JP2023540079A - 表面部nrl-dwt物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供する。【解決手段】重量%で、C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなり、表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織を有することを特徴とする。ASTM E208-06規格の表面部NRL-DWT(Drop Weight Test)試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であることがよい。【選択図】 なし
Description
本発明は、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法に関する。
近年、国内外の船舶などの構造物を設計するにあたり、極厚物、高強度鋼材の開発が要求されている。
構造物の設計に際して高強度鋼を用いる場合、構造物の形態の軽量化による経済的利得を得ると共に、板厚を薄くすることができるため、加工及び溶接作業の容易性を同時に確保することができる。
通常、高強度鋼の場合、極厚物材を製造する際に総圧下率が低下し、組織全般に変形が十分に行われなくなるため、微細組織が粗大になる。
また、強度を確保するため急速な冷却をするため、極厚物材の厚い厚さにより表面部と中心部との間の冷却速度差が発生する。
これにより、表面部にベイナイトなどの粗大な低温変態相が生成されて、極厚物材は、靭性を確保することが難しくなる。
構造物の設計に際して高強度鋼を用いる場合、構造物の形態の軽量化による経済的利得を得ると共に、板厚を薄くすることができるため、加工及び溶接作業の容易性を同時に確保することができる。
通常、高強度鋼の場合、極厚物材を製造する際に総圧下率が低下し、組織全般に変形が十分に行われなくなるため、微細組織が粗大になる。
また、強度を確保するため急速な冷却をするため、極厚物材の厚い厚さにより表面部と中心部との間の冷却速度差が発生する。
これにより、表面部にベイナイトなどの粗大な低温変態相が生成されて、極厚物材は、靭性を確保することが難しくなる。
特に、構造物の安定性を示す脆性亀裂伝播抵抗性について、船舶などの主要構造物に適用する際には保証を要求する事例が増えつつある。
極厚物材の場合、前記表面部と中心部との間の冷却速度差に起因した靭性低下により、前記脆性亀裂伝播抵抗性を保証することが大変困難である。
実際に、多くの船級協会及び鉄鋼メーカーでは、脆性亀裂伝播抵抗性を保証するために、脆性亀裂伝播抵抗性を正確に評価することのできる大型引張試験を実施している。
ところが、大型引張試験の場合、試験を実施するためには多大な費用がかかることから、量産品に適用し、これを保証することは難しい状況である。
極厚物材の場合、前記表面部と中心部との間の冷却速度差に起因した靭性低下により、前記脆性亀裂伝播抵抗性を保証することが大変困難である。
実際に、多くの船級協会及び鉄鋼メーカーでは、脆性亀裂伝播抵抗性を保証するために、脆性亀裂伝播抵抗性を正確に評価することのできる大型引張試験を実施している。
ところが、大型引張試験の場合、試験を実施するためには多大な費用がかかることから、量産品に適用し、これを保証することは難しい状況である。
これらの不都合を改善するために最近では、大型引張試験に代替し得る小型代替試験についての研究が継続して行われている。
上記小型代替試験のうち最も有力な試験としては、ASTM E208-06規格の表面部NRL-DWT(Drop Weight Test)試験が挙げられ、多くの船級協会及び鉄鋼メーカーで採用している状況である。
表面部NRL-DWT試験は、既存の研究に基づいて行われるもので、表面部の微細組織を制御すると、脆性亀裂伝播に対してクラックの伝播速度を遅らせ、脆性亀裂伝播抵抗性を向上させるという研究結果に基づいて採用されている。
上記小型代替試験のうち最も有力な試験としては、ASTM E208-06規格の表面部NRL-DWT(Drop Weight Test)試験が挙げられ、多くの船級協会及び鉄鋼メーカーで採用している状況である。
表面部NRL-DWT試験は、既存の研究に基づいて行われるもので、表面部の微細組織を制御すると、脆性亀裂伝播に対してクラックの伝播速度を遅らせ、脆性亀裂伝播抵抗性を向上させるという研究結果に基づいて採用されている。
NRL-DWT物性を向上させるために、表面部の粒度微細化のための様々な技術が試された。
例えば、仕上げ圧延の際、表面冷却を実行するか、圧延時に曲げ応力が付与されることを利用して、変形量の増加による粒度を調節するなど、様々な技術が考案された。
しかしながら、上記試みは、その技術自体が一般的な量産体制に適用するためには大きな生産性低下を伴うという問題を有する。
例えば、仕上げ圧延の際、表面冷却を実行するか、圧延時に曲げ応力が付与されることを利用して、変形量の増加による粒度を調節するなど、様々な技術が考案された。
しかしながら、上記試みは、その技術自体が一般的な量産体制に適用するためには大きな生産性低下を伴うという問題を有する。
一方、靭性を向上させ得るNiなどの元素を多量に添加すると、表面部NRL-DWT物性が向上させることができる。
しかし、Niは、高価な元素であるため、製造原価の側面で、商業的に適用が難しい状況である。
これと共に、最近、超大型コンテナ船の安定性を強化するため脆性亀裂伝播抵抗性を強化する規格が発効する予定がある。
既存の脆性亀裂停止靭性(brittle crack arrest:BCA)性能を保証する場合、厚さを基準に80t以下は、Kca≧6,000以上と定義されており、80t以上の厚さについては、船級と協議するように国際船級規格上に規定されていた。
しかし、Niは、高価な元素であるため、製造原価の側面で、商業的に適用が難しい状況である。
これと共に、最近、超大型コンテナ船の安定性を強化するため脆性亀裂伝播抵抗性を強化する規格が発効する予定がある。
既存の脆性亀裂停止靭性(brittle crack arrest:BCA)性能を保証する場合、厚さを基準に80t以下は、Kca≧6,000以上と定義されており、80t以上の厚さについては、船級と協議するように国際船級規格上に規定されていた。
従来は、80t以上厚さの鋼材に対しては、実際の構造物テストの結果がなかったため、80t以上厚さの鋼材も80t以下と同様、Kca≧6,000と定義されていた。
しかし最近、日本で実構造物テストした結果、80t以上の鋼材を船舶の艙口側縁材(hatch side coaming)部に用いる場合に限って、Kca≧8,000であることこそがクラックを停止させるるという研究結果が報告された。
