JP2023526580A - 有害作用が低減された避妊組成物 - Google Patents

有害作用が低減された避妊組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2023526580A
JP2023526580A JP2022562639A JP2022562639A JP2023526580A JP 2023526580 A JP2023526580 A JP 2023526580A JP 2022562639 A JP2022562639 A JP 2022562639A JP 2022562639 A JP2022562639 A JP 2022562639A JP 2023526580 A JP2023526580 A JP 2023526580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drsp
coc
estetrol
subject
drospirenone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022562639A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021209591A5 (ja
Inventor
フォイダール,ジャン-ミッシェル
Original Assignee
エステトラ エスアールエル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エステトラ エスアールエル filed Critical エステトラ エスアールエル
Publication of JP2023526580A publication Critical patent/JP2023526580A/ja
Publication of JPWO2021209591A5 publication Critical patent/JPWO2021209591A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • A61K31/565Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, estradiol
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • A61K31/565Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, estradiol
    • A61K31/567Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids not substituted in position 17 beta by a carbon atom, e.g. estrane, estradiol substituted in position 17 alpha, e.g. mestranol, norethandrolone
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • A61P15/18Feminine contraceptives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/56Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids
    • A61K31/58Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids containing heterocyclic rings, e.g. danazol, stanozolol, pancuronium or digitogenin
    • A61K31/585Compounds containing cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems; Derivatives thereof, e.g. steroids containing heterocyclic rings, e.g. danazol, stanozolol, pancuronium or digitogenin containing lactone rings, e.g. oxandrolone, bufalin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2300/00Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Gynecology & Obstetrics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

本発明は、他の配合経口避妊薬と比較した場合に、副作用のリスクが低減されている配合経口避妊薬に関し、副作用のリスク低減には、QT間隔延長リスクの低減、テストステロン減少リスクの低減、及びC反応性タンパク質レベル上昇リスクの低減が含まれる。本明細書中に記載されるエステトロール/ドロスピレノン配合経口避妊薬は、プロゲストーゲン成分に望ましい薬物動態を示す。配合経口避妊薬に特定のエストロゲン成分を使用することにより、現在入手可能な配合経口避妊薬に勝る複数の利益がもたらされる。【選択図】なし

