JP2023534504A - ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本開示は、ある特定のポリマー組み合わせ調製物及びその使用に関連する技術を提供する。多数の実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物は、温度応答性である。幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物は、例えば、自然免疫を誘発するか、または炎症(例えば、免疫抑制性の炎症)を消退するための、免疫調節性生体材料として有用であり得る。幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物は、活性薬剤(複数可)を含む組成物を製剤化するのに有用であり得る。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月17日に出願の米国仮出願第63/053,488号、及び2020年11月2日に出願の米国仮出願第63/108,861号(これらの各々の内容はその全体が本明細書に組み込まれる)の利益を主張する。
手術は、多くの場合、固形腫瘍がんの第1選択処置であり、一般に、抗がん療法の全身投与と組み合わせて使用される。しかしながら、手術により誘発される免疫抑制は、種々の代謝反応及び内分泌反応における変化に起因する手術後の感染性合併症の発症及び腫瘍転移に関係付けられており、これらは、最終的に多くの患者の死亡をもたらす(Hiller,J.G.et al.Nature Reviews Clinical Oncology,2018,15,205-218)。
薬物、栄養剤、または他の物質の循環系への全身投与は、全身に影響を及ぼす。全身投与経路としては、経腸投与(例えば、消化管を通した薬物の吸収をもたらす経口投与) 及び非経口投与(例えば、静脈内、筋肉内、及び皮下注射)が挙げられる。免疫治療薬の投与は、通常、これらの全身投与経路に依存しており、これは、望ましくない副作用をもたらし得る。幾つかの例において、ある特定の有望な治療薬は、付随する毒性ならびに現在の投与方法及び投与システムの限界に起因して、開発することが極めて困難である。
ハイドロゲルは、特に魅力的なタイプの生体材料であり、組織工学及び再生医療、診断薬、細胞の固定化、及び/または薬物送達が含まれる、広範囲の用途に使用されている。しかしながら、既存のハイドロゲルには、ハイドロゲルベースの薬物送達療法の実用を制限する幾つかの制約がある。例えば、バルクハイドロゲルは明確な寸法を有し、このことが針を通して押し出すのを困難にし得るため、通常、多数のハイドロゲルが体外で形成され、次いで、移植される。一部のハイドロゲルは生体内原位置で形成され得るが、ある特定の架橋剤、例えば、UV照射及び/または架橋薬品に関連する潜在的なリスク及び課題が存在し得る。
Hiller,J.G.et al.Nature Reviews Clinical Oncology,2018,15,205-218
本発明の発明者は、とりわけ、腫瘍切除を受けたか、または受けている対象に投与される場合に、非常に有用であり得る、免疫調節剤ペイロードに依存しない免疫調節性生体材料を含む様々なシステム(例えば、2020年5月1日に出願され、WO2020/223698として公開されたPCT/US20/31169を参照のこと)または生体材料及び免疫調節剤ペイロードの組み合わせ(例えば、WO2018/045058またはWO2019/183216を参照のこと)を以前に記載した。このシステムの特質は、例えば、がん処置の特定の従来手法が含まれる、ある特定の従来技術に関連する1つ以上の問題の原因を解決した。例えば、このシステムは、免疫治療薬の全身投与に関連し得るある特定の有害事象(例えば、皮疹、肝炎、下痢、大腸炎、下垂体炎、甲状腺炎、及び副腎不全)を低減及び/または回避し得る。とりわけ、このシステムは、非腫瘍特異的免疫細胞の全身投与された免疫治療薬(複数可)への曝露及び/または全身投与が腫瘍での所望の反応を引き起こすのに十分な濃度を達成するためにしばしば必要とされる高用量のかかる薬物(複数可)への曝露を低減または除去し得る。とりわけ、このシステムは、腫瘍切除後の局所的免疫調節(例えば、自然免疫の局所的アゴニズム)を提供し得、これにより、とりわけ、免疫調節効果が必要とされる所での免疫調節効果を集中させることにより有効性を改善し得る。追加的または代替的に、切除術後の局所的免疫調節(例えば、自然免疫のアゴニズム)を提供するかかるシステムは、とりわけ、がんに対する局所免疫寛容を破ることができ、全身での抗腫瘍免疫の発生を可能にし、これにより、例えば、幾つかの実施形態では、播種性疾患の根絶をもたらし得る。
本開示は、ある特定のかかる生体材料製剤が、例えば、本明細書に記載されるように、特に有用で有り得、及び/または特定の有益な効果を提供し得るという洞察を提供する。
幾つかの実施形態では、本開示は、例えば、ある特定の架橋バイオポリマー材料に伴う問題が含まれる、ある特定の従来技術に伴う問題の源を特定する。とりわけ、本開示は、ある特定の架橋技術が、有毒な副生成物を生成させ得、及び/または架橋前もしくは架橋中にバイオポリマー材料と組み合わされ得る薬剤(複数可)(例えば、治療薬)の安定性及び/または有効性に悪影響を及ぼし得ることを理解する。
代替的にまたは追加的に、本開示は、対象に導入する前にバイオポリマー材料を(例えば、架橋により)事前に形成させることを伴う技術に伴う問題の源を特定する。例えば、本開示は、かかる事前形成が明確なサイズ及び/または構造を有する材料を生成させ、それが投与の選択肢を制限し得ることを理解する。本開示は、移植よりも侵襲性が低い場合がある注射及び/または腹腔鏡下投与などの方法が含まれる、種々の経路及び/または手法による投与を可能にする、特定の生体材料調製物が含まれる技術を提供する。幾つかのかかる実施形態では、改善された投与特性を有する調製物は、液体状態で投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、柔軟な空間充填特性を特徴とする事前に形成されたゲル状態で投与され得る。幾つかのかかる実施形態では、提供される調製物は、(例えば、当該調製物が、例えば、本明細書に記載されるようなサイズ分布及び/または他のパラメータを特徴とする複数の粒子を含むように、)粒子形態の適切な材料から構成される。
とりわけ、幾つかの実施形態では、本開示は、例えば、細胞に有毒な架橋剤、例えば、UV照射及び/または低分子架橋剤を導入することなく、注射可能な状態から、例えば、本明細書に記載される有益な効果を提供する材料特性を有する別の状態に移行することができる温度応答性生体材料調製物を提供する。従って、幾つかのかかる実施形態は、ゲル化材料の生体内原位置での形成のための有益な技術を提供し、この技術は、代替技術と比較して様々な利点を有し、本明細書において特定されるかかる代替技術に伴うある特定の問題の解決策を提供する。例えば、生体内原位置でのゲル化のための様々な代替技術が処理(例えば、レシピエント及び/または材料に含まれ得るか、もしくは材料と共に含まれ得る薬剤に対する毒性を有し得るか、または別様に悪影響を及ぼし得るUV照射及び/または低分子架橋剤への曝露)を必要とするため、本開示は、多数のかかる技術に伴う問題の源を特定する。
幾つかの実施形態では、提供される温度応答性生体材料調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)は、免疫調節剤ペイロードの非存在下であっても1つ以上の免疫調節特性を示し得る。例えば、幾つかの実施形態では、提供される温度応答性生体材料調製物は、投与の必要がある対象(例えば、腫瘍切除術の対象)の標的部位に投与された際に自然免疫を促進し得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、ポロキサマーであるか、またはそれを含み、ハイドロゲルを形成させるために使用されるある特定の従来の調製物が、16~20%(w/w)の最小濃度のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407(P407))であるか、または16~20%(w/w)の最小濃度でそれを含むようなものを典型的に利用することを認識する。本開示は、かかる従来の調製物が対象への投与に関して、例えば、注射に理想的とは言えないものにする高い溶液粘度及び/または高濃度のポロキサマーに起因する組織刺激性が含まれる、ある特定の欠点を有し得ることが含まれる、かかる従来の調製物に伴う問題の源を特定する。更に、本開示は、著しく低い濃度(複数可)のかかるポロキサマーを有する有用な調製物を開発することが可能であることを実証する。
例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、ハイドロゲルを形成させるために16~20%(w/w)の最小濃度で通常使用されているある特定のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407(P407))が、1種以上の生体適合性のポリマーと組み合わされる場合に、例えば、14%未満(w/w)、12%未満(w/w)、11%未満(w/w)、10.5%未満(w/w)、10%未満(w/w)、8%未満(w/w)、6%未満(w/w)、またはそれ以下が含まれる、16%(w/w)未満の濃度で温度応答性の有用な生体材料を形成し得るという洞察を提供する。幾つかの実施形態では、かかる生体適合性のポリマーは、温度応答性でないポリマーであり得るか、またはそれを含み、例えば、幾つかの実施形態では、これは、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくは修飾キトサンであり得るか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、12.5%(w/w)以下(例えば、11%(w/w)、10.5%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、またはそれ以下)の濃度のポロキサマー、及びポロキサマーでない少なくとも1種の追加のポリマーを含む生体材料調製物は、それ自体が免疫調節剤ペイロードの非存在下で免疫調節性であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、このような生体材料調製物は、投与の必要がある対象(例えば、腫瘍切除術の対象)の標的部位に投与された際に自然免疫を促進し得る。
本明細書において提供される一態様は、少なくとも第1及び第2のポリマー成分を含むポリマー組み合わせ調製物を含む調製物または組成物であって、当該第1のポリマー成分がポロキサマーであるか、またはそれを含み、当該第2のポリマー成分がポロキサマーではなく、当該第1のポリマー成分が、12.5%(w/w)以下(例えば、11%(w/w)、10.5%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、またはそれ以下)の濃度で当該ポリマー組み合わせ調製物中に存在する、当該調製物または組成物に関する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分は、4%(w/w)~11%(w/w)または4%(w/w)~10.5%(w/w)または4%(w/w)~10%(w/w)の濃度でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分は、5%(w/w)~11%(w/w)または5%(w/w)~10.5%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)の濃度でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分は、6%(w/w)~11%(w/w)または6%(w/w)~10.5%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)の濃度でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、ゲル化のトリガーに応答して前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行することを特徴とする。このようなゲル化のトリガーは、以下のうちの1つ以上であるか、またはそれを含む:(a)ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度(CGT)以上の温度、(b)第1のポリマー成分の第2のポリマー成分に対する臨界ゲル化重量比、(c)ポリマーの総含有量、(d)第1及び/または第2のポリマー成分の分子量、または(e)それらの組み合わせ。
幾つかの実施形態では、前駆状態がポリマーネットワーク状態に移行する間に形成される架橋は、共有結合による架橋を含まない。
多数の実施形態において、このようなポリマー組み合わせ調製物は、温度応答性である。幾つかのかかる実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、CGT以上の温度に応答して前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行することを特徴とする。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、18~39℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、室温である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、20~25℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、25~30℃である。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物のCGTは、対象の体温である。
提供されるポリマー組み合わせ調製物において、多数の異なるポロキサマーが使用され得るが、幾つかの実施形態では、ある特定のポロキサマー、例えば、ポロキサマー407(P407)、ポロキサマー338(P338)、またはポロキサマー188(P188)が、本明細書に記載されるある特定のポリマー組み合わせ調製物において特に有用である。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物中に第1のポリマー成分として含まれるポロキサマーは、P407であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、(例えば、P407を含む)第1のポリマー成分は、4%(w/w)~12.5%(w/w)または4%(w/w)~11%(w/w)または4%(w/w)~10.5%(w/w)または4%(w/w)~10%(w/w)の濃度で提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、(例えば、P407を含む)第1のポリマー成分は、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に5%(w/w)~12.5%(w/w)または5%(w/w)~11%(w/w)または5%(w/w)~10.5%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)の濃度で存在する。幾つかの実施形態では、(例えば、P407を含む)第1のポリマー成分は、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に6%(w/w)~12.5%(w/w)または6%(w/w)~11%(w/w)または6%(w/w)~10.5%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)の濃度で存在する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも6%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも12%、または少なくとも15%(w/w)の総含有量のポリマーを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、6%(w/w)~20%(w/w)または6%(w/w)~15%(w/w)または7%(w/w)~15%(w/w)の総含有量のポリマーを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、8%(w/w)~20%(w/w)または8%(w/w)~15%(w/w)または10%(w/w)~15%(w/w)の総含有量のポリマーを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、1:1~14:1または1:1~10:1の第1のポリマー成分の第2のポリマー成分に対する重量比を特徴とする。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、1:1~1:3または1:1~1:2の第1のポリマー成分の第2のポリマー成分に対する重量比を特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の第2のポリマー成分は、炭水化物ポリマーであるか、またはそれを含む。本開示に従って有用であり得る炭水化物ポリマーの例としては、限定されるものではないが、ヒアルロン酸、キトサン、アルギナート、ならびにそれらのバリアント及び組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の炭水化物ポリマーは、約5%(w/w)未満の濃度で存在し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の炭水化物ポリマーは、0.5%(w/w)~10%(w/w)または0.5%(w/w)~5%(w/w)または1%(w/w)~10%(w/w)または1%(w/w)~5%(w/w)または2%~10%(w/w)の濃度で存在し得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるある特定のポリマー組み合わせ調製物に有用である炭水化物ポリマーは、ヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、かかるヒアルロン酸は、50kDa~2MDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、かかるヒアルロン酸は、100kDa~500kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、かかるヒアルロン酸は、125kDa~375kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、かかるヒアルロン酸は、100kDa~400kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、かかるヒアルロン酸は、500kDa~1.5MDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸の分子量は、重量平均分子量によって特徴付けられる。幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸の分子量は、粘度平均分子量によって特徴付けられ、これは、幾つかの実施形態では、例えば、マルク-ホウインクの式を使用してヒアルロン酸の固有粘度を平均分子量に変換することにより決定され得る。幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸の分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー・多角度レーザー光散乱法(SEC-MALLS)により測定され得る。
幾つかの実施形態では、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び/または分散度(多分散性指数によって特徴付けられる)は、SEC-MALLSを使用して決定され得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるある特定のポリマー組み合わせ調製物に有用である炭水化物ポリマーは、キトサンまたは修飾キトサンであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、例示的な修飾キトサンは、カルボキシメチルキトサンであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書において利用及び/または記載される、前駆状態のポリマー組み合わせ調製物を含む調製物または組成物。幾つかの実施形態では、本明細書において利用及び/または記載される、(例えば、本明細書に記載される1つ以上の特性を有する)ポリマーネットワーク状態であるポリマー組み合わせ調製物を含む調製物または組成物。
幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態は、粘性溶液またはコロイドであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、このようなポリマーネットワーク状態は、100Pa~500Paの貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態は、ハイドロゲルであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、このようなポリマーネットワーク状態は、500Pa~10,000Paまたは750Pa~7500Paの貯蔵弾性率を特徴とし得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、18%(w/w)の濃度のP407溶液から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率より少なくとも40%低い貯蔵弾性率を特徴とする。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態であって、その前駆状態がCGT未満の温度(例えば、2~8℃)で1ヵ月間またはより長期間にわたり保存された、当該ポリマーネットワーク状態は、新たに調製されるこのような提供されるポリマー組み合わせ調製物の前駆状態から形成されるポリマーネットワークの貯蔵弾性率と比較して実質的に同じに(例えば、20%以内、10%以内、5%以内、またはそれ以下)維持される、例えば、37℃で測定される貯蔵弾性率を特徴とする。当業者によって理解されるように、生体材料の貯蔵弾性率は、生物分解、化学的分解(例えば、酸化)、及び/または組み合わせにおけるポリマー成分の相分離による影響を受け得る。
幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用されるポリマー組み合わせ調製物は、5.0~8.5のpHを有する。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用されるポリマー組み合わせ調製物は、7~8のpH(例えば、pH7.4)を有する。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物の前駆状態は、5.0~8.5のpH(例えば、幾つかの実施形態では、7~8のpH)を有する溶媒系中のポリマー組み合わせ調製物の溶液である。幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、緩衝系である。幾つかの実施形態では、このような緩衝系は、1種以上の塩(例えば、限定されるものではないが、リン酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウム)を含み得る。幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、10mMのリン酸緩衝液より高い緩衝能を有する緩衝系である。幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、20mMのリン酸緩衝液より高い緩衝能を有する緩衝系である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物または組成物は、その中に組み込まれたペイロードの持続放出をもたらすのに有用であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、かかるポリマー組み合わせ調製物が、その中に組み込まれたペイロード(例えば、親油性薬剤)を、18%(w/w)の濃度のP407溶液から形成されるハイドロゲルと同等の速度で放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード(例えば、親油性薬剤)の40%以下が24時間以内に放出されることを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード(例えば、親油性薬剤)の60%超が少なくとも24時間その中に保持され得ることを特徴とする。
幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、このようなポリマー組み合わせ調製物が、その中に組み込まれたペイロード(例えば、親水性薬剤)を、18%(w/w)の濃度のP407溶液から形成されるハイドロゲルの速度と同等の速度またはより速い速度で放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード(例えば、親水性薬剤)の少なくとも40%が12時間以内にそこから放出されることを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の提供されるポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物が、その中に組み込まれたペイロード(例えば、親水性薬剤)を、化学架橋された参照ハイドロゲルの速度と比較してより速い速度で(例えば、48時間以内に少なくとも20%)放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような化学架橋された参照ハイドロゲルは、チオール修飾ヒアルロン酸(Glycosil(登録商標))を架橋剤であるチオール反応性PEGDA架橋剤(Extralink(登録商標))とゲル化が起こる条件下で混合することにより形成されるハイドロゲルである化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物または組成物は、免疫調節剤ペイロードを実質的に含まない、ポロキサマー(例えば、本明細書に記載されるもの)及び炭水化物ポリマー(例えば、本明細書に記載される)を含む免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物を提供する。幾つかの実施形態では、かかる免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、ポリマーネットワーク状態のこのようなポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月後に評価される場合に、ポロキサマー生体材料を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群より高い生存率を有することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物または組成物は、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)及び例えば、疾患、障害、または状態(例えば、癌)の処置のための1種以上の治療薬を含み得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物または組成物に含まれ得る1種以上の治療薬は、1種以上の化学療法薬であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物または組成物に含まれ得る1種以上の治療薬は、1種以上の免疫調節剤ペイロードであるか、またはそれを含む。本開示に従って有用であり得る免疫調節剤ペイロードの例としては、限定されるものではないが、自然免疫応答の活性化因子、適応免疫応答の活性化因子、マクロファージエフェクター機能のモジュレーター、炎症のモジュレーター、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
幾つかの実施形態では、少なくとも1種の治療薬(例えば、少なくとも1種の免疫調節剤ペイロード)は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれる。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、ポリマーネットワーク状態の当該ポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月または3ヵ月後に評価される場合に、免疫調節剤ペイロードを含有しないポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群より高い生存率を有することを特徴とする。
本明細書に記載される調製物及び/または組成物は、例えば、限定されるものではないが、免疫調節及び/または薬物送達が含まれる、様々な医療用途に有用であり得る。従って、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物及び/または組成物は、投与の必要がある対象への投与用に医薬組成物に製剤化され得る。従って、一態様では、本明細書において記載及び/または利用される調製物もしくは組成物またはそれを含む医薬組成物を投与の必要がある対象に投与することを含む方法が本明細書において提供される。
幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される調製物もしくは組成物またはそれを含む医薬組成物は、がんの処置に有用であり得る。幾つかのかかる実施形態では、投与される対象は、がんに罹患している対象である。幾つかの実施形態では、投与される対象は、再発がんまたは播種性がんに罹患しているか、またはそれにかかりやすい対象である。幾つかの実施形態では、投与される対象は、腫瘍切除術の対象である。
幾つかの実施形態では、方法は、提供される調製物もしくは組成物またはそれを含む医薬組成物を腫瘍切除術の対象の標的部位に投与することを含む。幾つかの実施形態では、このような調製物もしくは組成物またはそれを含む医薬組成物は、腫瘍切除部位に投与される。
幾つかの実施形態では、投与は、移植により実行され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態のポリマー組み合わせ調製物(例えば、ハイドロゲル)を含む調製物または組成物が移植により投与され得る。
幾つかの実施形態では、投与は、注射により実行され得る。幾つかの実施形態では、注射は、ロボットアームにより実行され得る。例えば、幾つかの実施形態では、前駆状態(例えば、液体状態または注射可能な状態)のポリマー組み合わせ調製物を含む調製物が注射により投与され、ここで、当該前駆状態は、投与された際にポリマーネットワーク状態(例えば、より粘性の溶液またはコロイド状態またはハイドロゲル)に移行する。
幾つかの実施形態では、投与は、腹腔鏡検査と同時に、またはその後に実行され得る。幾つかの実施形態では、投与は、最小侵襲手術(MIS)、例えば、腫瘍切除のためのロボット支援MIS、ロボット手術、及び/または腹腔鏡手術と同時に、またはそれらの後に実行され得る。
本開示により包含されるこれらの態様及び他の態様は、以下で及び特許請求の範囲においてより詳細に記載される。
A~Bは、2つの異なる緩衝系中の%(w/w)で示される濃度のP407及び%(w/w)で示される濃度の1.5MDaの平均分子量を有するヒアルロン酸(HA)を含む例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を示すヒートマップを示す。温度応答性のポリマー組み合わせ調製物が、あらゆるゲル形成を観察するために37℃の温度に曝露された。ポリマー組み合わせ調製物は、このようなポリマー組み合わせ調製物が半透明または不透明になり、これが傾けられたか、またはひっくり返されたときに流動性でない場合、ゲルを形成すると決定される。Aは、pH7.4の10mMのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に対応する。Bは、pH8.0の0.1Mの重炭酸塩緩衝液に対応する。
A~Bは、2つの異なる緩衝系中の%(w/w)で示される濃度のP407及び%(w/w)で示される濃度の730kDaの平均分子量を有するヒアルロン酸(HA)を含む例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を示すヒートマップを示す。ポリマー組み合わせ調製物が、あらゆるゲル形成を観察するために37℃の温度に曝露された。温度応答性のポリマー組み合わせ調製物が、あらゆるゲル形成を観察するために37℃の温度に曝露された。ポリマー組み合わせ調製物は、このようなポリマー組み合わせ調製物が半透明または不透明になり、これが傾けられたか、またはひっくり返されたときに流動性でない場合、ゲルを形成すると決定される。Aは、pH7.4の10mMのPBSに対応する。Bは、pH8.0の0.1Mの重炭酸塩緩衝液に対応する。
pH7.4の10mMのPBS中の%(w/w)で示される濃度のP407及び%(w/w)で示される濃度の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン;CMCH)を含む例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を示すヒートマップを示す。温度応答性のポリマー組み合わせ調製物が、あらゆるゲル形成を観察するために37℃の温度に曝露された。ポリマー組み合わせ調製物は、このようなポリマー組み合わせ調製物が半透明または不透明になり、これが傾けられたか、またはひっくり返されたときに流動性でない場合、ゲルを形成すると決定される。
A~Bは、37℃の温度への曝露後の、対照ポリマー組成物と比較した例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物の貯蔵弾性率を示すグラフ図を示す。A:線形目盛。B:対数目盛。略語:「18%P」=18%(w/w)のP407、「13.5%P+HA(10mMのPBS)」=pH7.4の10mMのPBS中の13.5%(w/w)のP407+0.65%(w/w)の1.5MDaのHA、「13.5%P+HA(0.1Mの重炭酸塩)」=pH8の0.1Mの重炭酸塩緩衝液中の13.5%(w/w)のP407+0.65%(w/w)の1.5MDaのHA、「10%P+1%のHA(10mMのPBS)」=pH7.4の10mMのPBS中の10%(w/w)のP407+1%(w/w)の1.5MDaのHA、「13.5%P+CMCH」=pH7.4の10mMのPBS中の13.5%(w/w)のP407+1.3%(w/w)のCMCH、「12.5%のExtralink」=12.5%のExtralinkチオール架橋剤で化学架橋されたヒアルロン酸、「1.5%のExtralink」=1.5%のExtralinkチオール架橋剤で化学架橋されたヒアルロン酸、「0.5%のExtralink」=0.5%のExtralinkチオール架橋剤で化学架橋されたヒアルロン酸。
A~Dは、(CGTを超える)37℃で行われる週1回の測定での、対照ポリマー組成物と比較したハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物の(その前駆状態が2~8℃の温度で1ヵ月の期間にわたって維持された場合の)均質性を示すグラフ図を示す。ゲルの均質性は、一定期間にわたってハイドロゲルの貯蔵弾性率を測定することにより決定された。A:対照ゲル(18%w/wのポロキサマー407)。B:pH7.4の10mM PBS中の13.5%w/wのポロキサマー407及び0.65%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。C:pH7.4の10mM PBS中の10%w/wのポロキサマー407及び1%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。D:pH8.0の0.1M 重炭酸塩緩衝液中の13.5%w/wのポロキサマー407及び0.65%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。
A~Bは、37℃の温度でのハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物からの例示的な親油性薬剤のインビトロでの一定期間にわたる累積放出プロファイルを示すグラフ図を示す。A:スーダンオレンジ。B:ナイルレッド。
A~Bは、37℃の温度でのハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物からの例示的な親水性薬剤のインビトロでの一定期間にわたる累積放出プロファイルを示すグラフ図を示す。図7A:メチレンブルー。図7B:ローダミン6G。
A~Eは、腫瘍切除され、ハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物のみまたはTLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)が組み込まれたハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物を投与された動物の、化学架橋された対照ヒアルロン酸ハイドロゲルのみまたはTLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)が組み込まれた化学架橋された対照ヒアルロン酸ハイドロゲルと比較したインビボでの生存データを示すグラフ図を示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。A:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、対照となる12.5%(w/v)Extralink(登録商標)ヒアルロン酸ハイドロゲル(HyStem(商標))。B:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH7.4の10mM PBS中の10%w/wのポロキサマー407及び1%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。C:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH7.4の10mM PBS中の13.5%w/wのポロキサマー407及び0.65%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。D:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH8.0の0.1M 重炭酸塩緩衝液中の13.5%w/wのポロキサマー407及び0.65%w/wの1.5MDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。E:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH7.4の10mM PBS中の13.5%w/wのポロキサマー407及び1.3%w/wのCMCHの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。
免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の液体調製物(例えば、異なる濃度のカルボキシメチルキトサン(CMCH)及びポロキサマー(例えば、P407))の組み合わせの液体調製物)を投与された動物の、ポロキサマー(例えば、P407)のみの液体調製物を投与された動物と比較した生存データを示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。
A~Dは、腫瘍切除され、例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物(例えば、異なる濃度の730kDaまたは1.5MDaのヒアルロン酸(HA)及びポロキサマー(例えば、P407)の組み合わせを含む熱応答性液体調製物)が単独のポリマー組み合わせまたは例えば、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、別名R848)などの免疫調節剤ペイロードが組み込まれたポリマー組み合わせとして投与された動物のインビボでの生存データを示すグラフ図を示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。A:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH8の12.5mM PBS中の10%w/wのポロキサマー407及び2.25%w/wの730kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。B:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH8の25mM PBS中の10%w/wのポロキサマー407及び2.25%w/wの730kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。C:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH8の25mM PBS中の12.5%w/wのポロキサマー407及び1.625%の730kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。D:TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH8の25mM 緩衝食塩水中の8%w/wのポロキサマー407及び2.25%w/wの730kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物。
腫瘍切除され、例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物(例えば、119kDaのヒアルロン酸(HA)とポロキサマー(例えば、P407)との組み合わせを含む熱応答性液体調製物)が単独のポリマー組み合わせまたは例えば、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、別名R848)などの免疫調節剤ペイロードが組み込まれたポリマー組み合わせとして投与された動物のインビボでの生存データを示すグラフ図を示す。TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、25mMの緩衝食塩水(pH7.4)中の10%w/wのポロキサマー407及び4%w/wの119kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物の結果を示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。
腫瘍切除され、例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物(例えば、309kDaのヒアルロン酸(HA)とポロキサマー(例えば、P407)との組み合わせを含む熱応答性液体調製物)が単独のポリマー組み合わせまたは例えば、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、別名R848)などの免疫調節剤ペイロードが組み込まれたポリマー組み合わせとして投与された動物またはポロキサマーのみの対照動物コホートのインビボでの生存データを示すグラフ図を示す。TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)を含有または非含有の、pH7.4の25mM 緩衝食塩水中の10%w/wのポロキサマー407及び2%w/wの309kDaのHAの温度応答性ポリマー組み合わせ調製物、及び活性薬剤を含有しない15%のポロキサマー407生体材料の対照調製物の結果を示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。
例示的な免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の液体調製物(例えば、低分子量のヒアルロン酸(HA)及びポロキサマー(例えば、P407)の組み合わせの液体調製物)を投与された動物の、ポロキサマー(例えば、P407)のみの液体調製物を投与された動物と比較した生存データを示す。x軸は腫瘍接種後の時間を示す。腫瘍切除が腫瘍接種後の10日目に実行され、腫瘍切除後に例示的な組成物が投与された。
ある特定の定義
本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物中の個々のポリマー成分の濃度は、それぞれ%(w/w)または重量%で表現されることに留意されたい。本明細書で使用する場合、ポリマー組み合わせ調製物中のポリマー成分の濃度である%(w/w)は、(i)ポリマー組み合わせ調製物中に存在する全ての個々のポリマー成分の総質量または総重量及び(ii)ポリマー組み合わせ調製物に使用された溶媒の総質量または総重量の合計に対するポリマー成分の質量または重量に基づいて決定される。
適応免疫応答の活性化因子:用語「適応免疫応答の活性化因子」は、薬剤であって、対象(例えば、それが投与され、及び/またはそうでなければ投与される必要がある対象)の適応免疫系(及び/または適応免疫系の1つ以上の特徴)を、当該薬剤が存在しない場合と比較して活性化する(例えば、その活性を増加させる)、当該薬剤を指す。かかる活性化は、例えば、抑制性免疫チェックポイントを中和することにより、及び/または共刺激受容体を作動させることにより抗腫瘍機能を回復させるか、または増強することができ、最終的に、がん細胞により発現される免疫原性抗原に対するヘルパー及び/またはエフェクターT細胞応答を生じさせ、記憶B細胞及び/またはT細胞集団を生成させる。ある特定の実施形態では、適応免疫応答の活性化因子は、適応免疫応答及び/または白血球輸送の調節に関与する。適応免疫応答の活性化因子の例としては、例えば、WO2018/045058に記載されるものが挙げられ、その内容は本明細書に記載される目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
自然免疫応答の活性化因子:用語「自然免疫応答の活性化因子」は、薬剤であって、対象(例えば、それが投与され、及び/またはそうでなければ投与される必要がある対象)の自然免疫系(及び/または自然免疫系の1つ以上の特徴)を、当該薬剤が存在しない場合と比較して活性化する(例えば、その活性を増加させる)、当該薬剤を指す。かかる活性化は、炎症性応答(例えば、免疫賦活性の炎症性応答)を開始させ、及び/または適応免疫応答を誘発するのに役立つ1種以上の作用物質を刺激することができ(例えば、その発現レベル及び/または活性を増加させることができ)、これにより、例えば、抗原特異的獲得免疫の発達をもたらす。幾つかの実施形態では、自然免疫系の活性化は、例えば、限定されるものではないが、好中球、好塩基球、好酸球、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞、単球、及びマクロファージが含まれる関連する免疫細胞の動員、サイトカイン産生、白血球の増殖及び/または生存、ならびに例えば、抗原提示細胞による抗原の提示及び/または共刺激分子の発現レベル及び/または活性を増加させることによるT細胞プライミングの改善をもたらすことができる。自然免疫応答の活性化因子の例としては、例えば、WO2018/045058に記載されるものが挙げられ、その内容は本明細書に記載される目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
投与:本明細書で使用する場合、用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、通常、組成物であるか、またはそれに含まれる薬剤またはペイロードの標的部位または処置される部位への送達を達成するための対象への組成物の投与を指す。当業者は、適切な状況において、対象、例えば、ヒトへの異なる薬剤の投与のために利用され得る種々の経路を知っているであろう。例えば、用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、移植すること、吸収すること、摂取すること、注入すること、吸入すること、非経口投与、または別様に本明細書に記載される組成物を導入することを指すが、提供されるポリマー組み合わせ調製物(その中に組み込まれたペイロードを含有するか、または含有しない)を含む組成物の投与の文脈において、投与することは、幾つかの実施形態では、移植すること、または幾つかの実施形態では、注入することを指し得る。
アゴニスト:用語「アゴニスト」は、作用物質、状態、または事象であって、その存在、レベル、程度、種類、または形態が、別の作用物質(すなわち、刺激される作用物質)のレベル及び/または活性の増加及び/または1つ以上の生物学的事象の増加もしくは誘導と相関する、当該作用物質、状態、または事象を指すために使用され得ることを当業者は理解するであろう。一般に、アゴニストは、例えば、低分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属、無機結晶、及び/または関連する活性化活性を示す任意の他の物質が含まれる、種々の化学的分類の作用物質であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、アゴニストは、直接的であり得る(この場合、それは直接的に標的に影響を及ぼす)。幾つかの実施形態では、アゴニストは、間接的であり得る(この場合、標的への結合以外により、例えば、当該標的のレベルまたは活性が変化されるように当該標的の調節因子と相互作用することにより、その影響を及ぼす)。部分アゴニストは、その標的及び/またはその調節因子と相互作用するために完全アゴニストと競合し、これにより、完全アゴニストのみで観察されるのと比較して、(i)別の薬剤の1つ以上の効果の減少、及び/または(ii)1つ以上の生物学的事象の減少引き起こすため、完全アゴニストの存在下で競合的アンタゴニストとして作用し得る。
アンタゴニスト:用語「アンタゴニスト」は、作用物質、状態、または事象であって、その存在、レベル、程度、種類、または形態が、別の作用物質(すなわち、拮抗された作用物質)のレベル及び/または活性の減少及び/または1つ以上の生物学的事象の減少もしくは抑制と関連する、当該作用物質、状態、または事象を指し得ることを当業者は理解するであろう。一般に、アンタゴニストとしては、例えば、低分子、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、金属、及び/または関連する阻害活性を示す任意の他の物質が含まれる、種々の化学的分類の作用物質が挙げられ得る。幾つかの実施形態では、アンタゴニストは、標的に直接結合するという点で「直接的アンタゴニスト」であり得る。幾つかの実施形態では、アンタゴニストは、その標的に直接結合する以外の手段により、例えば、当該標的のレベルまたは活性が変化されるように当該標的の調節因子と相互作用することにより、その影響を及ぼすという点で「間接的アンタゴニスト」であり得る。
抗体:本明細書で使用する場合、用語「抗体」は、特定の標的抗原への特異的結合を付与するのに十分なカノニカル免疫グロブリン配列エレメントを含むポリペプチドを指す。当技術分野で公知の通り、天然に産生されるインタクト抗体は、「Y字形」構造と一般的に称される構造になるよう互いに会合した、2本の同一重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)及び2本の同一軽鎖ポリペプチド(それぞれ約25kD)で構成された、およそ150kD四量体作用物質である。各重鎖は、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に存在する)、これに続くCH1、CH2、及びカルボキシ末端CH3(Yの幹部分の基部に存在する)の3つの定常ドメインの少なくとも4つのドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成される。「スイッチ」として公知の短い領域は、重鎖可変領域及び重鎖定常領域を連結する。「ヒンジ」は、CH2ドメイン及びCH3ドメインを抗体の残部に連結する。このヒンジ領域における2つのジスルフィド結合が、インタクト抗体において2本の重鎖ポリペプチドを互いに連結する。各軽鎖は、別の「スイッチ」により互いに隔てられた、アミノ末端可変(VL)ドメイン、これに続くカルボキシ末端定常(CL)ドメインの2つのドメインから構成される。インタクトな抗体四量体は、単一のジスルフィド結合により重鎖及び軽鎖が互いに連結されている2つの重鎖-軽鎖二量体から構成される。2つの他のジスルフィド結合が、二量体が互いに連結され、四量体が形成されるように、重鎖ヒンジ領域を互いに連結する。また天然に産生される抗体は、典型的にはCH2ドメインがグリコシル化されている。天然抗体における各ドメインは、圧縮された逆平行βバレルに互いに束ねられた2つのβシート(例えば、3、4、または5本鎖シート)により形成される「免疫グロブリンフォールド」を特徴とする構造を有する。各可変ドメインは、「相補性決定領域」として公知の3つの超可変ループ(CDR1、CDR2、及びCDR3)及び4つのやや不変な「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)を含有する。天然抗体が折り畳まれると、FR領域は、ドメインのための構造的フレームワークを提供するベータシートを形成し、重鎖及び軽鎖の両方のCDRループ領域は、Y構造の先端に位置する単一の超可変抗原結合部位を生じるように、三次元空間に集合される。天然に存在する抗体のFc領域は、補体系の成分に結合し、例えば、細胞傷害性を媒介するエフェクター細胞が含まれる、エフェクター細胞上の受容体にも結合する。当該技術分野において公知のように、Fc受容体に対するFc領域の親和性及び/または他の結合特性は、グリコシル化または他の修飾により調節され得る。幾つかの実施形態では、本発明に従って生成及び/または利用される抗体は、かかるグリコシル化が改変または操作されたFcドメインが含まれる、グリコシル化されたFcドメインを含む。本発明のために、ある特定の実施形態では、天然抗体に見出される十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む任意のポリペプチドまたはポリペプチドの複合体は、かかるポリペプチドが、天然に生成される(例えば、抗原に反応する生物により生成される)か、または組換え工学、化学合成、もしくは他の人工の系もしくは方法により生成されるかにかかわらず、「抗体」と称され得、及び/または抗体として使用され得る。幾つかの実施形態では、抗体は、ポリクローナルである。幾つかの実施形態では、抗体は、モノクローナルである。幾つかの実施形態では、抗体は、マウス、ウサギ、霊長類、またはヒト抗体に特徴的な定常領域配列を有する。幾つかの実施形態では、抗体配列エレメントは、当該技術分野において周知のように、ヒト化されたもの、霊長類化されたもの、キメラなどである。更に、用語「抗体」は、本明細書で使用する場合、適切な実施形態では(特に明記しない限りまたはそれ以外のことが文脈から明らかでない限り)、代替的提供において抗体の構造的及び機能的特徴を利用するための当該技術分野において公知のまたは開発された構築物またはフォーマットのいずれかを指し得る。例えば、幾つかの実施形態では、本発明に従って利用される抗体は、限定されるものではないが、インタクトなIgA、IgG、IgE、及びIgM抗体;二重特異性抗体または多特異性抗体(例えば、Zybodies(登録商標)など);抗体断片、例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片、及び単離されたCDRまたはそのセット;単鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合物;単一ドメイン抗体、代替足場または抗体ミメティック(例えば、アンチカリン、FN3モノボディ、DARPin、Affibody、Affilin、Affimer、Affitin、Alphabody、Avimer、Fynomer、Im7、VLR、VNAR、Trimab、CrossMab、Trident);ナノボディ、バイナノボディ、F(ab’)2、Fab’、ジsdFv、単一ドメイン抗体、三官能性抗体、ダイアボディ、及びミニボディなどから選択されるフォーマットである。幾つかの実施形態では、適切なフォーマットは、以下であり得るか、または以下を含み得る:Adnectin(登録商標);Affibody(登録商標);Affilin(登録商標);Anticalin(登録商標);Avimer(登録商標);BiTE(登録商標);ラクダ様抗体;Centyrin(登録商標);アンキリンリピートタンパク質またはDARPIN(登録商標);二重親和性再ターゲティング(DART)薬剤;Fynomer(登録商標);IgNARなどのサメ単一ドメイン抗体;免疫動員性抗がんモノクローナルT細胞受容体(ImmTAC);KALBITOR(登録商標);MicroProtein;Nanobody(登録商標)、ミニボディ;マスクされた抗体(例えば、Probody(登録商標));Small Modular ImmunoPharmaceutical(「SMIP(商標)」);単鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));TCR様抗体;Trans-body(登録商標);TrimerX(登録商標);VHH。幾つかの実施形態では、抗体は、天然に生成される場合に有する共有結合による修飾(例えば、グリカンの結合)を欠いていてもよい。幾つかの実施形態では、抗体は、共有結合による修飾(例えば、グリカン、ペイロード[例えば、検出可能部分、治療用部分、触媒部分等]、または他のペンダント基[例えば、ポリエチレングリコールなど]の結合)を含有し得る。
生体接着剤:用語「生体接着剤」は、標的表面、例えば、組織表面に付着することができる生体適合性の薬剤を指す。幾つかの実施形態では、生体接着剤は、標的表面、例えば、組織表面に付着することができ、例えば、一定期間、標的表面に保持することができる。幾つかの実施形態では、生体接着剤は、生分解性であり得る。幾つかの実施形態では、生体接着剤は、例えば、単離または合成により調製または取得されてもよい、天然の薬剤であり得る。幾つかの実施形態では、生体接着剤は、当業者によって理解されるように、例えば、人の手によって、例えば、薬剤に応じて処理、合成、及び/または組換え生産により設計及び/または製造されてもよい、非天然の薬剤であり得る。幾つかの特定の実施形態では、生体接着剤は、例えば、複数のモノマー、例えば、糖から構成され得るか、またはそれを含有し得る、ポリマー物質であり得るか、またはそれを含み得る。ある特定の例示的な生体接着剤としては、種々のFDA認可の薬剤、例えば、シアノアクリレート(Dermabond、2-オクチルシアノアクリレート;Indermil、n-ブチル-2-シアノアクリレート;Histoacryl及びHistoacryl Blue、n-ブチル-2-シアノアクリレート)、アルブミン及びグルタルアルデヒド(BioGlue(商標)、ウシ血清アルブミン及び10%グルタルアルデヒド)、フィブリン糊(Tisseel(商標)、プールされたヒト血漿フィブリノゲン及びトロンビン;Evicel(商標)、プールされたヒト血漿フィブリノゲン及びトロンビン;Vitagel(商標)、自己血漿フィブリノゲン及びトロンビン;Cryoseal(商標)システム、自己血漿フィブリノゲン及びトロンビン)、ホルムアルデヒド及び/またはグルタルアルデヒドにより架橋されたゼラチン及び/またはレゾルシノール、多糖ベースの接着剤(例えば、アルギナート、キトサン、コラーゲン、デキストラン、及び/またはゼラチン)、PEG、アクリレート、ポリアミン、もしくはウレタンバリアント(イソシアネート末端プレポリマー)、及び/またはそれらの組み合わせなどが挙げられる。例えば、Mehdizadeh and Yang “Design Strategies and Applications of Tissue Bioadhesives” Macromol Biosci 13:271-288(2013)に記載されているような当技術分野において公知である生体接着剤の他の例が、本明細書に記載の方法のために使用され得る。幾つかの実施形態では、生体接着剤は、分解性の生体接着剤であり得る。このような分解性の生体接着剤の例としては、限定されるものではないが、フィブリン糊、ゼラチン-レゾルシノール-ホルムアルデヒド/グルタルアルデヒド接着剤、ポリ(エチレングリコール)(PEG)ベースのヒドロゲル接着剤、多糖接着剤、ポリペプチド接着剤、ポリマー接着剤、生体模倣生体接着剤、及びBhagat and Becker “Degradable Adhesives for Surgery and Tissue Engineering” Biomacromolecules 18:3009-3039(2017)に記載のものが挙げられる。
生体適合性:本明細書で使用する場合、用語「生体適合性」は、例えば、インビボで生体組織と接触して配置された場合に、かかる組織に対する顕著な害をもたらさない物質を指す。物質の生体適合性は、このような物質が国際標準化機構(ISO)規格番号10993及び/または米国薬局方(USP)23及び/または「Use of International Standard ISO-10993,Biological Evaluation of Medical Devices Part-1:Evaluation and Testing.」と題される米国食品医薬品局(FDA)ブルーブック覚書#G95-1に記載される生体適合性試験を通過する性能により評価され得る。典型的には、これらの試験は、物質の毒性、感染性、発熱原性、刺激性、反応性、溶血活性、発癌性、及び/または免疫原性を測定する。ある特定の実施形態では、物質は、その用途のインビボ環境においてそれら自体が細胞に有毒でない場合、「生体適合性」である。ある特定の実施形態では、物質は、それらのインビトロでの細胞への添加が20%以下の細胞死をもたらす場合、及び/またはそれらのインビボでの投与が、本明細書に記載される目的にとって臨床的に望ましくない顕著に重篤な炎症もしくは他のかかる有害作用を誘発しない場合、「生体適合性」である。当業者によって理解されるように、かかる顕著に重篤な炎症は、手術または生体への異物の導入に通常伴う一過性の軽度炎症と区別可能である。更に本開示を読む当業者は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々のポリマー成分は、既定の一定期間にわたる免疫調節(例えば、自然免疫アゴニズム)の程度が、例えば、抗腫瘍免疫をもたらすために、臨床的に有益であり、及び/または望ましい場合、生体適合性であることを理解するであろう。
生分解性:本明細書で使用する場合、用語「生分解性」は、細胞に導入される場合に、細胞に対する顕著な毒性作用を伴わずに、細胞が再利用できるか、または取り除くことができるかのいずれかである成分に(例えば、細胞機構により、例えば、酵素的分解により、加水分解により、及び/またはそれらの組み合わせにより)分解される物質を指す。ある特定の実施形態では、生分解性物質の分解により生成される構成成分は生体適合性であり、従って、本明細書に記載される目的にとって臨床的に望ましくない顕著に重篤な炎症及び/または他の有害作用をインビボで誘発しない。幾つかの実施形態では、生分解性ポリマー物質は、それらの構成モノマーに分解される。幾つかの実施形態では、生分解性ポリマー物質は、例えば、酵素活性または細胞機構によって、場合によっては、例えば、(例えば、相対的に低いpHを有する)リゾチームへの曝露によって、または単純な加水分解によって生物により分解され得る。幾つかの実施形態では、生分解性物質(例えば、生分解性ポリマー物質が含まれる)の分解は、エステル結合の加水分解を伴う。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、生分解性物質(例えば、生分解性ポリマー物質が含まれる)の分解は、ウレタン結合の切断を伴う。例示的な生分解性ポリマーとしては、例えば、限定されるものではないが、ポリ(ヒドロキシル酸)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール酸共重合体)(PLGA)、及びPEGとのコポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(ラクチド-カプロラクトン共重合体)、それらの混合物及びコポリマーが含まれる、乳酸及びグリコール酸などのヒドロキシ酸のポリマーが挙げられる。例えば、タンパク質、例えば、アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、及びプロラミン(例えば、ゼイン)、ならびに多糖、例えば、アルギナート、セルロースバリアント、及びポリヒドロキシアルカノエート、例えば、ポリヒドロキシ酪酸、それらの混合物及びコポリマーが含まれる、多数の天然に存在するポリマーも生分解性である。当業者は、かかるポリマーが生体適合性である時、及び/またはその生分解性バリアント(例えば、当該技術分野において公知であるように、特定の化学基の置換または付加の点でのみ異なる実質的に同一の構造により親ポリマーに関連する)である時を理解するか、または決定することができるであろう。
