JP2023525383A - キナーゼ阻害剤としての化合物 - Google Patents

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Abstract

PI3K阻害剤、その医薬組成物、及びそれらの使用方法が提供される。

Description

本願は、米国仮特許出願63/026,021、63/044,962及び63/137,733の優先権を主張し、その内容全体が参照により本願に組み込まれる。
本発明は、PI3Kキナーゼ活性を阻害できる化合物及び/又はその薬学的に許容される塩、並びにがんや炎症などの過剰増殖性疾患、免疫疾患及び自己免疫疾患を治療する薬物に関する。
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼは、大きな脂質シグナルキナーゼファミリーに属し、細胞成長、分化、遊走及びアポトーシスを含む細胞成長過程において重要な作用を果たす。配列相同性及び脂質基質特異性に基づいて、PI3Kファミリーは、I類、II類及びIII類という3種類に分けることができる。I類PI3Kは、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kγ及びPI3Kδを含み、最も深く研究される。
I類PI3Kは、1つの触媒サブユニット(p110)及び1つの調節サブユニット(p85)という2つのサブユニットで形成されたヘテロ二量体である。p110触媒サブユニットは、α、β、γ及びδという4つのタイプがあり、p110αは、インスリン依存性シグナル作用を有し、p110βは、血小板凝集、血栓形成及びインスリンシグナル伝達において作用を果たし、p110γ及びp110δは、主に白血球において発現し、かつリンパ球活性化、肥満細胞脱顆粒及び走化作用を有する。触媒サブユニットp110は、p85調節サブユニットと結合する。上流活性化シグナルを受信した後、p85調節サブユニットがそのp110サブユニットに対する阻害作用を果たすことにより、p110が脂質膜と相互作用し、ホスファチジルイノシトール4,5-ビスリン酸(PIP2)におけるイノシトール環の3′-OH位置をリン酸化して、ホスファチジルイノシトール(3,4,5)-トリスリン酸(PIP3)を生成することができ、次に下流シグナルを活性化し、代謝、タンパク質合成の調節及び細胞の成長、増殖及び生存の調節の異常を引き起こす。
4種のPI3K触媒アイソフォームは、インビボに特徴的発現パターンを表現する。p110α及びp110βは、哺乳動物の組織において広く発現し、p110γ及びp110δは、より選択的に白血球、内皮細胞及び平滑筋細胞において発現する。p110α又はp110βの欠損は、胚の死亡を引き起こす。p110γ欠損マウスは、T細胞活性化異常、好中球及びマクロファージ遊走異常のため、免疫応答が不良であるが、成長及び繁殖が正常である。p110δ欠損マウスは、成長繁殖することができるが、T、B細胞活性化が顕著に異常である。
癌細胞においてPI3Kシグナル伝達経路は、一般的に調節不全である。PI3Kδの発現は、一般的に造血細胞に限定される。p110δアイソフォームは、B細胞腫瘍において持続的に活性化され、現在では、p110δに対する阻害によるB細胞悪性腫瘍の治療における重要な作用が証明されている。研究により、PI3Kδが異なるタイプの白血病のシグナル伝達経路において重要な作用を果たすことを示す。したがって、それは薬物標的治療において魅力的な標的となる。急性骨髄性白血病及び慢性リンパ性白血病の臨床前データにより、PI3Kδがこれらの疾患の主なアイソフォームであることが既に確定されている。癌に加えて、PI3Kが炎症及び自己免疫疾患の標的であることが証明されている。
したがって、PI3K阻害活性を有する化合物は、がんの予防及び治療に対して重要な意味を有する。PI3K阻害剤は、WO2012146666、WO2003035075及びUS20110015212などの文献に報告されているが、多くのPI3K阻害剤は、半減期が短いか又は毒性がある。したがって、新規なPI3K阻害剤に対する需要は、依然として強く、新規なPI3K阻害剤は、過剰増殖性疾患を治療する際に、溶解度、薬物相互作用、治療効果、安定性、選択性、毒性、薬剤耐性、薬物動態及び薬力学的特徴の少なくとも一方において利点を有する。これに基づいて、本発明は、新規なPI3K阻害剤を提供する。
国際公開第2012146666号 国際公開第2003035075号 米国特許出願公開第20110015212号
本発明は、新規な化合物、その薬学的に許容される塩、その医薬組成物、及びその薬物としての応用を開示する。
一態様では、本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2023525383000001
(I)
(式中、
Xは、CR及びNから選択され、
Yは、CR及びNから選択され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX2から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、R及びRは、それらが結合している原子と一緒に、C3-10シクロアルキル基、又は独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含む4~12員複素環基を形成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX2置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、-C(O)RA4、-C(=NRE4)RA4、-C(=N-ORB4)RA4、-C(O)ORA4、-OC(O)RA4、-C(O)NRA4B4、-NRA4C(O)RB4、-C(=NRE4)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)RB4、-OC(O)NRA4B4、-NRA4C(O)ORB4、-NRA4C(O)NRA4B4、-NRA4C(S)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)NRA4B4、-S(O)A4、-S(O)(=NRE4)RB4、-N=S(O)RA4B4、-S(O)ORA4、-OS(O)A4、-NRA4S(O)B4、-NRA4S(O)(=NRE4)RB4、-S(O)NRA4B4、-S(O)(=NRE4)NRA4B4、-NRA4S(O)NRA4B4、-NRA4S(O)(=NRE4)NRA4B4、-P(O)RA4B4及び-P(O)(ORA4)(ORB4)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA6B6、-ORA6、-C(O)RA6、-C(=NRE6)RA6、-C(=N-ORB6)RA6、-C(O)ORA6、-OC(O)RA6、-C(O)NRA6B6、-NRA6C(O)RB6、-C(=NRE6)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)RB6、-OC(O)NRA6B6、-NRA6C(O)ORB6、-NRA6C(O)NRA6B6、-NRA6C(S)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)NRA6B6、-S(O)A6、-S(O)(=NRE6)RB6、-N=S(O)RA6B6、-S(O)ORA6、-OS(O)A6、-NRA6S(O)B6、-NRA6S(O)(=NRE6)RB6、-S(O)NRA6B6、-S(O)(=NRE6)NRA6B6、-NRA6S(O)NRA6B6、-NRA6S(O)(=NRE6)NRA6B6、-P(O)RA6B6及び-P(O)(ORA6)(ORB6)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA7B7、-ORA7、-C(O)RA7、-C(=NRE7)RA7、-C(=N-ORB7)RA7、-C(O)ORA7、-OC(O)RA7、-C(O)NRA7B7、-NRA7C(O)RB7、-C(=NRE7)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)RB7、-OC(O)NRA7B7、-NRA7C(O)ORB7、-NRA7C(O)NRA7B7、-NRA7C(S)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)NRA7B7、-S(O)A7、-S(O)(=NRE7)RB7、-N=S(O)RA7B7、-S(O)ORA7、-OS(O)A7、-NRA7S(O)B7、-NRA7S(O)(=NRE7)RB7、-S(O)NRA7B7、-S(O)(=NRE7)NRA7B7、-NRA7S(O)NRA7B7、-NRA7S(O)(=NRE7)NRA7B7、-P(O)RA7B7及び-P(O)(ORA7)(ORB7)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
A1及びRB1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRx1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA1及びRB1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX1の置換基で置換され、
A4及びRB4の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA4及びRB4は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX4置換基で置換され、
A5及びRB5の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA5及びRB5は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX5置換基で置換され、
A6及びRB6の各々は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA6及びRB6は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX6置換基で置換され、
A7及びRB7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA7及びRB7は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX7置換基で置換され、
各RE1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE4は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE5は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE6は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE7は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
X1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6及びRX7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、-NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a1及びRb1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
c1及びRd1の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
各Re1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から選択され、
各Rは、独立して、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してヒドロキシ基、CN、アミノ基、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a2及びRb2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
c2及びRd2の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
各Re2は、独立して、水素、CN、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、-C(O)C1-4アルキル基、-C(O)C3-10シクロアルキル基、-C(O)OC1-4アルキル基、-C(O)OC3-10シクロアルキル基、-C(O)N(C1-4アルキル)、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)、-S(O)1-4アルキル基、-S(O)3-10シクロアルキル基、-S(O)N(C1-4アルキル)及び-S(O)N(C3-10シクロアルキル)から選択され、
mは、0、1、及び2から選択され、
各rは、独立して、0、1及び2から選択され、
各tは、独立して、0、1、2、3及び4から選択される。)
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物又は少なくとも1つのその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、PI3Kを調節する方法を提供し、該方法は、それを必要とする系又は個体に治療有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を投与することにより、PI3Kを調節することを含む。
本発明は、PI3K阻害に応答する病態を治療、改善又は予防する方法をさらに提供し、該方法は、それを必要とする系又は個体に有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を投与するか、又は他の治療薬物と組み合わせて投与して、上記病態を治療することを含む。
或いは、本発明は、PI3Kにより媒介される病態を治療する医薬の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。特定の実施例では、上記化合物は、PI3Kにより媒介される病態を治療するために、単独で、又は他の治療薬物と組み合わせて使用されてもよい。
或いは、本発明は、PI3Kにより媒介される病態を治療するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
特定的に、上記病態は、自己免疫疾患、異種免疫疾患、感染性疾患又は細胞増殖性障害を含むが、これらに限定されない。
また、本発明は、細胞増殖性病態を治療する方法を提供し、該方法は、それを必要とする系又は個体に有効量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は医薬組成物を投与するか、又は他の治療薬物と組み合わせて投与して、上記病態を治療することを含む。
特定的に、上記病態は、自己免疫疾患、異種免疫疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患又は細胞増殖性障害を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例では、細胞増殖性障害は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、精巣癌、肺癌(NSCLC、SCLC、扁平上皮癌又は腺癌を含む)、食道癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌(RCCを含む)、肝癌(HCCを含む)、膵臓癌、胃癌(すなわち胃の癌)、甲状腺癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞由来のリンパ性悪性腫瘍、黒色腫、骨髄性白血病及び骨髄腫を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例では、病態は、細胞増殖性障害である。ある実施例では、細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害であり、B細胞悪性腫瘍、B細胞慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、多発性硬化症、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、リンパ腫様肉芽腫症及び形質細胞腫を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例では、病態は、自己免疫疾患であり、関節リウマチ、乾癬性関節炎、乾癬、変形性関節症、若年性関節炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性結腸炎、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、急性播種性脳脊髄炎、アジソン病、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、再生不良性貧血、自己免疫性肝炎、セリアック病、グッドパスチャー症候群、特発性血小板減少性紫斑病、強皮症、原発性胆汁性肝硬変、ライター症候群、乾癬、自律神経機能不全、神経性筋強直症、間質性膀胱炎、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス及びループス腎炎を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例では、病態は、異種免疫疾患であり、移植片対宿主病、移植、輸血、アナフィラキシー(anaphylaxis)、アレルギー(allergy)、I型過敏症反応、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎及びアレルギー性皮膚炎を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例では、病態は、炎症性疾患であり、喘息、虫垂炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、滑液包炎、子宮頸管炎、胆管炎、胆嚢炎、大腸炎、結膜炎、膀胱炎、涙腺炎、皮膚炎、皮膚筋炎、脳炎、心内膜炎、子宮内膜炎、小腸炎症、結腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、腸炎、肝炎、化膿性汗腺炎、咽喉炎、乳房炎、髄膜炎、炎症性心筋炎、筋炎、腎炎、精巣炎、卵巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、流行性耳下腺炎、心膜炎、腹膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、間質性肺炎、急性肺炎、直腸炎、前立腺炎、腎盂腎炎、鼻粘膜炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、腱炎、扁桃炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎及び外陰炎を含むが、これらに限定されない。
本発明の上記化合物を使用する上記方法では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩は、細胞若しくは組織を含有する系、又はヒト若しくは動物個体などの哺乳動物個体を含む個体に投与されてもよい。
用語
特に定義しない限り、本特許に使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。特に説明しない限り、本特許に参照される全ての特許、特許出願、開示された資料などは、全体が参照により組み入れられる。本特許における同じ用語について、複数の定義があれば、この章の定義が優先される。
前述の一般的な説明及び後の詳細な説明は、説明的なものに過ぎず、いかなる請求項を限定するものではないことが理解されるべきである。本特許出願では、特に説明しない限り、使用される単数形は複数形を含有する。なお、明細書及び添付の特許請求の範囲において、特に説明しない限り、「一」、「1個」、「この」という単数形の指示は、複数形の指示を含有する。また、特に説明しない限り、「又は」は、「及び/又は」を表す。また、「含有」、「含む」などの類似用語は、限定するものではない。
特に説明しない限り、本特許に使用される質量スペクトル、核磁気共鳴、高速液体クロマトグラフィー、赤外線及び紫外線/可視光スペクトル、並びに一般的な薬理学的技術は、従来技術である。特に定義しない限り、本特許における分析化学、有機合成化学、薬物及び製薬化学に関する命名、実験方法及び技術は、いずれも既知である。標準技術は、化学合成、化学分析、薬物の製造、製剤、投与、及び患者治療に用いることができる。反応及び精製技術は、メーカーの使用説明書、既知の一般的な技術、又は本特許に記載される方法を参照して実施することができる。上記技術及び操作は、既知の一般的な方法及び本明細書に引用された文献の方法で実施することができる。明細書において、基及び置換基は、安定した構造及び化合物を形成するために、当業者により選択されてもよい。
化学式で置換基を指示する場合、化学式における置換基について、左から右へ書かれるものと右から左へ書かれるものとは同じである。例えば、CHOとOCHとは同じである。
「置換」とは、水素原子が置換基で置換されることを指す。なお、特定の原子上の置換基は、その価数により限定される。
本明細書に使用される用語「Ci-j」又は「i~j員」とは、該部分がi~j個の炭素原子又はi~j個の原子を有することを指す。例えば、「C1-6アルキル基」とは、上記アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを指す。同様に、C3-10シクロアルキル基とは、上記シクロアルキル基が3~10個の炭素原子を有することを指す。
任意の変数(例えばR)が化合物の構造に1回以上現れる場合、それぞれの場合に独立して定義される。したがって、例えば、基が0~2個のRで置換される場合、該基は、多くとも2個のRで置換されていてもよく、かつそれぞれの場合にRが独立して選択される。なお、このような組み合わせにより安定した化合物を生成する場合にのみ、置換基及び/又はその変異体の組み合わせを許容する。
「1個以上」又は「少なくとも1個」とは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又はそれ以上を指す。
特に説明しない限り、用語「ヘテロ」とは、ヘテロ原子又はヘテロ原子基(すなわち、ヘテロ原子を含む基)、すなわち炭素原子及び水素原子以外の原子又はこれらの原子を含む基を指す。好ましくは、ヘテロ原子は、独立してO、N、S、Pなどから選択される。2個以上のヘテロ原子に関する実施形態では、2個以上のヘテロ原子は同じであってもよく、一部が異なっても全部が異なってもよい。
「アルキル基」とは、単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用されることに関わらず、特定の数の炭素原子を有する分岐又は直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を指す。特に指定しない限り、「アルキル基」とは、C1-10アルキル基を指す。例えば、「C1-6アルキル基」における「C1-6」とは、直鎖又は分岐配置で1個、2個、3個、4個、5個、又は6個の炭素原子を有する基を指す。例えば、「C1-8アルキル基」は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基及びオクチル基を含むが、これらに限定されない。
