JP2023540662A - 低減された活性を有するglp-1rアゴニストペプチド - Google Patents

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Abstract

本発明は、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するグルカゴン様ペプチド1受容体(GLP-1R)アゴニストペプチド、およびこれを含む融合分子に関する。また、本発明は、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドをコードする核酸分子、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを含む医薬組成物および組合せ、ならびに低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを含むキットに関する。本発明はさらに、特に、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬としての、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドの使用に関する。

Description

本発明は、低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニストペプチド、これを含む組合せおよび融合分子、ならびに対応する核酸分子、医薬組成物およびキットに関する。本発明はさらに、特に肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、および/またはアテローム性動脈硬化症の治療のための医薬としてのGLP-1Rアゴニストペプチドの使用に関する。
GLP-1Rアゴニストペプチドの、単独または他の医薬品有効成分との組合せの使用は、欠点を有し得る。GLP-1Rアゴニストペプチドは、低い血漿レベルにおいてさえも薬学的に有効である。より高い血漿レベルにおいては、GLP-1(主要なGLP-1Rアゴニスト)は、有害作用を有することが公知であり、例えば、それは、吐き気および嘔吐を誘発する。対照的に、GLP-1Rアゴニストペプチドと組み合わせることができる他の医薬品有効成分、例えば、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)化合物の薬理学的作用は、多くの場合、薬理学的作用を発揮するGLP-1の血漿レベルよりも高い血漿レベルにおいて観察される。まとめると、このことは、GLP-1Rアゴニストペプチドを単独でまたは別の医薬品有効成分と組み合わせて投与する場合の、例えば、融合分子の形態のFGF21化合物およびGLP-1Rアゴニストペプチドの、GLP-1媒介有害作用のリスクを示す。したがって、これらの問題を克服する新しいGLP-1Rアゴニストペプチドが必要とされる。
低減されたGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドを提供することが本発明の目的である。そのようなGLP-1Rアゴニストペプチドは、例えば、潜在的な有害作用(例えば、吐き気および/または嘔吐など)を回避しながら、GLP-1Rアゴニスト/FGF21化合物活性比の均衡を保って、GLP-1Rアゴニスト/FGF21化合物の両方の活性薬剤の有益作用(例えば、体重、脂質および/または血糖コントロールなどの点において)を達成するために使用することができる。
一態様において、本発明は、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、アミノ酸配列
-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-L-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-F-X23-E-W-L-X27-X28-X29-G(配列番号635)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中XはH、YまたはFであり、
10はKまたはLであり、
12はK、IまたはQであり、
13はQまたはLであり、
15はE、AまたはDであり、
16はE、KまたはSであり、
17はE、RまたはQであり、
18はL、AまたはRであり、
19はV、AまたはFであり、
20はR、H、Q、KまたはIであり、
21はL、E、HまたはRであり、
23はI、YまたはFであり、
27はI、L、KまたはEであり、
28はA、K、NまたはEであり、
29はG、T、KまたはVであり;
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、
GLP-1Rアゴニストペプチドに関する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、アミノ酸配列
H-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-K-Q-L-E-E-E-X18-V-X20-L-F-I-E-W-L-K-A-X29-G(配列番号636)
を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
式中
10はKまたはLであり、
18はAまたはRであり、
20はRまたはQであり、
29はGまたはTであり;
場合により、アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
場合により、アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む。
一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、Gである。
一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号566~621からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。一実施形態において、ペプチド延長は、単一のアミノ酸残基、例えば、Pである。一実施形態において、ペプチド延長は、アミノ酸配列PSSGAPPPS(配列番号605)またはPKKIRYS(配列番号598)を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
別の態様において、本発明は、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、最大で3個のアミノ酸残基の置換を有する、配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列、または配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドに関する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドがその単離された形態において存在する場合および/またはGLP-1Rアゴニストペプチドが融合分子の部分である場合、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約482分の1(もしくは約9.449分の1~約482.396分の1)または約9分の1~約319分の1(もしくは約9.449分の1~約319.311分の1)または約9分の1~約121分の1(もしくは約9.449分の1~約121.189分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約319分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約9.4分の1または少なくとも約9.45分の1または少なくとも約9.5分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約10分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、最大約482.4分の1または最大約482.35分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、最大約482分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約482分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約319分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約90分の1~約100分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約18分の1(または少なくとも約18.268分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約18分の1~約501分の1(もしくは約18.268分の1~約500.686分の1)または約18分の1~約469分の1(もしくは約18.268分の1~約468.679分の1)または約18分の1~約313分の1(もしくは約18.268分の1~約313.214分の1)または約18分の1~約123分の1(もしくは約18.268分の1~約123.466分の1)のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約18分の1~約313分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
上記の実施形態のうちの1つにおいて、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約18.2分の1または少なくとも約18.3分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
上記の実施形態のうちの1つにおいて、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、少なくとも約20分の1または少なくとも約50分の1または少なくとも約100分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約15分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約20分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約50分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約100分の1~約500分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、天然GLP-1(7~36)のGLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約100分の1~約300分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する。
一実施形態において、融合分子の部分としてのGLP-1Rアゴニストペプチドは、例えばヒトGLP-1Rを安定に発現する細胞のcAMP応答を測定することによって、決定されるように、約15pmol/L~約400pmol/L、または約20pmol/L~約400pmol/L、または約50pmol/L~約400pmol/L、または約100pmol/L~約400pmol/LのEC50によりヒトGLP-1Rを活性化する。一実施形態において、ヒトGLP-1Rの活性化は、本質的に実施例4において説明されるように決定される。
一実施形態において、単離された形態のGLP-1Rアゴニストペプチドは、例えばヒトGLP-1Rを安定に発現する細胞のcAMP応答を測定することによって、決定されるように、約7.5pmol/L~約250pmol/L、または約7.5pmol/L~約150pmol/L、または約7.5pmol/L~約100pmol/L、または約7.5pmol/L~約75pmol/L、または約8pmol/L~約75pmol/L、または約9pmol/L~約75pmol/L、または約9pmol/L~約60pmol/LのEC50によりヒトGLP-1Rを活性化する。一実施形態において、ヒトGLP-1Rの活性化は、本質的に実施例4において説明されるように決定される。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261~552および554~565を含むまたはそれからなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号261または262のアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
一実施形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドは、配列番号553および622~634のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含まないまたはそのようなアミノ酸配列からならない。
別の態様において、本発明は、配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、配列番号261のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなる、または配列番号262のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドに関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分を含む組合せに関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分を含む融合分子に関する。
一実施形態において、少なくとも1種の他の医薬品有効成分は、FGF21化合物である。
別の態様において、本発明は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチドまたは上記において定義される融合分子をコードする核酸分子に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義される核酸分子を含有する宿主細胞に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子または上記において定義される宿主細胞を含む医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞または上記において定義される医薬組成物を含むキットに関する。
別の態様において、本発明は、医薬としての使用のための、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞または上記において定義される医薬組成物に関する。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療での使用のための、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子もしくは上記において定義される宿主細胞または上記において定義される医薬組成物に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療のための医薬の製造における、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞または上記において定義される医薬組成物の使用に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
別の態様において、本発明は、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖症、異常脂血症、NASH、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害を治療する方法であって、上記において定義されるGLP-1Rアゴニストペプチド、上記において定義される組合せ、上記において定義される融合分子、上記において定義される核酸分子、上記において定義される宿主細胞または上記において定義される医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む方法に関する。
一実施形態において、疾患または障害は、糖尿病である。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である。
GLP-1減衰率(12か月のシミュレーション)に依存した有害作用(胃排出(GE)率)および薬力学(すなわち、HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDL、脂肪量)のEC50を示すグラフである: ・ 9.449超のGLP-1減衰率(約9に四捨五入することができる)について、GLP-1媒介性胃腸有害作用(胃排出;GE率)のEC50は、薬力学的作用(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)のEC50よりも大きかった; ・ FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、121.189であり;すなわち、121.189(約121に四捨五入することができる)において、GLP-1媒介性作用(HbA1c)と平均FGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離において、薬力学的作用(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間で最大距離がある(図2を参照のこと); ・ 薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、319.311であった(約319に四捨五入することができる); ・ 平均薬力学(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)と有害作用(GE率)との間の最大距離は、482.396であった(図2を参照のこと;約482に四捨五入することができる); ・ 胃排出率の最大は531.0であった;(全て:縦線)。 GLP-1減衰率(12か月のシミュレーション)に依存したGE率および平均薬力学的作用(すなわち、HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDL、脂肪量)についてのEC50を示すグラフである: ・ 平均薬力学(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)と有害作用(GE率)との間の最大距離は、482.396であった(右の縦線;約482に四捨五入することができる); ・ FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、121.189であった(左の縦線;約121に四捨五入することができる)。曲線「(最大GE率)/範囲」は、HbA1cとGE率との間の最大距離と、HbA1cと平均FGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離との間の比を表す。「(最大GE率)/範囲」曲線の最小において(すなわち、121.189において)、GLP-1媒介性作用(HbA1c)とFGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離において、薬力学的作用(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間で最大距離がある。 