される処置の開始前の同一個体における測定、または本明細書中に記載される処置の非存在下での対照である対象(または複数の対照である対象)における測定など、ベースライン測定に対して相対的な値を示す。「対照である対象」とは、処置される対象と同じ病態を患い、処置される対象とほぼ同じ年齢である対象である。
本明細書で使用される場合、用語「不純物」とは、限定された量の液体、気体、または固体の中にあり、標的材料または化合物の化学組成とは異なる物質を指す。不純物は、混入物とも呼ばれる。
本明細書で使用される場合、用語「インビトロ」とは、多細胞生物内ではなく、人工環境、例えば、試験管または反応容器内、細胞培養などにおいて起こる事象を指す。
本明細書で使用される場合、用語「インビボ」は、ヒトおよび非ヒト動物などの多細胞生物内で起こる事象を指す。細胞ベースのシステムの文脈において、この用語は、(例えば、インビトロシステムとは対照的に)生細胞内で起こる事象を指すために使用することができる。
本明細書で使用される場合、用語「単離された」とは、(1)最初に生成されたときにそれと関連した成分の少なくとも一部から分離され(天然であるか実験環境であるかを問わず)、および/または(2)ヒトの手によって生成され、調製され、および/または製造された物質および/または実体を指す。
本明細書で使用される場合、用語「メッセンジャーRNA(mRNA)」とは、少なくとも1つのポリペプチドをコードするポリリボヌクレオチドを指す。本明細書で使用されるmRNAは、修飾されたRNAと修飾されていないRNAの両方を包含する。mRNAは、1つまたはそれ以上のコード領域および非コード領域を含み得る。mRNAは、天然源から精製することができ、組換え発現系を用いて生成し、場合により精製し、インビトロ転写し、または化学的に合成することができる。
mRNAは一般に、DNAからリボソームへ情報を運ぶRNAの一種と考えられる。mRNAの存在は通常非常に短く、プロセシングと翻訳、それに続く分解を含む。典型的には、真核生物においては、mRNAプロセシングはN末端(5’)末端への「キャップ」の付加、およびC末端(3’)末端への「テール」の付加を含む。典型的なキャップは、7-メチルグアノシンキャップであり、これは、最初に転写されたヌクレオチドと5’-5’-三リン酸結合を介して連結されたグアノシンである。キャップの存在は、ほとんどの真核細胞に見られるヌクレアーゼに対する耐性を付与するのに重要である。テールは典型的にはポリアデニル化事象であり、それによってポリA部分がmRNA分子の3’末端に付加される。この「テール」の存在は、mRNAをエキソヌクレアーゼ分解から保護するのに役立つ。メッセンジャーRNAは、典型的には、リボソームによってタンパク質を構成する一連のアミノ酸に翻訳される。
本明細書で使用される場合、用語「非変性」は、カオトロピック剤、濃縮無機塩、または熱(熱変性条件)などのいくつかの外部ストレスまたは化合物の適用によって、その天然状態で存在する構造(例えば、三次構造または二次構造)を、核酸またはタンパク質などの生物学的材料または高分子を失わせない条件を指す。「変性条件」は、生物学的材料がこの構造を失う原因となる条件である。「部分的変性条件」とは、生物学的材料がこの構造の少なくとも一部を失う原因となる条件である。
本明細書で使用される場合、用語「核酸」とは、その最も広い意味において、ポリヌクレオチド鎖に取り込まれるかまたは取り込むことができる任意の化合物および/または物質を指す。一部の実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してポリヌクレオチド鎖に取り込まれるかまたは取り込むことができる化合物および/または物質である。一部の実施形態では、「核酸」とは、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオシド)を指す。一部の実施形態では、「核酸」とは、個々の核酸残基を含むポリヌクレオチド鎖を指す。一部の実施形態では、「核酸」は、RNAならびに一本鎖および/または二本鎖DNAおよび/またはcDNAを包含する。さらに、用語「核酸」、「DNA」、「RNA」、および/または類似の用語は、核酸アナログ、すなわち、ホスホジエステル主鎖以外を有するアナログを含む。
本明細書で使用される場合、用語「ショートマー」は、インビトロ転写反応中に不完全なmRNA転写の産物である、短い中断RNA転写物とも呼ばれる、早期に中断した短いmRNAオリゴヌクレオチドを具体的に指すために使用される。ショートマー、早期に中断したmRNA、中断前のmRNA、または短い中断mRNA転写物は、本明細書において互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、用語「実質的に」とは、目的とする特徴または特性の全部またはほぼ全部の範囲または程度を示す質的条件を指す。生物学分野の当業者は、生物学的および化学的現象が、たとえ完成に進む、および/または完全性に進む、または絶対的結果を達成する、または回避するとしてもめったにないことを理解する。したがって、用語「実質的に」は、本明細書において、多くの生物学的および化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を捉えるために使用される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるもの、および本出願が属する技術分野において一般的に使用されるものと同じ意味を有する;このような技術は、その全体を参照によって組み入れる。矛盾が生じた場合、定義を含む本明細書が支配する。
発明の詳細な説明
本発明は、混入しているdsRNAを実質的に含まないmRNAを生成する大規模なインビトロ合成方法を提供する。本発明は、SP6 RNAポリメラーゼを用いる大規模インビトロ合成方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、例えば、混入しているdsRNAを除去するためのクロマトグラフィー工程を必要としない。
二本鎖RNA(dsRNA)混入物の減少
インビトロで合成されたmRNA中にdsRNA混入物が存在することは望ましくない。dsRNAは免疫原性であり、オリゴアデニル酸シンテターゼ(OAS)、RNA特異的アデノシンデアミナーゼ(ADAR)、およびRNA活性化プロテインキナーゼ(PKR)などのdsRNA依存性酵素の活性化によって細胞応答を引き起こすことが公知であり、その結果、タンパク質合成が阻害され、mRNA療法の効率が減少する。dsRNAはまた、センサー、例えばToll様受容体3(TLR3)、レチノイン酸誘導遺伝子I(RIG-I)、およびメラノーマ分化関連タンパク質5(MDA5)を刺激し、I型インターフェロン、インターロイキン-6(IL-6)、および腫瘍壊死因子-α(TNF-α)を含む異なるサイトカインの分泌を導く。したがって、例えば、サイトカイン誘導を制限するなどの多くの理由により、IVT mRNAからdsRNAを消失またはその量を大幅に減少させることが望ましい。
さらに、dsRNA混入物は、インビトロ転写(IVT mRNA)から除去することが困難であり、LiClまたはアルコールベースの沈殿、サイズ排除およびイオン交換クロマトグラフィー、またはシリカマトリックスに基づく精製を含む標準的な精製方法中にIVT mRNAから効率的に除去されないことが多い。イオン対逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、dsRNAを除去するために使用される。しかしながら、これらの精製方法は一般に容易にスケーラブルではなく、アセトニトリルなどの毒性試薬を使用する。
したがって、インビトロ転写中に生成されるdsRNAは、mRNA合成の望ましくない副産物である。dsRNAは高度に免疫原性であり、dsRNA混入物を含有するmRNAの使用を妨げることが示されている。この限界を克服するために、研究者らは、インビトロで合成されたmRNAからdsRNA混入物を除去する試みにおいて、合成後の精製方法を使用した。合成後精製法に関連する潜在的な問題は、収率の減少およびインビトロで合成されたmRNAに対する潜在的損傷を含む。本発明の発明者らは驚くべきことに、SP6 RNAポリメラーゼの使用が、インビトロで合成されたmRNA中のdsRNAの存在を減少または消失させることを発見した。したがって、本発明は、dsRNAを除去するためのさらなる精製後工程を必要とせずに使用することができ、これにより、インビトロで合成されたmRNAを高収率および高完全性で生成することができる。このようにして、インビトロで合成されたmRNAの合成後プロセシングは非常に単純化される。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼを使用するが、T7 RNAポリメラーゼを使用しないインビトロ転写によって生成されたmRNAは、dsRNA混入物を実質的に含まなかった。
本発明では、提供される方法は、dsRNA混入物を除去するための精製工程を必要としない。一部の実施形態では、合成されたmRNAは、さらなる精製なしに使用される。特に、一部の実施形態では、本発明に従って合成されたmRNAは、ショートマーを除去する工程なしに使用される。一部の実施形態では、mRNA産物は、クロマトグラフィー工程なしに生成される。一部の実施形態では、mRNA産物は、カオトロピック剤なしに生成される。一部の実施形態では、mRNA産物は、非変性条件下で生成される。一部の実施形態では、mRNA産物は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化グアニジウム、グアニジウムチオシアネート、グアニジウムイソチオシアネート、酢酸アンモニウム、およびそれらの組み合わせを使用することなしに生成される。一部の実施形態では、方法全体は、非変性条件下で行われる。
一部の実施形態では、mRNA組成物は、dsRNAを実質的に含まない。一部の実施形態では、mRNA組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満、例えば、0.5%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、dsRNA混入物は、99.95%、99.9%、99.8%、99.7%、99.6%、99.5%、99.4%、99.3%、99.2%、99.1%または99%を超えて、例えば、99.99%を超えて減少される。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼを用いてIVTによって生成されるdsRNAは、T7ポリメラーゼを用いてIVTによって生成されるdsRNAの10%、8%、5%、4%、3%、2%または1%未満である。具体的な実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼを用いてIVTによって生成されるdsRNAは、T7ポリメラーゼを用いてIVTによって生成されるdsRNAの1%未満である。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼを用いてIVTによって生成されるdsRNAは、検出限界未満である。一部の実施形態では、dsRNAの重量は、ドットブロットによって決定した場合、インビトロで合成されたmRNAの200ngの試料における検出限界未満である。例えば、典型的な実施形態では、モノクローナル抗体J2を用いたドットブロットによって決定した場合、dsRNAの重量は、インビトロで合成されたmRNAの200ngの試料における検出限界未満である。
一部の実施形態では、天然または非修飾のリボヌクレオチドを含むmRNA組成物は、実質的にdsRNAを含まない。一部の実施形態では、天然または非修飾のリボヌクレオチドを含むmRNA組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、天然または非修飾のリボヌクレオチドを含むmRNA産物における検出限界未満である。一部の実施形態では、dsRNAの重量は、ドットブロットによって決定した場合、インビトロで合成されたmRNAの200ngの試料における検出限界未満である。典型的な実施形態では、dsRNAの重量は、モノクローナル抗体J2を用いたドットブロットによって決定した場合、天然または非修飾のリボヌクレオチドを含むインビトロで合成されたmRNA産物の200ng試料における検出限界未満である。
一部の実施形態では、修飾されたリボヌクレオチドを含むmRNA組成物は、実質的にdsRNAを含まない。一部の実施形態では、修飾されたリボヌクレオチドを含むmRNA組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含む。一部の実施形態では、dsRNAは、修飾されたリボヌクレオチドを含むmRNA産物における検出限界未満である。
SP6 RNAポリメラーゼ
SP6 RNAポリメラーゼは、SP6プロモーター配列に対して高い配列特異性を有するDNA依存性RNAポリメラーゼである。典型的には、このポリメラーゼは、一本鎖DNAまたはそのプロモーターから下流の二本鎖DNA上のRNAのインビトロでの5’→3’合成を触媒し;それは、天然のリボヌクレオチドおよび/または修飾されたリボヌクレオチドを重合転写物に取り込む。
バクテリオファージSP6 RNAポリメラーゼの配列は、初期には、以下のアミノ酸配列を有するものとして記載された(GenBank:Y00105.1):
MQDLHAIQLQLEEEMFNGGIRRFEADQQRQIAAGSESDTAWNRRLLSELIAPMAEGIQAYKEEYEGKKGRAPRALAFLQCVENEVAAYITMKVVMDMLNTDATLQAIAMSVAERIEDQVRFSKLEGHAAKYFEKVKKSLKASRTKSYRHAHNVAVVAEKSVAEKDADFDRWEAWPKETQLQIGTTLLEILEGSVFYNGEPVFMRAMRTYGGKTIYYLQTSESVGQWISAFKEHVAQLSPAYAPCVIPPRPWRTPFNGGFHTEKVASRIRLVKGNREHVRKLTQKQMPKVYKAINALQNTQWQINKDVLAVIEEVIRLDLGYGVPSFKPLIDKENKPANPVPVEFQHLRGRELKEMLSPEQWQQFINWKGECARLYTAETKRGSKSAAVVRMVGQARKYSAFESIYFVYAMDSRSRVYVQSSTLSPQSNDLGKALLRFTEGRPVNGVEALKWFCINGANLWGWDKKTFDVRVSNVLDEEFQDMCRDIAADPLTFTQWAKADAPYEFLAWCFEYAQYLDLVDEGRADEFRTHLPVHQDGSCSGIQHYSAMLRDEVGAKAVNLKPSDAPQDIYGAVAQVVIKKNALYMDADDATTFTSGSVTLSGTELRAMASAWDSIGITRSLTKKPVMTLPYGSTRLTCRESVIDYIVDLEEKEAQKAVAEGRTANKVHPFEDDRQDYLTPGAAYNYMTALIWPSISEVVKAPIVAMKMIRQLARFAAKRNEGLMYTLPTGFILEQKIMATEMLRVRTCLMGDIKMSLQVETDIVDEAAMMGAAAPNFVHGHDASHLILTVCELVDKGVTSIAVIHDSFGTHADNTLTLRVALKGQMVAMYIDGNALQKLLEEHEVRWMVDTGIEVPEQGEFDLNEIMDSEYVFA(配列番号1)
