JP2018011093A - 無線通信端末、メモリーカード、無線通信装置、無線通信方法および無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】アップリンクマルチユーザ送信のスケジューリングを効率的に行う。
【解決手段】本発明の実施形態としての無線通信端末は、制御部を備える。前記制御部は、データ送信の許可を要求する第1フレームを受信し、前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した第1端末と異なる第2端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを受信し、前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う対象端末を指定した第4フレームを送信し、前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信する。
【選択図】図7
【解決手段】本発明の実施形態としての無線通信端末は、制御部を備える。前記制御部は、データ送信の許可を要求する第1フレームを受信し、前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した第1端末と異なる第2端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを受信し、前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う対象端末を指定した第4フレームを送信し、前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信する。
【選択図】図7
Description
本発明の実施形態は、無線通信端末、メモリーカード、無線通信装置、無線通信方法および無線通信システムに関する。
無線LANシステムにおいて、複数の無線端末がアップリンクで同時送信を行う方式をサポートするためのプロトコルが検討されている。アップリンクで複数の無線端末が同時送信を行う方式としては、アップリンクマルチユーザMIMO(Uplink Multi−User MIMO:UL−MU−MIMO)送信、およびアップリンクマルチユーザマルチチャネル(Uplink Multi−User Multi−Channel)送信が知られている。以下、これらの方式を総称して、アップリンクマルチユーザ(UL−MU)送信と呼ぶことがある。UL−MU送信を発動するためのトリガとして、アクセスポイントがトリガを発生させる中央制御型方式と、無線端末がトリガを発生させる分散制御型方式が提案されている。
中央制御型方式では、アクセスポイントがUL−MU送信の開始前に募集期間を設け、UL−MU送信の実行を希望する無線端末は、この募集期間にアクセスポイントにUL−MU送信に必要な情報を通知する。この方法では、UL−MU送信開始前までのオーバーヘッドが大きくなるとともに、募集期間内に無線端末からのUL−MU送信の希望通知が来ない可能性もある。この場合、システム効率の低下を招く。また、UL−MU送信の実行を希望する無線端末が存在するのか未知のため、UL−MU送信の実行を決定するタイミングも難しい。
分散制御型方式では、アクセスポイントが、ある無線端末からアップリンク送信要求を受けると、当該無線端末が属するグループのグループIDを含むフレームをトリガフレームとしてブロードキャストすることで、当該グループに含まれる無線端末(IEEE802.11acでは最大4端末)にUL−MU送信を行わせる。中央制御型方式に比べて、UL−MU送信開始前までのオーバーヘッドは大幅低減できるが、アクセスポイントは、最初にアップリンク送信要求を行った無線端末以外の無線端末の要求を収集しないため、最初にアップリンク送信要求を行った無線端末の要求に合わせて、他無線端末もアップリンク送信を行う必要がある。この場合、他無線端末にとっては効率の良くないデータ送信となる可能性がある。
このように中央制御型および分散制御型のいずれでも、少ないオーバーヘッドでアップリンクマルチユーザ送信のスケジューリングを効率的に行うことはできなかった。
本発明の実施形態は、アップリンクマルチユーザ送信のスケジューリングを効率的に行うことを目的とする。
本発明の実施形態としての無線通信端末は、制御部を備える。前記制御部は、データ送信の許可を要求する第1フレームを受信し、前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した第1端末と異なる第2端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを受信し、前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う対象端末を指定した第4フレームを送信し、前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す。
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムを示す。
図1の無線通信システムは、アクセスポイント(Access Point:AP)11と、複数の無線端末1、2、3、4とを具備した無線ネットワークである。アクセスポイント11も、無線端末の一形態であるが、中継機能を有する点において、無線端末1〜4と異なる。アクセスポイント11と各無線端末1〜4は、任意の無線規格に従って通信を行う。ここでは、IEEE802.11規格に従うものとする。IEEE802.11規格では、アクセス制御方式として、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)が用いられる。無線端末1〜4が、アクセスポイント11が形成するネットワーク(BSS:Basic Service Set)に属するためには、アクセスポイント11とアソシエーション処理、および必要に応じて認証処理を行って、無線リンクを確立する必要がある。無線端末1〜4がアクセスポイント11と無線リンクを確立することで、通信に必要なパラメータの交換や互いの能力の把握を行う。
アクセスポイント11は、複数のアンテナを備え、図1の例では、4つのアンテナ12A、12B、12C、12Dを備える。アクセスポイント11は、無線端末1〜4と無線通信するための装置(無線通信装置)を搭載する。装置(無線通信装置)は、無線端末1〜4と信号を送受信する無線通信部と、無線通信部を介して無線端末1〜4とフレームを送受信することで、複数の無線端末1〜4との通信を制御する通信制御装置とを備える。
各無線端末1〜4は、1つまたは複数のアンテナを備え、図1の例では、各無線端末1〜4は、それぞれ1本のアンテナ1A、2A、3A、4Aを備える。各無線端末は、アクセスポイント11と無線通信するための装置(無線通信装置)を搭載する。装置(無線通信装置)は、アクセスポイント11と信号を送受信する無線通信部と、無線通信部を介してアクセスポイント11とフレームを送受信することで、アクセスポイント11との通信を制御する通信制御装置とを備える。
アクセスポイント11は、無線ネットワーク(第1ネットワークと呼ぶ)を形成し、アクセスポイント11と通信する無線端末は、この無線ネットワークに属する必要がある。アクセスポイント11は、この無線ネットワークとは別の、有線または無線の他のネットワーク(第2ネットワークと呼ぶ)に接続されてもよい。アクセスポイント11は、これら第1ネットワークおよび第2ネットワーク間の通信を中継したり、第1ネットワークに属する複数の無線端末間での通信を中継したりする。アクセスポイント11は、各無線端末1〜4から受信したデータフレームを、その宛先に応じて、同じ第1ネットワークの他に無線端末に送信したり、第1ネットワークとは別の第2ネットワークに転送したりする。
本実施形態では、複数の無線端末は、自装置で発生したデータを含むデータフレームをアクセスポイント11に送信する際、アップリンクマルチユーザ(Uplink Multi−User)方式で送信することを可能としている。アップリンクマルチユーザ方式として、アップリンクマルチユーザMIMO(Uplink Multi−User MIMO:UL−MU−MIMO)と、アップリンクマルチユーザマルチチャネル(Uplink Multi−User Multi−Channel:UL−MU−MC)とがある。本実施形態で行うUL−MU送信は、これらのいずれの方式の送信でも構わない。
図2(A)にUL−MU−MIMO送信の概要を示す。複数の無線端末1〜4(STA1〜STA4)が、アクセスポイント(AP)に、同一周波数帯域(図ではチャネル1)で同時にフレーム信号を送信する。アクセスポイントが、これらのフレーム信号を同時に受信し、MIMO復調することで、各無線端末のフレームに分離する。UL−MU−MIMO送信では、同時に複数の無線端末からフレームを送信できるため、システムスループットを向上させることができる。UL−MU−MIMO送信の最大の多重可能なデータストリームの数は、アクセスポイントのアンテナ数によって制限される。図1の例の場合、アクセスポイント11が4つのアンテナを有するため、最大多重可能ストリーム数は4である。各無線端末が1つのアンテナを備え、それぞれ1データストリームのみを送信可能な場合、アクセスポイントが同時に通信可能な端末は、最大で4台である。ある1台の無線端末が、複数のアンテナを備えて、複数データストリームの送信(MIMO送信)を行うことも可能である。
図2(B)にUL−MU−MC送信の概要を示す。アクセスポイント(AP)が、複数のチャネル1〜4を、複数の無線端末1〜4(STA1〜4)にそれぞれ割り当て、複数の無線端末1〜4からそれぞれの割り当てチャネルで同時に送信する。すなわち、無線端末1〜4がそれぞれチャネル1〜4を用いて、OFDMA (Orthogonal Frequency Division Multiple Access)送信を行う。各無線端末に割り当てるチャネルは、互いに異なるチャネルである。OFDMA送信で利用する複数のチャネルは、無線通信システムとして利用する全てのチャネルであっても、その一部の複数チャネルであってもよい。各無線端末に割り当てるチャネルは1つでもよいし、複数でもよい。複数のチャネルを割り当てる場合、割り当てるチャネルは、周波数領域で連続するチャネルであっても、分離した位置のチャネルでもよい。仮に、8つの割り当て可能なチャネルが存在し、1台の無線端末につき1つのチャネルを割り当てる場合は、同時に通信可能な端末数は、最大で8である。アクセスポイントは、各無線端末から同時に受信したフレーム信号から無線端末ごとのチャネルの信号をフィルタリング等で抽出して、抽出した信号を復調および復号等を含む物理層の処理を行うことで、各無線端末が送信したフレームを取得する。
上述したように、アクセスポイント11と無線端末1〜4は、無線リンクを確立することで、通信に必要なパラメータの交換や互いの能力の把握を行う。よって、アクセスポイント11は、無線端末1〜4と無線リンクを確立することで、無線端末1〜4が、UL−MU−MIMO送信またはUL−MU−MC送信に対応した無線端末が否か等も把握できる。ただし、UL−MU−MIMO送信またはUL−MU−MC送信への対応可否の能力の把握は、無線リンクの確立後に、管理フレーム等の送受信により把握することも可能である。なお、図1では、無線端末1〜4が示されるが、図示の無線端末1〜4以外にも、アクセスポイント11と無線リンクを確立した他の無線端末が存在してもよい。
図3は、図1に示したアクセスポイント11および無線端末1〜3間の動作シーケンスの一例を示す。無線端末1〜4が、それぞれアクセスポイント11に送信するデータを有しており、無線端末1〜4からアクセスポイント11へUL−MU送信を行う場合を想定する。
図において、横方向に延びる実線の矢印で示される区間は、short interframe space(SIFS)を表し、太線の矢印で示される区間は、distributed coordination function interframe space(DIFS)と、CSMA/CAのバックオフ(BackOff)時間との合計(キャリアセンス時間)を表している。ただし、SIFSおよびDIFSは一例であり、予め定めた時間であれば、別の時間(フレーム間隔)でもよい。なお、SIFSおよびDIFSの詳細については別の実施形態で説明する。
図3の動作シーケンス例では、無線端末1による要求フレーム21の送信から、アクセスポイント11による通知フレーム28の送信完了までの要求フェーズ(Request Phase)と、通知フレーム28の送信完了後からBlockACKフレームの送信完了までのデータ送信フェーズ(Data Transmission Phase)を備えている。後述するように、要求フェーズでは、各無線端末は、アクセスポイントから送信される問い合わせフレーム22またはポーリングフレームへの応答として、要求フレームを送信する。つまり、アクセスポイントは、中央制御型のアクセス制御で、各無線端末に要求フレームを送信させる。
無線端末1において、アップリンク送信用のデータが発生すると、無線端末1が、UL−MU送信での送信を要求するため、データ送信の許可を要求する要求フレーム21をアクセスポイント11に送信する。無線端末1は要求フレーム21を送信するため、DIFSとランダムに決定したバックオフ時間の間、キャリアセンスを行い、送信権を獲得する。無線端末2〜4も、アップリンク送信用のデータを有し、それぞれ要求フレームの送信のための送信権の獲得を試みるが、ここでは無線端末1が送信権を獲得したものとする。無線端末1は、TXOP(Transmission Opportunity;送信権獲得期間)の間に、要求フレーム21を送信する。要求フレーム21は、アクセスポイント11がUL−MU送信の実行決定のトリガとなるフレームであり、トリガ要求フレームと呼ぶ場合がある。またトリガ要求フレームを送信した無線端末をトリガ端末と呼ぶことがある。
ここで、要求フレームは、一般的なMACフレームのフォーマットをベースに定義することができる。図4にMACフレームフォーマットの基本形を示す。MACフレームフォーマットの基本形は、フレームコントロール(Frame Control)フィールド、デュレーション(Duration)フィールド、アドレス(Address)フィールド1〜3、シーケンスコントロール(Sequence Control)フィールド、アドレス4フィールド、Dataフィールド、Check−sumフィールドを有する。図4は、一般的なフレーム構成を示しており、フレームによっては一部のフィールドがなかったりする。
フレームコントロールフィールドには、データフレーム(Data frame)、管理フレーム(Management frame)、制御フレーム(Control frame)の3つのフレーム種別を区別するためのタイプ(Type)フィールドが設けられる。さらに詳細なフレーム種別を区別するためにフレームコントロールフィールドには、サブタイプ(Subtype)フィールドが設けられている。要求フレームの場合、例えばタイプは制御フレームを表す値とし、サブタイプの値は、要求フレーム用に新規に定義した値とする。ただし、要求フレームのフレームタイプは、制御フレームではなく、管理フレームまたはデータフレームとする構成も排除されない。なお、制御フレーム、管理フレームおよびデータフレームの詳細については、別の実施形態で説明する。
デュレーションフィールドには、媒体予約時間が設定される。他無線端末宛ての(自己宛てでない)フレームを受信した場合に、この媒体予約時間に亘って、媒体が仮想的にビジーであると判定する。このような仮想的に媒体をビジーであると判定する仕組み、或いは、仮想的に媒体をビジーであるとする期間は、NAV(Network Allocation Vector)と呼ばれる。また、シーケンスコントロールフィールドには、フレームのシーケンス番号等が設定される。
アドレス1フィールドには、フレームの宛先アドレスを設定する。要求フレームの宛先はアクセスポイント11であるため、アドレス1フィールドにはアクセスポイント11のアドレスを設定する。アクセスポイント11のアドレスとは、具体的に、アクセスポイント11のMACアドレスあるいはBSSIDである。アドレス2フィールドには、フレームの送信元のアドレスを設定する。要求フレームの送信元は無線端末1であるため、アドレス2フィールドには、無線端末1のMACアドレスを設定すればよい。チェックサムフィールドには、受信側でフレームボディ部の誤り検出のため用いられるチェックサム符号としてFCS(Frame Check Sequence)情報が設定される。FCS情報の例としては、CRC(Cyclic Redundancy Code)などがある。なお、アドレス3フィールドおよびアドレス4フィールドには、フレームの種類に応じて、送信元端末または送信先端末のアドレス等を設定する。
