JP2023528730A - 医療用の膨張可能な人間工学的臥位姿勢サポート - Google Patents

Abstract

この医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポート（１０）は、伏臥位にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部（１２）と、中央開口部（１２）を囲み、膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）と、を有する。この膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）は、２つの側部（１６，１８）および２つの横断部（２０，２２）とともに、主に矩形の膨張可能形状に従って延在し、患者の胸部の上側の受容のために、２つの横断部のうちの１つ、いわゆる上側の横断部（２０）が、少なくとも局所的に、耐荷重性の周辺構造（１４）が膨張した際に、２つの側部（１６，１８）の膨張した断面（Ｓ１６，Ｓ１８）よりも小さい寸法の膨張した断面（Ｓ２０）を有するような形をしている。

Description

本発明は、医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポートに関する。このような膨張可能サポートは、ＣＯＶＩＤ－１９に伴う低酸素性呼吸困難にある患者のケアにおいて特に適して応用されるが、他の治療的もしくは外科的なケア、モニタリング、またはフォローアップへの応用においても有用である。

この発明は、より具体的には、人間工学的膨張可能サポートに適用され、この人間工学的膨張可能サポートは、
－ 伏臥位姿勢にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部と、
－ 中央開口部を囲み、膨張可能な耐荷重性の周辺構造と、
を備える。

この種のデバイスは、たとえば、米国特許出願公開第２０１７／０１８１９１３号明細書に記載されている。それは、患者の胸部を受容するための中央開口部を伴う上述したタイプの胸部クッションである人間工学的膨張可能サポートを備えている。それは、さらにまた、膨張可能な骨盤クッション、および患者の頭や足首をサポートするためのその他のサポート要素を要求している。

この米国特許出願公開第２０１７／０１８１９１３号明細書は、まず、患者を仰臥位姿勢に配置し、そして、彼／彼女に収縮された胸部および骨盤クッションを装着し、そして、クッションの膨張に進行する前に、彼／彼女を伏臥位姿勢に返すことを教示している。患者を伏臥位に一旦ひっくり返してから、収縮されたクッションの膨張が行われることで、難なく、彼／彼女を持ち上げること、および彼／彼女を彼／彼女の人間工学的サポート上に適切に配置することを可能にする。

ところが、提案されたデバイスは、それが提供する複数の構成要素のために、すなわち、胸部クッション、骨盤クッション、頭部サポート、足首サポートのために、一定の複雑さを提示している。

しかし、急激な呼吸の困難を引き起こす病態においては、患者を定期的に、伏臥位、仰臥位、側臥位またはその他の姿勢に、サポートとともに、またはサポート無しで、移動または再配置する必要があるかもしれない。したがって、米国特許出願公開第２０１７／０１８１９１３号明細書の複雑なデバイスは、このような取り扱いのために適切ではない。また、それは、患者の体に対して、圧力の分配がやや不十分な領域を有する。代わりに、１つの例として、中国実用新案第２０１９１２３６６号明細書において提示されたような、伏臥位姿勢にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部を有する、膨張可能な楕円形形状のブイを用いることが考えられ、なぜなら、それは、繰り返される患者の再配置に適するのに十分に単純だからである。ところが、それは、実際には彼／彼女の形態に設計されておらず、快適でなく、さらには彼／彼女が適切に呼吸することを妨げさえするかもしれない。

よって、上述した問題や制約の少なくとも一部を取り除くことを可能とする、医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポートを提供することが望まれるかもしれない。

したがって、医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポートが提案され、この人間工学的膨張可能サポートは、
－ 伏臥位姿勢にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部と、
－ 中央開口部を囲み、膨張可能な耐荷重性の周辺構造と、
を備え、
膨張可能な耐荷重性の周辺構造は、２つの側部および２つの横断部とともに、主に矩形の膨張可能形状に従って延在し、患者の胸部の上側の受容のために、２つの横断部のうちの１つ、いわゆる上側の横断部が、少なくとも局所的に、耐荷重性の周辺構造が膨張した際に、２つの側部の膨張した断面よりも小さい寸法の膨張した断面を有するような形をしている。

