JP2023540323A - アセトニトリル分離方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書において、低純度の供給原料流からアセトニトリルを分離するための方法が提供される。提供される方法は、メタノール、水、およびアリルアルコールを含む化学製造廃棄物流からアセトニトリルを高純度で単離するために特に有用である。【選択図】なし

Description

[0001]この出願は2020年9月4日に出願された米国仮出願第63/074,586号の優先権を主張し、該仮出願は参照により本明細書に組み込まれる。
[0002]本開示は一般に、アセトニトリルを単離する能力を有し、メタノールおよびアリルアルコールを含む工業流からアセトニトリルを回収するために特に有用である下流の分離方法に関する。
[0003]シアノカーボン、例えば、シアノ官能基を有する有機化合物は公知であり、様々な用途で広く使用される。アクリロニトリルを始めとするこれらの化合物の多くは、ナイロン、ポリアクリロニトリル、またはアクリロニトリルブタジエンスチレンのような様々なポリマーを調製するためにモノマーとして使用される。シアノカーボンを製造するいくつかの方法は当技術分野で公知であり、これらの製造方法は小量の望ましい副産物を含む廃棄物流を生ずることが多い。例えば、アセトニトリルは工業製造プロセスの従来の廃棄物流の多くに存在し得る。通例、この副産物アセトニトリルは周知の分離スキームを用いて回収され得る。しかしながら、これらの典型的なアクリロニトリルプロセス廃棄物流分離スキームは廃棄物流中の他のいくらかの不純物、例えば、メタノール、水、および/またはアリルアルコールの存在を考えていない。これらの存在は例えばアセトニトリルとの共沸混合物の形成に起因してアセトニトリルの単離を複雑にする可能性がある。
[0004]アセトニトリルを回収するためのいくつかの方法が当技術分野で公知である。例えば、米国特許第4,362,603号は、アセトニトリル、水、シアン化水素、アクリロニトリル、およびオキサゾール、アリルアルコール、アセトン、またはプロピオニトリルのような他の有機化合物を含む流れから、様々な圧力の3つの蒸留ゾーンで蒸留することによりアセトニトリル副産物を回収するための方法を開示する。
[0005]別の例として、米国特許第6,780,289号は粗製アセトニトリルを大気圧未満の第1の分留塔で蒸留し、アセトニトリルを含む第1の側流留分を抜き出し、第1の側流留分を過圧の第2の分留塔で蒸留し、精製されたアセトニトリルを含む第2の側流留分を第2の蒸留から抜き出すステップを含む粗製アセトニトリルの精製方法を開示する。
[0006]これらの参考文献はアセトニトリルの分離に関し得るが、これらの参考文献は特定の濃度の、例えば、メタノール、水、および/またはアリルアルコールを含む供給原料流からアセトニトリルを回収するという課題を考えていない。したがって、メタノール、水、およびアリルアルコールを含有する製造プロセス廃棄物流からの副産物アセトニトリルのより有効な分離および/または回収を有する改良された方法に対するニーズが存在する。
[0007]一態様において、本開示はアセトニトリルを製造するための方法である。方法は、アセトニトリル、メタノール、シアン化水素、および水を含有する供給原料流を処理して、シアン化水素を除去し、1wt%未満のシアン化水素を含む中間のアセトニトリル流を生成するステップを含む。一部の実施形態において、供給原料流は0.7wt%より多くのメタノールを含む。一部の実施形態において、処理は供給原料流をダイジェスター(digester;蒸解がま)内で消化する(digest;蒸解する)ステップを含み、水酸化ナトリウムおよび供給原料流がダイジェスターに供給される。
[0008]方法はさらに、中間のアセトニトリル流を第1の蒸留塔で蒸留して、水を含有する第1の塔底物流、およびアセトニトリルを含有する第1の蒸留物流を生じさせるステップを含む。第1の蒸留塔は150kPa未満の圧力で操作される。一部の実施形態において、第1の蒸留塔は80kPa未満の圧力で操作される。一部の実施形態において、供給原料流は50wt%より多くの水を含み、第1の蒸留物流は45wt%未満の水を含む。一部の実施形態において、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中の水に対する質量比は3:1より大きい。一部の実施形態において、第1の塔底物流および第1の蒸留物流はそれぞれ、メタノールを含み、第1の塔底物流中のメタノールの、第1の蒸留物流中のメタノールに対する質量比は0.4:1~10:1の範囲である。
[0009]一部の実施形態において、供給原料流および第1の塔底物流はそれぞれ、さらにアリルアルコールを含む。一部の実施形態において、第1の塔底物流は0~1wt%のアリルアルコールを含む。一部の実施形態において、供給原料流は0.05wt%より多くのアリルアルコールを含み、第1の蒸留物流は0.05wt%未満のアリルアルコールを含む。一部の実施形態において、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中のアリルアルコールに対する質量比は1000:1より大きい。
[0010]一部の実施形態において、供給原料流および第1の蒸留物流はそれぞれ、さらにオキサゾールを含む。一部の実施形態において、供給原料流は0.09wt%より多くのオキサゾールを含み、第1の塔底物は0.1wt%未満のオキサゾールを含む。一部の実施形態において、供給原料流はさらにアクリロニトリルを含む。一部の実施形態において、供給原料流はさらにプロピオニトリルを含む。
[0011]方法はさらに第1の蒸留物流を精製して生成物アセトニトリル流およびリサイクル流を生じさせるステップを含む。一部の実施形態において、生成物アセトニトリル流は98wt%より多くのアセトニトリルを含む。一部の実施形態において精製は第1の蒸留物流を第2の蒸留塔で蒸留してメタノールを含む第2の蒸留物流、およびアセトニトリルを含む第2の塔底物流を生じさせるステップを含み、第2の蒸留塔は200kPa未満の圧力で操作される。一部の実施形態において、精製はさらに第2の塔底物流を第3の蒸留塔で蒸留してアセトニトリルを含むリサイクル流、およびアセトニトリルを含む第3の塔底物流を生じさせるステップを含み、第3の蒸留塔は550kPa未満の圧力で操作される。一部の実施形態において、精製はさらに第3の塔底物流を第4の蒸留塔で蒸留して生成物アセトニトリル流を生じさせるステップを含み、第4の蒸留塔は80kPa未満の圧力で操作される。
[0012]以下、添付の図面を参照して本開示が詳細に記載される。図面中、類似の数字は同様な部分を示す。
[0013]一実施形態によるアセトニトリルを回収するための方法の概略図である。
[0014]本開示は一般に、例えば産業廃棄物流からアセトニトリルを単離するのに使用されると、高い純度および収率でアセトニトリル生成物流を生成する際に有利な改良を提供するアセトニトリル分離方法に関する。例えば、アセトニトリル分離方法がメタノール、水、シアン化水素、およびアリルアルコールのような産業廃棄物流の他の成分からアセトニトリルを単離する能力を有することは有益であろう。これらの成分は、例えばアクリロニトリル製造プロセスからの廃棄物流中に普通に存在し、かかる製造プロセスはメタノールを用いて、シアン化水素の生成を助け、かつアクリロニトリル製造効率に貢献する。
[0015]しかしながら、従来のアセトニトリル分離方法がメタノール、水、シアン化水素、およびアリルアルコールを含む汚染成分からアセトニトリルを効果的に単離することは困難であった。その1つの理由は、メタノールのようなある種の成分は、蒸留工程中共沸混合物を形成して有害な作用をする可能性があるということである。この従来の分離方法における共沸混合物の形成は低下した分離効率、不十分な最終アセトニトリル生成物純度、およびより低いアセトニトリル生成物収率を含む重大な問題を引き起こす可能性がある。供給原料流中の他の不純物は、その化学構造および物理的性質のために、一定の下流の応用にとって必要な純度および/または収率での供給原料からのアセトニトリルの単離を複雑にする可能性がある。
[0016]本明細書に開示されるように、提供されるアセトニトリル分離方法の1つまたは複数の蒸留塔のより低い圧力での操作の結果、方法の全体的有効性の増大を引き起こすことができる。かかるより低い操作圧力は、蒸留に対する増大した真空要件および付随する増大した冷却要件がこれらの単位操作に対するより高いコストおよびより低い利用可能性を引き起こすので、類似の慣習的アセトニトリル分離方法においては通例使用されない。都合の良いことに、これらの蒸留コストおよび利用可能性の問題に関連するあらゆる負の影響は、得られる、例えば最終の単離されたアセトニトリル生成物の純度および/または収率の増大、およびこれらの改良されたアセトニトリル生成物仕様を達成するのに必要とされる塔操作時間の減少に関連する便益により、十二分に凌駕される。特に、本明細書に開示される他のプロセスパラメーターと組み合わせた低めの蒸留圧力の重要性は以前には認識されていなかった。
