JP2023530043A - 複数個の青色放射層を有するマルチモーダルマイクロキャビティoled - Google Patents

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Abstract

マルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであり、不透明な基板と、その基板の上方にあり反射面を有する層と、その反射面の上方にある第1電極と、その反射面の近くにある第2青色発光層及びその第2青色発光層よりも当該反射層から遠くにある第1青色発光層を含み、第2及び第1青色発光層の中点間距離がL1であり、且つ少なくとも1個の非青色発光層を含む有機発光層群と、その最内面を介し光が放射される半透明第2電極と、を備え、当該反射面と半透明第2電極の最内面との間の距離L0が発光エリア全体に亘り一定であり、比L1/L0が0.30~0.40の範囲内のものである。本マルチモーダルマイクロキャビティOLEDでは青色放射が増すので、マイクロディスプレイ内光源としての使用向けにひときわ有用である。

Description

[関連出願への相互参照]
本願は、2020年11月11日付米国特許出願第16/695391号、代理人包袋番号OLWK-0020-USの利益を主張する出願である。
通常、マイクロディスプレイの対角寸法は2インチ(約5cm)未満であり、超小型ディスプレイでは1インチ未満まで小さくなる。大抵の場合、マイクロディスプレイの分解能は高く、その画素サイズは通常4~15μmである。1990年代後半に初めて商業導入された頃、これらはリアプロジェクションTV、ヘッドマウントディスプレイ及びディジタルカメラ向けに広く用いられていた。近年では、スマートウォッチ(登録商標)等のデバイスにて、この種のデバイスの利点である高分解能及び低電力消費が活かされている。マイクロディスプレイについては、今後の数年間にて世界市場に広まり、20%の年平均成長率となることが予期されることが見込まれている。この成長を推し進める趨勢の一つは、ニアアイディスプレイ並びに補強現実デバイス及び仮想現実デバイス、例えばヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)及び電子ビューファインダ(EVF)の採用が増えていることであろう。
マイクロディスプレイには二つの主要カテゴリがある。一つ目は、高拡大画像の面上投射が必須な投射型マイクロディスプレイである。投射型マイクロディスプレイの種類には、リアプロジェクションTV及びコンパクトデータプロジェクタがある。二つ目は、アイピース(例えば仮想現実ヘッドセットやカムコーダのビューファインダ)を介し高拡大仮想像が看取されるよう構成されたニアアイディスプレイ(NED)である。この種のディスプレイはHMD及びHUDにてとみに用いられており、特に軍事及び医療産業ではそうである。
どちらのタイプのマイクロディスプレイにも、従来の直視型ディスプレイ例えばフラットパネルLCDに勝る顕著な長所がある。マイクロディスプレイの長所とは、極小計量光源表示ユニットから大画像がもたらされるため空間制約的テクノロジ例えばウェアラブル内に統合しやすいこと、画素容量が大きいため高い分解能及び明瞭性がもたらされること、並びに他種ディスプレイに比べ電力効率が高いことである。分解能及び輝度が高いほど、また電力消費が少ないほど、マイクロディスプレイは良質である。とはいえ、マイクロディスプレイメーカにとり難儀なことに、高輝度及び長稼働寿命が求められることと相俟ち、生産コストが相対的に高いままである。
マイクロディスプレイは、液晶オンシリコン(LCoS)、液晶ディスプレイ(LCD)、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、ディジタル光処理(DLP(登録商標))や、より最近ではマイクロLED(発光ダイオード)及び有機発光ダイオード(OLED)を初め、広範なディスプレイテクノロジを利用し作成することができる。
LCDは近年のマイクロディスプレイ市場を席巻してきた。LCDテクノロジの売りは、高い輝度、比較的低いコスト及び比較的単純な製造プロセスである。LCDを用いることで、デバイス製造業者は、年来、マイクロディスプレイ構成部材のサイズを低減することができていた。LCDディスプレイは、現在、幾つかのHMD、HUD、EVF、並びに熱線撮像グラス及びウェアラブルにて用いられている。とはいえ、LCDマイクロディスプレイでは、像を生成するための光源即ちバックライトと併せ、その光を変調するための液晶アレイが必要とされる。このテクノロジには制約事項、例えば偏向、色空間、最高輝度制限、LC温度感度、視角、LCD透過率及び消光比、システム的寸法制限その他があり、望まれる性能特性全てを提供することができない。
マイクロLEDテクノロジに依拠したマイクロディスプレイであれば、自己放射、広めな色域、広い視角、より良いコントラスト、高めなリフレッシュレート、少なめな電力(画像に依存する)及び広い動作温度範囲等、LCDマイクロディスプレイに勝る利点を提供できよう。現状では、マイクロLEDマイクロディスプレイは、標準的LEDから採り入れられた標準的な窒化ガリウム(GaN)ウェハに依拠している。この手法には、寿命問題のない高輝度表示デバイスを比較的低価格で提供できる見込みがある。一般的には、標準的なGaNウェハがマイクロLEDアレイの態へとパターン化される。その上で、そのマイクロLEDアレイとトランジスタ群との集積によりマイクロLEDディスプレイが生産される。しかしながら、この手法には、それらトランジスタの上方におけるマイクロLEDのモノリシック形成、画素の間隔決め、色生成、並びに個別マイクロLED間の色及び輝度ばらつきによる空間均一性を初め、数個の製造懸念がある。
OLEDテクノロジは、マイクロディスプレイ向けマイクロLEDテクノロジと、多くの魅力的特徴を共有している。それは、自己放射型であること、秀逸な画質を呈すること、LCDやLCoSに比べ非常に効率的なこと、並びに非常に高い色再現度及び広い色空間を有していることである。自己放射型OLEDデバイスがバックライト型デバイス(例えばLCD)に勝る重要な長所は、バックライト付画素では不要光吸収を経て最高強度がもたらされるのに対し、その像で必要とされる強度が個々の画素だけでもたらされることである。更に、OLED層は真空堆積させること又は直接施覆することができるので、トランジスタ上方におけるOLEDの形成は、マイクロLEDの形成に比べかなり容易且つ低コストである。他方で、OLEDでは輝度が制約され寿命が限定される。
画素化OLEDディスプレイ(マイクロディスプレイを含む)では、その画素電極のうち一つに制御回路(トランジスタ群)経由で電力を供給し、それにより個別画素の輝度を制御することが必要であり、その作成手法には二つの基本手法がある。一つ目の手法では、各画素にて個別に赤色、緑色又は青色光(順にR,G,B)を発生させる。二つ目の手法では、全画素に亘り共通なマルチモーダル(白色)発光OLED層に色フィルタアレイ(CFA)を付設することで個別のRGB画素が作成される。二つ目の手法は、一つ目の手法に勝る長所、即ち相異なる組成にて個別OLED画素を生成する必要がないという長所を有しているので、製造コストが低減されることとなろう。
OLED式マイクロディスプレイでは、そのOLED発光層から非常に高い輝度を得ることが求められよう。ある周知方法によれば、光マイクロキャビティ効果の利点を活かすことで、OLED放射の輝度及び色純度を高めることができる。この効果の下地は、反射面と半反射面、即ち幾ばくかの光を通しうる面との間に、光共振器が生じることである。それら二面間の光学距離によるものの、それら二面間での複数回反射により定在波が生じ、またその放射の生成個所がその定在波の波腹か波節かによりそれぞれ強め合い,弱め合い干渉効果が生じることとなるので、ある波長の光が強まり別の波長の光が弱まることとなろう。波腹は、リフレクタ(反射体,反射器)間合計間隔並びに最適化対象波長に依存しつつ様々な個所に発生する。所与構造に関し理想エミッタ(発光体,発光器)位置を決める際には、数学的計算に依拠する光学モデルが有用である。
波腹所在個所、ひいては最良のエミッタ所在個所に影響する要因には、リフレクタ間合計光学距離、光アブゾーバ(吸収体,吸収器)又はリフレクタにて光が反射されるときに生じることが知られている位相シフト、有機層の屈折率、並びに半透明リフレクタの外側にある反射性界面がある。
マイクロキャビティの光学厚が有機媒体内光波長に比し大きくなると、マイクロキャビティ内で色毎に波腹が複数個生じうるようになる。そうした機会自体、同じスペクトルのエミッタを複数個利用することで特定アプリケーション向け所望出力条件を充足させうることを、表している。それら複数個のエミッタを、それらだけで用い非常に明るいモノクローム(単色)ディスプレイを作成することや、他のエミッタと併用して平衡白色ディスプレイを生産することができよう。
しかしながら、マイクロキャビティから放射される光には厳しい角度依存性が現れうるので、看取角が看取面垂線から外れるにつれ色シフト及び輝度損失が生じることとなりうる。これは、投射光学系の入来角が制限されていることから、NEDアプリケーションでは問題にならないことが多い。
OLED式マイクロディスプレイを作成するには、マルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティを用いるのが望ましかろう。即ち、マイクロディスプレイにおける発光元をある単一のマルチモーダルな(光の色が複数の)発光OLEDユニットとし、そのユニットを全画素に共有させ、且つ個別画素の放射色を色フィルタアレイにより制御することで、RGB(色フィルタ無しの画素がある場合はRGBW)を作成することができる。
マイクロキャビティ効果を利用するマルチモーダル(又は白色)発光OLEDは既知である。その例には特許文献1~7及び非特許文献1~4がある。
特許文献8には、白色OLEDマイクロキャビティを用いる受動マトリクスディスプレイであり、そのマイクロキャビティの厚みがマイクロキャビティ内発光層のピーク波長の1/2の総和の整数倍であるものが、記載されている。
しかしながら、これら参照文献により述べられている手法の何れでも、求められている必須な高い輝度を、とりわけ青色光に関し提供することができない。これは、OLED青色エミッタの効率が最良なG又はRエミッタの何れよりも総じて低いからである。例えば、燐光(フォスフォレッセント;蓄光)G、Y及びRエミッタでは、効率が非常に高く且つ安定性が秀逸になりうる。これに対し、最良例の燐光BエミッタであってもG又はRエミッタより低効率となり、しかもかなり不安定となる。青色放射TADF(熱活性遅延蛍光)化合物ならより安定になりうるが、それでもなお燐光G及びRエミッタの効率には及ばない。蛍光(フルオレッセント)Bエミッタならば更に安定になりうるが、燐光エミッタよりもかなり低効率である。実際のところ、多くの白色発光OLEDにて、G及びR放射に比しB放射が弱いことに悩まされている。
