1.序文
WLANでは、とりわけ2.4GHz帯及び5GHz帯における性能を改善するために多くの802.11修正が提案されてきた。PHY層では、20MHzから160MHzへの帯域幅の増加、新たな変調及び符号化スキーム、並びにMIMOシステムの改善などの数多くのデータレート改善が考案されてきた。
送信オーバーヘッドを抑え、従ってデータスループットを高めるための他のMAC層改善も取り入れられてきた。この改善は、例えばフレーム間間隔の縮小、パケットの集約及びセグメント化、並びにSTAが電力を節約できるようにアウェイク状態とドージング状態とを交互に繰り返す電力消費プロトコルの適用によって達成される。
IEEE 802.11axでは、隣接するサブキャリアをリソースユニット(RU)にグループ化する直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)技術が導入された。この技術は、アップリンク(UL)データ送信及びダウンリンク(DL)データ送信の両方におけるマルチユーザ(MU)のためにRUを割り当てることによって送信レートを最大化する。
OFDMAの使用により、ユーザ間で周波数領域を分け合うことによって多くのユーザが同時に同じ時間リソースを利用できるようになる。この技術では、より多くのユーザを同時にスケジュールできるので、リソース利用が改善されて遅延時間が減少する。
しかしながら、現在の802.11技術は、アップリンク(UL)マルチユーザ(MU)送信をAPレベルで開始する。このため、非AP STAは、APにULデータ(UL DATA)を送信する必要があってチャネルアクセスが利用可能であることを感知した場合でも、単純に送信を開始することができない。非AP STAは、ULデータ送信を開始するために、関連するAPからトリガーフレームを受け取るまで待つ必要がある。
本開示では、MU UL OFDMA送信のための、非AP STAレベルで開始される共有TXOPプロトコルについて説明する。本開示では、チャネルアクセス権を獲得した非AP STAが共有TXOPを開始し、MU ULデータ送信のために他の非AP STAに異なるチャネルリソースを割り当てることができる。
2.1.パケット遅延に影響を与えるWLAN機能
2.1.1.チャネルアクセス及び遅延許容範囲
WLAN装置では、競合ベースのアクセス及び競合なしアクセスの両方が可能である。競合ベースのアクセスでは、装置がチャネルを感知し、ビジー(使用中)の場合にはチャネルへのアクセス権を獲得するために毎回競合する必要がある。この競合の必要性によってさらなる送信遅延が発生するが、これは正しい衝突回避を行うために必要なことであった。競合なしチャネルアクセスでは、APが競合せずにチャネルへのアクセス権を獲得することができる。この競合なしチャネルアクセスは、他のSTAによって使用されるDIFS(分散型フレーム間スペーシング(Distributed Inter-Frame spacing))と比べてPIF(PCFフレーム間スペーシング(PCF Inter-Frame spacing))と同等の短いフレーム間間隔を使用することによってチャネルアクセス調整が行われるハイブリッド制御チャネルアクセスにおいて可能である。競合なしアクセスは、競合遅延を避けるための支持できる解決策のように思えるが広く普及しておらず、大部分のWi-Fi装置は競合ベースのアクセスを使用している。
STAは、チャネルにアクセスするために、チャネルを感知してビジーではないと判定する必要がある。チャンネルがビジーとみなされるのは、(1)STAがフレームのプリアンブルを検出したにもかかわらず、検出されたフレームの長さにわたってチャネルがビジーであるとみなされる場合、(2)STAが最小感度の20dBを上回る帯域内エネルギーを検出した場合、或いは(3)STAが検出されたフレームのネットワーク割り当てベクトル(NAV)を読み取ることによってチャネルが事実上ビジーであることを検出した場合である。NAVは、送信側STAが媒体をビジーに保とうと意図するマイクロ秒数(最大32,767マイクロ秒)を表す、無線ネットワークプロトコルと共に使用される仮想キャリア感知機構(virtual carrier-sensing mechanism)であると理解されるであろう。
802.11axでは、NAVタイマを誤ってリセットしてしまうことによって生じ得る衝突を避けるために2つのNAVが導入された。一方のNAVはBSS STAのためのものであり、他方のNAVは非BSS STAのためのものである。STAは、2つのNAVを個別に維持する。
802.11axは、全てのレガシーな802.11WLAN装置と同様に、チャネルアクセスにCSMA/CAを使用する。APは、UL MIMO送信のためのトリガーフレームを送信するために、最初にチャネルアクセス権を求めて競合する必要がある。802.11axでは、APがそのBSS内のいずれかのSTAよりも優先してチャネルアクセス権を獲得できるように、802.11ax装置のみのために第2のEDCAが導入された。この結果、レガシーな非802.11ax装置は、EDCAを使用して自由にチャネルにアクセスし、APがUL又はDL OFDMA MIMOデータ送信をスケジュールするためにチャネルへのアクセス権を獲得する機会を増やすことができるようになる。
2.1.2.マルチユーザ送信及び受信
802.11WLAN装置は、OFDMAチャネルアクセスのみならず送信及び受信にもMIMOアンテナを使用することができる。IEEE802.11axは、アップリンク及びダウンリンクの両方でマルチユーザ送信をサポートする。
マルチユーザ通信を使用することで、802.11acにおけるSU-MIMO DLなどの最大8つのストリームを通じた1又は2以上のユーザへのマルチストリーム送信、或いは802.11acにおいて定められるMU-MIMO DL送信を通じた複数のユーザへのマルチユーザ送信が可能になる。これにより、APは、そのBSS内のSTAに1又は2以上のストリームを割り当てることができる。
データ送信に最大160MHzの幅広いチャネルを使用する場合、チャネルは、一部の周波数の干渉レベルが他の周波数とは異なる干渉周波数選択的になり、この結果、予想達成可能速度が影響を受けて性能が悪化すると予想される。この問題を解決するために、802.11axでは、隣接するサブキャリアをリソースユニット(RU)にグループ化するOFDMAが導入された。これらのRUを異なる受信機に割り当てて送信レートを最大化することができる。このスケジューリングの結果、各受信機のSINRを最大化してより高い変調及び符号化スキーム(MCS)を可能にすることができ、従って達成されるスループットを高めることができる。
OFDMAは、ユーザ間で周波数領域を分割することによって、多くのユーザが同時にリソースを利用できるようにする。この結果、より多くのユーザを同時にスケジュールできるため、リソース使用が改善されて遅延時間が減少する。また、データ量の少ないSTAが占有できるRUを狭くすることによってスケジューリング効率を高め、少量のデータ通信のためにチャネルアクセスを必要とするアプリケーション間のリソース配分を改善することができ、従ってチャネルアクセス時間と、フレームヘッダ及びプリアンブルに必要なオーバーヘッドとを低減するのに役立つことができる。
OFDMAの効率は、MIMO送信と組み合わさった時にさらに高まることができる。STAのMIMO容量に応じて、1つのRUを使用して複数の空間ストリームをSTAに送信することができる。また、複数のSTAによる共有のために1つのRUを割り当てることもでき、この場合、各STAがSTAのMIMO容量に応じて1又は2以上の空間ストリームを有することができる。より多くのSTAを同じリソースに詰め込むことで、STA及びAPの遅延時間を減少させることができる。
図1に、DL OFDMA MIMO送信の例を示す。APは、STAの周波数/RUマッピング及びRU割り当てを指定するPHYプリアンブルを全てのSTAに送信している。プリアンブルの後に、所与のSTAの特定のRU割り当てを使用してAP DLデータ(AP DL DATA)が送信される。STAがDLトリガーフレームの受信後にショートインターフレーム間隔(Short Interframe Spacing:SIFS)の送信を開始する場合、マルチユーザACK送信はDLデータフレームの受信に同期すべきである。
図2は、APがSTAのための周波数、RUマッピング及びRU割り当てを含むトリガーフレームを全てのSTAに送信しているUL OFDMA MIMO送信の例である。STAがDLトリガーフレームの受信後にSIFSの送信を開始する場合、UL MIMO送信はこのフレームの受信に同期すべきである。
2.1.4.再送
図3に、IEEE802.11下のWLANシステムにおいてSTAがパケット送信及び再送のためにチャネルにアクセスできるようにするためにCSMA/CAを使用することを示す。CSMA/CAシステムでは、STAが各送信及び再送前にチャネルを感知し、チャネルアクセス権を求めて競合するためにバックオフ時間を設定する必要がある。バックオフ時間は、0とコンテンションウィンドウのサイズとの間の一様なランダム変数によって決定される。STAは、バックオフ時間にわたって待機してチャネルがアイドルであることを感知した後にパケットを送信する。STAがタイムアウト前にACKを受け取らなかった場合には再送が必要である。そうでなければ送信は成功である。再送が必要である場合、STAはパケットの再送回数をチェックする。再送回数が再試行制限を上回る場合、パケットは破棄されて再送はスケジュールされない。そうでなければ再送がスケジュールされ、再送チャネルアクセスを求めて競合するために別のバックオフ時間が必要になる。コンテンションウィンドウのサイズが上限に達していない場合、STAはコンテンションウィンドウのサイズを増やす。STAは、新たなコンテンションウィンドウのサイズに応じて別のバックオフ時間を設定する。STAは、再送のためにバックオフ時間にわたって待機し、以下同様である。
図4に、通常のWLANシステムにおけるデータフレームフォーマット及びそのフィールドを示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのアドレスを含む。シーケンス制御(Sequence control)フィールドは、パケットのフラグメント番号及びシーケンス番号を含む。
図5に、通常のWLANシステムにおけるACKフレームフォーマット及びそのフィールドを示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のアドレスを含む。
図6に、CSMA/CAにおける再送によってバックオフ時間が増加する一例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すようなフォーマットを使用する。送信側は、最初のパケット送信後にタイムアウトまでACKを受け取っていない。この結果、送信機は、コンテンションウィンドウのサイズがnスロットである別のバックオフ時間を設定する。送信側STAは、バックオフ時間にわたって待機した後に初めてパケットを再送する。しかしながら、この例ではこの再送にも失敗している。送信STAはパケットを再送する必要があり、チャネルアクセス権を求めて競合するために再びバックオフ時間を設定する。今回は、再送であることによってコンテンションウィンドウのサイズが2倍の2*nスロットである。このコンテンションウィンドウサイズによって予想バックオフ時間も2倍になる。2回目の再送は、タイムアウト前にACKを受け取ったため成功している。
図7に、再送回数が再試行制限を上回った後にパケットが廃棄される一例を示す。データパケットフレーム及びACKフレームは、それぞれ図4及び図5に示すようなフォーマットを使用する。図示のように、送信側STAは最初のパケット送信に失敗した後にこのパケットを複数回再送している。しかしながら、どの再送も成功していない。N回の再送後に、再送回数が再試行制限を上回る。送信側STAはこのパケットの再送を停止し、このパケットは破棄される。
図8は、OFDMAを用いたダウンリンクマルチユーザ送信の一例である。送信側APは、その受信側1、2、3及び4にデータパケットを送信する。データパケットは、HE MU PPDUフォーマットを使用することができる。APは、最初の送信を終えた後に、全ての受信側にマルチユーザブロックACK要求(MU-BAR)を送信する。その後、受信側は、APにブロックACK(BA)を返送する。APは、BAの内容に従って、受信側1、3及び4にパケットを再送すると決定する。APはチャネルを求めて競合し、バックオフ時間にわたって待つ。APがチャネルアクセス権を獲得した後に最初の再送が行われる。
図9は、OFDMAを用いたアップリンクマルチユーザ送信の一例である。APは、最初に全ての送信側1、2、3及び4にトリガーフレームを送信する。送信側はトリガーフレームを受け取り、トリガーフレームによって割り当てられたチャネルリソースを使用して最初の送信を開始する。データパケットは、HE TB PPDUフォーマットを使用することができる。APは、送信側からデータパケットを受け取り、BAフレームを送信して送信が正しく受け取られたことを報告する。この例では、送信機3からのパケットのみが正しく受け取られたことが分かる。送信機1、2、4については再送をスケジュールする必要がある。APはチャネルを求めて競合し、チャネルアクセス権を獲得するためにバックオフ時間にわたって待つ。その後、最初の送信と同時に再送が進行する。
2.1.5.UL OFDMAランダムアクセス
802.11axでは、どのSTAが送信すべきデータを有しているかをAPが認識していない場合、又は関連しないSTAがデータを送信したいと望んでいる場合のUL送信のために、UL OFDMAランダムアクセスが導入された。トリガーフレームは、ランダムULチャネルアクセスのためにいくつかのRUを割り当てることができる。APがアップリンクランダムアクセスのために特定のRUを割り当てると、STAは、OFDMAバックオフ手順を使用して、ランダムアクセスチャネルにアクセスするか否かを決定する。この決定は、バックオフランダム値を選択し、これをランダムアクセスのために割り当てられたRUの数と比較することによって行われる。現在のバックオフランダム値がRUの数よりも小さい場合、STAは、ランダムアクセスのために割り当てられたRUのうちの1つにランダムにアクセスする。ランダムアクセスは、ショートパケット送信の効率を高めると期待されている。
3.課題の記述
802.11n/acなどの従来の技術は、MU UL送信のために、衝突を避けるのに役立つように送信要求/送信可(RTS/CTS)、又はチャネルアクセススキームでの拡張機能を含むRTS/CTSを実装している。しかしながら、このスキームでは一度に1人のユーザしかチャネルを占有することができない。さらに、RTS/CTSフレーム交換のオーバーヘッドによって長い遅延が導入される。
比較として、802.11ax技術は、異なるユーザが同時にチャネルにアクセスすることを可能にするOFDMAスキームを実装することによって、チャネル利用効率を改善して平均遅延を減少させている。しかしながら、現在の802.11ax技術は、共有TXOPのためにAP局がUL送信を開始することに依拠する。従って、非AP STAは、チャネルがアイドルであることを感知してAPに送信すべきデータを有している場合、ULデータ送信を開始するために、関連するAPからトリガーフレームを受け取るまで待つ必要がある。また、非AP STAは、APが利用可能なチャネルリソースをスケジュールして、このチャネルを取得した非AP STAと他の非AP STAとの間で配分することに依拠する必要もある。この場合、OFDMAの出現によって、低いチャネル利用効率、従って遅延の増加を含む複数の問題が導入される。
4.本開示の寄与
本開示は、単一BSS内の共有TXOPにおけるマルチユーザUL送信を可能にする新たな解決策を提案する。本明細書で使用する「共有TXOP」という表現は、1つのTXOP中に異なるユーザ間でチャネルアクセス権を共有できることを意味する。具体的に言えば、非AP STAは、チャネルを取得すると、APからのトリガーフレームを待たずにMU UL送信を開始することができる。この非AP STAは、共有TXOPアクセスを開始して、次の共有TXOPに参加する他の非AP STAのためのチャネルリソースを予約できるTXOP所有者STAとして機能する。検討するシナリオは、単一BSSの事例に焦点を当てている。提案する解決策は、チャネル利用効率を改善し、非AP STA側の遅延を減少させ、従って非AP STA側の柔軟性及びRTA性能を高める。
5.非AP STAハードウェア設定
図10に、無線ネットワーク通信プロトコルを実装する(単複の)プログラムの実行及びデータの記憶のためのCPU18及びRAM20を有する局回路12のバス16内への外部I/O14を有する非AP STAの実施形態例10を示す。本開示の局ハードウェアは、指向性及び/又は全方向性通信を含むことができる様々な方法で通信するように構成することができる。
ホストマシン12は、sub-6GHz帯(例えば、2.4、5、6Ghz)などでの通信及び/又はミリメートル波長(mmW)を介した通信を実行するための、1又は2以上のアンテナ26a、26b、26c~26n及び29に接続された少なくとも1つのRFモジュール24、28に結合された、通信をサポートする少なくとも1つのモデム22を収容する。図示の例では、RFアンテナ29が全方向性アンテナである。一例として、図示のRFモジュール24は、この帯域での送受信のためにビームフォーミングをサポートするように複数のアンテナを有する。このように、STAは、複数組のビームパターンを使用して信号を送信することができる。なお、この例ではsub-6GHz通信について説明するが、本開示の教示はいずれかの所望の帯域をサポートすることができると理解されたい。また、本開示の教示から逸脱することなく、複数のSTAをいずれかの所望の構成でグループ化(クラスタ化)することもできる。
バス14は、センサ及びアクチュエータなどの様々な装置をCPUに接続することができる。プロセッサ18上では、STAがアクセスポイント(AP)局又は非AP(通常)局(STA)の機能を果たせるように実行される通信プロトコルを実装するプログラムを実行するためのメモリ20からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(ソース、送信機、中間、宛先、受信機、第1のAP、他のAP、第1のAPに関連する非AP局、非AP TXOP所有者局、非AP TXOP参加者局、非AP TXOP非参加者局、別のAPに関連する局、調整機(coordinator)、及び被調整機(coordinatee)など)で動作するように構成されると理解されたい。
なお、本開示は、それぞれがいずれかの任意の数のRF回路に結合された複数のモデム22で構成することができると理解されたい。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジが広くなる。なお、利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの中には、STAが近隣STAと通信する必要がないと判定した時に無効にできるものもある。
図66に、無線通信局がマルチリンク装置(MLD)ハードウェア構成で所属している実施形態1370としての、図10の変形形態を示す。MLD内の各STAは異なる周波数のリンク上で動作する。各局10’は、図10で説明するようなものとすることができ、それぞれがCPU、RAM、モデム、RF回路及び1又は2以上のアンテナを有する。この図では、図示のn個の局の各々が異なるリンクを提供することが分かる(例えば、リンク1、リンク2~リンクnを示す)。
MLDは、少なくとも1つのプロセッサ(CPU)1374と、MLDのアプリケーションにアクセスしてMLDレベルでの通信プロトコルを実装するための外部I/Oを提供するメモリ1376とを有するMLD管理エンティティの回路1372を有することも分かる。MLDは、各所属するSTAにタスクを配分し、各所属するSTAから情報を収集し、所属するSTA間で情報を共有するように構成される。
