JP2023545441A - しわを増加させた弾性積層体 - Google Patents

Abstract

接着部位を形成するためにカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材、またはバイコンポーネント不織布基材に点接着されたエラストマーフィルムを含む、エラストマー積層体、およびエラストマー積層体の製造方法であって、各接着部位は、隣接する各接着部位から約３ｍｍ～約１０ｍｍであり、さらに、積層体は、オプションとして２ｍｍを超える高さを有する、しわを含む、エラストマー積層体、およびエラストマー積層体の製造方法。

Description

〔関連出願〕
本出願は、２０２０年１０月１２日に出願された米国仮特許出願第６３／０９０，４５３号および２０２０年１２月１０日に出願された米国仮特許出願第６３／１２３，５４４号の優先権の利益を主張し、これらは両方、その全体が本明細書に組み込まれる。

〔発明の分野〕
本発明は、かさばりとしわの増加を示す、エラストマーフィルムと不織布基材とを含むエラストマー積層体に関する。このフィルムおよび積層体は、吸収性物品およびフェイスカバーのような使い捨てのパーソナルケア製品を含む、さまざまな製品に使用するのに適している。

消費者は、しわを増加させたエラストマー積層体を使用する、おむつおよび成人用失禁用品などの吸収性製品に対する好みを示している。「アコーディオンルック（accordion look）」としても知られる、しわは、高度な延伸性と柔らかな感触を特徴付ける。このような積層体は、空気の通り道を増やすこともでき、これにより、通気性が高まる。

しわを増加させた積層体は当技術分野で既知であるが、そのような積層体は、典型的には弾性ストランドを含む。いくつかの欠点が、弾性ストランドを含む製品を皮膚に接触させて着用することと関連付けられ、これには、皮膚に線および赤い跡がつくことが含まれる。さらに、ストランドを含む積層体を延伸させると、ストランドが束になり得、積層体がかさ高になる。これにより、より目立ち、騒音が大きい製品が作り出される。したがって、製造プロセスおよび通常の消費者の使用に耐えるのに十分な堅牢性を有し、柔らかく通気性があり、消費者にとって魅力的であり、弾性ストランドに関連する欠点を回避する、エラストマー積層体の必要性が存在する。

本発明は、エラストマーフィルムと不織布とを含み、適切な噛み合い深さおよび積層後延伸が加わると優れた強度、触覚的および美的特性を有する積層体をもたらす接着パターンの組み合わせを利用する、エラストマー積層体を提供することによって、前述の必要性を満たす。これらの積層体で見られる柔らかさは、典型的には、より高い坪量の不織布を含む積層体にのみ見られる。これらの特性は、一つには、本明細書に記載されるように接着および延伸されていない比較積層体で観察されるしわをはるかに超える、著しく増加したしわまたは隆起を有する積層体に起因する。

一態様では、本発明は、エラストマー積層体を製造する方法を提供し、この方法は、点接着によってエラストマーフィルムを少なくとも１つの不織布基材に接合して接着部位を作るステップと、横方向噛み合いによって積層体を延伸して噛み合い積層体を作るステップと、を含み、噛み合い積層体は、しわを含み、各接着部位は、隣接する各接着部位から約３ｍｍ～約１０ｍｍである。

別の態様では、本発明は、接着部位を作るためにカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材、またはバイコンポーネント不織布基材に点接着されたエラストマーフィルムを含む、弾性積層体を提供し、各接着部位は、隣接する各接着部位から約３ｍｍ～約１０ｍｍであり、さらに、積層体は、２ｍｍを超える高さを有するしわを含む。

さらに別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の積層体を含む、物品、例えば使い捨ての吸収性物品を提供する。