生物学的製剤:用語「生物学的製剤」、「生物学的薬物」、及び「生物学的生成物」は、広範囲の生成物、例えば、ワクチン、血液及び血液成分、アレルギー誘発物質、体細胞、遺伝子治療、組織、核酸、ならびにタンパク質を指す。生物学的製剤は、糖、タンパク質、もしくは核酸、もしくはこれらの物質の複雑な組み合わせを含み得るか、または細胞及び組織などの生命体であり得る。生物学的製剤は、種々の天然の供給源(例えば、ヒト、動物、微生物)から単離され得、及び/または生物工学的方法及び/または他の技術により生成され得る。
生体試料:用語「生体試料」は、生物学的供給源から取得される一次試料、及び/または幾つかの実施形態では、(例えば、処理することにより)それから得られる試料を指す。当業者は、生体試料として、例えば、組織試料(例えば、組織切片及び組織の針生検);細胞試料(例えば、細胞学的スミア(例えば、パップスメアまたは血液スミア)または顕微解剖により取得される細胞の試料);生物体全体の試料(例えば、酵母または細菌の試料);もしくは細胞分画、細胞片、もしくは細胞小器官(例えば、細胞を溶解させ、遠心分離またはまたは別の方法によりその成分を分離することにより取得されるもの)が挙げられ得るか、または生体試料はそれらから選択され得ることを当業者は理解する。生体試料の他の例としては、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙液、汗、膿、生検組織(例えば、外科的生検または針生検により取得される)、乳頭吸引液、母乳、膣液、唾液、スワブ(例えば、口腔スワブ)、または一次生体試料に由来する生体分子を含有する任意の物質が挙げられる。
生体材料:用語「生体材料」は、(健全な医学的判断により)容認できない反応を誘発することなく医療目的(例えば、治療、診断)のために対象に投与することができることを特徴とする生体適合性の物質を指す。生体材料は、自然界から得られるか、もしくは自然界に由来するか、または合成される。幾つかの実施形態では、生体材料は、ポリマー生体材料であり得るか、またはそれを含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマー生体材料は、少なくとも1種または複数種の(例えば、少なくとも2種以上の)ポリマー成分を含み得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、ポリマーネットワークの形態であり得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、注射可能な形態、例えば、粘性溶液であり得る。例えば、生体材料は、(例えば、対象に投与されると)生体内原位置で形成される当該生体材料の前駆体成分を含み得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、液体であり得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、粘性溶液である。幾つかの実施形態では、生体材料は、コロイドである。幾つかの実施形態では、生体材料は、固体であり得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、結晶(例えば、無機結晶)であり得る。幾つかの実施形態では、生体材料は、核酸ではない。幾つかの実施形態では、生体材料は、ポリペプチドではない。
がん:用語「がん」は、悪性新生物を指す(Stedman’s Medical Dictionary,25th ed.;Hensyl ed.;Williams & Wilkins:Philadelphia,1990)。本開示の幾つかの実施形態の文脈において特に対象となるのは、細胞殺傷及び/または除去療法(例えば、外科的切除及び/または特定の化学療法薬療法、例えば、細胞傷害性療法など)により処置されるがんである。幾つかの実施形態では、本開示に従って処置されるがんは、外科的に切除されたもの(すなわち、少なくとも1つの腫瘍が外科的に切除されたもの)である。幾つかの実施形態では、本開示に従って処置されるがんは、切除術が標準治療であるものである。幾つかの実施形態では、本開示に従って処置されるがんは、転移したものである。ある特定の実施形態では、例示的ながんとしては、聴神経腫;腺癌;副腎癌;肛門癌;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫);虫垂癌;良性単クローン免疫グロブリン症;胆道癌(例えば、胆管癌);胆管癌;膀胱癌;骨癌;乳房癌(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌);脳癌(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽腫);気管支癌;カルチノイド腫瘍;心臓腫瘍;子宮頸癌(例えば、子宮頚部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌);結合組織癌;上皮性癌;乳管内上皮内癌;上衣腫;内皮肉腫(例えば、カポシ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫);食道癌(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼癌(例えば、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢癌;胃癌(例えば、胃腺癌);胃腸管間質腫瘍(GIST);胚細胞癌;頭頚部癌(例えば、頭頚部扁平上皮癌)、口腔癌(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽喉癌(例えば、咽頭(laryngeal)癌、咽頭(pharyngeal)癌、上咽頭癌、中咽頭癌);造血器癌(例えば、白血病、例えば、急性リンパ球性白血病(ALL)(例えば、B細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えば、B細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えば、B細胞CML、T細胞CML)、及び慢性リンパ球性白血病(CLL)(例えば、B細胞CLL、T細胞CLL));リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)(例えば、B細胞HL、T細胞HL)及び非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、B細胞NHL、例えば、びまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫)、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫(すなわち、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症)、毛様細胞性白血病(HCL)、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、及び中枢神経系原発(CNS)リンパ腫;ならびにT細胞NHL、例えば、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉腫、セーザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞リンパ腫);上記の通りの1つ以上の白血病/リンパ腫の組み合わせ;多発骨髄腫;重鎖病(例えば、α鎖病、γ鎖病、μ鎖病);血管芽腫;組織球増加症;下咽頭癌;炎症性筋線維芽細胞性腫瘍;免疫細胞アミロイドーシス;腎臓癌(例えば、腎芽腫(別名ウィルムス腫瘍)、腎細胞癌);肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性ヘパトーマ);肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺の腺癌);平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);黒色腫;正中線癌;多発性内分泌腫瘍症候群;筋肉癌;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真正多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、原因不明骨髄様化生(AMM)(別名骨髄線維症(MF))、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増加症候群(HES));鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、1型または2型神経線維腫症(NF)、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨癌);卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭状腺癌;膵臓癌(例えば、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);副甲状腺癌;乳頭状腺癌;陰茎癌(例えば、陰茎及び陰嚢のパジェット病);咽頭癌;松果体腫;下垂体癌;胸膜肺芽腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞腫瘍;腫瘍随伴症候群;上皮内腫瘍;前立腺癌(例えば、前立腺腺癌);直腸癌;横紋筋肉腫;網膜芽細胞腫;唾液腺癌;皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸癌(例えば、虫垂癌);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);脂腺癌;胃癌;小腸癌;汗腺癌;滑膜腫;精巣癌(例えば、精上皮腫、精巣胎児性癌);胸腺癌;甲状腺癌(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様癌);尿道癌;子宮癌;膣癌;ならびに外陰癌(例えば、外陰部パジェット病)のうちの1つ以上が挙げられ得る。
炭水化物ポリマー:用語「炭水化物ポリマー」は、例えば、炭水化物骨格を有する1種以上の炭水化物であるか、またはそれを含むポリマーを指す。例えば、幾つかの実施形態では、炭水化物ポリマーは、多糖もしくはオリゴ糖、または共有結合により連結された複数の単糖単位を含有するポリマーを指す。単糖単位は、全て同一であってもよく、または場合によっては、炭水化物ポリマー内に2つ以上の種類の単糖単位が存在してもよい。ある特定の実施形態では、炭水化物ポリマーは、天然に存在する。ある特定の実施形態では、炭水化物ポリマーは、合成である(すなわち、天然に存在しない)。幾つかの実施形態では、炭水化物ポリマーは、化学修飾を含み得る。幾つかの実施形態では、炭水化物ポリマーは、線状ポリマーである。幾つかの実施形態では、炭水化物ポリマーは、分枝ポリマーである。
化学療法薬:用語「化学療法薬」は、癌の化学療法に有用であることが公知の治療薬を指す。例えば、幾つかの実施形態では、化学療法薬は、急速に増殖するがん細胞の増殖を阻害し得、及び/またはがん細胞を死滅させ得る。かかる化学療法薬の例としては、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、及び/または有糸分裂阻害剤が挙げられる。
併用療法:本明細書で使用する場合、用語「併用療法」は、対象が2つ以上の治療計画(例えば、2種以上の治療薬)に同時に曝露される状況を指す。幾つかの実施形態では、2つ以上の治療計画が同時に施され得る。幾つかの実施形態では、かかる治療計画が逐次的に施され得る(例えば、第1の治療計画の全ての「用量」が、第2の治療計画の任意の用量の投与前に投与される)。幾つかの実施形態では、かかる薬剤が部分的に重なる投与計画で投与される。幾つかの実施形態では、併用療法の「投与」は、1種以上の薬剤(複数可)または治療法(複数可)の、他の薬剤(複数可)または治療法(複数可)を投与されている対象への組み合わせでの投与を含み得る。明確にするために記すと、併用療法は、個々の薬剤が単一の組成物で一緒に(または更には必ず同時に)投与されることを必要としないが、幾つかの実施形態では、2種以上の薬剤またはその活性部分が、混合組成物として一緒に、または更には化合物の組み合わせとして(例えば、単一の化学的複合体または共有結合体の一部として)投与され得る。
コロイド:本明細書で使用する場合、用語「コロイド」は、分散媒(例えば、水性緩衝液系)中に分散した粒子(例えば、ポリマー粒子)の均質溶液または懸濁液を指す。幾つかの実施形態では、コロイドは、エマルションである。幾つかの実施形態では、コロイドは、ゾルである。幾つかの実施形態では、コロイドは、ゲルである。
比較可能(comparable):本明細書で使用する場合、用語「比較可能(comparable)」は、2つ以上の薬剤、実体、状況、条件のセットなどであって、互いに同一でなくてもよいが、観察される差または類似性に基づいて結論が合理的に導かれ得ることを当業者が理解するように、それらの間の比較を可能にするほど十分に類似する、当該2つ以上の薬剤、実体、状況、条件のセットなどを指す。幾つかの実施形態では、比較可能な条件、状況、個体、または集団のセットは、複数の実質的に同一の特徴及び1つまたは少数の変化する特徴を特徴とする。当業者は、文脈における任意の所与の状況で、2つ以上のかかる薬剤、実体、状況、条件のセットなどが比較可能とみなされるために、どの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者は、状況、個体、または集団のセットは、異なる状況、個体、または集団のセットの下で、またはそれらを用いて得られた結果または観察された現象の差が、様々なそれらの特徴の差異により引き起こされるか、または様々なそれらの特徴の差異の存在を示すという合理的な結論を保証するための十分な数及び種類の実質的に同一の特徴を特徴とする場合に、互いに比較可能であることを理解するであろう。当業者は、用語「同等(comparable)」が2つ以上の値の比較の文脈で使用される場合、かかる値は、値の差が治療結果、例えば、抗腫瘍免疫の誘導及び/または腫瘍再成長及び/または転移の発生率の実質的な差をもたらさないように互いに同等であることも理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態では、同等の放出率は、48時間にわたる15%以内のかかる放出率の値を指す。幾つかの実施形態では、同等の放出率は、48時間にわたる20%以内のかかる放出率の値を指す。幾つかの実施形態では、同等の放出率は、24時間にわたる15%以内のかかる放出率の値を指す。
状態、疾患、または障害:用語「状態」、「疾患」、及び「障害」は、互換的に使用される。
対応する:本明細書で使用する場合、用語「対応する」は、2つ以上の実体間の関係を指す。例えば、用語「対応する」は、化合物または組成物における構造要素の、別の化合物または組成物と比較した(例えば、適切な参照化合物または参照組成物に対する)位置/同一性を示すために使用され得る。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマーにおける単量体残基(例えば、ポリペプチドにおけるアミノ酸残基またはポリヌクレオチドにおける核酸残基)は、適切な参照ポリマーにおける残基に「対応する」と同定され得る。例えば、当業者は、簡潔さのために、ポリペプチドにおける残基は、多くの場合、標準的な番号付けシステムを使用して関連する参照ポリペプチドに基づいて指定され、従って、190位の残基に「対応する」アミノ酸は、例えば、実際に特定のアミノ酸鎖における190番目のアミノ酸である必要はなく、むしろ参照ポリペプチドにおいて190番目に見つかる残基に対応することを理解するであろう。当業者は、「対応する」アミノ酸を同定する方法を容易に理解するであろう。例えば、当業者は、例えば、本開示に従ってポリペプチド及び/または核酸における「対応する」残基を同定するために利用され得る、例えば、BLAST、CS-BLAST、CUSASW++、DIAMOND、FASTA、GGSEARCH/GLSEARCH、Genoogle、HMMER、HHpred/HHsearch、IDF、Infernal、KLAST、USEARCH、parasail、PSI-BLAST、PSI-Search、ScalaBLAST、Sequilab、SAM、SSEARCH、SWAPHI、SWAPHI-LS、SWIMM、またはSWIPEなどのソフトウェアプログラムが含まれる様々な配列アラインメント手段を知っているであろう。当業者は、場合によっては、用語「対応する」は、関連する類似性を別の事象または実体(例えば、適切な参照事象または実体)と共有する事象または実体を表現するために使用され得ることも理解するであろう。ほんの一例を挙げれば、ある生物における遺伝子またはタンパク質は、幾つかの実施形態では、それが類似した役割を果たすか、もしくは類似した機能を果たすこと、及び/またはそれが特定の程度の配列同一性もしくは相同性を示すか、もしくは特定の特徴的な配列エレメントを共有することを示すために、別の生物の遺伝子またはタンパク質に「対応する」と記載され得る。
臨界ゲル化温度:本明細書で使用する場合、「CGT」と省略される用語「臨界ゲル化温度」は、閾値温度であって、この温度またはこれを超える温度でポリマー組み合わせ調製物の前駆状態(例えば、本明細書に記載されるもの)が本明細書に記載されるポリマーネットワーク状態(例えば、ハイドロゲル状態)に移行する、当該閾値温度を指す。幾つかの実施形態では、臨界ゲル化温度は、ゾル-ゲル転移温度に対応し得る。幾つかの実施形態では、臨界ゲル化温度は、下限臨界溶液温度に対応し得る。熱応答性ゲルの一般的説明について、Taylor et al.,“Thermoresponsive Gels” Gels (2017) 3:4(この内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。本開示において記載されるように、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物のある特定の実施形態は、約35~40℃の温度に曝露されると、ポリマーネットワーク状態を形成することが示される。本開示を読む当業者は、かかるポリマー組み合わせ調製物が、必ずしも約35~40℃のCGTを有するわけではなく、むしろ35~40℃未満のCGTを有し得ることを理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、約20~28℃のCGTを有し得る。
臨界ゲル化重量比:本明細書で使用する場合、用語「臨界ゲル化重量比」は、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の少なくとも2つ以上のポリマー成分の閾値重量比であって、この重量比またはこれを超える重量比でこのようなポリマー組み合わせ調製物の前駆状態(例えば、本明細書に記載されるもの)が本明細書に記載されるポリマーネットワーク状態(例えば、ハイドロゲル状態)に移行する、当該閾値重量比を指す。幾つかの実施形態では、このような前駆状態-ポリマーネットワーク状態の移行は、提供されるポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度及び臨界ゲル化重量比の両方が達成されると起こる。
架橋:本明細書で使用する場合、用語「架橋」は、網状組織を形成するための1つの実体と別の実体との間の相互作用及び/または結合を指す。例えば、幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークに存在する架橋は、分子内架橋、分子間架橋、またはその両方であり得るか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、架橋は、ポリマーネットワークを形成するための1つのポリマー鎖(複数可)と別のポリマー鎖(複数可)との間の相互作用及び/または結合を含み得る。幾つかの実施形態では、架橋は、例えば、1つ以上の環境トリガー及び/または生理化学的相互作用が含まれる、1つ以上の物理的架橋手法を使用して達成され得る。環境トリガーの例としては、限定されるものではないが、pH、温度、及び/またはイオン強度が挙げられる。生理化学的相互作用の非限定的な例としては、疎水性相互作用、電荷相互作用、水素結合相互作用、ステレオコンプレックス形成、及び/または超分子化学が挙げられる。幾つかの実施形態では、架橋は、化学反応に基づく(例えば、2つの実体間の結合が共有結合であるか、またはそれを含む)1つ以上の共有結合による架橋手法を使用して達成され得、例えば、幾つかの実施形態では、これには、アルデヒド及びアミンのシッフ塩基を形成する反応、アルデヒド及びヒドラジドのヒドラジンを形成する反応、及び/またはアクリル酸及び一級アミンもしくはチオールのいずれかの二級アミンもしくはスルフィドを形成するミカエル反応が挙げられ得る。かかる共有結合による架橋手法の例としては、限定されるものではないが、低分子架橋及びポリマー-ポリマー架橋が挙げられる。ポリマー鎖の物理的架橋及び共有結合による架橋のための各種の方法は、例えば、Hoare and Kohane,“Hydrogels in drug delivery:Progress and challenges” Polymer (2008) 49:1993-2007(この全内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように当技術分野において公知である。
架橋剤:本明細書で互換的に使用される、用語「架橋剤」または「橋かけ剤」は、1つの実体(例えば、1つのポリマー鎖)を別の実体(例えば、別のポリマー鎖)に連結する薬剤を指す。幾つかの実施形態では、2つの実体間の結合(すなわち、「架橋」)は、共有結合であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、2つの実体間の結合は、イオン結合またはイオン相互作用であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、架橋剤は、化学架橋剤であり、例えば、幾つかの実施形態では、これは、アルデヒド基とアミノ基との間の共有結合形成を誘発するための低分子(例えば、ジアルデヒドまたはゲニピン)であり得るか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、架橋剤は、感光性官能基を含む。幾つかの実施形態では、架橋剤は、pH感受性官能基を含む。幾つかの実施形態では、架橋剤は、熱感受性官能基を含む。
疾患:本明細書で使用する場合、用語「疾患」は、通常、対象(例えば、ヒト対象)における組織または系の正常機能を障害し、通常、特徴的な徴候及び/または症状により表される障害または状態を指す。本明細書において提供される技術に適している疾患の例としては、限定されるものではないが、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝疾患、神経疾患及び神経変性疾患、がん、心血管疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、ならびにホルモン関連疾患が挙げられる。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術に適している疾患は、がんである。
有効量:「有効量」は、所望の生物学的反応、例えば、対象が罹患している可能性のある状態の処置を誘発するのに十分な量である。当業者によって理解されるように、組成物または当該組成物中に含まれる薬剤の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、当該組成物中の薬剤の物理的、化学的、及び/または生物学的特徴(例えば、薬物動態及び/または分解)、処置されている状態、ならびに対象の年齢及び健康状態のような要因に応じて異なり得る。幾つかの実施形態では、量は治療処置に有効であり得る。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、量は予防処置に有効であり得る。例えば、がんの処置において、有効量は、腫瘍再成長を予防し得るか、腫瘍負荷を低減し得るか、または腫瘍の成長もしくは広がりを停止させ得る。有効量は単一剤形に含有される必要はないことを当業者は理解するであろう。むしろ、有効量の投与は、場合により経時的な、(例えば、投与計画に従った)複数回の投与を必要とし得る。例えば、幾つかの実施形態では、有効量は、適切な集団に投与される場合に、統計的有意差を伴って特定の結果を達成することが確立された投与計画で投与される量であり得る。
水和物:本明細書で使用する場合、用語「水和物」は、当該技術分野において理解されている意味を有し、化合物(例えば、当該化合物の塩形態であり得る)及び1つ以上の水分子の凝集体を指す。通常、化合物の水和物に含有される水分子の数は、水和物における化合物分子の数に対する一定の比率である。従って、化合物の水和物は、例えば、一般式R×xH2Oにより表され得、式中、Rは化合物であり、xは0を超える数である。所与の化合物は、例えば、一水和物(xは1である)、より低次の水和物(xは0より大きく、1未満の数である(例えば、半水和物(R×0.5H2O)))、及び多水和物(xは1を超える数である(例えば、二水和物(R×2H2O)及び六水化物(R×6HO)))が含まれる、2つ以上の種類の水和物を形成し得る。
ヒドロゲル:用語「ヒドロゲル」は、当該技術分野において理解されている意味を有し、場合により、水相が分散媒であるコロイドゲルとして見い出される、親水性ポリマー鎖の網状組織から形成される物質を指す。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、吸収性が高い(例えば、90%超の水分を吸収及び/または保持することができる)天然または合成のポリマーネットワークである。幾つかの実施形態では、ヒドロゲルは、例えば、それらの顕著な含水量に起因する天然組織と同程度の柔軟度を有する。
免疫療法:用語「免疫療法」は、免疫応答を誘発するか、増強するか、または抑制することにより疾患の処置を促進する治療薬を指す。免疫応答を誘発または増幅するように設計された免疫療法は、活性化免疫療法に分類される一方で、免疫応答を低減または抑制する免疫療法は、抑制免疫療法に分類される。免疫療法は、通常は生物学的薬物であるがそうでない場合もある。多数の免疫療法ががんを処置するために使用される。これらとしては、限定されるものではないが、モノクローナル抗体、養子細胞移入、サイトカイン、ケモカイン、ワクチン、核酸、低分子阻害剤、及び低分子アゴニストが挙げられる。例えば、有用な免疫療法としては、限定されるものではないが、I型インターフェロンの誘導因子、インターフェロン、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)のアゴニスト、TLR7/8アゴニスト、IL-15スーパーアゴニスト、COX阻害剤(例えば、COX-1阻害剤及び/またはCOX-2阻害剤)、抗PD-1抗体、抗CD137抗体、及び抗CTLA-4抗体が挙げられ得る。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるある特定のポリマー組み合わせ調製物は、それ自体が免疫療法の非存在下で(例えば、抗腫瘍免疫を誘発するのに十分)免疫調節性であり、従って、本明細書に記載されるかかる免疫療法の投与を含まない。
免疫調節剤ペイロード:本明細書で使用する場合、用語「免疫調節剤ペイロード」は、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書において提供及び/または利用されるもの)により保持され得るか、またはポリマー組み合わせ調製物中に分散され得る別個の免疫調節剤(例えば、低分子、ポリペプチド(例えば、サイトカインが含まれる)、核酸など)を指し、ここで、当該免疫調節剤は、対象における免疫応答の1つ以上の側面を調節するか、または変化させる(例えば、誘発する、増強する、または抑制するなど)治療効果を提供する。免疫調節剤ペイロードの例としては、限定されるものではないが、適応免疫応答の活性化因子、自然免疫応答の活性化因子、炎症誘発性経路の阻害剤、免疫調節性サイトカイン、または免疫調節治療薬、ならびにWO2018/045058及びWO2019/183216に記載されるもの、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。上述の特許出願の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、自然免疫調節ペイロード(例えば、自然免疫及び/または自然免疫の1つ以上の特徴を誘発または刺激する免疫調節剤ペイロード)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、自然免疫調節ペイロードは、自然免疫応答の活性化因子であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、適応免疫調節ペイロード、例えば、適応免疫応答の活性化因子であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、炎症誘発性経路の阻害剤、例えば、p38マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路により媒介される炎症誘発性免疫応答の阻害剤であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫調節性サイトカインであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫調節治療薬であるか、またはそれを含む。当業者によって理解されるように、免疫調節剤ペイロードは、(例えば、本明細書において記載及び/または利用される)ポリマー組み合わせ調製物の成分(例えば、前駆体成分)及び/または例えば、化学反応、酵素反応、及び/または、例えば、分解などの生物学的反応により生成される副生成物を含まない。
移植:用語「移植可能」、「移植」、「移植すること」、及び「移植片」は、対象の特定の位置に、例えば、腫瘍切除部位内またはセンチネルリンパ節に、典型的には一般的な外科的方法により、関心対象の組成物を配置することを指す。
増加、誘発、または低減:本明細書で使用する場合、これらの用語または文法的に同等の比較用語は、比較可能な参照測定値に対して相対的である値を示す。例えば、幾つかの実施形態では、(例えば、前駆状態またはポリマーネットワーク状態の)提供されるポリマー組み合わせ調製物により得られた評価値は、比較可能な参照生体材料調製物(例えば、18%(w/w)のポロキサマー407または化学架橋されたハイドロゲル、例えば、化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルの生体材料)により得られた評価値と比較して「増加」していてもよい。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、対象において達成された評価値は、異なる条件(例えば、事象の前もしくは後;または本明細書において記載及び/または利用される組成物もしくは調製物の投与などの事象の存在もしくは不存在)下での同一の対象において、または異なる比較可能な対象において(例えば、条件への事前の曝露において関心対象の対象と異なる、例えば、本明細書において記載及び/または利用される組成物または調製物が投与されない、比較可能な対象において)得られた評価値と比較して「増加」していてもよい。幾つかの実施形態では、比較用語は、統計的に関連のある差(例えば、統計的関連性を達成するのに十分な発生率及び/または大きさのもの)を指す。当業者は、所与の文脈において、かかる統計的有意差を達成するのに必要であるか、または十分な差の程度及び/または発生率を知っているか、または容易に決定することができるであろう。
阻害:用語「阻害」または「阻害する」は、完全阻害のみに限定されない。従って、幾つかの実施形態では、部分阻害または相対的低減が、用語「阻害」の範囲内に含まれる。例えば、標的のレベル(例えば、発現及び/または活性)の調節の文脈において、この用語は、幾つかの実施形態では、標的のレベル(例えば、発現及び/または活性)の、例えば、標的のベースラインレベルであり得る最初のレベルまたは他の適切な参照レベルと比べて再現性よく及び/または統計的に有意に低いレベルまでの減少を指す。幾つかの実施形態では、この用語は、標的のレベル(例えば、発現及び/または活性)の、例えば、標的のベースラインレベルであり得る最初のレベルの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、または0.0001%未満であるレベルまでの減少を指す。腫瘍再発及び/または転移のリスク及び/または発生率の文脈において、この用語は、幾つかの実施形態では、例えば、本明細書に記載の組成物の投与の非存在下での、または投与前の腫瘍再発及び/または転移のリスクまたは発生率のベースラインレベルであり得る最初のレベルまたは他の適切な参照レベルと比べて再現的及び/または統計的に有意に低い水準までの腫瘍再発及び/または転移のリスクまたは発生率の低減を指す。幾つかの実施形態では、この用語は、例えば、本明細書に記載の組成物の投与の非存在下での、または投与前の腫瘍再発及び/または転移のリスクまたは発生率のベースラインレベルであり得る最初のレベルの75%未満、50%未満、40%未満、30%未満、25%未満、20%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満、0.01%未満、0.001%未満、または0.0001%未満である水準までの腫瘍再発及び/または転移のリスクまたは発生率の低減を指す。
阻害剤:本明細書で使用する場合、用語「阻害剤」は、その存在またはレベルが、調節される標的のレベルまたは活性の減少と関連する薬剤を指す。幾つかの実施形態では、阻害剤は、直接的に作用し得る(この場合、例えば、標的に結合することにより、直接的に当該標的に対する影響を及ぼす)。幾つかの実施形態では、阻害剤は、間接的に作用し得る(この場合、阻害剤は、標的のレベル及び/または活性が低減されるように当該標的の調節因子と相互作用すること、及び/または別様にそれを変化させることにより、その影響を及ぼす)。幾つかの実施形態では、阻害剤は、その存在またはレベルが、特定の参照レベルまたは活性(例えば、適切な参照条件下、例えば、既知の阻害剤の存在下または本明細書において開示される阻害剤の非存在下などで観察されるもの)と比較して低減されている標的のレベルまたは活性と相関するものである。
炎症誘発性経路の阻害剤:本明細書で使用する場合、用語「炎症誘発性経路の阻害剤」は、幾つかの実施形態では、免疫抑制に関連する炎症を阻害または低減する薬剤を指す。幾つかの実施形態では、このような炎症誘発性経路の阻害剤は、免疫抑制性細胞の動員を防止するか、または急性炎症を防止する薬剤を指す。かかる急性炎症及び/または免疫抑制性細胞の動員は、手術により引き起こされるものが含まれる、局所的外傷の後に発生し得る。幾つかの実施形態では、炎症誘発性経路の阻害剤は、例えば、炎症性サイトカイン(例えば、限定されるものではないが、TGF-β及びIL-10が含まれる)の産生、M2様マクロファージの活性及び/または増殖の増加、例えば、限定されるものではないが、骨髄性細胞、好中球、及びマスト細胞などが含まれる関連する免疫細胞の動員が含まれる、例えば、炎症を誘発する免疫応答を阻害し得る。炎症誘発性経路の阻害剤の例としては、例えば、国際特許出願第WO2019/183216号(その内容は本明細書に記載される目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のものが挙げられる。
異性体:同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序または空間内のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と称されることも理解されたい。空間内のそれらの原子の配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。
リンパ節:当該技術分野において公知のように、用語「リンパ節」は、全身にわたって存在する小さな構造体であり、これを通してリンパ液が流れるリンパ系の構成要素を指す。リンパ節は、リンパ液からある特定の物質を濾過することが分かっている。リンパ節は、例えば、全身にわたる免疫応答に関与し得る免疫細胞を含有し得る。幾つかの実施形態では、リンパ節は、センチネルリンパ節(すなわち、がん細胞が原発性腫瘍から拡散する可能性が最も高いリンパ節)であり得るか、またはそれを含む。
マーカー:マーカーは、本明細書で使用する場合、その存在またはレベルが特定の状態または事象に特徴的である実体または部分を指す。幾つかの実施形態では、特定のマーカーの存在またはレベルは、疾患、障害、または状態の存在または段階に特徴的であり得る。ほんの一例を挙げれば、幾つかの実施形態では、この用語は、特定の腫瘍、腫瘍サブクラス、腫瘍の段階などに特徴的である遺伝子発現産物を指す。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、特定のマーカーの存在またはレベルは、例えば、特定のクラスの腫瘍に特徴的であり得る特定のシグナル伝達経路の活性(または活性レベル)と相関する。マーカーの存在または不存在の統計的有意性は、特定のマーカーに応じて異なり得る。幾つかの実施形態では、マーカーの検出は、それが、腫瘍が特定のサブクラスのものである高い確率を反映するという点で非常に特異的である。かかる特異性は、感度を犠牲にして得られ得る(すなわち、腫瘍がそのマーカーを発現すると予想される腫瘍である場合であっても陰性結果が生じ得る)。逆に、高い感度を有するマーカーは、より低い感度を有するものより特異性が低い場合がある。当業者は、多数の実施形態では、有用なマーカーが100%の精度で識別しなくてもよいことを理解するであろう。
転移:用語「転移」、「転移性」、または「転移する」は、原発腫瘍または最初の腫瘍から別の器官または組織へのがん細胞の拡散または遊走を指し、典型的には、続発性(転移性)腫瘍が位置する器官または組織のものではない、原発腫瘍または元の腫瘍の組織型の「続発性腫瘍」または「続発性細胞塊」の存在により同定可能である。例えば、骨に移動した前立腺癌は、転移性前立腺癌と言われ、骨組織中で増殖するがん性の前立腺癌細胞を含む。
微小粒子:本明細書で使用する場合、用語「微小粒子」は、1マイクロメートル~1,000マイクロメートル(μm)の最長寸法(例えば、直径)を有する粒子を指す。幾つかの実施形態では、微小粒子は、1μm~500μmの最長寸法(例えば、直径)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、微小粒子は、1μm~100μmの最長寸法(例えば、直径)を特徴とし得る。多数の実施形態では、微小粒子の集団は、約1,000μm未満、約500μm未満、約100μm未満、約50μm未満、約40μm未満、約30μm未満、約20μm未満、または約10μm未満かつ多くの場合、約1μm超の平均サイズ(例えば、最長寸法)を特徴とする。多数の実施形態では、微小粒子は、ほぼ球状であり得る(例えば、その結果、最長寸法はその直径であり得る)。
単糖:本明細書で使用する場合、用語「単糖」は、当該技術分野において使用されるその通常の意味を付与され、より小さな糖構成単位または部分に更に分解することができない単一の糖単位からなる単純な形態の糖を指す。単糖の一般的な例としては、例えば、グルコース(デキストロース)、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボースなどが挙げられる。単糖は、炭水化物の炭素原子の数に従って、分類され得る。例えば、3個の炭素原子を有するトリオース、例えば、グリセルアルデヒド及び/またはジヒドロキシアセトン;4個の炭素原子を有するテトロース、例えば、エリスロース、トレオース、及び/またはエリトルロース;5個の炭素原子を有するペントース、例えば、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、及び/またはキシルロース;6個の炭素原子を有するヘキソース、例えば、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、及び/またはタガトース;7個の炭素原子を有するヘプトース、例えば、マンノヘプツロース及び/またはセドヘプツロース;8個の炭素原子を有するオクトース、例えば、2-ケト-3-デオキシ-マンノ-オクトネート;9個の炭素原子を有するノノース、例えば、シアロース(sialose);及び10個の炭素原子を有するデコース。上記の単糖は、D-単糖及びL-単糖を包含する。あるいは、単糖は、糖単位が水酸基以外の1つ以上の置換基(例えば、デオキシ、H置換基、ヘテロ原子置換基(例えば、S、Cl、Fなど)など)を含む単糖バリアントであり得る。かかるバリアントは、限定されるものではないが、エーテル、エステル、アミド、酸、ホスフェート、及びアミンであり得る。アミンバリアント(すなわち、アミノ糖)としては、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、フルクトサミン、及び/またはマンノサミンが挙げられる。アミドバリアントとしては、例えば、糖のN-アセチル化アミンバリアント(例えば、N-アセチルグルコサミン及び/またはN-アセチルガラクトサミン)が挙げられる。
モジュレーター:本明細書で使用する場合、用語「モジュレーター」は、関心対象の活性が観察される系におけるその存在またはレベルが、その活性のレベル及び/または性質の、モジュレーターが存在しない場合の別の比較可能な条件下で観察されるレベル及び/または性質と比較した変化と相関する実体であり得るか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、その存在下で関心対象の活性が、モジュレーターが存在しない場合の別の比較可能な条件下で観察される活性と比較して増加するという点で活性化因子またはアゴニストである。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、その存在下で関心対象の活性が、モジュレーターが存在しない場合の別の比較可能な条件と比較して減少するという点でアンタゴニストまたは阻害剤である。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、活性が関心対象である標的実体と直接的に相互作用する。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、活性が関心対象である標的実体と間接的に相互作用する(例えば、標的実体と相互作用し、及び/または標的実体に関連する1つ以上の実体と相互作用する)。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、関心対象の標的実体のレベルに影響を及ぼす。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、モジュレーターは、関心対象の標的実体のレベルに影響を及ぼすことなく当該標的実体の活性に影響を及ぼす。幾つかの実施形態では、モジュレーターは、関心対象の標的実体のレベル及び活性の両方に影響を及ぼし、その結果、観察された活性の差は、観察されたレベルの差によって完全に説明されないか、または観察されたレベルの差に見合わない。
マクロファージエフェクター機能のモジュレーター:用語「マクロファージエフェクター機能のモジュレーター」は、マクロファージエフェクター機能を活性化するか、または免疫抑制性マクロファージもしくはマクロファージ由来のサプレッサー細胞を減少させる作用物質を指す。かかる増強作用は、マクロファージ及び骨髄成分を動員して、腫瘍及び腫瘍血管系が含まれるその基質を破壊し得る。マクロファージは、抗腫瘍サイトカインを分泌し、及び/または抗体依存性細胞ファゴサイトーシスが含まれる、ファゴサイトーシスを実行するように誘導され得る。
好中球機能のモジュレーター:本明細書において互換的に使用される用語「好中球のモジュレーター」及び「好中球機能のモジュレーター」は、好中球の1つ以上の生物学的機能及び/または表現型のモジュレーターを指す。例えば、幾つかの実施形態では、好中球機能のモジュレーターは、好中球の動員、生存、及び/または増殖を阻害し得る。追加的または代替的に、幾つかの実施形態では、好中球機能のモジュレーターは、限定されるものではないが、1種以上の免疫調節分子(例えば、免疫調節性サイトカイン及び/またはケモカイン)の生成及び/または分泌の調節が挙げられ得る、好中球に関連するエフェクター機能を調節し得、及び/または細胞外マトリックスを変化させる好中球の能力を変化させ得る。幾つかの実施形態では、好中球機能(例えば、本明細書に記載されるもの)のモジュレーターは、好中球のみに作用し得るか、または好中球のみを標的とし得る。幾つかの実施形態では、好中球機能(例えば、本明細書に記載されるもの)のモジュレーターは、好中球及び少なくとも1種類の追加の免疫細胞、例えば、骨髄由来抑制細胞(MDSC)、マクロファージ、及び/または単球の他のサブセットに作用し得る。当業者は、好中球の少なくともあるサブセットは、MDSCの1つ以上のある特定のサブセットと同様の免疫活性を示し得、従って、多形核MDSC及び/または顆粒球型MDSCとみなされ得るということを理解するであろう(例えば、Mehmeti-Ajradini et al.,“Human G-MDSCs are neutrophils at distinct maturation stages promoting tumor growth in breast cancer” Life Science Alliance,September 21,2020、及びBrandau et al.,“A subset of mature neutrophils contains the strongest PMN-MDSC activity in blood and tissue of patients with head and neck cancer” The Journal of Immunology,May 1,2020(これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている)。
ナノ粒子:本明細書で使用する場合、用語「ナノ粒子」は、1,000ナノメートル(nm)未満の最長寸法(例えば、直径)を有する粒子を指す。幾つかの実施形態では、ナノ粒子は、300nm未満の最長寸法(例えば、直径)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、ナノ粒子は、100nm未満の最長寸法(例えば、直径)を特徴とし得る。多数の実施形態では、ナノ粒子は、約1nm~約100nmまたは約1μm~約500nmまたは約1nm~1,000nmの最長寸法を特徴とし得る。多数の実施形態では、ナノ粒子の集団は、約1,000nm未満、約500nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、または約10nm未満かつ多くの場合、約1nm超の平均サイズ(例えば、最長寸法)を特徴とする。多数の実施形態では、ナノ粒子は、ほぼ球状であり得、その結果、その最長寸法はその直径であり得る。幾つかの実施形態では、ナノ粒子は、国立衛生研究所により定義されるように100nm未満の直径を有する。
新生物及び腫瘍:用語「新生物」及び「腫瘍」は、本明細書において互換的に使用され、組織の異常な塊であって、当該塊の増殖が、正常組織の成長を上回り、これと協調しない、組織の異常な当該塊を指す。新生物または腫瘍は、以下の特徴に応じて「良性」または「悪性」であり得る:細胞分化の程度(形態学及び機能が含まれる)、成長速度、局所浸潤、及び転移。「良性新生物」は、一般に高分化であり、悪性新生物よりも特徴的に遅い成長を有し、発生部位に局在したままである。加えて、良性新生物は、遠位の部位に浸潤、侵入、または転移する能力を有さない。例示的な良性新生物としては、限定されるものではないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老年性血管腫、脂漏性角化症、黒子、及び皮脂腺過形成が挙げられる。場合によっては、ある特定の「良性」腫瘍は、後に悪性新生物を生じさせ得、これは、腫瘍の腫瘍細胞の亜集団における更なる遺伝子の変化の結果として生じ得、これらの腫瘍は、「前悪性新生物」と称される。前悪性新生物の一例は、奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は、一般に、低分化(退形成)であり、進行性の浸潤、侵入、及び周囲組織の破壊を伴う特徴的に急速な成長を有する。更に悪性新生物は、一般に、遠位の部位に転移する能力を有する。
ペイロード:一般に、本明細書で使用する場合、用語「ペイロード」は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれ得る薬剤を指す。幾つかの実施形態では、ペイロードは、例えば、低分子、ペプチド、ポリペプチド、核酸、糖類(例えば、多糖類)、脂質、金属、またはそれらの組み合わせもしくは複合体が含まれる、任意の化学的分類の化合物、分子、または実体を指し得る。幾つかの実施形態では、ペイロードは、生物学的修飾因子、検出可能な薬剤(例えば、色素、フルオロフォア、放射標識など)、検出試薬、栄養素、治療薬、ミネラル、増殖因子、サイトカイン、抗体、ホルモン、細胞外マトリックスタンパク質(例えば、コラーゲン、ビトロネクチン、フィブリンなど)、細胞外マトリックス糖、化学誘引物質、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、アンチセンス分子、プラスミドなど)、微生物(例えば、ウイルス)など、またはそれらの組み合わせであり得るか、または含む。幾つかの実施形態では、ペイロードは、治療薬であるか、またはそれを含む。治療薬の例としては、限定されるものではないが、鎮痛剤、抗生物質、抗体、抗凝固剤、制吐剤、細胞、凝固剤、サイトカイン、増殖因子、ホルモン、免疫調節剤、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA、アンチセンス分子、プラスミドなど)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、ペイロードは、細胞もしくは生物、またはそれらの画分、抽出物、もしくは成分であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、ペイロードは、それが天然に見出され、及び/または天然に得られるという点で天然産物であり得るか、またはそれを含み得る。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、この用語は、それが人の手の行いにより設計、操作、及び/または生成され、及び/または天然に見出されないという点で人工である1つ以上の実体を指すために使用され得る。幾つかの実施形態では、ペイロードは、単離された形態または純粋形態の薬剤であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、このような薬剤は、粗製形態であり得る。
薬学的に許容される塩:用語「薬学的に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答などを伴わずに、例えば、ヒト及び/または動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合う塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)において薬学的に許容される塩を詳細に記載している。本開示のある特定の実施形態に従って利用され得る薬学的に許容される塩としては、例えば、好適な無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが挙げられる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸により、または有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸により、またはイオン交換などの当該技術分野において公知の他の方法を使用することにより形成される、アミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリル酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、及びN(Cアルキル) 塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。更に薬学的に許容される塩としては、適切な場合には、対イオンを使用して形成される無毒性のアンモニウム、第4級アンモニウム、及びアミンカチオン、例えば、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩が挙げられる。
ポロキサマー:本明細書で使用する場合、用語「ポロキサマー」は、1種以上のポロキサマーのポリマー調製物、または1種以上のポロキサマーを含むポリマー調製物を指す。幾つかの実施形態では、ポリマー調製物中のポロキサマーは、コンジュゲートされていなくてもよく、修飾されていなくてもよく、例えば、これは、通常、ポリオキシエチレン(ポリエチレングリコール、PEG)の2つの親水性鎖に挟まれたポリオキシプロピレン(ポリプロピレングリコール、PPG)の疎水性鎖を含むトリブロックコポリマーである。幾つかの実施形態では、1種以上のポロキサマーのポリマー調製物または1種以上のポロキサマーを含むポリマー調製物は、濾過されてなくてもよい(例えば、このようなポリマー調製物は、不純物及び/または濾過されている同等のポリマー調製物と比較して相対的に低分子量のポリマー分子を含有し得る)。ポロキサマーの例としては、限定されるものではないが、ポロキサマー124(P124、Pluronic L44 NFとしても公知)、ポロキサマー188(P188、Pluronic F68 NFとしても公知)、ポロキサマー237(P237、Pluronic F87 NFとしても公知)、ポロキサマー338(P338、Pluronic F108 NFとしても公知)、ポロキサマー407(P407、Pluronic F127 NFとしても公知)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
ポリマー:用語「ポリマー」は、当該技術分野において使用されるその通常の意味を付与され、すなわち、共有結合により連結された1つ以上の反復単位(モノマー)を含む分子構造である。反復単位は、全て同一であってもよく、または場合によっては、ポリマー(例えば、コポリマー)中に存在する2つ以上の種類の反復単位が存在してもよい。ある特定の実施形態では、ポリマーは、天然に存在する。ある特定の実施形態では、ポリマーは、合成である(すなわち、天然に存在しない)。幾つかの実施形態では、ポリマーは、線状ポリマーである。幾つかの実施形態では、ポリマーは、分枝ポリマーである。幾つかの実施形態では、本開示に従って使用するためのポリマーは、ポリペプチドではない。幾つかの実施形態では、本開示に従って使用するためのポリマーは、核酸ではない。
ポリマー組み合わせ調製物:本明細書で使用する場合、用語「ポリマー組み合わせ調製物」は、少なくとも2種の別個のポリマー成分を含むポリマー生体材料を指す。例えば、多数の実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、第1のポリマー成分及び第2の第1のポリマー成分を含むポリマー生体材料であり、ここで、当該第1のポリマー成分は、少なくとも1種のポロキサマーであるか、またはそれを含み、当該第2のポリマー成分は、ポロキサマーではないポリマーであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、例えば、対象への投与に有用であり得る前駆状態のポリマー生体材料である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、ポリマーネットワーク状態のポリマー生体材料である。
ポリマー生体材料:「ポリマー生体材料」は、本明細書に記載されるように、少なくとも1種のポリマーまたは少なくとも1種のポリマー部分であるか、またはそれを含み、生体適合性である材料である。多数の実施形態において、ポリマー生体材料は、少なくとも1種のポリマーであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、ポリマーは、コポリマーであり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、ポリマー生体材料は、少なくとも2種の別個のポリマー成分の調製物(例えば、ポロキサマー及びポロキサマーではない第2のポリマー成分を含有する調製物)であるか、またはそれを含む。当業者は、ある特定のポリマーが、種々の形態(例えば、長さ、分子量、電荷、トポグラフィー、界面化学、修飾の程度及び/または種類、例えば、アルキル化、アシル化、四級化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシアルキル化、チオール化、リン酸化、グリコシル化など)で存在し得、及び/または利用可能であり得ることを知っているであろう。幾つかの実施形態では、かかるポリマーの調製物は、指定されたレベル及び/または分布のかかる形態または複数の形態を含み得る。追加的または代替的に、幾つかの実施形態では、ポリマー生体材料の1つ以上の免疫調節特性が、例えば、Mariani et al.“Biomaterials:Foreign Bodies or Tuners for the Immune Response?” International Journal of Molecular Sciences,2019,20,636に記載されているように、例えば、ポリマー生体材料の界面化学(例えば、ポリマー生体材料の疎水性部分及び/または親水性部分、化学部分、及び/または電荷特性により調節される)及び/またはポリマー生体材料のトポグラフィー(例えば、サイズ、形状、及び/または表面質感により調節される)が含まれる、ポリマー生体材料の生体材料特性(複数可)により調整され得ることを当業者は理解するであろう。
ポリマーネットワーク:用語「ポリマーネットワーク」は、互いに相互作用しているポリマー鎖の集まりを表現するために本明細書において使用される。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークは、三次元構造材料を形成する。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークは、(例えば、本明細書に記載される)架橋剤を使用してポリマー鎖を連結することにより形成され得る(「架橋型ポリマーネットワーク」)。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークは、前駆状態が臨界ゲル化温度以上の温度に曝露される場合に、前駆状態から移行され、ここで、当該ポリマーネットワーク状態は、当該前駆状態の粘性を実質的に超える(例えば、少なくとも50%以上)粘性を有し、当該ポリマーネットワーク状態は、当該前駆状態に存在しない架橋を含む。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークは、ポリマー鎖の非共有結合性または非イオン性分子間結合により、例えば、水素結合により形成され得る。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワークは、ポリマー鎖の化学架橋及びポリマー鎖の非共有結合性または非イオン性分子間結合の組み合わせにより形成され得る。
プロドラッグ:用語「プロドラッグ」は、活性化合物が放出されるように、加溶媒分解により、または生理的条件下で除去される、1つ以上の切断可能な基(複数可)を含む当該活性化合物の形態を指す。例示的なプロドラッグ形態としては、限定されるものではないが、コリンエステル誘導体など及びN-アルキルモルホリンエステルなどが挙げられる。幾つかの実施形態では、プロドラッグは、当該技術分野において公知のように、例えば、親酸の好適なアルコールとの反応により調製されるエステル、親酸化合物の置換または非置換アミンとの反応により調製されるアミド、酸無水物、または混合無水物などの酸誘導体であり得る。関心対象の化合物に付随する酸性基から誘導される単純な脂肪族エステルまたは芳香族エステル、アミド、及び無水物は、プロドラッグ形態の特定の例である。場合によっては、関心対象の化合物の (アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルなどの二重エステル型プロドラッグ、C1~C8アルキルエステル、C2~C8アルケニルエステル、C2~C8アルキニルエステル、アリールエステル、C7~C12置換アリールエステル、及びC7~C12アリールアルキルエステルを調製することが望ましくてもよい。
炎症性サイトカイン:本明細書で使用する場合、用語「炎症性サイトカイン」は、炎症反応を誘発する細胞(例えば、免疫系の細胞)により分泌されるタンパク質または糖タンパク質分子を指す。当業者によって理解されるように、炎症は、生物学的文脈に応じて免疫賦活性または免疫抑制性であり得る。
炎症誘発性免疫応答:本明細書で使用する場合、用語「炎症誘発性免疫応答」は、例えば、炎症性サイトカインの産生(例えば、限定されるものではないが、CXCL10、IFN-α、IFN-β、IL-1β、IL-6、IL-18、及び/またはTNF-αが含まれる)、Th1細胞の活性及び/または増殖の増加、骨髄性細胞の動員などが含まれる、炎症を誘発する免疫応答を指す。幾つかの実施形態では、炎症誘発性免疫応答は、急性炎症及び慢性炎症の一方または両方であり得るか、またはそれを含み得る。
増殖性疾患:「増殖性疾患」は、細胞の増殖による異常成長または異常拡張により起こる疾患を指す(Walker,Cambridge Dictionary of Biology;Cambridge University Press:Cambridge,UK,1990)。増殖性疾患は、1)通常静止している細胞の病的増殖、2)細胞の正常な場所からの病的遊走(例えば、新生細胞の転移)、3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどのプロテアーゼ(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、及びエラスターゼ)の病的発現、または4)増殖網膜症及び腫瘍転移におけるような病的血管新生に関連し得る。例示的な増殖性疾患としては、がん(すなわち、「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生または血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、及び自己免疫疾患が挙げられる。
予防上有効量:「予防上有効量」は、状態を予防するのに十分な量である(例えば、状態の1つ以上の症状または特性の発生または再発を顕著に遅延させ、例えば、その結果、それ/それらが、当該量の投与がない場合に予想される時点で検出されない)。組成物の予防上有効量は、状態の予防において予防効果を提供する、単独または他の薬剤との組み合わせでの治療薬(複数可)の量を意味する。用語「予防上有効量」は、予防全体を改善するか、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含し得る。予防上有効量は単一剤形に含有される必要はないことを当業者は理解するであろう。むしろ、有効量の投与は、場合により経時的な、(例えば、投与計画に従った)複数回の投与を必要とし得る。
リスク:文脈から理解されるように、疾患、障害、及び/または状態の「リスク」は、特定の個体が当該疾患、障害、及び/または状態を発症する可能性を指す。幾つかの実施形態では、リスクは、百分率として表現される。幾つかの実施形態では、リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、最高100%である。幾つかの実施形態では、リスクは、参照試料または参照試料群に関連するリスクと比較したリスクとして表現される。幾つかの実施形態では、参照試料または参照試料群は、疾患、障害、状態、及び/または事象の既知のリスクを有する。幾つかの実施形態では、参照試料または参照試料群は、特定の個体と比較可能な個体に由来するものである。幾つかの実施形態では、相対リスクは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上である。幾つかの実施形態では、リスクは、例えば、個体の特定の疾患、障害、及び/または状態の発症の素因となり得る(またはならない)1つ以上の遺伝的特性を反映し得る。幾つかの実施形態では、リスクは、1つ以上のエピジェネティクス事象もしくはエピジェネティクス特性及び/または1つ以上の生活様式もしくは環境事象もしくは環境特性を反映し得る。
