JP2023536386A - Icam調節剤を用いた治療の方法 - Google Patents

Icam調節剤を用いた治療の方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、細胞間接着分子(ICAM)調節剤を用いてがんおよびリンパ球媒介性疾患を治療する方法に関する。

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 2019年6月1日、米国臨床腫瘍学会年次集会が開催中だった米国イリノイ州シカゴのマコーミックプレイス・コンベンションセンターの展示ブースにおいて小冊子を配布 2019年6月19日、キャベンディッシュ・グローバル主催の2019シカゴバイオヘルスインパクトフォーラムにおいて発表
本開示は、細胞間接着分子(ICAM)調節剤を用いてがんおよびリンパ球媒介性疾患を治療する方法に関する。より具体的には、本開示は、デキサメタゾン等の高用量グルココルチコイドを用いてがんを治療する方法に関する。
細胞毒性化学療法の使用を減らすことは、米国国立がん研究所の最優先目標である。キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、CD-19発現B細胞急性リンパ球性白血病の治療において顕著な成功を示している。しかし、固形腫瘍に対するCAR T細胞療法を制限する多くの障壁があり、腫瘍への輸送の無効性だけでなく、固形腫瘍における免疫抑制性微小環境もT細胞の有効性を制限している。さらに、CAR T療法はサイトカイン放出症候群(CRS)、神経浮腫、および移植片対宿主病(GvHD)を含む重篤な有害作用と関連付けられている。
がん治療に伴う毒性を低減させる努力にもかかわらず、これらの毒性に対処するための身体的負担と医療コストは重大な懸念事項であり続けている。例えば、血液がん患者の最大41%が、新しいキナーゼ/プロテアソーム阻害薬や生物学的製剤による身体的および経済的な毒性のために、これらの薬剤の服用を中止することを選択している(Mato 2018、Kadri 2017、Mato 2016およびBarrett 2010、これらはそれぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
接着分子は細胞表面に発現する糖タンパク質であり、2つの細胞間の接触(ホモタイプな相互作用およびヘテロタイプな相互作用の両方)または細胞と細胞外マトリックスとの間の接触を媒介する(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるHua 2013)。ICAMは、例えば白血球インテグリンなどの、免疫細胞の表面に発現される抗原のリガンドである、免疫グロブリンスーパーファミリーのI型膜貫通糖タンパク質である。5つの既知のICAMファミリーメンバー(ICAM1~ICAM5)は、炎症、免疫応答、および細胞内シグナル伝達において役割を果たすことが知られている(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるShen et al. 2018)。
同定されている5つのICAMのうち、ICAM-1(細胞間接着分子1;CD54とも呼ばれる)は最もよく研究されている(Hua et al, 2013)。ICAM-1は、内皮細胞や異なるがん細胞実体を含む多くの細胞型で発現されている。実験データは、ICAM-1ががん細胞において細胞内シグナル伝達経路を活性化して、細胞の運動性、浸潤および転移の増強をもたらし得ることを示している(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSchroder at el 2011)。
ICAM3(CD50としても知られる)は、リンパ球、単球、好酸球および好中球によって(ならびに細気管支上に、およびリンパ腫細胞および一部の黒色腫、肉腫、およびその他のがん細胞によっても)発現される。基礎となるICAM3遺伝子に関する情報はオンライン(例えばEnsembleデータベース;エントリーENSG00000076662参照)で入手可能である。ICAM3を介したシグナル伝達は、ICAM3細胞内ドメイン中のYLPLモチーフによるSrcのリクルートを介して進行し、PI3K-AKTリン酸化カスケードにつながる(Shen et al., 2018)。ICAM3は、ヒトの体内で最も高度にAspグリコシル化されたタンパク質の1つである。アスパラギン残基 (Asp) は、アミド側基の窒素において結合したグリカンで修飾される。これは生物学的に重要な翻訳後修飾であり、小胞体における3つのマンノースサブユニットを含むコアグリカンの転移で始まる。
Shen et al (2018) は、in vitroおよびin vivoでのがん細胞の幹細胞性にICAM3が関与することを報告している。好酸球上のICAM3の発現は、控えめな濃度のデキサメタゾン(100 pM~1μM)への曝露によって減少する(その全体が参照により本明細書に組み込まれるJuan et al, 1999)。細胞がex vivoまたはin vitroの細胞系で使用されると、ICAM3のグリコシル化は低減し得、その結果、ICAM3の活性化または阻害の、in vivoに対して異なるex vivoもしくはin vitroの効果をもたらし得る。
ICAM4は当初「LW糖タンパク質」と名付けられ、その発現は大部分赤血球に限定されると考えられていたが、より最近の研究ではマクロファージでも発現されることが示されている(参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChoi et al., 2017)。基礎となるICAM4遺伝子に関する情報はオンライン(例えばEnsembleデータベース;エントリーENSG00000105371参照)で入手可能である。
本発明者らは以前、高濃度のグルココルチコイドを用いて、養子T細胞療法などの細胞免疫療法の有効性を高めるために患者をコンディショニングできることを発見した。国際特許出願PCT/US2018/025517(WO2018/183927として公開)に記載されている。その出願において、本発明者らは、化学療法および放射線媒介プレコンディショニングに付随する毒性に注目し、これは脾臓の細胞性を非選択的に破壊すると考えられている。本発明者らは、細胞免疫療法を受けるがん患者に利益をもたらすために、急性用量におけるグルココルチコイド(ステロイドのサブクラスである)その他の非毒性リンパ球枯渇剤を提供した。
国際特許出願PCT/US2019/054395において、本発明者らは、他の細胞の細胞数に実質的に影響を与えることなく末梢血リンパ球のリンパ球枯渇(lymphodepletion)を引き起こすための高濃度のグルココルチコイドの使用についても記述している。その出願において本発明者らは、高濃度のグルココルチコイドが、例えば糖尿病自己免疫に関与する膵島特異的自己反応性T細胞を含む、末梢血リンパ球を枯渇させることができるが、好中球、血小板、RBCおよび幹細胞(HSCとMSCの両方)は温存させることを報告した。本発明者らは、化学療法と同等の有効性で安全な免疫学的リセットを実行できる非骨髄破壊的レジメンとしてのグルココルチコイドを提供した。
現在利用可能な治療法よりも安全で、毒性が少なく、かつ/または有効性が高い、がんのさらなる治療法の必要性が存在する。よりシンプルで、毒性が低く、コストが低い治療法が望まれる。
本開示は、高用量の投与後、グルココルチコイド分子はICAM3のような細胞間接着分子に結合しブロックすることができるという驚くべき発見に基づいている。結合は協働的であり、最大26分子がICAM3の最初のIgドメインに結合する。高用量で投与されると、グルココルチコイドはICAM3によって「吸い上げられ」得るところ、ICAM3はリンパ球、単球、および好中球等の細胞だけでなく、黒色腫や骨肉腫等のがん細胞型でもかなりのレベルで発現しており、結果として、これらICAM3発現細胞の濃度依存的アポトーシスがもたらされる(実施例1および2参照)。本発明者らはまた、HEDで15 mg/kg以上のデキサメタゾンリン酸エステルのピーク血中濃度に等しいex vivoまたはin vitroの濃度では、全血または脾臓細胞に対する直接的なアポトーシス効果がないことを実証し、これらの高濃度でグルココルチコイド受容体が結合/活性化されないことを実証した。
理論に縛られることなく、本発明者らは、ICAM3へのグルココルチコイドの結合が、NKT細胞やCD8+ T細胞等の他のリンパ球による攻撃のために細胞がマーキングされることをもたらすと考えている。ICAM3のシェディング(shedding)もグルココルチコイドの結合後にも起こり得、これらの細胞型に対する免疫反応をさらに刺激する。
従って、第1の側面において、開示は、対象における癌またはリンパ球媒介性疾患を治療する方法を提供し、その方法は、治療有効量のグルココルチコイドを対象に投与することを含み、ここで、グルココルチコイドは、ICAM3に結合することによって、ICAM3発現細胞の細胞死を誘導する。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンからなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾロンからなる群から選択され、好ましくはグルココルチコイドはデキサメタゾンまたはベタメタゾンである。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシナート、デキサメタゾンコハク酸エステルナトリウム、デキサメタゾンコハク酸エステル、デキサメタゾンイソニコチン酸エステル、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンリン酸エステル、デキサメタゾン-21-リン酸エステル、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-吉草酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル一水和物、デキサメタゾンピバル酸エステル、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオン酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル無水、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオン酸エステル、デキサメタゾン-21-スルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンヘモサルフェート、デキサメタゾンサルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシミド、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾン21リン酸二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシル酸エステル、デキサメタゾンリノレイン酸エステル、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨード酢酸エステル、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビセトキシムス、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノレライダート、デキサメタゾンメチルオルト吉草酸エステル、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチル酢酸エステル、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメサゾン、ヒドロキシデキサメサゾン、カルボキシデキサメサゾン、デソキシデキサメサゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメサゾン、オキソデキサメサゾン、プロピオニルオキシデキサメサゾン、デキサメタゾンガラクトディ、デキサメタゾンイソニコチナート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブラート、デキサメタゾントリデシル酸エステル、デキサメタゾンクロトン酸エステル、デキサメタゾンメタンスルホン酸エステル、デキサメタゾンブチル酢酸エステル、デヒドロデキサメサゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチル)チオエーテル、デキサメタゾンブロモ酢酸エステル、デキサメタゾンヘミグルタル酸エステル、デオキシデキサメタゾン、クロラムブシル酸デキサメタゾン、メルファラン酸デキサメタゾン、ホルミルオキシデキサメタゾン、酪酸デキサメタゾン、ラウリン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、および、デキサメタゾンの一形態を含有するいずれかの併用療法物からなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態では、デキサメタゾンはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンナトリウムである。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはおよそ、デキサメタゾン塩基の少なくとも6 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の少なくとも12 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の少なくとも15 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の少なくとも18 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の少なくとも24 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の15 mg/kgのヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の18 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の24 mg/kgヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の30 mg/kgのヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の45 mg/kgのヒト等価用量 (HED);デキサメタゾン塩基の少なくとも6~12 mg/kgヒト等価用量 (HED) に相当する用量で、または、上記のmg/kg値のうちの2つによって画定されるmg/kg値の範囲からのmg/kg単位の値をとるデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) で、対象に投与される。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、単回の急性投与、または約72時間にわたって投与される総投与量として投与される。いくつかの実施形態では、当該方法は、一回以上のさらなる用量のグルココルチコイドを対象に投与することを含み、これは、先行する投与から24時間~120時間後;先行する投与から24時間~48時間後;先行する投与から72時間~120時間後;第1の投与後24、48、72、96、120、144、もしくは168時間ごと;第1のグルココルチコイド投与後2週間ごと;第1の投与後毎月1回;または第1の投与後毎週2回投与され得る。
いくつかの実施形態では、対象は哺乳類であり、好ましくはヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、がんまたはリンパ球媒介性疾患を有しているか、有している疑いがあるか、または有していると診断された対象である。
いくつかの実施形態では、リンパ球媒介性疾患はがんである。いくつかの実施形態では、がんはリンパ腫、黒色腫、または骨肉腫である。いくつかの好ましい実施形態では、がんはリンパ腫であり、好ましくは胚細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である。
いくつかの実施形態では、リンパ球媒介性疾患はアレルギー疾患または自己免疫疾患である。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、ICAM3に結合することによってICAM3発現細胞のアポトーシスを誘導する。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、ICAM3発現細胞を、免疫細胞による攻撃のためにマーキングすることをもたらす。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、ICAM3を発現するがん細胞またはリンパ球に対する効果的な免疫反応を誘発または支援する。
グルココルチコイドは、
CD3を発現することと、
i) CD4、CD8、CD45、CD49b、CD62L、NK1.1、Ly6G、Sca1、および/またはTCRガンマ/デルタを発現すること;および/または
ii) C-kit、B220、FoxP3、および/またはTCRアルファ/ベータを発現しないこと
とによって特徴付けられるNKT細胞の集団を誘導および/または動員することによって、効果的な免疫反応を誘発または支援することができる。
グルココルチコイドは、CD3を非常に高いレベルで発現するT細胞集団(「CD3-very-high」)を誘導および/または動員することによって、効果的な免疫反応を誘発または支援することができる。該T細胞はCD4とCD8の両方を発現し得る。
グルココルチコイドは、CD11bを非常に高いレベルで発現する樹状細胞(DC)の集団(「CD11b-very-high樹状細胞」)を誘導および/または動員することによって、効果的な免疫反応を誘発または支援することができる。