２４ｇｓｍの２つのカード式不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む積層体の写真である。この積層体は、２．０３ｍｍ（０．０８インチ）の深さでＣＤ噛み合いにより延伸され、所望のしわおよびかさばりを示している。 ２４ｇｓｍの２つのカード式不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む積層体の写真である。この積層体は、３．０５ｍｍ（０．１２インチ）の深さでＣＤ噛み合いにより延伸され、所望のしわおよびかさばりを示している。 ２４ｇｓｍの２つのカード式不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む積層体の写真である。この積層体は、３．５６ｍｍ（０．１４インチ）の深さでＣＤ噛み合いにより延伸され、所望のしわおよびかさばりを示している。 ２４ｇｓｍの２つのカード式不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む積層体の写真である。この積層体は、３．５６ｍｍ（０．１４インチ）の深さでＣＤ噛み合いにより延伸され、接着点は、ＣＤ噛み合いストライプと整列した。この積層体は、所望のしわおよびかさばりを示している。 ２０ｇｓｍの２つのスパンボンド不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む比較積層体の写真であり、接着部間の距離は３ｍｍ未満である。この積層体は、主張されるしわを示していない。 ２４ｇｓｍの２つのカード式不織布の間に３５ｇｓｍの弾性フィルムを含む比較積層体の写真であり、この積層体は、積層後に噛み合いを受けなかった。この積層体は、主張されるしわを示していない。 延伸されると本発明の積層体をもたらす、接着パターンの１つの非限定的な実施例を示す。 延伸されると本発明の積層体をもたらす、接着パターンのもう１つの非限定的な実施例を示す。 １つの不織布を含む積層体（二層積層体（bilaminate））のしわの測定および算出を示す。

「アコーディオン状の外観」とは、材料が延伸されると実質的に平らになり、延伸力が取り除かれると戻るしわを、積層体が含むことを意味する。

「接着距離」、「接着部間距離」、またはその変形は、２つの隣接する接着部の外周間で測定される最短距離を意味する。接着部が超音波接着の結果である場合、接着距離は、接着パターンを収容するアンビル上で測定される。あるいは、接着距離は、積層体が最大延伸位置で保持されている間に、完成した積層体上で測定され得る。

「エラストマーの（Elastomeric）」、「エラストマー（elastomer）」、「弾性の（elastic）」、またはその変形は、元の長さを超えて延伸されると、加えられた延伸力の方向に元の長さの約１．２倍以下まで回復する、フィルムまたは積層体を意味する。

「弾性延伸（Elastic stretch）」、「弾性（elasticity）」、またはその変形は、フィルムまたは積層体が破断するかまたは永続的に変形する前に延伸され得る程度を意味する。弾性延伸は、典型的には、元の長さに対する割合で表される。例えば、１００％の弾性延伸は、フィルムまたは積層体が破断するかまたは永続的に変形する前に元の長さの約２倍まで延伸され得ることを意味する。

「Ｇｓｍ」は、１平方メートル当たりのグラム数を意味し、フィルムまたは積層体製品の厚さまたは単位質量を定量化する業界標準用語である、坪量の指標である。

本明細書で使用される「荷重ピーク（Load peak）」は、永続的に変形する前に加えることができる最大引張力を意味する。

「パーマネントセット（Permanent set）」は、加えた荷重を除去した後の材料の永続的な変形である。エラストマーフィルムまたは積層体の場合、パーマネントセットは、本明細書で説明するようにフィルムが所与の長さまで延伸されてから弛緩させられた後の、サンプルの長さの増加である。パーマネントセットは、典型的には、元のサイズに対する増加率として表され、したがって、元の長さの１．２倍の長さまで回復するフィルムは、約２０％のパーマネントセットを有すると言われる。

「ポリエチレンに富んだ」、または代替的に「ポリエチレン系の」は、少なくとも約６０重量％のポリエチレンモノマーを含むポリマー組成物を意味する。「ポリエチレンに富んだ」または「ポリエチレン系の」は、ポリ（エチレン－プロピレン）のようなエチレンおよびプロピレンモノマーの混合物を含むポリマーを含まないものと理解される。

「ポリプロピレンに富んだ」、または代替的に「ポリプロピレン系の」は、少なくとも約６０重量％のポリプロピレンモノマーを含むポリマー組成物を意味する。「ポリプロピレンに富んだ」または「ポリプロピレン系の」は、ポリ（エチレン－プロピレン）のようなエチレンおよびプロピレンモノマーの混合物を含むポリマーを含まないものと理解される。

「予備活性化」、または「活性化」、またはそれらの任意の変形は、エラストマーフィルムまたは他の材料が、例えば積層前に材料を延伸して弛緩させることによって、より容易に延伸可能になるプロセスを意味する。

本明細書で使用する「しわ」とは、図８に示すように測定される、単一の不織布を含む積層体ではフィルムの平面より上に、または２つの基材を含む積層体ではフィルムの平面より下に延びる、延伸された非接着基材（典型的には、不織布）の隆起の平均高さを意味する。図１～図４に示すように、隆起の平均高さが少なくとも２ｍｍ±１ｍｍであれば、積層体は適切なしわを有する。

