JP2023538745A - 低い導電率を有する新規冷却剤 - Google Patents

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Abstract

本出願は、低い導電率を有する冷却剤(クーラント)、対応する冷却剤濃縮物、および電気エンジン、燃料電池、または燃焼エンジンと電気エンジンとを組合せた若しくは燃焼エンジンと燃料電池とを組合せたハイブリッドエンジンを搭載した車両の冷却系におけるそのような冷却剤の使用を記載する。【選択図】なし

Description

本出願は、低い導電率(電気伝導度)を有する冷却剤(クーラント)、対応する冷却剤濃縮物、および電気エンジン、燃料電池、または燃焼エンジンと電気エンジンとを組合せた若しくは燃焼エンジンと燃料電池とを組合せたハイブリッドエンジンを搭載した車両の冷却系におけるそのような冷却剤の使用を記載する。
WO 02/101848は、燃料電池駆動装置を冷却するためのアゾール誘導体とオルトシリケートとを含む冷却剤を開示している。そのように開示されている冷却剤は酸またはアミンを含有しない。なぜなら、これはそれらの導電率を上昇させるからである。しかし、電極の短絡を防止し、冷却系の安全特性を改善するためには、そのような冷却剤には、低い導電率が極めて重要である。
その欠点は、導電率を低く維持するためのそのような冷却剤がアルカリ成分を含有しないことである。アルカリ成分は、それがなければ腐食を引き起こしうる酸性分解生成物を中和するのに必要である。
WO 2018/095759は、燃料電池駆動装置を冷却するための、アゾール誘導体、オルトシリケートおよび所望により含まれていてもよいアルコキシル化アミンを含む冷却剤を開示している。
アルコキシル化アミンは鉄含有合金または銅含有合金の腐食に対する腐食防止剤として使用される。そのように開示されている冷却剤はカルボン酸を含有しない。なぜなら、これはそれらの導電率を上昇させるからである。有機カルボン酸、特にセバシン酸およびテレフタル酸は、アルミニウム、銅および真鍮の有効な腐食防止剤であることが公知である。したがって、そのような有機カルボン酸を含有すれば導電率上昇特性を示すという理由から有機カルボン酸を含有しない冷却剤は、通常、これらの金属に対する良好な防食特性を欠いている。
したがって、本発明の目的は、それぞれの冷却剤が電気駆動装置搭載車両での使用に適するように十分に低い導電率を示す冷却剤を提供することであった。
この目的は、
(A)少なくとも1つのグリコール、
(B)水、
(C)少なくとも1つのアゾール誘導体、
(D)少なくとも1つの、オルトケイ酸のエステル、またはアルコキシアルキルシラン、
(E)少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する少なくとも1つの第3級アミン、
(F)少なくとも1つのモノカルボン酸、
(G)所望により含まれていてもよい少なくとも1つのシリコホスホネート、
(H)所望により含まれていてもよい少なくとも1つの追加的な冷却剤添加剤
を含む冷却剤であって、
第3級アミン(E)とモノカルボン酸(F)とのモル比が1:0.1~1:0.6であり、
冷却剤が100μS/cm未満、好ましくは50μS/cm未満、より好ましくは45μS/cm未満の導電率を示すような量で成分(C)~(H)が存在する、前記冷却剤により達成された。
そのような冷却剤は、それを電気駆動装置搭載車両用の冷却剤として使用可能にする低い導電率と良好な防食特性との両方を示す。少なくとも1つのモノカルボン酸(F)の存在は、通常、冷却剤の導電率を増加させるが、導電率の増加が許容されるように腐食抑制における利点をもたらす。
構成成分の詳細は以下のとおりある。
グリコール(A)
アルキレングリコール成分またはその誘導体(A)としては、特に、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびそれらの混合物、そしてまた、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびそれらの混合物、1,3-プロパンジオール、高級ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテル、例えばモノエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、モノエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルおよびテトラエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルまたはグリセロール(各場合において、単独またはそれらの混合物)を使用することが可能である。
水(B)
本発明による冷却剤に使用される水はイオン非含有であるべきであり、中性のpH値を有する水を示し、それぞれの温度での水の自己プロトリシスからの水酸化物イオンおよびヒドロニウムイオン以外のイオンを実質的に含まない。
使用されるイオン非含有水の25℃での導電率(本明細書全体においては、ASTM D 1125に従い決定されたものである)は、好ましくは5μS/cm以下、より好ましくは3μS/cm以下、より一層好ましくは2μS/cm以下、特に1μS/cm以下であるべきである。