データフィールドには、宛先の装置(要求フレームの場合、アクセスポイント11)に通知する任意の情報を設定する。例えば、アップリンク送信を希望するデータサイズを表す値や、アプリケーションで許容される通信遅延(許容遅延)の値を設定してもよい。また、希望するストリーム数、または、チャネル数およびチャネル番号等を設定してもよい。これらのデータサイズや許容遅延は、アクセスポイント11が、この無線端末1を今回のUL−MU送信の対象として選択するか否かの判断や、UL−MU送信で許容する送信データサイズの決定に利用できる。なお、データサイズや許容遅延等の情報の通知は必須では無い。
アクセスポイント11は、無線端末1から要求フレーム21を受信すると、UL−MU送信の実行を決定する。アクセスポイント11は、UL−MU送信のための準備として、要求フレーム21を送信した無線端末1以外に、アップリンク送信用のデータを有する無線端末が存在するかを確認するため、アップリンク送信用のデータを有するかを問い合わせる無線端末(送信候補端末)を選択する。アクセスポイント11は、無線リンクを確立しかつ、UL−MU送信に対応する無線端末の中から、無線端末1以外の1つまたは複数の無線端末を選択する。アクセスポイント11は、選択した無線端末(送信候補端末)を特定する情報として、選択した無線端末の識別子を用いることができる。アクセスポイント11は、選択した無線端末の識別子を、データ送信の要求の有無を問い合わせる問い合わせフレーム22に設定する。具体的には、問い合わせフレーム22における、選択した無線端末毎の端末情報フィールドに設定する。選択する無線端末と無線端末1との合計数は、UL−MU送信の多重可能最大数または希望多重数と同じ値でもよいし、これより大きくても、小さくてもよい。
選択する無線端末も、任意の方法で決定すればよい。ラウンドロビンで選択する方法でもよいし、ランダムで選択する方法でもよい。または、無線端末1とサイズが同じ、または近いと予測されるデータを有する無線端末(例えば現在時刻から遡ってある期間内に無線端末1と同じまたは近いサイズのデータを送信した無線端末)を選択する方法、または無線端末1とデータの発生周期が同じ、または近い無線端末を選択する方法でもよい。または、事前に各無線端末との伝搬路応答を把握している場合は、空間相関の小さい(干渉の小さい)無線端末の組み合わせを選択してもよい。
ここで、問い合わせフレーム22について、さらに詳細に説明する。問い合わせフレーム22は、要求フレームと同様に、図4に示した一般的なMACフレームのフォーマットをベースに定義すればよい。フレームコントロールフィールドのタイプは制御フレームを表す値とし、サブタイプの値は、問い合わせフレーム用に新規に定義した値とすればよい。ただし、問い合わせフレームのフレームタイプは、制御フレームではなく、管理フレームまたはデータフレームとする構成も排除されない。宛先アドレスは、ブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスとし、アドレス1フィールドに設定すればよい。また送信元アドレスは、アクセスポイント11のアドレスとし、アドレス2フィールドに設定すればよい。データフィールドには、選択した無線端末(送信候補端末)毎の端末情報フィールドを設け、選択した無線端末の識別子を、それぞれ対応する端末情報フィールドに設定する。
図5に、無線端末毎の端末情報フィールドの例を示す。端末情報フィールド1(STA info 1)〜端末情報フィールドn(STA info n)まで、n個の端末情報フィールドが示される。端末情報フィールド数は、選択した端末数と同じでよい。無線端末の識別子は、無線端末のMACアドレスでもよいし、アソシエーション時にアクセスポイント11が割り当てるアソシエーションID(AID)、その他、端末間でユニークな任意のIDでもよい。また、端末情報フィールドには、当該選択した無線端末に個別に通知する情報があれば、その情報を設定してもよい。
ここで、アクセスポイント11は、複数の無線端末を選択する場合に、問い合わせフレーム22に対する応答として、要求フレームの送信を行わせる無線端末の識別子を、所定位置の端末情報フィールドに設定する。一例として、先頭の端末情報フィールド(STA info 1)に設定する。以下では、これを想定して説明を続ける。先頭以外の端末情報フィールドに設定された無線端末に対しては、問い合わせフレーム22の送信後に、ポーリングフレームを順番に送信することで、ポーリングフレームに対する応答として、要求フレームを送信させる。先頭の端末情報フィールドに識別子が設定された無線端末(以下、先頭の無線端末)については、問い合わせフレーム22に対する応答として要求フレームを送信することで、ポーリングフレームによる問い合わせを不要とできるため、要求フェーズの長さをその分短くできる。また、要求フレームの受信を受け付け可能な期間(要求フレームの募集期間)が決まっている場合に、先頭の無線端末については、確実に要求フレームを送信させる可能性を高めることができる。つまり、末尾側の無線端末は、要求フレームの収集処理の途中で、募集期間が終了して、要求フレームを送信する機会が与えられなくなる可能性がある(例えば先頭側の無線端末、あるいは後続の無線端末が要求フレームの再送を繰り返し行った場合など)。
アクセスポイント11は、上述したフォーマットを有する問い合わせフレーム22を要求フレーム21の受信完了からSIFS後に送信する。アクセスポイント11から送信された問い合わせフレーム22を受信した無線端末は、先頭の端末情報フィールドで自装置が指定されているかを確認する。先頭の端末情報フィールドで自装置が指定されている場合は、要求フレームを生成して、問い合わせフレーム22の受信完了からSIFS後に、アクセスポイント11に送信する(第1動作)。先頭の端末情報フィールドで指定されていない場合は、他の端末情報フィールドのいずれかで指定されているかを確認し、他の端末情報フィールドのいずれかで自装置が指定されている場合は、その後にアクセスポイント11から送信されるポーリングフレームの受信を待機する。この場合、後述するように、無線端末は、アクセスポイント11からポーリングフレームを受信したら、要求フレームを送信する(第2動作)。このように無線端末は、問い合わせフレーム22に基づいて第1動作または第2動作を選択し、選択した動作を実行する。ここで先頭の端末情報フィールド以外で指定されている場合、自装置が先頭の端末情報フィールドから何番目の端末情報フィールドで指定されているか(つまり、自装置の優先順位)を確認し、優先順位に応じてアクセスポイント11から送信されるポーリングフレームの送信が開始されるまでの時間を計算し、その時間の間、パワーセーブモードなど、低消費電力状態に遷移してもよい。この場合、アクセスポイント11は、先頭の次の端末情報フィールドに指定した無線端末から順番にポーリングフレームを送信するとし、ポーリングフレームおよび要求フレームの長さは固定であるとする。よって、無線端末は、自装置宛にポーリングフレームが送信される最も早いタイミングを算出できる。
図3の例では、問い合わせフレーム22の先頭の端末情報フィールド1で無線端末2が指定されており、無線端末2は、問い合わせフレーム22の受信完了からSIFS後に、データ送信の要求の有無を通知する要求フレーム23をアクセスポイント11に送信する。すなわち、無線端末2は、問い合わせフレーム22の受信完了からSIFS後に、要求フレームを送信する第1動作を行う。
要求フレーム23のフォーマットは、要求フレーム21(トリガ要求フレーム)のフォーマットと同じでもよいし、異なってもよい。例えばアップリンク送信用のデータの有無を表すフィールド(送信データ有無フィールド)を要求フレーム21のフォーマットに追加してもよい。アップリンク送信用のデータが有るときは当該送信データ有無フィールドにビットを立て、そのようなデータが無いときは、当該送信データ有無フィールドのビットをオフにする。要求フレーム23を受信したアクセスポイント11は、当該フィールドにビットが立っているかを確認し、ビットが立っているときのみ、データサイズフィールドや許容遅延フィールド等(これらのフィールドが存在すれば)を、確認するようにしてもよい。あるいは、要求フレームのフォーマットに送信データ有無フィールドが存在せず、かつアップリンク送信用のデータが存在しない場合は、データサイズフィールドの値を0に設定することで、アップリンク送信用のデータが存在しないことをアクセスポイント11に通知してもよい。なお、トリガ要求フレーム(要求フレーム21)にも送信データ有無フィールドが存在してもよい。
無線端末3、4は、自装置の識別子が問い合わせフレーム22の先頭の端末情報フィールド1に指定されておらず、それぞれ2番目、3番目の端末情報フィールド2、3に指定されていることを確認する。
無線端末2から要求フレーム23を受信したアクセスポイント11は、要求フレーム23を解析して、無線端末2がアップリンク送信用のデータを有することを把握する。また、要求フレーム23のフレームフォーマットに応じて、データのサイズまたは許容遅延等も把握する。アクセスポイント11は、2番目の端末情報フィールド2に指定した無線端末3に対して、要求フレームの送信を指示するポーリングフレーム24を、要求フレーム23の受信完了からSIFS後に送信する。
ポーリングフレーム24は、要求フレーム21、23や問い合わせフレーム22と同様に、図4に示した一般的なMACフレームのフォーマットをベースに定義すればよい。フレームコントロールフィールドのタイプは制御フレームを表す値とし、サブタイプの値は、ポーリングフレーム用に新規に定義した値とすればよい。ただし、ポーリングフレームのフレームタイプは、制御フレームではなく、管理フレームまたはデータフレームとする構成も排除されない。宛先アドレスは、ポーリングフレームの送信先(本例では無線端末3)のMACアドレスとし、アドレス1フィールドに設定すればよい。また送信元アドレスは、アクセスポイント11のアドレスとし、アドレス2フィールドに設定すればよい。データフィールドには、無線端末3の識別子を設定して、無線端末3が指定されていることを明示的に通知してもよいし、ポーリングフレーム24の宛先アドレスが無線端末3であることから、無線端末3が指定されていることが分かるため、データフィールド自体を省略することも可能である。
ポーリングフレーム24を受信した無線端末3は、受信完了からSIFS後に要求フレーム25を送信する。すなわち、無線端末3は、ポーリングフレームの受信完了からSIFS後に、要求フレームを送信する第2動作を行う。要求フレーム25の詳細は、要求フレーム23と同様であるため、説明を省略する。
無線端末3から要求フレーム25を受信したアクセスポイント11は、要求フレーム25を解析して、無線端末3がアップリンク送信用のデータを有することを把握する。また、要求フレーム25のフレームフォーマットに応じて、データのサイズまたは許容遅延等も把握する。次に、アクセスポイント11は、3番目の端末情報フィールド3に指定した無線端末4に対して、無線端末3の場合と同様にして、要求フレームの送信を指示するポーリングフレーム26を送信する。
ポーリングフレーム26を受信した無線端末4は、受信完了からSIFS後に要求フレーム27を送信する。すなわち、無線端末4は、ポーリングフレームの受信完了からSIFS後に、要求フレームを送信する第2動作を行う。要求フレーム27の詳細は、要求フレーム23、25と同様であるため、説明を省略する。
無線端末4から要求フレーム27を受信したアクセスポイント11は、要求フレーム27を解析して、無線端末4がアップリンク送信用のデータを有することを把握する。また、要求フレーム27のフレームフォーマットに応じて、データのサイズまたは許容遅延等も把握する。
アクセスポイント11は、予め定めた条件が成立した場合は、募集期間を終了し、要求フレームの受信を打ち切る。アクセスポイント11は、UL−MU送信を許可する対象端末となる無線端末を選択し、UL−MU送信の開始トリガとなる、選択した無線端末を指定した通知フレーム28を送信する。
予め定めた条件としては、問い合わせフレーム21の送信完了から事前に定めた時間(制限時間)に達した場合がある。または、当該事前に定めた時間に達したことと、問い合わせフレーム22で指定した無線端末のすべてからの要求フレームの受信完了の一方が成立した場合がある。または、アップリンク送信用のデータを有するとの要求フレームを通知した無線端末がトリガ端末を含めて所定値に一致した場合がる。ここで述べた例は一例であり、他の条件でもかまわない。
ここで、制限時間に関して、問い合わせフレーム22に、制限時間(Time Limit)を格納するフィールドを用意し、このフィールドで、募集期間の制限時間を通知してもよい。問い合わせフレームで指定された無線端末は、アップリンク送信用のデータがある場合でも、制限時間までにアクセスポイント11での受信が間に合うタイミングでポーリングフレームを受信しない場合(または制限時間を経過した場合)は、今回のUL−MU送信に自装置は参加しないと判断し、ポーリングフレームの受信待ちを解除してもよい。
図3の例では、アクセスポイント11は、問い合わせフレーム22で指定した無線端末のすべてから要求フレーム23、25、27を受信したため、募集期間を終了する。アクセスポイント11は、UL−MU送信を許可する無線端末を決定する際、多重可能な最大値以下である限り、要求フレームを送信したすべての無線端末(トリガ端末を含む)を選択してもよいし、任意の基準でUL−MU送信を許可する無線端末を絞り込んでもよい。例えば、最も送信データのサイズが大きい無線端末から優先的に選択してもよいし、緊急度が高いデータを有する無線端末から優先的に選択してもよい。後者の場合、要求フレームでデータの緊急度、もしくはデータの種別も通知しておくものとする。
アクセスポイント11は、募集期間を終了させた後、CSAM/CAのアクセス制御に従ってキャリアセンスを行って送信権を獲得し、TXOP(Transmission Opportunity;送信権獲得期間)の間に、UL−MU送信のトリガとなる通知フレーム28を送信する。ここでは要求フレーム27を受信完了した時点で募集期間を終了させ、その時点からキャリアセンスを行い、送信権を獲得して、通知フレーム28を生成する。または、アクセスポイント11は、最後に受信した要求フレーム27の受信完了からSIFS後に、通知フレーム28を送信するようにしてもよい。
ここで、通知フレーム28は、要求フレームや問い合わせフレーム、ポーリングフレームと同様に、図4に示した一般的なMACフレームのフォーマットをベースに定義すればよい。フレームコントロールフィールドのタイプは制御フレームを表す値とし、サブタイプの値は、通知フレーム用に新規に定義した値とすればよい。ただし、通知フレームのフレームタイプは、制御フレームではなく、管理フレームまたはデータフレームとする構成も排除されない。宛先アドレスは、ブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスとし、アドレス1フィールドに設定すればよい。また送信元アドレスは、アクセスポイント11のアドレスとし、アドレス2フィールドに設定すればよい。データフィールドには、UL−MU送信を許可した端末数に応じた個数分、端末情報フィールドを、問い合わせフレームと同様に、図5に示したように設定する。図3の例では、無線端末1〜4にUL−MU送信を許可するため、4つの端末情報フィールド1〜4を設定する。各端末情報フィールドには、送信許可した無線端末の識別子、および必要に応じて、送信用のパラメータ情報などの情報を設定する。
端末情報フィールドに設定する無線端末の識別子は、端末のMACアドレスでもよいし、アソシエーションID(AID)、その他、端末間でユニークなIDでもよい。また、端末情報フィールドには、UL−MU送信時に無線端末が使用するパラメータ情報など、当該無線端末に個別に通知する情報を設定してもよい。パラメータ情報の例として、送信を許可するデータ長、送信を許容する期間、誤り訂正符号方式、送信レートを規定するMCS(Modulation and Coding Scheme:変調符号化方式)の少なくとも1つがある。
