JP2023536830A - 循環式で行われる反応ステップにおける活性損失を最小化するための方法 - Google Patents

循環式で行われる反応ステップにおける活性損失を最小化するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、メタクリレート、例えばメタクリル酸および/またはアルキルメタクリレート、特にMMAの新規の製造方法に関する。本発明は、C2またはC4原料に基づく製造方法、すなわち特に原料としてのイソブチレンまたはtert-ブタノールまたはエチレンから進行する方法の、触媒の耐用年数の延長および効率の向上に基づくものである。本発明による本方法によって、このような方法を中断することなく、一定のまたはさらには増加した活性および選択率でより長い期間実施することが可能となった。これにより、このような方法を非常に容易な、経済的に実行可能でかつ環境に優しい様式で実施することができる。さらに、本発明による本方法によって、メタクロレイン中間体に由来する既知の安全上のリスクを最小化することが可能となった。

Description

本発明は、循環運転で行われる反応ステップにおける活性損失を最小化するための方法に関する。化学工業における多数のプロセスにおいて、このような循環運転モードは、反応器に供給された原料の一部のみが反応ステップにおいて目的生成物に転化され、反応器の下流にある原料の残りの残留物が反応器の入口に戻される場合に採用される。このような部分的な転化の目的は例えば、高転化率の領域でより高い程度で形成され、発熱反応の場合には、高転化率で生じる反応温度の上昇の結果として形成される副産物の不可逆的な形成を最小限に抑えることであり得る。このような副産物の形成は、所望の生成物の比原料コストを増加させ、副産物の廃棄コストを伴う。
先行技術
循環モードは、高転化の領域で典型的に発生する副産物に煩わされることなく、目的生成物を原料から高収率で得ることができるという効果を奏することができる。
このために、総じて、反応ステップで転化されなかった原料は、適切なプロセスステップによって目的生成物から分離され、任意に、目的生成物から同様に分離された他の成分と共に反応器投入流に返送される。このようなプロセスステップには、抽出、晶析、蒸留、凝縮および膜分離法が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。一般的なプロセススキームを図1に示す。
このようにして分離された未転化原料は、反応器投入流に返送される前に、しばしば適切な装置で中間貯蔵される。このような装置には、ガスメータ、圧力容器および貯蔵槽があるが、これらに限定されるものではない。このような貯蔵の利点は、変動する転化レベルに起因する未転化原料の質量流量の変動を相殺することによって、反応器投入流中の未転化原料の濃度を容易に一定に保つことができることにある。これは、並行して行われる複数の同一の反応ステップからの未転化原料流を共通の装置に回収し、すべての反応器に同じ配分で返送する場合に特に有利である。未転化原料の投入濃度を一定にすることで、反応ステップでの例えば圧力や温度といった運転パラメータの調整が不要になり、信頼性が高く中断のない生産運転が保証される。
このような回収装置は、通常、運転パラメータを調整する何らかの必要が生じるまでの時間ができるだけ長くなるように設計されている。理想的には、例えば、中間貯蔵槽は、未転化原料をさらに長期間にわたって一定に再循環できるように、大容積で設計される。また、中間貯蔵時の圧力や温度などのパラメータは、反応ステップへの投入流のパラメータにできるだけ近いものを選択すると有利である。こうして、エネルギー集約的な圧縮、加熱または冷却のステップを回避することが可能になる。この文脈では、例えば、反応ステップの投入温度に近い温度での未転化原料の中間貯蔵が、エネルギー的に非常に有利である。
循環運転で実施されるそのような反応ステップの例としては、部分液相水素化、部分気相酸化、および不飽和カルボニル化合物の酸化的エステル化があるが、これらに限定されるものではない。総じて、このような反応は触媒によって促進されるが、こうした触媒は、固体状態の触媒であってもよい。この場合、これらは、例えば、第1の反応ステップで得られた目的生成物が第2の反応ステップの原料となる多段反応カスケードの一部であってもよい。また、第2の反応ステップを循環運転で実施し、第1の反応ステップで得られた目的生成物を第2の反応ステップの原料として適切な装置で中間貯蔵することも同様に可能である。
このような多段反応カスケードの重要な一例として、水と空気の存在下でイソブテン(IBEN)またはtert-ブタノール(TBA)などのC4種を2段酸化させ、メタクロレイン中間体を経てメタクリル酸を製造する方法がある。
不飽和カルボン酸であるメタクリル酸(MAA)は、プラスチックの製造の出発物質として使用される。メタクリル酸の塩やエステルは、メタクリレートと称される。その中でも重要な代表物として知られているのが、メチルメタクリレート(MMA)である。
MAAは年間300万トン以上生産されており、主に他の化合物の合成の出発原料として使用されている。MAAは、工業的には、スチームクラッカー生成物であるエテン(C2種)やイソブテン(C4種)から進行してメタクロレイン(MAL)の中間体を経て得ることができる。
MAL自体は、ポリマー、特に例えばポリメチルメタクリレート[PMMA]、樹脂、作物保護製品、ならびにわずかではあるが香料および臭気剤の製造の中間体として使用されている。
C2種であるエチレンからメタクリレートを製造する場合、エチレンからヒドロホルミル化によって得られるプロピオンアルデヒドを、まず第1の反応ステップでホルムアルデヒドと反応させてMALを得る。次いで第2の反応ステップで、このMALをメタノールにより触媒的に酸化的エステル化してMMAを得ることができる。対応するプロセスは、国際公開第2014/170223号に記載されている。あるいは、このMALをMAAに酸化させ、任意にその後メタノールによりエステル化してMMAを得ることもできる。
C4種からのMMAの製造では、総じて、IBEN、TBAまたはIBENとTBAとの混合物を、まず、第1の反応段階において気相中にて不均一系触媒(「触媒1」)で酸素含有ガス混合物と一緒に転化させて、MAL含有ガス混合物を得る。ここでのC4種の転化率は実質的に定量的であり、例えば99%超であることが報告されている。C4種のMALへの酸化方法は、例えば独国特許出願公開第102006015710号明細書または欧州特許出願公開第1995232号明細書に記載されている。第1の反応段階を出たプロセスガス相を、大気中酸素および水蒸気と共に、より低温の再循環MAL含有ガス相と混合する。これにより、第2の段階のためのフィードガスが得られる。
このようにして製造されたMAL含有ガス混合物を、次に第2の反応段階において気相中でさらなる不均一系触媒(「触媒2」)でMAA含有ガス混合物に転化させる。
第2の酸化段階は、第1の酸化段階と同様に、0.1~2barの中程度のゲージ圧で260~360℃の温度で運転される。このために、モリブデンおよびリンをベースとし、さらにいくつかのドーパントを含むヘテロポリ酸触媒が用いられる(例えば、米国特許出願公開第2007/0010394号明細書参照)。修飾ヘテロポリ酸は、高い転化率で選択率が著しく低くなる傾向にある。そのため、転化率およびそれに伴う触媒担持量は、65%~85%に設定される。すべてのプロセスおよびその改良形態について、この状況により、プロセスガス中の所望のメタクリル酸生成物から未転化メタクロレインを分離し、最終的に再循環MALとして第2の酸化反応器の上流に戻す必要性が生じる。
このようなメタクロレインの分離は、通常、少なくとも1回の蒸留または抽出ステップによって行われる。MAL自体は、プロセスガスから吸収され、さらに処理され、ある程度精製され、脱着プロセスおよび任意に少なくとも1回の蒸留運転により分離される。吸収および脱着の後に、任意にさらに蒸留が行われる。アクロレインに加えて、揮発性であるが凝縮可能な成分が存在する結果、分離の複雑さにより、いくつかの有機副産物成分、通常は70重量%を超えるMAL濃度を有するMAL混合物と共に粗メタクロレインが得られる。例えば、英国特許出願公開第2004886号明細書には、メタクリル酸のような高沸点成分を凝縮させる急冷塔にMAL含有反応混合物を通過させることが記載されている。その後、残留ガス中に残存するMALが吸収され、ストリッピングの後にガス状で第2の酸化段階に供給される。
メタクリル酸から分離されたメタクロレイン含有混合物は、触媒品質およびプロセスレジームパラメータに応じて、第2の反応段階の後に、メタクロレインに加えて、アルデヒドを含むさらなる副産物をも含有する。先行技術として、再循環MALについて、以下の一連の副産物を定義することができる:
アセトアルデヒド 0.5~4重量%
アセトン 1~8重量%
アクロレイン 1~5重量%
ブタン-2,3-ジオン 0.05~0.4重量%
MMA 0.2~1.5重量%
水 1~5重量
メタクリル酸 1~5重量%
酢酸 0.1~3重量%
したがって、
メタクロレイン 70~95重量%
このプロセスによる、例えば第1および第2の酸化段階のタンデム運転またはMALの中間単離における再循環MALの特徴は、70重量%を超えるメタクロレイン含有量、ならびにアセトン、アクロレインおよびアセトアルデヒドなどの低沸点成分と、MMA、水およびメタクリル酸などの高沸点成分との双方の存在である。
