JP2023533525A - 工業用コーティングのための非晶質コポリエステル樹脂、それらを含むコーティング組成物、及びそのようなコーティング組成物を使用する金属表面をコーティングするための方法 - Google Patents

工業用コーティングのための非晶質コポリエステル樹脂、それらを含むコーティング組成物、及びそのようなコーティング組成物を使用する金属表面をコーティングするための方法 Download PDF

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Abstract

コポリエステル樹脂が、少なくとも2種の脂肪族ジオールと、ナフタレン酸ベースのモノマー及びテレフタル酸ベースのモノマーを含む、少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含み、そして約65℃~約95℃の間のガラス転移温度を有している。コーティングが、少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種のナフタレン酸ベースのモノマーを含む芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含むコポリエステル樹脂;架橋剤;及び金属触媒;を含んでいる。そのコーティング組成物は、溶媒和することが可能であり、優れたレトルト耐性、可撓性、耐薬品性、及び金属基材(スズメッキしたスチールを含む)に対する接着性を与える。そのコポリエステル樹脂は、食品等級に準拠し、アルコール適合性があり、特に飲料及びアルコール含有量に制限のないアルコール系飲料の缶のコーティングとして使用に適している。

Description

本発明は、コポリエステル樹脂組成物、並びに溶媒和させることが可能であり、そして工業用コーティングとして、特には金属表面のためのコーティングとして有用なコポリエステル樹脂を含むコーティング組成物に関する。本発明はさらに、特にはアルコール系飲料も含めた飲料のための金属表面にそのようなコーティング組成物を塗布するための方法、及びそのようなコーティングを担持する物品にも関する。
広く各種のコーティングが、ツーピース及びスリーピースの金属製の食品用及び飲料用の缶も含めて、食品用及び飲料用の缶の表面をコーティングするために使用されてきた。これらの缶は、一般的には、「コイルコーティング」操作を使用してコーティングされているが、その場合、適切な基材(たとえば、スチール又はアルミニウム)の平面シートが、適切な組成物を用いてコーティングされ、キュアされ、次いでそのコーティングされた基材を成形して、缶の蓋(can end)又は缶の胴(can body)とする。そのコーティングは、基材に対して高速で塗布できなければならないし、キュアさせたときに、要求が厳しいこの末端用途で機能するのに必要な性質を備えていなければならない。たとえば、そのコーティングは、次のような性能を有していなければならない:食品と接触しても安全であり、基材に対する優れた接着性を有し、そして成形ステップの際の延伸に耐えることが可能であり、そして(蓋のコーティングに使用した場合)その蓋を開けたときにギザギザのないエッジを与える。それに加えて、そのような缶の内部表面に使用されるコーティングは、その内容物のフレーバーを損なわないことが要求され、毒性があってはならず、溶媒和させることが可能でありながらも、キュア後で化学的及び機械的抵抗性を有してなければならず、そしてさらには可撓性がなければならない。それに加えて、アルコール系飲料を貯蔵する缶として使用するためには、そのコーティングには、アルコール適性がある材料のみを含んでいなければならない。
従来のコーティングでは、1種又は複数種の欠陥問題を抱えていた。たとえば、現行の多くのコーティングは、遊離若しくは結合されたビスフェノールA(「BPA」)、又は芳香族グリシジルエーテル化合物、又はPVC化合物を含んでいた。これらの化合物は、ヒトの健康に有害の可能性があると認識されている。したがって、食品又は飲料用缶をコーティングするためのコーティングから、これらの化合物を排除することが強く望まれている。
コポリエステル樹脂は、食品又は飲料のための金属缶のための有望なコーティングとして検討されてきた。現行の多くの高性能、高分子量の缶のコーティングでは、バリア性及び耐薬品性を支援するために100℃を超えるガラス転移(Tg)温度の必要性を強調しているが、このことは、典型的には、その製品で必要とされる可撓性についての問題をもたらしている。たとえば、米国特許出願公開第20140350211号明細書には、テレフタル酸ジメチル、1,4-ブタンジオール、及びトリシクロ[2.2.1]デカンジメタノール(TCD-DM)の反応生成物を含み、104℃のガラス転移温度を有する、コポリエステル樹脂が記載されている。
特開第2001-019876号公報では、缶のため、特には缶の内部表面のためのコーティング組成物が提供されているが、それは、金属プレートに対する優れた接着性、良好な加工性、良好なキュア性、抑制された溶解性、及び良好なレトルト殺菌抵抗性を有している。そのコーティング組成物は、(A)15以下の酸価、20以下のヒドロキシル価、及び11,000ダルトン以上の数平均分子量を有する熱可塑性コポリエステル樹脂、並びに(B)熱硬化性樹脂を、約(90:10)の(A:B)比で含んでいる。
国際公開第2013/046688号パンフレットには、樹脂コーティングされた金属シートが記載されており、それは、容器のためのものであって、食品用の缶のための材料として要求される各種の性質に適応することができる。多層構造を有し、その主成分としてコポリエステル樹脂を含む樹脂コーティング層(A)が、金属シートの少なくとも一つの表面の上に含まれている。その樹脂コーティング層(A)が、その金属シートの表面に接着され、それは、(i)ポリエステル樹脂及び(ii)ポリアミン樹脂、ポリアミドアミン樹脂、及びポリアミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む樹脂層(a1)を含んでいるが、ここで、そのコポリエステル樹脂が主成分である。その樹脂層(a1)の上側相の上に、ポリエステル膜(a2)が形成されるのが好ましい。
米国特許第9,187,213号明細書には、その表面の上の少なくとも一部に塗布されたコーティング組成物を有する、食品用及び飲料用の缶が開示されている。そのコーティング組成物には、1種又は複数種のソフトセグメント及び複数のハードセグメントを含む主鎖を有する、少なくとも成膜量のコポリエステル樹脂が含まれている。そのコポリエステル樹脂は、好ましくは、約10℃~約50℃のガラス転移温度を有している。そのソフトセグメントは、それらの領域を形成するモノマーとして、脂肪族で直鎖状の二酸又はダイマー脂肪酸ジオールのいずれかを使用することにより得られる。
本明細書に記載され、且つ各種の従来技術を参照しても満たされない必要性の少なくともいくつかを満たすために、本発明は、高分子量で、非晶質なコポリエステル樹脂、並びにそのコポリエステル樹脂、架橋剤、及び触媒を含む溶媒ベースの工業用コーティングを提供する。本発明の実施態様においては、溶媒和コーティングであるそのコーティング組成物は、透明で安定性があり、そして加工のための塗布温度では適切な粘度を有している。本発明の実施態様のキュアされたコーティングを用いてコーティングされた金属性基材は、高い可撓性を有する連続的バリア、及び過酷な試験、たとえば酸性媒体を用いる蒸気滅菌法レトルト試験に対しても、強い耐薬品性を有している。本発明の実施態様のコポリエステル樹脂組成物は、直接食品に接触する塗布物として、実質的若しくは全面的に全世界で受け入れられ、アルコールでの適合性でも何の制限もない。このことにより、食品用及び飲料用の缶のコーティング産業において、特にアルコール性(すなわち、アルコール含有)飲料のための容器として、このコポリエステル樹脂を使用することが可能となる。
本発明の一つの実施態様においては、組成物が、少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む非晶質コポリエステル樹脂を含んでいるが、ここでその少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルには、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマー、並びに二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量にあるテレフタル酸ベースのモノマーが含まれ、そして約65℃~約95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有している。
本発明のまた別の実施態様においては、コーティング組成物には、約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む、非晶質コポリエステル樹脂が含まれるが、ここで、前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、その少なくとも1種の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマー、架橋剤、並びに金属触媒が含まれる。
本発明のまた別の実施態様においては、金属表面をコーティングする方法には、以下のステップが含まれる:(a)コーティング組成物を溶媒と組み合わせて混合物(本明細書では、溶媒和コーティング(solvated coating)組成物と呼ぶこともある)を形成させるステップ、[ここで、そのコーティング組成物には、(i)約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む、非晶質コポリエステル樹脂が含まれるが、ここでその少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、その少なくとも1種の二酸の合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる);(ii)架橋剤;及び(iii)金属触媒が含まれる];(b)その溶媒和コーティング組成物を金属表面に塗布するステップ;並びに(c)その溶媒和コーティング組成物をキュアさせて、コーティングされた金属基材を形成させるステップ。
本発明のまた別の実施態様においては、コーティングされた物品が、金属基材、及びその金属基材の上に配され、架橋されたコポリエステル樹脂を含むコーティングを含むが、ここで、前記樹脂には、少なくとも1種の脂肪族ジオール、及びナフタレン酸ベースのモノマーを含む少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルの残基が含まれ、ここで前記コーティングが、次の性能を示す:少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5のかぶり抵抗(blush resistance)試験のレーティング;少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%のウェッジベンドパーセント(wedge bend percentage);少なくとも30回のダブルラブ(double rub)、好ましくは少なくとも40回のダブルラブの、メチルエチルケトンを使用した耐溶媒性レーティング;少なくとも8、好ましくは少なくとも9の接着試験のレーティング;並びに8H又はそれよりも硬い鉛筆試験(pencil test)レーティング。
本発明のある種の実施態様及び実施例の詳しい説明を参照することにより、本発明をより容易に理解できるであろう。
「コポリエステル」という用語は、1種又は複数種の二官能カルボン酸又はエステル(すなわち、二酸又はジエステル)を1種又は複数種の二官能ヒドロキシル化合物(すなわち、ジオール)と反応させることにより調製された合成ポリマーを意味していると理解されたい。
「残基」という用語は、本明細書で使用するとき、相当するモノマーからの縮合反応、エステル化反応、又はエステル交換反応を介してポリマーの中に組みこまれた各種の有機構造を意味している。たとえば、二酸又はジエステルモノマーの残基は、そのモノマーがそのコポリエステルの中に存在しているままで残っている構造、すなわちその二酸又はジエステルそれぞれが、ヒドロキシル基との反応の一部として消費されて水素原子又はアルキル基を失ったものである。ジオールモノマーの残基は、そのモノマーがそのコポリエステルの中に存在しているままで残っている構造、すなわち二酸又はジエステルとの、それぞれエステル化反応又はエステル交換反応の一部として消費されて酸素原子及び水素原子を失ったものである。
本発明の一つの実施態様では、非晶質コポリエステル樹脂を含む組成物が提供される。本明細書で使用するとき、「非晶質」という用語は、たとえば5ジュール/グラム未満、好ましくは1ジュール/グラム未満、最も好ましくは実質的にゼロジュール/グラムの融解熱を有する実質的に非晶質である物質を意味している。本明細書で提示される融解熱の値は、ASTM E793-01“Standard Test Method for Enthalpies of Fusion and Crystallization by Differential Scanning Calorimetry”に従って測定されたものである。