第2の側面において、本開示は、本開示の第1の側面に従った方法における使用のためのグルココルチコイドを提供する。
第3の側面において、本開示は、本開示の第1の側面に従った方法における使用のための医薬の製造のためのグルココルチコイドの使用を提供する。
本開示は、記述されている側面および好ましい特徴の組み合わせを包含するが、ただしそのような組み合わせが明らかに許容されないかまたは明示的に回避されている場合を除く。
本開示の原理を例証する実施形態および実験について、以下に説明する添付の図面を参照して説明する。
1A:ヒトプロテオームプロジェクトからの、様々な器官におけるAVM0703受容体(ICAM3)タンパク質発現レベル。造血/免疫器官(全て調べられた)、および高濃度の免疫細胞を含有する皮膚で発現が高度に観察されている。1B:ICAM3 RNA発現を測定するFantom 5データセットからのデータであり、肺は中程度のレベルのICAM3を発現する。RNAは、HEL、HL-60、HMC-1、K-562、NB-4、THP-1、U-937、Daudi、HDLM-2、Laspas_707、MOLT-4、REH、RPMI-8226、U-266/70、U-266/84、およびU-698細胞株を含む複数の骨髄系およびリンパ系細胞株でも発現する(データは図示していない)。
AVM0703受容体 (ICAM3) はリンパ腫で広く発現されている;強い発現が、12個の試験されたリンパ腫生検のうちの12個で確認された。また、生検された一部の直腸結腸がん細胞でもICAM3が低レベルで検出され、乳管がんの乳がん生検の一部では弱く検出され、肺がん生検からの細気管支様細胞でも検出されるががん細胞では検出されない(データは図示していない)。生検サンプルからのタンパク質発現は、ヒトプロテオームプロジェクトからのものである。
AVM0703受容体 (ICAM3) は、小児がん(St.Jude's Pediatric Cancer Genome Projectより)で発現している。中央値を超えるICAM3 mRNAレベルを発現しているがんはすべて白血病およびリンパ腫の種類である。急性リンパ性白血病のサンプルの中には、全1976サンプルの中央値を下回るレベルでICAM3 mRNAを発現しているものもある。全ての固形腫瘍は、中央値を下回るレベルでICAM3 mRNA発現を有していた。
AVM0703受容体 (ICAM3) は、U2 OS骨肉腫細胞(ヒトプロテオームプロジェクトより)によって発現される。
AVM0703投与24時間後の死んだU2骨肉腫(osteosarcoma)細胞のPI染色。AVM0703は濃度依存的にU2 OS細胞のin vitroアポトーシスを誘導する。アポトーシスを誘導したデキサメサゾン塩基の用量は50、100、175および250μMを含む。U2 OS細胞はグルココルチコイド受容体を発現しておらず、活性はICAM3の活性化/改変を介していることを示している。
デキサメタゾン塩基(1 nM~250μM)と4時間インキュベートした後の脾臓細胞の生存率。100μMを超える用量では、AVM0703は新たに分離された脾臓細胞のアポトーシスを誘導しなくなり、ex vivoでは、ヒト等価用量 (HED) 15 mg/kg後のピーク血漿中濃度に相当する濃度でグルココルチコイド受容体は結合も活性化もされないことが示された。
ここで、本開示の側面と実施形態について、添付の図を参照して説明する。さらなる側面と実施形態は当業者には明らかとなる。このテキストで言及されているすべての文書は参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、対象における癌またはリンパ球媒介性疾患を治療する方法であって、治療有効量のICAM3調節剤を対象に投与することを含む方法に関する。また、本開示は、そのような方法において使用するためのICAM3調節剤(デキサメタゾンなどのグルココルチコイドであり得る)、ならびにそのような方法において使用するための医薬の製造のためのICAM3調節剤(デキサメタゾンなどのグルココルチコイドであり得る)の使用を提供する。
[薬理作用]
受容体アンタゴニストは、受容体に結合することにより受容体結合部位を占有するが、受容体を活性化させはしないリガンドである。これに対して、受容体アゴニストは受容体に結合して活性化させ、典型的には細胞内でシグナルの伝達を引き起こす。従って、アンタゴニストは、結合することについてアゴニストや他の受容体結合剤と競合することによって、生物学的に関連する作用を発揮することができる。従ってアンタゴニストは一般的に「ブロッカー」と呼ばれる。
本開示のグルココルチコイド調節剤は、典型的にグルココルチコイド受容体のアゴニストとして作用する。しかしながら、本願は、細胞内接着分子3(ICAM3)に結合してICAM3発現細胞の細胞死/アポトーシスを誘導するグルココルチコイド調節剤(デキサメタゾンおよび他のグルココルチコイドなど)の驚くべき能力を開示する。理論に縛られることなく、本発明者らは、このアポトーシスが以下の1つ以上によって引き起こされると考えている:ICAM3の活性化;細胞アポトーシス経路の誘発(活性化);NKT細胞やCD8+ T細胞などのマクロファージおよび/または白血球による攻撃のための細胞のマーキングをもたらすICAM3の結合;および細胞表面からのICAM3のシェディング。
[ICAM-3調節剤]
本開示の文脈におけるICAM3調節剤とは、ICAM3に結合して、実施例で示されている濃度依存的アポトーシス細胞死を促進させるものである。すなわち、理論に縛られることなく、そのような薬剤はICAM3に結合して、ICAM3活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードをブロックし;シグナル伝達カスケードを活性化して細胞媒介アポトーシスを誘導し;ICAM3発現細胞をNKT細胞やCD8+ T細胞などのマクロファージやリンパ球による攻撃のためにマーキングすることを引き起こし;および/または、ICAM3発現細胞の表面からICAM3をシェディングさせ得る。ICAM3調節剤は、ICAM3アンタゴニスト/ICAM3阻害剤の場合もあれば、ICAM3アゴニスト/活性化剤の場合もある。
そのようなICAM3調節剤には、例えば、ICAM3もしくはその一部分に対して産生された抗ICAM3抗体、ICAM3の低分子モジュレーター(ICAM3の活性化剤もしくは阻害剤など)、ICAM3に結合するペプチド剤/タンパク質などが含まれ得る。ICAM3調節剤を同定するための適切な手段は、当業者にはよく知られているであろう。例えば、抗ICAM3抗体は、抗体分子のライブラリーとICAM3エピトープを接触させることと、ライブラリーのうちそのエピトープに結合することができる1つ以上の特異的な抗体分子を選択することとを含み得る方法によって同定することができる。あるいは、既知の抗ICAM3抗体を利用した競合結合アッセイを使用して(例えば、ELISAまたはフローサイトメトリーを使用して競合を決定することで、これらを同定することができる。同様に、ICAM3の低分子モジュレーターは、放射性リガンド結合アッセイや機能アッセイなどのルーチンのスクリーニング実験によって同定することができる。
既に上記で説明したように、本願は、グルココルチコイド受容体調節剤(デキサメタゾンや他のグルココルチコイドなど)がICAM3に結合してICAM3に対して調節作用を発揮するという驚くべき能力を開示する。従って、いくつかの実施形態では、ICAM3調節剤はグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤であり得る。本明細書で使用されるグルココルチコイド受容体(GR)調節剤という用語には、グルココルチコイド、グルココルチコイド受容体アゴニスト、およびグルココルチコイド受容体に結合する任意の化合物が含まれる。グルココルチコイドのようなグルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、遺伝子発現を活性化または抑制する膜GRおよび細胞質GRの両方を通じて効果を発揮する。グルココルチコイドおよびGR調節剤の望ましいリンパ球枯渇性作用のいくつかは、そのゲノム性効果に加えて、膜GRまたはその他の非ゲノム性効果を介して媒介されると考えられている。グルココルチコイドは、投与されるグルココルチコイドの濃度と治療期間に応じて、リンパ球レベルに異なる影響を有することが報告されている。一般に、慢性療法に典型的に用いられる低用量では、グルココルチコイドは末梢血から骨髄へのリンパ球の再分布を引き起こすと報告されており、中用量ではグルココルチコイドは骨髄、脾臓および胸腺から末梢血への白血球の再分布であると考えられる白血球増加を引き起こすことが報告されており、そして高用量では、グルココルチコイドはアポトーシスおよびネクロプトーシスを誘発することによってリンパ球に対するリンパ球毒性作用を有する。効果の持続時間も用量レベルによっても異なる;例えば、Fauci et al (1976) は、0.24 mg/kgデキサメタゾンの単回経口用量が、末梢血中のTリンパ球とBリンパ球を80%抑制し、回復は12時間で始まり、24時間までに正常レベルに戻ると報告している。著者らは以前(国際特許出願PCT/US2019/054395において)、投与後24~48時間で末梢血中のT細胞およびB細胞を減少させるためには3 mg/kg以上のデキサメタゾンの急性経口用量が必要であり、投薬後5~14日程度でベースライン値への回復が起こることを示した。
開示された方法で使用できるグルココルチコイド受容体(GR)調節剤には、例えば、選択的グルココルチコイド受容体調節剤(SEGRM)および選択的グルココルチコイド受容体アゴニスト(SEGRA)が含まれる。開示された方法で利用できるグルココルチコイド、選択的グルココルチコイド受容体調節剤および選択的グルココルチコイド受容体アゴニスト(SEGRA)は当業者にはよく知られている。
そのようなグルココルチコイドには、デキサメサゾン、デキサメサゾン含有剤、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾン、プレドニゾン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンが含まれるがこれらに限定されない。他のグルココルチコイドとしては、プレドニゾロン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、トリアムシノロンアセトニド、およびメチルプレドニゾロンが挙げられる。
従って、本開示の方法のいくつかの好ましい実施形態において、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤はグルココルチコイドであり得る。いくつかのそのような実施形態において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンからなる群から選択され得る。いくつかの好ましい実施形態において、グルココルチコイドは、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群から選択され得る。いくつかの特に好ましい実施形態において、グルココルチコイドは、デキサメタゾンまたはベタメタゾンであり得る。
本開示の方法のいくつかの実施形態では、グルココルチコイドは、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシナート、デキサメタゾンコハク酸エステルナトリウム、デキサメタゾンコハク酸エステル、デキサメタゾンイソニコチン酸エステル、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンリン酸エステル、デキサメタゾン-21-リン酸エステル、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-吉草酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル一水和物、デキサメタゾンピバル酸エステル、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオン酸エステル、デキサメタゾンプロピオン酸エステル、デキサメタゾン酢酸エステル無水、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオン酸エステル、デキサメタゾン-21-スルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンヘモサルフェート、デキサメタゾンサルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシミド、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾン21リン酸二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシル酸エステル、デキサメタゾンリノレイン酸エステル、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨード酢酸エステル、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビセトキシムス、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノレライダート、デキサメタゾンメチルオルト吉草酸エステル、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチル酢酸エステル、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメサゾン、ヒドロキシデキサメサゾン、カルボキシデキサメサゾン、デソキシデキサメサゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメサゾン、オキソデキサメサゾン、プロピオニルオキシデキサメサゾン、デキサメタゾンガラクトディ、デキサメタゾンイソニコチナート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブラート、デキサメタゾントリデシル酸エステル、デキサメタゾンクロトン酸エステル、デキサメタゾンメタンスルホン酸エステル、デキサメタゾンブチル酢酸エステル、デヒドロデキサメサゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチル)チオエーテル、デキサメタゾンブロモ酢酸エステル、デキサメタゾンヘミグルタル酸エステル、デオキシデキサメタゾン、クロラムブシル酸デキサメタゾン、メルファラン酸デキサメタゾン、ホルミルオキシデキサメタゾン、酪酸デキサメタゾン、ラウリン酸デキサメタゾン、酢酸デキサメタゾン、および、デキサメタゾンの一形態を含有するいずれかの併用療法物からなる群から選択され得る。いくつかの好ましい実施形態では、グルココルチコイドはデキサメタゾン塩基またはリン酸デキサメタゾンナトリウムである。
本開示のいくつかの実施形態では、グルココルチコイド受容体調節剤は、上に列記した1つまたは複数の薬剤ではないことがあり得る。
[メカニズム]
実施例で本発明者らは、グルココルチコイド分子が、リンパ球、単球および好中球ならびに黒色腫や骨肉腫などのがん細胞型で高発現するICAM3のような細胞間接着分子に結合できることを示した。ICAM3に結合することで、高用量のグルココルチコイドは、これらの細胞型に対して濃度依存的で直接的な殺細胞効果を発揮することができる。
従って、本開示の方法において、ICAM3調節剤は、ICAM3に結合することによって、ICAM3発現細胞の細胞死を誘導する。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、ICAM3に結合することによって、ICAM3発現細胞のアポトーシスを誘導する。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、ICAM3発現細胞に対する効果的な免疫応答を誘発または支援する。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、ICAM3発現細胞を免疫細胞による攻撃のためにマーキングする。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、細胞アポトーシス経路を誘発(活性化)する。
いくつかの実施形態において、ICAM3は、UniProtアクセス番号P32942(entry version 198)で開示されたアミノ酸またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態において、ICAM3は、UniProtアクセス番号P32942(entry version 198)で開示されたアミノ酸配列の全長に対して少なくとも70%、80%、90%、95%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
[免疫攻撃のために細胞をマーキングすることによる生物学的作用]
単球およびマクロファージは、脊椎動物において非特異的および特異的な防御機構の両方で作用する食作用性白血球である。その役割は、死んだ細胞や死にかけている細胞、細胞片、および病原体を、静止細胞または移動細胞として貪食(飲み込んでから消化)し、リンパ球その他の免疫細胞を刺激して病原体に応答させることである。貪食性白血球の動員の根底にある分子メカニズムには、死にゆく細胞の表面にある分子の「フラッグ」を認識することが関与し、これが結合されて当該死にゆく細胞が貪食され破壊されることを可能にすると考えられている(Gregory & Pound, 2010、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。ICAM3は、死にゆく細胞の機能変化に続くそのような分子の「フラッグ」として作用することが示されている(Moffat et el 1999、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
