JP2023541156A - 増加型異方性コークスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
異方性コークスを製造する工程であって、工程が、精製石炭製品(PCP)を提供することを含み、PCPが、微粒子状であり、微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、異方性コークスを製造するプロセスを提供する。PCPは、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む混合された固液混合物を製造するために、デカント油などの原料油と混合される。固液混合物は、典型的には遅延コーカー処理工程の一部として、メソフェーズの形成及び異方性コークスの製造を誘導するのに十分な時間の間、400℃を超える温度に曝される。記載された工程により、有用なニードルコークスの改善された収率を得ることができる。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月11日に出願された米国仮出願番号63/077002に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれる。
本出願は、2020年9月11日に出願された米国仮出願番号63/077002に対する優先権を主張するものであり、その全体が参照により組み込まれる。
本発明は、ディレードコーカープロセス及び装置からコークス、典型的には石油コークス(ペットコークス)を製造する分野に関する。
ディレードコーカープロセスで製造されるコークスは、典型的には、ショットコークス、スポンジコークス、及びニードルコークスの3つの主要なタイプであり得る。ショットコークスは典型的には燃料として使用され、原料中に高濃度のアスファルテン並びに形成中のコークドラム中の乱流を必要とする。スポンジコークスはそのスポンジの様な外観にちなんで名付けられ、真空還元原油(VRC)から製造される傾向がある。ある種のスポンジコークスは、焼成されると、アルミニウム製造のための炭素アノードの製造に有用性を示す。ニードルコークスは最高級のコークスであり、電極、特にアルミニウムアノードよりもはるかに高い温度で動作する製鋼型電極の製造に使用される。このように、ニードルコークスは最も高い商業的価値を有する。
ニードルコークスは高度技術集約型の製品であり、主に黒鉛電極の製造に使用される。その重要な差別化特性は、偏光下で「ストリーマー」として視覚化し得る配向ドメイン(domain)構造による低い熱膨張係数である。より配向したドメインの存在からは、より低い熱膨張係数が推論される。ハイブリッド式電気自動車(HEV)、バッテリー式電気自動車(BEV)、ノート型パソコン、及びスマート機器などの人気の高まり、並びに(アーク炉に黒鉛電極を必要とする)鉄鋼産業の成長を中心として決定づけられるリチウムイオン電池の需要により、ニードルコークスの世界市場は、2030年までに60億米ドルを超えると期待されている。
ニードルコークスは、伝統的に、スラリー油とも呼ばれるデカント油から製造される。これはFCC(流動式接触分解)蒸留塔の塔底から得られる。それは、アスファルテン含有量が低く、比重が1より大きい非常に芳香な油である。ニードルコーカー内では、油を高圧下で反応させて、最初に「メソフェーズ」と呼ばれる液晶様製品を製造する。メソフェーズは、等方性ピッチと異方性半成コークスとの間の中間の異方性相であり、いくつかの有機材料の熱分解中に生成される。メソフェーズは、異なる分子サイズの高分子から構成され、ファンデルワールス力によって平行に積層して結合している。前記異方性液晶メソフェーズは、2つの関連するメソゲン(多環式有機化合物から得られるメソフェーズの個々の分子ビルディングブロック)から形成される。熱分解中のメソゲン分子の衝突は、均質の自己集合のプロセスによって液晶(メソフェーズ)の形成をもたらす。メソフェーズは異方性コークスの形成をもたらし、配向(すなわち、伸長又は引張)され、さらに反応すると、ニードルコークスの重要な特性である針状構造を形成する。
高品質のニードルコークスは、単一の方向(流動方向)に配向した炭素の糸又は針の構造を有する高密度の塊から形成される。このコークスは非常に結晶性があり、黒鉛電極を製造するために必要とされるのはこれらの特性である。多くのコークスは、非常に針状のコークスと等方性の特徴を有するコークスとの間に位置する。殆どのコークスはこれら2つの極端の間にあり、したがって、コークスはその微細構造によって決定されるように様々な用途を有する可能性がある。構造は、所与のコークスの使用を決定する唯一の決定的な要因ではないが、所与の用途のための特定のコークスを選択するための初期の基準となるべきである。上質のニードルコークスでさえ、完全に異方的ではない。ニードルコークスは、コールタール留出物からも製造することができる。石油系及び石炭系のニードルコークスはいずれも、熱膨張係数が低く、電気抵抗が低いなどの優れた物性を有するとともに、粉砕及び破損が少ない。
2020年1月1日から施行された国際海事機関(IMO)の2020年新規制は、ニードルコークスの価格と供給に多大な影響を与える可能性が高い。これらの規制は、船舶に対して、船舶用燃料の消費と同様、排出量を2019年まで許可されていた硫黄含有量のレベル3.5%を大幅に下回る、最大硫黄含有量0.5%に削減することを要求している。IMOの新たな規則によると、ニードルコークスの製造に通常依存する低硫黄原油は、その大部分が船舶用燃料として消費されるため、時間の経過とともに価格が上昇すると予想される。したがって、ニードルコークス製造業者は、原料をめぐる競争の激化に直面しており、それによって製品の消費者にさらなる圧力をかけている。
中国特許出願公開第109504416号明細書は、石炭油混合物を使用する石炭ベースのニードルコークスの製造技術に関する。同文献には、D50が20~50mmである石炭系ニードルコークスが記載されている。
英国特許第866,859号明細書は、原子炉用黒鉛への変換に適した石油コークスの製造プロセスに関するものであり、石油留出物からなる炭化水素材料を、175~400℃(347~752°F)の範囲の温度で、物理的処理及び/又は酸素との化学反応によって処理し、得られた終局産物を、石油コークスが形成されるような条件下で熱分解処理することを条件とする工程を含む。
国際公開第2008/005125号には、比較的高い初留点を有するコールタール留出物材料から形成されたニードルコークスから低CTE黒鉛電極を製造する方法が記載されている。
米国特許第4737261号明細書には、水素処理された溶剤精製炭から上質のニードルコークスを製造するプロセスが記載されている。
Escallon,Maria.,Petroleum and petroleum/coal blends as feedstocks in laboratory-scale and pilot-scale cokers to obtain carbon of potentially high value,Ph.D.論文、ペンシルバニア州立大学、2008年12月。(https://etda.libraries.psu.edu/files/final_submissions/4243)は、デカント油と150ミクロン未満のサイズに粉砕された粗炭粒子との混合物からニードルコークスを製造する試みを記載している。
Wang,G.,Molecular composition of needle coke feedstocks and mesophase development during carbonization.Ph.D.論文、ペンシルバニア州立大学、2005年12月(https://etda.libraries.psu.edu/files/final_submissions/2129)は、ニードルコークスを製造するための原料として使用されるデカント油およびその誘導体の分子組成を記載している。
したがって、再生可能なエネルギー貯蔵技術の成長に不可欠な材料に対する需要の増大に対応するために、高品質のニードルコークスを製造するための代替源及び原料を提供する必要がある。
Escallon,Maria.,Petroleum and petroleum/coal blends as feedstocks in laboratory-scale and pilot-scale cokers to obtain carbon of potentially high value,Ph.D.論文、ペンシルバニア州立大学、2008年12月
Wang,G.,Molecular composition of needle coke feedstocks and mesophase development during carbonization.Ph.D.論文、ペンシルバニア州立大学、2005年12月
本発明は、高品質のメソフェーズ、異方性コークス及びニードルコークスの製造プロセスを提供することによって、先行技術に存在する問題を対処する。