使用されるイオン非含有水は、純粋な蒸留水もしくは2回蒸留水、または例えばイオン交換により脱イオン化された水でありうる。
アゾール誘導体(C)
本発明の文脈におけるアゾール誘導体は、窒素および硫黄からなる群からの2個または3個のヘテロ原子を有する5員複素環式化合物を意味し、硫黄原子を含まないかまたは多くとも1個の硫黄原子を含み、芳香族または飽和6員縮合環を有しうる。
これらの5員複素環式化合物(アゾール誘導体)は、通常、ヘテロ原子として、2個のN原子を含有しS原子を含有しないこと、3個のN原子を含有しS原子を含有しないこと、または1個のN原子および1個のS原子を含有することが可能である。
特定されているアゾール誘導体の好ましい基は、一般式
Figure 2023538745000001
[式中、
可変基Rは水素またはC1-C10-アルキル基、特にメチルまたはエチルであり、
可変基Xは窒素原子またはC-H基である]
のアネル化イミダゾールおよびアネル化1,2,3-トリアゾールである。
一般式(I)のアゾール誘導体の典型的かつ好ましい例は、ベンズイミダゾール(X=C-H、R=H)、ベンゾトリアゾール(X=N、R=H)およびトルトリアゾール(トリルトリアゾール)(X=N、R=CH3)である。一般式(II)のアゾール誘導体の典型例は、水素化された1,2,3-トルトリアゾール(トリルトリアゾール)(X=N、R=CH3)である。
特定されているアゾール誘導体のもう1つの好ましい群は、一般式(III)
Figure 2023538745000002
[式中、
可変基Rは前記と同意義を有し、
可変基R'は水素、C1-C10-アルキル基、特にメチルまたはエチル、または特にメルカプト基(-SH)である]
のベンゾチアゾールである。一般式(III)のアゾール誘導体の典型例は2-メルカプトベンゾチアゾールである。
また、(2-ベンゾチアジルチオ)酢酸(R’=-S-CH2-COOH)または(2-ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸(R’=-S-CH2-CH2-COOH)を使用することも可能であるが、それほど好ましくない。この実施形態がそれほど好ましくないのは、そのような遊離酸化合物の使用が冷却剤の導電率を増加させるからである。
更に適切なアゾール誘導体は、一般式(IV)
Figure 2023538745000003
[式中、可変基XおよびYは、合わせて2個の窒素原子であり、または1個の窒素原子およびC-H基であり、例えば、1H-1,2,4-トリアゾール(X=Y=N)、または好ましくはイミダゾール(X=N、Y=C-H)である]
の非アネル化アゾール誘導体である。
本発明の目的においては、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、水素化トルトリアゾールまたはそれらの混合物、特にベンゾトリアゾールまたはトルトリアゾールがアゾール誘導体として非常に特に好ましい。
記載されているアゾール誘導体は商業的に入手可能であり、または通常の方法により製造可能である。水素化トルトリアゾールのような水素化ベンゾトリアゾールは、DE-A 1 948 794に記載されているとおりに同様に入手可能であり、商業的にも入手可能である。
オルトケイ酸のエステルまたはアルコキシアルキルシラン(D)
オルトケイ酸のエステルは、式
Si(OR1)4
[式中、
R1は、1~6個の炭素原子を含む有機置換基、例えば、1~6個の炭素原子を含む直鎖状もしくは分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基、または6個の炭素原子を含む芳香族置換基、より好ましくは1~4個の炭素原子を含むアルキル置換基、より一層好ましくは、1個もしくは2個の炭素原子を含むアルキル置換基である]
の化合物である。
アルコキシアルキルシランはそれほど好ましくなく、アルコキシ置換基とアルキル基との両方は、1~6個の炭素原子を含む直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基、より好ましくは、1~4個の炭素原子を含むアルキル置換基、より一層好ましくは、1個もしくは2個の炭素原子を含むアルキル置換基を含む。
化合物(D)の典型例としては、テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラメトキシシランおよびテトラエトキシシラン、ならびにアルコキシアルキルシラン、好ましくはトリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシランおよびメトキシトリメチルシランが挙げられる。テトラアルコキシシランが好ましく、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランが特に好ましく、テトラエトキシシランが特に好ましい。
化合物(D)は主にアルミニウム腐食の抑制剤として使用される。
第3級アミン(E)
少なくとも1つの第3級アミン(E)は、少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する。可能な第3級アミン(E)は、1、2または3個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基、好ましくは、2または3個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基、より好ましくは、2-ヒドロキシエチル基を含有しうる。