従って、理論に縛られることなく、本発明者らは、in vitroでの急性高用量グルココルチコイド投与後に観察される細胞アポトーシスの濃度依存的メカニズム(実施例1および2を参照)は、グルココルチコイドがICAM3に結合することによって、ICAM3発現細胞がマクロファージおよび/または白血球(NKT細胞やCD8+ T細胞など)による攻撃のためにマーキングされることによって媒介され得ると考えている。これらには、以下により完全に説明するように、高濃度のグルココルチコイドによって誘導/動員されることを本発明者らが示した免疫細胞が含まれ得る。
グルココルチコイドの結合後にICAM3のシェディングも起こり得る。Juan, 1999(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、0.1ナノモーラーから最大1マイクロモーラーのデキサメタゾンが24時間後に好酸球から最大28~33%のICAM3のシェディングを誘導したことを記述している。Juanに記述されているシェディングは、0.01マイクロモーラーでほぼ最大(28%)であった。2ログ追加のデキサメタゾンを加えても、シェディングを28%(+5%)へと控えめに増加させただけであり、これは本分野の専門家がICAM3シェディングに対するさらなる影響を決定するためにより高濃度のデキサメタゾンを調査する動機とはならなかったであろう。グルココルチコイド結合後のICAM3のシェディングは、ICAM3がシェディングされたところの細胞の部位へのマクロファージ/食細胞の動員を促進する化学誘引シグナルとして作用することによって(例えばTorr et al.2012に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、これらの細胞型に対する免疫反応をさらに刺激し得る。ICAM3がシェディングされたところの細胞の部位へと動員される細胞には、下記でより完全に説明するように、高濃度のグルココルチコイドによって誘導/動員されることを本発明者らが示した免疫細胞が含まれ得る。本発明者らは、デキサメタゾン結合後のICAM3のシェディングが、超高濃度のグルココルチコイドの後のこれら新規免疫細胞の動員に寄与し得るという仮説を立てている。
したがって、本開示の方法のいくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす。いくつかの実施形態では、細胞により発現されるICAM3全体の少なくとも約10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、または99%が細胞外空間にシェディングされる。いくつかの実施形態では、ICAM3は、細胞上のICAM3の表面発現の少なくとも約10、20、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、または99%の減少を誘発する。いくつかの好ましい実施形態では、細胞によって発現された総ICAM3の少なくとも約30または40%が細胞外空間にシェディングされる。いくつかの好ましい実施形態では、ICAM3は細胞上のICAM3の表面発現を少なくとも約35または40%減少させる。ICAM3の発現およびシェディングの程度および変化を決定するための適切な方法は、当業者によく知られており、例えば、Juan et alに記載されている方法がある(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
[免疫細胞の誘導を介した生物学的作用]
高用量のグルココルチコイドは、リンパ球媒介性疾患およびがんの治療に貢献する強力な生物学的効果を発揮する。ヒト等価用量(HED用量)15 mg/kg以上のAVM0703は、CD3を非常に高レベルで発現する非常に活性なナチュラルキラーT細胞を動員するが(AVM_NKT細胞)、これはこの高用量処置を行わなければ循環血液中に見出されることがない。この細胞タイプについては、下記で詳しく論じられる。
15 mg/kg以上のリン酸デキサメタゾンのHEDでは、上記のAVM_NKT細胞を動員することのほか、新規のCD3超高(very-high)T細胞(これはCD4およびCD8の両方を発現し得る)、およびCD11b-very-high樹状細胞も誘導される。CD3 Tリンパ球におけるCD4 CD8二重陽性は、細胞傷害性T細胞を示す。驚くべきことに、これらの用量のグルココルチコイドは、インビトロでは全血に対しても脾臓細胞対しても同等濃度で活性を有さないため、GRを活性化しないと見られ(下記実施例3参照)、インビボでは、GRが活性化されるならば予想されるであろう結腸、膵臓または骨に対する影響が存在しなかった。インビボではリンパ球、単球、一部の好中球、およびがん細胞のみが除去された。デキサメタゾン投与後わずか6時間でほぼ完全な除去が認められて、作用の発現が迅速であることが示された。
AVM_NKT細胞はNKp46+でLy6G陽性であり、標的を飲み込むだけでなく直接殺す可能性を示している。上記で要約した典型的AVM_NKTはCD1d拘束性ではない。CD11b-very-high樹状細胞も、これらの用量のAVM0703によって活性化される。インビボでは、グルココルチコイドはナイーブマウスに経口投与後6時間以内にNK細胞とNKT細胞以外のリンパ球および単球を除去する。腫瘍モデルにおいて、該新規NKTおよびT細胞は血液中で観察されない。しかし、投与後48時間以内に、NKp46+細胞およびLy6G+細胞(これらはF4/80について陰性であるからマクロファージではない)が、腫瘍内で、残存する生存腫瘍の周辺領域で形成していることを認めることができる。これは、これらの細胞の機能的な効力を示している。腫瘍の状況において、AVM新規免疫細胞は血液中に観察されない。これらは異常細胞(この場合はがん細胞)に優先的にホーミングすると見られ、循環する正常な単球と好中球はナイーブな状況のままにあって枯渇されない。
NKT細胞の既知の特性とNKT細胞標的免疫療法の利点を超えて、当該新規のAVM_NKT細胞は、他のNKT様インバリアントNKT(iNKT)細胞の既知の殺傷特性に直接的な標的細胞呑み込みを追加し得るため、追加の利点を提供する。この機能は、AVM_NKTがLy6Gのユニークな発現をしていることに起因する。さらに、AVM_NKTは高用量のグルココルチコイドによって誘導されるため、原理的に大量に入手可能であり、このことは、高齢者、病人、またはがん患者における自己治療には不十分である天然のNKT(およびiNKT細胞)の限られた数とは対照的である。
[用量]
本開示の方法のいくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、ICAM3活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードを遮断するのに十分な用量で投与され得る。本開示の方法のいくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、ICAM3活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードを活性化するのに十分な用量で投与され得る。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こすのに十分な用量で投与される。いくつかの実施形態において、ICAM3調節剤は、免疫細胞による攻撃のためのICAM3発現細胞のマーキングを引き起こすのに十分な用量で投与される。
ICAM3調節剤がグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤である本開示の方法の実施形態において、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、少なくとも約6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) に相当する用量で投与され得る。
別のグルココルチコイドまたはグルココルチコイド受容体調節剤の等価用量は、公的に利用可能なコルチコイド変換アルゴリズム(好ましくはhttp://www.medcalc.com)を用いて容易かつ容易に計算することができる。例えば、18 mg/kgのデキサメタゾンは112.5 mg/kgのプレドニゾンに変換される。プレドニゾンの生物学的半減期は約20時間であるのに対し、デキサメタゾンの生物学的半減期は約36時間~54時間であるため、生物学的に同等の投薬量のためにプレドニゾンは24時間ごとに約112.5 mg/kgが投与されるであろう。より具体的には、デキサメタゾンの18 mg/kgの用量は、24時間ごとに約2回から約3回の反復投与を要するプレドニゾロンの112.5 mg/kgの用量に相当する。ベタメタゾンの10 mg/kgの用量はデキサメタゾンの約12 mg/kgであり、デキサメタゾンと同様の薬力学的(生物学的)半減期を有する。
本願においてデキサメタゾンの用量は、ヒト等価用量(HED)として記載されている。ヒト等価用量(HED)を算出する方法は当技術分野で知られている。例えば、FDAの医薬品評価研究センター(CDER)は2005年に高引用度のガイダンス文書を発行しており(米国保健省CDER, 2005年)、その文書の7ページの表1に、体表面積(種間で用量を外挿するための一般的に受け入れられている方法)に基づいて動物の用量をHEDに変換するための確立されたアルゴリズムを示している。参考のために表1を下記に再録する。下記で説明されている、mg/kg単位での動物用量は、表1の右側列における標準的換算係数を用いて簡単にHEDに計算できることを当業者は理解している。

表1:体表面積に基づく動物用量からヒト等価用量への換算
Figure 2023536386000002

a 60 kgのヒトを想定。記載されていない種や、基準範囲外の体重の場合、HEDは次の式から計算することができる:
HED=mg/kg単位の動物用量 × (kg単位の動物体重/kg単位のヒト体重)0.33
b健康な小児が第1相治験にボランティアとして参加することはほとんどないため、このkm値は参考値としてのみ記載する。
c例えばカニクイザル、アカゲザル、ベニガオザル。
いくつかの実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、少なくとも約12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) に相当する用量で投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、少なくとも約15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)に相当する用量で投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、少なくとも約24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)に相当する用量で投与される。いくつかの好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、約12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) 、約15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) 、または約18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) 、または約24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) 、または約30 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) 、または約45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED) に相当する用量で投与される。
本開示の方法のいくつかの実施形態において、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、デキサメサゾン塩基のヒト等価用量 (HED) の少なくとも約6~45 mg/kg、デキサメサゾン塩基のヒト等価用量 (HED) の少なくとも約15~24 mg/kg、デキサメサゾン塩基のヒト等価用量 (HED) の少なくとも約6~12 mg/kg、デキサメサゾン塩基のヒト等価用量 (HED) の少なくとも約12~15 mg/kg、またはデキサメサゾン塩基のヒト等価用量 (HED) の少なくとも約18~30 mg/kgに相当する用量で投与される。
本開示の方法では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は単回急性用量で投与されてもよいし、または約24時間、48時間、または72時間にわたって総用量が投与されれてもよい。いくつかの好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は単回急性用量として投与される。他の好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤は、約72時間にわたって与えられる総用量として投与される。
開示の方法のいくつかの実施形態では、該方法は、対象にグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤の1回以上のさらなる用量を投与するステップを含み得る。
これに関して、該1回以上の用量は、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤の第1の用量または先行する用量に加えてさらに投与され、したがって、後続のまたは第2、第3、第4等の用量と呼ばれ得る。したがって、いくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約24、48、72、96、120、144、または168時間後に投与され得る。いくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の後の約24、48、72、96、120、144、または168時間ごとに投与され得る。いくつかの他の実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の後に週に一回、二週間に一回、三週間に一回、または月に一回投与され得る。いくつかの他の実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の後に週に二回投与され得る。
いくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約24時間から168時間後に投与され得る。他の実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約24時間から120時間後、約24時間から72時間後、または約24時間から48時間後に投与され得る。他のいくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約48時間から168時間後、約48時間から120時間後、または約48時間から72時間後に投与され得る。他のいくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、先行する用量(投与)の約72時間から168時間後、または約72時間から120時間後に投与され得る。
いくつかの実施形態では、初回用量の7日後に後続の用量が投与される。いくつかの実施形態では、初回用量の14日後に後続の用量が投与される。いくつかの実施形態では、初回用量の21日後に後続の用量が投与される。
対象がT細胞リンパ腫に罹患している、罹患している疑いがある、またはT細胞リンパ腫と診断されている場合のいくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、医師により決定され得る期間にわたり21日ごと、または14日ごと、または5~7日ごとに投与され得る。
対象がB細胞リンパ腫に罹患している、罹患している疑いがある、またはB細胞リンパ腫と診断されている場合のいくつかの実施形態では、1回以上のさらなる用量は、医師により決定され得る期間にわたり21日ごと、または14日ごと、または5~7日ごとに投与され得る。
[対象]
「対象」と「患者」という用語は本明細書では互換的に使用され、ヒトまたは動物を指す。本開示の方法のいくつかの実施形態において、対象は哺乳類であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、対象はあらゆる性別または人種のヒトであり得る。いくつかの実施形態において、ヒトは成人のヒトである。本開示の方法のいくつかの実施形態において、対象は、健康な対象であり得、例えば健康な成人のヒトの対象であり得る。この文脈において、健康な対象とは、疾病に罹患していない対象である。
本開示の方法のいくつかの実施形態において、対象は、リンパ球媒介性疾患または癌を有しているか、有している疑いがあるか、または診断されている対象であり得る。
[リンパ球媒介性疾患]