「シクロアルキル基」とは、単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用されることに関わらず、飽和の単環式又は多環式(例えば二環式又は三環式)の炭化水素環系を指し、一般的に3~16個の環原子を有する。シクロアルキル基の環原子は、いずれも炭素であり、かつシクロアルキル基は、0個のヘテロ原子及び0個の二重結合を含有する。多環式シクロアルキルにおいて、2個以上の環は、縮合又は架橋又はスピロ縮合されてもよい。単環式系の実例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基を含むが、これらに限定されない。「架橋シクロアルキル基」は、3~10個の炭素原子を含む多環式系であり、1個若しくは2個のアルキレン架橋を含み、各アルキレン架橋は、1個、2個若しくは3個の炭素原子からなり、それぞれ環系の2個の隣接しない炭素原子を結合させる。シクロアルキル基は、アリール基又はヘテロアリール基と縮合してもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、ベンゼン縮合したものである。架橋シクロアルキル系の代表的な例は、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[3.2.2]ノナン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、ビシクロ[4.2.1]ノナン、トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン及びトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)を含むが、これらに限定されない。単環及び架橋炭化水素環は、環系における任意の置換可能な原子を介して親分子部分に結合することができる。
「アルケニル基」とは、単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用されることに関わらず、2~10個の炭素原子を含み、かつ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を指す。いくつかの実施例では、1つの炭素-炭素二重結合、4つの非芳香族炭素-炭素二重結合が存在する可能性がある。したがって、「C2-6アルケニル基」とは、2~6個の炭素原子を含むアルケニル基を指す。アルケニル基は、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、2-メチルブテニル基及びシクロヘキセニル基を含むが、これらに限定されない。アルケニル基における直鎖、分岐又は環状の部分は、二重結合を含む可能性があり、かつ置換アルケニル基が指定される場合、それが置換される可能性があることを示す。
「アルキニル基」とは、単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用されることに関わらず、2~10個の炭素原子を含み、かつ少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を指す。いくつかの実施例では、3つの炭素-炭素三重結合が存在する可能性がある。したがって、「C2-6アルキニル基」とは、2~6個の炭素原子を含むアルキニル基を指す。アルキニル基は、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、3-メチルブチニル基などを含むが、これらに限定されない。アルキニル基における直鎖、分岐又は環状の部分は、三重結合を含む可能性があり、置換アルキニル基が指定される場合、それが置換される可能性があることを示す。
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を指す。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「アルコキシ基」とは、酸素原子と単結合で結合している、以上のように定義されたアルキル基を指す。アルコキシ基と分子は、酸素原子で結合している。アルコキシ基は、-O-アルキル基として表されてもよい。「C1-10アルコキシ基」とは、1~10個の炭素原子を含むアルコキシ基を指し、直鎖又は分岐構造であってもよい。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルコキシ基」とは、酸素原子と単結合で結合している、以上のように定義されたシクロアルキル基を指す。シクロアルコキシ基と分子は、酸素原子で結合している。シクロアルコキシ基は、-O-シクロアルキル基として表されてもよい。「C3-10シクロアルコキシ基」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルコキシ基を指す。シクロアルコキシ基は、アリール基又はヘテロアリール基と縮合してもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルコキシ基は、ベンゼン縮合したものである。シクロアルコキシ基は、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルチオ基」とは、硫黄原子と単結合で結合している、以上のように定義されたアルキル基を指す。アルキルチオ基と分子は、硫黄原子で結合している。アルキルチオ基は、-S-アルキル基として表されてもよい。「C1-10アルキルチオ基」は、1~10個の炭素原子を含むアルキルチオ基を指し、直鎖又は分岐構造であってもよい。アルキルチオ基は、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基及びヘキシルチオ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルチオ基」とは、硫黄原子と単結合で結合している、以上のように定義されたシクロアルキル基を指す。シクロアルキルチオ基と分子は、硫黄原子で結合している。シクロアルキルチオ基は、-S-シクロアルキル基として表されてもよい。「C3-10シクロアルキルチオ基」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルチオ基を指す。シクロアルキルチオ基は、アリール基又はヘテロアリール基と縮合してもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキルチオ基は、ベンゼン縮合したものである。シクロアルキルチオ基は、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基及びシクロヘキシルチオ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「アルキルアミノ基」とは、窒素原子と単結合で結合している、以上のように定義されたアルキル基を指す。アルキルアミノ基と別の分子は、窒素原子で結合している。アルキルアミノ基は、-NH(アルキル基)として表されてもよい。「C1-10アルキルアミノ基」とは、1~10個の炭素原子を含むアルキルアミノ基を指し、直鎖又は分岐構造であってもよい。アルキルアミノ基は、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基及びヘキシルアミノ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「シクロアルキルアミノ基」とは、窒素原子と単結合で結合している、以上のように定義されたシクロアルキル基を指す。シクロアルキルアミノ基と他の分子は、窒素原子で結合している。シクロアルキルアミノ基は、-NH(シクロアルキル基)として表されてもよい。「C3-10シクロアルキルアミノ基」とは、3~10個の炭素原子を含むシクロアルキルアミノ基を指す。シクロアルキルアミノ基は、アリール基又はヘテロアリール基と縮合してもよい。いくつかの実施形態では、シクロアルキルアミノ基は、ベンゼン縮合したものである。シクロアルキルアミノ基は、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基及びシクロヘキシルアミノ基などを含むが、これらに限定されない。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「ジ(アルキル)アミノ基」とは、窒素原子と単結合で結合している、以上のように定義された2個のアルキル基を指す。ジ(アルキル)アミノ基と分子は、窒素原子で結合している。ジ(アルキル)アミノ基は、-N(アルキル)として表されてもよい。「ジ(C1-10アルキル)アミノ基」とは、2つのアルキル部分がそれぞれ1~10個の炭素原子を含むジ(C1-10アルキル)アミノ基を指し、直鎖又は分岐構造であってもよい。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「アリール基」とは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個又は14個の炭素原子を有する単価、単環式、二環式又は三環式の芳香族炭化水素環系(「C6-14アリール基」)を指し、特に、6個の炭素原子を有する環(「Cアリール基」)、例えば、フェニル基、又は10個の炭素原子を有する環(「C10アリール基」)、例えば、ナフチル基、又は14個の炭素原子を有する環(「C14アリール基」)、例えば、アントリル基を指す。アリール基は、シクロアルキル基又は複素環基と縮合してもよい。
置換ベンゼン誘導体で形成され、かつ環原子に自由原子価電子を有する二価の基は、置換フェニレン基と命名される。名称が「-基」で終わる一価の多環式炭化水素基から誘導される二価の基は、自由原子価電子を有する炭素原子から1個の水素原子を除去して得られ、その名称が一価の基の名称に「-イデン(-idene)」を加えることにより得られるものであり、例えば、2つの結合部位を有するナフチル基は、ナフチリデン基と呼ばれる。
単独で使用されるか又は他の用語と組み合わせて使用される「ヘテロアリール基」とは、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個又は14個の環原子を有する単価、単環式、二環式又は三環式の芳香環系(「5~14員ヘテロアリール基」)を指し、特に5個、6個、9個又は10個の原子を有し、かつN、O及びSから選択された、同じであっても異なってもよい少なくとも1個のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基は、シクロアルキル基又は複素環基と縮合してもよい。いくつかの実施例では、「ヘテロアリール基」とは、
N、O及びSから選択されたヘテロ原子を1~4個、いくつかの実施例では1~3個含み、残りがいずれも炭素原子である5~8員芳香族単環と、
N、O及びSから選択されたヘテロ原子を1~6個、いくつかの実施例では1~4個、又はいくつかの実施例では1~3個含み、残りがいずれも炭素原子であり、かつ少なくとも1個のヘテロ原子が芳香環に存在する8~12員二環と、
N、O及びSから選択されたヘテロ原子を1~8個、いくつかの実施例では1~6個、又はいくつかの実施例では1~4個、又はいくつかの実施例では1~3個含み、残りがいずれも炭素原子である11~14員三環とを指す。
ヘテロアリール基におけるS及びOの総数が1より大きい場合、これらのヘテロ原子は、互いに隣接しない。いくつかの実施例では、ヘテロアリール基におけるS及びOの総数は、2以下である。いくつかの実施例では、ヘテロアリール基におけるS及びOの総数は、1以下である。
ヘテロアリール基の例は、2-ピリジル基、3-ピリジル基、4-ピリジル基、2-ピラジニル基、3-ピラジニル基、2-ピリミジニル基、4-ピリミジニル基、5-ピリミジニル基、6-ピリミジニル基、1-ピラゾリル基、3-ピラゾリル基、4-ピラゾリル基、5-ピラゾリル基、1-イミダゾリル基、2-イミダゾリル基、4-イミダゾリル基、5-イミダゾリル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、チエニル基、フラニル基などを含むが、これらに限定されない。
さらに、ヘテロアリール基は、インドリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、キノキサリル基、キノリル基及びイソキノリル基を含むが、これらに限定されない。「ヘテロアリール基」は、任意の窒素含有ヘテロアリール基のN-オキシド誘導体を含む。
命名が「-基」で終わる一価のヘテロアリール基から誘導された二価の基は、自由原子価電子を有する炭素原子から1個の水素原子を除去して得られ、一価の基の名称に「-イデン(-idene)」を加えることにより命名され、例えば、2つの結合部位を有するピリジル基は、ピリジリデンと呼ばれる。
「複素環」(及び「複素環式」又は「複素環基」などのその変形)は、飽和又は不飽和で、単環式又は多環式(例えば、二環式)の環状脂肪族炭化水素系を広く指し、一般的に3~12個の環原子を有し、独立して酸素、硫黄、窒素及びリン(好ましくは酸素、硫黄、窒素)から選択された少なくとも1個(例えば、2個、3個若しくは4個)のヘテロ原子を含む。多環式系において2つ以上の環は、縮合、架橋又はスピロ環により結合されてもよく、複素環は、アリール基又はヘテロアリール基と縮合してもよい。いくつかの実施例では、複素環は、ベンゼン縮合したものである。複素環は、1つ以上のオキソ又はイミノ部分で置換された環系をさらに含む。いくつかの実施例では、複素環におけるC、N、S及びP原子は、オキソで置換されていてもよい。いくつかの実施例では、複素環におけるC、S及びP原子は、イミノ基で置換されていてもよく、かつイミノ基は、非置換であっても置換されてもよい。安定した構造を形成することを前提として、複素環における炭素原子又はヘテロ原子は、いずれも結合部位であってもよい。複素環に置換基がある場合、該置換基は、安定した化学構造を形成することを前提として、複素環におけるいかなるヘテロ原子又は炭素原子に結合してもよい。
好適な複素環は、例えば、1-ピロリジニル基、2-ピロリジニル基、3-ピロリジニル基、1-イミダゾリジニル基、2-イミダゾリジニル基、3-イミダゾリジニル基、4-イミダゾリジニル基、5-イミダゾリジニル基、1-ピラゾリジニル基、2-ピラゾリジニル基、3-ピラゾリジニル基、4-ピラゾリジニル基、5-ピラゾリジニル基、1-ピペリジニル基、2-ピペリジニル基、3-ピペリジニル基、4-ピペリジニル基、1-ピペラジニル基、2-ピペラジニル基、3-ピペラジニル基、1-ヘキサヒドロピリダジニル基、3-ヘキサヒドロピリダジニル基及び4-ヘキサヒドロピリダジニル基を含む。また、モルホリニル基、例えば、1-モルホリニル基、2-モルホリニル基、3-モルホリニル基及び4-モルホリニル基を含む。1つ以上のオキソ部分を有する複素環の実例は、ピペリジニル-N-オキシド、モルホリニル-N-オキシド、1-オキソ-チオモルホリニル基及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニル基を含むが、これらに限定されない。二環式複素環は、
Figure 2023525383000002
を含むが、これらに限定されない。
本明細書に使用される「アリール-アルキル基」とは、以上のように定義されたアリール基で置換された、以上のように定義されたアルキル基を指す。例示的なアラルキル基は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、アラルキル基は、7~20個又は7~11個の炭素原子を含む。「アリールC1-4アルキル基」を使用する場合、「C1-4」とは、アリール基部分ではなく、アルキル基部分の炭素原子の数を指す。
本明細書に使用される「複素環-アルキル基」とは、以上のように定義された複素環基で置換された、以上のように定義されたアルキル基を指す。「複素環C1-4アルキル基」を使用する場合、「C1-4」とは、複素環基部分ではなく、アルキル基部分の炭素原子の数を指す。
本明細書に使用される「シクロアルキル-アルキル基」とは、以上のように定義されたシクロアルキル基で置換された、以上のように定義されたアルキル基を指す。「C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基」を使用する場合、「C3-10」とは、アルキル基部分ではなく、シクロアルキル基部分の炭素原子の数を指す。「C1-4」とは、シクロアルキル基部分ではなく、アルキル基部分の炭素原子の数を指す。
本明細書に使用される「ヘテロアリール-アルキル基」とは、以上のように定義されたヘテロアリール基で置換された、以上のように定義されたアルキル基を指す。「ヘテロアリール-C1-4アルキル基」を使用する場合、「C1-4」とは、ヘテロアリール基部分ではなく、アルキル基部分の炭素原子の数を指す。
誤解さを回避するために、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、複素環アルキル基、アリール基及び/又はそのヘテロアリール基の置換が言及される場合、その意味は、これらの基を単独で置換することを指すか又はこれらの基を組み合わせて置換することを指す。すなわち、Rがアリール-C1-4アルキル基であり、かつ非置換であるか、又は独立してRから選択された1個、2個、3個若しくは4個などの少なくとも1個の置換基で置換される場合、アリール基部分は、非置換であるか、又は独立してRから選択された1個、2個、3個若しくは4個などの少なくとも1個の置換基で置換され、アルキル基部分も非置換であるか、又は独立してRから選択された1個、2個、3個若しくは4個などの少なくとも1個の置換基で置換されることが理解されるべきである。
「薬学的に許容される塩」とは、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から製造された塩を指す。無機塩基の塩は、例えば、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛の塩から選択されてもよい。さらに、薬学的に許容される無機塩基の塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムの塩から選択されてもよい。固体形態の塩は、1つ以上の結晶形態又は多形体で存在し得、そして、水和物の形態のような溶媒和物で存在し得る。薬学的に許容される非毒性の有機塩基の塩は、例えば、一級、二級及び三級アミンの塩、置換アミン(天然に存在する置換アミンを含む)、環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N′-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンから選択されてもよい。
本特許に指す化合物が塩基である場合、その塩は、少なくとも1種の薬学的に許容される非毒性の酸を用いて製造される必要があり、これらの酸は、無機酸及び有機酸から選択される。例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸から選択される。いくつかの実施例では、これらの酸は、例えば、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、酒石酸から選択されてもよい。
化合物又はその薬学的に許容される塩「の投与」又は「を投与する」とは、治療を必要とする個体に本発明における化合物又はその薬学的に許容される塩を提供することを指す。
「有効量」とは、研究者、獣医師、臨床医又は他の臨床者が観察できる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的な応答を誘発できる化合物又は薬学的に許容される塩の量を指す。
「組成物」は、特定の量の特定成分を含有する製品、及びこれらの特定の量の特定成分を任意に直接的又は間接的に組み合わせて製造された製品を含む。医薬組成物は、有効成分と担体としての不活性成分とを含有する製品、及び該成分のうちの任意の2つ以上の組み合わせ、複合化若しくは凝集から、又は該成分のうちの1つ以上の解離から、又は該成分のうちの1つ以上の他の種類の反応若しくは相互作用から直接的又は間接的に得られた製品を含有する。
「薬学的に許容される」とは、製剤の他の成分と適合し、かつ使用者に許容不可能なほど有害ではないことを指す。
「個体」とは、疾患、病態などに罹患している個体を指し、哺乳動物及び非哺乳動物を含む。哺乳動物は、ヒトと、チンパンジー、他の類人猿及びサルなどの非ヒト霊長類動物と、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの飼養動物と、ウサギ、イヌ及びネコなどの家畜と、ラット、マウス、及びモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物との哺乳類の任意のメンバーを含むが、これらに限定されない。非哺乳類動物は、鳥類、魚類などを含むが、これらに限定されない。本発明の一実施例では、哺乳動物は、ヒトである。
「治療」は、疾患又は症状を緩和、軽減又は改善し、他の症状を予防し、症状の潜在的な代謝因子を改善又は予防し、疾患又は症状を阻害し、例えば、疾患又は症状の進行を阻止し、疾患又は症状を軽減し、疾患又は症状の緩和を促進し、或いは、疾患又は症状の徴候を停止させることを含み、外延的に予防を含む。「治療」は、治療上の利益及び/又は予防上の利益の実現をさらに含む。治療上の利益とは、治療される病態の根絶又は改善を指す。また、治療上の利益は、潜在的な疾患に関連する1つ以上の生理学的徴候を根絶又は改善することにより達成され、患者が依然として潜在的な疾患に罹患しているにも関わらず、患者に疾患の改善が観察される。予防上の利益とは、組成物が、特定の疾患を発症するリスクがある患者、又は疾患の診断がなされていない場合でも、この疾患の生理学的病態の1つ以上を報告する患者に投与され得ることを指す。
「保護基」(Pg)とは、化合物における他の官能基と反応して特定の官能基をブロック又は保護するための置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」とは、化合物におけるアミノ官能基をブロック又は保護する、アミノ基に結合した置換基を指す。好適なアミノ保護基は、アセチル基、トリフルオロアセチル基、t-ブトキシカルボニル基(BOC)、ベンジルオキシカルボニル基(CBZ)及び9-フルオレニルメトキシカルボニル保護基(Fmoc)を含む。同様に、「ヒドロキシル保護基」とは、ヒドロキシ基の機能を効果的にブロック又は保護できるヒドロキシ基の置換基を指す。適切な保護基は、アセチル基及びシリル基などを含むが、これらに限定されない。「カルボキシル保護基」とは、カルボキシル基の機能を効果的にブロック又は保護できるカルボキシル基の置換基を指す。常用のカルボキシル保護基は、-CHCHSOPh、シアノエチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、2-(p-トルエンスルホニル)エチル基、2-(p-ニトロフェニルスルフィニル)エチル基、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル基、ニトロエチル基などを含む。保護基の一般的な記述及び使用説明について、文献T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、New York、1991を参照されたい。
「NH保護基」は、トリクロロエトキシカルボニル基、トリブロモエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p-ニトロベンジルホルミル基、o-ブロモベンジルオキシカルボニル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、フェニルアセチル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、t-ペンチルオキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、p-メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、4-(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル基、2-フルフリルオキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フタロイル基、スクシニル基、アラニル基、ロイシル基、1-アダマンチルオキシカルボニル基、8-キノリルオキシカルボニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、2-ニトロフェニルチオ基、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、N,N-ジメチルアミノメチレン基、ベンジリデン基、2-ヒドロキシベンジリデン基、2-ヒドロキシ-5-クロロベンジリデン基、2-ヒドロキシ-l-ナフチルメチレン基、3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチレン基、シクロヘキシリデン基、2-エトキシカルボニルシクロヘキシリデン基、2-エトキシカルボニルシクロペンチリデン基、2-アセチルシクロヘキシリデン基、3,3-ジメチル-5-オキシシクロヘキシリデン基、ジフェニルホスホリル基、ジベンジルホスホリル基、5-メチル-2-オキシ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基及びトリフェニルシリル基を含むが、これらに限定されない。