プロセス
[0017]一態様において、低純度のアセトニトリル供給原料流からアセトニトリルを単離する方法が開示される。供給原料流のアセトニトリルはメタノール、水、およびシアン化水素を含むかなりの濃度の他の成分の存在のために低い純度を有する。供給原料流中のアセトニトリルの低い純度はまた、流れ中のアリルアルコール、オキサゾール、および/またはプロピオニトリルの存在に起因する可能性もある。提供されるアセトニトリル分離方法は、この供給原料流を処理してシアン化水素の少なくとも一部分を除去すると共に中間のアセトニトリル流を生成し、この中間のアセトニトリル流を蒸留して水の少なくとも一部分を除去すると共に第1の蒸留物流を生成し、この第1の蒸留物流を精製して高い純度のアセトニトリルの少なくとも一部分を含む生成物アセトニトリル流を生じさせるステップを含む。
供給原料流
[0018]提供される分離方法の供給原料流は、とりわけ、アセトニトリル、メタノール、シアン化水素、および水を含む。供給原料流は他の工業化学プロセス、例えば、アクリロニトリル、シアン化アリル、ブチロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアラミド、またはこれらの組合せの製造に由来する1つまたは複数の廃棄物流を含むことができる。例えば、有機ニトリルまたはその誘導体を製造する多数のプロセスに由来する廃棄物流が合わせられて供給原料流を形成することができる。一部の実施形態において、供給原料流はアクリロニトリル製造プロセスに由来する1つまたは複数の廃棄物流、例えばパージ流を含む。従来のアクリロニトリル製造プロセスにおいて、アセトニトリルを含有する廃棄物流は窒素酸化物の形成を抑えるために廃熱ボイラーで焼却される。しかし、この解決策は副産物アセトニトリルを捕らえることができない。しかしながら、本明細書に開示される方法においては、これらの廃棄物流が処理されてアセトニトリルを、好ましくは高純度レベルで回収することができる。
[0019]一部の実施形態において、供給原料流中のアセトニトリルの濃度は1.7wt%~30wt%、例えば、1.7wt%~9.5wt%、2.3wt%~13wt%、3wt%~17wt%、4wt%~23wt%、または5.4wt%~30wt%の範囲である。上限に関して、供給原料流中のアセトニトリル濃度は30wt%未満、例えば、23wt%未満、17wt%未満、13wt%未満、9.5wt%未満、7.1wt%未満、5.4wt%未満、4wt%未満、3wt%未満、または2.3wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中のアセトニトリル濃度は1.7wt%より大きい、例えば、2.3wt%より大きい、3w%より大きい、4wt%より大きい、5.4wt%より大きい、7.1wt%より大きい、9.5wt%より大きい、13wt%より大きい、17wt%より大きい、または23wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアセトニトリル濃度、例えば、30wt%より大きい、およびより低いアセトニトリル濃度、例えば、1.7wt%未満も予期され得る。
[0020]一部の実施形態において、供給原料流中のメタノールの濃度は0.7wt%~15wt%、例えば、0.7wt%~4.4wt%、1wt%~6wt%、1.3wt%~8.1wt%、1.8wt%~11wt%または2.4wt%~15wt%の範囲である。上限に関して、供給原料流中のメタノール濃度は15wt%未満、例えば、11wt%未満、8.1wt%未満、6wt%未満、4.4wt%未満、3.2wt%未満、2.4wt%未満、1.8wt%未満、1.3wt%未満、または1wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中のメタノール濃度は0.7wt%より大きい、例えば、1wt%より大きい、1.3wt%より大きい、1.8wt%より大きい、2.4wt%より大きい、3.2wt%より大きい、4.4wt%より大きい、6wt%より大きい、8.1wt%より大きい、または11wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いメタノール濃度、例えば、15wt%より大きい、およびより低いメタノール濃度、例えば、0.7wt%未満も予期され得る。
[0021]一部の実施形態において、供給原料流中のシアン化水素の濃度は0.11wt%~2.7wt%、例えば、0.11wt%~0.75wt%、0.15wt%~1wt%、0.21wt%~1.4wt%、0.29wt%~2wt%、または0.4wt%~2.7wt%の範囲である。上限に関して、供給原料流中のシアン化水素濃度は2.7wt%未満、例えば、2wt%未満、1.4wt%未満、1wt%未満、0.75wt%未満、0.55wt%未満、0.4wt%未満、0.29wt%未満、0.21wt%未満、または0.15wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中のシアン化水素濃度は0.11wt%より大きい、例えば、0.15wt%より大きい、0.21wt%より大きい、0.29wt%より大きい、0.4wt%より大きい、0.55wt%より大きい、1wt%より大きい、1.4wt%より大きい、または2wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いシアン化水素濃度、例えば、2.7wt%より大きい、およびより低いシアン化水素濃度、例えば、0.11wt%未満も予期され得る。
[0022]一部の実施形態において、供給原料流中の水の濃度は50wt%~95wt%、例えば、72wt%~92wt%、72wt%~84wt%、74wt%~86wt%、76wt%~88wt%、78wt%~90wt%、または80wt%~92wt%の範囲である。上限に関して、供給原料流中の水濃度は92wt%未満、例えば、90wt%未満、88wt%未満、86wt%未満、84wt%未満、82wt%未満、80wt%未満、78wt%未満、76wt%未満、74wt%未満、または72wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中の水濃度は50wt%より大きい、例えば、72wt%より大きい、74wt%より大きい、76wt%より大きい、78wt%より大きい、80wt%より大きい、82wt%より大きい、84wt%より大きい、86wt%より大きい、88wt%より大きい、または90wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い水濃度、例えば、92wt%より大きい、およびより低い水濃度、例えば、50wt%未満も予期され得る。
[0023]一部の実施形態において、供給原料流はさらにアリルアルコールを含む。供給原料流中のアリルアルコールの濃度は、例えば、0.05wt%~1.1wt%、例えば、0.05wt%~0.32wt%、0.068wt%~0.44wt%、0.093wt%~0.59wt%、0.13wt%~0.81wt%、または0.17wt%~1.1wt%の範囲であり得る。上限に関して、供給原料流中のアリルアルコール濃度は1.1wt%未満、例えば、0.81wt%未満、0.59wt%未満、0.44wt%未満、0.32wt%未満、0.23wt%未満、0.17wt%未満、0.13wt%未満、0.093wt%未満、または0.068wt%未満であることができる。下限に関して、供給原料流中のアリルアルコール濃度は0.05wt%より大きい、例えば、0.068wt%より大きい、0.093wt%より大きい、0.13wt%より大きい、0.17wt%より大きい、0.23wt%より大きい、0.32wt%より大きい、0.44wt%より大きい、0.59wt%より大きい、または0.81wt%より大きいことができる。一部の実施形態において、より高いアリルアルコール濃度、例えば、1.1wt%より大きい、およびより低いアリルアルコール濃度、例えば、0.05wt%未満も予期され得る。