さらに、UL−MU−MC送信の場合、該当する無線端末に割り当てる1つまたは複数のチャネルの情報を、パラメータ情報として通知してもよい。チャネルの情報は、例えばチャネル番号によって指定してもよい。複数のチャネルを割りあてる場合、特定のチャネルから高周波側または低周波側に何チャネルか、または特定のチャネルからどれくらいの周波数帯域分かといったように指定してもよい。
またUL−MU−MIMO送信の場合、UL−MUで送信するデータフレームの先頭に付加するプリアンブル(伝搬路応答の推定のためのプリアンブル)のパターンの情報を、パラメータ情報として通知してもよい。この際、プリアンブルのパターンは、送信許可する無線端末間で互いに直交するようにアクセスポイントは選択するものとする(詳細は後述する)。また、UL−MU−MIMO送信の場合に、無線端末に送信許可するストリーム数を通知フレーム28で通知してもよい。無線端末が対応可能なストリーム数は、事前に端末の能力情報として取得済みであるとする。
なお、通知フレーム28に、端末情報フィールドとは別に、送信許可する無線端末間での共通情報(Common Information)を通知するための共通情報フィールドを設けてもよい。共通情報フィールドでは、送信許可した端末群に共通に通知する情報を設定する。例えば各無線端末に許可する送信データサイズを、このフィールドに共通の値として設定してもよい。
アクセスポイント11から通知フレーム28を受信し、当該通知フレーム28でアップリンク送信を許可された無線端末1〜4は、通知フレーム28の受信完了からSIFS後に、アップリンク送信用のデータを含むデータフレーム29、30、31、32を、アクセスポイント11に送信する。これにより、アクセスポイント11は、各無線端末1〜4から送信される信号を同時に受信する。すなわち、各無線端末1〜4が送信するデータフレームの送信タイミングは互いに同期され、各無線端末1〜4から周波数多重または空間多重で送信(すなわちUL−MU−MC送信またはUL−MU−MIMO送信)される。なお、無線端末がUL−MUで送信するデータが、端末情報フィールドまたは共通情報フィールドで指定されるデータサイズ未満のときは、不足分のパディングデータを付加してもよいし、当該不足分に相当する時間の間は、何も送信の動作を行わないようにしてもよい。
なお、先に少し述べたように、UL−MU−MIMO送信のアップリンク送信を許可された各無線端末1、2、3、4が送信するデータフレームの先頭側に伝搬路応答の推定のためのプリアンブル、より具体的には、これらの無線端末間で互いに直交するパターンのプリアンブルを追加してもよい。
図6に物理パケットのフォーマット例を示す。物理ヘッダに相当するフィールド(L−STF、L−LTF、L−SIG、VHT−SIG−A、VHT−STF、VHT−SIG−B)と、MACフレーム(ここではデータフレーム)を設定するフィールド(DATAフィールド)からなる。L−STF、L−LTF、L−SIG、VHT−SIG−Aはすべての無線端末で同じである。L−LTFのシンボルを使って、L−SIGやVHT−SIG−Aを復調できる。L−SIGには、データ長や変調方式等が記載されている。
VHT−SIG−Aには、無線端末1〜4の各々のストリーム数やコーディング(BCCやLDPCなどの誤り訂正符号)方式などの端末1〜4の情報が記載されている。L−SIGやVHT−SIG−Aは端末間で空間分離できないため、各無線端末のL―SIGやVHT−SIG−Aの値は、同じにする必要がある。このため、アクセスポイント11は通知フレームで各無線端末のストリーム数やコーディング方式を通知し、各無線端末は、他の無線端末のこれらの情報も利用して、VHT−SIG−Aのシンボルを同じ内容で生成する。L−SIGに設定する値は、固定可能なものは事前にシステムで決めておいてもよいし、必要に応じて、通知フレームで通知することも可能である。
また、VHT−STFのシンボルも無線端末1〜4で同じであるが、VHT−LTFは、次以降のフィールドを空間的に分離するため、無線端末1〜4で互いに直交するプリアンブルパターンとする必要がある。そこで、通知フレームにおける端末情報フィールド1〜4で、無線端末1〜4で互いに直交するプリアンブルパターンを指定しておく。
UL−MU−MC送信の場合は、各ユーザ(無線端末)を異なるチャネルに割り当てている、つまり周波数で直交しているため、VHT−LTFのプリアンブルパターンが直交する必要はない。このため、各無線端末に共通のプリアンブルパターンを、通知フレームの共通情報フィールド等で指定してもよいし、無線端末毎に任意に決定したプリアンブルパターンを、通知フレームのそれぞれの端末情報フィールドで指定してもよい。または、無線端末との無線リンクの確立時にアクセスポイントが、当該無線端末に任意の管理フレームで、プリアンブルパターンを通知しておいてもよい。また、VHT−SIG−Aの値も、他の無線端末と揃える必要はなく、自装置の部分の値のみ記載すればよい。
アクセスポイント11は、VHT−LTFのプリアンブルを利用して、各無線端末1〜4の各々のアンテナと、アクセスポイント11のアンテナ間のアップリンクの伝搬路情報を取得し、この伝搬路情報を利用してプリアンブルより後のVHT−SIG−BやMACフレーム部分(DATAフィールド)の復調を行うことができる。VHT−SIG−Bには、MCS(Modulation and Coding Scheme:変調符号化方式)が設定されている。
上述したように、アクセスポイント11は、無線端末1〜4からアップリンク送信された信号を受信すると、使用するUL−MU方式に応じて信号の受信処理を行い、さらに復調等の物理層の処理を行うことで、各無線端末のデータフレームを取得する。そして、データフレームごとにFCS情報に基づき、データフレームを正常に受信できたかを検査し、正常に受信できたか否かの検査結果を示す確認応答情報を生成する。アクセスポイント11は、各無線端末の確認応答情報を含むBlockACKフレーム33を生成し、生成したBlockACKフレーム33を、UL−MUでデータフレームを送信した無線端末1〜4に送信する。
無線端末1〜4は、アクセスポイント11から受信したBlockACKフレームから自装置の送達確認応答情報を検出し、データフレームの送信に成功したか否かを把握する。ここでは、アクセスポイント11からUL−MU送信に対する応答として、BlockACKフレームを送信したが、BlockACKフレームの送信の代わりに、データフレームの受信に成功した無線端末に個別に、ACKフレームを返してもよい。データフレームの受信に成功しなかった無線端末にはACKフレームを返さない。ACKフレームを受信した端末はデータフレームの送信に成功したと判断し、ACKフレームを受信しなかった端末は、データフレームの送信に失敗したと判断する。または、アクセスポイント11は、各無線端末の検査結果を含む複数のフレームをまとめたスーパーフレームを送信することも可能である。
図7は、アクセスポイント11に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。上述したように、アクセスポイント11は無線端末1〜4側のネットワークに加え、これとは別のネットワークに接続されてもよい。図7では、無線端末1〜4側のネットワークに接続される装置構成を示している。
図7の無線通信装置は、制御部101と、送信部102と、受信部103と、アンテナ12A、12B、12C、12Dと、バッファ104とを備えている。制御部101は、無線端末との通信を制御する通信制御装置に対応し、送信部102と受信部103は、一例として、無線通信部を形成する。制御部101あるいは通信制御装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
バッファ104は、上位層と制御部101との間で、データフレームを受け渡しするための記憶部である。上位層は、別のネットワークから受信したフレーム(例えばMACフレームのペイロード部に格納するデータなど)を無線端末側のネットワークへの中継のためバッファ104に格納したり、無線端末側のネットワークから受信したフレームのデータを制御部101から受け取って、上位層へ渡したりする。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層より上位の通信処理を行ってもよい。また、上位層は、データを処理するアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の動作は、CPU等のプロセッサによるソフトウェア(プログラム)の処理によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部101は、主としてMAC層の処理を行う。制御部101は、無線チャネルのアクセスを管理し、所望タイミングにて、フレームの送信を制御する。制御部101は、送信部102および受信部103を介して、フレームを送受信することで、各無線端末との通信を制御する。また制御部101は、定期的にビーコンフレームを送信するよう制御してもよい。制御部101は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよい。また制御部101は外部からクロックが入力されるように構成されてもよい。制御部101は、クロック生成部で生成したクロック、または外部から入力されるクロックによって内部時間を管理してもよい。また、制御部101は、クロック生成部で作ったクロックを、ホストCPU等の外部に出力してもよい。
制御部101は、無線端末からのアソシエーション要求を受けて、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該無線端末と無線リンクを確立する。制御部101は、無線リンクを確立した無線端末に関する情報を、内部または外部のアクセス可能な記憶装置を用いて、管理する。
制御部101は、アクセスポイントに接続している任意の無線端末から要求フレームを受信すると、UL−MU送信の実行を決定する。ここで、UL−MU−MCかUL−MU−MIMOのどちらを実行するかは、システムとして事前に決まっていてもよいし、アクセスポイントが両方式に対応可能な場合は、要求フレーム内にどちらの方式を希望するかの識別子(方式識別子)を設定し、制御部101が要求フレーム内の方式識別子に基づいて決定してもよい。あるいは、どちららの方式を行うかは、アクセスポイントが自律的に判断して、通知フレーム内で通知してもよい。例えば使用可能なチャネル数が多く空いている場合はUL−MU−MC、少ない場合はUL−MU−MIMOなどと決定してもよい。ここでは、システムとしてどちらの方式を行うかは事前に決まっているとする。
制御部101は、UL−MU送信の実行を決定すると、アクセスポイント11に接続している無線端末のうち、要求フレームを送信した無線端末(トリガ端末)以外の無線端末から、アップリンク送信用のデータを有するかを問い合わせる無線端末(送信端末候補)を選択する。制御部101は、選択した無線端末の識別子等をそれぞれの端末情報フィールドに設定し、その他のフィールド(アドレスフィールド等)の設定することで、問い合わせフレームを生成する。
制御部101は、生成した問い合わせフレームを、要求フレームの受信完了からSIFS後に送信部102から送信する。あるいは、DIFSとそれに続く乱数を用いて決めたバックオフ時間の間、キャリアセンスを行い、送信権を獲得できたら、TXOPの間に、問い合わせフレームを送信部102から送信してもよい。
送信部102は、制御部101から入力されたフレームに物理ヘッダの付加や変調処理など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換を行う。送信部102は、周波数変換された信号を増幅して、1つのアンテナまたは複数のアンテナから空間に電波として放射する。なお、図示の例では送信部を1つ設けているが、送信部を複数設け、送信部ごとに1つのアンテナが接続されてもよい。
また、制御部101は、受信部103を介して、キャリアセンス情報の管理を行う。具体的に、受信部103から入力する媒体(CCA)のビジーおよびアイドルに関する物理的なキャリアセンス情報と、受信フレームの中に記載されている媒体予約時間に基づく仮想的なキャリアセンス情報との両方を包含してもよい。いずれか一方のキャリアセンス情報がビジーを示すならば、媒体がビジーであるとみなされ、その間の信号の送信が禁止される。
各アンテナで受信された信号は、受信部103において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、フィルタ処理される。フィルタ処理後の信号は、さらにAD変換によりデジタル信号に変換されて、復調等の物理層の処理を経て、制御部201にフレームが入力される。制御部201は、フレームを解析して、解析結果に応じた動作を行う。なお、UL−MU−MIMO送信でない通常のフレーム(要求フレームなど)の場合は、複数のアンテナのうちいずれか1つのアンテナ(任意のアンテナまたは事前に定めたアンテナ)で受信された信号を処理してもよいし、ダイバーシティ技術を用いて各アンテナで受信した信号を処理してフレームを取得してもよい。あるいは、その他の方法で受信信号を処理してもよい。
制御部101は、問い合わせフレームの先頭の端末情報フィールドで指定した無線端末から要求フレームを受信したら、当該要求フレームを解析して、その無線端末についてアップリンク送信用のデータの有無や、その他、要求フレームのフォーマットに応じて、データサイズや許容遅延等の情報を把握する。制御部101は、2番目の端末情報フィールドで指定した無線端末に対しポーリングフレームを送信し、その応答として要求フレームを受信および解析する。以降同様にして、末尾の端末情報フィールドで指定された無線端末まで、ポーリングフレームの送信と、要求フレームの受信および解析とを行う。事前に制限時間を設定してもよく、この場合、制限時間に達したら、要求フレームの収集を打ち切る。
制御部101は、トリガ端末およびポーリングフレームに対して要求フレームを送信した無線端末の中から、UL−MU送信を行わせる無線端末を選択する。制御部101は、選択した無線端末の識別子およびUL−MU送信用のパラメータ情報をそれぞれ端末情報フィールドに設定した通知フレームを生成し、生成した通知フレームを送信する。
UL−MU送信として、UL−MU−MIMO送信を行う場合には、UL−MU−MIMO送信された信号を受信部103で受信し、各無線端末との間の伝搬路情報に基づきMIMO復調を行うことで、無線端末ごとのデータフレームに分離する。分離したデータフレームは制御部101に送る。なお、図示の例では受信部を1つ設けているが、複数の受信部を配置し、受信部ごとに1つのアンテナが、対応する送信部と共通に接続されてもよい。
UL−MU送信として、UL−MU−MC送信を行う場合には、UL−MU−MC(すなわちOFDMA)送信された信号を受信部103で受信し、受信した信号から無線端末毎のチャネルの信号成分を抽出して、復調等の処理を含む物理層の処理を行うことで、無線端末毎のデータフレームを取得する。取得したデータフレームは制御部101に送る。制御部101は、送信部102および受信部103における送信フィルタおよび受信フィルタの各帯域を制御する機能を有する。
上述した制御部101と送信部102の処理の切り分けは一例であり、ハードウェア構成に応じて、別の形態も可能である。例えばデジタル領域までの処理を制御部101で行い、DA変換以降の処理を送信部102で行う形態も可能である。制御部101と受信部103の処理の切り分けについても同様に、別の形態も可能であり、例えば、AD変換までの処理を受信部103で行い、その後のデジタル領域の処理を制御部101で行ってもよい。ここで述べた以外の方法で、ブロック間の処理の切り分けを行ってもよい。
図8は、無線端末1に搭載される無線通信装置の機能ブロック図である。無線端末2〜4に搭載される無線通信装置は、無線端末1と同様の構成を有するため、説明を省略する。
図8の無線通信装置は、制御部201と、送信部202と、受信部203と、アンテナ1Aと、バッファ204とを備えている。制御部201は、アクセスポイント11との通信を制御する通信制御装置に対応し、送信部202と受信部203は、一例として、無線通信部を形成する。制御部201あるいは通信制御装置の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、これらのソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