「C(O)OH」保護基は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、1,1-ジメチルプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、p-ニトロベンジル基、p-メトキシベンジル基、ビス(p-メトキシフェニル)メチル基、アセチルメチル基、フェナシル基、p-ニトロフェナシル基、p-ブロモフェナシル基、p-メタンスルホンフェナシル基、2-テトラヒドロピラニル基、2-テトラヒドロフラニル基、2,2,2-トリクロロエチル基、2-(トリメチルシリル)エチル基、アセトキシメチル基、プロピオニルオキシメチル基、ピバロイルオキシメチル基、フタルイミドメチル基、スクシンイミドメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、メチルチオメチル基、2-メチルチオエチル基、フェニルチオメチル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、3-メチル-3-ブテニル基、アリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基及びt-ブチルメトキシフェニルシリル基を含むが、これらに限定されない。
「OH又はSH」保護基は、ベンジルオキシカルボニル基、4-ニトロベンジルオキシカルボニル基、4-ブロモベンジルオキシカルボニル基、4-メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4-ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、ジフェニルメトキシカルボニル基、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基、2,2,2-トリブロモエトキシカルボニル基、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基、2-(フェニルスルホニル)エトキシカルボニル基、2-(トリフェニルホスホニオ)エトキシカルボニル基、2-フルフリルオキシカルボニル基、1-アダマンチルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、4-エトキシ-1-ナフチルオキシカルボニル基、8-キノリルオキシカルボニル基、アセチル基、ホルミル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、メチル基、t-ブチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、2-トリメチルシリルエチル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、3-メチル-3-ブテニル基、アリル基、ベンジル基(フェニルメチル基)、p-メトキシベンジル基、3,4-ジメトキシベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、2-メトキシエトキシメチル基、2,2,2-トリクロロ-エトキシメチル基、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル基、1-エトキシエチル基、メタンスルホニル基、p-トルエンスルホニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、t-ブチルジフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基及びt-ブチルメトキシフェニルシリル基を含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物に幾何異性体が存在し得る。本発明の化合物にE又はZの配置の炭素-炭素二重結合又は炭素-窒素二重結合が存在し得、ここで「E」は、カーン・インゴルド・プレローグ(Cahn-Ingold-Prelog)順位則に従って、より高い順位の置換基が炭素-炭素二重結合又は炭素-窒素二重結合の反対側にあることを表し、「Z」は、より高い順位の置換基が炭素-炭素二重結合又は炭素-窒素二重結合の同じ側にあることを表す。本発明の化合物は、「E」と「Z」の異性体の混合物として存在する場合もある。シクロアルキル基又は複素環基の周りの置換基は、シス又はトランスの配置であると呼ばれる。また、本発明は、アダマンタン環系の周りの置換基配置から生じる種々の異性体及びそれらの混合物を含む。アダマンタン環系における単一の環の周りの2個の置換基は、Z又はEの対向配置と呼ばれる。例えば、C.D.Jones、M.Kaselj、R.N.Salvatore、W.J.le Noble J.Org.Chem.1998、63、2758-2760を参照する。
本発明の化合物は、R又はS配置の不斉置換炭素原子を含む場合があり、「R」及び「S」の定義は、IUPAC 1974 Recommendations for Section E、Fundamental Stereochemistry、Pure Appl.Chem.(1976)45、13~10を参照する。不斉置換炭素原子を含む化合物は、RとS配置の不斉置換炭素原子が等量であれば、ラセミ体である。そのうちの1種の配置の量が他の配置の量よりも多い場合、キラル炭素原子の配置は、量が多い配置で表され、好ましくは鏡像異性体過剰率が約85~90%であり、より好ましくは約95~99%であり、さらに好ましくは約99%以上である。したがって、本発明は、ラセミ混合物、相対的及び絶対的な立体異性体、並びに相対的及び絶対的な立体異性体の混合物を含有する。
同位体濃縮化合物又は同位体標識化合物
本発明の化合物は、自然界で最も一般的な原子質量及び質量数と異なる原子質量及び質量数を有する1個以上の原子を含有する同位体標識又は同位体濃縮形態で存在することができる。同位体は、放射性又は非放射性の同位体であってもよい。水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素及びヨウ素などの原子の同位体は、H、H、13C、14C、15N、18O、32P、35S、18F、36Cl及び125Iを含むが、これらに限定されない。これら及び/又は他の原子の他の同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。
別の実施例では、同位体標識化合物は、重水素(H)、トリチウム(H)又は14C同位体を含む。本発明の同位体標識化合物は、当業者によく知られている方法で得ることができる。これらの同位体標識化合物は、本発明の実施例及び反応図を参照して、非標識試薬を同位体標識試薬に置き換えることにより得ることができる。いくつかの例では、化合物を同位体標識試薬で処理し、原子をその同位体原子に置き換え、例えば、DSO/DOなどの重水素化酸の作用により水素を重水素に置き換えることができる。
本発明の同位体標識化合物は、PI3K阻害剤の薬効結合アッセイにおける標準とすることができる。同位体を含む化合物は、薬学的研究に使用されて、非同位体標識親化合物の作用機序及び代謝経路を評価することにより、化合物のインビボ代謝運命を研究することができる(Blakeら、J.Pharm.Sci.64、3、367~391(1975))。このような代謝研究は、安全で効果的な治療薬物の設計に対して非常に重要であり、患者が使用した、インビボ活性化合物又は親化合物から生成される代謝産物が毒性又は発癌性を有することを判断することができる(Fosterら、Advances in Drug Research Vol.14、pp.2~36、Academic press、London、1985;Katoら、J.Labelled Compounds.Radiopharmaceuticals.、36(10)、927~932(1995);Kushnerら、Can.J.Physiol.Pharmacology、77、79~88(1999)。
また、「ヘビードラッグ(heavy drugs)」と呼ばれる重水素化薬物などの、非放射性活性同位体を含む薬物は、PI3K活性に関連する疾患及び病態を治療するために用いることができる。化合物中のある同位体の比率がその天然の存在度を超えることは、濃縮と呼ばれる。濃縮量は、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、21、25、29、33、37、42、46、50、54、58、63、67、71、75、79、84、88、92、96~約100mol%を含むが、これらに限定されない。
薬物の安定同位体標識は、pKa及び液体溶解性などのその物理化学的性質を変化させることができる。同位体置換は、リガンド-受容体相互作用に関連する領域に影響を与えると、これらの作用及び変化は、薬物分子の薬力学的応答に影響を与える可能性がある。安定した同位体標識分子のある物理的性質は、非標識分子の物理的性質と異なるが、化学的及び生物学的性質は、重同位体の質量が増加するため、重同位体及び別の原子を含有する任意の化学結合が軽同位体とその原子との化学結合よりも強いという1つの重要な区別を除いて、同じである。それに応じて、代謝又は酵素変換部位に同位体が存在すると、該反応を緩めるため、非同位体標識化合物と比較して、その薬物動態プロファイル又は薬効を変化させる可能性がある。
実施形態(1)では、本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2023525383000003
(I)
(式中、
Xは、CR及びNから選択され、
Yは、CR及びNから選択され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX2から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、R及びRは、それらが結合している原子と一緒に、C3-10シクロアルキル基、又は独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含む4~12員複素環基を形成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX2置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、-C(O)RA4、-C(=NRE4)RA4、-C(=N-ORB4)RA4、-C(O)ORA4、-OC(O)RA4、-C(O)NRA4B4、-NRA4C(O)RB4、-C(=NRE4)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)RB4、-OC(O)NRA4B4、-NRA4C(O)ORB4、-NRA4C(O)NRA4B4、-NRA4C(S)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)NRA4B4、-S(O)A4、-S(O)(=NRE4)RB4、-N=S(O)RA4B4、-S(O)ORA4、-OS(O)A4、-NRA4S(O)B4、-NRA4S(O)(=NRE4)RB4、-S(O)NRA4B4、-S(O)(=NRE4)NRA4B4、-NRA4S(O)NRA4B4、-NRA4S(O)(=NRE4)NRA4B4、-P(O)RA4B4及び-P(O)(ORA4)(ORB4)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA6B6、-ORA6、-C(O)RA6、-C(=NRE6)RA6、-C(=N-ORB6)RA6、-C(O)ORA6、-OC(O)RA6、-C(O)NRA6B6、-NRA6C(O)RB6、-C(=NRE6)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)RB6、-OC(O)NRA6B6、-NRA6C(O)ORB6、-NRA6C(O)NRA6B6、-NRA6C(S)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)NRA6B6、-S(O)A6、-S(O)(=NRE6)RB6、-N=S(O)RA6B6、-S(O)ORA6、-OS(O)A6、-NRA6S(O)B6、-NRA6S(O)(=NRE6)RB6、-S(O)NRA6B6、-S(O)(=NRE6)NRA6B6、-NRA6S(O)NRA6B6、-NRA6S(O)(=NRE6)NRA6B6、-P(O)RA6B6及び-P(O)(ORA6)(ORB6)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA7B7、-ORA7、-C(O)RA7、-C(=NRE7)RA7、-C(=N-ORB7)RA7、-C(O)ORA7、-OC(O)RA7、-C(O)NRA7B7、-NRA7C(O)RB7、-C(=NRE7)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)RB7、-OC(O)NRA7B7、-NRA7C(O)ORB7、-NRA7C(O)NRA7B7、-NRA7C(S)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)NRA7B7、-S(O)A7、-S(O)(=NRE7)RB7、-N=S(O)RA7B7、-S(O)ORA7、-OS(O)A7、-NRA7S(O)B7、-NRA7S(O)(=NRE7)RB7、-S(O)NRA7B7、-S(O)(=NRE7)NRA7B7、-NRA7S(O)NRA7B7、-NRA7S(O)(=NRE7)NRA7B7、-P(O)RA7B7及び-P(O)(ORA7)(ORB7)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
A1及びRB1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRx1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA1及びRB1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX1の置換基で置換され、
A4及びRB4の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA4及びRB4は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX4置換基で置換され、
A5及びRB5の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA5及びRB5は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX5置換基で置換され、
A6及びRB6の各々は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA6及びRB6は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX6置換基で置換され、
A7及びRB7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、RA7及びRB7は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX7置換基で置換され、
各RE1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE4は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE5は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE6は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各RE7は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
X1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6及びRX7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、-NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a1及びRb1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
c1及びRd1の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
各Re1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から選択され、
各Rは、独立して、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してヒドロキシ基、CN、アミノ基、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a2及びRb2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
c2及びRd2の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
各Re2は、独立して、水素、CN、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、-C(O)C1-4アルキル基、-C(O)C3-10シクロアルキル基、-C(O)OC1-4アルキル基、-C(O)OC3-10シクロアルキル基、-C(O)N(C1-4アルキル)、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)、-S(O)1-4アルキル基、-S(O)3-10シクロアルキル基、-S(O)N(C1-4アルキル)及び-S(O)N(C3-10シクロアルキル)から選択され、
mは、0、1、及び2から選択され、
各rは、独立して、0、1及び2から選択され、
各tは、独立して、0、1、2、3及び4から選択される。)
別の実施形態(2)では、本発明に係る実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、Nである。
別の実施形態(3)では、本発明に係る実施形態(1)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、CRである。
別の実施形態(4)では、本発明に係る実施形態(3)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(5)では、本発明に係る実施形態(4)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択され、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。別の実施形態では、Rは、重水素及びFから選択される。
別の実施形態(6)では、本発明に係る実施形態(1)~(5)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Yは、Nである。
別の実施形態(7)では、本発明に係る実施形態(1)~(5)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Yは、CRである。
別の実施形態(8)では、本発明に係る実施形態(7)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基及びC3-10シクロアルコキシ基から選択され、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びシクロアルコキシ基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(9)では、本発明に係る実施形態(8)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択され、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、好ましくは、Rは、水素である。
別の実施形態(10)では、本発明に係る実施形態(1)~(9)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(11)では、本発明に係る実施形態(10)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(12)では、本発明に係る実施形態(11)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基、ピリジル基及びピリミジニル基から選択され、非置換であるか、又は独立してハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(13)では、本発明に係る実施形態(12)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基又はトリフルオロフェニル基である。
別の実施形態(14)では、本発明に係る実施形態(1)~(13)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX2及びRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(15)では、本発明に係る実施形態(14)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX2及びRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(16)では、本発明に係る実施形態(15)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、メチル基、エチル基及びシクロプロピル基から選択される。
別の実施形態(17)では、本発明に係る実施形態(1)~(16)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは、1である。
別の実施形態(18)では、本発明に係る実施形態(1)~(17)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-S(O)A5、-S(O)ORA5及び-S(O)NRA5B5から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(19)では、本発明に係る実施形態(18)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-NRA5C(O)RB5、-S(O)A5及び-S(O)NRA5B5から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(20)では、本発明に係る実施形態(19)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、F、Cl、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択される。
別の実施形態(21)では、本発明に係る実施形態(1)~(20)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、RはC1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(22)では、本発明に係る実施形態(21)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(23)では、本発明に係る実施形態(22)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基及びチアゾリル基から選択され、各フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基及びチアゾリル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(24)では、本発明に係る実施形態(1)~(23)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、各RX4は、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1及び-(CRc1d1NRa1S(O)b1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(25)では、本発明に係る実施形態(24)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、各RX4は、独立して、F、Cl、Br、CN、-NH、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、
Figure 2023525383000004
