JP2023521706A - アンギオテンシン変換酵素2(ace2)のデノボタンパク質デコイ - Google Patents

アンギオテンシン変換酵素2(ace2)のデノボタンパク質デコイ Download PDF

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Abstract

ACE2のデノボタンパク質デコイ及びその使用法を本明細書で提供する。いくつかの実施形態において、ACE2タンパク質デコイを使用してコロナウイルス感染を治療する方法を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月7日に出願の米国仮出願第63/006,463号、2020年5月21日に出願の米国仮出願第63/028,401号、2020年6月13日に出願の米国仮出願第62/705,150号、2020年7月22日に出願の米国仮出願第63/055,051号、2020年8月3日に出願の米国仮出願第63/060,489号、2020年10月20日に出願の米国仮出願第63/094,179号、及び、2021年2月3日に出願の米国仮出願第63/145,352号の優先権の利益を主張し、これらのそれぞれは、いかなる目的においても参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、ACE2のデノボタンパク質デコイに関する。
ウイルスは、多くの場合、細胞表面結合タンパク質を利用して宿主細胞に侵入し、感染する。中和抗体は、ウイルスの表面に結合し、標的細胞の表面タンパク質(複数可)との相互作用を妨げ、及び/または感染に必要なウイルス関連コンフォメーション変化を防ぐことによって、このプロセスを阻害することができる。したがって、ワクチン接種は、多くのウイルス性疾患と闘うための広く有用なツールとなっている。RNAベースのウイルスは、この戦略の例外となることが多い。中和抗体は、ウイルスがその細胞標的と相互作用するのとは根本的に異なる様式でウイルスタンパク質に結合する。したがって、突然変異率の高いRNAウイルスは多くの場合、標的受容体(複数可)との相互作用を保ちながら、自身の受容体結合タンパク質の形状を作り変え、中和抗体から逃れることにより、そのような構造的不一致を利用して免疫系を逃れる。
コロナウイルスは、エンベロープを持つ大型のプラス鎖RNAウイルスである。ゲノムは、ヌクレオカプシドタンパク質によって形成されるへリックス構造のカプシドで覆われており、さらにウイルスエンベロープに囲まれている。エンベロープアンカースパイクタンパク質を含む、少なくとも3つ構造タンパク質が、ウイルスエンベロープに結合している。コロナウイルスは、様々な受容体を認識し、かつスパイクタンパク質による結合は、その受容体を介したコロナウイルスの宿主細胞への侵入を媒介する。コロナウイルスは、2ステップのプロセスを経て宿主細胞に侵入すると考えられている。まず、スパイクタンパク質は、そのS1サブユニットを介して宿主細胞表面の受容体に結合し、次に、そのS2サブユニットを介してウイルスと宿主の膜とを融合させる。ウイルス結合ステップ及び膜融合プロセスの両方は、スパイクタンパク質による宿主受容体の認識によって媒介される。αコロナウイルスHCoV-NL63及びβコロナウイルスSARS-CoVの両方は、受容体亜鉛ペプチダーゼアンギオテンシン変換酵素2(ACE2)を認識する。近年、ACE2は、2019年に中国の武漢から出現した新たなSARS様コロナウイルスであり、SARS-CoV-2とも呼ばれる、2019-nCovに対する機能的受容体であることも発見された。
SARS-CoV-2は、コロナウイルス感染症2019(COVID-19)を引き起こす感染性の高いウイルスである。2019年12月に出現して以来、SARS-CoV-2は数百万人のCOVID-19患者を発生させ、世界的なパンデミックとなった。対象の大多数は、無症候性または軽症であるが、多数の対象が、呼吸困難もしくは低酸素症を伴う重度の疾患、または陽圧換気を必要とする呼吸不全の症状を伴う危機的な疾患、ショックあるいは多臓器不全を発症する。コロナウイルスなどのウイルスが宿主細胞に侵入するのを防ぐことができる薬剤を特定することが必要とされている。本発明は、このニーズ、及び他のニーズを満たす。
デノボ設計ACE2タンパク質デコイによる細胞へのウイルス侵入の阻害を示す概略図である。SARS-CoV及びSARS-CoV-2ウイルスは、まず、スパイクタンパク質のRBDドメインを介してヒト細胞の表面上のACE2受容体に結合することによって細胞に侵入する(左図)。デノボ設計ACE2デコイは、天然のACE2と同様にRBDドメインに結合するが、ACE2とは異なり、生物学的機能を有していない。デコイは、ウイルスがネイティブACE2受容体と結合することから効果的に隔離し、ネイティブACE2機能レベルをそのまま維持して細胞へのウイルス侵入を防ぐ(右図)。 デノボ設計ACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。陽性(ACE2)対照を示す。 デノボ設計ACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。陽性(ACE2)対照を示す。 デノボ設計ACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。陰性対照(ヒトIL-21R)を示す。 デノボ設計ACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。陰性対照(ヒトIL-21R)を示す。 デノボACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。CTC-445を示す。 デノボACE2タンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質に結合することを酵母表面ディスプレイによって示す。CTC-445を示す。 対照ヒトACE2がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質へ結合することを示す。 対照ヒトACE2がスパイク/RBDへの結合に関して可溶性ACE2と競合することを示す。 デノボタンパク質デコイCTC-445がSARS-CoV-2スパイク/RBDタンパク質へ結合することを示す。 デノボタンパク質デコイCTC-445がスパイク/RBDへの結合に関して可溶性ACE2と競合することを示す。 Octetバイオレイヤー干渉測定(BLI)結合アッセイを介した精製済みACE2タンパク質デコイCTC-445の結合反応速度を示す。 A~Hは、Octet・BLI結合アッセイを介した選択精製済みACE2タンパク質デコイの結合反応速度を示す。 A~Hは、Octet・BLI結合アッセイを介した選択精製済みACE2タンパク質デコイの結合反応速度を示す。 A~Hは、Octet・BLI結合アッセイを介した選択精製済みACE2タンパク質デコイCTC-445バリアントの結合反応速度を示す。 A~Cは、ACE2タンパク質デコイCTC-445(A)、CTC-445.2(B)及びCTC-445.2d(C)の222nmでの円偏光二色性吸収を示す。挿入図は、20℃、95~99℃まで加熱した後(破線)、及び加熱したサンプルを20℃まで冷却した後の、試験物質のUV波長スペクトルを示している。B及びCのY軸はAのY軸と同じである。 A~Cは、加熱及び冷却を繰り返した後のACE2タンパク質デコイCTC-445、CTC-445.2及びCTC-445.2dの熱処理回復を示す。データは、設計されたタンパク質は、繰り返しの熱変性後でもリフォールディングすることを示している。 A~Cは、Octet・BLI結合アッセイを介した精製済みACE2タンパク質デコイCTC-445(A)、CTC-445.2(B)及びCTC-445.2d(C)の結合反応速度を示す。 選択ACE2タンパク質デコイの効力対その分子量のプロットを示す。IC50は、ELISAによって測定した。 Aは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有し、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質をその表面に発現する非複製VSVシュードウイルスを使用して実施した中和アッセイの結果を示す。ACE2タンパク質デコイCTC-445.2及びCTC-445.2dによるウイルス中和を、ACE2を過剰発現しているHEK 293T細胞で実施した。試験タンパク質を、細胞とのインキュベーションの前にシュードウイルスと共に事前にインキュベートした。サンプルを、20μM(CTC-445.2)または10μM(CTC-445.2d)から開始する3倍階段希釈を使用して2回ずつ試験した。Bは、Aの中和アッセイと並行して行った細胞生死判別アッセイの結果である。 鼻腔内投与後の、マウス肺(上)及び血漿(下)におけるACE2タンパク質デコイCTC-445.2dのバイオアベイラビリティを示している。肺溶解物及び血漿中のタンパク質濃度を、Meso Scale Discoveryプラットフォームを使用して定量化した。 Mca-APK(DNP)基質からの遊離蛍光体の酵素的放出によって測定したACE2機能的活性を示す。陽性対照としてDX600ペプチドを使用してACE2阻害を示した。 A~Bは、Octet・BLI結合アッセイを介したACE2タンパク質デコイCTC-445.2(A)、及びCTC-445.2d(B)のSARS-CoV-1への結合反応速度を示す。 A~Eは、Octet結合アッセイを介したACE2タンパク質デコイCTC-445.2のSARS-CoV-2 RBD変異体への結合の反応速度を示す。 SARS-CoV-2スパイクタンパク質RBD(表面提示)と設計されたACE2タンパク質デコイCTC-445との複合体を示す。右側のcartoon表示形式のグラフは、設計された配列のバイアスをかけたフォワードフォールディングシミュレーションを示す。設計された配列をRosettaを使用してab initio構造予測法に供した。プロットの各点は、解となったタンパク質構造体からのフラグメントのMonte Carlo挿入によって計算された独立したフォールディング軌道を表している。フォールディングシミュレーションは、設計された構造体に対するRMSDが最小の(9量体及び3量体)の各残基位置におけるフラグメントの小サブセットを使用して、設計されたコンフォメーションにバイアスをかけた。赤色(または白黒の場合は黒色)の点は、Rosettaのvall構造データベースから、各アミノ酸位置での設計体に対するRMSDが最小の5フラグメントを使用して計算された軌道である。茶色(または灰色)の点は、設計モデル自体からのフラグメントと、RMSDが最小の8つの3量体及び9量体を使用して計算された軌道である。漏斗状のエネルギー図は、設計された構造体が全体的なエネルギーが最小であり、代替的コンフォメーションに対して実質的なエネルギーギャップを有することを示唆している。 A~Bは、ACE2タンパク質デコイCTC-640と非冗長データベースの既知の構造体との構造アラインメントを示す。構造アラインメントは、アラインメントされるCα原子間の最大距離が10.0Aで、再配線及び反転モードのMICANを使用して実施した。灰色の各点は、CTC-640とデータベースの異なる構造体との構造アラインメントを表している。黒色の各点は、CTC-640とACE2の異なる構造体との構造アラインメントを表している。両方のプロットについて、総残基数が50未満の構造アラインメントを破棄した。(A)構造アラインメントは、ポリペプチド鎖における二次的構造体要素の順番に基づいて構造体をアラインメントするTMalignを使用して実施される。配列同一性は、構造的にアラインメントされた残基に基づいて計算される。CTC-640は、ACE2結合表面を模倣するが、ACE2を含むデータベース内のいずれのタンパク質とも、線状構造または配列ではうまくアラインメントされない。(B)構造アラインメントは、二次的構造体の反転、代替的アラインメント、及び非シーケンシャルアラインメントを可能にする再配線/反転モードのMICANを使用して実施される。CTC-640で観察された最高の配列同一性は、ACE2とのものであり、この際、H1+H2+H3は、アラインメントされる残基に対して33.7%の配列同一性でACE2におけるそれらの対応物と正確にアラインメントされている。 A~Cは、Octet結合アッセイを介したACE2タンパク質デコイCTC-708(CTC-445.2t)のSARS-CoV-2(A)、SARS-CoV-1(B)への結合反応速度、及び競合アッセイの結果を示す。 A~Cは、ACE2タンパク質デコイCTC-445.2のディープ突然変異スキャニングの結果を、ロゴメイカー[参照:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/635029v1]を使用して配列ロゴとしてプロットしたものを示す。文字はそれらの可能性にしたがって、最も高い可能性(上)から低い可能性(下)の順に並べられている。CTC-445.2のネイティブ配列は、黒色で陰影がつけられている。Aは、残基1~54を示している。Bは、残基55~107を示している。Cは、残基108~160を示している。 Aは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有し、SARS-CoV-2(GenBank:QHD43416.1)のスパイクタンパク質をその表面に発現する非複製VSVシュードウイルスを使用して測定される、hACE2を過剰発現している遺伝子改変HEK293T細胞での、ACE2タンパク質デコイCTC-445.2d及びCTC-445.3dによるSARS-CoV-2感染の中和を示す。Bは、スパイクタンパク質の代わりにVSVgを発現する対照シュードウイルスを使用した中和アッセイを示す。Cは、ACE2タンパク質デコイCTC-445.2d及びCTC-445.3dと共にインキュベートした遺伝子改変HEK293T細胞の細胞生存率を示す。
本発明者らは、いくつかのコロナウイルスによって標的とされる天然の結合表面を正確に再現できるデノボタンパク質を構築した。特に、本発明者らは、コロナウイルス、特に、ACE2を利用して宿主細胞への侵入を媒介するコロナウイルスによって認識される結合表面を提示するデノボタンパク質を構築した。コロナウイルスに結合することによって、これらのデノボタンパク質は、宿主ACE2タンパク質のデコイとして機能し、特定の態様において、ウイルスがその受容体であるACE2に結合するのを防ぐことができる。したがって、とりわけ、SARS-CoV及びSARS-CoV-2のコロナウイルススパイクタンパク質に結合するデノボタンパク質であるACE2タンパク質デコイを本明細書で提供する。本発明のタンパク質は、とりわけ、ウイルスの活性を阻害または中和するのに有用である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ウイルスのその宿主細胞受容体への結合をブロックし、かつコロナウイルスの宿主細胞への侵入を防ぐのに有用である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、ウイルスの細胞間移行を阻害するように機能する。特定の実施形態では、タンパク質は、対象のコロナウイルス感染の少なくとも1つの症状を予防、治療、または緩和するのに有用である。特定の実施形態では、タンパク質は、コロナウイルス感染症を罹患しているか、または罹患するリスクのある対象に予防的または治療的に投与され得る。
第1の態様では、本発明は、コロナウイルススパイクタンパク質、特に、標的細胞へのウイルス侵入を促進するためにACE2をその受容体として利用するコロナウイルス、例えば、SARS-CoV及びSARS-CoV-2のスパイクタンパク質に特異的に結合するデノボタンパク質であるACE2タンパク質デコイを提供する。コロナウイルススパイクタンパク質のそのネイティブ受容体への結合を(例えば、部分的にまたは完全に)ブロックし、特に、コロナウイルススパイクタンパク質のACE2への結合をブロックする、デノボタンパク質であるACE2タンパク質デコイもまた提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、コロナウイルスのヒト、ラクダ、またはコウモリのそのネイティブACE2受容体への結合をブロックする、デノボタンパク質であるACE2タンパク質デコイを提供する。
本発明のデノボタンパク質は、天然に存在せず、少なくとも2つαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含むペプチドドメインを含む。これらの3つのドメインは、コロナウイルススパイクタンパク質と結合する。本発明の例示的なデノボタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質に対するαへリックスドメインH1及びH2ならびにβヘアピンドメインH3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する少なくとも1つの構造ドメインをさらに含む。いくつかの態様では、本発明の例示的なデノボタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質に対するαへリックスドメインH1及びH2ならびにβヘアピンドメインH3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する少なくとも2つの構造ドメインを含む。αへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンは、コロナウイルススパイクタンパク質と相互作用する/コロナウイルススパイクタンパク質への結合部位として機能するアミノ酸残基を含む。
本発明のデノボタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質の受容体結合ドメインにおけるアミノ酸残基と相互作用する。理論に拘束されることを望まないが、SARS-CoVの場合、RBD(受容体結合ドメイン)の予想される結合残基は、442、443、461、462、463、470、471、472、473、475、476、479、481、482、483、486、487、488、489及び491であり、SARS-CoV-2の場合は、予想される結合残基は、455、456、475、476、477、486、487、489、490、493、496、497、498、500、501、502、504、及び505である。
関連する態様では、本発明は、ペプチドドメインH1、H2、及びH3を含むタンパク質だけではなく、ペプチドドメイン自体も提供する。
第2の態様では、本発明は、本発明のデノボタンパク質及びペプチドドメインをコードする核酸分子を提供する。例えば、本発明は、本明細書に記載のタンパク質及びペプチドドメインのいずれかをコードする核酸分子を提供する。
関連する態様では、本発明は、本発明のタンパク質を発現することができる組換え発現ベクターを提供する。例えば、本発明は、上述の核酸分子のいずれかを含む組換え発現ベクターを含む。そのようなベクターが導入された宿主細胞、ならびに、タンパク質の産生を可能にする条件下で宿主細胞を培養することによってタンパク質を産生する方法、及びそのように産生されたタンパク質を回収する方法もまた、本発明の範囲に含まれる。
第3の態様では、本発明は、本発明の治療に有効な量のデノボACE2タンパク質デコイ及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。関連する態様では、本発明は、本発明のデノボタンパク質と第2の治療剤とを組み合わせた組成物を特徴とする。一実施形態では、第2の治療剤は、本発明のデノボタンパク質と有利に組み合わせた任意の薬剤である。例示的な薬剤には、宿主細胞の感染性を含むウイルス活性を阻害する他の薬剤が含まれるがこれに限定されない。
第4の態様では、本発明は、標的細胞へのウイルス侵入を促進するためにACE2をその受容体として利用するコロナウイルスに関連する疾患または障害を治療するための治療方法を提供する。この方法は、例えば、本発明のデノボACE2タンパク質デコイを使用して、対象のウイルス感染を治療することを含み、該治療方法は、ACE2タンパク質デコイを含む治療に有効な量の医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含む。治療される障害は、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-2コロナウイルス活性、またはACE2受容体を利用してその標的細胞への侵入を獲得する任意の他のコロナウイルスの活性を阻害することによって、改善、緩和、阻害、または予防される任意の疾患または病態である。特定の実施形態では、本発明は、コロナウイルス感染の少なくとも1つの症状を予防、治療、または緩和する方法を提供し、該方法は、本発明の治療に有効な量のタンパク質をそれを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、本発明は、本発明のタンパク質を投与することによって対象のコロナウイルス感染の少なくとも1つの症状または徴候の重症度を緩和または軽減する方法を提供し、該少なくとも1つの症状または徴候は、肺の炎症、肺胞障害、発熱、咳、息切れ、下痢、心不全、不整脈、多臓器機能不全、肺炎、敗血症性ショック及び/または死亡からなる群から選択される。特定の実施形態では、本発明は、対象におけるウイルス量を減少させる方法を提供し、該方法は、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-2のコロナウイルススパイクタンパク質、またはACE2受容体を利用してその標的細胞への侵入を獲得するコロナウイルスの別のコロナウイルススパイクタンパク質に結合し、スパイクタンパク質のその宿主細胞受容体への結合をブロックする本発明の有効な量のACE2タンパク質デコイを対象に投与すること、を含む。いくつかの実施形態では、デノボタンパク質は、コロナウイルス感染症を罹患しているか、または罹患するリスクのある対象に予防的または治療的に投与され得る。リスクのある対象には、免疫不全の者、高齢者(65歳以上)、医療従事者、コロナウイルス感染が確認されたか、または疑われる者(複数可)と密接に接触した成人または子供、及び、肺疾患または感染、心臓疾患または糖尿病などの基礎疾患を有する者が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本発明のデノボタンパク質は、第2の治療剤と組み合わせてそれを必要とする対象に投与される。第2の治療剤は、例えば、抗炎症薬(コルチコステロイド、及び非ステロイド性抗炎症薬など)、抗感染薬、または抗ウイルス薬からなる群から選択されてよい。特定の実施形態では、第2の治療剤は、本発明のデノボタンパク質に関連する可能性がある副作用(複数可)が発生した場合に、その副作用(複数可)を弱めるか、軽減するのを助力する薬剤である場合がある。例えば、いくつかの態様では、第2の治療剤は、サイトカイン放出症候群(例えば、サイトカインストーム)を治療するものである。そのデノボタンパク質は、例えば、皮下、静脈内、皮内、腹腔内、経口、または筋肉内に投与することができる。いくつかの態様では、デノボタンパク質は、吸入される。
本発明には、本発明の核酸を使用して対象のウイルス感染を治療するための方法もまた含まれる。方法は、本発明のACE2タンパク質デコイをコードする治療に有効な量の核酸を、それを必要とする対象に投与することを含む。
本発明はまた、コロナウイルス結合及び/または活性を阻害することで恩恵をうけるであろう疾患または障害の治療のための医薬品の製造における本発明のタンパク質または核酸の使用も含む。
第5の態様では、本発明は、生体サンプルにおけるコロナウイルススパイクタンパク質を検出する方法を提供する。方法は、生体サンプルを本発明のACE2タンパク質デコイと接触させるステップと、生体サンプルにおけるコロナウイルススパイクタンパク質を検出するステップと、を含む。
その他の実施形態については、以下の詳細な説明を検討することにより明らかになるであろう。
定義
用語「SARS-CoV」とは、2002年に中国で出現した重度の急性呼吸器不全症候群コロナウイルスを指す。このウイルスは、ウイルス性スパイクタンパク質を介してヒト宿主細胞受容体ACE2に結合する。「Sタンパク質」とも呼ばれる用語「SARS-CoV-S」とは、SARSコロナウイルスのスパイクタンパク質(S1及びS2)を指す。SARS-CoVのスパイクタンパク質は、受容体認識及び膜融合を媒介する。ウイルス感染中、Sタンパク質は、2つのサブユニットS1及びS2に切断される。受容体結合ドメインは、S1サブユニットにあり、かつACE2のペプチダーゼドメイン(PD)に直接結合する。S2は、膜融合を担う。S1がACE2に結合すると、S2は、宿主プロテアーゼによって切断される。このS2の切断は、ウイルス感染にとって重要であると考えられている。例示的なSARS-CoV-Sタンパク質を配列番号2として本明細書で提供する。シグナルペプチドは、アミノ酸1~13、S1スパイクタンパク質は、アミノ酸14~667、及びS2スパイクタンパク質は、アミノ酸668~1255である。用語SARS-CoV-S及びSARS-CoVスパイクタンパク質は、異なるSARS-CoV分離株から分離されたSARS-CoVスパイクタンパク質のタンパク質バリアントを含む。SARS-CoV分離株としては、例えば、分離株BJ01、分離株BJ02、分離株BJ03、分離株BJ04、分離株GZ50、分離株CUHK-W1、分離株HKU-36871、分離株GD01、分離株GD03、分離株Shanghai LY、分離株Frankfurt1、分離株FRA、分離株SZ23、分離株SZ3、及び分離株Tor2、が挙げられる。
用語「COVID-19」、「2019-nCov」、または「SARS-CoV-2」とは、2019年に中国の武漢から出現し、WHOによって2020年3月11日にパンデミックと分類された新たなSARS様コロナウイルスを指す。SARS-CoVと同様に、このウイルスは、ウイルス性スパイクタンパク質を介してヒト宿主細胞受容体ACE2に結合する。「Sタンパク質」とも呼ばれる用語「SARS-CoV-2-S」とは、SARS-CoV-2コロナウイルスのスパイクタンパク質を指す。例示的なSARS-CoV-2Sタンパク質を配列番号3として本明細書で提供する。用語SARS-CoV-2-S及びSARS-CoV-2スパイクタンパク質は、異なるSARS-CoV-2分離株から分離されたSARS-CoV-2スパイクタンパク質のタンパク質バリアントを含む。本明細書で使用される用語「コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質」または「ACE2結合スパイクタンパク質」は、宿主細胞へのその侵入を媒介するためにACE2を利用するコロナウイルススパイクタンパク質を指す。
「ACE2」とは、コロナウイルスに選択される受容体として機能するアンギオテンシン変換酵素2を指す。ヒトACE2タンパク質の完全長を、配列番号1として本明細書で提供する。シグナルペプチドは、アミノ酸残基1~17、細胞外PDドメインは、アミノ酸残基18~740、膜貫通セグメントは、残基741~761、及び細胞内ドメインは、残基762~805である。
ACE2の主な生理学的役割は、アンギオテンシンの成熟であるが、一部のコロナウイルスの細胞受容体として乗っ取られている。本発明のACE2タンパク質デコイは、ヒトACE2のデコイとして機能するように設計したが、いくつかの実施形態では、それらは、他の哺乳類種由来のACE2のタンパク質デコイとしても機能することができる。
本明細書で使用される用語「コロナウイルス感染」、「SARS-CoV感染」、または「SARS-CoV-2感染」とは、宿主細胞への侵入を獲得するためにACE2受容体を利用するコロナウイルス、特にSARSまたはCOVID-19コロナウイルスによる感染を指す。重度の急性呼吸器疾患は、SARS及びCOVID-19コロナウイルス感染の両方に付随する。血栓事象及び神経系疾患を含む様々な別の合併症もCOVID-19コロナウイルスに付随する。感染の症状としては、発熱、咳、息切れ、肺炎、下痢などの胃腸症状、臓器不全(腎不全、心不全、及び腎機能異常)、敗血症性ショック及び重症のケースにおける死亡などが挙げられる。
本明細書で使用される用語「組換え」とは、例えば、DNAスプライシング及び遺伝子導入発現などを含む組換えDNA技術として当技術分野において知られている技術または方法によって作成、発現、単離または取得される本発明のタンパク質を指す。
用語「特異的に結合する」、または「~に特異的に結合する」などは、第1の部分が、他の部分に対してよりも第2の部分に対してより高い親和性を有することを意味する。ただし、特異的結合には、排他的な結合は必要ではない。いくつかの実施形態では、第1の部分は、第2の部分に特異的に結合し、得られる複合体は、生理学的条件下で比較的安定している。特異的結合は、いくつかの実施形態において約650nM以下か、またはいくつかの実施形態において100nM以下の平衡解離定数によって特性決定することができる(例えば、Kが小さいほど結合が強いことを意味する)。2つの部分が特異的に結合するかどうかを判定する方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、平衡透析法、表面プラズモン共鳴法などが挙げられる。本明細書にて記載するように、タンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質に特異的に結合すること、特に、タンパク質が、コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質に特異的に結合することが判明した。
語句「治療に有効な量」は、投与の際に所望の効果をもたらす量を指す。正確な量は、治療の目的によって左右し、既知の技術を使用して当業者によって確認されるであろう(例えば、Lloyd(1999) The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compoundingを参照されたい)。
本明細書で使用される場合、用語「対象」とは、ウイルス感染などの疾患または障害の緩和、予防、及び/または治療を必要とする、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを指す。用語は、コロナウイルス感染症に罹患しているか、または罹患するリスクのあるヒト対象を含む。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療すること」、または「治療」とは、コロナウイルス感染の少なくとも1つの症状または徴候の重症度の軽減または寛解を必要とする対象に本発明のタンパク質などの治療剤を投与することによって、コロナウイルス感染の少なくとも1つの症状または徴候の重症度の軽減または寛解を指す。これらの用語には、疾患の進行または感染の悪化の阻害が含まれる。治療剤は、対象に治療薬量で投与され得る。
用語「予防する」、「予防すること」、または「予防」とは、コロナウイルス感染の症状の発症の阻害を指す。いくつかの実施形態では、予防は、コロナウイルス感染の阻害及び/または対象から別の固体へのコロナウイルス感染の拡大の阻害を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「抗ウイルス薬」とは、対象のウイルス感染を治療、予防、または緩和するために使用される任意の抗感染薬または治療法を指す。用語「抗ウイルス薬」には、リバビリン、レムデシビル、オセルタミビル、ザナミビル、インターフェロン-α2b、鎮痛剤及びコルチコステロイドが含まれるが、これらに限定されない。本発明の文脈において、ウイルス感染には、SARS-CoV及びSARS-CoV-2を含むヒトコロナウイルスによって引き起こされる感染が含まれる。
ポリペプチド配列に関して本明細書で使用される用語「同一性」とは、2つの分子間のアミノ酸配列同一性を指す。両方の分子のアミノ酸位置に同じアミノ酸がある場合、それらの分子は、その位置において同一である。2つのポリペプチド間の同一性は、同一位置の数に応じて直接変化する。一般に、配列は、最上位の一致が得られるように整列される(必要に応じてギャップを含む)。同一性は、公開されている技術、及びGCGプログラムパッケージ(Devereux et al.,Nucleic Acids Res.12:387,1984)、BLASTP、FASTA(Atschul et al., J.Molecular Biol.215:403,1990)などの幅広く利用可能なコンピュータプログラムを用いて計算することができる。配列同一性は、例えば、the University of Wisconsin Biotechnology CenterのGenetics Computer GroupのSequence Analysis Software Package(1710 University Avenue,Madison,WI 53705)などの配列解析ソフトウエアを、そのデフォルトパラメータと共に使用して測定することができる。本発明で同一性を判定する場合、結合界面残基とコロナウイルススパイクタンパク質との位置合わせを考慮することも重要である。アミノ酸を追加また削除する場合、タンパク質のその結合パートナーへの提示または二次的構造体を実質的に妨げないように行う必要がある。特に明記しない限り、パーセント同一性は、参照配列の長さ全体にわたって判定される。
いくつかの態様では、参照ペプチドドメインに対するアミノ酸置換は、は、例えば、保存的アミノ酸置換である場合がある。本明細書で使用される場合、「保存的アミノ酸置換」とは、所与のアミノ酸が類似の生理化学的特性を有するアミノ酸によって置換され得ること、例えば、ある脂肪族残基を別の脂肪族残基に置換すること(Ile、Val、Leu、またはAlaなどの互いの置換)、またはある極性残基を他の残基に置換すること(LysとArgとの置換、GluとAspとの置換、もしくはGlnとAsnとの置換など)を意味する。他のそのような保存的置換、例えば、類似の疎水性特性を有する全領域の置換が知られている。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、本明細書に記載のアッセイのうち任意の1つで試験して、所望の活性を維持しているかどうかを確認することができる。アミノ酸は、それらの側鎖の特性の類似性に従って分類され得る。あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖特性に基づいて分類され得る。非保存的置換は、これらのクラスのメンバーを別のクラスのメンバーと変換することを伴う。特定の保存的置換としては、例えば、AlaからGlyもしくはSerへ;ArgからLysへ;AsnからGlnもしくはHへ;AspからGluへ;CysからSerへ;GlnからAsnへ;GluからAspへ;GlyからAlaもしくはProへ;HisからAsnもしくはGlnへ;IleからLeuもしくはValへ;LeuからIleもしくはValへ;LysからArg、GlnもしくはGluへ;MetからLeu、TyrもしくはIleへ;PheからMet、LeuもしくはTyrへ;SerからThrへ;ThrからSerへ;TrpからTyrへ;TyrからTrpへ;及び/またはPheからVal、IleもしくはLeuへの置換が挙げられる。一般的な疎水性グループは、グリシン(Gly)、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、プロリン(Pro)、及びフェニルアラニン(Phe)である。
本明細書で使用される場合、天然のアミノ酸残基は、アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、スレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)及びバリン(Val;V)、と略記される。本明細書で使用される場合、「アミノ酸」とは、典型的には、20個の天然アミノ酸を指す。しかし、当業者であれば、天然アミノ酸の代わりに1つ以上の(例えば、1~10個、1~5個、1~3個、または1個もしくは2個の)非天然アミノ酸を使用できることを理解されるであろう。本明細書で使用される場合、用語「非天然アミノ酸」とは、タンパク質に天然に存在する20個のアミノ酸とは別のアミノ酸を指す。非天然アミノ酸は、当技術分野において既知である。
本明細書で使用される場合、用語「ポリペプチド」、「タンパク質」、または「ペプチド」とは、その長さまたは翻訳後修飾(例えば、グリコシル化またはリン酸化)に関係なく、アミノ酸残基の任意の鎖を指す。
「操作可能に連結される」は、ヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を可能にする方法で(例えば、in vitro転写/翻訳システムで、またはベクターが宿主細胞に導入される場合は宿主細胞で)制御配列(複数可)に連結されることを意味するものとする。「制御配列」には、プロモーター、エンハンサー、及びその他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が含まれる。本発明の発現構築物は、宿主細胞に導入されて、それによって本明細書にて開示するタンパク質を産生することができる。