また、MLDの各STAは独自のプロセッサ及びメモリを有する必要はないと理解されたい。少なくとも1つの実施形態では、MLD内の1又は2以上の局がこれらの局間でプロセッサ及びメモリを共有することができ、又はMLD回路のプロセッサ及びメモリを共有することができる。従って、本開示は、MLD内の複数のリンクを介した通信のための多くの可能な構成を企図する。
6.トポロジー及びシナリオの説明
6.1.検討するトポロジー
図11に、本開示の以下の動作説明において限定ではなく一例として利用する単一WLAN BSS32シナリオのためのシナリオ(トポロジー)の実施形態例30を示す。このシナリオは、本明細書における教示の使用をいずれかの特定のネットワークシナリオに限定することなく、本明細書で説明する動作の説明に役立つトポロジーを提供するものである。単一WLAN BSS32は、1つのAP34、並びにSTA1 36、STA2 38及びSTA3 40として例示する複数の局から成る。STA3は、チャネルを取得して他の非AP STAとの間で次の(後続の)TXOPを共有する用意があるSTAである非AP TXOP所有者STAであり、他の2つのSTAは、チャネルを取得せずにTXOP所有者STAによって共有される次のTXOPに参加する用意がある非AP共有TXOP参加者STAである。この例は、あらゆるWLANトポロジーに制限なく適用できる解決策案の説明に使用される。
6.2.シナリオの説明
検討するBSSは、1つのAP及び複数の非AP STAを含む。各非AP STAは、APへの送信のために定期的に又は頻繁に生成できるパケットを有する。本開示は、各非AP STAとAPとの間に必要とされるスケジューリングが複雑になることによって常に遅延時間が重大な問題となるUpLink(UL)OFDMA送信に焦点を当てている。
802.11ax技術では、複数のSTAが共有TXOP内で同時にULデータシーケンスを送信することによってTXOPの利用効率を高めることができる。802.11axでは、APがULデータ送信を開始することができる。通常、APは、非AP STAにトリガーフレーム(例えば、バッファステータスレポートポーリング(BSRP))を送信してバッファステータス及びトラフィック優先度を問い合わせる。APは、これらの非AP STAから応答フレーム(例えば、バッファステータスレポート(BSR))を受け取ると、これらの非AP STAがULデータシーケンスを送信する際に使用すべきリソース割り当て情報を含む別のトリガーフレーム(例えば、ベーシックトリガー)を非AP STAに送信する。既存の技術では、特に非AP STAが送信すべきRTA(リアルタイムアプリケーション)パケットを有している場合に、APによって開始されたTXOPが非AP STAの動的ニーズをサポートすることができない。一般に、RTAパケットは小さなサイズであるが、高速(低遅延)送信を要求している。
本開示では、非AP STAの観点からの、具体的にはチャネルが利用可能であることを感知して直ちにAPに送信すべきパケットを有している非AP STAのための新たな解決策を示す。共有TXOPスキームは、アクセスのためのチャネルを取得して次のTXOPでのチャネルアクセスを他のSTAと共有する用意があるSTAによって可能になる。共有TXOPスキームは、バックオフ遅延を低減し、チャネルアクセス権を求めて競合するSTAに効率的なチャネル利用を提供することによって、遅延時間を効率的に減少させる。
具体的には、本開示は以下の特徴を有する。いずれかの非AP STAは、チャネルアクセス権を獲得すると直ちに共有TXOPを開始することができる。本明細書では、この非AP STAを非AP TXOP所有者STAと呼ぶ。本明細書では、共有TXOPに参加する用意がある非AP STAを非AP共有TXOP参加者STAと呼ぶ。非AP TXOP所有者STAは、同じ又は別のBSS内の他の非AP共有TXOP参加者STAと周波数領域においてTXOP期間を共有する。非AP TXOP所有者STAは、APが共有TXOPアクセスを開始するのを待つ必要がない。非AP TXOP所有者STAは、利用可能な周波数リソースをスケジュールして他の非AP共有TXOP参加者STAに配分することができる。非AP TXOP所有者STAは、TXOPが予約されるとAPにスケジューリングを送信することができる。潜在的非AP TXOP所有者STAは、所定のスケジュールを使用してチャネルアクセスリソースを割り当てることができる。
本開示は、チャネルにアクセスするための遅延時間を短縮するとともにチャネル利用効率を高めることによって、WLAN動作に恩恵をもたらすことができる。
図12に、非AP TXOP所有者STAによって開始される共有TXOPプロトコル案の大雑把な例の実施形態例50を示す。TXOP設定手順では、非AP TXOP所有者STA及び非AP共有TXOP参加者STAを含む非AP STAが、APの協調を通じてTXOP共有可能性情報を交換する。
この図には、受信側AP52と、共有TXOP参加者54、56としての2つの非AP送信側と、非AP送信側TXOP所有者58との間の相互作用を示す。TXOP設定手順が実行される(60)。非AP TXOP所有者STA58は、チャネルを取得するとUL共有TXOPを初期化する。TXOP所有者STAは、どの非AP STAが次の共有TXOPに参加する用意があるかを確認することが必要になり得る。次に、第1の共有TXOPアクセス62が開始し、送信側非AP STAからヘッダ64、68及び72が送信される。TXOP所有者STAは、予約されたRU74上でULデータを送信し、非AP共有TXOP参加者STAは、非AP TXOP所有者STAから割り当てられたRU66、70上でULデータを送信する。第2のTXOP76も示しており、ヘッダ78、82の後に、TXOP所有者58はRU2 84においてより多くのリソースを利用し、他の唯一の非AP共有TXOP参加者はRU1 80において送信を行う。
6.3.シナリオの分類
本開示では、動的シナリオ及び半静的シナリオを含む2つの異なるシナリオに関する異なる解決策について説明する。両シナリオにつき、例えばコーディネータとして参加するAPを使用する場合及び使用しない場合の2つの側面から解決策を説明する。第7節では単一BSSシナリオにおける解決策について説明し、第8節では関連するフレームフォーマットについて説明し、第9節では提案する解決策を要約する。
7.プロトコル設計
7.1.プロトコル設計の概要
図13に、例えばチャネルが利用可能であることを感知してチャネルを取得(獲得)した非AP STAがこのチャネルアクセス権を周波数領域において他のSTAと共有するプロトコル案の大まかな概観の実施形態例90を示す。この図にも、受信機AP52と、共有TXOP参加者54、56としての2つの非AP送信側と、非AP送信側TXOP所有者58との間の相互作用を示す。他のSTAも、送信すべきULデータを有している場合には、共有TXOP所有者STAによって決定されたスケジューリングに従って、又は所定の半静的スケジューリングスキームに基づいてチャネルにアクセスする。本開示のプロトコルは3つの段階を含み、ランダムアクセス及び定期アクセスなどの異なるチャネルアクセス設計に適用することができる。
共有TXOP設定92の第1段階では、TXOP所有者STA及び共有TXOP参加者STAを含む非AP STAが、APの協調を通じて交換する認証フレーム、アソシエーションフレーム又はその他のフレームにTXOPを共有(提供/要求)する意思を示すTXOP共有可能情報を埋め込むことによってこの情報を交換する。
共有TXOP初期化段階94としての第2段階では、非AP TXOP所有者STAがチャネルアクセス権を獲得し、次のTXOPを他の非AP STAとの間で共有する用意があることを告知する。少なくとも1つの実施形態では、このプロセスが、例えば次のTXOPが共有に利用可能であることを示すMU-RTS共有フレームを潜在的共有TXOP参加者STAにブロードキャストすることによって実行される。次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAは、CTS共有フレームを返送することなどによって、TXOP所有者STAに応答して参加を確認する。
TXOPスケジュール及びアクセス段階96としての第3段階では、非AP TXOP所有者STA及び非AP共有TXOP参加者STAが同時にチャネルにアクセスする。非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用してULデータを送信する。非AP共有TXOP参加者STAは、どのチャネルアクセスモードが選択されたかに応じて、割り当てられたRUを使用して又は残りのRUにランダムにアクセスしてULデータを送信する。
システムは、これらの段階のサブセットと共に機能することもでき、従って全ての段階が必須というわけではない。
7.2.コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオ
この事例では、非AP TXOP所有者STAが、チャネルを取得した後に、APがトリガーフレームを送信するのを待つ代わりに他の非AP STAとの間でMU UL送信を開始することができる。非AP TXOP所有者STAは、次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAと直接協調することができる。
図14に、共有TXOP設定段階における共有情報交換手順の実施形態例110を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。非AP STAは、APとの間で交換されるフレーム内で共有可能性を示し、例えばAPとの間で交換される認証フレーム、アソシエーションフレーム又は他のいずれかのフレームに共有情報112を含む要素を添付して、これらを関連するAPに送信することができる。APは、認証フレーム又はアソシエーションフレームを受け取ると、共有情報をチェックして、正常な受信を確認するためにフレームで応答する(114)。次に、APは、共有オファー/要求フレーム116を使用して、全ての関連する非AP STAの共有可能性をブロードキャストする。この場合、非AP STAは、共有オファー/要求フレームを受け取ると、どの局がTXOPを共有する用意があるか、及びどの局が他の非AP STAにTXOP時間を要求しているかに関して共有可能性を認識できるようになる。
図の右側では、STA2 56が共有要求118を送信することによってTXOPの共有を取得するように要求しており、これに対してAPが応答し(120)、その後に他のSTAに共有情報122を伝えている。
共有TXOP設定段階は、コーディネータとしてのAPを伴う/伴わない動的シナリオの共通段階である。共有可能性情報は、STA TXOP共有可能性要素として設計された新たな要素を通じて管理フレーム内に実装される。
図15に、APによって処理される共有TXOP設定段階の実施形態例130を示す。共有TXOP設定段階が開始した(132)後に、APは、非AP STAから、他の非AP STAとの共有TXOPを提供/要求する用意があるかどうかを示す認証要求フレーム又はアソシエーション要求フレームなどの管理フレームを受け取る(134)。APは、この非AP STAからの共有可能性情報を保持し、正常な受信を確認するために認証/アソシエーション応答フレームを返送する(136)。その後、APは、最新の共有可能性情報をデータベースに記録し(138)、その後に共有オファー/要求フレームを使用して全ての関連する非AP STAに最新の共有可能性情報を再ブロードキャストしてプロセスは終了する(140)。
図16に、非AP STAレベルで処理される共有TXOP設定段階の実施形態例150を示す。共有TXOP設定段階が開始した(152)後に、非AP STAは、共有TXOPの共有オファー/要求情報を示すために、関連するAPに認証/アソシエーション要求フレームなどの管理フレームを送信する(154)。関連するAPからいずれかの応答が受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(156)。非AP STAが、共有オファー/要求情報を含む認証フレーム又はアソシエーションフレームを送信した後に、管理フレームのタイムアウト前に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合、実行はブロック158に進んで管理フレームタイムアウトとなり、実行はブロック154に戻って、非AP STAは関連するAPに管理フレームを再送して共有可能性を示す。
一方で、ブロック156において非AP STAがAPから応答を受け取った場合にはブロック160に到達し、非AP STAが関連するAPから最新のTXOP共有可能性情報を示す共有オファー/要求フレームを受け取ったかどうかを判定する。非AP STAが全ての関連する非AP STAの共有オファー/要求を受け取った場合にはブロック164に到達し、STAが他の全てのSTAの共有オファー/要求情報のデータベースを更新してプロセスは終了する(166)。タイムアウト前に共有オファー/要求フレームが受け取られなかった場合にはブロック162に到達してタイムアウトとなり、実行はブロック154に戻って、非AP STAは、TXOP共有オファー/要求情報が埋め込まれた認証/アソシエーション要求フレームを再送すべきである。
図17に、コーディネータとして機能するAPが存在しない場合の共有TXOP初期化段階手順の実施形態例170を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
この例では、非AP TXOP所有者STAが他の非AP STAに向かうビームフォーム情報を取得するためにチャネルサウンディング(ビームフォームテスト)172を実行すると想定する。チャネルサウンディング172は、STAが共有手順を初期化する前であればいつでも実行することができる。このプロセスを実行する頻度はチャネル特性に依存する。
この段階では、非AP TXOP所有者STAがチャネルを取得(獲得)して他の非AP STAとTXOPを共有する用意がある。非AP TXOP所有者STAは、他のどの非AP STAが次の共有TXOPに参加する用意があるかを確認する必要がある。非AP TXOP所有者STAは、各指定された非AP STAのための帯域幅(BW)が示されたMU-RTS共有フレーム174を潜在的非AP共有TXOP参加者STAに送信する。ネットワーク割り当てベクトル(NAV)(MU-RTS)期間176が開始する。非AP STAは、このMU-RTS共有フレームを受け取り、次の共有TXOPに参加する用意が整った時点で、受け取られたMU-RTS共有フレームに示されるBWを使用して、非AP TXOP所有者STAにCTS共有フレーム178、180で応答する。NAV(CTS共有)が開始する(182)。APは、MU-RTS共有フレームを受け取った場合に共有TXOPが開始したことを認識する。
図18に、非AP TXOP所有者STAによって処理される共有TXOP初期化段階の実施形態例190を示す。共有TXOP初期化段階が開始して(192)チャネルサウンディングが実行された(194)後に、非AP TXOP所有者STAは、潜在的非AP共有TXOP参加者STA及びAPにMU-RTS共有フレームを送信して(196)、これらが応答する特定のBWを割り当てる。次に、非AP TXOP所有者が全てのCTS共有フレームを受け取ったかどうかを判定するチェック198が行われる。
ブロック198において、非AP TXOP所有者がMU-RTS共有フレームタイムアウト内にCTS共有フレームを受け取らなかったことが判明した場合、実行はMU-RTSタイムアウト200に到達した後にブロック196に到達して、他のいくつかの非AP STAにMU-RTS共有フレームを再送すべきである。
一方で、非AP TXOP所有者STAは、ブロック198において非AP共有TXOP参加者STAから全てのCTS共有フレームを受け取った場合、これらの非AP STAが次の共有TXOPに参加することを認識し、ブロック202に到達して、受け取られたCTS共有フレームに含まれる全ての非AP共有TXOP参加者のAIDを記録した後に実行は終了する(204)。
図19に、非AP共有TXOP参加者STAによって処理される共有TXOP初期化段階の実施形態例210を示す。共有TXOP初期化段階が開始した(212)後に、非AP STAがMU-RTS共有フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(214)。MU-RTS共有フレームが受け取られていない場合、プロセスは終了する(222)。
一方で、非AP STAは、ユーザ情報リスト(User Info list)フィールドのうちの1つにおけるAID12サブフィールドが受信側のAIDと同じであるMU-RTS共有フレームを受け取った場合、非AP STAが共有TXOPに参加する用意があるかどうかを判定するチェックを行う(216)。ブロック216において非AP STAが次の共有TXOPに参加する用意があると判定された場合、ブロック218において、STAは、TXOP共有参加者AIDフィールドを自機のAIDに設定したCTS共有フレームで応答して次の共有TXOPに参加する旨を示して処理は終了する(222)。一方で、非AP STAは、参加する用意がない場合にはブロック220に到達し、TXOP共有参加者AIDフィールドを0に設定したCTS共有フレームで応答して次の共有TXOPに参加しない旨を示す。
7.2.3.TXOPスケジュール及びアクセス段階
本開示では、TXOPスケジュール及びアクセス段階のための解決策が複数存在し、本明細書ではそのうちの3つである、(1)7.2.3.1節で紹介するTXOPアクセス要求トリガーをユニキャストする方法、(2)7.2.3.2節で紹介するTXOPアクセス要求トリガーをブロードキャストする方法、及び(3)7.2.3.3節で紹介するランダムアクセスによる方法を例示する。
7.2.3.1.ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図20に、各非AP共有TXOP参加者STAのためのユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを伴うスケジューリングによるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例230を示す。このプロセスは、共有TXOP初期化段階から受け取られた情報に基づく。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
非AP TXOP所有者STAは、他の非AP STAに向かうビームフォーム情報を取得するためにチャネルサウンディング(ビームフォームテスト)232を実行する。図17の先行例と同様に、非AP TXOP所有者STAがチャネルを取得(獲得)して他の非AP STAとTXOPを共有する用意を整え、各指定された非AP STAのための帯域幅(BW)が示されたMU-RTS共有フレーム236を潜在的非AP 共有TXOP参加者STAに送信する、共有TXOP初期化段階234が実行される。ネットワーク割り当てベクトル(NAV)(MU-RTS)期間238が開始する。非AP STAは、このMU-RTS共有フレームを受け取って次の共有TXOPに参加する用意が整うと、受け取ったMU-RTS共有フレームに示されるBWを使用して、非AP TXOP所有者STAにCTS共有フレーム240、242及び244で応答する。NAV(CTS共有)が開始する(246)。
非AP TXOP所有者STAは、UL送信のために特定の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられたリソースユニット(RU)を示す一連のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム248、250をユニキャストする。非AP共有TXOP所有者STAが最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後、或いは非AP共有TXOP参加者STAが共有TXOP所有者によって送信された最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、非AP TXOP所有者STAは予約されたRUを使用し、非AP TXOP参加者STAは割り当てられたRUを使用して、自機のアップロード(UL)データ252、254及び256をAPに送信する。共有TXOPにおいて送信を行う全ての非AP STAの同期は、TXOPアクセス開始フラグが1に設定された最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを検出することによって得られる。受信側AP52は、ULデータの正常な受信を確認するために複数局(マルチステーション)ブロック確認応答(BA)258を送出する。