[0024]一部の実施形態において、供給原料流はさらにオキサゾールを含む。供給原料流中のオキサゾールの濃度は、例えば、0.09wt%~2.2wt%、例えば0.09wt%~0.61wt%、0.12wt%~0.84wt%、0.17wt%~1.2wt%、0.23wt%~1.6wt%、または0.32wt%~2.2wt%の範囲であり得る。上限に関して、供給原料流中のオキサゾール濃度は2.2wt%未満、例えば、1.6wt%未満、1.2wt%未満、0.84wt%未満、0.61wt%未満、0.44wt%未満、0.32wt%未満、0.23wt%未満、0.17wt%未満、または0.12wt%未満であり得る。上限に関して、供給原料流中のオキサゾール濃度は0.09wt%より大きい、例えば、0.12wt%より大きい、0.17wt%より大きい、0.23wt%より大きい、0.32wt%より大きい、0.44wt%より大きい、0.61wt%より大きい、0.84wt%より大きい、1.2wt%より大きい、または1.6wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いオキサゾール濃度、例えば、2.2wt%より大きい、およびより低いオキサゾール濃度、例えば、0.09wt%未満も予期され得る。
[0025]一部の実施形態において、供給原料流はさらにアクリロニトリルを含む。供給原料流中のアクリロニトリルの濃度は、例えば、0.05wt%~1.1wt%、例えば、0.05wt%~0.32wt%、0.068wt%~0.44wt%、0.093wt%~0.59wt%、0.13wt%~0.81wt%、または0.17wt%~1.1wt%の範囲であり得る。上限に関して、供給原料流中のアクリロニトリル濃度は1.1wt%未満、例えば、0.81wt%未満、0.59wt%未満、0.44wt%未満、0.32wt%未満、0.23wt%未満、0.17wt%未満、0.13wt%未満、0.093wt%未満、または0.068wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中のアクリロニトリル濃度は0.05wt%より大きい、例えば、0.068wt%より大きい、0.093wt%より大きい、0.13wt%より大きい、0.17wt%より大きい、0.23wt%より大きい、0.32wt%より大きい、0.44wt%より大きい、0.59wt%より大きい、または0.81wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアクリロニトリル濃度、例えば、1.1wt%より大きい、およびより低いアクリロニトリル濃度、例えば、0.05wt%未満も予期され得る。
[0026]一部の実施形態において、供給原料流はさらにプロピオニトリルを含む。供給原料流中のプロピオニトリルの濃度は、例えば、0.05wt%~1.1wt%、例えば、0.05wt%~0.32wt%、0.068wt%~0.44wt%、0.093wt%~0.59wt%、0.13wt%~0.81wt%、または0.17wt%~1.1wt%の範囲であり得る。上限に関して、供給原料流中のプロピオニトリル濃度は1.1wt%未満、例えば、0.81wt%未満、0.59wt%未満、0.44wt%未満、0.32wt%未満、0.23wt%未満、0.17wt%未満、0.13wt%未満、0.093wt%未満、または0.068wt%未満であり得る。下限に関して、供給原料流中のプロピオニトリル濃度は0.05wt%より大きい、例えば、0.068wt%より大きい、0.093wt%より大きい、0.13wt%より大きい、0.17wt%より大きい、0.23wt%より大きい、0.32wt%より大きい、0.44wt%より大きい、0.59wt%より大きい、または0.81wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いプロピオニトリル濃度、例えば、1.1wt%より大きい、およびより低いプロピオニトリル濃度、例えば、0.05wt%未満も予期され得る。
[0027]一部の実施形態において、供給原料流はさらに1つまたは複数の他の不純物を、通例小さい濃度、例えば、ppmまたはppbで含む。これらの不純物は、例えば、有機のニトリルおよびその誘導体の製造の結果生じる様々な廃棄物を含むことができる。例えば、供給原料流は1つまたは複数のアクリルアミド、アゾール、脂肪族ニトリル、芳香族ニトリル、アルコール、アルデヒド、アクロレイン、フマリン、アクリルアミド、シアン化物塩、アセトン、これらの誘導体、またはこれらの組合せを含むことができる。
供給原料処理
[0028]提供される分離の供給原料流は最初に処理されて、シアン化水素の少なくとも一部分を供給原料流から除去し、処理で除去されたシアン化水素を含まない中間のアセトニトリル流を生成する。一部の実施形態において、処理は、強塩基および供給原料流が供給されたダイジェスターで供給原料流を消化することを含む。一部の実施形態において、強塩基は1種以上の金属水酸化物を含む。強塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化物マグネシウム、カルシウム水酸化物、またはこれらの組合せを含むことができる。一部の実施形態において、1種または複数の金属水酸化物は水酸化ナトリウムを含む。一部の実施形態において、ダイジェスターは強塩基に加えて、またはその代わりに、別の苛性溶液を供給される。他の苛性溶液は、例えば、1種または複数のアルデヒドを含むことができる。一部の実施形態において、1種または複数のアルデヒドはホルムアルデヒドを含む。
[0029]一部の実施形態において、中間のアセトニトリル流中のシアン化水素の濃度は0~1wt%、例えば、0~0.16wt%、0.016wt%~0.25wt%、0.025wt%~0.4wt%、0.04wt%~0.63wt%、または0.063wt%~1wt%の範囲である。上限に関して、中間のアセトニトリル流中のシアン化水素濃度は1wt%未満、例えば、0.63wt%未満、0.4wt%未満、0.25wt%未満、0.16wt%未満、0.1wt%未満、0.063wt%未満、0.04wt%未満、0.025wt%未満、または0.016wt%未満であり得る。いくつかの場合において、中間のアセトニトリル流中の成分濃度は供給原料流の濃度と同様であるが除去されたシアン化水素の分少なく、上述の範囲および限界が適用可能である。これらの成分濃度は当業者により容易に計算され得る。
最初の蒸留
[0030]提供される分離方法の中間のアセトニトリル流は第1の蒸留塔で蒸留されて第1の塔底物流および第1の蒸留物流を生じさせる。第1の塔底物流は中間のアセトニトリル流に由来する水の少なくとも一部分を含む。第1の蒸留物流は中間のアセトニトリル流に由来するアセトニトリルの少なくとも一部分を含む。
[0031]一部の実施形態において、第1の蒸留塔は5kPa~150kPa、例えば、5kPa~130kPa、5kPa~110kPa、10kPa~80kPa、10kPa~52kPa、17kPa~59kPa、24kPa~66kPa、31kPa~73kPa、または38kPa~80kPaの範囲の圧力で操作される。上限に関して、第1の蒸留塔の操作圧力は150kPa未満、例えば、130kPa未満、120kPa未満、110kPa未満、80kPa未満、73kPa未満、66kPa未満、59kPa未満、52kPa未満、45kPa未満、38kPa未満、31kPa未満、24kPa未満、17kPa未満、または10kPa未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留塔の操作圧力は5kPaより大きい、例えば、10kPaより大きい、17kPaより大きい、24kPaより大きい、31kPaより大きい、38kPaより大きい、45kPaより大きい、52kPaより大きい、59kPaより大きい、66kPaより大きい、73kPaより大きい、または85kPaより大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い塔圧力、例えば、150kPaより高い圧力、およびより低い塔圧力、例えば、5kPa未満も予期され得る。これらの圧力での操作は、いくつかの場合において、上述の利益を提供する。
[0032]一部の実施形態において、第1の蒸留塔は20℃~90℃、例えば、65℃~90℃、65℃~80℃、67.5℃~82.5℃、70℃~85℃、72.5℃~87.5℃、または75℃~90℃の範囲の温度で操作される。下限に関して、第1の蒸留塔の操作温度は90℃未満、例えば、87.5℃未満、85℃未満、82.5℃未満、80℃未満、77.5℃未満、75℃未満、72.5℃未満、70℃未満、67.5℃未満、または65℃未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留塔の操作温度は20℃より高い、例えば、65℃より高い、67.5℃より高い、70℃より高い、72.5℃より高い、75℃より高い、77.5℃より高い、80℃より高い、82.5℃より高い、85℃より高い、または87.5℃より高いことが可能である。一部の実施形態において、より高い塔温度、例えば、90℃より高い、およびより低い塔温度、例えば、20℃未満も予期され得る。