Description

本発明は、経口避妊薬に関する。特に、本発明は、エステトロールと、プロゲストーゲンの望ましい薬物動態プロファイルを呈し、有害作用が低減された、ドロスピレノン等のプロゲストーゲン成分とを含む配合経口避妊薬に関する。本発明は、避妊法及びそれらの使用にも関する。
長年に渡り、多数の避妊薬が開発され、これらは女性の自由拡大及び生殖権限向上を可能にしてきた(非特許文献1)。世界中の女性に特に一般的である避妊薬のクラスの1つは、配合経口避妊薬(COC)の一群である。これらCOCは、典型的には、エストロゲンとプロゲスチンとの組み合わせを含有し、非常に厳格な毎日の投与タイミング及び予測できない出血パターンを特徴とするプロゲスチンのみの丸剤よりも好ましいことが多い。当初、COCは高用量のエストロゲン(50 μg超)と、プロゲストーゲン、例えば、ノルエチンドロン、リネストレノール、エチノジオール酢酸エステル、ノルエチノドレル、及びノルエチステロン等とを含有しており(すなわち、第一世代COC)、心血管作用を含む有害作用のリスクを相当に招いた。継続した研究及び市販後安全性評価に動かされて、より新しいCOC製剤が開発されてきており、そのようなCOC製剤として、エチニルエストラジオール(典型的には50 μg未満)とテストステロン由来プロゲスチン、例えば、ノルゲストレル及びレボノルゲストレル等とを組み合わせたCOC(すなわち第二世代COC)、並びにエチニルエストラジオールとデソゲストレル又はゲストデンをはじめとするレボノルゲストレル由来プロゲスチンとを組み合わせたCOC(すなわち第三世代COC)が挙げられる。更に最近になって、プロゲスチン成分としてのドロスピレノンとエチニルエストラジオールとを組み合わせた第四世代のCOCが開発された。この更に最近開発された世代のプロゲスチンは、プロゲステロン受容体により特異的に結合し、それによりアンドロゲン、エストロゲン、又は糖質コルチコイド関連副作用を低減させることで、代謝パラメーターに対してより中性に近い効果を示す(非特許文献2)。
それでもなお、第四世代COCの使用は、第二世代COCと比較した場合に、静脈血栓塞栓症を含む有害作用のリスク上昇を伴うことが報告されている(非特許文献3)。また、第四世代COCは、特に、対象においてエストロゲンのQT延長(lengthening)効果及びドロスピレノンのQT延長(lengthening)効果の両方により引き起こされるQT間隔の延長(lengthening)の一因であることが報告されている(非特許文献4)。QT延長は、心室再分極遅延を反映しており、異常心拍の発生、更には突然の心停止イベントの発生にも関連してくる。そのうえさらに、COCの全体としての抗アンドロゲン効果は、遊離テストステロンの減少の原因であり、これは、当該技術分野において主に、製剤に強力なエストロゲンが含まれていることを原因とする現象である。遊離テストステロンが低レベルにあることは、女性の性機能不全と関連しているとされてきており、そのような性機能不全としては、性的欲求の欠如が挙げられるが、これに限定されない(非特許文献5)。遊離テストステロンは、QT間隔に対して一般的短縮効果を有することも報告されている(非特許文献4)。最後に、炎症マーカーであるC反応性タンパク質の増加が、COCを使用している対象で観察されている。C反応性タンパク質は、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)における炎症のバイオマーカーとして最も広く研究されている。複数の疫学研究が、C反応性タンパク質の血清中又は血漿中濃度の上昇と、基礎粥状動脈硬化の有病率、確立された疾患を持つ患者の中での再発性心血管イベントのリスク上昇、及び粥状動脈硬化のリスクのある個体の中での初回心血管イベントの発生率上昇との間に顕著な関連性があることに同意している(非特許文献6)。C反応性タンパク質が炎症刺激に対する急性期応答を示す非特異的マーカーであるかどうか、又はC反応性タンパク質が粥状動脈硬化の臨床像に直接関係するものであるかどうかは、今日まで不明のままである。
エステトロールは、妊娠中に産生される天然エストロゲンである(非特許文献7)。エステトロールをプロゲストーゲンであるドロスピレノンと併用すると、良好な排卵阻害を、望ましい膣出血プロファイル、良好な忍容性、及び高い使用者満足度とともにもたらす(非特許文献8)。
まとめると、COC分野の発展は、有害作用のより少ないCOCをもたらしてきたものの、COCに関連した、特に第四世代COCに関連した或る種の副作用を解決するという当該技術分野において満たされていない要求が依然として存在する。特に、対象における、QT延長の解決及び回避、C反応性タンパク質レベル上昇の回避、並びに遊離テストステロン減少の回避が求められている。
Liao and Dollin, Half a century of the oral contraceptive pill, CanFam Physician. 2012 Bastianelli et al.,Pharmacodynamics of combined estrogen-progestin oral contraceptives: 1. Effectson metabolism, Expert Rev Clin Pharmacol, 2017 Dinger et al., Riskof venous thromboembolism and the use of dienogest- and drospirenone-containingoral contraceptives: results from a German case-control study, J Fam PlannReprod Health Care. 2010 Sedlak et al., Sexhormones and the QT interval: a review, J Womens Health, 2012 de Castro Coelho and Barros, The Potential of Hormonal Contraceptionto Influence Female Sexuality, Int J Reprod Med, 2019 Crea and Morrow, C-reactive protein in cardiovascular disease,UpToDate, 2019 Holinka et al.,Estetrol: a unique steroid in human pregnancy, J Steroid Biochem Mol Biol, 2008 Apter et al.,Estetrol combined with drospirenone: an oral contraceptive with highacceptability, user satisfaction, well-being and favourable body weightcontrol, Eur J Contracept Reprod Health Care, 2017
本発明者らは、本明細書中に記載されるとおりの組成を有するエステトロール/ドロスピレノン(E4/DRSP)COCが、現在入手可能な配合経口避妊薬と比較した場合、特に第四世代経口避妊薬と比較した場合に、これまで知られていなかった利益を多数示すことを、予期せず観察した。第四世代経口避妊薬は、当該技術分野においてCOCの最新世代と一般的に見なされているものである。かくして、有害な副作用を最小限に抑えたドロスピレノン含有COCの提供という、当該技術分野で明らかに満たされていない需要に応じて、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCが開発されたのである。したがって、本発明は以下の態様を提供する:
態様1.1つ以上のパッケージ単位を含む、避妊薬キットであって、各パッケージ単位は、配合経口避妊薬(COC)の1日量の活性投薬単位を21単位~28単位含み、各1日量の活性投薬単位は、以下:
(a)プロゲストーゲン成分としての1 mg~5 mgの量のドロスピレノン(DRSP)と、
(b)エストロゲン成分としての10 mg~20 mgの量のエステトロール(E4)と、
を含み、
上記投薬単位は、毎日経口投与された場合、血漿中のDRSPについて以下:
(i)DRSPの幾何平均AUC0-24が約150 ng・h/ml~約1000 ng・h/ml、及び/又は、
(ii)DRSPの幾何平均Cmaxが約10 ng/ml~約100 ng/ml、
である薬物動態プロファイルをもたらす、避妊薬キット。
より具体的には、そのようなキットにおいて、DRSPの典型的用量である約3 mg(2.5mg~3.5 mg)の場合、
(i)DRSPの幾何平均AUC0-24は、約200 ng・h/ml~約600 ng・h/mlである可能性があり、及び/又は、
(ii)DRSPの幾何平均Cmaxは、20 ng/ml~約50 ng/mlである可能性がある。
より詳細には、本発明は、毎日投与された場合、血漿中のドロスピレノンに以下の薬物動態プロファイル:
(i)ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が約150 ng・h/ml~約1000 ng・h/ml、及び/又は、
(ii)ドロスピレノンの幾何平均Cmaxが約10 ng/ml~100 ng/ml、
をもたらすのに使用される、プロゲストーゲン成分としてのドロスピレノン(DRSP)を1 mg~5 mgの量で有する配合経口避妊薬(COC)の1日量の活性投薬単位をそれぞれ21単位~28単位含む1つ以上のパッケージ単位を含む避妊薬キット中、1日量の活性投薬単位の中のエストロゲン成分としての10 mg~20 mgの量のエステトロールであって、好ましくは、DRSPの1種以上の有害作用は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOCを使用している対象と比べて低減される、エステトロールを提供する。
より具体的には、上記使用において、DRSPの典型的用量である約3 mg(2.5mg~3.5 mg)の場合、
(i)DRSPの幾何平均AUC0-24は、約200 ng・h/ml~約600 ng・h/mlである可能性があり、及び/又は、
(ii)DRSPの幾何平均Cmaxは、20 ng/ml~約50 ng/mlである可能性がある。
態様2.等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用中の対象におけるDRSPの副作用を低減させるのに使用される、態様1に記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様3.血漿中のDRSPの上記薬物動態プロファイルは、定常状態薬物動態プロファイルであり、好ましくは、1日量10単位後、より好ましくは1日量14単位後の定常状態薬物動態プロファイルである、態様1又は2に記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様4.対象における、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとEEとを含むCOCの使用に関連した、血清中の遊離テストステロンの減少を低減させるのに使用される、態様1~3のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様5.態様1に定義されるCOCを使用している上記対象における上記減少は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとEEとを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、10%、好ましくは15%、より好ましくは20%低減される、態様4に記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様6.上記遊離テストステロン血清中濃度レベルは、ベースライン値の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%であり、上記ベースライン値は、上記対象においてDRSPを含むCOCを使用する前の遊離テストステロン血清発現レベルである、態様4又は5に記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様7.上記遊離テストステロン血清中濃度は、態様1に定義されるとおりのDRSPとE4とを含むCOCを使用する場合、上記対象において少なくとも0.09 ng/dL、好ましくは少なくとも0.20 ng/dLである、態様4~6のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様8.対象においてDRSPを含むCOCの使用に関連したQT間隔延長のリスクを、好ましくはQT間隔の平均及び/又は中央値が5m秒超、延長するリスクを低減することにより、低減するのに使用される、態様1~3のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様9.上記対象にQT間隔延長が起こる上記リスクは、上記COCを使用する上記対象において、エストロゲン成分としてのEEと、等有効量のDRSPとを含むCOCを使用する対象と比較した場合、10%、25%、好ましくは50%、より好ましくは90%、又は100%低減される、態様8に記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様10.QT間隔は、対象の心電図におけるQ波の開始とT波の終了との間の時間が、DRSPを含むCOCの使用前の上記対象のQT間隔と比較して、少なくとも5ミリ秒延長されている場合に、延長したと見なされる、態様8又は9に記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様11.上記COCを使用している対象における平均QT間隔延長は、プロゲストーゲン成分として等有効量のDRSPとエストロゲン成分としてEEとを含むCOCを使用する対象よりも、20%、好ましくは35%、より好ましくは50%短い、態様8~10のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様12.上記E4は、態様1に定義されるとおりの上記COCを使用している対象において、DRSP誘導型QT間隔延長(lengthening)に対抗作用することにより、QT間隔延長を阻害する、態様8~11のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様13.上記COCは、プロゲストーゲン成分として等有効量のDRSPとエストロゲン成分としてEEとを含むCOCを使用している対象と比較した場合、QT間隔に対するエストロゲン関連効果が低減されている、態様8~12のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様14.上記エストロゲン関連効果は、QT間隔の延長、好ましくは、IKr及び/又はIKs、及び/又はIK1チャネル電流のエストロゲン介在型抑制によるQT間隔の延長である、態様13に記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様15.対象におけるDRSPを含むCOCの使用に関連したC反応性タンパク質濃度血清レベルの上昇を低減させる又は予防するのに使用される、態様1~3のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様16.上記C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、上記レベルがベースライン値よりも10%高い、好ましくは20%高い、好ましくは30%高い場合に、上昇したと見なされ、上記ベースライン値は、上記対象におけるDRSPを含むCOCの使用前のC反応性タンパク質血清中濃度レベルである、態様15に記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様17.上記C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、態様1に定義されるとおりのDRSPとE4とを含むCOCを使用する場合、上記対象において、2.00 mg/L未満、好ましくは1.75 mg/L未満、より好ましくは1.5 mg/L未満である、態様15又は16に記載の避妊薬キット又は10mg~20 mgの量のエステトロール。
態様18.態様1に定義されるとおりのDRSPとE4とを含む上記COCは、周期的サイクルで投与され、任意選択で、上記投与スキームは、4~7日間の無投与期間を含むか、又は上記4~7日間の間に偽薬投与を含む、態様1~17のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様19.E4は、態様1に定義されるとおりの上記COC中、12 mg~18 mg、好ましくは14 mg~16 mg、例えば、約15mg等の量で存在する、態様1~18のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。更なる実施形態において及び本明細書中に定義される全ての態様に関連して、E4は、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、14.2 mg~15.5 mgの量で存在することが可能である。なおも更なる実施形態において、エステトロール(E4)は、エステトロール一水和物であることが可能であり、これは、本明細書中に記載されるE4/DRSPCOC中、約14.5 mg~約15.5 mg、好ましくは約15 mgの量で存在する。更なる代替実施形態において、エステトロール(E4)は、無水(すなわち水不含)エステトロールであることが可能であり、これは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、約14 mg~15mg、好ましくは約14.2 mgの量で存在する。
態様20.DRSPは、態様1に定義されるとおりの上記COC中、2.5 mg~3.5 mgの量で、より好ましくは約3 mgの量で存在する、態様1~19のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20mgの量のエステトロール。
態様21.態様1に定義されるとおりの上記COCの単一の投薬単位は、DRSPを約2.5 mg~3.5 mg及びE4成分を約14 mg~16 mg含む、態様1~20のいずれか1つに記載の避妊薬キット又は10 mg~20 mgの量のエステトロール。
態様22.DRSPを含む配合経口避妊薬の使用中である対象において、DRSPのバイオアベイラビリティを低下させるのに使用される、E4を含む組成物。
態様23.上記E4は、DRSPがプロゲストーゲン成分として機能する上記配合経口避妊薬のエストロゲン成分として機能する、態様22に記載の使用のためのE4組成物。
態様24.DRSPを含む配合経口避妊薬の連続使用中である対象において、DRSPの副作用を低減させるのに使用される、態様22又は23に記載の使用のためのE4組成物。
態様25.DRSPを含む配合経口避妊薬の連続使用に関連したC反応性タンパク質(CRP)血清中濃度レベルの上昇のリスクを低下させるのに使用される、態様22~24のいずれか1つに記載の使用のためのE4組成物。
態様26.等有効量のDRSPとEEとを含むCOCと比較した場合に、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、例えば約30%以上で、COCのDRSPの定常状態バイオアベイラビリティを低下させるのに使用されるE4。
態様27.DRSPを含むCOCの連続使用中である対象において、DRSPのピーク血漿中濃度を低下させるのに使用されるE4。
態様28.DRSPを含むCOCの連続レジメン中である対象において、DRSPの有害作用のリスクを低減させる方法であって、プロゲストーゲン成分としてのDRSPとエストロゲン成分としてのE4とを含むCOCを提供する工程を含む、方法。
態様29.DRSPを含む配合経口避妊薬の連続使用に関連したDRSPの副作用を低減するのに使用される、E4とDRSPとを含むCOC。「連続使用」は、投薬計画が、複数の周期的サイクルの間、適用されるという意味を含む。典型的には、1回の周期サイクルは、活性成分を含むCOCの1日量の投薬単位を21単位~28単位適用することを含む。上記使用は、場合によっては、異なる周期的サイクルの間に、4~7日間の中断を挟むことができ、中断は、任意選択でCOCの活性成分を含まない偽薬投薬単位を提供することによるか、又は単純にこの4~7日間どのような丸剤も摂取しないことによるものである。典型的には、活性COC成分の21~28投薬単位レジメンが適用され、服薬遵守を理由に偽薬投薬単位の4~7日間の使用による中断を挟む。
態様30.COCにDRSPを使用することに起因する有害作用を予防又は治療する医薬の製造のためのE4の使用。
態様31.COCを含むDRSPを使用している対象におけるQT間隔延長を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのE4の使用。
態様32.COCを含むDRSPを使用している対象における遊離テストステロン血清レベル低下を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのE4の使用。
態様33.COCを含むDRSPを使用している対象におけるC反応性タンパク質レベル上昇を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのE4の使用。
本明細書中の上記に列挙される態様又は実施形態のいずれか1つにおいて、上記COC中のエステトロールの好適量は、エステトロール14 mg~16 mgの量に等しく、エステトロール一水和物の形で14 mg~16 mgの範囲で、好ましくはエステトロール一水和物15 mg又はその当量であるエステトロール14.2 mgの量で存在することが可能である。
上記に列挙される態様又は実施形態のいずれか1つにおいて、上記COC中のドロスピレノンの好適量は、ドロスピレノン約2 mg~4 mg又は約2.5 mg~3.5 mgに等しい。
本発明の上記の及び更なる態様並びに好ましい実施形態は、以下のセクション及び添付の特許請求の範囲において記載される。添付の特許請求の範囲の主題は、具体的に引用することにより本明細書の一部をなす。
対象層化を示す図である。対象98人を、E4/DRSP 15/3 mg(n=38)、EE/LNG 0.03/0.15mg(n=29)、EE/DRSP 0.02/3 mg(n=31)を用いた治療に登録した。AE:有害作用。 治療サイクル3、24日目でのQTcF間隔の変化を示す図である。治療群:E4/DRSP 15/3 mg、参照群:EE/DRSP 0.02/3 mg。 治療サイクル3、27日目でのQTcF間隔の変化を示す図である。治療群:E4/DRSP 15/3 mg、参照群:EE/DRSP 0.02/3 mg。
本明細書中で使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上他に明確な指示のない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。
「含む」("comprising", "comprises")、及び「~で構成される(comprised of)」という用語は、本明細書中で使用される場合、「含む」("including","includes")、又は「含有する」("containing","contains")と同義であり、これらの用語は、包括的又は非制限的であり、追加の言及されていない構成要員、構成要素、又は方法工程を排除しない。これらの用語は、「~からなる(consisting of)」及び「本質的に~からなる(consistingessentially of)」も包含し、これらは、特許用語論において十分に確立された意味を享受する。
端点による数値範囲の言及は、個々の範囲内に属する全ての数値及び端数、並びに言及される端点を含む。これは、数値範囲が「...から...まで」という表現、又は「...と...との間」という表現、又は別の表現のどれにより導入されているかに関わらず、数値範囲に当てはまる。
「約(about)」又は「およそ(approximately)」という用語は、本明細書中で使用される場合、パラメーター、量、時間間隔等の測定可能な値にかかる場合、指定される値を基準にしたその値からの変動、例えば、指定される値を基準にしたその値からの±10%以下、好ましくは±5%以下、より好ましくは±1%以下、なおより好ましくは±0.1%以下の変動等を包含することを意味するが、そのような変動が、開示される本発明を実施するのに適切である場合に限る。当然のことながら、「約」又は「およそ」という修飾語がかかる値は、それ自身も具体的にかつ好ましく、開示されている。
一方で、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という用語、例えば、構成要員の群のうちの1つ以上の構成要員又は少なくとも1つの構成要員等は、それ自体が明らかであり、更なる例示として、この用語は、とりわけ、上記構成要員のうちのいずれか1つに対する言及、又は上記構成要員のうちのいずれか2つ以上、例えば、上記構成要員のうちのいずれか3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、又は7つ以上等、及び上記構成要員全てに至る言及を包含する。別の例では、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」は、1、2、3、4、5、6、7、又はそれ以上を指す場合がある。
本明細書中の本発明に対する背景の検討は、本発明の状況を説明するために含まれている。これは、特許請求の範囲のいずれかの優先日の時点で、言及される資料のいずれかが、いずれかの国において公開された、既知であった、又は共通する一般知識であったことを認めるものではない。
本開示全体を通じて、様々な刊行物、特許、及び公開特許明細書は、引用元を特定するようにして参照される。本明細書中に引用される全ての文献は、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。特に、本明細書中で具体的に言及されるそのような文献の教示又はセクションが、引用することにより本明細書の一部をなす。
特に定義されない限り、本発明の開示において使用される全ての用語は、技術用語及び科学用語も含めて、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するとおりの意味を有する。更なる案内として、本発明の教示がより良く理解されるように、用語の定義を含める。特定の用語が、本発明の特定の態様又は本発明の特定の実施形態に関連して定義される場合、そのような関連性又は意味は、本明細書全体を通じて、すなわち、本発明の他の態様又は実施形態の文脈においても、特に定義されない限り、適用されることを意味する。例えば、生成物に関する実施形態は、方法及び使用の相当する特徴にも適用可能である。