上記研究結果によって、国際船級規格も変更される予定であるため、Kca≧8,000を保証する新しい鋼材が必要な状況である。
前記Kca保証値の上昇に伴い、小型代替試験の保証温度も、既存の-60℃よりさらに強化した-70℃以下となる可能性が高まっていることから、既存よりさらに強化した保証可能な鋼材の開発が必要である。
しかし最近、日本で実構造物テストした結果、80t以上の鋼材を船舶の艙口側縁材(hatch side coaming)部に用いる場合に限って、Kca≧8,000であることこそがクラックを停止させるるという研究結果が報告された。
上記研究結果によって、国際船級規格も変更される予定であるため、Kca≧8,000を保証する新しい鋼材が必要な状況である。
前記Kca保証値の上昇に伴い、小型代替試験の保証温度も、既存の-60℃よりさらに強化した-70℃以下となる可能性が高まっていることから、既存よりさらに強化した保証可能な鋼材の開発が必要である。
本発明の目的とするところは、上記の従来技術の問題点を解決することのできる、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供することにある。
具体的に本発明は、組成の側面で、高価な合金元素を含まず、かつ、合金成分を制御することによって、極厚物鋼材の表面部に粗大な低温変態相の生成を抑制して、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的とするところは、粗圧延及び仕上げ圧延の際、圧延温度と最大圧下量を制御することによって、表面部のオーステナイト組織に最大変形を付与して、表面部~表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率を最大化し、微細組織の微細化を極大化することにより、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供することにある。
具体的に本発明は、組成の側面で、高価な合金元素を含まず、かつ、合金成分を制御することによって、極厚物鋼材の表面部に粗大な低温変態相の生成を抑制して、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的とするところは、粗圧延及び仕上げ圧延の際、圧延温度と最大圧下量を制御することによって、表面部のオーステナイト組織に最大変形を付与して、表面部~表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率を最大化し、微細組織の微細化を極大化することにより、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材及びその製造方法を提供することにある。
より具体的に、本発明は、厚さが80mm以上100mm以下であり、表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度(grain size)が15μm以下であり、降伏強度が460MPa以上であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70度以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である、NRL-DWT物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施例によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かるであろう。
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施例によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かるであろう。
上記目的を達成するためになされた、本発明の一実施例による極厚物構造用鋼材は、重量%で、C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなり、表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織を有することを特徴とする。
ASTM E208-06規格の表面部NRL-DWT(Drop Weight Test)試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であることがよい。
ESSOテストによるKca値が、8,000以上であることができる。
板厚は80~100mmであり、降伏強度が460MPa以上であることが好ましい。
ESSOテストによるKca値が、8,000以上であることができる。
板厚は80~100mmであり、降伏強度が460MPa以上であることが好ましい。
上記目的を達成するためになされた、本発明の一実施例による極厚物構造用鋼材の製造方法は、重量%で、C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなるスラブを再加熱する段階、前記再加熱されたスラブを粗圧延した後、スラブの表面からt/4位置における温度720~740℃の区間で仕上げ圧延する段階、前記仕上げ圧延された鋼材を冷却する段階、を含むことを特徴とする。
前記スラブの再加熱温度は、1,000~1,120℃であることがよい 。
前記粗圧延温度は、900~1,100℃であることができる。
前記仕上げ圧延時の累積圧下率は、50%以上であることがよい。
前記冷却する段階における冷却速度は、3℃/sec以上であることができる。
前記冷却する段階における冷却終了温度は、500℃以下であることが好ましい。
前記粗圧延温度は、900~1,100℃であることができる。
前記仕上げ圧延時の累積圧下率は、50%以上であることがよい。
前記冷却する段階における冷却速度は、3℃/sec以上であることができる。
前記冷却する段階における冷却終了温度は、500℃以下であることが好ましい。
本発明によれば、高価な合金元素を過度に含まず、かつ、成分及び微細組織を制御することによって、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材を具現化することができる。
本発明によれば、仕上げ圧延温度及び累積圧下量を制御することによって、表面部及びt/4部(tは鋼の厚さ)のオーステナイト組織に変形量を極大化して、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度を15μm以下に制御し、表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率を最大化して、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材の製造方法を具現化することができる。
