JP2023543085A - モジュール式のカプセル型ヒートポンプ - Google Patents
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Abstract
取り外し可能なヒートポンプモジュールを用いた新規の熱システムにより、点検修理時間及び複雑性が低減され、安全に利用可能な冷媒の範囲が増大し、多数の熱システムの効率が上昇し、新規の産業用熱の需要に対して有用である。毒性及び可燃性の可能性のある冷媒の安全な利用が、前記ヒートポンプモジュールを複数の過圧安全性と共に気密収納装置内にカプセル化することにより可能になる。これらの熱システムの点検修理を冷媒漏洩無しに行うために必要なツールが提供される。
Description
(関連出願への相互参照)
以下の3つの米国仮特許出願からの優先権が主張される:2020年9月15日出願の第63/078,411号、2021年1月14日出願の第63/137,437号、及び2021年1月26日出願の第63/141,959号。
以下の3つの米国仮特許出願からの優先権が主張される:2020年9月15日出願の第63/078,411号、2021年1月14日出願の第63/137,437号、及び2021年1月26日出願の第63/141,959号。
本発明は、本明細書中「ヒートポンプ」と称する蒸気サイクル冷凍設備の分野に関し、全温度範囲の加熱及び冷却のための使用と、その点検修理と、を含む。
(発明の要旨)
(発明の要旨)
一態様において、冷媒漏れの無い「ヒートポンプ」の熱エネルギー操作のための装置が提供され、漏洩の無いサポートに必要なツールが含まれる。本装置は、交換可能なヒートポンプモジュールと、前記ヒートポンプモジュールを用いたモジュール式ヒートポンプシステムと、を含む。
別の態様において、1箇所で故障が発生しても冷媒の漏洩に繋がることが無いような冷媒システムの封入のための装置が提供され、、装置の点検修理を冷媒漏洩無しに行うために必要なツールが含まれる。
別の態様において、モジュール式のヒートポンプモジュールを含む冷媒システムの点検修理の簡素化のための装置が提供される。これらのモジュール式のヒートポンプモジュールは、漏洩無く、または電源オフ及びシステムからの全冷媒の真空引きの必要性無く、作動熱システムから容易に交換することが可能である。よって、所望であればこれらのモジュールを拠点で点検修理することが可能になるため、冷媒システムの点検修理に必要とされる技術者スキルのレベルが緩和される。
別の態様において、加熱、乾燥、調理及び一部の溶融をも含む多数の産業熱プロセスの完全な電化のための装置が提供される。前記装置は、モジュール式のヒートポンプモジュールの多段階適用を含み、熱エネルギーの回収及び再適用の双方が非常に効率的に行われるように、そして各段階に異なる冷媒を個別に充填して関与する熱プロセスを最適化できるようにされる。
別の態様において、同じ漏洩の無い冷媒システムの点検修理のための装置が提供され、診断、冷媒充填及び冷媒回収時にホースの接続及び接続解除が行われる際でさえ、冷媒漏洩の発生はゼロであるようにされる。
この発明は、例えば下記の複数の様態によって、蒸気サイクル冷凍、別称「ヒートポンプ」分野を進化させる:交換可能なヒートポンプモジュールによって現場での点検修理を簡素化すること、同一熱システム内の多数の異なるヒートポンプモジュールにおいて異なる冷媒を使用可能とすることによってヒートポンプシステムの高効率化が可能になること、ヒートポンプモジュールの冷媒態様及びあらゆる関連する外部冷媒熱交換器を完全にカプセル化することによって冷媒に毒性または可燃性がある可能性がある場合であっても一層効率的な冷媒の広範な使用が可能になること、乾燥及び熱エネルギーの直接適用を伴う産業熱プロセスを具体的に提供すること、漏洩の無い冷媒システムの点検修理のために必要な冷媒ツールを用いること。このイノベーションにより、一部の冷媒システムに新しいレベルの効率がもたらされ、特に一部の高熱用途向けに冷媒システムを新たに使用することが可能になり、実質的に全ての冷媒システムの点検修理に新しいレベルの費用対効果がもたらされる。本明細書中、「ヒートポンプ」という用語は、熱を一カ所から別の場所へ「移動させる」、よって「ポンピングさせる」、任意の蒸気サイクル冷凍システムを示すものとして用いられる。これには、冷蔵庫及び冷凍機から、建物の冷暖房システム、全ての温水製造、産業熱プロセスまでの全てが含まれる。これらの「ヒートポンプ」は、常に、コンプレッサ、冷媒「乾燥機」、冷媒流量調整弁(例えば、TXV)、多様な配管及び点検修理ポート、ならびに低温熱交換器及び高温熱交換器を含んでおり、低温熱交換器及び高温熱交換器のいずれかまたは双方は、ヒートポンプのバランスの近くにあっても、またはヒートポンプのバランスから離れていてもよい。