以下の各節において、本発明の異なる態様又は実施形態が、より詳細に定義される。そのようにして定義される各態様又は実施形態は、相反する記載が明白にない限り、任意の他の態様(複数の場合もある)又は実施形態(複数の場合もある)と組み合わせることが可能である。特に、好適である又は有利であるとして示される特徴はどれでも、好適である又は有利であるとして示される任意の他の単数又は複数の特徴と組み合わせることが可能である。
本明細書全体を通じて「1つの実施形態」、「実施形態」に対する言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じて様々な箇所で見られる「1つの実施形態において」、又は「実施形態において」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らない。そのうえさらに、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、本開示から当業者に明らかであると思われるとおりに、任意の適切な様式で組み合わせることが可能である。そのうえさらに、本明細書中に記載される一部の実施形態が、一部の特徴を含みながらも他の実施形態に含まれる他の特徴を含んでいないとしても、当業者に理解されると思われるとおり、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあることを意味し、異なる実施形態を形成するものである。例えば、添付の特許請求の範囲において、当業者に理解されると思われるとおり、特許請求される実施形態の代替的な組み合わせが包含される。
「対象」又は「患者」という用語は、本明細書中で使用される場合、動物、好ましくは温血動物、より好ましくは脊椎動物、最も好ましくは哺乳類、例えば、ヒト及び非ヒト哺乳類等を指す。特に好適であるのは、女性ヒト対象、より好ましくは閉経前及び/又は閉経後の女性対象である。本明細書中に企図される女性対象は、避妊を理由として、出血パターンの改善のため(すなわち、出血パターンの重篤度の軽減又は不規則性の軽減を達成する)、ホルモン誘導型の精神的若しくは身体的変化の改善のため、又はそれらの任意の組み合わせのため、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬、すなわち本明細書中に記載されるとおりのエステトロール含有組成物を必要としている、又は必要としていると見なされる対象の場合がある。
当業者なら気付くだろうが、「量(quantity)」、「量(amount)」、及び「レベル」等の用語は、同義であり、当該技術分野で明確に定義された意味を有する。これらの用語は、本明細書中で使用される場合、対象(から採取した試料)中の、ステロイド等の分子の絶対量を特に指す場合もあれば、試料中の分子若しくは分析物の相対量、すなわち、別の値に対する相対値、例えば本明細書中で教示されるとおりの基準値又は或る特定パラメーターのベースラインを示す値範囲に対する相対値等を示す場合もある。これらの値又は値範囲は、1つの単一対象から得られる場合もあれば、対象の群(すなわち、少なくとも2つの対象)から得られる場合もある。さらに、AUC又はCmax等のパラメーターの(絶対又は相対)量について言及する場合、こうした量は、1つ以上の対象の血漿(の試料)中で測定されるとおりの量として解釈されるべきである。あるいは、遊離テストステロン及びC反応性タンパク質等のパラメーターの(絶対又は相対)濃度又は量について言及する場合、こうした量は、1つ以上の対象の血清(の試料)中で測定されるとおりの量として解釈されるべきである。「血漿」及び「血清血漿」は両方とも、医療及び臨床の文脈で一般的に受け入れられている用語であり、当業者によるそれらの解釈に関して曖昧さは何もない(Matthew and Varacallo, Physiology, blood plasma,StatPearls, 2019)。
「エステトロール」、又は短略した「E4」は、ヒト胎児肝臓で産生されるエストロゲンステロイドである(PubChem CID:27125)。エステトロールは、17ベータ-エストラジオールに相当する3-ヒドロキシステロイドとして記載することもでき、ここでは、15α位及び16α位が、2つの追加ヒドロキシ基で置換されている。エステトロールは、エストロゲン受容体アゴニストであることが知られている(Coelingh Bennink et al., Estetrol review: profile and potential clinicalapplications, Climacteric, 2008)。本明細書中に示されるとおりのエステトロールは、内因性エステトロールの場合がある。あるいは、エステトロールは、化学合成されたものであるか、(変異)組換え酵素を使用して合成されたものであるか、又はそれらの任意の組み合わせにより合成されたものである場合がある。エステトロールは、当該技術分野においてその分子式:C18H24O4により、又は構造式(I):
Figure 2023526580000001
式(I)
により代替的に示す場合がある。
当然のことながら、本明細書全体を通じていずれのセクションにおいてもエステトロールが言及される場合、任意のエステトロール含有成分(すなわち化合物)及び/又はエステトロール誘導体も意図される。限定ではなく例として、エステトロールエステル及びエステトロール水和物が挙げられる。好適な実施形態において、存在する場合、本明細書中に開示されるCOCに含まれるエステトロールは、エステトロール一水和物である。
「プロゲストーゲン」、「プロゲストーゲン」、「ゲスターゲン」、又は「ゲストーゲン(gestogen)」という用語及びそれらの派生語である「プロゲストーゲン化合物」は、本明細書中及び当該技術分野のどちらで使用される場合でも、対象の体内で、天然の女性ホルモンであるプロゲステロンのものと同様な効果をもたらす任意の分子を指す。プロゲストーゲンは、プロゲステロン受容体のアゴニストであると見なされ、それらの機能は、当該技術分野で徹底的に調査されてきた(特に以下において検討されている:Kuhl, Pharmacology of estrogens and progestogens: influence ofdifferent routes of administration, Climateric, 2005)。プロゲスチンは、プロゲストーゲンのサブグループであり、このサブグループは合成プロゲストーゲンを含む。上記用語は、当該技術分野において同義で使用される場合があるものの、一般的な理解として、プロゲスチンが言及される場合、それは合成プロゲストーゲンを意味する。「ドロスピレノン」(略号DRSP、PubChem CID:68873)は、プロゲスチンの例であり、抗鉱質コルチコイド及び抗アンドロゲン活性を、概して低いオフターゲット活性と併せ持つため、COCに幅広く活用されている。一般に、ドロスピレノン含有COCは、第四世代COCと称する。市販されているドロスピレノン含有COCの限定ではなく例として、「Yaz(商標)」及びYasmin(商標)が知られている。ドロスピレノンのみのプロゲストーゲン丸剤の模範的な例は、「Slynd(商標)」であり、これも市販されている。ドロスピレノンは、当該技術分野において、その分子式:C24H30O3により、又は構造式(II):
Figure 2023526580000002
式(II)
により代替的に示すことも可能である。
当然のことながら、「ドロスピレノン」という用語が本明細書中で使用される場合、任意のドロスピレノン誘導体も企図される。そのうえさらに一般的に受け入れられることとして、COCでは、排卵阻害を達成するために、1日あたり2.5 mg~3.5 mg、好ましくは1日あたり約3 mgのドロスピレノン投薬量が必要である。
限定ではなく例示として、COCに使用されてきた他のプロゲストーゲン又はプロゲスチンとして、ノルエチステロン、ノルエチンドロン、レボノルゲストレル(LNG)、ノルゲストレル、ゲストデン、デソゲストレル、ノルゲスチメート、酢酸シプロテロン、ジエノゲスト、及びクロルマジノンが挙げられる。
「配合経口避妊薬」、本明細書中で略してCOC、は、エストロゲン分子及びプロゲストーゲン分子の両方を含む任意の経口避妊薬を示し、かくしてCOCは、上記エストロゲン及びプロゲストーゲンの併用活性に基づく臨床効果を達成することを示す。COCは、典型的には、含有するプロゲストーゲンに基づいて分類される。第一世代COCは、ノルエチノドレル、ノルエチンドロン、リネストレノール、エチノジオール酢酸エステル、又はノルエチステロン等のプロゲストーゲンを含む。第二世代COCは、レボノルゲストレル、又はノルゲストレル等のプロゲストーゲンを含む。第三世代COCは、デソゲストレル、ゲストデン、又はノルゲストデン(norgestodene)を含む。第四世代COCは、プロゲストーゲン成分としてドロスピレノンを含む。多数のCOCが開発され、Yaz(商標)等として市販されている。本明細書全体を通じて当業者には明らかであるが、本明細書中、「a(the)E4/DRSP COC」又は「本明細書中に記載されるとおりのa(the)COC」と言及される場合、指定する記載が明白にない限り、COCは、エストロゲン化合物エステトロールを含み、プロゲストーゲン化合物ドロスピレノンを含むことが意図される。エストロゲン成分エステトロールとプロゲストーゲン成分ドロスピレノンとを有するCOCと、プロゲストーゲン成分としてドロスピレノン又はレボノルゲストレル(LNG)とエストロゲン成分としてエチニルエストラジオール(EE)とを有するCOCの比較が、本明細書中でなされる。これの限定ではなく例として、商品名Yaz(商標)(0.02 mg EE/3 mg DRSP)、Yasmin(商標)(0.03 mg EE/3 mg DRSP)、又はMelleva(商標)(0.03 mg EE/0.15 mg LNG)で入手可能な製品がある。最も好ましくは、本明細書中に記載されるとおりのCOC(すなわちE4及びDRSPの両方を含む)は、エチニルエストラジオール約0.02又は約0.03 mgとドロスピレノン約3 mgとを含むCOCと比較される。EE/DRSP
「避妊薬キット」は、好ましくはCOCの本発明のパッケージ単位の文脈で、パッケージ単位になった避妊薬を含む、任意のパッケージを指す。当業者なら気付くだろうが、避妊薬キットは、寸法、形状、並びにキットが含有するパッケージ単位及び/又は投薬単位の数において変更可能に考案することができる。避妊薬キットは、該キットに含まれる情報冊子及び/又は該キットに印刷された説明を含むことができる。本明細書中で使用される「活性投薬単位」は、「剤形」という用語と同義で使用することができ、活性成分の特定混合物(COCの文脈では、特定量のエストロゲン及びプロゲストーゲンである)を、特定の構造中に含有させて有している医薬製品を指し、そのような医薬製品の限定ではなく例として、カプセル剤及び錠剤がある。明白であることは、COCの文脈において、活性投薬単位は、経口投与に適している(と見なされる)必要があることである。
本明細書中に開示されるCOCは経口投与を意図しているため、経口投与を容易にする構造が好適である。かくして、本明細書中に記載されるとおりの1日量の投薬単位は、固体又は半固体剤形の場合がある。限定ではない更なる適切な例としては、錠剤、(軟又は硬)カプセル剤、カシェ剤、粒剤、丸剤、ペレット剤、カシェ剤、頬側フィルム剤、ペースト剤、結晶剤(crystals)、溶解フィルム剤、カプレット剤(caplets)、メルトレット剤(meltlets)等がある。明らかなことに、或る種の経口剤形、例えば、カプセル剤等は、エステトロール及びドロスピレノンを含む水性又は油性溶液を含むことができる。こうした投薬製剤のそれぞれについて、適切な製造法が、当該技術分野で開示されている。錠剤、カプレット剤、及びメルトレット剤製造法の模範的な例は、湿式造粒(すなわち、蒸気造粒、水分活性化乾式造粒、湿潤造粒(moist granulation)、熱粘着式造粒、溶融造粒、凍結造粒、フォーム造粒、又は逆湿式造粒(reverse wet granulation))、乾式造粒、例えば気流乾式造粒(pneumaticdry granulation)等、又は圧縮である(Shanmugam, Granulationtechniques and technologies: recent progresses, Bioimpacts, 2015)。硬カプセル殻は、浸漬成形又は射出成形技法により作ることができ、一方軟カプセルの製造法の例としては、2本のゼラチンリボンの間で熱シールを形成することがある。硬カプセル及び軟カプセルは両方とも、当該技術分野で徹底的な評価及び検討が行われてきている(例えば、参考図書であるAugsburger and Hoag, Pharmaceutical dosage forms: Capsules, CRCpress, 2017)。
本明細書全体を通じて使用される「~を使用中である(under use of)」、「使用している(using)」等の言い回し、及び同様な表現により、この言い回しは、その文章又は段落において言及されるCOC又は活性成分を少なくとも1回使用したことがある1体以上の対象を指定するのに使用される。好適な実施形態において、使用中は、「連続使用中」、又は「中断のない連続した期間の投与サイクル」として解釈することができる。ドロスピレノンを含むCOCを使用している又は使用したことがある対象について言及される或る特定の実施形態において、この対象は、ドロスピレノンを含むCOCを、少なくとも1回の投与サイクルの間、好ましくは少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、又は7回以上の投与サイクルの間、使用したことがある。
本発明者らの複数の研究結果に由来する複数の驚くべき価値ある知見が、本明細書中に記載される。本質において、本発明者らは、プロゲストーゲン成分としてドロスピレノンを有するCOCの上述した副作用の一部が、部分的に又は完全に、上記COCにおいてエストロゲン成分としてエチニルエストラジオール(EE)ではなくエステトロール(E4)を使用することによりもたらされている可能性があることを見出した。かくして、これらの知見は、COCの分野に実質的な価値を有する。したがって、本明細書中に記載されるCOCの利点には有害作用のリスクの低減が含まれ、低減は、該有害作用の指標である複数の分子パラメーターの改善に反映される。したがって、即時効果は、COCを使用する対象の健康の改善として要約することができる。COCの有害作用の発生率が低下することの第二効果は、COCを使用する対象において使用者服薬遵守の改善が達成されることになるということである。時間とともに、これらの知見は、リスクのない女性の生殖自律性に多大な貢献を示すことになる。第四世代COCにドロスピレノンが含まれていることは普遍的であることから、本明細書中に記載される使用、方法、及び組成物の産業応用性は、自明である。
第一の知見において、本発明者らは、E4/DRSP COCを使用している対象の血清遊離テストステロンレベルの低下が顕著に少ないことを観察した。この低下は、ドロスピレノンを含むCOC、例えば、EE/DRSP COC等を使用する対象では典型的に観察される可能性がある。より詳細には、EE/DRSP COCを摂取している対象で観察される血清遊離テストステロンの典型的な低下、なわち「降下」が、E4/DRSP COCを摂取している対象では、顕著に低減される。ドロスピレノンは、血清遊離テストステロンの減少の一因であると、当該技術分野では説明されてきている。なぜなら、ドロスピレノンは、プロゲステロン受容体アゴニストであり、プロゲステロン受容体活性化は、抗ゴナドトロピン及び抗エストロゲン効果をもたらすからである(Kuhl et al.,Pharmacology of estrogens and progestogens: influence of different routes ofadministration, Climacteric, 2005)。ドロスピレノンの抗ゴナドトロピン効果の1つは、エストラジオール、プロゲステロン、及びテストステロン産生をはじめとする性腺性ホルモン産生の抑制である。かくして、テストステロン産生の減少は、ドロスピレノンと直接の因果関係にあり、当業者にはこれも同様に理解されると思われる。しかしながら、驚いたことに、EE/DRSP COCのエチニルエストラジオールをエステトロールに置き換えた場合、COC使用対象における遊離テストステロンの減少は、顕著に低減された。これは、エステトロールが、ドロスピレノンを含むCOCを使用する対象において、満足のいく避妊効果を依然として提供しつつ、遊離テストステロン濃度に有益な(臨床)効果を有することを示す、初めての観察である。テストステロンレベルの改善は、こうした対象で頻繁に報告される副作用、例えば、性的欲求の欠如、性欲低下、及び性的興奮の欠如等の低減に寄与する。E4/DRSP COCのこの効果は、当該技術分野で記載されたことがなかった。関連する観察において、本発明者らは、E4/DRSP COCの使用が、ドロスピレノンを含むCOCを使用している対象のQT間隔を増大させない、又は増大させる傾向を有さないことを観察した。対象のQT間隔の延長に対する既知COCの影響は、当該技術分野で議論されてきた(参照としてSalem et al. (2016)及び非特許文献4が挙げられ、両方とも本明細書中に引用される)。QT間隔の延長に対する性ホルモンの全体としての影響は、筋細胞のイオン(カリウム)チャネルに対して相反する効果故のテストステロン、プロゲストーゲン、及びエストロゲンの間の複雑な相互作用の結果である。一般に、内因性及び外因性性ホルモンの両方がQT間隔に影響を及ぼすというのが、当該技術分野の一致した意見である。COCは、プロゲストーゲン及びエステトロールを相当量で含むため、QT間隔の顕著な変化が、場合によっては、観察される可能性がある。一般に、テストステロン及びプロゲストーゲンは、活動電位を短縮し、したがってQT間隔延長に対して有益な効果を有するように思われる。対照的に、エストロゲンは、QT間隔延長(lengthening)効果を有するように思われる。そのうえさらに、月経サイクル中、プロゲストーゲンが、女性において心室再分極に影響を与える主要因子であると述べられている。しかしながら、ドロスピレノンは、典型的なプロゲストーゲンのようには挙動せず、その代わりに、エストロゲンに対抗作用するのではなく、QT延長を誘発してエストロゲンのQT間隔延長に対する効果を増強するように見える(Salem et al.,Association of Oral Contraceptives With Drug-Induced QT Interval Prolongationin Healthy Nonmenopausal Women, JAMA Cardiol, 2018)。したがって、異なる避妊薬の影響についての以下のまとめが、当該技術分野で受け入れられている(非特許文献4より引用):
Figure 2023526580000003
これに基づき、第四世代COC(例えば、EE/DRSP COC)は、QT間隔に対して全体として延長(lengthening)効果を有すると推論することが可能である。その結果、第四世代COCを使用している対象は、QT延長(lengthening)の相当なリスクを有する。一般に、QT間隔が少なくとも5 ms増大する場合、QT間隔は延長されると見なされ、そのような増大は、医薬活性成分の投与又は使用等の任意の種類の介入により、特に本開示の文脈において、第四世代COCの(連続)使用により、引き起こされる可能性がある。予期せぬことに、本発明者らは、第四世代COCのエチニルエストラジオール成分をエステトロールに交換することにより、QT延長のリスクが軽減されることを観察した。どのような理論にも固執するつもりはないが、エステトロールは、2つの分子機構によりこの驚くべき効果に寄与するという仮説が立てられる。第一に、エステトロールは、エチニルエストラジオールと比較した場合に、より穏やかなエストロゲンであるように見え、したがって、QT延長(lengthening)に対して有するエストロゲン関連効果がそれほど顕著ではない。エストロゲンは、カリウムチャネル電流(及び/又は発現)を減少させることにより、分子レベルでQT間隔に影響を与えることが報告されており、エステトロールが、これらのチャンネルに対して有する影響がそれほど顕著ではない可能性がある。第二に、上記で示したとおり、E4/DRSP COCは、遊離テストステロン減少度合い又は遊離テストステロン抑制度合いを低減させることができる。テストステロンはQT間隔に対して短縮効果を有し、これは、イオンカリウムチャネル電流及び/又は発現に陽性の寄与をすることが原因である可能性が高いが、このことにより、ドロスピレノンによる延長(lengthening)効果が打ち消される可能性がある。かくして、上記に提案されるこの二重作用機構により、エステトロールは、EE/DRSP第四世代COCで観察されるQT延長(lengthening)を回避することができる可能性がある。エステトロールの、及び結果的にはE4/DRSP COCのこの効果は、当該技術分野で報告されたことがなかった。
第三の予期しなかった観察において、本発明者らは、E4/DRSP避妊薬を使用している対象が、EE/DRSP COC等の一般的な第四世代COCを使用している対象に比べて、C反応性タンパク質血清レベルのCOC誘導型上昇を起こしにくい、すなわちそのような上昇を有するリスクがより低いことを観察した。COCの使用中及び使用後にC反応性タンパク質(濃度)レベルが上昇することは、当該技術分野で報告されており(van Rooijen et al.,Treatment with combined oral contraceptives induces a rise in serum C-reactiveprotein in the absence of a general inflammatory response, J Thromb Haemost,2006)、上昇したC反応性タンパク質濃度は、肝細胞C反応性タンパク質合成に対する直接の効果と関係しているらしいが、IL-6介在型炎症、内皮活性化、又はインスリン抵抗性の誘導を反映してはいないことが想定されている。もっともこれは未だ討論中である。粥状動脈硬化を伴うC反応性タンパク質の血清及び/又は血漿レベルの上昇とアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)との間には関連がある。C反応性タンパク質の正確な寄与は依然として不明であるものの、粥状動脈硬化との関係という観点から、C反応性タンパク質の上昇はどのようなものであっても回避すべきであることは明らかである。E4/DRSPCOCは、第四世代COC(例えばEE/DRSP)に比べて、C反応性タンパク質上昇に対する影響が低下していることは、当該技術分野で報告されたことがなかった。
かくして、本発明の第一の態様は、1つ以上のパッケージ単位を含む避妊薬キットに関し、各パッケージ単位は、配合経口避妊薬(COC)の1日量の活性投薬単位を21単位~28単位含み、各1日量の活性投薬単位は、(a)プロゲストーゲン成分としてのドロスピレノンを1 mg~5 mgの量で、及び(b)エストロゲン成分としてのエステトロールを10 mg~20 mgの量で含み、上記投薬単位は、毎日経口投与された場合、血漿中のドロスピレノンについて以下:
(i)それぞれ1 mg~5 mgドロスピレノンの投薬量の幾何平均AUC0-24がDRSPについて約150 ng・h/ml~約1000 ng・h/ml、及び/又は、
(ii)それぞれ1 mg~5 mgドロスピレノンの投薬量の幾何平均Cmaxが約10 ng/ml~約100ng/ml、
である薬物動態プロファイルをもたらす。
約3mg(2.5 mg~3.5 mg)というDRSPの典型的用量の場合、
(iii)ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24は、約200 ng・h/ml~約550 ng・h/mlであると思われ、及び/又は、
(iv)ドロスピレノンの幾何平均Cmaxは、20 ng/ml~約50ng/mlであると思われる。
当然ながら、「AUC」という略号が本明細書中で使用される場合、これは、「曲線下面積」を指し、当該技術分野で一般的に意味するとおりに、すなわち、血漿中の薬物濃度の変動を時間の関数として記載する曲線の定積分を意味するとして解釈されるべきである。AUC0-24は、本明細書中で使用される場合、対象にCOCが投与された時点である「0」時点から24時間後の時点までのAUCを表す。本明細書中で使用される文脈において、「AUC」は、バイオアベイラビリティとして解釈される場合がある。したがって、AUCinfは、全AUC(「0」時点から無限遠まで)を示す。
「Cmax」は、本明細書中で称する場合、薬物、例えば、ドロスピレノンが到達する最大又はピーク血漿濃度である。特に指定がない限り、AUC値及びCmax値は、放射免疫アッセイ、及び/又はHPLC及びLC MS/MSにより測定することができ、これらは当業者に既知のアッセイである(例えば、Jaffe, Methods of Hormone Radioimmunoassay, 2nd edition,Academic press, 1979, and Chen and Hsu, Development of a LC-MS/MS-based methodfor determining metolazone concentrations in human plasma: Application to apharmacokinetic study, J of Food and Drug Anal, 2013)。
或る特定の実施形態において、各1日量の活性投薬単位は、本明細書中いずれかの箇所で定義されるとおりの同じ又はほぼ同じ量のエステトロール及びドロスピレノンを含む。代替実施形態において、一部の1日量の活性投薬単位は、周期的サイクル中、E4及び/又はDRSPが等しいレベルに維持される限り、E4及び/又はDRSPをより高用量又はより低用量で含むことができる。この代替形態の例示実施形態において、異なる1日量の投薬単位は、多相投与(例えば、二相、三相、又は四相投与)用に構成することができ、各相は、幾分異なる濃度のE4及び/又はDRSPに到達する。
