JP2023532981A - 長時間作用型配合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、薬学的に許容可能な水性担体中に懸濁した、活性成分のマイクロ又はナノ粒子を含む、及び表面改質剤としてのPEG4000を含む、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物、並びに病原性マイコバクテリア感染症の治療及び予防におけるそのような医薬組成物の使用に関する。

Description

本発明は、薬学的に許容可能な水性担体中に懸濁した、活性薬剤成分(API)のマイクロ又はナノ粒子を含む、及びPEG4000を含有する、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物に関する。それは更に、そのような組成物の滅菌及びその後の再懸濁に関する。
長時間作用型配合物の目標は、薬物負荷を低減させることであり得る。これは、数ヶ月間続く可能性がある治療体制に特に有用である。
投与される必要がある投薬形態の数及び/又は量は、一般に、「ピル負荷」と言われる。高いピル負荷は、大きな剤形を飲み込まなければならないという不都合としばしば併せて、摂取の頻度、並びに多数又は多量のピルを貯蔵する及び輸送する必要性などの、多くの理由により望ましくない。高いピル負荷は、患者がそれらの全用量を服用しない、それによって処方された投薬体制を遵守できないというリスクを増大させる。治療の有効性を低下させるだけでなく、これは、耐性(例えば、ベダキリンの場合、菌耐性)の発生をもたらし得る。
1週間以上、又は1ヶ月以上などの長期間隔での投薬形態の投与を伴う療法を提供することは魅力的であろう。
長時間作用型配合物などの様々な配合物が、当該技術分野で公知である。例えば、マイクロ及びナノ懸濁液技術が、例えば国際公開第2007/147882号パンフレット及び国際公開第第2012/140220号パンフレットに記載されているように、抗HIV薬の分野で長時間作用型配合物を達成することで知られている。更に、先行技術において公知のナノ粒子が、例えば欧州特許出願公開第A-0499299号明細書に記載されている。そのような粒子は、サブミクロン範囲の平均粒径を有し、表面改質剤がそれらの表面上に吸着された、結晶性製剤原料の粒子からなる。ナノ粒子はまた、難水溶性活性成分を配合するためにも使用されている。
抗結核薬物ベダキリンの長時間作用型配合物はまた、国際公開第2019/012100号パンフレットにも記載されている。
そのような長時間作用型配合物の製造及び好適性に関連する課題は、それらが滅菌されなければならないという事実(これは、例えば静脈内に、筋肉注射で又は皮下に投与することを意図されている場合に、注射可能物質にとって重要である)に関連している。加熱滅菌、オートクレーブ滅菌及びガンマ線照射(γ-線照射)などの、そのような長時間作用型配合物を滅菌するための多くの様々な方法がある。いくつかの方法の例は、米国特許第5,298,262号明細書、米国特許第5,346,702号明細書及び米国特許出願公開第2010/255102号明細書に記載されている。加熱滅菌及びオートクレーブ滅菌のためには、オートクレーブ処理可能である、例えば分解しない賦形剤(例えば表面改質剤又は界面活性剤)を選択できることが重要である。長時間作用型配合物の所望の安定性、その配合物内での活性薬剤成分(API)の粒子の望ましくない凝集及び(滅菌、例えばオートクレーブ滅菌後の)配合物の所望の再懸濁性に関連している、更なる課題は、そのような滅菌後に生じる。米国特許第5,298,262号明細書及び米国特許第5,346,702号明細書は、滅菌中の粒子凝集を防ぐための曇り点改質剤の使用を開示している。曇り点は、それよりも上で界面活性剤(又は表面改質剤)が相分離する及び溶液から沈澱する温度である。懸濁液の加熱滅菌又はオートクレーブ滅菌は、溶解度変化のためにそれらの曇り温度よりも上に加熱された場合、さもなければそれらが相分離する及び沈澱するので、界面活性剤/表面改質剤の曇り点よりも下で行われなければならない。これは、(活性薬剤成分の)粒子表面をフリーのままにし、粒子はそれによって凝集するであろう。曇り点改質剤(又はブースター)のアイディアは、滅菌又はオートクレーブ滅菌プロセスの温度がより高いものであることを可能にし、それによって粒子凝集を防ぐ又は制限することである。米国特許第5,298,262号明細書及び米国特許第5,346,702号明細書に述べられている曇り点改質剤には、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールなどの、イオン性及び非イオン性曇り点改質剤が含まれる。曇り点改質剤として述べられたポリエチレングリコールには、PEG300、PEG400、PEG1000及びPEG2000が含まれ、PEG400が好ましいとして示されおり、実施例では特にPEG400及びPEG1000が、(Tetronic 908の)の曇り点を上げることが示された。他の曇り点改質剤又はブースターがまた、多くの他の文献に記載されている。
これから、更なる代わりの及び/又は改善された長期作用型配合物が記載され、本発明は、そのような配合物に関する。
本発明は、
(a)マイクロ又はナノ粒子形態の、活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩、及び表面改質剤と、
(b)薬学的に許容可能な水性担体と
を含む、マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、治療有効量の活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩を含む、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物であって、
表面改質剤がPEG4000等を含み、並びに組成物が、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌による)及び再懸濁を受けることを特徴とし、
そのような組成物が、本明細書では「本発明の組成物」と言われ得る、
組成物に関する。
PEG4000、すなわち、ポリエチレングリコール4000は、4000がダルトン単位でのおよその平均分子量を指す公知の高分子量ポリマーである。PEG4000は、Sigma-Aldrichなどの供給源から市販されており、これ故にそれがそのようなものとして使用される理由である。しかしながら、(例えば用語「PEG4000」又は「PEG4000等」が使用される場合に)特定の実施形態では、PEG群は、本発明との関連で本明細書で言及される場合、PEG3000~PEG5000(例えばPEG3500~PEG4500)であるけれども、他の高分子量ポリエチレングリコール、例えば1000超及び最大で8000まで(例えばPEG1000~PEG8000、例えばPEG2000~PEG6000)のものが、本発明の範囲内に包含される。本明細書で示されるように、ほとんどのPEGが分子量の分布を持った分子を含む、すなわち、それらが多分散系であることが理解されるように、PEGの次にある数は、ダルトン単位での平均分子量を表す。
本発明の組成物は懸濁液であり、それにより、活性薬剤成分(API)が薬学的に許容可能な水性担体中に懸濁していることを意味する。
本発明の組成物(すなわち、懸濁液)は、活性成分(又はAPI)の表面上へ吸着され得る、表面改質剤を含有する。示されるように、表面改質剤は、PEG4000等を含む(及び本明細書で以下に記載されるものなどの、他の表面改質剤も含有し得る)。
活性薬剤成分は、生理学的機能を修復する、修正する若しくは変更する目的で又は医療診断を行うために、薬理学的な、免疫学的な又は代謝作用を発揮するものを指す。活性薬剤成分は、本明細書に記載される本発明の組成物(懸濁液)の観点からマイクロ又はナノ粒子を形成するのに適している任意の公知の活性成分であり得る。ある実施形態では、そのような活性薬剤成分は、(例えば照射、加熱滅菌又はオートクレーブ滅菌によって)滅菌され得、更なる実施形態では、そのような活性薬剤成分はオートクレーブ処理可能である(例えば、そのような活性薬剤剤分を含有する懸濁液はオートクレーブ処理可能である)。その上更なる実施形態では、活性薬剤成分は、滅菌後(例えばオートクレーブ滅菌後)に再懸濁性である。言及され得る特定のAPIとしては、前述の判断基準(例えばそれは、微粉にしてマイクロ又はナノ粒子を形成し得る、及びそれを含有する懸濁液がオートクレーブ処理可能である)を満たす、抗生物質、抗菌性(例えば抗結核)又は抗ウイルス性薬物(認可されているか、又は開発中のかのどちらか)が挙げられる。言及され得る具体的なAPIは、多くの国で販売承認を受けており、(フマル酸塩として配合された、ベダキリンである)商品名Sirturo(登録商標)で販売される、抗結核薬ベダキリンである。
ある実施形態では、本発明は、それ故、
(a)表面改質剤がその表面に吸着された、マイクロ又はナノ粒子形態の、活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩と;
(b)薬学的に許容可能な水性担体と
を含み、ここで、活性成分は懸濁しているマイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、治療有効量の活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩を含む、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物であって、
表面改質剤がPEG4000等を含み、組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌による)及び再懸濁を受ける組成物に関する。
用語「長期治療」は、1回の投薬又は1回の投与(例えば、筋肉注射又は皮下注射による)が、本明細書に記載されるような、期間にわたって、例えば数時間、数週間又は数ヶ月にわたって(例えば、ある実施形態では、少なくとも又は最大で1ヶ月、3ヶ月又は6ヶ月までの期間にわたって)持続的な治療効果を有する治療を指すことが理解されるであろう;実施例を参照されたい。言い換えると、長期治療は、2回以上の投薬/投与がある場合、投薬/投与間の長期間(本明細書に記載されるような)を指し得る、すなわち、間隔は、本明細書に記載されるような長期間である。
別の態様では、本明細書に(例えば上で)記載されたような、(例えば、抗生物質、抗菌性又は抗ウイルス性薬物を必要とする)特定の疾病又は状態を有する対象の長期治療のための方法が提供され、ここで、1回の投薬又は投与(例えば、本明細書で、例えば本明細書で以下に記載される量の)が、提供される/必要とされる(及び、例えば本明細書に記載される期間にわたって、持続的な効果を有する)。別の態様では、2回のそのような投薬又は投与が提供され/必要とされ、その投薬/投与が間隔をおいて与えられ、ここで、その間隔期間が、本明細書に記載されるようなもの、例えば少なくとも又は最大で1ヶ月、3ヶ月、又は6ヶ月までの期間-例えば持続的な治療効果が続く期間である、そのような長期治療体制が提供される。更なる実施形態では、3回のそのような投薬又は投与が、本明細書に記載されるような間隔で提供される/必要とされる、そのような長期治療体制が提供される。その上更なる実施形態では、本明細書に記載されるような、しかし(長期治療体制、例えば、1週間、2週間、3週間又は1ヶ月続く、1日1回の投与コースではない)リードイン治療段階で先行される、長期治療体制が提供される。
別の態様では、本発明は、特定の疾病又は状態のリスクがある対象におけるそのような疾病又は状態の長期予防のための方法であって、前記方法が、上で明記されたような又は本明細書で以下に更に明記されるような有効量の医薬組成物を前記対象に投与することを含む方法に関する、ここで、組成物は、1週間~1年、又は1週間~2年の範囲内にある時間間隔で間欠的に投与されるか又は投与されることになる。
本発明は、更に、特定の疾病又は状態のリスクがある対象におけるそのような疾病又は状態の長期予防のための薬剤の製造のための、上で明記されたような又は本明細書で以下に更に明記されるような医薬組成物の使用に関する、ここで、組成物は、1週間~1年又は1週間~2年の範囲内にある時間間隔で間欠的に投与されるか又は投与されることになる。
一実施形態では、本発明は、本明細書で明記されるような使用又は方法に関する、ここで、医薬組成物は、1週間~1ヶ月の範囲内、又は1ヶ月~3ヶ月の範囲内、又は3ヶ月~6ヶ月の範囲内、又は6ヶ月~12ヶ月の範囲内、又は12ヶ月~24ヶ月の範囲内にある時間間隔で投与されるか又は投与されることになる。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で明記されるような使用又は方法に関する、ここで、医薬組成物は、2週間毎に1回、又は1ヶ月毎に1回、又は3ヶ月毎に1回投与されるか又は投与されることになる。