本明細書で使用される「リンパ球」という用語は、ナチュラルキラー (NK) 細胞、T細胞、またはB細胞を含む。NK細胞は細胞傷害性(細胞毒性)リンパ球の一種であり、固有の免疫系の主要な構成要素を代表する。NK細胞は、腫瘍およびウイルス感染細胞を拒絶する。それはアポトーシスまたはプログラム細胞死のプロセスを通じて作用する。細胞を殺すために活性化を必要としないことから、それらは「ナチュラルキラー」と名付けられた。T細胞は細胞性免疫(抗体が関与しない)において主要な役割を果たす。そのT細胞受容体 (TCR) は他の種類のリンパ球から分化する。T細胞の成熟は、免疫系の特化した器官である胸腺(thymus)が主に担っている。T細胞には6種類、すなわちヘルパーT細胞(例えばCD4+細胞)、細胞傷害性T細胞(TC、細胞傷害性Tリンパ球、CTL、Tキラー細胞、細胞溶解性T細胞、CDS+ T細胞、またはキラーT細胞とも呼ばれる)、メモリーT細胞((i) 幹メモリーT scM細胞は、ナイーブ細胞と同様に、CD45RO-、CCR 7+、CD45RA+、CD62L+(L-セレクチン)、CD27+、CD28+、およびIL-7Ra+であるが、CD95、IL-2R~、CXCR3、およびLFA-1も多量発現しており、メモリー細胞特有の多数の機能的特性を示す);(ii) セントラルメモリーTcM細胞はL-セレクチンとCCR7を発現し、IL-2を分泌するが、IFNyやIL-4は分泌しない、(iii) エフェクターメモリーT EM細胞はL-セレクチンやCCR 7を発現しないが、IFNyやIL-4のようなエフェクターサイトカインを産生する)、制御性T細胞(Treg、サプレッサーT細胞、またはCD4+ CD25+ 制御性T細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT)、およびガンマデルタT細胞がある。一方、B細胞は、(抗体が関与する)液性免疫において主要な役割を果たす。それは抗体および抗原を作り、抗原提示細胞(APC)の役割を果たし、抗原相互作用によって活性化された後にはメモリーB細胞になる。哺乳類では、未成熟細胞が骨髄(bone marrow)で形成され、その名前の由来となっている。
自己免疫疾患およびリンパ球を含む免疫細胞によって媒介されるその他の疾患には、以下の一覧が含まれるが、これらに限定されない:アレルギー、喘息、残存HIV、バーキットリンパ腫およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫などの胚中心リンパ腫、辺縁帯リンパ腫、移植片対宿主病 (GvHD) 、ステロイド抵抗性GvHD、急性リンパ性白血病またはリンパ芽球性白血病 (T-ALLまたはB-ALL) 、アカラシア、アジソン病、成人スティル病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性自律神経失調症、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患 (AIED) 、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索・神経ニューロパチー (AMAN) 、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病 (CD) 、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー (CIDP) 、慢性再発性多巣性骨髄炎 (CRMO) 、チャーグ・ストラウス症候群 (CSS) または好酸球性肉芽腫症 (EGPA) 、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素病、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病 (視神経脊髄炎) 、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎 (EoE) 、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎 (側頭動脈炎) 、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 (HSP) 、妊娠ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡 (PG) 、化膿性汗腺炎 (HS) (反対型ざ瘡) 、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG 4関連硬化性疾患、免疫性血小板減少性紫斑病 (ITP) 、封入体筋炎 (IBM) 、間質性膀胱炎 (IC) 、若年性関節炎、若年性糖尿病 (1型糖尿病) 、若年性筋炎 (JM) 、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病 (LAD) 、ループス、ライム病慢性、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎 (MPA) 、混合性結合組織病 (MCTD) 、モーレン潰瘍、ムチャ・ハーバーマン病、多巣性運動ニューロパチー (MMN) またはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼の瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ (PR) 、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症 (PCD) 、発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH) 、パリー・ロンバーグ症候群、パース・プラニティス (周辺性ぶどう膜炎) 、パーソネージ・ターナー症候群、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、静脈性脳脊髄炎、悪性貧血 (PA) 、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺性症候群I型、II型、III型、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球ろう (PRCA) 、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発軟骨炎、むずむず脚症候群 (RLS) 、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、SARS CoV-2 (COVID-19) 、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群 (SPS) 、亜急性細菌性心内膜炎 (SBE) 、スザック症候群、交感神経性眼炎 (SO) 、高安動脈炎、側頭動脈炎・巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病 (TTP) 、トローザ・ハント症候群 (THS) 、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎 (UC) 、未分化結合組織病 (UCTD) 、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、フォークト小柳-原田病。
いくつかの好ましい実施形態では、リンパ球媒介性疾患は、例えば胚中心リンパ腫 (GCリンパ腫) や辺縁帯リンパ腫などのリンパ腫のようながんであり得る。
いくつかの実施形態では、リンパ球媒介性疾患は、自己免疫疾患、または免疫媒介性疾患であり得る。「自己免疫性疾患」は、本明細書で使用される場合、自己免疫性障害、および免疫系が対象自身の成分を以上に攻撃する異常な免疫によって起こる他の疾患を指す。(健常な対象において、免疫系は、対象自身の成分に対する寛容を確立することによって、損傷を与える自己免疫反応を回避する)。種々の自己免疫性疾患の例は、本明細書に記載されており、それらに限定されないが、セリアック病、1型糖尿病、グレーブス病、炎症性腸疾患、一過性骨粗鬆症、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチ、および全身性エリテマトーデスがあげられる。
本開示のいくつかの実施形態において、免疫媒介性疾患は、アレルギー、喘息、移植片対宿主病 (GvHD) 、ステロイド抵抗性GvHD、アカラシア、アジソン病、成人スティル病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、脱毛症、一過性骨粗しょう症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性自律神経失調症、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患 (AIED) 、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性精巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索・神経ニューロパチー (AMAN) 、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、水疱性類天疱瘡、キャッスルマン病 (CD) 、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー (CIDP) 、慢性再発性多巣性骨髄炎 (CRMO) 、チャーグ・ストラウス症候群 (CSS) または好酸球性肉芽腫症 (EGPA) 、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、寒冷凝集素病、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST症候群、クローン病、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病 (視神経脊髄炎) 、円板状狼瘡、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎 (EoE) 、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合性クリオグロブリン血症、エバンス症候群、線維筋痛症、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎 (側頭動脈炎) 、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎性肉芽腫症、バセドウ病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病 (HSP) 、妊娠ヘルペスまたは妊娠性類天疱瘡 (PG) 、化膿性汗腺炎 (HS) (反対型ざ瘡) 、低ガンマグロブリン血症、IgA腎症、IgG 4関連硬化性疾患、免疫性血小板減少性紫斑病 (ITP) 、封入体筋炎 (IBM) 、間質性膀胱炎 (IC) 、若年性関節炎、若年性糖尿病 (1型糖尿病) 、若年性筋炎 (JM) 、川崎病、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質結膜炎、線状IgA病 (LAD) 、ループス、ライム病慢性、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎 (MPA) 、混合性結合組織病 (MCTD) 、モーレン潰瘍、ムチャ・ハーバーマン病、多巣性運動ニューロパチー (MMN) またはMMNCB、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、新生児ループス、視神経脊髄炎、好中球減少症、眼の瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ (PR) 、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症 (PCD) 、発作性夜間ヘモグロビン尿症 (PNH) 、パリー・ロンバーグ症候群、パース・プラニティス (周辺性ぶどう膜炎) 、パーソネージ・ターナー症候群、天疱瘡、末梢性ニューロパチー、静脈性脳脊髄炎、悪性貧血 (PA) 、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺性症候群I型、II型、III型、リウマチ性多発筋痛、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、プロゲステロン皮膚炎、乾癬、乾癬性関節炎、赤芽球ろう (PRCA) 、壊疽性膿皮症、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発軟骨炎、むずむず脚症候群 (RLS) 、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子・精巣自己免疫、スティッフパーソン症候群 (SPS) 、亜急性細菌性心内膜炎 (SBE) 、スザック症候群、交感神経性眼炎 (SO) 、高安動脈炎、側頭動脈炎・巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病 (TTP) 、トローザ・ハント症候群 (THS) 、横断性脊髄炎、1型糖尿病、潰瘍性大腸炎 (UC) 、未分化結合組織病 (UCTD) 、ぶどう膜炎、血管炎、白斑、フォークト小柳-原田病、血球貪食性リンパ組織球症、多発性骨髄腫、アレルゲン特異的免疫療法、常染色体優性ハプロ不全、前骨間症候群、チャーグ・ストラウス症候群、全身性血管炎、慢性移植片対宿主病、オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群、壊死性自己免疫性ミオパチー(NAM)、肺肉腫様癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、受精能、ベーチェット病、円形脱毛症(AA)、慢性肝不全の急性増悪、メラノーマ、「器質化細気管支炎症候群」、または脳炎であり得る。いくつかの実施形態において、自己免疫性疾患は、関節リウマチ、リウマチ熱、多発性硬化症、実験的自己免疫性脳脊髄炎、乾癬、ぶどう膜炎、糖尿病、全身性エリテマトーデス(SLE)、ループス腎炎、湿疹、強皮症、多発性筋炎/強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎、潰瘍性直腸炎、重症複合免疫不全(SCID)、ディジョージ症候群、血管拡張性運動失調症、季節性アレルギー、通年性アレルギー、食物アレルギー、アナフィラキシー、マスト細胞症、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、パーキンソン病、アルツハイマー病、脾機能亢進症、白血球接着不全症、X連鎖性リンパ組織増殖性疾患、X連鎖無ガンマグロブリン血症、選択的 免疫グロブリンA欠損症、高IgM症候群、HIV、自己免疫性リンパ増殖症候群、ウィスコット・アルドリッチ症候群、慢性肉芽腫性疾患、分類不能型免疫不全症(CVID)、高免疫グロブリンE症候群、橋本甲状腺炎、急性特発性血小板減少性紫斑病、慢性特発性血小板減少性紫斑病、皮膚筋炎、シデナム舞踏病、重症筋無力症、多発内分泌腺症候群、水疱性類天疱瘡、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、溶連菌感染後性腎炎、結節性紅斑、多形性紅斑、gAネフロパチー(gA nephropathy)、高安動脈炎、アジソン病、サルコイドーシス、潰瘍性大腸炎、結節性多発動脈炎、強直性脊椎炎、グッドパスチャー症候群、閉塞性血栓脈管炎(thromboangitisubiterans)、シェーグレン症候群、原発性胆汁性肝硬変、橋本甲状腺炎、甲状腺中毒症、慢性活動性肝炎、多発性軟骨炎、尋常性天疱瘡(pamphigus Vulgaris)、ウェゲナー肉芽腫症、膜性腎症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄癆、巨細胞性動脈炎、/多発性筋痛(polymyalgia)、悪性貧血(peraiciousa nemia)、急速進行性糸球体腎炎、乾癬、線維性肺胞炎、または癌であり得る。
本開示のいくつかの実施形態において、免疫媒介性疾患は、上述の免疫疾患のうちの1つではないことがあり得る。
本開示のいくつかの好ましい実施形態において、自己免疫疾患は、多発性硬化症、全身性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、1型糖尿病 (T1D) 、強皮症、天疱瘡、およびループスからなる群から選択され得る。本開示のいくつかの他の好ましい実施形態において、自己免疫疾患は、移植片対宿主病 (GvHD) 、および喘息などのアレルギー疾患からなる群から選択され得る。本開示のいくつかの実施形態において、リンパ球媒介性疾患は、残存HIV疾患であり得る。
[がん]
本明細書で使用される場合、「癌」とは、異常な細胞の制御されない成長を特徴とする疾患を指す。癌細胞は、局所的に、または血流およびリンパ系によって身体のその他の部分に広がり得る。種々の癌の例が本明細書に記載され、それらに限定されないが、乳癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頸癌、皮膚癌、膵臓癌、結腸直腸癌、腎癌、肝臓癌、脳癌、リンパ腫、白血病、肺癌などがあげられる。用語「腫瘍」および「癌」は、本明細書において互換的に使用され、例えば、両用語は、固体および液体、例えば、びまん性または循環腫瘍を包含する。本明細書で使用される場合、用語「癌」または「腫瘍」は、前癌ならびに悪性癌および腫瘍を含む。
