JP2023545372A - デクスメデトミジン塩酸塩を用いた双極性障害及び精神病の治療 - Google Patents

デクスメデトミジン塩酸塩を用いた双極性障害及び精神病の治療 Download PDF

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Abstract

デクスメデトミジンを投与することによって双極性障害及び精神病を治療するための方法及び組成物が本明細書に開示される。方法及び組成物は、対象における躁病、軽躁病、精神病、及びうつ病を緩和し、改善された治療結果を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月8日に出願された、米国仮出願第63/089,135号の優先権を主張し、その内容はあらゆる目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書では、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)などの双極性疾患に関連する躁病、軽躁病、混合躁病、不快躁病、またはうつ病を有するヒト対象を治療する方法が開示される。
本開示はまた、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)などの双極性疾患に関連する精神病を有するヒト対象を治療する方法に関する。
躁うつ病、躁うつ性障害、または双極性感情障害としても知られる双極性障害は、躁病または、より軽度の場合、軽躁症と臨床的に呼ばれる異常に上昇した気分の1つ以上のエピソードの存在によって定義される気分障害のカテゴリーを説明する精神的な診断である。躁病エピソードを経験する個体はまた、一般的にはうつ病エピソードもしくは症状、または躁病及びうつ病の両方の特徴が同時に存在する混合エピソードを経験する。うつ病及び躁病の両方の症状の存在と同時に、易怒性を伴う単純なうつ病性症状は、しばしば不快または不快気分と呼ばれる。不快気分状態は、不良結果及び自殺のリスクに関連する。典型的には、不快気分状態は、大うつ病エピソード(うつ病)または混合気分状態を伴う双極性障害(躁病の診断基準を満たすレベルまで上昇しない躁病の症状を伴う大うつ病エピソードの症状)に関連する。重度の気分障害は、精神病症状に関連し得る。大うつ病性障害及び極度の躁病エピソードなどの双極性障害は、正常な判断を損なう可能性があり、妄想及び幻覚などの精神病症状につながることがある。
躁病エピソードは、典型的には、数日~数週間の期間にわたって現れるが、通常は早朝の時間の、数時間以内の発症が可能である。うつ病または躁病のいずれかの未治療のエピソードは、数週間ほどの短いものであり得るかまたは8~12か月ほど持続し得る。まれな場合では、患者は、絶え間ない持続的な経過を有する。急性躁病及び混合エピソードは、しばしば、重度の行動、身体、機能、及び認知障害に関連しており、これらの全ては、重要な個人的及び社会的結果を有し得る。ほとんどの部分について、双極性躁病は、患者または他者の即時の安全及び迅速な症状緩和を確保するために入院を必要とする医療緊急事態を構成する(Keck,British Medical Journal,327(7422),1002-3,2003)。
双極性障害は、躁病からうつ病エピソードまでの範囲の、周期的な気分変動を特徴とし、これは、病気の初期には、数日の経過にわたって突然シフトし得る。現在、双極性障害は、患者がうつ病エピソードに再発するときは抗うつ薬(三環系抗うつ薬またはSSRI)による補助的治療と組み合わせた、または患者が躁病エピソードに再発するときは抗精神病薬と組み合わせた、気分安定化療法(主に炭酸リチウムまたは抗てんかん薬)で患者を維持することによって治療される(Liebermann and Goodwin,Curr.Psychiatry Rep.2004,6,459-465)。しかしながら、現在の療法は、いくつかの限界と関連付けられる。例えば、リチウムの使用は、血液中のリチウムの適切な濃度を確立及び維持することの重要性を含む、いくつかの不利点を有し、ならびに甲状腺機能低下症、振戦、口渇、体重増加、排尿頻度の増加、悪心、インポテンス、性欲減退、下痢、腎臓異常、食欲不振、視覚障害、発作、及び不整脈を含む、多数の生理学的状態と関連付けられる。追加的に、他の主要な薬物、バルプロ酸の使用は、肝機能障害に関連し得る。いかなる副作用もないこの状態における改善された療法を提供する必要性が存在する。
精神病は、合理的な思考及び知覚の構成要素が重度に損なわれている精神状態についての一般的な精神医学用語である。本質的に、精神病エピソードは、現実との接触の喪失を伴い、しばしば不審、不安、恐怖、偏執、幻覚、及び妄想を経験することとして現れる。それは特に、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、アルツハイマー病、認知症、パーキンソン病、重度の臨床的うつ病、ならびに薬物及び/またはアルコール乱用に関連する。精神病を治療するために利用可能な薬物(非定型抗精神病薬など)は、限られた有効性を有し、錐体外路症状をもたらす。
現在の療法の副作用及び限られた有効性のこの組み合わせは、例えば、躁病エピソードのための改善された治療的処理を必要とする対象において躁病エピソード及び精神病などの、躁病エピソードのための改善された治療的処理を開発する広大な満たされていないニーズを生み出す。
本開示の発明者らは、アルファ-2アドレナリンアゴニスト、特にデクスメデトミジンまたはその塩の投与が、様々な神経学的障害に関連し得る躁病及び精神病などの状態の治療のための特に安全かつ有効な介入であることを予想外に見出した。さらに、デクスメデトミジンまたはその塩は、従来の抗精神病療法に関連する遅発性ジスキネジア及び躁病などの関連副作用がないため、予想外に安全である。有利には、デクスメデトミジンは、気分安定剤として作用し、それによって双極性患者において抗躁効果及び抗うつ効果をもたらす。本開示は、経粘膜経路を介したデクスメデトミジンの投与が、当該障害の治療における治療上の有用性を提供することを開示する。
本開示は、有効量のアルファ-2アドレナリンアゴニストまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための方法及び組成物に関する。
実施形態では、罹患した状態に関連する躁病の治療を必要とする対象において罹患した状態に関連する躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が提供される。
実施形態では、神経精神障害に関連する躁病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。
実施形態では、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日(例えば、1日1回)単回用量として夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重要な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、激越状態にある。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日(例えば、1日1回)単回用量として夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜組成物を提供する。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。
実施形態では、口腔粘膜組成物は、フィルム、パッチ、ロゼンジ、ゲル、スプレー、錠剤、液滴などからなる群から選択される。実施形態では、口腔粘膜組成物は、フィルムである。実施形態では、組成物は、舌下フィルムである。実施形態では、組成物は、頬側フィルムである。
実施形態では、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、激越性である。実施形態では、対象は、非激越状態にある。態様では、対象は、不快を有する。態様では、対象は、双極性患者(1または2)が躁病のいくつかの症状及びうつ病のいくつかの症状を経験する、混合躁病を有する。
実施形態では、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための筋肉内組成物を提供する。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。
躁病を有する双極性1型患者は、うつ病を伴って循環する躁病エピソードを有する。対照的に、双極性2型患者は、軽躁病エピソードを経験するが、双極性1型及び双極性2型の両方は、うつ病エピソードへと循環する傾向がある。(Goodwin & Jameson,2nd Ed.Bipolar Disorders)躁病及び軽躁病気分エピソードの診断的特徴は、関連する睡眠障害である。患者は、睡眠の必要性の低下を報告及び経験し、多くの場合、夜間に、仮にあったとしても、数時間しか眠らない。以前のアプローチは、これらの障害に関連する激越を治療するためにデクスメデトミジンを使用しており、本開示は、基礎障害を非激越対象において治療することができることを示す最初のものであると考えられる。有利には、本明細書に開示される方法及び組成物は、気分安定剤として使用することができる。気分安定剤は、双極性障害のハイ(躁病)及びロー(うつ病)を低減または予防する薬である。リチウム及びバルプロ酸などの他の気分安定剤が知られており、典型的には、ルラシドンなどの抗精神病薬と共投与される。しかし、これらのアプローチは、しばしば躁病もしくはうつ病、ここで求められるものとは反対の結果を誘発もしくは促進するか、またはそれらは全く機能しない。他のアプローチでは、抗うつ薬は、双極性患者に投与され得る。同様に、これは躁病を治療するのではなく、増強するかまたは引き起こし得る。加えて、デクスメデトミジンは、患者におけるうつ病を正常化する。最後に、1週間、1か月、またはそれ以上などの長期間にわたるデクスメデトミジンによる対象の治療後、対象は改善された睡眠の仕組みも示し得、躁病または双極性障害を治療することに対する従来のアプローチでは観察されなかった追加の有利な治療上の利点を提供する。デクスメデトミジンは、よって、躁病が増強されるのではなく治療され、うつ病が緩和され、睡眠の仕組みが改善されるため、他の気分安定剤よりも優れており(修復的な深い睡眠に費やされる時間の増加を含む)、これは気分変容のエピソード、上昇(躁病、軽躁病、もしくは混合躁病)またはうつ病(うつ病エピソード)のいずれかの予防(気分安定化)に役立ち得る。
実施形態では、双極性障害II型に関連する軽躁病の治療を必要とする対象において双極性障害II型(双極性障害2型とも呼ばれる)に関連する軽躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日(例えば、1日1回)夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日単回用量として夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、双極性躁病の治療を必要とする対象において双極性躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、非激越状態にある。実施形態では、対象は、激越状態にある。
本開示は、有効量のアルファ-2アドレナリンアゴニストまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための方法及び組成物を提供する。
実施形態では、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む、方法が提供される。
実施形態では、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日単回用量として夜間に対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜組成物を提供する。
実施形態では、口腔粘膜組成物は、フィルム、パッチ、ロゼンジ、ゲル、スプレー、錠剤、液滴などからなる群から選択される。実施形態では、口腔粘膜組成物は、フィルムである。実施形態では、組成物は、舌下フィルムである。実施形態では、組成物は、頬側フィルムである。
実施形態では、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与され、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための筋肉内組成物を提供する。
実施形態では、精神病は、急性である。実施形態では、精神病は、慢性である。実施形態では、精神病は、神経精神疾患または障害などの疾患状態、例えば、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害と関連付けられる。
実施形態では、精神病は、薬物乱用障害(例えば、アルコール、オピオイド、及び他の薬物離脱)などの罹患状態に関連する。実施形態では、精神病は、うつ病に関連する。実施形態では、精神病は、統合失調症に関連する。実施形態では、精神病は、双極性障害に関連する。実施形態では、精神病は、認知症に関連する。実施形態では、精神病は、パーキンソン病に関連する。実施形態では、対象は、激越状態にある。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、神経精神障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。
実施形態では、神経変性障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経変性障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。
本開示の実施形態では、口腔粘膜投与されるデクスメデトミジンの投与量は、好都合には、約2μg~約300μgの範囲内であり得る。好適な投与量の例としては、約2μg~約250μg、約2μg~約200μg、約2μg~約190μg、約2μg~約180μg、約3μg~約170μg、約3μg~約160μg、約3μg~約150μg、約4μg~約140μg、約4μg~約120μg、約5μg~約100μg、約5μg~約90μg、約5μg~約85μg、約5μg~約80μg、約5μg~約75μg、約5μg~約70μg、約5μg~約65μg、約5μg~約60μg、約5μg~約55μg、約5μg~約50μg、約5μg~約45μg、約5μg~約40μg、約5μg~約35μg、約5μg~約30μg、約5μg~約25μg、約5μg~約20μg、約5μg~約15μg、約5μg~約10μg、10マイクログラム未満(例えば、約5、6、7、8、または9マイクログラム)、約10μg、約12μg、約14μg、約15μg、約16μg、約18μg、約20μg、約30μg、約50μgが挙げられる。用量は、1日1回以上投与され得る。用量は、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約15日間、少なくとも約16日間、少なくとも約17日間、少なくとも約18日間、少なくとも約19日間、少なくとも約20日間、少なくとも約21日間、少なくとも約22日間、少なくとも約23日間、少なくとも約24日間、少なくとも約25日間、少なくとも約26日間、少なくとも約27日間、少なくとも約28日間、少なくとも約29日間、少なくとも約30日間、少なくとも約2か月間、少なくとも約3か月間、少なくとも約4か月間、少なくとも約5か月間、少なくとも6か月間、または少なくとも約1年間のより長い期間にわたって毎日投与することができる。実施形態では、用量は、約2週間~約4週間にわたって投与され、続いて従来の抗精神病薬または標準治療(SOC)が投与される。
180μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの投与後24時間での双極性障害患者におけるYMRS尺度の改善を示す。アスタリスクは24時間でプラセボに対して有意性を示した。*p<0.05、**p<0.01、***p<0.005 抗精神病薬と同様のデクスメデトミジン塩酸塩(異なる用量で)のSmart-cubeシグネチャーを示す。 2つのアルファ2-アドレナリン受容体アゴニスト(グアンファシン及びクロニジン)のSmart-cubeシグネチャーを示す。
略語:
mcgまたはμg-マイクログラム
μg-マイクログラム
FTD:前頭側頭型認知症
DexまたはDEX:デクスメデトミジン
DLB:レビー小体型認知症
DT:崩壊時間
FDA:食品医薬品局
HPC:ヒドロキシプロピルセルロース
HPMC:ヒドロキシプロピルメチルセルロース
IM:筋肉内
MW:分子量
mm:ミリメートル
MACS:躁病急性評価尺度
PEO:ポリエチレンオキシド
PANSS:陽性・陰性症状評価尺度
RASS:リッチモンド激越鎮静尺度
SC:Smartcube
YMRS:ヤング躁病評価尺度
定義
本明細書で使用される場合、「約」とは、指示された数値の±10%を意味する。本明細書を通じて、数値範囲がある特定の量に対して提供される。これらの範囲がその範囲内の全ての部分範囲を含むことを理解されたい。したがって、「50~80」の範囲には、その範囲内の全ての可能な範囲(例えば、51~79、52~78、53~77、54~76、55~75、60~70など)が含まれる。さらに、所与の範囲内の全ての値は、その範囲に含まれる範囲の端点であり得る(例えば、50~80の範囲には、55~80、50~75などの端点を有する範囲が含まれる)。
「剤形」または「薬学的組成物」または「製剤」または「本開示の組成物」及び「組成物」という用語は、異なる意味を有することが別途明確に意図される場合を除いて、互換的に使用される。
「a」または「an」という用語は、1つ以上のその実体を指す。したがって、「a」(または「an」)、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書で互換的に使用される。加えて、不定冠詞「a」または「an」による「薬剤」への言及は、文脈上明白に薬剤のうちの1つ及び1つのみが存在することを必要としない限り、薬剤のうちの2つ以上が存在する可能性を排除しない。
「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「含む(includes)」、「含むこと(including)」、「有すること(having)」という用語は、「含むがこれらに限定されない」ことを意味する。本開示は、特許請求の範囲に記載のステップ、要素、及び/または試薬を好適に「含み(comprise)」得る、それら「からなり(consist of)」得る、またはそれら「から本質的になり(consist essentially of)」得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」は、非毒性であることが知られており、かつ薬学文献で一般に使用される塩を指す。そのような塩を形成するために使用される典型的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、次亜リン酸などが含まれる。脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸及びヒドロキシルアルカンジオ酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの有機酸に由来する塩も使用され得る。好ましい塩は、塩酸(または二塩酸)塩である。
「薬学的に許容される担体」という用語は、担体として使用される薬理学的に不活性な物質を指す。本明細書で使用される場合、「担体」及び「賦形剤」という語句は、異なる意味であることが別途明確に意図されている場合を除いて、互換的に使用される。
「重大な鎮静作用なしに」などの用語は、患者がラムゼイ鎮静尺度でレベル3を超えない鎮静レベルを経験することを意味する。レベル3とは、鎮静状態にあるが、指示に応答することを意味する。いくつかの実施形態では、-1(「軽い鎮静作用」)のリッチモンド激越鎮静尺度(RASS)を達成するようにデクスメデトミジンが投与され得る。
「有効量」という用語は、「治療有効用量」または「治療有効量」と互換的であり、所望の効果をもたらすのに十分な量を指す。有効量は、対象の状態における改善を引き起こすのに十分である。
特定の疾患または障害に関して「治療する」、「治療すること」、または「治療」という用語は、疾患または障害の症状及び/または病態を軽減すること、改善すること、改良すること、または廃止することを含む。「予防」という用語は、例えば、改善の期間後に、疾患、状態、もしくは関連症状の発生を予防すること、またはその再発を予防することを意味する。
「躁病」という用語は、人に不合理な陶酔感、非常に激しい気分、多動性、及び妄想を経験させる心理的状態を指す。躁病(または躁病エピソード)は、双極性障害の一般的な症状である。異なる形態の躁病は、短期間(通常は数日)にわたって持続する「軽躁症」と呼ばれる。DSM-5基準によれば、軽躁病は、顕著な機能障害がないという点で躁病とは異なり、DSM-5定義による躁病は、顕著な機能障害が含み、精神病的特徴を有し得る。躁病を有する患者は、障害の周期的性質を反映する、躁病エピソードを有するとも言われ得る。
「精神病」という用語は、現実との接触のいくらかの喪失がある、心に影響を与える一連の状態を指す。精神病は、人の知覚、思考、信念、及び行動の著しい変化によって特徴付けられる。症状は、妄想(誤った信念)及び幻覚(他人が見たり聞いたりしないものを見たり聞いたりすること)を含み得る。精神病は、双極性I型障害の躁病期、ならびに統合失調症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、及び統合失調感情障害を含む多数の健康状態に関連する症状である。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、好ましくは、ヒト患者を指す。いくつかの実施形態では、対象は、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類などの、非ヒト哺乳動物を含む、任意の動物であり得る。
「口腔粘膜」という用語は、口腔粘膜、特に口腔及び/または咽頭への投与を意味する。口腔粘膜投与は、舌下及び頬側経路を含む。
「舌下」という用語は、「舌の下」を意味し、舌の下の血管を介して物質を投与する方法を指す。舌下吸収は、高度に血管形成された舌下粘膜を通して起こり、これは物質が血液循環に直接アクセスすることを可能にし、それによって胃腸の影響から独立した直接全身投与を提供し、望ましくない初回通過肝代謝を回避する。
「頬側」という用語は、歯茎及び唇または頬の内側に対する剤形の投与を意味する。
本明細書における「フィルム」という用語は、長方形、正方形、または他の望ましい形状を含む、任意の形状の薄いフィルムを含む。本フィルムは、それを患者の舌下に好都合に配置することができるように、任意の所望の厚さ及びサイズのものであってもよい。例えば、フィルムは、約20マイクロメートル~約200マイクロメートルの厚さを有する薄いフィルムであり得るか、または約20マイクロメートル~約1000マイクロメートルの厚さを有する厚いフィルムであり得る。実施形態では、フィルムは、約1000マイクロメートルを超える厚さを有し得る。
「可溶性」という用語は、本明細書では、例えば、口腔粘膜への投与後少なくとも約20分以内に容易に崩壊するフィルムを意味する。崩壊は、粘膜表面上の唾液及び/または他の水性物質によって達成される。
「粘膜付着」という用語は、本明細書では、口腔内のものなどの粘膜への付着を指すために使用される。
「粘膜付着性」という用語は、インビボで粘膜組織表面に付着する特性を指す。そのような付着は、剤形を粘膜上に付着して局在させ、粘膜付着性材料を粘膜から分離するには力の印加を必要とする。
本明細書で使用される「治療的」とは、文脈に応じて、治療及び/または予防を指す。
「神経変性障害」という用語は、神経変性を特徴とする疾患を意味し、アルツハイマー病、前頭側頭型認知症(またはピック病)、認知症(例えば、レビー小体型認知症、血管性認知症)、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パーキンソン病、血管性認知障害、ハンチントン病、多発性硬化症、クロイツフェルト-ヤコブ病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、または筋萎縮性側索硬化症(ALS、もしくはルー・ゲーリック病)を含むが、これらに限定されない。
「神経精神障害」という用語は、統合失調症、双極性疾患(例えば、双極性障害1型または2型)、気分循環症、うつ病(双極性障害及び大うつ病性障害における大うつ病エピソード)、及びせん妄を含むが、これらに限定されない。
「オピオイドまたはアルコールまたは薬物離脱」とは、オピオイドまたはアルコールまたは他の薬物の定期的な投与量における突然の除去、または急速な減少とともに現れる様々な徴候及び訴えを指す。物理的徴候には、発汗、嘔気、あくび、悪寒、下痢、乳頭膨張、立毛、頻脈、血圧上昇、痛覚過敏、胃けいれん、及び筋けいれんが含まれ得る。
