JP2023532918A - 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物並びにそれらの方法及び使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、成長している植物の微量栄養素取り込みを増加させるように土壌微小環境のpHを低下させるための組成物及び方法に関する。本発明の組成物は、Zn、Mn、及びCuなどの微量栄養素、並びに任意選択的に、硫黄源と複合体化するポリアニオン性ポリマーを含む、顆粒状形態にある。かかる顆粒状組成物は、ある特定の期間にわたって、一定の濃度で、需要に応じて微量栄養素を連続的に放出することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、成長している植物の微量栄養素取り込みを増加させるように土壌微小環境のpHを低下させるための組成物及び方法に関する。本発明の組成物は、Zn、Mn、Fe、及びCuなどの微量栄養素、並びに任意選択的に、硫黄源と複合体化されるポリアニオン性ポリマーを含む、顆粒状形態にある。
植物は、健康な成長を維持するために、それらが成長する土壌から様々な元素を抽出しなければならない。これらの元素は、亜鉛、鉄、マンガン、銅、ホウ素、コバルト、バナジウム、セレン、ケイ素、及びニッケルの微量栄養素を含む。しかしながら、多くの土壌は、十分な量のこれらの微量栄養素を欠くか、又は植物が容易に取り込むことができない形態でのみ微量栄養素を含有する。これらの欠陥に対抗するために、欠乏元素の供給源が、作物植物から取得された成長割合及び収量を改善するために、一般的に土壌に施用される。本出願は、概して、酸化物、スルフェート、オキシスルフェート、キレート、及び他の製剤を使用して達成されている。
普通の農業土壌では、pHは、約4.5~8.3で変化する。天然に生じるpHが7を超える田畑では、不溶性反応生成物の形成(固定)に起因して、微量栄養素の有用性が制限されていることが観察されている。ほとんどの微量栄養素の有用性は、概して、pHが低下するにつれて増加するが、最大作物収量は、通常、より高いpHで取得可能である。それゆえ、微量栄養素を吸収するための最適なpHと、最大の作物収量を取得することとの間に微細なバランスが存在する。
利用可能な微量栄養素の不足を補うために、多くの農家は、過剰な量の微量栄養素含有肥料を土壌に施用することが多い。これらの施用は、上記の問題を解決し得るが、農家にとって高価である。それゆえ、主要栄養素の取り込み及び/又は存在に影響を与えることなく、十分な微量栄養素を植物及び/又は作物に効果的に送達することができる製剤を開発することが非常に望ましい。
本発明の一態様は、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分を含む、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物を対象とし、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分が、均質な複合顆粒に圧縮される。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、硫黄(S)を更に含み、硫黄、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分が、均質な複合顆粒に圧縮される。
本発明の別の態様は、本発明の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物及び農業製品を含む、農業組成物を対象とする。いくつかの実施形態では、農業製品は肥料である。
本発明の別の態様は、土壌を肥沃化し、並びに/又は植物/作物の成長及び/若しくは健康を改善する方法であって、本明細書において開示される顆粒状ポリマー微量栄養素組成物、又は本明細書に開示されるような農業組成物を土壌に施用することを含む、方法を対象とする。
ZnSO、任意のポリマーを含まないZn源(MS Znポリマーなし)、BCポリマーを有するZn源(MS Zn BCあり)、及びT5ポリマーを有するZn源(MS Zn T5あり)の様々な溶解割合を示す線グラフである。 ZnSO、任意のポリマーを含まないZn源(MS Znポリマーなし)、BCポリマーを有するZn源(MS ZnBCあり)、及びT5ポリマーを有するZn源(MS Zn T5あり)の様々な溶解割合を示す線グラフである。
ここで、本開示の主題を、以下により完全に説明する。しかしながら、本明細書に記載された本開示の主題の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明に提示された教示の利益を有する本開示の主題が関係する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本開示の主題は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。換言すれば、本明細書に記載の主題は、全ての代替形態、修正形態、及び均等物を包含する。組み込まれた文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、本出願と異なるか又は本出願(定義された用語、用語の使用、記載された技術などを含むがこれらに限定されない)と矛盾する場合、本出願が支配する。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
有利には、本明細書において説明された顆粒状ポリアニオン性微量栄養素組成物及び方法は、微量栄養素の、制御されかつ安定した放出を提供し、それによって植物の成長及び健康を改善することが示されている。理論に拘束されるものではないが、非常に負に帯電したポリアニオン性ポリマーは、微量栄養素と相互作用(例えば、複合体化又は関連)し、それによって土壌環境から微量栄養素を保護するイオン交換部位として機能すると考えられる。そうでなければ、微量栄養素は、微量栄養素に結合するか、又は閉じ込め、かつ/又は微量栄養素を入手しにくい形態に変換する可能性がある土壌粒子に曝露されるであろう。更に、ポリアニオン性ポリマーは、微量栄養素(顆粒状である)内及びその周辺に低いpHの微小環境を提供し、それによって植物及び/又は作物への(亜鉛、鉄、マンガン及び銅などの)微量栄養素の有用性を増加させる。加えて、ポリアニオン性ポリマー成分は、これらの微量栄養素の植物及び/又は作物への放出を制御することを支援し、それによって植物及び/又は作物への微量栄養素のオンデマンド供給源としての役割を果たす。最後に、これらの有益な特性は、ポリアニオン性ポリマーが、顆粒に圧縮されるときに微量栄養素に近接するにつれて、顆粒状形態のポリアニオン性微量栄養素組成物に対して特に増強され、それによって、互いとの関連を促進する。
それゆえ、本明細書に開示されるような顆粒状ポリアニオン性ポリマー組成物に組み込まれたポリアニオン性ポリマーは、以下により詳細に説明されるようにカチオン微量栄養素の性能の長い寿命を提供する。
定義
本明細書において使用される場合、「複合体」という用語は、微量栄養素のキレート、配位複合体、及び塩を指し、微量栄養素は、共有(すなわち、結合形成)様式におけるポリアニオン性ポリマーの官能基、又は非共有(例えば、イオン性、水素結合など)様式におけるポリアニオン性ポリマーの官能基と会合する。複合体において、中心部分又はイオン(例えば、微量栄養素)は、配位子又は複合体化剤(例えば、ポリアニオン性ポリマー内に存在する側鎖の官能基)として既知である結合分子又はイオンの周囲のアレイと会合する。中央部分は、配位子のいくつかのドナー原子に結合するか、又は会合し、ドナー原子は、同じ種類の原子であり得るか、又は異なる種類の原子(例えば、酸素原子)であり得る。複数の結合(すなわち、2、3、4、又は更には6つの結合)を形成する配位子のドナー原子のうちのいくつかを介して中央部分に結合された配位子又は複合体化剤は、多座配位子と称される。多座配位子との複合体はキレートと呼ばれる。典型的には、配位子を有する中心部分の複合体は、中心部分を取り囲む配位子が溶液中に入っても中心部分から解離せず、中心部分を溶媒和することにより、その溶解を促進するため、それ自体よりもますます可溶性が高い。
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、カチオン及びアニオンの集合体からなる化学化合物を指す。塩は、生成物が電気的に中性(正味電荷なし)になるように、関連する数のカチオン(正に帯電したイオン)及びアニオン(負イオン)で構成される。多くのイオン化合物は、水又は他の極性溶媒に顕著な溶解性を示す。溶解度は、各イオンが溶媒とどれだけ良好に相互作用するかに依存する。更に、塩は、「部分的」又は「完全な」塩に分類することができる。部分塩は、不均一な数のカチオン及びアニオンを含有するため、電気的に中性ではない化合物を指す。例えば、部分塩とは、遊離であり、カチオン(例えば、微量栄養素)と会合しないか、又は複合体化されていないアニオン(例えば、ポリアニオン性ポリマーの官能基)を有する化合物(例えば、顆粒状ポリアニオン性微量栄養素組成物)を指す。対照的に、完全塩は、全てのアニオン(例えば、ポリアニオン性ポリマーの官能基)がカチオン(例えば、微量栄養素)と会合及び/又は複合体化されるため、電気的に中性である科学的化合物を指す。
本明細書において使用される場合、「アニオン性官能基」という用語は、塩基性条件(例えば、約7超のpH)に曝露されたときにアニオンを形成することができる化学官能基を指す。例示的な官能基としては、限定するものではないが、カルボキシレート、スルホネート、ホスホネート、アルコール(-OH)、及び/又はチオール(-SH)が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「非イオン性官能基」という用語は、アニオン性ではない化学官能基を指す。換言すると、非イオン性官能基は、塩基性条件(すなわち、約7超のpH)に曝露されたときにアニオンを提供することができない化学官能基である。例示的な官能基としては、限定するものではないが、エステル、アミド、ハロゲン、アルコキシド、ニトリルなどが挙げられる。
本明細書において使用される場合、「エステル」という用語は、酸の少なくとも1つの-OH(ヒドロキシル)基が、-OCH、-OCHCHなどの-O-アルキル(アルコキシ)基によって置き換えられた酸(有機又は無機)から誘導された科学的化合物を指す。
本明細書において使用される場合、「アミド」という用語は、水素原子をアシル基で置き換えることによってアンモニアに関連する-C(O)NH基を含有する有機化合物である。
本明細書において使用される場合、「熱的安定性」という用語は、所与の期間にわたって熱刺激に曝露されたときの物質の安定性を指す。熱的刺激の例としては、限定するものではないが、電気供給源から生成された熱、及び/又は太陽から生成された熱が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「化学的安定性」という用語は、空気(酸化をもたらし得る)、光(例えば、太陽光)、水分/湿気(水から)、熱(太陽から)、及び/又は化学剤などの外部作用に曝露されたときの構造的変化に対する物質の耐性を指す。例示的な化学剤としては、限定されないが、関心のある化合物(例えば、開示されるポリアニオン性ポリマー)の構造的完全性を劣化させ得る任意の有機又は無機物質が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「分解」という用語は、物質(例えば、開示されるアニオン性ポリマー)の構造的安定性を崩壊させる外部生物学的生物の能力を指す。例示的な生物学的生物としては、限定されないが、土壌中に存在している細菌及び微生物が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「微量栄養素」という用語は、非常に少量しか必要とされない植物の成長及び健康に不可欠な栄養素として理解されるべきである。植物によって必要とされる微量栄養素の非限定的なリストとしては、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、ホウ素(B)、モリブデン(Mo)、及び塩素(Cl)が挙げられる。
本明細書において使用される場合、「サイズガイド番号(SGN)」という用語は、バッチ内の中央値(又は中点)に基づいて、ミリメートル×100として表される肥料顆粒の直径を指す。肥料顆粒の半分が、セットSGNより大きく、半分がセットSGNより小さいことを意味する。これは、肥料を様々なふるいに通し、各々が保持した量を使用して、SGNを計算することによって決定される。例えば、SGN250の肥料は、その粒子の50パーセントを、2.5ミリメートルの開口部を有するふるいの上又はその周りに保持することになる。
本明細書において使用される場合、「中央値」という用語は、粒子集団の半分がこの点を上回って存在し、粒子の半分がこの点を下回って存在し、通常ミリメートル(mm)で記録される値を指す。粒子サイズ分布の場合、中央値は、粒子のD50と呼ばれる。
本明細書において使用される場合、「均一性指数(UI)」という用語は、相対的な粒子サイズ変動を表す変数を指す。約40~60の範囲内のUI値は、粒子がサイズにおいて均一であることを示す。UI値が大きいほど、製品の粒子サイズ変動がより均一になる。この範囲外の値は、粒子サイズ分布における変動性が大きいことを示す。UIは、特定の顆粒状組成物に関して、より大きい(d95)顆粒対より小さい(d10)顆粒の比に100を乗じたものであり、UIを計算する式は、=D10/D95×100であり、式中、D10=10%通過に対応する粒径(mm)及びD95=95%通過に対応する粒径(mm)である。例えば、UIが50=平均小粒子(.80mm)の製品の意味は、平均大粒子(1.6mm)の半分のサイズである。粒子サイズ及び密度が変動する製品は、製品の一貫性のない分布をもたらし、一貫性のない結果を生む可能性がある。
本明細書において使用される場合、「メッシュサイズ」という用語は、スクリーンの1平方インチにおける開口部の数として定義される米国メッシュサイズ(又は米国ふるいサイズ)を指す。例えば、36メッシュスクリーンは、36の開口部を有し、一方で150メッシュスクリーンは、150の開口部を有することになる。スクリーンのサイズ(1平方インチ)が一定であるため、メッシュ数が高いほど、スクリーンの開口が小さくなり、通過する粒子が小さくなる。概して、米国メッシュサイズは、325メッシュ(1平方インチにおいて325の開口部)までのスクリーンを使用して測定される。
製品のメッシュサイズには、マイナス(-)又はプラス(+)の記号が付いていることがある。これらの記号は、粒子がメッシュサイズよりも全て小さい(-)か、又は全て大きい(+)かのいずれかであることを示す。例えば、-100メッシュとして識別された製品は、100メッシュスクリーンを通過した粒子のみを含有する。+100グレードには、100メッシュスクリーンを通過しない粒子を含有する。製品のグレードが、ダッシュ又はスラッシュを付けられるとき、製品には2つのメッシュサイズ内の粒子が含有されることを示す。例えば、30/70又は30-70グレードは、30メッシュより小さく、70メッシュより大きい粒子のみを有することになる。
本明細書において使用される場合、「粒子密度」という用語は、lbs/ft又はkg/mとして記録される粒子及び/又は顆粒の質量対体積比を指す。かさ密度とは異なり、粒子密度は、個々の粒子間の空間を含まず、むしろ粒子密度自体の測定値を含む。
本明細書において使用される場合、「水分保持容量」という用語は、単位質量(顆粒)内に保持された最大水分含有量を意味する。
本明細書において使用される場合、「均質な」という用語は、組成物が、それをどこでサンプリングしても同一であるように、組成物全体を通して均一であることを意味する。
本明細書において使用される場合、「複合材」という用語は、異なる化学的又は物理的特性を有し、個々の材料とは異なる特性を有する材料を作製するために融合される、2つ以上の材料の混合物を指す。完成した構造体内で、個々の材料は、分離し、かつ別個のままであり、それによって混合物から複合材を区別する。ときには、複合材中に存在する材料のうちの1つが、他の材料をより強力にすることができ、すなわち、微量栄養素は、ポリアニオン性ポリマーの存在下でより効率的に放出され、それゆえ、ポリアニオン性ポリマーは、微量栄養素を「より強力」にする。
本明細書において使用される場合、「土壌」という用語は、陸地表面上に生じる生体(例えば、微生物(細菌及び真菌など)、動物及び植物)、非生体物質(例えば、鉱物)並びに有機物(例えば、様々な程度の分解における有機化合物、液体、及び気体)からなる自然体として理解されるべきであり、様々な物理的、化学的、生物学的、及び人為的プロセスの結果として初期材料から区別可能な土壌層位によって特徴付けられる。農業の観点からは、土壌は主に植物にとっての定着部分及び主要な栄養素のベース(植物生息地)とみなされている。
本明細書で使用される場合、「肥料」という用語は、植物及び果実の成長を促進するために施用される化合物として理解されるべきである。肥料は、典型的には、土壌を通じて(植物の根による取り込みのため)、又は葉への供給を通じて(葉からの取り込みのため)のいずれかによって施用される。「肥料」という用語は、a)有機肥料(腐敗した植物/動物質で構成される)及びb)無機肥料(化学物質及び鉱物で構成される)の2つの主要なカテゴリーに細分することができる。有機肥料としては、厩肥、スラリー、ミミズの糞、泥炭、海藻、下水、及びグアノが挙げられる。緑肥作物はまた、土壌に栄養素(特に窒素)を添加するために定期的に栽培される。製造された有機肥料には、堆肥、血粉、骨粉及び海藻抽出物が含まれる。更なる例は、酵素的に消化されたタンパク質、魚粉及び羽毛粉である。前年からの分解作物残留物は、産出力の別の供給源である。更に、鉱山のリン酸岩、カリのスルフェート及び石灰石などの天然に存在する鉱物も無機肥料と考えられる。無機肥料は、通常、化学的プロセス(例えば、Haber-Boschプロセス)を通じて、また、天然に存在する堆積物を使用して、それらを化学的に変化させながら(例えば、濃縮されたトリプルスーパーホスフェート)製造される。天然に存在する無機肥料には、チリ硝酸ナトリウム、リン酸岩鉱石、及び石灰石が挙げられる。
