本明細書および添付の特許請求の範囲においては、いくつかの用語および表現は、別途明示されている場合を除き、以下に記載の定義で表現される意味を有するとみなす。
本項および以下において、個別要素とは、高速で個々に処理されて、最終的に対応する個別のターゲット要素に結合することを目的とする、単一の部材から形成された要素として定義される。
特に、機械加工、抽出プロセス、または予備成形の下流側で、これらの個別要素が個別要素のラインに供給されることが想定されている。その際、個別要素間には所定の間隔が設けられることで、工具による介入が可能となる。これらの工具は、工具自体に関わらない個別要素に干渉することがない。
例えば、個別要素は、梱包プロセスにその形態で供給されるコップ状要素と結合するように意図された構成要素からなってもよい。
したがって、この個別要素は、フィルタを得るための半製品を構成する。これは、次にコップ状要素に結合されて、例えばコーヒー粉またはインスタントコーヒーなどの得られる製品のための浸出式製品を充填する準備ができた浸出式カプセルが形成される。
フィルタの場合、個別要素は、浸出式フィルタ、すなわち、挽いたコーヒーの粉または細かい茶葉などの浸出式材料を通過させることなく、水性の浸出用液体を濾過しながら通過させることを可能にする紙材料から作製された、例えばディスク状の層状要素であってもよい。
供給されたこれらの個別要素は、対応する受取り要素上にそれぞれ配置される必要があり、目的のコップ状容器に必要な成形および適用作業は、コップ状要素自体の供給と同期して迅速に実施される必要がある。ここで、成形が完了するとすぐにフィルタ自体を受け取ることができるようになる。
なお、個別要素は、所定の速度で移動するとき、場合によっては変化する速度、すなわち加速および減速を受けるがゼロではない速度で移動するときに、連続的に搬送されることに留意されたい。したがって、連続供給および連続搬送は、対応する個別要素および/または受取り要素が段階的な動きで移動するステップ供給およびステップ搬送とは異なっている。
「コップ状容器」とは、容器としての機能を有するカプセルを形成するように意図された円形または円筒形の中空要素を意味する。その機能は、容器に含まれる製品を包むこと、覆うこと、保護すること、または閉じることを含む。このように、容器は、頭部と底部が特定される所定の形状を有し、頭部が上方を向くように垂直方向に配置され、頭部は、蓋により封止され得る開口を有する。
また、カプセルは、実質的に頂部が切断された円錐形または頂部が切断されたピラミッド形、あるいは同等の形状を有することになる。
供給または搬送が「1列に並んで」行われるとは、抽出または処理の結果として、一連の個別要素が互いに整列した状態で供給されることを意味する。
なお、この列において、各個別要素は、抽出ステップおよび/または処理ステップの結果として、一定の間隔をあけて前後の要素から離間していることに留意されたい。
「解放デバイス」とは、個別要素を上述したように提供するデバイスを意味する。
「供給区間」とは、解放デバイスが個別要素を後続の搬送経路に移送する区間を意味する。特に、個別要素が連続的に供給される場合であっても、その解放は、供給区間に含まれる解放スポットで行われる。したがって、解放デバイスの可能な解放地点が含まれる直線的な部分として定義することができる。
「搬送システム」または「搬送デバイス」という用語は、個別要素を、それぞれの単一性を維持しながら、すなわち、互いに干渉することなく搬送するように設計されたあらゆるシステムを意味する。同じ概念がコップ状容器にも適用される。
「搬送経路」とは、それぞれの個別要素およびそれぞれのコップ状容器を個々に収容するように設計された受取り要素および支持デバイスが移動する経路を意味することに留意されたい。
「閉じた搬送経路」とは、実質的な水平面において閉じたラインに沿って展開する受取り要素の搬送経路を意味し、「カルーセル型構造体」とは、物品とそれぞれの狭持デバイス、またはそこに設けられた移動可能なあらゆるデバイスが、所謂回転を行うことができるように、閉じた搬送経路で動作する搬送デバイスを意味する。そのため、ベルトコンベヤには典型的な交互の往復運動と混合しないことが必要である。
「供給デバイス」とは、成形されてコップ状要素に挿入する準備が整ったフィルタを提供するデバイスを意味する。これは、上述した個別要素の場合と同様に、供給された半製品からフィルタを作製する成形デバイスを備えてもよい。代替的に、コップ状要素への挿入のために、コップ状要素に対して正しい位置決めを必要とするフィルタが供給され得る。
「成形デバイス」とは、フィルタを成形するための個別要素を受け取り、それをフレア状のコップ状容器の形状に恒久的に変形させる装置を意味する。これは、コップ状容器の空隙に嵌合し、その上部開口から容器に挿入され得る。