本開示の方法において、がんは、ICAM3発現リンパ腫のようなICAM3発現がんである。本開示のいくつかの実施形態において、がんは以下のものであり得る:口唇の悪性新生物、扁桃腺の悪性新生物、舌の悪性新生物、歯茎の悪性新生物、口の悪性新生物、耳下腺の悪性新生物、唾液腺の悪性新生物、咽頭の悪性新生物、食道の悪性新生物、胃の悪性新生物、小腸の悪性新生物、結腸の悪性新生物、直腸S状結腸移行部の悪性新生物、直腸の悪性新生物、肛門の悪性新生物、肝臓の悪性新生物、胆嚢の悪性新生物、胆管の悪性新生物、膵臓の悪性新生物、腸管の悪性新生物、脾臓の悪性新生物、鼻腔および中耳の悪性新生物、副鼻腔の悪性新生物、喉頭の悪性新生物、気管の悪性新生物、気管支および肺の悪性新生物、胸腺の悪性新生物、心臓、縦隔および胸膜の悪性新生物、呼吸器系および胸腔内臓器中の部位の悪性新生物、四肢の骨および関節軟骨の悪性新生物、頭蓋および顔の骨の悪性新生物、脊柱の悪性新生物、肋骨、胸骨および鎖骨の悪性新生物、骨盤骨、仙骨および尾骨の悪性新生物、皮膚の悪性黒色腫、口唇の悪性黒色腫、眼角を含む眼瞼の悪性黒色腫、耳および外耳道の悪性黒色腫、顔面の悪性黒色腫、肛門皮膚の悪性黒色腫、乳房の皮膚の悪性黒色腫、四肢(肩を含む)の悪性黒色腫、メルケル細胞癌腫、口唇の皮膚の基底細胞癌、口唇の皮膚の扁平上皮癌、その他のおよび不特定の皮膚/眼瞼(眼角を含む)の悪性新生物(unspecified malignant neoplasm skin/eyelid, including canthus)、皮膚/耳および外耳道の悪性新生物(Malignant neoplasm skin/ear and external auric canal)、その他のおよび不特定の皮膚/および不特定の顔面の一部の悪性新生物(unspecified malignant neoplasm skin/ and unspecified parts of face)、その他のおよび不特定の顔面の一部の皮膚の基底細胞癌、不特定の顔面の一部の皮膚の扁平上皮癌、頭皮および首の皮膚の基底細胞癌、頭皮および首の皮膚の扁平上皮癌、躯幹の皮膚の基底細胞癌、肛門の皮膚の基底細胞癌、乳房の皮膚の基底細胞癌、躯幹の皮膚の扁平上皮癌、肛門の皮膚の扁平上皮癌、乳房の皮膚の扁平上皮癌、躯幹のその他の部分の皮膚の扁平上皮癌、その他のおよび不特定の皮膚/四肢(肩を含む)の悪性新生物(unspecified malignant neoplasm skin/limbs including shoulder)、皮膚/四肢(肩を含む)の基底細胞癌(basal cell carcinoma skin/limbs, including shoulder)、皮膚/四肢(肩を含む)の扁平上皮癌(squamous cell carcinoma skin/limbs, including shoulder)、四肢(臀部を含む)の皮膚の基底細胞癌、四肢(臀部を含む)の皮膚の扁平上皮癌、中皮腫、カポジ肉腫、末梢神経および自律神経系の悪性新生物、後腹膜および腹膜の悪性新生物、その他の結合組織および軟部組織の悪性新生物、胸部の結合組織および軟部組織の悪性新生物、腹部の結合組織および軟部組織の悪性新生物、骨盤の結合組織および軟部組織の悪性新生物、躯幹の結合組織および軟部組織の悪性新生物、結合組織および軟部組織の重複部位の不特定の悪性新生物、不特定の結合組織および軟部組織の悪性新生物、消化管間質腫瘍、乳房の悪性新生物、外陰部の悪性新生物、膣の悪性新生物、子宮頸部の悪性新生物、子宮体の悪性新生物、不特定の子宮の一部の悪性新生物、卵巣の悪性新生物、その他のおよび不特定の女性生殖器の悪性新生物、胎盤の悪性新生物、陰茎の悪性新生物、前立腺の悪性新生物、精巣の悪性新生物、その他のおよび不特定の男性生殖器の悪性新生物、腎臓の悪性新生物、腎盂の悪性新生物、尿管の悪性新生物、膀胱の悪性新生物、その他のおよび不特定の泌尿器の悪性新生物、眼および付属器の悪性新生物、髄膜の悪性新生物、脳の悪性新生物、脊髄の悪性新生物、脳神経、視神経の悪性新生物、その他のおよび不特定の脳神経の悪性新生物、不特定の中枢神経系の悪性新生物、甲状腺の悪性新生物、副腎の悪性新生物、内分泌腺および関連構造の悪性新生物、悪性神経内分泌腫瘍、悪性カルチノイド腫瘍、続発性神経内分泌腫瘍、頭部、顔面および首の悪性新生物、胸部の悪性新生物、腹部の悪性新生物、骨盤の悪性新生物、四肢の悪性新生物、下肢の悪性新生物、リンパ節の続発性のおよび不特定の悪性新生物、呼吸器および消化臓器の続発性の悪性新生物、腎臓および腎盂の続発性悪性新生物、膀胱およびその他のおよび不特定の泌尿器の続発性悪性新生物、皮膚の続発性悪性新生物、脳および大脳髄膜の続発性悪性新生物、神経系の不特定部分の続発性悪性新生物、骨および骨髄の続発性悪性新生物、卵巣の続発性悪性新生物、副腎の続発性悪性新生物、ホジキンリンパ腫、濾胞性リンパ腫、非濾胞性リンパ腫、小細胞B細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、リンパ芽球性(びまん性)リンパ腫、バーキットリンパ腫、その他の非濾胞性リンパ腫、不特定の非濾胞性(びまん性)リンパ腫、成熟T/NK-細胞リンパ腫、セザリー病、分類されていない末梢T細胞リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、ALK陽性、未分化大細胞リンパ腫、ALK陰性、不特定の皮膚T細胞リンパ腫、その他の成熟T/NK-細胞リンパ腫、不特定の成熟T/NK-細胞リンパ腫、その他のおよび不特定の種類の非ホジキンリンパ腫、悪性免疫増殖性疾患および特定のその他のB細胞リンパ腫、多発性骨髄腫および悪性形質細胞新生物、リンパ系白血病、急性リンパ性白血病[ALL]、B細胞種の慢性リンパ性白血病、B細胞種の前リンパ性白血病、ヘアリー細胞白血病、成人T細胞リンパ腫/白血病(HTLV-1関連)、T細胞種の前リンパ性白血病、成熟B細胞白血病バーキット種、その他のリンパ系白血病、不特定のリンパ系白血病、骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、慢性骨髄性白血病、BCR/ABL陽性、非定型慢性骨髄性白血病、BCR/ABL陰性、骨髄肉腫、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、11q23異常を有する急性骨髄性白血病、その他の骨髄性白血病、不特定の骨髄性白血病、単球性白血病、慢性骨髄単球性白血病、若年性骨髄単球性白血病、その他の単球性白血病、不特定の単球性白血病、特定の細胞種のその他の白血病、急性赤血球白血病、急性巨核芽球白血病、肥満細胞白血病、骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症、分類されない骨髄異形成疾患、その他の特定化された白血病、不特定の細胞種の白血病、不特定の細胞種の慢性白血病、不特定の白血病、リンパ系、造血組織のその他の不特定の悪性新生物、口腔、食道および胃の上皮内癌、結腸の上皮内癌、直腸S状結腸移行部の上皮内癌、直腸の上皮内癌、肛門および肛門管の上皮内癌、その他のおよび不特定の腸の部分の上皮内癌、不特定の腸の部分の上皮内癌、その他の腸の部分の上皮内癌、肝臓、胆嚢および胆管の上皮内癌、その他の特定の消化臓器の上皮内癌、不特定の消化臓器の上皮内癌、中耳および呼吸器系の上皮内癌、喉頭の上皮内癌、気管の上皮内癌、気管支および肺の上皮内癌、その他の呼吸器系の部分の上皮内癌、表皮内黒色腫、口唇の表皮内黒色腫、眼角を含む眼瞼の表皮内黒色腫、耳および外耳道の表皮内黒色腫、不特定の顔の部分の表皮内黒色腫、頭皮および首の表皮内黒色腫、躯幹の表皮内黒色腫、肛門の皮膚の表皮内黒色腫、乳房(皮膚)(軟部組織)の表皮内黒色腫、肩を含む上肢の表皮内黒色腫、臀部を含む下肢の表皮内黒色腫、その他の部位の表皮内黒色腫、皮膚の上皮内癌、唇の皮膚の上皮内癌、眼角を含む眼瞼の皮膚の上皮内癌、耳および外耳道の上皮内癌皮膚、その他のおよび不特定の顔の部分の皮膚の上皮内癌、頭皮および首の皮膚の上皮内癌、躯幹の皮膚の上皮内癌、肩を含む上肢の皮膚の上皮内癌、臀部を含む下肢の皮膚の上皮内癌、その他の部位の皮膚の上皮内癌、乳房の上皮内癌、乳房の上皮内小葉癌、非浸潤性乳管癌、その他の特定の種類の乳房の上皮内癌、不特定の種類の乳房の上皮内癌、子宮頸部の上皮内癌、子宮頸部のその他の部分の上皮内癌、不特定の子宮頸部の上皮内癌、その他のおよび不特定の生殖器の上皮内癌、子宮内膜の上皮内癌、外陰部の上皮内癌、膣の上皮内癌、その他のおよび不特定の女性生殖器の上皮内癌、陰茎の上皮内癌、前立腺の上皮内癌、不特定の男性生殖器の上皮内癌、陰嚢の上皮内癌、その他の男性生殖器の上皮内癌、膀胱の上皮内癌、その他のおよび不特定の泌尿器の上皮内癌、眼の上皮内癌、甲状腺およびその他の内分泌腺の上皮内癌、口および咽頭の良性新生物、主な唾液腺の良性新生物、結腸、直腸、肛門および肛門管の良性新生物、消化系の、および不明確な部分の良性新生物、食道の良性新生物、胃の良性新生物、十二指腸の良性新生物、小腸のその他のおよび不特定の部分の良性新生物、肝臓の良性新生物、肝外胆管の良性新生物、膵臓の良性新生物、膵内分泌部の良性新生物、消化系内の不明確な部位の良性新生物、中耳および呼吸器系の良性新生物、不特定の呼吸器系の良性新生物、その他のおよび不特定の胸腔内臓器の良性新生物、胸腺の良性新生物、心臓の良性新生物、縦隔の良性新生物、その他の特定の胸腔内臓器の良性新生物、不特定の胸腔内臓器の良性新生物、骨および関節軟骨の良性新生物、上肢の短骨の良性新生物、下肢の長骨の良性新生物、下肢の短骨の良性新生物、頭蓋および顔の骨の良性新生物、下顎骨の良性新生物、脊柱の良性新生物、肋骨、胸骨および鎖骨の良性新生物、骨盤骨、仙骨および尾骨の良性新生物、不特定の骨および関節軟骨の良性新生物、良性脂肪腫新生物、頭部、顔面および首の皮膚、皮下の良性脂肪腫新生物、胸腔内臓器の良性脂肪腫新生物、腹腔内臓器の良性脂肪腫新生物、精索の良性脂肪腫新生物、その他の部位の良性脂肪腫新生物、腎臓の良性脂肪腫新生物、その他の尿生殖器の良性脂肪腫新生物、任意の部位の血管腫およびリンパ管腫、血管腫、不特定の部位の血管腫、皮膚および皮下組織の血管腫、頭蓋内構造の血管腫、腹腔内構造の血管腫、その他の部位の血管腫、任意の部位のリンパ管腫、中皮組織の良性新生物、後腹膜および腹膜の軟部組織の良性新生物、その他の結合組織およびその他の軟部組織の良性新生物、色素性母斑、口唇の色素性母斑、眼角を含む眼瞼の色素性母斑、不特定の眼角を含む眼瞼の色素性母斑、耳および外耳道の色素性母斑、顔面のその他のおよび不特定の部分の色素性母斑、頭皮および首の色素性母斑、躯幹の色素性母斑、肩を含む上肢の色素性母斑、臀部を含む下肢の色素性母斑、不特定の色素性母斑、眼角を含む眼瞼の皮膚のその他の良性新生物、その他の良性新生物皮膚/耳および外耳道、その他の良性新生物皮膚/左耳および外耳道、顔面のその他のおよび不特定の部分の皮膚のその他の良性新生物、顔面のその他の部分のその他の良性新生物、頭皮および首の皮膚のその他の良性新生物、躯幹の皮膚のその他の良性新生物、その他の良性新生物皮膚/肩を含む上肢、臀部を含む下肢の皮膚のその他の良性新生物、不特定の皮膚のその他の良性新生物、乳房の良性新生物、不特定の乳房の良性新生物、子宮の平滑筋腫、子宮のその他の良性新生物、卵巣の良性新生物、その他のおよび不特定の女性生殖器の良性新生物、男性生殖器の良性新生物、泌尿器の良性新生物、腎臓の良性新生物、腎盂の良性新生物、尿管の良性新生物、膀胱の良性新生物、尿道の良性新生物、その他の特定の泌尿器の良性新生物、不特定の泌尿器の良性新生物、眼および付属器の良性新生物、結膜の良性新生物、角膜の良性新生物、網膜の良性新生物、脈絡膜の良性新生物、毛様体の良性新生物、涙腺および涙管の良性新生物、眼窩の不特定の部位の良性新生物、眼の不特定の部分の良性新生物、髄膜の良性新生物、脳および中枢神経系の良性新生物、甲状腺の良性新生物、その他のおよび不特定の内分泌腺の良性新生物、その他のおよび不特定の部位の良性新生物、リンパ節の良性新生物、末梢神経および自律神経系の良性新生物、その他の特定の部位の良性新生物、良性神経内分泌腫瘍、その他の良性神経内分泌腫瘍、口腔および消化臓器の不確実な挙動の新生物、主唾液腺の不確実な挙動の新生物、咽頭の不確実な挙動の新生物、口腔の部位の不確実な挙動の新生物、胃の不確実な挙動の新生物、小腸の不確実な挙動の新生物、虫垂の不確実な挙動の新生物、結腸の不確実な挙動の新生物、直腸の不確実な挙動の新生物、肝臓、GB&胆管の不確実な挙動の新生物、その他の消化臓器の不確実な挙動の
新生物、消化臓器の不確実な挙動の新生物、中耳および胸腔内臓器の新生物、喉頭の不確実な挙動の新生物、気管、気管支および肺の不確実な挙動の新生物、胸膜の不確実な挙動の新生物、縦隔の不確実な挙動の新生物、胸腺の不確実な挙動の新生物、その他の呼吸系臓器の不確実な挙動の新生物、不特定の呼吸系臓器の不確実な挙動の新生物、女性生殖器の不確実な挙動の新生物、子宮の不確実な挙動の新生物、卵巣の不確実な挙動の新生物、不特定の卵巣の不確実な挙動の新生物、胎盤の不確実な挙動の新生物、男性生殖器の不確実な挙動の新生物、泌尿器の不確実な挙動の新生物、腎臓の不確実な挙動の新生物、不特定の腎臓の不確実な挙動の新生物、腎盂の不確実な挙動の新生物、尿管の不確実な挙動の新生物、膀胱の不確実な挙動の新生物、その他の泌尿器の不確実な挙動の新生物、不特定の泌尿器の不確実な挙動の新生物、髄膜の不確実な挙動の新生物、大脳髄膜の不確実な挙動の新生物、脊髄髄膜の不確実な挙動の新生物、不特定の髄膜の不確実な挙動の新生物、脳の不確実な挙動の新生物、テント下の脳の不確実な挙動の新生物、不特定の脳の不確実な挙動の新生物、脳神経の不確実な挙動の新生物、脊髄の不確実な挙動の新生物、中枢神経系の不確実な挙動の新生物、内分泌腺の不確実な挙動の新生物、甲状腺の不確実な挙動の新生物、副腎の不確実な挙動の新生物、不特定の副腎の不確実な挙動の新生物、上皮小体腺の不確実な挙動の新生物、下垂体の不確実な挙動の新生物、頭蓋咽頭管の不確実な挙動の新生物、松果体の不確実な挙動の新生物、頸動脈小体の不確実な挙動の新生物、大動脈小体およびその他の傍神経節の不確実な挙動の新生物、不特定の内分泌腺の不確実な挙動の新生物、真性赤血球増加症、骨髄異形成症候群、輪状鉄芽球を伴わないと記載された不応性貧血、輪状鉄芽球を伴う不応性貧血、過剰の芽球を伴う不応性貧血[RAEB]、不特定の骨髄異形成症候群、不確実な挙動のリンパ系、造血組織、組織球性および肥満細胞腫瘍の不確実な挙動のその他の新生物、慢性骨髄増殖性疾患、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、本態性(出血性)血小板血症、骨骨髄線維症、その他のリンパ系の不確実な挙動の新生物、造血組織、リンパ系の不確実な挙動の新生物、造血性および不特定の、その他のおよび不特定の部位の不確実な挙動の新生物、骨/関節軟骨の不確実な挙動の新生物、結合/軟部組織の不確実な挙動の新生物、末梢神経および自律神経系の不確実な挙動の新生物、後腹膜の不確実な挙動の新生物、腹膜の不確実な挙動の新生物、皮膚の不確実な挙動の新生物、乳房の不確実な挙動の新生物、消化系の不特定の挙動の新生物、呼吸系の不特定の挙動の新生物、骨、軟部組織および皮膚の不特定の挙動の新生物、乳房の不特定の挙動の新生物、膀胱の不特定の挙動の新生物、その他の尿生殖器の不特定の挙動の新生物、腎臓の不特定の挙動の新生物、その他のGU臓器の不特定の挙動の新生物、脳の不特定の挙動の新生物、内分泌腺および神経系のその他の部分の不特定の挙動の新生物、網膜および脈絡膜の不特定の挙動の新生物、または不特定の部位の不特定の挙動の新生物。
本開示のいくつかの実施形態では、がんは上記のがんのうちの1つではないことがあり得る。
本開示のいくつかの実施形態において、がんは以下のものからなる群から選択され得る:リンパ腫、扁平上皮癌(上皮扁平上皮癌など);肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、および肺扁平上皮癌を含む);腹膜癌;肝細胞癌;胃癌(gastric cancer)または胃癌(stomach cancer)(胃腸癌を含む);膵癌;膠芽腫;子宮頸癌;卵巣癌;肝臓癌;膀胱癌;肝細胞癌;乳癌;結腸癌;直腸癌;結腸直腸癌;子宮内膜癌または子宮癌;唾液腺癌;腎臓癌(kidney cancer)または腎臓癌(renal cancer);前立腺癌;外陰癌;甲状腺の癌;肝癌;肛門癌;陰茎癌;および頭頸部癌。
本開示のいくつかの好ましい実施形態では、がんはリンパ腫、骨肉腫、および黒色腫からなる群から選択され得る。
本開示のいくつかの特に好ましい実施形態では、がんはリンパ腫であり得る。本開示のより特に好ましい実施形態では、がんはB細胞リンパ腫またはT細胞リンパ腫であり得る。本開示のいくつかの特に好ましい実施形態では、がんは非ホジキンリンパ腫であり得る。
この文脈において、「治療」は、対象において、有益な治療効果を発揮することを意味し、本開示の方法に由来する任意の全体的な臨床的利益であり得る。この全体的な臨床的利益は、例えば、生存の延長、疾患の(例えば、骨髄の骨髄芽球および/または細胞系の正常な成熟の割合(%)によって評価されるような)部分的または完全な寛解、疾患の(例えば、骨髄の骨髄芽球の割合(%)の変化によって評価されるような)進行の減速または不存在、腫瘍の縮小(例えば、5、10、20、30、40%、またはそれを超える腫瘍体積の減少)、腫瘍負荷の減少(例えば、5、10、20、30、40%、またはそれを超える腫瘍負荷の減少)、腫瘍増大の減速または不存在、腫瘍負荷の増大の減速または不存在、(例えば、癌療法の機能的アセスメント(Functional Assessment of Cancer Therapy)(FACT)質問票などの健康に関連するクオリティ・オブ・ライフ質問票によって評価されるような)クオリティ・オブ・ライフの改善、無増悪生存期間、全生存期間、血液学的な改善(例えば、血中ヘモグロビン、血小板数、および/または好中球数の増加)、骨髄反応(例えば、骨髄の骨髄芽球が5%以下;骨髄における骨髄芽球の30%、40%、50%、またはそれを超える減少;循環する骨髄芽球およびアウエル小体を有する骨髄芽球の不存在;髄外疾患の不存在)、血液学的な回復(例えば、末梢血において、≧11g/dLヘモグロビン、≧100×109/L血小板、および/または≧1×109/L好中球)、遺伝子マーカー(例えば、CEBPA、NPM1、またはFLT3)について陰性の反応、、または任意の他のポジティブな患者アウトカムであり得る。
全体的な臨床的利益は、「抗腫瘍効果」であり得る。本明細書で使用される場合、「抗腫瘍効果」は、腫瘍体積の減少、腫瘍細胞数の減少、腫瘍細胞増殖の減少、転移数の減少、全生存または無憎悪生存期間の延長、予想される生存期間の延長、または腫瘍に関連する種々の生理学的症状の改善として現れ得る生物学的効果を指す。抗腫瘍効果は、また、腫瘍の発生予防(例えば、ワクチン)を指し得る。腫瘍体積/負荷を決定するための適切な方法は、当業者によく知られており、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)、または磁気共鳴画像法(MRI)画像化技術;X線イメージング(例えば、マンモグラフィ);超音波イメージング;核イメージング(例えば、ポジトロン放射トモグラフィー(PET)、PET/CTスキャン、骨スキャン、ガリウムスキャン、またはメタヨードベンジルグアニジン(MIBG)スキャン);生物発光イメージング(BLI);蛍光イメージング(FLI);BD ToF(赤外線ベースの3D飛行時間型カメラ)イメージングを使用する。
[投与ルート]