更なる定義は、以下に記載するとおりである。
I.組成物
本発明は、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分を含む、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物であって、両方の成分が、均質な複合顆粒に圧縮される、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物に関する。各成分は、以下でより詳細に説明される。
顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中の各成分の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマー成分の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約1重量%~99重量%、約1重量%~約90重量%、約10重量%~約90重量%、約20重量%~約90重量%、約30重量%~約90重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約90重量%、約60重量%~約90重量%、約70重量%~約90重量%、又は約80重量%~約90重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマー成分の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約2重量%~約99重量%、約3重量%~約90重量%、約5重量%~約80重量%、約7重量%~約70重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約40重量%、約12重量%~約30重量%、約12重量%~約25重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマーの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、又は少なくとも98重量%である。
微量栄養素成分の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、微量栄養素成分は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約50重量%、約0.1重量%~約45重量%、約0.1重量%~約40重量%、約0.1重量%~約35重量%、約0.1重量%~約30重量%、約0.1重量%~約25重量%、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約0.1重量%~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物中に存在する微量栄養素成分の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約50重量%、約5重量%~約45重量%、約7重量%~約40重量%、約8重量%~約35重量%、約10重量%~約30重量%、約12重量%~約25重量%、又は約15重量%~約20重量%の範囲である。
いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分の量を変化させることができる。いくつかの実施形態では、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分は、約1:1,000~1,000:1、約1:500~約500:1、約1:250~約250:1、約1:200~約200:1、約1:150~約150:1、約1:100~約100:1、約1:75~約75:1、約1:50~約50:1、約1:25~約25:1、約1:20~約20:1、約1:15~約15:1、約1:10~約10:1、約1:8~約8:1、約1:5~約5:1、約1:3~約3:1、約2:1~約1:2のポリアニオン性ポリマー成分対微量栄養素成分の重量比で顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する。
これらの顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、独自の物理的及び農芸的特徴を含有する均質な微量栄養素顆粒であるため、成長期を通じて増加した性能及び栄養素の有用性を促進するように設計されている。特に、これらの顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、土壌のpHを局所的に低下させることができ、それによって、近傍の植物及び/又は作物への微量栄養素の制御された連続的な放出を促進する。したがって、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、植物を肥料化する、及び/又は植物の成長を改善する方法において非常に有用である。
更に、ポリマー微量栄養素組成物の顆粒状製剤は、ポリアニオン性ポリマー及び微量栄養素を互いに近接して提供する。そのため、ポリアニオン性ポリマーは、微量栄養素と会合することができ、環境、すなわち土壌への微量栄養素の放出を調節することができる。理論に拘束されるものではないが、微量栄養素とポリアニオン性ポリマーとの間の会合が強いほど、微量栄養素の放出が遅いと考えられる。顆粒形成は、顆粒のサイズ及び/又は形状、並びに顆粒のコンパクト性/圧縮性を制御することができることによって、微量栄養素放出の調節を更に提供する。
同様に、土壌微小環境のpHの低下は、顆粒が、同じ場所の土壌中で静止しながら、顆粒の周囲に局所的にそれらの効果を発揮する、すなわち、酸性環境を提供することができるため、顆粒状配合物中のポリマー微量栄養素組成物でより良好に制御することができ、一方で、粉末及び/又は溶液などの他の配合物のタイプは、他の場所に移動することができる。
最後に、本明細書において開示される顆粒製剤は、取り扱いの容易さ、田畑施用の実行の容易さ、輸送の容易さ、及び/又はポリマー微量栄養素組成物を他の農業製品、例えば、肥料と混合する容易さなど、いくつかの利点をユーザに提供する。
A.1.ポリアニオン性ポリマー成分
概して、開示されるポリマーは、約500~5,000,000Da、約1,000~100,000Da、約1,500~50,000Da、約1,500~約10,000Da、又は約1,800~約5,000Daの分子量を有し、1分子当たり少なくとも3つ、好ましくはより多くの繰り返し単位(好ましくは約10~500Da)を含有するべきである。ポリマーは、部分塩又は完全塩の形態であり得る。更に、ポリマーの部分塩又は完全塩は、水分散性であり、好ましくは、水溶性であるべきであり、すなわち、それらは、穏やかな撹拌下で室温で少なくとも約5%w/wのレベルまで、純水中に分散性又は可溶性であるべきである。
有利には、繰り返し単位の少なくとも約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、又は少なくとも約95%(モル)は、少なくとも1つのカルボキシレート基を含有する。これらの種はまた、典型的には、室温で最大少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は少なくとも約50%w/wの固体まで、純水中で安定した溶液を形成することができる。
要約すると、本明細書において開示される好ましいポリマーは、以下の特徴を有する:
・ポリマーは、分散性であり、及びより好ましくは、水に完全に溶解性であるべきである。
・ポリマーは、著しい数のアニオン性官能基を有するべきであり、好ましくは、少なくとも約90モル重量パーセント、より好ましくは、少なくとも約96モル重量パーセントであり、最も好ましくは、ポリマーは、本質的に非アニオン性官能基を含まない。
・ポリマーは、使用の便宜上熱的及び化学的に安定している。
・ポリマーは、エステル基を本質的に含まず、すなわち、約5モルパーセント以下、最も好ましくは、約1モルパーセント以下であるべきである。
・ポリマーは、最低数のアミド含有繰り返し単位のみを有するべきであり、好ましくは、約10モルパーセント以下、及びより好ましくは、約5モルパーセント以下である。
・ポリマーは、最低数のモノカルボキシレート繰り返し単位のみを有するべきであり、好ましくは、約10モルパーセント以下、及びより好ましくは、約5モルパーセント以下である。
続く好ましいポリマーの詳細な説明は、ポリマー中の繰り返し単位を識別するために、当該技術分野で許容される用語「繰り返し単位」を使用する。本明細書において使用される場合、「繰り返し単位」は、初期に化学的に完全なモノマー分子の化学的に変換された形態(異性体及び鏡像異性体を含む)を指し、かかる繰り返し単位は、繰り返し単位が他の繰り返し単位と結合して、ポリマー鎖を形成する状態で、重合反応の間に作製される。それゆえ、B型モノマーは、B型繰り返し単位に、C型及びG型モノマーは、C型及びG型繰り返し単位にそれぞれ変換されることになる。例えば、B型マレイン酸モノマーは、以下のように、対応するB型マレイン酸繰り返し単位への重合条件により、化学的に変換されることになる。
Figure 2023532918000002
所与の重合混合物内の異なるモノマーを、繰り返し基の性質及び重合反応条件に応じて様々な方法で互いに結合する、対応する繰り返し単位に変換して、末端基とは別に最終ポリマー鎖を作製する。
本発明を実行するにあたって、ある特定のポリマーの族又はクラスが特に好適であることが決定されている。これらは、「クラスI」、「クラスIA」、及び「クラスII」ポリマーとして以下で説明される。当然のことながら、これらのポリマークラスの混合物もまた企図される。
A.2.クラスIポリマー
本明細書に開示されるクラスIポリアニオン性ポリマーは、少なくともテトラポリマーであり、すなわち、それらは、以下に詳細に説明される、B型、C型、及び任意選択的に、1つ以上のG型の繰り返し単位(同じであっても異なっていてもよい)、並びにそれらの混合物からなる群から個々に及び独立して選択される少なくとも4つの異なる繰り返し単位からなる。しかしながら、クラスIポリマーは、4超の別個の繰り返し単位を有するポリマーを包含し、過剰な繰り返し単位は、B型、C型、及びG型繰り返し単位、及びそれらの混合物、並びにB型、C型、又はG型の繰り返し単位ではない他のモノマー又は繰り返し単位からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、クラスIポリマーは、B型、C型、及びG型の各々からの少なくとも1つの繰り返し単位、B型、C型、及びG型繰り返し単位からなる群から選択される1つの他の繰り返し単位、並びに任意選択的に、B型、C型、及びG型繰り返し単位から選択されない他の繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、クラスIポリマーは、B型繰り返し単位、C型繰り返し単位、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、単一のB型繰り返し単位、単一のC型繰り返し単位、及び2つの異なるG型繰り返し単位、又は2つの異なるB型繰り返し単位、単一のC型繰り返し単位、及び1つ以上の異なるG型繰り返し単位を含む。
しかしながら、構成された、好ましいクラスIポリマーは、B型、C型、及びG型繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも約70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、又は98モルパーセント(より好ましくは、少なくとも約99モルパーセント)の繰り返し単位を含有する(すなわち、ポリマーは、B型、C型、及びG型から選択されない、約10モルパーセント以下(好ましくは約4モルパーセント以下)の繰り返し単位を含有するべきである)。いくつかの実施形態では、好ましいクラスIポリマーは、約10~約90モルパーセントのB型繰り返し単位及び約90~10モルパーセントのC型繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、好ましいクラスIポリマーは、約20~約80モルパーセントのB型繰り返し単位及び約80~20モルパーセントのC型繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、好ましいクラスIポリマーは、約30~約70モルパーセントのB型繰り返し単位及び約70~30モルパーセントのC型繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、好ましいクラスIポリマーは、約40~約60モルパーセントのB型繰り返し単位及び約60~40モルパーセントのC型繰り返し単位を含有する。いくつかの実施形態では、好ましいクラスIポリマーは、少なくとも約50モルパーセントのB型又はC型繰り返し単位を含有する。
クラスIポリマーは、適切な塩形成カチオン化合物との単純な反応によって、容易に部分塩又は完全に飽和した塩に変換される。使用可能なカチオンは、ナトリウムなどの単純なカチオンであり得るが、金属原子及び他の原子を含有するカチオンなどのより複雑なカチオン、例えば、バナジルカチオンもまた使用され得る。好ましい金属カチオンとしては、アルカリ、アルカリ土類、及び遷移金属から誘導されたものがある。カチオンはまた、アミンであってもよい(本明細書において使用される場合、「アミン」は、一級、二級、又は三級アミン、モノアミン、ジアミン、及びトリアミン、並びにアンモニア、アンモニウムイオン、四級アミン、四級アンモニウムイオン、アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン)、並びにテトラアルキルアンモニウム種を指す)。最も好ましいクラスのアミンは、アルキルアミンであり、アルキル基は、1~30個の炭素原子を有し、直鎖又は分岐鎖構成のものである。かかるアミンは、芳香環を本質的に含まないはずである(約5モルパーセント以下の芳香環、及びより好ましくは、約1モルパーセント以下の芳香環)。特に好適なアルキルアミンは、イソプロピルアミンである。これらの可能性のある二次カチオンを、ポリマーの繰り返し単位の約10モルパーセント以下で反応させるべきである。
A.3.B型繰り返し単位
B型繰り返し単位は、マレイン酸及び/又は無水物、フマル酸及び/又は無水物、メサコン酸及び/又は無水物、置換マレイン酸及び/又は無水物、置換フマル酸及び/又は無水物、置換メサコン酸及び/又は無水物、それらの混合物、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、エステル、酸塩化物、及び部分塩又は完全塩のモノマーから誘導されたジカルボキシレート繰り返し単位である。本明細書において使用される場合、B型繰り返し単位に関して、「置換された」種は、アルキル置換基(好ましくは、実質的に環構造を含まないC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基)、及びハロ置換基(すなわち、約5モルパーセント以下の環構造又はハロ置換基のいずれか、好ましくは、約1モルパーセント以下のいずれか)を指し、置換基は、通常、用いられるモノマーの炭素-炭素二重結合の炭素のうちの1つに結合する。好ましい形態では、クラスIポリマー中のB型繰り返し単位の総量は、クラスIポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、約1~70モルパーセント、より好ましくは、約20~65モルパーセント、及び最も好ましくは、約35~55モルパーセントの範囲であるべきである。
マレイン酸、メチルマレイン酸、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、及びメサコン酸(単独で又は様々な混合物のいずれかとして)は、B型繰り返し単位の生成のために最も好ましいモノマーである。当業者は、反応の直前又は更には反応中に、反応容器内の酸無水物の酸へのin situ変換の有用性を理解するであろう。しかしながら、対応するエステル(例えば、マレイン酸又はシトラコン酸エステル)を初期重合中にモノマーとして使用する場合、これに続いてペンダントエステル基の加水分解(酸又は塩基)を行い、エステル基を実質的に含まない最終カルボキシル化ポリマーを生成すべきであることも理解される。
A.4.C型繰り返し単位
C型繰り返し単位は、イタコン酸及び/又は無水物、置換イタコン酸及び/又は無水物、並びにそれらのうちのいずれかの異性体、エステル、酸塩化物、及び部分塩又は完全塩のモノマーから誘導される。C型繰り返し単位は、ポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、好ましいクラスIポリマー中に、約1~80モルパーセント、より好ましくは、約15~75モルパーセント、及び最も好ましくは、約20~55モルパーセントのレベルで存在する。
C型繰り返し単位を形成するために使用されるイタコン酸モノマーは、モノマーの重合に使用される不飽和炭素-炭素二重結合に直接結合しない1つのカルボキシル基を有する。したがって、好ましいC型繰り返し単位は、ポリマー骨格に直接結合した1つのカルボキシル基、及びポリマー骨格から炭素原子によって間隔を置かれた別のカルボキシル基を有する。C型繰り返し単位に関して、「置換された」、「塩」、及び有用な塩形成カチオン(金属、アミン、及びそれらの混合物)に関する定義及び考察は、B型繰り返し単位について記載されているものと同じである。
非置換イタコン酸及びイタコン酸無水物は、単独で又は様々な混合物のいずれかにおいて、C型繰り返し単位の生成のために最も好ましいモノマーである。再び、イタコン酸無水物を出発モノマーとして使用する場合、重合反応の直前又は更には重合反応中に、反応容器内でイタコン酸無水物モノマーを酸形態に変換することが通常有用である。ポリマー中の残りのエステル基は通常加水分解され、その結果、最終カルボキシル化ポリマーはエステル基を実質的に含まない。