GLP-1減衰率(3か月のシミュレーション)に依存した有害作用(GE率)および薬力学(HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDL、脂肪量)のEC50を示すグラフである: ・ 18.268超のGLP-1減衰率(約18に四捨五入することができる)について、GLP-1媒介性胃腸有害作用(胃排出;GE率)のEC50は、薬力学的作用(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)のEC50よりも大きかった; ・ FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、123.466であり;すなわち、123.466(約123に四捨五入することができる)において、GLP-1媒介性作用(HbA1c)と平均FGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離において、薬力学的作用(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間で最大距離がある(図4を参照のこと); ・ 薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、313.214であった(約313に四捨五入することができる); ・ 平均薬力学(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)と有害作用(GE率)との間の最大距離は、468.679であった(図4を参照のこと;約469に四捨五入することができる); ・ 最大GE率は500.686であった(約501に四捨五入することができる)(全て:縦線)。 GLP-1減衰率(3か月のシミュレーション)に依存したGE率および平均薬力学的作用(すなわち、HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDL、脂肪量)のEC50を示すグラフである: ・ 平均薬力学(すなわち、HbA1c、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)と有害作用(GE率)との間の最大距離は、468.679であった(右の縦線;約469に四捨五入することができる); ・ FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間の最大距離は、123.466であった(左の縦線;約123に四捨五入することができる)。曲線「(最大GE率)/範囲」は、HbA1cとGE率との間の最大距離と、HbA1cと平均FGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離との間の比を表す。「(最大GE率)/範囲」曲線の最小において(すなわち、123.466において)、GLP-1媒介性作用(HbA1c)とFGF21媒介性作用(すなわち、脂肪量、非HDL、脂肪酸、トリグリセリド)との間の最小距離において、薬力学的作用(HbA1c)の最大と有害作用(GE率)との間で最大距離がある。 (AおよびB)CHO細胞におけるヒトFGF21受容体有効性についてのインビトロ細胞アッセイ(In-Cell Western(ICW))の結果を示すグラフである。pFGFRは(A)において示され、pERKは(B)において示される。 (A~D)様々なGLP-1RアゴニストについてのHEK293細胞におけるヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体有効性についてのインビトロ細胞アッセイの結果を示すグラフである。配列番号2は(A)において示され、配列番号7は(B)において示され、配列番号8は(C)において示され、配列番号2、7および8は(D)において示される。 (A~F)3種の異なる生物分析法を使用した、雌のC57Bl/6マウスまたは雄のカニクイザルへの0.3mg/kgの溶液の単回皮下投与後の、GLP-1Rアゴニスト/FGF21 Fc融合タンパク質の血漿濃度を示すグラフである。(A)はマウスにおける配列番号2を示し、(B)はサルにおける配列番号2を示し、(C)はマウスにおける配列番号7を示し、(D)はサルにおける配列番号7を示し、(E)はマウスにおける配列番号8を示し、(F)はサルにおける配列番号8を示す。 図7-1の続き。 完全全長タンパク質の定量のための生物分析法を使用した、雌のC57Bl/6マウスへの0.3mg/kgの溶液の単回皮下投与後の、GLP-1Rアゴニスト/FGF21 Fc融合タンパク質およびG-FGF21(配列番号252)の血漿濃度を示すグラフである。 GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回28日間の投薬による、雌の食事性肥満(DIO)マウスの体重の進展を示すグラフである。 GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回28日間の投薬による、雌のDIOマウスにおける累積食物摂取量の進展を示すグラフである。 (AおよびB)1日目に開始するGLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照による第1の治療後(A)、または22日目に開始する第4の治療後(B)のdb/dbマウスの24時間血中グルコースプロファイルを示すグラフである。データは、平均値±SEMである;n=8/群。 GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回36日間の投薬による、雌のdb/dbマウスにおける血漿HbA1c含有量を示すグラフである。 (AおよびB)GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回8週間の投薬後の、DIO NASHマウスにおける肝臓重量および脂質含有量の進展を示すグラフである。(A)は肝臓重量および脂質レベルを示し、(B)は肝臓コレステロールおよび肝臓トリグリセリドレベルを示す。 図13-1の続き。 GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回8週間の投薬後の、DIO NASHマウスにおける線維症および非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)活性スコアの進展を示すグラフを示す。 GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質および対照の週1回8週間の投薬後の、DIO NASHマウスにおけるより高い、同じまたはより低い線維症およびNAFLD活性スコアを有する動物の数を示すグラフを示す。
本発明を以下において詳細に説明するが、本明細書において説明される特定の方法、プロトコール、および試薬は変わることがあるため、本発明はそれらに限定されるものではないことは理解されるべきである。本明細書において使用する専門用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためのものであり、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないということも理解されるべきである。特に明記されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
本発明のある特定の要素について、本明細書においてより詳細に説明する。これらの要素は、特定の実施形態により列挙される;しかしながら、各特定の実施形態は、追加の実施形態を創出するためにあらゆる様式およびあらゆる数において組み合わせることができるということは理解されるべきである。様々に説明される実施例および例示的な実施形態は、明確に説明された実施形態のみに本発明を限定すると解釈すべきではない。この説明は、明確に説明される実施形態をいくつもの開示されたおよび/または例示的な要素と組み合わせる実施形態も、支持および包含すると理解されるべきである。さらに、本出願における全ての説明された要素のあらゆる順序および組合せは、文脈において明記されない限り、本出願の説明によって開示されるものと解釈すべきである。
本明細書において使用される用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms:(IUPAC Recommendations)」,H.G.W.Leuenberger,B.Nagel,and H.Kolbl編,Helvetica Chimica Acta,CH-4010 Basel,Switzerland,(1995)に記載される通りに定義される。
本発明の実施は、そうでないと明記されない限り、当技術分野における文献において説明される、化学、生化学、細胞生理学、免疫学、遺伝子組換えDNA技術における従来の方法を用いるであろう(Sambrook,J.ら(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY)。
以下の本明細書および特許請求の範囲全体を通して、文脈上必要とされない限り、言葉「含む(comprise)」およびその変形、例えば、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などは、言明されたメンバー、整数、または工程の包含だけでなく、任意の他のメンバー、整数、もしくは工程、または、メンバー、整数、または工程の群の包含を含意するが、いくつかの実施形態では、そのような他のメンバー、整数、または工程、または、メンバー、整数、もしくは工程の群が除外される場合もある、すなわち、主題が、言明されたメンバー、整数、もしくは工程、またはメンバー、整数、または工程の群の包含からなることも理解されるべきである。本発明を説明する文脈において使用される用語「1つの(a)」および「1つの(an)」および「その(the)」などは(特に特許請求の範囲の文脈において)、本明細書において別段の指示がないか、または文脈において明確に否定されない限り、単数および複数の両方を網羅すると解釈されるできである。本明細書における値の範囲の列挙は、単にその範囲内に属する別々の各値を個別に言及するための簡単な方法として機能する。本明細書において別段の指示がない限り、個々の各値は、それらが本明細書において個別に列挙されるかのように、本明細書に組み入れられる。本明細書において説明される全ての方法は、そうでないことが本明細書において示されていない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序において実行することができる。本明細書において提供されるありとあらゆる実施例または例示言語(例えば、「例えば、~など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく解説することを意図するものであり、そうでないことが主張されない限り、発明の範囲に制限を課すものではない。明細書におけるいかなる言語も、非請求要素を発明の実施に不可欠なものと指摘していると解釈すべきではない。
いくつかの文献が、本明細書の本文全体を通して引用されている。本明細書において引用された各文献(全ての特許、特許出願、科学的刊行物、製造業者の仕様書、取扱説明書などを含む)は、上記および下記に関わらず、それらを参照することによりその全体を本明細書に組み入れる。本明細書のいかなる記載も、先行発明によるそのような開示に先行する権利がないことの承認として、解釈されるべきではない。
用語「GLP-1Rアゴニストペプチド」は、本明細書において使用される場合、GLP-1受容体に結合し、これを活性化するペプチド、例えば、GLP-1(主要なGLP-1Rアゴニストとして)を指す。また、GLP-1Rアゴニストペプチドは、本明細書において単に「GLP-1Rアゴニスト」と呼ばれる場合がある。
用語「ペプチド」は、本明細書において使用される場合、概して、ペプチド結合によって共有結合的に連結された、例えば、約2以上、または約3以上、または約4以上、または約6以上、または約8以上、または約9以上、または約10以上、または約13以上、または約16以上、または約21以上のアミノ酸を含む、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指す。ペプチドは、例えば、最大約100個のアミノ酸からなる。用語「ポリペプチド」は、本明細書において使用される場合、大きなペプチドを指す。一実施形態において、用語「ポリペプチド」は、約100個超のアミノ酸残基を有するペプチドを指す。用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、本明細書において互換的に使用される。
用語「アミノ酸」または「アミノ酸残基」は、本明細書において使用される場合、天然に存在するアミノ酸、非天然アミノ酸、アミノ酸類似体および/または天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能するアミノ酸模倣物、その構造が立体異性形態を許容する場合にはそのDまたはL立体異性体を指す。アミノ酸は、本明細書において、それらの名前もしくは当技術分野において公知のそれらの3文字記号のどちらかにおいて、またはIUPAC-IUB生化学命名法委員会(IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature Commission)によって推奨される1文字記号によって呼ばれる。
用語「天然に存在する」は、本明細書において使用される場合、核酸分子、(ポリ)ペプチド、宿主細胞などのような生体物質に関係して使用されるとき、天然において見出され、人為的に操作されていない物質を指す。
アミノ酸に関連して使用される場合、用語「天然に存在する」は、慣習的な20のアミノ酸(すなわち、アラニン(AlaまたはA)、システイン(CysまたはC)、アスパラギン酸(AspまたはD)、グルタミン酸(GluまたはE)、フェニルアラニン(PheまたはF)、グリシン(GlyまたはG)、ヒスチジン(HisまたはH)、イソロイシン(IleまたはI)、リジン(LysまたはK)、ロイシン(LeuまたはL)、メチオニン(MetまたはM)、アスパラギン(AsnまたはN)、プロリン(ProまたはP)、グルタミン(GlnまたはQ)、アルギニン(ArgまたはR)、セリン(SerまたはS)、トレオニン(ThrまたはT)、バリン(ValまたはV)、トリプトファン(TrpまたはW)、およびチロシン(TyrまたはY))、ならびにセレノシステイン、ピロリシン(PYL)、およびピロリン-カルボキシリシン(PCL)を意味する。
用語「非天然アミノ酸」は、本明細書において使用される場合、自然にはコードされないかまたはどの有機体の遺伝子コードにも見出されないアミノ酸を意味することを指す。それは、例えば、純粋に合成された化合物である場合がある。非天然アミノ酸の例としては、これらに限定されるわけではないが、ヒドロキシプロリン、ガンマ-カルボキシグルタメート、O-ホスホセリン、アゼチジンカルボン酸、2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、ベータ-アラニン、アミノプロピオン酸、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、第三級ブチルグリシン、2,4-ジアミノイソ酪酸、デスモシン、2,2’-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エチルグリシン、N-メチルグリシン、N-エチルアスパラギン、ホモプロリン、ヒドロキシリシン、アロ-ヒドロキシリシン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ-イソロイシン、N-メチルアラニン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルペンチルグリシン、N-メチルバリン、ナフトアラニン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン、D-オルニチン、D-アルギニン、p-アミノフェニルアラニン、ペンチルグリシン、ピペコリン酸、およびチオプロリンが挙げられる。
用語「アミノ酸類似体」は、本明細書において使用される場合、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的化学構造を有する化合物を指す。アミノ酸類似体は、可逆的または非可逆的に化学的に遮断されるか、または、例えばそれらのC末端カルボキシ基、それらのN末端アミノ基、および/またはそれらの側鎖の官能基のうちの1つまたは任意の組合せにおいて、化学的に修飾された、天然および非天然アミノ酸を含む。そのような類似体としては、これらに限定されるわけではないが、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)-システイン、S-(カルボキシメチル)-システインスルホキシド、S-(カルボキシメチル)-システインスルホン、アスパラギン酸-(ベータメチルエステル)、N-エチルグリシン、アラニンカルボキサミド、ホモセリン、ノルロイシン、およびメチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。
用語「アミノ酸模倣物」は、本明細書において使用される場合、アミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と同様の様式で機能する化学化合物を指す。
用語「天然GLP-1(7-36)」は、本明細書において使用される場合、場合により、そのC末端にアミド基を含む配列番号260のアミノ酸配列を有するペプチドを指す。
一実施形態において、用語「GLP-1Rアゴニスト活性」(または「GLP-1Rアゴニスト効力」)は、本明細書において使用される場合、GLP-1受容体の活性を指す。一実施形態において、この用語は、インビトロにおけるアゴニスト活性/効力を指す。別の実施形態において、この用語は、インビボにおけるアゴニスト活性/効力を指す。一実施形態において、GLP-1受容体の活性は、インビトロにおけるアゴニストと接触したときのGLP-1受容体を安定的に発現する細胞のcAMP反応を測定することによって決定される。一実施形態において、細胞は、HEK-293細胞株に由来する。一実施形態において、GLP-1受容体は、ヒトGLP-1受容体である。一実施形態において、GLP-1受容体の活性は、本質的に実施例4において説明されるように決定される。一実施形態において、活性/効力は、EC50値を決定することによって定量される。
本発明は、本明細書において定義される配列番号635および636の一般式に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドを提供する。
一部の実施形態において、配列番号635および636の一般式に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドは、それらのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基を含む。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、単一のアミノ酸残基である。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は:プロリンを除外する天然に存在するアミノ酸;非天然アミノ酸;アミノ酸類似体;およびアミノ酸模倣物からなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、G、A、NおよびCからなる群から選択される。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、GまたはAである。一実施形態において、少なくとも1つの追加のアミノ酸残基は、Gである。
一部の実施形態において、配列番号635および636の一般式に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドは、それらのC末端においてペプチド延長を含む。ペプチド延長は、例えば、最大約12、約11、約10または約9個のアミノ酸残基(例えば、約7、約8または約9個のアミノ酸残基)からなってもよい。一実施形態において、ペプチド延長は、配列番号566~621からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。一実施形態において、ペプチド延長は、単一のアミノ酸残基、例えば、Pである。