2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基ではない第3級アミン(E)の置換基は、20個までの炭素原子、好ましくは18個まで、より好ましくは16個まで、より一層好ましくは14個まで、特に12個までの炭素原子を有する脂肪族、脂環式または芳香族基でありうる。
これらの置換基は、好ましくは脂肪族または芳香族であり、より好ましくは脂肪族である。
芳香族置換基は、例えばフェニル、トリルまたはナフチルでありうる。
脂肪族置換基は直鎖状または分枝状であることが可能であり、好ましくは1~18個の炭素原子、好ましくは2~16個、より好ましくは4~14個、特に6~12個の炭素原子を含む直鎖状アルキル置換基である。
化合物(E)においては、好ましくは、置換基は、好ましくは脂肪酸およびエステルの水素化およびアミノ化により、特に好ましくは以下のものの水素化およびアミノ化により入手可能な脂肪族アミンから誘導される:2-エチルヘキサン酸、オクタン酸(カプリル酸)、ペラルゴン酸(ノナン酸)、2-プロピルヘプタン酸、デカン酸(カプリン酸)、ウンデカン酸、ドデカン酸(ラウリン酸)、トリデカン酸、テトラデカン酸(ミリスチン酸)、ペンタデカン酸、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、パルミトレイン酸[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン酸]、マルガリン酸(ヘプタデカン酸)、ステアリン酸(オクタデカン酸)、オレイン酸[(9Z)-オクタデカ-9-エン酸]、エライジン酸[(9E)-オクタデカ-9-エン酸]、リノール酸[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸]、リノレン酸[(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸]、エレオステアリン酸[(9Z,11E,13E)-オクタデカ-9,11,13-トリエン酸]、リシノール酸((R)-12-ヒドロキシ-(Z)-オクタデカ-9-エン酸)、イソリシノール酸[(S)-9-ヒドロキシ-(Z)-オクタデカ-12-エン酸]、ノナデカン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、ベヘン酸(ドコサン酸)およびエルカ酸[(13Z)-ドコサ-13-エン酸]。
1個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基および2個の他の置換基を含有する第3級アミン(E)の例としては、一般式(I)
Figure 2023538745000004
[式中、
R2およびR3は、互いに独立して、前記の置換基であり、好ましくは直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基であって、1~18個の炭素原子、好ましくは2~16個、より好ましくは4~14個、特に6~12個の炭素原子を含むものであり、あるいは、一緒になって、窒素原子を含む5または6員環を形成してもよい;
Xiは-CH2-CH2-O-、-CH2-CH(CH3)-O-または-CH(CH3)-CH2-O-、好ましくは-CH2-CH2-O-である;
nは1~5、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、より一層好ましくは1または2、特に1の正の整数である]
のものが挙げられる。
好ましい個々の化合物はジメチルエタノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルプロパノールアミン、ジ-n-ブチルエタノールアミン、ジ-n-ブチルプロパノールアミン、N-ヒドロキシエチルピロリジン、N-ヒドロキシエチルピペリジンおよびN-ヒドロキシエチルモルホリンである。
2個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基および1個の他の置換基を含有する第3級アミン(E)の例としては、一般式(II)
Figure 2023538745000005
[式中、
R4は前記の置換基であり、好ましくは直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基であって、1~18個の炭素原子、好ましくは2~16個、より好ましくは4~14個、特に6~12個の炭素原子を含むものである;
i=1~pおよび1~qの場合の各Xiは、独立して、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH(CH3)-O-または-CH(CH3)-CH2-O-からなる群から選択され、好ましくは-CH2-CH2-O-である;ならびに
pおよびqは、互いに独立して、1~5、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、より一層好ましくは1または2、特に1の正の整数である]