よって、上述した２つの先行技術の文献におけるように、伏臥位にある患者の努力を要しない配置を可能にしつつ、本発明に係る人間工学的膨張可能サポートは、追加の技術上の効果および有用性を有する。耐荷重性の周辺構造の主に矩形の形状は、患者の脇腹に対して人間工学的な側方のサポートを提供し、よって、胴体の変形である脊柱前弯症を回避し、同時に、上側の横断部のより小さい断面は、特に、彼／彼女の顎の、および、彼／彼女の首の根元のより良いサポートのために、より良い胸部の上側の受容を確実にする。

そのうえ、例えば、複数のクッションを伴うシステムに基づく米国特許出願公開第２０１７／０１８１９１３号明細書において提案されたものに比べて、より大きな表面領域に渡る患者の体重の分配は、接点における表面に対して及ぼされる圧力を軽減し、よって、長時間の伏臥位姿勢の間に床ずれのリスクを軽減する。最後に、腹部を収容するための中央の隙間を伴うこのようなサポートが可能にする伏姿勢は、それ自身が腹部の圧迫、ならびに呼吸力学および静脈還流に対する潜在的に有害な影響を避けることを可能にする。また、この伏姿勢は、肺底部のより良い換気を可能にする。

任意で、患者の鼠径部の受容のために、膨張可能な耐荷重性の周辺構造の側部および横断部は、さらにまた、２つの横断部のうちの他の１つ、いわゆる下側の横断部が、少なくとも局所的に、耐荷重性の周辺構造が膨張した際に、２つの側部の膨張した断面よりも小さい寸法の膨張した断面を有するような形をしている。

よって、下側の横断部のより小さい断面は、彼／彼女の生殖器のより良い受容を含む、患者の鼠径部のより良い受容を提供する。

また、任意で、上側の横断部は、膨張した際に、患者の首および顎の底部を受容するための凹部または凹みを提示する。

また、任意で、上側の横断部の膨張した断面は、少なくとも局所的に、２つの側部の膨張した断面よりも、少なくとも２０％、さらには少なくとも２５％小さい寸法を有する。

また、任意で、中央開口部は、２つの横断部によって境界付けられた長さよりも少なくとも２５％小さい、２つの側部によって境界付けられた幅を持つ主に矩形の形状を有する。

また、任意で、膨張可能な耐荷重性の周辺構造は、少なくとも１つの膨張可能フランジ、および中央開口部から離れる方向に設けられ、該方向に延出する少なくとも１つの対応する膨張ノズルを備える。

また、任意で、膨張可能な耐荷重性の周辺構造は、１つの主に矩形の形状の膨張可能フランジ、および中央開口部から側方に離れる方向に設けられ、該方向に延出する１つの膨張ノズルを備える。

また、任意で、中央開口部は、膨張可能な耐荷重性の周辺構造と一体となっており、膨張可能な耐荷重性の周辺構造の主に矩形の形状を維持するため、および伏臥位姿勢にある際の患者の腹部を受容するために、主に矩形の底部を有する。

また、任意で、中央開口部は、伏臥位姿勢にある際の患者の腹部および胸部を収容する寸法である。

また、任意で、本発明に係る人間工学的膨張可能サポートは、透明なプラスチック素材で設計されていてもよい。

本発明は、単なる例として与えられ、添付の図面を参照してなされる以下の説明を用いて、より良く理解されるであろう。

図１は、本発明の実施形態に係る医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポートの一般的な構造を遠近法で模式的に表現している。 図２は、図１の人間工学的膨張可能サポートの上面図である。 図３は、図２のＡ－Ａ断面に沿った図である。 図４は、図２の上面図における人間工学的膨張可能サポートを、このサポート上の伏臥位姿勢にある患者とともに表現している。 図５は、図４に示された組み合わせの底面図である。 図６は、図４および５に示された組み合わせの側面図である。 図７は、図１の人間工学的膨張可能サポート上の患者を配置方法、たとえば、図４，５および６のそれに従った配置方法の連続したステップを表している。