7.2.3.2.ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図21に、全ての非AP共有TXOP参加者STAのためのブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを伴うスケジューリングによるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例270を示す。このプロセスは、共有TXOP初期化段階から得られた情報に基づく。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
非AP TXOP所有者STAは、他の非AP STAに向かうビームフォーム情報を取得するためにチャネルサウンディング(ビームフォームテスト)272を実行する。図20の先行例と同様に、非AP TXOP所有者STAがチャネルを取得(獲得)して他の非AP STAとTXOPを共有する用意を整え、各指定された非AP STAのための帯域幅(BW)が示されたMU-RTS共有フレーム276を潜在的非AP 共有TXOP参加者STAに送信する、共有TXOP初期化段階274が実行される。ネットワーク割り当てベクトル(NAV)(MU-RTS)期間278が開始する。非AP STAは、このMU-RTS共有フレームを受け取って次の共有TXOPに参加する用意が整うと、受け取ったMU-RTS共有フレームに示されるBWを使用して、非AP TXOP所有者STAにCTS共有フレーム280、282及び284で応答する。NAV(CTS共有)が開始する(286)。
共有TXOP初期化段階274の後に、非AP TXOP所有者STAは、UL送信のために各特定の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられるRUを示すブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム290を送信する。
非AP TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUを使用して自機のULデータ296をAPに送信し、各非AP共有TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム受け取った後に、割り当てられたRUを使用して自機のULデータ292及び294を送信する。受信側AP52は、これらのアップロード後に複数局(マルチステーション)ブロック確認応答(BA)を送出する(298)。
7.2.3.3.ランダムアクセスを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階
図22に、非AP共有TXOP参加者STAに対するランダムアクセスを可能にすることによるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例300を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
ランダムアクセスが適用されるので、非AP TXOP所有者STAは共有TXOP初期化段階をスキップする(見送る)ことができる。非AP TXOP所有者STAは、UL送信のためにRUを予約したことを告知するTXOPランダムアクセス要求トリガーフレーム302をブロードキャストする。
非AP TXOP所有者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUを使用して自機のULデータ308をAPに送信する。非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、ULデータ送信304及び306のために共有TXOPのランダムアクセスを実行し、残りのRUを求めて競合する。共有TXOP内の全ての非AP STAの同期は、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームの伝搬遅延が無視できるほどわずかであると仮定することによって達成可能である。受信側AP52は、これらのアップロード後に複数局(マルチステーション)ブロック確認応答(BA)309を送出する。
図23A及び図23Bに、非AP TXOP所有者STAによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例310を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(312)後に、非AP TXOP所有者STAは、自機のためにRUを予約し(314)、残りのRUを他の非AP STAと共有する用意がある。限定ではなく一例として、ランダムアクセスに基づくスケジューラ、ユニキャストTXOPアクセストリガー及びブロードキャストTXOPアクセストリガーを含む、非AP TXOP所有者STAが処理できる3つの異なる形態のTXOPアクセススケジューリングについて説明する。
ブロック316において、共有TXOP中にランダムアクセスを使用すべきであるかどうかを判定する。ランダムアクセスにすべきである場合にはブロック318に到達し、非AP TXOP所有者STAは、自機のための予約されたRUを告知して他の非AP STAのためのUORA(UL OFDMAベースのランダムアクセス)を示すTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームをブロードキャストすることによってTXOPランダムアクセストリガーを送信する。次に、ブロック320において、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUにおいてULデータ送信を開始してプロセスは終了する(322)。
一方で、ブロック316においてランダムアクセスTXOPにすべきでないと判定された場合、実行は図23Bのブロック324に進み、ユニキャストアクセスによって共有TXOPを行うべきであるかどうかをチェックする。ユニキャスト共有にすべきである場合にはブロック326に到達し、非AP TXOP所有者STAは、RUが割り当てられた非AP TXOP共有参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。次に、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーであるかどうかをチェックする(328)。最後の要求トリガーでない場合、実行はブロック326に戻る。一方で、最後のトリガーである場合、実行は図23Aのブロック320に到達し、非AP TXOP所有者STAが自機のULデータ送信を開始してプロセスは終了する(322)。
一方で、ブロック324においてユニキャストアクセスではないと判定された場合、ブロック330において、ブロードキャストアクセススキームであるかどうかを判定する。ブロードキャスト共有にすべきでない場合、これらの3つの例は全てチェックされたためプロセスは終了する(322)。なお、本開示は例示した共有形態に限定されるものではない。
一方で、ブロック330においてブロードキャスト共有にすべきであると判定された場合、ブロック332において、非AP TXOP所有者STAは、全ての非AP STAにブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを送信して全ての非AP TXOP共有参加者STAにRUを割り当て、実行は図23Aのブロック320に進み、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUにおいてULデータ送信を開始する。
図24A及び図24Bに、非AP共有TXOP参加者STAによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例340を示す。
TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(342)後に、非AP共有TXOP参加者STAがTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(344)。
非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った場合、ブロック346において、ゼロ(0)からOCW(OFDMAコンテンションウィンドウ)の間の範囲内でランダムに選択されたOBO(OFDMAランダムアクセスバックオフ)カウンタをカウントダウンする。この非AP STAのOBOカウンタがランダムアクセスのために割り当てられたRU数よりも小さいかどうかを判定するチェックが行われる(348)。この条件が満たされない場合、実行はブロック346に戻ってOBOはカウントダウンを継続する。一方で、この条件が満たされた場合、非AP STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームのユーザ情報フィールドの選択されたサブセットによって示される、ランダムアクセスのために割り当てられたRUのうちの1つにランダムにアクセスして(350)プロセスは終了する(368)。
ブロック344に戻り、非AP STAがTXOPランダムアクセス要求トリガーを受け取らなかった場合、実行は図24Bのブロック352に進み、非AP共有TXOP参加者STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる。この条件が満たされた場合、ブロック354において、この非AP共有TXOP参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが送信されたかどうかを判定するチェックが行われる。この条件が満たされた場合、実行はブロック356に進み、非AP共有TXOP参加者STAが自機に割り当てられたRUをチェックして、実行はブロック358に到達する。一方で、ブロック354の条件が満たされない場合、実行は直接ブロック358に進む。
ブロック358において、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーのTXOPアクセス開始フラグサブフィールドを分析する。その後、ブロック360において、これが最後のユニキャストTXOPアクセストリガーであるかどうかを判定するチェックが行われる。(直近に受け取られたユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームのTXOPアクセス開始フラグサブフィールドに示されるように)最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーである場合、非AP STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーに示される割り当てられたRUサイズを使用して関連するAPにULデータを送信して(362)プロセスは終了する(368)。一方で、ブロック360における条件が満たされない場合、非AP STAは、ブロック358に戻ることによって、次に受け取られたユニキャストTXOPアクセス要求トリガーのTXOPアクセス開始フラグサブフィールドをチェックし続ける。
ブロック352に戻り、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが受け取られなかった場合にはブロック364に到達し、非AP STAがブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取ったかどうかをチェックする。この条件が満たされた場合、STAはブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームに示される割り当てられたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(366)。その後、いずれの場合にもプロセスは終了する(368)。
7.3.コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオ
このシナリオ(事例)では、非AP TXOP所有者STAが、APからのトリガーフレーム送信を待つ代わりにチャネルを取得(獲得)し、その後に他の非AP STAとの間でMU UL送信を開始することができる。非AP TXOP所有者STAは、次の共有TXOPに参加する用意がある他の非AP STAと直接通信することはできない。この場合、非AP TXOP所有者STAと他の非AP共有TXOP参加者STAとの間の協調にAPが関与する必要がある。
7.3.1.共有TXOP初期化段階
図25に、コーディネータとしてのAPを伴うシナリオにおける共有TXOP初期化段階372の実施形態例370を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
図14と同様に設定段階372が実行される。非AP STA3 58がAPとの間で共有可能性情報374を伝えてAPが応答した(376)後に、APは、共有オファー/要求フレーム378を使用して全ての関連する非AP STAに共有可能性情報をブロードキャストする。また、STA2 56もAPに共有380を送信し、APは、応答した(382)後に共有オファー/要求をブロードキャストする(384)。
この図には、APがバッファステータスレポートポール(BSRP)フレーム388を定期的に送信して非AP STAに自機のバッファステータスレポート(BSR)を要求するようにポーリングする定期的バッファステータス動作386を示す。非AP STAは、BSRPを受け取ると、それぞれBSRフレーム390、392及び394で応答して自機のバッファステータス及びトラフィック優先度を報告する。
非AP TXOP所有者STAは、BSS内の他の非AP STAと直接通信できない場合があるので、次のTXOPが共有TXOPであることを示す修正されたCTS-to-self共有フレームを関連するAPにユニキャストする(396)ことによってTXOP初期化段階を開始し、これによってNAV(CTS-to-self共有)398も開始する。
AP52は、非AP TXOP所有者STAから修正されたCTS-to-self共有フレームを受け取ると、全ての非AP STAにMU-RTS共有フレームをブロードキャストして(400)NAV(MU-RTS共有)402を開始する。各非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取った後に、次の共有TXOPに参加する用意があるかどうかをチェックする。参加する用意がある場合、非AP STAは、自機のAIDをTXOP共有参加者AIDフィールド内に示すCTS共有フレームで応答し、このCTS共有フレームを関連するAPに返送する。参加する用意がない場合、非AP STAは、TXOP共有参加者AIDフィールドを0に設定したCTS共有フレームで応答する。この図には、STA1 54及びSTA2 56がCTS共有404及び406でAP1に応答し、この時点でNAV(CTS共有)408が開始することを示す。APは、CTS共有情報を受け取った後に、STA3 58にTXOP参加者告知410を送信する。
図26に、非AP TXOP所有者STAによって処理される共有TXOP初期化段階の実施形態例430を示す。共有TXOP初期化段階が開始した(432)後に、非AP TXOP所有者STAは、共有TXOP初期化段階の開始を示すCTS-to-self共有フレームをAPにユニキャスト434する。MU-RTS共有フレームが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる(436)。CTS-to-self共有フレームタイムアウト内にMU-RTS共有フレームが受け取られなかった場合にはCTS-to-self共有タイムアウトが発生し(438)、非AP TXOP所有者STAは、ブロック434においてCTS-to-selfフレームを再送する。
一方で、MU-RTS共有フレームが受け取られた場合には、APからTXOP参加者告知が受け取られたかどうかを判定するチェック440が実行される。この条件が満たされた場合、STAは、共有TXOP参加者STAのAIDのデータベースを更新して(442)プロセスは終了する(448)。
一方で、ブロック440においてAPから参加者告知が受け取られなかった場合には、TXOP参加者告知フレームがタイムアウトした(444)ことによって、非AP TXOP所有者STAは、それ以上TXOP参加者告知フレーム待つことなく、次の共有TXOPに参加する用意がある他のSTAは存在しないと仮定して(446)プロセスは終了する(448)。
図27に、APによって処理される共有TXOP初期化段階の実施形態例450を示す。共有TXOP初期化段階が開始した(452)後に、APが非AP TXOP所有者STAからCTS-to-self共有フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる454。受け取らなかった場合、処理は終了する(466)。そうでなければ、APは、CTS-to-self共有フレームが受け取られた後に、少なくともいくつかの潜在的非AP共有TXOP参加者STAにMU-RTS共有フレームを送信し(456)、各非AP共有TXOP参加者STAに特定のBWを割り当ててCTS共有フレームに応答する。
CTS共有フレームの受信についてチェック458が行われる。MU-RTS共有フレームタイムアウト期間内にAPがCTS共有フレームを受け取らなかった場合にはMU-RTSタイムアウト460が発生し、実行はブロック456に戻ってMU-RTS共有フレームを再送する。
一方で、APが非AP共有TXOP参加者STAからCTS共有フレームを受け取ったと判定された場合、ブロック462において、次の共有TXOPに参加する用意があるこれらのSTAのAIDが記録される。なお、このAID情報は、受け取られたCTS共有フレームに含まれる。次に、APは、次の共有TXOP参加者情報を通知するために非AP TXOP所有者にTXOP参加者告知フレームをユニキャストして(464)プロセスは終了する(466)。なお、非AP TXOP所有者STAのMACアドレスは、CTS-to-selfフレームのRAフィールド内で見つけることができる。
非AP共有TXOP参加者STAによって処理される共有TXOP初期化段階のフローチャートは、図19に示すものと同じである。
7.3.2.(APコーディネータを伴う)TXOPスケジュール及びアクセス段階
本節では、APをコーディネータとして使用してTXOPスケジュール及びアクセス段階を実行する方法の例を示す。
図28に、コーディネータとしてのAPを有するシナリオにおいてTXOPアクセス要求トリガーをユニキャストするTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例470を示す。スケジューリングは、要求トリガーを送信することで、具体的にはTXOPアクセス要求トリガーをユニキャストすることで達成される。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
