JP2023531033A - フィルターロッド消耗品 - Google Patents

Abstract

本発明は、エアロゾル供給システムで使用するためのフィルターロッド消耗品であって、フィルター、並びにフィルターに含有された、ニコチンを含むエアロゾル化可能材料及び塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルを備え、塩基性溶液が、ユーザーによる作動の際にカプセルから放出されてエアロゾル化可能材料と接触することができる、フィルターロッド消耗品に関する。本発明は、フィルターロッド消耗品を含むエアロゾル供給システム、キット、並びに関連方法及び使用にも関する。【選択図】 図１

Description

本発明は、エアロゾル供給システムで使用するためのフィルターロッド消耗品に関する。本発明は、フィルターロッド消耗品を含むシステム、さらには消耗品を使用するキット及び方法並びにその使用にも関する。

背景

シガレット、シガー等の喫煙品は、使用中にタバコを燃やしてタバコ煙を発生させる。これらの喫煙品の代替品を提供する試みが、燃焼なしで化合物を放出する製品を作製することによってなされている。このような製品の例としては、喫煙材を燃やさずに加熱することによって化合物を放出する、いわゆる「非燃焼加熱式」製品又はタバコ加熱デバイス若しくは製品がある。

概要

本明細書に記載される本発明の第１の態様によれば、エアロゾル供給システムで使用するためのフィルターロッド消耗品であって、加香インサートが、フィルター、並びにフィルターに含有された、ニコチンを含むエアロゾル化可能材料、及び塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルを備え、塩基性溶液が、ユーザーによる作動の際にカプセルから放出されてエアロゾル化可能材料と接触することができる、フィルターロッド消耗品が提供される。

一部の実施形態において、エアロゾル供給システムは不燃式エアロゾル供給システムである。

一部の実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、加熱されて構成成分を揮発させるエアロゾル生成材料と、加熱されて蒸気を形成する液体とを備えるハイブリッドシステムである。

一部の実施形態において、塩基性溶液は約８～約１０のｐＨを有する。一部の実施形態において、塩基性溶液は約８～約９のｐＨを有する。

一部の実施形態において、塩基性溶液は、１種若しくは複数の塩基、又は塩基性緩衝系を含む。

一部の実施形態において、１種又は複数の塩基は、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群から選択される。

一部の実施形態において、塩基性溶液は香料を含む。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料はタバコ顆粒を含む。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、タバコ葉片、及び再生タバコからなる群から選択される１つ又は複数を含む。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、１種又は複数のエアロゾル形成材料を含む。

一部の実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、及びグリセリルトリアセテートからなる群から選択される。

一部の実施形態において、フィルターは、酢酸セルロース（ＣＡ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）、ポリ（１－４ブタンジオールスクシネート）（ＰＢＳ）、ポリ（ブチレンアジペート－ｃｏ－テレフタレート）（ＰＢＡＴ）、デンプンベース材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマーからなる群から選択される１種又は複数のフィルター材料を含む。

一部の実施形態において、フィルターはフィラメント状トウ（ｔｏｗ）材料を含む。一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料はフィルタートウ内で分散されている。

一部の実施形態において、塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルは、フィルター材料によって囲まれている。

一部の実施形態において、フィルターは、フィルター材料の間隔の空いた２つのセクションの間に空隙を含み、エアロゾル化可能材料はフィルター空隙に配置されている。

一部の実施形態において、塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルは、フィルター空隙に配置されている。

本明細書に記載される本発明の第２の態様によれば、第１の態様によるフィルターロッド消耗品を備えるエアロゾル供給システムが提供される。

一部の実施形態において、システムは、加熱されてエアロゾルを形成するエアロゾル生成材料を備えるエアロゾル生成材料加熱システムである。

一部の実施形態において、システムは、加熱されて構成成分を揮発させるエアロゾル生成材料と、加熱されて蒸気を形成する液体とを備えるハイブリッドシステムである。

一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は蒸気によって加熱される。

一部の実施形態において、液体はニコチンを含まない液体である。

一部の実施形態において、デバイスは、液体を加熱して蒸気を形成するための手段を含むが、エアロゾル生成材料を加熱するための別個の手段を含まない。

一部の実施形態において、システムによって生成されたエアロゾルは、フィルターロッド消耗品を通して吸い込まれる。

一部の実施形態において、フィルターロッド消耗品はシステムのマウスピースを形成している。

本明細書に記載される本発明の第３の態様によれば、第１の態様によるフィルターロッド消耗品と、吸入可能エアロゾルの生成で使用するためのデバイスとを備えるキットが提供される。

本明細書に記載される本発明の第４の態様によれば、第１の態様によるフィルターロッド消耗品を通してエアロゾルを吸い込むことにより、エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルを改変するための方法が提供される。

本明細書に記載される本発明の第５の態様によれば、吸入可能エアロゾルを生成する方法であって、第１の態様によるフィルターロッド消耗品において塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルを作動させるステップと、エアロゾル化可能材料の成分を揮発させて吸入可能エアロゾルを形成するステップとを含む、方法が提供される。

本明細書に記載される本発明の第６の態様によれば、エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルを改変するための、第１の態様によるフィルターロッド消耗品の使用が提供される。

