JP2023525114A - 同種アデノウイルスベクターの投与 - Google Patents
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Abstract
抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルスを含む組成物、パーツキット及び対象において免疫応答を誘導するためにこれらの組成物を使用する方法が提供される。
Description
本発明は、医療微生物学、免疫学及びワクチンの分野に関する。特に、本発明は、組換えAd26型アデノウイルスのための投与レジメンにより、対象において免疫応答を誘導するための方法に関する。
生殖管粘膜は、ウイルス、細菌、真菌及び寄生虫を起源とする大部分の性感染症の主要な侵入口であり、1億を超えるSTDの症例が毎年報告されており、重大な世界的な健康問題である。これらの感染症に対処するために、有効なワクチンは、長期の局所粘膜免疫応答を引き出さなければならないことが十分に認識されている。
子宮頸癌を引き起こすヒトパピローマウイルス(HPV)感染症の場合、血液中で検出される自然発生するT細胞応答の大きさも広がりのいずれも、子宮頚部の前浸潤性HPV疾患の退行のロバストな予測因子ではない。しかしながら、異形成子宮頚部粘膜におけるCD8+T細胞浸潤の大きさ及び分布の両方は、HPV誘導病変の退行の機会を予測する。CD8+T細胞が上皮コンパートメントに浸潤している子宮頚部病変は、そのような浸潤が発生しなかった病変よりもその後の退行を受ける可能性が極めて高かった。
しかしながら、生殖管は、一般に、免疫応答の不良な誘導部位であると考えられ、強力な応答の誘導は、多くの場合、生きた感染因子又は強力なアジュバントの使用及び粘膜内層の破壊を必要とする。粘膜破壊を必要としない、生殖管で強力な局所細胞免疫応答を誘導するための有効な方法は、HPV感染症及び他の性感染症に対する治療用ワクチンの分野で魅力的なものであろう。
複製能欠損アデノウイルスベクターは、単回免疫化後又は繰り返し免疫化後のいずれかにおいて、強力な体液性及び細胞性免疫応答を誘導する能力を保有する。しかしながら、自然曝露又は免疫化のいずれかからの特定のアデノウイルス(例えば、Ad5)に対する既存の免疫は、Adベースのベクターによるその後の全身免疫化後に免疫応答を低下させることが示されている。異なるアデノウイルス型の骨格を有する2つのワクチン成分を使用すること(「異種プライムブースト」レジメンとして知られるアプローチ)は、初回免疫化によって誘導される、ベクター骨格に対する免疫の負の効果を回避する。このアプローチの欠点は、初回及びその後の投与のために異なる産物又はワクチン成分を必要とすることである。
筋肉内及び/又は膣内免疫化後のHPV16 E6及びE7腫瘍性タンパク質の融合を発現するアデノウイルス26型(Ad26)及び35型(Ad35)ベクターの免疫原性は、マウスにおいて評価されている。Ad26及びAd35ベースのベクターは、破壊を必要とすることなく、無傷の頸膣部上皮に形質導入することが示された。膣内ブースト後の筋肉内プライムは、IFN-γ及びTNF-αを産生するHPV特異的CD8+T細胞の誘導及び頸膣部管への移動を最大化した。異種の場所を標的化するこのプライムブースト戦略は、循環するHPV特異的CD8+T細胞応答も誘導した(Cuburu N,et al,2018,Int J Cancer 142,1467-1479)。しかしながら、Cuburuらにおける異なる投与経路を介した免疫化時、Ad26及びAd35ベースのベクターによって誘導される免疫応答が、Ad26ベクターがプライム免疫化に使用される場合にはAd35がブーストに使用され、逆も同様であるように使用される場合(異種プライムブースト)、そのような方法で常に試験されたが、これも上記のような欠点を有する。更に、異なるアデノウイルス血清型を用いたプライムブーストレジメンは、他の血清型を用いたプライムブーストレジメンを必ずしも予測できるわけではなく、特定のアデノウイルス血清型の特定及び投与レジメンにおける投与経路は、免疫応答に対して予測不能な影響を有し得る(例えば、異なるアデノウイルス血清型の有効性間の予測不能な差のいくつかの例としては、国際公開第2013/139916号パンフレットを参照されたい)。更なる研究において、Cuburuらは、投与の筋肉内及び膣内経路の組み合わせを用いた異種プライムブーストレジメン(異種ベクターとしてAd5ベクター及びHPVシュードウイルスを使用する)を使用し続けて、ワクチン抗原に対して、その「試験が、2つの無関係の非複製ウイルスベクターを使用する異種プライムブースト免疫化が、全身及び生殖器に存在するメモリT細胞応答を最大化する根拠を提供する」と結論付けている(Cuburu N,et al,2019,J Immunol 2019;202:1250-1264)。したがって、これらの試験は、同じベクターが様々な瞬間に異なる身体部位で投与される免疫化レジメンを示唆しない。
アデノウイルスベクターによる筋肉内免疫化によって誘発され得る強力な免疫応答にもかかわらず、単回注射又は複数回投与として与えられるそのような全身性免疫化が、既に存在する感染症に対して生殖管において有効である細胞免疫応答を誘導するかは、依然として不明である。生殖器粘膜において、よりロバストな免疫を誘導する新規なワクチン製剤及び送達戦略が検討及び試験される必要がある。
筋肉内注射によって複数回の免疫化を施さなければならない更なる欠点は、医師又は診療所を繰り返し訪問する必要があることである。状況により、特に低所得国では、保険医療への制限されたアクセスは、初回と後続の免疫化との間の間隔に大きい変動をもたらし得る。又は、女性は、2回目の免疫化に戻る可能性がほとんどない場合がある。
したがって、生殖器粘膜における病原体による感染症を予防又は治療するための治療選択肢が当技術分野において依然として必要とされている。更に、生殖器粘膜においてよりロバストな免疫を誘導するための治療選択肢に対する必要性が特に存在する。
第1の態様では、本発明は、対象において免疫応答を誘導する方法であって、対象に、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を筋肉内投与することと、その後、rAd26を対象に膣内投与することとを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、HIV感染症、HPV感染症、HSV感染症、クラミジア、淋病、梅毒又はトリコモナス症などの性感染症(STD)を引き起こす病原体に対して免疫応答を誘導するためのものである。
第2の態様では、本発明は、対象における免疫応答の誘導で使用するための、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を提供し、rAd26は、筋肉内投与、その後の膣内投与のためのものである。
第3の態様では、本発明は、対象においてウイルス感染症を治療及び/又は予防するための方法であって、対象に、ウイルス感染症を引き起こしたか、又はその予防が望ましいウイルスの抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を投与することを含み、投与は、rAd26の筋肉内投与、その後のrAd26の膣内投与を含む、方法を提供する。
第4の態様では、方法は、パーツキットであって、
- 抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を含む第1の組成物と、
- rAd26を含む第2の組成物と
を含むパーツキットを提供し、第1の組成物は、筋肉内投与で使用するためのものであり、及び第2の組成物は、膣内投与で使用するためのものである。
- 抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を含む第1の組成物と、
- rAd26を含む第2の組成物と
を含むパーツキットを提供し、第1の組成物は、筋肉内投与で使用するためのものであり、及び第2の組成物は、膣内投与で使用するためのものである。
ここで、驚くべきことに、Ad26が最初に筋肉内投与される場合、その後、膣内投与される、抗原を含むAd26型アデノウイルスの同種投与(homologous administration)により、生殖器粘膜における強力な免疫応答が達成され得ることを見出した。Ad26型アデノウイルスの同種投与は、本明細書では同じベクターの投与として定義される。すなわち、第1の組成物中の抗原をコードするポリヌクレオチドを含むAd26型アデノウイルスは、第2の組成物中の抗原をコードするポリヌクレオチドを含むAd26型アデノウイルスと同じである。これは、単一のベクターのみが必要であり、それが投与をより容易にしてエラーを発生しにくくし、より安価である。更に、2つのベクターに代えて1つのベクターのみを使用することは、製造のための複雑さ、時間及びコストを削減する。その上、後続投与のための膣内投与の経路は、自己投与の可能性を提供し、医療従事者によって投与される必要がある筋肉内注射の繰り返しを無効にすると思われる。