図１において遠近法で模式的に示された人間工学的膨張可能サポート１０は、その膨張した状態で表されている。それは、たとえば医療用に意図されており、伏臥位姿勢にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部を有する。非限定の示された例において、それは、いっそうより具体的には、この患者の腹部および胸郭の下側を受容する形をしている。また、人間工学的膨張可能サポート１０は、仰臥位姿勢にある患者を収容するのに適していてもよい。それは、さらにまた、ベッド、マットレス、または治療的もしくは外科的なケア、モニタリング、もしくはフォローアップへの応用に適した任意の他の支持台のような、平坦、水平または傾いた支持台への配置を意図されている。

中央開口部１２は、それを完全に囲む膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４によって境界づけられる。本発明の第１の側面に従って、この膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４は、２つの実質的に平行な側部１６，１８、および、また、２つの実質的に平行な横断部２０，２２とともに、膨張可能な主に矩形の形状に延在する。第１の側部１６は、左側の側部と呼ばれ、患者の左脇腹のためのサポートとして役立つことを意図されており、同時に、第２の側部１８は、右側の側部と呼ばれ、患者の右脇腹のためのサポートとして役立つことを意図されている。第１の横断部２０は、上側の横断部と呼ばれ、患者の胸部の上側のためのサポートとして役立つことを意図されており、同時に、第２の横断部２２は、下側の横断部と呼ばれ、患者の鼠径部、より具体的には、腸骨稜および患者の太ももの付け根のためのサポートとして役立つことを意図されている。本発明の第２の側面に従って、側部および横断部１６，１８，２０および２２は、人間工学的膨張可能サポート１０の改良された人間工学のための第１の側面と協働して、患者の顎および首の根元の快適なサポートを含む胸部の高い受容のために、上側の横断部２０が、少なくとも局所的に、耐荷重性の周辺構造１４が図１において示されるように膨張した際に、２つの側部１６および１８の膨張した断面Ｓ１６およびＳ１８よりも小さい寸法の膨張した断面Ｓ２０を有するような形をしている。

任意で、上側の断面Ｓ２０および２つの側部の断面Ｓ１６，Ｓ１８の間の大きさにおける縮小は、胸の最上部をサポートすること、および溝部を形成することによって、患者の首の底部の改良された受容を可能とする凹部、すなわち少なくとも図１においてわずかに見える凹みを誘導するように、十分に大きく、かつ局所的であってもよい。

また、任意だが有利には、下側の横断部２２は、また、患者の生殖器および鼠径部の快適な受容のために、少なくとも局所的に、膨張した断面Ｓ１６およびＳ１８よりも小さい寸法の膨張した断面Ｓ２２を有する。

断面Ｓ１６，Ｓ１８，Ｓ２０およびＳ２２は、任意の幾何学であるが、簡単なデザインに従って、それらは、円、卵形、または楕円である。より一般的な方法において、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４は、たとえば、（図１に示されていない）少なくとも１つの対応する膨張ノズルととともに提供された、少なくとも１つのプラスチック素材の膨張可能フランジによって形成される。非限定だが特に人間工学的な図１の例において、それは、形状において主に矩形で、１つの膨張ノズルが取り付けられた、たとえばポリウレタン（ｐｏｌｙｕｒｅｔｈａｎｅ）、ポリ塩化ビニル（ｐｏｌｙｖｉｎｙｌ ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、ポリエチレン（ｐｏｌｙｅｔｈｙｌｅｎｅ）またはポリアミド（ｐｏｌｙａｍｉｄｅ）製の１つの膨張可能フランジによって形成される。