共有初期化段階472は、図25に示すようなものである。TXOP所有者STA3 58は、受信側AP52にCTS-to-self共有フレームをユニキャストし(474)、これによってNAV(CTS-to-self共有)476も開始する。AP52は、非AP TXOP所有者STAから修正されたCTS-to-self共有フレームを受け取ると、全ての非AP STAにMU-RTS共有フレームをブロードキャストし(478)、NAV(MU-RTS共有)480が開始する。各非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取った後に、次の共有TXOPに参加する用意があるかどうかをチェックし、関連するAPにCTS共有フレーム482及び484を返送してNAV(CTS共有)486期間を開始する。APは、CTS共有情報を受け取った後に、STA3にTXOP参加者告知488を送信する。
TXOPスケジュール及びアクセス段階504は、共有TXOP初期化段階から収集された共有TXOP参加者情報に基づく。非AP TXOP所有者STAは、BSS内の他の非AP STAと直接通信することができないので、APにTXOPアクセススケジューラトリガーフレーム490を送信することによってTXOPスケジュール及びアクセス段階を開始する。TXOPアクセススケジューラトリガーフレームは、全ての非AP共有TXOP参加者STAへのRU配分に関する情報を含む。
APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、好ましくはユニキャストによって各非AP共有TXOP参加者STAにTXOPアクセス要求トリガーフレーム492、494を送信して、UL送信のために特定の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられるRUを示す。
各非AP共有TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、UL送信のために割り当てられたRUをチェックする。非AP TXOP所有者STA及び全ての非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPアクセス開始フラグフィールドがアクティブ(例えば、「1」)に設定されたものなどの最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを送信/受信すると、自機のULデータ送信500、498及び496を開始する。APは、ULデータを受信し終えると、MUブロック確認応答(BA)フレーム502で応答する。
図29に、APがコーディネータとして機能するシナリオにおいてTXOPアクセス要求トリガーをブロードキャストするTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例510を示す。スケジューリングは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを送信することによって達成される。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
共有初期化段階512は、図28に示すようなものである。TXOP所有者STA3 58は、受信側AP52にCTS-to-self共有フレームをユニキャストし(514)、これによってNAV(CTS-to-self共有)516も開始する。AP52は、非AP TXOP所有者STAから修正されたCTS-to-self共有フレームを受け取ると、全ての非AP STAにMU-RTS共有フレームをブロードキャストし(518)、NAV(MU-RTS共有)520が開始する。各非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取った後に、次の共有TXOPに参加する用意があるかどうかをチェックし、関連するAPにCTS共有フレーム522及び524を返送してNAV(CTS共有)526期間を開始する。APは、CTS共有情報を受け取った後にTXOP所有者(STA3)にTXOP参加者告知528を送信する。
TXOPスケジュール及びアクセス段階529は、共有TXOP初期化段階512から収集された共有TXOP参加者情報に基づく。非AP TXOP所有者STAは、BSS内の他の非AP STAと直接通信することができないので、APにTXOPアクセススケジューラトリガーフレーム530を送信することによってTXOPスケジュール及びアクセス段階を開始する。TXOPアクセススケジューラトリガーフレームは、全ての非AP共有TXOP参加者STAへのRU配分を含む。
APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、全ての非AP共有TXOP参加者STAにブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム532を送信して、UL送信のために各特定の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられる1又は複数のRUを示す。各非AP共有TXOP参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが受け取られると、割り当てられたRUを確認して自機のUL送信538、536及び534を開始する。
少なくとも1つの実施形態では、非AP TXOP所有者STAが、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを送出すると、予約されたRUを使用して自機のULデータ送信を開始する。他の非AP共有TXOP STAは、割り当てられたRU(又は複数のRU)において自機のULデータを送信する。APは、ULデータを受け取るとMU-BAフレーム540で応答する。
図30に、コーディネータとしてのAPを有するシナリオにおいてベーシックトリガーを使用するTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例550を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
この事例では、スケジューラがベーシックトリガーフレームのために設計される。図では、STA3の非AP TXOP所有者がAP52にTXOP優先度トリガーフレーム552を送信してNAV(トリガー)554が開始する。任意にバッファステータスレポートの収集が実行される(556)。この例では、APが定期的にBSRPフレーム558をブロードキャストして非AP STAのバッファステータスを問い合わせ、NAV(BSRP)555が開始する。非AP STAは、自機のバッファステータス及びパケット情報を示すためにBSRフレーム560、562及び564で応答し、NAV(BSR)566が開始する。BSRP及びBSRの交換は、このTXOPスケジュール及びアクセス段階の内部又は外部で実行することができる。BSRP及びBSRの交換から共有TXOP参加者情報を収集することができるので、共有TXOP初期化段階は省略することができる。
この例ではAPによってスケジューリングが実行されることを示しているので、非AP TXOP所有者STAはBSS内の他の非AP STAと直接通信できず、従って非AP TXOP所有者は、APにTXOP優先度トリガーフレーム552を送信することによってTXOPスケジュール及びアクセス段階を開始する。TXOP優先度トリガーフレームは、非AP TXOP所有者STAのために予約されたRUを示す。
APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に各非AP共有TXOP参加者STA及び非AP TXOP所有者STAにベーシックトリガーフレーム568をブロードキャストして、NAV(ベーシックトリガー)570が開始する。ベーシックトリガーフレームは、ULデータシーケンスを送信するために各非AP STAに割り当てられたRU(又は複数のRU)を示す。各非AP共有TXOP参加者STAは、ベーシックトリガーフレームを受け取った後に、割り当てられたRUを使用して自機のULデータ送信572及び574を開始し、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用してULデータ送信576を開始し、NAV(データ)578が開始する。APは、ULデータを受信し終えるとMU-BA580フレームで応答する。
図31に、コーディネータとしてのAPを有するシナリオにおいてランダムアクセスを使用するTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例590を示す。このシナリオでは、スケジューラがランダムアクセスに基づく。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
この事例では、共有TXOP参加者に関する正確な情報は不要であるため、共有TXOP初期化段階、並びにBSRP及びBSRの交換はスキップすることができる。
非AP TXOP所有者STAはBSS内の他の非AP STAと直接通信することができないので、スケジューリングをAPによって実行されるように任せ、従って非AP TXOP所有者STAは、APにTXOP優先度トリガーフレーム592を送信することによってTXOPスケジュール及びアクセス段階を開始し、NAV(優先度トリガー)594が開始する。TXOP優先度トリガーフレームは、非AP TXOP所有者STAのために予約されたRUを示す。
APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、各非AP共有TXOP参加者STA及び非AP TXOP所有者STAにTXOPランダムアクセス要求トリガーフレーム596をブロードキャストし、NAV(スケジュールトリガー)598が開始する。各非AP共有TXOP参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、残りのRUにランダムにアクセスすることでULデータ送信600及び602を開始し、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用して自機のULデータ送信604を開始し、NAV(データ)606が開始する。APは、ULデータを受信し終えるとMU-BAフレーム608で応答する。
図32A及び図32Bに、コーディネータとしてのAPによってランダムアクセスが処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例610を示す。APは、TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(612)後に、最初に非AP TXOP所有者が非AP STAレベルでスケジューリングを実行するかどうかをチェックする(614)。
非AP STAがスケジューリングを実行する場合にはブロック616に到達し、APは、各非AP共有TXOP参加者STAにRUを配分することを示すTXOPアクセススケジューラトリガーを非AP TXOP所有者STAから受け取る。次に、共有TXOPにおいてユニキャストアクセスが使用されるかどうかを判定するチェック618が行われる。ユニキャストアクセスである場合、APは、各非AP共有TXOP参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信して(620)、この非AP STAに割り当てられるRUを示す。APは、全てのユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後にULデータを受信できるようになり、従ってブロック622において最後のユニキャストアクセスをチェックして、全てのユニキャストアクセスが完了するまでブロック620に戻り、完了した時点でブロック624に到達してULデータが受け取られるのを待った後に処理は終了する(640)。
ブロック618に戻り、ユニキャストアクセスが使用されていないと判定された場合、APは、ブロック626において、ULデータ送信をトリガーするために全ての非AP共有TXOP参加者STAにブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。次に、ブロック628において、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが、全ての非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられたRUを示す。実行はブロック624に進み、APはULデータが受け取られるのを待つ。
ブロック614に戻り、APによってスケジューリングが実行される場合、実行は図32Bのブロック630に進み、APは、非AP TXOP所有者STAの予約されたRU及び優先度を示すTXOP優先度トリガーを非AP TXOP所有者STAから受け取る。TXOPにおいてランダムアクセスが使用されるかどうかを判定するチェック632が行われる。ランダムアクセスである場合、ブロック634において、APは、TXOP所有者のために予約されたRUを告知して他の非AP共有TXOP参加者STAのためのUORA(UL OFDMAベースランダムアクセス)を示すことによってTXOPランダムアクセス要求トリガーをブロードキャストし、プロセスは終了する(640)。そうでなければ、実行はブロック636に到達して、BSRPフレーム及びBSRフレームの定期的交換からのバッファステータス情報に基づいてスケジューリングが実行され、APが各非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられたRU配分でベーシックトリガーを送信して(638)プロセスは終了する(640)。
図33A及び図33Bに、APをコーディネータとして使用して非AP TXOP所有者STAによってランダムアクセスが処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例650を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(652)後に、非AP TXOP所有者STAは、自機のレベルでスケジューリングを実行する用意があるか、それともAPレベルでスケジューリングを実行する用意があるかを判定する(654)。
非AP TXOP所有者STAがスケジューリングを行う場合、ブロック656において、次の共有TXOPを他のSTAと共有する用意がある非AP TXOP所有者STAが、自機のためにRU/複数のRUを予約する。次に、非AP TXOP所有者は、各非AP共有TXOP参加者STAへのRU配分を示すTXOPアクセススケジューラトリガーフレームをAPにユニキャストする(658)。次に、ブロードキャストが実行されるか、それともユニキャストが実行されるかが判定される。チェック660において、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームがタイムアウトする前に非AP TXOP所有者STAがAPからユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取ったかどうかを判定する。
ユニキャストでない場合、ブロック668において、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーが受け取られたかどうかを判定するチェックが行われる。トリガーが受け取られなかった場合、トリガーのタイムアウト670が発生して実行はブロック658に戻り、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを再送する。一方で、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーが受け取られた場合にはブロック666に到達し、非AP TXOP所有者STAがAPにULデータを送信してプロセスは終了する(684)。
ブロック660に戻り、非AP TXOP所有者がユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取った場合、ブロック662において、STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームのTXOPアクセス開始フラグフィールドをチェックする。ブロック664において、APによって最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信されるまでブロック662に戻ってループが実行され、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信された時点で実行はブロック666に到達し、非AP TXOP所有者STAが自機の予約されたRU上でAPにULデータを送信して処理を終了する(684)。
ブロック654に戻り、APによってスケジューリングが実行されると判定された場合、実行はブロック672に進み、非AP TXOP所有者STAは、自機のためにRUを予約し、APにTXOP優先度トリガーをユニキャストして、TXOP所有者が最高優先度を有していることを示す。非AP TXOP所有者STAがTXOP優先度トリガーフレームタイムアウト間隔内にAPからTXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取ったかどうかを判定するチェック674が行われる。非AP TXOP所有者STAがトリガーフレームを受け取った場合にはブロック666に到達し、非AP TXOP所有者STAが自機のULデータをAPに送信してプロセスは終了する(684)。
一方で、ブロック674においてランダムアクセストリガー要求が受け取られなかった場合、実行はブロック676に進み、非AP TXOP所有者STAがBSRPを受け取ったかどうかがチェックされる。非AP TXOP所有者STAがBSRPを受け取った場合には、ブロック678において、非AP TXOP所有者が自機のバッファステータス及びトラフィック優先度を示すためにBSRフレームで応答して実行はブロック680に到達する。ブロック676のチェックにおいてBSRPが受け取られていないと判定された場合、実行は直接ブロック680に進む。
ブロック680において、非AP TXOP所有者STAがベーシックトリガーを受け取ったかどうかが判定される。ベーシックトリガーを受け取った場合、実行はブロック666に進み、APにULデータを送信してプロセスを終了する(684)。ベーシックトリガーが受け取られなかった場合には、優先度トリガーのタイムアウトが発生し、実行はブロック672に戻る。非AP TXOP所有者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームを受け取った場合には、予約されたRUを使用してUL送信を開始することができる。
図34A及び図34Bに、APをコーディネータとして使用して非AP共有TXOP参加者STAによってランダムアクセスが処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例690を示す。
TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(692)後に、非AP共有TXOP参加者STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(694)。非AP共有TXOP参加者STAがユニキャストTXOPアクセストリガーを受け取った場合、実行はブロック696に到達して、この局にユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信されたかどうかを判定する。この局にユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信された場合、非AP共有TXOP参加者STAは、自機に割り当てられたRUをチェックする(698)。次に、ブロック700において、非AP共有TXOP参加者STAは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーのTXOPアクセス開始フラグフィールドをチェックする。ブロック702において、APによって最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信されるまでブロック700に戻ってループが実行され、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが送信された時点で実行はブロック704に到達し、非AP TXOP共有参加者が割り当てられたRUでAPにULデータを送信してプロセスは終了する(718)。
