JP2023542220A - 標識部分を有するホスファチジルアルカノール同族体 - Google Patents

標識部分を有するホスファチジルアルカノール同族体 Download PDF

Info

Publication number
JP2023542220A
JP2023542220A JP2023518438A JP2023518438A JP2023542220A JP 2023542220 A JP2023542220 A JP 2023542220A JP 2023518438 A JP2023518438 A JP 2023518438A JP 2023518438 A JP2023518438 A JP 2023518438A JP 2023542220 A JP2023542220 A JP 2023542220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycerol
alkanol
peth
labeled
phosphatidyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023518438A
Other languages
English (en)
Inventor
リウ フイリン
ゴロヴォイ アレクセイ
バトン ジェニファー
エイギル ヨハンセン ヨン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiron AS
Original Assignee
Chiron AS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiron AS filed Critical Chiron AS
Publication of JP2023542220A publication Critical patent/JP2023542220A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • C07F9/10Phosphatides, e.g. lecithin
    • C07F9/106Adducts, complexes, salts of phosphatides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B59/00Introduction of isotopes of elements into organic compounds ; Labelled organic compounds per se
    • C07B59/004Acyclic, carbocyclic or heterocyclic compounds containing elements other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen, sulfur, selenium or tellurium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/141Esters of phosphorous acids
    • C07F9/1411Esters of phosphorous acids with hydroxyalkyl compounds with further substituents on alkyl
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/531Production of immunochemical test materials
    • G01N33/532Production of labelled immunochemicals
    • G01N33/534Production of labelled immunochemicals with radioactive label
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/92Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving lipids, e.g. cholesterol, lipoproteins, or their receptors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/05Isotopically modified compounds, e.g. labelled
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2405/00Assays, e.g. immunoassays or enzyme assays, involving lipids
    • G01N2405/04Phospholipids, i.e. phosphoglycerides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

同位体標識された部分を有するホスファチジルアルカノール同族体、同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の製造方法、および同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の使用。

Description

本発明は同位体標識されたグリセロール部分を有するホスファチジルアルカノール同族体、それらの製造方法およびそれらの使用に関する。
この発明は、この要約内に開示される実施態様、または引き続く説明に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって定義されるような本発明の主旨および範囲内の変更を包含することが意図されていることが理解されるべきである。
本願においては、特許請求の範囲を含み、実施例または他に示される場合以外は、量または特徴を表す全ての数字は、いかなる場合も「約」との用語によって修正されると理解されるべきである。従って、反対のことが示されない限り、以下の説明に示される全ての数値パラメータは、本開示による組成物および方法において得ようとされる所望の特性に応じて変化し得る。少なくとも、且つ均等論の適用を特許請求の範囲に限定する試みとしてではなく、本明細書内に記載される各々の数値パラメータは少なくとも、報告された有効数字の数に照らして、且つ通常の丸め方式を適用して解釈されるべきである。
本願内で示されるあらゆる数値範囲は、そこに組み込まれる全ての下位範囲を含む(および含んでいる)ことが意図されていることも理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲は、示される最小値である1と、示される最大値である10との間の全ての下位範囲を含む、つまり、1以上の最小値および10以下の最大値を有することが意図されている。他に示されない限り、本願内で使用される「1つの」、または単数形は、「少なくとも1つ」または「1つ以上」を含むことが意図されている。
参照をもって本願内に含まれると述べられている特許、刊行物または他の開示内容は、全文または部分的に、含まれる内容がこの開示内で示される既存の定義、記述または他の開示の内容と矛盾しない範囲でのみ本願内に含まれる。そのように、且つ必要な範囲で、本願内に示される開示は、参照によって本願内に含まれるあらゆる矛盾する内容に優先する。参照をもって本願内に含まれると述べられているが、本願内で示される既存の定義、記述または他の開示内容とは矛盾するあらゆる内容、またはその一部は、含まれる内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でのみ含まれる。
先行技術:
ホスファチジルエタノール(PEth)はリン脂質同族体の群である。PEthの構造は、sn-1およびsn-2位に2つの脂肪酸鎖を有し、且つ頭部基としてのホスホエタノールを有するグリセロール分子からなる。典型的には、前記脂肪酸は0~6つの二重結合を有する14~22個の炭素原子を有する。種々のPEth同族体が、グリセロール部分に結合した脂肪酸鎖に従って、基本的に脂肪酸の種類を追加することによって(二重結合の正確な位置および構成の有無にかかわらず脂質番号の表示で)命名され、例えばPEth-16:0/18:1はsn-1位に飽和C16脂肪酸鎖およびsn-2位に一価不飽和C18脂肪酸鎖を有するホスファチジルエタノール(1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-リン酸エタノール)である一方で、PEth-16:0/18:2はsn-1位に飽和C16脂肪酸鎖およびsn-2位に二価不飽和C18脂肪酸鎖を有するホスファチジルエタノールである。
ホスファチジルアルカノールは、頭部基のアルコール残基が特定されていないが、エタノールであってもよいPEthの同族体である。
ホスファチジルエタノールは、体内のエタノールの存在下で形成されるアルコールバイオマーカーであるので、この化合物をできるだけ正確に定量的且つ定性的に同定できる分析方法が利用可能であることに非常に興味が持たれている。
このために、頭部基のアルコールが重水素化されたそれらの同族体、例えば頭部基のエタノール中の5つの水素原子が重水素原子によって置換されたPEth-d5を提供して、分析における標準としてそれらを使用することが提案されている。そのような先行技術の一例は国際公開第2014/178787号(WO2014/178787 A1)である。分析に課される要求がますます高まっているため、依然として新規のホスファチジルアルカノール同族体についての要求がある。
国際公開第2014/178787号
本発明の課題は、既に知られているものに対して改善された特性を有する新規のホスファチジルアルカノール同族体を提供することであった。
本発明のさらなる課題は、ホスファチジルアルカノール同族体を製造するための新規の方法を提供することであった。
さらに、本発明の課題は、前記新規のホスファチジルアルカノール同族体、および本発明の方法で製造されたものの使用を提供することであった。
さらなる課題は、以下の開示に関して当業者には明らかになる。
それらの課題および他の課題は、添付の独立請求項において概説される内容によって解決される。
好ましい態様は従属請求項並びに以下の説明において概説される。
詳細な説明
本発明は、同位体標識されたグリセロール部分を有し、前記グリセロール部分が重水素化されているか、その炭素原子が13C同位体で置換されているか、またはその両方である、ホスファチジルアルカノール同族体に関する。
本発明において、部分との用語が使用される場合、一般に「大きな分子の識別される部分」を意味すると理解される。従って当業者は、それぞれの文脈でこの用語が何を示しているのかを容易に理解する。
前記化合物中のアルカノールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびヘプタノールからなる群から特に選択される。本発明の特に好ましい化合物はアルカノール残基としてエタノールを有する。従って、本発明の特に好ましい化合物は、ホスファチジルエタノール(PEth)同族体である。
本発明のホスファチジルアルカノール同族体はグリセロール部分を有し、
a) 前記グリセロール部分の1、2、3、4または5個の水素原子、特に5個の水素原子が重水素で置換されている、または
b) 前記グリセロール部分の1、2または3、特に3個の炭素原子が13C同位体によって置換されている、または
c) 前記グリセロール部分の1、2、3、4または5個の水素原子、特に5個の水素原子が重水素で置換されており、且つ前記グリセロール部分の1、2または3、好ましくは3個の炭素原子が13C同位体によって置換されている、
またはさらなる選択肢において、
d) 脂肪酸側鎖、特にパルミチン酸側鎖の1つ以上の水素原子が重水素で置換されており、特に31個の水素原子が重水素で置換されている、または
e) 脂肪酸側鎖、特にパルミチン酸側鎖の1~18個の炭素原子が13C同位体によって置換されており、特にパルミチン酸側鎖の4~16個の炭素原子が13C同位体によって置換されている、
またはさらなる選択肢において、
f) 上述の標識付けの任意の組み合わせ
である。
本発明のさらなる態様は、特に上記で概説されたような、標識されたホスファチジルアルカノール同族体の3つの内部標準の混合物、および多点内部較正法(MCIM)のための標準としてのそれらの使用である。
本発明において、ホスファチジルアルカノール同族体は通常通り、通常の名称の後に特定の種類の同位体標識を括弧内に追加して命名される。例えばPEth-16:0/18:1の後に追加される例えば「-d5(グリセロール-d5)」は、グリセロール部分において5つ全ての水素原子が重水素で置換されていることを意味し、同様に、例えばPEth-16:0/18:1の後に追加される「-133(グリセロール-133)」は、グリセロール部分の3つ全ての炭素原子が13C同位体で置換されていることを意味する。
特に、本発明は以下の2つの一般式
Figure 2023542220000001
のホスファチジルアルカノール同族体、およびさらなる変形形態においては以下の4つの式
Figure 2023542220000002
のホスファチジルアルカノール同族体にも関し、前記式中、