バッファ204は、上位層と制御部201との間で、データを受け渡しするための記憶部である。上位層は、他の無線端末、アクセスポイント11、または他のネットワーク上の装置に送信するデータを生成して、バッファ204に格納したり、無線端末側のネットワークから受信したフレームのデータを、バッファ201を介して受け取ったりする。上位層は、TCP/IPやUDP/IPなど、MAC層の上位の通信処理を行ってもよいし、さらに、データを処理するアプリケーション層の処理を行ってもよい。上位層の処理は、CPU等のプロセッサで動作するソフトウェア(プログラム)によって行われてもよいし、ハードウェアによって行われてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの両方によって行われてもよい。
制御部201は、主としてMAC層の処理を行う。制御部201は、送信部202および受信部203を介して、アクセスポイント11とフレームを送受信することで、アクセスポイント11との通信を制御する。制御部201は、例えばアクセスポイント11から定期的に送信されるビーコンフレームを、アンテナ1Aおよび受信部203を介して受信する。制御部201は、クロック生成部を含んでもよい。また制御部201は外部からクロックが入力されるように構成されてもよい。クロックによって制御部201は内部時間を管理してもよい。クロック生成部で作ったクロックを外部に出力してもよい。
制御部201は、一例としてビーコンフレームを受信してアクセスポイント11にアソシエーション要求を行い、必要に応じて認証等のプロセスを経て、当該アクセスポイント11と無線リンクを確立する。
制御部201は、アップリンク送信用のデータが発生した場合、UL−MU送信のための要求フレーム(トリガ要求フレーム)を生成し、アクセスポイントに送信する。要求フレームの送信のために、まずDIFSおよびランダムに決定したバックオフ時間の間、キャリアセンスを行い、キャリアセンス結果に応じて送信権を獲得し、TXOPの間に、要求フレームを送信する。要求フレームには、自装置の識別子、データサイズ、許容遅延等の情報をデータフィールドに含めてもよい。
送信部202は、制御部201から入力されたフレームに物理ヘッダの付加や変調処理など、所望の物理層の処理を行う。また、物理層の処理後のフレームに対して、DA変換や、所望帯域の信号成分を抽出するフィルタ処理、周波数変換(アップコンバート)を行う。送信部202は、周波数変換された信号を増幅して、アンテナから空間に電波として放射する。
アンテナ1Aで受信された信号は、受信部203において処理される。例えば、アクセスポイント11から問い合わせフレーム、ポーリングフレームまたは通知フレーム等の信号が受信され、受信部203において処理される。すなわち、受信信号は、受信部203において増幅され、周波数変換(ダウンコンバート)され、ファイルタリング処理で所望帯域成分が抽出される。抽出された信号は、さらにAD変換や、復調等を含む物理層の処理を経て、制御部201にフレームが入力される。制御部201は、入力されたフレームを解析し、解析結果に応じて動作を行う。
例えば、制御部201は、アクセスポイント11から問い合わせフレームを受信した場合、先頭の端末情報フィールドに自装置の識別子が設定されているかを検査する。先頭の端末情報フィールドに自装置の識別子が設定されている場合は、バッファ204の状態に基づき、アップリンク送信用のデータの有無や、データサイズ等を確認して、要求フレームを生成する。制御部201は、生成した要求フレームを、問い合わせフレームの受信完了からSIFS後に送信する。先頭の端末情報フィールドに自装置の識別子が設定されていない場合は、2番目以降の端末情報フィールドに自装置の識別子が設定されているかを検査し、自装置の識別子が設定されている場合は、ポーリングフレームの受信待ちを行う。
制御部201は、アクセスポイント11からポーリングフレームを受信した場合、バッファ205の状態に基づき、アップリンク送信用のデータの有無や、データサイズ等を確認して、要求フレームを生成する。制御部201は、生成した要求フレームを、問い合わせフレームの受信完了からSIFS後に送信する。
また、制御部201は、アクセスポイント11から通知フレームを受信した場合、自装置がUL−MU送信の対象端末として指定されているか否かを確認する。具体的に、各端末情報フィールドのいずれかに自装置の識別子が設定されているかを確認し、設定されている場合は、自装置が、自装置がUL−MU送信の対象端末として指定されていると判断する。この場合、バッファ204からデータを読み出して、データフレームを構築し、送信部202およびアンテナ1Aを介して、当該データフレームを送信する。この際、制御部201は、通知フレームの端末情報フィールドで指定されたパラメータ情報に基づいて送信するデータサイズまたは時間の長さ等を決定し、送信部202に対し、送信処理に必要なパラメータ情報を指定する。送信部202は、指定されたパラメータ情報を利用して物理層の処理を行う。制御部201は、通知フレームの受信完了からSIFS等、予め定められた時間後にデータフレームの送信を行い、これにより、通知フレームで指定された他の無線端末と同じタイミングでデータフレームが送信(UL−MU送信)される。制御部201は、送信部202および受信部203における送信フィルタおよび受信フィルタの各帯域を制御する機能を有する。
上述した制御部201と送信部202の処理の切り分けは一例であり、ハードウェア構成に応じて、別の形態も可能である。例えばデジタル領域の処理までは制御部201で行い、DA変換以降の処理を送信部202で行ってもよい。制御部201と受信部203の処理の切り分けについても同様に、別の形態も可能であり、例えば、AD変換までの処理を受信部203で行い、その後の物理層の処理を含むデジタル領域の処理を制御部201で行ってもよい。ここで述べた以外の方法で、ブロック間の処理の切り分けを行ってもよい。
図9は、第1の実施形態に係るアクセスポイントの動作例のフローチャートである。
アクセスポイント11は、アクセスポイントに接続している任意の無線端末(トリガ端末)から要求フレームを受信すると、UL−MU送信の実行を決定する(S101)。アクセスポイント11は、接続中の無線端末のうち、UL−MU送信に対応し、かつトリガ端末以外の中から、アップリンク送信用のデータを有するかを問い合わせる無線端末(送信端末候補)を選択する。そして、選択した無線端末の識別子等をそれぞれの端末情報フィールドに設定するなどして問い合わせフレームを生成する(S102)。アクセスポイント11は、生成した問い合わせフレームを、要求フレームの受信完了からSIFS後に送信する(同S102)。
アクセスポイントは、問い合わせフレームの先頭の端末情報フィールドで指定した無線端末から要求フレームを待ち受け、当該要求フレームを受信および解析する(S103)。アクセスポイントは、2番目の端末情報フィールドで指定された無線端末に対し、ポーリングフレームの送信と、当該無線端末からの要求フレームの受信および解析を行う。3番目以降の端末情報フィールドで指定された無線端末についても同様に、ポーリングフレームの送信と、要求フレームの受信および解析とを順次行う(S104)。なお、途中で、予め定めた条件が成立した場合、例えば問い合わせフレームの送信完了後から、一定時間が経過した場合は、募集期間を終了してもよい。すなわち、要求フレームの収集処理(ポーリングフレームの送信と、それに対する応答としての要求フレームの受信)を打ち切ってもよい。
アクセスポイント11は、トリガ端末、およびポーリングフレームに対して要求フレームを送信した無線端末の中から、UL−MU送信の対象端末を選択する(S105)。アクセスポイント11は、選択した無線端末の識別子およびUL−MU送信用のパラメータ情報をそれぞれ端末情報フィールドに設定した通知フレームを生成し、生成した通知フレームを送信する(同S105)。アクセスポイント11は、通知フレームの送信完了からSIFS後に、通知フレームで指定した各無線端末から同時に送信(UL−MU−MC送信またはUL−MU−MIMO送信)される信号を受信し、受信信号に対し、復調等を含む物理層の処理を行って、各無線端末のデータフレームを取得する(S106)。
図10は、本実施形態に係る無線端末の動作例を示すフローチャートである。ここでは無線端末がトリガ端末ではなく、問い合わせフレームで指定される無線端末である場合の動作例を示す。
無線端末は、アクセスポイント11から問い合わせフレームを受信すると(S201)、自装置が先頭の端末情報フィールドで指定されているか、すなわち、先頭の端末情報フィールドに自装置の識別子が設定されているかを検査する(S202)。先頭の端末情報フィールドで自装置が指定されている場合は(YES)、アップリンク送信用のデータの有無や、データサイズ等を確認して、要求フレームを生成し、問い合わせフレームの受信完了からSIFS後に、アクセスポイント11に要求フレームを送信する(S203)。
先頭の端末情報フィールドで自装置が指定されていない場合は(S202のNO)、2番目以降の端末情報フィールドで自装置が指定されているかを検査し(S204)、2番目以降の端末情報フィールドで指定されている場合は(YES)、ポーリングフレームの受信を待機する。自装置宛のポーリングフレームを受信すると(S205)、アップリンク送信用のデータの有無や、データサイズ等を確認して、要求フレームを生成し、ポーリングフレームの受信完了からSIFS後に、アクセスポイント11に要求フレームを送信する(S206)。2番目以降の端末情報フィールドで自装置が指定されていない場合(S204のNO)、今回のUL−MU送信の対象候補から外れたと判断し、本フローの動作を終了する。
無線端末は、ステップS203またはステップS206で要求フレームを送信した後、アクセスポイント11から通知フレームの到来を待機し、通知フレームを受信したら(S207)、自装置がUL−MU送信の対象端末として指定されているか否かを確認する(S208)。具体的に、自装置の識別子が通知フレーム内の端末情報フィールドのいずれかに設定されているかを確認する。自装置が指定されている場合(YES)、無線端末は、通知フレームにおける自装置用の端末情報フィールドで指定されたパラメータ情報に基づいて、データフレームを生成し、当該データフレームを、通知フレームの受信完了からSIFS等の一定時間後に送信する(S209)。なお、事前にアクセスポイントからパラメータ情報が指定されている場合には、通知フレームでのパラメータ情報の通知を省略することも可能である。ただし、UL−MU−MIMOの場合は、先に少し述べたように、物理パケットのヘッダ生成のため、他の無線端末のパラメータ情報の通知も事前に受けておく必要がある。一方、通知フレームで自装置が指定されていない場合は(S208のNO)、今回のUL−MU送信の対象端末から外れたと判断し、本フローの動作を終了する。
以上、本実施形態によれば、アクセスポイントは、無線端末(トリガ端末)からデータ送信の許可を要求する要求フレームを受信したら、トリガ端末以外の1つまたは複数の無線端末を指定した問い合わせフレームを送信し、指定した無線端末から要求フレームを収集する。そして、トリガ端末、および指定した無線端末から受信した要求フレームに基づき、UL−MU送信のスケジューリング(UL−MU送信を行わせる無線端末の選定、送信用のパラメータ情報(アップリンク送信を行うデータサイズや変調・符号化方式など)の決定等)を行う。これにより、送信データを有する無線端末を少なくとも1台は確保できるとともに、各無線端末の要求も考慮することができ、効率的なUL−MU送信のスケジューリングが可能となる。また、問い合わせフレームの先頭の端末情報フィールドで指定した無線端末には、応答として要求フレームを送信させるようにしたため、ポーリングフレームの送信を行うことなく、よって、その分のオーバーヘッドを低減することができる。このように、アップリンクマルチユーザ送信のスケジューリングを、少ないオーバーヘッドで効率的に行うことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、アクセスポイントは、問い合わせフレームの送信後、問い合わせフレームで指定した2番目以降の無線端末にポーリングフレームを順次、送信することで、要求フレームを収集したが、ポーリングフレームの送信を行うことなく、要求フレームを取得する形態をここでは示す。
第1の実施形態では、アクセスポイントは、問い合わせフレームの送信後、問い合わせフレームで指定した2番目以降の無線端末にポーリングフレームを順次、送信することで、要求フレームを収集したが、ポーリングフレームの送信を行うことなく、要求フレームを取得する形態をここでは示す。
図11に、第2の実施形態に係る動作シーケンスの例を示す。図3と比較して理解できるように、アクセスポイント11は、問い合わせフレーム22Aの送信後は、ポーリングフレームを送信しない。問い合わせフレーム22Aで指定された各無線端末(図では無線端末2、3、4)は、それぞれ問い合わせフレーム22Aの受信完了から、問い合わせフレーム22Aで指定された時間だけ待機した後に、それぞれ要求フレーム23、24、27を送信する。
アクセスポイント11は、無線端末2に対しては問い合わせフレーム22Aの受信完了からSIFS後のタイミングを、要求フレーム23の送信タイミングとして指示する。無線端末3に対しては、問い合わせフレーム22Aの受信完了から、SIFSの2倍と、要求フレーム23の時間長とを加算した時間後のタイミングを、要求フレーム25の送信タイミングとして指示する。無線端末4に対しては問い合わせフレーム22Aの受信完了から、SIFSの3倍と要求フレーム23の時間長と要求フレーム25の時間長とを加算した時間後のタイミングを、要求フレーム27の送信タイミングとして指示する。要求フレーム23、25、27の時間長は、事前に定められており、それぞれ同じ長さであるため、このように事前に送信タイミングを指定可能である。
各無線端末に送信タイミングを指定する具体的な方法として、無線端末毎の端末情報フィールドに、待機時間に関する情報を設定し、各無線端末は、自装置の端末情報フィールドから当該情報で指定される待機時間だけ待機する方法が考えられる。または、自装置の端末情報フィールドが先頭から何番目かに応じて、端末側で待機時間を算出してもよい。要求フレームの時間長が固定であり、問い合わせフレームと要求フレーム間、および要求フレーム間のフレーム間隔をSIFSに固定すれば、端末側でも待機時間を算出可能である。要求フレームのビットサイズが固定の場合、問い合わせフレームで要求フレームに適用するMCSを指定することでフレーム長が決まるため各無線端末で待機時間を算出可能である。
各無線端末が送信した要求フレームがアクセスポイント11で受信成功しない可能性もあるが、この場合は、その無線端末からは要求フレームを受信できなかったとして扱えばよい。つまり、その無線端末は、今回のUL−MU送信の対象端末から除外される。
以上、本実施形態によれば、問い合わせフレームの送信後にポーリングフレームの送信を行う必要がないため、第1の実施形態に比べて、UL−MU送信の実行決定から、UL−MU送信開始までのオーバーヘッドを、さらに低減することができる。
(第3の実施形態)
第1または2の実施形態では、問い合わせフレームで要求フレームを応答させる無線端末を指定するために、各端末情報フィールドで個々の無線端末を指定したが、別の方法として、個々の無線端末を指定するのではなく、無線端末のグループを指定する方法も可能である。
第1または2の実施形態では、問い合わせフレームで要求フレームを応答させる無線端末を指定するために、各端末情報フィールドで個々の無線端末を指定したが、別の方法として、個々の無線端末を指定するのではなく、無線端末のグループを指定する方法も可能である。
この場合、アクセスポイントは、事前にグルーピングを行って、無線端末のグループを1つまたは複数生成しておく。グルーピングのタイミングは、例えば、新たに無線端末とのアソシエーション処理を行うごとに行ってもよいし、定期的に行ってもよいし、その他のタイミングで行ってもよい。この際、同じ無線端末が、複数のグループに属すことを許容してもよい。グルーピングの方法は任意でよく、例えば、事前に各無線端末との伝搬路応答を把握している場合は、空間相関の小さい(干渉の小さい)無線端末を同じグループにまとめてもよい。アクセスポイントは、グルーピングの結果を表すグルーピング情報を、グルーピングの対象となった各無線端末に、事前に定義した管理フレームにより通知すればよい。