本発明は、ディレードコーカーにおける熱前処理の前に、デカント油又はスラリー油などの液体コーカー原料に精製石炭製品(PCP、マイクロファイン炭の形態)を添加することを含む、メソフェーズ、続いて異方性及びニードルコークスの製造プロセスに関する。
本発明者らは、石炭尾鉱の池、貯水池、又は現在の石炭製造過程からのチップ及び不合格材料(例えば、沈降濃縮装置底流又は尾鉱底流の廃水流)、並びにこれまで経済的に利用できなかった高灰分含有量の劣等な炭層から改良された非常に高品質(低灰分含有量、低硫黄量及び低水分含有量)のPCPの利用を提供するプロセスを開発した。高価値のニードルコークスの製造における混合物成分としてのPCPの使用は、鉱業廃棄物の削減における重要な前進を示すとともに、再生可能な電力技術の開発を支援する材料に対する増加した需要を満たす。
本発明の第1の態様によると、異方性コークスの製造プロセスが提供され、前記プロセスは、
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(i)であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記PCPを提供する工程と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程(ii)であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(ii)と、
メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(iii)と、
工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(iv)と、を含む。
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(i)であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記PCPを提供する工程と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程(ii)であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(ii)と、
メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(iii)と、
工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(iv)と、を含む。
本発明の第2の態様は、本明細書に記載のプロセスによって得られるニードルコークス製品を提供する。このように、本発明の方法に従って製造された異方性コークスは、さらに加工され、並びに焼成され、ニードルコークスの製造に使用され得る。
第3の態様は、本明細書に記載のニードルコークスを含む炭素電極を提供する。
本発明の第4の態様は、ディレードコーカーを作動させるためのプロセスであって、
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(i)であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPが約5%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記PCPを提供する工程(i)と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程(ii)であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(ii)と、
前記組み合わされた固液混合物をディレードコーカーに導入し、メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(iii)と、
前記ディレードコーカー内で、工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(iv)と、を含む。
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(i)であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPが約5%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記PCPを提供する工程(i)と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程(ii)であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(ii)と、
前記組み合わされた固液混合物をディレードコーカーに導入し、メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(iii)と、
前記ディレードコーカー内で、工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(iv)と、を含む。
本発明の第6の態様は、精製石炭製品(PCP)の使用であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)は直径約75μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有し、ディレードコーカープロセスによって製造される異方性コークスの割合を増加させるための前記プロセスにおける添加剤とする使用、を提供する。
第7の態様は、ディレードコーカープロセスによって製造されるニードルコークスの収率を増加させる方法であって、デカント油又は石炭由来の油の原料に、0.1%m以上且つ約50%m以下のPCPを添加することを含み、前記PCPは固体の微粒子状で提供され、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)は直径約75μm以下であり、前記PCPは約10%m未満の灰分含有量及び約3%m未満の硫黄含有量を有する方法、を提供する。
本発明の第8の態様は、ディレードコーカープロセスによって製造されるニードルコークスの収率を増加させるための方法であって、少なくとも0.1%m且つ多くとも約50%mのPCPをデカント油又は石炭由来の油の原料に添加する工程を含み、
前記PCPが石炭粒子油中スラリーとして提供され、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約75μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約3%m未満の硫黄含有量を有する方法、を提供する。
前記PCPが石炭粒子油中スラリーとして提供され、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約75μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約3%m未満の硫黄含有量を有する方法、を提供する。
第9の態様では、本発明は、ディレードコーカープロセスを操作する方法で使用するためのメソフェーズ促進添加剤であって、前記添加剤が精製石炭製品(PCP)を含み、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有するメソフェーズ促進添加剤、を提供する。
本発明は、本明細書に開示されているが、前記で明示的に記載されていない特徴のさらなる組み合わせに従うことができることが理解されるであろう。
添付の図面を参照することによって、本発明を、以下のとおり、さらに説明する。
偏光下でのコークス試料の顕微鏡写真であり、液晶形成の証拠がない等方性コークスの「単色」の着色を示している。
偏光下でのコークス試料の顕微鏡写真であり、メソフェーズからのコークスの「虹色」の着色を示している。光の屈折は、固化前の液晶の形成によるものである。
430℃で調製されたデカント油(DO)#1単独からのコークス試料の偏光下の顕微鏡写真であり、殆どが等方性コークスであり、約20%が異方性コークスであることを示す。
430℃で調製された微粉化精製石炭製品(PCP)B単独(試験15)からのコークス試料の偏光下の顕微鏡写真であり、実質的に全てが等方性コークスを示し、メソフェーズを殆ど示さない。
(a)及び(b)は、約46%の異方性コークスを示す、20%PCP B及び80%DO#1の混合物から430℃で調製された本発明の実施形態のコークス試料の偏光下の顕微鏡写真である。
100%DO及び80%DO/20%PCP A混合物を比較したコークス収率グラフを示す。
本発明の一実施形態による、反応器から形成されたコークスのマクロ構造を示す写真である。
6時間コークス化されたデカント油(DO#4)の交差偏光光学顕微鏡画像を示す。