したがって、第1の態様では、本発明は、対象において免疫応答を誘導するための方法であって、対象に、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を筋肉内投与することと、その後、同じ組換えアデノウイルス(rAd26)を対象に膣内投与することとを含む方法を提供する。
別途定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で引用される特定の用語は、本明細書で規定されている意味を有する。
本明細書で引用される全ての特許、公開された特許出願及び刊行物は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により組み込まれる。
本明細書で使用される場合及び添付した特許請求の範囲において、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、別途文脈が明確に指示しない限り、複数の言及を含むことに留意しなければならない。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲の全体を通して、別途文脈が必要としない限り、「含む(comprise)」という語句並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる」等の変形形態は、規定の整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を包含するが、任意の他の整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を除外するものではないことを意味することが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、「含有する」若しくは「包含する」という用語に置き換えられ得るか、又は本明細書で使用される場合に「有する」という用語に置き換えられ得ることもある。
本明細書で使用される場合、「からなる」は、特許請求の範囲の要素において規定されていない任意の要素、工程又は成分を除外する。本明細書で使用される場合、「本質的に~からなる」は、特許請求の範囲の基本的な特徴及び新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又は工程を除外するものではない。上記の「含む」、「含有する」、「包含する」及び「有する」という用語のいずれも、本発明の態様又は実施形態に関連して本明細書で使用される場合には常に、「~からなる」又は「本質的に~からなる」という用語に置き換えられて、本開示の範囲を変更し得る。
本明細書で使用される場合、複数の列挙された要素間を接続する「及び/又は」という用語は、個々の選択肢及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものと理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」により接続されている場合、第1の選択肢は、第2の要素を含まない第1の要素を適用することを指す。第2の選択肢は、第1の要素を含まない第2の要素を適用することを指す。第3の選択肢は、第1の要素及び第2の要素を共に適用することを指す。これらの選択肢のいずれか1つは、本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語の意味の範囲内に含まれ、したがって「及び/又は」という用語の要件を満たすものと理解される。複数の選択肢を同時に適用することは、「及び/又は」という用語の意味の範囲内に含まれ、したがって「及び/又は」という用語の要件を満たすものとも理解される。
本発明の方法による第1及び第2の投与は、同じ組換えアデノウイルスAd26(組換えアデノウイルスベクター、rAd26とも称される)を投与することを含む。組換えアデノウイルスベクターの調製は、当技術分野においてよく知られている。例えば、rAd26ベクターの調製は、国際公開第2007/104792号パンフレット及びAbbink et al.,2007 Virology 81:4654-63に記載されている。Ad26の例示的なゲノム配列は、GenBank受入番号EF 153474及び国際公開第2007/104792号パンフレットの配列番号1に見られる。
「アデノウイルスAd26」という用語は、「血清型Ad26のアデノウイルス」又は「Ad26型アデノウイルス」と同義である。本明細書で使用される組換えアデノウイルスAd26(「rAd26」)は、抗原をコードするポリヌクレオチドを含むアデノウイルスAd26である。そのようなポリヌクレオチドは、当業者に既知である標準的な遺伝子操作方法によって導入することができる。抗原をコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、ヒトなど、rAd26が投与される目標の生物の細胞中で抗原の発現を促進するプロモータと操作可能に連結されている。抗原は、免疫応答が所望される目的の任意の抗原であり得、好ましくは生殖器粘膜を介してヒトなどの生物に感染する病原体によって発現される抗原である。
本発明のアデノウイルスベクターを十分な量で生成するため、パッケージング細胞株が典型的には使用される。パッケージング細胞は、複製欠損ベクター内に欠失又は不活性化されているこれらの遺伝子を含む細胞であり、したがって細胞内でのウイルスの複製を可能にする。好適な細胞株としては、例えば、PER.C6、911、293及びE1-A549が挙げられる。Ad26は、例えば、単一の相同組換えによってPER.C6細胞中で生成され(Fallaux et al.,1998,Hum Gene Ther 9:1909-17)、以前に記載されたように産生することができる(国際公開第2007/104792号パンフレット;Abbink et al.,2007,J Virol 81:4654-63)。好ましい実施形態では、そのゲノム中のrAd26は、例えば、国際公開第03/104467号パンフレット及びAbbinkら(上記)に記載されるように、Ad26 E4 orf6のAd5 E4 orf6による置換を有する。
特定の実施形態では、本発明による組換えアデノウイルスは、ウイルス複製に必要なアデノウイルスゲノムのE1領域、例えばE1a領域及び/又はE1b領域の少なくとも1つの必須遺伝子機能が欠損している。特定の実施形態では、本発明によるアデノウイルスベクターは、非必須E3領域の少なくとも一部が欠損している。特定の実施形態では、ベクターは、E1領域の少なくとも1つの必須遺伝子機能と、非必須E3領域の少なくとも一部とが欠損している。アデノウイルスベクターは、「多重欠損」であり得、これは、アデノウイルスベクターが、アデノウイルスゲノムの2つ以上の領域のそれぞれに1つ又は複数の必須遺伝子機能が欠損していることを意味する。例えば、前述のEl欠損又はE1、E3欠損のアデノウイルスベクターは、E4領域の少なくとも1つの必須遺伝子及び/又はE2領域(例えば、E2A領域及び/又はE2B領域)の少なくとも1つの必須遺伝子が更に欠損していることがある。
本発明の方法で使用されるアデノウイルスは、ヒトアデノウイルスである(HAdV又はAdHu;本発明では、ヒトアデノウイルスは、種の表示なしにAdを指すことを意味し、例えば、簡単な表記「Ad26」は、ヒトアデノウイルス血清型26又は26型であるHAdV26と同じものを意味する)。
強力な免疫応答をもたらすために、プライムブーストレジメンが一般的に好ましい。したがって、本発明の一実施形態では、アデノウイルスの第1の筋肉内投与は、免疫応答をプライミングするためのプライマーとして見ることができ、その後のアデノウイルスの膣内投与は、免疫化を促進するためのブースターとして見ることができる。本発明では、同じ組み換えAd26アデノウイルスが使用され、したがって、投与方法は、同種プライムブースト投与レジメンと見ることができる。
したがって、本発明は、同種ベクターの組み合わせを用いて、プライミングにより対象において免疫応答を誘導し、且つその後、免疫応答を促進する方法にも関する。