図12にグルーピング情報の例を示す。この例では、グルーピング情報はテーブル形式を有するが、リスト形式など、別の形態でもよい。各グループにはグループIDが割り当てられ、各行には、各グループに属する無線端末の識別子が設定されている。例えばグループIDが1のグループには、無線端末1〜3(STA1〜STA3)が属している。各無線端末に通知するグルーピング情報は、全グループに関する情報でもよいし、各無線端末が属するグループに関する情報のみでもよい。
アクセスポイントは、トリガ要求フレームの受信に応じてUL−MU送信の実行を決定すると、事前に生成したグループ群から、対象となるグループを選択する。そして、選択したグループの識別子(グループID)を、問い合わせフレームのグループIDフィールドに設定する。当該グループIDのグループに属する個々の無線端末毎の端末情報フィールドは、個々の無線端末に個別に通知する情報がない場合は、省略してよい。なお、対象となるグループを指定する際、指定するグループには、最初の要求フレーム21を送信した無線端末1(トリガ端末)が属することを許容してもよい。この場合、無線端末1は、当該グループIDが設定された問い合わせフレーム22を受信しても、アクセスポイント11に対して何も行わないように動作すればよい。
第1または第2の実施形態では、問い合わせフレームに直接応答する無線端末は、所定位置の端末情報フィールド、具体的に先頭の端末情報フィールドに指定された無線端末であった。これに対し、本実施形態では、グルーピング情報で所定位置に記載された無線端末を、問い合わせフレームに直接応答する無線端末とする。
例えば図12のグルーピング情報で、テーブルの一番左側の列に記載された無線端末が、問い合わせフレームに応答する無線端末とする。換言すれば、テーブルの左側の列から右側の列へ向けて優先順位が低くなるように設定されており、最も優先順位が高い無線端末が、問い合わせフレームに応答する。左から2番目の列から右側へ向けて記載された無線端末(2番目以降の優先順位の無線端末)は、第1または第2の実施形態に準じて、要求フレームを送信する。すなわち、第1の実施形態に準じる場合は、アクセスポイントからポーリングフレームを受信した際に、応答として要求フレームを送信する。第2の実施形態に準じる場合は、問い合わせフレームで指定されたタイミングで要求フレームを送信する、もしくは、自装置が一番左の列から何番目に記載されているか(優先順位が何番か)に応じて決まるタイミングで要求フレームを送信する。ただし、指定するグループに、トリガ端末が属することを許容し、かつトリガ端末が属する場合は、トリガ端末の識別子を問い合わせフレームに設定し、問い合わせフレームで指定された無線端末(指定されたグループに属する端末のうちトリガ端末以外の端末)は、トリガ端末を除いて自装置の優先順位を判断すればよい。
問い合わせフレームに直接応答する無線端末を指定する別の方法として、直接応答する無線端末の識別子を、グループIDに加えて、問い合わせフレームに設定してもよい。その場合、グループIDフィールドに加えて、直接応答する無線端末の識別子を設定する応答端末フィールドを、問い合わせフレームに定義すればよい。図14にグループIDフィールドと応答端末フィールドの例を示す。これらのフィールドは図4に示したMACフレームのデータ(Data)フィールドに配置されることができる。アクセスポイントは、選択したグループに属する無線端末の中から、直接応答する無線端末(トリガ端末を除く)を選択し、当該グループのグループIDと、選択した無線端末の識別子を、問い合わせフレームのグループIDフィールドおよび応答端末フィールドに設定する。問い合わせフレームを受信した無線端末は、自装置がグループIDフィールドに設定されたグループに属し、かつ応答端末フィールドに指定されている場合は、問い合わせフレームの受信完了からSIFS後に要求フレームを返すようにすればよい。自装置がグループIDフィールドに設定されたグループに属するが、応答端末フィールドに指定されていない場合は、上述した2番目以降の優先順位の無線端末と同様にして、要求フレームを送信すればよい。指定するグループに、トリガ端末が属することを許容し、かつトリガ端末が属する場合も上述した例に倣えばよい。
このように問い合わせフレームに、個々の無線端末の識別子を指定する代わりに、グループIDを指定することで、問い合わせフレームの長さを短くすることが可能になる。
また、アクセスポイントは、UL−MU送信の対象端末として選択した無線端末に送信する通知フレームについても同様に、グループIDによって指定を行ってもよい。この場合、アクセスポイントは、UL−MU送信を許可するグループを選択し、選択したグループの識別子(グループID)を、通知フレームのグループIDフィールドに設定する。この際、各端末情報フィールドは、グループ内の優先順位に応じて左から順番に割り当てるとすれば、各端末情報フィールドへの無線端末の識別子の設定を省略して、無線端末の識別子以外のパラメータ情報等のみを設定してもよい。これにより、通知フレームのフレーム長を短くできる。なお、通知フレームで指定するグループに、要求フレームを取得していない無線端末が含まれることを許容してもよいし、指定するグループには、要求フレームを取得した無線端末のみが含まれるように、グループの選択を行ってもよい。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、アクセスポイントは、中央制御型のアクセス制御により、各無線端末から要求フレームを取得した。すなわち、アクセスポイントは、問い合わせフレームまたはポーリングフレームを送信することにより、対象とする無線端末に対して要求フレームを送信するよう制御した。これに対し、本実施形態では、各無線端末が分散制御型のアクセス制御、具体的にはCSMA/CAに従って、要求フレームを送信する形態を示す。
第1〜第3の実施形態では、アクセスポイントは、中央制御型のアクセス制御により、各無線端末から要求フレームを取得した。すなわち、アクセスポイントは、問い合わせフレームまたはポーリングフレームを送信することにより、対象とする無線端末に対して要求フレームを送信するよう制御した。これに対し、本実施形態では、各無線端末が分散制御型のアクセス制御、具体的にはCSMA/CAに従って、要求フレームを送信する形態を示す。
図14に、第4の実施形態に係る動作シーケンスの例を示す。アクセスポイントが、第1または第2の実施形態と同様に、問い合わせフレーム22を送信する。問い合わせフレーム22を受信した無線端末は、自装置が問い合わせフレーム22で指定されているかを確認し、指定されている場合は、CSMA/CAに従って、要求フレームを送信する。アクセスポイントは、無線端末から受信した要求フレームを正常に受信した場合は、受信完了からSIFS後にACKフレームを返す。図14の例では、問い合わせフレーム22で無線端末2〜4が指定されており、無線端末2が最初に送信権を獲得して要求フレーム23を送信し、それをアクセスポイントが正常に受信して、ACKフレーム41を返している。次に、無線端末3が送信権を獲得して、要求フレーム25を送信し、それをアクセスポイントが正常に受信して、ACKフレーム42を返している。無線端末4についても同様にして、無線端末4からの要求フレームの送信と、アクセスポイントからのACKフレームの送信が行われるが、図示は省略している。なお、無線端末は、送信した要求フレームに対するACKフレームを受信しない場合は、送信に失敗したとして、要求フレームを再送してもよい。なお、第1〜第3の実施形態では、問い合わせフレーム22で指定された端末情報フィールドの位置によって(特に先頭か否かで)その後の動作が変化したが、本実施形態では、各無線端末は、どの端末情報フィールドに識別子が設定されても動作に影響は無い。
図14の動作例は、アクセスポイントが、要求フレームの受信に対して、ACKフレームを返したが、ACKフレームの送信を省略することも可能である。この場合の動作シーケンスの例を図15に示す。アクセスポイントは、無線端末2〜4から要求フレーム23、25、27を受信するが、ACKフレームは返さない。これにより、無線端末が送信した要求フレームの到達性は保証できなくなるものの、募集期間を短縮化できる。
ここで、アクセスポイントは、予め定めた条件が成立したら、募集期間(要求フレームの収集処理)を終了してもよい。予め定めた条件として、問い合わせフレームの送信完了から所定の時間が経過したとき、または問い合わせフレームで指定したすべての無線端末から要求フレームを受信したときがある。この他、所定数の無線端末から要求フレームを受信したときがある。所定数として、例えば希望する多重数あるいは最大可能な多重数から、1を減算した値がある。1を減算したのは、トリガ端末を除くためである。アクセスポイントは、要求フレームを送信した無線端末の中から、UL−MU送信の対象端末を選択し、選択した無線端末を指定した通知フレーム28を送信する。
以上、本実施形態によれば、CSMA/CAに従って、要求フレームを送信するようにしたことにより、アクセスポイントの負荷を低減でき、またUL−MU送信開始までのオーバーヘッドを低減できる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、問い合わせフレームで指定された無線端末は、アップリンク送信用のデータの有無に拘わらず、要求フレームを送信することを想定していた。すなわち、アップリンク送信用のデータがない場合は、データサイズを0、または送信データ有無ビットをオフにした要求フレームを送信することを想定していた。このことは第1〜第3の実施形態でも同様である。
第4の実施形態では、問い合わせフレームで指定された無線端末は、アップリンク送信用のデータの有無に拘わらず、要求フレームを送信することを想定していた。すなわち、アップリンク送信用のデータがない場合は、データサイズを0、または送信データ有無ビットをオフにした要求フレームを送信することを想定していた。このことは第1〜第3の実施形態でも同様である。
本実施形態では、第4の実施形態と同じく、CSMA/CAに従って要求フレームを送信するシステムにおいて、アップリンク送信用のデータを有する場合にのみ、要求フレームを送信する。アクセスポイントは、第4の実施形態と同様にして、問い合わせフレームを生成および送信する。問い合わせフレームを受信した無線端末は、自装置が問い合わせフレームで指定されているかを確認し、自装置が指定されており、かつアップリンク送信用のデータを有するときは、CSMA/CAに従って要求フレームの送信を行う。自装置が指定されていても、アップリンク送信用のデータを有さないときは、要求フレームの送信は行わない。アクセスポイントは、第4の実施形態と同様、予め定めた条件が成立したら、募集期間(要求フレームの収集処理)を終了し、要求フレームを送信した無線端末の中から、UL−MU送信の対象端末を選択する。アクセスポイントは、選択した無線端末を指定した通知フレームを生成し、生成した通知フレームを送信する。
以上、本実施形態によれば、アップリンク送信用のデータを有する無線端末のみ、問い合わせフレームに対して要求フレームを返すようにしたことにより、帯域の使用効率が向上するとともに、UL−MU送信開始までのオーバーヘッドをより低減できる。
(第6の実施形態)
これまで説明した実施形態では、アクセスポイントは、問い合わせフレームで、要求フレームの送信を要求もしくは許可する無線端末を指定したが、接続済み(無線リンクを確立済み)のすべての無線端末を指定する場合は、無線端末の指定を明示的に行わないことも可能である。この場合、問い合わせフレームから端末情報フィールドを省略してもよい。各無線端末に共通に通知する情報がある場合は、問い合わせフレームに共通情報フィールドを追加して、そのフィールドで、各無線端末に共通に通知する情報を設定してもよい。
これまで説明した実施形態では、アクセスポイントは、問い合わせフレームで、要求フレームの送信を要求もしくは許可する無線端末を指定したが、接続済み(無線リンクを確立済み)のすべての無線端末を指定する場合は、無線端末の指定を明示的に行わないことも可能である。この場合、問い合わせフレームから端末情報フィールドを省略してもよい。各無線端末に共通に通知する情報がある場合は、問い合わせフレームに共通情報フィールドを追加して、そのフィールドで、各無線端末に共通に通知する情報を設定してもよい。
第5の実施形態をベースに、分散制御型のアクセス制御で要求フレームを送信する場合の動作例を示す。アクセスポイントは、宛先アドレスをブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスとした、問い合わせフレームを生成および送信する。この問い合わせフレームは、端末情報フィールドを有さなくてよい。問い合わせフレームを受信した無線端末は、アップリンク送信用のデータを有するかを確認し、アップリンク送信用のデータを有する場合は、CSMA/CAに従って、要求フレームを返す。アップリンク送信用のデータを有さない場合は、第4の実施形態と同様に要求フレームを返さなくてもよいし、第3の実施形態と同様に、要求フレームを返すようにしてもよい。アクセスポイントは、問い合わせフレームの送信完了後、予め定めた条件が終了した場合は、募集期間を終了する。アクセスポイントは、要求フレームを送信した無線端末(トリガ端末を含む)の中から、UL−MU送信の対象となる端末を選択して、通知フレームを生成および送信を行う。
以上、本実施形態によれば、問い合わせフレームから端末情報フィールドを省略できるため、問い合わせフレームのフレーム長を短くできる。
(第7の実施形態)
図16は、第7の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこの構成に限定されない。基本的な動作は、図7の無線通信装置と同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
図16は、第7の実施形態に係るアクセスポイントに搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこの構成に限定されない。基本的な動作は、図7の無線通信装置と同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部111、RF部121と、アンテナ12A〜12Dとを備える。
ベースバンド部111は、制御回路112と、送信処理回路113と、受信処理回路114と、DA変換回路115、116と、AD変換回路117、118とを含む。RF部121とベースバンド部111は、それぞれが1チップのIC(Integrated Circuit:集積回路)で構成されてもよいし、一体として1チップのICとして構成されてもよい。
ベースバンド部111は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部111がIC132とIC131とを備えてもよい。このとき、IC132が制御回路112と送信処理回路113と受信処理回路114とを含み、IC131が、DA変換回路115、116とAD変換回路117、118を含んでもよい。
制御回路112は、一例として、通信を制御する通信制御装置、または通信を制御する制御部に対応する。このとき、本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114を含んでもよい。さらに本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路113と受信処理回路114に加えて、DA115、116およびDA117、118を含んでもよい。さらに、本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路113、受信処理回路114、DA115、116およびDA117、118に加えて、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。
または、IC132が、通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき本実施形態に係る無線通信部は、送信回路122および受信回路123を含んでもよい。さらに本実施形態に係る無線通信部は、送信回路122および受信回路123に加え、DA115、116およびDA117、118を含んでもよい。