第2の反応段階後に得られたMAAは、その後メタノールによりMMAに転化される。C4法に関する包括的な詳細は、特にUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry 2012, Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, Methacrylic Acid and Derivatives, DOI: 10.1002/14356007.a16_441.pub2、およびKrill and Ruehling et al. “Viele Wege fuehren zum Methacrylsaeuremethylester” [Many Routes lead to Methyl Methacrylate], WILEY‐VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, Weinheim, doi.org/10.1002/ciuz.201900869に記載されている。全体として、C4ベースのMMA製造経路には、以下の3つがよく知られている。
方法A「タンデムC4直接酸化法(住友プロセス)」、メタクロレインの中間単離を行わない。この場合、第1のステップでイソブテンからMALを製造し、これを第2のプロセスステップでMAAに酸化させ、次いで第3のプロセスステップでMAAをメタノールでエステル化することによりMMAを得る。この方法は、第1の段階で得られるプロセスガスがMAL中間体を単離することなく直接MAAに酸化されることから、文献では「タンデムプロセス」とも呼ばれている。
方法B「分離C4直接酸化(三菱プロセス)」:この場合、方法Aと同様に、第1のプロセスステップでイソブテンからMALを製造し、別のプロセスステップにて液体形態で単離および精製した後、第3のプロセスステップで蒸発および酸化させてMAAとし、最後に第4のプロセスステップでエステル化してMMAに転化させる。
方法C「ダイレクトメタプロセス(アサヒプロセス)」または直接酸化的エステル化プロセス:この場合にも、第1のプロセスステップで、気相中でイソブテンから第1の触媒でMALを製造し、これを第2のプロセスステップで同様にまず単離および中間精製した後、第3のプロセスステップでMMAに直接酸化的エステル化させる。第3のプロセスステップは、液相中で懸濁触媒にて行われる。このように、気相でそれぞれ異なる触媒で2つの部分酸化を行う方法AおよびBと比較した場合の本方法の本質的な相違は、気相でのステップと液相でのプロセスステップとの組み合わせである。
記載されたすべての方法は、先行技術において、例えば、(i)IHS Chemical Process Economics Program, Review 2014-05, R.J. Chang, Syed Naqviまたは(ii)S. Nakamura, H. Ichihashi, Vapor Phase Catalytic Oxidation of Isobutene to Methacrylic Acid, Stud. Surf. Sci. Catal. 1981, 7, 755-767において十分に文書化されている。
方法AまたはBにおけるMALからMAAへの部分酸化は発熱的に進行するが、「触媒2」としてヘテロポリ酸(HPA)触媒を使用することにより促進させることができる。このために、空気、水蒸気、未転化の再循環反応ガスおよび未転化の再循環MALからなる、フィードとも呼ばれるガス混合物が触媒2で酸化される。このために用いられる反応器は、典型的にはシェルアンドチューブ式装置の形態であり、放出される熱は、1つ以上のゾーンで実行される塩浴により除去される。欧州特許出願公開第0006248号明細書に記載されているように、触媒2は、モリブデン、バナジウム、リンおよび酸素を含む配合物を含むことができる。
第2の反応段階におけるMALからMAAへの酸化は、塩浴温度が例えばT=260~300℃と比較的低い場合であっても新鮮な触媒を用いて実施することができるが、触媒の寿命の経過に伴い、触媒活性の経年変化に伴う損失を補償するために、塩浴温度を例えば310~330℃まで上昇させることが必要である。塩浴温度の上昇により、触媒層を1回通過した場合の転化率およびMAA収率が一定に保たれ、これは、経済的に実現可能な範囲でプロセスを運転するための前提条件となる。
塩浴温度の上昇により、反応ガス温度も連続的に上昇する。触媒の寿命は、GHSV(「ガス時空間速度、gas hourly space velocity」)で表されるガス負荷に応じて通常は1~3年であり、この寿命が尽きる頃には、反応ガス温度は、酸素およびメタクロレインを含有する反応混合物内で自触媒反応を生じ得る臨界範囲に達し、これは「ポスト・コンバッション」現象と呼ばれる。ポスト・コンバッション現象は、サイレントオキシデーション、ブルーフレーム現象とも呼ばれる。これは、気体酸素含有反応混合物中の熱に敏感な有機基質分子、例えばメタクロレインや他のアルデヒドが、公称着火温度以下の温度であっても、爆発事象に比べて低い割合で低モル質量の短鎖断片に分解し、これに伴って反応混合物の圧力および温度が自然に上昇する過程を説明するものである。このような自発的な圧力や温度の事象は、必ず容器や装置の故障を招くとは限らないが、構造要素の変形、測定装置の損傷、またはバーストディスクなどの安全装置の作動を引き起こし、その結果、プラントの運転を強制的に中断させることがある。
また、ポスト・コンバッション現象は、反応混合物の爆発的な自己着火の着火源として機能することもある。自己着火の場合、第2の酸化反応器の管底出口と下流の分離装置、例えば急冷塔との間で反応ガス中の温度が非常に大きく上昇し、これが、例えば安全スイッチにより生産の中断につながることがある。反応ガスの温度が高いほど、ポスト・コンバッション現象、ひいては自己着火事象がより多く発生する。典型的に、ポスト・コンバッション現象の発生は、触媒の寿命が近づいていることを意味する。
触媒の老化、すなわち触媒活性の低下の速度は、温度が上昇するにつれて高くなる。このため、塩浴温度を上げると、温度を一定に保った場合に比べて、時間およびコストがかかる酸化触媒の交換頻度があがるという影響がある。このため、酸化反応器は、一方では酸化反応の経済的に信頼性の高い運転が保証され、他方では触媒の老化を最小限に抑えることができる温度で運転される。この先行技術は、技術的な解決を必要とする様々な問題を生じさせる。例えば、温度による触媒2の活性低下に加えて、下流の反応段階へのフィード中の損傷を伴う随伴物資によっても活性が低下することがある。
このような随伴物質の一例として、第1の反応段階で転化しきれなかったIBENが挙げられる。第1の反応段階で実質的に定量的に高い転化率を維持することで、第2の反応段階へのフィード中のIBENを最小化することが可能である。Nagai et al., Sumitomo Kagaku 2004, 1-12に記載されているように、MAL酸化用触媒のIBEN耐性を高めることは、触媒の試験において不変の分野である。
活性に悪影響を及ぼす化合物の第2の例は、例えばプロパナールとホルムアルデヒドからMALを製造する際に副産物として形成され得る2-メチル-2-ペンテナールである(独国特許出願公開第3508702号明細書)。
触媒2の活性を損なう随伴物質のさらなる例は、ディールス・アルダー反応によってMALから形成される二量体MAL、すなわち略してdi-MALである:
Figure 2023536830000002
欧州特許出願公開第0194620号明細書には、触媒2の活性に対するdi-MALの悪影響が記載されている。それによれば、フィードが0.4質量%のdi-MALを含む場合、Mo120.61.2CsCu0.7Rh0.1型の触媒で第2の反応段階で達成されるMAA収率は、5%低下している。
フィードに含まれる前述の成分の濃度を低く抑えることで、第2の酸化段階に使用する触媒の寿命を延長できることが知られている。例えば、独国特許出願公開第3508702号明細書には、フィード中の2-メチルペンテナールおよびdi-MALの濃度の合計が0.15重量%より低く、プロパナールおよびホルムアルデヒドの濃度が1.0重量%より低いプロセスが記載されている。しかしこの刊行物には、これらの上限濃度の遵守を運転中にどのように経済的に達成できるかについて、何ら示唆が与えられていない。
独国特許出願公開第2143582号明細書には、メタクロレインがオルトリン酸およびp-tert-ブチルカテコール各500ppmの混合物で安定化されている場合の、液体メタクロレインを例えば100℃で5時間高温貯蔵した際のオリゴマーおよびポリマー生成物の形成の抑制が記載されている。この欠点は、第一に多量の安定剤が必要であること、第二に特にプロセス条件下で腐食障害を引き起こす遊離鉱酸が存在することである。
メタクロレインの貯蔵におけるdi-MAL形成のさらなる不利な態様は、中間貯蔵で形成されたdi-MALが第2の酸化段階で酸化されて、高沸点化合物が生成されるという事実に関連している。このdi-MALは、後続の後処理ステップで除去されるため、もはやメタクリル酸の回収に利用することができない。米国特許第2577445号明細書には、di-MALをMALに再解離させるための方法が記載されている。このプロセスでは、di-MALはまずそのセミカルバゾンに転化され、次いでこれが熱分解的に切断されてMALが得られる。言及された方法の欠点は、さらなるプロセスステップの導入である。