RGB放射に関するこのアンバランスには多くのやり方で対処しうる。G及びRエミッタの効率を低下させることができるが、この手法ではそのデバイスの総効率が低下する。ディスプレイにおいては、G及びR画素に比し大電流にて青色画素を駆動することで総放射をバランスさせることができるが、OLED素材の安定性が供給電流に反比例するので、総デバイス寿命が短縮されかねない。G及びR画素に比したB画素の個数又はサイズを増大させることができるが、これでは、(分解能情報の大半を運ぶ)隣接G又はR画素間有効距離が長くなるので、分解能が影響を受けかねない。これらの潜在解の何れも、マイクロディスプレイ向けには望ましくなかろう。
白色発光OLEDにおけるB放射量を増やせるもう一つの手法は、複数個の青色発光層を用いるものであろう。その例を特許文献9~17中に見出すことができる。しかしながら、これらは何れもマイクロキャビティOLEDに関係しておらず、その構成がマイクロキャビティへの応用に相応しくなさそうである。
特許文献18には、2個の青色発光層間に所在する緑色発光層を有していて自OLED内の諸正孔輸送層の厚み比が特定範囲内にあるマイクロキャビティOLEDが、記載されている。しかしながら、そのマイクロキャビティの総厚も当該2個の青色発光層間の間隔も開示されていない。
特許文献19及び20の両者には、発光層が反射性カソードから特定距離のところに所在する白色放射OLEDが記載されている。特許文献21には、互いに隣接する3個の発光層を有するOLEDであり、中間にある発光層から外側の二層とは異なる色が放射され、当該外側の二層からは同じ色の光が放射されうるものが、記載されている。しかしながら、これらは何れもマイクロキャビティOLEDに関係しておらず、その構成がマイクロキャビティへの応用に相応しくなさそうである。
特許文献22には、白色発光ユニットのスタック(積層体)を複数個有し、そのスタックそれぞれが中間接続層により分離されており、非マイクロキャビティアプリケーションに属するOLEDが記載されている。この手法では、個別の白色発光ユニットが青色発光層を有しているので、別の色の光を放射する発光層により分離された複数個のB発光層がデバイス内に存在することとなる。しかしながら、そうしたデバイスには複数個のG及びR層も備わるので、やはりB光とG及びR光との間のアンバランスに悩まされよう。この構成は、発光層のスタックを複数個有するマイクロキャビティへの応用には相応しくなかろう。
米国特許第6133692号明細書 米国特許第7102282号明細書 欧州特許第0683623号明細書 米国特許第9385338号明細書 特開2015ー130319号公報 米国特許第7888860号明細書 国際公開第2014039615号パンフレット 米国特許第7098590号明細書 米国特許第8877350号明細書 米国特許第9655199号明細書 米国特許第9577221号明細書 米国特許出願公開第2011/0297922号明細書 米国特許出願公開第2012/0012820号明細書 米国特許出願公開第2013/0320837号明細書 米国特許出願公開第2008/0224602号明細書 米国特許出願公開第2006/0273714号明細書 米国特許第10290825号明細書 米国特許出願公開第2014/0183496号明細書 米国特許出願公開第2012/0248971号明細書 米国特許第9685622号明細書 米国特許出願公開第2016/0181560号明細書 米国特許第7273663号明細書
Lu et al, AppPhysLet, 92, 123303 (2008) Young-Gu Ju (2011). "Micro-cavity in organic light-emitting diode", from Organic Light Emitting Diode - Material, Process and Devices, Prof. Seung Hwan Ko (Ed.), ISBN: 978-953-307-273-9 Chen et al, Organic Electronics, 12, 2065(2011) Park et al, ACS Photonics, 5, 655-662 (2018) Introduction to Modern Optics by Grant R. Fowles, Holt Reinhart and Winston, Inc., 1968, ISBN 0-03-065365-7 O.H. Crawford, J. Chem. Phys. 89 (10), 6017-6027 (1988) Dodabalapur et al, AppPhysLet, 64(19) 2486 (1994) Dodabalapur et al, AppPhysLet, 65(18), 2308 (1994)
求められているのは、青色放射が増強されておりマイクロディスプレイでの使用に適しそうな白色発光OLED組成にすることである。白色発光マイクロキャビティOLEDに、少なくとも2個の青色放射層を設けることで、増強された青色発光を提供することができる。マイクロキャビティのサイズにもよるが、他の青色発光層並びにマイクロキャビティの反射面に対する青色発光層の間隔が、強い青色放射を達成する上で重要たりうる。
マイクロディスプレイ向け光源として役立つのは、マルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、不透明な基板と、その基板の上方にあり反射面を有する層と、その反射面の上方にある第1電極と、第1及び第2青色発光層を含む有機発光層群であり、その第2青色発光層が上記反射面の近くにあり、第1青色発光層が当該反射層から見て第2青色発光層よりも遠くにあり、第2及び第1青色発光層の中点間距離がLであり、且つ少なくとも1個の非青色発光層を含む有機発光層群と、その最内面を介し光が放射される半透明第2電極と、を備え、上記反射面と半透明第2電極の最内面との間の距離Lが発光エリア全体に亘り一定であり、比L/Lが0.30~0.40の範囲内にあるものである。
幾つかの実施形態によれば、本マルチモーダル発光マイクロキャビティにて、Lを第1青色発光層の中点と上記反射面の間の距離としたときの比L/Lを、0.90~0.98の範囲内とすることができる。そうした諸実施形態にて、Lを第2青色発光層の中点と上記反射面の間の距離としたときの比L/Lを、0.52~0.64の範囲内とすることもできる。
本マルチモーダル発光マイクロキャビティOLEDでは、距離Lに関し相異なる二通りの範囲、即ち距離Lが6500~7800オングストロームの範囲内となる第1範囲、並びに距離Lが8000~9000オングストロームの範囲内となる第2範囲を採ることができる(1オングストローム=10-10m)。
幾つかの実施形態によれば、非青色発光層を第1・第2青色発光層間に所在させ、緑色発光させることができる。第2非青色発光層を第2青色発光層・上記反射面間に所在させ、赤色発光させることもできる。第3青色発光層をその赤色発光層と上記反射面との間に所在させることもできる。第4青色発光層を第3青色発光層・上記反射面間に所在させることもできる。
幾つかの実施形態では、アノードの最上面が上記反射面とされる。即ち、基板の上方にあり反射面を有する層により提供される機能と、その反射面の上方にある第1電極(好ましくはアノード)により提供される機能とを、単一層の態に結合させること、ひいては第1電極(アノード)を反射性にしその上面によりマイクロキャビティの片側を画定することができる。
上述のマルチモーダル発光OLEDをマイクロディスプレイにて用いること、そのマルチモーダル発光マイクロキャビティOLEDの基板にサブ画素個別動作用制御回路付でバックプレーンを具備させること、並びに上記半透明カソードの上方に色フィルタアレイを所在させそれを個別制御対象サブ画素と整列させることで少なくともR,G,Bのサブ画素が形成されるようにすることができる。幾つかの実施形態ではそのマイクロディスプレイがRGBWマイクロディスプレイとされる。
非マイクロキャビティ環境における典型的なOLEDエミッタであり付近に何ら界面がないもののスペクトル(強度対波長)を示す図である。 R、G及びB色に関する相対効率計算結果対695nmマイクロキャビティ内電極からの距離のプロット図である。 6960オングストロームマイクロキャビティに関しあるエミッタ位置範囲に亘る放射強度計算結果対波長のプロット図である。 本発明に係るOLEDマイクロキャビティを用いるマイクロディスプレイ100の模式的断面図である。 第1のOLEDマイクロキャビティデバイス200の断面図である。 第2のOLEDマイクロキャビティデバイス250の断面図である。 第3のOLEDマイクロキャビティデバイス300の断面図である。 第4のOLEDマイクロキャビティデバイス400の断面図である。 実験例A1~A4に関し青色放射領域内スペクトルを示す図である。 実験例B1及びB2に関し青色放射領域内スペクトルを示す図である。 実験例C1~C6に関し青色放射領域内スペクトルを示す図である。
本件開示の目的上、語「上方」や「上」は、言及している構造が別の構造の上方に所在していること、即ち基板とは逆側にあることを意味している。「最上」や「上寄り」は基板から遠い方の側又は表面を指し、「最下」や「下」はその基板に最寄りの側又は表面を指している。「内部」や「内側」は、層の側又は表面のうちそのマイクロキャビティ内の有機層に最寄りのものを指している。別様に注記しない限り、「上方」は、2個の構造が直接接触してもよいしそれらの間に中間層が存在してもよい、と解されるべきである。「層」を以て、層が2個の側面又は表面(最上及び最下)を有すること並びに複数個の層が存在しうるので単一層に限定されないことを、ご理解頂きたい。
Rは主として赤色光(>600nm、望ましくは620~660nmの範囲内)を放射する層を指し示しており、Gは主として緑色光(500~600nm、望ましくは540~565nmの範囲内)を放射する層を指し示しており、Bは主として青色光(<500nm、望ましくは440~485nmの範囲内)を放射する層を指し示している。これらの範囲の選択は、マイクロキャビティの光学系によってではなく所望色域及び明所応答並びに利用可能なエミッタにより規定される。マイクロキャビティは、その所望波長域を最良サポートするよう選択される。
重々留意すべきことに、R、G及びB層では指定範囲外の光も幾らか生じうるものの、その量は常に原色未満となる。Y(黄)は、R及びG光双方を顕著に多く放射しB光をかなり少量しか放射しない層を指し示している。「LEL」は発光層を意味している。別様に注記しない限り、波長は、その場値(インサイチュー値)ではなく真空値で表されている。
マルチモーダルOLEDは複数色の光を発生させる。理想的には、マルチモーダルOLEDにて、ほぼ等量のR、G及びB光を含む白色光を発生させる。通常、これは、約0.33,0.33なるCIEx,CIEy値相当となろう。白色光は、等量のR,G,B光を含んでいないものを含め、一般に、3個の別々なR、G及びB発光層を有し、2個の別々な発光層例えば青及び黄を有し、或いは更に単一の白色発光層を有するOLEDによって生成することができる。しかしながら、混合放射型発光層(例えばY層)を用いると、合計放射が2個の相異なるチャネルに分割されるため、固有な効率損失が往々にして発生する。単一層内で相異なる色のエミッタを用いることは、放射エネルギが少なめなエミッタが卓越することとなるので、問題含みとなりかねない。