更なる医薬組成物、治療又は予防の方法、並びにこれらの組成物に基づく薬剤の製造のための使用が、本明細書で以下に記載されるであろうし、本発明の一部であることが意図される。
本発明はまた、以下の図に関連して説明される。
時間ゼロでの及び1ヶ月での、参考例AのPSD測定結果、ここで、「コンセプト7」は、参考例Aを意味する (オートクレーブ滅菌後を含む)様々な条件下での参考例B及びCについてのPSD測定結果、ここで、コンセプト3は、参考例Bを意味し、コンセプト4は、参考例Cを意味する オートクレーブ滅菌前後の、実施例1のマイクロ懸濁液のPSD オートクレーブ滅菌後並びに更なる時間後(及び様々な温度での)を含む様々な条件下での、実施例1のマイクロ懸濁液のPSD 60℃で最大で3ヶ月までを含む、様々な他の条件下での、実施例1のマイクロ懸濁液のPSD 「200mg/mlマイクロ配合物(実施例1、配合物1B、すなわち、マイクロ懸濁液を参照されたい)を40mg/kgの用量でIM又はSC投与した場合の雄ラットにおけるTMC207の血漿中動態」及び「200mg/mlナノ配合物(実施例1、配合物1A、すなわち、ナノ懸濁液を参照されたい)を40mg/kgの用量でIM又はSC投与した場合の雄ラットにおけるTMC207の血漿中動態」 ラットにおける異なる界面活性剤(TPGSと組み合わせたPEG4000、及びTGPGS)を含有する皮下投与したベダキリンLAIマイクロ懸濁液の血漿濃度対時間プロファイル;データは、SDでの平均を表す ラットにおける異なる界面活性剤(TPGSと組み合わせたPEG4000、及びTGPGS)を含有するBDQ LAIマイクロ懸濁液の皮下投与後のベダキリン(BDQ)代謝産物の血漿濃度対時間プロファイル;データは、SDでの平均を表す ラットにおける異なる界面活性剤(TPGSと組み合わせたPEG4000、及びTGPGS)を含有する筋肉投与したベダキリンLAIマイクロ懸濁液の血漿濃度対時間プロファイル;データは、SDでの平均を表す ラットにおける異なる界面活性剤(TPGSと組み合わせたPEG4000、及びTGPGS)を含有するBDQ LAIマイクロ懸濁液の筋肉投与後のベダキリン(BDQ)代謝産物の血漿濃度対時間プロファイル;データは、SDでの平均を表す
本発明の組成物は、本明細書で前に記載されたような、任意の好適な活性薬剤成分を含有し得る。しかしながら、ある実施形態では、薬剤成分は、好適な抗生物質、抗菌性(例えば抗結核)又は抗ウイルス性薬物である。特定の実施形態では、本発明に使用される化合物は、ベダキリンとも言われる、化合物TMC207である。
ベダキリンは、その非塩形態で、又は酸付加塩形態若しくは塩基付加塩形態などの、好適な薬学的に許容可能な塩形態として使用することができる。ある実施形態では、ベダキリンは、本発明の組成物中でその非塩形態にある。
薬学的に許容可能な酸付加塩は、ベダキリンが形成できる、治療効果のある非毒性の酸付加塩形態を含むように定義される。前記酸付加塩は、遊離形態のベダキリンを、適切な酸、例えば、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸;有機酸、例えば、酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸及びパモン酸で処理することによって得ることができる。特に、既に市販されている製品Sirturo(登録商標)で用いられる形態であることを踏まえると、フマル酸塩が考えられる。
可能性がある治療的に活性がある非毒性の塩基付加塩形態は、適切な有機塩基及び無機塩基での処理によって調製され得る。適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、特に、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩、有機塩基との塩、例えば、ベンザチン塩、N-メチル-D-グルカミン塩、ヒブラミン塩、並びにアミノ酸、例えば、アルギニン及びリシンとの塩を含む。
逆に、前記酸又は塩基付加塩形態は、適切な塩基又は酸での処理によって遊離形態へ変換することができる。
本出願の枠組みで用いられる用語「付加塩」はまた、ベダキリン並びにその塩が形成できる溶媒和物を含む。そのような溶媒和物は、例えば、水和物及びアルコール和物である。
ベダキリン(又はTMC207)への言及が本明細書で用いられるときはいつでも、市販製品Sirturo(登録商標)で用いられ、及び国際公開第2004/011436号パンフレットにおいて抗マイコバクテリア剤として開示されている、単一の立体異性体を指す。
ベダキリンの物理化学的特性によって、病原性マイコバクテリア感染症の長期治療のために並びに病原性マイコバクテリア感染症の長期予防にそれらを使用することができるという点で独特の薬物動態学的特性を有するマイクロ又はナノ粒子懸濁液の製造が可能となり、この目的のためには限定された回数の薬物投与が必要されるにすぎないことが分かった。これは、ピル負荷並びに所定の投薬体制の患者の服薬遵守の観点から有益である。
本明細書で使用するとき、用語「病原性マイコバクテリア感染症の治療」は、病原性マイコバクテリア感染症に感染している対象の治療に関連している。そのようなマイコバクテリア感染症は、マイコバクテリア結核又は多薬物耐性マイコバクテリア結核であり得る。
用語「病原性マイコバクテリア感染症の予防」は、対象が病原性マイコバクテリア感染症に感染するのを予防又は回避することに関連している。感染源は、例えば病原性マイコバクテリア感染部を含有する物質など、様々であり得る。
用語「治療有効量」、「病原性マイコバクテリア感染症を予防するのに有効な量」、及び同様の用語は、有効な血漿中濃度をもたらす本発明の組成物の量、若しくは濃度(又はそのような組成物内の活性成分ベダキリンの量/濃度)を指す。「有効な血漿中濃度」とは、病原性マイコバクテリア感染症の効果的な治療又は効果的な予防を提供するベダキリンの血漿中濃度を意味する。これは、所与の量/用量/投与が、例えば本明細書に記載されるように、効果的な治療/予防のための所望の暴露濃度又は所望の血漿中濃度と連関し得るためである(例えば実施例を参照されたい)。
用語「対象」は、特に人間に関する。
用語「マイクロ又はナノ粒子」は、マイクロメートル又はナノメートル範囲内の粒子を指す。粒子の寸法は、最大寸法未満であるべきであり、それを超えると、皮下注射又は筋肉注射による投与は、損なわれることになり又は更にはもはや不可能である。前記最大寸法は、例えば、針の直径によって若しくは大きい粒子に対する身体の拒絶反応によって、又はその両方によって課せられる制限に依存する。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、マイクロ粒子形態の活性成分(例えばベダキリン)を含む。別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、ナノ粒子形態の活性成分(例えばベダキリン)を含む。
本発明のマイクロ又はナノ粒子の平均有効粒径は、約50μm未満、又は約20μm未満、又は約10μm未満、又は約1000nm未満、又は約500nm未満、又は約400nm未満、又は約300nm未満、又は約200nm未満であり得る。平均有効粒径の下限は、例えば約100nm、又は約50nmほどに、低くてもよい。一実施形態では、平均有効粒径は、約50nm~約50μm、又は約50nm~約20μm、又は約50nm~約10μm、又は約50nm~約1000nm、約50nm~約500nm、又は約50nm~約400nm、又は約50nm~約300nm、又は約50nm~約250nm、又は約100nm~約250nm、又は約150nm~約220nm、又は100~200nm、又は約150nm~約200nmの範囲にあり、例えば約130nm、又は約150nmである。例えば、調製後及び(例えば、約5℃、25℃、及び40℃の温度で貯蔵される場合)最大で3ヶ月までの期間後の両方で、一般に:
- マイクロ懸濁液は、ある実施形態では、約3~10μm(例えば3.5、4、又は5μm)のD90と、約2~4μm(例えば約3μm)のD50とを有し得る
- ナノ懸濁液は、ある実施形態では、約0.5~1.5μm(例えば、約1μm以下、又は約1000nm以下)のD90と、約0.1~0.5μm(例えば、約0.3μm以下、又は約300nm未満)のD50とを有し得る。
ある実施形態では、マイクロ粒子が用いられ、ここで、D10、D50及び/又はD90によって測定されるような(ある実施形態ではD50によって測定されるような)、平均有効粒径は、約50μm未満、又は約20μm未満、及び約0.1μm(100nm)超である。ある実施形態では、本発明の組成物に用いられるそのようなマイクロ粒子についての範囲は、約20μm~約0.1μm(更なる実施形態では、約15μm~約0.2μm(200nm)超、更なる実施形態では、約10μm~約0.5μm(500nm)超、例えば約10μm~約1μm超すなわち約1000nm超、若しくは約500nm超、若しくは約400nm超、若しくは約300nm超、若しくは約200nm超である。前述の値は、調製後の測定値を指す。しかしながら、それらはまた、ある実施形態では、最大で3ヶ月までの期間後(例えば5日、1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月、又は3ヶ月後)の及び様々な温度で(例えば、約5℃、25℃及び40℃の温度で)貯蔵された後の測定値を指してもよい。
本明細書で使用するとき、用語平均有効粒径は、当業者に公知のようなその従来の意味を有し、例えば、沈降場流動分画法、光子相関分光法、レーザー回折又はディスク遠心分離などの技術分野で公知の粒径測定技術によって測定することができる。本明細書で述べられる平均有効粒径は、粒子の体積分布に関連し得る。その場合、「約50μm未満の有効平均粒径」とは、粒子の体積の少なくとも50%が50μmの有効平均未満の粒径を有することを意味し、同じことが、述べられる他の有効粒径にも当てはまる。同様に、平均有効粒径は、粒子の重量分布に関連し得るが、通常、これは、平均有効粒径について同じ又はほぼ同じ値をもたらすであろう。
本発明の医薬組成物は、長期間にわたって活性成分(例えばベダキリン)の放出を提供し、それ故、それらは、徐放組成物又は遅放組成物と言われることもできる。投与後に、本発明の組成物は体内に留まり、活性成分(例えばベダキリン)を間断なく放出し、この活性成分のそのような濃度を患者の系内で長期間保ち、それによって上記の期間中、病原性マイコバクテリア感染症の適切な治療又は予防を提供する。本発明の医薬組成物は、体内に留まり、活性成分、例えばベダキリン(及び、本明細書ではM2と言われる、その活性代謝産物;本明細書で以下、メチル置換代謝産物を参照されたい)を絶え間なく放出するという事実のため、それらは、長時間作用型(又は貯蔵所)配合物として好適な医薬組成物と言うことができる。
本明細書で使用するとき、用語「長期間」とは、1週間~最大で1年まで若しくは最大で2年までの範囲内にあり得る時間(若しくは期間)、又は1~2週間、若しくは2~3週間、若しくは3~4週間の範囲内の期間、又は1~2ヶ月、若しくは2~3ヶ月、若しくは3~4ヶ月、若しくは3~6ヶ月、若しくは6~12ヶ月、若しくは12~24ヶ月の範囲内の期間、又は数日、例えば7、10若しくは12日、若しくは数週間、例えば2、3若しくは4週間、若しくは1ヶ月、若しくは数ヶ月、例えば2、3、4、5若しくは6ヶ月若しくはそれ以上さえ、例えば7、8、9若しくは12ヶ月の範囲内にあり得る期間を意味する。
本発明の医薬組成物は、病原性マイコバクテリア感染症の長期治療又は長期的予防において適用され得、又は言い換えると、それらは、長期間中、病原性マイコバクテリア感染症の治療に、又は病原性マイコバクテリア感染症の予防に使用され得る。
本発明の医薬組成物は、細菌又はウイルス感染、例えば病原性マイコバクテリア感染に関連した疾患又は状態などの、疾患又は状態の長期治療又は長期予防に適用され得る、又は言い換えれば、それらは、長期間中、病原性マイコバクテリア感染症の治療に、又は病原性マイコバクテリア感染の予防に使用され得る。本発明の組成物は、長期間、例えば少なくとも約1週間以上、又は約1ヶ月以上、病原性マイコバクテリア感染症などの疾病若しくは状態の治療又は予防に有効である。表現「少なくとも約1週間以上有効な」とは、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度が閾値を超えているべきであることを意味する。治療用途の場合、前記閾値は、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)が病原性マイコバクテリア感染症の有効な治療を提供する最低血漿中濃度である。病原性マイコバクテリア感染症の予防における適用の場合、前記閾値は、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)が病原性マイコバクテリア感染症の伝染を予防するのに有効である最低血漿中濃度である。