本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら、単に例としてこれより記載する。

本発明の実施形態によるフィルターロッド消耗品の概略図である。 本発明の代替の実施形態によるフィルターロッド消耗品の概略図である。 本発明の実施形態によるインサートを含む、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも１種の成分を揮発させるためのハイブリッドシステムの概略図である。

詳細な説明

本発明は、エアロゾル供給システムで使用するためのフィルターロッド消耗品に関する。

ニコチンを含むエアロゾル化可能材料は、ニコチンの遊離を促進するために塩基で処理することができる。例えば、ニコチンは、塩基との反応によってタバコ中のニコチン塩から遊離する。これにより、ｐＨ調整されたニコチンは、使用時により低温で揮発する。

本発明者らは、塩基で処理されたタバコを公知の電子タバコハイブリッドデバイスで使用した場合、１パフ当たりのニコチン送達が使用中に有意に低下することを特定している。塩基とニコチンとの間の反応は急速に起こり、ｐＨ処理されたニコチンはこれより急速に遊離し、消費中の送達はパフ毎に減少することがある。本発明者らはまた、ｐＨ処理されたニコチンが、その高揮発性により、使用前にデバイスから失われることがあることを観測している。

さらに、タバコのｐＨ処理は、アンモニアの遊離につながる。したがって、ｐＨ処理の速度を制御することによりアンモニアの放出速度が制御され、これにより、タバコの官能特性を改善することができる（アンモニアの放出がより緩やかであるため、アンモニアの匂いの強さがより弱いからである）。

本発明は、ニコチンを含有するエアロゾル化可能材料（例えば、タバコ材料）のｐＨ処理を遅延させることにより、１パフ当たりのニコチン送達の均一性の改善を提供する。本発明は、エアロゾル化可能材料のそばにある塩基性溶液を使用する。使用時、塩基性溶液はエアロゾル化可能材料と接触し、ニコチンを遊離させる。一部の場合、塩基性溶液がエアロゾル化可能材料と接触する速度を使用時に制御し、これによりｐＨ処理によるニコチン遊離の速度を制御する。

塩基性溶液は１つ又は複数のカプセル中に用意され、そのカプセルからの放出前に、ニコチンを含有するエアロゾル化可能材料はニコチン放出を容易にするようにｐＨ処理されていない。塩基性溶液は、エアロゾル供給システムの使用直前又は使用中にのみ放出され、したがってニコチン放出を増大させるためのエアロゾル化可能材料のｐＨ処理は、フィルターロッド消耗品の使用直前又は使用中に起こり、エアロゾル供給システムでフィルターロッド消耗品を使用中にニコチンのより制御された放出をもたらす。

フィルターロッド消耗品はフィルターを備え、フィルターに含有された、ニコチンを含むエアロゾル化可能材料及び塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルがある。

塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルは、フィルターロッド消耗品がエアロゾル供給システムで使用されるまでニコチンを含むエアロゾル化可能材料と別に保たれたｐＨ調整剤をフィルターロッド消耗品に提供するように含まれる。

使用の際、塩基性溶液が１つ又は複数のカプセルから放出され、ニコチンを含むエアロゾル化可能材料と接触する。塩基性溶液と接触した際、エアロゾル化可能材料のｐＨが増加する。これにより、遊離塩基形態のニコチンの形成につながる。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料はタバコである。タバコのｐＨを調整することにより、タバコ中のある特定のクラスの化学物質を結合させるそれらの酸塩基反応の自然平衡が変化する。例えば、天然のタバコ葉において、ニコチンは葉に存在する有機酸と結合する傾向があり、したがって穏やかな熱に曝されたときにより安定で揮発しにくい。葉のｐＨを上げると、これによりニコチンの酸との自然の結合が減る。「遊離」ニコチンのこのような非結合体はより揮発しやすい。

したがって、加香インサートのフィルターにおいて１つ又は複数のカプセルから塩基性溶液を放出させる目的は、エアロゾル化可能材料から容易に放出される、及び／又はエアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルに容易に移動する化学形態の、エアロゾル化可能材料に含まれたニコチンをもたらすことである。ニコチンは、エアロゾル化可能材料が使用されてエアロゾルが生成される少し前又はその間にのみ、この容易に放出される形態へと理想的に変換される。

一部の実施形態において、カプセルは、エアロゾル供給システムの使用前又は使用中に塩基性溶液を放出するようにユーザーにより作動される。

一部の実施形態において、少なくとも１つのカプセルは壊すことのできるカプセル、例えば液体充填物を囲む固体の壊れやすい殻を有するカプセルである。

一部の実施形態において、カプセルは破砕可能であってもよく、塩基性溶液の放出は使用時にユーザーがカプセルを破砕することによって実行される。一部のこのような場合、カプセルは穿孔部材によって破裂させてもよい。ある場合には、穿孔部材はカプセルと接触するようにユーザーによって動かされてもよく、例えばこのような動きはボタンで作動されてもよい。別の場合には、穿孔部材は、物品が挿入されるデバイスの一部として設けられてもよく、穿孔部材は物品が挿入されたときにカプセルを破裂させる。またさらなる場合には、塩基性溶液は、室温よりも高い温度であるが使用中に加香インサート内で到達する温度又はそれ以下で、融解、分解（ｄｅｃｏｍｐｏｓｅ）、反応、分解（ｄｅｇｒａｄｅ）、膨潤、溶解、又は変形して塩基性溶液を放出するカプセル化材料でカプセル化されていてもよい。例えば、塩基性溶液は、多糖若しくはセルロースバリア材料、ゼラチン、ゴム、ゲル、蝋、又はこれらの混合物から選択されるカプセル化材料でカプセル化されていてもよい。一部の場合、カプセル化材料は、アルギネート、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、アラビアゴム、ガッチゴム、トラガカントゴム、カラヤ、ローカストビーン、アカシアゴム、グアー、マルメロ種子、キサンタンゴム、寒天ゲル、アガロースゲル、カラギーナン、フロイダン（ｆｕｒｏｉｄａｎ）、ファーセレラン、及びカルナウバ蝋のうちの１つ又は複数から選択される。