Dは重水素であり、星印は13C原子を示し、且つR1およびR2は互いに独立してC14~C22飽和アルキル鎖、または7つまでの二重結合を有するC14~C22不飽和アルキル鎖を有するアシル残基である。R1とR2とは同一であっても異なっていてもよい。
好ましくは、R1はC14~C22飽和アルキル鎖、好ましくはC12~C18飽和アルキル鎖、より好ましくはC15~C18飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を有するアシル残基からなる群から選択される。
1を得るための1つの特に好ましい飽和酸はパルミチン酸(脂質番号16:0)である。R1を得るための他の特に好ましい飽和酸はステアリン酸(脂質番号18:0)である。
好ましくは、R2は一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、好ましくはC14~C22一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、より好ましくはC16~C20一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、さらにより好ましくは一価および二価不飽和鎖を有するアシル残基からなる群から選択され、特に好ましくはC18:1またはC18:2である。
2を得るための1つの特に好ましい不飽和酸はオレイン酸(脂質番号18:0 cis-9)である。R2を得るための他の特に好ましい不飽和酸はリノール酸(脂質番号18:2、cis-9、cis-12)である。
本発明の他の実施態様において、
1は一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、好ましくはC14~C22一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、より好ましくはC16~C20一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、さらにより好ましくは一価および二価不飽和鎖を有するアシル残基からなる群から選択され、特に好ましくはC18:1またはC18:2であり、且つ
2はC14~C22飽和アルキル鎖、好ましくはC12~C18飽和アルキル鎖、より好ましくはC15~C17飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を有するアシル残基からなる群から選択され、特に好ましい飽和または不飽和脂肪酸は上記で挙げられたものである。
本発明のさらに他の実施態様において、R1とR2との両方が、C14~C22飽和アルキル鎖、好ましくはC12~C18飽和アルキル鎖、より好ましくはC15~C18飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を有するアシル残基からなる群から選択され、またはR1とR2との両方が、一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、好ましくはC14~C22一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、より好ましくはC16~C20一価、二価、三価、四価、五価、六価および七価不飽和鎖、さらにより好ましくは一価および二価不飽和鎖を有するアシル残基からなる群から選択され、特に好ましくはC18:1またはC18:2であり、特に好ましい飽和または不飽和脂肪酸は上記で挙げられたものである。
さらに、本発明のいくつかの実施態様によれば、脂肪酸残基R1/R2の組み合わせは、以下の組み合わせからなる群から選択される:
14:0/16:0、14:0/18:1、14:0/18:2、14:0/20:4、16:0/16:0、16:0/16:1、16:0/17:1、16:0/18:0、16:0/18:1、16:0/18:2、16:0/18:3、16:0/20:2、16:0/20:3、16:0/20:4、16:0/20:5、16:0/22:4、16:0/22:5、16:0/22:6、16:1/14:0、16:1/16:1、16:1/18:0、16:1/18:0、16:1/18:1、16:1/18:2、16:1/20:4、17:0/18:1、17:0/18:2、18:0/18:1、18:0/18:2、18:0/20:3、18:0/20:4、18:0/20:5、18:0/22:4、18:0/22:5、18:0/22:6、18:1/18:1、18:1/18:2、18:1/20:1、18:1/20:2、18:1/20:3、18:1/20:4、18:1/22:4、18:1/22:5、18:1/22:6、18:2/18:2、18:2/20:1、18:2/20:4、20:1/20:4、20:2/20:4。
本願内に開示されるいくつかの好ましい重水素化された(グリセロール-d5)および13C標識された(グリセロール-133)PEth同族体の一般的な構造は、
Figure 2023542220000003
のものであり、さらなる変形形態においては以下の2つの式
Figure 2023542220000004
のものでもあり、前記式中、R1およびR2は上記と同じ意味を有し、種々の数の炭素および種々の数の二重結合を有する脂肪酸鎖であり、且つMはH、NH4、Na、K、N(CH33 +であり、且つ星印(*)は13C原子を表す。
さらに、本発明のいくつかの実施態様においては、Mとして他のカチオンを使用することができる。
本発明の1つの好ましい変形形態において、R1は1つの飽和アルキル鎖を有するアシル残基であり、且つR2は1つの不飽和アルキル鎖を有するアシル残基である。
前記化合物中のアルカノールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびヘプタノールからなる群から特に選択される。本発明の特に好ましい化合物はアルカノール残基としてエタノールを有する。
本発明の好ましい実施態様において、
・ グリセロール部分における全ての水素原子が重水素原子で置換されているか、または
・ グリセロール部分における3つ全ての炭素原子が13C同位体で置換されているか、または
・ グリセロール部分における全ての水素原子が重水素原子で置換されており且つグリセロール部分における3つ全ての炭素原子が13C同位体で置換されている。
グリセロール部分における全ての水素原子が重水素原子で置換されているか、またはグリセロール部分における3つ全ての炭素原子が13C同位体で置換されているかのいずれかが特に好ましい。
本発明による最も好ましい化合物は、
化合物I-PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5):
Figure 2023542220000005
または
化合物II-PEth-16:0/18:1-133(グリセロール-133):
Figure 2023542220000006
または
化合物III-PEth-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5):
Figure 2023542220000007
または
化合物IV-PEth-16:0/18:2-133(グリセロール-133):
Figure 2023542220000008
であるか、またはなおもさらなる態様において、
化合物V-PEth-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134):
Figure 2023542220000009
化合物VI-PEth-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134):
Figure 2023542220000010
化合物VII-PEth-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316):
Figure 2023542220000011
化合物VIII-PEth-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316):
Figure 2023542220000012
化合物IX-PEth-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31):
Figure 2023542220000013
化合物X-PEth-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31):
Figure 2023542220000014
である。
最初の4つの化合物I~IVはカチオンとしてのアンモニアを用いて図示されている一方で、本発明の他の好ましい化合物は同じ構造を有するがカチオンとして水素、Na+、K+、N(CH33 +を有するものである。同様に、それらの対イオンは化合物V~Xのために用いることもできる。
本発明の4つの特に好ましい化合物I~IVは特に良好な特性を示す。
従って、以下の化合物が本発明による好ましい化合物であり、最初の4つが特に好ましい:
・ PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)
・ PEth-16:0/18:1-133(グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5)
・ PEth-16:0/18:2-133(グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:1-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:1-d5-d5-133(エタノール-d5-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:1-d5-133(エタノール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:1-d5-d5(エタノール-d5-グリセロール-d5)
・ PEth-16:0/18:2-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:2-d5-d5-133(エタノール-d5-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:2-d5-133(エタノール-d5-グリセロール-133
・ PEth-16:0/18:2-d5-d5(エタノール-d5-グリセロール-d5)
・ PEth-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PEth-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PEth-16:0/18:1-132(エタノール-132
・ PEth-16:0/18:2-132(エタノール-132
・ PEth-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:1-132134(エタノール-132-脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:2-132134(エタノール-132-脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:1-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:2-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PEth-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316
・ PEth-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316)。
さらに、いくつかの実施態様において、本発明による以下の化合物が好ましい:
・ PMeth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)
・ PMeth-16:0/18:1-133(グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5)
・ PMeth-16:0/18:2-133(グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:1-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:1-d3-d5-133(メタノール-d3-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:1-d3-133(メタノール-d3-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:1-d3-d5(メタノール-d3-グリセロール-d5)
・ PMeth-16:0/18:2-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:2-d3-d5-133(メタノール-d3-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:2-d3-133(メタノール-d3-グリセロール-133
・ PMeth-16:0/18:2-d3-d5(メタノール-d3-グリセロール-d5)