用語「宿主細胞」及び「組換え宿主細胞」は、本明細書では同じ意味で用いられる。このような用語は、特定の対象細胞だけではなく、そのような細胞の子孫または潜在的な子孫も指すことを理解されたい。突然変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続の世代においてある特定の修飾が起こる場合があるため、かかる子孫は、実際には、親細胞と同一でない場合があるが、本明細書で使用される用語の範囲内に依然として含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「形質転換」及び「トランスフェクション」は、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム共沈、DEAE-デキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、パーティクルガン、または電気穿孔法を含む、外来核酸(例えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための種々の技術認識されている技法を指す。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」には、薬学的投与と適合する生理食塩水、溶剤、分散媒体、コーティング、抗菌及び抗カビ剤、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれるがこれらに限定されない。補足的な活性化合物(例えば、抗生物質)も組成物に組み込むことができる。
概要
本発明者らは、コロナウイルスのスパイクタンパク質に特異的に結合して、スパイクタンパク質とその生来の受容体との相互作用を調節するデノボACE2タンパク質デコイについて、本明細書に記載した。特に、デノボACE2タンパク質デコイは、標的細胞へのウイルス侵入を促進するためにACE2をその受容体として利用するコロナウイルスのスパイクタンパク質に結合する。とりわけ、本発明のデノボACE2タンパク質デコイは、コロナウイルススパイクタンパク質と相互作用し、それに結合するのに必要なドメインを含むが、これらは、典型的には、例えば、ACE2の触媒領域(例えば、メタロプロテアーゼ触媒領域)を含む、ネイティブACE2の他の酵素活性に関連するドメインを含まない。本発明の例示的なデノボACE2タンパク質デコイは、アンギオテンシン(すなわち、アンギオテンシンI及びIIを含む任意の形態のアンギオテンシン)の切断を触媒しない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供するACE2タンパク質デコイは、ヒトACE2(配列番号1)と60%、55%、50%、45%、40%、または35%以下の配列同一性を有する。ACE2に対する同一性に関して、パーセント同一性は、クエリーとしてACE2タンパク質デコイ、及び参照としてACE2を用いて、クエリーの長さにわたって計算される。
いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質デコイは、700nM以下のK、600nM以下のK、500nM以下のK、400nM以下のK、300nM以下のK、200nM以下のK、100nM以下のK、50nM以下のK、好ましくは約20nM以下、または、15nM、10nM、もしくは5nM以下のKで、スパイクタンパク質(例えば、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質)に結合する。Kを判定する方法、当技術分野において既知であり、実施例において説明する。特定の実施形態では、本発明のデノボタンパク質デコイは、コロナウイルススパイクタンパク質(例えば、SARS-CoV-2の)に結合して、スパイクタンパク質とそれらのネイティブ受容体(すなわち、ACE2)との相互作用をブロックできるという点で、タンパク質をブロックする。本明細書で使用されるブロッキングタンパク質は、スパイクタンパク質とそれらのネイティブ受容体との相互作用を完全にブロックするか、またはスパイクタンパク質とそれらのネイティブ受容体との相互作用を部分的にブロックすることができる。特定の実施形態では、デノボタンパク質デコイは、スパイクタンパク質とそれらのネイティブ受容体(すなわち、ACE2)との相互作用を、100nM以下のIC50で阻害する。いくつかの実施形態では、デノボタンパク質は、スパイクタンパク質とそれらのネイティブ受容体(すなわち、ACE2)との相互作用を、50、40、30、20、10、または5nM以下のIC50で阻害する。いくつかの実施形態では、本発明のブロッキングタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質のその受容体への結合をブロックするか、及び/または宿主細胞のウイルス感染性を阻害、または中和、または低減する。いくつかの実施形態では、ブロッキングタンパク質は、コロナウイルス感染症(例えば、COVID-19コロナウイルス感染症)に罹患している対象を治療するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本発明のデノボタンパク質デコイは、それを必要とする患者に投与されると、対象におけるSARS-CoV-2などのコロナウイルスによる感染を低減する。それらは、対象におけるウイルス量を減少させるために使用され得る。本発明のタンパク質デコイは、単独で、またはウイルス感染を治療するための当技術分野で知られている他の治療用部分または治療用モダリティを伴う補助療法として使用することができる。SARS-CoVまたはSARS-CoV-2に結合し、その活性を阻害/中和する本発明のデノボタンパク質の能力は、本明細書に記載されるような結合アッセイまたは活性アッセイを含む、当業者に周知の任意の標準的な方法を使用して測定することができる。例えば、結合及び活性の阻害及び/またはブロックを測定するためのin vitroアッセイを、実施例にて例示する。
本発明のデノボタンパク質デコイは、追加の標識または部分を含んでいないか、または標識(例えば、N末端またはC末端の標識または部分)を含んでいてもよい。一実施形態では、標識または部分は、ビオチンである。結合アッセイでは、標識の位置(存在する場合)によって、ペプチドが結合している表面に対応するペプチドの配向が同定され得る。例えば、表面がアビジンでコーティングされている場合、N末端ビオチンを含むペプチドは、ペプチドのC末端部分が表面に対して遠位になるように配向される。例えば、標識は、酵素、放射性核種、蛍光染料またはMRI検出可能標識であってよい。このような標識タンパク質は、イメージングアッセイを含む診断アッセイで使用することができる。いくつかの態様では、トリプトファンを含まないACE2タンパク質デコイの場合、標識は、280nmでの吸光度によるタンパク質の検出を可能にするC末端ペプチドであってもよい(例えば、GSGWGSG、配列番号248)。
ACE2タンパク質デコイの構造的特性及び配列特性
本明細書においてACE2タンパク質デコイと呼ばれる本発明のデノボタンパク質を本明細書で提供する。これらのタンパク質デコイは、本質的には、天然に存在しないタンパク質であり、コロナウイルススパイクタンパク質と結合する少なくとも2つのαへリックスドメイン、及び好ましくはαヘリックスのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する少なくとも1つの構造ドメインを含む。いくつかの実施形態では、デノボタンパク質は、任意のβヘアピンドメインをさらに含む。コロナウイルススパイクタンパク質と結合するαへリックスドメイン及び任意のβヘアピンドメインは、コロナウイルススパイクタンパク質と相互作用する/コロナウイルススパイクタンパク質への結合部位として機能する。これらのドメインは、本明細書においてはH1、H2、及びH3と呼ばれ、コロナウイルススパイクタンパク質との結合相互作用に関与するアミノ酸残基と、コロナウイルススパイクタンパク質との結合相互作用に関与しないアミノ酸残基との両方を含む。概して、H1及びH2ドメインに関して、コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質との結合相互作用関与しないこれらのアミノ酸残基は、その位置にあるアミノ酸の同一性に関して非常に乱雑である場合がある位置にある。いくつかのこれらの残基はまた、溶剤に曝される位置にある。いくつかの実施形態では、溶剤に曝される位置でアミノ酸を置換する場合、親水性アミノ酸の使用が特に望ましいが、非親水性アミノ酸も同様に許容される。
当業者は、本発明のデノボタンパク質であるACE2タンパク質デコイは、結合ドメインがネイティブACE2タンパク質の対応する結合部位に構造的に位置が合う一方で、補助的な構造ドメインは、ACE2のいずれの他の二次的構造体に構造上または配列的に位置が合わないように設計されたことを理解するであろう。いくつかの態様では、本発明のデノボタンパク質は、例えば、2.75A RMSD(平均二乗偏差)以内でネイティブACE2結合モチーフに構造的に位置が合い、ACE2のいずれの他の二次的構造体要素とも構造上または配列的に位置が合わない1つ以上の二次的構造体要素を含む。例えば、MICANタンパク質構造アラインメントアルゴリズムを使用する、RMSDを決定する方法は、当技術分野において既知である。MICANは、二次的構造体要素間の結合性を無視することによって、タンパク質ペア間の最適な構造アラインメントを識別する。
いくつかの態様では、本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含み、ここで、
H1は、アミノ酸配列
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)または、
EQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、
H2は、アミノ酸配列
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、及び
H3(存在する場合)は、アミノ酸配列
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み、ここで、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、及びX36は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。
このようなデノボタンパク質は、H1、H2、及びH3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する1つ以上の構造ドメインをさらに含む。本発明のいくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイのコロナウイルス結合アミノ酸残基は、ACE2タンパク質のコロナウイルス結合アミノ酸残基と同じである。例えば、いくつかのこのような実施形態では、H1、H2、及びH3の結合残基は、ネイティブACE2タンパク質の同じ構造的位置にあるアミノ酸と同一である。加えて、いくつかの例示的な実施形態では、H1の溶剤に曝されるアミノ酸のうち全て、または1~6個、もしくは1~5個、もしくは1~4個、もしくは1~3個を除く全て、及びH2の溶剤に曝されるアミノ酸のうち全て、または1~6個、もしくは1~5個、もしくは1~4個、もしくは1~3個を除く全ては、それらが結合に関与するかどうかに関わらず、ネイティブACE2タンパク質の同じ構造的位置にあるアミノ酸と同一である。ウイルスが標的とするタンパク質ACE2の表面と実質的に同一の表面を提示することにより、本発明のACE2タンパク質デコイへの結合を回避するように変異するウイルスの能力が、最小化される。配列番号4における1、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20、23、24及び27位のアミノ酸残基は、そのほとんどが溶剤に曝されるか、及び/またはコロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質への結合に関与し;配列番号176における3、4、7、8、10、11、14、15、17、18、21、22及び25位のアミノ酸残基は、そのほとんどが溶剤に曝されるか、及び/またはコロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質への結合に関与し;配列番号5における1、4、8、12、15、16、19、22及び23位のアミノ酸残基は、そのほとんどが溶剤に曝されるか、及び/またはコロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質への結合に関与し;かつ配列番号6における7、8、及び9位のアミノ酸残基は、そのほとんどが溶剤に曝されるか、及び/またはコロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質への結合に関与する。いくつかの態様では、アミノ酸置換を行う場合、これらの残基は置換されない。他の態様では、これらの残基を修飾することが望ましい場合がある。例えば、これらの残基の修飾は、ネイティブコロナウイルススパイクタンパク質よりも高い親和性でACE2に結合するタンパク質を作成するために行われ得る。例えば、このようなタンパク質は、診断目的で使用することができる。いくつかの態様では、配列番号4の1、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20、23、24及び27位のアミノ酸残基のうち4個以下、3個以下、2個以下、もしくは1個以下が置換されるか、または配列番号176の3、4、7、8、10、11、14、15、17、18、21、22及び25位のアミノ酸残基のうち4個以下、3個以下、2個以下、もしくは1個以下が置換され;配列番号5の1、4、8、12、15、16、19、22及び23位のアミノ酸残基のうち3個以下、2個以下、もしくは1個以下が置換され;かつ配列番号6の7、8、9、もしくは11位の残基の1個以下が置換されるか、または配列番号6の7、8、もしくは9位の残基のうち1個以下が、置換される。いくつかのそのような態様では、このような置換は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸によるものである。いくつかのそのような態様では、置換は保存的アミノ酸によるものである。他の態様では、配列番号4の中でS1I;E5D;E5Q;E5V;D12V、D12E;Q24K;及びQ24Lの置換のうち1つ以上が行われる。他の態様では、配列番号176の中でE3D;E3Q;E3V;D10V、D10E;Q22K;及びQ22Lの置換のうち1つ以上が行われる。一部の例外を除いて、配列番号4、176、5及び6内のX(下付き数字を伴う)と識別される残基は、溶剤に曝されず、及び/またはコロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質への結合に直接関与しない。これらの残基は、典型的には、ACE2の対応するアミノ酸とは異なるものである場合がある。本発明には、X(下付き数字を伴う)として表されるアミノ酸のうち半分以下、または8個以下が、配列番号1で表されるネイティブACE2の対応する位置のアミノ酸と同じであるタンパク質が含まれる。いくつかの態様では、H1におけるX(下付き数字を伴う)として表されるアミノ酸のうち4個、3個、または2個以下;H2におけるX(下付き数字を伴う)として表されるアミノ酸のうち4個、3個、または2個以下;及び/またはH3におけるX(下付き数字を伴う)として表されるアミノ酸のうち5個、4個、3個、または2個以下は、ネイティブACE2の対応する位置と同じである。ACE2におけるH1の例示的な対応する配列は、ST IEEQAKTFLD KFNHEAEDLF YQSSL(配列番号7)であり;ACE2におけるH2の例示的な対応する配列は、NMNNAGDKWS AFLKEQSTLA QMY(配列番号8)であり;ACE2におけるH3の例示的な対応する配列は、TAWD LGKGDFRIL(配列番号9)である。
αへリックスドメインH1
本発明のデノボタンパク質(すなわち、ACE2タンパク質デコイ)は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、
H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。
本発明には、H1が、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはV、A、D、H、I、N、P、T、またはW)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはR、L、C、H、I、K、M、S、T、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
は、C、I、L、M、T、またはV(好ましくはL、I、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、K、C、E、I、L、N、R、V、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、G、L、M、S、T、またはV(好ましくはA、C、S、またはT)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、またはV(好ましくはA、C、E、F、I、L、N、Q、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、D、E、H、L、M、N、Q、またはW)から選択されるアミノ酸であり;
は、A、C、D、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはM、A、C、F、G、L、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
10は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはR、A、C、E、F、G、H、I、M、P、Q、T、V、W、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
11は、N、C、F、G、H、L、M、W、またはY(好ましくはF、N、W、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
12は、A、C、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、S、またはT)から選択されるアミノ酸であり;
13は、A、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、またはV(好ましくはA、C、F、G、L、M、N、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。
本発明には、H1が、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
、X、X、X11、X12及びX13は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
、X、X、及びX10は、それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり、
は、A、C、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であるか、またはA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
ならびに
は、A、F、I、L、M、P、V、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。本発明のデノボACE2タンパク質デコイは、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれた前述のようなものを含む。本発明のデノボACE2タンパク質デコイは、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、XがI、L、M、P、V、またはTから選択されるアミノ酸であり;アスパラギン酸が、Xのアミノ酸置換のリストから削除され、XがA、L、M、またはVから選択されるアミノ酸であり;プロリンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除され、プロリンがXのアミノ酸のリストから削除され、アスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれ、アラニン、イソロイシン、プロリン及びバリンが削除され、かつプロリンがX12及びX13のアミノ酸置換のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明には、
(i)Xが、A、F、I、L、M、PまたはV(好ましくはI、L、MまたはV)から選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(ii)Xが、A、F、I、L、M、PまたはV(好ましくはI、L、MまたはV)から選択されるアミノ酸であり;Xが、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはT(好ましくはE、G、K、N、P、Q、R、S、またはT)から選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(iii)Xが、RまたはSまたはFから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(iv)Xが、R、L、A、F、I、M、P、またはVから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(v)Xが、R、L、C、またはSから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(vi)Xが、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(vii)X10が、R、SもしくはLから選択されるアミノ酸であるか、またはRもしくはSから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(viii)Xが、RまたはSまたはFから選択されるアミノ酸であり;Xが、RまたはLから選択されるアミノ酸であり;Xが、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;X10がR、SまたはLから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(ix)Xが、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはT(好ましくはE、G、K、N、P、Q、R、S、またはT)から選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(x)Xが、リジンであり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(xi)Xが、MまたはLから選択されるアミノ酸であり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(xii)Xが、セリンであり;Xが、Lであり;かつX、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(xiii)Xが、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはY(好ましくはA、D、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、S、T、W、またはY)から選択されるアミノ酸であり;Xが、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、もしくはT(好ましくはF、D、E、G、N、Q、R、S、もしくはT)から選択されるアミノ酸であるか、Xが、フェニルアラニンであるか、またはXが、フェニルアラニンもしくはヒスチジンであり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りでる、本発明のデノボACE2タンパク質デコイが含まれる。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、
H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
及びXは、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
、X、X、X、X11、X12及びX13は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
、X、及びX10は、それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;かつ
は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはY(より好ましくは、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはT)から選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれた前述のようなものを含む。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、XがI、L、M、P、またはVから選択されるアミノ酸であり;アスパラギン酸がXのアミノ酸置換のリストから削除され、XがA、L、M、またはVから選択されるアミノ酸であり;プロリンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除され;プロリンがXのアミノ酸のリストから削除され、アスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれ、アラニン、イソロイシン、プロリン、及びバリンが削除され、かつプロリンがX12及びX13のアミノ酸置換のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、RまたはSから選択されるアミノ酸であり;
は、RまたはLから選択されるアミノ酸であり;
は、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;
10は、R、SまたはL(好ましくはRまたはS)から選択されるアミノ酸であり;
、X、X、X、X11、X12及びX13は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;かつ
は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはY(好ましくは、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはT)から選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれた前述のようなものを含む。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸のリストに含まれ、アスパラギンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、XがI、L、M、P、またはVから選択されるアミノ酸であり;アスパラギン酸がXのアミノ酸置換のリストから削除され、XがA、L、M、またはVから選択されるアミノ酸であり;プロリンがXのアミノ酸置換のリストから削除され、ヒスチジンがXのアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除され;プロリンがXのアミノ酸のリストから削除され、アスパラギンがX11のアミノ酸のリストに含まれ、アラニン、イソロイシン、プロリン、及びバリンが削除され、かつプロリンがX12及びX13のアミノ酸置換のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、RまたはSから選択されるアミノ酸であり;Xは、Vであり;Xは、RまたはLから選択されるアミノ酸であり;Xは、ロイシンであり;Xは、リジンであり;Xは、アラニンであり;Xは、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;Xは、フェニルアラニンであり;Xは、メチオニンであり;X10は、RまたはSまたはL(好ましくはRまたはS)から選択されるアミノ酸であり;X11は、フェニルアラニンであり;X12は、Aであり;かつX13はAである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、RまたはSから選択されるアミノ酸であり;Xは、バリンであり;Xは、RまたはLまたはCまたはSから選択されるアミノ酸であり;Xは、ロイシンであり;Xは、リジンであり;Xは、アラニンであり;Xは、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;Xは、フェニルアラニンであり;Xは、MまたはLであり;X10は、RまたはSまたはL(好ましくはRまたはS)から選択されるアミノ酸であり;X11は、フェニルアラニンであり;X12は、アラニンであり;かつX13はアラニンである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
は、RまたはSまたはFから選択されるアミノ酸であり;Xは、NまたはVから選択されるアミノ酸であり;Xは、RまたはLまたはCまたはSから選択されるアミノ酸であり;Xは、ロイシンであり;Xは、リジンであり;Xは、アラニンであり;Xは、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;Xは、FまたはHから選択されるアミノ酸であり;Xは、MまたはLから選択されるアミノ酸であり;X10は、RまたはSまたはL(好ましくはRまたはS)から選択されるアミノ酸であり;X11は、FまたはNから選択されるアミノ酸であり;X12は、アラニンであり;かつX13はアラニンである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、
H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、(i)Xは、バリンでないか、(ii)Xは、V、A、I、L、M、またはPから選択されるアミノ酸ではないか、(iii)Xは、フェニルアラニンであり;かつX、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13は、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H1は、アミノ酸配列:
SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213LX37383940414243444546(配列番号10)を含み、
この際、X~X13は、H1について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;かつX37、X38、X41、X42、X45、及びX46は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。いくつかの態様では、X~X13は、H1について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;かつ
37、X38、X41、X42、X45、及びX46は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
40及びX44は、それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
39は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、I、L、M、PまたはV)から選択されるアミノ酸であり;
43は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、イソロイシンがX37のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX38のアミノ酸のリストから削除され;X39がF、I、L、M、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;ヒスチジンがX40のアミノ酸のリストに含まれ、かつプロリンが削除され、プロリンがX41のアミノ酸のリストから削除され;かつアミノ酸、T及びYがX42のアミノ酸のリストに含まれた前述のようなものを含む。いくつかのそのような態様では、X42は、AまたはVから選択されるアミノ酸である。
本発明には、X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12及びX13が本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり、かつ配列番号4の1、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20、23、24及び27位(または配列番号176における同等の位置)のアミノ酸のうち1つ以上(好ましくは1~3個以下)が置換されたACE2タンパク質デコイも含まれる。例えば、いくつかの態様では、S1I;E5D;E5Q;E5V;D12V、D12E;Q24L;及びQ24Kのうち1つ以上の置換が行われる。いくつかの態様では、配列番号4の中でS1I;E5D;E5Q;E5V;D12V、D12E;Q24L;及びQ24K(または配列番号176における同等の位置)のうち1つの置換が行われる。いくつかの態様では、配列番号4の中でT9F、D12I、D12N、E17I、Y23H(または配列番号176における同等の位置)のうち1つ以上の置換が行われる。
いくつかの実施形態では、本発明のデノボタンパク質は、XがD、E、G、H、K、N、P、Q、R、S、W、またはYから選択されるアミノ酸ではなく;XがD、E、F、H、K、P、Q、R、W、またはYから選択されるアミノ酸ではなく;XがPではなく;Xがプロリンではなく;XがK、P、またはRから選択されるアミノ酸ではなく;X11がD、E、K、P、R、TまたはVから選択されるアミノ酸ではなく;X12がK、P、またはRから選択されるアミノ酸ではなく;X13がPまたはWから選択されるアミノ酸ではなく;X38がH、K、P、またはRから選択されるアミノ酸ではなく;X39がD、E、G、K、またはPから選択されるアミノ酸ではなく;及び/またはX41がプロリンではないことを条件として、本明細書に記載のものを含む。
本発明のACE2タンパク質デコイは、H1が、下記の配列番号11~17、177~183、198、または199に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含む。
SRVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号11)
SSVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号12)f44
SRVREQLKTFADKTFHEMEDRFYQAAL(配列番号13)
SRVREQLKTFADKAFHEMEDSFYQAAL(配列番号14)
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号15)
SSVLEQLKTFADKTFHEMEDSFYQAAL(配列番号16)
SRVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号17)
VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号177)
VREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号178)
VREQLKTFADKTFHEMEDRFYQAAL(配列番号179)
VREQLKTFADKAFHEMEDSFYQAAL(配列番号180)
VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号181)
VLEQLKTFADKTFHEMEDSFYQAAL(配列番号182)
VREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号183)
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号198)
VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号199)
本発明のACE2タンパク質デコイは、H1が、配列番号15に示されているアミノ酸配列(SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL)(配列番号15)と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含み、
ここで、1位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはYであり;
2位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはYであり;