特開2006028067号公報には、MALの中間貯蔵におけるdi-MALの生成を抑制するための方法が記載されている。これによれば、MALを1000ppmのヒドロキノンの存在下で貯蔵容器にて0℃で貯蔵することにより、di-MALの生成を回避することができる。ここでの貯蔵容器には、その容積の70%の範囲にのみMALが充填され、容器容積の残りの30%におけるヘッドスペースの気相は、ヒドロキノン安定剤の機能する能力の維持のために6~16容量%の酸素で富化させる必要がある。記載されたこの方法は、貯蔵容器のヘッドスペースに酸素と可燃性物質とを含有する混合物が形成される結果、安全に関するリスクが高いという重大な欠点を有する。このリスクは、貯蔵容器の冷却に失敗した場合にMALの蒸気圧が上昇すると、特に悪化する。さらに、高いヒドロキノン含有量が下流の反応ステップでの活性に及ぼす影響については記述されていない。
したがって、以上の指摘によれば、下流の反応段階へのメタクロレインフィードにおいて、メタクロレインからメタクリル酸への酸化に悪影響を及ぼす随伴物質の濃度を確実に低くすることが課題である。より具体的には、中間貯蔵中のdi-MALの生成を確実に抑制することが必要である。
課題
したがって、本発明によって対処された課題は、C2またはC4単位から進行し、長期間にわたって中断することなく運転できる、アルキルメタクリレートおよび任意にメタクリル酸、特にMMAの新規の製造方法を提供することであった。
本発明によって対処されたさらなる課題は、C2またはC4源から出発するメタクロレインの酸化によってアルキルメタクリレートおよび任意にメタクリル酸を得ることであって、不完全に転化された原料および中間体を用いた適切なプロセスレジームの結果、酸化に用いられる触媒の老化が低減されるものであった。
本発明によって任意に対処されたさらなる課題は、C2またはC4源から出発するメタクロレインの直接酸化的エステル化によってアルキルメタクリレート、特にメチルメタクリレートを得ることであって、アルキルメタクリレートが、遊離メタクロレインの低い含有量を有するものであった。
本発明によって対処されたさらなる課題は、メタクロレインの酸化において不完全に転化された原料および中間体から生じる運転上および安全上のリスクを最小化することであった。
本発明の具体的な目的は、メタクロレイン中間体からメタクリル酸への酸化後に転化されなかったMALを分離除去して適切な形態で回収し、それと同時に下流のプロセスステップに悪影響を及ぼす副産物の生成を、これらのプロセスステップに有害でない濃度レベルまで低減できるプロセスを提供することであった。
明示的に言及されていないさらなる課題は、明示的に設定されていなくても、特許請求の範囲および以下の発明の説明から明らかであろう。
解決手段
上述の課題は、C2またはC4原料からアルキルメタクリレートおよび任意にメタクリル酸、特にメチルメタクリレート(MMA)を、特にメタクロレインを中間体とするプロセスで製造する新規の方法により解決される。本発明の本方法の特徴は、メタクロレインの貯蔵温度および貯蔵体積、またその結果として貯蔵時間も低く抑えることができることにある。
使用するC4原料は、イソブテン(IBEN)やメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)などの物質であってよい。MTBEは、C4法の原料として一般的に広く使用されている。MTBEは輸送が容易であり、C4源、例えばスチームクラッカーから比較的離れた場所でもメタクリル酸やアルキルメタクリレートの製造の運転が可能である。IBENは、C4流からメタノールでエーテル化してMTBEを生成し、次いで再解離させることで得ることができる。C2法は、エチレンから始まり、これをまずはプロパナールに転化させ、最終的にホルムアルデヒドと反応させてメタクロレインを得るものである。
本発明の方法は、第1の反応段階において、第1の反応器、例えば反応器AまたはJ内で、C4源であるf2、またはC2源であるf6からメタクロレイン含有フラクションを製造する方法に基づくものである。さらに、第1のフラクションに基づく第2のメタクロレイン含有フラクションを、次いで少なくとも1つの第2の反応器内でさらに転化させる。本方法は、液体形態の第2のメタクロレイン含有フラクションを中間容器D内で48時間未満の滞留時間にわたって-30℃~50℃の貯蔵温度に冷却貯蔵し、そこから蒸発器Eに導くか、または液体形態で、酸化的エステル化の反応器Gである第2の反応器に導くことを特徴とする。
反応器Bの上流の投入流への主にメタクロレインを含有する流れ3bの再循環は、本発明によれば、まず、液化流を中間容器Dに供給してそこに貯蔵することによって達成される。液体メタクロレイン含有物質混合物の貯蔵の過程で、高いモル質量の反応生成物が生じることがあり、これらがその後の反応ステップの触媒活性に悪影響を及ぼすことが知られている(例えば、独国特許出願公開第3508702号明細書参照)。これらの化合物の代表物の一例として、MALからディールス・アルダー反応により生じるメタクロレインの環状二量体(di-MAL)が挙げられる。先行技術に記載されているように、di-MALのような成分の形成は、腐食性を示すものもある安定剤を多量に添加するか(例えば、独国特許出願公開第2143582号明細書参照)、酸素含有雰囲気下で貯蔵するか(例えば、特開2006-028067号公報参照)のいずれかの対策によって抑制することが可能である。プロセスのパイプラインおよび装置内に追加量の安定剤を堆積させることができるが、貯蔵容器における多量のメタクロレインと酸素含有気相との組み合わせは、計り知れない安全上のリスクを伴う。
ここで、驚くべきことに、メタクロレインを中間容器D内の貯蔵部に少量だけ、したがって短い滞留時間で冷却貯蔵することによって、下流の反応ステップに悪影響を及ぼす副産物の形成を、容易で技術的に堅牢で経済的に実行可能な様式で、かつ安全に対する低いリスクで防止できることが見出された。さらに、通常は中間体用の大容量バッファの使用によって支援されるプロセス運転の安定なモードを、特にそのようなバッファ容量の最小化により達成することが可能である。
低下させた温度での短時間での貯蔵により、副産物、特にdi-MALの生成が抑制される。分離装置Cにおけるメタクロレイン含有流の凝縮温度が中間容器Dにおけるメタクロレイン含有流の貯蔵温度よりも高いという方法が好ましい。本発明は、中間容器Dにおけるメタクロレイン含有流の滞留時間が48時間未満であり、かつ貯蔵温度が-30℃~50℃であるという方法の実施を含む。中間容器Dにおけるメタクロレイン含有流の滞留時間が12時間未満、より好ましくは6時間未満であり、かつ貯蔵温度が-20℃~30℃、より好ましくは-10℃~20℃であるという方法の実施が好ましい。
本発明による、メタクロレインの貯蔵体積および貯蔵温度の最小化は、上記の利点と同様に、信頼性が高く事故のないプロセスレジームを支援する様々な好ましい安全関連の副次的効果を伴う。
第1の副次的効果は、メタクロレインの高い蒸気圧に伴うメタクロレイン蒸気の高い吸入毒性に関連する。メタクロレインが意図せず放出された場合、メタクロレインを冷却貯蔵すれば、蒸気圧の温度依存性により、その拡散半径を最小限にすることができる。
第2の副次的効果は、メタクロレインのような反応性の高い化合物が貯蔵の過程で自己加速反応を起こすという傾向に関連するものであり、これにより貯蔵容器内の圧力および温度が急激に上昇し、その結果、容器の破損につながりかねない。貯蔵の過程で自己加速重合温度(SAPT)を十分に下回る温度を保持することで、そのような事象の発生確率を最小限に抑えつつ、貯蔵体積を最小限に抑えることによって、生じる損傷を同様に低く抑えることができる。ある物質のSAPTとは、それを上回ると自立的な重合反応が生じ得るという温度を示し、これは、外部温度、重合速度、容器サイズ、および貯蔵槽の壁によって生じる比除熱量といった影響を組み合わせたものである。表1に、MALについてのSAPTの除熱量依存性を示す。当然ながら、容器容積が小さくなると表面積/体積比が大きくなって比除熱量が増加し、つまり、重合事象に対して安全と考えられる貯蔵温度は、貯蔵槽の容積が小さくなると上昇することになる。
Figure 2023536830000003
第3の副次的効果は、このような自己加速反応が、通常は安定剤の添加によって抑制されるという事実に関連する。しかし、未転化メタクロレインが循環する結果、そのような安定剤が固体の形態で沈殿し、これを運転停止時に生産プラントから高いコストと不便さを伴って除去しなければならない。貯蔵温度が低ければ、安定剤の濃度を下げることができ、その結果、沈殿物が最小限に抑えられる。
本発明によるメタクロレインの短期間の冷却中間貯蔵のさらなる可能な効果は、下流の反応ステップにおけるdi-MALの高い反応性により生じる。
後処理および主にメタクリル酸を含有する流れ3aの除去後に得られる主にメタクロレインを含有する物質流3bを、蒸発器Eへの、または-後述のように-反応器Gへの液体フィード流4中のメタクロレイン二量体(di-MAL)の濃度が1重量%の含有量を超えないように濃縮および貯蔵することがさらに好ましい。
本発明の第1の実施形態では、第1の反応器A内で、C4源であるf2から進行してメタクロレイン含有プロセスガス1を第1のメタクロレイン含有フラクションとして形成する。これを次に、プロセスガス1の形態で、酸素および水蒸気を含有するガス混合物6に任意に混合した後にプロセスガス7に転化させ、これを、第2の反応段階において反応器B内で気相での部分酸化によってメタクリル酸含有プロセスガス2に転化させる。