コポリエステル樹脂そのものを目的とした本発明の一つの実施態様においては、そのコポリエステル樹脂には、少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物が含まれる。その脂肪族ジオールは、20個まで、好ましくは16個まで、最も好ましくは12個までの炭素原子を有しているのがよい。同様にして、その芳香族の二酸及びジエステルも、20個まで、好ましくは16個まで、最も好ましくは12個までの炭素原子を有しているのがよい。その少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルは、その二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマー、及び少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量にあるテレフタル酸ベースのモノマーを含んでいる。本明細書において、成分の下限及び上限が特定されている場合には、本発明には、各種そのような下限から各種そのような上限に到るまでの量でのその成分の使用が含まれる。そのコポリエステル樹脂は、約65℃~約95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有している。本明細書において記載されるガラス転移温度は、ASTM E-794-01に従い示差走査熱量測定(DSC)を使用して測定したものであるが、ただし、10℃/分に代えて15℃/分の走査温度を使用したという一点だけ、試験法に変更を加えた。「反応生成物」という用語は、本明細書で使用するとき、コポリエステル(オリゴマー又は最終のコポリエステルを含む)を製造する、各種のモノマーのエステル化又はエステル交換反応を、ある一定の酸価及びヒドロキシル価になるまで反応させた各種の反応生成物を指している。
本発明の一つの実施態様においては、ジオール成分はすべて脂肪族である。一つの好ましい実施態様においては、その少なくとも2種の脂肪族ジオールには、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、及びメチル-1,3-プロパンジオールが含まれるが、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールを含むか、実質的にそれらからなるか、又はそれらからなっている。エチレングリコールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在させるのがよく、ジエチレングリコールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在させ、そして、シクロヘキサンジメタノールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在させる。
本発明の一つの実施態様においては、二酸及びジエステル成分はすべて芳香族である。コポリエステルの製造においては公知のことであるが、酸又はエステルのいずれかを、アルコールと組み合わせて使用して、それぞれ、エステル化反応又はエステル交換反応によって、コポリエステル樹脂を形成させる。ナフタレン酸ベースのモノマーも、二酸又はジエステルのいずれかである。それは、以下のものからなる群より選択するのがよい:1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル。好ましくは、そのナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであるのが好ましく、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルが最も好ましい。同様にして、テレフタル酸ベースのモノマーは、テレフタル酸ジメチル又はテレフタル酸のいずれかであり、テレフタル酸ジメチルが好ましい。
本発明の一つの実施態様においては、その少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルには、ナフタレン酸ベースのモノマー及びテレフタル酸ベースのモノマーに加えてさらに、イソフタル酸ベースのモノマー(二酸又はジエステル)、たとえばイソフタル酸又はイソフタル酸ジメチルのいずれかが含まれる。
好ましい実施態様においては、イソフタル酸を、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在させる。好ましくは、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在させる。好ましくは、テレフタル酸ジメチルを、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量で存在させる。
本発明のある種の好ましい実施態様は、コポリエステル樹脂の製造において、使用されるモノマー、そしていくつかの使用されないモノマーに関連する。本発明の一つのそのような実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の中のエーテル基の唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量は、複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である。本明細書で使用するとき、エーテル基の起源は、コポリエステル樹脂の一部としてその残基の形態で反応されたときにエーテル基を形成するモノマーである。エーテル基の起源の量を限定することによって、コポリエステル樹脂の、加水分解抵抗性能が改良されるということが見いだされた。本発明のまた別の実施態様においては、エチレングリコールを、少なくとも2種の脂肪族ジオールの一つとして存在させ、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチル(又はテレフタル酸)モル分率との合計量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である。この合計は、一方はジオールの合計モル、そして他方は二酸及びジエステルの合計モルと、異なったものをベースとしたモル分率であることは、認識されるべきである。これら2種のモノマーの合計モル分率が1.3を超えると、そのコポリエステル樹脂を溶媒和化合物とすることが一段と困難になる傾向がある。本発明のまた別の実施態様においては、ジエチレングリコールが、少なくとも2種の脂肪族ジオールの一つとして存在し、そしてイソフタル酸が、少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルの一つとして存在し、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合計した量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である。前と同様に、一方はジオールの合計モル、そして他方は二酸及びジエステルの合計モルと、異なったものをベースとしたモル分率である。本発明のまた別の実施態様においては、そのジオール成分がすべて、第一級アルコールからなっている。本発明のまた別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂には、ネオペンチルグリコール又は2-メチル-1,3-プロパンジオールの残基がまったく含まれない。また別の言い方をすれば、この実施態様におけるコポリエステル樹脂の製造では、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオールのいずれも使用されない。また別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、ブタンジオールがまったく使用されない。さらに、好ましい実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、ポリエチレングリコールがまったく使用されない。さらにまた別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、脂肪族で直鎖状の二酸又はジエステルも、ダイマー脂肪酸ジオールもまったく使用されない。
ある種の本発明のコポリエステル樹脂の好ましい実施態様は、形成されるコポリエステル樹脂の性質に関連する。一つのそのような実施態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、5mgKOH/g未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1mgKOH/gより大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価を有している。酸価は、本明細書で使用するとき、DIN EN ISO 2114に従って測定されたものである。測定対象の試料を、ジクロロメタン及びメタノール(体積比80:20のブレンド物)の中に溶解させ、フェノールフタレインの存在下に0.1Nの水酸化ナトリウム溶液を用いて滴定する。酸価は、1グラムのポリマーの中に存在する酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム量である。酸価は、そのコポリエステル樹脂生成反応の進行度の目安であって、反応が進むにつれて低下する。
本発明のコポリエステル樹脂のまた別の好ましい実施態様においては、そのヒドロキシル価が、20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きい、好ましくは8mgKOH/gより大きい。ヒドロキシル価は、本明細書で使用するとき、DIN 53240-2に従って測定されたものである。本発明のヒドロキシル含有ポリマーのヒドロキシル価は、次のようにして測定する:(i)無水酢酸及びピリジンを用いてそのポリマーをエステル化して、エステル化されたポリマーと酢酸とを得るステップ;そして(ii)次いで、水酸化カリウムを用いてその酢酸を中和するステップ。その単位は、酸価と同様にして表される、すなわち、ポリマー1グラムあたりの、上述のようにして生成した酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのミリグラム数である。ヒドロキシ価もまた、そのコポリエステル樹脂生成反応の進行度の目安であって、反応が進むにつれて低下する。
本発明のまた別の実施態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、約8000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有している。数平均分子量及び重量平均分子量は、DIN 55672-1に従い、ポリスチレン標準及び溶媒としてのTHFを使用したサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して測定する。本発明のさらにまた別の実施態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを使用し、0.5rpmで、215℃で、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度を有している。本発明のさらにまた別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の固有粘度が、約0.3dL/g~約0.6dL/gの間、好ましくは約0.35dL/g~約0.55dL/gの間である。本明細書で使用するとき、固有粘度は、ASTM D5225-14に従って測定したものである。コポリエステル樹脂の分子量及び粘度のいずれもが、反応が進むにつれて、増大する。
本発明において使用されるコポリエステルは、エステル交換反応法又は直接エステル化法によりコポリエステルを製造するための、従来からの各種の方法により製造することができる。しかしながら、食品への用途を考慮すると、触媒及び添加剤として、衛生の面で問題となる重金属又は化合物を使用することは、回避又は制限されるべきである。本発明において使用されるコポリエステルは、典型的には、二酸又はジエステル及びジオールから調製することが可能であり、それらは実質的には等しい比率で反応して、それらの相当する残基としてそのコポリエステルの中に組みこまれる。周知のように、ジオールが過剰に添加されるが、その理由は、未反応のジオールの方が、未反応の二酸又はジエステルよりは容易に蒸発するからである。したがって、本発明のコポリエステルは、二酸又はジエステル残基とジオール残基とを、実質的に等モルの比率で含むことができる。本発明の開示で示されるモルパーセントは、したがって、二酸及びジエステルの残基の合計モル数又はジオール残基の合計モル数を基準にしたものであってよい。
適切な方法には、1種又は複数種のジカルボン酸を2種以上のジオールと、100℃~315℃の温度、0.1~760mmHgの圧力で、ポリエステルを形成させるに十分な時間反応させるステップが含まれる(これらに限定される訳ではない)。米国特許第3,772,405号明細書(参考として引用し本明細書に組み入れたものとする)には、コポリエステルを製造するための適切な方法が記載されている。コポリエステル樹脂を製造するための一つのプロセスにおいては、そのプロセスに以下のステップが含まれる:(I)本発明のコポリエステルのいずれかにおいて有用な選択されたモノマーを含む混合物を、触媒の存在下に、150~240℃の温度で、初期ポリエステルを製造するに十分な時間かけて加熱するステップ;(II)ステップ(I)の初期ポリエステルを、240~320℃の温度で、1~4時間加熱するステップ;及び(III)各種の未反応のグリコールを除去するステップ。