本発明によれば、極厚物鋼材の厚さである80mm以上100mm以下の厚さを有し、かつ、降伏強度が460MPa以上であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である、NRL-DWT物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法を具現化することができる。
上記の効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
本発明によれば、仕上げ圧延温度及び累積圧下量を制御することによって、表面部及びt/4部(tは鋼の厚さ)のオーステナイト組織に変形量を極大化して、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度を15μm以下に制御し、表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率を最大化して、表面部NRL-DWT物性に優れた極厚物鋼材の製造方法を具現化することができる。
本発明によれば、極厚物鋼材の厚さである80mm以上100mm以下の厚さを有し、かつ、降伏強度が460MPa以上であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である、NRL-DWT物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法を具現化することができる。
上記の効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
以下、図面を参照して、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳説する。本発明は、様々な相異する形態に具現化することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省いており、全明細書における同一又は類似の構成要素については、同じ参照符号を付することとする。また、本発明の一部の実施例を例示図を参照して詳説する。各図面の構成要素に参照符号を付することにおいて、同じ構成要素については、たとえ他の図面上に表されても、できるだけ同じ符号を有することができる。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳説を省略することができる。
本発明の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質、順番、順序、又は本数等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載した場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されるかあるいは接続されてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省いており、全明細書における同一又は類似の構成要素については、同じ参照符号を付することとする。また、本発明の一部の実施例を例示図を参照して詳説する。各図面の構成要素に参照符号を付することにおいて、同じ構成要素については、たとえ他の図面上に表されても、できるだけ同じ符号を有することができる。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、その詳説を省略することができる。
本発明の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質、順番、順序、又は本数等が限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載した場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されるかあるいは接続されてもよいが、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
本発明では、具体的に、表面部~表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上を有し、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有する 1/4t微細組織の粒度が15μm以下であり、厚さが80mm以上100mm以下であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である、NRL-DWT物性に優れた極厚物構造用鋼材及びその製造方法を提示する。
上記特性を満たすため本発明の一実施例による極厚物構造用鋼材は、前記NRL-DWT物性に優れた特性を満たすために、具体的に次の合金元素を含むことができる。
後述する各成分の含量又は組成範囲は、別途言及しない限り、いずれも重量%を基準とする。
上記特性を満たすため本発明の一実施例による極厚物構造用鋼材は、前記NRL-DWT物性に優れた特性を満たすために、具体的に次の合金元素を含むことができる。
後述する各成分の含量又は組成範囲は、別途言及しない限り、いずれも重量%を基準とする。
炭素(C)は、本発明の極厚物構造用鋼材における基本強度を確保するのに最も重要な元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内における炭素は、重量%(以下、%とする)で、0.05~0.09%の範囲で含有される。
仮に炭素が、本発明の一実施例の鋼内に0.05%よりも少なく添加されると、鋼の強度低下を招き、目標とした強度を達成しにくくなる問題点を有する。
一方、炭素が、本発明の一実施例の鋼内に0.09%よりも多く添加されると、過度な炭素は、硬化能を向上させて、大量の島状マルテンサイト(massive martensite)を生成し、低温変態相の生成を促進して、その結果、鋼の靭性を低下させる問題がある。
本発明の一実施例による鋼内における炭素は、重量%(以下、%とする)で、0.05~0.09%の範囲で含有される。
仮に炭素が、本発明の一実施例の鋼内に0.05%よりも少なく添加されると、鋼の強度低下を招き、目標とした強度を達成しにくくなる問題点を有する。
一方、炭素が、本発明の一実施例の鋼内に0.09%よりも多く添加されると、過度な炭素は、硬化能を向上させて、大量の島状マルテンサイト(massive martensite)を生成し、低温変態相の生成を促進して、その結果、鋼の靭性を低下させる問題がある。