本発明の一実施形態による、PCP Bで6時間コークス化されたコークスDO#4の交差偏光光学顕微鏡画像を示す。
本明細書に引用された全ての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明をより詳細に説明する前に、本発明の理解を助ける多くの定義を提供する。
本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、列挙された要素のいずれかが必然的に含まれることを意味し、他の要素も任意選択的に含まれ得る。「本質的に~からなる」とは、列挙された任意の要素が必然的に含まれることを意味し、一覧化された要素の基本的及び新規な特性に著しく影響を及ぼす要素は除外され、他の要素は任意に含まれ得る。「~からなる」とは、一覧化された要素以外のすべての要素が除外されることを意味する。これらの用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。
「石炭」という用語は、本明細書では、アンスラサイトなどの無煙炭;瀝青炭;亜瀝青炭;及びリグナイトを含む褐炭(ISO 11760:2005で定義される)を含むがこれらに限定されない、容易可燃性堆積鉱物由来の固体炭化水素質系材料を示すために使用される。「天然」石炭又は「原料」石炭とは、広範囲に及ぶ加工を受けておらず、抽出点から実質的に変化しない物理的組成(例えば、マセラル含有物)を含む石炭を指す。対照的に、「精製石炭製品(PCP)」、「石炭抽出製品」、「石炭代替製品」及び「精製石炭組成物」という用語は、本明細書では、抽出点、すなわち自然状態から実質的に変化するように、石炭の物理的及び/又は化学的組成の変化をもたらす1つ以上のプロセスを経た様々な石炭を指すために使用される。
本明細書で使用される場合、「灰分」という用語は、殆どの種類の化石燃料、特に石炭中に見られるものに含まれる無機-例えば非炭化水素-鉱物の成分を指す。灰分は、石炭の燃焼後に残る固形残渣に含まれ、飛散灰と呼ばれることもある。石炭の供給源と種類は非常に多様であるように、灰分の組成及び化学的構造も同様である。しかし、典型的な灰分含有量には、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化鉄(III)、及び酸化アルミニウムなどのいくつかの酸化物が含まれる。石炭は、その原料に応じて、以下に挙げる灰分、即ちヒ素、ベリリウム、ホウ素、カドミウム、クロム、コバルト、鉛、マンガン、水銀、モリブデン、セレン、ストロンチウム、タリウム、及びバナジウムなどの中に含まれ得る1つ以上の物質を微量でさらに含む場合がある。
本明細書で使用される場合、「低灰分石炭」という用語は、他の業界基準石炭と比較した場合に低い灰分形成成分の一部を有する天然石炭を指す。典型的には、低灰分の天然又は原料石炭は、約12%m以下の灰分を含む。「脱灰石炭」という用語、又は関連する用語「脱塩石炭」は、本明細書では、その天然の状態と比較して無機鉱物の割合が減少した石炭を指すために使用される。灰分含有量は、ASTM D3174-12 Standard Test Method for Ash in the Analysis Sample of Coal and Coke from Coalに記載されているように、石炭組成物の近似分析によって決定することができる。非常に低灰分の石炭は、希少であり、それに応じて高価であるが、典型的には灰分含有量が8%m未満である。
本明細書中で使用される場合、「微粒炭」という用語は、典型的には1.0mm未満の最大粒径を有する粒子形態の石炭を指す。「石炭のウルトラファイン」又は「ウルトラファイン炭」又は「ウルトラファイン」という用語は、典型的には0.5mm(500ミクロン(μm)、約0.02インチ)未満の最大粒径を有する石炭を指す。「石炭のマイクロファイン」又は「マイクロファイン炭」又は「マイクロファイン」という用語は、典型的には20μm未満の最大粒径を有する石炭を指す。
本明細書中で使用される場合、「水分含有量」という用語は、試料内の水の総量を指し、濃度又は質量パーセント濃度(%m)として表される。この用語が石炭試料中の水分含有量を指す場合、石炭の固有又は残留水分含有量、及び環境から吸収された任意の水又は水分を含む。本明細書中で使用される場合、「脱水炭」という用語は、その天然状態のものよりも低い水の絶対比率を有する石炭を指す。「脱水炭」という用語はまた、低い自然発生比率の水を有する石炭を指すために使用されることもある。水分含有量は、ASTM D3302/D3302M-17 Standard Test Method for Total Moisture in Coalに記載されているように、天然又は精製石炭組成物の分析によって決定することができる。脱水されたと考えられる石炭は、典型的には10%m以下の水、典型的には5%m以下の水、及び任意選択的には2%m未満の水を含む。
本明細書で使用される「炭化水素系材料」という用語は、炭化水素を含む材料を指す。炭化水素は、実質的に水素及び炭素の元素からなる有機化合物である。炭化水素系材料は、脂肪族炭化水素並びに芳香族炭化水素を含むことがある。鉱物由来の炭化水素系材料は、窒素、酸素、又は硫黄などの1つ以上のヘテロ原子をさらに含むことがある。
微粒炭の近年の加工の開発により、低水分含有量(<15%m、典型的には<7%m、好適には<3%m)及び低灰分含有量(<10%m、典型的には<5%m、好適には<2%m、又は<1%m)を有するマイクロファイン精製石炭製品、PCPが利用可能になった。PCPの脱塩プロセスはまた、硫化鉄の除去を介して硫黄含有量に有益な効果を有する。微粒炭の脱塩及び脱水は、典型的には、ウルトラファイン粒子及びマイクロファイン粒子のために特別に設計された泡沫浮選分離と、機械的及び熱的脱水技術との組み合わせを介して達成される。脱水の石炭のウルトラファインの製造のための典型的なプロセスは、WO-A-2020/065341に提供されている。しかしながら、例えば、1つ以上の親水性溶媒の使用によって水が除去された炭化水素担体中の微粒炭粒子を含むケーキとして石炭を提供するような、いくつかの他の好適な脱水プロセスも当技術分野内に存在することが理解されるだろう。
残渣油を用いた蒸留に好適な微粒炭の任意の粒度が、本発明に包含されると考えられる。好適には、微粒炭の粒径は、ウルトラファインの範囲内である。最も好適には、微粒炭の粒径は、マイクロファインの範囲内である。具体的には、最大平均粒径は、最大500μmであっても良い。より好適には、最大平均粒径は、最大300μm、250μm、200μm、150μm、又は100μmであっても良い。最も適切には、最大平均粒径は、最大75μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、又は5μmであっても良い。最小平均粒径は、0.01μm、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、又は5μmであっても良い。したがって、特定の実施形態では、本発明は、サブミクロンの範囲の平均粒径を有するナノスケールの微粒炭の利用を含む。
粒径の代替的な方法は、最大粒径及びその粒径を下回る試料内の粒子の体積比に対するパーセンテージ値又は「d」値を引用することである。本発明では、原油を用いた蒸留に好適な任意の粒度の微粒炭が本発明に包含されると考えられる。好適には、微粒炭の粒径は、ウルトラファインの範囲内である。最も好適には、微粒炭の粒径は、マイクロファインの範囲内である。具体的には、最大粒径は、最大500μmであっても良い。より好適には、最大粒径は、最大300μm、250μm、200μm、150μm、又は100μmであっても良い。最も適切には、最大粒径は、最大75μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μm、又は5μmであっても良い。最小粒径は、0.01μm、0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、又は5μmであっても良い。任意の「d」値は、これらの粒径のいずれか1つに関連しても良い。好適には、上記最大粒径のいずれかに関連する「d」値は、d99、d98、d95、d90、d80、d70、d60、又はd50であっても良い。ディレードコーカープロセスにおける石炭の反応を最大にするためには、小粒子が残渣油相中に十分に分散されることを可能にするために、石炭粒径が比較的均一かつ小さいことが望ましい。例えば、本発明の特定の実施形態では、マイクロファイン炭は、<100μm、<90μm、<70μm、<50μm、任意選択で<20μmのd90を有する。好適には、マイクロファイン炭は、<70μm、<60μm、<50μm、<40μm、任意選択で<20μmのd99を有する。