また、本発明は、配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列、および1、2または3つのアミノ酸残基の置換において元の配列とは異なるこれらのアミノ酸配列の変異体を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドを提供する。
また、本発明は、配列番号261または配列番号262であるアミノ酸配列、および1、2または3つのアミノ酸残基の置換において元の配列とは異なるこれらのアミノ酸配列の変異体を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチドを提供する。
一実施形態において、置換されたアミノ酸残基は、GLP-1RアゴニストペプチドのGLP-1Rアゴニスト活性に関与しない。一実施形態において、置換は、機能的に、かつ/または表現型としてサイレントである。一実施形態において、置換は、保存的アミノ酸置換である。
本明細書において使用される場合、用語「保存的アミノ酸置換」は、1つまたはそれ以上のアミノ酸の、同じファミリーのアミノ酸、すなわち、それらの側鎖において関連する(例えば、電荷および/またはサイズの点で)アミノ酸のうちの1つまたはそれ以上のアミノ酸による置換を指す。天然に存在するアミノ酸は、一般的に、4つのファミリー:酸性(アスパラギン酸、グルタミン酸);塩基性(リジン、アルギニン、ヒスチジン);非極性(アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン);および非荷電極性(グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシン)に分けられる。フェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシンは、ときには芳香族アミノ酸として共に分類される。
GLP-1Rアゴニストペプチドは、半減期延長モジュールに融合またはコンジュゲートしてもよい。「半減期」は、本明細書において使用される場合、一般的に、例えばインビボにおいて、化合物の活性、化合物の量または分子数の半分を除去するのに必要とされる期間を指す。そのようなモジュールは、当業者に公知であり、例えば、ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、ヒアルロン酸、ポリシアル酸)、非構造性(ポリ)ペプチド鎖、エラスチン様ポリペプチド(ELP)、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン(HAS)のようなアルブミン)、血清タンパク質結合分子(例えば、アルブミン結合ドメイン(ABD)、アルブミン結合脂肪酸)、抗体、免疫グロブリン、免疫グロブリンのFcドメイン(Fc領域とも呼ばれる)および免疫グロブリン結合ドメインを含む。
用語「非構造性(ポリ)ペプチド鎖」は、本明細書において使用される場合、定型的なまたは規則正しい三次元構造を欠き、典型的に親水性である(ポリ)ペプチド鎖を指す。非構造性(ポリ)ペプチド鎖が融合されたペプチドおよびタンパク質の半減期(例えば、インビボ半減期)を延長する非構造性(ポリ)ペプチド鎖は、当業者に公知であり、例えば、XTEN(Schellenberger V.ら(2009)Nat Biotechnol.27(12):1186-90)およびPAS配列(Schlapschy M.ら(2013)Protein Eng Des Sel. 26(8):489-501)を含む。
用語「~に融合された」は、本明細書において使用される場合、特に、遺伝子融合、例えば、組換えDNA技術による遺伝子融合を指す。(ポリ)ペプチド半減期延長モジュールのアミノ酸配列は、GLP-1Rアゴニストペプチドのアミノ酸配列内の任意の位置において導入してもよく、例えば、コードされるペプチド構造内においてループの形状を取ってもよく、または(ポリ)ペプチド半減期延長モジュールのアミノ酸配列は、N末端またはC末端に融合してもよい。GLP-1Rアゴニストペプチドに融合された(ポリ)ペプチド半減期延長モジュールのアミノ酸配列は、ポリヌクレオチドがコードしてもよい。
用語「~にコンジュゲートされた」は、本明細書において使用される場合、(ポリ)ペプチドと別の分子との間、例えば、GLP-1Rアゴニストペプチドと半減期延長モジュールとの間の安定な共有結合を生じる化学的および/または酵素的コンジュゲーションを指す。そのようなコンジュゲーションは、(ポリ)ペプチドのN末端もしくはC末端または特定の側鎖において、例えば、リジン、システイン、チロシンまたは非天然アミノ酸残基において生じてもよい。
用語「組合せ」は、本明細書において使用される場合、患者へのGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分の別々の投与によって、またはGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分が、例えば1つの医薬組成物において存在する組合せ製品の形態において、もしくは融合分子の形態において、GLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分を含む組合せを適用することを可能にする手段を含むことを意味する。別々に投与される場合、投与は、同時に、または連続的に任意の順序において起こり得る。GLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1種の他の医薬品有効成分の量、および相対的な投与のタイミングは、所望の治療効果の合計を達成するように選択される。組合せ物の投与は、同時に、(1)全ての医薬品有効成分を含む単一の医薬組成物において;または(2)医薬品有効成分の少なくとも1つをそれぞれが含む別々の医薬組成物においてであってもよい。あるいは、組合せ物は、ある治療薬剤が最初に投与され、二番目に他の薬剤が投与されるか、またはその逆において、連続して別々に投与してもよい。そのような連続投与は、時間的に近くであっても、または時間的に離れていてもよい。一実施形態において、組合せ物は、キット、例えば、本明細書において定義されるキットの形態で提供される。
用語「融合分子」は、本明細書において使用される場合、一般的に、2つ以上の異なる分子(例えば、タンパク質および/もしくはペプチドならびに/またはそれらの組合せ)を連結し、特に共有結合し、単一の分子の形成をもたらすことによって作出される分子を指す。ある特定の例示的な実施形態において、融合分子は、元の分子の各々に由来する1つまたはそれ以上の機能特性を有する。タンパク質および/またはペプチドの場合、融合分子は、「融合タンパク質」とも呼ばれる。融合分子は、遺伝子融合によって(例えば、組換えDNA技術によって)、または例えば2つ以上のポリペプチド、タンパク質またはそれらの任意の組合せの、化学的および/または酵素的コンジュゲーションによって生成してもよい。また、2つ以上の異なる分子は、1つまたはそれ以上の好適なリンカー分子、例えば、ペプチドリンカーおよび/または非ペプチドポリマー、例えばPEGによって連結してもよい。
一実施形態において、ペプチドリンカーは、約2~約100個のアミノ酸残基、または約2~約90個のアミノ酸残基、または約2~約80個のアミノ酸残基、または約2~約70個のアミノ酸残基、または約2~約60個のアミノ酸残基、または約2~約50個のアミノ酸残基、または約2~約40個のアミノ酸残基、または約2~約30個のアミノ酸残基、または約2~約25個のアミノ酸残基、または約2~約20個のアミノ酸残基の長さを有する。一実施形態において、ペプチドリンカーは、少なくとも約5個のアミノ酸残基を含む。一般的に、ペプチドリンカーは、柔軟性およびプロテアーゼ抵抗性を提供するように設計される。一実施形態において、ペプチドリンカーは、グリシン-セリンリッチリンカーであり、例えば、アミノ酸の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%は、それぞれ、グリシンまたはセリン残基である。別の実施形態において、アミノ酸は、グリシンおよびセリンから選択され、すなわち、ペプチドリンカーは、グリシンおよびセリンから排他的に構成される(グリシン-セリンリンカーと呼ばれる)。一実施形態において、ペプチドリンカーは、そのC末端においてアラニン残基をさらに含む。ペプチドリンカーは、1つまたはそれ以上の特異的プロテアーゼ切断部位をさらに含み得る。一実施形態において、ペプチドリンカーは、配列番号231~245からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
一実施形態において、融合分子は、免疫グロブリン(例えば、IgG1またはIgG4)のFcドメイン(Fc領域とも呼ばれる)またはその変異体をさらに含む。一実施形態において、Fcドメインの変異体は、Fcドメインの野生型配列と比較して、最大約6、約5または約4個の変異を含む。一実施形態において、該変異は、アミノ酸置換、アミノ酸付加およびアミノ酸欠失、例えば、NまたはC末端欠失からなる群から選択される。一実施形態において、Fcドメインまたはその変異体は、IgG1 Fc領域、例えば、ヒトIgG1 Fc領域の野生型配列に、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%超の配列同一性を有してもよく、または約100%の配列同一性を有してもよい。一実施形態において、Fcドメインまたはその変異体は、IgG4 Fc領域、例えば、ヒトIgG4 Fc領域の野生型配列に、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約93%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%超の配列同一性を有してもよく、または約100%の配列同一性を有してもよい。一実施形態において、免疫グロブリンのFcドメインまたはその変異体は、配列番号257、258および259からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる。
一実施形態において、融合分子は、L-Fc、Fc-L、L-Fc-LおよびFcからなる群から選択される構造を含むリンカー分子を含み、L、LおよびLは、単一のアミノ酸およびペプチド(例えば、本明細書において定義されるペプチドリンカー)からなる群から独立して選択され、Fcは、免疫グロブリンのFcドメインまたはその変異体である。LおよびLは、同じであっても、異なっていてもよい。一実施形態において、LおよびLは、異なっている。一実施形態において、Lは、配列番号232のアミノ酸配列を含みもしくはそのようなアミノ酸配列からなり、Lは、配列番号231のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなるか、またはその逆の場合もある。
句「線維芽細胞増殖因子21」または「FGF21」は、本明細書において使用される場合、当技術分野において公知の任意のFGF21タンパク質を指し、特に、ヒトFGF21を指す。一実施形態において、ヒトFGF21は、配列番号250のアミノ酸配列(全長ヒト野生型FGF21)を有する。成熟ヒト野生型FGF21、すなわち、配列番号250のアミノ酸1~28(M1~A28)(すなわち、そのシグナル配列/ペプチド)を欠くヒト野生型FGF21は、配列番号251として示される。追加のN末端Glyを有する成熟ヒト野生型FGF21は、配列番号252によって表され、本明細書でG-FGF21と呼ばれる。
句「FGF21化合物」は、本明細書において使用される場合、概して、FGF21活性を有する化合物を指す。
一実施形態において、句「FGF21活性」(または「FGF21効力」)は、本明細書において使用される場合、FGF21受容体(FGFR、例えば、FGFR1c)の活性化を指す。一実施形態において、FGF21受容体は、ヒトFGF21受容体である。一実施形態において、FGF21活性とは、インビトロにおける活性および/または効力を指す。別の実施形態において、FGF21活性とは、インビボにおける活性および/または効力を指す。一実施形態において、FGF21受容体の活性化は、インビトロにおけるFGF21化合物と接触したときのFGF21受容体自己リン酸化および/またはMAPK ERK1/2のリン酸化を測定することによって決定される。一実施形態において、ヒトFGFR1cの自己リン酸化および/またはMAPK ERK1/2のリン酸化は、例えば、本質的に実施例3において説明されるように、In-Cell Western(ICW)を使用することによって決定される。一実施形態において、活性および/または効力は、EC50値を決定することによって定量される。
用語「In-Cell Western(ICW)アッセイ」は、本明細書において使用される場合、免疫細胞化学的アッセイ、より詳しくは、典型的にはマイクロプレート(例えば、96ウェル形式または384ウェル形式)を使用して実施される、定量的免疫蛍光アッセイを指す。ICWは、ウェスタンブロッティングの特異性を、ELISAの再現性および処理能力と組み合わせるものである(例えば、Aguilar H.N.ら(2010)PLoS ONE 5(4):e9965を参照されたい)。適切なICWアッセイシステムは市販されている(例えば、LI-COR Biosciences、米国)。一実施形態において、抗pFGFR抗体および/または抗pERK抗体は、ICWアッセイにおいて使用される。
一実施形態において、FGF21化合物は、ペプチド化合物、すなわち、ペプチドまたはタンパク質である。一実施形態において、FGF21化合物は、天然FGF21またはFGF21変異体であって、天然FGF21のアミノ酸配列と、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性を有する。用語「天然FGF21」は、本明細書において使用される場合、天然に存在するFGF21、例えば、配列番号250のアミノ酸配列を有するヒト野生型FGF21、または配列番号251のアミノ酸配列を有する成熟ヒト野生型FGF21を指す。
「配列同一性」は、本明細書において使用される場合、2つのアミノ酸または核酸配列間において同一であるアミノ酸の割合を指す。比較のための配列の最適化アラインメントは、手作業により、SmithおよびWaterman、1981、Ads App.Math.2、482の局所的相同性アルゴリズムによって、NeddlemanおよびWunsch、1970、J.Mol.Biol.48、443の局所的相同性アルゴリズムによって、PearsonおよびLipman、1988、Proc.Natl Acad.Sci.USA 85、2444の類似検索方法によって、またはこれらのアルゴリズムを使用するコンピュータプログラム(Wisconsin Genetics Software Package、Genetics Computer Group、575 Science Drive,Madison,Wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTA、BLAST P、BLAST N、およびTFASTA)によって、生成することができる。
一実施形態において、FGF21化合物は、配列番号250~256からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるタンパク質である。
また、本発明における使用のための好適なFGF21変異体は、例えば、PCT/EP2016/079551に記載され、それらを参照することにより本明細書に組み入れられる。
一実施形態において、融合分子は、構造A-L-Fc-L-Bを有する融合タンパク質であり、AはGLP-1Rアゴニストペプチドであり、L、FcおよびLは本明細書において定義される通りであり、Bは本明細書において定義されるFGF21化合物である。一実施形態において、融合分子は、配列番号1~230からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなる融合タンパク質である。
一般的に、用語「医薬品有効成分」(API)は、本明細書において使用される場合、いくらかの薬理効果を提供し、本明細書において定義される状態、例えば、疾患または障害を治療または予防するために使用される、任意の薬学的に活性な化学的または生物学的化合物ならびにそれらの任意の薬学的に許容される塩およびそれらの任意の混合物を含む。
例示的な薬学的に許容される塩としては、以下の酸:塩酸(例えば、塩化物塩)、硫酸(例えば、硫酸塩)、硝酸(例えば、硝酸塩)、リン酸(例えば、リン酸塩)、臭化水素酸(例えば、臭化水素酸塩)、マレイン酸(例えば、マレイン酸塩)、リンゴ酸(例えば、リンゴ酸塩)、アスコルビン酸、クエン酸(例えば、クエン酸塩)、酒石酸(例えば、酒石酸塩)、パモ酸(例えば、パモ酸塩またはエンボン酸塩)、ラウリン酸(例えば、ラウリン酸塩)、ステアリン酸(例えば、ステアリン酸塩)、パルミチン酸(例えば、パルミチン酸塩)、オレイン酸、ミリスチン酸(例えば、ミリスチン酸塩)、ラウリル酸、ナフタレンスルホン酸、リノレン酸(例えば、リノール酸塩)などのうちの1つまたはそれ以上から作られる塩が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用される場合、用語「医薬品有効成分」、「活性剤」、「有効成分」、「活性物質」、「治療的に活性な化合物」、および「薬物」は、同義語であることが意図され、すなわち、同一の意味を有する。
本発明により、医薬品有効成分は、場合により、以下から選択される:
- Rote Liste 2014において言及される全ての薬物、例えば、Rote Liste 2014、chapter 12において言及される全ての抗糖尿病薬、Rote Liste 2014、chapter 06において言及される全ての体重減量剤もしくは食欲抑制剤、Rote Liste 2014、chapter 58において言及される全ての脂質低下剤、Rote Liste 2014 chapter 17において言及される全ての抗高血圧症薬、Rote Listeにおいて言及される全ての腎臓保護薬(nephroprotective)、またはRote Liste 2014 chapter 36において言及される全ての利尿薬;
- 本明細書において定義されるFGF21化合物;
- モノクローナル抗体;
- インスリンおよびインスリン誘導体、例えば:インスリングラルギン(例えば、Lantus(登録商標))、100U/mL超に濃縮されたインスリングラルギン、例えば、270~330U/mLのインスリングラルギンまたは300U/mLのインスリングラルギン(EP2387989において開示される)、インスリングルリシン(例えば、Apidra(登録商標))、インスリンデテミル(例えば、Levemir(登録商標))、インスリンリスプロ(例えば、Humalog(登録商標)、Liprolog(登録商標))、インスリンデグルデク(例えば、DegludecPlus(登録商標)、IdegLira(NN9068))、インスリンアスパルトおよびアスパルト製剤(例えば、NovoLog(登録商標))、基礎インスリンおよび類似体(例えば、LY2605541、LY2963016、NN1436)、ペグ化インスリンリスプロ(例えば、LY-275585)、長時間作用型インスリン(例えば、NN1436、Insumera(PE0139)、AB-101、AB-102、Sensulin LLC)、中間時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)N、Novolin(登録商標)N)、速効性および短時間作用型インスリン(例えば、Humulin(登録商標)R、Novolin(登録商標)R、Linjeta(登録商標)(VIAject(登録商標))、PH20インスリン、NN1218、HinsBet(登録商標))、予備混合インスリン、SuliXen(登録商標)、NN1045、インスリン+Symlin(登録商標)、PE-0139、ACP-002ヒドロゲルインスリン、ならびに経口、吸入可能、経皮、および口腔、または舌下インスリン(例えば、Exubera(登録商標)、Nasulin(登録商標)、Afrezza(登録商標)、インスリントレゴピル(tregopil)、TPM-02インスリン、Capsulin(登録商標)、Oral-lyn(登録商標)、Cobalamin(登録商標)、経口インスリン、ORMD-0801、Oshadi経口インスリン、NN1953、NN1954、NN1956、VIAtab(登録商標))。二官能性リンカーによってアルブミンまたは他のタンパク質に結合したこれらのインスリンの誘導体も好適である;
- グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、GLP-1類似体、およびGLP-1受容体アゴニスト、例えば:GLP-1(7~37)、GLP-1(7~36)アミド、リキシセナチド(例えば、Lyxumia(登録商標))、エキセナチド(例えば、エキセンディン-4、rエキセンディン-4、Byetta(登録商標)、Bydureon(登録商標)、エキセナチドNexP)、エキセナチド-LAR、リラグルチド(例えば、Victoza(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド、デュラグルチド、アルブゴン、オキシントモジュリン、ゲニプロシド、ACP-003、CJC-1131、CJC-1134-PC、GSK-2374697、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド(HM-11260C)、CM-3、GLP-1Eligen、AB-201、ORMD-0901、NN9924、NN9926、NN9927、Nodexen、Viador-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、ZP-3022、CAM-2036、DA-3091、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTEN(VRS-859)、エキセナチド-XTEN+グルカゴン-XTEN(VRS-859+AMX-808)、ならびにポリマー結合GLP-1およびGLP-1類似体;
- 二重GLP-1/GIPアゴニスト(例えば、RG-7697(MAR-701)、MAR-709、BHM081、BHM089、BHM098);二重GLP-1/グルカゴン受容体アゴニスト(例えば、BHM-034、OAP-189(PF-05212389、TKS-1225)、TT-401/402、ZP2929、LAPS-HMOXM25、MOD-6030);
- 二重GLP-1/ガストリンアゴニスト(例えば、ZP-3022);
- 胃腸ペプチド、例えば、ペプチドYY3-36(PYY3-36)またはその類似体および膵臓ポリペプチド(PP)またはその類似体;
- グルカゴン受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グルコース依存性インスリン分泌性ポリペプチド(GIP)受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、グレリンアンタゴニストまたはインバースアゴニスト、キセニンおよびその類似体;
- ジペプチジルペプチダーゼ-IV(DPP-4)阻害剤、例えば:アログリプチン(例えば、Nesina(登録商標)、Kazano(登録商標))、リナグリプチン(例えば、Ondero(登録商標)、Trajenta(登録商標)、Tradjenta(登録商標)、Trayenta(登録商標))、サキサグリプチン(例えば、Onglyza(登録商標)、Komboglyze XR(登録商標))、シタグリプチン(例えば、Januvia(登録商標)、Xelevia(登録商標)、Tesavel(登録商標)、Janumet(登録商標)、Velmetia(登録商標)、Juvisync(登録商標)、Janumet XR(登録商標))、アナグリプチン、テネリグリプチン(例えば、Tenelia(登録商標))、トレラグリプチン、ビルダグリプチン(例えば、Galvus(登録商標)、Galvumet(登録商標))、ゲミグリプチン、オマリグリプチン、エボグリプチン、デュトグリプチン、DA-1229、MK-3102、KM-223、KRP-104、PBL-1427、ピノキサシンヒドロクロリド、およびAri-2243;
- ナトリウム依存性グルコーストランスポーター2(SGLT-2)阻害剤、例えば:カナグリフロジン、ダパグリフロジン、レモグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジン、セルグリフロジン、エンパグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、エルツグリフロジン、EGT-0001442、LIK-066、SBM-TFC-039、およびKGA-3235(DSP-3235);
- SGLT-2およびSGLT-1の二重阻害剤(例えば、LX-4211、LIK066)。
- 肥満防止薬、例えば、SGLT-1阻害剤(例えばLX-2761、KGA-3235)または回腸型胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-1614235+GSK-2330672)と組み合わせたSGLT-1阻害剤;
- ビグアニド(例えば、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン);
- チアゾリジンジオン(例えば、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、グリタゾン類似体(例えば、ロベグリタゾン);
- ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR-アルファ、ガンマ、またはアルファ/ガンマ)アゴニストもしくはモジュレーター(例えば、サログリタザル(例えば、Lipaglyn(登録商標))、GFT-505)、またはPPARガンマ部分アゴニスト(例えば、Int-131);
- スルホニル尿素(例えば、トルブタミド、グリベンクラミド、グリメピリド、Amaryl(登録商標)、グリピザイド)およびメグリチニド(例えば、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニド);
- アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース);
- アミリンおよびアミリン類似体(例えば、プラムリンチド、Symlin(登録商標));
- Gタンパク質結合受容体119(GPR119)アゴニスト(例えば、GSK-1292263、PSN-821、MBX-2982、APD-597、ARRY-981、ZYG-19、DS-8500、HM-47000、YH-Chem1);
- GPR40アゴニスト(例えば、TUG-424、P-1736、P-11187、JTT-851、GW9508、CNX-011-67、AM-1638、AM-5262);
- GPR120アゴニストおよびGPR142アゴニスト;
- 全身性または低吸収性TGR5(GPBAR1=Gタンパク質結合胆汁酸受容体1)アゴニスト(例えば、INT-777、XL-475、SB756050);
- 糖尿病免疫療法、例えば:経口C-Cケモカインレセプタータイプ2(CCR-2)アンタゴニスト(例えば、CCX-140、JNJ-41443532)、インターロイキン1ベータ(IL-1β)アンタゴニスト(例えばAC-201)、または経口モノクローナル抗体(mAb)(例えば、メタゾラミド、VVP808、PAZ-320、P-1736、PF-05175157、PF-04937319);
- メタボリック症候群および糖尿病の治療のための抗炎症剤、例えば:核内因子カッパB阻害剤(例えば、Triolex(登録商標));
- アデノシンモノリン酸-活性化プロテインキナーゼ(AMPK)刺激剤、例えば:Imeglimin(PXL-008)、Debio-0930(MT-63-78)、R-118;
- 11-ベータ-ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11-ベータ-HSD-1)の阻害剤(例えば、LY2523199、BMS770767、RG-4929、BMS816336、AZD-8329、HSD-016、BI-135585);
- グルコキナーゼの活性剤(例えば、PF-04991532、TTP-399(GK1-399)、GKM-001(ADV-1002401)、ARRY-403(AMG-151)、TAK-329、TMG-123、ZYGK1);
- ジアシルグリセロールO-アシルトランスフェラーゼ(DGAT)の阻害剤(例えば、プラジガスタット(LCQ-908))、プロテインチロシンホスファターゼ1の阻害剤(例えば、トロズスクエミン)、グルコース-6-ホスファターゼの阻害剤、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼの阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼの阻害剤、ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼの阻害剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼの阻害剤、ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼの阻害剤;
- グルコーストランスポーター-4のモジュレーター、ソマトスタチン受容体3アゴニスト(例えば、MK-4256);
- 1種またはそれ以上の脂質低下剤も組合せパートナーとして好適であり、例えば:3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル-コエンザイム-A-レダクターゼ(HMG-CoA-レダクターゼ)阻害剤、例えば、シンバスタチン(例えば、Zocor(登録商標)、Inegy(登録商標)、Simcor(登録商標))、アトルバスタチン(例えば、Sortis(登録商標)、Caduet(登録商標))、ロスバスタチン(例えば、Crestor(登録商標))、プラバスタチン(例えば、Lipostat(登録商標)、Selipran(登録商標))、フルバスタチン(例えば、Lescol(登録商標))、ピタバスタチン(例えば、Livazo(登録商標)、Livalo(登録商標))、ロバスタチン(例えば、Mevacor(登録商標)、Advicor(登録商標))、メバスタチン(例えば、Compactin(登録商標))、リバスタチン、セリバスタチン(Lipobay(登録商標))、フィブレート、例えば、ベザフィブレート(例えば、Cedur(登録商標)retard)、シプロフィブレート(例えば、Hyperlipen(登録商標))、フェノフィブレート(例えば、Antara(登録商標)、Lipofen(登録商標)、Lipanthyl(登録商標))、ゲンフィブロジル(例えば、Lopid(登録商標)、Gevilon(登録商標))、エトフィブレート、シンフィブレート、ロニフィブレート、クリノフィブレート、クロフィブリド、ニコチン酸およびその誘導体(例えば、ナイアシン、例えば、ナイアシンの徐放性製剤など)、ニコチン酸受容体1アゴニスト(例えば、GSK-256073)、PPAR-デルタアゴニスト、アセチル-CoA-アセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミベ)、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ、Ezetrol(登録商標)、Zetia(登録商標)、Liptruzet(登録商標)、Vytorin(登録商標)、S-556971)、胆汁酸結合物質(例えば、コレスチラミン、コレセベラム)、回腸胆汁酸トランスポート(IBAT)阻害剤(例えば、GSK-2330672、LUM-002)、ミクロソームトリグリセリド移転タンパク質(MTP)阻害剤(例えば、ロミタピド(AEGR-733)、SLx-4090、グラノタピド)、前駆タンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシンタイプ9(PCSK9)のモジュレーター(例えば、アリロクマブ(REGN727/SAR236553)、AMG-145、LGT-209、PF-04950615、MPSK3169A、LY3015014、ALD-306、ALN-PCS、BMS-962476、SPC5001、ISIS-394814、1B20、LGT-210、1D05、BMS-PCSK9Rx-2、SX-PCK9、RG7652)、LDL受容体アップレギュレーター、例えば、肝臓選択性甲状腺ホルモン受容体ベータアゴニスト(例えば、エプロチローム(KB-2115)、MB07811、ソベチロム(QRX-431)、VIA-3196、ZYT1)、HDL-上昇化合物(HDL-raising compound)、例えば:コレステリルエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、アナセトラピブ(MK0859)、ダルセトラピブ、エバセトラピブ、JTT-302、DRL-17822、TA-8995、R-1658、LY-2484595、DS-1442)、または二重CETP/PCSK9阻害剤(例えばK-312)、ATP結合カセット(ABC1)レギュレーター、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、ホスホリパーゼA2(PLA2)阻害剤(例えば、ダラプラディブ、Tyrisa(登録商標)、バレスプラジブ、リラプラジブ)、ApoA-Iエンハンサー(例えば、RVX-208、CER-001、MDCO-216、CSL-112)、コレステロール合成阻害剤(例えば、ETC-1002)、脂質代謝モジュレーター(例えば、BMS-823778、TAP-301、DRL-21994、DRL-21995)、ならびにオメガ-3脂肪酸およびその誘導体(例えば、イコサペント酸エチル(AMR101)、Epanova(登録商標)、AKR-063、NKPL-66、PRC-4016、CAT-2003);
- ブロモクリプチン(例えば、Cycloset(登録商標)、Parlodel(登録商標))、フェンテルミンおよびフェンテルミン処方物または組合せ(例えば、Adipex-P、Ionamin、Qsymia(登録商標))、ベンズフェタミン(例えば、Didrex(登録商標))、ジエチルプロピオン(例えば、Tenuate(登録商標))、フェンジメトラジン(例えば、Adipost(登録商標)、Bontril(登録商標))、ブプロピオンおよび組合せ(例えば、Zyban(登録商標)、Wellbutrin XL(登録商標)、Contrave(登録商標)、Empatic(登録商標))、シブトラミン(例えば、Reductil(登録商標)、Meridia(登録商標))、トピラマート(例えば、Topamax(登録商標))、ゾニサミド(例えば、Zonegran(登録商標))、テソフェンシン、オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルトレキソン(例えば、Naltrexin(登録商標)、ナルトレキソン+ブプロピオン)、カンナビノイド受容体1(CB1)アンタゴニスト(例えば、TM-38837)、メラニン凝集ホルモン(MCH-1)アンタゴニスト(例えば、BMS-830216、ALB-127158(a))、MC4受容体アゴニストおよび部分アゴニスト(例えば、AZD-2820、RM-493)、ニューロペプチドY5(NPY5)またはNPY2アンタゴニスト(例えば、ベルネペリト、S-234462)、NPY4アゴニスト(例えば、PP-1420)、ベータ-3-アドレナリン受容体アゴニスト、レプチンまたはレプチン模倣物、5-ヒドロキシトリプタミン2c(5HT2c)受容体のアゴニスト(例えば、ロルカセリン、Belviq(登録商標))、プラムリンチド/メトレレプチン、リパーゼ阻害剤、例えば、セチリスタット(例えば、Cametor(登録商標))、オルリスタット(例えば、Xenical(登録商標)、Calobalin(登録商標))、血管新生阻害剤(例えば、ALS-L1023)、ベータヒスチジンおよびヒスタミンH3アンタゴニスト(例えば、HPP-404)、AgRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤(例えば、TTP-435)、セロトニン再取り込み阻害剤、例えば、フルオキセチン(例えば、Fluctine(登録商標))、ジュロキセチン(例えば、Cymbalta(登録商標))、二重または三重モノアミン取り込み阻害剤(ドーパミン、ノルエピネフリン、およびセロトニン再取り込み)、例えば、セルトラリン(例えば、Zoloft(登録商標))、テソフェンシン、メチオニンアミノペプチダーゼ-2(MetAP2)阻害剤(例えば、ベロラニブ)、ならびに線維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)の産生に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、ISIS-FGFR4Rx)またはプロヒビチン標的指向性ペプチド-1(例えば、Adipotide(登録商標));
- 硝酸オキシド供与体、AT1アンタゴニストまたはアンジオテンシンII(AT2)受容体アンタゴニスト、例えば、テルミサルタン(例えば、Kinzal(登録商標)、Micardis(登録商標))、カンデサルタン(例えば、Atacand(登録商標)、Blopress(登録商標))、バルサルタン(例えば、Diovan(登録商標)、Co-Diovan(登録商標))、ロサルタン(例えば、Cosaar(登録商標))、エプロサルタン(例えば、Teveten(登録商標))、イルベサルタン(例えば、Aprovel(登録商標)、CoAprovel(登録商標))、オルメサルタン(例えば、Votum(登録商標)、Olmetec(登録商標))、タソサルタン、アジルサルタン(例えば、Edarbi(登録商標))、二重アンジオテンシン受容体遮断薬(二重ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、ACE-2活性剤、レニン阻害剤、プロレニン阻害剤、エンドセリン変換酵素(ECE)阻害剤、エンドセリン受容体(ET1/ETA)遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、利尿薬、アルドステロンアンタゴニスト、アルドステロンシンターゼ阻害剤、アルファ遮断薬、アルファ-2アドレナリン受容体のアンタゴニスト、ベータ遮断薬、混合アルファ/ベータ遮断薬、カルシウムアンタゴニスト、カルシウムチャネル遮断薬(CCB)、カルシウムチャネル遮断薬ジルチアゼムの経鼻剤(例えば、CP-404)、二重ミネラルコルチコイド/CCB、中枢作用性抗高血圧症薬、中性エンドペプチダーゼの阻害剤、アミノペプチダーゼA阻害剤、バソペプチド阻害剤、二重バソペプチド阻害剤、例えば、ネプリリシンACE阻害剤またはネプリリシン-ECE阻害剤、二重作用性AT受容体-ネプリリシン阻害剤、二重AT1/ETAアンタゴニスト、終末糖化産物(AGE)分解剤、遺伝子組換えレナラーゼ、血圧ワクチン、例えば、抗RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン-システム)ワクチン、AT1-またはAT2-ワクチン、高血圧症ファーマコゲノミクスに基づく薬物、例えば、抗高血圧応答を有する遺伝的多型のモジュレーター、栓球凝集抑制因子、および他のものまたはこれらのうちの任意のものの組合せが好適である。
ある特定の例示的な実施形態において、「核酸分子」は、本発明により、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)である。核酸分子は、本発明により、一本鎖または二本鎖の分子の形態で存在し得る。本発明による核酸分子は、直鎖状であるかまたは共有結合により閉じて環を形成し得る。