本発明による方法では、膣内投与されるrAd26(すなわち「ブースター」)は、少なくとも1回投与されるが、任意選択で複数回投与することができる。初回膣内投与前及び/又はそれに続いてのいずれかで筋肉内投与を繰り返すことも可能である。しかしながら、好ましくは、rAd26は、筋肉内投与を介して1回のみ投与される。膣内経路を介してrAd26を1回のみ投与することも好ましい。場合により、膣内経路を介したrAd26の後期ブースター投与(例えば、初回膣内投与(筋肉内投与に続いて行われた)の少なくとも2、3、4又は5年後、好ましくは少なくとも6、7、8、9又は10年後)は、rAd26でコードされた抗原に対して長期免疫原性を維持するために有益であり得る。
本発明による抗原をコードするポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチド、すなわちAd26型アデノウイルス中に天然に存在しないポリヌクレオチドである。ポリヌクレオチドは、標準的な分子生物学技法によってrAd26中に導入され得る。
本発明による抗原をコードするポリヌクレオチドは、好ましくは、その抗原に対する防御免疫応答を宿主において引き起こすことができ、例えばその抗原に対する免疫応答を誘導し、且つ/又は対象を、その抗原と関連する疾患又は感染症に対して防御する免疫を対象において生じる(すなわちワクチン接種する)。抗原は、任意の外来物質のもの、例えば病原体のものであり得る。例えば、抗原は、ウイルス抗原、寄生虫抗原、真菌抗原、細菌抗原、原虫抗原又は腫瘍抗原である。
本発明の実施形態によれば、本明細書で使用される「免疫応答を誘導する」は、予防的な目的で感染症に対して対象に防御免疫を提供し、且つ/若しくはワクチン接種すること又は治療的目的で感染症に対して免疫応答を引き起こす必要がある対象において、所望の免疫応答若しくは効果を引き起こすこと、すなわち治療的ワクチン接種を包含する。「免疫応答を誘導する」は、病原性因子に対する治療のための治療的免疫を提供することも包含する。典型的には、予防的ワクチン接種について、組成物及びワクチンは、標的病原体によって依然として感染されていない対象に投与される一方、治療的ワクチン接種について、組成物及びワクチンは、標的病原体によって既に感染された対象に投与され得る。本発明の好ましい方法では、治療的免疫応答は、本明細書に定義されるように、rAd26の筋肉内投与及びその後の膣内投与によって誘導される。当業者は、本発明の免疫応答が、病原体(本明細書では「標的病原体」と称されることもある)又は本明細書に記載される疾患の抗原に対して誘導され、その抗原がrAd26中のポリヌクレオチドによってコードされることを認識する。
本発明に関連して使用される場合、「予防する」、「予防すること」及び「予防」という用語は、疾患又は感染症、好ましくは本明細書に定義されるような性感染症の再発、発病、発症若しくは進行の予防若しくは低減を指すか、又は性感染症若しくはその1つ以上の症状の重症度及び/若しくは持続期間の予防若しくは軽減を指す。
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療すること」及び「治療」という用語は、疾患又は感染症、好ましくは本明細書で定義されるような性感染症の進行、重症度及び/若しくは持続期間の軽減若しくは改善並びに/又は疾患の1つ以上の症状を軽減若しくは改善することを指す。
免疫応答は、細胞性免疫応答及び/又は体液性免疫応答であり得る。本発明の好ましい実施形態では、免疫応答は、細胞性免疫応答、より好ましくはCD8+T細胞応答を含む。
筋肉内投与の例は、腕の三角筋又は大腿の外側広筋への注射を含む。
本発明による方法では、本発明によるrAd26の後続の、例えば第2の投与は、膣内投与である。膣内投与の例は、局所投与を含み、例えばゲルなどの粘性組成物による局所投与を含む。ゲルは、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリマー又は任意の他のゲル形成若しくは粘性物質を含み、例えば国際公開第2017069793号パンフレットを参照されたい。特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、送達ビヒクル、例えばカプセル剤又は坐剤によって膣内投与される。本明細書に定義される組成物の膣投与のための坐剤は、室温で固体であるが、体温で液体であり、したがって膣管内で溶解し、組成物を放出するココアバター及びポリエチレングリコールなどの好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。
本明細書で使用される対象は、哺乳動物、又は非ヒト霊長類、又はヒトである。好ましくは、対象は、ヒト対象である。
本明細書で使用されるrAd26は、組成物中、例えば筋肉内投与のための第1の組成物及び膣内投与のための第2の組成物中に存在し得る。第1及び第2の組成物は、同じであるか又は異なり得、例えば、それらは、任意選択で、意図された投与経路に向けて調整された異なる賦形剤を含み得る。本発明に従って使用される組成物、例えば第1及び第2の組成物は、好ましくは、担体、充填剤、防腐剤、可溶化剤及び/又は希釈剤を含む任意の薬学的に許容される賦形剤を含み得る医薬組成物である。本発明に従って使用するための本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン又はゲルを含む、投与の意図された方法に好適な任意の形態であり得る。好ましい実施形態では、本明細書に定義される組成物は、固体形態又は液体形態で投与される。これに関連して、「薬学的に許容される」という用語は、担体又は賦形剤が、使用される投与量及び濃度において、それらを投与する対象にいかなる望ましくない又は有害な効果も引き起こさないことを意味する。そのような薬学的に許容される賦形剤は、当技術分野において周知であり、本分野における標準教科書に詳細に説明されている。生理食塩水並びに水性デキストロース溶液及びグリセロール溶液も液体担体として利用され得、特に注射液のための液体担体として利用され得る。好適な賦形剤として、下記が挙げられる:デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、カルボキシメチルセルロース、エタノール及び同類のもの。
いくつかの実施形態では、本発明の第1及び/又は第2の組成物は、免疫応答を向上させるためのアジュバントを任意選択で更に含み得る。「アジュバント」及び「免疫刺激剤」という用語は、本明細書では同義的に使用され、免疫系の刺激を引き起こす1つ以上の物質と定義される。特定の実施形態では、本組成物は、アジュバントを含まない。
特定の実施形態では、rAd26の後続の膣内投与は、対象へのrAd26の第1の筋肉内投与後、約1~10週間、例えば2~8週間行われる。特定の実施形態では、第2の組成物は、第1の組成物の投与に続いて約1、2、3、4、5、6、8、9又は10週間投与される。典型的には、より短い時間間隔、例えば1、2、3、4、5、6、7又は8週間が、レジメンに対する改善されたコンプライアンスを期待するために実際には好ましい。
特定の実施形態では、筋肉内投与と膣内投与との間の時間間隔は、少なくとも1週間、2週間、3週間又は少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヶ月以上である。
本発明によるポリヌクレオチドをコードする抗原は、好ましくは、ウイルス、寄生虫若しくは細菌の抗原タンパク質又はその免疫原性ポリペプチドをコードする。「タンパク質」又は「ポリペプチド」という用語は、特定の作用様式、サイズ、3次元構造又は起源を全く考慮せずにアミノ酸の鎖からなる分子を指す。タンパク質の「断片」又は「部分」は、したがって、「タンパク質」と依然として称され得る。本明細書で定義されるタンパク質及び本明細書で定義される任意の方法で使用されるタンパク質は、単離されたタンパク質であり得る。「単離されたタンパク質」は、もはやその天然の環境にはないタンパク質、例えばインビトロ又は組換え細菌又は動物宿主細胞中にあるタンパク質を指すために使用される。抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドは、エピトープ(又は抗原決定基)を含む任意のタンパク質又はペプチドであり得る。本発明の好ましい実施形態では、rAd26中のポリヌクレオチドは、ウイルス抗原、寄生虫又は細菌抗原をコードする。そのような抗原は、異なるウイルス、寄生虫又は細菌の野生型株のゲノムを配列決定し、そのようなゲノムからの抗原決定基をコードする核酸をサブクローニングし、それらをアデノウイルスゲノム配列にクローニングすることによって得ることができる。対象に投与されると、本発明によるrAd26中のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、対象において発現し、それは、ポリペプチド中に存在する抗原性断片に対する免疫応答をもたらす。
「アミノ酸配列」:これは、タンパク質の又はタンパク質内のアミノ酸残基の順序を指す。換言すれば、タンパク質中のアミノ酸の順序は、アミノ酸配列と称することができる。