このプロセスにおいて使用するのに適した触媒としては以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):有機-亜鉛、チタン、又はスズ化合物(しかしながら、有機スズ化合物は、食品及び飲料用途では好ましくない)。このタイプの触媒の使用は、当業者には周知である。本発明において有用な触媒の例としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):酢酸亜鉛二水和物、ブチルスズトリス-2-エチルヘキサノエート、ジジブチルスズジアセテート、チタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド、チタン(IV)ブトキシド、及び/又はジブチルスズオキシド。その他の触媒としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):マンガン、リチウム、ゲルマニウム、及びコバルトをベースとするもの。触媒量は、触媒金属及び最終的なポリマーの重量を基準にして、10ppm~20,000ppm、又は10~10,000ppm、又は~5000ppm、又は10~1000ppm、又は10~500ppm、又は10~300ppm、又は10~250とすることができる。このプロセスは、バッチ式、連続式のいずれのプロセスでも実施することができる。
本発明のまた別の実施態様では、非晶質コポリエステル樹脂、架橋剤、及び金属触媒を含むコーティング組成物を提供する。この実施態様においては、そのコポリエステル樹脂が、約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む。その少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、その少なくとも1種の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる。
本発明のコーティング組成物の実施態様の一つの態様においては、そのジオール成分すべてが、脂肪族である。一つの好ましい態様においては、その少なくとも2種の脂肪族ジオールには、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、及びメチル-1,3-プロパンジオールが含まれるが、好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールを含むか、実質的にそれらからなるか、又はそれらからなっている。エチレングリコールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在させるのがよく、ジエチレングリコールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在させ、そして、シクロヘキサンジメタノールは、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在させる。
本発明のコーティング組成物の実施態様のまた別の態様においては、その二酸及びジエステル成分すべてが、芳香族である。そのナフタレン酸ベースのモノマーは、以下のものからなる群より選択することができる:1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル。好ましくは、そのナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであるのが好ましく、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルが最も好ましい。
本発明のこのコーティング組成物の実施態様のまた別の態様においては、その少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルにはさらに、ナフタレン酸ベースのモノマーに加えて、テレフタル酸ベースのモノマー及びイソフタル酸ベースのモノマーが含まれる。そのテレフタル酸ベースのモノマーは、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルであってよく、そして、二酸の合計モル数を基準にして、20~60mol%、好ましくは35~45mol%の量で存在させるのがよい。そのイソフタル酸ベースのモノマーは、イソフタル酸又はイソフタル酸ジメチルであってよく、そして、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在させるのがよい。2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルを、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在させるのがよい。
本発明のこの実施態様のある種の好ましい態様は、コポリエステル樹脂の製造において、使用されるモノマー、そしていくつかの使用されないモノマーに関連する。一つのそのような態様においては、そのコポリエステル樹脂の中のエーテル基の唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量は、複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である。また別のそのような態様においては、エチレングリコールが、その少なくとも2種の脂肪族ジオールの一つとして存在し、そしてテレフタル酸ジメチル(又はテレフタル酸)が、その少なくとも1種の二酸又はジエステルの一つとして存在し、そして、複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチル(又はテレフタル酸)のモル分率とを合計した量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である。また別の態様においては、ジエチレングリコールが、少なくとも2種の脂肪族ジオールの一つとして存在し、そしてイソフタル酸が、少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルの一つとして存在し、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合計した量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である。本発明のまた別の実施態様においては、そのジオール成分がすべて、第一級アルコールからなっている。本発明のまた別の実施態様においては、そのコポリエステルには、ネオペンチルグリコール又は2-メチル-1,3-プロパンジオールの残基がまったく含まれない。また別の言い方をすれば、そのコポリエステル樹脂の製造では、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオールのいずれも使用されない。また別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、ブタンジオールがまったく使用されない。さらに、好ましい実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、ポリエチレングリコールがまったく使用されない。さらにまた別の実施態様においては、そのコポリエステル樹脂の製造において、脂肪族で直鎖状の二酸も、ダイマー脂肪酸ジオールもまったく使用されない。
このコーティング組成物の実施態様のある種の好ましい態様は、形成されるコポリエステル樹脂の性質に関連する。一つのそのような態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、5mgKOH/g未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1mgKOH/gより大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価を有している。また別のそのような態様においては、そのヒドロキシル価が、20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きく、好ましくは8mgKOH/gより大きい。また別のそのような態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、約8000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有している。また別のそのような態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを使用し、0.5rpmで、215℃で、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度を有している。また別のそのような態様においては、そのコポリエステル樹脂の固有粘度が、約0.3dL/g~約0.6dL/gの間、好ましくは約0.35dL/g~約0.55dL/gの間である。
本発明の一つの実施態様においては、そのコポリエステル樹脂がペレットの形態にある(溶媒和の前)。それに代わる形態としては、顆粒、切断ロッド、又は粉体が挙げられる。
本発明のこの実施態様においては、そのコーティング組成物に架橋剤がさらに含まれる。本発明のこの実施態様においては、各種好適な架橋剤が使用できる。その架橋剤は、アミン、ブロックトイソシアネート、及びフェノール樹脂、並びにそれらの混合物からなる群より選択される。典型的なブレンド物には、そのコポリエステル樹脂の重量を基準にして、20%アミン/10%ブロックトイソシアネート、又は15%アミン/10%フェノール系/5%ブロックトイソシアネートが含まれる。その架橋剤が、好ましく75℃を超える、より好ましくは100℃を超える、さらにより好ましくは125℃を超える、最も好ましくは145℃を超える活性化温度を有しているのが好ましい。それらの好ましい実施態様は、改良された貯蔵性を示す。好適な架橋剤の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:ベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン-ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素-ホルムアルデヒド樹脂。特に有用な架橋剤は、完全アルキル化されたベンゾグアナミン-ホルムアルデヒド樹脂であって、Cytec Industries,Inc.から、CYMEL 1123の商標で市販されている。
上で述べたように、そのコーティング組成物にはさらに、金属触媒が含まれる。その触媒が、キュア速度を上げるのに役立つのが好ましい。その触媒は、(重量で)約0.01%~約1%、より好ましくは約0.05%~約1%、最も好ましくは約0.1~約0.5%の量の非揮発性物質を存在させるのが好ましい。触媒の例としては、以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):強酸(たとえば、ドデシルベンゼンスルホン酸)、四級アンモニウム化合物、リン化合物、並びにスズ及び亜鉛化合物、たとえば、テトラアルキルアンモニウムハライド、テトラアルキル若しくはテトラアリールホスホニウムヨウ化物若しくは酢酸塩、オクタン酸スズ、オクタン酸亜鉛、トリフェニルホスフィン、並びに当業熟練者には公知の同様の触媒。特に好ましいのは、パラ-トルエンスルホン酸又はリン酸触媒で、Cytec Industries,Inc.から商標CYCAT4040として市販されているものである。
本発明のコーティング組成物にはさらに、そのコーティング組成物又はそれらから得られるキュアされたコーティング組成物に悪影響を及ばさない、その他の任意成分が含まれていてもよい。そのような任意成分は、典型的には、コーティング組成物の中に組みこまれて、組成物の見栄えをよくしたり、その組成物の製造、加工、取扱い、及び塗布を容易にしたり、コーティング組成物又はそれらから得られるキュアされたコーティング組成物の特定の機能特性をさらに改良したりする。
そのような任意成分としては、たとえば、以下のものが挙げられる:染料、顔料、トナー、エクステンダー、充填剤、滑沢剤、耐腐食剤、流動調節剤、チクソトロープ剤、分散剤、抗酸化剤、接着促進剤、光安定剤、及びそれらの混合物。それぞれの任意成分は、その意図された目的に役立たせるのに十分な量ではあるが、コーティング組成物又はそれらから得られるキュアされたコーティング組成物に悪影響を与えないような量で含まれる。
また別の有用な任意成分は、潤滑剤たとえばワックスであるが、それは、コーティングされた金属基材のシートに潤滑性を付与することによって、金属の型締め作成を容易にする。潤滑剤は、非揮発性物質の重量の約0.01%~約2%、好ましくは約0.1~約2%の量で、そのコーティング組成物の中に存在させるのが好ましい。好ましい滑沢剤としては、たとえば、カルナウバワックス及びポリエチレンタイプの滑沢剤が挙げられる。
本発明のコーティング組成物の成分は、所望される粘度及びその他の性質に応じて、広い範囲で変化させることができる。本発明の一つの実施態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂を、乾燥重量基準で、約60~85重量%、好ましくは約67-80重量%の量で存在させ、その架橋剤を、乾燥重量基準で、約15~35重量%、好ましくは約20~32.5重量%の量で存在させ、そしてその触媒を、乾燥重量基準で、約0.1~3重量%、好ましくは約0.5~1.5重量%の量で存在させる。この文脈においては、「乾燥重量基準」は、コポリエステル樹脂、架橋剤、及び触媒の合計量を指している。
本発明においては、そのコーティング組成物に、溶媒をさらに含む。本明細書で使用するとき、溶媒は、単一の溶媒又は複数の溶媒の混合物を考慮に入れている。使用される溶媒は、溶媒和前のそのコーティング組成物の溶解度特性、及び最終用途に依存するであろう。それらの因子に依存して、広い範囲の溶媒が使用できる。本発明の一つの実施態様においては、その溶媒は、以下のものからなる群より選択される:二塩基酸エステル、シクロヘキサノン、aromatic 100、aromatic 150、aromatic 200、酢酸メチルプロピル(methyl propyl acetate)、及びメチルプロピルケトン、並びにそれらの混合物。適切な溶媒(又は溶媒混合物)としては、以下のものが挙げられる:二塩基酸エステル(DBE);シクロヘキサノン;(70:30)の(aromatic 100:シクロヘキサノン)ブレンド物;(90:10)の(二塩基酸エステル:酢酸メチルプロピル)ブレンド物;(85:10:5)の(DBE:シクロヘキサノン:aromatic 100)のブレンド物;(80:20)の(DBE:メチルプロピルケトン)のブレンド物;(60:40)の(メチルプロピルケトン:シクロヘキサノン)のブレンド物;及び(60:40)の(トルエン:メチルエチルケトン)。本発明の一つの実施態様による溶媒和コーティング組成物の製造においては、非晶質コポリエステル樹脂、架橋剤、及び触媒のコーティング組成物を、公知の方法で溶媒と組み合わせて、溶媒和コーティング組成物を形成させる。これは、室温での混合により実施することができる。