本明細書で使用される場合、「水溶性ポリマー」という語句は、(i)水に少なくとも部分的に溶解し、望ましくは水に完全に溶解するもしくは大部分が水に溶解するポリマー、及び/または(ii)水を吸収するポリマーを指す。水を吸収するポリマーは、本明細書では水膨潤性ポリマーと称される。
本明細書で使用される場合、「ポリマーマトリックス中に配置された」という語句は、固体ポリマーマトリックスフィルム組成物を形成する前にデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩がポリマー溶液中に直接組み込まれていることを意味する。
本明細書で使用される場合、「ポリマーマトリックスの表面上に沈着した」という語句は、固体ポリマーマトリックスの調製とは別に、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が液体組成物として製剤化され、例えば、1つ以上のマイクロ沈着物としてその固体ポリマー上に沈着し、そこでそれが乾燥するかまたは乾燥されることを意味する。この乾燥した製品は、本明細書では「マイクロ沈着マトリックスフィルム」と称されることもある。この薬物液体製剤は、溶液、乳濁液、懸濁液、または分散液を含む任意の形態であってもよい。
「単位用量」、「単位投与量」、または「単位剤形」という用語は、所定量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含有する物理的に別個の単位を意味する。
「非経口」という用語は、1つ以上の皮膚層または粘液層下への注射による薬物の投与を指し、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、または筋肉内注射を含むことができる。
「臨床的に重大な心血管系作用」という用語は、本明細書では、心血管系副作用に対処するのに医学的介入が必要とされる程度までの血圧低下(低血圧)及び/または心拍数低下(徐脈)を意味し、ここで、「医学的介入」という用語は、栄養飲料などの流体を投与するよりも重大な介入を意味する。
活性剤
デクスメデトミジンは、(+)4-(S)-[1-(2,3-ジメチルフェニル)エチル]-1H-イミダゾールというIUPAC名を有する。塩酸塩として、デクスメデトミジンは、集中治療環境での治療中に患者を鎮静させる薬物として、あるいは外科手術及び他の手術前及び/またはその最中に患者を鎮静させるために主に使用される。かかる薬剤は、現在、「PRECEDEX」という登録商標名で販売されている。
本明細書で使用され得るデクスメデトミジンの薬学的に許容される塩には、概して、ヒトへの投与用として米国FDAまたは米国内外の他の適切な機関から認可されているか、または認可される可能性のあるいずれの好適な塩も含まれる。好適な薬学的に許容される塩の非限定的な例には、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、水素硫酸、及びヨウ化水素酸などの無機酸の塩が挙げられる。他の例には、酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、及びメタンスルホン酸を含む非毒性有機酸に由来する塩、またはこれらの酸塩の組み合わせが挙げられる。例示的な塩には、デクスメデトミジン塩酸塩、デクスメデトミジン臭化水素酸塩、デクスメデトミジン硫酸塩、デクスメデトミジンスルホン酸塩、デクスメデトミジンリン酸塩、デクスメデトミジン硝酸塩、デクスメデトミジンギ酸塩、デクスメデトミジンクエン酸塩、デクスメデトミジン酒石酸塩、デクスメデトミジンリンゴ酸塩、デクスメデトミジン安息香酸塩、デクスメデトミジンサリチル酸塩、デクスメデトミジンアスコルビン酸塩などが挙げられる。別の実施形態では、重水素化形態のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が含まれ得る。
II.投与量
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、約10μg~約405μg、約0.5μg~約300μgの範囲内である。好適な投与量の例としては、約0.5μg~約280μg、約1μg~約270μg、約1μg~約260μg、約1μg~約250μg、約1μg~約240μg、約1μg~約230μg、約1μg~約220μg、約1μg~約210μg、約1μg~約200μg、約1μg~約190μg、約1μg~約180μg、約1μg~約170μg、約1μg~約160μg、約1μg~約150μg、約1μg~約140μg、約1μg~約130μg、約1μg~約120μg、約1μg~約110μg、約1μg~約100μg、約3μg~約90μg、約3μg~約80μg、約3μg~約70μg、約3μg~約60μg、約3μg~50μg、約3μg~約40μg、約3μg~約35μg、約5μg~約35μg、約10μg~約50μg、約10μg~約40μg、約10μg~約35μg、または約15μg~35μgが挙げられる。この用量は、1日1回以上(1日2回、3回、4回、5回、または6回を含む)投与され得る。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約405μg、約10μg~約400μg、約10μg~約350μg、約10μg~約300μg、約10μg~約270μg、約20μg~約240μg、約30μg~約180μg、約40μg~約140μg、約50μg~約120μg、約60μg~約120μg、約70μg~約100μg、約80μg~約100μg、約100μg~約200μg、約120μg~約200μg、または約120μg~約180μgの用量で口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約405μg、約10μg~約400μg、約10μg~約350μg、約10μg~約300μg、約10μg~約270μg、約20μg~約240μg、約30μg~約180μg、約40μg~約140μg、約50μg~約120μg、約60μg~約120μg、約70μg~約100μg、約80μg~約100μg、約100μg~約200μg、約120μg~約200μg、または約120μg~約180μgの用量で筋肉内投与され得る。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約(単位μgで):約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、または約250の用量で口腔粘膜(例えば、舌下もしくは頬側)または筋肉内投与され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルムとして口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。フィルムは、全ての目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第10,792,246号に記載されるフィルムであり得る。実施形態では、フィルムは、約10μg~約405μgまたは約100μg~約200μgを含む単一単位用量として投与される。実施形態では、各単位は、少なくとも1スポットのマイクロ沈着デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含有する。実施形態では、各単位は、2スポット以上のマイクロ沈着デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含有する。例えば、120μgの単位用量のデクスメデトミジン塩酸塩を有するフィルムについて、フィルムは、120μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む1つのマイクロ沈着スポットを有し得るか、または60μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む2つのマイクロ沈着スポットを有し得る。同様に、180μgの単位用量のデクスメデトミジン塩酸塩を有するフィルムについて、フィルムは、180μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む1つのマイクロ沈着スポットを有し得るか、または90μgのデクスメデトミジン塩酸塩を含む2つのマイクロ沈着スポットを有し得る。実施形態では、1つ以上の単位用量は、総用量を送達するために投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約120μg~約405μg、例えば、約120μg及び約180μgを含む、約120μg~約270μgの用量で口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。実施形態では、これらの用量は、総用量を送達するために1つ以上の単位剤形を介して提供することができる。好適な用量の例には(単位μgで):約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、約300、約305、約310、約315、約320、約325、約330、約335、約340、約345、約350、約355、約360、約365、約370、約375、約380、約385、約390、約395、約400、及び約405が挙げられる。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg、例えば、約120μg~約190μgの用量で口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与され得る。好適な用量の例としては(単位μgで):約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、及び約200が挙げられる。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg、例えば、約120μg~約190μgの用量で舌下投与され得る。好適な用量の例としては(単位μgで):約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、及び約200が挙げられる。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg、例えば、約120μg~約190μgの用量で頬側投与され得る。好適な用量の例としては(単位μgで):約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、及び約300が挙げられる。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg、例えば、約120μg~約190μgの用量で筋肉内投与され得る。好適な用量の例としては(単位μgで):約10、約20、約30、約40、約50、約60、約70、約80、約90、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、約145、約150、約155、約160、約165、約170、約175、約180、約185、約190、約195、約200、約200、約205、約210、約215、約220、約225、約230、約235、約240、約245、約250、約255、約260、約265、約270、約275、約280、約285、約290、約295、及び約300が挙げられる。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約180μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約120μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約90μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約60μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約40μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)は、約30μgの量で投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、1日2回投与され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg(例えば、30μg、45μg、60μg、または90μg)及び夜間に約120μg~約180μg(例えば、120μgまたは180μg)の用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg及び夜間に30μg~約90μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約120μg~約180μg及び夜間に約30μg~約90μgの用量で1日2回投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量当たり60μgとして1日2回、120μgの総用量まで投与される。例えば、60μgの単位用量が朝に服用され、さらに60μgの単位用量が夕または夜間に服用される。
特定の患者に投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の例示的な投与量は、その状態の種類及び程度、その特定の患者の全般的な健康状態、投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の特定の形態、ならびにその患者を治療するために使用される特定の製剤に依存するであろう。
III.医薬組成物
本開示によれば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、口腔粘膜(例えば、舌下もしくは頬側)、経口、非経口などを含む、様々な経路を通してヒト対象に投与することができる。本開示による使用に好適な製剤は以下に概説される。本開示による使用に好適な追加の製剤は、全ての目的のために参照によってその全体が本明細書に組み込まれる、US10,792,246に記載されている。
口腔粘膜製剤(舌下及び/または頬側製剤)
本開示によれば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、口腔粘膜投与に好適な剤形に製剤化することができる。かかる剤形には、錠剤、粉末剤、丸剤、フィルム、カプセル剤、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などが挙げられる。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム製品として製剤化される。
口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)製剤への包含に好適な担体には、糖、デンプン、セルロース及びその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸緩衝溶液、乳化剤、等張生理食塩水、パイロジェンフリー水、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。唾液に容易に溶解する担体が好ましくあり得る。
口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)製剤は、他の薬学的に許容される担体及び/または賦形剤、例えば、結合剤、滑沢剤、希釈剤、コーティング剤、崩壊剤、障壁層成分、流動促進剤、着色剤、溶解度増強剤、ゲル化剤、充填剤、タンパク質、補助因子、乳化剤、可溶化剤、懸濁化剤、及びそれらの混合物も含み得る。本開示に従って使用され得る特定の賦形剤は、当該技術分野で既知であり、例えば、Handbook of Pharmaceutical Excipients,fifth edition,2005 edited by Rowe et al.,Mcgraw Hillに記載されている。
フィルム
本開示による口腔粘膜(例えば、舌下もしくは頬側)投与に好適なフィルムは、(i)ポリマーマトリックス内に配置されているか、または(ii)ポリマーマトリックスの表面上、例えば、「プラセボ」フィルムの表面上に沈着しているかのいずれかであるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む。
フィルムのポリマー成分
ポリマー成分は、フィルムマトリックス内の、及び/またはポリマーの表面上の薬物含有沈着物(例えば、1つ以上の液滴)の一部としての、1つ以上の水溶性ポリマーであり得る。本開示の実施形態では、ポリマー成分は、単一の水溶性ポリマーからなる。実施形態では、ポリマー成分は、異なる分子量を有する同じ水溶性ポリマーのうちの2つ以上を含む、2つ以上の水溶性ポリマーからなる。
フィルムマトリックス中のポリマー成分は、好適な組成のものであり、口腔粘膜中のフィルムマトリックスの急速な崩壊を確実にするのに十分な量で存在する。例えば、ポリマー成分の存在により、フィルムマトリックスが口腔粘膜中で約15秒~約180秒、例えば、約30秒~約180秒(約120秒を含む)で完全に崩壊することが可能になり得る。フィルムマトリックス中のポリマー成分は、フィルムに十分な強度も提供する(すなわち、フィルムは自己支持型である)。
ポリマー成分は、ポリマーマトリックス/基質の表面上に沈着したデクスメデトミジン組成物の1滴以上の液滴中に存在する場合、例えば、水溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルセルロースからなってもよいが、本明細書の以下の「第1の水溶性ポリマー」及び「第2の水溶性ポリマー」の定義に記載されるように異なる水溶性ポリマーも企図される。例えば、ポリマー成分は、異なる分子量を有する1、2、または3つのヒドロキシプロピルセルロースからなってもよい。異なるヒドロキシプロピルセルロースの分子量は、好都合には、(i)約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)、(ii)約90,000ダルトン~約200,000ダルトン、及び(iii)約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの範囲であり得る。2つ以上のヒドロキシプロピルセルロースは、所望の液滴粘度を達成するために任意の好適な比率で混合され得る。デクスメデトミジン組成物溶液または懸濁液の粘度は、25℃の温度で少量サンプルアダプターを備えたブルックフィールド粘度計を使用して測定することができ、約5cps~約3700cpsの範囲であり得る。例えば、その粘度は、約5cps~約500cps、約6cps~約200cps、約6cps~約100cps、または約6cps~約50cpsの範囲であり得る。本開示の実施形態では、デクスメデトミジン組成物溶液または懸濁液の粘度は、25℃及び約7のせん断速度(1/s)で約6cps~約20cpsである。
ポリマー成分は、モノリス(すなわち、プラセボまたは薬物含有)フィルム中に存在する場合、例えば、1つの水溶性ポリマーまたは2つの異なる水溶性ポリマーからなってもよい。2つの異なる水溶性ポリマーが存在する場合、それらの水溶性ポリマーの一方は、同じであるが異なる分子量の組み合わせとしてポリマー成分中に存在するポリマーを含んでもよい。例えば、ポリマー成分は、異なる分子量を有する1、2、または3つのヒドロキシプロピルセルロースからなってもよいが、ポリエチレンオキシドなどの本明細書の以下の「第1の水溶性ポリマー」及び「第2の水溶性ポリマー」の定義に記載されるように異なる水溶性ポリマーも企図される。異なるヒドロキシプロピルセルロースの分子量は、好都合には、(i)約60,000ダルトン未満(例えば、約5000ダルトン~約49000ダルトン)、(ii)約90000ダルトン~約200,000ダルトン、及び(iii)約200,000ダルトン~約500,000ダルトン(例えば、約300000ダルトン~約450000ダルトン)の範囲であり得る。2つ以上のヒドロキシプロピルセルロース(例えば、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース及び高分子量ヒドロキシプロピルセルロース)は、所望のフィルム特性を達成するために任意の好適な比率で混合され得る。ポリマー成分は、モノリス(すなわち、プラセボもしくは薬物含有)フィルム、またはマイクロ沈着フィルムマトリックス組成物中に存在する場合、好都合には、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)、及び/または約90000ダルトン~約200,000ダルトン、及び/または約200,000ダルトン~約500,000ダルトン(例えば、約300000ダルトン~約450000ダルトン)の分子量を有する1つ以上の水溶性ポリマーからなってもよい。構造的に異なる水溶性ポリマーも存在する場合、そのポリマーは、好都合には、より高い分子量、例えば、約500,000ダルトンを超える分子量を有してもよい。
実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー、及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、薬学的フィルム組成物を提供する。
実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー、及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、から本質的になる、薬学的フィルム組成物を提供する。
実施形態では、本開示は、(i)デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(ii)約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)の分子量を有する第1の水溶性ポリマー、及び約60,000ダルトンを超える分子量を有する1つ以上の第2の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、任意に、(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、からなる薬学的フィルム組成物を提供する。
1つ以上の第1の水溶性ポリマーの例は、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物(異なる分子量を有する同じポリマーの混合物を含む)からなる群から選択される。
1つ以上の第2の水溶性ポリマーの例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物(異なる分子量を有する同じポリマーの混合物を含む)からなる群から選択される。ポリエチレンオキシド(PEO)も本明細書では第2の水溶性ポリマーとして、もしくは本明細書の以下に別個に記載されるように、医薬フィルム組成物中に薬学的に許容される担体の一例として、またはより具体的には、粘膜付着剤として存在してもよい。
実施形態では、全フィルム組成物中の当該第1の水溶性ポリマーの当該第2の水溶性ポリマー(複数可)(フィルム中に存在する場合、PEOを含む)に対する重量比は、約2:1~約1:50、例えば、約1:1、約1:2、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、約1:30、約1:31、約1:32、約1:33、約1:34、約1:35、約1:36、約1:37、約1:38、約1:39、約1:40を含む、約1:1~約1:40である。
実施形態では、全フィルム組成物中の当該第1の水溶性ポリマーの当該第2の水溶性ポリマー(複数可)(フィルム中に存在する場合、PEOを含む)に対する重量比は、約1:10~約1:30、約1:15~約1:25、または約1:15~約1:20である。実施形態では、約1:15~約1:20の比は、有益な機能的効果を提供する。
第1の水溶性ポリマー/第2の水溶性ポリマーとともにフィルム中に含まれ得るか、またはかかるポリマー(複数可)の代わりになり得る他の水溶性ポリマーの例には、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、コポビドン(N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー)、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、メチルメタクリレートコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、ポリデキストロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キトサン、キサンタンガム、トラガカントガム、グアガム、アカシアガム、アラビアガム、デンプン、カラギーナン、ゼラチン、及びそれらの混合物が挙げられる。水溶性ポリマー成分(存在する場合、水溶性ポリマー担体を含む)は、好都合には、乾燥重量ベースでフィルムの重量に基づいて、フィルム組成物の約40%~約99.8%、約50%~約99.7%、約60%~約99.6%を構成し得る。