「ヌクレオチド配列」:これは、核酸の又は核酸内のヌクレオチドの順序を指す。換言すれば、核酸中のヌクレオチドの順序は、ヌクレオチド配列と称することができる。
異種コード配列をアデノウイルスゲノムに挿入するための方法は、当業者に周知である。例えば、DNAのクローニング、DNA及びRNAの単離、ウエスタンブロット分析、RT-PCR及びPCR増幅法など、標準的な分子生物学的手法のための方法は、既知の教科書及びマニュアルで説明されている。好ましい実施形態では、本発明による細菌、寄生虫又はウイルス抗原をコードするポリペプチドは、哺乳動物細胞、好ましくはヒト細胞における発現のためにコドン最適化されている。コドン最適化は、当技術分野において広く適用されている技術である。典型的には、異種コード配列がアデノウイルスゲノムのE1及び/又はE3領域にクローニングされるが、代わりにアデノウイルスゲノムの異なる領域にそれをクローニングすることも可能である。
異種コード配列は、アデノウイルス由来のプロモータ(例えば、Major Late Promoter)の制御下に置かれ得る(すなわち作動可能に連結され得る)か、又は異種プロモータの制御下に置かれ得る。好適な異種プロモータの非限定的な例としては、CMVの最初期プロモータ(CMVプロモータ)及びラウス肉腫ウイルス長い末端反復プロモータ(RSVプロモータ)が挙げられる。好ましくは、プロモータは、発現カセット内の目的の異種遺伝子の上流に位置する。抗原の発現を駆動するために、Ad26ベクター中で使用することができるCMVプロモータ配列の非限定的な例は、国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号24に提供されている。
好ましくは、rAd26中のポリヌクレオチドは、HIV感染症、HPV感染症、HSV感染症、クラミジア、淋病、梅毒及びトリコモナス症からなる群から選択される性感染症を引き起こす病原体に由来する抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。
好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。好ましくは、抗原タンパク質は、HPV株のHPV16型(HPV16)、HPV18型(HPV18)、HPV31型(HPV31)、HPV33型(HPV33)、HPV35型(HPV35)、HPV39型(HPV39)、HPV45型(HPV45)、HPV51型(HPV51)、HPV52型(HPV52)、HPV56型(HPV56)、HPV58型(HPV58)、HPV59型(HPV59)、HPV68型(HPV68)、HPV73型(HPV73)からのものである。より好ましくは、抗原タンパク質は、HPV16及び/又はHPV18からのものである。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、HPV E1タンパク質、例えばHPV16 E1タンパク質(例えば、GenBank受け入れ番号:AAA46936.1の配列をコードするポリヌクレオチド)又はHPV18 E1タンパク質(例えば、GenBank受け入れ番号:AAA99516.1の配列をコードするポリヌクレオチド)の少なくとも1つのエピトープをコードする。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、HPV E2タンパク質、例えばHPV16 E2タンパク質又はHPV18 E2タンパク質の少なくとも1つのエピトープをコードする。特定の実施形態では、E2タンパク質は、例えば、そのトランス活性化及び/又はDNA結合ドメイン、例えば欠失、突然変異又はタンパク質の他の部分の構造的再編成によって不活性化され得る。特定の実施形態では、E2は、トランス活性化ドメインに変異を有し、他の実施形態では、E2は、DNA結合ドメインに変異を有し、更なる実施形態では、E2は、トランス活性化ドメイン及びDNA結合ドメインの両方に変異を有する。更に別の代替実施形態では、E2ポリペプチドは、並べ替えられた(シャッフルされた)断片に分割され、免疫原性のE2エピトープを維持しながらE2活性を抑制する。特定の実施形態では、E2タンパク質は、野生型E2タンパク質である。特定の他の実施形態では、E2タンパク質は、(野生型E2タンパク質と比べて)そのDNA結合ドメイン内に欠失又は1つ以上の突然変異を有する。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、HPV E6タンパク質、例えばHPV16 E6タンパク質又はHPV18 E6タンパク質の少なくとも1つのエピトープをコードする。HPV E6タンパク質は、当技術分野において以前に記載されたように、発癌能を欠失するために変異及び/又は再配列を含有し得る。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、HPV E7タンパク質、例えばHPV16 E7タンパク質又はHPV18 E7タンパク質の少なくとも1つのエピトープをコードする。HPV E7タンパク質は、当技術分野において以前に記載されたように、発癌能を欠失するために変異及び/又は再配列を含有し得る。
本発明の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、HPVのE6及びE7の両方のエピトープ、好ましくはHPV16及び/又はHPV18のE6及びE7のエピトープをコードする。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、例えば、国際公開第2017/029360号パンフレットに詳細に記載されるように、HPV16 E6及びE7タンパク質の(本質的に)全てのT細胞エピトープが存在するように並べ換えられ、部分的に重複する断片の形態で実際上はHPV16の完全なE6及びE7アミノ酸配列を含む融合タンパク質をコードする。特定の実施形態では、E6及びE7の両方のエピトープをコードするポリヌクレオチドは、例えば、国際公開第2017/029360号パンフレットに詳細に記載されるように、HPVのE2タンパク質の少なくとも1つのエピトープを更に含む。本発明で使用することができるHPV抗原のいくつかの非限定的な例は、HPV16-E6E7SH(国際公開第2017/029360号パンフレットの配列番号1)、HPV16-E2E6E7SH(国際公開第2017/029360号パンフレットの配列番号3)、HPV16-E6E7E2SH(国際公開第2017/029360号パンフレットの配列番号5)、HPV18-E6E7SH(国際公開第2017/029360号パンフレットの配列番号20)又はHPV18-E2E6E7SH(国際公開第2017/029360号パンフレットの配列番号22)などの国際公開第2017/029360号パンフレットに記載されたものである。これらの抗原をコードする好適な核酸配列の例も国際公開第2017/029360号パンフレットに提供されており、例えばその中の配列番号2(HPV16-E6E7SHをコードする)、その中の配列番号4(HPV16-E2E6E7SHをコードする)、その中の配列番号6(HPV16-E6E7E2SHをコードする)、その中の配列番号21(HPV18-E6E7SHをコードする)及びその中の配列番号23(HPV18-E2E6E7SHをコードする)などである。
HPV抗原配列の他の例は、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information(NCBI))によって提供されるGenBank配列データベース(「GenBank」)などの公的なデータベースから当業者に入手可能である。
好ましくは、ポリヌクレオチドは、HPV E6タンパク質若しくはその抗原性部分及び/又はHPV E7タンパク質若しくはその抗原性部分をコードする。更により好ましくは、ポリヌクレオチドは、HPV E6及びE7タンパク質の両方のエピトープをコードする。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号1を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号2を含むか又はそれからなるタンパク質をコードする。