本発明の特定の実施形態によると、脱水され、脱塩されたマイクロファイン炭の固体粒子状物質を、好適には高い芳香族含有量を有する原料油中に混合する(すなわち懸濁する)プロセスが提供される。原料油(例えば、デカント油)と混合することができるマイクロファイン炭の量は、少なくとも1%m(1質量%)、好適には少なくとも5%m、典型的には約20%mまで、任意選択的には約30%まで、及び最大で70%m、好適には最大で60%m、任意選択的には最大で50%mである。従って、マイクロファイン炭成分は、得られた混合原料の質量の大部分を構成しても良い。これは、液体成分のかなりの部分をより安価な固体材料で置き換えることによって、かなりの経済生産を可能にする。組み合わされた混合物はまた、従来の装置の広範な再設計なしに、既存の装置及びプロセスに導入されても良い。
先に説明したように、本発明は、特定の実施形態において、高い芳香族含有量を有する原料油中に、脱水され、脱塩されたマイクロファイン炭を混合又は調合するためのものである。典型的には、原料油は、アスファルテン低含有の芳香族デカント油、エチレンクラッカーボトム油、及びコールタール液体から誘導される油から選択される。
従来のディレードニードルコークス化プロセスでは、重質芳香族油(例えば、デカント油)は、炉内に蒸気が存在する状態で450℃を超える(好適には約480℃)その分解温度まで加熱され、次いで1つ以上のコークドラムに送られる。理論に拘束されることを望むものではないが、熱分解は、炉と1つ以上のコークドラムとの間の供給パイプにおいて既に開始し、ドラムにおいて終了すると考えられる。蒸気の追加は、供給パイプ内のコークスの堆積を防止するのに役立つ。メソフェーズ結晶構造を有するコークスが形成されるドラム内部では、さらなる熱分解が起こる。生成された任意の留出物及びガスは、分留装置又は別の精製プロセスに送られる。典型的には、コーカー装置は少なくとも第1及び第2のコークドラムを含み、第1のドラムがコークスで充填されている一方で、第2のドラムはコークスの炭化水素含有量をさらに減少させるために蒸され、次いで冷却のために水で急冷される。第1のドラムが充填された後、炉からの高温混合物が第2のドラムに到達してバッチ連続製造プロセスを可能にするように、プロセスは第2のドラムに切り替えられる。高圧デコーキングデリックは、1つ以上のコークドラムの上方に配置されても良く、通常はドラムの底部から収集されるいわゆる「グリーン」コークスの除去を容易にするために、高圧水をコーカードラムに送達するために使用されても良い。グリーンコークスは、最終的な電極グレードのニードルコークスを製造するために、不活性雰囲気中(例えば、回転焼成炉中)で1000℃を超える温度で焼成過程にさらに供されても良い。
典型的に、ニードルコークスは、低硫黄(<0.6%m)及び低窒素であり、また、粒子サイズが最大量(>6mm)を示し、低金属汚染(<500ppm Ni及びV)、微粉が最小量(<1mm)、良好な密度(>78グラム/100cm3;4/6メッシュテスト)、低灰分含有量(<0.3%)、高真密度(2.13g/cm3)を示す。ニードルコークスの品質のさらなる測定単位は、線熱膨張係数、又はCTEである。上質なコークスと指定されるためには、一般に、約1.0×10-6/℃未満のCTE(100~400℃の温度範囲で測定される)が、上質なコークスの基準を満たすものとして製品を指定するのに十分であると考えられる。
ディレードコーカー内でのニードルコークス形成の最適化には、メソフェーズ形成及び一軸再配列を促進する温度及び圧力を含む複数のパラメータの制御が必要である。メソフェーズは、典型的には、高芳香族分子の縮合反応から製造される。これらの多重環構造は、熱分解によって脂肪族側鎖を失い、安定化された遊離基を形成し、次いで他の分子と結合して液晶構造を形成する。次いで、この液晶構造は、蒸気及び分解生成物の上方への流れによって一方向に引き伸ばされて、ニードルコークス特有の異方性構造を製造する。
メソフェーズは、石油、石炭、又はこれらの組み合わせに由来する油から製造することができる。理論に拘束されることを望むものではないが、PCPが油と組み合わされ、ディレードコークス化の条件に供されると、冶金コーカー中のコールタール生成物の流れに報告されただろう高芳香族分子がPCPから抽出され、これらの高芳香族分子は油相中の他の芳香族分子と反応し、側鎖の同じタイプの熱分解及び再結合を受けて、最終的にメソフェーズを形成するさらに大きな芳香族構造を形成すると考えられる。これにより、油単独で達成した場合に比べてコークス収率が増加する。
さらに、PCPは油分子を吸収し、それらが蒸発するのを妨げる傾向があることが観察されている。この蒸発の妨害は、特により軽い芳香族分子について、コークドラム内のより長い滞留時間を作り出す。これは、側鎖の熱分解及びディレードコークス化条件下で蒸発するには大きすぎる芳香族コアの分子への再結合のためのより多くの時間を可能にする。これは、ニードルコークスの収率をさらに増加させる。
さらに、特定の実施形態では、非常に低い灰分含有量(<1%m)及び低い硫黄(<1%m)を有するマイクロファイン炭(d90<50ミクロン)PCPを使用することにより、得られたニードルコークスは、その品質がニードルコークス製品には不十分であると考えられる油原料を使用する場合であっても、より高い上質価値製品の仕様を満たすことができる。
本発明の実施形態において、記載された方法に従って調製されたコークスは、焼成コークス製品を製造するために、1つ以上の追加の焼成過程に供されても良い。焼成コークスは様々な産業や用途で使用されており、特にリチウム電池の製造及び鉄鋼の精錬における使用のための炭素アノード及び電極の製造に有用な材料である。記載された方法によって製造されたコークスは、コークスが1100~1350℃(2192~2460°F)の間の温度に加熱される、回転窯で焼成しても良い。高温熱処理により、過剰な水分が除去され、残りのすべての炭化水素が抽出され、コークスの結晶構造が変化し、緻密な導電性生成物が得られる。
以下の非限定的な実施例によって、本発明をさらに説明する。
試験は、4つの異なる米国精油所からのデカント油、表1、及びこれらのデカント油(DO)とPCPとの混合物を用いて、様々な温度及び反応時間下で、マイクロコーカー装置において実施された。実験データは、本質的に完全な反応及び妥当なコークス収率が、500℃の温度で60分で達成され得ることを示す。市販のコーカーとは異なり、マイクロコーカーは加圧されていないことに留意されたい。このことは、より軽い分解生成物が装置から逃れることを可能にし、これはコークスの収率を制限する。
PCPは、米国特許第9777235号に従って、2つの米国の高揮発性瀝青炭A及びB、表2、から調製された。
各実験は4つのるつぼからなり、各るつぼは約1グラムの原料を含む。コークス及び揮発性物質の収率を各るつぼについて計算し、次いでセットについて平均化した。デカント油単独を用いて、及びデカント油中のPCPの混合物を用いて比較試験を行った。次に、これらの多数回の試験から製造されたコークスを計量し、組み合わされ、分析のための十分に大きな試料を製造した。コークスの試料をポリマーに取り付け、研磨して平坦な表面を得た。次いで、試料を偏光下で顕微鏡分析して、「等方性コークス」の領域及び「異方性コークス」の領域を測定した。
等方性コークスは「すべての方向において同じ」であり、真空残油から製造される一般的な燃料又はアノードグレードのコークス(例えば、スポンジコークス又はアノードコークス)に典型的である。偏光下では、図1に示すように単色として現れる。これとは対照的に、異方性コークスは、一方の方向と他方の方向とで物理的特性の差を示す。それらの違いの1つは、光を屈折させ、図2の顕微鏡写真に示されているように、偏光下で目視可能な「虹」パターンを導く能力である。この特性は、それが作られる液晶メソフェーズ前駆体に起因する。コークス化中のメソフェーズの存在は、あまり好適ではない非加圧条件下でさえ、デカント油とPCPの原料の組み合わせからニードルコークスを製造する傾向があることを示している。したがって、加圧商業的コークス化プロセス中に配向された場合、メソフェーズは、高価値のニードルコークスの改善された収率の形成をもたらす可能性が非常に高い。
画像解析ソフトウェアは、一定色の領域(等方性コークス)と虹色パターンを示す領域(異方性コークス)を合計することができ、それによって各種の相対量の計算を可能にする。屈折を示す領域は、さらに、微細、粗い、円形、及び初期のようなメソフェーズの様々な区分に細分することができる。
一連のマイクロコーカー試験を実施して、2種類のPCP及び4つのデカント油の温度及び濃度が、形成された異方性コークスの割合に及ぼす効果を決定した、表3参照。
結果は、430℃でデカント油#1単独(試験9)が、80%等方性及び20%異方性であるコークスを製造したことを示す。これは、比較的低い割合のニードルコークス前駆体である。偏光下でのこのコークスの顕微鏡写真を図3に示す。430℃でPCP単独から製造されたコークスを同じ手順で分析したところ、94%(PCP A、試験12)から97%(PCP B、試験15)の等方性のコークスが得られ、様々な形態のメソフェーズがわずかに認められた。偏光下でのPCP Bからのこのコークスの顕微鏡写真を図4に示す。