実施形態では、フィルム組成物のポリマー成分は、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約2%~約15%(例えば、総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%)の量で存在する第1の水溶性ポリマーを含む。この水溶性ポリマーは、好都合には、約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有し得る。好適なかかる水溶性ポリマーの例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーが挙げられる。
実施形態では、低分子量ヒドロキシプロピルセルロースは、フィルム中に総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%で存在し得る。
実施形態では、1つ以上の第2の水溶性ポリマー(ポリエチレンオキシドなどの水溶性ポリマー担体を含む)は、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約50~約98重量パーセントの量で存在し得る。1つ以上の第2の水溶性ポリマーは各々、60,000ダルトンを超える分子量を有し、例えば、特に、そのポリマーが、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合、約90,000ダルトン~約1,500,000ダルトンの分子量を有する。
実施形態では、1つ以上の第2の水溶性ポリマーが各々、約90,000ダルトン~約200,000ダルトン及び/または約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの分子量を有し、かつそのポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物からなる群から選択される場合、1つ以上の第2の水溶性ポリマーは合わせて、フィルム中に総フィルム重量の約25w/w%~約40w/w%で存在し得る。
実施形態では、ポリエチレンオキシドは、フィルム中に総フィルム重量の約50w/w%~約60w/w%で存在し得る。
実施形態では、フィルム組成物のポリマー成分は、低分子量水溶性ポリマー(例えば、約60,000ダルトン未満の分子量を有する)と、1つ以上の高分子量ポリマー(例えば、約60,000ダルトンを超え、ポリエチレンオキシドがポリマー混合物中に含まれる場合、最大約1,500,000ダルトンの分子量、またはポリエチレンオキシドがポリマー混合物中に含まれない場合、最大約500,000ダルトンの分子量を有する)と、からなる。このポリマー組み合わせは、特にポリマーがヒドロキシプロピルセルロースとポリエチレンオキシドとの組み合わせである場合、フィルム組成物の引張強度及び薬物動態にある特定の利点をもたらす。
実施形態では、本開示は、
(i)治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーからなるポリマー成分と、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む(例えば、から本質的になる)、フィルム組成物を提供する。
実施形態では、本開示は、
(i)治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
(ii)(a)約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量を有し、例えば、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約2~約15重量パーセントである、1つ以上の第1の水溶性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物)と、(b)60,000ダルトンを超える、例えば、100,000ダルトンを超える分子量を有し、例えば、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約50~約98重量パーセントである、1つ以上の第2の水溶性ポリマー(例えば、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びそれらの混合物)と、からなる、ポリマー成分と、
(iii)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む(例えば、から本質的になる)、フィルム組成物を提供する。
ヒドロキシプロピルセルロースが本開示のフィルム中に存在する場合、その分子量は異なってもよく、低分子量水溶性ポリマー及び1つ以上の高分子量水溶性ポリマーの両方として存在してもよい。実施形態では、分子量は、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン)であり得る。実施形態では、分子量は、約90,000ダルトン~約200,000ダルトンの範囲内であり得る。実施形態では、分子量は、約200,000ダルトン~約500,000ダルトンの範囲内であり得る。
ヒドロキシプロピルセルロースは、ポリエチレンオキシドを含むフィルム組成物の一部である場合、好都合には、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約10重量%~約90重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約20重量%~約80重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約20重量%~約50重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約25重量%~約45重量%の範囲で存在し得る。
ポリエチレンオキシドが本開示のフィルム中に存在する場合、その分子量も異なってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、フィルムの粘膜付着性を向上させるために、高分子量水溶性ポリエチレンオキシドが使用され得る。ある特定の実施形態では、その分子量は、約100,000、200,000、300,000、600,000、900,000、または1,000,000ダルトンを含む、約100,000ダルトン~約1,500,000ダルトンの範囲であり得る。実施形態では、約600,000ダルトン~約900,000ダルトンの分子量を有するポリエチレンオキシドと、約100,000ダルトン~約300,000ダルトンの分子量を有するポリエチレンオキシドとの組み合わせをポリマー成分中に使用することが望ましい場合がある。
ポリエチレンオキシドは、フィルム組成物の一部である場合、好都合には、総ポリマー成分の乾燥重量ベースで約30重量%~約90重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約40重量%~約85重量%、例えば、ポリマー成分の乾燥重量ベースで約55重量%~約80重量%の範囲で存在し得る。
かかるフィルム組成物は、フィルム中に分散するか、またはフィルムの表面上にマイクロ沈着する薬物を含み得る。この薬物は、「プラセボ」フィルムの表面上にマイクロ沈着した場合、好都合には、液体担体、例えば、溶媒(例えば、エタノールなどのアルコール)中の1滴以上の液滴としてのデクスメデトミジン組成物の一部として、任意に1つ以上(例えば、2つ)の水溶性ポリマー及び/または薬学的に許容される担体と一緒に添加され得る。好適な水溶性ポリマーには、(1)低分子量水溶性ポリマー、例えば、約60,000ダルトン未満(例えば、約5,000ダルトン~約49,000ダルトンの分子量)を有する低分子量水溶性ポリマー、及び任意に、(2)1つ以上(例えば、1つまたは2つ)の高分子量水溶性ポリマー、例えば、約60,000ダルトンを超える分子量を有する高分子量水溶性ポリマー(例えば、約60,000ダルトン~約150,000ダルトンの分子量、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(77,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(80,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(90,000MW)、またはヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW))、及び/または約60,000ダルトンを超える分子量を有する高分子量水溶性ポリマー(例えば、約200,000ダルトン~約900,000ダルトンの分子量、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(340,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、ポリエチレンオキシド(200,000MW)、またはポリエチレンオキシド(600,000MW))が含まれる。各水溶性ポリマーは独立して、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、及びメチルセルロースからなる群から選択され得る(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース及び/またはポリエチレンオキシド)。
実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩と、ヒドロキシプロピルセルロースである低分子量ポリマーと、その各々がエタノール溶媒中のヒドロキシプロピルセルロースである1つまたは2つの高分子量ポリマーと、を含む。
実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)と、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)及びヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)の一方または両方と、を含む。
実施形態では、デクスメデトミジン組成物は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)と、2つのみのヒドロキシプロピルセルロース、すなわち、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)及びヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、を含む。
実施形態では、沈着組成物は、溶液、乳濁液、懸濁液、または分散液を含む、任意の形態であり得る。例えば、デクスメデトミジン組成物は、任意に水酸化ナトリウムなどのpH中和剤を含むエタノール系溶液中の1滴以上の液滴として添加され得る。実施形態では、フィルム基材表面は、ポリマーマトリックス中にデクスメデトミジン塩酸塩の2つ以上のマイクロ沈着スポット(例えば、2つのマイクロ沈着スポット)を含有する。沈着溶液/懸濁液の粘度は、25℃で少量サンプルアダプターを備えたブルックフィールド型粘度計を使用して測定される、約6cps~約3700cpsの範囲であり得る。一例として、その粘度は、約5cps~約500cps、約6cps~約200cps、約6cps~約100cps、または約6cps~約50cpsの範囲であり得る。
本開示の実施形態では、デクスメデトミジン組成物の粘度は、25℃及び約7のせん断速度(1/s)で約6cps~約20cpsである。
乾燥させて溶媒を除去した後、フィルムは、フィルム基材(例えばプラセボ)を含み、上述のデクスメデトミジン組成物であるが溶媒を含まないデクスメデトミジン組成物がそのフィルム基材の表面上に沈着(例えば、マイクロ沈着)している。デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、デクスメデトミジン塩酸塩)を含む乾燥組成物は、フィルム基材表面の全体またはフィルム基材表面の一部のみを覆い得る。
実施形態では、乾燥デクスメデトミジン組成物は、フィルム基材表面上に1滴以上の離散薬物含有液滴として現れる。代替的に、ステンシル加工を使用して、そのフィルム基材表面上に薬物含有組成物を有する1つ以上の画定された不連続の領域を得ることができる。
実施形態では、本開示は、1つ以上の離散薬物含有液滴をフィルム基材表面上に有するフィルム基材を含む乾燥フィルム製品であって、各そのような薬物含有液滴が、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、2つの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロース:HPC-SSLとして入手可能なヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)及びKlucel(商標)Type JF NFの商標名で市販されているヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、を含み、フィルム基材が、3つの分子量を有するヒドロキシプロピルセルロース:ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、及びKlucel(商標)Type GF NFの商標名で市販されているヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、を含む、乾燥フィルム製品を提供する。実施形態では、フィルム基材は、Sentry Polyox WSR 205 LEO NFという名称で入手可能なポリエチレンオキシド(600,000MW)も含む。
実施形態では、乾燥フィルム製品は、沈着組成物(本明細書では「デクスメデトミジン組成物」とも称される)であって、(i)沈着組成物の約9w/w%~約50w/w%、例えば、沈着組成物の約15w/w%~約25w/w%で存在するデクスメデトミジン塩酸塩と、(ii)沈着組成物の約5w/w%~約85w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(iii)沈着組成物の約5w/w%~85w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iv)沈着組成物の約0w/w%~約65w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、を含む、沈着組成物を含む。フィルムは、ポリマーマトリックスも含み、ポリマーマトリックスは、(i)ポリマーマトリックスの約3w/w%~約40w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(ii)ポリマーマトリックスの約3w/w%~約40w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iii)ポリマーマトリックスの約0w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、(iv)ポリマーマトリックスの約55w/w%~約75w/w%で存在するポリエチレンオキシド(600,000MW)と、を含む。
実施形態では、乾燥フィルム製品(例えば、マイクロ沈着フィルム製品)は、(i)総フィルム重量の約1w/w%~約50w/w%で存在するデクスメデトミジン塩酸塩と、(ii)総フィルム重量の約2w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)と、(iii)総フィルム重量の約2w/w%~約30w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)と、(iv)総フィルム重量の約10w/w%~約50w/w%で存在するヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)と、(v)総フィルム重量の約40w/w%~約75w/w%で存在するポリエチレンオキシド(600,000MW)と、(vi)任意に、他の薬学的に許容される担体と、を含む。
実施形態では、本明細書に開示されるフィルムは、有益な特性を有するフィルムを提供するために、いくつかのタイプのヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が組み合わされている。例えば、フィルム組成物は、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、及びヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)のうちの2つまたは3つを組み合わせて含み得る。ある特定の実施形態では、モノリスフィルムの一部である場合、ポリエチレンオキシド(600,000MW)がこれらのタイプのHPCとともに含まれる。
本開示の特定のフィルム組成物中、低分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、40,000MW)は、総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%(例えば、約5%)で存在し、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、140,000MW)は、総フィルム重量の約3w/w%~約8w/w%(例えば、約5%)で存在し、高分子量ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、370,000MW)は、総フィルム重量の約20w/w%~約40w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(例えば、600,000MW)は、総フィルム重量の約40w/w%~約70w/w%(例えば、約50w/w%~約60w/w%)で存在する。実施形態では、2つの高分子量水溶性ポリマーは、一緒に総フィルム重量の約25w/w%~約40w/w%で存在する。
フィルム組成物が口腔粘液に数秒~数分以内、例えば、約0.25分~約15分で完全に溶解し、それ故に、口腔粘膜を介してデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量が確実に送達されるように、水溶性ポリマーの選択及び比率を決定することができる。例えば、フィルム組成物は、口の舌下または頬側領域に、約30秒~約15分、約1分~約10分、または約1分~約5分の期間を含む、最大約15分間、最大約10分間、または最大約5分間滞留し得る。
いずれかの薬局方に記載されている標準のバスケットまたはパドル装置がインビトロ溶解試験に使用され得る。溶出溶媒の選択は、本質的には、薬物の沈み条件及び最高用量に依存するであろう。溶出溶媒の温度は、37±0.5℃に及び50のrpmで維持しなければならない(Bala et al.,Int J Pharm Investigation,vol.3(2),pages 67-76を参照のこと)。
本明細書で開示されるフィルムは、薬物効果の迅速な発現を促進するいくつかの機能的利点を有する。実施形態では、本開示の薄フィルム組成物は、口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)に適用されるとき、約15秒~約180秒、約15秒~約160秒、約25秒~約150秒、約15秒~約140秒、約15秒~約120秒、約40秒~約120秒、約50秒~約120秒、例えば、約120秒の崩壊時間(DT)を有する。この時間枠内の崩壊時間により、薬物効果の最適な発現がもたらされる。
実施形態では、本開示の薄フィルム組成物は、フィルムを舌下の位置に局在させ、溶解前の効果的な除去を、低減または予防する、実用的な利点を提供する粘膜付着特性を有する。この性質は、激越状態の対象を伴う臨床環境において特に有益である。よって、実施形態では、薄フィルム組成物は、約50g以上、約100g以上、約200g以上、約300g以上、約400g以上、約500g以上、約600g以上、約700g以上、約800g以上、約900g以上、約1000g以上の粘膜付着力(粘膜付着強度またはせん断強度)を有する。実施形態では、粘膜付着力は、約300g~約4000g、約500g~約3000g、または約1000g~約2000gの範囲内である。
フィルムの破裂強度も薬物送達に寄与する。本開示のある特定の薄フィルム組成物は、50g、100g、200g、300g、400g、500g、600g、700g、800g、900g、1000g、1100g、1200g、1300g、1400g、1500g、1600g、1700g、1800g、1900g、2,000g、2,500g、3,000g、3,500g、4,000g、4,500g、5,000g、5,500g、6,000g、6,500g、7,000g、7,500g、8,000g、8,500g、9,000g、9,500g、10,000g、または15,000g以上の破裂強度を有する。例えば、破裂強度は、約200g~約15000g、約300g~約10,000g、または約400g~約5000gの範囲内であり得る。
薬学的に許容される担体
フィルム組成物は、液体担体、香味料、甘味料、清涼化剤、抗酸化剤、pH調整剤、透過促進剤、粘膜付着剤、可塑剤、増量剤、界面活性剤/非イオン性可溶化剤、安定剤、消泡剤、着色剤などを含むが、これらに限定されない1つ以上の薬学的に許容される担体をさらに含み得る。ある特定の実施形態では、フィルム組成物は、酸性緩衝剤または他の酸性薬剤を実質的に含まない。
液体担体
実施形態によれば、薬学的に許容される担体には、液体担体が含まれる。液体担体は、ポリマーマトリックス(薬物含有またはプラセボ)及びポリマーマトリックス上の沈着組成物を調製する際に有用な1つ以上の溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、水であり得る。実施形態では、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、アセトン、ブタノール、ベンジルアルコール、及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない極性有機溶媒であり得る。実施形態では、溶媒は、塩化メチレン、トルエン、酢酸エチル、及びそれらの混合物などの非極性有機溶媒であり得る。ある特定の溶媒は、アルコール、特にエタノール、水、及びそれらの混合物である。望ましくは、湿潤ポリマーマトリックス中の溶媒含有率は、乾燥前の総フィルム組成物の総湿潤重量の少なくとも約30重量%である。その後に乾燥させたフィルム組成物は、望ましくは約10重量%未満の溶媒、より望ましくは約8重量%未満の溶媒、さらに望ましくは約6重量%未満の溶媒、最も望ましくは約2重量%未満の溶媒を含むであろう。
香味料/甘味料/清涼化剤
甘味料、香味剤、清涼化剤、味マスキング剤、またはそれらの組み合わせをフィルム組成物に添加して、フィルム組成物の味を改善することが有益であり得る。香味料は、天然香味液及び合成香味液から選択され得る。かかる剤の例証的なリストには、植物、葉、花、果実、茎、及びそれらの組み合わせに由来する揮発性油、合成香味油、香味芳香剤、香味油、香味液、オレオレジン、またはエキス剤が含まれる。非限定的な香味油には、スペアミント油、シナモン油、ペパーミント油、チョウジ油、ベイ油、タイム油、ヒバ油、ナツメグ油、セージ油、及びクヘントウ油が含まれる。実施形態では、香味料は、ペパーミント油、NFとして入手可能なペパーミント油香味料である。
その量は、最終製品で所望される結果を得るために変化させてもよい。かかる変化は、過度の実験を必要とすることなく、当業者の能力の範囲内である。概して、約0.1重量%~約30重量%の量をフィルムに使用して、香味をもたらすことができる。好適な甘味料には、天然甘味料及び人工甘味料の両方が含まれる。好適な甘味料の非限定的な例には、例えば、水溶性甘味剤、例えば、単糖類、二糖類、多糖類、例えば、キシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、スクロース(糖)、高フルクトースコーンシロップ、マルトース、転化糖(スクロースに由来するフルクトースとグルコースの混合物)、部分的に加水分解されたデンプン、コーンシロップ固形物、及びジヒドロカルコン、水溶性人工甘味料、例えば、可溶性サッカリン塩、すなわち、サッカリンナトリウムまたはカルシウム塩、シクラミン酸塩、ならびに天然に存在する水溶性甘味料に由来する水溶性甘味料、例えば、砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースとして既知のものが挙げられる。一実施形態では、甘味料は、スクラロースである。
香味剤、甘味料、及び清涼化剤は、従来の料で、概して、乾燥重量ベースでフィルム重量の約0.01%~約10%、例えば、乾燥重量ベースでフィルム重量の約0.1%~約7%、例えば、乾燥重量ベースでフィルム重量に基づいて約0.1%~約5%の最大総量で添加することができる。
他の味マスキング剤には、例えば、ポリマー、油、またはワックスが含まれる。一実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム組成物を製剤化する前に味マスキング剤でコーティングされる。実施形態では、活性成分をコーティングするために味マスキング剤が使用される場合、それは、活性成分を含有する粒子または顆粒の約5重量%~約80重量%の量で存在し得る。実施形態では、味マスキング剤は、活性成分を含有する粒子または顆粒の約25重量%~約35重量%の量で存在する。