別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、好ましくはHIV-1の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、抗原タンパク質は、HIVグループ抗原(Gag)、ポリメラーゼ(Pol)及び/若しくはエンベロープ(Env)タンパク質又はその抗原性部分であるか又はそれらに由来する。一実施形態では、抗原は、HIV-1 Gag、Pol及び/又はEnv抗原に由来する「モザイク」抗原である。そのようなモザイク抗原は、他によって記載されており、可能性のあるT細胞エピトープの最大範囲を提供しようとして開発されている(例えば、Barouch et al,Nat Med 2010,16:319-323)。モザイク抗原は、野生型の天然に存在するHIV-1抗原と長さ及びドメイン構造が類似している。例えば、記載され、ワクチンで使用されるモザイクHIV抗原としては、Barouchら(上記)に記載されているもの及び例えば国際公開第2010/059732号パンフレット又は国際公開第2017/102929号パンフレットに記載されているものが挙げられる。本発明で使用することができる好適なモザイクHIV抗原の非限定的な例としては、(i)国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号1(「mos1.Gag」)又は配列番号2(「mos2.Gag」)に記載されているアミノ酸配列を有するものなど、国際公開第2017/102929号パンフレットに記載されているモザイクGag抗原配列;(ii)国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号3(「mos1.Pol」)又は配列番号4(「mos2.Pol」)に記載されているアミノ酸配列を有するものなど、国際公開第2017/102929号パンフレットに記載されているモザイクPol抗原配列;(iii)国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号5(「mos1.Env」)又は配列番号18(「mos2S.Env」)に記載されているアミノ酸配列を有するものなど、国際公開第2017/102929号パンフレットに記載されているモザイクEnv抗原配列;若しくはその融合体、例えばmos1.GagPol(国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号28)又はmos2.GagPol(国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号29)の1つ以上を含む。これらの抗原をコードする好適な核酸配列の例も国際公開第2017/102929号パンフレットに提供されており、例えばその中の配列番号20(mos1.GagPolをコードする)、配列番号21(mos2.GagPolをコードする)、配列番号22(mos1.Envをコードする)及び配列番号23(mos2S.Envをコードする)などである。
本発明の好ましい一実施形態では、ポリヌクレオチドは、Gag及びPol融合タンパク質(例えば、「mos1.GagPol」又は「mos2.GagPol」)をコードする。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号3を含むか又はそれからなる。特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、配列番号4を含むか又はそれからなるタンパク質をコードする。
本発明の別の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、Envヌクレオチド、例えばmos1.Env又はmos2S.Envをコードする。特定の実施形態では、Ad26ベクターの組み合わせが使用され、ここでは、各Ad26ベクターは、前述のような抗原をコードするポリヌクレオチドを含み、Ad26ベクターの組み合わせは、前述のような抗原の組み合わせ、例えば(i)mos1.GagPol、(ii)mos2.GagPol、(iii)mos1.Env、及び(iv)mos2S.Envの組み合わせを一緒にコードする。そのようなベクターの組み合わせは、単一の組成物中で混合することができる(例えば、国際公開第2017/102929号パンフレットを参照されたい)。
HIV Gag、Pol、Env抗原配列の他の例又はNef、Tat、Rev、Vif、Vpr若しくはVpuなどの他のHIV抗原配列は、GenBankなどの公的なデータベースから当業者に利用可能である。HIV抗原の多くの異なるバリアントが記載されており、本明細書で使用することができる。別の非限定的な例は、国際公開第2013/110818号パンフレットに記載されるHIVT細胞免疫原であろう。
特定の実施形態では、例えばgp140タンパク質などの単離されたHIV Envタンパク質抗原を更に投与することによる、そのベクターが本発明に従って投与される更なる成分を対象に投与することができる(例えば、国際公開第2017/102929号パンフレットを参照されたく、例えば国際公開第2017/102929号パンフレットの配列番号7のアミノ酸30~708及び/又は配列番号36のアミノ酸30~724を有する1つ又は両方のタンパク質)。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、単純ヘルペスウイルス(HSV)、好ましくはHSV-2の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、この抗原タンパク質は、gH、gL、gM、gB、gC、gK、gE、gDICP27、ICP47、ICP4、ICP36,VP22、RR2、UL19、UL47、VP11/12又はVP13/14から選択されるHSVタンパク質であるか又はそれに由来する。
特定の実施形態では、抗原をコードするポリヌクレオチドは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、抗原タンパク質は、PepA、Lcr、ArtJ、DnaK、CT398OmpH様、L7/L12、OmcA、AtoS、Eno、HtrA、MurG、MOMP、PmpD、MIP及びPgp3から選択されるクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)タンパク質であるか又はそれに由来する。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、抗原タンパク質は、NGO0416、NGO0690、NGO0948、NGO1043、NGO1215、NGO1701、BamA、LptD、TamA、NGO2054、NGO2139、Lectin、Ag473、Omp85及びFrpBから選択される淋菌(Neisseria gonorrhoeae)タンパク質であるか又はそれに由来する。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、抗原タンパク質は、Tp92、Gpd、TprK及びTp0435、Tp0751(Pallilysin)、フラジェリン及び47キロダルトン膜内在性リポタンパク質から選択される梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)タンパク質であるか又はそれに由来する。
特定の実施形態では、ポリヌクレオチドは、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)の抗原タンパク質又は免疫原性ペプチドをコードする。一実施形態では、抗原タンパク質は、α-アクチニン又はN末端エノラーゼ(Gen eIDs TVAG_329460、TVAG_043500、TVAG_464170、TVAG_358110、TVAG_263740、TVAG_487600、TVAG_170370、TVAG_2820)から選択される膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)タンパク質であるか又はそれに由来する。
一般に、前述したもの及び他のタンパク質などのタンパク質の配列、例えばHSV、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)及び膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)の配列は、国立テクノロジー情報センター(NCBI)によって提供されるGenBank配列データベースなどの公的なデータベースにおいて当業者に利用可能である。
一実施形態では、本発明による方法は、性感染症(STD)に対して免疫応答を誘導するためのものである。性感染症は、性感染症(STI)又は性病(VD)と称されることもあり、これらは、性的接触によって伝染し、生殖器領域の皮膚若しくは粘膜上で生存する微生物によって引き起こされるか、又は性交中の精液、膣分泌液若しくは血液を介して伝染する疾患である。一部のSTDは、代わりに、滅菌されていない薬剤針の使用を通して、出産又は授乳中の母体から乳児に且つ輸血中に伝播し得る。一般的に知られるSTDとしては、AIDS/HIV感染症、クラミジア、性器ヘルペス、淋病、HPV感染症誘発性疣贅又は癌、トリコモナス症及び梅毒が挙げられる。