カプセル（複数可）から塩基性溶液が放出されると、塩基性溶液がエアロゾル化可能材料と接触する。これは、エアロゾル化可能材料がカプセルに直接隣接していることによって起こりうる。代替的に又は追加的に、塩基性溶液は、カプセルから放出され、エアロゾル化可能材料と接触するように動かされてもよい。一部の実施形態において、このことは、塩基性溶液をエアロゾル化可能材料へと運ぶウィック材料中に塩基性溶液を放出することによってなされてもよい。一部の実施形態において、ウィック材料は、エアロゾル化可能材料に、又はエアロゾル化可能材料を通して塩基性溶液を広げるのを助けてもよい。一部の実施形態において、フィルター材料、例えば繊維質フィルタートウがウィック材料として作用してもよい。

一部の実施形態において、塩基性溶液は使用時に加熱されて蒸気及び／又はエアロゾルを形成し、蒸気及び／又はエアロゾルが使用時に流れてエアロゾル化可能材料と接触する。一部の場合、塩基性溶液の揮発はパフで作動される。これは、エアロゾル化可能材料のｐＨ処理がパフ中にのみ起こり、ニコチン遊離がパフ間で最小化される（意図しないニコチン損失を減らし、消費期間中に持続したニコチン送達をもたらす）ことを意味する。

一部の場合、塩基性溶液は、ユーザーによるポンプの作動時にポンピングされてフィルターロッド消耗品内でエアロゾル化可能材料と接触する。ポンプは、加香インサートが挿入されるエアロゾル供給システムの一部として設けられてもよい。一部のこのような場合、ポンプは例えばボタンで作動されてもよく、したがってユーザーがエアロゾル化可能材料のｐＨ処理の速度を制御し、これによりニコチン放出の速度を制御する。一部の他の場合、ポンプはパフで作動されてもよく、したがってエアロゾル化可能材料のｐＨ処理がパフ中にのみ起こり、ニコチン遊離がパフ間で最小化される（意図しないニコチン損失を減らし、消費期間中に持続したニコチン送達をもたらす）。

フィルターが２つ以上のカプセルを含む一部の実施形態において、カプセルは大きさ、種類、及び／又はカプセル充填物に関して互いに同じであってもよく、又は互いに異なってもよい。

一部の実施形態において、塩基性溶液は、水、グリセロール、及びプロピレングリコールのうちの少なくとも１つを含む。

一部の実施形態において、塩基性溶液は約８よりも大きいｐＨを有する。一部の実施形態において、塩基性溶液は約１０未満のｐＨを有する。一部の実施形態において、塩基性溶液のｐＨは約８～約９の間である。

一部の実施形態において、塩基性溶液は、１種若しくは複数の塩基、又は塩基性緩衝系を含む。例えば、１種又は複数の塩基は、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩のうちの１つ又は複数としてもよい。一部の場合、塩基性溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物を含む。

酸塩基反応を完了させ、したがってニコチン塩を遊離ニコチンへと効率的に変換するため、塩基はニコチンに対し過剰のモル比（一部の実施形態において、約１．５当量の塩基）であるべきである。

ニコチンを含むエアロゾル化可能材料は典型的に固体である。一部の場合、エアロゾル化可能材料はタバコ材料を含む。本明細書において使用する場合、用語「タバコ材料」は、タバコ又はしたがって派生物を含む任意の材料を指す。用語「タバコ材料」は、タバコ、タバコ派生物、膨化タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの１つ又は複数を含んでもよい。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、再生タバコ、塊タバコ、球形化タバコ、及び／又はタバコ抽出物のうちの１つ又は複数を含んでもよい。

タバコ材料の作製に使用されるタバコは、任意の好適なタバコ、例えばバージニア及び／又はバーリー及び／又はオリエンタルを含む単一グレード若しくはブレンド、刻みラグ又は全葉としてもよい。タバコは、タバコ粒子「微粉末」又は粉末、膨化タバコ、茎、膨化茎、及び他の加工茎材料、例えば刻み圧延茎としてもよい。タバコ材料は、挽きタバコ又は再生タバコ材料としてもよい。再生タバコ材料は、タバコ繊維を含んでもよく、鋳込成形、タバコ抽出物の後方添加を伴ったフォードリニエ型抄紙型手法、又は押出しによって形成されてもよい。

より急速な酸塩基反応、したがってより速いニコチン放出のために、高表面積を有するタバコ基材が推奨される。タバコ基材は、例えばドライアイス膨化タバコ（ＤＩＥＴ）、挽きタバコ、押出タバコ、及び顆粒化タバコ等を含めた、様々な形態であってもよい。

