JP2023536045A - エアロゾル生成物品及びシステム - Google Patents

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Abstract

エアロゾル生成物品(201)について説明する。物品(201)は、第1の軸に沿って延在する気流チャネル(211)を含む。材料部(213)が気流チャネル(211)の内部に設けられ、材料部(213)は、エアロゾルを生成するための基材(205)と、基材(205)を加熱するための1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタ(207)と、を含む。バルブ(101)もまた、気流チャネル(211)の内部に、第1の軸に沿って材料部(213)から間隔を置いて設けられており、バルブ(101)は、開状態及び閉状態を有し、バルブ(101)は、閉状態にあるときに、気流チャネル(211)を通る気流を実質的に妨げるように構成されている。物品(201)は、第1の軸に沿って材料部(213)から間隔を置いて配置され、第1の軸に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界が存在するときに、振動磁界に逆に位置合わせされた逆の磁界を発生させるように構成された導電性ループ(107)をさらに含む。【選択図】図2

Description

本発明は、ユーザによる吸入用のエアロゾルを発生させるためのエアロゾル生成物品、及び前記物品を組み込んだエアロゾル生成システムに関する。
エアロゾル生成デバイスは、従来の可燃性タバコ製品の代替として人気が高まっている。非燃焼加熱式製品とも呼ばれる加熱式タバコ製品は、タバコ基材からエアロゾルを発生させるのに十分な温度であるが、タバコが燃焼するほどには高くない温度に基材を加熱するように構成されたエアロゾル生成デバイスの部類の1つである。本明細書は、特に、加熱式タバコ製品について言及するが、以下の説明は、他の種類の加熱可能な基材を組み込むエアロゾル生成システムに等しく当てはまることがわかるであろう。
いくつかの加熱式タバコ製品では、タバコ基材は、物品の内部に位置する1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタによって加熱される。物品が振動磁界の内部に配置されると、サセプタは磁界に結合し、熱を発生させ、これが次に基材を加熱する。基材が加熱される速度は、サセプタの位置における磁界の強度によって決まるが、ユーザがさらされる電磁界の強さに関する安全上の懸念が、このようなデバイスによって生成することが可能な磁界の強さを制限し、ゆえに、実現可能な加熱の速度を制限する。
これらの問題を克服するエアロゾル生成システムが必要である。
本発明の第1の態様は、第1の軸に沿って延在する気流チャネルと、気流チャネルの内部に設けられた材料部であって、エアロゾルを生成するための基材、及び基材を加熱するための1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタを含む材料部と、気流チャネルの内部に、第1の軸に沿って材料部から間隔を置いて設けられたバルブであって、開状態及び閉状態を有するバルブであるとともに、閉状態にあるときに気流チャネルを通る気流を実質的に妨げるように構成されたバルブと、第1の軸に沿って材料部から間隔を置いて配置され、第1の軸に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界が存在するときに、振動磁界に逆に位置合わせされた逆の磁界を発生させるように構成された導電性ループと、を含むエアロゾル生成物品を提供する。
物品が加熱されるにつれて、基材及びバルブの両方の温度が上昇する。バルブが遷移温度に達するまで、バルブは閉状態のままであり、物品を通る気流を防ぎ、遷移温度に達すると、バルブが開き、ユーザは、気流チャネルを通して空気を吸引することによってエアロゾルを消費することが可能になる。この配列により、バルブが閉状態にある間、空気は気流チャネルを通って流れることができないので、ユーザに基材に着火させないようにし、このことが、基材の燃焼が持続することを防ぐ。この配列は、物品が遷移温度に達するまで、生成されたエアロゾルが気流チャネルの内部から放出されることもまた防ぎ、したがって、物品がその最適な動作温度近くに、又はその最適な動作温度になるまで、ユーザにエアロゾルを抽出させないように、バルブを構成することができる。