から選択され、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びシクロプロポキシ基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲンから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態(26)では、本発明に係る実施形態(25)の化合物又はその薬学的に許容される塩において、各RX4は、独立して、F、CN、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、
Figure 2023525383000005
から選択される。
別の実施形態(27)では、本発明に係る実施形態(1)~(26)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2023525383000006
から選択される。
別の実施形態(28)では、本発明は、
Figure 2023525383000007
Figure 2023525383000008
Figure 2023525383000009
Figure 2023525383000010
Figure 2023525383000011
から選択された化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態(29)では、本発明は、実施形態(1)~(28)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
別の実施形態(30)では、本発明は、PI3K阻害に応答する病状を治療、改善又は予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする個体に有効量の実施形態(1)~(28)のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1種のその医薬組成物を、任意に第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
別の実施形態(31)では、本発明は、細胞増殖性障害を治療する医薬の製造における、実施形態(1)~(28)のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
別の実施形態(32)では、本発明に係る実施形態(31)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用において、細胞増殖性障害は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、精巣癌、肺癌(NSCLC、SCLC、扁平上皮癌又は腺癌を含む)、食道癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌(RCCを含む)、肝癌(HCCを含む)、膵臓癌、胃癌(すなわち胃の癌)、甲状腺癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞由来のリンパ性悪性腫瘍、黒色腫、骨髄性白血病及び骨髄腫を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施例は、以下のように説明されてもよい。
実施形態<1>では、本発明は、式<I′>で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2023525383000012
<I′>
(式中、
Xは、CR及びNから選択され、
は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環基-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
及びRは、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環基-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(=NRE2)RA2、-C(=N-ORB2)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-C(=NRE2)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)RB2、-OC(O)NRA2B2、-NRA2C(O)ORB2、-NRA2C(O)NRA2B2、-NRA2C(S)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)NRA2B2、-S(O)A2、-S(O)(=NRE2)RB2、-N=S(O)RA2B2、-S(O)ORA2、-OS(O)A2、-NRA2S(O)B2、-NRA2S(O)(=NRE2)RB2、-S(O)NRA2B2、-S(O)(=NRE2)NRA2B2、-NRA2S(O)NRA2B2、-NRA2S(O)(=NRE2)NRA2B2、-P(O)RA2B2及び-P(O)(ORA2)(ORB2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
A1、RA2、RB1及びRB2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、「RA1及びRB1」又は「RA2及びRB2」の各々は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又はRから選択された1個、2個若しくは3個の置換基で置換され、
E1及びRE2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、ORa1、SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-S(O)NRa1b1及び-C(O)NRa1b1から選択され、
各Rは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a1及びRb1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra1及びRb1の各々は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又はRから選択された1個、2個若しくは3個の置換基で置換され、
c1及びRd1の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc1及びRd1の各々は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む3~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又はRから選択された1個、2個若しくは3個の置換基で置換され、
各Re1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、ORa2、SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から選択され、
各Rは、独立して、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してOH、CN、アミノ基、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a2及びRb2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、OH、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra2及びRb2の各々は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、OH、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換され、
c2及びRd2の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、OH、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc2及びRd2の各々、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又はハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、OH、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換され、
各Re2は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN及びNOから選択され、
mは、0、1、2及び3から選択され、
各rは、独立して、0、1及び2から選択され、
各tは、独立して、0、1、2、3及び4から選択される。)
別の実施形態<2>では、本発明に係る実施形態<1>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、Nである。
別の実施形態<3>では、本発明に係る実施形態<1>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、CRである。
別の実施形態<4>では、本発明に係る実施形態<3>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<5>では、本発明に係る実施形態<4>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<6>では、本発明に係る実施形態<1>~<5>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<7>では、本発明に係る実施形態<6>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<8>では、本発明に係る実施形態<7>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基であり、非置換であるか、又はハロゲンで置換される。
別の実施形態<9>では、本発明に係る実施形態<8>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基又はトリフルオロフェニル基である。
別の実施形態<10>では、本発明に係る実施形態<1>~<9>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<11>では、本発明に係る実施形態<10>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<12>では、本発明に係る実施形態<11>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、メチル基、エチル基及びシクロプロピル基から選択される。
別の実施形態<13>では、本発明に係る実施形態<1>~<12>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<14>では、本発明に係る実施形態<13>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NO、C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<15>では、本発明に係る実施形態<14>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素である。
別の実施形態<16>では、本発明に係る実施形態<1>~<15>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは、0、1及び2から選択される。
別の実施形態<17>では、本発明に係る実施形態<16>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは、水素である。
別の実施形態<18>では、本発明に係る実施形態<1>~<17>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-S(O)A1、-S(O)ORA1及び-S(O)NRA1B1から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<19>では、本発明に係る実施形態<18>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-NRA1C(O)RB1、-S(O)A1及び-S(O)NRA1B1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<20>では、本発明に係る実施形態<19>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、F、Cl、メチル基及びエチル基から選択される。
別の実施形態<21>では、本発明に係る実施形態<1>~<20>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-S(O)A2、-S(O)ORA2及び-S(O)NRA2B2から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<22>では、本発明に係る実施形態<21>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<23>では、本発明に係る実施形態<22>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基から選択され、アリール基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<24>では、本発明に係る実施形態<23>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基であり、フェニル基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<25>では、本発明に係る実施形態<1>~<24>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)ORb1及び-(CRc1d1NRa1S(O)b1から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<26>では、本発明に係る実施形態<25>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1及び-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<27>では、本発明に係る実施形態<26>の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、F、Cl、Br、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基及び-NHSOCHから独立して選択され、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びシクロプロポキシ基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態<28>では、本発明に係る実施形態<1>~<27>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2023525383000013
から選択される。
別の実施形態<29>では、本発明は、
Figure 2023525383000014
Figure 2023525383000015
Figure 2023525383000016
から選択された化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態<30>では、本発明は、実施形態<1>~<29>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
別の実施形態<31>では、本発明は、PI3K阻害に応答する病状を治療、改善又は予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする個体に有効量の実施形態<1>~<29>のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1種のその医薬組成物を、任意に第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
別の実施形態<32>では、本発明は、細胞増殖性障害を治療する医薬の製造における、実施形態<1>~<29>のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
いくつかの実施例は、以下のように説明されてもよい。
実施形態[1]では、本発明は、式[I″]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
Figure 2023525383000017
[I″]
(式中、
Xは、CR及びNから選択され、
Yは、CR及びNから選択され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
及びRは、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、R及びRは、それらが結合している原子と一緒に、C3-10シクロアルキル基、又は独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含む4~12員複素環基を形成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のR置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA2B2、-ORA2、-C(O)RA2、-C(=NRE2)RA2、-C(=N-ORB2)RA2、-C(O)ORA2、-OC(O)RA2、-C(O)NRA2B2、-NRA2C(O)RB2、-C(=NRE2)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)RB2、-OC(O)NRA2B2、-NRA2C(O)ORB2、-NRA2C(O)NRA2B2、-NRA2C(S)NRA2B2、-NRA2C(=NRE2)NRA2B2、-S(O)A2、-S(O)(=NRE2)RB2、-N=S(O)RA2B2、-S(O)ORA2、-OS(O)A2、-NRA2S(O)B2、-NRA2S(O)(=NRE2)RB2、-S(O)NRA2B2、-S(O)(=NRE2)NRA2B2、-NRA2S(O)NRA2B2、-NRA2S(O)(=NRE2)NRA2B2、-P(O)RA2B2及び-P(O)(ORA2)(ORB2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA3B3、-ORA3、-C(O)RA3、-C(=NRE3)RA3、-C(=N-ORB3)RA3、-C(O)ORA3、-OC(O)RA3、-C(O)NRA3B3、-NRA3C(O)RB3、-C(=NRE3)NRA3B3、-NRA3C(=NRE3)RB3、-OC(O)NRA3B3、-NRA3C(O)ORB3、-NRA3C(O)NRA3B3、-NRA3C(S)NRA3B3、-NRA3C(=NRE3)NRA3B3、-S(O)A3、-S(O)(=NRE3)RB3、-N=S(O)RA3B3、-S(O)ORA3、-OS(O)A3、-NRA3S(O)B3、-NRA3S(O)(=NRE3)RB3、-S(O)NRA3B3、-S(O)(=NRE3)NRA3B3、-NRA3S(O)NRA3B3、-NRA3S(O)(=NRE3)NRA3B3、-P(O)RA3B3及び-P(O)(ORA3)(ORB3)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、-C(O)RA4、-C(=NRE4)RA4、-C(=N-ORB4)RA4、-C(O)ORA4、-OC(O)RA4、-C(O)NRA4B4、-NRA4C(O)RB4、-C(=NRE4)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)RB4、-OC(O)NRA4B4、-NRA4C(O)ORB4、-NRA4C(O)NRA4B4、-NRA4C(S)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)NRA4B4、-S(O)A4、-S(O)(=NRE4)RB4、-N=S(O)RA4B4、-S(O)ORA4、-OS(O)A4、-NRA4S(O)B4、-NRA4S(O)(=NRE4)RB4、-S(O)NRA4B4、-S(O)(=NRE4)NRA4B4、-NRA4S(O)NRA4B4、-NRA4S(O)(=NRE4)NRA4B4、-P(O)RA4B4及び-P(O)(ORA4)(ORB4)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
A1、RA2、RA3、RA4、RA5、RB1、RB2、RB3、RB4及びRB5の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、「RA1及びRB1」、「RA2及びRB2」、「RA3及びRB3」、「RA4及びRB4」又は「RA5及びRB5」は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0、1又は2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1、2若しくは3個のR置換基で置換され、
E1、RE2、RE3、RE4及びRE5の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
各Rは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、-NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a1及びRb1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
c1及びRd1の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
各Re1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から選択され、
各Rは、独立して、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してヒドロキシ基、CN、アミノ基、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
a2及びRb2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
c2及びRd2の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
各Re2は、独立して、水素、CN、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、-C(O)C1-4アルキル基、-C(O)C3-10シクロアルキル基、-C(O)OC1-4アルキル基、-C(O)OC3-10シクロアルキル基、-C(O)N(C1-4アルキル)、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)、-S(O)1-4アルキル基、-S(O)3-10シクロアルキル基、-S(O)N(C1-4アルキル)及び-S(O)N(C3-10シクロアルキル)から選択され、
mは、0、1、2及び3から選択され、
各rは、独立して、0、1及び2から選択され、
各tは、独立して、0、1、2、3及び4から選択される。)
別の実施形態[2]では、本発明に係る実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、Nである。
別の実施形態[3]では、本発明に係る実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Xは、CRである。
別の実施形態[4]では、本発明に係る実施形態[3]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[5]では、本発明に係る実施形態[4]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[6]では、本発明に係る実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Yは、Nである。