[0033]第1の蒸留塔の構造は当業者に公知の設計に従って広く変化することができ、本明細書に記載される分離仕様が達成される限りいずれの適切な塔も使用され得る。例えば第1の蒸留塔は任意の適切な分離装置または分離装置の組合せを含むことができる。第1の蒸留塔は塔、例えば、標準的な蒸留塔、抽出蒸留塔および/または共沸蒸留塔を含むことができる。いくつかの場合において、用語「第1の蒸留塔」は互いに協同して作動するように構成された多数の蒸留塔をいう。
[0034]第1の蒸留塔は、本明細書に開示される分離仕様を提供するように選択される低い圧力で作動するように構成される。一部の実施形態において、第1の蒸留要件の低圧作動は、必要とされる真空を維持するために冷水の使用を要しない圧力である。したがってこれらの実施形態は冷却されてないプロセス水の使用によって付加的な作動費用節約を含むことができる。一部の実施形態において、第1の蒸留塔の低圧作動は冷却を適用してより強力な真空の創造をよりうまく可能にすることを含む。一部の実施形態において、冷却することは、第1の蒸留塔の単位操作に冷水を送達することを含む。
[0035]一部の実施形態において、第1の塔底物流は中間のアセトニトリル流に由来する水の少なくとも一部分を含み、その結果第1の蒸留物流中の水の濃度は中間のアセトニトリル流中より低くなる。提供される分離方法が後の単位操作ではなく第1の蒸留で中間のアセトニトリル流の水の多くを除去して、エネルギーおよびコスト効率を実現すると共により高いアセトニトリル生成物純度を有する最終のアセトニトリル生成物流を提供することは有益である可能性がある。第1の塔底物流中の水の濃度は、例えば、64wt%~99wt%、例えば、64wt%~96wt%、75wt%~97wt%、82wt%~98wt%、88wt%~98.6wt%、または91wt%~99wt%の範囲であり得る。上限に関して、第1の塔底物流中の水濃度は99wt%未満、例えば、98.6wt%未満、98wt%未満、97wt%未満、96wt%未満、94wt%未満、91wt%未満、88wt%未満、82wt%未満、または75wt%未満であり得る。下限に関して、第1の塔底物流中の水濃度は64wt%より大きい、例えば、75wt%より大きい、82wt%より大きい、88wt%より大きい、91wt%より大きい、94wt%より大きい、96wt%より大きい、97wt%より大きい、99wt%より大きい、または98.6wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い水濃度、例えば、99wt%より大きい、およびより低い水濃度、例えば、64wt%未満も予期され得る。
[0036]一部の実施形態において第1の蒸留物流中の水の濃度は2.5wt%~45wt%、例えば、2.5wt%~14wt%、3.3wt%~19wt%、4.5wt%~25wt%、6wt%~34wt%、または7.9wt%~45wt%の範囲である。上限に関して、第1の蒸留物流中の水濃度は45wt%未満、例えば、33.7wt%未満、25wt%未満、19wt%未満、14wt%未満、11wt%未満、7.9wt%未満、6wt%未満、4.5wt%未満、または3.3wt%未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中の水濃度は2.5wt%より大きい、例えば、3.3wt%より大きい、4.5wt%より大きい、6wt%より大きい、7.9wt%より大きい、11wt%より大きい、14wt%より大きい、19wt%より大きい、25wt%より大きい、または34wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い水濃度、例えば、45wt%より大きい、およびより低い水濃度、例えば、2.5wt%未満も予期され得る。
[0037]一部の実施形態において、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの濃度は35wt%~95wt%、例えば、35wt%~71wt%、41wt%~77wt%、47wt%~83wt%、53wt%~89wt%、または59wt%~95wt%の範囲である。上限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリル濃度は95wt%未満、例えば、89wt%未満、83wt%未満、77wt%未満、71wt%未満、65wt%未満、59wt%未満、53wt%未満、47wt%未満、または41wt%未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリル濃度は35wt%より大きい、例えば、41wt%より大きい、47wt%より大きい、53wt%より大きい、59wt%より大きい、65wt%より大きい、71wt%より大きい、77wt%より大きい、83wt%より大きい、または89wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアセトニトリル濃度、例えば、95wt%より大きい、およびより低いアセトニトリル濃度、例えば、35wt%未満も予期され得る。
[0038]一部の実施形態において、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中の水に対する質量比は3:1~12:1、例えば、3:1~6.9:1、3.4:1~7.9:1、4:1~9.1:1、4.6:1~10:1、または5.2:1~12:1の範囲である。上限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの水に対する質量比は12:1未満、例えば、10:1未満、9.1:1未満、7.9:1未満、6.9:1未満、6:1未満、5.2:1未満、4.5:1未満、4:1未満、または3.4:1未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの水に対する質量比は3:1より大きい、例えば、3.4:1より大きい、4:1より大きい、4.5:1より大きい、5.2:1より大きい、6:1より大きい、6.9:1より大きい、7.9:1より大きい、9.1:1より大きい、または10.4:1より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い質量比、例えば、12:1より大きい、およびより低い質量比、例えば、3:1未満も予期され得る。
[0039]一部の実施形態において、第1の塔底物流はさらに中間のアセトニトリル流に由来するメタノールの少なくとも一部分を含む。第1の塔底物流中のメタノールの濃度は例えば、0.4wt%~9.6wt%、例えば、0.4wt%~2.7wt%、0.55wt%~3.7wt%、0.76wt%~5.1wt%、1wt%~7wt%、または1.4wt%~9.6wt%の範囲であることができる。上限に関して、第1の塔底物流中のメタノール濃度は9.6wt%未満、例えば、7wt%未満、5.1wt%未満、3.7wt%未満、2.7wt%未満、2wt%未満、1.4wt%未満、1wt%未満、0.76wt%未満、または0.55wt%未満であり得る。下限に関して、第1の塔底物流中のメタノール濃度は0.4wt%より大きい、例えば、0.55wt%より大きい、0.76wt%より大きい、1wt%より大きい、1.4wt%より大きい、2wt%より大きい、2.7wt%より大きい、3.7wt%より大きい、5.1wt%より大きい、または7wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いメタノール濃度、例えば、9.6wt%より大きい、およびより低いメタノール濃度、例えば、0.4wt%未満も予期され得る。
[0040]一部の実施形態において、第1の蒸留物流はさらに中間のアセトニトリル流に由来するメタノールの少なくとも一部分を含む。第1の蒸留物流中のメタノールの濃度は、例えば、1.2wt%~23wt%、例えば、1.2wt%~7.1wt%、1.6wt%~9.5wt%、2.2wt%~13wt%、2.9wt%~17wt%、または3.9wt%~23wt%の範囲であり得る。上限に関して、第1の蒸留物流中のメタノール濃度は23wt%未満、例えば、17wt%未満、13wt%未満、9.5wt%未満、7.1wt%未満、5.3wt%未満、3.9wt%未満、2.9wt%未満、2.2wt%未満、または1.6wt%未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中のメタノール濃度は1.2wt%より大きい、例えば、1.6wt%より大きい、2.2wt%より大きい、2.9wt%より大きい、3.9wt%より大きい、5.3wt%より大きい、7.1wt%より大きい、9.5wt%より大きい、13wt%より大きい、または17wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いメタノール濃度、例えば、23wt%より大きい、およびより低いメタノール濃度、例えば、1.2wt%未満も予期され得る。
