JP2023532205A - Irak分解剤およびその使用 - Google Patents

Irak分解剤およびその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2023532205A
JP2023532205A JP2022577558A JP2022577558A JP2023532205A JP 2023532205 A JP2023532205 A JP 2023532205A JP 2022577558 A JP2022577558 A JP 2022577558A JP 2022577558 A JP2022577558 A JP 2022577558A JP 2023532205 A JP2023532205 A JP 2023532205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
patient
irak4
inflammatory
degrading agent
inflammatory biomarker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022577558A
Other languages
English (en)
Inventor
ベロニカ キャンベル,
アリス マクドナルド,
ジャレッド ゴロブ,
アンソニー スレイビン,
Original Assignee
カイメラ セラピューティクス, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カイメラ セラピューティクス, インコーポレイテッド filed Critical カイメラ セラピューティクス, インコーポレイテッド
Publication of JP2023532205A publication Critical patent/JP2023532205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/535Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with at least one nitrogen and one oxygen as the ring hetero atoms, e.g. 1,2-oxazines
    • A61K31/53751,4-Oxazines, e.g. morpholine
    • A61K31/53861,4-Oxazines, e.g. morpholine spiro-condensed or forming part of bridged ring systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/445Non condensed piperidines, e.g. piperocaine
    • A61K31/4523Non condensed piperidines, e.g. piperocaine containing further heterocyclic ring systems
    • A61K31/4545Non condensed piperidines, e.g. piperocaine containing further heterocyclic ring systems containing a six-membered ring with nitrogen as a ring hetero atom, e.g. pipamperone, anabasine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/10Anti-acne agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]

Abstract

本発明は、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択するための方法、および炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置するための方法を提供する。したがって、一態様では、本発明は、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は、汗腺膿瘍患者である。いくつかの実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎患者である。

Description

発明の分野
本発明は、ユビキチン化および/または分解による、1つまたはそれより多くのインターロイキン-1受容体関連キナーゼ(「IRAK」)の調節のための化合物および疾患または障害を処置するためのその使用に関する。
発明の背景
ユビキチン-プロテアソーム経路(UPP)は、主要なレギュレータータンパク質を調節し、そしてミスフォールディングまたは異常なタンパク質を分解する、重要な経路である。UPPは、多数の細胞プロセスの中心的なものであり、そして欠損するかまたは釣り合いが崩れる場合、種々の疾患の発病をもたらす。ユビキチンの、特定のタンパク質基質への共有結合は、E3ユビキチンリガーゼの作用を介して達成される。
インビボで様々なタンパク質のユビキチン化を容易にする、600を超えるE3ユビキチンリガーゼが存在し、これらは4つのファミリー、すなわち、HECT-ドメインE3、U-ボックスE3、単量体RING E3およびマルチサブユニットE3に分けられる。一般に、Li et al.(PLOS One,2008,3,1487)表題「Genome-wide and functional annotation of human E3 ubiquitin ligases identifies MULAN, a mitochondrial E3 that regulates the organelle’s dynamics and signaling.」;Berndsen et al. (Nat. Struct. Mol. Biol., 2014, 21, 301-307)表題「New insights into ubiquitin E3 ligase mechanism」;Deshaies et al. (Ann. Rev. Biochem., 2009, 78, 399-434)表題「RING domain E3 ubiquitin ligases.」;Spratt et al. (Biochem. 2014, 458, 421-437)表題「RBR E3 ubiquitin ligases: new structures, new insights, new questions.」;およびWang et al. (Nat. Rev. Cancer., 2014, 14, 233-347)表題「Roles of F-box proteins in cancer.」を参照のこと。
UPPは、種々の基本的な細胞プロセス(細胞周期の調節、細胞表面受容体およびイオンチャネルの調節、ならびに抗原提示が挙げられる)において重要な、短寿命の調節タンパク質の分解において、主要な役割を果たす。その経路は、数形態の悪性腫瘍、数種の遺伝子疾患(嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、およびリドル(Liddle)症候群が挙げられる)の発病、免疫監視/ウイルス発病、ならびに筋肉消耗の病理に関与している。多くの疾患が、異常なUPPに関連しており、そして細胞の周期および分裂、ストレスおよび細胞外モジュレーターへの細胞応答、神経回路網の形態形成、細胞表面受容体、イオンチャネル、二次経路、DNA修復および細胞小器官の生物発生の調節に悪影響を与えている。
このプロセスの異常は、近年、先天性と後天性との両方の、数種の疾患の発病に関与していた。これらの疾患は、2つの主要な群に含まれる。すなわち、(a)特定のタンパク質の安定化をもたらす機能の損失から生じる疾患、および(b)機能(すなわち、タンパク質標的の異常なまたは加速された分解)の獲得からもたらされる疾患。
UPPは、選択的タンパク質分解を誘導するために使用され、標的タンパク質および合成低分子プローブを人工的にユビキチン化して、プロテアソーム依存性分解を誘導するための、融合タンパク質の使用が含まれる。標的タンパク質結合リガンドおよびE3ユビキチンリガーゼリガンドからなる二官能性化合物は、これらのE3ユビキチンリガーゼへの動員およびその後のユビキチン化を介して、選択されたタンパク質の、プロテアソームにより媒介される分解を誘導した。これらの薬物様分子は、タンパク質発現の一時的な制御の可能性を与える。このような化合物は、細胞への添加または動物もしくはヒトへの投与の際に、目的のタンパク質の不活性化を誘導し得、そして生化学試薬として有用であり得、そして病原性または発がん性タンパク質を除去することによる疾患の処置のための新たな模範をもたらし得る(Crews C,Chemistry & Biology,2010,17(6):551-555;Schnnekloth JS Jr.,Chembiochem,2005,6(l):40-46)。
当該分野において、疾患、特に過形成およびがん、例えば多発性骨髄腫の有効な処置に対する必要性が継続している。しかし、非特異的効果、および特定のクラスのタンパク質(例えば、転写因子)を一緒に標的化して調節することができないことが、効果的な抗がん剤の開発の障害として残っている。従って、E3リガーゼにより媒介されるタンパク質分解に影響を与えてインターロイキン-1受容体関連キナーゼ(「IRAK」)などのがん関連タンパク質を標的とする低分子治療剤は、治療剤としての有望性を保持する。従って、治療剤として有用なIRAK分解剤である化合物を見出す必要性が残っている。
Li et al.(PLOS One,2008,3,1487)表題「Genome-wide and functional annotation of human E3 ubiquitin ligases identifies MULAN, a mitochondrial E3 that regulates the organelle’s dynamics and signaling.」 Berndsen et al. (Nat. Struct. Mol. Biol., 2014, 21, 301-307)表題「New insights into ubiquitin E3 ligase mechanism」 Deshaies et al. (Ann. Rev. Biochem., 2009, 78, 399-434)表題「RING domain E3 ubiquitin ligases.」 Spratt et al. (Biochem. 2014, 458, 421-437)表題「RBR E3 ubiquitin ligases: new structures, new insights, new questions.」 Wang et al. (Nat. Rev. Cancer., 2014, 14, 233-347)表題「Roles of F-box proteins in cancer.」 Crews C,Chemistry & Biology,2010,17(6):551-555;Schnnekloth JS Jr.,Chembiochem,2005,6(l):40-46
発明の概要
本明細書において記載するように、発明者らは、汗腺膿瘍(HS)およびアトピー性皮膚炎(AD)患者における特定の炎症性バイオマーカーのレベルが、例えば、本明細書に記載のものを含むIRAK分解剤による処置に対する患者応答性を示すことを発見した。炎症性バイオマーカーは、皮膚性かつ循環する炎症性バイオマーカーであり得る。本明細書において示すように、特定の炎症性バイオマーカーレベルは、例えば、IRAK分解剤を使用する処置のために患者を選択するのに使用することができる。
したがって、一態様では、本発明は、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。いくつかの実施形態では、患者は、汗腺膿瘍患者である。いくつかの実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎患者である。
別の態様では、本発明は、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者において疾患または障害を処置する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、本発明は、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、本明細書に記載のものから選択される。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、本明細書に記載のものから選択される。
図1は、強力かつ選択的なIRAK4の分解剤を示す。
図2は、経口的に有効なIRAK4分解剤により、MSU空気嚢モデルにおいてIL-1駆動性好中球浸潤が遮断されることを示す。
図3は、高等動物種の皮膚およびリンパ組織におけるIRAK4の完全分解を示す。
図4は、IRAK4分解が、キナーゼ阻害と比較してTIR活性化に対するより広範かつより強力な作用を有することを示す。 図4は、IRAK4分解が、キナーゼ阻害と比較してTIR活性化に対するより広範かつより強力な作用を有することを示す。 図4は、IRAK4分解が、キナーゼ阻害と比較してTIR活性化に対するより広範かつより強力な作用を有することを示す。
図5は、IRAK4分解により、イミキモド誘導乾癬マウスモデルにおいて皮膚肥厚が低下し、サイトカインシグナル伝達が阻害されることを示す。
図6は、PBMCサブセットにおけるエキソビボでの分解剤2に対するHS患者応答を示す。
図7は、HS患者における、ベースラインおよび分解剤2によるエキソビボでの処理後のIRAKシグナルを示す。
図8は、患者生検のIRAK4免疫蛍光(IF)(A)および生検位置あたりの強度による細胞数(B)を示す。 図8は、患者生検のIRAK4免疫蛍光(IF)(A)および生検位置あたりの強度による細胞数(B)を示す。
図9は、PARK7に対して正規化した患者生検の質量分析(MS)によるIRAK4の絶対的定量を示す。
図10は、末梢血単核細胞におけるIRAK4発現が単球において最も高いことを示す。
図11は、IRAK4分解剤により、すべてのPBMCサブセットにわたってIRAK4発現が下方制御されることをIRAK4阻害剤と比較して示す。
図12は、HS皮膚生検(A)および健常対象皮膚/単球(B)におけるIRAK4タンパク質および炎症誘発性遺伝子転写物を測定するための方法を示す。