別の実施形態[7]では、本発明に係る実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Yは、CRである。
別の実施形態[8]では、本発明に係る実施形態[7]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[9]では、本発明に係る実施形態[8]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NO、C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[10]では、本発明に係る実施形態[9]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素である。
別の実施形態[11]では、本発明に係る実施形態[1]~[10]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[12]では、本発明に係る実施形態[11]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[13]では、本発明に係る実施形態[12]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基であり、非置換であるか、又はハロゲンで置換される。
別の実施形態[14]では、本発明に係る実施形態[13]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基又はトリフルオロフェニル基である。
別の実施形態[15]では、本発明に係る実施形態[1]~[14]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[16]では、本発明に係る実施形態[15]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[17]では、本発明に係る実施形態[16]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、R及びRは、独立して、水素、メチル基、エチル基及びシクロプロピル基から選択される。
別の実施形態[18]では、本発明に係る実施形態[1]~[17]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは、0、1及び2から選択される。
別の実施形態[19]では、本発明に係る実施形態[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、mは、1である。
別の実施形態[20]では、本発明に係る実施形態[1]~[19]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-S(O)A1、-S(O)ORA1及び-S(O)NRA1B1から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[21]では、本発明に係る実施形態[20]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-NRA1C(O)RB1、-S(O)A1及び-S(O)NRA1B1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[22]では、本発明に係る実施形態[21]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、F、Cl、メチル基及びエチル基から選択される。
別の実施形態[23]では、本発明に係る実施形態[1]~[22]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-S(O)A1、-S(O)ORA1及び-S(O)NRA1B1から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[24]では、本発明に係る実施形態[23]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[25]では、本発明に係る実施形態[24]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[26]では、本発明に係る実施形態[25]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、フェニル基及びピリジル基から選択され、フェニル基及びピリジル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[27]では、本発明に係る実施形態[1]~[26]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)ORb1及び-(CRc1d1NRa1S(O)b1から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[28]では、本発明に係る実施形態[27]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1及び-(CRc1d1NRa1S(O)b1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される。
別の実施形態[29]では、本発明に係る実施形態[28]の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rの置換基Rは、独立して、F、Cl、Br、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、
Figure 2023525383000018
から選択される。
別の実施形態[30]では、本発明に係る実施形態[1]~[29]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩において、Rは、
Figure 2023525383000019
から選択される。
別の実施形態[31]では、本発明は、
Figure 2023525383000020
Figure 2023525383000021
Figure 2023525383000022
Figure 2023525383000023
から選択される化合物及びその薬学的に許容される塩を提供する。
別の実施形態[32]では、本発明は、実施形態[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物を提供する。
別の実施形態[33]では、本発明は、PI3K阻害に応答する病状を治療、改善又は予防する方法を提供し、該方法は、それを必要とする個体に有効量の実施形態[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1種のその医薬組成物を、任意に第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む。
別の実施形態[34]では、本発明は、細胞増殖性障害を治療する医薬の製造における、実施形態[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
別の実施形態[35]では、本発明に係る実施形態[34]の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用において、細胞増殖性障害は、リンパ腫、骨肉腫、黒色腫、又は乳腺、腎臓、前立腺、結腸直腸、甲状腺、卵巣、膵臓、ニューロン、肺、子宮若しくは消化管の腫瘍を含むが、これらに限定されない。
別の実施形態[36]では、本発明に係る実施形態[34]の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用において、細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害である。
別の実施形態[37]では、本発明に係る実施形態[36]の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用において、B細胞増殖性障害は、B細胞悪性腫瘍、B細胞慢性リンパ球性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、多発性硬化症、小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B細胞非ホジキンリンパ腫、活性化B細胞様びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、多発性骨髄腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、リンパ腫様肉芽腫症及び形質細胞腫を含むが、これらに限定されない。
別の態様では、本発明は、本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を含有するキットと、成分を適用すべき疾患状態、成分の保存情報、投与情報、及び成分の投与方法に関する指示からなる群から選択される1つ以上の情報を含む説明書とを提供する。特別な変形例では、キットは、複数回投与形態の化合物を含有する。
別の態様では、本発明は、本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する製品と、包装材料とを提供する。1つの変形例では、包装材料は、容器を含む。特別な変形例では、上記容器は、化合物を適用すべき疾患状態、保存情報、投与情報及び/又は化合物の投与方法に関する指示からなる群から選択される1つ以上の内容を示すラベルを含む。別の変形例では、製品は、複数回投与形態の化合物を含む。
別の態様では、本発明は、治療方法を提供し、該方法は、個体に本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
別の態様では、本発明は、本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩をPI3Kと接触させることにより、PI3Kを阻害する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、PI3Kを阻害する方法を提供し、該方法は、インビボでPI3Kの活性を阻害するために、本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を個体内に存在させることを含む、。
別の態様では、本発明は、PI3Kを阻害する方法を提供し、該方法は、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を個体に投与することを含み、第2の化合物がインビボでPI3Kの活性を阻害し、かつ第2の化合物が以上の実施形態のいずれか一項に記載の化合物及び変異体である。
別の態様では、本発明は、PI3Kの活性が疾患状態の病理及び/又は症状の一因である疾患状態を治療する方法を提供し、該方法は、該疾患状態に対して治療有効量の本明細書に開示された化合物又はその薬学的に許容される塩を個体内に存在させることを含む。
別の態様では、本発明は、PI3Kの活性が疾患状態の病理及び/又は症状の一因である疾患状態を治療する方法を提供し、該方法は、インビボで第2の化合物に変換される第1の化合物を個体に投与することを含み、第2の化合物がインビボでPI3Kの活性を阻害する。本発明の上記化合物は、変換前の化合物であっても変換後の化合物であってもよいことに留意されたい。
上記各方法の変形例では、疾患状態は、癌性増殖性疾患(例えば、脳、肺、扁平上皮細胞、膀胱、胃、膵臓、乳腺、頭、頸部、腎臓部(renal)、腎臓、卵巣、前立腺、結腸直腸、表皮、食道、精巣、婦人科又は甲状腺の癌)、非癌性増殖性疾患(例えば、皮膚の良性過形成(例えば、乾癬)、再狭窄及び良性前立腺肥大(BPH))、膵炎、腎臓疾患、痛み、胚盤胞着床防止、血管形成又は血管新生に関連する疾患(例えば、腫瘍血管新生、急性及び慢性の炎症性疾患(例えば、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患)、皮膚病(例えば、乾癬、湿疹及び強皮症)、糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児網膜症、加齢黄斑変性症、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌及び類表皮癌)、喘息、好中球走化性(例えば、心筋梗塞及び脳卒中の再灌流傷害及び炎症性関節炎)、敗血症性ショック、免疫抑制に価値があるT細胞媒介性疾患(例えば、臓器移植拒絶、移植片対宿主病、エリテマトーデス、多発性硬化症及び関節リウマチの予防)、アテローム性動脈硬化症、成長因子カクテルに対する角質細胞の反応の阻害、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、及び他の疾患から選択される。
別の態様では、本発明は、PI3K遺伝子の変異が、例えば、黒色腫、肺癌、結腸癌、及び他のタイプの腫瘍を含む疾患状態の病理及び/又は症状の一因である疾患状態を治療する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、以上の実施形態のいずれか一項に記載の化合物及び変異体の、医薬としての使用に関する。別の態様では、本発明は、PI3K阻害医薬の製造における、以上の実施形態のいずれか一項に記載の化合物及び変異体の使用に関する。
別の態様では、本発明は、PI3Kの活性が病理及び/又は症状の一因である疾患状態を治療する医薬の製造における、以上の実施形態のいずれか一項に記載の化合物及び変異体の使用に関する。
投与及び医薬組成物
一般的には、本発明の上記化合物は、単独で、又は1種以上の治療剤と組み合わせて、本分野において既知である一般的で許容し得る方式のいずれかを介して、治療有効量で投与される。治療有効量は、被験者の疾患の重篤性、年齢及び相対的な健康状況、使用される化合物の薬効、並びに本分野に既知の他の要因に依存して広く変化し得る。例えば、腫瘍性疾患及び免疫系疾患の治療に対して、必要な投与量は、投与モード、治療される具体的な病態及び望まれる効果に応じて異なる。
一般的に、1日投与量が0.001~100mg/kg体重であり、具体的には、約0.03~2.5mg/kg体重である場合に、満足な結果を得ることができる。ヒトなどの大型哺乳動物の1日投与量は、例えば、1日4回以下の分割投与量で、又は徐放形態で便利に投与される、約0.5mg~約2000mgであり、又はより具体的には、0.5mg~1000mgであってもよい。経口投与に好適な単位投与量形態は、約1~50mgの活性成分を含有する。
本発明の上記化合物は、任意の一般的な経路により、例えば、錠剤又はカプセルの形態で経腸的に、例えば、経口的に、例えば、注射液又は懸濁液の形態で非経口的に、或いは、例えば、ローション、ジェル、軟膏、若しくはクリームの形態で、又は経鼻剤若しくは坐剤の形態で局所的に医薬組成物の形態で投与してもよい。
遊離塩基又は薬学的に許容される塩の形態の本発明の上記化合物と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含む医薬組成物は、混合、造粒、コーティング、溶解又は凍結乾燥のプロセスにより一般的な方式で製造してもよい。例えば、医薬組成物は、本発明の上記化合物と少なくとも1つの薬学的に許容される担体又は希釈剤との組み合わせを含有し、薬学的に許容される担体又は希釈剤と混合することにより、一般的な方式で製造してもよい。経口投与用の単位投与量形態は、例えば、約0.1mg~約500mgの活性物質を含有する。
一実施例では、医薬組成物は、懸濁液又は分散液、例えば、等張水溶液を含む、活性成分の溶液である。活性成分を単独で又はマンニトールなどの担体と共に含む凍結乾燥組成物の場合、使用前に分散液又は懸濁液を製造することができる。医薬組成物は、滅菌されてもよく、及び/又は、防腐剤、安定剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節する塩及び/若しくは緩衝剤などの補助剤を含んでもよい。好適な防腐剤は、アスコルビン酸などの酸化防止剤と、ソルビン酸又は安息香酸などの殺微生物剤とを含むが、これらに限定されない。溶液又は懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ゼラチンを含むが、これらに限定されない増粘剤、又はツイーン80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)などの可溶化剤をさらに含んでもよい。
油中の懸濁液は、油性成分として、注射目的のために常用されている植物油、合成油又は半合成油を含んでもよい。実施例では、酸成分として、8~22個の炭素原子、又はいくつかの実施形態では、12~22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を含有する液体脂肪酸エステルを含む。好適な液体脂肪酸エステルは、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸又は対応する不飽和酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、プランジン酸及びリノール酸を含むが、これらに限定されず、必要に応じて、酸化防止剤、例えば、ビタミンE、3-カロチン又は3,5-ジ-t-ブチル-ヒドロキシトルエンを含んでもよい。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、6個の炭素原子を有してもよく、かつ一価又は多価、例えば、一価、二価又は三価のアルコールであってもよい。好適なアルコール成分は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール若しくはペンタノール、又はこれらの異性体、エチレングリコール及びグリセロールを含むが、これらに限定されない。
他の好適な脂肪酸エステルは、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、LABRAFIL(登録商標)M2375、(ポリオキシエチレングリセロール)、LABRAFIL(登録商標)M1944 CS(杏仁油の加アルコール分解により製造され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含む不飽和ポリエチレングリコール化グリセリド)、LABRASOL(商標)(TCMの加アルコール分解により製造され、グリセリド及びポリエチレングリコールエステルを含有する飽和ポリエチレングリコール化グリセリド、いずれもフランスGaKefosse会社から入手可能)、及び/又はMIGLYOL(登録商標)812(ドイツHuls AG会社の鎖長がC8~C12の飽和脂肪酸トリグリセリド)、並びに綿実油、杏仁油、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、大豆油又は落花生油などの植物油を含むが、これらに限定されない。
経口投与用の医薬組成物は、例えば、活性成分を1種以上の固体担体と混合し、必要に応じて、得られた混合物をペレット化し、かつさらなる賦形剤を添加することにより上記混合物又は粒子を加工して、錠剤又は錠剤コアを形成することにより、得ることができる。
好適な担体は、充填剤(例えば、糖類(例えば、ラクトース、ショ糖、マンニトール又はソルビトール)、セルロース製剤及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム))、及び結合剤(例えば、デンプン(例えば、トウモロコシ、小麦、米又はジャガイモのデンプン)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び/又はポリビニルピロリドン)、及び/又は、必要に応じて、崩壊剤(例えば、上記デンプン、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸又はその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム))を含むが、これらに限定されない。さらなる賦形剤は、流動調整剤及び潤滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸若しくはその塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム)、及び/又はポリエチレングリコール、或いはこれらの誘導体を含む。
錠剤コアには、特に、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含んでもよい濃縮糖溶液、又は好適な有機溶媒若しくは溶媒混合物に溶解したコーティング溶液、又は腸溶性コーティングに好適なセルロース製剤の溶液、例えば、酢酸フタル酸セルロース若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートの溶液を使用することにより、好適な、任意で腸溶性のコーティングを提供することができる。例えば、識別目的のため、又は異なる用量の活性成分を示すために、錠剤又は錠剤コーティングに染料又は顔料を添加してもよい。
また、経口投与用の医薬組成物は、ゼラチンを含む硬カプセル、又はゼラチンと可塑剤(例えば、グリセロール又はソルビトール)とを含む軟密封カプセルを含んでもよい。硬カプセルは、例えば、充填剤(例えば、トウモロコシデンプン)、結合剤及び/又は流動促進剤(例えば、タルク又はステアリン酸マグネシウム)、及び任意に安定剤と混合した活性成分を粒子の形態で含んでもよい。軟カプセルにおいて、好適な液体賦形剤、例えば、脂肪油、パラフィン油、又は液体ポリエチレングリコール、又はエチレングリコール若しくはプロピレングリコールの脂肪酸エステルに活性成分を溶解又は懸濁させてもよく、これに、安定剤及び洗浄剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸エステル型の洗浄剤を添加してもよい。
直腸内投与に適した医薬組成物は、例えば、活性成分と坐剤基剤との組み合わせを含有する坐剤である。好適な坐剤基剤は、例えば、天然若しくは合成のトリグリセリド、パラフィン系炭化水素、ポリエチレングリコール、又は高級アルカノールである。
非経口投与に適した医薬組成物は、水溶性形態の活性成分、例えば、水溶性塩の水溶液、又は増粘物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/若しくはデキストランと、必要に応じて、安定剤とを含有する水性注射懸濁液を含んでもよい。活性成分は、任意に賦形剤と共に、凍結乾燥物の形態であってもよく、好適な溶媒を添加することにより非経口投与前に溶液にすることができる。使用される解決手段は、例えば、非経口投与の場合、注入溶液として用いられてもよい。注射製剤の製造は、一般的に、滅菌条件下で実施され、例えばアンプル又はバイアルへの充填、そして容器の密封が行われる。
本発明は、a)遊離形態又は薬学的に許容される塩の形態の本発明に開示される化合物と、b)少なくとも1つの助剤とを含有する医薬組み合わせ物、例えば、キットをさらに提供する。該キットは、その使用についての説明書を含有してもよい。
併用療法
本特許の上記化合物又は薬学的に許容される塩は、単独で又は他の治療剤と組み合わせて使用されてもよい。
例えば、補助剤(adjuvant)を使用して本発明における化合物の治療効果を向上させることができ(例えば、補助薬物を単独で使用すると、治療上の利益が極めて小さいが、別の薬物と組み合わせて使用すると、個体に対する治療上の利益を向上させることができる)、或いは、例えば、本発明の化合物を、同様に治療効果を有する別の治療剤と組み合わせて使用すると、個体に対する治療効果を向上させることができる。例えば、痛風を治療する場合、本発明の化合物を使用するときに、痛風を治療する別の薬物と組み合わせて使用すると、臨床的利益を増加させる可能性がある。或いは、例えば、本発明の化合物を使用するときの副作用が吐き気であれば、制吐剤と組み合わせて使用することができる。或いは、併用療法は、理学療法、心理療法、放射線療法、疾患領域に対する圧迫療法、休憩、食事改善などを含むが、これらに限定されない。どのような疾患、病態又は病状に関係なく、2種の療法により、個体の治療上の利益が相加効果又は相乗効果を有する。
本特許の化合物が他の治療剤と組み合わせて使用される場合、本特許の化合物の医薬組成物は、他の薬物と同じ投与経路で投与されてもよく、物理的及び化学的性質が異なるため、異なる投与経路で投与されてもよい。例えば、本特許の化合物は、経口投与されると、良好な血中レベルを生成し維持することができ、別の治療剤は、静脈内投与する必要がある可能性がある。したがって、本特許の化合物は、他の治療剤と同時に、逐次又は別々に投与されてもよい。
実施例
