JP2023544258A - ボケ除去モデルを生成して像のボケを除去する装置及び方法 - Google Patents

ボケ除去モデルを生成して像のボケを除去する装置及び方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、ボケ除去モデルと、パターン付き基板の複数の層と関連付けられた深さデータと、を使用してボケ除去モデルをトレーニングしてパターン付き基板の像(例えばSEM像)のボケを除去するための方法及びシステムについて説明する。方法は、ターゲットパターンを入力として使用するシミュレータを介して基板のシミュレート像を得ることであって、ターゲットパターンは第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと第1の層の下に位置する第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャとを含むことと、基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて基板のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することと、ターゲットパターンと関連付けられたシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して基本モデルのパラメータを調節し、捕捉像のボケ除去像に対するボケ除去モデルを生成することと、を含む。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年10月13日に出願された米国特許出願第63/091126号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0002] 本明細書の説明は、概して、検査ツール又はメトトロジツールによって取得された像の処理に関し、より詳細には、機械学習を使用することによる像のボケ除去に関する。
[0003] リソグラフィ投影装置は、例えば、集積回路(IC)の製造において使用され得る。このような場合、パターニングデバイス(例えば、マスク)は、ICの個々の層に対応するパターン(「デザインレイアウト」)を含むこと、又は提供することができ、及びこのパターンは、パターニングデバイス上のパターンを通してターゲット部分を照射するなどの方法により、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコートされた基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に転写され得る。一般に、単一の基板は、パターンがリソグラフィ投影装置によって連続して転写される複数の隣接するターゲット部分(一度に1つのターゲット部分)を含む。あるタイプのリソグラフィ投影装置においては、パターニングデバイス全体上のパターンが、一度に1つのターゲット部分上に転写され、このような装置は、一般にステッパと呼ばれる。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる代替装置では、投影ビームが、所与の基準方向(「スキャン」方向)にパターニングデバイスをスキャンすることに同期して、この基準方向に平行又は逆平行に基板を移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、1つのターゲット部分に漸進的に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は、縮小率M(例えば、4)を有するので、基板を移動させる速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度×1/Mとなる。本明細書に記載するようなリソグラフィデバイスに関するさらなる情報は、例えば、本明細書に援用される米国特許第6,046,792号から学ぶことができる。
[0004] パターニングデバイスから基板にパターンを転写する前に、基板は、プライミング、レジストコーティング、及びソフトベークなどの様々なプロシージャを経てもよい。露光後に、基板は、ポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク、及び転写されたパターンの測定/インスペクションなどの他のプロシージャ(「露光後プロシージャ」)を受けてもよい。この多数のプロシージャは、デバイス、例えばICの個々の層を作るための基礎として使用される。基板は、次に、エッチング、イオン注入(ドーピング)、メタライゼーション、酸化、化学機械研磨など(全て、デバイスの個々の層を仕上げることを意図したもの)の様々なプロセスを経てもよい。デバイスに幾つかの層が必要とされる場合、プロシージャ全体又はそれの異形が、各層に対して繰り返される。最終的に、基板上の各ターゲット部分にデバイスが存在する。これらのデバイスは、次に、ダイシング又はソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスがキャリア上に取り付けられること、ピンに接続されることなどが可能である。
[0005] したがって、半導体デバイスなどの製造デバイスは、一般的に、デバイスの様々なフィーチャ及び複数の層を形成するための多数の製作プロセスを用いて、基板(例えば半導体ウェーハ)を処理することを含む。このような層及びフィーチャは、一般的に、例えば、堆積、リソグラフィ、エッチング、化学機械研磨、及びイオン注入を用いて、製造及び処理される。複数のデバイスが、基板上の複数のダイ上で製作され、その後、個々のデバイスに分離されてもよい。このデバイス製造プロセスは、パターニングプロセスとみなすことができる。パターニングプロセスは、パターニングデバイス上のパターンを基板に転写するために、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを用いる光及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、及び一般的に(但し任意選択的に)、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを用いた基板のベーク、エッチング装置を用いたパターンを使用するエッチングなどの1つ又は複数の関連のパターン処理ステップを含む。
[0006] 一実施形態によれば、像を処理するための像ボケ除去モデルをトレーニングするための方法が提供される。方法は、基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンに対応する基板のシミュレート像を得ることを含む。ターゲットパターンは、基板上の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと、基板上の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャと、を含み、第2の層は、基板上の第1の層の下に位置する。方法は、基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することをさらに含む。深さデータは、基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として、基板上のフィーチャのエッジのボケを特徴付ける。方法は、基板のシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルを生成することをさらに含む。ボケ除去モデルは、捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データを使用してパターン付き基板の捕捉像のボケ除去像を生成するように構成される。
[0007] 一実施形態では、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法が提供される。方法は、パターン付き基板の各層と関連付けられたターゲットパターン及び深さデータに基づいて捕捉像内のフィーチャを特定することと、ターゲットパターン及び深さデータに基づいてフィーチャの各々のボケを除去することによって捕捉像のボケを除去することと、を含む。
[0008] 一実施形態では、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法が提供される。方法は、ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像及びエッジ範囲データをボケ除去モデルに入力することを含む。
[0009] 一実施形態では、パターン付き基板の像を捕捉するように構成された電子ビーム光学系と、捕捉像のボケを除去するように構成された1つ又は複数のプロセッサと、を含むシステムが提供される。ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像及びエッジ範囲データをボケ除去モデルであって、ボケ除去モデルは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データに基づいてトレーニングされる、ボケ除去モデルに入力し、ボケ除去モデルを実行することによって捕捉像のボケを除去するように構成された1つ又は複数のプロセッサ。
[0010] 一実施形態では、本明細書における方法のプロセスに対応する命令を含む1つ又は複数の非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。一実施形態では、1つ又は複数の非一時的なコンピュータ可読媒体は、ボケ除去モデルを記憶するためのものである。一実施形態では、1つ又は複数の非一時的なコンピュータ可読媒体は、記憶されたボケ除去モデルによってボケ除去像を生成するように構成される。特に、1つ又は複数の非一時的なコンピュータ可読媒体は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとボケ除去モデルを提供する命令を記憶する。一実施形態では、ボケ除去モデルは、本明細書における方法のプロセスによって生成される。例えば、ボケ除去モデルを生成するプロセスは、基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンに対応する基板のシミュレート像を得ることと、基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することと、基板のシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルを生成することと、を含む。ボケ除去モデルは、捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データを使用してパターン付き基板の捕捉像のボケ除去像を生成するように構成される。
[0011] 本開示の実施形態によれば、ボケ除去モデルは、シミュレータ(例えば、モンテカルロに基づくシミュレータ)を通じてデザインパターンから変換されるシミュレート像と、デザインパターンと関連付けられた深さデータと、を使用することによってトレーニングされる。シミュレート像と深さデータとを含むトレーニングデータは、SEMで捕捉された像よりも著しく且つ十分に多くのパターンを集合的に網羅することができる。改善されたパターンカバレッジによって、有利には、ボケ除去モデルの有効性及び精度を大幅に改善することができる。再トレーニングの必要性を大幅に低減又はさらには排除することができる。
[0012] 上記の態様並びに他の態様及び特徴は、添付の図面と併せて特定の実施形態の以下の説明を検討することで、当業者に明らかになるであろう。
[0013]一実施形態による、リソグラフィシステムの様々なサブシステムのブロック図を示す。 [0014]一実施形態による、複数のフィーチャ(例えば、コンタクトホール)を含むターゲットパターンの画像表示である。 [0015]一実施形態による、(図2Aの)ターゲットパターンがパターン付き基板の第1の層上に印刷された、パターン付き基板のボケ像である。 [0015]一実施形態による、(図2Aの)ターゲットパターンがパターン付き基板の第2の層上に印刷された、パターン付き基板のボケ像である。 [0015]一実施形態による、(図2Aの)ターゲットパターンがパターン付き基板の第3の層上に印刷された、パターン付き基板のボケ像である。 [0015]一実施形態による、(図2Aの)ターゲットパターンがパターン付き基板の第4の層上に印刷された、パターン付き基板のボケ像である。 [0016]一実施形態による、ボケ像が基板の第4の層である、ターゲットパターン(図2Aに対応する点線円)が像に重ね合わされたパターン付き基板のボケ像である。 [0017]一実施形態による、ボケ除去モデルをトレーニングするための方法のフローチャートである。 [0018]一実施形態による、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための方法のフローチャートである。 [0019]一実施形態による、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための別の方法のフローチャートである。 [0020]一実施形態による、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するためのさらに別の方法のフローチャートである。 [0021]一実施形態による、ターゲットパターンからのシミュレート像の生成を示す。 [0022]一実施形態による、異なるターゲットフィーチャと各層が関連付けられる、複数の層上にパターニングされるターゲットパターンの二次元像表現である。 [0023]一実施形態による、(図8Aの)ターゲットパターンの各フィーチャに対応する深さデータに基づいて決定されたエッジ範囲データの二次元像表現である。 [0024]実施形態による、ノイズのあるシミュレート像の生成を示す。 [0025]一実施形態による、図3におけるトレーニングに従って構成されたボケ除去モデルの構造の画像表現である。 [0026]一実施形態による、深さデータを入力として使用するボケ除去モデルを介してシミュレート像のボケ除去像を生成する例を示す。 [0027]一実施形態による、ボケ除去モデル及び深さデータを使用してパターン付き多層基板の、走査電子顕微鏡を介して得られた、捕捉像のボケを除去する例を示す。 [0028]一実施形態による、走査電子顕微鏡(SEM)の実施形態を模式的に描く。 [0029]一実施形態による、電子ビーム検査装置の実施形態を概略的に示す。 [0030]一実施形態による、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。 [0031]一実施形態による、リソグラフィ投影装置の概略図である。 [0032]一実施形態による、別のリソグラフィ投影装置の概略図である。 [0033]一実施形態による、図16の装置のより詳細な図である。 [0034]一実施形態による、図17及び図18の装置のソースコレクタモジュールSOのより詳細な図である。
[0035] デバイス(例えば、電話機、ラップトップ、コンピュータメモリなど)で使用される集積回路(IC)チップは、複雑な回路パターンを含む。このような回路パターンの製造中に、所望の回路パターンが正確に印刷されているかどうかを判定するために、チップ(基板とも称される)上に印刷された回路パターンの像を捕捉することが望ましい。多くの場合、捕捉像は、ボケており、回路パターンの個々の回路フィーチャを特定することを困難にする。一例では、上下に配置されたチップの複数の層上に回路フィーチャが形成されるため、捕捉像のボケ除去が生じる。そのため、個々の回路フィーチャのより良好な特定のために、捕捉像のボケが除去される。捕捉像は、かかる複雑な用途向けに特別にトレーニングされたボケ除去モデルによってボケが除去される。
[0036] プリント回路パターンの像を捕捉する1つの方法は、回路パターン上に電子ビームを投影する捕捉デバイスを使用することである。電子ビームの電子は、回路パターンの回路フィーチャが形成される層の特性に応じて、異なるように回折される。本明細書では、像のボケを除去するために、各層の深さ情報が使用される。深さ情報によって、異なる層深さにおけるボケ除去効果の正確なモデリングが容易になる。例えば、深さ情報は、最上層と比較して深層上のフィーチャがボケて見えることを示すことができる。従って、異なる深さに位置する回路パターンのフィーチャのより良好なボケ除去を達成することができ、それにより、より正確でボケの少ない像が得られ、それにより、個々の回路フィーチャの正確な特定が容易になる。