本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、バクテリオファージSP6 RNAポリメラーゼと実質的に同じポリメラーゼ活性を有する任意の酵素であり得る。したがって、一部の実施形態では、本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、配列番号1から修飾される。例えば、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、1つまたはそれ以上のアミノ酸の置換、欠失、または付加を含み得る。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、配列番号1と約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、75%、70%、65%、もしくは60%同一であるかまたは相同であるアミノ酸配列を有する。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは、(N末端、C末端、または内部から)切断されたタンパク質であり得るが、ポリメラーゼ活性を保持し得る。一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは融合タンパク質である。
一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼは、以下のヌクレオチド配列を有する遺伝子によってコードされる:
ATGCAAGATTTACACGCTATCCAGCTTCAATTAGAAGAAGAGATGTTTAATGGTGGCATTCGTCGCTTCGAAGCAGATCAACAACGCCAGATTGCAGCAGGTAGCGAGAGCGACACAGCATGGAACCGCCGCCTGTTGTCAGAACTTATTGCACCTATGGCTGAAGGCATTCAGGCTTATAAAGAAGAGTACGAAGGTAAGAAAGGTCGTGCACCTCGCGCATTGGCTTTCTTACAATGTGTAGAAAATGAAGTTGCAGCATACATCACTATGAAAGTTGTTATGGATATGCTGAATACGGATGCTACCCTTCAGGCTATTGCAATGAGTGTAGCAGAACGCATTGAAGACCAAGTGCGCTTTTCTAAGCTAGAAGGTCACGCCGCTAAATACTTTGAGAAGGTTAAGAAGTCACTCAAGGCTAGCCGTACTAAGTCATATCGTCACGCTCATAACGTAGCTGTAGTTGCTGAAAAATCAGTTGCAGAAAAGGACGCGGACTTTGACCGTTGGGAGGCGTGGCCAAAAGAAACTCAATTGCAGATTGGTACTACCTTGCTTGAAATCTTAGAAGGTAGCGTTTTCTATAATGGTGAACCTGTATTTATGCGTGCTATGCGCACTTATGGCGGAAAGACTATTTACTACTTACAAACTTCTGAAAGTGTAGGCCAGTGGATTAGCGCATTCAAAGAGCACGTAGCGCAATTAAGCCCAGCTTATGCCCCTTGCGTAATCCCTCCTCGTCCTTGGAGAACTCCATTTAATGGAGGGTTCCATACTGAGAAGGTAGCTAGCCGTATCCGTCTTGTAAAAGGTAACCGTGAGCATGTACGCAAGTTGACTCAAAAGCAAATGCCAAAGGTTTATAAGGCTATCAACGCATTACAAAATACACAATGGCAAATCAACAAGGATGTATTAGCAGTTATTGAAGAAGTAATCCGCTTAGACCTTGGTTATGGTGTACCTTCCTTCAAGCCACTGATTGACAAGGAGAACAAGCCAGCTAACCCGGTACCTGTTGAATTCCAACACCTGCGCGGTCGTGAACTGAAAGAGATGCTATCACCTGAGCAGTGGCAACAATTCATTAACTGGAAAGGCGAATGCGCGCGCCTATATACCGCAGAAACTAAGCGCGGTTCAAAGTCCGCCGCCGTTGTTCGCATGGTAGGACAGGCCCGTAAATATAGCGCCTTTGAATCCATTTACTTCGTGTACGCAATGGATAGCCGCAGCCGTGTCTATGTGCAATCTAGCACGCTCTCTCCGCAGTCTAACGACTTAGGTAAGGCATTACTCCGCTTTACCGAGGGACGCCCTGTGAATGGCGTAGAAGCGCTTAAATGGTTCTGCATCAATGGTGCTAACCTTTGGGGATGGGACAAGAAAACTTTTGATGTGCGCGTGTCTAACGTATTAGATGAGGAATTCCAAGATATGTGTCGAGACATCGCCGCAGACCCTCTCACATTCACCCAATGGGCTAAAGCTGATGCACCTTATGAATTCCTCGCTTGGTGCTTTGAGTATGCTCAATACCTTGATTTGGTGGATGAAGGAAGGGCCGACGAATTCCGCACTCACCTACCAGTACATCAGGACGGGTCTTGTTCAGGCATTCAGCACTATAGTGCTATGCTTCGCGACGAAGTAGGGGCCAAAGCTGTTAACCTGAAACCCTCCGATGCACCGCAGGATATCTATGGGGCGGTGGCGCAAGTGGTTATCAAGAAGAATGCGCTATATATGGATGCGGACGATGCAACCACGTTTACTTCTGGTAGCGTCACGCTGTCCGGTACAGAACTGCGAGCAATGGCTAGCGCATGGGATAGTATTGGTATTACCCGTAGCTTAACCAAAAAGCCCGTGATGACCTTGCCATATGGTTCTACTCGCTTAACTTGCCGTGAATCTGTGATTGATTACATCGTAGACTTAGAGGAAAAAGAGGCGCAGAAGGCAGTAGCAGAAGGGCGGACGGCAAACAAGGTACATCCTTTTGAAGACGATCGTCAAGATTACTTGACTCCGGGCGCAGCTTACAACTACATGACGGCACTAATCTGGCCTTCTATTTCTGAAGTAGTTAAGGCACCGATAGTAGCTATGAAGATGATACGCCAGCTTGCACGCTTTGCAGCGAAACGTAATGAAGGCCTGATGTACACCCTGCCTACTGGCTTCATCTTAGAACAGAAGATCATGGCAACCGAGATGCTACGCGTGCGTACCTGTCTGATGGGTGATATCAAGATGTCCCTTCAGGTTGAAACGGATATCGTAGATGAAGCCGCTATGATGGGAGCAGCAGCACCTAATTTCGTACACGGTCATGACGCAAGTCACCTTATCCTTACCGTATGTGAATTGGTAGACAAGGGCGTAACTAGTATCGCTGTAATCCACGACTCTTTTGGTACTCATGCAGACAACACCCTCACTCTTAGAGTGGCACTTAAAGGGCAGATGGTTGCAATGTATATTGATGGTAATGCGCTTCAGAAACTACTGGAGGAGCATGAAGTGCGCTGGATGGTTGATACAGGTATCGAAGTACCTGAGCAAGGGGAGTTCGACCTTAACGAAATCATGGATTCTGAATACGTATTTGCCTAA(配列番号2)
本発明において適切なSP6 RNAポリメラーゼをコードする適切な遺伝子は、配列番号2と約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、または80%同一であるかまたは相同であり得る。
本発明に適したSP6 RNAポリメラーゼは、例えば、Ambion、New England Biolabs(NEB)、PromegaおよびRocheから市販されている製品であり得る。SP6は、本明細書に記載される配列番号1のアミノ酸配列、または配列番号1のバリアントに従って、商業的供給源または非商業的供給源から注文および/またはカスタム設計することができる。SP6は、標準忠実度ポリメラーゼであり得るか、またはRNAポリメラーゼ活性、例えば、SP6 RNAポリメラーゼ遺伝子における突然変異またはSP6 RNAポリメラーゼ自体の翻訳後修飾を促進するように修飾された高忠実度/高効率/高容量であり得る。このような修飾されたSP6の例としては、AmbionのSP6 RNAポリメラーゼ-Plus(商標)、NEBのHiScribe SP6、およびPromegaのRiboMAX(商標)およびRiboprobe(登録商標)システムが挙げられる。
一部の実施形態では、適切なSP6 RNAポリメラーゼは融合タンパク質である。例えば、SP6 RNAポリメラーゼは、酵素の単離、精製、または溶解性を促進するために、1つまたはそれ以上のタグを含み得る。適切なタグは、N末端、C末端、および/または内部に位置することができる。適切なタグの非限定的な例としては、カルモジュリン結合タンパク質(CBP);ファシオラ肝蛭8-kDa抗原(Fh8);FLAGタグペプチド;グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST);ヒスチジンタグ(例えば、ヘキサヒスチジンタグ(His6));マルトース結合タンパク質(MBP);N-利用物質(NusA);小ユビキチン関連修飾因子(SUMO)融合タグ;ストレプトアビジン結合ペプチド(STREP);タンデム親和性精製(TAP);およびチオレドキシン(TrxA)が挙げられる。本発明において、他のタグを使用することができる。これらおよび他の融合タグは、例えば、Costaら、Frontiers in Microbiology5巻(2014年):63頁、およびPCT/US16/57044に記載され、それらの内容は、全体を参照によって本明細書に組み入れる。一部の実施形態では、Hisタグは、SP6のN末端に位置する。
SP6プロモーター
SP6 RNAポリメラーゼによって認識することができる任意のプロモーターを本発明において使用することができる。典型的には、SP6プロモーターは、5’ATTTAGGTGACACTATAG-3’(配列番号3)を含む。SP6プロモーターのバリアントは、SP6のそのプロモーターへの認識および/または結合を最適化するために発見および/または作製されている。非限定的なバリアントとしては、限定されないが:5’-ATTTAGGGGACACTATAGAAGAG-3’;5’-ATTTAGGGGACACTATAGAAGG-3’;5’-ATTTAGGGGACACTATAGAAGGG-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAA-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAAGA-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAAGAG-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAAGG-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAAGGG-3’;5’-ATTTAGGTGACACTATAGAAGNG-3’;および5’-CATACGATTTAGGTGACACTATAG-3’(配列番号4~配列番号13)が挙げられる。
さらに、本発明のための適切なSP6プロモーターは、配列番号3~配列番号13のいずれか1つと約95%、90%、85%、80%、75%、または70%同一であり得るかまたは相同であり得る。さらに、本発明に適したSP6プロモーターは、本明細書に記載されるいずれかのプロモーター配列に対して、1つまたはそれ以上の追加のヌクレオチド5’および/または3’を含み得る。
SP6ポリメラーゼを用いた大規模mRNA合成
一部の実施形態では、本発明は、mRNAの大規模生成に関する。一部の実施形態では、本発明による方法は、少なくとも100mg、150mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、250g、500g、750g、1kg、5kg、10kg、50kg、100kg、1000kg、またはそれ以上のmRNAを単一バッチで合成する。典型的な実施形態では、1g~100kgのmRNA(例えば、100g~10kg、または250g~5kg)が単一バッチで合成される。一部の実施形態では、10kgまたはそれ以上のmRNAが単一バッチで合成される。具体的な実施形態では、10kg~100kgのmRNAが単一バッチで合成される。
本明細書で使用される場合、用語「バッチ」とは、一度に合成されたmRNA、例えば、単一の製造設定に従って製造されたmRNAの数量または量を指す。バッチとは、1セットの条件下で連続的に合成するために、酵素の単一アリコートおよび/またはDNA鋳型の単一アリコートを介して起こる1つの反応において合成されるmRNAの量を指すことができる。単一のバッチで合成されたmRNAは、所望の量を達成するために組み合わされる、異なる時間に合成されたmRNAを含まない。一般に、反応混合物は、SP6 RNAポリメラーゼ、線状DNA鋳型、およびRNAポリメラーゼ反応緩衝液(リボヌクレオチドを含むかまたはリボヌクレオチドの付加を必要とすることができる)を含む。
本発明の一部の実施形態では、1~100mgのSP6 RNAポリメラーゼが、生成されるmRNAの1グラム(g)あたり使用される。一部の実施形態では、約1~90mg、1~80mg、1~60mg、1~50mg、1~40mg、10~100mg、10~80mg、10~60mg、10~50mgのSP6 RNAポリメラーゼが、生成されるmRNAの1gあたり使用される。一部の実施形態では、約5~20mgのSP6 RNAポリメラーゼが、約1グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、約0.5~2グラムのSP6 RNAポリメラーゼが、約100グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、約5~20グラムのSP6 RNAポリメラーゼが、約1キログラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも5mgのSP6 RNAポリメラーゼが、少なくとも1グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも500mgのSP6 RNAポリメラーゼが、少なくとも100グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも5グラムのSP6 RNAポリメラーゼが、少なくとも1キログラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、約10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、または100mgのプラスミドDNAが、生成されるmRNAの1グラムあたり使用される。一部の実施形態では、約10~30mgのプラスミドDNAが、約1グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、約1~3グラムのプラスミドDNAが、約100グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、約10~30グラムのプラスミドDNAが、約1キログラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも10mgのプラスミドDNAが、少なくとも1グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも1グラムのプラスミドDNAが、少なくとも100グラムのmRNAを生成するために使用される。一部の実施形態では、少なくとも10グラムのプラスミドDNAが、少なくとも1キログラムのmRNAを生成するために使用される。