マイクロキャビティ効果の背後にある理論は周知であり、最も望ましいマイクロキャビティ内個所を予測するため、ひいては任意の個別波長に関し強め合い干渉を強めるため、モデル化することができる。例えば非特許文献5~8を参照されたい。
一般に、OLEDマイクロキャビティのモデル化で示唆されるところによれば、2個のリフレクタにて何らかの位相シフトに調整されているとき、最高放射効率が見出されるのは、その光が生じた個所が、そのマイクロキャビティの反射面・半透明面間で四半波長(波長の四分の一)の奇数倍のところにある波腹である場合である。別々な「色」に係る波腹は、波長が異なるためそのマイクロキャビティ内の別々な個所に現れよう。この場合の四半波長とは、真空中ではなくデバイス媒体内波長を基準としている。言い換えれば、理論予測によれば、マイクロキャビティ効果を増強することで効率を高めるには、そのマイクロキャビティの輪郭規定面間、特定距離のところに(即ち波腹に)、その発光波長に係る放射層を配置すべきである。
重々ご理解頂くべきことに、マイクロキャビティ理論は光学距離に依拠しており、これは物理的距離と同じにならないことがある。光学距離は物理的距離と屈折率の積であり、その屈折率が波長依存性を呈することがある。例えば、ある典型的な有機非放射OLED素材では、その屈折率が、400nmでは約1.906、450nmでは約1.85、500nmでは約1.80、550nmでは約1.77、600nmでは約1.75、650nmでは約1.73となろう。とはいえ、マイクロキャビティ内OLED素材全てが似た屈折率、似た波長依存性を呈することとなるので、ある許容限度内で物理的距離が光学距離に比例対応することとなる。本願の目的を踏まえ、別様に注記しない限りは、どのマイクロキャビティ距離に関しても光学距離の代わりに物理的距離を用いることとする。
OLEDエミッタには、比較的広帯域となり、最強波長付近の波長で放射量が顕著になる傾向がある。図1に、非マイクロキャビティ環境における典型的B、G及びR色OLEDエミッタのスペクトルを示す。これらの具体的エミッタでは、Bのλmax=456nm、Gのλmax=540nm、Rのλmax=620nmとなっている。これらの例を踏まえると、計算に用いられる積分範囲は、赤に関しては562~682nm、緑に関しては486~594nm、青色光に関しては410~498nmとなり、これは、中心波長が620nm、540nm及び456nm、帯域幅が±10%になることを表している。
その放射光の波長にはマイクロキャビティの総厚が影響することとなる。例えば図2には、カソード,アノードがそれぞれ反射型,半反射型電極である695nmマイクロキャビティにおける単一の理論的白色エミッタに関し、波腹(強度が高めなところ)及び波節(強度が低めなところ)の所在個所の計算結果が(カソードからその放射層の中点までの距離により)示されている。ガラス内に埋め込まれた輻射性白色エミッタの出力を空気中への正規化出力へと正規化してある。このサイズのマイクロキャビティ内には、赤色光に係る4個の高強度位置、緑色光に係る5個の高強度ピーク、並びに青色光に係る6個の高強度ピークが現れる。また、モデルにより指し示されるところによれば、このマイクロキャビティ内では、赤色及び緑色光に係る好適強度がほぼ同じであるが、青色光に関しては、アノードに近いほど強度が高まることが予測される。
マイクロキャビティ内の光はそのマイクロキャビティでの光学距離を基礎とし定在波を形成するので、最適な強め合いが起こる波節が複数個現れる。図3に、6950オングストロームマイクロキャビティ内で強め合う光の波長を示す。図3中の各曲線(個別特定せず)は、反射性電極からの距離が40nmの倍数となるところに配置された理論的白色エミッタに関し、各波長にて予測される放射を表している。図3の曲線群の包絡線におけるピークは、適切なエミッタ位置が選択された場合に強め合いうる波長を示している。曲線群の包絡線の谷にある波長は、何れのエミッタ位置でも強め合わない。
マイクロキャビティの望ましい全体サイズ又は幅は、所望放射出力(これは色フィルタの使用により変調することができる)、LEL内光エミッタのスペクトル(強度対波長)、LELの厚み、並びに駆動電圧(駆動電圧はデバイス厚及びLEL存在個数と歩調を合わせ上昇する)なる四要因により決定付けられる。重々留意すべきことに、違うサイズのマイクロキャビティでは、他とは異なる放射出力がもたらされるのであり、そのマイクロキャビティの内部構成部材全てが同じであってもそうなる。これは、マイクロキャビティ効果が、そのマイクロキャビティの全体サイズだけでなく、そのマイクロキャビティ内で所与波長の光子が生成される個所にも、依存するからである。高効率OLEDマイクロキャビティを設計する際には、これらの要因全てを考慮すると共に、それらの組み込みに必要な妥協点も考慮しなければならない。
とはいえ、マイクロキャビティ理論に従い望ましい個所に放射層を所在させることが、常に可能であるとは限らない。これは、個別放射層内における正孔/電子再結合に同時に対処し、電極間での有機層経由電荷輸送に対処し、且つ個別発光層間での不要相互作用を防ぐことも、必要であるからである。様々な層で別様な素材を用いこれら全てに対処するには、それらの層の厚みを、それらの目的を達成しうる特定の厚みにする必要がある。2個の別々な青色層を用いる際には、個々でのマイクロキャビティ効果が増強されるようそれらに相異なる個所を占めさせることとなるので、これはとりわけ難題となりうる。これらの要請をバランスさせるには、妥協をなすことが必要となろう。
マルチモーダルOLEDマイクロキャビティは少なくとも2個の青色LEL並びに少なくとも1個の他色(非青色)を有するものとなるので、各色に係る波腹を複数個容れうるよう、ひいては必要なLEL全てを強度増強に必要な程度に間隔配置しうるよう、そのマイクロキャビティのサイズを十分大きくしなければならない。これにより非発光層向けの余地も生じるので、それを助力としてデバイス内電荷流を保持することや、そのデバイス内で相異なる横方向エリア内にあり又は色が異なるLEL間での不要クロストークを防ぐことができる。
マルチモーダルマイクロキャビティの厚みL(反射層の最上面と半透明電極の最下面の間の距離)には二通りの相異なる好適範囲がある。これはマイクロキャビティ理論によるものであり、R、G及びB色それぞれに係り相異なる個数の波腹を各範囲内に効率的要領にて容れうるからである。Lに関する第1の好適範囲は6000~8000オングストローム、より好適には6500~7800オングストロームの範囲である。Lに関する第2の好適範囲は7500~9500オングストローム、より好適には8000~9000オングストロームの範囲である。これら二通りの範囲のうちでは第1の範囲の方が望ましい。
図4には、本発明に係るマルチモーダルOLEDマイクロキャビティを用いるマイクロディスプレイ100が描かれている。これには基板1が設けられており、それに重なる層3内にはトランジスタ群、接続用導電トレース群その他の必須構成部材があり、入力信号に従いサブ画素群に電力を供給する制御回路がそれらにより形成されている。それらトランジスタ及び制御回路を有する層3の上方には、オプション的な平坦化層5を設けることができる。基板1/トランジスタ付制御回路層3/オプション的平坦化層5は、バックプレーンと呼ばれることが多い。
層5(存する場合)の上方には、導電コンタクト7により接続される個別的な第1電極セグメント9があり、上記オプション的平坦化層を貫き延びる導電コンタクト7により個別的電極セグメント9・層3内制御回路間電気的接触がなされている。本実施形態では第1電極セグメント9が2個の層、即ち基板1寄りにある反射層9B並びにOLED層寄りにある第1電極層9Aを有している。個別的第1電極セグメント9は、横方向に沿い互いに電気的に分離されている。それらセグメント化第1電極セグメント9の上方には、非発光OLED層11、例えば電子又は正孔注入層或いは電子又は正孔輸送層がある。本実施形態には第1及び第2青色発光層が備わっている。第2青色発光層13はOLED層11の上方にある。層15は電荷生成層であり、第2青色発光層13・非青色発光層17間に存しそれらを隔てている。その非青色発光層17の上方には電荷生成層19があり、非青色発光層17・第1青色発光層21間に存しそれらを隔てている。第2青色発光層13及び第1青色発光層21の中点間物理的距離は距離Lである。第2青色発光層21の上方には、非発光OLED層23、例えば電子又は正孔輸送層或いは電子又は正孔注入層と、半透明第2電極25とがある。これにより距離LのOLEDマイクロキャビティ30、即ち反射面9Bの最上面から半反射型電極でもある半透明第2電極25の最下面まで延びるそれが形成されている。このOLEDマイクロキャビティは、封止(カプセル化)層27により環境から保護されている。本実施形態では色フィルタ29B、29G及び29Rを有する色フィルタアレイが設けられており、OLEDマイクロキャビティ30にて生成されるマルチモーダル放射をそれら色フィルタによりフィルタリングすることで、その下側にある電極セグメント9に供給される電力に従いB、G及びR光が放射されるようにしている。
本OLEDマイクロディスプレイ100では、第1電極層9A及び反射層9B双方がセグメント化、即ち電気的に分離されたサブ画素相当個別セクションへと分割されており、その能動発光面に亘り連続的ではない。とはいえ、実施形態のうち反射層が導電性でないものではその反射層をセグメント化する必要がなく、寧ろその能動発光エリア全体に亘り第1電極9Aの分離セクション群の下方で連続的に延設することができる。そうした応用例では、導電コンタクト7を反射層9B内に通すことで電極セグメント9Aが層3内制御回路に接続されることとなろう。反射層9Bが導電性でありセグメント化されているときには、導電コンタクト7を反射層9Bのセグメントに直に接触させるだけでよい。サブ画素レイアウトやセグメント化電極レイアウトは肝要でなく、あらゆる既知レイアウトを用いることができよう。
マイクロディスプレイ、例えばマイクロディスプレイ100の放射エリアは、100cm(即ち20cm×5cmの長方形や10cm×10cmの正方形)以下、望ましくは24cm(即ち6cm×4cmの長方形)以下とすべきである。看取距離は、通常は20cm以下、望ましくは15cm以下となることが見込まれる。マイクロディスプレイはどのような形状でもよく、例えば正方形、長方形、円形、卵形及び不規則形状とすることができる。