[0037] 本文書では、ICの製造について具体的に言及する場合があるが、本明細書の説明は、多くの他の可能な適用例を有することが明示的に理解されるべきである。例えば、本明細書の説明は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に用いられ得る。当業者であれば、そのような代替の用途という文脈において、本書での「レチクル」、「ウェーハ」、又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれ、「マスク」、「基板」、及び「ターゲット部分」というより一般的な用語と交換可能であるとみなされるべきであることを理解するであろう。本明細書において言及される基板は、露光前若しくは露光後に、例えばトラック(例えば、通常、基板にレジスト層を塗布し、露光済みレジストを現像するツール)又は測定ツール若しくは検査ツールで処理され得る。適用可能な場合には、本明細書の開示は、そのような及び他の基板処理ツールに適用され得る。さらに、基板は、例えば多層ICを作製するために、複数回処理されることがあり、本明細書で使用される基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことがある。
[0038] デバイスのクリティカルディメンジョン(CD)とは、線若しくは穴の最小の幅、又は2本の線若しくは2つの穴の間の最小のスペースを指す。従って、CDは、デザインされたデバイスの全体的なサイズ及び密度を決定する。当然ながら、デバイス製造の目標の1つは、(パターニングデバイスを介して)基板上に元のデザイン意図を忠実に再現することである。
[0039] 本文書では、「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線放射(例えば、365、248、193、157、又は126nmの波長を有する)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲内の波長を有する)を含む、全てのタイプの電磁放射を包含するように使用され得る。
[0040] 本明細書で用いられる「マスク」又は「パターニングデバイス」という用語は、入ってくる放射ビームに、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応したパターン付き断面を付与するために使用することができる一般的なパターニングデバイスを指すものと広く解釈することができ、「ライトバルブ」という用語も、この文脈で使用されることがある。従来のマスク(透過型又は反射型、バイナリ、位相シフト、ハイブリッドなど)に加えて、他のこのようなパターニングデバイスの例としては、以下が挙げられる:
- プログラマブルミラーアレイ。このようなデバイスの一例は、粘弾性制御層及び反射面を有するマトリックスアドレス可能面である。このような装置の背後にある基本原理は、(例えば)反射面のアドレスエリアが、入射放射を回折放射として反射し、一方、非アドレスエリアが、入射放射を非回折放射として反射する、ということである。適切なフィルタを使用して、前述の非回折放射を反射ビームから除去し、回折放射のみを後に残すことができ、このようにして、ビームが、マトリックスアドレス可能面のアドレッシングパターンに従ってパターン付与される。必要とされるマトリックスアドレッシングは、適切な電子手段を使用して実施することができる。
- プログラマブルLCDアレイ。このような構造の一例が、本明細書に組み込まれる米国特許第5,229,872号によって与えられる。
[0041] 簡単な前置きとして、図1は例示的なリソグラフィ投影装置10Aを示す。主なコンポーネントは、深紫外線エキシマレーザ源、又は極端紫外線(EUV)源を含む他のタイプのソースであり得る、放射源12A(本明細書で考察するように、リソグラフィ投影装置自体は、放射源を有する必要がない)と、部分コヒーレンス(シグマとして表す)を例えば定義する照明光学系であって、ソース12Aからの放射を整形する光学系14A、16Aa、及び16Abを含み得る照明光学系と、パターニングデバイス18Aと、パターニングデバイスパターンの像を基板面22A上に投影する透過光学系16Acと、である。投影光学系の瞳面における調節可能フィルタ又はアパーチャ20Aは、基板面22Aに衝突するビーム角の範囲を制限することがあり、ここで、可能な最大角は、投影光学系の開口数NA=n sin(Θmax)を定義し、式中、nは、基板と投影光学系の最後の素子との間の媒体の屈折率であり、及びΘmaxは、まだ基板面22Aに衝突し得る投影光学系から出るビームの最大角である。
[0042] リソグラフィ投影装置では、ソースは、照明(すなわち、放射)をパターニングデバイスに提供し、並びに投影光学系は、パターニングデバイスを介して、基板上へと照明の誘導及び整形を行う。投影光学系は、コンポーネント14A、16Aa、16Ab、及び16Acの少なくとも幾つかを含み得る。空間像(AI)は、基板レベルにおける放射強度分布である。基板上のレジスト層は、露光され、空間像は、潜在的な「レジスト像」(RI)としてレジスト層に転写される。レジスト像(RI)は、レジスト層中のレジストの溶解度の空間分布として定義することができる。レジストモデルを使用して空間像からレジスト像を計算することができ、その例は、米国特許出願公開第2009/0157360号に見ることができ、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。レジストモデルは、レジスト層の特性(例えば、露光、PEB、及び現像中に生じる化学プロセスの影響)のみに関係する。リソグラフィ投影装置の光学特性(例えば、ソース、パターニングデバイス、及び投影光学系の特性)は、空間像を決定付ける。リソグラフィ投影装置で使用されるパターニングデバイスを変更できるので、パターニングデバイスの光学特性を、少なくともソース及び投影光学系を含む、リソグラフィ投影装置の残りの部分の光学特性から切り離すことが望ましい場合がある。
[0043] チップ製造(パターニングプロセス又は半導体製造とも称される)では、例えば、チップのターゲットパターン(例えば、回路パターン)は、基板上の複数の層上に印刷され得る。各層は、ターゲットパターン(例えば、回路パターン)の特定のフィーチャ(例えば、線、コンタクトホール、バーなど)を有する。これらのフィーチャは、互いに接続されたときに、チップ又は回路の所望の電気的機能又は論理機能を提供する。フィーチャは、チップのターゲットパターンを形成するために、複数の層を介して互いに接続され得る。
[0044] 多くの場合、パターン付き基板は、ターゲットパターンの印刷性能を詳しく調べるために、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して検査又は測定される。フィーチャと関連付けられた物理的特性の許容閾値限界内でチップのターゲットパターンが基板上に印刷されることを確実にするために、SEM像が検査される。印刷性能が許容閾値限界内にない場合、チップ製造の歩留まりに悪影響がある。検査に基づいて、印刷性能及びチップ製造の歩留まりを改善するために、チップ製造の1つ又は複数のプロセスが調節され得る。
[0045] 通常、SEMツールの高着地エネルギー(HLE)設定は、検査及び計測の目的で高い深度の(例えば、最上層の垂直下向に位置する第3の層又は第4の層における)パターンを測定するために使用される。HLE SEM像信号は、主に後方散乱電子(BSE)に由来する。BSE信号によって、SEM像内に多くのボケが生じる。例えば、BSEの回折特性に基づいて、SEM像内では、最下層上の(例えば、基板の最上面からの最大深さにおける)フィーチャは、エッジのボケの形で見られる最も大きな回折効果を有する。そのため、ボケ除去アルゴリズムが、より鮮明なSEM像を得るために使用され得る。例えば、ボケ除去像は、いくつかのフィーチャ又はフィーチャ境界がボケている像である。その一方で、像のボケを除去した後に、フィーチャの境界は、よりはっきりしたエッジ又はより鮮明なエッジを有する。
[0046] 図2A~2Fを参照すると、基板の異なる層に対するBSE回折効果に起因して生じるボケの例が示されている。図2Aは、複数のフィーチャ(例えば、コンタクトホールCH(図示の目的で少数のホールのみに符号が付されている))を含む(例えば、GDSフォーマットの)ターゲットパターンTP1を示す。図2Bは、ターゲットパターンTP1に対応する第1のパターンL1を示す。この例では、第1のパターンL1は、基板の第1の層(例えば、最上層)上に印刷される。第1のパターンL1は、基板における第1の深さ(例えば、0nm)に形成され得る。第1のパターンL1のコンタクトホールの境界は鮮明である。例えば、TP1のコンタクトホールが第1のパターンL1に重ね合わされたときに、ホールの境界における(L1内の)ピクセルの強度は、変化が最小限であるか又は全くないことを示す。従って、第1のパターンL1におけるコンタクトホールを正確に特定することができる。しかしながら、基板上の層の深さが(例えば、最上層の垂直下方に)増すにつれて、フィーチャ(例えば、コンタクトホール)のエッジがますますボケる。例えば、フィーチャのエッジにおけるピクセル強度が大幅に変化し、高い深度の層におけるフィーチャの境界を正確に見分けることが困難になる。深度の高いフィーチャの例示的なボケが、図2C、図2D、及び図2Eに示されている。
[0047] 図2Cは、第2の深さ(例えば、第1の層の垂直下方2nm)にある第2の層L2上に形成された第2のパターンL2を示す。第1のパターンL1におけるフィーチャのエッジと比較して、フィーチャ(黒丸)のエッジがボケていることが分かる。図2Dは、第3の深さ(例えば、第1の層の垂直下方5nm)にある第3の層L3上に形成された第3のパターンL3を示す。第2のパターンL2におけるフィーチャのエッジと比較して、フィーチャ(黒丸)のエッジがボケていることが分かる。同様に、図2Dは、第4の深さ(例えば、第1の層の垂直下方8nm)にある第4の層L3上に形成された第4のパターンL4を示す。第3のパターンL3におけるフィーチャのエッジと比較して、フィーチャ(黒丸)のエッジがボケていることが分かる。従って、図2Eの像L4-TP1を参照すると、ターゲットパターンTP1が第4のパターンL4に重ね合わされたときに、L4におけるフィーチャのエッジが実際にどこにあるかが不明確である。
[0048] 現時点で、HLE SEM像のボケ及びノイズを除去するための方法には、いくつかの課題がある。例えば、ボケが除去されたHLE SEM像のフィーチャの境界は、不明確且つ不正確である。別の課題はエイリアシングであり、エイリアシングとは、サンプルから再構成された信号が元の信号と異なる場合に生じ、それにより不正確なエッジの決定を生じさせる、像の歪みを指す。パターン付き多層基板のSEM像では、BSEは、第2の層の第2の深さでの回折と異なる回折を第1の層の第1の深さで生じさせ、この回折によって、エッジのボケがより複雑になる。回折効果を分析するために使用される従来のモンテカルロシミュレーションは、長い時間がかかる。綺麗で正確なHLE SEM像を得ることは難しいので、パターニングプロセスの1つ又は複数の態様を改善するためにグラウンドトゥルース画像は使用できない。例えば、フィーチャCDの決定に関係するプロセスモデルの精度を高めるために。
[0049] 本開示は、捕捉像のボケ除去の原因となる深さデータに基づいて捕捉像のボケを除去するための方法を提供する。一実施形態では、ボケ除去モデルは、パターニングされる基板の最上層からのフィーチャの深さの影響を利用してトレーニングされる。例えば、フィーチャの深さの影響は、フィーチャのエッジで確認することができる。最上層からのフィーチャの深度が高まるにつれて、最上層からのBSE信号と比較してBSE信号が弱いことに起因して、フィーチャのエッジがよりボケる。
[0050] 一実施形態では、トレーニング済みボケ除去モデルは、1つ又は複数のリソグラフィ及び計測用途で用いることができる。例えば、メモリ回路フィーチャを有する実際のパターン付き基板の捕捉像は、例えば、ボケ除去モデルを介してボケが除去され得る。ボケ除去像から、メモリ回路フィーチャが特定され、正確に抽出され得る。このような抽出されたフィーチャはさらに、リソグラフィに関係するより正確なプロセスモデル(例えば、レジストモデル、光近接効果補正(OPC)関連モデルなど)をトレーニングするために提供することができる。別の用途では、より正確なフィーチャジオメトリ(例えば、形状及びサイズ)がパターン付き基板のボケ除去像から抽出されるので、計測データの精度を高めることができる。さらに、ボケ除去像は、パターン付き基板の検査の信頼性を高めることができる。
[0051] 図3は、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するように構成されたボケ除去モデルをトレーニングするための方法300のフローチャートである。方法をより良く理解するために、この考察では、例えば最上層からのフィーチャの深さに起因して影響を受ける例示的な特性としてフィーチャのエッジが使用される。捕捉像のボケ除去によって、フィーチャ特性(例えば、フィーチャのエッジ)のより正確な特定が可能となる。一実施形態では、ボケ除去モデルをトレーニングするプロセスは、以下の手順P301、P303、及びP305に関してさらに詳細に考察される。
[0052] プロセスP301は、基板上のパターンが導出されるターゲットパターンTPを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンTPに対応する基板についてのシミュレート像302を得ることを含む。一実施形態では、ターゲットパターンTPは、垂直方向に上下に配置された基板の複数の層上に形成され得、各層は、ターゲットパターンのターゲットフィーチャに対応する1つ又は複数のフィーチャを有する。例えば、第1のターゲットフィーチャは、基板の第1の層上に形成され、第2のターゲットフィーチャは、基板の第1の層の下に位置する第2の層上に形成される。
[0053] 一実施形態では、ターゲットパターンTPは、多角形ベースの階層データフォーマットの形式で提示される。例えば、多角形ベースのデータフォーマットは、グラフィックデータシステム(GDS)フォーマット、色付き像、ベクトルフォーマット、又は他のデータ表現とすることができる。一実施形態では、ターゲットパターンTPは、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャと関連付けられた幾何学的データを含む。幾何学的データは、例えば、それぞれターゲットパターンTP内の、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャの所望の形状、並びに第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャのエッジのターゲット位置とすることができる。一実施形態では、各ターゲットフィーチャは、各ターゲットフィーチャをその上に形成することができる基板の層と関連付けられる。
[0054] 一実施形態では、シミュレート像302は、像の輝度又は色情報のばらつきなどの、ノイズを含む。一実施形態では、シミュレート像302を得ることは、パターン付き基板の捕捉像からノイズを抽出することと、シミュレート像302にノイズを加えることとをさらに含む。捕捉像のノイズは、例えば、捕捉デバイスに特有のものである可能性がある。
[0055] 一実施形態では、シミュレータは、ターゲットパターンTPが印刷される基板の物理的特性の関数であるモデルを含む。シミュレータは、捕捉デバイス(例えば、SEM)の電子ビームのBSE特性を調節することによってシミュレート像302を生成するように構成される。BSE特性を調節する際に、ターゲットパターンと関連付けられた異なる回折効果を考慮に入れることができ、それにより、基板の各層におけるフィーチャ特性(エッジ、サイズ、グレースケール値など)を決定することが可能となる。一実施形態では、基板の物理的特性は、特定の層の材料、特定の層の厚さ、レジストプロセスパラメータ、エッチングプロセスパラメータ、又はこれらの組み合わせとすることができる。シミュレータで使用されるモデルは、回折、特定の層による電子吸収/回折の物理的特性などをモデル化する物理学ベースのモデルとすることができる。モデルは、BSEデータに基づいてフィッティングされた統計モデルとすることができる。