シリコン(Si)とアルミニウム(Al)は、製鋼及び連鋳工程の際、溶鋼内の溶存酸素をスラグ状に析出させて脱酸作業を行うのに必須な合金元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるシリコンは、重量%(以下、%とする)で、0.1~0.4%の範囲で、かつ、アルミニウムは、0.01~0.05%の範囲で含有される。
仮にシリコンとアルミニウムが、本発明の一実施例の鋼内にそれぞれ0.1%と0.01%よりも少なく添加されると、製鋼及び連鋳工程中、溶存酸素の析出量が不十分であり、脱酸効果を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、シリコンとアルミニウムが、本発明の一実施例の鋼内にそれぞれ0.4%と0.05%よりも多く添加されると、過度なシリコンとアルミニウムは、粗大なSi、Al複合酸化物を生成させるか、微細組織内に島状マルテンサイトを粗大に多量生成させる虞がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるシリコンは、重量%(以下、%とする)で、0.1~0.4%の範囲で、かつ、アルミニウムは、0.01~0.05%の範囲で含有される。
仮にシリコンとアルミニウムが、本発明の一実施例の鋼内にそれぞれ0.1%と0.01%よりも少なく添加されると、製鋼及び連鋳工程中、溶存酸素の析出量が不十分であり、脱酸効果を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、シリコンとアルミニウムが、本発明の一実施例の鋼内にそれぞれ0.4%と0.05%よりも多く添加されると、過度なシリコンとアルミニウムは、粗大なSi、Al複合酸化物を生成させるか、微細組織内に島状マルテンサイトを粗大に多量生成させる虞がある。
マンガン(Mn)は、本発明の極厚物構造用鋼材における固溶強化によって強度を向上させて、低温変態相が生成されるように硬化能を向上させる有用な元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるマンガンは、重量%(以下、%とする)で、1.8~2.0%の範囲で含有される。
仮にマンガンが、本発明の一実施例の鋼内に1.8%よりも少なく添加されると、鋼の460MPa以上の降伏強度を満たしにくくなる問題点を有する。
一方、マンガンが、本発明の一実施例の鋼内に2.1%よりも多く添加されると、過度なマンガンは、硬化能を過度に増加させて、これにより、上部ベイナイト(upper bainite)及びマルテンサイトの生成を促進し、衝撃靭性及び表面部NRL-DWT物性を大きく低下させる問題がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるマンガンは、重量%(以下、%とする)で、1.8~2.0%の範囲で含有される。
仮にマンガンが、本発明の一実施例の鋼内に1.8%よりも少なく添加されると、鋼の460MPa以上の降伏強度を満たしにくくなる問題点を有する。
一方、マンガンが、本発明の一実施例の鋼内に2.1%よりも多く添加されると、過度なマンガンは、硬化能を過度に増加させて、これにより、上部ベイナイト(upper bainite)及びマルテンサイトの生成を促進し、衝撃靭性及び表面部NRL-DWT物性を大きく低下させる問題がある。
ニッケル(Ni)は、本発明の極厚物構造用鋼材において、低温で転位の交差スリップ(cross slip)を容易にして衝撃靭性を向上させ、硬化能を向上させ、強度を向上させるのに重要な元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるニッケルは、重量%(以下、%とする)で、0.3~1.0%の範囲で含有される。
仮にニッケルが、本発明の一実施例の鋼内に0.3%よりも少なく添加されると、460MPa以上の降伏強度を有する高強度鋼における衝撃靭性及び脆性亀裂伝播抵抗性を向上させにくくなる問題点を有する。
一方、ニッケルが、本発明の一実施例の鋼内に1.0%よりも多く添加されると、過度なニッケルは、硬化能を過度に上昇させて、低温変態相が生成され、靭性を低下させる問題があり、製造原価を過度に上昇させる問題がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるニッケルは、重量%(以下、%とする)で、0.3~1.0%の範囲で含有される。
仮にニッケルが、本発明の一実施例の鋼内に0.3%よりも少なく添加されると、460MPa以上の降伏強度を有する高強度鋼における衝撃靭性及び脆性亀裂伝播抵抗性を向上させにくくなる問題点を有する。
一方、ニッケルが、本発明の一実施例の鋼内に1.0%よりも多く添加されると、過度なニッケルは、硬化能を過度に上昇させて、低温変態相が生成され、靭性を低下させる問題があり、製造原価を過度に上昇させる問題がある。
ニオビウム(Nb)は、本発明の極厚物構造用鋼材において、NbC又はNbCN状に析出して母材の強度を向上させ、また、高温で再加熱時に固溶された Nbは、圧延時、NbC状に非常に微細に析出されてオーステナイトの再結晶を抑制して、組織を微細化させる元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるニオビウムは、重量%(以下、%とする)で、0.005~0.04%の範囲で含有される。
仮にニオビウムが、本発明の一実施例の鋼内に0.005%よりも少なく添加されると、NbC又はNbCN状析出物の析出量が少なすぎて、微細組織の微細化と強度強化を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、ニオビウムが、本発明の一実施例の鋼内に0.04%よりも多く添加されると、過度なニオビウムは、鋼材の角に脆性クラックを生じさせる確率が高くなる問題がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるニオビウムは、重量%(以下、%とする)で、0.005~0.04%の範囲で含有される。
仮にニオビウムが、本発明の一実施例の鋼内に0.005%よりも少なく添加されると、NbC又はNbCN状析出物の析出量が少なすぎて、微細組織の微細化と強度強化を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、ニオビウムが、本発明の一実施例の鋼内に0.04%よりも多く添加されると、過度なニオビウムは、鋼材の角に脆性クラックを生じさせる確率が高くなる問題がある。