その組成物の中に含まれる溶媒の量は、その溶媒和コーティング組成物で所望されるか又は必要とされるレオロジー的性質によってのみ限定される。通常、十分な量の溶媒がそのコーティング組成物の中に含まれていて、容易に加工することが可能であり、そして金属基材に対して容易且つ均質に塗布することが可能であり、そしてキュアの際に、所望のキュア時間内にそのコーティング組成物から十分に除去されるような組成物を与える。そのコーティング組成物の固形分含量は、塗布方法及び所望する性質に応じて、10~70%固形分から20~35%固形分までの間で、広い範囲で変化させることができる。同様にして、その溶媒和コーティング組成物の粘度も、広い範囲で変化させることができる。一つの用途においては、その溶液粘度が、ISO6粘度カップを使用し、25℃で、50~100秒、好ましくは50~70秒の間である。
本発明のまた別の実施態様においては、金属表面をコーティングする方法には、次のステップが含まれる:コーティング組成物を溶媒と組み合わせて溶媒和コーティング組成物を形成させるステップ;その溶媒和コーティング組成物を金属表面に塗布するステップ;及びそのコーティング組成物をキュアさせて、コーティングされた金属基材を形成させるステップ。そのキュアステップにおいて、樹脂が架橋されるにつれて、その溶媒は蒸発する。この実施態様においては、その非晶質コポリエステル樹脂が、約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含み、ここでその少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、その少なくとも1種の二酸の合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる。その組合せステップは、各種の慣用される方法、たとえば、複数の成分を単に互いに混合して、溶媒和コーティング組成物を形成させることにより、実施することができる。その溶媒和コーティング組成物は、各種の適切な方法たとえば、浸漬法すなわちディップコーティング法、ロールコーティング法、スプレー法、ナイフオーバーロールコーティング法によって、金属表面に塗布することができる。そのキュアステップには、溶媒を蒸発させ、コポリエステル樹脂に金属表面に接着させる適切な架橋を起こさせるのに十分な、時間と温度をかけて、加熱することが含まれる。一つの適切な条件セットでは、204℃に12分間暴露させる。
この実施態様においては、その金属としては、スズメッキしたスチール、及びスズフリーのスチールが挙げられる。本発明の一つの好ましい実施態様においては、その金属が、容器の形状をとっており、食品又は飲料を収納するようになっている。本発明のさらなる実施態様においては、その飲料が、アルコール系飲料である。
本発明はさらに、製造物品に関する。その物品としては、金属容器、金属包装物、金属缶、金属缶の蓋、食品及び飲料の容器、食品用及び飲料用の缶が挙げられる。前述のコーティング組成物は、ツーピース缶のためのコーティングとして使用するのに特に好適である。ツーピース缶は、缶の胴(典型的には引抜き加工された金属の胴)を缶の蓋(典型的には引抜き加工された金属の蓋)と接合させることにより製造される。本発明のコーティングは、食品との接触がある状況で使用するのに適していて、そのような缶の内側で使用することができる。それらのコーティングは、缶の外側で使用するのにも適している。特に、本発明のコーティングは、コイルコーティング操作で使用するのに、特に適している。この操作においては、適切な基材(たとえば、アルミニウム又はスチールシート金属)のコイルに、最初に、本発明のコーティング組成物を用いて(片面、又は両面)コーティングし、(たとえば、焼付けプロセスを使用して)キュアさせ、次いで、そのキュアさせた基材を(たとえば、スタンピング法又は延伸法によって)成形して、缶の蓋又は缶の胴又はその両方とする。次いで、その缶の蓋及び缶の胴を、その中に食品又は飲料を入れて、互いにシールさせる。
本発明のまた別の実施態様においては、コーティングされた物品には、金属基材と、その金属基材の上に配された、約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、本発明による各種のコーティング組成物をキュアさせることにより製造された架橋されたコポリエステル樹脂を含むコーティングとが、含まれる。また別の実施態様においては、その樹脂には、少なくとも1種の脂肪族ジオール、並びに好ましくは、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマーを含む少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルの残基が含まれるが、ここでそのコーティングが、次の性能を示す:少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5のかぶり抵抗試験のレーティング;少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%のウェッジベンドパーセント;少なくとも30回のダブルラブ、好ましくは少なくとも40回のダブルラブのメチルエチルケトンを使用した耐溶媒性レーティング;少なくとも8、好ましくは少なくとも9の接着試験のレーティング;並びに8H又はそれよりも硬い鉛筆試験レーティング。本明細書で使用するとき、かぶり抵抗試験は、次の条件のすべてを指している:脱イオン水の液体及び脱イオン水の蒸気;液体の水と蒸気の水、両方の中の1%塩化ナトリウム;又は液体の水と蒸気の水、両方の中の3%酢酸。
好ましい実施態様(たとえば、アルコール系飲料用缶のための使用)においては、そのコポリエステル樹脂を製造するために使用するジオールモノマーには、ネオペンチルグリコール及び2-メチル-1,3-プロパンジオールを実質的に含まないか、より好ましくはネオペンチルグリコール及び2-メチル-1,3-プロパンジオールを完全に含まない。本発明の好ましい実施態様では、ビスフェノールA(遊離及び結合の両方の形態)及び芳香族グリシジルエーテル化合物[たとえば、BADGE、BFDGE、及びエポキシノボラック]を実質的に又は完全に含まない。
本発明の一つの好ましい実施態様においては、非晶質コポリエステル樹脂が、約65℃~約95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、以下のものの反応生成物を含む:二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマー;二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量にある、テレフタル酸ベースのモノマー;二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量にある、イソフタル酸ベースのモノマー;複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量にある、エチレングリコール;複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7-15mol%の量にある、ジエチレングリコール;並びに、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量にある、シクロヘキサンジメタノール。本発明のコーティング組成物の好ましい実施態様には、そのようなコポリエステル樹脂、架橋剤、及び金属触媒が含まれる。金属表面をコーティングする方法の一つの好ましい実施態様には、以下のステップが含まれる:(a)そのようなコーティング組成物を溶媒と組み合わせて、溶媒和コーティング組成物を形成させるステップ;(b)その溶媒和コーティング組成物を金属表面に塗布するステップ;並びに(c)その溶媒和コーティング組成物をキュアさせて、コーティングされた金属基材を形成させるステップ。そのコーティングされた物品の好ましい実施態様には、金属基材と、その金属基材の上に配され、そのようなコーティング組成物をキュアさせることにより作成された架橋されたコポリエステル樹脂を含むコーティングとが含まれる。
本発明の態様
[態様1]
少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む非晶質コポリエステル樹脂を含む、組成物であって、前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルが、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマー、並びに少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量にあるテレフタル酸ベースのモノマーを含み、そして約65℃~約95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有する、組成物。
[態様2]
前記コポリエステルが、ネオペンチルグリコール又は2-メチル-1,3-プロパンジオールの残基をまったく含まない、態様1に記載の組成物。
[態様3]
前記二酸及びジエステル成分のすべてが芳香族であり、そして前記ジオール成分のすべてが脂肪族である、態様1又は2に記載の組成物。
[態様4]
前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びシクロヘキサンジメタノールを含む、態様1~3のいずれかに記載の組成物。
[態様5]
前記エチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在し;
前記ジエチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在し;そして
前記シクロヘキサンジメタノールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在する、
態様4に記載の組成物。
[態様6]
前記ナフタレン酸ベースのモノマーが、1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチルからなる群より選択される、態様1~5のいずれかに記載の組成物。
[態様7]
ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルである、態様1~5のいずれかに記載の組成物。
[態様8]
前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルが、イソフタル酸ベースのモノマーをさらに含む、態様1~7のいずれかに記載の組成物。
[態様9]
ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであり、前記テレフタル酸ベースのモノマーが、テレフタル酸ジメチルであり、そして前記イソフタル酸ベースのモノマーが、イソフタル酸であり、そして
前記イソフタル酸が、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在し;そして
前記2,6-ナフタレンジカルボン酸が、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在する、
態様8に記載の組成物。
[態様10]
前記コポリエステル樹脂の中のエーテル基の唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量が、前記複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である、態様1~9のいずれかに記載の組成物。
[態様11]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、5mgKOH/g未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1gKOH/gより大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価、及び20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きい、好ましくは8mgKOH/gより大きいヒドロキシル価を有する、態様1~10のいずれかに記載の組成物。
[態様12]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、約8000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有する、態様1~11のいずれかに記載の組成物。
[態様13]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを用い、0.5rpmで、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度(215℃)、及び/又はASTM D5225-14に従って測定された、約0.3dl/g~約0.6dl/gの間、好ましくは約0.35dl/g~約0.55dl/gの間の固有粘度を有する、態様1~12のいずれかに記載の組成物。