ブロック694に戻り、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーが受け取られなかった場合には、ブロック706において、非AP TXOP参加者STAがAPからブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取ったかどうかが判定される。非AP TXOP参加者STAがブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取った場合、実行はブロック704に進み、非AP TXOP参加者STAは割り当てられたRUでAPにULデータを送信し始める。
一方で、ブロードキャスト要求トリガーでない場合、実行は図34Bのブロック708に進み、非AP共有TXOP参加者STAがBSRPを受け取ったかどうかが判定される。BSRPを受け取った場合、非AP TXOP参加者STAは、自機のバッファステータス及びトラフィック優先度を示すためにBSRフレームで応答して(710)、実行はブロック712に進む。BSRPを受け取らなかった場合、実行は直接ブロック712に進む。
ブロック712において、非AP共有TXOP参加者STAがベーシックトリガーを受け取ったかどうかが判定される。ベーシックトリガーを受け取った場合、実行は図34Aのブロック704に進み、非AP共有TXOP参加者STAは割り当てられたRUでAPにULデータを送信し始めて終了する(718)。
一方で、ベーシックトリガーではなかった場合、ブロック714において、TXOPランダムアクセス要求トリガーであるかどうかを判定するチェックが行われる。TXOPランダムアクセス要求トリガーである場合、ブロック716において、非AP共有TXOP参加者STAがUL送信のために共有RUにランダムにアクセスしてプロセスは終了する(718)。一方でランダムアクセストリガーではない場合には、これらのカテゴリのいずれでもなく、プロセスは終了する(718)。
7.4.半静的シナリオの概要
このシナリオでは、共有TXOP設定段階、並びにTXOPスケジュール及びアクセス段階という2段階設計について説明する。
共有TXOP設定段階では、各非AP STAがAPとの間で共有TXOPの共有オファー/要求情報を交換する。これに加えて、各非AP TXOP所有者STAは、他の非AP共有TXOP参加者STAのRU割り当ても告知し、APの協調を通じて他の非AP STAとの間でこの割り当て構成情報を交換する。
半静的構成は開始段階で実行される。この事例では、TXOPスケジュール及びアクセス段階における複雑なスケジューリングプロセスをスキップすることができる。非AP STAは、共有TXOP設定段階において構成される割り当てられたRUで直接TXOPチャネルにアクセスする。
本開示では、AP協調を伴う場合又は伴わない場合の両方の半静的シナリオを例示する。
図35に、共有オファー/要求設定サブ段階732及びTXOP所有者構成設定サブ段階746を含む共有TXOP設定段階の実施形態例730を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
共有オファー/要求設定サブ段階では、非AP STAが自機の共有可能性を示すために関連するAPに共有オファー/要求フレーム734、740を送信する。APは、共有オファー/要求フレームを受け取ると、非AP STAに応答フレーム736、742を返送して正常な受信を確認する。次に、APは、全ての関連する非AP STAの共有可能性を含む共有オファー/要求フレーム738、744をブロードキャストする。この場合、非AP STAは、この共有オファー/要求フレームを受け取ると、他の全ての非AP STAの共有可能性を認識する。なお、共有オファー/要求では、(将来的に共有TXOP所有者になる可能性がある)非AP TXOP参加者STA1 54が共有オファー/要求を伝える一方で、(将来的に共有TXOP参加者になる可能性がある)非AP TXOP所有者STA3 58が共有オファー/要求を伝える。
TXOP所有者構成設定サブ段階746では、各潜在的非AP共有TXOP所有者STAが、他の非AP共有TXOP参加者STAのためのRU割り当てを告知し、この割り当て情報をTXOP所有者構成(config)フレーム748、754でAPに送信する。APは、TXOP所有者構成フレームを受け取ると、受信を確認応答した(750、756)後に、各潜在的非AP TXOP所有者STAによって割り当てられた各非AP共有TXOP参加者STAのRUの配分を示すTXOPアクセス構成フレーム752、758で全体的TXOP所有者構成情報をブロードキャストする。
図36に、APによって処理される共有オファー/要求設定のサブ段階の実施形態例770を示す。共有オファー/要求設定サブ段階が開始した(772)後に、APは、非AP STAが共有TXOPをオファー/要求する用意があるかどうかを示す共有オファー/要求フレームを非AP STAから受け取る(774)。APは、この情報を保持して(776)、共有可能性の認識を確認する応答フレームを返送する。その後、APは、共有オファー/要求フレームで全ての関連する非AP STAの最新の共有可能性情報をブロードキャスト778して処理は終了する(780)。
図37に、非AP STAによって処理される共有オファー/要求設定サブ段階の実施形態例790を示す。共有オファー/要求設定サブ段階が開始した(792)後に、非AP STAは、関連するAPに共有オファー/要求フレームを送信し(794)、従って共有TXOPを共有するオファー又は共有TXOPを共有する要求を行い、オファー又は要求するTXOPアクセスリソースに関する情報をそれぞれ含む。
ブロック796において、非AP STAが応答フレームを受け取ったかどうかが判定される。非AP STAが共有オファー/要求タイムアウト期間内に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合にはフレームタイムアウト798が発生し、実行はブロック794に戻って、非AP STAは共有オファー/要求フレームを再送する。一方で、非AP STAが応答フレームを受け取った場合、ブロック800において、この応答フレームがブロードキャスト共有オファー/要求であるかどうかを判定するチェックが行われる。非AP STAがブロードキャスト共有オファー/要求を適時に受け取らなかった場合、ブロードキャスト共有オファー/要求はタイムアウトし(802)、実行はやはりブロック794に戻って、非AP STAはそのオファー/要求を再送する。
一方で、非AP STAは、APからブロードキャスト共有オファー/要求フレームを受け取った場合には非AP STAの全体的共有可能性を認識し、自機のデータベース内の最新の全体的STA共有オファー/要求情報を更新して(804)プロセスは終了する(806)。
図38に、APによって処理されるTXOP所有者構成設定サブ段階の実施形態例810を示す。TXOP所有者構成設定サブ段階が開始した(812)後に、APは、他の非AP共有TXOP参加者STAに割り当てられたRU配分を示すTXOP所有者構成フレームを非AP TXOP所有者STAから受け取る(814)。APは、TXOP所有者構成情報を記憶し、正常な受信を確認する応答フレームを返送する(816)。次に、APは、全ての関連する非AP STAの全体的TXOPアクセス構成を告知するためにTXOPアクセス構成フレーム818をブロードキャストしてプロセスは終了する(820)。
図39に、非AP TXOP所有者STAによって処理されるTXOP所有者構成設定サブ段階の実施形態例830を示す。TXOP所有者構成設定サブ段階が開始した(832)後に、非AP TXOP所有者STAは、関連するAPにTXOP所有者構成フレーム834を送信して、他の非AP共有TXOP参加者STAへのRU配分のスケジュールを示す。
応答フレームについてのチェックが行われる(836)。非AP STAがTXOP所有者STA構成フレームタイムアウト内に関連するAPからフィードバックを受け取らなかった場合にはタイムアウトが発生し(838)、非AP TXOP所有者STAは、実行がブロック834に戻ることによって示すようにTXOP所有者構成フレームを再送すべきである。
一方で、応答フレームを受け取った場合には、非AP STAがAPからブロードキャストTXOP所有者構成フレームを受け取ったかどうかを判定するチェックが行われる(840)。非AP STAがタイムアウト間隔内にTXOPアクセス構成フレームを受け取らなかった場合にはタイムアウトが発生し(842)、実行はブロック834に戻って、非AP TXOP所有者STAは関連するAPにTXOP所有者構成フレームを再送する。一方で、構成フレームを受け取った場合、STAは全体的なTXOPアクセス構成を認識し、他の全てのSTAについてTXOPアクセス構成のデータベースを更新して(844)プロセスは終了する(846)。
図40に、半静的シナリオにおいてAP協調を使用しないTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例850を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
非AP TXOP所有者STAは、TXOP共有要求トリガーフレーム852を送出した後にULデータ送信を開始し、NAV(TXOP共有トリガー)854が開始する。非AP共有TXOP参加者STAは、TXOP共有要求トリガーフレームを受け取ると、割り当てられたスロット(RU)でULデータ送信856、858を開始し、非AP TXOP所有者局は、予約されたスロット(RU)でULデータ送信860し、NAV(データ)間隔862が開始する。ULデータ送信が完了すると、APはMU-BA864を送信する。
図41に、AP協調を伴わない半静的シナリオのための、非AP TXOP所有者STAによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例870を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(872)後に、非AP TXOP所有者STAは、TXOP共有要求トリガーフレームをブロードキャストする(874)。非AP TXOP所有者STAは、TXOP所有者構成設定サブ段階において構成されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する(876)。非AP TXOP所有者STAがTXOP共有要求トリガーフレームのタイムアウト時間内にAPからMU-BAフレームを受け取ったかどうかがチェックされる(878)。タイムアウト時間内にMU-BAを受け取らなかった場合にはタイムアウト880が発生し、実行がブロック874に戻ることなどによって、STAはTXOP共有要求トリガーフレームを再送する。一方で、タイムアウト間隔内にMU-BAが受け取られた場合、プロセスは終了する(882)。
図42に、AP協調を伴わない半静的シナリオのための、非AP共有TXOP参加者STAによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例890を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(892)後に、非AP共有TXOP参加者STAがブロードキャストTXOP共有要求トリガーフレームを受け取ったかどうかについてチェックが行われる(894)。このフレームを受け取らなかった場合、プロセスは終了する(898)。一方で、トリガーフレームを受け取った場合、STAは、TXOP所有者構成設定サブ段階において構成されたRUを使用してULデータ送信を開始する(896)。
図43に、半静的シナリオにおいてコーディネータとしてのAPを伴うTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例910を示す。限定ではなく一例として、この図にも前の図と同じAP及びSTA参加者を示す。
非AP TXOP所有者STAは、他の非AP STAと直接通信することができないので最初にAPにTXOP共有要求トリガーフレーム912を送信すべきであり、NAV(TXOP共有要求トリガー)914が開始する。APは、TXOP共有要求トリガーフレームを受け取るとTXOP共有応答トリガーフレーム916をブロードキャストし、NAV(TXOP共有応答トリガー)918が開始する。非AP TXOP所有者STA及び全ての非AP共有TXOP参加者STAは、TXOP共有応答トリガーフレームを送信/受信すると自機のULデータ送信920、922及び924を開始し、NAV(データ)926が開始する。APは、ULデータを受け取るとMU-BA928で応答する。
図44に、AP協調を伴う準静的シナリオのための、非AP TXOP所有者STAによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例930を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始する(932)。非AP TXOP所有者STAは、他の非AP STAと直接通信することができないので、最初に関連するAPにTXOP共有要求トリガー934をユニキャストする。非AP TXOP所有者STAがTXOP共有要求トリガーフレームタイムアウト間隔内にAPからTXOP共有応答トリガーフレームを受け取ったかどうかのチェックが行われる(936)。
この間隔内に応答が受け取られなかった場合にはタイムアウトが発生し(938)、実行がブロック934に戻ることなどによって、STAはTXOP共有要求トリガーフレームを再送する。一方で、応答が受け取られると、非AP TXOP所有者STAは、TXOP所有者構成設定サブ段階で構成されたRUを使用してULデータ送信を開始し(940)、プロセスは終了する(942)。
図45に、AP協調を伴う半静的シナリオのための、APによって処理されるTXOPスケジュール及びアクセス段階の実施形態例950を示す。TXOPスケジュール及びアクセス段階が開始した(952)後に、APがTXOP共有要求トリガーを受け取ったかどうかのチェックが行われる(954)。
トリガーが受け取られていない場合、プロセスは終了する(964)。一方で、APは、トリガーフレームを受け取ると、非AP TXOP所有者STAからTXOP共有要求トリガーフレームを受け取った応答としてTXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする(956)。
次に、APがULデータを受け取ったかどうかのチェックが行われる(958)。APがTXOP共有応答トリガーフレームのタイムアウト時間内にULデータを受け取らなかった場合にはタイムアウトが発生し(960)、実行はブロック956に戻ってAPがTXOP共有応答トリガーフレームを再送する。一方で、APは、ULデータシーケンスを受信し終えると、MU-BAフレームを送出することによって応答して(962)プロセスは終了する(964)。
8.フレームフォーマット
8.1.STA TXOP共有可能性要素
図46に、STA TXOP共有可能性要素の実施形態例970を示しており、STA TXOP共有可能性要素は、限定するわけではないが認証又はアソシエーション要求フレームなどの管理フレームに含まれ、各非AP STAが関連するAPに自機のTXOP共有可能性を通知するために使用される。共有可能性要素の少なくとも1つの実施形態は、以下のフィールドを有する。要素ID(Element ID)フィールドは特定の要素を識別し、ここでの特定の事例では、この要素がSTA TXOP共有可能要素であることを示すように8に設定される。APは、要素IDフィールドが8に設定された認証又はアソシエーション要求フレームを受け取った場合、(STA情報フィールドに示される)各STAの全ての共有オファー/要求情報を記録し、正常な受信を示すために認証又はアソシエーション応答フレームを返送すべきである。長さ(Length)フィールドは、要素ID及び長さフィールドを除いた要素のオクテット数を示す。1又は2以上のSTA情報(STA Information)フィールドも含まれ、そのサブフィールドについては図47で説明する。
図47に、少なくとも1つの実施形態では以下のサブフィールドを有するSTA情報フィールドの実施形態例990を示す。AIDサブフィールドは、TXOP共有可能性が示されるSTAのAIDを含む。TXOP共有所有者(TXOP share holder)サブフィールドは、このSTAのTXOP所有者としての共有可能性を示す。TXOP共有所有者サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、TXOP所有者として動作しているこのSTAが他のSTAとTXOPを共有する用意があることを示し、一方で第2の状態(例えば、0)に設定されると、TXOP所有者が他のSTAとTXOPを共有する用意がないことを示す。TXOP共有参加者サブフィールドは、このSTAのTXOP参加者としての共有可能性を示す。TXOP共有参加者サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、共有TXOP参加者STAとして動作しているこのSTAが、TXOP所有者STAによって共有される次のTXOPに参加する用意があることを示し、一方で第2の状態(例えば、0)に設定されると、STAがTXOP所有者STAによって共有される次のTXOPに参加する用意がないことを示す。
8.2.共有オファー/要求フレーム
図48に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有する共有オファー/要求フレームフォーマットの実施形態例1010を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。BSSIDサブフィールドは、非AP STAが関連するAPのMACアドレスである。BSSIDがTAと同じMACアドレスを示す場合には、共有オファー/要求フレームが内部BSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを示し、そうでなければ、共有オファー/要求フレームが、BSSIDによって示されるIDを有するインターBSSから非AP STAの共有可能性情報を配信していることを示す。ここ及び本開示で説明する他のデータフォーマットでは、通信プロトコルにおいてフレームに追加されるエラー検出コードを提供するフレームチェックシーケンス(FCS)が見られる。
図49に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するSTA共有オファー/要求情報フィールドフォーマットの実施形態例1030を示す。STA共有オファー/要求情報(STA Share Offer/Request info)フィールドは、非AP STAのTXOP共有オファー/要求情報を示す。優先度(Priority)フィールドは、STAのバッファに記憶されたトラフィックの優先度を示し、TXOP所有者がTXOPアクセススケジューラ設計のために使用することができる。STA AIDフィールドは、非AP STAのAIDを含む。TXOP共有要求サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAが共有TXOPを要求していることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。APは、TXOP共有要求フィールドが第1の状態に設定された共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAが共有TXOPに参加する用意があることを認識することができる。TXOPリソース要求(TXOP Resource Request)サブフィールドは、非AP STAが共有TXOPにおいて要求している連続するRUの数を示す。少なくとも1つの実施形態では、26トーンを有するベーシックRUトーンが利用されるが、本開示の教示から逸脱することなく他のRUトーンシーケンスを利用することもできる。この例では、ベーシックRUの有効値が1~37である。APは、この情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。