式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の合成方法は、様々であり、本実例で列挙されたのは代表的な方法である。しかしながら、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩は、他の合成スキームにより合成することもできることに留意すべきである。
式(I)で表されるある化合物において、原子と他の原子との間の結合により、特別な立体異性体(例えば、キラル中心)が存在する可能性がある。式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の合成により、異なる異性体(鏡像異性体、ジアステレオマー)の混合物が生じる可能性がある。ある特定の立体配置を特に説明しない限り、列挙された化合物は、いずれも様々な可能な立体異性体を含む。
式(I)で表される化合物は、例えば、本発明の化合物の遊離塩基形態を薬学的に許容される無機酸又は有機酸と反応させることにより、薬学的に許容される酸付加塩として製造することができる。或いは、式(I)で表される化合物を遊離酸形態で薬学的に許容される無機塩基又は有機塩基と反応させて、薬学的に許容される塩基付加塩として製造する。式(I)で表される化合物の薬学的に許容される塩の製造に適した無機及び有機の酸及び塩基について、本願の定義部分に説明する。また、式(I)で表される化合物の塩形態は、出発原料又は中間体の塩を使用して製造することもできる。
式(I)で表される化合物の遊離酸又は遊離塩基は、対応する塩基付加塩又は酸付加塩により製造することができる。酸付加塩形態の式(I)で表される化合物は、例えば、好適な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)で処理することにより、対応する遊離塩基に変換することができる。塩基付加塩形態の式(I)で表される化合物は、例えば、好適な酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、対応する遊離酸に変換することができる。
式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩のN-オキシドは、本分野に既知の方法で製造することができる。例えば、N-オキシドは、不活性有機溶媒(例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素)中、0~80℃の条件下で、非酸化形態の式(I)で表される化合物を酸化剤(例えば、トリフルオロ過酢酸、ペルマレイン酸(permaleic acid)、過安息香酸、過酢酸及びメタクロロ過安息香酸など)と反応させることにより得ることができる。或いは、式(I)で表される化合物のN-オキシドは、出発原料のN-オキシドにより製造することができる。
非酸化形態の式(I)で表される化合物は、対応する不活性有機溶媒(例えば、アセトニトリル、エタノール及びジオキサン水溶液など)中、0~80℃の条件下で、そのN-オキシドを還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、三塩化リン及び三臭化リンなど)と反応させることにより製造することができる。
式(I)で表される化合物の保護誘導体は、当業者によく知られている方法従って製造することができる。保護基の添加及び除去に関する技術の詳細な説明は、T.W.Greene、Protecting Groups in Organic Synthesis、3rd edition、John Wiley&Sons、Inc.1999を参照する。
これらの方法、経路及び実施例に使用された記号及び常識は、いずれも現行の科学文献、例えば、米国化学会誌又は生物化学雑誌で用いられたものと一致する。特に説明しない限り、標準的な単一文字又は三文字の略語は、一般的に、L型アミノ酸残基を指す。特に説明しない限り、全ての使用された出発原料は、いずれも市場のサプライヤーから購入し、使用時にさらに精製されない。例えば、実例及び明細書全体を通して以下の略語が用いられる:g(グラム)、mg(ミリグラム)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、psi(ポンド/平方インチ)、M(モル)、mM(ミリモーラー)、i.v.(静脈内注射)、Hz(ヘルツ)、MHz(メガヘルツ)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、RT(環境温度)、min(分間)、h(時間)、mp(融点)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、Rt(保持時間)、RP(逆相)、MeOH(メタノール)、i-PrOH(イソプロパノール)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、TFAA(トリフルオロ酢酸無水物)、THF(テトラヒドロフラン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、EtOAc(酢酸エチル)、DME(1,2-ジメトキシエタン)、DCM(ジクロロメタン)、DCE(ジクロロエタン)、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMPU(N,N′-ジメチルプロピレン尿素)、CDI(1,1-カルボニルジイミダゾール)、IBCF(クロロギ酸イソブチル)、HOAc(酢酸)、HOSu(N-ヒドロキシスクシンイミド)、HOBT(1-ヒドロキシベンゾトリアゾール)、EtO(ジエチルエーテル)、EDCI(1-(3-ジメチルアミノプロピル)3-エチルカルボジイミド塩酸塩)、BOC(t-ブトキシカルボニル基)、FMOC(9-フルオレニルメトキシカルボニル基)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、CBZ(ベンジルオキシカルボニル基)、Ac(アセチル基)、atm(大気圧)、TMSE(2-(トリメチルシリル)エチル基)、TMS(トリメチルシリル基)、TIPS(トリイソプロピルシリル基)、TBS(t-ブチルジメチルシリル基)、DMAP(4-ジメチルアミノピリジン)、Me(メチル)、OMe(メトキシ)、Et(エチル)、tBu(t-ブチル)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、BOP(ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド)、TBAF(テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド)、mCPBA(メタクロロ過安息香酸)。
エーテル又はEtOとは、いずれもジエチルエーテルを指し、塩水とは、飽和NaCl水溶液を指す。特に説明しない限り、全ての温度は、℃温度(摂氏度)を指し、全ての反応は、室温で不活性雰囲気で実施された。
H NMRスペクトルは、Varian Mercury Plus 400核磁気共鳴分光計で記録された。化学シフトは、ppmで表す。結合定数は、いずれもヘルツ(Hz)を単位とする。分裂パターンは、見かけの多重度を記述するものであり、そして、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレット)、及びbr(ブロード)と表記する。
低解像度質量スペクトル(MS)及び化合物の純度データは、エレクトロスプレーイオン化検出器(ESI)、紫外線検出器(220及び254nm)及び蒸発光散乱検出器(ELSD)を備えるShimadzu LC/MSシングル四重極システムで取得された。薄層クロマトグラフィーは、Superchem groupの0.25mmのシリカゲルプレート(60F-254)で実施し、5%のリンモリブデン酸エタノール溶液、ニンヒドリン又はp-メトキシベンズアルデヒド溶液を使用し、かつ紫外線ランプで観察した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(200~300メッシュ、青島海洋化学工業有限公司)で実施した。
合成スキーム
式Iで表される化合物及び/又はその薬学的に許容される塩は、様々な方法で合成することができ、いくつかの例示的な方法を以下の実施例に提供する。他の合成方法は、当業者が本発明に開示されている情報に基づいて容易に提供することができる。
以下に記載の各反応において、活性基が他の望まない反応に関与することを回避するように、これらの活性基を保護する必要がある可能性があり、これらの活性基は、ヒドロキシ基、アミノ基、イミン基、チオ基又はカルボキシル基などであり、最終生成物に含まれる。一般的な保護基について、T.W.Greene and P.G.M.Wuts in 「Protective Groups in Organic Chemistry」 John Wiley and Sons、1991を参照することができる。
本発明の全ての化合物の合成スキームを、以下のスキーム及び実施例により説明する。使用される出発原料は、市販の商品からのもの又は従来のプロセス方法若しくは本明細書に例示した方法に従って製造できるものである。
以下のスキームに示す中間体は、文献において既知であるもの又は当業者が類似する方法に従って製造されたものである。
説明として、スキーム1は、本発明に開示されている式Iで表される化合物の2種類の合成方法を開示する。スキームに示すように、式Iで表される化合物は、市販のもの、又は文献に報告されている合成方法における中間体III若しくはVに分割することができる。中間体式Vのアミノ基は、アミン化された後に必要な誘導反応が発生して、式IVで表される化合物を得て、さらに環化、縮合及び環化反応が順に発生して、式Iで表される化合物にさらに変換される。或いは、文献に知られているMitsunobu反応により式IIIで表される中間体と式IIで表される中間体とをカップリングして式Iで表される化合物を得ることができる。
Figure 2023525383000024
合成スキーム1
式Iで表される化合物の製造方法のさらなる説明として、スキーム2は、式Iで表される化合物の合成方法を提供する。スキームに示すように、商業的に提供される又は文献に報告されているアミンVを出発物質とし、式Vで表される中間体のアミノ基をヒドラジン基に変換して、式IVで表される化合物を得た。ヒドラジンIVと中間体IV-Bを塩基存在下(例えばTEA)で反応させて、式IV-Cで表される化合物を得て、IV-Cと試薬としてのオルトギ酸トリメチルとをさらに縮合させて、式IV-Dで表される化合物に変換した。式IV-Dで表される化合物をプロトン溶媒中でNHと環化させて、式Iで表される化合物を得た。
Figure 2023525383000025
合成スキーム2
いくつかの状況で、反応を促進するか又は不必要な反応生成物の生成を回避するために、上記合成スキームの順序は、状況に応じて調整することができる。本発明をより十分に理解するために、以下の実施例を提供する。これらの実施例は、例に過ぎず、本発明を限定するものと理解すべきではない。
実施例1
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1)
Figure 2023525383000026
4-メチルチアゾール-2-ホルムアルデヒド(1a)
特許文献WO201113875に記載の方法に従って、4-メチルチアゾール-2-ホルムアルデヒド(1a)を製造した。
ジメチル2-(ジエトキシホスホリル)コハク酸エステル(1b)
文献Eur.J.Med.Chem.2010、45:4403に記載の方法に従って、ジメチル2-(ジエトキシホスホリル)コハク酸エステル(1b)を製造した。
ジメチル2-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチレン)コハク酸エステル(1c)
0℃で、ジメチル2-(ジエトキシホスホリル)コハク酸エステル(1b)(0.56g、2.0mmol)のTHF(10mL)溶液にNaH(60%、0.092g、2.4mmol)を添加し、混合物を0~5℃で1h撹拌した。さらに4-メチルチアゾール-2-ホルムアルデヒド(1a)(0.25g、2.0mmol)のTHF(2mL)溶液を添加した。混合物を室温で3h撹拌した。反応を飽和NHCl(20mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×30mL)で抽出し、抽出液を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10:1)で溶出して、表題化合物のジメチル2-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチレン)コハク酸エステル(1c)を得た。MS-ESI(m/z):256[M+1]
メチル3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1d)
ジメチル2-((4-メチルチアゾール-2-イル)メチレン)コハク酸エステル(1c)(3.77g、14.7mmol)とPPA(50.0g)の混合物を80℃で一晩撹拌した。反応混合物を250gの氷水に注ぎ入れ、かつNaCOでpH=9~10に調整した。混合物をDCM(3×100mL)で抽出し、抽出液を塩水(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10:1~2:1)で溶出して、表題化合物のメチル3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1d)を得た。MS-ESI(m/z):224[M+1]
メチル6-ヨード-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1e)
メチル3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1d)(1.5g、6.7mmol)のDCM(50mL)溶液にNIS(0.9g、4mmol)を添加した。混合物を室温で3h撹拌した。他の一部のNIS(0.9g、4mmol)を添加し、かつ室温で3h撹拌した。次に、最後の一部のNIS(0.2g、0.88mmol)を添加した。混合物を室温で1h撹拌し続けた後、DCM(50mL)で希釈し、飽和Na水溶液(50mL)、飽和NaHCO水溶液(50mL)、塩水(50mL)で順に洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10:1~5:1)で溶出して、表題化合物のメチル6-ヨード-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1e)を得た。MS-ESI(m/z):350[M+1]
メチル6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1f)
メチル6-ヨード-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1e)(1.0g、3.0mmol)、市販の(4-フルオロフェニル)ボロン酸(0.93g、6.0mmol)及びCsCO(2.6g、10mmol)をジオキサン(15mL)に混合した混合物を脱気し、Pd(PPhCl(0.24g、0.3mmol)を添加した後に再び脱気し、混合物を窒素ガスの保護下で85℃で5h撹拌した。室温まで冷却した後、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(10:1~4:1)で溶出し、表題化合物のメチル6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1f)を得た。MS-ESI(m/z):318[M+1]
6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸(1g)
室温で、メチル6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸エステル(1f)(1.6g、5.0mmol)をTHF(16mL)及びHO(16mL)に混合した混合物にLiOH.HO(0.64g、15mmol)を添加した。混合物を室温で7h撹拌した。反応混合物を25gの氷水に注ぎ入れ、かつ1N HClでpH=2に調整した。混合物をEA(3×100mL)で抽出し、抽出液を塩水(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸(1g)を得た。MS-ESI(m/z):304[M+1]
6-(3-フルオロフェニル)-N-メトキシ-N,3-ジメチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ホルムアミド(1h)
6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ギ酸(1g)(1.0g、3.3mmol)、塩酸N,O-ジメチルヒドロキシルアミン(0.5g、4.9mmol)、EDCI(1.3g、6.6mmol)、HOBT(0.9g、6.6mmol)及びDIPEA(1.7g、13mmol)をDMF(15mL)に混合した混合物を室温で12h撹拌し、水(50mL)で希釈し、EA(2×50mL)で抽出し、有機層を水(20mL)及び飽和食塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、6-(3-フルオロフェニル)-N-メトキシ-N,3-ジメチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ホルムアミド(1h)を得た。MS-ESI(m/z):347[M+1]
7-アセチル-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1i)
0℃で、6-(3-フルオロフェニル)-N-メトキシ-N,3-ジメチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-ホルムアミド(1h)(0.5g、1.5mmol)のTHF(11mL)溶液にMeMgBr(0.7mL、2.0mmol)を添加した。混合物を室温まで徐々に加熱し、かつ室温で1h撹拌した。反応を0℃で飽和NHCl(15mL)でクエンチし、次にEtOAc(2×50mL)で抽出し、抽出液を塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(4/1~3/1)で溶出し、表題化合物の7-アセチル-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1i)を得た。MS-ESI(m/z):302[M+1]
(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1j)
-20℃で、7-アセチル-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1i)(0.17g、0.56mmol)のTHF(5mL)溶液に(S)-CBS(0.56mL、0.56mmol)を添加した。次に、-20℃で混合物にBH.MeSを一滴ずつ滴下した。混合物を室温まで徐々に加熱し、かつ室温で12h撹拌した。反応を0℃でMeOH(3mL)でクエンチし、混合物を飽和NaHCO水溶液(15mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。抽出液を塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(5/1~1/1)で溶出し、表題化合物の(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1j)を得た。MS-ESI(m/z):304[M+1]
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1)
(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1j)(20mg、0.066mmol)、3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン(特許WO2012151525に記載の合成方法に従って製造されたもの)(19mg、0.066mmol)及びPPh(35mg、0.13mmol)をトルエン(2mL)に混合した混合物を50℃で0.5h撹拌し、次にDIAD(27mg、0.13mmol)を添加した。続いて50℃で2h撹拌し、水(50mL)で希釈し、EA(2×50mL)で抽出し、抽出液を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(2/3)で溶出して、表題化合物の(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1)を得た。MS-ESI(m/z):573[M+1]
実施例2
7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2)
Figure 2023525383000027
7-アセチル-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2a)
1iにおける合成方法に従って、(4-フルオロフェニル)ボロン酸をフェニルボロン酸に置き換えて、表題化合物の7-アセチル-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2a)を製造した。MS-ESI(m/z):284[M+1]
7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2b)
0℃で、7-アセチル-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2a)(0.11g、0.38mmol)のTHF/MeOH(2.5/0.5mL)溶液にNaBH(24mg、1.19mmol)を添加した。混合物を室温まで徐々に加熱し、かつ室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮した後にEtOAcで希釈し、かつ1N HClでpH=7~8に調整した。水層をEtOAcで抽出した。抽出液を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮して、7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2b)を得た。MS-ESI(m/z):286[M+1]
7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2)
実施例1における合成方法に従って、(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1j)を7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2b)に置き換えて、表題化合物の7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2)を製造した。MS-ESI(m/z):555[M+1]
実施例2-S
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2-S)
Figure 2023525383000028
実施例1における合成方法に従って、(4-フルオロフェニル)ボロン酸をフェニルボロン酸に置き換えて、表題化合物の(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2-S)を製造した。MS-ESI(m/z):555[M+1]
実施例2-R
(R)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2-R)
Figure 2023525383000029
実施例1における合成方法に従って、(4-フルオロフェニル)ボロン酸及び(S)-CBSをフェニルボロン酸及び(R)-CBSに置き換えて、表題化合物の(R)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(2-R)を製造した。MS-ESI(m/z):555[M+1]
実施例3
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3)
Figure 2023525383000030
(4-クロロチアゾール-2-イル)メタノール(3a)
文献WO2013149362に記載の方法に従って、表題化合物の(4-クロロチアゾール-2-イル)メタノール(3a)を製造した。
4-クロロチアゾール-2-ホルムアルデヒド(3b)
0~5℃で、(4-クロロチアゾール-2-イル)メタノール(3a)(1.93g、12.95mmol)のDCM(20mL)溶液にDMP(6.04g、14.25mol)を添加し、同じ温度で2~4h撹拌した。混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(20:1)で溶出して、4-クロロチアゾール-2-ホルムアルデヒド(3b)を得た。MS-ESI(m/z):148,150[M+1]