[0056] 一実施形態では、シミュレート像302を得ることは、モンテカルロシミュレーションプロセスを通じて、シミュレート像302を生成するモデルをシミュレートすることを含む。モンテカルロシミュレーションプロセス中に、1つ又は複数のBSE特性、層の深さなどは、シミュレート像302を生成するために調節することができる。シミュレート像302は、捕捉デバイス(例えば、SEM)を介して捕捉されたパターン付き基板の実像を表すことができる。一実施形態では、シミュレート像302を得ることは、深さデータに基づいてシミュレート像302を生成するように構成された二重ガウスモデルをシミュレートすることを含む。
[0057] 図7は、ターゲットパターンを使用してシミュレータからシミュレート像を得る例を示す。例示的なターゲットパターン702(例えば、DRAM回路パターン)は、基板上の異なる層上に形成された複数のフィーチャを含む。ターゲットパターン702は、第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャF1(例えば、水平線)と、第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャF2(例えば、垂直線)と、第3の層上に形成される第3のフィーチャF3(例えば、傾斜バー)と、第4の層上に形成される第4のフィーチャF4(例えば、円)と、を含む。
[0058] 一実施形態では、ターゲットパターン702は、実際のパターン付き基板を模倣するシミュレート像を生成するように構成されたシミュレータ704に入力される。例えば、シミュレータ704は、モデルに対するモンテカルロシミュレーションを含む。モデルは、基板の異なる層における回折効果の関数として基板のシミュレート像を生成する。例えば、一実施形態では、モデルは、基板上に投影される電子の数を割り当てる/変更するように構成することができる。例えば、電子の数は、約2000個、約2500個、約3000個などである可能性がある。モデルは、電子が第1の層におけるフィーチャに当たった時点で、後方散乱電子が約140個になる可能性があると予測する。さらに、モデルは、電子の着地エネルギー(例えば、10keV、20keVなど)、電子の密度(例えば、約2.4)を入力するように構成することができる。これらの例示的な設定以外に、シミュレータ704は、ターゲットフィーチャに当たった後の電子の回折に影響を及ぼす追加の特性を含むように構成され得る。
[0059] 一実施形態では、シミュレータ704は、実際のパターン付き基板の像を模倣するシミュレート像706を出力する。一実施形態では、シミュレート像706は、ピクセル化されたグレースケール像であり、各ピクセル強度は、シミュレータ704が例えばBSEからの信号を予測した結果である。シミュレート像がトレーニングデータセットとして使用されるので、ボケ除去モデルは、例えば、実際のSEM像を含むトレーニングデータセットと比較して、多数のパターンを網羅するようにトレーニングすることができる。多数のSEM像を捕捉することによって、パターン付き基板が損傷を受け、パターニングプロセスの歩留まりに影響が及び、半導体製造の速度が低下することがあるからである。
[0060] 図9は、シミュレート像を生成する別の例を示す。本例では、(上記で考察したように、シミュレータ(例えば、モンテカルロシミュレーション)を通じて生成された)シミュレート像706は、像ノイズ906を加えることによって修正される。例えば、像ノイズ906は、実際のSEM像から抽出するか又はランダムノイズとして静的に生成することができる。一実施形態では、ノイズ906は、ノイズフィルタを実際のSEM像に適用することによって抽出することができる。シミュレート像にノイズを加えると、ノイズのあるシミュレート像706’が生成される。一実施形態では、ノイズのあるシミュレート像706’は、シミュレート像706と称されることもある。本開示では、ノイズのあるシミュレート像706’を交換可能にシミュレート像706と称することができる。
[0061] 一実施形態では、シミュレート像706’(ノイズを含む)をトレーニングデータとして使用することによって、トレーニング済みボケ除去モデルのロバスト性が改善される。例えば、トレーニング済みボケ除去モデルは、入力像(例えば、実際のSEM像)にかなりのノイズがある場合でも、信頼性の高い結果を生成する。例えば、ノイズのある像は、劣悪な捕捉条件、計測設定などに起因するものである可能性がある。
[0062] 基板の各層と関連付けられた深さデータDEPに基づいて、ターゲットパターンTPの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データERDを決定するプロセスP303。深さデータDEPは、基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として基板上のフィーチャのエッジのボケを特徴付ける。
[0063] 一実施形態では、深さデータDEPは、基板の最上層からのフィーチャの深さ、基板の特定の層に使用される材料、フィーチャの所与の深さにおける回折挙動のうちの少なくとも1つを含む。例えば、深さデータDEPは、基板の最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又はターゲットパターンTPの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動を含み得る。
[0064] 一実施形態では、エッジ範囲データERDは、ターゲットパターンTP内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む。一実施形態では、エッジ範囲データERDを決定することは、基板上に印刷されるターゲットパターンTPの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む。一実施形態では、エッジ範囲データERDは、ターゲットパターンTPの各フィーチャのエッジ範囲データERDで補完されたターゲットパターンTPの像として表される。
[0065] 図8A及び図8Bは、例示的なターゲットパターンと、ターゲットパターン内のフィーチャの深さと関連付けられた対応するエッジ範囲データとを示す。図8Aを参照すると、例示的なターゲットパターン702(例えば、DRAM回路パターン)は、基板上の異なる層上に形成された複数のフィーチャを含む。先に考察したように、ターゲットパターン702は、基板の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャF1(例えば、水平線)と、基板の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャF2(例えば、垂直線)と、基板の第3の層上に形成される第3のフィーチャF3(例えば、傾斜バー)と、基板の第4の層上に形成される第4のフィーチャF4(例えば、円)と、を含む。
[0066] 本例では、第1の層は、最上層とみなされ得る。第2の層は、第1の層の垂直下方の深さ(例えば、5nm)に位置する層である。第3の層は、第1の層の垂直下方の深さ(例えば、10nm)に位置する層である。第4の層は、第1の層の垂直下方の深さ(例えば、15nm)に位置する層である。よって、フィーチャF1、F2、F3、及びF4は、基板のそれぞれの層上に印刷される。パターン付き基板の像を捕捉したときに、最下層(例えば、最大深さにおけるフィーチャF4を有する)の像は、BSE後方散乱電子の特性に起因して最も大きな回折効果を有する(例えば、フィーチャF4のエッジがよりボケる)。一実施形態では、特性の変化は、例えば、各フィーチャ(例えば、F1、F2、F3、F4)の深さに基づいて、かかる深さデータに関係する。各フィーチャの深さデータに基づいて、各フィーチャのエッジ範囲データが決定され得る。エッジ範囲データは、フィーチャのエッジが基板上に位置し得る範囲を特徴付ける。
[0067] 図8Bは、ターゲットパターン702について生成されたエッジ範囲データ702ERの画像表示である。エッジ範囲データ702ERにおいて、各フィーチャの厚さは、そのフィーチャの範囲を表す。例えば、(フィーチャF1に対応する)線E1、(フィーチャF2に対応する)線E2、(フィーチャF3に対応する)線E3、及び(フィーチャF4に対応する)線E4の厚さは、フィーチャF1、F2、F3、及びF4のエッジでの回折が深さデータに起因して影響を受ける量を示す。例えば、線E4は、BSE回折信号の最大の変化と関連付けられる。このようなエッジ範囲データE1、E2、E3、及びE4がトレーニングデータセットとして使用される場合、非常にボケた領域においてフィーチャエッジのより正確な決定を行うことができる。
[0068] 一実施形態では、エッジ範囲データ702ERは、(例えば、図7に関して考察したシミュレータ704で使用されるものと同様の)モデルを使用して決定され得る。モデルは、深さデータ、例えば、各層の材料データ、材料及び深さと関連付けられた回折特性などに基づいて基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定するように構成される。例えば、フィーチャF1の材料はクロムであり、フィーチャF2の材料は銅であり、フィーチャF3の材料はタングステンであり、フィーチャF4の材料はポリ樹脂材料である。本明細書で考察する材料は、単なる例示的なものにすぎず、本開示の範囲を限定するものではない。層の材料は、SiO、Si、又は半導体製造に使用される他の材料とすることができる。一実施形態では、モデルは、エッジ範囲と層の深さと層の材料との間の関数(又はマッピング)であり得る。このような関数(又はマッピング)は、例えば、パターン付き基板のフィーチャ、材料、深さの相関性のある実データによって確立され得る。
[0069] シミュレート像302と、ターゲットパターンTPに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データERDと、をトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルDBMを生成するプロセスP305。ボケ除去モデルDBMは、捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データERDを使用して、パターン付き基板の捕捉像のボケ除去像を生成する。本開示は、モデルがエッジ範囲データ及び捕捉像を入力として受け取って捕捉像のボケ除去像を生成するように構成されている限り、特定のタイプのモデルに限定されるものではない。
[0070] 一実施形態では、基本モデル又はボケ除去モデルDBMは、重み及びバイアスをモデルパラメータとして含む機械学習モデルである。トレーニングプロセス中に、基本モデルの重み及びバイアスは、トレーニングデータに基づいて連続的に更新される。トレーニングの終了時に、基本モデルは、ボケ除去モデルと称される。一実施形態では、ボケ除去モデルDBMは、畳み込みニューラルネットワーク(例えば、CNN)、深層畳み込みネットワーク(例えば、DCNN)である。モデルパラメータは、深層畳み込みネットワークの1つ又は複数の層の重み及びバイアスを含む。
[0071] 一実施形態では、ボケ除去モデルDBMは、ターゲットパターンTPのフィーチャを示す値を含むフィーチャベクトルと、基板上に印刷されるフィーチャと関連付けられた深さに関係する値を含む注目ベクトルであって、フィーチャベクトルと演算されるように構成された注目ベクトルとを含むニューラルネットワークである。一実施形態では、注目ベクトルは、0~1の範囲の任意の値、又はバイナリ値0若しくは1を含む。
[0072] 一実施形態では、機械学習モデルの構造は、深さに関係する重みが注目ベクトルによってフィーチャベクトルの特定のフィーチャのエッジに割り当てられるように、注目ベクトルをフィーチャベクトルと乗算するように構成される。例えば、基板の第1の層と関連付けられた第1のターゲットフィーチャには、基板の第2の層と関連付けられた第2のターゲットフィーチャと乗算された注目値と比較して高い注目値が乗算される。
[0073] 図10は、像(例えば、ターゲットパターンTPのSEM像又はシミュレート像)と、深さ関連データ(例えば、エッジ範囲データERD)と、を受け取るように構成されるボケ除去モデルDBMの例示的な構造の画像表示である。図示のように、各入力は、フィーチャベクトルFVとして表され得る。例えば、フィーチャベクトルは、捕捉像(例えば、シミュレート像又は実際のSEM像)のベクトル表現であり得る。一実施形態では、フィーチャベクトルFVは、ピクセルの位置及び強度などの情報を含む。一実施形態では、強度値は、ターゲットパターン(例えば、TP)のフィーチャを示す。任意選択的に、フィーチャベクトルの統計情報を含む別の層が提供される。
[0074] 一実施形態では、ボケ除去モデルはまた、基板上に印刷されるフィーチャと関連付けられた深さに関係する値を含む注目ベクトルAVを含む。本例では、1つの層において、注目ベクトルは、0~1(又は他の値、例えば1~100)の範囲の任意の値を含む。例えば、上から下に見たベクトルAVでは、第1の深さには値0.95が割り当てられ、第2の深さには値0.8が割り当てられ、第3の深さには値0.6が割り当てられ、第4の深さには値0.5が割り当てられる。一実施形態では、エッジ範囲データ(例えば、ERD)は、注目値(又は重み)を生成するために使用され、次いで、フィーチャマップ(例えば、CNNの特定の層における変換されたSEM像)に適用される。
[0075] 一実施形態では、シミュレート像又は捕捉像のフィーチャベクトルは、(例えば、エッジ範囲データERDから生成された)注目ベクトルAVと演算される。それゆえ、フィーチャベクトルFVは、別のベクトルFVXに変換される。結果として、変換されたフィーチャベクトルFVXは、説明した深さデータを有する。
[0076] 図11は、ターゲットパターンTPと関連付けられたシミュレート像706’(ノイズがある)及びエッジ範囲データ702ERを用いたボケ除去モデルDBMのトレーニングの例を示す。ボケ除去モデルDBMは、ターゲットパターンTP(図11には図示せず)内のフィーチャの明確に画定された境界を有するボケ除去像1101を生成する。フィーチャの境界を明確に識別できるので、ボケ除去モデルDBMは、トレーニング済みとみなされる。
[0077] 図4は、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法400のフローチャートである。例えば、計測ツール(例えば、SEM像)は、パターン付き基板の像を捕捉するために使用され得る。本方法の例示的な実施態様は、プロセスP401及びP403を含む。プロセスは、本明細書で考察するコンピュータシステムの1つ又は複数のプロセッサを介して実行することができる。一実施形態では、プロセスは、計測ツール(例えば、SEMツール)のプロセッサで実施される。
[0078] プロセスP401は、ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像CI及びエッジ範囲データERDをボケ除去モデルDBMに入力することを含む。上記で考察したように、ボケ除去モデルDBMは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データERDに基づいてトレーニングされる。
[0079] 先に考察したように、ターゲットパターンのフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データERDは、ターゲットパターン及び基板と関連付けられた深さデータに基づいて決定される。深さデータは、基板の最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、ターゲットパターンTPの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、又はこれらの組み合わせを含む。
[0080] 一実施形態では、エッジ範囲データERDは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む。一実施形態では、エッジ範囲データERDを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む。一実施形態では、エッジ範囲データERDは、ターゲットパターンの各フィーチャのエッジ範囲データERDで補完されたターゲットパターンの像として表される。
