JP2023535002A - 薬物送達デバイスのための電子システムおよび薬物送達デバイス - Google Patents

薬物送達デバイスのための電子システムおよび薬物送達デバイス Download PDF

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Abstract

薬物送達デバイス(1)のための電子システム(1000)が提供され、電子システムは:薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置された少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600、11、12)を含み、ここで、ユーザインターフェース部材は、薬物送達デバイスの動作中に薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面(1610、1620)を有し、電子システムは、使用者が外部操作面に近いとき、または外部操作面にタッチしたとき、信号を生成するように構成された電気式使用者近接検出ユニット(1330)をさらに含む。【選択図】図3A

Description

本開示は、薬物送達デバイスのための電子システムに関する。本開示はさらに、薬物送達デバイス、好ましくは電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。
電子機器を使用する薬物送達デバイスは、医薬品業界ならびに使用者または患者にますます普及している。しかし、特にデバイスが独立型として設計された場合、すなわちデバイスの動作のために電力を提供するのに必要な外部電源に接続するためのコネクタをもたない場合、デバイスに一体化された電源の資源の管理が特に重要である。
本開示の目的は、電子システムを含む薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスのための電子システムに対する改善を提供することである。
この目的は、独立請求項に規定された主題によって実現される。有利な実施形態および改良形態は、従属請求項に準拠する。しかし、本開示は、添付の特許請求の範囲に規定される主題に制限されないことに留意されたい。逆に、本開示は、以下の説明から明らかになるように、独立請求項に規定される主題に対する追加または代替として、改善を含むことができる。
本開示の一態様は、薬物送達デバイスのための電子システムに関する。本開示の別の態様は、薬物送達デバイス、特に電子システムを含む薬物送達デバイスに関する。それに応じて、薬物送達デバイスまたは薬物送達デバイスのユニットもしくは薬物送達デバイスのためのユニットに関連して開示する構成が電子システムにも適用され、逆も同様である。
一実施形態では、電子システムは、少なくとも1つのユーザインターフェース部材を含む。ユーザインターフェース部材は、たとえば用量設定動作におけるデバイスによって送達予定の用量の設定および/または用量送達動作における薬物送達デバイスからの設定された用量の送達のために、薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置または提供することができる。
一実施形態では、電子システムは、電子制御ユニットを含む。電子制御ユニットは、電子システムの動作を制御するように構成することができる。電子制御ユニットは、たとえばマイクロコントローラまたはASICなどの電子プロセッサとすることができ、またはそのような電子プロセッサを含むことができる。電子システムは、たとえば動作状態にあるとき、第1の状態および第2の状態を有することができる。電子システムは、第1の状態と比較すると、第2の状態で増大された電力消費を有することができる。第1の状態で、電子システムの1つまたはそれ以上の電気または電子ユニットは、著しい電力消費がないように、または電力消費がないように、スリープモードとすることができ、または電源を遮断することができる。たとえば、運動感知ユニットは、第2の状態で起動状態になることができ、すなわち動作させることができ、このユニットは、第1の状態で起動状態でない、すなわち動作させることができない。運動感知ユニットについては、以下でより詳細に説明する。別法または追加として、通信ユニットは、第1の状態で非活動状態になり、第2の状態で起動状態になることができる。通信ユニットについては、以下でより詳細に説明する。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、使用者によって、たとえば薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面を有する。外部操作面は、用量設定動作および/または用量送達動作などのシステムまたはデバイスの動作中、たとえば動作の開始および/または実行のために、タッチされるように配置および構成することができる。したがって、外部操作面は、設定面および/もしくは送達面とすることができ、または設定面および/もしくは送達面を含むことができる。
一実施形態では、電子システムは、好ましくは電気式の、使用者近接検出ユニットを含む。使用者近接検出ユニットは、使用者が外部操作面に近いとき、またはタッチしたとき、信号、たとえば電気信号を生成するように構成することができる。信号は、近接信号および/または使用信号とすることができる(詳細は以下参照)。操作面が設定面である場合、信号を設定信号とすることができる。設定信号は、使用者が用量設定動作を実行することを意図することを示すことができる。外部操作面が送達面である場合、信号を送達信号とすることができる。送達信号は、使用者が用量送達動作を実行することを意図することを示すことができる。電子システムは、設定信号と送達信号とを区別することができるように構成することができる。使用者近接検出ユニットの信号は、使用者が外部操作面にタッチしたこと、または使用者が外部操作面にまだタッチしていないが、外部操作面から所定の距離ほど離れていないことに応答して、生成することができる。所定の距離は、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.5mmの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。使用者近接検出ユニットは、使用者がユーザインターフェース部材の外面に近いかどうかを検出するように構成することができる。使用者近接検出ユニットは、電子制御ユニットに動作可能に接続することができる。したがって、信号を電子制御ユニットへ伝送することができる。次いで、電子制御ユニットは、使用者近接検出ユニットからの信号に応答して、たとえば信号に応答してシステムが電力消費のより高い第2の状態へ切り換えられるように、電子システムの動作を制御することができる。
一実施形態では、電子システムは、システムもしくはデバイスの動作シーケンス中のどのシーケンスもしくはどの時点で、使用者近接検出ユニットの信号が生成されるか、および/またはどの種類の信号が生成されるか、たとえば設定信号が生成されるか、それとも送達信号が生成されるかを考慮するように構成される。たとえば、送達信号が生成され、所定の時間内、たとえば10秒以下で、この送達信号に先行する設定信号がない場合、システムの動作モードは、設定信号が生成され、場合により後に送達信号が生成された場合とは異なるものとすることができる。送達信号が生成され、前の設定信号がない場合、これを使用して、たとえば用量データなどの電子システムからのデータを別のシステムへ伝送する(または用量データを他のシステムもしくはデバイスと同期させる)ように、通信ユニットの動作状態を制御することができる。用量送達動作がすぐに予期されるとき、たとえば運動感知ユニットが送達動作を監視するように構成される場合、設定信号が検出された場合、これを信号(以下でさらに論じる使用信号参照)として使用して、運動感知ユニットの起動を引き起こすことができる。
一実施形態では、電子システムは、電気式使用検出ユニットを含む。電気式使用検出ユニットは、電子制御ユニットに動作可能に接続することができる。電気式使用検出ユニットは、使用者近接検出ユニットを含むことができる。電気式使用検出ユニットは、使用信号、たとえば電気信号を生成するように構成することができる。使用信号は、使用者が電子システムまたは薬物送達デバイスを動作させることを意図すること、たとえば使用者が用量設定動作および/または用量送達動作を実行することを意図することを示すことができる。使用信号は、使用者が用量設定動作または用量送達動作を実際に開始する前に、たとえば電子システムまたは薬物送達デバイスのいずれかの部品または部材が使用者によって動かされる前に、生成することができる。電子システムは、使用信号に応答して、たとえば電子制御ユニットによって、第1の状態から第2の状態へ切り換えられるように構成することができる。使用信号は、使用者近接検出ユニットによって生成することができる。したがって、上記および下記の「使用信号」に対する参照は、使用者近接検出ユニットによって生成されまたは引き起こされる「信号」または「近接信号」の参照であると見なされるべきであり、逆も同様である。同様に、上記および下記で「使用検出ユニット」に対する参照は、「使用者近接検出ユニット」の参照であると見なされるべきであり、逆も同様である。
一実施形態では、システムは、使用信号が電子制御ユニットに、システムの少なくとも1つのさらなる電気または電子ユニットへの起動信号を発行させて、このユニットを電力消費のより高い状態へ、たとえばこのユニットを動作させることができる動作状態へ切り換えるように構成される。第1の状態では、電力消費のより高い状態(または第2の状態)へ切り換えられる前に、ユニットは非活動状態とすることができ、かつ/または所望の機能を実行するように動作させることができない。少なくとも1つのさらなる電気または電子ユニットは、運動感知ユニットおよび/もしくは通信ユニットとすることができ、または運動感知ユニットおよび/もしくは通信ユニットを含むことができる。
一実施形態では、電子システムは、5ms、4ms、3.5ms、3.2ms、3ms、2.8ms、2.7ms、2.5ms(ms:ミリ秒)の値のうちの1つより小さいまたは等しい期間内に、第1の状態から第2の状態へのシステムの切換え(たとえば、運動感知および/または通信ユニットが起動状態になる)が完了するように構成される。別法または追加として、電子システムは、1ms、1.5ms、1.7ms、2.0ms、2.2ms、2.5msの値のうちの1つより大きいまたは等しい期間内に、第1の状態から第2の状態へのシステムの切換えが完了するように構成される。特に、第1の状態から第2の状態へのシステムの切換えに必要とされる期間は、1ms~5msとすることができる。切換えに必要とされる期間は、使用信号の生成(好ましくは、ユニットはまだ動作していない)から、運動感知ユニットおよび/または通信ユニットが動作状態になる時点までの時間とすることができる。
一実施形態では、外部操作面は、ユーザインターフェース部材の設定面である。したがって、使用者が設定面に近いこと、または設定面にタッチしたことに応答して、使用信号を生成することができる。設定面は、ユーザインターフェース部材の側面または横方向面とすることができる。設定面は、用量設定動作を実行または開始するために使用者によって接触されるように配置することができる。用量設定動作は、ユーザインターフェース部材の回転運動、たとえば軸方向の変位を含まない純粋な回転運動を伴うことができる。用量設定中のユーザインターフェース部材の動きは、電子システムまたは薬物送達デバイスのハウジングに対して行うことができる。設定面は、使用者によって2本以上の指で、たとえば親指および人差し指によって、好ましくは同時に2本以上の指で把持されるように配置することができる。別法または追加として、外部操作面は、用量送達動作を実行または開始するために接触されるように配置された送達面である。したがって、使用者が送達面に近いこと、または送達面にタッチしたことに応答して、使用信号を生成することができる。用量送達動作は、ユーザインターフェース部材の軸方向運動、たとえば回転を含まない純粋な軸方向運動を伴うことができる。送達面は、ユーザインターフェース部材の軸方向に向けられた表面、たとえば近位向きの表面とすることができる。送達面は、1本の指、たとえば親指で接触されるように設計することができる。
一実施形態では、電子システムは、用量設定動作および用量送達動作のために1つのユーザインターフェース部材、たとえば1つの一体部材を含み、または2つの異なるユーザインターフェース部材を含み、これらの部材のうちの一方は用量設定のためのユーザインターフェース部材であり、他方は用量送達のためのユーザインターフェース部材である。2つの異なる部材は、好適には、たとえば用量設定構成と用量送達構成との間で切り換わるように、互いに可動である。一方のインターフェース部材が用量設定および用量送達に使用される場合、このインターフェース部材は、設定面および送達面を有することができ、設定面および送達面は、特に用量送達のためもしくは用量送達中、および/または用量設定のためもしくは用量設定中に、好ましくは互いに可動ではない。2つの異なるユーザインターフェース部材が使用される場合、設定面および送達面は、異なる部材上に位置することができ、用量送達のためもしくは用量送達中および/または用量設定のためもしくは用量設定中に、互いに可動とすることができる。
一実施形態では、電子システムまたは薬物送達デバイスは、ハウジングを含む。用量設定動作および/または用量送達動作を実行するために、ユーザインターフェース部材は、ハウジングに対して動かすことができ、たとえば回転させることができ、用量設定のために軸方向に、たとえば近位に変位させることができ、用量送達のために軸方向に、たとえば遠位に変位させることができる。
一実施形態では、使用者近接検出ユニットは、ユーザインターフェース部材がたとえばハウジングに対して動かされる前に発生した事象に応答して、かつ/または用量設定動作および/もしくは用量送達動作を実行するために、信号、たとえば使用信号または近接信号が生成されるように構成される。信号がそれに応答して生成される事象は、使用者がユーザインターフェース部材の外部操作面に近いこと、またはユーザインターフェース部材の外部操作面にタッチしたこととすることができる。好ましくは、使用信号は、その信号が示すべき事象の前に生成される。たとえば、使用信号が用量設定動作を示す場合、その信号は、好ましくは、ユーザインターフェース部材が用量設定動作のために動かされる前に生成される。使用信号が用量送達動作を示す場合、その信号は、好ましくは、用量設定動作後、設定された用量を送達するために用量送達動作を開始する前に生成される。
一実施形態では、使用者近接検出ユニットは、使用者、たとえば使用者の手、または使用者の指の1つもしくはそれ以上が外部操作面に近いかどうか、または外部操作面にタッチしたかどうかを検出するように配置および構成された電気センサまたはスイッチを含む。
一実施形態では、電子システムは、電源、たとえば電池を含む。電源は、好ましくは電子システムのさらなる電気または電子構成要素、たとえばすべての構成要素とともに、ユーザインターフェース部材の内部に一体化することができる。電源は、システムの電動式ユニットまたは構成要素に電力供給するために提供することができる。
一実施形態では、電気センサまたはスイッチは、非接触またはタッチレスセンサまたはスイッチ、たとえば近接センサまたはスイッチである。具体的には、センサまたはスイッチは、外部操作面上にアクセス可能ないかなる導電面または接触面も有していない。
一実施形態では、電気センサまたはスイッチは、容量センサまたはスイッチである。容量センサまたはスイッチは、使用者の近接を感知するのに特に好適であり、使用者の手と外部操作面との間の機械的接触を必要としない。容量センサまたはスイッチは通常、センサの電極と感知予定の物体、好ましくは使用者の指との間のキャパシタンスに基づいて動作する。
一実施形態では、電気センサまたはスイッチは電極を含み、好ましくは電極に動作可能に接続する回路、たとえば集積回路を含む。電極は、センサの感知面を画成することができる。電極は、外部操作面に関連付けることができ、たとえば表面上でアクセス可能とするに関連付けることができ、または表面から距離をあけて配置されるが、その表面上もしくはその表面近くで発生する事象を感知もしくは監視するように構成することができる。
一実施形態では、電気センサまたはスイッチは、接触またはタッチセンサまたはスイッチである。そのようなセンサは、使用者が外部操作面にタッチしたことを示す信号を生成するために、外部操作面および/またはセンサの感知面、たとえば電極との機械的接触を必要とすることができる。非接触またはタッチレスセンサでは、そのような機械的接触は必要とされない。
一実施形態では、センサまたはスイッチは、抵抗センサまたはスイッチである。それに応じて、センサは回路内の電気抵抗もしくは抵抗率の変化を監視することができ、またはそのような変化によってスイッチをトリガすることができる。抵抗または抵抗率を変化させる要素は、使用者の体とすることができる。
一実施形態では、センサまたはスイッチは、外部操作面上でアクセス可能な少なくとも1つの導電接触面を含む。接触面は、使用者がユーザインターフェース部材を取り扱うとき、使用者の手または指によって機械的に接触されるように配置することができる。センサまたはスイッチは、外部操作面上でアクセス可能な複数の導電接触面を含むことができる。それぞれの接触面は、電源に導電接続することができる。2つの接触面は、使用者が、好ましくは同じ手の同じ指または異なる指で、両方の接触面に同時にタッチすることができるように配置することができる。2つの接触面は、反対の電気極性および/または異なる電位、特に静電電位を有することができる。たとえば、一方の接触面を電源の正の端子と導電接続することができ、他方の接触面を電源の負の端子と導電接続することができる。それに応じて、使用者が異なる極性または電位の2つの接触面間の距離を埋めた場合、このとき使用者が外部操作面にタッチしたことが確実になるため、使用者の手を通って流れる電流を(使用)信号として使用することができる。異なる電位または異なる極性の2つの導電接触面を外部操作面上に有することは、抵抗スイッチまたはセンサの一例であり、特に抵抗タッチスイッチまたはセンサの一例である。外部操作面は、様々な表面領域に設けることができ、異なる電位または極性の接触面対が、使用者の手によって同時に接触されるように配置される。このようにして、たとえば設定面または送達面上の表面領域にかかわらず、使用者が外部操作面にタッチしたことを示す(使用)信号を生成することができることが確実になる。外部に配置された導電接触面をさらに使用して、電子システムの再充電可能な電源を充電することもできる。
一実施形態では、1つまたはそれ以上の接触面は、外部操作面上でアクセス可能であり、操作面の(軸方向または径方向)端部によって画成される包絡面に対して凹部を形成することができる。このようにして、(使用)信号と解釈されうるバッグ内の導電要素の(不注意による)2つの接触面の導電接続のリスクを低減させることができる。包絡面は、たとえば平坦面セクションまたは湾曲面セクションによって、表面の軸方向端または径方向端を接続することによって画成することができる。軸方向端は、好適には、外部操作面が軸方向、たとえば近位に向いている場合に送達面などの包絡面を画成するために使用され、径方向端は、設定面などの径方向に向いている表面に使用される。
一実施形態では、電子システムは、以下のユニットまたは構成要素のうちの少なくとも1つ、任意に選択された複数、またはすべてを含む:
- 電気式運動感知ユニット。運動感知ユニットについては、以下でより詳細に説明する。
- 通信ユニット。通信ユニットは、電子システムと、携帯型デバイスなどの電子デバイスなどの別のデバイス、たとえば携帯型または非携帯型のコンピュータ、移動電話、またはタブレットとの間に、通信インターフェースを確立するために設けることができる。通信ユニットは、無線ユニット、たとえばBluetoothユニットなどのRF通信ユニットとすることができる。通信ユニットは、電子システムから他のデバイスへの用量データ、たとえば送達動作においてデバイスによって送達される薬物の量に関する情報を伝送するために設けることができる。
- メモリユニット。メモリユニットは、電子システムによって計算された用量情報に関する実行可能なプログラムコードおよび/またはデータ、好ましくは送達された用量に関するデータを記憶するために設けることができる。用量に関するデータは、運動感知ユニットを介して判定することができる。
一実施形態では、運動感知ユニットは、1つまたはそれ以上の電気運動信号を生成するように構成される。運動信号は、たとえば用量設定動作または用量送達動作中、第1の部材と第2の部材との間の相対運動を定量化するのに好適である。第1の部材および/または第2の部材は、電子システムおよび/または薬物送達デバイスの部材とすることができる。相対運動は、相対回転運動とすることができる。たとえば、用量送達中、第1の部材が第2の部材に対して回転することができる。
一実施形態では、電子システムまたは薬物送達デバイスは、用量設定および/または駆動機構を含む。用量設定および/または駆動機構は、第1の部材および第2の部材を含むことができる。第1の部材および/または第2の部材は、用量設定動作および/または用量送達動作中、電子システムまたは薬物送達デバイスのハウジングに対して動くように構成することができる。第1の部材は、用量を設定するために動かされる用量設定および/または駆動機構の用量部材またはダイヤル部材、たとえばダイヤルスリーブまたは数字スリーブとすることができる。第2の部材は、駆動部材、たとえば用量設定および/もしくは駆動機構のピストンロッドに係合される部材、または用量ノブおよび/もしくは注射ボタンなどのデバイスユーザインターフェース部材とすることができる。第1の部材および/または第2の部材は、ハウジングに可動に連結および/または保持することができる。用量設定動作において、第1の部材および/または第2の部材は、ハウジングに対して軸方向に、たとえばハウジングの近位端から離れる方へ変位させることができる。第1の部材および/または第2の部材が用量設定動作中にハウジングに対して軸方向に変位させられる距離は、設定された用量のサイズによって判定することができる。言い換えれば、薬物送達デバイスは、ダイヤル延長型とすることができ、すなわちデバイスは、用量設定動作中、設定された用量のサイズに比例する量だけその長さを増大させる。
一実施形態では、用量設定動作および/または用量送達動作において、第1の部材は第2の部材に対して動き、たとえば回転し、かつ/または軸方向に動く。たとえば、用量送達動作中、たとえば用量送達動作中にのみ、第1の部材は第2の部材に対して回転することができる。第1の部材および第2の部材はどちらも、用量送達動作中に軸方向に動くことができる。用量設定動作および/または用量送達動作中、第1の部材は第2の部材およびハウジングに対して回転することができる。第2の部材は、用量送達動作中、たとえば送達クラッチによって、ハウジングに対して回転不能にロックすることができ、または回転可能に案内することができる。用量設定動作中、第1の部材および第2の部材は、互いに対して回転不能にロックすることができる。それに応じて、用量設定動作において、第1の部材および第2の部材は、ハウジングに対して回転することができる。用量設定動作中、第1の部材および第2の部材は、たとえば連結インターフェース、たとえば設定クラッチを介して、互いに連結することができる。連結インターフェースは、用量設定動作中、第1の部材および第2の部材を互いに回転不能にロックすることができる。連結インターフェースが係合されたとき、連結インターフェース機能の直接係合などによって、第1の部材および第2の部材を互いに回転不能にロックすることができる。第1の部材および第2の部材は、嵌合連結インターフェース機能を含むことができる。用量送達動作中は、連結インターフェースを解放することができる。したがって、第2の部材は、用量送達中にハウジングに対して回転不能にロックすることができ、第1の部材は、用量送達中にハウジングに対して回転することができる。用量設定構成から用量送達構成へ切り換わるとき、連結インターフェースを解放することができる。
一実施形態では、第1の部材および第2の部材は、用量設定動作および用量送達動作のうちの1つの間のみ、互いに対して回転する。第1の部材および第2の部材のうちの1つ、たとえば第1の部材は、どちらの動作中もハウジングに対して回転することができる。第1の部材および第2の部材のうちの1つ、たとえば第2の部材は、これらの動作のうちの1つの間のみ、たとえば用量設定中または用量送達中に、ハウジングに対して回転することができる。
一実施形態では、電子システムは、たとえば電子制御ユニットによって、かつ/または使用信号に応答して、運動感知ユニットが第1の状態から第2の状態へ切り換えられるように構成される。第1の状態で、運動感知ユニットは、第2の部材に対する第1の部材の動きを感知するための動作状態にない。第2の状態で、運動感知ユニットは、動作状態になることができる。すなわち、第2の部材に対する第1の部材の動きを感知するように、運動感知ユニットを動作させることができる。第2の状態で、運動感知ユニットは、第1の状態より大きい電力消費を有することができる。運動感知ユニットの電力消費の増大は、第2の状態における電子システムの増大された電力消費に寄与し、または第2の状態における電子システムの増大された電力消費を画成することができる。
一実施形態では、運動感知ユニットは、用量送達動作中、好ましくは用量送達動作中にのみ、動作するように構成される。運動感知ユニットは、用量送達動作、たとえば第2の部材に対する第1の部材の回転を監視するように構成することができる。したがって、運動信号から、第1の部材と第2の部材との間の相対位置に関する位置情報を収集することができる。別法または追加として、用量設定動作における2つの部材間の位置情報を収集することも可能である。しかし、用量送達動作中の用量送達に関する用量情報を計算するために、運動感知ユニットによって用量送達動作中の動きを監視することが有利である。
一実施形態では、電子制御ユニットまたは電子システムは、運動感知ユニットによって生成された運動信号を利用して、用量情報を計算するように構成される。前述のように、用量情報は、好ましくは、用量送達動作において送達された用量のサイズに関する情報である。
一実施形態では、用量設定動作中、たとえば最小の設定可能用量と最大の設定可能用量との間で、用量を設定することができる。用量は、好ましくは1単位投与量増分の整数倍に対応する数量で設定することができる。
一実施形態では、外部操作面、特に使用信号を生成するために監視される表面は、設定面である。したがって、使用信号は、使用者が設定面に近いこと、または設定面にタッチしたことを示すことができる。この場合、使用信号を設定信号とすることができる。
一実施形態では、外部操作面、特に使用信号を生成するために監視される表面は、送達面である。したがって、使用信号は、使用者が送達面に近いこと、または送達面にタッチしたことを示すことができる。この場合、使用信号を送達信号とすることができる。
設定信号を使用信号として使用することは、用量が送達される前に用量が設定されなければならないため、運動感知ユニットを第2の状態へ切り換えるための時間がより多くなることから有利である。送達信号を使用信号として使用することで、後の用量が投薬されていない状態で発生する設定事象によってシステムから電力が排出されないことが有利である。使用信号が設定信号であるか、それとも送達信号であるかにかかわらず、運動感知ユニットは、好ましくは、用量送達動作中の動きを監視する。