A.5.G型繰り返し単位
G型繰り返し単位は、酸、部分塩若しくは完全塩、又は他の形態で、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び少なくとも1つのスルホネート基を有し、芳香環及びアミド基を実質的に含まない(すなわち、約5モルパーセント以下の芳香環又はアミド基のいずれか、好ましくは約1モルパーセント以下の芳香環又はアミド基のいずれか)、置換又は非置換スルホネート含有モノマーから誘導される。G型繰り返し単位は、好ましくは、C1~C8直鎖又は分岐鎖アルケニルスルホネート、その置換形態、及びそれらのうちのいずれかの任意の異性体又は塩からなる群から選択され、特に好ましいのは、ビニル、アリル、及びメタリルスルホン酸又は塩からなる群から選択されるアルケニルスルホネートである。クラスIポリマー中のG型繰り返し単位の総量は、クラスIポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、約0.1~65モルパーセント、より好ましくは、約1~35モルパーセント、及び最も好ましくは、約1~25モルパーセントの範囲であるべきである。いくつかの実施形態では、クラスIポリマー中のG型繰り返し単位の総量は、クラスIポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、約1~20、約1~15、約1~10、又は約1~5モルパーセントの範囲であるべきである。いくつかの実施形態では、クラスIポリマー中のG型繰り返し単位の総量は、クラスIポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、約2~35、約4~30、約5~25、又は約8~20モルパーセントの範囲であるべきである。G型繰り返し単位に関して、「置換された」、「塩」、及び有用な塩形成カチオン(金属、アミン、及びそれらの混合物)に関する定義及び考察は、B型繰り返し単位について記載されているものと同じである。
単独で又は様々な混合物のいずれかにおいて、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、及びメタリルスルホン酸は、G型繰り返し単位の生成のために最も好ましいモノマーであるとみなされる。また、これらの酸のアルカリ金属塩もモノマーとして有用性が高いことが分かっている。これに関連して、開示されたポリマーを生成する重合反応中に、これらのモノマーのアルカリ金属塩とその酸形態との混合物の存在が、重合反応の完了を阻害しないことが予想外に発見された。
A.6.クラスIポリマーの更なる好ましい特徴
前述のように、クラスIポリマー中のB型、C型、及びG型繰り返し単位の総存在量は、好ましくは、少なくとも約90モルパーセント、より好ましくは、少なくとも約96モルパーセントであり、及び最も好ましくは、ポリマーは、本質的に100モルパーセントのB型、C型、及びG型繰り返し単位からなるか、又は100モルパーセントのB型、C型、及びG型繰り返し単位である。ポリマー繰り返し単位の相対量及び同一性は、得られるポリマーにおいて所望される特異的特性に応じて変化させることができることが理解されるであろう。更に、クラスIポリマーは、約10モルパーセント以下の、(I)非カルボキシレートオレフィン繰り返し単位、(ii)エーテル繰り返し単位、(iii)エステル繰り返し単位、(iv)非スルホン化モノカルボン酸繰り返し単位、及び(v)アミド含有繰り返し単位のうちのいずれかを含有することが好ましい。「非カルボキシレート」及び「非スルホン化」とは、対応する繰り返し単位にカルボキシレート基又はスルホン酸基を本質的に有しない、すなわち、繰り返し単位において約55重量未満である、繰り返し単位を指す。有利には、B型及びC型繰り返し単位の組み合わせ対G型繰り返し単位のモル比(すなわち、(B+C)/Gのモル比)は、約0.5~20:1、より好ましくは、約2:1~20:1、及びなおより好ましくは、約2.5:1~10:1であるべきである。なお更に、ポリマーは、繰り返し単位を含有するアルキルオキシレート又はアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド)を本質的に含まず(例えば、約1モルパーセント未満)、及び最も望ましくは、完全にそれらを含まない。
本明細書において開示された好ましいクラスIポリマーは、任意の順序付けられた配列の繰り返し単位なしで、ポリマー鎖に沿ってランダムに配置されたこれらの繰り返し単位を有する。それゆえ、これらのポリマーは、例えば、ポリマー鎖に沿って定義された配列における異なる繰り返し単位と交互に存在しない。
また、好ましいクラスIポリマーは、少なくとも1つのアニオン性基を有する非常に高いパーセンテージのその繰り返し単位、例えば、少なくとも約80モルパーセント、少なくとも約85モルパーセント、より好ましくは、少なくとも約90モルパーセント、及び最も好ましくは、少なくとも約95モルパーセントを有するべきであると決定されている。B及びC繰り返し単位は、繰り返し単位当たり2つのアニオン性基を有するが、好ましいスルホネート繰り返し単位は、繰り返し単位当たり1つのアニオン性基を有することが理解されるであろう。
発明に従う様々な用途に関して、ある特定のテトラポリマー組成物が好ましく、すなわち、好ましいポリマー骨格組成物範囲(モルパーセント、対応する繰り返し単位の親モノマー名を使用する)は、ポリマー中の全ての繰り返し単位の総量が、100モルパーセントとする場合、マレイン酸35~50%、イタコン酸20~55%、メタリルスルホン酸1~25%、及びアリルスルホン酸1~20%である。また、B又はC繰り返し単位ではない少量の繰り返し単位であっても、以前のBCポリマーと比較して、最終ポリマーの特性に著しく影響を与えることができることもまた見出されている。それゆえ、2つの異なるG繰り返し単位の各々の1モルパーセントでさえ、BCポリマーと比較して、大幅に異なる挙動を呈するテトラポリマーをもたらすことができる。
ポリマーの分子量は、再び主に所望の特性に応じて、非常に可変である。概して、開示されたポリマーに関する分子量分布は、サイズ排除クロマトグラフィーによって便利に測定され得る。広義には、ポリマーの分子量は、約800~50,000Da、約1,000~25,000Da、約1,000~15,000Da、約1,000~10,000Da、及びより好ましくは、約1,000~5,000Daの範囲である。いくつかの用途に関して、完成したポリマーの少なくとも90%は、ポリエチレングリコール標準物質を使用する35℃での屈折率検出を介して、0.1Mの硝酸ナトリウム溶液中のサイズ排除クロマトグラフィーによって測定される約1,000の分子量であるか、又は約1,000の分子量を上回る。当然のことながら、かかる測定のための他の技術もまた、用いることができる。
いくつかの実施形態では、本発明において使用するためのクラスIポリマーは、遊離酸として合成される。いくつかの実施形態では、本発明において使用するためのクラスIポリマーは、部分塩及び/又は組み合わされた塩として合成され、微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)は、以下の繰り返し単位:マレイン酸-約20~55モルパーセント、より好ましくは、約25~50モルパーセント、及び最も好ましくは、約30~45モルパーセント;イタコン酸-約35~65モルパーセント、より好ましくは、約40~60モルパーセント、及び最も好ましくは、約50モルパーセント;総スルホン化-約2~40モルパーセント、より好ましくは、約3~25モルパーセント、最も好ましくは、約5~20モルパーセントを含むポリアニオン性ポリマーと複合体化される。総スルホン化画分は、好ましくは、メタリルスルホン酸及びアリルスルホン酸繰り返し単位、すなわち、メタリルスルホン酸-約1~20モルパーセント、より好ましくは、約3~15モルパーセント、及び最も好ましくは、約4~6モルパーセント、及びアリルスルホン酸-約0.1~10モルパーセント、より好ましくは、約0.5~8モルパーセント、及び最も好ましくは、約1~5モルパーセントの組み合わせからなる。これらの部分塩は、約3~8、より好ましくは、約4~6.5の範囲内のpHを有するべきである。
この型の1つの好ましいポリマーは、マレイン酸45モルパーセント、イタコン酸50モルパーセント、メタリルスルホン酸4モルパーセント、及びアリルスルホン酸1モルパーセントの繰り返し単位モル組成物を有する。この特定のポリマーは、本明細書において「T5」ポリマーと称され、ポリアニオン性ポリマーが微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)と複合体化される、所望の組み合わされた部分塩形態として合成されるか、又は所望の複合部分塩形態に変換されるであろう。
別の種類の好ましいポリマーは、約30モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位、約50モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位、並びに約15モルパーセントのメタリルスルホネート繰り返し単位及び約5モルパーセントのアリルスルホネート繰り返し単位で作製される合計約20モルパーセントのスルホン化繰り返し単位を含有する「T-20」テトラポリマーである。T-20ポリマーは、ポリアニオン性ポリマーが微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)と複合体化される所望の組み合わされた部分塩形態として合成されるか、又は所望の複合部分塩形態に変換される。
B.クラスIポリマーの合成
事実上、フリーラジカル重合の任意の従来の方法は、開示されたクラスIポリマーの合成に好適であり得る。しかしながら、好ましくかつ新規の合成が使用されてもよく、これは、開示されたクラスIポリマーの製造だけでなく、ジカルボキシレート繰り返し単位及びスルホネート繰り返し単位を含有し、好ましくは、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有するポリマーの合成にも施用可能である。
概して、新しい合成方法は、過酸化水素及びバナジウム含有種の存在下でジカルボキシレート及びスルホネート繰り返し単位の間でフリーラジカル重合反応を実行して、90%を超える、及びより好ましくは、98%を超えるポリマーへの変換をモルで達成することを含む。すなわち、ジカルボキシレート及びスルホン化モノマーの分散体が作製され、フリーラジカル開始剤が添加され、続いてモノマーを重合させる。
好ましくは、過酸化水素は、反応に使用される唯一の開始剤であるが、いずれにしても、任意の実質的な量の他の開始剤が存在しないときに反応を行うことが有利である(すなわち、使用される開始剤分子の総重量は、約95重量%の過酸化水素、より好ましくは、約98重量%、及び最も好ましくは、100重量%であるべきである)。バナジウムの様々な供給源が用いられ得、オキシ硫酸バナジウムが好ましい。
実質的に水性の分散液(例えば、少なくとも約95重量%の水、より好ましくは、少なくとも約98重量%の水、及び最も好ましくは、100重量%の水)中でこれらの重合反応を実施することが最も有利であることが発見されている。水性分散体はまた、追加のモノマーを含有してもよいが、記載されている程度にすぎない。
また、好ましい重合反応は、例えば、周囲の空気環境において、不活性雰囲気を使用することなく実行され得ることが見出された。当該技術分野において既知であるように、分散体中のフリーラジカル重合反応は、通常、酸素の顕著な存在を排除する方法で行われる。結果として、これらの従来技術は、脱気、反応器内容物の不活性ガスブランケット、空気の存在を防止するモノマー処理などの必要かつ手間のかかるステップを伴う。これらの先行の手段は、重合のコスト及び複雑さを増加させ、安全上の危険性を提示し得る。しかしながら、本明細書に開示されるポリマーの重合において、不活性ガス又は他の関連するステップは必要とされないが、所望される場合、それらが用いられてもよい。
1つの好ましい実施形態は、約50~125℃、より好ましくは、約75~110℃の温度で、固体モノマー粒子(未溶解モノマーを含有する飽和分散体を含む)の高濃度水性分散体を作製することと、オキシ硫酸バナジウムを添加して、約1~1,000ppm、及びより好ましくは、約5~500ppm(金属ベース)の分散体中のバナジウム濃度を得ることと、を含む。続いて、重合を達成するのに有効な量で、約30分~24時間(より好ましくは、約1~5時間)の期間にわたって過酸化水素を添加する。このプロセスは、一般に、温度及び組成物を制御するための設備を備えた撹拌槽反応器において実行されるが、重合に使用される任意の好適な機器が用いられ得る。
別の非常に好ましく効率的な実施形態は、撹拌タンク反応器に水を充填し、続いてモノマーを加熱かつ添加して、約40~75%w/wの固体濃度を有する分散体を得ることを伴う。マレイン酸及び/又はイタコン酸モノマーが用いられる場合、それらは、対応する酸モノマーから誘導され得るか、又は水中の無水物の酸へのin situ変換から誘導され得る。カルボキシレート及びスルホン化モノマーは、それらの酸及び/又は無水物形態であることが好ましいが、塩も同様に使用されてもよい。驚くべきことに、不完全なモノマー溶解は、重合に重大な害を及ぼさないことが見出されており、実際に、モノマーの初期未溶解画分は、重合が開始された後のある時点で溶解することになる。
モノマーの初期加熱及び導入後、反応器内容物は、その後のオキシ硫酸バナジウムの添加を有して、約80℃~125℃の温度で維持される。反応プロトコルにおけるこの時点まで、材料の追加順序は重要ではない。オキシ硫酸バナジウムの導入後、実質的に全てのモノマーがポリマーに変換されるまで、過酸化水素溶液を経時的に添加する。過酸化物添加は、一定の割合、可変割合で、及び一時停止の有無にかかわらず、固定温度又は可変温度で行われ得る。使用される過酸化物溶液の濃度は、非常に重要ではないが、低濃度は、反応が過度に遅くなるか、又は非実用的に希釈される程度に反応器内容物を希釈するべきではない。高濃度では、使用されている機器の安全な重合を実施することを困難にしないようにするべきである。
好ましくは、本発明の重合反応は、実質的な量の溶解鉄種(すなわち、かかる種の約5重量%超、より好ましくは、約5ppm未満、及び最も有利には、約1ppmより下)を排除するために実行される。これは、鉄含有材料の存在を必要とするある特定の先行技術とは異なる。それにもかかわらず、304又は316のステンレス鋼反応器中で重合を実行することは許容可能である。また、アンモニウム、アミン、アルカリ、及びアルカリ土類金属の硫酸塩、並びにそれらの前駆体、並びに重亜硫酸塩、亜硫酸塩、及びメタ重亜硫酸塩などの関連する硫黄含有塩の任意の著しい量(約5重量%以下)を重合反応から除外することが好ましい。これらのスルフェート関連化合物の使用は、最終ポリマー中に比較的高い量のスルフェートなどを残し、これらは、生成物汚染物質として分離されるか、又は放置されなければならないことが見出されている。
好ましい合成の高い重合効率は、水を溶媒として使用し、他の溶媒を必要とせず、他の開始剤(例えば、アゾ、ヒドロペルオキシド、ペルスルフェート、有機過酸化物)、鉄及びスルフェート成分を排除し、リサイクルループを欠いている事に起因し、そのため実質的に全てのモノマーが単一の反応器内で完成したポリマーに変換される。これは、ポリマーが最初に形成され、その後、所望の場合、部分塩又は完全塩を作製することができるという事実によって更に増強される。
B.1.クラスIAポリマー
クラスIAポリマーは、カルボキシレート及びスルホネート官能基の両方を含有するが、クラスIのテトラポリマー及びより高次のポリマーではない。例えば、マレイン酸、イタコン酸、及びアリルスルホン酸繰り返し単位のターポリマーは、それ自体が先行技術において既知であり、開示された組成物のポリアニオン性ポリマー成分として機能するであろう。したがって、クラスIAポリマーは、通常、ホモポリマー、コポリマー、及びターポリマーであり、任意の追加の繰り返し単位を必要とせず、B型、C型、及びG型繰り返し単位からなる群から個々にかつ独立して選択される繰り返し単位を有利に含む。そのようなポリマーは、任意の既知の様式で合成することができ、前述のクラスIポリマー合成を使用して生成することもできる。
クラスIAポリマーは、好ましくは、以前にクラスIポリマーと関連して説明された同じ分子量範囲及び他の特定のパラメータ(例えば、pH及びポリマー固体負荷)を有する。いくつかの実施形態では、クラスIAポリマーは、遊離酸形態である。いくつかの実施形態では、クラスIAポリマーは、前述のように、微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)がポリアニオン性ポリマーと複合体化される所望の部分的に組み合わされた塩に変換される。
B.2.クラスIIポリマー
広義には、このクラスのポリアニオン性ポリマーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,043,995号において開示されるタイプのものである。ポリマーには、個々にかつそれぞれ、参照しやすいようにB’及びC’モノマーとして命名されたものからなる群から得られた、少なくとも2つの異なるモノマーから誘導された繰り返し単位が挙げられ、代替的に、ポリマーは、反復するC’モノマーからホモポリマー又はポリマーとして形成され得る。繰り返し単位は、ポリマー鎖全体にランダムに分布していてもよい。
詳細において、繰り返し単位B’は、一般式
Figure 2023532918000003

であり、繰り返し単位C’は、一般式
Figure 2023532918000004