塩:本明細書で使用する場合、用語「塩」は、あらゆる塩を指し、薬学的に許容される塩を包含する。
試料:本明細書で使用する場合、用語「試料」は、本明細書に記載されるように、通常、関心対象の供給源から取得されるか、またはそれに由来する物質のアリコートを指す。幾つかの実施形態では、関心対象の供給源は、生物学的供給源または環境源である。幾つかの実施形態では、関心対象の供給源は、細胞または生物、例えば、微生物、植物、または動物(例えば、ヒト)であり得るか、またはそれらを含み得る。幾つかの実施形態では、関心対象の供給源は、生体組織もしくは生体液であるか、またはそれらを含む。幾つかの実施形態では、生物組織または生体液は、羊水、房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、消化粥、射出精液、内リンパ、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ液、粘液、囲心腔液、外リンパ、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙液、尿、膣分泌物、硝子体液、嘔吐物、及び/またはそれらの組み合わせもしくは成分(複数可)であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、生体液は、細胞内液、細胞外液、血管内液(血漿)、間質液、リンパ液、及び/または細胞透過液であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、生体液は、植物滲出液であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、生物組織または生体試料は、例えば、吸引、生検(例えば、細針生検または組織生検)、スワブ(例えば、口腔スワブ、鼻腔スワブ、皮膚スワブ、または膣スワブ)、擦過、外科手術、洗浄または洗浄液(例えば、気管支肺胞洗浄もしくは洗浄液、管洗浄もしくは洗浄液、鼻洗浄もしくは洗浄液、眼洗浄もしくは洗浄液、口腔洗浄もしくは洗浄液、子宮洗浄もしくは洗浄液、膣洗浄もしくは洗浄液、または他の洗浄もしくは洗浄液)により取得され得る。幾つかの実施形態では、生体試料は、個体から取得される細胞であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段により関心対象の供給源から直接取得される「一次試料」である。幾つかの実施形態では、文脈から明らかであるように、用語「試料」は、一次試料を処理することによって(例えば、一次試料の1つ以上の成分を除去することによって、及び/または1つ以上の薬剤を添加することによって)取得される調製物を指す。例えば、半透膜を使用した濾過。かかる「処理された試料」には、例えば、試料から抽出されるか、または一次試料を、例えば、核酸の増幅もしくは逆転写、ある特定の成分の単離及び/または精製などの1つ以上の技術に供することによって取得される核酸またはタンパク質が含まれ得る。
低分子:用語「低分子」または「低分子治療薬」は、天然に存在するか、または人工的に作製される(例えば、化学合成により)かにかかわらず、相対的に低い分子量を有する分子を指す。典型的には、低分子は、有機化合物である(すなわち、それは炭素を含有する)。低分子は、複数の炭素-炭素結合、立体中心、及び他の官能基(例えば、アミン、ヒドロキシル、カルボニル、及び複素環など)を含有し得る。ある特定の実施形態では、低分子の分子量は、約1,000g/mol以下、約900g/mol以下、約800g/mol以下、約700g/mol以下、約600g/mol以下、約500g/mol以下、約400g/mol以下、約300g/mol以下、約200g/mol、または約100g/mol以下である。ある特定の実施形態では、低分子の分子量は、少なくとも約100g/mol、少なくとも約200g/mol、少なくとも約300g/mol、少なくとも約400g/mol、少なくとも約500g/mol、少なくとも約600g/mol、少なくとも約700g/mol、少なくとも約800g/mol、または少なくとも約900g/mol、または少なくとも約1,000g/molである。上記の範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも約200g/molかつ約500g/mol以下)も可能である。ある特定の実施形態では、低分子は、薬物などの治療効果のある薬剤(例えば、米国連邦規則集(C.F.R.)に掲示されるような米国食品医薬品局により承認された分子)である。低分子は、1個以上の金属原子及び/または金属イオンと錯体を形成していてもよい。この例では、低分子は、「有機金属低分子」とも称される。好ましい低分子は、それらが動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトにおいて、生物学的効果をもたらすという点で生物学的に活性である。低分子としては、限定されるものではないが、放射性核種及びイメージング剤が挙げられる。ある特定の実施形態では、低分子は、薬物である。好ましくは、必ずしもではないが、薬物は、適切な政府機関または規制機関により、ヒトまたは動物における使用について安全かつ有効であると既にみなされているものである。例えば、ヒトでの使用が承認されている薬物は、参照により本明細書に組み込まれる、21C.F.R.§§330.5、331~361、及び440~460に基づきFDAにより列記されており、獣医学的使用のための薬物は、21C.F.R.§§500~589(これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている)に基づきFDAにより列記されている。かかる列挙される薬物は、通常、本開示による使用について許容可能とみなされる。
溶媒和物:本明細書で使用する場合、用語「溶媒和物」は、当該技術分野において理解されている意味を有し、化合物(例えば、当該化合物の塩形態であり得る)及び1つ以上の溶媒原子または分子の凝集体を指す。幾つかの実施形態では、溶媒和物は、液体である。幾つかの実施形態では、溶媒和物は、固体形態(例えば、結晶形態)である。幾つかの実施形態では、固体形態の溶媒和物は、単離に適している。幾つかの実施形態では、溶媒和物中の溶媒原子(複数可)と化合物との間の会合は、非共有結合性の会合である。幾つかの実施形態では、かかる会合は、水素結合、ファンデルワールス相互作用、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、溶媒であって、その原子(複数可)が溶媒和物に含まれる当該溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどのうちの1つ以上であり得るか、またはそれを含み得る。好適な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物であり得る。幾つかの特定の実施形態では、溶媒和物は、水和物、エタノール付加物、またはメタノール付加物である。幾つかの実施形態では、溶媒和物は、化学量論的溶媒和物または非化学量論的溶媒和物であり得る。
対象:投与が企図される「対象」としては、限定されるものではないが、ヒト(すなわち、任意の年齢群の男性または女性、例えば、小児の対象(例えば、乳幼児、児童、青年)または成人の対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))及び/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル);飼育動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、及び/またはイヌ;及び/または鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、及び/またはシチメンチョウ))が挙げられる。ある特定の実施形態では、動物は、(例えば、任意の発生段階の)哺乳動物である。幾つかの実施形態では、動物(例えば、非ヒト動物)は、トランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であり得る。幾つかの実施形態では、対象は、腫瘍切除術の対象、例えば、最近腫瘍切除を受けた対象である。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、本明細書に記載の組成物を投与される72時間未満(例えば、48時間未満、24時間未満、12時間未満、6時間未満、またはより短時間が含まれる)前に腫瘍切除を受けた対象である。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、本明細書に記載の組成物を投与される48時間未満前に腫瘍切除を受けた対象である。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、本明細書に記載の組成物を投与される24時間未満前に腫瘍切除を受けた対象である。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、本明細書に記載の組成物を投与される12時間未満前に腫瘍切除を受けた対象である。
実質的:本明細書で使用する場合、用語「実質的に」は、完全またはほぼ完全な程度または度合の関心対象の特徴または特性を示す質的状態を指す。当業者は、関心対象の薬剤が、あるとしても、絶対の結果を達成または回避すること、例えば、関心対象の薬剤は、免疫応答、例えば、炎症に対する効果を実際には持たないことを理解するであろう。従って、用語「実質的に」は、多数の生物学的効果及び化学的効果に内在する絶対性の欠如の可能性を表現するために本明細書において使用される。
持続:本明細書において互換的に使用されるように、「延長」または「持続」という用語は、通常、効果及び/またはプロセスを所望の一定時間にわたって長引かせることを指す。例えば、(例えば、本明細書において記載及び/または利用される組成物または調製物の存在下での)持続する免疫調節の文脈において、このような免疫調節効果は、生体材料調製物を含む組成物の文脈において、及びそれ以外では、本明細書に記載されるように、特定の免疫調節剤ペイロードの投与後に、このような生体材料調製物の非存在下での同じペイロードの投与により観察されるものと比較してより長い間観察され得る。本明細書に記載される組成物及び/または調製物からの一定時間にわたる関心対象の1種以上の薬剤(例えば、免疫応答の1つ以上の側面、例えば、限定されるものではないが、自然免疫アゴニズムを調節する、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード及び/または本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の分解もしくは溶解生成物及び/または可溶性成分)の持続放出の文脈において、かかる放出は、約30分から数週間までの範囲の時間尺度で生じ得る。幾つかの実施形態では、持続放出または徐放の程度は、インビトロまたはインビボで特徴付けられ得る。例えば、幾つかの実施形態では、放出動態は、本明細書に記載される調製物及び/または組成物を水性緩衝液(例えば、pH7.4のPBS)中に入れることによりインビトロで試験され得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される調製物及び/または組成物が水性緩衝液(例えば、pH7.4のPBS)中に入れられる場合、100%未満またはそれ以下(例えば、90%以下、80%以下、70%以下、50%以下、またはそれ以下が含まれる)の関心対象の1種以上の薬剤(例えば、免疫応答の1つ以上の側面、例えば、限定されるものではないが、自然免疫アゴニズムを調節する、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード及び/または本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の分解もしくは溶解生成物及び/または可溶性成分)が、生体材料から3時間以内に放出される。幾つかの実施形態では、放出動態は、例えば、動物対象(例えば、マウス対象)の標的部位(例えば、乳房脂肪パッド)に組成物を移植することによりインビボで試験され得る。幾つかの実施形態では、組成物が動物対象(例えば、マウス対象)の標的部位(例えば、乳房脂肪パッド)に移植される場合、70%以下またはそれ以下(例えば、60%以下、50%以下、40%未満、30%未満、またはそれ以下が含まれる)の関心対象の1種以上の薬剤(例えば、免疫応答の1つ以上の側面、例えば、限定されるものではないが、自然免疫アゴニズムを調節する、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロード及び/または本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の分解もしくは溶解生成物及び/または可溶性成分)が、移植の8時間後にインビボで放出される。
標的薬:用語「標的薬」は、抗がん剤に関して使用される場合、がんの成長、進行、及び/または拡散に関与する特定の分子(「分子標的」)に干渉することによりがんの成長及び拡散を阻止するものを意味する。標的薬は、場合により、「標的がん治療」、「分子標的薬」、「分子標的療法」、または「精密医療」と称される。標的薬は、標的薬が、通常、がん及び/または特定の腫瘍もしくは腫瘍型、ステージなどに特に関連する特定の分子標的に作用する一方で、多数の化学療法薬が(例えば、細胞が癌性であるか否かにかかわらず、)全ての急速に分裂する細胞に作用するという点で従来の化学療法と異なる。標的薬は、それらの標的と相互作用するように計画的に選択または設計されるが、多数の標準的な化学療法は、それらが細胞を死滅させるという理由で特定される。
互変異性体:用語「互変異性体」または「互変異性」は、水素原子の少なくとも1つのホルマール移動及び少なくとも1つの結合価の変化(例えば、単結合から二重結合、三重結合から二重結合、またはその逆)により生じる2つ以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の正確な比率は、温度、溶媒、及びpHが含まれる、幾つかの因子に依存する。互変異性化(すなわち、互変異性対をもたらす反応)は、酸または塩基により触媒され得る。例示的な互変異性化としては、ケトからエノール、アミドからイミド、ラクタムからラクチム、エナミンからイミン、及びエナミンから(異なる)エナミンへの互変異性化が挙げられる。
試験対象:本明細書で使用する場合、用語「試験対象」は、本明細書において提供される技術が、例えば、生体材料の分解、及び/または抗腫瘍免疫における本明細書に記載される組成物及び/または調製物の有効性を評価するための実験的研究のために適用される対象を指す。幾つかの実施形態では、試験対象は、ヒト対象またはヒト対象の集団であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、ヒト試験対象は、正常な健常対象であり得る。幾つかの実施形態では、ヒト試験対象は、腫瘍切除術の対象であり得る。幾つかの実施形態では、試験対象は、哺乳類の非ヒト動物または哺乳類の非ヒト動物の集団であり得る。かかる哺乳類の非ヒト動物の非限定的な例としては、マウス、ラット、イヌ、ブタ、ウサギなどが挙げられ、これらは、幾つかの実施形態では、正常な健常対象であり得る一方で、幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象であり得る。幾つかの実施形態では、哺乳類の非ヒト動物は、トランスジェニック動物または遺伝子操作された動物であり得る。
治療薬:用語「治療薬」は、所望される通常有益な生理学的効果をもたらす1つ以上の特性を有する薬剤を指す。例えば、治療薬は、疾患を処置、改善、及び/または予防し得る。本開示を読む当業者は、本明細書で使用する場合、用語「治療薬」は、規制機関が規制目的で薬剤を「治療効果がある」とみなすのに必要とされ得るような特定のレベルまたは種類の治療活性を必要としないことを理解するであろう。本開示を読む当業者によって理解されるように、幾つかの実施形態では、(免疫調節剤ペイロードの非存在下での)本明細書に記載されるある特定のポリマー組み合わせ調製物は、所望の生理作用に寄与し、及び/またはそれを達成する1つ以上の特性を有し得、従って、(かかる生体材料が、任意の特定の規制機関により薬学的活性があるとみなされるか、またはみなされないか否かにかかわらず)「治療薬」であるとみなされ得、これは本明細書で使用される用語「治療薬」と同様である。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を必要とする)本明細書に記載される調製物、組成物、及び/または方法において利用され得る治療薬は、(例えば、本明細書に記載される)免疫調節剤ペイロードを含まない。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を必要とする)本明細書に記載される調製物、組成物、及び/または方法において利用され得る治療薬は、免疫調節剤ペイロードであり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を必要とする)本明細書に記載される調製物、組成物、及び/または方法において利用され得る治療薬は、例えば、生物学的製剤、低分子、核酸、ポリペプチド、またはそれらの組み合わせを含む非免疫調節性ペイロードであり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を必要とする)本明細書に記載される調製物、組成物、及び/または方法において利用され得る治療薬は、幾つかの実施形態では、細胞毒性剤であり得るか、またはそれを含み得る、化学療法薬であり得るか、またはそれを含み得る。
治療上有効量:「治療上有効量」は、状態の処置において治療効果を提供するのに十分な量であり、当該治療効果は、例えば、頻度及び/または重症度の低減及び/または当該状態に関連する1つ以上の特徴もしくは症状の発生の遅延であり得るか、またはそれを含み得る。治療上有効量は、状態の処置において治療効果を提供する、単独または他の治療法との組み合わせでの治療薬の量(複数可)を意味する。用語「治療上有効量」は、治療全体を改善するか、状態の症状もしくは原因を低減もしくは回避するか、または別の治療薬の治療有効性を増強する量を包含し得る。治療上有効量は単一剤形に含有される必要はないことを当業者は理解するであろう。むしろ、有効量の投与は、場合により経時的な、(例えば、投与計画に従った、特に、適切な集団に適用される場合に、所望の程度の統計的信頼性を伴って適切な効果を提供することが確立された投与計画に従った)複数回の投与を必要とし得る。
温度応答性:本明細書で使用する場合、温度応答性ポリマーまたは生体材料(例えば、ポリマー生体材料)の文脈において、用語「温度応答性」は、特性のうちの1つ以上における臨界温度(例えば、臨界ゲル化温度)での瞬時変化または断続的変化を示すポリマーまたは生体材料(例えば、ポリマー生体材料)を指す。例えば、幾つかの実施形態では、かかる特性のうちの1つ以上は、特定の溶媒におけるポリマーまたは生体材料の溶解性であるか、またはそれを含む。単に一例として、幾つかの実施形態では、温度応答性ポリマーまたは生体材料(例えば、ポリマー生体材料)は、臨界温度(例えば、臨界ゲル化温度)未満では安定している均質のポリマー溶液またはコロイドであり、臨界温度(例えば、臨界ゲル化温度)に達したか、またはそれを超過した際に瞬時にポリマーネットワーク(例えば、ハイドロゲル)を形成することを特徴とする。幾つかの実施形態では、温度応答性ポリマーまたは生体材料(例えば、ポリマー生体材料)は、温度可逆性であり得、ここで、例えば、幾つかの実施形態では、ポリマー溶液は、臨界ゲル化温度またはそれを超える温度でポリマーネットワークを瞬時に形成し得、このような得られたポリマーネットワークは、温度が臨界ゲル化温度未満まで低下する際に均質のポリマー溶液に瞬時に戻り得る。
処置:用語「処置」、「処置する」、及び「処置すること」は、本明細書に記載される「病態」(例えば、疾患、障害、または状態であって、それらの1つ以上の徴候または症状を含む、当該疾患、障害、または状態)、例えば、がんまたは腫瘍を後退させること、軽減すること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。幾つかの実施形態では、処置は、1つ以上の徴候または症状が発症したか、または観察された後で投与され得る。処置は、例えば、再発及び/または拡散を遅延させるか、または予防するために、症状が消退した後も継続され得る。
腫瘍:用語「腫瘍」及び「新生物」は、本明細書において互換的に使用され、組織の異常な塊であって、当該塊の増殖が、正常組織の成長を上回り、これと協調しない、組織の異常な当該塊を指す。新生物または腫瘍は、以下の特徴に応じて「良性」または「悪性」であり得る:細胞分化の程度(形態学及び機能が含まれる)、成長速度、局所浸潤、及び転移。「良性新生物」は、一般に高分化であり、悪性新生物よりも特徴的に遅い成長を有し、発生部位に局在したままである。加えて、良性新生物は、遠位の部位に浸潤、侵入、または転移する能力を有さない。例示的な良性新生物としては、限定されるものではないが、脂肪腫、軟骨腫、腺腫、アクロコルドン、老年性血管腫、脂漏性角化症、黒子、及び皮脂腺過形成が挙げられる。場合によっては、ある特定の「良性」腫瘍は、後に悪性新生物を生じさせ得、これは、腫瘍の腫瘍細胞の亜集団における更なる遺伝子の変化の結果として生じ得、これらの腫瘍は、「前悪性新生物」と称される。前悪性新生物の一例は、奇形腫である。対照的に、「悪性新生物」は、一般に、低分化(退形成)であり、進行性の浸潤、侵入、及び周囲組織の破壊を伴う特徴的に急速な成長を有する。更に悪性新生物は、一般に、遠位の部位に転移する能力を有する。
腫瘍除去:本明細書で使用する場合、用語「腫瘍除去」は、がん治療、例えば、外科的切除の結果としてもたらされ得る腫瘍の部分的または完全な除去を包含する。幾つかの実施形態では、腫瘍除去は、手術(すなわち、「腫瘍切除」)による腫瘍の一部または全体の物理的除去を指す。幾つかの実施形態では、腫瘍除去は、外科的腫瘍切除及びアジュバント療法(例えば、化学療法、免疫療法、及び/または放射線治療)の結果としてもたらされ得る。幾つかの実施形態では、アジュバント療法は、外科的腫瘍切除後に、例えば、外科的腫瘍切除の少なくとも24時間以上後に投与され得る。
腫瘍切除術の対象:本明細書で使用する場合、用語「腫瘍切除術の対象」は、腫瘍切除術を受けているか、または最近受けた対象を指す。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、腫瘍総重量のうちの少なくとも70%以上(少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上(100%が含まれる)が含まれる)が外科的切除により除去された対象である。場合によっては、腫瘍総重量のうちの全てが明らかに除去されたことを肉眼による肉眼検査が示す場合であっても、可視的な切除断端に顕微鏡的に存在する多少の残存がん細胞が存在し得ることを当業者は理解するであろう。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、切除断端陰性(すなわち、例えば、腫瘍切除部位を囲む組織の組織学的評価に基づいて、顕微鏡的に切除断端にがん細胞がみられない)であると判定され得る。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、切除断端陽性(すなわち、例えば、腫瘍切除部位を囲む組織の組織学的評価に基づいて、顕微鏡的に切除断端にがん細胞がみられる)であると判定され得る。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、手術に対する生理的反応により進行/増殖するように促進され得る、微小転移巣及び/または休眠中の播種性がん細胞を有し得る。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、腫瘍切除術が実行された直後に、(例えば、本明細書において記載及び/または利用される)組成物を投与される(例えば、手術中の投与)。幾つかの実施形態では、腫瘍切除術の対象は、手術後の24時間以下以内(例えば、18時間以内、12時間以内、6時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、30分以内、またはより短時間以内が含まれる)に、(例えば、本明細書において記載及び/または利用される)組成物を投与される。
腫瘍部位:幾つかの実施形態では、用語「腫瘍部位」は、腫瘍の少なくとも一部が存在するか、または切除術前に存在していた部位であり得る。幾つかの実施形態では、腫瘍部位は、存在する腫瘍の全体を依然として有していてもよい。一方で幾つかの実施形態では、腫瘍部位は、例えば、腫瘍切除により腫瘍の一部または全体が除去されていてもよい。
バリアント:本明細書で使用する場合、用語「バリアント」は、参照物質との顕著な構造的同一性を示すが、当該参照物質と比較して、1つ以上の化学部分の存在またはレベルにおいて当該参照物質と構造的に異なる物質を指す。多数の実施形態では、バリアントは、その参照物質と機能的にも異なる。一般に、特定の物質が適切に参照物質の「バリアント」であるとみなされるかどうかは、当該参照物質との構造的同一性の程度に基づく。当業者によって理解されるように、任意の生物学的または化学的な参照物質は、ある特定の特徴的な構造要素を有する。定義上、バリアントは、1つ以上のかかる特徴的な構造要素を共有する異なる化学物質である。少数の例のみを挙げると、低分子は、特徴的なコア構造要素(例えば、大員環コア)及び/または1つ以上の特徴的なペンダント部分を有していてもよく、そのため、低分子のバリアントは、コア構造要素及び特徴的なペンダント部分を共有するが、他のペンダント部分及び/またはコア内に存在する結合の種類(単対二重、E対Zなど)が異なるものであり、ポリペプチドは、線状もしくは3次元空間において互いに指定される位置を有し、及び/または特定の生物学的機能に寄与する複数のアミノ酸から構成される特徴的な配列要素を有していてもよく、核酸は、線状または3次元空間において互いに指定される位置を有する複数のヌクレオチド残基から構成される特徴的な配列要素を有していてもよい。例えば、バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)は、1種以上の構造的修飾(例えば、限定されるものではないが、化学部分の付加、除去、及び/または修飾、及び/またはグラフト化)の結果として参照生体材料(例えば、参照ポリマーまたは参照ポリマー生体材料)と異なり得、ただし、当該バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはこのようなバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)は、当該参照生体材料の所望の特性(複数の特性)及び/または機能(複数可)(例えば、免疫調節及び/または温度応答性)を保持し得る。例えば、免疫調節性生体材料のバリアントは、1種以上の構造的修飾(例えば、限定されるものではないが、化学部分の付加、除去、及び/または修飾、及び/またはグラフト化)の結果として免疫調節性参照生体材料(例えば、参照ポリマーまたは参照ポリマー生体材料)と異なり得、ただし、バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはこのようなバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)は、例えば、本明細書に記載される方法において使用される場合に、(例えば、自然免疫を刺激することにより)免疫系に作用し得る。幾つかの実施形態では、免疫調節性バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)は、このような免疫調節性バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)の対象の標的部位への投与の24時間後に評価される場合に、当該対象の当該標的部位で、及び/または体循環中に観察される1種以上の炎症性サイトカイン(例えば、限定されるものではないが、CXCL10、IFN-α、IFN-β、IL-1β、IL-6、IL-18、及び/またはTNF-α)の量が、参照生体材料(例えば、参照ポリマーまたは参照ポリマー生体材料)が当該標的部位に投与される場合に観察される量の少なくとも60%またはそれ以上(例えば、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または最高100%が含まれる)であることを特徴とする。幾つかの実施形態では、免疫調節性バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)は、このようなバリアント生体材料(例えば、バリアントポリマーまたはバリアントポリマーを含むポリマー生体材料)の対象の標的部位への投与の24時間後に評価される場合に、当該対象の当該標的部位で、及び/または体循環中に観察される1種以上の炎症性サイトカイン(例えば、限定されるものではないが、CXCL10、IFN-α、IFN-β、IL-1β、IL-6、IL-18、及び/またはTNF-α)の量が、参照生体材料(例えば、参照ポリマー生体材料)が当該標的部位に投与される場合に観察される量の少なくとも1.1倍またはそれ以上(例えば、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、またはそれ以上が含まれる)であることを特徴とする。幾つかの実施形態では、バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマー生体材料)は、参照生体材料(例えば、参照ポリマー生体材料)のものと異なる少なくとも1つの物理的特性を示す。例えば、幾つかの実施形態では、バリアント生体材料(例えば、バリアントポリマー生体材料)は、参照生体材料(例えば、参照ポリマー生体材料)の(例えば、生理的pHでの)水溶性と比較して増加した水溶性を示し得る。幾つかの実施形態では、バリアントは、参照と比較して10種、9種、8種、7種、6種、5種、4種、3種、2種、または1種の構造的修飾を有する。幾つかの実施形態では、バリアントは、少数(例えば、5種未満、4種、3種、2種、または1種)の構造的修飾(例えば、アルキル化、アシル化、四級化、ヒドロキシアルキル化、カルボキシアルキル化、チオール化、リン酸化、グリコシル化など)を有する。幾つかの実施形態では、バリアントは、参照と比較して、5種、4種、3種、2種、または1種を超えない化学部分の付加または欠失を有し、幾つかの実施形態では、付加または欠失を有さない。幾つかの実施形態では、バリアントは、化学的操作により参照から生成され得る物質である。幾つかの実施形態では、バリアントは、参照を生成するものと実質的に類似する(例えば、複数のステップを共有する)合成プロセスの実行により生成され得る物質である。
特定の実施形態の詳細な説明
本開示は、とりわけ、例えば、特に有用であり得、及び/または例えば、本明細書に記載される特定の有益な効果を提供し得る特定の生体材料調製物が含まれる技術を提供する。
とりわけ、本開示は、ある特定の架橋技術が、有毒な副生成物を生成させ得、及び/または架橋前もしくは架橋中にバイオポリマー材料と組み合わされ得る薬剤(複数可)(例えば、治療薬)の安定性及び/または有効性に悪影響を及ぼし得ることを理解する。幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、例えば、ある特定の架橋バイオポリマー材料が含まれる、ある特定の従来技術に伴うこのような問題に対処する技術を提供する。
代替的にまたは追加的に、本開示は、対象に導入する前にバイオポリマー材料を(例えば、化学的架橋により)事前に形成させることを伴う技術が、明確なサイズ及び/または構造を有する材料を生成させ、投与の選択肢を制限し得ることを理解する。本開示は、移植よりも侵襲性が低い場合がある注射及び/または腹腔鏡下投与などの方法が含まれる、種々の経路及び/または手法による投与を可能にする、特定の生体材料調製物が含まれる技術を提供する。幾つかのかかる実施形態では、改善された投与特性を有する調製物は、液体状態で投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、柔軟な空間充填特性を特徴とする事前に形成されたゲル状態で投与され得る。幾つかのかかる実施形態では、提供される調製物は、(例えば、当該調製物が、例えば、本明細書に記載されるようなサイズ分布及び/または他のパラメータを特徴とする複数の粒子を含むように、)粒子形態の適切な材料から構成される。
とりわけ、幾つかの実施形態では、本開示は、例えば、細胞に有毒な架橋剤、例えば、UV照射及び/または化学架橋剤(例えば、低分子架橋剤)を導入することなく、注射可能な状態から、例えば、本明細書に記載される有益な効果を提供する材料特性を有するポリマーネットワーク状態に移行することができる温度応答性生体材料調製物を提供する。従って、幾つかのかかる実施形態は、ゲル化材料の生体内原位置での形成のための有益な技術を提供し、この技術は、代替技術と比較して様々な利点を有し、本明細書において特定されるかかる代替技術に伴うある特定の問題の解決策を提供する。例えば、生体内原位置でのゲル化のための様々な代替技術がレシピエント及び/または材料に含まれ得るか、もしくは材料と共に含まれ得る薬剤に対する毒性を有し得るか、または別様に悪影響を及ぼし得る処理(例えば、UV照射及び/または化学架橋剤、例えば、低分子架橋剤への曝露)を必要とするため、本開示は、多数のかかる技術に伴う問題の源を特定する。
幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、ポロキサマーであるか、またはそれを含み、ハイドロゲルを形成させるために使用されるある特定の従来の調製物が、16~20%(w/w)の最小濃度のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407(P407))であるか、またはそれを含むように、典型的に利用することを認識する。本開示は、かかる従来の調製物が対象への投与に関して、例えば、注射に理想的とは言えないものにする高い溶液粘度及び/または高濃度のポロキサマーに起因する組織刺激性が含まれる、ある特定の欠点を有し得ることが含まれる、かかる従来の調製物に伴う問題の源を特定する。更に、本開示は、著しく低い濃度(複数可)のかかるポロキサマーを有する有用な調製物を開発することが可能であることを実証する。
例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、ハイドロゲルを形成させるために16~20%(w/w)の最小濃度で通常使用されているある特定のポロキサマー(例えば、ポロキサマー407(P407))が、1種以上の生体適合性のポリマーと組み合わされる場合に、例えば、14%(w/w)未満、12%(w/w)未満、11%(w/w)未満、10.5%(w/w)未満、10%(w/w)未満、9%(w/w)未満、8%(w/w)未満、7%(w/w)未満、または6%(w/w)未満、5%(w/w)未満が含まれる、16%(w/w)未満の濃度で有用な温度応答性生体材料を形成し得るという洞察を提供する。幾つかの実施形態では、かかる生体適合性のポリマーは、温度応答性でないポリマーであり得るか、またはそれを含み、例えば、幾つかの実施形態では、これは、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくは修飾キトサンであり得るか、またはそれを含む。
代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、本開示は、より柔軟なハイドロゲルが、高濃度P407ハイドロゲル(例えば、16~20%(w/w)の濃度)及び/または化学架橋されたハイドロゲルより高い治療効果を提供し得るという洞察を提供する。例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、免疫調節剤ペイロードが組み込まれたより低い貯蔵弾性率を有する本明細書に記載されるある特定のポリマー組み合わせ調製物が、例えば、同じ免疫調節剤ペイロードが組み込まれた化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルを投与された腫瘍切除動物において観察される延命効果と比較してより高い延命効果を腫瘍切除動物において提供し得ることを示す。
幾つかの実施形態では、提供される温度応答性生体材料調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)は、免疫調節剤ペイロードの非存在下であっても1つ以上の免疫調節特性を示し得る。幾つかの実施形態では、12.5%(w/w)以下(例えば、11%(w/w)、10.5%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、またはそれ以下)の濃度のポロキサマー、及びポロキサマーでない少なくとも1種の追加のポリマーを含む生体材料調製物は、それ自体が免疫調節剤ペイロードの非存在下で免疫調節性であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、12.5%(w/w)以下(例えば、11%(w/w)、10.5%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、またはそれ以下)の濃度のポロキサマー及び少なくとも1種の炭水化物ポリマー(例えば、ヒアルロン酸またはキトサン)を含むこのような生体材料調製物は、投与の必要がある対象(例えば、腫瘍切除術の対象)の標的部位に投与されると自然免疫を促進し得る。
I.提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物または調製物
幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、温度応答性であり、従って、レシピエント及び/または生体材料に含まれ得るか、もしくは生体材料と共に含まれ得るペイロードに対する毒性を有し得るか、または別様に悪影響を及ぼし得る架橋処理(例えば、UV照射及び/または化学架橋剤の導入)の非存在下での標的部位の生体内原位置でのゲル化を可能にするポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む組成物及び/または調製物を提供する。
幾つかの実施形態では、本開示は、ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれたペイロードの持続放出を提供するのに有用である、ある特定のポリマー組み合わせ調製物を含む組成物及び/または組成物を提供する。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるある特定の組成物及び/または調製物は、1種以上の免疫調節剤ペイロード(例えば、本明細書に記載されるもの及び/またはWO2018/045058(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるもの)が組み込まれているかかる組成物が腫瘍切除を受けたか、または受けているか対象に投与される場合に非常に有用であり得る。単に一例として、幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、少なくとも1種の自然免疫調節ペイロードを含み得る。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、少なくとも1種の自然免疫調節ペイロード及び少なくとも1種の適応免疫調節ペイロードを含み得る。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、少なくとも1種の自然免疫調節ペイロード、少なくとも1種の適応免疫調節ペイロード、及び少なくとも1種の免疫調節性サイトカインを含み得る。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、少なくとも1種の炎症誘発性免疫応答阻害剤を含み得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、別個の免疫調節剤ペイロードがなくとも単独で有益な効果を達成するために免疫調節反応をもたらす(例えば、十分な自然免疫アゴニズムをもたらす)のに十分であるある特定のポリマー組み合わせ調製物を含む組成物及び/または組成物を提供する。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用されるポリマー組み合わせ調製物は、免疫調節剤ペイロード(例えば、自然免疫調節ペイロード)を実質的に含まないだけでなく、本開示のこのような組成物または調製物は、例えば、適応免疫調節ペイロード、免疫調節性サイトカイン、免疫調節化学療法薬、免疫調節治療薬、及び/またはそれらの組み合わせが含まれる、少なくとも1種以上(例えば、少なくとも2種以上、少なくとも3種以上)の他の種類の免疫調節剤ペイロードの含有を必ずしも必要としない。単に一例として、幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、自然免疫調節ペイロード及び適応免疫調節ペイロードを実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、自然免疫調節ペイロード、適応免疫調節ペイロード、及び免疫調節性サイトカインを実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、炎症誘発性反応の阻害剤を実質的に含まない。幾つかの実施形態では、本開示の組成物または調製物は、免疫調節剤ペイロードの非存在下の提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、生体材料調製物及び多数の実施形態では、本明細書に記載される免疫系モジュレーター(例えば、免疫調節剤ペイロード)であるペイロード薬剤を含み得る。あるいは、幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物を含む利用される免疫調節組成物は、公知の免疫調節剤ペイロードを実質的に含まなくてもよい。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、それがポリマーネットワークを形成することを特徴とする。いずれの理論にも拘束されるものではないが、幾つかの実施形態では、このようなネットワークは、ポリマー組み合わせ調製物内のペイロード(例えば、免疫調節剤ペイロード)の足場またはデポーとして機能し得ることに留意されたい。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物及びペイロード薬剤(例えば、幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロード)を含むポリマー組み合わせ調製物は、例えば、当該ポリマー組み合わせ調製物を欠く(例えば、その1つまたは全てのポリマー成分を欠く)別様の比較可能な組成物で観察されるよりもペイロードがより緩徐に(すなわち、より長時間にわたって)組成物から放出されるという点で徐放性製剤として機能し得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように使用されるポリマー組み合わせ調製物は、1種以上のポリマー(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、1種以上の正に荷電したポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように使用されるポリマー組み合わせ調製物は、1種以上の負に荷電したポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるように使用されるポリマー組み合わせ調製物は、1種以上の中性ポリマーを含み得る。
提供されるポリマー組み合わせ調製物
幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、少なくとも第1及び第2のポリマー成分を含むポリマー組み合わせ調製物を提供し、ここで、当該第1のポリマー成分は、ポロキサマー(例えば、本明細書に記載されるもの)であるか、またはそれを含み、当該第2のポリマー成分はポロキサマーではなく、当該第1のポリマー成分は、12.5%(w/w)以下の濃度で当該ポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物は、ゲル化のトリガーに応答して前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行することを特徴とし、当該ゲル化のトリガーは、以下のうちの1つ以上であるか、またはそれを含む:(a)ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度(CGT)以上の温度、(b)第1のポリマー成分の第2のポリマー成分に対する臨界ゲル化重量比、(c)ポリマーの総含有量、(d)第1及び/または第2のポリマー成分の分子量、または(e)それらの組み合わせ。提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、前駆状態の粘性を実質的に超える粘性を有し、前駆状態に存在しない架橋を含む。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の前駆状態は、液体状態である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の前駆状態は、注射可能な状態である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、より粘性の液体状態である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、ハイドロゲルである。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、例えば、そのゲル化(例えば、液体状態からゲル化状態への移行)が特定の温度に曝露されると発生し得るように温度応答性である。多数のかかる実施形態では、(例えば、部位への適用による)体温への曝露は、かかるゲル化を引き起こすのに十分である。幾つかの実施形態では、更に熱が適用され得る。単に一例として、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される温度応答性のポリマー組み合わせ調製物は、このようなポリマー組み合わせ調製物がゲル化のトリガーに曝露されると、前駆状態(例えば、液体状態または注射可能な状態)から当該前駆状態の粘性及び/または貯蔵弾性率を実質的に超える粘性及び/または貯蔵弾性率を有するポリマーネットワーク状態(例えば、より粘性の状態またはハイドロゲル)に移行することを特徴とし、当該ゲル化のトリガーは、当該ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度(CGT)以上の温度であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、少なくとも10℃以上(例えば、少なくとも10℃、少なくとも11℃、少なくとも12℃、少なくとも13℃、少なくとも14℃、少なくとも15℃、少なくとも16℃、少なくとも17℃、少なくとも18℃、少なくとも19℃、少なくとも20℃、少なくとも21℃、少なくとも22℃、少なくとも23℃、少なくとも24℃、少なくとも25℃、少なくとも26℃、少なくとも27℃、少なくとも28℃、少なくとも29℃、少なくとも30℃、少なくとも31℃、少なくとも32℃、33℃、少なくとも34℃、少なくとも35℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、またはそれ以上が含まれる)である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約10℃~約15℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約12℃~約17℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約14℃~約19℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約16℃~約21℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約18℃~約23℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約20℃~約25℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約22℃~約27℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約24℃~約29℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約26℃~約31℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約28℃~約33℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約30℃~約35℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約32℃~約37℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約34℃~約39℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、約35℃~約39℃である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のCGTは、このようなポリマー組み合わせ調製物を投与される対象(例えば、ヒト対象)の生理的温度であるか、またはその付近である。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、温度可逆性である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、このようなポリマー組み合わせ調製物が当該ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度(CGT)以上の温度に曝露されると、前駆状態(例えば、液体状態または注射可能な状態)から当該前駆状態の粘性及び/または貯蔵弾性率を実質的に超える粘性及び/または貯蔵弾性率を有するポリマーネットワーク状態(例えば、より粘性の状態またはハイドロゲル)に移行することを特徴とし、当該ポリマー組み合わせ調製物は、当該ポリマーネットワーク状態から当該ポリマーネットワーク状態の粘性及び/または貯蔵弾性率よりも実質的に低い粘性及び/または貯蔵弾性率を有する状態(例えば、液体状態または提供されるポリマー組み合わせ調製物の元の状態)に戻り得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、化学架橋剤を含まない。当業者は、幾つかの実施形態では、化学架橋剤は、ポリマー鎖間の共有結合による架橋の形成を促進することを特徴とすることを理解するであろう。幾つかの実施形態では、化学架橋剤は、天然の供給源に由来し得るか、または合成され得る低分子架橋剤であるか、またはそれを含む。低分子架橋剤の非限定的な例としては、ゲニピン、ジアルデヒド、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ジイソシアネート、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、アクリル酸、ジアクリレートなどが挙げられる。幾つかの実施形態では、化学架橋剤は、チオール(例えば、EXTRACEL(登録商標)、HYSTEM(登録商標))、メタクリレート、ヘキサデシルアミド(例えば、HYMOVIS(登録商標))、及び/またはチラミン(例えば、CORGEL(登録商標))を使用する架橋に関与し得る。幾つかの実施形態では、化学架橋剤は、ホルムアルデヒド(例えば、HYLAN-A(登録商標))、ジビニルスルホン(DVS)(例えば、HYLAN-B(登録商標))、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)(例えば、RESTYLANE(登録商標))、グルタルアルデヒド、及び/またはゲニピンを使用する架橋に関与し得る(例えば、Khunmanee et al.“Crosslinking method of hyaluronic-based hydrogel for biomedical applications” J Tissue Eng.8:1-16(2017)を参照のこと)。従って、幾つかの実施形態では、前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行する間に形成される架橋は、共有結合による架橋を含む。
幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、1:1、1.5:1、2:1、2.5:1、3:1、3.5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、8.5:1、9:1、9.5:1、10:1、10.5:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1の臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、1:1~20:1または1:1~18:1または1:1~14:1または1.5:1~14:1または2:1~13:1または1:1~10:1または2:1~20:1または2:1~18:1または2:1~10:1の臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、1:1~10:1の臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、2:1~10:1の臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、当該第2のポリマー成分が当該第1のポリマー成分の重量に対する量より多い重量に対する量で存在し得るような臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。例えば、幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるポロキサマー)及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)は、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2などの臨界ゲル化重量比でポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかのかかる実施形態では、ポロキサマーの濃度は、7%(w/w)未満または以下、例えば、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、またはそれ以下であり得る。
幾つかの実施形態では、少なくとも第1及び第2のポリマー成分(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも1種の追加のポリマー成分(例えば、少なくとも1種、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、少なくとも6種、またはそれ以上の追加のポリマー成分が含まれる)を含み得、当該少なくとも1種の追加のポリマー成分は、幾つかの実施形態では、生体適合性であり、及び/または生分解性である(例えば、本明細書に記載される)ポリマー成分であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも5%(w/w)以上(例えば、少なくとも6%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも9%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、少なくとも11%(w/w)、少なくとも12%(w/w)、少なくとも13%(w/w)、少なくとも14%(w/w)、少なくとも15%(w/w)、少なくとも16%(w/w)、少なくとも17%(w/w)、少なくとも18%(w/w)、少なくとも19%(w/w)、少なくとも20%(w/w)、またはそれ以上が含まれる)の総含有量のポリマーを含む。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、5%(w/w)~20%(w/w)または6%(w/w)~18%(w/w)または8%(w/w)~15%(w/w)または9%(w/w)~12%(w/w)の総含有量のポリマーを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、6%(w/w)~20%(w/w)または8%(w/w)~20%(w/w)または10%(w/w)~15%(w/w)の総含有量のポリマーを含む。
幾つかの実施形態では、ポロキサマーであるか、またはそれを含む第1のポリマー成分は、12.5%(w/w)以下(例えば、12%(w/w)以下、11.5%(w/w)以下、11%(w/w)以下、10.5%(w/w)以下、10%(w/w)以下、9.5%(w/w)以下、9%(w/w)以下、8%(w/w)以下)、7%(w/w)以下、6%(w/w)以下、5%(w/w)以下、または4%(w/w)以下が含まれる)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーであるか、またはそれを含む第1のポリマー成分は、5%(w/w)~12.5%(w/w)または8%(w/w)~12.5%(w/w)または5%(w/w)~11%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)または8%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーであるか、またはそれを含む第1のポリマー成分は、4%(w/w)~12.5%(w/w)または4%(w/w)~11%(w/w)または4%(w/w)~10.5%(w/w)または4%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーであるか、またはそれを含む第1のポリマー成分は、5%(w/w)~12.5%(w/w)または5%(w/w)~11%(w/w)または5%(w/w)~10.5%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーであるか、またはそれを含む第1のポリマー成分は、6%(w/w)~12.5%(w/w)または6%(w/w)~11%(w/w)または6%(w/w)~10.5%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在する。
幾つかの実施形態では、第2のポリマー成分は、15%(w/w)以下の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、第2のポリマー成分は、10%(w/w)以下の濃度(例えば、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、0.5%(w/w)、またはそれ以下の濃度が含まれる)で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、第2のポリマー成分は、少なくとも0.1%(w/w)(例えば、少なくとも0.2%(w/w)、少なくとも0.3%(w/w)、少なくとも0.4%(w/w)、少なくとも0.5%(w/w)、少なくとも0.6%(w/w)、少なくとも0.7%(w/w)、少なくとも0.8%(w/w)、少なくとも0.9%(w/w)、少なくとも1%(w/w)、少なくとも1.5%(w/w)、少なくとも2%(w/w)、少なくとも2.5%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも3.5%(w/w)、少なくとも4%(w/w)、少なくとも4.5%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも6%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも9%(w/w)、少なくとも10%(w/w)、またはそれ以上が含まれる)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の第2のポリマー成分は、0.1%(w/w)~10%(w/w)または0.1%(w/w)~8%(w/w)または0.1%(w/w)~5%(w/w)または1%(w/w)~5%(w/w)の濃度で存在し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の第2のポリマー成分は、0.5%(w/w)~10%(w/w)または0.5%(w/w)~5%(w/w)または1%(w/w)~10%(w/w)または1%(w/w)~5%(w/w)または2%~10%(w/w)の濃度で存在し得る。
A.1種以上の例示的なポロキサマー及びそのバリアントを含む第1のポリマー成分
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、ポロキサマーまたはそのバリアントを含む。ポロキサマーは、通常、ポリオキシエチレン(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)及び/またはポリ(エチレンオキシド)(PEO))の2つの親水性鎖に挟まれたポリオキシプロピレン(例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)及び/またはポリ(プロピレンオキシド)(PPO))の疎水性鎖を含むブロックコポリマーである。ポロキサマーは、Synperonic、Pluronic、及び/またはKolliphorの商品名で知られている。一般に、ポロキサマーは、幾つかの実施形態では、良好な可溶化能力、低毒性、及び/または細胞、体液、及び広範囲の化学物質との高い適合性を有し得る非イオン性界面活性剤である。
幾つかの実施形態では、本開示に従って使用されるポロキサマーは、当該技術分野において公知のポロキサマーであり得る。例えば、当業者により理解されるように、一般にポロキサマーは、3つの数字が続く(ポロキサマーにちなんだ)文字Pを用いて名付けられ、100で乗算された最初の2つの数字は、ポリオキシプロピレン鎖のおおよその分子質量を示し、10で乗算された最後の数字は、ポリオキシエチレン含有率を示す。単に一例として、P407は、4,000g/molのポリオキシプロピレン分子質量及び70%のポリオキシエチレン含有量を有するポロキサマーを指す。当業者は、Pluronic及びSynperonicの商品名では、かかるポロキサマーの符号化は、室温での物理的形態を示す文字(例えば、L=液体、P=ペースト、F=フレーク(固体))で始まり、これに2つまたは3つの数字が続き、ここで、数字の記号における300で乗算された最初の数字(3桁の数字における2つの数字)は、ポリオキシプロピレン鎖のおおよその分子量を示し、10で乗算された最後の数字は、ポリオキシエチレン含有率を示すことも理解するであろう。単に一例として、L61は、1,800g/molのポリオキシプロピレン分子質量及び10%のポリオキシエチレン含有量を有するポロキサマーの液体調製物を指す。更に、当業者に明らかであるように、ポロキサマー181(P181)は、Pluronic L61及びSynperonic PE/L61に相当する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー124(例えば、Pluronic L44 NF)、ポロキサマー188(例えば、Pluronic F68 NF)、ポロキサマー181(例えば、Pluronic L61)、ポロキサマー182(例えば、Pluronic L62)、ポロキサマー184(例えば、Pluronic L64)、ポロキサマー237(例えば、Pluronic F87 NF)、ポロキサマー338(例えば、Pluronic F108 NF)、ポロキサマー331(例えば、Pluronic L101)、ポロキサマー407(例えば、Pluronic F127 NF)、またはそれらの組み合わせであり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも2種以上の異なるポロキサマーを含み得る。Russo and Villa “Poloxamer Hydrogels for Biomedical Applications” Pharmaceutics (2019) 11(12):671(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)の表1に記載される追加のポロキサマーも本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に有用であり得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー407(P407)であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、P407は、2つの親水性PEOブロックに挟まれた疎水性PPOブロックを有するトリブロックコポリマーであるポロキサマーである。2つのPEOブロックのおおよその長さが、通常、101反復単位である一方で、PPOブロックのおおよその長さは56反復単位である。幾つかの実施形態では、P407は、約12,600Daの平均分子量を有し、このうちの約70%がPEOに相当する。幾つかの実施形態では、P407は、濃度及び周囲温度に依存して直ちに自己集合して、ミセルを形成し得る。特定の理論に拘束されるものではないが、PEOブロックの水和と疎水性PPOブロックの脱水との組み合わせは、球状ミセルの形成をもたらし得、その後のミセル構造の充填は、ポロキサマーハイドロゲルの主要構造を構成する3D立方格子をもたらす。またそれらは生分解性であり、非毒性であり、かつ安定しており、従って、治療薬の放出制御の用途に好適である。当業者により理解されるように、ポロキサマー/水の二成分混合物を主成分とするハイドロゲル製剤中のP407濃度は、通常、16~20%w/vの範囲であり、約18%w/vの値が最も多く使用される。例えば、Pereia et al.“Formulation and Characterization of Poloxamer 407(登録商標):Thermoreversible Gel Containing Polymeric Microparticles and Hyaluronic Acid” Quim.Nova,Vol.36,No.8,1121-1125(2013)(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