形状記憶合金は、バルブを形成するのに適した材料の1つの部類である。形状記憶合金は、低温の間に、すなわち、遷移温度未満のときに、第1の形態に塑性変形することができる。遷移温度(特定の合金の特性である)に加熱されたとき、形状記憶合金は、その変形前に有していた形態である第2の形態に戻る。このように形状記憶合金の2つの状態は、バルブの開状態及び閉状態を画定することができる。ニッケル-チタン、及び銅-アルミニウム-ニッケルは、本発明の実装形態での使用に適した形状記憶合金の例である。好適な実装形態においてバルブを形成する際の形状記憶合金の使用について、後でより詳細に説明することにする。他の実施形態では、形状記憶合金の代替として、バルブは、遷移温度にあるときに金属の熱膨張がバルブを開かせるように構成された金属(例えば、銅又はアルミニウム)を含むことも可能であろう。
好ましくは、バルブ及び導電性ループは、互いに機械的に接続されている。これにより、バルブ及び導電性ループは、例えば、材料部に隣接する気流チャネルの内部に位置し得る単一のユニットとして提供することが可能になり、好都合である。しかしながら、他の実施形態では、バルブ及び導電性ループは、別々に提供される。
特に好適な実施形態では、バルブ及び導電性ループは、互いに一体化されている。バルブ及び導電性ループは、例えば、形状記憶合金、金属(例えば、銅)又は別の導電性材料で形成された一体型ユニットとすることも可能であろう。
好適な実装形態では、導電性ループは、第1の軸に実質的に垂直な平面に位置するリングとして、又はその円筒の軸が第1の軸と実質的に位置合わせされた中空円筒として、のいずれかの形状に形成されている。その結果、リング又は円筒の開口は、気流チャネルと同じ方向に沿って位置合わせされることになり、導電性ループによるチャネルの遮断を最小限に抑える。リング又は円筒は、中実表面を有することもできるが、代替的に、導電性材料からなるグリッド又はメッシュによって形成することもできる。
上記で説明したように、形状記憶合金は、バルブを形成するのに適した材料の部類の1つである。ゆえに、好適な実施形態では、バルブは、形状記憶合金の遷移温度に加熱されたときに、バルブが閉状態から開状態に変化するように構成された形状記憶合金材料を含む。遷移温度で生じる形状記憶合金の形態の遷移は、このようにバルブを開かせる。バルブは、バルブが閉状態にあるときに、形状記憶合金それ自身がチャネルを遮るような形状に形成することもでき、その場合には、形状記憶合金は、遷移温度に加熱されたとき、気流がチャネルを通ることができるようにする形態に変化するように構成することができる。代替的に、形状記憶合金は、遷移温度に加熱されたとき、バルブのもう一方の部分に機械的に作用するように配列することもできる。そのバルブのもう一方の部分は、バルブが閉状態にあるときに、チャネルを閉じるように配列され、形状記憶合金が状態を変化させることにより、気流がチャネルを通ることができるように動く。
特に有利なこととして、形状記憶合金は、バルブが閉状態にあるときに、第1の形態にあるように、また、バルブが開状態にあるときに、第2の形態にあるように構成することができるとともに、形状記憶合金は、第1の形態にある間に遷移温度に加熱されたときに、バルブを閉状態から開状態に変更するために、形状記憶合金が第1の形態から第2の形態に遷移するように配列されている。バルブの動作は、バルブが一方の形態からもう一方の形態に変化するとき、このように形状記憶合金の作用によって制御される。
好適な実施形態では、バルブは、バルブが閉状態にあるときに、気流チャネルを実質的に閉じるように配列されたフラップと、形状記憶合金材料を含むとともに、フラップに機械的に接続されている作動部分であって、バルブが閉状態にある間にバルブが遷移温度に加熱されたときに、気流チャネルを開くために、作動部分がフラップを動かすように配列されている作動部分と、を含む。作動部分及びフラップは、互いに一体化されていることが特に好適である。これらの実施形態では、フラップは、バルブが閉状態にあるとき、気流チャネルを遮る。これは、チャネルを通る空気の流れを妨げる。バルブが開状態にあるとき、フラップは、チャネルを通る空気の流れを妨げる程度を、閉状態にあるときよりも少なくしなければならない(そして実質的にまったく妨げないことが好ましい)。作動部分は、バルブが閉状態にあるときに上記で言及した第1の形態を、また、バルブが開状態にあるときに上記で言及した第2の形態を有することができる。
特に好適な実施形態では、導電性ループは、作動部分に機械的に接続されている。これは、導電性ループが作動部分に確実な取り付け点を提供し、作動部分の形状記憶合金がその2つの形態間で遷移するとき、バルブは所望のやり方で動くことが可能になるので、特に有利である。しかしながら、導電性ループ及びバルブは、別々のユニットとして提供することができる。