であり、式中、各Rは、個々にかつそれぞれ、H、OH、C-C30直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基、C-C30直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はギ酸アリール(C)、アセテート(C)、プロピオネート(C)、ブチラート(C)など、最大でC30系エステル基、R′CO基、OR’基、並びにCOOX基からなる群から選択され、R’は、C-C30直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基からなる群から選択され、Xは、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択され、R及びRは、個々にかつそれぞれ、H、C-C30直鎖、分岐鎖、及び環状アルキル又はアリール基からなる群から選択され、R、R、R10、及びR11は、個々にかつそれぞれ、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択され、Yは、Fe、Mn、Mg、Zn、Cu、Ni、Co、Mo、V、W、アルカリ金属、アルカリ土類金属、それらのうちのいずれかを含有する多原子カチオン(例えば、VO+2)、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、並びにR及びRは、個々にかつそれぞれ、無(すなわち、基は存在しない)、CH、C、及びCからなる群から選択される。
理解され得るように、クラスIIポリマーは、典型的には、異なるタイプ及び配列の繰り返し単位を有する。例えば、B’及びC’繰り返し単位を含むクラスIIポリマーは、B’繰り返し単位の3つの形態のすべて、及びC’繰り返し単位の3つの形態の全てを含み得る。しかしながら、コスト及び合成の容易さの理由から、最も有用なクラスIIポリマーは、B’及びC’繰り返し単位で構成されている。主にB’及びC’繰り返し単位で構成されるクラスIIポリマーの場合、R、R、R10、及びR11は、個々にかつそれぞれ、H、アルカリ金属、NH、及びC-Cアルキルアンモニウム基からなる群から選択される。この特定のクラスIIポリマーは、ブタン二酸メチレンコハク酸ポリマーと称されることがあり、様々な塩及びそれらの誘導体を含むことができる。
クラスIIポリマーは、ポリマー中に広範囲の繰り返し単位濃度を有し得る。例えば、様々な比のB’:C’(例えば、10:90、60:40、50:50、及び更には0:100)を有するクラスIIポリマーが、本発明によって企図され、包含される。そのようなポリマーは、最終生成物が最終的に生成される反応混合物中の様々なモノマー量によって生成され、B’及びC’型繰り返し単位は、ポリマー骨格内にランダムな順序で、又は交互のパターンで配置され得る。
クラスIIポリマーは、主に所望の最終用途に応じて、例えば、500~5,000,000Daの範囲の多種多様な分子量を有してよい。加えて、それらは、約1~10,000Da、より好ましくは、約1~5,000Daの範囲であり得る。
好ましいクラスIIポリマーは、多くの場合、ジカルボン酸モノマー、並びにその前駆体及び誘導体を使用して合成される。例えば、ビニルエステル繰り返し単位及びビニルアルコール繰り返し単位を有するモノ及びジカルボン酸繰り返し単位を含有するポリマーが企図されるが、ジカルボン酸繰り返し単位を主に含むポリマーが好ましい(例えば、繰り返し単位の少なくとも約85%、より好ましくは、少なくとも約93%は、この性質のものである)。クラスIIポリマーは、従来の方法及び反応物を使用して、塩形成カチオンと容易に複合体化され得る。
B.3.クラスIIポリマーの合成
一般に、クラスIIポリマーは、選択されたモノマーを、繰り返し単位を有する所望のポリマーに変換する役割を果たす、フリーラジカル重合によって作製される。そのようなポリマーは、特定の構造及び/又は特性を付与するように更に修飾され得る。過酸化物、ヒドロペルオキシド、アゾ開始剤、ペルスルフェート、ペルカーボネート、過酸、電荷移動複合体の添加、放射(例えば、UV、電子ビーム、X線、ガンマ線、及び他の電離放射線のタイプ)、及びこれらの技術の組み合わせなどの様々な技術を使用して、フリーラジカルを生成することができる。当然のことながら、フリーラジカル重合を開始するための広範にわたる様々な方法及び技術は、ポリマー化学の技術分野において既知である。本明細書に列挙されるものは、より頻繁に使用される方法及び技術の一部にすぎない。フリーラジカル重合を実施するための任意の好適な技術は、本発明を実践する目的のために有用である可能性が高い。
重合反応は、本質的に任意の所望のモノマー濃度を使用して、適合性のある溶媒系、すなわち、所望の重合を過度に妨げない系において実行される。ケトン、アルコール、エステル、エーテル、芳香族溶媒、水及びそれらの混合物などの、多くの好適な水性又は非水性溶媒系が用いられ得る。水単独、並びに低級(C-C)ケトン及びアルコールが特に好ましく、所望により、これらは水と混合され得る。いくつかの例では、重合反応は、酸素を実質的に除外して、ほとんどの場合、窒素又はアルゴンなどの不活性ガス下で実行される。ポリマーの合成に使用される装置のタイプに特に重大性はなく、すなわち、撹拌槽反応器、連続撹拌槽反応器、プラグフロー反応器、チューブ反応器、及び直列に配置された前述のものの任意の組み合わせが用いられ得る。広範囲の好適な反応の配置は、重合の技術分野において周知である。
一般に、初期重合ステップは、約0°C~約120°Cの温度(より好ましくは、約30°C~約95°Cで、約0.25時間~約24時間、更により好ましくは、約0.25時間~約5時間の期間)で実行される。通常、反応は、連続撹拌により実行される。
重合反応が完了した後、クラスIIポリマーは、適切なpHレベルで、微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)の組み合わされた部分塩に変換される。
B.4.好ましいクラスIIマレイン酸-イタコン酸ポリマー
最も好ましいクラスIIポリマーは、マレイン酸及びイタコン酸B’及びC’繰り返し単位から構成され、以下の一般式を有し、
Figure 2023532918000005

式中、Xは、塩形成のレベルに応じて、H又は別の塩形成カチオンのいずれかである。
マレイン酸-イタコン酸クラスIIポリマーの合成の具体例では、アセトン(803g)、無水マレイン酸(140g)、イタコン酸(185g)、及び過酸化ベンゾイル(11g)を反応器内で不活性ガス下で一緒に撹拌した。提供された反応器は、機械的撹拌機を備えた適切なサイズの円筒形ジャケット付きガラス反応器、反応器の内容物と接触する内容物温度測定装置、不活性ガス入口、及び取り外し可能な還流冷却器を含んでいた。この混合物を反応器ジャケット内の加熱油を循環させることにより加熱し、約65~70℃の内部温度で激しく撹拌した。この反応を、約5時間の期間にわたって実行した。この時点で、反応容器の内容物を300gの水に激しく混合しながら注いだ。これにより、透明な溶液が得られた。溶液を減圧蒸留に供して過剰の溶媒及び水を除去した。十分な溶媒及び水が除去された後、反応の固体生成物が濃縮溶液から沈殿し、回収される。その後、固体を真空中で乾燥させる。この反応の概略図を以下に示す。
Figure 2023532918000006
再び、クラスIIポリマーは、微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)の組み合わされた部分塩形態への変換後、上記のクラスI及びクラスIAポリマーのものと同じ好ましい特徴を有するべきである。
C.微量栄養成分
前述のように、開示されたポリマーは、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、塩化物(Cl)、コバルト(Co)、ナトリウム(Na)、セレン(Se)、シリコーン(Si)、タングステン(W)、バナジウム(V)、及びこれらの任意の組み合わせから選択される微量栄養素に複合体化される。いくつかの実施形態では、開示されたポリマーは、ホウ素(B)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、塩化物(Cl)、及びこれらの任意の組み合わせから選択される微量栄養素と複合体化される。いくつかの実施形態では、開示されたポリマーは、ホウ素(B)、銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、及びそれらの任意の組み合わせから選択される微量栄養素と複合体化される。いくつかの実施形態では、開示されたポリマーは、銅(Cu)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、及びこれらの組み合わせから選択された微量栄養素と複合体化される。いくつかの実施形態では、開示されたポリマーは、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、及びホウ素(B)から選択される微量栄養素と複合体化される。いくつかの実施形態では、開示されたポリマーは、微量栄養素亜鉛(Zn)及び/又はホウ素(B)と複合体化される。以下でより詳細に考察されるように、開示されたポリマーと微量栄養素との複合体化は、顆粒が土壌環境内にあるときに主に生じるが、かかる環境に限定されるべきではない。
顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する微量栄養素の量及び種類は、変化し得る。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~12重量%のZn、約1~10重量%のZn、又は約3~10重量%のZnの範囲の量の亜鉛(Zn)を含有する。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約1~15重量%のZn、約8~12重量%のZn、約2~10重量%のZn、又は約7~10重量%のZnの範囲の量の亜鉛(Zn)を含有する。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物中に存在するZnの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約20重量%、約19重量%、約18重量%、約17重量%、約16重量%、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、又は約1重量%未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~10重量%のMn、約0.1~8重量%のMn、約1~8重量%のMn、又は約1~3重量%のMnの範囲の量のマンガン(Mn)を含有する。いくつかの実施形態では、これらのポリマーは、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約2~10重量%のMn、約3~8重量%のMn、約4~8重量%のMn、又は約4~6重量%のMnを含むことができる。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するMnの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、又は約1重量%未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~12重量%のFe、約1~10重量%のFe、約1~7.5重量%のFe、約1~5.0重量%のFe、又は約2~5重量%のFeの範囲の量で鉄(Fe)を含有する。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するFeの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、又は約1重量%未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~10重量%のB、約0.1~5重量%のB、約0.1~2.5重量%のB、又は約0.1~2重量%のBの範囲の量でホウ素(B)を含有する。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するBの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、又は約1重量%未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~10重量%のCu、約0.1~8重量%のCu、又は約0.1~5重量%のCuの範囲の量の銅(Cu)を含有する。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するCuの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~4重量%のCu、約0.1~3重量%のCu、又は約0.1~2重量%のCuの範囲である。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するCuの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約5重量%、約4.5重量%、約4重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2重量%、約1.5重量%、約1.2重量%、約1重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、約0.2重量%、又は約0.1重量%未満である。
上記の範囲の全ては、対応する微量栄養素金属そのものとしてのZn、Mn、Fe、B、及びCuの重量パーセンテージに基づいており、微量栄養素を含有する化合物の観点からではない。更に、上記の微量栄養素は全て、上記のような量で任意の組み合わせで存在し得る。Naはまた、好ましくは、製品のpHに応じる可変レベルで、水酸化ナトリウムから誘導されたポリマー中に存在する。
いくつかの実施形態では、Zn、Mn、Fe、B、Cu及びこれらの任意の組み合わせは、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する唯一の微量栄養素及び/又は主要栄養素である。いくつかの実施形態では、Zn、Mn、Fe、Cu、及びこれらの任意の組み合わせは、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する唯一の金属である。いくつかの実施形態では、Zn、Mn、Fe、B、Cu及びこれらの任意の組み合わせは、植物の成長、植物の健康、又はこれらの組み合わせを促進する顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する唯一の薬剤である。
いくつかの実施形態では、開示された組成物は、Zn、Mn、Cu、Fe、及びBから選択される1つ以上の微量栄養素を含み/本質的にそれらからなり/それらからなり、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総質量に基づいて、Cuは、約0.1~5重量%のCuの範囲の量で存在することができ、Feは、約1~5重量%のFeの範囲の量で存在することができ、Mnは、約4~8重量%のMnの範囲の量で存在することができ、Bは、約0.1~2重量%の範囲の量で存在することができ、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在することができる。いくつかの実施形態では、開示された組成物は、Zn、Mn、及びBを含み/本質的にそれらからなり/それらからなり、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総質量に基づいて、Mnが、約4~8重量%のMnの範囲の量で存在し、Znが、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、Bが、約0.1~2重量%のBの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、開示された組成物は、Zn及びBを含み/本質的にそれらからなり/それらからなり、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総質量に基づいて、Znが、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、Bが、約0.1~2重量%のBの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、開示された組成物は、Zn及びFeから選択される1つ以上の微量栄養素を含み/本質的にそれらからなり/それらからなり、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総質量に基づいて、Feは、約1~5重量%のFeの範囲の量で存在し、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在する。
本明細書において開示された微量栄養素は、開示されたポリアニオン性ポリマーと複合体化される。特に、微量栄養素は、開示されたアニオン性ポリマーの側鎖内に存在するアニオン性官能基と複合体化されると考えられる。更に、かかる複合体形成は、顆粒状微量栄養素組成物が土壌に施用された後にのみ生じると考えられる。施用前に、微量栄養素及びポリアニオン性ポリマーは、顆粒状微量栄養素組成物中に存在する別個の成分とみなされ、これらは相互作用しない及び/又は互いに会合しないと考えられる。一旦土壌に施用されると微量栄養素と複合体化することができるアニオン性官能基の例としては、限定されないが、カルボキシレート(B型及び/又はC型繰り返し単位で存在する)、スルホネート(G型繰り返し単位で存在する)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在するアニオン性官能基の画分と複合体化され、それによってポリアニオン性ポリマーの部分塩形態を形成する。例えば、いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在するアニオン性官能基の少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、又は少なくとも95%だが、99%以下と複合体化する。2つ以上の種類の微量栄養素と複合体化されるポリアニオン性ポリマーの部分塩は、組み合わされた部分塩と呼ばれる。
