JP2023539980A - シークエンシングによる標的タグメンテーションからのrna発現およびdnaに関する個々の細胞の並行解析 - Google Patents

シークエンシングによる標的タグメンテーションからのrna発現およびdnaに関する個々の細胞の並行解析 Download PDF

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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1034Isolating an individual clone by screening libraries
    • C12N15/1072Differential gene expression library synthesis, e.g. subtracted libraries, differential screening

Abstract

本発明は、単一細胞における遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析のための方法に関する。単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法であって、1つまたは複数の核内のゲノムDNAからDNAライブラリーを得、かつ1つまたは複数の核内のRNAからRNAライブラリーを得る工程、前記RNAライブラリー中および前記DNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程、ならびに、前記1つまたは複数の核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程を含む、前記方法が提供される。

Description

連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
本発明は、1U19 MH114831-02(米国国立精神保健研究所(NIMH)によって与えられた)、U01MH121282(NIMHによって与えられた)、およびR01AG066018(米国国立老化研究所によって与えられた)のもとで政府の支援を受けて行われた。政府は本発明に関して一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は、単一細胞における遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析のための方法に関する。
背景
多細胞生物では、ほとんどすべての細胞型が同じ遺伝物質の同一コピーを含む。しかし、DNAメチル化およびヒストン修飾の状態を含むエピゲノムは、細胞型間で実質的に異なる。エピゲノムは、いくつかのやり方で、つまり、細胞内で染色体の核構造を組織化すること、DNAへの転写因子の接近を制限または助長すること、過去の転写活性の記憶を保存すること、およびタンパク質をコードするmRNA配列の存在量を微調整することによって、遺伝子調節において重要な役割を果たす。各細胞型におけるエピゲノムの包括的な見解は、発生の間の異なる細胞系譜における、および病的状態における遺伝子調節プログラムの輪郭を描くために極めて重要である。しかし、異なるヒストン修飾は、それらの細胞特異性および細胞型特異的遺伝子発現に対する関連性が大きく異なる可能性があり、複雑な組織から細胞の異種性を解決する際の様々な成功の度合いにつながる。これによって、異なる実験からの異なるヒストンマークのデータセットを統合することが非常に困難であるかまたはほぼ不可能になる。さらに、遺伝子調節機構をよりよく理解するために、同じ細胞のクロマチン状態と一緒に転写プロファイルを評価することが必要である。したがって、クロマチン状態と遺伝子発現の両方を共にアッセイする単一細胞アプローチが非常に望ましいと考えられる。
一局面では、以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法が提供される:
a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
b.1つまたは複数の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、第1のタグが、第1の制限部位、およびバーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む、工程;
c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
d.第2の制限部位と第1のタグのバーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
e.1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
f.1つまたは複数の核を溶解する工程;
g.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを生成する工程;
h.ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを増幅する工程であって、DNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含み、かつ第3の制限部位がエンドヌクレアーゼによって認識される、工程;
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
j.DNAライブラリーに関する、
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
ii.DNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
iii.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第2の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
k.RNAライブラリーに関する、
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第1の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
ii.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
l.RNAライブラリー中およびDNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
m.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
一局面では、以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法が提供される:
a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
b.1つまたは複数の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、第1のタグが、第1の制限部位、およびバーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む、工程;
c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
d.第2の制限部位と第1のタグのバーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
e.1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
f.1つまたは複数の核を溶解する工程;
g.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを生成する工程;
h.ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを増幅する工程であって、cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含み、かつ第3の制限部位がエンドヌクレアーゼによって認識される、工程;
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
j.RNAライブラリーに関する、
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
ii.cDNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
iii.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第1の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
k.DNAライブラリーに関する、
i.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第2の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
ii.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
l.RNAライブラリー中およびDNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
m.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
一局面では、以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法が提供される:
a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
b.1つまたは複数の核を、(ii)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、第1のタグが、バーコードの第1のセットより選択される第1のバーコードを含む、工程;
c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
d.第1のタグのバーコードを含む第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程であって、第1のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第1の反応基、もしくは(ii)第1のアフィニティータグをさらに含み、かつ/または第2のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第2の反応基、もしくは(ii)第2のアフィニティータグをさらに含む、工程;
e.1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
f.1つまたは複数の核を溶解する工程;
g.(I)ゲノムDNA断片を、
(i)第1の反応基と反応するか;もしくは
(ii)第1のアフィニティータグに結合する
固定化物質と接触させ;かつ、ゲノムDNAのプルダウンを行ってcDNAからゲノムDNAを分離し;かつ/または
(II)cDNAを、
(i)第2の反応基と反応するか;もしくは
(ii)第2のアフィニティータグに結合する
固定化物質と接触させ;かつ、cDNAのプルダウンを行ってDNAからゲノムcDNAを分離する工程;
h.DNAライブラリーに関する、
1.ゲノムDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させ、ポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;および
2.ポリヌクレオチドテール付加DNAを増幅する工程;
i.RNAライブラリーに関する、
1.cDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させ、ポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;および
2.ポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程;
j.RNAライブラリー中およびDNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
k.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
一態様では、1つまたは複数の核を(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程については、(i)1つもしくは複数の核を、最初に抗体と接触させ、次いで第1のトランスポゼースと接触させ、ここで、第1のトランスポゼースは抗体に結合する結合部分に連結しているか;(ii)抗体に結合する結合部分に連結している第1のトランスポゼースとともに抗体を最初にインキュベートし;かつ、1つもしくは複数の核を、トランスポゼースに結合している抗体と接触させるか;または(iii)1つもしくは複数の核を第1のトランスポゼースに共有結合している抗体と接触させる。
一態様では、1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させる工程の後、方法は、1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択される第3のバーコードを含む第4のタグと接触させ、その結果、第1、第3、および第4のタグを含むゲノムDNA断片を生成し、かつ第2、第3のタグ、および第4のタグを含むcDNAを生成する工程をさらに含む。
いくつかの態様では、1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程は、1回または複数回繰り返される。いくつかの態様では、1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程は、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回繰り返される。
一態様では、DNAおよびcDNAを末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)と接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。一態様では、DNAリガーゼとおよびDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドと、DNAおよびcDNAを接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。いくつかの態様では、DNAリガーゼはT3、T4、またはT7 DNAリガーゼである。一態様では、DNAおよびcDNAをDNAポリメラーゼおよびランダムプライマーと接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。一態様では、DNAおよびcDNAの3’末端に結合する反応性化学基を有するDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドとDNAおよびcDNAを接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。いくつかの態様では、反応性化学基はアジド基またはアルキン基である。
一局面では、以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法が提供される:
a.核を含む試料を提供する工程;
b.試料を、2つまたはそれ以上のサブ試料を含むサブ試料の第1のセットに分割する工程;
c.サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を透過性にする工程;
d.サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、バーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされる、工程;
e.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
f.第2の制限部位と第1のタグのバーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して、サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
g.サブ試料の第1のセットをプールして、第1のサブ試料プールを生成する工程;
h.第1のサブ試料プールを、2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第2のセットを生成する工程;
i.サブ試料の第2のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択されるバーコードを含む第3のタグと接触させる工程であって、第3のタグをゲノムDNAおよびcDNAにライゲーションする、工程;
j.サブ試料の第2のセットをプールして、第2のサブ試料プールを生成する工程;
k.第2のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第3のセットを生成する工程;
l.サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択されるバーコードを含む第4のタグと接触させる工程であって、第4のタグをゲノムDNAおよびcDNAにライゲーションする、工程;
m.サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程;
n.核を溶解する工程;
o.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを生成する工程;
p.ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを増幅する工程であって、DNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含む、工程;
q.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
r.DNAライブラリーに関する、
1.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
2.DNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
3.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第2の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
s.RNAライブラリーに関する、
1.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第1の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
2.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
t.RNAライブラリーおよびDNAライブラリーをシークエンシングする工程;
u.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
一局面では、以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法が提供される:
a.核を含む試料を提供する工程;
b.試料を、2つまたはそれ以上のサブ試料を含むサブ試料の第1のセットに分割する工程;
c.サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を透過性にする工程;
d.サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、バーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされる、工程;
e.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
f.第2の制限部位と第1のタグのバーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して、サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
g.サブ試料の第1のセットをプールして、第1のサブ試料プールを生成する工程;
h.第1のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第2のセットを生成する工程;
i.サブ試料の第2のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択されるバーコードを含む第3のタグと接触させる工程であって、第3のタグをゲノムDNAおよびcDNAにライゲーションする、工程;
j.サブ試料の第2のセットをプールして、第2のサブ試料プールを生成する工程;
k.第2のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第3のセットを生成する工程;
l.サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択されるバーコードを含む第4のタグと接触させる工程であって、第4のタグをゲノムDNAおよびcDNAにライゲーションする、工程;
m.サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程;
n.核を溶解する工程;
o.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを生成する工程;
p.ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを増幅する工程であって、cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含む、工程;
q.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
r.RNAライブラリーに関する、
1.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
2.cDNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
3.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、第1の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
s.DNAライブラリーに関する、
1.増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、第2の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