用語「DNA」は、本明細書において使用される場合、デオキシリボヌクレオチド残基を含み、ある特定の例示的な実施形態において、完全にまたは実質的にデオキシリボヌクレオチド残基で構成された分子を指す。「デオキシリボヌクレオチド」は、本明細書において使用される場合、ベータ-D-リボフラノシル基の2’位においてヒドロキシル基を欠くヌクレオチドを指す。用語「DNA」は、単離DNA、例えば、部分的または完全に精製されたDNA、本質的に純粋なDNA、合成DNA、および組換えにより生じたDNAを含む。用語「DNA」は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの追加、欠失、置換、および/または改変によって、天然に存在するDNAとは異なる修飾DNAも含む。そのような改変は、DNAの末端または内部などへの、例えば、DNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドへの、非ヌクレオチド材料の追加を含み得る。DNA分子におけるヌクレオチドは、非標準的ヌクレオチド、例えば、天然に存在しないヌクレオチドまたは化学的に合成されたヌクレオチドなども含むことができる。改変DNA分子は、類似体または天然に存在するDNAの類似体と呼ぶことができる。
用語「RNA」は、本明細書において使用される場合、リボヌクレオチド残基を含み、場合により、完全にまたは実質的にリボヌクレオチド残基で構成された分子を指す。「リボヌクレオチド」は、本明細書において使用される場合、ベータ-D-リボフラノシル基の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを指す。用語「RNA」は、単離RNA、例えば、部分的または完全に精製されたRNA、本質的に純粋なRNA、合成RNA、および組換えにより生じたRNAを含む。用語「RNA」は、1つまたはそれ以上のヌクレオチドの追加、欠失、置換、および/または改変によって、天然に存在するRNAとは異なる修飾RNAも含む。そのような改変は、RNAの末端または内部などへの、例えば、RNAの1つまたはそれ以上のヌクレオチドでの、非ヌクレオチド材料の追加を含み得る。RNA分子におけるヌクレオチドは、非標準的ヌクレオチド、例えば、天然に存在しないヌクレオチドもしくは化学的に合成されたヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドなども含むことができる。改変RNA分子は、類似体または天然に存在するRNAの類似体と呼ぶことができる。本発明によれば、「RNA」は、一本鎖RNAまたは二本鎖RNAを指す。一実施形態において、RNAは、mRNA、例えば、インビトロにおいて転写されたRNA(IVT RNA)または合成RNAである。RNAは、例えば、RNAの安定性(例えば、半減期)を増加させる1つまたはそれ以上の修飾によって、修飾することができる。そのような変更は、当業者に公知であり、そのようなものとして、例えば、5’-キャップまたは5’キャップ類似体が挙げられる。
用語「天然に存在する」は、ヌクレオチドと組み合わせて使用される場合、アデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、およびウラシル(U)の塩基を指す。
本発明による核酸分子は、ベクターに含有させる/含ませることができる。用語「ベクター」は、本明細書において使用される場合、プラスミドベクター、コスミドベクター、ファージベクター(例えば、ラムダファージ)、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルスもしくはバキュロウイルスベクター)、または人工染色体ベクター(例えば、バクテリア人工染色体(BAC)、酵母人工染色体(YAC)、もしくはP1人工染色体(PAC))を含む、当業者に公知の全てのベクターを含む。該ベクターは、発現ベクターおよびクローニングベクターを含む。発現ベクターは、プラスミドおよびウイルスベクターを含み、一般的に、特定の宿主生物(例えば、細菌、酵母、植物、昆虫、哺乳動物その他)における、またはインビトロ発現系における、所望のコード配列と、作動可能に連結されたコード配列の発現のために必要な適切なDNA配列とを含有する。クローニングベクターは、一般的に、ある特定の所望のDNA断片を設計および増幅するために使用され、所望のDNA断片の発現に必要な機能的配列を欠き得る。
あるいは、本発明による核酸分子は、ゲノム、例えば、宿主細胞のゲノム、に統合させてもよい。特定の核酸分子をゲノムに統合するための手段および方法は、当業者に周知である。
用語「細胞」または「宿主細胞」は、本明細書において使用される場合、完全細胞、すなわち、その正常な細胞内成分、例えば、酵素、細胞小器官、または遺伝物質などを放出していない、完全膜を有する細胞を指す。ある特定の例示的な実施形態において、完全細胞は、生存細胞、すなわち、その正常な代謝機能を行うことができる生きた細胞である。ある特定の例示的な実施形態において、細胞または宿主細胞は、外因性の核酸をトランスフェクトまたは形質転換することができる任意の細胞である。ある特定の例示的な実施形態において外因性の核酸をトランスフェクトまたは形質導入させ、レシピエントに移した細胞は、レシピエントにおいてその核酸を発現することができる。
用語「細胞」は、原核細胞、例えば、細菌細胞など、および真核生物細胞、例えば、酵母細胞、真菌細胞、または哺乳動物細胞などを含む。好適な細菌細胞としては、グラム陰性細菌株、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス属(Proteus)、およびシュードモナス属(Pseudomonas)の株など、ならびにグラム陽性細菌株、例えば、バチルス属(Bacillus)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、およびラクトコッカス属(Lactococcus)の株などに由来する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。)好適な真菌細胞としては、これらに限定されるわけではないが、トリコデルマ属(Trichoderma)、ニューロスポーラ属(Neurospor)、およびアスペルギルス属 (Aspergillus)の種に由来する細胞が挙げられる。好適な酵母細胞としては、これらに限定されるわけではないが、サッカロマイセス属(Saccharomyces)の種(例えば、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)の種(例えば、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe))、ピキア属(Pichia)の種(例えば、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)およびピチア・メタノリカ(Pichia methanolica))、およびハンゼヌラ属(Hansenula)の種に由来する細胞が挙げられる。好適な哺乳動物細胞としては、これらに限定されるわけではないが、例えば、CHO細胞、BHK細胞、HeLa細胞、COS細胞、HEK-293などが挙げられる。一実施形態において、HEK-293細胞が使用される。しかしながら、両生類細胞、昆虫細胞、植物細胞、および異種タンパク質の発現のために当技術分野において使用される任意の他の細胞も、使用することができる。ある特定の例示的な実施形態において、哺乳動物細胞(例えば、ヒト、マウス、ハムスター、ブタ、ヤギまたは霊長類に由来する細胞)は、養子移入に使用される。
好適な細胞は、多くの組織型から誘導することができ、初代細胞および細胞株、例えば、免疫系の細胞など(例えば、抗原提示細胞、例えば、樹状細胞およびT細胞など、幹細胞、例えば、造血幹細胞および間充織幹細胞など)、ならびに他の任意の細胞型を含む。
「抗原提示細胞」は、本明細書において使用される場合、その表面上の主要組織適合遺伝子複合体との関連において抗原を提示する細胞である。T細胞は、そのT細胞受容体(TCR)を使用して、組織適合遺伝子複合体を認識することができる。
「細胞」または「宿主細胞」は、単離してもよく、または組織または有機体、特に「非人体」、の一部であってもよい。用語「非人体」は、本明細書において使用される場合、非ヒト霊長類または他の動物、例えば、哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、もしくはげっ歯類、(例えば、マウス、ラット、モルモット、およびハムスター)を含むことを意味する。
本発明による医薬組成物は、1種もしくはそれ以上の担体および/または賦形剤を含み、それら全ては、薬学的に許容されるものである。用語「薬学的に許容される」は、本明細書において使用される場合、ある特定の例示的な実施形態において、医薬組成物の活性剤の作用と相互作用しない材料の非毒性を指す。
用語「担体」は、本明細書において使用される場合、適用を促進、増強、または可能にするために有効成分と組み合わされる、天然または合成の性質の有機または無機成分を指す。本発明によれば、用語「担体」は、対象への投与にとって好適な、1種またはそれ以上の適合性の固体または液体の充填剤、希釈剤、または封入物質も含む。
非経口投与のために好適な担体物質としては、滅菌水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、生理食塩水、静菌性生理食塩水(例えば、0.9%ベンジルアルコールを含有する生理食塩水)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、ハンクス液、ポリアルキレングリコール、水素化ナフタレン、および、特に、生体適合性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン/ポリオキシ-プロピレンコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「賦形剤」は、本明細書において使用される場合、有効成分ではないが医薬組成物中に存在していてもよい全ての物質、例えば、塩、結合剤(例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール)、充填剤、潤滑剤、増粘剤、表面活性剤、防腐剤、乳化剤、緩衝剤物質、香味剤、または着色剤などを含むことが意図される。
薬学的に許容される塩を製造するために、薬学的に許容されない塩を使用してもよく、それらは本発明に含まれる。この種類の薬学的に許容される塩は、非限定的に以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸などから製造されるものを含む。薬学的に許容される塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、またはカルシウム塩などとして製造することもできる。塩は、医薬組成物のイオン強度または張度を調節するために加えることができる。
医薬組成物での使用のための好適な防腐剤としては、酸化防止剤、クエン酸、クエン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、システイン、メチオニン、パラベン、チメロサール、フェノール、クレゾールおよびその混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
医薬組成物での使用のための好適な緩衝物質としては、塩での酢酸、塩でのクエン酸、塩でのホウ酸、塩でのリン酸、およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス、THAM、トロメタモール)が挙げられるが、これらに限定されない。
ある特定の例示的な実施形態において、本発明による医薬組成物は、無菌である。医薬組成物は、一様な剤形において提供され、当業者に公知の任意の様式において製造することができる。医薬組成物は、例えば、溶液剤または懸濁剤の形態であってもよい。
医薬組成物は、適切な希釈剤によって再構成される、安定な凍結乾燥された製品として製剤化することもでき、場合により、上記において定義されるような1種またはそれ以上の賦形剤を含む。
本発明による医薬組成物は、GLP-1Rアゴニストペプチドに加えて、少なくとも1種の他の医薬品有効成分をさらに含んでもよい。
本明細書において使用される場合、用語「部品のキット(簡潔に:キット)」は、1つまたはそれ以上の容器と、場合によりデータ媒体とを含む製品を指す。前記1つまたはそれ以上の容器は、上記において言及した本発明の薬剤、例えば、GLP-1Rアゴニストペプチド、融合タンパク質、医薬組成物、ならびに核酸分子および宿主細胞などの関連する薬剤の1つまたはそれ以上で満たされる。キットには、例えば、希釈剤、緩衝剤、およびさらなる試薬を収容する追加の容器を含ませてもよい。前記データ媒体は、非電子的データ媒体、例えば、グラフィックデータ媒体、例えば、情報リーフレット、情報シート、バーコードもしくはアクセスコード、または電子的データ媒体、例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、マイクロチップ、もしくは別の半導体ベースの電子的データ媒体である。アクセスコードは、データベース、例えば、インターネットデータベース、集中データベース、分散データベースなどへのアクセスの可能にする。前記データ媒体は、本発明の薬剤、例えば、本明細書において説明される、GLP-1Rアゴニストペプチド、融合分子、医薬組成物、ならびに核酸分子および宿主細胞などの関連する薬剤の使用のための取扱説明書を含んでもよい。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、任意の従来の経路、例えば、経口、経肺投与、吸入によって、または注射もしくは注入による非経口において投与することができる。一実施形態において、非経口投与は、静脈内、動脈内、皮下、皮内、または筋肉内において使用される。本明細書において説明される薬剤および組成物は、徐放性投与によって投与することもできる。
非経口投与にとって好適な医薬組成物は、通常、活性物質の滅菌水性または非水性調製物を含み、これらは、場合により、レシピエントの血液に対して等張である。適合性の担体/溶媒/希釈剤の例は、滅菌水、リンゲル液、乳酸リンゲル液、生理食塩水、静菌性生理食塩水(例えば、0.9%ベンジルアルコールを含有する生理食塩水)、PBS、およびハンクス液である。さらに、通常、滅菌の不揮発性油も、溶液または懸濁液媒体として使用することができる。
本明細書において説明される薬剤および組成物は、通常、治療有効量において投与される。「治療有効量」は、場合により、許容できないまたは不必要な副作用を引き起こすことなくまたは最小限にのみ引き起こし、単独でまたはさらなる用量と一緒に、所望の治療反応または所望の治療効果を達成する量を指す。
ある特定の例示的な実施形態において、特定の疾患、特定の障害または特定の状態の治療の場合、所望の反応は、疾患、障害または状態の経過の阻害に関係し得る。これは、疾患、障害または状態の進行を減速させること、および、特に疾患、障害または状態の進行を中断または逆転させることを含む。疾患、障害または状態の治療における所望の反応は、前記疾患、障害または状態の発生の遅延または発生の予防であってもよい。本明細書において説明される薬剤および組成物の有効量は、治療される状態、疾患、障害または状態の重篤度、対象の個々のパラメータ、例えば、年齢、生理的条件、サイズ、および体重など、治療の持続期間、付随する療法のタイプ(存在する場合)、投与の特定の経路、ならびに同様の因子に依存するであろう。したがって、本明細書において説明される薬剤の投与される用量は、様々なそのようなパラメータに依存する。対象における反応が、初回用量において十分でない場合、より多い用量(または、別のより局所的経路の投与によって効果的に達成される、より多い用量)を使用することもできる。
本発明により、用語「疾患、障害または状態」は、任意の病理学的状態または不健康な状態、特に、肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、糖尿病性網膜症、高血糖、異常脂血症、NASH、および/またはアテローム性動脈硬化症を指す。
用語「肥満」は、本明細書において使用される場合、健康に負の影響を有し得る程度にまで過剰な体脂肪が蓄積された医学的状態を指す。ヒト(成人)対象に関して、肥満は、30kg/m以上の肥満度指数(BMI)(BMI≧30kg/m)として定義することができる。
用語「太り過ぎ」は、本明細書において使用される場合、体脂肪の量が、最適に健康である量を超えている医学的状態を指す。ヒト(成人)対象に関して、肥満は、25kg/m以上の肥満度指数(BMI)(例えば、25kg/m≦BMI<30kg/m)として定義することができる。
BMIは、成人において太り過ぎおよび肥満を分類するために一般的に使用される身長体重比の単純な指標である。それは、キログラムで表した人の体重をメートルで表したその人の身長の二乗で割ったものとして定義される(kg/m)。
「メタボリック症候群」は、本明細書において使用される場合、以下の医学的状態のうちの少なくとも3つのクラスタリングを指す:腹部(中心性)肥満(例えば、コーカソイドの男性の場合には胴回り≧94cmおよびコーカソイドの女性の場合は≧80cm、他の群に関しては民族的特有の値を有すると定義)、高い血圧(例えば、130/85mmHg以上)、高い空腹時血漿グルコース(例えば、少なくとも100mg/dL)、高い血清トリグリセリド(少なくとも150mg/dLE)、および低い高比重リポタンパク質(HDL)レベル(例えば、男性の場合には40mg/dL未満および女の場合は50mg/dL未満)。
「糖尿病(diabetes mellitus)」(単に「糖尿病(diabetes)」とも呼ばれる)は、本明細書において使用される場合、インスリン産生、インスリン作用、またはその両方における欠陥から結果として生じる血中グルコースの高濃度によって特徴付けられる代謝病の群を指す。一実施形態において、糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠性糖尿病、緩徐発症成人自己免疫性糖尿病(LADA)、若年発症成人型糖尿病(MODY)、ならびに特定の遺伝的条件、薬物、栄養不良、感染症、および他の病気からの結果として生じる他のタイプの糖尿病からなる群から選択される。糖尿病の現在のWHO診断基準は以下の通りである:空腹時血漿グルコース≧7.0mmol/l(126mg/dL)または2時間血漿グルコース≧11.1mmol/l(200mg/dL)。
「1型糖尿病」(「インスリン依存性糖尿病(IDDM)」または「若年性糖尿病」としても知られる)は、本明細書において使用される場合、インスリンの完全な欠乏によって引き起こされる高い血中グルコース濃度によって特徴付けられる状態である。これは、体の免疫システムが、膵臓におけるインスリンを産生するベータ細胞を攻撃し、それらを破壊する場合に生じる。膵臓は、インスリンを少ししか、または全く産生しない。膵臓除去または膵疾患も、インスリンを産生するベータ細胞の欠乏を生じ得る。1型糖尿病は、糖尿病の症例の5%から10%の間を占める。
「2型糖尿病」(「インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)」または「成人発症型糖尿病」としても知られる)は、本明細書において使用される場合、インスリンの可用性にかかわらない過剰なグルコース産生と、不十分なグルコースクリアランス(インスリン作用)の結果として過度に高いレベルのままにグルコースレベルが循環することによって特徴付けられる状態である。2型糖尿病は、糖尿病の全ての診断症例の約90から95%を占める。
「妊娠性糖尿病」は、本明細書において使用される場合、それ以前に糖尿病と診断されていない女性が、妊娠中(特に妊娠第三期)に高い血中グルコースレベルを示す状態である。妊娠性糖尿病は、調査された集団に応じて、妊娠の3~10%に影響する。
「緩徐発症成人自己免疫性糖尿病(LADA)」(「遅発性1型糖尿病」とも呼ばれる)は、本明細書において使用される場合、成人において生じる、多くの場合において発症の経過がより遅い、1型糖尿病の形態である。
「若年発症成人型糖尿病(MODY)」は、本明細書において使用される場合、インスリン産生を妨害する常染色体優性遺伝子における変異によって引き起こされる、糖尿病の遺伝子型を指す。
「糖尿病性網膜症」は、本明細書において使用される場合、糖尿病患者に生じる代謝の乱れによって誘発される眼疾患であり、視力の進行性喪失へ導く。