3位のアミノ酸は、Vであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはYであり;
4位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
5位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
6位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、S、T、V、またはWであり;
7位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はC、I、M、T、またはVであり;
8位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
9位のアミノ酸は、Tであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、V、W、またはYであり;
10位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、H、V、W、またはYであり;
11位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、L、M、S、T、またはVであり;
12位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
13位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、F、H、I、L、M、N、Q、R、S、V、W、またはYであり;
14位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、またはVであり;
15位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
16位のアミノ酸は、Hであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
17位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
18位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、L、N、Q、S、T、V、W、またはYであり;
19位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はD、M、N、P、Q、T、またはVであり;
20位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、F、G、H、L、N、またはQであり;
21位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはYであり;
22位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はC、G、H、L、M、N、W、またはYであり;
23位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はH、D、またはFであり;
24位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、W、またはYであり;
25位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはYであり;
26位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、またはVであり;かつ
27位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYである。1位及び2位のアミノ酸が存在しないACE2タンパク質デコイも含まれる。いくつかの特定の好ましい実施形態では、1、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20、23、24及び27位のアミノ酸のうち3、2、または1個以上は置換されない。
いくつかの態様では、H1は、C末端に追加のアミノ酸(例えば、C末端に11個の追加のアミノ酸)を含む。本明細書におけるH1(配列番号11~17、177~183、198、または199に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を有するH1を含む)に関する実施形態のいずれかでは、アミノ酸配列AVFEAAEAAAG(配列番号18)、AVWEAAEAAAG(配列番号19)、AVFEAVEAAAG(配列番号249)、またはAVWEAVEAAAG(配列番号250)は、任意でC末端に存在する。
したがって、いくつかの態様では、H1は、配列番号240~243または251~254に示されている配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有する配列を含む。
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号240)、
VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号241);
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号242);
VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号243);
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAVEAAAG(配列番号251)、
VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAVEAAAG(配列番号252);
SSVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAALAVFEAVEAAAG(配列番号253);
VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAALAVFEAVEAAAG(配列番号254)
αへリックスドメインH2
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
ここで、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。
本発明には、H2が、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、X14は、A、C、D、G、H、I、L、M、N、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはA、C、G、P、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
15は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
16は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、E、H、I、L、M、N、Q、R、S、V、W、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
17は、A、C、D、E、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、G、I、またはS)から選択されるアミノ酸であり;
18は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
19は、A、C、D、G、I、L、Q、S、T、V、またはW(好ましくはA、L、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
20は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、K、Q、R、S、T、V、W、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
21は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、R、S、T、V、またはW)から選択されるアミノ酸であり;
22は、A、C、D、F、G、I、L、M、N、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、I、L、S、またはT)から選択されるアミノ酸であり;
23は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、I、L、M、N、R、S、T、V、またはY)から選択されるアミノ酸であり;
24は、A、C、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはW(好ましくはA、I、またはS)から選択されるアミノ酸であり;
25は、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはK、D、G、H、I、Q、またはR)から選択されるアミノ酸であり;
26は、A、C、F、G、I、L、S、T、V、またはY(好ましくはA、またはI)から選択されるアミノ酸であり;
27は、A、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、C、F、I、S、またはT)から選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。
本発明には、H2が、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、X15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
14、X16、X17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。デノボタンパク質は、フェニルアラニンがX14及びX17のアミノ酸のリストから削除され、チロシンがX18のアミノ酸のリストに含まれ、グルタミン酸及びプロリンがX19のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX20、X22、X23、X24、及びX25のアミノ酸のリストから削除され、メチオニンがX21のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX23のアミノ酸のリストに含まれ、メチオニン及びプロリンがX26のアミノ酸のリストから削除され、イソロイシンがX27のアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除された前述のようなものを含む。
本発明には、H2が、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、X15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
14、X17、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
16は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
19は、A、F、I、L、M、P、E、T、またはVから選択されるアミノ酸であり;かつ
20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。デノボタンパク質は、フェニルアラニンがX14及びX17のアミノ酸のリストから削除され、チロシンがX18のアミノ酸のリストに含まれ、グルタミン酸及びプロリンがX19のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX20、X22、X23、X24、及びX25のアミノ酸のリストから削除され、メチオニンがX21のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX23のアミノ酸のリストに含まれ、メチオニン及びプロリンがX26のアミノ酸のリストから削除され、イソロイシンがX27のアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除された前述のようなものを含む。
本発明には、H2が、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、X15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
14、X17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
16は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、I、L、M、P、E、またはV)から選択されるアミノ酸であり、かつ
20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。デノボタンパク質は、フェニルアラニンがX14及びX17のアミノ酸のリストから削除され、チロシンがX18のアミノ酸のリストに含まれ、グルタミン酸及びプロリンがX19のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX20、X22、X23、X24、及びX25のアミノ酸のリストから削除され、メチオニンがX21のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX23のアミノ酸のリストに含まれ、メチオニン及びプロリンがX26のアミノ酸のリストから削除され、イソロイシンがX27のアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、
14は、AまたはVであり、
16は、AもしくはEであり(または、X16は、AもしくはEもしくはNであり)、
20は、KまたはQであり、
15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;かつ
17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、X17のもの、チロシンがX18のアミノ酸のリストに含まれ、プロリンがX19のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX22、X23、X24及びX25のアミノ酸のリストから削除され、メチオニンがX21のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX23のアミノ酸のリストに含まれ、メチオニン及びプロリンがX26のアミノ酸のリストから削除され、イソロイシンがX27のアミノ酸のリストに含まれ、かつリジン及びプロリンが削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、
14は、AまたはVであり;X15は、Eであり;X16は、AまたはEであり;X17は、Aであり;X18は、Rであり;X19は、Aであり;X20は、KまたはQであり;
21は、Eであり;X22は、Aであり;X23は、Eであり;X24は、Aであり;X25は、Kであり;X26は、Aであり;かつX27は、Dである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、X14、X17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
15は、Eであり;
16は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、I、L、M、P、E、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
18は、Rであり;
20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
21は、Eであり;
23は、Eであり;
25は、Kであり;かつ
27は、Dである。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニンがX14及びX17のアミノ酸のリストから削除され、プロリンがX20、X22、及びX24のアミノ酸のリストから削除され、かつメチオニン及びプロリンがX26のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
いくつかのそのような態様では、X14は、AまたはVから選択されるアミノ酸であり;X16は、AまたはEから選択されるアミノ酸であり;かつX20は、KまたはQから選択されるアミノ酸である。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、
14は、AまたはVから選択されるアミノ酸であり、
16は、AまたはEから選択されるアミノ酸であり;
20は、KまたはQから選択されるアミノ酸であり;
15、X17、X18、X19、X21、X22、X23、X24、X26、X25、X26及びX27は、本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり得る。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
この際、
(i)X15は、Eであり、かつX14、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(ii)X18は、Rであり、かつX14、X15、X16、X17、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(iii)X21は、Eであり、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(iv)X23は、Eであり、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X24、X25、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(v)X25は、Kであり、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(vi)X26は、Aであり、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(vii)X27は、Dであり、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25及びX26は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
(viii)X16は、Aであり、かつX14、X15、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26及びX27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;あるいは
(ix)以下:X15がEである;X18がRである;X21がEである;X23がEである;X25がKである;及びX27がDである;のうち少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つが実現化される。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H2は、アミノ酸配列:
4748495051NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MYX5253545556(配列番号20)を含み、
この際、X14~X27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;かつX47、X48、X49、X50、X51、X52、X53、X54、X55、及びX56は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。いくつかの態様では、X14~X27は、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;かつ
49、X52、及びX55は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
50は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
54は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、I、L、M、PまたはV)から選択されるアミノ酸であり;
かつ
47、X48、X51、X53、及びX56は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である。
本発明のデノボタンパク質は、システイン及びグルタミンがX47のアミノ酸のリストに含まれ、リジンが削除され、フェニルアラニン及びチロシンがX48のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX52及びX54のアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギン酸がX56のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明には、X14~X27が、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
49、X52、及びX55が、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
50が、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
54が、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、I、L、M、PまたはV)から選択されるアミノ酸であり;
かつ
48、X51、X53、及びX56が、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;X47がGである、ACE2タンパク質デコイが含まれる。本発明のデノボタンパク質は、システイン及びグルタミンがX47のアミノ酸のリストに含まれ、リジンが削除され、フェニルアラニン及びチロシンがX48のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX52及びX54のアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギン酸がX56のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明には、X14~X27が、H2について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
49、X52、及びX55が、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
50が、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
54が、Lであり;X48、X51、X53、及びX56が、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;かつX47が、Gである、ACE2タンパク質デコイが含まれる。本発明のデノボタンパク質は、フェニルアラニン及びチロシンがX48のアミノ酸のリストに含まれ、ヒスチジンがX52のアミノ酸のリストに含まれ、かつアスパラギン酸がX56のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
いくつかの態様では、X47は、GまたはEであり;X48は、Dであり;X49は、Aであり;X50は、Aであり;かつX51は、Rである。いくつかのそのような態様では、X47は、Gである。他のそのような態様では、X47は、Eである。
いくつかの態様では、X52は、Aであり;X53は、Eであり;X54は、LまたはFまたはNであり;X55は、Aであり;かつX56は、Kである。いくつかのそのような態様では、X54は、Lである。他のそのような態様では、X54は、Fである。さらに他の態様では、X54は、Nである。
本発明には、配列番号5の1、4、8、12、15、16、19、22及び23位のアミノ酸のうち1つ以上(好ましくは1~3個以下)が置換され、かつX14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27が、本明細書で提供する実施形態のいずれかに記載されている通りであるACE2タンパク質デコイも含まれる。例えば、いくつかの態様では、E15Gの置換が行われる。いくつかの態様では、Q16N、Q16Y、L19Y、またはM22Hのうち1つ以上の置換が行われる。
本発明のデノボタンパク質は、XがKまたはRから選択されるアミノ酸ではなく;X22がE、K、Q、またはRから選択されるアミノ酸ではなく;X23がPから選択されるアミノ酸ではなく;X24がDまたはPから選択されるアミノ酸ではなく;X26がD、E、H、K、P、Q、またはRから選択されるアミノ酸ではなく;XがK、P、またはRではなく;かつX27がPではないものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、H2が、
NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY(配列番号21)
NVENEARKAQEFAEEQAKLADMY(配列番号22)
に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含む。
本発明のACE2タンパク質デコイは、H2が、配列番号21に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含み、
ここで、1位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
2位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、H、I、L、M、N、P、R、S、T、V、またはWであり;
3位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
4位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
5位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
6位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはYであり;
7位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、Y、またはWであり;
8位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
9位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、I、L、Q、S、T、V、またはWであり;
10位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、またはWであり;
11位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
12位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
13位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、F、G、I、L、M、N、S、T、V、W、またはYであり;
14位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
15位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
16位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、R、S、T、Y、またはVであり;
17位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはWであり;
18位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
19位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、Y、またはWであり;
20位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、I、L、S、T、V、またはYであり;
21位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
22位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
23位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はD、F、H、I、L、M、またはVである。
1、4、8、12、15、16、19、22及び23位のアミノ酸のうち3、2、または1個以上が置換されていないACE2タンパク質デコイもまた含まれる。
いくつかの態様では、H2は、N末端に追加のアミノ酸(例えば、N末端に少なくとも5個の追加のアミノ酸)を含む。いくつかの態様では、アミノ酸配列EDAAR(配列番号23)またはGDAAR(配列番号24)が、N末端に存在する。したがって、いくつかの態様では、H1は、配列番号
GDAAR NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY AELAK(配列番号244)
と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有する配列を含む。
いくつかの態様では、H2は、C末端に追加のアミノ酸(例えば、C末端に少なくとも5個の追加のアミノ酸)を含む。いくつかの態様では、アミノ酸配列AELAK(配列番号25)またはAEFAK(配列番号26)またはAENAK(配列番号27)が、C末端に存在する。
いくつかの態様では、アミノ酸配列AELAK(配列番号25)がC末端に存在し、アミノ酸配列GDAAR(配列番号24)がN末端に存在する。
βドメインH3
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H3(存在する場合)は、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、及びX36は、それぞれ個別に任意のアミノ酸から選択される。
本発明には、H3が、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
28は、A、C、D、E、G、I、L、M、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはA、G、I、L、M、Q、T、V、またはW)から選択されるアミノ酸であり;
29は、A、C、D、E、G、L、M、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはE、L、M、P、S、T、V、またはW)から選択されるアミノ酸であり;
30は、C、F、I、L、M、T、V、またはW(好ましくはI、F、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
31は、A、C、D、E、G、I、K、L、M、N、S、T、またはV(好ましくはD、M、またはN)から選択されるアミノ酸であり;
32は、F、I、L、M、またはV(好ましくはL、M、またはF)から選択されるアミノ酸であり;
33は、D、G、またはLから選択されるアミノ酸であり;
34は、A、C、E、F、G、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、A、E、I、K、L、Q、R、S、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
35は、A、C、D、E、G、H、K、L、M、P、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、D、G、L、M、P、S、V、またはW)から選択されるアミノ酸であり;かつ
36は、A、C、D、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはI、C、F、M、P、Q、S、T、V、またはW)から選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。
本発明には、H3(存在する場合)が、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
31は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
35は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、V、またはTから選択されるアミノ酸であり;
29は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、G、K、N、P、Q、R、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
33は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、A、F、I、L、M、PまたはV)から選択されるアミノ酸であり;
30、X32、及びX36は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
28は、A、F、I、L、M、P、T、またはVから選択されるアミノ酸であり;
かつ
34は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY、及び任意選択でC(好ましくはF、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、Y、またはT)から選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。本発明のデノボタンパク質は、グルタミンがX28のアミノ酸のリストに含まれ、アラニン及びプロリンがX30のアミノ酸のリストから削除され、プロリン、グルタミン及びアルギニンが、X31のアミノ酸のリストから削除され、アラニン及びプロリンがX32のアミノ酸のリストから削除され、X33がD、G、またはLから選択されるアミノ酸であり;かつアスパラギン酸及びプロリンがX34のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明には、H3(存在する場合)が、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
31及びX35は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
29は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、G、K、N、P、Q、R、S、T、またはV)から選択されるアミノ酸であり;
33は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、A、F、I、L、M、PまたはV)から選択されるアミノ酸であり;
28、X30、X32、及びX36は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;かつ
34は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY、及び任意選択でC(好ましくはF、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、Y、またはT)から選択されるアミノ酸である、本発明のデノボタンパク質が含まれる。本発明のデノボタンパク質は、グルタミンがX28のアミノ酸のリストに含まれ、アラニン及びプロリンがX30のアミノ酸のリストから削除され、プロリン、グルタミン及びアルギニンが、X31のアミノ酸のリストから削除され、アラニン及びプロリンがX32のアミノ酸のリストから削除され、X33がD、G、またはLから選択されるアミノ酸であり;かつアスパラギン酸及びプロリンがX34のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H3(存在する場合)は、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
35は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
28は、AまたはVであり;
29は、EまたはVであり;
31は、Dであり;
32は、MまたはLであり;
33は、Gであり;
30、及びX36は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;かつ