マイクロディスプレイ、例えばマイクロディスプレイ100は、通常はフルカラーであるので、図示の如くB、G及びRサブ画素を有するものとなる。このマイクロディスプレイ内のOLEDマイクロキャビティはマルチモーダルであるので、個々のサブ画素の色が、そのマルチモーダル放射光経路上に所在する色フィルタアレイの存在により規定される。色フィルタアレイ(CFA)はモザイクをなす色フィルタ群(一般には赤、緑及び青)であり、それらサブ画素群に重畳される。そして、それら色フィルタにより、所望色以外の光の透過が妨げられる。色フィルタアレイの配下に、フィルタを欠く又は透明フィルタ付きのサブ画素、即ちOLEDマイクロキャビティから放射された光がフィルタリングされず通過するサブ画素が幾つかあれば、そのマイクロディスプレイは4色(RGBW)となり、応用例次第では有益なものとなりうる。別の応用例によれば、色フィルタアレイに備わる色フィルタ群を同一色とすることで、そのマイクロディスプレイをモノクローム(単色型)にすることができる。モノクロ-ムディスプレイにて、アレイを単一色のフィルタのみに置き換えてもよい。また、色フィルタアレイに備わるフィルタを二種類にすることで、そのマイクロディスプレイをバイクローム(二色型)にすることもできる。色フィルタアレイは、封止層27上に堆積させることも、別体の予形成部材として適用し接着剤で以て封止済OLEDマイクロキャビティに外付けすることもできる。また、半透明第2電極25・封止層27間に所在させることで、CFAを封止済OLEDマイクロキャビティ内に設けることもできよう。
マイクロディスプレイ100は不透明且つ上面放射型であり、基板1内を通じてではなく基板1とは逆の側から光が放射される。これは、不透明な制御回路層3が基板の上方、OLEDマイクロキャビティの下方に存在しているためである。即ち、発光層・基板間に不透明層があるため、上面を通じ光を放射するようOLEDマイクロキャビティ内配列を構成しなければならない。とはいえ、その不透明な制御回路の諸エリア間に透明エリアを発生させ、少なくとも幾ばくかの光がそのマイクロディスプレイ内を通り抜けうるようにすることで、マイクロディスプレイ例えばマイクロディスプレイ100を少なくとも部分的に透明なものにすることができる。
図4では、マイクロキャビティ30の物理的距離Lが、能動発光エリア全体を通じ一定となっている。とりわけ、マイクロキャビティ30の厚みが、サブ画素の光色をもとに調整されていない。本発明のOLEDマイクロキャビティを用いるマイクロディスプレイでは、全てのサブ画素が同じマイクロキャビティ厚Lを有することとなる。
図5には、本発明の一実施形態に係り2個の非青色発光層を有する上面放射OLEDマイクロキャビティデバイス200の断面が描かれている。基板50上には、順に、非セグメント化反射層52、非セグメント化第1電極54、正孔注入層56、正孔輸送層58、第2非青色発光層60、電子輸送層62、電荷生成層64、正孔輸送層66、第2青色発光層68、電子輸送層70、電荷生成層72、正孔輸送層74、第1非青色発光層76、電子輸送層78、電荷生成層80、正孔輸送層82、第1青色発光層84、電子輸送層86、電子注入層88、半透明(且つ半反射型)第2電極90、そして封止層92が堆積されている。不図示の他層を上述の諸層間に設けてもよい。マイクロキャビティ95の距離Lは、反射層52の最上面と、半透明第2電極90の最下面とにより定まる。Lは、第2青色発光層68の中点と第1青色発光層84の中点との間の物理的距離である。Lは、第1青色発光層84の中点から反射層52の最上面までの物理的距離である。Lは、第2青色発光層68の中点と反射層52の最上面との間の物理的距離である。
マイクロディスプレイ100の基板1やOLEDマイクロキャビティデバイス200の基板50は、シリコン、ガラス(可撓ガラスを含む)、金属又はポリマ素材とすることができる。概して、これは平坦且つ均一厚なものとされる。下面放射OLED向けでは基板を透明とすべきである。上面放射OLED向けでは、基板を、望むところに従い、不透明なものにすることも透明なものにする(両面放射可能とする)こともできる。基板の上面とはOLEDに面するそれのことである。この基板は全体的なOLEDカプセル化の一部分となるので、そのOLEDが所望の寿命を持つものとなるよう、空気及び水に対し十分に不浸透性なものとすべきである。基板はリジッド(堅固性)とすることもフレキシブル(可撓性)とすることもできる。基板には様々な種類の下引き層(即ち平坦化層、光管理層等)を設けることができ、それらの層をパターン化することもパターン化無しとすることもでき、またそれを上面及び下面の何れの上にも設けることができる。
反射層52の上側内部反射面により、マイクロキャビティ95の第1の側が画定される。反射層52は、反射性金属例えばAl、Au、Ag、Mg、Cu若しくはRh又はそれらの合金や、誘電体鏡や、高反射被覆とすることができる。誘電体鏡は、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム及び様々な金属酸化物等といった素材の薄層複数個を、基板上に堆積させることで構築される。高反射被覆は二種類の素材、即ち高い屈折率を有する素材(例えば硫化亜鉛(n=2.32)又は二酸化チタン(n=2.4))及び低い屈折率を有する素材(例えばフッ化マグネシウム(n=1.38)又は二酸化ケイ素(n=1.49))からなる複数個の層で構成される。これらの層の厚みは、一般に、反射される光の波長に対し四半波長とされる。望ましくはその反射層にて入射光のうち少なくとも80%、最も望ましくは少なくとも90%を反射させる。好適な反射層はAl又はAgであり、その厚みが300~2000オングストローム、最も好ましくは800~1500オングストロームのものである。
本OLEDマイクロキャビティデバイス200では、第1(下)電極層54が非セグメント化層であり、従って能動発光エリア全体に亘り連続しており分割されていない。即ち、OLEDマイクロキャビティデバイス200は大面積光エミッタであり、ディスプレイではなく照明及びバックライトへの応用に適している。図5中のOLEDマイクロキャビティ95では、反射面から半透明第2電極までの物理的距離Lが能動発光エリア全体を通じ一定となっている。
マイクロディスプレイ100及びOLEDマイクロキャビティデバイス200の何れでも、第1電極セグメント9A又は第1電極層54を、アノードにもカソードにもすることができ、また透明型、反射型、不透明型及び半透明型の何れにもすることができる。第1電極が反射層の上方にある用例では、それを透明にすべきである。とはいえ、用例によっては、その上側反射面により光マイクロキャビティ95の片側が形成されるよう、第1電極層9A,54が反射型とされる。
望ましくは、第1電極を、好ましくは少なくとも70%、より望ましくは少なくとも80%の透過率を有する透明アノードとし、極力多くの可視光を透過させるべきである。透明第1電極を何れの導電素材で作成してもよいが、金属酸化物例えばITO又はAZOか、金属例えばAgの薄層が好ましい。薄くすることができるのであれば、導電性が貧弱な素材(例.TiN)を9A及び54向けに用いることもできる。
反射層及び/又は第1電極の最小厚は、所要の反射率及び導電率により決定される。小画素(nm)向けなら導電率は問題とならない。大面積デバイス(mm~cm)向けでは、デバイス内輝度ばらつきが生じかねないので、その電極にて電圧降下を発生させてはならない。考慮すべきもう一つの要因は、その層がバルクと似た特性を呈することである。Agの場合、薄くし過ぎると集まる傾向があるため、均一性を確かめねばならない。これは、その層がほんの数個の原子単層(20~50オングストローム)である場合に、問題となろう。アノード及び反射層が同じ層であるときは、それをAl、Au、Ag若しくはMg又はそれらの合金を初めとする金属で作成し、その厚みを少なくとも30nm、望ましくは60nmとするのが望ましい。
反射アノードでは、薄い付加的な無機素材被覆により、その反射アノード/有機層界面に亘る正孔輸送の改善を助長すること、或いは扱い回し及び清掃中にその金属質反射面を保護することが必要とされうる。透明アノードが反射面の上方に所在している場合は、それがその光共振器(キャビティ)の一部分となる。
非放射層での使用、例えば正孔注入層56や正孔輸送層58,66,74,82或いは電子注入層88や電子輸送層62,70,78,86での使用に適する電子輸送及び正孔輸送素材は周知であり、広く用いられている。これらの層を、そうした素材の混合物としてもよいし、それらの特性を修飾・修正するドーパント入りのものとしてもよい。それらは非発光であるので、放射素材を含まず透明である。適切素材の選択は肝要でなく、それらの性能を踏まえ何れかを選択すればよい。
様々なマイクロキャビティ内LEL間の間隔並びにマイクロキャビティのサイズが、効率を高める上で重要であるので、通常は、様々な非発光層の厚みを選定することで望ましい間隔を設けることが必要となる。望ましいことに、LEL間隔及びマイクロキャビティサイズの調整が、適切な厚みの正孔輸送層例えば58、66、74又は82を用いることで実現される。
図5に示す実施形態では、第2青色発光層68よりも第2非青色発光層60の方が反射面52の近くにある。第2非青色LEL60は、実施形態によっては存在しないことがあり、その存在はオプション的である。とはいえ、ある方がよい。
発光層は、通常、その層の主成分たるホスト素材(又はホスト素材群の混合物)と発光化合物を有している。この場合は非青色発光化合物であり、放射する光の主放射は500nm超である。より少量の青色放射が生じてもよいが、500nm超放射での最大値に対し20%未満であるのが望ましい。非青色層における青色放射の難点は、非青色放射で最高効率となるようエミッタ位置が選定されるため、非青色波長ほど効率的には強め合わないことである。望ましくは、非青色発光化合物を、高めな効率を呈する燐光性のものとする。
多くの実施形態にて望まれるのは、反射層の最寄にある第2非青色LELにて主に赤色光を放射させることである。発光層例えば60での使用に適するホスト素材及び非青色発光素材例えばR放射燐光化合物は周知であり、広く用いられている。適切素材の選択は肝要ではなく、それらの性能及び放射特性に基づき何れかを選択すればよい。燐光エミッタ使用時には、ときとして、その燐光エミッタにより生成された励起子をその層内に閉じ込めることが必要になる。即ち、必要であれば、その燐光LELの片側又は両側で励起子遮蔽層を用いることができる。そうした素材及びそれらの用例については周知である。
第2非青色発光層60の上方には第2青色発光層68があり、ETL62/CGL64/HTL66によりそこから分離されている。図5の実施形態では、第2青色LEL68が、第2非青色発光層60を挟み反射面とは逆側に所在している。第2青色発光層68の中点は、反射面の最上面から見て距離Lのところにある。比L/Lは0.52~0.64、より好ましくは0.56~0.60の範囲内とすべきである。