また、成形デバイスは、供給デバイスと一体となった部分であってもよいことに留意されたい。
「ピストン」という用語は、円筒形の空隙内に駆動ステムと移動可能な頭部とを有する直線的に作動する往復運動部材を指す。以下の説明では、「ピストン」という用語は、実質的に円筒状の成形空隙内のピストン頭部から動作する、上述した成形デバイスの成形パンチと関連している。
本出願人は、梱包プロセスにおいて、ターゲット梱包体への梱包対象物品の移送速度および挿入速度は、より少ない梱包装置で高い生産量を達成することができるため、プロセス全体の経済性にとって重要であると確認した。
さらに、本出願人は、可能な限り迅速に進行させる必要性に加えて、別の重要且つ避けられない要件として、このタイプの機器に求められる柔軟性、特に、異なる生産形態に関して、同じ装置で形状およびサイズが異なる個別要素に対して動作することができる必要性を伴うことを確認した。
この必要性は、特に高速動作の場合に顕著であり、フィルタおよびコップ状要素をターゲット位置にそれぞれ正確且つ正しく配置することが、生産プロセスの経済性にとって重要である。
さらに、梱包機において、プロセスの速度の向上が求められており、それを不都合またはエラーなく管理する必要がある場合にも、その必要性が強まる。
また、サイズが異なるフィルタおよびコップ状容器など、形態が異なるカプセルを、梱包装置の介入なしに、互いにフィットさせることができる装置である必要もある。
また、本出願人は、フィルタ、特に文脈上の成形プロセスのための個別要素、およびコップ状容器の両方を連続供給することで、このタイプの装置に求められる生産性を梱包装置で達成することができ、供給および通過時間の短縮につながることを確認した。
本出願人は、一般に、フィルタまたは個別要素の流れとコップ状容器の流れとの同期が、浸出式カプセルの製造においてフィルタを挿入するためのデバイスおよびプロセスを実現するための有望な出発点であることを見出した。
また、本出願人は、この要件が、連続供給とステップ供給の両方で現れ、特に高速での供給において、この問題は必要な柔軟性を達成するために適切な手段を採用する必要があることに気づいた。
したがって、本出願人は、個別要素の流れとコップ状容器の流れの両方において、それぞれの閉じた成形経路および挿入経路を採用することにより、所与の数の成形および挿入装置の使用を最適化し、同時に、プロセス速度を効率的に管理することができることを認識した。
最後に、本出願人は、少なくともフィルタ挿入段階、すなわち容器へのフィルタの通過において、フィルタ成形の経路とフィルタ要素の搬送経路とを同期させることで、この段階を最適化することができ、必要なすべての柔軟性を実現できることを見出した。
特に、その第1の態様において、本発明は、浸出式カプセルのための製造デバイス、すなわち、コップ状容器内にフィルタをそれぞれ供給するための製造デバイスに関する。
好ましくは、製造デバイスは、複数のフィルタ供給デバイスを備える。
好ましくは、製造デバイスは、第1の閉じた経路に沿って供給デバイスを連続的に移動させる、供給デバイスのための第1の搬送システムを備える。
好ましくは、製造デバイスは、第2の閉じた経路に沿って支持デバイスを連続的に移動させる、支持デバイスのための第2の搬送システムを備える。
好ましくは、支持デバイスは、コップ状容器をそれぞれ受け取る。
好ましくは、第1の閉じた経路は、第2の閉じた経路と重なっているフィルタ挿入区間を有する。これにより、供給デバイスとコップ状容器のそれぞれの支持デバイスが互いに同期され、ターゲットであるコップ状容器へのフィルタの移送を連続して実現することができる。
これらの特徴により、フィルタおよびコップ状容器の2つの流れによってフィルタを連続的に挿入して、これらの流れの供給速度とフィルタおよびコップ状容器の形態とは無関係に、浸出式カプセルを作製するためのデバイスを設けることができるようになる。
また、これらの特徴により、同じ挿入移動部材、すなわち、閉じた経路で移動することができるが挿入ステップにおいて同期される同じ供給デバイスと支持デバイスが連続的に再利用される。
これにより、製造プロセスに不都合を生じさせることなく、循環速度を変化させることができる。
その第2の態様において、本発明は、フィルタが対応するコップ状容器に供給される、浸出式カプセルのための製造プロセスに関する。
好ましくは、浸出式カプセルのための製造プロセスにおいて、複数の供給デバイスが第1の閉じた経路に沿って移動する。
さらに、浸出式カプセルのための製造プロセスにおいて、コップ状容器をそれぞれ保持する対応する複数の搬送デバイスが第2の閉じた経路に沿って移動する。
好ましくは、上述した製造プロセスは、第1および第2の閉じた経路が挿入区間において重なる挿入ステップを含む。