図13は、IRAK4タンパク質発現が、HS皮膚において健常対象由来の皮膚と比較して上昇することを示す。 図13は、IRAK4タンパク質発現が、HS皮膚において健常対象由来の皮膚と比較して上昇することを示す。
図14は、IRAK4が、HS患者の真皮および表皮において、健常対象の皮膚と比較して上方制御されることを示す。
図15は、転写プロファイリングを示し、これは、HS皮膚生検部位間では明らかな差を示すが、疾患重症度にわたっては示さない。
図16は、複数の炎症メディエーターの転写物が、HS皮膚病変において上方制御されることを示す。 図16は、複数の炎症メディエーターの転写物が、HS皮膚病変において上方制御されることを示す。 図16は、複数の炎症メディエーターの転写物が、HS皮膚病変において上方制御されることを示す。 図16は、複数の炎症メディエーターの転写物が、HS皮膚病変において上方制御されることを示す。
図17は、複数の炎症誘発性転写物が、HS皮膚病変におけるIRAK4タンパク質レベルと相関することを示す。 図17は、複数の炎症誘発性転写物が、HS皮膚病変におけるIRAK4タンパク質レベルと相関することを示す。
図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。 図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。 図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。 図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。 図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。
発明の詳細な説明
1.発明の特定の実施形態の概略的説明
本明細書において示すように、汗腺膿瘍およびアトピー性皮膚炎患者における特定の炎症性バイオマーカーのレベルと、IRAK分解剤による処置に対する応答性の尤度との間に相関が存在することが見出された。特定の任意の理論に拘束されることは望まないが、発明者らは、特定の炎症性バイオマーカー、例えば、本明細書に記載のものの上昇したレベルを有する汗腺膿瘍およびアトピー性皮膚炎患者が、IRAK分解剤処置から利益を得る可能性がさらに高いことを発見した。
一態様では、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、患者は、汗腺膿瘍患者である。いくつかの実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎患者である。
別の態様では、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、患者は、汗腺膿瘍患者である。いくつかの実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎患者である。
別の態様では、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
別の態様では、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を本発明において提供する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。
いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルは、本明細書に記載の方法を使用して測定する。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、本明細書に記載のものから選択される。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、本明細書に記載のものから選択される。
2.定義
本明細書において使用する場合、「IRAK分解剤」の用語は、IRAK1、IRAK2、IRAK3および/またはIRAK4を含むIRAKを分解する薬剤を指す。種々のIRAK分解剤は、例えば、WO2019/133531およびWO2020/010227にこれまでに記載されており、これらの各内容は、これら全体の参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、IRAKキナーゼとE3リガーゼとの両方に測定可能な親和性で結合および/またはこれらを阻害して、IRAKのユビキチン化およびその後の分解をもたらす、ヘテロ二官能性化合物である。特定の実施形態では、IRAKは、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、約10nM未満または約1nM未満のDC50を有する。
本明細書において使用する場合、「炎症性バイオマーカー」の用語は、例えば、血液または組織を含む身体の部分における検出および測定が可能な特徴的生物学的特性または分子を指す。炎症性バイオマーカーにより、身体における正常または病的プロセスのいずれかを示すことができる。炎症性バイオマーカーは、特定の細胞、分子、遺伝子、遺伝子産物、酵素またはホルモンであり得る。
本明細書において使用する場合、分解剤1は、次の構造
のIRAK4分解剤である。分解剤2は、次の構造
のIRAK4分解剤である。
本明細書において使用する場合、「ELISA」または「酵素結合免疫吸着アッセイ」は、液体サンプルにおける分析物の存在を検出するための、当技術分野において公知のイムノアッセイである。多くの種類のELISA方法が存在し、直接ELISA、間接ELISA、サンドイッチELISA、競合ELISA、マルチプレックスELISA、ELISPOT技術および当技術分野において公知の類似の他の技術を含むが、これらに限定されない。このようなイムノアッセイ法の原理は、当技術分野において公知であり、例えば、John R. Crowther, The ELISA Guidebook, 1st ed., Humana Press 2000, ISBN 0896037282が挙げられ、この内容は、この全体の参照により本明細書に組み込まれる。典型的には、ELISAは、抗体を用いて実施するが、1つまたは複数の炎症性バイオマーカーに特異的に結合し、次いで、検出可能な任意の捕捉剤を用いて実施することができる。
本明細書において使用する場合、「阻害する(inhibit)」、「減少させる(decrease)」、「下げる(lower)」または「低下させる(reduce)」の用語は、交換可能に使用し、生物学的機能および/または活性および/または濃度における測定可能な任意の減少を包含する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のIRAK分解剤により、所与のシステムまたはアッセイまたは対象におけるIRAKの機能および/または活性が、この機能および/または活性の対照またはベースライン量に対して少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%阻害または低下する。
本明細書において使用する場合、サンプルにおける物質(例えば、炎症性バイオマーカー)の「上昇したレベル」の用語は、1つまたは複数の対照サンプルにおける物質の量または濃度と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも高い物質の量または濃度における上昇を指す。また、物質の量または濃度が、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群または患者サンプルのレトロスペクティブ分析における物質の平均(mean)(平均値(average))またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差またはそれよりも多く上昇する場合、対象は、物質の「上昇したレベル」を有すると決定することができる。
本明細書において使用する場合、サンプルにおける物質(例えば、炎症性バイオマーカー)の「低下したレベル(reduced level)」または「下がったレベル(lowered level)」の用語は、1つまたは複数の対照サンプルにおける物質の量または濃度と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%または100%の物質の量または濃度の減少を指す。また、物質の量または濃度が、1つまたは複数の対照サンプルにおける物質の量または濃度に対してその約2分の1、約3分の1、約4分の1、約5分の1、約6分の1、約7分の1、約8分の1、約9分の1、約10分の1、約20分の1、約25分の1、約50分の1、約100分の1に低下またはそれよりも低下する場合、対象は、物質の「低下したレベル」または「下がったレベル」を有すると決定することができる。また、物質の量または濃度が、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群または患者サンプルのレトロスペクティブ分析における物質の平均(平均値)またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差またはそれよりも多く低下する場合、対象は、物質の「低下したレベル」または「下がったレベル」を有すると決定することができる。
本明細書において使用する場合、「対照サンプル」または「複数の対照サンプル」の用語は、疾患にも障害にも(例えば、汗腺膿瘍および/もしくはアトピー性皮膚炎)罹患していない個体のサンプルもしくは個体の群のサンプル、または当技術分野において公知の技術により決定した内部対照をそれぞれ指す。いくつかの実施形態では、対照またはベースラインレベルは、予め決定するか、またはサンプルの測定前に測定するか、またはこのような対照サンプルのデータベースから得る。いくつかの実施形態では、対照サンプルおよび対象サンプルは、同時には検査しない。いくつかの実施形態では、対照サンプルは、疾患または障害(例えば、汗腺膿瘍および/またはアトピー性皮膚炎)に罹患している個体の無処置(または陰性対照、例えば、溶媒により処置した)サンプルを指す。
本明細書において使用する場合、「処置」、「処置する」および「処置すること」の用語は、本明細書に記載のように、疾患もしくは障害または1つもしくは複数のこの症状の予防、逆転、軽減、重症度の低下、発症の遅延または進行の阻害を指す。いくつかの実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発生した後に施すことができる。他の実施形態では、処置は、無症状時に施すことができる。例えば、処置は、症状の発症前に(例えば、症状歴および/または遺伝的もしくは他の感受性因子を考慮して)感受性の個体に施すことができる。また、処置は、症状が消散した後に継続して、例えば、これらの再発を予防または遅延させることができる。
本明細書において使用する場合、「患者」の用語は、動物、好ましくは、哺乳動物、最も好ましくは、ヒトを指す。
本明細書において使用する場合、「治療有効量の」の用語は、IRAKの量を測定可能に低下させるIRAK分解剤の量を指す。本明細書において使用する場合、「測定可能に低下させる」の用語は、本明細書に記載のIRAK分解剤またはその塩もしくは組成物を含むサンプルと、前記IRAK分解剤またはその塩もしくは組成物を含まない等価なサンプルとの間におけるIRAKの量または濃度の測定可能な変化を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「薬学的に受容可能な塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、およびアレルギー応答などなしで、ヒトおよび下等動物の組織と接触させて使用するために適切であり、そして合理的な利益/危険比に釣り合う、塩をいう。薬学的に受容可能な塩は、当該分野において周知である。例えば、S.M.Bergeらは、薬学的に受容可能な塩を、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19において詳細に記載しており、これは、本明細書中に参考として援用される。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩としては、適切な無機酸、無機塩基、有機酸、および有機塩基から誘導される塩が挙げられる。薬学的に受容可能な非毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸)と形成されたか、あるいはイオン交換などの当該分野において使用される他の方法を使用することによって形成された、アミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、および吉草酸塩などが挙げられる。
適切な塩基から誘導される塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1~4アルキル)塩が挙げられる。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウムなどが挙げられる。さらなる薬学的に受容可能な塩は、適切である場合、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオンおよびアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを使用して形成された、非毒性のアンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミン陽イオンを含む。
他に記載されない限り、本明細書中に図示される構造はまた、その構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座))形態、例えば、各不斉中心についてのR配置およびS配置、ZおよびEの二重結合異性体、ならびにZおよびEの配座異性体を包含することを意味する。従って、本発明の化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、および幾何(または配座)混合物は、本発明の範囲内である。他に記載されない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。さらに、他に記載されない限り、本明細書中に図示される構造はまた、1またはそれより多くの同位体が富化された原子の存在のみが異なる化合物を包含することを意味する。例えば、水素がジュウテリウムもしくはトリチウムにより置き換えられた本発明の構造、または炭素が13Cまたは14Cを富化された炭素で置き換えられた本発明を有する化合物は、本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、本発明に従う分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または治療剤として、有用である。