一部の実施形態では、反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼの濃度は、約1~100nM、1~90nM、1~80nM、1~70nM、1~60nM、1~50nM、1~40nM、1~30nM、1~20nM、または約1~10nMであり得る。ある種の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの濃度は、約10~50nM、20~50nM、または30~50nMである。SP6 RNAポリメラーゼの100~10000単位/mLの濃度を使用することができ、例えば、100~9000単位/mL、100~8000単位/mL、100~7000単位/mL、100~6000単位/mL、100~5000単位/mL、100~1000単位/mL、200~2000単位/mL、500~1000単位/mL、500~2000単位/mL、500~3000単位/mL、500~4000単位/mL、500~5000単位/mL、500~6000単位/mL、1000~7500単位/mL、および2500~5000単位/mLを使用することができる。
インビトロ合成反応混合物のスケールアップ中に、本発明の発明者らは驚くべきことに、(安価な)SP6ポリメラーゼの量を増加させながら、(高価な)鋳型DNAの量を同じに維持することによって、同様のまたは改善された収率を達成することができることを発見した。したがって、一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの濃度は調整されるが、鋳型DNAの量は一定に維持される。例えば、一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼの量は増加されるが、DNA鋳型の量は一定に維持される。一部の実施形態では、反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼは、標的RNA1gにつき約5mg~約40mgであるが、鋳型DNA濃度は一定に維持される。例えば、一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約5mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型の量は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約10mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約15mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約20mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約25mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約30mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約35mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。一部の実施形態では、標的RNA1gにつき約40mgのSP6 RNAポリメラーゼは、反応混合物中にあるが、DNA鋳型は一定に維持される。
一部の実施形態では、本発明は、インビトロ合成によるmRNAの大規模生成の方法を提供し、インビトロ合成反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼの重量は、DNA鋳型の重量と等しいかまたはそれより大きい。例えば、一部の実施形態では、DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は1:1~1:3である。具体的な実施形態では、DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は1:1.5~1:2.5である。特定の実施形態では、DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は約1:2である。例えば、10mgのDNA鋳型は、20mgのSP6 RNAポリメラーゼとともに1gのインビトロで合成されたmRNAを得ることができる。
反応混合物中の各リボヌクレオチド(例えば、ATP、UTP、GTP、およびCTP)の濃度は、約0.1mM~約10mM、例えば、約1mM~約10mM、約2mM~約10mM、約3mM~約10mM、約1mM~約8mM、約1mM~約6mM、約3mM~約10mM、約3mM~約8mM、約3mM~約6mM、約4mM~約5mMである。一部の実施形態では、各リボヌクレオチドは、反応混合物中で約5mMである。一部の実施形態では、1mM~40mMの反応範囲で使用されるrNTP(例えば、ATP、GTP、CTPおよびUTPの組み合わせ)の総濃度。一部の実施形態では、反応範囲1mM~30mM、または1mM~28mM、または1mM~25mM、または1mM~20mMの間で使用されるrNTP(例えば、ATP、GTP、CTPおよびUTPの組み合わせ)の総濃度。一部の実施形態では、総rNTP濃度は30mM未満である。一部の実施形態では、総rNTP濃度は25mM未満である。一部の実施形態では、総rNTP濃度は20mM未満である。一部の実施形態では、総rNTP濃度は15mM未満である。一部の実施形態では、総rNTP濃度は10mM未満である。
RNAポリメラーゼ反応緩衝液は、典型的には、塩/緩衝剤、例えば、Tris、HEPES、硫酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムを含む。
反応混合物のpHは、約6~8.5、6.5~8.0、7.0~7.5であり得、一部の実施形態では、pHは7.5である。
線状のまたは線状化されたDNA鋳型(例えば、上述のように、所望の量のRNAを提供するのに十分な量/濃度で)、RNAポリメラーゼ反応緩衝液、およびSP6 RNAポリメラーゼを組み合わせて反応混合物を形成する。反応混合物を約37℃~約42℃で30分~6時間、例えば約60~約90分間インキュベートする。
一部の実施形態では、適切なRNAポリメラーゼ反応緩衝液(最終反応混合物pH約7.5)中の約5mM NTP、約0.05mg/mL SP6 RNAポリメラーゼ、および約0.1mg/mL DNA鋳型を約37℃~約42℃で60~90分間インキュベートする。
一部の実施形態では、反応混合物は、SP6ポリメラーゼ特異的プロモーター、SP6 RNAポリメラーゼ、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、29mM NTP、10mM DTTおよび反応緩衝液(10×で800mM HEPES、20mMスペルミジン、250mM MgCl、pH7.7の場合)およびRNase不含水による所望の反応体積に十分な量(QS)を有する線状化された二本鎖DNA鋳型を含有し;次に、この反応混合物を37℃で60分間インキュベートする。次に、ポリメラーゼ反応を、DNaseIおよびDNaseI緩衝液(10×で100mM Tris-HCl、5mM MgClおよび25mM CaCl、pH7.6の場合)の添加によってクエンチし、精製のための調製における二本鎖DNA鋳型の消化を促進する。この実施形態は、100グラムのmRNAを生成するのに十分であることが示されている。
一部の実施形態では、反応混合物は、1~10mMの範囲の濃度のNTP、0.01~0.5mg/mLの範囲の濃度のDNA鋳型、および0.01~0.1mg/mLの範囲の濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含み、例えば、反応混合物は、5mMの濃度のNTP、0.1mg/mLの濃度のDNA鋳型、および0.05mg/mLの濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む。
DNA鋳型
種々の核酸鋳型を本発明において使用することができる。典型的には、完全に二本鎖であるか、または大部分が二本鎖SP6プロモーター配列を有する一本鎖であるDNA鋳型を使用することができる。
線状化されたプラスミドDNA(1つまたはそれ以上の制限酵素を介して線状化された)、線状化されたゲノムDNA断片(制限酵素および/または物理的手段を介して)、PCR産物、および/または合成DNAオリゴヌクレオチドは、それらが転写されるDNA配列の上流(および正しい方向)に二本鎖SP6プロモーターを含むことを条件として、SP6を用いたインビトロ転写のための鋳型として用いることができる。
一部の実施形態では、線状化されたDNA鋳型は平滑末端を有する。
一部の実施形態では、転写されるDNA配列は、より効率的な転写および/または翻訳を促進するために最適化される。例えば、DNA配列は、シス調節エレメント(例えば、TATAボックス、終結シグナルおよびタンパク質結合部位)、人工組換え部位、カイ部位、CpGジヌクレオチド含量、陰性CpGアイランド、GC含量、ポリメラーゼスリップ部位、および/または転写に関連する他のエレメントに関して最適化される;DNA配列は、潜在的スプライス部位、mRNA二次構造、mRNAの安定な自由エネルギー、反復配列、RNA不安定性モチーフ、および/またはmRNAプロセシングおよび安定性に関連する他のエレメントに関して最適化される;DNA配列は、コドン使用バイアス、コドン適応性、内部カイ部位、リボソーム結合部位(例えば、IRES)、未成熟ポリA部位、Shine-Dalgarno(SD)配列、および/または翻訳に関連する他のエレメントに関して最適化される;および/またはDNA配列は、コドンコンテキスト、コドン-アンチコドン相互作用、翻訳休止部位、および/またはタンパク質フォールディングに関連する他のエレメントに関して最適化される。当該技術分野において公知である最適化方法、例えば、その内容は、その全体を参照によって本明細書に組み入れる、US20110081708に記載される、ThermoFisherおよびOptimumGene(商標)によるGeneOptimizerを本発明において使用することができる。
一部の実施形態では、DNA鋳型は、5’および/または3’非翻訳領域を含む。一部の実施形態では、5’非翻訳領域は、mRNAの安定性または翻訳に影響する1種またはそれ以上のエレメント、例えば、鉄応答性エレメントを含む。一部の実施形態では、5’非翻訳領域は、長さが約50~500ヌクレオチドであり得る。
一部の実施形態では、3’非翻訳領域は、ポリアデニル化シグナルの1つまたはそれ以上、細胞内での位置のmRNAの安定性に影響するタンパク質の結合部位、またはmiRNAの1つまたはそれ以上の結合部位を含む。一部の実施形態では、3’非翻訳領域は、長さが50~500ヌクレオチドまたはそれ以上であり得る。
例示的な3’および/または5’UTR配列は、センスmRNA分子の安定性を増加させるために安定であるmRNA分子(例えば、グロビン、アクチン、GAPDH、チューブリン、ヒストン、およびクエン酸サイクル酵素)から誘導することができる。例えば、5’UTR配列は、ヌクレアーゼ耐性を改善し、および/またはポリヌクレオチドの半減期を改善するために、CMV前初期1(IE1)遺伝子の部分配列またはその断片を含み得る。また、ポリヌクレオチドをさらに安定化するために、ヒト成長ホルモン(hGH)をコードする配列またはその断片をポリヌクレオチド(例えば、mRNA)の3’末端または非翻訳領域に含めることも考えられる。一般に、これらの修飾は、修飾されていない対応物と比較して、ポリヌクレオチドの安定性および/または薬物動態特性(例えば、半減期)を改善し、例えば、インビボヌクレアーゼ消化に対するそのようなポリヌクレオチド耐性を改善するためになされた修飾を含む。
ヌクレオチド
種々の天然または修飾されたヌクレオシドを用いて、本発明によるmRNAを生成することができる。一部の実施形態では、mRNAは、天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、グアノシン、シチジン、ウリジン);ヌクレオシドアナログ(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、プソイドウリジン(例えば、N-1-メチル-プソイドウリジン)、2-チオウリジン、および2-チオシチジン);化学的に修飾された塩基;生物学的に修飾された塩基(例えば、メチル化塩基);インターカレートされた塩基;修飾された糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース);および/または修飾されたリン酸基(例えば、ホスホロチオエートおよび5’-N-ホスホルアミダイト連結)であるかまたはそれを含む。
一部の実施形態では、mRNAは、1つまたはそれ以上の非標準ヌクレオチド残基(「修飾されたmRNA」と称される)を含む。非標準ヌクレオチド残基は、例えば、5-メチル-シチジン(「5mC」)、プソイドウリジン(「ψU」)、より具体的には、1-N-メチル-プソイドウリジン、および/または2-チオ-ウリジン(「2sU」)を含み得る。このような残基およびそれらのmRNAへの取り込みの検討については、例えば、米国特許第8,278,036号またはWO2011012316を参照されたい。mRNAはRNAであり得、U残基の25%が2-チオ-ウリジンであり、C残基の25%が5-メチルシチジンであるRNAとして定義される。RNAの使用についての教示は、米国特許出願公開第20120195936号および国際公開第2011012316号に開示され、いずれもそれらの全体を参照によって本明細書に組み入れる。非標準的なヌクレオチド残基の存在は、同じ配列を有するが標準的な残基のみを含有する対照mRNAよりも、mRNAをより安定にし、および/または免疫原性を低いものにすることができる。さらなる実施形態では、mRNAは、イソシトシン、プソイドイソシトシン、5-ブロモウラシル、5-プロピニルウラシル、6-アミノプリン、2-アミノプリン、イノシン、ジアミノプリンおよび2-クロロ-6-アミノプリンシトシンから選択される1つまたはそれ以上の非標準ヌクレオチド残基、ならびにこれらの修飾および他の核酸塩基修飾の組み合わせを含み得る。一部の実施形態は、フラノース環または核酸塩基に対する追加の修飾をさらに含むことができる。追加の修飾は、例えば、糖修飾または置換(例えば、2’-O-アルキル修飾、ロックド核酸(LNA)のうちの1つまたはそれ以上)を含み得る。一部の実施形態では、RNAは、追加のポリヌクレオチドおよび/またはペプチドポリヌクレオチド(PNA)と複合体化またはハイブリダイズすることができる。糖修飾が2’-O-アルキル修飾である一部の実施形態では、このような修飾は、限定されないが、2’-デオキシ-2’-フルオロ修飾、2’-O-メチル修飾、2’-O-メトキシエチル修飾および2’-デオキシ修飾を含み得る。一部の実施形態では、これらの修飾のいずれも、ヌクレオチドの0~100%において、例えば、構成ヌクレオチドの0%、1%、10%、25%、50%、75%、85%、90%、95%、または100%より多く、個々にまたは組み合わせて存在し得る。