[態様14]
テレフタル酸ベースのモノマーがテレフタル酸ジメチルであり、前記少なくとも2種の脂肪族ジオールがエチレングリコールを含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチルのモル分率とを合わせた量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である、態様1~13のいずれかに記載の組成物。
[態様15]
前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、ジエチレングリコールを含み、前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルがイソフタル酸をさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合わせた量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である、態様1~14のいずれかに記載の組成物。
[態様16]
前記ジオール成分のすべてが、第一級アルコールからなっている、態様1~15のいずれかに記載の組成物。
[態様17]
コーティング組成物であって、
約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む、非晶質コポリエステル樹脂[ここで前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、前記少なくとも1種の二酸又はジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる];
架橋剤;及び
金属触媒
を含む、コーティング組成物。
[態様18]
前記二酸及びジエステル成分のすべてが芳香族であり、そして前記ジオール成分のすべてが脂肪族である、態様17に記載のコーティング組成物。
[態様19]
前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びシクロヘキサンジメタノールを含む、態様17又は18に記載のコーティング組成物。
[態様20]
前記エチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在し;
前記ジエチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在し;そして
前記シクロヘキサンジメタノールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在する、
態様19に記載のコーティング組成物。
[態様21]
ナフタレン酸ベースのモノマーが、1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチルからなる群より選択される、態様17~20のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様22]
ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルである、態様17~20のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様23]
前記少なくとも1種の芳香族二酸が、テレフタル酸ベースのモノマー及びイソフタル酸ベースのモノマーをさらに含む、態様17~22のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様24]
ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであり、前記テレフタル酸ベースのモノマーが、テレフタル酸ジメチルであり、そして前記イソフタル酸ベースのモノマーが、イソフタル酸であり、そして
前記テレフタル酸ジメチルが、二酸の合計モル数を基準にして、20~60mol%、好ましくは35~45mol%の量で存在し;
前記イソフタル酸が、二酸の合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在し;そして
前記2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルが、二酸の合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在する、
態様23に記載のコーティング組成物。
[態様25]
前記コポリエステル樹脂の中のエーテル基のグリコールの唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量が、前記複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である、態様17~24のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様26]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、5mgKOH/g未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1gKOH/gより大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価、及び20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きい、好ましくは8mgKOH/gより大きいヒドロキシル価を有する、態様17~25のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様27]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、約8,000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有する、態様17~26のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様28]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを用い、0.5rpmで、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度(215℃)、及び/又はASTM D5225-14に従って測定して、約0.3dl/g~約0.6dl/gの間、好ましくは約0.35dl/g~約0.55dl/gの間の固有粘度を有する、態様17~27のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様29]
前記少なくとも2種の脂肪族ジオールがエチレングリコールを含み、前記少なくとも1種の芳香族二酸又はジエステルがテレフタル酸ジメチルをさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチルのモル分率とを合わせた量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である、態様17~28のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様30]
前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、ジエチレングリコールを含み、前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルがイソフタル酸をさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合わせた量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である、態様17~29のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様31]
前記ジオール成分のすべてが、第一級アルコールからなっている、態様17~30のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様32]
前記非晶質コポリエステル樹脂が、乾燥重量基準で、約60~85重量%、好ましくは約67~80重量%の量で存在し;
前記架橋剤が、乾燥重量基準で、約15~35重量%、好ましくは約20~32.5重量%の量で存在し;そして
前記触媒が、乾燥重量基準で、約0.1~3重量%、好ましくは約0.5~1.5重量%の量で存在する、
態様17~31のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様33]
溶媒をさらに含む、態様17~32のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様34]
前記溶媒が、二塩基酸エステル、シクロヘキサノン、aromatic 100、aromatic 150、aromatic 200、酢酸メチルプロピル、トルエン、メチルエチルケトン、及びメチルプロピルケトン、並びにそれらの混合物からなる群より選択される、態様33に記載のコーティング組成物。
[態様35]
前記架橋剤が、75℃を超える、好ましくは100℃を超える、より好ましくは125℃を超える、最も好ましくは145℃を超える活性化温度を有する、態様17~34のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様36]
前記架橋剤が、アミン、ブロックトイソシアネート、フェノール樹脂、及びそれらの混合物からなる群より選択される、態様17~35のいずれかに記載のコーティング組成物。
[態様37]
金属表面をコーティングする方法であって、
態様17~32、35、又は36のいずれかに記載のコーティング組成物を、溶媒と組み合わせて、溶媒和コーティング組成物を形成させるステップ;
前記溶媒和コーティング組成物を前記金属表面に塗布するステップ;及び
前記溶媒和コーティング組成物をキュアさせて、コーティングされた金属基材を形成させるステップ;
を含む方法。
[態様38]
前記金属が、スズメッキしたスチールを含む、態様37に記載の方法。
[態様39]
前記金属が、飲料の容器に適用される、態様37又は38に記載の方法。
[態様40]
前記飲料がアルコール系飲料である、態様37~39のいずれかに記載の方法。
[態様41]
金属基材、及び前記金属基材の上に配され、そして架橋されたコポリエステル樹脂を含むコーティングを含む、コーティングされた物品であって、前記樹脂が、少なくとも1種の脂肪族ジオール、及びナフタレン酸ベースのモノマーを含む少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルの残基を含み、前記コーティングが、少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5のかぶり抵抗試験のレーティング;少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%のウェッジベンドパーセント;少なくとも30回のダブルラブ、好ましくは少なくとも40回のダブルラブのメチルエチルケトンを使用した耐溶媒性レーティング;少なくとも8、好ましくは少なくとも9の接着試験のレーティング;並びに8H又はそれよりも硬い鉛筆試験レーティング;の性能を示す、物品。
以下の実施例によって、本発明のある種の好ましい実施態様のいくつかの態様を説明するが、それらの実施例が本発明を限定すると受け取ってはならない。
実施例1
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(638.91グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(321.43グラム)、エチレングリコール(245.06グラム)、ネオペンチルグリコール(411.20グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.31グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.69グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(327.98グラム)、エチレングリコール(61.27グラム)、ネオペンチルグリコール(102.80グラム)、及びチタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド(0.06グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約100グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で4時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.25キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.53dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。79.7℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例2