チタン(Ti)は、本発明の極厚物構造用鋼材において再加熱するとき、TiNとして析出し、母材及び溶接熱影響部の結晶粒の成長を抑制し、低温靭性を大きく向上させる元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるチタンは、重量%(以下、%とする)で、0.005~0.03%の範囲で含有される。
仮にチタンが、本発明の一実施例の鋼内に0.005%よりも少なく添加されると、TiN状析出物の析出量が少なすぎて、母材及び溶接熱影響部の結晶粒の微細化と靭性の向上を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、チタンが、本発明の一実施例の鋼内に0.03%よりも多く添加されると、過度なチタンは、連鋳ノズルの詰まりや中心部晶出(primary precipitation)による低温靭性を低下させる問題がある。
本発明の一実施例による鋼内におけるチタンは、重量%(以下、%とする)で、0.005~0.03%の範囲で含有される。
仮にチタンが、本発明の一実施例の鋼内に0.005%よりも少なく添加されると、TiN状析出物の析出量が少なすぎて、母材及び溶接熱影響部の結晶粒の微細化と靭性の向上を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、チタンが、本発明の一実施例の鋼内に0.03%よりも多く添加されると、過度なチタンは、連鋳ノズルの詰まりや中心部晶出(primary precipitation)による低温靭性を低下させる問題がある。
銅(Cu)は、本発明の極厚物構造用鋼材における硬化能を向上させ、高固溶強化を起こして、鋼材の強度を向上させる主な元素であり、焼戻し(tempering)を適用するとき、イプシロン(ε)Cu析出物の生成によって、降伏強度を上げるのに主な元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中に含有される必要がある。
本発明の一実施例による鋼内における銅は、重量%(以下、%とする)で、0.1~0.5%の範囲で含有される。
仮に銅が、本発明の一実施例の鋼内に0.1%よりも少なく添加されると、冷却時に硬化能の向上を期待しにくく、強度の向上を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、銅が、本発明の一実施例の鋼内に0.5%よりも多く添加されると、製鋼工程において、赤熱脆性(hot shortness)によるスラブの亀裂を発生させる虞がある。
本発明の一実施例による鋼内における銅は、重量%(以下、%とする)で、0.1~0.5%の範囲で含有される。
仮に銅が、本発明の一実施例の鋼内に0.1%よりも少なく添加されると、冷却時に硬化能の向上を期待しにくく、強度の向上を期待しにくくなる問題点を有する。
一方、銅が、本発明の一実施例の鋼内に0.5%よりも多く添加されると、製鋼工程において、赤熱脆性(hot shortness)によるスラブの亀裂を発生させる虞がある。
リン(P)と硫黄(S)は、本発明の極厚物構造用鋼材における結晶粒系に脆性を引き起こすか、粗大な介在物を形成させて脆性を引き起こす元素であるため、制御される範囲内で鋼(又は鋼材)中にその含量を最小化する必要がある。
これによって、本発明の一実施例による鋼内におけるリンと硫黄は、それぞれ重量%(以下、%とする)で、100ppm以下及び40ppm以下に制限される。
これによって、本発明の一実施例による鋼内におけるリンと硫黄は、それぞれ重量%(以下、%とする)で、100ppm以下及び40ppm以下に制限される。
以下では、上記のような本発明の鋼材を製造する方法を説明する。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法は、スラブの再加熱-粗圧延-仕上げ圧延-冷却の過程を含むことができ、各過程別詳細な条件は、下記のとおりである。
以下の製造方法に関する説明において、別途説明がなければ、熱延鋼板(スラブ)の温度は、熱延鋼板(スラブ)の表面から板厚方向にt/4(t:鋼板の厚さ)位置における温度を意味する。
また、水冷時、冷却速度の測定基準となる位置も、熱延鋼板(スラブ)の表面から板厚方向にt/4(t:鋼板の厚さ)位置である。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法は、スラブの再加熱-粗圧延-仕上げ圧延-冷却の過程を含むことができ、各過程別詳細な条件は、下記のとおりである。
以下の製造方法に関する説明において、別途説明がなければ、熱延鋼板(スラブ)の温度は、熱延鋼板(スラブ)の表面から板厚方向にt/4(t:鋼板の厚さ)位置における温度を意味する。
また、水冷時、冷却速度の測定基準となる位置も、熱延鋼板(スラブ)の表面から板厚方向にt/4(t:鋼板の厚さ)位置である。
スラブ再加熱段階
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、スラブの再加熱段階は、オーステナイト結晶粒を粗大化しすぎることなく、鋳造過程中に形成されたTi及び/又はNbの炭化物及び/又は炭窒化物を固溶させ、流動応力(flow stress)を低くして、後続熱間加工を容易にするための工程である。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、スラブの再加熱温度は、1,000~1,120℃であることがよく、より好ましくは、1,050~1,120℃である。
仮にスラブの再加熱温度が1,000℃未満である場合、鋳造中に形成されたTi及び/又はNb炭窒化物が十分に固溶されない虞がある。
一方、再加熱温度が1,120℃を超える場合、再加熱温度で微細組織を形成しているオーステナイトが粗大化する虞がある。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、スラブの再加熱段階は、オーステナイト結晶粒を粗大化しすぎることなく、鋳造過程中に形成されたTi及び/又はNbの炭化物及び/又は炭窒化物を固溶させ、流動応力(flow stress)を低くして、後続熱間加工を容易にするための工程である。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、スラブの再加熱温度は、1,000~1,120℃であることがよく、より好ましくは、1,050~1,120℃である。
仮にスラブの再加熱温度が1,000℃未満である場合、鋳造中に形成されたTi及び/又はNb炭窒化物が十分に固溶されない虞がある。
一方、再加熱温度が1,120℃を超える場合、再加熱温度で微細組織を形成しているオーステナイトが粗大化する虞がある。
粗圧延段階