・ PMeth-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PMeth-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PMeth-16:0/18:1-131(メタノール-131
・ PMeth-16:0/18:2-131(メタノール-131
・ PMeth-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:1-131134(メタノール-131-脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:2-131134(メタノール-131-脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:1-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:2-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PMeth-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316
・ PMeth-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316
ここで、「Meth」はホスファチジルアルカノール同族体においてメタノールがエタノールを置き換えていることを表す。
・ PnPr-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)
・ PnPr-16:0/18:1-133(グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5)
・ PnPr-16:0/18:2-133(グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:1-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:1-d7-d5-133(n-プロパノール-d7-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:1-d7-133(n-プロパノール-d7-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:1-d7-d5(n-プロパノール-d7-グリセロール-d5)
・ PnPr-16:0/18:2-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:2-d7-d5-133(n-プロパノール-d7-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:2-d7-133(n-プロパノール-d7-グリセロール-133
・ PnPr-16:0/18:2-d7-d5(n-プロパノール-d7-グリセロール-d5)
・ PnPr-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PnPr-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PnPr-16:0/18:1-133(n-プロパノール-133
・ PnPr-16:0/18:2-133(n-プロパノール-133
・ PnPr-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:1-133134(n-プロパノール-133-脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:2-133134(n-プロパノール-132-脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:1-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:2-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PnPr-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316
・ PnPr-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316
ここで、「nPr」はホスファチジルアルカノール同族体においてn-プロパノールがエタノールを置き換えていることを表す。
・ PiPr-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)
・ PiPr-16:0/18: 1-133(グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5)
・ PiPr-16:0/18:2-133(グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:1-d5-133(グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:1-d7-d5-133(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:1-d7-133(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:1-d7-d5(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-d5)
・ PiPr-16:0/18:2-d7-133(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:2-d7-d5-133(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-d5-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:2-d7-133(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-133
・ PiPr-16:0/18:2-d7-d5(イソ-プロパノール-d7-グリセロール-d5)
・ PiPr-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PiPr-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31)
・ PiPr-16:0/18:1-133(イソ-プロパノール-133
・ PiPr-16:0/18:2-133(イソ-プロパノール-133
・ PiPr-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:1-133134(イソ-プロパノール-133-脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:2-133134(イソ-プロパノール-133-脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:1-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:2-133134(グリセロール-133-脂肪酸16:0-134
・ PiPr-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316
・ PiPr-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316
ここで、「iPr」はホスファチジルアルカノール同族体においてイソ-プロパノールがエタノールを置き換えていることを表す。
本発明はさらに、開示される化合物、最も具体的には、重水素化または13C標識されたグリセロール部分を有するPEth-16:0/18:1およびPEth-16:0/18:2の製造方法に関する。
これに関し、自然発生のリン脂質と同様に、大半のホスファチジルアルカノール同族体、特にPEth同族体は、1~4つの二重結合を有する不飽和sn-2-アシル鎖を含有することに留意すべきである。そのような化合物の合成方法は、不飽和酸側鎖の反応性およびそれらの酸化されやすい傾向に起因して制限されなければならない。さらには、極性の頭部基およびリン酸トリエステルを保護するために用いられる基は、アシル側鎖に悪影響しない条件下で除去可能でなければならない。
従って、本発明に関して以下の2つの方法が見出された:
方法I:
合成方法Iは2つの部分を含む:
(1) 長鎖混合酸不飽和ジアシルグリセロールの合成、
(2) 前記ジアシルグリセロールとリン酸化試薬とのリン酸カップリング。
この方法Iは特に、同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の製造方法であって、以下の段階:
mI(1) 以下の段階を含む、または以下の段階からなる、同位体標識された1-アルキロイル-2-アルケノイルグリセロールの製造:
mIa1) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIa2) いくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIa3) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換され、且ついくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIa4) 標識されていないグリセロールを準備する段階、
mIb) グリセロール部分のOH/OD基の2つを、好ましくはアセタール構造を形成させて保護する段階
mIc) 3位における残りのOH/OD基を、保護基、好ましくはレブリノイル基で保護する段階、
mId) 最初の2つのOH/OD基を脱保護する段階、
mIe) C12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC15~C18飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加する段階、
mIf) 一価、二価、三価および四価不飽和鎖、好ましくはC16~C20一価、二価、三価および四価不飽和鎖、より好ましくは一価および二価不飽和鎖、特に好ましくはC18:1またはC18:2をグリセロール部分をsn-2位に付加する段階、
mIg) 第2の保護基を、好ましくはヒドラジン水和物で除去する段階、
mI(2) 段階(1)の同位体標識された1-アルキロイル-2-アルケノイルグリセロール生成物をリン酸化試薬と反応させる段階であって、前記リン酸化試薬は、
i) 段階mIa4)において標識されていないグリセロールが準備される場合、標識されたアルカノール基、好ましくは標識されたエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、または
標識された脂肪酸を有し、ここで、その水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、
ii) 段階mIa1)、mIa2)またはmIa3)において標識されたグリセロールが準備される場合、標識されていないアルカノール基、好ましくは標識されていないエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の原子は重水素および/または13Cで置換されていない、前記段階、
mIh) 任意に、リン酸化剤上に存在する場合、保護剤を除去する段階、
mIi) 任意に、生成物を、その生成物の塩形態へと変換する段階
を含む、またはそれらの段階からなる、前記方法である。
第1の部分は、特にレブリノイル保護を介した、長鎖混合酸不飽和ジアシルグリセロールの合成を含む。
全ての水素が重水素で置換されている標識されたグリセロールから出発して、レブリノイル保護を介して、混合酸不飽和1,2-ジアシルグリセロールが純粋な形態で製造された。前記方法は、保護基として3位にレブリノイルを含有する混合酸トリアシルグリセロールの合成、引き続く例えばヒドラジン水和物による後者の基の選択的除去である。この方法によって、2つの可能な副反応、つまりアシル基移動および二重結合の水素化が回避された。
従って、本発明の方法Iにおいてはレブリノイル保護法が適用され、それは4-メトキシベンジル保護基が使用される国際公開第2014/178787号における方法とは異なる。
1,2-ジアシルグリセロールは純粋な形態で製造することが難しく、なぜなら、1,2-異性体におけるアシル基移動のしやすさが、1,3-異性体をもたらすからである。アシル基移動を防ぐためには、3-ヒドロキシ基の一時的な保護が必要である。以前は、ベンジル、メトキシベンジル、テトラヒドロピラニル、トリチルおよび2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル保護を使用する方法であった。
不飽和混合酸1,2-ジアシルグリセロールを合成するためには、アシル基移動(1,2-異性体/1,3-異性体の混合物をみちびく)または二重結合の水素化を伴わず、保護基が容易に導入並びに除去されるべきである。
この方法の製造は、いくつかの顕著な利点を有し、とりわけ、脱保護が非常に容易であり、ジアシルグリセロールのより高い生成物収率が達成され、且つ、最も重要なことに、アシル鎖の移動が回避された。