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(624.90グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(471.58グラム)、エチレングリコール(239.69グラム)、ネオペンチルグリコール(402.19グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.31グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.69グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約220グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(213.86グラム)、エチレングリコール(59.92グラム)、ネオペンチルグリコール(100.55グラム)、及びチタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド(0.06グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約90グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3.5時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.22キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.43dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。82.5℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例3
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(592.41グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(372.55グラム)、エチレングリコール(227.23グラム)、ネオペンチルグリコール(190.64グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(263.96グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.69グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約190グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(253.42グラム)、エチレングリコール(56.81グラム)、ネオペンチルグリコール(47.66グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(65.99グラム)、及びチタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド(0.06グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約70グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で4時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約120グラムの留出物が回収され、そして1.19キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.52dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。85.0℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例4
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(601.16グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(378.05グラム)、エチレングリコール(230.58グラム)、1,4-ブタンジオール(167.41グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(267.86グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.69グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(257.16グラム)、エチレングリコール(57.65グラム)、1,4-ブタンジオール(41.85グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(66.97グラム)、及びチタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド(0.06グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約70グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で6時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約120グラムの留出物が回収され、そして1.23キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.56dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。74.73℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例5
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(602.58グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(378.94グラム)、エチレングリコール(240.37グラム)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(36.36グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(232.70グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.28グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.64グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(257.77グラム)、エチレングリコール(60.09グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(58.17グラム)、及びチタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド(0.05グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で6時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約130グラムの留出物が回収され、そして1.22キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.51dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。71.74℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例6
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(500.40グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(472.03グラム)、エチレングリコール(313.50グラム)、ジエチレングリコール(95.71グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(208.10グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.68グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(321.09グラム)、エチレングリコール(78.37グラム)、及び1,4-シクロヘキサンジメタノール(52.03グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.24キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.52dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。79.30℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例7
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(500.52グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(472.14グラム)、エチレングリコール(313.57グラム)、ジエチレングリコール(95.73グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(208.15グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.34グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(321.17グラム)、エチレングリコール(78.39グラム)、及び1,4-シクロヘキサンジメタノール(52.04グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約140グラムの留出物が回収され、そして1.23キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.52dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。78.02℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例8
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(500.52グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(472.14グラム)、エチレングリコール(313.57グラム)、ジエチレングリコール(95.73グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(260.19グラム)、酢酸亜鉛二水和物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.34グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約210グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(321.17グラム)及びエチレングリコール(78.39グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で1.25時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.26キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルを試験にかけると、0.39dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。76.96℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例9
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(509.09グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(480.23グラム)、エチレングリコール(318.94グラム)、ジエチレングリコール(194.74グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(105.86グラム)、酢酸亜鉛無水物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.34グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約200グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(326.67グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(26.46グラム)、及びエチレングリコール(79.73グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.24キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルについて計算すると、0.48dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。74.52℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例10