34は、F、Y、KまたはCから選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、アラニン及びプロリンがX30のアミノ酸のリストから削除された前述のようなものを含む。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H3(存在する場合)は、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
28は、AまたはVであり;
29は、EまたはVであり;
30は、Iであり;
31は、Dであり;
32は、MまたはLであり;
33は、Gであり;
34は、F、Y、KまたはCから選択されるアミノ酸であり;
35は、Eであり;かつ
36は、Iである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H3(存在する場合)は、アミノ酸配列:
282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
28は、A、VまたはTであり;
29は、EまたはVであり;
30は、Iであり;
31は、Dであり;
32は、M、LまたはIであり;
33は、Gであり;
34は、F、Y、K、I、またはCから選択されるアミノ酸であり;
35は、EまたはVであり;かつ
36は、Iである。
本発明のデノボタンパク質は、2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含む場合があり、ここで、H3(存在する場合)は、アミノ酸配列:
57282930313233KGDX34RX353658(配列番号28)を含み、
この際、X28~X36は、H3について本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり;
57は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;かつ
58は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、CまたはTから選択されるアミノ酸である。本発明のデノボタンパク質は、システインがX28のアミノ酸のリストに含まれ、アミノ酸D、K、M、N、P、Q、及びYがX28のアミノ酸のリストから削除され、かつアミノ酸A、C、F、H、I、L、M、V、またはWがX58のアミノ酸のリストに含まれた前述のようなものを含む。本発明には、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、及びX36が本明細書の実施形態のいずれかに記載されている通りであり、かつ配列番号6の7及び/または8位のアミノ酸が置換されたACE2タンパク質デコイも含まれる。例えば、いくつかの態様では、K7MまたはG8Rのうち1つ以上の置換が行われる。
本発明のタンパク質は、H3が、配列番号29~34または200に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含む。
AEIDLGKGDFREI(配列番号29)
AEIDLGKGDCREI(配列番号30)
VVIDLGKGDFREI(配列番号31)
VVIDLGKGDCREI(配列番号32)
AEIDMGKGDCREI(配列番号33)
AEIDMGKGDFREI(配列番号34)
VEIDLGKGDFREI(配列番号200)
本発明のACE2タンパク質デコイは、H3が、配列番号29に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含み、
ここで、1位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、P、Q、R、S、T、V、またはWであり;
2位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、L、M、P、R、S、T、V、またはWであり;
3位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はC、F、L、M、T、V、またはWであり;
4位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、M、N、S、T、またはVであり;
5位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はF、I、M、またはVであり;
6位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はD、またはLであり;
7位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はI、M、N、Q、R、またはTであり;
8位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はD、E、M、R、またはSであり;
9位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、K、またはTであり;
10位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;
11位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はK、M、Q、またはSであり;
12位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、H、K、L、M、P、R、S、T、V、W、またはYであり;
かつ13位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはWである。
7、8、9、及び11位のアミノ酸のうち3、2、または1個以上は置換されていないACE2タンパク質デコイもまた含まれる。なお、ナンバリングは配列番号29に基づくものである。
本発明には、X34位のアミノ酸がシステインではないH3ドメインを含むACE2タンパク質デコイも含まれる。本発明には、X34がシステインである場合にX32がロイシンであるH3ドメインを含むACE2タンパク質デコイも含まれる。本発明には、X34位のアミノ酸がD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるH3ドメインを含むACE2タンパク質デコイも含まれる。本発明には、X34位のアミノ酸がF、Y、KまたはCから選択されるアミノ酸である、H3ドメインを含むACE2タンパク質デコイも含まれる。
いくつかの態様では、H3は、N末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸、好ましくはコロナウイルススパイクタンパク質への結合に悪影響を及ばさないアミノ酸を含む。いくつかの態様では、アミノ酸は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、Y、またはTから選択される。いくつかの態様では、アミノ酸は、A、C、E、F、G、I、L、R、S、T、V、またはWから選択される。他の態様では、アミノ酸は、S、P、T、もしくはYから、またはL、S、P、T、もしくはYから選択される。いくつかの態様では、アミノ酸は、SまたはP(好ましくはS)である。したがって、いくつかの態様では、H3は、配列SAEIDLGKGDFREIR(配列番号245)またはSVEIDLGKGDFREIR(配列番号246)と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有する配列を含む。
いくつかの態様では、H3は、C末端に少なくとも1つの追加のアミノ酸、好ましくはコロナウイルススパイクタンパク質への結合に悪影響を及ばさないアミノ酸を含む。いくつかの態様では、アミノ酸は、L、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、もしくはT、またはA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、VもしくはWから選択される。いくつかの態様では、アミノ酸は、Rである。
本明細書に記載のH1ドメイン、H2ドメイン、及び任意のH3ドメインのいずれかを、本発明での使用のために組み合わせることができることを当業者であれば理解されるであろう。
本発明のデノボタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質に対するαヘリックスドメイン及びβヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する少なくとも1つの構造ドメインを含む。好ましい構造ドメインは、デノボタンパク質に疎水性コアを与え、結合に適した様式で結合モチーフの相対位置及び方向を安定化させる働きをする。補助的な構造体はコンピュータにより生成され、利用可能な方法(例えば、Rosettaフラグメントアセンブリ、パラメトリック生成など)で配置されるか、または既存の構造体から抽出される(例えば、本明細書の実施例を参照されたい)。H1、H2、及びH3領域とは異なり、これらの構造ドメインは、実質的にACE2タンパク質の構造ドメインに位置しない(すなわち、構造上または配列的にACE2内のその他の二次的構造体要素と位置が合わない)。当技術分野における技術に加えて本発明の教示を使用して、当業者は、タンパク質設計原理を用いて、本発明で使用するための構造ドメインを作成することが可能である。
H1、H2、及びH3(存在する場合)のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する構造ドメインは、下記D1及びD2に記載されているアミノ酸配列を含む場合があり、
D1-X(配列番号35)、
D2-X(配列番号36)、
ここで、それぞれのXは、個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、C、及びTから選択されるアミノ酸であり:それぞれのXは、個別にA、F、I、L、M、C、及びP(好ましくはA、F、I、L、M、及びP)から選択されるアミノ酸であり、それぞれのXは、個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、YまたはCから選択されるアミノ酸であり;かつそれぞれのXは、個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、YまたはCからのアミノ酸である。いくつかの実施形態では、Xは、A、F、I、L、M、P、またはVから選択されるアミノ酸である。その他の実施形態では、XはD、E、G、K、N、P、Q、R、S、T、またはCから選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、D1は、以下に示されているアミノ酸配列を含み:
AAXALAXA AXAMKXALXI IXIAX(配列番号37);ここで、それぞれのXは、個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、C、またはTから選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、D1は、以下に示されているアミノ酸配列
REAAEALAEAARAMKEALEIIREIAEK(配列番号38)
REAAEALAEAARAMKEALEILREIAEK(配列番号222)
と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%同一のアミノ酸配列を含む。
本発明のACE2タンパク質デコイは、少なくとも1つの構造ドメイン(例えば、D1)が、配列番号38に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含み、
ここで、1位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、I、K、L、M、P、S、T、V、またはW(好ましくはC、E、F、G、K、L、M、P、S、T、またはW)であり;
2位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、G、K、M、V、W、またはY)であり;
3位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、G、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、K、P、Q、またはV)であり;
4位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はD、E、G、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはE、N、T、V、またはW)であり;
5位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はC、D、G、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、Q、S、V、W、またはY)であり;
6位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、K、P、R、V、またはY)であり;
7位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、F、I、M、Q、S、T、またはV(好ましくはT)であり;
8位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、Q、L、M、R、S、T、V、またはW(好ましくはD、E、G、H、I、L、Q、R、S、V、またはW)であり;
9位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、V、W、またはY(好ましくはA、D、H、L、M、N、R、S、またはV)であり;
10位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、L、M、Q、S、T、V、またはW(好ましくはC、G、M、またはS)であり;
11位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、L、M、N、Q、R、S、T、またはV(好ましくはC、G、M、S、T、またはV)であり;
12位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY)であり;
13位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、K、M、R、S、またはV)であり;
14位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、K、R、S、T、V、またはY)であり;
15位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、H、M、R、S、またはY)であり;
16位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、K、L、M、Q、T、V、またはW)であり;
17位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、P、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;
18位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はC、F、H、I、K、M、N、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、H、またはV)であり;
19位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;
20位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;
21位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、L、M、N、S、T、V、またはY)であり;
22位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、D、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;
23位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、H、I、M、N、P、T、またはW)であり;
24位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはY(好ましくはC、S、T、またはV)であり;
25位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、H、I、M、N、S、V、またはY)であり;
26位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、I、L、S、T、またはY)であり;かつ
27位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、F、G、H、M、N、S、またはY)である。
いくつかの実施形態では、D2は、配列番号39または40に示されているアミノ酸配列を含み:
AXAAX IAXAIXAAX AIAXAAXIAA XA(配列番号39)
AXAAX VAXAIXAAX AIVXAAXIAA XA(配列番号40);
ここで、それぞれのXは、個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、C、またはTから選択されるアミノ酸である。
いくつかの実施形態では、D2は、以下に示されているアミノ酸配列を含み:
RASEAAKRX59AX60AIRKAAD AIX6162AAKIAA RA(配列番号41)、ここで、X59は、IまたはVであり、X60は、K、RまたはCであり、X61は、A、VまたはCであり、X62は、EまたはCである。
いくつかの実施形態では、D2は、下記の配列番号42~46に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%同一のアミノ酸配列を含む。
RASEAAKR IAKAIRKAAD AIAEAAKIAA RA(配列番号42)
RASEAAKR IACAIRKAAD AIAEAAKIAA RA(配列番号43)
RASEAAKR IAKAIRKAAD AIACAAKIAA RA(配列番号44)
RASEAAKR VARAIRKAAD AIVEAAKIAA RA(配列番号45)
RASEAAKR VACAIRKAAD AIVEAAKIAA RA(配列番号46)
本発明のACE2タンパク質デコイは、少なくとも1つの構造ドメイン(例えば、D2)が、配列番号42に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでいるものを含み、
ここで、1位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、H、K、L、N、Q、S、またはY)であり;
2位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、またはY(好ましくはC、M、Q、T、またはV)であり;
3位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、F、G、I、L、M、Q、またはR)であり;
4位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、I、N、S、またはW)であり;
5位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、I、M、またはY)であり;
6位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、S、またはT(好ましくはCまたはS)であり;
7位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、R、S、T、V、W、またはY)であり;
8位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;
9位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、F、G、K、L、M、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、M、S、T、W、またはY)であり;
10位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はD、G、T、またはV(好ましくはD、G、またはV)であり;
11位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、L、M、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
12位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、I、S、またはT)であり;
13位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、L、M、N、Q、S、T、V、またはY(好ましくはA、C、D、F、G、L、M、N、Q、S、T、またはV)であり;
14位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、H、K、L、N、V、またはW)であり;
15位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY)であり;
16位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、M、P、S、T、V、またはY(好ましくはG、T、またはY)であり;
17位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、T、またはV)であり;
18位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、G、I、L、N、R、S、T、W、またはY)であり;
19位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、K、M、Q、S、またはT)であり;
20位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、F、G、H、L、M、Q、T、V、W、またはY(好ましくはG、L、M、T、V、またはY)であり;
21位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはD、E、G、I、K、M、N、Q、S、T、V、W、またはY)であり;
22位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、G、K、M、P、S、T、V、W、またはY)であり;
23位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、N、S、T、またはV(好ましくはG、S、またはT)であり;
24位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、M、N、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;
25位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、I、L、P、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
26位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、K、L、M、P、Q、R、S、またはV)であり;
27位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、G、M、N、S、T、またはV)であり;
28位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはC、D、E、G、H、Q、S、T、V、またはY)であり;
29位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、H、I、K、L、M、N、P、S、T、V、W、またはY)であり;
30位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、G、H、K、N、P、Q、R、S、T、またはV)である。
本明細書に記載のD1ドメイン及びD2ドメインを、本明細書に記載のH1、H2、及びH3のいずれかと組み合わせることができることを当業者であれば理解されるであろう。
本発明のデノボタンパク質は、場合により、ドメイン間にアミノ酸リンカーを含む。アミノ酸リンカーは、意図する用途に適切であると考えられる任意の長さであってよい。例えば、リンカーは、1~100、1~90、1~80、1~70、1~60、1~50、1~40、1~30、1~20、1~10、または1~5など、1~100アミノ酸長であり得る。アミノ酸残基において許容される変動性及びドメインの順番における柔軟性と同様に、リンカーの柔軟性は、本発明のタンパク質を構築するためのデノボタンパク質設計の使用により生じる。これらのタンパク質では、タンパク質フォールディングへの寄与要因の大部分は、リンカーからではなく、二次的構造体要素間の相互作用から生じる。少なくともそのような理由から、リンカーは通常、タンパク質フォールディングを損なうことなくデノボ設計タンパク質において改変することができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、ドメイン間に可変ループ領域をもたらす。
本発明の例示的なACE2タンパク質デコイは、CTC-445であり、配列番号47に示されている通りである。
SAEIDMGKGDFREIRASEDAREAAEALAEAARAMKEALEIIREIAEKLRDSSRASEAAKRIAKAIRKAADAIAEAAKIAARAAKDEDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAEFAKNGDKSRVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG (配列番号47)
ACE2タンパク質デコイCTC-445は、H1、H2、及びH3ドメインに加えて、H1、H2、及びH3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する2つの構造ドメインを含む。CTC-445では、ドメインの順番は、H3-D1-D2-H2-H1である。H3はアミノ酸1~15であり、D1はアミノ酸21~47であり、D2はアミノ酸53~82であり、H2はアミノ酸86~118であり、かつH1はアミノ酸123~160である。ACE2タンパク質デコイはまた、種々のドメインを一緒に連結する4個のリンカーを含む。第1のリンカーはアミノ酸16~20であり、第2のリンカーはアミノ酸48~52であり、第3のリンカーはアミノ酸83~85であり、かつ第4のリンカーはアミノ酸119~122である。ナンバリングは、配列番号47に基づくものである。本明細書で提供する実施例及び当技術分野における技術に加えて、H1、H2、H3、D1及びD2ドメインに関して本明細書で提供する教示は、CTC-445のバリアントであるACE2タンパク質デコイを作成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、例示的なバリアントは、タンパク質の安定性及び/またはフォールディングを最適化する役割を果たすアミノ酸置換を導入したものである。典型的には、これらの置換は、結合界面ではなく、タンパク質内の他の場所にある。これらの置換は結合界面にはないが、活性の向上に加えて、結合親和性の向上をもたらす可能性がある。結合、安定性、及び/またはタンパク質フォールディングの向上についてタンパク質を試験する方法は、当技術分野において既知であり、かつ本明細書にて記載される。CTC-445は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に特異的に結合するが、SARS-CoV-1スパイクタンパク質への結合は弱いことがこれまでに実証されている。いくつかの実施形態では、CTC-445のバリアントであるACE2タンパク質デコイは、CTC-445に比べて高い親和性でSARS-CoV-2スパイクタンパク質及びSARS-CoV-1スパイクタンパク質の両方に結合することができる。CTC-445との同一性を有する例示的なACE2タンパク質デコイには、配列番号48~68、184~188、104~172、及び224~239に示されているものが含まれる。本発明には、配列番号47~68、184~188、104~172、224~239、255~257または265に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むACE2タンパク質デコイも含まれる。本明細書で提供する実施例及び当技術分野における技術に加えて、H1、H2、H3、D1及びD2ドメインに関して本明細書で提供する教示は、このようなACE2タンパク質デコイのバリアントを作成するために使用することができる。
Figure 2023521706000002
Figure 2023521706000003
Figure 2023521706000004
Figure 2023521706000005
Figure 2023521706000006
Figure 2023521706000007
Figure 2023521706000008
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Figure 2023521706000011
Figure 2023521706000012
Figure 2023521706000013
Figure 2023521706000014
Figure 2023521706000015
Figure 2023521706000016
Figure 2023521706000017
Figure 2023521706000018
いくつかの実施形態では、配列番号47~68、184~187、及び104~172のいずれかの88位のアミノ酸残基は、Aでない場合、F、I、L、M、PまたはVから選択される。いくつかの実施形態では、配列番号47~68のいずれかの137位のアミノ酸残基は、Fでない場合、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTである。いくつかの実施形態では、配列番号47~68、184~187、及び104~172のいずれかの11位のアミノ酸残基がシステインの場合、6位のアミノ酸残基はLであり、及び/または126位のアミノ酸残基はLであり、及び/または124位のアミノ酸残基はSである。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、CTC-625またはCTC-626のアミノ酸配列を有さない。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、CTC-625に示されているアミノ酸置換(すなわち、S1P_F11Y_R42S_E46S_A88N_F116N_R124S_F137V_R143L)またはCTC-626に示されているアミノ酸置換(すなわち、S1P_M6L_F11Y_R42S_E46S_A88N_F116N_R124S_F137V_R143L-F152W)を有さない。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号47~68、184~187または104~172に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、
a. 2位のアミノ酸残基は、Vであるか;
b. 3位のアミノ酸残基は、Vであるか;
c. 6位のアミノ酸残基は、Lであるか;
d. 11位のアミノ酸残基は、FもしくはCであるか;
e. 41位のアミノ酸残基は、Lであるか;
f. 61位のアミノ酸残基は、Vであるか;
g. 63位のアミノ酸残基は、RもしくはCであるか;
h. 73位のアミノ酸残基は、Vであるか;
i. 74位のアミノ酸残基は、EもしくはCであるか;
j. 84位のアミノ酸残基は、Tであるか;
k. 86位のアミノ酸残基は、Gであるか;
l. 92位のアミノ酸残基は、Vであるか;
m. 95位のアミノ酸残基は、Eであるか;
n. 100位のアミノ酸残基は、Qであるか;
o. 116位のアミノ酸残基は、Lであるか;
p. 124位のアミノ酸残基は、Sであるか;
q. 126位のアミノ酸残基は、Lであるか;
r. 136位のアミノ酸残基は、Tであるか;
s. 143位のアミノ酸残基は、SもしくはLであるか;または
t. 上記の(a)~(s)の任意の組み合わせである。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号47~68、184~187、104~172、255~256、または224~239に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、8、9、または10位のアミノ酸のうち1つ以下が置換され;91、94、98、102、105、106、109、112、または113位のアミノ酸のうち3つ以下、2つ以下、または1つ以下が置換され;及び/または123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち4つ以下、3つ以下、及び/または2つ以下、または1つ以下が置換される。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号47~68、184~187、104~172、255~256、または224~239に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち4つ、3つ、2つ、または1つ以下が置換される。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号47~68、184~187、104~172、255~256、または224~239に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、
a. 8位のアミノ酸残基は、Kであり;
b. 9位のアミノ酸残基は、Gであり;
c. 10位のアミノ酸残基は、Dであり;
d. 91位のアミノ酸残基は、Nであり;
e. 94位のアミノ酸残基は、Nであり;
f. 98位のアミノ酸残基は、Kであり;
g. 102位のアミノ酸残基は、Fであり;
h. 105位のアミノ酸残基は、Eであり;
i. 106位のアミノ酸残基は、Qであり;
j. 109位のアミノ酸残基は、Lであり;
k. 112位のアミノ酸残基は、Mであり;
l. 113位のアミノ酸残基は、Yであり;
m. 123位のアミノ酸残基は、Sであり;
n. 127位のアミノ酸残基は、Eであり;
o. 128位のアミノ酸残基は、Qであり;
p. 131位のアミノ酸残基は、Tであり;
q. 132位のアミノ酸残基は、Fであり;
r. 134位のアミノ酸残基は、Dであり;
s. 138位のアミノ酸残基は、Hであり;
t. 139位のアミノ酸残基は、Eであり;
u. 141位のアミノ酸残基は、Eであり;
v. 142位のアミノ酸残基は、Dであり;
w. 145位のアミノ酸残基は、Yであり;
x. 146位のアミノ酸残基は、Qであり;かつ
y. 149位のアミノ酸残基は、Lである。
本明細書の教示のように、例示的なタンパク質デコイのリンカーには非常に多くの変動性が存在し得る。配列番号69~90、258~260、266、または189~193に示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むデノボタンパク質を本明細書で提供するが、ここで、Xは、アミノ酸リンカーである。いくつかのそのような態様では、各デノボタンパク質の第1及び第2のXリンカーは、0~5アミノ酸であり、各デノボタンパク質の第3のXリンカーは、0~3アミノ酸であり、かつ各デノボタンパク質の第4のXリンカーは、0~4アミノ酸である。
Figure 2023521706000019
Figure 2023521706000020
Figure 2023521706000021
Figure 2023521706000022
Figure 2023521706000023