このイノベーションの別の重要な態様は、カプセル型ヒートポンプモジュールである。「カプセル型」であってもなくても、本イノベーションによってライフサイクルコストが低下し、全体的な熱システムの信頼性が向上し、双方の熱システムによって動作可能時間が伸び、高温で交換可能なモジュールを用いたアプローチによってヒートポンプ技術者に必要なスキルレベルが緩和される。「カプセル型」を追加し、漏洩の無い冷凍に完璧に注意することにより、全く新しい適用の機会がヒートポンプにもたらされ、新たなレベルのプロセス効率と、気候行動(Climate Action)のための迅速なプロセス電化の促進支援と、の双方が提供される。これは、現在では化石燃料燃焼のみによって供されている多くのプロセス用のものを含む、高温プロセスの電化に特に当てはまる。このカプセル型ヒートポンプモジュール及び熱システムのアプローチの表明された目的は、全ての化石燃料の使用を少なくとも1100°F/550℃までの熱プロセスから排除することであって、我々は、このための候補となる冷媒物質を既に特定している。これらのヒートポンプモジュールは、用いられる具体的な用途に応じて多数の形態をとるが、コンプレッサ及び関連装置のコア冷凍要素を常に含む。熱交換器は、ヒートポンプモジュールに内蔵される場合もあれば、具体的な用途の要請に応じて離れている場合もあるであろう。
このイノベーションの別の重要な態様は、カプセル型ヒートポンプモジュールが、封入カプセル内のあらゆる冷媒漏れの自己回復を提供できることである。これは、軸シールなどの何らかの非硬質シールが存在し、微少漏洩して冷媒が密閉領域内に徐々に蓄積し得る場合に起こる。カプセル領域が大気フリーでまたは真空で維持されているならば、コンプレッサの低圧側と、その低圧側と冷媒配管が通常接続される部分の間と、の双方に選択的作動弁を追加すると、コンプレッサを短時間作動させて、漏洩した冷媒を収納装置から引き出して封入冷媒システム内へ圧送して戻し、収納装置内を少なくとも極めて低圧またはゼロ圧力に回復させることが可能になる。
熱システムのレベルにおいては、時には熱システム全体の効率を増加させる新規な様態で複数のヒートポンプモジュールが用いられるが、その場合、点検修理性が常に向上するため、停止時間は短くなる。このモジュール式のアプローチにより、これらのシステムは完全に拡大縮小が可能となり、あらゆる容量ニーズを満たすことができる。毒性の冷媒及び可燃性の冷媒の広範な使用を可能にするカプセル型ヒートポンプモジュールの使用により、熱システムにおいて利用可能な熱範囲がさらに有意に上昇する。このモジュール式のアプローチを熱システムに用いれば、システム内に存在するヒートポンプモジュールと同数の異なる冷媒を使用して、各ステップの熱効率を「微調整」することが可能になる。各冷媒においては、気相/液相間における圧力/温度関係が異なるため、各冷媒は、特定の比較的狭い熱範囲内において利用される場合に最も高効率となる。そのため、従来のものが単一の冷媒システムを採用して入力と出力との間に40度の差をもたらし得たところ、ヒートポンプモジュールを用いれば、これを4つの別個の「熱ステップ」に分解することが可能となり、これら4つの熱ステップそれぞれの効率を2倍に効率にすることができるため、システム全体の効率は2倍になる。そしてさらには、この「小さな熱ステップ」アプローチをヒートポンプの適用組み合わせて、産業プロセスを熱的にカプセル化するためのさらなる特別な努力をすることにより、既に「プロセス中にある」エネルギーをほとんど全て捕捉してリサイクルすることが可能になり、このエネルギーを、ヒートポンプコンプレッサのモーターに給電する電力からの熱を含むヒートポンプを介して若干増大させ、このエネルギーを、他のいかなるエネルギーも必要とすること無くプロセスに再適用できる。ヒートポンプシステムは、必要な熱利得が低い限り、極めて高効率に容易に設計できるため、熱プロセスが熱的に良好にカプセル化されている限り、このアプローチを用いても極めて高い効率で動作するであろう。本アプローチの目的は、この「エネルギーリサイクル」アプローチを介して、直接熱エネルギー適用に比して5:1の効率利得を少なくとも達成することであり、望ましくは7:1以上の効率利得を達成することである。
モジュール式であり、カプセル型であり、かつ独創的な産業「エネルギーリサイクル」の結果、従来は考えられなかった新たなレベルの熱プロセス電化が可能になるであろう。これは、気候行動に必要なイノベーションステップであるため、社会へもたらされるべきものとして重要である。