TXOP共有オファー(TXOP Share Offered)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このSTAが非AP TXOP所有者STAになって自機のTXOPを他のSTAと共有する用意があることを示し、そうでなければ第2の状態に設定される。APは、第1の状態に設定されたTXOP共有オファーフィールドを有する共有オファー/要求フレームを受け取ると、このフレームを送信したSTAがそのTXOPを他のSTAと共有する用意があることを認識することができる。TXOPリソースオファー(TXOP Resource Offered)サブフィールドは、TXOP所有者STAが他のSTAと共有する用意がある連続するRUの数を示す。ここでも、一例としてこの数はベーシックRU(26トーン)内に記述されるが、他のトーンを制限なく利用することもできる。本例では、ベーシックRUの有効値が1~37であり、APはこの情報を共有オファー/要求フレームでブロードキャストする。
8.3.MU-RTS共有フレーム
図50に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するMU-RTS共有フレーム1052のフレームフォーマットの実施形態例1050を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(common info)フィールドについては1054で後述し、1058に続く。ユーザ情報リスト(User Info List)サブフィールドについては1056で後述する。ここでは、パディング及びFCSを含むフレームを例示する。
1058に続く共通情報フィールド1054は、以下のサブフィールドを有する。共通情報フィールドのトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、トリガーフレームの変種を識別する。限定ではなく一例として、このフィールドが3に設定されてTXOP共有サブフィールド(B63)が第1の状態(例えば、1)に設定された場合には、フレームがMU-RTS共有フレームであることを示す。AP又は非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取った場合に共有TXOPが初期化されることを認識し、MU-RTS共有フレーム内に(共通情報のUL BWサブフィールド及びユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールドによって)示される指定されたRUを使用してCTS共有フレームに応答すべきである。UL長さ(UL Length)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのL-SIG LENGTHフィールドの値を示す。さらなるTF(More TF)サブフィールドは、後続のトリガーフレームが送信予定であるか否かを示す。必要CS(CS Required)サブフィールドは、ユーザ情報フィールド内で識別されるSTAが応答すべきであるか否かを判定する際に媒体状態又はNAVを考慮する必要があるか否かを示す。UL BWサブフィールドは、HE TB PPDUのHE-SIG-Aにおける帯域幅を示す。GI及びHE-LTFタイプサブフィールドは、HE TB PPDU応答のGI及びHE-LTFタイプを示す。MU-MIMO HE-LTFモードサブフィールドは、GI及びHE-LTFタイプサブフィールドが2×HE-LTF+1.6μs GI又は4×HE-LTF+3.2μs GIを示す時に、非OFDMA MU-MIMO HE TB PPDU応答のHE-LTFモードを示す。そうでなければ、このサブフィールドは、HEシングルストリームパイロットHE-LTFモードを示すように設定される。HE-LTFシンボル数及びミッドアンブル周期性(HE-LTF Symbols And Midamble Periodicity)サブフィールドは、ドップラー(Doppler)サブフィールドが0の場合には、HE TB PPDU内に存在するHE-LTFシンボルの数を示し、ドップラーサブフィールドが1の場合には、HE-LTFシンボル数及びミッドアンブルの周期性を示す。
図の下部には、以下のサブフィールドを含む共通情報フィールドが続く(1058)。UL STBCサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのSTBC符号化の状態を示す。LDPCエクストラシンボルセグメント(LDPC Extra Symbol Segment)サブフィールドは、LDPCエクストラシンボルセグメントの状態を示す。AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。Pre-FECパディング因子(Pre-FEC Padding Factor)サブフィールドは、Pre-FECパディング因子を示す。PE明瞭性(PE Disambiguity)サブフィールドは、PE明瞭性を示す。UL空間再使用(UL Spatial Reuse)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-SIG-Aフィールド内の空間再使用フィールドに含めるべき値を伝える。ドップラー(Doppler)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、HE TB PPDUにミッドアンプルが存在することを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。UL HE-SIG-A2予備(UL HE-SIG-A2 Reserved)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-SIG-A2サブフィールドの予備フィールドに含めるべき値を伝える。TXOP共有サブフィールドは、送信者が他の非AP STAとTXOPを共有する用意があることを第1の状態(例えば、1)によって示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。任意に、トリガータイプフィールドの値に基づいてトリガー依存共通情報(Trigger Dependent Common Info)サブフィールドが存在する。
ユーザ情報リスト(User Information List)フィールドは、ユーザ情報のリストを含む。ユーザ情報1056の各サブフィールドには、特定のSTAに割り当てられたRU情報に関する以下のサブフィールド1057が存在する。AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する特定のSTAに一定のRUを割り当てるために使用される。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共に、RUのサイズ及び位置を識別する。UL FEC符号化タイプ(UL FEC Coding Type)サブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのコードタイプを示す。UL HE-MCSサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのHE-MCSを示す。UL DCMサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUのDCMを示す。組み合わせSS割り当て/RA-RU(combined SS Allocation/RA-RU)サブフィールドは、以下のように使用される。SS割り当てサブフィールドは、要求されるHE TB PPDUの空間ストリームを示し、RA-RU情報サブフィールドは、RA-RU情報を示す。ULターゲットRSSI(UL Target RSSI)サブフィールドは、割り当てられたRU上で送信されるHE TB PPDUのHE部分の予想受信信号電力を示す。任意に、トリガータイプフィールドの値に基づいてトリガー依存ユーザ情報(Trigger Dependent User Info)サブフィールドが存在する。
8.4.CTS共有
図51に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するCTS共有フレームのフォーマットの実施形態例1070を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TXOP共有参加者AID(TXOP Share Participant AID)フィールドは、このCTS共有フレームを送信したTXOP共有参加者のAIDを示す。
TXOP所有者は、CTS共有フレームを受け取ると、TXOP共有参加者AID情報を確認することによってどのSTAが共有TXOPに参加する用意があるかを認識し、これに応じてそのSTAにリソースを割り当てる。非AP STAは、MU-RTS共有フレームを受け取ったもののAPに送信するものを何も有していない場合には、TXOP共有参加者AIDを第2の状態(例えば、0)に設定して次の共有TXOPに参加しない旨を示すべきである。
8.5.ランダムTXOPアクセス要求トリガーフレーム
図52に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールド1092を有するTXOPランダムアクセス要求トリガーのフレームフォーマットの実施形態例1090を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールドについては、1094、1100及び1104で後述する。ユーザ情報リスト(User Info List)サブフィールドについては1096で後述する。ここでは、パディング及びFCSを含むフレームを例示する。
共通情報サブフィールド1094は、以下のサブフィールドを有する。トリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、以前は予備であった空間を利用し、本開示では、特定の値(例えば、限定ではなく一例として8)に設定されると、TXOPランダムアクセス要求トリガーフレームであることを示す。TXOP所有者STAは、自機のためのRUを予約して残りのRUを他のSTAと共有する。TXOP所有者STAは、AP協調を伴わないシナリオではTXOPランダムアクセス要求トリガーを送出した後に、或いはAP協調を伴うシナリオではTXOPランダムアクセス要求トリガーを受け取った後に、予約されたRUにおいてAPにULデータをユニキャストする。TXOP共有参加者STAは、TXOPランダムアクセス要求トリガーを受け取った後に、チャネルにランダムにアクセスして共有RUを求めて競合する。
残りのサブフィールドは、以下を除き図50で説明したものと同じである。
共通情報の下部1100には、以下のように利用されるサブフィールドが存在する。AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
TXOP所有者STAは、共通情報のUL BWサブフィールド及びユーザ情報フィールドのRU割り当てサブフィールドによって、予約されたRUを告知する。また、TXOP所有者STAは、AID12サブフィールドにおいて、この例では1~2007の範囲とすべき自機のAIDも告知する。
ランダムアクセス要求トリガーフレーム内のユーザ情報リスト(User Info List)フィールドは、ユーザ情報フィールド1096のリストを含み、各ユーザ情報フィールドは、その下に示すサブフィールド1098を有する。他の関連するSTAでは、ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールドが0として設定され、ここではSS割り当て/RA-RU情報としてマークされるユーザ情報フィールドのB26~B31を利用して、サブフィールド1102を有するRA-RU情報を提供する。RA-RU数(Number of RA-RU)サブフィールドは、UL OFDMAランダムアクセス(UORA)のために割り当てられた連続するRUの数を示す。RA-RU数サブフィールドの値は、連続するRA-RU数から1をマイナスした数に等しい。さらなるRA-RU(More RA-RU)サブフィールドは、第1の状態(例えば、1)に設定されると、このユーザ情報フィールド内のAID12サブフィールドによって示されるタイプのRA-RUが後続のトリガーフレームにおいて割り当てられて、このフィールドを伝えるトリガーフレームが送信されるTWT SPの終了まで送信されることを示し、そうでなければ第2の状態(例えば、0)に設定される。共通情報フィールドのさらなるTFフィールドが0に設定された場合、さらなるRA-RUサブフィールドは予備である。
8.6.ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム
図53に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールド1112を有するユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームフォーマットの実施形態例1110を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールドについては1114で後述し、1118に拡張される。ユーザ情報フィールドは、1116で後述するサブフィールドを有する。ここでは、パディング及びFCSを含むフレームを例示する。
共通情報フィールドは、以下のサブフィールド1114を有する。説明していないフィールド/サブフィールドは、図50及び図52に示すような本明細書で上述したデータ構造について説明した機能と同じ機能を有する。以前は予備フィールドであったトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、この事例ではユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームであるトリガーフレームのタイプを示すために利用され、この具体例では一例として9に設定される。
単一BSSシナリオでは以下のことが言える。(a)TXOP所有者STAは、(TXOPアクセス開始フラグサブフィールドによって示される)最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストする。(b)TXOP共有参加者STAは、(たとえ宛先が別のSTAであったとしても)最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、割り当てられたRUでAPにULデータをユニキャストする。
データセグメント1118では、AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドが、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
ユーザフィールドに戻ると、1116に、それぞれがサブフィールド1117を含むユーザ情報サブフィールドのリストが見られる。説明していないフィールド/サブフィールドは、図50及び図52に示すような上述したデータ構造について説明した機能と同じ機能を有する。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(例えば、1~2007の値)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定される。このSTAは、共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。単一BSS(Single BSS)サブフィールドは、ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームが単一BSSシナリオで送信されるか、それともOBSSシナリオで送信されるかを示す。単一BSSシナリオでは、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを示すためにTXOPアクセス開始フラグ(TXOP Access Start Flag)サブフィールドが使用される。この例では、データ遅延(Data Delay)サブフィールドは使用されない。OBSSシナリオでは、データ送信の遅延を示すためにデータ遅延サブフィールドが使用される。同様に、この例ではTXOPアクセス開始フラグ(TXOP Access Start Flag)サブフィールドも使用されない。
TXOPアクセス開始フラグサブフィールドは、このユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームがTXOP所有者によって最後のTXOP共有参加者STAに送信されたかどうかを示す。最後のTXOP共有参加者STAである場合には第1の状態(例えば、1)に設定され、そうでない場合には第2の状態(例えば、0)に設定される。ユニキャストTXOPアクセス要求トリガーを受け取った各TXOP共有参加者STAは、たとえこれらのSTAにフレームが送信されていない場合でも、TXOPアクセス開始フラグサブフィールドをチェックする。このフィールドが第2の状態に設定されている場合、STAはデータを保持し、第1の状態に設定されている場合、STAはAPにデータを送出する。データ遅延(Data Delay)サブフィールドは、非AP STAがユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出/受信してからULデータを送出するまでの遅延を示す。
8.7.ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレーム
図54に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームフォーマット1132の実施形態例1130を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールドについては1134で後述し、1136に拡張される。サブフィールド1138及び1140を有するユーザ情報(User Info)フィールドについても後述する。ここでは、パディング及びFCSを含むフレームを例示する。
共通情報フィールドは、以下のサブフィールド1134を有する。説明していないフィールド/サブフィールドは、図50及び図52に示すような上述したデータ構造について説明した機能と同じ機能を有する。共通情報フィールドのトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、この例ではブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームであることを示すために限定ではなく一例として10に設定される。
単一BSSシナリオでは以下のことが言える。(a)TXOP所有者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送出した後に、予約されたRUでAPにULデータをユニキャストする。(b)TXOP共有参加者STAは、ブロードキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後に、割り当てられたRUでAPにULデータをユニキャストする。
サブフィールド1136に進むと、AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