合成されたmRNA
本発明は、高品質のインビトロで合成されたmRNAを提供する。例えば、本発明は、合成されたmRNAの均一性/均質性を提供する。特に、本発明の組成物は、実質的に全長である複数のmRNA分子を含む。例えば、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%のmRNA分子は、全長mRNA分子である。このような組成物は、全長mRNA分子に対して「富化された」と呼ばれる。一部の実施形態では、本発明に従って合成されたmRNAは、実質的に全長である。本発明の組成物は、全長mRNA分子に対して富化されていない組成物よりも大きなパーセンテージの全長mRNA分子を有する。
本発明では、組成物またはバッチは、全長mRNA分子ではないmRNA分子(すなわち、中断のまたは中断された転写物)を特異的に除去する工程なしに調製される。一部の実施形態では、クロマトグラフィー法(例えば、逆相高速(高圧)液体クロマトグラフィー(RP-HPLC);サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)など)などの合成後の精製方法は使用されない。
一部の実施形態では、本発明によって合成されるmRNA分子は、長さが500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、10,000、またはそれ以上のヌクレオチドより長く、本発明には、その間に任意の長さを有するmRNAもまた含まれる。
合成後のプロセシング
典型的には、5’キャップおよび/または3’テールは合成後に添加することができる。キャップの存在は、ほとんどの真核細胞に見られるヌクレアーゼに対する耐性を付与するのに重要である。「テール」の存在はmRNAをエキソヌクレアーゼ分解から保護するのに役立つ。
典型的には、5’キャップは、次のように付加される:まず、RNA末端ホスファターゼが5’ヌクレオチドから末端リン酸基の1つを除去し、2つの末端リン酸を残す;次に、グアノシン三リン酸(GTP)がグアニリルトランスフェラーゼを介して末端リン酸に付加され、5’5’5三リン酸結合を生成し;次に、グアニンの7-窒素がメチル基転移酵素によってメチル化される。キャップ構造の例としては、限定されないが、m7G(5’)ppp(5’(A,G(5’)ppp(5’)AおよびG(5’)ppp(5’)Gが挙げられる。追加のキャップ構造は、公開された米国特許出願第2016/0032356号および米国仮出願第62/464,327号(2017年2月27日に出願)に記載され、これらを参照によって本明細書に組み入れる。
典型的には、テール構造は、ポリ(A)および/またはポリ(C)テールを含む。mRNAの3’末端上のポリAまたはポリCテールは、典型的には、それぞれ、少なくとも50個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも150個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも200個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも250個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも300個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも350個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも400個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも450個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも500個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも550個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも650個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも700個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも750個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも800個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも850個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも900個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、少なくとも950個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、または少なくとも1kbのアデノシンもしくはシトシンヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、ポリAまたはポリCテールは、それぞれ、約10~800個のアデノシンまたはシトシンヌクレオチド(例えば、約10~200個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~300個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~400個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~500個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~550個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約50~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約100~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約150~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約200~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約250~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約300~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約350~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約400~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約450~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約500~600個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~150個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約10~100個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、約20~70個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド、または約20~60個のアデノシンもしくはシトシンヌクレオチド)であり得る。一部の実施形態では、テール構造は、本明細書に記載される種々の長さを有するポリ(A)およびポリ(C)テールの組み合わせを含む。一部の実施形態では、テール構造は、少なくとも50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のアデノシンヌクレオチドを含む。一部の実施形態では、テール構造は、少なくとも50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、92%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%のシトシンヌクレオチドを含む。
本明細書に記載されるように、5’キャップおよび/または3’テールの添加は、キャッピングおよび/またはテーリングなしに、これらの早期に中断したmRNA転写物のサイズを検出するには小さすぎる可能性があるため、インビトロ合成中に生成された中断転写物の検出を容易にする。したがって、一部の実施形態では、mRNAが純度(例えば、mRNA中に存在する中断転写物のレベル)について試験される前に、5’キャップおよび/または3’テールは合成されたmRNAに付加される。一部の実施形態では、mRNAが本明細書に記載されるように精製される前に、5’キャップおよび/または3’テールは合成されたmRNAに付加される。他の実施形態では、mRNAが精製された後に、5’キャップおよび/または3’テールは合成されたmRNAに付加される。
合成後の精製
一部の実施形態では、インビトロで合成されたmRNAを沈殿させて、沈殿したmRNAを含む懸濁液を提供し、その結果、それが、例えば、接線流ろ過、深層ろ過または遠心分離(例えば、ろ過遠心分離機を使用する)によって、混入物から分離することができる。懸濁液は、インビトロ合成反応からの種々の混入物、例えばプラスミドDNAおよび酵素を含む場合がある。
一部の実施形態では、mRNAを沈殿させることは、mRNAの沈殿を促進する1種またはそれ以上の薬物、例えばアルコール、両親媒性ポリマー、緩衝液、塩、および/または界面活性剤のうちの1種またはそれ以上を添加することを含む。具体的な実施形態では、mRNAの沈殿を促進する1つまたはそれ以上の薬物は、(i)塩(例えば、カオトロピック塩)および(ii)アルコールまたは両親媒性ポリマーである。
沈殿したmRNAは、典型的には、メンブレンまたはフィルターによって保持されるかまたは捕捉され、一方、混入物は除去される。保持された沈殿したmRNAは、沈殿工程に必要な塩を除去し、いずれの残った混入物も除去するために洗浄される。保持された沈殿したmRNAを洗浄することは、典型的には、洗浄緩衝液を用いた1つまたはそれ以上の洗浄工程を伴う。
一部の実施形態では、洗浄緩衝液は、アルコールまたは両親媒性ポリマーを含む。一部の実施形態では、洗浄緩衝液は、アルコール(例えば、エタノール)を少なくとも約50%、60%、70%、80%または90重量/体積濃度で含む。他の実施形態では、洗浄緩衝液は、ポリエチレングリコール(PEG)またはトリエチレングリコールモノメチルエーテルMTEGなどの両親媒性ポリマーを含む。
洗浄された保持された沈殿したmRNAは、mRNAを可溶化して、インビトロ合成反応からの混入物を実質的に含まないmRNAの水溶液を提供することによって、メンブレンまたはフィルターから回収される。
したがって、一部の実施形態では、本発明は、クロマトグラフィー工程を含まない全長メッセンジャーRNA(mRNA)の大規模生成方法を提供し、該方法は:
i)少なくとも1gのmRNA(例えば、少なくとも250gまたは少なくとも500g)が単一バッチで合成される、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロでmRNAを合成すること;
ii)インビトロで合成されたmRNAの単一バッチを沈殿させ、インビトロ合成反応に由来する混入物を除去すること;
iii)沈殿したmRNAをメンブレンまたはフィルターに捕捉すること;
iv)沈殿したmRNAをメンブレンまたはフィルター上で洗浄すること;および
v)mRNAを可溶化して、インビトロ合成反応からの混入物(例えば、ショートマー、酵素試薬、および二本鎖RNA(dsRNA))を実質的に含まないmRNAの水溶液を提供すること
を含む。
具体的な実施形態では、インビトロでmRNAを合成する工程は、DNA鋳型の重量と等しいかまたはそれより大きい重量のSP6 RNAポリメラーゼを用いて行われる。例えば、典型的な実施形態では、DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は1:1~1:3である。
具体的な実施形態では、mRNA中のdsRNAの量は検出限界未満であり、例えば、モノクローナル抗体J2を用いたドットブロットにより決定される。さらなる具体的な実施形態では、mRNAの90%を超える部分は、例えばキャピラリー電気泳動における主ピークの分析によって決定した場合、全長である。特定の実施形態では、上記方法の工程v)で得られたmRNAは、例えば銀染色で決定した場合、インビトロ合成反応において使用されるタンパク質または酵素の検出不能な量を含む。
mRNAの特徴付け
インビトロで合成されたmRNAを特徴付けるための種々の方法が当該技術分野において認識されている。mRNAの全長または中断転写物は、当該技術分野で利用可能な任意の方法を用いて、例えば、ブロッティング、キャピラリー電気泳動、クロマトグラフィー、蛍光、ゲル電気泳動、HPLC、銀染色、分光法、紫外線(UV)、またはUPLC、キャピラリー電気泳動による分離を伴うUV吸収分光法、またはそれらの任意の組み合わせを用いて検出および定量することができる。一部の実施形態では、mRNAは、ゲル電気泳動(「グリオキサールゲル電気泳動」)の前に、最初にグリオキサール色素によって変性される。一部の実施形態では、合成されたmRNAは、キャッピングまたはテーリングの前に特徴付けられる。一部の実施形態では、合成されたmRNAは、キャッピングおよびテーリング後に特徴付けられる。
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法によって生成されるmRNAは、全長mRNA以外に、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満の不純物を含む。不純物には、IVT混入物、例えば、タンパク質、酵素、遊離ヌクレオチド、ショートマーおよび/またはdsRNAが含まれる。
一部の実施形態では、本発明に従って生成されるmRNAは、ショートマーまたは中断転写物を実質的に含まない。特に、本発明に従って生成されるmRNAは、キャピラリー電気泳動またはグリオキサールゲル電気泳動により検出不能なレベルのショートマーまたは中断転写物を含有する。本明細書で使用される場合、用語「ショートマー」または「中断転写物」は、全長未満である任意の転写物を指す。一部の実施形態では、「ショートマー」または「中断転写物」は、長さが100ヌクレオチド未満、90未満、80未満、70未満、60未満、50未満、40未満、30未満、20未満、または10未満のヌクレオチドである。一部の実施形態では、ショートマーは、5’-キャップおよび/または3’-ポリAテールを添加した後に検出または定量される。