好ましくは、挿入区間において、フィルタは、対応するコップ状容器に入れられる。
換言すると、この重ね合わせにより、フィルタの供給と、フィルタがシームレスに挿入されるコップ状容器の1列での搬送とを同期させることができる。
また、このプロセスは、フィルタおよび開始時のコップ状容器のサイズに影響されることなく、フィルタの形成と挿入のために同期して互いに中心を合わせながら任意の通過速度で行うことができる。
その第3の態様において、本発明は、上述した本発明の第1の態様による浸出式カプセルを作製するためのデバイスを備える梱包装置に関する。
換言すると、本装置は、連続的に供給され得る、浸出式カプセルの形態および出発半製品の流量にかかわらず、カプセルを連続的に出力する、浸出式カプセルを作製するためのデバイスを備える。
上述した態様のうちの少なくとも1つにおいて、本発明は、以下の好ましい特徴のうちの少なくとも1つをさらに備えてもよい。
好ましくは、第1および第2の搬送システムは、同じ円形カルーセルに実装される。
また、第1および第2の搬送システムは、互いと完全に重なっている。
好ましくは、成形デバイスおよび対応する支持デバイスの各々は、カルーセルによって移動される同じ移動部材において互いに関連付けられる。
この機能を採用することで、構造の大幅な簡略化と省スペース化が可能となり、また、繰り返し使用される供給デバイスおよび固定支持デバイスを多数使用することができるようになる。
なお、この特徴により、移動部材の数に関係なく、閉じた経路における移動部材の速度を上げることで、生産速度を上げることが可能であることに留意されたい。
十分な容量のコップ状要素とフィルタの流れを実現するために、供給デバイスと支持デバイスの数は少なくとも16であり、それぞれの搬送経路に等間隔で配置される。
これに関して、好ましくは、製造デバイスは、第1および第2の閉じた経路を画定するように、第1および第2の搬送システムが形成された回転式ドラムを有する搬送デバイスを備える。これにより、構造をさらに簡素化することができる。
この特徴により、回転式ドラムの回転速度を上げるだけで、移動可能な成形部材の搬送速度を上げることができる。
所定の回転式ドラムの構成を用いることで、回転速度を変化させて、少なくとも毎分600個、さらに好ましくは少なくとも毎分1000個のフィルタおよびコップ状要素の流れを確保することができる。
好ましくは、供給デバイスは、その受取り区間において、第1の閉じた経路に供給される個別要素からフィルタを成形するための成形デバイスを備える。
また、第1の閉じた経路は、個別要素の受取り区間とフィルタ挿入区間との間にフィルタ成形区間を有する。
これにより、フィルタを挿入するためと、搬送されながら成形プロセスを受けることができる半製品からフィルタを成形するために、閉じた経路を活用することができる。
好ましくは、成形デバイスの各々には、上部口部を有する通過空隙が設けられる。ここで、個別要素が上部口部を通って解放される。
また、成形デバイスの各々は、個別要素が通過空隙に押し込まれるように、口部を通って駆動されるパンチ部を具備する。
このようにして、通過空隙の内壁およびパンチ部の表面の形状、ならびにそれらの相互干渉により、フィルタのコップ形状が決定される。
また、成形デバイスのパンチ部は、少なくとも第1の閉じた経路の受取り区間において、通過空隙の上部口部から所定の距離をあけた位置に保持される。
また、成形デバイスは、成形区間において、対応するパンチ部を下げることで駆動される。
上述した構造により、個別要素を、供給デバイスに連続的に供給することができ、単一のピストン動作で常に受取り区間と挿入区間との間の部分で連続的な形成を実現することができる。
好ましくは、対応するコップ状容器へのフィルタの挿入は、パンチ部に関連付けられたピストンによって決定される。これは、フィルタがコップ状容器に落下するように、フィルタを押して通過空隙に通す。
本態様により、ピストンが下死点まで移動して戻ってくることで、成形ステップと挿入ステップとの同期を最適化することができる。
好ましくは、製造プロセスにおいて、成形デバイスは、通過空隙およびパンチ部を含む。これにより、成形ステップにおいて、受取り要素の口部は、パンチ部が受取り要素の口部と通過空隙とを貫通することができるように配置される。
また、通過空隙の内壁およびパンチ部の表面の形状、ならびにそれらの相互干渉により、個別要素から得られたフィルタの形状はコップ状になる。
好ましくは、すべての成形デバイスの駆動は、特殊な運動学的チェーンを介して、回転式ドラムの回転を引き起こす同じ駆動シャフトによって決定される。これにより、この駆動がカルーセル自体の回転と自動的に同期される。
また、このタイプの駆動は、すべての駆動が1つのモータにのみ使用されるようになっている。