2.増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
t.RNAライブラリーおよびDNAライブラリーをシークエンシングする工程;
u.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
いくつかの態様では、サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程については、(i)2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の核を、最初に抗体と接触させ、次いで第1のトランスポゼースと接触させ、ここで、第1のトランスポゼースが、抗体に結合する結合部分に連結しており;(ii)抗体に結合する結合部分に連結している第1のトランスポゼースとともに抗体を最初にインキュベートし;かつ、2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の核を、トランスポゼースに結合している抗体と接触させ;(iii)2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の核を、第1のトランスポゼースに共有結合している抗体と接触させる。
いくつかの態様では、サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程の後に、方法は、プールする工程;分割する工程;ならびにサブ試料をリガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程を1回または複数回繰り返すことをさらに含む。いくつかの態様では、サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程の後、方法は、プールする工程;分割する工程;ならびにサブ試料をリガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程を2、3、4、5、6、7、8、9、または10回繰り返すことをさらに含む。
いくつかの態様では、第3の制限部位はIIS型エンドヌクレアーゼによって認識される。いくつかの態様では、IISエンドヌクレアーゼは、FokI、AcuI、AsuHPI、BbvI、BpmI、BpuEI、BseMII、BseRI、BseXI、BsgI、BslFI、BsmFI、BsPCNI、BstV1I、BtgZI、EciI、Eco57I、FaqI、GsuI、HphI、MmeI、NmeAIII、SchI、TaqII、TspDTI、TspGWIからなる群より選択される。一態様では、IIS型エンドヌクレアーゼはFokIである。
一態様では、DNAおよびcDNAを末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)と接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。一態様では、DNAリガーゼとおよびDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドと、DNAおよびcDNAを接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。いくつかの態様では、DNAリガーゼはT3、T4、またはT7 DNAリガーゼである。一態様では、DNAおよびcDNAをDNAポリメラーゼおよびランダムプライマーと接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。一態様では、DNAおよびcDNAの3’末端に結合する反応性化学基を有するDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドと、DNAおよびcDNAを接触させることによって、ポリヌクレオチドテールがDNAおよびcDNAに融合される。いくつかの態様では、反応性化学基はアジド基またはアルキン基である。いくつかの態様では、反応性化学基はクリックケミストリーを行うのに適した反応基である。
一態様では、第1のトランスポゼースに連結している結合部分はプロテインAである。
いくつかの態様では、クロマチン関連タンパク質は、ヒストンタンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング複合体、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、またはアクセサリータンパク質である。
いくつかの態様では、クロマチン修飾物は、ヒストン修飾物、DNA修飾物、RNA修飾物、ヒストン変異体、または、抗体が認識することができるDNA構造、例えばRループである。
一態様では、核は哺乳動物から得られる。
図1は、ペアードタグのワークフローを図示する。最初に、異なるヒストンマークを標的とする抗体で核を染色し;次いで、標的タグメンテーションおよび逆転写を行った。2ラウンドのライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディングによって、何十万もの単一の核の標識が可能になる。次いで、得られたDNAをPCR増幅し、ヒストン修飾および遺伝子発現の検出のために分離した。 図1-1の説明を参照のこと。 DNAライブラリーおよびRNAライブラリーの第2のアダプタータギングを図示する。DNAライブラリーについて、増幅産物をIIS型制限酵素のFokIで消化し、次いで、付着末端を使用して、P5アダプターをライゲーションした。RNAライブラリーについて、タグメンテーションによってN5アダプターを付加した。 連続的インキュベーションプロトコールを図示する。図3A。2つのストラテジーの概略図。連続的インキュベーション:核を最初に抽出し、抗体で一晩染色し;2日目に、核を最初に3回洗浄し、pA-Tn5とともに1時間インキュベートし、続いて第2の洗浄を3回行い、次いで、タグメンテーション反応を開始した。プレインキュベーション:核の調製の間、pA-Tn5および抗体を最初に1時間プレインキュベートし、次いで、抗体-pA-Tn5複合体を核と一晩インキュベートし;2日目に、核を3回洗浄し、次いで、タグメンテーション反応を開始した。 連続的インキュベーションプロトコールを図示する。図3B。単一細胞についての、核あたりのシークエンシングした生のリードの数および核あたりの特有の座位の対応する数を示す散布図。連続的インキュベーション実験およびプレインキュベーション実験由来の細胞を示す。 連続的インキュベーションプロトコールを図示する。図3C。連続的インキュベーション実験およびプレインキュベーション実験由来の単一細胞についての、ピークの内側のリードの割合を示すバイオリンプロット。 連続的インキュベーションプロトコールを図示する。図3D。連続的インキュベーション実験およびプレインキュベーション実験由来の代表的な領域についての、集計されたH3K27me3シグナルを示すゲノムブラウザービュー。参照のためにENCODE H3K27me3 ChIP-seqデータも示す。 DNAライブラリーとRNAライブラリーを分離する1つの方法を図示する。
発明の詳細な説明
本開示は、単一細胞における遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析のための方法を提供する。遺伝子発現調節の解析は、DNAの配列へのクロマチン関連タンパク質の結合などの、遺伝子発現の調節に関与するタンパク質の相互作用パターンの解析を含むことができ、かつ/または(ヒストンもしくはDNA修飾を含めた)関心対象のエピジェネティックなクロマチン修飾のパターンの解析を含むことができる。
一態様では、以下を含むハイスループット方法が提供される:(1)関心対象のクロマチン関連タンパク質にまたはエピジェネティックなクロマチン修飾物に特異的に結合する抗体によってガイドされる1つまたは複数のプロテインA融合トランスポゼースを用いた、特定のクロマチン領域の標的タグメンテーション、(2)ライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディングストラテジーを用いた、逆転写(RT)由来のcDNAと標的タグメンテーション由来のクロマチンDNAの両方の同時標識、および(3)各分子のモダリティーをプロファイリングするための別々のシークエンシングライブラリーの作製。
トランスポゼース媒介性タグメンテーション
単一細胞または細胞の集団における遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析のための方法が本明細書において提供される。遺伝子発現調節の解析は、DNAの配列へのクロマチン関連タンパク質の結合などの、遺伝子発現の調節に関与するタンパク質の相互作用パターンの解析を含むことができ、おかつ/または関心対象のエピジェネティックなクロマチン修飾のパターンの解析を含むことができる。
本明細書において使用する場合、クロマチン関連タンパク質は、クロマチンの1つもしくは複数の部位に見出すことができ、かつ/または一過的な方式でクロマチンと結合することができるタンパク質である。クロマチン関連因子の例としては、限定されないが、転写因子(例えば、腫瘍抑制因子、がん遺伝子、細胞周期調節因子、発生および/または分化因子、一般的な転写因子(TF))、DNAおよびRNAポリメラーゼ、転写装置の構成成分、ATP依存的クロマチンリモデラー(例えば、(P)BAF、MOT1、ISWI、INO80、CHD1)、クロマチンリモデリングタンパク質(例えば、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT))複合体、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC))ヒストンメチラーゼ/デメチラーゼ、SWI/SNF複合体、NURD)、DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT1、DNMT3A/B)、複製因子などが挙げられる。そのようなタンパク質は、ある特定の環境要因(例えば、増殖および他の刺激シグナル、DNA損傷シグナル、細胞死シグナル)、トランスフェクションおよび一過的発現もしくは安定発現(例えば、組換え因子)、または感染(例えば、ウイルス性因子)に基づいて、細胞周期の特定の期(例えば、G1、S、G2、M期)でクロマチン(DNA、ヒストン)と相互作用することができる。クロマチン関連タンパク質は、ヒストンおよびその変異体を含むことができる。ヒストンは、DNAおよび核タンパク質とのその相互作用を変え、例えば、遺伝子調節、DNA修復、および染色体凝縮に影響する翻訳後修飾を通じてヒストンテールで修飾され得る。H3およびH4ヒストンは、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、SUMO化、シトルリン化、およびADPリボシル化によって、共有結合的に修飾され得る、ヌクレオソームから突出している長いテールを有する。ヒストンH2AおよびH2Bのコアも修飾され得る。
いくつかの態様では、クロマチンDNAの配列へのクロマチン関連因子の結合は直接的である。換言すれば、DNA結合転写因子に関する場合と同様に、クロマチン関連因子はクロマチンDNAと直接接触し、クロマチンDNAと直接物理的に接触している。他の態様では、クロマチンDNAの配列への関心対象のクロマチン関連因子の結合は間接的である。換言すれば、接触は、複合体のメンバーを介してなど、間接的であり得る。
いくつかの態様では、開示される方法は、単一細胞(または細胞の集団)においてDNAの配列への転写因子の結合を解析するために使用される。本明細書において使用する場合、転写因子は、遺伝子発現の調節に影響を及ぼすタンパク質である。特に、転写因子はRNAポリメラーゼの結合および転写の開始を調節する。転写因子は上流または下流に結合して、RNAポリメラーゼの結合を補助するかまたは遮断することによって、遺伝子の転写を増強するかまたは抑制するかのいずれかである。転写因子という用語は、不活性な転写因子と活性化された転写因子の両方を含む。例示的な転写因子としては、限定されないが、数ある中でも、AAF、ab1、ADA2、ADA-NF1、AF-1、AFP1、AhR、AIIN3、ALL-1、α-CBF、α-CP1、α-CP2a、α-CP2b、αHo、αH2-αH3、Alx-4、aMEF-2、AML1、AML1a、AML1b、AML1c、AML1δN、AML2、AML3、AML3a、AML3b、AMY-1L、A-Myb、ANF、AP-1、AP-2αA、AP-2αB、AP-2β、AP-2γ、AP-3(1)、AP-3(2)、AP-4、AP-5、APC、AR、AREB6、Arnt、Arnt(774M型)、ARP-1、ATBF1-A、ATBF1-B、ATF、ATF-1、ATF-2、ATF-3、ATF-3δZIP、ATF-a、ATF-aδ、ATPF1、Bar1111、Barh12、Barx1、Barx2、Bc1-3、BCL-6、BD73、β-カテニン、Bin1、B-Myb、BP1、BP2、brahma、BRCA1、Brn-3a、Brn-3b、Brn-4、BTEB、BTEB2、B-TFIID、C/EBPα、C/EBPβ、C/EBPδ、CACC結合因子、Cart-1、CBF(4)、CBF(5)、CBP、CCAAT-結合因子、CCMT-結合因子、CCF、CCG1、CCK-1a、CCK-1b、CD28RC、cdk2、cdk9、Cdx-1、CDX2、Cdx-4、CFF、Chx10、CLIMI、CLIM2、CNBP、CoS、COUP、CPI、CPIA、CPIC、CP2、CPBP、CPE結合タンパク質、CREB、CREB-2、CRE-BPI、CRE-BPa、CREMα、CRF、Crx、CSBP-1、CTCF、CTF、CTF-1、CTF-2、CTF-3、CTF-5、CTF-7、CUP、CUTL1、Cx、サイクリンA、サイクリンTl、サイクリンT2、サイクリンT2a、サイクリンT2b、DAP、DAX1、DB1、DBF4、DBP、DbpA、DbpAv、DbpB、DDB、DDB-1、DDB-2、DEF、δCREB、δMax、DF-1、DF-2、DF-3、Dlx-1、Dlx-2、Dlx-3、DIx4(長鎖アイソフォーム)、Dlx-4(短鎖アイソフォーム、Dlx-5、Dlx-6、DP-1、DP-2、DSIF、DSIF-p14、DSIF-p160、DTF、DUX1、DUX2、DUX3、DUX4、E、El2、E2F、E2F+E4、E2F+p107、E2F-1、E2F-2、E2F-3、E2F-4、E2F-5、E2F-6、E47、E4BP4、E4F、E4F1、E4TF2、EAR2、EBP-80、EC2、EF1、EF-C、EGR1、EGR2、EGR3、EIIaE-A、EIIaE-B、EIIaE-Cα、EIIaE-Cβ、EivF、EIf-1、EIk-1、Emx-1、Emx-2、Emx-2、En-1、En-2、ENH結合タンパク質、ENKTF-1、EPAS1、εFl、ER、Erg-1、Erg-2、ERR1、ERR2、ETF、Ets-1、Ets-1δVil、Ets-2、Evx-1、F2F、因子2、因子名(Factor name)、FBP、f-EBP、FKBP59、FKHL18、FKHRL1P2、Fli-1、Fos、FOXB1、FOXC1、FOXC2、FOXD1、FOXD2、FOXD3、FOXD4、FOXE1、FOXE3、FOXF1、FOXF2、FOXG1a、FOXG1b、FOXG1c、FOXH1、FOXI1、FOXJ1a、FOXJ1b、FOXJ2(長鎖アイソフォーム)、FOXJ2(短鎖アイソフォーム)、FOXJ3、FOXK1a、FOXK1b、FOXK1c、FOXL1、FOXM1a、FOXM1b、FOXM1c、FOXN1、FOXN2、FOXN3、FOX01a、FOX01b、FOX02、FOX03a、FOX03b、FOX04、FOXP1、FOXP3、Fra-1、Fra-2、FTF、FTS、G因子、G6因子、GABP、GABP-α、GABP-β1、GABP-β2、GADD153、GAF、γCMT、γCAC1、γCAC2、GATA-1、GATA-2、GATA-3、GATA-4、GATA-5、GATA-6、Gbx-1、Gbx-2、GCF、GCMa、GCNS、GF1、GLI、GLI3、GRα、GRβ、GRF-1、Gsc、Gsc1、GT-IC、GT-IIA、GT-IIBα、GT-IIBβ、H1TF1、H1TF2、H2RIIBP、H4TF-1、H4TF-2、HAND1、HAND2、HB9、HDAC1、HDAC2、HDAC3、hDaxx、熱誘導性因子、HEB、HEB1-p67、HEB1-p94、HEF-1B、HEF-1T、HEF-4C、HEN1、HEN2、Hesx1、Hex、HIF-1、HIF-1α、HIF-1β、HiNF-A、HiNF-B、HINF-C、HINF-D、HiNF-D3、HiNF-E、HiNF-P、HIP1、HIV-EP2、Hlf、HLTF、HLTF(Met123)、HLX、HMBP、HMG I、HMG I(Y)、HMG Y、HMGI-C、HNF-IA、HNF-IB、HNF-IC、HNF-3、HNF-3α、HNF-3β、HNF-3γ、HNF4、HNF-4α、HNF4α1、HNF-4α2、HNF-4α3、HNF-4α4、HNF4γ、HNF-6α、hnRNP K、HOX11、HOXAL HOXAIO、HOXAIO PL2、HOXA11、HOXA13、HOXA2、HOXA3、HOXA4、HOXAS、HOXA6、HOXA7、HOXA9A、HOXA9B、HOXB-1、HOXB13、HOXB2、HOXB3、HOXB4、HOXBS、HOXB6、HOXAS、HOXB7、HOXB8、HOXB9、HOXC10、HOXC11、HOXC12、HOXC13、HOXC4、HOXCS、HOXC6、HOXC8、HOXC9、HOXD10、HOXD11、HOXD12、HOXD13、HOXD3、HOXD4、HOXD8、HOXD9、Hp55、Hp65、HPX42B、HrpF、HSF、HSF1(長鎖)、HSF1(短鎖)、HSF2、hsp56、Hsp90、IBP-1、ICER-II、ICER-liγ、ICSBP、Idl、Idl H'、Id2、Id3、Id3/Heir-1、IF1、IgPE-1、IgPE-2、IgPE-3、IκB、IκB-α、IκB-β、IκBR、II-1 RF、IL-6 RE-BP、11-6 RF、INSAF、IPF1、IRF-1、IRF-2、B、IRX2a、Irx-3、Irx-4、ISGF-1、ISGF-3、ISGF3α、ISGF-3γ、1st-1、ITF、ITF-1、ITF-2、JRF、Jun、JunB、JunD、κy因子、KBP-1、KER1、KER-1、Kox1、KRF-1、Ku自己抗原、KUP、LBP-1、LBP-la、LBX1、LCR-F1、LEF-1、LEF-IB、LF-A1、LHX1、LHX2、LHX3a、LHX3b、LHXS、LHX6.1a、LHX6.1b、LIT-1、Lmo1、Lmo2、LMX1A、LMX1B、L-My1(長鎖型)、L-My1(短鎖型)、L-My2、LSF、LXRα、LyF-1、Ly1-1、M因子、Mad1、MASH-1、Max1、Max2、MAZ、MAZ1、MB67、MBF1、MBF2、MBF3、MBP-1(1)、MBP-1(2)、MBP-2、MDBP、MEF-2、MEF-2B、MEF-2C(433AA型)、MEF-2C(465AA型)、MEF-2C(473M型)、MEF-2C/δ32(441AA型)、MEF-2D00、MEF-2D0B、MEF-2DA0、MEF-2DAO、MEF-2DAB、MEF-2DA'B、Meis-1、Meis-2a、Meis-2b、Meis-2c、Meis-2d、Meis-2e、Meis3、Meox1、Meox1a、Meox2、MHox(K-2)、Mi、MIF-1、Miz-1、MM-1、MOP3、MR、Msx-1、Msx-2、MTB-Zf、MTF-1、mtTF1、Mxi1、Myb、Myc、Myc1、Myf-3、Myf-4、Myf-5、Myf-6、MyoD、MZF-1、NCI、NC2、NCX、NELF、NER1、Net、NF Ill-a、NF NF-1、NF-1A、NF-1B、NF-1X、NF-4FA、NF-4FB、NF-4FC、NF-A、NF-AB、NFAT-1、NF-AT3、NF-Atc、NF-Atp、NF-Atx、Nf etaA、NF-CLE0a、NF-CLE0b、NFδE3A、NFδE3B、NFδE3C、NFδE4A、NFδE4B、NFδE4C、Nfe、NF-E、NF-E2、NF-E2 p45、NF-E3、NFE-6、NF-Gma、NF-GMb、NF-IL-2A、NF-IL-2B、NF-jun、NF-κB、NF-κB(様)、NF-κBl、NF-κB1前駆体、NF-κB2、NF-κB2(p49)、NF-κB2前駆体、NF-κEl、NF-κE2、NF-κE3、NF-MHCIIA、NF-MHCIIB、NF-muE1、NF-muE2、NF-muE3、NF-S、NF-X、NF-X1、NF-X2、NF-X3、NF-Xc、NF-YA、NF-Zc、NF-Zz、NHP-1、NHP-2、NHP3、NHP4、NKX2-5、NKX2B、NKX2C、NKX2G、NKX3A、NKX3A v1、NKX3A v2、NKX3A v3、NKX3A v4、NKX3B、NKX6A、Nmi、N-Myc、N-Oct-2α、N-Oct-2β、N-Oct-3、N-Oct-4、N-Oct-5a、N-Oct-Sb、NP-TCII、NR2E3、NR4A2、Nrf1、Nrf-1、Nrf2、NRF-2β1、NRF-2γ1、NRL、NRSF1型、NRSF2型、NTF、02、OCA-B、Oct-1、Oct-2、Oct-2.1、Oct-2B、Oct-2C、Oct-4A、Oct4B、Oct-5、Oct-6、オクタ因子、八量体結合因子、oct-B2、oct-B3、Otx1、Otx2、OZF、p107、p130、p28モジュレーター、p300、p38erg、p45、p49erg、-p53、p55、p55erg、p65δ、p67、Pax-1、Pax-2、Pax-3、Pax-3A、Pax-3B、Pax-4、Pax-5、Pax-6、Pax-6/Pd-5a、Pax-7、Pax-8、Pax-8a、Pax-8b、Pax-8c、Pax-8d、Pax-8e、Pax-8f、Pax-9、Pbx-1a、Pbx-1b、Pbx-2、Pbx-3a、Pbx-3b、PC2、PC4、PCS、PEA3、PEBP2α、PEBP2β、Pit-1、PITX1、PITX2、PITX3、PKNOX1、PLZF、PO-B、Pontin52、PPARα、PPARβ、PPARγ1、PPARγ2、PPUR、PR、PR A、pRb、PRD1-BF1、PRDI-BFc、Prop-1、PSE1、P-TEFb、PTF、PTFα、PTFβ、PTFδ、PTFγ、Puボックス結合因子、Puボックス結合因子(B JA-B)、PU.1、PuF、Pur因子、R1、R2、RAR-α1、RAR-β、RAR-β2、RAR-γ、RAR-γ1、RBP60、RBP-Jκ、Rel、RelA、RelB、RFX、RFX1、RFX2、RFX3、RFXS、RF-Y、RORα1、RORα2、RORα3、RORβ、RORγ、Rox、RPF1、RPGα、RREB-1、RSRFC4、RSRFC9、RVF、RXR-α、RXR-β、SAP-1a、SAP1b、SF-1、SHOX2a、SHOX2b、SHOXa、SHOXb、SHP、SIII-p11O、SIII-p15、SIII-p18、SIM'、Six-1、Six-2、Six-3、Six-4、Six-5、Six-6、SMAD-1、SMAD-2、SMAD-3、SMAD-4、SMAD-5、SOX-11、SOX-12、Sox-4、Sox-5、SOX-9、Sp1、Sp2、Sp3、Sp4、Sph因子、Spi-B、SPIN、SRCAP、SREBP-la、SREBP-lb、SREBP-lc、SREBP-2、SRE-ZBP、SRF、SRY、SRPL Staf-50、STATlα、STATlβ、STAT2、STAT3、STAT4、STAT6、T3R、T3R-α1、T3R-α2、T3R-β、TAF(I)110、TAF(I)48、TAF(I)63、TAF(II)100、TAF(II)125、TAF(II)135、TAF(II)170、TAF(II)18、TAF(II)20、TAF(II)250、TAF(II)250δ、TAF(II)28、TAF(II)30、TAF(II)31、TAF(II)55、TAF(II)70-α、TAF(II)70-β、TAF(II)70-γ、TAF-I、TAF-II、TAF-L、Tal-1、Tal-1β、Tat-2、TAR因子、TBP、TBX1A、TBX1B、TBX2、TBX4、TBXS(長鎖アイソフォーム)、TBXS(短鎖アイソフォーム)、TCF、TCF-1、TCF-1A、TCF-1B、TCF-1C、TCF-1D、TCF-1E、TCF-1F、TCF-1G、TCF-2α、TCF-3、TCF-4、TCF-4(K)、TCF-4B、TCF-4E、TCFβ1、TEF-1、TEF-2、tel、TFE3、TFEB、TFIIA、TFIIA-α/β前駆体、TFIIA-α/β前駆体、TFIIA-γ、TFIIB、TFIID、TFIIE、TFIIE-α、TFIIE-β、TFIIF、TFIIF-α、TFIIF-β、TFIIH、TFIIH*、TFIIH-CAK、TFIIH-サイクリンH、TFIIH-ERCC2/CAK、TFIIH-MAT1、TFIIH-M015、TFIIH-p34、TFIIH-p44、TFIIH-p62、TFIIH-p80、TFIIH-p90、TFII-I、Tf-LF1、Tf-LF2、TGIF、TGIF2、TGT3、THRAL TIF2、TLE1、TLX3、TMF、TR2、TR2-11、TR2-9、TR3、TR4、TRAP、TREB-1、TREB-2、TREB-3、TREFL TREF2、TRF(2)、TTF-1、TXRE BP、TxREF、UBF、UBP-1、UEF-1、UEF-2、UEF-3、UEF-4、USF1、USF2、USF2b、Vav、Vax-2、VDR、vHNF-1A、vHNF-1B、vHNF-1C、VITF、WSTF、WT1、WT1I、WT1 I-KTS、WT1 I-de12、WT1-KTS、WT1-de12、X2BP、XBP-1、XW-V、XX、YAF2、YB-1、YEBP、YY1、ZEB、ZFl、ZF2、ZFX、ZHX1、ZIC2、ZID、ZNF174が挙げられる。