「非ストランド（Non-stranded）」は、積層体が弾性ストランドを実質的に含まないことを意味する。

本発明の積層体は、１つ以上のエラストマーフィルムと、１つ以上の不織布と、を含む。さまざまなエラストマーフィルムが使用に適切となり得るが、特に望ましいフィルムとしては、本明細書に記載されているような１つ以上のスチレンブロックコポリマーを含むエラストマーフィルムが挙げられる。フィルムはさらに、ポリスチレンを含み得る。引張試験による試験を受けると、フィルム、およびフィルムを含む積層体は、少なくとも６０％の弾性延伸および／または２５％未満のパーマネントセットを示す。

フィルムは、共押出多層フィルムであり、相対的エラストマー層（Ｂ）が相対的非弾性層（Ａ）と交互に配置された構造を有することができる。特定の一実施形態では、フィルムはＡＢＡで示される構造を有し、ここでＡは外側層すなわちスキン層であり、Ｂは内側層すなわちコア層である。しかし、層の数および配置のバリエーションは、当業者には容易に明らかであろう。

コア層（または４層以上を有するフィルムにおける層）は、１つ以上のスチレンブロックコポリマー（ＳＢＣ）、オレフィンブロックコポリマー（ＯＢＣ）、またはスチレン－ブタジエン－スチレン（ＳＢＳ）、スチレン－イソプレン－スチレン（ＳＩＳ）、スチレン－イソプレン－ブチレン－スチレン（styrene-isoprene-butylene-dtyrene）（ＳＩＢＳ）、スチレン－エチレン－ブチレン－スチレン（ＳＥＢＳ）、スチレン－エチレン－プロピレン（ＳＥＰ）、スチレン－エチレン－プロピレン－スチレン（ＳＥＰＳ）、もしくはスチレン－エチレン－エチレン－プロピレン－スチレン（ＳＥＥＰＳ）ブロックコポリマーエラストマーを含む、ランダムブロックコポリマー、ならびに、前述したもののうちいずれかのコポリマーおよび混合物を含み得る。任意のＳＢＣを使用することができるが、本発明のフィルムにおいて特に有用なＳＢＣは、ＳＢＳ、ＳＩＳおよびＳＩＢＳを含むがこれらに限定されない、非水素化ＳＢＣである。本発明での使用に適したＳＢＣの非限定的な例としては、ルイジアナ州プラケマインのＤｅｘｃｏ Ｐｏｌｙｍｅｒｓから入手できるもの、例えば、ＶＥＣＴＯＲ（登録商標）４１１１Ａおよび７６２０が挙げられる。

コア層に使用するのに適したオレフィンブロックコポリマーとしては、ミシガン州ミッドランドのＴｈｅ Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ ＣｏｍｐａｎｙからＩＮＦＵＳＥ ９５０７および９１００を含むＩＮＦＵＳＥ（登録商標）という商品名で販売されているものなどの、ポリプロピレン系（「プロピレンに富んだ」とも呼ばれる）オレフィンブロックコポリマー（ＯＢＣ）が挙げられる。他の適切なコポリマーには、テキサス州ヒューストンのＥｘｘｏｎＭｏｂｉｌ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙから入手可能な、商品名ＶＩＳＴＡＭＡＸＸ（登録商標）およびＩＭＰＡＣＴ（登録商標）、例えばＶＩＳＴＡＭＡＸＸ ６１０２が含まれる。一実施形態では、本発明で使用するのに適したＯＢＣは、約０．８５～約０．８９グラム／立方センチメートル（ｇ／ｃｍ３）の密度を有する。

コア層中のＳＢＣの総量は、少なくとも約５０％、約５０％～約９９％、約６０％～約９９％、約５０％～約９５％、約５５％～約９５％、約６０％～約９５％、約６５％～約９５％、約７０％～約９５％、約７５％～約９５％、約８０％～約９５％、約７０％～約９０％、または代替的に約８０％～約９０％とすることができる。

コア層はさらに、約３０％以下、代替的に２５％以下、２０％以下、または約１％～約３０％、約５％～約２５％、または約５％～約２０％の量でポリスチレンを含み得る。本発明での使用に適したポリスチレンの一例は、オハイオ州エイボン・レイクのＰｏｌｙＯｎｅ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎから入手可能なＳＴＹＲＯＬＵＴＩＯＮ ３１９０である。