7-アセチル-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3c)
実施例1iにおける合成方法に従って、4-メチルチアゾール-2-ホルムアルデヒド(1a)を4-クロロチアゾール-2-ホルムアルデヒド(3b)に置き換えて、表題化合物の7-アセチル-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3c)を製造した。MS-ESI(m/z):322[M+1]
(S)-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3d)
-20℃で、7-アセチル-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3c)(0.06g、0.18mmol)のTHF(10mL)溶液に(+)-Dip-Cl(2.2mL、3.7mmol)を添加した。混合物を室温まで徐々に加熱し、かつ室温で12h撹拌した。反応を0℃でMeOH(3mL)でクエンチし、混合物を飽和NaHCO水溶液(15mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。抽出液を塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EA(2/1)で溶出して、表題化合物の(S)-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3d)を得た。MS-ESI(m/z):324[M+1]
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3)
実施例1における合成方法に従って、6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1g)を3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3d)に置き換えて、表題化合物の(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-クロロ-6-(3-フルオロフェニル)-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(3)を製造した。MS-ESI(m/z):593[M+1]
実施例4
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-クロロ-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(4)
Figure 2023525383000031
実施例3における合成方法に従って、(4-フルオロフェニル)ボロン酸をフェニルボロン酸に置き換えて、表題化合物の(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-クロロ-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(4)を製造した。MS-ESI(m/z):575[M+1]
実施例5
(S)-N-(5-(4-アミノ-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-2-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(5)
Figure 2023525383000032
(S)-1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチルメタンスルホネート(5a)
(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドロキシエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(1j)(0.03g、0.1mmol)、MsCl(0.017g、0.15mmol)、TEA(0.031g、0.3mmol)をDCM(2mL)に混合した混合物を0℃で0.5h撹拌した。反応を氷水(10mL)でクエンチし、DCM(20mL)で抽出し、DCM相を塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をそのまま次のステップに用いた。MS-ESI(m/z):382[M+1]
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(5b)
(S)-1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチルメタンスルホネート(5a)(0.038g、0.1mmol)、3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン(文献WO2012151525に記載の合成方法に従って製造されたもの)(0.052g、0.2mmol)及びKCO(0.034g、0.25mmol)をDMF(2mL)に混合した混合物を50℃で12h撹拌した。反応を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出し、EtOAc相を塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をPTLCにより精製し、EtOAc/PE(3:1)で溶出して、(S)-7-(1-(4-アミノ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(5b)を得た。MS-ESI(m/z):547[M+1]
(S)-N-(5-(4-アミノ-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-2-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(5)
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(5b)(0.028g、0.05mmol)、N-(2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-メタンスルホンアミド(文献WO2015198289に記載の合成方法に従って製造されたもの)(0.032g、0.1mmol)、NaCO(0.016g、0.15mmol)及びPd(PPh(0.020g、0.017mmol)をDMF(2mL)に混合した混合物を90℃で2h撹拌した。反応を水(20mL)でクエンチし、EtOAc(20mL)で抽出し、EtOAc相を塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をPTLCにより精製し、DCM/MeOH(20:1)で溶出して、(S)-N-(5-(4-アミノ-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-2-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(5)を得た。MS-ESI(m/z):620[M+1]
実施例6
(S)-N-(5-(4-アミノ-1-(1-(3-メチル-5-オキソ-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-2-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(6)
Figure 2023525383000033
実施例5における合成方法に従って、7-(1-(4-アミノ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オン(5b)を7-(1-(4-アミノ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-3-メチル-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-5-オンに置き換えて、表題化合物の(S)-N-(5-(4-アミノ-1-(1-(3-メチル-5-オキソ-6-フェニル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-3-イル)-2-メトキシフェニル)メタンスルホンアミド(6)を製造した。MS-ESI(m/z):602[M+1]
実施例7
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7)
Figure 2023525383000034
(S)-7-(1-アミノエチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7a)
文献WO2012125629に記載の方法に従って、表題化合物の(S)-7-(1-アミノエチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7a)を製造した。MS-ESI(m/z):304[M+1]
(S)-t-ブチル2-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)ヒドラジンギ酸エステル(7b)
室温で、(S)-7-(1-アミノエチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7a)(340mg、1.12mmol)のTHF(5mL)/飽和NaHCO(5mL)溶液に2-(t-ブチル)3,3-ジエチル1,2-オキサジリジン-2,3,3-トリカルボキシレート(324mg、1.12mmol)を添加した。混合物を室温で1h撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出した。抽出液をNaSOで乾燥させ、濃縮して、表題化合物の(S)-t-ブチル2-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)ヒドラジンギ酸エステル(7b)を得た。MS-ESI(m/z):419[M+1]
(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドラジンエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7c)
(S)-t-ブチル2-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-ヒドラジンギ酸エステル(7b)(400mg、0.95mmol)のDCM(10mL)/アニソール(5mL)溶液にTFA(5mL)を添加した。混合物を室温で2h撹拌した。溶媒を真空中で除去した。残留物をMTBE及び水で希釈し、水層を分離し、pHを固体NaCOで9~10に製造した。DCMで抽出し、抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮して、表題化合物の(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドラジンエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7c)を得た。MS-ESI(m/z):319[M+1]
(S)-5-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(7d)
(S)-6-(3-フルオロフェニル)-7-(1-ヒドラジンエチル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7c)(83mg、0.26mmol)の無水EtOH(5mL)溶液にEtN(0.18mL、1.29mmol)及び2-((3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)(メトキシ)メチレン)マロノニトリル(70mg、0.27mmol)を添加し、混合物を室温で2h撹拌し、さらに1h加熱還流した。混合物を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/EtOAc(10:0~10:1)で溶出して、表題化合物の(S)-5-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(7d)を得た。MS-ESI(m/z):547[M+1]
(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7)
溶媒としてのオルトギ酸トリメチル(10mL)に(S)-5-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1-(1-(6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5-オキソ-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-7-イル)エチル)-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(7d)(100mg、0.18mmol)を添加し、混合物を48時間加熱還流した。混合物を室温まで冷却した後、濃縮した。残留物にNHのメタノール溶液(7.0N、5mL)を添加し、かつ室温で1h撹拌し、次に60℃で3h撹拌した。混合物を水で希釈し、かつDCMで抽出し、抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM/EtOAc(10:1~3:1)で溶出して、表題化合物の(S)-7-(1-(4-アミノ-3-(3-フルオロ-4-イソプロポキシフェニル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)エチル)-6-(3-フルオロフェニル)-3-メチル-5H-チアゾロ[3,2-a]ピリミジン-5-オン(7)を得た。MS-ESI(m/z):574[M+1]
実施例1~7について記載したのと本質的に類似する合成方法又はポリシーに従って、又は適切な中間体を使用して、表1に列挙する実施例8~115を製造し、これらの中間体が本分野の既知の方法に従って容易に合成することができ、かつ必要に応じて順に修飾することができる。実施例8~115の名称及び構造を表1に示す。
Figure 2023525383000035
Figure 2023525383000036
Figure 2023525383000037
Figure 2023525383000038
Figure 2023525383000039
Figure 2023525383000040
Figure 2023525383000041
Figure 2023525383000042
Figure 2023525383000043
Figure 2023525383000044
Figure 2023525383000045
Figure 2023525383000046
Figure 2023525383000047
Figure 2023525383000048
Figure 2023525383000049
Figure 2023525383000050
Figure 2023525383000051
Figure 2023525383000052
Figure 2023525383000053
Figure 2023525383000054
Figure 2023525383000055
Figure 2023525383000056
Figure 2023525383000057
Figure 2023525383000058
Figure 2023525383000059
Figure 2023525383000060
Figure 2023525383000061
細胞増殖試験
OCI-LY10細胞
MTS検出キットは、Promega(Madison、WI、USA)から購入した。RPMI-1640培地、ウシ胎児血清及びペニシリン-ストレプトマイシンは、BI(Biological Industries、Beit Haemek、Israel)から購入した。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、Sigma(St.Louis.、MO、USA)から購入した。OCI-LY10細胞を、10%のウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地に培養した。
化合物のOCI-LY10(PI3Kδ依存性)細胞増殖に対する阻害作用を測定することにより、化合物のPI3Kδに対する阻害作用を検出した。細胞を収集し、細胞を1x10/mLの細胞濃度で96ウェルプレートに接種し、37℃で、5%COで4hインキュベートした。96ウェル細胞培養プレートに、各群に3つの平行ウェルを設定して、異なる濃度(最終濃度10000、3333.3、1111.1、370.4、123.5、41.2、13.7、4.6及び1.5nM)の化合物を添加し、37℃で、5%COで72hインキュベートした。各ウェルに20μLのMTSを添加し、37℃で、5%COで2hインキュベートした後、マイクロプレートリーダーで490nmでの吸収度を測定した。GraphPad Prism5.0を用いてIC50を計算した。
WSU-DHL細胞
MTS検出キットは、Promega(Madison、WI、USA)から購入した。RPMI-1640培地、ウシ胎児血清及びペニシリン-ストレプトマイシンは、BI(Biological Industries、Beit Haemek、Israel)から購入した。ジメチルスルホキシド(DMSO)は、Sigma(St.Louis.、MO、USA)から購入した。WSU-NHL細胞を、10%のウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地に培養した。
化合物のWSU-NHL(PI3Kδ依存性)細胞増殖に対する阻害作用を測定することにより、化合物のPI3Kδに対する阻害作用を検出した。細胞を収集し、細胞を1x10/mLの細胞濃度で96ウェルプレートに接種し、37℃で、5%COで4hインキュベートした。96ウェル細胞培養プレートに、各群に3つの平行ウェルを設定して、異なる濃度(最終濃度10000、3333.3、1111.1、370.4、123.5、41.2、13.7、4.6及び1.5nM)の化合物を添加し、37℃で、5%COで72hインキュベートした。各ウェルに20μLのMTSを添加し、37℃で、5%COで2hインキュベートした後、マイクロプレートリーダーで490nmでの吸収度を測定した。GraphPad Prism5.0を用いてIC50を計算した。
TMD-8細胞
Alarm blueは、Sigma-Aldrich(St.Louis.、MO、USA、Cat.#R7017)から購入した。ペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地は、Hyclone(South Logan、Utah、USA、Cat.#SV30010)から購入した。ウシ胎児血清は、Gibico(Carlsbad、CA、USA、Cat.#10099141C)から購入した。Dimethyl sulfoxide(DMSO)は、Sigma(St.Louis.、MO、USA、Cat.#D2650)から購入した。TMD-8細胞は、上海滬震実業有限公司から購入した。TMD-8細胞を、10%のウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン-ストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地に培養した。
化合物のTMD-8(PI3Kδ依存性)細胞増殖に対する阻害作用を測定することにより、化合物のPI3Kδに対する阻害作用を検出した。細胞を収集し、細胞を5x10/mLの細胞濃度で96ウェルプレートに接種した。96ウェル細胞培養プレートに、各群に3つの平行ウェルを設定して、異なる濃度(最終濃度5000、833.33、138.89、23.15、3.858、0.643、0.107及び0.018nM)の化合物を添加し、37℃で、5%COで4日間インキュベートした。各ウェルにAlarm blue(22μL of 1mM)を添加し、37℃で、5%COで1~4hインキュベートした後、マイクロプレートリーダー(Bio-Tek Instruments、Model.Synergy HT)でex530/em590nMでの蛍光値を検出した。IC50をGraphPad Prism 7.0で計算した。以下の非線形回帰分析を用いて曲線をフィッティングし、各化合物のIC50値を計算した。Y=Bottom+(Top - Bottom)/(1+10^((Log IC50 - X)*HillSlope))(ここで、Xは、化合物の濃度のlog値であり、Yは、阻害パーセントである)。
本明細書に記載の生物学的方法に従って、上記製造された選択された化合物を試験した。その結果を表2に示す。
Figure 2023525383000062

Claims (32)

  1. 式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
    Figure 2023525383000063
    (I)
    (式中、
    Xは、CR及びNから選択され、
    Yは、CR及びNから選択され、
    は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA1B1、-ORA1、-C(O)RA1、-C(=NRE1)RA1、-C(=N-ORB1)RA1、-C(O)ORA1、-OC(O)RA1、-C(O)NRA1B1、-NRA1C(O)RB1、-C(=NRE1)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)RB1、-OC(O)NRA1B1、-NRA1C(O)ORB1、-NRA1C(O)NRA1B1、-NRA1C(S)NRA1B1、-NRA1C(=NRE1)NRA1B1、-S(O)A1、-S(O)(=NRE1)RB1、-N=S(O)RA1B1、-S(O)ORA1、-OS(O)A1、-NRA1S(O)B1、-NRA1S(O)(=NRE1)RB1、-S(O)NRA1B1、-S(O)(=NRE1)NRA1B1、-NRA1S(O)NRA1B1、-NRA1S(O)(=NRE1)NRA1B1、-P(O)RA1B1及び-P(O)(ORA1)(ORB1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX2から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、それぞれ非置換であるか、又は独立してRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、R及びRは、それらが結合している原子と一緒に、C3-10シクロアルキル基、又は独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含む4~12員複素環基を形成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX2置換基で置換され、