本明細書で使用される「投与する」という用語は、当業者に知られる様々な方法および送達システムのいずれかを使用して、対象者に薬剤を物理的に導入することを意味する。本明細書で開示される薬剤のための投与経路の例としては、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄または他の非経口投与経路、例えば注射または点滴によるものが挙げられる。本明細書で用いられる「非経口投与」という語句は、経腸および局所投与以外の投与のモード(通常は注射による)を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病変内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、気管内、皮下、角質下、関節内、嚢下、クモ膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内の注射および注入、並びにインビボエレクトロポレーションを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される薬剤は腸管外経路を介して、例えば経口で投与され得る。その他の腸管外投与経路には、局所投与、表皮投与、または粘膜投与が含まれ、例えば鼻腔内投与、膣内投与、直腸投与、舌下投与、または局所投与が含まれる。
本明細書で使用される「全身注射」という語句は、非排他的に、静脈内、腹腔内、皮下、鼻粘膜下経由、舌内、気管支鏡経由、静脈内、動脈内、筋肉内、眼内、線条体内、角質下、皮内、真皮パッチによる、皮膚パッチによる、パッチによる、脳脊髄液への、門脈への、脳への、リンパ系への、胸膜内、眼窩後、皮内、脾臓への、リンパ内、等に関連する。
本明細書で使用される「注射部位」という用語は、非排他的に、腫瘍内、または臓器内(例えば腎臓、肝臓、膵臓、心臓、肺、脳、脾臓、眼等)、筋肉内、眼内、線条体内、皮内、真皮パッチによる、皮膚パッチによる、パッチによる、脳脊髄液への、脳への、等に関連する。
本開示のいくつかの好ましい実施形態では、グルココルチコイド受容体調節剤は経口投与され得る。
本開示のいくつかの実施形態において、本明細書に開示される薬剤および細胞の投与経路は、上述した経路のうちの1つ以上ではないこともあり得る。
[細胞のタイプ]
樹状細胞(DC)は骨髄由来の白血球であり、哺乳類の免疫系で最も強力な抗原提示細胞である。DCは外因性および内因性抗原に対する免疫サーベイランスを行い、その後のナイーブTリンパ球の活性化が様々な免疫学的応答を引き起こす。DCは、病原体の認識と組織損傷のシグナルを担当するセンチネル細胞であり、それがリンパ系臓器への移動を誘導して、Tリンパ球、ナチュラルキラー(NK)リンパ球、NKTリンパ球、Bリンパ球の異なるサブセットの活性化を実行する。成熟表現型のcDCは、MHCII、CD80、CD86、およびCD40の増加により特徴付けられる。樹状細胞はしばしば、通常の(conventional)樹状細胞(cDC)と形質細胞様(plasmacytoid)樹状細胞(pDC)のサブセットに分類される。樹状細胞は主に「未熟」と「成熟」という2つの基本的な機能状態で存在する。樹状細胞の活性化(成熟)により、代謝的、細胞的、および遺伝子転写的なプログラムがオンになり、そのことが、DCを末梢組織から二次リンパ器官のT依存領域に移動させ、そこでTリンパ球活性化抗原提示が起こり得る(Patente et al, 2018;その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。樹状細胞の主な機能は、抗原物質をプロセスしてそれを細胞表面上でT細胞に提示することで、適応免疫応答を開始することである。樹状細胞はまた、病原体特異的エフェクターT細胞の分化と活性化を促進する分極性サイトカインを産生し、制御性T細胞の分化を誘導する寛容原性サイトカインを分泌することによって自己耐性を促進することができる。高用量グルココルチコイドによって誘導され、そして本開示の方法によって誘導され得るDCは、CD11bを非常に高いレベルで発現することができる(「CD11b-very-high樹状細胞」)。
T細胞は、免疫応答において重要な役割を果たすリンパ球の一種である。T細胞は、その細胞表面にT細胞受容体が存在することで、他の種類のリンパ球と区別される。T細胞受容体(TCR)は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子に結合した抗原の断片を認識することを担い、2つの異なるタンパク質鎖のヘテロ二量体である。ヒトでは、T細胞の95%において、TCRはアルファ(α)鎖およびベータ(β)鎖(それぞれTRBおよびTRBにコードされる)からなるのに対し、T細胞の5%ではTCRはガンマおよびデルタ(γ/δ)鎖(それぞれTRGおよびTRDにコードされる)からなる。この比率は疾患状態(例えば白血病など)において変化する。MHC拘束性アルファベータT細胞とは対照的に、ガンマデルタT細胞は活性化のために抗原プロセシングおよびペプチドエピトープの主要組織適合遺伝子複合体(MHC)提示を必要としないが、MHCクラスIb分子を認識するものもある。一部のガンマデルタT細胞は、感染や腫瘍形成によりもたらされる細胞ストレスのマーカーを認識する。ガンマデルタT細胞は脂質抗原の認識にも役割を果たすと考えられている。高用量グルココルチコイドによって誘導され、そして本開示の方法によって誘導され得るT細胞は、非常に高いレベルでCD3を発現し得る(「CD3-very-high」)。T細胞はCD4とCD8の両方を発現し得る。
ナチュラルキラーT細胞(NKT)は、T細胞とナチュラルキラー(NK)細胞の両方の特性を共有するT細胞の不均一なグループである。通常のT細胞とは対照的に、NKTは胸腺を出た時点で機能的に成熟しており、迅速なサイトカイン産生の準備が整っている。NKTは、がん細胞や腫瘍微小環境マクロファージを直接殺傷し、IFNガンマやIL-4などの免疫活性化サイトカインを迅速に産生・放出し、樹状細胞(DC)、NK細胞、ならびにBおよびTリンパ球などの他の免疫細胞を活性化することができる。
本発明者らは、チェックポイント阻害剤の有効性を示すために使用される腫瘍殺傷モデルにおいて、腫瘍などの疾患組織に非常によくホーミングする、AVM_NKTと称する新しいタイプのNKT細胞を発見した。AVM_NKTは、継続的に循環する他のNKやNKTとは異なり、AVM0703処置後にのみ動員され、従ってAVM_NKTの数には実践的に制限がない。正常なNKおよびNKT細胞は、インフルエンザAを介した炎症と疾患の重症度を軽減することが示されており、CD11b+ DCが、RSウイルスとインフルエンザA(H1N1)に対する保護に関連付けられている。高用量グルココルチコイドによって誘導され、そして本開示の方法によって誘導され得るNKT細胞は、非常に高いレベルでCD3を発現し得(「CD3-very-high」)、CD4、CD8、CD45、CD49b、CD62L、NK1.1、Ly6G、Sca1、および/またはTCRガンマ/デルタを発現し得、および/または、C-kit、B220、FoxP3、および/またはTCRアルファ/ベータは非発現であり得る。
[細胞マーカー発現レベルの決定]
本開示の方法によって誘導されたNKT細胞、T細胞またはDCによって発現されるマーカーは、例えば治療前に患者から採取された(それぞれ)典型的なNKT細胞、T細胞またはDC集団によるマーカー発現のレベルを参照して決定することができる。発現レベルが「very high(非常に高い)」と言われる場合、対応する典型的な細胞集団と比較して、マーカーの発現レベルが50%、60%、70%、80%、90%、または100%高いことを示すことができる。発現レベルはフローサイトメトリーによって決定される。
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上記の説明、または下記の請求項、または添付図面に開示されている特徴は、特定の形式で、または開示された機能を実行するための手段に関して、または開示された結果を得るための方法もしくはプロセスに関して、適宜表現されているか、それらの特徴を別々に、またはいずれかの組合せで、その多様な形式で発明を実現するために利用することができる。
本発明は、上述の典型的な実施形態と併せて説明されているが、本開示に接した当業者には、多くの均等な修正および変形が明らかであろう。したがって、上記の発明の典型的な実施形態は例示的なものであって、限定的なものではないと考えられる。本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に様々な変更を加えることができる。
疑問を避けるために、本明細書で説明する理論的な説明は、読者の理解を深めることを目的として提供されている。発明者らは、これらの理論的説明のいずれかに拘束されることは望まない。
本明細書で使用されるセクション見出しは、整理する目的にのみ使用されており、記述されている主題を限定するものと解されるべきではない。
後に続くクレームを含め、この明細書全体を通して、文脈が別に要求しない限り、「含む(comprise)」および「含む(include)」という語、並びに「comprises」「comprising」および「including」のような変形は、言明されたものもしくはステップまたはそれらの群を含むことを意味するが、他のものもしくはステップまたはそれらの群の除外は意味しないと理解される。
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるところの、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈に明らかに反しない限り、複数形の対象物も包含することに注意しなければならない。本明細書において範囲は、「約」が付いた一特定値から、および/または「約」が付いた別の特定値までとして表され得る。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は、該一特定値からおよび/または該別の特定値までを含む。同様に、先行する「約」の使用により、値が概算値として表現される場合、その特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。数値に関して「約」という用語は任意付加され、例えば+/- 10%を意味する。
以下の実施例は、高用量のグルココルチコイドが、刊行されている細胞内または膜貫通型グルココルチコイド受容体とは異なる受容体(ICAM3)に結合でき、その受容体はリンパ球、単球、および好中球、ならびにメラノーマや骨肉腫などのがん細胞型に高発現するることを実証している。
これらの実施例はまた、高用量のグルココルチコイドが、これらのがん細胞型に対して濃度依存的で直接的な殺作用を発揮できることを実証している。この作用は、グルココルチコイドがICAM3に結合することによって、ICAM3発現細胞がNKT細胞やCD8+ T細胞などの他のリンパ球による攻撃のためにマーキングされることによって媒介される可能性が高い。グルココルチコイド結合後にICAM3シェディングも起こり得、これらの細胞型に対する免疫反応をさらに刺激する。
したがって、高用量のグルココルチコイド、およびその他のICAM3調節剤は、がん、およびリンパ球などの免疫細胞によって媒介される疾患の治療における使用のための有望な治療法となる。
急性(acute)高用量デキサメタゾンは、本明細書ではDex、AugmenStemTM、PlenaStemTMまたはAVM0703と呼ばれることもある。
[実施例1―急性高用量デキサメタゾンは細胞内接着分子3(ICAM3)に結合する]
本発明者らは、高用量グルココルチコイドが、刊行されている細胞内または膜貫通型グルココルチコイド受容体とは異なる受容体に結合することを特定した。幹細胞療法または細胞免疫療法の前のプレコンディショニングレジメンとしての高濃度グルココルチコイド(例えばWO2018/183927参照)を調査していたところ、本発明者らは、細胞療法を行わずに高濃度のグルココルチコイドを投与した場合、リンパ腫モデルにおいて一定の癌細胞殺傷を驚くべきことに観察した。様々な器官においてこの作用を媒介する該受容体のタンパク質/RNA発現レベルの初期解析をしたところ、造血器官や皮膚(図1参照)のほか、リンパ腫(図2参照)および小児がん(図3参照)でも高発現していることが見出された。
リンパ腫細胞株で発現しているタンパク質の発現プロファイルと、本発明者らがナイーブマウスおよび腫瘍を有するマウスで観察した生物学的反応とについてのその後の調査により、高用量グルココルチコイドの直接的ながん殺傷効果を媒介する受容体がICAM3であることが同定された。ICAM3の制限された発現プロファイルのため、AVM0703およびその他の急性高用量グルココルチコイド治療は、他の化学療法薬よりも好ましい安全性プロファイルを提供する。
[実施例2―AVM0703受容体(ICAM3)はU2 OS骨肉腫細胞によって発現され、AVM0703誘導によるU2 OS細胞のin vitroアポトーシスを濃度依存的に媒介する。]
図4に示すように、AVM0703受容体(ICAM3)は、U2 OS骨肉腫細胞によって発現される。急性高用量デキサメタゾンのin vitro投与は、濃度依存的にこれらの細胞のアポトーシスを誘発した(図5)。アポトーシスを誘発したデキサメタゾン塩基の用量は、50、100、175および250μMを含む。
これらの結果と一致して、急性高用量デキサメタゾンは、A20 Bリンパ腫およびB16F10黒色腫のin vivo増殖を防ぐことが見出された。
[実施例3―全血または脾臓細胞に対する高濃度デキサメタゾンのex vivo効果の不在]
ex vivoの全血または分離された脾臓細胞は、100 uM~500 uMの濃度でのAVM0703またはデキサメタゾン塩基(ヒト等価用量 (HED) でおよそ6 mg/kg以上のピークin vivo用量で達成されるのと同等濃度である)に対して反応を有さなかった。これらのデータは、がんおよび感染症治療のために好ましい用量(HED 6 mg/kg~30 mg/kg)ではAVM0703はグルココルチコイド受容体もリンパ球、単球または好中球に直接発現するICAM3受容体も活性化させないことを示している。したがって、ナイーブマウスおよびがんモデルで観察される著しいin vivo活性は、AVM0703 HED 6 mg/kg以上の投与後に動員された過給(supercharged)ナチュラルキラーT細胞、T細胞および樹状細胞を介して媒介されたものでなければならない。
表2に示すインキュベーション条件が検討された。
表2.インキュベーション条件
Figure 2023536386000003
[結果:全血(試験6)]
サンプルは、500μMのデキサメタゾンベース、50μMのRU486(ステロイド受容体アンタゴニスト)、または対照としての1%のDMSOのいずれかで三重試験で処理された。RU486処理により、好中球の有意ではない増加が誘発された。その他の免疫細胞型;リンパ球、単球、好酸球、好塩基球;は、デキサメタゾンベースまたはRU486の処理で数の変化を示さなかった。このデータは、全血中のデキサメタゾン塩基単独では、インビボ実験で見られたリンパ球殺傷活性を誘導しないことを示している。RU486単独でもリンパ球に対する殺傷活性はなく、リンパ球レベルに影響を与えることなく併用投与が可能である。
[結果;脾臓細胞(試験24)]
脾臓細胞を16時間培養した後、アッセイを実行した。デキサメサゾン塩基を加えた4時間後においてフローサイトメトリーを行い、その結果を図6に示す。4時間後、デキサメタゾン塩基は100μM未満の濃度で直接殺傷活性を示すと見られたが、100μM超では細胞死を誘発しない。
試験6および24の結果は、デキサメサゾン塩基の低濃度と高濃度では作用機序が異なることを示唆しており、高用量では脾臓細胞に対する活性が認められないこれは、AVM0703の投与によって脾臓の重量が急激に減少する、以前のインビボデータ(WO2018/183927およびWO2020/072713参照;これらのインビボ効果の議論について、両文献とも参照により全体が組み入れられる)とは対照的である。エクスビボとインビボの間の食い違いは、エクスビボと比べてインビボでは異なる作用機序が生じていることを示している。
[結果:ベネトクラクス1]
プラセボ、DMSO、500μMのAVM0703単独、または3μMのベネトクラクスとの組合せと共に全血をインキュベートした場合、CBCのいずれの測定パラメータにも有意な変化は認められなかった。特に、白血球に対して有意な影響はない。リンパ球、単球、および好中球は、インビボで観察されるリンパ球枯渇や除去を示さない。したがって、これらの結果は、全血中の細胞がGCR活性化を介してもAVM0703の影響を受けないことを示している(ベネトクラクスはグルココルチコイド感受性を増加させる)。
[結果;エクスビボのグルココルチコイド比較]
単球、リンパ球、および好中球に対するエクスビボ効果の欠如が100 uMから500 uMのデキサメサゾン塩基の濃度によるものなのか、またはAVM0703中の異なる賦形剤が寄与している可能性があるのかを明らかにするために、他の市販のデキサメタゾンリン酸エステルと比較してAVM0703の間のエクスビボ処理とその後のCBC分析を比較した。異なる製剤間で顕著な違いはなく、予想外のエクスビボ効果(すなわち、エクスビボでの細胞死の驚くべき欠如)を持つのはデキサメタゾン塩基のその濃度であることを示していた。
[参考文献]
本発明およびそれが関係する技術水準をより完全に記述し、開示するために、いくつかの刊行物を上記で引用している。各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの参考文献の完全な引用を以下に示す:
Mato et al, Haematologica. 2018 Sep;103(9):1511-1517;
Kadri et al, Blood Adv. 2017 May 2;1(12):715-727;
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Shen et al, Cancer Lett. 2018 May 28; 422: 29-43;
Schroder et al, J Cancer Res Clin Oncol. 2011 Aug;137(8):1193-201
Juan et al, Allergy. 1999 Dec;54(12):1293-8;
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Fauci et al, J. Immunol. (1976) 118, 598;