第2の部分は、リン酸化試薬を用いた、好ましくはジアルコキシ残基の1つが2-シアノエチル基のような保護基/脱離基であることができるジアルコキシ(ジアルキルアミノ)ホスフィンを用いた、ジアシルグリセロールのリン酸カップリングまたはリン酸化である。窒素に取り付けられたアルキルは同じであっても異なっていてもよく、一緒になって環を形成でき、例はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-またはイソブチルであるか、または窒素と共にテトラヒドロフランまたはモルホリン残基を形成し、特に好ましくは両方がイソプロピルである。
リン酸化剤として特に好ましいのは、以下でスキームIaとして製造され得る式8のものである。
このリン酸化は穏やかな条件下で適用でき、且つ周知のP(III)の化学作用に基づく。リン酸部分における保護基は2-シアノエチル基であり、それは穏やかな条件下で容易に除去される。
リン酸試薬8は市販されておらず、且つ以下のスキームIaに示される方法を使用することによって合成された。
以下のスキームIは、方法Iを介したPEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成を例示的に示す。
第1の部分は、1-パルミトイル-2-オレオイルグリセロール-d5(7)の合成である一方で、第2の部分はリン酸カップリングおよびPEth類似体およびその塩の製造である。
Figure 2023542220000015
スキームI: PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成、方法I
この方法Iは、133標識されたPEthの合成において、出発材料を13C標識されたグリセロールに変更することによって同様に適用することもできる。
当然、この方法Iは、以下のスキームI-一般において理解されるとおり、種々の脂肪酸鎖を有する、他のホスファチジルアルカノール同族体、特に他のPEth同族体の合成においても適用可能である。前記合成は2つの部分を含む: (1) 長鎖混合酸不飽和ジアシルグリセロールの合成、および(2) 前記ジアシルグリセロールとリン酸化試薬8とのリン酸カップリング。
残基R1およびR2は上記で概説されたとおりである。
Figure 2023542220000016
スキームI-一般: 種々の脂肪酸鎖を有する、PEth-d5(グリセロール-d5)の合成、方法I
本発明の方法Iにおいては種々のリン酸化試薬を使用できるが、以下の式
Figure 2023542220000017
による特に好ましいものは以下のスキームI-アルカノールに従って製造され得る:
Figure 2023542220000018
スキームIa:
さらにより好ましくは、リン酸化剤は前記アルカノールがエタノールであるものであり、以下のスキームIa-エタノールに従って製造される:
Figure 2023542220000019
スキームIa-エタノール: リン酸化試薬8(CAS 140210-65-7,2-シアノエトキシ-(エトキシ)-(N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスフィン)の合成。
従って、本発明に関して、リン酸化試薬、および特に式8
Figure 2023542220000020
の化合物のものの新規製造方法が見出され、前記方法は、
aa) ジイソプロピルアミンを準備し、2-シアノエタノールおよび三塩化リンと反応させる段階、
bb) ジイソプロピルアミンを準備し、5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール(CAS 21871-47-6)
Figure 2023542220000021
と反応させる段階、
cc) 段階aa)からの生成物を、アルカノール、特にエタノールと、段階bb)の生成物の存在下で反応させる段階
を含むか、またはそれらの段階からなる。
式8の化合物はリン酸化剤として特に有用である。
方法II:
この第2の方法は、方法Iのものの代替的な合成方法であり、2つの点において方法Iとは異なる:
1) リン酸頭部基を、2位が保護されている保護された1-モノアシルグリセロールにまず結合し(以下のスキームIIにおける式21参照)、その後に初めて、二重結合の活性によるいかなる副反応も回避するために、sn-2位で不飽和アシル基を導入するためのアシル化を行う;
2) アルキルまたはアリールジクロロホスフィット、特にベンジルジクロロホスフィットをリン酸化試薬として、試薬8の代わりに使用する。
この方法は特に、同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の製造方法であって、以下の段階:
mIIa1) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIIa2) いくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIIa3) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換され、且ついくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
mIIa4) 標識されていないグリセロールを準備する段階、
mIIb) グリセロール部分のOH/OD基の2つを、好ましくはアセタール構造を形成させて保護する段階
mIIc) 3位における残りのOH/OD基を、保護基、好ましくは4-メトキシベンジルで保護する段階、
mIId) 最初の2つのOH/OD基を脱保護する段階、
mIIe) C12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC15~C17飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加するか、または標識されたC12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加する段階、
mIIf) 2位のヒドロキシル基を、好ましくはベンジルオキシルメチルまたはテトラヒドロキシピラニルで保護する段階、
mIIg) 最初の保護基を除去する段階、
mIIh) 段階mIIg)の保護された同位体標識された保護された1-アシルグリセロール生成物を、リン酸化試薬と結合する段階であって、前記リン酸化試薬は、
i) 段階mIIa4)において標識されていないグリセロールが準備される場合、標識されたアルカノール基、好ましくは標識されたエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、または
標識された脂肪酸、好ましくは16:0および18:0がsn-1位に導入される、
ii) 段階mIIa1)、mIIa2)またはmIIa3)において標識されたグリセロールが準備される場合、標識されていないアルカノール基、好ましくは標識されていないエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の原子は重水素および/または13Cで置換されていない、前記段階、
mIIi) 2位のヒドロキシル基を脱保護する段階、
mIIj) 一価、二価、三価および四価不飽和鎖、好ましくはC16~C20一価、二価、三価および四価不飽和鎖、より好ましくは一価および二価不飽和鎖、特に好ましくはC18:1またはC18:2をグリセロール部分のsn-2位に付加する段階、
mIIh) 任意に、リン酸化剤上に存在する場合、保護剤を除去する段階、
mIIi) 任意に、生成物を、その生成物の塩形態へと変換する段階
を含む、またはそれらの段階からなる、前記方法である。
以下のスキームIIは、方法IIを介したPEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成を例示的に示す。
Figure 2023542220000022
スキームII: PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成、方法II
1,3-アシル基移動を防ぐために3位に保護基としての4-メトキシベンジルを含有する1-モノアシル(飽和鎖)-グリセロール(19)を合成する。別の可能な保護基としてベンジルオキシメチル(テトラヒドロキシピラニル)も使用できる。その後、2位において保護が追加された後(化合物20)、4-メトキシベンジル保護基が除去される。2位における保護は1,2-アシル基移動を防ぐために行われる。次いで、保護された1-アシルグリセロール(21)を(トリメチルシリル)エチルジクロロホスフィットと結合し、引き続きグリセロールホスフィットを過酸化水素(またはt-BuOOH)でホスフェート(22)へと酸化する。ベンジルオキシメチル保護基を接触水素化によって22のn-2位から、1,2-アシル基移動またはホスホリル基移動を起こさず除去する。続いて、中間生成物(23)を前記の不飽和脂肪酸でアシル化し、引き続きリン酸トリエステル(24)から脱保護して、PEthが遊離酸として得られ、それを所望の塩に転換できる。
例えば(トリメチルシリル)エチルジクロロホスフィットを用いたホスフィットカップリング手順は、保護されたlyso-PEthへの単純化され且つより効率的な経路をもたらし、前記保護されたlyso-PEthは次いで不飽和脂肪酸を用いて2位でアシル化され得る。数段階で合成されなければならない試薬8に比して、アルキルまたはベンジルジクロロホスフィットは通常市販であるか、またはPCl3から一段階の反応で容易に製造される。
リン酸化試薬として(トリメチルシリル)エチルジクロロホスフィットを用いて、カップリング反応をジ(イソプロピル)アミンを用いて実施でき、(トリメチルシリル)エチル基を除去するための脱保護は穏やかな条件下で容易に達成される。
上述の方法の両方において、飽和または不飽和脂肪酸を上記で示された順で添加することが可能であり且つ好ましい。しかしながら、脂肪酸の添加の順を変えることも可能であり、つまり、最初に不飽和脂肪酸を添加して、次いで飽和脂肪酸を添加することが可能である。ただし、方法IIにおいては、上記で概説された順を維持することがより好ましいことに留意すべきである。
本発明の化合物を、好ましくは標識されていないホスファチジルアルカノール、特にPEthの定量的および/または定性的分析において使用できる。より具体的な実施態様においては、本発明の化合物を標準として、好ましくは内部標準として使用する。
本発明の化合物を、HPLCまたはLC-MSのために、特に内部標準として使用できる。
通常、定性分析(PEth同定)について、PEthは主にLC-MS/MSによって分析される。その際、分析は分子イオン(m/z)、およびsn-2およびsn-1脂肪酸鎖の主な生成物イオンの割り当てを検出すべきであり、例えばPEth 16:0/18:1を分析する場合、m/z 255を有する16:0脂肪酸アニオンがsn-1位に割り当てられ、且つm/z 281を有する18:1アニオンがsn-2位に割り当てられる。先行技術においては、既知の構造を有する天然のPEthが同定のための参照標準として使用され、場合により、先行技術においては、「エタノール基」のエチル残基が部分的または完全に重水素化されている、同位体標識されたPEth-d5(16:0/18:1 エチル-d5)が内部標準として使用される。
内部標準の主な用途は、試料調製の間の損失およびLC-MS/MSシステムの検出感度のばらつきを補償することである。この手順は、本発明の化合物、特に化合物I、II、IIIおよびIV、およびさらなる態様においては化合物V~Xを内部標準として使用することにより強化され得る。
同様に、PEth同族体のLC-MS/MS(またはLC-ESI-MS/MS)分析の間、sn-2およびsn-1脂肪酸鎖の主な生成物イオンを監視し、参照材料(PEth)と比較する作業方法であった。ここでもまた、これは、本発明の化合物、特に化合物I、II、IIIおよびIV、およびさらなる態様においては化合物V~Xを内部標準として使用することにより強化され得る。
オゾン誘起解離MS(OzID)および衝突誘起解離質量分析法(CID)を組み合わせた他の方法/技術も例えばグリセロリン脂質の構造評価のために使用されることがある。この方法による完全な構造解明は[M+Na]+(リン脂質の付加イオン)のCIDから生じる生成物に基づき、それを単離し、引き続きOzIDに供することができる。得られるCID-OzID MSは、グリセロール主鎖におけるアシル置換(sn位)の特徴である豊富な生成物イオンをもたす。この方法は、位置異性体(sn位異性体)を区別し、二重結合の位置を特定の主鎖の位置で個々のアシル鎖に割り当てることもできる。ここでもまた、これは、本発明の化合物、特に化合物I、II、IIIおよびIVを内部標準として使用することにより強化され得る。
本発明の製造方法はまた、最終生成物中の不純物が、あったとしてもより少なく、且つその場合、それらは、そのような化合物を先行技術の方法、例えば国際公開第2014/178787号に記載されるような方法で製造する場合に存在する不純物よりも容易に除去されることについて先行技術よりも優れている。
先行技術(例えば国際公開第2014/178787号)による方法において、得られたPEthは2,3-脂肪酸移動異性体を含有することがあり、それは意図される生成物から分離することが困難である。それらは本発明の方法によっては得られないか、または少なくとも著しく低い程度である。