タンパク質発現
本発明に従って合成されたmRNAは、より効率的なタンパク質翻訳をもたらす。一部の実施形態では、SP6 RNAポリメラーゼを用いて本発明に従って合成されるmRNAは、T7またはT3 RNAポリメラーゼを用いて合成される同量のmRNAと比較して、細胞にトランスフェクトされた場合、例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上のタンパク質発現の増加をもたらす。
一部の実施形態では、本発明に従って合成されたmRNAは、T7またはT3 RNAポリメラーゼを用いて合成される同量のmRNAと比較して、細胞にトランスフェクトされた場合、例えば、少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、100倍、500倍、1000倍、またはそれ以上、mRNAによってコードされるタンパク質活性の増大をもたらす。
任意のmRNAは、本発明を用いて合成することができる。一部の実施形態では、mRNAは、1種またはそれ以上の天然に存在するペプチドをコードする。一部の実施形態では、mRNAは、1種またはそれ以上の修飾されたかまたは天然に存在しないペプチドをコードする。
一部の実施形態では、mRNAは、細胞内タンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、細胞質タンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、アクチン細胞骨格に関連したタンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、細胞膜に関連したタンパク質をコードする。一部の特定の実施形態では、mRNAは、膜貫通タンパク質をコードする。一部の特定の実施形態では、mRNAは、イオンチャネルタンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、核周囲タンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、核タンパク質をコードする。一部の特定の実施形態では、mRNAは、転写因子をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、シャペロンタンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、細胞内酵素をコードする(例えば、mRNAは、尿素サイクルまたはリソソーム蓄積代謝障害に関連する酵素をコードする)。一部の実施形態では、mRNAは、細胞代謝、DNA修復、転写および/または翻訳に関与するタンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、細胞外タンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、細胞外マトリックスに関連するタンパク質をコードする。一部の実施形態では、mRNAは、分泌タンパク質をコードする。特定の実施形態では、本発明の組成物および方法において使用されるmRNAを使用して、1種またはそれ以上の標的細胞によって周囲の細胞外液(例えば、ホルモンおよび/または神経伝達物質をコードするmRNA)中に排出または分泌される機能性タンパク質または酵素を発現させることができる。
本発明は、対象、例えば、ヒト対象またはヒト対象の細胞、またはヒト対象を処置し、送達される細胞への送達または処置に使用する目的のペプチドまたはポリペプチドをコードする全長mRNA分子で富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
したがって、ある種の実施形態では、本発明は、対象の肺もしくは肺細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー3タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ダイニン軸糸中間鎖1タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ダイニン軸糸重鎖5(DNAH5)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アルファ-1-アンチトリプシンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、フォークヘッドボックスP3(FOXP3)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、1種またはそれ以上の界面活性物質タンパク質、例えば、1種またはそれ以上の界面活性物質Aタンパク質、界面活性物質Bタンパク質、界面活性物質Cタンパク質、および界面活性物質Dタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の肝臓もしくは肝細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。このようなペプチドおよびポリペプチドは、尿素サイクル障害に関連するもの、リソソーム蓄積障害に関連するもの、グリコーゲン蓄積障害に関連するもの、アミノ酸代謝障害に関連するもの、脂質代謝または線維性障害に関連するもの、メチルマロン酸血症に関連するもの、またはdsRNAを実質的に含まない富化された全長mRNAによる肝臓もしくは肝細胞への送達または処置が治療上の利益を提供する任意の他の代謝障害に関連するものを含むことができる。
ある種の実施形態では、本発明は、尿素サイクル障害に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アルギノコハク酸シンテターゼ1タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、カルバモイルリン酸シンテターゼIタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アルギノコハク酸リアーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アルギナーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、リソソーム蓄積障害に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アルファガラクトシダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、グルコセレブロシダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、イズロン酸-2-スルファターゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、イズロニダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、N-アセチル-アルファ-D-グルコサミニダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヘパランN-スルファターゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ガラクトサミン-6スルファターゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ベータ-ガラクトシダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、リソソームリパーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、アリールスルファターゼB(N-アセチルガラクトサミン-4-スルファターゼ)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、転写因子EB(TFEB)をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、ホタルルシフェラーゼ酵素(FFL)をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒトエリスロポエチン(EPO)mRNAをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、グリコーゲン蓄積障害に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、酸アルファ-グルコシダーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、グルコース-6-ホスファターゼ(G6PC)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、肝臓グリコーゲンホスホリラーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、筋ホスホグリセリン酸ムターゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、グリコーゲン脱分枝酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、アミノ酸代謝に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、グルタリル-CoAデヒドロゲナーゼ酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、プロピオニル-CoAカルボキシラーゼ酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、オキサラーゼアラニン-グリオキシラートアミノトランスフェラーゼ酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、脂質代謝または線維性障害に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、mTOR阻害剤をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、8B1(ATP8B1)タンパク質を輸送するATPaseリン脂質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、I-カッパBアルファ、インターフェロン関連発生調節因子1(IFRD1)、およびSirtuin1(SIRT1)の1つまたはそれ以上などの1つまたはそれ以上のNF-カッパB阻害剤をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、PPAR-ガンマタンパク質または活性バリアントをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、メチルマロン酸血症に関連するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。例えば、ある種の実施形態では、本発明は、メチルマロニルCoAムターゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、メチルマロニルCoAエピメラーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、肝臓への送達または処置が治療上の利益を提供し得るために、実質的にdsRNAを含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ウィルソン病タンパク質としても公知であるATP7Bタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ポルホビリノーゲンデアミナーゼ酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、第VIII因子、第IX因子、第VII因子、および第X因子などの1つまたはそれ以上の凝固酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒトヘモクロマトーシス(HFE)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の心血管系もしくは心血管細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、血管内皮増殖因子Aタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、レラキシンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、骨形成タンパク質-9タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、骨形成タンパク質-2受容体タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の筋肉もしくは筋細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ジストロフィンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、フラタキシンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、対象の心筋もしくは心筋細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、筋肉組織または筋肉細胞においてカリウムチャネルおよびナトリウムチャネルの一方または両方を調節するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、筋肉組織または筋肉細胞においてKv7.1チャネルを調節するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、筋肉組織または筋肉細胞においてNav1.5チャネルを調節するタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の神経系もしくは神経系細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。例えば、ある種の実施形態では、本発明は、生存運動ニューロン1タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。