ここで図面を参照すると、図1は、大型ヒートポンプシステムを置き換えるために取り外し可能なヒートポンプモジュールを有意な量で採用した熱システム装置の一実施形態の図を示し、この例において、大型ヒートポンプシステムは典型的な建物熱エネルギーシステムであって、水ループでエネルギーを送達する。示されているのは、熱システム(100)であって、温水(104)及び冷水(106)、さらに本例においては超高温である過熱器水(108)用の建物管ループを備えた「バックプレーン」様の構造(102)を含む。ヒートポンプモジュール(110)は、それぞれ取り外し可能(112)であり、所望であれば、異なる冷媒が個々に充填され得る。バックプレーン構造(102)の半分には、電気ループ接続(120)及び流体ループ接続(122)が設けられ、取り外し可能なモジュールが、対向して噛み合う電気ループ構造(124、見えていない)及び流体ループ構造(126)を有する。ここに示されているのは、モジュール用の管及びバックプレーン中のコネクタであるが、反対の構成が別の可能な実施形態としてあり、より良好である可能性がある(すなわち、バックプレーンから突出する管と、ヒートポンプモジュール上の「コネクタ」とにより、ヒートポンプモジュールを拠点での点検修理のために輸送する際、輸送中の損傷の危険性が低下する)。同じアプローチが、含まれるヒートポンプモジュールの数に関係無く任意の熱システムに適用されて、他の方法では点検修理を行うことが極めて困難な一体型の地熱ヒートポンプ内のヒートポンプコア冷媒要素についてなど、少なくとも高温で交換可能な向上した点検修理性及び信頼性の恩恵が得られる。簡潔さのために示していないものとして、制御システム及び物理的取付構造があるが、これらは、ヒートポンプ及び他の冷媒システムに精通している者にとっては明白な要素である。また、「バックプレーン」要素とヒートポンプモジュールとの間には、任意のより少数のまたはより多数の接続を設けることが可能であり、どのような状況であってもサポートが可能である。このような追加の接続は、制御(電気コネクタ(120)に一体化されていない場合)、真空、緊急時の安全な領域への過圧ガス放出、クラッチ型機械駆動などのためのものであり得る。
図2は、外枠(202)を備えた取り外し可能なヒートポンプモジュール(200)の破断図を示し、本例では外枠(202)も気密収納装置であって冷媒漏洩全てを完全に封入するカプセル空間(204)が生成される。コンプレッサ(206)及び全ての冷媒配管、弁、乾燥機など(全て一般的な冷凍システム構成要素であり、簡潔さのため図示しない)は、完全に密閉空間(204)内に包含されて、全ての漏洩が封入される。この場合の熱交換は、内壁領域が密閉空間(204)に戻るように接続された(220)熱交換器(208)の1組の二重壁を介して行われて、あらゆる単一の壁の漏洩は熱交換器内であっても全て封入される。密閉空間内が真空に維持されれば、外側の単一の壁の漏洩も、真空損失によって検出できるであろう。同じことが、空気コイルを含む遠隔交換器及びホットプレートなど、これらの外壁が完全な封入のために密閉空間(204)に戻されていれば、ここには示していない他の種類の二重壁交換器にも当てはまる。また、示されているものとして、電気(230)及び密閉空間試験ポート(232)用の領域があるが、これらの空間は、点検修理を受けていないとき、外側収納装置によって二重シールされる。
図3は、一実施形態の取り外し可能なヒートポンプモジュール装置の模式図を示し、ここには、極めて高い安全性が必要な場所(304)において別のカプセル型(304)内で任意選択的にさらにカプセル化されてカプセル領域(322)を生成する、2つのカプセル型ヒートポンプモジュール(300,302)が示されているが、これらのカプセル領域(322)は、任意選択的に真空で維持され得、ヒートポンプモジュール内には、コンプレッサ(310)、冷媒チューブ(312)、冷媒調節弁(314)、及びデジタルコントローラ(326)を介して封入を確実にするための圧力センサー(320)が配されている。デジタルコントローラ(326)は、コアヒートポンプモジュール(300,302)のうち外部からアクセスが可能な部分に設けて、ヒートポンプモジュールの取り外しや内側カプセル領域(323)への侵入を必要とすること無く回路基板の点検修理及び交換を行えるようにしてもよい。この図において、外部熱インターフェースは、水ライン(318)と共に外側収納装置を通って突出している水熱交換器(316)への二重壁冷媒を介する。エネルギー吸収体(324)が、任意の過圧イベントが可能な冷媒を用いた場合よりもさらに高い安全性を提供するための1つの可能な方法として示されているが、前記吸収体は、例えば高圧力において圧壊する密閉ハニカム構造である。