フィルムはさらに、他のエラストマーポリマー、例えば、エラストマーオレフィンランダムコポリマー、ポリウレタン、ゴム、ビニルアリーレンおよび共役ジエン、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリイソプレン、ポリネオプレン、前述したもののうちのいずれかのコポリマー、ならびにこれらの混合物を含み得る。

外側層（Ａ層、またはスキン層）はそれぞれ、少なくとも１０％、少なくとも１５％、少なくとも２０％、少なくとも２５％、約１％～約９０％、約１％～約８５％、約１％～約８０％、または約１％～約７５％の量でポリプロピレンを含み得る。一実施形態では、ポリプロピレンは、少なくとも２０％の量で存在し、別の実施形態では、約２０％～約８５％の量で存在する。

各外側層はさらに、フィルム全体の厚さの約２．５％、５％、７．５％、１０％、１５％または２０％を構成し得る。いくつかの実施形態では、外側層はさらにそれぞれ、フィルムの全体的な厚さの約１％～約２０％、３％～約１５％、または約５％～約１５％の厚さを有することができる。あるいは、外側層はそれぞれ、約１μｍ～約２０μｍ、または約１μｍ～約１５μｍ、１μｍ～約１０μｍ、約１μｍ～約７μｍ、および代替的に約１μｍ～約５μｍの厚さを有し得る。例示に過ぎないが、フィルムの全体的な厚さが１００μｍで、各外側層が５μｍの厚さを有する場合、外側層は、フィルムの厚さの合計１０％を構成する。

外側層のポリプロピレンは、ポリプロピレン、ホモポリマーポリプロピレン、インパクトコポリマーポリプロピレン、および当業者に明らかであろう他のタイプのポリプロピレンを含み得る。

フィルムはさらに、炭酸カルシウムを含むがこれらに限定されない、延伸時に孔形成を誘発するのに適した充填剤を含み得る。フィルムは、マスターバッチおよびオプション成分または充填剤、例えば、乳白剤、可塑剤、相溶化剤、ドローダウンポリマー（draw down polymers）、加工助剤、ブロッキング防止剤、粘度低下ポリマーなどを含み得る。

フィルムは、１００ｇｓｍ以下、６０ｇｓｍ以下、５０ｇｓｍ以下、４５ｇｓｍ以下、４０ｇｓｍ以下、３５ｇｓｍ以下、３０ｇｓｍ以下、２５ｇｓｍ以下、２０ｇｓｍ以下、および代替的に約５ｇｓｍ～約５０ｇｓｍの坪量を有することができ、これには、そこに包含されるあらゆる部分範囲が含まれ、ほんの一例として、約１０ｇｓｍ～約４０ｇｓｍまたは約２５ｇｓｍ～約７５ｇｓｍが含まれる。

フィルムは、不織布基材に接着される前に、活性化されていなくても活性化されてもよい（すなわち、「予備活性化」）。活性化は、オフラインで、積層プロセスとは別のプロセスの一環として、または積層プロセスと共にインラインで行われ得る。

本発明の積層体は、フィルムの一方または両方の表面に付着した基材を含む。さまざまな基材が有用となり得るが、本発明の基材は不織布基材である。積層体は、２つ以上のフィルムと、２つ以上の基材と、を含み得る。例えば、積層体は、１つのフィルムと１つの不織布とを含む、二層積層体；２つの不織布の間に１つのフィルムを含む三層積層体（trilaminate）；または３つの不織布の間に挟まれた２つのフィルム、もしくは各フィルムの表面において接合された２つの二層積層体を含む、種々の構造を有する多層積層体（multi-laminate）とすることができる。

各基材は、点接着によってフィルムに付着する。超音波接着、接着剤積層、押出積層、カレンダリング（calendaring）、および当業者に知られているであろう他の手段を含む、さまざまな点接着手段が採用され得る。一実施形態では、積層体は、超音波接着され、得られる積層体は、超音波溶接部、または接着部を含む。