本明細書において使用する場合、「約」または「およそ」の用語は、所与の値または範囲の20%以内の意味を有する。いくつかの実施形態では、「約」の用語は、所与の値の20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%または1%以内を指す。
3.例となる方法および使用の説明
一態様では、本発明は、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップを含む、患者における炎症性バイオマーカーレベルを測定する方法を提供する。
一態様では、本発明は、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。
一態様では、本発明は、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップと、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後にサンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、患者は、汗腺膿瘍患者である。いくつかの実施形態では、汗腺膿瘍患者は、活動性の軽度、中等度または重度汗腺膿瘍を有する。いくつかの実施形態では、活動性の軽度、中等度または重度汗腺膿瘍は、HS-PGA評価により決定する。いくつかの実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎患者である。いくつかの実施形態では、アトピー性皮膚炎患者は、活動性の中等度または重度アトピー性皮膚炎を有する。いくつかの実施形態では、活動性の中等度または重度アトピー性皮膚炎は、PGA評価により決定する。
いくつかの実施形態では、患者は、HSまたはADのための生物学的または他の免疫抑制処置を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、患者は、3カ月または半減期の5倍のいずれか長い期間以内にHSまたはADのための生物学的処置を受けていないか、または受けたことがない。いくつかの実施形態では、患者は、4週間以内に非生物学的免疫抑制処置(例えば、シクロスポリン)を受けていないか、または受けたことがない。
いくつかの実施形態では、患者のサンプルは、血液サンプルである。いくつかの実施形態では、患者のサンプルは、皮膚サンプルである。いくつかの実施形態では、患者のサンプルは、血清サンプルである。いくつかの実施形態では、患者のサンプルは、血漿サンプルである。いくつかの実施形態では、患者のサンプルは、末梢血サンプルである。いくつかの実施形態では、皮膚サンプルは、病変皮膚サンプルである。いくつかの実施形態では、皮膚サンプルは、病変周囲皮膚サンプルである。いくつかの実施形態では、皮膚サンプルは、非病変サンプルである。
炎症性バイオマーカーのレベルは、さまざまな方法、例えば、本明細書に記載の方法により測定することができる。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、ELISA法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、フローサイトメトリーに基づく方法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、ウエスタンブロット法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、免疫沈降法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、ドットブロッティング法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、免疫組織化学法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、免疫蛍光法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、ラジオイムノアッセイ法の使用を含む。いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、実施例に記載のものから選択される方法の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、サイトカインである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、マクロファージにより産生されるサイトカインである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、Tリンパ球(T細胞)により産生されるサイトカインである。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL1b、IL-6、IL-8、IL-12p70、IL22、IL-23、TNFa、IL-18、IL-17A、IL-17F、IL-19、INFy、IL-27、IL36a、IL-36b、IL-36y、M-CSF、GM-CSF、IL-10、sTNFRI、G-CSF、CXCL1、CCL3、IL-4、IL-5、IL-13、TSLP、IL-33、IL-25、IL-31およびIL-9から選択される。いくつかの実施形態では、サイトカインは、炎症誘発性(炎症促進性)サイトカインであり、例えば、IL-1α、IL-1β、IL-2、IL-6、Il-8、IL-12、TNF-αおよびdIFN-γを含む。いくつかの実施形態では、サイトカインは、抗炎症(炎症抑制性)サイトカインであり、例えば、IL-4、IL-5、IL-10、TGF-βを含む。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL-5である。いくつかの実施形態では、サイトカインは、IL-7である。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるサイトカインレベルの測定は、培養した末梢血単核細胞(PBMC)アッセイの使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるサイトカインレベルの測定は、ELISA法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるサイトカインレベルの測定は、マルチプレックスビーズアッセイの使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、免疫関連エフェクターである。いくつかの実施形態では、免疫関連エフェクターは、白血球である。いくつかの実施形態では、白血球は、顆粒球(好中球、好塩基球、好酸球)、単球、マクロファージ、樹状細胞およびリンパ球(BおよびT細胞)から選択される。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、グラスゴー予後スコアである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、好中球/リンパ球比である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、血小板/リンパ球比Th17リンパ球である。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、標準的な臨床上の慣例的な方法(clinical routine)(白血球[WBC]計数)の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、フローサイトメトリー法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、免疫組織化学法の使用を含む。いくつかの実施形態では、免疫組織化学法において、ヘマトキシリンおよびエオシンから選択される色素を使用する。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、マルチカラーフローサイトメトリー法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、組織マイクロアレイおよび全組織切片の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、FACS法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける免疫関連エフェクターレベルの測定は、C-RPおよびアルブミンの複合検査の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、急性期タンパク質である。いくつかの実施形態では、急性期タンパク質は、C反応性タンパク質である。いくつかの実施形態では、急性期タンパク質は、血清アミロイドAである。いくつかの実施形態では、急性期タンパク質は、ESAである。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるC反応性タンパク質レベルの測定は、イムノアッセイ法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける血清アミロイドAレベルの測定は、高感度比濁法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける血清アミロイドAレベルの測定は、マイクロラテックス凝集検査の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるC反応性タンパク質レベルの測定は、蛍光偏光イムノアッセイ法の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、反応性酸素種(ROS)である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、反応性窒素種(RNS)である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、酸化的/ニトロソ化的に修飾したDNAまたはタンパク質から選択される。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、3-ニトロチロシンである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、8-ヒドロキシ-2’-デオキシグアノシン(8-oxodgまたは8-OHdG)である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、8-Iso-PGF2_αである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、マロンジアルデヒド(MDA)である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、trans-4-ヒドロキシ-2-ノネナール(noneal)(HNE)である。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける反応性酸素種または反応性窒素種レベルの測定は、ROS/RNS反応の産物の間接的測定を含む。いくつかの実施形態では、ROS/RNS反応の産物の測定は、ELISA法の使用を含む。いくつかの実施形態では、ROS/RNS反応の産物の測定は、HPLC法の使用を含む。いくつかの実施形態では、ROS/RNS反応の産物の間接的測定は、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)、電気化学検出と連動した高速液体クロマトグラフィー(HPLC-ECD)、HPLC質量分析(MS)、イムノアッセイおよび酵素アッセイから選択される方法の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、プロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子である。いくつかの実施形態では、プロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子は、トロンボキサン、プロスタサイクリンならびにプロスタグランジンD、EおよびFから選択される。いくつかの実施形態では、プロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子は、COX-1またはCOX-2である。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるプロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子レベルの測定は、GC-MS法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるプロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子レベルの測定は、抗体に基づく方法、例えば、ELISAおよびRIAの使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるプロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子レベルの測定は、LC-MS/MS法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおけるプロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子レベルの測定は、免疫組織化学法の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、転写因子または増殖因子である。いくつかの実施形態では、転写因子は、NF-kbである。いくつかの実施形態では、転写因子は、STAT3である。いくつかの実施形態では、転写因子は、インターフェロン調節因子IRFである。いくつかの実施形態では、インターフェロン調節因子IRFは、IRF1、IRF2、IRF3、IRF4、IRF5、IRF6、IRF7、IRF8、IRF9、vIRF1、vIRF2およびvIRF3から選択される。