ベースバンド部111における制御回路112は、図7のバッファ104を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路112は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路113は、物理ヘッダの付加や変調処理など、所望の物理層の処理を行う。より詳細には、送信処理回路113は、プリアンブル及び物理ヘッダの追加や符号化、変調などの処理を行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。DA変換回路115、116は、送信処理回路113で処理されたフレームをDA変換する。より詳細には、DA変換回路115はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回116はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
RF部121は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部121における送信回路122は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
RF部121における受信回路123は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路123は、低雑音増幅部で低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In-phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad-phase)信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整等された後に、受信回路123から出力される。
制御回路112は、送信回路122の送信フィルタおよび受信回路123の受信フィルタの動作を制御してもよい。送信回路122および受信回路123を制御する別の制御部が存在し、制御回路112がその制御部に指示を出すことで、同様の制御を行ってもよい。
ベースバンド部111におけるAD変換回路117、118は、受信回路123からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路117はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路118はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。受信処理回路114は、AD変換後の信号の復調処理、プリアンブルおよび物理ヘッダを取り除く処理等を含む物理層の処理を行い、処理後のフレームを制御回路112に渡す。制御回路112は、渡されたフレームに対してMAC層等の処理を行う。受信処理部114は、アンテナ12A〜12Dと各無線端末のアンテナ間の伝搬路応答の推定を前述したプリアンブルに基づいて行って伝搬路情報(アップリンクの伝搬路応答)を取得してもよい。受信処理部114は、UL−MU−MIMO送信された信号を受信した場合は、当該伝搬路情報に基づき、MIMO復調を行うことで、無線端末毎のデータフレームに分離する。
なお、アンテナ12A〜12Dを、送信回路122および受信回路123のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ12A〜12Dを送信回路122に接続し、受信時には、アンテナ12A〜12Dを受信回路123に接続する。図16では、DA変換回路115、116およびAD変換回路117、118がベースバンド部111側に配置されていたが、RF部121側に配置されるように構成してもよい。
上述した各部の処理の詳細は、図7で行った説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
図17は、第7の実施形態に係る無線端末に搭載される無線通信装置のハードウェア構成例を示したものである。この構成例は一例であり、本実施形態はこれに限定されるものではない。基本的な動作は、図8に示した無線通信装置と同じであるため、構成上の違いを中心に説明し、重複する説明は省略する。
本無線通信装置は、ベースバンド部211、RF部221と、アンテナ1Aとを備える。RF部221とベースバンド部211は、それぞれが1チップのICで構成されてもよいし、これらが一体となって1チップのICで構成されてもよい。
ベースバンド部211は、制御回路212と、送信処理回路213と、受信処理回路214と、DA変換回路215、216と、AD変換回路217、218とを含む。
ベースバンド部211は、一例としてベースバンドLSIまたはベースバンドICである。また、別の例として、ベースバンド部211が、IC232とIC231とを備えてもよい。このとき、IC232が制御回路212と送信処理回路213と受信処理回路214とを含み、IC231が、DA変換回路215、216とAD変換回路217、218を含んでもよい。
制御回路212は、一例として、アクセスポイントとの通信を制御する通信制御装置、またはアクセスポイントとの通信を制御する制御部に対応する。このとき本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214を含んでもよい。さらに本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路213と受信処理回路214に加えて、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。さらに、本実施形態に係る無線通信部は、送信処理回路213、受信処理回路214、DA215、216およびDA217、218に加えて、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。
または、IC232が、アクセスポイントとの通信を制御する通信制御装置に対応してもよい。このとき本実施形態に係る無線通信部は、送信回路222および受信回路223を含んでもよい。さらに本実施形態に係る無線通信部は、送信回路222および受信回路223に加え、DA215、216およびDA217、218を含んでもよい。
ベースバンド部211における制御回路212は、図8のバッファ204を含み、またMAC層等の処理を行う。制御回路212は、クロックを生成するクロック生成部を含んでもよい。送信処理回路213は、物理ヘッダの付加や変調処理など、所望の物理層の処理を行う。より詳細には、送信処理回路213は、プリアンブル及び物理ヘッダの追加や符号化、変調などの処理を行い、例えば2種類のデジタルベースバンド信号(以下、デジタルI信号とデジタルQ信号)を生成する。DA変換回路215、216は、送信処理回路213で処理されたフレームをDA変換する。より詳細には、DA変換回路215はデジタルI信号をアナログのI信号に変換し、DA変換回216はデジタルQ信号をアナログのQ信号に変換する。なお、直交変調せずに一系統の信号のままで送信する場合もありうる。この場合、DA変換回路は1つだけでもよい。また、一系統または複数系統の送信信号をアンテナの数だけ振り分けて送信する場合には、アンテナの数に応じた数のDA変換回路を設けてもよい。
RF部221は、一例としてRFアナログICあるいは高周波ICである。RF部221における送信回路222は、DA変換後のフレームの信号から所望帯域の信号を抽出する送信フィルタ、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、フィルタリング後の信号を無線周波数にアップコンバートするミキサ、アップコンバート後の信号を増幅するプリアンプ(PA)等を含む。
受信回路223は、アンテナで受信された信号を増幅するLNA(低雑音増幅器)、発振装置から供給される一定周波数の信号を利用して、増幅後の信号をベースバンドにダウンコンバートするミキサ、ダウンコーバート後の信号から所望帯域の信号を抽出する受信フィルタ等を含む。より詳細には、受信回路223は、低雑音増幅部で低雑音増幅された受信信号を互いに90°位相のずれた搬送波により直交復調して、受信信号と同位相のI(In-phase)信号と、これより90°位相が遅れたQ(Quad-phase)信号とを生成する。これらI信号とQ信号は、ゲインが調整等された後に、受信回路223から出力される。
制御回路212は、送信回路222の送信フィルタおよび受信回路223の受信フィルタの動作を制御してもよい。送信回路222および受信回路223を制御する別の制御部が存在し、制御回路212がその制御部に指示を出すことで、同様の制御を行ってもよい。
ベースバンド部211におけるAD変換回路217、218は、受信回路223からの入力信号をAD変換する。より詳細には、AD変換回路217はI信号をデジタルI信号に変換し、AD変換回路218はQ信号をデジタルQ信号に変換する。なお、直交復調せずに一系統の信号だけを受信する場合もありうる。この場合、AD変換回路は1つだけでよい。また、複数のアンテナが設けられる場合には、アンテナの数に応じた数のAD変換回路を設けてもよい。受信処理回路214は、AD変換後の信号の復調処理、プリアンブルおよび物理ヘッダを取り除く処理等を含む物理層の処理を行い、処理後のフレームを制御回路212に渡す。制御回路212は、渡されたフレームに対してMAC層等の処理を行う。
なお、無線端末がアンテナを複数備えて、MIMO送信に対応する場合には、受信処理回路214は、MIMOに関する処理(例えば、伝搬路推定の処理、MIMO変調など)を行ってもよい。
なお、アンテナ1Aを、送信回路222および受信回路223のいずれか一方に切り換えるスイッチがRF部221に配置されてもよい。スイッチ制御により、送信時にはアンテナ1Aを送信回路222に接続し、受信時には、アンテナ1Aを受信回路223に接続する。
上述した各部の処理の詳細は、図8の説明から自明であるため、重複する説明は省略する。
(第8の実施形態)
図18(A)および図18(B)は、それぞれ第8の実施形態に係る無線機器の斜視図である。図18(A)の無線機器はノートPC301であり、図18(B)の無線機器は移動体端末321である。それぞれ、端末(アクセスポイントを含む)の一形態に対応する。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた端末(アクセスポイントを含む)に搭載されていた無線通信装置を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線機器は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン等にも搭載可能である。
図18(A)および図18(B)は、それぞれ第8の実施形態に係る無線機器の斜視図である。図18(A)の無線機器はノートPC301であり、図18(B)の無線機器は移動体端末321である。それぞれ、端末(アクセスポイントを含む)の一形態に対応する。ノートPC301および移動体端末321は、それぞれ無線通信装置305、315を搭載している。無線通信装置305、315として、これまで説明してきた端末(アクセスポイントを含む)に搭載されていた無線通信装置を用いることができる。無線通信装置を搭載する無線機器は、ノートPCや移動体端末に限定されない。例えば、TV、デジタルカメラ、ウェアラブルデバイス、タブレット、スマートフォン等にも搭載可能である。
また、端末(アクセスポイントを含む)に搭載されていた無線通信装置は、メモリーカードにも搭載可能である。当該無線通信装置をメモリーカードに搭載した例を図19に示す。メモリーカード331は、無線通信装置355と、メモリーカード本体332とを含む。メモリーカード331は、外部の装置との無線通信のために無線通信装置335を利用する。なお、図19では、メモリーカード331内の他の要素(例えばメモリ等)の記載は省略している。
(第9の実施形態)
第9の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インタフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インタフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
第9の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バス、プロセッサ部、及び外部インタフェース部を備える。プロセッサ部及び外部インタフェース部は、バスを介してバッファと接続される。プロセッサ部ではファームウエアが動作する。このように、ファームウエアを無線通信装置に含める構成とすることにより、ファームウエアの書き換えによって無線通信装置の機能の変更を容易に行うことが可能となる。
(第10の実施形態)
第10の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
第10の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、クロック生成部を備える。クロック生成部は、クロックを生成して出力端子より無線通信装置の外部にクロックを出力する。このように、無線通信装置内部で生成されたクロックを外部に出力し、外部に出力されたクロックによってホスト側を動作させることにより、ホスト側と無線通信装置側とを同期させて動作させることが可能となる。
(第11の実施形態)
第11の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
第11の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、電源部、電源制御部、及び無線電力給電部を含む。電源制御部は、電源部と無線電力給電部とに接続され、無線通信装置に供給する電源を選択する制御を行う。このように、電源を無線通信装置に備える構成とすることにより、電源を制御した低消費電力化動作が可能となる。
(第12の実施形態)
第12の実施形態では、第11の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、例えば、無線通信装置における送信部または受信部または制御部と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
第12の実施形態では、第11の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、SIMカードを含む。SIMカードは、例えば、無線通信装置における送信部または受信部または制御部と接続される。このように、SIMカードを無線通信装置に備える構成とすることにより、容易に認証処理を行うことが可能となる。
(第13の実施形態)
第13の実施形態では、第9の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の送信と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
第13の実施形態では、第9の実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、動画像圧縮/伸長部を含む。動画像圧縮/伸長部は、バスと接続される。このように、動画像圧縮/伸長部を無線通信装置に備える構成とすることにより、圧縮した動画像の送信と受信した圧縮動画像の伸長とを容易に行うことが可能となる。
(第14の実施形態)
第14の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部または受信部または制御部と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
第14の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、LED部を含む。LED部は、送信部または受信部または制御部と接続される。このように、LED部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
(第15の実施形態)
第15の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、送信部または受信部または制御部と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