いくつかの実施形態では、微量栄養素は、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在する全てのアニオン性官能基と複合体化され、それによって、ポリアニオン性ポリマーの完全塩形態を形成する。2つ以上の種類の微量栄養素と複合体化されるポリアニオン性ポリマーの完全塩形態は、組み合わされた完全塩と称される。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、硫黄及び/又はカルシウム(Ca)を更に含む。硫黄及びカルシウムは、両方とも必須の植物栄養素であり、全ての作物の成長及び発達に不可欠である。実際、硫黄(S)は、カルシウム(Ca)及びマグネシウム(Mg)とともに、正常で健康な成長のために植物が必要とする重要な二次栄養素であると考えられている。顆粒状ポリマー組成物中に存在する硫黄が誘導され得る硫黄源の例としては、限定されないが、硫酸アンモニウム、硫酸カルシウム(石膏)、元素硫黄、又はこれらの組み合わせが挙げられる。顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する硫黄及び/又は硫黄源の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する硫黄の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~15重量%、約5~15重量%、約8~12重量%、約3~12重量%、又は約4~8重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する硫黄の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約5~12重量%、7~12重量%、又は約9~12重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する硫黄の量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%未満である。
カルシウムが誘導され得るカルシウム源の例としては、限定されないが、方解石質石灰、ドロマイト質石灰、及び/又は石膏が挙げられる。顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するカルシウム及び/又はカルシウム源の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、開示される顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するカルシウムの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約0.1~15重量%、約5~15重量%、約8~12重量%、約3~12重量%、又は約4~8重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するカルシウムの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約5~12重量%、7~12重量%、又は約9~12重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在するカルシウムの量は、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、約15重量%、約14重量%、約13重量%、約12重量%、約11重量%、約10重量%、約9重量%、約8重量%、約7重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、1つ以上の微量栄養素と組み合わせて、硫黄(S)及び/又はカルシウム(Ca)を含む。いくつかの実施形態では、かかる微量栄養素は、Cu、Fe、Mn、B及びZnから選択される。特定の実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、微量栄養素Cuは、約0.1~5重量%のCuの範囲の量で存在し、Feは、約0.1~5重量%のFeの範囲の量で存在し、Mnは、約4~8重量%のMnの範囲の量で存在し、Bは、約0.1~2重量%の範囲の量で存在し、及びZnは、約5~12重量%のZnの範囲の量で存在する。かかる実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、硫黄(S)は、約5~12重量%のSの範囲の量で存在し、かつ/又はカルシウム(Ca)は、約5~12重量%のCaの範囲の量で存在する。
別の特定の実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、S、Ca、Zn、Mn、Cu、Fe、及びBを含む/本質的にそれらからなる/それらからなる。かかる実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、Sは、約5~12重量%のSの範囲の量で存在し、Caは、約5~12重量%のCaの範囲の量で存在し、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、Mnは、約4~8重量%のMnの範囲の量で存在し、Cuは、約0.1~5重量%のCuの範囲の量で存在し、Feは、約1~5重量%のFeの範囲の量で存在し、及びBは、約0.1~2重量%のBの範囲の量で存在する。
別の特定の実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、S、Ca、Zn、Mn、及びBを含む/本質的にそれらからなる/それらからなる。かかる実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、Sは、約5~12重量%のSの範囲の量で存在し、Caは、約5~12重量%のCaの範囲の量で存在し、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、Mnは、約4~8重量%のMnの範囲の量で存在し、及びBは、約0.1~2重量%のBの範囲の量で存在する。
別の特定の実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、S、Ca、Zn、及びBを含む/本質的にそれらからなる/それらからなる。かかる実施形態では、Sは、約5~12重量%のSの範囲の量で存在し、Caは、約5~12重量%のCaの範囲の量で存在し、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、及びBは、約0.1~2重量%のBの範囲の量で存在する。
別の特定の実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、S、Zn、及びFeを含む/それらから本質的になる/それらからなる。かかる実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の総重量に基づいて、Sは、約5~12重量%のSの範囲の量で存在し、Znは、約3~10重量%のZnの範囲の量で存在し、及びFeは、約1~5重量%のFeの範囲の量で存在する。
いくつかの実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の主要栄養素を更に含む。いくつかの実施形態では、硫黄及びカルシウムは、顆粒状微量栄養素組成物中に存在する唯一の主要栄養素である。
いくつかの実施形態では、Zn、Mn、Fe、B、Cu、Ca、S及びそれらの任意の組み合わせは、植物の成長、植物の健康、又はこれらの組み合わせを促進する顆粒状ポリマー微量栄養素組成物中に存在する唯一の薬剤である。
異なる濃度の微量栄養素を有する顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、本発明の実施において使用されてもよい。例えば、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約5~40lbs/エーカー、5~10lbs/エーカー、10~20lbs/エーカー、又は25~30lbs/エーカーの割合における施用のために指定される。より高い割合での施用のための顆粒状ポリマー微量栄養素組成物について、より高い量の各々の個々の微量栄養素が必要となる。後者のより濃縮された組成物はまた、他の植物保護生成物(例えば、NPK肥料)との混合のために設計される。
II.顆粒状組成物
前述のように、本明細書に開示されたポリマー微量栄養素組成物は、顆粒の形態である。本明細書において使用される場合、「顆粒」という用語は、多数のより小さい粒子(例えば、微量栄養素)で構成される小さいコンパクト粒子を指す。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、均質な複合顆粒であり、微量栄養素成分及びポリアニオン性ポリマー成分は、固体材料の均質な混合物としてともに圧縮される。開示された顆粒/均質な複合顆粒の物理パラメータは、変化し得る。これらの物理パラメータのいくつかは、以下でより詳細に考察されるが、これに限定されるべきではない。
いくつかの実施形態では、顆粒の形状は、丸い(例えば、球形又は卵形状)が、これに限定されるべきではない。追加の形状には、立方体、長方形及び/又は不規則が挙げられる。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約1~約100(例えば、1/100)、約6~約100(例えば、6/100)、約10~約100(例えば、10/100)、又は約16~約100(例えば、16/100)米国メッシュの範囲の平均メッシュサイズを有する顆粒を含有する。他の実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約4~約30(例えば、4/30)、約5~約24(例えば、5/24)、又は約6~約16(例えば、6/16)米国メッシュの範囲の平均メッシュサイズを有する顆粒を含有する。
いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物の顆粒の粒子サイズ中央値(d50)は、約0.1~3.5mm、約0.1~約3mm、約0.5~約3mm、約0.5~約2.5mm、約0.75~約2mm、約0.75~約1.5mm、約0.8~約1.2mm、又は約0.9~約1mm(又は少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、若しくは少なくとも約3.3mm、上限は3.5mmである)の範囲である。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物の顆粒の粒子サイズ中央値(d50)は、約3.5mm、約3.25mm、約3.0mm、約2.75mm、約2.5mm、約2.25mm、約2.0mm、約1.75mm、約1.5mm、約1.25mm、約1.0mm、約0.75、又は約0.5mm未満である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約10~約500、約50~約450、約75~約400、約80~約250、又は約90~約230サイズガイド番号(SGN)の範囲の粒子サイズを有する顆粒を含有する。いくつかの実施形態では、顆粒は、少なくとも約10SGN、約50SGN、約75SGN、約100SGN、約125SGN、約150SGN、約175SGN、約200SGN、約250SGN、約275SGN、約300SGN、約325SGN、約350SGN、約375SGN、約400SGN、約425SGN、約450、又は少なくとも約475SGNの粒子サイズを有する。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、(顆粒のサイズが均一であることを示す)約30~40、30~50、35~45、40~60、40~50、又は50~60の範囲の均一性指数(UI)を有する顆粒を含有する。いくつかの実施形態では、UIは、少なくとも約20、約30、約40、約50、又は少なくとも約55である。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約10~150lbs/ft、30~100lbs/ft、約45~85lbs/ft、又は約45~60lbs/ftの範囲の粒子密度を有する粒子を含有する。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、約10~150lbs/ft、30~100lbs/ft、約45~75lbs/ft、約50~70lbs/ft、又は約60~70lbs/ftのかさ密度を有する。いくつかの実施形態では、かさ密度は、「ゆるみ」かさ密度である。
いくつかの実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、2.4重量%、2.5重量%、2.6重量%、2.7重量%、2.8重量%、2.9重量%、3.0重量%、3.1重量%、3.2重量%、3.3重量%、3.4重量%、3.5重量%、3.6重量%、3.7重量%、3.8重量%、3.9重量%、4重量%、4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、4.5重量%、4.6重量%、4.7重量%、4.8重量%、4.9重量%、5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%の例示的な値を含む、約0.1重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約1重量%~約7.5重量%、約1.5重量%~約7重量%、約2.3重量%~約6.5重量%の範囲の水分保持能力を有する顆粒を含有する。
ポリマー微量栄養素組成物は、顆粒の様々な成分(例えば、微量栄養素、ポリアニオン性ポリマー、及び任意選択的に、硫黄源)の間に直接接触を提供して、均質な顆粒を得、全ての成分がともに混合される。これらの顆粒は、ポリアニオン性ポリマーの存在に起因して、独特かつ局所的な酸微小環境を得、これは、同様にして、植物/作物への微量栄養素の有用性を増加させる。これらの顆粒が均質であることは、微量栄養素及びポリアニオン性ポリマーが、全量の微量栄養素が同じ量のポリアニオン性ポリマーと接触することを可能にする様式で混合されることを意味することが重要である。ポリアニオン性ポリマーは、次いで、微量栄養素上に有益な相互作用を及ぼすことができ、例えば、微量栄養素と複合体を形成して、それらを様々な土壌細菌などへの曝露から保護する。更に、顆粒全体にわたって同じ量のポリアニオン性ポリマーを含有する均質な顆粒は、顆粒の様々な領域内でポリアニオン性ポリマーの量が異なり、顆粒の周りに異なる酸性面積をもたらす顆粒と比較して、顆粒の周りにより良好な局在化された酸微小環境を提供する。単一の顆粒又は顆粒の集団の均質性の程度は、この分野の当業者が認識し、測定及び計算することができるであろう変動係数(CV)を使用して表される。CVはまた、相対標準偏差(RSD)としても既知であり、確率分布の分散の標準化された平均を表し、標準偏差σ対平均μの比によって定義される。
CV(%)=(σ/μ)×100
CV%が低い場合、顆粒は、より均質であるが、CV%が高い場合、顆粒はより均質ではない。
いくつかの実施形態では、顆粒は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも約98%である変動係数(CV%)を呈する。いくつかの実施形態では、変動係数は、約10%~約99%、約20%~約98%、約30%~約95%、約40%~約90%、約50%~約80%、又は約60%~約70%の範囲である。
上述したように、土壌に施用されるとき、結果として生じる微小環境は、微小環境を取り囲むバルク土壌のpHとは別個の(すなわち、酸性の)pHを有することになる。植物の根が土壌全体でランダムに成長するにつれて、それらは、これらの(酸性の)微小環境に遭遇し、容易に入手可能な微量栄養素へのアクセスを可能にすると同時に、根が微小環境を取り囲む非酸性のバルク土壌から他の栄養素(窒素又はリンなど)を吸収することを可能にする。
顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が土壌に施用されるとき、結果として生じる果微小環境は、約3~7、好ましくは、約4~6、及びより好ましくは、約5~6の土壌pHを有するべきである。微小環境のpHは、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が土壌と接触した後、少なくとも約30日間、好ましくは、少なくとも約60日間、及びより好ましくは、約90~120日間、酸性(すなわち、pH7未満)のままでなければならない。顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、十分な低pH微小環境が植物/作物にとって容易にアクセス可能な限り、(成長している植物の根も同様)土壌全体にランダムに分布し得る。
すでに上述したように、開示されたポリマー微量栄養素組成物中の微量栄養素と複合体化されたポリアニオン性ポリマー(例えば、土壌環境中に存在する)は、植物及び/又は作物に対して、複合体化された微量栄養素の安定かつ連続的な放出を提供する。いくつかの実施形態では、かかる微量栄養素の連続放出は、約1~90日、約1~60日、約1~30日、約1~20日、約1~10日、約30~90日、又は約30~60日(又は少なくとも1日以上、5日以上、10日以上、20日以上、若しくは30日以上)の期間にわたって生じる。いくつかの実施形態では、かかる微量栄養素の連続放出は、少なくとも30日間、60日間、90日間、120日間、150日間、180日間、210日間、240日間、又は少なくとも270日間の期間にわたって生じる。いくつかの実施形態では、かかる微量栄養素の連続放出は、最大12ヶ月の期間にわたって生じる。