或る特定の実施形態において、ドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、約3 mg(例えば2.5 mg~3.5mg)の1日量で投与された場合のCOC単回投薬後のドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が425 ng・h/ml未満、好ましくは400 ng・h/ml未満、好ましくは350 ng・h/ml未満、より好ましくは325 ng・h/ml未満、より好ましくは300 ng・h/ml未満、より好ましくは275 ng・h/ml未満、より好ましくは250 ng・h/ml未満、より好ましくは225 ng・h/ml未満であることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が450 ng・h/ml~200 ng・h/ml、好ましくは350 ng・h/ml~150 ng・h/ml、より好ましくは300ng・h/ml~200 ng・h/ml、最も好ましくは260 ng・h/ml~220 ng・h/mlであることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均Cmaxが約45 ng/ml未満、好ましくは40 ng/ml未満、好ましくは35 ng/ml未満、好ましくは30 ng/mlであることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均Cmaxが20 ng/ml~50 ng/ml、好ましくは20 ng/ml~45 ng/ml、好ましくは24 ng/ml~40 ng/ml、好ましくは24 ng/ml~35 ng/mlであることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUCinfが300 ng・h/ml未満、好ましくは275ng・h/ml未満、好ましくは260 ng・h/ml未満、好ましくは250 ng・h/ml未満、好ましくは230 ng・h/ml未満であることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUCinfが約300 ng・h/ml~約500 ng・h/ml、好ましくは350 ng・h/ml~約450 ng・h/mlであることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、幾何平均AUC0-24が250 ng・h/ml未満、好ましくは約224ng・h/ml未満であり、幾何平均Cmaxが45 ng/ml未満、好ましくは40 ng/ml未満、好ましくは35 ng/ml未満であり、任意選択で幾何平均AUCinfが450 ng・h/ml未満であることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COC単回投薬後のドロスピレノン薬物動態プロファイルは、幾何平均AUC0-24が約200 ng・h/ml~約250 ng・h/mlであり、Cmaxが約20 ng/ml~約30 ng/mlであり、任意選択で幾何平均AUCinfが350 ng・h/ml~450 ng・h/mlであることを特徴とする。
或る特定の実施形態において、COCを約3 mg(例えば2.5 mg~3.5 mg)の1日量で複数回投薬後、好ましくは1日量を10回、12回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回投薬後のドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が650 ng・h/ml未満、好ましくは600 ng・h/ml未満、好ましくは550 ng・h/ml未満、好ましくは625ng・h/ml未満であり、任意選択で幾何平均Cmaxが50 ng/ml未満であることを特徴とする。或る特定の実施形態において、COCの1日量を複数回投薬後、好ましくは10回、12回、14回、21回、又は21回~28回投薬後のドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が400 ng・h/ml~625 ng・h/ml、好ましくは425 ng・h/ml~550 ng・h/ml、好ましくは425ng・h/ml~525 ng・h/mlであり、任意選択で幾何平均Cmaxが50 ng/ml未満であることを特徴とする。或る特定の実施形態において、1日量を10回投薬後のドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が450 ng・h/ml未満であり、Cmaxが40 ng/ml未満であることを特徴とする。
或る特定の実施形態において、1日量を14回投薬後のドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が525 ng・h/ml未満であり、Cmaxが50 ng/ml未満であることを特徴とする。当然ながら、本明細書中に記載される値は、本明細書中に記載されるCOCをほぼ定期的な間隔で投与される又は投与する対象について代表的なものであり、好ましくは、投与と投与の各間隔は、18時間~28時間、好ましくは約24時間である。本明細書中に記載されるパラメーターは、COCの1回の投薬後に観察される可能性がある。これらのパラメーターは、複数用量試験において、毎日投与の開始から14日後の時点で確認された。明らかなこととして、当業者なら分かるだろうが、複数用量試験の場合、いったんドロスピレノン定常状態に到達したら、他の時点を選択することも可能である。COCでは、E4の平均終末相消失半減期(t1/2)は、およそ20時間~30時間である。配合剤では、ドロスピレノンの平均t1/2は、およそ30時間~40時間である。E4の血漿レベルの下落は、二相性であり、したがって、AUCの範囲部分は、t1/2よりも速い下落により定義され、定常状態は、半減期の5倍より前であることが予想される。定常状態に到達する最悪の場合の期間は、56時間の5倍(280時間すなわち11.6日間)である。したがって定常状態に達するには、用量線形速度を仮定すれば、12日間毎日投与することで十分なはずである。投与する最後の数日間の間、トラフレベルが同様であれば、定常状態に到達している。したがって、複数回投与する14日間という期間は、血中のエステトロール及び/又はドロスピレノンの定常状態を達成するのに適切である。実施例で説明される複数用量試験の結果において、エステトロールの定常状態は、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用した場合、1日量を約5回投薬後に到達し、ドロスピレノンの定常状態は、1日量を約10回投薬後に到達した。したがって、本発明の態様において、本明細書中に開示されるとおりの薬物動態プロファイルは、定常状態の薬物動態プロファイルである。或る特定の実施形態において、定常状態の薬物動態プロファイルは、1日量を10回投薬後に測定した薬物動態プロファイルである。更なる実施形態において、定常状態の薬物動態プロファイルは、1日量を11回、12回、13回、14回、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、又はそれより多く投与した後の薬物動態プロファイルである。
或る特定の実施形態において、避妊薬キットは、1つのパッケージ単位を含む。代替実施形態において、避妊薬キットは、少なくとも2つのパッケージ単位、好ましくは少なくとも3つ、好ましくは4つ以上のパッケージ単位を含む。或る特定の実施形態において、パッケージ単位は、ブリスター包装又はストリップ包装である。本明細書中に開示される避妊薬キットのパッケージ単位は、「服薬順守包装」の場合がある。当該技術分野で知られるとおり、「服薬順守包装」とは、様々な寸法及び様式のパッケージ単位であって、このCOCの文脈内では、1種以上の医薬に適切な貯蔵手段を提供することに次いで、該COCの意図される周期的投与を対象が順守するための補助及び/又は案内を提供することを目的とするものである(Peck Gossel, Packaging the Pill, Manifesting Medicine: Bodies and Machines, New York: Taylor & Francis, 1999)。限定ではなく例として、パッケージ単位には、対象が自分の月経周期を追跡し続けることができるように、数字の表示及び/又は記号を付与することができる。代替の限定ではなく例において、パッケージ単位は、予定の投与時点(すなわち、或る日付)が来たときに、その時点用のCOCが依然としてパッケージ単位に入っている場合に、対象に電気信号を送信する手段を備えることができる。これらの例において、電気信号は、データ貯蔵手段に送信されるか、及び/又はユーザー定義された電子装置、スマートフォン、及びウェアラブル端末(smart wear)に送信されることができ、本明細書の模範例である(begin)。或る特定の実施形態において、パッケージ単位(複数の場合もある)の異なる部分は、対象に異なる感覚トリガーを提供し、その限定ではなく例として、異なる色又は粗度がある。
或る特定の実施形態において、各パッケージ単位は、COCの1日量の投薬単位を21単位、22単位、23単位、24単位、25単位、26単位、27単位、又は28単位含む。更なる実施形態において、各パッケージ単位は、COCの1日量の投薬単位を21単位~24単位と、偽薬投薬単位を1単位以上、好ましくは偽薬単位を4単位~7単位とを含む。偽薬単位は、患者の服薬遵守を高めるために提供される。なぜなら、毎日丸剤を1つ摂取するのは、丸剤の摂取にある間隔を空けるよりも余程維持しやすいからである。或る特定の実施形態において、COC及び偽薬の1日量の投薬単位の順序は、グループ化された様式で配列される(すなわち、最初に21単位~24単位のCOCの1日量の投薬単位、続いて4単位~7単位の偽薬単位、又はその逆)。更なる実施形態において、パッケージ単位には、1日量の投薬単位のどれがCOC投薬単位であり、1日量の投薬単位のどれが偽薬投薬単位であるかの情報を対象に提供する表示がない。或る特定の実施形態において、偽薬投薬単位は、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、及びデンプンを含む。更なる実施形態において、偽薬投薬単位は、ラクトース一水和物、ステアリン酸マグネシウム、及びトウモロコシデンプンを含む。
或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬キットは、周期的サイクルで投与され、このサイクルは、7日間の無投与期間を含む。更なる実施形態において、このサイクルは、4日間の無投与期間を含む。「無投与期間」は、本明細書中、対象にCOCが投与されない、7日間又は4日間の時間間隔を意図する。かくして、無投与期間では、対象には、エステトロールもプロゲストーゲンも投与されない。或る特定の実施形態において、無投与期間中、偽薬製剤の投与が行われる場合があり、この偽薬製剤は、任意選択で、活性投薬単位と視覚上識別不可能な外観を有する。
本明細書中に企図されるとおりの偽薬製剤は、エステトロール等のエストロゲン、又はドロスピレノン等のプロゲスチンを含まない。無投与期間は、当該技術分野において、ホルモン不含期間と見なすことができる。無投与期間中、消退出血が生じる場合があり、これは3日間、4日間、5日間、6日間、又は7日間前後継続する場合がある。或る特定の実施形態において、偽薬製剤は、鉄剤及び/又は葉酸を含む。
或る特定の実施形態において、エステトロールは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、12 mg~18 mgの量で存在する。或る特定の実施形態において、エステトロールは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、14 mg~16 mgの量で存在する。更なる実施形態において、エステトロールは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、14.2 mg~15.5 mgの量で存在する。なおも更なる実施形態において、エステトロールは、エステトロール一水和物であり、これは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、約14 mg~約16 mg、又は約14.5 mg~約15.5 mg、好ましくは約15 mgの量で存在する。代替の更なる実施形態において、エステトロールは、無水(すなわち水不含)エステトロールであり、これは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、約13.5 mg~約15.5 mg、又は約14 mg~約15 mg、好ましくは約14.2 mgの量で存在する。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、2 mg~4 mgの量で存在する。更なる実施形態において、ドロスピレノンは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、2.5 mg~3.5 mgの量で存在する。なおも更なる実施形態において、ドロスピレノンは、本明細書中に記載されるE4/DRSP COC中、2.75 mg~3.25 mgの量で存在する。なおも更なる実施形態において、ドロスピレノンは、約3 mgの量で存在する。本明細書中に記載されるE4/DRSP COCの或る特定の実施形態において、COCの単一投薬単位は、ドロスピレノン約3 mg及びエステトロール約15 mgを含む。
或る特定の実施形態において、ドロスピレノン約3 mg及びエステトロール約15 mgを含むCOCの単回投薬後のドロスピレノンの薬物動態プロファイルは、幾何平均AUC0-24が250 ng・h/ml未満、好ましくは230 ng・h/ml未満であり、幾何平均Cmaxが45 ng/ml未満、好ましくは40 ng/ml未満、好ましくは35 ng/ml未満であり、任意選択で幾何平均AUCinfが約600 ng・h/ml未満、又は約550 ng・h/ml未満であることを特徴とする。
或る特定の実施形態において、ドロスピレノンとエステトロールではない別のエストロゲンとを含む標準COCを使用中の対象におけるドロスピレノンの副作用を低減させるのに使用される、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬キットが意図される。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンを含むこの標準COCは、エチニルエストラジオールとドロスピレノンとを含むCOCであり、好ましくはエチニルエストラジオール約0.02 mg又は約0.03 mgとドロスピレノン約3 mgとを含む標準COCである。
本明細書中に記載される副作用は、臨床症候、すなわち望ましくない又は病原性症状の場合があるが、分子パラメーターの変化、例えば、或る種の分子、例えば、ホルモン又は酵素等、更には膜貫通チャネルの減少又は増加等を含む場合もある。当業者なら気づくだろうが、分子レベルの変化の多くは、臨床症候を招くとは限らないが、そうであっても、それらは、後の時点で生じる臨床イベントの指標である、又は後の時点で生じる臨床イベントのリスクの一因である可能性がある。当然ながら、分子レベルでの異なる変化は、単一の臨床イベント、効果、又は症候をもたらす可能性がある。或る特定の実施形態において、エステトロールとドロスピレノンとを含むCOCを使用している対象におけるドロスピレノンの副作用の低減は、ドロスピレノンとエステトロールではないエストロゲンとを含むCOCを使用している対象(複数の場合もある)と比較したものである。更なる実施形態において、エステトロールではないエストロゲンは、当量のエチニルエストラジオール(EE)である。「エチニルエストラジオール」は、当該技術分野で明確に定義された分子であり、分子式C20H24O2(PubChem CID:5991)で特性決定することが可能である。当業者なら気づくだろうが、本明細書中に記載される知見、仮定、及び結論は、エストロゲン成分として更なる代替エストロゲンを有するCOCに容易に応用することができ、代替エストロゲンとして、エストラジオール(E2)(分子式C18H24O2、PubChem CID:5757)が挙げられるが、これに限定されない。
或る特定の実施形態において、1種以上のドロスピレノン関連副作用の低減が観察される又は報告される対象のパーセンテージは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも100%である。或る特定の実施形態において、1種以上のドロスピレノン関連副作用は、独立して、以下からなる群より選択される:少なくとも5ミリ秒(ms)のQT間隔延長、遊離テストステロン減少若しくは遊離テストステロン抑制、C反応性タンパク質上昇、性欲減退、頭痛、悪心、嘔吐、腹部膨満、痙攣、乳房痛、乳房圧痛、乳房腫脹、疲労、脱毛、カリウムレベルの上昇等。
更なる態様において、ドロスピレノンを含む配合経口避妊薬の連続使用に関連したドロスピレノンの副作用を低減するための、エステトロールとドロスピレノンとを含むCOCが企図される。「連続使用」は、複数の周期的サイクルの間、例えば、2、3、4、5、6、又はそれより多い周期的サイクルを通じた、投薬レジメンの適用を意味する。或る特定の実施形態において、1つの周期的サイクルは、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCの1日量の投薬単位を21単位~28単位適用すること、続いて、対象によるCOCの使用はなく、任意選択で服薬遵守を理由に偽薬製品が使用される、すなわち対象が投薬レジメンにおいてCOCを含まない日数を数えなくてもいいように期間中の各日に1日量の丸剤が提供される4日間~7日間を含む。或る特定の実施形態において、ドロスピレノン副作用は、エステトロールを含まないドロスピレノン含有COCの使用により、対象で誘発される。或る特定の実施形態において、対象は、初COC使用者である。「初COC」使用者は、対象の生涯において以前にエストロゲンとプロゲストーゲンとを含むCOCを使用したことがない対象を意味する。更なる実施形態において、対象は、新血管問題が報告されたことがある家族(すなわち生物学的家族であり、家族構成員は、遺伝的遺産で繋がっている)のなかの初COC使用者部分である。更なる代替実施形態において、対象は、女性の性的機能不全が報告されたことがある家族のなかの初COC使用者部分である。
或る特定の実施形態において、エステトロールとドロスピレノンとを含むCOCは、更に、1種以上の賦形剤を含む。「賦形剤」という用語は、本明細書中で使用される場合、任意の溶媒、希釈剤、緩衝剤(例えば、中性緩衝生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、トリス-HCl、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤)、可溶化剤(例えば、Tween80、ポリソルベート80)、コロイド、分散媒、ビヒクル(例えば、ワセリン、ジメチルスルホキシド、鉱物油)、充填剤、固結防止剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク)、キレート化剤(例えば、EDTA、グルタチオン)、アミノ酸(例えば、グリシン、(L-)グルタミン酸、(L-)アルギニン、(L-)ヒスチジン)、タンパク質、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム(A型))、結合剤(例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP、ポビドン)及びポリエチレングリコールをはじめとする合成重合体、糖類、例えば、スクロース、ラクトース、(トウモロコシ)デンプン、セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等)、滑沢剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、甘味剤(例えば、糖)、着色剤、香味剤(果物抽出物等の天然香味剤又は人工香味剤の両方が企図される)、芳香剤、増粘剤、デポー効果をもたらす作用剤、コーティング剤、抗真菌剤、保存剤(例えば、チメロサール(商標)、ベンジルアルコール)、抗酸化剤(アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール、及び/又はトルエン)、浸透圧調節剤(tonicity controlling agent)、吸収遅延剤、アジュバント、増量剤(例えば、ラクトース、マンニトール)等を示すことができる。「賦形剤」は、当該技術分野において同義語で示される場合があり、同義語として「キャリア」が挙げられるが、これに限定されない。当業者には更に明白なことだが、或る種の賦形剤は、複数の機能を満たすことができる。あるいは、或る種の賦形剤、例えば(精製)水等は、COCの製造プロセスの間は使用される場合があるが、最終製品ではもはや検出不能である。
本明細書中に企図される組成物に代表的である典型的な(単一)錠剤組成物は、エステトロール一水和物、ドロスピレノン、ラクトース一水和物、デンプングリコール酸ナトリウム1型、トウモロコシ又はコーンデンプン、ポビドンK30、及びステアリン酸マグネシウムを含むことができ、任意選択で、AquaPolish Pink 044.08 MSでコーティングされる。コーティングする場合、最初に懸濁液を調製する場合があり、続いてこれを、任意の適切なコーティングプロセスにより錠剤に塗布する。コーティングプロセスは、当該技術分野で詳細に検討されてきており、したがって、当業者には既知である(例えば、Ankit et al., Tablet Coating techniques: Concepts and recent trends, IRJP, 2012)。より詳細には、典型的な(単一)錠剤組成物は、エステトロール一水和物を約10 mg~20 mg、好ましくは約12 mg~18 mg、より好ましくは14 mg~16 mg;ドロスピレノンを約1 mg~5 mg、好ましくは約2 mg~4 mg;ラクトース一水和物を約25 mg~50 mg、好ましくは約30 mg~45 mg;デンプングリコール酸ナトリウムA型を約1 mg~10 mg、好ましくは約2 mg~8 mg;トウモロコシ又はコーンデンプンを約5 mg~20 mg、好ましくは約10 mg~20 mg;ポビドンK30を約0.5 mg~5 mg;及びステアリン酸マグネシウムを約0.1 mg~約5 mg;好ましくは約0.2 mg~約3 mg、含むことができる。任意選択のコーティング懸濁液は、乾燥時に、錠剤重量に、約1 mg~10 mg、好ましくは約1 mg~5 mgを加えることができる。或る特定の実施形態において、製剤は、生理的状態を近似するのに必要とされるとおりの薬学上許容される補助物質を含むことができ、補助物質は、例えば、pH調節剤及び緩衝剤、保存剤、錯形成剤、浸透圧調節剤、湿潤剤等であり、限定ではなく例として、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化水素20(hydrogen 20 chloride)、ベンジルアルコール、パラベン、EDTA、オレイン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、モノラウリン酸ソルビタン、及びトリエタノールアミンオレイン酸塩が挙げられる。医薬組成物の製剤化にそのような媒体及び作用剤を使用することは、当該技術分野で既知である(例えば、Kalasz and Antal, Drug excipients, Curr Med Chem, 2006を参照)。そのうえさらに、医薬組成物の製剤化及び投与についての方法論及び情報は、当該技術分野で開示されている(例えば、参考図書:Remington: The Science and Practice of Pharmacy(これは定期的に改訂される))。
同じく本明細書中に企図されるのは、ドロスピレノンを含むCOCの連続レジメンを受けている対象においてドロスピレノンの有害(副)作用のリスクを低減する(有害(副)作用を緩和する)方法であり、本方法は、対象に、プロゲストーゲン成分としてドロスピレノンと、エストロゲン成分としてエステトロールとを含むCOCを提供する工程を含む。或る特定の実施形態において、対象は、ドロスピレノンを含むCOCの使用による有害作用を受けていると診断されている、又は受けていることが疑われている。或る特定の実施形態において、対象は、ドロスピレノン含有COCの以前の使用により有害作用を経験したことがある。或る特定の実施形態において、有害作用は、以下からなる群より選択される:遊離テストステロン血清中濃度の、少なくとも0.25 ng/dLの低下、又はベースライン濃度を基準にして50%超、好ましくは60%超、若しくは70%超の低下、少なくとも5 msのQT間隔延長、C反応性タンパク質血清中濃度が上昇して1.5 mg/L血清以上、例えば2 mg/L血清以上の値になること。或る特定の実施形態において、COCは、毎日の経口投与により、好ましくは、少なくとも21日間、又は最長28日間の期間中、毎日の経口投与により対象に提供される。或る特定の実施形態において、対象は初COC使用者である。代替実施形態において、対象は、ドロスピレノンを含むCOCを以前に使用したことがある対象、COCの種類を変更したことがある対象、又は4週間より長い間COCの使用を中断した対象である。
限定するものではないが、「予測する」又は「予測」は、概して、疾患、病態、又は(有害)副作用の臨床症候を、(いまだ)全く又は限定的にしか示していない対象における、該疾患若しくは病態の、記載、告知、表明、又は予報を指す。対象における疾患、病態、又は有害作用の予測は、該対象が該疾患、病態、又は(有害)副作用を、例えば、或る特定期間、或る年齢、或る種の医薬、すなわち本発明の文脈では避妊薬を摂取する或る特定時間枠の中で、発症する可能性、機会、又はリスクを示す場合がある。この可能性、機会、又はリスクは、任意の適切な定性的又は定量的表現で示すことができ、定量的表現の限定ではなく例として、絶対値、範囲、又は統計が挙げられる。あるいは、可能性、機会、又はリスクは、適切な対照である対象又は対照である対象の群(すなわち対照である対象の集団)に相対させて(例えば、一般的、正常、又は健康な対象又は対象集団に相対させて)示すことができる。したがって、対象が疾患、病態、又は(有害)副作用を発症するという任意の可能性、機会、又はリスクは、有利なことに、適切な対照である対象若しくは対象の群に対する、又はベースライン値に対する、増加若しくは減少として、上方制御若しくは下方制御として、又は増加倍率若しくは減少倍率として示すことができ、ベースライン値は、対照である対象(集団)、参考図書の基準値いずれかに由来することができる。明白であることは、対象集団を使用してベースライン値を定義する場合、該ベースライン値は、集団の1種以上の値(パラメーター)の中心寸法、例えば、該値の平均又は中央値になるということである。本明細書中に記載されるとおりの病態、疾患、又は(有害)副作用の「予測」という用語は、対象がそれらについて「陽性の」予測を有する、すなわち、対象にはそれらを有するリスクがある(例えば、そのリスクは、対照である対象又は対照的若しくは総合的対象集団と比べて有意に上昇している)ということを特に意味する場合もある。
「~と診断される」、「診断する」、及び診断は、症状及び兆候に基づいて及び/又は様々な診断手順の結果(例えば、診断される疾患若しくは病態の1種以上のバイオマーカー又は診断される疾患若しくは病態を特徴付ける臨床症状の、存在、不在、及び/又は量を知ること等)から、対象において、疾患、病態、又は(有害)副作用を、認識する、そうであると決定する、又はそうであると結論づけるプロセスを示す。対象において本明細書中に教示されるとおりの疾患、病態、又は(有害)副作用を「診断する」ということは、その対象がそのような疾患又は病態を有することを特に意味する場合もある。対象は、そのような疾患又は病態を連想させる通常の症状又は兆候を1つ以上呈しているにも関わらず、それらを有していないと診断される場合もある。