一実施形態では、運動感知ユニットは、光電子エミッタを含み、好ましくは光電子検出器を含む。
一実施形態では、運動感知ユニットは、(電気)運動信号を生成するように構成される。運動信号は、特に薬物送達デバイスによって送達予定の用量、たとえば薬物の用量を設定するための用量設定動作中、および/または設定された用量を送達するための用量送達動作中、第1の部材と第2の部材との間の相対回転運動を定量化するのに好適である。運動感知ユニットは、1つもしくはそれ以上のセンサおよび/または1つもしくはそれ以上のエミッタ、たとえば1つもしくはそれ以上の光電子放射センサもしくは検出器および/または1つもしくはそれ以上の光電子放射エミッタを含むことができる。電子システム、特に運動感知ユニットは、第2の部材に対する第1の部材の動きに応答して、運動信号を生成するように構成することができる。用量データは、運動信号から、たとえば用量送達動作中に送達された用量に関して計算することができる。
一実施形態では、電子システムは、タイマユニットを含む。タイマユニットは、所定の期間が経過した後、好ましくはこの期間内に運動信号および/または使用信号が生成されなかったとき、運動感知ユニットおよび/または電子システムの他の電動ユニットを停止状態にするように構成することができる。タイマユニットは、第2の状態から再び第1の状態へ切り換えられるように、電子システムをトリガまたは誘導することができる。言い換えれば、電子システムは、好ましくは所定の時間にわたって運動信号が生成されなかったとき、かつ/または電子制御ユニットによって受けられなかったとき、第2の状態から再び第1の状態へ切り換わるように構成することができる。
一実施形態では、電子システムは、ウェークアップユニットを含む。ウェークアップユニットは、電気式使用検出ユニットおよび/または使用者近接検出ユニットをウェークアップさせるように構成することができる。ウェークアップユニットは、電気ウェークアップ信号を生成するように構成することができる。電子システムは、特にウェークアップ信号に応答して、電気式使用検出ユニットおよび/または使用者近接検出ユニットを第1の状態から第2の状態へ切り換えるように構成することができる。第1の状態は、それぞれの検出ユニットが動作状態にない状態とすることができる。第2の状態は、それぞれの検出ユニットが動作状態にある状態とすることができる。第1の状態における検出ユニットの電力消費は、第2の状態における電力消費より低くすることができる。
一実施形態では、ウェークアップユニットは、ウェークアップ信号を生成するように構成された電気ウェークアップセンサまたはスイッチを含む。ウェークアップユニットは、使用者近接検出ユニット、特に使用検出ユニットの一部とすることができる上記で論じたものに対する追加の使用者近接検出ユニットとすることができ、またはそのような使用者近接検出ユニットを含むことができる。したがって、たとえば使用者の近接、たとえば設定面などのユーザインターフェース部材の表面への使用者の近接に応答して、ウェークアップ信号を生成することができる。ウェークアップセンサまたはスイッチは、近接センサまたはスイッチとすることができる。別法として、それぞれの検出ユニットをウェークアップさせるために、振動感知などの近接感知とは異なる感知技術を使用することもできる。
一実施形態では、ウェークアップセンサまたはスイッチは、振動センサまたはスイッチである。センサまたはスイッチによって検出される振動は、使用者が用量設定動作または用量送達動作のために電子システムまたはデバイスを準備する準備運動に特有である。特に、電子システムの収納中は、振動が頻繁に発生する傾向はない。したがって、使用者近接検出ユニットの不必要な感知動作によって引き起こされる収納中の電力の排出を、振動センサによって防止または少なくとも低減することができる。向きセンサもウェークアップセンサとして好適である。
一実施形態では、電子システムの第1の状態、たとえば運動感知ユニットおよび/または通信ユニットが起動状態にない状態における、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットの電力消費は、電子システムの第2の状態における運動感知ユニット、通信ユニット、および/または電子システムの電力消費より小さい。第1の状態における運動感知ユニットの電力消費は、同じ状態における使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットの電力消費より小さくすることができる。
一実施形態では、それぞれのユニットが起動状態にあるとき、または動作可能であるとき、ウェークアップユニットの電力消費は、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットの電力消費より小さい。それに応じて、ウェークアップユニットは、資源を効率的に使用することに寄与することができる。
一実施形態では、ウェークアップセンサまたはスイッチは、容量センサまたはスイッチである。別法または追加として、ウェークアップセンサまたはスイッチは、抵抗センサまたはスイッチを含むことができる。これは、使用者近接検出ユニットがウェークアップユニット内で使用される場合に特に好適である。
一実施形態では、ウェークアップユニットに容量センサまたはスイッチが使用され、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットに容量センサが使用される場合、それぞれのセンサは、異なる周波数で動作するように構成することができる。すなわち、ウェークアップユニットのための読取り事象または感知事象は、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットのための読取り事象または感知事象より低い周波数で発生することができる。これは、ウェークアップユニットがユーザインターフェース部材の設定面への使用者の近接を監視し、使用者近接検出ユニットが送達面への使用者の近接を監視する場合に特に有利である。言い換えれば、ウェークアップセンサが動作する周波数は、使用検出ユニットの(近接)センサまたはスイッチが動作する周波数より小さくすることができる。より高い周波数は関連事象のより早期の検出を確実にし、より低い周波数は電力を節約する。
一実施形態では、ウェークアップユニットの使用者近接検出ユニットは、設定面を外部操作面として使用する。別法または追加として、使用検出ユニットのための使用者近接検出ユニットは、送達面を外部操作面として使用する。
一実施形態では、設定信号は使用信号である。
一実施形態では、送達信号は使用信号である。
一実施形態では、電子システムは、2つの状態、すなわち電力消費の低い第1の状態および電力消費のより高い第2の状態で送達検出ユニットを動作させることができるように構成される。電子制御ユニットは、設定信号に応答して、送達検出ユニットを電力消費のより高い状態へ切り換えるように構成することができる。したがって、設定信号をウェークアップ信号とすることができる。電子制御ユニットは、送達信号に応答して、電子システムを第2の状態へ切り換えるように構成することができ、それに応じて、送達信号を使用信号とすることができる。
一実施形態では、容量センサは、センサ電極に動作可能に接続された、たとえば導電接続された、センサ電極およびセンサ回路を含む。センサ電極は、外部操作面に関連付けることができる。
一実施形態では、電子システムの第2の状態において、すべての電子または電気ユニットが動作状態にあり、動作することができる。
一実施形態では、電子制御ユニットは、設定信号が生成された後にのみ、送達検出ユニットを起動するように構成される。
一実施形態では、電子システムは、ユーザインターフェース部材の内部に一体化される。ユーザインターフェース部材は、たとえば薬物送達デバイスを形成するために、薬物送達デバイスユニットの部材に取り付けられるように構成することができる。
一実施形態では、ユーザインターフェース部材は、薬物送達デバイスの用量設定および/もしくは注射ボタン、または薬物送達デバイスのための用量設定および/もしくは注射ボタンである。
一実施形態では、使用者近接検出ユニットは、好ましくは可動の機械部材を伴うことなく、外部操作面への使用者の近接を検出するように構成される。
一実施形態では、電子システムは、用量設定動作および/または用量投薬動作を実行するためにユーザインターフェース部材がハウジングに対して動かされる前に、使用信号が生成されるように構成される。具体的には、設定動作が開始される前に、設定信号を生成することができる。送達動作が開始される前に、たとえば設定動作が送達信号に先行する場合、設定信号が生成された後に、送達信号を生成することができる。
一実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物を有するリザーバ、たとえばカートリッジを保持するためのリザーバ保持器を含み、かつ/またはデバイスがリザーバを含む。リザーバは、複数の用量、好ましくは使用者設定可能な用量が、薬物送達デバイスによって送達されるのに十分な薬物を含むことができる。
一実施形態では、薬物送達デバイスはペン型デバイスである。
一実施形態では、薬物送達デバイスは可変用量デバイスである。デバイスによって送達予定の用量のサイズは、使用者が変動させることができる。
一実施形態では、電子システムは、薬物送達デバイスユニットのための付属物、好ましくは再利用可能な付属物として構成される。システムは、薬物送達デバイスユニットに取り付けられるように、たとえばデバイスユニットにクリップ可能になるように構成することができる。すなわち、電子システムは、複数の薬物送達デバイスユニットと使用されるように構成することができる。それぞれの薬物送達デバイスユニットは、使い捨ての薬物送達デバイスユニットとすることができ、かつ/またはそれぞれの薬物送達デバイスユニットは、用量設定動作および用量送達動作を実行するために完全に動作状態とすることができる。薬物送達デバイスユニットは、リザーバを含むことができる。薬物送達デバイスユニットは、そのようなユニットのための電動ユニットまたは構成要素を含まなくてもよい。
一実施形態では、薬物送達デバイスのためのキットが、薬物送達デバイスユニットおよび電子システムを含む。システムは、薬物送達デバイスを形成するために、デバイスユニットに取付け可能とすることができる。薬物送達デバイスに関して上記および下記で開示する構成、特に電子システムに直接関係しない構成が薬物送達デバイスユニットにも適用されるはずであり、逆も同様である。
一実施形態では、電子システムは、接続検出ユニット、たとえば電気式接続検出ユニットを含む。そのような接続検出ユニットは、電子システムが薬物送達デバイスユニットに接続されるように、たとえば薬物送達デバイスユニットに恒久的または解放可能に取り付けられるように設計される場合に特に好適である。薬物送達デバイスユニットへの接続が接続検出ユニットによって検出されたとき、電子システムは、好ましくは、電子システムの状態を、たとえば非動作状態から動作状態へ変化させるように構成される。接続検出ユニットは、電子システムの1つまたはそれ以上のさらなる電気および/または電子ユニットに動作可能に接続することができる。接続検出ユニットは、薬物送達デバイスユニットへの電子システムの接続に応答して、接続信号を生成するように構成することができる。たとえば、接続検出ユニットは、薬物送達デバイスを形成するために、電子システム、たとえばそのユーザインターフェース部材が薬物送達デバイスユニットに取り付けられたときにトリガされるスイッチを含むことができる。接続信号は、電子システムの1つまたはそれ以上のさらなるユニット、たとえば電子制御ユニット、使用者近接検出ユニット、または使用検出ユニットへ伝送することができる。電子システムは、接続信号に応答して、電子システムの電力消費がたとえば1μA未満からより大きい値へ増大されるように構成することができる。電子制御ユニットによって、システムを電力消費の増大された状態へ切り換えることができる。薬物送達デバイスユニットへの接続が確認されたとき、たとえば使用検出ユニット、使用者近接検出ユニット、および/またはウェークアップユニットを起動することができ、または動作可能にすることができる。運動感知ユニットおよび/または通信ユニットは、依然として非活動状態または動作不能のままとすることができる。薬物送達デバイスユニットに接続予定の別個のモジュールまたは付属物として構成された電子システムにとって、接続検出ユニットが薬物送達デバイスユニットへの接続を示さないため、独立型システムの収納中は電力消費が小さいことが有利であることから、接続検出ユニットは特に好適である。接続信号に応答して、電子システムは、たとえばアイドルまたは電源遮断状態から、ウェークアップ動作または使用検出動作または使用者近接検出動作などのさらなる電子または電気動作をシステムによって実行することができる状態へ、その動作状態を変化させることができる。接続信号が生成される前の状態では、そのような動作は可能でない。具体的には、電子システムのいずれの電気または電子動作も、電子システムが薬物送達デバイスユニットに接続されることを必要とし、この接続は、接続検出ユニットによって検出される。したがって、接続検出ユニットは、システムが動作状態にされる前に、システムが薬物送達デバイスユニットに接続されていることを確認しなければならない。
一実施形態では、電子システム、特に使用者近接検出ユニットは、設定センサおよび/または送達センサを含む。それぞれのセンサは、近接センサ、好ましくは容量センサとすることができる。システムは、設定センサのみもしくは送達センサのみ、または両方のセンサを含むことができる。設定センサは、ユーザインターフェース部材の設定面を、たとえばこの表面で発生する近接またはタッチ事象に関して監視するように配置することができる。事象の発生は、設定信号によって示すことができる。送達センサは、ユーザインターフェース部材の送達面を、たとえばこの表面で発生する近接またはタッチ事象に関して監視するように配置することができる。事象の発生は、送達信号によって示すことができる。それぞれのセンサは、接触に基づくセンサまたは非接触センサ、たとえば容量センサなどの近接センサとすることができる。設定センサおよび送達センサは、1つの複合センサによって形成することができる。複合センサは、使用者が設定面に近いか、または設定面にタッチしたのか、それとも送達面に近いか、または送達面にタッチしたのかを区別しない。別法として、別個の設定センサおよび送達センサ、または1つのセンサもしくはセンサチップ内の別個のセンサチャネルを設けることもできる。この場合、設定面および送達面のうちのどちらに使用者が近いか、またはタッチしたかを区別することができる。センサの各々は、電子制御ユニットに動作可能に接続することができる。設定センサは、ウェークアップユニット、たとえばウェークアップセンサの一部とすることができ、またはたとえば使用信号を生成するための使用検出ユニットの一部とすることができる。送達センサは、使用検出ユニットの一部とすることができ、好ましくは、設定センサはウェークアップユニットの一部である。複合型の設定および送達センサの場合、このセンサは、ウェークアップユニットの一部、たとえばウェークアップセンサ、およびたとえば使用信号を生成するための使用検出ユニットの一部とすることができ、好ましくは、複合センサまたはその動作モードの電力消費は、異なるユニットに対する機能に関して異なる。好適には、ウェークアップユニットにおけるその機能に関するセンサの電力消費は、たとえば応答速度より低いため、使用検出ユニットにおけるその機能に関する電力消費より低くすることができる(上記のさらなる説明も参照されたい)。
一実施形態では、使用者近接検出ユニットは、たとえばタッチされた後、使用者が外部操作面を解放するとき、解放信号を提供または生成するように構成される。これにより、使用者がユーザインターフェース部材、たとえば設定面または送達面を解放した時点を検出することが有効になる。このようにして、用量設定動作または用量送達動作が完了した(可能性が高い)ことを検出することができる。これは、信号(変化)に基づいて、設定面に関して設定センサによって、または送達面に関して送達センサによって実現することができ、信号(変化)は、好ましくは、前にタッチされた表面の解放に特有である。
一実施形態では、電子システムは、使用者近接検出ユニットによって生成された信号、たとえば設定信号に応答して、電子システムの少なくとも1つのセンサまたはスイッチ、好ましくは使用者近接検出ユニットのセンサまたはスイッチ、たとえば設定センサが、停止状態にされるように、またはオフに切り換えられるように構成される。センサまたはスイッチは、電子制御ユニットによって停止状態にすることができる。この停止により、システムの電力消費が低減される。しかし、センサまたはスイッチは、その停止後の設定動作を検出するために利用可能ではない。したがって、センサまたはスイッチは、別の信号に応答して、たとえば使用者近接検出ユニットによって、たとえばその別のセンサによって、もしくは運動感知ユニットによって、またはタイマが切れた後に生成される信号に応答して、再度起動することができる。
一実施形態では、電子システムは、使用者近接検出ユニットによって生成された信号に応答して、電子システムの少なくとも1つのセンサまたはスイッチ、好ましくは使用者近接検出ユニットのセンサまたはスイッチの応答速度が変化するように構成される。この変化は、電子制御ユニットが対応する命令を発行することによって実行することができる。センサまたはスイッチは、設定センサおよび/または送達センサとすることができる。応答速度は、センサが測定を実行する速度もしくは周波数、またはセンサがたとえば電子制御ユニットによって動作もしくはポーリングされる速度もしくは周波数とすることができる。この変化前および変化後、応答速度は、好適には0より大きい。
一実施形態では、使用者近接検出ユニットは、複数のセンサまたはスイッチ、たとえば設定センサおよび送達センサを含む。電子システムは、たとえばタッチまたは近接事象に対する、使用者近接検出ユニットの1つのセンサまたはスイッチの応答速度が、使用者近接検出ユニットの別のセンサまたはスイッチによって生成された信号に応答して変化するように構成することができる。たとえば、少なくとも1つのセンサまたはスイッチの応答速度は、使用者近接検出ユニットによって生成された信号に応答して増大する。別法として、少なくとも1つのセンサまたはスイッチの応答速度は、使用者近接検出ユニットによって生成された信号に応答して減少する。たとえば、送達センサの応答速度は、設定センサによる設定信号(使用者が設定面にタッチしたことを示す)に応答して変化、たとえば増大することができる。設定センサの応答速度は、送達センサによる送達信号(使用者が送達面にタッチしたことを示す)に応答して変化、たとえば減少することができる。
一実施形態では、応答速度が変化したまたは停止状態にされた少なくとも1つのセンサまたはスイッチは、その応答速度が変化したことまたは停止状態にされたことに応答して使用者近接検出ユニットの信号を生成する同じセンサまたはスイッチである。このセンサは、たとえば設定センサとすることができる。システムの動作の際、設定面の解放時点を検出する必要はない。なぜなら、用量設定動作に続いて用量送達動作が行われるからであり、これは好ましくは、運動感知ユニットによって監視予定の動作である。したがって、送達信号および/または運動信号によって、設定面の解放を電子的に特徴付けることができる。タイムアウト後、たとえば設定センサが停止状態にされてから所定の時間内に送達および/または運動信号が生成されなかったとき、設定センサを再度起動することができる。
一実施形態では、応答速度が変化したまたは停止状態にされた少なくとも1つのセンサまたはスイッチは、応答速度が変化したことまたは少なくとも1つのセンサまたはスイッチが停止状態にされたことに応答して使用者近接検出ユニットの信号を生成するセンサまたはスイッチとは異なる。
本明細書では、「遠位」とは、薬物送達デバイスもしくはその構成要素の投薬端の方を向くように、もしくは投薬端を指すように、配置されており、もしくは配置予定であり、かつ/または近位端から離れる方を指しており、近位端から離れる方を向くように配置予定であり、もしくは近位端から離れる方を向いている、方向、端部、または表面を指定するために使用される。他方では、「近位」とは、投薬端から離れる方を向くように、もしくは投薬端から離れる方を指すように、かつ/または薬物送達デバイスもしくはその構成要素の遠位端から離れる方を向くように、もしくは遠位端から離れる方を指すように、配置されており、または配置予定である、方向、端部、または表面を指定するために使用される。遠位端は、投薬端に最も近く、かつ/または近位端から最も離れた端部とすることができ、近位端は、投薬端から最も離れた端部とすることができる。近位面は、遠位端から離れる方および/または近位端の方を向くことができる。遠位面は、遠位端の方および/または近位端から離れる方を向くことができる。投薬端は、針端とすることができ、ニードルユニットは、たとえばデバイスに取り付けられており、または取付け予定である。
特に有利な実施形態では、薬物送達デバイスのための電子システムは:
- 薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置された少なくとも1つのユーザインターフェース部材を含み、ここで、ユーザインターフェース部材は、薬物送達デバイスの動作中に薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面を有し、電子システムは、
- 使用者が外部操作面に近いとき、または外部操作面にタッチしたとき、信号を生成するように構成された電気式使用者近接検出ユニットをさらに含む。
別の特に有利な実施形態では、薬物送達デバイスのための電子システムは:
- 薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置された少なくとも1つのユーザインターフェース部材であって、薬物送達デバイスの動作中に薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面を有する、少なくとも1つのユーザインターフェース部材と、
- 電子システムが薬物送達デバイスユニットに接続されているかどうかを検出するように構成された電気式接続検出ユニットとを含み、ここで、薬物送達デバイスユニットへの接続が接続検出ユニットによって検出されたとき、電子システムは、たとえば接続検出ユニットによって生成または提供される接続信号、接続検出信号が、好ましくは薬物送達デバイスユニットと電子システムとの間の接続を示すことに応答して、たとえば非動作状態から動作状態へその状態を変化させるように構成されている。
異なる態様および実施形態とともに開示する構成は、そのような組合せが明示的に論じられていない場合でも、互いに組み合わせることができる。
さらなる態様、実施形態、および利点は、図面とともに例示的な実施形態の以下の説明から明らかになる。
薬物送達デバイスの一実施形態を示す図である。 薬物送達デバイスのための電子システム、たとえば図1の電子システムを概略的に示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの一実施形態を示す図である。 電子システムの別の実施形態を示す図である。 電子システムを動作させる方法の実施形態を示す図である。 電子システムを動作させる方法の実施形態を示す図である。 電子システムを動作させる方法の実施形態を示す図である。 電子システムを動作させる方法の実施形態を示す図である。
これらの図では、同一の要素、同一に作用する要素、または同じ種類の要素に、同じ参照番号を提供する。
以下、いくつかの概念について、インスリン注射デバイスを参照して説明する。本明細書に記載するシステムは、このデバイスで実装することができる。しかし、本開示はそのような応用例に限定されるものではなく、他の薬剤を排出するように構成された注射デバイス、または概して薬物送達デバイス、好ましくはペン型デバイスおよび/もしくは注射デバイスのために、またはそのような注射デバイス内で、等しく良好に使用することができる。
以下、それによって送達される用量に関するデータを記録および/または追跡する注射デバイス、特に可変用量注射デバイスに関連する実施形態を提供する。これらのデータは、選択された用量のサイズおよび/または実際に送達された用量のサイズ、投与日時、投与の継続時間などを含むことができる。本明細書に記載する構成は、電力管理技法を含むことができる(たとえば、小さい電池を容易にし、かつ/または効率的な電力使用を有効にする)。
本明細書の特定の実施形態について、たとえばSanofiのALLSTAR(登録商標)デバイスに類似している注射ボタンおよびグリップ(用量設定部材または用量セッタ)が組み合わされた注射デバイスに関連して例示する。注射ボタンは、薬物送達デバイスの用量送達動作を開始および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。グリップまたはノブは、用量設定動作を開始および/または実行するためのユーザインターフェース部材を提供することができる。これらのデバイスは、ダイヤル延長型とすることができ、すなわち用量設定中にその長さが増大する。用量設定および用量排出動作モード中のダイヤル延長およびボタンの同じ運動学的挙動を有する他の注射デバイスも知られており、たとえば、Eli Lillyによって市販されているKwikpen(登録商標)またはSavvio(登録商標)デバイス、およびNovo Nordiskによって市販されているFlexPen(登録商標)、FlexTouch(登録商標)、またはNovopen(登録商標)デバイスが知られている。したがって、これらのデバイスへの一般原理の適用は簡単であると考えられ、さらなる説明は省略する。しかし、本開示の一般原理はその運動学的挙動に限定されるものではない。別個の注射ボタンおよびグリップ構成要素/用量設定部材が存在する注射デバイス、たとえばSanofiのSoloSTAR(登録商標)への適用のために、特定の他の実施形態を考案することもできる。したがって、本開示はまた、用量設定動作向けおよび用量送達動作向けの2つの別個のユーザインターフェース部材を有するシステムに関する。デバイスの用量設定構成と用量送達構成とを切り換えるために、用量送達のためのユーザインターフェース部材を、用量設定のためのユーザインターフェース部材に対して動かすことができる。1つのユーザインターフェース部材が提供される場合、このユーザインターフェース部材をハウジングに対して遠位に動かすことができる。それぞれの動きの途中に、デバイスの用量設定および駆動機構の2つの部材間のクラッチが、たとえば係合状態から解放状態へその状態を変化させ、または逆も同様である。たとえば2つの部材上の複数組の噛合する歯によって形成されたクラッチが係合されると、2つの部材を互いに回転不能にロックすることができ、クラッチが係合解除または解放されると、これらの部材のうちの一方が2つの部材のうちの他方に対して回転することを許容することができる。これらの部材のうちの一方は、用量設定および駆動機構のピストンロッドに係合する駆動部材または駆動スリーブとすることができる。駆動スリーブは、用量設定中にハウジングに対して回転するように設計することができ、用量送達中にハウジングに対して回転不能にロックすることができる。駆動スリーブとピストンロッドとの間の係合は、ねじ係合とすることができる。したがって、駆動スリーブが用量送達中に回転することができないため、ハウジングに対する駆動スリーブの軸方向運動により、ピストンロッドが回転させられる。送達動作中、ピストンロッドとハウジングとの間のねじ連結によって、この回転をピストンロッドの軸方向変位に変換することができる。