のものが挙げられる。
好ましい個々の化合物は、置換基R4としてn-ヘキシルアミン、2-メチルペンチルアミン、n-ヘプチルアミン、2-ヘプチルアミン、イソヘプチルアミン、1-メチルヘキシルアミン、n-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、2-アミノオクタン、6-メチル-2-ヘプチルアミン、n-ノニルアミン、イソノニルアミン、n-デシルアミンおよび2-プロピルヘプチルアミンを含有するビス(2-ヒドロキシエチル)アミンもしくはビス(2-ヒドロキシプロピル)アミンまたはそれらの混合物である。
特に好ましいのは、ビス(2-ヒドロキシエチル)置換n-ヘキシルアミン、n-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミンおよびn-デシルアミン(特に好ましくはn-オクチルアミンおよび2-エチルヘキシルアミン)であり、特に、ビス(2-ヒドロキシエチル)n-オクチルアミンが特に好ましい。
これらの化合物は、対応アミンR4-NH2をアルキレンオキシドと、所望の平均統計的アルコキシル化度まで、好ましくは塩基性条件下で反応させることにより得られうる。これは、構造単位Xiがエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドから誘導される場合に特に好ましい。
3個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する第3級アミン(E)の例としては、トリエタノールアミンおよびトリプロパノールアミン、好ましくはトリエタノールアミンが挙げられる。
好ましいアミン(E)はジメチルエタノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジ-n-ブチルエタノールアミン、N-ヒドロキシエチルモルホリン、ビス(2-ヒドロキシエチル)n-ヘキシルアミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)n-オクチルアミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)2-エチルヘキシルアミン、ビス(2-ヒドロキシエチル)n-デシルアミンおよびトリエタノールアミンである。
モノカルボン酸(F)
適切なモノカルボン酸(F)は、20個までの炭素原子、好ましくは2~18個、より好ましくは5~16個、より一層好ましくは5~14個、最も好ましくは6~12個、特に8~10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状の脂肪族、脂環式または芳香族モノカルボン酸でありうる。
分枝鎖状の脂肪族モノカルボン酸は、対応する直鎖状のモノカルボン酸より好ましい。
有用な直鎖状または分枝鎖状の脂肪族または脂環式モノカルボン酸(F)は、例えば、プロピオン酸、ペンタン酸、2,2-ジメチルプロパン酸、ヘキサン酸、2,2-ジメチルブタン酸、シクロヘキシル酢酸、オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸またはドデカン酸である。
適切な芳香族モノカルボン酸(F)は、特に、安息香酸である。更にまた、有用なのは、例えば、C1~C8-アルキル安息香酸、例えばo-、m-、p-メチル安息香酸またはp-tert-ブチル安息香酸、およびヒドロキシル含有芳香族モノカルボン酸、例えばo-、m-もしくはp-ヒドロキシ安息香酸、o-、m-もしくはp-(ヒドロキシメチル)安息香酸、またはハロ安息香酸、例えばo-、m-もしくはp-フルオロ安息香酸である。
特に好ましいのは2-エチルヘキサン酸およびイソノナン酸である。
本明細書中で用いるイソノナン酸は、9個の炭素原子を有する1以上の分枝鎖状脂肪族カルボン酸を意味する。エンジン冷却剤組成物において使用されるイソノナン酸の実施形態は、7-メチルオクタン酸(例えば、CAS番号693-19-6および26896-18-4)、6,6-ジメチルヘプタン酸(例えば、CAS番号15898-92-7)、3,5,5-トリメチルヘキサン酸(例えば、CAS番号3302-10-1)、3,4,5-トリメチルヘキサン酸、2,5,5-トリメチルヘキサン酸、2,2,4,4-テトラメチルペンタン酸(例えば、CAS番号3302-12-3)およびそれらの組合せを含みうる。好ましい実施形態においては、イソノナン酸は、その主成分として、90%を超える7-メチルオクタン酸、6,6-ジメチルヘプタン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、3,4,5-トリメチルヘキサン酸、2,5,5-トリメチルヘキサン酸および2,2,4,4-テトラメチルペンタン酸の1つを含有する。イソノナン酸の残りは他の9炭素カルボン酸異性体および少量の1以上の夾雑物を含みうる。好ましい実施形態においては、イソノナン酸は、その主成分として、90%を超える3,5,5-トリメチルヘキサン酸を含有し、より一層好ましくは、主成分は、95%を超える3,5,5-トリメチルヘキサン酸である。
モノカルボン酸に加えて、またはその代わりに、より高い官能価(functionality)を有するカルボン酸、例えばジカルボン酸またはトリカルボン酸を使用することは可能であるが、不利である。モノカルボン酸の使用は、一般に使用されるジカルボン酸と比較して優れた結果をもたらすことが示されている。実施例を参照されたい。