当業者なら分かるだろうが、疾患、病態、又は(有害)副作用をモニタリングすることで、該疾患、病態、若しくは(有害)副作用の発生を予測することが可能になる、又は疾患、病態、若しくは(有害)副作用の進行、増悪、軽減、若しくは再発を、若しくは治療に対する若しくは他の外部若しくは内部要因、状況、若しくはストレス要因等に対する反応をモニタリングすることが可能になる場合がある。そのうえさらに、モニタリングは、対象の医療処置の過程において適用することができる。そのようなモニタリングは、例えば、患者が管理された臨床又は保健診療環境から退院してもよいかどうか、処置若しくは治療の変更が必要かどうか、又は(更なる)入院が必要かどうかの決断において、含まれる場合がある。
或る特定の実施形態において、対象において、ドロスピレノンを含むCOCの使用に関連した血清遊離テストステロン濃度の低下を低減するのに使用される、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬キットが意図される。更なる実施形態において、避妊薬キット及びCOCは、少なくとも6サイクルの間使用される。「遊離テストステロン濃度低下」は、本文脈で使用される場合、遊離テストステロン血清中濃度レベルの低下、又は複数の対象が検討される場合の遊離テストステロン血清中濃度レベルの低下の中央値を指す。更なる実施形態において、該遊離テストステロン血清中濃度の低下は、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを使用している対象と比較した場合、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象において10%低減される。更なる実施形態において、該遊離テストステロン血清中濃度低下は、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを同一サイクル回数の間使用している対象と比較した場合、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象において、12%、好ましくは14%、好ましくは15%、好ましくは16%、好ましくは18%、好ましくは20%低減される。
或る特定の実施形態において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象の遊離テストステロン血清中濃度は、その対象の該COC使用前の遊離テストステロン血清中濃度が0.20 ng/dL~0.80 ng/dLである場合に、約0.09 ng/dL~0.20 ng/dLである。或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象の遊離テストステロン血清中濃度低下は、その対象の該COC使用前の遊離テストステロン濃度が0.100 ng/dL~1.0 ng/dLである場合に、約0.09 ng/dL~0.60 ng/dLである。或る特定の実施形態において、エストロゲン成分であるエチニルエストラジオールを有するCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象における遊離テストステロン血清中濃度の中央値は、約0.086 ng/dLであり、本明細書中に記載されるとおりのCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象における遊離テストステロン血清中濃度の中央値は、約0.20 ng/dLである。
或る特定の実施形態において、遊離テストステロン濃度は、ベースライン値の少なくとも25%、好ましくは少なくとも30%、好ましくは少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%であり、該ベースライン値は、ドロスピレノンを含むCOC使用前の該対象における遊離テストステロン血清発現レベルである。或る特定の実施形態において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象の遊離テストステロン血清中濃度低下は、ベースライン値の89%~50%である。複数の対象が検討される更なる実施形態において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCの遊離テストステロン血清中濃度低下は、中央値がベースライン値の71%である。或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象の遊離テストステロン血清中濃度低下は、ベースライン値の80%~0%である。複数の対象が検討される更なる実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCの遊離テストステロン血清中濃度低下は、中央値がベースライン値の50%である。或る特定の実施形態において、ベースライン値は、どのようなCOCも使用する前の遊離テストステロン濃度の中央値であり、当業者には明白であることだが、ベースライン値は、対象間の変動性故に変動的になる。限定ではなく案内として、適切なテストステロン血清中濃度ベースライン値は、約0.10 ng/dL~約1.20 ng/dLの任意の値、例えば、約0.10 ng/dL、約0.20 ng/dL、約0.35 ng/dL、0.50 ng/dL、0.80 ng/dL、1.00 ng/dL等が可能である。或る特定の実施形態において、遊離テストステロン血清中濃度は、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用する場合、該対象において、少なくとも0.09 ng/dL、好ましくは少なくとも0.20 ng/dLである。或る特定の実施形態において、遊離テストステロン血清中濃度は、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用する場合、該対象において、少なくとも0.09 ng/dL、好ましくは少なくとも0.20 ng/dLである。
「遊離テストステロン」又は「遊離T」は、本明細書中で使用される場合、アルブミン及び性ホルモン結合グロブリン(SHBG)をはじめとするタンパク質に結合していないテストステロンを指す。遊離テストステロンは、標的組織細胞の細胞質に輸送され、そこでアンドロゲン受容体に結合することができる、又は細胞質酵素5α-レダクターゼにより還元されて5α-ジヒドロテストステロン(DHT)になることができる(Goldman et al., A Reappraisal of Testosterone's Binding in Circulation: Physiological and Clinical Implications, Endocrine Reviews, 2017)。COCは、アンドロゲン、特にテストステロン(遊離テストステロン及び全テストステロン)のレベルを低下させることが、当該技術分野で開示されている。女性対象において循環テストステロンの約65%~70%がSHBGに結合されて不活性化し、約30%~35%がアルブミンに結合し、したがって遊離テストステロンは、約0.5%~3%で存在すると述べられている。対象(の試料)中の遊離テストステロンを測定する適切な方法は、当該技術分野で多数記載されており、そのような方法として、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析法(LC-MS/MS)、平衡透析、免疫アッセイが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、女性対象(の試料)中の遊離テストステロンレベルは、全テストステロン、SHBG、及びアルブミン濃度から導き出される場合がある。
本明細書中で使用される「ベースライン値」という用語は、当該技術分野で一般的に受け入れられる意味を有すると解釈されるべきである。ベースライン値は、医薬分野において、実験若しくは試験開始前の、対象(の試料)における値を表す、又は対象集団について当該技術分野で既知である基準値である場合さえある。ベースライン値の使用により、当業者は、ベースライン値を確立させてあるパラメーターに影響を与える1つ以上の介入による、経時的な変化を表現することが可能になる(Chiolero et al., Assessing the Relationship between the Baseline Value of a Continuous Variable and Subsequent Change Over Time, Front Public Health, 2013)。本明細書の文脈において、特に指定がない限り、介入は、COCの投与である。
或る特定の実施形態において、対象におけるドロスピレノンを含むCOCの使用に関連したQT間隔延長のリスクの低減、好ましくはQT間隔の平均及び/又は中央値が5 ms超延長されるリスクを低減することによるそのような低減に使用される、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬キットが企図される。更なる実施形態において、避妊薬キット及びCOCは、少なくとも6サイクルの間使用される。「QT間隔延長のリスク」は、本開示の文脈において、COCを使用することにより、QT間隔(の平均又は中央値)の延長が対象で観察される機会であると見なされる。或る特定の実施形態において、該対象にQT間隔延長が起こるリスクは、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを使用する対象と比較した場合、本明細書中に記載されるE4/DRSP COCを使用する対象において、10%、好ましくは25%、好ましくは30%、好ましくは40%、好ましくは50%、好ましくは60%、好ましくは75%、好ましくは90%、より好ましくは100%低減する。或る特定の実施形態において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象の平均QT間隔は、間隔の平均及び/又は中央値で5 ms~15 ms、好ましくは5 ms~10 ms延長されるが、一方、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象のQT間隔は、間隔の平均及び/又は中央値で0 ms~5 ms延長される。或る特定の実施形態において、QT間隔は、対象の心電図においてQ波の開始とT波の終了との間の時間(の平均及び/又は中央値)が、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の該対象のQT間隔と比較した場合に、少なくとも5ミリ秒延長している場合に、延長していると見なされる。更なる実施形態において、QT間隔は、対象の心電図においてQ波の開始とT波の終了との間の時間が、COCを使用する前の該対象のQT間隔と比較した場合に、少なくとも6ミリ秒、好ましくは少なくとも7ミリ秒、好ましくは少なくとも8ミリ秒延長している場合に、延長していると見なされる。
或る特定の実施形態において、ベースラインQT間隔から本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用した後の平均QT間隔までの延長(lengthening)による差は、ベースラインQT間隔から、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用した後の平均QT間隔までの延長(lengthening)による差よりも、4単位~10単位短く、好ましくは5単位~10単位短く、好ましくは5.5単位~10単位短い。或る特定の実施形態において、ベースラインQT間隔から本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用した後のQT間隔中央値までの延長(lengthening)による差は、ベースラインQT間隔から、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用した後の平均QT間隔までの延長(lengthening)による差よりも、8単位~15単位短く、好ましくは8単位~12単位短く、好ましくは7単位~10単位短い。
「QT間隔」は、本明細書中で使用される場合、心電図から導くことが可能なパラメーターを指し、Q波の開始からT波の終了までの時間を記載する。QT間隔は、対象の心臓が、心室の収縮開始から、該心室の拡張期の終了まで移行するのに要する(およその)時間を示す。代替語句として、QT間隔は、心室が収縮を開始した時点から、拡張を終了する時点までに要した時間に等しい。QT間隔の長さは、複合心電図(electrocardiogram complex)において様々な方法により手作業で測定することができ、そのような方法として、接線法及び閾値法が挙げられる。接線法では、T波が心電図の等電ベースラインと交差する(すなわち重なる)点を定めることにより、T波の終了を特定する。閾値法では、最大下降傾斜点でT波から外挿した接線が等電ベースラインと交差する点により、T波の終了を特定する(Panicker et al., Intra- and interreader variability in QT interval measurement by tangent and threshold methods in a central electrocardiogram laboratory, J Electrocardiol, 2009)。
QT間隔の長さは、心拍数と逆相関するため(すなわち、心拍数が速いほど、短いQT間隔を反映する)、QT間隔は、様々な補正式を用いて心拍数の差を補正することができ、そのような補正式として、例えば、バゼット補正式、フリデリシア補正式、Sagie補正式、及びFramingham補正式があるが、これらに限定されない。一般に、QT間隔が長いほど、対象に心臓突然死が起こる機会が増える(Algra et al., QTc prolongation measured by standard 12-lead electrocardiography is an independent risk factor for sudden death due to cardiac arrest, Circulation, 1991)。或る特定の実施形態において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクル使用している対象のフリデリシア補正式によるQT間隔(本明細書中以下、QTcF間隔と示す)の平均は、間隔の平均及び/又は中央値で3 ms~10 ms、好ましくは3 ms~8 ms、好ましくは約4 ms延長されるが、一方、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象のQTcF間隔は、間隔の平均及び/又は中央値で0 ms~3 ms、好ましくは0 ms~2.5 ms延長される。或る特定の実施形態において、ベースラインQTcF間隔から本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用した後の平均QTcF間隔までの延長(lengthening)による差は、ベースラインQTcF間隔から、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用した後の平均QTcF間隔までの延長(lengthening)による差よりも、2単位~5単位短く、好ましくは2.5単位~4単位短く、好ましくは約2.8単位短い。或る特定の実施形態において、ベースラインQTcF間隔から本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用した後の中央値QTcF間隔までの延長(lengthening)による差は、ベースラインQTcF間隔から、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用した後の中央値QTcF間隔までの延長(lengthening)による差よりも、1単位~4単位短く、好ましくは1単位~3単位短く、好ましくは1.5単位~2.5単位短い。
或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象におけるQT間隔延長の平均及び/又は中央値は、プロゲストーゲン成分として等有効量のドロスピレノンとエストロゲン成分としてエチニルエストラジオールとを含むCOCを使用している対象におけるQT間隔延長の平均及び/又は中央値それぞれよりも、20%短く、好ましくは25%短く、好ましくは30%短く、好ましくは35%短く、好ましくは40%短く、より好ましくは45%短く、最も好ましくは50%短い。或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象におけるQTcF間隔延長の平均及び/又は中央値は、プロゲストーゲン成分として等有効量のドロスピレノンとエストロゲン成分としてエチニルエストラジオールとを含むCOCを使用している対象におけるQTcF間隔延長の平均及び/又は中央値それぞれよりも、20%短く、好ましくは25%短く、好ましくは30%短く、好ましくは35%短く、好ましくは40%短く、より好ましくは45%短く、最も好ましくは50%短い。
或る特定の実施形態において、エステトロールは、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象において、ドロスピレノン誘導型QT間隔延長(lengthening)に対抗作用することにより、QT間隔延長を阻害する。当業者なら、プロゲストーゲンが一般的に、対象のQT間隔の長さを短縮させることに気づくものの、ドロスピレノンは特に、QT間隔の長さに反対の影響を発揮する(すなわち、ドロスピレノンはQT間隔延長を誘導し、このことは、特にSalem et al., Association of Oral Contraceptives With Drug-Induced QT Interval Prolongation in Healthy Nonmenopausal Women, JAMA Cardiology, 2018において検討されている)。或る特定の実施形態において、エステトロールは、対象において、ドロスピレノン誘導型QT間隔延長(lengthening)を無効化することにより、QT間隔延長を阻害する。ドロスピレノン誘導型QT間隔延長(prolonging)効果が本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COC中のエステトロールにより無効化される更なる実施形態において、エステトロールのエストロゲン性は、該COCを使用している対象において生じるQT延長の唯一の要因である。ドロスピレノン誘導型QT延長(prolonging)効果が本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COC中のエステトロールにより無効化される代替実施形態において、エステトロールの抗アンドロゲン性は、該COCを使用している対象において生じるQT延長の唯一の要因である。「抗アンドロゲン性」は、テストステロン、ジヒドロテストステロン等のアンドロゲンが対象において生物学的効果を発揮することを阻止する分子能力を示す。抗アンドロゲン薬は、アンドロゲン受容体への結合を阻害すること、及び/又は1種以上のアンドロゲン自体の産生を抑制することのいずれかを通じて機能することができる。抗アンドロゲン薬は、一般に、アンドロゲン受容体アゴニストの機能的対立物と見なされる。一般に、抗アンドロゲン性は、エストロゲン性と関連する可能性がある。
或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCは、プロゲストーゲン成分として等有効量のドロスピレノンとエストロゲン成分としてエチニルエストラジオールとを含むCOCを使用している対象と比較した場合、QT間隔に対するエストロゲン関連効果が低下している。エストロゲンは、一般に、COCを使用している対象におけるQT延長の原因であることが、当該技術分野で開示されている(Salem et al., Influence of steroid hormones on ventricular polarization, Pharmacology & Therapeutics, 2016)。更なる実施形態において、エストロゲン関連効果は、QT間隔の延長、好ましくは、IKr及び/又はIKsチャネル電流のエストロゲン介在型抑制によるQT間隔延長である。当業者には当然のことながら、心臓(cardiac)再分極は、瞬時活性型(IKr)及び緩徐活性型(IKs)遅延整流性カリウムチャネルにより制御されており、これらチャネルのいずれにおける減少も、QT延長を引き起こし、場合によってはQT延長症候群の発症を引き起こす可能性がある。QT延長症候群は、突然の心停止の高いリスクを特徴とする心臓障害である(Chiamvimonvat et al., Potassium currents in the heart: functional roles in repolarization, arrhythmia and therapeutics, J Physiol, 2017)。或る特定の実施形態において、IKr及び/又はIKsチャネル電流のエストロゲン介在型抑制は、以下からなる群より選択されるエストロゲンのエストロゲン介在型抑制よりも、25%少なく、好ましくは50%少なく、好ましくは75%少ない:エチニルエストラジオール、エストラジオール、及びエストロゲン。更なる実施形態において、エステトロールの効果を比較する対象であるエストロゲンは、エチニルエストラジオールである。更なる実施形態において、エストロゲン関連効果は、QT間隔の延長、好ましくは、IKr、IKs、及び内向き整流性チャネル(IK1チャネル)電流のエストロゲン介在型抑制によるQT間隔の延長である。QT間隔の形成におけるIK1チャネルの役割は、当該技術分野で開示されている(Dhamoon and Jalife, The inward rectifier current (IK1) controls cardiac excitability and is involved in arrhythmogenesis, Heart Rhythm, 2005)。
或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりの避妊薬キットは、対象において、ドロスピレノンとエチニルエストラジオールとを含むCOCの使用に関連したC反応性タンパク質血清中濃度レベルの上昇を低減させる又は上昇を阻止するための使用を意図する。本明細書中で意図するとおり、C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、該レベルがベースライン値よりも10%高い、好ましくは15%高い、好ましくは20%高い、好ましくは25%高い、好ましくは30%高い場合に上昇したと見なされ、該ベースライン値は、COCを使用する前の該対象におけるC反応性タンパク質血清中濃度レベルである。当業者なら分かるだろうが、ベースライン値のC反応性タンパク質濃度レベルは、個々の対象に起因するか、又は1つ以上の参考図書の基準値に基づくものである。限定ではなく案内として、CRPの適切なベースライン値は、0.100 mg/dL(1.00 mg/L)である。或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用した対象では、ベースライン値に照らして、C反応性タンパク質血清中濃度の0%の中央値上昇が観察され、一方で、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用した対象では、C反応性タンパク質血清中濃度の30%の中央値上昇が観察される。或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象のC反応性タンパク質血清中濃度は、上昇が、ベースライン値の、及びエストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを少なくとも6サイクルの間使用している対象のC反応性タンパク質血清中濃度の1.5倍より小さい。或る特定の実施形態において、C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している場合、該対象において1.75 mg/L未満である。或る特定の実施形態において、C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを少なくとも6サイクルの間使用している対象において、2.00 mg/L未満である。更なる実施形態において、C反応性タンパク質血清中濃度は、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを、好ましくは少なくとも6サイクルの間、使用している場合、該対象において、1.75 mg/L未満、好ましくは1.5 mg/L未満である。本発明のCOCを使用することで、DRSPとE4以外の別のエストロゲンとを含むCOCの長期及び連続使用に関連したCRPレベル上昇のリスクが低減する。典型的には、一定期間の炎症を起こしていない健康対象におけるCRPレベルは、2 mg/L血清未満であり、本発明のCOCの連続使用は、一定期間の炎症を起こしていない該健康対象におけるこの閾値を超えるCRPレベルの実質的上昇をもたらさない。