好ましくは、移動可能な成形部材の各々は、互いと同軸上に成形デバイスと支持デバイスとを備える。これにより、フィルタの一方から他方への通過が容易になる。
好ましくは、移動部材の各々は、受取り要素を備える。これは、上部口部が形成された通過空隙に対して移動可能であり、第1の閉じた経路の受取り区間において、受取り要素は、個別要素をそれぞれ受け取る。
このようにして、個別要素の供給は、成形デバイスから空間的に切り離され、形態が異なる個別要素の供給が可能になる。これらの個別要素は、受取り区間の異なる地点で解放され得る。
好ましくは、すべての成形デバイスの駆動は、特殊な運動学的チェーンを介して、回転式ドラムの回転を引き起こす同じ駆動シャフトによって決定される。これにより、この駆動がカルーセル自体の回転と自動的に同期される。
また、このタイプの駆動は、すべての駆動が1つのモータにのみ使用されるようになっている。
受取り要素と通過空隙とのこのような重なりにより、パンチ部の1回のストロークでフィルタが形成される。
好ましくは、製造プロセスの挿入ステップにおいて、パンチ部は、通過空隙を通るストロークを続ける。これにより、フィルタが一端から出て、対応するコップ状容器に挿入される。
このようにして、パンチ部の上述した1回のストロークにより、フィルタが最終的な目的地に挿入される。
好ましくは、搬送デバイスは、受取り要素に作用して搬送デバイスに対して受取り要素を移動させる同期機構を備える。
このようにして、受取り区間における受取り要素の位置は、供給区間における個別要素の位置に常に対応する。
好ましくは、受取り要素は、受取り区間において互いに対して整列される。
好ましくは、同期機構は、受取り要素ごとに、その移動および作動が容易になるように、搬送デバイスによって駆動される回転可能な連結部を備える。これは、例えば連結式レバーの位置を調整する電気モータ、電子カム、またはレバー自体に関連付けられた機械的カム構造によって実現されてもよい。
好ましくは、受取り要素の各々は、板状であり、その中心に形成された上部口部と、個別要素が解放される水平な平坦面と、を有する。これにより、個別要素の載置が容易になる。
好ましくは、固定基準位置に個別要素を保持するために、個別要素を受け取る受取り要素は、受取り要素の受取り面と個別要素との間に、真空成形吸引システムを備える。
これにより、所定の位置において個別要素を受取り要素と関連付けることができる。
好ましくは、受取り要素は、対応するパンチ部と同期して移動可能なプレス要素を受け取る。プレス要素は、パンチ部による挿入の前に個別要素をクランプして押し潰す。
このようにして、パンチ部と個別要素が接触しても、個別要素に不要な変位が生じることはない。
好ましくは、受取り要素の受取り面は、ローレット部を有する。ローレット部は、フィルタにおける表面プリーツの成形を開始するのに役立つリブを有する。
好ましくは、通過空隙は、漏斗状の入口端および出口端を有する円筒状の管状構造を有する。
好ましくは、入口端は、受取り要素の上部口部と嵌合し、これと接続して、通過空隙の管状構造と軸上に配置されたときに、個別要素のための単一の摺動面が形成される。
好ましくは、通過空隙は、入口端に接続された円形壁を有する。その内部は、入口端上に延在する第1の垂直リブを有する。
また、パンチ部は、第1の垂直リブと相補的な第2の垂直リブを有する。これは、それらの間のスロットに嵌合する。
これらの干渉により、フィルタ表面にはシワが生じる。ここで、プリーツが成形されることで、同じフィルタサイズであっても、フィルタ表面の面積を増加させることができる。
好ましくは、通過空隙、特にその壁、および/またはパンチ部は、フィルタの側壁にプリーツ、すなわちシワを生じさせる伸張効果をもたらすために、例えば1つまたは複数のサーミスタなどの加熱デバイスを具備する。
好ましくは、支持デバイスは、コップ状容器が上向きのカプセル開口を有するように、コップ状容器をそれぞれ横方向に把持するペンチのような形状を有する。
添付の図1を参照すると、コーヒーなどの浸出式飲料用カプセル(以下、浸出式カプセル)のための梱包装置が参照符号100によって示されている。
これらの浸出式カプセルは、実質的に剛性のあるコップ状容器から形成され、その内部にフィルタが配置される。後続の梱包ステップ中に、コーヒー粉の調合物が浸出式カプセルに追加され、その後、カプセルは、蓋が適用されることで封止され、後続の装置へ送られて、そこで流通および販売のために箱詰めされる。
一般に、コップ状容器10は、供給ステーション110によって供給され、そこからサプライヤから提供されたコップ状容器のセットから抽出された後に、連続した動きで1列に並んで進む。