[0081] プロセスP403は、ボケ除去モデルを実行することによって捕捉像CIのボケを除去することを含む。結果として得られるボケ除去像DBCIは、より深い層(例えば、基板の最上部から10nm、20nm、30nmの深さ)においてもフィーチャのより鮮明なエッジを有する。
[0082] 図12は、捕捉された実際のSEM像のボケを除去する方法の例を示す。ボケを除去することは、ターゲットパターン(例えば、基板をパターニングするためのTPの使用)と関連付けられたパターン付き基板の捕捉像SEM1及びエッジ範囲データ702ERをボケ除去モデルDBMに入力することを含む。上記で考察したように、ボケ除去モデルDBMは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データERDに基づいてトレーニングされる。次いで、ボケ除去モデルDBMを実行することによって、捕捉像をボケさせる。ボケ除去モデルDBMは、ボケ除去像dbSEM1を出力する。
[0083] 図5は、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための方法500の別のフローチャートである。本実施形態では、本方法は、以下で考察するように、プロセスP501、P503、P505、及びP507を含む。
[0084] プロセスP501は、パターン付き基板の捕捉像CIを受け取ることを含む。例えば、捕捉像CIは、計測ツール(例えば、図13及び図14)を介して受け取ることができる。パターン付き基板は、パターン付き多層基板であり得る。従って、像内に多層パターンを示す像を捕捉するために、高い着地エネルギーが使用され得る。本明細書で考察するように、後方散乱電子が、深層(例えば、深さ5nm、10nm、20nm、最下層など)に対して弱い信号を有することに起因して、捕捉像CIがボケる。例えば、深層上のフィーチャは、捕捉像CI内でボケて見える。そのため、捕捉像CIのボケ除去が実施される。
[0085] プロセスP503は、捕捉像CIをボケ除去モデルに入力することを含む。ボケ除去モデルは、(図3の)プロセスP301、P303、及びP305によってトレーニングされる。プロセスP505は、捕捉像CIと、パターン付き基板のフィーチャについてのエッジ範囲データとを使用してボケ除去モデルから出力を受け取ることを含む。出力は、ボケが除去された捕捉像CIである。プロセスP507は、捕捉像CIのボケが除去された捕捉像CIを表示のためにユーザインターフェース上に生成することを含む。一実施形態では、ボケが除去されたバージョンの捕捉像CIは、パターニングプロセスに関係する他のモデルに入力できるベクトルとして生成され得る。従って、ボケが除去されたバージョンの捕捉像CIは、パターニングプロセスの1つは複数の態様を改善するために使用することができる。例えば、OPC、ドーズ量、焦点などを改善する。
[0086] 図6は、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための方法600の別のフローチャートである。本実施形態では、本方法は、以下で考察するように、プロセスP601及びP603を含む。
[0087] プロセスP601は、基板の各層と関連付けられたターゲットパターンTP6及び深さデータDDに基づいて捕捉像CI内のフィーチャを特定することを含む。一実施形態では、深さデータは、深さ、材料、及び基板の特定の深さにおける回折特性などのデータを含む。一実施形態では、深さデータDDは、深さデータDDから導出されたフィーチャ特性を含む。例えば、フィーチャ特性は、特定の層における各フィーチャのエッジ範囲とすることができる。プロセスP603は、ターゲットパターンTP6及び深さデータDD6に基づいてフィーチャの各々のボケを除去することによって捕捉像CIのボケを除去することを含む。ボケ除去後に、捕捉像CIのボケ除去像DBCIが得られる。例えば、図12は、ボケ除去像dbSEM1の例を示す。
[0088] 本明細書で考察するように、ボケ除去モデルの例は、機械学習モデルである。教師なし機械学習モデルと教師あり機械学習モデルの両方は、パターン付き基板のSEM像などの入力されたノイズのある像からボケ除去像を生成するために使用され得る。本発明の範囲を限定することなく、教師あり機械学習アルゴリズムの適用について以下で説明する。
[0089] 教師あり学習は、ラベル付きトレーニングデータから関数を推測する機械学習タスクである。トレーニングデータは、1組のトレーニング例を含む。教師あり学習では、各例は、入力オブジェクト(典型的にはベクトル)と所望の出力値(監視信号とも呼ばれる)とを有するペアである。教師あり学習アルゴリズムは、トレーニングデータを分析し、新たな例をマッピングするために使用できる、推測された関数を生成する。最適なシナリオは、アルゴリズムが未見のインスタンスのクラスラベルを正しく決定することを可能にするであろう。これには、学習アルゴリズムが、トレーニングデータから「合理的な方法」で未見の状況に対して一般化することが必要である。
[0090] xが、i番目の例のフィーチャベクトルであり、及びyが、そのラベル(すなわち、クラス)であるような{(x,y)、(x,y)、…、(x,y)}の形の1組のN個のトレーニング例を所与として、学習アルゴリズムは、関数g:X→Yを求め、ここで、Xは、入力空間であり、Yは、出力空間である。フィーチャベクトルは、あるオブジェクトを表す数値的フィーチャのn次元ベクトルである。機械学習における多くのアルゴリズムは、オブジェクトの数値的表現が、処理及び統計的分析を容易にするので、そのような表現を必要とする。像を表すときに、フィーチャ値は、像のピクセルに対応する可能性があり、テキストを表すときに、フィーチャ値は、おそらく項発生頻度に対応する可能性がある。これらのベクトルと関連付けられたベクトル空間は、多くの場合、フィーチャ空間と呼ばれる。関数gは、通常、仮説空間と呼ばれる、可能な関数Gのある空間の要素である。gが、最も高いスコア:
を与えるy値を返すと定義されるように、スコアリング関数
を使用してgを表すことが便利なことがある。Fは、スコアリング関数の空間を示すものとする。
[0091] G及びFは、関数のいずれの空間でもよいが、多くの学習アルゴリズムは、gが、条件付き確率モデルg(x)=P(y|x)の形を取り、又はfが同時確率モデルf(x,y)=P(x,y)の形を取る確率的モデルである。例えば、ナイーブベイズ及び線形識別分析は、同時確率モデルであり、ロジスティック回帰は、条件付き確率モデルである。
[0092] f又はgの選択に関する2つの基本的手法である、経験的リスク最小化及び構造的リスク最小化がある。経験的リスク最小化は、トレーニングデータに最も良くフィットする関数を求める。構造的リスク最小化は、バイアス/分散トレードオフを制御するペナルティ関数を含む。
[0093] 両方の場合において、トレーニングセットが、独立し及び同一の分布ペア(x,y)のサンプルを有すると仮定される。いかに良好に関数がトレーニングデータにフィットするかを測定するために、損失関数L:
が定義される。トレーニング例(x,y)の場合、値
を予測する損失は
である。
[0094] 関数gのリスクR(g)は、gの期待損失として定義される。これは
としてトレーニングデータから推定することができる。
[0095] 教師あり学習の例示的なモデルは、決定木、アンサンブル方法(バギング、ブースティング、ランダムフォレスト)、k-NN、線形回帰、ナイーブベイズ、ニューラルネットワーク、ロジスティック回帰、認知、サポートベクトルマシン(SVM)、関連ベクトルマシン(RVM)、及び深層学習を含む。
[0096] SVMは、データを分析し、パターンを認識し、並びに分類及び回帰分析に使用できる、教師あり学習モデルの一例である。それぞれが2つのカテゴリの一方に属するとマークが付けられた1組のトレーニング例を所与として、SVMトレーニングアルゴリズムは、新たな例を一方又は他方のカテゴリに割り当てるモデルを構築し、それを非確率的バイナリ線形分類子にする。SVMモデルは、別々のカテゴリの例が、可能な限り広い明白なギャップによって分割されるようにマッピングされた、空間中の点としての例の表現である。次いで、新たな例が、同じ空間にマッピングされ、それらがギャップのどちら側に位置するかに基づいて、カテゴリに属することが予測される。
[0097] 線形分類を行うことに加えて、SVMは、いわゆるカーネル法を使用して非線形分類を効率的に行い、それらの入力を高次元フィーチャ空間に陰的にマッピングすることができる。
[0098] カーネル法は、ユーザ指定カーネル、すなわち、生の表現におけるデータ点のペアに関する相似関数を必要とする。カーネル法の名称の由来は、カーネル関数の使用にあり、カーネル関数は、それらが、高次元陰フィーチャ空間で、その空間におけるデータの座標を一度も計算することなくというよりは、単に、フィーチャ空間におけるデータの全ペアの像間の内積を計算することによって、動作することを可能にする。この動作は、多くの場合、座標の明示的な計算よりも計算費用が安い。この手法は「カーネルトリック」と呼ばれる。
[0099] SVMの有効性は、カーネルの選択、カーネルのパラメータ、及びソフトマージンパラメータCに依存する。一般的な選択は、単一のパラメータγを有する、ガウスカーネルである。C及びγの最良の組み合わせは、多くの場合、指数関数的に増加するC及びγのシーケンス(例えば、C∈{2-5、2-4、…、215、216};γ∈{2-15、2-14、…、2、2})を用いたグリッド検索(「パラメータスイープ」としても知られる)によって選択される。
[00100] グリッド検索は、学習アルゴリズムのハイパーパラメータ空間の手作業で指定されたサブセット中の徹底的な検索である。グリッド検索アルゴリズムは、一般的にトレーニングセットに対する相互検証又は提供された検証セットに対する評価によって測定される、ある性能測定基準によってガイドされる。
[00101] パラメータ選択の各組み合わせは、相互検証を用いてチェックされることがあり、最良の相互検証確度を有するパラメータが選ばれる。
[00102] ローテーション推定と呼ばれることがある相互検証は、どのように統計的分析の結果が独立データセットに一般化されるかを評価するモデル検証技術である。それは、目標が予測であり、及び予測モデルがどの程度正確に実際に動作するかを推定したい状況において主に使用される。予測問題において、モデルは通常、トレーニングが実行される既知のデータのデータセット(トレーニングデータセット)と、モデルがテストされる未知のデータ(又は初見データ)のデータセット(テストデータセット)と、を与えられる。相互検証の目標は、オーバーフィッティングのような問題を制限し、どのようにモデルが独立データセット(すなわち、例えば実際の問題からの未知のデータセット)に一般化されるかに関する洞察を与えるなどのために、トレーニング段階においてモデルを「テストする」ためのデータセット(すなわち、検証データセット)を定義することである。1ラウンドの相互検証は、データサンプルを相補サブセットに区分化すること、一方のサブセット(トレーニングセットと呼ばれる)に対する分析を実施すること、及び他方のサブセット(検証セット又はテストセットと呼ばれる)に対する分析を検証することを伴う。ばらつきを減少させるために、異なる区分を用いて複数ラウンドの相互検証が実施され、それらのラウンドにわたる検証結果が平均化される。
[00103] 次いで、テストのため、及び新たなデータを分類するために使用できる最終モデルが、選択されたパラメータを使用してトレーニングセット全体に関してトレーニングされる。
[00104] 教師あり学習の別の例は回帰である。回帰は、1組の従属変数の値と対応する独立変数の値とから、従属変数と1つ又は複数の独立変数との関係を推測する。回帰は、独立変数を所与として従属変数の条件付き期待値を推定し得る。推測された関係は回帰関数と呼ばれることがある。推測された関係は確率的であり得る。
[00105]一実施形態では、システムがパターン付き基板の像を捕捉した後にモデルDBMを使用してボケ除去像を生成できるシステムが提供される。一実施形態では、システムは、例えば、本明細書で考察するモデルDBMを含むように構成される図13のSEMツール又は図14の検査ツールとすることができる。例えば、計測ツールは、パターン付き基板の像を捕捉するための電子ビームジェネレータと、ボケ除去モデルを含む1つ又は複数のプロセッサとを含む。1つ又は複数のプロセッサは、ターゲットパターンの捕捉像及び深さデータ(例えば、エッジ範囲データ)を入力として使用してトレーニング済みモデルを実行して捕捉像のボケ除去像を生成するように構成される。先に述べたように、ボケ除去モデルDBMは、畳み込みニューラルネットワークであり得る。
[00106] さらに、一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサはさらに、パターン付き基板の捕捉像に基づいてボケ除去モデルを更新するように構成され得る。一実施形態では、ボケ除去モデルの更新は、捕捉像を使用してボケ除去モデルを実行して、ボケ除去像を生成することと、ボケ除去像と基準ボケ除去像との比較に基づいてボケ除去モデルの1つ又は複数のパラメータを更新することとを含む。
[00107] 一実施形態では、ボケ除去像は、パターニングプロセスを改善するために使用することができる。ボケ除去像は、例えば、レジスト及び/又はエッチングされた像におけるコンター、CD、エッジ配置(例えば、エッジ配置エラー)などを予測するために、パターニングプロセスのシミュレーションに使用することができる。シミュレーションの目的は、例えば、プリントされるパターンのエッジ配置、及び/又は空間像強度勾配、及び/又はCDなどを正確に予測することである。これらの値は、例えば、パターニングプロセスを補正したり、欠陥が発生すると予測される場所を特定したりするなどために、意図されたデザインと比較することができる。意図されたデザインは、一般的に、プリOPCデザインレイアウトとして定義され、GDSII若しくはOASISなどの標準デジタルファイルフォーマット又は他のファイルフォーマットで提供することができる。
[00108] 幾つかの実施形態では、検査装置又は計測装置は、基板上に露光又は転写された構造(例えば、デバイスの一部又は全ての構造)の像を得る走査電子顕微鏡(SEM)であり得る。図13は、SEMツールの実施形態を描く。電子源ESOから放出された一次電子ビームEBPは、コンデンサレンズCLによって集束され、次いで、ビーム偏向器EBD1、E×B偏向器EBD2、及び対物レンズOLを通過し、基板テーブルST上の基板PSubを焦点において照射する。
[00109] 基板PSubに電子ビームEBPを照射すると、基板PSubから二次電子が発生する。二次電子は、E×B偏向器EBD2によって偏向され、二次電子検出器SEDによって検出される。例えば、ビーム偏向器EBD1による電子ビームの二次元スキャンと、又はX若しくはY方向での基板テーブルSTによる基板PSubの連続移動と一緒のX若しくはY方向の他方でのビーム偏向器EBD1による電子ビームEBPの反復スキャンと同期して、サンプルから発生した電子を検出することによって、二次元電子ビーム像を得ることができる。
[00110] 二次電子検出器SEDによって検出された信号は、アナログ/デジタル(A/D)変換器ADCによってデジタル信号に変換され、デジタル信号は、画像処理システムIPUに送信される。一実施形態では、画像処理システムIPUは、処理ユニットPUによる処理のためにデジタル像の全て又は一部を記憶するためのメモリMEMを有し得る。処理ユニットPU(例えば、特別に設計されたハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ)は、デジタル像を変換又は処理して、デジタル像を表すデータセットにするように構成される。さらに、画像処理システムIPUは、デジタル像及び対応するデータセットを参照データベースに記憶するように構成された記憶媒体STORを有し得る。ディスプレイデバイスDISは、画像処理システムIPUと接続されることがあり、その結果、オペレータは、機器の必要な操作を、グラフィカルユーザインターフェースの助けを借りて行うことができる。