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける転写因子または増殖因子レベルの測定は、ELISA法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける転写因子または増殖因子レベルの測定は、リアルタイムPCR法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける転写因子または増殖因子レベルの測定は、共焦点顕微鏡法の使用を含む。いくつかの実施形態では、患者のサンプルにおける転写因子または増殖因子レベルの測定は、フローサイトメトリー法の使用を含む。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、赤血球沈降速度(ESR)である。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、プロカルシトニン(PCT)である。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、皮膚炎症性バイオマーカーである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、循環炎症性バイオマーカーである。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、循環末梢血単核細胞(PBMC)、例えば、B細胞、CD4-/CD8-(二重陰性、DN)T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、単球およびNK細胞内のIRAK4である。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、B細胞内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、B細胞内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者のB細胞内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、DN T細胞内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、DN T細胞内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者のDN T細胞内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、CD4+ T細胞内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、CD4+ T細胞内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者のCD4+ T細胞内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、CD8+ T細胞内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、CD8+ T細胞内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者のCD8+ T細胞内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、単球内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、単球内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の単球内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、NK細胞内のIRAK4である。いくつかの実施形態では、患者は、NK細胞内のIRAK4の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者のNK細胞内のIRAK4は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、CCL2、CCL20、CSF3、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL8、CXCL11、およびCXCL13から選択されるケモカインである。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるCCL2、CCL20、CSF3、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL8、CXCL11、およびCXCL13から選択されるケモカインの上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるCCL2、CCL20、CSF3、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL8、CXCL11、およびCXCL13から選択されるケモカインは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、GZMBおよびPRF1から選択される。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるGZMBおよび/またはPRF1の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるGZMBおよびPRF1から選択される炎症性バイオマーカーは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、IFNG、IL10、IL1B、IL32、IL36G、IL6、IRF7、SOCS3、およびTNFから選択されるサイトカインである。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるIFNG、IL10、IL1B、IL32、IL36G、IL6、IRF7、SOCS3、およびTNFから選択されるサイトカインの上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるIFNG、IL10、IL1B、IL32、IL36G、IL6、IRF7、SOCS3、およびTNFから選択されるサイトカインは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、IL2RA、IL2RB、およびIL18RAPから選択されるサイトカイン受容体である。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるIL2RA、IL2RB、およびIL18RAPから選択されるサイトカイン受容体の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるIL2RA、IL2RB、およびIL18RAPから選択されるサイトカイン受容体は、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、MYD88、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR8、およびTLR9から選択される。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるMYD88、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR8、および/またはTLR9の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるMYD88、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR8、およびTLR9から選択される炎症性バイオマーカーは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、NLRP3およびPTGS2から選択される。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるNLRP3および/またはPTGS2の上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるNLRP3およびPTGS2から選択される炎症性バイオマーカーは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、CXCL6、CXCL8、CXCL1、CGAS、SOCS3、CXCL13、およびCTSLから選択される。いくつかの実施形態では、患者は、皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるCXCL6、CXCL8、CXCL1、CGAS、SOCS3、CXCL13、および/またはCTSLの上昇したレベルを有する。いくつかの実施形態では、患者の皮膚、例えば、HS皮膚病片におけるCXCL6、CXCL8、CXCL1、CGAS、SOCS3、CXCL13、およびCTSLから選択される炎症性バイオマーカーは、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下する。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、実施例に記載のものから選択される。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルは、1つまたは複数の対照サンプル、例えば、疾患にも障害にも(例えば、汗腺膿瘍および/もしくはアトピー性皮膚炎)罹患していない個体もしくは個体の群の対照サンプル、または患者サンプルのレトロスペクティブ分析に基づいてデータベース化した対照サンプル、または当技術分野において公知の技術により決定した内部対照における炎症性バイオマーカーの濃度または量よりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約5%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも高い、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルは、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差またはそれよりも多く高い、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度は、予め決定するか、またはサンプルの測定前に測定するか、またはこのような対照サンプルのデータベースから得る。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの低下したレベルは、1つまたは複数の対照サンプル、例えば、疾患にも障害にも(例えば、汗腺膿瘍および/もしくはアトピー性皮膚炎)罹患していない個体もしくは個体の群の対照サンプル、または患者サンプルのレトロスペクティブ分析に基づいてデータベース化した対照サンプル、または当技術分野において公知の技術により決定した内部対照における炎症性バイオマーカーの濃度または量よりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約5%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも低い、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの低下したレベルは、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差だけ、またはそれよりも低い、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度は、予め決定するか、またはサンプルの測定前に測定するか、またはこのような対照サンプルのデータベースから得る。
いくつかの実施形態では、サンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルの測定は、1つまたは複数の対象サンプル、例えば、疾患にも障害にも(例えば、汗腺膿瘍および/もしくはアトピー性皮膚炎)罹患していない個体もしくは個体の群の対照サンプル、または患者サンプルのレトロスペクティブ分析に基づいてデータベース化した対照サンプル、または当技術分野において公知の技術により決定した内部対照に対して、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を正規化することを含む。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルは、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの正常な正規化された濃度もしくは量、またはサンプルにおける炎症性バイオマーカーの選択されたもしくは事前に特定されたもしくは事前に規定された正規化された量もしくは濃度よりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%低い、その約1.5倍、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも多く高い、1つまたは複数の対照サンプルの濃度または量に対して正規化した炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルは、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差だけ、またはそれよりも高い、1つまたは複数の対照サンプルの濃度もしくは量に正規化されたサンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度は、予め決定するか、またはサン
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの低下したレベルは、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの正常な正規化された濃度もしくは量、またはサンプルにおける炎症性バイオマーカーの選択されたもしくは事前に特定されたもしくは事前に規定された正規化された量もしくは濃度よりも約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%低い、その約1.5分の1、約2分の1、約3分の1、約4分の1、約5分の1、約6分の1、約7分の1、約8分の1、約9分の1、約10分の1、約20分の1、約25分の1、約50分の1、約100分の1のまたはそれよりも低い、1つまたは複数の対照サンプルの濃度または量に対して正規化した炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーの低下したレベルは、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度に対して1標準偏差、2標準偏差、3標準偏差、4標準偏差、5標準偏差だけ、またはそれよりも低い、1つまたは複数の対照サンプルの濃度もしくは量に正規化されたサンプルにおける炎症性バイオマーカーの濃度または量を指す。いくつかの実施形態では、サンプルの対照群またはサンプルのベースライン群における炎症性バイオマーカーの平均(平均値)またはメジアン量または濃度は、予め決定するか、またはサンプルの測定前に測定するか、またはこのような対照サンプルのデータベースから得る。