梱包装置100は、他の図において参照符号1によって示される個別要素のための解放ステーション120を備え、これは、本実施例において、特に飲料である浸出式製品のためのフィルタの成形に適した材料からなる平坦なディスクを備える。
したがって、解放ステーション120は、解放デバイス121を備え、これは、本実施例において、フィルタ材料の連続したストリップから上記ディスクを切断するためのデバイスである。
このように、解放デバイス120は、ディスクの形態を有する個別要素1を提供する。これらは、切断ステップの後に、1つの個別要素と後続の個別要素との間に所定の間隔をあけて単一のラインで、個々に、すなわち1つずつ供給される。
したがって、梱包装置は、参照符号130で示されているフィルタ成形ステーションを備える。このステーションは、以下で詳述する、浸出式カプセルを作製するためのカルーセル状デバイス131を含む。
製造デバイス131は、より複雑なステーションの一部である。ここで、解放デバイス121から搬送デバイス131へ移送された個別要素1は、フィルタ成形プロセスを経て、供給ステーション110においてその内部に挿入されたスペーサ要素が底部にあるターゲットであるコップ状容器内に挿入される。
このようにして、フィルタは、ターゲットであるコップ状容器に直接供給される。浸出式カプセル131を作製するためのデバイスには、少なくとも部分的に事前に成形されたフィルタが供給され得る。
フィルタを対応するコップ状容器に挿入するステップの後に、フィルタは、例えば溶接によって、コップ状容器の内壁に固定される。このようにして、浸出式カプセルが成形される。
これに関連して、搬送デバイス131は、フィルタを有するコップ状容器を第1の移送ホイール132へ移送し、ここからフィルタ固定ホイール133へ渡し、第2の移送ホイール134へ渡す。第2の移送ホイール134は、コップ状容器を充填ステーション140へ移送し、ここで容器が所定量のコーヒー粉で充填される。
これに関して、充填ステーションは、カルーセル状の充填デバイス145を備える。ここから、コップ状容器は、第3の移送ホイール146を介して、カルーセル状の計量デバイス147へ移送されて、各容器に供給された粉の量の確認が実施される。
計量デバイス147を出た容器は、第4の移送ホイール158によって封止ステーション150へ移送される。このように、装置100は、切断デバイス162によって連続したストリップから形成される蓋のための切断ステーション160を備える。
ディスク状の蓋は、第5の移送ホイール161を介して、カルーセル型として構築された封止デバイス159へ移送される。封止デバイス159は、封止対象の浸出式カプセルを第4のホイール158から受け取り、カプセルからのガスの抽出と、連続したストリップから形成されたディスク状の蓋をその上部開口に適用することによる封止を提供する。
封止されたカプセルは、直線的な搬送デバイス173を具備する出口ステーション170へ送られる。
図2以降を参照すると、本明細書に記載されて参照符号200によって全体として示されている本発明に含まれる浸出式カプセルのための製造デバイスは、解放デバイス121と、本実施例においてカルーセル型構造体を有する搬送デバイス131と、を備える。
解放デバイス121(図2および図3)は、実質的に従来型の供給リール(図示せず)から連続したストリップ123を受け取る第1のローラ状ドラム122を備える。
第2のローラ状ドラム124は、第1のローラ状ドラム122からストリップ123を受け取る。その上には、ストリップ123に作用するディスク状の切断要素125が形成されている。
特に、2つのローラ状ドラム122および124は、並んで配置され、平行な回転軸を中心に回転し、回転すると、ストリップ123が通る接触領域が形成される。
第1のローラ状ドラム122は、接触領域において、ストリップ123を切断して個別要素1を形成する切断要素125のための接触要素として作用する。これは、第2のローラ124の円筒面から突出している。
これらは、第2のローラ状ドラム124に取り付けられたままでありように、円筒面上に配置された吸引口126を有する吸引デバイスを内蔵する。
吸引は、個別要素1が切断される平坦なストリップ123によって画定される解放経路の一部である直線的な展開部127を有する供給区間に沿って、下向きになっている第2のローラ状ドラム124の領域で停止する。
そのため、第2のローラ状ドラム124は、供給区間127において、個別要素1が解放される平面と平行な軸を中心に回転される円筒状の供給部として作用する。その表面には、個別の層状要素を保持および解放するためのデバイスが設けられる。これは、吸引デバイスによって実現される。
本実施例において、上述した切断作業を実施しながら所定の速度でローラ状ドラムが回転することを考慮して、個別要素1が連続的に供給される。