[00111] 上述のように、SEM像は、像内の、デバイス構造を表す、オブジェクトのエッジを描くコンターを抽出するために処理され得る。これらのコンターは、CDなどの測定基準を用いて定量化される。従って、通常、デバイス構造の像は、エッジ間距離(CD)又は像間の単純なピクセル差などの、単純な測定基準を用いて比較され定量化される。CDを測定するために像内のオブジェクトのエッジを検出する典型的なコンターモデルは、像勾配を使用する。確かに、これらのモデルは、強い像勾配に依存している。しかし、実際には、像は通常、ノイズが多く、不連続な境界を有する。平滑化、適応的閾値処理、エッジ検出、侵食、及び拡張などの技術が、像勾配コンターモデルの結果を処理して、ノイズが多く不連続な像に対処するために使用され得るが、これらの技術は、最終的には、高解像度像の低解像度定量化につながる。従って、大抵の場合、ノイズを低減しエッジ検出を自動化するためのデバイス構造の像の数学的操作は、像の解像度の損失につながり、それにより、情報の損失につながる。それゆえ、その結果は、複雑で高解像度の構造の単純な表現になる、低解像度の定量化である。
[00112] そのため、例えば、構造が、潜在的なレジスト像内にあるか、現像されたレジスト像内にあるか、又は例えばエッチングにより、基板上の層であって、解像度を維持しながらさらには構造の一般的な形状を表すことができる基板上の層に転写されているかどうかにかかわらず、パターニングプロセスを使用して生成されるか又は生成されることが期待される構造(例えば、回路フィーチャ、アライメントマーク又は計測ターゲット部分(例えば、格子フィーチャ)など)の数学的な表現を有することが望ましい。リソグラフィ又は他のパターニングプロセスの文脈において、構造は、製造中のデバイス又はその一部であり得、像は、構造のSEM像であり得る。場合により、構造は、半導体デバイス、例えば集積回路のフィーチャであり得る。この場合、構造は、半導体デバイスの複数のフィーチャを含むパターン又は所望のパターンと称されることがある。場合により、構造は、オブジェクト(例えば、基板)と別のオブジェクト(例えば、パターニングデバイス)とのアライメントを決定するためにアライメント測定プロセスで使用される、アライメントマーク、若しくはその一部(例えば、アライメントマークの格子)であり得るか、又は、パターニングプロセスのパラメータ(例えば、オーバーレイ、焦点、ドーズ量など)を測定するために使用される、計測ターゲット、若しくはその一部(例えば、計測ターゲットの格子)であり得る。一実施形態では、計測ターゲットは、例えばオーバーレイを測定するために使用される回折格子である。
[00113] 図14は、検査装置のさらなる実施形態を模式的に示す。システムは、サンプルステージ88上のサンプル90(基板など)を検査するために使用され、荷電粒子ビームジェネレータ81と、コンデンサレンズモジュール82と、プローブ形成対物レンズモジュール83と、荷電粒子ビーム偏向モジュール84と、二次荷電粒子検出器モジュール85と、画像形成モジュール86と、を含む。
[00114] 荷電粒子ビームジェネレータ81は、一次荷電粒子ビーム91を発生させる。コンデンサレンズモジュール82は、生成された一次荷電粒子ビーム91を集光する。対物レンズモジュール83を形成するプローブは、集光された一次荷電粒子ビームを荷電粒子ビームプローブ92に集束させる。荷電粒子ビーム偏向モジュール84は、形成された荷電粒子ビームプローブ92を、サンプルステージ88上に固定されたサンプル90上の関心対象エリアの表面にわたってスキャンする。一実施形態では、荷電粒子ビームジェネレータ81、コンデンサレンズモジュール82、及びプローブ形成対物レンズモジュール83、又はそれらの同等のデザイン、代替物、若しくはそれらの任意の組み合わせは、スキャン用の荷電粒子ビームプローブ92を発生させる荷電粒子ビームプローブジェネレータを一緒になって形成する。
[00115] 二次荷電粒子検出器モジュール85は、サンプル表面から放出された二次荷電粒子93(サンプル表面から反射又は散乱された他の荷電粒子も伴う可能性がある)を検出して、荷電粒子ビームプローブ92によって衝突された時点で、二次荷電粒子検出信号94を生成する。画像形成モジュール86(例えば、コンピュータデバイス)は、二次荷電粒子検出器モジュール85と結合されて、二次荷電粒子検出器モジュール85から、二次荷電粒子検出信号94を受け取り、それに応じて、少なくとも1つのスキャン像を形成する。一実施形態では、二次荷電粒子検出器モジュール85及び画像形成モジュール86、又はそれらの同等のデザイン、代替物、若しくはそれらの任意の組み合わせは、荷電粒子ビームプローブ92によって衝突されたサンプル90から放出された、検出された二次荷電粒子からスキャン像を形成する画像形成装置を一緒になって形成する。
[00116] 一実施形態では、モニタリングモジュール87は、画像形成モジュール86から受け取ったサンプル90のスキャン像を使用して、パターニングプロセスをモニタリングして制御するために及び/又はパターニングプロセスのデザイン、制御、モニタリングなどのためのパラメータを導出するために、画像形成装置の画像形成モジュール86に結合される。そのため、一実施形態では、モニタリングモジュール87は、本明細書で説明する方法を実行させるように構成又はプログラムされる。一実施形態では、モニタリングモジュール87は、コンピュータデバイスを含む。一実施形態では、モニタリングモジュール87は、本明細書における機能を提供するためのコンピュータプログラムであって、モニタリングモジュール87を形成する又はその中に配置されたコンピュータ可読媒体上にエンコードされたコンピュータプログラムを含む。
[00117] 一実施形態では、プローブを使用して基板を検査する図13の電子ビーム検査ツールと同じように、図14のシステム内の電子電流が、例えば図13に描かれているようなCD-SEMに比べて著しく大きいので、プローブスポットが十分に大きく、その結果、検査速度が速い可能性がある。しかしながら、分解能は、大きなプローブスポットのため、CD-SEMに比べて高くない場合がある。一実施形態では、上記で考察した検査装置は、本開示の範囲を限定することなく、単一ビーム又はマルチビーム装置であり得る。
[00118] 例えば図13及び/又は図14のシステムからのSEM像は、像内の、デバイス構造を表す、オブジェクトのエッジを描くコンターを抽出するために処理され得る。次いで、これらのコンターは通常、ユーザ定義の切断線において、CDなどの測定基準を用いて定量化される。従って、通常、デバイス構造の像は、抽出されたコンター上で測定されたエッジ間距離(CD)又は像間の単純なピクセル差などの、測定基準を用いて比較され定量化される。
[00119] 一実施形態では、プロセス300、400、500及び/又は600の1つ若しくは複数の手順は、コンピュータシステムのプロセッサ(例えば、コンピュータシステム100のプロセス104)における命令(例えば、プログラムコード)として実施することができる。一実施形態では、計算効率を高めるために、手順が複数のプロセッサに分散され得る(例えば、並列計算)。一実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品は、非一時的なコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を有し、命令は、コンピュータハードウェアシステムによって実行されたときに、本明細書で説明する方法を実施する。
[00120] 本開示によれば、開示した要素の組み合わせ及び下位の組み合わせは、別個の実施形態を構成する。例えば、第1の組み合わせは、デザインパターンに関係する深さデータに基づいてボケ除去モデルを決定することを含む。下位の組み合わせは、ボケ除去モデルを使用してボケ除去像を決定することを含み得る。別の組み合わせでは、ボケ除去像は、モデルで生成された分散データに基づいてOPC又はSMOを決定する、検査プロセスにおいて用いることができる。別の例では、組み合わせは、パターニングプロセスの歩留まりを改善するために、ボケ除去像に基づく検査データに基づいて、リソグラフィプロセス、レジストプロセス、又はエッチングプロセスに対するプロセス調節を決定することを含む。
[00121] 図15は、本明細書で開示する方法、フロー、又は装置の実装を支援することができるコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、バス102又は情報を通信するための他の通信機構と、情報を処理するためにバス102と結合されたプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを含む。コンピュータシステム100は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどの、プロセッサ104によって実行される情報及び命令を保存するためにバス102に結合されたメインメモリ106も含む。メインメモリ106は、プロセッサ104によって実行される命令の実行中に、一時変数又は他の中間情報を保存するためにも使用されてもよい。コンピュータシステム100は、リードオンリーメモリ(ROM)108、又はプロセッサ104のための静的情報及び命令を保存するためにバス102に結合された他の静的ストレージデバイスをさらに含む。情報及び命令を保存するための磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス110が設けられると共に、バス102に結合される。
[00122] コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)、フラットパネル、又はタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合されてもよい。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114が、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ112上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力デバイスは、一般的に、2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されてもよい。
[00123] ある実施形態によれば、本明細書における1つ又は複数の方法の部分は、メインメモリ106に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行するプロセッサ104に応答して、コンピュータシステム100によって行われてもよい。このような命令は、ストレージデバイス110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれてもよい。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に本明細書に記載のプロセスステップを行わせる。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ又は複数のプロセッサが用いられてもよい。ある代替実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と一緒に、ハードワイヤード回路が用いられてもよい。従って、本明細書の記載は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
[00124] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む、多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス110などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バス102を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態もとり得る。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、又はコンピュータが読み取ることができるその他の媒体を含む。
[00125] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ104に1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを運ぶことに関与してもよい。例えば、命令は、最初は、リモートコンピュータの磁気ディスクにある場合がある。リモートコンピュータは、命令をそれの動的メモリにロードし、及びモデムを使用して電話回線上で命令を送ることができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、及び赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、及びそのデータをバス102にのせることができる。バス102は、データをメインメモリ106に搬送し、そこからプロセッサ104が、命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ106によって受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ104による実行の前又は後に、ストレージデバイス110に保存されてもよい。
[00126] コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118も含み得る。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されたネットワークリンク120に結合する双方向データ通信も提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムでもよい。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードでもよい。ワイヤレスリンクが実施されてもよい。このような実施において、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号の送信及び受信を行う。
[00127] ネットワークリンク120は、一般的に、1つ又は複数のネットワークを通して、他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を通して、ホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126によって操作されるデータ機器への接続を提供することができる。ISP126は、次に、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」128と呼ばれる)によるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁、又は光信号を使用する。コンピュータシステム100に対して、及びコンピュータシステム100からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、及びネットワークリンク120上の、及び通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の形態例である。
[00128] コンピュータシステム100は、1つ又は複数のネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を通して、メッセージを送信すること、及びプログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネット例では、サーバ130は、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122、及び通信インターフェース118を通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされたあるアプリケーションは、本明細書における方法の全て又は一部を提供することができる。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ104によって実行されてもよく、及び/又は後で実行するためにストレージデバイス110又は他の不揮発性ストレージに保存されてもよい。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形態のアプリケーションコードを取得してもよい。
[00129] 図16は、本明細書に記載する技術と組み合わせて利用することができる例示的リソグラフィ投影装置を模式的に描く。この装置は、以下を含む:
- 放射ビームBを調節するための照明システムIL。この特定のケースでは、照明システムは、放射源SOも含む;