抗酸化剤
酸化的分解に対してフィルム組成物の長期間安定性を実質的に改善する脱酸素剤または抗酸化剤の例には、亜硫酸塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、ならびにカリウム及びカルシウムの類似塩が挙げられる。亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム)の好適な量は、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約5%、例えば、約0.001%~約2%である。
pH調整剤/pH中和剤
口腔粘膜を介するデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の吸収は、アルカリ性微小環境下で増加し得る。一例として、この吸収は、フィルム組成物が6超、約6~約9、または約6.5~約8のpHで維持されているときに達成され得る。実施形態では、フィルムは、フィルム製品のpHを増加させるアルカリ性物質を含み得る。pH調整剤/pH中和剤の非限定的な例には、重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム)、クエン酸塩(例えば、クエン酸カリウム)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)、乳酸塩(例えば、乳酸ナトリウム)、酢酸塩(例えば、酢酸カルシウム)、アルカリ性緩衝剤(例えば、グリシン)、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。グリシンなどのアルカリ性緩衝剤は、pH中和剤の一例である。フィルム組成物中に存在するpH調整剤/pH中和剤の好適な量には、例えば、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約10%、例えば、約1%~約5%が含まれる。
透過促進剤
口腔粘膜を介するデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の吸収を促進するある特定の効果的な透過促進剤には、アルコールが挙げられる。ブタノールなどのアルコール透過促進剤は、好都合には、フィルム組成物に、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約10%、例えば、約0.1%~約5%、例えば、約1%~約3%の量で添加することができる。
粘膜付着剤
フィルム組成物に添加することができる粘膜付着剤の例には、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グアガム、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラヤガム、メチルセルロース、レテン、トラガカントなどが挙げられるが、これらに限定されない。粘膜付着剤の1つは、ポリエチレンオキシドであり、好都合には、フィルム組成物に、乾燥重量ベースで総フィルム組成物重量に基づいて約20%~約90%、例えば、約40%~約70%の量で添加され得る。
可塑剤
本明細書で効果的に用いることができる可塑剤には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、及びグリセロールが含まれる。選択されたフィルム形成ポリマー(複数可)及びフィルム製剤の他の成分に応じて、フィルム組成物中に含まれる可塑剤の好適な量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム重量に基づいて最大約10%、例えば、約0.1%~約5%、例えば、約0.5%~約5%であり得る。ある特定の用途のために、ポリエチレンオキシドを含むより高い分子量のポリエチレングリコールが利用され得る。
充填剤:
フィルム組成物に添加することができる好適な充填剤には、デンプン、カルシウム塩、例えば、炭酸カルシウム、ならびに糖、例えば、ラクトース、グルコース、スクロース、マンノース、ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、スクラロース、トレハロース、及びそれらの組み合わせが含まれる。フィルム製剤に好都合に添加することができる充填剤の量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約25%、例えば、約0.5%~約20%、例えば、約1%~約15%、例えば、約2%~約10%である。
界面活性剤/非イオン性可溶化剤
フィルムには、典型的には、例えば、ポロキサマー、ポリオキシル硬化ヒマシ油、オキシステアリン酸グリセリルポリエチレングリコール、脂肪酸グリセリルポリグリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない、少なくとも1つの界面活性剤/非イオン性可溶化剤が組み込まれている。フィルム組成物に添加することができる界面活性剤(複数可)の量は、典型的には、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて最大約5%、例えば、約0.5%~約3%、例えば、約1%~約3%である。
消泡成分
シメチコンは、有用な消泡剤及び/または脱泡剤の一例であるが、他の消泡剤及び/または脱泡剤が好適に使用される場合もある。シメチコンなどの消泡剤及び/または脱泡剤は、フィルム組成物に、乾燥重量ベースでフィルム組成物重量に基づいて約0.01%~約5.0%、より望ましくは約0.05%~約2.5%、最も望ましくは約0.1%~約1.0%の量で添加され得る。
着色剤
フィルム組成物中に含まれ得る着色添加剤には、食品、医薬品、及び化粧品用色(FD&C)、医薬品及び化粧品用色(D&C)、または外用医薬品及び化粧品用色(Ext.D&C)が含まれる。これらの色は、染料、それらの対応するレーキ、及びある特定の天然由来の着色剤である。着色添加剤のある特定の例は、鉄またはチタンの酸化物などの無機色素であり、乾燥重量ベースでフィルム組成物の重量に基づいて、約0.001%~約10%、例えば、約0.01%~約3%の範囲の濃度で添加される。実施形態では、デクスメデトミジン組成物(すなわち、沈着組成物)に使用される色は、フィルム基材(例えば、プラセボフィルム)に使用される色とは異なる。マイクロ沈着フィルムのモノリスフィルム及びフィルム基材の色の1つは、エメラルドグリーンであり、Fast Emerald Green Shade(06507)として入手可能である。デクスメデトミジン組成物(すなわち、沈着組成物)の1つの色は、フィルム基材の色とは異なる色、例えば、青色(FD&C Blue No.1として入手可能)である。本開示のフィルム実施形態の実施形態では、例えば、上記の態様及び実施形態に記載されるように、緑色のフィルム基材上にデクスメデトミジン塩酸塩の2つの青色のマイクロ沈着スポットを含有する約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含むフィルムである。
本開示のフィルム実施形態の実施形態では、例えば、上記の態様及び実施形態に記載されるように、約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含むフィルムである。
実施形態(A)では、
(i)約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、
(iii)ポリエチレンオキシドと、任意に、
(iv)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態(B)では、
(i)約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)1つ以上の水溶性ポリマーと、
(iii)ポリエチレンオキシドと、任意に、
(iv)1つ以上の薬学的に許容される担体と、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態では、上記の実施形態(A)または(B)の先ほど言及された1つ以上の水溶性ポリマー(ii)は、1つの低分子量水溶性ポリマー及び2つの高分子量水溶性ポリマーを含み、例えば、低分子量水溶性ポリマーは、約5,000ダルトン~約49,000ダルトン(例えば、約40,000ダルトン)の分子量を有し、高分子量水溶性ポリマーは各々、約60,000ダルトンを超える分子量を有する(例えば、2つの高分子量水溶性ポリマーの一方は、約140,000ダルトンの分子量を有し、他方の高分子量水溶性ポリマーは、約370,000ダルトンの分子量を有する)。水溶性ポリマーは各々、いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースである。ポリエチレンオキシドは、いくつかの実施形態では、約600,000ダルトンの分子量を有する。
実施形態では、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、スクラロース、ペパーミント油、エメラルドグリーン着色剤、及びFD&Cブルー着色剤から選択される1つ以上の賦形剤と、を含むか、またはそれらから本質的になる、薬学的フィルム組成物が提供される。
実施形態(C)では、
(i)約180μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態(D)では、
(i)約120μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)と、
(ii)約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、
(iii)約140,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(iv)約370,000ダルトンからの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、
(v)約600,000ダルトンの分子量を有する水溶性ポリエチレンオキシドと、を含む、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態(C)及び(D)の先ほど言及されたフィルムの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を除くフィルム成分は、単層フィルム基材を形成し、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム基材の表面上(例えば、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約40,000ダルトンの分子量を有する低分子量水溶性ポリマーと、約140,000ダルトンの分子量を有する高分子量水溶性ポリマーと、を含む、組成物内)に存在する。水溶性ポリマーは各々、いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルセルロースである。
実施形態(E)では、
(a)
(i)約180μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物が、フィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態(F)では、
(a)
(i)約120μgのデクスメデトミジン塩酸塩、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、及び
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)から本質的になる、組成物と、
(b)
(i)ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)、
(ii)ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)、
(iii)ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)、及び
(iv)ポリエチレンオキシド(600,000MW)から本質的になる、フィルム基材と、を含み、
部分(a)の組成物が、フィルム基材(b)の表面上に存在する、自己支持型溶解性フィルムが提供される。
実施形態(E)及び(F)の先ほど言及されたフィルムの実施形態では、デクスメデトミジン塩酸塩は、総フィルム重量の約0.1w/w%~約2w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(40,000MW)は、総フィルム重量の約4w/w%~約8w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(140,000MW)は、総フィルム重量の約4w/w%~約8w/w%で存在し、ヒドロキシプロピルセルロース(370,000MW)は、総フィルム重量の約25w/w%~約30w/w%で存在し、ポリエチレンオキシド(600,000MW)は、総フィルム重量の約50w/w%~約60w/w%で存在する。
実施形態では、本開示は、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の粘膜付着性ポリマーと、可塑剤、浸透促進剤、着色剤、甘味剤、香味剤、味マスキング剤、または唾液刺激剤のうちの1つ以上から選択される任意の賦形剤と、を含むか、またはそれらから本質的になる、薬学的頬側フィルム組成物を提供する。粘膜付着性ポリマーは、親水性ポリマー及びヒドロゲルから選択され得る。親水性ポリマーの例には、ポリビニルアルコール[PVA]、カルボキシメチルセルロースナトリウム[NaCMC]、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース[HPMC]、ヒドロキシルエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロース[HPC]が挙げられる。ヒドロゲルの例には、カーボポール、ポリアクリレート、キトサンなどのカチオン性ポリマー、及びEudragit類似体などの非イオン性ポリマーが挙げられる。
スプレー、ドロップ、またはゲル
実施形態では、本開示は、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される液体(約1重量%~約99.995重量%)と、を含むか、またはそれらから本質的になる、口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与に好適な薬学的スプレー組成物またはドロップ組成物を提供する。かかる液体は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の溶媒、共溶媒、または非溶媒であり得る。薬学的に許容される液体の例には、水、エタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、グリセリン、N-メチルピロリドン、薬学的に許容される油(例えば、大豆、ヒマワリ、ピーナッツなど)などが挙げられる。薬学的に許容される液体は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を溶解させるか、その安定した均質な懸濁液を生成するか、または懸濁液もしくは溶液の任意の組み合わせを形成するかのいずれかを達成するように選択される。これらの成分に加えて、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩のスプレーまたはドロップ製剤は、1つ以上の賦形剤、例えば、粘度調節材料(例えば、ポリマー、糖、糖アルコール、ガム、粘土、シリカなど、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP))、防腐剤(例えば、エタノール、ベンジルアルコール、プロピルパラベン、及びメチルパラベン)、香味剤(例えば、ペパーミント油)、甘味料(糖、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、マルトース、フルクトースなど)、人工甘味料(例えば、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファム、スクラロース)、または糖アルコール(例えば、マンニトール、キシリトール、ラクチトール、マルチトールシロップ)、緩衝剤及びpH調整剤(例えば、水酸化ナトリウム、クエン酸塩、及びクエン酸)、着色剤、香料、キレート剤(例えば、EDTA)、紫外線吸収剤及び消泡剤(例えば、低分子量アルコール、ジメチコン)を含んでもよい。口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)スプレーまたはドロップに好適な前述の成分のうちの1つ以上に加えて、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の口腔粘膜ゲル製剤は、1つ以上の賦形剤、例えば、粘度調節材料(例えば、カーボポール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性または水膨潤性ポリマー)を含み得る。
スプレー、ドロップ、及びゲルは、標準適正製造基準に従って適切な量の前述の成分を混合することによって作製され得る。かかる賦形剤は、患者または対象の味の受け入れを改善するために、バイオアベイラビリティを改善するために、貯蔵寿命を延長させるために、製造費及び包装費を削減するために、政府規制機関の要件を順守するために、ならびに他の目的のために、製剤に含まれ得る。各成分の相対量は、結果として得られる製剤の望ましい薬理学的及び薬物動態学的特性を妨害してはならない。
実施形態では、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と、を含むか、またはそれらから本質的になる、口腔粘膜スプレー組成物が提供される。
患者は、一実施形態では、スプレーポンプからの1~2回の作動で舌下または頬側投与することによって治療され得る。スプレー送達の利点は、単回作動によって必要に応じて1回または2回用量で患者に容易に滴定する能力である。
ポンプ作動スプレーは、作動させるために、外部圧力、例えば、外部から手動で、機械的に、または電気的に開始される圧力の適用を必要とすることを特徴とする。これは、作動が、典型的には、圧力の制御放出によって、例えば、弁の制御開口によって達成される加圧システム、例えば、推進剤駆動型エアロゾルスプレーとは対照的である。
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表1に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下スプレー製剤。
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表2に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下ドロップ組成物。
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表3に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下ゲル組成物。
錠剤
実施形態では、本開示は、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の薬学的に許容される担体(約1重量%~約99.995重量%)と、を含むか、またはそれらから本質的になる、口腔粘膜投与(例えば、舌下または頬側投与)に好適な錠剤製剤を提供する。かかる担体は、味マスキング剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、流動促進剤、香味剤、または液体溶媒であり得る。薬学的に許容される液体の例には、水、エタノール、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、炭酸プロピレン、グリセリン、N-メチルピロリドン、薬学的に許容される油(例えば、大豆、ヒマワリ、ピーナッツなど)などが挙げられる。味マスキング剤には、例えば、アンバーライト、Opadry(登録商標)AMB TAN、ポリメタクリレート(特に、Eudragit(登録商標)L100)、デンプングリコール酸ナトリウム(Primojel)、カーボポールポリマー、PEG-5M、酢酸ナトリウム、エチルセルロース、ベタシクロデキストリンが含まれる。香味剤は、例えば、ミントパウダー、メントール、バニリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンであり得る。崩壊剤には、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、グアガム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー、アルギン酸ナトリウムが含まれる。希釈剤は、例えば、微結晶セルロース、デキストレート、デキストロース、フルクトース、マンニトール、スクラロース、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロース、キシリトール、マルトース、マルトデキストリン、マルチトールであり得る。結合剤は、例えば、アルギン酸、カルボマー、エチルセルロース、ゼラチン、液体グルコース、グアガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウムであり得る。圧縮手順中に粉末が錠剤パンチに付着するのを防止するために、少なくとも1つの滑沢剤が製剤に好都合に組み込まれ得る。滑沢剤は、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘン酸グリセリル、硬化ヒマシ油、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウムであり得る。粒子間摩擦及び凝集を減少させることによって粉末の流れを促進するために流動促進剤が使用される。これらは、ダイ壁摩擦を減少させる能力を有しないため、滑沢剤と組み合わせて使用される。流動促進剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、第三リン酸カルシウムであり得る。
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表4に記載される賦形剤とを含む、様々な頬側錠剤製剤。
20μg、30μg、60μg、90μg、120μg、及び180μgの用量のデクスメデトミジン塩酸塩と、表5に記載される賦形剤とを含む、様々な舌下錠剤組成物。

非経口製剤:
非経口投与用の液体医薬組成物は、注射または持続注入による投与用に製剤化され得る。注射または注入による投与経路には、静脈内、腹腔内、筋肉内、くも膜下腔内、及び皮下が含まれ得るが、これらに限定されない。実施形態では、非経口製剤には、プレフィルドシリンジ、バイアル、再構築のための注入用粉末剤、送達前に希釈される注入用濃縮物(希釈準備済)、または溶液(使用準備済)が含まれ得る。
注射用医薬組成物は水性等張溶液または懸濁液であり得、座薬は脂肪乳濁液または懸濁液から調製することができる。
医薬組成物は、滅菌され得る、及び/またはアジュバント、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、及び/または緩衝液を含み得る。加えて、それらは、他の治療的に価値のある物質も含み得る。注射可能製剤は、液体ビヒクル(油性または水性)、懸濁化剤、安定化剤及び/または分散剤、可溶化剤または可溶化剤または界面活性剤、防腐剤、pH調整剤、張力調整剤などをさらに含有し得る。代替的に、滅菌、パイロジェンフリー水などの好適なビヒクルを用いた活性成分(複数可)の乾燥粉末形態注射または滅菌固体凍結乾燥粉末(複数可)も、注射組成物に使用され得る。非経口組成物は、様々な送達形態、例えば、アンプル、プレフィルドシリンジ、ニードルまたはニードルフリーのオートインジェクター、少量注入として、または添加された防腐剤を含む複数回投与容器で供給され得る。
実施形態では、本開示の薬学的組成物には、生分解性皮下インプラント、浸透圧制御デバイス、皮下インプラント、皮下徐放性注射、脂質ナノ粒子、リポソームなどが含まれる。液体調製物には、溶液、懸濁液、及び乳濁液が含まれ得るが、これらに限定されない。かかる調製物は、非経口注射用の水または水/プロピレングリコール溶液によって例証される。液体調製物には、鼻腔内投与用の溶液も含まれ得る。
筋肉内、腹腔内、皮下、及び静脈内使用の場合、活性成分(複数可)の滅菌溶液が通常用いられ、溶液のpHは好適に調整及び緩衝されるべきである。静脈内使用の場合、溶質(複数可)の総濃度を制御して、調製物を等張性にしなければならない。
筋肉内注射の調製に使用される液体ビヒクルは、例えば、水、生理食塩溶液、別の水性液体(水性溶媒)、または非水液体(非水溶媒)であり得る。
本開示の非経口製剤は、滅菌され得る。滅菌技法の非限定的な例には、細菌保持フィルターに通す濾過、最終滅菌、滅菌剤の組み込み、放射線照射、及び加熱が挙げられる。