ジカルボン酸またはトリカルボン酸が使用される場合、それは脂肪族、脂環式または芳香族、好ましくは脂肪族または芳香族、より好ましくは脂肪族であって、20個までの炭素原子、好ましくは18個まで、より好ましくは16個まで、より一層好ましくは14個まで、特に12個までの炭素原子を有するものでありうる。
ジカルボン酸が使用される場合、ジカルボン酸の例としては以下のものが挙げられる:シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、アルキルまたはアルケニルコハク酸、2-メチルブタン二酸、2-エチルペンタン二酸、2-n-ドデシルブタン二酸、2-n-ドデセニルブタン二酸、2-フェニルブタン二酸、2-(p-メチルフェニル)ブタン二酸、2,2-ジメチルブタン二酸、2,3-ジメチルブタン二酸;2,3,4-トリメチルペンタン二酸、2,2,3-トリメチルペンタン二酸;2-エチル-3-メチルブタン二酸マレイン酸、フマル酸、ペンタ-2-エン二酸、ヘキサ-2-エン二酸;ヘキサ-3-エン二酸;5-メチルヘキサ-2-エン二酸;2,3-ジメチルペンタ-2-エン二酸;2-メチルブタ-2-エン二酸、2-ドデシルブタ-2-エン二酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸および置換フタル酸、例えば3-メチルベンゼン-1,2-ジカルボン酸;4-フェニルベンゼン-1,3-ジカルボン酸;2-(1-プロペニル)ベンゼン-1,4-ジカルボン酸、および3,4-ジメチルベンゼン-1,2-ジカルボン酸。
トリカルボン酸が使用される場合、トリカルボン酸の例としては、ベンゼントリカルボン酸(全ての異性体)およびトリアジントリイミノカルボン酸、例えば6,6’,6’’-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)トリヘキサン酸が挙げられる。
好ましい実施形態においては、本発明による冷却剤は、1より高い官能価を有するカルボン酸を含有しない。
シリコホスホネート(G)
所望により使用されてもよい構成成分として、少なくとも1つのシリコホスホネート(G)を本発明による冷却剤において使用することが可能である。
シリコホスホネートは、一般構造(V)
Figure 2023538745000006
[式中、
R5は2価有機基、好ましくは、1~6個、好ましくは1~4個の炭素原子を有する1,ω-アルキレン基、より好ましくはメチレン、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレンまたは1,4-ブチレン、最も好ましくは1,2-エチレンまたは1,3-プロピレン、特に1,2-エチレンである;
R6およびR7は、互いに独立して、C1-~C4-アルキル、またはヒドロキシ-C2-~C4-アルキル、好ましくは水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチルもしくはtert-ブチル、2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル、より好ましくは水素、メチル、エチルまたはプロピルである]
のものである。
そのようなシリコホスホネートは、遊離ホスホン酸として、またはそれらのナトリウムもしくはカリウム塩、好ましくはナトリウムもしくはカリウム塩、より好ましくはナトリウム塩の形態で存在しうる。
追加的な冷却剤添加剤(H)
更に、本発明の冷却剤に典型的な冷却剤添加剤を更に添加することが可能である。ただし、それらは、導電率を、前記の臨界値を超えて増加させるものでないことを要する。
本発明の冷却剤は、追加的な通常の補助剤として、通常の少量の消泡剤(一般に0.003~0.008重量%の量)を含んでいてもよく、そして、それが飲み込まれた場合の衛生上および安全上の理由から、苦味物質(例えば、安息香酸デナトニウム型のもの)および染料を含んでいてもよい。
非イオン性添加剤を使用して同様の効果が達成されうる限り、可能な場合には、非イオン性添加剤の使用がイオン性代替物よりも好ましい。
組成
本発明による冷却剤の主要要件は、冷却剤が、電気エンジン搭載車両の冷却系に適したものとなるように、50μS/cm未満、好ましくは45μS/cm未満(ASTM D 1125に従い決定されるもの)の25℃での導電率を示すことである。
その目的を達成するためには、イオン種の量、イオン性副生成物を含有しうる種の量、または酸および塩基のようなイオンを形成しうる種の組合せの量を最少に維持して、導電率が臨界値を超えないようにすべきである。
したがって、冷却剤中の成分(C)~(H)の量は、導電率が臨界値を超えないように選択される。
イオン形成種の組合せを最少に維持するためには、第3級アミン(E)とモノカルボン酸(F)とのモル比は1:0.1~1:0.6、好ましくは0.15~0.5、より好ましくは0.2~0.4である。
1より高い官能価を有する分子が使用される場合には、化合物(E)および(F)のそれぞれアミノ基およびカルボン酸基の数量が考慮される。
典型的には、本発明による冷却剤は以下のとおりに構成される。