様々な架橋手法、例えば、化学的架橋及び酵素により媒介される架橋手法が、P407のみを架橋するため、または別のポリマーと組み合わせて架橋するために、16~20%w/vの典型的な範囲未満のP407濃度で使用された。例えば、Ryu et al.“Catechol-functionalized chitosan/pluronic hydrogels for tissue adhesives and hemostatic materials” Biomacromolecules (2011) 12(7):2653-2659、Lee et al.“Thermo-sensitive,injectable,and tissue adhesive sol-gel transition hyaluronic acid/pluronic composite hydrogels prepared from bio-inspired catechol-thiol reaction” Soft Matter (2010) 6:977-983、及びChung et al.“Thermo-sensitive biodegradable hydrogels based on stereocomplexed pluronic multi-block copolymers for controlled protein delivery” J Control Release (2008) 127:22-30、及びLee et al.“Enzyme-mediated cross-linking of pluronic copolymer micelles for injectable and in situ forming hydrogels” Acta Biomater (2011) 7:1468-76(これらの各々の内容はそれらの全体が参照により組み込まれる)を参照のこと。しかしながら、幾つかの実施形態では、かかる架橋手法は、化学架橋剤もしくは酵素及び/または修飾されたP407の使用を必要とし、インビボでの投与に望ましくない場合がある。幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、ある特定のポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)は、当該ポリマー組み合わせ調製物中のP407の濃度が12.5%(w/w)以下(例えば、12%以下(w/w)、11.5%(w/w)以下、11%(w/w)以下、10.5%(w/w)以下、10%(w/w)以下、9.5%(w/w)以下、9%(w/w)以下、8%(w/w)以下が含まれる)である時、化学架橋または酵素により媒介される架橋の非存在下で温度応答性ハイドロゲルを形成させるのに特に有用であり得るという洞察を提供する。幾つかの実施形態では、P407の濃度は、5%(w/w)~12.5%(w/w)、または5%(w/w)~11%(w/w)または8%(w/w)~12.5%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)または8%(w/w)~10%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ中に存在する。幾つかの実施形態では、P407の濃度は、4%(w/w)~12.5%(w/w)または4%(w/w)~11%(w/w)または4%(w/w)~10.5%(w/w)または4%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ中に存在する。幾つかの実施形態では、P407の濃度は、5%(w/w)~12.5%(w/w)または5%(w/w)~11%(w/w)または5%(w/w)~10.5%(w/w)または5%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ中に存在する。幾つかの実施形態では、P407の濃度は、6%(w/w)~12.5%(w/w)または6%(w/w)~11%(w/w)または6%(w/w)~10.5%(w/w)または6%(w/w)~10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ中に存在する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るP407は、公定書収載のポロキサマー407であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれるかかる公定書収載のポロキサマー407は、追加の精製ステップを経ていない。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれるかかる公定書収載のポロキサマー407は、修飾されていない(例えば、幾つかの実施形態では、遺伝子改変されていない)。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に有用であり得るP407は、PBS中での少なくとも18℃以上(例えば、18.5℃、19℃、19.5℃、20℃、20.5℃、21℃、21.5℃、22℃、22.5℃、23℃、または23.5℃が含まれる)のゾル-ゲル転移温度(Tsol-gel)を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に有用であり得るP407は、12kDa以下、例えば、11.5kDa以下、11kDa以下、10.5kDa以下、またはそれ以下の平均分子量を有し得る。当業者により理解されるように、PBS中でのP407のTsol-gel及び/または平均分子量は、精製により異なり得る。例えば、幾つかの実施形態では、低分子量のコポリマー分子及び/または不純物が公定書収載のP407から除去される場合、PBS中でのP407のTsol-gel及び/または平均分子量は増加し得る。あるいは、高分子量のコポリマー分子及び/または不純物が公定書収載のP407から除去される場合、PBS中でのP407のTsol-gel及び/または平均分子量は減少し得る。例えば、Fakhari et al.“Thermogelling properties of purified poloxamer 407” Heliyon(2017) 3(8):e00390(その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれるP407は、コンジュゲートされていないP407または未修飾のP407(例えば、ポリマーまたはアミノ酸などの部分に共有結合的にコンジュゲートされていないP407)であり得る。コンジュゲートされたP407の例としては、限定されるものではないが、P407の炭水化物ポリマー、例えば、キトサンへのグラフト化、またはチオール化されたP407が挙げられる。例えば、Park et al.“Thermosensitive chitosan-Pluronic hydrogel as an injectable cell delivery carrier for cartilage regeneration” Acta Biomaterialia (2009) 5(6):1956-1965、及びRyu et al.“Catechol-functionalized chitosan/pluronic hydrogels for tissue adhesives and hemostatic materials” Biomacromolecules (2011) 12(7):2653-2659(これらの各々の内容はそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー338であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー331であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー237であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー188であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー184であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー182であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー181であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマー124であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、少なくとも30重量%(例えば、少なくとも40重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、またはそれ以上が含まれる)の含有量のポリオキシエチレンを有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、50~90重量%の含有量のポリオキシエチレンを有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、60~90%の含有量のポリオキシエチレンを有する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、70~90%の含有量のポリオキシエチレンを有する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、約70%の含有量のポリオキシエチレンを有する。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、約80%の含有量のポリオキシエチレンを有する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、少なくとも1,500g/mol以上(例えば、少なくとも2,000g/mol、少なくとも2,500g/ml、少なくとも3,000g/mol、少なくとも4,000g/mol、少なくとも5,000g/mol、少なくとも6,000g/mol、少なくとも7,000g/mol、少なくとも8,000g/mol、少なくとも9,000g/mol、少なくとも10,000g/mol、少なくとも11,000g/mol、少なくとも12,000g/mol、少なくとも13,000g/mol、少なくとも14,000g/mol、少なくとも15,000g/mol、少なくとも16,000g/mol、少なくとも17,000g/mol、少なくとも18,000g/mol、少なくとも19,000g/mol、少なくとも20,000g/mol、またはそれ以上が含まれる)の平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、約1,500~20,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、約4,000~12,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、約5,000~15,000g/molまたは9,000~15,000g/molまたは10,000~15,000g/molまたは約11,000~14,000g/molまたは約11,500~13,000g/molまたは約12,000~13,000g/molまたは約6,000~10,000g/molまたは約7,000~9,000g/molまたは約7,500~8,500g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、9,500~15,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、6,000~10,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、12,000~18,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、1,500~3,000g/molの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、ポロキサマーは、6,000~9,000g/molの平均分子量を有し得る。当業者は、本明細書に記載される平均分子量は、数平均分子量、粘度平均分子量、または重量平均分子量であり得ることを理解するであろう。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー(例えば、ポロキサマー及び本明細書に記載される他のポリマー)は、重量平均分子量によって特徴付けられる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー(例えば、本明細書に記載されるヒアルロン酸)は、粘度平均分子量によって特徴付けられ、これは、幾つかの実施形態では、例えば、マルク-ホウインクの式を使用して固有粘度測定値を平均分子量に変換することにより決定され得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、1,000~5,000g/molまたは1,500~4,500g/molの平均分子量を有するポリオキシプロピレンを有し得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るポロキサマーは、ポロキサマーバリアントであり得る。ポロキサマーバリアントの例としては、限定されるものではないが、ポロキサミン(例えば、中心のエチレンジアミン部分に結合されたポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)(PEO-PPO)ブロックの4つのアームにより形成される両親媒性ブロックコポリマー)、アクリレートで修飾されたポロキサマー、チオールで修飾されたポロキサマー、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、Niu et al.,J.Controlled Release,2009,137:49-56、及びAlvarex-Lorenzo et al.“Poloxamine-based nanomaterials for drug delivery” Frontiers in Bioscience(2010)(これらの各々の内容は少なくとも修飾ポロキサマーに関する開示のために参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
B.ポロキサマーではない1種以上の例示的なポリマーを含む第2のポリマー成分
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも2種のポリマー成分(例えば、少なくとも3種、少なくとも4種、少なくとも5種、またはそれ以上のポリマー成分が含まれる)を含み得る。幾つかの実施形態では、第1のポリマー成分としてポロキサマーを12.5%(w/w)以下の濃度で含む提供されるポリマー組み合わせ調製物の第2のポリマー成分は、少なくとも1種(例えば、少なくとも2種、少なくとも3種、少なくとも4種、またはそれ以上が含まれる)の生体適合性及び/または生分解性のポリマー成分であり得るか、またはそれを含み得る。このような生体適合性及び/または生分解性のポリマー成分の例としては、限定されるものではないが、免疫調節性ポリマー、炭水化物ポリマー(例えば、炭水化物、例えば、炭水化物骨格であるか、またはそれを含むポリマー(例えば、限定されるものではないが、キトサン、アルギナート、ヒアルロン酸、及び/またはそれらのバリアントが含まれる))、ポリアクリル酸、シリカゲル、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリホスファゼン、及び/またはそれらのバリアント、セルロース、キチン、コンドロイチン硫酸、コラーゲン、デキストラン、ゼラチン、エチレン酢酸ビニル(EVA)、フィブリン、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGジアクリレート(PEGDA)、ジスルフィド含有PEGDA(PEGSSDA)、PEGジメタクリレート(PEGDMA)、ポリジオキサノン(PDO)、ポリヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)(pHEMA)、ポリカルボキシベタイン(PCB)、ポリスルホベタイン(PSB)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(β-アミノエステル)(PBAE)、ポリ(エステルアミド)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(フマル酸プロピレン)(PPF)、ポリ(セバシン酸無水物)(PSA)、ポリ(トリメチレンカーボネート)(PTMC)、ポリ(デスアミノチロシルチロシンアルキルエステルカーボネート)(PDTE)、ポリ[ビス(トリフルオロエトキシ)ホスファゼン]、ポリオキシメチレン、単層カーボンナノチューブ、ポリアンヒドリド、ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(メタアクリル酸)(PMA)、ポリアセタール、ポリ(αエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリホスホエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリグリセロール、ポリグルクロン酸、デンプン、それらのバリアント、及び/またはそれらの組み合わせが挙げられる。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の第2のポリマー成分は、非イオン性ポリマー成分であるか、またはそれを含む。このような非イオン性ポリマー成分の例としては、限定されるものではないが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の第2のポリマー成分は、カチオン性ポリマー成分、例えば、限定されるものではないが、キトサン、アミノ基含有ポリマー、コラーゲン、ゼラチン、及びそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の第2のポリマー成分は、アニオン性ポリマー成分であるか、またはそれを含み、アニオン性ポリマー成分の例としては、限定されるものではないが、アルギナート、ジェランガム、ペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物の第2のポリマー成分は、免疫調節性ポリマー、例えば、免疫応答の1つ以上の側面を調節するポリマー(例えば、自然免疫アゴニズムを誘発するポリマー)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節性ポリマーは、2020年5月1日に出願された国際特許出願第PCT/US20/31169号(WO2020/223698A1として公開された)に記載されるような自然免疫のポリマーアゴニストであり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、免疫調節性ポリマーは、炭水化物ポリマー(例えば、炭水化物、例えば、炭水化物骨格であるか、またはそれを含むポリマー(例えば、限定されるものではないが、キトサン、アルギナート、ヒアルロン酸、及び/またはそれらのバリアントが含まれる))であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、12.5%以下(例えば、11%(w/w)、10.5%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、またはそれ以下)の濃度の少なくとも1種のポロキサマー及び第2のポリマー成分を含み、当該第2のポリマー成分は、炭水化物ポリマー(例えば、炭水化物、例えば、炭水化物骨格であるか、またはそれを含むポリマー(例えば、限定されるものではないが、ヒアルロン酸、キトサン、及び/またはそれらのバリアントが含まれる))であり得るか、またはそれを含み得る。
(i)例示的なヒアルロン酸及びそのバリアント
幾つかの実施形態では、ポロキサマーを含む提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、ヒアルロン酸またはそのバリアントであるか、またはそれを含む。ヒアルロナンまたはヒアルロナートとしても公知のヒアルロン酸(HA)は、身体組織に幅広く分布するグリコサミノグリカン(GAG)として公知のポリマーのクラスの硫酸化されていないメンバーである。HAは、細胞表面上の細胞周囲コートを形成する組織の細胞外マトリックスの成分として見出される。幾つかの実施形態では、HAは、(C1421NO11の分子式を有する多糖(幾つかの実施形態では、塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、及び/またはカルシウム塩として存在し得る)であり、式中、nは、供給源、単離手法、及び/または測定方法により異なり得る。
幾つかの実施形態では、本開示に従って有用であり得るHAは、多数の天然の供給源から単離され得るか、またはそれに由来しうる。例えば、幾つかの実施形態では、HAは、例えば、ヒトの臍帯、鶏冠、及び/または脊椎動物の結合組織マトリックスから単離され得るか、またはそれに由来しうる。幾つかの実施形態では、HAは、Streptococcus属などの細菌の莢膜成分から単離され得るか、またはそれに由来し得る。例えば、Kendall et al,(1937),Biochem.Biophys.Acta,279,401-405を参照のこと。幾つかの実施形態では、HA及び/またはそのバリアントは、微生物発酵により生成され得る。幾つかの実施形態では、HA及び/またはそのバリアントは、例えば、グラム陽性及び/またはグラム陰性細菌(例えば、限定されるものではないが、Bacillus属菌、Lactococcus lactis、Agrobacterium属菌、及び/またはEscherichia coliが含まれる)を宿主として使用して生成される、組換えHAまたはそのバリアントであり得る。
2020年5月1日に出願された国際特許出願第PCT/US20/31169号(WO2020/223698A1として公開された)において述べられたように、HAの生物活性は、その分子量に応じて異なる。例えば、高分子量のHA(高分子量HA)は、抗炎症活性または免疫抑制活性を持ち得るが、低分子量のHA(低分子量HA)は、炎症促進作用または免疫賦活作用を示し得る。例えば、Gao et al.“A low molecular weight hyaluronic acid derivative accelerates excisional wound healing by modulating pro-inflammation,promoting epithelialization and neovascularization,and remodeling collagen” Int.J.Mol Sci (2019) 20:3722、Cyphert et al.“Size Matters:Molecular Weight Specificity of Hyaluronan Effects in Cell Biology.”Int.J.Cell Biol.(2015) 2015:563818、Dicker et al.“Hyaluronan:A simple polysaccharide with diverse biological functions” Acta Biomater.(2014) 10:1558-1570、Aya and Stern “Hyaluronan in wound healing:Rediscovering a major player.”Wound Repair Regen.(2014) 22:579-593、及びFrenkel “The role of hyaluronan in wound healing” Int.Wound J.(2014) 11:159-163(これらの各々の全ての内容は本明細書に記載される目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。従って、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、低分子量、例えば、500kDa以下の平均分子量(例えば、450kDa、400kDa、350kDa、300kDa、250kDa、200kDa、150kDa、100kDa、50kDa、またはそれ以下が含まれる)を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約100kDa~約200kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約100kDa~約150kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約250kDa~約350kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約300kDa~約400kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードの非存在下でポロキサマー(例えば、本明細書に記載されるもの)及び低分子量HAまたはそのバリアントを含み得る本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、自然免疫アゴニズムを誘発するのに有用であり得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはバリアントは、高分子量、例えば、500kDa超またはそれ以上(例えば、550kDa、600kDa、650kDa、700kDa、750kDa、800kDa、850kDa、900kDa、950kDa、1MDa、1.1MDa、1.2MDa、1.3MDa、1.4MDa、1.5MDa、1.6MDa、1.7MDa、1.8MDa、1.9MDa、2MDa、2.5MDa、3MDa、3.5MDa、4MDa、4.5MDa、またはそれ以上が含まれる)の平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、本開示に従って有用であり得るHAまたはそのバリアントは、約600kDa~約900kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、本開示に従って有用であり得るHAまたはそのバリアントは、約700kDa~約900kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約500kDa~約800kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約600kDa~約800kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るHAまたはそのバリアントは、約700kDa~約800kDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、本開示に従って有用であり得るHAまたはそのバリアントは、約1MDa~約3MDaの平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードの非存在下でポロキサマー(例えば、本明細書に記載されるもの)及び高分子量HAまたはそのバリアントを含み得る本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、炎症(例えば、免疫抑制性の炎症)を消散するのに有用であり得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、ヒアルロン酸バリアントを含む。幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸バリアントは、水溶性である。幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸バリアントは、化学修飾ヒアルロン酸であり得、例えば、幾つかの実施形態では、ヒアルロン酸は、エステル化されている。ヒアルロン酸への化学修飾の例としては、限定されるものではないが、チオール、ハロアセテート、ブタンジオール、ジグリシジル、エーテル、ジヒドラジド、アルデヒド、グリカン、及び/またはチラミン官能基の付加が挙げられる。追加のヒアルロン酸修飾及びヒアルロン酸バリアントは、当技術分野において公知である。例えば、Highley et al.,“Recent advances in hyaluronic acid hydrogels for biomedical applications” Curr Opin Biotechnol(2016) Aug 40:35-40、Burdick & Prestwich,“Hyaluronic acid hydrogels for biomedical applications” Advanced Materials(2011)、Prestwhich,“Hyaluronic acid-based clinical biomaterials derived for cell and molecule delivery in regenerative medicine” J.Control Release(2011) Oct 30;155(2):193-199(これらの各々は本明細書に記載される目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を参照のこと。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、12.5%(w/w)以下の濃度で存在する少なくとも1種のポロキサマー、及びヒアルロン酸またはそのバリアントであり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含む。幾つかのかかる実施形態では、HAまたはそのバリアントは、約10%(w/w)以下(例えば、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、もしくは1%(w/w)、または以下が含まれる)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、HAまたはそのバリアントは、約0.5%(w/w)~約5%(w/w)の濃度で、例えば、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、1.5%(w/w)、2%(w/w)、2.5%(w/w)、3%(w/w)、3.5%(w/w)、4%(w/w)、4.5%(w/w)、または5%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、少なくとも約1.5%(w/w)以上(例えば、少なくとも2%(w/w)、少なくとも2.5%(w/w)、少なくとも3%(w/w)、少なくとも4%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、少なくとも6%(w/w)、少なくとも7%(w/w)、少なくとも8%(w/w)、少なくとも9%(w/w)、またはそれ以上が含まれる)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約1.5%(w/w)~約5%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約0.5%(w/w)~約10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約1%(w/w)~約10%(w/w)または約1.5%(w/w)~約10%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約0.7%(w/w)~約4%(w/w)または約1.5%(w/w)~約4%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)低分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約3%(w/w)~約7%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)高分子量を有するHAまたはそのバリアントは、2%(w/w)以下(例えば、1.5%(w/w)、1.25%(w/w)、1%(w/w)、またはそれ以下が含まれる)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)高分子量を有するHAまたはそのバリアントは、約0.5%(w/w)~約3%(w/w)の濃度で、提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。
(ii)例示的なキトサン及びそのバリアント
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含む提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、キトサンまたはそのバリアントであり得るか、またはそれを含み得る。本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に含まれ得るキトサン及び/またはそのバリアントの例としては、限定されるものではないが、キトサン、キトサン塩(例えば、キトサンHCl、塩化キトサン、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩、キトサングルタミン酸塩)、アルキルキトサン、芳香族キトサン、カルボキシアルキルキトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)、ヒドロキシアルキルキトサン(例えば、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシエチルキトサン)、アミノアルキルキトサン、アシル化キトサン、リン酸化キトサン、チオール化キトサン、四級アンモニウムキトサン(例えば、N-(2-ヒドロキシル)プロピル-3-トリメチルアンモニウムキトサンクロリド)、グアニジルキトサン、キトサンオリゴ糖、糖化キトサン(例えば、N-ジヒドロガラクトキトサン)、キトサンポリ(スルホンアミド)、キトサン-フェニルコハク酸(例えば、フェニルコハク酸無水物またはそのバリアント(例えば、2-フェニルコハク酸無水物、2-フェニルコハク酸誘導体、2-O-アセチル-L-リンゴ酸無水物などが含まれる)及びキトサンの反応により形成される生成物)(例えば、開環アミドカルボン酸誘導体であるキトサンフェニルコハク酸ヘミアミド)、及びそれらのバリアントまたは組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含む提供されるポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、カルボキシアルキルキトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)であり得るか、またはそれを含み得る。
場合によっては、キトサン及び/またはそのバリアントは、キチンの脱アセチルにより生成され得ることを当業者は理解するであろう。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、少なくとも70%以上(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上が含まれる(100%まで含まれる))の脱アセチルの程度(すなわち、除去されたアセチル基のパーセント)を特徴とする。幾つかの実施形態では、キトサンまたはそのバリアントは、99%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、またはそれ以下の脱アセチルの程度を特徴とする。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、キトサンまたはそのバリアントは、80%~95%、70%~95%、または75%~90%の脱アセチルの程度によって特徴付けられ得る。当業者によって理解されるように、脱アセチルの程度(%DA)は、当該技術分野において公知の様々な方法によって、例えば、場合によっては、NMR分光法によって決定され得る。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、少なくとも5kDa以上(例えば、少なくとも10kDa以上が含まれる(例えば、少なくとも20kDa、少なくとも30kDa、少なくとも40kDa、少なくとも50kDa、少なくとも60kDa、少なくとも70kDa、少なくとも80kDa、少なくとも90kDa、少なくとも100kDa、少なくとも110kDa、少なくとも120kDa、少なくとも130kDa、少なくとも140kDa、少なくとも150kDa、少なくとも160kDa、少なくとも170kDa、少なくとも180kDa、少なくとも190kDa、少なくとも200kDa、少なくとも210kDa、少なくとも220kDa、少なくとも230kDa、少なくとも240kDa、少なくとも250kDa、少なくとも260kDa、少なくとも270kDa、少なくとも280kDa、少なくとも290kDa、少なくとも300kDa、少なくとも350kDa、少なくとも400kDa、少なくとも500kDa、少なくとも600kDa、少なくとも700kDa、またはそれ以上が含まれる))の平均分子量を有し得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、750kDa以下またはそれ以下(例えば、700kDa以下、600kDa以下、500kDa以下、400kDa以下、300kDa以下、200kDa以下、100kDa以下、50kDa以下、またはそれ以下が含まれる)の平均分子量を有し得る。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、10kDa~700kDaまたは20kDa~700kDaまたは30kDa~500kDaまたは150kDa~600kDa、または150kDa~400kDaまたは50kDa~150kDaまたは10kDa~50kDaの平均分子量を特徴とする。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、20kDa~700kDaまたは30kDa~500kDaの平均分子量を特徴とする。本明細書において述べたように、平均分子量は、数平均分子量、重量平均分子量、またはピーク平均分子量であり得る。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、10kDa~700kDaまたは20kDaまたは700kDaまたは30kDa~500kDaまたは150kDa~600kDaまたは150kDa~400kDaまたは50kDa~150kDaまたは10kDa~50kDaの範囲の分子量分布を特徴とする。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、20kDa~700kDaまたは30kDa~500kDaの範囲の分子量分布を特徴とする。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、3,500mPa・s以下またはそれ以下(例えば、3,000mPa・s以下、2,500mPa・s以下、2,000mPa・s以下、1,500mPa・s以下、1,000mPa・s以下、500mPa・s以下、250mPa・s以下、200mPa・s以下、150mPa・s以下、100mPa・s以下、75mPa・s以下、50mPa・s以下、25mPa・s以下、20mPa・s以下、15mPa・s以下、10mPa・s以下、またはそれ以下が含まれる)の粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、キトサンまたはそのバリアントは、少なくとも5mPa・sまたはそれ以上(例えば、少なくとも10mPa・s、少なくとも20mPa・s、少なくとも30mPa・s、少なくとも40mPa・s、少なくとも50mPa・s、少なくとも60mPa・s、少なくとも70mPa・s、少なくとも80mPa・s、少なくとも90mPa・s、少なくとも100mPa・s、少なくとも125mPa・s、少なくとも150mPa・s、少なくとも175mPa・s、少なくとも250mPa・s、少なくとも500mPa・s、少なくとも1,000mPa・s、少なくとも1,500mPa・s、少なくとも2,000mPa・s、少なくとも2,500mPa・sまたはそれ以上が含まれる)の粘性を特徴とし得る。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、キトサンもしくはそのバリアントのこのような粘性ポリマー溶液またはキトサンもしくはそのバリアントを含むこのような粘性ポリマー溶液は、5mPa・s~3,000mPa・s、または5mPa・s~300mPa・s、5mPa・s~200mPa・s、または20mPa・s~200mPa・s、または5mPa・s~20mPa・sの粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるキトサンまたはそのバリアントの粘性は、20℃の1%酢酸中にて1%で測定される。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも1種以上(例えば、1種、2種、3種、またはそれ以上)のキトサン及び/またはそのバリアント(例えば、修飾されたキトサン及び/またはキトサンもしくは修飾されたキトサンの塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)を含む。例えば、幾つかの実施形態では、キトサン及び/またはそのバリアント(例えば、修飾されたキトサン及び/またはキトサンもしくは修飾されたキトサンの塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、70%~95%、または75%~90%、または80%~95%、または90%超の脱アセチルの程度によって特徴付けられ得る。幾つかの実施形態では、キトサン及び/またはそのバリアント(例えば、修飾されたキトサン及び/またはキトサンもしくは修飾されたキトサンの塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、10kDa~700kDa、20kDa~600kDa、30kDa~500kDa、150kDa~400kDa、または200kDa~600kDaの平均分子量(例えば、キトサンまたはキトサン塩、例えば、キトサン酢酸塩として測定される)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、キトサン及び/またはそのバリアント(例えば、修飾されたキトサン及び/またはキトサンもしくは修飾されたキトサンの塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、10kDa~700kDa、20kDa~600kDa、30kDa~500kDa、150kDa~400kDa、または200kDa~600kDaの範囲の分子量分布(例えば、キトサンまたはキトサン塩、例えば、キトサン酢酸塩として測定される)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、キトサン及び/またはそのバリアント(例えば、その塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、5~3,000mPa・sまたは5~300mPa・sまたは20~200mPa・sの範囲の粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、かかるキトサン及び/またはそのバリアント(例えば、その塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、PROTASAN(商標) UltraPure塩化キトサン及び/またはキトサングルタミン酸塩(例えば、FMC Health and Nutritionの事業単位であるNovoMatrix(登録商標)から入手(現在はDu Pontの一部;製品番号:CL 113、CL 114、CL 213、CL 214、G 113、G 213、G 214))であり得るか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、かかるキトサン及び/またはそのバリアント(例えば、その塩、例えば、塩化物塩またはグルタミン酸塩が含まれる)は、例えば、Heppe Medical Chitosan GMBHから入手される、キトサン、キトサンオリゴマー、及び/またはそれらのバリアント(例えば、キトサンHCl、カルボキシメチルキトサン、キトサン乳酸塩、キトサン酢酸塩が含まれる)(例えば、Chitoceuticals(登録商標)またはChitoscience(登録商標))であり得るか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、以下の特性のうちの少なくとも1つまたは全てを特徴とする、カルボキシアルキルキトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)であるか、またはそれを含む:(1)80%~95%の脱アセチルの程度、(ii)30kDa~500kDaの平均分子量、または30kDa~500kDaの分子量分布、及び(iii)5~300mPa・sの範囲の粘性。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、(例えば、本明細書に記載される)キトサンのバリアントであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、このようなキトサンのバリアントは、キトサン鎖の1つ以上の化学部分、例えば、ヒドロキシル及び/またはアミノ基の化学修飾(複数可)を含み得る。幾つかの実施形態では、このようなキトサンのバリアントは、例えば、限定されるものではないが、糖化キトサンなどの修飾されたキトサン(例えば、その遊離アミノ基のうちの1つ以上に1つ以上の単糖またはオリゴ糖側鎖を付加することにより修飾されたキトサン)であるか、またはそれを含む。本明細書において有用である例示的な糖化キトサンとしては、例えば、限定されるものではないが、US5,747,475、US6,756,363、WO2013/109732、US2018/0312611、及びUS2019/0002594(これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、水性環境中でのキトサンの溶解性を増加させるポリマー(例えば、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマー)とコンジュゲートされたキトサンであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載されるような)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物に含まれるキトサンまたはそのバリアントは、チオール化キトサンであるか、またはそれを含む。例えば、Ahmadi et al.Res Pharm Sci.,10(1):1-16(2015)(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような、キトサンに対する様々な修飾、例えば、限定されるものではないが、カルボキシル化、ペグ化、ガラクトシル化(または他のグリコシル化)、及び/またはチオール化が当技術分野において公知である。本開示を読む当業者は、他の修飾されたキトサンが、方法が実施される特定用途に有用であり得ることを理解するであろう。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、12.5%以下の濃度で存在する少なくとも1種のポロキサマー、及びキトサンまたはそのバリアントであり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含む。幾つかのかかる実施形態では、キトサンまたはそのバリアントは、約10%(w/w)以下(例えば、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、0.5%(w/w)、0.4%(w/w)、0.3%(w/w)、0.2%(w/w)、0.1%(w/w)、またはそれ以下が含まれる)の濃度で提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。幾つかの実施形態では、キトサンまたはそのバリアントは、0.1%(w/w)~10%(w/w)または0.1%(w/w)~8%(w/w)または0.1%(w/w)~5%(w/w)または1%(w/w)~5%(w/w)または約1%(w/w)~約3%(w/w)の濃度で提供されるポリマー組み合わせ調製物中に存在し得る。
C.例示的なペイロード(例えば、治療薬)
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)は、追加のペイロードなしで投与され得る。幾つかの実施形態では、かかる調製物は、それ自体がある特定の免疫調節特性を有し得る。代替的にまたは追加的に、幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、ポリマー組み合わせ調製物)は、1種以上のペイロード薬剤(例えば、治療薬、例えば、免疫調節剤ペイロード、例えば、免疫調節剤)を含み得、及び/または別様にそれと組み合わせて投与され得る。すなわち、幾つかの実施形態では、免疫調節組成物は、ポリマー組み合わせ調製物及び1種以上のペイロード薬剤を含み得るか、またはそれらからなる。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、治療薬であるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、免疫調節剤であるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、(例えば、Zhong et al.,“A comprehensive Map of FDA-Approved Pharmaceutical Products.”Pharmaceutics,2019 Dec;10(4):263(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような)食品医薬品局により承認された薬剤(例えば、治療薬)である。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、食品医薬品局により承認された薬剤(例えば、治療薬)により投薬される標的を阻害するか、またはそのレベル(例えば、発現及び/または活性)を低減する(例えば、Zhong et al.,“A comprehensive Map of FDA-Approved Pharmaceutical Products.”Pharmaceutics,2019 Dec;10(4):263(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような)薬剤(例えば、治療薬)である。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、食品医薬品局により承認された薬剤(例えば、治療薬)により投薬される標的を誘導するか、またはそのレベル(例えば、発現及び/または活性)を増加させる(例えば、Zhong et al.,“A comprehensive Map of FDA-Approved Pharmaceutical Products.”Pharmaceutics,2019 Dec;10(4):263(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような)薬剤(例えば、治療薬)である。
幾つかの実施形態では、ペイロードは、毒性薬剤(例えば、細胞毒性薬もしくは細胞分裂阻害剤またはその他の抗増殖剤)ではなく、例えば、ペイロードは、単にがん細胞を死滅させることにより作用するが、臨床的に意義のある程度の免疫原性細胞死を促進しない従来の化学療法薬ではない(例えば、Vacchelli et al.,“Trial watch:Chemotherapy with immunogenic cell death inducers”,Oncoimmunology,March 1,2013、Kepp et al.,“Consensus guidelines for the detection of immunogenic cell death” Oncoimmunology,December 13,2014、Bloy et al.,“Immunogenic stress and death of cancer cells:Contribution of antigenicity vs adjuvanticity to immunosurveillance” Immunology Reviews,November 2017、Michaud et al.,“Autophagy-dependent anticancer immune responses induced by chemotherapeutic agents in mice”,Science,December 16,2011、Galluzzi et al.,“Molecular mechanisms of cell death:recommendations of the Nomenclature Committee on Cell Death 2018”,Cell Death Differentiation,March 2018、Galluzzi et al.,“Immunogenic cell death in cancer and infectious disease”,Nature Reviews Immunology,October 2016、Galluzzi et al.,“Immunostimulation with chemotherapy in the era of immune checkpoint inhibitors”,Nature Reviews Clinical Oncology,August 5,2020(これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)参照のこと)。幾つかの実施形態では、このような化学療法薬が臨床的に意義のある程度の免疫原性細胞死を促進し得るかどうかは、例えば、免疫不全マウス対健常マウスで、同じ腫瘍モデルの処置後の化学療法薬の相対的な治療効果について評価することにより決定され得る。従来の化学療法薬の例は、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、及び/または有糸分裂阻害剤が含まれる、種々の抗がん剤のクラスのうちのいずれかの中で見出され得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の組成物は、なんらの従来の化学療法薬も実質的に含まない。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物の組成物は、細胞毒性薬または細胞分裂阻害剤(またはその他の抗増殖剤)を実質的に含まない。
幾つかの実施形態では、このようなペイロードは、生体材料調製物(例えば、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物)中に分散していてもよい。幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、ポリマー組み合わせ調製物及び/または1種以上のペイロードを含む組成物を提供し、ここで、ペイロード(複数可)のうちの少なくとも一部は、当該ポリマー組み合わせ調製物中に分散している。ペイロードの例としては、限定されるものではないが、核酸、ポリペプチド、ペプチド、低分子、脂質、糖類、金属、またはそれらの組み合わせもしくは複合体が挙げられる。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、疾患、障害、または状態の処置及び/または予防のための治療薬であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれる治療薬は、免疫調節、創傷治癒、がん治療、及び/または鎮痛のための薬剤であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれる治療薬は、がんの処置に有用であり得る。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、化学療法薬、例えば、幾つかの実施形態では、免疫原性細胞死を誘発する化学療法薬であるか、またはそれを含む。当業者によって理解されるように、本開示に従って使用するのに適した化学療法薬は、合成または天然の化合物;単一の分子または異なる分子の複合体であり得る。幾つかの実施形態では、免疫原性細胞死を誘発する好適な化学療法薬は、限定されるものではないが、低分子、ペプチド、糖類、ステロイド、抗体、融合タンパク質、核酸薬剤(例えば、限定されるものではないが、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、及び低分子干渉RNA)、ペプチド模倣体などが含まれる、種々の化合物のクラスのいずれかに属し得る。同様に、好適な化学療法薬は、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、及び/または有糸分裂阻害剤が含まれる、抗がん剤の種々のクラスのうちのいずれかの中で見出され得る。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、1種以上の核酸薬剤であるか、またはそれを含む。このような核酸薬剤は、酵素活性(例えば、リボザイム活性)、(例えば、アンチセンスRNA薬剤または干渉RNA薬剤などのような)遺伝子発現阻害活性、ポリペプチドをコードする機能、免疫調節活性、及び/またはその他の活性を有し得る。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得る核酸薬剤は、それ自体が免疫応答の1つ以上の側面を調節するように作用し得るか、または免疫応答の1つ以上の側面のモジュレーターをコードし得る。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、抗生物質であるか、またはそれを含む。抗生物質の例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:アファビシン(Debio 1450)、アミカシン、アモキシシリン、アンピシリン、アンプロリウム、アプラマイシン(EBL-1003)、ARV-1801(フシジン酸ナトリウム)、アジスロマイシン、バシトラシン、ベナペネム、BOS-228、ブリラシジン、BV100、セファクロル、セフジニル、セフェピム、セフィラバンシン(Cefilavancin)、セホタキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフトリアキソン、セフロキシム、CG-549、クロルテトラサイクリン、シラスタチン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブラン酸塩、クリンダマイシン、クロピドール、コンテゾリド(MRX-I)/コンテゾリドアセフォサミル(MRX-4)、CRS3123、ダルババンシン、デコキナート、デルパゾリド(LCB01-0371)、デメクロサイクリン、ジクラズリル、ジクロキサシリン、DNV3837/DNV3681、ドリペネム、ドキシサイクリン、デュロバクタム、EMROK/EMROK O、エンメタゾバクタム、エラバサイクリン、エルタペネム、エリスロマイシン、ETX0282CPDP/ETX1317、フェンベンダゾール、フィナフロキサシン、ゲンタマイシン、ゲポチダシン(GSK2140944)、ハリフジノン(Halifuginone)、ヒグロマイシンB、イベザポルスタット、イミペネム、KBP-7072、ライドロマイシン、ラサロシド、レボフロキサシン、リンコマイシン、ルバベグロン、メレンゲストロール、酢酸メレンゲストロール、メロペネム、MGB-BP-3、ミノサイクリン、モネンシン、モキシフロキサシン、MRX-8、ナクバクタム(OP0595)、ナフィスロマイシン(WCK 4873)、ネオマイシン、オマダサイクリン、OMNIvance(QPX7728)、オリタバンシン、オルメトプリム、オキサシリン、オキシテトラサイクリン、ペニシリンVカリウム、ピランテル、ラクトパミン、リジニラゾール、ロベニジン、サリノマイシン、センデュラマイシン、SPR206、SPR741、スルバクタム、スルファジメトキシン、スルファメタジン、スルファメトキサゾール、スルファキノキサリン、スルファサラジン、スルフイソキサゾール、スロペネム/スロペネムエトザドロキシル-プロベネシド、T-4288(ソリスロマイシン)、Taigexyn(ネモノキサシン)、タニボルバクタム、テビペネム/テビペネムピボキシル臭化水素酸塩、テラバンシン、テトラサイクリン、TNP-2092、トブラマイシン、TP-271、TP-6076、トリメトプリム、TXA709/TXA707、タイロシン、バンコマイシン、バージニアマイシン、VNRX-7145、XNW4107、Zevtera(セフトビプロール)、ジデバクタム、ジルパテロール、ゾアレン、ゾリフロダシン(ETX0914)、及びそれらの組み合わせ。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、抗体であるか、またはそれを含む。抗体の例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:アダリムマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ブリナツモマブ、ブレンツキシマブベドチン、ブロダルマブ、ブロルシズマブ、ブロスマブ、カナキヌマブ、セミプリマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ、ダラツムマブ、デノスマブ、ジヌツキシマブ、デュピルマブ、デュルバルマブ、エロツズマブ、エマパルマブ、エミシズマブ、エレヌマブ、エボロクマブ、フレマネズマブ、ガルカネズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、ゴリムマブ、グセルクマブ、イバリズマブ、イブリツモマブチウキセタン、イダルシズマブ、インフリキシマブ、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、イキセキズマブ、ラナデルマブ、メポリズマブ、モガムリズマブ、モキセツモマブ、ナタリズマブ、ネシツムマブ、ニボルマブ、オビルトキサキシマブ、オビヌツズマブ、オクレリズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ペルツズマブ、ポラツズマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラブリズマブ、レスリズマブ、リサンキズマブ、リツキシマブ、ロモソズマブ、サリルマブ、セクキヌマブ、シルツキシマブ、チルドラキズマブ、トシリズマブ、トラスツズマブ、トラスツズマブ、ウステキヌマブ、ベドリズマブ、及びそれらの組み合わせ(例えば、Lu et al.,Development of therapeutic antibodies for the treatment of diseases.Journal of Biomedical Science,2020を参照のこと)。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、鎮痛剤であるか、またはそれを含む。種々のタイプの鎮痛剤の例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:抗けいれん薬、抗うつ薬、抗不安薬、コルチコステロイド、COX-2阻害剤、線維筋痛治療薬、オピオイド拮抗性鎮痛薬、筋弛緩剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、オピオイド鎮痛薬、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得る鎮痛剤は、アセトアミノフェン、アセトアミノフェン・コデイン合剤、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アスピリン、バクロフェン、ブプレノルフィン、ブプロピオン、ブトルファノール、カルバマゼピン、カリソプロドール、セレコキシブ、クロルゾキサゾン、クロナゼパム、コルチゾン、シクロベンザプリン、ダントロレン、デシプラミン、デキサメタゾン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジフルニサル、デュロキセチン、エトドラク、フェノプロフェン、フェンタニル、フルオキセチン、フルルビプロフェン、ガバペンチン、ヒドロコドン、ヒドロコドン・イブプロフェン合剤、ヒドロコドン・アセトアミノフェン合剤、ヒドロモルフォン、イブプロフェン、イミプラミン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラク、ラモトリジン、ロラゼパム、メフェナム酸、メロキシカム、メペリジン、メタキサロン、メタドン、メトカルバモール、メチルプレドニゾロン、ミルナシプラン、モルヒネ、ナブメトン、ナルブフィン、ナプロキセン、オルフェナドリン、オキサプロジン、オキシコドン、オキシコドン・アセトアミノフェン合剤、オキシコドン・アスピリン合剤、オキシコドン・イブプロフェン合剤、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペンタゾシン/ナロキソン、ピロキシカム、プレドニゾロン、プレドニゾン、プレガバリン、プロポキシフェン・アセトアミノフェン合剤、プロポキシフェン・アスピリン合剤、ロフェコキシブ、スリンダク、タペンタドール、タペンタドールER、チアガビン、チザニジン、トルメチン、トピラマート、トラマドール、トラマドール塩酸塩、トラマドール・アセトアミノフェン合剤、トリアムシノロン、トリアゾラム、バルデコキシブ、ベンラファキシン、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、抗凝固剤であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得る抗凝固剤は、アピキサバン、ベトリキサバン、ダビガトラン、ダルテパリンナトリウム、ダレキサバン、エドキサバン、エリバキサバン、レタキサバン、リバロキサバン、ワルファリン、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、凝固剤であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得る凝固剤は、凝固因子VIIa(例えば、組換え凝固因子VIIa、例えば、NovoSevenまたはNovoSevenRT)、凝固因子IX(例えば、組換え凝固因子IX、例えば、Alprolix、Benefix、Ixinity、またはRixubis)、アルブミンに融合された凝固因子IX(例えば、アルブミンに融合された組換え凝固因子IX、例えば、Idelvion)、グリコペグ化凝固因子IX(例えば、グリコペグ化組換え凝固因子IX、例えば、Rebinyn)、凝固因子XIII Aサブユニット(例えば、組換え凝固因子XIII Aサブユニット、例えば、Tretten)、凝固因子X(例えば、組換え凝固因子X)、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、制吐剤であるか、またはそれを含む。種々のタイプの制吐剤の例としては、限定されるものではないが、以下が挙げられる:抗コリン作用薬、カンナビノイド、コルチコステロイド、ドーパミン受容体アンタゴニスト、H-1抗ヒスタミン薬、ニューロキニン-1阻害剤、セロトニン受容体アンタゴニスト、またはそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得る制吐剤は、アプレピタント、次サリチル酸ビスマス、シクリジン、デキサメタゾン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、ドキシラミン・ピリドキシン、ドロナビノール、ドロペリドール、グラニセトロン、ロラゼパム、メクリジン、メチルプレドニゾロン、メトクロプラミド、ナビロン、ネツピタント・パロノセトロン、オンダンセトロン、オルトリン酸、パロノセトロン、プロクロルペラジン、マレイン酸プロクロルペラジン、プロメタジン、ピリドキシン、ロラピタント、スコポラミン、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。