例えば、ある種の実施形態では、本発明は、生存運動ニューロン2タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、フラタキシンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ATP結合カセットサブファミリーDメンバー1(ABCD1)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、CLN3タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の血液もしくは骨髄または血液細胞もしくは骨髄細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ベータグロビンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ブルトンのチロシンキナーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、第VIII因子、第IX因子、第VII因子、および第X因子などの1つまたはそれ以上の凝固酵素をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の腎臓もしくは腎細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、IV型コラーゲンアルファ5鎖(COL4A5)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象の眼もしくは眼細胞への送達または処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー4(ABCA4)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、レチノスカイシンタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、網膜色素上皮特異的65kDa(RPE65)タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、290kDa(CEP290)の中心体タンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象または対象の細胞に対するワクチンの送達またはそれによる処置に使用するためのペプチドまたはポリペプチドをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。例えば、ある種の実施形態では、本発明は、ウイルスなどの感染性因子由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、インフルエンザウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、呼吸器合胞体ウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、狂犬病ウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、サイトメガロウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ロタウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、またはC型肝炎ウイルスなどの肝炎ウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒトパピローマウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、単純ヘルペスウイルス1または単純ヘルペスウイルス2などの単純ヘルペスウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒト免疫不全ウイルス1型またはヒト免疫不全ウイルス2型などのヒト免疫不全ウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒトメタニューモウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ヒトパラインフルエンザウイルス1型、ヒトパラインフルエンザウイルス2型、またはヒトパラインフルエンザウイルス3型などのヒトパラインフルエンザウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、マラリアウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ジカウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、キクングニアウイルス由来の抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、対象のがんに関連するかまたは対象のがん細胞から同定される抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、対象自身のがん細胞から決定される抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供し、すなわち、パーソナライズされたがんワクチンを提供する。ある種の実施形態では、本発明は、突然変異KRAS遺伝子から発現される抗原をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、抗体は、二重特異性抗体であり得る。ある種の実施形態では、抗体は、融合タンパク質の一部であり得る。ある種の実施形態では、本発明は、OX40に対する抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、VEGFに対する抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、組織壊死因子アルファに対する抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、CD3に対する抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、CD19に対する抗体をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、免疫調節剤をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、インターロイキン12をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、インターロイキン23をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、インターロイキン36ガンマをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、インターフェロン遺伝子(STING)タンパク質の1種またはそれ以上の刺激因子の構成的に活性なバリアントをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
ある種の実施形態では、本発明は、エンドヌクレアーゼをコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、Cas 9タンパク質などのRNA誘導DNAエンドヌクレアーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、メガヌクレアーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。ある種の実施形態では、本発明は、ジンクフィンガーヌクレアーゼタンパク質をコードするdsRNAを実質的に含まない全長mRNAで富化された治療組成物を生成する方法を提供する。
脂質ナノ粒子
本発明に従って合成されたmRNAは、任意の方法を用いてインビボでのタンパク質生成のために製剤化され、送達される。一部の実施形態では、mRNAは、ナノ粒子などの輸送ビヒクル中に封入される。とりわけ、このような封入の1つの目的は、しばしば、核酸の迅速な排出を引き起こす核酸および/またはシステムもしくは受容体を分解する酵素または化学物質を含有し得る環境から核酸を保護することである。したがって、一部の実施形態では、適切な送達ビヒクルは、その中に含有されるmRNAの安定性を高めることができ、および/または標的細胞もしくは組織へのmRNAの送達を促進することができる。一部の実施形態では、ナノ粒子は、脂質ベースのナノ粒子、例えば、リポソームまたはポリマーベースのナノ粒子を含むものであり得る。一部の実施形態では、ナノ粒子は、約40~100nm未満の直径を有することができる。ナノ粒子は、少なくとも1μg、10μg、100μg、1mg、10mg、100mg、1g、またはそれ以上のmRNAを含み得る。
一部の実施形態では、輸送ビヒクルは、リポソーム小胞、または標的細胞および組織への核酸の輸送を容易にする他の手段である。適切な輸送ビヒクルには、限定されないが、リポソーム、ナノリポソーム、セラミド含有ナノリポソーム、プロテオリポソーム、ナノ粒子、カルシウム蛍光体-ケイ酸塩ナノ粒子、カルシウムリン酸塩ナノ粒子、二酸化ケイ素ナノ粒子、ナノ結晶粒子、半導体ナノ粒子、ポリ(D-アルギニン)、ナノデンドリマー、デンプンベースの送達システム、ミセル、乳濁液、ニオソーム、プラスミド、ウイルス、リン酸カルシウムヌクレオチド、アプタマー、ペプチドおよび他のベクタータグが含まれる。また、適切な輸送ビヒクルとしてのバイオナノカプセルおよび他のウイルスカプシドタンパク質アセンブリの使用もまた企図される。(Hum.Gene Ther.2008年9月;19(9):887~95頁)。
リポソームは、1種またはそれ以上のカチオン性脂質、1種またはそれ以上の非カチオン性脂質、1種またはそれ以上のステロールベースの脂質、および/または1種またはそれ以上のPEG修飾脂質を含み得る。リポソームは、脂質の3種またはそれ以上の異なる成分を含み得、脂質の1つの異なる成分は、ステロールベースのカチオン性脂質である。一部の実施形態では、ステロールベースのカチオン性脂質は、イミダゾールコレステロールエステルまたは「ICE」脂質である(その全体を参照によって組み入れる、WO2011/068810を参照されたい)。一部の実施形態では、ステロールベースのカチオン性脂質は、脂質ナノ粒子(例えば、リポソーム)中の総脂質の70%以下(例えば、65%および60%以下)を構成する。
適切な脂質の例としては、例えば、ホスファチジル化合物(例えば、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシド)が挙げられる。
カチオン性脂質の非限定的な例としては、C12-200、MC3、DLinDMA、DLinkC2DMA、cKK-E12、ICE(イミダゾールベース)、HGT5000、HGT5001、OF-02、DODAC、DDAB、DMRIE、DOSPA、DOGS、DODAP、DODMAおよびDMDMA、DODAC、DLenDMA、DMRIE、CLinDMA、CpLinDMA、DMOBA、DOcarbDAP、DLinDAP、DLincarbDAP、DLinCDAP、KLin-K-DMA、DLin-K-XTC2-DMA、およびHGT4003、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
非カチオン性脂質の非限定的な例としては、セラミド;セファリン;セレブロシド;ジアシルグリセロール;1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホリルグリセロールナトリウム塩(DPPG);1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE);1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC);1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC);1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE);1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジルコリン(DOPC);1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPPE);1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DMPE);および1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-(1’-rac-グリセロール)(DOPG)、1-パルミトイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(POPE);1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC);1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(SOPE);スフィンゴミエリン;またはそれらの組み合わせが挙げられる。
一部の実施形態では、PEG修飾脂質は、長さがC-C20のアルキル鎖(複数可)を有する脂質に共有結合的に結合した長さが最大5kDaのポリ(エチレン)グリコール鎖であり得る。PEG修飾脂質の非限定的な例としては、DMG-PEG、DMG-PEG2K、C8-PEG、DOG PEG、セラミドPEG、およびDSPE-PEG、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
また、単独であるかまたは他の輸送ビヒクルと組み合わせるかどうかにかかわらず、輸送ビヒクルとしてのポリマーの使用もまた意図される。適切なポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリアルキシアノアクリレート、ポリラクチド、ポリラクチド-ポリグリコリドコポリマー、ポリカプロラクトン、デキストラン、アルブミン、ゼラチン、アルギン酸塩、コラーゲン、キトサン、シクロデキストリンおよびポリエチレンイミンを挙げることができる。ポリマーベースのナノ粒子は、ポリエチレンイミン(PEI)、例えば分枝PEIを含み得る。
本発明に関連する追加の教示は、WO2011/068810、WO2012/075040、US62/420,421、およびUS62/421,021、ならびに2017年2月27日に出願人により出願された関連出願である、表題「METHODS FOR PURIFICATION OF MESSENGER RNA」、「NOVEL CODON-OPTIMIZED CFTR SEQUENCE」、および「METHODS FOR PURIFICATION OF MESSENGER RNA」のうちの1つまたはそれ以上に記載され、これらの各々はその全体を参照によって組み入れる。
本明細書に記載されたものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料は、以下に記載される。本明細書に記載されるすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、それらの全体を参照によって組み入れる。本明細書に引用される参考文献は、請求される発明に対する先行技術であるとは認められない。加えて、材料、方法、および実施例は、単に例示的であり、限定することを意図しない。