先行技術の1つの問題は、LC-MS/MS分析においてPEthから位置異性体を分離できないことであり、なぜなら、クロマトグラフィー特性およびスペクトル特性が類似しており、並びに分子量が同一であり、それによってPEth同族体の定量化が不正確になるからである。本発明の化合物では、とりわけ異なる分子量により、これはもはや当てはまらない。
本発明の方法では、望ましくない位置異性体が存在することなく、且つ他の化学的な不純物が存在することなく、高純度のPEth同族体を製造することが可能である。
従って、本発明の化合物、特に化合物I、II、IIIおよびIVを、分析プロセスおよび方法のための標識された標準、特に内部標準として使用できる。従って、本発明の化合物の好ましい実施態様において、特に化合物I、II、III、IV、およびさらなる態様においては化合物V~XがLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSまたはCID-OzID MSまたはHPLCまたはLC-MSまたはHPLCまたは高スループットUPLC(登録商標)-MSMSのための標識された標準、特に内部標準として使用される。本発明の化合物は、これに関していくつかの有益な特性を示す。
同様に、本発明の方法Iまたは方法IIによって製造されたホスファチジルアルカノール同族体、特に同位体標識されたグリセロール部分を有するホスファチジルアルカノール同族体を、分析プロセスおよび方法のための、特にLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSまたはCID-OzID MSまたはHPLCまたはLC-MSまたはHPLCまたは高スループットUPLC(登録商標)-MSMSのための標識された標準、特に内部標準として使用することもできる。
本発明の化合物を様々な溶媒と共に組成物中で使用できる。
本発明の化合物を、重水素化されていない溶媒との、特にアセトニトリル、イソプロパノール、イソプロパノール、メタノール、イソオクタンまたはクロロホルムとの、より好ましくはクロロホルム、イソプロパノール、メタノールおよびイソオクタンとの、および特に好ましくは重水素化されていないクロロホルムとの混合物で使用することが好ましい。
本発明のホスファチジルアルカノール同族体、特に化合物I、II、III、IV、およびさらなる態様においては化合物V~X、または本発明の方法IまたはIIによって製造されるホスファチジルアルカノール同族体、特に同位体標識されたグリセロール部分を有するものを、特にLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSによる人間の血液試料におけるPEth同族体の定量分析のための、または個々のPEth同族体の研究のための参照材料および内部標準として使用できる。
本発明の化合物、特に好ましい化合物I、II、III、IV、およびさらなる態様においては化合物V~Xは、例えばエタノール残基が重水素で標識されている公知のPEth同族体に比して、いくつかの有益な特性を有し、その利点のいくつかは、
・ 分子の主鎖における重水素は側鎖におけるものよりも安定であること(例えばPEth-d5において)、
133-PEth、特に式II、IV、V、VI、VIIおよびVIIIの133-PEthは、重水素がプロトンで交換され得る、重水素化されたPEthよりも安定であること、
133-PEth、特に式II、IV、V、VI、VIIおよびVIIIの33-PEthは、LC-MS分析におけるイオン抑制問題がより少ないこと、
・ それらはアッセイにおいて用いられる場合、改善された感度を示すことが多いこと、
・ それらは安定性の改善を示すこと、
・ それらはアッセイにおいておよび/または内部標準として使用される場合、干渉の低減をもたらすこと、
・ それらはより効率的に合成され得ること
である。
本願内に記載される5カ所重水素化されたグリセロール部分を有するホスファチジルアルカノール同族体は、相応の標識されていない、つまり重水素化されていない脂質よりも約5ダルトン高い分子量を有する。本願内に記載される、グリセロール部分における3つすべての炭素原子が13C同位体であるホスファチジルアルカノール同族体は、グリセロール部分が12C同位体のみを有する相応の標識されていない脂質よりも約3ダルトン高い分子量を有する。
本願内に記載される、脂肪酸側鎖の1つにおける全ての炭素原子が13C同位体であるホスファチジルアルカノール同族体は、脂肪酸部分が12C同位体のみを有する相応の標識されていない脂質よりも約4または16ダルトン高い分子量を有する。
本願内に記載される、5カ所重水素化されたグリセロール部分およびグリセロール部分における3つすべての炭素原子が13C同位体であるホスファチジルアルカノール同族体は、グリセロール部分が12C同位体のみを有する相応の標識されていない脂質よりも約8ダルトン高い分子量を有する。
それらの違いは、それらの化合物を例えばLC-MS(/MS)またはLC-ESI-MS/MS技術に基づく分析用途における内部標準として使用することを可能にする。
本発明において示される重水素および13C標識された化合物は、場合により現在公知の標識された化合物と、場合によりエチル基における13C2とも組み合わせて、内部較正方法における3つ以上の標識された化合物の混合物の適用を可能にする。
1つの実施態様において、本発明の化合物、およびそれらを含有する組成物は、1H-QNMRのためにまたは1H-QNMRにおいては使用されない。1つの実施態様において、本発明の化合物は、重水素化されたアルカノール残基を有さない。
本発明の化合物、特に化合物I、II、IIIおよびIVの試験の際に、分子のグリシジル主鎖における重水素は、エチル側鎖に存在する場合よりも安定であることが判明した:
実験において、本発明の化合物、特に化合物I、II、III、IV、およびさらなる態様においては化合物V~Xについて、プロトン・重水素の交換およびエステル交換は観察されなかったが、他方では、PEth-d5からのリン酸頭部基全体(エチル-d5を含む)の損失によって、副生成物が観察された。同様に、CID-OzID MSの方法において、リン酸頭部基を失った後でも豊富な生成物イオンが形成されるので、本発明によるグリセロール主鎖における標識の利点は、その標識が分析において失われないことである。
本発明の13C標識された化合物、特に化合物II、IV、V、VI、VIIおよびVIIIは、LCにおいて分析物と共溶出する一方で、重水素化化合物は、分析物とは異なる保持時間を有することが判明した。これに関する共溶出とは、標準と分析物とが同じマトリックス効果、例えばイオン抑制を有することを意味する。
重水素原子および13C原子は自然に生じることが理解されるべきである。従って、グリセロール部分またはアルカノール部分の原子に関する場合、本発明に関する置換(または同様の表現)への言及は、意図的な置換として理解されるべきであり、可能な自然発生の重水素または13C原子は考慮していない。
本発明をここで、以下の限定されない例を参照してより詳細に説明する。以下の例示的な限定されない例は、本願内に示される実施態様をさらに説明するために提供される。本発明の範囲内でそれらの例の変形が可能であることは、当業者には認識されるであろう。
PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成、方法I:
1,2-イソプロピリデングリセロール-d5 (2)
グリセロール-d8(2.5g、25.7mmol)を、無水アセトン(30mL)中の2,2-ジメトキシプロパン(3.9g、37.4mmol)と混合し、触媒量のp-トルエンスルホン酸(pTsOH)(10mg)を添加した。得られる溶液を24時間、室温(この発明に関しては20℃である)で攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させて3.62gの油状生成物が得られた。
1,2-イソプロピリデン-グリセル-3-イルレブリネート-d5 (3)
化合物2(3.6g、26.2mmol)のジクロロメタン(DCM)(30ml)中の溶液に、レブリン酸(3.3g、28.4mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.64g、5.29mmol)を添加した。20mlのDCM中のN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミン(DCC)(5.9g、25.7mmol)を、攪拌している前記溶液に0℃で滴下した。その反応混合物を室温で終夜攪拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を、セライトのショートプラグを介してろ過によって除去した。溶液を真空中で濃縮し、残留物をEt2O中に溶解し、飽和NaHCO3、H2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過して濃縮して、収量3.5gの粗製生成物3が得られた。
3-レブリノイルグリセロール-d5 (4)
3.5g(15.8mmol)の化合物3を25mlのAcOH/H2O(3/1)と混合した。その混合物を50℃に加熱し、この温度で16時間攪拌した。溶媒を蒸発させた。残留物をトルエンと、次いでアセトンと共蒸発させた。油状の粗製生成物をEtOAc中に溶解し、MgSO4上で乾燥させ、濃縮して1.8gの生成物4が得られた。
1-パルミトイル-3-レブリノイルグリセロール-d5 (5)
化合物4(1.8g、9.93mmol)のDCM(30ml)中の溶液に、パルミチン酸(2.37g、9.24mmol)およびDMAP(0.23g、1.90mmol)を添加した。DCC(1.9、8.29mmol、10mlのDCM中)を、攪拌している前記溶液に0℃で滴下した。その反応混合物を室温で終夜攪拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を、セライトのショートプラグを介してろ過によって除去した。溶液を真空中で濃縮し、残留物をEt2O中に溶解し、飽和NaHCO3、H2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過して濃縮して、粗製生成物が得られ、それをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、トルエン/アセトン90/10~80/20)によって精製して、0.75gの純粋な生成物5が得られた。
1HNMR (CDCl3) 2.80, 2.60 (各々t, 4H, COCH2CH2CO), 2.35 (t, 2H, CH2CO), 2.20(s, 3H, OC-CH3), 1.66-1.61 (m, 2H, CH2),1.25 (br. s, 24H, CH2 x 12), 0.87 (t, 3H, CH3)。
1-パルミトイル-2-オレオイル-3-レブリノイルグリセロール-d5 (6)
化合物5(0.75g、1.79mmol)のDCM(30ml)中の溶液に、オレイン酸(0.54g、1.91mmol)およびDMAP(0.042g、0.35mmol)を添加した。DCC(0.4、1.74mmol、10mlのDCM中)を、攪拌している前記溶液に0℃で滴下した。その反応混合物を室温で終夜攪拌した。沈殿したジシクロヘキシル尿素を、セライトのショートプラグを介してろ過によって除去した。溶液を真空中で濃縮し、残留物をEt2O中に溶解し、飽和NaHCO3、H2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、ろ過して濃縮して、0.7gの生成物が得られた。
1HNMR (CDCl3) 5.35 (m, 2H, CH=CH), 2.74, 2.58 (各々t, 4H, COCH2CH2CO), 2.32 (m, 4H, 2xCH2CO), 2.19 (s, 3H, OC-CH3), 2.02 (m, 4H, 2xCH 2 CH=) 1.66-1.61 (m, 4H, 2xCH2),1.58 (m, 2H, O2CCH2CH2-オレイン), 1.25 (m, 42H, CH2 x 21), 0.88(t, 6H, 2xCH3)。
1-パルミトイル-2-オレオイルグリセロール-d5 (7)
化合物6(0.7g、1.02mmol)とピリジン(2ml)との混合物に、ヒドラジン水和物(0.17g、3.4mmol)のAcOH/ピリジン(2.2ml/3.3ml)中の溶液を添加した。その反応混合物を室温で5分間攪拌した。1mlの2,4-ペンタジエノンを添加し、得られる混合物をさらに5分間攪拌した。ヘキサンを添加した。2相の系が形成した。ヘキサンエマルションを水で数回洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、薄層クロマトグラフィー(TLC)(トルエン/Et2O 80/20)で純粋な生成物7が0.6g得られた。
1HNMR (CDCl3) 5.35 (m, 2H, CH=CH), 2.34 (m, 4H, 2xCH2CO), 2.02 (m, 4H, 2xCH 2 CH=) 1.63 (m, 4H, 2xCH2), 1.26 (m, 44H, CH2 x 22), 0.88(t, 6H, 2xCH3)。
2-シアノエトキシビス(N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスフィン (14)