単一細胞または細胞の集団においてエピジェネティックなクロマチン修飾のパターンを解析するための方法が本明細書において開示される。いくつかの態様では、エピジェネティックなクロマチン修飾は、ヒストン修飾またはDNA修飾である。本明細書において開示される方法が標的にするヒストン修飾としては、限定されないが、H2A.X、H2A.Z、H2A.Zac、H2A.ZK4ac、H2A.ZK7ac、H2AK119ub、H2AK5ac、H2BK12ac、H2BK15ac、H2BK20ac、H2BK123ub、H2Bpan、H3.3、H3K14ac、H3K18ac、H3K18mel、H3K18me2、H3K23me2、H3K27ac、H3K27me1、H3K27me2、H3K27me3、H3K27me3S28p、H3K36me1、H3K36me2、H3K36me3、H3K4ac、H3K4me1、H3K4me2、H3K4me3、H3K4me3T6p、H3k4un、H3K56ac、H3K56me1、H3K64me3、H3K79ac、H3K79me1、H3K79me3、H3K9/14ac、H3K9ac、H3K9acS10p、H3K9me1、H3K9me2、H3K9me3、H3Kme3S10p、H3K9un、H3pan、H3R17me2、H3R17me2(非対称(asym))、H3R17me2(非対称)K18ac、H3R2me2K4me2、H3T6pK9me3、H4K12ac、H4K 16ac、H4K2Oac、H4K2Omel、H4K2Ome2、H3R2me2、H4K2Ome3、H4K5,8,12ac、H4K5ac、H4K8ac、H4pan、およびH4S1pが挙げられる。
本明細書において開示される方法を使用して標的にすることができるクロマチン関連タンパク質の他の非限定例としては、HDAC1、HDAC2、HDAC3、HIFlα、HP1、JARID1C、JMJ2a、JMJD6、KAP1、KAT2B、KDM6A、LSD1、MBD1、MBD1、MeCP2、MYH11、NCOR1、NF-E2、NFKB、NFYB、NRF1、NRF2、OCT4、p300、p53、PARP1、PAX8、Pol II、Pol II S2p、PPARG、RbAp48、RBBP5、RFX-AP、RNF2、SAP30、SIN3A、Ski3、Ski8、SMAD1、SMAD2、SMYD3、Suz12、TAL1、TARDBP、TRP、TFIIF、THOC1、TIPS、TRRAP、Tyl、UHRF1、YY1、ZHX2、およびZMYM3.AF9、AML1-ETO、BRD4、C/EBP、CBFb、CBX2、CBX8、CHD1、CHD7、CRISPR/Cas9、CTCF、CXXCl、DNMT3B、E2F6、ERR、ETO、EZH2、FOXA1、FOXA2、FOXMl、FUBP1、GR、およびGTF2E2が挙げられる。
一態様では、本明細書において開示される方法は、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を特異的に認識する特異的結合物質と接触させる工程を含む。
一態様では、特異的結合物質は抗体またはその抗原結合性断片である。ポリクローナルまたはモノクローナル抗体およびモノクローナル抗体の断片、例えば、Fab、F(ab')2、およびFv断片、ならびにクロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に特異的に結合することができる任意の他の作用物質が生成され得る。最適には、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物に対して産生された抗体は、関心対象のクロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に特異的に結合する。すなわち、そのような抗体は、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を認識し、これらに結合すると考えられ、かつ他のクロマチン関連タンパク質もクロマチン修飾物も実質的に認識もせず、これらに結合もしないと考えられる。抗体が関心対象の標的または内部移行受容体ポリペプチドに特異的に結合することの判定は、いくつかの標準的なイムノアッセイ方法のいずれか1つ;例えば、ウエスタンブロット法(Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.)によって行うことができる。
いくつかの態様では、本明細書において開示される方法は、架橋結合していない透過性にされた細胞を特異的結合物質と接触させる工程を含む。いくつかの態様では、本明細書において開示される方法は、架橋結合した透過性にされた細胞を特異的結合物質と接触させる工程を含む。いくつかの態様では、接触は約4℃の温度で行われる。インタクトな細胞または核の使用によってネイティブなクロマチン構造が保存され、そうでなければ、前記構造は断片化および他の処理工程によって変えられる可能性がある。
いくつかの態様では、細胞および/または細胞の核は、細胞を透過性にする作用物質と、例えば界面活性剤、例えば、Tritonおよび/もしくはNP-40または別の作用物質、例えばジギトニンと細胞を接触させることによって、透過性にされる。
いくつかの態様では、細胞は、例えば、酵母、昆虫、真菌、鳥、または哺乳動物に由来する真核細胞である。いくつかの態様では、哺乳動物細胞は、ヒト、霊長類、ハムスター、ウサギ、げっ歯類,ウシ、ブタ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、イヌ、またはネコ起源のものであるが、任意の他の哺乳動物細胞を使用することができる。
いくつかの態様では、特異的結合物質は、任意で不活性であり、例えば、イオン、例えばMg2+などの陽イオンの添加によって活性化可能なトランスポゼースに連結している。一旦活性化されると、トランスポゼースは、クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合したDNAの配列を切除することができる。
いくつかの態様では、トランスポゼースはTn5トランスポゼースである。いくつかの態様では、トランスポゼースは超活性型Tn5トランスポゼースである。いくつかの態様では、トランスポゼースはMuAトランスポゼースである。本明細書において提供される態様で使用することができる転位システムのさらなる非限定としては、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Tn552(Colegio et al, J. Bacteriol, 183: 2384-8, 2001 ; Kirby C et al, Mol. Microbiol, 43: 173-86, 2002)、Tyl(Devine & Boeke, Nucleic Acids Res., 22: 3765-72, 1994、および国際公報WO 95/23875)、トランスポゾンTn7(Craig, N L, Science. 271 : 1512, 1996; Craig, N L, Review in: Curr Top Microbiol Immunol, 204:27-48, 1996)、Tn/OおよびIS10(Kleckner N, et al, Curr Top Microbiol Immunol, 204:49-82, 1996)、マリナートランスポゼース(Lampe D J, et al, EMBO J., 15: 5470-9, 1996)、Tel(Plasterk R H, Curr. Topics Microbiol. Immunol, 204: 125-43, 1996)、Pエレメント(Gloor, G B, Methods Mol. Biol, 260: 97-1 14, 2004)、Tn3(Ichikawa & Ohtsubo, J Biol. Chem. 265: 18829-32, 1990)、細菌挿入配列(Ohtsubo & Sekine, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 204: 1-26, 1996)、レトロウイルス(Brown, et al, Proc Natl Acad Sci USA, 86:2525-9, 1989)、ならびに酵母のレトロトランスポゾン(Boeke & Corces, Annu Rev Microbiol. 43 :403-34, 1989)が挙げられる。さらなる例としては、IS5、Tn10、Tn903、IS91 1、およびトランスポゼースファミリー酵素の操作されたバージョン(Zhang et al, (2009) PLoS Genet. 5:e1000689. Epub 2009 Oct 16; Wilson C. et al (2007) J. Microbiol. Methods 71 :332-5)ならびに米国特許第5,925,545号;同第5,965,443号;同第6,437,109号;同第6,159,736号;同第6,406,896号;同第7,083,980号;同第7,316,903号;同第7,608,434号;同第6,294,385号;同第7,067,644号、同第7,527,966号;および国際特許公報WO2012103545に記載されているものが挙げられ、これらのすべては、参照によりその全体が本明細書に明確に組み入れられる。
いくつかの態様では、1つまたは複数のタグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる。タグは、例えば、次世代シークエンシング、例えば、ペアエンドおよび/またはアレイベースシークエンシングを使用した、生成された断片化DNAのシークエンシングを助長する配列を含むことができる。タグは、エンドヌクレアーゼ制限部位を含むことができる。タグは、特異的な試料または複製物の同定のためのバーコード配列を含むことができる。本明細書において使用する場合、バーコードは、特異的な配列を有するオリゴヌクレオチド(二本鎖または一本鎖)である。タグはリンカー配列を含むことができる。タグはユニバーサルプライミング部位を含むことができる。ユニバーサルプライミング部位の包含は、例えばPCRベースの増幅を使用した、生成された断片化DNAの増幅を助長する。一態様では、プライマー配列は、増幅のために使用されるプライマーに相補的であり得る。一態様では、プライマー配列は、シークエンシングのために使用されるプライマーと相補的である。タグは、何らかの機能性を核酸に提供することができ、親和性またはレポーター部分を含むことができる。
いくつかの態様では、トランスポゼースは、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を、特異的に認識する特異的結合物質に結合する第2の結合物質に連結している。
いくつかの態様では、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を特異的に認識する特異的結合物質は抗体である。いくつかの態様では、トランスポゼースは、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を特異的に認識する一次抗体に結合する二次抗体に連結している。いくつかの態様では、トランスポゼースは、クロマチン関連タンパク質またはクロマチン修飾物を、特異的に認識する一次抗体に結合するプロテインAまたはプロテインGに連結している。トランスポゼースは、ブドウ球菌(staphylococcal)プロテインA(pA)のすべてもしくは一部またはブドウ球菌プロテインG(pG)のすべてもしくは一部またはpAとpG(pAG)の両方に融合されてもよい。トランスポゼースはまた、抗体に親和性を有する任意の他のタンパク質またはタンパク質部分、例えば、pAまたはpGの誘導体に融合されてもよい。一態様では、トランスポゼースはpAG-MNに融合される。pAG-MNでは、pA部分は、ブドウ球菌プロテインAの2つのIgG結合ドメイン、すなわち、(GenbankエントリーAAA26676;黄色ブドウ球菌由来のプロテインA)のアミノ酸186~327(SEQ ID NO:1)を含む。GenbankエントリーAAA26676のアミノ酸186~327に対して少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性の配列同一性を有するもののような、活性を保有する変異体も意図される。
SEQ ID NO:1(GenbankエントリーAAA26676のアミノ酸186~327に対応する):
Figure 2023539980000001
クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に特異的に結合する一次抗体と核を接触させる工程、および一次抗体に結合する二次抗体に連結しているトランスポゼースと核を接触させる工程を含む、方法が本明細書において提供される。クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に特異的に結合する一次抗体と核を接触させる工程、および一次抗体に結合するプロテインAまたはプロテインGに連結しているトランスポゼースと核を接触させる工程を含む、方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、細胞を結合物質/トランスポゼース複合体と接触させる前に、特異的結合物質とトランスポゼースをお互いにプレインキュベートする。いくつかの態様では、クロマチン関連因子にまたはクロマチン修飾物に結合する特異的結合物質は抗体であり、抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースと抗体をプレインキュベートし;続いて、1つまたは複数の核を、トランスポゼースに結合している抗体と接触させる。
クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に特異的に結合する一次抗体と核を接触させる工程、一次抗体に結合する二次抗体と核を接触させる工程、および一次抗体に結合する第3の抗体に連結しているトランスポゼースと核を接触させる工程を含む、方法が本明細書において提供される。
いくつかの態様では、複数のトランスポゼースと核を接触させる。
一局面では、以下の工程を含む方法が提供される:
(1)1つまたは複数の核を透過性にする工程;
(2)(i)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と、1つもしくは複数の核を接触させ;かつ、抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースと1つもしくは複数の核を接触させるか;(ii)抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースとともに、クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体をインキュベートし;かつ、トランスポゼースに結合している抗体と1つもしくは複数の核を接触させるか;または(iii)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させる工程であって、抗体がトランスポゼースに共有結合しており;ここで、タグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる、工程;ならびに
(3)タグメンテーション反応を開始し、その結果、タグを含むゲノムDNA断片を生成する工程。
いくつかの態様では、クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する複数の抗体と1つまたは複数の核を接触させる。いくつかの態様では、タグを含む核酸がトランスポゼースにロードされ、タグは、バーコードおよび/またはエンドヌクレアーゼ制限部位を含む、核酸を含む。いくつかの態様では、複数のトランスポゼースと1つまたは複数の核を接触させる。いくつかの態様では、1種類または複数種類のトランスポゼースと1つまたは複数の核を接触させ、異なるタグを含む核酸が各トランスポゼースにロードされる。いくつかの態様では、トランスポゼースに連結している結合部分はプロテインAである。
逆転写
一局面では、以下の工程を含む方法が提供される:
(1)1つまたは複数の核を透過性にする工程;
(2)タグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、タグを含むcDNAを生成する工程。
いくつかの態様では、タグは、バーコードおよび/またはエンドヌクレアーゼ制限部位タグを含む。いくつかの態様では、タグは、生成された断片化DNAのシークエンシングを助長する配列、リンカー配列、ユニバーサルプライミング部位、または逆転写産物に何らかの機能性を持たせる別の部分、例えば、アフィニティータグまたはレポーター部分を含む。
逆転写に適した任意の酵素を使用することができる。
一局面では、以下の工程を含む方法が提供される:
(1)1つまたは複数の核を透過性にする工程;
(2)(i)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させ;かつ、抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースと1つもしくは複数の核を接触させるか;(ii)抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースとともに、クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体をインキュベートし;かつ、トランスポゼースに結合している抗体と1つもしくは複数の核を接触させるか;または(iii)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させる工程であって、抗体がトランスポゼースに共有結合しており;ここで、第1のタグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる、工程;ならびに
(3)タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;ならびに
(4)第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程。
いくつかの態様では、クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する複数の抗体と1つまたは複数の核を接触させる。一態様では、第1および第2のタグは同じバーコードを含む。一態様では、第1のタグは第1のエンドヌクレアーゼ制限部位を含み、第2のタグは、第2のエンドヌクレアーゼ制限部位を含む。一態様では、第1および第2のタグは同じバーコードを含み、第1のタグは第1のエンドヌクレアーゼ制限部位を含み、第2のタグは第2のエンドヌクレアーゼ制限部位を含む。いくつかの態様では、トランスポゼースに連結している結合部分はプロテインAである。一態様では、タグメンテーション反応は逆転写反応の前に行われる。一態様では、タグメンテーション反応は逆転写反応の後に行われる。一態様では、タグメンテーション反応と逆転写反応は同時に行われる。
一態様では、以下の工程を含む方法が提供される:
(1)1つまたは複数の核を透過性にする工程;
(2)(i)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させ;かつ、プロテインAに連結しているトランスポゼースと1つもしくは複数の核を接触させるか;(ii)プロテインAに連結しているトランスポゼースとともに、クロマチン関連因子にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体をインキュベートし;かつ、トランスポゼースに結合している抗体と1つもしくは複数の核を接触させるか;または(iii)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させる工程であって、抗体がトランスポゼースに共有結合しており;ここで、バーコードと第1の制限部位とを含む第1のタグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる、工程;ならびに
(3)タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;ならびに
(4)バーコードと第2の制限部位とを含む第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程。
核を含む試料を提供する工程、および試料を2つまたはそれ以上のサブ試料に分割する工程、および、2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれについて、以下の工程を含む方法を行う工程を含む、方法が提供される:
(1)核を透過性にする工程;