Gregory & Pound, Apoptosis. 2010 Sep;15(9):1029-49;
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Torr et al, Cell Death Differ. 2012 Apr; 19(4): 671-679;
Patente et al; Front Immunol. 2018; 9: 3176
標準的な分子生物学の手法については、Sambrook, J., Russel, D.W. Molecular Cloning, A Laboratory Manual. 3 ed. 2001, Cold Spring Harbor, New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press参照。
[開示のステートメント]
本開示の側面を略述する以下の番号付きステートメントは、説明の一部をなす。
101.治療有効量のICAM3調節剤を対象に投与することを含む、対象の癌またはリンパ球媒介性疾患の治療方法。

ICAM3調節剤
102.前記ICAM-3調節剤がICAM3活性化剤である、ステートメント101の方法。
103.前記ICAM3調節剤がグルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤である、ステートメント101または102の方法。
104.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤がICAM3活性化剤として作用する、ステートメント103の方法。
105.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤がグルココルチコイドであり、任意で前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンからなる群から選択される、ステートメント103または104の方法。
106.前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群から選択され、好ましくは前記グルココルチコイドはデキサメタゾンまたはベタメタゾンである、ステートメント105の方法。
107.前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシネート、コハク酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンスクシネート、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンホスフェート、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-吉草酸エステル、デキサメタゾンアセテート一水和物、デキサメタゾンピバル酸エステル、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、デキサメタゾンプロピオネート、デキサメタゾンアセテート無水物、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンヘモスルフェート、デキサメタゾンスルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシイミド、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾン-21-ホスフェート二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシル酸エステル、デキサメタゾンリノレイン酸エステル、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨードアセテート、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビセトキシムス、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノレライダート、デキサメタゾンメチルオルトバレレート、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチルアセテート、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメサゾン、ヒドロキシデキサメサゾン、カルボキシデキサメサゾン、デソキシデキサメサゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメサゾン、オキソデキサメサゾン、プロピオニルオキシデキサメサゾン、デキサメタゾンガラクトディ、デキサメタゾンイソニコチナート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブラート、デキサメタゾントリデシル酸エステル、デキサメタゾンクロトン酸エステル、デキサメタゾンメタンスルホネート、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメサゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチル)チオエーテル、デキサメタゾンブロモアセテート、デキサメタゾンヘミグルタル酸エステル、デオキシデキサメタゾン、クロラムブシル酸デキサメタゾン、メルファラン酸デキサメタゾン、ホルミルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブチレート、デキサメタゾンラウレート、デキサメタゾンアセテート、およびデキサメタゾンの一形態を含有するいずれかの併用療法物からなる群から選択される、ステートメント105または106の方法。
108.デキサメタゾンがリン酸デキサメタゾンナトリウムである、ステートメント107の方法。

用量
109.前記ICAM3調節剤は、ICAM3の活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードを遮断するのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
110.前記ICAM3調節剤は、細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こすのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
111.前記ICAM3調節剤は、ICAM3発現細胞が免疫細胞による攻撃のためにマーキングされることを引き起こすのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
112.前記グルココルチコイドは、およそ以下のものと同等な用量で投与される、ステートメント105~111のいずれかの方法:
i) 少なくとも6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ii) 少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iii) 少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iv) 少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
v) 少なくとも18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vi) 少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vii) 15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
viii) 24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ix) 30 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
x) 45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);または
xi) 上記のi)からx)までに記載されたmg/kg値のうちの2つによって画定されるmg/kg値の範囲からのmg/kg単位の値をとるデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)。
113.前記グルココルチコイドが、単回急性用量、または約72時間にわたって投与される合計用量として投与される、ステートメント105~112のいずれかの方法。
114.ICAM3調節剤の1回以上のさらなる用量を前記対象に投与することを含む、上記のステートメントのいずれかの方法。
115.前記1回以上のさらなる用量は、
i) 先行する投与の24時間~120時間後;
ii) 先行する投与の24時間~48時間後;
iii)先行する投与の72時間~120時間後;
iv) 初回投与後の24、48、72、96、120、144、または168時間ごと;
v) 初回グルココルチコイド投与後の2週間ごと;
vi) 初回投与後の月1回;または
vii) 初回投与後の週2回
に投与される、ステートメント114の方法。
対象
116.前記対象が哺乳類であり、好ましくは前記対象はヒトである、ステートメント101~115のいずれかの方法。
117.前記対象は、がんまたはリンパ球媒介性疾患を有している、有している疑いがある、または有していると診断された対象である、ステートメント101~116のいずれかの方法。

がん
118.前記リンパ球媒介性疾患ががんである、上記ステートメントのいずれかの方法。
119.前記がんがリンパ腫、黒色腫、または骨肉腫である、上記ステートメントのいずれかの方法。
120.前記がんがリンパ腫であり、好ましくは胚細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である、ステートメント119の方法。

リンパ球介在性疾患
121.前記リンパ球介在性疾患がアレルギー疾患または自己免疫疾患である、ステートメント101~117のいずれかの方法。

機序
122.前記ICAM3調節剤がICAM3に結合することによりICAM3発現細胞の細胞死を誘導する、上記ステートメントのいずれかの方法。
123.前記ICAM3調節剤がICAM3に結合することによりICAM3発現細胞のアポトーシスを誘導する、上記ステートメントのいずれかの方法。
124.前記ICAM3調節が細胞アポトーシス経路を誘発(活性化)する、上記のステートメントのいずれかの方法。
125.前記ICAM3調節剤が細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす、上記のステートメントのいずれかの方法。
126.前記ICAM3調節剤が、ICAM3発現細胞を免疫細胞による攻撃のためにマーキングすることをもたらす、上記のステートメントのいずれかの方法。
127.前記ICAM3調節剤がICAM3発現細胞に対する効果的な免疫反応を誘発または支援する、上記のステートメントのいずれかの方法。
128.前記効果的な免疫反応が、
CD3を発現すること、ならびに
i) CD4、CD8、CD45、CD49b、CD62L、NK1.1、Ly6G、Sca1、および/またはTCRガンマ/デルタを発現すること;および/または
ii) C-kit、B220、FoxP3、および/またはTCRアルファ/ベータを発現しないこと
によって特徴づけられるNKT細胞の集団の誘導および/または動員を含む、ステートメント127の方法。
129.前記効果的な免疫反応が、CD3を非常に高いレベルで発現する(「CD3-very-high」)T細胞集団を誘導および/または動員することを含む、ステートメント127または128の方法。
130.前記効果的な免疫反応が、CD11bを非常に高いレベルで発現する樹状細胞(DC)の集団(「CD11b-very-high樹状細胞」)を誘導および/または動員することを含む、ステートメント127~129のいずれかの方法。
131.ステートメント101~130のいずれかの方法における使用のためのICAM3調節剤。
132.ステートメント101~130のいずれかの方法における使用のためのグルココルチコイド。
133.ステートメント101~130のいずれかの方法における使用のための医薬品の製造のための、ICAM3調節剤の使用。
134.ステートメント101~130のいずれかの方法における使用のための医薬品の製造のための、グルココルチコイドの使用。
201.グルココルチコイドを含む治療有効量の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象の癌またはリンパ球媒介性疾患の治療方法であって、
ここで、前記グルココルチコイドはICAM3に結合することによって、ICAM3を発現するがん細胞またはリンパ球のアポトーシスを誘導する、方法。
202.対象の癌またはリンパ球媒介性疾患の治療方法における使用のための、グルココルチコイドを含む医薬組成物であって、
前記治療方法は前記対象に前記医薬組成物の用量を投与することを含み、
ここで、前記グルココルチコイドはICAM3に結合することによって、ICAM3を発現するがん細胞またはリンパ球のアポトーシスを誘導する、
医薬組成物。
203.対象の癌またはリンパ球媒介性疾患の治療方法における使用のための、グルココルチコイドを含む医薬組成物であって、前記治療方法はステートメント101~130のいずれかの方法である、医薬組成物。
301.ICAM3発現細胞を殺す方法であって、前記ICAM3発現細胞をグルココルチコイド受容体調節剤と接触させることを含む、方法。
302.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤はグルココルチコイドであり、任意で前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンからなる群から選択される、ステートメント301の方法。
303.前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群から選択され、好ましくは前記グルココルチコイドはデキサメタゾンまたはベタメタゾンである、ステートメント302の方法。
304.前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシネート、コハク酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンスクシネート、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンホスフェート、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-吉草酸エステル、デキサメタゾンアセテート一水和物、デキサメタゾンピバル酸エステル、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、デキサメタゾンプロピオネート、デキサメタゾンアセテート無水物、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンヘモスルフェート、デキサメタゾンスルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシイミド、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾン-21-ホスフェート二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシル酸エステル、デキサメタゾンリノレイン酸エステル、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨードアセテート、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビセトキシムス、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノレライダート、デキサメタゾンメチルオルトバレレート、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチルアセテート、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメサゾン、ヒドロキシデキサメサゾン、カルボキシデキサメサゾン、デソキシデキサメサゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメサゾン、オキソデキサメサゾン、プロピオニルオキシデキサメサゾン、デキサメタゾンガラクトディ、デキサメタゾンイソニコチナート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブラート、デキサメタゾントリデシル酸エステル、デキサメタゾンクロトン酸エステル、デキサメタゾンメタンスルホネート、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメサゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチル)チオエーテル、デキサメタゾンブロモアセテート、デキサメタゾンヘミグルタル酸エステル、デオキシデキサメタゾン、クロラムブシル酸デキサメタゾン、メルファラン酸デキサメタゾン、ホルミルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブチレート、デキサメタゾンラウレート、デキサメタゾンアセテート、およびデキサメタゾンの一形態を含有するいずれかの併用療法物からなる群から選択される、ステートメント302~303のいずれかの方法。
305.デキサメタゾンがリン酸デキサメタゾンナトリウムである、ステートメント304に記載の方法。