青色発光層は、通常、ホスト素材(又はホスト素材群の混合物)と青色光エミッタで構成されることとなる。前述の通り、青色燐光エミッタが非常に適切であろうが、現在既知の諸例は十分な安定性を有していない。仮に、十分な安定性を有する燐光青色エミッタが利用可能になったとしても、それらの効率はR及びB燐光エミッタの効率に比べまだまだ低いであろうから、それらを利用できることだけでは、マルチモーダルOLEDマイクロキャビティから十分な青色光を得られないという問題を解決できないであろう。こうした理由で、蛍光及びTADF(熱活性遅延蛍光)青色エミッタが、本発明ではひときわ有用となる。B放射とは一般に500nm未満のそれのことであるが、非マイクロキャビティ環境における青色放射素材からの好適青色放射範囲は440~485nm、より好ましくは445~475nm、最も好ましくは450~470nmとなる。これらの好適波長域を左右するものには、利用する青色エミッタの如何、目の明所応答(長めの波長の方が明るく見える)、並びにそのデバイスに係る色域条件(短めの波長の方が広めの色域をもたらす)がある。発光層例えば68及び84での使用に適するホスト素材並びに蛍光及びTADF青色発光素材は周知であり、広く用いられている。適切素材の選択は肝要でなく、それらの性能及び放射特性に基づき何れかを選択すればよい。
第2青色発光層68の上方にありそこからETL70/CGL72/HTL74により分離されているところには、第1非青色発光層76がある。図5の実施形態では、第2青色発光層68が第2非青色発光層60・第1非青色発光層76間に所在し、HTL/CGL/ETL層により両者から分離されている。
第1非青色LEL76は、色放射や組成の面で、第2非青色LEL60(存在する場合)と同じであっても異なっていてもよい。例えば、LEL60及び76双方がR光を放射するのでも双方がG光を放射するのでもよいし、それらの内部組成及び素材が同じであっても異なっていてもよい。例えば、両者がそっくりな組成を用い同じG放射を呈するのでもよいし、G放射の最強波長が同じにならないよう両者が相異なる組成を用い緑色光を放射するのでもよい。これに代え、例えば一方がG光、他方がR光を放射する態で、LEL60及び76が相異なる色の光を放射するのでもよい。その他の組合せでの発光、例えば第1LEL76がG光、第2LEL60がY光を放射するそれも可能である。
多くの実施形態にて望ましいのは、第1・第2青色発光層間に所在する第1非青色LEL例えば76から、主に緑色光を放射させることである。より好ましくは、第1LEL76からG光、第2LEL60(存在する場合)からR光を放射させる。発光層例えば76での使用に適するホスト素材及び非青色発光素材例えばG放射燐光化合物は周知であり、広く用いられている。適切素材の選択は肝要でなく、それらの性能及び放射特性に基づき何れかを選択すればよい。
第1非青色発光層76の上方には第1青色発光層84があり、ETL78/CGL80/HTL82によってそこから分離されている。図5の実施形態では、第1青色LEL84が第2非青色発光層76を挟み第2青色LEL68とは逆側に所在している。この配列では、第2青色LEL68が反射面52の近くにあり、第1青色LEL84が反射面からより遠く半反射型第2電極に近いところにあり、第1非青色LEL76がそれらの間に備わっている。
望ましくは、両B-LELの効率を高めるため、比L/Lを0.30~0.40の範囲内とすべきである。より望ましくは、比L/Lを0.32~0.38の範囲内とすべきである。それら第1青色LEL84・第2青色LEL68間に間隔を設けることが重要であり、なぜならマイクロキャビティ環境における両層の効率がそれにより高まるからである。理論によれば、それら2個のB-LELを別々の波腹(四半波長の奇数倍分、即ち460nmの青色波長であれば115nmの奇数倍分隔たるそれら)に所在させるべきであり、それによりそれらの個別的な効率を高めることができる。他方、先に論じた通り、相異なる色のLELを所望位置に従い収容可能とするには、マイクロキャビティのサイズが重要となる。従って、それら2個のB-LEL間の適切な間隔は、マイクロキャビティのサイズにより左右され、比L/Lに対応付けられることとなる。
比L/Lは0.92~0.98、より好ましくは0.93~0.96の範囲内とすべきである。これにより、第1青色LELが電極付近、即ち強い青色放射に望ましいところ(図2参照)に、確と所在することとなる。
第1青色LEL84は、色放射の面や組成の面で、第2青色LEL68と同じであっても異なっていてもよい。例えば、両者がそっくりな組成を用い同じB放射を呈するのでもよいし、B放射の最強波長又は半値幅が同一にならないよう両者が相異なる組成を用い青色光を放射するのでもよい。
多くの実施形態にて望ましいのは、第1及び第2B-LEL84,68を同じ組成とし、同じ青色最強波長で放射させることである。第2青色LEL68ついていえば、発光層例えば84での使用に適するホスト素材及び青色発光素材例えば蛍光及びTADF化合物は周知であり、広く用いられている。適切素材の選択は肝要でなく、それらの性能及び放射特性に基づき何れかを選択すればよい。
第1非青色LEL76を第2・第1青色発光LEL84,68間に所在させるのが望ましいのは、それによりマルチモーダルOLEDマイクロキャビティ内空間の浪費を避けられるからである。青色LELとは大きく異なる波長の光を放射する非青色LELを、それら青色LEL間に所在させることで、空間を効率的に利用することができる。
図5には示されていないが、第1B-LEL84よりも半反射型電極寄りに、付加的な非青色発光層を、オプション的に設けることができる。このオプション的な非青色発光層は、必要に応じ、G、R又はY光を放射するものにすることができる。そうした層の組成は、第1又は第2非青色LELに関し前述したものと同じ組成のうち何れともすることができる。また、第1青色LEL84よりも半反射型電極寄りに、1個又は複数個の付加的な青色発光層を設けることもできる。そうした層の組成は、第1又は第2青色LELに関し前述したものと同じ組成のうち何れともすることができる。
第2電極90は半透明であると共に半反射型であり、故に光のうち一部分を反射させ残りを透過させる。第2電極90の内側最下面は、その物理的距離がLであるマイクロキャビティ95の第2の側を画定する。望ましいことに、この半透明な上電極90にて、LELにより放射された光のうち少なくとも5%、より望ましくは少なくとも10%が反射され、それによりマイクロキャビティ効果が確立される。
この半透明第2電極の厚みが重要なのは、それにより反射光の量が制御され且つどれだけ透過するかが制御されるためである。とはいえ、OLED内に電荷を効率的に通すことができなくなり、またピンホールその他の欠陥が生じることがあるため、過度に薄くすることができない。この上電極層の厚みは、望ましくは100~200オングストローム、より望ましくは125~175オングストロームとする。
この上電極は金属又は合金の薄層とするのが望ましい。相応しい金属にはAg、Mg、Al及びCa又はそれらの合金がある。無論、青色吸収率が比較的低いのでAgが好ましい。半透明電極による青色吸収の問題の一つは、多くのOLED素材が幾ばくかの可視光、とりわけ青色光を吸収し、マイクロキャビティ内での反射毎に幾ばくかの光子が永遠に除去されることである。一例として、Ag製で125オングストローム厚の半透明な上電極では、青色(420nm)にて15%、赤色(650nm)にて39%が反射され、またAg製の250オングストローム厚では420nmにて43%、650nmにて72%が反射される。望ましい合金はAg/Mg(比は9:1~1:9)である。電子輸送及び安定化を助長するため、その電極の表面上に透明金属酸化物、例えばITO、InZnO又はMoOからなる隣接層を設けてもよい。これに代え、ハロゲン化金属例えばLiCl、有機金属酸化物例えばキノリン酸リチウム、或いはその他の有機素材を用いることもできよう。
上電極の上方に保護層又はスペーサ層(図5には示さず)を設けることで、カプセル化中の損傷を防ぐようにしてもよい。
上電極90、並びに存在している場合はオプション的保護層全ての上方に、封止層92が堆積又は載置されている。この封止は、最低限、上部及び側部にある発光エリアを全面被覆すべきものであり、基板と直に接触している。この封止は、空気及び水の浸透に抗う不浸透性のものとすべきである。透明であっても不透明であってもよい。導電性とすべきではない。その場形成(インサイチュー形成)してもよいし、側縁封止手段を有する別体の予形成シートとし、それを付加してもよい。
インサイチュー形成の例は薄膜封止であろう。薄膜封止には、所望の保護度が達成されるまで無機素材層及びポリマ層を交番させることによる複数層堆積がつきものである。薄膜封止形成用の組成及び方法は周知であり、望むところに従い何れも用いることができる。
これに代え、予形成シート又は被覆スリップを用い、それを少なくとも封止エリア及び封入エリアに亘り装着することで、封止を行ってもよい。その予形成シートがリジッドであってもフレキシブルであってもよい。ガラス(可撓ガラスを含む)、金属又は有機/無機障壁層で作成することができよう。よりロバストな接続・連結を達成するには、基板に近い熱膨張係数を有するものとすべきである。予形成封止シートは、空気及び水を通さない接着剤、例えばシリコン又はエポキシ系接着剤を用い、或いは熱的手段例えば超音波溶接又はガラスフリット溶接により、封止エリアの上方に装着する必要があろうし、後者では付加的な封止材、例えば半田又はガラスフリットが必要となろう。被覆スリップの上縁及び下縁を、その封止エリアに対しより良好にフィットし又はより良好な封止を助長するよう、格別に設計してもよい。被覆スリップ及び封止エリアを一緒に設計することで、封止形成前にそれらがその場にフィットし又は部分的にロックされるようにすることができる。更に、その被覆スリップに前処理を施すことで、その封止エリアに対するより良好な接着を助長することができる。
図5に示されている最も望ましい実施形態は、(マイクロキャビティ内LEL順との関係で)上面放射デバイスと呼べる、基板/反射層/アノード(第1電極)/R(第2非青色LEL)/B-LEL2(第2B-LEL)/G(第1非青色LEL)/B-LEL1(第1B-LEL)/カソード(第2電極)型デバイスである。但し、他種の上面放射実施形態では、(第1・第2電極間に)G/B-LEL2/R/B-LEL1、Y/B-LEL2/G/B-LEL1、G/B-LEL2/Y/B-LEL1、G/B-LEL2/G/B-LEL1、R/B-LEL2/R/B-LEL1、Y/B-LEL2/Y/B-LEL1、Y/B-LEL2/R/B-LEL1、R/B-LEL2/Y/B-LEL1、B-LEL2/G/B-LEL1、B-LEL2/R/B-LEL1、B-LEL2/Y/B-LEL1、Y/B-LEL2/B-LEL1、或いはB-LEL2/B-LEL1/Yが備わることもあろう。