エアロゾル化可能材料は、他の成分、例えば香味剤及び／又はエアロゾル形成材料を追加で含んでもよい。

エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成することができる１種又は複数の構成成分を含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、１，３－ブチレングリコール、エリスリトール、メソ－エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの１つ又は複数を含んでもよい。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、１種又は複数のケーシング、例えば転化糖、糖蜜、甘蔗糖、蜂蜜、カカオ、甘草、グリセロール及びプロピレングリコール等のポリオール、並びにリンゴ酸等の酸を追加で含んでもよい。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、１種又は複数の結合剤、例えばアルギネート、セルロース若しくは変性セルロース、デンプン若しくは加工デンプン、又は天然ゴムを追加で含んでもよい。一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、アルギネート、例えばアルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、又はアルギン酸アンモニウムを含む。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料は、１種又は複数の充填剤を追加で含んでもよい。一部の実施形態において、充填剤は、無機材料、例えば炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイドシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及び炭酸マグネシウムを含んでもよい。一部の実施形態において、充填剤はチョークを含む。一部の実施形態において、充填剤は、有機材料、例えば木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体を含んでもよい。

フィルターロッド消耗品はフィルターを備える。フィルターは、消耗品の長軸に沿って並んでフィルターを形成する１つ又は複数のフィルター要素又はセクションを含んでもよい。一部の実施形態において、これらのフィルター要素又はセクションは、フィルター内に空隙を形成するように構成されていてもよい。

一部の実施形態において、フィルターは１種又は複数のフィルター材料を含む。フィルター材料は、酢酸セルロース（ＣＡ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）、ポリ（１－４ブタンジオールスクシネート）（ＰＢＳ）、ポリ（ブチレンアジペート－ｃｏ－テレフタレート）（ＰＢＡＴ）、デンプンベース材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマーからなる群から選択されてもよい。

一部の実施形態において、フィルター材料は可塑剤を含む。

フィルター材料は繊維質材料としてもよい。一部の実施形態において、繊維質材料はトウ又はウェブの形態であってもよい。他の実施形態において、フィルター材料はシート材料としてもよい。一部の実施形態において、シート材料は折り曲げられるか又は巻かれてフィルター又はフィルター要素を形成する。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料及び／又は１つ若しくは複数のカプセルは、フィルター材料内に位置するか、又はフィルター材料によって囲まれている。例えば、フィルター材料が繊維質トウである場合、エアロゾル化可能材料及び／又は１つ若しくは複数のカプセルは、フィルター材料中に分散されているか、又は埋め込まれている。エアロゾル化可能材料が複数の粒子、例えばタバコ顆粒である場合、これはフィルタートウで分散されていてもよい。エアロゾル化可能材料は、フィルター又はフィルター要素のフィルター材料内で均一又は不均一に分散されていてもよい。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料及び塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルは、同じフィルター要素又はセクションに位置してもよい。

一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料及び／又は１つ若しくは複数のカプセルは、フィルターに形成された空隙内に位置する。一部の実施形態において、空隙はさらなる成分、例えば充填材料、香味材料、又はウィック材料を含んでもよい。

一部の実施形態において、空隙は、間隔の空いた２つのフィルター要素の間にある。空隙はまた、壁によって囲まれている。この壁はまた、フィルターの全体及び／又は消耗品の全体を囲んでいてもよい。

特定の例示的な一実施形態において、空隙フィルター構築体は、長さが２８ｍｍの空隙セクション及び両端に６ｍｍの酢酸セルローストウフィルターセクションを有し、４０ｍｍの全長を有する。フィルターの空隙セクションは、タバコ材料で満たされていてもよい。

一部の実施形態において、塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセルは、消耗品がエアロゾル供給システムでの使用のために位置している場合、エアロゾル化可能材料の上流に位置してもよい。一部の実施形態において、カプセルは、加熱源とのあらゆる直接的な相互作用を避けるように、口端セクションの近くに位置する。

一部の実施形態において、フィルターロッド消耗品は香味改変剤を含んで、エアロゾル供給システムによって供給されるエアロゾルによって供給される香味を改変するか、又は香味を添加してもよい。一部の実施形態において、香味改変剤は、エアロゾル化可能材料に含まれてもよい。代替的又は付加的に、香味改変剤は、塩基性溶液に添加されるか、又は含まれてもよい。本明細書において使用する場合、用語「香料」及び「香味料」は、現地の規制が許可する場合、成人消費者用の製品で所望の味、香り、又は他の体性感覚を作り出すために使用することができる材料を指す。それらは、天然に存在する香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られる材料、又はそれらの組合せ（例えば、タバコ、大麻、甘草、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メープル、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード（アニス）、シナモン、ターメリック、インドスパイス、アジアスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンティン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、マルベリー、柑橘系果実、ドランブイ（Ｄｒａｍｂｕｉｅ）、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、チャット、ナスワール（ｎａｓｗａｒ）、キンマ、シーシャ、マツ、ハチミツエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ（Ｍｅｎｔｈａ）属の任意の種由来のミント油、ユーカリ、スターアニス、カカオ、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ（ｇｉｎｋｇｏ ｂｉｌｏｂａ）、ハシバミ、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジの皮、バラ、緑茶又は紅茶等の茶、タイム、ジュニパー、エルダーフラワー、バジル、ベイリーフ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンピール、ミント、シソ、クルクマ、シラントロ、マートル、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ（ｃａｒｖｉ）、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン）、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性化剤又は刺激剤、糖及び／又は代替糖（例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール）、並びに他の添加剤、例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含んでもよい。それらは、模倣、合成、若しくは天然成分、又はこれらのブレンドとしてもよい。それらは、任意の好適な形態、例えば、油等の液体、粉末等の固体、又は気体であってもよい。