[0041]一部の実施形態において、第1の塔底物流中のメタノールの、第1の蒸留物流中のメタノールに対する質量比は0.4:1~10:1、例えば、0.4:1~2.8:1、0.55:1~3.8:1、0.76:1~5.3:1、1.1:1~7.2:1、または1.4:1~10:1の範囲である。上限に関して、第1の塔底物流中のメタノールの、第1の蒸留物流中のメタノールに対する質量比は10:1未満、例えば、7.2:1未満、5.3:1未満、3.8:1未満、2.8:1未満、2:1未満、1.4:1未満、1.1:1未満、0.76:1未満、または0.55:1未満であり得る。下限に関して、第1の塔底物流中のメタノールの、第1の蒸留物流中のメタノールに対する質量比は0.4:1より大きい、例えば、0.55:1より大きい、0.76:1より大きい、1.1:1より大きい、1.4:1より大きい、2:1より大きい、2.8:1より大きい、3.8:1より大きい、5.3:1より大きい、または7.2:1より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い質量比、例えば、10:1より大きい、およびより低い質量比、例えば、0.4:1未満も予期され得る。
[0042]一部の実施形態において、第1の塔底物流は中間のアセトニトリル流に由来するアリルアルコールの少なくとも一部分を含み、結果として第1の蒸留物流中のアリルアルコールの濃度は中間のアセトニトリル流中より小さくなる。提供される分離方法が、後の単位操作ではなく第1の蒸留で中間のアセトニトリル流中のアリルアルコールを除去して、エネルギーおよびコスト効率を実現すると共により高いアセトニトリル生成物純度を有する最終のアセトニトリル生成物流を提供することは有益であり得る。
[0043]第1の塔底物流中のアリルアルコールの濃度は、例えば、0~1wt%、例えば、0~0.6wt%、0.1wt%~0.7wt%、0.2wt%~0.8wt%、0.3wt%~0.9wt%、または0.4wt%~1wt%の範囲であることができる。上限に関して、第1の塔底物流中のアリルアルコール濃度は1wt%未満、例えば、0.9wt%未満、0.8wt%未満、0.7wt%未満、0.6wt%未満、0.5wt%未満、0.4wt%未満、0.3wt%未満、0.2wt%未満、または0.1wt%未満であり得る。下限に関して、第1の塔底物流中のアリルアルコール濃度は0.1wt%より大きい、例えば、0.2wt%より大きい、0.3wt%より大きい、0.4wt%より大きい、0.5wt%より大きい、0.6wt%より大きい、0.7wt%より大きい、0.8wt%より大きい、または0.9wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアリルアルコール濃度、例えば、1wt%より大きい濃度も予期され得る。
[0044]第1の蒸留物流中のアリルアルコールの濃度は、例えば、0wt%~0.05wt%、例えば、0wt%~0.03wt%、0.005wt%~0.035wt%、0.01wt%~0.04wt%、0.015wt%~0.045wt%、または0.02wt%~0.05wt%の範囲であり得る。上限に関して、第1の蒸留物流中のアリルアルコール濃度は0.05wt%未満、例えば、0.045wt%未満、0.04wt%未満、0.035wt%未満、0.03wt%未満、0.025wt%未満、0.02wt%未満、0.015wt%未満、0.01wt%未満、または0.005wt%未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中のアリルアルコール濃度は0wt%より大きい、例えば、0.005wt%より大きい、0.01wt%より大きい、0.015wt%より大きい、0.02wt%より大きい、0.025wt%より大きい、0.03wt%より大きい、0.035wt%より大きい、0.04wt%より大きい、または0.045wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアリルアルコール濃度、例えば、0.05wt%より大きい濃度も予期され得る。
[0045]一部の実施形態において、第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中のアリルアルコールに対する質量比は1000:1~100,000:1、例えば、1000:1~16,000:1、1600:1~25,000:1、2500:1~40,000:1、4000:1~63,000:1、または6300:1~100,000:1の範囲である。上限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリルのアリルアルコールに対する質量比は100,000:1未満、例えば、63,000:1未満、40,000:1未満、25,000:1未満、16,000:1未満、10,000:1未満、6300:1未満、4000:1未満、2500:1未満、または1600:1未満であり得る。下限に関して、第1の蒸留物流中のアセトニトリルのアリルアルコールに対する質量比は1000:1より大きい、例えば、1600:1より大きい、2500:1より大きい、4000:1より大きい、6300:1より大きい、10,000:1より大きい、16,000:1より大きい、25,000:1より大きい、40,000:1より大きい、または63,000:1より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い質量比、例えば、100,000:1より大きい、およびより低い質量比、例えば、10,000:1未満も予期され得る。
[0046]一部の実施形態において、第1の塔底物流はさらに中間のアセトニトリル流に由来するオキサゾールの少なくとも一部分を含む。第1の塔底物流中のオキサゾールの濃度は、例えば、0wt%~0.1wt%、例えば、0wt%~0.06wt%、0.01wt%~0.07wt%、0.02wt%~0.08wt%、0.03wt%~0.09wt%、または0.04~0.1wt%の範囲であり得る。上限に関して、第1の塔底物流中のオキサゾール濃度は0.1wt%未満、例えば、0.09wt%未満、0.08wt%未満、0.07wt%未満、0.06wt%未満、0.05wt%未満、0.04wt%未満、0.03wt%未満、0.02wt%未満、または0.01wt%未満であり得る。下限に関して、第1の塔底物流中のオキサゾール濃度は0wt%より大きい、例えば、0.01wt%より大きい、0.02wt%より大きい、0.03wt%より大きい、0.04wt%より大きい、0.05wt%より大きい、0.06wt%より大きい、0.07wt%より大きい、0.08wt%より大きい、または0.09wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いオキサゾール濃度、例えば、1wt%より大きい濃度も予期され得る。
[0047]第1の蒸留から出る第1の蒸留物流は精製されて生成物アセトニトリル流およびリサイクル流を生じさせる。生成物アセトニトリル流は第1の蒸留物流に由来するアセトニトリルの少なくとも一部分を含む。生成物アセトニトリル流は供給原料流の他の成分の大部分から単離されたアセトニトリルの精製された流れである。結果として、生成物アセトニトリル流中のアセトニトリルの濃度は非常に高い。生成物アセトニトリル流中のアセトニトリルの濃度は、例えば、98wt%~99.99wt%、例えば、98wt%~99.92wt%、98.82wt%~99.9.5wt%、99.31wt%~99.97wt%、99.59wt%~99.98wt%、または99.76wt%~99.99wt%の範囲であり得る。下限に関して、生成物アセトニトリル流中のアセトニトリル濃度は98wt%より大きい、例えば、98.83wt%より大きい、99.31wt%より大きい、99.59wt%より大きい、99.76wt%より大きい、99.86wt%より大きい、99.92wt%より大きい、99.9.5wt%より大きい、99.97wt%より大きい、99.98wt%より大きい、または99.99wt%より大きいことが可能である。
第2の蒸留
[0048]一部の実施形態において、提供される分離方法の第1の蒸留物流の精製は、第2の蒸留物流および第2の塔底物流を生じさせるための第1の蒸留物流の第2の蒸留塔での蒸留を含む。第2の蒸留物流は第1の蒸留物流に由来するメタノールの少なくとも一部分を含む。第2の塔底物流は第1の蒸留物流に由来するアセトニトリルの少なくとも一部分を含む。