他方、図5に示す通り、OLEDマイクロキャビティの第1電極がセグメント化されておらずデバイスが大面積光エミッタとなっている場合は、そのOLEDマイクロキャビティを下面エミッタとすること、即ち基板内を通り光を放射させることもできる。実施形態によっては、第1電極(とりわけカソード)を半透明電極とすること、並びに第2電極(とりわけアノード)による反射面をそのOLEDマイクロキャビティの上部に亘り設けることが望まれる。本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)にはご理解頂けるように、そうした配列向けにする際には、正孔輸送層及び電子輸送層の順序が必然的に反転されることとなる。本発明に係る望ましい下面放射デバイスは、(マイクロキャビティ内LEL順との関係で)(透明)基板/カソード(第2電極)/B-LEL1(第1B-LEL)/G(第1非青色LEL)/B-LEL2(第2B-LEL)/R(第2非青色LEL)/アノード(第1電極)/反射層型デバイスと呼ぶことができる。但し、他種の下面放射実施形態では、(第1・第2電極間に)B-LEL1/R/B-LEL2/G、B-LEL1/G/B-LEL2/Y、B-LEL1/Y/B-LEL2/G、B-LEL1/R/B-LEL2/Y、B-LEL1/Y/B-LEL2/R、R/B-LEL1/R/B-LEL2、G/B-LEL1/G/B-LEL2、Y/B-LEL1/Y/B-LEL2、B-LEL1/G/B-LEL2、B-LEL1/R/B-LEL2、Y/B-LEL2/B-LEL1、B-LEL2/B-LEL1/Y、或いはB-LEL1/Y/B-LEL2が備わることもあろう。
図6には、本発明の一実施形態に係る上面放射OLEDマイクロキャビティデバイス250の断面が描かれている。これは図5に示した実施形態に似ているが、第2青色発光層68及び第1非青色発光層76の相対位置が入れ替わっている。それ以外には何ら変更がない。本実施形態では、これら2個の青色発光層が非発光層により分離されていない。とはいえ、第2青色発光層68の中点と第1青色発光層84の中点との間の距離Lを、比L/Lが両実施形態にて同じになるよう図5の実施形態と同じく調整することができる。例えば、その調整を行うに当たり、正孔輸送層82の厚みを適切量だけ増大させることでLを増大させ、正孔輸送層66,58の厚みを同じ総量だけ減少させることで、マイクロキャビティ距離Lを一定に保つことができる。Lは200,250の両者で同じになる。
OLEDマイクロキャビティデバイス300(図5に似たもの)を図7に示す。本実施形態では、追加的なHTL99/CGL98/ETL96/第3青色発光層94の積層体が層58(HTL)・層60(第2非青色LEL)間に付加されている。その他の諸層に変更はなく、追加されるHTL、CGL、ETL及び第3青色LELは図5中の類似諸層に関し記載したのと同じやり方で組成すればよい。この上面放射OLEDマイクロキャビティは3個の青色LEL及び2個の非青色LELを有している。第1非青色LEL76は第2青色LEL68・第1青色LEL84間、第2非青色LEL60は第2青色LEL68・第3青色LEL94間に所在している。OLEDマイクロキャビティ200に関し述べた通り、G-LEL及びR-LELの位置を入れ替えることやY-LELに変えることができる。加えて、OLEDマイクロキャビティデバイス300は、OLEDマイクロキャビティデバイス200に関し述べた通り下面放射実施形態に再編することができる。実施形態によっては、第3青色LELが第2非青色放射層(存在している場合)・第2青色発光層間に所在させることができる。とはいえ、第2非青色LELがない諸実施形態では、第2青色LEL及び第3青色LELが発光層により分離されないこととなろう。
は、第2青色発光層68の中点と第3青色発光層94の中点との間の物理的距離である。望ましくは、L/Lを0.30~0.40、より好ましくは0.32~0.38の範囲内とする。
OLEDマイクロキャビティデバイス400(図7に似たもの)を図8に示す。本実施形態では、追加的なHTL107/CGL105/ETL103/第4青色発光層101の積層体が層58(HTL)・層94(第3B-LEL)間に付加されている。その他の諸層に変更はなく、追加されるHTL、CGL、ETL及び第4青色LELは図5中の類似諸層に関し述べたのと同じ要領で組成することができる。この上面放射OLEDマイクロキャビティは4個の青色LEL及び2個の非青色LELを有しており、第1非青色LEL76は第2青色LEL68・第1青色LEL84間、第2非青色LEL60は第2青色LEL68・第3青色LEL94間に所在している。本実施形態での図示によれば、第3B-LEL(99)・第4B-LEL(101)間に非青色LELはない。とはいえ、第3B-LEL・第4B-LEL間に第3非青色LELをオプション的に付加することができる。例えば、OLEDマイクロキャビティを以下の構造、即ち基板/反射層/B-LEL4/Y/B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1/カソードなる構造を有するものとすることができよう。OLEDマイクロキャビティデバイス300に関し述べた通り、OLEDマイクロキャビティデバイス400にてG-LEL及びR-LELの位置を入れ替えることやY-LELに変更することができる。加えて、OLEDマイクロキャビティデバイス400は、OLEDマイクロキャビティデバイス200に関し述べた通り下面放射実施形態として再編することができる。
は、第3青色発光層94の中点と第4青色発光層101の中点との間の物理的距離である。望ましくは、L/Lを0.10~0.20、より好ましくは0.13~0.16の範囲内とする。
複数個の積層体内発光層があること及び複数個の発光層を有するOLEDでの電圧低減が必要なことから、ときとしてコネクタ又は中間層とも呼ばれる電荷生成層(CGL)を設け、図5~図8の諸実施形態の如くLEL複数個の積層体を用いる際の電圧上昇を抑えるよう、望まれることが多い。とりわけ、CGLをその積層体内の各発光層間に所在させることが望ましく、そのCGLの片側にHTL、反対側にETLを設けることがより望ましい。一般に、発光層・電極間にCGLを所在させる必要はないが、特殊な状況下ではそうしたCGL適用が有益となろう。
電荷生成層(複数個の層で構成されていてもよい)には、正孔及び電子の双方を生成する能力がある。往々にして、CGLは、電気的バイアスを受けたときに電子を生成することができるn層(例えば電子を生成するnドーパントで以てドーピングされたもの)と、電子を受け入れることができるp層(例えば電子に乏しいpドーパントで以てドーピングされたもの)とを有している。場合によっては、それらn層及びp層が薄い中間層により分離されることもある。往々にして、CGLは、そのn層がアノード寄り、p層がカソード寄りとなるよう配列される。
望ましいCGL向け組成は3個の層、即ちnドーパント(例えばLi)で以てドーピングされた電子輸送素材、その電子輸送素材と同素材の薄い中間層、並びにpドーパントで以てドーピングされた正孔輸送素材を有するものである。CGL例えば64、72及び80での使用に適する電子輸送及び正孔輸送素材並びにそれに適するnドーパント及びpドーパントは周知であり、広く用いられている。その素材が有機であっても無機であってもよい。適切素材の選択は肝要でなく、それらの性能に基づき何れかを選定すればよい。
CGLの厚みは、望ましくは200~450オングストロームの範囲内とすべきである。多くの場合、電荷輸送の改善を助長しLELからの電荷生成ドーパント(存在している場合)の分離を助長するため、CGLのアノード側にETL、カソード側にHTLを設けることとなろう。
[モデル化結果]
本発明の目的は、マルチモーダルOLEDマイクロキャビティであり発光エリア全体に亘って単一且つ一定な厚みを有するマイクロキャビティでの、青色放射量を増やすことにある。B-LEL相互間の相対距離、並びにそのマイクロキャビティ内の反射層からB-LELまでの相対距離が、高い青色効率を達成する上で重要であるほか、他の諸要因、例えばそれらLELの相対的順序や半透明電極の性状も、青色放射を増強する上で重要たりうる。
マイクロキャビティの総厚が、放射光の波長に影響を及ぼすこととなろう。図1に示す通り、OLEDエミッタには、比較的広帯域となり、その最強波長付近の波長にて顕著な量の放射を呈する傾向がある。とはいえ、マイクロキャビティ環境における最強放射波長は、非マイクロキャビティ環境におけるそれとは異なりうる。これは、マイクロキャビティ効果が個々の波長で稼働するため、そのマイクロキャビティのサイズに依存しつつ、ある波長にて放射が強め合う一方で他の波長にて弱め合うこととなるからである。これにより、最強放射波長のシフトが発生すること及びスペクトル全体の形状に変化が生じることがありうる。単一のマルチモーダルマイクロキャビティを各色の光向けに個別最適化することはできないので、各色最強放射波長における幾ばくかのシフトが見込まれる。
表Aに、放射強め合い波長に対するマイクロキャビティ厚の影響のモデル化結果を示す。
Figure 2023530043000002
このサイズ範囲のマイクロキャビティでは、好適な青色、緑色及び赤色波長(図1に示されているそれ)が強め合う一方、あまり望ましくない波長例えば480nm及び580nm、即ちそのディスプレイの飽和原色波長付近にない波長では強め合わない。マイクロキャビティ長が増すにつれ、強め合い波長のピークが長波長側へと間断なくシフトしていき、ピークが追加されることとなりうる。モデル化結果によれば、ひときわ好適なマイクロキャビティの範囲、即ち所望波長のR、G及びB光に強め合いが起こることとなる範囲は二種類あり、そのうち第1の好適範囲は約6500~7800オングストローム、第2の好適範囲は約8000~9000オングストロームである。
即ち、全体効率を高めるには、まず、強め合い波長のピークが所望のR、G及びB域内となる適切なキャビティ長を定めた上で、そのマイクロキャビティ内における様々なエミッタの位置を定める必要がある。
6950オングストロームマイクロキャビティ内青色LELの最大強め合いに関する最適個所予測結果を表Bに示す。LELの厚みは有限であるので、そのLELの中点から反射層の最上面までの距離に依拠し諸個所を示した。計算に際しては、物理的距離を用いマルチモーダルマイクロキャビティの厚み及びLELの位置関係を記述した。なお、典型的な青色光エミッタ(460nm)の四半波長は約115nmである。
Figure 2023530043000003
表Bに示す通り、最大強め合い個所の計算結果同士は何れも約121~125nm隔たっており、(波節間距離)/(マイクロキャビティ長)の比が0.17~0.18となっている。
8450オングストロームマイクロキャビティ内青色LELの最大強め合いに関する最適個所予測結果を表Cに示す。
Figure 2023530043000004
表Cに示す通り、最大強め合い個所の計算結果同士は何れも約114~121nm隔たっており、(波節間距離)/(マイクロキャビティ長)の比が0.13~0.14となっている。
マイクロキャビティ内B-LELに関し最適所在個所を決定するため、2個以上のB-LELを有する以下のOLEDマイクロキャビティ構造をモデル化した。それらの計算を、B=456nm、G=540nm及びR=620nmなるλmax放射(非マイクロキャビティ)に基づき行った。マイクロキャビティの厚み(最上反射面と半透明電極の最下面との間)は6950オングストロームとし、LEL厚は全て200オングストロームとし、例外なく各LEL間に非発光スペーサ層があるものとした。デバイスを下面放射型とした。無論、モデルフォーマットB及びDでは少なくとも1個の非青色LELによりB-LEL同士を分離させ、モデルフォーマットA及びCではB-LEL同士を隣り合わせた:
モデルフォーマットA:B2-LEL/B1-LEL/R-LEL/G-LEL
モデルフォーマットB:B2-LEL/G-LEL/R-LEL/B1-LEL
モデルフォーマットC:G-LEL/B2-LEL/B1-LEL/R-LEL
モデルフォーマットD:R-LEL/B2-LEL/G-LEL/B1-LEL。
青色強度に関する計算結果から作表したものが表Dである。
Figure 2023530043000005
表Dには、表B及びCと同様、青色発光層間最適距離を約120nm、即ちマイクロキャビティ距離の約0.16倍とすべきことが示されている。その青色発光層間距離の更なる増大(即ち半波長以上、但し四半波長の奇数倍ではないそれ)により結果が悪くなることが予測されている。この点では、青色LEL間に中間的な非青色LELがある例(フォーマットB及びD)が、それら2個の青色LEL間に非青色LELがないフォーマットCに、一見して似ている。
[実験結果]
以下の諸例では、別様に注記しない限り、各素材名の前にある数字をオングストローム単位の物理的層厚としている(例.130のITO)。何れのデバイスも、同じ手順を用いカソード堆積後にカプセル化した。OLEDシリーズA及びBでは、全ての例で反射面・半透明カソード間マイクロキャビティ厚を7750オングストロームとしている。
(OLEDシリーズA)
例A1(比較):従来のR/G/B-LEL1型内部構造を有するOLEDマイクロキャビティデバイスを、ガラス基板上に以下の通り調製した:
層1(反射面):1000のAl
層2(アノード):130のITO
層3(HIL):250の正孔輸送素材(HTM)A,8%がpドーパントA
層4(HTL):2450のHTM-A
層5(赤色LEL):200の混合ホストA/B(比9:1),3%が燐光赤色ドーパント、10%がスタビライザ
層6(ETL):100の電子輸送素材(ETM)A
層7(電荷生成層(CGL)1):100のETM-B,2%がLi/20のETM-B/250のHTM-A,10%がpドーパントA、で構成される3個の層(合計厚370)
層8(HTL):2050のHTM-A
層9(緑色LEL):200のホストA+10%の燐光緑色ドーパント
層10:ETL:100のETM-A
層11(CGL2):370(層7内のCGL1と同じ組成)
層12(HTM):930のHTM-A
層13(青色LEL1):200のホストC,4%が蛍光青色ドーパントA
層14(ETL):300のETM-A
層15(EIL):100のETM-B,2%がLi
層16(半透明カソード);125 共堆積されたAg(75%)及びMg(25%)。
例A1では、反射層の前方内面から7250オングストローム、半透明カソードの前方内面から500オングストロームのところに、B-LEL1の中点を所在させた。
例A2(発明):本発明のR/B-LEL2/G/B-LEL1型内部構造を有するOLEDマイクロキャビティデバイスを、以下の変更点を除き、比較例A1と同じ要領で調製した:
層8(HTL):2050なるHTM-Aの厚みを950なる厚みに減らし、付加的なB発光層及びCGL3を含む以下の諸層
層8A(青色LEL2):200(層13と同じ組成のもの)
層8B(ETL):100のETM-A
層8C(CGL3):370(CGL1と同じ組成のもの)
層8D(HTL):430のHTM-A
を層9の堆積に先立ち追加し、且つそれらの諸層を層8の上方、層9より前に(順に)追加した。
青色LEL2は緑色LEL・赤色LEL間に所在させ、ETL/CGL/HTL層により両者から分離させた。B-LEL1の中点から反射面までの距離は7250オングストローム、B-LEL2の中点から反射面までの距離は4550オングストローム、B-LEL1の中点とB-LEL2の中点との間の距離は2700オングストロームとした。
例A3(発明):発明例A2(R/B-LEL2/G/B-LEL1)に似たOLEDマイクロキャビティデバイスを、層8の厚みを(950から)1150に増やし、層8Dの厚みを(430から)230に減らした点を除き、例A2と同じやり方で調製した。これにより、実質的に、B-LEL2の中点を、反射面から更に200オングストローム遠ざけ且つB-LEL1及びカソードに200オングストローム近付けた。例3では、B-LEL2の中点から反射面までの距離を4750オングストローム、B-LEL2の中点から半透明カソードまでの距離を3000オングストロームとし、ひいてはB-LEL1の中点とB-LEL2の中点の間の距離を2700オングストロームから2500オングストロームへと減らした。
例A4(発明):発明例A2(R/B-LEL2/G/B-LEL1)に似たOLEDマイクロキャビティデバイスを、層8の厚みを(950から)750に減らし、層8Dの厚みを(430から)630に増やした点を除き、同じ要領で調製した。これにより、実質的に、B-LEL2の中点を、反射面に200オングストローム近付け、B-LEL1及びカソードから更に200オングストローム遠ざけた。例A4では、B-LEL2の中点から反射面までの距離を4350オングストローム、B-LEL2の中点から半透明カソードまでの距離を3400オングストロームとし、ひいてはB-LEL1の中点とB-LEL2の中点の距離も2700オングストロームから2900オングストロームへと増やした。
OLEDシリーズAに関する結果を表1及び表2中に見出すことができる。
Figure 2023530043000006
図9に示す通り、CIEx,CIEy値が改善され(0.33,0.33に近づき)青色放射強度が高まっていることからわかるように、発明例A2~A4では、G-LELを挟みB-LEL2とは逆側にB-LEL1を追加することで、比較例A1でのそれに比べ多量の青色光が放射されることが、立証されている。
表2にB-LEL1・B-LEL2間距離L及び比L/Lを示す。
Figure 2023530043000007
表1及び表2では、反射層に対するマイクロキャビティ内B-LEL1及びB-LEL2の最適所在個所が、マイクロキャビティ理論によるそれから意外にも非常に異なるだけでなく、図9に示す如く青色放射の増大がなおも観測されることも、立証されている。例えば、発明例A2~A4は、2個のB-LEL間に非青色LELがあるモデルフォーマットDに似た構造を有しているが、表Dに示す通り、2個のB-LEL間のこの距離については、マイクロキャビティ理論による予測では最適とされていなかった。
(OLEDシリーズB)
例B1:OLEDマイクロキャビティデバイス(R/B-LEL2/G/B-LEL1)を、カソード(層16)の厚みを125から145に増やした点を除き、発明例A2と同じ要領で調製した。
例B2:本発明のB-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1型内部構造を有するOLEDマイクロキャビティデバイスを、以下の変更点を除き、発明例B1と同じ要領で調製した:
層4(HTL):2450なるHTM-Aの厚みを1240なる厚みに減らし、付加的なB発光層及びCGL4を含む以下の諸層
層4A(青色LEL3):200(層13と同じ組成のもの)
層4B(ETL):200のETM-A
層4C(CGL4):370(CGL1と同じ組成のもの)
層4D(HTL):260のHTM-A
を層5の堆積に先立ち追加し、且つ以下の諸層を
層8(HTL):厚みを950から1070に増やした
層8B(ETL):厚みを100から200に増やした
層8D(HTL):厚みを430から310に減らした
層12(HTM):厚みを930から910に減らした
層14(ETL):厚みを300から200に減らした
の通り修正した。
例B2では、反射層の前方内面から7350オングストローム、半透明カソードの前方内面から400オングストロームのところにB-LEL1の中点を所在させ、反射層の前方内面から4590オングストローム、半透明カソードの前方内面から3160オングストロームのところにB-LEL2の中点を所在させ、B-LEL1の中点とB-LEL2の中点との間の距離を2760オングストロームとし、反射層の前方内面から1720オングストローム、半透明カソードの前方内面から6030オングストロームのところにB-LEL3の中点を所在させ、B-LEL2の中点とB-LEL3の中点との間の距離を2870オングストロームとした。
OLEDシリーズBに関する結果を表3及び表4中に見出すことができる。
Figure 2023530043000008
Figure 2023530043000009
発明例B1は、発明例A2に似たR/B-LEL2/G/B-LEL1型構造を有している。発明例B2はB-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1型構造を有している。B-LELを追加しR-LEL・反射面間に所在させることで、図10に示すように、CIEx,CIEy値の更なる改善(0.33,0.33への接近)並びに青色放射強度の上昇が生じている。
表3及び表4では、反射層に対するマイクロキャビティ内B-LEL1、B-LEL2及びB-LEL3の最適所在個所が、マイクロキャビティ理論によるそれから意外にも非常に異なるだけでなく、青色放射の増大がなおも観測されることも、立証されている。例えば発明例B2は、2個のB-LEL間に非青色LELがあり反射面の最寄に第3B-LELがあるモデルフォーマットEに似た構造を有しているが、表Dに示す通り、2個のB-LEL間のこの距離については、マイクロキャビティ理論による予測では最適とされていなかった。
(OLEDシリーズC)
例C1:OLEDマイクロキャビティデバイス(B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1)を、発明例B2と同じ要領で調製した。
例C2:OLEDマイクロキャビティデバイス(B-LEL4/B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1)を、付加的なB発光層及びCGL4を含む以下の諸層
層4A’(青色LEL4):200(層13と同じ組成のもの)
層4B’(ETL):200のETM-A
層4C’(CGL4):370(CGL1と同じ組成のもの)
層4D’(HTL):370のHTM-A
を層4Aの堆積に先立ち追加した点を除き、発明例C1と同じ要領で調製した。
例C3:OLEDマイクロキャビティデバイス(B4/B3/R/B2/G/B1)を、以下の変更点
層4D(HTL):厚みを260から210に減らした
層8(HTL):厚みを1070から1020に減らした
層8D(HTL):厚みを310から260に減らした
層12(HTL):厚みを910から860に減らした
を除き、発明例C2と同じ要領で調製した。
例C4:OLEDマイクロキャビティデバイス(B4/B3/R/B2/G/B1)を、以下の変更点を除き、発明例C2と同じ要領で調製した:
層4D(HTL):厚みを260から160に減らした
層8(HTL):厚みを1070から970に減らした
層8D(HTL):厚みを310から210に減らした
層12(HTL):厚みを910から810に減らした。