一部の実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント、及び／又はペパーミントを含む。一部の実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘系果実、及び／又はレッドベリー香料成分を含む。一部の実施形態において、香料はオイゲノールを含む。一部の実施形態において、香料はタバコから抽出された香料成分を含む。一部の実施形態において、香料は大麻から抽出された香料成分を含む。

一部の実施形態において、香料は感覚惹起剤を含んでもよく、感覚惹起剤は、香り若しくは味覚神経に加えて又はその代わりに、第５脳神経（三叉神経）の刺激によって通常化学的に誘発され知覚される体性感覚を達成することが意図されるものであり、それらは加熱、冷却、ヒリヒリ感、しびれ効果をもたらす薬剤を含んでもよい。好適な熱効果薬剤はバニリルエチルエーテルとしてもよいがこれに限定されず、好適な冷却剤はオイカリプトール、ＷＳ－３としてもよいがこれらに限定されない。

本明細書において使用する場合、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出させる不燃式エアロゾル供給システム、例えばタバコ加熱製品、及びエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムを含む。

本開示によれば、「不燃式」エアロゾル供給システムは、ユーザーへの少なくとも１種の物質の送達を促進するために、エアロゾル供給システム（又はその部品）の構成成分のエアロゾル生成材料が燃焼されない又は燃やされないシステムである。

一部の実施形態において、送達システムは不燃式エアロゾル供給システム、例えば動力を備えた不燃式エアロゾル供給システムである。

一部の実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送達システム（ＥＮＤ）としても知られる電子タバコであり、但しエアロゾル生成材料中のニコチンの存在は必須ではないことに留意されたい。

一部の実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られる、エアロゾル生成材料加熱システムである。このようなシステムの例は、タバコ加熱システムである。

一部の実施形態において、不燃式エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、エアロゾル生成材料の組合せのうちの１種又は複数が加熱されてもよい。エアロゾル生成材料の各々は、例えば固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有してもしなくてもよい。一部の実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料及び固体のエアロゾル生成材料を備える。固体のエアロゾル生成材料は、例えばタバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。

フィルターロッド消耗品はエアロゾル供給システム、例えばエアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも１種の成分を揮発させるための装置に組み込まれてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル供給システムで使用されるエアロゾル生成材料は、１種又は複数の他のエアロゾル生成材料、例えば揮発可能材料をさらに含む。

本発明は、本発明の実施形態によるフィルターロッド消耗品を備えるエアロゾル供給システムも提供する。一部の実施形態において、システムはヒーターを備える。一部の実施形態において、ヒーターはバッテリー式である。一部の実施形態において、このヒーター又は各ヒーターは、電気抵抗ヒーターである。

一部の実施形態において、エアロゾル供給システムは、使用時にエアロゾル化可能材料を加熱して吸入可能媒体を生成する非燃焼加熱式アセンブリである。

一部の実施形態において、エアロゾル供給システムは電子タバコハイブリッドアセンブリである。いくつかのこのような実施形態において、塩基性溶液は、第１の揮発可能材料の成分として用意されてもよい。この材料を加熱すると揮発可能材料が揮発し、塩基性溶液を含むエアロゾル及び／又は蒸気を形成する。エアロゾル及び／又は蒸気はフィルターロッド消耗品を通って流れ、エアロゾル化可能材料と接触してニコチンを遊離させる。他の実施形態において、塩基性溶液は、第１の揮発可能材料とは別個のものである。

いくつかの特定の実施形態において、エアロゾル供給システムは、液体成分を含む第１の揮発可能材料を保持する容器を備える。容器に保たれた第１の揮発可能材料を揮発させるためのヒーターが設けられている。エアロゾル供給システムを使用すると、ヒーターにより第１の揮発可能材料が揮発して蒸気及び／又はエアロゾルを形成し、これらは、エアロゾル化可能材料とフィルターロッド消耗品内の１つ又は複数のカプセルから放出された塩基性溶液とを含有するフィルターロッド消耗品を通過し、エアロゾル化可能材料の１種又は複数の構成成分を同伴し、これにより吸入可能媒体を形成し、この媒体はシステムの外へと通過して、ユーザーによって吸入される。

一部の場合、第１の揮発可能材料は、液体又はゲルを含む。第１の揮発可能材料は、蒸気／エアロゾル前駆体と代替的に呼ばれることもある。好適には、第１の揮発可能材料は液体を含むか、液体から実質的になるか、又は液体からなる。好適な液体は、ｅシガレット液体で慣例的に使用されている成分を含む。第１の揮発可能材料はエアロゾル形成材料、例えばプロピレングリコール及び／又はグリセロールを含んでもよい。さらに、一部の場合、第１の揮発可能材料は香味剤を含む。第１の揮発可能材料は典型的に１５０～２５０℃付近で揮発する。

一部の場合、エアロゾル化可能材料は、エアロゾル又は蒸気が材料を通過することができるように、多孔性であってもよい。これにより、エアロゾル及び／又は蒸気と接触するための大きな接触面積が材料にもたらされる。好適には、エアロゾル化可能材料は（使用前に）、タバコのｐＨを測定するためのＣＯＲＥＳＴＡプロトコルに従って測定された約７未満のｐＨを有してもよい。