[0049]第2の蒸留塔の構造は当業者に公知の設計に従って広く変化することができ、本明細書に記載される分離仕様が達成される限り任意の適切な塔が使用されることができる。例えば第2の蒸留塔は任意の適切な分離装置または分離装置の組合せを含むことができる。第2の蒸留塔は塔、例えば、標準的な蒸留塔、抽出蒸留塔および/または共沸蒸留塔を含むことができる。いくつかの場合において、用語「第2の蒸留塔」は互いに協同して作動するように構成された多数の蒸留塔を意味する。
[0050]第2の蒸留塔は、本明細書に開示される分離仕様を提供するように選択される低い圧力で作動するように構成される。一部の実施形態において、第2の蒸留塔の低圧作動は冷却を適用してより強力な真空の創造をよりうまく可能にすることを含む。一部の実施形態において、冷却は第2の蒸留塔の単位操作に冷水を送達することを含む。
[0051]一部の実施形態において、第2の蒸留塔は100kPa~200kPa、例えば、105kPa~200kPa、110kPa~200kPa、110kPa~175kPa、110kPa~150kPa、または110kPa~125kPaの範囲の圧力で操作される。上限に関して、第2の蒸留塔の操作圧力は200kPa未満、例えば、190kPa未満、175kPa未満、150kPa未満、140kPa未満、135kPa未満、130kPa未満、125kPa未満、120kPa未満、または115kPa未満であり得る。下限に関して、第2の蒸留塔の操作圧力は100kPaより大きい、例えば、101kPaより大きい、103kPaより大きい、104kPaより大きい、105kPaより大きい、106kPaより大きい、107kPaより大きい、108kPaより大きい、109kPaより大きい、または110kPaより大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い塔圧力、例えば、200kPaより大きい、およびより低い塔圧力、例えば、100kPa未満も予期され得る。
[0052]一部の実施形態において第2の蒸留物流中のメタノールの濃度は25wt%~90wt%、例えば、25wt%~64wt%、31.5wt%~70.5wt%、38wt%~77wt%、44.5wt%~83.5wt%、または51wt%~90wt%の範囲である。上限に関して、第2の蒸留物流中のメタノール濃度は90wt%未満、例えば、83.5wt%未満、77wt%未満、70.5wt%未満、64wt%未満、57.5wt%未満、51wt%未満、44.5wt%未満、38wt%未満、または31.5wt%未満であり得る。下限に関して、第2の蒸留物流中のメタノール濃度は25wt%より大きい、例えば、31.5wt%より大きい、38wt%より大きい、44.5wt%より大きい、51wt%より大きい、57.5wt%より大きい、64wt%より大きい、70.5wt%より大きい、77wt%より大きい、または83.5wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いメタノール濃度、例えば、90wt%より大きい、およびより低いメタノール濃度、例えば、25wt%未満も予期され得る。
[0053]一部の実施形態において、第2の塔底物流中のアセトニトリルの濃度は40wt%~95wt%、例えば、40wt%~73wt%、45.5wt%~78.5wt%、51wt%~84wt%、56.5wt%~89.5wt%、または62wt%~95wt%の範囲である。上限に関して、第2の塔底物流中のアセトニトリル濃度は95wt%未満、例えば、89.5wt%未満、84wt%未満、78.5wt%未満、73wt%未満、67.5wt%未満、62wt%未満、56.5wt%未満、51wt%未満、または45.5wt%未満であり得る。下限に関して、第2の塔底物流中のアセトニトリル濃度は40wt%より大きい、例えば、45.5wt%より大きい、51wt%より大きい、56.5wt%より大きい、62wt%より大きい、67.5wt%より大きい、73wt%より大きい、78.5wt%より大きい、84wt%より大きい、または89.5wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアセトニトリル濃度、例えば、95wt%より大きい、およびより低いアセトニトリル濃度、例えば、40wt%未満も予期され得る。
[0054]一部の実施形態において、第2の塔底物流中のアリルアルコールの濃度は0wt%~0.25wt%、例えば、0wt%~0.04wt%、0.004wt%~0.063wt%、0.0063wt%~0.1wt%、0.01wt%~0.16wt%、または0.016wt%~0.25wt%の範囲である。上限に関して、第2の塔底物流中のアリルアルコール濃度は0.25wt%未満、例えば、0.16wt%未満、0.1wt%未満、0.063wt%未満、0.03wt%未満、0.025wt%未満、0.016wt%未満、0.01wt%未満、0.0063wt%未満、または0.004wt%未満であり得る。下限に関して、第2の塔底物流中のアリルアルコール濃度は0wt%より大きい、例えば、0.0025wt%より大きい、0.004wt%より大きい、0.0063wt%より大きい、0.01wt%より大きい、0.016wt%より大きい、0.025wt%より大きい、0.04wt%より大きい、0.063wt%より大きい、0.1wt%より大きい、または0.16wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアリルアルコール濃度、例えば、0.25wt%より大きい値も予期され得る。
第3の蒸留
[0055]一部の実施形態において、提供される分離方法の第1の蒸留物流の精製はさらにリサイクル流および第3の塔底物流を生じさせるために第3の蒸留塔における第2の塔底物流の蒸留を含む。第3の塔底物流は第2の塔底物流に由来するアセトニトリルの少なくとも一部分を含む。
[0056]第3の蒸留塔の構造は当業者に公知の設計に従って広く変化することができ、本明細書に記載される分離仕様が達成される限り任意の適切な塔が使用され得る。例えば第3の蒸留塔は任意の適切な分離装置または分離装置の組合せを含むことができる。第3の蒸留塔は塔、例えば、標準的な蒸留塔、抽出蒸留塔および/または共沸蒸留塔を含むことができる。いくつかの場合において、用語「第3の蒸留塔」は互いに協同して作動するように構成された多数の蒸留塔を意味する。
[0057]第3の蒸留塔は、本明細書に開示される分離仕様を提供するために選択される低い圧力で作動するように構成される。一部の実施形態において、第3の蒸留塔の低圧作動は冷却を適用してより強力な真空の創造をより良く可能にすることを含む。一部の実施形態において、冷却は第3の蒸留塔の単位操作に冷水を送達することを含む。
[0058]一部の実施形態において、第3の蒸留塔は100kPa~550kPa、例えば、100kPa~500kPa、150kPa~500kPa、200kPa~500kPa、250kPa~500kPa、または300kPa~500kPaの範囲の圧力で操作される。上限に関して、第3の蒸留塔の操作圧力は550kPa未満、例えば、540kPa未満、530kPa未満、525kPa未満、510kPa未満、505kPa未満、500kPa未満、490kPa未満、485kPa未満、または475kPa未満であり得る。下限に関して、第3の蒸留塔の操作圧力は100kPaより大きい、例えば、105kPaより大きい、150kPaより大きい、175kPaより大きい、200kPaより大きい、250kPaより大きい、275kPaより大きい、300kPaより大きい、350kPaより大きい、または375kPaより大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い塔圧力、例えば、550kPaより大きい、およびより低い塔圧力、例えば、100kPa未満も予期され得る。
[0059]一部の実施形態において、第3の塔底物流中のアセトニトリルの濃度は45wt%~95wt%、例えば、45wt%~75wt%、50wt%~80wt%、55wt%~85wt%、60wt%~90wt%、または65wt%~95wt%の範囲である。上限に関して、第3の塔底物流中のアセトニトリル濃度は95wt%未満、例えば、90wt%未満、85wt%未満、80wt%未満、75wt%未満、70wt%未満、65wt%未満、60wt%未満、55wt%未満、または50wt%未満であり得る。下限に関して、第3の塔底物流中のアセトニトリル濃度は45wt%より大きい、例えば、50wt%より大きい、55wt%より大きい、60wt%より大きい、65wt%より大きい、70wt%より大きい、75wt%より大きい、80wt%より大きい、85wt%より大きい、または90wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアセトニトリル濃度、例えば、95wt%より大きい、およびより低いアセトニトリル濃度、例えば、40wt%未満も予期され得る。