(2)(i)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と核を接触させ;かつ、抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースと核を接触させるか;(ii)抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースとともに、クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体をインキュベートし;かつ、トランスポゼースに結合している抗体と1つもしくは複数の核を接触させるか;または(iii)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させる工程であって、抗体がトランスポゼースに共有結合しており;ここで、バーコードを含む第1のタグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる、工程;ならびに
(3)タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;ならびに
(4)第1のタグのバーコードを含む第2のタグを含むプライマーを使用して核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程。
ライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディング
複数の態様では、第1のタグを含むゲノムDNA断片および第2のタグを含むcDNAを含む核をさらなるバーコーディングに供する。いくつかの態様では、第1のタグを含むゲノムDNA断片および第2のタグを含むcDNAに第3のタグをライゲーションする。いくつかの態様では、第3のタグは、バーコードおよび/またはエンドヌクレアーゼ制限部位を含む。いくつかの態様では、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片にならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAに第4のタグをライゲーションする。いくつかの態様では、第4のタグアダプターはバーコードおよび/またはエンドヌクレアーゼ制限部位を含む。第1、第3、および第4のタグを含む得られたゲノムDNA断片にならびに第2、第3、および第4のタグを含むcDNAにさらなるタグをライゲーションすることができる。
一局面では、以下の工程を含む方法が提供される:
(1)バーコードを含む第1のタグと第1のタグのバーコードを含む第2のタグを含むcDNAを含むゲノムDNA断片とを含む核を提供する工程;
(2)リガーゼとおよび第2のバーコードを含む第3のタグと、核を接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;ならびに任意で
(3)工程2を1回または複数回繰り返して、ゲノムDNAおよびcDNAにさらなるタグを付加する工程。
核を含む試料を提供する工程、および試料を2つまたはそれ以上のサブ試料に分割する工程を含む、方法が提供され、各サブ試料はタグメンテーションおよび逆転写に供され、かつ、各サブ試料の核における各サブ試料の得られたゲノムDNAおよびcDNAは、バーコードの第1のセットより選択される同じバーコードを組み込むが、異なるサブ試料に使用されるバーコードは異なる(バーコーディングの第1ラウンド)。次いで、異なるサブ試料をプールし、2つまたはそれ以上のサブ試料に再度分割することができ、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットから選択されるバーコードを含むアダプターと、2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを接触させて、各サブ試料のゲノムDNAおよびcDNAにアダプターをライゲーションする(バーコーディングの第2ラウンド)。次いで、異なるサブ試料を再度プールし、2つまたはそれ以上のサブ試料に再度分割することができ、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択される異なるバーコードを含むアダプターと、2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを接触させて、各サブ試料のゲノムDNAおよびcDNAにアダプターをライゲーションする(バーコーディングの第3ラウンド)。このプロセスを繰り返して、バーコーディングのさらなるラウンドを可能にすることができる。
以下の工程を含む方法が提供される:
(1)核を含む試料を提供する工程;
(2)試料を、2つまたはそれ以上のサブ試料を含むサブ試料の第1のセットに分割する工程;
(3)サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を透過性にする工程;
(4)(i)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と、サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料中の核を接触させ;かつ、抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースと、サブ試料の第1のセットの2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを接触させるか;(ii)抗体に結合する結合部分に連結しているトランスポゼースとともに、クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体をインキュベートし;かつ、トランスポゼースに結合している抗体と1つもしくは複数の核を接触させるか;または(iii)クロマチン関連タンパク質にもしくはクロマチン修飾物に結合する抗体と1つもしくは複数の核を接触させる工程であって、抗体がトランスポゼースに共有結合しており;ここで、バーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む第1のタグを含む核酸がトランスポゼースにロードされる、工程;
(5)タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
(6)第1のタグのバーコードを含む第2のタグを含むプライマーを使用して核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
(7)サブ試料の第1のセットをプールして、第1のサブ試料プールを生成する工程;
(8)第1のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第2のセットを生成する工程;
(9)リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択されるバーコードを含むタグと、サブ試料の第2のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを接触させる工程であって、ゲノムDNAおよびcDNAにタグをライゲーションする、工程;
(10)サブ試料の第2のセットをプールして、第2のサブ試料プールを生成する工程;
(11)第2のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第3のセットを生成する工程;
(12)リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択されるバーコードを含むタグと、サブ試料の第3のセット中の2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを接触させる工程であって、ゲノムDNAおよびcDNAにタグをライゲーションする、工程;
(13)任意で、バーコードの第4セットを用いて工程(10)~(12)を繰り返す工程。
いくつかの態様では、サブ試料をプールする工程、新しいサブ試料に分割する工程、ならびに、リガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと、新しいサブ試料を接触させる工程は、1回または複数回繰り返される。
核の溶解
いくつかの態様では、核に含まれるゲノムDNAおよび(RNAの逆転写によって得られた)cDNAは1または複数ラウンドのバーコーディングを受けた後に、核が溶解され、DNAおよびcDNAを放出する。複数の細胞のDNAおよびcDNAをプールして、DNA/cDNAプールを生成することができる。
バーコード化DNA/cDNAの前増幅
いくつかの態様では、DNA/cDNAプール中のDNAおよびcDNAを、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)を用いるポリヌクレオチドテール付加に供し、その結果、その3'末端にホモポリマー配列を付加し、ホモポリマー配列は、次いで、増幅のためのアンカーとして使用することができる。
一態様では、DNA/cDNAプール中のDNAおよびcDNAを、DNAリガーゼとおよびDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドと、DNAおよびcDNAを接触させることによるポリヌクレオチドテール付加に供する。いくつかの態様では、DNAリガーゼはT3、T4、またはT7 DNAリガーゼである。一態様では、DNA/cDNAプール中のDNAおよびcDNAを、DNAポリメラーゼおよびランダムプライマーとDNAおよびcDNAを接触させることによるポリヌクレオチドテール付加に供する。一態様では、DNA/cDNAプール中のDNAおよびcDNAを、DNAおよびcDNAの3’末端に結合する反応性化学基を有するDNAまたはRNAオリゴヌクレオチドとDNAおよびcDNAを接触させることによるポリヌクレオチドテール付加に供する。いくつかの態様では、反応性化学基はアジド基またはアルキン基である。
いくつかの態様では、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAをPCRによって前増幅する。いくつかの態様では、ポリヌクレオチドテール付加DNAの増幅のために使用されるプライマーの少なくとも1つは、IIS型エンドヌクレアーゼの制限部位を含む。
IIS型制限酵素は、非対称DNA配列を認識し、通常1~20ヌクレオチド内である、その認識配列の外側の規定された距離で切断する酵素である。本明細書において開示される組成物および方法に適合するIIS型制限酵素の例としては、限定されないが、FokI、AcuI、AsuHPI、BbvI、BpmI、BpuEI、BseMII、BseRI、BseXI、BsgI、BslFI、BsmFI、BsPCNI、BstV1I、BtgZI、EciI、Eco57I、FaqI、GsuI、HphI、MmeI、NmeAIII、SchI、TaqII、TspDTI、TspGWIが挙げられる。
別々のDNAシークエンシングライブラリーおよびRNAシークエンシングライブラリーの作製
いくつかの態様では、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールは、2つの別々のライブラリー、すなわち、DNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するために使用される。本明細書において使用する場合、用語「RNAライブラリー」は、核内に存在するRNAを逆転写すること(および、任意で得られたcDNAを増幅し、さらに修飾することによって)調製されたcDNA分子のライブラリーを指す。
ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールからDNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するために、様々な方法を使用することができる。
一局面では、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールからDNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するための方法であって、ゲノムDNAが、第1のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結しており、cDNAが、第2のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結している、方法が提供される。ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールを2つのバッチに分割することができ、(i)増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを第1のエンドヌクレアーゼ制限部位で切断する第1のエンドヌクレアーゼで第1のバッチを消化し、RNAライブラリーを作製し、(ii)増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを第2のエンドヌクレアーゼ制限部位で切断する第2のエンドヌクレアーゼで第2のバッチを消化し、DNAライブラリーを作製する。
一局面では、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールからDNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するための方法であって、ゲノムDNAが、第1のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結しており、cDNAが、第2のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結している、方法が提供される。ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールを2つのバッチに分割することができる。
一態様では、第1のバッチを以下の工程に供する:(a)第1の制限部位を認識する第1の制限酵素で、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを切断する工程;および(b)増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;RNAライブラリーを作製する工程。
一態様では、ゲノムDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つは第3のエンドヌクレアーゼの制限部位を含み、したがって、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAに第3の制限部位を導入する。一態様では、第2のバッチを以下の工程に供する:(a)第2のエンドヌクレアーゼ制限部位で切断する第2のエンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを切断する工程;(b)第3の制限部位を認識する第3のエンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを切断する工程;ならびに(c)DNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;DNAライブラリーを作製する工程。
一態様では、ゲノムDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つはIIS型エンドヌクレアーゼの制限部位を含み、したがって、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAに第3の制限部位を導入する。一態様では、第2のバッチを以下の工程に供する:(a)第2のエンドヌクレアーゼ制限部位で切断する第2のエンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを切断する工程;(b)第3の制限部位を認識する制限IIS型エンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを切断する工程であって、IIS型エンドヌクレアーゼが粘着DNA末端を生成する、工程;ならびに(c)シークエンシングアダプターおよびリガーゼと粘着DNA末端を接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;DNAライブラリーを作製する工程。
一局面では、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールからDNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するための方法であって、ゲノムDNAが、第1のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結しており、cDNAが、第2のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むタグに連結している、方法が提供される。ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールを2つのバッチに分割することができる。
一態様では、cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つは第3のエンドヌクレアーゼの制限部位を含み、したがって、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAに第3の制限部位を導入する。一態様では、第1のバッチを以下の工程に供する:(a)第1の制限部位を認識する第1の制限酵素で、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを切断する工程;(b)第3の制限部位を認識する第3のエンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを切断する工程;ならびに(c)cDNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;RNAライブラリーを作製する工程。
一態様では、cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つはIIS型エンドヌクレアーゼの制限部位を含み、したがって、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAに第3の制限部位を導入する。一態様では、第1のバッチを以下の工程に供する:(a)第1の制限部位を認識する第1の制限酵素で、増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを切断する工程;(b)第3の制限部位を認識する制限IIS型エンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを切断し、生成する工程であって、IIS型エンドヌクレアーゼが粘着cDNA末端を生成する、工程;ならびに(c)シークエンシングアダプターおよびリガーゼと粘着cDNA末端を接触させ、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;DNAライブラリーを作製する工程。
一態様では、第2のバッチを以下の工程に供する:(a)第2のエンドヌクレアーゼ制限部位で切断する第2のエンドヌクレアーゼで、増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを切断する工程;および(b)増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;DNAライブラリーを作製する工程。
一局面では、クリックケミストリーを使用して、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびcDNAを含むプールからDNAライブラリーおよびRNAライブラリーを作製するための方法が提供される。本明細書において使用する場合、クリックケミストリーは、選択される基質と特定の生体分子との結合を可能にする、バイオコンジュゲーションで一般に使用される生体適合性小分子反応の一クラスを指す。
いくつかの態様では、方法は以下の工程を含む:
a.クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と;および第1のトランスポゼースと、1つまたは複数の核を接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、第1のタグが、バーコードの第1のセットより選択される第1のバーコードを含む、工程;
b.タグメンテーション反応を開始し、その結果、第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
c.第1のタグのバーコードを含む第2のタグを含むプライマーを使用して1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、第2のタグを含むcDNAを生成する工程であって、第1のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第1の反応基、もしくは(ii)第1のアフィニティータグをさらに含み、かつ/または第2のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第2の反応基、もしくは(ii)第2のアフィニティータグをさらに含む、工程;
d.1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
e.1つまたは複数の核を溶解する工程;
f.(I)ゲノムDNA断片を、
(i)第1の反応基と反応するか;もしくは
(ii)第1のアフィニティータグに結合する
固定化物質と接触させ;かつ、ゲノムDNAのプルダウンを行ってcDNAからゲノムDNAを分離し;かつ/または
(II)cDNAを、
(i)第2の反応基と反応するか;もしくは
(ii)第2のアフィニティータグに結合する
固定化物質と接触させ;かつ、cDNAのプルダウンを行ってDNAからゲノムcDNAを分離する工程;
g.DNAライブラリーに関して、ゲノムDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAを生成し;かつ、ポリヌクレオチドテール付加DNAを増幅する工程;
h.RNAライブラリーに関して、固定化cDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させて、ポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成し;かつ、ポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程;
i.RNAライブラリー中およびDNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
j.1つまたは複数の核のそれぞれについてRNAライブラリーとDNAライブラリーを相関させる工程。