T7 RNAポリメラーゼではなく、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写は二本鎖RNAを実質的に含まないmRNA産物を生成した
この実施例は、ドットブロットによって検出した場合、SP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写(IVT)によって生成されたmRNA産物中に存在する二本鎖RNAの量を示す。
インビトロ転写のプロセスは、同一鎖内または反対側の鎖上の相補的領域における塩基対形成を通じて二本鎖RNAを生じさせ、5’または3’オーバーハングを有するdsRNAを生成した(図1)。dsRNAは、mRNA療法の適用のための望ましくない混入物である。
SP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼによるインビトロ転写中に生成される二本鎖RNAの量を測定するために、mRNA合成を最初に行った。T7転写反応は、1×T7転写緩衝液(80mM HEPES pH8.0、2mMスペルミジン、および25mM MgCl、最終pH7.7)、10mM DTT、7.25mM各ATP、GTP、CTP、およびUTP、RNAse阻害剤、ピロホスファターゼ、およびT7 RNAポリメラーゼからなった。SP6反応は、5mMの各NTP、約0.05mg/mL SP6ポリメラーゼDNA、および約0.1mg/mL鋳型DNAを含み;転写緩衝液の他の成分は変化した。反応は37℃で60~90分間(特に断らない限り)行われた。DNAseIを添加して、反応を停止させ、さらに15分間、37℃でインキュベートした。製造業者の推奨に従ってQiagen RNA maxiカラムを用いてインビトロ転写mRNAを精製した。上記のインビトロ転写工程からの精製されたmRNA産物は、GTP(1.0mM)、S-アデノシルメチオニン、RNAse阻害剤、2’-O-メチルトランスフェラーゼおよびグアニリルトランスフェラーゼの一部で処理し、反応緩衝液(10×、500mM Tris-HCl(pH8.0)、60mM KCl、12.5mM MgCl)とともに混合した。合わせた溶液を37℃で30~90分間、一定時間インキュベートした。完了後、ATP(2.0mM)、ポリAポリメラーゼおよびテーリング反応緩衝液(10×、500mM Tris-HCl(pH8.0)、2.5M NaCl、100mM MgCl)のアリコートを添加し、全反応混合物を、20~45分間、一定時間37℃でさらにインキュベートした。完了後、最終反応混合物をクエンチし、それに従って精製した。
簡単に説明すると、転写されたmRNAの各グラムについて、20mgの線状化二本鎖DNAプラスミドと、RNAポリメラーゼ特異的プロモーター、10mgのRNAポリメラーゼ、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、5mM NTP、10mM DTTおよび反応緩衝液(10×-250mM Tris-HCl、pH7.5、20mMスペルミジン、50mM NaCl)とを含有する反応物を使用し、次に、RNase不含水による200mLまでの十分な量(QS)で37℃にて60分間インキュベートした。次に、DNase IおよびDNase I緩衝液(10×-100mM Tris-HCl、5mM MgClおよび25mM CaCl、pH7.6)を添加して反応をクエンチし、二本鎖DNA鋳型の消化を促進した。
一部の実施形態では、精製されたインビトロで転写されたmRNAは、グアニレートトランスフェラーゼを用いた5’N-メチルグアニレートキャップ0構造の付加、およびFechter,P.;Brownlee、G.G.「Recognition of mRNA cap structures by viral and cellular proteins」J.Gen.Virology 2005年、86巻、1239~1249頁に記載される2’O-メチルトランスフェラーゼを用いて、Cap 1構造をもたらす最後から2番目のヌクレオチドの2’O位置でのメチル基の付加によって酵素的に修飾された。Cap 1構造の添加後、ポリAポリメラーゼを用いて酵素的にインビトロで転写されたmRNAの3’末端にポリアデニル酸テールを添加した。簡単に説明すると、2.5mM GTP、246μM S-アデノシルメチオニン、RNase阻害剤、2’-Oメチルトランスフェラーゼ、グアニリルトランスフェラーゼ、反応緩衝液(10×-500mM Tris-HCl pH8.0、60mM MgCl、および12.5mM MgCl)、およびRNase不含HOによる650mLまでのQSを含有する精製IVTの各グラムについて、キャッピング反応を設定し、次に、37℃で60分間インキュベートした。インキュベーション後、テーリング反応は、テーリング緩衝液(10×-500mM Tris-HCl pH8.0、2.5M NaCl、100mM MgCl)、3.7mM ATP、ポリAポリメラーゼ、およびRNase不含HOによる800mLまでのQSを添加することによって開始した。テーリング反応を37℃で30分間行った後、12.5mM EDTAを添加してクエンチした。
SP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼによるmRNA合成中に生成された二本鎖RNAの量を検出するためにドットブロットを行った。ドットブロットは、転写されたRNAをキャッピングおよびテーリングする前または後のいずれかで、mRNA産物について行われた。2μLの試料体積中のSAM HA試料あたり200ngのRNAをブロットした。一次抗体として抗dsRNAモノクローナル抗体J2を用い、二次抗体として抗マウスIgG HRPを用いた。J2抗体は、ヘリックスの長さが40bpを超えるかまたはそれに等しいという条件でdsRNAを認識する。dsRNA認識は、mRNAの配列およびヌクレオチド組成とは無関係である。J2抗体は、dsRNAの検出のためのゴールドスタンダードである。
シグナルは、1分間の曝露後に検出され(図2)、対照として装填された2ngまたは25ngの二本鎖RNA標準から得られたシグナルと比較された。結果は、25ngを超える二本鎖RNAが、T7 RNAポリメラーゼを用いて生成されることを示した(図2、3および4と標識されたレーン)。対照的に、SP6 RNAポリメラーゼを用いた反応で生成されたdsRNAの量は、検出限界よりも低かった(図2、1および2と標識されたレーン)。
これらの結果は、SP6 RNAポリメラーゼを用いたIVTによるmRNAの合成が、下流への適用に適した二本鎖RNAを実質的に含まないmRNAを生成することを示した。実質的な量の二本鎖RNAなしにIVTによりmRNAを生成する方法は、SP6 RNAポリメラーゼを用いることである。
例示的SP6ポリメラーゼ由来mRNA産物は、対応するT7ポリメラーゼ由来mRNA産物と比較して、二本鎖RNAを実質的に含まなかった
この実施例は、SP6 RNAポリメラーゼによって合成された例示的なmRNA産物は、T7ポリメラーゼによって合成された対応するmRNA産物と比較して、二本鎖RNAを実質的に含まないことを実証する。
ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)mRNA、ホタルルシフェラーゼ(FFL)mRNA、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)mRNA、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)mRNA、またはヒトエリスロポエチン(EPO)mRNAを含む例示的なmRNAは、実施例1に記載の条件に基づいて、それぞれ、SP6 RNAポリメラーゼを用いてまたはT7ポリメラーゼを用いてインビトロで転写された。
二本鎖RNAの量を測定するために、SP6ポリメラーゼまたはT7ポリメラーゼを用いて転写された200ngのmRNAについてドットブロットを行った。ブロットを抗dsRNA J2モノクローナル抗体でプロービングし、次に二次抗マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体とともにインキュベートした。各試料から得られたシグナルを対照25ng dsRNAマーカー(図3、レーン1)と比較した。
結果は、T7ポリメラーゼを用いて生成されたmRNAは、ブロットされた200ngのRNAのうち最大約25ng(すなわち、12.5%)の検出可能なCFTR二本鎖RNAを含むことが示された。対照的に、SP6 RNAポリメラーゼを用いて合成されたmRNAは、25ng未満の検出可能な二本鎖CFTR RNAを含有した(図3、レーン2)。
同様に、T7ポリメラーゼで転写されたFFL、PAH、OTCおよびEPOのmRNA産物は25ng未満の二本鎖RNAを含有したが、SP6 RNAポリメラーゼで転写されたFFL、PAH、OTCおよびEPOのmRNA産物における二本鎖RNAの量は検出限界未満であった(図3、レーン3~6)。
これらの結果は、SP6 RNAポリメラーゼを用いたIVTによるmRNAの合成が、下流への適用に適した、dsRNAを実質的に含まない種々の例示的なmRNA産物を生成することを示した。実質的な量のdsRNAなしでIVTによりmRNA産物を生成する広く適用可能な方法は、SP6ポリメラーゼを使用することである。
SP6ポリメラーゼを用いたmRNAのミリグラム量までのスケールアップは二本鎖RNAを実質的に含まないmRNA産物を生成した
この実施例は、ミリグラム量のmRNA産物を生じさせる大規模なインビトロ転写によって生成される二本鎖RNAの量を示す。例示的なmRNAは、実施例1に記載される条件に基づいて、それぞれ、SP6 RNAポリメラーゼおよびT7 RNAポリメラーゼを用いて合成された。この手順をスケールアップして、単一バッチでミリグラム量のmRNAを生成した。
ヒト嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)mRNA、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)mRNA、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)mRNA、またはHA mRNAを含む例示的なmRNAは、T7 RNAポリメラーゼ(旧プロセス)またはSP6 RNAポリメラーゼ(新プロセス)を用いて転写された。
二本鎖RNAの量を測定するために、T7 RNAポリメラーゼ(旧プロセス)またはSP6 RNAポリメラーゼ(新プロセス)を用いて転写されたミリグラム量のmRNAについてドットブロットを行った。ブロットを抗dsRNA J2モノクローナル抗体でプロービングし、次に二次抗マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体とともにインキュベートした。1分間の曝露後に各試料から検出されたシグナルをdsRNA対照から得られたシグナルと比較した。
旧プロセスによって生成された例示的なCFTR mRNA産物は、有意な量の二本鎖RNAを含有し、一方、新プロセスによって生成された対応するCFTR mRNA産物は、検出限界未満の二本鎖RNAを含有した(図4A)。
同様に、旧プロセスによって生成された例示的なPAH mRNA産物は、有意な量の二本鎖RNAを含有したが、新プロセスによって生成された対応するPAH mRNA産物における二本鎖RNAの量は、検出限界未満であった(図4B)。
加えて、旧プロセスによって生成された例示的なOTC mRNA産物は、有意な量の二本鎖RNAを含有した。対照的に、新プロセスによって生成された対応するOTC mRNA産物中の二本鎖RNAの量は、検出限界未満であった(図4C)。
この実施例は、SP6媒介mRNA合成(新プロセス)がミリグラム量までスケールアップされ、実質的にdsRNAを含まないmRNA産物を生じることを実証する。
SP6 RNAポリメラーゼを用いて生成されたミリグラム量の修飾と非修飾mRNA産物の両方は二本鎖RNAを実質的に含まなかった
この実施例では、ミリグラム量のHA mRNAが、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写により合成された。修飾リボヌクレオチドを含むHA mRNA産物中に存在するdsRNAの量を比較するために、修飾リボヌクレオチドを重合転写物中に取り込んだ単一バッチでmRNAを合成し、天然リボヌクレオチドを取り込んで合成したmRNAと比較した。
dsRNAの量を測定するために、ドットブロットを行った。ブロットを抗dsRNA J2モノクローナル抗体でプロービングし、次に二次抗マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体とともにインキュベートした。1分間の曝露後に各試料から検出されたシグナルをdsRNA対照から得られたシグナルと比較した。
結果は、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写によって生成された修飾型と非修飾型のHA mRNA産物のいずれも、実質的な量のdsRNAを欠いたことを示した(図4D)。
この実施例は、修飾または非修飾リボヌクレオチドを組み込んだSP6媒介mRNA合成がミリグラム量までスケールアップされ、二本鎖RNAを実質的に含まないmRNA産物を生じることを実証する。
SP6 RNAポリメラーゼを用いる大規模mRNA合成は、二本鎖RNAを実質的に含まない100グラムのmRNA産物を生成した
この実施例は、大規模のグラム量で生成されたmRNA産物中に存在する二本鎖RNAの量を示す。この実施例では、100グラムのCFTR mRNAは、SP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写により単一バッチで生成された。
二本鎖RNAの量を測定するために、ドットブロットが、SP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼを用いて生成されたmRNA産物について行われた。ブロットは、抗dsRNA J2モノクローナル抗体でプロービングされ、次に二次抗マウスIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ抗体とともにインキュベートした。1分間の曝露後に各試料から検出されたシグナルは、dsRNA対照から得られたシグナルと比較された(図5、レーン1)。
結果は、T7ポリメラーゼ反応では有意な量の二本鎖RNAが生成されたが(図5、レーン2)、SP6 RNAポリメラーゼ反応で生成された二本鎖RNAの量は検出限界未満であったことを示した(図5、レーン3)。
この実施例は、SP6 RNAポリメラーゼ合成が、実質的に二本鎖RNAを含まない高品質のmRNA産物の商業的生成を満たすようにスケールアップし得ることを実証する。
SP6 RNAポリメラーゼを用いた250mg mRNAの単一バッチ合成は二本鎖RNAを実質的に含まなかった
この実施例は、大規模のグラム量で生成されたmRNA産物中に存在する二本鎖RNAの量を示す。この実施例では、250グラムのCFTR mRNAは、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写により単一バッチで生成された。