別の態様では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップと、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、疾患または障害は、汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、活動性の軽度、中等度または重度汗腺膿瘍である。いくつかの実施形態では、活動性の軽度、中等度または重度汗腺膿瘍は、HS-PGA評価により決定する。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、アトピー性皮膚炎である。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、活動性の中等度または重度アトピー性皮膚炎である。いくつかの実施形態では、活動性の中等度または重度アトピー性皮膚炎は、PGA評価により決定する。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供される処置方法は、HSまたはADのための生物学的または他の免疫抑制処置を受けていないか、または受けたことがない患者を処置する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される処置方法は、3カ月または半減期の5倍のいずれか長い期間以内にHSまたはADのための生物学的処置を受けていないか、または受けたことがない患者を処置する。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される処置方法は、4週間以内に非生物学的免疫抑制処置(例えば、シクロスポリン)を受けていないか、または受けたことがない患者を処置する。
いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、IRAK1分解剤である。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、IRAK2分解剤である。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、IRAK3分解剤である。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、IRAK4分解剤である。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、WO2019/133531およびWO2020/010227に記載のものから選択され、これらの各内容は、これら全体の参照により本明細書に組み込まれる。
4.製剤および投与
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載のIRAK分解剤、および薬学的に許容されるキャリア、佐剤またはビヒクルを含む医薬組成物を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、組成物におけるIRAK分解剤の量は、生物学的サンプルまたは患者において、IRAK1、IRAK2、IRAK3および/またはIRAK4を含むIRAKの活性を測定可能に低下させるのに有効な量である。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤組成物は、患者への経口投与のために製剤化する。
「薬学的に受容可能なキャリア、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、それと共に製剤化される化合物の薬理学的活性を破壊しない、非毒性のキャリア、アジュバント、またはビヒクルを指す。この発明の組成物において使用することができる薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルとして、イオン交換剤、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、ホスフェートなどの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または硫酸プロタミンなどの電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられる。
本発明の組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、直腸内に、鼻腔内に、口腔内に、膣内にまたは埋め込み型レザバによって投与することができる。「非経口」という用語は、本明細書において使用する場合、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技法を含む。好ましくは、組成物は、経口、腹腔内または静脈内投与される。この発明の組成物の注射用滅菌形態は、水性または油性の懸濁物であってもよい。これらの懸濁物は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、当技術分野で公知の技法に従って製剤化されてもよい。注射用滅菌調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液のように、非毒性の非経口で許容される希釈剤または溶媒中の、注射用滅菌溶液または懸濁物であってもよい。用いることのできる許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌の固定油は、従来より、溶媒または懸濁媒体として用いられている。
この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性固定油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、特に、それらのポリオキシエチル化型において、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に受容可能な油であるため、注射可能物質の調製に有用である。これらの油の溶液または懸濁物はまた、エマルションまたは懸濁物を含む、薬学的に受容可能な剤形の製剤化において一般的に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有し得る。薬学的に受容可能な固体、液体、または他の剤形の製造において一般的に使用される、他の一般的に使用される界面活性剤、例えば、Tween、Span、および他の乳化剤またはバイオアベイラビリティ強化剤も、製剤化の目的で使用することができる。
この発明の薬学的に受容可能な組成物は、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁剤または液剤を含む、任意の経口で許容される剤形で経口的に投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアとして、ラクトースおよびトウモロコシデンプンが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も、典型的には添加される。カプセル形態での経口投与に対して、有用な希釈剤として、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが挙げられる。水性懸濁剤が経口使用に必要とされる場合、有効成分は、乳化剤および懸濁化剤と組み合わされる。所望の場合、ある特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤も添加され得る。
あるいは、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、薬物を放出させるように直腸内で溶ける、好適な非刺激性賦形剤と薬剤とを混合することによって調製することができる。このような材料として、カカオバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
この発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、特に、処置の標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な領域または器官を含む場合、局所的に投与することができる。好適な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれに対して、容易に調製される。
下部腸管に対する局所適用は、直腸の坐剤製剤(上記を参照されたい)または好適な浣腸製剤でなされてもよい。局所的な経皮パッチも使用することができる。
局所適用に対して、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数のキャリア中に懸濁または溶解された活性成分を含有する好適な軟膏剤に製剤化され得る。この発明の化合物の局所投与のためのキャリアとして、これらに限定されないが、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられる。あるいは、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数の薬学的に受容可能なキャリア中に懸濁または溶解された活性成分を含有する、好適なローションまたはクリームに製剤化され得る。好適なキャリアとして、これらに限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられる。
眼科用に、提供される薬学的に受容可能な組成物は、等張のpH調節した滅菌食塩水中の微粉化懸濁剤として、または好ましくは、塩化ベンジルアルコニウム(benzylalkonium chloride)などの保存剤を含むかもしくは含まない、等張のpH調節した滅菌食塩水中の液剤として、製剤化され得る。あるいは、眼科用に、薬学的に受容可能な組成物は、ワセリンなどの軟膏剤に製剤化され得る。
この発明の薬学的に受容可能な組成物はまた、鼻腔エアロゾルまたは吸入によって投与することができる。このような組成物は、医薬製剤の技術分野で周知である技法に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを強化するための吸収促進剤、フッ化炭素、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、食塩水中の液剤として調製され得る。
最も好ましくは、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与のために製剤化される。このような製剤は、食物と共にまたは食物を伴わずに投与されてもよい。一部の実施形態では、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物を伴わずに投与される。他の実施形態では、この発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物と共に投与される。
単一剤形に組成物を生成するためにキャリア材料と組み合わされてもよい本発明の化合物の量は、処置される宿主、特定の投与方式に応じて変わることになる。一部の実施形態では、提供される組成物は、1日に体重1kg当たり0.01~100mgの間の投薬量のIRAK分解剤が、これらの組成物を受容する患者に投与することができるように製剤化される。
任意の特定患者に対する具体的な投薬量および処置レジメンは、用いられる具体的化合物の活性、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重症度を含む、様々な因子に応じて変わることも理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の特定の化合物に応じても変わることになる。
例となる実施形態
実施形態1.患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップを含む、患者における炎症性バイオマーカーレベルを測定する方法。
実施形態2.患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を同定または選択する方法。
実施形態3.IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、サンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法。
実施形態4.治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップと、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーのレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後にサンプルにおける炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップとを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を同定または選択する方法。