20%のオハイオ炭由来PCP Bと80%DO#1の混合物から430℃で製造されたコークスは、非加圧条件下でも、DO#1単独の20%からPCP B/DO#1混合物(試験13)の46%への異方性含有量の予想外に著しい増加を示した。これは、この混合物が、デカント油単独よりも著しく優れたニードルコークス製品用原料であり得ることを示している可能性がある。混合物からの個々の異方性領域は、デカント油コークス単独からのコークスに見られるものよりも小さく、より散在していたが、異方性領域の全体量は、デカント油単独から見られるものの2倍超であった。これらの結果を図5に示す。
PCP Bから製造され、同じ手順によって分析されたコークスは、98%が等方性であり、様々な形態のメソフェーズをわずかに有するコークスをも生じさせたため、結果は驚くべきものである。混合物は、予想外に相乗的な組み合わせをもたらし、いずれかの原料単独よりもコークス化中にはるかに多くの液晶(メソフェーズ)形成をもたらしたようである。
DO#1単独ではこれらの条件で約8%のコークスしか製造されなかったが、PCP B/DO#1混合物では18%のコークスが製造されたことにさらに留意されたい。従って、PCP/DO混合物は、異方性コークスのより高い収率並びに固体生成物中の異方性コークスのより高い割合の両方を製造した。
異なるデカント油及び温度の影響
1.試験1、5、22及び24は、450℃での熱分解実験が、デカント油から著しい量の異方性コークスを生成し、異なる油間で識別することを示す。#1及び#4デカント油は、#2及び#3よりもより異方性であるコークスを製造する。#4デカント油は、ニードルコークス製品のための原料として使用されることが知られており、100%異方性コークスを製造する。
2.試験9及び10は、デカント油#1及び#4から430℃のより低い熱分解温度で製造される異方性コークスがはるかに少ないことを示す:450℃でそれぞれ86.4%v及び80%vと比較して、それぞれ20%v及び17.6%v(試験1及び5)。
3.試験16は、500℃のより高い熱分解温度で、デカント油#4からより異方性であるコークスが製造されることを示す:450℃で80%vと比較して100%v(試験5)。
1.試験1、5、22及び24は、450℃での熱分解実験が、デカント油から著しい量の異方性コークスを生成し、異なる油間で識別することを示す。#1及び#4デカント油は、#2及び#3よりもより異方性であるコークスを製造する。#4デカント油は、ニードルコークス製品のための原料として使用されることが知られており、100%異方性コークスを製造する。
2.試験9及び10は、デカント油#1及び#4から430℃のより低い熱分解温度で製造される異方性コークスがはるかに少ないことを示す:450℃でそれぞれ86.4%v及び80%vと比較して、それぞれ20%v及び17.6%v(試験1及び5)。
3.試験16は、500℃のより高い熱分解温度で、デカント油#4からより異方性であるコークスが製造されることを示す:450℃で80%vと比較して100%v(試験5)。
異なるPCP及び温度の影響
4.試験12、2、及び17(PCP A)並びに試験15、8、及び20(PCP B)は、430、450、又は500℃でそれら自体を熱分解した場合、PCP A又はBのいずれかから非常に少量(6%v未満)の異方性コークスが形成されることを示す。
4.試験12、2、及び17(PCP A)並びに試験15、8、及び20(PCP B)は、430、450、又は500℃でそれら自体を熱分解した場合、PCP A又はBのいずれかから非常に少量(6%v未満)の異方性コークスが形成されることを示す。
450℃での一連のデカント油混合物中の異なるPCPからの異方性コークスの形成
5.4つすべてのデカント油にPCP Aを20%添加すると、450℃での異方性コークス収率が、以下のとおり大幅に増加する。
・#1:86.4%v(試験1)から96.8%v(試験3)へ、
・#2:74.4%v(試験22)から86.4%v(試験23)へ、
・#3:54.4%v(試験24)から88.8%v(試験25)へ、
・#4:80.0%v(試験5)から97.1%(試験6)へ。
5.4つすべてのデカント油にPCP Aを20%添加すると、450℃での異方性コークス収率が、以下のとおり大幅に増加する。
・#1:86.4%v(試験1)から96.8%v(試験3)へ、
・#2:74.4%v(試験22)から86.4%v(試験23)へ、
・#3:54.4%v(試験24)から88.8%v(試験25)へ、
・#4:80.0%v(試験5)から97.1%(試験6)へ。
したがって、PCPはデカント油と相互作用して、PCP自体から異方性コークスを製造するだけでなく、デカント油から形成される異方性コークスの量を増加させる。
6.#1デカント油中にPCP Aを40%添加すると、PCP Aを20%添加した場合よりも異方性コークス収率が96.8%v(試験3)から98.0%v(試験4)によりさらに一層多く増加する。
7.#4デカント油中にPCP Bを20%添加すると、#4の450℃での異方性コークス収率も80.0%v(試験5)から99.6%(試験7)に大幅に増加する。
PCP/デカント油混合物からの異方性コークスの形成に及ぼす温度の影響
8.430℃のより低い温度では、PCPを20%添加すると、#1デカント油の異方性コークス収率が20%v(試験9)から66.8%v(試験11、PCP A)、及び46.0%v(試験13、PCP B)に大幅に増加する。
8.430℃のより低い温度では、PCPを20%添加すると、#1デカント油の異方性コークス収率が20%v(試験9)から66.8%v(試験11、PCP A)、及び46.0%v(試験13、PCP B)に大幅に増加する。
20%PCP Bとデカント油#4との混合は、64.4%v(試験14)の同様の収率を生み出した。したがって、PCPの添加は、430℃というより低い温度でのデカント油からの異方性コークスの製造を加速する。
9.500℃というより高い温度では、#4デカント油は完全に異方性のコークスを生成する(試験16)。PCPと#4デカント油との20%混合は、ほぼ完全に異方性のコークスを製造する:99.6%v(試験18、PCP A)及び96.8%v(試験21、PCP B)。
40%PCP Aとデカント油#1との混合は、99.2%v(試験19)の同様の高収率を生み出した。
したがって、500℃のより高い温度では、デカント油と20%m及び40%mのPCP/デカント油混合物との間の異方性コークス収率の差はほとんど観察されない。
PCP添加による収率の増加
10.図6は、100%DO及び80%DO/20%PCPの4つの異なるデカント油について、450℃で得られたコークス収率を示す。
4つのすべてのデカント油に20%のPCP Aを添加すると、コークス収率が12~14%m増加する。即ち、以下のとおりである:
・#1:14.6%mから27.5%mへ
・#2:11.4%mから25.3%mへ
・#3:18.5%mから30.9%mへ
・#4:11.3%mから24.5%mへ。
10.図6は、100%DO及び80%DO/20%PCPの4つの異なるデカント油について、450℃で得られたコークス収率を示す。
4つのすべてのデカント油に20%のPCP Aを添加すると、コークス収率が12~14%m増加する。即ち、以下のとおりである:
・#1:14.6%mから27.5%mへ
・#2:11.4%mから25.3%mへ
・#3:18.5%mから30.9%mへ
・#4:11.3%mから24.5%mへ。
したがって、PCP添加は品質(異方性コークス純度)を改善するだけでなく、異方性コークス収率も大幅に増加させる。典型的には、動作中では、より高いニードルコークス収率は、より低いコークス品質と関連する。
Parr社オートクレーブ反応器を、液体を収集するためのノックアウトトラップを含むように改良した。前記ノックアウトトラップには、100psiまで動作することができる可変背圧レギュレータを取り付けた。前記システムを窒素で清浄し、窒素下で加圧した後に実験を行った。コークス塊を容易に除去できるように、反応シリンダー内にはライナーを設置した。ニードルコークスの形成を最大にし、残留N-メチルピロリドン(NMP)可溶性物質及び等方性ピッチの量を最小にするのに必要な最適条件を以下のとおり採用した:70psiの背圧で500℃で6時間。
製造したコークスの形態は、メソフェーズを整列させてニードルコークスの形態を導くコークス化中に気泡が放出されることによって生成された所望のチャネル/細孔(図7)を示す。通気孔の周りに異方性コークスの良好な整列と構造化があった。図8は、交差偏光光学顕微鏡法による縞状フローの異方性形成を示す。画像は、顕微鏡法で分析された材料全体を示すようにつなぎ合わせられている。等方性ピッチは観察されず、試料はNMP中で非常に低い溶解度を有し、コークスへの高転化を示した。
PCP B存在下でのニードルコークス反応