いくつかの実施形態では、配列番号69~90、258~259、または189~192のいずれかの88位のアミノ酸残基は、Aでない場合、F、I、L、M、PまたはVから選択され、ここで、88位は、固定された長さのリンカーを含む配列番号47に照らしたものである。いくつかの実施形態では、配列番号69~90または189~192のいずれかの137位のアミノ酸残基は、Fでない場合、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTである。いくつかの実施形態では、配列番号69~90、258~259、または189~192のいずれかの11位のアミノ酸残基がシステインである場合、6位のアミノ酸残基は、Lであり、及び/または126位のアミノ酸残基は、Lであり、及び/または124位のアミノ酸残基は、Sである。上記言及した88、137、11、124、及び126位は、それぞれ、配列番号47の88、137、11、124、及び126位に対応する配列番号69~90、258~259、または189~192の位置を意味するが、配列番号69~90または189~193の実際の位置ではなく、これは、リンカーXの長さが固定されていないために変化し得る。したがって、「配列番号69~90または189~192のうち任意の1つの88位」への言及は、配列番号47の88位に対応する配列番号69~90、258~259、または189~193のうち任意の1つの位置を意味する。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号69~90、258~259、または189~192に示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、
a. 2位のアミノ酸残基は、Vであるか;
b. 3位のアミノ酸残基は、Vであるか;
c. 6位のアミノ酸残基は、Lであるか;
d. 11位のアミノ酸残基は、FもしくはCであるか;
e. 41位のアミノ酸残基は、Lであるか;
f. 61位のアミノ酸残基は、Vであるか;
g. 63位のアミノ酸残基は、RもしくはCであるか;
h. 73位のアミノ酸残基は、Vであるか;
i. 74位のアミノ酸残基は、EもしくはCであるか;
j. 86位のアミノ酸残基は、Gであるか;
k. 92位のアミノ酸残基は、Vであるか;
l. 95位のアミノ酸残基は、Eであるか;
m. 100位のアミノ酸残基は、Qであるか;
n. 116位のアミノ酸残基は、Lであるか;
o. 124位のアミノ酸残基は、Sであるか;
p. 126位のアミノ酸残基は、Lであるか;
q. 136位のアミノ酸残基は、Tであるか;
r. 143位のアミノ酸残基は、SもしくはLであるか;または
上記の(a)~(r)の任意の組み合わせであり、この際、記載した位置は、配列番号47のナンバリングに基づくものであるが、上述したように、リンカーXの長さが固定されていないため、配列番号69~90または189~192に基づくものではない。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号69~90、258~259、または189~192に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、8、9、または10位のアミノ酸のうち1つ以下が置換され;91、94、98、102、105、106、109、112、または113位のアミノ酸のうち3つ以下、2つ以下、または1つ以下が置換され;123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち3つ以下、2つ以下、または1つ以下が置換される。記載した位置は、配列番号47のナンバリングに基づくものであるが、上述したように、リンカーXの長さが固定されていないため、配列番号69~90、258~259、または189~192に基づくものではない。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号69~90、258~259、または189~192に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち4つ、3つ、2つ、または1つ以下が置換される。記載した位置は、配列番号47のナンバリングに基づくものであるが、上述したように、リンカーXの長さが固定されていないため、配列番号69~90、258~259、または189~192に基づくものではない。
本発明の例示的なデノボタンパク質は、配列番号69~90、258~259、または189~192に示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むものを含み、ここで、
a. 8位のアミノ酸残基は、Kであり;
b. 9位のアミノ酸残基は、Gであり;
c. 10位のアミノ酸残基は、Dであり;
d. 91位のアミノ酸残基は、Nであり;
e. 94位のアミノ酸残基は、Nであり;
f. 98位のアミノ酸残基は、Kであり;
g. 102位のアミノ酸残基は、Fであり;
h. 105位のアミノ酸残基は、Eであり;
i. 106位のアミノ酸残基は、Qであり;
j. 109位のアミノ酸残基は、Lであり;
k. 112位のアミノ酸残基は、Mであり;
l. 113位のアミノ酸残基は、Yであり;
m. 123位のアミノ酸残基は、Sであり;
n. 127位のアミノ酸残基は、Eであり;
o. 128位のアミノ酸残基は、Qであり;
p. 131位のアミノ酸残基は、Tであり;
q. 132位のアミノ酸残基は、Fであり;
r. 134位のアミノ酸残基は、Dであり;
s. 138位のアミノ酸残基は、Hであり;
t. 139位のアミノ酸残基は、Eであり;
u. 141位のアミノ酸残基は、Eであり;
v. 142位のアミノ酸残基は、Dであり;
w. 145位のアミノ酸残基は、Yであり;
x. 146位のアミノ酸残基は、Qであり;かつ
y. 149位のアミノ酸残基は、Lであり;この際、記載した位置は、配列番号47のナンバリングに基づくものであるが、上述したように、リンカーXの長さが固定されていないため、配列番号69~90または189~192に基づくものではない。
本発明には、(i)M6L_R126L;(ii)F116L_R124S;(iii)M6L_F116L_R124S_R126L;(iv)M6L_E86G_F116L_R124S_R126L;(v)A2V_E3V_M6L_I61V_K63R_A73V_K84T_E86G_A92V_A95E_K100Q_F116L_R124S_R126L_A136T_R143S;(vi)M6L_F11C_R126L;(vii)M6L_K63C_R126L;(viii)M6L_E74C_R126L;(ix)F11C_F116L_R124S;(x)K63C_F116L_R124S;(xi)E74C_F116L_R124S;(xii)M6L_F11C_F116L_R124S_R126L;(xiii)M6L_K63C_F116L_R124S_R126L;(xiv)M6L_E74C_F116L_R124S_R126L;(xv)A2V_E3V_M6L_F11C_I61V_K63R_A73V_K84T_E86G_A92V_A95E_K100Q_F116L_R124S_R126L_A136T_R143S;(xvi)A2V_E3V_M6L_I61V_K63C_A73V_K84T_E86G_A92V_A95E_K100Q_F116L_R124S_R126L_A136T_R143S;(xvii)A2V_E3V_M6L_I61V_K63R_A73V_E74C_K84T_E86G_A92V_A95E_K100Q_F116L_R124S_R126L_A136T_R143S;(xviii)M6L_F11C_E86G_F116L_R124S_R126L;(xix)M6L_K63C_E86G_F116L_R124S_R126L;(xx)M6L_E74C_E86G_F116L_R124S_R126L;(xxi)A2V_M6L_E86G_F116L_R124S_R126L;(xxii)A2V_M6L_E86G_F116L_R124S_R126L_R143L;(xxiii)M6L_I41L_E86G_F116L_R124S_R126L_R143L;または(xxiv)A2V_M6L_I41L_E86G_F116L_R124S_R126L_R143Lの置換が存在することを条件として、配列番号47に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含むACE2タンパク質デコイが含まれる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ACE2タンパク質デコイが、以下のアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%同一の配列を含む場合、以下のアミノ酸が存在する:(i)CTC-637の場合、アミノ酸6L及び126Lが存在し;(ii)CTC-638の場合、アミノ酸116L及び124Sが存在し;(iii)CTC-639の場合、アミノ酸6L、116L、124S、及び126Lが存在し;(iv)CTC-640の場合、アミノ酸6L、86G、116L、124S、及び126Lが存在し;(v)CTC-641の場合、アミノ酸2V、3V、6L、61V、63R、73V、84T、86G、92V、95E、100Q、116L、124S、126L、136T、及び143Sが存在し;(vi)CTC-642の場合、アミノ酸6L、11C、及び126Lが存在し;(vii)CTC-643の場合、アミノ酸6L、63C、及び126Lが存在し;(viii)CTC-644の場合、アミノ酸6L、74C、及び126Lが存在し;(ix)CTC-645の場合、アミノ酸11C、116L、及び124Sが存在し;(x)CTC-646の場合、アミノ酸63C、116L、及び124Sが存在し;(xi)CTC-647の場合、アミノ酸74C、116L、及び124Sが存在し;(xii)CTC-648の場合、アミノ酸6L、11C、116L、124S、及び126Lが存在し;(xiii)CTC-649の場合、アミノ酸6L、63C、116L、124S、及び126Lが存在し;(xiv)CTC-650の場合、アミノ酸6L、74C、116L、124S、及び126Lが存在し;(xv)CTC-651の場合、アミノ酸2V、3V、6L、11C、61V、63R、73V、84T、86G、92V、95E、100Q、116L、124S、126L、136T、及び143Sが存在し;(xvi)CTC-652の場合、アミノ酸2V、3V、6L、61V、63C、73V、84T、86G、92V、95E、100Q、116L、124S、126L、136T、及び143Sが存在し;(xvii)CTC-653の場合、アミノ酸2V、3V、6L、61V、63R、73V、74C、84T、86G、92V、95E、100Q、116L、124S、126L、136T、及び143Sが存在し;(xviii)CTC-656の場合、アミノ酸1P、11K、42S、46S、81H、88N、116N、124S、137V、及び143Lが存在し;(xix)CTC-693の場合、アミノ酸6L、11C、86G、116L、124S、及び126Lが存在し;(xx)CTC-694の場合、アミノ酸6L、63C、86G、116L、124S、及び126Lが存在し;(xxi)CTC-695の場合、アミノ酸6L、74C、86G、116L、124S、及び126Lが存在し;(xxii)CTC-699の場合、アミノ酸2V、6L、86G、116L、124S、及び126Lが存在し;(xxiii)CTC-700の場合、アミノ酸2V、6L、86G、116L、124S、126L、143Lが存在し;(xxiv)CTC-701の場合、アミノ酸6L、41L、86G、116L、124S、126L、及び143Lが存在し;かつ(xxv)CTC-702の場合、アミノ酸2V、6L、41L、86G、116L、124S、126L、及びR143が存在する。
本発明には、配列番号50(CTC-640)に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含むデコイユニットを含む本発明のデノボタンパク質が含まれ、ここで、
1位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、I、L、R、S、T、V、またはW(好ましくはC、E、G、I、またはL)であり;
2位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはG、I、L、M、Q、T、V、またはW)であり;
3位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、L、M、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはL、M、P、S、T、V、またはW)であり;
4位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はC、F、L、M、T、V、またはW(好ましくはF、またはV)であり;
5位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、M、N、S、T、またはV(好ましくはMまたはN)であり;
6位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はF、I、M、またはV(好ましくはMまたはF)であり;
7位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はDまたはLであり;
8位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はI、M、N、Q、R、またはT(好ましくはM)であり;
9位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はD、E、M、R、またはS(好ましくはR)であり;
10位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、K、またはT(好ましくは非置換)であり;
11位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、E、I、K、L、Q、R、S、またはV)であり;
12位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はK、M、Q、またはS(好ましくは非置換)であり;
13位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、H、K、L、M、P、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、L、M、P、S、V、またはW)であり;
14位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W(好ましくはI、C、F、M、P、Q、S、T、V、またはW)であり;
15位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W(好ましくはC、D、E、F、H、K、L、Q、S、V、W)であり;
16位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はA、D、E、F、G、L、M、R、S、T、V、W(好ましくはE、F、G、L、M、S、T、V、W)であり;
17位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W(好ましくはA、C、D、E、G、L、P、T、V、W)であり;
18位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y(好ましくはC、G、I、L、M、N、P、R、S、T、V)であり;
19位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、W、Y(好ましくはC、E、G、M、P、R、V、W)であり;
20位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、L、P、Q、R、S、T、V、W(好ましくはL、R、S、T、V、W)であり;
21位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、I、K、L、M、P、S、T、V、またはW(好ましくはC、E、F、G、K、L、M、P、S、T、またはW)であり;
22位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、G、K、M、V、W、またはY)であり;
23位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、G、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、K、P、Q、またはV)であり;
24位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はD、E、G、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはE、N、T、V、またはW)であり;
25位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はC、D、G、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、Q、S、V、W、またはY)であり;
26位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、K、P、R、V、またはY)であり;
27位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、F、I、M、Q、S、T、またはV(好ましくはT)であり;
28位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、Q、L、M、R、S、T、V、またはW(好ましくはD、E、G、H、I、L、Q、R、S、V、またはW)であり;
29位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、V、W、またはY(好ましくはA、D、H、L、M、N、R、S、またはV)であり;
30位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、L、M、Q、S、T、V、またはW(好ましくはC、G、M、またはS)であり;
31位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、L、M、N、Q、R、S、T、またはV(好ましくはC、G、M、S、T、またはV)であり;
32位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY)であり;
33位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、K、M、R、S、またはV)であり;
34位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、K、R、S、T、V、またはY)であり;
35位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、H、M、R、S、またはY)であり;
36位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、K、L、M、Q、T、V、またはW)であり;
37位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、P、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;
38位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はC、F、H、I、K、M、N、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、H、またはV)であり;
39位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;
40位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;
41位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、L、M、N、S、T、V、またはY)であり;
42位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、D、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;
43位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、H、I、M、N、P、T、またはW)であり;
44位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはY(好ましくはC、S、T、またはV)であり;
45位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、H、I、M、N、S、V、またはY)であり;
46位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、I、L、S、T、またはY)であり;
47位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、F、G、H、M、N、S、またはY)であり;
48位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、Y(好ましくはC、D、F、G、H、I、P、Q、S、T、W、Y)であり;
49位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、Y(好ましくはA、D、K、M、Q、S、T、V、Y)であり;
50位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W(好ましくはC、E、M、T、V)であり;
51位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、Y(好ましくはA、D、E、F、K、M、P、T、V、Y)であり;
52位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、Y(好ましくはA、E、M、Q)であり;
53位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、H、K、L、N、Q、S、またはY)であり;
54位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、またはY(好ましくはC、M、Q、T、またはV)であり;
55位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、F、G、I、L、M、Q、またはR)であり;
56位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、I、N、S、またはW)であり;
57位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、I、M、またはY)であり;
58位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、S、またはT(好ましくはCまたはS)であり;
59位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、R、S、T、V、W、またはY)であり;
60位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;
61位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、F、G、K、L、M、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、M、S、T、W、またはY)であり;
62位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はD、G、T、またはV(好ましくはD、G、またはV)であり;
63位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、L、M、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
64位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、I、S、またはT)であり;
65位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、L、M、N、Q、S、T、V、またはY(好ましくはA、C、D、F、G、L、M、N、Q、S、T、またはV)であり;
66位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、H、K、L、N、V、またはW)であり;
67位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY)であり;
68位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、M、P、S、T、V、またはY(好ましくはG、T、またはY)であり;
69位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、T、またはV)であり;
70位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、G、I、L、N、R、S、T、W、またはY)であり;
71位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、K、M、Q、S、またはT)であり;
72位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、F、G、H、L、M、Q、T、V、W、またはY(好ましくはG、L、M、T、V、またはY)であり;
73位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはD、E、G、I、K、M、N、Q、S、T、V、W、またはY)であり;
74位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、G、K、M、P、S、T、V、W、またはY)であり;
75位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、N、S、T、またはV(好ましくはG、S、またはT)であり;
76位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、M、N、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;
77位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、I、L、P、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
78位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、K、L、M、P、Q、R、S、またはV)であり;
79位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、G、M、N、S、T、またはV)であり;
80位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはC、D、E、G、H、Q、S、T、V、またはY)であり;
81位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、H、I、K、L、M、N、P、S、T、V、W、またはY)であり;
82位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、G、H、K、N、P、Q、R、S、T、またはV)であり;
83位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、L、S、T、またはY)であり;
84位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはE、F、G、M、N、S、またはW)であり;
85位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、G、H、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、L、M、N、Q、S、T、V、またはW)であり;
86位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はA、C、D、E、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはC、D、E、I、M、N、P、Q、R、S、またはT)であり;
87位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、F、G、H、I、M、P、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
88位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、H、L、M、N、R、T、V、W、またはY)であり;
89位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、F、G、L、N、P、Q、S、T、V、またはW)であり;
90位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、H、K、N、P、Q、T、V、W、またはY)であり;
91位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、E、G、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、またはW)であり;
92位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、H、I、L、M、N、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはC、G、P、T、またはV)であり;
93位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、またはV)であり;
94位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはW)であり;
95位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、H、I、L、M、N、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
96位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、G、I、またはS)であり;
97位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、またはY)であり;
98位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、G、I、L、P、Q、T、V)であり;
99位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、I、L、Q、S、T、V、またはW(好ましくはL、T、またはV)であり;
100位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、Q、R、S、T、V、W、またはY)であり;
101位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、F、G、H、I、K、L、M、N、R、S、T、V、またはW)であり;
102位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(C、G、I、K、P、V、W、Y)であり;
103位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、F、G、I、L、M、N、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、G、I、L、S、またはT)であり;
104位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、H、I、L、M、N、R、S、T、V、またはY)であり;
105位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、H、K、L、M、Q、R、S)であり;
106位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、R、S、T、Y、またはV(好ましくはC、D、I、K、N、R、T、Y)であり;
107位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはW(好ましくはIまたはS)であり;
108位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、H、I、Q、またはR)であり;
109位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、D、F、G、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、Y)であり;
110位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、I、L、S、T、V、またはY(好ましくはI)であり;
111位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、I、S、またはT)であり;
112位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、E、F、H、I、K、L、Q、R、S、T、V、Y)であり;
113位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はD、F、H、I、L、M、またはV(好ましくはF)であり;
114位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはW(好ましくはC、D、G、H、N、R、S、またはV)であり;
115位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、G、L、M、Q、R、S、T、またはV)であり;
116位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、M、N、Q、S、T、V、またはY)であり;
117位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、F、G、I、N、P、またはT)であり;
118位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、L、M、N、R、S、T、V、またはY)であり;
119位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、F、G、H、I、K、M、Q、R、S、T、またはY)であり;
120位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、E、N、またはQ)であり;
121位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、F、またはN)であり;
122位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはW)であり;
123位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、I、K、L、M、N、P、R、T、V、またはW)であり;
124位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、T、V、またはY)であり;
125位のアミノ酸は、Vであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはY(好ましくはA、D、H、I、N、P、T、またはW)であり;
126位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはR、C、H、I、K、M、S、T、またはY)であり;
127位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、G、H、M、P、Q、R、T、V、W、またはY)であり;
128位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、S、T、V、またはW(好ましくはNまたはP)であり;
129位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はC、I、M、T、またはV(好ましくはI、T、またはV)であり;
130位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、E、I、L、N、R、V、またはY)であり;
131位のアミノ酸は、Tであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、H、I、K、L、M、Q、R、S、V、W、またはY)であり;