反応器Aでは、C4源をここで、大気中酸素および水蒸気、ならびに任意に後処理の後半で得られる再循環ガスの存在下で、320℃から400℃を超える温度でわずかに高めた圧力でメタクロレインに酸化させる。タンデムプロセスでの転化率は98%超である。例えば米国特許第59,292,75号明細書に記載されているような最新のドープされたモリブデン酸ビスマス触媒を用いたシェルアンドチューブ式反応器における滞留時間は、通常は1~4秒である。1000~2000s-1のGHSV値が達成される。排出されるメタクロレイン含有プロセスガス1を、再循環MAL気相と、大気中酸素含有ガス混合物f3および水蒸気含有ガス混合物f4から生じるガス混合物6とを含むより低温の混合流5と混合する。これにより、第2の酸化段階用のフィードガス7が得られる。同様に、メタクロレイン含有流4の蒸発のために、大気中酸素含有ガス混合物f3および/または水蒸気含有ガス混合物f4を蒸発器Eに導入することも任意に可能である。反応器B内での第2の酸化段階は、第1の酸化段階と同様に、0.1~2barの中程度のゲージ圧で260~360℃の温度で運転される。このために、モリブデンおよびリンをベースとし、さらにいくつかのドーパントを含むヘテロポリ酸触媒が用いられる(例えば、米国特許出願公開第2007/0010394号明細書に記載のとおり)。修飾ヘテロポリ酸は、高い転化率でメタクリル酸に対する選択率がますます低くなっている。そのため、転化率およびそれに伴う触媒担持量は、好ましくは65%~85%に設定される。すべてのC4法について、また本発明による方法の本実施形態についても、この状況により、反応器Bの下流で得られるプロセスガス2中の所望のメタクリル酸生成物から未転化MALを分離し、最終的に再循環MALとして第2の酸化反応器Bの上流に戻す必要性が生じる。
本実施形態の好ましい実施では、これに続いて、以下のステップが行われる:
a.プロセスガス2を、分離装置C内で、主にメタクリル酸を含有する流れ3aと主にメタクロレインを含有する流れ3bとに分離する。
b.ステップaに記載の分離装置は、少なくとも1つの急冷ステップと、1つの晶析ステップと、1つの蒸留ステップとを含む。
c.主にメタクロレインを含有する流れ3bを分留塔の頂部で凝縮させ、次いで、凝縮されたメタクロレイン含有流3bを中間容器Dに導く。
d.次いで、調温され、特に冷却されたメタクロレイン含有流4を、中間容器Dから蒸発器Eに導き、そこで流れ4を、任意に大気中酸素含有ガス混合物f3および/または水蒸気含有ガス混合物f4を含めてメタクロレイン含有ガス流5に転化させ、このメタクロレイン含有ガス流5をガス混合物6と共に、任意に混合した状態で反応器Bに導いて、ガス流7を得る。
反応器B内での第2の反応段階で形成されたプロセスガスを、次に下流の分離装置Cで分離することができる。ここでは、主にメタクリル酸を含有する流れ3aと主にメタクロレインを含有する流れ3bとに分離される。この分離は、反応器B内で転化されなかったメタクロレインの部分を、反応器の上流で再循環することにより、所望のメタクリル酸目的生成物にできるだけ完全に転化させるために必要なものである。分離装置Cの基礎となる分離プロセスは、少なくとも1つの急冷ステップと、1つの晶析ステップと、1つの蒸留ステップとを含み、分留塔の頂部で凝縮することにより、主にメタクロレインを含有する流れ3bが得られる。
反応器Bで得られた高温のプロセスガス2は、典型的には250~360℃で反応器を出るが、これをまず冷却する必要がある。これは典型的には、まず、復熱式ガス冷却器によって150~250℃の温度まで冷却することを含む。復熱式ガス冷却器は、熱を蒸気生成に利用するため、好ましい。したがって、この時点で温度が低下した気相は、通常、50~100℃の温度で循環する凝縮急冷相に導かれる。この急冷相は、ポンプで循環されて調温された急冷塔の底部フラクションであってよい。この急冷塔の頂部では、メタクロレインの大部分がプロセスガスと共にガスの形態で通過するのに対し、底部では生成したメタクリル酸の大部分が凝縮および急冷される。次のプロセスステップでは、メタクロレインは、好ましくは水と共に凝縮または吸収される。このステップでは、メタクロレインが、例えば低沸点物質などの凝縮可能なすべての二次成分と共に液体形態で得られる。それでも、プロセスガスからの効果的な分離が達成され、プロセスガスは、この塔の頂部で抜ける。最後のステップで、メタクロレインを吸収剤相から脱着させることができ、こうして70重量%を超えるMAL含有量を有する主にメタクロレインを含有する流れ3bが得られる。
純粋な形態のメタクリル酸を含む流れp1は、主にメタクリル酸を含有する流れ3aから適切な後処理の後に得ることができる。この後処理は、より好ましくは、蒸留および/または抽出によって行われる。
本発明による方法のこの第1の実施形態の代替的なさらなる実施形態では、主にメタクリル酸を含有する流れ3aは、特にエステル化反応器である反応器Fに供給され、そこでメタクリル酸が、好ましくは酸触媒下で、適切なアルコールを含む流れf8と共に転化されて、アルキルメタクリレート含有生成物流p2が得られる。純粋なメタクリル酸または純粋なアルキルメタクリレートを得るための対応するプロセスパラメータは、例えば欧州特許出願公開第1995232号明細書から得ることができる。
このようにして得られた、冷却された主にメタクロレインを含有する物質流4は、この第1の実施形態では、好ましくは、最初に蒸発器Eで蒸発させてガス流5を得ることによって酸化プロセスに返送される。任意に、このガス流5を、酸素含有ガス流f3および水蒸気含有ガス流f4から生じるガス混合物6と組み合わせることでプロセスガス7を得ることができ、その後、これをそのまま反応器Bの上流のプロセスガス1中に混合することができる。プロセスガス1中のイソブテン含有量が2000体積ppmの値を超えず、メタクロレイン含有プロセスガスの後処理、調温または中間冷却および再蒸発により、メタクロレインに対して0.2重量%~25重量%、好ましくは20重量%までのさらなるカルボニルC~C炭化水素を含むメタクロレイン含有流5が得られる、本実施形態の方法の実施が好ましい。このプロセスガスが、1重量%未満のメタクロレイン二量体の含有量を有することがさらに好ましい。わずかな貯蔵量および/または低い貯蔵温度による、メタクロレイン含有流5、ひいては反応器Bへの投入流におけるdi-MALの含有量の低さの結果として、反応器Bにおける反応温度をより長く低レベルに保つことが明らかに可能である。反応器温度がメタクロレイン酸化触媒の寿命に及ぼす悪影響を考慮すると、このように、中間貯蔵されたMALを最小限の温度で最小限の期間にわたって貯蔵することによって、触媒の寿命の延長を達成することが驚くべきことに可能である。
アルキルメタクリレートの製造における出発物質がC4源でない場合、本発明の第2の非常に好ましい実施形態では、C2源であるf6、好ましくはエチレンから進行する本発明による方法を行うことが可能である。ここで、例えばエチレンから製造されたプロパナール中間体は、精製された液体メタクロレイン含有流13に転化される。
より具体的には、本実施形態では、反応器H内で、C2源であるf6から進行してプロピオンアルデヒド含有流8を形成し、このプロピオンアルデヒド含有流8を少なくとも1回の蒸留を含む精製ステップIで後処理することによってプロピオンアルデヒド含有流10を形成する。この流れを、次に下流の反応器Jおよびさらなる下流の精製ステップKにおいてメタクロレイン含有流13に転化させ、このメタクロレイン含有流13を、最終的に中間容器Dに導く。
あるいは、流れ13を蒸発器E内で直接気相に転化させることもできる。この変形形態では、流れ3bからのMALのみが中間容器Dに導かれ、そこに貯蔵される。
このために、まず、反応器H内で、エチレンが合成ガス流f5と共にヒドロホルミル化され、プロパナールが得られる。エチレンからプロパナールへの転化のために行われるヒドロホルミル化反応は、標準的な文献に詳細に記載されており、例えば、E. Billig, D. Bryant, Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, John Wiley & Sons, lnc., OXO ProcessおよびR. Franke et al., Applied Hydroformylation, dx.doi.org/10.1021/cr3001803, Chem. Rev. 2012, 112, 5675-5732に記載されている。