形状記憶合金が、物品のバルブ、導電性ループ又は他の場所の、任意の部分に提供される場合、形状記憶合金材料は、200℃未満の、より好ましくは、100℃未満のキュリー温度を有することが好ましい。形状記憶合金は、永久磁化が合金に存在し得る最高温度であるキュリー温度未満にあるとき、磁気損失によってのみ加熱することができるので、これは有利である。このように、磁界が存在する状態で形状記憶合金が熱くなる速度は、キュリー温度を上回ると減速され、形状記憶合金が物品の可燃性構成要素(例えば、基材及び、提供されている場合には、外枠(shell)又はフィルタ)を焦がすのを防いでいる。
いくつかの好適な実装形態では、導電性ループは金属で、最も好ましくは、銅で形成されている。銅などの金属は高導電性であり、これにより、上述した振動磁界が存在するとき、導電性ループによって生成される逆磁界の強さが最大化される。上述したように、他の好適な実施形態では、導電性ループは、特に、導電性ループがバルブと一体化されている場合、形状記憶合金で形成してもよい。
好適な実施形態では、1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタは第1の材料を含み、導電性ループは、比抵抗が第1の材料よりも低い第2の材料を含む。ループの導電性が高いことは有利である。というのは、これにより確実に逆磁界が比較的強くなるように、また誘導電流に起因するループの加熱を最小限に抑えるようにするからである。対照的に、誘導加熱可能なサセプタの材料の導電性が比較的低いことは有利である。というのは、サセプタは振動磁界が存在する状態で急速に熱くなることが望ましいからである。一例では、第1の材料はアルミニウムとすることができ、第2の材料は銅とすることができる。しかしながら、他の実施形態では、第1の材料及び第2の材料は同じとすることができる。例えば、両方ともアルミニウムとすることができる。
エアロゾル生成物品は、材料部によって生成されたエアロゾルをろ過するためのフィルタを含むことが好ましい。フィルタは、例えば、気流チャネルの内部に設けてもよい。フィルタは、場合によっては有害な物質をすべて、エアロゾルからろ過するように構成し、フィルタを通過するエアロゾルを冷却してもよい。
本発明の第2の態様は、エアロゾル生成システムであって、本発明の第1の態様によるエアロゾル生成物品と、1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタを加熱するための、第1の軸に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界を発生させるためのインダクタを含む加熱デバイスと、を含むエアロゾル生成システムを提供する。加熱デバイスは、生成された蒸気の吸入による消費を容易にするハンドヘルドデバイスとすることができ、インダクタに給電するための電力源、及びユーザによって物品からエアロゾルが吸引できるようにチャンバと流体連通されているマウスピースなどのフィーチャを含むことができる。上記で説明したように、エアロゾル生成物品に導電性ループが存在することにより、高電磁界からユーザを保護するために、加熱デバイスに電磁遮蔽を設ける必要がないので、加熱デバイスの構造を簡素化することが可能になる。
好適な実装形態では、加熱デバイスは、エアロゾル生成物品を収容し、振動磁界の中でエアロゾル生成物品を保持するように適合されたチャンバを含む。
有利なこととして、インダクタは電気を動力とするコイル、例えば、螺旋状コイルを含む。このようなコイルに電流が流れると、コイルの内部で発生する磁界は、コイルが巻きつけられた軸に沿って磁力線が互いに平行に走るため、強力で、均一性が高くなり得る。そのため、コイルは、エアロゾル生成物品をその内部に設けることができるように、好ましくは、気流チャネルがコイルと同軸であるように適合させることができる。
ここで、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態による、エアロゾル生成物品及びエアロゾル生成システムの例を説明することにする。
本発明の実施形態での使用に適した例示的なバルブユニットを示す。 本発明の第1の態様の第1の実施形態による、エアロゾル生成物品の断面図である。 本発明の実施形態での使用に適した例示的なバルブを示す。 本発明の第1の態様の第2の実施形態による、エアロゾル生成物品の断面図である。 本発明の第2の態様による、エアロゾル生成システムの断面図である。
図1(a)は、例示的なバルブユニット101を示し、このバルブユニットは、フラップ103及び作動部分105で形成されたバルブと、作動部分105に機械的に接続された導電性リング107と、を含む。