特定の期間中に放出される微量栄養素の量は変化し得、当業者が認識するように、微量栄養素の種類、作物及び/又は植物の種類、気候、及び/又は土壌の種類、並びに多くの他の要因に依存する。当業者は、栄養/活性成分送達の割合が、概して、粒子サイズによることを認識するであろう。例えば、粒子サイズが大きいほど、製品は崩壊に時間がかかり、粉末は最も速い栄養素送達を提供する(ただし、それらはまた吹きさらしとなることも多い)。粒子サイズは、崩壊率の単一の原因ではないことに注意することが重要であり、他の多くの要因も同様に役割を果たす。粒子サイズはまた、肥料が溶解する割合にも影響を及ぼし得る。
いくつかの実施形態では、1日単位で放出される微量栄養素の量は、約1ppm~約500ppmの範囲である。いくつかの実施形態では、24時間の期間中に1時間単位で放出される微量栄養素の量は、約1~約150ppm、約1~約120ppm、約5~約120ppm、約10~約120ppm、約25~約120ppm、約50~約120ppm、約60~約100ppm、約70~約90ppm、又は約1~約50ppm、約5~約25ppm、約8~約20ppm、又は約10~約15ppmの範囲である。
異なる濃度の微量栄養素を有する顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、本発明の実施において使用され得る。例えば、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が提供され得、これは、約5~20lbs/エーカー、5~10lbs/エーカー、10~15lbs/エーカー、25~30lbs/エーカー、又は25~50lbs/エーカーの割合における施用のために指定される。より高い割合での施用のための顆粒状ポリマー微量栄養素組成物について、より高い量の各々の個々の微量栄養素が必要となる。後者のより濃縮された組成物はまた、他の植物保護製品と混合するために設計される。
すでに上述したように、微量栄養素に複合体化されたポリアニオン性ポリマーは、外部化学剤(自然界では有機及び/又は無機)、並びに微量栄養素の化学的及び/又は構造的完全性に影響を及ぼし得る、熱、水分、空気酸化、及び/又は光などの条件に曝露されたとき、微量栄養素の化学的安定性及び/又は熱的安定性を増加させる。それゆえ、いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物は、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と微量栄養素が複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約95%の化学的安定性の増加を呈する。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物は、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と微量栄養素が複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、約10%~約95%、約15%~約90%、約20%~約80%、約25%~約70%、約30%~約60%、又は約35%~約55%の範囲の化学的安定性の増加を呈する。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物は、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と微量栄養素が複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約95%の熱的安定性の増加を呈する。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物は、微量栄養素が、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、約10%~約95%、約15%~約90%、約20%~約80%、約25%~約70%、約30%~約60%、又は約35%~約55%の範囲の化学的安定性の増加を呈する。
観察された増加した化学的安定性及び/又は熱的安定性に加えて、ポリマー微量栄養素組成物はまた、微量栄養素の分解の減少を呈し、このことが観察されることは多い。微量栄養素の分解は、土壌細菌などの生物学的有機体に曝露されると、土壌中で生じ得る。それゆえ、いくつかの実施形態では、微量栄養素の分解は、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と微量栄養素が複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、開示されたポリアニオン性ポリマーに複合体化されたときに、少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、又は約95%低下する。いくつかの実施形態では、微量栄養素の分解は、開示されたポリアニオン性ポリマー成分と微量栄養素が複合体化されていない顆粒状組成物と比較して、開示されたポリアニオン性ポリマーに複合体化されたときに、約10%~約95%、約20%~約85%、約30%~約75%、約40%~約65%、又は約50%~約65%低下する。
ポリマー微量栄養素組成物の造粒は、当該技術分野で既知の任意の造粒方法を使用して実行され得る。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物の造粒は、圧縮造粒法などの乾式造粒法を使用して達成され得る。この物理的プロセスの間、細かく分割された栄養粒子は、使用される微量栄養素の化学的安定性及び/又は構造的完全性を損なうことなく、複合顆粒に均質化される。これにより、独自の化学的特性を維持しながら、製品を農家の田畑において均一な様式で取り扱い、ブレンドし、広めることができる。顆粒が土壌水分と接触すると、時間の経過とともに、細かく分割された栄養粒子(粒子が崩壊し、分散する)に戻り、土壌との接触を増加させ、崩壊し、分散された粒子の植物/作物の根圏へのカバレッジ及び/又は有用性を向上させる。いくつかの実施形態では、ポリマー微量栄養素組成物の造粒は、パン造粒、ドラム造粒、押出、パレット化、顆粒クランブルを介して達成することができるが、これに限定されるべきではない。
植物及び/又は作物としては、穀物、高木果樹、低木果樹、穀物、豆類及びこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な作物としては、限定されるものではないが、ライムギ、カラスムギ、トウモロコシ、イネ、ソルガム、ライコムギ、ナタネ、イネ、ダイズ、テンサイ、サトウキビ、芝、果樹、ヤシの木、ココナッツの木、又は他のナッツ、ブドウ、果樹茂み、果類植物;ビート、飼料ビート、ナシ状果、核果、リンゴ、ナシ、プラム、ピーチ、アーモンド、チェリー、及びベリー、例えば、イチゴ、ラズベリー、及びブラックベリー;豆、レンズマメ、エンドウ、ダイズ、ピーナッツなどのマメ科植物;油脂植物、例えば、ナタネ、マスタード、ヒマワリ;ウリ科植物、例えば、マロウ、キュウリ、メロン;繊維性植物、例えば、綿、亜麻、麻、ジュート;かんきつ類果実、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、及びマンダリン;野菜、例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、サツマイモ、ヤム、パプリカ;並びに、花、低木、広葉樹、及び常緑樹などの観賞植物、例えば、コニファー、穀物、コムギ、オオムギ、カラスムギ、秋まきコムギ、春まきコムギ、秋まきオオムギ、春まきオオムギ、ライコムギ、穀物ライムギ、秋まきデュラムコムギ、春まきデュラムコムギ、秋まきカラスムギ、春まきカラスムギ、家畜用穀物、レイ草、カモガヤ、フェスク、チモシー、種子及び草原用の草、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
III.農業組成物
説明された顆粒状微量栄養素組成物のうちのいずれかを、1つ以上の農業製品と組み合わせて、ブレンドされた農業組成物を提供することができる。例示的な農業製品としては、肥料又は他の農業活性化合物(例えば、農薬、除草剤、殺虫剤、殺真菌剤、殺ダニ剤、及び固体形態のこれらの組み合わせ(例えば、顆粒及び/又は小粒)及び/又は土壌改良剤(例えば、石灰石、ドロマイト、アゾマイト、フミン酸、レオナルダイト)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、説明された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、肥料製品と混合されてもよい。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、硫黄源を更に含む。いくつかの実施形態では、かかる組み合わされた肥料/顆粒状ポリマー微量栄養素組成物において、肥料は、約粉末サイズ(約0.001cm未満)~約10mm、より好ましくは、約0.1mm~約5mm、更により好ましくは、約0.9mm~約3mmの平均直径を有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー組成物対肥料製品の比は、約1:1,000~約1,000:1、又は約1:200~約200:1、又は約1:50~約50:1、又は約1:10~約10:1、又は約1:5~約5:1の範囲であるか、又は1:1である。組み合わされた肥料/顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の場合、組み合わされた製品は、施用された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の量が、土壌の1エーカー当たり約10~150g、1エーカー当たり約10~100g、1エーカー当たり約10~75g、1エーカー当たり約10~50g、又は土壌の1エーカー当たり約10~40gであるようなレベルで施用され得る。
肥料は、限定されるものではないが、顆粒状肥料などの固体肥料であり得、顆粒状微量栄養素組成物は、顆粒状肥料と混合することができる。肥料は、スターター肥料、ホスフェート系肥料、窒素含有肥料、リン含有肥料、カリウム含有肥料、カルシウム含有肥料、マグネシウム含有肥料、ホウ素含有肥料、塩素含有肥料、亜鉛含有肥料、マンガン含有肥料、銅含有肥料、尿素及び硝酸アンモニウム含有肥料、及び/又はモリブデン材料含有肥料からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態では、肥料は、植物に利用可能な窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、微量栄養素、又はこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、肥料は、植物が利用可能な窒素、リン、カリウム(例えば、N-P-K肥料)の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、肥料は、石膏、Kieserite群メンバー、カリウム生成物、硫酸マグネシウムカリウム、元素硫黄、又は硫酸マグネシウムカリウムを含む。
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、田畑及び/又は作物に施用するための任意の好適な乾燥肥料と組み合わされる。説明された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、肥料の施用とともに施用することができる。ポリマー顆粒微量栄養素組成物は、肥料の施用の前、後、又は同時に施用することができる。顆粒状ポリマー微量栄養素組成物がそれ自体によって(例えば、肥料の施用前又は施用後に)施用される実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の量は、土壌の1エーカー当たり約10~30lbs、1エーカー当たり約10~20lbs、又は土壌の1エーカー当たり約5~40gの割合で施用される。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物の量は、1エーカー当たり約25~30lbsの割合で施用される。
顆粒状ポリマー微量栄養素組成物又は顆粒状ポリマー微量栄養素組成物/肥料組成物は、関心のある作物に利益をもたらす任意の様式で施用することができる。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、ブロードキャスト施用、バンド施用、サイドレス施用、種子あり施用、又はこれらの施用方法の任意の組み合わせを介して土壌に施用される。いくつかの実施形態では、これらの組成物は、バンド状又は列状の施用にて、成長培地に施用される。いくつかの実施形態では、組成物は、所望の作物植物の播種又は移植の前に、成長培地に、又はその全体に施用される。いくつかの実施形態では、組成物は、成長している植物の根圏に施用することができる。
IV.方法セクション
いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、直接使用される。他の実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、生産的農業の前後関係においてそれらの使用を好都合にする方式で製剤化される。これらの方法において使用される顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、上で説明されたような微量栄養素と複合体化されたポリアニオン性ポリマーを含む。これらの顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、本明細書に開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物を、土壌とともに施用することを含む、植物の成長を改善するための方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、植栽した作物の出芽前に土壌に施用される。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、植物に隣接する土壌、及び/又は植物の基部、及び/又は植物の根圏に施用される。植物の種類は、変化し得る。例示的な植物としては、限定されるものではないが、穀物、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライコムギ、ライムギ、イネ、メイズ(maze)、ダイズ、マメ、ジャガイモ、野菜、ピーナッツ、綿、油用種子ブドウ(oilseed grape)、及び果物植物が挙げられる。
植物の健康を改善するための方法は、本明細書に開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物を土壌とともに施用することによっても達成され得る。任意の農作物又は園芸作物の組織分析及び土壌試験によって決定される複数の欠陥の修正を達成することができる。特に、鉄及び/又は亜鉛の欠乏が決定されている農作物又は園芸作物である。微量栄養素欠乏症の種類及び重症度に応じて、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、様々な田畑の割合及び量において施用される。いくつかの実施形態では、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物は、軽度の場合は約5~10lbs/エーカー、中等度の場合は約15lbs/エーカー、及び/又は重度の欠乏症の場合は約25~30lbs/エーカーの田畑の割合において施用される。いくつかの実施形態では、顆粒状微量栄養素組成物は、約25~約300kg/ha、約25~約250kg/ha、又は約100~約200kg/haの量で使用される。
本明細書に記載の主題の特定の実施形態は、以下を含む。
1. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物であって、
ポリアニオン性ポリマー成分と、
微量栄養素成分と、を含み、
ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分が、均質な複合顆粒に圧縮される、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
2. 均質な複合顆粒が、約16~約100米国メッシュの範囲のメッシュサイズを有する、実施形態1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
3. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物であって、
ポリアニオン性ポリマー成分と、
亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ホウ素(B)、及びこれらの組み合わせから選択される微量栄養素成分と、を含み、
ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分が、約16~約100米国メッシュの範囲のメッシュサイズを有する均質な複合顆粒に圧縮されている、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
4. 均質な複合顆粒が、約6~約16米国メッシュの範囲のメッシュサイズを有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
5. 均質な複合顆粒が、約0.5~約2.5mmの範囲の平均粒子サイズ(d50)を有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
6. 均質な複合顆粒が、約90~約230SGNの範囲の粒子サイズを有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