上述の非経口製剤の投与は、調製物のボーラスの定期的な注射によるものであり得るか、または体外リザーバ(例えば、静脈注射液バッグ)または体内リザーバ(例えば、生体内分解性インプラント、バイオ人工、または臓器)からの静脈内または腹腔内投与によって投与され得る。例えば、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,407,957号及び同第5,798,113号を参照されたい。肺内送達方法及び装置は、例えば、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,654,007号、同第5,780,014号、及び同第5,814,607号に記載されている。他の有用な非経口送達系には、エチレン-酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、植込み型注入システム、ポンプ送達、カプセル化細胞送達、リポソーム送達、針送達注射、無針注射、ネブライザー、エアロゾライザー、エレクトロポレーション、及び経皮パッチが挙げられる。無針インジェクターデバイスは、米国特許第5,879,327号、同第5,520,639号、同第5,846,233号、及び同第5,704,911号に記載されており、これらの明細書は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の製剤はいずれも、これらの方法で投与することができる。デクスメデトミジンのさらなる注射可能製剤は、米国特許第8,242,158号、米国特許第9,649,296号、日本特許第5,921,928号、日本特許出願第2016154598号、中国特許出願第103284945号、中国特許出願第104161760号、中国特許出願第105168122号、中国特許出願第105534891号、中国特許出願第106038538号、米国特許出願第20170128421号、中国特許出願第107028880号、中国特許出願第107412152号、中国特許出願第108498469号、欧州特許第2252290号、日本特許出願第2019048091号、及び米国特許出願第20190183729号に開示される。
ある特定の非限定的な実施形態では、本開示の筋肉内組成物は、約0.05μg/mL~約15μg/mLのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、約0.01~約2.0重量パーセントの濃度の塩化ナトリウムと、を約1~約10の範囲内のpHで含む。
本開示の筋肉内組成物は、所望の製剤に適切な標準的な方法及び従来の技法の使用によって、当業者によって製造することができる。本開示の筋肉内投与のための製剤は、限定なしに、シリンジ、アンプル、その開口部がシリンジ貫通可能なセプタまたはシュアシールキャップで密封されているバイアルなどの密封バイアルを含む、バイアルなどを含む、好適な容器に包装及び/または保存することができる。実施形態では、製剤は、オートインジェクターありまたはなしでの、患者による自己投与用の使い捨てシリンジに予め充填されている。
経口製剤:
本開示は、デクスメデトミジンを送達するために使用することができる経口製剤を含む。経口製剤の例には、錠剤、口腔内崩壊錠剤、口腔内溶解錠剤、ウエハ、溶液、懸濁液、乳濁液、及びカプセル剤が挙げられる。
本開示は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、少なくとも1つの口腔内崩壊担体とを含む口腔内崩壊錠剤を包含し、口腔内崩壊錠剤が約0.5~約120秒で崩壊する、及び/またはデクスメデトミジンの治療有効量が約1~約5分以内に血流中に吸収される。実施形態では、治療有効量のデクスメデトミジンは、約3分以内に血流中に吸収される。
方法及び投与
実施形態では、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、罹患状態に関連する躁病の治療を必要とする対象において罹患状態に関連する躁病を治療する方法が提供される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、躁病エピソードを有する対象は、激越状態にある。実施形態では、躁病エピソードを有する対象は、非激越状態にある。
実施形態では、罹患状態は、双極性障害(双極性I型障害及び双極性II型障害など)などの神経精神障害である。双極性障害は、American Psychiatric Associationの診断・統計マニュアル(DSM-IV)で指定された基準を使用する患者の臨床評価によって診断することができる。この障害は、大うつ病障害と呼ばれる、より一般的な形態のうつ病とは異なり、患者は、うつ病の再発エピソードのみを経験し、躁病は経験しない。躁病のエピソードは、うつ病及び躁病の循環を交互にすることを特徴とする病気である双極性障害に罹患する患者において発生する。
実施形態では、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、双極性躁病の治療を必要とする対象において双極性躁病を治療する方法が提供される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜組成物であって、躁病が、神経精神疾患に関連する、組成物を提供する。実施形態では、本開示は、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜組成物を提供し、当該躁病は、双極性障害(双極性I型障害及び双極性II型障害)に関連する。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜組成物であって、躁病が、双極性障害に関連する、組成物を提供する。
実施形態では、躁病は、急性である。実施形態では、躁病は、再発性である。実施形態では、躁病は、単一エピソードである。実施形態では、急性躁病は、急性躁病及び/または混合エピソードに関連する。実施形態では、躁病は、軽躁病を含む。実施形態では、躁病は、混合躁病である。実施形態では、躁病は、不快躁病である。実施形態では、躁病は、軽度である。実施形態では、躁病は、重度である。躁病の徴候には、うつ病を伴う不安、不穏、情動不安定、顕著な易怒性、及び感情的反応性が含まれる。
実施形態では、神経精神障害に関連する躁病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。実施形態では、躁病は、うつ病に関連する。実施形態では、躁病は、双極性障害に関連する。
実施形態では、神経精神障害に関連する躁病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する躁病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。実施形態では、躁病は、うつ病に関連する。実施形態では、躁病は、双極性障害に関連する。
実施形態では、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含む、神経変性障害に関連する躁病の治療を必要とする対象において神経変性障害(例えば、レビー小体型またはパーキンソン病認知症など)に関連する躁病を治療する方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、ヒト対象における躁病を治療するために、約2μg~約405μg、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μg、例えば、約180μg~約270μgの用量で投与され、約120μg~約180μgの用量を投与することを含む。一実施形態では、本開示は、1回以上の用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を1日に投与することを含み、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩の用量が、約30μg~約180μgである、重大な鎮静作用を誘発することもなく、罹患状態を有するヒト対象における躁病を治療する方法を提供する。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約2μg~約300μg、例えば、約10μg~約250μgの用量、または約10μg~約200μg、例えば、約30μg~約180μgの用量で口腔粘膜投与され、重大な鎮静作用を誘発することもなく、ヒト対象における躁病を治療するために、約30μg、60μg、90μg、120μg、または約180μgの用量を投与することを含み、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、少なくとも1か月間毎日投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、毎日夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、毎日夜間に120μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、毎日夜間に180μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩はまた、必要に応じて昼間に投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、1日2回投与され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg(例えば、30μg、45μg、60μg、または90μg)、及び夜間に約120μg~約180μg(例えば、120μgまたは180μg)の用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg及び夜間に30μg~約90μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約120μg~約180μg及び夜間に約30μg~約90μgの用量で1日2回投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量当たり60μgとして1日2回、120μgの総用量まで投与される。例えば、60μgの単位用量が朝に服用され、さらに60μgの単位用量が夕または夜間に服用される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約2μg~約300μg、例えば、約10μg~約250μgの1日用量、または約10μg~約200μg、例えば、約30μg~約180μgの用量で口腔粘膜投与され、重大な鎮静作用を誘発することもなく、ヒト対象における躁病を治療するために、約30μg、60μg、90μg、120μg、または約180μgの用量を投与することを含み、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、少なくとも1か月間毎日投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回夜間に120μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回夜間に180μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩はまた、必要に応じて昼間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、必要に応じて夜間用量とは異なる用量で投与される。
実施形態では、本開示は、各用量が1日1~5回投与される、約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または約180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を投与することを含む、重大な鎮静作用を誘発することもなく、罹患状態を有するヒト対象における躁病を治療する方法を提供する。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。
実施形態では、本開示は、30μg、60μg、90μg、120μg、または180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口腔粘膜投与することを含む、ヒト対象における罹患状態に関連する急性躁病エピソードを治療する方法を提供する。実施形態では、追加用量(例えば、30μg、60μg、または90μg)は、1日1~6回毎日持続性または再発性躁病の事象における好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、1日1回夜間に投与される。
実施形態では、本開示は、30μg、60μg、90μg、120μg、または180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口腔粘膜投与することを含む、ヒト対象における罹患状態に関連する再発性躁病を治療する方法を提供する。実施形態では、追加用量(例えば、30μg、60μg、または90μg)は、持続性または再発性躁病の事象において好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、1日1回夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)は、必要に応じて昼間に投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルムの形態で舌下投与される。実施形態では、フィルムは、左側または右側の舌根に近い舌下に配置される。
いくつかの実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、フィルム、パッチ、または錠剤、特にフィルムの形態で頬側投与される。実施形態では、フィルムは、顎の輪郭に近い唇または頬の内側に対して配置される。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の水溶性ポリマーと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜フィルム組成物を提供する。実施形態では、フィルムは、粘膜付着性である。実施形態では、フィルムは、約10秒~約60秒の崩壊時間を有する。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜錠剤の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜スプレー製剤の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜ドロップ製剤の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための口腔粘膜ゲル製剤の形態である。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、経口経路によって対象に投与される。実施形態では、本組成物は、経口錠剤、口腔内崩壊錠剤(ODT)、発泡性錠剤、カプセル剤、ペレット剤、丸剤、ロゼンジ剤またはトローチ剤、粉末剤、分散性顆粒、カシェ剤、水溶液、シロップ、乳濁液、懸濁液、溶液、軟質ゲル、分散剤などの形態である。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、経口崩壊錠剤の形態で対象に経口投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、筋肉内注射の形態で投与される。
実施形態では、重大な鎮静作用を誘発することもなく、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を毎日対象に筋肉内投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、躁病は、うつ病に関連する。実施形態では、躁病は、双極性障害に関連する。実施形態では、躁病は、他の神経精神障害に関連する。実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間毎日投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg、例えば、約20μg~約190μg、約30μg~約190μg、約40μg~約190μg、約50μg~約190μg、約60μg~約190μg、約70μg~約190μg、約80μg~約190μg、約90μg~約190μg、約100μg~約190μg、約110μg~約190μg、約120μg~約190μg、約130μg~約190μg、約140μg~約190μg、約150μg~約190μg、約160μg~約190μg、約170μg~約190μg、または約180μg~約190μgの用量で筋肉内投与される。
実施形態では、重大な鎮静作用を誘発することもなく、罹患状態を有するヒト対象における急性躁病エピソードを治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約300μg(例えば、約120μg~約190μg)の用量で筋肉内投与され得る。実施形態では、罹患状態は、双極性障害(双極性I型障害及び双極性II型障害など)などの神経精神障害である。実施形態では、神経精神障害は、せん妄、うつ病、統合失調症であり得、任意に、認知症または気分障害は、大うつ病または別の関連する神経精神障害を有する対象にあり得る。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、激越性である。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、重大な鎮静作用を誘発することもなく、罹患状態を有するヒト対象における再発性躁病エピソードを治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、約10μg~約200μg(例えば、約120μg~約190μg)の用量で筋肉内投与され得る。実施形態では、罹患状態は、双極性障害(双極性I型障害及び双極性II型障害など)などの神経精神障害である。実施形態では、神経精神障害は、せん妄、うつ病、統合失調症であり得、任意に、認知症または気分障害は、大うつ病または別の関連する神経精神障害を有する対象にあり得る。実施形態では、デクスメデトミジンは、毎日対象に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンは、1日1~6回毎日対象に投与される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。実施形態では、対象は、激越性である。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための筋肉内注射可能組成物を提供する。
ヤング躁病評価尺度(YMRS)-YMRSは、治療前、治療中、及び治療後の躁病症状の重症度を評価するための11項目の臨床医管理評価尺度である。0~8段階で評価される4つの項目があり(易怒性、発話、思考内容、及び破壊的/攻撃的行動)、残りの7つの項目は0~4段階で評価される。0のスコアは行動が存在しないことを示し、4または8のスコアは行動が存在し、重度であることを示す。
本開示は、双極性障害または他の神経学的障害(例えば、神経精神障害、神経変性障害など)を有する対象において持続期間にわたって躁病におけるYMRSスコア低減を達成する方法であって、対象に、約40μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含む、方法も提供する。実施形態では、平均YMRSスコア低減は、少なくとも約30%である。実施形態では、平均YMRSスコア低減は、約35%である。実施形態では、平均YMRS総スコア低減は、約40%である。実施形態では、YMRSスコア低減は、約45%である。実施形態では、YMRSスコア低減は、ベースラインから約50%である。実施形態では、YMRSスコア低減は、50%を超える。実施形態では、投与量は、少なくとも2週間投与され得る。実施形態では、投与後、従来の気分安定剤、抗精神病薬、または標準治療が続く。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、1日2回投与され得る。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg(例えば、30μg、45μg、60μg、または90μg)、及び夜間に約120μg~約180μg(例えば、120μgまたは180μg)の用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約30μg~約90μg及び夜間に30μg~約90μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の投与量は、昼間に約120μg~約180μg及び夜間に約30μg~約90μgの用量で1日2回投与される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、単位用量当たり60μgとして1日2回、120μgの総用量まで投与される。例えば、60μgの単位用量が朝に服用され、さらに60μgの単位用量が夕または夜間に服用される。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、昼間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間及び昼間に投与される。実施形態では、組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日約120μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日約180μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、1日1回夜間に投与される。実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。
実施形態では、罹患状態に関連する精神病の治療を必要とする対象において罹患状態に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。
実施形態では、精神病は、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害からなる群から選択される神経精神障害、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害に関連する。
いくつかの実施形態では、精神病は、薬物乱用障害(例えば、アルコール、オピオイド、及び他の薬物離脱)などの罹患状態に関連する。実施形態では、対象は、激越状態にある。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、神経精神障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。実施形態では、精神病は、統合失調症に関連する。実施形態では、精神病は、双極性障害に関連する。実施形態では、精神病は、統合失調感情障害に関連する。実施形態では、精神病は、うつ病に関連する。実施形態では、精神病は、認知症に関連する。実施形態では、精神病は、パーキンソン病に関連する。
実施形態では、神経変性障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経変性障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。
実施形態では、精神病は、急性である。実施形態では、精神病は、慢性である。実施形態では、精神病は、単一エピソードである。実施形態では、精神病は、再発性であるか、または再発性エピソードを含む。実施形態では、急性精神病は、急性精神病エピソード及び/または混合エピソードに関連する。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、ヒト対象における精神病を治療するために、約2μg~約405μg、例えば、約120μg~約270μgの用量、または約180μg~約405μg、例えば、約180μg~約270μgの用量で投与され、約120μgまたは約180μgの用量を投与することを含む。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、重大な鎮静作用を誘発することもなく、ヒト対象における精神病を治療するために、約2μg~約300μg、例えば、約10μg~約250μgの用量、または約10μg~約200μg、例えば、約30μg~約180μgの用量で口腔粘膜投与され、約30μg、60μg、90μg、120μg、または約180μgの用量を投与することを含む。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、重大な鎮静作用を誘発することもなく、ヒト対象における精神病を治療するために、約2μg~約300μg、例えば、約10μg~約250μgの用量、または約10μg~約200μg、例えば、約30μg~約180μgの用量で口腔粘膜投与され、約30μg、60μg、90μg、120μg、または約180μgの用量を投与することを含み、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、毎日(例えば、1日1回)夜間に120μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回夜間に180μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩はまた、必要に応じて昼間に投与される。実施形態では、必要に応じて投与されるデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、夜間用量とは異なる用量で投与される。