用語「高血糖」は、本明細書において使用される場合、血液中の過剰な糖(グルコース)を指す。
用語「異常脂血症」は、本明細書において使用される場合、リポタンパク質の過剰産生(高脂肪血症)または欠乏(低脂血症)を含む、リポタンパク質代謝の障害を指す。異常脂血症は、血中の総コレステロール、低比重リポタンパク質(LDL)コレステロールおよび/もしくはトリグリセリド濃度の上昇、ならびに/または高比重リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度の減少によって明らかにされる。
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、本明細書において使用される場合、肝細胞の炎症および変性を伴う、脂肪の蓄積(脂肪滴)によって特徴付けられる肝臓疾患を指す。一度発症すると、この疾患は、肝臓機能が変化して肝不全へと進行し得る状態である、肝硬変の高リスクを伴う。その後、NASHは、多くの場合、肝臓がんへと進行する。
「アテローム性動脈硬化症」は、本明細書において使用される場合、動脈内腔の狭窄を引き起こして線維症および石灰化へと進行し得る、大動脈および中動脈の血管内膜におけるプラークと呼ばれる不規則に分布する脂質沈着によって特徴付けられる血管疾患である。病巣は、通常、限局性であり、ゆっくりと断続的に進行する。時折、血流障害を生じ、その結果として、閉塞に対して末梢側の組織死を引き起こす、プラークの破裂を生じる。血流の制限は、ほとんどの臨床徴候の主要因であり、これは、閉塞の分布および重篤度によって変わる。
用語「医薬」は、本明細書において使用される場合、治療法において、すなわち、疾患および障害の治療において使用される、物質および/または組成物を指す。
用語「治療する」は、本明細書において使用される場合:対象における疾患、障害または状態を予防、改善または除去するため;対象における疾患、障害または状態を停止または鈍化させるため;対象における新たな疾患、障害または状態の発生を阻害または鈍化させるため;現在または以前に疾患、障害または状態を有している対象における症状の頻度もしくは重篤度および/または再発を減少させるため;および/または、対象の寿命を延長、すなわち増加させるための、化合物もしくは組成物または化合物もしくは組成物の組合せの、対象への投与を指す。
特に、句「疾患、障害または状態を治療すること」および「疾患、障害または状態の治療」は、疾患、障害もしくは状態またはその症状を治癒すること、その期間を短縮すること、それを改善すること、それを予防すること、その進行または悪化を鈍化または阻害すること、またはその発症を予防または遅延させることを含む。
用語「対象」は、本発明によると、治療のための対象、特に罹患した対象(「患者」とも呼ばれる)、例えば、非限定的に、ヒト、非ヒト霊長類、または他の動物、例えば哺乳動物、例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、ウサギ、もしくはげっ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモットもしくはハムスター)などを指す。一実施形態において、対象/患者は、ヒトである。
そこで、説明をするが、本発明の範囲を限定することは意図していない以下の実施例を参照することによって本発明をさらに説明する。
システム薬理学モデリングによる最適なGLP-1RA/FGF21活性比の決定
ヒトにおけるGLP-1RA/FGF21融合タンパク質の薬理学的効果への改善された機械論的洞察を使用して、最適なGLP-1RA/FGF21効力比を特定した。機械論的システム薬理学モデルを開発し、GLP-1およびFGF21のヒトにおけるグルコース、脂質およびエネルギー代謝に対する効果を説明した(Cuevas-Ramosら(2009)Curr Diabetes Rev 5(4):216-220;Deaconら(2011)Rev Diabet Stud 8(3):293-306;Kimら(2008)Pharmacol Rev 60(4):470-512;Kharitonenkovら(2014)Mol Metab 3(3):221-229)。
このモデルは、GLP-1およびFGF21の効果について関連する経路を表した。血糖コントロール(すなわち、HbA1c、空腹時血漿グルコース、食後血糖値)、脂質パラメータ(すなわち、血漿トリグリセリド、脂肪酸、コレステロール)およびエネルギーバランス(すなわち、体重、食物摂取、エネルギー消費)を獲得して、模擬薬物治療(例えば、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質、リラグルチド、FGF21類似体LY2405319)に対する治療奏功を評価した。LY2405319については、Kharitonenkovら(2013)PLoS ONE8(3):e58575を参照されたい。
このモデルは、ホルモンインスリン、グルカゴンおよびある特定のインクレチン(例えば、GLP-1、GIP)によって制御されるグルコースホメオスタシスの重要な態様を網羅した。血糖コントロールに関する主要モデルのエンドポイントは、HbA1cであった。HbA1cは、先の数か月にわたる平均血漿グルコース濃度を推定するために使用された共通の臨床エンドポイントである。HbA1cは、Nathanら(2008)Diabetes Care31(8):1473-1478によって報告されたように、平均血漿グルコースとHbA1cとの間位の線形的相関を使用してモデルにおいて推定した。
このモデルは、コレステロールの提示を含む基本的脂質代謝を扱うのに適したレベルで、トリグリセリドおよび脂肪酸代謝を組み入れた。HDLおよび非HDL、すなわち、LDL+VLDLコレステロールは、循環しているリポタンパク質である。脂質代謝の提示は、FGF21化合物の、脂質およびスタチンとの相互作用に与える影響をシミュレートすることを可能にした。FGF21化合物は、脂質濃度に著しい効果を有した(Gaichら(2013)Cell Metab18(3):333-340;Fisherら(2011)Endocrinology152(8):2996-3004)。
このモデルにおける体重減少または体重増加は、体脂肪量の変化として測定した。脂肪量と体重との間に直接的な関係性があった(Broylesら(2011)Br J Nutr 105(8):1272-1276)。食物摂取は、基礎および安静時代謝率に基づいた(Amirkalaliら(2008)Indian J Med Sci62(7):283-290)。エネルギー消費がカロリー摂取と等しい場合、体脂肪量は、一定を維持した。食物摂取に対する治療効果は、Gobelら(2014)(Obesity(Silver Spring)22(10):2105-2108)の式を使用して、モデルに実行した。
食物は、炭水化物(グルコース等価物)、脂肪(脂肪酸等価物)およびタンパク質(アミノ酸等価物)であると考えた。全ての栄養が胃に入り、遅延ノードを通過し、その後、3区画の消化管に入った。消化管の設計は、食物消化および吸収についてのBastianelliら(1996)(J Anim Sci 74(8):1873-1887)およびWorthington(1997)(Med Inform(Lond)22(1):35-45)によってなされた仕事に基づいた。
栄養、ホルモン、薬物および疾患状態は、胃排出の遅延を生じさせる可能性がある。健康状態下で、胃排出率は、食事の量、そのエネルギー密度および胃における栄養量に依存する(Achourら(2001)Eur J Clin Nutr55(9):769-772;Fouilletら(2009)Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol297(6):R1691-1705)。糖尿病を有する個体は、経口ブドウ糖負荷試験または食事試験で観察されるグルコース吸収の遅延を有することが多い(Bharuchaら(2009)Clin Endocrinol(Oxf)70(3):415-420;Changら(2012)Diabetes Care35(12):2594-2596)。この遅延は胃排出の減速に起因する。胃と小腸との間の移動における遅延をこの実施例のモデルに加えて、糖尿病対象における胃排出の遅延を説明した。薬物およびホルモン(例えば、GLP-1)は、胃の迷走神経緊張に影響し得、これは機械的混合および/または蠕動を減少し、胃排出も遅延させる(Jelsingら(2012)Diabetes Obes Metab 14(6):531-538;Littleら(2006)J Clin Endocrinol Metab91(5):1916-1923;Nauckら(2011)Diabetes 60(5):1561-1565;van Canら(2013)Int J Obes(Lond)38(6):784-93)。
この調査の1つの目的は、GLP-1関連有害作用、すなわち、吐き気および嘔吐(Leanら(2014)Int J Obes(Lond)38(5):689-697)を予防することであった。胃排出測定値は、胃排出率の低さに相関する吐き気および嘔吐といった有害事象の推定を提供した。したがって、モデルにおける胃有害事象についてのマーカーは、胃排出率の和であった。
健常者および疾患の異なるステージの2型糖尿病患者を表す異なる仮想患者がモデルプラットフォームに実装された。さらに、仮想患者は、異なる程度の肥満および異常脂血症を網羅した。仮想患者は、疾患重症度の可変性ならびにクリニックにおいて観察された病態生理学的および表現型の可変性を表した。
いくつかの治療薬、すなわち、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質、リラグルチド、FGF21類似体LY2405319、メトホルミン、アトルバスタチン、シタグリプチン、およびヒトインスリンがモデルにおいて実施された。これらの治療薬は、シミュレーションにおいてオンオフ切り換えすることができた。仮想患者は、GLP-1RA/FGF21融合タンパク質を投与される場合、メトホルミンおよびアトルバスタチンのバックグラウンドにあると想定された。
仮想GLP-1RA/FGF21融合タンパク質がこの実施例で説明されるモデルにおいて実施された。融合タンパク質は、FGF21アゴニスト活性とGLP-1アゴニスト活性の両方を含み、FGF21受容体アゴニストとGLP-1受容体アゴニストの両方と同じ効果を有した。仮想融合タンパク質の薬物動態特性は、デュラグルチドと同様であると想定した(Geiserら(2016)Clin Pharmacokinet55(5):625-34)。
多くのデータセットと比較することによってモデルを検証した。シミュレーション結果は、関連データおよび知識、例えば、Hellersteinら(1997)J Clin Invest 100(5):1305-1319;Muscelliら(2008)Diabetes57(5):1340-1348と定量的に一致した。モデルは、関連の定量的試験データ、例えば、Aschnerら(2006)Diabetes Care29(12):2632-2637;Dalla Man、Caumoら(2005)Am J Physiol Endocrinol Metab289(5):E909-914;Dalla Manら(2005)Diabetes54(11):3265-3273;Fiallo-Scharer(2005)J Clin Endocrinol Metab 90(6):3387-3391;Hahnら(2011)Theor Biol Med Model8:12;Hermanら(2005)Clin Pharmacol Ther 78(6):675-688;Hermanら(2006)J Clin Pharmacol46(8):876-886およびJ Clin Endocrinol Metab91(11):4612-4619;Hojlundら(2001)Am J Physiol Endocrinol Metab 280(1):E50-58;Monauniら(2000)Diabetes 49(6):926-935;Nauckら(2009)Diabetes Care32(1):84-90;Nauckら(1993)J Clin Invest91(1):301-307;Nauckら(2004)Regul Pept122(3):209-217;Tzamaloukasら(1989)West J Med150(4):415-419;Sikaris(2009)J Diabetes Sci Technol3(3):429-438;ViciniおよびCobelli(2001)Am J Physiol Endocrinol Metab280(1):E179-186;Vollmerら(2008)Diabetes57(3):678-687に適合した。
FGF21類似体およびGLP-1受容体アゴニストを含む既存の治療薬が直接的比較についてモデルにおいて実施された。FGF21類似体の効果は臨床データ、例えば、Gaichら(2013)Cell Metab 18(3): 333-340で検証された。GLP-1受容体アゴニストリラグルチドは、標的について直接的な競合相手であり、その実行を様々な臨床データ、例えば、Jacobsenら(2009)Br J Clin Pharmacol68(6):898-905;Elbrondら(2002)Diabetes Care25(8):1398-1404;Changら(2003)Diabetes52(7):1786-1791;Koltermanら(2003)J Clin Endocrinol Metab88(7):3082-3089;Degnら(2004)Diabetes53(5):1187-1194;Koltermanら(2005)Am J Health Syst Pharm62(2):173-181;Vilsbollら(2008)Diabet Med25(2):152-156;Buseら(2009)Lancet374(9683):39-47;Jelsingら(2012)Diabetes Obes Metab14(6):531-538;Hermansenら(2013)Diabetes Obes Metab15(11):1040-1048;Suzukiら(2013)Intern Med52(10):1029-1034;van Canら(2013)Int J Obes(Lond)38(6):784-93;Zinmanら(2009)Diabetes Care32(7):1224-1230;Russell-Jonesら(2009)Diabetologia52(10):2046-2055;Pratleyら(2011)Int J Clin Pract65(4):397-407;Nauckら(2013)Diabetes Obes Metab15(3):204-212;Flintら(2011)Adv Ther28(3):213-226;Kapitzaら(2011)Adv Ther28(8):650-660;およびAstrupら(2012)Int J Obes(Lond)36(6):843-854において説明されるようなデータと比較した。
モデルプラットフォームは、活性比を変化させて、仮想GLP-1RA/FGF21融合タンパク質の利益的および有害作用のシミュレーションを可能にした。有効FGF21媒介性EC50値は、Gaichら(2013)Cell Metab18(3):333-340に由来する値と一定に設定した。有効GLP-1媒介性EC50値は、内在GLP-1(表1)に関して、1つ増加の2~600の因子によって減少した。
Figure 2023540662000001
仮想融合タンパク質のそれぞれについて、関連の薬力学的エンドポイント、すなわち、HbA1c、トリグリセリド、脂肪酸、非HDLコレステロールおよび脂肪量について、暴露-奏功の関係をシミュレートした。GLP-1媒介性有害事象についてのマーカーとして、胃排出率を使用した。平均的な肥満異常脂血症の2型糖尿病の仮想患者に対するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質による52週間の治療を幅の広い用量範囲でシミュレートした。52週間の治療後、全ての関連の薬力学的エンドポイントが定常状態に到達することを予想した。各エンドポイントについて、最大半量効果濃度(EC50値)を暴露-奏効曲線から決定した。EC50値は、特に主にGLP-1媒介性エンドポイントであるHbA1cおよび胃排出率について、活性比で変化した。図1は、GLP-1減衰率に依存するEC50値を記載する。GLP-1減衰率の増加は、GLP-1Rアゴニスト活性の減少を示した。
この手順は、関連の活性比の特定を可能にし、この比について、薬力学的作用を媒介する血漿レベルに比べて、より高い血漿レベルで有害作用が観察された。9より高いGLP-1減衰率について、GLP-1媒介性消化管有害作用のEC50のほうが薬力学的作用のEC50より高かった。したがって、胃の有害作用は、薬力学的作用を達成するのに必要とされるレベルよりも高い血漿レベルで発生した。GLP-1媒介性消化管有害作用を回避しながら、全ての望ましい薬力学的作用を提供する用量を解明することは可能であった。
胃排出率についての最大EC50値は、減衰率531で到達した。有害作用と平均薬力学的作用との間の最大距離は、減衰率482で到達した(図2)。したがって、1:482以上の活性比は、関係しなかった。薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、319であった。FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、121であった。
1:10~1:482の間の効力比を有するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質は、脂質特性、体重およびグルコース代謝を改善するのに最も有益であると予測され、胃排出反応に基づく著しい有害事象を発生する見込みはなかった。より低い効力比は、それらの予想される胃排出の強力な抑制および有害事象の潜在性に基づいて、良好な候補ではない可能性があった。より高い効力比は、充分に効果的ではなく、したがって競合的ではない可能性があると考えられた。
HbA1cレベルの主としてGLP-1媒介性のパラメータが、当該技術分野において公知のGLP-1受容体アゴニストおよびFGF21剤による12週間の治療後に定常状態に臨床的に到達するため、平均的な肥満異常脂血症の2型糖尿病の仮想患者に対するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質による12週間の治療を幅の広い用量範囲でシミュレートした。
図3は、12週間のシミュレーション期間にわたるGLP-1減衰率に対して得られたEC50値を記載する。18より高いGLP-1減衰率について、GLP-1媒介性消化管有害作用のEC50のほうが薬力学的作用のEC50より高かった。胃排出率についての最大EC50値は、減衰率501で到達した。有害作用と平均の薬力学的作用との間の最大距離は、減衰率469で到達した(図4)。薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、313であった。FGF21-(脂質)およびGLP-1媒介性作用(HbA1c)の展開によって正規化された薬力学(HbA1c)の最大と有害作用との間の最大距離は、123であった。
異なる活性比を有するGLP-1RA/FGF21融合タンパク質についての有害事象の効能および潜在能を記載のシステム薬理学アプローチによって調査した。おそらく計算された理想的な効力比を有する融合タンパク質が、同定され、胃排出反応に基づく著しく有害なGLP-1RA関連作用を発生しない可能性のある状態で、脂質特性、体重および血糖コントロールを改善するのに有益であると予測された。選択したモデルが知らせる効力比を有する化合物がリスク特性に対する良好な効能を提供することを予測した。
HEK293、CHOおよび大腸菌細胞におけるホモダイマーGLP-1RA/FGF21融合タンパク質の発現、および単離されたGLP-1Rアゴニストペプチドの化学合成