例えば「病原性マイコバクテリア感染症の長期予防」若しくは「病原性マイコバクテリア感染症の長期治療」、又は同様の専門用語に関連して用いられるような「長期」で、1週間~最大で1年まで若しくは最大で2年まで、又はそれ以上、例えば5年若しくは10年の範囲内にあり得る期間を意味する。特に、病原性マイコバクテリア感染症の治療の場合、そのような期間は、約1ヶ月~数ヶ月、1年又はそれ以上ほどに、長いであろう。そのような期間はまた、特に予防の場合に比較的短い場合がある。より短い期間は、数日、例えば7、10若しくは12日、又は数週間、例えば2、3若しくは4週間、又は1ヶ月、若しくは数ヶ月、例えば2、3、4、5若しくは6ヶ月又は更にそれ以上、例えば7、8、9若しくは12ヶ月のものである。一実施形態では、本発明に従った方法及び使用は、1ヶ月、又は数ヶ月、例えば2、3、4、5若しくは6ヶ月又は更にそれ以上、例えば7、8、9若しくは12ヶ月の間中、病原性マイコバクテリア感染症の予防のためのものである。
本発明の医薬組成物は、様々な時間間隔で投与することができる。病原性マイコバクテリア感染症の予防に使用される場合、本発明の医薬組成物は、1回のみ又は限定された回数、例えば2、3、4、5若しくは6回、又はそれ以上投与することができる。これは、感染のリスクが存在する期間などの、限定された期間の間中予防が必要とされる場合に推奨され得る。
本発明の医薬組成物は、上述の時間間隔で、例えば1週間~1ヶ月の範囲内、又は1ヶ月~3ヶ月の範囲内、又は3ヶ月~6ヶ月の範囲内、又は6ヶ月~12ヶ月の範囲内にある時間間隔などで投与することができる。一実施形態では、医薬組成物は、2週間毎に1回、又は1ヶ月毎に1回、又は3ヶ月毎に1回投与することができる。別の実施形態では、時間間隔は、1~2週間、又は2~3週間、又は3~4週間の範囲内にあるか、又は時間間隔は、1~2ヶ月、又は2~3ヶ月、又は3~4ヶ月、又は3~6ヶ月、又は6~12ヶ月、又は12~24ヶ月の範囲内にある。時間間隔は、少なくとも1週間であり得るが、また、数週間、例えば2、3、4、5若しくは6週間であり得るし、又は1ヶ月、若しくは数ヶ月、例えば2、3、4、5若しくは6ヶ月又は更にそれ以上、例えば7、8、9若しくは12ヶ月の時間間隔であり得る。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、1、2又は3ヶ月の時間間隔で投与される。本発明の医薬組成物の各投与間のこれらのより長い期間は、ピル負荷及び服薬遵守の観点から更なる改善を提供する。服薬遵守を更に改善するために、組成物が毎週のスケジュールで投与される場合、その週の特定の曜日に、又は毎月のスケジュールの場合、その月の特定の日にそれらの医薬を服用するように患者に指示することができる。
本発明の組成物の各投与間の時間間隔の長さは変化し得る。例えば前記時間間隔は、血漿中濃度の関数で選択され得る。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度が低すぎると考えられる場合、例えばこれらが本明細書で以下に明記される最小血漿中濃度に近づく場合、この間隔はより短くてもよい。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度が高すぎると考えられる場合、この間隔はより長くてもよい。一実施形態では、本発明の組成物は、等しい時間間隔で投与される。組成物は、いかなる中間の追加投与もなしに投与され得るし、又は言い換えれば、組成物は、様々な又は等しい長さの期間、例えば少なくとも1週間の期間、又は本明細書で明記される任意の他の期間だけ、互いに離れた特定の時点で投与されてもよく、その間、活性成分、例えば更なるベダキリンは全く投与されない。同じ長さの時間間隔であると、投与スケジュールが単純である、例えば投与が週の同じ曜日に、又は月の同じ日に行われるという利点を有する。そのような投与スケジュールは、それ故、限定された「ピル負荷」を伴い、それによって処方された投薬体制への患者の服薬遵守に有益に寄与する。
活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)で治療される対象の血漿中のその濃度(又は「C」)は、一般に、単位体積当たりの質量、典型的には1ミリリットル当たりのナノグラム(ng/ml)として表される。便宜上、この濃度は、「血漿中薬物濃度」又は「血漿濃度」と本明細書では言われ得る。
投与される活性成分、例えばベダキリンの用量(又は量)は、本発明の医薬組成物中の活性成分、例えばベダキリンの量に、又は投与される所与の組成物の量に依存する。より高い血漿中濃度が望ましい場合、より高い活性成分、例えばベダキリン濃度の組成物、若しくはより多い量の所与の組成物のどちらか、又はそれらの両方が投与され得る。より低い血漿中濃度が望まれる場合、これの逆が当てはまる。ある種の望ましい血漿中濃度を得るために、様々な時間間隔と様々な投薬との組み合わせも選択され得る。
投与される活性成分、例えばベダキリンの用量(又は量)は、投与の頻度(すなわち、各投与間の時間間隔)にも依存する。通常、投与の頻度が少ない場合、用量はより高いであろう。全てのこれらのパラメータを用いて、血漿中濃度を所望の値に向けることができる。
投薬体制は、疾患若しくは状態、例えば病原性マイコバクテリア感染症の予防が想定されるか又は治療が想定されるかにも依存する。治療の場合、投与される活性成分、例えばベダキリンの用量、若しくは投薬の頻度、又はそれらの両方は、活性成分、例えばベダキリンの血漿濃度が最小血漿中濃度よりも上に保たれるように選択される。これに関連して用語「最小血漿中濃度」(又はCmin)は、病原性マイコバクテリア感染症の効果的な治療を提供する活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度を指す。特に、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、約10ng/ml、又は約15ng/ml超、又は約20ng/ml超、又は約40ng/ml超の最小血漿中濃度よりも上のレベルに保たれる。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、より高い、例えば、約50ng/ml超、又は約90ng/ml超、又は約270ng/ml超、又は約540ng/ml超である最小血漿中濃度よりも上に保たれ得る。一実施形態では、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、約13.5ng/mlの濃度よりも上に保たれ、又は約20ng/mlの濃度よりも上に保たれる。或いは、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、一定の範囲内に、特に上述の値から選択される最小血漿中濃度から始まり、上述の値から選択されるより高い血漿中濃度で終わる、且つ500ng/ml~1000ng/ml(例えば、10~15、10~20、10~40等、又は15~20、若しくは15~40、若しくは15~90等、又は20~40、20~90、若しくは20~270等、又は40~90、40~270、若しくは40~540等(各回、ng/ml単位の約その指示値からng/ml単位の約その指示値まで)の範囲内に保たれ得る。一実施形態では、前記範囲は、約10~約20、約20~約90、90~270、270~540、540~1000(各回、ng/ml単位の約その指示値からng/ml単位の約その指示値まで)である。
より低い濃度において、細菌はもはや十分に抑制され得ず、その結果、細菌が増殖して突然変異の出現の追加リスクを伴い得るため、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、上述の最小血漿中濃度よりも上に保たれるべきである。
予防の場合は、用語「最小血漿中濃度」(又はCmin)は、感染症の効果的な治療/予防を提供する活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の最低血漿中濃度を指す。
特に、予防の場合、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、治療に関して上述された最小血漿中濃度超の濃度に保つことができる。しかしながら、予防において、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、より低い濃度、例えば約4ng/ml、又は約5ng/ml、又は約8ng/mlを超える濃度に保つことができる。より低い濃度では、薬物はもはや効果的でない場合があり、それによって、感染症の伝染のリスクを増大させるので、ベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、好ましくは、これらの最小血漿中濃度よりも上に保たれるべきである。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、安全域を有するように、やや高い濃度に保たれ得る。そのようなより高い濃度は、約50ng/ml以上から始まる。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、治療に関連して上述された範囲内にあるが、その下限が、約4ng/ml、又は約5ng/ml、又は約8ng/mlの血漿中濃度を含む濃度に保つことができる。
ベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の利点は、それが、いかなる重大な副作用もなしに比較的高い血漿中濃度まで使用され得ることである。ベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿濃度は、比較的高い濃度に達し得るが、いかなる薬物とも同様に、ベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)が重大な副作用を引き起こす血漿中濃度である、最大血漿中濃度(又はCmax)を超えるべきではない。その上、血漿中濃度内にカウントされない、組織からの化合物放出も考慮に入れるべきである。本明細書で使用するとき、用語「重大な副作用」は、関連する患者集団において、患者の正常な機能に影響を及ぼす程度に副作用が存在することを意味する。ある実施形態では、投与されるベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の投与の量及び頻度は、血漿濃度が、最大血漿中濃度(又は上で明記されたようなCmax)と最小血漿中濃度(又は上で明記されたようなCmin)との間に含まれる濃度に長期間の間ずっと保たれるように選択される。
ある種の場合には、例えば本明細書で明記される最小血漿中濃度に可能な限り近いような比較的低い濃度に、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度を保つことが望ましい場合がある。これは、投与の頻度及び/又は各投与で投与される活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の量を低減することを可能にする。それはまた、好ましくない副作用を回避することを可能にし、それは、感染するリスクのある健康な人であり、それ故副作用に耐える傾向が少ない標的集団群のほとんどにおいて投薬形態の受入れに寄与するであろう。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、予防の場合には比較的低い濃度に保たれ得る。一実施形態は、上記で又は本明細書で以下に明記されるような、感染症の予防のための使用又は方法に関係し、ここで、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の最小血漿中濃度は、本明細書で明記されるとおりであり、最大血漿中濃度は、また本明細書に明記されるように、活性成分を治療的に作動させる最低血漿中濃度にほぼ等しい。
他の実施形態では、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、約10ng/ml、より特に約15ng/ml、更に特に20ng/ml、なお更に特に約40ng/mlの、より低い最大血漿中濃度未満の濃度に保たれる。特定の実施形態では、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、約13.5ng/mlの濃度未満に保たれる。一実施形態では、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、上で明記されたより低い最大血中濃度と、予防に関連して述べられた最小血漿中濃度との区間内に保たれる。例えば、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、約10ng/ml未満に、及び約4ng/mlの最小濃度よりも上に保たれる。