13.75g(8.73ml、0.1mol)のPCl3を、無水アセトニトリル(100ml)とジイソプロピルアミン(11、60.5g、84ml、0.60mol)との攪拌された混合物に、室温で1時間にわたって添加した。ヘキサン(100ml)を添加し、続いて7.0g(98.5mmol)のヒドロキシプロピオニトリル(13)を室温で30分間にわたって添加した。反応混合物を1時間攪拌し、濾紙を通じてろ過して固形物を除去した。ヘキサン層を収集し、真空中で濃縮して油状の残留物(11.0g)のほぼ純粋な生成物14が得られた。
ジイソプロピルアンモニウム 5-(ベンジルチオ)-テトラゾリド (16)
5-ベンジルチオ-1H-テトラゾール(15、2.0g、10.4mmol、アセトニトリル(ACN)中、0.3M溶液34.6ml)の溶液に、70mlのEt2Oを添加し、続いて1.26g(1.75ml、12.45mmol)のジイソプロピルアミン(11)を添加した。白色の沈殿物が形成した。反応混合物を1時間攪拌し、生成物16をろ別し、真空中で乾燥させて2.6gの塩生成物16が得られた。
2-シアノエトキシ-(エトキシ)-(N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスフィン (8)
エタノール(0.61g、1eq)を7mlのDCM(無水)中に溶解し、化合物16(2.57g、8.76mmol)をその溶液に添加した。その反応混合物に化合物14(4g、13.3mmol)を無水DCM(4ml)中の溶液として室温で滴下した。反応の間、沈殿物は形成されなかった。反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物をEtOAc/NEt3(200ml/20ml)中で溶解し、飽和NaHCO3、H2Oで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮して、油状の残留物が得られ、それを短いシリカゲルカラム(シリカ、ヘキサン/EtOAc/NEt3 90/10/1)において精製した(収量1.91g)。
1HNMR (CDCl3) 3.90-3.92 (m,2H, OCH2CH2CN) 3.85 (q, 2H, OCH2CH3), 2.83 (q, 2H, 2xCH), 2.60 (t, 2H, OCH2CH2CN) 1.25 (t, 3H, OCH2CH3), 1.06 (d, 12H, 4xCH3)。
1-パルミトイル-2-オレオイル-3-(2-シアノエトキシ)(エトキシ)ホスフィニル-グリセロール-d5 (9)
化合物7(0.6g、1.0mmol)および化合物8(0.22g、0.89mmol)を、アルゴン下で無水ACN(70mL)中に溶解した。テトラゾールの溶液(0.132g、1.89mmol、4.2mlの0.45M溶液)を、室温で、シリンジを介して滴下した。得られる混合物を1.5時間攪拌した。沈殿は観察されなかった。ジ-tert.-ブチルペルオキシド(0.81g、H2O中、70%溶液1.16ml)を添加し、反応混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残留物をDCM中に溶解し、飽和NH4Clで洗浄し、乾燥させて真空中で濃縮して、油状の残留物0.65gが得られ、それをフラッシュクロマトグラフィーのシリカゲルカラム(ヘキサン/アセトン90/10~80/20 勾配)によって精製して、0.45gの純粋な生成物9が得られた。
1HNMR (CDCl3) 5.35 (m, 2H, CH=CH), 4.24 (m, 2H, -OCH2CH2CN), 4.18 (m, 2H, -OCH2CH3) 2.77 (t, 2H, -OCH2CH2CN), 2.34 (m, 4H, 2xCH2CO), 2.02 (m, 4H, 2xCH 2 CH=) 1.66-1.61 (m, 4H, 2xCH2),1.25-1.36 (m, 47H, 22xCH2 , -OCH2CH3), 0.88(t, 6H, 2xCH3)。
1-パルミトイル-2-オレオイル-3-(エトキシ)(ヒドロキシ)ホスフィニル-グリセロール-d5、またはPEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5) (10)、およびそのアンモニウム塩(11、M+=NH4 +
化合物9(0.45g、0.59mmol)を無水DCM(20ml)中に溶解し、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)(0.59g、3.88mmol)をその溶液に室温でアルゴン下で添加した。0.5mlのAcOHを用いて、反応を5分でクエンチした。溶媒を真空中で蒸発させ、残留物をシリカゲルカラム(最初にDCM/アセトン 8/2、続いて勾配: DCM/アセトン/MeOH 7/2/1~6/2/2~5/2/3)において精製し、2つの画分を収集した。
1HNMR (CDCl3) 5.35 (m, 2H, CH=CH), 3.88 (q, 2H, OCH2CH3), 2.28 (m, 4H, 2xCH2CO), 2.02 (m, 4H, -CH 2 CH=CHCH 2 -) 1.58 (m, 4H, 2xCH2CH2CO), 1.25-1.33 (m, 47H, 22xCH2 , -OCH2CH3), 0.88(t, 6H, 2xCH3)。
PEth酸(10)を5mlのテトラヒドロフラン(THF)中に溶解し、その溶液に10mlのNH4OH(30%溶液)を添加し、(16時間)攪拌させておいた。反応混合物を真空中で濃縮し、粗製塩を、DCM/トルエン/EtOH/NH4OH 79/9/10/2~70/8/20/2を注入されたシリカゲルカラムにおいて精製した。TLC(DCM/トルエン/MeOH/NH4OH 75/12/12/1) Rf 0.3。M=460mg。
PETH-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)の合成、方法II:
1,2-O-イソプロピリデン-3-(4-メトキシベンジル)-グリセロール-d5 (17)
化合物2(2.44g、17.8mmol)のDMF(20ml)中の溶液を、NaH(1.07g、鉱油中60%の分散液、26.7mmol)のDMF(100ml)中の懸濁液に滴下した。その反応混合物を室温で30分間攪拌し、4-メトキシベンジルクロリド(3.35g、21.4mmol)を添加した。化合物2が完全に消費される(TLCで消失する)まで反応を継続し、水をゆっくりと添加して過剰なNaHをクエンチした。ジエチルエーテルを添加して反応混合物を希釈し、次いでそれを水およびブラインで洗浄した。有機相をMgSO4上で乾燥させて濃縮した。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 4/1)によって精製し、4.01gの生成物17が得られた。
1HNMR (CDCl3) 7.00 (d, 2H, Ph), 6.91 (d, 2H, Ph), 4.63 (s, 2H, CH2-Ph), 4.63 (s, 2H, CH2O-), 4.00 (m, 1H, CH), 3.81 (s, 3H, OCH3), 1.21 (s, 6H, 2xCH3C)。
3-(4-メトキシベンジル)-グリセロール-d5 (18)
化合物17(4.01g、15.6mmol)のメタノール(50ml)中の溶液にp-トルエンスルホン酸一水和物(260mg、1.4mmol)を添加した。その反応混合物を室温で1~2時間、化合物17が完全に消費されるまで攪拌した。NaHCO3(240mg)を添加し、反応混合物を濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 1/3)によって精製し、2.5gの生成物18が得られた。
3-(4-メトキシベンジル)-1-パルミトイル-グリセロール-d5 (19)
化合物18(2.5g、11.5mmol)、パルミチン酸(3.30g、12.7mmol)およびDMAP(70mg、0.61mmol)のDCM(75ml)中の溶液に、DCC(4.52g、22.0mmol)のDCM(15ml)中の溶液を0℃で滴下した。その反応混合物を室温で終夜、アルゴン下で攪拌した。ジシクロヘキシル尿素を、セライトを通じたろ過によって除去し、ろ液を蒸発させた。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 1/3)によって精製し、生成物19が3.67g得られた。
1HNMR (CDCl3) 7.24 (d, 2H, Ph), 6.88 (d, 2H, Ph), 4.48 (s, 2H, CH2-Ph), 3.80 (s, 3H, OCH3), 2.31 (t, 2H, CH2CO), 1.60-1.62 (m, 2H, CH2), 1.25 (br, s, 24H, 12xCH2), 0.87 (t, 3H, CH3)。
2-(ベンジルオキシメチル)-3-(4-メトキシベンジル)-1-パルミトイル-グリセロール-d5 (20)
化合物19(3.6g、7.9mmol)およびジ-イソプロピルエチルアミン(2.28g、17.5mmol)の無水DCM(25ml)中の溶液に、室温でクロロメチルベンジルエーテル(2.51g、16.0mmol)を滴下した。得られる混合物を室温で終夜攪拌し、DCMで希釈して、飽和NH4Clおよび水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて濃縮した。粗製生成物の混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 1/5)によって精製し、4.2gの生成物20が無色のオイルとして得られた。
1HNMR (CDCl3) 7.30-7.24 (m, 2H, Ph), 6.91-7.01 (m, 7H, Ph), 6.02 (s, 2H, -OCH2O-), 4.68 (s, 2H, CH2-Ph), 3.80 (s, 3H, OCH3), 2.32 (t, 2H, CH2CO), 1.66 (m, 2H, CH2), 1.26 (br, s, 24H, 12xCH2), 0.88 (t, 3H, CH3)。
2-(ベンジルオキシメチル)-1-パルミトイル-グリセロール-d5 (21)
化合物20(4.2g、7.5mmol)のDCM/H2O(20/1、40ml)中の溶液に、室温で1回分の2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)(2.25g、9.87mmol)を添加した。得られる混合物を室温で30分間攪拌し、傾瀉し、沈殿物をDCMで洗浄した。合わせた有機溶液を飽和NaHCO3およびブラインで洗浄し、MaSO4上で乾燥させて濃縮した。粗製生成物の混合物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 3/1)によって精製し、3.76gの生成物21が粘性のオイルとして得られた。
1HNMR (CDCl3) 7.30-6.93 (m, 5H, Ph), 6.02 (s, 2H, -OCH2O-), 2.32 (t, 2H, CH2CO), 1.66 (m, 2H, CH2), 1.26 (br, s, 24H, 12xCH2), 0.88 (t, 3H, CH3)。
O-エチル O-[2’’-(トリメチルシリル)エチル] O-(1’-パルミトイル-2’-(ベンジルオキシメチル)-3’-グリセリル-d5)ホスフェート (22)
化合物21(3.7g、8.38mmol)の最小体積のTHF中の溶液を、強く攪拌された2-(トリメチルシリル)エチルジクロロホスフィット(1.84g、8.38mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.57g、20.0mmol)の脱気された無水THF(20ml)中の溶液に-78℃で添加した。前記混合物を同じ温度で1時間攪拌し、最小体積のTHE中のエタノール(8.38mmol)をゆっくりと添加した。得られる懸濁液を2時間、同じ温度で攪拌し、次いで冷却バッチを除去し、攪拌をさらに1時間、室温で継続した。溶媒を除去し、残留物をEtOAc中に懸濁させた。セライトを通じたろ過によって固形物を除去し、ろ液を濃縮して、粗製の亜リン酸トリエステルが得られた。次いで、得られたトリエステルをDCM(約50ml)中に0℃で溶解し、H22(30%、19.4mmol)を添加し、その混合物を1時間、0℃で強く攪拌した。亜リン酸トリメチル(2~3ml)を添加することによって、過剰な酸化剤を破壊した。前記混合物をDCMで希釈し、飽和NaClを添加して、層を分離した。有機相をMgSO4上で乾燥させて濃縮し、粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 1/1)によって精製し、4.36 gの生成物22が粘性のオイルとして得られた。
1HNMR (CDCl3) 7.30-6.93 (m, 5H, Ph), 6.02 (s, 2H, -OCH2O-), 3.99-4.04 (m, 4H, -OCH2CH3; -OCH2CH2TMS) 2.32 (t, 2H, CH2CO), 1.66 (m, 2H, CH2), 1.26-1.33 (m, 24H, 12xCH2; 3H, OCH2CH3), 0.99 (t, 2H, -OCH2CH2TMS), 0.88 (t, 3H, CH3)。
O-エチル O-[2’’-(トリメチルシリル)エチル] O-(1’-パルミトイル-3’-グリセリル-d5)ホスフェート (23)