132位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、H、V、W、またはY(好ましくはW)であり;
133位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、L、M、S、T、またはV(好ましくはC、S、またはT)であり;
134位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、E、H、I、L、N、Q、R、S、T、V、Y)であり;
135位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、F、H、I、L、M、N、Q、R、S、V、W、またはY(好ましくはA、H、M、N、R、S、V、W、またはY)であり;
136位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、またはV(好ましくはC、E、F、I、L、N、Q、S、T、またはV)であり;
137位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、H、L、M、N、Q、またはW)であり;
138位のアミノ酸は、Hであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、G、I、K、M、P、Q、R、S、またはY)であり;
139位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、I、L、N、Q、S、T、V)であり;
140位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、L、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、S、T、またはV)であり;
141位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はD、M、N、P、Q、T、またはV(好ましくはD、N、またはT)であり;
142位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、F、G、H、L、N、またはQ(好ましくはE)であり;
143位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、E、F、G、H、I、M、P、Q、T、V、W、またはY)であり;
144位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はC、G、H、L、M、N、W、またはY(好ましくはN、W、またはY)であり;
145位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はH、D、またはF(好ましくはH)であり;
146位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、G、H、I、K、M、N、S、またはV)であり;
147位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、S、またはT)であり;
148位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、またはV(好ましくはC、F、G、L、M、N、S、T、またはV)であり;
149位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、I、K、R、T、またはV)であり;
150位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはK、M、N、S、またはT)であり;
151位のアミノ酸は、Vであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、L、M、N、Q、S、またはT(好ましくはA、I、L、またはT)であり;
152位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はC、H、I、L、M、V、W、またはY(好ましくはH、またはW)であり;
153位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、H、I、K、M、N、Q、S、またはT)であり;
154位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、F、G、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、L、Q、またはV)であり;
155位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはC、D、E、G、H、I、L、M、P、Q、S、T、V、W、またはY)であり;
156位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、H、I、M、N、P、Q、R、S、またはT)であり;
157位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はE、S、またはV;
158位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はE、G、S、T、またはV(好ましくはV)であり;
159位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はE、G、S、T、またはV(好ましくはSまたはT)であり;かつ
160位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はE、R、またはV(好ましくはR)である。いくつかの好ましい実施形態では、8、9、10、12、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、135、138、139、141、142、145、146、及び140位のうち6個、5個、4個、3個、2個または1個以下が置換される。
いくつかの例示的な実施形態では、アミノ酸残基は、安定性を加えるためにタンパク質デコイのN末端に付加される。例えば、例示的な実施形態では、PG配列(すなわち、プロリン-グリシン)がN末端に付加される。配列番号47~90、104~172、184~193、224~239、255~260及び265~266ならびに配列番号91~95、194~197、223、及び261~263(下記にて提示する)に示されているアミノ酸配列のいずれかの前に、PG配列またはMPG配列が先行する場合がある。
ACE2タンパク質デコイは、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のデコイユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、1つ、2つ、3つ、または4つのデコイユニットを含み得る。いくつかの実施形態では、デコイユニットは、(i)少なくとも2つのαへリックスドメインH1及びH2、(ii)任意のβヘアピンドメインH3、及び(iii)少なくとも1つの構造ドメインを含む。いくつかの実施形態では、デコイユニットは、(i)2つのαへリックスドメインH1及びH2、(ii)1つのβヘアピンドメインH3、及び(iii)2つの構造ドメインを含む。例示的な実施形態では、H1、H2、H3及び構造ドメインは、本明細書に記載されている通りである。非限定的な例示的なデコイユニットは、配列番号47~90、104~172、184~193、224~239、及び255~260で規定される。いくつかの態様では、ACE2タンパク質デコイは、多価(例えば、二価、三価、四価)であり、これは少なくとも2つのデコイユニットを含むことを意味する。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、配列番号47~90、104~172、184~193、224~239、255~260または265~266から個別に選択される2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、同じデコイユニットの複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、同じまたは異なるデコイユニットの2つ~4つのコピーを含む。
いくつかの態様では、第1のデコイユニットのC末端は、第2のデコイユニットのN末端に連結される。連結は、化学的または酵素的架橋(例えば、ビスマレイミド)によるものであり得る。2つ以上のデコイユニットは、翻訳融合で互いに直接隣接するか、または使用目的に適したポリペプチドリンカーにより連結され得る。例示的なそのようなリンカーには、WO2016178905、WO2018153865、及びWO2018170179に開示されているものが挙げられるがこれらに限定されない。その他の実施形態では、適切なリンカーとしては、例えば、GGGGG(配列番号96)、GSGGG(配列番号97)、GGGGGG(配列番号98)、GGSGGG(配列番号99)、GGSGGSGGGSGGSGSG(配列番号100)、GSGGSGGGSGGSGSG(配列番号101)、GGSGGSGGGSGGSGGGGSGGSGGGSGGGGS(配列番号102)、GGGGSGGSGSGGSGGGS(配列番号175)、[GGGGX](式中XはQ、E、またはSであり、nは2~5である)(配列番号103)、及びGGGSGGSGSGGSGGGS(配列番号264)などのペプチドリンカーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、デコイユニット間のアミノ酸リンカーは、1~100、1~80、1~60、1~50、1~40、1~30、または1~20アミノ酸長である。
いくつかの態様では、2つ以上のACE2タンパク質デコイは異なる。本明細書で提供するACE2タンパク質デコイのいずれかは、本発明で使用するために一緒に連結され得る。
例示的なACE2タンパク質デコイは、CTC-640、CTC-693、CTC-694、CTC-695、CTC-702、CTC-705、またはCTC-726のうち1つ以上を含むものを含む。いくつかの態様では、ACE2タンパク質デコイは、(i)CTC-640及び/またはCTC-693;(ii)CTC-640及び/またはCTC-694;(iii)CTC-640及び/またはCTC-694を含む。いくつかの態様では、本発明のACE2タンパク質デコイは、CTC-640の多価の連続複製バージョン;個々のデコイユニットのそれぞれが、CTC-640について示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、もしくは99%の同一性を有する配列を含む多価のACE2タンパク質デコイ;CTC-702の多価の連続複製バージョン;個々のデコイユニットのそれぞれが、CTC-702について示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、もしくは99%の同一性を有する配列を含む多価のACE2タンパク質デコイ;CTC-705の多価の連続複製バージョン;個々のデコイユニットのそれぞれが、CTC-705について示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、もしくは99%の同一性を有する配列を含む多価のACE2タンパク質デコイ;CTC-726の多価の連続複製バージョン;または個々のデコイユニットのそれぞれが、CTC-726について示されているアミノ酸配列と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、もしくは99%の同一性を有する配列を含む多価のACE2タンパク質デコイを含む。
リンカーに加えて、個々のデコイユニットのそれぞれのNまたはC末端に追加のアミノ酸残基を付加し、その後、一緒に融合させて、例えば、二価、三価、四価などの多価のACE2タンパク質デコイを作成することができることを当業者であれば理解されるであろう。加えて、多価のACE2タンパク質デコイは環化することができる。タンパク質を環化する方法は、当技術分野において既知であり、例えば、Wood et al.,Journal of Biological Chemistry,289:21;14512-14519,2014を参照されたい。
例示的な多価のACE2タンパク質デコイは、配列番号91~95、194~197、223、または261~263に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一の配列を含むものを含む。
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Figure 2023521706000025
Figure 2023521706000026
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ドメインの順番
本発明のタンパク質がデノボ合成タンパク質であるため、結果として、アミノ酸残基だけではなく、ドメイン(例えば、H1、H2、H3、D1及びD2)の順番付けでも非常に多くの変動性が許容される。ドメインは、アミノ酸リンカーを介して様々な順番で一緒に連結され、それでも適切にフォールディングし、コロナウイルススパイクタンパク質に結合するために提示され得る。上述のように、本明細書で提供するCTC-445及び多数のCTC-445バリアントのドメインの順番は、H3-D1-D2-H2-H1である。しかし、ドメインの順番を変更しても、依然としてタンパク質の活性をもたらすことができることを当業者であれば理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ドメインの順番の変更は、循環置換とも呼ばれ、デコイユニットのアミノ酸配列は、新しいN末端及びC末端を作成するためにシフトされる。いくつかのそのような態様では、順番の変更により、ドメインは、新しい順番、すなわちH1-H3-D1-D2-H2となる。ドメインの順番がH3-D1-D2-H2-H1の本明細書に記載のCTC-445バリアントの全てを、循環置換し、新しいドメイン順番のH1-H3-D1-D2-H2を作成することができる。H1ドメインのシフトにより、H1ドメインとH3ドメインとの間にアミノ酸リンカーが追加され、ドメインH1とドメインH3との間に可変ループ領域が作られる。CTC-705は、CTC-640の循環置換バージョンである。CTC-726及びCTC-786は、ドメインH1とドメインH3との間のリンカーに関して異なる、CTC-702の2つの循環置換バージョンである。そのような様式でのCTC-640及びCTC-726の循環置換は、ACE2タンパク質デコイの末端を再配置して多価のサブユニットの異なる配向を可能にする。ドメインの別の順番には、例えば、H2-H1-H3-D1-D2、D2-H2-H1-H3-D1、及びD1-D2-H2-H1-H3が含まれる。
ACE2タンパク質デコイの例示的な生物学的特性
概して、本発明のタンパク質は、コロナウイルススパイクタンパク質、特にその受容体としてACE2を介して宿主細胞への侵入を獲得するコロナウイルスのコロナウイルススパイクタンパク質(すなわち、コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質)に結合することによって機能する。特定の実施形態では、本発明のデノボタンパク質は、スパイクタンパク質SARS-CoV-2の受容体結合ドメイン(RBD)内の1つ以上のアミノ酸に結合する。例えば、本発明は、例えば、実施例で定義するようなアッセイ形式を使用して、バイオレイヤー干渉測定または酵母ディスプレイによって測定した際に、100nM未満、50nm未満、20nM未満のKでSARS-CoV-2スパイクタンパク質に結合するデノボタンパク質を含む。特定の実施形態では、デノボタンパク質は、例えば、本明細書で定義するようなアッセイ形式または実質的に類似のアッセイを使用して、バイオレイヤー干渉測定または酵母ディスプレイによって測定した際に、約20nM未満、約15nM未満、約5nM未満のKでSARS-CoV-Sに結合する。
本発明はまた、当技術分野において知られているアッセイを使用して測定される際に、ACE2へのSARS-CoV-2-Sの結合を50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超ブロックする本発明のデノボACE2タンパク質デコイを含む。
本発明はまた、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV-2)のその宿主細胞に対する感染性を中和または阻害するデノボタンパク質を含む。特定の実施形態では、タンパク質は、SARS-CoV-2様偽性微粒子の感染性を中和する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、例えば、実施例に示すような最適化されたウイルス様偽性微粒子(VLP)中和アッセイ、または実質的に類似のアッセイにおいて、ヒト宿主細胞に対するSARS-CoV-2の結合を、50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超阻害する。
本発明は、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン、またはそのドメインのフラグメントに結合するデノボACE2タンパク質デコイを含む。
本発明のACE2タンパク質デコイは、上述の生物学的特性またはそれらの任意の組み合わせのうち1つ以上を有する場合がある。
本発明のタンパク質のその他の生物学的特性は、本明細書で提供する実施例を含む本開示を再検討することによって、当業者には明らかとなるであろう。
核酸、発現ベクター、宿主細胞
さらなる態様では、本発明は、本発明のタンパク質またはペプチドをコードする単離された核酸を含む核酸を提供する。単離された核酸配列は、RNAまたはDNAを含み得る。このような単離された核酸配列は、ポリA配列、修飾されたKozak配列、ならびにエピトープタグ、輸出シグナル、及び分泌シグナル、核局在化シグナル、及び形質膜局在化シグナルをコードする配列を含むがこれらに限定されない、コードされたタンパク質の発現及び/または精製を促進するのに有用な追加の配列を含む場合がある。本明細書の教示に基づいて、どの核酸配列が本発明のポリペプチドをコードするかは、当業者には明らかであろう。
別の態様では、本発明は、適切な制御配列に操作可能に連結された本発明の任意の態様の単離された核酸を含む組換え発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」には、核酸コード領域または遺伝子を、遺伝子産物の発現をもたらすことができる任意の制御配列に操作可能に連結させるベクターが含まれる。本発明の核酸配列に操作可能に連結された「制御配列」は、核酸分子の発現をもたらすことができる核酸配列である。制御配列は、核酸配列の発現を誘導するように機能する限り、核酸配列と接触している必要はない。したがって、例えば、翻訳されていないが転写された介在配列が、プロモーター配列と核酸配列との間に存在する場合があり、かつそのプロモーター配列は、依然としてコード配列に「操作可能に連結された」と見なされ得る。その他のこのような制御配列としては、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル及びリボソーム結合部位が挙げられるが、これらに限定されない。このような発現ベクターとしては、プラスミド及びウイルスベースの発現ベクターが挙げられるが、これらに限定されない。哺乳動物系において開示する核酸配列の発現を誘導するのに使用される制御配列は、構成的(CMV、SV40、RSV、アクチン、EFを含むがこれらに限定されない種々のプロモーターのいずれかによって誘導される)、または誘導性(テトラサイクリン、エクジソン、ステロイド応答性を含むがこれらに限定されないいくつかの誘導性プロモーターのいずれかによって誘導される)のものであり得る。発現ベクターは、エピソームとしてまたは宿主染色体DNAへの組み込みによって、宿主生物内で複製可能なものである必要がある。様々な実施形態では、発現ベクターは、プラスミド、ウイルスベースのベクター(限定はされないがレトロウイルスベクターもしくは腫瘍溶解性ウイルスを含む)、または任意の他の適切な発現ベクターを含み得る。いくつかの実施形態では、治療上の利益のために、発現ベクターを本開示の方法で投与してin vivoでタンパク質を発現させることができる。本発明の核酸は、本明細書に記載の疾患を治療するために対象に投与され得る。
さらなる態様では、本開示は、本明細書にて開示する組換え発現ベクターを含む宿主細胞を提供し、ここで、該宿主細胞は、原核生物または真核生物のいずれかであり得る。細胞は、細菌形質転換、リン酸カルシウム共沈、電気穿孔法、またはリポソーム媒介トランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、ポリカチオン媒介トランスフェクション、もしくはウイルス媒介トランスフェクションを含むがこれらに限定されない技術を使用して、本発明の発現ベクターを組み込むために一時的にまたは安定して遺伝子改変され得る。(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual (Sambrook, et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press);Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,2ndEd.(R.I.Freshney.1987.Liss,Inc.New York,NY)を参照されたい。)本発明によるタンパク質を産生する方法は、本発明の追加の部分である。方法は、(a)タンパク質の発現を促す条件下で本発明の本態様に従って宿主を培養するステップと、(b)必要に応じて、発現されたタンパク質を回収するステップを含む。発現されたタンパク質は、無細胞抽出液から回収することもできるが、培養液から回収することが好ましい。
さらなる態様では、本開示は、本開示のタンパク質に選択的に結合する抗体を提供する。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、及びそれらのフラグメントであり得、当業者に既知の技術を使用して作成することができる。本明細書で使用される場合、「選択的に結合する」とは、当業者であれば理解されるように、1つ以上のその他の生物学的分子、構造体、細胞、組織などとは対照的に、抗体が、本開示のタンパク質に優先的に結合することを意味する。
融合タンパク質及び結合体
本発明の例示的なタンパク質は、本発明のデノボACE2タンパク質デコイ及び異種ポリペプチドを含む融合またはキメラポリペプチドとして調製することができる。例示的な異種ポリペプチドは、in vivoで得られるキメラポリペプチドの循環半減期を延長させることができ、したがって、本発明のタンパク質の特性をさらに高めることができる。様々な実施形態では、循環半減期を延長させるポリペプチドは、ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン、またはIgG重鎖可変領域を欠いた抗体のIgGサブクラスのFc領域であり得る。例示的なFc領域は、突然変異(例えば、補体固定及び/またはFc受容体結合を阻害する突然変異)を含み得るか、または溶解性であり得、すなわち、補体に結合できるか、または抗体依存性補体溶解などの別のメカニズムを介して細胞を溶解させることができる。「Fc領域」は、天然に存在するか、またはパパインによるIgGの消化によって産生されるIgG C末端ドメインと相同性のある合成ポリペプチドであり得る。融合タンパク質は、Fc領域全体、またはその一部であるキメラポリペプチドの循環半減期を延長させる能力を保持するより小さな部分を含み得る。加えて、完全長Fc領域またはフラグメント化されたFc領域は、野生型または野生型分子のバリアントであり得る。すなわち、それらは、ポリペプチドの機能に影響を及ぼす場合もあるし、影響を及ぼさない場合もある突然変異を含み得る。例えば、それらは、エフェクター機能を有するか、またはエフェクター機能に関連する1つ以上の活性を低下するか、または完全に排除するように修飾されてもよい。エフェクター機能は、免疫グロブリンアイソタイプによって異なる免疫グロブリンのFc領域に起因し得る生物学的活性を指す。エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、サイトカイン分泌、抗原提示細胞による免疫複合体媒介抗原摂取、細胞表面受容体の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。
いくつかの例示的な実施形態では、本発明のデノボタンパク質は、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域を含む。いくつかの例示的な実施形態では、デノボタンパク質は、バリアントIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域を含む。いくつかの態様では、バリアントFc領域は、エフェクター機能を欠いている。いくつかの態様では、本発明のデノボタンパク質は、Fc領域(例えば、ネイティブまたはバリアントIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4Fc領域)のC末端に融合される。いくつかの態様では、2つの本発明のデノボタンパク質が、Fc領域に(例えば、N及びC末端で)融合される。
その他の実施形態では、本発明のタンパク質は、1つ以上のポリエチレングリコール鎖の結合(PEG化)を含むがこれに限定されない、in vivoでの半減期の延長を促進するために、他の種類の安定化化合物に連結され得る。
これに関して、デノボタンパク質は、タンパク質単独と比べて循環半減期を延長させる水溶性ポリマー(例えば、PEG)との化学的結合を可能にするアミノ酸置換を有する場合がある。「PEG」は、エチレングリコールの水溶性ポリマーであるポリ(エチレングリコール)分子である。PEGは、様々なサイズで入手することができ、タンパク質への共有結合を可能にするために化学反応基で誘導体化された化学的に活性化された形態で商業的に入手することができる。線状PEGは、5,000ダルトン、10,000ダルトン、20,000ダルトン、30,000ダルトン、及び40,000ダルトンの重量平均分子量のPEGポリマーなど、様々な分子量で生成される。分枝型PEGポリマーもまた開発されている。通常用いられる活性化PEGポリマーは、N-ヒドロキシスクシンイミド基(リジン残基及びタンパク質N末端などの第一級アミンへの結合の場合)によって、アルデヒド基(N末端への結合の場合)によって、及びマレイミドまたはヨードアセトアミド基(システイン残基などのチオール類への結合の場合)によって誘導体化されたものである。PEGへの結合のための部分を設計する方法は、当技術分野において既知である。例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)を含む部分の付加は、マレイミド基に連結されたPEG基(例えば、「PEG-MAL」)を、タンパク質のシステイン残基へ結合させることを含み得る。PEG-MALの適切な例としては、例えば、メトキシPEG-MAL 5kD;メトキシPEG-MAL 20kD;メトキシ(PEG)2-MAL 40kD;メトキシPEG(MAL)2 5kD;メトキシEG(MAL)2 20kD;メトキシPEG(MAL)2 40kD;またはこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
本発明のデノボタンパク質に関して、結合に必要ではないアミノ酸をシステインに置き換えて、所望の部分の結合を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ACE2タンパク質デコイは、0~4個のシステインアミノ酸を含むか、またはいくつかの実施形態では、0個もしくは1個のシステインアミノ酸を含む。いくつかのそのような態様では、PEG分子などの水溶性ポリマーは、システイン残基のうち1つ以上(より好ましくは1つ)に連結されている。例えば、連結は、マレイミド基を介することもある。安定性部分への結合のためのシステイン残基の好ましい配置は、安定性部分がACE2コロナウイルススパイクタンパク質への結合を妨げないように、結合部位の遠位(例えば、コロナウイルススパイクタンパク質に対するαヘリックスドメイン及びβヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する構造ドメイン)にある。システイン残基は、安定性部分への結合以外の目的で付加することができ、例えば、2つ以上のシステイン残基を配置させることで、ジスルフィド結合の形成を可能にすることができる。ジスルフィド結合により、いくつかの態様では、ACE2タンパク質デコイに追加の安定性を与えることができる。このような実施形態では、付加されるシステイン残基は、結合部位の遠位にある必要はなく、いくつかの態様では、ACE2タンパク質デコイのN及びC末端にあってもよい。したがって、本発明には、1つ以上のジスルフィド結合を含むACE2タンパク質デコイが含まれる。
いくつかの例示的な実施形態では、PEG基は、ACE2タンパク質デコイのうち任意の1つに存在するシステイン残基に連結される。例えば、(i)システイン残基が11位に存在し、PEG基に連結されたCTC-648のアミノ酸配列;(ii)システイン残基が63位に存在し、PEG基に連結されたCTC-649のアミノ酸配列;(iii)システイン残基が74位に存在し、PEG基に連結されたCTC-650のアミノ酸配列;(iv)システイン残基が11位に存在し、PEG基に連結されたCTC-651のアミノ酸配列;(v)システイン残基が63位に存在し、PEG基に連結されたCTC-652のアミノ酸配列;(vi)システイン残基が74位に存在し、PEG基に連結されたCTC-653のアミノ酸配列;(vii)システイン残基が11位に存在し、PEG基に連結されたCTC-642もしくはCTC-645のアミノ酸配列;(ix)システイン残基が63位に存在し、PEG基に連結されたCTC-643もしくはCTC-646のアミノ酸配列;(x)システイン残基が74位に存在し、PEG基に連結されたCTC-647のアミノ酸配列;(xi)システイン残基が11位に存在し、PEG基に連結されたCTC-693のアミノ酸配列;システイン残基が63位に存在し、PEG基に連結されたCTC-694のアミノ酸配列;またはシステイン残基が74位に存在し、PEG基に連結されたCTC-695のアミノ酸配列、と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、99%または100%の同一性を有するACE2タンパク質デコイを本明細書で提供する。例えば、連結は、マレイミド基を含む、当技術分野で知られている任意の方法論によるものであり得る。
本発明のデノボタンパク質及び異種ポリペプチドを含むキメラポリペプチドは、ターゲッティングドメインを含むキメラポリペプチドを含む場合がある。ターゲッティングドメインは、デノボタンパク質の細胞内局在化を誘導し得る。
ターゲッティングドメインがポリペプチドである場合、ターゲッティングドメインは、目的の1つ以上の標的に結合し、かつ本発明のポリペプチドと結合または会合し得る任意の好適なポリペプチドであり得る。非限定的実施形態では、ターゲッティングドメインは、scFv、F(ab)、F(ab’)、B細胞受容体(BCR)、DARPin、アフィボディ、モノボディ、ナノボディ、ダイアボディ、抗体(単一特異性もしくは二重特異性抗体を含む);RGDインテグリン結合ペプチド、デノボ設計バインダー、アプタマー、二環ペプチド、コノトキシン、葉酸などの小分子、及び細胞表面に結合するウイルスを含むがこれらに限定されない細胞ターゲッティングオリゴペプチドを含み得るがこれらに限定されない。ターゲッティングドメインは、タンパク質と共有結合するか、または非共有結合する場合がある。
別の実施形態では、ターゲッティングドメインは、存在する場合、タンパク質と翻訳融合される。本実施形態では、タンパク質及びターゲッティングドメインは、翻訳融合で互いに直接隣接するか、または使用目的に適したポリペプチドリンカーにより連結され得る。例示的なこのようなリンカーとしては、WO2016178905、WO2018153865、及びWO2018170179に開示されているものが挙げられるが、これらに限定されない。融合タンパク質及び結合体の作成方法は、当技術分野において既知であるため本明細書では詳細に議論しない。
治療の方法
本発明のデノボACE2タンパク質デコイは、ACE2をその受容体として使用するコロナウイルス、例えば、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2に関連する疾患または障害または病態の治療及び/または予防にとって、及び/またはそのような疾患、障害または病態に関連する少なくとも1つの症状の緩和にとって有用である。一実施形態では、本発明のタンパク質は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2感染患者に治療薬量で投与され得る。
ある特定の実施形態において、本発明のタンパク質は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2によって引き起こされる重症及び急性呼吸器感染に罹患している対象を治療するのに有用である。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質は、宿主におけるウイルス価の低下またはウイルス量の減少に有用である。一実施形態では、本発明のタンパク質は、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはACE2を宿主細胞への侵入に利用する別のコロナウイルスを有する対象の肺における炎症を予防または軽減するのに有用である。一実施形態では、本発明のタンパク質は、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはACE2を宿主細胞への侵入に利用する別のコロナウイルスを有する対象の間質炎、細気管支周囲炎もしくは血管周囲炎、肺胞障害及び胸膜病変を予防または軽減するのに有用である。
本発明の1つ以上のタンパク質は、疾患または障害の症状または病態のうち1つ以上の重症度を軽減、または予防し、または低下させるために投与することができる。タンパク質は、SARS-CoVもしくはSARS-CoV-2、またはACE2を宿主細胞への侵入に利用する別のコロナウイルスによる感染の少なくとも1つの症状、例えば、限定はされないが、発熱、咳、息切れ、肺炎、下痢、臓器不全(例えば、腎不全、心不全、及び腎機能異常)、敗血症性ショック及び死亡の重症度を緩和または軽減するために使用することができる。
本発明のタンパク質を、コロナウイルス感染症を発症するリスクのある対象に対して予防的に使用することも本明細書で企図される。いくつかの態様では、対象は、免疫不全の対象、高齢者(65際以上)、医療従事者、ラクダまたはコウモリに職業上または娯楽的に接触した者、コロナウイルス患者の極めて近くにいる家族、コロナウイルス感染が確認されたか、または疑われる者と接触した成人または子供、及び既往歴(例えば、肺感染、心臓疾患または糖尿病のリスクが高いなど)のある患者である。
本発明のさらなる実施形態では、本デノボタンパク質は、コロナウイルス感染に罹患している患者を治療するための医薬組成物または医薬品の調製に使用される。本発明の別の実施形態では、本タンパク質は、コロナウイルス感染を治療または緩和するのに有用であることが当業者に知られている任意の他の薬剤または任意の他の療法を伴う補助療法として使用される。
デノボタンパク質は、本発明のタンパク質と有利に組み合わせることができる任意の追加の治療剤など他の療法と組み合わせることができる。いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質は、コロナウイルス感染患者におけるウイルス量を減少させるか、または感染の1つ以上の症状を緩和するために第2の治療剤と組み合わせることができる。
デノボACE2タンパク質デコイは、患者への投与を可能にする任意の形態であり得る。例えば、固体または液体の形態であり得る。デノボタンパク質は、任意の便利な経路によって、例えば、点滴またはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮膚内層(例えば、口腔粘膜、直腸粘膜及び腸内粘膜など)を介した吸収によって投与され得る。投与は、全身投与または局所投与であり得る。典型的な投与経路としては、経口、局部、非経口、舌下、直腸、膣内、眼球、腫瘍内、及び鼻腔内などが挙げられるがこれらに限定されない。非経口投与としては、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、または点滴技術が挙げられる。一態様では、デノボタンパク質は、非経口投与される。さらに別の態様では、デノボタンパク質は、静脈内投与されるか、または皮下投与される。いくつかの態様では、全身曝露に関連する可能性がある毒性を回避できるため、局所投与が望ましい。したがって、いくつかの好ましい態様では、デノボタンパク質は、局所的に投与される。いくつかの態様では、デノボタンパク質は、例えば、吸入を介して気道に局所的に投与される。吸入は、例えば、エアロゾル吸入器または吸入可能な粉末によるものであり得る。