図1の注射デバイス1は注射ペンであり、ハウジング10を含み、容器14、たとえばインスリン容器、またはそのような容器のためのレセプタクルを収容する。容器は、薬物、たとえばインスリンを収容することができる。容器は、カートリッジまたはカートリッジのためのレセプタクルとすることができ、レセプタクルは、カートリッジを収容することができ、またはカートリッジを受け入れるように構成することができる。容器またはレセプタクルに、針15を取り付けることができる。容器をカートリッジとすることができ、レセプタクルをカートリッジホルダとすることができる。針は、内側ニードルキャップ16および外側ニードルキャップ17または別のキャップ18によって保護される。投与量ノブ12を回すことによって、注射デバイス1からの排出予定のインスリン用量を設定、プログラム、または「ダイヤル設定」することができ、次いで現在プログラムまたは設定されている用量が、投与量窓13を介して、たとえば単位の倍数で表示される。単位は用量設定機構によって判定することができ、用量設定機構は、1投与量増分を画成することができる1単位設定増分の整数倍でのみ、ハウジング10に対するノブ12の相対回転を許容することができる。これは、たとえば適当なラチェットシステムによって実現することができる。窓に表示される印は、数字スリーブまたはダイヤルスリーブ70上に提供することができる。たとえば、注射デバイス1がヒトインスリンを投与するように構成される場合、投与量をいわゆる国際単位(IU)で表示することができ、1IUは、約45.5マイクログラムの純結晶インスリン(1/22mg)と生物学的に同等である。アナログインスリンまたは他の薬剤を送達するための注射デバイスでは、他の単位を用いることもできる。選択された用量は、図1の投与量窓13に示すものとは異なる形でも、等しく良好に表示することができることに留意されたい。
投与量窓13は、ハウジング10内のアパーチャの形態とすることができ、投与量ノブ12が回されると動くように構成されたダイヤルスリーブ70の制限された部分を使用者が見ることを許容して、現在プログラムされている用量の視覚インジケーションを提供する。投与量ノブ12は、プログラム設定中に回されると、ハウジング10に対して螺旋経路上を回転する。
この例では、投与量ノブ12は、データ収集デバイスまたは電子システムの取付けを容易にするために、1つまたはそれ以上の形成物71a、71b、71cを含む。ユーザインターフェース部材(ノブ12および/またはボタン11)、または一般に薬物送達デバイス1の用量設定および駆動機構の要素もしくは部材に取付け可能とすることができる電子システムについては、以下でより詳細に説明する。電子システムは、たとえばユーザインターフェース部材内に設けることができる。以下でより詳細に説明する電子システムはまた、薬物送達デバイスに対する付属物として構成することができる。
注射デバイス1は、投与量ノブ12を回すことで機械クリック音が使用者への音響フィードバックを提供するように構成することができる。この実施形態では、投与量ノブまたは用量ボタン12が注射ボタン11としても作用する。針15が患者の皮膚部分に刺され、次いで投与量ノブ12/注射ボタン11が軸方向に押されたとき、表示窓13内に表示されたインスリン用量が注射デバイス1から排出される。投与量ノブ12が押し戻された後、注射デバイス1の針15が特定の時間にわたって皮膚部分に残っているとき、用量は患者の体内に注射される。インスリン用量の排出もまた、機械クリック音を引き起こすことができるが、この音は用量のダイヤル設定中に投与量ノブ12を回転させたときに生じた音とは異なる。
この実施形態では、インスリン用量の送達中、投与量ノブ12は、回転ではなく軸方向運動によってその開始位置へ戻され、ダイヤルスリーブ70または数字スリーブ70は、回転してその開始位置へ戻り、たとえば0単位の用量を表示する。前述のように、本開示は、インスリンに制限されるものではなく、薬物容器14内のすべての薬物、特に液体薬物または薬物調合物を包含するべきである。
注射デバイス1は、インスリン容器14が空になるまで、または注射デバイス1内の薬剤の有効期日(たとえば、最初の使用から28日後)に到達するまで、いくつかの注射プロセスに使用することができる。
さらに、注射デバイス1を初めて使用する前に、流体がインスリン容器14および針15から正確に流れていることを確実にするために、たとえばインスリンの2単位を選択し、針15を上に向けた状態で注射デバイス1を保持しながら投与量ノブ12を押下することによって、いわゆる「プライムショット」を実行することが必要になることがある。提示を簡単にするために、以下では、排出された量が注射された用量に実質的に対応し、したがってたとえば注射デバイス1から排出される薬剤の量が使用者によって受け取られる用量に等しいと仮定する。
上記で説明したように、投与量ノブ12はまた、注射ボタン11として機能する、したがって用量のダイヤル設定/設定および用量の投薬/送達に同じ構成要素が使用される。この場合も、好ましくは制限された形でのみ互いに可動な2つの異なるユーザインターフェース部材を有する構成も可能であることに留意されたい。しかし、以下の議論では、用量設定および用量送達の機能を提供する単一のユーザインターフェース部材に注目する。言い換えれば、用量設定動作のために使用者によってタッチされる部材の設定面と、用量送達動作のために使用者によってタッチされる用量送達面とが、不動に接続される。別法として、異なるユーザインターフェース部材が使用される場合、これらを互いに可動とすることもできる。それぞれの動作中、ユーザインターフェース部材は、好ましくは、デバイスの本体またはハウジングに対して動かされる。用量設定中、ユーザインターフェース部材は、ハウジングに対して近位に動かされ、かつ/または回転する。用量送達中、ユーザインターフェース部材は、軸方向に、たとえば遠位に動き、好ましくはハウジングまたは本体に対して回転しない。
以下、薬物送達デバイスのための電子システムに対する概略的な設定を開示する。
図2は、薬物送達デバイス、たとえば上記でさらに論じたデバイスまたは他のデバイス内で使用することができる電子システム1000の要素の概略的な構成を示す。
電子システム1000は、電子制御ユニット1100を含む。制御ユニットは、プロセッサ、たとえばマイクロコントローラまたはASICを含むことができる。また、制御ユニット1100は、プログラムメモリおよび/または主メモリなどの1つまたは複数のメモリユニットを含むことができる。プログラムメモリは、プログラムコードを記憶するように設計することができ、プログラムコードは、システムによって実施されるとき、システムおよび/または電子制御ユニットの動作を制御する。制御ユニット1100は、好適には、電子システム1000の動作を制御するように設計される。制御ユニット1100は、有線インターフェースまたは無線インターフェースを介して、電子システム1000のさらなるユニットと通信することができる。制御ユニット1100は、ユニットへのコマンドおよび/もしくはデータを含む信号を伝送し、かつ/またはそれぞれのユニットからの信号および/もしくはデータを受信することができる。ユニットと電子制御ユニットとの間の接続を図2に線で示す。しかし、ユニット間にも接続が存在することができ、これは明示的に示されていない。制御ユニットは、導体キャリア、たとえば(印刷)回路基板(図3Aの3000参照)上に配置することができる。電子システムの他のユニットは、導体キャリア上に配置された1つまたはそれ以上の構成要素を同様に含むことができる。
電子システム1000は、電気式運動感知ユニット1200をさらに含む。運動感知ユニット1200は、1つのセンサ、たとえば1つのみのセンサ、または複数のセンサを含むことができる。運動感知ユニットは、好適には、電子システムまたは薬物送達デバイスのうちの一方の部材の他方の部材に対する動き、たとえば上記でさらに論じたデバイス内の駆動スリーブまたはボタン/ノブに対するダイヤルスリーブまたは数字スリーブの動きを示す電気信号などの運動信号を生成するように設計され、センサは、部材のうちの1つ、たとえばノブまたはボタンに固定接続することができる。相対運動は、好適には、用量送達動作中に発生する。それぞれのセンサは、光電子センサとすることができる。光電子センサは、センサに対して動いている部材から出てセンサに当たる放射を感知して、センサ、たとえば光学エンコーダ構成要素内でセンサ信号または運動信号を励起することができる。放射は、光電子放射源、たとえばLEDなどの放射源からこの部材によって反射され、この部材に当たる放射とすることができる。放射源は、IR源(IR-LED、赤外発光ダイオード)とすることができる。放射源は、少なくとも1つのセンサを含むセンサ配置の一部とすることができる。センサの1つの可能な実施形態は、赤外光を検出するように構成されたIRセンサである。光源およびセンサは、同じ構成要素または部材上に配置することができる。本明細書に論じる電子システムに好適な光電子センサ配置の一般機能は、WO2019/101962A1に開示されており、これをあらゆる目的で、特に異なるセンサ配置および構成に関して、開示全体を参照によって本明細書に明示的に組み入れる。しかし、他のセンサ配置、たとえば磁気センサを使用するセンサ配置も、同様に用いることができることに留意されたい。放射エミッタおよび関連付けられたるセンサなど、センサを刺激するための電動センサおよび/または電動源を有する運動感知ユニットでは、電力消費が特に大きいことがあり、したがってシステムに動力供給するために利用可能な電力の適当な動力管理が特に影響を及ぼす。運動感知ユニット1200は、用量送達動作中、薬物送達デバイスの用量設定および駆動機構または薬物送達デバイスのための用量設定および駆動機構の1つの部材の、用量設定および駆動機構の別の部材またはハウジング10に対する相対運動を検出し、好ましくは測定または定量化するように設計することができる。たとえば、運動感知ユニットは、用量設定および駆動機構の2つの可動部材の互いに対する相対回転運動を測定または検出することができる。ユニット1200の信号から受信または計算した運動データに基づいて、電子システム、たとえば制御ユニットは、用量データ、たとえば現在送達されている用量に関するデータを計算することができる。運動感知ユニット1200は、好適には、電子システムまたは薬物送達デバイスの第1の部材と第2の部材との間の相対運動を定量化するように構成される。相対運動は、送達された用量を示すことができる。相対運動は、相対回転運動とすることができる。たとえば、用量送達中などに、第1の部材が第2の部材に対して回転することができる。運動感知ユニットは、好適には、相対運動を1単位設定増分の整数倍で定量化するのに好適である。単位増分は、5°、10°の値のうちの1つより大きいまたは等しい角度とすることができ、またはそのような角度によって画成することができる。単位設定増分は、25°、20°の値のうちの1つより小さいまたは等しい角度とすることができ、またはそのような角度によって画成することができる。単位設定増分は、たとえば5°~25°とすることができる。単位設定増分は、たとえば15°の相対回転に対応することができる。単位設定増分は、デバイスによって送達されるように設定可能な最小の用量を設定するために必要とされる回転とすることができる。上記で説明したように、運動感知ユニットによって判定される第1および第2の部材間の相対運動の量または距離は、用量設定動作における現在設定されている用量、または用量送達動作における現在投薬されている用量に特有である。送達された用量のサイズは、用量設定および駆動機構のピストンロッドが用量送達動作中にハウジングに対して遠位に変位した距離によって判定することができ、またはそのような距離に対応することができる。
電子システム1000は、使用検出ユニット1300をさらに含む。使用検出ユニットは、1つまたはそれ以上のユーザインターフェース部材(上記で論じたデバイス内のノブ12またはボタン11)に関連付けることができ、したがって部材の意図される操作、または用量を設定および/もしくは送達するための操作を検出することができる。(意図される)操作が検出されたとき、使用検出ユニットは、使用信号を生成するように、または使用信号の生成をトリガするように構成される。使用信号は、電子制御ユニット1100へ伝送することができる。電子制御ユニット1100は、信号に応答して、システムの他の電動ユニットのうちの1つ、任意に選択された複数、またはすべてへのコマンドまたは信号、たとえば起動または切換え信号を発行することができる。たとえば、制御ユニットは、電力消費のより低い第1の状態、たとえばスリープ状態またはアイドル状態、または電力消費のないオフ状態から、電力消費が増大した第2の状態へ、それぞれのユニットを切り換えることができる。切換えは、電子制御ユニットによってそれぞれのユニットへ発行される対応する切換えコマンドまたは信号によって行うことができる。使用信号に応答して、すべてのユニットを、または選択されたユニットのみを、第2の状態へ切り換えることができる。選択されたユニットのみが、電力消費のより高い第2の状態へ切り換えられる場合、これらのユニットは、使用者によって開始されることが意図された動作中に使用されることが意図されることが好適である。第2の状態へ切換え予定の1つのユニットは、運動感知ユニット1200とすることができる。別のユニットは、以下でより詳細に説明するように、通信ユニットとすることができる。たとえば、運動感知ユニットを第2の状態へ切り換えるために必要とされる典型的な時間は、たとえばシステムの動作、たとえば用量送達動作を開始するための使用信号の生成またはユーザインターフェース部材の作動後、2ms~7ms、たとえば2.5ms~3.2msである。
使用検出ユニット1300は、検出される動作タイプに関して選択的とすることができる。すなわち、使用検出ユニットは、実行することができる異なる動作、たとえば用量設定動作と用量送達動作とを区別するように構成することができる。
一実施形態では、使用検出ユニットは、送達検出ユニット1310および/または設定検出ユニット1320を含む。設定検出ユニットは、好適には、用量設定動作を検出するように構成される。送達検出ユニットは、好適には、用量送達動作を検出するように構成される。システムは、設定検出ユニットおよび送達検出ユニットのうちの一方のみ、たとえば設定検出ユニットもしくは送達検出ユニット、またはこれらのユニットの両方を含むことができる。設定検出ユニットは、好適には、設定信号を電子制御ユニットへ提供する。送達検出ユニットは、送達信号を電子制御ユニットへ提供することができる。設定信号は使用信号とすることができ、それに応答して、1つまたはそれ以上のさらなるユニットが、電力消費のより高い状態へ切り換えられる。別法として、送達信号は使用信号とすることができ、それに応答して、1つまたはそれ以上のさらなるユニットが、電力消費のより高い状態へ切り換えられる。設定信号が第1の使用信号であり、たとえば運動感知ユニットの起動を引き起こし、送達信号が第2の使用信号であり、たとえば通信ユニットを起動するために、たとえば運動感知ユニットから導出された用量情報を別のデバイスへ伝送するために使用されることも可能である。
使用検出ユニット1300は、後により詳細に論じるように、使用者近接検出ユニット(この図に明示的には図示せず)を含む。使用者近接検出ユニットは、使用者が外部操作面に近いとき、または外部操作面にタッチしたとき、信号、たとえば使用信号または近接信号を生成するように構成される。設定検出ユニットの場合、ユーザインターフェース部材の外部操作面である設定面への近接を検出することができる。送達検出ユニットの場合、ユーザインターフェース部材の外部操作面である送達面への近接を検出することができる。
代替実施形態では、システムは、使用検出ユニットではなく、完全にまたはいくつかの動作のみに対して使用検出ユニットとは関係なく動作する使用者近接検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットのみを含む。使用者近接検出ユニットは、好適には、使用者が近接検出ユニットによって監視されるユーザインターフェース部材のそれぞれの表面に近いとき、またはそれぞれの表面にタッチしたとき、近接信号を生成するように構成される。この信号は、たとえば使用信号とすることができるが、他の目的でも同様に使用することができる。使用者近接検出ユニットは、ユーザインターフェース部材の設定面および/または送達面への近接を検出するように構成することができる。設定面および送達面に対して別個の使用者近接検出ユニットを設けることができ、または両方の表面に対して共通の使用者近接検出ユニットを設けることができる。
使用検出ユニット1300は、使用信号、たとえば設定信号および/または送達信号を生成するために動作状態にあるとき、好適には、運動感知ユニット1200が起動状態にあるときの運動感知ユニット1200より低い電力消費を有する。同じことが、使用者近接検出ユニットにも当てはまる。前述のように、別途文脈に指示しない限り、使用検出ユニットの参照は使用者近接検出の参照であり、逆も同様であると理解されたい。
電子システム1000は、通信ユニット1400、たとえばRF、WiFi、および/またはBluetoothユニット、Bluetooth低エネルギー(BLE)などをさらに含む。通信ユニットは、システムまたは薬物送達デバイスと、他の電子デバイス、たとえば移動電話、パーソナルコンピュータ、ラップトップなどの外部デバイスとの間の通信インターフェースとして設けることができる。たとえば、通信ユニットによって、用量データを外部デバイスへ伝送することができ、かつ/またはデバイスと同期させることができる。用量データは、外部デバイス内に確立される用量ログまたは用量履歴に使用することができる。通信ユニットは、無線通信のために設けることができる。
電子システム1000は、再充電可能または再充電不能な電池などの電源1500をさらに含む。電源1500は、電子システムのそれぞれのユニットに電力を提供することができる。
一実施形態では、第1の状態、たとえば使用信号の生成前の電子システムの電力消費、特に最大電力消費は、300nA、250nA、200nA(nA:ナノアンペア)の値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。別法または追加として、電子システムの第2の状態において、電力消費、特に最小電力消費は、0.5mA、0.6mA、0.8mA(mA:ミリアンペア)の値のうちの1つより大きいまたは等しいものとすることができる。この差は、電子システムの第2の状態において起動状態または動作可能になり、第1の状態においてオフまたはスリープ状態になる運動感知ユニットおよび/または通信ユニットの電力消費に起因する。
一実施形態では、第2の状態における電力消費P2は、2*P1、3*P1、4*P1、5*P1、10*P1、20*P1、30*P1、40*P1、50*P1、100*P1、500*P1、1000*P1、2000*P1、5000*P1、10000*P1の値のうちの少なくとも1つより大きいまたは等しいものとすることができ、ここで、P1は、第1の状態における電力消費である。第2の状態において、運動感知ユニットを起動状態とすることができ、かつ/または通信ユニットをたとえば無線通信のために起動状態とすることができる。
システムが第1の状態にあるとき、たとえば運動感知ユニットも通信ユニットも起動状態にないとき、電流消費を200nAとすることができる。運動感知ユニット(のみ)が起動状態にあるとき、電力消費を0.85mAとすることができる。たとえば運動感知ユニットに加えて通信ユニットが起動状態にあるとき、または通信ユニットのみが起動状態にあるとき、電力消費を1.85mAとすることができる。
明示的に示されていないが、電子システムは、好ましくは恒久的および/または不揮発性の記憶またはメモリユニットを含むことができ、記憶またはメモリユニットは、たとえば用量(履歴)データなどの薬物送達デバイスの動作に関係するデータを記憶することができる。
一実施形態では、電子制御ユニット1100は、それぞれのユニットの電力消費を低減させ、すなわちユニットを再び第1の状態へ切り換えるように構成される。これは、たとえば、ユニットが第1の状態から第2の状態へ切り換えられた後、および/または使用信号が生成された後、そのユニットに関連する事象、たとえば運動感知ユニットに対する運動感知事象(運動信号)が所定の時間間隔内に発生しなかった場合に好適である。時間間隔の監視は、電子制御ユニットに動作可能に接続されたタイマユニットによって実現することができる(明示的には図示せず)。使用信号後、所定の時間間隔内に運動感知ユニットによって信号が生成されない場合、システム全体を再び第1の状態へ切り換えることができる。この時間間隔は、5s、10s、15s、20s、25s、30sの値のうちの1つより大きいまたは等しいものとすることができる。別法または追加として、時間間隔は、50s、45s、40s、35s、30sの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。時間間隔は、5~50秒、たとえば30sとすることができる。所定の時間間隔内に運動信号が生成されない場合、システム全体を再び第1の状態へ切り換えることができる。所定の時間間隔は、好適には一定である。
別法または追加として、電子システムは、システムが第2の状態へ切り換えられた後、たとえば近接信号を生成しないことによって、使用者近接検出ユニットが所定の時間間隔にわたってそれぞれの表面への使用者の近接を検出しない場合、再び第1の状態へ切り換わるように構成することができる。時間間隔は、前段落に論じたように選択することができる。
しかし、代替実施形態では、使用者近接検出ユニットはまた、使用信号が生成された後にオフに切り換えることができ、または制御ユニットは、使用者近接検出ユニットの信号、特に使用信号を生成するために使用される信号を無視するように構成することができる。
電子システム1000は、ウェークアップユニット1350をさらに含む。ウェークアップユニット1350は、使用検出ユニット1300および/または使用者近接検出ユニット、その1つまたはそれ以上のセンサまたはスイッチなどを、電力消費のより高い状態へ切り換えるウェークアップ信号、たとえば電気信号を生成するように構成することができる。ウェークアップユニットは、それぞれのセンサまたはスイッチに対して、0以外の電力消費の増大を引き起こすことができ、または電力をオンに切り換えることができる。その結果、ユニットが電力消費のより低い状態にあるとき、事前にウェークアップ信号を生成しない限り、使用信号または近接信号を生成することはできなくなる。ウェークアップ信号は、ウェークアップユニットによって生成することができる。ウェークアップ信号は、電子制御ユニットへ伝送することができ、次いでたとえば対応する起動信号によって使用検出ユニット1300が動作状態になり、または別法として、ウェークアップユニットと使用検出ユニットとの間の直接接続(図2に破線で示す)によって、ウェークアップ信号を使用検出ユニットへ直接伝送して、使用検出ユニットを電力消費のより高い状態へ切り換えることができる。使用検出ユニットは、送達検出ユニット1310および/または設定検出ユニット1320を含むことができる。ウェークアップユニットは、電力消費のより高い状態への使用者近接検出ユニットの切換え、たとえば設定検出ユニットの切換えまたは送達検出ユニットの切換えを引き起こすことができる。一実施形態では、ウェークアップユニットに対する別法または追加として、設定検出ユニットを使用して、送達検出ユニットをウェークアップさせることができる。
ウェークアップ信号をトリガする事象は、それに続いて用量設定動作および/または用量送達動作、すなわちたとえば運動感知ユニット1200および/または通信ユニット1400などの電子システムの他の電子ユニットに電源投入するための使用信号の発行の原因となるはずの動作が行われる可能性が高いことが予期される事象とすることができる。ウェークアップ信号をトリガするために使用することができる事象は、次のとおりである:
- ウェークアップユニットの振動センサによって検出可能な振動。典型的には、バッグなどの薬物送達デバイスを保持する物品から薬物送達デバイスが取り出された場合、これはデバイスを使用するために行われる。したがって、振動が検出された場合、これを次の用量設定または用量送達動作のインジケータとして使用することができる。振動センサは、好適には、システムまたはデバイスの向きとは関係なく振動を検出する。
- ジャイロセンサ(加速度計)、またはたとえば地球の重力の中心に対して所定の向きをとった後に信号を生成する別のセンサなどを含む、向きセンサによって検出可能な向きの変化。加速度計は通常、起動状態において振動センサより高い電力消費を有しており、そのため振動センサが好ましい。
使用検出ユニットが電力消費のより高い状態へ切り換えられてから所定の時間内に使用信号が生成されなかった場合、システムは、次いでデバイスが近いうちに動作しないと仮定することができるため、使用検出ユニットを電力消費のより低い状態へ再び切り換えることができるように構成することができる。この所定の時間は、10s、9s、8s、7s、6s、5s、4s、3sの値のいずれかより小さいまたは等しいものとすることができる。これは、たとえば適当なタイマ回路によって実現することができる。その状態から、使用検出ユニットをウェークアップユニットによって再びウェークアップさせることができる。
ウェークアップ信号は、用量設定動作が開始される前、もしくはユーザインターフェース部材の設定面がタッチされる前、かつ/または使用者がその表面にさらに近づく前に生成することができる。したがって、ウェークアップ信号を確実に使用して、使用検出ユニットに電源投入することができ、したがってその機能を実行することができる。
好適には、ウェークアップユニットの電力消費は、動作状態にあるとき、すなわち電力消費のより高い状態にあるときの使用および/または使用者近接検出ユニットの電力消費より小さい。
上述したそれぞれのユニットは、様々な実施形態に関連して以下でさらに詳細に論じるように、電子システムのユーザインターフェース部材に一体化することができる。
言うまでもなく、電子システム1000は、運動感知ユニットが検出する相対運動とは異なる数量または事象を感知または検出する他の感知ユニットなどの示されているユニット以外のさらなる電子ユニットを含むことができる。
以下、使用検出ユニットおよび/または使用者近接検出ユニットのいくつかの実施形態について説明する。
図3Aは、電子システム1000の一実施形態を概略的に示す。システム1000は、ユーザインターフェース部材1600を含む。ユーザインターフェース部材は、用量設定動作および/または用量送達動作中に使用者によって操作されるように設計される。ユーザインターフェース部材1600は、異なる外部操作面を有する。操作面は、ユーザインターフェース部材本体またはハウジング1605の外部からアクセス可能な外面によって画成することができる。ユーザインターフェース部材1600は、用量設定のために使用者によって、たとえば人差し指および親指などの2本の指で把持されるように配置された設定面1610を有する。設定面は、径方向に向いている表面であり、ユーザインターフェース部材1600を円周方向に区切る。ユーザインターフェース部材1600はまた、送達面1620を有する。送達面は、用量送達のために使用者によって接触、たとえば押下されるように配置される。送達面1620は、軸方向に向けられた表面、たとえば近位に向いている表面である。上述したように、本開示の実施形態は、設定および送達のために異なるユーザインターフェース部材を用いることができる。