500℃及び70psiでの6時間の熱浸漬によって、20%PCP Bと混合したDO#4を使用してコークス化実験を繰り返した。顕微鏡法分析のために、コークス試料を中央及び底部から採取し、図8よりも高倍率で交差偏光光学顕微鏡法(図9)によって分析した。前記中央の試料(左の画像)からのコークスは、より長い条線を有するフロードメインを有し、DO#4単独から製造されたニードルコークスに類似しているように見える。底面からの試料(右側の画像)は、いくつかの微細な異方性構造といくつかのフロードメインをまさに示している。コークスのほとんどは、ニードルコークスに類似した形態を有するようである。
500℃及び70psiでの6時間の熱浸漬によって、20%PCP Bと混合したDO#4を使用してコークス化実験を繰り返した。顕微鏡法分析のために、コークス試料を中央及び底部から採取し、図8よりも高倍率で交差偏光光学顕微鏡法(図9)によって分析した。前記中央の試料(左の画像)からのコークスは、より長い条線を有するフロードメインを有し、DO#4単独から製造されたニードルコークスに類似しているように見える。底面からの試料(右側の画像)は、いくつかの微細な異方性構造といくつかのフロードメインをまさに示している。コークスのほとんどは、ニードルコークスに類似した形態を有するようである。
定量的コークス顕微鏡法は、このPCP B/DO#4混合物から、DO#4単独(97.2%v)よりも、より異方性の高いコークス(98.8%v)が得られることを示した。
コークス、液体及びガスの重量収率を測定した。20%PCP/DO#4混合物は、以下を提供した:
・DO#4の49.9%mからほぼ9%m増加して58.6%mとなったはるかにより高いコークス収率;
・DO#4の40.3%mからほぼ8%m減少して32.4%mへとなった驚くほどより低いガス収率;
・9.8%mから9.0%にわずかに(ほぼ1%m)減少した同様の液体収率。
・DO#4の49.9%mからほぼ9%m増加して58.6%mとなったはるかにより高いコークス収率;
・DO#4の40.3%mからほぼ8%m減少して32.4%mへとなった驚くほどより低いガス収率;
・9.8%mから9.0%にわずかに(ほぼ1%m)減少した同様の液体収率。
前記コークス収率の増加は、図6に示す実施例1のマイクロコーカー装置で得られた結果と一致している。観察されたコークスの増加及びガスの減少は、ニードルコークス製造プロセスに重要な価値を提供するであろう。
結論
80%のデカント油と20%のオハイオ炭由来PCPとの混合物をコークス化することにより、混合物単独の2種から生成されたものと比較して、異方性コークスの収率及び品質が大幅に異なる。
80%のデカント油と20%のオハイオ炭由来PCPとの混合物をコークス化することにより、混合物単独の2種から生成されたものと比較して、異方性コークスの収率及び品質が大幅に異なる。
前記混合物は、いずれかの種単独よりも大幅に多くのメソフェーズコークスを製造する。液晶相にある間に適切な配向があれば、これは、ニードルコークスのはるかに高い収率をもたらし得る。
上記の結果は、ゼロ背圧によって導かれた。製造規模のニードルコーカーは、典型的には、約90psigの圧力で操作される。原料の屈曲(bend)中にPCPが存在することにより、精製業者は、コークス収率を犠牲にすることなく、より低い圧力(より低い運転コスト)でニードルコーカーを運転する能力を得ることができる。
商業的なニードルコーカーは、蒸気、気泡及び大きなアスペクト比(長さ/直径)に依存して、メソフェーズを延伸及び配向させる。実施例2で使用された反応器は、蒸気を有さず、アスペクト比が低いので、配向メソフェーズ/ニードルコークスがPCP/DO混合物を使用して調製されたことは一層顕著である。
ニードルコークスの分析品質要件の達成
一般に、ニードルコークスは低硫黄(<0.6%m)、低金属汚染(<500ppmニッケル及びバナジウム)、低灰分含有量(<0.3%)を有することが望ましい。表4は、デカンタ油DO#4と、地理的及び地質学的に異なる起源の5つのPCP(PCP A~E)について、これらのパラメータのデータを示している。
一般に、ニードルコークスは低硫黄(<0.6%m)、低金属汚染(<500ppmニッケル及びバナジウム)、低灰分含有量(<0.3%)を有することが望ましい。表4は、デカンタ油DO#4と、地理的及び地質学的に異なる起源の5つのPCP(PCP A~E)について、これらのパラメータのデータを示している。
PCPの灰分含有量及びS含有量は、前述したように、精製される廃石炭の供給源に依存する。PCPは、広範囲の異なる地理的及び地質学的起源を有する石炭から抽出されてきた。0.26%m(コロンビア暁新世、PCP E)、0.38%m(米国白亜紀、PCP C)、0.59%m(オーストラリアペルム紀、PCP D)という低い灰分含有量のPCPが達成されており、並びに0.9-1.0%mの灰分含有量範囲の多く(米国石炭紀、例えばPCP A&PCP B)も達成されている。
表4で使用した計算式は、以下のとおりである:
(1)DOコークス中のV=VDO=DO/コークス収率中のV
(2)DOコークス中のNi=NiDO=DO/コークス収率中のNi
(3)PCPコークス中のV=VPCP=PCP/固定炭素含有量中のV
(4)PCPコークス中のNi=NiPCP=PCP/固定炭素含有量中のNi
(5)DOコークス中のS=SDO=硫黄凝縮率(CsDO)×DO/コークス収率中のS
(6)PCPコークス中のS=SPCP=硫黄凝縮比(CsPCP)×PCP/固定炭分含有量中のS
(7)混合物中のS=SPCP×BPCP+SDO×(1-BPCP)、ここで、BPCP=PCP/DO混合物中のPCPの割合
(8)DOコークス中の灰分=AshDO=DO/コークス収率中の灰分
(9)PCPコークス中の灰分=AshPCP=PCP/固定炭素含有量中の灰分
(10)混合物中の灰分=AshPCP×BPCP+AshDO×(1-BPCP)。
(1)DOコークス中のV=VDO=DO/コークス収率中のV
(2)DOコークス中のNi=NiDO=DO/コークス収率中のNi
(3)PCPコークス中のV=VPCP=PCP/固定炭素含有量中のV
(4)PCPコークス中のNi=NiPCP=PCP/固定炭素含有量中のNi
(5)DOコークス中のS=SDO=硫黄凝縮率(CsDO)×DO/コークス収率中のS
(6)PCPコークス中のS=SPCP=硫黄凝縮比(CsPCP)×PCP/固定炭分含有量中のS
(7)混合物中のS=SPCP×BPCP+SDO×(1-BPCP)、ここで、BPCP=PCP/DO混合物中のPCPの割合
(8)DOコークス中の灰分=AshDO=DO/コークス収率中の灰分
(9)PCPコークス中の灰分=AshPCP=PCP/固定炭素含有量中の灰分
(10)混合物中の灰分=AshPCP×BPCP+AshDO×(1-BPCP)。
バナジウム(V)とニッケル(Ni)の含有量
表4は、DO#4のV及びNi含有量をそれぞれ3及び7ppm,wとしている。DO#4からの11.3%mのコークス収率は図6から得られる。DO中に存在するすべてのV及びNiが得られたコークス中に見出される最悪の場合を仮定すると、DO#4から得られたコークスは、27ppm,w(VDO)のV含有量及び63ppm,w(NiDO)のNi含有量を有し、両方とも、各要素について必要とされるニードルコークス限界をはるかに下回る。
表4は、DO#4のV及びNi含有量をそれぞれ3及び7ppm,wとしている。DO#4からの11.3%mのコークス収率は図6から得られる。DO中に存在するすべてのV及びNiが得られたコークス中に見出される最悪の場合を仮定すると、DO#4から得られたコークスは、27ppm,w(VDO)のV含有量及び63ppm,w(NiDO)のNi含有量を有し、両方とも、各要素について必要とされるニードルコークス限界をはるかに下回る。
PCP AのV及びNi含有量はそれぞれ20ppm,w及び5ppm,wである。固定炭素含有量(100%-揮発分)は、PCPのコークス収率のおおよその値を提供し、この場合は67%mである。V及びNiのデータはPCP Aについてのみ入手可能であるが、これらのレベルは典型的なものであり、したがって、一般的な廃石炭源を広く示している。PCP Aから得られるコークスは、V含有量を30ppm,w,(VPCP、式(3)参照)有し、Ni含有量を7ppm,w(NiPCP、式(4)参照)有するであろう。VPCPとNiPCPは両方とも、各要素に対して必要なニードルコークスの限界を十分に下回っており、DO#4から得られたものよりも(V)が同等であるか、(Ni)がはるかに少ない。
したがって、PCP AとDO#4との任意の混合物は、ニードルコークスV及びNiの要件を満たす。ニードルコークス製造に使用されるデカント油は、V及びNiレベルが500ppm,wの要件を満たすように選択される。同様に、PCPの供給源は、これらの要件を満たすか、又はそれ未満であるように選択することもできる。後者の場合、V/Ni限界をわずかに超えるDOは、実際には、適切なPCPと混合することによって仕様の範囲内にすることができる可能性がある。したがって、PCPの使用は、高価値のニードルコークスを製造するために利用可能なDO原料の範囲を拡大するのに役立つだろう。
硫黄(S)含有量