任意だが有利な実施形態によれば、中央開口部１２は、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４と一体となっており、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４の主に矩形の形状を維持するため、および患者が伏臥位姿勢にある際に患者の腹部を受容するための主に矩形の底部２３を有することに注意されるべきである。この底部２３は、たとえば膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４を形成する主に矩形の膨張可能フランジと同じ材料のフィルムで作られており、接着材または熱接着によって、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４に固定されてもよい。それは底部に、すなわち、人間工学的膨張可能サポート１０が上に配置されることを意図された支持台との接点に、または中央開口部１２の中央部に延在してもよい。図１に示された例において、それは、中央開口部１２の表面全体を占めず、膨張可能サポート構造１４に、その側部１６および１８によって取り付けられている。

図２の上面図は、人間工学的膨張可能サポート１０のあり得る寸法および比率のより良い理解を提供する。まず第１に、４つの側部および横断部１６，１８，２０，２２は、形状において主にまたはほとんど円柱であり、異なる断面である。それらは曲がった円錐台の輪郭の４つの角部によって互いに結合され、全体は、それの膨張ノズル２４が中央開口部１２から離れる方向、たとえば右側の側部１８から側方に延出する１つの膨張可能フランジの形になっている。完全な膨張システムは、この図に示されておらず、なぜなら、それは、既知のシステムとアプリオリに矛盾しないからである。しかし、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４の内部の圧力を測定するために圧力計を加えることは、患者と接する外装領域に対して及ぼす圧力の指標を提供できることに注意されるべきである。また、それは、膨張可能サポート１０の内部の圧力が、患者のためにより良い人間工学および快適さを提供するよう調整されることを可能にするだろう。

膨張および収縮の局面は、たとえばこの圧力計によって制御され、また、発泡材のサポート（ｆｏａｍ ｓｕｐｐｏｒｔ）とともに想像できるものとは逆に、支点に対する圧力を変化させ、これらの支点における傷害のリスクを限定することを可能にするだろう。

有利には、人間工学的膨張可能サポート１０の膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４は、急速空気抜き孔２６とともに、たとえば、任意の場所に設けられてよいが、特に膨張ノズル２４の近くに、ネジ外しできる栓とともに提供されてもよい。一定の緊急事態において、それは、サポートを非常に急速に収縮させる可能性に近づく方法を有するためには有用だろう。

この外形において、中央開口部１２は、形状において丸い角を伴う主に矩形に見えるだろう。伏臥位姿勢にある際に、患者の腹部および胸部の受容に適した比率に従って、それは、概して、２つの横断部２０および２２によって境界付けられたそれの長さよりも、少なくとも２５％小さい側部１６および１８によって境界付けられた幅を有する。非限定の例として、中央開口部１２の幅は、２５～３０ｃｍの間、特に約２８ｃｍであってもよい。それの長さは、たとえば、３５～４０ｃｍの間、特に約３８ｃｍであってもよい。これらの比率および寸法は、もちろん、患者の異なる体型または形態に調整され、より精確に彼らの特徴に合わせて設計されてもよい。特に、写真、スキャナ、三次元再構成、または似たようなものから、カスタムの寸法および比率を有するサポートを設計することが可能である。中央開口部１２が引き延ばされればされるほど、底部２３の存在は、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４を側方から保つために、より正当なものとなる。

膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４の左側の側部１６の断面Ｓ１６は、たとえば、２０ｃｍ±１０％に等しい直径を有する円形である。右側の側部１８の断面Ｓ１８は、たとえば、Ｓ１６と等しい。

上側の横断部２０の断面Ｓ２０については、それは、たとえば、１０または１５ｃｍ±１０％に等しい直径を有する円形、すなわち、断面Ｓ１６およびＳ１８の４分の３または半分の直径である。患者の首、とりわけ首の底部を快適に収容するため、それは、有利には、望ましい凹部または凹みを生じさせることとなるように、直径において、断面Ｓ１６とＳ１８と比較して、少なくとも２０％、さらには少なくとも２５％の縮小を有するべきである。

下側の横断部２２の断面Ｓ２２は、たとえば円形であり、１５ｃｍ±１０％に等しい中間部分の直径であり、すなわちＳ１６およびＳ１８と比較して２５％の中間部分の縮小といえる。