ある特定の実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、創傷治癒を促進する薬剤であるか、またはそれを含む。幾つかのかかる実施形態では、創傷治癒を促進する薬剤は、アセスルファムK、アセトアミドMEA(モノエタノールアミン)、酢酸、活性炭、アフリカパーム油、アルコール、アラントイン、アーモンドミール、アロエベラ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸水酸化アルミニウムマグネシウム、酸化アルミニウム、アルミニウム粉、硫酸アルミニウム 、リン酸アンモニウム、Angelica属の種.コムギ抽出物、アラキジルアルコール、パルミチン酸アスコルビル(ビタミンCエステル)、テトライソパルミチン酸アスコルビル(ビタミンCエステル)、アボカド油、バシトラシン、蜜蝋、ベヘニルアルコール(ドコサノール、Abreva)、塩化ベンザルコニウム、ベンゾカイン、安息香酸、ベンジルアルコール、ベタイン(種々の形態)、ビサボロール(カモミール油)、次没食子酸ビスマス、三臭化石炭酸ビスマス、ボルネオール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチレングリコール、Butyrospermum parkii、カデキソマー・ヨウ素、カラミン、カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム、硫酸カルシウム、Camellia sinensis、カンデリラ蝋、カプリロイルグリシン、カルバクロール、Centella asiatica、セラミド、セテアレス-10リン酸、セテアリルアルコール(セトステアリルアルコール)、セテス-20、セチルアルコール、セチルジメチコンコポリオール、パルミチン酸セチル、クロルヘキシジン、二酸化塩素、クロロフィリン銅錯体ナトリウム、コレステロール、塩化クロム、クエン酸、Citris grandis抽出物、塩化コバルト、ココアンホジアセテート、コロイド状シリカ、共役リノール酸、銅、塩化銅(塩化第二銅)、クリスタルバイオレット、クプアスバター、シクロデキストリン、シクロメチコン、セチルリン酸DEA、デカン酸(カプリン酸)、デヒドロ酢酸、塩化ジアルキルカルバモイル、ジアゾリジニル尿素、リン酸ジセチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジメチコン、ジポリヒドロキシステアレート、溶存酸素、DMDMヒダントイン、EDTA、エタノール、エトキシジグリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、パルミチン酸エチルヘキシル、ユーカリ油、オイゲノール、甘草抽出物(脱グリチルリチン酸)、塩化第二鉄六水和物、酸化第二鉄、果実抽出物、ヒュームドシリカ、ゲンチアナバイオレット、ガーマベンII(Germaben II)、グリセリン(グリセロール)、モノラウリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリル、グリチルレチン酸(甘草抽出物)、グアーガム(Cyaiuopsis letragonolobus)、乳香、ヘクトライト粘土、ラウリン酸ヘキシル、塩酸、ヒドロコルチゾン、過酸化水素、硬化ヒマシ油、水素添加レシチン、ヒドロキノン、加水ラノリン、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA(セラミド)、ヒドロキシプロピルグアーガム、次亜塩素酸、ヨウ素、ヨードホルム、鉄(種々の形態)、硫酸鉄、イソヘキサデカン、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ソルビン酸イソプロピル、カオリン、カラヤゴム、ケラチン、コンニャク粉、乳酸、ラベンダー、レシチン、レモン、L-グルタミン酸、リドカイン、軽油、Liquid Germall Plus(プロピレングリコール、ジアゾリジニル尿素、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル)、ブタ血漿凍結乾燥製剤、ケイ酸アルミウニムマグネシウム、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、リンゴ酸、マルトデキストリン、塩化マンガン、酸化マンガン、マンニトール、シモツケソウ抽出物、メントール、サリチル酸メチル、メチルトリエトキシシラン(MTES)、メチラール、メチレンブルー、鉱油、塩化モリブデン、ミリスチン酸ミリスチル、Myrtillus抽出物、樫皮エキス、オート麦グルカン、o-シメン-5-オール(Biosol)、オリーブ油、オゾン、パームグリセリド、パルミタミドMEA、パルミチン酸、FCCグレードのパンテノール(ビタミンBの一形態)、パラベン(種々の形態)、パラフィン、ペンタリン-H(ロジンのペンタエリスリトールエステル)、ペンチレングリコール、ペトロラタム、フェノキシエタノール、リン酸、五酸化リン、ピロクトンオラミン、ポリアミノプロピルビグアニド(PAPB)、Polygonum cuspidatum、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB、ポリヘキサニド)、硫酸ポリミキシンB、ポリリシノレアート、ポリビニルピロリドン・ヨウ素、鉄酸カリウム、ヨウ化カリウム、酸素酸鉄カリウム塩、ソルビン酸カリウム、ポビドンヨード、USPグレードのポビドン(Plasdone K-29/32)、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、ピログルタミン酸、クオタニウム-15、RADA-16ペプチド、塩化ルビジウム、サッカリン、サリチル酸、ビャクダン油、サルコシン、シアバター、銀(種々の形態)、スルファジアジン銀、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、乳酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜セレン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、Solanum lycopersicum(トマト)抽出物、ソルビン酸、セスキオレイン酸ソルビタン(Arlacel C)、ソルビトール、大豆タンパク質、スクアラン、ステアレス-10、ステアリン酸、Styrax属、スクラルファート(オクタ硫酸スクロース、アルミニウム塩酸塩)、スクロース、ラウリン酸スクロース、二酸化硫黄、タラガム、酒石酸、ティーツリー油、テルメステイン、Theobroma grandiflorumの種子油、トロンビン、チモール、二酸化チタン、酸化チタン、Tonalin FFA 80、trans-シンナムアルデヒド、トリエタノールアミン(TEA)、トリグリセロール(ポリグリセロール-3)、三ヨウ素樹脂、トロラミン、USPグレードのトロメタミン、Vaccinium属(ブルーベリー)、植物油、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、Vitis vinifera(ブドウ)、白色ワセリン、ウインターグリーン香料、木材パルプコア、キサンタンガム、キシリトール、亜鉛(種々の形態)、酸化ジルコニウム、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、光線力学療法(PDT)に使用される光増感剤であるか、またはそれを含む。PDTでは、患者への光増感剤の局所投与または全身投与に続いて、処置される組織または器官の光増感剤により吸収される光線が照射される。光増感剤による光吸収により、細胞に有害である反応種(例えば、ラジカル)を生成される。最大限の有効性のために、光増感剤は、投与に好適な形態であるだけでなく、好ましくは、正常組織と比較してある程度の選択性を伴って、標的部位で細胞内移行を容易に受け得る形態でなければならない。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、放射線増感剤であるか、またはそれを含む。放射線増感剤は、通常、標的細胞を放射線治療に対してより感受性にする分子、化合物、または薬剤である。放射線増感剤を含む生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)の放射線治療を受ける患者への投与は、放射線増感剤の機能を標的細胞に集中させ得、これにより、放射線治療の効果を増強する。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、放射性同位体であるか、またはそれを含む。好適な放射性同位体の例としては、標的部位に局在する場合に、例えば、限定されるものではないが、が含まれる、細胞破壊をもたらす任意のα放出体、β放出体、またはγ放出体が挙げられる。かかる放射性同位体の例としては、限定されるものではないが、ヨウ素-131、ヨウ素-125、ビスマス-212、ビスマス-213、アスタチン-211、レニウム-186、レニウム-188、リン-32、イットリウム-90、サマリウム-153、及びルテチウム-177が挙げられる。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、例えば、指向性酵素プロドラッグ療法アプローチのためのプロドラッグ活性化酵素であるか、またはそれを含む。例えば、幾つかの実施形態では、プロドラッグ活性化酵素を含む生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)及びプロドラッグは、対象に投与され得、ここで、標的部位の生体内原位置で当該生体材料調製物が形成され、その中に含まれる当該プロドラッグ活性化酵素が当該標的部位/当該標的部位の周囲に送達されたプロドラッグを活性薬物に変換する。プロドラッグは、1ステップでまたは2つ以上のステップで(プロドラッグ活性化酵素により)活性薬物に変換され得る。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、抗血管新生剤であるか、またはそれを含む。本開示に従って使用するのに適した抗血管新生剤としては、血管新生のプロセスまたは新たな血管が既存の血管から発生することにより形成されるプロセスを阻害するか、抑制するか、遅延させるか、または低減する、任意の分子、化合物、または因子が挙げられ得る。このような分子、化合物、または因子は、(1)起源となる血管の膜の溶解のステップ、(2)内皮細胞の遊走及び増殖のステップ、ならびに(3)遊走細胞による新規な血管の管状構造の形成のステップが含まれる、血管新生に関与するステップのいずれかを阻害するか、抑制するか、遅延させるか、または低減することにより血管新生を阻害し得る。抗血管新生剤の例としては、限定されるものではないが、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、セレコキシブ(Celebrex(登録商標))、エンドスタチン、抗VEGF抗体、インターフェロン-α、スクアラミン、シスプラチン、コンブレタスタチンA-4、及びNeovastatが挙げられる。
幾つかの実施形態では、生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれ得るペイロードは、免疫調節剤ペイロードであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、単独療法として生体材料調製物(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物)に含まれる。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、炎症のモジュレーターであるか、またはそれを含む。当業者によって理解されるように、炎症は、生物学的文脈に応じて免疫賦活性または免疫抑制性であり得る。従って、幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫刺激性の炎症のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫抑制性の炎症のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、自然免疫及び/または適応免疫のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかのかかる実施形態では、自然免疫及び/または適応免疫のモジュレーターは、自然免疫及び/または適応免疫のアゴニストであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、顆粒球のモジュレーターであるか、またはそれを含む。顆粒球は、細胞質内の顆粒の存在を特徴とする自然免疫系における白血球のカテゴリーである。顆粒球は、通常、3つのセグメントに分葉している核の様々な形状のため多形核白血球または多形核好中球(PMN、PML、またはPMNL)と称され得る。このことにより、単核無顆粒球とは区別される。顆粒球の例としては、限定されるものではないが、好中球、好酸球、好塩基球、及び/またはマスト細胞が挙げられる。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、無顆粒球のモジュレーターであるか、またはそれを含む。当業者によって理解されるように、非顆粒球(nongranulocyte)または単核白血球としても公知の無顆粒球は、細胞質に顆粒を欠くことを特徴とし、このことにより、顆粒球とは区別される。無顆粒球の例としては、限定されるものではないが、リンパ球、単球、及び/またはマクロファージが挙げられる。当業者によって理解されるように、リンパ球としては、通常、限定されるものではないが、B細胞、T細胞、ナチュラルキラーT細胞、及び/またはナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、骨髄性細胞及び/またはリンパ系細胞のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、及び/または単球のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、造血幹細胞、骨髄球系共通前駆細胞、巨核球、血小板、赤血球、マスト細胞、骨髄芽球、好塩基球、好中球、好酸球、単球、マクロファージ、樹状細胞、リンパ球系共通前駆細胞、ナチュラルキラー細胞、Tリンパ球、Bリンパ球、及び/または形質細胞のモジュレーターであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、国際特許公開第WO2018/045058号(例えば、限定されるものではないが、自然免疫応答の活性化因子、適応免疫応答の活性化因子、免疫調節性サイトカイン、マクロファージエフェクター機能のモジュレーターなどの例が挙げられる)及び同WO2019/183216号(例えば、限定されるものではないが、例えば、p38-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路などにより媒介される、免疫抑制性の炎症の阻害剤が挙げられる)に記載されるような免疫調節剤であるか、またはそれを含み、これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、自然免疫応答の活性化因子であるか、またはそれを含み、例えば、幾つかの実施形態では、自然免疫応答の活性化因子は、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、Toll様受容体(TLR)アゴニスト、及び/または国際特許公開第WO2018/045058号(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような自然免疫応答の活性化因子であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫抑制性の炎症の阻害剤であるか、またはそれを含み、例えば、幾つかの実施形態では、免疫抑制性の炎症の阻害剤は、COX2阻害剤または国際特許公開第WO2019/183216号(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるようなp38-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPS)経路により媒介される免疫抑制性の炎症の阻害剤であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、Toll様受容体7及び8(TLR7/8)アゴニスト(例えば、国際特許公開第WO2018/045058号に記載されるもの)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、例示的なTLR7/8アゴニストは、レジキモド(R848)またはそのバリアントであるか、またはそれを含む。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、COX1及び/またはCOX2により媒介されるシグナル伝達経路の阻害剤であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、COX1及び/またはCOX2により媒介されるシグナル伝達経路の例示的な阻害剤は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、国際特許公開第WO2019/183216号に記載されるもの)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、NSAIDは、ケトロラク(例えば、ケトロラクトロメタミンが含まれる)であるか、またはそれを含む。ケトロラクは、従来から短期間の疼痛管理に使用されており、従って、通常、毒性のために5日よりも長期間処方されない。ケトロラクの全身曝露は、腎毒性及び心毒性ならびに消化管における出血を引き起こし得る。幾つかの実施形態では、本開示は、ケトロラクの局所的保持が望ましい場合があることを理解する。例えば、幾つかの実施形態では、本開示に使用されるケトロラクは、免疫系が調節される(例えば、腫瘍切除手術により誘発される免疫抑制性の炎症が阻害または低減される)ように、少なくとも2日間以上、例えば、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、少なくとも7日間、少なくとも8日間、少なくとも9日間、少なくとも10日間、またはより長期間にわたり(例えば、本明細書に記載される)ポリマー組み合わせ調製物から放出される。ケトロラクは、ラセミ混合物として、または個々のエナンチオマー、例えば、S-エナンチオマーとして投与され得る。幾つかの実施形態では、NSAIDは、ロルノキシカムを含む。幾つかの実施形態では、NSAIDは、メクロフェナム酸ナトリウムを含む。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、レゾルビン(例えば、国際特許公開第WO2019/183216号に記載されるもの)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、例示的なレゾルビンは、RvD2であるか、またはそれを含む。RvD2は、過剰な炎症を防止し得、及び/または急性炎症を消散し得る協調的な収束プログラムに関与する特異的炎症収束性メディエーター(SPM)として作用するレゾルビンである。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、アデノシンに関連する経路(例えば、アデノシン代謝及び/または認識経路)のモジュレーターであるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、アデノシンに関連する経路の阻害剤は、A2A及び/またはA2B受容体の阻害剤であり得る。ある特定の実施形態では、A2A及び/またはA2Bの阻害剤は、エトルマデナント(AB928としても公知)であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害剤であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、BTKの阻害剤は、ザヌブルチニブ(BrukinsaまたはBGB-3111としても公知)であり得るか、またはそれを含み得る。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、CXCR4/CXCL12により媒介されるシグナル伝達の阻害剤であるか、またはそれを含む。ある特定の実施形態では、CXCR4/CXCL12により媒介されるシグナル伝達の阻害剤は、限定されるものではないが、プレリキサホルであり得る。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、(例えば、国際特許公開第WO2018/045058号に記載されるような)NOD1及び/またはNOD2アゴニストであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、例示的なNOD1及び/またはNOD2アゴニストは、L-Ala-γ-D-Glu-mDAP(TriDAP)であり得るか、またはそれを含む。Tri-DAPは、通常、グラム陰性細菌及びある特定のグラム陽性細菌のペプチドグリカン(PGN)に存在する。幾つかの実施形態では、Tri-DAPは、細胞内センサーであるNOD1により認識され、これは、NF-κB活性化及び/または炎症性サイトカインの産生を引き起こすシグナル伝達カスケードを誘発する。幾つかの実施形態では、例示的なNOD1及び/またはNOD2アゴニストは、MurNAc-L-Ala-γ-D-Glu-mDAP(M-TriDAP)であり得るか、またはそれを含む。TriDAPと同様に、M-TriDAPは、主にグラム陰性細菌において見出されるペプチドグリカン(PGN)分解生成物である。M-TriDAPは、通常、細胞内センサーであるNOD1(CARD4)により、及びより小さい程度でNOD2(CARD15)により認識される。NOD1/NOD2によるM-TriDAPの認識は、IKKと相互作用し、これにより、NF-κBの活性化及び/または炎症性サイトカイン、例えば、TNF-α及びIL-6の産生を引き起こすセリン/トレオニンRIP2(RICK、CARDIAK)キナーゼを含むシグナル伝達カスケードを誘発する。幾つかの実施形態では、M-TriDAPは、Tri-DAPと同程度のレベルでNF-κBの活性化を誘発する。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、免疫細胞のエフェクター機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、単球のエフェクター機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、マクロファージのエフェクター機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、骨髄由来抑制性細胞(MDSC)のエフェクター機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、好中球の機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、ナチュラルキラー細胞のエフェクター機能、生存、及び/または動員のモジュレーターであるか、またはそれを含む。免疫細胞のエフェクター機能、生存、及び/または動員のかかるモジュレーターの例としては、限定されるものではないが、アデノシンA2A受容体(A2AR)阻害剤、ケモカイン(例えば、CCL1、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL17、CCL19、CCL21、CCL22、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL13、CXCL16、及び/またはCX3CL1など)、アンジオポエチン2(ANG2)阻害剤、アルギナーゼ-1(ARG1)阻害剤、コロニー刺激因子1(CSF1)阻害剤、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)阻害剤、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)阻害剤、エクトヌクレオチド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ(ENTPD1、別名CD39)阻害剤、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー5(CD40)アゴニスト、OX40アゴニスト、4-1BBアゴニスト、CD160アゴニスト、DNAMアゴニスト、NKG2Dアゴニスト、NKG2A阻害剤、TIGIT阻害剤、LILRB1阻害剤、LILRB2阻害剤、白血球表面抗原CD47(CD47)阻害剤、シグナル調節タンパク質α(SIRP)阻害剤、5’-ヌクレオチダーゼ(NT5E、別名CD73)阻害剤、プロスタグランジンエンドペルオキシド合成酵素2(PTGS2、別名シクロオキシゲナーゼ-2(COX-2))阻害剤、プロスタグランジンE2(PGE2)阻害剤、PGE2受容体2(EP2)阻害剤、PGE2受容体4(EP4)阻害剤、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)阻害剤、線維芽細胞成長因子1(FGF)阻害剤、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、クラスII HDAC(例えば、HDAC4、HDAC5、HDAC6、HDAC7、HDAC9、及びHDAC10)阻害剤、Ig様転写物2(ILT2)阻害剤、S100A8/A9阻害剤、RAGE阻害剤、インターロイキン-8(IL-8、別名CXCL8)阻害剤、C-X-Cケモカイン受容体1型(CXCR-1)阻害剤、C-X-Cケモカイン受容体2型(CXCR-2)阻害剤、インターロイキン-10(IL-10)阻害剤、インターロイキン-2(及びそのバリアント)、インターロイキン-12サブユニットα(IL-12a、別名IL-12)(及びそのバリアント)、インターロイキン-15(及びそのバリアント)、インターロイキン-18(及びそのバリアント)、ロイコトリエンB(LTB)阻害剤、レゾルビンファミリー(例えば、RvD1、RvD2、RvD3、RvD4、RvD5、RvD6、17R-RvD1、17R-RvD2、17R-RvD3、17R-RvD4、17R-RvD5、17R-RvD6、RvEl、18S-RvE1、RvE2、RvE3、RvTl、RvT2、RvT3、RvT4、RvDl-3、RvD2-3、及び/またはRvD5-3)特異的炎症収束性メディエーター(SPM)、リポキシンファミリー(例えば、LxA4、LxB4、15-epi-LxA4、及び/または15-epi-LxB4)SPM、プロテクチン/神経保護(例えば、DHA由来のプロテクチン/ニューロプロテクチン及び/またはn-3 DPA由来のプロテクチン/ニューロプロテクチン)SPM、マレシン(例えば、DHA由来のマレシン及び/またはn-3DPA由来のマレシン)SPM、ホスホイノシチド3キナーゼγ(PI3Kγ)阻害剤、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)阻害剤、トランスフォーミング増殖因子β受容体(TGF-βRファミリー、例えば、ALK1、ALK2、ALK3、ALK4、TGF-βR1、ALK6、ALK7、TGF-βR2、TGF-βR3、BMPR2、ACVR2A、ACVR2B、及び/またはAMHR2))、血管内皮増殖因子ファミリー(VEGF、例えば、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、及び/またはVEGF-D)阻害剤、血管内皮増殖因子受容体ファミリー(VEGFR、例えば、VEGFR-1、VEGFR-2、及び/またはVEGFR-3)阻害剤、JAK/STAT阻害剤、及び/またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。
当業者は、ヒト免疫系は複雑であり、特定の薬剤の免疫調節剤の1つのカテゴリーとして(例えば、自然免疫のアゴニストか適応免疫のアゴニストかとして、及び/または顆粒球、骨髄性細胞、及び/またはリンパ系細胞などのマクロファージエフェクター機能のモジュレーターとして)の厳密な分類は、必ずしも有用でないか、必要でないか、または場合により、可能でさえないことを理解するであろう。当業者は、本明細書の記載に基づいて、文脈における本明細書に記載される実施形態において有用な関連する薬剤の境界及び範囲(metes and bounds)を理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態では、1つの文脈において適応免疫応答の活性化因子として有用であり得るある特定の免疫調節剤は、例えば、マクロファージ、単球、骨髄由来抑制性細胞、及び/またはナチュラルキラー細胞が含まれる、1つ以上の免疫細胞種の生存、動員、及び/またはエフェクター機能を調節するのにも有効であり得る。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、ポリマー組み合わせ調製物から放出され、免疫細胞に取り込まれる。幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードを取り込む免疫細胞は、以下の生物活性のうちの少なくとも1つを示す:免疫調節剤ペイロードに応答した免疫調節性ポリペプチドを発現すること、免疫調節剤ペイロードにより誘発される自然免疫刺激に応答した1型インターフェロンの発現の増加を示すこと、及び/または免疫調節性ポリペプチドのレベル及び/または活性の変化を示すこと。
幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロードは、ポリヌクレオチド薬剤である。幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチド薬剤は、ポリペプチドに翻訳されない非コードポリヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、非コードポリヌクレオチドは、dsRNA、siRNA、miRNA、shRNA、またはRNA干渉反応を誘導する別のRNAである。幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチドは、遺伝子編集をもたらすのに好適なガイドRNAである。幾つかの実施形態では、ポリヌクレオチド薬剤は、ポリペプチドに翻訳され得るコードポリヌクレオチドである。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物に含まれる生体材料調製物は、ポリヌクレオチド薬剤が当該生体材料調製物から放出され、局所細胞に取り込まれ、その結果、局所の免疫細胞の少なくともサブセットがポリヌクレオチド薬剤によりコードされる免疫調節性ポリペプチドを発現することを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、ポリヌクレオチド薬剤により誘発される自然免疫刺激に応答して局所の免疫細胞の少なくともサブセットにおける1型インターフェロンの発現が増加することを特徴とする。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、ポリヌクレオチド薬剤に応答して局所の免疫細胞の少なくともサブセットにおける免疫調節性ポリペプチドのレベル及び/または活性が変化することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、標的細胞は、骨髄性細胞及び/または形質細胞様樹状細胞を含み得る。幾つかの実施形態では、標的細胞は、非免疫細胞、例えば、線維芽細胞及び/または内皮細胞を含み得る。
D.溶媒系
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、好適な溶媒系中に調製されるか、または好適な溶媒系中に存在する。例えば、幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、4.5~8.5の範囲のpHを有する。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、7~9のpHを有する好適な溶媒系中に調製されるか、または7~9のpHを有する好適な溶媒系中に存在する。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、7~7.5のpH(例えば、pH7.4)を有する好適な溶媒系中に調製されるか、または7~7.5のpH(例えば、pH7.4)を有する好適な溶媒系中に存在する。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、7.5~8.5のpHを有する好適な溶媒系中に調製されるか、または7.5~8.5のpHを有する好適な溶媒系中に存在する。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、8のpHを有する好適な溶媒系中に調製されるか、または8のpHを有する好適な溶媒系中に存在する。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはこのようなポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、水中に調製されるか、または水中に存在する。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはこのようなポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、水性緩衝系中に調製されるか、または水性緩衝系中に存在する。幾つかの実施形態では、かかる水性緩衝系は、1種以上の塩(例えば、限定されるものではないが、リン酸ナトリウム及び/または炭酸水素ナトリウム)を含み得る。幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、10mMのリン酸塩緩衝液より高い緩衝能を有する水性緩衝系である。幾つかの実施形態では、このような溶媒系は、20mMのリン酸塩緩衝液より高い緩衝能を有する水性緩衝系である。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはこのようなポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、リン酸塩緩衝液、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に調製されるか、またはリン酸塩緩衝液、例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)中に存在する。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物、またはこのようなポリマー組み合わせ調製物の個々の成分は、重炭酸塩緩衝液中に調製されるか、または重炭酸塩緩衝液中に存在する。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、1mM~500mMまたは5mM~250mMまたは10mM~150mMまたは1mM~50mMまたは5mM~50mMまたは5mM~100mMまたは50mM~100mMの濃度範囲を有する水性緩衝系中に調製されるか、または当該水性緩衝系中に存在する。ある特定の実施形態では、好適な水性緩衝液(例えば、リン酸塩緩衝液)は、10mM~50mMの濃度で調製される。ある特定の実施形態では、好適な水性緩衝液(例えば、リン酸塩緩衝液)は、10mM~30mMの濃度で調製される。ある特定の実施形態では、好適な水性緩衝液(例えば、重炭酸塩緩衝液)は、100mM~200mMの濃度で調製される。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物またはその個々の成分は、10mM~50mMまたは10mMまたは30mMの濃度のリン酸ナトリウム緩衝液中に調製されるか、またはリン酸ナトリウム緩衝液中に存在する。幾つかの実施形態では、水性緩衝系は、0.9%の生理食塩水を含み得る。
E.任意の添加剤
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、1種以上の添加剤を含み得る。幾つかの実施形態では、このような添加剤は、増粘剤であり得るか、またはそれを含み得る。当業者によって理解されるように、このような増粘剤は、成分の懸濁、または組み合わせの安定性を増加させる乳化を改善し得る。幾つかの実施形態では、このような増粘剤は、ポリマー組み合わせ調製物中の個々のポリマー成分の相分離を防止するか、低減するか、または遅延させるのに有用であり得る。増粘剤の例としては、限定されるものではないが、セルロース誘導体、デンプン、ペクチン、キサンタン、及び/またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
II.提供されるポリマー組み合わせ調製物またはそれを含む組成物のある特定の特性及び/または特徴
提供されるポリマー組み合わせ調製物またはそれを含む組成物は、本明細書に記載されるある特定の特性及び/または特徴のうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ以上)によって特徴付けられ得る。本開示を読む当業者は、提供されるポリマー組み合わせ調製物またはそれを含む組成物が特定の用途に好適な材料特性及び/または特徴を提供するように構成され得ることを理解するであろう。例えば、幾つかの実施形態では、特定の用途に好適な材料特性及び/または特徴は、例えば、腫瘍を囲む組織の特性、投与経路、投与部位、及び/または方法が実施される免疫調節の所望される期間に基づいて決定され得る。
A.免疫調節特性
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、非免疫調節性であり得る。幾つかのかかる実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/またはそれを含む組成物は、得られる組成物または調製物が免疫調節性となるように(例えば、本明細書に記載されるような)免疫調節剤ペイロードを含み得る。
幾つかの実施形態では、ポロキサマーを含む提供されるポリマー組み合わせ調製物は、得られるポリマー組み合わせ調製物それ自体が免疫調節剤ペイロードの非存在下で免疫調節性となり得るように第2のポリマー成分または追加のポリマー成分を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、このような得られるポリマー組み合わせ調製物それ自体が自然免疫アゴニズムを誘発するのに有用であり得る。幾つかの実施形態では、このような得られるポリマー組み合わせ調製物それ自体が、幾つかの実施形態では、免疫抑制性の炎症であり得るか、またはそれを含み得る炎症を消退または低減するのに有用であり得る。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、免疫調節剤ペイロードを実質的に含まないだけでなく、本開示のこのようなポリマー組み合わせ調製物を含む組成物または調製物は、例えば、自然免疫の免疫調節剤ペイロード、適応免疫調節ペイロード、免疫調節性サイトカイン、免疫調節化学療法薬、免疫調節治療薬、及び/またはそれらの組み合わせが含まれる、少なくとも1つ以上(例えば、少なくとも2つ以上、少なくとも3つ以上)の種類の免疫調節剤ペイロードの含有を必ずしも必要としなくてもよい。幾つかの実施形態では、本開示の免疫調節組成物は、免疫調節剤ペイロードの非存在下の提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、(例えば、本明細書に記載されるように)少なくとも1つ以上の自然免疫応答が誘発されるように、例えば、樹状細胞、マクロファージ、単球、好中球、及び/またはナチュラルキラー(NK)細胞などの、自然免疫系の1つ以上の種類の細胞の1種以上のパターン認識受容体を間接的または直接的に活性化し得る。このようなパターン認識受容体の例は、C型レクチン受容体(CLR)、ヌクレオチド結合オリゴマー化ドメイン様受容体(NOD様受容体またはNLR)、レチノイン酸誘導性遺伝子I様受容体(RLR)、及び/またはToll様受容体(TLR)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、マンノース受容体及び/またはアシアロ糖タンパク質受容体ファミリー(例えば、デクチン1、デクチン2、マクロファージ誘導性C型レクチン(ミンクル)、樹状細胞特異的ICAM3結合ノンインテグリン(DC-SIGN)、及びDC NKレクチン群受容体1(DNGR-1))が挙げられる、自然免疫系の多数の異なる細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージなど)の少なくとも1種以上のC型レクチン受容体(CLR)を直接または間接的に活性化し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、NLRA(例えば、CIITA)、NLRB(例えば、NAIP)、NLRC(例えば、NOD1、NOD2、NLRC3、NLRC4、NLRC5、NLRX1)、及び/またはNLRP(例えば、NLRP1、NLRP2、NLRP3、NLRP4、NLRP5、NLRP6、NLRP7、NLRP8、NLRP9、NLRP10、NLRP11、NLRP12、NLRP13、NLRP14)が挙げられる、異なる種類の白血球(例えば、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞)の少なくとも1種以上のNOD様受容体(NLR)を直接または間接的に活性化し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、RIG-I、MDA5、及び/またはLGP2が挙げられる、例えば、骨髄性細胞の少なくとも1種以上のRIG-I様受容体(RLR)を直接または間接的に活性化し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、及び/またはTLR10が挙げられる、異なる種類の白血球(例えば、樹状細胞、骨髄性樹状細胞、単球、マクロファージ、及び/または好中球)の少なくとも1種以上のToll様受容体(TLR)を直接または間接的に活性化し得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、(例えば、本明細書に記載されるように)少なくとも1つ以上の自然免疫応答(及び/または自然免疫応答の1つ以上の特徴)が誘発されるように、例えば、骨髄性細胞におけるインフラマソームを間接的または直接的に活性化または誘発し得る(例えば、そのレベル及び/または活性を増加させ得る)。幾つかの実施形態では、インフラマソームは、通常、1つ以上の炎症反応を活性化する、例えば、1種以上の炎症性サイトカイン、例えば、インターロイキン1β及び/またはインターロイキン18の成熟及び/または分泌を促進する多タンパク質複合体である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、Absent in Melanoma 2(AIM2)様受容体を含むインフラマソーム(「AIM2インフラマソーム」)を間接的または直接的に活性化または誘発し得る(例えば、そのレベル及び/または活性を増加させ得る)。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、NLRP1(例えば、NALP1b)、NLRP3(例えば、NALP3)、及び/またはNLRC4(例えば、IPAF)が含まれる、1種以上のNLRを含むインフラマソームを間接的または直接的に活性化または誘発し得る(例えば、そのレベル及び/または活性を増加させ得る)。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、自然免疫が誘発されるように、cGAS-STING経路に関与する1つ以上の構成要素(例えば、Chen et al.,“Regulation and function of the cGAS-STING pathway of cytosolic DNA sensing” Nature Immunology(2016)17:1142-1149(これは本明細書に記載される目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるようなcGAS-STING経路及び/またはその構成要素)を直接または間接的に活性化し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、NFκB及び/またはNFκB経路に関連する他の構成要素の活性及び/またはレベル(例えば、Dev et al.,“NF-κB and innate immunity” Curr.Top.Microbiol.Immunol.(2011)349:115-43(これは本明細書に記載される目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるような自然免疫応答の間のNFκB活性化)を直接または間接的に誘発し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、例えば、自然免疫応答の間、活性酸素種の生成を直接または間接的に引き起こし得る。
本開示を読むことにより、当業者に明らかであるように、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、自然免疫の活性化に関連する構成要素及び/または経路(例えば、本明細書に記載されるもの)のうちの1つ以上を直接または間接的に活性化し得る。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または提供されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物もしくは調製物は、自然免疫系の細胞のうちの1つ以上の種類の1種以上のパターン認識受容体(例えば、本明細書に記載されるもの)を直接または間接的に活性化し得、例えば、骨髄性細胞における、インフラマソームの活性化または誘発もし得る(例えば、そのレベル及び/または活性も増加させ得る)。
B.粘性
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、25,000mPa・s以下またはそれ以下(例えば、24,000mPa・s以下、23,000mPa・s以下、22,000mPa・s以下、21,000mPa・s以下、20,000mPa・s以下、19,000mPa・s以下、18,000mPa・s以下、17,000mPa・s以下、16,000mPa・s以下、15,000mPa・s以下、14,000mPa・s以下、13,000mPa・s以下、12,000mPa・s以下、11,000mPa・s以下、10,000mPa・s以下、9,000mPa・s以下、8,000mPa・s以下、7,000mPa・s以下、6,000mPa・s以下、5,000mPa・s以下、4,000mPa・s以下、3,500mPa・s以下、3,000mPa・s以下、2,500mPa・s以下、2,000mPa・s以下、1,500mPa・s以下、1,000mPa・s以下、500mPa・s以下、250mPa・s以下、200mPa・s以下、150mPa・s以下、100mPa・s以下、75mPa・s以下、50mPa・s以下、25mPa・s以下、20mPa・s以下、15mPa・s以下、10mPa・s以下、またはそれ以下が含まれる)の粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、少なくとも5mPa・sまたはそれ以上(例えば、少なくとも10mPa・s、少なくとも20mPa・s、少なくとも30mPa・s、少なくとも40mPa・s、少なくとも50mPa・s、少なくとも60mPa・s、少なくとも70mPa・s、少なくとも80mPa・s、少なくとも90mPa・s、少なくとも100mPa・s、少なくとも125mPa・s、少なくとも150mPa・s、少なくとも175mPa・s、少なくとも250mPa・s、少なくとも500mPa・s、少なくとも1,000mPa・s、少なくとも1,500mPa・s、少なくとも2,000mPa・s、少なくとも2,500mPa・s、少なくとも3,000mPa・s、少なくとも4,000mPa・s、少なくとも5,000mPa・s、少なくとも6,000mPa・s、少なくとも7,000mPa・s、少なくとも8,000mPa・s、少なくとも9,000mPa・s、少なくとも10,000mPa・s、少なくとも11,000mPa・s、少なくとも12,000mPa・s、少なくとも13,000mPa・s、少なくとも14,000mPa・s、少なくとも15,000mPa・s、少なくとも16,000mPa・s、少なくとも17,000mPa・s、少なくとも18,000mPa・s、少なくとも19,000mPa・s、少なくとも20,000mPa・s、少なくとも21,000mPa・s、少なくとも22,000mPa・s、少なくとも23,000mPa・s、少なくとも24,000mPa・s、またはそれ以上が含まれる)の粘性を特徴とし得る。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、5mPa・s~10,000mPa・sまたは10mPa・s~5,000mPa・sまたは5mPa・s~200mPa・sまたは20mPa・s~100mPa・sまたは5mPa・s~20mPa・sまたは3mPa・s~15mPa・sの粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、蜂蜜と同程度の粘性を有する(例えば、蜂蜜と同程度のmPa・s及び/またはセンチポアズ、例えば、約2,000~10,000mPa・sを有する)粘性溶液であり得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、天然のシロップ(例えば、樹液由来のシロップ、糖蜜由来のシロップなど)と同程度の粘性を有する(例えば、天然のシロップと同程度のmPa・s及び/またはセンチポアズ、例えば、約15,000~20,000mPa・sを有する)粘性溶液であり得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、ケチャップと同程度の粘性を有する(例えば、ケチャップ、例えば、トマトケチャップと同程度のmPa・s及び/またはセンチポアズ、例えば、約5,000~20,000mPa・sを有する)粘性溶液であり得る。本開示を読む当業者は、場合によっては、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の粘性は、例えば、投与経路(例えば、注射か移植か)、注射量及び/または注射時間、及び/または自然免疫刺激の影響期間に基づいて選択または調整され得ることを理解するであろう。また当業者により理解されるように、ポリマーの粘性は、例えば、温度及び実験試料中のポリマーの濃度に依存する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の粘性は、例えば、1000s-1の剪断速度で20℃にて測定され得る。
幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載される)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、3,500mPa・s以下またはそれ以下(例えば、3,000mPa・s以下、2,500mPa・s以下、2,000mPa・s以下、1,500mPa・s以下、1,000mPa・s以下、500mPa・s以下、250mPa・s以下、200mPa・s以下、150mPa・s以下、100mPa・s以下、75mPa・s以下、50mPa・s以下、25mPa・s以下、20mPa・s以下、15mPa・s以下、10mPa・s以下、またはそれ以下が含まれる)の粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載される)ポロキサマーを含むポリマー組み合わせ調製物(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、少なくとも5mPa・sまたはそれ以上(例えば、少なくとも10mPa・s、少なくとも20mPa・s、少なくとも30mPa・s、少なくとも40mPa・s、少なくとも50mPa・s、少なくとも60mPa・s、少なくとも70mPa・s、少なくとも80mPa・s、少なくとも90mPa・s、少なくとも100mPa・s、少なくとも125mPa・s、少なくとも150mPa・s、少なくとも175mPa・s、少なくとも250mPa・s、少なくとも500mPa・s、少なくとも1,000mPa・s、少なくとも1,500mPa・s、少なくとも2,000mPa・s、少なくとも2,500mPa・s、またはそれ以上が含まれる)の粘性を特徴とし得る。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、このような粘性ポリマー溶液(例えば、前駆状態または例えば、粘性溶液などのポリマーネットワーク状態)は、5mPa・s~3,000mPa・s、または5mPa・s~300mPa・s、5mPa・s~200mPa・s、または20mPa・s~200mPa・s、または5mPa・s~20mPa・sの粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の粘性は、例えば、1000s-1の剪断速度で20℃にて測定され得る。
とりわけ、本開示は、ある特定の架橋技術(例えば、ある特定の化学的架橋技術、紫外線など)を含むハイドロゲル技術が、有毒な副生成物を生成させ得、及び/またはポリマー組み合わせ調製物と組み合わされ得る薬剤(例えば、治療薬)の安定性もしくは有効性に悪影響を及ぼし得ることを理解する。
代替的にまたは追加的に、本開示は、幾つかの実施形態では、対象に導入する前にポリマー生体材料を(例えば、架橋により)事前に形成させるのと比較して、本明細書に記載される免疫調節組成物が投与される間に及び/または投与された際に形成されるようにポリマー組み合わせ調製物の成分(複数可)を投与することにより特定の利点が達成され得ることを理解する。例えば、事前に形成された生体材料の投与は、投与を容易にするために、それに相当する切開部及び/または外科的介入を必要とする。例えば、幾つかの実施形態では、本開示は、かかる事前形成が明確なサイズ及び/または構造を有する材料を生成させ、このことが、事前に形成された材料の寸法が標的部位(例えば、切除空洞)の寸法と異なり得るため、投与の選択肢を制限し得ることを理解する。幾つかの実施形態では、ハイドロゲルが、投与される間に及び/または投与された際に形成され得る。幾つかの実施形態では、標的部位に投与されるポリマー組み合わせ調製物は、ポリマー組み合わせ調製物の事前に形成されたハイドロゲルを含み得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される標的部位に投与するのに有用であるポリマー組み合わせ調製物が粘性溶液であり得ることを理解する。例えば、幾つかの実施形態では、液体のポリマー組み合わせ調製物が、標的部位に投与された際に粘性溶液(例えば、体温で約5,000~15,000センチポアズの粘性を有する溶液、例えば、体温で約10,000センチポアズの粘性を有する溶液)の形態の本明細書に記載される免疫調節組成物が形成されるように標的部位に導入され得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載される標的部位に投与するのに有用であるポリマー組み合わせ調製物が、投与された際に一定期間標的部位に実質的に保持され得る粘性溶液であり得ることを理解する。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、シリンジ先端もしくはカテーテル及び/またはシリンジ針を通して)注射可能であるように十分低いが、投与された際に一定期間標的部位に実質的に保持される程十分高い粘性を有する。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約500~10,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約500~3,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約1,000~8,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約2,000~6,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約3,000~7,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約4,000~8,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約5,000~9,000センチポアズの粘性を有し得る。幾つかの実施形態では、このような粘性液体のポリマー組み合わせ調製物は、室温で約6,000~10,000センチポアズの粘性を有し得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、液体のポリマー組み合わせ調製物の注入性における粘性の条件及び/または制限が存在し得ることを理解する。例えば、幾つかの実施形態では、注射可能なポリマー組み合わせ調製物は、充填及び一連のゲージの針(例えば、14~20ゲージの針、例えば、16~18ゲージの針)を通した放出の制御に適した粘性を特徴とし得る。あるいは、幾つかの実施形態では、注射可能なポリマー組み合わせ調製物は、充填及び一連の直径のシリンジ先端を通した(すなわち、接続された針なしでの、またはカテーテルを用いた)放出の制御に適した粘性を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、シリンジに充填される(例えば、本明細書に記載される)免疫調節組成物に含まれるポリマー組み合わせ調製物は、可塑剤を更に含み得る。
本開示は、特定のポリマー組み合わせ調製物、ならびに移植よりも侵襲性が低くあり得、及び/または全身投与よりも毒性が低くあり得る介入を可能にする投与方法が含まれる技術を提供する。幾つかのかかる実施形態では、改善された投与特性を有する調製物は、液体状態で投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、柔軟な空間充填特性を特徴とする事前に形成されたゲル状態で投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、皮下に投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、免疫調節剤ペイロード(例えば、本明細書に記載されるもの)の持続放出のための近位のデポーとして機能し得る。幾つかの実施形態では、それらは、組織(例えば、腫瘍及び/または例えば、センチネルリンパ節及び/または流入領域リンパ節)の再プログラム化を可能にし得る。幾つかの実施形態では、それらは、腫瘍切除手術の前にまたはそれと同時に投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、腫瘍切除部位及び/または原発性腫瘍部位と比較される場合、同側に投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、腫瘍切除部位及び/または原発性腫瘍部位と比較される場合、対側に投与され得る。幾つかの実施形態では、それらは、転移がん、播種性がん及び/または、再発がんを有する患者に投与され得る。幾つかのかかる実施形態では、提供される調製物は、(例えば、当該調製物が、例えば、本明細書に記載されるようなサイズ分布及び/または他のパラメータを特徴とする複数の粒子を含むように、)粒子形態の適切な材料から構成される。