第15の実施形態では、第1〜8のいずれかの実施形態に係る無線通信装置の構成に加えて、バイブレータ部を含む。バイブレータ部は、送信部または受信部または制御部と接続される。このように、バイブレータ部を無線通信装置に備える構成とすることにより、無線通信装置の動作状態を、ユーザに容易に通知することが可能となる。
(第16の実施形態)
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。IEEE802.11規格では、フレーム種別の識別は、MACフレームのフレームヘッダ部にあるFrame Controlフィールドの中のType、Subtypeという2つのフィールドで行う。データフレームか、管理フレームか、制御フレームかの大別はTypeフィールドで行われ、大別されたフレームの中での細かい種別、例えば管理フレームの中のBeaconフレームといった識別はSubtypeフィールドで行われる。
本実施形態では、[1]無線通信システムにおけるフレーム種別、[2]無線通信装置間の接続切断の手法、[3]無線LANシステムのアクセス方式、[4]無線LANのフレーム間隔について説明する。
[1]通信システムにおけるフレーム種別
一般的に無線通信システムにおける無線アクセスプロトコル上で扱うフレームは、大別してデータ(data)フレーム、管理(management)フレーム、制御(control)フレームの3種類に分けられる。これらの種別は、通常、フレーム間で共通に設けられるヘッダ部で示される。フレーム種別の表示方法としては、1つのフィールドで3種類を区別できるようにしてあってもよいし、2つのフィールドの組み合わせで区別できるようにしてあってもよい。IEEE802.11規格では、フレーム種別の識別は、MACフレームのフレームヘッダ部にあるFrame Controlフィールドの中のType、Subtypeという2つのフィールドで行う。データフレームか、管理フレームか、制御フレームかの大別はTypeフィールドで行われ、大別されたフレームの中での細かい種別、例えば管理フレームの中のBeaconフレームといった識別はSubtypeフィールドで行われる。
管理フレームは、他の無線通信装置との間の物理的な通信リンクの管理に用いるフレームである。例えば、他の無線通信装置との間の通信設定を行うために用いられるフレームや通信リンクをリリースする(つまり接続を切断する)ためのフレーム、無線通信装置でのパワーセーブ動作に係るフレームがある。
データフレームは、他の無線通信装置と物理的な通信リンクが確立した上で、無線通信装置の内部で生成されたデータを他の無線通信装置に送信するフレームである。データは本実施形態の上位層で生成され、例えばユーザの操作によって生成される。
制御フレームは、データフレームを他の無線通信装置との間で送受(交換)する際の制御に用いられるフレームである。無線通信装置がデータフレームや管理フレームを受信した場合にその送達確認のために送信される応答フレームは、制御フレームに属する。応答フレームは、例えばACKフレームやBlockAckフレームである。またRTSフレームやCTSフレームも制御フレームである。
これら3種類のフレームは、物理層で必要に応じた処理を経て物理パケットとしてアンテナを経由して送出される。なお、IEEE802.11規格(前述のIEEE Std 802.11ac−2013などの拡張規格を含む)では接続確立の手順の1つとしてアソシエーション(association)プロセスがあるが、その中で使われるAssociation RequestフレームとAssociation Responseフレームが管理フレームであり、Association RequestフレームやAssociation Responseフレームはユニキャストの管理フレームであることから、受信側無線通信端末に応答フレームであるACKフレームの送信を要求し、このACKフレームは上述のように制御フレームである。
[2]無線通信装置間の接続切断の手法
接続の切断(リリース)には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続を確立している無線通信装置間のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。IEEE802.11規格ではDeauthenticationフレームがこれに当たり、管理フレームに分類される。通常、接続を切断するフレームを送信する側の無線通信装置では当該フレームを送信した時点で、接続を切断するフレームを受信する側の無線通信装置では当該フレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、非アクセスポイントの無線通信端末であれば通信フェーズでの初期状態、例えば接続するBSS探索する状態に戻る。無線通信アクセスポイントがある無線通信端末との間の接続を切断した場合には、例えば無線通信アクセスポイントが自BSSに加入する無線通信端末を管理する接続管理テーブルを持っているならば当該接続管理テーブルから当該無線通信端末に係る情報を削除する。例えば、無線通信アクセスポイントが自BSSに加入する各無線通信端末に接続をアソシエーションプロセスで許可した段階で、AIDを割り当てる場合には、当該接続を切断した無線通信端末のAIDに関連づけられた保持情報を削除し、当該AIDに関してはリリースして他の新規加入する無線通信端末に割り当てられるようにしてもよい。
接続の切断(リリース)には、明示的な手法と暗示的な手法とがある。明示的な手法としては、接続を確立している無線通信装置間のいずれか一方が切断のためのフレームを送信する。IEEE802.11規格ではDeauthenticationフレームがこれに当たり、管理フレームに分類される。通常、接続を切断するフレームを送信する側の無線通信装置では当該フレームを送信した時点で、接続を切断するフレームを受信する側の無線通信装置では当該フレームを受信した時点で、接続の切断と判定する。その後、非アクセスポイントの無線通信端末であれば通信フェーズでの初期状態、例えば接続するBSS探索する状態に戻る。無線通信アクセスポイントがある無線通信端末との間の接続を切断した場合には、例えば無線通信アクセスポイントが自BSSに加入する無線通信端末を管理する接続管理テーブルを持っているならば当該接続管理テーブルから当該無線通信端末に係る情報を削除する。例えば、無線通信アクセスポイントが自BSSに加入する各無線通信端末に接続をアソシエーションプロセスで許可した段階で、AIDを割り当てる場合には、当該接続を切断した無線通信端末のAIDに関連づけられた保持情報を削除し、当該AIDに関してはリリースして他の新規加入する無線通信端末に割り当てられるようにしてもよい。
一方、暗示的な手法としては、接続を確立した接続相手の無線通信装置から一定期間フレーム送信(データフレーム及び管理フレームの送信、あるいは自装置が送信したフレームへの応答フレームの送信)を検知しなかった場合に、接続状態の切断の判定を行う。このような手法があるのは、上述のように接続の切断を判定するような状況では、接続先の無線通信装置と通信距離が離れて無線信号が受信不可あるいは復号不可になるなど物理的な無線リンクが確保できない状態が考えられるからである。すなわち、接続を切断するフレームの受信を期待できないからである。
暗示的な方法で接続の切断を判定する具体例としては、タイマを使用する。例えば、送達確認応答フレームを要求するデータフレームを送信する際、当該フレームの再送期間を制限する第1のタイマ(例えばデータフレーム用の再送タイマ)を起動し、第1のタイマが切れるまで(つまり所望の再送期間が経過するまで)当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行う。当該フレームへの送達確認応答フレームを受信すると第1のタイマは止められる。
一方、送達確認応答フレームを受信せず第1のタイマが切れると、例えば接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。第1のタイマと同様、第2のタイマでも、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。接続が切断されたと判定した段階で、前記接続を切断するフレームを送信するようにしてもよい。
あるいは、接続相手の無線通信装置からフレームを受信すると第3のタイマを起動し、新たに接続相手の無線通信装置からフレームを受信するたびに第3のタイマを止め、再び初期値から起動する。第3のタイマが切れると前述と同様に接続相手の無線通信装置がまだ(通信レンジ内に)存在するか(言い換えれば、無線リンクが確保できているか)を確認するための管理フレームを送信し、それと同時に当該フレームの再送期間を制限する第2のタイマ(例えば管理フレーム用の再送タイマ)を起動する。この場合も、第2のタイマが切れるまで当該フレームへの送達確認応答フレームを受信しないと再送を行い、第2のタイマが切れると接続が切断されたと判定する。この場合も、接続が切断されたと判定した段階で、前記接続を切断するフレームを送信するようにしてもよい。後者の、接続相手の無線通信装置がまだ存在するかを確認するための管理フレームは、前者の場合の管理フレームとは異なるものであってもよい。また後者の場合の管理フレームの再送を制限するためのタイマは、ここでは第2のタイマとして前者の場合と同じものを用いたが、異なるタイマを用いるようにしてもよい。
[3]無線LANシステムのアクセス方式
例えば、複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11無線LANではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)をアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
例えば、複数の無線通信装置と通信または競合することを想定した無線LANシステムがある。IEEE802.11無線LANではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Carrier Avoidance)をアクセス方式の基本としている。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了から固定時間を置いて送信を行う方式では、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置で同時に送信を行うことになり、その結果、無線信号が衝突してフレーム送信に失敗する。ある無線通信装置の送信を把握し、その送信終了からランダム時間待つことで、その無線通信装置の送信を把握した複数の無線通信装置での送信が確率的に分散することになる。よって、ランダム時間の中で最も早い時間を引いた無線通信装置が1つなら無線通信装置のフレーム送信は成功し、フレームの衝突を防ぐことができる。ランダム値に基づき送信権の獲得が複数の無線通信装置間で公平になることから、Carrier Avoidanceを採用した方式は、複数の無線通信装置間で無線媒体を共有するために適した方式であるということができる。
[4]無線LANのフレーム間隔
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
IEEE802.11無線LANのフレーム間隔について説明する。IEEE802.11無線LANで用いられるフレーム間隔は、distributed coordination function interframe space(DIFS)、arbitration interframe space(AIFS)、point coordination function interframe space(PIFS)、short interframe space(SIFS)、extended interframe space(EIFS)、reduced interframe space(RIFS)の6種類ある。
フレーム間隔の定義は、IEEE802.11無線LANでは送信前にキャリアセンスアイドルを確認して開けるべき連続期間として定義されており、厳密な前のフレームからの期間は議論しない。従ってここでのIEEE802.11無線LANシステムでの説明においてはその定義を踏襲する。IEEE802.11無線LANでは、CSMA/CAに基づくランダムアクセスの際に待つ時間を固定時間とランダム時間との和としており、固定時間を明確にするため、このような定義になっているといえる。
DIFSとAIFSとは、CSMA/CAに基づき他の無線通信装置と競合するコンテンション期間にフレーム交換開始を試みるときに用いるフレーム間隔である。DIFSは、トラヒック種別による優先権の区別がないとき、AIFSはトラヒック種別(Traffic Identifier:TID)による優先権が設けられている場合に用いる。
DIFSとAIFSとで係る動作としては類似しているため、以降では主にAIFSを用いて説明する。IEEE802.11無線LANでは、MAC層でフレーム交換の開始などを含むアクセス制御を行う。さらに、上位層からデータを渡される際にQoS(Quality of Service)対応する場合には、データとともにトラヒック種別が通知され、トラヒック種別に基づいてデータはアクセス時の優先度のクラス分けがされる。このアクセス時のクラスをアクセスカテゴリ(Access Category;AC)と呼ぶ。従って、アクセスカテゴリごとにAIFSの値が設けられることになる。
PIFSは、競合する他の無線通信装置よりも優先権を持つアクセスができるようにするためのフレーム間隔であり、DIFS及びAIFSのいずれの値よりも期間が短い。SIFSは、応答系の制御フレームの送信時あるいは一旦アクセス権を獲得した後にバーストでフレーム交換を継続する場合に用いることができるフレーム間隔である。EIFSはフレーム受信に失敗した(受信したフレームがエラーであると判定した)場合に発動されるフレーム間隔である。
RIFSは一旦アクセス権を獲得した後にバーストで同一無線通信装置に複数のフレームを連続して送信する場合に用いることができるフレーム間隔であり、RIFSを用いている間は送信相手の無線通信装置からの応答フレームを要求しない。
ここでIEEE802.11無線LANにおけるランダムアクセスに基づく競合期間のフレーム交換の一例を図20に示す。
ある無線通信装置においてデータフレーム(W_DATA1)の送信要求が発生した際に、キャリアセンスの結果、媒体がビジーである(busy medium)と認識する場合を想定する。この場合、キャリアセンスがアイドルになった時点から固定時間のAIFSを空け、その後ランダム時間(random backoff)空いたところで、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。なお、キャリアセンスの結果、媒体がビジーではない、つまり媒体がアイドル(idle)であると認識した場合には、キャリアセンスを開始した時点から固定時間のAIFSを空けて、データフレームW_DATA1を通信相手に送信する。
ランダム時間は0から整数で与えられるコンテンションウィンドウ(Contention Window:CW)の間の一様分布から導かれる擬似ランダム整数にスロット時間をかけたものである。ここで、CWにスロット時間をかけたものをCW時間幅と呼ぶ。CWの初期値はCWminで与えられ、再送するたびにCWの値はCWmaxになるまで増やされる。CWminとCWmaxとの両方とも、AIFSと同様アクセスカテゴリごとの値を持つ。W_DATA1の送信先の無線通信装置では、データフレームの受信に成功し、かつ当該データフレームが応答フレームの送信を要求するフレームであるとそのデータフレームを内包する物理パケットの無線媒体上での占有終了時点からSIFS後に応答フレーム(W_ACK1)を送信する。W_DATA1を送信した無線通信装置は、W_ACK1を受信すると送信バースト時間制限内であればまたW_ACK1を内包する物理パケットの無線媒体上での占有終了時点からSIFS後に次のフレーム(例えばW_DATA2)を送信することができる。
AIFS、DIFS、PIFS及びEIFSは、SIFSとスロット時間との関数になるが、SIFSとスロット時間とは物理層ごとに規定されている。また、AIFS、CWmin及びCWmaxなどアクセスカテゴリごとに値が設けられるパラメータは、通信グループ(IEEE802.11無線LANではBasic Service Set(BSS))ごとに設定可能であるが、デフォルト値が定められている。