しかしながら、上述した個別要素用解放デバイス1は、供給区間127上に形成される個別要素1を提供するための可能な代替例の1つに過ぎないことに留意されたい。
特に、個別要素は、予め切断され、積層して供給され、実質的に直線的な供給区間127を構成する任意のタイプの供給部を有する製造デバイス200に直接抽出され得る。
また、例えば、サイズが異なる平らなディスクを、そこから切断されるストリップ上で互いに可能な限り接近して切断する必要性のために、第2のローラ124の直径は、変更されてもよいことに留意されたい。
そうでなければ、1つの個別要素1から次の個別要素1への供給間隔を変更する必要がある場合がある。
第2のローラの直径を変更させると、個別要素1の解放スポットと解放速度が異なるようになる。
搬送デバイス131は、複数の移動可能な成形部材7が取り付けられた回転式ドラム3を有するカルーセル型のものとなっている。成形部材7の各々は、浸出式カプセルを形成するように配置される。これらは、受取り要素2をそれぞれ含む。
十分な容量のコップ状要素およびフィルタの流れを実現するために、供給デバイスおよび支持デバイスの数、すなわち移動部材の数は少なくとも16個である。これらは、ドラム3の周縁部上の搬送経路に等間隔で配置される。これは、本実施形態において、移動部材32として示されている。
したがって、受取り要素2は、第1の搬送経路を所定の速度で連続して移動する。
特に、ベース32が支持するハブ30によって画定された垂直方向軸を中心に回転されるホイール本体31を備える回転式ドラム3は、その後、搬送経路が存在する実質的に水平な平面内で受取り要素2が回転して移動する。
本明細書に記載の回転式ドラムの構成を用いることで、回転速度を変化させて、少なくとも毎分600個、さらに好ましくは少なくとも毎分1000個、例えば毎分1500個のフィルタおよびコップ状要素の流れを確保することができる。
各受取り要素2は、個別要素1が解放される水平な平坦面を有する。これは、個別要素1と受取り面との間の摩擦を向上させるための表面ローレット部4を有する。これにより、後述するように、フィルタの側壁へのプリーツの形成が促進される。
受取り要素2の中心には、円形の貫通孔11が形成されており、その上に個別要素1が置かれており、特に、貫通孔11の中心と個別要素1の中心が完全に重なっていることが必要である。
個別要素1を固定基準位置に保持するために、受取り要素2は、受取り面と個別要素との間に真空生成吸引システムを備えてもよい。
本実施形態において、受取り要素2のための第1の搬送経路は、閉じたラインに沿って展開し、その中で受取り要素2は搬送経路上を循環する。また、特に輸送経路は、回転式ドラム3の周縁部上に形成されているので、実質的に円形である。
上述した観点から、個別要素のための解放経路1、特に供給区間127は、解放デバイス121に近接して位置するその受取り区間において受取り要素2のための第1の搬送経路と交差する。
供給区間127は、直径が異なる第2ローラ124によって、または形態が異なるおよび/または供給間隔が異なる個別要素1によって決定され得る、個別要素1の異なる解放地点を含む。
したがって、搬送デバイス131は、回転式ドラム30の単なる回転によって決定される搬送経路に対してそれらを移動させることによってそれらに作用する受取り要素2の位置を位相調整する機構を備える。その回転速度は、形態および/または供給間隔が異なる個別要素1の場合には変化しない。
このために、同期機構は、受け取り要素2を移動させる。これにより、受取り区間における、個別要素1の位置および/または解放速度は、個別要素1の解放スポットと、第2のローラ124の周辺速度に対応する解放速度とに正確に対応することができる。
好ましいが限定的ではない解決策を説明する本実施形態において、同期機構は、第2のローラ124から個別要素1を正しく受け取るために、受取り要素2が異なる並進速度を有する部分に細分化できる受取り区間で、受取り要素2を互いに整列させる(図4)。
これらの異なる速度は、受取り要素2と回転式ドラム3の回転中心との間の距離、および回転式ドラムに対する受取り要素2の相対速度によって決定され、これらは同期機構によって連続的に変化される。
このようにして、供給区間127は、受取り区間において、第1の搬送経路とその全長にわたって重なる。
したがって、受取り要素2は、移動可能であり、同期機構は、受取り要素2ごとに、回転式ドラム3と一体となって搬送デバイス131によって駆動される回転可能な連結部を備える。
連結部は、互いに連結されたレバーのシステムを備え、3つの自由度で受取り要素を移動させることができる。すなわち、回転式ドラムに対して上げ下げすることができ、そのドラムに対して垂直な軸を中心に回転させることができ、支点6を中心に主レバー5の回転機構に接続された、支点6を中心に移動可能な主レバー5によって回転移動させることもできる。