これらの異なる直径、および一方から他方へと段階的に移動できる方法は、図３のＡ－Ａ断面に表されている。

上記の寸法および比率は、指標としてのみ与えられ、一般的に観察される患者の平均の生理学に従うものである。しかし、それらは患者の現実の形態の全てに適応可能であり、限定的に解釈されるべきではない。

また、図１～３の例において、断面Ｓ２０はＳ２２よりも小さいことに注意されるべきである。しかし、側部の断面Ｓ１６およびＳ１８と比較されるように、これら２つの縮小した断面は、また、ある変形においては等しくてもよい。この変形は、呼吸困難にある患者の伏臥位姿勢のようないくつかの応用ための実際においていっそう好ましい。

図４は、人間工学的膨張可能サポート１０上の伏臥位姿勢にある患者の上面図を表し、膨張可能な耐荷重性の周辺構造１４上の患者の体重の比較的理想的な分配を示している。特に、側部１６および１８は、患者の脇腹、胸の上部、骨盤および腸骨稜のためのサポートを提供する。

図５における下面図は、中央開口部１２が、患者の腹部ならびに患者の胸部（の下部）すらも、および骨盤部分（の上部）すらも収容する大きさである構成を示している。上側の横断部２０は、有利には、彼／彼女の顎および彼／彼女の首の根元の最適化された配置のために患者の胸骨の最上部をサポートする。下側の横断部２２は、有利には、鼠径部における患者の腸骨稜をサポートする。

図６の側面図は、人間工学的膨張可能サポート１０を、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、またはその他の透明なプラスチック素材で設計することが任意で有利かもしれないことを示す。これにより、患者が適切に配置されていること、および腹部分が自由であることを確認することを可能にする。また、この図は、底部２３が、側部１６および１８の側方に、それらのサポートを最適化するように延在していることを示す。最後に、それは、患者の良い配置に従って、横断部２０および２２によってサポートされる、彼／彼女の腸骨稜および彼／彼女の胸骨の最上部が正確であることを示す。

ここで、図７を参照して、患者を人間工学的膨張可能サポート１０上に配置するための１つの方法が詳述されるだろう。

最初のステップ１００において、患者は、まず、ベッド、マットレス、または、治療的な応用におけるフォローアップ、モニタリングもしくはケア、もしくは、手術室における外科的な処置にすら適した任意の他の台のような支持台の上に側臥位姿勢に置かれる。人間工学的膨張可能サポート１０は、たとえば、支持台上の患者の隣に収縮されて用意される。あるいは、それは、患者の腹部分に収縮されて取り付けられてもよい。あるいは、また、患者は、事前に仰臥位姿勢に置かれてもよい。

その次のステップ１０２において、患者は、収縮された人間工学的膨張可能サポート１０に伏臥位姿勢に返される。

最後に、ステップ１０４の間、人間工学的膨張可能サポート１０は膨張され、有利には、患者を次第に持ち上げ、その間、快適な伏臥位姿勢のため、そして床ずれのリスクが大いに減少されるとともに、彼／彼女の位置を保持し、彼／彼女の腹部を自由にする。この最後のステップの間、上述したように、患者の支点に対する圧力を変化させる膨張および収縮の局面を想像することが可能である。より良い快適さのために、最先端技術において提案されているもののうちの１つのようなヘッドレストが加えられてもよい。

以上説明した１つのような医療用の膨張可能な人間工学的臥位姿勢サポートが、患者、特にＣＯＶＩＤ－１９の兆候のような呼吸の困難に苦しむ患者の容易および快適な持ち上げを想像することを可能にすることは明らかである。しかし、この応用を超えて、多くの他の治療的または外科的な用途が、この人間工学的膨張可能サポートに対して想像されてもよい。