他の場合、例えば高い感染のリスクがあり、より頻繁な及び/又はより高い用量が問題ではない場合、比較的高い濃度に活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度を保つことが望ましい場合がある。これらの場合、最小血漿中濃度は、本明細書で述べられる特定の濃度などの、病原性マイコバクテリア感染症の効果的な治療を提供する活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の最低血漿中濃度に等しくてもよい。
予防の場合、投与されるべき用量は、約0.2mg/日~約50mg/日、又は約0.5mg/日~約50mg/日、又は約1mg/日~約10mg/日、又は約2mg/日~約5mg/日、例えば約3mg/日に基づいて計算されるべきである。これは、約1.5mg~約350mg、特に約3.5mg~約350mg、特に約7mg~約70mg、若しくは約14mg~約35mg、例えば約35mgの週用量、又は、約6mg~約3000mg、特に約15mg~約1,500mg、より特に約30mg~約300mg、若しくは約60mg~約150mg、例えば約150mgの月用量に相当する。他の投薬体制についての用量は、1日用量を各投与間の日数で乗じることによって容易に計算することができる。
治療の場合、投与されるべき用量はいくらかより高いものであるべきであり、約1mg/日~約150mg/日、又は約2mg/日~約100mg/日、又は約5mg/日~約50mg/日、又は約10mg/日~約25mg/日、例えば約15mg/日に基づいて計算されるべきである。相当する週用量又は月用量は、上記のとおり計算することができる。予防における適用について、治療用途についてと同じ投薬を用いてもよいが、用量はより低くてもよい。ある実施形態では、用量/投与は1ヶ月間隔、又は3ヶ月又は6ヶ月間隔で与えられ、合計治療継続期間は、3、6又は12ヶ月である。用量/投与が、1ヶ月に1回、3ヶ月に1回、又は6ヶ月に1回である場合、ある実施形態では、所与の用量(例えばヒト対象における)は、2週間に対して与えられる400mg1日用量に基づいて計算される。これ故に、用量毎に与えられる活性成分、例えばベダキリンの総量は、約5600mg(例えば3000~8000mgの範囲内)であり得るが、それは、そのような量の最大で1/5まで(例えば500及び2000mg、例えば約1000~1500mgの範囲内)であり得る。
別の実施形態では、予防又は特に治療の場合に、用量はまた、mg/kg単位で表され得る。例えば、実施例において、ある種の用量は、(例えば哺乳類の、及び本明細書で実施例において示されるように、マウスの)重量に基づいて投与され得、これ故に1mg/kg~1000mg/kgの用量が用いられ得(例えば40mg/kg、80mg/kg、160mg/kg、320mg/kg又は480mg/kgが用いられ得)、そのような用量は、4週間、8週間又は12週間、有効であり続け得る(例えば実施例において示されるように)。例えば、1回の用量は、4週間毎に取られてもよく(実質的に12週間治療体制、すなわち、合計3回の用量として見られる)、又は、12週間にわたるモニタリングによって証明され得るような十分な治療(例えば、CFUの低減によって定義されるような、実施例を参照されたい)を実質的に提供する、単回用量が取られてもよい。これ故に、ある態様では、細菌感染症を治療するために、1回用量が取られてもよく(例えば1mg/kg~1000mg/kg、例えば2mg/kg~500mg/kg)、又は1回のそのような用量が4週間毎に取られてもよい(例えば2又は3回のそのような用量が取られてもよい)。そのような用量は、治療されるべき細菌感染に依存する。例えば、潜伏性結核又はハンセン病の治療においては、細菌を制御するためにより低い量のベダキリンが必要とされることを考慮すると、(例えば多薬物耐性結核と比較して)より低い用量が必要とされる場合がある。マウスにおいて、160mg/kgの1回の用量が、潜伏性結核感染症のマウスモデルにおいてCFUを十分に低減させることができることが示されている、この例は、本明細書で以下に記載されている-更に、160mg/kgの2又は3回の用量(第2及び第3の用量はそれぞれ4及び8週間で投与される)もこのモデルにおいて有効であったことがまた見られた。
一旦投与されると、活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、多かれ少なかれ安定である、すなわち、それらは限定された限度内で変動することが分かっている。血漿中濃度は、多かれ少なかれ定常状態モードに近づく、又は長期間の間に多かれ少なかれゼロ次放出速度に接近することが分かっている。「定常状態」とは、対象の血漿中に存在する薬物の量が、長期間にわたって多かれ少なかれ同じ濃度のままである状態を意味する。活性成分、例えばベダキリン(及び/又はその活性代謝産物M2)の血漿中濃度は、一般に、薬物が有効である最小血漿中濃度よりも下へのいかなる低下も示さない。用語「多かれ少なかれ同じ濃度のままである」は、許容可能な範囲内の血漿濃度の小さい変動、例えば約±30%、又は約±20%、又は約±10%、又は約±10%の範囲内の変動があり得ることを排除しない。
いくつかの場合、投与後に初期血漿濃度ピークがある場合があり、その後、血漿中濃度は、本明細書で以下に述べられるように、「定常状態」に達成する。
本発明の組成物は、良好な局所耐性及び投与の容易さを示す。良好な局所耐性は、注射の部位における最小限の刺激及び炎症に関連し;投与の容易さは、特定の薬物配合物の用量を投与するために必要な針の寸法及び時間の長さを指す。加えて、本発明の組成物は、良好な安定性を示し、許容可能な貯蔵寿命を有する。
本発明のマイクロ又はナノ粒子は、表面改質剤がその表面上に吸着されている。表面改質剤の機能は、湿潤剤として並びにコロイド懸濁液の安定剤としての役割を果たすことである。
一実施形態では、本発明の組成物中のマイクロ又はナノ粒子は、結晶性活性成分、例えばベダキリン又はその塩;及び表面改質剤を主に含み、それらの総計量は、マイクロ又はナノ粒子の少なくとも約50%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約90%、又は少なくとも約95%、又は少なくとも約99%を占めてもよい。本明細書で示されるように、ある実施形態では、ベダキリンはその非塩形態に(すなわちその「遊離形態」に)あり、更なる実施形態では、それは、結晶性の非塩(すなわち遊離)形態にある。この点においいて、本明細書で述べられるように、ベダキリンは、国際公開第2004/011436号パンフレットに(又はキラル試薬を使った光学分割を記載する、国際公開第2006/125769号パンフレットに)記載される手順を用いてそのようなものとして調製され得る。そのような手順にしたがって、ベダキリンは、トルエン/エタノールからの沈澱によって得られ、生成物は結晶化することが示されている。そのような形態のベダキリンは、本発明の組成物の調製に使用することができ、更に、そのような形態は、以下の特徴:
(i)181.5℃での溶融吸熱(吸熱開始)及び約182.5℃での生成物の溶融を示すDSC曲線(直後に分解が続く;標準アルミニウムTA-Instrument試料皿への約3mgの化合物の移動により示差走査熱量測定法(DSC)によって測定され、試料皿は適切なコア(coer)で閉鎖され、以下のパラメータ-初期温度25℃;加熱範囲10℃/分;最終温度300℃、窒素流量50ml/分)を用いるRCS冷却ユニットを備えたTA-Instruments Q2000 MTDSCでDSC曲線が記録される);
(ii)とりわけ約1600cm-1、約1450cm-1、約1400cm-1、約1340cm-1、及び約1250cm-1における赤外線(IR)スペクトルピーク(ここで、試料は、32走査、1cm-1分解能を配置する好適なマイクロATRアクセサリ、Thermo Nexus 670 FTIR分光計、KBr窓を伴うDTGS検出器、KBr上のGeビームスプリッタ及びマイクロATRアクセサリ(Si結晶を伴うHarrick Split Pea)を用いて分析される);並びに/又は
(iii)生成物の結晶化度を示すハロの存在なしの回折ピークを示す、約11.25°2-シータ、約18°2-シータ、約18.5°2-シータ、約19°2-シータ、約20.25°2-シータ、約21.25°2-シータ、約22.25°2-シータ、約24.5°2-シータ及び約27°2-シータに特徴的なピークを持ったX線粉末回折(XRPD)(ここで、分析は、PANalytical (Philips)X’PertPRO MPD回折計で実施され、この機器は、Cu LFF X線管を備えており、化合物は、ゼロのバックグラウンド試料ホルダー上に広げられ;機器パラメータは、発電機電圧-45kV;発電機アンペア数-40mA;幾何学的配置-Bragg-Brentano;ステージ-スピナーステージ;スキャンモード-連続的;スキャン範囲 3~50°2θ;ステップサイズ0.02°/ステップ;計数時間 30秒/ステップ;スピナー分解時間-1秒;放射型 CuKαであった)
を持った単結晶性多形体であり得る。
これ故に、ある実施形態では、本発明の組成物を調製するためのプロセスで用いられる活性成分、例えばベダキリン(すなわち、マイクロ/ナノ粒子への変換前の)は、結晶形態(例えば、上記で特性決定された特定の形態の)である。本発明の更なる実施形態では、本発明の組成物に用いられる活性成分、例えばベダキリン(すなわち、例えば微粉砕による、マイクロ/ナノ粒子への変換後の)はまた、結晶形態(例えば、上記で特性決定された特定の形態の)にある。
更なる態様では、本発明は、
(1)表面改質剤がその表面に吸着された、マイクロ又はナノ粒子形態の活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩と;
(2)薬学的に許容可能な水性担体とから本質的になり;ここで、活性成分は懸濁している
粒子の懸濁液の形態の、治療有効量の活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩を含む、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物であって、
表面改質剤がPEG4000等を含み、並びに
組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌による)及び再懸濁を受けることを特徴とする、
組成物に関する。
本発明の配合物は、PEG4000(等)を含有することが示され、誤解を避けるために、これは、別の好適な表面改質剤との組み合わせにあってもよい。
(PEG4000等と組み合わせて使用され得る)好適な表面改質剤は、様々なポリマー、低分子量オリゴマー、天然産物及び界面活性剤などの、公知の有機及び無機医薬品賦形剤から選択することができる。特定の表面改質剤としては、非イオン及びアニオン界面活性剤が挙げられる。表面改質剤の代表的な例としては、ゼラチン、カゼイン、レシチン、負荷電リン脂質の塩若しくはその酸形態(ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチン酸、及びアルカリ金属塩、例えばそれらのナトリウム塩などのそれらの塩、例えば、商品名Lipoid(商標)EPG)で入手可能な製品などの、卵ホスファチジルグリセロールナトリウム)、アカシア・ゴム、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、セトマクロゴール 1000などのマクロゴールエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンステアレート、コロイド二酸化ケイ素、ドデシル硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、デスオキシタウロコール酸ナトリウム、デスオキシコール酸ナトリウムなどの胆汁塩;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピル-メチルセルロース、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーであるPluronic(商標)F68、F108及びF127などの、ポロキサマー;チロキサポール;ビタミンE-TGPS(α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、特にα-トコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート);エチレンジアミンへのエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの逐次付加から誘導される四官能性ブロックコポリマーであるTetronic(商標)908(T908)などの、ポロキサミン;デキストラン;レシチン;商品名Aerosol OT(商標)(AOT)で販売される製品などのスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステル;ラルリル硫酸ナトリウム(Duponol(商標)P);商品名Triton(商標)X-200で入手可能なアルキルアリールポリエーテルスルホネート;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tweens(商標)20、40、60及び80);脂肪酸のソルビタンエステル(Span(商標)20、40、60及び80又はArlacel(商標)20、40、60及び80);商品名Crodesta(商標)F110又はCrodesta(商標)SL-40で入手可能な製品などのスクロースステアレートとスクロースジステアレートとの混合物;塩化ヘキシルデシルトリメチルアンモニウムCTAC);ポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。必要ならば、2種以上の表面改質剤を(PEG4000等と)組み合わせて使用することができる。