ユーザインターフェース部材1600内で、たとえばユーザインターフェース部材本体1605によって画成される内部空洞内に、電子システムのいくつかの追加の要素またはユニットが収容される。具体的には、電子システムは、電子制御ユニット1100を含む。システムはまた、導体キャリア3000、たとえばプリント回路基板などの回路基板を含む。導体キャリア上の導体は、電子制御ユニットをシステムのさらなる電気または電子ユニットまたは部材に導電接続することができる。電子制御ユニットは、導体キャリア上に配置され、たとえばキャリアに取り付けられる。
電子システムは、使用者近接検出ユニット1330を、特に使用信号を生成するための使用検出ユニットとして含む。この実施形態では、使用者近接検出ユニットは、使用者の指が設定面1610に近いかどうかを検出するように構成される。使用者近接検出ユニット1330は、センサ1340、たとえば容量センサを含む。センサ1340の感知部材は、たとえば導体キャリア3000上のチップに一体化されており、センサまたは使用者近接検出ユニットのセンサ電極1345に動作可能に接続され、たとえば導電接続される。容量センサは、低電力コントローラとすることができ、センサ電極1345からの入力キャパシタンスを監視し、検出されたキャパシタンスが所定の値、たとえば人間の皮膚に典型的な値を超過した場合、電子制御ユニットおよび/または運動感知ユニットをウェークアップさせるために使用される信号を出力する。センサは、使用者が監視される表面から0.5mm未満だけ離れているとき、信号を出力するように構成することができる。しかし、所望される場合、センサの動作距離を増大させることもできることに留意されたい。当然ながら、容量センサによって監視される表面に使用者がタッチすることで、関連信号または有効信号が常に生成されることを確実にするべきである。動作距離は、たとえばソフトウェアにおいて、電極の設計および適当なセンサ(信号)閾値の選択によって調節することができる。
センサ電極1345は、使用者が表面に近接またはタッチすることに関して検出ユニットによって監視されるべき表面に割り当てられた電極部分を有する。ここに示す実施形態では、センサ電極部分は、設定面1610の方を向いている。電極およびセンサ1340の導電接続は、電極1345とセンサ1340との間の線によって示されている。互いに角度方向に隣接している電極部分は、自由空間によって分離することができる。すなわち、センサによって監視予定の表面全体が、電極によって覆われなければならないわけではない。使用者が電極1345に重なる領域内で外面にタッチするときに電極1345にタッチしないように、ユーザインターフェース部材本体1605が電極1345と外面との間に配置される。しかし、使用者が電極にタッチする可能性があることも考えられる。しかし、内部に電極を有することで、内部を外部の影響から封止することが容易になる。電極1345は、容量センサのために大きい感度表面積を提供することができる。電極は、たとえば押下される金属構成要素とすることができる。センサ1340は、キャリア3000上に配置され、好ましくはキャリア3000上に取り付けられる。センサは、センサ電極1345からの入力キャパシタンスを監視する(低電力)コントローラとすることができ、またはそのようなコントローラを含むことができる。センサ1340は、好適には、センサ測定を実行するように、または10Hz、5Hz、4Hz、3Hz、2Hz、1Hzの値のうちの1つより小さいもしくは等しい周波数(ポーリング周波数)もしくは応答速度を有するセンサ信号を獲得するように構成される。センサ1340の電力消費は、15μA、10μA、8μA、7μA、6μA、5μA、4μA、3μAの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。電力消費は、測定が行われる周波数または速度に依存することが理解されよう。センサがより頻繁にポーリングされるほど、すなわち測定がより頻繁に行われるほど、電力消費が高くなる。上述した電力消費の大きさは、上述した周波数にも適用することができる。これらの周波数は、センサ1340がユーザインターフェース部材の設定面への近接を監視する場合に特に好適である。使用者がシステムまたはデバイスを動作させるために2つの表面を切り換える必要があるため、用量設定と用量送達との間の時間が比較的大きいことから、そのような小さい周波数で十分である。送達面がセンサによって監視される場合、周波数は、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hzの値のうちの1つより大きいまたは等しいものとしなければならない。これは、たとえば30μA、40μA、50μA、60μA、70μA、80μA、90μA、100μAの値のうちの1つより大きいまたは等しいより高い電力消費を伴う。センサ1340および制御ユニット1100は、キャリア3000の同じ表面上に取り付けることができる。
システムは、運動感知ユニット1200をさらに含み、運動感知ユニット1200は、概略的にのみ示されており、好ましくは1つもしくはそれ以上の光電子センサおよび/または1つもしくはそれ以上の付随する放射エミッタ、たとえばIRセンサおよびIRエミッタを含む。運動感知ユニットは、2重矢印によって示唆するように、電子制御ユニット1100に双方向に導電接続することができる。一方の方向は、起動信号が電子制御ユニットから運動感知ユニットへ伝送される方向とすることができる。他方の方向では、運動信号を運動感知ユニットから制御ユニットへ送信することができ、制御ユニットは、信号をさらに処理することができ、たとえば用量情報を計算することができる。運動感知ユニット1200は、導体キャリア3000のうち制御ユニット1100から離れる方を向いている側に配置することができる。
また、システム1000は、電源1500、たとえばコイン電池などの電池を含む。電源は、約1.4~3Vの電圧で約50~500mAhの全電荷を提供するように構成することができる。これは、たとえば複数のコイン電池を積み重ねることによって実現または支援することができる。電源1500は、動作のための電力を必要とする電子システムの他の構成要素に導電接続されており、または接続可能である。導電接続は、図3Aに明示的に示されていない。しかし、電源は、図示のように導体キャリア3000の1つの主表面に沿って延びるように配置することができる。電源は、図示の実施形態では、導体キャリア3000と送達面1620との間に配置されている。これにより、ユーザインターフェース部材の小型の形成が容易になる。
部材の外部から見た、たとえば送達面の上面図におけるユーザインターフェース部材の径方向の幅または直径は、2cm、1.5cmの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。別法または追加として、ユーザインターフェース部材の径方向の幅または直径は、0.5cm、0.7cmの値のうちの1つより大きいまたは等しいものとすることができる。径方向の延長は、用量設定中のユーザインターフェース部材の回転軸またはユーザインターフェース部材の主長手方向軸に対して判定することができ、これらの軸は一致することができる。ユーザインターフェース部材1600の長さまたは軸方向の延長は、2cm、1.5cmの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。別法または追加として、ユーザインターフェース部材1600の長さまたは軸方向の延長は、0.5cm、0.7cmの値のうちの1つより大きいまたは等しいものとすることができる。たとえば、ユーザインターフェース部材の径方向幅を18mmとすることができ、長さを19mmとすることができる。
センサは、センサまたは使用信号を出力するように構成され、センサまたは使用信号は、電子制御ユニット1100を電力消費のより高い状態へ切り換えるために、もしくはそのような切換えをトリガするために使用され、かつ/または電子制御ユニットに運動感知ユニット1200を起動する。たとえば、感知されたキャパシタンスが所定の閾値を超過した場合、使用信号を発行することができる。
電子システム1000は、付属ユニットまたはモジュールである薬物送達デバイスユニットに接続されるように構成され、好ましくは解放可能に接続されるように構成される。薬物送達デバイスユニットは、電子機器を含まないものとすることができる。それに応じて、すべての電子機器を電子システム内に設けることができる。薬物送達デバイスユニットは、使い捨てとすることができる。すなわち、ユニットおよびシステム1000を含む薬物送達デバイスを使用してユニットのリザーバが空になった後、ユニットを廃棄することができる。電子システム1000は、別の薬物送達デバイスユニットに再利用することもできる。薬物送達デバイスユニットは、好ましくは、単独で完全に機能するものとして構成され、すなわち送達予定の用量の設定および設定された用量の送達のために動作させることができる。1つの例示的なユニットは、図1に示すユニットである。電子システムは、それ以外は完全に機能するユニットへの純粋な付属物とすることができる。別法として、薬物送達デバイスは、電子システムを一体部材として、すなわちデバイスの残り部分とともに廃棄される部分、または薬物の用量を設定および送達するためにデバイスを動作させることができるように必要な部分として含むことができる。なぜなら、たとえば電子システムがなければ、薬物送達デバイスユニットは用量設定動作または用量送達動作を行うために使用者がアクセス可能な表面を欠くからである。薬物送達デバイスユニットへの接続のために、電子システムは、1つまたはそれ以上の接続機能1615、たとえばスナップ機能を含むことができる。それぞれの接続機能は、ユーザインターフェース部材1600の遠位部分内、たとえば部材の内部に配置される。システム1000は、好適には、用量設定および駆動機構の部材、たとえば図1に関連して論じたユニットの駆動スリーブまたは用量ノブおよび/または注射ボタンなどの薬物送達デバイスユニットの部材に、恒久的または取外し可能に(言い換えれば、取外し可能な方法で)機械的に接続されるように構成される。システムは、たとえばユーザインターフェース部材本体1605を介して、薬物送達デバイスユニットの部材に回転不能かつ軸方向にロックすることができる。システムが接続される部材は、用量設定および用量送達中にハウジング10に対して可動とすることができ、たとえば設定中は回転可能かつ/または軸方向に、送達中はたとえば軸方向にのみ可動とすることができる。この部材は、たとえばピストンロッドにねじ係合することができる。図1のユニットの用量ノブおよび駆動スリーブは、一体形成することができ、または用量設定および用量送達中に単一の部材として作用することができる。用量設定中、駆動スリーブは、用量設定中にたとえばクラッチによってダイヤルスリーブおよび駆動スリーブが同速度で回転し、用量送達中にダイヤルスリーブが駆動スリーブに対して回転するように、用量設定および駆動機構のダイヤルスリーブに選択的に回転不能にロックすることができる。ダイヤルスリーブは、数字スリーブとすることができ、または数字スリーブに連結することができる。用量送達中のダイヤルスリーブと駆動スリーブとの間の相対回転は、運動感知ユニットによって測定することができる。しかし、開示する概念は、異なる機能を有する用量設定および駆動機構とも機能することが、当業者には容易に明らかであろう。
図示の実施形態のように設定センサを有するのではなく、設定センサに対する代替または追加として、送達面1620への近接またはタッチを監視する送達センサを適用することもできることが、当業者には容易に明らかなはずである。送達センサはまた、容量センサとすることができ、または容量センサを含むことができる。
図3Aに示す電子システム1000は、接続検出ユニット1700を含む。そのようなユニットは、本明細書に開示するシステムのいずれかで用いることができる。接続検出ユニット1700は、電子システムが薬物送達デバイスユニットに接続されているかどうかを検出するように構成することができる。システムは、薬物送達デバイスユニットへの接続が検出された場合、電子システムが電力消費のより高い状態へ切り換えられるように構成することができる。接続検出ユニットが薬物送達デバイスユニットへの接続を検出した場合、検出信号を生成またはトリガすることができる。電子システムは、検出信号に応答して、電子システム1000が電力消費のより高い状態へ切り換えられるように構成することができる。
たとえば、接続検出ユニット1700は、たとえば電子制御ユニットによって、電源1500を電子システムの他の構成要素またはユニットに導電接続し、それによってこれらの構成要素またはユニットが適当に起動されたときに機能することを有効にすることができる。具体的には、薬物送達デバイスユニットへの接続が検出されたとき、電源からの電力をそれぞれの構成要素またはユニットへ提供することができる。接続が検出されなかったとき、電源を電子システムのそれぞれの構成要素またはユニットから切断することができる。したがって、接続検出ユニットは、デバイスユニットへの接続が検出されない限り電源を遮断する断続器とすることができ、またはそのような断続器に接続することができる。
別法または追加として、接続検出ユニット1700は、使用検出ユニット1300または使用者近接検出ユニット、たとえばそれぞれの検出ユニットのみを、電力消費のより高い状態へ、たとえば近接または使用検出ユニットを動作させることができる状態へ切り換えるように構成される。接続検出ユニットによって電力消費のより高い状態へ切り換えられる前に、近接または使用検出ユニットを第1の状態で動作不能にすることができる。
したがって、電子制御ユニットを介して、接続検出ユニット1700を電子制御ユニットに接続し、それぞれのユニットを起動することができ、もしくは電力消費のより高い状態へ切り換えることができ、または接続検出ユニット1700をそれぞれのユニットに直接接続することができ、それぞれのユニットは、接続検出ユニットによって電力消費のより高い状態へ切り換えられるべきである。後者の状況が図3Aに示されており、接続検出ユニットは、使用検出ユニット1300および/または使用者近接検出ユニット1330に直接接続されている。接続検出ユニット1700は、たとえばマイクロ(力)スイッチなどのスイッチ1710を含むことができる。スイッチは、キャリア3000のうちユーザインターフェース部材本体1605の開口部の方を向いている側に配置することができる。開口部は、デバイスユニットおよびシステムが接続されたとき、デバイスユニットの部材を受け取るように設計することができる。スイッチ1710は、薬物送達デバイスユニットの部材に機械的に接触するように配置することができ、かつ/またはその部材によってトリガされるように配置することができる。スイッチがトリガされたとき、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットを動作可能にすることができる。このようにして、収納中のユニットの電力の排出を回避することができ、または少なくとも実質的に低減させることができる。
たとえば、システムが使用者近接検出ユニットに関して上記で論じた容量センサを含む場合、使用者が関連表面に近いかどうかを確認するためにセンサが動作するときに、周期的に、たとえば上述した周波数または応答速度で、測定を行うことが必要になることがある。すべての測定は電源から電力を取り出す。したがって、システムが薬物送達デバイスユニットに接続されていないときは、そのような電力の排出が完全に不要になるはずである。したがって、接続検出ユニットにより、特に薬物送達デバイスユニットから離れた際の電子システムの収納中の電力管理が改善される。
上記で論じた接続検出ユニット1700は、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットにとって好適であるだけでなく、電子制御ユニット、運動感知ユニット、通信ユニット、またはさらに他のユニットなどの電子システムの他のユニットにとっても好適であることに留意されたい。しかし、電力消費のより高い状態へ、たとえば運動感知ユニットおよび/または通信ユニットが起動状態になる状態へのシステムの切換えをトリガするために使用検出ユニット1300が適用される場合、使用検出ユニットの状態を制御する接続検出ユニットが特に有利である。また、使用検出ユニットが容量センサを含む必要はない。逆に、電力消費のより高い状態へ、たとえば非活動状態から起動状態へ切り換えるために接続検出ユニットとともに動作する他のセンサが好適になることもある。たとえば、接続検出ユニットはまた、特有の状況で実行可能などのような設定センサ、送達センサ、および/またはウェークアップユニットでも、ともに動作することができる。
システムがデバイスユニットに接続されていることを接続検出ユニットが検出しないとき、電力消費は0になり、または電子システムの使用検出ユニットのみが起動状態にあるときの電力消費より小さくなる。使用検出ユニットが起動状態にないとき、電子制御ユニットは、オフに切り換えることができ、またはたとえば通信ユニットおよび/もしくは運動感知ユニットを制御するために動作状態にあるときより低い電力消費を有することができる。
接続検出ユニット1700は、本明細書に開示する実施形態のいずれかで実装することができ、または単独で一実施形態を形成することができることに留意されたい。
図3B~図3Fは、いくつかの態様において図3Aに関連して論じたものより具体的な電子システム1000の一実施形態を示す。しかし、図3Aに関連して開示するすべての構成がこの実施形態にも当てはまるはずであり、逆も同様である。
図3Bは、電子システム1000の概略断面図を示す。システムは、この場合も、ユーザインターフェース部材1600を含み、ユーザインターフェース部材1600は、ユーザインターフェース部材本体1605、ならびに設定面1610および送達面1620を有する。ユーザインターフェース部材本体1605の内部に導体キャリア3000が設けられ、導体キャリア3000は、上述したように1つまたはそれ以上の電子ユニットを保持する。導体キャリアは、ユーザインターフェース部材内に軸方向かつ回転不能に固定される。図3Bの断面図では、すでに論じたユニットのすべてが明示的に示されているわけではないが、それにもかかわらず存在することができる。
電源1500の配置および電動構成要素へのその接触接続が、図3Aの概略図より詳細に示されている。電源1500は、キャリア3000とユーザインターフェース部材の近位面、すなわち送達面1620との間に配置される。キャリア3000と電源との間にスペーサ構成要素1510が配置され、電源1500はスペーサ構成要素1510を介してキャリア上に支持される。スペーサ構成要素1510は、キャリア3000上に取り付けられた(電子)構成要素に沿って円周方向に延びるように、湾曲した内面を有することができる。さらに、図3Bは、電源電極1520を示す。電極1520は、特に導体キャリア3000を介して、電源および1つまたはそれ以上の電子構成要素に導電接続される。電極1520は、電極を導体キャリア3000に導電接続する接触部分1530を有する。電極1520は、キャリア3000のうち電源1500に面している側から、キャリア3000のうち電源1500から離れる方を向いている側へ延びる。後者の側に、接触部分1530が配置される。しかし、電源と電子構成要素との間の接触接続の異なる構成を想定することもできる。電極1520は、1つまたはそれ以上の付勢部分1540を有する。付勢部分1540は、弾性偏向可能である。それぞれの付勢部分1540は、可撓アームとすることができる。それぞれの付勢部分は、電源1500に力をかけるように設けることができ、したがって電源は、キャリア3000および/またはスペーサの方へ、たとえば遠位に付勢される。それぞれの付勢部分は、ユーザインターフェース部材の内部を近位に区切る端面と相互作用して、電極1520を介して電源1500をキャリア3000の方へ付勢することができる。付勢部分1540は、リング部分1560によって接続されており、軸方向にリング部分1560から離れる方へ、リング部分1560に対して内方へ延びる(図3C参照)。電源に導電接続された電源接触部分1570は、リング部分から内方へ延びる(図3C参照)。電極1520は、たとえば接触部分1530から直径方向に反対側に、固定部分1550を有する。固定部分1550は、電源1500をスペーサ構成要素1510に固定するように設計することができる。図示の実施形態では、これは、電極の領域間にスペーサ構成要素および電源を締め付けることによって実現される。
システム1000は、ユーザインターフェース部材本体1605に加えて、シャーシ1670を有する。シャーシ1670は、好ましくは回転不能かつ軸方向に、ユーザインターフェース部材本体1605にロックされ、たとえばスナップ嵌めまたは溶接される。シャーシは、ユーザインターフェース部材本体とともに、ユーザインターフェース部材の内部を画成することができる。内部は、好ましくは封止され、たとえば塵密および/または液密に封止される。この目的で、ユーザインターフェース部材本体/シャーシ(明示的には図示せず)に1つまたはそれ以上の封止を設けることができる。シャーシ1670は、ユーザインターフェース部材本体1605の遠位開口部を閉鎖することができる。シャーシは、剛性部分1672および/または好ましくは弾性変形可能部分1674を含むことができる。変形可能部分を剛性部分によって、たとえば共通の表面上を横方向に取り囲むことができる。
シャーシは、薬物送達デバイスユニットのうちシステム1000が接続されるべき部材を受け取るためのユーザインターフェース部材の受取り空間を画成する。シャーシの変形可能部分1674は、好ましくは薬物送達デバイスユニットの部材と相互作用するように設計され、ユニットがシステムに接続されたとき、変形可能部分1674は、好ましくはシステムがデバイスユニットに接続されていない状況と比較すると弾性変形される。変形可能部分1674の変形中の動きを使用して、接続検出ユニット1700のスイッチ1710をトリガすることができる。システムがデバイスユニットから切断されたとき、この部分は、弾性によって、変形していない形状を回復することができ、それによって接続検出ユニットは、たとえばスイッチがその状態を変化させることによって、デバイスユニットからの切断を検出する。
部分1674がシャーシ1670の一部であるため、薬物送達デバイスユニットの部材とスイッチ1710との間の直接接触は不要になり、それによりユーザインターフェース部材の内部の封止を提供することが容易になる。シャーシ1670はまた、1つまたはそれ以上のライトガイド部分1676を含むことができる。ライトガイド部分は、運動感知に放射が使用される場合、運動感知ユニット内に設けられた放射エミッタおよび放射センサに動作可能に連結することができる。その結果、ユーザインターフェース部材1600の内部から離れたライトガイド1676の端面に対して動く部材、たとえばエンコーダ構成要素の動きにより、放射センサへ後方反射される放射(強度)の変動を引き起こすことができ、この放射は、ライトガイド部分を介してセンサへ送出することができ、かつ/またはこの放射は、好ましくは放射エミッタによって生成されたものである。このようにして、用量送達動作中などに、ユーザインターフェース部材1600または用量ノブもしくはボタンに対する部材、たとえばダイヤルまたは数字スリーブの動きを定量化することができる。ライトガイド部分および/または対応するセンサは、エンコーダ構成要素の反射部分に対して位相ずれの状態とすることができ(WO2019/101962A1参照)、これにはいくつかの利点がある。
センサ電極1345は、金属から、たとえば金属プレスとして形成することができ、円周方向に分散されて径方向に向いている部分1347を有し、部分1347は、すでに論じたように、設定面1610の近接またはタッチを感知するように配置され、これらの部分のうちの1つのみが図3Bに示されている。センサ電極の1つまたはそれ以上の部分は、ユーザインターフェース部材本体1605の内面とシャーシ1670の外面との間に配置することができる。さらに、電極1345の1つまたはそれ以上の部分は、シャーシとキャリア3000との間に配置することができる。
図3Cは、図3Bに示すシステムの要素の分解図を示す。シャーシ1670が、電極1345とともに図3Dの斜視図により詳細に示されており、電極1345は、キャリア3000上の容量センサにタッチ感度を提供する。電極1345は、複数の軸方向に延びる電極部分1347を有し、たとえば図示の実施形態では4つの部分を有する。シャーシ1670は、その径方向表面上に、部分1347のうちの1つまたはそれ以上を受け取るように設計された表面構造を有しており、したがって軸方向に延びる部分によって、電極1345とシャーシ1670との間の回転方向を画成することができる。これは製造中に有利である。電極部分1347は、リング状部分1348を介して互いに接続されており、図示の電極と同様に、リングは開いており、2つの端部が角度方向に互いの方を向いている。電極1345は、容量センサ1340への電極の導電接続のための接続部分1349をさらに有する。上記をさらに参照されたい。この部分は、シャーシ1670と導体キャリア3000との間に配置することができる。
図3Eは、前述の電子システム1000が薬物送達デバイスユニットに接続された状況を示す。図3Eは、システム1000が薬物送達デバイスユニットに取り付けられた状況の概略断面図を示す。図3Eに、すでに論じたユーザインターフェース部材1600が示されている。電子システム1000の構成要素に加えて、薬物送達デバイスユニットの用量設定および駆動機構の部材4000が示されている。この部材は、上記でさらに論じたデバイスの投与量ノブ12または注射ボタン11とすることができ、1つの構成要素に一体化することもできる。部材4000は、好ましくは、薬物送達デバイスユニットのユーザインターフェース部材であり、この場合、このユニットは電子システムがなくても完全に動作可能である。別法として、部材4000は、外部からアクセス可能でないが電子システム1000への接続のために提供される内部部材とすることができる。これは、普通なら機能しないはずのユニットに対する用量設定動作および/または用量送達動作を有効にするために必要とされる電子システムに特に好適である。部材4000は、内部4030を有する。この内部に、用量設定および駆動機構のピストンロッド(明示的には図示せず)を配置することができる。ピストンロッドは、薬物送達デバイスユニットのカートリッジ内の栓を駆動してカートリッジから薬物を投薬するように配置することができる。
図3Eに示すように、電子システム1000は、好ましくは解放可能に、部材4000に接続され、したがって電子システムを別の薬物送達デバイスユニットのために再利用することができ、または1つの薬物送達デバイスユニットとともにケースバイケースで再利用することができ、したがって電子システムは、たとえば所望の用量を投薬するための設定動作が開始される前にそのユニットに装着され、たとえば用量を送達するための送達動作が完了した後に再び取り外され、次の用量設定動作のために再接続される。図3Eでは、この接続が参照番号4010で強調されており、たとえばスナップ嵌め接続などのフォームフィット接続とすることができる。開示する実施形態では、シャーシ1670上に可撓スナップアーム1678が設けられ、可撓スナップアーム1678は、軸方向に遠位方向へ向けることができ、かつ/または部材4000内で対応する凹部4020に係合する。当然ながら、電子システムを薬物送達デバイスユニットに接続するために使用される特有の接続タイプを変更することもできることが容易に理解されよう。電子システムが薬物送達デバイスユニットまたは部材4000に可能な限りきつく回転不能かつ軸方向にロックされる場合、電子システム1000が運動感知ユニットを含み、電子システムと薬物送達デバイスユニットとの間の接続によって可能にされる相対運動が、測定誤差に大幅に寄与することで、運動感知ユニットの信号から回収されるデータのデータ品質に影響を与えうるため、有利である。