実施形態5.患者が、汗腺膿瘍患者および/またはアトピー性皮膚炎患者である、実施形態1から4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態6.サンプルが、血液サンプルまたは皮膚サンプルである、実施形態1から5のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7.炎症性バイオマーカーが、サイトカインである、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態8.炎症性バイオマーカーが、免疫関連エフェクターである、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態9.炎症性バイオマーカーが、急性期タンパク質である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10.炎症性バイオマーカーが、反応性酸素種(ROS)または反応性窒素種(RNS)である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態11.炎症性バイオマーカーが、プロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態12.炎症性バイオマーカーが、転写因子または増殖因子である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態13.炎症性バイオマーカーが、赤血球沈降速度(ESR)またはプロカルシトニン(PCT)である、実施形態1から6のいずれか一項に記載の方法。
実施形態14.治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態15.炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態16.患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態17.治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップを含む、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態18.IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態19.IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態20.治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップと、IRAK分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK分解剤を患者に投与するステップとを含む、患者における疾患または障害を処置する方法。
実施形態21.疾患または障害が、汗腺膿瘍および/またはアトピー性皮膚炎である、実施形態14から20のいずれか一項に記載の方法。
実施形態22.サンプルが、血液サンプルまたは皮膚サンプルである、実施形態16、19または20のいずれか一項に記載の方法。
実施形態23.炎症性バイオマーカーが、サイトカインである、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態24.炎症性バイオマーカーが、免疫関連エフェクターである、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態25.炎症性バイオマーカーが、急性期タンパク質である、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態26.炎症性バイオマーカーが、反応性酸素種(ROS)または反応性窒素種(RNS)である、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態27.炎症性バイオマーカーが、プロスタグランジンおよびシクロオキシゲナーゼ関連因子である、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態28.炎症性バイオマーカーが、転写因子または増殖因子である、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
実施形態29.炎症性バイオマーカーが、赤血球沈降速度(ESR)またはプロカルシトニン(PCT)である、実施形態14から22のいずれか一項に記載の方法。
例証
次の実施例は、例示目的のみのために提供し、本発明の制限としては決して解釈されない。
略称 定義
AD アトピー性皮膚炎
BSA 体表面積
EASI 湿疹面積重症度指数(Eczema Area Severity Index)
GISS 全般的個体徴候スコア(Global Individual Signs Score)
HS 汗腺膿瘍
IHS4 国際HS重症度スコアシステム
IRAK インターロイキン1受容体関連キナーゼ4
IL インターロイキン
MYD88 骨髄分化一次応答(Myeloid Differentiation Primary Response)88
PGA 医師による全般的評価(Physician Global Assessment)
PI 治験責任医師(Principle Investigator)
RNA リボ核酸
TCS 外用コルチコステロイド
Th2 2型ヘルパーT細胞
TLR トール様受容体
(実施例1)
汗腺膿瘍およびアトピー性皮膚炎患者サンプルにおける新規のIRAK4標的化治療薬のための皮膚および循環炎症性バイオマーカーを評価する非介入試験
1.試験目的
治療介入における有効性を評価する介入試験において最も高い有用性を有する、HSおよびADにおけるバイオマーカープロファイルを(比較対象として)同定する。血液(細胞および血清)ならびに組織中の細胞/分子変化と臨床/病理組織学的表現型とを創刊させる。血中のIRAK4レベルおよび炎症性マーカーに対するエキソビボでの処置作用を評価する。
2.対象数:
軽度、中等度から重度の種々のステージのHSを有する患者最大30人、好ましくは、各サブグループにおいて少なくとも10人を試験に登録する。また、試験では、ADを有する患者最大10人を、中等度および重度の等しい分布で登録する。
3.試験設計
提唱するこのパイロット試験は、HSまたはADを有する対象における探索的相関試験である。すべての対象は、血液検査および皮膚生検を受けて、次の4つの目標に取り組む。
目標1:一次サンプルにおける皮膚および循環炎症性バイオマーカーならびにIRAK4標的レベルを評価する。
目標2:皮膚および循環炎症性バイオマーカー間ならびにこのようなバイオマーカーと疾患重症度との間の相関を決定する。
目標3:患者由来のエキソビボで処理した全血におけるIRAK4レベルおよび下流の炎症性バイオマーカーに対するIRAK4分解剤の作用を調べる。収集する匿名化した慣例的な臨床データは、研究結果と相関させる。
- 患者データ
a.年齢、性別、人種および民族性
- 患者および家族歴
a.併用処置(以前および現在)、併存症
b.罹患期間(HSまたはADの診断以来の期間)
c.理学的検査
- HS患者のための臨床検査
a.罹患(involvement)の部位および側面ならびに見られた病変の種類の記録を行うべきである。最も一般的な病変は、小結節、膿瘍、トンネル(路、洞、瘻孔とも呼ばれる)および瘢痕である。各部位におけるハーレーのステージ分類、HS-PGAおよびIHS4を記録し得る。
b.罹患した各解剖学的部位における小結節、膿瘍およびトンネルの数は、記述すべきである。
c.潰瘍および瘢痕の存在(Y)または非存在(N)は、記述すべきである。病変の直径を記録し得る。
d.HSにおいて見られることが多い他の種類の病変を記述し得る。
e.大型のプラーク様病変(大腿および殿部上に見られることが多い)では、BSAのパーセントを記録し得る(手掌は1%BSAを表す)。
- AD患者のための臨床検査
a.疾患の程度は、EASIおよびBSAを使用して測定する。
b.重症度は、PGAおよびGISSを使用して段階分けする。
- 写真
a.患者が同意する場合、罹患領域および生検部位の写真を撮影する。
4.試験集団
4.1 組み入れ
1.18歳またはそれよりも高い年齢
2.PIにより診断される活動性HSまたはAD疾患
3.HS-PGAまたはPGA評価を使用して軽度、中等度または重度の疾患を有する患者
4.患者が試験の目的および試験に必要とされる手順を理解し、試験に参加する意思があることを示すインフォームドコンセント用紙(ICF)に署名しなければならない。
4.2 除外基準
1.患者が、現在、HSまたはADのための生物学的または他の免疫抑制処置を受けている。
2.3カ月または半減期の5倍のいずれか長い期間以内のHSまたはADのための生物学的処置の使用。
3.最近4週間の非生物学的免疫抑制処置(例えば、シクロスポリン)の使用。
注意:抗生物質の使用は、除外基準ではない。
5.評価のスケジュール
試験来院において次の評価を実施する。
6.試験手順
HS患者最大30人が参加し、各重症度ステージ(軽度、中等度および重度)におよそ10人である。また、試験では、AD患者最大10人を登録し、各ステージにおいて等しく分布させる。各目標については、患者の血液および皮膚を単一時点において調査する。
血液を4つのヘパリンナトリウムチューブ(6mL)内に採取する。1つのチューブを遠心分離し、血漿を2つのチューブにアリコートに分ける。3つのチューブでは、IRAK4分解剤、IRAK4キナーゼ阻害剤またはDMSO対照を血液に直接加える。
血液を1つのPAX遺伝子RNAチューブ(2.5mL)内に採取する。
病変、病変周囲および非病変皮膚生検を採取する。真皮、表皮および皮下脂肪からの各サンプルを二分割する。半分を10%の中性緩衝ホルマリン中に置き、一晩インキュベート、次いで、標準的施設内プロトコールを使用してFFPE塊に処理する。
- 病変:HS患者では、触知可能な炎症性病変(小結節または排出トンネル)。AD患者では、活動性疾患部位。
- 病変周囲:病変生検から1~2cm以内。
- 非病変:同一の解剖学的領域の罹患領域から少なくとも3cmの臨床的に罹患していない皮膚。同一領域からの採取が不可能である場合、対側の非罹患領域を使用し得る。
臨床病理学的相関に役立つように生検前に写真記録を行う。
7.予備的な結果
7.1患者
- HS30人:軽度9人、中等度10人、重度11人
- AD2人
7.2人口統計
- 年齢19~56歳
- 男性9人、女性23人
- 罹患期間1~38年
- 人種:97%が非ヒスパニック系またはラテン系
- 前処置:抗生物質+最大7種の他の治療薬
7.3採取サンプル
- 全血、血漿、皮膚(病変、病変周囲、非病変)
7.4サンプル分析(橋渡しアッセイ(translation assay))
- エキソビボで処理した全血におけるIRAK4 FLOW PD
- 皮膚生検におけるIRAK4の標的化MS
- 皮膚生検における、核染色(DAPI)を用いたIRAK4免疫蛍光
- エキソビボで処理した全血のサイトカイン
- 血漿サイトカインおよび急性期反応物
- 皮膚生検におけるサイトカイン
図6は、PBMCサブセットにおけるエキソビボでの分解剤2に対するHS患者の応答を示す。分解剤2により、複数の免疫細胞型にわたってIRAK分解が引き起こされる。
図7は、HS患者(n=14)における、ベースラインおよび分解剤2によるエキソビボでの処理後のIRAKシグナルを示す。ベースラインにおける唯一の有意差は、単球対B細胞または対CD4+T細胞間である。処理後、DMSOに対する分解剤2についてのIRAK4の有意な低下が、すべての免疫細胞サブセットにわたって観察された。分解剤2処理後のIRAK4レベルにおいて、免疫細胞サブセット間で有意差は存在しなかった。
図8は、患者生検のIRAK4免疫蛍光(IF)(A)および生検位置あたりの強度による細胞数(B)を示す。病変(L)、病変周囲(PL)および非病変(NL)IRAK4陽性細胞を計数し、図8Bにおいて水平バーに示すように強度範囲のビンに分けた。3つの生検位置の強度ビン毎の細胞数を合計した。2つのペプチドを選択して、絶対的定量において強力な一致をもたらした。図9は、PARK7に対して正規化した患者生検の質量分析(MS)によるIRAK4の絶対的定量を示す。プロットは、3つの生検位置にわたるfmol/μgペプチドの範囲を表す。要約すると、IFおよびMSにより検出した皮膚におけるIRAK4発現は、非病変(NL)皮膚と比較して病変(L)および病変周囲(PL)皮膚において高く、HSにおけるIRAK4シグナル伝達経路の関連性を支持する。
図10は、末梢血単核細胞におけるIRAK4発現が、HS病因の中心的細胞型である単球において最も高いことを示す。
図11は、IRAK4分解剤により、すべてのPBMCサブセットにわたってIRAK4発現が下方制御されることをIRAK4阻害剤と比較して示す。患者血液を対照DMSOまたは200nMの分解剤2または200nMの低分子阻害剤(SMI、PF-06550833)で処理した。血液は、37℃で一晩(16~24時間)インキュベートした。血液を輸送し、処理してフローサイトメトリーによるIRAK4および系譜特異的細胞表面染色を行った。抗IRAK4遮断抗体(陽性対照)によりHS患者血液のすべてのPBMCサブセットにわたって決定した場合、ベースラインIRAK4発現強度とは無関係に、分解剤2による処理によって、検出下限に近い類似のレベルまでIRAK4の低下が引き起こされた。IRAK4キナーゼ阻害剤PF-06550833による処理によって、TおよびNK細胞において最大2.6倍のIRAK4上昇したレベルが引き起こされた。
図12は、HS皮膚生検(A)および健常対象皮膚/単球(B)におけるIRAK4タンパク質および炎症誘発性遺伝子転写物を測定するための方法を示す。エキソビボでのR848刺激単球法:1)機構試験を設計して、TLR7/8アゴニストR848に対する健常単球の応答へのIRAK4分解の影響を評価した。2)健常ドナー(N=3)の血液から単球を単離し、500nMのIRAK4分解剤2で一晩処理し、次いで、R848で刺激した。3)RNA-seqでは、刺激後2時間に細胞を採取した。4)IRAK4タンパク質レベルと相関する、HS皮膚病変において高発現した遺伝子のサブセットのR848上方制御に対するIRAK4分解剤2の作用を分析した。
図13は、IRAK4タンパク質発現が、HS皮膚において、健常対象の皮膚と比較して上昇することを示す。HS患者についてIFとMSとの間の一致が観察された。HS患者におけるIRAK4タンパク質発現のレベルは、病変>病変周囲>非病変である。IFでは、HS非病変皮膚と健常対象皮膚との間の有意差が示される。
図14は、IRAK4が、HS患者の真皮および表皮において、健常対象の皮膚と比較して上方制御されることを示す。IFによって、真皮におけるIRAK4+免疫細胞の数の増加が示され、HS病変/病変周囲>HS非病変>健常対象である。表皮IRAK4陽性は、HS患者において生検部位にわたって類似するが、健常対象と比較して有意に高い。
図15は、転写プロファイリングを示し、これは、HS皮膚生検部位間では明らかな差を示すが、疾患重症度にわたっては示さない。病変サンプルは、病変周囲および非病変サンプルに対して上方制御された多くの遺伝子を示す。
図16は、複数の炎症メディエーターの転写物が、HS皮膚病変において上方制御されることを示す。
図17は、複数の炎症誘発性転写物が、HS皮膚病変におけるIRAK4タンパク質レベルと相関することを示す。