PEG4000(等)と組み合わせて用いられ得る特定の表面改質剤は、ポロキサマー、α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び負荷電リン脂質の塩又はその酸形態から選択される。より特に、表面改質剤は、Pluronic(商標)F108、ビタミンE TPGS、Tween(商標)80、及びLipoid(商標)EPGから選択される(特定の実施形態では、それはビタミンE TGPSである)。これらの表面改質剤の1種以上が使用され得る。Pluronic(商標)F108は、ポロキサマー338に相当し、一般に、式HO-[CHCHO]-[CH(CH)CHO]-[CHCHO]-H(式中、x、y、及びzの平均値は、それぞれ、128、54及び128である)に従うポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマーである。ポロキサマー338の他の商品名は、Hodag Nonionic(商標)1108-F及びSynperonic(商標)PE/F108である。一実施形態では、表面改質剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルと、ホスファチジルグリセロール塩(特に、卵ホスファチジルグリセロールナトリウム)との組み合わせを含む。
表面改質剤に対する活性成分、例えばベダキリンの最適相対量は、選択される表面改質剤、平均有効粒径及びベダキリン濃度により決定される活性成分、例えばベダキリン懸濁液の比表面積、それがミセルを形成する場合表面改質剤の臨界ミセル濃度等に依存する。表面改質剤に対する活性成分、例えばベダキリンの相対量(w/w)は、好ましくは、1:2~約20:1の範囲に、特に1:1~約10:1の範囲に、例えば2:1~約10:1、例えば約4:1の範囲内にある。
示されるように、表面改質剤は、PEG4000を含有するが、更なる表面改質剤(例えば、本明細書で前に述べられた表面改質剤)をまた含有し得る。本発明の様々な実施形態では、本発明の組成物は、以下のw/w比:
- 少なくとも1:10のPEG4000:1種以上の他の表面改質剤
- 1:10~100:1(例えば約1:10~20:1)のPEG4000:1種以上の他の表面改質剤
- 約10:1のPEG4000:1種以上の他の表面改質剤
でPEG4000及び1種以上の他の表面改質剤を含有する表面改質剤を含む。
これ故に、本発明の組成物の表面改質剤が、少なくとも1:10w/wのPEG4000(等):1種以上の他の表面改質剤を含む場合、それは、5mg/mLのPEG4000と、50mg/mlの1種以上の他の表面改質剤(例えば、本明細書では簡単に「TPGS」とも言われる、ビタミンE TPGS)とを含有し得る。ある実施形態では、活性成分、例えばベダキリン対表面改質剤の相対量が、1:1~10:1(例えば約4:1)であり得ることを考えれば、活性成分、例えばベダキリンは、そのような場合に約200mg/mlで存在し得る(それは、特定の注射可能な配合物又は用量を形成し得る)。本明細書の組成物は、それらがPEG4000(等)を含有し、且つそれが比較的少量であり得るので区別されるが、ある実施形態では、表面改質剤は、少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%のPEG4000等を含む(残りは、本明細書に記載されるような1種以上の他の好適な表面改質剤、例えばビタミンE TPGSである)。例えば、ある実施形態では、本発明の組成物の表面改質剤は、少なくとも1:1w/wの比のPEG4000等:1種以上の他の好適な表面改質剤を含む。更なる実施形態では、表面改質剤は、少なくとも75重量%のPEG4000等を含む(残りは、本明細書に記載されるような1種以上の好適な表面改質剤、例えばビタミンE TPGSである)。これ故に、ある実施形態では、本発明の組成物の表面改質剤は、少なくとも3:1w/wの比のPEG4000等:1種以上の他の好適な表面改質剤を含む。その上更なる実施形態では、本発明の組成物の表面改質剤は、少なくとも85重量%のPEG4000等、又は約85%~約95%のPEG4000等を含む(各場合に、残りは、本明細書に記載されるような1種以上の好適な表面改質剤、例えばビタミンE TPGSである)。これ故に、ある実施形態では、本発明の組成物の表面改質剤は、少なくとも8:1w/wの比のPEG4000等:1種以上の他の好適な表面改質剤(例えば、8:1~12:1w/wの比のPEG4000等:1種以上の他の好適な表面改質剤)を含む。
PEG4000(等)と1種以上の他の表面改質剤との比はまた、使用されている他の表面改質剤に依存し;例えば、1種以上の他の表面改質剤がビタミンE TPGS及び/又はTween(ポリオキシエチレンポリエーテルスルホネート)を含む場合、本明細書で上記の比が適用可能であり得、例えば表面改質剤は、少なくとも60重量%、ある実施形態では、少なくとも75%のPEG4000を含み;1種以上の他の表面改質剤がポロキサマーを含む場合、比は、(PEG:1種以上の他の表面改質剤の)1:10~10:1、例えば1:5~5:1、ある実施形態では、1:2~2:1であり得、ある実施形態では、この場合の表面改質剤は、少なくとも30%、例えば、少なくとも40%(及び、特定の実施形態では約50%)のPEG4000を含む。ある種の場合(例えば1種以上の他の表面改質剤がポロキサマーである場合)、少なくとも10%のPEG4000が必要とされるが、上限は、60%であり得る。
示されるように、本発明の組成物は、PEG4000等を含有する表面改質剤を含む。ある実施形態では、表面改質剤は、PEG4000等から本質的になり得る。しかしながら、代わりの実施形態では、表面改質剤はまた、本明細書に記載されるような別の好適な表面改質剤を含有する。
1種以上の他の表面改質剤が本発明の組成物に用いられる場合、それらの他の表面改質剤は、特定の実施形態では、ビタミンE TPGS又はポロキサマーから選択され得る。例えば、他の表面改質剤は、ビタミンE TPGSであり得る。これ故に、本明細書で示されるように、活性成分、例えばベダキリン対表面改質剤のw/w比は、範囲2:1~10:1に(例えば約4:1で)あり得、これ故に、200mg/mlの活性成分、例えばベダキリンが(例えば単一の注射可能な用量のために)用いられる場合、それは、100mg/ml~20mg/mlの表面改質剤を含有し得る。この場合に、再び示されるように、その量の表面改質剤は、PEG4000(等)及び1種以上の他の好適な表面改質剤を、例えば、少なくとも3:1の比で(すなわち少なくとも75重量%のPEG4000)を含有し得る。これ故に、100mg/mlの表面改質剤が存在する場合、それは、少なくとも75mg/mlのPEG4000等からなり得、任意の残りは、1種以上の他の好適な表面改質剤(例えばビタミンE TPGS)からなり、20mg/mlの表面改質剤が存在する場合、これは少なくとも15mg/mlのPEG4000等からなり得、任意の残りは、1種以上の他の好適な表面改質剤からなる。活性成分、例えばベダキリン対表面改質剤の比が約4:1であり得ることが本明細書で上に示されているとき、200mg/mlの活性成分、例えばベダキリンが(例えば1つの注射可能な用量として)存在する場合、表面改質剤の量は、約35mg/ml~60mg/ml(例えば約55mg/ml、その場合に表面改質剤は、約50mg/mlのPEG4000等、及び約5mg/mlの1種以上の他の表面改質剤、例えばビタミンE TPGSを含有し得る)であり得る。
本発明の組成物は、それらを患者に投与できるように滅菌される必要があり得る。無菌組成物の達成は、そのような組成物を無菌プロセス又は環境で製造するなどの、多くの方法で行われ得る。しかしながら、そのような方法は、多くの欠点、課題を有し、より高いコストと関連している。好ましい代替手段は、無菌プロセス全体に従う必要なく滅菌を受けることであり、加熱滅菌、オートクレーブ滅菌及びガンマ線照射が、それを達成できる滅菌工程である。有利には、本発明の組成物はオートクレーブ滅菌することができる、すなわち、オートクレーブ処理可能であり、組成物の実質的な劣化又は分解なしに行うことができる。
更なる課題は滅菌後に現れるが、それは、長時間作用型配合物の所望の安定性、その配合物内での活性薬剤成分(API)の粒子の望ましくない凝集、及び(滅菌、例えばオートクレーブ滅菌後の)配合物の所望の再懸濁性と関係がある。
この場合に、曇り点は、オートクレーブ滅菌が行われる温度未満であり得るけれども、本発明の組成物は、例えば、加熱滅菌、オートクレーブ滅菌又はガンマ線照射によって滅菌され得る(ある実施形態では、滅菌はオートクレーブ滅菌によって行われる)。有利には、本発明の組成物は滅菌後に容易に再懸濁させられ得る(たとえ、曇り点が滅菌プロセス、特にオートクレーブ滅菌プロセス中に超えられるとしても)。
これ故に、本発明の更なる態様では、
(a)本発明の組成物を滅菌するためのプロセス(例えば、組成物のオートクレーブ滅菌);
(b)引き続く本発明のそのような組成物を再懸濁させるプロセス
が提供され、プロセスは「本発明のプロセス」と言われ得る。実施例は、PEG4000が再懸濁における鍵であることを示す。滅菌(例えば加熱滅菌又はオートクレーブ滅菌)後に(とりわけ、滅菌プロセスが曇り点超の温度で行われる場合に)、例えば相分離のために、いくらかの粒子凝集があり得ることは理解されるであろう。本発明の組成物が本質的に懸濁液であるべきことを考えれば、再懸濁工程は必要であり得る(そのような再懸濁工程はまた、もっと後の時点で、例えば懸濁液がその最終使用のために調製されつつあるときにも行われ得る)。本発明の組成物は、活性成分、例えばベダキリン、粒子が薬学的に許容可能な担体中に懸濁した状態の懸濁液として始まり、表面改質剤(すなわち、本明細書で上に定義されたようなPEG4000含有表面改質剤)は、活性成分、例えばベダキリンの表面上へ吸着され得、オートクレーブ滅菌後に、表面改質剤(本明細書では湿潤剤とも言われる)と、活性成分、例えばベダキリン及び/又は活性成分(例えばベダキリン)粒子凝集体との間の解離があり得る。これ故に、元の懸濁液に戻す再懸濁化は不可欠であり、(滅菌、例えばオートクレーブ滅菌後の)本発明の組成物を旋回させるか又は振盪することによって達成され得る。(担体中の活性成分、例えばベダキリンの)再懸濁化は、表面改質剤(すなわち、PEG4000及び1種以上の他の好適な表面改質剤)を活性成分、例えばベダキリンの表面上へ吸着させることによって起こり得る。
示されるように、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)後の再懸濁性は、PEG4000の存在と関係し得る。その上又は或いは、表面改質剤としてのPEG4000の使用は、それが、(例えば、滅菌後の懸濁及び/又は再懸濁性を可能にする類似の特性で)効率的であり得る表面改質剤と置き替わり得るので有利であり得るが、その表面改質剤が置き替えられる場合、(例えば注射可能な)一定の用量又は量を超えると(例えばヒトにおいて)耐えられ得ない。例えば、ビタミンE TPGSなどの他の表面改質剤は、ヒトにおいて注射可能な一定用量を超えると耐えられ得ず、これ故に完全に置き替えられる必要があるか、又は用量/量が減らされる必要があるかのどちらかである。
(PEG4000を含有しない)マイクロ又はナノ懸濁液は、オートクレーブ滅菌によって滅菌され得、且つ十分に再懸濁可能性であり得(例えば、本明細書で定義される条件下で、とりわけ40秒間未満旋回させることによって再懸濁可能であり得)、その場合、PEG4000は必要とされない可能性がある。しかしながら、再懸濁性が十分でない(例えば40秒よりも長い時間を要する)実施形態では、そのとき、そのようなマイクロ又はナノ懸濁液におけるPEG4000等の使用は、例えばオートクレーブ滅菌後に(すなわち、40秒未満まで要する時間を減らすことによるなど、それをより容易にすることによって)再懸濁性を改善するのに役立ち得る。米国薬局方は、懸濁液が貯蔵時に沈降する場合等に懸濁液が再分散可能であるべきであることを指摘しており、目標は、一般に、再懸濁するのに要する時間ができるだけ短い懸濁液を有することであり、したがってこの点において、及び本発明の態様において、PEG4000(等)は役に立つことができる。