- パターニングデバイスMA(例えば、レチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを備え、且つアイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続された第1のオブジェクトテーブル(例えば、パターニングデバイステーブル)MT;
- 基板W(例えば、レジストコートシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、且つアイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続された第2のオブジェクトテーブル(基板テーブル)WT;
- パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に結像する投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折型、反射型、又は反射屈折型光学システム)。
[00130] 本明細書で描かれるように、本装置は、透過型(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)である。しかし一般に、それは、例えば反射型(反射型パターニングデバイスを有する)でもよい。本装置は、従来のマスクとは異なる種類のパターニングデバイスを用いてもよく、例には、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
[00131] ソースSO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUVソース)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)ILに対して、そのまま、又は例えばビームエキスパンダExなどの調節手段を横断した後に、供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調節手段ADを含み得る。さらにそれは、一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの様々な他のコンポーネントを含む。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
[00132] 図12に関して、ソースSOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内に位置してもよいが(大抵の場合、ソースSOが、例えば水銀ランプのとき)、リソグラフィ投影装置から離れた位置にあり、それが生成する放射ビームが装置内に導き入れられてもよい(例えば、適宜の誘導ミラーを用いて)ことに留意されたい。この後者のシナリオは、ソースSOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF、又はF2レージングに基づく)であるケースが多い。
[00133] 続いて、ビームPBは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAと交差する。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせるレンズPLを通過する。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を用いて、例えば異なるターゲット部分CをビームPBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械検索後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、図16には明示的に描かれない、ロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を用いて実現される。但しステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されてもよく、又は固定されてもよい。
[00134] 描かれたツールは、2つの異なるモードで使用され得る:
- ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは、基本的に静止したままであり、及びパターニングデバイス像全体が、一回(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。次いで、異なるターゲット部分CがビームPBによって照射され得るように、基板テーブルWTが、x及び/又はy方向にシフトされる;
- スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが、単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオがあてはまる。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBがパターニングデバイス像上をスキャンさせられるように、速度vで、所与の方向(いわゆる「スキャン方向」、例えば、y方向)に移動可能である。並行して、基板テーブルWTが、速度V=Mv(Mは、レンズPLの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ又は反対方向に同時に移動される。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光させることができる。
[00135] 図17は、本明細書に記載される技術と共に利用することができる別の例示的リソグラフィ投影装置LAを模式的に示す。
[00136] リソグラフィ投影装置LAは、以下を含む:
- ソースコレクタモジュールSO
- 放射ビームB(例えば、EUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL
- パターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)MAを支持するように構築され、且つパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続されたサポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT
- 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、且つ基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WT、及び
- パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ又は複数のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射型投影システム)PS。
[00137] ここに描かれているように、装置LAは、反射型(例えば、反射型パターニングデバイスを用いる)である。ほとんどの材料が、EUV波長範囲内で吸収性であるので、パターニングデバイスは、例えば、モリブデン及びシリコンのマルチスタックを含む多層リフレクタを有し得ることに留意されたい。一例では、マルチスタックリフレクタは、各層の厚さが4分の1波長である、モリブデン及びシリコンの40層ペアを有する。さらに小さな波長が、X線リソグラフィを用いて生成され得る。ほとんどの材料が、EUV及びx線波長で吸収性であるので、パターニングデバイストポグラフィ上の薄い一片のパターン付き吸収材料(例えば、多層リフレクタ上のTaNアブゾーバ)は、どこにフィーチャが印刷され(ポジ型レジスト)、又は印刷されないか(ネガ型レジスト)を定義する。
[00138] 図17を参照すると、イルミネータILが、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射(EUV)ビームを受ける。EUV放射を生成する方法は、必ずしも限定されないが、EUV範囲において1つ又は複数の輝線を備えた少なくとも1つの元素(例えば、キセノン、リチウム、又はスズ)を有するプラズマ状態に材料を変換することを含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることが多い、そのような1つの方法では、プラズマは、線発光元素を有する材料の小滴、ストリーム、又はクラスタなどの燃料をレーザビームで照射することによって生成され得る。ソースコレクタモジュールSOは、燃料を励起するレーザビームを提供するレーザ(図17では不図示)を含むEUV放射システムの一部でもよい。その結果生じるプラズマが、出力放射(例えば、EUV放射)を放出し、これが、ソースコレクタモジュールに配置される放射コレクタを用いて収集される。レーザ及びソースコレクタモジュールは、例えば、燃料励起用のレーザビームを提供するためにCO2レーザが使用される場合には、別個のエンティティでもよい。
[00139] このようなケースでは、レーザは、リソグラフィ装置の一部を形成するとはみなされず、及び放射ビームは、例えば、適宜の誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて、レーザからソースコレクタモジュールへと渡される。他のケースでは、例えばソースが、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマEUVジェネレータである場合、ソースは、ソースコレクタモジュールの一体化部分でもよい。
[00140] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するためのアジャスタを含み得る。一般に、イルミネータの瞳面の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が、調節され得る。さらに、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを含み得る。イルミネータを使用して、断面に所望の均一性及び強度分布を有するように放射ビームを調整することができる。
[00141] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT上に保持されるパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、及びパターニングデバイスによってパターン付けされる。放射ビームBは、パターニングデバイス(例えば、マスク)MAから反射された後、ビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合わせる投影システムPSを通過する。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を用いて、例えば異なるターゲット部分Cを放射ビームBのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサPS1を用いて、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えば、マスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。
[00142] 描かれた装置LAは、以下のモードの少なくとも1つで使用され得る:
[00143] 1.ステップモードでは、放射ビームに付与されたパターン全体が、一回でターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止したままである(すなわち、単一静的露光)。次いで、異なるターゲット部分Cが露光され得るように、基板テーブルWTが、X及び/又はY方向にシフトされる。
[00144] 2.スキャンモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MT及び基板テーブルWTは、同期してスキャンされる(すなわち、単一動的露光)。サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの縮小及び像反転特性によって決定され得る。
[00145] 3.別のモードでは、放射ビームに付与されたパターンが、ターゲット部分C上に投影される間に、サポート構造(例えば、パターニングデバイステーブル)MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止したままであり、且つ基板テーブルWTは、移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、及びプログラマブルパターニングデバイスが、基板テーブルWTの各移動後に、又はスキャン中の連続する放射パルスの合間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[00146] 図18は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含む装置LAをより詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、ソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造220内で真空環境が維持され得るように、構築及び配置される。EUV放射放出プラズマ210は、放電生成プラズマ源によって形成され得る。EUV放射は、ガス又は蒸気(例えば、電磁スペクトルのEUV範囲内の放射を放出するために、超高温プラズマ210が作られるXeガス、Li蒸気、又はSn蒸気)によって生成され得る。超高温プラズマ210は、例えば、少なくとも部分的にイオン化されたプラズマを生じさせる放電によって作られる。Xe、Li、Sn蒸気又は任意のその他の適宜のガス若しくは蒸気の例えば10Paの分圧が、放射の効率的生成に必要とされ得る。ある実施形態では、励起スズ(Sn)のプラズマは、EUV放射を生成するために提供される。
[00147] 高温プラズマ210によって放出された放射は、ソースチャンバ211から、ソースチャンバ211の開口内、又はその後ろに位置する任意選択的なガスバリア又は汚染物質トラップ230(場合によっては、汚染物質バリア又はフォイルトラップとも呼ばれる)を介して、コレクタチャンバ212内へと渡される。汚染物質トラップ230は、チャネル構造を含み得る。汚染物質トラップ230は、ガスバリア、又はガスバリア及びチャネル構造の組み合わせも含み得る。本明細書にさらに示される汚染物質トラップ又は汚染物質バリア230は、当該技術分野で知られているように、少なくともチャネル構造を含む。
[00148] コレクタチャンバ211は、いわゆる斜入射型コレクタでもよい放射コレクタCOを含み得る。放射コレクタCOは、上流放射コレクタ側251及び下流放射コレクタ側252を有する。コレクタCOを横断する放射は、格子スペクトルフィルタ240に反射して、一点鎖線「O」によって示される光軸に沿った仮想光源点IFに焦点を合わせることができる。仮想光源点IFは、一般的に中間焦点と呼ばれ、及びソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが、閉鎖構造220の開口221に、又はその付近に位置するように配置される。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ210の像である。
[00149] 続いて、放射は、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布、及びパターニングデバイスMAにおいて放射強度の所望の均一性を提供するように配置されたファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を包含し得る照明システムILを横断する。サポート構造MTによって保持されたパターニングデバイスMAにおける放射ビーム21の反射時に、パターン付きビーム26が形成され、及びパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTによって保持される基板W上に結像される。
[00150] 一般に、図示されるよりも多くの要素が、照明光学系ユニットIL及び投影システムPS内に存在し得る。格子スペクトルフィルタ240が、リソグラフィ装置のタイプに応じて、任意選択的に存在してもよい。さらに、図面に示されるミラーよりも多くのミラーが存在してもよく、例えば、図18に示されるよりも1~6個の追加の反射要素が、投影システムPSに存在してもよい。