総じて、本反応には触媒が使用される。特に好ましい触媒としては、ロジウム、イリジウム、パラジウムおよび/またはコバルトを含む化合物が挙げられ、特にロジウムが好ましい。特定の一実施形態では、触媒のリガンドとして、少なくとも1つのリン化合物を含む錯体を使用することが特に可能である。好ましいリン化合物は、芳香族基と少なくとも1つのリン原子、より好ましくは2つのリン原子を含む。リン化合物としては特に、ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、ホスホナイトが挙げられる。ホスフィンの例は、トリフェニルホスフィン、トリス(p-トリル)ホスフィン、トリス(m-トリル)ホスフィン、トリス(o-トリル)ホスフィン、トリス(p-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(p-ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ(1-ナフチル)ホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリ-n-ブチルホスフィン、トリ-t-ブチルホスフィンである。ホスファイトの例は、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリ-n-プロピルホスファイト、トリ-i-プロピルホスファイト、トリ-n-ブチルホスファイト、トリ-i-ブチルホスファイト、トリ-t-ブチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2-t-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスファイト、トリス(2-t-ブチル-4-メチルフェニル)ホスファイト、トリス(p-クレシル)ホスファイトである。ホスファナイトの例は、メチルジエトキシホスフィン、フェニルジメトキシホスフィン、フェニルジフェノキシホスフィン、2-フェノキシ-2H-ジベンゾ[c,e][1,2]オキサホスホリンおよびこれらの誘導体であって、水素原子のすべてまたは一部がアルキルおよび/もしくはアリール基またはハロゲン原子で置き換えられたものである。標準的なホスフィナイトリガンドは、ジフェニル(フェノキシ)ホスフィン、その誘導体であるジフェニル(メトキシ)ホスフィンおよびジフェニル(エトキシ)ホスフィンである。
ヒドロホルミル化のための触媒およびリガンドは、例えば、国際公開第2010/030339号、国際公開第2008/071508号、欧州特許第982314号明細書、国際公開第2008/012128号、国際公開第2008/006633号、国際公開第2007/036424号、国際公開第2007/028660号、国際公開第2005/090276号に詳細に述べられており、開示目的でこれらの刊行物が参照され、そこに開示される触媒およびリガンドは本願に包含される。これらの刊行物には、反応条件も詳細に記載されている。エテンのヒドロホルミル化には、一酸化炭素および水素が、典型的には、合成ガスと呼ばれる混合物の形態で使用される。ヒドロホルミル化に使用される合成ガスの組成は、広範囲で変化し得る。一酸化炭素と水素とのモル比は、総じて2:1~1:2、特に約45:55~50:50である。ヒドロホルミル化反応の温度は、総じて約50~200℃、好ましくは約60~190℃、特に約90~190℃の範囲内にある。反応は、好ましくは約5~700bar、好ましくは10~200bar、特に15~60barの範囲の圧力で行われる。反応圧力は、使用されるヒドロホルミル化触媒の活性に応じて変化させることができる。ヒドロホルミル化のための適切な耐圧反応装置は、当業者に知られている。これらには、気液反応用の一般に慣用されている反応器、例えばガス循環反応器、気泡塔などが含まれ、これらは任意に内部で分割されていてもよい。ヒドロホルミル化反応のさらなる好ましい構成は、特に欧州特許出願公開第1294668号明細書に記載されており、この刊行物の内容は、参照により本願に組み込まれる。
ヒドロホルミル化ステップの後、分離装置I内の液体の主にプロピオンアルデヒドを含有するプロセス流8は、主にヒドロホルミル化触媒を含む液体のプロセス流9と、精製された液体のプロピオンアルデヒド含有流10とに分離され、主にヒドロホルミル化触媒を含む液体のプロセス流9は、ヒドロホルミル化反応器Hに返送される。このような分離装置の好適な実施形態については、例えば国際公開第2007/036424号または欧州特許出願公開第1294668号明細書に記載されている。
次いで、精製された液体のプロピオンアルデヒド含有流10が反応器Jに供給され、そこでホルマリン含有流f7と共にマンニッヒ様反応で、液体の主にメタクロレインを含有するプロセス流11に転化される。プロパナールおよびホルマリンから進行するメタクロレインの好ましい製造方法は、特に、米国特許第71,41702号明細書、独国特許出願公開第3213681号明細書、米国特許第44,080,79号明細書、米国特許第28,484,99号明細書;特開平04-173757号公報、日本国特許第3069420号公報および欧州特許出願公開第0317909号明細書に記載されている。
プロパナールとホルムアルデヒドとの反応は、有機塩基、好ましくはアミンおよび同時に酸の存在下で行われ、ここで、酸は、総じて無機酸である。これらの例は、有機モノ-、ジ-またはポリカルボン酸、好ましくはモノカルボン酸、特に脂肪族モノカルボン酸である。使用されるカルボン酸は、好適には、1~10個、好ましくは2~4個の炭素原子を有する脂肪族モノカルボン酸、または2~10個、好ましくは2個および4~6個の炭素原子を有するジ-およびポリカルボン酸である。ジカルボン酸およびポリカルボン酸は、芳香族、脂肪族、好ましくは脂肪族カルボン酸であってもよい。好適な例は、酢酸、プロピオン酸、メトキシ酢酸、n-酪酸、イソ酪酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸である。その他の有機酸も基本的には同様に使用可能であるが、総じてコストの点からさほど適当でない。使用される無機酸は、総じて硫酸およびリン酸である。また、酸の混合物を使用することも可能である。プロパナールとホルムアルデヒドとの反応には、特に好ましくは少なくとも1つの有機酸、より好ましくは酢酸が使用される。酸の割合は、プロパナールに対して0.1~20mol%、有利には0.5~10mol%、好ましくは1~5mol%である。
好ましい有機塩基は、特に第二級アミンである。この種のアミンに対する使用は、好ましくは式RNHのアミンを含み、ここで、RおよびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ、エーテル基、ヒドロキシル基、第二級および第三級アミン基、特にこれらの基のうちの1つまたは2つにより置換されていてもよい、1~10個、有利には1~8個、特に1~4個の炭素原子を有するアルキル基、7~12個の炭素原子を有するアラルキル基、5~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を表すことができ、RおよびRは、隣接する窒素と共に、複素環式の、有利に5~7員の環の一員であってもよく、この環は、さらなる窒素原子および/または酸素原子を含んでもよく、かつ1~4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルまたはアルキル基により置換されてもよい。好適なアミンは、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、メチルイソプロピルアミン、メチルイソブチルアミン、メチル-sec-ブチルアミン、メチル(2-メチルペンチル)アミン、メチル(2-エチルヘキシル)アミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、N-メチルピペラジン、N-ヒドロキシエチルピペラジン、ピペラジン、ヘキサメチレンイミン、ジエタノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルシクロヘキシルアミン、メチルシクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミンまたは対応する混合物である。さらに、使用されるアミンの少なくとも1つがヒドロキシル基を有しないものであってもよい。より好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するアミンの割合は、使用されるアミンの重量に対して、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。有機塩基、好ましくは第二級アミンの割合は、プロパナールに対して、0.1~20mol%、有利には0.5~10mol%、好ましくは1~5mol%である。アミンと酸の当量比は、好ましくは、反応前の反応混合物のpHが2.5~9になるように選択される。さらに、酸と有機塩基、好ましくはアミンとのモル比は、20:1~1:20の範囲、好ましくは10:1~1:10の範囲、より好ましくは5:1~1:5の範囲、特に好ましくは2:1~1:2の範囲にあってもよい。
反応ゾーンの出口でのプロパナールとホルムアルデヒドとの反応の反応温度は、100~300℃、好ましくは130~250℃、好ましくは140~220℃、特に150~210℃である。反応圧力は、2~300、好ましくは5~250、より好ましくは10~200bar、有利には15~150bar、好ましくは20~100bar、特に40~80barの範囲にある。圧力および温度は、反応が常に反応混合物の沸点未満で行われるように、すなわち反応が液相で進行するように調整される。本願の文脈におけるすべての圧力数値は、barの測定単位の絶対圧として与えられる。滞留時間または反応時間は、好ましくは25分以下、好適には0.01~25分、有利には0.015~10分、好ましくは0.03~2分である。より好ましくは、滞留時間または反応時間は、0.1~300秒の範囲にあり、特に好ましくは1~30秒の範囲にある。滞留時間が10分未満である場合に使用される反応器は、有利には管状反応器である。滞留時間は、ここでは、反応混合物が転化される時間を基準とする。ここでは反応圧力および温度ですべての成分が存在するため、この時間は混合点と膨張点との間の距離から計算することができる。膨張点とは、混合物が反応圧力から5bar未満の圧力になる点である。水に加えて、反応混合物はさらに有機溶媒、例えばプロパノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メトキシエタノールを含むことができる。