本明細書に記載の方法で接着されたときに所望のしわを生じる適切な基材は、ポリエチレンとポリプロピレンをコア／シース構造で含むバイコンポーネント繊維を含む不織布（「ｂｉｃｏ」不織布）、カード式不織布、およびスパンボンド不織布を含み、これには、ポリエチレンとポリプロピレンのブレンドを含むものが含まれ、その一例は、（Ｂｅｒｒｙ Ｇｌｏｂａｌ， Ｉｎｃ．から入手可能な）ＳＯＦＳＰＡＮという商品名で販売されているものである。不織布基材は、約１００ｇｓｍ以下、代替的には約５０ｇｓｍ以下、代替的には約２５ｇｓｍ以下、代替的には約２０ｇｓｍ以下、および代替的には約５ｇｓｍ～約１００ｇｓｍの坪量を有することができ、これには、そこに包含されるあらゆる部分範囲、例えば約５ｇｓｍ～約５０ｇｓｍ、１０ｇｓｍ～約２５ｇｓｍ、および約１５ｇｓｍ～約２０ｇｓｍ、が含まれる。

不織布は、伸張性があってよく、これは、不織布が、例えば噛み合いまたはＳＥＬＦｉｎｇまたは他の適切な延伸手段によって、延伸され得ることを意味する。延伸すると、繊維の破断が生じることがあるが、不織布はその形態を実質的に維持する。伸張性不織布は、エラストマーであってもなくてもよく、これは、伸張性不織布が、エラストマー不織布のように延伸後に収縮しない可能性があることを意味する。不織布は、さらに、非ストランドである。不織布は、６Ｎ／ｃｍ未満の荷重ピークおよび／または５０％超である弾性延伸を有し得る。積層体は、２５％未満、２０％未満、１５％未満、１０％未満、または５％未満のパーマネントセットを有し得る。さらに、積層体は、少なくとも１００％の破断荷重を有し得、これは、積層体が破断する前に元の長さの少なくとも２倍まで延伸され得ることを意味する。

本発明の積層体は、それぞれの個々の接着部が隣接する各接着部から十分に離れて延伸時に所望のしわをもたらす、点接着パターンを含む。適切な接着パターンの非限定的な例が、図７（ａ）および図７（ｂ）に描かれている。当業者であれば理解できるように、他のパターン、例えば、波線、幾何学的形状などを含むパターンを使用して、所望のしわを実現することができる。一実施形態では、接着部は、正方形パターン（図７（ａ））を作り出す、接着部の平行な線、すなわち列、または菱形パターン（図７（ｂ））を作り出す、オフセットした接着部の平行な線、すなわち列を含むことができる。一実施形態では、接着部位の線は、ＣＤ－噛み合いギア間のスペースと整列しており、これは、接着部位が、噛み合いギア間のスペースに起因する「噛み合いストライプ」内に入ることを意味する。本明細書に記載されるように測定されるような、各方向に、少なくとも約３ｍｍの、個々の接着部それぞれの間の距離が、所望のしわを達成するために必要であることが判明している。代替的な一実施形態では、積層後の隣接する接着部間の距離は、互いから約３ｍｍ～約１０ｍｍである。

一実施形態では、点接着部は、実質的に円形である。あるいは、点接着部は、楕円形または不規則な形状であってもよい。さらに別の実施形態では、点接着部は、短い線に類似するように細長くなっている。一実施形態では、細長い点接着部は、約１～５ｍｍの長さを有することができる。

方法
積層体に使用されるフィルムの製造に適した装置および方法は、例えば、米国特許第７，４４２，３３２号（Ｃａｎｃｉｏら）に記載されている。フィルムは、共押し出しされ得、キャスト成形されるか、ブロー成形されるか、または本明細書に記載されるフィルムをもたらす任意の他の方法によって形成されてよい。一実施形態では、フィルムは、ブローフィルムである。前述のように、さまざまな手段を使用して、フィルムを基材に積層することができる。フィルムは、例えば、パターン化されたアンビルロールを有する米国特許第９，４９８，９４１号（Ｓａｂｌｏｎｅら）に記載されている装置を用いて、超音波点接着により積層され得る。フィルムは、適切なパターンを付与するために、パターン化されたチルロールを使用することにより押出積層されるか、または、パターン化されたカレンダーロールを使用することによりカレンダー加工され得る。あるいは、フィルムは、基材に接着剤で接着されてもよい。

一実施形態では、積層体は、フィルムと、不織布基材と、を含み、これらは、点接着または超音波接着されるのに十分な時間、フィルムと不織布基材を一緒に保持するために制御された圧縮を用いて、軽く押出接着される。