図3Eに示すように、部材4000の機械的接触部分4040、たとえば突起が、スイッチ1710の作動を引き起こし、したがって接続検出ユニットに、たとえば使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットをオンに切り換えることによって、電子システムを電力消費のより高い状態へ切り換えさせる(この図に明示的には図示せず)。部分4040は、シャーシの変形可能部分1674に接触することができ、次いで変形可能部分1674は、部分4040からの力をスイッチ1710へ伝達して、対応する信号の生成を引き起こすことができる。
図3Fは、部材4000の近位端面の上面図を示す。接触部分4040は、部材4000の中心領域4050内に設けられる。この領域は、たとえば溝4070によって、縁部領域4060から分離される。接触部分4040は、中心部分4050の周辺表面より高くすることができる。スナップアーム1678に係合するための(径方向)凹部4020を溝4070に接続することができ、かつ/または凹部4020が溝4070から径方向に突出することができる。好ましくは、凹部4020は径方向外方へ向けられる。部材4000は、1つまたはそれ以上の軸方向開口部4080をさらに有する。それぞれの開口部は、部材4000の本体全体を貫通することができる。それぞれの開口部4080は、たとえばライトガイド部分1676を介して、たとえばライトガイド部分1676が開口部を通って延び、したがってその端面が他の部材に面することを許容することによって、または放射が開口部4080を通過することを許容することによって、運動感知ユニットと用量設定および駆動機構の他の部材との間に光通信を確立するように設けることができる。他の部材(明示的には図示せず)は、部材4000に選択的に回転不能にロックされたダイヤルスリーブまたは数字スリーブとすることができる。他の部材は、好適には、角度方向に分離された反射性符号化部分を有し、そのような符号化部分は、部材4000に対して回転するとき、運動感知ユニット1200を励起し、反射部分によって反射されてライトガイド部分1676を介して運動感知ユニットセンサへ伝送される光を介して運動信号を生成することができる。
図3Fの図から明らかになるように、電子システム1000は、180°ずれた2つの異なる向きで部材4000に装着することができる。たとえば、互いから直径方向に反対の場所に、開口部4080の同一の配置が提供される。
薬物送達デバイスユニットに関連する電子システムの中心機能は、次のとおりである。電子システム1000は、薬物送達デバイスユニットに接続されていない状態で、0または非常に低い、たとえば1μAより小さいまたは等しい電力消費を有する。具体的には、使用者近接検出ユニット1330、運動感知ユニット1200、および/または該当する場合、通信ユニット1400(明示的には図示せず)は、非活動状態とすることができ、電子制御ユニット1100は、電力消費の非常に低い状態とすることができ、または完全にオフに切り換えることができる。システムを使用するために、電子システム1000を薬物送達デバイスユニットに装着することができる。この接続中、接続検出ユニット1700は、たとえばスイッチ1710をトリガすることによって、使用検出ユニット1300および/または使用者近接検出ユニット1330を起動することができる。電子制御ユニットは、接続検出ユニットによって、電力消費の低い状態へ切り換えることができ、したがって制御ユニットは、信号を受信し、システムのさらなる動作を制御することができる。したがって、薬物送達デバイスユニットへのシステム(付属モジュール)の接続後、容量センサなどの使用者近接検出ユニットのセンサは、好ましくは起動状態にあり、ユーザインターフェース部材1600の設定面1610などの外部操作面への使用者の近接を監視する。前述の状態とは異なり、電力消費をたとえば3μA~100μAに増大させることができ、3μAは、4Hzのポーリング周波数にとって典型的であり、100μAは、100Hzのポーリング周波数にとって典型的である。運動感知ユニットおよび通信ユニットは、依然として非活動状態とすることができる。その後、使用者は、ユーザインターフェース部材1600を所望の用量まで回転させることによって、用量を設定またはダイヤル設定することができる。使用者が用量設定中に設定面にタッチするとその表面への使用者の近接が使用者近接検出ユニット1330によって検出され、使用者近接検出ユニット1330は、電子制御ユニットに運動感知ユニット1200、場合により通信ユニットをオンに切り換えさせる使用信号をトリガする。次いで、運動感知ユニットの放射センサおよび放射源が起動状態になり、部材4000と薬物送達デバイスユニットの別の部材との間の相対回転運動を感知することができる。前の状態とは異なり、電子制御ユニット、運動感知ユニット、および場合により通信ユニットが完全にウェークアップされたとき、電力消費を再び増大させることができ、たとえば約900μAまで増大させることができる。運動感知ユニットが起動された後、電子制御ユニット1100は、使用者近接検出ユニットのさらなる近接または使用信号を無視するように構成することができる。用量設定が完了したとき、使用者はユーザインターフェース部材の送達面、すなわちその近位面を押下し、たとえばハウジング10に対して、かつ/またはユーザインターフェース部材1600が用量設定中に回転不能にロックされる他の部材に対して、ユーザインターフェース部材を遠位方向に動かす。送達センサが設けられる場合、このセンサを使用して通信ユニット1400を初期化することができ、または通信ユニット1400に電源投入することができる。ユーザインターフェース部材の動きの最初の部分中、デバイスユニットの用量設定および駆動機構のクラッチを切り換え、たとえば係合または解放して、この機構を用量設定構成から用量送達動作のための駆動構成へ切り換えることができる。送達動作中、使用者はユーザインターフェース部材1600を遠位方向に押下し、この動きがピストンロッドの遠位方向の動きに変換され、この動きを使用して、カートリッジの栓を遠位に駆動して、カートリッジから薬物または医薬品を排出することができる。ユーザインターフェース部材と、用量設定および駆動機構の他の部材、たとえばダイヤルスリーブまたは数字スリーブとの間の相対運動は、運動感知ユニットによって生成される信号を使用して、たとえば電子制御ユニットまたは信号からの用量情報を計算することが可能な別の実体によって定量化される。
送達動作が完了した後、計算された用量情報は、通信ユニット1400によって、コンピューティングデバイス、たとえばコンピュータ、タブレット、ノートブック、または移動電話などの他のデバイスへ伝送することができ、そのようなデバイスは、電子システムのメモリユニットから情報を回収することができる。好ましくは、通信ユニットは、他のデバイスに連結されており、または連結可能である。伝送は無線伝送とすることができる。他のデバイス内に、情報を記憶することができ、たとえば用量ログを提供することができる。送達動作が完了した後、たとえばすでに論じたタイマユニットによって、電子システム全体をオフに切り換えることができる。この場合も、運動感知ユニットがウェークアップされてから特定の時間間隔内、たとえば30s以内に、運動感知ユニットによって送達動作が検出されなかった場合、たとえば運動信号が生成されなかった場合、システムを再びオフに切り換えることができる。次いで、再び使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットのみを起動状態にすることができる。
上記で論じたシステム内で、システムがデバイスユニットに装着されているとき、またはデバイスに一体化されているとき、使用者近接検出ユニット/使用検出ユニットは常に起動状態にある。その結果、使用検出ユニット/使用者近接検出ユニットが一貫して動作しなければならないため、一定の電力排出が存在する。以下、たとえば用量設定動作または用量送達動作が生じることが予期されたときのみ、ユニットを選択的に起動またはウェークアップさせることによって、システムの電力消費をどのように低減させるかに関するいくつかの選択肢について論じる。
図4Aおよび図4Bは、電子システム1000の別の実施形態を示す。この実施形態は、図3A~図3Fに関連して論じたものに非常に類似している。したがって、後者の実施形態に関連して開示した構成が本実施形態にも適用され、逆も同様である。具体的には、ユーザインターフェース部材1600が、図4Aではやや透明に示されている。この実施形態は、この場合も、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットのための容量センサ(明示的には図示せず)に依拠する。図4Bは、容量センサに付随するセンサ電極1345を示す。電極1345はまた、軸方向に向けられて角度方向に分離された電極部分1347を有し、たとえば図示のように少なくとも3つの部分または4つの部分を有する。電極1345は、本実施形態におけるユーザインターフェース部材の設定面1610など、ユーザインターフェース部材の外面の下に配置される。電極1345は、容量センサの感知電極である。容量センサによって、使用者の指が電極1345に近いかどうかを検出することができる。それに応答して、使用信号または近接信号を生成することができる。容量センサは、(純粋な)設定センサ、(純粋な)送達センサ、または設定および送達センサとすることができる。すなわち、容量センサは、設定面1610(設定センサ)、送達面1620(送達センサ)、またはこれらの表面の両方(設定および送達センサ)への使用者の近接またはタッチを検出するように構成することができる。センサは、使用者が送達面および設定面のうちのどちらに近いかもしくはタッチしたかを区別するように、またはこの区別を可能にしないように構成することができる。設定または送達面上の事象間の区別は、たとえば1つのセンサ(たとえば、そのセンサのチップまたはコントローラ)内に別個のチャネル(送達面用のチャネルおよび設定面用のチャネル)が設けられた場合、または送達面および設定面に対して別個のセンサが設けられた場合に可能になる。電極部分1347は、ユーザインターフェース部材1600の外部操作面、たとえば設定面1610の異なる区域下に配置されるように、円周方向に、たとえば等距離に分散される。設定面1610は、外面を形成するユーザインターフェース部材1600、たとえばその本体1605のグリップ部分によって形成することができる。表面全体に沿って設定動作の確実な検出を有効にするように、部分1347の軸方向の延長を設定面の軸方向の延長に調整することができる。部分1347の角度方向の分離および角度方向の延長は、好適には、電極1345におけるキャパシタンスの増大によって、使用者の近接またはタッチに関する外部操作面の確実な監視を有効にするように選択される。細長い部分1347は、電極1345のリング部分1348から離れる方へ、たとえば遠位方向に延びる。リング部分1348は、円周方向に閉じることができる。電極1345の1つまたはそれ以上の領域内に、たとえば2つの隣接する電極部分1347間に、好ましくは接続部分1349が設けられ、たとえば各対の隣接する電極部分1347間に、1つの接続部分1349を設けることができる。それぞれの接続部分1349は、径方向および/または内方へ向けることができる。それぞれの接続部分は、たとえばチップを含むセンサの感知部分に電極を導電接続するように構成され、かつ/またはユーザインターフェース部材1600内に電極1345を固定する働きをする。本開示の文脈において容量センサとして使用することができる容量センサ(チップ)は、Azoteq IQS228-ASである。
図示の構成では、容量センサは、使用者が設定面1610にタッチしたとき、または設定面1610に近いとき、設定信号を生成するように構成される。この信号を使用信号として使用して、たとえば放射または光エミッタおよび放射センサを第1の状態から第2の状態へ切り換えることによって、運動感知ユニットの起動を引き起こすことができる。
特に送達面へのタッチと送達動作の開始との間の時間と比較したとき、設定動作の開始と送達動作の開始との間の時間が比較的大きいと予期することができる。これは特に、ユーザインターフェース部材を回転させることによって用量を設定することにある程度の時間がかかり、使用者が送達動作を開始するために別の表面に切り換えなければならないことによるものである。したがって、設定センサが動作またはポーリングされる応答速度または周波数は、特にシステムの信頼性を危うくすることなく、送達信号が使用信号として使用される場合より小さくすることができる。たとえば、容量センサの周波数または応答速度は、10Hz、9Hz、8Hz、7Hz、6Hz、4Hz、3Hz、2Hz、1Hzの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。周波数または応答速度は、たとえば1~10Hz、たとえば2Hzまたは4Hzとすることができる。どの場合も、設定動作の開始と設定された用量を送達するための関連する送達動作との間の典型的な最小時間は0.5秒より大きくなり、そのため2Hzまで低い周波数または応答速度でもなお非常に良好な結果が提供される。
容量センサが上述した周波数で実行することができる感知事象のために電力を必要とすることを考慮して、上記でさらに説明したように、ウェークアップ信号を生成またはトリガするために使用される振動センサを適用することなど、別のウェークアップ手順をシステムに一体化すると有利である。好適なセンサは、たとえば振動センサKyodo CMN200とすることができる。
容量センサが設定センサのみであることが、必ずしも当てはまらないことに留意されたい。逆に、送達面上に電極を有する送達センサに対して、同じ動作原理を実装することもできる。実際には、容量センサは、設定面および送達面を、たとえば異なるチャネルまたは動作モードで監視することができ、好ましくは、上記でさらに詳述したように、送達面に対する周波数または応答速度は設定面に対するものより高い。
センサの電極1345は、金属プレス、銅テープ、またはプリント回路基板などの(たとえば、追加の)可撓性導体キャリアによって形成することができる。電極に対するそれぞれの要素は、電子システムの外径または近位面に、好ましくは使用者によって接触されようとしているユーザインターフェース部材のグリップまたは接触部分の下に位置することができる。しかし、別個の連続するグリップまたは接触部分を省略することも考えられる。この場合、電極は外部操作面上で直接アクセス可能になる。
それに応じて、この実施形態では、設定動作が実行される前に、振動センサなどのウェークアップセンサを含むウェークアップユニット(明示的には図示せず)によって、使用者近接検出ユニット/使用検出ユニットがウェークアップされ、第1の状態から電力消費のより高い第2の状態へ切り換えられる。第1の状態またはアイドル状態では、センサまたはユニット全体の電力消費を0にすることができる。第2の状態または動作状態では、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットは、設定面が使用信号を生成することが監視される場合、5μAより小さいまたは等しい、たとえば3μAの電力消費を有することができ、送達面が使用信号を生成することが監視される場合、50μAより大きい、たとえば100μAの電力消費を有することができる。動作状態にあるときの容量センサの電力消費は、たとえば3μA~100μAとすることができる。ウェークアップセンサの電力消費は、使用検出ユニット/使用者近接検出ユニットが動作状態にあるときの電力消費より小さい。使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットがウェークアップユニットによって起動されてから、所定の時間内に、たとえば3秒以内など5秒以内に、(設定)動作または使用信号が検出されなかった場合、検出ユニットを再び第1の状態へ切り換えることができる。
ウェークアップユニットによって検出された振動は、ウェークアップ信号の生成を引き起こし、それにより、好ましくは直接、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットを動作状態にする。振動センサは、容量センサに対する電源回路への割込みを提供することができる。センサがトリガされると、それぞれ使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットへ電力を供給することができる。
別法として、電子制御ユニットは、ウェークアップ信号に応答して、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットをウェークアップさせることができる。振動センサは、センサによって検出された振動が電気ウェークアップ信号をトリガすることで、使用(使用者近接)検出ユニットのためのウェークアップ手順をトリガする。
振動センサを励起することができるそのような振動は、電子システムおよび/または薬物送達デバイスが使用者によって取り扱われるときに発生することが予期される。振動センサは、容量センサをウェークアップさせるための割込みとして使用することができる。その結果、容量センサは、用量設定またはダイヤル設定動作が発生する前にウェークアップされる。使用者が設定面にタッチしたとき、これは、使用者が設定面に力またはトルクを提供することが必要とされる用量設定の時点に発生した可能性が最も高いことが予期される。その結果、使用者の指または親指を検出したとき、容量センサは、運動感知ユニットを初期化し、または運動感知ユニットに電源投入して、上述したように薬物送達デバイス内の構成要素の回転を検出することを可能にする。運動感知ユニットがウェークアップされてから30秒以内など、所定の時間間隔内に、回転が検出されなかった場合、使用検出ユニットおよび運動感知ユニットは再びオフに切り換えられる。そのような通信ユニットが設けられている場合、使用(使用者近接)検出ユニットによって、検出ユニットによって生成された(使用)信号に応答して、通信ユニットの動作状態を変化させることもできる。
有利には、この実施形態では、容量センサによって感知することができる(大きい)容量負荷、たとえば所定の閾値を超過しかつ/または所定の最大キャパシタンスを下回るキャパシタンスが存在しない限り、1つまたはそれ以上の電子ユニットの偶発的なウェークアップを回避することができる。したがって、容量負荷が十分に大きくない限り、システムがバッグ内に保持されているときなどに、送達面を意図せず押下すること(センサが設定面を監視する場合)、または他の物品によってユーザインターフェース部材へ力が伝達されることによって、電力が排出されない。1つまたはそれ以上の電子ユニットをウェークアップさせるのに十分な(大きい)容量負荷は、容量センサによって監視される表面、たとえば設定面に、1本または2本の指が直接接触したときに発生する負荷とすることができる。システムのウェークアップを引き起こさない(小さい)容量負荷は、家の鍵などのたとえば平坦な金属性の物体が表面に接触したときに発生する負荷とすることができる。さらに、システムを持ち歩いているときの振動では、運動感知ユニットがオンに切り換えられないはずである。通常、収納中には振動が存在せず、この場合、振動センサによって生成されたウェークアップ信号による電力の排出を完全に回避することができる。しかし、振動センサを動作させるために必要とされる電力は、容量センサに対するものより著しく低い(たとえば、容量(設定)センサの電力消費、好ましくは最小電力消費の2分の1未満)ため、偶発的なウェークアップ信号の生成も依然として許容可能である。別法または追加として、接続検出ユニットがデバイスユニットへの接続を検出したときのみ、ウェークアップユニットに電力を供給することができる。この場合、接続検出ユニットは使用検出ユニットを動作状態へ切り換えないが、ウェークアップユニットは使用検出ユニットを動作状態へ切り換える。振動センサは、好ましくは、1μAより小さい静かな電流の取出し(電力消費)を有する。容量センサは、その動作モードまたはポーリング周波数に応じて、たとえば設定面および/または送達面への近接またはタッチがセンサによって監視されているかどうかに応じて、3μA~100μAという静かな電流の取出しを有することができる。通常、送達面を監視するには、より高いポーリング周波数(たとえば、80Hzより大きい)を必要とし、より高い電力消費が伴う。
この場合も、使用者近接検出ユニットによって設定面を監視するのではなく、設定面に対する代替または追加として、送達面を監視することができることに留意されたい。ここで、送達面へのタッチが送達動作の開始に非常に近く、運動感知ユニットが送達された用量を可能な限り精密に測定するべきであることを考慮して、センサが動作する周波数または応答速度を設定面に対するものより高くするべきであるため、(低電力)ウェークアップユニットを提供することも有利である。
容量センサはまた、前述のように、電子システムの送達面へのタッチを検出することが可能である。好ましくは、用量が設定されていないときにこの表面が接触されたとき、または送達面にタッチすることによって生成された送達信号に先行する設定信号がないとき、この表面を使用して、別のデバイス上のプログラムまたはアプリとの用量データの伝送または同期を誘起することができる。第1の所定の値(たとえば、1秒)より大きい、好ましくは第2の所定の値(たとえば、5秒)より小さい時間にわたって、ユーザインターフェース部材の送達面が押下された(が用量は選択されていない)場合、これを使用して、用量データ伝送または同期シーケンスを開始することができる。運動感知ユニット内に2つのチャネルが設けられており、各チャネルが回転エンコーダに対して位相ずれの状態にある1つの光エミッタ-センサ対(IR-LEDおよびIRセンサ)を有する場合、たとえば、使用者が送達面を押下することによって、ユーザインターフェース部材をハウジングおよび運動感知ユニットによって監視される部材の方へ遠位に動かすため、ユーザインターフェース部材内のセンサ配置がエンコーダ表面に近づくことから、2つのチャネルのうちの一方のチャネルのみが、「high」状態(より高い信号)になること、または特性信号を生成することを観察することができる。この特性信号を使用して、用量データ伝送または同期シーケンスを開始することができる。
図5A~図5Cは、電子システムの別の実施形態を概略的に示す。前述の実施形態と同様に、電子システムは、使用者が外部操作面に近いとき、または外部操作面にタッチしたとき、近接信号、たとえば使用信号を生成する、または生成するように構成された、使用者近接検出ユニットを有しており、この場合、外部操作面は、ユーザインターフェース部材1600の設定面および/または送達面である。この実施形態は、すでに論じたものに概ね対応する。それに応じて、これらの実施形態とともに開示した構成が本実施形態にも適用され、逆も同様である。
使用者近接検出ユニットは、純粋に電気的に動作するセンサを含み、すなわちこのセンサは、感知事象を示すためなど、信号を作成またはトリガするために、機械的に動く部材を必要としない。この場合、ユーザインターフェース部材1600は、ユーザインターフェース部材1600の内部に接触または非接触センサまたはスイッチを含む。センサは、すでに論じた実施形態と同様に、非接触センサ、たとえば容量センサである。図示の実施形態では、センサ1650、たとえば上記で論じたセンサ電極などのその感知要素は、ユーザインターフェース部材1600の内部で送達面に付随し、たとえば送達面1620の下に配置される。非接触センサを使用することで、ユーザインターフェース部材の外部にさらに封止する必要のあるセンサもしくは感知面または可動部材の突出部分がなくても、きつく封止されたユーザインターフェース部材を有することが容易になる。この配置は図5Bに示されている。図5Aは、ハウジング10に対するユーザインターフェース部材1600の概略的な配置を示し、ユーザインターフェース部材1600は、ハウジング10を含むデバイスユニットへの付属物であり、またはデバイスに一体化される。
送達面1620に加えて、設定面1610もまた、使用者近接検出ユニットを備えることができる。このユニットの場合、図5Bの送達センサと類似の設定で、接触しないまたは非接触のセンサを設定センサ1660として使用することもできる。図5Cを参照されたい。センサは、同様に容量センサとすることもできる。しかし、他の配置または構成も可能である。
それに応じて、送達面がタッチされたとき、信号を生成することができ、たとえば送達信号を送達センサによって生成することができる。設定面がタッチされたとき、設定信号を、たとえば設定センサによって生成することができる。
容量センサは、上述したように、動作状態にあるときは常に電力を排出する。設定センサ1660は、送達面1620に付随する送達センサ1650をウェークアップさせるためのウェークアップユニットとして使用することができる。送達センサは、使用検出ユニットまたは使用者近接検出ユニットの一部とすることができる。一方または両方の使用者近接検出ユニットがユーザインターフェース部材の内部に収容される場合、きつく封止されたユーザインターフェース部材を提供することが容易になる。また、たとえばデバイスユニットの用量設定および/または注射ボタンへのクリップオンなど、既存の薬物送達デバイスユニットへの付属物として、ユーザインターフェース部材を提供することが容易になる。
2つの非接触センサ、たとえば容量センサ、すなわち設定面用のセンサおよび送達面用のセンサが使用される場合、特に設定センサが送達センサのためのウェークアップセンサとして使用される場合、送達センサが動作する周波数または応答速度より低い周波数または応答速度で設定センサを動作させることが有利である。たとえば、設定センサの周波数または応答速度は、送達センサのものの少なくとも5分の1、10分の1、15分の1、20分の1、30分の1、40分の1、または50分の1未満とすることができる。言い換えれば、fS/fDは、1/5、1/10、1/15、1/20、1/25、1/30、1/35、1/40、1/50の値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。ここで、fSは、設定センサまたはスイッチが動作する周波数または応答速度を示し、fDは、送達センサまたはスイッチが動作する周波数または応答速度を示す。使用者がそれぞれの表面に近接またはタッチしたかどうかを確認するための1つの感知動作を実行するために、それぞれのセンサまたはスイッチを動作させるには、電源からの電力をそれぞれのセンサへ少なくとも一時的に供給する必要がある。したがって、設定面への使用者の近接を小さい周波数または応答速度で検出することができ、すなわち送達面への使用者の近接より少ない周波数でセンサをポーリングすることができる。設定事象が感知された場合、たとえば電子制御ユニットによって、使用信号をトリガして、送達センサを動作状態にすることができる。たとえば、設定センサまたはスイッチがポーリングまたは動作される周波数fSは、10Hz、8Hz、5Hz、4Hz、3Hz、2Hzの値のうちの1つより小さいまたは等しいものとすることができる。