さらに、反応器Jにおけるプロパナールとホルムアルデヒドとの反応によるメタクロレインの生成は、ホルマリンに対して好ましくは少なくとも0.1重量%、より好ましくは少なくとも0.2重量%、特に好ましくは少なくとも0.5重量%のメタノールの存在下で行うことができる。これらの高いメタノール濃度にもかかわらず、本発明による反応レジームゆえに、直接酸化的エステル化の任意の後続のステップGについて、ホルマリン製造および/またはメタクロレイン精製段階におけるメタノールの高コストで不便な除去を省くことが可能である。特定の構成では、ホルムアルデヒドとプロパナールとを、これらの反応物を反応圧力および/または温度にする前に混合してもよい。
反応は、反応器J内で以下のように行うことができる:プロパナール、アミン、ホルムアルデヒド、および好適には水および/または酸および/または塩基の混合物を、反応時間の間に反応温度および反応圧力に保持する。好ましい一実施形態では、ホルムアルデヒドとプロパナールとの混合物(好適には等モル混合物)を、熱交換器によって所望の反応温度に加熱し、管状反応器に供給することができる。触媒溶液(第二級アミンと酸との、好適にはHO中の溶液)を反応器入口でこの混合物に注入することができ、これを任意に同様に熱交換器によって反応温度まで加熱することができる。高発熱性の反応が始まり、反応混合物はさらに加熱される。反応が進行する圧力は、反応器Jの出口にある保圧弁によって、反応時間中反応器内の温度が高くても反応混合物が液体のままであるような値に保たれることが好ましい。反応後、反応混合物を標準圧力まで放圧し、分離装置K内で後処理することができる。プロパナールおよびホルムアルデヒドからメタクロレインを製造する際に、反応混合物を塔に供給し、そこで蒸気でストリッピングすることが望ましい。メタクロレインは、水と一緒に塔の頂部を去る。この混合物は凝縮され、相分離容器によって上相と下相とに分離される。上相は、精製された液体のメタクロレイン含有流として、上記の中間容器Dに、またはその代わりに上記の蒸発器Eに導かれる。下相は、主に水からなる。これを、好ましくは、その中になおも溶解しているメタクロレインを除去するために、少なくとも部分的に塔に再循環させることができる。触媒水溶液を、反応で生成された水およびホルムアルデヒド溶液からの水と共に、塔の底部で抜き取ることができる。さらなる処理のために、アミンおよび/または酸がほとんど使用されず、したがって触媒を再循環する価値がもはやない場合、底部液体を廃棄することができる。底部排出物中のアミンおよび/または酸の濃度が高い場合には、代替的に、蒸留によって水を一部除去し、主にマンニッヒ触媒系を含む液体のプロセス流12として反応器に再循環させることが可能である。また、底部吐出物を2つの部分流に分割し、一方の部分流がまさに、反応で生成され出発物質と共に導入された量の水を担持するようにすることも可能である。次いで、この部分流は排出され、残りの部分は反応器に再循環される。水性のホルムアルデヒドとプロパナールとを別々に予熱して反応器に供給することもできる。
特に好ましい実施形態では、メタクロレインは、タンデム反応でプロパナールおよびホルムアルデヒドから製造することができ、プロパナールは、ステップHおよびIによりエチレン、一酸化炭素および水素の反応によって得られ、ステップJおよびKによりホルムアルデヒドと直接反応させる。このプロセスは、Deshpande et al., Biphasic catalysis for a selective oxo-Mannich tandem synthesis of methacrolein, Journal of Molecular Catalysis A: Chemical 211 (2004) 49-53, doi:10.1016/j.molcata.2003.10.010および米国特許第71,417,02号明細書で詳細に説明されている。
さらに、本発明の2つのさらなる実施形態が存在し、第3の実施形態は、第1の実施形態の変形形態であって、C4ベースのMALを、後に気相酸化させてメタクリル酸にするために蒸発器Eに供給せず、反応器Gに導いて、そこで酸化的エステル化を行うというものである。
同様に、第4の実施形態は、C2原料からの第2の実施形態の最初の部分における製造に基づくMALに関する。
本発明による方法のこれらの2つのさらなる実施形態では、中間容器Dの後に得られる冷却された主にMALを含有する流れ14を反応器Gに供給することができ、そこでこれを、アルコールと酸素含有ガス混合物f10とを含む流れf9を用いて直接酸化的エステル化(DOE)反応に供する。DOE反応は液相で進行し、1回の反応ステップで、MALおよびアルコールから対応するアルキルメタクリレートを含む生成物流p3を生じさせる。MALフィード中に存在するdi-MALも同様にカルボニル基を含み、したがって、同様に対応するアルキルエステルに転化させることができる:
Figure 2023536830000004
di-MALは、DOE反応においてMALよりも高い反応性を有し、それゆえ、対応するアルキルエステルに優先的に転化されることが判明している。DOEにより得られるアルキルメタクリレートの好適な後処理シーケンスではまず、アルキルメタクリレートよりも沸点の低い過剰のアルコールを低温で留去し、次いで高沸点副生物からアルキルメタクリレートを高温で蒸留により分離することが想定される(例えば、国際公開第2014170223号参照)。したがって、第1の蒸留ステップにおいて、沸点171℃を有するdi-MALおよび沸点204℃を有するdi-MALメチルエステルが、沸点100℃を有するMMAと共に底部生成物中に残り、これが第2の分離ステップにおいて一緒に蒸留され、過剰のメタノール(沸点65℃)がオーバーヘッドで除去される。より高い温度で行われる第2の分離ステップでは、アルキルメタクリレート中に存在するdi-MALアルキルエステルが熱応力によって切断されて、1当量のMALと1当量のアルキルメタクリレートとを得ることができる。DOE反応で転化されなかったdi-MALも同様に切断されて、2当量のMALが得られる。したがって、この方法では、MALで汚染されたアルキルメタクリレートが得られる危険性がある。欧州特許出願公開第3450422号明細書には、例えば、MMA中の遊離メタクロレインの存在が、MMAの重合特性に悪影響を及ぼすことが開示されている。したがって、本発明によるMALの短期でかつ低温の中間貯蔵のさらなる利点は、このように貯蔵されたMALからDOEにより得られたMMAの重合プロセスが促進されることである。また、di-MAL自体およびそれから形成されるメチルエステルが、最終生成物、特にPMMAにおいて望ましくない黄色の色調を生じさせる場合があることにも留意されたい。
以下の実施例は、メタクロレインの適切な貯蔵による副産物の形成の抑制、およびメタクロレイン酸化触媒の性能に対する低副産物メタクロレインの有利な効果を示すものである。さらなる実施例により、MALからMMAへの直接酸化的エステル化(DOE)におけるdi-MAL副産物からdi-MALメチルエステルへの転化、ひいてはMMAのDOEプロセスの後処理シーケンスへの高沸点MAL等価物の輸送を実証する。
C2またはC4源をメタクリル酸またはアルキルメタクリレートに転化させるための、本発明による方法の好ましい実施形態のプロセススキームを示す図である。 MAL中のdi-MAL濃度の経時的推移を貯蔵時間および貯蔵温度に対して示す図である。 図2の部分拡大図である。 実施例2~実施例4において、実験開始前に温度Tで期間tにわたって貯蔵したメタクロレイン(c[di-MALfresh]=35ppm)の酸化で観察された油浴温度の概要を示す図である。
参照符号一覧
装置
A 第1の酸化反応器
B 第2の酸化反応器
C 分離装置
D 中間容器
E 蒸発器
F エステル化反応器
G 直接酸化的エステル化
H プロピオンアルデヒド合成反応器
I プロピオンアルデヒドの触媒による除去
J メタクロレイン合成反応器
K メタクロレインの触媒による除去
L 混合箇所1
M 混合箇所2
流れ
1 第1の酸化反応器からのメタクロレイン含有プロセスガス
2 第2の酸化反応器からのメタクリル酸含有プロセスガス
3a 分離装置Cからの主にメタクリル酸を含有する流れ
3b 分離装置Cからの主にメタクロレインを含有する流れ
4 蒸発器Eへのフィード流中の冷却された主にメタクロレインを含有する流れ
5 メタクロレイン含有ガス流
6 酸素および水蒸気を含有するガス混合物
7 第2の酸化反応器へのメタクロレイン含有プロセスガスフィード
8 液体の主にプロピオンアルデヒドを含有するプロセス流
9 液体の主にヒドロホルミル化触媒を含有するプロセス流
10 精製された液体のプロピオンアルデヒド含有流
11 液体の主にメタクロレインを含有するプロセス流
12 主にマンニッヒ触媒系を含む液体のプロセス流
13 精製された液体のメタクロレイン含有流