306.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、ICAM3の活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードを活性化するのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
307.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、ICAM3の活性化によって引き起こされるシグナル伝達カスケードを遮断するのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
308.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、細胞表面からのICAM3シェディングを引き起こすのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
309.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、ICAM3発現細胞が免疫細胞による攻撃のためにマーキングされることを引き起こすのに十分な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
310.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤は、およそ以下のものと同等な用量で投与される、上記のステートメントのいずれかの方法:
i) 少なくとも6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ii) 少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iii) 少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
iv) 少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
v) 少なくとも18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vi) 少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
vii) 15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
viii) 24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
ix) 30 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
x) 45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);または
xi) 上記のi)からx)までに記載されたmg/kg値のうちの2つによって画定されるmg/kg値の範囲からのmg/kg単位の値をとるデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)。
311.前記グルココルチコイド受容体(GR)調節剤が、単回急性用量、または約72時間にわたって投与される合計用量として投与される、上記のステートメントのいずれかの方法。
312.グルココルチコイド受容体(GR)調節剤の1回以上のさらなる用量を前記
細胞に接触させることを含む、上記のステートメントのいずれかの方法。
313.前記1回以上のさらなる用量は、
i) 先行する投与の24時間~120時間後;
ii) 先行する投与の24時間~48時間後;
iii)先行する投与の72時間~120時間後;
iv) 初回投与後の24、48、72、96、120、144、または168時間ごと;
v) 初回グルココルチコイド投与後の2週間ごと;
vi) 初回投与後の月1回;または
vii) 初回投与後の週2回
に投与される、ステートメント313に記載の方法。
314.前記細胞がin vitro、ex vivo、または対象のin vivoにある、上記のステートメントのいずれかの方法。
315.前記細胞はがん細胞である、ステートメント314の方法。
316.前記細胞がリンパ球、単球または好中球である、ステートメント314の方法。
317.対象が哺乳類であり、好ましくはヒトである、ステートメント314~316のいずれかの方法。
318.対象ががんまたはリンパ球媒介性疾患を有している、有している疑いがある、または有していると診断された対象である、ステートメント317の方法。
319.前記がんがリンパ腫、黒色腫、または骨肉腫である、ステートメント315または318の方法。
320.前記がんがリンパ腫であり、好ましくは胚細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である、ステートメント319の方法。
321.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤がICAM3に結合することによってICAM3発現細胞の細胞死を誘導する、上記ステートメントのいずれかの方法。
322.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤がICAM3に結合することによってICAM3発現細胞のアポトーシスを誘導する、上記ステートメントのいずれかの方法。
323.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤が細胞アポトーシス経路を誘導(活性化)する、上記ステートメントのいずれかの方法。
324.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤が細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす、上記ステートメントのいずれかの方法。
325.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤が、ICAM3発現細胞が免疫細胞による攻撃のためにマーキングされることをもたらす、上記ステートメントのいずれかの方法。
326.前記グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤が、ICAM3発現細胞に対する効果的な免疫反応を誘発または支援する、上記ステートメントのいずれかの方法。
327.前記効果的な免疫反応が、
CD3を発現すること、ならびに
i) CD4、CD8、CD45、CD49b、CD62L、NK1.1、Ly6G、Sca1、および/またはTCRガンマ/デルタを発現すること;および/または
ii) C-kit、B220、FoxP3、および/またはTCRアルファ/ベータを発現しないこと
によって特徴づけられるNKT細胞の集団の誘導および/または動員を含む、ステートメント326の方法。
328.前記効果的な免疫反応が、CD3を非常に高いレベルで発現する(「CD3-very-high」)T細胞集団を誘導および/または動員することを含む、ステートメント326または327の方法。
329.前記効果的な免疫反応が、CD11bを非常に高いレベルで発現する樹状細胞(DC)の集団(「CD11b-very-high樹状細胞」)を誘導および/または動員することを含む、ステートメント326~327のいずれかの方法。
330.前記ICAM3発現細胞を殺す方法は、ステートメント101~130のいずれか1つに従ったがんまたはリンパ球媒介性疾患の治療方法である、上記ステートメントのいずれかの方法。
331.ステートメント301~330のいずれか1つに従った方法における使用のための、グルココルチコイド受容体 (GR) 調節剤。
332.ステートメント301~330のいずれか1つに従った方法における使用のための医薬の製造のための、グルココルチコイド受容体(GR) 調節剤の使用。

Claims (25)

  1. 治療有効量のグルココルチコイドを対象に投与することを含む、対象の癌またはリンパ球媒介性疾患の治療方法であって、
    ここで、前記グルココルチコイドはICAM3に結合することによってICAM3発現細胞の細胞死を誘導する、方法。
  2. 前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、プレドニリデン、コルチゾン、ブデソニド、ベタメタゾン、フルメタゾン、シクレソニド、およびベクロメタゾンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン、ベタメタゾン、およびメチルプレドニゾンからなる群から選択され、好ましくは前記グルココルチコイドはデキサメタゾンまたはベタメタゾンである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記グルココルチコイドが、デキサメタゾン塩基、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンヘミスクシネート、コハク酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾンスクシネート、デキサメタゾンイソニコチネート、デキサメタゾン-21-アセテート、デキサメタゾンホスフェート、デキサメタゾン-21-ホスフェート、デキサメタゾンテブテート、デキサメタゾン-17-吉草酸エステル、デキサメタゾンアセテート一水和物、デキサメタゾンピバル酸エステル、デキサメタゾンパルミテート、デキサメタゾン-21-パルミテート、デキサメタゾンジプロピオネート、デキサメタゾンプロピオネート、デキサメタゾンアセテート無水物、デキサメタゾン-21-フェニルプロピオネート、デキサメタゾン-21-スルホ安息香酸エステル、デキサメタゾンヘモスルフェート、デキサメタゾンスルフェート、デキサメタゾンベロキシル、デキサメタゾン酸、デキサメタゾンアセフラート、デキサメタゾンカルボキシイミド、デキサメタゾンシペシル酸エステル、デキサメタゾン-21-ホスフェート二ナトリウム塩、デキサメタゾンメシル酸エステル、デキサメタゾンリノレイン酸エステル、デキサメタゾングルコシド、デキサメタゾングルクロニド、デキサメタゾンヨードアセテート、デキサメタゾンオキセタノン、カルボキシメチルチオ-デキサメタゾン、デキサメタゾンビセトキシムス、デキサメタゾンエポキシド、デキサメタゾンリノレライダート、デキサメタゾンメチルオルトバレレート、デキサメタゾンスペルミン、6-ヒドロキシデキサメタゾン、デキサメタゾントリブチルアセテート、デキサメタゾンアスパラギン酸、デキサメタゾンガラクトピラノース、塩酸デキサメサゾン、ヒドロキシデキサメサゾン、カルボキシデキサメサゾン、デソキシデキサメサゾン、デキサメタゾンブタゾン、デキサメタゾンシクロデキストリン、ジヒドロデキサメサゾン、オキソデキサメサゾン、プロピオニルオキシデキサメサゾン、デキサメタゾンガラクトディ、デキサメタゾンイソニコチナート、デキサメタゾンリン酸水素ナトリウム、デキサメタゾンアルデヒド、デキサメタゾンピブラート、デキサメタゾントリデシル酸エステル、デキサメタゾンクロトン酸エステル、デキサメタゾンメタンスルホネート、デキサメタゾンブチルアセテート、デヒドロデキサメサゾン、デキサメタゾンイソチオシアナトエチル)チオエーテル、デキサメタゾンブロモアセテート、デキサメタゾンヘミグルタル酸エステル、デオキシデキサメタゾン、クロラムブシル酸デキサメタゾン、メルファラン酸デキサメタゾン、ホルミルオキシデキサメタゾン、デキサメタゾンブチレート、デキサメタゾンラウレート、デキサメタゾンアセテート、およびデキサメタゾンの一形態を含有するいずれかの併用療法物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. デキサメタゾンがリン酸デキサメタゾンナトリウムである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記グルココルチコイドは、およそ以下のものと同等な用量で投与される、請求項1に記載の方法:
    i) 少なくとも6~12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    ii) 少なくとも6 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    iii) 少なくとも12 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    iv) 少なくとも15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    v) 少なくとも18 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    vi) 少なくとも24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    vii) 15 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    viii) 24 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    ix) 30 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);
    x) 45 mg/kgのデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED);または
    xi) 上記のi)からx)までに記載されたmg/kg値のうちの2つによって画定されるmg/kg値の範囲からのmg/kg単位の値をとるデキサメタゾン塩基のヒト等価用量 (HED)。
  7. 前記グルココルチコイドが、単回急性用量、または約72時間にわたって投与される合計用量として投与される、請求項1に記載の方法。
  8. グルココルチコイドの1回以上のさらなる用量を前記対象に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記1回以上のさらなる用量は、
    i) 先行する投与の24時間~120時間後;
    ii) 先行する投与の24時間~48時間後;
    iii)先行する投与の72時間~120時間後;
    iv) 初回投与後の24、48、72、96、120、144、または168時間ごと;
    v) 初回グルココルチコイド投与後の2週間ごと;
    vi) 初回投与後の月1回;または
    vii) 初回投与後の週2回
    に投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記対象が哺乳類であり、好ましくは前記対象はヒトである、請求項1に記載の方法。
  11. 前記対象は、がんまたはリンパ球媒介性疾患を有している、有している疑いがある、または有していると診断された対象である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記リンパ球媒介性疾患ががんである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記がんがリンパ腫、黒色腫、または骨肉腫である、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
  14. 前記がんがリンパ腫であり、好ましくは胚細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、または非ホジキンリンパ腫である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記リンパ球介在性疾患がアレルギー疾患または自己免疫疾患である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記グルココルチコイドがICAM3に結合することにより、ICAM3発現細胞のアポトーシスを誘導する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記グルココルチコイドが細胞表面から細胞外空間へのICAM3シェディングを引き起こす、請求項1に記載の方法。
  18. 前記グルココルチコイドが、免疫細胞による攻撃のためのICAM3発現細胞のマーキングを引き起こす、請求項1に記載の方法。
  19. 前記グルココルチコイドが、ICAM3発現がん細胞またはリンパ球に対する効果的な免疫反応を誘発または支援する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記効果的な免疫反応が、
    CD3を発現すること、ならびに
    i) CD4、CD8、CD45、CD49b、CD62L、NK1.1、Ly6G、Sca1、および/またはTCRガンマ/デルタを発現すること;および/または
    ii) C-kit、B220、FoxP3、および/またはTCRアルファ/ベータを発現しないこと
    によって特徴づけられるNKT細胞の集団の誘導および/または動員を含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記効果的な免疫反応が、CD3を非常に高いレベルで発現する(「CD3-very-high」)T細胞集団を誘導および/または動員することを含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記効果的な免疫反応が、CD11bを非常に高いレベルで発現する樹状細胞(DC)の集団(「CD11b-very-high樹状細胞」)を誘導および/または動員することを含む、請求項18に記載の方法。
  23. 請求項1に記載の方法における使用のためのグルココルチコイド。
  24. 請求項1に記載の方法における使用のための医薬の製造のための、グルココルチコイドの使用。
  25. ICAM3発現細胞を殺す方法であって、ICAM3発現細胞をグルココルチコイドと接触させることを含む、方法。
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