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(491.55グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(463.68グラム)、エチレングリコール(285.95グラム)、ジエチレングリコール(94.02グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(255.53グラム)、酢酸亜鉛無水物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.68グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約220グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(315.41グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(63.88グラム)、及びエチレングリコール(71.49グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約90グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.20キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルについて計算すると、0.45dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。78.90℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
実施例11
2リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ジメチル(466.94グラム)、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル(440.47グラム)、エチレングリコール(208.95グラム)、ジエチレングリコール(89.31グラム)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(485.47グラム)、酢酸亜鉛無水物(0.30グラム)、及びチタン(IV)ブトキシド(0.34グラム)を添加した。緩やかな窒素パージ下で、その反応混合物を撹拌し、加熱して204℃とした。204℃に達してから、その反応混合物を、緩やかな窒素パージを用い、塔頂での蒸留温度が60℃未満に低下するまで、約1.5時間撹拌した。この加熱サイクル全体で、約215グラムの無色の留出物が捕集された。この時点で、そのフラスコに、イソフタル酸(299.62グラム)及びエチレングリコール(52.24グラム)を添加した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、0.4時間かけて加熱して、200℃とした。そのようにして得られた反応混合物を、緩やかな窒素パージ下、200℃で、約2時間、又は塔頂での蒸留温度が90℃未満に低下するまで、撹拌した。次いでその反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら、1.5時間かけて加熱して、255℃とした。この加熱サイクル全体で、約80グラムの無色の留出物が捕集された。次いでその反応混合物を、撹拌しながら255℃でフル真空の状態に置いた。そのようして得られた反応混合物を、フル真空下(圧力、5トル未満)で3時間撹拌した。次いで、窒素を用いて真空を破り、その反応物質をPTFEのトレーに移し、放冷して室温とした。追加で約150グラムの留出物が回収され、そして1.18キログラムの固形物の反応生成物が回収された。その反応生成物のサンプルについて計算すると、0.49dL/gのインヘレント粘度(IV)を有していた。そのサンプルをさらに、示差走査熱量測定(DSC)分析にもかけた。84.51℃のところにガラス転移温度(Tg)が観察された。
コーティング組成物
これまでの実施例からの固形物のコポリエステル反応生成物をそれぞれ、以下の溶媒の一つの中で、30重量%~40重量%の固形分含量で、溶媒和させた:(1)69%のaromatic 100及び31%のシクロヘキサノン、又は(2)44%の二塩基酸エステル、38%のaromatic 100、及び18%のブチルグリコール(すべて重量%)。この溶液に、それぞれコポリエステル樹脂の重量を基準にして、20%のベンゾグアナミン(CYMEL 1123として市販されている)及び10%のブロックトイソシアネート(Covestro AGから、DESMODUR BL 2078/2として市販されている)からなる架橋剤成分を添加した。それに続けて、パラ-トルエンスルホン酸触媒(CYCAT 4040として市販されている)又はリン酸触媒(CYCAT XK 406Nとして市販されている)を、0.5重量%~1重量%で添加した。評価対象のコーティングを、100mm×150mm(4”×6”)のメッキしたアルミニウムパネルに、10~15グラム/平方メートル(目標厚み、13gm)の乾燥膜厚で塗布した。そのコーティングされたパネルを、金属のピーク温度204℃に8分間で到達するように適切に加熱されたオーブンの中で、12分間(全オーブン時間)かけてキュアさせた。試験結果を、下の表1に示す。
試験方法
レトルト耐性
これらの試験は、液体、たとえば脱イオン水、1%NaCl、又は3%酢酸溶液を用い、熱及び圧力に暴露させた後での、そのコーティングされた基材のコーティングとの一体性も目安である。レトルト性能は、すべての食品及び飲料用のコーティングで必要とされている訳ではないが、レトルト条件下で包装される、いくつかのタイプの製品では望ましいものである。この試験は、食品又は飲料の保存又は殺菌にしばしば伴う条件に耐え得るコーティングの性能についての指標を与える。この評価のためには、コーティングされた基材サンプル(底部にウェッジベンドを有するフラットパネルの形状)を、容器に入れ、それぞれの溶液の中に、部分的に浸漬させる。そのレトルト方法は、次の通りである:試験液の中に部分的に浸漬させたままで、そのコーティングされた基材サンプルを、オートクレーブの中に入れ、温度121℃、圧力20psiの条件に90分間かけた。レトルトの直後に、そのコーティングされた基材サンプルについて、以下に記す、接着性及びかぶり抵抗性の試験にかけ、硫酸銅溶液の中に2分間漬けた。
かぶり抵抗試験
かぶり抵抗性の測定では、各種の溶液による攻撃に抵抗するコーティングの能力を測定する。典型的には、かぶりは、コーティングされた膜の中に吸収された水の量により測定される。膜が水を吸収すると、一般的には、曇ったり、白っぽく見えたりする。かぶりは、一般的には、視覚的に0~5のスケールで測定されるが、ここで、「5」のレーティングは、かぶりがまったくないことを示し、「4」のレーティングは、膜にわずかな白化があることを示し、「3」のレーティングは、膜が白化していることを示し、「2」のレーティングが、膜がひどく白化していることを示し、「1」のレーティングは、膜がひどく白化するとともに、コーティングが破損していることを示し、そして「0」のレーティングは、完全にコーティングの層間剥離が起きていることを示す。商業的な包装コーティングのためには、典型的には、4以上のかぶりレーティングが望ましく、4.5以上あれば最適である。
ウェッジベンド試験
この試験は、コーティングの可撓性及びキュアの進行レベルの指標を与える。本評価のためには、コーティングされた長方形(長さ150mm×幅100mm)の金属試験シートから、試験ウェッジを形成した。試験ウェッジは、コーティングされたシートから、そのシートをマンドレルの回りに折り曲げる(すなわちベンド)させることにより形成した。これを実施するためには、マンドレルを、そのコーティングされたシートの上に、それがそのシートの100mmの辺に平行に向くように配置した。そのようにして得られた試験用ウェッジは、4mmのウェッジ直径と100mmの長さとを有していた。そのコーティングのウェッジベンド性能を評価するために、その試験ウェッジを、ウェッジベンド試験機の金属ブロックの中で長さ方向に配置し、60cmの高さから2.4kgのおもりを、その試験ウェッジの上に落下させた。
次いでその変形を受けた試験ウェッジを、硫酸銅試験液(20部のCuSO4・5H2O、70部の脱イオン水、及び10部の塩酸(36%)を組み合わせて調製したもの)の中に約2分間浸漬させた。そのように暴露された金属を顕微鏡で観察し、試験ウェッジの変形軸にそって、コーティングの破損の長さ(ミリメートル)を測定した。本発明において調製されたコーティングについてのこの試験の結果は、次の計算式を使用して、ウェッジベンドパーセントとして表す:
100%×[(100mm)-(破損mm)]/(100mm)
本明細書においては、そのコーティングが、70%以上のウェッジベンドパーセントを示したら、それはウェッジベンド試験に合格したと見なす。
耐溶媒性試験
コーティングの「キュア」又は架橋の程度を、溶媒たとえば、メチルエチルケトン(MEK)、又はイソプロピルアルコール(IPA)に対する抵抗性として測定する。この試験は、ASTM D5402-93の記載に従って実施するが、ただし、一定の圧力を加える目的では、32オンス丸頭ハンマーにチーズクロスを巻き付けた。コーティングが破損するまでのダブルラブ(すなわち、1往復の動き)の数を報告するが、コーティングの破損が観察されないような場合には、100回のダブルラブでラビングを中止する。MEK耐溶媒性が、少なくとも30回のダブルラブが好ましいが、本明細書では、ダブルラブの回数を、耐溶媒性レーティングの参照としている。
接着試験
接着試験は、そのコーティング組成物が、その下にある基材に接着するかどうかを評価することにより、実施した。接着試験は、ASTM D3359-Test Method Bに従い、SCOTCH 610テープ(3M Company(Saint Paul,MNから入手可能)を使用して実施した。接着性は、一般的には、0~10のスケールでレーティングされるが、ここで、「10」のレーティングは、接着破壊がないことを示し、「9」のレーティングは、コーティングの90%が接着したまま残っていることを示し、「8」のレーティングは、コーティングの80%が接着したまま残っていることを示し、以下同様である。本明細書においては、そのコーティングが、少なくとも8の接着性レーティングを示したら、それは接着試験に合格したと見なす。
耐引っかき性試験
耐引っかき性試験を、仕上がったコーティングの硬度を測定するために実施した。この試験は、Wolff-Wilborn Pencil Hardness試験に従い、鉛筆硬度試験器を使用して、2B~9Hの範囲の鉛筆の芯を用いて実施した。鉛筆芯レーティングが高いほど、そのコーティングの耐引っかき性が良好である。

Claims (41)

  1. 少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む非晶質コポリエステル樹脂を含む組成物であって、前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルが、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にあるナフタレン酸ベースのモノマー、並びに少なくとも20mol%、好ましくは35mol%、且つ多くとも60mol%、好ましくは多くとも45mol%の量にあるテレフタル酸ベースのモノマーを含み、そして約65℃~約95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有する、組成物。
  2. 前記コポリエステルが、ネオペンチルグリコール又は2-メチル-1,3-プロパンジオールの残基をまったく含まない、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記二酸及びジエステル成分のすべてが芳香族であり、そして前記ジオール成分のすべてが脂肪族である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びシクロヘキサンジメタノールを含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記エチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在し;
    前記ジエチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在し;そして
    前記シクロヘキサンジメタノールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在する、
    請求項4に記載の組成物。
  6. 前記ナフタレン酸ベースのモノマーが、1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチルからなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  7. ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルである、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルが、イソフタル酸ベースのモノマーをさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  9. ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであり、前記テレフタル酸ベースのモノマーが、テレフタル酸ジメチルであり、そして
    前記イソフタル酸が、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在し;そして