一態様では、DNAのみが、クリックケミストリーを行うのに適した反応基または(ii)アフィニティータグで標識される。一態様では、cDNAのみが、クリックケミストリーを行うのに適した反応基または(ii)アフィニティータグで標識される。いくつかの態様では、DNAおよびcDNAの両方が、(i)クリックケミストリーを行うのに適した反応基または(ii)アフィニティータグで標識され、DNAおよびcDNAは、クリックケミストリーを行うのに適した同じ反応基でも同じアフィニティータグでも標識されない。
いくつかの態様では、DNAはアフィニティータグで標識され、cDNAはクリックケミストリーを行うのに適した反応基で標識される。いくつかの態様では、cDNAはアフィニティータグで標識され、DNAはクリックケミストリーを行うのに適した反応基で標識される。いくつかの態様では、DNAまたはcDNAはビオチンで標識され、ビオチンに結合する固定化物質はストレプトアビジンである。いくつかの態様では、DNAまたはcDNAはアジドで標識され、アジドと反応する固定化物質はDBCOである。
ビオチン/ストレプトアビジン以外のアフィニティータグ/固定化された結合物質のペアを使用してもよい。アジド/DBCO以外のクリックケミストリーのペアを使用してもよい。
当業者は上記の方法の変形を同定することができる。例えば、いくつかの態様では、DNA分子は、例えば、ビオチンまたはアジドTn5アダプターを使用して標識される。標識されたDNAのプルダウンに続いて、ライブラリー調製およびシークエンシングを行うことができる。上清に残存しているcDNA分子も同様にライブラリー調製およびシークエンシングのために使用することができる。
いくつかの態様では、cDNA分子は、例えば、ビオチンまたはアジドで標識された逆転写プライマーを使用して標識される。標識されたcDNAのプルダウンに続いて、ライブラリー調製およびシークエンシングを行うことができる。上清に残存しているDNA分子も同様にライブラリー調製およびシークエンシングのために使用することができる。
DNAライブラリーおよびRNAライブラリーを分離する方法についての非限定例を図4に示す。
ハイスループット方法
ある特定の態様では、ハイスループットな方式で試料処理を可能にする開示される方法が提供される。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、50、100、200、500、750、1000個、またはそれ以上のクロマチン関連タンパク質および/またはクロマチン修飾物を並行して解析することができる。一態様では、例えば96ウェルプレートを使用して、最大で96試料までを一度に処理することができる。他の態様では、例えば、6ウェル、12ウェル、32ウェル、384ウェル、または1536ウェルプレートを使用して、より少ないまたはより多くの試料を処理することができる。いくつかの態様では、提供される方法は、例えば、一派的な0.5ml、1.5ml、または2.0mlサイズのチューブなどのチューブ中で行うことができる。これらのチューブは、チューブラック、フロート、または他の保持装置中に並べることができる。
本開示の方法は、単一細胞または細胞の集団における遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析に有用である。好ましい態様では、本方法は、単一細胞レベルでの遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析のために使用される。
適用
本明細書において開示される方法は、異なる細胞型についてのエピゲノムを解析するのに有用であり、このエピゲノムは、発生の間の異なる細胞系譜における、および病的状態における遺伝子調節プログラムの輪郭を描くために極めて重要である。さらに、同じ細胞のクロマチン状態と一緒に転写プロファイルを同時に評価することによって、本明細書において開示される方法は、遺伝子調節機構のより良い理解をもたらす。例えば、本明細書において開示される方法は、異なる細胞型において相違したエピジェネティック調節機構を受ける異なる遺伝子群を同定するのに有用であり、異なる組織における遺伝子調節プロセスを理解する上での洞察を与える。本明細書において開示される方法はまた、ヒストン修飾のゲノムワイドなプロファイリングに有用であり、これは、転写調節エレメントの位置および活性状態だけでなく、発生の間の細胞型特異的遺伝子発現および疾患病理に関与する調節機構も明らかにすることができる。
遺伝子発現の調節と遺伝子発現の共同解析を通じて、本明細書において開示される方法は、例えば、標的核酸とクロマチン関連タンパク質および/またはある特定のヒストン/DNA修飾との相互作用ならびに関連する遺伝子発現プロファイルに関する情報を提供する「遺伝子調節/遺伝子発現プロファイル」を提供するのに有用である。遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルは、病状、例えば生物、例えば植物または動物対象、例えば哺乳動物対象、例えばヒト対象における病状を診断および/またはモニターするのに特に適している。ある特定の病状は、インビボでのクロマチンDNAへのタンパク質および/または核酸の差次的な結合によって引き起こされ得かつ/または特徴づけられ得る。例えば、ある特定の相互作用は、病的細胞で生じ得るが正常細胞では生じ得ない。他の例では、ある特定の相互作用は、正常細胞で生じ得るが病的細胞では生じ得ない。したがって、遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルを病状、例えばがん、または感染症、例えばウイルスもしくは細菌感染症と相関させるための方法が提供される。病状との相関は、非限定的に、植物および動物、例えばヒトを含めて、任意の生物に対して行うことができることが理解されよう。疾患と相関させた遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルは、同様の「フィンガープリント」を有することに基づいて細胞で疾患を同定および/または診断するための「フィンガープリント」として使用することができる。遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルは、がんなどの病状において関連する結合タンパク質および/または核酸を同定するために、例えば、診断上および/または治療上の標的として同定のタンパク質および/または核酸を特定するために、使用することができる。さらに、遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルは、病状をモニターするために、例えば、療法への応答、疾患の進行をモニターするために、および/または対象のための治療を決定するために、使用することができる。
遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルを得る能力は、例えば、試料中に存在する遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルを特定の病状と相関したものと比較することにより、病状の診断を可能にし、プロファイルの類似性は特定の病状を示す。したがって、病状、例えばがん、または感染症、例えばウイルスまたは細菌感染症と相関した遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルに基づいて病状を診断するための方法が本明細書において提供される。病状の診断は、非限定的に、植物および動物、例えばヒトを含めて、任意の生物に行うことができることが理解されよう。
環境ストレスまたは環境状態と遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルの相関のための方法も本明細書において提供され、例えば、生物全体または試料、例えば細胞の試料、例えば細胞の培養物を、環境ストレス、例えば、限定されないが、ヒートショック、モル浸透圧濃度、低酸素、低温、酸化ストレス、放射線、飢餓、化学物質(例えば、治療剤または潜在的な治療剤)などに曝露することができる。ストレスを加えた後に、例えば様々な時点で、代表的な試料を解析に供することができ、対照、例えば、生物もしくは細胞からの試料、例えば生物からの細胞、または標準値と比較することができる。
相互作用プロファイルをモジュレートする、例えば、例えば病状と相関がある異常なものから無疾患状態を示すものに遺伝子調節/遺伝子発現プロファイルを変える作用物質についてライブラリーをスクリーニングするための方法も本明細書において提供される。細胞、組織、またはさらには動物全体を化合物ライブラリーの異なるメンバーに曝露し、本明細書において記載される方法を行うことによって、例えばハイスループット方法を使用して、相互作用プロファイルに対するそれらの効果について化合物ライブラリーの異なるメンバーを比較的短時間で同時にスクリーニングすることができる。
本発明は、特定の方法体系またはプロトコールは変動し得るので、これらに限定されないことを理解されたい。本明細書において記載されるものと同様のまたは均等な任意の方法および材料を本発明の態様の実施または試験で使用することができる。本明細書における本発明の本開示は、そのような特定の特色のすべての可能な組み合わせを含むことをさらに理解されたい。例えば、本発明の特定の局面もしくは態様または特定の請求項の文脈で特定の特色が開示される場合、その特色は、可能な範囲で、本発明の他の特定の局面および態様と組み合わせて、ならびに/または本発明の他の特定の局面および態様の文脈で、ならびに本発明において一般に使用することもできる。
すべての参照される特許および出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
本発明のより良い理解を助長するために、特定の態様の以下の実施例が与えられる。以下の実施例は、本発明の全範囲を限定または定義するように読まれるべきではない。
実施例1
方法
細胞培養
10%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン-ストレプトマイシンが補充されたダルベッコ改変イーグル培地中でHeLa S3(ヒト、ATCC CCL-2.2)細胞を標準的な手順に従って5%CO2で37℃で培養した。マイコプラズマについて細胞を確認も試験もしなかった。核を調製するために、HeLa S3細胞を遠心分離(300g、5分間)によって収集し、PBSで洗浄し、BioRad TC20細胞カウンターを使用して計数した。次いで、細胞を冷やした核透過処理バッファー1(NPB1:0.1% IGEPAL CA-630(オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、非イオン性の非変性界面活性剤を含む、10mM Tris-HCl pH7.4、10mM NaCl、3mM MgCl2、1×プロテアーゼインヒビター、0.5U/μL RNase OUT(RNA分解酵素インヒビター)、および0.5U/μL SUPERaseインヒビター(RNaseインヒビター))中に再懸濁し、1,000g、4℃で10分間遠心分離し、ペアードタグ実験へ進めた。
生物検体の処理
雄のC57BL/6Jマウスは、8週齢でJackson研究所から購入し、食物を自由に与えて、Salk動物バリア施設(animal barrier facility)において12時間明暗サイクルで4週間維持してから、解剖した。前頭皮質および海馬を解剖し、ドライアイス中で急速凍結した。すべてのプロトコールは、Salk研究所の動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)(IACUC)によって承認された。
0.1% Triton-X 100が補充されたプロテアーゼ/RNaseインヒビターカクテル(DBI:0.25Mショ糖、25mM KCl、5mM MgCl2、10mM Tris-HCl pH7.4、1mM DTT、1×プロテアーゼインヒビター、0.5U/μL RNase OUTおよび0.5U/μL SUPERaseインヒビター)を含むダウンス型ホモジナイザー処理(douncing)バッファー中における凍結組織のダウンス型ホモジナイザー処理から単一細胞懸濁液を調製した。このために、10μLの10%Triton-X100をダウンス型ホモジナイザー(douncer)(1mL)に加え、1mLのダウンス型ホモジナイザー処理バッファーを加えた。組織解剖物をダウンス型ホモジナイザーに移した。ルーズペストルを5~10回軽く使用し、続いてタイトペストルを15~20回使用した。次いで、細胞懸濁液を30μmのCell-Tricによって濾過し、1,000g、4℃で10分間スピンダウンした。DBIで細胞ペレットを洗浄し、再度スピンダウンした後、0.2%IGEPAL CA-630を含むNIBを加えて、核ペレットを1mL(500万個の細胞)に再懸濁し、任意で、4℃で10分間回転させた。BioRad TC20細胞カウンターによって核を計数し、これをペアードタグ実験に直ちに進めた。
アダプターのアニーリング
DNAバーコード化プレート(バーコードラウンド#2および#3)を調製するために、6μLの各バーコード化オリゴ(100μM)を2つの96ウェルプレートに分配した。次いで、44マイクロリットルのリンカー-R02またはリンカー-R03(12.5μM。表1を参照されたい)を2つのプレートの各ウェルに加えた。プレートを密閉し、以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーでアニールさせた:5分間95℃、-0.1℃/秒の勾配で20℃に緩徐に冷却(ストックプレート)。次いで、ストックプレートを新しい96ウェルプレートに分割し、ワーキングプレートの各ウェルは、ライゲーション反応の準備が整っている10μLのバーコード化オリゴを含んでいる。
バーコード化RTプライマー(RNAバーコードR01)を調製するために、12.5μLのRNA_RE(#01~#12。表3を参照されたい)を12本のチューブにピペットで分注し(最終的に100μM)、12.5μLのRNA_NRE(#01~#12。RNA_REとマッチする。表3を参照されたい。最終的に100μM)および75μLのH2Oと混合し、-20℃で保存した。
DNAライブラリーの第2のアダプタータギングのためのP5アダプター混合物を調製するために、P5-FokIをP5c-NNDC-FokIと混合し、P5H-FokIをP5Hc-NNDC-FokIと混合した(両方について、終濃度50μM。表1を参照されたい)。次いで、以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーでオリゴ混合物をアニールさせた:5分間95℃、-0.1℃/秒の勾配で20℃に緩徐に冷却。次いで、アニールさせたP5複合体とP5H複合体を1:3の比で氷上で混合し、-20℃で保存した。
(表1)ペアードタグプライマー配列。ddC=ジデオキシシトシン修飾;*=ホスホロチオエート結合修飾。
Figure 2023539980000002
トランスポゾン複合体のアセンブリー
バーコード化トランスポソームを調製するために、12本のチューブ中で、終濃度50μMで、バーコード化DNAアダプターオリゴ(DNAバーコードR01、DNA_#01_RE~DNA_#12_RE。表2を参照されたい)をpMENTsオリゴ(表1を参照されたい)と混合した。次いで、以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーでオリゴ混合物をアニールさせた:5分間95℃、-0.1℃/秒の勾配で20℃に緩徐に冷却。次いで、1マイクロリットルのアニールさせたトランスポソームを6μLの未ロードプロテインA-Tn5(0.5mg/mL)と混合し、短時間ボルテックスし、すばやくスピンダウンした。混合物を室温で30分間インキュベートし、次いで、4℃でさらに10分間インキュベートした。トランスポゾン複合体は、-20℃で最大で6か月まで保存することができる。
Tn5-アダプターAを調製するために、25μLのアダプターA(100μM)を25μLのpMENTs(100μM)と混合した。混合物を95℃で5分間加熱し、0.1℃/秒の速度で20℃に緩徐に冷却した。1μLのアニールさせたトランスポソームDNAを6μLの未ロードTn5(0.5mg/mL)と混合し、短時間ボルテックスし、すばやくスピンダウンした。混合物を室温で30分間インキュベートし、次いで、4℃でさらに10分間インキュベートした。混合物を希釈バッファー(10mM Tris-HCl pH7.5、100mM NaCl、50%グリコール、1mM DTT)で10倍希釈し、-20℃で保存した。
(表2)バーコード化DNAアダプターオリゴ。NotIの認識部位(GCGGCCGC)に下線を引く。
Figure 2023539980000003
抗体染色および標的タグメンテーション
抗体とともに核をインキュベートするために、360万個の透過性にした核を12本のMaximum Recoveryチューブ(それぞれ300,000個の核)に等分し、1,000gで10分間スピンダウンし、50μLの完全バッファー(Complete Buffer)(20mM HEPES pH7.5、150mM NaCl、0.5mMスペルミジン、1×プロテアーゼインヒビターカクテル 0.5U/μL SUPERase IN(Rnaseインヒビター)、0.5U/μL RNase OUT(RNA分解酵素インヒビター)、0.01% IGEPAL-CA-630、0.01%ジギトニン、および2mM EDTA)に再懸濁した。抗体(各チューブについて2μg)を加え、混合物を4℃で一晩回転させた。抗体:H3K4me1、H3K27ac、H3K27me3、H3K9me3。未結合抗体を洗い流すために、核を600g、4℃で10分間スピンダウンし、50μLの完全バッファーに再懸濁し、1~2回繰り返した。核を600g、4℃で10分間再度スピンダウンし、50μLのミディアムバッファー#1(20mM HEPES pH7.5、300mM NaCl、0.5mMスペルミジン、1×プロテアーゼインヒビターカクテル、0.5U/μL SUPERase IN、0.5U/μL RNase OUT、0.01% IGEPAL CA-630、0.01%ジギトニン、および2mM EDTA)に再懸濁した。次いで、バーコード化プロテインA-Tn5(#01~#12、各チューブについて1μL 0.5mg/mL)を加え、混合物を室温で60分間回転させた。各チューブに異なるバーコード(NotIの制限部位を含む。バーコードラウンド#1。表2を参照されたい)がロードされたプロテインA-Tn5を入れた。次いで、核を300g、4℃で10分間スピンダウンし、50μLのミディアムバッファー#2(20mM HEPES pH7.5、300mM NaCl、0.5mMスペルミジン、1×プロテアーゼインヒビターカクテル、0.5U/μL SUPERase IN、0.5U/μL RNase OUT、0.01%IGEPAL CA-630、および0.01%ジギトニン)に再懸濁し、さらに2回繰り返した。
タグメンテーション反応は、2μLの250mM MgCl2を加えることによって開始し、ThermoMixer中で、550r.p.m.、37℃で60分間行った。16.5μLの40.5mM EDTAを加えることによって、反応をクエンチした。次いで、核を1,000g、4℃で10分間スピンダウンし、逆転写に直ちに進めた。
逆転写
核ペレットを12本のチューブの20μLのRTバッファー(1×バッファーRT、0.5mM dNTP、0.5U/μL SUPERase IN、0.5U/μL RNase OUT、2.5μMバーコード化T15プライマーおよび2.5μMバーコード化N6プライマー(SbfIの制限部位を含む。バーコードラウンド#1。表3を参照されたい)、ならびに1U/μLのMaxima Reverse H minus逆転写酵素)に再懸濁した。以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーで逆転写を行った(工程1:50℃×10分;工程2:8℃×12秒、15℃×45秒、20℃×45秒、30℃×30秒、42℃×2分、50℃×5分、さらに2回工程2へ行く;工程3:50℃×10分および12℃で保持する)。反応後、核をPBS中の5%BSAで予備洗浄した1.5mLのMaximum Recoveryチューブ(氷上)に移し、プールし、氷上で2分間冷却し、4.8μLの5%Triton-X100。次いで、核を1,000g、4℃で10分間スピンダウンし、ライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディングに直ちに進めた。
(表3)バーコード化T15プライマーおよびバーコード化N6プライマー。SbfIの認識部位(CCTGCAGG)に下線を引く。
Figure 2023539980000004
Figure 2023539980000005
ライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディング
1mLの1×NEバッファー3.1に核を再懸濁し、混合し、次いで、ライゲーション混合物(2,262μLのH2O、500μLの10×T4DNAリガーゼバッファー、50μLの10mg/mL BSA、100μLの10×NEバッファー3.1、および100μLのT4 DNAリガーゼ)に移した。次いで、マルチチャンネルピペットを使用して各40μLのライゲーション反応混合物をバーコード-プレート-R02に分配し、これをThermoMixer中で300r.p.m.、37℃で30分間インキュベートする。次いで、マルチチャンネルピペットを使用して、10μLのR02ブロッキング溶液(264μLの100μMブロッカー-R02オリゴ(表1を参照されたい)、250μLの10×T4ライゲーションバッファー、486μLの超純水)を各ウェルに加え、さらに30分間反応を続けた。
次いで、核をプールし、1,000g、4℃または10℃で10分間スピンダウンした。
次いで、30分間のライゲーション反応後に停止溶液(264μLの100μM R04ターミネーターオリゴ(表1を参照されたい)、250μLの0.5M EDTA、および236μLの超純水)を加えて反応をクエンチしたことを除いて、バーコードプレートR03で第1ラウンドと同様にライゲーションの第2ラウンドを行った。
すべての核を15mLチューブ(0.5%BSAで予備洗浄した)中で混ぜ合わせ、1,000g、10℃で10分間スピンダウンした。上清を捨てた。核を冷やしたPBSで1回洗浄し、1,000g、10℃で10分間スピンダウンし、200μL~1mLの冷やしたPBSに再懸濁した(最適濃度、1,000細胞/μL)。試料は、溶解およびDNAクリーンアップの準備が整った。
核溶解
典型的には、ライゲーションベースのバーコーディング後に100,000~300,000個の核を回収することができた。次いで、核をPBSに再懸濁し、計数し、2,000~5,000個の核または2,000~4,000個の核(チューブあたり約2,500個の核が最適である)を含むサブライブラリーに等分した。等分した核は、-80℃で最大で6か月まで保存することができた。
サブライブラリーをPBSで35μLに希釈した。次いで、5μLの4M NaCl、5μLの10%SDS、および5μLの10mg/mLプロテアーゼKを加え、ThermoMixer中で、850r.p.m.、55℃で2時間または一晩核を溶解した。溶解した溶液を室温に冷却し、次いで、1×常磁性SPRIビーズで精製し、12.5μLのH2O中に溶出した。可能な限り多くのSDSを除去した。精製したDNAは-20℃または-80℃で最大で6か月まで保存することができる。
バーコード化DNA/cDNAのTdTテール付加および前増幅