一部の場合、アセンブリは使用時にエアロゾル化可能材料を加熱し、その成分の吸入媒体への放出を促進する。一部の場合、１つのヒーターが第１の揮発可能材料とエアロゾル化可能材料の両方を加熱してもよい。一部の場合、エアロゾル化可能材料を加熱する第２のヒーターが設けられてもよい。一部の場合、デバイスはエアロゾル化可能材料を加熱せず、蒸気／エアロゾルによって運ばれる熱に依存して材料を温める（これにより、材料の成分を揮発させ、次いでこれが蒸気／エアロゾルの流れに同伴される）。

一実施形態において、アセンブリは、ヒーターの下流且つエアロゾル化可能材料の上流に冷却器又は冷却区域を備え、冷却器又は冷却区域は、気化した材料を冷却して液滴のエアロゾルを形成するように構成されており、このエアロゾルは使用時にフィルターロッド消耗品及びエアロゾル化可能材料を通過する。冷却器は、熱交換器として実質上作用して、蒸気からの熱の回収を可能にするように構成されていてもよい。回収された熱を使用して、例えばエアロゾル化可能材料を予熱すること、及び／又は第１の揮発可能材料の加熱を助けることができる。一部の実施形態において、この冷却区域は、フィルターロッド消耗品の一部としてもよい。

一実施形態において、ヒーターはパフで作動される。すなわち、デバイスはパフ検出器を含み、パフの検出時にのみ第１の揮発可能材料を加熱する。これは、デバイスにおいて蒸気／エアロゾルがパフ中にのみ形成することを意味する。これにより、一部の実施形態において、エアロゾル化可能材料のｐＨ処理をさらに遅延させて、意図しないニコチン損失を減らし、消費期間中に持続したニコチン送達をもたらすことができる。

一実施形態において、第１の揮発可能材料を保つ容器は取外し可能である。容器は、ポット等（一部の実施形態において、例えば環状であってもよい）、及び／又は脱脂綿等の形態であってもよい。容器は、実質上、使用後に全体として取り替えられる使い捨て品としてもよい。代替として、構成体は、ユーザーがデバイスから容器を取り外し、使用済みの揮発可能材料を取り替えるか、又は容器内に材料を補充して満たし、次いで容器をデバイスに戻すようなものとしてもよい。

一部の場合、容器はデバイスから取外し不可であってもよい。このような一実施形態において、ユーザーは、使用後に必要に応じて、単に使用済み材料を取り替えるか、又は容器内に材料を補充して満たしてもよい。

一部の場合、エアロゾル化可能材料及び塩基性溶液を含むカプセル（複数可）を含有するフィルターロッド消耗品は、デバイスから取外し可能である。消耗品は、実質上、使用後に全体として取り替えられる使い捨て品としてもよい。

フィルターロッド消耗品は、本明細書に記載される吸入可能媒体を生成するためのハイブリッドデバイスで使用するように構成されている。

本発明は、本発明の実施形態によるフィルターロッド消耗品と、吸入可能媒体の生成で使用するためのデバイスとを備えるキットも提供する。デバイスはヒーターを備えてもよい。エアロゾル供給システムに関連して上に記載された様々な特徴は、本発明のキットの態様と組み合わせて明示的に開示され、システムに関連して記載された特徴は、デバイスの特徴であってもよい。したがって、例えばデバイスは、パフ作動装置、冷却要素又は冷却区域、ボタン等の作動手段、さらなるヒーター等のうちの１つ又は複数を備えてもよい。

本発明の一部の実施形態による消耗品及び吸入可能媒体を生成するためのデバイスの例を、添付の図面を参照しながらこれより記載する。

図１及び２を参照すると、本明細書に記載のフィルターロッド消耗品の例が示されている。例示された消耗品１はロッド形状であり、各端部にフィルターセクション又はフィルター要素２ａ、２ｂを備える。これらのフィルター要素はフィルター材料、例えば繊維質トウを含む。各フィルター要素の材料は、同じであっても異なってもよい。一部の実施形態において、フィルター要素のうちの１つ又は複数は、添加剤、例えば吸着剤、香料等を含んでもよい。各フィルター要素の添加剤は、同じであっても異なってもよい。

フィルターロッド消耗品１のセクションは、ロッドを取り囲む巻紙等の包むもので一緒にされていてもよい。

図１に例示された実施形態において、フィルター要素２ａ、２ｂは空隙に隣接する。空隙はエアロゾル化可能材料３、例えばタバコ顆粒で満たされている。空隙は、エアロゾル化可能材料によって少なくとも部分的に囲まれているか、又はそれに埋め込まれた、塩基性溶液を含有するカプセル４も含有する。カプセル４は、ユーザーによって消耗品１の側面に圧力をかけることにより破裂させてもよい。カプセル４の壊れやすい殻が壊れたら、空隙内で塩基性溶液が広がり、エアロゾル化可能材料３と接触する。