[0060]一部の実施形態において、第3の塔底物流中のアリルアルコールの濃度は0wt%~0.5wt%、例えば、0wt%~0.08wt%、0.008wt%~0.13wt%、0.013wt%~0.2wt%、0.02wt%~0.32wt%、または0.032wt%~0.5wt%の範囲である。上限に関して、第3の塔底物流中のアリルアルコール濃度は0.5wt%未満、例えば、0.32wt%未満、0.2wt%未満、0.13wt%未満、0.08wt%未満、0.05wt%未満、0.032wt%未満、0.02wt%未満、0.013wt%未満、または0.008wt%未満であり得る。下限に関して、第3の塔底物流中のアリルアルコール濃度は0wt%より大きい、例えば、0.008wt%より大きい、0.013wt%より大きい、0.02wt%より大きい、0.032wt%より大きい、0.05wt%より大きい、0.08wt%より大きい、0.13wt%より大きい、0.2wt%より大きい、または0.32wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いアリルアルコール濃度、例えば、0.25wt%より大きい濃度も予期され得る。
[0061]一部の実施形態において、リサイクル流中のメタノールの濃度は0wt%~0.004wt%、例えば、0wt%~0.0006wt%、0.00006wt%~0.001wt%、0.0001wt%~0.002wt%、0.0002wt%~0.003wt%、または0.0003wt%~0.004wt%の範囲である。上限に関して、リサイクル流中のメタノール濃度は0.004wt%未満、例えば、0.003wt%未満、0.002wt%未満、0.001wt%未満、0.0004wt%未満、0.0003wt%未満、0.0002wt%未満、0.0001wt%未満、0.00006wt%未満、または0.00004wt%未満であり得る。下限に関して、リサイクル流中のメタノール濃度は0wt%より大きい、例えば、0.00004wt%より大きい、0.00006wt%より大きい、0.0001wt%より大きい、0.0002wt%より大きい、0.0003wt%より大きい、0.0004wt%より大きい、0.001wt%より大きい、0.002wt%より大きい、または0.003wt%より大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高いメタノール濃度、例えば、0.004wt%より大きい濃度も予期され得る。
第4の蒸留
[0062]一部の実施形態において、提供される分離方法の第1の蒸留物流の精製はさらに生成物アセトニトリル流を生じさせるための第4の蒸留塔における第3の塔底物流の蒸留を含む。生成物アセトニトリル流は第3の塔底物流に由来するアセトニトリルの少なくとも一部分を含む。生成物アセトニトリル流中のアセトニトリルの濃度は本明細書に開示される通り、例えば、98wt%~99.9wt%の範囲であり得る。
[0063]第4の蒸留塔の構造は当業者に公知の設計に従って広く変化することができ、本明細書に記載される分離仕様が達成される限り任意の適切な塔が使用されることができる。例えば第4の蒸留塔は任意の適切な分離装置または分離装置の組合せを含むことができる。第4の蒸留塔は塔、例えば、標準的な蒸留塔、抽出蒸留塔および/または共沸蒸留塔を含むことができる。いくつかの場合において、用語「第4の蒸留塔」は互いに協同して作動するように構成された多数の蒸留塔を意味する。
[0064]第4の蒸留塔は本明細書に開示される分離仕様を提供するように選択される低い圧力で作動するように構成される。一部の実施形態において、第4の蒸留塔の低圧作動はより強力な真空の創造をより良く可能にするために冷却を適用することを含む。一部の実施形態において、冷却は第4の蒸留塔の単位操作に冷水を送達することを含む。
[0065]一部の実施形態において、第4の蒸留塔は10kPa~80kPa、例えば、10kPa~35kPa、12kPa~43kPa、15kPa~53kPa、19kPa~65kPa、または23kPa~80kPaの範囲の圧力で操作される。上限に関して、第4の蒸留塔の操作圧力は80kPa未満、例えば、65kPa未満、53kPa未満、43kPa未満、35kPa未満、28kPa未満、23kPa未満、19kPa未満、15kPa未満、または12kPa未満であり得る。下限に関して、第4の蒸留塔操作圧力は10kPaより大きい、例えば、12kPaより大きい、15kPaより大きい、19kPaより大きい、23kPaより大きい、28kPaより大きい、35kPaより大きい、43kPaより大きい、53kPaより大きい、または65kPaより大きいことが可能である。一部の実施形態において、より高い塔圧力、例えば、80kPaより大きい、およびより低い塔圧力、例えば、10kPa未満も予期され得る。
[0066]本明細書で使用されるとき、「より大きい」および「未満」の端は伴われる数も含み得る。別の言い方をすると、「より大きい」および「未満」は「以上」および「以下」と解釈され得る。この言葉は以後特許請求の範囲において「または等しい」を含むように修飾され得ると考えられる。例えば、「10より大きい」は「10以上」と解釈され得、以後特許請求の範囲で「10以上」と修飾され得る。
[0067]上に開示されたおよびその他の特徴および機能、またはそれらの代替の変形が多くの他の異なる系または用途に分かる。様々な現在予測または予期できない代替、修正、変形または改良が以後当業者によりなされ得、それらはまた以下の特許請求の範囲またはその等価物により包含されることも意図される。
[0068]本開示は以下の非限定的な実施例を考慮してより良く理解されよう。以下の実施例は説明の目的のみが意図され、いかなる意味でも本開示の範囲を限定しない。
[0069]図1は代表的な分離スキーム100を示す。スキームに示されるように、供給原料流101はダイジェスター102に供給される。供給原料流の組成は表1に示され、アセトニトリル、メタノール、シアン化水素、水、アリルアルコール、オキサゾール、およびプロピオニトリルを含む。苛性供給物、特に水酸化ナトリウムが供給原料流と合わせられてダイジェスター102に共に供給され得るか、または苛性供給物は別途ダイジェスター102に導入され得る。ダイジェスター102は供給原料流を処理してシアン化水素を除去し、中間のアセトニトリル流103を生成する。中間のアセトニトリル流の組成は表1に示される。
[0070]中間のアセトニトリル流103は第1の蒸留塔104に供給される。第1の蒸留塔における中間のアセトニトリル流の蒸留は第1の塔底物流105および第1の蒸留物流106を生じさせる。第1の塔底物流の組成は表1に示され、中間のアセトニトリル流からの水およびメタノールを含む。第2のアセトニトリル流の組成は表1に示され、第1のアセトニトリル中間流からのアセトニトリルおよびメタノールを含む。
[0071]第1の蒸留物流106は第2の蒸留塔107に供給される。第2の蒸留塔における第1の蒸留物流の蒸留は第2の蒸留物流108および第2の塔底物流109を生じさせる。第2の蒸留物流の組成は表1に示され、第1の蒸留物流からのメタノールを含む。第3のアセトニトリル流の組成は表1に示され、第2のアセトニトリル中間流からのアセトニトリルを含む。
[0072]第2の塔底物流109は第3の蒸留塔110に供給される。第3の蒸留塔における第2の塔底物流の蒸留はリサイクル流111および第3の塔底物流112を生じさせる。リサイクル流の組成は表1に示され、第2の塔底物流からのアセトニトリルを含む。第4のアセトニトリル流の組成は表1に示され、第3のアセトニトリル中間流からのアセトニトリルを含む。
[0073]第3の塔底物流112は第4の蒸留塔113に供給される。第4の蒸留塔における第3の塔底物流の蒸留は生成物アセトニトリル流114を生じさせる。生成物アセトニトリル流の組成は表1に重量パーセントで示される。
実施形態
[0074]以下の実施形態が予期される。特徴および実施形態のあらゆる組合せが考えられる。
[0075]実施形態1:アセトニトリルを製造する方法であって、アセトニトリル、メタノール、シアン化水素、および水を含む供給原料流を処理してシアン化水素を除去すると共に1wt%未満のシアン化水素を含む中間のアセトニトリル流を生成するステップと、中間のアセトニトリル流を第1の蒸留塔で蒸留して水を含む第1の塔底物流、およびアセトニトリルを含む第1の蒸留物流を生じさせるステップであり、第1の蒸留塔が150kPa未満の圧力で操作されるステップと、第1の蒸留物流を精製して生成物アセトニトリル流およびリサイクル流を生じさせるステップとを含む、方法。