この回転機構は、例えば、所謂電子式カムを作製することで電気モータがレバー5の位置を調整することなどを含む多くの方法で実現され得る。
また、このような機構を機械部品のみで実現することもできる。例えば、回転機構は、その支点6においてレバー5に接続されるカムフォロアを備える。
したがって、上述したカムフォロアは、回転式ドラムによって引きずられるが、ベース31と一体となった、その上を移動するカムと相互作用する。
カムの形状は、受取り区間における受取り要素2と、解放デバイス121の解放区間127との間の対応関係を決定するように、レバー5の回転を決定する。
残りの2つの自由度の移動を他のカムが対応してもよい。
受取り要素2と個別要素1の解放スポットとの間の対応関係は、個別要素1の移送が、供給区間127における解放スポットが何であれ成功することを保証する。
上述した移動可能な成形部材7の各々は、一般に、ターゲットであるコップ状要素にフィルタを提供するフィルタ供給デバイスを備える。
本実施形態において、供給デバイスは、受取り要素2と、個別要素1からフィルタを成形するための対応する成形デバイス8と、を備える。
また、移動可能な成形部材7の各々は、コップ状要素10のための支持デバイス9を含む。
成形デバイス8は、回転式ドラム3上を第1の閉じた経路に従って連続的に移動し、成形デバイス8に関連付けられた支持デバイス9は、第2の閉じた経路に従って連続的に移動する。
したがって、成形デバイス8は、特に、個別要素1およびそこから形成されるフィルタ20のための第1の搬送システムを実現し、支持デバイスは、コップ状容器10のための第2の搬送システムを実現する。
本実施例において、第1の閉じた経路と第2の閉じた経路は、いずれも円形であり、ドラム3の周縁部全体にわたって互いに重なっている。
なお、上記とは別の形でこれらを実現することもでき、部分的にのみ重なっている場合もあることに留意されたい。
支持デバイス9は、1対の枢動爪部17を有するクランプのような形状を有する。1対の枢動爪部17は、コップ状容器10に横方向に当接し、その湾曲したプロファイルの端部は、容器10の頂部が切断された円錐面に密着する。
後者は、その上部リブの近傍で、爪部17のプロファイルに載置される突出した肩部を備えてもよい。
このようにして、コップ状容器10は、上部開口が上向きの上下正しい状態で保持される。
上述したように、供給デバイスは、その一部と一体である受取り要素2を備え、上述した貫通孔11は、成形デバイス8の通過空隙12の上部アクセス口を構成する。
通過空隙12は、垂直方向に配置された円筒状の管状構造体を有する。これは、実質的に漏斗状の入口端21と、出口端22と、を有する。入口端21は、受取り要素の貫通孔11と結合し、これと接続して、管状構造体と軸の上に配置されたときに、個別要素1のための単一の摺動面が形成される。
この配置は、同期機構によって決定される位置によって達成される。ここで、同期機構は、受取り区間に続く経路において、通過空隙12がドラム3に拘束される際に従う円形経路に受取り要素2を戻すように操作される。
通過空隙12は、湾曲した接続部によって入口端21と接続された円形壁を有する。これは、入口端21上で垂直方向に延在する第1の垂直リブによって形成された内部ローレット部を有する。
使用の際には、第1のリブによって形成されたローレット部は、好ましくは、フィルタがリブに沿って移動するときに、フィルタの側面にプリーツを形成するように設計され得る。
成形デバイス8の各々は、パンチ部13を備える。パンチ部13は、ピストンの遠位端、すなわち頭部を構成する。ピストンは、垂直方向に配置されたステム14をさらに備える。
好ましくは、パンチ部13は、フィルタの側面のプリーツ加工を行うために、通過空隙12の第1リブと使用中に協働する第2リブも有する。
特に、プリーツ加工は、フィルタが第1のリブと第2のリブとの間のスロットを摺動する際に、それらが協働して実現される。リブ間の干渉と起こりうる摩擦、およびそれに伴う熱により、個別要素1を構成するフィルタ材料に伸張効果が生じ、恒久的な変形を引き起こす。
好ましくは、上述した伸張効果を高めるため、またはそれを得るために、通過空隙12、特にその壁、および/またはパンチ部13は、加熱デバイス(既知の、図示しないタイプのもの)を具備してもよい。加熱デバイスは、例えば、成形ステップが進行しているときに電気的に駆動する1つまたは複数のサーミスタを有する。これにより、フィルタの側壁にプリーツ、または一般的にはシワを生成する、プリーツに対する上述した伸張効果を決定することができる。