図1(a)では、バルブは第1の形態をしており、この形態では作動部分105は、湾曲した形状を有し、リング107が位置する平面に対して非垂直なフラップ103を保持する。バルブユニット101がバルブの遷移温度に加熱されると、作動部分105は第2の形態に変化し、図1(b)に示されているように、実質的に平面形状を有し、作動部分105と実質的に同一平面上の位置にフラップ103を動かす。この挙動は、形状記憶合金からなるバルブユニット101を形成することによって実現することができる。形状記憶合金の2つの状態は、作動部分105の第1の形態及び第2の形態に対応する。例えば、図1(b)に示されている形態でバルブユニット101を製造することが可能であれば、形状記憶合金の遷移温度を下回っている間に、作動部分105を図1(a)に示されている形態に塑性変形することが可能である。遷移温度に加熱されると、作動部分は第1の形態から第2の形態に変化し、その結果、図1(b)に示されている位置にフラップ103を動かすことになる。
形状記憶合金を使用する代わりに、熱膨張の係数が異なる2層の金属からなる作動部分を形成すれば、同様の機能性を実現することが可能である。バルブユニット101が加熱されるにつれて、2つの金属が異なる速度で膨脹することで、図1(a)に示されている湾曲した形態から図1(b)の平坦な形態に作動部分105を遷移させ、これにより、上述したやり方でフラップ103を動かすようになる。
リング107は、作動部分105及びフラップ103と同じ材料、例えば、形状記憶合金で、又は銅などの別の導体で形成することも可能であろう。フラップ103及び作動部分105と同じ材料からリング107を形成することの利点の1つは、例えば、材料のシートから型押しすることによって、バルブユニット101を容易に製造することが可能になる、ということである。
図2(a)は、本発明の一実施形態による、エアロゾル生成物品201の断面図を示す。エアロゾル生成物品201は、気流チャネル211を画定する外枠203を含み、その内部にエアロゾル生成物品201の構成要素が設けられている。外枠203は円筒形状であり、例えば、紙、ボール紙又は適切な高分子系材料で構成することができる。気流チャネル211は、Aと表示された方向に沿って延在する第1の軸に沿って位置合わせされている。
材料部213は、物品201の一方の端部の気流チャネル211の内部に設けられている。材料部は、基材205を含み、この基材は、再構築されたタバコなどの材料を含む。再構築されたタバコは、加熱されると、吸入による消費に適したエアロゾルを発生させる。この例では、材料部213は、基材205に埋め込まれた複数の誘導加熱可能なサセプタ207もまた含む。経時変化する磁界に配置されたとき、サセプタ207は、電磁界から受け取った電磁エネルギーを熱に変換し、次に基材205を加熱する。サセプタ207は、例えば、アルミニウムで構成することも可能であろう。他の適切な材料には、鉄、ニッケル、ステンレス鋼、又は合金(例えば、ニッケルクロム又はニッケル銅)が含まれる。この例では、各サセプタ207は、気流チャネル211の方向に沿って延在する長尺状のストリップ又はロッドの形態を有する。
気流チャネル211のもう一方の端部にあるのは、フィルタ209である。フィルタ209により、フィルタを通して、ユーザが基材205によって発生したエアロゾルを吸引することが可能になるとともに、フィルタを通過するエアロゾルを冷却する。フィルタ209は、従来のシガレットフィルタの見た目及び手触り感覚を模倣するように適合されている。
図1(a)及び図1(b)を参照しながら上述したようなバルブユニット101は、気流チャネル211の内部の、基材205とフィルタ209との間に設けられている。作動部分105は、外枠203の内部の表面に(例えば、接着剤によって)取り付けられている。図2(a)では、バルブユニット101は遷移温度未満であり、作動部分105は上述した第1の形態を有する。フラップ103は、気流チャネル211を閉じるように外枠203の表面から離れる方向に突出して、気流が物品201を通るのを防いでいる。この例では、フラップ103は、非垂直な角度で気流チャネル211の内部の表面から離れる方向に突出し、楕円形状のフラップ103が気流チャネル211の円筒形状を補完することで、フラップ103がこの位置にあるときに、気流チャネル211は、ほぼ閉じているか、又は完全に閉じているようになっている。
上述したように、形状記憶合金材料の遷移温度に加熱されると、作動部分105は第2の形態に遷移する。これが起こるとき、作動部分105は、外枠203の内部の表面にぴったりとくっついた位置にあるようにフラップ103を動かす。作動部分105の第2の形態は、このように、バルブユニット101の開状態を画定し、開状態では、フラップ103は気流チャネル211を実質的に遮らず、ユーザは物品201を通して空気を吸引することができる。図2(b)は、物品201の同じ断面図だが、バルブユニット101が開状態にあるときを示す。バルブユニット101が閉状態にある間は、物品201を通して空気を吸引することができないため、基材205の持続した燃焼を実現することは非常に困難である。これにより、ユーザが従来のシガレットのやり方で物品201に点火するのを防ぐとともに、確実にバルブユニット101を開かせるように物品201を加熱することが可能な適切なデバイスと一緒に使用することによってのみ、物品201を消費することができるようにする。