7. 均質な複合顆粒が、35~45の範囲の均一性指数を有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
8. 均質な複合顆粒が、約60~70lbs/ftのかさ密度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
9. 微量栄養素成分が、亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ホウ素(B)、及びこれらの組み合わせから選択される、実施形態1~2及び4~7のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
10. 硫黄(S)を更に含み、硫黄、ポリアニオン性ポリマー成分及び微量栄養素成分が、均質な複合顆粒に圧縮されている、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
11. 微量栄養素成分が、少なくとも24時間にわたって、約50~約120ppmの範囲の量で連続的な態様で放出されている、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
12. 微量栄養素成分が、ポリアニオン性ポリマー成分と複合体化されており、ポリアニオン性ポリマー成分に複合体化されていない微量栄養素成分と比較して、少なくとも50パーセントより化学的に安定している、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
13. 微量栄養素成分が、ポリアニオン性ポリマー成分と複合体化されており、ポリアニオン性ポリマー成分に複合体化されていない微量栄養素成分と比較して少なくとも50パーセント、微量栄養素成分の分解を低下させている、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
14. ポリアニオン性ポリマー成分が、マレイン酸及びイタコン酸繰り返し単位を含む、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
15. ポリアニオン性ポリマー成分が、約10~約90モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位及び約90~約10モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位を含有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
16. ポリアニオン性ポリマー成分が、イタコン酸、マレイン酸、及びスルホネート繰り返し単位を含む、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
17. ポリアニオン性ポリマー成分が、ポリマー鎖の長さに沿って分布した少なくとも4つの繰り返し単位を含み、該少なくとも4つの繰り返し単位が、B型繰り返し単位、C型繰り返し単位、及びG型繰り返し単位の各々の少なくとも1つを含み、
a)B型繰り返し単位が、独立して、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸無水物、メサコン酸、それらの混合物、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、エステル、酸塩化物、及び部分塩又は完全塩の置換及び非置換モノマーから誘導された繰り返し単位からなる群から選択され、B型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
b)C型繰り返し単位が、イタコン酸、イタコン酸無水物、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、エステル、及び部分塩又は完全塩の置換又は非置換モノマーから誘導された繰り返し単位、並びにそれらのうちのいずれかの混合物からなる群から選択され、C型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
c)G型繰り返し単位が、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び少なくとも1つのスルホネート基を有し、芳香環及びアミド基を実質的に含まない、置換又は非置換スルホン化モノマーから誘導された繰り返し単位、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、及び部分塩又は完全塩、並びにそれらのうちのいずれかの混合物からなる群から選択され、G型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、G型繰り返し単位の塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
18. ポリアニオン性ポリマー成分中の繰り返し単位の少なくとも約90モルパーセントが、B型、C型、及びG型からなる群から選択される、実施形態17に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
19. ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのB型繰り返し単位、1つのC型繰り返し単位、及び1つのG型繰り返し単位を含む、実施形態17又は18に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
20. ポリアニオン性ポリマー成分が、
1~70モルパーセントのB型繰り返し単位、1~80モルパーセントのC型繰り返し単位、及び0.1~65モルパーセントのG型繰り返し単位、又は
20~65モルパーセントのB型繰り返し単位、15~75モルパーセントのC型繰り返し単位、及び1~35モルパーセントのG型繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、実施形態17~19のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
21. ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのB型繰り返し単位、1つのC型繰り返し単位、及び2つのG型繰り返し単位を含む、実施形態17に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
22. ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのマレイン酸繰り返し単位、1つのイタコン酸繰り返し単位、及びメタリルスルホン酸及びアリルスルホン酸からそれぞれ誘導された2つのG型繰り返し単位を含む、実施形態17に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
23. ポリアニオン性ポリマー成分が、35~55モルパーセントのB型繰り返し単位、20~55モルパーセントのC型繰り返し単位、1~25モルパーセントのメタリルスルホン酸繰り返し単位、及び1~20モルパーセントのアリルスルホン酸繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、実施形態17に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
24. ポリアニオン性ポリマー成分が、
45モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位、50モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位、4モルパーセントのメタリルスルホン酸繰り返し単位、及び1モルパーセントのアリルスルホン酸繰り返し単位、又は
45モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位、35モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位、15モルパーセントのメタリルスルホネート繰り返し単位、及び5モルパーセントのアリルスルホネート繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、実施形態21に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
25. ポリアニオン性ポリマー成分が、約10モルパーセント以下の、(i)非カルボキシレートオレフィン繰り返し単位、(ii)エーテル繰り返し単位、及び(iii)非スルホン化モノカルボン酸繰り返し単位のうちのいずれかを含有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
26. ポリアニオン性ポリマー成分が、約1,500~50,000Daの平均分子量を有する、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
27. B型及びC型繰り返し単位が、アニオン性官能基としてカルボキシレート基を含有し、G型繰り返し単位が、アニオン性官能基としてスルホネート基を含有する、実施形態17~26のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
28. ポリアニオン性ポリマー成分が、アニオン性官能基を含有する、少なくとも90モルパーセントの繰り返し単位を含有する、実施形態17~27のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
29. 微量栄養素成分が、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在するアニオン性官能基の画分と複合体化されており、それによって、ポリアニオン性ポリマー成分の部分塩形態を形成する、実施形態17~28のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
30. 微量栄養素成分が、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在するアニオン性官能基の少なくとも50パーセントと複合体化されており、それによって、ポリアニオン性ポリマー成分の部分塩形態を形成する、実施形態17~29のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
31. 微量栄養素成分が、ポリアニオン性ポリマー成分中に存在する全てのアニオン性官能基と複合体化されており、それによって、ポリアニオン性ポリマー成分の完全塩形態を形成する、実施形態17~30のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
32. 農業組成物であって、上記実施形態のいずれかに記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物及び農業製品を含む、農業組成物。
33. 農業製品が、肥料である、実施形態33に記載の農業組成物。
34. 肥料が、固体である、実施形態32又は33に記載の農業組成物。
35. 肥料が、NPK肥料である、実施形態32~34のいずれか一項に記載の農業組成物。
36. 農業製品及び顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、約1:1の重量比で存在する、実施形態32~35のいずれか一項に記載の農業組成物。
37. 土壌を肥沃化し、並びに/又は植物/作物の成長及び/若しくは健康を改善する方法であって、実施形態のいずれか一項に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物、又は農業組成物を土壌に施用することを含む、方法。
38. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物又は農業組成物が、植栽した作物の出芽前に土壌に施用される、実施形態37に記載の方法。
39. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物又は農業組成物が、植物に隣接する土壌、植物の基部、又は植物の根圏に施用される、実施形態37又は38に記載の方法。
40. 植物/作物が、穀物、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライコムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、野菜、ピーナッツ、ワタ、油用種子ブドウ、及び果実植物からなる群から選択される、実施形態37~39のいずれか一項に記載の方法。
41. 施用するステップが、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物又は農業組成物を1エーカー当たり約5lbs~約30lbsの割合で接触させることを含む、実施形態37~40のいずれか一項に記載の方法。
42. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、約25~約300kg/haの範囲の量で使用される、実施形態37~41のいずれか一項に記載の方法。
実施例1:クラスIポリマーの合成
以下の実施例は、ポリマーを調製するための好ましい合成技術を説明するが、これらの実施例は、単なる例示のために提供され、その中の何も、本発明の全体的な範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例は、次いで、微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu)と複合体化されて、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物において使用される部分塩又は組み合わされた塩を生成する、出発ポリマーの合成に関することが、更に理解されるであろう。
実施例1.1-例示的な合成
装置:加熱及び冷却可能であり、効率的な機械式撹拌器、冷却器、ガス出口(大気開放)、固体充填口、液体充填口、温度計及び過酸化物供給管を装備した、円筒形反応器を使用した。
手順:水を反応器に充填し、95℃の目標温度まで加熱しながら撹拌を開始した。このフェーズの間、イタコン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、及び無水マレイン酸を添加して、以下のモノマーモル画分を有する固体分散体を50%w/w作製した。
マレイン酸:45%
イタコン酸:35%
メタリルスルホネート:15%
アリルスルホネート:5%
反応器温度が95℃に達したとき、オキシ硫酸バナジウムを添加して、重量で25ppmのバナジウム金属濃度を得た。バナジウム塩を完全に溶解した後、過酸化水素(50%w/w分散体として)を、飼料チューブを使用して3時間にわたって連続的に添加した。過酸化水素の総添加量は、過酸化水素添加前の反応器中の分散重量の5%であった。過酸化物添加が完了した後、反応器を、95℃で2時間保持し、続いて室温まで冷却した。
結果として生じるポリマー分散体は、クロマトグラフィー分析によって決定される際、残留モノマーの総量が2%w/w未満を有することが見出された。
実施例1.2-例示的な合成
装置:実施例1と同様である。
手順:水を反応器に充填し、100°Cの目標温度まで加熱しながら撹拌を開始した。このフェーズの間、イタコン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、及び無水マレイン酸を添加して、以下のモノマーモル画分を有する固体分散体を70%w/w作製した。
マレイン酸:45%
イタコン酸:50%
メタリルスルホネート:4%
アリルスルホネート:1%
反応器温度が100°Cに達したとき、オキシ硫酸バナジウムを添加して、重量で25ppmのバナジウム金属濃度を得た。バナジウム塩を完全に溶解した後、過酸化水素(50%w/w分散体として)を、飼料チューブを使用して3時間にわたって連続的に添加した。過酸化水素の総添加量は、過酸化水素添加前の反応器中の分散重量の7.5%であった。過酸化物添加が完了した後、反応器を、100°Cで2時間保持し、続いて室温まで冷却した。
結果として生じるポリマー分散体は、クロマトグラフィー分析によって決定される際、残留モノマーの総量が1%w/w未満を有することが見出された。
実施例1.3-テトラポリマー部分塩の調製
45モルパーセントの無水マレイン酸、35モルパーセントのイタコン酸、15モルパーセントのメタリルスルホネートナトリウム塩、及び5モルパーセントのアリルスルホネートを有する水性モノマー反応混合物を使用して、好ましいフリーラジカル重合合成によって、水中の40重量%のポリマー固体を含有するテトラポリマーカルシウムナトリウム塩分散体を調製した。最終的なテトラポリマー分散液は、1.0をわずかに下回るpHを有し、スルホネートモノマー上のナトリウムカチオンのために部分的なナトリウム塩であった。少なくとも約90%のモノマーを反応中に重合させた。
次いで、得られたポリマーを、開示された顆粒状ポリマー微量栄養素組成物のための所望のpH及び金属含有量を有する最終的な部分塩ポリマーを作製するために、適切な微量栄養素源(例えば、Zn、Mn、及びCu)と慣例的に反応させる。
実施例1.4-例示的な合成
加熱及び冷却可能であり、効率的な機械式撹拌器、冷却器、大気に開放されるガス出口、液体及び固体を反応器に充填するためのそれぞれのポート、及び過酸化物供給管を装備した、円筒形反応器を使用して、水中に70重量%のポリマー固体を含有するターポリマー塩分散体を調製した。