14 反応器Gへのフィード流中の冷却された主にメタクロレインを含有する流れ
f1 反応器Aへのフィード流中のO含有ガス
f2 反応器Aへのフィード流中のC4源
f3 酸素および水蒸気を含有するガス混合物6を混合するためのO含有ガス
f4 酸素および水蒸気を含有するガス混合物6を混合するための水蒸気
f5 反応器Hへのフィード流中の合成ガス流
f6 反応器Hへのフィード流中のC2源
f7 反応器Jへのフィード流中のホルマリン含有流
f8 反応器Fへのフィード流中のアルコール含有流
f9 反応器Gへのフィード流中のアルコール含有流
f10 反応器Gへのフィード流中のO含有ガス
p1 反応器Cからの任意に精製されたメタクリル酸生成物流
p2 反応器Fからの任意に精製されたアルキルメタクリレート生成物流
p3 反応器Gからの任意に精製されたアルキルメタクリレート生成物流
他の参照符号
t(L) 中間容器Dでの貯蔵時間
T(L) 中間容器Dでの貯蔵温度
GC ガスクロマトグラフィー
MAL メタクロレイン
di-MAL 環状メタクロレイン二量体
ppm 百万分率
活性化エネルギー[kJ/mol]
A インパクトファクター[ppm/d]
c(i) 成分iの濃度
GHSV ガス時空間速度
X(i) 成分iの転化率[%]
S(i) 成分iの選択率[%]
Y(i) 成分iの収率[%]
MAA メタクリル酸
MMA メチルメタクリレート
T(油) 油浴温度
T(35cm) 反応器入口から35cmの距離にある触媒層内の反応器温度
T(45cm) 反応器入口から45cmの距離にある触媒層内の反応器温度
SAPT 自己加速重合温度[℃]
B.p. 沸点[℃]
DOE 直接酸化的エステル化
PMMA ポリ(メチルメタクリレート)
IBEN イソブテン
TBA tert-ブチルアルコール
MTBE メチルtert-ブチルエーテル
図面の説明
図面に関して、当業者に知られているさらなる構成要素が、本発明による方法の実施のために追加的に存在し得ることに留意されたい。例えば、総じて、列挙された塔の各々は凝縮器を有する。また、すべての好ましい実施形態が図面に含まれているわけではないことにも留意されたい。フィードラインの位置は、さらに、それらの実際の位置を示すものではなく、単に、対応するプロセスステップのトポロジー的配置構成を説明するものに過ぎない。
図1は、C2またはC4源と酸素および水蒸気を含有するガスとの反応によるメタクリル酸またはアルキルメタクリレートの生成の一般的なプロセススキームを示す。ある変形例では、C4源であるf2は、反応器A内で酸素含有ガスf1と共にメタクロレイン含有プロセスガス1に転化され、このメタクロレイン含有プロセスガス1は、さらなるメタクロレイン含有プロセスガス5を、任意に酸素含有流f3および水蒸気含有流f4から生じるガス流6と混合した後に、メタクロレイン含有プロセス流7を生じ、これは反応器Bへ供給される。反応器B内で、メタクロレイン含有プロセス流7は、メタクリル酸含有プロセス流2に転化され、これは、後続の分離装置C内で、好ましくはメタクリル酸を含有する流れ3aと好ましくはメタクロレインを含有するプロセス流3bとに分離される。任意の精製ステップの後、メタクリル酸含有生成物流p1を、好ましくはメタクリル酸を含有する流れ3aから直接得ることができる。あるいは、好ましくはメタクリル酸を含有するプロセス流3aを、反応器F内でアルコール含有流f8と共に、アルキルメタクリレートを含む生成物流p2に転化させることができる。好ましくはメタクロレインを含有するプロセス流3bは、冷却された中間容器D内で液体形態にて貯蔵され、冷却されたプロセス流4として蒸発器Eに供給され、そこで上記のメタクロレイン含有プロセスガス5に転化され、これは上記のように、反応器Bの入口より上流に返送される。
任意に、液体の、好ましくはメタクロレインを含有するプロセス流14を、酸素含有ガス混合物f10およびアルコール含有流f9と共に、反応器G内で直接酸化的エステル化反応において、アルキルメタクリレートを含む生成物流p3に直接転化させることができる。
さらなる別の変形形態では、C2源であるf6は、ヒドロホルミル化反応器H内で合成ガスf5および触媒と共にプロピオンアルデヒド含有プロセス流8に転化され、このプロピオンアルデヒド含有プロセス流8は、分離装置I内で、好ましくは触媒を含有するプロセス流9と、低触媒のプロピオンアルデヒド含有流10とに分離される。好ましくは触媒を含有するプロセス流9がヒドロホルミル化反応器Hに返送される一方で、低触媒のプロピオンアルデヒド含有流10は、反応器J内でホルマリン含有流f7およびさらなる触媒と共に、メタクロレイン含有流11に転化され、このメタクロレイン含有流11は、下流の分離装置K内で、好ましくは触媒を含有するプロセス流12と、好ましくはメタクロレインを含有する液体のプロセス流13とに分離される。この好ましくはメタクロレインを含有する液体のプロセス流13を、本方法変形形態では、既に説明した蒸発器Eに直接供給することができ、そこでこれは、冷却された、好ましくはメタクロレインを含有するプロセス流4と共にメタクロレイン含有プロセスガス5に転化される。あるいは、好ましくはメタクロレインを含有する液体のプロセス流13を、まず、同様に既に説明した冷却中間容器D内で、既に説明した好ましくはメタクロレインを含有するプロセス流3bと共に貯蔵して、冷却されたプロセス流4を形成することもできる。双方の選択肢で得ることができるメタクロレイン含有プロセスガス5を、上記のようにメタクリル酸またはアルキルメタクリレートに転化させることができる。
実施例
実施例1(MALからのdi-MAL形成のキネティクス)
MALからのdi-MALの生成キネティクスを試験するために、MALを各温度で46日間貯蔵し、di-MAL濃度をGCによって連続的にモニタリングした。実験に使用したMALは、最小のdi-MAL開始濃度(ここでは35ppm)を得るために、予め蒸留したものである。把握したdi-MAL濃度を、表2ならびに図2および図3にまとめた。これらの濃度を用いて、以下の形成則(E=90.25kJ/mol、A=4.57×1018ppm/d)によるdi-MAL形成の擬ゼロ次キネティクスを導出することができる:
Figure 2023536830000005
貯蔵温度が-5℃の場合、1日あたり12ppmのMALの形成を予想することができる。一方、25℃では1日あたり約700ppmのMALが形成され、50℃では1.2%/dとなる。
Figure 2023536830000006
比較例1(MALの気相酸化;c(di-MAL)=10000ppm)
連続運転される管状反応器を用いて、MALからMAAへの気相酸化を試験した。反応温度のモニタリングのため、反応器入口から35cmと45cmの距離に2つの熱電対を設置した。実験のために、35ppmのdi-MAL含有量を有するメタクロレインを、まず25℃で10日間貯蔵し、その後、このメタクロレインは、10000ppmのdi-MAL含有量を有する。このMALを、空気および窒素から構成されるガス流を用いて、160℃で蒸発器内にて気相に転化させる。空気および窒素をさらに加えた後に得られたガス混合物(MAL/O/HO/N=1:2.5:4.5:22.5)を、モリブデン-ビスマス混合酸化物触媒にGHSV=1070h-1で通し、その過程で、MAL転化率X(MAL)が65.8%となるように油浴の温度を調整する。反応器への流入時および反応器からの流出時にGCで確認したガス組成を比較することにより、MAL転化率を求める。12時間の運転時間の後に転化率が安定したら、MAL転化率X(MAL)が68.8%となるような程度に油浴温度を上昇させる。同様に、油浴温度をさらに上昇させることにより、74.9%および75.3%の転化率を確立させる。必要な油浴温度(T[油])、メタクリル酸選択率(S[MAA])、ならびに反応器入口から35cmおよび45cmの距離にある触媒層内で観察された温度を表3にまとめた。
Figure 2023536830000007
実施例2(MALの気相酸化;c(di-MAL)=5000ppm;貯蔵時間短縮の影響)
MALからMAAへの気相酸化を、比較例1と同様に試験した。実験のために、35ppmのdi-MAL含有量を有するメタクロレインを、まず25℃で5日間貯蔵し、その後、このメタクロレインは、5000ppmのdi-MAL含有量を有する。比較例1に記載したようにMALを蒸発させて窒素および空気を混入した後に生じるガス混合物を触媒に通し、その過程で、MAL転化率が66.3%となるように油浴の温度を調整する。12時間の運転時間の後に転化率が安定したら、MAL転化率X(MAL)が67.8%となるような程度に油浴温度を上昇させる。同様に、油浴温度をさらに上昇させることにより、70.1%および75.4%の転化率を確立させる。必要な油浴温度(T[油])、メタクリル酸選択率(S[MAA])、ならびに反応器入口から35cmおよび45cmの距離にある触媒層内で観察された温度を表4にまとめた。
Figure 2023536830000008
実施例3(MALの気相酸化;di-MAL含有量300ppm;貯蔵温度低下の影響)