図4は、集中機械動力を備える取り外し可能なヒートポンプモジュールを大量に採用した熱システム装置の別の実施形態を示しており、ここでカプセル型ヒートポンプモジュール(400)は、極めて高い安全性が必要な別のカプセル(404)内で任意選択的にさらにカプセル化されて、任意選択的に真空で維持され得るカプセル領域(422)を生成し、ヒートポンプモジュール内には、コンプレッサ(410)、冷媒チューブ(412)、冷媒調節弁(414)、及び封入を確認するための圧力センサー(420)が配される。この図において、コンプレッサは、2つ以上のヒートポンプモジュール用の三相モーター及び駆動軸(432)によって集中的に(430)動力供給され、個々の各モジュール用の動力は、ギヤボックス(434)、シャフト(436)及びクラッチ/連結装置(438)によって取り出される。この構成は、軸シールにおける微少な冷媒漏洩に繋がり得るため、二次真空領域(440)が維持され、駆動軸領域全体が真空で維持され(442)、コンプレッサの低圧側を短期間だけ収納装置領域のみに接続することが可能な冷媒回収弁(426)によって外側カプセル領域及び/または内側カプセル領域内からの自動冷媒回収が提供される。さらなるモジュール接続位置が、示されている(444)。エネルギー吸収体(424)が、さらなる安全性を提供する1つの可能な方法として示され、さらに任意の過圧イベントが可能な冷媒が用いられるが、前記吸収体は、例えば高圧力において圧壊する密閉ハニカム構造である。
図5は、乾燥と直接加熱を伴う産業熱プロセスを提供するために、取り外し可能なヒートポンプモジュールを大量に採用した熱システム装置の一実施形態の概要を示しており、ここでは、熱システム(500)全体が、正味のエネルギー損失(550)を有意に制限するように外側熱収納装置(502)内に封入される。この産業「プロセス」は、「オーブン」または他の収納装置(504)内で起こり、生成物が内部空間(506)を通過するが、ここで必要とされる熱気(508)は、多段階ヒートポンプモジュール熱システム(520)の最終段階(522)から供給される。多段階ヒートポンプモジュール熱システム(520)は、既に冷却及び除湿された先行の排気(534)及び大気(532)を取り込んで先行段階及び第1段階(530)から流れる増大する熱気流れを生成し、そのエネルギーが抽出されて、増大する熱気流れ(526)を介してプロセスへ返送される。ここに示すように、概してより高温であるモジュール(522)及び概してより低温であるモジュール(530)は、典型的には、最大効率の提供のために異なる冷媒を有するであろう。必要な場合、直接加熱プレート(512)が設けられ、高温冷媒ループによって駆動される。ヒートポンプモジュール(544)の駆動のための電力は、多段階ヒートポンプモジュール熱システム(520)へ供給される。システムの他方側においては、高温の湿り空気(552)がプロセス収納装置(504)から多段階ヒートポンプモジュール熱システム(520)内に取り込まれ、先ず最終段階(522)に取り込まれた後、後続段階に取り込まれて、さらに低温の空気流れ(554)が生成されるが、この空気流れ(554)は、最終的には凡そ大気として第1段階(530)を離れ(556)、部分的に排気されるか(558)、そうでなければプロセスへ返送され(534)再加熱され得る。ヒートポンプモジュール内の熱エネルギーの流れの概要が、各ヒートポンプモジュール内の冷却空気コイル(572)から加熱空気コイル(524)への小破線矢印(570)によって図示されている。
図6は、乾燥と直接加熱を伴う産業熱プロセスを提供するために、取り外し可能なヒートポンプモジュールを大量に採用した熱システム装置の一実施形態をより詳細に示しており、ここでは、熱システム(600)全体が、正味のエネルギー損失(650)を有意に制限するように外側熱収納装置(602)内に封入される。この産業「プロセス」は「オーブン」または他の収納装置(604)内起こり、生成物が内部空間(606)を通過するが、ここで必要とされる熱気(608)は、多段階ヒートポンプモジュール熱システム(620)の最終段階(622)から来てファン(616)によって提供される。