積層時に、得られた積層体は、所望のしわおよびかさばりを生成するのに十分な深さで、噛み合いによって、例えば、横方向（ＣＤ）噛み合いによって、または代替的にＳＥＬＦｉｎｇによって、延伸される。ＣＤ噛み合いは、約２．０３ｍｍ～約５．０８ｍｍ（約０．０８インチ～約０．２００インチ）の深さで、代替的には約２．５４ｍｍ～約４．０６ｍｍ（約０．１００インチ～約０．１６０インチ）の深さで行うことができる。

本発明の積層体のしわは、少なくとも約１ｍｍの平均高さを有し、代替的な実施形態では、平均高さは、少なくとも２ｍｍ、少なくとも３ｍｍ、少なくとも４ｍｍ、少なくとも５ｍｍ、少なくとも６ｍｍ、少なくとも７ｍｍ、少なくとも８ｍｍ、少なくとも９ｍｍ、および少なくとも１０ｍｍである。代替的な実施形態では、しわの平均高さは、約２～約１０ｍｍである。

本発明のフィルムおよび／または積層体は、例えば使い捨ての吸収性製品、例えば、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁パッドおよびパンツ、ならびに水着を含む、さまざまな製品に組み込まれ得る。

フィルムおよび／または積層体は、吸収性物品のファスナー、ウエストバンドおよびレッグカフとして特に有用である。したがって、一実施形態では、本発明は、本明細書に記載のフィルムおよび／または積層体を含む吸収性物品に関連する。一実施形態では、吸収性物品はおむつである。他の用途は、おむつのバックシートまたは耳（クロージャータブ）、包装用パウチ、および個人衛生用品などのためのラッピング製品としての用途を含む。別の実施形態では、本発明の積層体は、手袋、フェイスマスク、または他のタイプの衣服に使用され得る。

試験方法
パーマネントセットは、米国特許出願公開第２０１６／０２０００８０号（Ｍｕｓｌｅｔら）に記載されているように、２サイクルヒステリシス試験によって測定され、以下の変更が加えられる：指定されたすべての工学ひずみ率は、１３０％とは対照的に１００％である。パーセントセット（percent set）とは、１０グラムの力が測定される（パーセントセット荷重＝１０グラム）（セグメント６からの）第２の荷重サイクルの開始後の工学ひずみ率と定義される。室温は約７３°Ｆ±５°Ｆである（すなわち、工学ひずみ＝１３０％）。

「引張強度」とは、横方向（ＣＤ）または縦方向（ＭＤ）においてフィルムに破断を誘発するのに必要な荷重（「破断荷重」）を意味する。引張強度は、Ｎ／ｃｍの単位またはそれに相当する単位で表され、ＡＳＴＭ法Ｄ８２２－０２により、以下のパラメータを用いて測定される：サンプル方向＝ＭＤ×ＣＤ；サンプルサイズ＝２．５４ｃｍ（１インチ）幅×１５．２４ｃｍ（６インチ）長さ；試験速度＝５０．８ｃｍ（２０インチ）／分；グリップ距離＝５．０８ｃｍ（２インチ）。グリップサイズ＝サンプルを均等につかむ、７．６２ｃｍ（３インチ）幅の、表面がゴムのグリップ（rubber faced grips）。

しわは、次のように測定される：積層体を平らにし、延伸させずに固定する。不織布が下にあるフィルムに付着していない、所与のしわにおいて、しわは、ピンまたは他の適切な物体の助けを借りて、その最大高さまで「テントのような形にされる（tented）」。下にあるフィルムの表面からの、しわの頂点の高さがｍｍ単位で、定規により測定される。

実施例１
積層体は、３０～３５ｇｓｍの坪量を有するエラストマーフィルムを含み、３つの層で作られた（Ａ／Ｂ／Ａ構造）。外側のＡ層（スキン）は、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンドで作られている。内側のＢ層は、ＳＩＳ（８０％）、ポリスチレン（１５％）のブレンドで作られ、残りはホワイトマスターバッチと加工助剤マスターバッチを含む。フィルムは共押し出しされ、その後、インラインＣＤ噛み合いギアを用いて活性化される。フィルムは、約２２ｇｓｍの坪量をそれぞれが有するカード式不織布またはスパンボンド不織布の２つの層の間に挟まれる。この積層体（不織布／フィルム／不織布）は、次に、１つのアンビルとアンビルの全幅に沿って並ぶ超音波ホーンとを有する超音波ラミネーターを使用して、超音波で点接着される。