バルブユニット101の特性を変えることにより、基材205の温度が上昇する速度に対して、バルブユニット101が形状記憶合金の遷移温度に達するスピードを制御することができる。バルブユニット101の総熱容量は、フラップ103、作動部分105及びリング107を形成している材料によって決まり、これらの構成要素の寸法によってもまた決まる(というのは、バルブユニット101内の任意の所与の材料の量が増加するにつれて、バルブユニット101の熱容量もまた増加するからである)。バルブユニット101の熱容量を増加させる場合には、遷移温度に達する前に、吸収し、保持する熱の量を増やさなければならない。このように、バルブユニット101の材料及び寸法を選択して適切な熱容量を提供することによって、バルブユニット101が開く時間までに、基材205に供給される熱の量を増減させるように、加熱の開始後にバルブユニット101が開くのに費やされる時間を変えることができる。
ここで、物品201の使用中のバルブユニット101の加熱に寄与するプロセスを説明することにする。この例では、基材205は、複数の誘導加熱可能なサセプタ207を含有しており、このサセプタは、上記で説明したように、気流チャネル211が延在する方向と位置合わせされた(又はその方向に沿って位置合わせされた実体のある構成要素を有する)、経時変化する磁界に配置されたとき、熱を発生させる。サセプタ207は、周囲の基材205を加熱することで、エアロゾルを放出させる。エアロゾルは、バルブユニット101が位置する気流チャネル211の区間を満たし、このようにバルブユニット101を加熱する。いくつかの実施形態では、バルブユニット101は、エアロゾルのみによって加熱することが、作動部分105を第2の形態に遷移させ、これによりバルブユニット101が開状態に変わるようにするのに十分であるように構成することができる。
バルブユニット101、及び特に、(作動部分105を形成し、いくつかの実施形態では、フラップ103も形成する)形状記憶合金は、経時変化する磁界に配置されたとき、熱を発生させるように構成してもまたよい。この加熱は2つの主要なモードによって生じる。第1のモードは、経時変化する電磁界によって、バルブ内の(形状記憶合金を含むが、必ずしもそれに限定されない)導電性材料で誘発される渦電流に起因する抵抗加熱である。第2のモードは、変化する電磁界によって生じる形状記憶合金(及び任意の他の磁化可能なバルブの材料)の磁化の変化による熱の生成である。この熱を生成する第2のモードは、形状記憶合金がそのキュリー温度未満であるときにのみ生じ得る。このキュリー温度を超えると、永久磁化は存在しない。上記で説明したように、バルブユニット101が開状態にあるときにこの熱生成のモードが停止するように、バルブユニット101が形成される材料のキュリー温度は十分に低温であることが好ましい。
図2(b)でわかるように、フラップ103及び作動部分105は、バルブユニット101が開状態にあるときに実質的に平坦な構成であると想定する。第1に、これにより、開いているときに、バルブユニット101による気流チャネル211の遮断が最小限に抑えられる。サセプタ207を加熱するのに適した種類の振動磁界、すなわち、気流チャネル211が延在する方向に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界の内部に物品が配置されたとき、バルブユニット101によって遮られる磁束もまた最小限に抑えられる。その結果、バルブユニット101が開状態にあるとき、バルブユニット101がこのような磁界によって誘導加熱される速度は大幅に減速される。これにより、バルブユニット101が過度に高温に達するのを防ぎ、ひいては、外枠203、フィルタ209及び基材205がバルブユニット101によって焦げるのを防ぐ。