熱気送達のための多段階ヒートポンプモジュール熱システム(620)は、空気交換器(624)への冷媒を有して、既に冷却及び除湿された先行の排気(634)及び大気(632)を第1段階(630)で取り込んで先行段階(628)から流れるより高温の空気流れ(626)を生成し、そのエネルギーが抽出されて、増大する熱気流れ(626)を介してプロセスに返送される。ここに示すように、概してより高温であるモジュール(640)及び概してより低温であるモジュール(642)は、典型的には、最大効率の提供のために異なる冷媒を有するであろう。必要な場合、直接加熱プレート(612)が設けられ、高温冷媒ループ(610)によって駆動される。ヒートポンプモジュール(644)の駆動のための電力は、多段階ヒートポンプモジュール熱システム(620)へ供給され、凝結物が抽出され(680)、必要ならばシステム(682)から排出される。システムの他方側においては、高温の湿り空気(652)が排気ファン(614)によってプロセス収納装置(604)から多段階ヒートポンプモジュール熱システム(620)内に取り込まれ、先ず最終段階(622)へ取り込まれた後、後続段階に取り込まれて、さらに低温の空気流れ(654)が生成されるが、この空気流れ(654)は、最終的には凡そ大気として第1段階(630)を離れ(656)、部分的に排気されるか(658)、そうでなければプロセスへ返送され(634)再加熱され得る。冷却プロセスにおいて、凝結物が発生する(680)。エネルギーをできるだけ多く捕捉するために、ファンコイル(662)などのエネルギー回収システムを介してエネルギーが外側熱収納装置(602)から回収され(660)、このエネルギーが第1段階のヒートポンプモジュール(630)へ返送される(664)。ヒートポンプモジュール内の熱エネルギーの流れの概要が、この例では各ヒートポンプモジュール(670)の冷却空気コイル(672)から加熱空気コイル(624)への小破線によって図示されている。第1段階において、エネルギーは、ファンコイル(662)からも追加される。
図7は、取り外し可能なヒートポンプモジュールを採用した多段階熱システム装置の4つの例の湿度線図のワークアップを示しており、ここでは、湿度線図(700)を用いて、高温乾燥プロセス(702)、パルプ(704)用などの中温乾燥プロセス、実験室排気エネルギー回収(706)用などの低温乾燥プロセス、及び1つの可能な調理エネルギー回収(708)の概要が示され、各ワークアップは、折れ線の矢印により、用いられる個々のヒートポンプモジュール(712)毎の熱または湿度の変化(710)を示している。特定のプロセスにより多数の段階が用いられる可能性は十分にあるが、この決定は設備コスト及び運用コストに基づく経済的なトレードオフであって、熱方向(x軸720)及び湿度方向(722)におけるステップが小さいほど、費用対効果は良くなる。
図8は、特定の同定済冷媒の約550°F/240℃までの温度圧力曲線を示すグラフであって、グラフ(800)は、圧力(PSI)(802)を示す縦軸と温度(804)を示す横軸を有し、水の氷点から約350psiにおける水銀の沸点までの任意の温度を達成するために段階的に(806)用いることが可能な代表的サンプルである以下の選択された冷媒蒸気点曲線の集合を示している:CO2(810)、エタン(812)ジフルオロエタン(814)、アンモニア(816)、プロパン(818)、ジクロロジフルオロエタン(820)、ブタン(822)、クロロフルオロメタン(824)、メチルブタン/イソペンタン(826)、アセトン(828)、エタノール(830)、イソプロピルアルコール(832)、水(834)、及び四塩化炭素(836)。
図9は、特定の同定済冷媒の約1100°F/550℃までの温度圧力曲線を示すグラフであって、グラフ(900)は、圧力(PSI)(902)を示す縦軸と温度(904)を示す横軸を有し、水の氷点から約350psiにおける水銀の沸点までの任意の温度を達成するために段階的に(906)用いることが可能な代表的サンプルである以下の選択された冷媒蒸気点曲線の集合を示している:CO2(910)、エタン(912)ジフルオロエタン(914)、アンモニア(916)、プロパン(918)、ジクロロジフルオロエタン(920)、ブタン(922)、クロロフルオロメタン(924)、メチルブタン/イソペンタン(926)、アセトン(928)、エタン(930)、イソプロピルアルコール(932)、水(934)、ベンゼン(936)、四塩化炭素(938)、ヘプタン(940)、プロピルベンゼン(942)、エチレングリコール(944)、ニトロベンゼン(946)、ビフェニル(948)、ジフェニルエーテル(950)及び水銀(952)。