C.貯蔵弾性率:ポリマーネットワーク状態
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物がポリマーネットワーク状態である場合、このようなポリマーネットワーク状態は、少なくとも100Pa、少なくとも200Pa、少なくとも300Pa、少なくとも400Pa、少なくとも500Pa、少なくとも600Pa、少なくとも700Pa、少なくとも800Pa、少なくとも900Pa、少なくとも1,000Pa、少なくとも1,100Pa、少なくとも1,200Pa、少なくとも1,300Pa、少なくとも1,400Pa、少なくとも1,500Pa、少なくとも1,600Pa、少なくとも1,700Pa、少なくとも1,800Pa、少なくとも1,900Pa、少なくとも2,000Pa、少なくとも2,100Pa、少なくとも2,200Pa、少なくとも2,300Pa、少なくとも2,400Pa、少なくとも2,500Pa、少なくとも2,600Pa、少なくとも2,700Pa、少なくとも2,800Pa、少なくとも2,900Pa、少なくとも3,000Pa、少なくとも3,500Pa、少なくとも4,000Pa、少なくとも4,500Pa、少なくとも5,000Pa、少なくとも6,000Pa、少なくとも7,000Pa、少なくとも8,000Pa、少なくとも9,000Pa、少なくとも10,000Pa、少なくとも11,000Pa、少なくとも12,000Pa、少なくとも13,000Pa、少なくとも14,000Pa、少なくとも15,000Pa、またはそれ以上の貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のこのようなポリマーネットワーク状態は、15kPa以下、14kPa以下、13kPa以下、12kPa以下、11kPa以下、10kPa以下、9kPa以下、8kPa以下、7kPa以下、6kPa以下、またはそれ以下の貯蔵弾性率を特徴とし得る。上述の範囲の組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のこのようなポリマーネットワーク状態は、100Pa~15kPa、または100Pa~10kPaまたは100Pa~7.5kPaまたは200Pa~5,000Paまたは300Pa~2,500Paまたは500Pa~2,500Pa、または100Pa~500Paの貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、1,000Pa~10,000Paまたは2,000Pa~10,000Paまたは3,000Pa~10,000Paまたは4,000Pa~10,000Paまたは5,000Pa~10,000Paまたは6,000Pa~10,000Paの貯蔵弾性率を特徴とし得る。当業者は、(例えば、Weng et al.,“Rheological Characterization of in situ Crosslinkable Hydrogels Formulated from Oxidized Dextran and N-Carboxyethyl Chitosan” Biomacromolecules,8:1109-1115(2007)に記載されているような)様々な流動学的特徴付け方法が物質の貯蔵弾性率を測定するために使用され得ること、及び場合によっては、物質の貯蔵弾性率は、レオメーター及び/または動的機械分析(DMA)により測定され得ることを理解するであろう。当業者は、流動学的特徴付けが、周囲条件、例えば、温度及び/またはpHによって異なり得ることも理解するであろう。従って、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、対象(例えば、37℃のヒト対象)の体温で、例えば、pH5~8または生理的pH(例えば、pH7)にて測定される(例えば、本明細書に記載されるような)貯蔵弾性率を特徴とする。本明細書に提供される本開示を読むことにより、当業者に明らかであるように、例えば、粒子形態の提供されるポリマー組み合わせ調製物の貯蔵弾性率は、粒子集団のバルク貯蔵弾性率を指す。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、18重量%のポロキサマーハイドロゲルの貯蔵弾性率未満の貯蔵弾性率を特徴とし得る。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲルの貯蔵弾性率と比較して少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、またはそれ以上が含まれる)減少している、37℃で測定される貯蔵弾性率を特徴とし得る。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、適切な温度で一定期間保存される場合、実質的に同じに(例えば、20%以内または10%以内または5%以内に)維持される、(例えば、本明細書に記載されるような)貯蔵弾性率を特徴とし得る。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、4℃~10℃(例えば、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃)の温度で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、実質的に同じに(例えば、20%以内または10%以内または5%以内に)維持される、37℃で測定される(例えば、本明細書に記載されるような)貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、室温(例えば、20℃~25℃)で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、実質的に同じに(例えば、20%以内または10%以内または5%以内に)維持される、37℃で測定される(例えば、本明細書に記載されるような)貯蔵弾性率を特徴とし得る。
D.位相角:ポリマーネットワーク状態
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、粘弾性物質であることを示す位相角を特徴とし得る。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、1°~50°、または2°~45°、または3°~40°、または3°~35°、3°~30°、または3°~25°、または5°~30°、または10°~30°、15°~25°、20°~35°の位相角を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、10°~30°または15°~25°の位相角を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、5°~15°または10°~20°の位相角を特徴とし得る。当業者によって理解されるように、ポリマー生体材料の位相角は、動的機械分析、例えば、周波数掃引分析により決定され得、それは例えば、試料の剪断貯蔵弾性率及び剪断損失弾性率の決定を含む。物質の貯蔵弾性率または弾性率は、その貯蔵エネルギーに基づいて決定され得、物質の弾性特性を表し、一方で、損失弾性率または粘性率は、熱として放散されたエネルギーに基づいて決定され得、物質の粘性特性を表すことを当業者は理解するであろう。位相角(δ)は損失弾性率に対する貯蔵弾性率の比率のアークタンジェントであり、その値は物質がより弾性であるか、またはより粘性であるかを示す。典型的には、45°超の位相角は、粘性特性が支配的であり、物質がより溶液のように振る舞うことを示す。位相角が0°に近づくにつれて、弾性(固体またはゲル状)特性が支配的となる。例えば、大きい貯蔵弾性率及び小さい位相角を有する物質は、より小さい貯蔵弾性率及び位相角を有するものと比べてより強い(より弾性がある)ゲルであることを示す。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態の(例えば、本明細書に記載されるような)提供されるポリマー組み合わせ調製物の位相角は、処置される対象の体温の身体に相当する温度で実行される周波数掃引分析により決定され得る。幾つかの実施形態では、周波数掃引分析は、一定の0.4%歪みを印加しながら0.1~10Hzの周波数範囲にわたり実行され得る。
E.溶解/分解速度
本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、通常、生体適合性である。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の少なくとも1種のポリマー成分は、インビボで生分解性であり得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の少なくとも1種のポリマー成分は、(例えば、酵素及び/または酸化メカニズムによる)生物分解に対する耐性を示し得る。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物中の少なくとも1種のポリマー成分は、化学的に酸化され得る。従って、幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、生理学的環境内、例えば、対象の身体内、例えば、対象の標的部位で化学的及び/または生物学的に分解されることが可能である。本開示を読む当業者は、提供されるポリマー組み合わせ調製物の分解速度は、例えば、ポロキサマーの種類及び/または第2のポリマー(例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるヒアルロン酸及び/またはキトサンなどの炭水化物ポリマー)の選択ならびに(例えば、本明細書に記載されるような)それらの材料特性及び/または濃度に基づいて異なり得ることを理解するであろう。例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物の半減期(ポリマー組み合わせ調製物の50%が単量体及び/または他の非ポリマー部分に分解される時間)は、およそ数日、数週間、数ヶ月、または数年程度であり得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、例えば、酵素活性または細胞機構によって、例えば、(例えば、相対的に低いpHを有する)リゾチームへの曝露によって、または単純な加水分解によって生物学的に分解され得る。幾つかの例では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、細胞に対して非毒性である単量体(例えば、ポリマーの単量体)及び/または非ポリマー部分に分解され得る。当業者によって理解されるように、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物がインビボでのより遅い分解速度を有する場合、投与に際した標的部位(例えば、腫瘍切除部位)でのより長い残留時間を有する。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物は、4℃~10℃の温度(例えば、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃)で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、実質的に均質のままである(例えば、検出可能な相分離がない)。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物は、室温で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、実質的に均質のままである(例えば、検出可能な相分離がない)。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物は、4℃~10℃の温度(例えば、4℃、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、または10℃)で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物の20%以下またはそれ以下(例えば、15%以下、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、またはそれ以下が含まれる)が(例えば、生物分解または化学的分解により)分解されることを特徴とし得る。幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー組み合わせ調製物は、室温で一定期間、例えば、少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも5週間、少なくとも6週間、少なくとも7週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間が含まれる)保存される場合、当該ポリマー組み合わせ調製物の20%以下またはそれ以下(例えば、15%以下、10%以下、8%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、またはそれ以下が含まれる)が(例えば、生物分解または化学的分解により)分解されることを特徴とし得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)が投与の2日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以下が投与の2日以上後にインビボで標的部位に残存する。上述したものの組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの30%~80%または40%~70%が投与の2日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)が投与の3日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以下が投与の3日以上後にインビボで標的部位に残存する。上述したものの組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの30%~80%または40%~70%が投与の3日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)が投与の5日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以下が投与の5日以上後にインビボで標的部位に残存する。上述したものの組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの30%~80%または40%~70%が投与の5日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)が投与の7日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以下が投与の7日以上後にインビボで標的部位に残存する。上述したものの組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの30%~80%または40%~70%が投与の7日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)が投与の14日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、またはそれ以下が投与の14日以上後にインビボで標的部位に残存する。上述したものの組み合わせも可能である。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの30%~80%または40%~70%が投与の14日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物のうちの10%以下またはそれ以下(例えば、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下、またはそれ以下が含まれる)が投与の10日以上後にインビボで標的部位に残存することを特徴とする。
提供されるポリマー組み合わせ調製物が免疫調節性である(例えば、2020年5月1日に出願されたPCT/US20/31169(WO2020/223698A1として公開された)に記載されるように、自然免疫のポリマー生体材料アゴニストとして作用する)幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、(例えば、本明細書に記載される)試験対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に投与することによりインビボで評価される場合に、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物が、免疫応答が1つ以上の側面で刺激されるような速度で溶解または分解されることを特徴とする。例えば、幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物は、少なくとも2日またはより長期間(例えば、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも9日、少なくとも10日、またはより長期間が含まれる)の間、自然免疫が1つ以上の側面(例えば、パターン認識受容体、インフラマソーム、及び/またはcGAS-STING経路の活性化;及び/または炎症性サイトカインの産生、及び/または抗原提示機構及び/または共刺激分子の上方調節)で刺激されるような速度で溶解または分解される。幾つかの実施形態では、このような提供されるポリマー組み合わせ調製物は、15日以下またはより短期間(例えば、10日以下、9日以下、8日以下、7日以下、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、またはより短期間が含まれる)の間、自然免疫が1つ以上の側面(例えば、限定されるものではないが、パターン認識受容体、インフラマソーム、及び/またはcGAS-STING経路の活性化;及び/または炎症性サイトカインの産生、及び/または抗原提示機構及び/または共刺激分子の上方調節が含まれる、例えば、本明細書に記載されるもの)で刺激されるような速度で溶解または分解される。
F.ペイロード放出速度
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、1種以上のペイロードを送達するのに有用であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、1種以上のペイロードは、標的部位(例えば、腫瘍切除部位)で投与される場合、ポリマー組み合わせ調製物が当該標的部位での治療薬の放出を、溶液中の同じ治療薬の投与と比較して延長するように、当該ポリマー組み合わせ調製物中に分散していてもよい。ある特定の実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、標的部位(例えば、腫瘍切除部位)での治療薬の放出を、溶液中の同じ治療薬の投与と比較して少なくとも5分間、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、2週間、3週間、または4週間延長し得る。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、治療薬の放出を延長し得、その結果、投与後の特定の時点で評価される場合、溶液中の当該治療薬が投与される場合に観察されるのと比べてより多くの当該治療薬が標的投与部位(例えば、腫瘍切除部位)に存在する。例えば、幾つかの実施形態では、投与の24時間後に評価される場合、標的投与部位(例えば、腫瘍切除部位)に放出され、存在する治療薬の量は、溶液中の当該治療薬が投与される場合に観察されるのと比べて少なくとも30%(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)多い。幾つかの実施形態では、投与の48時間後に評価される場合、標的投与部位(例えば、腫瘍切除部位)に放出され、存在する治療薬の量は、溶液中の当該治療薬が投与される場合に観察されるのと比べて少なくとも30%(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)多い。幾つかの実施形態では、投与の3日後に評価される場合、標的投与部位(例えば、腫瘍切除部位)に放出され、存在する治療薬の量は、溶液中の当該治療薬が投与される場合に観察されるのと比べて少なくとも30%(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)多い。幾つかの実施形態では、投与の5日後に評価される場合、標的投与部位(例えば、腫瘍切除部位)に放出され、存在する治療薬の量は、溶液中の当該治療薬が投与される場合に観察されるのと比べて少なくとも30%(例えば、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)多い。
理論に拘束されるものではないが、幾つかの実施形態では、ペイロードの溶解特性及び/または官能基(複数可)は、このようなペイロードが本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態から放出される速度に影響及ぼし得る。例えば、幾つかの実施形態では、親水性薬剤は、親油性薬剤よりも水性環境に可溶性であり得、このことが、とりわけ、提供されるポリマー組み合わせ調製物において観察される親水性薬剤のより速い放出速度に寄与し得る。幾つかの実施形態では、ペイロードの官能基は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物中のポリマーの官能基と相互作用し得、このことが、とりわけ、当該ポリマー組み合わせ調製物におけるこのようなペイロードのより長い残留時間に寄与し得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、その中に組み込まれた親油性薬剤を、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18%(w/w)のP407ハイドロゲル)と同等の速度で放出することを特徴とする。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物での組み込まれた親油性薬剤の48時間の放出プロファイル(例えば、48時間にわたる放出率)は、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18%(w/w)のP407ハイドロゲル)での同じ親油性薬剤の放出プロファイルと同等である(例えば、20%以内または15%以内または10%以内または5%以内である)。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物は、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18%(w/w)のP407ハイドロゲル)での放出プロファイルと同等(例えば、20%以内または15%以内または10%以内または5%以内)の組み込まれた親油性薬剤の24時間の放出プロファイル(例えば、48時間にわたる放出率)を有し得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤のうちの40%以下またはそれ以下(例えば、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、またはそれ以下が含まれる)が24時間以内にそこから放出されることを特徴とする。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤のうちの40%以下またはそれ以下(例えば、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、またはそれ以下が含まれる)が48時間以内にそこから放出されることを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤のうちの50%以上(例えば、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、またはそれ以上が含まれる)が少なくとも24時間その中に保持され得ることを特徴とする。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤のうちの50%以上(例えば、55%超、60%超、65%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、またはそれ以上が含まれる)が少なくとも48時間その中に保持されることを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、このようなポリマー組み合わせ調製物が、例えば、少なくとも24時間またはより長期間(例えば、24時間、48時間、またはより長期間)にわたって測定される、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18重量%のP407ハイドロゲル)の速度と同等の速度(例えば、20%以内または15%以内または10%以内または5%以内)またはそれより速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、例えば、少なくとも24時間またはより長期間にわたって測定される、18重量%のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18%(w/w)のP407ハイドロゲル)の速度よりも少なくとも5%またはそれ以上(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、またはそれ以上が含まれる)速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、例えば、少なくとも48時間にわたって測定される、18%(w/w)のポロキサマーハイドロゲル(例えば、18%(w/w)のP407ハイドロゲル)の速度よりも少なくとも5%またはそれ以上(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、またはそれ以上が含まれる)速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、このようなポリマー組み合わせ調製物が、例えば、少なくとも24時間またはより長期間(例えば、24時間、48時間、またはより長期間)にわたって測定されるように、化学架橋された参照ハイドロゲルと比較してより速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、例えば、少なくとも24時間またはより長期間にわたって測定されるように、化学架橋された参照ハイドロゲルと比較して少なくとも5%またはそれ以上(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、またはそれ以上が含まれる)速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、インビトロで37℃にて試験される場合、例えば、少なくとも48時間にわたって測定されるように、化学架橋された参照ハイドロゲルと比較して少なくとも5%またはそれ以上(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、またはそれ以上が含まれる)速い速度でその中に組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする。比較のために、幾つかの実施形態では、化学架橋された参照ハイドロゲルは、幾つかの実施形態では、チオール修飾ヒアルロン酸(Glycosil(登録商標))を架橋剤であるチオール反応性PEGDA架橋剤(Extralink(登録商標))とゲル化が起こる条件下で混合することにより調製され得る化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルであり得る。
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、その中に組み込まれた親水性薬剤のうちの少なくとも20%以上(例えば、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、またはそれ以上が含まれる)が少なくとも12時間またはより長期間にわたって放出されることを特徴とする。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、その中に組み込まれた親水性薬剤のうちの少なくとも30%以上(例えば、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、またはそれ以上が含まれる)が少なくとも24時間またはより長期間にわたって放出されることを特徴とする。幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物のポリマーネットワーク状態は、インビトロで37℃にて試験される場合、その中に組み込まれた親水性薬剤のうちの少なくとも40%以上(例えば、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、またはそれ以上が含まれる)が少なくとも48時間またはより長期間にわたって放出されることを特徴とする。
G.インビボでの有効性
幾つかの実施形態では、本開示の組成物は、ポロキサマー(例えば、本明細書に記載されるもの)及び(例えば、本明細書に記載される)少なくとも1種の炭水化物ポリマーを含む免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物を含み、この調製物は(例えば、本明細書に記載される)免疫調節剤ペイロードを実質的に含まない。幾つかの実施形態では、このような組成物及び/または免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、自然免疫アゴニズムを誘発し得る。幾つかの実施形態では、このような組成物及び/または免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、幾つかの実施形態では、免疫抑制性の炎症であり得るか、またはそれを含み得る炎症を消退または低減し得る。幾つかの実施形態では、このような組成物及び/または当該組成物に含まれる免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、ポリマーネットワーク状態のこのようなポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月後に評価される場合に、ポロキサマー生体材料(例えば、15~18%(w/w)のP407生体材料)を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群の生存率より高い生存率を有することを特徴とする。幾つかのかかる実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群において観察される生存率の増加は、投与の2ヵ月後に評価される場合に、ポロキサマー生体材料(例えば、15~18%(w/w)のP407生体材料)を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群の生存率と比較して少なくとも30%以上(少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)である。
幾つかの実施形態では、少なくとも1種の治療薬(例えば、本明細書に記載される少なくとも1種の免疫調節剤ペイロード)が、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及び/またはそれを含む組成物に組み込まれ得る。幾つかの実施形態では、このようなポリマー組み合わせ調製物は、ポリマーネットワーク状態の当該ポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月後に評価される場合に、免疫調節剤ペイロードを含有しない同じポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群の生存率より高い生存率を有することを特徴とする。幾つかのかかる実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物(免疫調節剤ペイロードが組み込まれている)を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群において観察される生存率の増加は、投与の2ヵ月後に評価される場合に、免疫調節剤ペイロードを含有しない同じポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群の生存率と比較して少なくとも30%以上(少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)である。
III.提供されるポリマー組み合わせ調製物の例示的実施形態
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、リン酸塩緩衝液または炭酸塩緩衝液中にpH7~8で調製される。幾つかの実施形態では、リン酸塩緩衝液は、10~50mM(例えば、10mM、20mM、30mM、40mM、または50mMが含まれる)の濃度を有し得る。幾つかの実施形態では、重炭酸塩緩衝液は、25~200mM(例えば、25mM、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、175mM、または200mMが含まれる)の濃度を有し得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、温度応答性であり、約10~30℃の臨界ゲル化温度を有する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、室温付近、例えば、10~15℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、室温付近、例えば、15~20℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、室温付近、例えば、20~25℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、約25~28℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、約28~32℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、約32~34℃の臨界ゲル化温度を有し得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、約34~37℃の臨界ゲル化温度を有し得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~12.5%(w/w)または6~10%(w/w)のポロキサマー407及び1~2MDaの平均分子量を有する0.5~3%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約300Pa~約4,600Paまたは約300Pa~約6,500Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa、約3,200~3,600Pa、約3,400~3,800Pa、約3,600~4,000Pa、約3,800~4,200Pa、約4,000~4,400Pa、約4,200~4,600Pa、約4,400~4,800Pa、約4,600~5,000Pa、約4,800~5,200Pa、約5,000~5,400Pa、約5,200~5,600Pa、約5,400~5,800Pa、約5,600~6,000Pa、または約5,800~6,500Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~12.5%(w/w)、7~12.5%(w/w)、7~11.5%(w/w)、6~11.5%(w/w)、5~11.5%(w/w)、5~11%(w/w)、5~10.5%(w/w)、6~10.5%(w/w)、6~10%(w/w)、7~11%(w/w)、または8~11%(w/w)のポロキサマー407を、500kDa~900kDaの平均分子量を有する0.5~3%(w/w)のヒアルロン酸、0.5~2%(w/w)のヒアルロン酸、1~2%(w/w)のヒアルロン酸、1~3%(w/w)のヒアルロン酸、1~4%(w/w)のヒアルロン酸、2~5%(w/w)のヒアルロン酸、3~6%(w/w)のヒアルロン酸、または4~7%(w/w)のヒアルロン酸と共に含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約100Pa~約7,600Pa、100Pa~約15,000Pa、または500Pa~約18,000Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約300Pa~約8,000Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa、約3,200~3,600Pa、約3,400~3,800Pa、約3,600~4,000Pa、約3,800~4,200Pa、約4,000~4,400Pa、約4,200~4,600Pa、約4,400~4,800Pa、約4,600~5,000Pa、約4,800~5,200Pa、約5,000~5,400Pa、約5,200~5,600Pa、約5,400~5,800Pa、約5,600~6,000Pa、約5,800~6,200Pa、約5,800~6,400Pa、約6,000~6,400Pa、約6,200~6,600Pa、約6,400~6,800Pa、約6,600~7,000Pa、約6,800~7,200Pa、約7,000~7,400Pa、約7,200~7,600Pa、約7,400~7,800Pa、約7,600~8,000Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、高分子量のヒアルロン酸を含むポリマー組み合わせ調製物は、実施例2の表3に記載される製剤を含む。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~12.5%(w/w)、8~12.5%(w/w)、6~11.5%(w/w)、6~11%(w/w)、7~11%(w/w)、または8~11%(w/w)、6~10.5%(w/w)、または6-10%(w/w)のポロキサマー407を、100kDa~500kDaの平均分子量を有する1~4%(w/w)のヒアルロン酸、2~5%(w/w)のヒアルロン酸、1~10%(w/w)のヒアルロン酸、または1.5~10%(w/w)のヒアルロン酸、または3~6%(w/w)のヒアルロン酸、または4~7%(w/w)のヒアルロン酸と共に含む。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~12.5%(w/w)、8~12.5%(w/w)、8~11%(w/w)、6~11%(w/w)、6~10.5%(w/w)、または6~10%(w/w)のポロキサマー407、及び100kDa~300kDaの平均分子量を有する0.5~10%(w/w)のヒアルロン酸または1.5~10%(w/w)のヒアルロン酸または2~6%(w/w)のヒアルロン酸または4~9%(w/w)のヒアルロン酸を含む。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407及び100kDa~200kDaの平均分子量を有する2~6%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約3,400Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~11%(w/w)、6~10.5%(w/w)、または6~10%(w/w)のポロキサマー407及び100kDa~200kDaの平均分子量を有する1~10%(w/w)または1.5~10%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約5,000Paまたは300Pa~約6,500Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa、約3,200~3,600Pa、約3,400~3,800Pa、約3,600~4,000Pa、約3,800~4,200Pa、約4,000~4,400Pa、約4,200~4,600Pa、約4,400~4,800Pa、約4,600~5,000Pa、約4,800~5,200Pa、約5,000~5,400Pa、約5,200~5,600Pa、約5,400~5,800Pa、約5,600~6,000Pa、約5,800~6,200Pa、約5,800~6,400Pa、約6,000~6,400Pa、約6,200~6,500Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約20~35°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、低分子量のヒアルロン酸を含むポリマー組み合わせ調製物は、実施例2の表2に記載される製剤を含む。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407または6~10%(w/w)のポロキサマー407、及び70kDa~200kDaまたは80kDa~150kDaの平均分子量を有する1~10%(w/w)または1.5~9%(w/w)または1~5%(w/w)または5~10%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約200Pa~約6,500Paまたは約200Pa~約5,900Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約6,500Paまたは400Pa~約4,600Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa、約3,200~3,600Pa、約3,400~3,800Pa、約3,600~4,000Pa、約3,800~4,200Pa、約4,000~4,400Pa、約4,200~4,600Pa、約4,400~4,800Pa、約4,600~5,000Pa、約4,800~5,200Pa、約5,000~5,400Pa、約5,200~5,600Pa、約5,400~5,800Pa、約5,600~6,000Pa、約5,800~6,200Pa、約5,800~6,400Pa、約6,000~6,400Pa、約6,200~6,500Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~32°または約15~35°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー338及び1~2MDaの平均分子量を有する1~3%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約980Pa~約1,300Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、5~12.5%(w/w)または8~11.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー338を、500kDa~900kDaの平均分子量を有する1~4%(w/w)のヒアルロン酸と共に含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約1,400Pa~約2,700Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー338及び100kDa~350kDaの平均分子量を有する1~5%(w/w)のヒアルロン酸を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約500Pa~約1,350Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407及び2.5~5%(w/w)の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約1,000Pa~約5,000Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407、500kDa~900kDaの平均分子量を有する0.5~5%(w/w)のヒアルロン酸、及び0.1~1.5%の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約3400Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)または6~11%(w/w)または6~10.5%(w/w)または6~10%(w/w)のポロキサマー407、80kDa~150kDaの平均分子量を有する0.5%~10%(w/w)または1~10%(w/w)または1~5%(w/w)のヒアルロン酸、及び0.1~5%(w/w)または0.2~5%(w/w)または0.1~3%(w/w)の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン及び/またはキトサン-フェニルコハク酸)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約3,400Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407、500kDa~900kDaの平均分子量を有する1~5%(w/w)のヒアルロン酸、及び0.2~4%の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約3,400Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、8~12.5%(w/w)または8~11%(w/w)のポロキサマー407、100kDa~500kDaの平均分子量を有する1~5%(w/w)のヒアルロン酸、及び0.2~4%の修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約400Pa~約3,400Pa(例えば、約400~800Pa、約600~1,000Pa、約800~1,200Pa、約1,000~1,400Pa、約1,200~1,600Pa、約1,400~1,800Pa、約1,600~2,000Pa、約1,800~2,200Pa、約2,000~2,400Pa、約2,200~2,600Pa、約2,400~2,800Pa、約2,600~3,000Pa、約2,800~3,200Pa、約3,000~3,400Pa)の範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約2~35°または2~20°の位相角を特徴とし得る。
ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物は、3.5~5.5%(w/w)または4~5%(w/w)のポロキサマー407、及び1.5~3.5%(w/w)の高分子量ヒアルロン酸(例えば、500kDa超、例えば、600~1500kDaまたは700~1500kDaの平均分子量を有するヒアルロン酸)を含む。幾つかの実施形態では、(例えば、ポリマーネットワーク状態に移行時の)このようなポリマー組み合わせ調製物は、約200Pa~約10,000Pa、500Pa~約9,000Pa、または約1,000Pa~約8,000Pa、または1,000Pa~約6,000Paの範囲であり得る貯蔵弾性率を特徴とし得る。
幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物には、ペイロード、例えば、免疫調節剤ペイロードが組み込まれ得る。
IV.ポリマー組み合わせ調製物を調製するための例示的方法
幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、適量のポロキサマー及び少なくとも第2のポリマー成分(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサン)を適切な緩衝液中で混合することにより調製され得る。ポロキサマー及び少なくとも第2のポリマー成分(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサン)は、独立して、固体粒子調製物または液体調製物であり得る。幾つかの実施形態では、ペイロード(例えば、幾つかの実施形態では、免疫調節剤ペイロード)が、このようなポリマー混合物溶液に添加され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー混合物溶液は、低速度(例えば、100rpm未満の速度)で均質のポリマー溶液が形成されるまで混合され得る。ゲル形成を誘発するために、このような均質のポリマー溶液は、臨界ゲル化温度以上の温度にゲル形成に十分な時間(例えば、10~15分)曝露され得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、とりわけ、ヒアルロン酸(HA)の固体粒子調製物を、固体粒子調製物または液体調製物であり得る少なくとも第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)と混合することが、HAの液体調製物及び少なくとも第2のポリマーを混合することと比較して、均質のポリマー溶液の形成を促進し得るという洞察を提供する。
従って、本明細書において提供される一態様は、ヒアルロン酸(HA)ポリマー調製物及び第2のポリマー調製物の均質なポリマー組み合わせを製造する方法に関する。本方法は、HAポリマー調製物が固体粒子形態である時に当該HAポリマー調製物及び第2のポリマー調製物を組み合わせるステップを含む。幾つかの実施形態では、HAポリマーの固体粒子調製物は、粉末形態のHAポリマーを含む。本開示を読む当業者は、HAポリマーが吸湿性である傾向があり、幾つかの実施形態では、固体粒子調製物中のHAポリマーが、水和されたHAポリマーであり得るか、またはそれを含み得ることを理解するであろう。
幾つかの実施形態では、固体粒子形態のHAポリマー調製物は、固体粒子形態(例えば、幾つかの実施形態では、粉末)の少なくとも第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)と組み合わされ得、次いで、一緒に同時に液体溶液(例えば、緩衝液)中溶解され得る。幾つかの実施形態では、固体粒子形態のHAポリマー調製物が、液体形態の少なくとも第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)と組み合わされ得、当該少なくとも第2のポリマー調製物は、幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載される)溶媒系中の当該第2のポリマーの溶液であり得る。
幾つかの実施形態では、かかるHA及び第2のポリマー調製物及び任意に追加のポリマー調製物(複数可)は、均質のポリマー混合物が生成されるような十分な条件下で、かつ均質のポリマー混合物が生成されるような十分な時間組み合わされる。幾つかの実施形態では、このような生成された均質のポリマー混合物は、当該生成された均質のポリマー混合物を臨界ゲル化温度未満の温度で(例えば、幾つかの実施形態では、2~8℃で、または幾つかの実施形態では、周囲温度で)少なくとも1時間以上(例えば、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも24時間、またはより長時間が含まれる)維持した後に、検出可能な相分離が観察されないことを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような生成された均質のポリマー混合物は、当該生成された均質のポリマー混合物を臨界ゲル化温度未満の温度で(例えば、幾つかの実施形態では、2~8℃で、または幾つかの実施形態では、周囲温度で)少なくとも1週間以上(例えば、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、またはより長期間が含まれる)維持した後に、検出可能な相分離が観察されないことを特徴とする。幾つかの実施形態では、このような生成された均質のポリマー混合物は、当該生成された均質のポリマー混合物を臨界ゲル化温度未満の温度で(例えば、幾つかの実施形態では、2~8℃で、または幾つかの実施形態では、周囲温度で)少なくとも1ヵ月間以上(例えば、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、またはより長期間が含まれる)維持した後に、検出可能な相分離が観察されないことを特徴とする。
幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)及び任意に追加のポリマー調製物(複数可)は、それらを周囲温度で及び/または低い剪断速度で混合することにより組み合わされる。幾つかの実施形態では、混合は、機械的撹拌により実行され得る。当業者によって理解されるように、剪断速度は、通常、撹拌ユニット(例えば、撹拌羽根または撹拌棒、例えば、磁気撹拌棒)の寸法及びrpmにより決定され、最も高い剪断速度は、通常、撹拌ユニット(例えば、撹拌羽根または撹拌棒)の先端での速度である。幾つかの実施形態では、放射流を誘発する円柱状の撹拌棒が使用され得る。幾つかの実施形態では、羽根形状に応じて軸流または放射流を誘発するために少なくとも2枚羽根(例えば、2、3、または4枚羽根)の撹拌翼が使用され得る。軸流では動きは軸に平行(上下方向)であり、放射流では動きは軸に対して垂直である。幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物は、それらを周囲温度かつ100rpm未満の速度で混合することにより組み合わされる。
幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)及び任意に追加のポリマー調製物(複数可)は、少なくとも5時間(例えば、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも25時間、少なくとも30時間、またはより長時間が含まれる)混合される。幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物及び任意に追加のポリマー調製物(複数可)は、5~30時間または10~24時間混合される。
幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)及び任意に追加のポリマー(複数可)は、2~8℃の温度で、例えば、幾つかの実施形態では、少なくとも5時間(例えば、少なくとも10時間、少なくとも15時間、少なくとも20時間、少なくとも25時間、少なくとも30時間、またはより長時間が含まれる)混合され得る。
幾つかの実施形態では、HA及び第2のポリマー調製物(例えば、ポロキサマー)及び任意に追加のポリマー(複数可)(例えば、CMCH)は、2~8℃の温度で混合され、次いで、例えば、相分離を予防するために、ポリマーネットワーク状態に達するように、素早くそれぞれのCGT(例えば、本明細書に記載される適切なCGT)以上である温度にされる。幾つかのかかる実施形態では、得られるポリマーネットワークは、送達の準備ができるまで、それぞれのCGT(例えば、本明細書に記載される適切なCGT)以上である温度で、例えば、幾つかの実施形態では、周囲温度で保存され得る。幾つかの実施形態では、得られるポリマーネットワークは、それを溶液及び/または液体調製物として提供するために、それぞれのCGT(例えば、本明細書に記載される適切なCGT)未満の温度で送達され得る。
幾つかの実施形態では、ペイロード(例えば、本明細書に記載されるもの)が、HA及び第2のポリマー調製物の均質混合物に組み込まれ得る。幾つかの実施形態では、ペイロードは、HA及び第2のポリマー調製物をペイロードと組み合わせることにより添加され得る。幾つかの実施形態では、組み合わされるペイロードは、固体粒子調製物であり得る。幾つかの実施形態では、組み合わされるペイロードは、液体調製物であり得る。
幾つかの実施形態では、生成された均質のポリマー混合物(ペイロードを含有するか、または含有しない)は、ハイドロゲルが形成されるように十分な時間、当該ポリマー混合物の臨界ゲル化温度以上のゲル化温度に曝露され得る。幾つかの実施形態では、生成された均質のポリマー混合物(ペイロードを含有するか、または含有しない)は、約35~39℃のゲル化温度に曝露され得る。幾つかの実施形態では、生成された均質のポリマー混合物(ペイロードを含有するか、または含有しない)は、約37℃のゲル化温度に曝露され得る。幾つかの実施形態では、生成された均質のポリマー混合物(ペイロードを含有するか、または含有しない)は、ゲル化温度に5分~30分間曝露される。
V.医薬組成物
幾つかの実施形態では、提供されるポリマー組み合わせ調製物及び/または組成物は、(例えば、本明細書に記載されるような)投与する必要がある対象への投与のための医薬組成物として、定型的な手順に従って製剤化され得る。幾つかの実施形態では、このような医薬組成物は、薬学的に許容される担体または賦形剤を含み得、本明細書で使用する場合、これらとしては、所望の特定の剤形に適したあらゆる溶媒、分散媒、希釈剤、または他の液体ビヒクル、分散助剤または懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、防腐剤、固体結合剤、滑沢剤などが挙げられる。Remington’s The Science and Practice of Pharmacy,21st Edition,A.R.Gennaro(Lippincott,Williams & Wilkins,Baltimore,MD,2006、参照により本明細書に組み入れられる)は、医薬組成物を製剤化する際に使用される様々な賦形剤及びその調製のための既知の技術を開示している。好適な薬学的に許容される担体としては、限定されるものではないが、水、塩溶液(例えば、NaCl)、生理食塩水、緩衝食塩水、グリセロール、糖、例えば、マンニトール、ラクトース、トレハロース、スクロース、またはその他、デキストロース、脂肪酸エステルなど、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
医薬組成物は、必要に応じて、活性化合物と有害な反応を起こさないか、またはそれらの活性に干渉しない補助剤(例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝剤、着色剤、香味料、及び/または芳香剤など)と混合され得る。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、無菌であり得る。好適な医薬組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤を含有し得る。医薬組成物は、液体溶液、懸濁液、またはエマルションであり得る。
医薬組成物は、定型的な手順に従って、ヒトへの投与に適合した医薬組成物として製剤化され得る。医薬組成物の調製は、投与様式に適していなければならない。例えば、幾つかの実施形態では、注射用の医薬組成物は、通常、無菌の水性等張緩衝液を含み得る。必要な場合、医薬組成物は、注射部位の痛みを緩和するための局所麻酔薬も含み得る。幾つかの実施形態では、(例えば、本明細書に記載される)医薬組成物の成分は、別々に供給されるか、または単回使用型に、例えば、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む組成物の量を示す気密密閉された容器、例えば、アンプルもしくはサッシェ中もしくは無菌のシリンジ中の乾燥した凍結乾燥粉末もしくは水分のない濃縮物として一緒に混合される。医薬組成物が注射により投与される場合には、幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む乾燥した凍結乾燥粉末組成物は、水性緩衝液で再構成され得、次いで、注入される必要がある対象の標的部位に注入され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む液状組成物は、注射及び/またはロボット手術システム(例えば、da Vinci System)による投与のためにシリンジ中に提供され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む液状組成物が、針、カニューレ、またはトロカールを用いるか、または用いない投与のためにシリンジ中に提供され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む液状組成物が、噴霧により投与され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む液状組成物の投与は、最小侵襲手術に使用するためにガスにより支援され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む液状組成物の投与は、各バレルが別個のポリマー成分調製物を含有し、共有されるプランジャーが押し下げられると複数のポリマー成分調製物が組み合わされるマルチバレルシリンジを使用することにより達成され得る。
本明細書において提供される医薬組成物の説明は、主にヒトへの医療向け投与(ethical administration)に好適な医薬組成物を対象とするが、かかる組成物は、一般に、あらゆる種類の動物またはインビトロもしくはエキソビボの細胞への投与に好適であることが当業者により理解されるであろう。ヒトへの投与に好適な医薬組成物を様々な動物またはインビトロもしくはエキソビボの細胞への投与に好適なものにするための当該組成物の改変はよく理解されており、当業者、例えば、獣医薬理学者は、たとえ行うにしても、通常の実験を行うだけで、かかる改変を設計及び/または実行し得る。
本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、薬理学の分野において公知であるか、または今後開発される任意の方法により調製され得る。例えば、かかる準備方法は、提供されるポリマー組み合わせ調製物の成分を、任意に治療薬などのペイロードと共に、希釈剤もしくは別の賦形剤及び/または1種以上の他の補助的成分と混合し、次いで、必要とされ、及び/または望ましい場合、生成物を所望の単回使用ユニットまたは複数回使用ユニットに成形及び/またはパッケージングするステップを含む。あるいは、かかる準備方法は、生成物を所望の単回使用ユニットまたは複数回使用ユニットに成形及び/またはパッケージングする前に、ポリマーネットワーク生体材料を本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物の成分から事前に形成させるステップも含み得る。
本開示による医薬組成物は、単回使用ユニットとして、及び/または複数の単回使用ユニットとして調製され得、パッケージングされ得、及び/またはまとめて販売され得る。本明細書で使用する場合、「単回使用ユニット」は、個別の量の本明細書に記載の医薬組成物である。例えば、医薬組成物の単回使用ユニットは、幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)の事前に形成されたポリマーネットワークであり得るか、もしくはそれを含み得るか、または幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)の個々の成分の液体混合物もしくはコロイド混合物であり得るか、もしくはそれを含み得る、所定の量の本明細書に記載される組成物及び/またはポリマー組み合わせ調製物を含む。