22(4.36g、6.7mmol)の無水エタノール(200ml)中の溶液に室温でラネーニッケル(約6g)を添加し、得られる懸濁液をH2雰囲気中で16時間攪拌した。H2をアルゴンで置き換え、セライト(2g)を添加し、その混合物をさらに10分間攪拌した。次いで、その混合物をろ過し、ろ液を蒸発させて乾燥させた。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 2/1)によって精製し、3.1gの生成物23が不透明なオイルとして得られた。
1HNMR (CDCl3) 3.99-4.04 (m, 4H, -OCH2CH3; -OCH2CH2TMS) 2.32 (t, 2H, CH2CO), 1.66 (m, 2H, CH2), 1.26-1.33 (m, 24H, 12xCH2; 3H, OCH2CH3), 0.99 (t, 2H, -OCH2CH2TMS), 0.88 (t, 3H, CH3), 0.06 (s, 9H,TMS)。
O-エチル O-[2’’-(トリメチルシリル)エチル] O-(1’-パルミトイル-2’-オレオイル-3’-グリセリル-d5)ホスフェート (24)
23(3.1g、5.7mmol)、オレイン酸(1.77g、6.3mmol)およびDMAP(0.57mmol)の無水DCM(80ml)中の溶液に室温でDCC(1.34g、6.5mmol)のDCM(40ml)中の溶液を滴下した。得られる懸濁液を6時間、室温で攪拌し、その混合物をセライトを通じてろ過し、ろ液を蒸発させた。粗製生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル 2/1)によって精製し、4.1gの生成物24が不透明な粘性のオイルとして得られた。
1HNMR (CDCl3) 5.35 (m, 2H, CH=CH), 3.99-4.04 (m, 4H, -OCH2CH3; -OCH2CH2TMS) 2.32-2.35 (m, 4H, 2xCH2CO), 2.16 (m, 4H, -CH2CH=CHCH2-) 1.66 (m, 4H, 2xCH2), 1.26-1.33 (m, 47H, 12xCH2; OCH2CH3), 0.99 (t, 2H, -OCH2CH2TMS), 0.88 (t, 3H, CH3), 0.06 (s, 9H,TMS)。
1-パルミトイル-2-オレオイル-3-(エトキシ)(ヒドロキシ)ホスフィニル-グリセロール-d5、またはPEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5) (10)
24(4.1g、5.13mmol)のDCM(15ml)中の溶液に0℃でCF3CO2H(15ml)を添加し、その混合物を同じ温度で30分間攪拌し、次いで室温に温めた。溶媒を蒸発させ、次いで粗製生成物を繰り返しトルエン(50ml)中に取り込み、溶媒を蒸発させて最後の微量のCF3CO2Hを除去した後、高真空下で乾燥させた。生成物を方法Iと同じ方法で精製し、純粋な生成物10が遊離PEth酸として得られた。それを方法Iと同じように、塩、例えばアンモニウム塩生成物11に転換できた。
上記に示されるそれぞれの生成物のそれぞれのNMR分析から理解できるとおり、生成物は純粋であり且つ望ましくない位置異性体(1,2-の位置が逆の位置異性体(生物学的に)および1,3-位置異性体(化学的なアシル基移動による)の両方)は観察されなかった。

Claims (14)

  1. 同位体標識されたグリセロール部分を有するホスファチジルアルカノール同族体。
  2. 前記アルカノールがメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールおよびヘプタノールからなる群から選択され、好ましくはエタノールであることを特徴とする、請求項1に記載のホスファチジルアルカノール同族体。
  3. a) 前記グリセロール部分の1、2、3、4または5個の水素原子、特に5個の水素原子が重水素で置換されている、または
    b) 前記グリセロール部分の1、2または3、特に3個の炭素原子が13C同位体によって置換されている、または
    c) 前記グリセロール部分の1、2、3、4または5個の水素原子、特に5個の水素原子が重水素で置換されており、且つ前記グリセロール部分1、2または3、好ましくは3個の炭素原子が13C同位体によって置換されている、または
    d) 脂肪酸側鎖1つ以上の水素原子が重水素で置換されている、または
    e) 脂肪酸側鎖の1~18個の炭素原子が13C同位体で置換されている、または
    f) 上述の標識付けの任意の組み合わせが存在する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のホスファチジルアルカノール同族体。
  4. 以下の2つの一般式
    Figure 2023542220000023
    のいずれかによって、またはさらには以下の4つの一般式
    Figure 2023542220000024
    のいずれかによって表されることを特徴とし、前記式中、
    Dは重水素であり、星印は13C原子を示し、且つR1およびR2は互いに独立してC14~C22飽和アルキル鎖、または7つまでの二重結合を有するC14~C22不飽和アルキル鎖を有するアシル残基である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のホスファチジルアルカノール同族体。
  5. 一般式A
    Figure 2023542220000025
    または一般式B
    Figure 2023542220000026
    によって、またはさらには一般式C
    Figure 2023542220000027
    によって、またはさらには一般式D
    Figure 2023542220000028
    によって表されることを特徴とし、前記式中、R1およびR2は請求項4と同じ意味を有し且つ種々の数の炭素および種々の数の二重結合を有する脂肪酸鎖であり、且つMはH、NH4、Na、K、N(CH33 +であり、且つ星印(*)は13C原子を表し、好ましくはR1は飽和アルキル鎖であり且つR2は不飽和アルケニル鎖である、請求項1から3までのいずれか1項に記載のホスファチジルアルカノール同族体。
  6. 式:
    Figure 2023542220000029
    を有する化合物I-PEth-16:0/18:1-d5(グリセロール-d5)、
    または式:
    Figure 2023542220000030
    を有する化合物II-PEth-16:0/18:1-133(グリセロール-133)、
    または式:
    Figure 2023542220000031
    を有する化合物III-PEth-16:0/18:2-d5(グリセロール-d5)、
    または式:
    Figure 2023542220000032
    を有する化合物IV-PEth-16:0/18:2-133(グリセロール-133)、
    または式:
    Figure 2023542220000033
    を有する化合物V-PEth-16:0/18:1-134(脂肪酸16:0-134)、
    式:
    Figure 2023542220000034
    を有する化合物VI-PEth-16:0/18:2-134(脂肪酸16:0-134)、
    式:
    Figure 2023542220000035
    を有する化合物VII-PEth-16:0/18:1-1316(脂肪酸16:0-1316)、
    式:
    Figure 2023542220000036
    を有する化合物VIII-PEth-16:0/18:2-1316(脂肪酸16:0-1316)、
    式:
    Figure 2023542220000037
    を有する化合物IX-PEth-16:0/18:1-d31(脂肪酸16:0-d31)、
    式:
    Figure 2023542220000038
    を有する化合物X-PEth-16:0/18:2-d31(脂肪酸16:0-d31
    からなる群から選択される、請求項4または5に記載のホスファチジルアルカノール同族体。
  7. カチオンとしてのアンモニアの代わりに、カチオンがNa+、K+およびN(CH33 +からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載のホスファチジルアルカノール同族体I、II、IIIまたはIV、またはカチオンがアンモニア、Na+、K+およびN(CH33 +からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の同族体V~X。
  8. 同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の製造方法であって、以下の段階:
    mI(1) 以下の段階を含む、または以下の段階からなる、同位体標識された1-アルキロイル-2-アルケノイルグリセロールを製造する段階:
    mIa1) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIa2) いくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIa3) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換され、且ついくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIa4) 標識されていないグリセロールを準備する段階、
    mIb) グリセロール部分のOH/OD基の2つを、好ましくはアセタール構造を形成させて保護する段階
    mIc) 3位における残りのOH/OD基を、保護基、好ましくはレブリノイル基で保護する段階、
    mId) 最初の2つのOH/OD基を脱保護する段階、
    mIe) C12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC15~C17飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加する段階、
    mIf) 一価、二価、三価および四価不飽和鎖、好ましくはC16~C20一価、二価、三価および四価不飽和鎖、より好ましくは一価および二価不飽和鎖、特に好ましくはC18:1またはC18:2をグリセロール部分のsn-2位に付加する段階、
    mIg) 第2の保護基を、好ましくはヒドラジン水和物で除去する段階、
    mI(2) 段階(1)の同位体標識された1-アルキロイル-2-アルケノイルグリセロール生成物をリン酸化試薬と反応させる段階であって、前記リン酸化試薬は、
    i) 段階mIa4)において標識されていないグリセロールが準備される場合、標識されたアルカノール基、好ましくは標識されたエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、または
    標識された脂肪酸鎖を有し、ここで、その水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、
    ii) 段階mIa1)、mIa2)またはmIa3)において標識されたグリセロールが準備される場合、標識されていないアルカノール基、好ましくは標識されていないエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の原子は重水素および/または13Cで置換されていない、前記段階、
    mIh) 任意に、リン酸化剤上に存在する場合、保護剤を除去する段階、
    mIi) 任意に、生成物を、その生成物の塩形態へと変換する段階
    を含む、またはそれらの段階からなる、前記方法。
  9. 同位体標識されたホスファチジルアルカノール同族体の製造方法であって、以下の段階:
    mIIa1) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIIa2) いくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIIa3) いくつかまたは全て、好ましくは全ての水素原子が重水素で置換され、且ついくつかまたは全て、好ましくは全ての炭素原子が13C同位体で置換された、標識されたグリセロールを準備する段階、または
    mIIa4) 標識されていないグリセロールを準備する段階、
    mIIb) グリセロール部分のOH/OD基の2つを、好ましくはアセタール構造を形成させて保護する段階
    mIIc) 3位における残りのOH/OD基を、保護基、好ましくは4-メトキシベンジルで保護する段階、
    mIId) 最初の2つのOH/OD基を脱保護する段階、
    mIIe) C12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC15~C17飽和アルキル鎖、特に好ましくはC16飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加するか、または標識されたC12~C18飽和アルキル鎖、好ましくはC16およびC18飽和アルキル鎖を、グリセロール部分のsn-1位に付加する段階、
    mIIf) 2位のヒドロキシル基を、好ましくはベンジルオキシルメチルまたはテトラヒドロキシピラニルで保護する段階、
    mIIg) 最初の保護基を除去する段階、