図２に例示された実施形態において、フィルター要素２ａ、２ｂはさらなるフィルター要素２ｃに隣接する。さらなるフィルター要素２ｃはフィルター材料を含み、ここにエアロゾル化可能材料３、例えばタバコ顆粒の粒子が分散されている。さらなるフィルター要素２ｃは、フィルター材料中に埋め込まれた、塩基性溶液を含有するカプセル４も含有する。カプセル４は、ユーザーによって消耗品１の側面に圧力をかけることにより破裂させてもよい。カプセル４の壊れやすい殻が壊れたら、フィルター要素２ｃのフィルター材料を通して塩基性溶液が広がり、エアロゾル化可能材料３の粒子と接触する。

図３を参照すると、吸入可能媒体を生成するためのデバイス１１の例が示されている。大まかに述べると、デバイス１１は、リザーバ又は容器１２に含有された液体を揮発させて蒸気又はエアロゾルを形成し、蒸気又はエアロゾルは、デバイスの筐体１３内の空隙に挿入されたフィルターロッド消耗品１を通過する。

示されているフィルターロッド消耗品１は図２に例示されており、上に記載されている。使用時、デバイス１１に消耗品１を挿入する直前にカプセルを破裂させる。これによりカプセル中の塩基性溶液が放出され、これがエアロゾル化可能材料（この実施形態では、タバコ顆粒）と接触し、タバコのｐＨを調整し、ニコチンの遊離塩基を形成することになる。デバイスの容器１２内の液体がヒーター１６によって加熱されたときに液体は揮発し、ユーザーがフィルターロッド消耗品１の口端部５で吸い込んだときに蒸気及び／又はエアロゾルはフィルターロッド消耗品を通して吸い込まれる。加熱された蒸気はエアロゾル化可能材料を温め、ニコチン及び他の揮発性成分がエアロゾル及び／又は蒸気に取り込まれる。

これに関し、一般に蒸気は、その臨界温度より低い温度で気相の物質であり、これは例えば温度を下げずにその圧力を上げることによって蒸気が液体に凝縮されうることを意味することにまず留意すべき場合がある。一方、一般にエアロゾルは、空気又は別の気体中の固体微粒子又は液滴のコロイドである。「コロイド」は、微視的に分散した不溶性粒子が別の物質全体にわたって懸濁した物質である。

図３に戻ると、この例のデバイス１１は、概して中空円筒形の外側筐体１３を有する。筐体１３は、開口端部１４を有する。この例において、管状のフィルターロッド消耗品１が開口端部１４に設置されている。フィルターロッド消耗品１は、ユーザーによって筐体１３から取外し可能である。

筐体１３の他方の端部に、又はその近くに、ヒーター１６を含めた、デバイス１１の様々な部品に電力を供給するためのバッテリーがある。バッテリーは、充電可能バッテリーであっても使い捨てバッテリーであってもよい。筐体１３には、デバイス１１の様々な部品の動作を制御するためのコントローラも設けられている。

ヒーター１６は、筐体１３の概して中央に、すなわち、この例示された実施形態において筐体１３の長さ及び幅に沿って中央に設けられている。この例において、ヒーター１６はバッテリーによって電力を供給され、したがってバッテリーと電気的に接続されている。

ヒーターは、例えばニクロム抵抗ヒーター、セラミックヒーター等を含めた、電気抵抗ヒーターとしてもよい。ヒーター１６は例えばワイヤとしてもよく、ワイヤは例えば示されているようなコイルの形態であってもよい。或いは、ヒーターはプレート（異なる２種以上の材料の多層プレートとしてもよく、材料のうちの１種又は複数が導電性であってもよく、材料のうちの１種又は複数が非導電性であってもよい）、メッシュ（例えば、織物又は不織物としてもよく、また同様に多層であってもよい）、フィルムヒーター等としてもよい。非電気式の加熱構成体を含めた、他の加熱構成体を使用してもよい。

一部の実施形態において、フィルターロッド消耗品１は、消耗品１と筐体１３の内部との間にエアギャップがないようにデバイス１１に挿入され、結果としてエアロゾル又は蒸気は全て消耗品を通って流れる。

液体は、好適には、適度な温度、例えば１００～３００℃の範囲、又はより特定すると１５０～２５０℃付近の温度で揮発可能な液体であり、その理由は、それがデバイス１の動力消費を低く抑えるのに役立つからである。好適な材料としては、例えばプロピレングリコール及びグリセロール（グリセリンとしても知られる）を含めた、ｅシガレットデバイスで慣例的に使用される材料が挙げられる。

エアロゾル化可能材料３は、液体から生じたエアロゾル又は蒸気がフィルターロッド消耗品１を通過したとき、エアロゾル又は蒸気に香味を与える。エアロゾル又は蒸気がエアロゾル化可能材料３を通って及びその上を通過するとき、熱いエアロゾル又は蒸気がエアロゾル化可能材料３からニコチン及び他のタバコ化合物又は構成成分を同伴し、こうしてエアロゾル又は蒸気が消耗品１の口端部５へと通過するときにエアロゾル又は蒸気に香味を与える。

図３に示された実施形態において、エアロゾル化可能材料３からニコチン及び他の化合物又は構成成分を同伴するのに必要な、エアロゾル化可能材料３を加熱するための唯一の熱源は、液体を加熱することから生じた熱いエアロゾル又は蒸気である。