積層体をアンビルとホーンとの間に通すと、接着点が作られ、これらの点で３つの材料が互いに溶接される。このプロセスにより、比較的平坦な積層体ができる。その後、積層体は、噛み合いギアを通過することにより延伸される。活性化中、点溶接部で付着したフィルムおよび不織布が、延伸される。活性化後、積層体は弛緩させられる。積層後の任意の２点間の距離は、約５～７ｍｍである。フィルムは収縮するが、不織布は伸張したままである。不織布がフィルムに付着していない、点接着部間のスペースでは、不織布が膨らんで、フィルムから離れて垂直に（すなわち、積層体の平面の上および下に）延びる。したがって、弾性フィルムが収縮すると、不織布は、波形になり、所望のしわが得られる。

隣接する点接着部間の距離が３ｍｍ未満（図５に示すように約２．５ｍｍ）の場合、積層体は、主張されるしわまたは良好な延伸性を示さないことが判明した。さらに、積層体は、接着部間の距離が短くなることで生じる張力により、活性化中に断裂を示した。

図１～図４で分かるように、上記プロセスによって製造された積層体は、少なくとも２ｍｍのしわ（すなわち、「アコーディオンルック」）を示し、優れた美的品質および触覚的品質を有する。対照的に、接着部間の距離が３ｍｍ未満である、図５に示される積層体は、２ｍｍ未満の限られたしわ、および許容できない触覚特性を示す。同様に、積層後に噛み合いを受けなかった、図６に示す積層体は、本質的にしわを示さず（１ｍｍ未満）、望ましくない触覚特性を示す。

実施例２
Ａ／Ｂ／Ａ構造を有する、２０ｇｓｍの２つの不織布（Ｂｅｒｒｙ Ｇｌｏｂａｌから入手可能なＳＯＦＳＰＡＮ）と、３０ｇｓｍのブローフィルムと、を含む積層体。フィルムはオフラインで予備活性化されている。Ａ層は、５５％のＬＬＤＰＥ、１０％のホモＰＰ、および１２％のＬＤＰＥを含み、残りはマスターバッチおよび加工助剤を含む。Ｂ層は、９８％のＶＩＳＴＡＭＡＸＸ ６１０２を含み、残りは加工助剤を含む。このフィルムと不織布は、実施例１と同様の超音波接着、その後の３．０ｍｍの深さでのＣＤ噛み合いにより、積層される。

発明の詳細な説明で引用したすべての文書は、関連する部分において、参照により本明細書に組み込まれ；いかなる文書の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを認めるものとして解釈されるものではない。本文書における用語の意味または定義が、参照により組み込まれる文書における同じ用語の意味または定義と矛盾する場合には、本文書においてその用語に付与された意味または定義が適用されるものとする。すべての範囲は包括的であり、組み合わせることができる。ある値が明示的に記載されていない場合には、列挙された範囲に含まれる場合にオプションとして暗示されるものと理解される。

本発明の特定の実施形態が図示および説明されたが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正を行い得ることは、当業者にとって明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を本特許請求の範囲でカバーすることが意図される。

〔実施の態様〕
（１） 非ストランドエラストマー積層体を製造する方法であって、
点接着によって、エラストマーフィルムを、少なくとも１つの不織布基材、オプションとしてカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材、またはバイコンポーネント不織布基材に接合して、隣接する各接着部位から３ｍｍ～１０ｍｍの距離を有する接着部位を形成するステップと、
横方向噛み合いによって前記積層体を延伸して、しわを含む、噛み合い積層体を形成するステップと、を含む、方法。
（２） 前記しわは、２ｍｍを超える平均高さを有する、実施態様１に記載の方法。
（３） 前記横方向噛み合いは、２．０３ｍｍ～５．０８ｍｍ（０．０８インチ～０．２インチ）の深さで行われる、実施態様１に記載の方法。
（４） 前記点接着は、超音波接着によって行われる、実施態様１に記載の方法。
（５） 前記接着部位は、列をなして、またはオフセットした列をなして配置され、オプションとして、少なくとも１つのオフセットした列は、前記横方向噛み合いと整列する、実施態様１に記載の方法。