末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)を用いた、cDNAのポリヌクレオチドテール付加は、その3'末端にホモポリマー配列を付加し、次いで、ホモポリマー配列は、増幅のためのアンカーとして使用することができる。1.5μLの10×TdTバッファー、0.5μLの1mM dCTPを12.5μLの精製したDNA/cDNA混合物に加え、95℃で5分間変性させ、次いで、すばやく氷上で5分間冷やした。1μLのTdTを加え、37℃で30分間インキュベートし、続いて、75℃で20分間熱失活させた。アンカー混合物(6μLの5×KAPAバッファー、0.6μLの10mM dNTP、0.6μLの10μMアンカー-FokI-GSH-オリゴ(表1を参照されたい)、および0.6μLのKAPAハイフィデリティーホットスタートポリメラーゼを加え、以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーで線形増幅を行った(工程1:95または98℃×3分;工程2:95または98℃×15秒、47℃×60秒、68℃×2分、47℃×60秒、68℃×2分、およびさらに15回工程2を繰り返す;工程3:72℃×10分および12℃で保持する)。
次いで、前増幅混合物(4μLの5×KAPAバッファー、0.5μLの10mM dNTP、2μLの10μMのプライマーPA-FおよびPA-R(表1を参照されたい)、0.5μLのKAPAハイフィデリティーホットスタートポリメラーゼを加え、以下のプログラムを用いて、サーモサイクラーで前増幅を行った(工程1:98℃×3分;工程2:98℃×20秒、65℃×20秒、72℃×2.5分、およびさらに9~10回工程2を繰り返す;工程3:72℃×2分および12℃で保持する)。増幅産物を常磁性SPRIビーズダブルサイズ選択(10μL+37.5μL、0.2×+0.75×)で精製し、35μLのH2O中に溶出した。典型的な濃度は1~30ng/μlであった。精製したDNAは、-20℃または-80℃で最大で6か月まで保存することができた。
エンドヌクレアーゼ消化および第2のアダプタータギング
タグメンテーションおよびRTの間、SbfI制限部位をRNAライブラリーに導入し、NotI制限部位をDNAライブラリーに導入した。SbfIでRNAライブラリーを消化することにより、DNAライブラリーを作製した。NotIでDNAライブラリーを消化することにより、RNAライブラリーを作製した。
17μLの各精製増幅産物をそれぞれDNAライブラリーおよびRNAライブラリーの構築のための2つのチューブに移した。2.5μLの10×Cutsmartバッファー、1μLのSbfI-HFおよび1μLのFokIならびに3.5μLのH2OをDNAチューブに加える。2μLの10×Cutsmartバッファーおよび1μLのNotI-HFをRNAチューブに加える。消化反応物を37℃で60分間インキュベートした。1.25×(DNAについて31.3μLおよびRNAについて25μL)SPRIビーズを使用して、消化産物を精製し、10μLで溶出する。精製したDNAは、-20℃または-80℃で最大で6か月まで保存することができた。
DNA部分については、2μLの10×T4 DNAリガーゼバッファー、2μLのP5アダプター混合物、4μLのH2O、および2μLのT4 DNAリガーゼを加え、プログラム(4℃10分間、10℃15分間、16℃15分間、25℃45分間)を用いてサーモサイクラーでライゲーション反応を行った。次いで、ライゲーション産物を1.25×(25μL)SPRIビーズで精製し、30μLのH2Oに溶出する。精製したDNAは、-20℃または-80℃で最大で6か月まで保存することができた。
RNA部分については、10.5μLの2×TBおよび0.5μLの0.05mg/mLのTn5-アダプターAを加え、ThermoMixer中で、550r.p.m.、37℃で30分間タグメンテーション反応を行い、続いて、QIAquick PCR精製キットを使用してクリーンアップを行い、30μLの0.1×溶出バッファー中に溶出した。
インデックス付けPCRおよびシークエンシング
30μLの精製したP5タグ化産物、10μLの5×Q5バッファー、1μLの10mM dNTP、0.5μLの50μM DNA用P5ユニバーサルプライマーまたはRNA用N5プライマー、2.5μLの10μM P7プライマー(表1を参照されたい)、5μLのH2O、および1μLのNEB Q5 DNAポリメラーゼを混合することによって、PCR混合物を調製した。
使用したDNAライブラリー用PCRプログラムは:工程1:98℃×3分;工程2:98℃×10秒、63℃×30秒、72℃×1分;工程2を8サイクル繰り返す;工程3:72℃×1分;工程4:12℃で保持する、であった。
使用したRNAライブラリー用PCRプログラムは:工程1:72℃×5分、98℃×30秒;工程2:98℃×10秒、63℃×30秒、72℃×1分、および工程2をさらに8~13回繰り返して10nMの濃度に到達させる;工程3:72℃×1分;工程4:12℃で保持する、であった。
0.9×(45μL)SPRIビーズを使用して、ライブラリーのクリーンアップを行った。精製したライブラリーは、-20℃または-80℃で最大で6か月まで保存することができた。
シークエンシング
最終的なライブラリーを多重化し、例えば、NextSeq 550、NextSeq 1000/2000、NovaSeq 6000、またはHiSeq 2500/4000プラットフォームを含めた市販のシークエンシングプラットフォームで、標準的なIlluminaシークエンシングプライマーを使用してシークエンシングした。製造者の指示書に従って推奨される濃度でライブラリーをロードした。それぞれリード1およびリード2について、少なくとも50および100シークエンシングサイクルが推奨される。例えば:150サイクルシークエンシングキットを用いるNextSeq 500プラットフォームでPE50(もしくは53)+7+100サイクル(リード1+インデックス1+リード2)、または200サイクルシークエンシングキットを用いるNovaSeq 6000プラットフォームでPE100+7+100サイクルを使用する。
データ解析手順
ペアードタグデータの前処理
最初のペアードタグのデータ処理は、(a)リード2からバーコード配列を抽出する工程、(b)バーコードの組み合わせを細胞バーコードリファレンスに割り当てる工程(12本の試料チューブおよび2ラウンドの96ウェルのIDにバーコード配列を割り当てる)、(c)割り当てられたリードをリファレンスゲノムにマッピングする工程、ならびに(d)下流の解析のために細胞対フィーチャー行列を生成する工程を含んでいた。
最初のペアードタグデータ処理の間の以下のメトリクスを品質管理のために使用することができる。工程2(a)について、典型的には、DNAリードおよびRNAリードの>85%および>75%が、完全にライゲーションされたバーコードを有すると考えられる。工程2(b)について、DNAリードとRNAリードの両方の>85%が、1つのミスマッチ以下で1つの細胞バーコードに一意的に割り当てられ得る。工程2(c)について、典型的には、割り当てられたリードの>85%がリファレンスゲノムにマッピングされ得る;どのヒストンマークが標的にされるかに応じて、割り当てられたDNAリードの60%~>95%がリファレンスゲノムにマッピングされ得る。
細胞バーコードおよびリンカー配列をリード2によって読み取った。BC#1、BC#2、およびBC#3の最初の塩基は、リード2の84~87番目、47~50番目、および10~13番目の塩基内に位置するはずである。細胞バーコードに隣接するリンカー配列をマッチさせることによって、バーコードの位置を同定した。各ライブラリーのリード1とリード2をペアにして、リード配列(リード1のリード配列およびUMI[リード2配列の最初の10bp])と品質値をライン1に結合し、3ラウンドのバーコード配列と品質値をライン2およびライン4に結合することによって、単一の新しいFASTQファイルを作成した。細胞バーコードのすべての可能な組み合わせ(96*96*12)を用いて、bowtieリファレンスインデックスを生成した。組み合わせたFASTQファイルはバーコード配列を含み、次いで、パラメーター:-v1-m1--norcを用いてbowtie(Langmead & Salzberg, Nat Methods 9, 357-359)を使用して、細胞バーコードリファレンスにマッピングした(1つより多くのバーコードミスマッチを有し、1細胞より多くに割り当てることができるリードは捨てた)。次いで、得られたSAMファイルを、(SAMファイルの)RNAMEをライン1に加えることによって最終的なFASTQファイルに変換し、(SAMファイルの)QNAMEから元のリード1配列および品質値を最終的なFASTQファイルのライン2およびライン4に抽出する。NextEraアダプター配列をDNAライブラリーおよびRNAライブラリーの3’から削除し、ポリ-dT配列をRNAライブラリーの3’からさらに削除し、低品質のリード(L=30、Q=30)をさらなる解析のために除外した。
ペアードタグデータの解析
衝突率の評価:種混合試験からのリードを細胞バーコード(BC#1=06または12)に基づいて抽出し、組み合わせたリファレンスゲノム(ヒトについてGRCh37およびマウスについてGRCm38)を用いてSTARバージョン:2.6.0a(Dobin & Gingeras, Curr Protoc Bioinformatics 51, 11 14 11-19)を使用して、リファレンスゲノムにマッピングした。重複物は、マッピングされた位置、細胞バーコード、PCRインデックス、およびUMIに基づいて除去した。衝突率の評価のために、80%未満のUMIしか1つの種にマッピングされなかった核を混合細胞として分類した。
リードマッピング:RNAについてSTAR(バージョン:2.6.0a)を、またはDNAについてbowtie2を用いて、マウスGRCm38ゲノムリファレンスゲノムにクリーンなリードを最初にマッピングした。H3K4me1、H3K27ac、およびH3K27me3のマッピングされたDNAリードに、マッピング品質(MAPK>10)によってさらにフィルターをかけた。重複物は、マッピングされた位置、細胞バーコード、PCRインデックス、およびUMIに基づいて除去した。試料の起源を同定するためにBC#1を使用した。低カバー度の核はさらなる解析から除去した(<1,000個の転写産物および<500個の特有のDNAリード)。細胞カウント行列を生成する前に、細胞バーコード、PCRインデックス、およびUMIを問わず、高パイルアップ位置(カットオフ=10)を除去することによって、DNA bamファイルにさらにフィルターをかけた。
ペアードタグプロファイルのクラスタリング:細胞を列とし、遺伝子を行とする行列にRNAアライメントファイルを変換した。細胞を列とし、5kbのビン(bin)(ピークの代わり)を行とする行列にDNAアライメントファイルを変換した。DNA行列とRNA行列の両方でフィーチャーが200未満である細胞を除去した。5%の最も高くカバーされたビンを除去することによって、DNA行列にさらにフィルターをかけた。Seuratパッケージ(Stuart et al. Cell 177, 1888-1902, e1821 (2019)を用いて、RNAプロファイルに基づく単一細胞のクラスタリングを行った。手短に言えば、細胞対遺伝子カウントを正規化し、PCAによる次元削減のために可変遺伝子を選択し、バッチ効果をharmony(Korsunsky et al. Nat Methods 16, 1289-1296)で補正し、UMAPで可視化し、Louvainアルゴリズムでクラスター化した。複数の主要細胞型からのマーカー遺伝子の発現レベルが高い細胞群をダブレットとみなし、さらなる解析から除外した。Seuratパッケージを使用して、ペアードタグ RNAプロファイルと公開されたscRNA-seqデータセット(Zeisel et al. Cell 174, 999-1014, e1022)の同時埋め込みを行った。異なる研究からのクラスタリングの結果を比較するために、ペアードタグデータセット(A)から、Zeisel Cell, 201853(B)から、および同時埋め込み(C)からの標識を有する細胞の数に従って、オーバーラップ係数(O)を計算した:
Figure 2023539980000006
単一細胞DNAプロファイルを可視化するために、細胞対ビン(5kbpのビンサイズ)行列をsnapATAC(Fang et al. bioRxiv, 615179 (2019))によって細胞対細胞類似性ジャッカード行列に変換し、続いて、PCAによる次元削減を行い、harmonyでバッチの影響を補正し、UMAPで可視化した。RNAおよびDNAベースの解析からのクラスタリング結果を比較するために、RNAクラスタリング(R)およびDNAクラスタリング(D)からの標識を有する細胞の数に従って、ジャッカードオーバーラップ係数(J)を計算した:
Figure 2023539980000007
プロモーターおよびCREモジュールの分類
プロモーターのエピジェネティック状態に従って遺伝子を分類するために、トランスクリプトームベースのクラスタリングに基づいて、集計されたプロファイルから遺伝子発現(RPKM)およびプロモーターのリード密度(CPM)をまとめた。少なくとも1つのクラスターにおいて発現についてRPKM>1およびプロモーターについてCPM>1を有する遺伝子を解析のために保有した。4つのヒストンマーク(k=4)のリード密度に基づいて、K平均クラスタリングによって遺伝子を最初にグループ化した。次いで、遺伝子発現に基づいて、二次K平均クラスタリングに各群を供し、その結果、7つのプロモーター群を得た。
CREを異なる群に分類するために、最初に、cCREリストはCEMBA(Li, et al, bioRxiv, 2020.2005.2010.087585 (2020))からであり、1,000bp(両方向で500bp)にわたって延ばされた。プロモーター領域(TSSの-1,500bp~+500bp)とのcCREのオーバーラップをさらなる解析のために除外した。次いで、トランスクリプトームベースのクラスタリングに基づいて、集計されたプロファイルから4つのヒストンマークのCREリード密度をまとめた。少なくとも1つのクラスターまたは1つのヒストンプロファイルでCPM>1を有するcCREを解析のために保有した。4つのヒストンマーク(k=4)のリード密度に基づいて、K平均クラスタリングによってプロモーターを最初にグループ化した。次いで、H3K27acリード密度に基づいて、二次K平均クラスタリングに各群を供し、その結果、8つのCRE群を得た。
モチーフ濃縮およびジーンオントロジー解析
各細胞型についてのモチーフ濃縮:各細胞型についてのモチーフ濃縮およびヒストン修飾は、ChromVAR(Schep et al., Nat Methods 14, 975-978 (2017))を使用して行った。手短に言えば、マッピングされたリードを、4つのヒストンプロファイルについて1,000bpのビンサイズで細胞対ビン行列に変換した。トランスクリプトームベースのクラスタリング由来の同じ群のすべての細胞から各ビンについてのリードをまとめた。GCバイアスおよびバックグラウンドピークを計算し、次いで、ChromVARのcomputeDeviations機能を使用して、各細胞型についてのモチーフ濃縮スコアを計算した。
各CREモジュールについてのモチーフ濃縮:各CREモジュールについてのモチーフ濃縮は、Homer(v4.11、Heinz et al. Mol Cell 38, 576-589 (2010))を使用して解析した。新規と公知の両方のモチーフ濃縮解析のために、エレメントの中心の周囲+/-200bpの領域をスキャンした。総ピークリストを、各群におけるcCREのモチーフ濃縮解析のためのバックグラウンドとして使用した。
遺伝子オントロジー濃縮:遺伝子オントロジーアノテーションは、デフォルトパラメーターを用いて、Homer(v4.11)で行った。遺伝子セットライブラリー「生物学的プロセス(Biological process)」を使用した。リスト中に500個より多い総遺伝子を有するGO用語は、「最上位の濃縮GO用語(Top Enriched GO Term)」から除外した。
CREと推定標的遺伝子の関連づけ
活性型および抑制型cCREについての推定標的遺伝子を予想するために、最初に、プロモーター領域(-1,500bp~+500bp)とcCREの間のH3K4me1リードの共占有(co-occupancy)を、デフォルトパラメーターを使用して、cicero(Pliner et al. Mol Cell 71, 858-871, e858, (2018))で計算することによって、候補CRE-遺伝子ペアを同定した。>0.1の共アクセス性(co-accessibility)を有するcCRE-遺伝子ペアをさらなる解析のために使用した。
機能的cCRE-遺伝子ペアを同定するために、次いで、トランスクリプトームベースのクラスタリング由来のクラスター全体にわたって、H3K27ac(活性型ペアについて)またはH3K27me3(抑制型ペアについて)のcCREのリード密度(CPM)と対応する関連遺伝子の遺伝子発現(RPKM)との間で、スピアマンの相関係数を計算した。バックグラウンドノイズレベルを推定するために、各リードについて細胞IDをシャッフルし、対応するスピアマンの相関係数を計算した。異なるカットオフの下で、シャッフルした群から検出されたペアの割合に基づいて、偽陽性検出率を推定した。最後に、活性型と抑制型の両方のcCRE-遺伝子ペアの同定のために、FDR<0.05のカットオフを使用した。
外部データセット
CEMBAデータセットは、RRID SCR_016152のアクセッション番号でNEMO(https://nemoanalytics.org)から入手可能であった。
ENCODE(https://www.encodeproject.org/)データセットは、アクセッション番号:H3K4me1(ENCSR000APW)、H3K27ac(ENCSR000AOC)、H3K27me3(ENCSR000DTY)、H3K9me3(ENCSR000AQO)、DNase-seq(ENCSR959ZXU)でダウンロードした。
他の外部データセットは、アクセッション番号:SPLiT-seq(GSE110823)、CoBATCH(GSE129335)、itChIP(GSE109762)、およびHT-scChIP-seq(GSE117309)で、NCBI遺伝子発現オムニバス(Gene Expression Omnibus)(GEO)(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/geo/)からダウンロードした。
10X scRNA-seqデータセットは、10x genomicsウェブサイト(https://www.10xgenomics.com/)からダウンロードした。
結果
ペアードタグ(シークエンシングによる標的タグメンテーションからのRNA発現およびDNAに関する個々の細胞の並行解析)と呼ばれる方法が本明細書において開示される。最初に、特定のヒストン修飾を標的とする抗体とともに、透過性にした核をインキュベートした。その後、バーコードとNotI制限部位とを含むアダプターがロードされたプロテインA融合Tn5とともに、核をインキュベートした。プロテインAによって、関心対象のクロマチン部位へのTn5のターゲティングが可能になった(図1)。それぞれがトランスポゼースアダプターおよびRTプライマーに含まれる十分に特異的なDNAバーコードを有する、12個の異なるウェルにおいて反応を行って、異なる試料または複製物を標識した(第1ラウンドのバーコード)。タグメンテーションを開始し、その結果、第1のバーコードとNotI制限部位とを含むDNA断片を得た。次いで、同じバーコードとSbfI制限部位とを含むプライマーを使用して逆転写(RT)を行い、その結果、同じ細胞内に位置するDNA断片と同じバーコードと、SbfI制限部位とを含むcDNA分子を得た。この時点で、核は依然としてインタクトであり、それぞれ12種類のバーコードのうちの1つでタグされたDNAおよびcDNAを含んでいた。
次に、ライゲーションベースのコンビナトリアルバーコーディングストラテジーを使用して、96ウェルプレートにおいてクロマチンDNA断片とRT由来のcDNAの両方の5’末端に十分に特異的なDNAバーコードを順次結合させることによって、第2および第3ラウンドのDNAバーコードを核に導入した。最初に、ラウンド1由来の12試料をプールし、96種類の異なるバーコードを含む96ウェルプレートに加えた(第2ラウンドのバーコード)。試料をプールし、96種類の異なるバーコードを含む第2の96ウェルプレートに加えた(第3ラウンドのバーコード)。最後に、バーコード化した核をサブライブラリーに分割し、溶解し、クロマチンDNAおよびcDNAを精製した。
「アンプリファイ・アンド・スプリット」ストラテジーを使用して、シークエンシングのためにDNAおよびRNAライブラリーを調製した(図1および2を参照されたい)。単離されたDNAおよびcDNAを、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)を用いるポリヌクレオチドテール付加に供し、その結果、その3'末端にホモポリマー配列を付加し、ホモポリマー配列は、次いで、増幅のための鋳型として使用した。ポリヌクレオチドテール付加DNAの増幅のために使用したプライマーは、FokIの制限部位を含んでいた。
RNAライブラリーを得るために、DNAおよびcDNAのプールをNotIで消化した。第2のシークエンシングアダプターに結合しているTn5トランスポゼースを使用して、第2のシークエンシングアダプターを付加した。
標的タグメンテーション由来のDNAの断片サイズは、RT由来のcDNAのものよりも短く、これにより、第2のアダプターを付加するためにTn5タグメンテーションが使用される場合、低いライブラリー収率がもたらされると考えられる。したがって、DNAライブラリーを得るために、DNAおよびcDNAのプールをFokIおよびSbfIで消化した。IIS型エンドヌクレアーゼであるFokIによってニックが作り出され、次いで、第2のシークエンシングアダプターをライゲーションによって導入した。
ペアードタグの効率を評価するために、それぞれH3K4me1、H3K27ac、H3K27me3、およびH3K9me3に対する抗体と約10,000個のHeLa細胞を接触させた。各ヒストン修飾の集計プロファイルをこの細胞株の公開されたChIP-seqデータセット(Thurman et al. Nature 489, 75-82 (2012))と比較した。ペアードタグ実験由来の濃縮された領域は、4つすべてのヒストンマークについて、公開されたChIP-seqデータセット由来のものとかなりよくオーバーラップした(H3K4me1について65.9%、H3K27acについて65.7%、H3K27me3について59.6%、およびH3K9me3について64.0%)。各ヒストンマークのゲノムワイドな分布も公開されたデータセットとよく相関した(異なるヒストンマークについて、ピアソンの相関係数0.70~0.86)。ペアードタグから測定した遺伝子発現レベルは、組織内で生成した同じ細胞株由来の核RNA-seqと非常に相関していた(ピアソンの相関係数0.96)。これらのデータは、ペアードタグは、バルク細胞試料由来のChIP-seqおよびRNA-seqと匹敵するクロマチンおよびトランスクリプトーム情報を提供することができることを確証する。
ペアードタグによる、マウスの皮質および海馬におけるヒストンマークとトランスクリプトームの単一細胞同時アッセイ