本明細書に記載される医薬組成物中の(例えば、事前に形成されたポリマーネットワーク生体材料としての、またはこのようなポリマーネットワーク生体材料の前駆体成分(複数可)としての)提供されるポリマー組み合わせ調製物の個々の成分及び任意により、任意の追加の薬剤、例えば、薬学的に許容される賦形剤及び/または任意の追加の成分の相対量は、例えば、ポリマー生体材料の所望の材料特性、標的部位のサイズ、注射量、処置される対象の健康状態及び医学的状態、及び/またはがんの種類に応じて異なり得、更にこのような医薬組成物が投与される経路にも依存し得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び任意にペイロード(例えば、本明細書に記載される治療薬)は、所望の治療効果(例えば、限定されるものではないが、少なくとも1つ以上の側面での抗腫瘍免疫の誘発、例えば、自然免疫の誘発)を提供するための有効量で医薬組成物中に提供され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び任意にペイロード(例えば、本明細書に記載される治療薬)は、がんを処置するための有効量で医薬組成物中に提供され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び任意にペイロード(例えば、本明細書に記載される治療薬)は、腫瘍再発及び/または転移を阻害するか、またはそのリスクもしくは発生率を低減するための有効量で医薬組成物中に提供される。ある特定の実施形態では、有効量は、ポリマー組み合わせ調製物及び任意にペイロード(例えば、本明細書に記載される治療薬)の治療上有効量である。ある特定の実施形態では、有効量は、ポリマー組み合わせ調製物及び任意にペイロード(例えば、本明細書に記載される治療薬)の予防上有効量である。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、このような組成物が、ポリマー組み合わせ調製物以外に1種以上の物質(複数可)/薬剤を含み得、かかる他の物質(複数可)/薬剤(複数可)が、個別にまたは共に、当該ポリマー組み合わせ調製物の関連する免疫調節特性(複数可)、例えば、自然免疫調節特性(複数可)を実質的に変化させない範囲で、当該ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から本質的になるか、またはそれからなる。幾つかの実施形態では、このような医薬組成物は、免疫調節剤ペイロードを実質的に含まなくてもよい。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、細胞を含まない。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、養子移入される細胞を含まない。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、T細胞を含まない。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、腫瘍抗原を含まない。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、エクスビボでロードされる腫瘍抗原を含まない。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、液体形態(例えば、溶液またはコロイド)である。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、固体形態(例えば、ゲル形態)である。ある特定の実施形態では、液体形態から固体形態への移行が十分な架橋により対象の体外で発生し得、その結果、得られる物質は、物理的に操作され、外科的処置において移植されるのを可能にする固体形態と一致する貯蔵弾性率を有する。従って、幾つかの実施形態では、固体形態は、本開示の使用目的(例えば、外科移植)を実施するのに適していてもよい。ある特定の実施形態では、液体形態から固体形態への移行が熱架橋により生体内原位置で(例えば、対象の体内で)発生し得、その結果、得られる物質は固体形態と一致する貯蔵弾性率を有する。ある特定の実施形態では、医薬組成物は、懸濁液である。
VI.治療使用
多数の実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物は、生体適合性であり、様々な医療適用に、例えば、幾つかの実施形態では、薬物送達担体または製剤(例えば、持続放出薬物送達組成物)として有用である。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物は、疾患、障害、または状態の処置に有用である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組成物及びそれを含む組成物は、がんの処置に有用である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物は、がんの発症を遅延させるか、その進行を遅らせるか、またはその1つ以上の症状を改善するのに有用である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物は、原発性腫瘍の再成長を低減または阻害するのに有用である。幾つかの実施形態では、腫瘍の再発及び/または転移の発生を低減または阻害する本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及びそれを含む組成物は、抗腫瘍免疫を誘発するのに有用である。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、免疫調節剤ペイロードの組み込みを必ずしも必要とすることなく、それ自体、(例えば、幾つかの実施形態では、対象における自然免疫アゴニズムを誘発することにより)抗腫瘍免疫を提供するのに十分である。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物には、(例えば、幾つかの実施形態では、対象における自然免疫を誘発することにより)抗腫瘍免疫を提供するか、または増強するために1種以上の免疫調節剤ペイロードが組み込まれ得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物には、1種以上の治療薬(例えば、1種以上の化学療法薬)が組み込まれ得る。
従って、本明細書において提供される幾つかの態様は、投与の必要がある対象の標的部位に本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物を投与する方法に関する。幾つかの実施形態では、このような組成物を投与される対象は、腫瘍を有し得る。幾つかのかかる実施形態では、方法は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物の腫瘍内投与または腫瘍周囲投与を含む。幾つかの実施形態では、このような組成物を投与される対象は、(例えば、外科的腫瘍切除による)腫瘍除去を受けていてもよく、または腫瘍除去を受けたことがあってもよい。幾つかの実施形態では、このような組成物を投与される対象は、腫瘍再発及び/または転移を有し得る。幾つかのかかる実施形態では、方法は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物を含む組成物の対象の腫瘍切除部位での手術時投与を含む。
幾つかの実施形態では、投与の必要がある対象に投与される組成物は、このような組成物が、ポリマー組み合わせ調製物以外に1種以上の物質(複数可)/薬剤を含み得、かかる他の物質(複数可)/薬剤(複数可)が、個別にまたは共に、当該ポリマー組み合わせ調製物の関連する免疫調節特性(複数可)(例えば、自然免疫調節特性(複数可))を実質的に変化させない範囲で、なんらの免疫調節剤ペイロードも含有しない、免疫調節特性を有する(例えば、自然免疫を誘発する特徴を有する)当該ポリマー組み合わせ調製物から本質的になるか、またはそれからなる。幾つかの実施形態では、このような提供される組成物は、免疫調節剤ペイロードを実質的に含まないポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含み得る。幾つかの実施形態では、このような提供される組成物は、なんらの免疫調節剤ペイロードを実質的に含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、本開示の方法において利用されるこのような提供される組成物は、本明細書に記載の医薬組成物として製剤化され得る。
幾つかの実施形態では、投与の必要がある対象に投与される組成物は、ポリマー組み合わせ調製物、及び治療薬を含み、治療薬は、幾つかの実施形態では、化学療法薬であり得、一方で幾つかの実施形態では、免疫調節剤であり得る。幾つかの実施形態では、投与の必要がある対象に投与される組成物は、提供されるポリマー組み合わせ調製物ならびに国際特許公開第WO2018/045058号及び同第WO2019/183216号(これらの各々の内容は、本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような1種以上の免疫調節剤を含む。幾つかの実施形態では、投与の必要がある対象に投与される組成物は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及び自然免疫応答の活性化因子を含み、自然免疫応答の活性化因子は、例えば、幾つかの実施形態では、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニスト、Toll様受容体(TLR)アゴニスト、及び/または国際特許公開第WO2018/045058号(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような自然免疫応答の活性化因子であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、投与の必要がある対象に投与される組成物は、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物及び免疫抑制性の炎症の阻害剤を含み、例えば、幾つかの実施形態では、免疫抑制性の炎症の阻害剤は、COX2阻害剤または国際特許公開第WO2019/183216号(その内容は本明細書に記載される目的のために参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような、1つ以上の炎症誘発性経路、例えば、p38-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPS)経路により媒介される1つ以上の免疫応答を阻害する薬剤であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかの実施形態では、本開示の方法において利用されるこのような提供される組成物は、本明細書に記載の医薬組成物として製剤化され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される方法は、提供される組成物を投与する必要がある対象の標的部位に、腫瘍の除去後に、例えば、当該対象の腫瘍重量に対して50%以上またはそれ以上(例えば、当該対象の腫瘍重量に対して55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上が含まれる)の除去後に投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される方法は、提供される組成物を投与する必要がある対象の標的部位に、当該対象の腫瘍容量に対して50%以上またはそれ以上(例えば、当該対象の腫瘍容量に対して55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上が含まれる)の除去後に投与することを含む。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、提供される組成物の投与前に、腫瘍切除を実行して対象の腫瘍を除去することを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される組成物は、腫瘍切除術の対象の腫瘍が外科的腫瘍切除により除去された直後に、当該対象の標的部位に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される組成物は、腫瘍切除術の対象の標的部位に手術中に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される組成物は、腫瘍切除術の対象の腫瘍が外科的腫瘍切除により除去された後の24時間以下以内(例えば、18時間以内、12時間以内、6時間以内、3時間以内、2時間以内、1時間以内、30分以内、またはそれ以下以内が含まれる)に当該対象の標的部位に手術後に投与される。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される組成物は、外科的介入から12ヵ月以下以内(例えば、外科的介入の11ヵ月以内、10ヵ月以内、9ヵ月以内、8ヵ月以内、7ヵ月以内、6ヵ月以内、5ヵ月以内、4ヵ月以内、3ヵ月以内、2ヵ月以内、または1ヵ月以内が含まれる)の1つ以上の時点で1つ以上の標的部位に手術後に1回以上投与される。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される組成物は、外科的介入の31日以内(例えば、30日以内、29日以内、28日以内、27日以内、26日以内、25日以内、24日以内、23日以内、22日以内、21日以内、20日以内、19日以内、18日以内、17日以内、16日以内、15日以内、14日以内、13日以内、12日以内、11日以内、10日以内、9日以内、8日以内、7日以内、6日以内、5日以内、4日以内、3日以内、2日以内、または1日以内が含まれる)の1つ以上の時点で1つ以上の標的部位に手術後に1回以上投与される。
幾つかの実施形態では、投与の標的部位は、腫瘍切除部位であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、このような腫瘍切除部位は、総残存腫瘍抗原の欠如を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、このような腫瘍切除部位は、切除断端陰性(すなわち、例えば、腫瘍切除部位を囲む組織の組織学的評価に基づいて、顕微鏡的に切除断端にがん細胞がみられない)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、このような腫瘍切除部位は、切除断端陽性(すなわち、例えば、腫瘍切除部位を囲む組織の組織学的評価に基づいて、顕微鏡的に切除断端にがん細胞がみられる)を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、このような腫瘍切除部位は、総残存腫瘍抗原の存在を特徴とし得る。幾つかの実施形態では、投与の標的部位は、腫瘍切除部位に近接する部位(例えば、4インチ以内、3.5インチ以内、3インチ以内、2.5インチ以内、2インチ以内、1.5インチ以内、1インチ以内、0.5インチ以内、0.4インチ以内、0.3インチ以内、0.2インチ以内、0.1インチ以内、またはそれ以下以内;例えば、10センチメートル以内、9センチメートル以内、8センチメートル以内、7センチメートル以内、6センチメートル以内、5センチメートル以内、4センチメートル以内、3センチメートル以内、2センチメートル以内、1センチメートル以内、0.5センチメートル以内、またはそれ以下以内)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、投与の標的部位は、センチネルリンパ節であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、投与の標的部位は、流入領域リンパ節であるか、またはそれを含む。
当業者により理解されるように、本開示に従って有用である組成物は、当該技術分野において公知の適切な送達手法を使用して、投与する必要がある対象の標的部位に投与され得る。例えば、幾つかの実施形態では、提供される技術は、注射による投与に適用できてもよい。幾つかの実施形態では、提供される技術は、例えば、通常、1つ以上の小切開を伴う最小侵襲手術(MIS)、例えば、ロボット支援MIS、ロボット手術、及び/または腹腔鏡手術による投与に適していてもよい。幾つかの実施形態では、提供される技術は、到達しやすい切除及び/または皮膚切除の状況における投与に適していてもよい。幾つかの実施形態では、提供される技術は、低侵襲的処置、例えば、最小侵襲手術(MIS)、例えば、ロボット支援MIS、ロボット手術、及び/または腹腔鏡手術、及び/または1つ以上の到達しやすい切除及び/または皮膚切除を伴う処置の一部としての手術中の(例えば、注射による)投与に適していてもよい。幾つかの実施形態では、提供される技術は、例えば、幾つかの実施形態では、低侵襲投与のためにロボット手術システム(例えば、da Vinci System)を必要とする、(例えば、注射による)投与に適していてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、注射に有用であり得、及び/または低侵襲的処置、例えば、最小侵襲手術(MIS)、例えば、ロボット支援MIS、ロボット手術、及び/または腹腔鏡手術、及び/または1つ以上の到達しやすい切除及び/または皮膚切除を伴う処置の状況において有用であり得る組成物は液体であり、このような組成物中に提供されるポリマー組み合わせ調製物は、対象の標的部位(例えば、腫瘍切除部位)に注射されると、液体溶液状態からポリマーネットワーク状態(例えば、ハイドロゲル)に移行し、幾つかの実施形態では、このような移行が当該対象の体温への曝露により引き起こされるポリマー溶液(例えば、粘性ポリマー溶液)であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、構造的完全性に悪影響を及ぼすことなく圧縮可能である事前に形成されたポリマーネットワーク生体材料におけるポリマー組み合わせ調製物は、例えば、低侵襲的処置、例えば、最小侵襲手術(MIS)、例えば、ロボット支援MIS、ロボット手術、及び/または腹腔鏡手術及び/または腹腔鏡処置により注入され得る。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、移植による投与に適用できてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、本開示による組成物中に提供されるポリマー組み合わせ調製物は、事前に形成されたポリマーネットワーク生体材料である。例示的なポリマーネットワーク生体材料は、ヒドロゲルであるか、またはそれを含む。例えば、幾つかの実施形態では、提供される組成物は、外科移植により腫瘍切除部位(例えば、腫瘍切除により生じた空洞容量)に投与され得る。幾つかの実施形態では、提供される組成物は、外科移植により腫瘍切除部位に投与され得、生体接着剤により固定され得る。幾つかの実施形態では、投与は、手術中に(すなわち、腫瘍切除の直後に)実行され得る。
幾つかの実施形態では、例えば、抗腫瘍免疫などの所望の治療効果(複数可)を達成するためのポリマー組み合わせ調製物及び/またはそれに組み込まれる治療薬の量は、例えば、対象の性別、年齢、及び全身状態、がんの種類及び/または重症度、自然免疫のポリマー生体材料アゴニストの有効性などに応じて対象によって異なり得る。
幾つかの実施形態では、本開示は、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)を含む組成物の投与それ自体、及び任意に免疫調節剤ペイロード(例えば、提供されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれる)が抗腫瘍免疫を提供するのに十分であり、従って、例えば、(例えば、本明細書に記載される)投与の必要がある対象への腫瘍抗原の投与及び/または免疫細胞(例えば、T細胞)の養子移入を必ずしも必要としないような技術を提供する。従って、幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、対象が本明細書において記載及び/または利用される組成物を投与された後の、例えば、1ヵ月以下以内(例えば、3週間以内、2週間以内、1週間以内、5日以内、3日以内、1日以内、12時間以内、6時間以内が含まれる)に当該対象に腫瘍抗原を投与することを含まない。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、対象が本明細書において記載及び/または利用される組成物を投与された後の、例えば、1ヵ月以下以内(例えば、3週間以内、2週間以内、1週間以内、5日以内、3日以内、1日以内、12時間以内、6時間以内が含まれる)の当該対象への免疫細胞(例えば、T細胞)の養子移入を含まない。
ある特定の実施形態では、本開示は、例えば、腫瘍抗原及び/または免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞など)の養子移入との併用療法として投与される場合に、ポリマー組み合わせ調製物の投与が特に有効となるような技術を提供する。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、対象が本明細書において記載及び/または利用される組成物を投与された後の、例えば、1ヵ月以下以内(例えば、3週間以内、2週間以内、1週間以内、5日以内、3日以内、1日以内、12時間以内、6時間以内が含まれる)の当該対象への免疫細胞(例えば、T細胞、NK細胞など)の養子移入を含む。
幾つかの実施形態では、本開示は、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、HA及び/または第2のポリマーとしてキトサンを含む本明細書に記載されるもの)の投与それ自体が抗腫瘍免疫を誘発または促進するのに十分であり、従って、(例えば、本明細書に記載される)投与の必要がある対象への免疫調節剤ペイロードの投与を必ずしも必要としないような技術を提供する。従って、幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、対象が本明細書において記載及び/または利用される組成物を投与された後の、例えば、1ヵ月以下以内(例えば、3週間以内、2週間以内、1週間以内、5日以内、3日以内、1日以内、12時間以内、6時間以内が含まれる)に当該対象に免疫調節剤ペイロードを投与することを含まない。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、対象のがんの処置に有用である。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、切除可能な腫瘍の処置に使用される。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、固形腫瘍(例えば、限定されるものではないが、芽細胞腫、がん腫、胚細胞腫瘍、及び/または肉腫)の処置に使用される。幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、脾臓またはリンパ系以外の組織、例えば、甲状腺または胃に存在するリンパ腫の処置に使用される。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、限定されるものではないが、聴神経腫;腺癌;副腎癌;肛門癌;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、血管肉腫);虫垂癌;良性単クローン免疫グロブリン症;胆道癌(例えば、胆管癌);胆管癌;膀胱癌;骨癌;乳房癌(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭状癌、乳癌、乳房の髄様癌);脳癌(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星細胞腫、乏突起膠腫)、髄芽腫);気管支癌;カルチノイド腫瘍;心臓腫瘍;子宮頚癌(例えば、子宮頚部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸癌(例えば、結腸癌、直腸癌、結腸直腸腺癌);結合組織癌;上皮性癌;乳管内上皮内癌;上衣腫;内皮肉腫(例えば、カポシ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜癌(例えば、子宮癌、子宮肉腫);食道癌(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼癌(例えば、眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢癌;胃癌(例えば、胃腺癌);胃腸管間質腫瘍(GIST);胚細胞癌;頭頚部癌(例えば、頭頚部扁平上皮癌)、口腔癌(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽喉癌(例えば、咽頭(laryngeal)癌、咽頭(pharyngeal)癌、上咽頭癌、中咽頭癌);造血器癌(例えば、リンパ腫、原発性肺リンパ腫、気管支関連リンパ組織リンパ腫、脾リンパ腫、節性辺縁帯リンパ腫、小児B細胞非ホジキンリンパ腫);血管芽腫;組織球増加症;下咽頭癌;炎症性筋線維芽細胞性腫瘍;免疫細胞アミロイドーシス;腎臓癌(例えば、腎芽腫(別名ウィルムス腫瘍)、腎細胞癌);肝臓癌(例えば、肝細胞癌(HCC)、悪性ヘパトーマ);肺癌(例えば、気管支原性癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、肺の腺癌);平滑筋肉腫(LMS);黒色腫;正中線癌;多発性内分泌腫瘍症候群;筋肉癌;中皮腫;鼻咽頭癌;神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、1型または2型神経線維腫症(NF)、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、膵消化管神経内分泌腫瘍(GEP-NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨癌);卵巣癌(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭状腺癌;膵臓癌(例えば、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);副甲状腺癌;乳頭状腺癌;陰茎癌(例えば、陰茎及び陰嚢のパジェット病);咽頭癌;松果体腫;下垂体癌;胸膜肺芽腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞腫瘍;腫瘍随伴症候群;上皮内腫瘍;前立腺癌(例えば、前立腺腺癌);直腸癌;横紋筋肉腫;網膜芽細胞腫;唾液腺癌;皮膚癌(例えば、扁平上皮癌(SCC)、ケラトアカントーマ(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸癌(例えば、虫垂癌);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);脂腺癌;胃癌;小腸癌;汗腺癌;滑膜腫;精巣癌(例えば、精上皮腫、精巣胎児性癌);胸腺癌;甲状腺癌(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様癌);尿道癌;子宮癌;膣癌;外陰癌(例えば、外陰部パジェット病)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる、がんを処置するのに有用である。
ある特定の実施形態では、がんは、乳癌である。ある特定の実施形態では、がんは、皮膚癌である。ある特定の実施形態では、がんは、黒色腫である。ある特定の実施形態では、がんは、肺癌である。ある特定の実施形態では、がんは、腎臓癌である。ある特定の実施形態では、がんは、肝臓癌である。ある特定の実施形態では、がんは、膵臓癌である。ある特定の実施形態では、がんは、結腸直腸癌である。ある特定の実施形態では、がんは、膀胱癌である。ある特定の実施形態では、がんは、リンパ腫である。ある特定の実施形態では、がんは、前立腺癌である。ある特定の実施形態では、がんは、甲状腺癌である。ある特定の実施形態では、がんは、脳癌である。ある特定の実施形態では、がんは、胃癌である。ある特定の実施形態では、がんは、食道癌である。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、腺癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、気管支癌、カルチノイド腫瘍、心臓腫瘍、子宮頸癌、絨毛癌、脊索腫、結腸直腸癌、結合組織癌、頭蓋咽頭腫、乳管内上皮内癌、内皮肉腫、子宮内膜癌、上衣腫、上皮性癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸管間質腫瘍(GIST)、胚細胞癌、頭頸部癌、血管芽腫、組織球増加症、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、上皮内腫瘍、免疫細胞アミロイドーシス、カポジ肉腫、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、平滑筋肉腫(LMS)、黒色腫、正中線癌、多発性内分泌腫瘍症候群、筋肉癌、中皮腫、骨髄増殖性疾患(MPD)、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、非ホジキンリンパ腫、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、腫瘍随伴症候群、副甲状腺癌、乳頭状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、松果体腫、下垂体癌、胸膜肺芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍(PNT)、形質細胞腫瘍、前立腺癌、直腸癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、脂腺癌、皮膚癌、小腸癌(small bowel cancer)、小腸癌(small intestine cancer)、軟部組織肉腫、胃癌、汗腺癌、滑膜腫、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、膣癌、血管癌、外陰癌、またはそれらの組み合わせを処置するのに有用である。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、提供される組成物を(例えば、本明細書に記載される)腫瘍切除術の対象の標的部位に投与すること、及び任意に、投与後に、例えば、投与後の3ヵ月またはより長期間毎(例えば、6ヵ月毎、9ヵ月毎、1年毎、またはより長期間毎が含まれる)に当該対象における腫瘍再成長または腫瘍増殖(tumor outgrowth)のリスクまたは発生について腫瘍切除部位または遠位部位をモニタリングすること、を含み得る。モニタリングレポートに基づいて対象が腫瘍再発のリスクまたは発生を有すると判定される場合、幾つかの実施形態では、対象は、(例えば、本明細書に記載される)第2の組成物を投与され得、及び/または異なる治療計画(例えば、化学療法)を実施され得る。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供される技術は、転移がんに罹患している対象を処置するのに有用であり得る。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書において提供される方法は、腫瘍切除(例えば、原発性腫瘍の外科的切除)を受けた1つ以上の転移に罹患している対象の(例えば、本明細書に記載される)標的部位に投与すること、及び任意に、投与後に、例えば、投与後の3ヵ月またはより長期間毎(例えば、6ヵ月毎、9ヵ月毎、1年毎、またはより長期間毎が含まれる)に当該対象における少なくとも1つの転移部位をモニタリングすること、を含み得る。モニタリングレポートの結果に基づいて、幾つかの実施形態では、対象は、(例えば、本明細書に記載される)第2の組成物を投与され得、及び/または異なる治療計画(例えば、化学療法)を実施され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の方法は、提供される組成物を腫瘍切除前に投与することを含まない。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法は、提供される組成物を腫瘍切除前に投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、提供される組成物を腫瘍切除と同時に腫瘍切除部位に投与することを含む。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、提供される組成物を腫瘍切除後に腫瘍切除部位に投与することを含む。
本明細書に記載される組成物が1種以上の追加の医薬品及び/または治療計画と組み合わせて投与され得ることも理解されるであろう。例えば、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、併用療法の一部として投与され得る。例えば、組成物は、それらの代謝を低減及び/または修飾し、それらの排泄を阻害し、及び/または身体内でのそれらの分布を修飾する追加の医薬品と組み合わせて投与され得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、全身的治療、例えば、化学療法、放射線治療、及び/または免疫調節療法と併用して投与される。幾つかの実施形態では、免疫調節療法は、薬剤、例えば、低分子、ペプチド、タンパク質、糖類、ステロイド、抗体、融合タンパク質、核酸薬剤(例えば、限定されるものではないが、アンチセンスポリヌクレオチド、リボザイム、及び低分子干渉RNA)、ペプチド模倣体などの全身投与及び/または局所投与を含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、併用療法は、本明細書に記載される組成物及び(例えば、PD-1/PD-L1経路の阻害による)免疫チェックポイント阻害療法を含み得る。幾つかの実施形態では、併用療法は、本明細書に記載される組成物及び化学療法薬を含み得る。好適な化学療法薬は、限定されるものではないが、アルキル化剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼ阻害剤、及び/または有糸分裂阻害剤が含まれる、種々の抗がん剤のクラスのうちのいずれかの中で見出され得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、併用療法の一部として少なくとも1つ以上の追加の治療法の前、その間、及び/またはその後に投与される。用いられる追加の治療法は、同一の障害について所望の効果を達成し得、及び/または異なる効果を達成し得ることも理解されるであろう。ある特定の実施形態では、追加の医薬品は、養子移入細胞ではない。ある特定の実施形態では、追加の医薬品は、T細胞ではない。ある特定の実施形態では、追加の医薬品は、本明細書に記載の組成物の投与の複数日または複数週間後に投与される。
幾つかの実施形態では、本明細書において提供されるポリマー調製物は、それに組み込まれたペイロードの持続放出を提供するのに有用であり得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、局所的薬剤放出が有利であり得る広範囲の疾患に罹患している対象を処置するのに有用であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、再生医療において使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、組織工学において使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、医用イメージング(例えば、X線、CTスキャン、及び/または放射性同位体イメージング)を補助するために使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、歯科医療(例えば、歯の修復)において使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、皮膚科用途(例えば、顔の皺及び/または皺襞を処置するための注射)に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、化粧品及び/または形成外科において使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、整形外科用途(例えば、骨創の治癒、変形性関節炎、脊椎固定術、及び/または椎間板)に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、失禁及び他の泌尿器科の適応症(例えば、泌尿器及び/または肛門)の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、心不全の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、難聴の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、表皮創傷及び/または体内創傷被覆材に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、術後癒着の予防に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、免疫調節分子の局所的持続送達が含まれる、癌免疫療法に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、(例えば、免疫調節分子の局所的及び/または持続的送達による)自己免疫疾患及び/またはリウマチ疾患の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、(例えば、線維症及び/または瘢痕の予防または治癒のための抗線維化分子の局所的及び/または持続的送達による)線維症及び/または瘢痕の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、(例えば、感染の予防及び/または処置のための抗感染分子、例えば、アジスロマイシン、レムデシビル、及び/または当技術分野において公知の任意の好適な抗生物質及び/または抗ウイルス薬の局所的及び/または持続的送達による)感染の処置に使用され得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、(例えば、疼痛の緩和のための鎮痛分子、例えば、ケトロラク、ブピバカイン、及び/または当技術分野において公知の任意の好適な鎮痛剤の局所的及び/または持続的送達による)疼痛の緩和に使用され得る。
ある特定の実施形態では、本明細書において提供される技術は、眼病理の処置のための分子の持続的放出に特に有用であり得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、硝子体内注射に特に適していてもよい。ある特定の実施形態では、提供される技術は、局所投与に特に適していてもよい。ある特定の実施形態では、提供される技術は、緑内障及び/または高眼圧を(例えば、β(アドレナリン)遮断薬、プロスタグランジンアナログ、炭酸アンヒドラーゼ阻害剤、副交感神経アナログ、α2アドレナリンアゴニスト、Rhoキナーゼ阻害剤、及び/またはドコサノイドの局所的及び/または持続的放出により)処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、加齢性黄斑変性を(例えば、当技術分野において公知の任意の抗VEGF薬剤、VEGF阻害剤、抗VEGFR薬剤、及び/またはVEGFR阻害剤の局所的及び/または持続的放出により)処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、症候的硝子体黄斑癒着を(例えば、オクリプラスミン及び/または当該技術分野において公知の任意のα2抗プラスミン分解剤の局所的及び/または持続的放出により)処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、任意の眼科手術後の手術後炎症を(例えば、ケトロラク、ロテプレドノール、デキサメタゾン、コルチコステロイド、及び/または当該技術分野において公知の任意の好適な抗炎症剤の局所的及び/または持続的放出により)処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、眼科処置用の麻酔薬を送達するために使用され得る(例えば、リドカイン及び/または当該技術分野において公知の任意の適切な麻酔剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、局所投与または小管内投与のいずれかによりアレルギー結膜炎を(例えば、ヒスタミンH1受容体アンタゴニスト及び/またはデキサメタゾンの局所的及び/または持続的送達により)処置するために使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される技術は、細菌結膜炎及び/または角膜潰瘍を処置するために使用され得る(例えば、フルオロキノロン及び/または当該技術分野において公知の他の好適な抗菌剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、シスチン症を処置するために使用され得る(例えば、システアミン塩酸塩及び/または当該技術分野において公知の他の好適なシステイン除去剤及び/またはソマトスタチン阻害剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、神経栄養性角膜炎を処置するために使用され得る(例えば、神経成長因子及び/または当該技術分野において公知の他の好適な抗神経栄養性角膜炎剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、網膜静脈分枝閉塞症または網膜中心静脈閉塞症後の黄斑浮腫を処置するために使用され得る(例えば、デキサメタゾン及び/または当該技術分野において公知の他の好適なコルチコステロイド剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、ドライアイを処置するために使用され得る(例えば、サイクロスポリン及び/または他の好適な免疫調節剤の局所的及び/または持続的送達)。ある特定の実施形態では、提供される技術は、HSVにより媒介される角膜炎を処置するために使用され得る(例えば、トリフルリジン及び/または当該技術分野において公知の他の好適な抗ウイルス剤の局所的及び/または持続的送達)。
ある特定の実施形態では、治療される対象は、哺乳動物である。ある特定の実施形態では、対象は、ヒトである。ある特定の実施形態では、対象は、腫瘍切除されるヒト対象である。ある特定の実施形態では、対象は、腫瘍切除手術に適していないヒト対象である。ある特定の実施形態では、対象は、(術前)ネオアジュバント療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント療法を受けていないヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、(術前)ネオアジュバント化学療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、(術前)ネオアジュバント化学療法を受けていないヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント放射線療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント放射線治療を受けていないヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント化学療法及び放射線療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント分子標的療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント分子標的療法を受けていないヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、ネオアジュバント化学療法を受けていないヒト患者である。幾つかの実施形態では、対象は、免疫チェックポイント遮断薬療法を受けているか、受けたか、または受ける予定である。ある特定の実施形態では、対象は、免疫チェックポイント遮断薬療法を受けている。ある特定の実施形態では、対象は、唯一の治療介入として分子標的療法(例えば、ネオアジュバント療法及び/またはアジュバント療法として記載されるものなどの治療法)を受けたヒト患者及び/または受けているヒト患者(例えば、外科的切除が実行可能な選択肢でない対象)である。幾つかの実施形態では、対象は、ある特定の他のがん治療(例えば、限定されるものではないが、同時刺激、腫瘍溶解性ウイルス、CAR T細胞、トランスジェニックTCR、TIL、ワクチン、BiTE、ADC、サイトカイン、自然免疫のモジュレーター、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる)を受けているか、受けたか、または受ける予定である。ある特定の実施形態では、対象は、免疫チェックポイント遮断薬(例えば、抗CTLA-4、抗PD-1、及び/または抗PD-L1)が含まれるネオアジュバント免疫療法を受けたヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、免疫チェックポイント遮断薬(例えば、抗CTLA-4、抗PD-1、及び/または抗PD-L1)が含まれるネオアジュバント免疫療法を受けておらず、及び/または受ける予定がないヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、(固形がん効果判定基準(RECIST)または免疫関連効果判定基準(irRC)により定義されるように)腫瘍がネオアジュバント療法に客観的に反応しなかった、及び/または客観的に反応しない(例えば、安定疾患、進行)ヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、標的病変がネオアジュバント療法に客観的に反応した、及び/または客観的に反応している(例えば、部分奏効、完全奏効)ヒト患者である。非標的病変は、不完全反応、安定疾患、または進行を示し得る。ある特定の実施形態では、対象は、(術後)補助療法として免疫療法を受けるのに適しているヒト患者である。ある特定の実施形態では、対象は、家畜化された動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギである。ある特定の実施形態では、対象は、伴侶動物、例えば、イヌまたはネコである。ある特定の実施形態では、対象は、家畜動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、またはヤギである。ある特定の実施形態では、対象は、動物園動物である。別の実施形態では、対象は、研究動物、例えば、げっ歯類、ブタ、イヌ、または非ヒト霊長類である。ある特定の実施形態では、対象は、非ヒトトランスジェニック動物、例えば、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニックブタである。
VII.キット
本開示は、本明細書において提供される技術を実施するのに有用であるキットも提供する。幾つかの実施形態では、キットは、本明細書に記載の組成物または医薬組成物及び容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、及び/またはディスペンサー容器、または他の好適な容器)を含む。幾つかの実施形態では、キットは、単回使用物品及び/または複数回使用物品として提供され得る送達技術、例えば、シリンジ、バッグなど、またはそれらの構成要素を含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の組成物または医薬組成物の1種以上の成分(複数可)は、1つ以上の容器中に別々に提供される。例えば、ポリマー組み合わせ調製物の個々の成分(例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、限定されるものではないが、ポロキサマー及び第2のポリマー、例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)は、幾つかの実施形態では、別個の容器中に提供され得る。幾つかのかかる実施形態では、生体材料の個々の成分(例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、限定されるものではないが、ポロキサマー及び第2のポリマー、例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)は、それぞれ独立して、乾燥した凍結乾燥粉末、乾燥粒子、または液体として提供され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物の個々の成分(例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、限定されるものではないが、ポロキサマー及び第2のポリマー、例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)は、容器中の単一の混合物として提供され得る。幾つかのかかる実施形態では、単一の混合物は、乾燥した凍結乾燥粉末、乾燥粒子、または液体(例えば、均質の液体)として提供され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)は、容器中の事前に形成されたポリマーネットワーク生体材料として提供され得る。幾つかの実施形態では、このような事前に形成されたポリマーネットワーク生体材料(例えば、ハイドロゲル)は、乾燥状態で提供され得る。幾つかの実施形態では、事前に形成された(粘性ポリマー溶液の形態の)ポリマーネットワーク生体材料は、容器中に提供され得る。
幾つかの実施形態では、提供されるキットは、本明細書に記載の組成物または医薬組成物の希釈または懸濁のための医薬品賦形剤を含む容器を任意に含み得る。幾つかの実施形態では、提供されるキットは、水溶液を含む容器を含み得る。幾つかの実施形態では、提供されるキットは、緩衝液を含む容器を含み得る。
幾つかの実施形態では、提供されるキットは、本明細書に記載される治療薬などのペイロードを含み得る。例えば、幾つかの実施形態では、ペイロードは、対象への投与前にそれを(例えば、本明細書に記載される)ポリマー組み合わせ調製物の液体混合物に添加できるように別個の容器中に提供され得る。幾つかの実施形態では、ペイロードは、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物に組み込まれ得る。
ある特定の実施形態では、提供されるキットは、免疫調節剤ペイロードを含まなくてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、提供されるキットは、自然免疫応答の活性化因子を含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、提供されるキットは、適応免疫応答の活性化因子を含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、提供されるキットは、炎症誘発性反応の阻害剤を含まなくてもよい。幾つかの実施形態では、提供されるキットは、免疫調節性サイトカインを含まなくてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されるキットは、本明細書に記載される方法を実施するための使用説明書を更に含む。本明細書に記載されるキットは、必要に応じて、米国食品医薬品局(FDA)などの規制機関による情報も含み得る。ある特定の実施形態では、本明細書において提供されるキットに含まれる情報は、例えば、がんの処置のための処方情報である。使用説明書は、種々の形態でキットに存在し得、これらのうちの1つ以上がキットに存在し得る。これらの使用説明書が存在し得る1つの形態は、好適な媒体または基材に印刷された情報、例えば、キットのパッケージング、添付文書などの情報が印刷されている紙または複数の紙としてである。更に別の手段は、使用説明情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、CD、USBドライブなどであり得る。存在し得る更に別の手段は、使用説明情報にアクセスするためにインターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。任意の便利な手段がキットに存在し得る。
本発明の他の特徴は、以下の代表的実施形態の説明を通じて明らかとなるであろう。それらの代表的実施形態は、本発明の説明のために提供するものであり、本発明を限定することを意図しない。
本明細書に記載される実施形態をより完全に理解することができるように、以下の実施例が記載される。これらの実施例は、例示目的にすぎず、本開示を如何様にも制限するものとして解釈するべきではないことを理解すべきである。
実施例1.例示的な材料ならびに本明細書に記載される例示的なポリマー組み合わせ調製物の調製方法及び特徴付けならびに参照ポリマー生体材料
本実施例は、本明細書に記載される例示的なポリマー組み合わせの調製物及び特徴付けに関する。幾つかの実施形態では、一方の生体材料(例えば、ポロキサマー)の濃度が増加するにつれて、好適なポリマーネットワークを作製するために必要とされる少なくとも1種の追加の生体材料(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサン/修飾キトサン)の濃度の値が減少に向かう傾向があるという一般性が観察され得る。幾つかの実施形態では、この一般性は、逆方向で適用される(例えば、より低濃度のポロキサマーを使用して形成される好適なポリマーネットワークは、より高い濃度の少なくとも1種の追加の生体材料を使用し得る)。
ポロキサマー及びヒアルロン酸を含む例示的なポリマー組み合わせ調製物を以下に示す:
0.1MのNaHCO、0.9%の生理食塩水(pH8.1)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の13.5%(w/w)のポロキサマー407及び0.65%(w/w)の1.5MDaのヒアルロン酸を含む調製物。
0.1MのNaHCO、0.9%の生理食塩水(pH8.1)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の10~12.5%(w/w)のポロキサマー407及び0.65~1%(w/w)の1.5MDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の9~10%(w/w)のポロキサマー407及び1~1.2%(例えば、1.1%)(w/w)の1.5MDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~9%(w/w)のポロキサマー407及び1.65~1.75%(w/w)の1.32MDaのヒアルロン酸を含む調製物。
10mMのPBS(pH7.4)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の10%(w/w)のポロキサマー407及び1~1.5%(例えば、1.3%)(w/w)の773kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
10mMのPBS(pH7.4)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の9~10%(w/w)のポロキサマー407及び1.2~2.5%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
10mMのPBS(pH8)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH8)中の9~10%(w/w)のポロキサマー407及び1.2~2.5%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
10mMのPBS(pH7.4)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の9~11.5%(w/w)のポロキサマー407及び2~2.75%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の12.3%(w/w)のポロキサマー407及び1.625%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8%(w/w)のポロキサマー407及び1.75%~2.25%(w/w)の337kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の10%(w/w)のポロキサマー407及び2~6%(w/w)の309kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407及び1~4%(w/w)の119または120kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の10%(w/w)のポロキサマー407及び2~6%(w/w)の119または120kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407及び1~4%(w/w)の187kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の10%(w/w)のポロキサマー407及び2~6%(w/w)の187kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~10%(w/w)のポロキサマー338及び1~1.5%(w/w)の1.32MDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~10%(w/w)のポロキサマー338及び1.4~2%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4またはpH8)中の8~10%(w/w)のポロキサマー338及び1.75~2.5%(w/w)の119kDaのヒアルロン酸を含む調製物。
ポロキサマー及びキトサンまたは修飾キトサンを含む例示的なポリマー組み合わせ調製物を以下に示す。
10mMのPBS、33mMのNaHCO、0.45%の生理食塩水(pH8.1)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の13.5%(w/w)のポロキサマー407及び0.65~1.3%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
10mMのPBS、33mMのNaHCO、0.45%の生理食塩水(pH8.1)または25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407及び2.5~5%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
ポロキサマー、ヒアルロン酸、及びキトサンまたは修飾キトサンを含む例示的なポリマー組み合わせ調製物を以下に示す。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407、2~6%(w/w)の119kDaのヒアルロン酸、及び0.2~5%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407、2~6%(w/w)の187kDaのヒアルロン酸、及び0.2~5%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407、1~3%(w/w)の773kDaのヒアルロン酸、及び0.1~1%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407、1.0~3%(w/w)の730kDaのヒアルロン酸、及び0.1~1%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の6~10%(w/w)のポロキサマー407、1.25~5%(w/w)の309kDaのヒアルロン酸、及び0.2~1.5%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の6~10%(w/w)のポロキサマー407、1.25~5%(w/w)の119kDaのヒアルロン酸、及び0.5~2.5%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
25mMのリン酸塩緩衝液(pH7.4)中の8~12.5%(w/w)のポロキサマー407、1.25~5%(w/w)の119kDaのヒアルロン酸、及び0.2~2%(w/w)のカルボキシメチルキトサンを含む調製物。
例示的なポリマー組み合わせ調製物のレオロジー解析:
ポリマー組み合わせ調製物から形成されたハイドロゲルのレオロジー解析を、TA Instrumentsのレオメーター、Discovery HR2を用い、20mmのパラレルプレート、1,500μmのギャップ、及び0.1Hz~10Hzの周波数掃引、37℃での0.4%の歪み、120秒の静置時間、及び60秒の実行時間を使用して実行した。最大貯蔵弾性率(Pa)及び最小位相角δ°を測定した。
細胞株及び細胞培養:
4T1-Luc2乳癌細胞を、10%のウシ胎児血清(FBS)及び1%のペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI-1640培地で培養した。全ての細胞を加湿インキュベーター内で37℃、5%CO下にて培養した。
マウス腫瘍モデル:
全ての動物実験を、6~8週齢の雌性BALB/cマウス(Jackson Laboratories、#000651)を使用して実行した。動物生存試験のために、10個の4T1-Luc2細胞を、マウスの第4乳房脂肪パッドに同所性に接種した。マウスのサイズを一致させた後、処置群に無作為に割り当て、腫瘍接種の10日または12日後に手術を実行した。腫瘍サイズをカリパスにより測定した。原発腫瘍切除のために、2%のイソフルランでマウスに麻酔をかけ、腫瘍を切除し、ハイドロゲルを手術時に手術部位に配置した。
ハイドロゲル調製の例示的な方法:
(i)化学架橋されたヒアルロン酸(HA)ハイドロゲル:
HyStem HAハイドロゲルを、HyStemハイドロゲルキット(ESI Bio、GS1004)を使用して調製した。最初に、120μLのGlycosilをテフロン(登録商標)製の型(9mmの直径)に添加した。次に、10μLの免疫調節剤ペイロードを任意に添加し、撹拌して、均質混合物を作製した。最後に、30μLのExtralinkを添加し、ハイドロゲルを1時間架橋させた。
(ii)ポロキサマー-HAハイドロゲル:
ポロキサマー-HAハイドロゲルを、適切な量のポロキサマー(例えば、固体粒子調製物または液体調製物)を及びHAの固体粒子(例えば、粉末)調製物と4mLのバイアル中で(任意に5μLの免疫調節剤ペイロード(例えば、DMSO中に40mg/mLで調製されたR848(Sigma、#SML0196))と共に)組み合わせて、溶液混合物を調製し、この溶液混合物を300rpmで15分間、次いで、100rpmで一晩混合することにより調製した。ゲル形成を誘発するために、溶液混合物を37℃のウオーターバスに配置した。37℃で10~15分後、試料をゲル形成または相分離(ゲル形成なし)について観察した。次いで、得られたゲルを、例えば、本明細書に記載されるようにレオロジー解析に供した。
幾つかの実施形態では、次いで、インビボでの投与実験のために200μLを1mLのシリンジ(BD-309602)に移す前に、一晩混合した後の溶液混合物を氷中で少なくとも10分間冷却した。
(iii)ポロキサマー-CMCHハイドロゲル:
ポロキサマー-CMCHハイドロゲルを、適切な量のポロキサマー及びCMCHを20mLのバイアル内の適切な緩衝液中に量り取って、溶液混合物を調製し、この溶液混合物を300rpmで15分間、次いで、100rpmで一晩混合することにより調製した。ゲル形成を誘発するために、溶液混合物を37℃のウオーターバスに配置した。37℃で10~15分後、試料をゲル形成または相分離(ゲル形成なし)について観察した。次いで、得られたゲルを、例えば、本明細書に記載されるようにレオロジー解析に供した。
幾つかの実施形態では、次いで、インビボでの投与実験のために200μLを1mLのシリンジ(BD-309602)に移す前に、一晩混合した後の溶液混合物を氷中で少なくとも10分間冷却した。
インビトロ放出試験:
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物の試験ハイドロゲルからの各ペイロードの放出動態を決定するために、0.15mLのHystemハイドロゲルまたは(例えば、本明細書に記載される)ポリマー組み合わせ調製物にペイロード(例えば、親油性または親水性薬剤)を加え、96ウェルプレートに配置した。製剤を37℃で30分間加熱した。次いで、0.15mLの事前に温めた37℃の放出用緩衝液(例えば、Hystemについて水またはポリマー組み合わせ調製物についてpH7.4のリン酸緩衝食塩水(PBS))を各ウェルに添加した。特定の時点で、0.1mLの試料を各ウェルから取り出し、吸光度を測定し、検量線を使用して濃度を決定した。
実施例2.例示的なポリマー組み合わせ調製物のゲル化性
本実施例2は、ポロキサマー407及び炭水化物ポリマー(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)であり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含む、ある特定の試験されるポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を記載する。