実施形態では、本開示は、約30μg~約300μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、重大な鎮静作用も誘発することなく、罹患状態を有するヒト対象における精神病を治療する方法を提供する。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間に投与される。
実施形態では、本開示は、約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、約180μg、または約240μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、重大な鎮静作用も誘発することなく、罹患状態を有するヒト対象における精神病を治療する方法を提供する。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。
実施形態では、本開示は、ヒト対象における罹患状態に関連する精神病を治療する方法であって、120μgまたは180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口腔粘膜投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、追加用量(例えば、90μgまたは60μg)は、(例えば、180μgまたは120μgのフィルムを半分に切断することによって)1日1~6回毎日持続性または再発性精神病の事象における好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。特定の態様では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。
実施形態では、本開示は、重大な鎮静作用も誘発することなく、罹患状態を有するヒト対象における精神病を治療する方法であって、夜間に毎日約30μg、約60μg、約90μg、約120μg、または約180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、当該対象は、非激越状態にある。
実施形態では、本開示は、ヒト対象における罹患状態に関連する急性精神病エピソードを治療する方法であって、30μg、60μg、90μg、120μg、または180μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口腔粘膜投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、追加用量(例えば、30μg、60μg、または90μg)は、1日1~6回毎日持続性または再発性精神病の事象における好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。
実施形態では、本開示は、ヒト対象における罹患状態に関連する慢性精神病を治療する方法であって、30μg、60μg、90μg、120μg、180μg、または240μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含むフィルム組成物を口腔粘膜投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、追加用量(例えば、30μg、60μg、または90μg)は、1日1~6回毎日持続性または再発性精神病の事象における好適な期間(例えば、2時間)後に服用され得る。実施形態では、当該対象は、非激越状態にある。
実施形態では、本開示は、治療を必要とする統合失調症患者における精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法を提供する。実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の水溶性ポリマーと、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜フィルム組成物を提供する。実施形態では、フィルムは、粘膜付着性である。実施形態では、フィルムは、約10秒~約60秒の崩壊時間を有する。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜錠剤の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜スプレー製剤の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜ドロップ製剤の形態である。
実施形態では、組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための口腔粘膜ゲル製剤の形態である。
実施形態では、本開示は、精神病の治療を必要とする統合失調症患者における精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法を提供する。
実施形態では、罹患状態に関連する精神病の治療を必要とする対象において罹患状態に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、治療は、重大な鎮静作用を引き起こすことなく有効である。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく有効である。
実施形態では、精神病は、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害からなる群から選択される神経精神障害、任意に大気分障害における大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象において認知症または気分障害に関連する。
実施形態では、精神病は、薬物乱用障害(例えば、アルコール、オピオイド、及び他の薬物離脱)などの罹患状態に関連する。実施形態では、精神病は、薬物乱用障害に関連しない場合がある。実施形態では、対象は、激越状態にある。実施形態では、対象は、非激越状態にある。
実施形態では、神経精神障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経精神障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に筋肉内投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。実施形態では、精神病は、統合失調症に関連する。実施形態では、精神病は、双極性障害に関連する。実施形態では、精神病は、統合失調感情障害に関連する。実施形態では、精神病は、うつ病に関連する。実施形態では、精神病は、認知症に関連する。
実施形態では、神経変性障害に関連する精神病の治療を必要とする対象において神経変性障害に関連する精神病を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日対象に筋肉内投与することを含む、方法が提供される。実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容される塩は、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、少なくとも12か月間、または少なくとも1年間投与される。
実施形態では、精神病は、急性である。実施形態では、精神病は、慢性である。実施形態では、精神病は、単一エピソードである。実施形態では、精神病は、再発性であるか、または再発性エピソードを含む。実施形態では、急性精神病は、急性及び/または混合エピソードに関連する。
実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、重大な鎮静作用も誘発することなく、ヒト対象における精神病を治療するために、約10μg~約200μgの用量で筋肉内投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、1日1回投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩はまた、必要に応じて昼間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたは薬学的に許容されるものは、必要に応じて夜間用量とは異なる用量で投与される。
実施形態では、本開示は、重大な鎮静作用も誘発することなく、罹患状態を有するヒト対象における精神病を治療する方法であって、約10μg~約200μgのデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を少なくとも1か月間毎日筋肉内投与することを含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本開示は、重大な鎮静作用も誘発することなく、罹患状態を有するヒト対象における精神病を治療する方法であって、約10μg~約200μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を筋肉内投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、治療は、臨床的に重大な心血管系作用を引き起こすことなく有効である。
実施形態では、本開示は、ヒト対象における罹患状態に関連する急性精神病エピソードを治療する方法であって、10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約60μg、約90μg、約120μg、約140μg、約160μg、約180μg、約200μg、または約240μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含む筋肉内組成物を投与することを含む、方法を提供する。
実施形態では、本開示は、ヒト対象における罹患状態に関連する慢性精神病を治療する方法であって、10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約60μg、約90μg、約120μg、約140μg、約160μg、約180μg、または約200μgの単回用量としてデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を含む組成物を筋肉内投与することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、当該対象は、非激越状態にある。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための筋肉内組成物の形態である。
実施形態では、本組成物は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための経口組成物の形態である。実施形態では、経口組成物は、経口錠剤、口腔内崩壊錠剤(ODT)、発泡性錠剤、カプセル剤、ペレット剤、丸剤、ロゼンジ剤またはトローチ剤、粉末剤、分散性顆粒、サシェ剤、水溶液、シロップ、乳濁液、懸濁液、溶液、軟質ゲル、分散剤などの形態である。
陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)基準は、統合失調症及び他の障害の臨床試験において広く使用されており、抗精神病薬治療の有効性の評価のための「ゴールドスタンダード」とみなされている。PANSSを使用して患者を評価するために、約45分の臨床面接が行われる。患者は、面接及び家族またはプライマリーケア医療従事者の報告に基づいて、30の異なる症状について1~7の評価を受ける。陽性項目、陰性項目、及び一般精神病理学についてのスコアは、しばしば別々に与えられる。
本開示は、統合失調症または他の神経学的障害(例えば、神経精神障害、神経変性障害など)を有する対象において持続期間にわたって精神病におけるPANSSスコア低減を達成する方法であって、対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法を提供する。実施形態では、PANSSスコア低減は、デクスメデトミジンでの治療前のベースラインスコアから少なくとも約20%~約50%である。実施形態では、PANSSスコア低減は、ベースラインスコアから約25%である。実施形態では、PANSS総スコア低減は、ベースラインスコアから約30%である。実施形態では、PANSS総スコア低減は、ベースラインスコアから約35%ポイントである。実施形態では、PANSS総スコア低減は、ベースラインスコアから約40%ポイントである。実施形態では、PANSS総スコア低減は、ベースラインスコアから約45%ポイントである。実施形態では、PANSS総スコア低減は、ベースラインスコアから約50%ポイントである。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間に投与される。実施形態では、組成物は、デクスメデトミジン塩酸塩を含む。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日約120μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間に投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩は、少なくとも1か月間毎日約180μgの用量で投与される。実施形態では、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、夜間に投与される。実施形態では、持続期間は、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である。用量は、1日1回以上投与され得る。用量は、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約15日間、少なくとも約16日間、少なくとも約17日間、少なくとも約18日間、少なくとも約19日間、少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月などの、より長い期間にわたって毎日投与することができる。
実施形態では、不安の治療を必要とする対象において不安を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含み、当該対象が非激越状態にある、方法が提供される。いくつかの実施形態では、対象は、激越を経験しない。当業者は、激越及び不安が異なって提示され得ることを理解するであろう。例えば、激越している人は、不満または怒りを感じやすく、しばしば悩んでいると感じる。激越は、ペーシング、言語化、及びそわそわすることなどの、ある特定の行動を介して外側に物理的に現れる不穏感によって特徴付けられる。典型的には、これらの物理的現れは、特定のものには向けられていない。対照的に、不安を有する人は、緊張、頻拍、及び発汗などの、様々な症状を伴って、まず恐怖反応を経験する傾向がある。よって、不安は、現在または未来についての過度の懸念からパニックの感情までに及ぶ、緊張、心配、不安、または不穏の主観的な経験として定義され得る。不安と比較して、激越はしばしば、観察者によって見ることができるより物理的な構成要素で現れる。
実施形態では、本開示は、治療を必要とする統合失調症患者における不安を治療する方法であって、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含む、方法を提供する。実施形態では、本開示は、有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、治療を必要とする統合失調症患者における不安を治療する方法を提供する。
併用療法
実施形態では、本開示は、本明細書に開示される方法を提供し、方法は、1つ以上の追加の治療剤を含む。そのような併用療法は、様々な罹患状態における躁病の治療において特に有用であり得る。併用療法は、様々な罹患状態における精神病の治療において有用であり得る。
好適な追加の治療剤の例としては、抗うつ薬、例えば、セルトラリン(Zoloft)、フルオキセチン(Prozac、Sarafem)、シタロプラム(Celexa)、エスシタロプラム(Lexapro)、パロキセチン(Paxil、Pexeva、Brisdelle)、フルボキサミン(Luvox)を含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI);セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、例えば、デスベンラファキシン(Pristiq、Khedezla)、デュロキセチン(Cymbalta)、レボミルナシプラン(Fetzima)、ベンラファキシン(Effexor XR);三環系抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン(Anafranil)、デシプラミン(Norpramin)、ドキセピン、イミプラミン(Tofranil)、ノルトリプチリン(Pamelor)、プロトリプチリン、トリミプラミン(Surmontil);マプロチリン及びドーパミン再取り込み遮断剤のような四環系抗うつ薬、例えば、ブプロピオン(Wellbutrin、Forfivo、Aplenzin);5-HT1Aまたは5-HT2または5-HT3受容体アンタゴニスト、例えば、バラゾドン(Viibryd)、ネファゾドン及びトラゾドン(Oleptro);ボルチオキセチン(Brintellix);ミルタザピン(Remeron)のようなノルアドレナリンアンタゴニストならびにモノアミンオキシダーゼ阻害剤、例えば、イソカルボキサジド(Marplan)、フェネルジン(Nard)、セレギリン(Emsam)、及びトラニルシプロミン(Parnate)が挙げられる。
実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるようなフィルムを提供し、フィルムは、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の治療剤と一緒に含む。
本明細書の薬物組み合わせは、本開示のモノリシックフィルムまたは本開示のマイクロ沈着フィルムに含まれ得る。モノリシックフィルム中にある場合、本開示は、単一マトリックスフィルム層中の全ての薬物の存在を提供する。薬物はまた、別個のモノリシックフィルム中に存在し得、これは次いで、多層フィルムを提供するために組み合わされる。
実施形態では、より便利には、薬物は、本開示のマイクロ沈着フィルムに含まれる。よって、例えば、個々の薬物組成物は、デクスメデトミジン組成物をフィルム基材に添加するために使用され、本明細書に記載される一般的なプロセスに従って、フィルム基材(すなわち、プラセボフィルム)の表面に離散液滴として添加され得る。液滴は、所望の単位用量要件に合わせて任意のパターンで添加され得る。液滴は各々、薬物組成物毎に同じであるかまたは異なり得る着色剤を含み得る。フィルム基材の表面上の異なる薬物を区別するために異なる色を使用することが便利であり得る。
実施形態では、本開示は、本明細書に開示されるような筋肉内注射可能製剤を提供し、製剤は、デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の治療剤と一緒に含む。
実施形態では、デクスメデトミジン及び追加の活性剤(複数可)の両方は、対象への投与のための単一薬学的組成物の一部として存在する。実施形態では、活性剤は、例えば、対象への同時及び/または連続投与のために、別個の薬学的組成物中に存在する。
SmartCube(登録商標)(方法またはシステムの一般的な詳細は、例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,580,798号に開示される)
具体的な実施形態:
実施形態1.躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日口腔粘膜投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
実施形態2.精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日口腔粘膜投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
実施形態3.躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日筋肉内投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
実施形態4.精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日筋肉内投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
実施形態5.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、デクスメデトミジン塩酸塩である、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態6.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約2μg~約300μgである、実施形態1~5に記載の方法。
実施形態7.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約10μg~約200μgである、実施形態1~5に記載の方法。
実施形態8.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約30μg~約180μgである、実施形態1~5に記載の方法。
実施形態9.前記躁病が、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)などの双極性疾患を含む群から選択される神経精神障害、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害に関連する、実施形態1または実施形態3に記載の方法。
実施形態10.前記精神病が、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)を含む群から選択される神経精神障害、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害に関連する、実施形態2または実施形態4に記載の方法。
実施形態11.前記精神病が、薬物乱用離脱(例えば、アルコール、オピオイド、または他の薬物乱用離脱)に関連する、実施形態2または実施形態4に記載の方法。
実施形態12.前記対象が、急性躁病、再発性躁病、または両方のエピソードに罹患している、実施形態1、3、5~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態13.前記対象が、躁病の単一エピソードに罹患している、実施形態1、3、5~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14.前記対象が、躁病の再発性エピソードに罹患している、実施形態1、3、5~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態15.前記躁病が、軽度または重度である、実施形態1、3、5~9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16.躁病の低減が、YMRS尺度を使用して測定される、実施形態1、3、5~9のいずれかに記載の方法。
実施形態17.双極性障害または他の神経精神障害を有する対象において持続期間にわたって躁病におけるYMRSスコア低減を達成する方法であって、前記対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含み、YMRSスコア低減が、少なくとも約30%~約50%である、前記方法。
実施形態18.前記対象が、急性精神病、慢性精神病、または両方のエピソードに罹患している、実施形態2、4、10、及び11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態19.前記対象が、精神病の単一エピソードまたは混合エピソードに罹患している、実施形態2、4、10、及び11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態20.前記対象が、精神病の再発性エピソードに罹患している、実施形態2、4、10、及び11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態21.前記対象における精神病の重症度が、PANSS尺度を使用して評価される、実施形態2、4、10、及び11のいずれか1つに記載の方法。