C反応性タンパク質は、当該技術分野で詳細に記載されてきており、これは、血清中に存在する五量体タンパク質である。C反応性タンパク質循環濃度は、炎症に反応して高まる、すなわち上昇することが知られている。C反応性タンパク質レベルの上昇は、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)に関連するとされてきた。しかしながら、C反応性タンパク質が炎症刺激に対する急性期応答を示す非特異的マーカーであるか否か、又はC反応性タンパク質がASCVDの臨床像における直接関係するものであるか否かについては、まだ結論が出ていない。当該技術分野で一般的に受け入れられていることとして(注:2019 ACC/AHA Guideline on the Primary Prevention of Cardiovascular Disease: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines)、C反応性タンパク質血清中濃度レベルは、心臓障害リスク分類に照らして、異なるカテゴリーに分類することができる:低リスクカテゴリー(2 mg/L未満)、中~高リスク(2 mg/L以上)。かくして、好適な実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象において観察されるC反応性タンパク質血清中濃度は、低リスクカテゴリー濃度レベルに相当する。対象(の試料)中のC反応性タンパク質レベルを測定する常用アッセイが利用可能であり、そのようなアッセイとして、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)等の免疫アッセイ法及び比濁法が挙げられるが、これらに限定されない。自明であるのは、本明細書中に開示されるとおりのC反応性タンパク質濃度の変化が、1回投薬後、又は更には限定された回数の1日量の後でさえ、小規模であるということである。それでもなお、長期間にわたり、E4/DRSP COCを使用している場合のC反応性タンパク質の増加は、本明細書全体を通じて比較対象となっているエチニルエストラジオールとドロスピレノンとを含むCOCを使用している場合のC反応性タンパク質の増加よりも顕著に低くなる。かくして、E4/DRSP COCを使用している対象におけるC反応性タンパク質増加の低減は、該対象に投与されてきた1日量の投薬単位を増加させると、より顕著になる。このことの長期的効果は、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCを使用している対象が低心血管リスク群に分類されるということである。例えば、最初は低リスクプロファイル(2 mg/L未満)を示している対象は、EE/DRSP COCを使用する同一対象と比較した場合、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCの(長期)使用に際して、同一リスク群に居続ける方により大きく変化することになる。EE/DRSPレジメンにおいて、対象は、C反応性タンパク質濃度の上昇が起きる見込みがより高く、これにより、リスクカテゴリーが低リスクから中~高リスク(2 mg/L以上)へと変化する。
同じく意図されるのは、ドロスピレノンを含むCOCを使用中の対象において、ドロスピレノンのバイオアベイラビリティを低下させるのに使用されるエステトロール含有組成物である。或る特定の実施形態において、エステトロール含有組成物は、COCと同じ避妊薬キットに含まれており、任意選択で同一パッケージ単位内に含まれている。或る特定の実施形態において、エステトロール含有組成物は、ドロスピレノンとエステトロールではないエストロゲンとを含むCOCを使用している対象に、別々の活性投薬単位として投与される。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンのバイオアベイラビリティは、エステトロールの存在により、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも15%、好ましくは少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%低下する。更なる実施形態において、該エステトロールは、該配合経口避妊薬のエストロゲン成分として機能し、ドロスピレノンは、プロゲストーゲン成分として機能する。更なる代替実施形態において、該エステトロールは、該配合経口避妊薬の主エストロゲン成分として機能し、ドロスピレノンは、主プロゲストーゲン成分として機能する。したがって、本明細書中に記載されるとおりの仕様は、本明細書中に記載されるE4/DRSP COCにおいて本明細書中に開示される量のエステトロールを、異なるエストロゲンと組み合わせる実施形態を排除せず、及び/又は本明細書中に記載されるE4/DRSP COCにおいて本明細書中に開示される量のドロスピレノンを、異なるプロゲストーゲン又はプロゲスチンと組み合わせる実施形態を排除しない。
「バイオアベイラビリティ」は、一般に認められた略号「BA」及び「F」を有しており、本明細書中で使用される場合、当該技術分野でそれの一般的に認められる意味を有すると解釈されるべきであり、かくして、或る薬物が体循環に到達し、したがってその企図する機能を発揮する可能性のある速度及び程度の表現、好ましくは定量的表現を指す。言い換えると、バイオアベイラビリティは、吸収のサブ分類の1つであり、投与された薬物の体循環に到達する割合であり、典型的にはパーセンテージ(%)で表現される。一般に認められていることとして、静脈内投与される場合、バイオアベイラビリティは100%であると見なされ、他の投与手段が使用される場合、典型的にはそれより低いバイオアベイラビリティが得られ、そうなるのは対象の初回通過効果又は初回通過代謝及び吸収代謝が主な理由である(Herman and Santos, First pass effect, StatPearls, 2019)。バイオアベイラビリティは、典型的には、血管外製剤と血管内製剤との比較により(血漿中薬物濃度)曲線下面積(AUC)から計算されるか、又はそれから導かれる。AUCは、薬物、すなわち本発明の文脈では避妊薬のバイオアベイラビリティに到達するのに好適な手段である。なぜなら、AUCは、体循環中に存在する薬物量に比例するからである。
或る特定の実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのエステトロール組成物は、ドロスピレノンを含む配合経口避妊薬を使用中の対象において、ドロスピレノンの副作用を減少させる使用を意図する。更なる実施形態において、エステトロール組成物は、該対象に、経口投与で投与される。或る特定の実施形態において、エステトロール組成物は、ドロスピレノンを含む配合経口避妊薬と同時に投与される。代替実施形態において、本明細書中に記載されるとおりのエステトロール組成物は、プロゲスチンを含む経口避妊薬、例えば、ドロスピレノンではないプロゲスチンを含み、エストロゲン成分を欠いている経口避妊薬を使用中の対象における、ドロスピレノンの副作用を減少させる使用を意図する。或る特定の実施形態において、プロゲスチン経口避妊薬(すなわち、「プロゲスチンのみの丸剤、当該技術分野の一般的略号「POP」)。或る特定の実施形態において、エステトロール組成物は、ドロスピレノンを含む配合経口避妊薬の使用に関連したC反応性タンパク質(CRP)血清中濃度レベルの上昇のリスクを低減するための使用を企図する。更なる実施形態において、E4/DRSP COCを使用している対象において、C反応性タンパク質血清中濃度の上昇は観察されない。
本発明の更なる態様は、COCのドロスピレノンの定常状態バイオアベイラビリティを、エチニルエストラジオール又はエストラジオールを含むCOCと比較した場合に少なくとも15%低下させるのに使用されるエステトロールに関する。かくして、本明細書中に記載されるとおりのE4/DRSP COCは、プロゲストーゲン成分としてのドロスピレノンとエストロゲン成分としてのエステトロールではないエストロゲンとを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、DRSPの相対的に低い定常状態バイオアベイラビリティを達成することが意図される。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンの定常状態バイオアベイラビリティは、少なくとも20%、好ましくは少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低下する。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンのバイオアベイラビリティは、エステトロールとドロスピレノンとを含むCOCを使用する場合、当量のドロスピレノンを含み、エチニルエストラジオールを約0.015 mg~約0.05 mgの量で、好ましくは約0.02 mg~約0.03 mgで含み、より好ましくは、エチニルエストラジオールの量が約0.02 mg、約0.025 mg、又は約0.03 mgである場合のCOCの定常状態バイオアベイラビリティと比較する。なおも更なる実施形態において、当量のドロスピレノンは、3 mgである。或る特定の実施形態において、ドロスピレノン定常状態バイオアベイラビリティは、全バイオアベイラビリティである。
本発明の別の態様は、ドロスピレノンを含むCOCを使用している対象において、ドロスピレノンのピーク血漿中濃度を低下させるのに使用されるエステトロールに関する。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンを含むCOCは、ドロスピレノンを約3 mgの量で含む。或る特定の実施形態において、ドロスピレノンを含むCOCは、エステトロールではないエストロゲン成分を含む。更なる実施形態において、エストロゲン成分は、エチニルエストラジオール又はエストラジオールである。或る特定の実施形態において、ドロスピレノン約3 mgを含むCOCを使用している対象におけるドロスピレノンのピーク血漿中濃度は、該対象においてバイオアベイラビリティを低下させるためにエステトロールが使用されていない場合と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低下する。或る特定の実施形態において、ドロスピレノン約3 mgを含むCOCを使用している対象におけるドロスピレノンのピーク血漿中濃度は、該対象においてバイオアベイラビリティを低下させるためにエステトロールが使用されていない場合と比較して、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%低下している。
本発明の更なる態様は、COCにドロスピレノンが使用されていることに起因する有害作用の予防又は治療のための組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)を製造するための、エステトロールの使用に関する。更なる実施形態において、ドロスピレノン含有COCを使用している対象におけるQT間隔延長の予防又は治療のための組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)を製造するための、エステトロールの使用が意図される。更なる代替実施形態において、ドロスピレノン含有COCを使用している対象における遊離テストステロン血清中レベル低下の予防又は治療のための組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)を製造するための、エステトロールの使用が意図される。なおも更なる代替実施形態において、ドロスピレノン含有COCを使用している対象におけるC反応性タンパク質レベル上昇の予防又は治療のための組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)を製造するための、エステトロールの使用が意図される。
「治療」又は「治療する」という用語は、既に発症してしまい、臨床症候をもたらしている疾患又は病態の治療的処置、例えば、既に発症しているQT延長症候群、性的機能不全(例えば、性的欲求の低下)の治療等、及び、治療の目的が、望ましくない苦痛の発生する機会を予防、減少、又は低減すること、例えば、臨床的病態又は疾患の発生、発達、及び進行を予防すること等である、予防又は防止的措置の両方として解釈されるべきである。有益な又は望まれる臨床結果として、特に制限はなく、1つ以上の症状の軽減、1種以上の生体マーカーの改善、疾患の範囲の減弱、疾患の状態の安定化(すなわち、無増悪)、病勢進行の遅延又は鈍化、疾患状態の寛解又は緩和等を挙げることができる。「治療」は、治療を受けなかった場合に予想される生存期間と比較した場合の生存期間の延長、すなわち死亡リスクの低下も意味することが可能である。
本明細書中で使用される場合、「治療的処置」又は「療法」等という用語は、目的が、対象の身体若しくは対象の身体の一部分を、望ましくない生理学的状態、疾患、若しくは障害、例えば、ドロスピレノンを含むCOCを使用することにより誘導される1種以上の有害副作用等から、望ましい状態、例えば重篤度のより低い状態へ(例えば、寛解又は緩和)、更には、その正常な健康状態へ(例えば、対象の健康、身体的完全性、及び身体的に良好であることを回復する)変更する、対象の身体若しくは対象の身体の一部分をこの望ましくない生理学的状態に維持(例えば、安定化)する(すなわち、無増悪)、又はこの望ましくない生理学的変化若しくは障害に比べてより重篤な若しくは悪化した状態へと進行するのを遅らせることである、治療を指す。測定可能な減少として、測定可能マーカー又は症状における任意の統計上有意な下落が挙げられる。統計上有意であるは、本明細書中で使用される場合、0.05未満のp値を指し、これは、当業者が認めるとおり、統計分析において一般に認められるカットオフスコアである。「治療」は、根治的治療、並びに症状を低減する、及び/又は進行を遅らせる、及び/又は疾患を安定化することを指向した治療の両方を包含する。当業者なら気づくだろうが、有効な治療的処置を達成する目的で、治療的有効用量が該対象に投与される必要がある。
「予防」又は「予防する」は、本発明の文脈で使用される場合、対象における疾患像の顕在化の回避、すなわち防止措置又は予防措置の確立を指す。予防的処置は、対象の身体又はその構成要素が、望ましくない生理学的変化又は障害の臨床症状を示すことを回避することが目的である、処置を指す。当業者なら気づくだろうが、有効な治療的処置を達成する目的で、予防的有効用量が該対象に投与される必要がある。本発明の文脈において、E4/DRSP COCは、医学的病態、疾患、又は(有害)副作用の顕在化を防ぐために対象に投与される場合があり、この医学的病態、疾患、又は(有害)副作用は、該対象が、プロゲストーゲン成分としてのドロスピレノンとエステトロールではないエストロゲンとを含むCOCを使用した場合に、該対象に発生することになる、又は発生する見込みがあるものである。
「治療上有効用量」又は「治療上有効量」という用語は、本明細書中で使用される場合、本明細書中に教示されるとおりの治療タンパク質又は治療ペプチドの量であって、投与された場合に、疾患を罹患している対象、例えば、或る特定の疾患を有するとして選択された(例えば、診断された)患者等の治療に関して陽性の治療反応をもたらす量を指す。「予防的有効用量」又は「予防的有効量」という用語は、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床医により求められるとおりの、対象における障害の発生を阻害する又は遅らせる遺伝子産物の量を指す。
本発明を、その具体的実施形態と合わせて説明してきたものの、多くの代替形態、変更形態、及び変形形態が、上記の説明に照らして当業者に明らかとなることは、明白である。したがって、そのような代替形態、変更形態、及び変形形態の全てを、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広義の範囲に従うものとして包括することが意図される。本明細書中に開示される本発明の態様及び実施形態は、以下の限定ではない実施例により更に支援される。
実施例1.DRSP(3 mg)、EE/DRSP(0.02 mg/3 mg)、E4/DRSP(15 mg/3 mg)、及びDRSP(4 mg)を含む経口避妊薬間の薬物動態プロファイルの比較
臨床試験を行い、異なるCOCの複数回用量試験後の異なる薬物動態プロファイルを評価した。DRSP単独又は異なるCOCを単回(表2)又は繰り返し(表3)経口投与した後の薬物動態パラメーターを、以下に示す。単回用量投与の結果から、E4/DRSP配合剤は、エチニルエストラジオール含有COC(EE/DRSP COC)と比較した場合に、同様なCmax値を達成しながらも、より低いDRSP AUC値(AUC0-24:224 ng・h/mL対268 ng・h/mL~288 ng・h/mL;AUCinf:358 ng・h/ml~444 ng・h/ml対458 ng・h/ml)を示したと、推論することができる。更により顕著な差異が、複数回用量投与スキームのE4/DRSPとEE/DRSPとの間で見られる(AUC0-24:442 ng・h/ml~519 ng・h/ml対763 ng・h/ml~827 ng・h/ml)。AUC値は、避妊効果を達成するのに十分であったが、EE/DRSP COCに比べて相対的に低いAUCは、観察される(有害)副作用という点で改善に寄与する可能性がある(実施例2及び実施例3で更に検討する)。
表2.DRSPを単独で又はエストロゲン(EE及びE4)と組み合わせて単回経口投与した後の薬物動態パラメーター。AUC:血漿中濃度対時間曲線下面積、AUC0-24:0時点から投薬24時間後までのAUC、AUC0-inf:0時点から無限遠の時点までのAUC、Cmax:最大血漿中濃度、1幾何平均(変動係数[CV]%)、DRSP:ドロスピレノン、E4:エステトロール、EE:エチニルエストラジオール、ND:データなし。比較目的のため、この表ではコーカサス人対象のデータのみを報告している。*Blode et al., Pharmacokinetics of drospirenone and ethinylestradiol in Caucasian and Japanese women, Eur J Contracept Reprod Health Care, 2012, Table 2, Study 1/3。**MIT-Es0001-C103/C101/C109/C110:本発明者らが実施した臨床試験。
Figure 2023526580000004
表3.DRSPを単独で又はエストロゲン(EE及びE4)と組み合わせて繰り返し経口投与した後の薬物動態パラメーター。AUC=血漿中濃度対時間曲線下面積、AUC0-24=0時点から投薬24時間後までのAUC、AUC0-inf=0時点から無限遠の時点までのAUC、Cmax=最大血漿中濃度、GM CV=幾何平均の変動係数、DRSP=ドロスピレノン、E4=エステトロール、EE=エチニルエストラジオール、GM=幾何平均、ND=データなし。試験実施者により得られたデータと比較する目的のため、この表ではコーカサス人対象のデータのみを報告した。*Richter et al., Comparative pharmacokinetic estimates of drospirenone alone and in combination with ethinyl estradiol after single and repeated oral administration in healthy females, Contraception, 2020)**Blode et al., Pharmacokinetics of drospirenone and ethinylestradiol in Caucasian and Japanese women, Eur J Contracept Reprod Health Care, 2012, Table 2, study 3。***Wiesinger et al., Pharmacokinetic interaction between the CYP3A4 inhibitor ketoconazole and the hormone drospirenone in combination with ethinylestradiol or estradiol, Br J Clin Pharmacol, 2015, Table 4。**MIT-Es0001-C103/106:本発明者らが実施した臨床試験。
Figure 2023526580000005
実施例2.エステトロール(E4)15 mg及びドロスピレノン(DRSP)3 mgを含有する配合経口避妊薬(COC)と、エチニルエストラジオール(EE)0.02 mg及びDRSP 3 mgを含有するCOCとの間のバイオアベイラビリティ比較試験(単回用量試験)
2.1.試験の概念及び目的
健康な女性ボランティアでの、エステトロール(E4)15 mg及びドロスピレノン(DRSP)3 mgを含有する配合経口避妊薬(COC)(すなわち治療A)と、エチニルエストラジオール(EE)0.02 mg及びDRSP 3 mgを含有するCOC(Yaz(商標)又はYasmin(商標)、すなわち治療B)との間の、非盲検、単回用量、無作為割付、2期、2治療、2方向クロスオーバー、バイオアベイラビリティ比較試験。
この試験の主要目的は、E4/DRSPの15/3 mg配合剤(試験品)及びエチニルエストラジオール(EE)/DRSPの0.02/3 mg配合剤(標準品)の単回経口用量を絶食条件下で投与した後のDRSP吸収の速度及び程度を比較することであった。この試験の副次目的は、健康な女性ボランティアにおけるE4/DRSPの15/3 mg配合剤及びEE/DRSPの0.02/3 mg配合剤の単回経口用量の総合安定性を評価することであった。対象は、Quotient Sciencesが募集したボランティアパネルから選択し、最長で投与の28日前に、試験参加者をスクリーニングした。適格基準及び除外基準の詳細については、試験番号MIT-Es001-C112(QSC203723)の一般公開された臨床試験報告が参照される。
2期2方向クロスオーバー計画は、対象内での比較を可能にし、可能性のある時期効果の影響を低減させたことから、2種の異なる治療のPKを比較するのに最も適したものであった。この試験の計画は、バイオアベイラビリティ試験の実施に関する米国食品医薬品局(FDA)の推奨に沿ったものであった(U.S. Department of Health and Human Services Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research, Guidance for Industry; Bioavailability and Bioequivalence Studies Submitted in NDAs or INDs - General Considerations, March 2014)。対象は、任意の時点で任意の理由により同意撤回することが認められていた。対象は、リスク/ベネフィット比が許容できなくなるような性質の効果が出現した場合、服薬遵守に乏しい場合、又はプロトコル違反の場合、治験責任医師による中断が行われる可能性がある。このPK試験の場合、対象は、採血が困難な場合にも中断が行われる可能性がある。
対象は、期間1の1日目に第一治療(無作為割付に応じて、治療A又は治療B)が投与された。少なくとも14日間の期間(ウォッシュアウト)後、対象は、期間2の1日目に第二治療(治療B又は治療A)が投与された。各投薬後、対象は、最長5日間で定期的にPK測定用に採血された。
本明細書により強調されることは、このセクション(セクション2)で記載される試験が、単回用量試験だということである。或る種のパラメーターは、複数回用量試験においてより統計的関連性の高い結果をもたらすことになることが明白であり、それについてはセクション3で概要を述べる。そうであっても、本明細書中で達成された或る特定の傾向、例えば低下したDRSP AUC値等は、単回用量投与の薬物動態プロファイルの分析後でさえ既に明らかである。したがって、実施例2の結果は、実施例1、実施例3、及び実施例4に記載される複数回用量試験の妥当性に影響しない。
2.2.薬物動態測定
2.2.1.試料採取-DRSPバイオアナリシス
静脈血試料を、4.0 mLナトリウムヘパリン管に採取した。管を、8回~10回、穏やかに上下反転させて、抗凝固剤と混合させた。混合後直ちに、管を氷浴に入れて貯蔵し、4℃未満、1500 gで10分間、遠心した。ここまで収集から60分以内であった。遠心後直ちに、分離した血漿の一定分量を、貯蔵用クライオチューブに移し入れた。治療Aの場合、それぞれ分量およそ0.5 mLを含む血漿試料を3本作成した。治療Bの場合、2本の血漿試料を作成し、一方は分量およそ0.5 mL及び他方はおよそ1.0 mLとした。管に直ちに蓋をし、直立した状態で冷凍庫中-20 ℃(±5℃)で輸送するまで貯蔵した。試料採取から輸送まで90分以内であった。
2.2.2.分析方法
採血の正確な時間をソースワークブック(source workbook)に記録し、実際の採取時間をPK分析に用いた。血漿中のDRSPの特定は、バリデーションされた液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)法を用い、経済協力開発機構(OECD)医薬品安全性試験実施基準(GLP)原則(OECD principles on Good Laboratory Practice; ENV/MC/CHEM(98)17. 1998.)で同定されている、この種類の試験に適用可能なGLP要件に従って、行った。
2.3.薬物動態結果及び統計評価
統計分析結果を、表4に示す。
表4 薬物動態値の統計評価。健康な女性対象に、DRSPのE4との配合剤(E4/DRSPの15/3 mg試験製剤)及びEEとの配合剤(EE/DRSPの0.02/3 mg[Yaz(商標)]標準製剤)を単回経口投与した後の、DRSPの幾何平均(幾何CV%)血漿薬物動態パラメーター。Tlag:最初の測定可能な濃度になるまでの時間。Tmax:観察された最大濃度到達時間。Tlast:測定可能な濃度であった最後の時間。Cmax:観察された最大濃度。AUC0-24:0時点から投与後24時間までのAUC。AUC0-tlast:0時点から測定可能な濃度であった最後の時間までのAUC。AUC0-inf:0時点から無限遠に外挿されたAUC。
Figure 2023526580000006
表4:薬物動態値の統計評価
薬物動態値の統計評価の場合、相対バイオアベイラビリティ(Frel)は、式(III)に従って、表4.1から計算することができる:
Figure 2023526580000007
式(III)
Frel={(AUC又はCmax(試験))/(AUC又はCmax(標準))}×100
表5.相対バイオアベイラビリティの評価:PK分析設定。健康な女性対象に、DRSPをE4(E4/DRSP 15/3 mg試験製剤)及びEE(EE/DRSP 0.02/3 mg[Yaz(商標)]標準製剤)と組み合わせて単回経口投与した後の、DRSPの血漿薬物動態パラメーター。(1)補正幾何平均=モデルから補正された幾何平均、(2)補正幾何平均の比は、試験/標準で表される比較である、(3)CI=補正幾何平均の比の信頼区間、(4)p値は両側検定による(差がないとする帰無仮説)、(5)CVw=対象内変動性。
Figure 2023526580000008
表5.相対バイオアベイラビリティの評価:PK分析設定
結果は、E4/DRSPの15/3 mg試験製剤のDRSPの総合曝露レベルの平均が、AUC0-tlastにより測定した場合、EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤の92.11%であったことを示す。90%CIの下限及び上限は、相対バイオアベイラビリティの真の測定が88.68%未満又は95.68%超であることはあり得ないことを示す。AUC0-tlastにおける治療間の差は、統計上有意であった(p=0.001)。時期効果(すなわち、期間1に比べて期間2における曝露レベルがわずかに高い)は、10%レベルでは統計上有意であった(p=0.037)が、順序効果は統計上有意でなかった(p=0.46)。期間1から期間2への持ち越し効果はどのようなものについても何の証拠もなかった、すなわち、期間2の全ての投薬前濃度は、定量化できなかった。