例C5:OLEDマイクロキャビティデバイス(B-LEL4/B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1)を、層4(HTL)の厚みを100から300に増やした点を除き、発明例C2と同じ要領で調製した。
例C6:OLEDマイクロキャビティデバイス(B-LEL4/B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1)を、層4(HTL)の厚みを100から500に増やした点を除き、発明例C2と同じ要領で調製した。
OLEDシリーズCに関する結果を表5、表6及び表7中に見出すことができる。
Figure 2023530043000010
Figure 2023530043000011
Figure 2023530043000012
発明例C1は、発明例B2に似たB-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1型構造を有している。OLEDシリーズCの残りは、R-LEL・反射面間にもう1個の青色発光層(B-LEL4)が追加されたB-LEL4/B-LEL3/R/B-LEL2/G/B-LEL1型構造を有している。これにより、図11に示す如く青色放射が増えているが、その改善具合は、そのマイクロキャビティ内におけるB-LEL2の相対位置に敏感である。加えて、これらの結果が示すところによれば、このフォーマットにてマイクロキャビティの厚みを増すことが青色放射の波長に影響しうる。
表5~表7では、反射層に対するマイクロキャビティ内B-LEL1、B-LEL2、B-LEL3及びB-LEL4の最適所在個所が、マイクロキャビティ理論によるそれから意外にも非常に異なるだけでなく、青色放射の増大がなおも観測されることも、立証されている。例えば発明例C3は、2個のB-LEL間に非青色LELがあり反射面の最寄に第3及び第4B-LELがあるモデルフォーマットFに似た構造を有しているが、表Dに示す通り、2個のB-LEL間のこの距離については、予測では最適なものとされていなかった。
本明細書で参照している添付図面は、本明細書の一部分を形成するものであると共に、実施しうる具体的実施形態を例証なるやり方で示すものである。それら実施形態を詳述したのはいわゆる当業者が本発明を実施できるようにするためであり、ご理解頂けるように、他の諸実施形態を利用することや、本発明の技術的範囲から離隔することなく構造的、論理的及び電気的改変を施すことができる。従って、どの例示的実施形態についての記述であれ、限定的感覚で解されるべきではない。例証目的で本発明を記述してきたが、ご理解頂けるように、そうした詳述は専らその目的のためのものであり、いわゆる当業者であれば本発明の神髄及び技術的範囲から離隔することなく改変を施すことができる。
1 基板、3 制御回路層、5 オプション的平坦化層、7 導電コンタクト、9 第1電極セグメント、9A 第1電極層、9B 反射層、11 非発光OLED層、13 第2青色発光層、15,64,72,80,96,105 電荷生成層、17 非青色発光層、19 電荷生成層、21 第1青色発光層、25 半透明第2電極、27,92 封止層、29 色フィルタアレイ、29B 青色フィルタ、29G 緑色フィルタ、29R 赤色フィルタ、30,95 マイクロキャビティ、
50 基板、52 反射層、54 第1電極、56 正孔注入層、58,66,74,82,99,107 正孔輸送層、60 第2非青色発光層、62,78,86,96,103 電子輸送層、68 第2青色発光層、70 電子輸送層、76 第1非青色発光層、84 第1青色発光層、88 電子注入層、90 半透明第2電極、
94 第3青色発光層、
101 第4青色発光層、
100 マルチモーダルOLEDマイクロキャビティを伴うマイクロディスプレイ、200 マルチモーダルOLEDマイクロキャビティデバイス、300 マルチモーダルOLEDマイクロキャビティデバイス、400 マルチモーダルOLEDマイクロキャビティデバイス、
マイクロキャビティ距離、L 第1及び第2B-LELの中点間距離、L 第1B-LELの中点と反射層の前面との間の距離、L 第2B-LELの中点と反射層の前面との間の距離、L 第2及び第3B-LELの中点間距離、L 第3及び第4B-LELの中点間距離。

Claims (20)

  1. マルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、
    不透明な基板と、
    その基板の上方にあり反射面を有する層と、
    その反射面の上方にある第1電極と、
    第1及び第2青色発光層を含む有機発光層群であり、その第2青色発光層が上記反射面の近くにあり、第1青色発光層が第2青色発光層よりも当該反射層から遠くにあり、第2及び第1青色発光層の中点間距離がLであり、且つ少なくとも1個の非青色発光層を含む有機発光層群と、
    半透明第2電極であり、その最内面を介し光が放射される第2電極と、
    を備え、上記反射面と上記半透明第2電極の最内面との間の距離Lが発光エリア全体に亘り一定であり、
    比L/Lが0.30~0.40の範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  2. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、距離Lが6500~7800オングストロームの範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  3. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、距離Lが8000~9000オングストロームの範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  4. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、Lを第1青色発光層の中点と上記反射面の間の距離としたときの比L/Lが0.90~0.98の範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  5. 請求項4のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、Lを第2青色発光層の中点と上記反射面の間の距離としたときの比L/Lが0.52~0.64の範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  6. 請求項5のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、距離Lが6500~7800オングストロームの範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  7. 請求項5のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、距離Lが8000~9000オングストロームの範囲内であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  8. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、上記非青色発光層が第1・第2青色発光層間に所在するマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  9. 請求項8のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、上記非青色発光層が緑色発光であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  10. 請求項9のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、第2青色発光層・上記反射面間に所在する第2非青色発光層が存するマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  11. 請求項10のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、第2非青色発光層が赤色発光であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  12. 請求項11のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、上記赤色発光層・上記反射面間に所在する第3青色発光層が存するマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  13. 請求項12のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、第3青色発光層・上記反射面間に所在する第4青色発光層が存するマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  14. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、第1電極の最上面が上記反射面であるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  15. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスであって、第1電極がアノード、上記半透明第2電極がカソードであるマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイス。
  16. 請求項1のマルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスを備えるマイクロディスプレイ。
  17. 請求項16のマイクロディスプレイであって、第1電極がアノード、上記半透明第2電極がカソードであるマイクロディスプレイ。
  18. 請求項16のマイクロディスプレイであって、第1電極の最上面が上記反射面であるマイクロディスプレイ。
  19. 請求項16のマイクロディスプレイであって、
    上記マルチモーダル発光OLEDマイクロキャビティデバイスの基板が制御回路付のバックプレーンを有し、その制御回路がサブ画素の個別動作用のものであり、それらサブ画素がその制御回路に接続されたセグメント化第1電極により画定されており、
    上記半透明電極の上方に色フィルタアレイがあり、個別制御されるサブ画素に対しそれを整列させることで少なくともR,G,Bサブ画素が形成されているマイクロディスプレイ。
  20. 請求項19のマイクロディスプレイであって、上記色フィルタアレイ内の色フィルタのうち幾つかを透明にし又は欠落させることで、R,G,B及びWサブ画素が形成されているマイクロディスプレイ。
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