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質を、HEK293またはCHO細胞における一過性トランスフェクションによって産生した。融合タンパク質のDNA配列を、N末端においてIL2シグナル配列(配列番号246)に融合させ、続いて、ヒスチジンリッチな配列(Hisタグ)およびTEVプロテアーゼ切断部位(配列番号247または248)に融合させた。シグナル配列は、培養培地への所望のタンパク質の分泌に必要であった。固定化金属イオン親和性クロマトグラフィ(IMAC)(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)を使用して、培養上清からタンパク質を精製した。IMACカラムからの溶出後、場合により、タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼの添加によってN末端Hisタグを切断した。Hisタグ切断後、切断反応溶液をIMACカラム(cOmplete His-Tag Purification Column(商標)、Roche)の2回目の通過をさせ、フロースルー画分(Hisタグを有さない)を収集した。このタンパク質をさらに、プロテインA親和性クロマトグラフィ(rProtein A Sepharose、GE Healthcare)、および泳動用緩衝液としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS、Gibco)を用いたゲルろ過カラムを使用して精製した。所望のタンパク質を含有する画分を収集し、プールし、濃縮して、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
配列番号252のFGF21タンパク質(追加のN末端Glyを有する成熟ヒト野生型FGF21;本明細書においてG-FGF21と呼ばれる)を、大腸菌において発現した。FGF21タンパク質のDNA配列をN末端においてヒスチジンリッチな配列(Hisタグ)およびTEVまたはSUMOプロテアーゼ切断部位(配列番号248または249)に融合させた。固定化金属イオン親和性クロマトグラフィ(IMAC)(HisTrap HP、GE Healthcare)を使用して所望のタンパク質を精製し、続いてTEVまたはSUMOプロテアーゼの添加によってN末端Hisタグを切断した。Hisタグ切断後、切断反応溶液を、イオン交換カラム(Source 15、GE Healthcare)、続いて泳動用緩衝液としてリン酸緩衝生理食塩水(PBS、Gibco)を用いたゲルろ過カラム(Superdex 75、GE Healthcare)を使用して精製した。所望のタンパク質を含有する画分を収集し、プールし、濃縮して、さらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
代替の手法において、大腸菌封入体の発現、および続いて、Tris緩衝塩化グアニジウム溶液中において封入体をアンフォールディングし、カオトロピック塩を伴わない緩衝液中での希釈によりリフォールディングすることによってフォールディングされた融合タンパク質が得られるリフォールディング工程によって融合タンパク質を産生した。タンパク質A親和性クロマトグラフィ(MabSelect SuRe、GE Healthcare)を使用して融合タンパク質を精製し、続いてTEVプロテアーゼの添加によってN末端プレ配列を切断した。切断反応溶液を、陰イオン交換カラム(POROS 50 HQ、ThermoFisher)を使用して精製した。所望のタンパク質を含有する画分を収集し、プールした。PBS(Gibco)を使用する超音波/ダイアフィルトレーション工程によって、最終的な緩衝液条件およびタンパク質濃度を確立した。試料をさらなる使用まで-80℃で貯蔵した。
融合タンパク質は組換え法(上記を参照されたい)によって産生したが、単離されたペプチドGLP-1Rアゴニストは化学合成した。
より詳細には、ペプチドは以下の手動の合成手順を使用して合成した:
乾燥RinkアミドMBHA樹脂0.3g(0.66mmol/g)を、ポリプロピレンフィルターを備えたポリエチレン容器内に置いた。樹脂はDCM(15ml)にて1時間、DMF(15ml)にて1時間膨張させた。樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。固形支持体からのFmoc除去の確認に、Kaiser試験(定量的方法)を使用した。乾燥DMF中のC末端Fmocアミノ酸(樹脂負荷に対応する5等量の余剰)を脱保護された樹脂に添加し、次のFmocアミノ酸のカップリングをDMF中のDICおよびHOBTの5等量の余剰で開始させた。反応混合物における各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。カップリング完了時のペプチド樹脂アリコートについて実施したKaiser試験は陰性であった(樹脂に色がなかった)。第1のアミノ酸の付着後、無反応のアミノ基は、存在する場合、樹脂の中で、無水酢酸/ピリジン/DCM(1:8:8)を使用して、20分間キャップして、配列の任意の欠失を回避した。キャッピング後、DCM/DMF/DCM/DMFで樹脂を洗浄した(各6/6/6/6回)。C末端のアミノ酸付着ペプチジル樹脂のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMF(各6:6:6回)で洗浄した。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートについて実施したKaiser試験は陽性であった。
RinkアミドMBHA樹脂上の標的配列における残りのアミノ酸は、DMF中の樹脂負荷に対応する5等量の余剰を使用して、Fmoc AA/DIC/HOBt方法を使用して、順次結合させた。反応混合物における各反応物の濃度は約0.4Mであった。混合物は、室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。各カップリングステップおよびFmoc脱保護ステップの後、Kaiser試験を実施して、反応の完全性を確認した。
線形配列の完成後、リジンのε-アミノ基は分枝点または修飾点として使用され、DMF中の2.5%のヒドラジン水和物を使用することによって、15分間を2回、脱保護し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。DMF中のDIC/HOBt方法(樹脂負荷に対して、5等量の余剰を使用して)によるFmoc-Glu(OH)-OtBuを使用して、グルタミン酸のγ-カルボキシル端をLysのε-アミノ基に付着させた。混合物を室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6×30mL)。グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間(各25mL)、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートのKaiser試験は陽性であった。
側鎖分枝が1つ以上のγ-グルタミン酸も含んだ場合、DMF中のDIC/HOBt方法(樹脂負荷に対して、5等量の余剰で)を使用してγ-グルタミン酸の遊離アミノ基に付着させるために、第2のFmoc-Glu(OH)-OtBuを使用した。混合物を室温で2時間、ローターで回転させた。樹脂をろ過し、DMF/DCM/DMFで洗浄した(各6×30mL)。γ-グルタミン酸のFmoc基は、20%(v/v)のピペリジン/DMF溶液で5分および15分間(25ml)、2回処理することによって脱保護した。樹脂をDMF/DCM/DMFで洗浄した(各6:6:6回)。Fmoc脱保護完了時のペプチド樹脂アリコートのKaiser試験は陽性であった。
樹脂からのペプチドの最終切断:
手動の合成によって合成したペプチジル樹脂をDCM(6×10mL)、MeOH(6×10mL)およびエーテル(6×10mL)で洗浄し、減圧デシケーターで一晩乾燥させた。固体支持体からのペプチドの切断は、ペプチド-樹脂を試薬カクテル(80%のTFA/5%のチオアニソール/5%のフェノール/2.5%のEDT/2.5%のDMS/5%のDCM)で、室温で3時間処理することによって達成した。切断混合物はろ過によって回収し、樹脂はTFA(2mL)およびDCM(2×5mL)で洗浄した。余剰TFAおよびDCMを窒素下で少量に濃縮し、少量のDCM(5~10mL)を残留物に添加し、窒素下で蒸発させた。この工程を3~4回繰り返して、揮発性不純物の多くを除去した。残留物を0℃に冷却し、無水エーテルを添加して、ペプチドを沈殿させた。沈殿したペプチドを遠心分離にかけ、上清エーテルを除去し、新鮮なエーテルをペプチドに添加し、再び遠心分離にかけた。粗試料は分取HPLCによって精製し、凍結乾燥した。ペプチドの同一性をLCMSによって確認した。
CHO細胞におけるヒトFGF21受容体の有効性についてのインビトロ細胞アッセイ(In-Cell Western)
G-FGF21(配列番号252)および本発明の融合タンパク質の細胞インビトロ有効性を、特異的な高感度のIn-Cell Western(ICW)アッセイを使用して測定した。ICWアッセイは、通常、マイクロプレート形式を使用して実施される、免疫細胞化学的アッセイである。FGF21受容体自己リン酸化ICWアッセイ(Aguilarら(2010)PLoS ONE 5(4):e9965)のために、ヒトベータ-Klotho(KLB)と共にヒトFGFR1cを安定して発現するCHO Flp-In細胞(Invitrogen、ダルムシュタット、ドイツ)を使用した。MAPキナーゼERK1/2の受容体自己リン酸化レベルまたは下流活性を決定するために、2×10細胞/ウェルを、96ウェルプレートに播種し、48時間増殖させた。細胞を、GlutaMAX(Gibco、ダルムシュタット、ドイツ)を伴う無血清培地ハムF-12 Nutrient Mixによって3~4時間、血清飢餓させた。続いて、細胞を、増加する濃度の、G-FGF21(配列番号252)または示される融合タンパク質のいずれかによって、37℃で5時間処理した。インキュベーション後、培地を捨て、細胞を、3.7%の新たに調製したパラ-ホルムアルデヒドにおいて20分間固定させた。細胞に、PBS中の0.1%Triton-X-100を20分間浸透させた。Odysseyブロッキングバッファ(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により、室温で2時間、ブロッキングを実施した。一次抗体として、抗pFGFR Tyr653/654(New England Biolabs、フランクフルト、ドイツ)または抗pERKホスホ-p44/42 MAPキナーゼThr202/Tyr204(Cell Signaling)を加えて、4℃で一晩インキュベートした。一次抗体のインキュベーション後、細胞をPBS+0.1%Tween20で洗浄した。その後、細胞を、二次抗マウス800CW抗体(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)と室温で1時間インキュベートした。続いて、細胞をPBS+0.1%Tween20で再び洗浄した。Odyssey画像表示装置(LICOR、バートホンブルク、ドイツ)により、赤外色素シグナルを定量した。結果を、TO-PRO3染料(Invitrogen、カールスルーエ、ドイツ)によるDNAの定量化によって正規化した。任意単位(AU)としてデータを得て、用量-応答曲線からEC50値を得た(表2および3にまとめる)。図5は、ヒトFGFR1c+KLBを過剰発現するCHO細胞によるICWの結果を示している。
Figure 2023540662000002
Figure 2023540662000003
ヒトグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体有効性についてのインビトロ細胞アッセイ
ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体についての化合物のアゴニズムを、ヒトGLP-1受容体を安定的に発現するHEK-293細胞株においてcAMP反応を測定する機能的アッセイによって決定した。
組換えHEK293細胞を、37℃に置いたT175培養フラスコにおいて培地(10%のFBSを含むDMEM)中にてコンフルエンス近くまで増殖させ、2mLのバイアルの10%のDMSOを含有する細胞培養培地中に1~5×10細胞/mLの濃度で収集した。各バイアルは、細胞懸濁液1.8mLを含有した。バイアルをイソプロパノールチャンバー内で-80℃までゆっくりと凍結させ、その後、長期貯蔵のために液体窒素へ移した。
凍結細胞を、それらの使用前に、37℃において迅速に融解し、細胞バッファ20mL(1×HBSS;20mMのHEPES、0.1%のBSA)により洗浄し、900rpmにおいて5分間遠心分離した。細胞をアッセイバッファ(細胞バッファ+2mMのIBMX)中に再懸濁し、1×10細胞/mLの細胞密度に調節した。測定のために、細胞懸濁液5μL(最終5×10細胞/ウェル)および試験化合物5μLを、384ウェルプレートのウェルへ添加し、続いて、室温において30分間インキュベートした。Bachem(ブーベンドルフ、スイス、H-6795)のヒトGLP-1(7~36)アミド(配列番号260)を対照として使用した。Homogenous Time Resolved Fluorescence(HTRF)に基づくCisbio Corp.(カタログ番号62AM4PEC)のキットを使用して、細胞のcAMP含有量を決定した。溶解バッファ(キットの成分)中に希釈したHTRF試薬の添加後、プレートを1時間インキュベートし、続いて、665/620nmの蛍光比を測定した。最大反応の50%活性化をもたらした濃度(EC50)を決定することによって、アゴニストのインビトロ効力を定量した。
結果を表4にまとめ、用量-応答曲線を図6に示す。
Figure 2023540662000004
Figure 2023540662000005
Figure 2023540662000006
Figure 2023540662000007
GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質のコンフォメーション安定性および熱安定性の解析
UNit(Unchained Labs、CA、米国)を使用して、GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質についてコンフォメーション安定性および凝集する性質を同時に決定した。UNitは、タンパク質またはポリペプチドのアンフォールディングを検出するタンパク質またはポリペプチドの自家蛍光解析と、Static Light Scattering(SLS)測定とを組み合わせて凝集挙動を調査する。
pH7.4のリン酸緩衝液中に処方した5mg/mLの濃度の融合タンパク質についてデータを取得した。9μLの体積の各試料をUNitキャピラリーホルダーにロードし、UNitにおいて三組ずつ解析した。温度を0.3℃/分の一定線形速度で20℃から95℃まで増大させた。266nmのレーザーにより検出される自家蛍光およびSLSシグナルを示すBaryCentric Mean(BCM)を、適用した温度に対してプロットして、融点(Tm)および凝集開始温度(Tagg)を得た。UNit解析ソフトウェアv.2.1を使用してデータを解析し、表5にまとめる。
加えて、一部のタンパク質について、熱シフトアッセイを適用して、示差走査蛍光定量(DSFまたはThermoFluor(商標))アッセイ(Ahmad S.ら(2012)Protein Science 21:433-446;Pantolianoら(2001)J.Biomol. Screen 6:429-440;Niesenら(2007)Nat.Protoc. 2:2212-21)を模倣して熱安定性を解析した。このアッセイは、Sypro(商標)Orange(Life Technologies、カタログ番号S6651)のような疎水性蛍光色素は、それらがタンパク質上の疎水性の区画へ結合した場合、それらの蛍光が増加するという観察に基づく。そのような疎水性の区画は、タンパク質が加熱に際してアンフォールディングした場合にタンパク質において曝露されるので、蛍光における増大は、アンフォールディングの程度についての、およびそれゆえ、タンパク質の熱安定性についての測定値として使用することができる。
PBS(Gibco)中の各タンパク質の溶液を、Sypro(商標)Orangeの160倍溶液(販売者によって提供される5000倍DMSOストックから水中に希釈する)と混合することによって、タンパク質を試験した。試料体積をPBSにより20μLに調節した。典型的な条件は、最終混合物中に0.8mg/mLのタンパク質および8倍のSypro(商標)Orangeを含有したが、タンパク質濃度は、0.4mg/mL~1.2mg/mLの間で変動させた。試料を、96ウェルPCRプレート(BioRad Semi-Skirt 96 白色)中に分配し、気泡を除去するために短時間遠心分離した。プレートを、BioRad iQ5リアルタイムPCR器具に挿入し、1℃/分の傾斜スピードにおいて10~90℃の熱勾配にかけた。蛍光の励起および定量のために、485nmおよび575nmの波長のフィルターを選択した。BioRad iQ5 Standard Editionソフトウェア(v.2.0.148.60623)を使用してデータを加工した。温度に対する蛍光強度の曲線において、変曲点を、融点(Tm)についての測定値として選択した。
Figure 2023540662000008
マウスおよび非ヒト霊長類における薬物動態
雌C57Bl/6マウスまたは雄カニクイザルへの、溶液中の0.3mg/kgの単回皮下投与後、3つの異なる方法を使用して、GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の血漿濃度および薬物動態パラメータを決定した。投薬後30分~168時間の時点において、血液試料を得た。
a.)GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の完全FGF21部分の定量のための生物分析スクリーニング法
血漿試料をELISAキット(F1231-K01、Eagle Biosciences、米国)により、融合タンパク質の完全FGF21部分について分析した。アッセイは、ヒト完全FGF21の異なるエピトープに結合する2つの選択された抗体による2部位サンドイッチ技法を利用した。抗体のうちの1つは、ヒトFGF21のN末端アミノ酸(aa)29~35に特異的に結合し、他の抗体は、ヒトFGF21のC末端(aa203~209)に特異的に結合した。抗ヒトFGF21(aa29~35)特異的抗体により被覆したマイクロプレートのウェルに、アッセイ標準、対照および未知の試料を直接的に添加した。同時に、ホースラディッシュペルオキシダーゼをコンジュゲートした抗ヒトFGF21(aa203~209)特異的抗体を、各ウェルに添加した。第1のインキュベーション期間後、マイクロタイターウェルの壁上の抗体は、試料中のヒトFGF21を捕獲し、各マイクロタイターウェル中の非結合タンパク質は洗い流された。「抗FGF21抗体-ヒト完全FGF21-HRPコンジュゲートトレーサー抗体」の「サンドイッチ」が形成された。非結合トレーサー抗体を、次の洗浄工程において除去した。この免疫複合体の検出のために、その後、ウェルを、定時反応において基質溶液とインキュベートし、その後、分光光度法マイクロプレートリーダーにおいて測定した。マイクロタイターウェルの壁上のヒト完全FGF21に結合した免疫複合体の酵素活性は、試料中の完全FGF21の量に直接的に比例した。
b.)完全全長融合タンパク質の定量のための生物分析スクリーニング法
血漿中の全長GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質の濃度を、ELISA法を利用して決定した。融合タンパク質のN末端を、マウスモノクローナル抗GLP1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)によって捕獲した。プレートをBlocker A(MSD)150μLにより室温(RT)において穏やかに振盪しながら1時間ブロッキングし、洗浄バッファ300μLにより3回洗浄した後、希釈した血漿試料(標準試料およびPK研究用試料)50μLを各ウェルに添加し、プレートをRTにおいて穏やかに振盪しながら1時間インキュベートした。洗浄バッファ300μLにより3回洗浄した後、プライマー検出抗体(C末端ウサギ抗FGF21抗体、Pineda Antikorper-Service、ベルリン、ドイツ)50μLを各ウェルに添加し、プレートをRTにおいて1時間インキュベートした。洗浄バッファ300μLにより3回洗浄した後、PBS-Tween 0.05%(PBS-T)中に希釈したヤギ抗ウサギ抗体(Sulfo-Tag標識化、MSD)25μLを各ウェルに添加し、プレートをRTにおいて1時間インキュベートした。PBS-T 300μLにより3回洗浄した後、リードバッファ150μLをウェルに添加した。