[00151] 図18に示されるようなコレクタ系COは、コレクタ(又はコレクタミラー)の単なる一例として、斜入射型リフレクタ253、254、及び255を備えた入れ子式コレクタとして描かれる。斜入射型リフレクタ253、254、及び255は、光軸Oに対して軸対称に配置され、及びこのタイプのコレクタ系COは、DPPソースと呼ばれることが多い、放電生成プラズマ源と組み合わせて使用され得る。
[00152] 代替的に、ソースコレクタモジュールSOは、図19に示すように、LPP放射システムの一部であってもよい。レーザLAは、レーザエネルギーをキセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)などの燃料に堆積させ、数十eVの電子温度の高イオン化プラズマ210を生成するように配置される。脱励起及びこれらのイオンの再結合中に生成されるエネルギー放射は、プラズマから放出され、近法線入射コレクタ系COによって収集され、及び閉鎖構造220の開口221上に焦点が合わせられる。
[00153] 本明細書に開示する概念は、サブ波長フィーチャを結像するための一般的結像システムのシミュレーション又は数学的モデル化を行うことができ、及び特に、より短い波長を生成することが可能な新しい結像技術にとって有用となり得る。既に使用されている新しい技術には、ArFレーザを使用して193nmの波長、及びフッ素レーザを使用して157nmの波長さえ生成可能な、EUV(極端紫外線)、DUVリソグラフィが含まれる。また、EUVリソグラフィは、20~5nmの範囲内で光子を生成するために、シンクロトロンを使用することによって、又は材料(固体又はプラズマ)に高エネルギー電子をぶつけることによって、この範囲内の波長を生成することが可能である。
[00154] 本開示の実施形態は、以下の条項を使用してさらに説明され得る。
1.記憶された命令を含む、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するように構成されたボケ除去モデルを記憶するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンに対応する基板のシミュレート像を得ることであって、ターゲットパターンは、基板上の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと、基板上の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャとを含み、第2の層は、基板上の第1の層の下に位置することと、
基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することであって、深さデータは、基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として、基板上のフィーチャのエッジのボケを特徴付けることと、
基板のシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルを生成することであって、ボケ除去モデルは、捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データを使用してパターン付き基板の捕捉像のボケ除去像を生成することと、
を含む動作を生じさせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
2.ターゲットパターンは、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャと関連付けられた幾何学的データを含む、条項1に記載の媒体。
3.幾何学的データは、それぞれターゲットパターン内の、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャの所望の形状と、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャのエッジのターゲット位置と、を含む、条項2に記載の媒体。
4.深さデータは、
最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項1~3のいずれか一項に記載の媒体。
5.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のエッジ位置の範囲を含む、条項1~4のいずれか一項に記載の媒体。
6.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項1~5のいずれか一項に記載の媒体。
7.エッジ範囲データは、基板上に印刷される各フィーチャのエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項1~6のいずれか一項に記載の媒体。
8.シミュレート像を得ることは、
パターン付き基板の捕捉像からノイズを抽出することと、
シミュレート像にノイズを加えることと、
をさらに含む、条項1~7のいずれか一項に記載の媒体。
9.ボケ除去モデルは、機械学習モデルである、条項1~8のいずれか一項に記載の媒体。
10.ボケ除去モデルは、深層畳み込みネットワークであり、モデルパラメータは、深層畳み込みネットワークの1つ又は複数の層の重み及びバイアスを含む、条項1~9のいずれか一項に記載の媒体。
11.ボケ除去モデルは、
ターゲットパターンのフィーチャを示す値を含むフィーチャベクトルと、
基板上に印刷されるフィーチャと関連付けられた深さに関係する値を含む注目ベクトルであって、フィーチャベクトルと演算されるように構成された、注目ベクトルと、
を含むニューラルネットワークである、条項1~10のいずれか一項に記載の媒体。
12.注目ベクトルは、0~1の範囲の値、又は、値0若しくは1、を含む、条項11に記載の媒体。
13.機械学習モデルは、深さに関係する重みが注目ベクトルによってフィーチャベクトルの特定のフィーチャのエッジに割り当てられるように、注目ベクトルをフィーチャベクトルと乗算するように構成される、条項12に記載の媒体。
14.第1の層と関連付けられた第1のターゲットフィーチャには、第2の層と関連付けられた第2のターゲットフィーチャと乗算された注目値と比較して高い注目値が乗算される、条項13に記載の媒体。
15.シミュレータは、ターゲットパターンが印刷される基板の物理的特性の関数であるモデルであって、シミュレート像を生成し、それにより、基板の各層におけるフィーチャ特性の決定を可能にする、モデルを含む、条項1~14のいずれか一項に記載の媒体。
16.基板の物理的特性は、特定の層の材料、特定の層の厚さ、レジストプロセスパラメータ、又はエッチングプロセスパラメータのうちの少なくとも1つを含む、条項15に記載の媒体。
17.シミュレート像を得ることは、モンテカルロシミュレーションプロセスを通じて、シミュレート像を生成するモデルをシミュレートすることを含む、条項16に記載の媒体。
18.シミュレート像を得ることは、深さデータに基づいてシミュレート像を生成するように構成された二重ガウスモデルをシミュレートすることを含む、条項16に記載の媒体。
19.捕捉デバイスを介して、所与のターゲットパターンを使用してパターン付き多層基板の像を捕捉することと、
所与のターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することと、
エッジ範囲データ及び捕捉像をボケ除去モデルに入力して、捕捉像のボケ除去像を生成することと、
をさらに含む、条項1~18のいずれか一項に記載の媒体。
20.捕捉像は、パターン付き多層基板の像を捕捉するために使用される高エネルギー設定での走査電子ビーム(SEM)によって得られたSEM像である、条項19に記載の媒体。
21.ターゲットパターンは、多角形ベースの階層データフォーマットの形式である、条項1~20のいずれか一項に記載の媒体。
22.多角形ベースのデータフォーマットは、GDSフォーマットを含む、条項21に記載の媒体。
23.記憶された命令を含む、パターン付き基板の層の深さに関するデータを使用することによって走査電子顕微鏡(SEM)から得られた像のボケを除去するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
パターン付き基板の捕捉像を受け取ることと、
ボケ除去モデルに捕捉像を入力することであって、ボケ除去モデルは、
基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンに対応する基板のシミュレート像を得ることであって、ターゲットパターンは、基板上の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと、基板上の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャと、を含み、第2の層は、基板上の第1の層の下に位置することと、
基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することであって、深さデータは、基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として、基板上のフィーチャのエッジのボケを特徴付けることと、
基板のシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルを生成することと、
によってトレーニングされることと、
捕捉像と、パターン付き基板のフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データと、を使用して、ボケ除去モデルから出力を受け取ることと、
捕捉像のボケが除去された捕捉像を表示のためにユーザインターフェース上に生成することと、
を含む動作を生じさせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
24.ターゲットパターンは、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャと関連付けられた幾何学的データを含む、条項23に記載の媒体。
25.幾何学的データは、それぞれターゲットパターン内の、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャの所望の形状と、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャのエッジのターゲット位置と、を含む、条項24に記載の媒体。
26.幾何学的データは、
最上層から垂直下方向に測定された第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に測定された第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項23~25のいずれか一項に記載の媒体。
27.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ位置の範囲を含む、条項23~26のいずれか一項に記載の媒体。
28.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項23~27のいずれか一項に記載の媒体。
29.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャのエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項23~28のいずれか一項に記載の媒体。
30.ボケ除去モデルは、機械学習モデルである、条項23~29のいずれか一項に記載の媒体。
31.ボケ除去モデルは、深層畳み込みネットワークであり、モデルパラメータは、深層畳み込みネットワークの1つ又は複数の層の重み及びバイアスを含む、条項23~30のいずれか一項に記載の媒体。
32.シミュレータは、ターゲットパターンが印刷される基板の物理的特性の関数であるモデルであって、シミュレート像を生成し、それにより、基板の各層におけるフィーチャ特性の決定を可能にする、モデルを含む、条項23~31のいずれか一項に記載の媒体。
33.捕捉像は、パターン付き多層基板の像を捕捉するために使用される高エネルギー設定での走査電子ビーム(SEM)によって得られたSEM像である、条項23~32のいずれか一項に記載の媒体。
34.記憶された命令を含む、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像及びエッジ範囲データをボケ除去モデルに入力することであって、ボケ除去モデルは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データに基づいてトレーニングされることと、
ボケ除去モデルを実行することによって捕捉像のボケを除去することと、
を含む動作を生じさせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
35.ターゲットパターンのフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データは、ターゲットパターン及び基板と関連付けられた深さデータに基づいて決定される、条項34に記載の媒体。
36.深さデータは、
最上層から垂直下方向に測定された第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に測定された第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項35に記載の媒体。
37.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む、条項34~36のいずれか一項に記載の媒体。
38.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項34に記載の媒体。
39.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応するエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項34~38のいずれか一項に記載の媒体。
40.パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法であって、
パターン付き基板の複数の層と関連付けられたターゲットパターン及び深さデータに基づいて捕捉像内のフィーチャを特定することと、
ターゲットパターン及び深さデータに基づいてフィーチャの各々のボケを除去することによって捕捉像のボケを除去することと、
を含む、方法。
41.深さデータは、
パターン付き基板の最上層からの第1の層の第1の深さ、及び、最上層からの第2の層の第2の深さ、
パターン付き基板の第1の層及び第2の層の材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項40に記載の方法。
42.捕捉像内のフィーチャを特定することは、パターン付き基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、パターン付き基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することを含む、条項41に記載の方法。
43.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ位置の範囲を含む、条項42に記載の方法。
44.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項43に記載の方法。
45.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応するエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項42~44のいずれか一項に記載の方法。
46.ボケ除去モデルを生成してパターン付き基板の捕捉像のボケを除去するための方法であって、
基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、ターゲットパターンに対応する基板のシミュレート像を得ることであって、ターゲットパターンは、基板上の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと、基板上の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャと、を含み、第2の層は、基板上の第1の層の下に位置することと、