AUC0-infについて、AUC0-tlastと類似した結果パターンが得られた。すなわち、E4/DRSPの15/3 mg試験製剤のDRSPの総合曝露レベルの平均が、AUC0-infにより測定した場合、EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤の91.65%であった。90%CIの下限及び上限は、相対バイオアベイラビリティの真の測定が87.89%未満又は95.56%超であることはあり得ないことを示す。AUC0-infにおける治療間の差は、統計上有意であった(p=0.002)。時期効果(すなわち、期間1に比べて期間2における曝露レベルがわずかに高い)は、10%レベルでは統計上有意であった(p=0.010)が、順序効果は統計上有意でなかった(p=0.40)。
2.4.薬物動態及び統計に関する検討
EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤としてDRSPを単回経口投与した後、DRSPは、迅速に吸収され、tmax中央値は、1.50時間に来た。DRSPの幾何平均終末t1/2は37.73時間であったが、これは、以前に観察されたものと一致する(Estetra SPRL. Clinical Study Protocol: An open-label, single dose, randomized, two-period, two-treatment, two-way crossover, comparative bioavailability study between a combined oral contraceptive (COC) containing estetrol (E4) 15 mg and drospirenone (DRSP) 3 mg and a COC containing ethinylestradiol (EE) 0.02 mg and DRSP 3 mg (Yaz (R)) in healthy female volunteers. Version 1.1. 18 December 2019)。
E4/DRSPの15/3 mg試験製剤の投与は、EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤と比較して、DRSP吸収に何の変化も示さず、tmax中央値は2.00時間であった。DRSPの排出は、E4/DRSPの15/3 mg試験製剤において変化せず、幾何平均終末t1/2は38.20時間であった。
曝露に関する変動性は、治療間で類似しており、両治療にまたがって幾何平均CV%は、Cmaxについて22.4%~25.0%、AUCについて20.5%~28.0%の範囲であった。
E4/DRSPの15/3 mg試験製剤の投与後のDRSPへのピーク血漿曝露は、Cmaxに基づくと、EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤に相当するものであり、得られる相対バイオアベイラビリティ(90%CI)は97.26%(88.63%、106.72%)であった。このことは、統計上有意差がなかったことを裏付ける。
E4/DRSPの15/3 mg試験製剤投与後のAUC0-tlast及びAUC0-infに基づく総合曝露は、EE/DRSPの0.02/3 mg(Yaz(商標))標準製剤よりも低く、値の差は、統計上有意であって、比(90%CI)は、それぞれ92.11%(88.68%、95.68%)及び91.65%(87.89%、95.56%)であった。注目すべきは、正式な統計分析の結果に関連する対象内変動性が非常に低かったことで、このことは、治療間の比較的小さい差をもたらし、時期は統計上有意であると認定される。時期効果は、結果又は結論の総合解釈に影響を及ぼすとは見なされなかった。
実施例3.エステトロール(E4)15 mg及びドロスピレノン(DRSP)3 mgを含有する配合経口避妊薬(COC)と、エチニルエストラジオール(EE)0.03 mg及びDRSP 3 mgを含有するCOCとの間のバイオアベイラビリティ比較試験(単回用量及び複数回用量試験)。
3.1.試験の概念及び目的
健康な女性ボランティアでの、エステトロール一水和物(E4)15 mg及びドロスピレノン(DRSP)3 mgを含有する配合経口避妊薬(COC)と、エチニルエストラジオール(EE)0.03 mg及びDRSP 3 mgを含有するCOC(Yasmin(商標))との間の、非盲検、単回用量及び複数回用量、無作為割付、2期、2治療、2方向クロスオーバー、バイオアベイラビリティ比較試験。
この試験の主要目的は、E4/DRSPの15/3 mg配合剤(試験品)及びEE/DRSPの0.03/3 mg配合剤(標準品)を、絶食条件下、単回投薬及び14日間複数回投薬した後のDRSP吸収の速度及び程度を比較することである。複数回用量投与の場合、最終投与のみ(薬物動態[PK]測定前)を、絶食条件下で行うものとする。この試験の副次目的は、健康な女性ボランティアにおけるE4/DRSPの15/3 mg配合剤及びEE/DRSPの0.03/3 mg配合剤の単回投薬及び14日間複数回投薬の総合安定性を評価することである。
試験は、最長28日間のスクリーニング期間、それぞれ24日間の2つの治療期間、及び治療期間2の最終日の追跡来診からなる。対象は、2つの治療を受けることになる:E4/DRSPの15/3 mg(治療A)及びEE/DRSPの0.03/3 mg(治療B)。治療は、順次投与されることになり、Aから開始するか(A-B)又はBから開始するする(B-A)。対象は、期間1の1日目の朝に、無作為割付けされて治療順序A-B又はB-Aを受けることになる。対象は、治療期間1の1日目に、治療A又は治療Bいずれかの単回用量1回を経口で投与されることになり、次いで、何も治療のない4日間(2日目~5日目)の後、6日目から19日目の14日間、同じ治療を受けるとことになる。少なくとも14日間のウォッシュアウト期間後、対象は、治療期間2の1日目に、他方の治療(治療B又は治療A)の単回用量1回を経口で投与されることになり、次いで、何も治療のない4日間(2日目~5日目)の後、6日目から19日目の14日間、同じ治療を受けることになる。
対象の半分を、順序A-B(治療Aに続いて治療B)を受ける方に無作為割付けし、半分を、順序B-A(治療Bに続いて治療A)を受ける方に無作為割付けする。
試験製剤(上記に示す)はどちらも、経口:単回用量:少なくとも10時間の一晩絶食後にて投与する。複数回用量:14日間の1日1回投与を、1日の同じ時刻にて、最終用量は、少なくとも10時間の一晩絶食後に摂取しなければならない。
3.2.試験評価項目(薬物動態学)
3.2.1.主要PK評価項目
以下のノンコンパートメントPKパラメーターを、E4/DRSPの15/3 mgを用いた治療後及びEE/DRSPの0.03/3 mgを用いた治療後に、DRSPについて計算する:
単回用量
最大血漿中濃度(Cmax)、
血漿中濃度対時間曲線下面積(AUC)を0時点から定量可能な濃度の最終観察時まで(AUC0-tlast)、
AUCを0時点から無限遠時点まで(AUC0-inf)。
複数回用量(最終投与後)
Cmax
AUCを0時点から24時間まで(AUC0-24)。
3.2.2.副次PK評価項目
以下のノンコンパートメントPKパラメーターを、E4/DRSPの15/3 mgを用いた治療後及びEE/DRSPの0.03/3 mgを用いた治療後に、DRSPについて計算する:
単回用量及び複数回用量(最終投与後)
Cmaxに達する時間(tmax)、
見かけの終末相消失半減期(t1/2)、
AUCを最後の測定可能な血漿中濃度だった時点から無限遠まで外挿したもの、AUC0-infのパーセンテージ(AUC%ext)として、
見かけの終末相消失速度定数(λz)、
見かけの全身クリアランス(CL/F)、
見かけの分布容積(Vz/F)。
単回用量
単回用量投与後のAUC0-24
複数回用量(最終投与後)
AUC0-tlast
AUC0-inf
定常状態での平均濃度(Cav)、
定常状態での最終投薬間隔にかかる最低濃度(Cmin)、
定常状態でのピーク値トラフ値変動(PTF%)。
また、蓄積比(RAUC)を、(AUC0-24)の定常状態対単回用量比としてコンピューター計算する。
3.2.3.安全性評価項目:
安全性は、試験治療下で出現した有害事象(TEAE)、身体検査、バイタルサイン、臨床検査試験、及び心電図(ECG)結果をモニタリングすることにより評価する。
12誘導ECGを、スクリーニング時、治療期間1の19日目及び21日目、並びに治療期間2の-1日目、19日目、及び21日目に記録する。12誘導ECGは、ETが20日目までに又は20日目に生じた場合には、ET時にも記録する。測定は、少なくとも10分間の休息期間(仰臥位)後に行う。ECG記録は、調律、心室心拍数、PR、QRS、QT、及びQTcF間隔を含むことになる。
3.2.4.PD評価項目:
PD効果は、血漿アルドステロン濃度、血漿レニン(直接レニン濃度[DRC]及び血漿レニン活性[PRA])、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシン(I及びII)、遊離テストステロン、及びCRPを、ベースラインで、及び14日間MDの最終投与後に(生濃度及びベースラインからの変化を)測定することにより評価する。PD評価は、アルドステロン、血漿レニン(DRC及びPRA)、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシン(I及びII)、遊離テストステロン、及びCRPの評価を含む。PD評価用の血液試料は、各治療期間の-1日目及び19日目の投薬前に採取する。
3.3.統計手法
連続変数は、以下の記述統計を用いて要約する:算術平均、標準偏差(SD)、最小値、中央値、最大値、変動係数(CV%)、及び対象数。また、幾何平均及び幾何平均のCV%は、DRSP血漿中濃度及びtmax以外のPKパラメーターについて計算する。
全てのカテゴリー変数の度数分布は、計数及びパーセンテージを用いて表すものとする。この試験のデータ表、記述統計、統計分析、要約表、及びグラフは、SAS(商標)ソフトウェアを用いて作成する。
DRSP濃度は、記述統計を用いて、治療及び時点ごとに要約する。DRSP濃度に基づく薬物動態(PK)パラメーターは、治療ごとに要約する。個別及び平均DRSP濃度データについては、グラフ表示も提供する。
E4/DRSPとEE/DRSPとの間でDRSPのバイオアベイラビリティを比較する目的で、自然対数変換したパラメーターを、分散分析(ANOVA)を用いて評価する。このモデルは、単回用量投与後のCmax、AUC0-tlast、及びAUC0-infに対して、並びに19日目の最終複数回投薬後のCmax及びAUC0-24に対して、別々に適用する。各PKパラメーターのモデルは、順序、順序内の対象(ランダム効果)、期間、及び治療を含む。治療間の差の平均を、それらに付随する90%信頼区間(CI)と合わせて、各パラメーターの対数変換値について推定する。CIは、ANOVAモデルから平均二乗誤差を用いて補正された平均推定値に基づく。対数尺度でコンピューター計算された差及びCIを、逆変換して、当初の尺度での各パラメーターの試験対標準比及び90%CIに対する幾何平均検定を得る。
実施例4.複数のCOCを用いた比較試験による、遊離テストステロン及びC反応性タンパク質に対する影響の評価
4.1.材料及び方法
4.1.1.試験計画
これは、健康な女性の単一施設、無作為割付、非盲検、対照、3群試験であり、Dinox BV(オランダ、フローニンゲン)で、2016年9月から2017年10月にかけて行われた(EudraCT 2016-001316-37、Clinicaltrials.gov NCT02957630)。この試験は、独立倫理委員会により承認されたものであり、全ての参加者から、試験参加前に、説明同意書を書面で得た。この試験は、ヘルシンキ宣言及びICH臨床試験実施基準に従って実施された。
この試験は、治療前サイクル(ベースライン)、続いて28日間の治療サイクルを6回、及び来診5回:スクリーニング来診、治療前/無作為割付来診、2回の治療来診(サイクル3及びサイクル6時点)、及び試験終了時来診からなるものであった。
4.1.2.試験集団
年齢18歳~50歳で体格指数(BMI)が18.0 kg/m2~30.0 kg/m2(限度値を含む)であり、自然な月経周期が35日間以下である健康な女性を、登録適格であるとした。経口避妊薬の使用が禁忌である、異常リポタンパク血症である、又は抗高脂血薬を使用している女性は、参加除外とした。ホルモン性避妊薬及びCOCと相互作用する併用薬の使用は、治療開始の2サイクル前から、及び試験治療中、不許可とした。
4.1.3.試験治療
適格対象を、以前のホルモン性避妊薬使用からの期間(試験治療開始前にホルモン性避妊薬を使用していなかったのが2サイクルであるか3サイクル以上か)及び年齢(35歳以下であるか35歳超であるか)により層別化して、治療群にわたり均等な分布を確実にした。対象を、以下の治療のうち1つに割付けた:15 mgのE4(一水和物として、無水和物14.2 mgと等価)と3 mgのDRSPとの組み合わせ(E4/DRSP)、30 mcgのEEと150 mcgのLNGとの組み合わせ(EE/LNG)、又は20 mcgのEEと3 mgのDRSPとの組み合わせ(EE/DRSP)。対象は、28日間のサイクルを6サイクル連続した間、錠剤を1日1錠摂取した。E4/DRSP治療及びEE/DRSP治療は、24日間の活性薬/4日間の偽薬レジメンで提供し、EE/LNGは、21日間の活性薬/7日間の偽薬レジメンで提供した。E4/DRSPは、製造元がHaupt Pharma(ドイツ、ミュンスター)であり、提供元がEstetra SPRL(ベルギー、リエージュ)であった。EE/LNG(Melleva(商標)150/30、Leon Farma(スペイン))及びEE/DRSP(Yaz(商標)、Bayer Healthcare(ドイツ))は、地方の薬局から入手した。試験治療は、治療前サイクル後の月経の初日に開始した。治療服薬遵守は、日記の使用により、及び返却されたパッケージをチェックすることにより検証した。
4.1.4.試験評価及びアウトカムパラメーター
この試験には、以下のアウトカムパラメーターが含まれた:
内分泌機能:プロラクチン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、遊離チロキシン(fT3)/遊離トリヨードチロニン(fT4)、ジヒドロエピアンドロステンジオン(DHEAS)、アンドロステンジオン、全テストステロン(T)、遊離T、ジヒドロテストステロン(DHT)、全コルチゾール、及びアルドステロン、
肝臓タンパク質:C反応性タンパク質(CRP)、コルチゾール結合グロブリン(CBG)、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)、チロキシン結合グロブリン(TBG)、及びアンジオテンシノーゲン。
これらのパラメーターの測定用血液試料は、ベースラインの18日目から21日目の間、並びにサイクル3及びサイクル6中に採取した。血漿試料、血清試料、及び全血試料は、分析用に中央検査室(BARC laboratories(ベルギー、ヘント))に移送した。E2評価用の血清試料は、オランダ、アッセンのABLに移送した。分析方法の詳細を、基準範囲も含めて、表6に提示する。
Figure 2023526580000009
表6.使用した分析方法の詳細及び基準範囲
*測定は、アンジオテンシノーゲンを除き全て、血清で行った。アンジオテンシノーゲンは、血漿で測定した。
4.1.5.統計分析
治験薬を少なくとも1用量投与され、少なくとも1回の治療後内分泌評価を受け、内分泌評価に影響するどのような大きなプロトコル偏差もない無作為割付対象を全員、内分泌パラメーター分析(プロトコルデータセットあたり)に含めた。パラメーターは、記述統計(n、平均、標準偏差[SD]、最小値、中央値、最大値、及び変動係数[CV])を用いて要約し、公式な統計分析は計画しなかった。
追加の予備ノンパラメトリー分析を、内分泌パラメーター及び肝臓タンパク質のベースラインからの絶対変化について行った。サイクル6のデータのみをこの分析に含めた。なぜなら、この時点が、長期治療の効果を評価するのに最も関連性があるからである。サイクル6とベースラインとの間の差を検討するため、符号順位検定を利用した。サイクル6でのベースラインからの変化における治療差を検討するため、クラスカル・ウォリス検定を利用した。この分析が差の可能性を示した場合、Dwass-Steel-Critchlow-Fligner手順を用いて治療の対比較を行った。アルファレベルは0.05に設定した。本明細書中、ベースライン及びサイクル6で得られたデータのみを報告する。
4.2.結果
4.2.1.試験集団
合計で101人の対象を無作為に分け、98人に試験治療を投与し、88人の対象が、試験を完遂させた(図1)。人口統計を表7に要約する。ベースラインでは、見かけの群差はなかった。
Figure 2023526580000010
表7.試験参加時の平均人口統計データ。BMI:体格指数。
4.2.2.内分泌パラメーター
試験中に測定したアンドロゲンパラメーターには、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン硫酸、ジヒドロテストステロン、テストステロン、遊離テストステロン、及びSHBGが含まれていた。E4/DRSP、EE/LNG、及びEE/DRSPを用いた治療は、アンドロゲン濃度の低下と関連していた。アンドロステンジオンレベル(E4/DRSPの-31.0%から最大でEE/DRSPの-49.0%まで)及び遊離Tレベル(E4/DRSPの-50.0%から最大でEE/DRSPの-71.0%まで)は、全ての治療群において低下したが、EE/DRSP治療の方が低下が大きかった。平行して、SHBGの濃度中央値の上昇が、E4/DRSP、EE/LNG、及びEE/DRSPで治療した群でそれぞれ、55%、74%、251%であることが観察された。E4/DRSP群、EE/LNG群、及びEE/DRSP群において、デヒドロエピアンドロステロンの濃度中央値の低下(-10.5%、-16.0%、-27.0%)及びジヒドロテストステロンの濃度中央値の低下(-13.0%、-25.0%、-3.5%)も観察された。コルチゾールは、EE/LNG(109.0%)及びEE/DRSP(107.0%)を用いた治療中に100%超で上昇したが、E4/DRSPでは、26.0%という軽度の上昇のみが観察された。アルドステロンレベルは、E4/DRSP(103.0%)及びEE/DRSP(179.5%)で上昇したが、EE/LNGについては、減少(-40.0%)が観察された。
表には、上記した内分泌パラメーターでベースラインからの変化が統計上有意に達した(p<0.05)ものを太字で表示する。
表8.内分泌パラメーター。ベースライン及びサイクル6での中央値(最小、最大)並びにサイクル6でのベースラインからの変化。太字の値は、追加の予備解析でベースラインからの統計上有意な変化(p<0.05)であったものを表す。CFB=ベースラインからの変化、DHEAS=ジヒドロエピアンドロステンジオン、DHT=ジヒドロテストステロン、E2=エストラジオール、FSH=卵胞刺激ホルモン、遊離T=遊離テストステロン、fT3=遊離トリヨードチロニン、fT4=遊離チロキシン、LH=黄体形成ホルモン、TSH=甲状腺刺激ホルモン。#E2のベースラインからの変化に対しては統計分析を何も行わなかった。
Figure 2023526580000011
4.2.3.肝臓タンパク質
CRP値は、EE/DRSP群では増加したが、E4/DRSP群では増加しなかった(表9)。サイクル6において、アンジオテンシノーゲンレベルは、EE/LNG及びEE/DRSPでそれぞれ170.0%及び206.5%上昇したが、E4/DRSPでは上昇はそれほど大きなものではなかった(75.0%)。同様なパターンが、CBGについても見られ、これは、EE/LNG及びEE/DRSPでそれぞれ152.0%及び140.0%上昇したが、E4/DRSPでは40.0%の上昇だった。SHBGの上昇は、EE/DRSP(251.0%)で最も高かった。EE/LNG及びE4/DRSPを用いた治療では、SHBGレベルの上昇はそれぞれ74.0%及び55.0%だった。TBGレベルは、EE/DRSP群で70.0%上昇したが、EE/LNG(37.0%)群及びE4/DRSP(17.0%)群ではそれより小さい変化が観察された。CRPの変化(0%対+30%)は、EE/DRSPに比べるとE4/DRSPではそれほど大きなものではなかった。EE/DRSPでの変化は、全てのパラメーターについて、E4/DRSPに比べてはるかに大きかった。
表9.肝臓タンパク質。ベースライン及びサイクル6での中央値(最小、最大)並びにサイクル6でのベースラインからの変化。太字の値は、予備解析で統計上有意だった変化(p<0.05)を表す。CBG=コルチゾール結合グロブリン、CFB=ベースラインからの変化、CRP=C反応性タンパク質、SHBG=性ホルモン結合グロブリン、TBG=チロキシン結合グロブリン。
Figure 2023526580000012
4.3.考察及び結論
本試験は、15 mgのE4/3 mgのDRSP配合剤を用いて6サイクルの期間実施されたが、その結果は、E4/DRSPが遊離テストステロン等の内分泌パラメーター、及びC反応性タンパク質等の肝臓タンパク質に対して限定的な効果を有することを示す。2種の標準治療、第二世代EE系COC(EE/LNG)及び第四世代EE系COC(EE/DRSP)と比較して、E4/DRSP配合剤は、内分泌パラメーター及び肝臓パラメーターに好ましいプロファイルを示した。予想どおり、全ての治療は、E2レベル及びプロゲステロンレベルの低下を示したが、このことは、これらの配合剤の避妊活性を示すものである。興味深いことに、EE/LNG及びEE/DRSPと比べると、E4/DRSPを用いた治療は、コルチゾールレベル及びアルドステロンレベルにもたらした上昇が小さく、LH及びFSHの抑制がより少なく、このことは、E4/DRSP配合剤の総合エストロゲン性がより低いことを示す。3種のCOCは全て、肝臓タンパク質レベルの上昇を示したが、反応の大きさは、アンジオテンシノーゲン、CRP、CBG、及びTBGに関して、E4/DRSPよりもEE/LNG及びEE/DRSPで顕著に高かった。SHBGは、EE/DRSP治療後に上昇したが、EE/LNG及びE4/DRSPを用いた治療後には限定的な効果しか見られなかった。このことは、E4がSHBGに対して有する影響がより小さいという以前の知見を裏付けるものであり、E4/DRSP配合剤の総合エストロゲン性がより低いことを示す(Kluft et al., Reduced haemostatic effects with drospirenone-based oral contraceptives containing estetrol versus ethinyl estradiol, Contraception, 2017、及びHammond et al., Estetrol does not bind sex hormone binding globulin or increase its production by human HepG2 cells, Climacteric, 2008)。
これらの結果は、E4/DRSPを用いた治療が、C反応性タンパク質等の肝臓タンパク質及び内分泌機能に対して、限定的な効果を有するという以前の知見を裏付ける。卵巣ステロイドの抑制をはじめとする他の内分泌パラメーターに対する効果は、対照薬のものと同等であった。したがって、E4/DRSP配合剤は、第二世代(EE/LNG)及び第四世代(EE/DRSP)EE含有COCと比較した場合に、好ましいプロファイルを有する。
実施例5.QT間隔に対するE4/DRSP及びEE/DRSP COCの影響
QT値を、スクリーニング時及びサイクル3の終了時(24日目又は27日目)に測定した。QT値は、心拍数の変化を考慮に入れるため、フリデリシア式に従って補正した(QTcf)。QTcfの変化は、サイクル3終了時のQTcf-スクリーニング時のQTcfの差として計算した(正の値は、QTcfの増加を示す)。患者を、24日目又は27日目いずれかで測定した。24日目では、患者は治療中であったが、27日目では、治療は既に終了していた。
平均して、治療終了時の変化は、表10に示すとおり、治療群と比較した場合に参照群の方が大きかった。これらの結果は、参照群(EE/DRSP COC使用者)と比較した場合に、E4/DRSP COCがQT延長を誘発する傾向がより小さいことを実証する。24日後及び27日後のQTcF分析の結果を、図2及び図3に加えて示す。QTcfの変化は、27日目において、又は全データを考慮した場合、参照群について数字的に高かった。
参照群の27日目の変化は、不整脈と有意に関係すると見なされる閾値である5 msより高かった。ベースラインからのこの変化は、統計上有意であった。
表10.12誘導ECG;サイクル3でのベースラインからの変化-全体及び日数別。N=対象数。STD=標準偏差。[1]サイクル3とベースラインとの間に差が存在する可能性があるかどうかを各治療について符号順位検定を利用して示す予備p値。
Figure 2023526580000013
治療の避妊有効性は、卵巣機能阻害を査定することにより評価した。表11に示すHooglandスコアの分布により示されるとおり、ほとんどの対象は、Hooglandスコア1(活性なし)を示した。4超のHooglandスコアがなく、かくして排卵がないことが、E4/DRSPの15/3 mg群で観察された。EE/DRSPを投与された対象で1人、両治療サイクルにおいてスコア6(排卵)を有した。
表11.Hooglandスコアまとめ。FLS:卵胞様構造。LUF:黄体化未破裂卵胞。N:治療を行った対象の合計数。n:カテゴリーに含まれる対象数。(A)1人(同一)対象について、両治療サイクルにおいて排卵が報告された。(B)4以下のHooglandスコアで総合卵巣機能阻害が示される。(C)サイクル3において、一部の対象が脱落し、Hooglandスコアが得られなかった。
Figure 2023526580000014
表11.Hooglandスコアまとめ
Hooglandスコアから推論できるとおり、対象の大部分は、Hooglandスコアが1(活性なし)であることを特徴とした。Hooglandスコア4超がなく、かくして排卵がないことが、E4/DRSPの15/3 mg群で観察された。目立ったことは、EE/DRSPを投与された対象で1人、両治療サイクルにおいてスコア6(排卵)を有したことである。E4/DRSPは、EE/DRSPで見られるよりも低いDRSP曝露であるにも関わらず、完全な排卵阻害を示すことができた。
図面訳
図1
Screened スクリーニング
Randomized 無作為割付け
Treated 治療
Started treatment 治療開始
Completed treatment 治療完了
Discontinued due toAE not related to bleeding (n=4) and withdrawal consent (n=1) 出血とは無関係のAE(n=4)及び同意撤回(n=1)による中止
Discontinued due toother reasons (n=5) 他の理由による中止(n=5)
Discontinued due towithdrawal consent (n=2) and other reasons (n=1) 同意撤回(n=2)及び他の理由(n=1)による中止