図10は、除湿及び温水加熱の極めて効率的なの組み合わせのために適用したモジュール式のカプセル型ヒートポンプモジュールの一実施形態の図であり、ここでは、モジュール式のカプセル型ヒートポンプモジュール(1000)は、水ライン入力(1014)と温水ライン出力(1016)を備えた温水タンク(1012)に管またはホース(1008,1010)を介して接続されているが、前記接続は、弁付接続(1026,1024)を介して行われており、簡易な改造キットは、弁と、冷水入口ライン(1014)及びタンクドレン(1026)へのティー接続(1020)及び継手(1022)と、を含み、モジュール式のカプセル型ヒートポンプモジュール(1000)は、除湿及びノイズについて最良の位置に配置可能となるようにタンク(1012)から離れて(1028)いてもよく、水流れ(1018)がオフにされた後に接続が行われる。除湿のための空気流れの進入(1004)及び退出(1002)の双方が表され、床から(1004)ではなく室上部から(1032)の温かい空気の進入を可能にする代替的で単純な鉛直ダクトが示され、さらに除湿が不要である場合の別の熱源として、管(1036)を介してカプセル型ヒートポンプモジュール(1000)に接続された管コイル(1038)を封入したドラフトコラム(1034)が示されている。管(1036)は、ループに水を用いる(一構成)場合には遠隔ドラフトコラムの据え付けを容易にするために単純な断熱pex配管としてもよいし、あるいは、ドラフトコラムが冷媒ループの代わりである場合には標準的な小型の銅冷媒チューブとしてもよい。
図11は、典型的な冷媒回収ポンプを封入した冷媒漏洩ゼロの点検修理ツール(1100)の説明図であり、ポンプ流れの方向がポンプ(1102)内部の矢印によって示され、ポンプ(1102)は、点検修理対象である冷媒システム(1104)及び必要な場合には冷媒回収タンク(1130)に、ホース(1106)を介して接続されるが、ホース(1106)は、ここでもバルブとして描かれた手動シュレーダー弁アクチュエータとともに示されている単数または複数のポート(1108)及び単数または複数の回収タンクポートにおいて、点検修理対象であるシステムに接続され、同ホース(1106)が、入力冷媒接続ポート(1110)及び出力冷媒接続ポート(1112)において冷媒漏洩ゼロの点検修理ツール(1100)に接続される。ここには、ホースの接続解除前にホース中に残留する冷媒全てを捕獲するために冷媒保持タンク(1114)が含まれ、例えば以下のような多様な配管が含まれる:保持タンク(1114)を回収ポンプ(1102)の入力または出力へ交互に接続するための新規管(1116)、新規出力-入力接続ポート交差管(1118)、冷媒保存タンク(1114)を冷媒回収ポンプの入力または出力へ交互に接続可能かつこれらのホースを回収ポンプ入力のみかまたは回収ポンプの入力及び出力双方に交互に接続可能な1組の弁(1120,1122,1124,1126、ここでは弁1120を3方弁として示している)、「P」とラベル付けされた1組の圧力センサー(1128)ならびに自動制御及び所望の場合に報告を行うためのユーザ入力及び出力(1140)を備えたコンピュータ化されたコントローラ。あらゆる冷媒設備点検修理を行う際に、冷媒漏洩ゼロのために同じ設備及び技術を用いることができ、点検修理対象のシステムに(典型的には、図示しないゲージセットを介して)入力ポート(1110)が接続されるときには、出力ポート(1112)に単純に蓋をした後、内部冷媒保持タンク(1114)内に貯蔵することによってホース(1106)から全ての冷媒を除去するために同じ回収後プロセスが行われる。カプセル型ヒートポンプモジュールは、冷媒漏洩ゼロのためのものであるが、冷媒漏洩ゼロの点検修理ツール無しには、一定の冷媒漏洩が必ず発生する。これは、ヒートポンプの点検修理を漏洩ゼロで行うための不可欠な付随ツールであって、ヒートポンプに高温の可燃性冷媒が充填される際には極めて重要なものである。
Claims (22)
- (新規)熱システム内の取り外し可能なヒートポンプモジュールである装置であって、前記装置は、
ヒートポンプ要素と、
接続セットと、
封入構造と、
を備え、
前記熱システムは、熱極性に関係無く熱エネルギーを送達する任意のシステムであり、
前記ヒートポンプ要素は、コンプレッサと、必要な場合に逆転弁と、冷媒乾燥機と、関連付けられた冷媒チューブと、1組の熱センサーと、コンピュータ化されたコントローラと、点検修理のための1組の冷媒試験ポートと、を少なくとも含み、
前記接続セットは、給電接続及び制御接続を含み、a)熱的に影響を受けた空気流れ、b)熱伝達流体の流れ、c)冷媒流れ、及びd)直接的な熱エネルギー流れ、のうち少なくとも1つを含み、