基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することであって、深さデータは、基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として、基板上のフィーチャのエッジのボケを特徴付けることと、
基板のシミュレート像及びエッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、ボケ除去モデルを生成することであって、ボケ除去モデルは、捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データを使用してパターン付き基板の捕捉像のボケ除去像を生成することと、
を含む、方法。
47.ターゲットパターンは、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャと関連付けられた幾何学的データを含む、条項46に記載の方法。
48.幾何学的データは、それぞれターゲットパターン内の、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャの所望の形状と、第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャのエッジのターゲット位置と、を含む、条項47に記載の方法。
49.深さデータは、
最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項46~48のいずれか一項に記載の方法。
50.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む、条項46~49のいずれか一項に記載の方法。
51.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項46~50のいずれか一項に記載の方法。
52.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応するエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項46~51のいずれか一項に記載の方法。
53.シミュレート像を得ることは、
パターン付き基板の捕捉像からノイズを抽出することと、
シミュレート像にノイズを加えることと、
をさらに含む、条項46~52のいずれか一項に記載の方法。
54.ボケ除去モデルは、機械学習モデルである、条項46~53のいずれか一項に記載の方法。
55.ボケ除去モデルは、深層畳み込みネットワークであり、モデルパラメータは、深層畳み込みネットワークの1つ又は複数の層の重み及びバイアスを含む、条項46~54のいずれか一項に記載の方法。
56.ボケ除去モデルは、
ターゲットパターンのフィーチャを示す値を含むフィーチャベクトルと、
基板上に印刷されるフィーチャと関連付けられた深さに関係する値を含む注目ベクトルであって、フィーチャベクトルと演算されるように構成された、注目ベクトルと、
を含むニューラルネットワークである、条項46~55のいずれか一項に記載の方法。
57.注目ベクトルは、0~1の範囲の値、又は、値0若しくは1、を含む、条項56に記載の方法。
58.機械学習モデルは、深さに関係する重みが注目ベクトルによってフィーチャベクトルの特定のフィーチャのエッジに割り当てられるように、注目ベクトルをフィーチャベクトルと乗算するように構成される、条項57に記載の方法。
59.基板の第1の層と関連付けられた第1のターゲットフィーチャには、基板の第2の層と関連付けられた第2のターゲットフィーチャと乗算された注目値と比較して高い注目値が乗算される、条項58に記載の方法。
60.シミュレータは、ターゲットパターンが印刷される基板の物理的特性の関数であるモデルであって、シミュレート像を生成し、それにより、基板の各層におけるフィーチャ特性の決定を可能にする、モデルを含む、条項46~59のいずれか一項に記載の方法。
61.基板の物理的特性は、特定の層の材料、特定の層の厚さ、レジストプロセスパラメータ、又は、エッチングプロセスパラメータのうちの少なくとも1つを含む、条項60に記載の方法。
62.シミュレート像を得ることは、モンテカルロシミュレーションプロセスを通じて、シミュレート像を生成するモデルをシミュレートすることを含む、条項61に記載の方法。
63.シミュレート像を得ることは、深さデータに基づいてシミュレート像を生成するように構成された二重ガウスモデルをシミュレートすることを含む、条項62に記載の方法。
64.捕捉デバイスを介して、所与のターゲットパターンを使用してパターン付き多層基板の像を捕捉することと、
所与のターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することと、
エッジ範囲データ及び捕捉像をボケ除去モデルに入力して、捕捉像のボケ除去像を生成することと、
をさらに含む、条項46~63のいずれか一項に記載の方法。
65.捕捉像は、パターン付き多層基板の像を捕捉するために使用される高エネルギー設定での走査電子ビーム(SEM)によって得られたSEM像である、条項64に記載の方法。
66.ターゲットパターンは、多角形ベースの階層データフォーマットの形式である、条項46~65のいずれか一項に記載の方法。
67.多角形ベースのデータフォーマットは、GDSフォーマットを含む、条項66に記載の方法。
68.パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法であって、
ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像及びエッジ範囲データをボケ除去モデルに入力することであって、ボケ除去モデルは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データに基づいてトレーニングされることと、
ボケ除去モデルを実行することによって捕捉像のボケを除去することと、
を含む、方法。
69.ターゲットパターンのフィーチャに対応するパターン付き基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データは、ターゲットパターン及び基板と関連付けられた深さデータに基づいて決定される、条項68に記載の方法。
70.深さデータは、
最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項69に記載の方法。
71.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む、条項68~70のいずれか一項に記載の方法。
72.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項68に記載の方法。
73.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応するエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項68~72のいずれか一項に記載の方法。
74.パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するためのシステムであって、
ターゲットパターンに基づいてパターニングされたパターン付き基板の像を捕捉するように構成された電子ビーム光学系と、
ターゲットパターンと関連付けられたパターン付き基板の捕捉像及びエッジ範囲データをボケ除去モデルであって、ボケ除去モデルは、ある特定の深さにおけるターゲットパターンのフィーチャと関連付けられたエッジ範囲データに基づいてトレーニングされる、ボケ除去モデルに入力し、ボケ除去モデルを実行することによって捕捉像のボケを除去するように構成された1つ又は複数のプロセッサと、
を含む、システム。
75.ターゲットパターンのフィーチャに対応するパターン付き基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データは、ターゲットパターン及び基板と関連付けられた深さデータに基づいて決定される、条項74に記載のシステム。
76.深さデータは、
最上層から垂直下方向に位置する第1の層の第1の深さ、及び、基板の最上層から垂直下方向に位置する第2の層の第2の深さ、
基板の第1の層及び第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
ターゲットパターンの第1のターゲットフィーチャ及び第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
のうちの少なくとも1つを含む、条項75に記載のシステム。
77.エッジ範囲データは、ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する基板上のフィーチャについてのエッジ位置の範囲を含む、条項74~76のいずれか一項に記載のシステム。
78.エッジ範囲データを決定することは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応する基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、条項77に記載のシステム。
79.エッジ範囲データは、ターゲットパターンの各フィーチャに対応するエッジ範囲データで補完されたターゲットパターンの像として表される、条項74~78のいずれか一項に記載のシステム。
[00155] 本明細書に開示した概念は、シリコンウェーハなどの基板上での結像のために使用され得るが、開示した概念は、任意のタイプのリソグラフィ結像システム、例えばシリコンウェーハ以外の基板上での結像のために使用されるものと共に使用され得ることが理解されよう。
[00156] 本明細書で使用されるときに、特段の明記がない限り、「又は」という用語は、実現不可能である場合を除き、あらゆる可能な組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含むことができると明記されている場合、特段の明記がないか又は実現不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、データベースがA、B、又はCを含むことができると明記されている場合、特段の明記がないか又は実現不可能でない限り、データベースは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
[00157] 上記の説明は、限定的ではなく、例示であるように意図されている。従って、以下に提示する特許請求の範囲から逸脱することなく、説明したように修正が加えられ得ることは、当業者には明らかであろう。

Claims (15)

  1. 記憶された命令を含む、パターン付き基板の捕捉像のボケを除去するように構成されたボケ除去モデルを記憶するための非一時的なコンピュータ可読媒体であって、
    前記命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、
    基板上のパターンが導出されるターゲットパターンを使用するシミュレータを介して、前記ターゲットパターンに対応する前記基板のシミュレート像を得ることであって、前記ターゲットパターンは、前記基板上の第1の層上に形成される第1のターゲットフィーチャと、前記基板上の第2の層上に形成される第2のターゲットフィーチャと、を含み、前記第2の層は、前記基板上の前記第1の層の下に位置することと、
    前記基板の複数の層と関連付けられた深さデータに基づいて、前記ターゲットパターンの前記第1のターゲットフィーチャ及び前記第2のターゲットフィーチャに対応する前記基板上のフィーチャについてのエッジ範囲データを決定することであって、前記深さデータは、前記基板の最上層からのそれぞれのフィーチャの深さの関数として、前記基板上の前記フィーチャのエッジのボケを特徴付けることと、
    前記基板の前記シミュレート像及び前記エッジ範囲データをトレーニングデータとして使用して、基本モデルのパラメータを調節し、前記ボケ除去モデルを生成することであって、前記ボケ除去モデルは、前記捕捉像と関連付けられたエッジ範囲データを使用して前記パターン付き基板の前記捕捉像のボケ除去像を生成することと、
    を含む動作を生じさせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
  2. 前記ターゲットパターンは、前記第1のターゲットフィーチャ及び前記第2のターゲットフィーチャと関連付けられた幾何学的データを含む、請求項1に記載の媒体。
  3. 前記幾何学的データは、それぞれ前記ターゲットパターン内の、前記第1のターゲットフィーチャ及び前記第2のターゲットフィーチャの所望の形状と、前記第1のターゲットフィーチャ及び前記第2のターゲットフィーチャの前記エッジのターゲット位置と、を含む、請求項2に記載の媒体。
  4. 前記深さデータは、
    前記最上層から垂直下方向に位置する前記第1の層の第1の深さ、及び、前記基板の前記最上層から垂直下方向に位置する前記第2の層の第2の深さ、
    前記基板の前記第1の層及び前記第2の層と関連付けられた材料データ、又は、
    前記ターゲットパターンの前記第1のターゲットフィーチャ及び前記第2のターゲットフィーチャにそれぞれ対応する前記基板上の第1のフィーチャ及び第2のフィーチャと関連付けられた回折挙動、
    のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の媒体。
  5. 前記エッジ範囲データは、前記ターゲットパターン内の各フィーチャに対応する前記基板上のエッジ位置の範囲を含む、請求項1に記載の媒体。
  6. 前記エッジ範囲データを前記決定することは、
    前記ターゲットパターンの各フィーチャに対応する前記基板上のフィーチャのエッジ変化を計算するように構成されたモデルを実行することを含む、請求項1に記載の媒体。
  7. 前記エッジ範囲データは、前記基板上に印刷される各フィーチャの前記エッジ範囲データで補完された前記ターゲットパターンの像として表される、請求項1に記載の媒体。
  8. 前記シミュレート像を前記得ることは、
    パターン付き基板の捕捉像からノイズを抽出することと、
    前記シミュレート像に前記ノイズを加えることと、
    をさらに含む、請求項1に記載の媒体。
  9. 前記ボケ除去モデルは、機械学習モデルである、請求項1に記載の媒体。
  10. 前記ボケ除去モデルは、深層畳み込みネットワークであり、モデルパラメータは、前記深層畳み込みネットワークの1つ又は複数の層の重み及びバイアスを含む、請求項1に記載の媒体。
  11. 前記ボケ除去モデルは、
    前記ターゲットパターンのフィーチャを示す値を含むフィーチャベクトルと、
    前記基板上に印刷される前記フィーチャと関連付けられた深さに関係する値を含む注目ベクトルであって、前記フィーチャベクトルと演算されるように構成された、注目ベクトルと、
    を含むニューラルネットワークである、請求項1に記載の媒体。
  12. 前記注目ベクトルは、0~1の範囲の値、又は、値0若しくは1、を含む、請求項11に記載の媒体。
  13. 前記機械学習モデルは、深さに関係する重みが前記注目ベクトルによって前記フィーチャベクトルの特定のフィーチャのエッジに割り当てられるように、前記注目ベクトルを前記フィーチャベクトルと乗算するように構成される、請求項12に記載の媒体。
  14. 前記第1の層と関連付けられた前記第1のターゲットフィーチャには、前記第2の層と関連付けられた前記第2のターゲットフィーチャと乗算された注目値と比較して高い注目値が乗算される、請求項13に記載の媒体。
  15. パターン付き基板の捕捉像のボケを除去する方法であって、
    前記パターン付き基板の複数の層と関連付けられたターゲットパターン及び深さデータに基づいて前記捕捉像内のフィーチャを特定することと、
    前記ターゲットパターン及び前記深さデータに基づいて前記フィーチャの各々のボケを除去することによって前記捕捉像のボケを除去することと、
    を含む、方法。
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