(A)少なくとも1つのグリコール:10~90重量%、好ましくは20~80重量%、より好ましくは30~70重量%;
(B)水:10~90重量%、好ましくは20~80重量%、より好ましくは30~70重量%;
(C)少なくとも1つのアゾール誘導体:0.01~1重量%、好ましくは0.02~0.9重量%、より好ましくは0.03~0.8重量%、より一層好ましくは0.04~0.5、特に0.05~0.3重量%;
(D)少なくとも1つの、オルトケイ酸のエステル、またはアルコキシアルキルシラン:0.01~1重量%、好ましくは0.02~0.9重量%、より好ましくは0.03~0.8重量%、より一層好ましくは0.04~0.5、特に0.05~0.3重量%;
(E)少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する少なくとも1つの第3級アミン:0.01~1重量%、好ましくは0.015~0.9重量%、より好ましくは0.02~0.8重量%;
(F)少なくとも1つのモノカルボン酸:0.01~1重量%、好ましくは0.015~0.8重量%、より好ましくは0.02~0.6重量%;
(G)所望により含まれてもよい少なくとも1つのシリコホスホネート:0~1重量%、好ましくは0.01~0.8重量%、より好ましくは0.02~0.6重量%;
(H)所望により含まれてもよい少なくとも1つの追加的な冷却剤添加剤:それぞれの追加的な冷却剤添加剤に関して0~0.5重量%、好ましくは0.01~0.4重量%、より好ましくは0.02~0.3重量%。
ただし、全ての成分の合計は常に100重量%になる。
本発明のもう1つの実施形態は冷却剤濃縮物である。冷却剤は、通常、冷却剤濃縮物から、水(B)で希釈することにより得られる。したがって、冷却剤濃縮物は、通常、水(B)をほとんど又は全く含有しない。
典型的には、本発明による冷却剤濃縮物は以下のとおりに構成される。
(A)少なくとも1つのグリコール:50~99.9重量%、好ましくは60~99.8重量%、より好ましくは75~99.7重量%;
(B)水:0~10重量%、好ましくは0~8重量%、より好ましくは0~5重量%;
(C)少なくとも1つのアゾール誘導体:0.02~1重量%、好ましくは0.04~0.8重量%、より好ましくは0.06~0.6重量%、より一層好ましくは0.08~0.5、特に0.1~0.4重量%;
(D)少なくとも1つの、オルトケイ酸のエステル、またはアルコキシアルキルシラン:0.02~1重量%、好ましくは0.04~0.8重量%、より好ましくは0.06~0.6重量%、より一層好ましくは0.08~0.5、特に0.1~0.4重量%;
(E)少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する少なくとも1つの第3級アミン:0.02~0.8重量%、好ましくは0.03~0.6重量%、より好ましくは0.04~0.5重量%;
(F)少なくとも1つのモノカルボン酸:0.01~0.5重量%、好ましくは0.02~0.3重量%、より好ましくは0.03~0.2重量%;
(G)所望により含まれてもよい少なくとも1つのシリコホスホネート:0~1重量%、好ましくは0.02~0.8重量%、より好ましくは0.04~0.6重量%;
(H)所望により含まれてもよい少なくとも1つの追加的な冷却剤添加剤:それぞれの追加的な冷却剤添加剤に関して0~0.5重量%、好ましくは0.002~0.4重量%、より好ましくは0.004~0.3重量%。
ただし、全ての成分の合計は常に100重量%になる。
本発明のもう1つの実施形態は冷却剤超濃縮物である。冷却剤濃縮物は、通常、冷却剤超濃縮物から、グリコール(A)で希釈することにより得られ、それぞれ、冷却剤は、冷却剤超濃縮物から、グリコール(A)および水(B)で希釈することにより得られうる。したがって、冷却剤濃縮物は、通常、水(B)をほとんど又は全く含有せず、グリコール(A)をほとんど又は全く含有しない。
典型的には、本発明による冷却剤超濃縮物は以下のとおりに構成される。
(A)少なくとも1つのグリコール:70~99.5重量%、好ましくは80~99重量%、より好ましくは90~98重量%;
(B)水:0~10重量%、好ましくは0~8重量%、より好ましくは0~5重量%;
(C)少なくとも1つのアゾール誘導体:0.05~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.2~3重量%、より一層好ましくは0.3~2、特に0.4~1.5重量%;
(D)少なくとも1つの、オルトケイ酸のエステル、またはアルコキシアルキルシラン:0.05~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.2~3重量%、より一層好ましくは0.3~2、特に0.4~1.5重量%;
(E)少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する少なくとも1つの第3級アミン:0.1~4重量%、好ましくは0.15~3重量%、より好ましくは0.2~2.5重量%;
(F)少なくとも1つのモノカルボン酸:0.05~1重量%、好ましくは0.1~0.9重量%、より好ましくは0.2~0.8重量%;
(G)所望により含まれてもよい少なくとも1つのシリコホスホネート:0~5重量%、好ましくは0.02~4重量%、より好ましくは0.04~3重量%;