異種組織の解析に対するペアードタグの有用性を実証するために、4つの前述のヒストンマークに焦点を合わせて、成体マウスから新しく採取した前頭皮質および海馬組織に本方法を適用した。並行して生成された集計された単一細胞ペアードタグ DNAプロファイルおよびバルクプロファイルは、異なるヒストンマークについて優れた一致(ピアソンの相関係数0.72~0.96)を示した。ペアードタグは、高いマッピング率:H3K4me1およびH3K27acリードに関して>95%、H3K27me3リードに関して約72%、およびH3K9me3に関して>85%を有するデータセットを生成し、RNAリードはリファレンスゲノムにマッピングされ得る。ペアードタグデータセットのライブラリーの複雑さを推定するために、代表的な核の一部分を飽和近く(約80%のPCR重複率)までシークエンシングした。ランダムなバーコード衝突に起因するペアードタグプロファイルは、ヒト/マウス混合試料から推定すると5%未満であることが見出された。DNAプロファイルについて核あたり最大で約20,000まで(それぞれ前頭皮質および海馬について、核あたりの中間数:H3K4me1:19,332および17,357、H3K27ac:4,460および4,543、H3K27me3:2,565および2,499、H3K9me3:16,404および18,497)、ならびにRNAプロファイルについて核あたり最大で約15,000UMIまで(それぞれ前頭皮質および海馬について、2,400および1,855遺伝子に対応する中位数14,295および8,185UMI)の特有の座位が回収された。ペアードタグの「アンプリファイ・アンド・スプリット」ストラテジーは、複数の分子型を測定する過程で材料を喪失する危険性を低減させ、スタンドアローンのハイスループットなscChIP-seqおよびscRNA-seqアッセイと匹敵するライブラリーの複雑さでDNAデータセットとRNAデータセットの両方を提供した。
成体マウスにおける皮質細胞型および海馬細胞型のエピゲノムマップ
次に、合計で約65,000個の核を中程度の深度(重複率:約40~60%)までシークエンシングした。低配列カバー度のせいで、または潜在的なダブレットが理由で核を除去した後(上記の方法を参照されたい)、マッチするDNAおよびRNAペアードタグプロファイルで45,446個の核が回収され、異なるヒストンマークまたは脳領域について核あたり941~7,477個の特有のDNA座位(それぞれ前頭皮質および海馬について、中間数:H3K4me1:6,073および5,799、H3K27ac:1,942および1,949、H3K27me3:941および942、H3K9me3:6,765および7,477)、ならびにそれぞれ前頭部および海馬について核あたり5,698および4,039のRNA UMI(核あたり、中央値1,290および992遺伝子)がマッピングされた。Seuratパッケージを使用して、これらの核をそれらのトランスクリプトームプロファイルに基づいて22の細胞群にクラスター化した。主成分分析(PCA)を用いた次元削減、それに続く、一様多様体近似と投影(Uniform Manifold Approximation and Projection)(UMAP)およびグラフベースのLouvainクラスタリングのために、可変遺伝子を最初に選択した。マーカー遺伝子の発現に基づいて、22の細胞群を、すべてのクラスターについて各生物学的反復から同等の割合で、7つの皮質ニューロン型(Snap25+、Satb2+、Gad1-)、4つの海馬ニューロン型(Snap25+、Slc17a7+、またはProx1+)、3つの抑制性ニューロン型(Gad1/Gad2+)、ならびに乏突起膠細胞前駆細胞(OPC)、乏突起膠細胞(OGC)の2つの群、星状細胞(ASC)の2つの群、ミクログリア、内皮および脈絡叢を含む8つの非ニューロン細胞型(Snap25-)に割り当てた。ペアードタグトランスクリプトームプロファイルを同じ脳領域からの以前に公開されたscRNA-seqデータセット(リファレンスデータセット、Zeisel et al. Cell 174, 999-1014, e1022 (2018))とも比較し、優れた一致が見出された。特に、22のクラスターのうちの16は、リファレンスデータセットの対応するクラスター(またはいくつかの密接に関連しているサブクラスター)に一意的に割り当てることができる。ここでのサブクラスターのいくつかはリファレンスデータセットの複数のサブクラスターとマッチし、これは、以下を含む:2つのCA1ニューロン群(TEGLU21、23)に入る本発明者らのデータセットのCA1および海馬台クラスター、乏突起膠細胞群(MFOL、MOL)とマッチする2つのOGC細胞クラスター、およびリファレンスデータセットの2つの星状細胞群(ACNT1、2)と整列した2つのASC細胞クラスター。
ペアードタグプロファイルはまた、SnapATACパッケージ(Fang et al, bioRxiv, 615179 (2019))を使用して、異なるヒストンマークのDNAプロファイルに基づいてクラスター化した。細胞対ビンDNA行列を細胞対細胞ジャッカード類似性行列に変換し、続いて、PCAを使用した次元削減およびグラフベースのクラスタリングを行った。H3K4me1およびH3K27acベースのクラスタリングについて、それぞれ18および16クラスターが明らかになった。H3K4me1ベースのクラスタリングの15群およびH3K27acベースのクラスタリングの14群は、RNA由来のものとよくマッチした。H3K4me1およびH3K27acベースのクラスタリングの2つの皮質ニューロンクラスター(L4およびL5)は、RNAベースのクラスタリングのL4、L5a、およびL5群とマッチし;H3K4me1ベースのクラスタリングの海馬台群は、RNAベースのクラスタリングのCA1、海馬台、およびCA2/3群に入った。H3K27me3ベースのクラスタリングについて、すべての皮質興奮性ニューロンは、すべての他の細胞群と異なる単一クラスターを形成した。H3K9me3について、主な非ニューロン細胞型のみ分離され得るが、すべての神経細胞型は単一クラスターとして一緒にグループ化された。これらの結果は、ペアード-seqプロファイルに基づく細胞クラスタリングは使用されるヒストンマークに応じてかなり変動し、抑制型ヒストンマークは、活性型ヒストンマークと同様に細胞型を分解しないことを示す。
異なるヒストンマークに基づく細胞クラスタリングの不一致は、細胞型特異的エピゲノムマップを構築するためにトランスクリプトームプロファイルを使用することが重要であることを個々に示す。各ヒストン修飾のゲノムワイドなマップは、ペアードタグデータセットのトランスクリプトーム情報に基づいて同定された22のマウス脳細胞型のそれぞれにおける遺伝子発現プロファイルとともに生成された。
異なる脳細胞型にわたる遺伝子プロモーターにおけるクロマチン状態および遺伝子発現の統合的解析
クロマチン状態と細胞型特異的遺伝子発現の関連性を研究するために、脳細胞型における遺伝子プロモーター領域(-1,500bp~+500bp)での各ヒストン修飾のペアードタグシグナルを集計した。この解析のために、すべての5つのモダリティーについて少なくとも50個の細胞および少なくとも50,000個の組み合わせされた特有のリードを有する18の細胞群を主に調べた。転写(RPKM>1)またはプロモーター占有(少なくとも1つの細胞群でヒストンマークについてCPM>1)が十分なレベルである合計で17,398個の遺伝子(GENCODE GRCm38.p6)をその後の解析のために保有した。K平均クラスタリングを使用して、これらの遺伝子プロモーターをヒストン修飾の別々の組み合わせを有する7群にカテゴリー化した:クラスIプロモーターはH3K9me3によって抑制されると思われ(すべての試験遺伝子の13.1%)、クラスII-aおよびII-b群はポリコーム抑制型ヒストンマークH3K27me3と関係があり(すべての試験遺伝子の9.2%)、残りの群は可変レベルの活性型ヒストンマークH3K4me1およびH3K27acと関係があった(すべての試験遺伝子の77.6%)。クラスIおよびII遺伝子の発現レベルは抑制型ヒストンマークH3K9Kme3またはH3K27me3と負に相関したが、クラスIII遺伝子の発現レベルはプロモーター領域で活性型ヒストンマークH3K4me1およびH3K27acと正に相関した。
遺伝子オントロジー(GO)解析を行い、各群内の遺伝子の別々の機能的カテゴリーが見出された。例えば、クラスIの遺伝子は、嗅覚受容体(OR)遺伝子(Olfr、730個のうち647個が検出された)および鋤鼻(Vmnr、201個のうち189個が検出された)受容体遺伝子を含めて、感覚関連経路について強く濃縮された。OR遺伝子は、嗅覚ニューロンにおけるOR選択の過程で、構成的ヘテロクロマチンマークによって非常にダイナミックなパターンでマークされたことが以前に示された。本データは、OR遺伝子はまたヘテロクロマチンによって前頭皮質および海馬で発現停止されていたことを示唆する。H3K27me3抑制遺伝子は、2つの群にさらに分割することができる:クラスII-a遺伝子はすべての細胞クラスターで抑制され、クラスII-b遺伝子はより制限された方式で抑制された。GO解析によって、II-a群の遺伝子は、パターン指定プロセス(pattern specification process)および胚性器官発生などの一般的な発生プロセスに関与する用語について濃縮されたが、II-b群の遺伝子は、上皮の形態形成を含む用語について濃縮されたことが明らかになった。II-bの遺伝子は、グリア細胞の分化で機能を有するもの、例えば、Sox10およびNotch1を含む。III-a群の遺伝子は、すべての細胞型のプロモーターにおける活性なクロマチン状態によって特徴付けされた(クラスIII遺伝子の10.4%)が、III-b群の遺伝子はすべての神経細胞型で発現しており(クラスIII遺伝子の5.9%)、III-c群の遺伝子はグリアで発現していた(クラスIII遺伝子の31.0%)。群III-dの遺伝子(クラスIII遺伝子の52.6%)は、対応する細胞型特異的発現パターンをともなって、細胞型特異的な方式での活性なクロマチン状態によってマークされた。これらの遺伝子は、より特異的なプロセスを有するGO用語について濃縮された:例えば、海馬ニューロン発現遺伝子は学習または記憶について濃縮され、ミクログリア発現遺伝子は炎症反応について濃縮された。これらの結果によって、発生プロセスの間の主要な型の決定におけるH3K27me3の重要な役割、およびマウスの脳のサブ細胞型全体にわたる多様な発現パターンへのH3K27acの寄与が実証される。
脳細胞型全体にわたる遠位エレメントにおけるクロマチン状態の統合的解析
Cis調節エレメント(CRE)は非常に細胞型特異的なクロマチン状態でマークされ、細胞型特異的遺伝子発現と強く相関した。最近、成体マウスの大脳のクロマチンアクセス性の包括的解析によって、491,818個の候補CRE(cCRE)が同定された(Li et al. bioRxiv, 2020.2005.2010.087585 (2020)。このリストの286,168個(58.2%)の遠位CREは、少なくとも1つの細胞群ならびに1つまたは複数のヒストンマーク(CPM>1、および転写開始点、TSSから離れて1,500bpよりも上流および500bp下流)で十分なレベルのペアードタグシグナルを示すことが見出された。異なる脳細胞型全体にわたってこれらの候補CREのクロマチン状態を特徴づけるために、上記で定義された18個の細胞クラスターのそれぞれにおける異なるヒストンマークの集計ペアードタグシグナルを用いて、K平均クラスタリングを行った。8群にカテゴリー化されたこれらの候補CRE:2つは、すべての細胞クラスター(クラスeI-a、すべてのCREの16.3%)で、または神経細胞で選択的に(クラスeI-b、すべてのCREの4.9%)、H3K9me3によってマークされ、2つは、主としてすべての神経細胞クラスターで、またはより制限された方式で(eII-bエレメント)、H3K27me3でマークされた(すべてのCREの、eII-a、5.5%、およびeII-b、3.1%)。残りの4群(クラスeIII-a~eIII-d)は、異なる細胞クラスターにおいて、可変レベルのH3K4me1およびH3K27ac修飾によってマークされた。プロモーター群と同様に、1つまたは少数の細胞群においてH3K27acマークを有するcCREのサブクラスは、最大の割合を構成した(クラスeIII-d、すべてのCREの37.1%)。異なるヒストン修飾を有するcCREはゲノム中に異なって分布する。例えば、H3K9me3によってマークされたcCREは遺伝子間領域に優先的に存在するが(eI-aおよびeI-b)、比較的不変のH3K4me1およびH3K27acレベルによってマークされたcCREは遺伝子領域に存在する傾向がある(eIII-a)。クラスeII-b cCREはCpGアイランド(CGI)領域について有意に濃縮された(5.4%、p<2.2×10-16)、eII-a cCREはあまり濃縮されなかった(2.0%、p=0.002)。2つのH3K9me3によってマークされた群はCGI領域から枯渇していた(0.16%および0.12%、p<2.2×10-16)。活性型cCRE群について、クラスeIII-a cCREは、CGI領域について最高の濃縮(14.1%、p<2.2×10-16)を示したが、eIII cCREの他のサブクラスはそうではなかった。
上記のクラスのcCREに作用する潜在的な転写因子を同定するために、JASPARデータベース(Khan et al. Nucleic Acids Res 46, D260-D266 (2018)を用いてモチーフ濃縮解析を行った。ヘテロクロマチンeI-a群は胚形成の間の転写リプレッサーであるEVX1のモチーフについて濃縮され;クラスeI-b cCREも周知のリプレッサーMAFGのモチーフについて濃縮され、これは中枢神経系で発現しており、この調節因子の異常調節はニューロン変性表現型につながり得る。ポリコームで抑制された2つのcCRE群は両方ともLHXモチーフについて濃縮されたが、Genomic Regions Enrichment of Annotations Tool(GREAT)解析によって、これらについて別々のGO用語が明らかになった:eII-a群は一般的な細胞プロセス、例えば、用語: RNAポリメラーゼIIプロモーターからの転写について強く濃縮されたが、クラスeII-b cCREは感覚器官の発生を含めた発生プロセスについて濃縮された。すべてのクラスター全体にわたってダイナミックなH3K27acを有する群eIII-dはCTCFモチーフについて濃縮され、これは、複数の細胞型全体にわたって遺伝子発現を調節する際のエンハンサー-プロモータールーピング(enhancer-promoter looping)の役割を支持する。公知のTFモチーフの濃縮解析、それに続くK平均クラスタリングによっても別々のモジュールが明らかになった。eII-a群は、LHX、Nanog、およびIsl1などのモチーフについて濃縮された。eIII-b汎ニューロン群は、神経原性因子、例えば、MEF2およびNEURODについて濃縮された。汎グリア群(eIII-c)はFOX、SOX,およびETVファミリー転写因子によって認識されるモチーフについて濃縮され、後者の2つは、eIII-dの乏突起膠細胞またはミクログリアに特異的な群にも濃縮された。ヘテロクロマチンeI-a群およびeIII-dの抑制性ニューロン群はAscl1モチーフについて濃縮された。Ascl1は、閉じたクロマチンを標的として、神経原性遺伝子発現プログラムを活性化するため、およびGABA作動性ニューロンの生成を誘導するためのパイオニア因子として機能することができる。
多様な脳細胞型全体にわたるクロマチン状態とトランスクリプトームの共同プロファイルは、各細胞系譜に対する潜在的な調節因子を推測するための絶好の機会を提供する。各細胞群で同定されたcCREのTFモチーフ濃縮をChromVARを使用して計算し、それらの相関を対応するTF遺伝子の発現レベルと比較した。H3K4me1とH3K27acの両方について有意な一致(FDR<0.1)を示した51個の高信頼性TFを含めて、TFの半数より多く(65%)が、遺伝子発現レベルと細胞型におけるcCREの対応するモチーフ濃縮との間に正の相関を示した。例えば、最上位にランク付けされたTFのうちの1つ、Fli1は、ミクログリアおよび内皮細胞に限定されていた。Fli1は、ケモカインを活性化して、内皮細胞で炎症反応を媒介することが公知であり、最近、アルツハイマー病と関係がある協調的遺伝子発現モジュール中にあることが見出されている。Sox9/10、Mef2c、およびNeurod2などを含めて、上位にランク付けされた他のTFは、ニューロン系の発生で重要な役割を果たすことが公知である。
クロマチン状態および遺伝子発現の統合的解析は遠位候補CREを推定標的遺伝子に結びつける
エンハンサーおよびサイレンサーを含めた遠位調節エレメントは、発生の間または刺激に応じて、細胞型特異的転写プログラムを制御する。イメージングベースのツールおよび染色体コンフォメーションキャプチャ技法は、プロモーターと遠位CREの間の相互作用を解明するために広く使用されている。同じ細胞からのエピジェネティック状態および転写状態は、活性型cCREと抑制型cCREの両方をそれらの推定標的遺伝子に結びつけるための絶好の機会を提供する。最初に、Ciceroを使用して、すべての細胞全体にわたって、cCREとTSS近位領域(-1,500bp~+500bp)の間のH3K4me1リードの共占有に基づいて、推定上のプロモーター-CREペアを同定した。次いで、細胞クラスター全体にわたって、推定標的遺伝子の遺伝子発現レベルとcCREのヒストンマークレベルの間でペアワイズでのスピアマン相関係数(SCC)を計算した。
遠位cCREでのH3K27acレベルが遺伝子発現と正に相関した32,252個の候補CRE-遺伝子ペア、およびcCREでのH3K27me3レベルが関連遺伝子の発現と負に相関した候補CRE-遺伝子の15,199ペアを同定した(FDR<0.05)。活性型と抑制型の両方のcCREの発見によって、これらの脳細胞型における遺伝子調節の機構へのさらなる洞察が与えられる。正のcCRE-遺伝子ペアのかなりの割合は負のcCRE-遺伝子ペアと共通していた(p<2.2×10-16、185のランダムな予測値と比較して2,621の観測値)。これらの共有ペアのcCREはeII-b群にあることが好ましく、それらの標的遺伝子は、グリア新生および前脳発生などの発生プロセスについて濃縮された。これらの結果は、PRC2関連サイレンサーと活性型エンハンサーの間の移行が分化の間に生じるという最近の発見と一致する。潜在的に共有されている割合にもかかわらず、抑制型ペアのCREは、それらの標的からより遠位にあるばかりでなく、遺伝子間領域でより濃縮されている。
次に、予想されたペアに基づいて、異なる群のCREを推定標的遺伝子と関連づけた。興味深いことに、標的遺伝子はCREと同様の集団にいる傾向がある:例えば、クラスeII-aおよびeII-bのcCREの標的遺伝子はクラスII-aおよびII-bの遺伝子のプロモーターに強く濃縮された。これらの遺伝子は、発生プロセスで機能を有するもので濃縮された。次いで、cCREのクロマチン状態を推定標的遺伝子のプロモーターと比較した:活性型ペアからのcCREおよびプロモーターはそれらのH3K27acレベルについてより高い一致を示したが、抑制型ペアではそうではなく;その一方で、H3K27me3レベルについてのより高い一致は抑制型ペアからしか観察されなかった。これらの結果は、遠位調節エレメントがその標的遺伝子のプロモーター領域と同様のヒストン修飾状態を共有するという仮説を支持するものである。
次いで、関連遺伝子を有する候補CREを、そのH3K27メチル化およびアセチル化状態に従ってグループ化した。ニューロン特異的cCRE群の標的遺伝子は、シナプス伝達のモジュレーションを含めたGO用語で濃縮され、グリア細胞のcCRE群に関連づけられた遺伝子は、グリア新生、上皮の形態形成、およびニューロン投射形態形成などを含めた用語について濃縮された。抑制型ペアについて、ごく一部のみがH3K27me3の強いクラスター濃縮および遺伝子発現の一致した枯渇を示した(M12~M14)。転写因子のうちの1つ、Sox11は胚と成体の両方のニューロン新生に必須であり、そのモチーフは内皮細胞で強いH3K27me3シグネチャを示した(M14)。SOX11はいくつかの固形腫瘍で過剰発現しており、侵攻性マントル細胞リンパ腫由来の細胞株において内皮細胞増殖および血管新生を促進することが示されている。ここでのH3K27me3によってマークされたCREの抑制機能は、内皮細胞においてSox11標的の発現レベルを制限して、適切な細胞増殖を維持する可能性がある。
実施例2
最初に、クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と核をインキュベートし、次いで、pA-Tn5と核をインキュベートする(図3A、連続的インキュベーションプロトコール)の代わりに、pA-Tn5および抗体をプレインキュベートし、続いて、Tn5/抗体複合体と核を接触させた(図3A、プレインキュベーションプロトコール)。連続的技法と比較して、プレインキュベーション技法を使用して得られたデータの品質の低下は観察されなかった(図3B~D)。

Claims (20)

  1. 以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法:
    a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
    b.前記1つまたは複数の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が前記第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、前記第1のタグが、第1の制限部位、およびバーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む、前記工程;
    c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、前記第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
    d.第2の制限部位と前記第1のタグの前記バーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して前記1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、前記第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
    e.前記1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
    f.前記1つまたは複数の核を溶解する工程;
    g.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    h.前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程であって、前記DNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含み、かつ前記第3の制限部位がエンドヌクレアーゼによって認識される、前記工程;
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
    j.前記DNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