水(300g)を撹拌し、95℃の目標温度まで加熱しながら反応器に充填した。加熱中、以下のモノマーモル画分:マレイン酸無水-20%、イタコン酸-60%、メタリルスルホン酸ナトリウム塩-20%を有する75%w/wの固体分散体を作製するように、イタコン酸、メタリルスルホン酸ナトリウム、及びマレイン酸無水物を添加した。モノマーを最初に添加したとき、それらは、水中に懸濁した。温度が上昇すると、重合を開始する前にモノマーがより完全に溶解し、マレイン酸無水物をマレイン酸に加水分解した。反応器温度が95℃に達したとき、オキシ硫酸バナジウムを添加して、バナジウム塩の添加時に反応器内容物の50重量ppmのバナジウム金属濃度を生成した。バナジウム塩が完全に溶解した後、過酸化水素を、50%w/wの水中分散液として2時間にわたって連続的に添加した。過酸化水素添加時には、全てのモノマーが完全に溶解されず、「スラッシュ重合」と称されることがあるが、最初に未溶解であったモノマーは、その後、反応の過程で溶解された。過酸化水素を添加した総量は、過酸化水素を添加する前の反応器中の分散重量の5%に等しかった。
過酸化物添加完了後、反応混合物を、95℃で2時間保持し、次いで室温まで冷却した。結果として生じるポリマー分散液は、1.0をわずかに下回るpHを有し、スルホネートモノマー上のナトリウムカチオンのために部分的なナトリウム塩であった。分散液は、クロマトグラフィー分析によって決定される際、反応混合物中の総固体の画分として計算された、2%w/w未満のモノマー含有量を有することが見出された。したがって、最初に添加したモノマーの98%w/w超をポリマーに変換した。
次いで、このポリマーは、適切なpHレベルで、部分的な塩ポリマーを生成するために、従来、塩及び/又はスクラート形態の微量栄養素(例えば、Zn、Mn、及びCu塩/スクラート)と反応させる。
実施例2:様々な亜鉛源の溶解割合の検査。
様々な供給源から誘導されたZnを含有する一連の試料を、以下に概説するプロトコルに従って、Zn溶解特性について評価した。
1. 試料を、各々、DI水中に80ppmのZnを含有するように調製した。溶液を、25℃で24時間、80rpmで揺動した。
2. 0、1、2、4、8、24時間の揺動後、各溶液の一部分を、試験のために試料から除去し、Zn分析の前に濾過した。各溶液から除去した試料の量を、各溶液に戻した同じ量のDI水で置き換えた。
3. 溶解試料のZn分析を、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-OES)によって実行して、Zn含有量を決定した。各溶液中の各時点において溶解されたZnを算出し、溶解曲線を表1及び図1に示す。
Figure 2023532918000007
実施例3:様々な亜鉛源の溶解割合の検査。
様々なソースから誘導されたZnを含有する一連の顆粒状試料を、以下に概説するプロトコルに従って、Zn溶解特性について評価した。
1.試験溶液を、試験の直前に調製し、各溶液は、DI水中に80ppmのZnを含有した。溶液を、50rpm、25℃で揺動し、溶液中の顆粒を徐々に消散及び/又は溶解させて、Znを経時的に溶液に開放した。
2.0、1、2、4、8時間の揺動で、各溶液の一部分を試料から除去し、Zn分析のために濾過した。各溶液から除去した量を、同じ量のDI水を溶液に戻して添加することによって置き換えた。次いで、次のサンプリング時間まで溶液を再び揺動した。
3.溶解試料のZn分析を、誘導結合プラズマ質量分析(ICP-OES)によって実行して、Zn含有量を決定した。各溶液中の各時点において溶解されたZnを算出し、溶解曲線を表2及び図2に示す。
Figure 2023532918000008
2つの実験の主な違いは、試験溶液の揺動速度であることに注意されたい。第2の実験では、速度を最適化して、試料の溶解パターンの違いをより良好に実証した。

Claims (39)

  1. 顆粒状ポリマー微量栄養素組成物であって、
    ポリアニオン性ポリマー成分と、
    亜鉛(Zn)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、ホウ素(B)、及びこれらの組み合わせから選択される微量栄養素成分と、を含み、
    前記ポリアニオン性ポリマー成分及び前記微量栄養素成分が、約6~約100米国メッシュの範囲のメッシュサイズを有する均質な複合顆粒に圧縮されている、顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  2. 前記均質な複合顆粒が、約6~約16米国メッシュの範囲のメッシュサイズを有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  3. 前記均質な複合顆粒が、約0.5~約2.5mmの範囲の平均粒子サイズ(d50)を有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  4. 前記均質な複合顆粒が、約90~約230SGNの範囲の粒子サイズを有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  5. 前記均質な複合顆粒が、35~45の範囲の均一性指数を有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  6. 前記均質な複合顆粒が、約60~70lbs/ftのかさ密度を有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  7. 硫黄(S)を更に含み、前記硫黄、ポリアニオン性ポリマー成分及び前記微量栄養素成分が、均質な複合顆粒に圧縮されている、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  8. 前記微量栄養素成分が、少なくとも24時間にわたって、約50~約120ppmの範囲の量で連続的な態様で放出されている、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  9. 前記微量栄養素成分が、前記ポリアニオン性ポリマー成分と複合体化されており、前記ポリアニオン性ポリマー成分に複合体化されていない微量栄養素成分と比較して、少なくとも50パーセントより化学的に安定している、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  10. 前記微量栄養素成分が、前記ポリアニオン性ポリマー成分と複合体化されており、前記ポリアニオン性ポリマー成分に複合体化されていない微量栄養素成分と比較して少なくとも50パーセント、前記微量栄養素成分の分解を低下させている、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  11. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、マレイン酸及びイタコン酸繰り返し単位を含む、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  12. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、約10~約90モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位及び約90~約10モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位を含有する、請求項11に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  13. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、イタコン酸、マレイン酸、及びスルホネート繰り返し単位を含む、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  14. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、ポリマー鎖の長さに沿って分布した少なくとも4つの繰り返し単位を含み、前記少なくとも4つの繰り返し単位が、B型繰り返し単位、C型繰り返し単位、及びG型繰り返し単位の各々の少なくとも1つを含み、
    a)前記B型繰り返し単位が、独立して、マレイン酸、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸無水物、メサコン酸、それらの混合物、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、エステル、酸塩化物、及び部分塩又は完全塩の置換及び非置換モノマーから誘導された繰り返し単位からなる群から選択され、B型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
    b)前記C型繰り返し単位が、イタコン酸、イタコン酸無水物、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、エステル、及び部分塩又は完全塩の置換又は非置換モノマーから誘導された繰り返し単位、並びにそれらのうちのいずれかの混合物からなる群から選択され、前記C型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有し、
    c)前記G型繰り返し単位が、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合及び少なくとも1つのスルホネート基を有し、芳香環及びアミド基を実質的に含まない、置換又は非置換スルホン化モノマーから誘導された繰り返し単位、並びにそれらのうちのいずれかの任意の異性体、及び部分塩又は完全塩、並びにそれらのうちのいずれかの混合物からなる群から選択され、G型繰り返し単位が、環構造及びハロ原子を実質的に含まない1つ以上のC1~C6直鎖又は分岐鎖アルキル基で置換されてもよく、前記G型繰り返し単位の前記塩が、金属、アミン、及びそれらの混合物からなる群から選択される塩形成カチオンを有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  15. 前記ポリアニオン性ポリマー成分中の前記繰り返し単位の少なくとも約90モルパーセントが、B型、C型、及びG型からなる群から選択される、請求項14に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  16. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのB型繰り返し単位、1つのC型繰り返し単位、及び1つのG型繰り返し単位を含む、請求項14に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  17. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、
    1~70モルパーセントのB型繰り返し単位、1~80モルパーセントのC型繰り返し単位、及び0.1~65モルパーセントのG型繰り返し単位、又は
    20~65モルパーセントのB型繰り返し単位、15~75モルパーセントのC型繰り返し単位、及び1~35モルパーセントのG型繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、請求項16に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  18. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのB型繰り返し単位、1つのC型繰り返し単位、及び2つのG型繰り返し単位を含む、請求項14に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  19. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、1つのマレイン酸繰り返し単位、1つのイタコン酸繰り返し単位、及びメタリルスルホン酸及びアリルスルホン酸からそれぞれ誘導された2つのG型繰り返し単位を含む、請求項18に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  20. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、35~55モルパーセントのB型繰り返し単位、20~55モルパーセントのC型繰り返し単位、1~25モルパーセントのメタリルスルホン酸繰り返し単位、及び1~20モルパーセントのアリルスルホン酸繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、請求項18に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  21. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、
    45モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位、50モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位、4モルパーセントのメタリルスルホン酸繰り返し単位、及び1モルパーセントのアリルスルホン酸繰り返し単位、又は
    45モルパーセントのマレイン酸繰り返し単位、35モルパーセントのイタコン酸繰り返し単位、15モルパーセントのメタリルスルホネート繰り返し単位、及び5モルパーセントのアリルスルホネート繰り返し単位の、繰り返し単位モル組成物を有する、請求項20に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  22. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、約10モルパーセント以下の、(i)非カルボキシレートオレフィン繰り返し単位、(ii)エーテル繰り返し単位、及び(iii)非スルホン化モノカルボン酸繰り返し単位のうちのいずれかを含有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  23. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、約1,500~50,000Daの平均分子量を有する、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  24. B型及びC型繰り返し単位が、アニオン性官能基としてカルボキシレート基を含有し、G型繰り返し単位が、アニオン性官能基としてスルホネート基を含有する、請求項14に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  25. 前記ポリアニオン性ポリマー成分が、アニオン性官能基を含有する、少なくとも90モルパーセントの繰り返し単位を含有する、請求項24に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  26. 前記微量栄養素成分が、前記ポリアニオン性ポリマー成分中に存在する前記アニオン性官能基の画分と複合体化されており、それによって、前記ポリアニオン性ポリマー成分の部分塩形態を形成する、請求項25に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  27. 前記微量栄養素成分が、前記ポリアニオン性ポリマー成分中に存在する前記アニオン性官能基の少なくとも50パーセントと複合体化されており、それによって、前記ポリアニオン性ポリマー成分の部分塩形態を形成する、請求項26に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  28. 前記微量栄養素成分が、前記ポリアニオン性ポリマー成分中に存在する全ての前記アニオン性官能基と複合体化されており、それによって、前記ポリアニオン性ポリマー成分の完全塩形態を形成する、請求項26に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物。
  29. 農業組成物であって、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物及び農業製品を含む、農業組成物。
  30. 前記農業製品が、肥料である、請求項29に記載の農業組成物。
  31. 前記肥料が、固体である、請求項30に記載の農業組成物。
  32. 前記肥料が、NPK肥料である、請求項30に記載の農業組成物。
  33. 前記農業製品及び前記顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、約1:1の重量比で存在する、請求項29に記載の農業組成物。
  34. 植物の成長及び/又は健康を改善する方法であって、請求項1に記載の顆粒状ポリマー微量栄養素組成物を土壌に施用することを含む、方法。
  35. 前記顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、作物植物の出芽前に前記土壌に施用される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、作物植物に隣接する前記土壌、前記作物植物の基部、又は前記作物植物の根圏に施用される、請求項34に記載の方法。
  37. 作物植物が、穀物、コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライコムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、野菜、ピーナッツ、ワタ、油用種子ブドウ(oilseed grape)、及び果実植物からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
  38. 施用するステップが、前記顆粒状ポリマー微量栄養素組成物を1エーカー当たり約5lbs~約30lbsの割合で接触させることを含む、請求項34に記載の方法。
  39. 前記顆粒状ポリマー微量栄養素組成物が、約25~約300kg/haの範囲の量で使用される、請求項34に記載の方法。
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