図18は、IRAK4分解剤2により、健常単球において、HS高発現炎症誘発性転写物のTLRにより媒介される誘導が阻害されることを示す。
結論
IRAK4+真皮免疫細胞および表皮ケラチノサイトの数が増加するため、IRAK4は、HS皮膚において健常対象と比較して高発現する。病変周囲および/または非病変皮膚と比較して高い、活動性HS皮膚病変における発現は、浸潤性IRAK4+真皮免疫細胞の増加と関連した。健常対象の皮膚と比較して高い非病変皮膚の真皮および表皮における発現により、IRAK4の高発現が、HSにおける炎症性病変形成の素因となりうる可能性が高まる。
遺伝子発現プロファイリングにより、TLR/ミドソーム(myddosome)シグナル伝達、インフラマソーム活性、プロスタグランジン産生、Th1およびTh17炎症、ならびに単球/好中球遊走および活性化に関与する遺伝子を含む、IRAK4タンパク質高発現と相関する、HS皮膚病変における複数の炎症メディエーターの上方制御が示されることにより、IRAK4が、HSにおける多面的な炎症と関連づけられる。炎症誘発性遺伝子発現もIRAK4タンパク質発現も疾患重症度とは相関しないことにより、活動性病変の炎症の根底にある一般的病態生理が、病期には無関係であることが示唆された。
IRAK4分解剤2によって、健常対象由来の単球におけるHS高発現炎症性遺伝子のTLRに刺激された上方制御が阻害される。これにより、このような炎症メディエーターのHS皮膚病変での高発現におけるIRAK4の役割についてのさらなる証拠、およびHSを有する患者の処置のためのIRAK4分解剤によるIRAK4標的化についての理論的根拠がもたらされる。
(実施例2)
汗腺膿瘍の処置のための高度に強力かつ選択的なインターロイキン1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)分解剤の同定
インターロイキン1受容体関連キナーゼ4(IRAK4)は、キナーゼを介するミドソームシグナル伝達および足場機能において中心的役割を果たし、これにより、TLRおよびIL-1R駆動性炎症性疾患の処置の魅力的な標的となっている。IL-1ファミリーサイトカインおよびTLRは、Th1およびTh17により媒介される好中球性慢性炎症性皮膚疾患である汗腺膿瘍(HS)の病態生理学の中核をなす。IRAK4を選択的に標的化してユビキチンプロテアソーム経路により分解および除去する、経口投与されるヘテロ二官能性分子が開発されている。このような分解剤は、IL-6、TNF-a、ならびにTLRアゴニストおよびIL-1ファミリーサイトカインにより誘導される他の炎症誘発性サイトカインおよびケモカインに対してインビトロで広範かつ強力な活性を有し、この活性はIRAK4キナーゼ阻害剤よりも優れている。炎症を強力に抑制するこの能力および低分子キナーゼ阻害剤に対する優位性は、TLRアゴニストおよびIL-1βの併用後にさらにいっそう明白となる。インビボでは、経口投与したIRAK4分解剤は、げっ歯類およびイヌ種において良好な耐容性を示し、脾臓、PBMCおよび皮膚において95%を超えるタンパク質ノックダウンをもたらす曝露を達成する。IRAK4分解剤は、マウスイミキモド乾癬モデルにおいて高度に活性であり、皮膚肥厚ならびにTh1およびTh17の両サイトカインが低下する。加えて、IRAK4分解剤により、マウスMSU空気嚢モデルにおいて好中球浸潤およびIL-1b産生が遮断される。インビトロおよびインビボでのTLRおよびIL-1R駆動性Th1およびTh17炎症に対する実証された活性に加えて、循環免疫細胞および皮膚の両方における好ましい薬物様特性および強力な薬力学的作用により、HSおよび他の自己免疫疾患におけるIRAK4分解剤の開発が支持される。
PBMC細胞を指示時間(20時間または8時間)に分解剤1で処理した。IRAK4分解は、フローサイトメトリー法により検出し、50%の分解が達成される濃度をDC50として報告した。選択性は、タンパク質10,000種超の深度での質量タンデムディーププロテオミクスによって評価した。結果は、図1に示す。
分解剤2を、空気嚢作製後3日間BIDで経口投与した。4日目に、化合物の最終用量を投与し、MSU結晶を空気嚢に注射した。12時間後、嚢から適切な組織および滲出液を採取した。脾臓におけるIRAK4レベルを標的化質量分析により測定した。好中球浸潤物数を記録し、滲出液からIL-1βレベルをELISAにより測定した。結果は、図2に示す。
分解剤2を、QDで14日間イヌに経口投与した。最終用量後24時間に、組織を採取し、IRAK4レベルを標的化質量分析により測定した。結果は、図3に示す。
PBMCを20時間化合物で前処置した後、R848(TLR7/8)またはLPS(TLR4)で刺激した。刺激後5時間に、サイトカインをMSDにより測定した。ホスホタンパク質のプロファイリングでは、刺激後15分にサンプルを採取した。フローサイトメトリー法(flow method)を使用して単球をゲーティングし、ホスホタンパク質を測定した。結果は、図4に示す。
PBMCを20時間化合物で前処置した後、10ng/mLのLPSおよび20ng/mLのIL-1bで二重活性化した。刺激後24時間に、サイトカインをMSDにより測定した。結果は、図4に示す。
イミキモドを0日目に耳に適用し、耳の厚さを毎日測定した。分解剤2を3日間BIDで経口投与した。試験の終了時(5日目)に、脾臓および皮膚を採取し、IRAK4レベルを標的化質量分析により測定した。結果は、図5に示す。
分解剤1を3日間BIDでi.p.投与した。試験の終了時(5日目)に、血漿サンプルを採取し、炎症誘発性サイトカインをLuminexアッセイにより測定した。結果は、図5に示す。
結論:
IRAK4分解剤は、ミドソームシグナル伝達の阻害ならびにTLRアゴニストおよびIL-1によるサイトカイン/ケモカイン誘導の遮断において、高度に有効であり、SMIよりも優れている。
IRAK4分解剤は、マウスイミキモド乾癬モデルにおいて経口的に高度に有効であり、皮膚肥厚ならびにTh1およびTh17の両サイトカインが低下する。加えて、これらは、マウスMSU空気嚢モデルにおけるIl-1駆動性好中球炎症を効率的に遮断する。
イヌにおけるIRAK4分解剤の2週間毎日の経口投与は、良好な耐容性を示し、皮膚および免疫細胞におけるIRAK4タンパク質の完全な抑制を引き起こした。
まとめると、このようなデータは、IRAK4分解剤が、TLR/IL-1R駆動性好中球炎症および自己免疫疾患、例えば、汗腺膿瘍(HS)を処置する可能性を有することを示す。
本発明のいくつかの実施形態が記載されているが、本発明者らの基本的な実施例は、改変されて、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供してもよいことは明白である。したがって、本発明の範囲は、例として表されている具体的な実施形態によってよりもむしろ、出願および特許請求の範囲によって規定されるべきであることが理解されよう。
いくつかの実施形態では、炎症性バイオマーカーは、本明細書に記載のものから選択される。いくつかの実施形態では、IRAK分解剤は、本明細書に記載のものから選択される。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップを含む、方法。
(項目2)
汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
(項目3)
汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、患者のサンプルにおいて炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
(項目4)
IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップを含む、方法。
(項目5)
汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
(項目6)
汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、IRAK4分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
(項目7)
汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を患者に投与するステップと、IRAK4分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
(項目8)
前記サンプルが、血液サンプルまたは皮膚サンプルである、項目3、6および7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記炎症性バイオマーカーが、循環末梢血単核細胞(PBMC)におけるIRAK4である、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記循環PBMCが、B細胞、CD4-/CD8-(二重陰性、DN)T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、単球およびNK細胞から選択される、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記炎症性バイオマーカーが、CCL2、CCL20、CSF3、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL8、CXCL11およびCXCL13から選択されるケモカインである、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記炎症性バイオマーカーが、GZMBおよびPRF1から選択される、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記炎症性バイオマーカーが、IFNG、IL10、IL1B、IL32、IL36G、IL6、IRF7、SOCS3およびTNFから選択されるサイトカインである、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記炎症性バイオマーカーが、IL2RA、IL2RBおよびIL18RAPから選択されるサイトカイン受容体である、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記炎症性バイオマーカーが、MYD88、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR8およびTLR9から選択される、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記炎症性バイオマーカーが、NLRP3およびPTGS2から選択される、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記炎症性バイオマーカーが、CXCL6、CXCL8、CXCL1、CGAS、SOCS3、CXCL13およびCTSLから選択される、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記炎症性バイオマーカーの上昇したレベルが、前記患者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度が、健常者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも高いことを指す、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記炎症性バイオマーカーの低下したレベルが、前記患者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度が、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下することを指す、項目4から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記IRAK4分解剤が、分解剤1:
もしくは薬学的に許容されるその塩、または分解剤2:
もしくは薬学的に許容されるその塩
である、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。

Claims (20)

  1. 炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  2. 汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
  3. 汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、患者のサンプルにおいて炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、炎症性バイオマーカーの上昇したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
  4. IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップを含む、方法。
  5. 汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
  6. 汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、IRAK4分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
  7. 汗腺膿瘍患者および/または患者におけるアトピー性皮膚炎を処置する方法であって、治療有効量のIRAK4分解剤を患者に投与するステップと、IRAK4分解剤による処置後に患者のサンプルにおける炎症性バイオマーカーレベルを測定するステップと、IRAK4分解剤による処置後に炎症性バイオマーカーの低下したレベルを有する患者を選択するステップと、治療有効量のIRAK4分解剤を前記患者に投与するステップとを含む、方法。