バルブユニット101は、リング107がフィルタ209に隣接して位置決めされるように配列される。上記で説明したように、物品201が、第1の軸の方向Aに沿って位置合わせされた少なくとも実体のある構成要素を有する振動磁界に配置されたとき、サセプタ207は熱を発生させる。これにより、基材205を加熱させることで、エアロゾルを発生させる。同時に、磁界を変化させると、リング107内に電流が誘発され、この電流が第1の軸のまわりを循環することで、もとの磁界と逆の磁界を発生させる。材料部213及びリング107は、第1の軸に沿って互いに間隔を置いて配置されているため、もとの磁界は、サセプタ207の位置では比較的強いままであり、ゆえに、高速の加熱を実現することができる。しかしながら、物品201の外部では、逆磁界は、磁界の正味の強度を実質的に低減させることで、ユーザが容認できないほど強度の高い電磁界にさらされることを防ぐ。この原理について、後で図5を参照しながらさらに説明することにする。なお同図は、エアロゾル生成システムにおける物品201に関連しての磁界源の配列の特定の一例を示している。
図3は、図1のバルブユニット101の代替として本発明の実施形態での使用に適した例示的なバルブ301を示す。図1のバルブユニット101のように、バルブ301は、フラップ303及び作動部分305を含む。これらの構成要素は、図1を参照しながら上述した、フラップ103及び作動部分105と同じ構造及び特性を有することができる。特に、作動部分305は、図3(a)に示されているような第1の形態を有し、この形態が、バルブ301の閉状態を画定することができる。バルブ301が、上記のように、構成要素の寸法及び材料特性によって決定し得る遷移温度に達すると、作動部分305が、図3(b)に示されているような平坦な第2の形態に遷移し、作動部分305と同一平面上の位置へとフラップ301を動かす。しかしながら、この例では、バルブ301は、導電性ループを提供するのに適したリングを含んでいない。
図4(a)は、本発明の第1の態様による、第2の例示的なエアロゾル生成物品401の断面図である。このエアロゾル生成物品は、図2を参照しながら上述したような外枠203と、材料部213と、フィルタ209と、を有する。しかしながら、この物品401は、図3のバルブ301を組み込んでいる。
ティッピング紙407は、外枠203の外表面に設けられ、外枠203の外周全体の周囲に延在する。ティッピング紙407は導電性層403を含むが、これは、金属ホイル、例えば、銅によって提供することができる。代替的には、導電性材料(ここでもまた銅などの金属とすることができる)からなるメッシュとして導電性層403を提供することが可能であろう。導電性層403は、気流チャネル211の軸のまわりに完全なループを形成しているので、物品401が、インダクタ207を加熱するのに適した経時変化する磁界の内部に配置されたとき、逆磁界を生成することが可能な導電性ループを提供する。ゆえにティッピング紙207の導電性層403は、物品が振動磁界に配置されているとき、物品401の近傍にいるユーザが経験する電磁界の強度を低減させる。この例では、ティッピング紙407は、被覆層405もまた含み、この被覆層が導電性層403を覆い隠し、保護する。
図5は、本発明の第2の態様による、エアロゾル生成システムの一部の断面図である。システムは、螺旋状コイル501の形態をしたインダクタを含む。システムは、図2を参照しながら上述したようなエアロゾル生成物品201もまた含む。物品201は、コイル501及び気流チャネル211が互いに同軸であるように、コイル501の内部に位置決めされている。コイル501を交流電流が通過すると、コイルの内部で振動磁界が気流チャネル211の方向に沿って位置合わせされる。これにより、サセプタ207が上述したやり方で加熱され、誘導及び/又は磁気熱損失によってバルブ101を熱することもまた可能である。この例示的なシステムは図2の物品201を組み込んでいるが、代替的な実施形態は、図4の物品401を組み込んでいてもよい。
システムは、本明細書に示されていない他の構成要素を含むことができる。コイル501は、物品101を保持するのに適したチャンバの内部、又はチャンバを取り囲むように配列することも可能であろう。チャンバは、ユーザがマウスピースで吸い込むことによってエアロゾルを消費できるように、一緒に物品を通して空気を吸引できるようにする入口及びマウスピースと流体連通する(ことで、空気が入口を通って入り、マウスピースを介して出て行くようにする)ことも可能であろう。コイルを組み込んでいるデバイスであれば、使用中にコイル501に給電する電力源(例えば、充電式電池)を含むこともまた可能であろう。物品101は、使い切ったら廃棄処分するためにデバイスから取り出して、新品の物品と交換することができる。

Claims (15)

  1. エアロゾル生成物品であって、
    第1の軸に沿って延在する気流チャネルと、
    前記気流チャネルの内部に設けられた材料部であって、エアロゾルを生成するための基材、及び前記基材を加熱するための1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタを含む前記材料部と、