これ故に、上記を考慮して、本発明の更なる実施形態では、
- 筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物での表面改質剤として使用するための、PEG4000等であって、前記組成物が、マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、PEG4000が、例えば滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)後に前記組成物を再懸濁させるのに役立つことを特徴とするPEG4000等
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を再懸濁させるのに使用するための、PEG4000等であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けているPEG4000等
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物における再懸濁性助剤として使用するための、PEG4000等であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けているPEG4000等
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物の再懸濁性を高める(又は改善する)ために使用するための、PEG4000等であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けているPEG4000等
が提供される。
上記の全ての場合に、PEG4000等は、本明細書に記載される医薬組成物におけるそのような使用のためのものであり得る。再懸濁性は、ある種の状況ではPEG4000なしの医薬組成物と比べられ得る。
代わりの更なる実施形態では、
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物での表面改質剤としての、PEG4000等の使用であって、PEG4000が、例えば滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)後に、前記組成物を再懸濁させるのに役立つ使用
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物の再懸濁での、PEG4000等の使用であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けている使用
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物における、再懸濁性助剤としての、PEG4000等の使用であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けている使用
- マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物の再懸濁性を高める(又は改善する)ための、PEG4000等の使用であって、例えば前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けている使用
が提供される。
上記の全ての場合に、PEG4000等の使用は、本明細書に記載される医薬組成物においてであり得る。この場合もまた、再懸濁性は、ある種の状況ではPEG4000なしの医薬組成物と比べられ得る。
本発明の粒子は、機械的手段による及び過飽和溶液からの制御された沈澱による、若しくはGAS技法(「ガス逆溶剤」)におけるなどの超臨界流体の使用による、又はそのような技法の任意の組み合わせによる、微粉化/粒径低減/ナノ粒子化によって調製することができる。一実施形態では、活性成分、例えばベダキリンを液体分散媒中に分散させ、粉砕媒体の存在下で機械的手段を適用して、活性成分、例えばベダキリンの粒径を約50μm未満、特に約1,000nm未満の平均有効粒径まで低下させる工程を含む方法が用いられる。粒子は、表面改質剤の存在下で寸法を低下させることができる。
本発明の粒子を調製するための一般的な手順は、
(a)微粉化形態の活性成分、例えばベダキリンを入手する工程と;
(b)微粉化活性成分、例えばベダキリンを液状媒体に添加してプレミックス/予備分散液を形成する工程と;
(c)プレミックスを粉砕媒体の存在下で機械的手段に供して平均有効粒径を低下させる工程と
を含む。
特定の実施形態では、
(a)微粉化形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を入手する工程と;
(b)微粉化活性成分、例えばベダキリン、又はその薬学的に許容可能な塩を液状媒体に添加してプレミックス/予備分散液を形成する工程であって、液状媒体が、請求項1、2、3又は4のいずれか一項に記載のように、PEG4000等を含む表面改質剤を含有することを特徴とする工程と;
(c)プレミックスを粉砕媒体の存在下で機械的手段に供して平均有効粒径を低下させる工程と;
(d)滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)の工程と;
(e)再懸濁させる工程(例えば必要ならば)と
を含む、医薬組成物を調製するための方法が提供される。
そのような場合に、再懸濁は、40秒間未満旋回させることによって行われ得る。特定の実施形態では、そのような方法におけるPEG4000の使用が提供される。
微粉化形態の活性成分(例えばベダキリン)は、当該技術分野で公知の技術を用いて調製される。予備分散液中の活性成分、例えばベダキリン活性剤の平均有効粒径は、ふるい分析によって測定されるように約100μm未満であることが好ましい。微粉化活性成分、例えばベダキリンの平均有効粒径が約100μmを超える場合、活性成分、例えばベダキリン、化合物の粒子は、寸法を100μm未満に(例えば本明細書に記載されるような寸法又は寸法範囲まで)低下させられることが好ましい。
微粉化活性成分、例えばベダキリンは、次いで、それが本質的に不溶性である液状媒体に添加して予備分散液を形成することができる。液状媒体中の活性成分、例えばベダキリンの濃度(重量/重量百分率)は、広く変化することができ、選択された表面改質剤及び他の因子に依存する。組成物中の活性成分、例えばベダキリンの好適な濃度は、約0.1%~約60%、又は約1%~約60%、又は約10%~約50%、又は約10%~約30%、例えば約10%、20%又は30%で変化する(この段落における各%は、w/vに関係している)。
プレミックスは、それを機械的手段に供して分散液中の平均有効粒径を2,000nm未満に低下させることによって、直接使用することができる。プレミックスは、磨砕のためにボールミルが使用される場合、直接使用されることが好ましい。或いは、活性成分、例えばベダキリン、及び、任意選択的に表面改質剤は、均一な分散が達成されるまで、例えば、ローラーミルなどの好適な攪拌を用いて液状媒体中に分散させることができる。
活性成分、例えばベダキリンの有効平均有効粒径を低下させるために適用される機械的手段は、好都合には、分散ミルの形態を取ることができる。好適な分散ミルとしては、ボールミル、磨砕機/磨砕ミル、振動ミル、遊星ミル、媒体ミル、例えばサンドミル及びビーズミルが挙げられる。粒径の所望の低下を提供するために必要とされる比較的より短い微粉砕時間のために、媒体ミルが好ましい。ビーズは、好ましくはZrOビーズである。例えば、ナノ粒子については、理想的なビーズ寸法は、約0.5mmであり、マイクロ粒子については、理想的なビーズ寸法は約2mmである。
粒径低下工程のための粉砕媒体は、3mm未満、より好ましくは1mm未満の平均寸法を有する、形態が好ましくは球形態又は微粒子形態の硬質媒体(200μmほどに小さいビーズ)から選択することができる。そのような媒体は、望ましくは、より短い処理時間で本発明の粒子を提供することができ、且つ微粉砕装置に与える損耗をより少なくすることができる。粉砕媒体の例は、マグネシアで安定化された又はイットリウムで安定化された95%ZrOなどのZrO、ケイ酸ジルコニウム、ガラス粉砕媒体、高分子ビーズ、ステンレス鋼、チタニア、アルミナ等である。好ましい粉砕媒体は、2.5g/cm超の密度を有し、好ましい粉砕媒体としては、マグネシアで安定化された95%ZrO及び高分子ビーズが挙げられる。
磨砕時間は、広く変化することができ、主に、選択された特定の機械的手段及び処理条件に依存する。ローリングミルについては、最大で2日間まで又はそれ以上の処理時間が必要とされ得る。
粒子は、活性成分、例えばベダキリン化合物を有意に劣化させない温度で寸法を低下させられるべきである。30℃~40℃未満の処理温度が通常好ましい。必要ならば、処理装置は、従来の冷却装置を使って冷却されてもよい。本方法は、周囲温度条件下で及び微粉砕プロセスにとって安全且つ効果的である、処理圧力で都合よく実施される。
本発明による医薬組成物は、好ましくは薬学的に許容可能である水性担体を含有する。前記水性担体は、他の薬学的に許容可能な成分と任意選択的に混合されている滅菌水を含む。後者は、注射可能な配合物で使用するための任意の成分を含む。そのような成分は、任意選択である。これらの成分は、懸濁化剤、緩衝剤、pH調整剤、保存剤、等張化剤、及び類似の成分のうちの1つ以上から選択され得る。一実施形態では、前記成分は、懸濁化剤、緩衝剤、pH調整剤、並びに任意選択的に、保存剤及び等張化剤のうちの1つ以上から選択される。特定の成分は、これらの試剤の2つ以上として同時に機能し、例えば、保存剤及び緩衝剤のように挙動し、又は緩衝剤及び等張化剤のように挙動し得る。
好適な任意選択の緩衝剤及びpH調整剤は、分散液を中性から、好ましくは7~7.5のpH範囲の、ごくわずかに塩基性(最大でpH8.5まで)にするのに十分な量で使用されるべきである。特定の緩衝剤は、弱酸の塩である。添加することができる緩衝剤及びpH調整剤は、酒石酸、マレイン酸、グリシン、乳酸ナトリウム/乳酸、アスコルビン酸、クエン酸ナトリウム/クエン酸、酢酸ナトリウム/酢酸、重炭酸ナトリウム/炭酸、コハク酸ナトリウム/コハク酸、安息香酸ナトリウム/安息香酸、リン酸ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、重炭酸ナトリウム/炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、ベンゼンスルホン酸、安息香酸ナトリウム/安息香酸、ジエタノールアミン、グルコノデルタラクトン、塩酸、臭化水素、リジン、メタンスルホン酸、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、トロメタミン、グルコン酸、グリセリン酸、グルタル酸、グルタミン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリエタノールアミン、それらの混合物などから選択され得る。ある実施形態では、本発明の組成物は緩衝剤を含有しない。ある実施形態では、とりわけpHが低くなる場合、本発明の組成物は、緩衝剤、例えばクエン酸-リン酸緩衝液を含有する。
好適な任意選択の保存剤は、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、クロルブトール、没食子酸塩、ヒドロキシベンゾエート、EDTA、フェノール、クロロクレゾール、メタクレゾール、塩化ベンゼトニウム、ミリスチル-γ-ピコリニウムクロリド、酢酸フェニル水銀及びチメロサールからなる群から選択することができる抗菌剤及び酸化防止剤を含む。ラジカル捕捉剤としては、BHA、BHT、ビタミンE及びパルミチン酸アスコルビル、並びにそれらの混合物が挙げられる。酸素捕捉剤としては、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、L-システイン、アセチルシステイン、メチオニン、チオグリセロール、アセトン重亜硫酸ナトリウム、イソアコルビン酸、ヒドロキシプロピルシクロデキストリンが挙げられる。キレート剤としては、クエン酸ナトリウム、ナトリウムEDTA及びリンゴ酸が挙げられる。本発明のある実施形態では、本発明の組成物は保存剤を含有しない。