また、本発明は、上記で説明され、または期待された実施形態に限定されないことに注意されるべきである。実際、当業者には、開示されたばかりの教示の見解において、それらに種々の変形が作られ得ると思えるだろう。本発明の上述の詳細な提示において使用された用語は、本発明を、本説明において明らかにされた実施形態に限定するよう解釈されないようになっているが、しかし、彼らに開示されたばかりの教示の解釈に、彼らの一般的な知識を適用することによって、当業者の到達範囲の内にある予想である全ての均等物を含むものと解釈されるようになっている。

Claims (10)

1. 医療用の臥位姿勢の人間工学的膨張可能サポート（１０）であって、
   － 伏臥位姿勢にある患者の少なくとも腹部の受容のための形をした中央開口部（１２）と、
   － 前記中央開口部（１２）を囲み、膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）と、
   を備え、
   前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）は、前記中央開口部（１２）の主に矩形の形状を得るように、２つの主に円柱形の側部（１６，１８）および２つの主に円柱形の横断部（２０，２２）とともに、主に矩形の膨張可能形状に従って延在し、
   前記患者の胸部の上側の受容のために、前記側部（１６，１８）および前記横断部（２０，２２）は、さらにまた、２つの前記横断部のうちの１つ、いわゆる上側の前記横断部（２０）が、少なくとも局所的に、前記耐荷重性の周辺構造（１４）が膨張した際に、２つの前記側部（１６，１８）の膨張した円柱の断面（Ｓ１６，Ｓ１８）よりも小さい寸法の膨張した円柱の断面（Ｓ２０）を有するような形をしている、ことを特徴とする人間工学的膨張可能サポート（１０）。
2. 前記患者の鼠径部の受容のために、前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）の前記側部（１６，１８）および前記横断部（２０，２２）は、そのうえ、２つの前記横断部のうちの他の１つ、いわゆる下側の前記横断部（２２）が、少なくとも局所的に、前記耐荷重性の周辺構造（１４）が膨張した際に、２つの前記側部（１６，１８）の膨張した円柱の断面（Ｓ１６，Ｓ１８）よりも小さい寸法の膨張した円柱の断面（Ｓ２２）を有するような形をしている、請求項１に記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
3. 上側の前記横断部（２０）は、膨張した際に、前記患者の首および顎の底部を受容するための凹部または凹みを有する、請求項１または２に記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
4. 上側の前記横断部（２０）の前記膨張した円柱の断面（Ｓ２０）は、少なくとも局所的に、２つの前記側部（１６，１８）の膨張した円柱の断面（Ｓ１６，Ｓ１８）よりも、少なくとも２０％、さらには少なくとも２５％小さい寸法を有する、請求項１～３のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
5. 前記中央開口部（１２）の前記主に矩形の形状は、２つの前記横断部（２０，２２）によって境界付けられた長さよりも、２つの前記側部（１６，１８）によって境界付けられた幅が、少なくとも２５％小さい、請求項１～４のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
6. 前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）は、少なくとも１つの膨張可能フランジ、および前記中央開口部（１２）から離れる方向に設けられ、該方向に延出する少なくとも１つの対応する膨張ノズル（２４）を備える、請求項１～５のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
7. 前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）は、１つの主に矩形の形状の膨張可能フランジ、および前記中央開口部（１２）から側方に離れる方向に設けられ、該方向に延出する１つの膨張ノズル（２４）を備える、請求項１～６のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
8. 前記中央開口部（１２）は、前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）と一体となっており、前記膨張可能な耐荷重性の周辺構造（１４）の前記主に矩形の形状を維持するため、および伏臥位姿勢にある際の前記患者の腹部を受容するための主に矩形の底部（２３）を有する、請求項１～７のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
9. 前記中央開口部（１２）は、伏臥位姿勢にある際の前記患者の腹部および胸部を収容するため、幅が２５～３０ｃｍの間で、長さが３５～４０ｃｍの間である、請求項１～８のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。
10. 透明なプラスチック素材で設計されている、請求項１～９のいずれかに記載の人間工学的膨張可能サポート（１０）。

Images