SP6 RNAポリメラーゼを用いて単一バッチで生成された250mgのインビトロで合成されたOTC mRNAは、キャピラリー電気泳動(CE)、質量分析、アガロースゲル分析によって完全性について分析された(図6A~6C)。インビトロで合成されたmRNAは、二本鎖RNA(dsRNA)の存在について評価され(図6D)、銀染色によって純度についても評価された(図6E)。これらの研究からのデータは、SP6 mRNAを用いて生成された大規模mRNA合成が高い完全性を有し、ドットブロットによって評価した場合、検出可能ないずれの二本鎖RNAも有さないことを示す(図6D)。SP6ポリメラーゼを用いて合成されたOTCはまた、図6Bに示されるように、高いキャッピング量を示した。まとめると、これらのデータは、mRNA純度、検出可能な二本鎖RNAの減少または消失、およびSP6 RNAポリメラーゼを用いて得られる高レベルのRNA完全性の点での改善を示す。
SP6 RNAポリメラーゼを用いたmRNAのインビトロ合成の最適化
インビトロのmRNA合成条件を最適化するために、SP6 RNAポリメラーゼを用いてさらに研究を行った。これらの研究では、SP6 RNAポリメラーゼの量を変化させ、プラスミドDNA(pDNA-DNA鋳型)もまた変化させて、インビトロで合成されたmRNAの収量に対するこれらの試薬の濃度の変動に続く結果としての効果を確認した。これらの試験において分析された結果および条件を以下の表1に要約する。
Figure 2023545503000001
表1に示されるように、pDNAの2つの濃度:1)20mg/g RNA、および2)10mg/g RNAを試験した。同様に、SP6の2つの濃度:1)10mg/g RNA;および2)20mg/g RNAを試験した。結果は、10mg/g RNAから20mg/g RNAへ使用されるSP6 RNAポリメラーゼの量を増加させると、288グラムのmRNA収量がもたらされることを示す。この結果はまた、pDNA濃度を10mg/g RNAから20mg/g RNAに増加させると、生成されるmRNAの収量が250グラム低くなることを示す。これらのデータは、反応におけるSP6 RNAポリメラーゼの濃度を増加させると、反応に使用されるpDNAの量を増加させることによって得られるものよりも多い収量が得られることを示す。特に、一定量のpDNAを維持しながらSP6 RNAポリメラーゼの濃度を増加させると、収量の増加がもたらされた。
これらの研究の結果は、図7A、7Bおよび7Cにグラフで示され、上記の2つの条件を使用するSP6 RNAポリメラーゼを用いて合成され、表1に要約されるmRNAについて、収量、使用される臨界試薬量、および製造原価(CoGS)を示す。
SP6 RNAポリメラーゼを用いた修飾mRNAのインビトロ合成
この実施例は、SP6 RNAポリメラーゼを用いたインビトロ転写(IVT)によって生成される修飾されたmRNA産物が、dsRNAおよびショートマー混入の両方を実質的に含まないことを示す。
mRNAは、RNAポリメラーゼ特異的プロモーター、適量のSP6 RNAポリメラーゼまたはT7 RNAポリメラーゼ、RNase阻害剤、ピロホスファターゼ、およびウリジンの代わりに例えば1-N-メチル-プソイドウリジンを含むNTP、および適切な反応緩衝液を有する線状化二本鎖DNAプラスミドを用いて合成された。
2つの独立した実験において、SP6 RNAポリメラーゼを用いて生成された修飾mRNAは、dsRNAおよびショートマーの両方を実質的に含まなかった。対照的に、T7 RNAポリメラーゼを用いて生成された修飾mRNAは、微量のショートマーを含有した。
同等物
当業者であれば、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの同等物を、日常的な実験のみを用いて認識するかまたは確認することができる。本発明の範囲は、上述の説明に限定されるものではなく、むしろ、以下の特許請求の範囲に記載されるものである。

Claims (59)

  1. 全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物の大規模生成方法であって、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロでmRNAを合成することを含み、少なくとも1gのmRNAが単一バッチで合成され、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有する、方法。
  2. クロマトグラフィー工程を含まない、請求項1に記載の方法。
  3. mRNAは非変性条件で合成される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物を生成する方法であって、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有し、方法はクロマトグラフィー工程を含まない、方法。
  5. 全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物を生成する方法であって、インビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有し、mRNAは非変性条件で合成される、方法。
  6. 少なくとも1gのmRNAが単一バッチで合成される、請求項4または5に記載の方法。
  7. 少なくとも10g、100g、250g、500g、1kg、または10kgのmRNAが単一バッチで合成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 組成物は0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 組成物はdsRNAを実質的に含まない、請求項8に記載の方法。
  10. mRNAのインビトロ合成は、約6~8.5のpHで行われる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. mRNAのインビトロ合成は、25mMトリスHCl、2mMスペルミジン、25mM MgCl、0.5mM NaClを含む緩衝液中、およびpH7.5で行われる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. カオトロピック剤を含まない、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 全長メッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物の大規模生成方法であって、SP6 RNAポリメラーゼを用いてインビトロでmRNAを合成することを含み、組成物は1重量%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含み、少なくとも100mgのmRNAが単一バッチで合成される、方法。
  14. 組成物は、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含有する、請求項13に記載の方法。
  15. 組成物はdsRNAを実質的に含まない、請求項14に記載の方法。
  16. dsRNAはドットブロットアッセイまたはELISAによって検出される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. dsRNAは、合成されたmRNAをキャッピングするかまたはテーリングする前に検出される、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 合成されたmRNAをキャッピングおよび/またはテーリングする工程をさらに含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. dsRNAは、合成されたmRNAのキャッピングおよびテーリングの後に検出される、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  20. 少なくとも200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、150g、200g、250g、500g、750g、1kg、5kgもしくは10kg、またはそれ以上のmRNAが単一バッチで合成される、請求項13~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. dsRNAを特異的に除去する工程を含まない、請求項13~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. クロマトグラフィー工程を含まない、請求項13~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. SP6 RNAポリメラーゼは、天然に存在するSP6 RNAポリメラーゼである、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. SP6 RNAポリメラーゼは、組換えSP6 RNAポリメラーゼである、請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. SP6 RNAポリメラーゼはタグを含む、請求項24に記載の方法。
  26. タグはHisタグである、請求項25に記載の方法。
  27. mRNAは、DNA鋳型に基づいてSP6 RNAポリメラーゼによって合成される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 反応混合物中のSP6 RNAポリメラーゼの重量は、DNA鋳型の重量と等しいかまたはそれよりも大きい、請求項27に記載の方法。
  29. DNA鋳型対SP6 RNAポリメラーゼの重量比は1:1~1:3である、請求項28に記載の方法。
  30. DNA鋳型は、合成されるmRNA配列をコードするDNA配列に作動可能に連結されたSP6プロモーターを含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. DNA配列は最適化される、請求項30に記載の方法。
  32. DNA配列は、合成されたmRNAにおいてヘアピン構造を形成する機会を減少させるように最適化される、請求項31に記載の方法。
  33. mRNAは、各NTPが1~10mMの範囲の濃度のNTP、0.01~0.5mg/mLの範囲の濃度のDNA鋳型、および0.01~0.1mg/mLの範囲の濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む反応混合物中で合成される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
  34. 反応混合物は、各NTPが5mMの濃度のNTP、0.1mg/mLの濃度のDNA鋳型、および0.05mg/mLの濃度のSP6 RNAポリメラーゼを含む、請求項33に記載の方法。
  35. mRNAは37~42℃の範囲の温度で合成される、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. NTPは天然に存在するNTPである、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. NTPは修飾されたNTPを含む、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
  38. 修飾されたNTPは、プソイドウリジン(「ψU」)を含む、請求項37に記載の方法。
  39. プソイドウリジンは1-N-メチル-プソイドウリジンである、請求項38に記載の方法。
  40. 全長mRNA分子は、長さが少なくとも100塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、8kb、10kb、または15kbである、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
  41. mRNAはコドン最適化される、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 請求項1~41のいずれか1項に記載の方法によって生成されるmRNAを含む組成物。
  43. クロマトグラフィー工程による精製を伴わずにSP6 RNAポリメラーゼを用いて単一バッチで生成されたインビトロで合成されたメッセンジャーRNA(mRNA)を含む組成物であって、1%未満の二本鎖RNA(dsRNA)を含有する組成物。
  44. 少なくとも100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1g、5g、10g、25g、50g、75g、100g、150g、200g、250g、500g、750g、1kg、5kg、10kg、またはそれ以上のmRNAを含む、請求項43に記載の組成物。
  45. 0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、0.01重量%未満のdsRNAを含む、請求項43~44のいずれか1項に記載の組成物。
  46. dsRNAを実質的に含まない、請求項45に記載の組成物。
  47. dsRNAはドットブロットアッセイによって検出される、請求項43~46のいずれか1項に記載の組成物。
  48. mRNAはショートマー混入を実質的に含まない、請求項43~47のいずれか1項に記載の組成物。
  49. mRNAは、dsRNAおよびショートマー混入の両方を実質的に含まない、請求項48に記載の組成物。
  50. mRNAはコドン最適化される、請求項43~49のいずれか1項に記載の組成物。
  51. mRNAは、長さが少なくとも100塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、600塩基、700塩基、800塩基、900塩基、1kb、1.5kb、2kb、2.5kb、3kb、3.5kb、4kb、4.5kb、5kb、8kb、10kb、または15kbである、請求項43~50のいずれか1項に記載の組成物。
  52. mRNAはリポソーム内に封入される、請求項42~51のいずれか1項に記載の組成物。
  53. リポソームは、1種またはそれ以上のカチオン性脂質、1種またはそれ以上の非カチオン性脂質、および1種またはそれ以上のPEG修飾脂質を含む、請求項42に記載の組成物。
  54. リポソームはコレステロールベースの脂質をさらに含む、請求項53に記載の組成物。
  55. mRNAは修飾されていない、請求項43~54のいずれか1項に記載の組成物。
  56. mRNAは修飾されている、請求項43~54のいずれか1項に記載の組成物。
  57. 修飾されたmRNAはプソイドウリジン(「ψU」)を含む、請求項56に記載の組成物。
  58. プソイドウリジンは1-N-メチル-プソイドウリジンである、請求項57に記載の組成物。
  59. 疾患または障害を処置する方法であって、請求項42~54のいずれか1項に記載の組成物の使用を含む方法。
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