したがって、特定の実施形態では、本発明による方法において、免疫応答は、HIV感染症、HSV感染症(例えば、性器ヘルペス)、HPV感染症誘発性疾患、クラミジア、淋病、トリコモナス症及び梅毒からなる群から選択されるSTDに対して誘導される。
一実施形態では、本発明は、HIVに対して免疫応答を誘導する方法を含む。ヒト免疫不全ウイルス感染症及び後天性免疫不全症候群(HIV/AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染によって引き起こされる病状の領域である。HIVは、主に、無防備なセックス(アナル及びオーラルセックスを含む)、汚染された輸血、皮下注射針により及び妊娠、出産又は授乳中に母体から幼児に伝播する。
一実施形態では、本発明は、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対して免疫応答を誘導する方法を含む。HPV感染症は、ヒトパピローマウイルス(HPV)によって引き起こされる感染症である。種々のHPV型が存在し(120を超える型が同定されており、番号により参照される)、一般にワクチンにより対処される必要がある各型について、型特異的抗原がワクチン中に組み込まれる必要があり得るが、特定の抗原について幾つかの交差反応性が存在し得る。16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68、73及び82型は、発癌性の「高リスクの」性感染性HPVであり、これらの型による感染は、とりわけ、子宮頸部異形成(CIN)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、膣上皮内腫瘍(VaIN)、陰茎上皮内腫瘍(PIN)及び/又は肛門上皮内腫瘍(AIN)並びに頸部、外陰部、膣、陰茎、肛門、口又は喉の癌の発症をもたらし得る。
一実施形態では、本発明は、HSVに対して免疫応答を誘導する方法を含む。HSVは、2つの型、HSV-1及びHSV-2に分類される。HSVによる感染症は、例えば、STD性器ヘルペス、生殖器の単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症を引き起こし得る。
一実施形態では、本発明は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に対する免疫応答を誘導する方法を含む。クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)による感染症は、STDクラミジアを引き起こす場合があり、この疾患は、トラコーマ、性病性リンパ肉芽腫、非淋菌性尿道炎、子宮頚炎、卵管炎、骨盤内炎症性疾患を含む様々な形態で現れ得る。
一実施形態では、本発明は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)に対する免疫応答を誘導する方法を含む。細菌の淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症は、STD淋病を引き起こし得る。感染症は、生殖器、口及び/又は直腸の感染症を伴い得る。
一実施形態では、本発明は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)に対する免疫応答を誘導する方法を含む。細菌の梅毒トレポネーマの亜種(Treponema pallidum subspecies pallidum)によって引き起こされる性感染症は、梅毒として知られている。
一実施形態では、本発明は、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)に対する免疫応答を誘導する方法を含む。寄生虫膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)によって引き起こされる性感染症は、トリコモナス症として知られている。
更なる態様では、本発明は、対象における免疫応答の誘導で使用するための、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を提供し、このrAd26は、筋肉内投与、その後の膣内投与のためのものである。特定の実施形態では、rAd26は、本明細書に記載されるような細菌、寄生虫若しくはウイルス抗原又はその抗原性断片に対する免疫応答の誘導において使用するためのものである。特定の実施形態では、rAd26は、本明細書に記載されるようなSTDに対する免疫応答の誘導において使用するためのものである。
好ましい実施形態では、rAd26は、HPV又はHPV感染症に対する免疫応答の誘導において使用するためのものであり、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、HPV E6タンパク質若しくはその抗原性部分及び/又はHPV E7タンパク質若しくはその抗原性部分をコードする。好ましくは、ポリヌクレオチドは、HPV E6及びE7タンパク質の両方のエピトープをコードする。
別の好ましい実施形態では、rAd26は、HIVに対する免疫応答の誘導で使用するためのものであり、本明細書に記載されるポリヌクレオチドは、HIV Env、Gag若しくはPolタンパク質又はその抗原性部分をコードする。
更なる態様では、本発明は、対象においてウイルス感染症を治療及び/又は予防するための方法であって、対象に、その感染症が治療及び/又は予防されるウイルスの抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を投与することを含む方法を提供し、対象への投与は、rAd26の筋肉内投与、それに続くrAd26の膣内投与を含む。
特定の実施形態では、本発明の方法による対象へのrAd26の投与は、有効量の、rAd26を含む1つ以上の組成物の投与を含む。本明細書で使用する場合、「有効量」又は「免疫学的有効量」は、所望の免疫作用又は免疫応答を、それを必要とする対象において誘導するのに十分な組成物の量を意味する。一実施形態では、有効量は、免疫応答を、それを必要とする対象において誘導するのに十分な量を意味する。別の実施形態では、有効量は、免疫を、それを必要とする対象において発生させるのに十分な量を意味し、例えばウイルス感染などの疾患に対する保護作用をもたらすのに十分な量を意味する。有効量は、対象の身体的状態、年齢、体重、健康状態など;免疫応答を誘導するか又は防御免疫を提供するかのいずれかの特定の用途;投与される特異的組換えベクター;投与される組換えベクターによってコードされる免疫原又は抗原ポリペプチド;投与される特定の抗原ポリペプチド;並びに特定の疾患、例えばその免疫が望まれるウイルス感染症などの様々な因子に依存して変化し得る。当業者は、有効量を、本開示を考慮して容易に決定することができる。1回の投与中に対象に提供されるワクチン活性成分の全用量は、当業者に公知であるように変動し得、rAd26などのアデノウイルスについては、一般に1×107ウイルス粒子(vp)~1×1012vp、好ましくは1×109vp~1×1011vp、例えば5×109vp~5×1010vpである。
更に他の態様では、本発明は、本明細書に記載される組換えAd26型アデノウイルスを含む第1の組成物と、本明細書に記載されるAd26型の第2の組成物とを含むパーツキットを提供する。特定の実施形態では、パーツキットは、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を含む第1の組成物と、rAd26を含む第2の組成物とを含み、第1の組成物は、筋肉内投与で使用するためのものであり、及び第2の組成物は、膣内投与で使用するためのものである。
パーツキットは、免疫応答の誘導で使用するためのものであり、好ましくは本明細書で定義されるような疾患、感染症又は抗原に対する免疫応答の誘導で使用するためのものである。
任意選択で、パーツキットは、添付文書を更に含む。添付文書は、使用説明書を含み得る。加えて又は代替的に、添付文書は、患者向け医薬品情報及び製品概要(SmPC)の少なくとも1つであり得る。
したがって、第1の態様では、本発明は、対象において免疫応答を誘導するための方法であって、対象に、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を筋肉内投与することと、その後、rAd26を対象に膣内投与することとを含む方法を提供する。