    ii.DNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
    iii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第2の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
    k.前記RNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第1の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
    ii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    l.前記RNAライブラリー中および前記DNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
    m.前記1つまたは複数の核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程。
  2. 以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法:
    a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
    b.前記1つまたは複数の核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が前記第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、前記第1のタグが、第1の制限部位、およびバーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む、前記工程;
    c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、前記第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
    d.第2の制限部位と前記第1のタグの前記バーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して前記1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、前記第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
    e.前記1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
    f.前記1つまたは複数の核を溶解する工程;
    g.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    h.前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程であって、前記cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含み、かつ前記第3の制限部位がエンドヌクレアーゼによって認識される、前記工程;
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAをDNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
    j.前記RNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
    ii.cDNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    iii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第1の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
    k.前記DNAライブラリーに関する、
    i増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第2の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
    ii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
    l.前記RNAライブラリー中および前記DNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
    m.前記1つまたは複数の核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程。
  3. 以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法:
    a.1つまたは複数の核を透過性にする工程;
    b.前記1つまたは複数の核を、(ii)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、第1のタグを含む核酸が前記第1のトランスポゼースにロードされ、ここで、前記第1のタグが、バーコードの第1のセットより選択される第1のバーコードを含む、前記工程;
    c.タグメンテーション反応を開始し、その結果、前記第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
    d.前記第1のタグの前記バーコードを含む第2のタグを含むプライマーを使用して前記1つまたは複数の核内のRNAを逆転写し、その結果、前記第2のタグを含むcDNAを生成する工程であって、前記第1のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第1の反応基、もしくは(ii)第1のアフィニティータグをさらに含み、かつ/または前記第2のタグが、(i)クリックケミストリーを行うのに適した第2の反応基、もしくは(ii)第2のアフィニティータグをさらに含む、前記工程;
    e.前記1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択される第2のバーコードを含む第3のタグと接触させ、その結果、第1のタグおよび第3のタグを含むゲノムDNA断片、ならびに第2のタグおよび第3のタグを含むcDNAを生成する工程;
    f.前記1つまたは複数の核を溶解する工程;
    g.(I)前記ゲノムDNA断片を、
    (i)前記第1の反応基と反応するか;もしくは
    (ii)前記第1のアフィニティータグに結合する
    固定化物質と接触させ;かつ、前記ゲノムDNAのプルダウンを行って前記cDNAから前記ゲノムDNAを分離し;かつ/または
    (II)前記cDNAを、
    (i)前記第2の反応基と反応するか;もしくは
    (ii)前記第2のアフィニティータグに結合する
    固定化物質と接触させ;かつ、前記cDNAのプルダウンを行って前記DNAから前記ゲノムcDNAを分離する工程;
    h.前記DNAライブラリーに関する、
    i.前記ゲノムDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;および
    ii.前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを増幅する工程;
    i.前記RNAライブラリーに関する、
    i.前記cDNAを、シークエンシングアダプターを含むランダムプライマーと接触させて、ポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;および
    ii.前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程;
    j.前記RNAライブラリー中および前記DNAライブラリー中の分子をシークエンシングする工程;
    k.前記1つまたは複数の核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程。
  4. 前記方法の工程(b)において、
    a.前記1つまたは複数の核を、最初に前記抗体と接触させ、次いで、前記第1のトランスポゼースと接触させ、ここで、前記第1のトランスポゼースが、前記抗体に結合する結合部分に連結しており;
    b.前記抗体に結合する結合部分に連結している前記第1のトランスポゼースとともに前記抗体を最初にインキュベートし;かつ、前記1つまたは複数の核を、前記トランスポゼースに結合している前記抗体と接触させ;
    c.前記1つまたは複数の核を、前記第1のトランスポゼースに共有結合している抗体と接触させる、
    前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  5. 工程(e)の後に、前記1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択される第3のバーコードを含む第4のタグと接触させ、その結果、第1、第3、および第4のタグを含むゲノムDNA断片を生成し、かつ第2、第3のタグ、および第4のタグを含むcDNAを生成する工程をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 前記1つまたは複数の核を、リガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程が、1回または複数回繰り返される、請求項5記載の方法。
  7. 以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法:
    a.核を含む試料を提供する工程;
    b.前記試料を、2つまたはそれ以上のサブ試料を含むサブ試料の第1のセットに分割する工程;
    c.サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の前記核を透過性にする工程;
    d.サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の前記核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、バーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む第1のタグを含む核酸が前記第1のトランスポゼースにロードされる、前記工程;
    e.タグメンテーション反応を開始し、その結果、前記第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
    f.第2の制限部位と前記第1のタグの前記バーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して、サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の前記核内のRNAを逆転写し、その結果、前記第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
    g.サブ試料の前記第1のセットをプールして、第1のサブ試料プールを生成する工程;
    h.前記第1のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第2のセットを生成する工程;
    i.サブ試料の前記第2のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択されるバーコードを含む第3のタグと接触させる工程であって、前記第3のタグを前記ゲノムDNAおよび前記cDNAにライゲーションする、前記工程;
    j.サブ試料の前記第2のセットをプールして、第2のサブ試料プールを生成する工程;
    k.前記第2のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第3のセットを生成する工程;
    l.サブ試料の前記第3のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択されるバーコードを含む第4のタグと接触させる工程であって、前記第4のタグを前記ゲノムDNAおよび前記cDNAにライゲーションする、前記工程;
    m.サブ試料の前記第3のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程;
    n.前記核を溶解する工程;
    o.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    p.前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程であって、前記DNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含む、前記工程;
    q.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを、DNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
    r.前記DNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
    ii.DNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
    iii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第2の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
    s.前記RNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第1の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
    ii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    t.前記RNAライブラリーおよび前記DNAライブラリーをシークエンシングする工程;
    u.1つまたは複数の前記核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程。
  8. 以下の工程を含む、単一の核について遺伝子発現情報を得るための方法:
    a.核を含む試料を提供する工程;
    b.前記試料を、2つまたはそれ以上のサブ試料を含むサブ試料の第1のセットに分割する工程;
    c.サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の前記核を透過性にする工程;
    d.サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の前記核を、(i)クロマチン関連タンパク質にまたはクロマチン修飾物に結合する抗体と、および(ii)第1のトランスポゼースと接触させる工程であって、バーコードの第1のセットより選択されるバーコードを含む第1のタグを含む核酸が前記第1のトランスポゼースにロードされる、前記工程;
    e.タグメンテーション反応を開始し、その結果、前記第1のタグを含むゲノムDNA断片を生成する工程;
    f.第2の制限部位と前記第1のタグの前記バーコードとを含む第2のタグを含むプライマーを使用して、サブ試料の前記第1のセットの前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の前記核内のRNAを逆転写し、その結果、前記第2のタグを含むcDNAを生成する工程;
    g.サブ試料の前記第1のセットをプールして、第1のサブ試料プールを生成する工程;
    h.前記第1のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第2のセットを生成する工程;
    i.サブ試料の前記第2のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第2のセットより選択されるバーコードを含む第3のタグと接触させる工程であって、前記第3のタグを前記ゲノムDNAおよび前記cDNAにライゲーションする、前記工程;
    j.サブ試料の前記第2のセットをプールして、第2のサブ試料プールを生成する工程;
    k.前記第2のサブ試料プールを2つまたはそれ以上のサブ試料に分割して、サブ試料の第3のセットを生成する工程;
    l.サブ試料の前記第3のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料のそれぞれを、リガーゼとおよびバーコードの第3のセットより選択されるバーコードを含む第4のタグと接触させる工程であって、前記第4のタグを前記ゲノムDNAおよび前記cDNAにライゲーションする、前記工程;
    m.サブ試料の前記第3のセット中の前記2つまたはそれ以上のサブ試料をプールする工程;
    n.前記核を溶解する工程;
    o.ポリヌクレオチドテールをDNAおよびcDNAと融合させて、ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    p.前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを増幅する工程であって、前記cDNAの増幅のために使用されるプライマーのうちの1つが第3の制限部位を含む、前記工程;
    q.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAおよびポリヌクレオチドテール付加cDNAを、DNAライブラリーおよびRNAライブラリーに分割する工程;
    r.前記RNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第3の制限部位を認識する制限エンドヌクレアーゼで切断する工程;
    ii.cDNA末端をシークエンシングアダプターおよびリガーゼと接触させ、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加cDNAを生成する工程;
    iii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、前記第1の制限部位を認識する酵素で切断する工程;
    s.DNAライブラリーに関する、
    i.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加cDNAを、前記第2の制限部位を認識する制限酵素で切断する工程;
    ii.増幅された前記ポリヌクレオチドテール付加DNAを、シークエンシングアダプターを含む核酸がロードされた第2のトランスポゼースと接触させ、かつタグメンテーション反応を開始し、その結果、前記シークエンシングアダプターを含む増幅されたポリヌクレオチドテール付加DNAを生成する工程;
    t.前記RNAライブラリーおよび前記DNAライブラリーをシークエンシングする工程;
    u.1つまたは複数の前記核のそれぞれについて前記RNAライブラリーと前記DNAライブラリーを相関させる工程。
  9. 前記方法の工程(d)において、
    a.前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の前記核を、最初に前記抗体と接触させ、次いで、前記第1のトランスポゼースと接触させ、ここで、前記第1のトランスポゼースが、前記抗体に結合する結合部分に連結しており;
    b.前記抗体に結合する結合部分に連結している前記第1のトランスポゼースとともに前記抗体を最初にインキュベートし;かつ前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の前記核を、前記トランスポゼースに結合している前記抗体と接触させ;
    c.前記2つまたはそれ以上のサブ試料中の1つまたは複数の前記核を、前記第1のトランスポゼースに共有結合している抗体と接触させる、
    請求項7または8記載の方法。
  10. 工程(m)の後に、プールする工程;分割する工程;ならびに前記サブ試料をリガーゼとおよびさらなるバーコードを含むタグと接触させる工程が、1回または複数回繰り返される、請求項7~9のいずれか一項記載の方法。
  11. 前記第3の制限部位がIIS型エンドヌクレアーゼによって認識される、請求項1~2、4~10のいずれか一項記載の方法。
  12. 前記IIS型エンドヌクレアーゼが、FokI、AcuI、AsuHPI、BbvI、BpmI、BpuEI、BseMII、BseRI、BseXI、BsgI、BslFI、BsmFI、BsPCNI、BstV1I、BtgZI、EciI、Eco57I、FaqI、GsuI、HphI、MmeI、NmeAIII、SchI、TaqII、TspDTI、およびTspGWIからなる群より選択される、請求項11記載の方法。
  13. 前記DNAおよびcDNAを、
    (i)末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT);
    (ii)DNAリガーゼ、およびDNAもしくはRNAオリゴヌクレオチド;
    (iii)DNAポリメラーゼおよびランダムプライマー;または
    (iv)前記DNAおよびcDNAの3’末端に結合する反応性化学基を有する、DNAもしくはRNAオリゴヌクレオチド
    と接触させることによって、前記ポリヌクレオチドテールが前記DNAおよびcDNAに融合される、請求項1~2、4~12のいずれか一項記載の方法。
  14. 前記DNAリガーゼがT3、T4、またはT7 DNAリガーゼである、請求項13(ii)の方法。
  15. 前記反応性化学基が、クリックケミストリーを行うのに適した反応基である、請求項13(iv)の方法。
  16. 前記反応性化学基がアジド基またはアルキン基である、請求項13(iv)の方法。
  17. 前記第1のトランスポゼースに連結している前記結合部分がプロテインAである、請求項4~6または9~16のいずれか一項記載の方法。
  18. 前記クロマチン関連タンパク質が、転写因子タンパク質であり、ヒストンタンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング複合体、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、またはアクセサリータンパク質である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  19. 前記クロマチン修飾物が、ヒストン修飾物、DNA修飾物、RNA修飾物、ヒストン変異体、またはRループである、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  20. 前記核が哺乳動物から得られる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
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