    前記2,6-ナフタレンジカルボン酸が、二酸及びジエステルの合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在する、
    請求項8に記載の組成物。
  10. 前記コポリエステル樹脂の中のエーテル基の唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量が、前記複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である、請求項1に記載の組成物。
  11. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、5未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1より大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価、及び20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きい、好ましくは8mgKOH/gより大きいヒドロキシル価を有する、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、約8000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項1に記載の組成物。
  13. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを用い、0.5rpmで、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度(215℃)、及び/又はASTM D5225-14に従って測定された、約0.3dl/g~約0.6dl/gの間、好ましくは約0.35dl/g~約0.55dl/gの間の固有粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
  14. テレフタル酸ベースのモノマーがテレフタル酸ジメチルであり、前記少なくとも2種の脂肪族ジオールがエチレングリコールを含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチルのモル分率とを合わせた量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である、請求項1に記載の組成物。
  15. 前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、ジエチレングリコールを含み、前記少なくとも2種の芳香族の二酸又はジエステルがイソフタル酸をさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合わせた量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記ジオール成分のすべてが、第一級アルコールからなっている、請求項1に記載の組成物。
  17. コーティング組成物であって、
    約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む、非晶質コポリエステル樹脂[ここで前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、前記少なくとも1種の二酸又はジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる];
    架橋剤;及び
    金属触媒
    を含む、コーティング組成物。
  18. 前記二酸及びジエステル成分のすべてが芳香族であり、そして前記ジオール成分のすべてが脂肪族である、請求項17に記載のコーティング組成物。
  19. 前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、及びシクロヘキサンジメタノールを含む、請求項17に記載のコーティング組成物。
  20. 前記エチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、55~80mol%、好ましくは65~75mol%の量で存在し;
    前記ジエチレングリコールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、5~40mol%、好ましくは7~15mol%の量で存在し;そして
    前記シクロヘキサンジメタノールが、複数のジオールの合計モル数を基準にして、10~35mol%、好ましくは15~25mol%の量で存在する、
    請求項19に記載のコーティング組成物。
  21. ナフタレン酸ベースのモノマーが、1,2-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,4-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,5-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,8-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,3-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル、及び2,7-ナフタレンジカルボン酸ジメチルからなる群より選択される、請求項17に記載のコーティング組成物。
  22. ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸又は2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルである、請求項17に記載のコーティング組成物。
  23. 前記少なくとも1種の芳香族二酸が、テレフタル酸ベースのモノマー及びイソフタル酸ベースのモノマーをさらに含む、請求項22に記載のコーティング組成物。
  24. ナフタレン酸ベースのモノマーが、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルであり、前記テレフタル酸ベースのモノマーが、テレフタル酸ジメチルであり、そして前記イソフタル酸ベースのモノマーが、イソフタル酸であり、そして
    前記テレフタル酸ジメチルが、二酸の合計モル数を基準にして、20~60mol%、好ましくは35~45mol%の量で存在し;
    前記イソフタル酸が、二酸の合計モル数を基準にして、15~50mol%、好ましくは25~35mol%の量で存在し;そして
    前記2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルが、二酸の合計モル数を基準にして、25~35mol%の量で存在する、
    請求項23に記載のコーティング組成物。
  25. 前記コポリエステル樹脂の中のエーテル基のグリコールの唯一の起源がジエチレングリコールであり、ジエチレングリコールの量が、前記複数のジオールの合計モル数を基準にして、多くとも30mol%、好ましくは多くとも20mol%、最も好ましくは多くとも15mol%である、請求項17に記載のコーティング組成物。
  26. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、5mgKOH/g未満、好ましくは3mgKOH/g未満であるが、0.1mgKOH/gより大きい、好ましくは0.5mgKOH/gより大きい酸価、及び20mgKOH/g未満、好ましくは17mgKOH/g未満であるが、5mgKOH/gより大きい、好ましくは8mgKOH/gより大きいヒドロキシル価を有する、請求項17に記載のコーティング組成物。
  27. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、約8,000~30,000ダルトンの間、好ましくは約17,000~24,000ダルトンの間の数平均分子量(Mn)、及び約20,000~45,000ダルトンの間、好ましくは約27,000~40,000ダルトンの間の重量平均分子量(Mw)を有する、請求項17に記載のコーティング組成物。
  28. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、#29スピンドルを用い、0.5rpmで、85,000~500,000cPの間のブルックフィールドサーモセル溶融粘度(215℃)、及び/又はASTM D5225-14に従って測定して、約0.3dl/g~約0.6dl/gの間、好ましくは約0.35dl/g~約0.55dl/gの間の固有粘度を有する、請求項17に記載のコーティング組成物。
  29. 前記少なくとも2種の脂肪族ジオールがエチレングリコールを含み、前記少なくとも1種の芳香族二酸又はジエステルがテレフタル酸ジメチルをさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたエチレングリコールのモル分率と複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたテレフタル酸ジメチルのモル分率とを合わせた量が、1.3未満、好ましくは1.25未満、最も好ましくは1.2未満である、請求項17に記載のコーティング組成物。
  30. 前記少なくとも2種の脂肪族ジオールが、ジエチレングリコールを含み、前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルがイソフタル酸をさらに含み、そして複数のジオールの合計モル数を基準にしたジエチレングリコールのモル分率と、複数の二酸及びジエステルの合計モル数を基準にしたイソフタル酸のモル分率とを合わせた量が、少なくとも0.25、好ましくは少なくとも0.3、最も好ましくは少なくとも0.35である、請求項17に記載のコーティング組成物。
  31. 前記ジオール成分のすべてが、第一級アルコールからなっている、請求項17に記載のコーティング組成物。
  32. 前記非晶質コポリエステル樹脂が、乾燥重量基準で、約60~85重量%、好ましくは約67~80重量%の量で存在し;
    前記架橋剤が、乾燥重量基準で、約15~35重量%、好ましくは約20~32.5重量%の量で存在し;そして
    前記触媒が、乾燥重量基準で、約0.1~3重量%、好ましくは約0.5~1.5重量%の量で存在する、
    請求項17に記載のコーティング組成物。
  33. 溶媒をさらに含む、請求項17に記載のコーティング組成物。
  34. 前記溶媒が、二塩基酸エステル、シクロヘキサノン、aromatic 100、aromatic 150、aromatic 200、酢酸メチルプロピル、トルエン、メチルエチルケトン、及びメチルプロピルケトン、並びにそれらの混合物からなる群より選択される、請求項33に記載のコーティング組成物。
  35. 前記架橋剤が、75℃を超える、好ましくは100℃を超える、より好ましくは125℃を超える、最も好ましくは145℃を超える活性化温度を有する、請求項17に記載のコーティング組成物。
  36. 前記架橋剤が、アミン、ブロックトイソシアネート、フェノール樹脂、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項17に記載のコーティング組成物。
  37. 金属表面をコーティングする方法であって、
    コーティング組成物を溶媒と組み合わせて溶媒和コーティング組成物を形成させるステップであって
    前記コーティング組成物が、
    約65℃~95℃の間、好ましくは約73℃~約81℃の間のガラス転移温度を有し、そして少なくとも2種の脂肪族ジオールと少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルとの反応生成物を含む、非晶質コポリエステル樹脂(ここで前記少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルには、前記少なくとも1種の二酸又はジエステルの合計モル数を基準にして、少なくとも20mol%、好ましくは少なくとも22.5mol%、より好ましくは少なくとも25mol%、且つ多くとも60mol%の量にある、ナフタレン酸ベースのモノマーが含まれる);
    架橋剤;及び
    金属触媒
    を含むステップ;
    前記溶媒和コーティング組成物を前記金属表面に塗布するステップ;及び
    前記溶媒和コーティング組成物をキュアさせて、コーティングされた金属基材を形成させるステップ;
    を含む方法。
  38. 前記金属が、スズメッキしたスチールを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記金属が、飲料の容器に適用される、請求項37に記載の方法。
  40. 前記飲料がアルコール系飲料である、請求項39に記載の方法。
  41. 金属基材、及び前記金属基材の上に配され、そして架橋されたコポリエステル樹脂を含むコーティングを含む、コーティングされた物品であって、前記樹脂が、少なくとも1種の脂肪族ジオール、及びナフタレン酸ベースのモノマーを含む少なくとも1種の芳香族の二酸又はジエステルの残基を含み、前記コーティングが、少なくとも4、好ましくは少なくとも4.5のかぶり抵抗試験のレーティング;少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%のウェッジベンドパーセント;少なくとも30回のダブルラブ、好ましくは少なくとも40回のダブルラブのメチルエチルケトンを使用した耐溶媒性レーティング;少なくとも8、好ましくは少なくとも9の接着試験のレーティング;並びに8H又はそれよりも硬い鉛筆試験レーティング;の性能を示す、物品。
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