前記接続セットは、a)モーター及び冷媒油冷却流体の流れと、b)過熱低減器流体の流れと、c)真空流れと、e)機械駆動インターフェースと、f)安全性通気流れと、を含み得、
前記封入構造は、前記ヒートポンプモジュールの要素及び前記接続セットの要素全てを支持し、前記熱システムに対する前記ヒートポンプモジュールの取り外し及び取り付けを可能にする、
装置。 - (新規)前記ヒートポンプモジュールは、
加熱モード、
冷却モード、及び
取り付けが必要な前記逆転弁を制御する前記コンピュータ化されたコントローラによって選択された現在のモードと共に用いられる加熱及び冷却モード、
のうち少なくとも1つを提供する、
請求項1に記載の装置。 - (新規)前記熱システムの残り部分が動作し続けている間に、前記ヒートポンプモジュールを前記熱システムから隔離して取り外すことができる、請求項1に記載の装置。
- (新規)前記接続セットは、前記給電接続及び制御接続用のプラグと、前記空気流れのための少なくとも1つのダクト付き領域と、1対の管コネクタであって、それぞれが、a)前記熱伝達流体の流れ、b)前記冷媒流れ、c)前記モーター及び冷媒油冷却流体の流れ、ならびにd)前記過熱低減器流体の流れに用いられる、1対の管コネクタと、用いられる場合の前記直接的な熱エネルギー流れ用の少なくとも1つの金属プレートと、を含む、請求項1に記載の装置。
- (新規)前記管コネクタは、前記熱システム内に存在する整合する管接続要素と噛み合うことが可能である、請求項4に記載の装置。
- (新規)前記管コネクタは、前記モジュールが動作的に前記熱システムと一体化されていないときに冷媒及び流体全てを密閉することが可能な弁を含む、請求項3に記載の装置。
- (新規)前記接続セットは、安全通気管コネクタをさらに含み、前記安全通気管コネクタは、屋外などへの安全な領域への緊急時の過圧ガス放出のために漏気栓を備える、請求項1に記載の装置。
- (新規)前記接続セットは、前記コンプレッサのための推進力を提供することが可能なクラッチ型機械駆動連結を含む、請求項1に記載の装置。
- (新規)前記封入構造は、冷媒漏洩の封入が可能な気密の密閉領域を前記ヒートポンプ要素の周囲に生成する気密収納装置を含む、請求項1に記載の装置。
- (新規)前記気密の密閉領域は、コラプス型フィラー要素を含み、前記コラプス型フィラー要素は、超高圧を吸収することで、冷媒漏洩時及びこの漏洩による任意の過圧発生時における前記気密収納装置の完全性を維持する、請求項9に記載の装置。
- (新規)前記接続セットは、前記気密収納装置の内側の前記気密の密閉領域を保護するために必要な場合に真空環境を維持する真空流れ管コネクタをさらに含む、請求項9に記載の装置。
- (新規)二重壁冷媒コイルは、任意の冷媒漏洩を完全に封入するために前記気密の密閉領域に接続された内壁領域を備える、請求項9に記載の装置。
- (新規)任意の外部冷媒流れのための管コネクタは、内壁領域を備えた二重壁管コネクタ及び二重壁配管を含み、前記内壁領域は、前記気密収納装置の外部であっても単一の壁冷媒漏洩を全て完全に封入するために、前記取り外し可能なヒートポンプモジュールの気密の密閉領域に接続される、請求項9に記載の装置。
- (新規)複数の取り外し可能なヒートポンプモジュールを用いた熱システムである装置であって、前記装置は、
前記ヒートポンプモジュールそれぞれのための接続セットと、
コンピュータ化されたコントローラと、
を備え、
前記熱システムは、熱極性に関係無く熱エネルギーを送達する任意のシステムであり、
前記熱システムにより、高速かつ複雑ではない点検修理のために、システム全体のシャットダウン無く任意のヒートポンプモジュールを取り外すことが可能にされ、
前記接続セットは、給電接続及び制御接続を含み、熱的に影響を受けた空気流れ、熱伝達流体の流れ、冷媒流れ、及び直接的な熱エネルギー流れ、のうち少なくとも1つを含み、前記接続セットは、モーター及び冷媒油冷却流体の流れ、過熱低減器流体の流れ、真空流れ、クラッチ型機械駆動連結、及び安全性通気流れ、を任意選択的に含み得、
前記ヒートポンプモジュールはそれぞれ、コンプレッサ、必要な場合の逆転弁、冷媒乾燥機、関連付けられた冷媒チューブ、1組の熱センサー、コンピュータ化されたコントローラ、点検修理のための1組の冷媒試験ポート、及び前記接続セットに整合する熱システム接続への1組のヒートポンプモジュール、を少なくとも含み、
前記コンピュータ化されたコントローラは、熱システム動作を全体的に制御し、前記熱システムが動作し続けている間における前記ヒートポンプモジュールのうちいずれか1つの取り外し及び取り付けも可能にする、