例えば、802.11acの規格策定では、SIFSは16μs、スロット時間は9μsであるとして、それによってPIFSは25μs、DIFSは34μs、AIFSにおいてアクセスカテゴリがBACKGROUND(AC_BK)のフレーム間隔はデフォルト値が79μs、BEST EFFORT(AC_BE)のフレーム間隔はデフォルト値が43μs、VIDEO(AC_VI)とVOICE(AC_VO)のフレーム間隔はデフォルト値が34μs、CWminとCWmaxとのデフォルト値は、各々AC_BKとAC_BEとでは31と1023、AC_VIでは15と31、AC_VOでは7と15になるとする。なお、EIFSは、基本的にはSIFSとDIFSと最も低速な必須の物理レートで送信する場合の応答フレームの時間長の和である。なお効率的なEIFSの取り方ができる無線通信装置では、EIFSを発動した物理パケットへの応答フレームを運ぶ物理パケットの占有時間長を推定し、SIFSとDIFSとその推定時間の和とすることもできる。本実施形態では、このようなフレーム間隔のパラメータを用いる無線通信システムを通信レンジの広い干渉システムとして想定する。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1:アクセスポイント(無線端末)
12A、12B、12C、12D:アンテナ
1、2、3、4:無線端末
1A、2A、3A、4A:アンテナ
21、23、25、27:要求フレーム
22、22A:問い合わせフレーム
28:通知フレーム
29〜32:データフレーム
33:BlockACKフレーム
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
111、211:ベースバンド部
121、221:RF部
122、222:送信回路
123、223:受信回路
112、212:制御回路
113、213:送信処理回路
114、214:受信処理回路
115、116、215、216:DA変換回路
117、118、217、218:AD変換回路
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
12A、12B、12C、12D:アンテナ
1、2、3、4:無線端末
1A、2A、3A、4A:アンテナ
21、23、25、27:要求フレーム
22、22A:問い合わせフレーム
28:通知フレーム
29〜32:データフレーム
33:BlockACKフレーム
101、201:制御部
102、202:送信部
103、203:受信部
104、204:バッファ
111、211:ベースバンド部
121、221:RF部
122、222:送信回路
123、223:受信回路
112、212:制御回路
113、213:送信処理回路
114、214:受信処理回路
115、116、215、216:DA変換回路
117、118、217、218:AD変換回路
301:ノートPC
305、315、355:無線通信装置
321:移動体端末
331:メモリーカード
332:メモリーカード本体
Claims (33)
- データ送信の許可を要求する第1フレームを受信し、
前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した第1端末と異なる第2端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、
前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを受信し、
前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う対象端末を指定した第4フレームを送信し、
前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信する、制御部
を備えた無線通信端末。 - 前記第2フレームは、前記第2端末を特定する情報を含む
請求項1に記載の無線通信端末。 - 前記第2フレームには、複数の前記第2端末の識別子が順番に配置され、
前記制御部は、前記順番に配置された識別子の所定位置に配置された識別子を有する第2端末から、前記第2フレームの送信完了から一定時間後に送信される前記第3フレームを受信する
請求項2に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記所定位置に配置された識別子を有する前記第2端末以外の他の第2端末を順番に選択し、選択した他の第2端末に前記第3フレームの送信を要求する第6フレームを送信し、前記第6フレームの応答として前記第3フレームを前記他の第2端末から受信する
請求項3に記載の無線通信端末。 - 前記第2フレームは、前記第2端末ごとに前記第3フレームの送信タイミングを特定する情報を含み、前記第2端末から前記情報で指定した送信タイミングでそれぞれ送信される前記第3フレームを受信する
請求項2に記載の無線通信端末。 - 前記第2フレームには、前記第2端末の識別子が順番に配置され、
前記第2端末の前記第3フレームの送信タイミングは、前記第2端末の識別子が配置された順序によって定まる
請求項5に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記無線通信端末に無線接続している端末をグループ化し、グループごとにグループ識別子を付与し、
前記第2フレームは、前記第2端末を特定する情報として、前記グループのグループ識別子を含む
請求項2に記載の無線通信端末。 - 前記第2フレームは、前記グループに属する端末のうちの1台の第2端末の識別子を、前記グループ識別子に加えて含み、前記1台の第2端末から、前記第2フレームの送信完了から一定時間後に送信される前記第3フレームを受信する
請求項7に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記グループに属する端末の識別子を順番に配置したグループ情報を前記グループに属している第2端末に送信し、
前記制御部は、前記グループに属する端末のうち前記グループ情報において所定位置に配置された識別子を有する第2端末から、前記第2フレームの送信完了から一定時間後に送信される前記第3フレームを受信する
請求項7に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記グループに属する端末のうち前記1台の第2端末以外の他の第2端末を順番に選択し、選択した他の第2端末に前記第3フレームの送信を要求する第6フレームを送信し、前記第6フレームの応答として前記第3フレームを前記他の第2端末から受信する
請求項8または9に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記グループに属する端末の識別子を順番に配置したグループ情報を前記グループに属している第2端末に送信し、
前記制御部は、前記第2フレームの送信完了後、前記グループに属する第2端末から前記グループ情報における前記第2端末の識別子の配置順序に応じたタイミングでそれぞれ送信される前記第3フレームを受信する
請求項7に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記第2端末からCSMA/CAに従って送信される前記第3フレームを受信する
請求項1、2、または7に記載の無線通信端末。 - 前記第2フレームは、前記第3フレームの受信を受け付け可能な期間に関する情報を含む
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記第2フレームに含まれる前記情報に示される期間の経過後に前記第4フレームを送信する
請求項13に記載の無線通信端末。 - 前記第1フレームおよび前記第3フレームは、前記データ送信を希望する時間、前記データ送信を希望するデータサイズ、前記データ送信を行うストリーム数、誤り訂正方式、変調方式、符号化方式、または前記データ送信を行うチャネルのうち、少なくとも1つに関する情報を含む
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記第4フレームの送信完了から一定時間後に前記第4フレームで指定した前記対象端末からOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)または空間多重で送信される前記第5フレームを受信する
請求項1ないし15のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - アクセスポイントとして動作する
請求項1ないし16のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - IEEE802.11規格に従って通信する
請求項1ないし17のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 少なくとも1つのアンテナと、
前記制御部を含む通信制御装置と、
前記アンテナを介して信号を送受信する無線通信部と
を備えた無線通信端末。 - 請求項1ないし18のいずれか一項に記載の制御部を含む通信制御装置と、
少なくとも1つのアンテナと
前記アンテナを介して信号を送受信する無線通信部と
を備えたメモリーカード。 - 請求項1ないし18のいずれか一項に記載の制御部を含む通信制御装置と、
アンテナを介して信号を送受信する無線通信部とを備え、
前記通信制御装置は、前記無線通信部を介してフレームを送受信する
無線通信装置。 - データ送信の要求の有無を問い合わせる第1フレームを受信し、
前記第1フレームに基づいて、前記第1フレームの受信完了から予め定めた時間後に、前記データ送信の要求の有無を通知する第2フレームを送信する第1動作、または前記第1フレームの後に受信される、前記第2フレームの送信を要求する第3フレームの受信に応じて、前記第2フレームを送信する第2動作を選択し、選択した動作を実行する、制御部
を備えた無線通信端末。 - 前記第1フレームには、複数の端末の識別子が順番に配置され、
前記制御部は、前記無線通信端末の識別子が、前記順番に配置された識別子のうち所定位置に配置されているとき、前記第1動作を実行し、前記所定位置と異なる位置に配置されているとき、前記第2動作を実行する
請求項22に記載の無線通信端末。 - 前記制御部は、前記無線通信端末が属するグループに属している端末の識別子を順番に配置したグループ情報を受信し、
前記第1フレームは、第1グループの識別子を含み、
前記制御部は、前記第1グループが前記無線通信端末のグループに一致し、かつ、前記グループ情報において前記無線通信端末の識別子が所定位置に配置されているときは、前記第1動作を実行し、前記第1グループが前記無線通信端末のグループに一致し、前記グループ情報において前記無線通信端末の識別子が前記所定位置と異なる位置に配置されているときは、前記第2動作を実行する
請求項22に記載の無線通信端末。 - 前記第1フレームは、第1グループの識別子と、前記第1グループに属する端末のうちの1つの端末の識別子とを含み、
前記制御部は、前記第1グループが前記無線通信端末の属するグループに一致し、かつ、前記1つの端末の識別子が前記無線通信端末の識別子に一致するときは、前記第1動作を実行し、前記第1グループが前記無線通信端末の属するグループに一致し、前記1つの端末の識別子が前記無線通信端末の識別子に一致しないときは、前記第2動作を実行する
請求項22に記載の無線通信端末。 - IEEE802.11規格に従って通信する
請求項22ないし25のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 前記制御部を含む通信制御装置と、
少なくとも1つのアンテナと
前記アンテナを介して信号を送受信する無線通信部と
を備えた請求項22ないし26のいずれか一項に記載の無線通信端末。 - 請求項22ないし26のいずれか一項に記載の制御部を含む通信制御装置と、
少なくとも1つのアンテナと
前記アンテナを介して信号を送受信する無線通信部と
を備えたメモリーカード。 - 請求項22ないし26のいずれか一項に記載の制御部を含む通信制御装置と、
アンテナを介して信号を送受信する無線通信部とを備え、
前記通信制御装置は、前記無線通信部を介してフレームを送受信する
無線通信装置。 - データ送信の許可を要求する第1フレームを受信するステップと、
前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した第1端末と異なる第2端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信するステップと、
前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを受信するステップと、
前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う対象端末を指定した第4フレームを送信するステップと、
前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信するステップと
を備えた無線通信方法。 - データ送信の要求の有無を問い合わせる第1フレームを受信するステップと、
前記第1フレームに基づいて、前記第1フレームの受信完了から予め定めた時間後に、前記データ送信の要求の有無を通知する第2フレームを送信する第1動作、または前記第1フレームの後に受信される、前記第2フレームの送信を要求する第3フレームの受信に応じて、前記第2フレームを送信する第2動作を選択し、選択した動作を実行するステップと
を備えた無線通信方法。 - 第1無線通信端末と複数の第2無線通信端末とを備えた無線通信システムであって、
前記第1無線通信端末は、データ送信の許可を要求する第1フレームを前記第2無線通信端末から受信し、前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した前記第2無線通信端末と異なる他の第2無線通信端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを前記他の第2無線通信端末から受信し、前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う前記第2無線通信端末である対象端末を指定した第4フレームを送信し、前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信する、第1制御部を備え、
前記第2無線通信端末は、前記第2フレームを前記第1無線通信端末から受信し、前記第2フレームに基づいて、前記第2フレームの受信完了から予め定めた時間後に、前記第3フレームを送信する第1動作、または前記第2フレームの後に前記第1無線通信端末から受信される、前記第3フレームの送信を要求する第6フレームの受信に応じて、前記第3フレームを送信する第2動作を選択し、選択した動作を実行する、第2制御部を備えた
無線通信システム。 - 第1無線通信端末と複数の第2無線通信端末との無線通信方法であって、
前記第1無線通信端末が、データ送信の許可を要求する第1フレームを前記第2無線通信端末のうちの1つから受信し、前記第1フレームの受信に応じて、前記第1フレームを送信した前記第2無線通信端末と異なる他の第2無線通信端末にデータ送信の要求の有無を問い合わせる第2フレームを送信し、前記データ送信の要求の有無を通知する第3フレームを前記他の第2無線通信端末から受信し、前記第1フレームと前記第3フレームに基づいて、データ送信を行う前記第2無線通信端末である対象端末を指定した第4フレームを送信し、前記第4フレームの送信完了から予め定めた時間後に前記対象端末から送信される第5フレームを受信し、
前記他の第2無線通信端末が、前記第2フレームを前記第1無線通信端末から受信し、前記第2フレームに基づいて、前記第2フレームの受信完了から予め定めた時間後に、前記第3フレームを送信する第1動作、または前記第2フレームの後に前記第1無線通信端末から受信される、前記第3フレームの送信を要求する第6フレームの受信に応じて、前記第3フレームを送信する第2動作を選択し、選択した動作を実行する
無線通信方法。
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