別法または追加として、送達センサまたはスイッチがポーリングまたは動作される周波数fDは、10Hz、15Hz、20Hz、25Hz、30Hz、40Hz、45Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hzの値のうちの1つより大きいまたは等しいものとすることができる。それに応じて、設定センサは、使用者が設定面に近接したかどうかを確認するために、毎秒5回以下、たとえば毎秒2回または毎秒4回、動作またはポーリングすることができる。関連する電力消費は比較的低く、上記でさらに論じたように、好ましくは15μAより小さいまたは等しく、たとえば3μAである。これとは異なり、送達センサまたはスイッチは、たとえば毎秒10回以上、最大毎秒100回など、より高い頻度で動作またはポーリングすることができる。それに応じて、上記ですでに論じたように、電力消費はより高く、たとえば約100μAである。
この実施形態では、使用者が設定面にタッチするような設定動作または設定動作を示す事象を使用して、使用検出ユニット、たとえば送達検出ユニット、特に付随するたとえば非接触のセンサまたはスイッチをウェークアップさせることができる。また、送達検出ユニットの動作に必要とされることがある電子システムの残りの構成要素を、電力消費のより高い状態へ切り換えることができ、またはウェークアップさせることができる。しかし、運動感知ユニットをウェークアップさせることはまだ必要ではなく、運動感知ユニットは、たとえばこのユニットならびに場合により通信ユニット内で使用される光電子構成要素(エミッタおよびセンサ/検出器)のために特に高い電力消費を有することがある。好適には、運動感知ユニットは、使用者が送達面に近いことを送達検出ユニットが検出した場合にのみ、たとえば制御ユニットによって、電力消費のより高い状態へ切り換えられる。好ましくは設定事象が先行する場合にのみ、使用者が送達面にタッチしたことを検出することは、予期される送達動作を示唆し、その結果、運動感知ユニットに電力を供給する価値がある。類似の考慮が、通信ユニットまたは設定動作に必要とされない他のユニットにも適用される。さらに、送達検出ユニットのみまたは設定検出ユニットのみが設けられることも可能である。
この実施形態では、電子システムは、2つの段階で切り換えることができる。第1に、電子モジュールは、用量設定(ダイヤル設定)中の休止またはアイドル状態からウェークアップされるが、運動感知ユニットは、この段階では、たとえば設定センサ1660を介して初期化されない。
ダイヤル設定事象によって、容量センサ(送達センサ1650)がウェークアップされ、ユーザインターフェース部材の送達面1620またはそのすぐ近傍における使用者の指/親指の存在を検出することが可能になる。この事象は、使用者がこの頂面に軸方向の力を提供することが必要とされる用量送達の時点で発生する可能性が最も高いことが予期される。
使用者が用量送達を開始するために電子システムの送達面に接触したとき、容量センサは、指/親指の存在を検出し、運動感知ユニット、たとえばIR-LED検出システムを初期化して、用量送達中にデバイス内における構成要素の回転を検出することができる。運動感知ユニットによって、たとえば30秒などの所定の時間内に、回転が観察されなかった場合、容量センサはオフに切り換えられる。
この概念では、容量センサの電力消費が運動感知ユニットの電力消費より著しく低く、それによって運動感知ユニットのオン時間を用量送達中のみに制限することで、電子モジュールの全体的な電力消費が下がることを利用する。容量センサのための典型的な静かな電流引込みは、4Hzのポーリング周波数で約3μA、100Hzのポーリング周波数で約100μAである。運動感知ユニットは、動作状態にあるとき、500μAより大きい電力消費を有する可能性がある。
加えて、この概念では、電子システムの偶発的なウェークアップを制限する。電子システム/ユーザインターフェース部材の送達面/近位面が意図せず押下された(たとえば、バッグ内に保持されている間に他の物品によって圧迫された)場合、これにより運動感知ユニットはウェークアップされないはずである。逆に、用量設定に続いて指/親指がシステムの送達面に接触した場合にのみ、運動感知ユニットが初期化されるはずである。
図6Aおよび図6Bは、システムの使用検出ユニットまたは他の機能内で使用者近接検出ユニットとして使用することができる電子システム、特に使用者近接検出ユニットの一実施形態を示す。概略的な機能に関しては、この実施形態は上述した実施形態に類似しており、これは電気式使用者近接検出ユニットまたは使用検出ユニットにも適用される。それに応じて、この実施形態に関連して開示する構成が他の実施形態にも適用され、逆も同様である。しかし、他の実施形態とは異なり、この実施形態は接触センサまたはスイッチに依拠し、使用者は、センサまたはスイッチをトリガするために感知面に接触しなければならない。
図6Aは、ユーザインターフェース部材1600の概略的に描かれた部分の側面図を示し、図6Bは上面図を示す。ユーザインターフェース部材1600は、たとえば薬物送達デバイス(ユニット)のハウジング10に可動に接続される。図示のユーザインターフェース部材は、複合型の用量設定および用量送達部材であり、したがってこの部材は、用量設定動作中および用量送達動作中に使用者によって操作される。その結果、ユーザインターフェース部材は、上記で論じたように、2つの異なる表面、すなわち設定面1610および送達面1620を有する。設定面1610は、ユーザインターフェース部材1600を横方向に区切りかつ/または径方向を向いている側面とすることができる。径方向は軸Aを基準としており、軸Aは、デバイス、ハウジング、もしくはユーザインターフェース部材の主長手方向軸とすることができ、かつ/またはそれぞれの構成要素の遠位端と近位端との間に延びる。軸Aは、用量設定中のハウジングに対するユーザインターフェース部材の回転の回転軸とすることができる。図6Bは、近位設定面1620の上面図を示す。2つの異なる表面を有する1つの構成要素とは異なり、上記ですでに論じたように、用量設定のためのユーザインターフェース部材および用量送達のためのユーザインターフェース部材が異なることもできる。ユーザインターフェース部材は、設定面および/または送達面を提供するユーザインターフェース部材本体1605を含む。本体は、前述のように、システムの1つまたはそれ以上の電気または電子構成要素をその内部に保持することができる。
1つまたはそれ以上の第1の電気接点または接触面1630が、設定面1610および/または送達面1620上に配置される。さらに、1つまたはそれ以上の第2の接点または接触面1640が、設定面および/または送達面上に設けられる。接点1630および1640または接触面は、電気接点面であり、かつ/またはユーザインターフェース部材内部に設けられた電子制御ユニットに直接もしくは間接的に導電接続される。第1の接触面および第2の接触面は、異なる電位、たとえば逆の極性の表面とすることができる。第1の接触面1630は、好ましくは等電位の表面であり、接触面1640も同様である。
使用者がユーザインターフェース部材を動作させると、第1の接触面1630および第2の接触面1640は、用量設定中および/または用量送達中に、使用者がそれぞれ設定面1610および/または送達面1620上の第1の接触面の一部分および第2の接触面の一部分に同時にタッチするように配置される。言い換えれば、設定面上の第1の接触面および第2の接触面のパターンは、用量設定動作を実行するとき、使用者が常に設定面上の両方の接触面の一部分にタッチするように構成することができる。別法または追加として、送達面上の第1の接触面および第2の接触面のパターンは、用量送達動作を実行するとき、使用者が常に送達面上の両方の接触面の一部分にタッチするように構成することができる。したがって、それぞれの動作を開始するとき、使用者は、第1の接触面と第2の接触面との間にブリッジを提供し、したがってこれらの接触面が使用者の指を介して導電接続される。
使用者が寄与する抵抗は比較的高く、たとえば1kΩ~200kΩである。使用者がこれらの接点をつないだとき、その結果生じる抵抗の変化を使用して、電子システムのユニットのうちの1つを第1の状態から電力消費がより高い第2の状態へ切り換えることができる。流れている電流は、使用信号/近接信号とすることができる。使用者が接触面にタッチしたという事象を使用して、たとえばMOSFETなどのトランジスタを含む専用回路をトリガし、システム内のさらなる電子機器、たとえば電子制御ユニット1100を起動することができ、次いでこれにより、運動感知ユニット1200および/または通信ユニット1400をオンに切り換えることができる。専用回路は、使用者が接触面にタッチしなくなった場合でも、電子制御ユニットの起動を保持することができる。その結果、回路はホールド回路とすることができる。電子制御ユニットに加えて専用回路は、接触面がつながれているかどうかを評価するために制御ユニット自体を使用する場合と比較して、最適化された電力消費を有することができる。
所望の動作が実行された後、たとえば構成要素がホーム位置に到達し、対応するスイッチをトリガすることによって、動作終了信号を生成することができる。電子制御ユニットは、動作終了信号に応答して、オフ信号などの信号を専用回路へ発行することができ、次いでオフ信号に応答して、専用回路を停止状態にすることができる。使用者が再び2つの接触面1630および1640の一部分に同時にタッチすると、ホールド回路がその動作を回復し、たとえば電子制御ユニット、運動感知ユニット、および/または通信ユニットなどのそれぞれのユニットを再び起動することができる。そのような専用回路およびその配置が、図6Cに概略的に示されている。
電子制御ユニットを起動状態で保持するために専用回路を設ける代わりに、接点をつなぐによって生成された電流を使用して、電子制御ユニットによる電力消費のより高い状態への電子システムの切換えを直接トリガすることもできる。専用回路なしに電子ユニットをオフに切り換えることは、別のユニット、たとえばタイマユニットおよび/または電子制御ユニットによって実現することができる。しかし、専用のホールド回路は、より電力効率のよい解決策を提供することができる。
設定および送達面上の第1の接触面は、導電的に相互接続される。同じことが、設定および送達面上の第2の接触面にも当てはまる。別法として、送達面1620上の第1の接触面および/または第2の接触面は、設定面1610上の関連する接触面から電気的に離れている。具体的には、使用者が設定面のみにタッチしたか、送達面のみにタッチしたか、それとも両方の表面にタッチしたかを区別することができる。このようにして、設定および送達動作を互いにより容易に区別することができる。図示の実施形態とは異なり、設定面1610上でストリップ状の様々な接触面を使用する例示的な実施形態を交互に配置することもでき、近位送達面1620上のほぼ完全な円形の接触面は単に例示的な配置であることに留意されたい。たとえば径方向に向けられたストリップ状の接触面を送達面上に交互に配置するなど、他の配置も可能である。また、ストリップの数を調整することができる。
また、送達面および設定面への使用者の接触が別個に監視されるべきである場合、1組の電気的または直流的に分離された3つの接触面ですでに十分である。これらの接触面のうちの1つは、送達面から設定面へ延びることができ、すなわちこの接触面は、設定面および送達面上でアクセス可能である。したがって、この接触面は、設定面および送達面上の共通の接触面を形成する。他の2つの接触面は、1つは送達面上でのみアクセス可能であり、1つは設定面上でのみアクセス可能であり、電気的に分離される。共通の接触面を使用して、送達面上の他の接触面と組み合わせて送達面との接触を検出し、設定面上の他の接触面と組み合わせて設定面との接触を検出することができる。したがって、使用者が設定面にタッチしたことと、使用者が送達面にタッチしたこととを区別するために、たとえば用量設定動作を用量送達動作から区別するためには、4つの分離された接触面を有するのではなく、3つの電気的に分離された接触面が十分である。4つの分離された接触面を有することも選択肢である。
それぞれの接触面は、ユーザインターフェース部材内へ一体化することができ、包絡面(包絡面は明示的に図示せず)に対して凹状とすることができる。接触面は、外面の凹部内に配置することができる。このようにして、電子機器の望ましくない起動のリスクを低減させることができる。使用者の手および指の柔軟性は小さく、接点がユーザインターフェース部材の包絡面に対して凹状にされた場合でも、皮膚が接点に機械的に接触する可能性はある。包絡面に対して接触面を凹状にすることによって、剛性の導電部材によってこれらの接点を偶発的につなぐリスクが大幅に低減される。
電子システムは、信号、たとえば使用信号が所定の基準または1組の基準を満たすかどうかを評価するように構成された信号評価ユニット(明示的には図示せず)を含むことができる。信号が基準または1組の基準を満たさない場合、信号評価ユニットは、この結果を電子制御ユニットへ送り返すことができ、この場合、電子制御ユニットは、他のユニットのうちの1つまたはそれ以上を電力消費のより高い状態へ切り換えない。そのようなユニットは、この実施形態だけでなく、他の実施形態でも実装することができる。この実施形態では、信号評価ユニットは、使用者を通って流れる電流の大きさを基準として使用することができ、この基準は、電源の電圧を知っていることで、接点をつなぐ要素の電気抵抗または抵抗率の尺度を与える。この抵抗または抵抗率が、接触面1630および1640をつなぐ人間の組織/皮膚に特有の抵抗または抵抗率より小さい場合、生成された信号は、使用者によって生成されたものではないと見なされ、その結果、設定および/または送達動作が予期されないため、電力消費は上昇されない。
上記で論じた実施形態には様々な利点がある。たとえば、この実施形態は、電子機器において比較的容易に実現および実装される。この実施形態はまた、可動の部材を伴わず、薬物送達デバイスまたはシステムの部材の互いに対する動きに依拠しない。この実施形態は、用量設定および用量送達の両方の動作のために機能する。
さらに、使用信号は、ユーザインターフェース部材が用量設定および/または用量送達のために動かされる前に生成される。したがって、ウェークアップまたは電源投入される必要のある電子システムのユニットは、用量設定および/または用量送達の機械動作が開始されるとき、動作の準備ができるまでに十分な時間を有する。たとえば金属または別の電気導体の電気接点面は、成形プロセス、たとえば射出成形中に、プラスチックのユーザインターフェース部材本体に一体化することができる。
接触面1630、1640は、トリガ予定の接触面との機械的接触を必要とする抵抗タッチセンサまたはスイッチの一部である。
当然ながら、センサ感知面との機械的接触またはさらには非接触に基づいて、ユーザインターフェース部材の表面への使用者の近接を検出することができる、タッチセンサまたはスイッチに対する他の選択肢も存在する。代替の抵抗センサまたはスイッチに対する一例は、感圧抵抗回路網である。設定面および/または送達面は、タッチ感応表面区域、好ましくは別個のタッチ感応表面区域を備えることが好ましい。
接触面1630および1640は、ユーザインターフェース部材1600の外面上でアクセス可能であり、これを使用して、再充電可能な電池を電源として充電することができる。充電のために、ユーザインターフェース部材を受け取るように構成された専用の充電ベイを設けることができる。
図7は、前述の実施形態に類似した実施形態を示し、ユーザインターフェース部材1600の表面は、たとえば接触パッドなどの電気接点または他のタッチ感応センサによって形成されたタッチ感応表面区域を備えまたは有する。設定面上のタッチ感応表面区域は、たとえば交互の極性または電位を有する接触パッドによって(より高い電位の表面に続いてより低い電位の表面が位置し、逆も同様である)、円周方向に均一に分散させることができ、または表面全体をタッチ感応式にすることができる。送達面1620のタッチ感応表面区域は、1つの連続するタッチ感応表面区域によって、または別個の表面区域によって、たとえば異なる電位の接触面によって、形成することができる。
図8は、電子システムのさらなる実施形態の分解図を示す。この実施形態は、図3に関連して説明した実施形態に類似している。主に、図3Cに示す実施形態との違いについて、以下に指摘する。電子システム1000は、導体キャリア3000(たとえば、PCB、プリント回路基板)を含む。導体キャリア3000は、感知要素(明示的には図示しないが、たとえばマイクロコントローラまたはチップ)を有する使用者近接検出ユニットを含む。使用者近接検出ユニットのセンサ電極1345は、好ましくは導体キャリアの導体を介して、感知要素に導電接続される。電極1345は、複数の電極部分1347、たとえば図示の実施形態では4つの部分を有する。電極部分は、軸方向に向けることができ、たとえばほぼ軸方向に向けることができる。電極部分は、互いに平行に向けることができる。電極部分1347は、リング状部分1348を介して互いに接続される。リングは、2つの端部が互いに面するように角度方向に開くことができ、または角度方向に閉じることができる。リング状部分1348は、導体キャリア3000を取り囲むことができ、たとえば導体キャリア3000の横方向縁部に沿って延びることができる。電極1345は、たとえばリング状部分1348を介して、導体キャリア3000に取り付けることができ、かつ/または導体キャリアに導電接続することができる。電極部分1347は、リング状部分1348から遠位方向に延びる。電極部分1347は、リング状部分1348から近位方向に延びる。言い換えれば、リング状部分は、リング状部分から見て両方の軸方向に延びることができる。近位端領域で、近位方向に延びる電極部分1347は、内方へ湾曲または内方へ屈曲することができる。このようにして、電極部分は、ユーザインターフェース部材本体1605をその近位端領域内で近位に区切る表面の方を向くことができる。したがって電極は、送達面のための感知電極として作用することができる。近位端領域で、電極部分は、中心軸(主長手方向軸)の方を指すことができる。近位端領域で、近位に延びる電極部分1347は、組み立てられたときにユーザインターフェース部材の送達面1620に平行または実質的に平行な表面を含むことができる。近位に延びる部分1347の形状は、特に近位端領域において、ユーザインターフェース部材本体1605(たとえば、キャップ、ボタン)の内面に共形となることができる。少なくとも近位に延びる電極部分1347の端部領域を使用して、送達面への近接を監視することができる。リング状部分1348および/または遠位に延びる電極部分1347を使用して、設定面への近接を監視することができる。図示の電極を有する使用者近接検出ユニットは、どの特定の表面が使用者によってタッチされているかを区別しない。別法として、この電極を設定面および送達面に対する異なる感知要素に接続して、単一の電極を介して検出されている近接またはタッチ事象が設定であるか、それとも送達であるかを区別することができる。当然ながら、別個の電極も同様に可能である。
図9A~図9Dは、図9A~図9Dの概略的なプロセスフローによって、前述の電子システム1000のいずれか1つの動作方法の実施形態、たとえばユーザインターフェース部材への近接を監視するために容量センサを用いることができる図2~図5または図8の実施形態を示す。上記および下記でさらに説明する電子システムまたは薬物送達デバイスは、これらの方法に従って動作するように構成することができる。したがって、これらの方法に対して開示する構成がシステム(および薬物送達デバイス)にも適用され、逆も同様である。
第1の工程で、電子システム(たとえば、付属モジュール)を、たとえば注射デバイス(ペン型注射器など)のための薬物送達デバイスユニットに取り付けることができる。取付け中または取付け後、たとえば上記でさらに説明した接続検出ユニット1700を介して、使用者近接検出ユニットを動作状態にすることができ、または起動することができる。別法として、システムをデバイスに一体化することができ、かつ/または使用者近接検出ユニットを別個に起動することができ、もしくは連続して起動状態にすることができる。使用者近接検出ユニットは、設定面および送達面のうちの少なくとも一方または両方に対する近接またはタッチを検出するように構成される。
電子システム1000は、(それぞれの)使用者近接検出ユニットが起動状態にあるとき、たとえばデバイスユニットへの取付け後、または使用者近接検出ユニットの起動後、第1の状態(またはアイドル状態)にある。この状態で、1つまたはそれ以上の使用者近接検出ユニットは、ユーザインターフェース部材1600(またはその本体1605)の送達面1620(たとえば、頂面または近位面のタッチ)および設定面1610(たとえば、グリップまたは横方向面のタッチ)のうちの少なくとも一方または両方に対する使用者の近接または使用者のタッチを検出するために、動作状態になる(たとえば、電源投入される)。しかし、運動感知ユニット1200は、第1の状態において、たとえば運動信号を生成するために起動状態または動作状態ではない。同じことが、第1の状態において起動状態または動作状態にない通信ユニット1400にも当てはまる。
さらに上記の開示から明らかなように、使用者近接検出ユニットにはいくつかの構成が存在する。システムは、送達面(頂面)のみまたは設定面(グリップまたは横方向面)のみに対する近接またはタッチ事象を検出するように構成することができる。これは、1つの使用者近接検出ユニットがそれぞれの表面を監視することによって行うことができる。別法として、システムは、両方の表面に対する近接またはタッチ事象を検出するように構成することができる。この場合、いくつかの選択肢が存在する。1つの選択肢は、システムが、事象が検出される表面を区別することができないように構成されることである。別の選択肢は、システムが、どの表面に使用者が近接しているか、または使用者によってタッチされているかを区別することができることである(すなわち、システムは、使用者が設定および/または送達面に近いまたはタッチしたかどうかを決定することができる)。2つの表面に対する事象を区別することができない(または区別しない)システムは、設定面に割り当てられた少なくとも1つの部分と、送達面に割り当てられた少なくとも1つの部分とを有する1つの感知電極によって、たとえば感知電極が動作可能に接続された1つの電子感知要素、たとえばセンサチップとともに提供することができる(たとえば、図8に示す電子システム、特に電極を参照されたい)。タッチまたは近接事象に対する表面を区別するべきである場合、多チャネルセンサチップを、たとえば異なる感知電極と組み合わせて使用することができ、または複数のセンサチップを、好ましくは付随する電極とともに使用することができ、1つのチャネルまたはセンサチップが設定面のために設けられ、別のチャネルまたはセンサチップが送達面のために設けられる。
図9Aは、送達面1620のみに対するタッチまたは近接事象が電子システムによって検出されまたは検出可能である方法の一実施形態を示す。すなわち、使用者近接検出ユニット1330は、送達面への近接を検出することが可能である(設定面への近接は検出しない)。したがって、システムは、送達センサを含むシステムとすることができる(設定センサは含まない。上記でさらに論じた実施形態も参照されたい)。初めに、システムは、タッチまたは近接事象を検出することができる第1の状態または「アイドル」状態にある。
使用者の親指または指が使用者近接検出ユニットによって検出されたとき(図9Aの「頂部タッチ」)、システムがウェークアップされ、運動感知ユニット(または用量捕捉システム)が初期化される(「用量捕捉」)。次いで、使用者は用量を送達することができ、運動感知ユニットを介して、送達された量を判定することができる。運動感知ユニットが動作状態にあるとき、通信ユニットは依然として非活動状態とすることができる。
タイマ機能(好ましくは、電子システムに組み込まれる)を使用して、タッチ事象の検出から所定の時間、たとえば2sが経過したとき、用量送達動作が完了したと見なすことができる。別法または追加として、運動感知ユニットによって生成された信号を監視することができ、用量送達動作に特有である最後の信号が検出されてから所定の時間、たとえば2sが経過した後、用量送達動作は完了したと見なされる。別法またはさらに追加として、ユーザインターフェース部材の解放(使用者近接検出ユニットを介して(たとえば、タッチしていることに特有の信号からタッチしていないことに特有の信号への信号の変化によって)検出可能とすることもできる)を、用量送達動作が完了したというインジケータとして使用することができる。この場合、用量送達動作は、ユーザインターフェース部材の送達面の解放が検出されてから所定の時間、たとえば2sが経過したとき、または解放の検出への直接応答において、完了したものと見なすことができる。用量送達動作の完了を示すために送達面の解放が使用されない場合、使用者は、通信ユニットを介した同期プロセス中、指または親指をユーザインターフェース部材上で維持することができ、これによりシステムに対する使用者の信頼を増大させることができる。用量送達動作の完了を示すために送達面の解放が使用される場合、中断された用量(使用者はまだユーザインターフェース部材との接触を維持しているが、送達動作に必要な力をかけていない)を、完全な用量であると誤って解釈する可能性が増大する。
用量送達動作が完了したまたは完了したと見なされた後、運動感知ユニットをオフに切り換えることができる。運動感知ユニットによって生成されたデータは、システムの内部メモリ内に記憶することができ、かつ/または通信ユニット1400を介して外部デバイス、たとえば電話(または類似物)との自動データ同期を開始することができる。
システムは、所定の時間が経過した後(「タイムアウト」)、たとえばユーザインターフェース部材の送達面の解放(「頂部解放」)後、最後の信号が運動感知ユニットによって生成された後、または運動信号が運動感知ユニットによって生成されることなく、第1の状態またはアイドル状態に戻ることができる。45s以下、たとえば30sとすることができる所定の時間後、運動感知ユニットをオフに切り換えることができる。図9Aは、この方法の上位プロセスフローを示す。
新しいタッチまたは近接事象が送達センサによって検出されると、好適には、システムが運動感知ユニットをもう一度初期化または起動する(そのような初期化が必要とされる場合)。タッチまたは近接事象は、好ましくは、依然として進行している可能性のあるあらゆるペアリングまたは同期活動を中断し、続いて送達されるあらゆる単位がシステムによって捕捉されることを保証する。これは、デバイスのプライミング(新しいカートリッジがデバイスの用量設定および駆動機構に接続された後、薬物送達デバイスが適切に機能し、用量設定中に設定された量の用量を送達することを確実にするために必要になることがある)の場合に特に有利である。プライミングの場合、1つの用量送達動作の後に別の用量送達動作を迅速に行うことができる。
外部デバイスとのペアリング、またはたとえばペアリングされた外部デバイスとの手動同期など目的で、デバイスまたはシステムをウェークアップさせるために、使用者は、送達面を介してユーザインターフェース部材を押下することができる(0用量が設定されているとき、すなわちユーザインターフェース部材が用量設定が開始される前にその開始位置にあるとき、かつ/または用量送達動作の完了後その終了位置にあるとき)。これにより、上述したように運動感知ユニットの初期化がトリガされるが、単位はカウントされない。この0用量送達(「0U用量」)の継続時間を使用して、使用者が実行したいと考えている行動、たとえばペアリングまたは手動同期を推測することができ、ペアリングは手動同期ほど頻繁に発生しない可能性が高いため、ペアリングに必要とされる継続時間は手動同期のための継続時間より大きい。ペアリングおよび手動同期のこの手法は、光学式運動感知ユニットが駆動機構、たとえば数字またはダイヤルスリーブに対するユーザインターフェース部材(用量ボタン)の軸方向位置を検出することができることから容易になる(たとえば図3に関連する上記のさらなる説明も参照されたい)。