ユーザ情報リスト(User Info List)フィールドは、以下のサブフィールド1138及び1140を有する。それぞれが1140に例示するフォーマットを有する複数のユーザ情報を保持することができる(1138)。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(例えば、1~2007の値)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定される。このSTAは、共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。データ遅延サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する非AP STAがULデータを送信する遅延期間を示す。
8.8.CTS-to-self共有
図55に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するCTS-to-self共有フレームフォーマットの実施形態例1150を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。
単一BSSシナリオでは、TXOP所有者STAが、TXOP送信のための媒体を予約するために、最初にRAフィールドが自機のMACアドレスに等しいCTS-to-selfフレームをAPにユニキャストすることができる。APは、CTS-to-self共有フレームを受け取ると、潜在的TXOP共有参加者STAにMU-RTS共有フレームをブロードキャストする。
CTS-to-self共有フレームの期間(Duration)フィールドにはNAVを設定することができる。設定ビット0~13は、1~16,383のNAV継続時間値を含む。01としての設定ビット14~15は共有情報を示す。これは、TXOP所有者が他のSTAとTXOPを共有する用意があることを意味する。APは、TXOP所有者STAからCTS-to-selfフレームを受け取って、潜在的TXOP共有参加者STAにMU-RTS共有フレームを送信する。
8.9.TXOP参加者告知フレーム
図56は、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOP参加者告知フレームのフレームフォーマットの実施形態例1170を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドはフレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。図57に示して後述するような1又は2以上のSTA TXOP参加者(STA TXOP participant)フィールド(例えば、1~n)が組み込まれる。
図57に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有する、BSRP及びBSRフレームの定期的交換でAP/TXOP所有者によって知られているSTA TXOP参加者フィールドフォーマットのフレームフォーマットの実施形態例1190を示す。ソースAID(Source AID)及び宛先AID(Destination AID)サブフィールドは、それぞれソースSTA及び宛先STAのAIDを示す。ACIビットマップ(ACI Bitmap)サブフィールドは、バッファステータスが報告されるアクセスカテゴリを示す。デルタTID(Delta TID)サブフィールドは、ACIビットマップサブフィールドの値と共に、STAがバッファステータスを報告しているTIDの数を示す。ACI高(ACI High)サブフィールドは、キューサイズ高(Queue Size High)サブフィールドにフレームが示されるACのACIを示す。スケーリングファクター(SF)(Scaling Factor(SF))サブフィールドは、キューサイズ高サブフィールド及びキューサイズ全サブフィールドのSF単位をオクテット単位で示す。キューサイズ高(Queue Size High)サブフィールドは、フレーム制御サブフィールドを含むフレームの受信側アドレスによって識別されるSTAを対象とする、ACI高サブフィールドによって識別されるACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。キューサイズ全(Queue Size All)サブフィールドは、フレーム制御サブフィールドを含むフレームの受信側アドレスによって識別されるSTAを対象とする、ACIビットマップサブフィールドによって識別される全てのACのバッファリングされたトラフィック量をSFオクテットの単位で示す。
8.10.TXOPアクセススケジューラトリガーフレーム
図58に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOPアクセススケジューラトリガーフレームフォーマット1212の実施形態例1210を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールドについては1214で後述し、1220及び1222に拡張される。サブフィールドを有するユーザ情報フィールドについては1216及び1218で後述する。ここでは、パディング及びFCSを含むTXOPアクセススケジューラトリガーフレームを例示する。
共通情報フィールドは、以下のサブフィールド1214を含む。共通情報フィールドの(従来は予備であったビットを使用する)トリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームであることを示すために設定され、限定ではなく一例として11に設定される。
トリガータイプサブフィールドは、単一BSSシナリオでは以下のように使用される。(1)TXOP所有者STAは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを送出した後、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを受け取った後にAPにULデータをユニキャストする。(2)APは、TXOPアクセススケジューラトリガーフレームを受け取った後に、各TXOP共有参加者STAにユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する。APは、最後のユニキャストTXOPアクセス要求トリガーフレームを送信する際に、TXOPアクセス開始フラグサブフィールドを第1の状態(例えば、1)に設定する。
1220では、AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP / non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドが、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示すことが分かる。説明していないフィールド/サブフィールドは、本明細書で上述したデータ構造と同じ機能を有する。
ユーザ情報リスト(User Info List)フィールドは、以下のサブフィールド1216及び1218を有する。1216にユーザフィールドのリストを示しており、各フィールドは、1218に示す以下のサブフィールドを含む情報を含む。ユーザ情報フィールドのAID12サブフィールド(例えば、1~2007の値)は、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定される。このSTAは、共有TXOP参加者STAである。RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。ユーザ情報フィールドのデータ遅延サブフィールドは、AID12サブフィールド内の値に等しいAIDを有する非AP STAがULデータを送信する遅延時間を示す。
8.11.TXOP優先度トリガーフレーム
図59に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOP優先度トリガーフレームフォーマットの実施形態例1230を示す。フレーム制御(Frame Control)フィールドは、フレームのタイプを示す。期間(Duration)フィールドは、CSMA/CAチャネルアクセスに使用されるNAV情報を含む。RAフィールドは、フレームの受信側のMACアドレスを含む。TAフィールドは、フレームを送信したSTAのMACアドレスを含む。共通情報(Common Information)フィールドについては1234で後述し、1240に拡張される。ユーザ情報フィールドについては、サブフィールド1236及び1238と共に後述する。ここでは、パディング及びFCSを含むフレームを例示する。
共通情報フィールドは、以下のサブフィールド1234を含み、説明していないフィールド/サブフィールドは、本明細書で上述したデータ構造と同じ機能を有する。(従来は予備であったビットを使用する)共通情報フィールドのトリガータイプ(Trigger Type)サブフィールドは、フレームがTXOP優先度トリガーフレームであることを示すために設定され、限定ではなく一例として12に設定される。
TXOP所有者STAは、自機のためのRUを予約して残りのRUを他のSTAと共有する。TXOP所有者は、TXOP優先度トリガーフレームをAPにユニキャストした後に、スケジュールされたTXOPアクセス情報を含むAPからのトリガーフレームを待つ。APは、TXOP優先度トリガーフレームを受け取った後に、共有TXOPアクセススケジューリング及びトリガーUL送信を実行し、TXOP所有者STAにより多くのリソースを割り当てるべきである。
サブフィールド1240に進むと、AP/非AP TXOP所有者STA Tx電力(AP/non-AP TXOP owner STA Tx Power)サブフィールドは、AP(コーディネータとしてのAPを伴う動的シナリオの場合)又は非AP TXOP所有者STA(コーディネータとしてのAPを伴わない動的シナリオの場合)のトリガーフレームの送信に使用される全ての送信アンテナのアンテナコネクタにおける20MHz帯域幅に正規化された合計送信電力をdBm単位で示す。
ユーザ情報リストフィールドには、サブフィールド1236及び1238を示す。説明していないフィールド/サブフィールドは、本明細書で既に説明したデータ構造と同じ機能を有する。それぞれが1238に例示するフォーマットを有する複数のユーザ情報(ここでは一例として1つのみを示す)1236を保持することができる。ユーザ情報フィールドの(例えば、1~2007の値を有する)AID12サブフィールドは、AID12サブフィールドの値に等しいAIDを有する関連するSTAにアドレス指定され、従ってSTAは共有TXOP参加者STAである。
RU割り当て(RU Allocation)サブフィールドは、共通情報フィールド内のUL BWサブフィールドと共にRUのサイズ及び位置を識別する。
ユーザ情報フィールドの優先度サブフィールドは、TXOP優先度トリガーフレームを送信したSTAの優先度を示す。第1の状態(例えば、1)に設定されると、送信側がTXOP所有者であることを示し、従ってAPは、RU割り当てサブフィールド及びUL BWサブフィールドによって示されるRUサイズ未満ではない十分なRUサイズを割り当てるべきである。
8.12.TXOP所有者構成
図60に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOP所有者構成フレームフォーマットの実施形態例1250を示す。STA TXOPアクセス割り当てフィールドは、各特定のSTAのためのTXOPアクセス割り当てを示す。APは、TXOP所有者構成フレームを受け取った後に、STA TXOPアクセス割り当て情報を記録して、STAに確認応答フレームを送信する。
図61に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有する、図60に示すSTA TXOPアクセス割り当てフィールドのフレームフォーマットの実施形態例1270を示す。TXOP所有者MACアドレス(TXOP Holder MAC Address)サブフィールドは、TXOP所有者のMACアドレスを示す。TXOP参加者MACアドレス(TXOP Participant MAC Address)サブフィールドは、TXOP共有参加者STAのMACアドレスを示す。割り当て制御情報(Allocation Control Info)サブフィールドは、特定のTXOP共有参加者STAのためのTXOPリソース割り当てを示し、これについては図62に示す。
図62に、少なくとも1つの実施形態では以下のサブフィールドを有する、TXOP共有参加者STAのトラフィックの優先度を示す割り当て制御情報サブフィールドの優先度サブフィールドの実施形態例1290を示す。割り当て制御情報サブフィールドのAID12サブフィールド(例えば、1~2007の値)サブフィールドは、割り当て制御情報サブフィールドが、AID12サブフィールドの値に等しい関連するSTAにアドレス指定されることを示す。割り当て制御情報サブフィールドのUL BWサブフィールドは、HE TB PPDUのHE-SIG-Aにおける帯域幅を示す。RU割り当てサブフィールドは、UL BWサブフィールドと共に、割り当てられたRUのサイズ及び位置を識別する。
8.13.TXOPアクセス構成
図63に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールド1312を有するTXOPアクセス構成フレームフォーマットの実施形態例1310を示す。フレーム制御(Frame Control)、期間(Duration)、RA及びTAは、前節で説明した通りに利用される。各非AP STAの構成を示す複数のSTA構成フィールド(例えば、1~n)が存在することができる。図の下部には、STA構成フィールドフォーマットを1314で示しており、これらは図61に示すような各非AP STAのためのTXOPアクセス割り当てを含む。STAは、TXOP所有者(コーディネータとしてのAPを使用しない場合)又は関連するAP(コーディネータとしてのAPを使用する場合)のいずれかからトリガーを受け取った後に、割り当てられたRUを使用してAPにデータを送信する。
8.14.TXOP共有要求トリガー
図64に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOP共有要求トリガーフレームフォーマットの実施形態例1330を示す。フレーム制御(Frame Control)、期間(Duration)及び共通情報(common info)は、前節で説明した通りであり、このTXOP共有要求トリガーフレームフォーマットではユーザ情報(User Info)フィールドは不要である。TAフィールドは、TXOP所有者のMACアドレスとして設定すべき、送信局のMACアドレスを含む。RAフィールドは受信側のMACアドレスであり、以下のように動作する。
コーディネータとしてのAPを伴わないシナリオでは、RAフィールドがブロードキャストMACアドレス(ff:ff:ff:ff:ff)として設定される。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームをブロードキャストする。TXOP共有参加者STAは、このフレームを受け取ると、共有TXOP構成段階で構成される割り当てられたRUを使用して、関連するAPにULデータを送信すべきである。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームを送信した後に、予約されたRUを使用して関連するAPにULデータを送信する。
コーディネータとしてのAPを使用するシナリオでは、RAフィールドが関連するAPのMACアドレスとして設定される。TXOP所有者は、TXOP共有要求トリガーフレームをユニキャストする。APは、このフレームを受け取ると、TXOP共有応答トリガーフレームをブロードキャストする。全ての該当するSTAは、共有TXOP構成段階で構成される割り当てられたRUを使用して、関連するAPにULデータを送信すべきである。
8.15.TXOP共有応答トリガー
図65に、少なくとも1つの実施形態では以下のフィールドを有するTXOP共有応答トリガーフレームフォーマットの実施形態例1350を示す。フレーム制御(Frame Control)、期間(Duration)及び共通情報(common info)フィールドは前節で説明した通りであり、TXOP共有要求トリガーフレームフォーマットではユーザ情報リスト(User Info List)フィールドは不要である。RAフィールドは受信側のMACアドレスであり、コーディネータとしてのAPを使用するシナリオではブロードキャストMACアドレス(ff:ff:ff:ff:ff)として設定される。データ遅延(Data Delay)フィールドは、OBSSシナリオにおいてTXOP共有応答トリガーを受け取ってからULデータを送信するまでの遅延時間を示す。
9.実施形態の一般的範囲
提示した技術の説明した強化は、様々な無線ネットワーク通信局内に容易に実装することができる。また、無線ネットワーク通信局が1又は2以上のコンピュータプロセッサ装置(例えば、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コンピュータ対応ASICなど)、及び命令を記憶する関連するメモリ(例えば、RAM、DRAM、NVRAM、FLASH、コンピュータ可読媒体など)を含むように実装されることにより、メモリに記憶されたプログラム(命令)がプロセッサ上で実行されて、本明細書で説明した様々なプロセス法のステップを実行することが好ましいと理解されたい。
当業者は、デジタル無線通信に関連するステップを実行するコンピュータ装置の使用を認識しているため、単純化のために図にはコンピュータ及びメモリデバイスを選択的に示した。提示した技術は、メモリ及びコンピュータ可読媒体が非一時的であり、従って一時的電子信号を構成しない限り、これらに関して限定するものではない。
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようないずれかのコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のいずれかのプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサによって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
なお、これらのフローチャートの「開始」及び「停止」などの最初と最後のブロックは、命令が特定のルーチンに限定されること又は実際の開始及び停止を有することをそれ自体が暗示するものではなく、プロセスに関与するステップの実行に関連する基準点として示すものにすぎないと理解されたい。これらのプロセスステップの関連する命令は、様々なルーチン、タスク、スライス及びスレッドなどの範囲内で制限なく実行することができ、これらのステップは、他の機能を実行するステップと組み合わせることができ、或いは本開示の教示から逸脱することなくさらなる機能を提供するように拡張することもできる。
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の技術的実装を含むと理解されるであろう。
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)少なくとも1つの他の局と無線で通信する第1の局として構成された無線通信回路と、(b)無線ネットワーク上で動作するように構成された局内で前記無線通信回路に結合されたプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)自機の送信機会(TXOP)を他の局と共有する際にアクセスポイント(AP)局との間でメッセージを交換してAPに通知し、及び/又はAPによる承認を得ることと、(d)(ii)他の局との間で情報を交換してTXOPが共有に利用可能であることを示し、受け取られた応答に基づいて非アクセスポイント(非AP)共有TXOP参加局を識別することと、(d)(iii)次の共有TXOPに参加する用意がある非AP共有TXOP参加局に、チャネルアクセス中の共有TXOP中にアップロード(UL)データを送信する際に利用すべきリソースユニット(RU)の情報を非AP共有TXOP参加局毎に含むメッセージを送信することと、を含むステップを実行することによって、周波数領域内の単一ベーシックサービスセット(BSS)シナリオにおいて非AP局による他の局とのTXOPの共有を実行する、装置。