低S含有量(<0.6%m)は、ニードルコークスの必要条件である。DO中のSの実質的な割合は、コークス中には結果的に入らない。ニードルコークスに組み込まれたDO供給物中の硫黄のパーセンテージ画分を示す硫黄凝縮比(CsDO)は、以下のように得られた。Tanabe et al.,Hydrotreating of FCC decant oil as a needle coke feedstock,J.Japan Inst.Energy 1997,75(834)pp.916-924,(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1992/75/10/75_10_916/_pdf)、及び52-56%のCs値が得られた。Technology of Petroleum Needle Coke Production in Processing of Decantoil with the Use of Polystyrene as a Polymeric Mesogen Additive,Gabdulkhakov et al.,ACS Omega 2021,6,30,19995-20005,https://doi.org/10.1021/acsomega.1c02985、のデータを使用すると、62%のCsDO値という結果となる。
低S含有量(<0.6%m)は、ニードルコークスの必要条件である。DO中のSの実質的な割合は、コークス中には結果的に入らない。ニードルコークスに組み込まれたDO供給物中の硫黄のパーセンテージ画分を示す硫黄凝縮比(CsDO)は、以下のように得られた。Tanabe et al.,Hydrotreating of FCC decant oil as a needle coke feedstock,J.Japan Inst.Energy 1997,75(834)pp.916-924,(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1992/75/10/75_10_916/_pdf)、及び52-56%のCs値が得られた。Technology of Petroleum Needle Coke Production in Processing of Decantoil with the Use of Polystyrene as a Polymeric Mesogen Additive,Gabdulkhakov et al.,ACS Omega 2021,6,30,19995-20005,https://doi.org/10.1021/acsomega.1c02985、のデータを使用すると、62%のCsDO値という結果となる。
DO#4はS含有量が0.09%と低いが、低コークス収率(11.3%m)を導く。上記に基づいてCsDOの平均値として60%とすると、推定コークスS含有量(SDO)は0.48%m(式(5)参照)となり、これは硫黄のニードルコークス限界値0.6%をはるかに下回っている。PCP硫黄はほとんどすべて有機Sであり、黄鉄鉱及び硫酸塩として、Sは調製段階で除去される。PCP中のSの相当な割合は、結果としてコークス中には到達しない。ニードルコークスに組み込まれたPCP硫黄の割合を示す硫黄凝縮比(CsPCP)は、DOと同様の方法で得られた。PCP A~Eはすべて高揮発性瀝青炭から得られた精製廃棄物であり、59~75%のCsPCP値が、主に有機硫黄を含む一連の石炭について得られた、Gryglewicz et al.,Sulfur groups in the Cokes Obtained from Coals of Different Rank,Fuel Processing Technology 19(1988)51-59,https://doi.org/10.1016/0378-3820(88)90085-9、及びGuo et al.,Sulfur distribution in coke and sulfur removal during pyrolysis,Fuel Processing Technology 88(2007)935-941、及びその中の参考文献、https://doi.org/10.1016/j.fuproc.2007.05.003、を参照されたい。
上記に基づいてCsPCPの平均値を70%としてPCPコークスS含有量(SPCP)を推定した、式(6)を参照されたい。SPCPは、最低0.56%m(PCP E)から最高2.73%(PCP B)までの範囲である。
式(7)を用いると、DOとのブレンドにおける任意の割合のPCP(BPCP)から調製されたコークスのS含有量を計算することができる。式(7)は、DOと混合することができ、0.6%mのニードルコークスSの仕様限界を満たす各PCPについて、BPCPの最大値を計算するために使用された。最大BPCP値は、最低5.4%m(PCP B)から無制限(PCP E)までの範囲であり、表4、その他のPCPは28%mから85%mの範囲である。高硫黄PCP(例えばPCP B)をPCP/DO混合物にとにかく組み込むことができる可能性があり、ニードルコークスの仕様を満たすことができることは、一見して非常に驚くべきことである。
灰分含有量
低灰分含有量(<0.3%m)は、ニードルコークスの必要条件である。表1は、DOの灰分含有量が非常に低く、ほとんど検出できないもの(DO#2及び#4)から0.02%m(DO#1及び#3)まで変化することを示している。しかしながら、DO#4からの低コークス収率(11.3%m)は、0.03%mのコークスの灰分含有量(式(8))をもたらし、依然として非常に低く、十分に限界内であるが、有意であることに留意されたい。
低灰分含有量(<0.3%m)は、ニードルコークスの必要条件である。表1は、DOの灰分含有量が非常に低く、ほとんど検出できないもの(DO#2及び#4)から0.02%m(DO#1及び#3)まで変化することを示している。しかしながら、DO#4からの低コークス収率(11.3%m)は、0.03%mのコークスの灰分含有量(式(8))をもたらし、依然として非常に低く、十分に限界内であるが、有意であることに留意されたい。
PCPコークスの灰分含有量(AshPCP)は、この灰分がすべてコークス中に存在するという現実的な仮定に基づいて推定されている(式(9)参照)。AshPCPは、最低0.42%m(PCP E)から最高2.37%(PCP B)までの範囲である。
式(10)を用いて、DOとの混合物中の任意の割合のPCP(BPCP)から調製されたコークスの灰分含有量を計算することができる。式(10)を用いて、DOと混合することができ、0.3%mのニードルコークスの灰分の仕様限界を満たす各PCPについて、BPCPの最大値を計算した。最低11%m(PCP B)から最高69%m(PCP E)までの範囲の値が得られた(表4)。
結論
これらの実施例は、ニードルコークスV、Ni、S、及びニードルコークス灰分の仕様が、様々なPCP/DO#4混合物、これらの1つであるPCP Eによって、69%mという高いPCP濃度で満たすことができることを示している(表4参照)。制御因子は、硫黄又は灰分のPCP規制値のうちの低い方である。明らかに、最大PCP混合物濃度は、PCP灰分、硫黄及び固定炭素含有量の値、並びにそれぞれのDOの値に非常に依存する。それにもかかわらず、PCP/DO混合物中のPCP含有量の増加に伴う混合物の粘度の増加などの他の考慮事項もまた、実際的な制限を導く。本発明の特定の実施形態では、BPCPの上限値は約30%mに設定されることが予想される。
これらの実施例は、ニードルコークスV、Ni、S、及びニードルコークス灰分の仕様が、様々なPCP/DO#4混合物、これらの1つであるPCP Eによって、69%mという高いPCP濃度で満たすことができることを示している(表4参照)。制御因子は、硫黄又は灰分のPCP規制値のうちの低い方である。明らかに、最大PCP混合物濃度は、PCP灰分、硫黄及び固定炭素含有量の値、並びにそれぞれのDOの値に非常に依存する。それにもかかわらず、PCP/DO混合物中のPCP含有量の増加に伴う混合物の粘度の増加などの他の考慮事項もまた、実際的な制限を導く。本発明の特定の実施形態では、BPCPの上限値は約30%mに設定されることが予想される。
本発明の特定の実施形態が本明細書に詳細に開示されているが、これは例示的に、かつ説明の目的でのみ行われている。前述の実施形態は、本発明の範囲に関して限定することを意図するものではない。本発明者らは、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な置換、変更、及び修正を行うことができると考える。
Claims (35)
- 異方性コークスを製造するためのプロセスであって、