(H)所望により含まれてもよい少なくとも1つの追加的な冷却剤添加剤:それぞれの追加的な冷却剤添加剤に関して0~1重量%、好ましくは0.005~0.8重量%、より好ましくは0.008~0.6重量%。
ただし、全ての成分の合計は常に100重量%になる。
本発明による冷却剤は、その低い導電率ゆえに、電気エンジン、燃料電池、または燃焼エンジンと電気エンジンとを組合せた若しくは燃焼エンジンと燃料電池とを組合せたハイブリッドエンジンを搭載した車両の冷却系において使用されうる。
実施例
以下の実施例において本発明を例示するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
冷却剤組成物を、表1に記載されている成分を混合することにより製造した(全ての量は重量%で示されている)。表1において指摘されている特性および物理的パラメーターを以下のとおりに決定した。
外観 視覚的
水、% DIN 51777
20℃での密度, g/cm3 DIN 51757
pH(現状) ASTM D 1287
10mLの予備アルカリ度, mL 0.1 mol/L HCl ASTM D 1121
20℃での屈折率 DIN 51423
25℃での導電率, μS/cm ASTM D 1125
実施例2、4、5および6は比較目的のためのものであり、実施例1、3、7および8は本発明によるものである。
冷却剤の酸性分解生成物を緩衝化するのに必要な十分な予備アルカリ度を確保するために、種々の塩基を使用して、冷却剤をわずかにアルカリ性のpH値にした。
目標pH値を達成するために、強塩基である水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの(比較例4および5)を使用すると、それらの完全な解離ゆえに、導電率が、許容できない高い値まで上昇することが、容易に認められうる。
塩基としてジイソプロピルアミンを使用すると(比較例2)、導電率は低下するが、それは50μS/cmの臨界値を尚も超えたままである。この臨界値は本発明による塩基(E)(実施例3におけるオクチルジエタノールアミン、および好ましくは、実施例1におけるトリエタノールアミン)のみによって達成される。
カルボン酸を種々変化させたところ、ジカルボン酸であるセバシン酸(比較例6)を使用した場合、導電率は50μS/cmの臨界値を超えたままであることが示されている。芳香族モノカルボン酸である安息香酸(実施例8)は良好な値を示し、脂肪族モノカルボン酸であるエチルヘキサン酸(実施例7)、そして特にイソノナン酸(実施例1)が最も好ましい。
Figure 2023538745000007
腐食の実施例
実施例1の冷却剤組成物と、0.01重量%のシリコホスホネート[式(V)、R5=1,3-プロピレン、R6、R7=メチルおよびエチル(統計的混合物)、ナトリウム塩]を更に含む実施例1の組成物とを、ASTM D 1384に従う88℃での腐食試験において比較した。pH、予備アルカリ度、導電率およびシリコン含量の値を腐食試験の前および後で測定した。
Figure 2023538745000008
腐食試験およびpH値の結果は測定精度の範囲内で同等であるが、予備アルカリ度の低下およびシリコン含量の喪失は、シリコホスホネートの存在下では、その非存在下ほど顕著ではない。
したがって、冷却剤は、アルミニウム腐食の抑制剤として作用するテトラエトキシシランの消費を減少させる少なくとも1つのシリコホスホネートを含有することが好ましい。

Claims (14)

  1. (A)少なくとも1つのグリコール、
    (B)水、
    (C)少なくとも1つのアゾール誘導体、
    (D)少なくとも1つの、オルトケイ酸のエステル、またはアルコキシアルキルシラン、
    (E)少なくとも1つの2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する少なくとも1つの第3級アミン、
    (F)少なくとも1つのモノカルボン酸、
    (G)所望により含まれていてもよい少なくとも1つのシリコホスホネート、
    (H)所望により含まれていてもよい少なくとも1つの追加的な冷却剤添加剤
    を含む冷却剤であって、
    第3級アミン(E)とモノカルボン酸(F)とのモル比が1:0.1~1:0.6であり、
    冷却剤が50μS/cm未満、好ましくは45μS/cm未満の導電率を示すような量で成分(C)~(H)が存在する、前記冷却剤。
  2. グリコール(A)が、モノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、モノプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、高級ポリアルキレングリコール、アルキレングリコールエーテルおよびグリセロールからなる群から選択される、請求項1記載の冷却剤。
  3. アゾール誘導体(C)が、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トルトリアゾール、水素化トルトリアゾール、(2-ベンゾチアジルチオ)酢酸および(2-ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸からなる群から選択される、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  4. オルトケイ酸のエステル(D)が、オルトケイ酸テトラエチルエステルまたはオルトケイ酸テトラメチルエステルである、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  5. 第3級アミン(E)が、