    前記気流チャネルの内部に、前記第1の軸に沿って前記材料部から間隔を置いて設けられたバルブであって、開状態及び閉状態を有する前記バルブであるとともに、前記閉状態にあるときに前記気流チャネルを通る気流を実質的に妨げるように構成された前記バルブと、
    前記第1の軸に沿って前記材料部から間隔を置いて配置され、前記第1の軸に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界が存在するときに、前記振動磁界に逆に位置合わせされた逆の磁界を発生させるように構成された導電性ループと、
    を含むエアロゾル生成物品。
  2. 前記バルブ及び前記導電性ループが互いに機械的に接続されている、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
  3. 前記バルブ及び前記導電性ループが互いに一体化されている、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成物品。
  4. 前記導電性ループが、前記第1の軸に実質的に垂直な平面に位置するリングとして、又はその円筒の軸が前記第1の軸と実質的に位置合わせされた中空円筒として、のいずれかの形状に形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  5. 前記バルブが形状記憶合金材料を含み、前記形状記憶合金が、前記バルブが前記形状記憶合金の遷移温度に加熱されたときに、前記閉状態から前記開状態に変化するように構成された、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  6. 前記形状記憶合金が、前記バルブが前記閉状態にあるときに第1の形態にあるように、及び、前記バルブが前記開状態にあるときに第2の形態にあるように構成されているとともに、前記形状記憶合金が、前記第1の形態にある間に前記遷移温度に加熱されたときに、前記バルブを前記閉状態から前記開状態に変更するために、前記形状記憶合金が前記第1の形態から前記第2の形態に遷移するように配列されている、請求項5に記載のエアロゾル生成物品。
  7. 前記バルブは、
    前記バルブが前記閉状態にあるときに、前記気流チャネルを実質的に閉じるように配列されたフラップと、
    前記形状記憶合金材料を含むとともに、前記フラップに機械的に接続されている作動部分であって、前記バルブが前記閉状態にある間に前記バルブが前記遷移温度に加熱されたときに、前記気流チャネルを開くために、前記作動部分が前記フラップを動かすように配列されている前記作動部分と、
    を含む、請求項5又は6に記載のエアロゾル生成物品。
  8. 前記作動部分及び前記フラップが互いに一体化されている、請求項7に記載のエアロゾル生成物品。
  9. 前記導電性ループが前記作動部分に機械的に接続されている、請求項7又は8に記載のエアロゾル生成物品。
  10. 前記形状記憶合金材料が200℃未満の、好ましくは、100℃未満のキュリー温度を有する、請求項5~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  11. 前記導電性ループが金属、好ましくは、銅で形成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  12. 前記1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタが、第1の材料を含み、前記導電性ループが、前記第1の材料よりも低い比抵抗を有する第2の材料を含むとともに、好ましくは、前記第2の材料が形状記憶合金である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  13. 前記基材によって発生した前記エアロゾルをろ過するためのフィルタをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品。
  14. エアロゾル生成システムであって、
    請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル生成物品と、
    前記1つ又は複数の誘導加熱可能なサセプタを加熱するための、前記第1の軸に実質的に沿って位置合わせされた振動磁界を発生させるためのインダクタを含む加熱デバイスと、
    を含むエアロゾル生成システム。
  15. 前記加熱デバイスが、前記エアロゾル生成物品を収容し、前記振動磁界の中で前記エアロゾル生成物品を保持するように適合されたチャンバを含む、請求項14に記載のエアロゾル生成システム。
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