本明細書に記載される様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を補助するためにのみ示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的及び／又は排他的なものではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び／又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を限定するもの又は特許請求の範囲の均等物を限定するものとして考えるべきではなく、他の実施形態を利用してもよく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく改変を行ってもよいことを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されたもの以外の開示された要素、成分、特徴、部分、ステップ、手段等の適切な組合せを好適に含むか、それからなるか、又はそれから本質的になってもよい。加えて、本開示は、現在特許請求されていないが将来特許請求されうる他の発明を含んでもよい。

Claims (30)

1. エアロゾル供給システムで使用するためのフィルターロッド消耗品であって、加香インサートが、フィルター、並びに前記フィルターに含有された
   ニコチンを含むエアロゾル化可能材料、及び
   塩基性溶液を含む１つ又は複数のカプセル
   を備え、前記塩基性溶液が、ユーザーによる作動の際に前記カプセルから放出されて前記エアロゾル化可能材料と接触することができる、フィルターロッド消耗品。
2. 前記エアロゾル供給システムが不燃式エアロゾル供給システムである、請求項１に記載のフィルターロッド消耗品。
3. 前記不燃式エアロゾル供給システムが、加熱されて構成成分を揮発させるエアロゾル生成材料と、加熱されて蒸気を形成する液体とを備えるハイブリッドシステムである、請求項２に記載のフィルターロッド消耗品。
4. 前記塩基性溶液が約８～約１０のｐＨを有する、請求項１～３のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
5. 前記塩基性溶液が約８～約９のｐＨを有する、請求項４に記載のフィルターロッド消耗品。
6. 前記塩基性溶液が、１種若しくは複数の塩基、又は塩基性緩衝系を含む、請求項１～５のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
7. 前記１種又は複数の塩基が、水酸化物、炭酸塩、及び炭酸水素塩からなる群から選択される、請求項６に記載のフィルターロッド消耗品。
8. 前記塩基性溶液が香料を含む、請求項１～７のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
9. 前記エアロゾル化可能材料がタバコ顆粒を含む、請求項１～３のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
10. 前記エアロゾル化可能材料が、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコ茎、タバコ葉片、及び再生タバコからなる群から選択される１つ又は複数を含む、請求項９に記載のフィルターロッド消耗品。
11. 前記エアロゾル化可能材料が、１種又は複数のエアロゾル形成材料を含む、請求項１～１０のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
12. 前記エアロゾル形成材料が、グリセロール、プロピレングリコール、及びグリセリルトリアセテートからなる群から選択される、請求項１１に記載のフィルターロッド消耗品。
13. 前記フィルターが、酢酸セルロース（ＣＡ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、ポリカプロラクトン（ＰＣＬ）、ポリ（１－４ブタンジオールスクシネート）（ＰＢＳ）、ポリ（ブチレンアジペート－ｃｏ－テレフタレート）（ＰＢＡＴ）、デンプンベース材料、綿、脂肪族ポリエステル材料、及び多糖ポリマーからなる群から選択される１種又は複数のフィルター材料を含む、請求項１～１２のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
14. 前記フィルターがフィラメント状トウ材料を含む、請求項１～１３のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
15. 前記エアロゾル化可能材料が前記フィルタートウ内で分散されている、請求項１４に記載のフィルターロッド消耗品。
16. 塩基性溶液を含む前記１つ又は複数のカプセルが、前記フィルター材料によって囲まれている、請求項１３又は１４に記載のフィルターロッド消耗品。
17. 前記フィルターが、フィルター材料の間隔の空いた２つのセクションの間に空隙を含み、前記エアロゾル化可能材料が前記フィルター空隙に配置されている、請求項１～１４のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品。
18. 塩基性溶液を含む前記１つ又は複数のカプセルが前記フィルター空隙に配置されている、請求項１７に記載のフィルターロッド消耗品。
19. 請求項１～１８のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品を備える、エアロゾル供給システム。
20. 加熱されてエアロゾルを形成するエアロゾル生成材料を備えるエアロゾル生成材料加熱システムである、請求項１９に記載のシステム。
21. 加熱されて構成成分を揮発させるエアロゾル生成材料と、加熱されて蒸気を形成する液体とを備えるハイブリッドシステムである、請求項２０に記載のシステム。
22. 前記エアロゾル生成材料が蒸気によって加熱される、請求項２１に記載のシステム。
23. 液体がニコチンを含まない液体である、請求項２２に記載のシステム。
24. デバイスが、液体を加熱して蒸気を形成するための手段を含むが、前記エアロゾル生成材料を加熱するための別個の手段を含まない、請求項２２又は２３に記載のシステム。
25. 前記システムによって生成された前記エアロゾルが、前記フィルターロッド消耗品を通して吸い込まれる、請求項１９～２４のいずれか一項に記載のシステム。
26. 前記フィルターロッド消耗品が前記システムのマウスピースを形成している、請求項１９～２５のいずれか一項に記載のシステム。
27. 請求項１～１８のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品と、吸入可能エアロゾルの生成で使用するためのデバイスとを備えるキット。
28. 請求項１～１８のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品を通して前記エアロゾルを吸い込むことにより、エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルを改変するための方法。
29. 吸入可能エアロゾルを生成する方法であって、請求項１～１８のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品において塩基性溶液を含む前記１つ又は複数のカプセルを作動させることと、前記エアロゾル化可能材料の成分を揮発させて前記吸入可能エアロゾルを形成することとを含む、方法。
30. エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルを改変するための、請求項１～１８のいずれか一項に記載のフィルターロッド消耗品の使用。

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