ステム14は、それぞれの近位端まで延在し、そこでそれぞれの作動アーム15に連結される。したがって、デバイス200の作動アーム15は、半径方向に配置され、ステムの近位端の突出部は、回転式ドラム3の周縁部に対応する円を形成し、作動アーム15は、ステム14から、ドラム3に対して半径方向、すなわち駆動シャフトに接続されるハブ30の垂直方向突出部の方向へ分岐する。
ドラム3の中央付近では、駆動アームがそれぞれの駆動ロッド16に接続されており、駆動機器に対応して昇降することができる。
例えば、このような駆動機器は、ドラム3の固定フレームと一体になっている追加のカムから構成されてもよい。これは、ロッド16の昇降、ひいてはパンチ部13の昇降を決定することができる。
そのため、すべての移動可能な成形機器7の駆動は、特殊な運動学的チェーンを介して、回転式ドラム3の回転を引き起こす同じ駆動シャフトによって決定される。これにより、この駆動がカルーセル自体の回転と自動的に同期される。
その結果、搬送デバイス131は、パンチ部13が下降する図5に示す解放領域Aと、パンチ部13が上昇する同じく図5に示す抽出領域Bとに大きく分けることができる。この2つの領域AおよびBは、図の対角線上の点線で分離されている。
したがって、解放領域Aにおいて、移動可能な成形部材7がそれぞれのパンチ部13を下降させる成形区間が存在する。
また、供給区間127は、解放領域に対応し、その上方では、成形デバイス7のパンチ部13が、通過空隙12の上部口部11から、すなわち個別要素1が載置された受取り要素の孔11から、所定の距離で上昇する(図6)。
成形デバイス8は、ステム14と関連しているプレス要素18である。したがって、これは、それぞれのパンチ部13と同期して移動可能であり、それと一緒に下降する。
プレス要素は、パンチ部13から一定の距離を置いて配置されるが、ステム14と同心でその外側に配置された円筒要素19により、ステム14とは独立して昇降が制御される。また、この円筒要素も、ステム14およびパンチ部13と同様に制御される。
プレス要素18は、円形のプレートを備える。このプレートは、受取り要素2の支持面に接触して協働するように配置され、その孔11とその上に載置された個別要素1上に置かれる。
このようにして、パンチ部13が通過空隙12内で成形ストロークを開始する前に、プレス要素18が個別要素1をブロックして押し潰す。受取り要素2とプレス要素18の表面のローレットは、このために協働して、その形態について後述するプリーツの形成を促進する。
しかしながら、パンチ部13が個別要素1の材料を引き裂くことができる前に、プレス要素がわずかに持ち上がり、個別要素1が解放される。個別要素1は、このように形成され、通過空隙12内でコップ状要素10に引きずられ得る。
受取り区間に続いて、第1の閉じた経路は、成形区間を備える。成形区間において、パンチ部13は、受取り要素2のそれぞれの上部口部11を貫通する。ここで、その口部は、その部分において、通過空隙12(図7Aおよび図7B)と正確に軸が合わさっている必要がある。
このパンチ部13の口部の貫通は、個別要素を通過空隙に押し込むように、通過空隙内の壁の形状とパンチ部の表面の形状、およびそれらの相互干渉により、フィルタ20のコップ形状を決定する(図7Cおよび図7D)。
パンチ部13は、第1の垂直リブと相補的なそれぞれの第2の垂直リブを有する。これらは、第1のリブ間のスロットに挿入されて、それらと協働して、フィルタ20に、湾曲したシワのある、すなわちプリーツのある側壁を有するコップ形状を与える。
パンチ部13が通過空隙12の遠位端に到達すると、フィルタ20の形成が完了する。ただし、パンチ部は、その下死点まで進み、フィルタ20を第1の閉じた経路の挿入区間の中にさらに押し込む。このようにさらに前進することにより、コップ状容器10へのフィルタ20の挿入が行われ、その後の段階で行われるフィルタ20の固定の前に、カプセルの成形が行われる。
本実施例において、パンチ部13の前進は、フィルタ20を通過空隙12から完全に抜け出させ(図7E)、もはや空隙によって保持されていない状態にして、コップ状容器10に落下させる(図7Fおよび図7G)。
挿入区間が完了すると、形成されたカプセルは、抽出部分に到達する。ここで、支持デバイス9は、カプセルを解放する。これに関して、支持デバイス9の挟持部の爪部17が開き、カプセルが次のホイール132に通過することを可能にする(図5および図7F)。
同時に、パンチ部13を上昇させるが、この段階でも受取り要素2の孔11と通過空隙12は軸上にあることに留意されたい(図7H)。
上述した浸出式カプセルのための製造デバイスに対して、当業者は、追加の偶発的な要件を満たすために、多数のさらなる修正および変形を行うことができるが、これらのすべては、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の保護範囲内に含まれるものである。