等張化剤(isotonizing agent or isotonifier)が本発明の医薬組成物の等張性を確保するために存在してもよく、等張化剤としては、グルコース、デキストロース、スクロース、フルクトース、トレハロース、ラクトースなどの糖;多価糖アルコール、好ましくは三価又は四価以上の糖アルコール、例えばグリセリン、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール及びマンニトールが挙げられる。或いは、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、又は他の適切な無機塩が、溶液を等張性にするために使用されてもよい。これらの等張化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。懸濁液は、好都合には0~10%(w/v)、特に0~6%の等張化剤を含む。電解質がコロイド安定性に影響を及ぼし得るので、非イオン性等張化剤、例えばグルコースが興味あるものである。本発明のある実施形態では、本発明の組成物は、等張化剤を含有し、それは、更なる実施形態では、非イオン性等張化剤、例えばマンニトールなどの好適な糖である。等張化剤の量は、本明細書で前に記載されたとおりであるが、活性成分(例えばベダキリン)対比で一定の比でまた添加されてもよく、例えば活性成分(例えばベダキリン)及び等張化剤(例えばマンニトール)のw/w比は、1:1~10:1、例えば約2:1~8:1、とりわけ約3:1~6:1(例えば約4:1)であり得る。
本発明の医薬組成物についての望ましい特徴は、投与の容易さに関係している。本発明の医薬組成物の粘度は、注射による投与を可能にするのに十分なほど低いものであるべきである。特に、それらは、注射器に(例えば、バイアルから)容易に取り上げ、細い針(例えば、20G 1 1/2、21G 1 1/2、22G 2又は22G 1 1/4針)を通して余りにも長くはない時間で注射できるように設計されるべきである。一実施形態では、本発明の組成物の粘度は、約75mPa・s未満、又は60mPa・s未満である。そのような粘度又はそれ以下の粘度の水性懸濁液は、通常、上述の判断基準を満たす。
理想的には、本発明による水性懸濁液は、注射容積を最小限に保つように許容できる限り多くの活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩)、特に3~70%(w/v)、又は3~60%(w/v)、3~40%(w/v)、10~40%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩)を含むであろう。一実施形態では、本発明の水性懸濁液は、約50%~70%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩)、約40%~60%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩)、又は約30%~50%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩)を含有する。
一実施形態では、水性懸濁液は、組成物の全体積を基準として、重量で:
(a)10%~70%(w/v)、20%~60%(w/v)、20%~50%(w/v)、又は20%~40%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩);
(b)0.5%~20%(w/v)、又は2%~15%若しくは20%(w/v)、又は5%~15%(w/v)の湿潤剤(本明細書では表面改質剤とも言われる);
(c)0%~10%(w/v)、0%~5%(w/v)、0%~2%(w/v)、又は0%~1%(w/v)の1種以上の緩衝剤;
(d)0%~20%(w/v)、又は2%~15%若しくは20%(w/v)、又は5%~15%(w/v)の等張化剤;
(e)0%~2%(w/v)の保存剤;及び
(f)全体で100%にするための適量の注射用水
を含み得る。
一実施形態では、水性懸濁液は、組成物の全体積を基準として、重量で:
(a)3%~50%(w/v)、10%~40%(w/v)、10%~30%(w/v)の活性成分、例えばベダキリン(若しくはその薬学的に許容可能な塩);
(b)0.5%~10%(w/v)、又は0.5%~2%(w/v)の湿潤剤;
(c)0%~10%(w/v)、0%~5%(w/v)、0%~2%(w/v)、又は0%~1%(w/v)の1種以上の緩衝剤;
(d)0%~10%(w/v)、又は0%~6%(w/v)の等張化剤;
(e)0%~2%(w/v)の保存剤;及び
(f)全体で100%にするための適量の注射用水
を含み得る。
懸濁液に、pHを約pH7の値にするための量の酸又は塩基が任意選択的に添加され得る。好適な酸又は塩基は、生理学的に許容されるもののいずれか、例えばHCl、HBr、硫酸、NaOHなどのアルカリ金属水酸化物である。ある実施形態では、そのような酸又は塩基は、本発明の組成物に添加する必要はない。
本発明はまた、疾患若しくは状態(例えば本明細書に記載の)の治療又は予防における薬剤として使用するための、本明細書で上に記載されたような医薬組成物にも関する。
加えて、本発明は、疾患若しくは状態(例えば本明細書に記載の)の予防又は治療のための薬剤の調製のための、本明細書に記載されるような医薬組成物の使用に関する。
本発明は更に、細菌又はウイルスに感染した対象を治療する方法であって、前記方法が、本明細書に記載されるような治療有効量の医薬組成物の投与を含む方法に関する。
本明細書で使用するとき、単語「実質的に」は、「完全に」を除外せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まない場合もある。必要な場合は、単語「実質的に」は、本発明の定義から省略してもよい。数値と関連する用語「約」は、数値との関連で、その通常の意味を有することを意図する。必要に応じて、単語「約」は、数値±10%、又は±5%、又は±2%、又は±1%によって置き換えられ得る。
本明細書で引用される全ての文献は、それらの全体が参照により援用される。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図し、本発明を制限するものと解釈されるべきではない。
プロセス実施例:マイクロ及びナノ懸濁液の調製
活性成分ベダキリンは、そのままで使用されてもよいし、又はフマル酸塩などの、その薬学的に許容可能な塩(例えば市販製品Sirturo(登録商標)で使用される形態)に変換されてもよい。本明細書で言及される場合、ベダキリンは、別途明記しない限り、その非塩形態で使用される。
ベダキリン配合物の原型は、以下のとおりである:
200mg/mL及び100mg/mLのナノ及びマイクロ懸濁液の調製。
使用される原材料:
ジルコニウムビーズ 0.5mm(プロセスを補助するための)
注射用滅菌水(Viaflo)
ベダキリン(非微粉砕/非粉砕)
PEG4000(等)及び1種以上の他の好適な表面改質剤(例えばトコフェニル PEG 1000スクシネート)などの、表面改質剤-賦形剤
ジルコニウムビーズ 2mm(プロセスを補助するための)
マンニトール(非経口) - 賦形剤
緩衝剤(必要ならば)例えばクエン酸-リン酸緩衝液
ガラス瓶、及び微粉砕媒体として使用される、ZrOビーズ(所望のナノ又はマイクロ懸濁液に応じて、0.5mm又は2mmのいずれか)をオートクレーブ中で滅菌した。製剤原料(調製される配合物に応じた量;例えば下記の配合物/懸濁液を参照されたい)並びに注射用水中の表面改質剤(例えばPEG4000及びトコフェリルPEG1000スクシネート)の溶液(必要とされる/所望される濃度に応じた量;例えば下記の配合物/懸濁液を参照されたい)をガラス瓶に入れた。500μm又は2mm(マイクロ又はナノ懸濁液のどちらが必要とされる/所望されるかに依存する)の平均粒径のZrO-ビーズを添加した。瓶をローラーミル上に置いた。懸濁液を最大で72時間までの期間100rpmで微粉化/ナノ粒子化した。例えば、微粉化は、100rpmで3時間の期間(又は最大で3時間まで)行ってもよく、ナノ粒子化は、100rpmで最大で46時間まで(例えば約40時間)行ってもよい。微粉砕プロセスの終わりに、濃縮マイクロ又はナノ懸濁液を注射器で取り出し、バイアルへ満たした。(ナノ懸濁液及びマイクロ懸濁液をベースとする)得られた配合物を以下の表に記載する。濃度の決定は、HPLC/UVによって行った。必要な場合、希釈を行って活性成分ベダキリンの200mg/mlの最終濃度にした。得られた懸濁液を遮光した。300mg/ml及び100mg/mlのナノ及びマイクロ配合物などの、その他の濃度も製造し、試験した。
そのような配合物を、可能な長時間作用効果(例えばハンセン病の治療での)を調査するためにPK研究用の動物に筋肉投与及び皮下投与した(及び投与するであろう)。
懸濁液の物理的安定性は、様々な貯蔵条件後に粒径を測定することによって追跡調査されるであろう。
配合物のある種の実施形態は、以下の特徴:
- 2mmのZrビーズを用いることによるマイクロ懸濁液
- 200mg/mLでの微粉砕(さもなければ、濃度は、例えば300mg/mlで、高くなりすぎる場合がある)
- ナノ懸濁液をもたらす、より長い微粉砕
- 例えば物理的安定性に基づいて選択される、好適な表面改質剤、例えば本明細書に記載されるような表面改質剤又は湿潤剤
を有する。
ベダキリンマイクロ懸濁液の参考例
本明細書では参考例A(緩衝剤なし)並びに参考例B及びC(緩衝剤あり)と言われる200mg/mlのマイクロ懸濁液
参考例A
粒度分布(PSD)
1ヶ月後のPSD測定結果は、配合物が比較的安定したままであることを示し、体積密度%をまた、図1(ここで「コンセプト7」は参考例Aを指す)に図示する。
HPLCを用いる安定性試験:
HPLC試験方法を用いて、どれほど参考例Aの長時間作用型注射可能配合物が安定であるかを測定した。狙いは、室温で一定期間後に2つの既知の分解物と比べてベダキリンの量を測定することであった。
HPLC手順:カラム-ProntoSIL 120-3-C18 SH、100mm長さ×3.0mm内径、3μm粒径、又は同等物;カラム温度 35℃;オートサンプラー温度 5℃;流量 0.5mL/分;検出UV;波長 230nm;データ収集時間 50分;分析実行時間 60分;注入量 10μl;移動相Aは、水中の0.03M塩酸である;移動相Bは、メタノール/アセトニトリル/2-プロパノール-45/45/10(v/v/v)である。
HPLC純度試験は、(分解物及びベダキリンの相対量が安定したままであることを考えれば)参考例Aの配合物が長期間比較的安定であることを示す。
参考例B及びC
粒度分布(PSD)
(オートクレーブ滅菌後などの)様々な条件下でのこれらの配合物についてのPSDは、配合物が比較的安定したままであることを示す。これを図2に示す、ここで、コンセプト3は参考例Bを指し、コンセプト4は参考例Cを指す。
実施例1-本発明のマイクロ懸濁液
参考例の懸濁液は、全て、ビタミンE TPGSを含有し、それは、特に明記される量(例えば50mg/ml)で、非経口的に、例えば筋肉注射で許容されない。ビタミンE TPGSは、(例えば5mg/mlは非経口的に許容され得るので)完全に置き替えられる必要はないけれども、本発明の懸濁液は、(表面改質剤としての)ビタミンE TPGSの量を有利にも低減する。Clariant GmbHから供給され得る、PEG4000(すなわちポリエチレングリコール4000)を使用する。PEG4000は、懸濁ビヒクルの粘度を高めるために使用することができ、且つ懸濁剤として機能することができる親水性試剤である。
実施例1配合物
この場合、緩衝剤を添加してpHの低下を回避した。
粒度分布(PSD)
実施例1のマイクロ懸濁液のPSDは、配合物がオートクレーブ滅菌後に比較的安定したままであることを示す。これを図3に示す。
実施例1の配合物の適切な曇り点は約105~110℃であると計算された。
実施例1のマイクロ懸濁液のオートクレーブ滅菌を、Systecオートクレーブ(VX/VEシリーズ)で行った、ここで、本パラメータは、
滅菌温度:121℃(計算された曇り点よりも上)
滅菌時間:15分
アンローディング温度:80℃
である。
典型的なオートクレーブ滅菌サイクル-水蒸気発生機は、必要とされる水蒸気圧及び水蒸気量を滅菌室へビルドアップし、滅菌温度に達した後に、それはそのとき、滅菌期間の継続期間中一定のままであり、その期間が経過した後に、任意選択の内蔵冷却装置で、アンローディング温度に達するまで冷却される。
オートクレーブ滅菌温度が測定曇り点よりも高いことを考えれば、例えば相分離のために、粒子凝集が見られることを予期することができよう。
実施例1のマイクロ懸濁液に関する更なるデータ
懸濁液が一定の条件に供された後の粒度分布(PSD)
PSDに関する上記データはまた、実施例1のマイクロ懸濁液がオートクレーブ滅菌後に並びに更なる時間(及び様々な温度での)後に比較的安定したままであることを示し、それはまた、図4に概要を示される。
再懸濁性:オートクレーブ滅菌後に、粒子は容器の底部に見ることができ、それは、それ故振盪しなければならない。有利には、試験した場合に、実施例1の配合物は、振盪後に容易に再懸濁できることが見られた。