（６） 前記エラストマーフィルムは、ＳＩＳ、ＳＢＳ、ＳＥＢＳ、オレフィンブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、実施態様１に記載の方法。
（７） 前記エラストマーフィルムの坪量は、５ｇｓｍ～６０ｇｓｍである、実施態様１に記載の方法。
（８） 前記不織布基材の坪量は、５ｇｓｍ～１００ｇｓｍである、実施態様１に記載の方法。
（９） 接着部位を形成するために伸張性のあるカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材またはバイコンポーネント不織布基材に点接着されたエラストマーフィルムを含む非ストランド弾性積層体であって、
各接着部位は、隣接する各接着部位から３ｍｍ～１０ｍｍであり、さらに、前記積層体は、２ｍｍを超える高さを有するしわを含む、非ストランド弾性積層体。
（１０） エラストマーフィルムは、ＳＩＳ、ＳＢＳ、ＳＩＢＳ、またはそれらの組み合わせを含む、実施態様９に記載の積層体。

（１１） 前記エラストマーフィルムは、オレフィンブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、実施態様９に記載の積層体。
（１２） 前記エラストマーフィルムは、５ｇｓｍ～６０ｇｓｍの坪量を有する、実施態様９に記載の積層体。
（１３） 前記不織布基材は、５ｇｓｍ～１００ｇｓｍの坪量を有する、実施態様９に記載の積層体。
（１４） 前記積層体は、２５％未満のパーマネントセットを有する、実施態様９に記載の積層体。
（１５） 前記接着部位は、列をなして、またはオフセットした列をなして配置されている、実施態様９に記載の積層体。

Claims (15)

1. 非ストランドエラストマー積層体を製造する方法であって、
   点接着によって、エラストマーフィルムを、少なくとも１つの不織布基材、オプションとしてカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材、またはバイコンポーネント不織布基材に接合して、隣接する各接着部位から３ｍｍ～１０ｍｍの距離を有する接着部位を形成するステップと、
   横方向噛み合いによって前記積層体を延伸して、しわを含む、噛み合い積層体を形成するステップと、を含む、方法。
2. 前記しわは、２ｍｍを超える平均高さを有する、請求項１に記載の方法。
3. 前記横方向噛み合いは、２．０３ｍｍ～５．０８ｍｍ（０．０８インチ～０．２インチ）の深さで行われる、請求項１に記載の方法。
4. 前記点接着は、超音波接着によって行われる、請求項１に記載の方法。
5. 前記接着部位は、列をなして、またはオフセットした列をなして配置され、オプションとして、少なくとも１つのオフセットした列は、前記横方向噛み合いと整列する、請求項１に記載の方法。
6. 前記エラストマーフィルムは、ＳＩＳ、ＳＢＳ、ＳＥＢＳ、オレフィンブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項１に記載の方法。
7. 前記エラストマーフィルムの坪量は、５ｇｓｍ～６０ｇｓｍである、請求項１に記載の方法。
8. 前記不織布基材の坪量は、５ｇｓｍ～１００ｇｓｍである、請求項１に記載の方法。
9. 接着部位を形成するために伸張性のあるカード式不織布基材、スパンボンド不織布基材またはバイコンポーネント不織布基材に点接着されたエラストマーフィルムを含む非ストランド弾性積層体であって、
   各接着部位は、隣接する各接着部位から３ｍｍ～１０ｍｍであり、さらに、前記積層体は、２ｍｍを超える高さを有するしわを含む、非ストランド弾性積層体。
10. エラストマーフィルムは、ＳＩＳ、ＳＢＳ、ＳＩＢＳ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項９に記載の積層体。
11. 前記エラストマーフィルムは、オレフィンブロックコポリマー、ランダムブロックコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、請求項９に記載の積層体。
12. 前記エラストマーフィルムは、５ｇｓｍ～６０ｇｓｍの坪量を有する、請求項９に記載の積層体。
13. 前記不織布基材は、５ｇｓｍ～１００ｇｓｍの坪量を有する、請求項９に記載の積層体。
14. 前記積層体は、２５％未満のパーマネントセットを有する、請求項９に記載の積層体。
15. 前記接着部位は、列をなして、またはオフセットした列をなして配置されている、請求項９に記載の積層体。

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