[0076]実施形態2:供給原料流が50wt%より多くの水を含み、第1の蒸留物流が45wt%未満の水を含む、実施形態1の実施形態。
[0077]実施形態3:供給原料流および第1の塔底物流がそれぞれ、さらにアリルアルコールを含む、実施形態1または2の実施形態。
[0078]実施形態4:第1の塔底物流が0~1.0wt%のアリルアルコールを含む、実施形態1~3の実施形態のいずれかの実施形態。
[0079]実施形態5:供給原料流が0.05wt%より多くのアリルアルコールを含み、第1の蒸留物流が0.05wt%未満のアリルアルコールを含む、実施形態4の実施形態。
[0080]実施形態6:第1の蒸留物流中のアセトニトリルの。第1の蒸留物流中のアリルアルコールに対する質量比が1000:1より大きい、実施形態4または5の実施形態。
[0081]実施形態7:第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中の水に対する質量比が3:1より大きい、実施形態1~6の実施形態のいずれかの実施形態。
[0082]実施形態8:処理するステップが供給原料流をダイジェスターで消化するステップを含み、水酸化ナトリウムおよび供給原料流がダイジェスターに供給される、実施形態1~7の実施形態のいずれかの実施形態。
[0083]実施形態9:供給原料流および第1の蒸留物流がそれぞれ、さらにオキサゾールを含む、実施形態1~8の実施形態のいずれかの実施形態。
[0084]実施形態10:供給原料流が0.09wt%より多くのオキサゾールを含み、第1の塔底物が0.1wt%未満のオキサゾールを含む、実施形態9の実施形態。
[0085]実施形態11:供給原料流がさらにアクリロニトリルを含む、実施形態1~10の実施形態のいずれかの実施形態。
[0086]実施形態12:第1の蒸留塔が80kPa未満の圧力で操作される、実施形態1~11の実施形態のいずれかの実施形態。
[0087]実施形態13:生成物アセトニトリル流が98wt%より多くのアセトニトリルを含む、実施形態1~12の実施形態のいずれかの実施形態。
[0088]実施形態14:精製するステップが第1の蒸留物流を第2の蒸留塔で蒸留してメタノールを含む第2の蒸留物流、およびアセトニトリルを含む第2の塔底物流を生じさせるステップを含む、実施形態1~13の実施形態のいずれかの実施形態。
[0089]実施形態15:第2の蒸留塔が200kPa未満の圧力で操作される、実施形態14の実施形態。
[0090]実施形態16:第2の蒸留物流が25wt%より多くのメタノールを含む、実施形態14または15の実施形態。
[0091]実施形態17:精製するステップが第2の塔底物流を第3の蒸留塔で蒸留してアセトニトリルを含むリサイクル流、およびアセトニトリルを含む第3の塔底物流を生じさせるステップを含む、実施形態14~16の実施形態のいずれかの実施形態。
[0092]実施形態18:第3の蒸留塔が550kPa未満の圧力で操作される、実施形態17の実施形態。
[0093]実施形態19:精製するステップが第3の塔底物流を第4の蒸留塔で蒸留して生成物アセトニトリル流を生じさせるステップを含む、実施形態17または18の実施形態。
[0094]実施形態20:第4の蒸留塔が80kPa未満の圧力で操作される、実施形態19の実施形態。
[0095]実施形態21:供給原料流が0.7wt%より多くのメタノールを含む、実施形態1~20の実施形態のいずれかの実施形態。
[0096]実施形態22:第1の塔底物流および第1の蒸留物流がそれぞれ、メタノールを含み、第1の塔底物流中のメタノールの、第1の蒸留物流中のメタノールに対する質量比が0.4:1~10:1の範囲である、実施形態21の実施形態。
[0097]実施形態23:原料供給物がプロピオニトリルを含む、実施形態1~22の実施形態のいずれかの実施形態。
[0098]本発明が詳細に記載されて来たが、本発明の思想および範囲内の修正は以上の考察、当技術分野における関連知識、および開示内容が全て参照により本明細書に組み込まれる、背景および詳細な説明に関連して上で論じられた参考文献を考慮して当業者には直ちに明らかであろう。加えて、本発明の態様ならびに以下および/または添付された特許請求の範囲に記載される様々な実施形態および様々な特徴の一部は全体または部分的に組み合わせられ得るかまたは置き換えられ得ると理解されたい。様々な実施形態に関する以上の記載で、別の実施形態を参照した実施形態は当業者には認識されるように他の実施形態と適当に組み合わせられることができる。また、当業者には了解されるように、以上の記載は単に説明のための例示であり、本発明を限定することは意図されていない。

Claims (15)

  1. アセトニトリルを製造する方法であって、
    アセトニトリル、メタノール、シアン化水素、および水を含む供給原料流を処理して、シアン化水素を除去し、かつ1wt%未満のシアン化水素を含む中間のアセトニトリル流を生成するステップと、
    第1の蒸留塔で中間のアセトニトリル流を蒸留して、水を含む第1の塔底物流、およびアセトニトリルを含む第1の蒸留物流を生じさせるステップであり、第1の蒸留塔が150kPa未満の圧力で操作され、好ましくは第1の蒸留塔が80kPa未満の圧力で操作される、ステップと、
    第1の蒸留物流を精製して生成物アセトニトリル流およびリサイクル流を生じさせるステップと
    を含む、方法。
  2. 供給原料流が50wt%より多くの水を含み、第1の蒸留物流が45wt%未満の水を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 供給原料流および第1の塔底物流がそれぞれ、さらに0~1.0wt%のアリルアルコールを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 供給原料流が0.05wt%より多くのアリルアルコールを含み、第1の蒸留物流が0.05wt%未満のアリルアルコールを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中のアリルアルコールに対する質量比が1000:1より大きい、請求項3に記載の方法。
  6. 第1の蒸留物流中のアセトニトリルの、第1の蒸留物流中の水に対する質量比が3:1より大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 処理するステップが、供給原料流をダイジェスターで消化するステップを含み、水酸化ナトリウムおよび供給原料流がダイジェスターに供給される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 供給原料流および第1の蒸留物流がそれぞれ、さらにオキサゾールを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 供給原料流が0.09wt%より多くのオキサゾールを含み、第1の塔底物が0.1wt%未満のオキサゾールを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 供給原料流がさらにアクリロニトリルを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 生成物アセトニトリル流が98wt%より多くのアセトニトリルを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 精製するステップが、第1の蒸留物流を第2の蒸留塔で蒸留して、メタノールを含む第2の蒸留物流、およびアセトニトリルを含む第2の塔底物流を生じさせるステップを含み、第2の蒸留塔が200kPa未満の圧力で操作される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 第2の蒸留物流が25wt%より多くのメタノールを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 精製するステップが、第2の塔底物流を第3の蒸留塔で蒸留して、アセトニトリルを含むリサイクル流、およびアセトニトリルを含む第3の塔底物流を生じさせるステップを含み、第3の蒸留塔が550kPa未満の圧力で操作される、請求項12に記載の方法。
  15. 精製するステップが、第3の塔底物流を第4の蒸留塔で蒸留して生成物アセトニトリル流を生じさせるステップを含み、第4の蒸留塔が80kPa未満の圧力で操作される、請求項12に記載の方法。
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