実施形態22.統合失調症または他の神経学的障害(例えば、神経精神障害、神経変性障害など)を有する対象において持続期間にわたって精神病におけるPANSSスコア低減を達成する方法であって、前記対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含み、前記対象が非激越状態にあり、PANSSスコア低減が、ベースラインスコアからの少なくとも約20%~約50%である、前記方法。
実施形態23.前記持続期間が、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である、実施形態17及び22に記載の方法。
実施形態24.前記対象が、うつ病、軽躁症、不快躁病、混合躁病、うつ病エピソード、またはそれらの組み合わせを伴う不安に罹患している、実施形態1~9及び12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態25.前記対象が、ヒトである、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態26.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、口腔粘膜(例えば、舌下または頬側)投与される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態27.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で舌下投与される、実施形態26に記載の方法。
実施形態28.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で投与される、実施形態27に記載の方法。
実施形態29.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、スプレーの形態で投与される、実施形態27に記載の方法。
実施形態30.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤の形態で投与される、実施形態27に記載の方法。
実施形態31.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、ゲルの形態で投与される、実施形態27に記載の方法。
実施形態32.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、ドロップの形態で投与される、実施形態27に記載の方法。
実施形態33.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で頬側投与される、実施形態26に記載の方法。
実施形態34.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で投与される、実施形態33に記載の方法。
実施形態35.前記対象が、重大な鎮静作用を引き起こすことなく治療される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態36.前記対象が、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく治療される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態37.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1~6回投与される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態38.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、実施形態37に記載の方法。
実施形態39.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、単回用量として投与される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態40.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、少なくとも11日間、少なくとも12日間、少なくとも13日間、少なくとも14日間、少なくとも15日間、少なくとも16日間、少なくとも17日間、少なくとも18日間、少なくとも19日間、少なくとも20日間、少なくとも21日間、少なくとも22日間、少なくとも23日間、少なくとも24日間、少なくとも25日間、少なくとも26日間、少なくとも27日間、少なくとも28日間、少なくとも29日間、少なくとも30日間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、または少なくとも1年間投与される、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態41.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回夜間に投与される、先行実施形態に記載の方法。
実施形態42.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を必要に応じて昼間に投与することをさらに含む、実施形態41に記載の方法。
実施形態43.必要に応じて投与される前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、夜間用量とは異なる用量で投与される、実施形態42に記載の方法。
実施形態44.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、120μgの用量で夜間に1日1回投与される、実施形態43に記載の方法。
実施形態45.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、180μgの用量で夜間に1日1回投与される、実施形態43に記載の方法。
実施形態46.追加用量の前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、持続性または再発性躁病の事象において好適な期間(例えば、2時間)後に1日1~6回毎日服用され得る、先行実施形態のいずれかに記載の方法。
実施形態47.前記対象が、激越性または非激越性である、実施形態1~4に記載の方法。
実施形態48.有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための薬学的組成物であって、前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記薬学的組成物。
実施形態49.有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための薬学的組成物であって、前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記薬学的組成物。
実施形態50.前記デクスメデトミジンが、デクスメデトミジン塩酸塩として存在する、実施形態48または実施形態49に記載の薬学的組成物。
実施形態51.前記組成物が、口腔粘膜(舌下または頬側)投与用に製剤化される、実施形態48または実施形態49に記載の薬学的組成物。
実施形態52.前記組成物が、舌下投与用に製剤化される、実施形態51に記載の薬学的組成物。
実施形態53.前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で舌下投与用に製剤化される、実施形態52に記載の薬学的組成物。
実施形態54.前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与用に製剤化される、実施形態51に記載の薬学的組成物。
実施形態55.前記組成物が、フィルムである、実施形態53または実施形態54に記載の薬学的組成物。
実施形態56.前記躁病が、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)などの双極性疾患を含む群から選択される神経精神障害、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害に関連する、実施形態48に記載の薬学的組成物。
実施形態57.前記精神病が、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)を含む群から選択される神経精神障害、任意に大うつ病エピソードまたは別の関連する神経精神障害を有する対象における認知症または気分障害に関連する、実施形態49に記載の薬学的組成物。
実施形態58.前記精神病が、薬物乱用離脱(例えば、アルコール、オピオイド、または他の薬物乱用離脱)に関連する、実施形態49に記載の方法。
実施形態59.前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、筋肉内経路によって投与される、先行実施形態のいずれかに記載の方法/薬学的組成物。
実施形態60.躁病を治療するための舌下フィルム組成物であって、
i.治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
ii.1つ以上の水溶性ポリマーと、
iii.1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含み、
前記組成物が、毎日投与され、対象が非激越状態にある、前記舌下フィルム組成物。
実施形態61.精神病を治療するための舌下フィルム組成物であって、
i.治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
ii.1つ以上の水溶性ポリマーと、
iii.1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含み、
前記組成物が、毎日投与され、対象が非激越状態にある、前記舌下フィルム組成物。
実施形態62.前記デクスメデトミジンが、デクスメデトミジン塩酸塩として存在する、実施形態60または実施形態61に記載のフィルム組成物。
実施形態63.単位当たり存在する前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の量が、約0.5μg~約300μgである、投与量単位の形態における、実施形態60または実施形態61に記載のフィルム組成物。
実施形態64.前記投与量が、約2μg~約200μgである、実施形態63に記載のフィルム組成物。
実施形態65.前記フィルムが、前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の治療剤と一緒に含む、実施形態60または実施形態61に記載のフィルム組成物。
実施形態66.前記追加の治療剤が、同時に、連続して、または適切な期間をあけて投与される、実施形態65に記載のフィルム組成物。
実施形態67.(a)1つ以上の単位投与量での治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、(b)前記単位用量を含有する完成した容器と、(c)前記投与量が、躁病及び/または精神病を治療するために投与することができることを記載するラベル指示と、を含む、キットであって、対象が非激越状態にある、前記キット。
実施形態68.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約2μg~約200μgである、実施形態3~5に記載の方法。
実施形態69.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約10μg~約180μgである、実施形態3~5に記載の方法。
実施形態70.前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約30μg~約100μgである、実施形態3~5に記載の方法。
実施形態71.前記対象が、激越性である、先行実施形態のいずれかに記載の方法または薬学的組成物。
実施形態72.有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に口腔粘膜(舌下または頬側)投与することを含む、治療を必要とする不安を治療する方法。
実施形態73.有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を対象に筋肉内投与することを含む、治療を必要とする不安を治療する方法。
実施形態74.前記対象が、統合失調症に罹患している、実施形態72または実施形態73に記載の方法。
実施例1:デクスメデトミジン舌下フィルム製剤
(A)ポリマーマトリックスを調製するためのプロセス:
ポリマー混合物:ポリエチレンオキシド及びfast emerald green shadeを約1400rpm~約2000rpmで少なくとも180分間、水中で混合した。スクラロース、ヒドロキシプロピルセルロース(分子量140K)、ヒドロキシプロピルセルロース、HPC-SSL(分子量40K)、及びヒドロキシプロピルセルロース(分子量370K)を添加し、約1600rpm~2000rpmで少なくとも120分間混合した。ペパーミント油を水に添加し、その後、結果として得られた分散液をポリマー混合物に添加し、少なくとも30分間混合した。結果として得られた混合物を350rpmの速度及び22.9℃の温度で、真空下(248トール)で少なくとも30分間さらに混合した。
コーティングステーション:ロールを巻き戻しスタンドに配置し、その先端をガイドバー及びコーティングバーに通した。ライナーのシリコーンコーティング側を上にして配置した。コーティングバー間で40ミリメートルの間隙を維持した。オーブン設定点を70℃に調整し、最終乾燥温度を85℃に調整した。
コーティング/乾燥プロセス:ポリマー混合物をガイドバーとコーティングバーとの間のライナー上に注いだ。液体がコーティングバーに残らなくなるまで、ライナーを手動でコーティングバーから一定の速度で緩徐に引き出した。安全ナイフを使用して、ライナーを切断して、およそ12インチの長さのハンドシートにした。各ハンドシートを乾燥ボード上に配置し、四隅を打ち付けて、乾燥中に丸まるのを防いだ。含水率が5%未満になるまで(およそ30分)、ハンドシートをオーブンで乾燥させ、その後、乾燥ボードから取り除いた。コーティングの重量が合格基準を満たしているかを調べ、満たしている場合、ハンドシートを重ね、PET剥離ライナーを裏打ちした34インチ×40インチのホイル袋に入れた。
(B)沈着溶液を調製するためのプロセス:
FDCブルーをエチルアルコール中に少なくとも180分間溶解させた。約400rpm~約800rpmで10分間連続撹拌しながらデクスメデトミジン塩酸塩をエチルアルコール溶液に添加した。ヒドロキシプロピルセルロース(40K)及びヒドロキシプロピルセルロース(140K)を混合物に添加し、全ての材料が溶解するまで少なくとも30分間撹拌した。
(C)マイクロ沈着マトリックスを調製するためのプロセス:
上記のステップ(B)で得た沈着溶液を所要の体積(最終製品の特定の薬物製剤強度によって決定する)までピペットに充填した。沈着溶液を適切な量(1.5マイクロリットル=およそ5μg)をステップ(A)で得たポリマーマトリックス上に(例えば、液滴として)沈着させ、沈着物/液滴が合わさるのを防ぎ、かつその後の個別の薬物含有単位へのフィルム切断を可能にするために各沈着物間に間隔を設けて、合計10回繰り返した(すなわち、10個の沈着物/液滴)。最初に、フィルムを、薬物含有組成物を有する沈着物を1つ含む22mm×8.8mmの寸法を有する個々の単位にダイカットした。その後、ダイカットしたマイクロ沈着マトリックスを70℃のオーブン内で10分間乾燥させ、各単位が薬物含有組成物を有する沈着物を1つ含む10個の単位にさらにダイカットした。
(D)パッケージング:
欠陥のない各単位をホイルパウチ内に個別に密封し、その後、パウチをヒートシールした。ヒートシールが許容範囲内であった場合、そのパッケージを商用に許容される単位とみなした。
他の単位強度(例えば、40μg及び60μgのフィルム)も、薬物含有組成物中の薬物、ポリマー、及び着色剤の濃度を変化させることによって同様に調製した。例えば、40μg及び60μgのフィルムを、それぞれ、上記の表6に記載の20μgの薬物含有組成物中で見られる量のおよそ2倍及び3倍の量の薬物、ポリマー、及び着色剤を含む薬物含有組成物から調製した。
実施例2:
表7の製剤(80μg、120μg、及び180μg)を、上記の実施例1に記載の製造プロセスと同じ製造プロセスを使用して調製した。
実施例3:双極性躁病を有する対象におけるデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムの有効性及び安全性。
試験デザイン:
本試験におよそ382名の対象を登録し、65以上及び65歳未満で層別化した180μgデクスメデトミジン塩酸塩、120μgデクスメデトミジン塩酸塩、またはプラセボの用量レジメンに1:1:1で無作為化した。
双極性I型またはII型障害に関連する急性激越を有する成人男性及び女性を登録した。適格性を評価するためのスクリーニング手順を受けている間、対象を治験環境に住まわせたか、または医師の監督下に留めるために入院させた。
対象を180μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムもしくは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩舌下フィルムまたは対照プラセボに無作為化した。有効性及び安全性評価を投与前後に定期的に行った。
いずれのPK評価前にも、バイタルサイン、パルスオキシメトリー、及びリズムストリップによるECGを評価スケジュールに従って測定した。参加者に、投与が完了した15分後に、要望に応じて水を飲ませた。安全性及び忍容性評価を様々な時点で行った。実施項目のスケジュールについては、表8を参照されたい。
試験最終日または早期中止時に得た検査結果を含む、治験責任医師が臨床的に有意であると判断したあらゆる異常なバイタルサイン測定、臨床検査、身体検査所見、またはECGパラメータを繰り返した。臨床的に有意であると判断したあらゆる検査異常について、反復分析を、フォローアップ期間中に、値がベースラインに(または正常範囲内に)戻るまで、または異常が安定しており、かつ臨床的に懸念されないと治験責任医師が判断するまで行った。
治験薬(またはプラセボ)の血漿中濃度を決定するために、およそ4mLの静脈血(最低でも1.2mLの血漿を得るため)を規定の時間間隔でK2-EDTAチューブに採取した。PK血漿試料を、1日目にスケジュールされたサンプリング時間後10分以内に採取した。血液試料を採取した(表8)。
プラセボを対照薬として選択して、有効性ならびに安全性及び忍容性をより正確に評価した。無作為化二重盲検並行群間デザインにより、治験依頼者、全ての対象、及び関与する試験スタッフが治療割り付け及び結果から遮蔽され、それ故に、潜在的なバイアスを最小に抑えることが確実になる。無作為化比率は、治療群を推測する確率を低下させることによって盲検を確実にする追加要素を提供した。
適格性の診断及び主な基準:
組み入れ基準
1.18歳以上75歳以下の男性患者及び女性患者。
2.双極性I型またはII型障害、概ね軽躁、躁病、または混合エピソードのDSM-5基準を満たした患者。
3.PANSS興奮項目(PEC)を構成する5項目(衝動制御不良、緊張、敵意、協調性のなさ、及び興奮)の総スコアが14以上である、スクリーニング時及びベースライン時に臨床的に激越状態であると判断された患者。
4.ベースライン時にPECの5項目のうちの少なくとも1つのスコアが4以上であった患者。
5.書面によるインフォームドコンセントを読み、理解し、提出した患者。
6.詳細な病歴、身体検査、リズムストリップによる12誘導ECG、血液化学プロファイル、血液検査、尿検査によって決定され、かつ治験総括医師の意見による、試験参加前の全身健康状態が良好であった患者。
7.本試験にわたって、かつ試験終了後1週間にわたって医学的に許容される有効な避妊法を使用することに同意した女性参加者(妊娠の可能性があり、かつ性的に活発な場合)及び男性参加者(妊娠の可能性のあるパートナーと性的に活発な場合)。参加者及び/またはそのパートナーが使用してもよかった医学的に許容される避妊法には、禁欲、避妊ピルまたはパッチ、殺精子剤入りペッサリー、子宮内避妊器具(IUD)、フォームまたは殺精子剤入りコンドーム、殺精子用膣坐剤、避妊手術、及びプロゲスチンインプラントまたは注射が含まれる。禁じられた方法には、リズム法、膣外射精、コンドームのみ、またはペッサリーのみが含まれる。
除外基準
1.呼気分析器によるアルコールの陽性確認または尿スクリーニング中の薬物乱用(THCを除く)の陽性確認を含む急性中毒によって引き起こされる激越を有する患者。
2.試験治療の4時間前のベンゾジアゼピンまたは他の睡眠薬もしくは抗精神病薬の使用。
3.アルファ-1ノルアドレナリン遮断薬(テラゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン、アルフゾシン、またはプラゾシン)または他の禁じられた薬剤での治療。
4.自殺の深刻なリスクがあると判断された患者を除外しなければならない。
5.スクリーニング時に妊娠検査が陽性であったか、授乳中である女性患者。
6.水頭症を有したか、発作性障害を有したか、または重大な頭部外傷、脳卒中、一過性脳虚血発作、くも膜下出血、脳腫瘍、脳症、髄膜炎、パーキンソン病、または局所神経学的所見の既往歴のある患者。
7.失神もしくは他の失神発作の既往歴、血液量減少症、起立性低血圧症の徴候(平均1、3、及び5分間測定)、スクリーニング及びベースライン時55拍動/分未満の心拍数、または110mmHg未満の収縮期血圧もしくは70mmHg未満の拡張期血圧。
8.患者の試験への参加に臨床的意義を有した、治験責任医師または資格のある被指名人によって臨床的に有意であるとみなされた臨床検査またはECG異常を有したる患者[高度心ブロック(ペースメーカーなしの2度以上の房室ブロック)、洞不全症候群の診断]。
9.重篤または不安定な医学的疾患を有する患者。この疾患には、現在の肝疾患(中等度・重度の肝障害)、腎疾患、消化器疾患、呼吸器疾患、心臓血管疾患(虚血性心疾患、うっ血性心不全を含む)、内分泌学的疾患、または血液疾患が含まれる。
10.現在の激越エピソード前30日以内に治験薬が投与された患者。
11.治験責任医師により何らかの理由でデクスメデトミジン塩酸塩の投与には不適切な候補であるとみなされた患者、例えば、デクスメデトミジン塩酸塩に対するアレルギー反応の既往歴のある患者。
試験治療
対象を治療群に割り付ける方法
適格性が確認された時点で、対象を180μgのデクスメデトミジン塩酸塩フィルム群もしくは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩フィルム群またはプラセボ群に無作為化した。無作為化は1:1:1であり(180μgもしくは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩またはプラセボ、65以上及び65歳未満で層別化)、125名の患者を置換ブロックデザインによって各群に割り当てた。
被験薬、用量、及び投与方法:
デクスメデトミジン塩酸塩は、舌下(SL)投与用のフィルム製剤であった。投与により、180μgまたは120μgのデクスメデトミジン塩酸塩が舌下送達される。この製品は、口腔粘膜空間で約1~3分以内に溶解する、およそ193.6mmの面積及び0.7mmの厚さの小型の固形用量フィルム製剤であった。
投与
投与時に、患者に、どのようにデクスメデトミジン塩酸塩フィルムを舌下服用するか及び溶解するまで舌下腔内にデクスメデトミジン塩酸塩フィルムを保持しなければならないことを指示した。患者は、訓練を受けたスタッフメンバーの監督下で自己投与した。患者が自己投与できなかった場合、事象を記録し、対象の参加を終了させた。
試験手順
対象は、併用療法の中止を含むいかなる試験関連手順が開始される前に、書面によるインフォームドコンセントを提供した。
本試験中に行われた実施項目のスケジュールを表8に提供した。
試験評価
有効性
治験薬の効果を、以下に記載のいくつかの有効な機器を使用して評価した。
PANSS-興奮項目(PEC)
ヤング躁病評価尺度(YMRS)
YMRSは、患者の臨床状態の主観的な報告に基づいて躁病症状を評価する11項目尺度である。これを使用して、本試験に登録した患者集団を特徴付けた。
安全性
安全性を、有害事象(AE)、臨床検査結果(血液検査、生化学検査、及び尿検査)、バイタルサイン測定(収縮期血圧及び拡張期血圧、脈拍数によって測定される心拍数、呼吸数、及び体温)、ECG、及び身体検査所見のモニタリング及び記録によって試験中に評価した。既知の安全性に関する問題が確認された場合(例えば、実薬180μg用量アームまたは120μg用量アームにおける重度の低血圧症または徐脈の高発生率)、DSMBが治験依頼者に通知した。これが発生した場合、治験依頼者はFDAに通知し、治験依頼者はより低い用量での患者への投与を継続することを選択することができた。
薬物動態