本発明のタンパク質は、抗炎症薬(例えば、コルチコステロイド、及び非ステロイド抗炎症薬)、抗感染薬、または抗ウイルス薬と組み合わせて使用することができる。いくつかの態様では、本発明のタンパク質は、サイトカイン放出症候群(例えば、サイトカインストーム)を治療するための薬物と組み合わせて使用することができる。
ACE2をその受容体として使用するコロナウイルス、例えば、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2に関連する疾患または障害または病態の治療及び/または予防のために、及び/またはそのような疾患、障害または病態に関連する少なくとも1つの症状の緩和のために、対象に対して本発明の核酸を使用することも本明細書で企図される。一実施形態では、本発明の核酸は、SARS-CoVまたはSARS-CoV-2感染患者に治療薬量で投与され得る。
医薬組成物
医薬組成物は、組成物を患者に投与する際にデノボACE2タンパク質デコイが生物学的に利用可能となるように製剤化することができる。デノボタンパク質は、溶液、懸濁液、乳濁液、微小粒子、錠剤、丸剤、ペレット、カプセル剤、液体含有カプセル剤、粉末剤、徐放性製剤、坐薬、乳状液、エアロゾル、スプレー、懸濁液の形態か、または使用に適した任意の他の形態とすることができる。適切な薬学的担体のその他の例については、E.W.Martinによる「Remington’s Pharmaceutical Sciences」に記載されている。医薬組成物中の有効成分(複数可)の最適投薬量は種々の要因に依存することは、当業者には明らかであろう。関連する要因としては、動物の種類(例えば、ヒト)、ACE2タンパク質デコイの特定の形態、投与方法、及び用いられる組成物が挙げられるがこれらに限定されない。
薬学的に許容される担体または溶媒は、例えば、組成物を錠剤または粉末形態にするために微粒子であり得る。担体(複数可)は、例えば、組成物が経口シロップまたは注射用液体となった状態の液体であり得る。さらに、担体(複数可)は、例えば、吸入投与に有用なエアロゾル組成物を提供するためにガス状または微粒子であり得る。
経口投与を目的とする場合、デノボタンパク質は、固体または液体形態であることが好ましく、半固体、半液体、懸濁液及びゲル形態が、本明細書において固体または液体のいずれかとして見なされる形態の中に含まれる。経口投与用の固体組成物として、組成物は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸剤、カプセル、チューインガム、ウエハースなどの形態に製剤化することができる。このような固体組成物は、典型的には1つ以上の不活性希釈剤を含有する。加えて、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、またはゼラチンなどの結合剤;デンプン、ラクトースまたはデキストリンなどの賦形剤;アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、プリモゲル、トウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはステロテックスなどの潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素などの流動促進剤;ショ糖またはサッカリンなどの甘味剤、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジ香料などの着香剤、及び着色剤のうち1つ以上が存在する場合がある。
組成物がカプセルの形態、例えば、ゼラチンカプセルである場合、該組成物は、上記のタイプの材料に加えて、ポリエチレングリコール、シクロデキストリン、または脂肪油などの液体の担体を含有する場合がある。組成物は、液体の形態、例えば、エリキシル剤、シロップ、溶液、乳濁液、または懸濁液であり得る。液体は、経口投与または注射による投与に有用であり得る。経口投与を目的とする場合、組成物は、甘味剤、保存剤、染料/着色剤及び風味増強剤のうち1つ以上を含む場合がある。注射投与用の組成物は、界面活性剤、保存剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、緩衝液、安定剤及び等張剤のうち1つ以上を含む場合がある。腸溶性コーティングを有するものを含む遅延放出カプセルもまた考えられる。
液体組成物は、溶液、懸濁液、またはその他の類似の形態のいずれであっても、注射用水、生理食塩水、好ましくは生理的食塩水、リンゲル液、等張塩化ナトリウムなどの滅菌希釈剤;溶剤または懸濁媒体として機能することができる合成モノグリセリドもしくはジグリセリド、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリン、プロピレングリコールまたはその他の溶剤などの不揮発性油;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗細菌剤;アスコルビン酸または重硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;酢酸塩、シトレート、またはホスフェートなどの緩衝剤、及び塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節用薬剤のうち1つ以上を含み得る。非経口組成物は、ガラス製、プラスチック製または他の素材製の、アンプル、使い捨てシリンジ、または反復投与バイアルに封入することができる。生理的食塩水は、例示的なアジュバントである。注射用組成物は、滅菌したものであることが好ましい。
別の態様では、本開示は、本開示の1つ以上のタンパク質及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。用語「担体」とは、本発明のデノボタンパク質と共に投与される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を指す。医薬組成物は、例えば、本開示のポリペプチドに加えて、(a)凍結防止剤、(b)界面活性剤、(c)増量剤、(d)等張化剤、(e)安定剤、(f)保存剤、及び/または(g)緩衝液を含んでよい。
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の緩衝液は、トリス緩衝液、ヒスチジン緩衝液、リン酸塩緩衝液、クエン酸塩緩衝液、または酢酸塩緩衝液である。医薬組成物はまた、凍結防止剤、例えば、ショ糖、ソルビトール、またはトレハロースも含んでいてもよい。特定の実施形態では、医薬組成物は、保存剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロルヘキシジン、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、及びそれらの様々な混合物を含む。その他の実施形態では、医薬組成物は、グリシンのような増量剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤、例えば、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80、ポリソルベート-85、ポロキサマー-188、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエートまたはこれらの組み合わせを含む。医薬組成物はまた、等張化剤、例えば、製剤をヒト血液と実質的に等張または等浸透圧にする化合物を含んでもよい。例示的な等張化剤としては、ショ糖、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニン及び塩酸アルギニンが挙げられる。その他の実施形態では、医薬組成物は、安定剤、例えば、目的のタンパク質と組み合わせた場合に、凍結乾燥形態または液体形態の目的のタンパク質の化学的不安定性及び/または物理的不安定性を実質的に防止または低減する分子をさらに含む。例示的な安定剤としては、ショ糖、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニン及び塩酸アルギニンが挙げられる。
タンパク質が医薬組成物中の唯一の活性剤であるか、または組成物は、使用目的に適した1つ以上のその他の活性剤をさらに含んでいてもよい。
疾患を治療するために、タンパク質は、治療に有効な量で提供される。これは、疾患の治療に有効な、または所望の効果を有するタンパク質の量を指す。細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータは、ヒトに用いる投薬量の範囲を算出する際に使用することができる。用法・用量は、最適な所望の応答(例えば、治療効果または予防効果)を与えるように臨床医によって調整され得る。組成物は、1日おきに1回を含む、1日に1回以上~1週間に1回以上投与することができる。当業者は、疾患または障害の重症度、過去の治療、対象の全身の健康状態及び/または年齢、及びその他の疾病の存在を含むがこれらに限定されない特定の要因が、対象を効果的に治療する必要がある投薬量及びタイミングに影響を与え得ることを理解するであろう。さらに、治療に有効な量のポリペプチドによる対象の治療は、単回の治療を含むか、または一連の治療を含む場合がある。
デノボACE2タンパク質デコイの例示的な投薬量範囲は、例えば、0.1μg/kg~100mg/kg体重であるか、あるいは、0.5μg/kg~50mg/kg、1μg/kg~25mg/kg、または5μg/kg~10mg/kg体重であってよい。いくつかの実施形態では、推奨される用量は、特に局所的に投与される場合は、0.1mcg/kg未満であり得る。その他の実施形態では、推奨される用量は、体重/m(すなわち、体表面積)に基づく場合があるか、及び/または固定用量(例えば、.05~100mg)で投与される場合がある。いくつかの態様では、固定用量は、1、3、10または20mgの用量である。ポリペプチドは、単回ボーラスで投与され得るか、または主治医の決定により2回以上(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上の回数)投与され得る。
いくつかの実施形態では、投与は、鼻腔内スプレーを介したものであり、投薬は、固定用量である。いくつかの態様では、固定用量は、0.5、1、2、3、10または20mgの用量である。いくつかの実施形態では、1日1回または1日2回の連日投薬が行われる。
以下の例は、本明細書で提供する本発明の特定の実施形態を説明するために提示するが、限定すると解釈されるべきではない。
ACE2タンパク質-配列番号1
MSSSSWLLLS LVAVTAAQST IEEQAKTFLD KFNHEAEDLF YQSSLASWNY
NTNITEENVQ NMNNAGDKWS AFLKEQSTLA QMYPLQEIQN LTVKLQLQAL
QQNGSSVLSE DKSKRLNTIL NTMSTIYSTG KVCNPDNPQE CLLLEPGLNE
IMANSLDYNE RLWAWESWRS EVGKQLRPLY EEYVVLKNEM ARANHYEDYG
DYWRGDYEVN GVDGYDYSRG QLIEDVEHTF EEIKPLYEHL HAYVRAKLMN
AYPSYISPIG CLPAHLLGDM WGRFWTNLYS LTVPFGQKPN IDVTDAMVDQ
AWDAQRIFKE AEKFFVSVGL PNMTQGFWEN SMLTDPGNVQ KAVCHPTAWD
LGKGDFRILM CTKVTMDDFL TAHHEMGHIQ YDMAYAAQPF LLRNGANEGF
HEAVGEIMSL SAATPKHLKS IGLLSPDFQE DNETEINFLL KQALTIVGTL
PFTYMLEKWR WMVFKGEIPK DQWMKKWWEM KREIVGVVEP VPHDETYCDP
ASLFHVSNDY SFIRYYTRTL YQFQFQEALC QAAKHEGPLH KCDISNSTEA
GQKLFNMLRL GKSEPWTLAL ENVVGAKNMN VRPLLNYFEP LFTWLKDQNK
NSFVGWSTDW SPYADQSIKV RISLKSALGD KAYEWNDNEM YLFRSSVAYA
MRQYFLKVKN QMILFGEEDV RVANLKPRIS FNFFVTAPKN VSDIIPRTEV
EKAIRMSRSR INDAFRLNDN SLEFLGIQPT LGPPNQPPVS IWLIVFGVVM
GVIVVGIVIL IFTGIRDRKK KNKARSGENP YASIDISKGE NNPGFQNTDD
VQTSF
ACE2 H1モチーフ-ST IEEQAKTFLD KFNHEAEDLF YQSSL
ACE2 H2モチーフ-NMNNAGDKWS AFLKEQSTLA QMY
ACE2 βヘアピンモチーフ-DLGK
1~17=シグナルペプチド;18~805=ACE2;18~708=処理済みACE2
SARS-CoVコロナウイルススパイクタンパク質-配列番号2
シグナルペプチド AA 1~13
スパイク S1-14~667
スパイク S2-668~1255 (S2プライムは798~1255)
MFIFLLFLTL TSGSDLDRCT TFDDVQAPNY TQHTSSMRGV YYPDEIFRSD
TLYLTQDLFL PFYSNVTGFH TINHTFGNPV IPFKDGIYFA ATEKSNVVRG
WVFGSTMNNK SQSVIIINNS TNVVIRACNF ELCDNPFFAV SKPMGTQTHT
MIFDNAFNCT FEYISDAFSL DVSEKSGNFK HLREFVFKNK DGFLYVYKGY
QPIDVVRDLP SGFNTLKPIF KLPLGINITN FRAILTAFSP AQDIWGTSAA
AYFVGYLKPT TFMLKYDENG TITDAVDCSQ NPLAELKCSV KSFEIDKGIY
QTSNFRVVPS GDVVRFPNIT NLCPFGEVFN ATKFPSVYAW ERKKISNCVA
DYSVLYNSTF FSTFKCYGVS ATKLNDLCFS NVYADSFVVK GDDVRQIAPG
QTGVIADYNY KLPDDFMGCV LAWNTRNIDA TSTGNYNYKY RYLRHGKLRP
FERDISNVPF SPDGKPCTPP ALNCYWPLND YGFYTTTGIG YQPYRVVVLS
FELLNAPATV CGPKLSTDLI KNQCVNFNFN GLTGTGVLTP SSKRFQPFQQ
FGRDVSDFTD SVRDPKTSEI LDISPCSFGG VSVITPGTNA SSEVAVLYQD
VNCTDVSTAI HADQLTPAWR IYSTGNNVFQ TQAGCLIGAE HVDTSYECDI
PIGAGICASY HTVSLLRSTS QKSIVAYTMS LGADSSIAYS NNTIAIPTNF
SISITTEVMP VSMAKTSVDC NMYICGDSTE CANLLLQYGS FCTQLNRALS
GIAAEQDRNT REVFAQVKQM YKTPTLKYFG GFNFSQILPD PLKPTKRSFI
EDLLFNKVTL ADAGFMKQYG ECLGDINARD LICAQKFNGL TVLPPLLTDD
MIAAYTAALV SGTATAGWTF GAGAALQIPF AMQMAYRFNG IGVTQNVLYE
NQKQIANQFN KAISQIQESL TTTSTALGKL QDVVNQNAQA LNTLVKQLSS
NFGAISSVLN DILSRLDKVE AEVQIDRLIT GRLQSLQTYV TQQLIRAAEI
RASANLAATK MSECVLGQSK RVDFCGKGYH LMSFPQAAPH GVVFLHVTYV
PSQERNFTTA PAICHEGKAY FPREGVFVFN GTSWFITQRN FFSPQIITTD
NTFVSGNCDV VIGIINNTVY DPLQPELDSF KEELDKYFKN HTSPDVDLGD
ISGINASVVN IQKEIDRLNE VAKNLNESLI DLQELGKYEQ YIKWPWYVWL
GFIAGLIAIV MVTILLCCMT SCCSCLKGAC SCGSCCKFDE DDSEPVLKGV
KLHYT
SARS-CoV-2-コロナウイルススパイクタンパク質-GenBank:QHD43416.1-配列番号3
MFVFLVLLPL VSSQCVNLTT RTQLPPAYTN SFTRGVYYPD KVFRSSVLHS TQDLFLPFFS NVTWFHAIHV SGTNGTKRFD NPVLPFNDGV YFASTEKSNI IRGWIFGTTL DSKTQSLLIV NNATNVVIKV CEFQFCNDPF LGVYYHKNNK SWMESEFRVY SSANNCTFEY VSQPFLMDLE GKQGNFKNLR EFVFKNIDGY FKIYSKHTPI NLVRDLPQGF SALEPLVDLP IGINITRFQT LLALHRSYLT PGDSSSGWTA GAAAYYVGYL QPRTFLLKYN ENGTITDAVD CALDPLSETK CTLKSFTVEK GIYQTSNFRV QPTESIVRFP NITNLCPFGE VFNATRFASV YAWNRKRISN CVADYSVLYN SASFSTFKCY GVSPTKLNDL CFTNVYADSF VIRGDEVRQI APGQTGKIAD YNYKLPDDFT GCVIAWNSNN LDSKVGGNYN YLYRLFRKSN LKPFERDIST EIYQAGSTPC NGVEGFNCYF PLQSYGFQPT NGVGYQPYRV VVLSFELLHA PATVCGPKKS TNLVKNKCVN FNFNGLTGTG VLTESNKKFL PFQQFGRDIA DTTDAVRDPQ TLEILDITPC SFGGVSVITP GTNTSNQVAV LYQDVNCTEV PVAIHADQLT PTWRVYSTGS NVFQTRAGCL IGAEHVNNSY ECDIPIGAGI CASYQTQTNS PRRARSVASQ SIIAYTMSLG AENSVAYSNN SIAIPTNFTI SVTTEILPVS MTKTSVDCTM YICGDSTECS NLLLQYGSFC TQLNRALTGI AVEQDKNTQE VFAQVKQIYK TPPIKDFGGF NFSQILPDPS KPSKRSFIED LLFNKVTLAD AGFIKQYGDC LGDIAARDLI CAQKFNGLTV LPPLLTDEMI AQYTSALLAG TITSGWTFGA GAALQIPFAM QMAYRFNGIG VTQNVLYENQ KLIANQFNSA IGKIQDSLSS TASALGKLQD VVNQNAQALN TLVKQLSSNF GAISSVLNDI LSRLDKVEAE VQIDRLITGR LQSLQTYVTQ QLIRAAEIRA SANLAATKMS ECVLGQSKRV DFCGKGYHLM SFPQSAPHGV VFLHVTYVPA QEKNFTTAPA ICHDGKAHFP REGVFVSNGT HWFVTQRNFY EPQIITTDNT FVSGNCDVVI GIVNNTVYDP LQPELDSFKE ELDKYFKNHT SPDVDLGDIS GINASVVNIQ KEIDRLNEVA KNLNESLIDL QELGKYEQYI KWPWYIWLGF IAGLIAIVMV TIMLCCMTSC CSCLKGCCSC GSCCKFDEDD SEPVLKGVKL HYT
実施例1-デノボACE2タンパク質デコイCTC-445及びそのバリアントの設計。
CTC-445のコンピュータ設計 ACE2模倣体のコンピュータ設計を、模倣のためのACE2の構造モチーフの選択、それらの構造モチーフを補助するポリペプチド骨格の設計、作成した骨格を補助する配列の設計、及び実験的な試験対象の設計のセットを減らすための設計のフィルタリング、の4つのフェーズで行った。
模倣のためのACE2の構造モチーフの選択 構造モチーフを取得し、コンピュータ設計及び分析を、1)キメラSARS-CoV+SARS-CoV-2 RBDに結合したACE2の結晶構造(PDB識別番号:6vw1);2)SARS-CoV-2 RBDに結合したACE2のクライオEM構造(PDB識別番号:6m17);または3)SARS-CoV RBDに結合したACE2のクライオEM構造(PDB識別番号:6cs2)の構造のうち1つ以上を使用して実施した。ACE2由来の2つのRBD結合ヘリックスを、複数の構造、1つは残基19~53に及ぶ(「H1」);もう1つは残基55~84に及ぶ(「H2」)から特定及び抽出した。いくつかの設計では、残基346~360に及ぶβヘアピンモチーフも、模倣するモチーフのセットに含めた。これらの構造モチーフを骨格設計の出発点として使用した。これらのモチーフから、最終配列設計に残す残基のセット:19、23、24、27、28、30、31、34、35、37、38、41、42、45、61、64、68、72、75、76、79、82、83、352、353、354、355及び357を選択した。これらの構造モチーフだけでは、ACE2由来の他の二次的構造体要素によって十分に補助されないため、デノボ二次的構造体を結合モチーフに対して配置した。これらの新しい二次的構造体は、設計されるタンパク質に疎水性コアを与え、結合に適した様式で結合モチーフの相対位置及び方向を安定化させる働きをする。補助的な構造体をコンピュータにより生成し、利用可能な方法(例えば、Rosettaコンビナトリアルフラグメントアセンブリ、パラメトリック生成など)で配置するか、または既存の構造体から抽出してコピーを作成した。補助的な二次的構造体をパラメータ的に生成するか、既存の構造体から抽出する場合に、ヘリックスの初期位置及び方向を、目視検査(pymolを使用)により決定し、モンテカルロ探索により洗練し、最適な位置を特定した。
理想的なフラグメントデータベースの構築 デノボ模倣体の骨格の設計のために使用する極めて理想的なフラグメントのデータベースを、7量体データベース用の7062個のPDBを含む、RCSBタンパク質データバンクからの非冗長(一般に入手可能な)タンパク質構造体の広範なデータベースを使用するRosettaアプリケーション「kcenters_clustering_of_fragments」を用いて構築した。
ACE2 RBD結合モチーフを補助する骨格のコンピュータ設計
得られた分離している構造モチーフを、これまでに説明されている(Silva et al.,De novo design of potent and selective mimics of IL-2 and IL-15,Nature 2019,565:186)PyRosettaベースの模倣体プロトコルの入力として使用した。最初に、コア要素(すなわち、開始モチーフ及び補助的な二次的構造体)を、目的のヘリックスのそれぞれを可能な限り近接して反復する二次的構造体が得られ、ヘリックスが湾曲する実現性を可能にするためにφ及びψ角度の「ピッチ」が3番目の残基ごとに許容される、反復性φ及びψ角度(180°に固定したω)のパラメータ方程式を特定することによって再構築した。これらのパラメータ方程式を使用することによって、アルゴリズムは、コア要素のそれぞれの長さを+/-12アミノ酸まで(入力構造モチーフと比較して)変更することができる。次に、全ての長さのバリエーションのコア要素を、極めて理想的なループのクラスター化されたデータベースからのループとペアにして再連結させた(7アミノ酸のフラグメントサイズ;上記の「理想的なフラグメントデータベースの構築」を参照されたい)。二次的構造体要素のペアを連結するために、模倣体を構築するプロトコルは、可能な全ての組み合わせで理想的な要素をペアで再連結させることを目的としている。二次的構造体要素のペアごとに、ループデータベースをフィルタリングし、二次的構造体要素のペアを連結させることができるループを特定した。ループの末端は、コア要素の末端と重ね合わせ、コア要素末端から1.2 A RMSD未満であることが必要であり、個々のループ末端のそれぞれは、対応する個々のコア要素末端から1.5 A RMSD未満である必要があった。ループによって接続されたコア要素を、続いて、直交拘束骨格最小化(cartesian-constrained backbone minimization)によって最小化した。最小化後、その解について、極めて理想的なフラグメントを含み(すなわち、データベースに含まれる2つの連結した要素を構成する重なり合う全てのフラグメント)、骨格が標的(コンテキスト)結合パートナーと衝突しないことを検証した。次に、ペアで連結した成功したコア要素を、同じデータベースのフラグメントを使用してプロファイリングし、各位置において最も確度の高いアミノ酸を決定した(この情報を、各設計のメタデータとしてコードした)。次に、連結した二次的構造体のペアの解を、組み合わせ結合し(グラフ理論連結成分を使用することによって)、完全に連結した骨格を生成した。解の数は要素のペアごとに指数関数的に増加するので、各フラグメント組み合わせ段階で、二次的構造体コア要素のペア間で相互連結が短いもの(すなわち、より短いループで効果的なもの)を優先するように設計をランク付けし、最上位の解のみを保持した。可能なアミノ酸の同一性を層適合性に制限するために、完全に連結した骨格の解を層(界面、コア、非コア表面、表面)ごとにプロファイリングした。最後に、ホットスポット、適合性のある構築したフラグメントアミノ酸、及び層に関する情報の全てを組み合わせた。
コンピュータによる配列設計 完全にプロファイリングしたタンパク質骨格を、柔軟な骨格設計及びフィルタリングのためにRosettaScriptsに通した。配列設計に使用したRosettaエネルギー関数は、「β」であった。骨格設計中に特定した層プロファイルを使用して、配列設計を実施し、各ループ位置でのアミノ酸の最も頻繁な60%の累積割合のみを計算に入れた。骨格ごとに、少なくとも9つの配列を設計した。ACE2タンパク質デコイのCTC-445を、選択して進めた。
CTC-445 :
SAEIDMGKGDFREIRASEDAREAAEALAEAARAMKEALEIIREIAEKLRDSSRASEAAKRIAKAIRKAADAIAEAAKIAARAAKDEDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAEFAKNGDKSRVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG (配列番号47)
酵母ディスプレイスクリーニング EB100酵母を、線状化したpETcon3ベクターと共に、表示されるタンパク質をコードする遺伝子で形質転換した。ベクターを、NdeI及びXhoI(New England Biolabs)によって100倍の過剰消化で線状化し、次に、ゲル抽出(Qiagen)によって精製した。これらの遺伝子は、相同組換えにより、ベクター上のAGA2遺伝子とMycタグとの間のフレームにこれらの遺伝子が配置されるように5’末端及び3’末端の両方でベクターと重複する60塩基を含んでいた。酵母を、一晩SDCAA培地で飽和するまで増殖させ、その後、これまでに説明されているSGCAA培地(Boder and Wittrup,“Yeast Surface Display for Screening Combinatorial Polypeptide Libraries.”Nature Biotechnology 1997 15(6):553-557)で誘導した。12~16時間の誘導後、細胞を冷却したディスプレイ緩衝液(50mM NaPO4 pH7.4、150mM NaCl、1% BSA)で洗浄し、200nMの2019-nCoVスパイク/RBDタンパク質-Fcタグ受容体(Sino Biological;残基Arg319-Phe541)と共に、4℃で攪拌しながらインキュベートした。約30分後、細胞を冷却した緩衝液で再度洗浄し、次いで、FITC複合体化抗Myc抗体(3×10細胞ごとに1μl)及びPE抗ヒトIgG Fc(3×10細胞ごとに5μl)と共に氷上で5分間インキュベートした。続いて、酵母を洗浄し、フローサイトメトリー(guava easyCyte(商標)HT System)で計数するか、蛍光活性化細胞選別(FACS)(Sony SH800)によって選別した。
バリアント設計 CTC-613~636については、設計モデルの目視検査及びヒトACE2との構造アラインメントに基づいて、CTC-445突然変異体のセット及び突然変異体の組み合わせを選択した。CTC-637~CTC-653については、200pMでSARS-CoV-2に結合するCTC-445に基づくプロテアーゼ安定配列を、エラープローンPCR DNAライブラリの酵母ディスプレイによって特定した。選択した配列のプールから、突然変異体のセットを特定し、突然変異体を合理的に組み合わせてCTC-445バリアントのセットにした。
組換えタンパク質発現 タンパク質配列を合成し(IDT)、pET-29b(+)E.Coliプラスミド発現ベクターにクローニングした(C末端6-Hisタグ有り及びタグなしの両方)。タンパク質定量化を支援するために、各構築物の発現配列は、C末端GSGWGSG配列を含んでいた。ACE2タンパク質デコイの2つのクローン、1つの非発現陰性対照、及び陽性対照タンパク質の遺伝子を含むプラスミドを、化学的に受容能のあるE.Coli Lemo21細胞(NEB)に形質転換した。次いで、37℃で1mMのイソプロピルβ-d-チオガラクトピラノシド(IPTG)を用いてタンパク質発現を誘導した。4時間の発現後、サンプルを収集し、PageRuler Plus Prestained Protein Ladderと共にSDS-PAGEゲルに供した。CTC-445は予想した通りの分子量であった(データは示さず)。
バリアントのアミノ酸配列は、記載の置換(複数可)以外は、CTC-445のアミノ酸配列と同じである。システイン残基を有する選択バリアントをPEG化した。簡単に述べると、タンパク質をイミダゾール緩衝液で精製し、Centripep(10K MWCO)を用いてpH7.4のPBSに緩衝液交換した。TCEPを10倍モル過剰で1mgのサンプルに添加した。摂氏37度で30分間インキュベーションを行った。マレイミド-PEG(20Kリンカー及び40K分枝鎖)をPBS中に溶解し、サンプルに10倍過剰で添加し、12時間インキュベートした。未反応のマレイミドを除去し、SECによって精製した。
Figure 2023521706000030
Figure 2023521706000031
Figure 2023521706000032
Figure 2023521706000033
実施例2-CTC-445のSARS-CoV-2スパイクタンパク質への結合及び競合アッセイ:酵母ディスプレイ
EB100酵母を形質転換し、実施例1に記載したように誘導した。12~16時間の誘導後、ヒトACE2を発現する細胞(「データ1」)またはNeoleukinのCTC-445(「データ2」)を冷却したディスプレイ緩衝液(50mM NaPO4 pH7.4、150mM NaCl、1% BSA)で洗浄し、0~80nMの2019-nCoVスパイク/RBDタンパク質-mFcタグ受容体(Sino Biological;残基Arg319-Phe541)と共に、4℃で攪拌しながらインキュベートした。約30分後、細胞を冷却した緩衝液で再度洗浄し、次いで、FITC複合体化抗Myc抗体(3×10細胞ごとに1μl)及びPE抗マウスIgG Fc(3×10細胞ごとに5μl)と共に氷上で5分間インキュベートした。続いて、酵母を洗浄し、フローサイトメトリー(guava easyCyte(商標)HT System)で計数した。次に、ヒトACE2を発現する細胞及び試験ACE2タンパク質デコイ(「データ5」)を、9nMの2019-nCoVスパイク/RBDタンパク質-Fcタグ受容体及び0~750nMの可溶性ヒトACE2と共にインキュベートした。図2A~Fは、酵母ディスプレイによる、陽性対照、陰性対照、及びCTC-445のSARS-CoV-2スパイクタンパク質への結合を示しており、図3A~Dは、対照ヒトACE2及びデノボタンパク質CTC-445が、2019-nCoVスパイク/RBDタンパク質に結合することと、結合に関して可溶性ACE2と競合し得ることを示している。
実施例3-デノボACE2タンパク質デコイの特性評価
CTC-445バリアントを、発現レベル(0~5)、溶解度(0~5)、及びバイオレイヤー干渉測定を介した結合親和性(0~5)に関して特性評価した。凝集傾向は、サイズ排除クロマトグラフィー中に、大きな分子量の凝集体またはオリゴマーが存在したかどうかを示し、分析サイズ排除クロマトグラフィーによって単量体及びオリゴマー種のピーク面積を比較することで非単量体タンパク質の割合を測定した。
複数角度光散乱によるサイズ排除クロマトグラフィー(SEC-MALS)。インライン静的光散乱装置(MiniDawn,Wyatt Technology)及び微分屈折インデックス(Optilab rEX,Wyatt Technology)及び紫外検出システムに連結された、Superdex 75 10/300サイズ排除カラム(GE Healthcare)を備えた1260 infinity II LC HPLCシステム(Agilent Technologies)を使用してSEC-MALSアッセイを実施した。タンパク質サンプルを、2~4mg/mLの範囲の濃度でPBS緩衝液内で調製し、0.22μm注射器フィルターで濾過し;100μLのサンプルを注入し、0.5mL/分の流速で実行した。ソフトウエアASTRA 7(Wyatt Technologies)を使用してデータを分析した。SEC-MALSは、CTC-445バリアントCTC-632、633、634、642、643、及び644が、ほとんど凝集したか、オリゴマーであり、かつCTC-635、636、637、639、640、641,643、644、646、648、649、650、651、652、及び653は、ほとんどが単量体であったことを示した(データは示さず)。データを下記表に示す。
バイオレイヤー干渉測定。精製されたACE2タンパク質デコイのOctet結合アッセイ。Octet RED96(ForteBio)で結合データを収集し、機器の統合ソフトウエアで1:1結合モデルを使用して処理した。SARS-CoV-2スパイクタンパク質(RBDドメインのみ、mFcタグ、Sino Biological)を、結合緩衝液中(10mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、3mM EDTA、0.05%界面活性剤P20、0.5%脱脂乾燥乳)に2μg ml-1でタンパク質Aセンサー(ProtA、ForteBio)に固定した。結合緩衝液単独でのベースライン測定後、バイオセンサーを定めた濃度の設計したタンパク質(2.4~200nM)を入れたウェルに浸漬(会合)し、続いて、センサーをベースラインウェルに戻して浸漬(解離)することによって結合反応速度をモニタリングした。下記の表5において、値1は、CTC-445に類似した結合を示し;1を上回る値は、CTC-445よりも強い結合を示し;1未満の値は、CTC-445よりも弱い結合を示し;4以上の値は、非常に強い結合を示す。N.D.の表記は、結合スクリーニングで試験をしたが、アッセイは意図した通りに機能せず、決定的な結果につながらなかったことを意味する。これらのタンパク質は凝集している可能性があると考えられている。図4、5A~H、6A~H、及び7A~Hは、OctetによるCTC-445及び選択CTC-445バリアントのSARS-CoV-2スパイクタンパク質への結合を示している。
Figure 2023521706000034
Figure 2023521706000035
Figure 2023521706000036
実施例4-デノボタンパク質デコイCTC-445、CTC-445.2及びCTC-445.2dの結合反応速度及び安定性
CTC-445及び選択バリアントの熱安定性を円偏光二色性を使用して測定した。0.2mg ml-1のタンパク質濃度(本文で特に言及されていない限り)で0.1mmパス長のキュベット内のPBS緩衝液(pH7.4)中でCHIRASCANスペクトロメータV100(Applied Photophysics)を用いて遠紫外円偏光二色性測定を実行した。温度溶解物を、20~95℃で得て、222nm(1分あたり0.5℃のステップ、ステップごとに30秒の平衡化)で吸収シグナルをモニタリングした。波長スキャン(195~250nm)を、20℃、95℃、及びリフォールディング後(おおよそ5分)に再度20℃で収集した。熱溶解を下記式に当てはめて融解温度(T)値を計算した。
Figure 2023521706000037
式中、fはアンフォールディング状態のタンパク質の割合であり、ΔHvHはアンフォールディングプロセスに関連するエンタルピー変化であり、yN及びmNは天然状態のシグナル及び温度による依存性を表し、yD及びmDはアンフォールディング状態のシグナル及び温度による依存性を表し、かつRは気体定数である。C末端トロンビン部位及び6×Hisタグに融合したCTC-445、CTC-445.2、またはCTC-445.2dの熱誘導融解を、20℃~95℃の温度範囲にわたって(加熱速度2℃/分)208nmでのその円偏光二色性シグナルによって追跡した。図8は、CTC-445(8A)、CTC-445.2(8B)、及びCTC-445.2d(8C)の結果を示している。挿入図は、20℃、95~99℃まで加熱した後(破線)、及び加熱したサンプルを20℃まで冷却した後の、CTC-445.2のUV波長スペクトルを示している。冷却するとすぐに、完全な楕円率スペクトル回復(完全な可逆性)が観察された。