送達面が監視されているため、この実施形態では、送達動作の開始が逃されるべきではないため、比較的頻繁にまたは高い応答速度もしくは周波数(たとえば、80Hz、上記のさらなる説明を参照されたい)で、送達センサをポーリングしなければならない。運動感知ユニットをあまりに遅くに起動すると、判定される用量が不正確になる。
図9Bは、設定面1610のみに対するタッチまたは近接事象が電子システムによって検出されまたは検出可能である方法の一実施形態を示す。すなわち、使用者近接検出ユニット1330は、設定面への近接を検出することが可能である(送達面への近接は検出しない)。したがって、システムは、設定センサを含むシステムとすることができる(送達センサは含まない。上記でさらに論じた実施形態も参照されたい)。初めに、システムは、タッチまたは近接事象を検出することができる第1の状態または「アイドル」状態にある。
使用者の親指または指が使用者近接検出ユニットによって検出されたとき(図9Bの「グリップタッチ」)、システムがウェークアップされ、運動感知ユニット(または用量捕捉システム)が初期化される。設定動作は送達動作に先行し、したがって運動感知ユニットがすぐに必要とされるというインジケータとして働く。次に、使用者は用量を送達することができ、運動感知ユニットによって生成された信号を介して、送達された量を判定することができる(「用量捕捉」)。運動感知ユニットが動作状態にあるとき、通信ユニットは依然として非活動状態とすることができる。
設定面が監視されているため、この実施形態では、より低い頻度または低い応答速度もしくは周波数(たとえば、5または8Hz、上記のさらなる説明を参照されたい)で、センサをポーリングしなければならない。送達面がセンサによって監視される場合、通常は設定動作の開始と次の送達動作の開始との間に数秒が存在し、運動感知ユニットは送達動作中にのみ動作状態にしなければならないため、応答速度は図9Aのうちの1つより特に低くすることができる。
運動感知ユニットは、用量が記録されるまで(たとえば、最後の運動信号の生成後)、かつ/またはタイムアウト、たとえば45s未満、30sなどに達するまで(「タイムアウト」)、起動状態または動作状態のままである。その後デバイスは、次のタッチ事象が検出されるまで、そのアイドル状態へ戻る。場合により、システムが第2の状態または「動作可能」状態(たとえば、運動感知ユニットが動作状態にある)にあるという感覚インジケーション(たとえば、LED)を使用者に与えることができる。用量送達動作後の同期は、図9Aに関連して論じたものと同様に行うことができる。また、同期またはペアリングプロセスが進行している間に新しいタッチまたは近接事象が検出された場合、そのプロセスを中断することができる。図9Bは、この方法の上位フローを示す。
ペアリングまたは手動同期のためにシステムをウェークアップさせるために、図9Aに関連して説明したものと同じ原理を使用することができる。このとき使用者は、ユーザインターフェース部材(ボタン)を押下する前に、この行動が単独ではシステムをウェークアップさせないため(送達面に対する近接感知機能は存在しないため)、設定面(グリップ面)に接触する必要がある。別法として、通信ユニットを開始するための追加のスイッチを含むことができ、通信ユニットは、BLEユニットとすることができ、またはBLEユニットを含むことができる。
図9Cは、この方法の別の実施形態を示す。この実施形態では、設定面および送達面に対するタッチまたは近接事象を検出することができる。しかし、これらの表面のうちどちらの特定の表面に使用者が近接したかを区別することはできない。電子システムは、ユーザインターフェース部材の外側におけるタッチを検出することが可能な単一のセンサを含む。このセンサは、複合型の設定および送達センサである(たとえば、図8参照)。
初めに、システムは、タッチまたは近接事象を検出することができる第1の状態または「アイドル」状態にある。ユーザインターフェース部材に対するタッチまたは近接が検出されたとき、運動感知ユニットが初期化され、用量送達動作中に運動信号を生成することができる(「用量捕捉」)。次いで、システムは中間の状態または「動作可能」状態になる。ユーザインターフェース部材が解放されたとき(好適には、使用者近接検出ユニットの信号の変化を介して検出可能であるとき)、システムは中間の状態または「動作可能」状態のままである(運動感知ユニットは動作状態である)。次のタッチもしくは近接事象が発生するまで、かつ/またはタイムアウト、たとえば45sより小さいまたは等しいタイムアウトなどの前述のタイムアウト、たとえば30sのタイムアウトに達するまで、システムはこの状態のままである。図9Cは、この方法の上位プロセスフローを示す。
上述したように、中間の状態または「動作可能」状態は、システムがこの状態にあるときに運動感知ユニットを起動状態または動作のままにすることを伴うことができる。別法として、システムは、この状態で(たとえば、ユーザインターフェース部材の解放に応答して)運動感知ユニットが非活動状態になるように、非活動化されるように、もしくはオフに切り換えられるように、かつ/またはセンサがこの状態でアイドル状態より高い応答速度に設定されるように(たとえば、より好適には送達面を監視するため。上記のさらなる説明を参照されたい)、構成することができる。図9Bに関連して論じたように、設定面を介して設定事象を検出するための遅い応答速度は許容することができるが、送達事象を検出するためにはより速い応答が有利である。通常の使用では送達に先行するような設定が必要とされるため、第1の状態または「アイドル」状態にあるセンサは、低い応答速度で動作することができる。
ペアリングまたは手動同期のために電子システムをウェークアップさせるために、図9Aに関連して説明したものと同じ原理を使用することができる。
図9Dは、この方法の別の実施形態を示す。概して、この実施形態は図9Cに関連して論じた実施形態に類似している。したがって、以下の議論では違いに注目する。この実施形態では、システムは、送達面(頂部)および設定面(グリップ)のタッチまたは近接事象を区別することができる。これは、2つの感知要素(たとえば、別個の電極を有する2つのセンサチップまたはセンサコントローラ)、または2つの入力チャネル(たとえば、2つの異なる電極)のための容量を有する単一の感知要素(たとえば、1つのセンサチップまたはコントローラ)を用いることによって実現することができる。電池寿命モデルでは、運動感知ユニットが起動状態にある状態で費やされる時間を低減させる利益は、追加の感知要素またはチャネルの追加の静かな電流の引込みを受けるだけの価値があることを示している。したがって、使用者近接検出ユニットは、設定面および送達面を監視することができる。ユーザインターフェース部材1600のどの表面が使用者によって操作されているか、すなわち設定面であるか、それとも送達面であるかを区別または判定することができることで、タッチもしくは近接事象のより精密な取扱い、および/または電力消費に関するより精密な制御が可能になる。
設定面(グリップ)上のタッチまたは近接事象は、前述の実施形態のように運動感知ユニットをすぐに初期化しない。代わりに、この事象を使用して、送達センサ(または付随するチャネル)の応答時間または速度を制御することができ、好ましくはそのセンサをオンまたはより高い応答速度に切り換えることができる。上記および下記の「設定センサ」に対する参照は、別個の設定センサ(チップ)またはセンサ(チップ)の1つの設定センサチャネルを包含すると見なされるべきである。同じことが、参照のために「送達センサ」および送達センサチャネルにも当てはまる。
第1の状態または「アイドル」状態で、送達センサを完全にオフ(非活動状態)または起動状態、たとえば遅い応答速度設定(たとえば、10Hz以下。たとえば図3A~図5Cに関連する上記のさらなる説明も参照されたい)にすることができる。設定センサは、起動状態、好適には遅い応答速度設定にすることができる。送達センサおよび設定センサの応答速度は、第1の状態と等しいものとすることができ(送達センサが完全に動作状態であり、オフに切り換えられていない場合)、または異なるものとすることができる。
タッチまたは近接事象が設定センサによって検出されたことに応答してシステムが切り換えられたシステムの中間の状態または「動作可能」状態で、送達センサは、速い応答設定に設定される。すなわち、送達センサの応答速度はアイドル状態における応答速度より増大され、かつ/または送達センサの応答速度はアイドル状態における設定センサの応答速度より大きく設定される。
この状態で、送達面上の事象をより高い応答速度で検出することができる(たとえば、10ms未満、たとえば9msの応答時間を提供する)。設定センサは、動作可能状態で動作状態のままとすることができ、またはオフに切り換えることができる。システムは、タイマまたは送達センサタイムアウトを備えることができ、これにより、送達センサが所定の時間内に近接またはタッチ事象を検出しなかった場合、システムを再び第1の状態またはアイドル状態に切り換える。所定の時間は、45秒より大きいまたは等しいもの、たとえば1分より大きいまたは等しいもの、たとえば1~2分とすることができる。好ましくは、送達センサタイムアウトのための所定の時間は、運動感知ユニットタイムアウト(45s未満、30s以下など、たとえば20s以下、または10s以下、3~5sなどとすることができる)より大きい。タッチまたは近接事象が送達センサによって検出されることによって運動感知ユニットを別個に初期化することができるため、運動感知ユニットがオフに切り換えられまたは非活動化される運動感知ユニットタイムアウトは、前述(たとえば、図9A~図9Cに関連)の実施形態の場合より小さくすることができる。
図9Aの実施形態と同様に、送達センサを使用して運動感知ユニットを初期化することができ、たとえばシステムの動作可能状態から開始することができる。システムがこの状態にあるときに、送達センサによってタッチまたは近接事象が検出されると、運動感知ユニットが初期化され、送達動作中に運動感知ユニットによって、たとえば用量データを生成するために、運動信号を生成することができる(「用量捕捉」)。使用者による送達面の解放は、送達センサを介して検出可能とすることができる。用量送達動作が完了した後に発生する可能性が高いユーザインターフェース部材の送達面の解放(「頂部解放」)後、短時間だけ中断された用量を相殺するために、運動感知ユニットタイムアウト、たとえば3~5sに達するまで、運動感知ユニットを起動状態で維持することができる。運動感知ユニットタイムアウト(「タイムアウト」)に達した後、運動感知ユニットをオフに切り換えることができ、または停止状態にすることができる。別法として、送達面の解放に(直接)応答して、運動感知ユニットをオフに切り換えることができ、または停止状態にすることができる。運動感知ユニットの停止状態化またはオフへの切換え後、もう一度システムを動作可能状態に設定することができ、すなわち送達センサは、高い応答速度で、たとえばアイドル状態より高い応答速度で動作する。送達センサを高い応答速度で維持することで、運動感知ユニットが高い応答速度で初期化されるため、中断された用量送達動作(中断の継続時間は場合により運動感知ユニットタイムアウトを超過する)がそれでもなお迅速に捕捉されることが確実になる。関連するタイムアウト、たとえば送達センサタイムアウトに達する時間までに運動信号が生成されていない場合、または送達面上のタッチまたは近接事象が検出されていない場合、システムは再び第1の状態またはアイドル状態へ切り換えられる。
図9Bに関連して説明したように、動作可能状態は、ある程度の時間後に自動で切れる。これは場合により、意図された形で、すなわち運動感知ユニットの迅速な初期化を必要とする高い応答速度で、システムが用量設定および駆動機構の運動を捕捉するために動作可能ではなくなったこと示す、使用者への感覚フィードバック(たとえば、LEDによる)を伴うことができる。この実施形態では、運動感知ユニットが起動された状態で費やされる余分な時間の量を最小にしながら、(タッチ)センサの連続する急速応答も必要としないことによって、電力効率がよくなる。図9Dは、この方法の上位プロセスフローを示す。
アイドル状態中に送達センサを完全にオフに切り換えることで、電力消費が低減され、運動感知ユニットの偶発的な起動のリスクが低減される。別法として、送達センサを遅い応答設定でオンのままにすることもでき、たとえばこれにより、図9Aに関連して説明したように、シームレスなペアリングまたは同期機能を可能にする。遅いまたは低い応答速度設定では、それでもなお送達信号を使用して、運動感知ユニットを初期化または起動することができる。したがって、中断された用量のほとんどの残り部分をそれでもなおカバーすることができる(ただし、高い応答速度モードで送達センサから開始する初期化と比較すると遅延がある)。送達センサは、好適には、当然ながら、運動感知ユニットが(たとえば、手動同期またはペアリングプロセスのために)動作される応答速度にかかわらず、運動感知ユニットを初期化または起動するように構成される。
設定が送達に先行し、設定された用量が送達されるまでに同期事象を完了するために常に十分な時間があり、システムがどの表面がタッチされているかを区別することができるため、設定面の新しいタッチ事象に応答して、まだ進行している可能性のある同期事象をキャンセルすることを回避することができる。送達面がタッチされた場合、用量送達動作を逃さないため、事象を中断することができる。
設定面は、その円周方向の変位によって、偶発的に発生するタッチ事象を検出する傾向がより強い。したがって、電力を消費する運動感知ユニットを起動するために送達面またはセンサを使用することが有利である。
運動感知ユニットに対して比較的短いタイムアウト(たとえば、10s未満、3~5sなど)を有することで、送達面のタッチ事象が偶発的に発生した場合(すなわち、送達センサがアイドル状態で完全に動作状態である場合)の電力消費を制限することができる。アイドル状態は、たとえばシステムをデバイスユニットに接続した後のシステムの標準的な状態とすることができる。
上記で論じた方法は、独立型とすることができる実用的なプロセスフローを提供するが、いくつかの変形例を使用して、全体的な電力消費をさらに低減させることができる。いくつかの変形例について、以下に論じる。
センサ、たとえば容量センサは概して、タッチまたは近接事象の継続時間にわたって静かな電流より著しく大きい電流を引き込むことが観察された。いくつかの応用例では、事象の継続時間または解放時点が関連する。この機能は、たとえば電力消費が低減させるため、電子システムの全体的な寿命を増大させるために犠牲にすることもできる。
たとえば、システムは、設定センサによって事象、たとえば設定事象が検出されたとき、このセンサがオフに切り換えられるように、または無効にされるように構成することができる。設定センサは、設定動作の開始時にタッチ事象を検出する。タッチまたは接触は、設定面が解放される設定動作の終了まで(断続的に)維持される。しかし、タッチ事象の発生後、設定センサがさらなる有用な情報をシステムに提供することはできない。したがって、第1のタッチ時点以降、たとえば電子システムが第1の状態またはアイドル状態に戻るまで、設定センサを無効にすることができる。アイドル状態に戻った時点でタッチがまだ存在する場合、設定センサをもう一度すぐに無効にすることができ、このプロセスが繰り返される。用いられるタッチまたは近接センサのタイプに応じて、設定センサが無効にされる前に、検出された設定面のタッチまたは近接事象を否定することが有利である(そうでなければ、センサが再び有効にされたとき、たとえばアイドル状態で、新しいタッチ事象が検出されなくなる)。これは、物理的なタッチによって達成可能な限度を超えて検出閾値を増大させ、センサが設定センサ上のタッチを登録しなくなるまで待機してから、センサを無効にすることによって実現することができる。検出閾値は、好適には、センサが再び有効にされたとき、またはシステムがアイドル状態に入ったときに回復される。
事象に応答してセンサをオフに切り換えることに対する別法として、事象が検出された後、より低い応答速度で、たとえば第1の状態またはアイドル状態より低い応答速度で、設定センサを動作させることができる。設定センサは、設定信号に応答して(すなわち、タッチまたは近接事象に応答して)、送達信号に応答して、または運動感知ユニットによって生成された(第1の)運動信号に応答して、より低い応答速度へ切り換えることができる。
設定面に対するタッチ事象が検出された後に設定センサの電力消費を低減させることに対する別法または追加として、タッチ事象が検出された後、たとえば設定もしくは送達信号に応答して、または運動感知ユニットによって生成された運動信号に応答して、送達センサの電力消費を下げることができる。設定センサとは対照的に、タッチ後(特に、「用量捕捉」中でない)は、解放時点を検出することができなくなることによって、あらゆる潜在的な電力の節約が否定されるため、送達センサを完全に無効にすることは推奨されない。解放時点を検出することができない場合、用量捕捉手順の退出または運動感知ユニットの非活動化をトリガするために潜在的な信号が利用可能ではないはずである。すでに説明したように、運動感知ユニットを不必要に電力供給された状態で維持することは、圧倒的に電力の最大の無駄である。妥協として、たとえば運動感知ユニットが動作状態にあるとき(運動信号が生成されるか否かにかかわらない)、かつ/または運動信号が生成されるとき、たとえば10Hzを下回る低減されたまたは低い応答速度を送達センサに設定することができる。これは、解放に応答する緊急性が近接またはタッチに応答する緊急性より著しく低いことから許容することができる(上記で説明したように、近接またはタッチに対する送達センサの遅い応答は、用量を実際より少なくカウントすることにつながりうる)。
本開示は、好適に構成されたペン注射器とともに、ペンから送達された用量を記録する目的で再利用可能なクリップオンモジュールとして実施することができる電子システムの構成を提供する。この機能は、記憶補助として、または用量履歴の詳細なロギングを支援するために、多種多様な使用者にとって有用である。システムは、用量履歴がシステムから周期的にダウンロードされることを有効にするために、移動デバイスなどに電子的に接続可能になるように構成することができる。
たとえば容量センサによるタッチまたは近接感度の使用には、電子システムが水の侵入から完全に封止されることを可能にするという利点がある。さらなる利点は、たとえば機械スイッチと比較すると、外部の可動部材が起動に伴わないため、収納中の偶発的な起動から保護されることである。これは、使用者が複数年にわたって携行することができ、様々な条件を受ける電子システムの頑強性にとって特に有利である。
概して、異なる図、態様、実施形態などに関連して本明細書に開示する構成は、互いに組み合わせることもでき、また以下および特許請求の範囲ならびに図面に開示する構成と組み合わせることができることに留意されたい。
上記で論じたように、上記でさらに論じた注射デバイスなどの電子システムまたは薬物送達デバイスのためのシステムを含む薬物送達デバイス内の電源(たとえば、再充電可能または再充電不能な電池)の電力消費または資源を管理することは、たとえば電源の容量の使用を最適化するために、かつ/または使用者もしくは患者に到達するまでに薬物送達デバイスもしくは電子システムが費やす時として多大な保管時間を考慮して、対処する必要のある問題である。システムをより長い期間にわたって収納しているときでも、電子システムがそれでもなお、意図される使用の継続時間にわたって適切に機能することを確実にする必要がある。
本開示は、薬物送達デバイスもしくはその電子システムにおいて、またはしたがってたとえばデバイス内の電力管理を改善するために実装することができる様々な概念を提示する。いくつかの概念は、必要とされるときのみ、または電力が必要とされる可能性が非常に高いときのみ、デバイスの特定のユニットへ電力を提供することに依拠する。たとえば、上述したたとえばWO2019/101962A1に記載されているデバイスは、用量送達(注射)動作を実行するために注射ボタン(ユーザインターフェース部材)が押下されているときのみ、デバイスの運動感知ユニット(IR-LEDおよびIR検出器を有するセンサシステム)に通電する。運動感知ユニットが通電された後、エンコーダ構成要素またはエンコーダリングの回転を感知ユニットによって使用して、送達動作中に送達された用量を示す動きに関するデータを収集することができる。測定された動きデータから、どれだけの薬物が実際に送達されたかを計算することができる。たとえば送達動作が実際に完了する前に使用者が送達動作を中断したとき、実際に送達される薬物の量は用量設定動作において事前に設定された用量に必ずしも一致しない。それに応じて、たとえば送達動作の現在の状態または進捗に関する洞察を得るために、すでに送達された薬物の量に相関する用量送達動作中に発生した動きを測定することが有利である。判定された送達用量は、好ましくは無線で外部または遠隔のデバイス、たとえばスマートフォンなどの手持ち式デバイスへ、たとえば通信ユニットを介して通信することができる。このようにして、使用者によって送達された用量に関する用量ログを確立することができ、使用者は用量ログに容易にアクセスすることができる。
提案される概念は、電子システムを含む多種多様な薬物送達デバイスにとって、または上記でさらに説明したデバイスだけでなくそのようなデバイスのための電子システムにとって好適である。デバイスは、注射デバイスおよび/またはペン型デバイスとすることができる。デバイスは、薬剤容器またはカートリッジを受け取るまたは含むように構成することができる。容器またはカートリッジは、デバイスによって送達予定の液体薬物で充填することができる。デバイスは、薬物の複数の用量を送達するように設計することができる。その結果、容器またはカートリッジは、いくつかの用量をデバイスによって送達するのに十分な量の薬物を含むことができる。デバイスは、再利用可能であっても使い捨てであってもよく、再利用可能なデバイスは、現在の容器またはカートリッジが空であると見なされるとき、または様々な理由で交換する必要があるとき、交換用の薬剤容器またはカートリッジを提供することができる。使い捨てのデバイスは、一度だけ使用できるデバイスとすることができ、薬剤容器が空になった後に廃棄される。デバイスは、ダイヤル延長型のデバイス、すなわち用量設定動作中に長さが増大するデバイスとすることができ、長さの増大は設定された用量のサイズに比例する。関連する用量送達動作中、たとえばデバイスがその元の長さ、すなわち用量設定動作が開始される前の長さを回復するまで、デバイスの長さを再び減少させることができる。別法として、デバイスの長さは、設定された用量のサイズとは無関係にすることができ、たとえば用量設定および/または用量送達中に一定または実質的に一定とすることができる。用量設定動作は、ユーザインターフェース部材、たとえばノブ、ボタン、またはグリップ構成要素(上記でさらに論じた)としての用量設定部材の動き、好ましくは回転運動を伴うことができる。用量送達動作は、ユーザインターフェース部材、たとえば上記でさらに論じた注射ボタンなどのボタンとしての用量送達部材の動き、好ましくは軸方向の動きを伴うことができる。上記でさらに論じたように、用量設定部材および用量送達部材は、単一の構成要素、たとえば単体の構成要素によって形成することができ、好ましくは、構成要素の異なる表面が用量設定動作および用量送達動作中に操作され、または別法として、用量設定部材および用量送達部材は、別個の構成要素/インターフェース部材もしくは部品とすることができ、たとえば用量設定および駆動機構を用量設定構成と用量送達構成との間で切り換えるために、これらの部材間の相対運動が可能である。用量設定もしくは用量送達中、または両方の動作中に、これらの構成要素間に相対運動が生じることができる。用量設定動作中、使用者は、たとえば親指および人差し指によって、用量設定部材の横方向面または側面、すなわち径方向に向いている表面を把持することができる。用量送達動作中、使用者は、たとえば親指によって、用量送達部材の軸方向に、たとえば近位に向いている表面にタッチすることができる。用量送達動作中、使用者は、用量送達動作を開始および/または連続して駆動するために、デバイスの用量設定および駆動機構を使用して、軸方向の力を用量送達部材へ伝達することができ、デバイスは、ユーザインターフェース部材に加えて、たとえば駆動部材およびピストンロッドなどのさらなる部材を含むことができる。駆動部材は、ピストンロッドに係合することができる。駆動部材は、駆動スリーブとすることができる。一実施形態では、用量送達部材は、ピストンロッドにねじ係合する駆動部材とすることができる。デバイスは、たとえばWO2015/028439A1に開示されているデバイスとすることができ、開示全体を参照によって本明細書に組み入れる。このデバイスでは、用量設定中、対応するクラッチが係合されることを介して、ノブ/ボタンをダイヤルスリーブまたは数字スリーブに回転不能にロックすることができる。用量を送達するとき、クラッチは解放され、ノブはハウジングに対して回転不能にロックされる。ダイヤルスリーブは、用量送達中にハウジングに対して回転することができる。
デバイスは、針に基づくデバイスとすることができ、すなわち皮膚を穿孔する針を介して薬物を体内へ送達することができ、または針を含まなくてもよい。デバイスは、送達支援を有するデバイス、たとえばばね支援式またはばね駆動式のデバイスとすることができる。そのようなデバイスでは、使用者による用量送達動作が、ばねなどのエネルギー貯蔵部材によって提供されるエネルギーによって支援され、または完全に駆動される。貯蔵部材内のエネルギーは、使用者によって用量設定動作中に増大させることができ、または製造者によって部材内に事前に収納された薬剤容器を空にするために必要とされるエネルギー全体をエネルギー貯蔵部材に提供することができる。後者の場合、使用者は、用量設定動作中などにエネルギー貯蔵部材内に貯蔵されるエネルギーを増大させるためにエネルギーを提供する必要がない。
実施形態の説明は、用量送達動作中にデータを集める運動感知ユニットに注目することに留意されたい。しかし、用量設定中にデータを収集することも可能である。さらに、論じた使用者近接検出ユニットは、電力管理の目的で好適であるだけでなく、他の目的で、たとえば通信ユニットの動作の制御または通信ユニットの起動のために、たとえば用量データの伝送および/または同期のために使用することもできる。
「薬物」または「薬剤」という用語は、本明細書では同義的に用いられ、1つもしくはそれ以上の活性医薬成分またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物と、場合により薬学的に許容可能な担体と、を含む医薬製剤を記述する。活性医薬成分(「API」)とは、最広義には、ヒトまたは動物に対して生物学的効果を有する化学構造体のことである。薬理学では、薬剤または医薬は、疾患の治療、治癒、予防、または診断に使用されるか、さもなければ身体的または精神的なウェルビーイングを向上させるために使用される。薬物または薬剤は、限定された継続期間で、または慢性障害では定期的に使用可能である。