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)少なくとも1つの他の局と無線で通信する第1の無線局として構成された無線通信回路と、(b)無線ネットワーク上で動作するように構成された、前記第1の局のプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)自機の送信機会(TXOP)を他の局と共有する際にアクセスポイント(AP)局との間でメッセージを交換してAP局に通知し、及び/又はAP局による承認を得ることと、(d)(ii)第1の局が、TXOP所有者としてチャネルへのアクセス権を獲得すると、AP局の協調を通じて、次のTXOPが共有に利用可能であることを示す情報を他の局との間で交換し、次の共有TXOPに参加する用意がある他の局を識別することと、(d)(iii)AP局の協調を通じて、次の共有TXOPに参加する用意がある非アクセスポイント(非AP)共有TXOP参加局にメッセージを送信し、チャネルがアクセスされた時に非AP共有TXOP参加局の各々がULデータを送信するために使用すべきRUを示すことと、を含むステップを実行することによって、周波数領域内の単一ベーシックサービスセット(BSS)シナリオにおいて非AP局による他の局とのTXOPの共有を実行する、装置。
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)少なくとも1つの他の局と無線で通信する第1の無線局として構成された無線通信回路と、(b)無線ネットワーク上で動作するように構成された、前記第1の局のプロセッサと、(c)プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(d)(i)各非アクセスポイント(非AP)局が、自機が共有送信機会(TXOP)所有者になる場合に自機の共有TXOPに他の非AP局のうちのどの非AP局がアクセスできるかを判定することと、(d)(ii)各潜在的共有TXOP参加局のRU割り当て及びアクセス順の広告された構成を、AP局の協調を通じて半静的構成として伝えることと、(d)(iii)各非AP局が、特定の共有TXOP所有者局が広告された半静的構成に従って開始した共有TXOPにアクセスすることと、を含むステップを実行することによって、周波数領域内の単一ベーシックサービスセット(BSS)シナリオにおいて非AP局による他の局とのTXOPの共有を実行する、装置。
無線LANネットワークにおいてTXOPを取得するSTAであって、(a)APとの間でメッセージを交換して、自機のTXOPを他の非AP STAと共有することを通知し及び/又はその承認を得ることと、(b)チャネルへのアクセス権を獲得した時に、APの協調を通じて、次のTXOPを共有に利用可能であることを示す情報を他のSTAと交換して、次の共有TXOPに参加する用意があるSTAを識別することと、を含むステップを実行することによって、周波数領域内の単一BSSにおいて自機のTXOPを他のSTAと共有する、STA。
無線LANネットワークにおいてTXOPを取得するSTAであって、(a)APとの間でメッセージを交換して、自機のTXOPを他の非AP STAと共有することを通知し及び/又はその承認を得ることと、(b)チャネルへのアクセス権を獲得した時に、次のTXOPが共有に利用可能であることを示す情報を他のSTAと交換し、応答に基づいて非AP共有TXOP参加者STAを識別することと、(c)次の共有TXOPに参加する用意がある非AP共有TXOP参加者STAにメッセージを送信して、チャネルアクセスの発生時に各非AP共有TXOP参加者STAがULデータ送信のために使用すべきURを知らせることと、(d)非AP STAが、APの協調を伴って、(認証/アソシエーション要求/応答フレーム、ビーコンフレームなどの)管理フレームの交換を通じてTXOP共有可能性の情報交換することと、(e)AP及び非AP STAが、BSRP及びBSRフレームで定期的にトラフィック情報を交換することと、(f)チャネルサウンディング後に、TXOP所有者STAが他のSTAにMU-RTS共有フレームを送信し、次の共有TXOPに参加する用意があるSTAからCTS共有フレームを受け取ることと、を含むステップを実行することによって、周波数領域内の単一BSSシナリオにおいて自機のTXOPを他のSTAと共有する、STA。
前記非AP局は、AP局の協調を伴う管理フレームの交換を通じてTXOP共有可能性に関する情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記管理フレームは、認証フレーム、アソシエーションフレーム、要求フレーム、応答フレーム及びビーコンフレームを含む一群のメッセージフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、非AP局及びAP局が定期的にトラフィック情報を交換することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記トラフィック情報は、バッファステータスレポートポーリング(BSRP)フレームとバッファステータスレポート(BSR)フレームとの組み合わせを利用して交換される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、他の局にMU-RTS共有フレームを送信して次の共有TXOPに参加する用意がある他の局からCTS共有フレームを受け取るTXOP所有者局がチャネルサウンディングを実行することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(a)割り当てられるRUと共に各特定の局に送信されるユニキャストTXOPアクセス要求トリガー、(b)各非AP共有TXOP参加局について示されるRU配分情報と共に全ての非AP共有TXOP参加局に送信されるブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー、及び(c)他の局にブロードキャストし、共有RUを使用して他の局のランダムアクセスを引き起こすTXOPランダムアクセス要求トリガー、から成る一群のメッセージから選択されたトリガーフレームを送信することによって、TXOP所有者局が共有TXOPアクセスを開始することさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
他のTXOP参加局は、TXOP所有者局からトリガーフレームを受け取ると、トリガーフレームに含まれるアクセス情報に従ってチャネルのアクセスを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
TXOP共有可能性情報の前記交換は、AP局による協調を伴う管理フレームの交換を通じて実行される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記管理フレームは、認証フレーム、アソシエーションフレーム、要求フレーム、応答フレーム及びビーコンフレームを含む一群のフレームから選択される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、非AP局とAP局との間でバッファステータス及びトラフィック優先度情報を定期的に交換することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記バッファステータス及びトラフィック優先度情報は、バッファステータスレポートポーリング(BSRP)フレームとバッファステータスレポート(BSR)フレームとの組み合わせを利用することによって交換される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、他の局にMU-RTS共有フレームを送信して次の共有TXOPに参加する用意がある他の局からCTS共有フレームを受け取るAP局が非AP TXOP所有者局からCTS-to-self共有フレームを受け取ることをさらに含み、AP局は、非AP TXOP所有者局にTXOP参加者告知フレームで参加者情報を送信する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、非AP TXOP所有者局が、(a)次のTXOPを共有する他の局の各々のRU割り当てを示すTXOPアクセススケジューラトリガーフレームをAP局に送信すること、又は(b)TXOP優先度トリガーフレームをAP局に送信すること、によって共有TXOPのアクセスを開始することをさらに含み、TXOP優先度トリガーフレームは、TXOP所有者に優先度を示すとともに、AP局がRU配分をスケジュールすることを可能にする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、AP局がTXOPアクセススケジューラトリガーを受け取った際に、(a)割り当てられたRUを有する各特定の局にTXOPアクセス要求トリガーをユニキャストすること、又は(b)全ての非AP共有TXOP参加局にTXOPアクセス要求トリガーをブロードキャストすることを含むステップを実行し、前記TXOPアクセス要求トリガーは、割り当てられたRUを前記非AP共有TXOP参加局の各々に配分すること、を含む1又は2以上のステップをさらに実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
TXOP優先度トリガーを受け取ったAP局は、(a)他の局の各々からのBSRフレームに示される最新のトラフィック情報に基づいてスケジューリングを実行し、ベーシックトリガーでUL送信をトリガーすること、又は(b)非AP局にTXOPランダムアクセス要求トリガーをブロードキャストし、RA-RUを使用してチャネルにアクセスする非AP共有TXOP参加局のランダムアクセスをトリガーすることを含むステップを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、AP局が、非AP TXOP所有者局に、予約されたRUを使用してチャネルにアクセスさせることをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
非AP TXOP共有参加者局は、APからトリガーフレームを受け取ると、トリガーフレーム内に示されるアクセス情報に従ってチャネルにアクセスすることを実行し、非AP TXOP所有者STAは、予約されたRUを使用してチャネルにアクセスすることを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、(a)非AP局がAP局の協調を通じて他の非AP局と共有オファー/要求フレームを交換し、(b)AP局が他の全ての非AP局に非AP局の共有可能性情報を転送し、(c)非AP局がAP局の協調を通じて他の全ての非AP局と準静的TXOP共有スケジュールの構成を交換し、(d)AP局が全ての非AP局にTXOPアクセス構成フレームで共有TXOPアクセス情報を転送することによって非AP局が半静的構成を設定する設定手順を実行することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、非AP局が、広告された割り当てスケジュールに従って他の非AP局との間で自機のTXOPの共有を実行することをさらに含む、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記命令は、プロセッサによって実行された時に、非AP TXOP所有者局がチャネルを取得して、(a)コーディネータとしてのAP局を伴わずにTXOP共有要求トリガーをブロードキャストすること、又は(b)コーディネータとしてのAP局を伴ってAP局にTXOP共有要求トリガーをユニキャストすること、を実行することをさらに含み、AP局は、(b)に応答してTXOP共有応答トリガーをブロードキャストする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
前記非AP局は、ブロードキャストTXOP共有要求フレームを受け取ると、広告されたRU割り当てに基づいてチャネルにアクセスすることを実行する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
APの協調を通じて次の共有TXOPに参加する用意がある非AP共有TXOP参加者STAにメッセージを送信し、チャネルアクセスの発生時に各非AP共有TXOP参加者STAがULデータを送信するために使用すべきRUを通知する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
STAが、APの協調を伴って(認証/アソシエーション要求/応答及びビーコンフレームなどの)管理フレームの交換を通じてTXOP共有可能性情報を交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
AP及び非AP STAが、BSRP及びBSRフレームを使用してバッファステータス及びトラフィック優先度情報を定期的に交換する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
APが、非AP TXOP所有者STAからCTS-to-self共有フレームを受け取った後に、他のSTAにMU-RTS共有フレームを送信して、次の共有TXOPに参加する用意があるSTAからCTS共有フレームを受け取り、APは、TXOP参加局告知フレームで非AP TXOP所有者STAに参加局に関する情報を送信する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
TXOP所有者STAが、(a)割り当てられるRUと共に各特定のSTAに送信されるユニキャストTXOPアクセス要求トリガー、(b)各非AP共有TXOP参加STAについて示されるRU配分情報と共に全ての非AP共有TXOP参加STAに送信されるブロードキャストTXOPアクセス要求トリガー、又は(c)他のSTAにブロードキャストし、共有RUを使用して他のSTAのランダムアクセスを引き起こすTXOPランダムアクセス要求トリガーを含むトリガーフレームを送信することによって共有TXOPを開始する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
他のTXOP共有参加者STAは、TXOP所有者STAからトリガーフレームを受け取ると、トリガーフレーム内に示されるアクセス情報に従ってチャネルにアクセスする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
本明細書で使用する「実装」という用語は、本明細書で説明する技術を実践するための実施形態、実施例又はその他の形態を制限なく含むように意図される。
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
本開示における「A、B及び/又はC」などの表現構造は、A、B又はCのいずれか、或いは項目A、B及びCのいずれかの組み合わせが存在し得ることを表す。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」の後にリストされた一群の要素が続くものなどを示す表現構造は、該当する際にはこれらのリストされた要素のいずれかの考えられる組み合わせを含む、これらの一群の要素のうちの少なくとも1つが存在することを示す。
本開示における「ある実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」又は同様の実施形態という言い回しについて言及する参照は、説明する実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、これらの様々な実施形態の表現は、必ずしも全てが同じ実施形態、又は説明されている他の全ての実施形態とは異なる特定の実施形態を意味するわけではない。実施形態という表現は、所与の実施形態の特定の特徴、構造又は特性を、開示する装置、システム又は方法の1又は2以上の実施形態においていずれかの好適な形で組み合わせることができることを意味するものとして解釈すべきである。
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
本文書における第1及び第2、頂部及び底部などの関係語は、1つの実体又は行動を別の実体又は行動と区別するために使用しているにすぎず、必ずしもこのような実体又は行動同士のこのようないずれかの実際の関係又は順序を必要としたり、又は意味したりするものではない。
「備える、有する、含む(comprises、comprising、has、having、includes、including、contains、containing)」という用語、又はこれらの用語の他のあらゆる変化形は、非排他的包含を含むことが意図されており、従って、ある要素リストを備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙していない、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に特有の他の要素を含むこともできる。「~を備える、有する、又は含む(comprises … a、has … a、includes … a、contains … a)」に続く要素は、その要素を備える、有する又は含むプロセス、方法、物品又は装置にさらなる同一要素が存在することを、さらなる制約を受けることなく除外するものではない。
本明細書で使用する「近似的に(approximately)」、「近似する(approximate)」、「実質的に(substantially)」、「基本的に(essentially)」及び「約(about)」という用語、又はこれらのいずれかの変形形態は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に単純化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
本明細書で使用する「結合される(coupled)」という用語は、「接続される」と定義されるが、必ずしも直接的な機械的接続ではない。特定の形で「構成される(configured)」装置又は構造は、少なくともその形で構成されるが、列挙していない形で構成することもできる。
利点、長所、問題解決手段、及びいずれかの利点、長所又は解決手段を生じさせる、又はより顕著にするいずれかの(単複の)要素は、本明細書で説明した技術、或いは一部又は全部の請求項の重要な、必要な又は不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
また、上述した開示では、開示を合理化する目的で様々な実施形態において様々な特徴を共にグループ化することができる。本開示の方法は、請求項に記載する実施形態が、各請求項に明示的に記載する特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。本発明の主題は、開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものによって成立することができる。
本開示の要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確認できるように示すものである。要約書は、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されるものではないという理解の下で提示するものである。
管轄によっては、出願後に本開示の1又は2以上の部分の削除を求める慣行もあると理解されたい。従って、読者は、本開示の元々の内容については出願日時点の出願を参照すべきである。開示内容のいずれかの削除は、当初出願時の出願のいずれかの主題の放棄、失権又は公衆への献呈として解釈すべきではない。
以下の特許請求の範囲は、各請求項が単独の発明主題として自立した状態で本開示に組み込まれる。
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。