    mIIh) 段階mIIg)の保護された同位体標識された保護された1-アシルグリセロール生成物を、リン酸化試薬と結合する段階であって、前記リン酸化試薬は、
    i) 段階mIIa4)において標識されていないグリセロールが準備される場合、標識されたアルカノール基、好ましくは標識されたエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の水素原子の全てまたはいくつかが重水素で置換されており、且つ/またはアルカノール残基の炭素原子のいくつかまたは全てが13C同位体で置換されている、または
    標識された脂肪酸、好ましくは16:0および18:0がsn-1位に導入される、
    ii) 段階mIIa1)、mIIa2)またはmIIa3)において標識されたグリセロールが準備される場合、標識されていないアルカノール基、好ましくは標識されていないエタノール基を有し、ここで、アルカノール残基の原子は重水素および/または13Cで置換されていない、前記段階、
    mIIi) 2位のヒドロキシル基を脱保護する段階、
    mIIj) 一価、二価、三価および四価不飽和鎖、好ましくはC16~C20一価、二価、三価および四価不飽和鎖、より好ましくは一価および二価不飽和鎖、特に好ましくはC18:1またはC18:2をグリセロール部分のsn-2位に付加する段階、
    mIIh) 任意に、リン酸化剤上に存在する場合、保護剤を除去する段階、
    mIIi) 任意に、生成物を、その生成物の塩形態へと変換する段階
    を含む、またはそれらの段階からなる、前記方法。
  10. 前記リン酸化剤がアルキルジクロロホスフィット、ベンジルジクロロホスフィットおよび化合物8、(トリメチルシリル)エチルジクロロホスフィットおよび化合物8からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
  11. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のホスファチジルアルカノール同族体、特に化合物I、II、IIIおよびIVの、分析プロセスおよび方法のための、特にGC/MSまたはLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSまたはCID-OzID MSまたはHPLCまたはLC-MSまたはHPLCまたは高スループットUPLC(登録商標)-MSMSのための標識された標準、特に内部標準としての使用。
  12. 請求項8から10までのいずれか1項の方法により製造されたホスファチジルアルカノール同族体、特に同位体標識されたグリセロール部分を有するものの、分析プロセスおよび方法のための、特にGC/MSまたはLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSまたはCID-OzID MSまたはHPLCまたはLC-MSまたはHPLCまたは高スループットUPLC(登録商標)-MSMSのための標識された標準、特に内部標準としての使用。
  13. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のホスファチジルアルカノール同族体、特に化合物I、II、III、IV、V、VI、VIIおよびVIII、または請求項8から10までのいずれか1項の方法により製造されるホスファチジルアルカノール同族体、特に同位体標識されたグリセロール部分を有するものの、特にLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSによる人間の血液試料におけるPEth同族体の定量分析のための、または個々のPEth同族体の研究のための参照材料および内部標準としての使用。
  14. 請求項1から7までのいずれか1項に記載のホスファチジルアルカノール同族体、特に化合物I、II、III、IV、V、VI、VII、VIII、IXおよびX、または請求項8から10までのいずれか1項の方法により製造されるホスファチジルアルカノール同族体、特に同位体標識されたグリセロール部分を有するものの、特にLC-MS/MSまたはLC-ESI-MS/MSによる人間の血液試料におけるPEth同族体の定量分析のための、または個々のPEth同族体の研究のための、少なくとも3つの内部標準の混合物を用いる内部較正方法(多点内部較正方法)を使用する、参照材料および内部標準としての使用。
JP2023518438A 2020-09-18 2021-09-06 標識部分を有するホスファチジルアルカノール同族体 Pending JP2023542220A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20196913.6 2020-09-18
EP20196913.6A EP3971192A1 (en) 2020-09-18 2020-09-18 Phosphatidylalkanol homologues having labelled moieties
PCT/EP2021/074468 WO2022058192A1 (en) 2020-09-18 2021-09-06 Phosphatidylalkanol homologues having labelled moieties

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023542220A true JP2023542220A (ja) 2023-10-05

Family

ID=72561658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023518438A Pending JP2023542220A (ja) 2020-09-18 2021-09-06 標識部分を有するホスファチジルアルカノール同族体

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20230393157A1 (ja)
EP (2) EP3971192A1 (ja)
JP (1) JP2023542220A (ja)
AU (1) AU2021346253A1 (ja)
CA (1) CA3185919A1 (ja)
WO (1) WO2022058192A1 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014178787A1 (en) 2013-05-03 2014-11-06 Pethmark AB Novel phosphatidylalkanols and compositions thereof

Also Published As

Publication number Publication date
EP3971192A1 (en) 2022-03-23
AU2021346253A1 (en) 2023-04-13
CA3185919A1 (en) 2022-03-24
WO2022058192A1 (en) 2022-03-24
EP4214216A1 (en) 2023-07-26
US20230393157A1 (en) 2023-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3363805B1 (en) Methods for the synthesis of sphingomyelins and dihydrosphingomyelins
US9708354B2 (en) Methods for the synthesis of sphingomyelins and dihydrosphingomyelins
EP2992334B1 (en) Novel phosphatidylalkanols and compositions thereof
US9784701B2 (en) Phosphatidylalkanols and compositions thereof
Lim et al. Synthesis and biological evaluation of a PtdIns (4, 5) P 2 and a phosphatidic acid affinity matrix
JP2023542220A (ja) 標識部分を有するホスファチジルアルカノール同族体
Eibl An efficient synthesis of mixed acid phospholipids using 1-palmitoyl-sn-glycerol-3-phosphoric acid bromoalkyl esters
Riley et al. Unambiguous total synthesis of the enantiomers of myo-inositol 1, 3, 4-trisphosphate: 1L-myo-inositol 1, 3, 4-trisphosphate mobilizes intracellular Ca2+ in Limulus photoreceptors
Furse et al. Synthesis of unsaturated phosphatidylinositol 4-phosphates and the effects of substrate unsaturation on Sop B phosphatase activity
Podeschwa et al. Stereoselective synthesis of several azido/amino-and diazido/diamino-myo-inositols and their phosphates from p-benzoquinone
US6096916A (en) Synthesis of D-3 phosphorylated phosphoinositides and analogues
DE10163836A1 (de) Multifunktionales Reagenz zur Synthese von thiolmodifizierten Oligomeren
HU198947B (en) Process for producing purin-9-yl-alkoxy-methyl-phosphonic acid derivatives
JP2007517860A (ja) スフィンゴミエリン、その中間体及びその調製方法
Podeschwa et al. Flexible Stereo‐and Regioselective Synthesis of myo‐Inositol Phosphates (Part 1): Via Symmetrical Conduritol B Derivatives
Shpirt et al. Conversion of N-acetylneuraminic acid glycosyl chloride into dibenzyl glycosyl phosphate: O-glycosylation in the absence of a promoter
McGuigan et al. Synthesis and anti-HIV activity of some novel lactyl and glycolyl phosphate derivatives
Boumendjel et al. Synthesis of sphingosine-1-phosphate and dihydrosphingosine-1-phosphate.
de Almeida et al. Synthesis of deoxy phosphatidylinositol analogues and phosphonate isosters of Ins (1, 4, 5) P3
Breuer et al. Synthesis and reactions of 2, 2, 2‐trihaloethyl α‐hydroxyiminobenzylphosphonates. The influence of the ester group on the chemistry of phosphonates
Błaszczyk et al. The synthesis and X-ray structural studies of 2-cholesteryl-2-thio-1, 3, 2-oxathiaphospholane and 2-cholesteryl-2-thio-1, 3, 2-dithiaphospholane
JP2673605B2 (ja) リン酸化剤およびそれを用いたホスホジエステル結合形成法
Błaziak et al. Stereoselective formation of a P–P bond in the reaction of 2-alkoxy-2-thio-1, 3, 2-oxathiaphospholanes with O, O-dialkyl H-phosphonates and H-thiophosphonates
Alguacil et al. Exploring synthetic pathways for nucleosidic derivatives of potent phosphoantigens
Huang et al. Incorporation of a fluorous diazirine group into phosphatidylinositol 4, 5-bisphosphate to illustrate its interaction with ADP-ribosylation factor 1