実施例1のマイクロ懸濁液に関する更なるデータ
懸濁液が一定の更なる条件に供された後の粒度分布(PSD)
オートクレーブ滅菌後でさえも、60℃で最大で3ヶ月までさえ安定したPSDであることを見ることができ、それは、図5に概要を示される。
上記のHPLC試験方法を用いて、どれほど実施例1の長時間作用型注射可能配合物が安定であるかを測定した。再び、狙いは、室温で一定期間後に既知の分解物/不純物と比べてベダキリンの量を測定することであり、それは以下の結果を与えた:
結論
重要な結論は、参考例の及び実施例1の懸濁液が、オートクレーブ滅菌後でさえ、一定時間の及び高温での貯蔵後に、PSD及びHPLC試験方法での純度測定によって決定されるように、安定であることである。
更なる重要な結論は、実施例1の懸濁液が、オートクレーブ滅菌後に、一定時間の及び高温での貯蔵後にさえも容易に再懸濁可能であることであった。
更なる再懸濁性データ
上記の組成物の再懸濁性を、関連組成物を旋回させることによって、上記の実施例においてオートクレーブ滅菌後に、客観的に試験した。PEG4000なしの組成物は、再懸濁させるのが困難である(ここで、それは、再懸濁させるために40秒超を要し、旋回及び振盪を必要とする)、一方、PEG4000ありの組成物は、再懸濁させるのが比較的容易である(ここで、それらは、40秒未満の穏やかな旋回を必要とする)ことが分かった。
実施例1A(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1A)
実施例1B(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1B)
実施例1C(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1C)
実施例1D(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1D)
実施例1E(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1E)
参考例1F(マイクロ懸濁液)
粒度分布(PSD)及び再懸濁性(実施例1F)
実施例2:薬物動態学的研究
マウス、ラット及びビーグル犬での薬物動態学的研究
マウス、ラット及びビーグル犬での多くの研究が、国際公開第2019/012100号パンフレットに記載されており、それらは、ベダキリン及び/又はその活性代謝産物M2の持続血漿濃度が、例えば参考例Aの配合物を使用して(1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月などの)一定期間にわたって見られたことを概して実証している。
ラットでの薬物動態プロファイル
濃度200mg/mLの配合物をこの研究において使用し、且つ参考例Aのマイクロ懸濁液を使用した、すなわち、(活性ベダキリンの)200mg/ml濃度のマイクロ粒子に加えて、緩衝剤なしの、WFI(注射用水)中のTPGS(4:1ベダキリン:TPGS)及び50mg/mlのマンニトールを使用した。ベダキリンはTMC207とも言われる。
これらの研究は、皮下に(SC)及び筋肉注射で(IM)投与した場合に、参考例Aが雄ラットにおいて長期間にわたって安定した血漿中濃度をもたらしたことを実証する。
雄ラット
第1の実験は、上記で言及された各関連する200mg/mlのナノ懸濁液及びマイクロ懸濁液を40mg/kg(0.2mL/kg)の濃度で皮下で(SC)及び筋肉注射で(IM)投与した、雄ラットで行った。中間分析を3ヶ月目に行い、結果を6ヶ月目に追跡調査した。12匹のラットを研究に使用した。3匹のラットに、200mg/mlのマイクロ懸濁液を筋肉注射で(IM)投薬した(参考例Aを参照されたい)。3匹のラットに、200mg/mlのマイクロ懸濁液を皮下に(SC)投薬した(参考例Aを参照されたい)。
結果のフェーズ1-最大で2200時間まで
図6「40mg/kgの用量で200mg/mlのマイクロ配合物(参考例Aを参照されたい)をIM又はSC投与した場合の雄ラットにおけるTMC207の血漿中動態」
以下のパラメータをTMC207について計算した(図を参照されたい):
該当する場合、平均値が与えられる(括弧中の最小→最大と共に)
結果のフェーズ2-最大で4400時間まで
全ての場合に、BDQ又はM2の血漿濃度を、関連研究における3匹のラットの平均値として計算する。
ラットでの研究:200mg/ml濃度の、並びに40mg/kg(StDev=標準偏差)でSC投薬した及び40mg/kgでIM投薬した参考例Aの配合物、すなわち、マイクロ懸濁液について
参考例A及び実施例1についての血漿濃度対時間-プロファイル
以下の図において、参考例A(F4と表示される)及び実施例1(F1と表示される)の血漿濃度対時間プロファイルが、40mg/kgのSC注射後のラットにおいて研究されたことが示される。ベダキリン及びその活性代謝産物M2の濃度を測定した。
LLOQ(定量化の下限)超の親化合物の持続血漿濃度が、研究の継続期間中全ての群の全ての動物において観察された。SC投与後の最初の28日内に、親化合物の2つの血漿濃度ピーク(Cmax)が、両配合物F1及びF4について観察された。28日後に、経時的に同様なプロファイル及び濃度への薬物血漿濃度の全般的な収束が両配合物について起こった。
図7は、ラットにおける、異なる界面活性剤(TPSGと組み合わせられたPEG4000、及びTPSG)を含有する、皮下投与されたベダキリンLAIマイクロ懸濁液の血漿濃度対時間プロファイルを示す。
M2代謝産物の血漿濃度-時間プロファイルに関して、再び、LLOQ超のM2の持続血漿濃度が、両F1及びF4について全ての動物において観察された。
図8は、ラットにおける、異なる界面活性剤(TPSGと組み合わせられたPEG4000、及びTPSG)を含有するBDQ(ベダキリン)LAIマイクロ懸濁液の皮下投与後のベダキリン(BDQ)代謝産物の血漿濃度対時間プロファイルを示す。
筋肉内投与後に、再び、LLOQ超の親化合物の持続血漿濃度が、本研究の継続期間中、両F1及びF4配合物について全ての動物において観察された。
図9は、ラットにおける、異なる界面活性剤(TPSGと組み合わせられたPEG4000、及びTPSG)を含有する、筋肉内投与されたベダキリンLAIマイクロ懸濁液の血漿濃度対時間プロファイルを示す。
同様に、持続血漿濃度が、筋肉内投与後の代謝産物について達成された。
図10は、ラットにおける、異なる界面活性剤(TPSGと組み合わせられたPEG4000、及びTPSG)を含有するBDQ(ベダキリン)LAIマイクロ懸濁液の筋肉内投与後のベダキリン(BDQ)代謝産物の血漿濃度対時間プロファイルを示す。
結論:参考例A(F4)及び実施例1(F1)の両配合物が、薬物及び活性代謝産物(M2)の両方の持続放出を達成するのに、それなりに、有効であり、両方ともそれ故そのような目的に好適であった。

Claims (15)

  1. 筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物での表面改質剤として使用するための、PEG4000等であって、前記組成物が、マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含み、PEG4000が、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)後に前記組成物を再懸濁させるのに役立つことを特徴とする、PEG4000等。
  2. マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記組成物が、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けている組成物を再懸濁させるのに使用するための、PEG4000等。
  3. マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物での表面改質剤としての、PEG4000等の使用であって、前記PEG4000が、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)後に前記組成物を再懸濁させるのに役立つ使用。
  4. マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、前記組成物が滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)を受けている組成物を再懸濁させる工程における、PEG4000等の使用。
  5. (a)マイクロ又はナノ隆成形態の、活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩、及び表面改質剤と;
    (b)薬学的に許容可能な水性担体と
    を含む、マイクロ又はナノ粒子の懸濁液の形態の、治療有効量の活性薬剤成分、又はその薬学的に許容可能な塩を含む、筋肉注射又は皮下注射による投与のための医薬組成物であって、
    前記表面改質剤が、PEG4000等を含み、並びに
    前記組成物が、滅菌(例えばオートクレーブ滅菌による)及び再懸濁を受けることを特徴とする、
    組成物。
  6. 前記表面改質剤は、少なくとも75重量%のPEG4000等を含み、残りは1種以上の他の好適な表面改質剤である、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記1種以上の他の好適な表面改質剤は、ポロキサマー、α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、及び負荷電リン脂質の塩からなる群から選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記他の表面改質剤は、α-トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート(TPGS)である1つの表面改質剤を表す、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記活性成分、又はその薬学的に許容可能な塩、マイクロ又はナノ粒子の平均有効粒径は、約50μm未満、特に約200nm未満である、請求項5~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前記組成物の全体積を基準とする重量で:
    (a)10%~70%(w/v)、20%~60%(w/v)、20%~50%(w/v)、又は20%~40%(w/v)の活性成分(又はその薬学的に許容可能な塩;しかしここで、前記w/vはその非塩形態に基づいて計算される);
    (b)0.5%~20%(w/v)、又は2%~15%若しくは20%(w/v)、又は5%~15%(w/v)の湿潤剤(又は表面改質剤、すなわち、PEG4000等を含む);
    (c)0%~10%(w/v)、0%~5%(w/v)、0%~2%(w/v)、又は0%~1%(w/v)の1種以上の緩衝剤;
    (d)0%~20%(w/v)、又は2%~15%若しくは20%(w/v)、又は5%~15%(w/v)の等張化剤;
    (e)0%~2%(w/v)の保存剤;及び
    (f)全体で100%にするための適量の注射用水
    を含む、請求項5~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. (a)微粉化形態の、活性薬剤成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を入手する工程と;
    (b)前記微粉化活性成分(例えばベダキリン)、又はその薬学的に許容可能な塩を液状媒体に添加してプレミックス/予備分散液を形成する工程であって、前記液状媒体が、請求項1、2、3又は4のいずれか一項のように、PEG4000等を含む表面改質剤を含有することを特徴とする工程と;
    (c)前記プレミックスを粉砕媒体の存在下で機械的手段に供して平均有効粒径を低下させる工程と;
    (d)滅菌(例えばオートクレーブ滅菌)と;
    (e)再懸濁化(必要ならば)と
    を含む、請求項5~10のいずれか一項に記載の医薬組成物を調製するための方法。
  12. 前記再懸濁化は、40秒未満の間旋回させることによって行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の方法におけるPEG4000の使用。
  14. 前記医薬組成物は、請求項5~10のいずれか一項に記載のとおりである、請求項1又は請求項2に特許請求される使用のための、PEG4000等。
  15. 前記医薬組成物は、請求項5~10のいずれか一項に記載のとおりである、請求項3又は請求項4に特許請求される使用。
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