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、粗圧延段階は、鋳造中に形成されたデンドライトなどの鋳造組織を破壊すると共に、粗大なオーステナイト再結晶を介して結晶粒の粒度を小さくするための工程である。
粗圧延過程中にオーステナイトの動的再結晶(dynamic recrystallization)が起こらなければならないため、粗圧延温度は、オーステナイトの再結晶が止まる温度(Tnr)以上が好ましい。
具体的に、本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、粗圧延温度は、900~1,100℃である。
仮に粗圧延温度が900℃よりも低いと、粗圧延の間に動的な再結晶が発生しにくくなり、結晶粒の微細化が難しくなる問題がある。
一方、粗圧延温度が1,100℃よりも高いと、粗圧延が開始する前に、スラブ内オーステナイト結晶粒が成長しすぎて、動的な再結晶によっても結晶粒の微細化が効果的に行えなくなる問題がある。
一方、粗圧延によってスラブに再結晶を起こして、スラブの微細組織を微細化するためには、粗圧延過程中に再結晶を起こす変形量をスラブに十分に加えなければならない。
本発明の一実施例によれば、粗圧延工程における累積圧下率は、40%以上が好ましい。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、粗圧延段階は、鋳造中に形成されたデンドライトなどの鋳造組織を破壊すると共に、粗大なオーステナイト再結晶を介して結晶粒の粒度を小さくするための工程である。
粗圧延過程中にオーステナイトの動的再結晶(dynamic recrystallization)が起こらなければならないため、粗圧延温度は、オーステナイトの再結晶が止まる温度(Tnr)以上が好ましい。
具体的に、本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、粗圧延温度は、900~1,100℃である。
仮に粗圧延温度が900℃よりも低いと、粗圧延の間に動的な再結晶が発生しにくくなり、結晶粒の微細化が難しくなる問題がある。
一方、粗圧延温度が1,100℃よりも高いと、粗圧延が開始する前に、スラブ内オーステナイト結晶粒が成長しすぎて、動的な再結晶によっても結晶粒の微細化が効果的に行えなくなる問題がある。
一方、粗圧延によってスラブに再結晶を起こして、スラブの微細組織を微細化するためには、粗圧延過程中に再結晶を起こす変形量をスラブに十分に加えなければならない。
本発明の一実施例によれば、粗圧延工程における累積圧下率は、40%以上が好ましい。
仕上げ圧延段階
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、仕上げ圧延段階は、粗圧延された鋼板のオーステナイト微細組織に不均一な微細組織を導入するための工程である。
このとき、仕上げ圧延の仕上げ温度は、t/4基準にフェライト生成温度720~740℃の区間で実施するのが好ましい。
前記仕上げ圧延の仕上げ温度範囲は、ポリゴナルフェライト生成温度の周辺で圧延を施して、仕上げ圧延後、水冷前の空冷段階で、表面部に微細な空冷フェライトの生成を促進することのできる温度範囲に設定された。
仮にt/4基準に、720℃以下で仕上げ圧延が行われた場合、仕上げ圧延中にフェライトが析出される前に、延伸したフェライトが生成され、それによって、NDTT温度が上昇する問題がある。
一方、t/4基準に、740℃以上で仕上げ圧延が行われる場合、変形量が足りなくて、t/4部の粒度が低下し、Kca性能が低下し、表面部にフェライトが十分に生成されなくなり、NDTT温度が上昇する問題がある。
本発明の一実施例によれば、仕上げ圧延工程における累積圧下率は、50%以上が好ましい。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、仕上げ圧延段階は、粗圧延された鋼板のオーステナイト微細組織に不均一な微細組織を導入するための工程である。
このとき、仕上げ圧延の仕上げ温度は、t/4基準にフェライト生成温度720~740℃の区間で実施するのが好ましい。
前記仕上げ圧延の仕上げ温度範囲は、ポリゴナルフェライト生成温度の周辺で圧延を施して、仕上げ圧延後、水冷前の空冷段階で、表面部に微細な空冷フェライトの生成を促進することのできる温度範囲に設定された。
仮にt/4基準に、720℃以下で仕上げ圧延が行われた場合、仕上げ圧延中にフェライトが析出される前に、延伸したフェライトが生成され、それによって、NDTT温度が上昇する問題がある。
一方、t/4基準に、740℃以上で仕上げ圧延が行われる場合、変形量が足りなくて、t/4部の粒度が低下し、Kca性能が低下し、表面部にフェライトが十分に生成されなくなり、NDTT温度が上昇する問題がある。
本発明の一実施例によれば、仕上げ圧延工程における累積圧下率は、50%以上が好ましい。
冷却段階
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、仕上げ圧延された鋼板は、500℃以下の温度まで、3℃/s以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
仮に冷却速度が3℃/sよりも低いか、あるいは冷却終了温度が500℃以上である場合、冷却過程中の相変態によって、鋼板に形成される微細組織が適宜形成されなくなり、最終降伏強度が460MPa以下になる可能性がある。
本発明の一実施例による鋼材の製造方法において、仕上げ圧延された鋼板は、500℃以下の温度まで、3℃/s以上の冷却速度で冷却することが好ましい。
仮に冷却速度が3℃/sよりも低いか、あるいは冷却終了温度が500℃以上である場合、冷却過程中の相変態によって、鋼板に形成される微細組織が適宜形成されなくなり、最終降伏強度が460MPa以下になる可能性がある。
上記本発明の一実施例による本発明の鋼材の製造方法を総合すれば、次のとおりである。
C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなるスラブを1,000~1,120℃の温度で再加熱した後、900~1,100℃の温度で粗圧延する段階、前記圧延されたバー(Bar)を1/4t基準に、720~740℃の温度区間で仕上げ圧延する段階、全体圧延が仕上げられた後、3℃/s以上の冷却速度で、500℃以下の温度まで冷却する段階、を経て、本発明の一実施例による表面部NRL-DWT物性に優れた構造用極厚物鋼材が製造されることがよい。
このとき、発明の一実施例による前記極厚物鋼材は、鋼材の表面部から表面部直下5mmまでポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織を有し、厚さは、80~100mmを有することができる。