装置。 - (新規)前記接続セットは、前記給電接続及び制御接続のためのコネクタと、前記熱伝達流体の流れ、前記冷媒流れ、前記モーター及び冷媒油冷却流体の流れ、ならびに前記過熱低減器流体の流れにそれぞれ用いられる1対の弁付き管と、前記真空流れ及び安全性通気流れにそれぞれ用いられる弁付きの単一の管と、用いられる場合の前記直接的な熱エネルギー流れのための少なくとも1つの金属プレートと、を含む、請求項14に記載の装置。
- (新規)前記管コネクタは、前記ヒートポンプモジュール内に存在する整合する管接続要素と漏洩無く噛み合うことが可能である、請求項14に記載の装置。
- (新規)前記冷媒流れのための前記1対の弁付き管は、これらの管からの冷媒回収及びこれらの管の真空引きを促進して、適切な接続解除及び再接続を可能にするための追加の弁を含む、請求項14に記載の装置。
- (新規)前記接続セットが、前記ヒートポンプモジュールの内側の前記コンプレッサのために推進力を提供するクラッチ型機械駆動連結を含み、これらのヒートポンプモジュールがカプセル型であって自身のカプセル型内部空間内に真空を含む場合、前記機械駆動連結位置において密閉型真空収納装置も提供されることにより、任意の機械的連結軸シールの外部において真空を信頼性良く維持することが可能になる、請求項14に記載の装置。
- (新規)前記取り外し可能なヒートポンプモジュールを用いた熱システムが、空気の流入及び流出を伴う多段階二重ダクトの産業用乾燥及び調理システムである場合、最大効率のために各段階においてエネルギーが退出する空気流れから回収され、入来する空気流れへ挿入される、請求項14に記載の装置。
- (新規)冷媒漏洩が全く無い、漏洩ゼロの冷媒システムの点検修理のための装置であって、前記装置は、
入力冷媒接続ポートと、
出力冷媒接続ポートと、
冷媒回収ポンプと、
冷媒保持タンクと、
1組の弁と、
手動のシュレーダー弁アクチュエータを備えた1組のホースと、
を備え、
前記入力冷媒接続ポート及び出力冷媒接続ポートならびに前記冷媒回収ポンプは、典型的には蒸気サイクル冷凍システムからの冷媒の真空引きのために用いられるものであるが、ここでは前記ホースを除く残りの要素と共に埋設され、
回収時、前記1組の弁は、前記回収ポンプの出力を前記出力冷媒接続ポートに接続し、前記回収ポンプの入力を前記入力冷媒接続ポート及び前記冷媒保持タンクの双方に接続し、前記ホースは、点検修理を受けている冷媒システムに接続され、前記ホース上の手動のシュレーダー弁アクチュエータは、開口モードに配置され、前記回収ポンプは作動され、
回収後、前記ホース上の前記手動のシュレーダー弁アクチュエータは閉鎖され、前記1組の弁は、前記出力冷媒接続ポートを隔離させ、その後、前記回収ポンプの出力を前記冷媒保持タンクに接続しかつ前記回収ポンプの入力を前記出力冷媒接続ポート及び前記入力冷媒接続ポートの双方に接続し、圧力センサーを監視しながら前記回収ポンプが作動されることで全ラインの真空状態が確保され、前記1組の弁は、前記冷媒保持タンクを隔離させ、前記ホースは、点検修理を受けている前記冷媒システムから接続解除される、
装置。 - (新規)前記漏洩ゼロの冷媒システムの点検修理装置が、請求項20の「回収後」の節と同じステップの後に前記入力冷媒接続ポートのみを任意のポイントにおいて通常のゲージセットに接続することにより、冷媒ラインの真空状態を確保するだけのために冷媒回収無しに用いられる場合の、請求項20に記載の装置。
- (新規)前記漏洩ゼロの冷媒システム点検修理装置は、
ユーザ入力及びユーザ出力を備えたコンピュータ化されたコントローラと、
1組のデジタル圧力センサーと、
モーターコントローラと、
1組の電動弁アクチュエータと、
を含み、
双方の前記回収ポンプは、前記コンピュータ化されたコントローラによって前記モーターコントローラを介して制御され、
前記1組の弁は、前記コンピュータ化されたコントローラによって前記1組の電動弁アクチュエータを介して制御され、
前記デジタル圧力センサーは、冷媒配管の各隔離可能領域に接続され、
前記コントローラは、前記1組のデジタル圧力センサーを監視し、
前記コントローラは、適切な圧力状況が存在しかつユーザが前記ユーザ入力を介して前記回収ポンプとの係合を要求した場合にのみ、そのような動作を行い、
前記コントローラは、現在の状態を前記ユーザへ前記ユーザ出力を介して報告する、
請求項20に記載の装置。
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