c.)GLP-1 FGF21 Fc融合タンパク質の完全GLP-1部分の定量のための生物分析スクリーニング法
血漿試料をGLP-1 ELISA法により、融合タンパク質の完全GLP-1部分について分析した。ELISAプレートをマウスモノクローナル抗GLP-1抗体(Mesoscale Discovery、MSD)により被覆した。Blocker A(MSD)150μLにより室温(RT)において穏やかに振盪しながら1時間ブロッキングし、PBS-T 300μLにより3回洗浄した後、希釈した血漿試料(標準試料およびPK研究用試料)50μLを各ウェルに添加し、プレートをRTにおいて穏やかに振盪しながら1時間インキュベートした。PBS-T 300μLにより3回洗浄した後、PBS-T中に希釈した(1/3,333)ヤギ抗ヒトIgG(Sulfo-Tag標識化、MSD)25μLを各ウェルに添加し、プレートをRTにおいて1時間インキュベートした。PBS-T 300μLにより3回洗浄した後、リードバッファ150μLをウェルに添加した。
プログラムWinNonlin 6.4によって、ノンコンパートメントモデルおよび線形台形補間(linear trapezoidal interpolation)計算を使用して、薬物動態パラメータを計算した。結果を、図7および8ならびに表6において示す。結果は、新規GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質は、ng/mLの範囲内にそれらの血漿レベルを維持し、半減期は最大20~40時間であったことを示す。
Figure 2023540662000009
マウスモデルにおけるインビボ有効性
a.)多用量食事性肥満(DIO)マウス
雌のC57BL/6N Charles Riverマウスを、特定病原体感染防止壁施設において12時間明/12時間暗周期にて群で飼育し、水および標準食または高脂肪食(ssniff 調節済みFat Diet E15797)を自由に摂らせた。20週間の高脂肪食での事前飼育後、マウスを体重について階級化して、各処置群(n=8)が同様の平均体重を有するように処置群に分けた。標準固形飼料(ssniff R/M-H、V1534-0)を自由に摂らせた週齢が適合する群を、標準対照群として含めた。また、デュラグルチド処置群を、比較群として含めた。処置の開始前に、マウスに、3日間媒体溶液を皮下(s.c.)注射し、計量して、マウスを手順に慣らした。
1)飼育した雌DIOマウスにおける血中グルコースに対する急性効果:媒体(リン酸緩衝液)の第1の投与(s.c.)またはGLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質(リン酸緩衝液中に溶解した)の第1の投与それぞれの直前に、初回血液試料を採取した。投与体積は、ストック液の濃度によって、5または10mL/kgであった。実験中、動物に、水およびそれらの対応する食餌を摂らせた。血中グルコースレベルを、t=0時間、t=1時間、t=2時間、t=3時間、t=4時間、t=6時間およびt=24時間において測定した(方法:Accu-Check血糖計)。血液採取は、麻酔なしで尾部切開によって実施した。
2)雌のDIOマウスにおける体重に対する慢性効果:マウスを毎週1回、8日目毎に明相の開始時の朝に、媒体または試験化合物により4週間処置した。体重および摂食量を毎日記録した。処置開始2日前および26日目に、核磁気共鳴(NMR)により全体脂肪量を測定した。
体重および摂食量に対する融合タンパク質の効果を、それぞれ図9および図10に示す。配列番号8または配列番号7の融合タンパク質により処置した動物は、研究の終わりまでに媒体またはデュラグルチド処置動物よりも多くの食餌を累積的に消費したが、それらは、媒体またはデュラグルチド処置動物よりも有意に体重が減少した。このことは、体重減少に対する配列番号7および配列番号8の両方の分子の効果が実現するために摂食量の抑制を必要としなかったので、配列番号7および配列番号8の両方の分子のFGF21模倣活性に対するGLP-1受容体活性の均衡が保たれていることを明らかに実証している。
b.)飼育した雌の糖尿病db/dbマウスにおける多数の皮下用量の血中グルコース低下効果
動物、研究設計(投薬前相、投薬相)、薬理学的介入
雌の健康な痩せたマウス(BKS.Cg-(痩せ)/OlaHsdまたはBKS.Cg-Dock7(m)+/+ Lepr(db)J)および糖尿病傾向のある肥満db/dbマウス(BKS.Cg-+Leprdb/+Leprdb/OlaHsdまたはBKS.CG-m +/+ Lepr(db)/J)を、Envigo RMS Inc.またはCharles River Laboratoriesに注文した。全ての動物を木材チップ床敷を有する靴箱型ケージにおいて群で飼育し、投薬相の前におよそ2~3週間の間慣らした。
12時間明/12時間暗周期(明相04:00AM~4:00PM)、20~26℃の室温、および30~70%の相対湿度の動物飼養条件下においてマウスを飼育した。全ての動物は、グリーンフィールド市の水およびPurina Fomulab Diet 5008を自由に摂取した。研究開始時に、マウスはおよそ10~12週齢であった。
投薬前相(15日間)
9日目に尾部クリップにより、HbA1cおよび血中グルコース測定のために血液を収集した。範囲を延長したAlphaTRAK血糖計(コード29ストリップ)を使用して血中グルコース濃度を測定した。血糖計測定は、任意の他の生活活動より前に取り、二重に実施した。これらの値(計算された血糖計の値)が20mg/dLを超えて異なった場合は、第3の値を記録した。9および15日目に体質量測定を収集した。HbA1cおよび体質量値を、ブロックランダム化に使用した。ブロックランダム化結果に従って、15日目に動物を処置群(n=8/群)、ならびに新しいケージおよびケージの仲間(n=4動物/ケージ)に割り当てた。週齢が適合した健康な参照群として痩せの群を研究に含めた。
用量製剤および投薬
動物を、5mg/kgの体積の媒体(滅菌PBS)、デュラグルチド、配列番号8または配列番号7のいずれかの皮下注射により、投薬相の1、8、15、22および27日目に1回処置した。投薬は10:00~12:00AMの間に完了し、各個体の極めて最近の体質量記録に調節した。Trulicity(Dulaglutide Pen)を含む注射液を、ストック液またはPen製剤への滅菌PBSの添加により調製して、適切な濃度を達成した。
投薬相(36日間)
1)午前給餌動物における血中グルコース濃度:実験中、動物は水および食餌を無制限に摂取した。1、2、8、9、15、16、22、23、27および28日目の10:00~12:00AMの間の任意の他の生活活動より前、ならびに2、9、16、23および28日目の投薬24時間後に血中グルコースを測定した。加えて、1および22日目の、投薬1、2、3、4、6および24時間後に血液を収集した(図11)。血液およそ5μLを尾部クリップから収集し、範囲を延長したAlphaTRAK血糖計(コード29ストリップ)を使用して血中グルコース測定を二重で実施した。これらの値(計算されたグルコース値)が20mg/dLを超えて異なった場合は、第3の値を記録した。各個体および示される期間について台形法(trapezoid method)により曲線下面積(AUC)を計算した。
2)HbA1c分析:投薬前相の9日目および投薬相の36日目に、血液を尾部クリップから収集した。血液を5μLの無添加マイクロキャピラリー管に収集し、即座に溶血液を含有する遠心分離管に入れた。管を激しく振盪して溶血液と血液とを混合し、揺り子上に置いて血液と試薬とが完全に混合することを確実にした。研究開始時および研究終了後の血漿HbA1cレベルを図12に示す。
統計解析:データは平均値±SEMとして記載する。統計解析のために、糖尿病肥満db/db媒体マウス(n=8)の群を、糖尿病肥満db/db被験物質処置マウス(n=8)の群と比較して、一元配置分散分析(ANOVA)および多重比較(ダネット法)を実施した。2つの群の平均値における差が0.05超であった場合、それらは統計的に有意に異なるとみなされた。非糖尿病痩せ媒体群データを図11および12に記載し、非肥満非糖尿病状態についての参照データセットとして使用した。
配列番号8または配列番号7の融合タンパク質により処置した動物において、血中グルコースレベルに対する低下効果は、媒体またはデュラグルチド処置動物における効果より有意に大きかった(図11)。配列番号8の融合タンパク質の最も高い用量は、処置の22日目に測定した24時間血中グルコースプロファイルのほぼ全体にわたり、血中グルコースレベルの、正常非糖尿病動物レベルまでの低下さえももたらした。加えて、図12に示されるように、配列番号8または配列番号7の融合タンパク質により処置した動物は、研究の終わりまでに媒体またはデュラグルチド処置動物よりも明白な、HbA1c増大の抑制を示した。
c.)DIO-NASHマウスモデル
動物および実験設定
全ての動物実験は、実験動物の管理と使用に関する国際基準の原理に従った。
JanVier(JanVier labs、フランス)から雄の5週齢のC57Bl/6Jマウスを得、各群、1ケージ当たり5匹の動物を12時間暗/12時間明周期下において飼育した。室温は22℃±1℃に制御し、50%±10%湿度であった。動物は、以前にAMLN食餌(Clapperら(2013)Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 305:G483-G495)として記載されている高脂肪食(40%、これらのうち18%はトランス脂肪)、40%炭水化物(20%フルクトース)および2%コレステロール(D09100301、Research Diet、米国)、または普通のげっ歯類固形飼料(Altromin 1324、Brogaarden、デンマーク)および水道水(低脂肪食、n=10~12)を自由に摂取した。26週間後、基線の段階の個体の線維症および脂肪肝の組織学的評価のために肝生検を実施した。
生検の1日前に、マウスをエンロフロキサシン(Bayer、ドイツ)(5mg/mL / 1mL/kg)により事前処置した。生検前に、マウスを100%酸素中のイソフルラン(2%~3%)により麻酔した。正中線における腹部の小切開を行い、肝臓の外側左葉を曝露した。組織学的検査のために、4%パラホルムアルデヒド中に固定した葉の遠位部分から、肝組織の円錐形楔形部分(50~100mg)を切除した。以前にClapperらによって説明される生検手順を、ERBE VIO 100C電気外科用ユニット(ERBE、米国)を使用するバイポーラ凝固による肝臓の切断面の電気凝固法を使用して改良した。肝臓を腹腔に戻し、腹壁を縫合し、皮膚をステープラー処置した。手術時ならびに手術後1および2日目に、術後疼痛緩和および感染を制御するために、それぞれ、カルプロフェン(Pfizer、米国)(5mg/mL-0.01mL/10g)およびエンロフロキサシン(5mg/mL-1mL/kg)を、腹腔内に投与した。生検手順後、動物を単独で飼育し、AMLN食餌で3週間維持して回復させた。基線肝生検によって評価された個体の疾患段階に基づいて階層化し、10~12匹の動物の研究群へランダム化した。
その後、動物を、AMLN食餌または固形飼料食餌のいずれかでのさらなる8週間の間、GLP-1RA/FGF21 Fc融合タンパク質50mg/kg、デュラグルチド0.6mg/kg、または媒体(PBS)の毎週1回の皮下注射により処置した。次に、動物を安楽死させ、肝臓重量を決定し、組織学分析および生化学分析のために肝組織を収集した(図13を参照されたい)。
組織学的評価およびデジタル画像解析
基線肝生検および最終試料を外側左葉から収集し(約100mg)、4%パラホルムアルデヒド中で一晩固定した。肝組織をパラフィン包埋し、薄片にした(3μmの厚さ)。肝臓の形態および線維症を評価するために、薄片を、それぞれ、ヘマトキシリンおよびエオシンならびにシリウスレッドにより染色し、Visiomorphソフトウェア(Visiopharm、デンマーク)により解析した。病理学者が盲検により組織学的評価およびスコア付けを実施した。Kleinerら(2005)Hepatology 41: 1313-1321によって概略される臨床基準を使用して、NAFLD活性スコア(NAS)(脂肪肝、炎症、気球状変性)および線維症段階を実施した。データは、図14および図15において2つの異なる形式で示される。
配列番号8の融合タンパク質は、肝臓重量、肝臓の全脂質含有量、肝臓コレステロールおよびトリグリセリド含有量、ならびにNAFLD活性スコアに対する効果を明らかに示し、これらは、デュラグルチドの効果によって例示されるGLP-1アゴニズム単独の肝臓重量、肝臓の全脂質含有量、肝臓コレステロールおよびトリグリセリド含有量、ならびにNAFLD活性スコアよりも優れている。

Claims (17)

  1. 天然GLP-1(7~36)(配列番号260)のGLP-1R(グルカゴン様ペプチド1受容体)アゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有するGLP-1Rアゴニストペプチドであって、アミノ酸配列
    -G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-X12-X13-L-X15-X16-X17-X18-X19-X20-X21-F-X23-E-W-L-X27-X28-X29-G(配列番号635)
    を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
    式中
    はH、YまたはFであり、
    10はKまたはLであり、
    12はK、IまたはQであり、
    13はQまたはLであり、
    15はE、AまたはDであり、
    16はE、KまたはSであり、
    17はE、RまたはQであり、
    18はL、AまたはRであり、
    19はV、AまたはFであり、
    20はR、H、Q、KまたはIであり、
    21はL、E、HまたはRであり、
    23はI、YまたはFであり、
    27はI、L、KまたはEであり、
    28はA、K、NまたはEであり、
    29はG、T、KまたはVであり;
    場合により、前記アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
    場合により、前記アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、
    GLP-1Rアゴニストペプチド。
  2. アミノ酸配列
    H-G-E-G-T-F-T-S-D-X10-S-K-Q-L-E-E-E-X18-V-X20-L-F-I-E-W-L-K-A-X29-G(配列番号636)
    を含みまたはそのようなアミノ酸配列からなり、
    式中
    10はKまたはLであり、
    18はAまたはRであり、
    20はRまたはQであり、
    29はGまたはTであり;
    場合により、前記アミノ酸配列は、そのN末端において少なくとも1つの追加のアミノ酸残基をさらに含み;
    場合により、前記アミノ酸配列は、そのC末端において最大で約12、約11または約10個のアミノ酸残基からなるペプチド延長をさらに含む、
    請求項1に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
  3. 少なくとも1つの追加の前記アミノ酸残基は、GまたはAである、請求項1または2に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
  4. 前記ペプチド延長は、配列番号566~621からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
  5. 前記GLP-1Rアゴニストペプチドがその単離された形態において存在する場合および/または前記GLP-1Rアゴニストペプチドが融合分子の部分である場合、前記天然GLP-1(7~36)(配列番号260)の前記GLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約9分の1~約531分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
  6. 前記天然GLP-1(7~36)(配列番号260)の前記GLP-1Rアゴニスト活性に比べて、約10分の1~約500分の1、または約15分の1~約500分の1、または約20分の1~約500分の1、または約50分の1~約500分の1、または約100分の1~約500分の1、または約100分の1~約300分の1のGLP-1Rアゴニスト活性を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド。
  7. 配列番号261~552および554~565からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むまたはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチド。
  8. 配列番号261のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなる、または配列番号262のアミノ酸配列を含むもしくはそのようなアミノ酸配列からなるGLP-1Rアゴニストペプチド。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1つの他の医薬品有効成分を含む組合せ。
  10. 請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドおよび少なくとも1つの他の医薬品有効成分を含む融合分子。
  11. 請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチドまたは請求項10に記載の融合分子をコードする核酸分子。
  12. 請求項11に記載の核酸分子を含有する宿主細胞。
  13. 請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド、請求項9に記載の組合せ、請求項10に記載の融合分子、請求項11に記載の核酸分子または請求項12に記載の宿主細胞を含む医薬組成物。
  14. 請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド、請求項9に記載の組合せ、請求項10に記載の融合分子、請求項11に記載の核酸分子、請求項12に記載の宿主細胞または請求項13に記載の医薬組成物を含むキット。
  15. 医薬としての使用のための、請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド、請求項9に記載の組合せ、請求項10に記載の融合分子、請求項11に記載の核酸分子、請求項12に記載の宿主細胞または請求項13に記載の医薬組成物。
  16. 肥満、太り過ぎ、メタボリック症候群、糖尿病、高血糖症、異常脂血症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびアテローム性動脈硬化症からなる群から選択される疾患または障害の治療での使用のための、請求項1~8のいずれか1項に記載のGLP-1Rアゴニストペプチド、請求項9に記載の組合せ、請求項10に記載の融合分子、請求項11に記載の核酸分子、請求項12に記載の宿主細胞または請求項13に記載の医薬組成物。
  17. 前記糖尿病は、1型糖尿病または2型糖尿病である、請求項16に記載の使用のための、GLP-1Rアゴニストペプチド、組合せ、融合分子、核酸分子、宿主細胞または医薬組成物。
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