血液試料(4ml)を表8の実施項目のスケジュールに従って採取した。対象毎に、最大3つの血液試料(12mLの血液)をPK分析のために試験中に採取した。加えて、スクリーニング時におよそ30mLの血液を採取し、3日目の退院時におよそ15mLの血液を採取し、7日目(+2)におよそ15mLの血液を採取して、臨床検査を行った。試験中に採取した血液の総体積はおよそ72mLであると予想された。対象毎に、最大3つの血液試料(12mLの血液)をPK分析のために試験中に採取した。加えて、スクリーニング時におよそ30mLの血液を採取し、3日目の退院時におよそ15mLの血液を採取し、7日目(+2)におよそ15mLの血液を採取して、臨床検査を行った。試験中に採取した血液の総体積はおよそ72mLであると予想された。
統計分析
薬物動態分析
デクスメデトミジンの血漿中濃度及びデクスメデトミジンの濃度-時間データを使用してPKパラメータを計算し、これらのデータ及び結果を別個に報告した。PKデータ分析に関する詳細を別個のPK SAPに記載した。PK分析のための別個のSAPを準備し、データベースロック前に終了させた。
安全性分析
全ての安全性分析を、安全性集団を使用して行った。少なくとも1用量の治験薬を投与した全ての対象を安全性分析の集団に含めた。有害事象(AE)を、タイプ、重症度、重篤度、及び治療との関連性によって特徴付けた。有害事象を、MedDRAバージョン20.0を使用して、基本語及び器官別大分類によってコード化した。
有効性分析
本試験の主要有効性評価項目は、120分時点でのPEC総スコアのベースラインからの絶対変化であった。治療意図集団を分析し、治療意図集団は、いずれかの治験薬を服用し、かつ投与後にベースライン及び少なくとも1の両方の有効性評価を有した全ての患者からなった。
結果の要約:
人口統計学的特性
人口統計学的特性及びベースライン特性を以下の表9に示す。

3.有効性
デクスメデトミジン舌下フィルムは、YMRS尺度によって測定される、双極性躁病の重症度をベースラインから有意に改善した。投与後24時間での主要な有効性所見を図1に提示し、以下(表10)で表にする:

結論
デクスメデトミジン舌下フィルム治療は、双極性障害患者においてYMRSによって測定されるように、躁病をベースラインから有意に改善した。図1に示されるように、最も堅牢な効果が、運動活動、易怒性、思考障害、内容、攻撃的行動、及び外観について測定された。治療効果は、180ugについて3.1+/-0.7SEの減少、及び120ugについて2.5+/-0.7SEの減少を示す。これらのデータは、約2~3のYMRS低減(約30%~40%低減)が達成されることを示す。PANSSスコアからEC(興奮成分)項目を除去することによって、非激越患者におけるデクスメデトミジンの効果が特定される。ここで、これらのデータは、デクスメデトミジンが非激越患者において躁病を低減することを確認している。
実施例4:統合失調症患者における不安及び精神病の治療
統合失調症患者に、フィルムでの120μg及び180μg用量を投与し、24時間かけてモニタリングした。PANSS合計からPECを差し引いた値を計算した。結果を表11に示す。
結論:患者は、表11に示されるように、デクスメデトミジン舌下フィルム治療がベースラインから精神病を有意に改善したことを実証する、PANSS合計からPECを差し引いた値の有意な改善を示した。
実施例5:Smart-cubeシステムを使用したマウスにおけるデクスメデトミジン塩酸塩の抗精神病作用。
デクスメデトミジンが抗精神病作用を有することを確認するために、SmartCube(登録商標)システム(Psychogenics,Inc.,Paramus,NJ、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,580,798号も参照されたい)を使用した。このシステムは、マウスの行動データに由来する特徴を使用して、特徴を、神経精神症状を治療することが知られている市販薬のクラスに関連付けられる行動特徴セットの独自の参照データベースと比較することによって、神経精神症状を治療する能力について化合物を分類する。よって、システムは、既知の検証された効果を有する薬物に対して化合物の効果を比較することによって、化合物の精神医学的効果を特定するモデルとして使用することができる。
既知の薬物に対する動物の応答を比較することによって、試験薬物は、その機能に従って分類することができる:例えば、幻覚剤、不安惹起剤、鎮痛剤、向知性薬、精神刺激剤、気分安定剤、高用量抗精神病薬、抗精神病薬、鎮静剤/睡眠薬、抗不安薬、高用量抗うつ薬、抗うつ薬。
全ての特徴が自動化されたパイプラインを通して生データから抽出されると、独自のバイオインフォマティクスアルゴリズムが使用され、特徴の群を非相関化し、関心のある異なる群を最もよく分離する値の組み合わせを見出す。各化合物について、各用量で、そのシステムは、薬物が活性である確率を提供し、そのような推定活性を関心のある異なるクラスに分解する。
本明細書で使用されるSmartCube参照データには、いくつかの用量範囲で試験された抗精神病薬が含まれる。凡例に示される「抗精神病薬」対「高用量抗精神病薬」は、抗精神病薬参照データが用量依存的であるという概念を反映している。抗精神病薬は、高用量で投与されるとき、追加の受容体系に関与し、よってマウス行動に異なる影響を与え得る。
材料及び方法:
動物:Taconic Laboratoriesからの雄C57/Bl6マウス(群当たりN=12)を使用した。受け取った後、マウスは、ケージ当たり4匹のマウスを有するOPTIマウス換気ケージに集団収容した。マウスは、試験前に少なくとも1週間コロニー室に適応させ、その後、およそ8~9週齢で試験した。試験の開始前に、適切な健康状態及び適合性を確保し、操作に関連する非特異的ストレスを最小限に抑えるため、全ての動物を検査し、ハンドリングし、体重測定した。
試験の経過中、12/12の明/暗サイクルを維持した。室温を20~23℃に維持し、相対湿度を約30~70%に維持した。試験の期間にわたって食餌及び水を不断に提供した。
動物は、試験を開始する前に最大1週間にわたってビバリウムに適応させた。室温及び湿度は、保持室において連続して記録した。実験者(複数可)は、治療分布について知らされなかった。行動試験は、IACUC委員会及びPGIの標準操作手順(SOP)によって承認された確立されたプロトコルに従って実施された。標準的な安全性予防措置は全ての試験に適用された。動物室及び実験室で働く作業員は防護服を着用した。
治療:7群(群当たりN=12)
試験された全ての化合物を、NP3(ビヒクル溶液):5%Pharmasolve、30%P3(1:1:1PEG200:PEG400:プロピレングリコール)、65%生理食塩水で製剤化し、pHは、5.1~6である。
全てのSmartCubeランは、NP3をビヒクルとして同一の設定下で行った。
試験群は、以下であった:
●ビヒクル:NP3
●0.001、0.002、0.005、0.01、0.02、0.05mg/kgのデクスメデトミジン
本明細書で使用される参照化合物(グアンファシン及びクロニジン)に関するデータは、Psychogenicsによって提供された。
試験化合物を15分間腹腔内(IP)注射した後、動物をSmartCubeに入れて評価した。
SmartCube凡例の説明:
ビヒクル:ビヒクル(NPS)を腹腔内(IP)注射したマウスの活動プロファイル
不明:このラベルは、SmartCubeアルゴリズムがマウス行動を区別し、薬物対ビヒクル対照を投与中の動物からのマウス行動を分類することができるが、薬物クラスシグネチャーを割り当てることはできないときに割り当てられる。
抗精神病薬:SmartCubeは、試験化合物によるマウス行動を、治療的に適切な用量の市販抗精神病薬による治療と同様として分類する。
高用量抗精神病薬:SmartCubeは、試験化合物投与中のマウス行動を、治療的に高いとみなされる用量の市販抗精神病薬による治療と同様として分類する。高用量の抗精神病薬は、しばしば鎮静作用を引き起こす。
抗うつ薬:SmartCubeは、試験化合物によるマウス行動を、治療的に適切な用量の市販抗うつ薬による治療と同様として分類する。
高用量抗うつ薬:SmartCubeは、試験化合物投与中のマウス行動を、治療的に高いとみなされる用量の市販抗うつ薬による治療と同様として分類する。
副作用:SmartCubeは、試験化合物によるマウス行動を、高用量の治療活性化合物で観察された副作用のいくつかと同様として分類する。副作用は、例えば、重度の鎮静、運動障害、または発作であり得る。
結果:
クラス分析の結果は、各用量について合計が100になるパーセンテージを有する標準化された棒グラフとして提示される。パーセンテージは、分類器がビヒクル群と試験群とを区別することができる確率を示す。パターンは、どのクラスシグネチャーが割り当てられたかを示す。
デクスメデトミジンは、SmartCubeにおいて抗精神病薬シグネチャーを有する。
増加する濃度のアルファ2-アドレナリン受容体アゴニストであるデクスメデトミジンが投与されたマウス(IPmg/kg、群当たりN=12)からのSmart-Cubeシグネチャー(図2(A))。Smart-Cubeディープラーニング分類器は、デクスメデトミジンが注入されたマウスの表現型行動を、既知の化合物で得られた参照データのライブラリーと比較することによって、活動シグネチャーを割り当てる。10、20、及び50mcg/kg(0.01、0.02、0.05mg/kg)では、Smart-Cubeは、用量依存的に(ビヒクルと比較して)増加した精度でデクスメデトミジン群を分類し、抗精神病薬シグネチャーを割り当てる。より高用量のデクスメデトミジンでは、抗精神病薬シグネチャーは、高用量の抗精神病薬のそれに変化する。
1、2、及び5mcg/kgでは、SmartCubeは、マウスの行動とビヒクル上のマウスの行動とを区別することができない。これは、これらの濃度のデクスメデトミジンが不活性であることを意味するものではなく、単にマウスにおいて観察された行動変化が分類器によって検出するには微妙すぎることを示すのみである。
Psychogenicsからの参照データは、アルファ2-アドレナリン受容体の両方のアゴニストであるグアンファシン及びクロニジンが、用量依存的に同様のシグネチャーを示すことを示している。用量の単位は、mg/kg(図2(B))である。治療有効用量では、分類器は、グアンファシンにシグネチャーを割り当てることができないが、より高用量では、抗精神病薬シグネチャーは、高用量抗精神病薬のそれに移行する。
これらのデータは、デクスメデトミジンが、ヒトを治療するために使用される検証済みの抗精神病薬と同様に行動的特徴を変化させることを確認している。

Claims (63)

  1. 躁病または軽躁病の治療を必要とする対象において躁病または軽躁病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日口腔粘膜投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
  2. 精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日口腔粘膜投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
  3. 躁病または軽躁病の治療を必要とする対象において躁病または軽躁病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日筋肉内投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
  4. 精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療する方法であって、治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を前記対象に毎日筋肉内投与することを含み、前記対象が非激越状態にある、前記方法。
  5. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、デクスメデトミジン塩酸塩である、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約2μg~約300μgである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約10μg~約200μgである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  8. 前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約30μg~約180μgである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  9. 前記デクスメデトミジン塩酸塩の前記治療有効量が、約30μg~約100μgである、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  10. 前記躁病または前記軽躁症が、双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)などの双極性疾患を含む群から選択される神経精神障害に関連する、請求項1及び3に記載の方法。
  11. 前記精神病が、統合失調症、双極性疾患、せん妄、うつ病、からなる群から選択される神経精神障害に関連し、大うつ病、好ましくは統合失調症を有する対象における認知症または気分障害を含む、請求項2及び4に記載の方法。
  12. 前記精神病が、薬物乱用離脱に関連し、前記薬物が、アルコールまたはオピオイドである、請求項2及び4に記載の方法。
  13. 前記対象が、急性躁病、再発性躁病、または両方のエピソードに罹患している、請求項1、3、5~10のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記対象が、急性精神病、慢性精神病、または両方のエピソードに罹患している、請求項2、4~9、11、及び12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記対象が、軽躁病、不快躁病、混合躁病、うつ病エピソードに関連する躁病、またはそれらの組み合わせに罹患している、請求項1、3、5~10のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記対象が、ヒトである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  17. 前記口腔粘膜投与が、舌下または頬側投与である、請求項1または2に記載の方法。
  18. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で舌下投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態で投与される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、スプレーの形態で投与される、請求項18に記載の方法。
  21. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤の形態で投与される、請求項18に記載の方法。
  22. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、ゲルの形態で投与される、請求項18に記載の方法。
  23. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、ドロップの形態で投与される、請求項18に記載の方法。
  24. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で頬側投与される、請求項17に記載の方法。
  25. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、フィルムの形態である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記対象が、重大な鎮静作用を引き起こすことなく治療される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  27. 前記対象が、臨床的に重大な心血管系作用を経験することなく治療される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  28. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1~6回投与される、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  29. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、少なくとも1週間、2週間、3週間、1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも4か月間、少なくとも5か月間、少なくとも6か月間、少なくとも7か月間、少なくとも8か月間、少なくとも9か月間、少なくとも10か月間、少なくとも11か月間、または少なくとも1年間投与される、先行請求項のいずれかに記載の方法。
  31. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回夜間に投与される、先行請求項のいずれかに記載の方法。
  32. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を必要に応じて昼間に投与することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 必要に応じて投与される前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、前記夜間用量とは異なる用量で投与される、請求項31または32に記載の方法。
  34. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、120μgの用量で夜間に投与される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、180μgの用量で夜間に投与される、請求項33に記載の方法。
  36. 双極性障害または他の神経精神障害を有する対象において持続期間にわたって躁病におけるYMRSスコア低減を達成する方法であって、前記対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含み、前記YMRSスコア低減が、少なくとも約30%~約50%である、前記方法。
  37. 統合失調症または他の神経学的障害(例えば、神経精神障害、神経変性障害など)を有する対象において持続期間にわたって精神病におけるPANSSスコア低減を達成する方法であって、前記対象に、約120μg~約180μgの用量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を、少なくとも1か月間毎日投与することを含み、前記対象が、非激越状態にあり、前記PANSSスコア低減が、ベースラインスコアからの少なくとも約20%~約50%である、前記方法。
  38. 前記持続期間が、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間、または約24時間である、請求項36及び37に記載の方法。
  39. 有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための薬学的組成物であって、前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記薬学的組成物。
  40. 有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と一緒に含む、精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための薬学的組成物であって、前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記薬学的組成物。
  41. 前記デクスメデトミジンが、デクスメデトミジン塩酸塩として存在する、請求項39または40に記載の薬学的組成物。
  42. 前記組成物が、口腔粘膜(舌下または頬側)投与用に製剤化される、請求項39~41に記載の薬学的組成物。
  43. 前記組成物が、錠剤、フィルム、スプレー、ゲル、またはドロップの形態で舌下投与用に製剤化される、請求項42に記載の薬学的組成物。
  44. 前記組成物が、フィルム、パッチ、または錠剤の形態で頬側投与用に製剤化される、請求項42に記載の薬学的組成物。
  45. フィルムの形態である、請求項43または4に記載の薬学的組成物。
  46. 前記躁病が、双極性障害などの双極性疾患を含む群から選択される神経精神障害に関連する、請求項39に記載の薬学的組成物。
  47. 前記精神病が、統合失調症、統合失調感情障害、うつ病、認知症、及び双極性障害(例えば、双極性I型障害及び双極性II型障害)を含む群から選択される神経精神障害に関連する、請求項40に記載の薬学的組成物。
  48. 前記精神病が、薬物乱用離脱(例えば、アルコール、オピオイド、または他の薬物乱用離脱)に関連する、請求項40に記載の薬学的組成物。
  49. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩が、筋肉内経路によって投与される、請求項39または40に記載の薬学的組成物。
  50. 前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の量が、約2μg~約100μgである、請求項49に記載の薬学的組成物。
  51. 躁病の治療を必要とする対象において躁病を治療するための舌下フィルム組成物であって、
    i.治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
    ii.1つ以上の水溶性ポリマーと、
    iii.1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含み、
    前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記舌下フィルム組成物。
  52. 精神病の治療を必要とする対象において精神病を治療するための舌下フィルム組成物であって、
    i.治療有効量のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩と、
    ii.1つ以上の水溶性ポリマーと、
    iii.1つ以上の薬学的に許容される賦形剤及び/または担体と、を含み、
    前記組成物が、毎日投与され、前記対象が非激越状態にある、前記舌下フィルム組成物。
  53. 前記デクスメデトミジンが、デクスメデトミジン塩酸塩として存在する、請求項51または52に記載のフィルム組成物。
  54. 単位当たり存在する前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩の量が、約0.5μg~約300μgである、投与量単位の形態における、請求項51または52に記載のフィルム組成物。
  55. 前記投与量が、約2μg~約200μgである、請求項54に記載のフィルム組成物。
  56. 前記フィルムが、前記デクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を、1つ以上の追加の治療剤と一緒に含む、請求項51または52に記載のフィルム組成物。
  57. 前記追加の治療剤が、同時に、連続して、または適切な期間をあけて投与される、請求項56に記載のフィルム組成物。
  58. 対象における気分を安定させる方法であって、前記対象に約10μg~約300μg、任意選択で前記対象に約100μg~約300μgの範囲のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
    前記対象が、双極性1型障害を有し、
    前記対象が、躁病を有し、
    前記対象が、激越性ではない、前記方法。
  59. 第1の1日用量が、朝に投与され、第2の1日用量が夕方に投与される、請求項51~58のいずれかに記載の方法。
  60. 少なくとも1つの用量が、約120μgまたは約180μgである、請求項59に記載の方法。
  61. 対象における気分を安定させる方法であって、前記対象に約10μg~約300μg、任意選択で前記対象に約100μg~約300μgの範囲のデクスメデトミジンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、
    前記対象が、双極性2型障害を有し、
    前記対象が、軽躁病を有し、
    前記対象が、激越性ではない、前記方法。
  62. 第1の1日用量が、朝に投与され、第2の1日用量が夕方に投与される、請求項58~61のいずれかに記載の方法。
  63. 少なくとも1つの用量が、約120μgまたは約180μgである、請求項62に記載の方法。
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