前記表面部から表面部直下5mmまでポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織は、前記仕上げ圧延過程と前記冷却過程中に具現化される。
C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなるスラブを1,000~1,120℃の温度で再加熱した後、900~1,100℃の温度で粗圧延する段階、前記圧延されたバー(Bar)を1/4t基準に、720~740℃の温度区間で仕上げ圧延する段階、全体圧延が仕上げられた後、3℃/s以上の冷却速度で、500℃以下の温度まで冷却する段階、を経て、本発明の一実施例による表面部NRL-DWT物性に優れた構造用極厚物鋼材が製造されることがよい。
このとき、発明の一実施例による前記極厚物鋼材は、鋼材の表面部から表面部直下5mmまでポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織を有し、厚さは、80~100mmを有することができる。
前記表面部から表面部直下5mmまでポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織は、前記仕上げ圧延過程と前記冷却過程中に具現化される。
よって、発明の一実施例による前記極厚物鋼材の上記のような微細組織と厚さは、前記鋼材の成分及び組成範囲と共に、前記製造方法の技術的特徴が制御された結合によってのみ具現化することができる。
これによって、本発明では、降伏強度が460MPa以上であり、表面部の衝撃遷移温度が-40℃以下であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70度以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である鋼材を確保することができる。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示によって説明するためであり、本発明の権利範囲を制限するためのものではない点に留意すべきである。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載した事項と、これから合理的に類推される事項によって定められるからである。
これによって、本発明では、降伏強度が460MPa以上であり、表面部の衝撃遷移温度が-40℃以下であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70度以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上である鋼材を確保することができる。
以下、実施例によって、本発明をより具体的に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示によって説明するためであり、本発明の権利範囲を制限するためのものではない点に留意すべきである。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載した事項と、これから合理的に類推される事項によって定められるからである。
本発明で対象としている製造方法により、表1に記載の組成を有している鋼スラブを選択して、再加熱、圧延及び冷却を施した。
具体的に、下記の表1の組成を有する厚さ400mmの鋼スラブを、1070℃の温度で再加熱した後、1030℃以下の温度で粗圧延を開始した後、連続して粗圧延を施した後、930℃以上で粗圧延を完了して、バーを製造した。
前記粗圧延後、表2に示す累積圧下率で仕上げ圧延を施して、表2の厚さを有する鋼板を得た後、3.5~5.2℃/secの冷却速度で、450~370℃の範囲の温度まで冷却した。
具体的に、下記の表1の組成を有する厚さ400mmの鋼スラブを、1070℃の温度で再加熱した後、1030℃以下の温度で粗圧延を開始した後、連続して粗圧延を施した後、930℃以上で粗圧延を完了して、バーを製造した。
前記粗圧延後、表2に示す累積圧下率で仕上げ圧延を施して、表2の厚さを有する鋼板を得た後、3.5~5.2℃/secの冷却速度で、450~370℃の範囲の温度まで冷却した。
表1で開示の鋼材について、本発明の一実施例による製造方法によって製造された鋼材と、本発明の一実施例による製造方法を外れた条件を適用して製造された鋼材の引張特性を評価した結果、製造された鋼板の微細組織を分析した結果及び降伏強度を、表2に整理した。
また、製造された鋼板に対して、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)と大型ESSOテストによる-10℃でのKca値を測定し、その結果を、表2に整理した。
また、製造された鋼板に対する粒度分析は、本発明の属する技術分野における広く使用される後方散乱電子回折分析器(electron backscatter diffraction,EBSD)を用いて測定した。
また、製造された鋼板に対して、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)と大型ESSOテストによる-10℃でのKca値を測定し、その結果を、表2に整理した。
また、製造された鋼板に対する粒度分析は、本発明の属する技術分野における広く使用される後方散乱電子回折分析器(electron backscatter diffraction,EBSD)を用いて測定した。
前記EBSDは、試料(つまり鋼板)に電子が注入されたとき、試料によって反射(つまり後方散乱)する電子を検出して、材料の方位を分析する方法である。
特に、前記EBSDは、材料の結晶粒方位を分析することによって相分析が可能であり、さらには結晶方位地図を分析することによって微細集合組織と結晶粒度などの分析が可能である。
特に、前記EBSDは、材料の結晶粒方位を分析することによって相分析が可能であり、さらには結晶方位地図を分析することによって微細集合組織と結晶粒度などの分析が可能である。
比較例1の場合、たとえ成分及び組成範囲は、本発明の一実施例による極厚物鋼材の条件を満たしていても、本発明の一実施例で提示する仕上げ圧延の累積圧下率50%よりも低い累積圧下率で仕上げ圧延されたため、表面部にポリゴナルフェライトが十分に形成されなかった。
また、低い仕上げ圧延の圧下率によって、t/4部に変形が十分に加えられておらず、粒度が15μm以上であるため、NDTTが-70℃以上であり、Kca値も8,000以下であると測定された。