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(v)であって、前記PCPは微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPは約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記提供する工程(v)と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程(vi)であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(vi)と、
メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(vii)と、
工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(viii)と、を含む、プロセス。 - 前記PCPの微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が、直径約75μm以下、任意に直径約50μm以下、任意に直径約25μm以下である、請求項1に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約2%m未満、好適には約1.5%m未満、任意に多くとも1%mの灰分含有量を有する、請求項1又は2に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約2%m未満の水分含有量を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約3%m未満、任意に約1.5%m以下、任意に0.5%m以下の硫黄含有量を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記原料油が、高い芳香族含有量を有する油を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記原料油が、デカント油、コールタール由来の重油、及び熱分解ボトム由来の重油からなる群の1つ以上から選択される、請求項6に記載のプロセス。
- 工程(iii)の前記固液混合物が、工程(iv)においてディレードコーカーの原料として使用される、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記原料がディレードコーカーのドラムに導入される、請求項8に記載のプロセス。
- 前記原料が少なくとも400℃の温度に加熱される、請求項8又は9に記載のプロセス。
- 焼成ニードルコークスを製造するために、工程(iv)の前記異方性コークスを焼成する工程をさらに含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記固液混合物が、最大で約40%mのPCP、好適には最大で約30%mのPCP、典型的には最大で約20%mのPCP、及び任意に最大で約10%mのPCPを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のプロセス。
- 請求項1~12のいずれか1項に記載のプロセスによって得られるニードルコークス製品。
- 前記製品の硫黄含有量が約0.6%m未満である、請求項13に記載のニードルコークス製品。
- 前記製品のニッケル含有量が約500ppm.w未満である、請求項13に記載のニードルコークス製品。
- 前記製品のバナジウム含有量が約500ppm.w未満である、請求項13に記載のニードルコークス製品。
- 請求項13に記載のニードルコークスで構成される、炭素電極。
- ディレードコーカーを操作するためのプロセスであって、
精製石炭製品(PCP)を提供する工程(v)であって、前記PCPは微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約100μm以下であり、前記PCPは約5%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、前記提供する工程(v)と、
組み合わされた固液混合物を生成するために、前記PCPを原料油と組み合わせる工程であって、前記固液混合物が、少なくとも約0.1%m及び最大で約50%mのPCPを含む、前記組み合わせる工程(vi)と、
前記組み合わされた固液混合物をディレードコーカーに導入し、メソフェーズの形成を誘導するのに十分な時間にわたって、400℃を超える温度に前記固液混合物を供する工程(vii)と
前記ディレードコーカー内で、工程(iii)の生成物から異方性コークスを製造する工程(viii)と、を含む、プロセス。 - 前記固液混合物が、最大で約40%mのPCP、好適には最大で約30%mのPCP、典型的には最大で約20%mのPCP、及び任意に最大で約10%mのPCPを含む、請求項18項に記載のプロセス。
- 前記PCPの微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が、直径約75μm以下、任意に直径約50μm以下、任意に直径約25μm以下である、請求項18又は19に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約2%m未満、好適には約1.5%m未満、任意に多くとも1%mの灰分含有量を有する、請求項18~20のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約2%m未満の水分含有量を有する、請求項18~21のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記PCPが、約23%m未満、任意に約1.5%m以下、任意に0.5%m以下の硫黄含有量を有する、請求項18~22のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記原料油が、高い芳香族含有量を有する油を含む、請求項18~23のいずれか1項に記載のプロセス。
- 前記原料油が、デカント油、コールタール由来の重油、及び熱分解ボトム由来の重油からなる群の1つ以上から選択される、請求項24に記載のプロセス。
- 精製石炭製品(PCP)の使用であって、前記PCPが微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が直径約75μm以下であり、前記PCPが約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有し、ディレードコーカープロセスによって製造される異方性コークスの割合を増加させるための前記プロセスにおける添加剤とする、使用。
- 前記PCPをデカント油又は石炭由来の油に添加して、ディレードニードルコーカープロセス用の原料を生成する、請求項26に記載の使用。
- 前記PCPの微粒子の少なくとも約90体積%(%v)が、直径約75μm以下、任意に直径約50μm以下、任意に直径約25μm以下である、請求項26又は27に記載の使用。
- 前記PCPが、約2%m未満、好適には約1.5%m未満、任意に多くとも1%mの灰分含有量を有する、請求項26~28のいずれか1項に記載の使用。
- 前記PCPが、約2%m未満の水分含有量を有する、請求項26~29のいずれか1項に記載の使用。
- 前記PCPが、約3%m未満、任意に約1.5%m以下、任意に0.5%m以下の硫黄含有量を有する、請求項26~30のいずれか1項に記載の使用。
- 前記使用が、前記ディレードコーカープロセスからのニードルコークスの収率の増加をもたらす、請求項26~31のいずれか1項に記載の使用。
- ディレードコーカープロセスによって製造されるニードルコークスの収率を増加させるための方法であって、少なくとも0.1%m且つ多くとも約50%mのPCPをデカント油又は石炭由来の油の原料に添加する工程を含み、
前記PCPは固体の微粒子状で提供され、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)は、直径が約75μm以下であり、前記PCPは、約10%m未満の灰分含有量及び約3%m未満の硫黄含有量を有する、方法。 - ディレードコーカープロセスによって製造されるニードルコークスの収率を増加させるための方法であって、少なくとも0.1%m且つ多くとも約50%mのPCPをデカント油又は石炭由来の油の原料に添加する工程を含み、
前記PCPは、石炭微粒子油中スラリーとして提供され、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)は、直径約75μm以下であり、前記PCPは、約10%m未満の灰分含有量及び約3%m未満の硫黄含有量を有する、方法。 - ディレードコーカープロセスを運転する方法に使用するためのメソフェーズ促進添加剤であって、前記添加剤は、精製石炭製品(PCP)を含み、前記PCPは微粒子状であり、前記微粒子の少なくとも約90体積%(%v)は、直径約100μm以下であり、前記PCPは、約10%m未満の灰分含有量及び約5%m未満の水分含有量を有する、メソフェーズ促進添加剤。
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