    ・一般式(I)
    Figure 2023538745000009
    [式中、
    R2およびR3は、互いに独立して、前記の置換基であり、好ましくは直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基であって、1~18個の炭素原子、好ましくは2~16個、より好ましくは4~14個、特に6~12個の炭素原子を含むものであり、あるいは、一緒になって、窒素原子を含む5または6員環を形成してもよい;
    Xiは-CH2-CH2-O-、-CH2-CH(CH3)-O-または-CH(CH3)-CH2-O-、好ましくは-CH2-CH2-O-である;
    nは1~5、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、より一層好ましくは1または2、特に1の正の整数である]
    の化合物、
    ・一般式(II)
    Figure 2023538745000010
    [式中、
    R4は前記の置換基であり、好ましくは直鎖状または分枝状、好ましくは直鎖状のアルキル置換基であって、1~18個の炭素原子、好ましくは2~16個、より好ましくは4~14個、特に6~12個の炭素原子を含むものである;
    i=1~pおよび1~qの場合の各Xiは、独立して、-CH2-CH2-O-、-CH2-CH(CH3)-O-または-CH(CH3)-CH2-O-からなる群から選択され、好ましくは-CH2-CH2-O-である;ならびに
    pおよびqは、互いに独立して、1~5、好ましくは1~4、より好ましくは1~3、より一層好ましくは1または2、特に1の正の整数である]
    の化合物、
    ・3個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する第3級アミン
    から選択される、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  6. 一般式(I)の第3級アミンが、ジメチルエタノールアミン、ジメチルプロパノールアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエチルプロパノールアミン、ジ-n-ブチルエタノールアミン、ジ-n-ブチルプロパノールアミン、N-ヒドロキシエチルピロリジン、N-ヒドロキシエチルピペリジンおよびN-ヒドロキシエチルモルホリンからなる群から選択される、請求項5記載の冷却剤。
  7. 一般式(I)の第3級アミンが、置換基R4としてn-ヘキシルアミン、2-メチルペンチルアミン、n-ヘプチルアミン、2-ヘプチルアミン、イソヘプチルアミン、1-メチルヘキシルアミン、n-オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、2-アミノオクタン、6-メチル-2-ヘプチルアミン、n-ノニルアミン、イソノニルアミン、n-デシルアミンおよび2-プロピルヘプチルアミンを含有するビス(2-ヒドロキシエチル)アミンもしくはビス(2-ヒドロキシプロピル)アミンまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5記載の冷却剤。
  8. 3個の2-ヒドロキシエチルまたは2-ヒドロキシプロピル基を含有する第3級アミンが、トリエタノールアミンおよびトリプロパノールアミンからなる群から選択される、請求項5記載の冷却剤。
  9. モノカルボン酸(F)が、5~14個の炭素原子、好ましくは6~12個の炭素原子を有する脂肪族、芳香族または脂環式、好ましくは脂肪族である、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  10. モノカルボン酸(F)が直鎖状または分枝状、好ましくは分枝状の脂肪族である、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  11. モノカルボン酸(F)が、2-エチルヘキサン酸およびイソノナン酸からなる群から選択される、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  12. 1より高い官能価を有するカルボン酸が存在しない、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤。
  13. 含水量が5重量%以下である、、先行する全請求項のいずれか1項記載の冷却剤濃縮物。
  14. 電気エンジン、燃料電池、または燃焼エンジンと電気エンジンとを組合せた若しくは燃焼エンジンと燃料電池とを組合せたハイブリッドエンジンを搭載した車両の冷却系における冷却剤としての、請求項1~12のいずれか1項記載の冷却剤の使用。
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