第2の態様では、本発明は、対象における免疫応答の誘導で使用するための、抗原(rAd26)をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルスを提供し、rAd26は、対象に対する筋肉内投与及びその後の膣内投与のためのものである。
第3の態様では、本発明は、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)の、免疫応答を誘導するための医薬品の製造のための使用を提供し、rAd26は、対象に対する筋肉内投与及びその後の膣内投与のためのものである。
第4の態様では、本発明は、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を含む第1の組成物と、rAd26を含む第2の組成物とを含むパーツキットを提供し、第1の組成物は、筋肉内投与で使用するためのものであり、及び第2の組成物は、膣内投与で使用するためのものである。
第5の態様では、本発明は、対象においてウイルス感染症を治療及び/又は予防するための方法であって、対象に、ウイルス感染症を引き起こしたか、又はその予防が望ましいウイルスの抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を投与することを含み、投与は、rAd26の筋肉内投与、その後のrAd26の膣内投与を含む、方法を提供する。
当業者には、例えば、抗原及び/又はポリヌクレオチド、rAd26の起源並びにアイデンティティ、投与経路、医薬組成物、投与時期、対象、治療若しくは予防される疾患など、第1の態様に関する要素の上記で提供された説明が第2、第3、第4及び第5の態様におけるこれらの要素に等しく適用可能であることが明確であろう。
様々な刊行物、論文及び特許が背景技術及び本明細書の全体を通して引用又は記載されている。本明細書に含まれる文献、行為、材料、デバイス、物品などの説明は、本発明に関する状況を提供することを目的とするものである。そのような説明は、これらの内容のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるあらゆる発明に関する先行技術の一部を形成することを認めるものではない。
配列の説明
本発明の下記の実施例により、本発明の性質を更に説明する。下記の実施例は、本発明を限定せず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により決定されるものであることを理解すべきである。
実施例1:マウスにおけるHPV16のE6及びE7の融合タンパク質を発現するアデノウイルスベクターAd26ベクターを含む第1及び第2の組成物の投与によって誘導される粘膜細胞免疫応答
材料及び方法
免疫化の5日前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)を皮下注射(SC)し、マウスの月経周期を同調させた。テストしたAd26ベクターは、HPV16のE6及びE7抗原の融合タンパク質を発現した(Ad26.HPV16の抗原配列は、配列番号2として提供され、ヌクレオチド配列は、配列番号1として提供される)。ベクターを1010ウイルス粒子(vp)の用量において筋肉内投与でテストした(IM、2群及び3群)一方、対照マウス(1群)は、導入遺伝子を発現しない1010のAd26ベクターを受けた(Ad26.空)。7日目、14日目及び21日目に1群及び2群の動物は、PBSを膣内で受けた(IVAG)。初回投与から2週間後、3群のマウスは、4%のカルボキシメチルセルロース(ワクチンが膣管内の局所にとどまることを促進するゲル)中に再懸濁されたAd26.HPV16ベクター(1010vp)のIVAGを受けるか、又はマウスは、PBS IVAGを受け、動物を2週間後に安楽死処分した(実験セットアップの概略図については、図1Aを参照されたい)。
材料及び方法
免疫化の5日前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)を皮下注射(SC)し、マウスの月経周期を同調させた。テストしたAd26ベクターは、HPV16のE6及びE7抗原の融合タンパク質を発現した(Ad26.HPV16の抗原配列は、配列番号2として提供され、ヌクレオチド配列は、配列番号1として提供される)。ベクターを1010ウイルス粒子(vp)の用量において筋肉内投与でテストした(IM、2群及び3群)一方、対照マウス(1群)は、導入遺伝子を発現しない1010のAd26ベクターを受けた(Ad26.空)。7日目、14日目及び21日目に1群及び2群の動物は、PBSを膣内で受けた(IVAG)。初回投与から2週間後、3群のマウスは、4%のカルボキシメチルセルロース(ワクチンが膣管内の局所にとどまることを促進するゲル)中に再懸濁されたAd26.HPV16ベクター(1010vp)のIVAGを受けるか、又はマウスは、PBS IVAGを受け、動物を2週間後に安楽死処分した(実験セットアップの概略図については、図1Aを参照されたい)。
HPV16-E7抗原に対する免疫応答を、テトラマー分析と組み合わせたフローサイトメトリーなどの確立された免疫学的アッセイを使用して測定した。
結果
Ad26.HPV16による単一IM免疫化は、膣粘膜においていくらかのHPV16-E7特異的組織常在性メモリT細胞応答を誘導した(図1B)。対照的に、IM/IVAG同種2回投与Ad26.HPV16免疫化レジメンは、膣粘膜内で検出される抗原特異的組織常在性メモリCD8T細胞を増強させ、Ad26.HPV16の単一IM免疫化によって誘導されるものの5倍を超える増加をもたらした(平均群応答:IM Ad26.HPV16:11.67%;IM/IVAG Ad26.HPV16:58.57%)。約2.5倍の増強は、膣管におけるHPV16-E7特異的CD8T細胞の%でも見られた(図1C)。CD103+T細胞の誘導は、これらが感染部位において感染細胞を殺傷するために必要な細胞であるため、望ましい効果である。例えば、CD103は、HIV感染中の女性生殖管における子宮頸部T細胞応答を予測するためのサロゲートマーカーとして使用されており(Kiravu et al,2011,Clin Immunol.141:143-151)、CD103は、子宮頸部癌の腫瘍反応性T細胞浸潤の迅速評価のための有望なマーカーであり、HPV E6/E7標的化免疫療法のための有望な応答バイオマーカーであることが報告された(Komdeur et al,2017,Oncoimmunology,2017,https://doi.org/10.1080/2162402X.2017.1338230)。したがって、本発明のレジメンの目的の抗原をコードするAd26ベクター(rAd26)の筋肉内投与、その後の同じrAd26の膣内投与は、望ましいタイプの免疫応答の強力な増強をもたらす。これまで、そのような応答は、同種ベクターの異なる時点での投与でのみ示されていたが、驚くべきことに、ここでは同じAd26ベクターを使用することによってもこれが可能であると思われる。
Ad26.HPV16による単一IM免疫化は、膣粘膜においていくらかのHPV16-E7特異的組織常在性メモリT細胞応答を誘導した(図1B)。対照的に、IM/IVAG同種2回投与Ad26.HPV16免疫化レジメンは、膣粘膜内で検出される抗原特異的組織常在性メモリCD8T細胞を増強させ、Ad26.HPV16の単一IM免疫化によって誘導されるものの5倍を超える増加をもたらした(平均群応答:IM Ad26.HPV16:11.67%;IM/IVAG Ad26.HPV16:58.57%)。約2.5倍の増強は、膣管におけるHPV16-E7特異的CD8T細胞の%でも見られた(図1C)。CD103+T細胞の誘導は、これらが感染部位において感染細胞を殺傷するために必要な細胞であるため、望ましい効果である。例えば、CD103は、HIV感染中の女性生殖管における子宮頸部T細胞応答を予測するためのサロゲートマーカーとして使用されており(Kiravu et al,2011,Clin Immunol.141:143-151)、CD103は、子宮頸部癌の腫瘍反応性T細胞浸潤の迅速評価のための有望なマーカーであり、HPV E6/E7標的化免疫療法のための有望な応答バイオマーカーであることが報告された(Komdeur et al,2017,Oncoimmunology,2017,https://doi.org/10.1080/2162402X.2017.1338230)。したがって、本発明のレジメンの目的の抗原をコードするAd26ベクター(rAd26)の筋肉内投与、その後の同じrAd26の膣内投与は、望ましいタイプの免疫応答の強力な増強をもたらす。これまで、そのような応答は、同種ベクターの異なる時点での投与でのみ示されていたが、驚くべきことに、ここでは同じAd26ベクターを使用することによってもこれが可能であると思われる。