MALからMAAへの気相酸化を、比較例1と同様に試験した。実験のために、35ppmのdi-MAL含有量を有するメタクロレインを、まず5℃で10日間貯蔵し、その後、このメタクロレインは、300ppmのdi-MAL含有量を有する。比較例1に記載したようにMALを蒸発させて窒素および空気を混入した後に生じるガス混合物を触媒に通し、その過程で、MAL転化率が64.0%となるように油浴の温度を調整する。12時間の運転時間の後に転化率が安定したら、MAL転化率が65.5%となるような程度に油浴温度を上昇させる。同様に、油浴温度をさらに上昇させることにより、69.0%、71.5%、74.3%、74.9%および76.4%の転化率を確立させる。必要な油浴温度(T[油])、メタクリル酸選択率(S[MAA])、ならびに反応器入口から35cmおよび45cmの距離にある触媒層内で観察された温度を表5にまとめた。
Figure 2023536830000009
比較例1、実施例2および実施例3で観察された油浴温度を図4にまとめた。実験した転化率範囲全体について、最も高い油浴温度を必要とするMALは、最も高い温度(25℃)で最も長い時間(10d)貯蔵されていたことが明らかになった。貯蔵時間を半分にすることで、油浴温度を平均で2K下げることができる。同じ貯蔵時間で貯蔵温度を25℃から5℃に下げることで、油浴温度をさらに平均で3K下げることができる。したがって、メタクロレイン酸化触媒の寿命に及ぼす浴温の悪影響を考慮して、中間貯蔵したMALを最小限の温度で最小限の期間にわたって貯蔵することにより、触媒の寿命を延長することができる。
比較例2(バッチ試験における液相でのMALの直接酸化的エステル化;c(di-MAL)=10000ppm)
実験のために、35ppmのdi-MAL含有量を有するメタクロレインを、まず25℃で10日間貯蔵し、その後、このメタクロレインは、10000ppmのdi-MAL含有量を有する。このように前処理したMAL(1.2g)を、AuCoO/SiO-Al-MgO触媒(384mg)およびメタノール(9.48g)と共に、140mlの鋼製オートクレーブ内でマグネチックスターラーにより懸濁させる。まず、MeOH中の1%NaOHでMALのpHを7.0に調整し、100ppmのTempolでMALを安定化させた。オートクレーブを、N中に7%のOを含むガス混合物で30barのゲージまで加圧した。この混合物の爆発限界は、酸素8体積%である。このオートクレーブを2時間かけて80℃に加熱し、冷却して脱気し、懸濁液を濾過した。濾液をGCにより分析した。MALの転化率は64.0%であり、MMAの選択率は93.7%であり、空時収率は毎時10.6mol MMA/kg触媒であった。また、濾液には500ppmのdi-MALおよび10450ppmのdi-MALエステルが含まれていた。フィード中に存在するdi-MALの95%がdi-MALメチルエステルに酸化的エステル化されており、約5%が反応において変化していないことが判明した。
実施例4(バッチ試験における液相でのMALの直接酸化的エステル化;c(di-MAL)=300ppm;低い貯蔵温度の影響)
MALからMAAへの直接酸化的エステル化を、比較例2と同様に試験した。実験のために、35ppmのdi-MAL含有量を有するメタクロレインを、まず5℃で10日間貯蔵し、その後、このメタクロレインは、300ppmのdi-MAL含有量を有する。このようにして前処理したMAL(1.2g)を、AuCoO/SiO-Al-MgO触媒(384mg)およびメタノール(9.48g)と共に、140mlの鋼製オートクレーブ内でマグネチックスターラーにより懸濁させる。まず、MeOH中の1%NaOHでMALのpHを7.0に調整し、100ppmのTempolでMALを安定化させた。オートクレーブを、N中に7%のOを含むガス混合物で30barのゲージまで加圧した。この混合物の爆発限界は、酸素8体積%である。このオートクレーブを2時間かけて80℃に加熱し、冷却して脱気し、懸濁液を濾過した。濾液をGCにより分析した。MALの転化率は67.0%であり、MMAの選択率は93.7%であり、空時収率は毎時11.1mol MMA/kg触媒であった。また、濾液には15ppmのdi-MALおよび315ppmのdi-MALエステルが含まれていた。フィード中に存在するdi-MALの95%がdi-MALメチルエステルに酸化的エステル化されており、約5%が反応において変化していないことが判明した。実施例5と比較して、貯蔵温度が低い結果、フィード中のdi-MAL含有量が減少したことにより、目的反応の空時収率を向上させることができたことが追加的に判明した。

Claims (12)

  1. 第1の反応器内で、C2源であるf6またはC4源であるf2から進行してメタクロレイン含有フラクションを形成し、第1のフラクションに基づく第2のメタクロレイン含有フラクションを、少なくとも1つの第2の反応器内でさらに後続反応させる、メタクリル酸および/またはアルキルメタクリレートの製造方法であって、液体形態の前記メタクロレイン含有フラクションを中間容器D内で48時間未満の滞留時間にわたって-30℃~50℃の貯蔵温度に冷却貯蔵し、そこから蒸発器Eに導くか、または液体形態で、酸化的エステル化の反応器Gである前記第2の反応器に導くことを特徴とする、方法。
  2. 前記第1の反応器A内で、C4源であるf2から進行してメタクロレイン含有プロセスガス1を前記メタクロレイン含有フラクションとして形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 反応器H内で、C2源であるf6から進行してプロピオンアルデヒド含有流8を形成し、前記プロピオンアルデヒド含有流8を少なくとも1回の蒸留を含む精製ステップIで後処理することによってプロピオンアルデヒド含有流10を形成し、前記プロピオンアルデヒド含有流10を、下流の第1の反応器Jおよびさらなる下流の精製ステップKにおいてメタクロレイン含有流13に転化させ、前記メタクロレイン含有流13を前記中間容器Dに導くことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 液体のメタクロレイン含有流4を前記中間容器Dから蒸発器Eに導き、前記蒸発器Eで前記液体のメタクロレイン含有流4を蒸発させてメタクロレイン含有プロセスガス5を形成することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. メタクロレイン含有プロセスガス1または5を、酸素および水蒸気含有ガス混合物6と共に、任意にガス混合物7として予備混合した状態で、酸化反応器Bである前記第2の反応器に導き、これにより、第2の反応器B内でメタクリル酸含有プロセスガス2を形成し、
    a.前記プロセスガス2を、分離装置C内で、主にメタクリル酸を含有する流れ3aと主にメタクロレインを含有する流れ3bとに分離し、
    b.ステップaに記載の前記分離装置は、少なくとも1つの急冷ステップと、1つの晶析ステップと、1つの蒸留ステップとを含み、
    c.前記主にメタクロレインを含有する流れ3bを分留塔の頂部で凝縮させ、次いで、凝縮されたメタクロレイン含有流3bを前記中間容器Dに導き、
    d.次いで、調温されたメタクロレイン含有流4を、前記中間容器Dから前記蒸発器Eに導き、前記蒸発器Eで流れ4をメタクロレイン含有ガス流5に転化させ、前記メタクロレイン含有ガス流5をガス混合物6と共に、任意に混合した状態で反応器Bに導いて、ガス流7を得ることを特徴とする、請求項2または4記載の方法。
  6. 前記主にメタクリル酸を含有する流れ3aを、蒸留および/または抽出によって精製し、任意にさらなるステップにおいて反応器F内で酸触媒下にてアルコールと反応させて、アルキルメタクリレートを得ることを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. メタクロレイン含有流14を、液体形態で中間容器Dから取り出し、反応器G内で、酸素含有ガスf10、触媒およびアルキルアルコールf9の存在下にて液相で直接酸化的エステル化にて反応させて、アルキルメタクリレート含有物質混合物を得ることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記プロセスガス1において、イソブテン含有量は2000体積ppmの値を超えず、メタクロレイン含有プロセスガス2から生じるメタクロレイン含有流4の後処理、調温および再蒸発によりメタクロレイン含有流5が得られ、前記メタクロレイン含有流5は、メタクロレインに対して0.2重量%~25重量%のさらなるカルボニルC~C炭化水素を含み、かつ1重量%未満のメタクロレイン二量体(di-MAL)の含有量を有することを特徴とする、請求項2または5記載の方法。
  9. 後処理および前記主にメタクリル酸を含有する流れ3aの除去後に得られる主にメタクロレインを含有する物質流3bを、前記蒸発器Eへのまたは反応器Gへの液体フィード流4中のメタクロレイン二量体の濃度が1重量%の含有量を超えないように濃縮および貯蔵することを特徴とする、請求項5または6記載の方法。
  10. メタクロレイン含有流2の凝縮温度は、前記中間容器Dにおけるメタクロレイン含有流の貯蔵温度よりも高いことを特徴とする、請求項5または6記載の方法。
  11. 前記中間容器Dにおける好ましくはメタクロレインを含有する流れ3bまたは13の前記滞留時間は12時間未満であり、前記貯蔵温度は-20℃~30℃であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記中間容器Dにおける前記滞留時間は6時間未満であり、前記貯蔵温度は-10℃~20℃であることを特徴とする、請求項11記載の方法。
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