    は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA4B4、-ORA4、-C(O)RA4、-C(=NRE4)RA4、-C(=N-ORB4)RA4、-C(O)ORA4、-OC(O)RA4、-C(O)NRA4B4、-NRA4C(O)RB4、-C(=NRE4)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)RB4、-OC(O)NRA4B4、-NRA4C(O)ORB4、-NRA4C(O)NRA4B4、-NRA4C(S)NRA4B4、-NRA4C(=NRE4)NRA4B4、-S(O)A4、-S(O)(=NRE4)RB4、-N=S(O)RA4B4、-S(O)ORA4、-OS(O)A4、-NRA4S(O)B4、-NRA4S(O)(=NRE4)RB4、-S(O)NRA4B4、-S(O)(=NRE4)NRA4B4、-NRA4S(O)NRA4B4、-NRA4S(O)(=NRE4)NRA4B4、-P(O)RA4B4及び-P(O)(ORA4)(ORB4)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    各Rは、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(=NRE5)RA5、-C(=N-ORB5)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-C(=NRE5)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)RB5、-OC(O)NRA5B5、-NRA5C(O)ORB5、-NRA5C(O)NRA5B5、-NRA5C(S)NRA5B5、-NRA5C(=NRE5)NRA5B5、-S(O)A5、-S(O)(=NRE5)RB5、-N=S(O)RA5B5、-S(O)ORA5、-OS(O)A5、-NRA5S(O)B5、-NRA5S(O)(=NRE5)RB5、-S(O)NRA5B5、-S(O)(=NRE5)NRA5B5、-NRA5S(O)NRA5B5、-NRA5S(O)(=NRE5)NRA5B5、-P(O)RA5B5及び-P(O)(ORA5)(ORB5)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA6B6、-ORA6、-C(O)RA6、-C(=NRE6)RA6、-C(=N-ORB6)RA6、-C(O)ORA6、-OC(O)RA6、-C(O)NRA6B6、-NRA6C(O)RB6、-C(=NRE6)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)RB6、-OC(O)NRA6B6、-NRA6C(O)ORB6、-NRA6C(O)NRA6B6、-NRA6C(S)NRA6B6、-NRA6C(=NRE6)NRA6B6、-S(O)A6、-S(O)(=NRE6)RB6、-N=S(O)RA6B6、-S(O)ORA6、-OS(O)A6、-NRA6S(O)B6、-NRA6S(O)(=NRE6)RB6、-S(O)NRA6B6、-S(O)(=NRE6)NRA6B6、-NRA6S(O)NRA6B6、-NRA6S(O)(=NRE6)NRA6B6、-P(O)RA6B6及び-P(O)(ORA6)(ORB6)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA7B7、-ORA7、-C(O)RA7、-C(=NRE7)RA7、-C(=N-ORB7)RA7、-C(O)ORA7、-OC(O)RA7、-C(O)NRA7B7、-NRA7C(O)RB7、-C(=NRE7)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)RB7、-OC(O)NRA7B7、-NRA7C(O)ORB7、-NRA7C(O)NRA7B7、-NRA7C(S)NRA7B7、-NRA7C(=NRE7)NRA7B7、-S(O)A7、-S(O)(=NRE7)RB7、-N=S(O)RA7B7、-S(O)ORA7、-OS(O)A7、-NRA7S(O)B7、-NRA7S(O)(=NRE7)RB7、-S(O)NRA7B7、-S(O)(=NRE7)NRA7B7、-NRA7S(O)NRA7B7、-NRA7S(O)(=NRE7)NRA7B7、-P(O)RA7B7及び-P(O)(ORA7)(ORB7)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    A1及びRB1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRx1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、RA1及びRB1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX1の置換基で置換され、
    A4及びRB4の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、RA4及びRB4は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX4置換基で置換され、
    A5及びRB5の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、RA5及びRB5は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX5置換基で置換され、
    A6及びRB6の各々は、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、RA6及びRB6は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX6置換基で置換され、
    A7及びRB7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、RA7及びRB7は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、非置換であるか、又は1個、2個若しくは3個のRX7置換基で置換され、
    各RE1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    各RE4は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    各RE5は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    各RE6は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    各RE7は、独立して、水素、C1-10アルキル基、CN、NO、-ORa1、-SRa1、-S(O)a1、-C(O)Ra1、-C(O)ORa1、-C(O)NRa1b1及び-S(O)NRa1b1から選択され、アルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    X1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6及びRX7の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、-NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1C(=NRe1)Ra1、-(CRc1d1C(=N-ORb1)Ra1、-(CRc1d1C(O)ORb1、-(CRc1d1OC(O)Rb1、-(CRc1d1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1、-(CRc1d1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1OC(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(O)ORb1、-(CRc1d1NRa1C(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(S)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1C(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1N=S(O)Ra1b1、-(CRc1d1S(O)ORb1、-(CRc1d1OS(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)Rb1、-(CRc1d1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)NRa1b1、-(CRc1d1NRa1S(O)(=NRe1)NRa1b1、-(CRc1d1P(O)Ra1b1及び-(CRc1d1P(O)(ORa1)(ORb1)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    a1及びRb1の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、Ra1及びRb1は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
    c1及びRd1の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、Rc1及びRd1は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、1個、2個若しくは3個のR基で置換されていてもよく、
    各Re1は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-ORa2、-SRa2、-S(O)a2、-C(O)Ra2、-C(O)ORa2、-S(O)NRa2b2及び-C(O)NRa2b2から選択され、
    各Rは、独立して、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリール-C1-4アルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc2d2NRa2b2、-(CRc2d2ORb2、-(CRc2d2C(O)Ra2、-(CRc2d2C(=NRe2)Ra2、-(CRc2d2C(=N-ORb2)Ra2、-(CRc2d2C(O)ORb2、-(CRc2d2OC(O)Rb2、-(CRc2d2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)Rb2、-(CRc2d2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2OC(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(O)ORb2、-(CRc2d2NRa2C(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(S)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2C(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2N=S(O)Ra2b2、-(CRc2d2S(O)ORb2、-(CRc2d2OS(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)Rb2、-(CRc2d2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)NRa2b2、-(CRc2d2NRa2S(O)(=NRe2)NRa2b2、-(CRc2d2P(O)Ra2b2及び-(CRc2d2P(O)(ORa2)(ORb2)から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してヒドロキシ基、CN、アミノ基、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    a2及びRb2の各々は、独立して、水素、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、Ra2及びRb2は、それらが結合している単一又は複数の原子と一緒に、独立して酸素、硫黄、窒素及びリンから選択された0個、1個若しくは2個の追加のヘテロ原子を含む4~12員複素環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
    c2及びRd2の各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基、ジ(C1-10アルキル)アミノ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アルキルアミノ基、シクロアルキルアミノ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された少なくとも1個の置換基で置換され、
    或いは、Rc2及びRd2は、それらが結合している単一又は複数の炭素原子と一緒に、独立して酸素、硫黄及び窒素から選択された0個、1個若しくは2個のヘテロ原子を含む3~12員環を構成し、該環は、独立してハロゲン、CN、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C2-10アルキニル基、C3-10シクロアルキル基、ヒドロキシ基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、C1-10アルキルチオ基、C3-10シクロアルキルチオ基、アミノ基、C1-10アルキルアミノ基、C3-10シクロアルキルアミノ基及びジ(C1-10アルキル)アミノ基から選択された1個若しくは2個の置換基で置換されていてもよく、
    各Re2は、独立して、水素、CN、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、-C(O)C1-4アルキル基、-C(O)C3-10シクロアルキル基、-C(O)OC1-4アルキル基、-C(O)OC3-10シクロアルキル基、-C(O)N(C1-4アルキル)、-C(O)N(C3-10シクロアルキル)、-S(O)1-4アルキル基、-S(O)3-10シクロアルキル基、-S(O)N(C1-4アルキル)及び-S(O)N(C3-10シクロアルキル)から選択され、
    mは、0、1、及び2から選択され、
    各rは、独立して、0、1及び2から選択され、
    各tは、独立して、0、1、2、3及び4から選択される。)
  2. Xは、Nである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. Xは、CRである、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択され、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX6から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項4に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. Yは、Nである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. Yは、CRである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基、C2-10アルケニル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基及びC3-10シクロアルコキシ基から選択され、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基及びシクロアルコキシ基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項7に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. は、水素、ハロゲン、OH、CN、NH、NO、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基から選択され、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びシクロプロピル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX7から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項8に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. は、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、C1-10アルコキシ基、C3-10シクロアルコキシ基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基、アリール-C1-4アルキル基、ヘテロアリール基及びヘテロアリール-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. は、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX1から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項10に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  12. は、フェニル基、ピリジル基及びピリミジニル基から選択され、非置換であるか、又は独立してハロゲン、OH、CN、NH、NO、C1-10アルキル基及びC3-10シクロアルキル基から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  13. は、フェニル基又はトリフルオロフェニル基である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  14. 及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、複素環基、複素環-C1-4アルキル基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX2及びRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  15. 及びRは、独立して、水素、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基及びC3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX2及びRX3から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項14に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  16. 及びRは、独立して、水素、メチル基、エチル基及びシクロプロピル基から選択される、請求項15に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  17. mは、1である、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  18. は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C3-10シクロアルキル-C1-4アルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-C(O)ORA5、-OC(O)RA5、-C(O)NRA5B5、-NRA5C(O)RB5、-S(O)A5、-S(O)ORA5及び-S(O)NRA5B5から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  19. は、水素、ハロゲン、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、CN、NO、-NRA5B5、-ORA5、-C(O)RA5、-NRA5C(O)RB5、-S(O)A5及び-S(O)NRA5B5から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX5から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項18に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  20. は、水素、F、Cl、メチル基、エチル基、イソプロピル及びシクロプロピルから選択される、請求項19に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  21. はC1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  22. は、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、アリール基及びヘテロアリール基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項21に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  23. は、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基及びチアゾリル基から選択され、各フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基及びチアゾリル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRX4から選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項22に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  24. 各RX4は、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基、ハロゲン、CN、NO、-(CRc1d1NRa1b1、-(CRc1d1ORb1、-(CRc1d1C(O)Ra1、-(CRc1d1NRa1C(O)Rb1及び-(CRc1d1NRa1S(O)b1から選択され、アルキル基及びシクロアルキル基の各々は、非置換であるか、又は独立してRから選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  25. 各RX4は、独立して、F、Cl、Br、CN、-NH、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、
    Figure 2023525383000064
    から選択され、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基及びシクロプロポキシ基の各々は、非置換であるか、又は独立してハロゲンから選択された少なくとも1個の置換基で置換される、請求項24に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  26. 各RX4は、独立して、F、CN、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロポキシ基、
    Figure 2023525383000065
    から選択される、請求項25に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

  27. Figure 2023525383000066
    から選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  28. Figure 2023525383000067
    Figure 2023525383000068
    Figure 2023525383000069
    Figure 2023525383000070
    Figure 2023525383000071
    から選択された本発明に係る化合物及びその薬学的に許容される塩。
  29. 請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含有する、医薬組成物。
  30. PI3K阻害に応答する病状を治療、改善又は予防する方法であって、これを必要とする個体に有効量の請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又は少なくとも1種のその医薬組成物を、任意に第2の治療剤と組み合わせて投与することを含む、方法。
  31. 細胞増殖性障害を治療する医薬の製造における、請求項1~28のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  32. 細胞増殖性障害は、乳癌、卵巣癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、精巣癌、肺癌(NSCLC、SCLC、扁平上皮癌又は腺癌を含む)、食道癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌(RCCを含む)、肝癌(HCCを含む)、膵臓癌、胃癌(すなわち胃の癌)、甲状腺癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞由来のリンパ性悪性腫瘍、黒色腫、骨髄性白血病及び骨髄腫を含むが、これらに限定されない、請求項31に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
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