また、低い仕上げ圧延の圧下率によって、t/4部に変形が十分に加えられておらず、粒度が15μm以上であるため、NDTTが-70℃以上であり、Kca値も8,000以下であると測定された。
比較例2の場合、たとえ成分及び組成範囲は、本発明の一実施例による極厚物鋼材の条件を満たしても、本発明の一実施例で提示する仕上げ圧延の仕上げ温度よりも高い772~780℃で仕上げ圧延されたことによって、空冷中に表面部にフェライトが全く生成されず、多量の低温変態相が生成され、高い仕上げ圧延温度もt/4部に変形が十分に加えられず、粒度が15μm以上であった。その結果、比較例2は、NDTTが-70℃以上であり、高温で仕上げ圧延が施されることによって、微細組織の微細化(refinement)が十分に起こらず、Kca値も8,000以下であると測定された。
比較例3の場合、たとえ成分及び組成範囲は、本発明の一実施例による極厚物鋼材の条件を満たしても、本発明の一実施例で提示する仕上げ圧延の仕上げ温度よりも低い703~710℃で仕上げ圧延されたことによって、仕上げ圧延中にポリゴナルフェライトが析出される前に、一部のフェライトが先に生成され、仕上げ圧延過程中に先に生成されたフェライトは、延伸して、長く延伸した粗大なフェライト状になり、t/4部にも空冷フェライトが粗大に生成されて、粒度が増加するようになった。
その結果、比較例3は、ポリゴナルフェライト分率が高いにもかかわらず、NDTTが-70℃以上であると測定された。
その結果、比較例3は、ポリゴナルフェライト分率が高いにもかかわらず、NDTTが-70℃以上であると測定された。
比較例4の場合、Cの組成範囲が、本発明の一実施例による極厚物鋼材のC上限よりも高い値を有することで、高すぎる強度によって靭性が低下する現象が発生して、NDTTが-70℃以上であると測定された。
比較例5の場合、Mnの組成範囲が、本発明の一実施例による極厚物鋼材のMn上限よりも高い値を有することで、フェライト変態温度が低くなることによって、空冷中にフェライトが十分に生成されなかった。その結果、NDTTが-70℃以上であり、Kca値も8,000以下であることが分かる。
比較例6の場合、C及びMnの組成範囲が、本発明の一実施例による極厚物鋼材のC及びMnの下限よりも低い値を有することで、表面部に多量のフェライトが生成されてはいたが、低い硬化能により、本発明で提示する降伏強度460MPaを満たしていないことが分かる。
比較例7の場合、Ni及びCuの組成範囲が、本発明の一実施例による極厚物鋼材のNi及びCuの下限よりも低い値を有することで、表面部に多量のフェライトが生成されてはいたが、低い硬化能により、本発明で提示する降伏強度460MPaを満たしておらず、低いNi含有量による靭性低下により、Kca値も8,000以下であることが分かる。
比較例8の場合、Ti及びNbの組成範囲が、本発明の一実施例による極厚物鋼材のTi及びNbの上限よりも高い値を有することで、過度な硬化能により強度が上昇しており、析出強化による靭性低下の影響から、NDTTが-70度以上であり、Kca値も8,000以下であることが分かる。
これに反して、上記結果から分かるように、本発明で提示した成分範囲を満たし、740~720℃の温度区間で累積圧下率50%以上の圧下率に製造された発明例1~4の場合、表面部~表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、降伏強度が460MPa以上であり、ASTM E208規格に従うNRL-DWT試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であり、ESSOテストを実施して得たKca値が8,000以上であることが分かる。
以上、本発明について例示した実施例を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施例と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形が行われることは自明である。さらに、本発明の実施例を本発明の構成による作用・効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
Claims (10)
- 重量%で、C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなり、
表面部から表面部直下5mmまでのポリゴナルフェライト分率が50%以上であり、EBSDで測定した15度以上の高境界角を有するt/4微細組織の粒度が15μm以下である微細組織を有することを特徴とする極厚物構造用鋼材。 - ASTM E208-06規格の表面部NRL-DWT(Drop Weight Test)試験によるNDTT(Nil-Ductility Transition Temperature)値が-70℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の極厚物構造用鋼材。
- ESSOテストによるKca値が8,000以上であることを特徴とする請求項1に記載の極厚物構造用鋼材。
- 板厚は、80~100mmであり、降伏強度が460MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の極厚物構造用鋼材。
- 重量%で、C:0.05~0.09%、Si:0.1~0.4%、Al:0.01~0.05%、Mn:1.8~2.1%、Ni:0.3~1.0%、Nb:0.005~0.040%、Ti:0.005~0.03%、Cu:0.1~0.5%、P:100ppm以下、S:40ppm以下、その他Fe及びその他不可避不純物からなるスラブを再加熱する段階、
前記再加熱されたスラブを粗圧延した後、スラブの表面からt/4位置における温度720~740℃の区間で仕上げ圧延する段階、
前記仕上げ圧延された鋼材を冷却する段階、
を含むことを特徴とする極厚物構造用鋼材の製造方法。 - 前記スラブ再加熱温度は、1,000~1,120℃であることを特徴とする請求項5に記載の極厚物構造用鋼材の製造方法。
- 前記粗圧延温度は、900~1,100℃であることを特徴とする請求項5に記載の極厚物構造用鋼材の製造方法。
- 前記粗圧延時の累積圧下率は、50%以上であることを特徴とする請求項5に記載の極厚物構造用鋼材の製造方法。
- 前記冷却する段階における冷却速度は、3℃/sec以上であることを特徴とする請求項5に記載の極厚物構造用鋼材の製造方法。
- 前記冷却する段階における冷却終了温度は、500℃以下であることを特徴とする請求項5に記載の極厚物構造用鋼材の製造方法。
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