以下に記載されるように、薬物または薬剤は、1つもしくはそれ以上の疾患の治療のために各種タイプの製剤中に少なくとも1つのAPIまたはその組合せを含みうる。APIの例としては、500Da以下の分子量を有する低分子、ポリペプチド、ペプチド、およびタンパク質(たとえば、ホルモン、成長因子、抗体、抗体フラグメント、および酵素)、炭水化物および多糖、ならびに核酸、二本鎖または一本鎖DNA(ネイキッドおよびcDNAを含む)、RNA、アンチセンス核酸たとえばアンチセンスDNAおよびRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、リボザイム、遺伝子、およびオリゴヌクレオチドが挙げられうる。核酸は、ベクター、プラスミド、またはリポソームなどの分子送達システムに取り込み可能である。1つまたはそれ以上の薬物の混合物も企図される。
薬物または薬剤は、薬物送達デバイスでの使用に適合化された一次パッケージまたは「薬物容器」に包含可能である。薬物容器は、たとえば、1つもしくはそれ以上の薬物の収納(たとえば、短期または長期の収納)に好適なチャンバを提供するように構成されたカートリッジ、シリンジ、リザーバ、または他の硬性もしくは可撓性のベッセルでありうる。たとえば、いくつかの場合には、チャンバは、少なくとも1日間(たとえば、1日間~少なくとも30日間)にわたり薬物を収納するように設計可能である。いくつかの場合には、チャンバは、約1カ月~約2年間にわたり薬物を収納するように設計可能である。収納は、室温(たとえば、約20℃)または冷蔵温度(たとえば、約-4℃~約4℃)で行うことが可能である。いくつかの場合には、薬物容器は、投与される医薬製剤の2つ以上の成分(たとえば、APIと希釈剤、または2つの異なる薬物)を各チャンバに1つずつ個別に収納するように構成されたデュアルチャンバカートリッジでありうるか、またはそれを含みうる。かかる場合には、デュアルチャンバカートリッジの2つのチャンバは、人体もしくは動物体への投薬前および/または投薬中に2つ以上の成分間の混合が可能になるように構成可能である。たとえば、2つのチャンバは、互いに流体連通するように(たとえば、2つのチャンバ間の導管を介して)かつ所望により投薬前にユーザによる2つの成分の混合が可能になるように構成可能である。代替的または追加的に、2つのチャンバは、人体または動物体への成分の投薬時に混合が可能になるように構成可能である。
本明細書に記載の薬物送達デバイスに含まれる薬物または薬剤は、多くの異なるタイプの医学的障害の治療および/または予防のために使用可能である。障害の例としては、たとえば、糖尿病または糖尿病に伴う合併症たとえば糖尿病性網膜症、血栓塞栓障害たとえば深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症が挙げられる。障害のさらなる例は、急性冠症候群(ACS)、アンギナ、心筋梗塞、癌、黄斑変性、炎症、枯草熱、アテローム硬化症および/または関節リウマチである。APIおよび薬物の例は、ローテリステ2014年(Rote Liste2014)(たとえば、限定されるものではないがメイングループ12(抗糖尿病薬剤)または86(オンコロジー薬剤))やメルク・インデックス第15版(Merck Index,15th edition)などのハンドブックに記載されているものである。
1型もしくは2型糖尿病または1型もしくは2型糖尿病に伴う合併症の治療および/または予防のためのAPIの例としては、インスリン、たとえば、ヒトインスリン、もしくはヒトインスリンアナログもしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP-1)、GLP-1アナログもしくはGLP-1レセプターアゴニスト、はそのアナログもしくは誘導体、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP4)阻害剤、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、またはそれらのいずれかの混合物が挙げられる。本明細書で用いられる場合、「アナログ」および「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドに存在する少なくとも1つのアミノ酸残基の欠失および/または交換によりおよび/または少なくとも1つのアミノ酸残基の付加により天然に存在するペプチドの構造たとえばヒトインスリンの構造から形式的に誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを指す。付加および/または交換アミノ酸残基は、コード可能アミノ酸残基または他の天然に存在する残基または純合成アミノ酸残基のどれかでありうる。インスリンアナログは、「インスリンレセプターリガンド」とも呼ばれる。特に、「誘導体」という用語は、天然に存在するペプチドの構造から形式的に誘導可能な分子構造、たとえば、1つまたはそれ以上の有機置換基(たとえば脂肪酸)がアミノ酸の1つまたはそれ以上に結合したヒトインスリンの分子構造を有するポリペプチドを指す。場合により、天然に存在するペプチドに存在する1つまたはそれ以上のアミノ酸が、欠失し、および/または非コード可能アミノ酸を含めて他のアミノ酸によって置き換えられ、または天然に存在するペプチドに非コード可能なものを含めてアミノ酸が付加される。
インスリンアナログの例は、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン(インスリングラルギン);Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン(インスリングルリジン);Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン(インスリンリスプロ);Asp(B28)ヒトインスリン(インスリンアスパルト);位置B28のプロリンがAsp、Lys、Leu、ValまたはAlaに置き換えられたうえに位置B29のLysがProに置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28~B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリンおよびDes(B30)ヒトインスリンである。
インスリン誘導体の例は、たとえば、B29-N-ミリストイル-des(B30)ヒトインスリン、Lys(B29)(N-テトラデカノイル)-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデテミル、レベミル(Levemir)(登録商標));B29-N-パルミトイル-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-ミリストイルヒトインスリン;B29-N-パルミトイルヒトインスリン;B28-N-ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28-N-パルミトイル-LysB28ProB29ヒトインスリン;B30-N-ミリストイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30-N-パルミトイル-ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29-N-(N-パルミトイル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン、B29-N-オメガ-カルボキシペンタデカノイル-ガンマ-L-グルタミル-des(B30)ヒトインスリン(インスリンデグルデク、トレシーバ(Tresiba)(登録商標));B29-N-(N-リトコリル-ガンマ-グルタミル)-des(B30)ヒトインスリン;B29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)-des(B30)ヒトインスリンおよびB29-N-(ω-カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
GLP-1、GLP-1アナログおよびGLP-1レセプターアゴニストの例は、たとえば、リキシセナチド(リキスミア(Lyxumia)(登録商標))、エキセナチド(エキセンジン-4、バイエッタ(Byetta)(登録商標)、ビデュリオン(Bydureon)(登録商標)、ヒラモンスターの唾液腺により産生される39アミノ酸ペプチド)、リラグルチド(ビクトーザ(Victoza)(登録商標))、セマグルチド、タスポグルチド、アルビグルチド(シンクリア(Syncria)(登録商標))、デュラグルチド(トルリシティ(Trulicity)(登録商標))、rエキセンジン-4、CJC-1134-PC、PB-1023、TTP-054、ラングレナチド/HM-11260C、CM-3、GLP-1エリゲン、ORMD-0901、NN-9924、NN-9926、NN-9927、ノデキセン、ビアドール-GLP-1、CVX-096、ZYOG-1、ZYD-1、GSK-2374697、DA-3091、MAR-701、MAR709、ZP-2929、ZP-3022、TT-401、BHM-034、MOD-6030、CAM-2036、DA-15864、ARI-2651、ARI-2255、エキセナチド-XTENおよびグルカゴン-Xtenである。
オリゴヌクレオチドの例は、たとえば、家族性高コレステロール血症の治療のためのコレステロール低下アンチセンス治療剤ミポメルセンナトリウム(キナムロ(Kynamro)(登録商標))である。
DPP4阻害剤の例は、ビダグリプチン、シタグリプチン、デナグリプチン、サキサグリプチン、ベルベリンである。
ホルモンの例としては、脳下垂体ホルモンもしくは視床下部ホルモンまたはレギュラトリー活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニスト、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(Somatropine)(ソマトロピン(Somatropin))、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、リュープロレリン、ブセレリン、ナファレリン、およびゴセレリンが挙げられる。
多糖の例としては、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリンもしくは超低分子量ヘパリンもしくはそれらの誘導体、もしくは硫酸化多糖たとえばポリ硫酸化形の上述した多糖、および/またはそれらの薬学的に許容可能な塩が挙げられる。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例は、エノキサパリンナトリウムである。ヒアルロン酸誘導体の例は、ハイランG-F20(シンビスク(Synvisc)(登録商標))、ヒアルロン酸ナトリウムである。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、イムノグロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。イムノグロブリン分子の抗原結合部分の例としては、抗原への結合能を保持するF(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、キメラ抗体、脱免疫化もしくはヒト化抗体、完全ヒト抗体、非ヒト(たとえばネズミ)抗体、または一本鎖抗体でありうる。いくつかの実施形態では、抗体は、エフェクター機能を有するとともに補体を固定可能である。いくつかの実施形態では、抗体は、Fcレセプターへの結合能が低減されているか、または結合能がない。たとえば、抗体は、Fcレセプターへの結合を支援しない、たとえば、Fcレセプター結合領域の突然変異もしくは欠失を有するアイソタイプもしくはサブタイプ、抗体フラグメントまたは突然変異体でありうる。抗体という用語は、4価二重特異的タンデムイムノグロブリン(TBTI)および/またはクロスオーバー結合領域配向を有する二重可変領域抗体様結合タンパク質(CODV)に基づく抗原結合分子も含む。
「フラグメント」または「抗体フラグメント」という用語は、完全長抗体ポリペプチドを含まないが依然として抗原に結合可能な完全長抗体ポリペプチドの少なくとも一部分を含む抗体ポリペプチド分子由来のポリペプチド(たとえば、抗体重鎖および/または軽鎖ポリペプチド)を指す。抗体フラグメントは、完全長抗体ポリペプチドの切断部分を含みうるが、この用語は、かかる切断フラグメントに限定されるものではない。本発明に有用な抗体フラグメントとしては、たとえば、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、scFv(一本鎖Fv)フラグメント、線状抗体、単一特異的または多重特異的な抗体フラグメント、たとえば、二重特異的、三重特異的、四重特異的および多重特異的抗体(たとえば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、1価または多価抗体フラグメント、たとえば、2価、3価、4価および多価の抗体、ミニボディ、キレート化組換え抗体、トリボディまたはビボディ、イントラボディ、ナノボディ、小モジュール免疫医薬(SMIP)、結合ドメインイムノグロブリン融合タンパク質、ラクダ化抗体、およびVHH含有抗体が挙げられる。抗原結合抗体フラグメントの追加の例は当技術分野で公知である。
「相補性決定領域」または「CDR」という用語は、特異的抗原認識を媒介する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内の短いポリペプチド配列を指す。「フレームワーク領域」という用語は、CDR配列でないかつ抗原結合が可能になるようにCDR配列の適正配置を維持する役割を主に担う、重鎖および軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内のアミノ酸配列を指す。フレームワーク領域自体は、典型的には抗原結合に直接関与しないが、当技術分野で公知のように、ある特定の抗体のフレームワーク領域内のある特定の残基は、抗原結合に直接関与しうるか、またはCDR内の1つもしくはそれ以上のアミノ酸と抗原との相互作用能に影響を及ぼしうる。
抗体の例は、抗PCSK-9 mAb(たとえば、アリロクマブ)、抗IL-6 mAb(たとえば、サリルマブ)、および抗IL-4 mAb(たとえば、デュピルマブ)である。
本明細書に記載のいずれのAPIの薬学的に許容可能な塩も、薬物送達デバイスで薬物または薬剤に使用することが企図される。薬学的に許容可能な塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。
本発明の完全な範囲および精神から逸脱することなく、本明細書に記載するAPI、製法、装置、方法、システム、および実施形態の様々な構成要素に修正(追加および/または削除)を加えることができ、本発明はそのような修正例およびそのあらゆる均等物を包含することが、当業者には理解されよう。
保護範囲は、本明細書に上述した例に限定されるものではない。本明細書に開示する発明は、各々の新規な特性および各々の特性の組合せで実施され、そのような特性は特に、その構成または構成の組合せが特許請求の範囲または例に明示的に記載されていない場合でも、特許請求の範囲に記載する構成のすべての組合せを含む。
1 注射デバイス、薬物送達デバイス、またはデバイスユニット
10 ハウジング
12 投与量ノブ
11 注射ボタン
13 窓
14 容器
15 針
16 内側ニードルキャップ
17 外側ニードルキャップ
18 キャップ
70 スリーブ
71a~c 形成物
1000 電子システム
1100 電子制御ユニット
1200 運動感知ユニット
1300 使用検出ユニット
1310 設定検出ユニット
1320 送達検出ユニット
1330 使用者近接検出ユニット
1340 センサ
1345 センサ電極
1347 電極部分
1348 リング部分
1349 接続部分
1350 ウェークアップユニット
1400 通信ユニット
1500 電源
1510 スペーサ構成要素
1520 電源電極
1530 接触部分
1540 付勢部分
1550 固定部分
1560 リング部分
1570 電源接触部分
1600 ユーザインターフェース部材
1605 ユーザインターフェース部材本体
1610 設定面
1615 接続機能
1620 送達面
1630 接触面
1640 接触面
1650 送達センサ
1660 設定センサ
1670 シャーシ
1672 剛性部分
1674 変形可能部分
1676 ライトガイド
1678 スナップアーム
1700 接続検出ユニット
1710 スイッチ
3000 導体キャリア
4000 部材
4010 接続
4020 凹部
4030 内部
4040 接触部分
4050 中心領域
4060 縁部領域
4070 溝
4080 開口部

Claims (29)

  1. 薬物送達デバイス(1)のための電子システム(1000)であって:
    薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置された少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600、11、12)を含み、ここで、該ユーザインターフェース部材は、薬物送達デバイスの動作中に該薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面(1610、1620)を有し、電子システムは、
    使用者が外部操作面に近いとき、または外部操作面にタッチしたときに、信号を生成するように構成された電気式使用者近接検出ユニット(1330)をさらに含む、前記電子システム。
  2. 外部操作面は、用量設定動作を実行もしくは開始するために接触されるように配置されたユーザインターフェース部材(1610)の設定面(1610)であるか、もしくは該設定面を含み、かつ/または外部操作面は、用量送達動作を実行もしくは開始するために接触されるように配置された送達面(1620)であるか、もしくは該送達面を含む、
    請求項1に記載の電子システム。
  3. 使用者近接検出ユニット(1330)は、使用者、たとえば該使用者の手もしくは該使用者の指が、外部操作面(1610、1620)に近いかどうか、もしくは該外部操作面にタッチしたかどうかを検出するように配置および構成された電気センサもしくはスイッチ(1340)を含み、該センサもしくはスイッチは、非接触もしくはタッチレスの近接センサもしくはスイッチであり、かつ/または
    使用者近接検出ユニットは、使用者、たとえば該使用者の手もしくは該使用者の指が、外部操作面にタッチしたかどうかを検出するように配置および構成された電気センサもしくはスイッチを含み、該センサもしくはスイッチは、接触センサもしくはスイッチである、
    請求項1または2に記載の電子システム。
  4. センサまたはスイッチは、容量センサまたはスイッチ(1340)である、
    請求項3に記載の電子システム。
  5. センサまたはスイッチは、外部操作面(1610、1620)上でアクセス可能な少なくとも1つの導電接触面(1630、1640)を含む、
    請求項3または4に記載の電子システム。
  6. センサまたはスイッチは、外部操作面(1610、1620)上でアクセス可能な少なくとも2つの導電接触面(1630、1640)を含み、ここで、該導電接触面のうちの少なくとも2つは、使用者が1本の指または同じ手の2本の異なる指でこれらの接触面に同時にタッチすることができるように配置されている、
    請求項5に記載の電子システム。
  7. 少なくとも2つの導電接触面(1630、1640)は、異なる電位を有する表面になるように構成され、電子システムは、使用者が両方の接触面に同時にタッチしたとき、電流が使用者の手を通って接触面のうちの一方から接触面のうちの他方へ流れることによって信号が形成されるように構成されている、
    請求項6に記載の電子システム。
  8. 使用者近接検出ユニットの信号に応答して電子システム(1000)の動作を制御するように構成された電子制御ユニット(1100)をさらに含む、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の電子システム。
  9. 電子システム(1000)は、第1の状態および第2の状態を有し、ここで、
    電子システムは、第1の状態と比較すると、第2の状態で増大された電力消費を有し、電子システムは、
    電気式使用検出ユニット(1300)をさらに含み、該電気式使用検出ユニットは、電子制御ユニットに動作可能に接続され、ここで、電気式使用検出ユニットは、使用者が用量設定動作および/または用量送達動作を実行することを意図することを示す使用信号を生成するように構成され、
    電子システムは、使用信号に応答して、第1の状態から第2の状態へ切り換えられるように構成され、
    使用検出ユニットは、使用者近接検出ユニット(1330)を含み、
    使用信号は、使用者が外部操作面に近いとき、または該外部操作面にタッチしたとき、使用者近接検出ユニットによって生成される信号である、
    請求項8に記載の電子システム。
  10. 電子システム(1000)は:
    運動感知ユニット(1200)、
    通信ユニット(1400)
    のうちの少なくとも一方または両方を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の電子システム。
  11. 運動感知ユニット(1200)は、第2の部材に対する第1の部材の相対運動を定量化するのに好適な電気運動信号を生成するように構成され、電子システムは、運動感知ユニットが、電子制御ユニット(1100)によって、使用信号に応答して、運動感知ユニットが動作状態にない第1の状態から、運動感知ユニットが動作状態にある第2の状態へ切り換えられるように構成され、電子システム(1000)は、運動感知ユニットが用量送達動作中に動作するように構成されている、
    請求項9または10に記載の電子システム。
  12. 使用信号の生成に関連する外部操作面は設定面(1610)であり、運動感知ユニットは、用量送達動作を監視するように構成されている、
    請求項10、11、または請求項2のいずれか1項に記載の電子システム。
  13. 使用信号の生成に関連する外部操作面は送達面(1620)であり、運動感知ユニットは、用量送達動作を監視するように構成されている、
    請求項10、11、または請求項2のいずれか1項に記載の電子システム。
  14. 電子システム(1000)は、ウェークアップユニット(1350)を含み、該ウェークアップユニットは、電気ウェークアップ信号を生成するように構成され、ここで、電子システムは、ウェークアップ信号に応答して、使用者近接検出ユニット(1330)を第1の状態から電力消費のより高い第2の状態へ切り換えるように構成され、ウェークアップユニットは、ウェークアップ信号を生成するように構成された電気ウェークアップセンサまたはスイッチ(1710)を含み、好ましくは、該ウェークアップセンサまたはスイッチは振動センサもしくはスイッチであり、または該ウェークアップセンサまたはスイッチは容量センサもしくはスイッチである、
    請求項1~13のいずれか1項に記載の電子システム。
  15. ウェークアップセンサまたはスイッチは振動センサまたはスイッチである、
    請求項14に記載の電子システム。
  16. ウェークアップセンサまたはスイッチは容量センサまたはスイッチである、
    請求項14に記載の電子システム。
  17. ウェークアップセンサまたはスイッチは抵抗センサまたはスイッチである、
    請求項14に記載の電子システム。
  18. 電子システム(1000)は、使い捨ての薬物送達デバイスユニットのための再利用可能な付属システムとして構成されている、
    請求項1~17のいずれか1項に記載の電子システム。
  19. 外部操作面は、用量設定動作を実行または開始するために使用者によって接触されるように配置されたユーザインターフェース部材(1600)の設定面(1610)である、
    請求項2を参照する請求項1~18のいずれか1項に記載の電子システム。
  20. 電子システム(1000)は、使用者近接検出ユニット(1330)によって生成された信号に応答して、電子システムの少なくとも1つのセンサまたはスイッチ(1650、1660)が停止状態にされるように構成されている、
    請求項1~19のいずれか1項に記載の電子システム。
  21. 電子システム(1000)は、使用者近接検出ユニット(1330)によって生成された信号に応答して、電子システムの少なくとも1つのセンサまたはスイッチ(1650、1660)の応答速度が変化するように構成されている、
    請求項1~20のいずれか1項に記載の電子システム。
  22. 使用者近接検出ユニット(1330)は、応答速度が変化したまたは停止状態にされた少なくとも1つのセンサまたはスイッチ(1650、1660)を含む、
    請求項20または21に記載の電子システム。
  23. 少なくとも1つのセンサまたはスイッチの応答速度が、使用者近接検出ユニット(1330)によって生成された信号に応答して増大する、
    請求項21または22に記載の電子システム。
  24. 少なくとも1つのセンサまたはスイッチの応答速度が、使用者近接検出ユニット(1330)によって生成された信号に応答して減少する、
    請求項21または22に記載の電子システム。
  25. 応答速度が変化したまたは停止状態にされた少なくとも1つのセンサまたはスイッチは、その応答速度が変化したことまたは停止状態にされたことに応答して使用者近接検出ユニット(1330)の信号を生成する同じセンサまたはスイッチである、
    請求項20~24のいずれか1項に記載の電子システム。
  26. 応答速度が変化した少なくとも1つのセンサまたはスイッチは、該少なくとも1つのセンサまたはスイッチの応答速度が変化したことに応答して使用者近接検出ユニット(1330)の信号を生成するセンサまたはスイッチとは異なる、
    請求項21~24のいずれか1項に記載の電子システム。
  27. 請求項1~26のいずれか1項に記載の電子システム(1000)を含む薬物送達デバイス(1)。
  28. 薬物送達デバイスは、用量設定動作中、設定された用量のサイズに比例する量だけその長さを増大させるように構成されている、
    請求項27に記載の薬物送達デバイス。
  29. 薬物送達デバイス(1)のための電子システム(1000)であって:
    薬物送達デバイスの使用者によって操作されるように配置された少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600、11、12)であって、薬物送達デバイスの動作中に薬物送達デバイスの使用者によってタッチされるように配置および構成された外部操作面(1610、1620)を有する、少なくとも1つのユーザインターフェース部材(1600、11、12)と、
    電子システムが薬物送達デバイスユニットに接続されているかどうかを検出するように構成された電気式接続検出ユニット(1700)とを含み、ここで、薬物送達デバイスユニットへの接続が該接続検出ユニットによって検出されたとき、電子システムは、その状態を非動作状態から動作状態へ変化させるように構成されている前記電子システム。
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