多数の実施形態では、本明細書において記載及び/または利用されるポリマー組み合わせ調製物は、温度変化に応答して前駆状態(例えば、ポリマー溶液またはコロイド)からポリマーネットワーク状態に移行するように温度応答性である。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態は、前駆状態と比べてより粘性の液体またはコロイドである。幾つかの実施形態では、ポリマーネットワーク状態は、ハイドロゲルである。
幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される温度応答性のポリマー組み合わせ調製物は、任意の化学架橋剤の非存在下でゲル化温度(例えば、ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度以上の温度)にて前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行する。幾つかの実施形態では、ゲル化温度は、35~39℃の温度(例えば、37℃の温度)であり得る。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される温度応答性のポリマー組み合わせ調製物は、いかなる化学架橋剤も存在せずに対象(例えば、ヒト対象)の体温にて前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行する。幾つかの実施形態では、本明細書において記載及び/または利用される温度応答性のポリマー組み合わせ調製物は、約28~35℃または約20~28℃のゾル-ゲル転移温度を示す。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、好適な緩衝液中に調製された。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、水性緩衝系中に調製された。適切なpHの好適な水性緩衝系の例としては、例えば、限定されるものではないが、適切なpHのリン酸塩緩衝液及び/または重炭酸塩緩衝液が挙げられる。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、各々が適切なpHのリン酸緩衝食塩水(PBS)、リン酸ナトリウム食塩水(SPS)、リン酸二水素カリウム緩衝液、リン酸水素二カリウム緩衝液、炭酸水素ナトリウム緩衝液、クエン酸ナトリウム緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、Tris緩衝液、及び/またはHEPES緩衝液中に調製された。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、1mM~500mMまたは5mM~250mMまたは10mM~150mMの濃度範囲の水性緩衝系中に調製された。ある特定の実施形態では、好適な水性緩衝液(例えば、リン酸塩緩衝液)は、10mM~50mMの濃度で調製された。ある特定の実施形態では、好適な水性緩衝液(例えば、重炭酸塩緩衝液)は、100~200mMの濃度で調製された。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、中性pH付近のpHを有する好適な緩衝液(例えば、本明細書に記載されるもの)中に調製された。例えば、ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、6~9のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7~8のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7.2~7.6のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7.4のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、8.0のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。
様々なポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を評価するために、12%(w/w)以下の濃度のポロキサマー及びポロキサマーでない第2のポリマー成分を含むポリマー調製物を、標的温度(例えば、37℃の温度などの対象の体温)に一定時間(例えば、約15~20分)曝露して、ゲル化プロセスを誘発し、次いで、ポリマー調製物の物理的状態(例えば、溶液対ゲル)を観察した。最初にゲル形成特性を決定するために定性的観察を行った。ポリマー組み合わせ調製物は、試料が半透明または不透明になり、傾けられたか、またはひっくり返されたときに流れない場合、「良好なゲル」を形成したとみなされた。この試料は、温度がCGT未満に低下するまで容器/バイアルの形状を維持する。相対的に「弱いゲル」は、「良好なゲル」と比較して傾けられたか、またはひっくり返されたときに流量がより多く、それぞれのCGT未満の溶液と比較して流量がより少ないと定性的に決定された。標的ゲル化温度への曝露後にハイドロゲルを形成するポリマー調製物について、例えば、得られたハイドロゲルの貯蔵弾性率及び/または位相角を決定するために、レオロジー解析を実行した。
図1A~3に示すように、リン酸塩緩衝液または重炭酸塩緩衝液(例えば、pH7~8)中の9%~13.5%(w/w)のポロキサマー407(P407)及び0%~2%(w/w)の炭水化物ポリマー(例えば、ヒアルロン酸またはキトサンもしくは修飾キトサン)を含む様々なポリマー組み合わせ調製物をそれらのゲル化性について評価した。
幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、例えば、500kDa~1.5MDaの平均分子量を有するヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、750kDaの平均分子量を有するヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、1.5MDaの平均分子量を有するヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。図1Aは、10mMのPBS(pH7.4)中の9.5%~13.5%(w/w)の濃度のP407及び0.65%~1.1%(w/w)の濃度の1.5MDaのヒアルロン酸を含むある特定のポリマー組み合わせ調製物からのゲル形成を示す。図1Bは、0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8)中の11%~13.5%(w/w)の濃度のP407及び0.5%~1%(w/w)の濃度の1.5MDaのヒアルロン酸を含むある特定のポリマー組み合わせ調製物からのゲル形成を示す。図2Aは、10mMのPBS(pH7.4)中の10%~13.5%(w/w)の濃度のP407及び0.65%~2%(w/w)の濃度の750kDaのヒアルロン酸を含むある特定のポリマー組み合わせ調製物からのゲル形成を示す。図2Bは、0.1Mの重炭酸塩緩衝液(pH8)中の11%~13.5%(w/w)の濃度のP407及び0.65%~2%(w/w)の濃度の730kDaのヒアルロン酸を含むある特定のポリマー組み合わせ調製物からのゲル形成を示す。
幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、修飾キトサン(例えば、カルボキシメチルキトサン;CMCH)であるか、またはそれを含む。図3は、10mMのPBS(pH7.4)中の11%~13.5%(w/w)の濃度のP407及び1%~1.8%(w/w)の濃度のCMCHを含むある特定のポリマー組み合わせ調製物からのゲル形成を示す。
幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、例えば、100~900kDaの平均分子量を有するヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる炭水化物ポリマーは、約119kDa、187kDa、309kDa、730kDa、773kDa、886kDa、またはそれらの任意の組み合わせの平均分子量を有するヒアルロン酸であるか、またはそれを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるかかるポリマー組み合わせ調製物は、修飾キトサンを任意に含み得る。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約700~800kDaの分子量を有する1~2.5%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~4%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~7%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、9%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~7%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約309kDaの分子量を有する2%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~4%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~2.5%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、10%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~7%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~2.5%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、9%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~7%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~2.5%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、8%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する2.5~5%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、8%(w/w)のポロキサマー407及び約309kDaの分子量を有する1.5~2.5%(w/w)のヒアルロン酸及び1~1.5%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、8%(w/w)のポロキサマー407及び約773kDaの分子量を有する1.5%(w/w)のヒアルロン酸及び0.5~1.0%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、11~12%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する3~5%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、9~11%(w/w)のポロキサマー407及び約700~800kDaの分子量を有する1.5~3%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、9~11%(w/w)のポロキサマー407及び約100~200kDaの分子量を有する5~7%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、6~8%(w/w)のポロキサマー407及び約700~800kDaの分子量を有する2~3%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、37℃でゲルである)生体材料ポリマー組み合わせは、9~11%(w/w)のポロキサマー407及び約700~800kDaの分子量を有する1~2%(w/w)のヒアルロン酸、ならびに任意に0.1~1%(w/w)の修飾キトサンを含む。
幾つかの実施形態では、ある特定のポリマー組み合わせ調製物に含まれる生体材料ポリマーは、表1、表2、表3、及び表4に示される組み合わせであるか、またはそれを含む。
Figure 2023534504000001
表2、表3、及び表4に記載されるポリマー組み合わせを含む製剤がゲル化特性について試験され、37℃でゲルを形成することが発見された。幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物は、ポリマー組み合わせ調製物が透明な溶液から不透明な組成物に変化した場合、組成物が流れないことが観察された場合、及び/またはポリマー組み合わせ調製物中に存在する磁気撹拌棒が磁界の存在下で動かなかった場合に、ゲルを形成するとみなされた。
Figure 2023534504000002
Figure 2023534504000003
Figure 2023534504000004
Figure 2023534504000005
実施例3.例示的なポリマー組み合わせ調製物の流動学的特性
本実施例3は、参照ポリマー生体材料の流動学的特性と比較した、上記の実施例1及び/または実施例2に記載されるような、ある特定の試験されるポリマー組み合わせ調製物の化学架橋された流動学的特性を記載する。具体的には、実施例3は、化学架橋されたヒアルロン酸生体材料の貯蔵弾性率と比較した、上記の実施例1及び/または実施例2に記載されるような、ある特定の試験されるポリマー組み合わせ調製物の貯蔵弾性率を記載する。当業者によって理解されるように、生体材料の貯蔵弾性率を測定するための方法は、当技術分野において公知である。例えば、幾つかの実施形態では、試験生体材料及び対照生体材料の貯蔵弾性率は、パラレルプレートを備えたレオメーター(例えば、20mmのパラレルプレート、1,500μmのギャップを使用するTA Instrumentsのレオメーター、Discovery HR2)を用い、0.1Hz~10Hzの周波数掃引、37℃での0.4%の歪み、120秒の静置時間、及び60秒の実行時間で測定された。ある特定の試験生体材料の貯蔵弾性率の結果を以下の表5に示す。
Figure 2023534504000006
幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの37℃での貯蔵弾性率は、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照の貯蔵弾性率と顕著な差はなかった。幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率は、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照の貯蔵弾性率の約半分であった。幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの37℃での貯蔵弾性率は、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照の約1/10未満であった。幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの37℃での貯蔵弾性率は、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照の1/100未満であった。特定の実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率は、約8~10kPa、約7~9kPa、約6~8kPa、約5~7kPa、約4~6kPa、約3~5kPa、約2~4kPa、約1~3kPa、約500Pa~2kPa、約1kPa、または1kPa未満であった。
図4A~4Bに示すように、13.5%以下の濃度のP407とヒアルロン酸またはカルボキシメチルキトサンとのポリマー組み合わせ調製物から形成されるハイドロゲルは、18%(w/w)の濃度のP407から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率と比べてより低い、例えば、少なくとも30%以上低い貯蔵弾性率を有する。図4A~4Bは、10%のP407及び1%のHA(1.5MDa)のポリマー組み合わせ調製物または13.5%のP407及び1.3%のカルボキシメチルキトサンのポリマー組み合わせ調製物から形成されるハイドロゲルが、12.5%のExtralinkチオール架橋剤で化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲル(「HyStem」)の貯蔵弾性率と比べてより低い貯蔵弾性率、例えば、少なくとも10%以上低い貯蔵弾性率を有することを示す。
ある特定のポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)の保存安定性も評価した。例えば、ポリマー生体材料の保存安定性を評価するために、それらの貯蔵弾性率を一定期間にわたって測定した。
図5A~5Dに示すように、ある特定のポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの保存安定性は、それらの貯蔵弾性率が約1ヵ月の期間にわたり顕著に変化しないことにより示されるように、参照生体材料、例えば、18%(w/w)のP407から形成されたハイドロゲルの保存安定性と同等である。幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率は、概して経時的に安定していた。幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率は、1週間、2週間、3週間、4週間、または4週間より長期間の間安定していた。
実施例4.例示的なポリマー組み合わせ調製物の活性薬剤の組み込み及び放出についての特徴付け
幾つかの実施形態では、例示的なポリマー組み合わせ調製物は、その中に組み込まれた1種以上のペイロードの一定期間にわたる放出を提供するのに有用であり得る。本実施例4は、ポロキサマー407及び炭水化物ポリマー(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)であり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含む、ある特定の試験されるポリマー組み合わせ調製物の、その中に組み込まれたペイロードの一定期間にわたる放出についての特徴付けを記載する。幾つかの実施形態では、組み込まれるペイロードは、親水性薬剤であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかのかかる実施形態では、組み込まれた親水性薬剤のうちの少なくとも20%(例えば、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、またはそれ以上が含まれる)が、6時間、12時間、18時間、24時間、48時間、72時間、またはより長時間にわたって放出され得る。幾つかの実施形態では、組み込まれるペイロードは、親油性薬剤であり得るか、またはそれを含み得る。幾つかのかかる実施形態では、組み込まれた親油性薬剤のうちの少なくとも5%(例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、またはそれ以上が含まれる)が、6時間、12時間、18時間、24時間、48時間、72時間、またはより長時間にわたって放出され得る。
幾つかの実施形態では、ペイロードが組み込まれた例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルは、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照のペイロード放出速度と有意な差がないペイロード放出速度を示す。幾つかの実施形態では、ペイロードが組み込まれた例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルは、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照のペイロード放出速度より遅い(例えば、少なくとも10%以上遅い)ペイロード放出速度を示す。幾つかの実施形態では、ペイロードが組み込まれた例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルは、18%(w/w)のP407ハイドロゲル対照のペイロード放出速度より速い(例えば、少なくとも10%以上速い)ペイロード放出速度を示す。幾つかの実施形態では、ペイロードが組み込まれた例示的なポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるもの)から形成されるハイドロゲルは、(Extralinkチオール架橋剤で)化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルのペイロード放出速度より速い(例えば、少なくとも30%以上速い)ペイロード放出速度を示す。
実施例1に記載されるように、試験されるポリマー組み合わせ調製物ハイドロゲルからの組み込まれたペイロードの放出動態を評価した。図6A~6Bは、ハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物からの例示的な親油性薬剤の37℃の温度でのインビトロでの放出を示し、一方で、図7A~7Bは、ハイドロゲル状態の例示的な温度応答性ポリマー組み合わせ調製物からの例示的な親水性薬剤の37℃の温度でのインビトロでの放出を示す。これらの図は、(Extralinkチオール架橋剤で)化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルが、(例えば、10%w/wのP407及び1%w/wの1.5MDaのヒアルロン酸を含む)ある特定のポリマー組み合わせ調製物から形成されるかかるハイドロゲルが化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルの貯蔵弾性率より低い貯蔵弾性率を有し得る幾つかの実施形態であっても、18%未満の濃度のポロキサマー及び炭水化物ポリマーを含むある特定のポリマー組み合わせ調製物から形成されたハイドロゲルと比べて概してより緩徐に親水性薬剤を放出したことを示す。理論に拘束されるものではないが、かかるハイドロゲル(例えば、本明細書に記載されるもの)の放出速度は、貯蔵弾性率以外の他の特性により調節され得る。
実施例5.例示的なポリマー組成の調製物の腫瘍切除術の対象の処置についてのインビボでの評価
本実施例5は、腫瘍切除術の対象に(例えば、腫瘍切除部位で)投与される、ポロキサマー407及び炭水化物ポリマー(例えば、ヒアルロン酸及び/またはキトサンもしくはそのバリアント)であり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含むある特定のポリマー組み合わせ調製物のインビボでの有効性を示す。幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物は、免疫調節剤ペイロードの非存在下で単独で投与され得る。幾つかの実施形態では、かかるポリマー組み合わせ調製物に免疫調節剤ペイロード(例えば、TLR7/8アゴニスト)が組み込まれ得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び免疫調節剤ペイロードを含む提供される組成物は、このような組成物が、腫瘍切除部位での投与後に、腫瘍切除後(例えば、試験対象がマウス対象である場合、腫瘍切除の少なくとも1ヵ月後、または試験対象がヒト対象である場合、腫瘍切除の少なくとも3ヵ月後)の腫瘍再発及び/または転移の発生率を、このような組成物が投与されないか、または免疫調節剤ペイロードの組み込みなしで投与される場合に観察される発生率と比較して、例えば、少なくとも10%以上(例えば、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、またはそれ以上が含まれる)低減する場合に、本開示によるがんの処置(例えば、腫瘍再発または転移の予防またはその可能性の低減が含まれる)に有用であるとみなされ、及び/または決定される。
幾つかの実施形態では、雌のBALB/cJsマウスに、100,000個の乳癌細胞(例えば、4T1-Luc2細胞)が同所性に接種された。10日後に腫瘍を外科的に切除し、(i)本明細書に記載される組成物(例えば、ポリマー組み合わせ調製物及び例えば、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド)、NSAID(例えば、ケトロラク)、炎症収束性メディエーター(例えば、レゾルビンD2)、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、AB928)、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤(例えば、ザヌブルチニブ)、CXCR4シグナル伝達経路阻害剤(例えば、プレリキサホル )などの免疫調節剤ペイロードを含む)、または(ii)対照組成物(例えば、免疫調節剤ペイロードを含有しないポリマー組み合わせ調製物を含む)のいずれかを腫瘍切除部位に配置した。
図8A~8Eに示すように、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれた8~13.5%(w/w)または6~11%(w/w)のポロキサマー(例えば、10%のポロキサマー、例えば、ポロキサマーP407)及び0.6~1.5%(w/w)のHA(例えば、1%の1.5MDaのHA)の組み合わせの架橋ハイドロゲルを腫瘍切除部位に投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない当該架橋ハイドロゲルの組み合わせを投与された対照群と比較して、より長い期間、例えば、少なくとも50%以上長い期間にわたって生存した。加えて、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれたこのような架橋ハイドロゲルの組み合わせを投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない架橋ハイドロゲルの組み合わせを投与された対照群と比べて非常に高い生存率を示した。更に、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれた8~13.5%(w/w)のポロキサマー(例えば、10%のポロキサマー、例えば、ポロキサマーP407)及び0.6~1.5%(w/w)のHA(例えば、1%の1.5MDaのHA)の組み合わせのこのような架橋ハイドロゲルの有効性は、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれた化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲル(「HyStem」)で観察された有効性と比べて同等であったか、またはより優れていた。
図10A~10Dに示すように、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれた8~12.5%(w/w)または6~11%(w/w)のポロキサマー(例えば、8%、10%、または12.5%のポロキサマー、例えば、ポロキサマーP407)及び1.2~2.75%(w/w)のHA(例えば、1.625%または2.25%の730KDaのHA)の免疫調節性のポリマー組み合わせを腫瘍切除部位に投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された対照群と比較してより長い期間にわたって生存した。加えて、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれたこのような免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された対照群と比べてより高い生存率を示した。
図11に示すように、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれた8~12.5%(w/w)または6~11%(w/w)のポロキサマー(例えば、10%のポロキサマー、例えば、ポロキサマーP407)及び1~5%(w/w)のHA(例えば、4%の119KDaのHA)の免疫調節性のポリマー組み合わせを腫瘍切除部位に投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された対照群と比較してより長い期間にわたって生存した。加えて、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれたこのような免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない免疫調節性のポリマー組み合わせを投与された対照群と比べてより高い生存率を示した。
図12に示すように、TLR7/8アゴニスト(例えば、レジキモド、R848)が組み込まれたか、またはそれを含有しない8~12.5%(w/w)または6~11%(w/w)のポロキサマー(例えば、10%のポロキサマー、例えば、ポロキサマーP407)及び1~5%(w/w)のHA(例えば、2%の309KDaのHA)の免疫調節性のポリマー組み合わせを腫瘍切除部位に投与された腫瘍切除マウス群は、TLR7/8アゴニストを含有しない15%のポロキサマーのみの処置を投与された対照群と比較してより長い期間にわたって生存した。
これらの結果は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載されるポリマー組み合わせ調製物が、免疫調節性であり、例えば、処置の必要がある対象、例えば、腫瘍切除術の対象を処置するために、免疫調節剤ペイロードの非存在下で用いられ得ることを示した。結果は、幾つかの実施形態では、本明細書に記載される(例えば、免疫調節性の、または免疫調節性でない)ポリマー組み合わせ調製物が、例えば、処置の必要がある対象、例えば、腫瘍切除術の対象を処置するために、免疫調節剤と組み合わせて使用され得ることも示した。
実施例6.例示的な免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の同定及び/または特徴付け
本実施例6は、特に、腫瘍切除を受けた1つ以上の対象の生存を延長する能力を評価することによる免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の抗腫瘍効果の同定及び/または特徴付けを記載する。従って、本実施例は、(例えば、本明細書に記載されるような)がん処置に有用であり得る免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の同定及び/または特徴付けも記載する。幾つかの実施形態では、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、自然免疫アゴニズムを誘発し得る。幾つかの実施形態では、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、炎症(例えば、免疫抑制性の炎症、例えば、幾つかの実施形態では、創傷治癒に関連する免疫抑制性の炎症)を消退または低減し得る。
幾つかの実施形態では、腫瘍切除後の標的部位への免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の投与は、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されない場合に観察されるのと比較して腫瘍切除を受けた対象の生存期間を延長させる。
幾つかの実施形態では、がんの動物モデルが、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物を同定及び/または特徴付けるために使用され得る。例えば、腫瘍切除が担腫瘍マウスに実行され、例えば、免疫調節剤ペイロードの非存在下で免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物を含む、本明細書に記載される組成物が腫瘍切除部位に投与される。次いで、処置された対象の生存がモニタリングされる。幾つかの実施形態では、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、それが本実施例に記載されているようにインビボで試験される場合に、処置された対象の生存期間を、対照標準(例えば、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されない対照)において観察される生存期間比較して、例えば、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも2ヵ月、少なくとも3ヵ月、少なくとも4ヵ月、少なくとも5ヵ月、少なくとも6ヵ月、またはより長期間延長することを特徴とする場合、本開示に基づき有用であるとみなされ、及び/または決定される。例えば、幾つかの実施形態では、対照標準は、免疫調節成分の非存在下での非免疫調節性ポリマー生体材料(例えば、ポロキサマーのみの生体材料)の投与であり得る。幾つかの実施形態では、対照標準は、ポリマー生体材料の非投与であり得る。幾つかの実施形態では、対照標準は、化学架橋された生体材料(例えば、化学架橋されたHA、例えば、チオール化HA)の投与であり得る。
幾つかの実施形態では、雌のBALB/cJマウスに、100,000個の乳癌細胞(例えば、4T1-Luc2細胞)が同所性に接種される。10日後に腫瘍が外科的に切除され、(i)例えば、免疫調節剤ペイロードの非存在下で免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物を含む、本明細書に記載される組成物(例えば、その結果、当該組成物の免疫調節成分は、生体材料から本質的になるか、またはそれからなる)、または(ii)陰性対照組成物(例えば、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物または非免疫調節性ポリマー生体材料を含有しない緩衝液)のいずれかが切除空洞に投与される。抗腫瘍免疫の誘発について調査するために、動物の生存がモニタリングされ得る。幾つかの実施形態では、投与された免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が、例えば、自然免疫シグナル伝達を誘発することにより機構的に機能することを確認するために、動物の生存が(例えば、抗IFNAR1の投与による)自然免疫シグナル伝達の中和後にモニタリングされ得る。幾つかの実施形態では、投与された免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が、炎症(例えば、創傷治癒に関連する免疫抑制性の炎症)を消退または低減することにより機構的に機能することを確認するために、動物の生存が炎症の消退または抗炎症効果の無効化後にモニタリングされ得る。
免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が抗腫瘍適応免疫応答を誘発するかどうかを評価するために、動物の生存が特定の白血球サブセット(例えば、NK細胞、CD4T細胞、またはCD8T細胞)の除去後にモニタリングされ得る。
一態様では、本実施例6は、(i)自然免疫調節成分としてのキトサンまたはそのバリアント(例えば、カルボキシメチルキトサン)及び(ii)腫瘍切除された対象の体温に曝露される場合に(例えば、投与する必要がある対象への投与の際に)ハイドロゲルの形成を促進する温度応答性ポロキサマー(例えば、P407)を含む免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の腫瘍切除された対象の標的部位への投与が、当該腫瘍切除された対象の生存を、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されなかった場合に観察される生存と比較して改善したことを示す。
例示的な液体調製物:
幾つかの実施形態では、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物(例えば、自然免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物)の液体調製物は、以下の通りに調製された。例えば、一例では、2.5重量パーセント(重量%)のカルボキシメチルキトサン(CMCH)(例えば、Heppe Medical Chitosanから入手、製品番号43002、ロット番号312-210519-02)及び12.5%以下の濃度のポロキサマー407(P407)が、注射投与に適切な緩衝系中に調製された。別の例では、5重量%のCMCH(例えば、Heppe Medical Chitosanから入手、製品番号43002、ロット番号312-210519-02)及び12.5%以下の濃度のP407が、注射投与に適切な緩衝系中に調製された。例えば、幾つかの実施形態では、このような緩衝系は、生理的pHを有する。液体製剤は、投与用の1mLのシリンジに充填された。幾つかの実施形態では、3~7重量%の低分子量(例えば、100~120kDa)のヒアルロン酸及び12.5%以下の濃度のP407が、注射投与に適切な緩衝系中に調製された。
例示的なマウス腫瘍モデル:
幾つかの実施形態では、動物実験を、6~8週齢の雌性BALB/cマウス(Jackson Laboratories、#000651)を使用して実行した。動物生存試験のために、10個の4T1-Luc2細胞を、マウスの第4乳房脂肪パッドに同所性に接種した。腫瘍サイズをカリパスにより測定した。サイズを一致させた後、マウスを処置群に無作為に割り当て、腫瘍接種の10日後に手術を実行した。原発腫瘍切除のために、2%のイソフルランでマウスに麻酔をかけ、腫瘍を切除し、体温でゲル化する免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物(例えば、本明細書に記載されるような自然免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物)を手術時に腫瘍切除部位に投与した。
図9は、腫瘍切除され、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の液体調製物(例えば、異なる濃度のカルボキシメチルキトサン及びP407の組み合わせの液体調製物)を投与された動物の、腫瘍切除され、P407のみの液体調製物を投与された動物と比較した生存データを示す。図9に実証されるように、腫瘍切除され、ポロキサマー(例えば、P407)とカルボキシメチルキトサン(CMCH)との組み合わせのハイドロゲルが腫瘍切除部位の生体内原位置で形成された動物群は、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されなかった対照群と比較してより長期間、例えば、少なくとも50%以上長い期間にわたって生存した。加えて、腫瘍切除され、このようなポロキサマー(例えば、P407)とカルボキシメチルキトサン(CMCH)との組み合わせを投与された動物群は、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物なしの対照群と比べて非常に高い生存率を示した。幾つかの実施形態では、かかる免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、自然免疫アゴニズムを誘発するのに有用であり得る。
図13は、腫瘍切除され、免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の液体調製物(例えば、低分子量のHA(例えば、100~200kDa)及びP407の組み合わせの液体調製物)を投与された動物の、腫瘍切除され、P407のみの液体調製物を投与された動物と比較した生存データを示す。図13に示されるように、腫瘍切除され、ポロキサマー(例えば、P407)と低分子量のHA(例えば、100~200kDa)との組み合わせのハイドロゲルが腫瘍切除部位の生体内原位置で形成された動物群は、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されなかった対照群と比較してより長期間にわたって生存した。加えて、腫瘍切除され、このようなポロキサマー(例えば、P407)と低分子量のHA(例えば、100~200kDa)との組み合わせを投与された動物群は、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物なしの対照群と比べて非常に高い生存率を示した。幾つかの実施形態では、かかる免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、自然免疫アゴニズムを誘発するのに有用であり得る。
別の態様では、本実施例6は、(i)炎症(例えば、免疫抑制性の炎症)を消退または低減するのに有用であり得る免疫調節成分としての高分子量のHA(例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、幾つかの実施形態では、500kDaを超える重さをもつHA、例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、幾つかの実施形態では、約650kDaのHA、幾つかの実施形態では、約730kDaのHA、幾つかの実施形態では、約773kDa、または幾つかの実施形態では、約1.5MDaのHA)、及び(ii)腫瘍切除された対象の体温に曝露される場合に(例えば、投与する必要がある対象への投与の際に)ハイドロゲルの形成を促進する温度応答性ポロキサマー(例えば、P407)を含む(治療用ペイロードの非存在下の)免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の腫瘍切除術された対象の標的部位への投与が、当該腫瘍切除された対象の生存を、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されない場合に観察される生存と比較して改善し得ることを記載する。幾つかの実施形態では、このような免疫調節性のポリマー組み合わせは、自然遠隔転移を確立したマウスにおいて意義のある延命効果を付与し得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~5%の500kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~3%の650kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~3%の730kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~3%の773kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び0.5%~2%の1.5MDaのHAを含み得る。
別の態様では、本実施例6は、(i)炎症(例えば、免疫賦活性の炎症)を誘発または促進するのに有用であり得る免疫調節成分としての低分子量のHA(例えば、本明細書に記載されるもの、例えば、幾つかの実施形態では、100~400kDaのHA、例えば、119kDaのHA、187kDaのHA、309kDaのHA、または337kDaのHAが含まれるHAにより代表される、例えば、幾つかの実施形態では、500kDa未満の重さのHA)、及び(ii)腫瘍切除された対象の体温に曝露される場合に(例えば、投与する必要がある対象への投与の際に)ハイドロゲルの形成を促進する温度応答性ポロキサマー(例えば、P407)を含む(治療用ペイロードの非存在下の)免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物の腫瘍切除術された対象の標的部位への投与が、当該腫瘍切除された対象の生存を、このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物が投与されない場合に観察される生存と比較して改善し得ることを記載する。
幾つかの実施形態では、このような免疫調節性のポリマー組み合わせは、自然遠隔転移を確立したマウスにおいて意義のある延命効果を付与し得る。幾つかの実施形態では、(免疫調節剤ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407または6~10%のP407及び1%~5%の119kDaのHAまたは5~9%の119kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~5%の187kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~5%の309kDaのHAを含み得る。幾つかの実施形態では、(治療用ペイロードの非存在下の)このような免疫調節性のポリマー組み合わせ調製物は、8%~12.5%のP407及び1%~5%の337kDaのHAを含み得る。
実施例7.追加の例示的なポリマー組み合わせ調製物のゲル化性の評価
本実施例7は、ポロキサマー407及び炭水化物ポリマー(例えば、高分子量のヒアルロン酸またはそのバリアント)であり得るか、またはそれを含み得る第2のポリマー成分を含む、ある特定の試験されるポリマー組み合わせ調製物のゲル化性の評価を記載する。
以下の表6は、中性pH付近のpHを有する好適な緩衝液(例えば、本明細書に記載されるもの)中に調製されるある特定の例示的なポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分を示す。
Figure 2023534504000007
例えば、ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、6~9のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7~8のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7.2~7.6のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、7.4のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、8.0のpHを有する好適な緩衝液中に調製され得る。
幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、好適な緩衝液中に調製される。ある特定の実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、水性緩衝系中に調製される。適切なpHの好適な水性緩衝系の例としては、例えば、限定されるものではないが、適切なpHのリン酸塩緩衝液が挙げられる。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、各々が適切なpHのリン酸緩衝食塩水(PBS)、リン酸ナトリウム食塩水(SPS)、リン酸二水素カリウム緩衝液、リン酸水素二カリウム緩衝液中に調製される。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、0.9%のリン酸ナトリウム食塩水中に調製される。幾つかの実施形態では、ポリマー組み合わせ調製物及び/またはその個々の成分は、10mM~50mMまたは20mM~40mMの範囲の濃度の水性緩衝系中に調製される。
様々なポリマー組み合わせ調製物のゲル化性を評価するために、上記の表6に記載される各ポリマー調製物が、ゲル化プロセスを誘発するために標的温度(例えば、37℃の温度などの対象の体温)に一定時間(例えば、約15~20分)曝露され、次いで、ポリマー調製物の物理的状態(例えば、溶液対ゲル)が観察される。ゲル形成特性を決定するために定性的観察が行われる。ポリマー組み合わせ調製物は、当該ポリマー組み合わせ調製物が透明な溶液から不透明な組成物に変化する場合、組成物が流れないことが観察される場合、及び/または当該ポリマー組み合わせ調製物中に存在する磁気撹拌棒が磁界の存在下で動かない場合に、ゲルを形成するとみなされる。
標的ゲル化温度への曝露後にゲルを形成するポリマー調製物について、例えば、得られるハイドロゲルの貯蔵弾性率及び/または位相角を決定するために、レオロジー解析が実行される。
等価物及び範囲
請求項において、「a」、「an」、及び「the」は、反対の規定がない限り、または他のことが文脈から明らかでない限り、1つまたは2つ以上を意味し得る。ある群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または記載は、反対の規定がない限り、または他のことが文脈から明らかでない限り、当該群のメンバーのうちの1つ、2つ以上、または全てが所与の製品またはプロセスに存在するか、用いられるか、またはそうでなければそれらに関連する場合に該当するとみなされる。本発明は、群のうちの厳密に1つの成員が所与の製品またはプロセスに存在するか、用いられるか、またはそうでなければそれらに関連する実施形態を含む。本発明は、群の成員のうちの2つ以上または全てが所与の製品またはプロセスに存在するか、用いられるか、またはそうでなければそれらに関連する実施形態を含む。
更に本発明は、列挙された請求項のうちの1つ以上からの1つ以上の限定、要素、節、記述用語が別の請求項に導入されている全ての変形形態、組み合わせ、及び順列を包含する。例えば、別の請求項に従属する任意の請求項が、同じ基本請求項に従属する任意の他の請求項に見出される1つ以上の限定を含むように改変され得る。要素が、例えば、マーカッシュ群形式で列挙して提示される場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(複数可)も群から除去され得る。一般的に、本発明または本発明の態様が特定の要素及び/または特徴を含むと見なされる場合、本発明のある特定の実施形態または本発明の態様は、かかる要素及び/または特徴からなるか、または本質的にそれらからなることを理解すべきである。簡潔さのために、それらの実施形態は、本明細書においてこの通りの言葉で具体的に記載されていない。用語「含む(comprising)」及び「含有する(containing)」は、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにも留意されたい。範囲が与えられている場合、端点が含まれる。更に、特に明記しない限り、または文脈及び当業者の理解から他のことが明らかでない限り、範囲として表現される値は、文脈が明らかに別様に指示しない限り、範囲の下限の単位の10分の1までの、本発明の異なる実施形態において明示される範囲内の任意の特定の値または部分範囲を想定し得る。
当業者は、本明細書に記載される本発明の具体的な実施形態の多くの均等物を理解するか、または定型的に過ぎない実験を使用して確認することができるであろう。特に明記しない限り、または矛盾または不整合が起こることが当業者に明白でない限り、本発明は、列挙された請求項のうちの1つ以上からの1つ以上の限定、要素、節、記述用語などが同じ基本請求項に従属する別の請求項(または関連する任意の他の請求項)に導入されている全ての変形形態、組み合わせ、及び順列を包含することを理解されたい。更に、特定の除外が本明細書において記載されているかどうかにかかわらず、本発明の任意の実施形態または態様が特許請求の範囲から明示的に除外され得ることも理解すべきである。本発明の範囲は、上記の発明の詳細な説明に限定されることを意図せず、むしろ以下の特許請求の範囲に記載される通りである。

Claims (58)

  1. 少なくとも第1及び第2のポリマー成分を含むポリマー組み合わせ調製物であって、前記第1のポリマー成分がポロキサマーであるか、またはそれを含み、前記第2のポリマー成分がポロキサマーではなく、前記ポリマー組み合わせ調製物がゲル化のトリガーに応答して前駆状態からポリマーネットワーク状態に移行することを特徴とし、
    前記ポリマーネットワーク状態が、前記前駆状態の粘性を実質的に超える粘性を有し、
    前記ゲル化のトリガーが、前記ポリマー組み合わせ調製物の臨界ゲル化温度(CGT)以上の温度、前記少なくとも第1及び第2のポリマー成分の臨界ゲル化重量比以上のポリマー成分の比率、前記少なくとも第1の及び/または第2のポリマー成分の分子量、またはそれらの組み合わせであるか、またはそれを含み、
    前記ポリマーネットワーク状態が、前記前駆状態に存在しない架橋を含み、
    前記架橋が、分子内架橋、分子間架橋、またはその両方であるか、またはそれを含み、
    前記第1のポリマー成分が、前記ポリマー組み合わせ調製物中に12.5%(w/w)以下の濃度で存在する、前記ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物。
  2. 前記架橋が共有結合による架橋を含まない、請求項1に記載の調製物。
  3. 前記ポリマー組み合わせ調製物の前記CGTが、30~39℃または20~30℃である、請求項2に記載の調製物。
  4. 前記ポリマー組み合わせ調製物が、少なくとも5%(w/w)または少なくとも10%(w/w)の総含有量のポリマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の調製物。
  5. 前記第1のポリマー成分の前記第2のポリマー成分に対する前記臨界ゲル化重量比が、1:1~14:1または1:1~10:1である、請求項1~4のいずれか1項に記載の調製物。
  6. 前記ポリマーネットワーク状態が粘性溶液またはコロイドである、請求項1~5のいずれか1項に記載の調製物。
  7. 前記ポリマーネットワーク状態がハイドロゲルである、請求項1~5のいずれか1項に記載の調製物。
  8. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物が、その中に組み込まれた親油性薬剤を、18%(w/w)の濃度を有するP407溶液から形成されるハイドロゲルと同等の速度で放出することを特徴とする、請求項7に記載の調製物。
  9. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤の60%超が少なくとも24時間その中に保持され得ることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の調製物。
  10. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親油性薬剤の40%以下が24時間以内にそこから放出され得ることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の調製物。
  11. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物が、その中に組み込まれた親水性薬剤を、18%(w/w)の濃度を有するP407溶液から形成されるハイドロゲルの速度と同等の速度またはより速い速度で放出することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の調製物。
  12. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物が、化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルと比較してより速い(例えば、48時間以内で少なくとも20%速い)速度でその中で組み込まれた親水性薬剤を放出することを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の調製物。
  13. 前記化学架橋されたヒアルロン酸ハイドロゲルが、チオール修飾ヒアルロン酸(Glycosil(登録商標))を架橋剤であるチオール反応性PEGDA架橋剤(Extralink(登録商標))とゲル化が起こる条件下で混合することにより形成されるハイドロゲルである、請求項12に記載の調製物。
  14. 前記ポリマーネットワーク状態が、インビトロで37℃にて試験される場合、前記ポリマー組み合わせ調製物に組み込まれた親水性薬剤の少なくとも40%が12時間以内にそこから放出されることを特徴とする、請求項1~13のいずれか1項に記載の調製物。
  15. 前記第2のポリマー成分が炭水化物ポリマーであるか、またはそれを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の調製物。
  16. 前記ポリマー組み合わせ調製物中の前記炭水化物ポリマーが約10%(w/w)未満または約5%(w/w)未満の濃度で存在する、請求項15に記載の調製物。
  17. 前記炭水化物ポリマーがヒアルロン酸であるか、またはそれを含む、請求項15または16に記載の調製物。
  18. 前記ヒアルロン酸が約50kDa~約2MDaの分子量を有する、請求項17に記載の調製物。
  19. 前記ヒアルロン酸が、約100~500kDaまたは約100~400kDaまたは約125~375kDaまたは約100~200kDaの低分子量を有する、請求項18に記載の調製物。
  20. 前記ヒアルロン酸が、約500~1,500kDaまたは約600~800kDaの高分子量を有する、請求項18に記載の調製物。
  21. 前記炭水化物ポリマーがキトサンまたは修飾キトサンであるか、またはそれを含む、請求項18に記載の調製物。
  22. 前記修飾キトサンがカルボキシメチルキトサンであるか、またはそれを含む、請求項21に記載の調製物。
  23. 前記ポリマーネットワーク状態が、
    a.37℃かつpH5~8で測定される100Pa~約10,000Paの範囲の貯蔵弾性率、
    b.18%(w/w)の溶液濃度でポロキサマーを有する溶液から形成されるハイドロゲルの貯蔵弾性率より少なくとも40%低い貯蔵弾性率、及び
    c.その前駆状態が2~8℃で1ヵ月間保存された後に実質的に同じに維持される、37℃で測定される貯蔵弾性率(または37℃で測定される場合に、前記ポリマー組み合わせ調製物の20%以下が1ヵ月間にわたって分解される)から選択される1つ以上の材料特性を特徴とする、請求項1~22のいずれか1項に記載の調製物。
  24. 前記ポリマー組み合わせ調製物が4.5~8.5のpHを有する、請求項1~23のいずれか1項に記載の調製物。
  25. 前記ポリマー組み合わせ調製物が7~8のpH(例えば、7.4のpH)を有する、請求項1~24のいずれか1項に記載の調製物。
  26. 前記ポリマー組み合わせ調製物が、10mMのリン酸塩緩衝液より高い緩衝能を有する、請求項1~25のいずれか1項に記載の調製物。
  27. 前記ポロキサマーがポロキサマー407であるか、またはそれを含む、請求項1~26のいずれか1項に記載の調製物。
  28. 治療薬を更に含む、請求項1~27のいずれか1項に記載の調製物。
  29. 前記治療薬が、鎮痛剤、抗生物質、抗凝固剤、制吐剤、凝固剤、または創傷治癒を促進する薬剤であるか、またはそれを含む、請求項28に記載の調製物。
  30. 前記治療薬が、免疫調節剤ペイロードであるか、またはそれを含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の調製物。
  31. 前記免疫調節剤ペイロードが、自然免疫のモジュレーターであるか、またはそれを含む、請求項30に記載の調製物。
  32. 前記免疫調節剤ペイロードが、骨髄性細胞の機能のモジュレーターであるか、またはそれを含む、請求項30または31に記載の調製物。
  33. 前記免疫調節剤ペイロードが、適応免疫のモジュレーターであるか、またはそれを含む、請求項30~32のいずれか1項に記載の調製物。
  34. 前記免疫調節剤ペイロードが、炎症のモジュレーターであるか、またはそれを含む、請求項30~32のいずれか1項に記載の調製物。
  35. 前記免疫調節剤ペイロードが、TLR7/8アゴニストであるか、またはそれを含む、請求項34に記載の調製物。
  36. 前記免疫調節剤ペイロードが、レジキモドであるか、またはそれを含む、請求項34に記載の調製物。
  37. 前記免疫調節剤ペイロードが、COX2阻害剤であるか、またはそれを含む、請求項34に記載の調製物。
  38. 前記免疫調節剤ペイロードがNSAID(例えば、ケトロラク)であるか、またはそれを含む、請求項34に記載の調製物。
  39. 前記第2のポリマー成分が炭水化物ポリマーであるか、またはそれを含み、前記ポリマー組み合わせ調製物が免疫調節剤ペイロードを実質的に含まない場合に、前記ポリマー組み合わせ調製物が、前記ポリマーネットワーク状態の前記ポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月後に評価される場合に、前記第2のポリマー成分の非存在下でポロキサマー生体材料を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群より高い生存率を有することを特徴とする、請求項1~38のいずれか1項に記載の調製物。
  40. 前記ポリマー組み合わせ調製物が免疫調節剤ペイロードを含む場合に、前記ポリマー組み合わせ調製物が、前記ポリマーネットワーク状態の前記ポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する、自然転移がある試験動物群が、投与の2ヵ月後に評価される場合に、前記免疫調節剤ペイロードを含有しない前記ポリマー組み合わせ調製物を腫瘍切除部位に有する比較可能な試験動物群より高い生存率を有することを特徴とする、請求項1~39のいずれか1項に記載の調製物。
  41. 前記ポリマーネットワーク状態の前記ポリマー組み合わせ調製物が、前記ポリマーネットワーク状態に事前に形成されている前記ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物を前記腫瘍切除部位に手術中に投与することにより前記腫瘍切除部位に送達される、請求項39または40に記載の調製物。
  42. 前記ポリマーネットワーク状態の前記ポリマー組み合わせ調製物が、投与後に前記腫瘍切除部位で前記ポリマーネットワーク状態に移行する、前記前駆状態である前記ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物を前記腫瘍切除部位に手術中に投与することにより前記腫瘍切除部位に送達される、請求項39または40に記載の調製物。
  43. 前記第1のポリマー成分が11%(w/w)以下の濃度で前記ポリマー組み合わせ調製物中に存在する、請求項1~42のいずれか1項に記載の調製物。
  44. 前記第1のポリマー成分が10.5%(w/w)以下の濃度で前記ポリマー組み合わせ調製物中に存在する、請求項1~42のいずれか1項に記載の調製物。
  45. 前記第1のポリマー成分が10%(w/w)以下の濃度で前記ポリマー組み合わせ調製物中に存在する、請求項1~42のいずれか1項に記載の調製物。
  46. 前記第1のポリマー成分が少なくとも4%(w/w)、少なくとも5%(w/w)、または少なくとも6%(w/w)の濃度で前記ポリマー組み合わせ調製物中に存在する、請求項1~45のいずれか1項に記載の調製物。
  47. 請求項1~46のいずれか1項に記載の調製物を投与の必要がある対象に投与することを含む方法。
  48. 前記投与の必要がある対象が、がんに罹患している対象である、請求項47に記載の方法。
  49. 前記投与の必要がある対象が、再発がんまたは播種性がんに罹患しているか、またはそれにかかりやすい対象である、請求項48に記載の方法。
  50. 前記投与の必要がある対象が腫瘍切除術の対象である、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記調製物が前記腫瘍切除部位に、またはその2cm以内に投与される、請求項50に記載の方法。
  52. 前記投与が移植によるものである、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記ポリマーネットワーク状態の前記ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物が移植により投与される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記投与が注射によるものである、請求項49~51のいずれか1項に記載の方法。
  55. 前記前駆状態の前記ポリマー組み合わせ調製物を含む調製物が注射により投与され、前記前駆状態が投与された際に前記ポリマーネットワーク状態に移行する、請求項54に記載の方法。
  56. 前記投与が腹腔鏡検査と同時に、またはその後に実行される、請求項49~55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記投与が最小侵襲手術と同時に、またはその後に実行される、請求項49~55のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記投与がロボット手術と同時に、またはその後に実行される、請求項49~55のいずれか1項に記載の方法。
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