  8. 前記サンプルが、血液サンプルまたは皮膚サンプルである、請求項3、6および7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記炎症性バイオマーカーが、循環末梢血単核細胞(PBMC)におけるIRAK4である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記循環PBMCが、B細胞、CD4-/CD8-(二重陰性、DN)T細胞、CD4+T細胞、CD8+T細胞、単球およびNK細胞から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記炎症性バイオマーカーが、CCL2、CCL20、CSF3、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL8、CXCL11およびCXCL13から選択されるケモカインである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記炎症性バイオマーカーが、GZMBおよびPRF1から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記炎症性バイオマーカーが、IFNG、IL10、IL1B、IL32、IL36G、IL6、IRF7、SOCS3およびTNFから選択されるサイトカインである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記炎症性バイオマーカーが、IL2RA、IL2RBおよびIL18RAPから選択されるサイトカイン受容体である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記炎症性バイオマーカーが、MYD88、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR6、TLR8およびTLR9から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記炎症性バイオマーカーが、NLRP3およびPTGS2から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記炎症性バイオマーカーが、CXCL6、CXCL8、CXCL1、CGAS、SOCS3、CXCL13およびCTSLから選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記炎症性バイオマーカーの上昇したレベルが、前記患者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度が、健常者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度と比較して約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約100%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約25倍、約50倍、約100倍またはそれよりも高いことを指す、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記炎症性バイオマーカーの低下したレベルが、前記患者における前記炎症性バイオマーカーの量または濃度が、IRAK4分解剤による処置後に約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%低下することを指す、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記IRAK4分解剤が、分解剤1:
    もしくは薬学的に許容されるその塩、または分解剤2:
    もしくは薬学的に許容されるその塩
    である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
JP2022577558A 2020-06-17 2021-06-17 Irak分解剤およびその使用 Pending JP2023532205A (ja)

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063040407P 2020-06-17 2020-06-17
US63/040,407 2020-06-17
US202063070022P 2020-08-25 2020-08-25
US63/070,022 2020-08-25
US202063089398P 2020-10-08 2020-10-08
US63/089,398 2020-10-08
PCT/US2021/037952 WO2021257914A1 (en) 2020-06-17 2021-06-17 Irak degraders and uses thereof

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023532205A true JP2023532205A (ja) 2023-07-27

Family

ID=79268447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022577558A Pending JP2023532205A (ja) 2020-06-17 2021-06-17 Irak分解剤およびその使用

Country Status (11)

Country Link
US (1) US20230241075A1 (ja)
EP (1) EP4167728A1 (ja)
JP (1) JP2023532205A (ja)
KR (1) KR20230025458A (ja)
CN (1) CN115802888A (ja)
AU (1) AU2021292323A1 (ja)
BR (1) BR112022025728A2 (ja)
CA (1) CA3182561A1 (ja)
IL (1) IL299038A (ja)
MX (1) MX2022016061A (ja)
WO (1) WO2021257914A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11976071B2 (en) 2021-08-18 2024-05-07 Gilead Sciences, Inc. Substituted pyrrolo[1,2-b]pyridazines as bifunctional degraders of interleukin-1 receptor-associated kinases
WO2023192586A1 (en) * 2022-03-31 2023-10-05 Kymera Therapeutics, Inc. Irak degraders and uses thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SI2575884T1 (sl) * 2010-06-03 2018-10-30 Abbvie Biotechnology Ltd Uporabe in sestavki za zdravljenje supurativnega hidradenitisa (HS)
SG10202112628UA (en) * 2015-11-30 2021-12-30 Anacor Pharmaceuticals Inc Topical pharmaceutical formulations for treating inflammatory-related conditions
EP3638246A1 (en) * 2017-06-16 2020-04-22 H. Hoffnabb-La Roche Ag Diagnostic and therapeutic methods for irak4-mediated disorders and conditions
WO2019111218A1 (en) * 2017-12-08 2019-06-13 Cadila Healthcare Limited Novel heterocyclic compounds as irak4 inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021257914A1 (en) 2021-12-23
MX2022016061A (es) 2023-02-02
KR20230025458A (ko) 2023-02-21
CN115802888A (zh) 2023-03-14
BR112022025728A2 (pt) 2023-01-03
EP4167728A1 (en) 2023-04-26
US20230241075A1 (en) 2023-08-03
IL299038A (en) 2023-02-01
AU2021292323A1 (en) 2023-02-02
CA3182561A1 (en) 2021-12-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liu et al. Enhanced inflammasome activity in systemic lupus erythematosus is mediated via type I interferon–induced up‐regulation of interferon regulatory factor 1
Braverman et al. HIF-1α is an essential mediator of IFN-γ–dependent immunity to Mycobacterium tuberculosis
EP1815247B1 (en) Therapeutic use of farnesyltransferase inhibitors and methods of monitoring the efficacy thereof
Edwards et al. Signal transducer and activator of transcription (STAT) 3 inhibition delays the onset of lupus nephritis in MRL/lpr mice
Qing et al. Changes in toll-like receptor (TLR) 4–NFκB–IL1β signaling in male gout patients might be involved in the pathogenesis of primary gouty arthritis
Catlett et al. Molecular and clinical effects of selective tyrosine kinase 2 inhibition with deucravacitinib in psoriasis
US11447831B2 (en) Methods of stratifying patients for treatment with retinoic acid receptor-alpha agonists
JP2023532205A (ja) Irak分解剤およびその使用
US20160291027A1 (en) Methods for prognosing the ability of a zearalenone analog compound to treat cancer
Navrazhina et al. High inflammation in hidradenitis suppurativa extends to perilesional skin and can be subdivided by lipocalin-2 expression
WO2018025923A1 (ja) 抗htlv-1剤、htlv-1関連脊髄症(ham/tsp)治療薬
Iyoda et al. Preventive and therapeutic effects of imatinib in Wistar-Kyoto rats with anti-glomerular basement membrane glomerulonephritis
Zhao et al. Cytoplasmic HMGB1 induces renal tubular ferroptosis after ischemia/reperfusion
Ackerman et al. IRAK4 degrader in hidradenitis suppurativa and atopic dermatitis: a phase 1 trial
Nakamizo et al. High-fat diet induces a predisposition to follicular hyperkeratosis and neutrophilic folliculitis in mice
Lu et al. IL‐20 promotes cutaneous inflammation and peripheral itch sensation in atopic dermatitis
Turner-Warwick et al. Cells, Enzymes and Interstitial Lung Disease: The Philip Ellman Lecture
US10775390B2 (en) Methods and materials for identifying and treating acute graft-versus-host disease
Zhuang et al. Inhibition of Key Glycolytic Enzyme Hexokinase 2 Ameliorates Psoriasiform Inflammation in vitro and in vivo
AU2013203117B2 (en) Methods for prognosing the ability of a zearalenone analog compound to treat cancer
Fresneda Alarcon et al. PFKFB3 is a critical regulator of neutrophil metabolism and function in rheumatoid arthritis
Vegting et al. Cardiovascular risk in ANCA-associated vasculitis: monocyte phenotyping reveals distinctive signatures between serological subsets
WO2024018442A1 (en) Preferential depletion of tcf1+ progenitor t-cells in severe covid-19 as mediated by interleukin 12 (il-12)
Braverman The Role of HIF-1α and iNOS in IFN-γ Mediated Control of Mycobacterium tuberculosis Infection
JP2015000048A (ja) 関節リウマチ患者における生物学的製剤の有効性の予測方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230217