図2
Changes in QTcF atCycle 3 - Day 24 サイクル3の24日目のQTcF変化
Treatment 治療
Reference 参照

図3
Changes in QTcF atCycle 3 - Day 27 サイクル3の27日目のQTcF変化
Treatment 治療
Reference 参照

Claims (49)

  1. 毎日投与された場合、血漿中のドロスピレノンに以下の薬物動態プロファイル:
    (i)ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が約150 ng・h/ml~約1000 ng・h/ml、及び/又は
    (ii)ドロスピレノンの幾何平均Cmaxが約10 ng/ml~100 ng/ml
    をもたらすのに使用される、
    プロゲストーゲン成分としてのドロスピレノン(DRSP)を1 mg~5 mgの量で含む配合経口避妊薬(COC)の1日量の活性投薬単位の中のエストロゲン成分としての、10 mg~20 mgの量のエステトロール。
  2. 前記1日量の活性投薬単位は、避妊薬キットに入って提供されており、避妊薬キットは、1つ以上のパッケージ単位を含み、各パッケージ単位は、前記配合経口避妊薬(COC)の前記1日量の活性投薬単位を21単位~28単位含む、請求項1に記載の使用のための10 mg~20 mgの量のエステトロール。
  3. 前記COCは、前記COCの1日量の活性投薬単位21単位~28単位のサイクルにおいて連続使用される、請求項1に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  4. DRSPの1種以上の有害作用は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOCの使用中である対象に比べて低減されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用のための10mg~20 mgの量のエステトロール。
  5. 等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含む前記COCは、等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCである、請求項2~4のいずれか1項に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  6. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCの使用に関連した、血漿中の遊離テストステロンの減少を含む、又はその減少からなる、請求項2~5のいずれか1項に記載の使用のための10 mg~20 mgの量のエステトロール。
  7. 前記遊離テストステロン減少は、前記COCを使用している前記対象において、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、10%、好ましくは15%、より好ましくは20%低減されている、請求項6に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  8. 前記遊離テストステロン血漿中濃度レベルは、ベースライン値の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%であり、前記ベースライン値は、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象における遊離血漿テストステロン発現レベルである、請求項6又は7に記載の使用のための10 mg~20 mgの量のエステトロール。
  9. 前記遊離テストステロン濃度は、前記COCを使用している場合の前記対象において、少なくとも0.09 ng/dL、好ましくは少なくとも0.20 ng/dLである、請求項6~8のいずれか1項に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  10. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、ドロスピレノンを含むCOCの使用に関連したQT間隔の延長のリスクを含む、又はそのリスクからなり、好ましくは、QT間隔は、対象の心電図においてQ波の開始とT波の終了との間の時間が、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象のQT間隔に比べた場合に少なくとも5ミリ秒延長されている場合、延長したと見なされる、請求項2~5のいずれか1項に記載の使用のための10mg~20 mgの量のエステトロール。
  11. 前記対象でQT間隔延長が起こる前記リスクは、前記COCを使用している前記対象において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、10%、好ましくは25%、好ましくは50%、より好ましくは90%、又は100%低減される、請求項10に記載の使用のための10 mg~20 mgの量のエステトロール。
  12. 前記COCを使用している対象における平均QT間隔延長は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象よりも、20%、好ましくは35%、より好ましくは50%短い、請求項10又は11に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  13. 前記COCは、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象と比較した場合、QT間隔に対するエストロゲン関連効果が低減されている、請求項10~12のいずれか1項に記載の使用のための10mg~20 mgの量のエステトロール。
  14. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、ドロスピレノンを含むCOCの使用に関連したC反応性タンパク質血漿中濃度レベルの上昇を含む、又はその上昇からなる、請求項2~5のいずれか1項に記載の使用のための10mg~20 mgの量のエステトロール。
  15. 前記C反応性タンパク質血漿中濃度レベルは、ベースライン値よりも10%高い、好ましくは20%高い、好ましくは30%高い場合に上昇したと見なされ、前記ベースライン値は、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象におけるC反応性タンパク質血漿濃度レベルである、請求項14に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  16. 前記C反応性タンパク質血漿濃度レベルは、ドロスピレノンを含むCOCを使用している場合、前記対象において、2.00 mg/L未満、好ましくは1.75 mg/L未満、より好ましくは1.50 mg/L未満である、請求項14又は15に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  17. 前記COCは、周期的サイクルで投与され、前記サイクルは、7日間の無投与期間、好ましくは4日間の無投与期間を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  18. 前記COCの単回投薬単位は、ドロスピレノン約15 mgとエステトロール成分約3 mgとを含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の使用のための10 mg~20mgの量のエステトロール。
  19. プロゲストーゲン成分としてドロスピレノンを1 mg~5 mgの量で含む配合経口避妊薬(COC)を使用している対象の血漿中のドロスピレノンの薬物動態プロファイルを、毎日投与される場合に、
    (i)ドロスピレノンの幾何平均AUC0-24が約150 ng・h/ml~約1000 ng・h/ml、及び/又は、
    (ii)ドロスピレノンの幾何平均Cmaxが約10 ng/ml~100 ng/ml、
    に低減させる方法であって、
    前記配合経口避妊薬のエストロゲン成分としてエステトロールを10 mg~20 mgの量で投与することを含む、方法。
  20. 前記対象は、前記COCの1日量の活性投薬単位21単位~28単位のサイクルで前記COCを連続使用している、請求項19に記載の方法。
  21. DRSPの1種以上の有害作用は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOCの使用中である対象に比べて低減されている、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含む前記COCは、等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCである、請求項19~21のいずれか1項に記載の方法。
  23. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCの使用に関連した、血漿中の遊離テストステロンの減少を含む、又はその減少からなる、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記遊離テストステロン減少は、前記COCを使用している前記対象において、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、10%、好ましくは15%、より好ましくは20%低減されている、請求項19~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記遊離テストステロン血漿中濃度レベルは、ベースライン値の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%であり、前記ベースライン値は、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象における遊離血漿テストステロン発現レベルである、請求項19~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記遊離テストステロン濃度は、前記COCを使用している場合の前記対象において、少なくとも0.09 ng/dL、好ましくは少なくとも0.20 ng/dLである、請求項19~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、ドロスピレノンを含むCOCの使用に関連したQT間隔の延長のリスクを含む、又はそのリスクからなり、好ましくは、QT間隔は、対象の心電図においてQ波の開始とT波の終了との間の時間が、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象のQT間隔に比べた場合に少なくとも5ミリ秒延長されている場合、延長したと見なされる、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記対象でQT間隔延長が起こる前記リスクは、前記COCを使用している前記対象において、エストロゲン成分としてエチニルエストラジオールと、等有効量のドロスピレノンとを含むCOCを使用している対象と比較した場合に、10%、好ましくは25%、好ましくは50%、より好ましくは90%、又は100%低減される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記COCを使用している対象における平均QT間隔延長は、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象よりも、20%、好ましくは35%、より好ましくは50%短い、請求項27又は28に記載の方法。
  30. 前記COCは、等有効量のDRSPと別のエストロゲンとを含むCOC、好ましくは等有効量のDRSPとエチニル-エストラジオール(EE)とを含むCOCを使用している対象と比較した場合、QT間隔に対するエストロゲン関連効果が低減されている、請求項27~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. DRSPの前記1種以上の有害作用は、対象における、ドロスピレノンを含むCOCの使用に関連したC反応性タンパク質血漿中濃度レベルの上昇を含む、又はその上昇からなる、請求項19~22のいずれか1項に記載の方法。
  32. 前記C反応性タンパク質血漿中濃度レベルは、ベースライン値よりも10%高い、好ましくは20%高い、好ましくは30%高い場合に上昇したと見なされ、前記ベースライン値は、ドロスピレノンを含むCOCを使用する前の前記対象におけるC反応性タンパク質血漿濃度レベルである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記C反応性タンパク質血漿濃度レベルは、ドロスピレノンを含むCOCを使用している場合、前記対象において、2.00 mg/L未満、好ましくは1.75 mg/L未満、より好ましくは1.50 mg/L未満である、請求項31又は32に記載の方法。
  34. 前記COCは、周期的サイクルで投与され、前記サイクルは、7日間の無投与期間、好ましくは4日間の無投与期間を含む、請求項31~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 前記COCの単回投薬単位は、ドロスピレノン約15 mgとエステトロール成分約3 mgとを含む、請求項31~34のいずれか1項に記載の方法。
  36. DRSPを含む配合経口避妊薬の使用中である対象において、DRSPのバイオアベイラビリティを低下させるのに使用される、エステロールを含む組成物。
  37. 前記エステトロールは、DRSPがプロゲストーゲン成分として機能する前記配合経口避妊薬のエストロゲン成分として機能する、請求項36に記載の使用のためのエステロール組成物。
  38. DRSPを含む配合経口避妊薬の連続使用中である対象において、DRSPの副作用を低減させるのに使用される、請求項36又は37に記載の使用のためのエステロール組成物。
  39. DRSPを含む配合経口避妊薬の前記連続使用に関連したC反応性タンパク質(CRP)血清中濃度レベルの上昇のリスクを低下させるのに使用される、態様22~24のいずれか1項に記載の使用のためのエステロール組成物。
  40. 等量のDRSPとEEとを含むCOCと比較した場合に、少なくとも15%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも25%、例えば約30%以上で、配合経口避妊薬(COC)のDRSPの定常状態バイオアベイラビリティを低下させるのに使用されるエステトロール。
  41. DRSPを含む配合経口避妊薬(COC)の連続使用中である対象において、DRSPのピーク血漿中濃度を低下させるのに使用されるエステトロール。
  42. DRSPを含む配合経口避妊薬(COC)の連続レジメン中である対象において、DRSPの有害作用のリスクを低減させる方法であって、プロゲストーゲン成分としてのDRSPとエストロゲン成分としてのエステトロールとを含むCOCを提供する工程を含む、方法。
  43. DRSPを含む配合経口避妊薬の連続使用に関連したDRSPの副作用を低減させるのに使用される、エステトロールとDRSPとを含む配合経口避妊薬(COC)であって、投薬計画は、複数の周期的サイクルの間適用され、好ましくは、前記活性成分を含むCOCの1日量の投薬単位21単位~28単位の適用を含む、COC。
  44. 前記使用は、異なる周期的サイクルの間に、4~7日間の期間の中断を挟み、中断は、任意選択により前記配合経口避妊薬(COC)の前記活性成分を含まない偽薬投薬単位を提供することによるか、又は単純に前記4~7日間丸剤をまったく摂取しないことによるものである、請求項43に記載の使用のためのエステトロールとDRSPとを含むCOC。
  45. 活性COC成分の21~28投薬単位レジメンが適用され、服薬遵守を理由として、偽薬投薬単位を4~7日間使用することにより中断される、請求項43又は44に記載の使用のためのエステトロールとDRSPとを含むCOC。
  46. 配合経口避妊薬(COC)にDRSPを使用することに起因する有害作用を予防又は治療する医薬の製造のためのエステトロールの使用。
  47. DRSPを含む配合経口避妊薬(COC)を使用している対象におけるQT間隔延長を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのエステトロールの使用。
  48. DRSPを含む配合経口避妊薬(COC)を使用している対象における遊離テストステロン血清レベル低下を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのエステトロールの使用。
  49. DRSPを含む配合経口避妊薬(COC)を使用している対象におけるC反応性タンパク質レベル上昇を予防又は治療する組成物(すなわち、医薬又は避妊薬)の製造のためのエステトロールの使用。
JP2022562639A 2020-04-16 2021-04-16 有害作用が低減された避妊組成物 Pending JP2023526580A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP20169870.1 2020-04-16
EP20169870 2020-04-16
PCT/EP2021/059890 WO2021209591A1 (en) 2020-04-16 2021-04-16 Contraceptive compositions with reduced adverse effects

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023526580A true JP2023526580A (ja) 2023-06-22
JPWO2021209591A5 JPWO2021209591A5 (ja) 2024-02-26

Family

ID=70292885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022562639A Pending JP2023526580A (ja) 2020-04-16 2021-04-16 有害作用が低減された避妊組成物

Country Status (14)

Country Link
US (1) US20220211722A1 (ja)
EP (1) EP4135709A1 (ja)
JP (1) JP2023526580A (ja)
KR (1) KR20230004637A (ja)
CN (1) CN115666582A (ja)
AR (1) AR121864A1 (ja)
AU (1) AU2021255908A1 (ja)
BR (1) BR112022020710A2 (ja)
CA (1) CA3177556A1 (ja)
IL (1) IL297282A (ja)
MX (1) MX2022012917A (ja)
TW (1) TW202203935A (ja)
UY (1) UY39175A (ja)
WO (1) WO2021209591A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO3106148T3 (ja) 2015-06-18 2018-08-11
EP3701944B1 (en) 2015-06-18 2021-12-08 Estetra SRL Orodispersible dosage unit containing an estetrol component
CA3178291A1 (en) 2016-08-05 2018-04-12 Estetra Srl Method for the management of dysmenorrhea and menstrual pain
TWI801561B (zh) 2018-04-19 2023-05-11 比利時商依思特拉私人有限責任公司 化合物及其用於緩解絕經相關症狀的用途
JOP20200260A1 (ar) 2018-04-19 2019-10-19 Estetra Sprl مركبات واستخداماتها للتخفيف من الأعراض المصاحبة لانقطاع الطمث

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200046729A1 (en) * 2016-08-05 2020-02-13 Estetra Sprl Methods using combined oral contraceptive compositions with reduced cardiovascular effects
JOP20200169A1 (ar) * 2018-02-07 2020-07-07 Estetra Sprl تركيبة لمنع الحمل بتأثيرات منخفضة على القلب والأوعية

Also Published As

Publication number Publication date
MX2022012917A (es) 2022-11-16
US20220211722A1 (en) 2022-07-07
WO2021209591A1 (en) 2021-10-21
KR20230004637A (ko) 2023-01-06
CA3177556A1 (en) 2021-10-21
EP4135709A1 (en) 2023-02-22
TW202203935A (zh) 2022-02-01
AR121864A1 (es) 2022-07-20
AU2021255908A1 (en) 2022-10-27
CN115666582A (zh) 2023-01-31
BR112022020710A2 (pt) 2022-12-20
UY39175A (es) 2022-04-29
IL297282A (en) 2022-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023526580A (ja) 有害作用が低減された避妊組成物
US11291632B2 (en) Synthetic progestogens and pharmaceutical compositions comprising the same
US11478487B1 (en) Synthetic progestogens and pharmaceutical compositions comprising the same
Fiala et al. Review of medical abortion using mifepristone in combination with a prostaglandin analogue
Winkler et al. A randomized controlled double-blind study of the effects on hemostasis of two progestogen-only pills containing 75 μg desogestrel or 30 μg levonorgestrel
SK287719B6 (en) Drospirenone for hormone replacement therapy
JP6827962B2 (ja) 過剰体重に影響される女性患者のためのドロスピレノン系避妊薬
Shuster et al. Hormonal manipulation strategies in the management of menstrual migraine and other hormonally related headaches
Keam et al. Ethinylestradiol/drospirenone: a review of its use as an oral contraceptive
Hadžiomerović-Pekić et al. Metformin, naltrexone, or the combination of prednisolone and antiandrogenic oral contraceptives as first-line therapy in hyperinsulinemic women with polycystic ovary syndrome
Merki-Feld et al. Effects of two oral contraceptives on plasma levels of nitric oxide, homocysteine, and lipid metabolism
Shin et al. Pharmacokinetic study of single and multiple oral administrations of 2 mg dienogest in healthy Korean women
US20050096303A1 (en) Cardiovascular protection using anti-aldosteronic progestins
JP7471766B2 (ja) 月経困難症治療用組成物
US9475773B2 (en) NK3 receptor antagonist compound (NK3RA) for use in a method for the treatment of polycystic ovary syndrome (PCOS)
De Jesus et al. Sex hormones and their impact on cardiovascular health
EP3269373A1 (en) Low-dosed oral dosage form of an akr1c3 inhibitor for treatment of diseases
CN109152786B (zh) 用于治疗和预防尖端扭转型室性心动过速的甾体激素
CN112334138A (zh) 晚期雌激素受体阳性乳腺癌的治疗
Plus 1 INDICATIONS AND USAGE
Pugeat et al. Recommended treatment modalities for hyperandrogenism
Bayer WARNING: CIGARETTE SMOKING AND SERIOUS CARDIOVASCULAR EVENTS
Shoupe Oral Contraceptives: Patient Screening and Counseling, Pill Selection, and Managing Side Effects
TW200946542A (en) New drospirenone/17β-estradiol regimen, pharmaceutical combination product and kit for performing this regimen
Contraceptive et al. PrOVRAL® 21

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20221122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240215