実施例2:IMの第1投与とIVAGの第2投与との間の時間間隔は、マウスにおいて誘導された粘膜細胞免疫の量及び品質に影響を及ぼさない。
材料及び方法
マウスは、Ad26.HPV16又は導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)の1010VPでの投与を受けた。第2の免疫化の1週間前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)をSC注射し、マウスの月経周期を同調させた。その後、動物に、最初の免疫化から2週間後又は8週間後のいずれかでAd26.HPV16をIM又はIVAG経路を介して投与した。第2の投与から2週間後、動物を安楽死処理した(実験セットアップの概略図については、図2Aを参照されたい)。
材料及び方法
マウスは、Ad26.HPV16又は導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)の1010VPでの投与を受けた。第2の免疫化の1週間前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)をSC注射し、マウスの月経周期を同調させた。その後、動物に、最初の免疫化から2週間後又は8週間後のいずれかでAd26.HPV16をIM又はIVAG経路を介して投与した。第2の投与から2週間後、動物を安楽死処理した(実験セットアップの概略図については、図2Aを参照されたい)。
結果
HPV16-E7特異的CD103+組織常在性メモリCD8T細胞の有意に高い誘導がAd26.HPV16でIM/IMを介して投与された動物と比べて、間隔に関係なく、IM/IVAGを介して投与された動物の頸膣部粘膜において検出された(図2B)。第1の投与と第2の投与との間の間隔は、頸膣部組織におけるHPV16に特異的な組織常在性メモリT細胞の誘導に決定的な影響を及ぼさなかった(図2B)。IM/IVAG適用は、適用のIM/IM経路と比べて、Ad26中和抗体のわずかに低い血清レベルを誘導する傾向があった(図2C)。IM/IVAGに対する全身応答及びIM/IMに対する全身応答も、脾臓におけるHPV16-E7特異的CD8T細胞の%を測定することによって比較したところ(図2D)、全身応答に有意差は観察されなかった。
HPV16-E7特異的CD103+組織常在性メモリCD8T細胞の有意に高い誘導がAd26.HPV16でIM/IMを介して投与された動物と比べて、間隔に関係なく、IM/IVAGを介して投与された動物の頸膣部粘膜において検出された(図2B)。第1の投与と第2の投与との間の間隔は、頸膣部組織におけるHPV16に特異的な組織常在性メモリT細胞の誘導に決定的な影響を及ぼさなかった(図2B)。IM/IVAG適用は、適用のIM/IM経路と比べて、Ad26中和抗体のわずかに低い血清レベルを誘導する傾向があった(図2C)。IM/IVAGに対する全身応答及びIM/IMに対する全身応答も、脾臓におけるHPV16-E7特異的CD8T細胞の%を測定することによって比較したところ(図2D)、全身応答に有意差は観察されなかった。
実施例3:Ad26単独又は膣内のTLRアゴニストのイミキモドを組み合わせた筋肉内-膣内2回投与レジメン後の膣粘膜におけるHIV特異的CD8T細胞免疫応答の比較。
材料及び方法
マウスは、Ad26.Mos1.GagPol(抗原配列は、配列番号3として提供され、ヌクレオチド配列は、配列番号4として提供されている)又は導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)の1010VPでの初回のIM投与を受けた。2回目の免疫化の1週間前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)をSC注射し、マウスの月経周期を同調させた。その後、動物に初回免疫化から2週間後、Ad26.Mos1.GagPol単独で若しくはIVAG経路を介してイミキモドゲルと組み合わせたAd26.Mos1.GagPolを投与するか、又は動物にAd26.Mos1.GagPol若しくは導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)を1010VPで筋肉内注射する。2回目の投与から2週間後、動物を安楽死処分する(実験セットアップの概略図については、図3を参照されたい)。Mos1.GagPol挿入に特異的なCD8T細胞の誘導を、限定されないが、膣組織及び脾臓におけるHIV Gag特異的CD8T細胞に対して染色するための多量体と組み合わせたフローサイトメトリーなどの様々な免疫学的技法によって測定する。
材料及び方法
マウスは、Ad26.Mos1.GagPol(抗原配列は、配列番号3として提供され、ヌクレオチド配列は、配列番号4として提供されている)又は導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)の1010VPでの初回のIM投与を受けた。2回目の免疫化の1週間前に、動物にデポ・プロベラ(3mg/マウス)をSC注射し、マウスの月経周期を同調させた。その後、動物に初回免疫化から2週間後、Ad26.Mos1.GagPol単独で若しくはIVAG経路を介してイミキモドゲルと組み合わせたAd26.Mos1.GagPolを投与するか、又は動物にAd26.Mos1.GagPol若しくは導入遺伝子を含まないAd26ベクター(Ad26.空)を1010VPで筋肉内注射する。2回目の投与から2週間後、動物を安楽死処分する(実験セットアップの概略図については、図3を参照されたい)。Mos1.GagPol挿入に特異的なCD8T細胞の誘導を、限定されないが、膣組織及び脾臓におけるHIV Gag特異的CD8T細胞に対して染色するための多量体と組み合わせたフローサイトメトリーなどの様々な免疫学的技法によって測定する。
Claims (10)
- 対象において免疫応答を誘導するための方法であって、
前記対象に、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を筋肉内投与することと、
その後、前記rAd26を前記対象に膣内投与することと
を含む方法。 - 前記ポリヌクレオチドは、細菌、寄生虫若しくはウイルス抗原又はその抗原性断片をコードする、請求項1に記載の方法。
- 性感染症(STD)を引き起こす病原体に対する免疫応答を誘導するためのものである、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記性感染症は、HIV感染症、HPV感染症、HSV感染症、クラミジア、淋病、梅毒及びトリコモナス症からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチドは、HPV E6タンパク質若しくはその抗原性部分及び/又はHPV E7タンパク質若しくはその抗原性部分をコードし、好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、HPV E6及びE7タンパク質の両方のエピトープをコードする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記抗原は、HIV Env、Gag若しくはPolタンパク質又はその抗原性部分の少なくとも1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記rAd26は、前記筋肉内投与後、約1~10週間、好ましくは約2~8週間膣内投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 対象における免疫応答の誘導で使用するための、抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)であって、前記rAd26は、筋肉内投与、その後の膣内投与のためのものである、組換えAd26型アデノウイルス。
- 対象においてウイルス感染症を治療及び/又は予防するための方法であって、前記対象に、前記ウイルス感染症を引き起こしたか、又はその予防が望ましいウイルスの抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を投与することを含み、前記投与は、前記rAd26の筋肉内投与、その後の前記rAd26の膣内投与を含む、方法。
- パーツキットであって、
- 抗原をコードするポリヌクレオチドを含む組換えAd26型アデノウイルス(rAd26)を含む第1の組成物と、
- 前記rAd26を含む第2の組成物と
を含み、前記第1の組成物は、筋肉内投与で使用するためのものであり、及び前記第2の組成物は、膣内投与で使用するためのものである、パーツキット。
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