連続熱ランピングタンパク質安定性。CTC-445、CTC-445.2、CTC-445.2d及びhACE2(Sino Biological)のアンフォールディング可逆性(熱処理回復)を試験するために、連続熱ランピングアッセイを実施し、この目的のために、UNCLEプラットフォーム(Unchained Labs)を使用した。8.8μLのCTC-445、CTC-445.2及びCTC-445.2dを、0.5mg/mLでキャピラリーキュベットに充填し、温度を繰り返し上げ下げしながら各サンプルの蛍光スペクトル(約300~400nm)を測定した。昇温は、20℃から35℃へ、20℃から50℃へ、20℃から65℃へ、20℃から80℃へ、20℃から95℃へ、20℃から80℃へ、20℃から65℃へ、20℃から50℃へ、及び20℃から35℃への順で行った。全てのサンプルは、PBS緩衝液pH7.4中にあった。UNCLE分析プログラム(Unchained Labs)を使用して、各蛍光スペクトルの重心平均(BCM)を計算した。同じ値のBCMが、3つのタンパク質の加熱と冷却の繰り返しサイクルの前後に観察された(図9A~C)。
固定したSARS-CoV-2 SのRBDに対するCTC-445、CTC-445.2(左)、及びCTC-445.2d(右)のOctet結合アッセイを図10に示す。ビオチン化及びHisタグ付けしたSARS-CoV-2 SのRBDを、Anti-Penta-HIS(HIS1K,ForteBio)に固定し、様々な濃度のACE2デコイと共にインキュベートした。バイオセンサーを定めた濃度(4.7~300nM)のCTC-445、CTC-445.2、CTC-445.2dを入れたウェルに浸漬(会合)し、続いて、センサーをベースラインウェルに戻して浸漬(解離)することによって結合反応速度をモニタリングした。CTC-445及びCTC-445.2について、1:1結合モデルを使用して結果を全体的に適合させた(K=646及び25nM、kon=8.6×10及び4.5×10-1-1、koff=5.5×10-2及び1.1×10-2-1)。CTC-445.2dについて、2:1結合モデルを使用して結果を全体的に適合させた(K≦7.0nM、kon=3.0×10-1-1、koff≦2.0×10-3-1)。挿入図は、各濃度での正規化した反応の定常状態結合を示している。
実施例5-ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質RBDの結合を阻害するCTC-445
SARS-CoV2 Sタンパク質RBDを、0.5μg/mL(100μL/ウェル)で、底面が平らで透明な高結合ポリスチレン96ウェルプレート(Thermo,カタログ番号15041)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで3回洗浄し、37℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。ブロックインキュベーション中、CTC-445については20μM(最終の2倍)から開始し、陽性対照阻害剤(Acro)については360nM(最終の2倍)から開始して、各試験物質の3倍7回階段希釈液を調製した。全ての試験物質について、最終回の濃度を3倍ではなく10倍に希釈した。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、0.3μg/mL(3.44nM)から開始してビオチン-hACE2の2倍階段希釈を実施することによって調製した。0.3μg/mLのビオチン-hACE2から、0.06μg/mL(最終の2倍)の一定濃度物を調製し、試験物質による阻害に使用した。ブロック後、アッセイプレートを洗浄し(3回)、各試験物質希釈液を50μL/ウェルでプレートに添加した後、50μL/ウェルのビオチン-hACE2を添加した(最終0.03μg/mL)。試験物質をビオチン-hACE2と共に37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し(3回)、続いて、0.1μg/mL(100μL/ウェル)ストレプトアビジンHRPを37℃で1時間インキュベートした。最後のプレートの洗浄を行い(3回)、その後、100μL/ウェルTMB(abCam,カタログ番号171524)を添加した。TMBを7分間インキュベートし、50μL/ウェルの1M HClを添加して反応を停止させた。各ウェルの平均吸光度を、450nmで4箇所から測定した。IC50の結果を、下記の表6に示す。
Figure 2023521706000038
実施例6-ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質RBDの結合を阻害する選択CTC-445バリアント
SARS-CoV2 Sタンパク質RBDを、0.5μg/mL(100ul/ウェル)で、底面が平らで透明な高結合ポリスチレン96ウェルプレート(Thermo,カタログ番号15041)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで3回洗浄し、37℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。表7に示す各CTC-445バリアントについては4uM(最終の2倍)から開始し、陽性対照阻害剤(Acro)については360nM(最終の2倍)から開始して、各試験物質の3倍6回階段希釈液を調製した。全ての試験物質について、最後の2回の濃度を3倍ではなく10倍に希釈した。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、0.1μg/mL(1.15nM)から開始してビオチン-hACE2の3倍階段希釈を実施することによって調製した。0.1μg/mLのビオチン-hACE2から、0.066μg/mL(最終の2倍)の一定濃度物を調製し、試験物質による阻害に使用した。ブロック後、アッセイプレートを洗浄し(3回)、各試験物質希釈液を30ul/ウェルで(2ウェルずつ)プレートに添加した後、30ul/ウェルのビオチン-hACE2を添加した(最終0.033μg/mL)。試験物質をビオチン-hACE2と共に37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し(3回)、続いて、0.1μg/mL(100ul/ウェル)ストレプトアビジンHRPを37℃で1時間インキュベートした。最後のプレートの洗浄を行い(3回)、その後、100ul/ウェルTMB(abCam,カタログ番号171524)を添加した。TMBを7分間インキュベートし、50ul/ウェルの1M HClまたは等価物を添加して反応を停止させた。各ウェルの平均吸光度を、450nmで4箇所から測定した。IC50の結果を、下記の表7に示す。

Figure 2023521706000039
実施例7-ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質RBDの結合を阻害する選択PEG化及び非PEG化CTC-445バリアント
SARS-CoV2 Sタンパク質RBDを、0.5μg/mL(100ul/ウェル)で、底面が平らで透明な高結合ポリスチレン96ウェルプレート(Thermo,カタログ番号15041)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで3回洗浄し、37℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。以下の表8に示す各選択CTCバリアントについては4uM(最終の2倍)から開始し、陽性対照阻害剤(Acro)については360nM(最終の2倍)から開始して、各試験物質の4倍6回階段希釈液を調製した。全ての試験物質について、最後の2回の濃度を3倍ではなく10倍に希釈した。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、0.1μg/mL(1.15nM)から開始してビオチン-hACE2の3倍階段希釈を実施することによって調製した。0.1μg/mLのビオチン-hACE2から、0.066μg/mL(最終の2倍)の一定濃度物を調製し、試験物質による阻害に使用した。ブロック後、アッセイプレートを洗浄し(3回)、各試験物質希釈液を30ul/ウェルで(2ウェルずつ)プレートに添加した後、30ul/ウェルのビオチン-hACE2を添加した(最終0.033μg/mL)。試験物質をビオチン-hACE2と共に37℃で1時間インキュベートした。その後、プレートを洗浄し(3回)、続いて、0.1μg/mL(100ul/ウェル)ストレプトアビジンHRPを37℃で1時間インキュベートした。最後のプレートの洗浄を行い(3回)、その後、100ul/ウェルTMB(abCam,カタログ番号171524)を添加した。TMBを7分間インキュベートし、50ul/ウェルの1M HClまたは等価物を添加して反応を停止させた。各ウェルの平均吸光度を、450nmで4箇所から測定した。(注意:CTC-654及びCTC-655の開始濃度は、実験後に調整し、開始濃度を2uMではなく6uM超とした。)IC50の結果を、下記の表8に示す。
Figure 2023521706000040
実施例8-ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質RBD(及びSARS-CoV-1スパイクタンパク質RBD)の結合を阻害する選択CTC-445バリアント
SARS-CoV2 Sタンパク質受容体結合ドメイン(RBD)(Acro Biosystems,カタログ番号EP-105)またはSARS-CoV-1 Sタンパク質RBD(Acro Biosystems,カタログ番号SPD-S52H6)を、0.5μg/mL(100ul/ウェル)で、底面が平らで透明な高結合ポリスチレン96ウェルプレート(ThermoFisher,カタログ番号15041)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、各アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで3回洗浄し、37℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。翌日、最終濃度の2倍の濃度から各試験物質の12回階段希釈液を調製した。試験物質については、4μMから開始して3倍階段希釈を実施した。ヒトACE2(SinoBiological,カタログ番号10108~H08B)については、0.8μMから開始して3倍階段希釈を行った。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、0.174μg/mL(2nM)から開始して2倍階段希釈を実施することによって調製した。0.174μg/mLのビオチン-hACE2から、0.07μg/mL(0.8nM、最終の2倍)の一定濃度物を調製し、試験物質による阻害に使用した。ブロック後、各アッセイプレートを洗浄し(3回)、各試験物質希釈液を50μL/ウェル(濃度ごとに単一複製ウェル)でプレートに添加した後、50μL/ウェルのビオチン-hACE2を添加した(最終0.035μg/mL)。試験物質を0.4nMのビオチン-hACE2と共に37℃で1時間インキュベートした。その後、各アッセイプレートを洗浄し(3回)、続いて、0.1μg/mL(100μL/ウェル)ストレプトアビジンHRPを37℃で1時間インキュベートした。最後に、各プレートを洗浄し(3回)、その後、100μL/ウェルTMB(abCam,カタログ番号171524)を添加した。TMBを7~8分間インキュベートし、50μL/ウェルのTMB Stop Solution(abCam,カタログ番号ab171529)を添加して反応を停止させた。各ウェルの平均吸光度を、450nmで4箇所から測定した。
表9に示すように、試験した構築物の全ては、ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質の結合を阻害した。CTC-654は、ヒトACE2へのSARS-CoV-1スパイクタンパク質の結合も阻害した。
Figure 2023521706000041
実施例9-ヒトACE2へのSARS-CoV-2スパイクタンパク質RBDの結合を阻害するCTC-445バリアント
ヒトACE2へのSARS-Cov-2スパイクタンパク質の結合の阻害に関して、追加のCTC-445バリアントを十分に前述したように評価した。表10Aに示すように、試験した構築物は、ヒトACE2へのSARS-Cov-2スパイクタンパク質の結合を、30nM未満、及びほとんどの場合15nM未満のIC50で阻害した。CTC-708に関する図19Cも参照されたい。

Figure 2023521706000042
ヒトACE2へのSARS-Cov-2スパイクタンパク質の結合の阻害に関して、追加のタンパク質デコイを下記のように評価した。
SARS-CoV-2 Sタンパク質(D614G)、Hisタグ、超安定(Acro Biosystems,カタログ番号SPD-C52H3)を、0.5μg/mL(50ul/ウェル)で、底面が平らで白色の高結合ポリスチレン96ウェルプレート(LumiNunc MaxiSorp Thermo Scientific,カタログ番号437796)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、各アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで4回洗浄し、600rpmに設定した振盪装置上で21℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。最終濃度の2倍の濃度から各試験物質の12回階段希釈液を調製した。試験物質については、220nMから開始して0.107nMで終了する2倍階段希釈を実施した。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、600ng/mL(68.81nM、最終の2倍)から開始して0.585ng/ml(6.71pM)で終了する2倍階段希釈を実施することによって調製した。600ng/mLのビオチン-hACE2から、80ng/mL(0.92nM、最終の2倍)の一定濃度物を調製し、各試験物質希釈液による阻害に使用した。各試験物質希釈液を90μL/ウェルでU底ポリスチレンプレートに添加した後、90μL/ウェルのビオチン-hACE2を添加し(最終0.46nM)、よく混合した。ビオチン-hACE2用量反応物を等量のアッセイ緩衝液と混合した。ブロック後、各アッセイプレートを洗浄し(4回)、試験物質希釈液を50μL/ウェルで2ウェルずつプレートに添加した。試験物質を0.46nMのビオチン-hACE2と共に600rpmに設定した振盪装置上で21℃で1時間インキュベートした。その後、各アッセイプレートを洗浄し(4回)、続いて、ストックから1:1000希釈で調製したストレプトアビジンHRP(R&D Systems,DY998)を21℃で1時間インキュベートした。最後に、各プレートを洗浄し(4回)、その後、等量のルミノール及びペルオキシド溶液(EMD Millipore,カタログ番号ELLUF0100)と事前に混合した70μL/ウェルのLuminataForte ELISA HRP化学発光基質を添加した。基質を600rpmに設定した振盪装置上で20~30分間インキュベートした。各ウェルの平均発光を、Tecan Infinite M1000マイクロプレートリーダーで450nmで4箇所から測定した。各試験物質の最大半数阻害濃度(IC50)を、GraphPad Prismソフトウエアで1/Y加重した4パラメータロジスティック(4PL)回帰モデルを使用して測定した。
Figure 2023521706000043
タンパク質デコイを発現させて、精製し、本明細書に記載するようにOctetを介して結合について試験した。結果を表10Cに示す。

Figure 2023521706000044
CTC-726の連続複製バージョンを含む二価ACE2タンパク質デコイのACE2タンパク質デコイユニット間の最適なアミノ酸リンカー長を決定するために、10アミノ酸、20アミノ酸、30アミノ酸、50アミノ酸、及び60アミノ酸GSリンカーを使用して、2つのデコイユニットを連結させた。IC50を上述したように決定した。タンパク質デコイを発現させて、精製し、本明細書に記載するようにOctetを介して結合について試験し、約1nMの推定Kdを有すると決定した。

Figure 2023521706000045
実施例10-分子量に対するCTC-445バリアントの効力。
SARS-CoV-2 S/RBDへの結合に関するCTC-445バリアントのIC50値を、0.033nMのビオチン化可溶性hACE2の存在下でELISAによって測定した。RBDに結合したhACE2を、ストレプトアビジンHRPで処理し、450nmでの吸光度を測定することによって定量化した。SARS-CoV2 Sタンパク質RBD(Acro,カタログ番号EP-105)を、0.5μg/mL(100μL/ウェル)で、底面が平らで透明な高結合ポリスチレン96ウェルプレート(Thermo,カタログ番号15041)中で4℃で一晩コーティングした。翌日、各アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで3回洗浄し、37℃で1~1.5時間、2%BSA/0.05%Tween-PBSでブロックした。翌日、2μM(最終の2倍)から開始して、各試験物質の11回4倍階段希釈液を調製した。加えて、ビオチン-hACE2の用量反応物を、0.174μg/mL(2nM)から開始して2倍階段希釈を実施することによって調製した。0.174μg/mLのビオチン-hACE2から、0.07μg/mL(0.8nM、最終の2倍)の一定濃度物を調製し、試験物質による阻害に使用した。ブロック後、各アッセイプレートを洗浄し(3回)、各試験物質希釈液を50μL/ウェル(濃度ごとに単一複製ウェル)でプレートに添加した後、50μL/ウェルのビオチン-hACE2を添加した(最終0.035μg/mL)。試験物質を0.4nMのビオチン-hACE2と共に37℃で1時間インキュベートした。その後、各アッセイプレートを洗浄し(3回)、続いて、0.1μg/mL(100μL/ウェル)ストレプトアビジンHRPを37℃で1時間インキュベートした。最後に、各プレートを洗浄し(3回)、その後、100μl/ウェルTMB(abCam,カタログ番号171524)を添加した。TMBを7~8分間インキュベートし、50μL/ウェルのTMB Stop Solution(abCam,カタログ番号ab171529)を添加して反応を停止させた。各ウェルの平均吸光度を、450nmで4箇所から測定した。結果を図11に示す。
実施例11-VSV-lucシュードウイルス中和
ホタルルシフェラーゼ遺伝子を有し、Wuhan-1 SARS-CoV-2分離株(GenBank:QHD43416.1)由来のスパイクタンパク質を発現する非複製VSVシュードウイルスを使用して、中和活性を判定した。中和アッセイは、SARS-CoV-2/VSV-Luc(シュードウイルスの表面上でSARS-CoV-2スパイクタンパク質の完全外部ドメインを発現する)またはVSVg/VSV-Luc(VSVgを発現する)のいずれかを用いて実施した。前日にハイグロマイシン(100μg/mL)の存在下で3万個の293T-ACE2細胞を白色プレートに接種した。中和アッセイの当日、シュードウイルスを含む25μLの培地を、異なるプレートで試験品の25μL階段希釈液と混合し、次いで、37℃で1時間インキュベートした。シュードウイルス及び試験品の希釈は、5%熱不活化ウシ胎児血清(DMEM5)を含むDMEM培地で行った。60分間のインキュベーション後、試験品/シュードウイルス混合物を、293T-ACE2細胞に添加した。24時間感染させた。ホタルルシフェラーゼ活性を、Briteliteレポーター遺伝子アッセイ(Perkin Elmer)を使用して24時間モニタリングした。
試験品を、連続3倍希釈を使用して2回ずつ評価した。対照は、スパイクタンパク質を欠くVSVシュードウイルス(NoEnv/VSV-Luc)、VSVgを有するシュードウイルス(VSVg/VSV-Luc)に感染した細胞、または感染していない細胞(「模擬感染」)を含んでいた。シュードウイルス感染細胞を、試験品または溶媒単独(DMEM5)と共にインキュベートした。いくつかのウェルは、COVID-19(COV+)から回復した回復期患者の血漿の希釈液と、または対照プラズマ(COV-)と共にインキュベートしたシュードウイルスによって攻撃された細胞を含んでいた。COV+から血液を採取する前に、この患者はRT-PCRによってSARS-CoV-2に感染していることが確認されており、SARS-CoV-2スパイク(S)に対するIgGの存在についても、ラテラルフロー抗体試験によって評価した。COV-血漿は、S抗体に対してPCR陰性及びIgG陰性のものから誘導した。
模擬感染細胞の平均RLU値を、全ての値から差し引いた(「模擬減算値」)。溶媒の存在下で感染したサンプルの平均RLU値を得た。データポイントごとに、模擬値を差し引いた後、その値を、溶媒単体の存在下の感染細胞の平均値で除算し、続いて、100を乗算して、溶媒単独とのサンプルに対して正規化した感染性パーセント値を得た。2回の標準偏差と共に濃度ごとの平均感染性パーセントを、生成された2回の値から得た。
GraphPad Prismを用いて、50%阻害濃度(IC50)を決定した。IC50を、試験品の不在下でシュードウイルスに感染した細胞での値と比較して、相対発光量(RLU)が50%減少した試験品の濃度として定義した。細胞生死判別アッセイ(右)を並行して行った。CTC-445.2及びCTC-445.2d(図12A~B)ならびにCTC-445.2d及びCTC-445.3d(図21A~C)を使用してアッセイを実施した。CTC-445.2、CTC-445.2d、及びCTC-445.3dは、SARS-CoV-2を発現するVSVシュードウイルスを中和した。VSVgを発現するHEK293T細胞におけるシュードウイルス感染のCTC-445.2d及びCTC-445.3dによる阻害は観察されず、検出可能なHEK293細胞生存率の減少はなく、SARS-CoV-2のRBDに対する特異性が実証された。
実施例12-デノボデコイの薬物動態
8週齡のBalb/cマウス(Charles River)をイソフルランで麻酔し、30μLのCTC-445.2dを鼻腔内投与した。指定の時間にマウスを安楽死させ全血及び肺を単離した。全血を遠心分離にかけ、別々のチューブにピペットで分注することによって血漿を細胞から分離し、その後凍結した。Precellys組織ホモジナイザー(Bertin)を使用して、組織の機械的破壊、それに続くプロテアーゼ/ホスファターゼ阻害剤カクテル(ThermoFisher)を含んでいるT-PER組織溶解緩衝液(ThermoFisher)による溶解によって、肺溶解物を調製した。溶解物を、遠心分離によって清澄化し、分析のために凍結した。標準的な96ウェルMSD(L15XA)プレートを、0.5μg/mLのタグなしSARS-CoV-2 Sタンパク質RBD(Sino,40592-VNAH)の50μLで4℃で一晩、事前にコーティングし、密封した。キャプチャー試薬の希釈液を、PBSで調製した。翌日、アッセイプレートを0.05%Tween-PBSで洗浄し(6回)、室温で最低2時間、150μL/ウェルMSD遮断剤A(5%タンパク質-PBS溶液)でブロックした。インキュベーション期間中ずっと、プレート振盪を実施した。ブロックインキュベーション中、未処置の肺溶解物または未処置の血漿のいずれかで10,000ng/mLでCTC-445.2dの4倍階段希釈を実施することによって標準曲線を作成した。アッセイプレートへの添加の前に、各サンプル及び標準物質をアッセイ希釈緩衝液(0.5%MSD遮断剤A)中に5倍(MRD=5)に希釈した。さらに、サンプルを別々のウェルで10倍に希釈した。ブロック後、アッセイプレートを洗浄し(6回)、50μL/ウェルの各サンプルまたは標準物質希釈液を添加した。アッセイプレートを、プレートを振盪させながら室温でさらに1時間インキュベートし、その後、洗浄した(6回)。検出には1段階検出法を使用した。1段階検出と共に、ウサギ抗His mAb(RevMab,31-1048-00)及びSULFOTAGヤギ抗ウサギIgG(H+L)pAb(MSD,R32AB)をそれぞれ1μg/mLで1時間混合し、その後、50μL/ウェルでアッセイプレートに添加した。最後の洗浄後、150μL/ウェルのMSD Gold Read Bufferを添加し、MSD Quickplex SQ120で発光を測定した。標準曲線に基づいて、発光を濃度に変換した。図13は、鼻腔内投与後の、マウス肺(上)及び血漿(下)におけるCTC-445.2dのバイオアベイラビリティを示している。肺溶解物及び血漿におけるタンパク質濃度を、Meso Scale Discoveryプラットフォームを使用して定量化した。結果は、肺においてCTC-445.2dの完全な機能性が24時間以上にわたって高度に維持されることを示した。鼻腔内投与経路を使用したのにもかかわらず、CTC-445.2dが血中で観察され、鼻腔内送達がタンパク質へのある程度の全身曝露も可能にする可能性が高まった。
実施例13 ACE2機能アッセイ。
ACE2酵素活性の阻害を、ACE2 Inhibitor Screening Kit(Promocell,Heidelberg,Germany)を使用して実施した。50μLのACE2酵素溶液を、96ウェル白色壁プレート(Corning,New York)の各ウェルに添加した。試験用サンプルを、8段階の1~4階段希釈によって、最高濃度の所与のアッセイ緩衝液で20μMに希釈した。DX600をACE2阻害剤陽性対照として使用した。10μLの希釈したサンプルをACE2酵素溶液に添加し、室温で15分間インキュベートした。その後、40μLのACE2基質混合物を各ウェルに添加した。15分後、320nm励起フィルター及び420発光フィルターを備えたInfinite M1000プレートリーダー(Tecan Mannedorf,Switzerland)で蛍光を測定した。蛍光値を陰性対照を使用して正規化した。図14は、Mca-APK(DNP)基質からの遊離蛍光体の酵素的放出によって測定したACE2機能的活性を示している。陽性対照としてDX600ペプチドを使用してACE2阻害を示した。このアッセイは、デノボ設計タンパク質がACE2の機能的活性に大きな影響を与えないことを示している。
実施例14 SARS-1結合。
CTC-445.2及びCTC-445.2dのSARS-CoV-1RBDへの結合反応速度を、本明細書に記載するようにOctetによって測定した。CTC-445.2(左)及びCTC-445.2d(右)をAnti-Penta_HISセンサーに固定されたSARS-CoV-1 S RBDと共にインキュベートし、様々な濃度のCTC-445.2(123~10000nM;左)及びCTC-445.2d(82~6667nM;右)をインキュベートした。前述したように、結果を、CTC-445.2(K=3864nM、kon=1.0×10-1-1、koff=3.9×10-1-1)及びCTC-445.2d SARS-CoV-1 S RBD(K=1280nM、kon=3.7×10-1-1、koff=4.7×10-1-1)について全体的に適合させた。図15及び表11を参照されたい。
Figure 2023521706000046
実施例15-CTC-445.2のSARS-CoV-2RBD変異体への結合反応速度。
5個のSARS-CoV-2 RBD変異体をAnti-Penta-Hisセンサーを介して固定し、溶液でCTC-445.2を滴定した。RBD変異体ごとにデータを1:1モデルに全体的に適合させた。図16は、CTC-445.2が各変異体に結合することを示している。
実施例16-細胞保護作用アッセイ
PBS中の試験化合物は50μg/mLゲンタマイシン及び2%FBSを含むMEM溶液中で8つの濃度で調製した。試験材料CTC-640及びCTC-641を、50μMの高試験濃度及び7連続3倍希釈を使用して評価した。CTC-655を、10μMの高試験濃度及び7連続3倍希釈を使用して評価した。残りの試験物質を、20μMの高試験濃度及び7連続3倍希釈を使用して評価した。有効性向けに3ウェルずつ、細胞毒性作用向けに2ウェルずつ、各濃度の100マイクロリットルを添加した。各希釈液を、80~100%コンフルエントなVero76細胞(ウェルあたり3×104個の細胞)を含む96ウェルプレートの5ウェルに添加し、37℃/5%CO2で2時間インキュベートした。SARS-CoV-2ウイルス(USA-WA1/2020株)を、4日で80%を超える細胞変性効果(CPE)をもたらすであろう可能な限り低い感染多重度(MOI;0.002)を達成するように調製した。各希釈液の3つのウェルをウイルスに感染させ、2つのウェルを毒性対照として未感染のままにした。未処置のウイルス対照ウェルが4日間の感染の後に最大細胞変性効果(CPE)に到達した後、プレートを中性赤色染料で約2時間染色し、次いで、上澄液染料を取り除き、取り込まれた染料を50:50Sorensenクエン酸緩衝液/エタノールに抽出し、分光光度計で読み取りを行った。細胞及びウイルス対照に基づいてOD値を正規化し、続いて、EC50(50%有効濃度)及びTC50(50%毒性濃度)を、回帰分析によって計算した。結果を表12に示す。
Figure 2023521706000047
実施例17-融合タンパク質
CTC-702を、IgG1 FcドメインのC末端に融合させた。融合タンパク質を発現させて、精製し、本明細書に記載するようにOctetを介して結合について試験した。1:1結合モデルを使用して結果を全体的に適合させた(Kd=0.54nM)。融合体は、CTC-654及びCTC-725と同等の結合及びIC50を示した。
融合タンパク質の配列は、配列番号247に示す通りである。
MGWSCIILFLVATATGVHSEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGKGGSGGGSGPGSVEIDLGKGDFREIRASEDAREAAEALAEAARAMKEALEILREIAEKLRDSSRASEAAKRIAKAIRKAADAIAEAAKIAARAAKDGDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAELAKNGDKSSVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号247)
次に、CTC-702を、1つのIgG1 FcドメインのC末端及び別のIgG1 FcドメインのN末端に融合させた。融合タンパク質を発現させて、精製し、本明細書に記載するようにOctetを介して結合について試験した。融合体は、非融合タンパク質デコイと同等の結合を示した。
実施例18-エラープローンPCR及び酵母ディスプレイFACSを使用したCTC-445の最適化
標準的なプロトコルに従って、GeneMorph II Random Mutagenesis Kit(Agilent)を使用してCTC-445をコードする遺伝子のエラープローンPCR(epPCR)を実施した。より高い及びより低いエラー率のプールを得るために、10ng及び1ngのCTC-445をコードする遺伝子を最初の標的DNAとして使用して、2つの別々のPCR反応を実施した。アニーリング温度55℃、30サイクルの増幅をPCRに使用した。両方のPCRの生成物を組み合わせて、エタノール沈殿によって精製した。電気穿孔法によって、以前に説明されているプロトコル(Benatuil,L.,Perez,J.M.,Belk,J.&Hsieh,C.-M.An improved yeast transformation method for the generation of very large human antibody libraries.Protein Eng.Des.Sel.PEDS 23,155-159(2010))を使用して、12μgのCTC-445 epPCR DNAを、4μgの線状化したpETcon3ベクター(NdeI及びXhoI制限酵素を用いて設計され、ゲル抽出によって精製された)と共に、条件付けしたSaccharomyces cerevisiae株EBY100細胞に形質転換した。これらの遺伝子は、相同組換えにより、ベクター上のNdeI部位とXhoI部位との間のフレームにこれらの遺伝子が配置されるように5’末端及び3’末端の両方でベクターと重複する60塩基を含んでいた。形質転換効率は、2×10個の形質転換体であった。SARS-CoV-2への結合を向上し、プロテアーゼに対する安定性を向上させる突然変異体を識別するために、蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して、CTC-445 epPCRのライブラリに対して細胞選別を数ラウンド実施した。酵母を、C-Trp-Uraselective培地で増殖させ、その後、SGCAA培地で12~18時間誘導した。細胞を、PBSF(50mM NaPO4、150mM NaCl、pH7.4)で希釈した様々な濃度のSARS-CoV-2 RBD mFcと共にインキュベートし、選別のラウンドごとにRBD濃度を、200nM(ラウンド1、108細胞を選別)、10nM(ラウンド2、107細胞を選別)、1nM(ラウンド3、106細胞を選別)、100pM(ラウンド4、106細胞を選別)、ならびに10pM及び1pM(ラウンド5、106細胞を選別)のように低下させた。このインキュベーションは氷上で30分間行い、その後、冷却したPBSFで洗浄した。選別のラウンド4及び5で、koffを向上させるために追加の選択物をこの段階で追加し、この際、1mlのPBSF緩衝液中で細胞を37℃で1時間インキュベートした。細胞を冷却したPBSF緩衝液で再度洗浄した。最後に、細胞をFITC複合体化ニワトリ抗cMyc抗体(ICL)及びフィコエリトリン複合体化ヤギ抗mFc抗体(Jackson ImmunoResearch)と共に、3×106個の細胞あたり1μlで、氷上で10分間インキュベートし、冷却したPBSF緩衝液で再度洗浄した。選別はSony SH800装置を用いて実施し、ラウンドごとにそれらのPE/FITC蛍光比によって表示される亜集団の上位5%を選択した。ラウンド2から開始して、一次標識の前に、細胞をTBS緩衝液(25mm Tris-HCl、150mM NaCl、pH8.0)中のトリプシン(12.5μg/mL)及びキモトリプシン(5μg/mL)の混合物を用いて室温で5分間前処理した。大過剰量の氷冷TBSF1%(25mM Tris-HCl、150mM NaCl、1%重量/体積BSA、pH8.0)を添加することによってこの反応を停止し、TBSF1%でさらに4回細胞を洗浄した。ラウンド1から開始して、選択した細胞をSDCAA寒天プレートに播種し、ラウンドごとに約20コロニーを採取し、PCRによって増幅し、Sangerシーケンシング(Genewiz)によって配列決定して、FACSの各ラウンドで選択される突然変異体を特定した。(Chao,G.et al.Isolating and engineering human antibodies using yeast surface display.Nat.Protoc.1,755-768(2006))。CTC-445.01~CTC-445.68として特定した配列は、エラープローンPCR及び酵母ディスプレイFACSを使用して特定した。コロナウイルススパイクタンパク質への結合を実質的に妨げないACE2タンパク質デコイの置換を特定するために、当業者はこの結果を用いることができる。
実施例19-総合的ヒトプロテオーム結合アッセイを使用して評価したCTC445.2dの結合特異性。
Alexa-647で化学的に標識した1μg/mL(=30nM)のCTC445.2dを、タンパク質間相互作用アッセイに使用した。21,218個のタンパク質及びタンパク質アイソフォーム(Sタンパク質RBDを含む)を含むバーコードを有するHuProt(商標)アレイ(CDI Laboratories,Baltimore,MD)を、タンパク質サンプルと共に1時間インキュベートした。プロービング後、アレイを洗浄し、データ収集向けに画像を撮影した。CDIソフトウエアを使用して、アレイ上の特定のタンパク質に対する個々のサンプルの結合プロファイルをZスコアに基づいて定量化した。Zスコアは、所与のタンパク質の重複スポットの平均Zスコアを使用して計算した(各タンパク質はHuProt(商標)アレイで2回ずつプリントされる)。所与のアレイの各スポットのZスコアは、式Z=[F635-F635(avg)]/F635(std)によって計算され、式中、F635は、検出チャネル(635nm)における所与のタンパク質の2つの重複スポットの平均フォアグランド信号強度であり;B635は、検出チャネルにおける所与のタンパク質の2つの重複スポットの平均バックグラウンド信号強度であり;かつF635(avg)及びF635(std)は、アレイの全てのスポットのF635値の、それぞれ平均偏差及び標準偏差である。Sスコアは、所与のタンパク質のZスコアと、その後ランク付けされたものとの差である。最高ヒットのSスコアが、次のヒットから3を超える場合、試験タンパク質は、そのヒットに対して高度に特異的であると見なされる。
表13に、Zスコアが10を超える全てのヒットを示す。CTC445.2dは、最高Zスコア88.6に相当する蛍光値65,535でSARS-CoV-2 RBDへの特異的結合を示している。次に高い結合遺伝子であるQDPRのSスコアは27.6であり、SARS-CoV-2の目的の標的RBDに高度に特異的結合することを示している。固定されたSARS-CoV-2 RBD-his、QDPR-his、及びCLEC10A-hisへのCTC445.2dの結合を、バイオレイヤー干渉測定によって試験した。QDPR及びCLEC10Aへの結合は、試験したCTC-445.2dのいずれの濃度(10μM、5μM及び1μM)(データは示さず)でも検出されなかった。
Figure 2023521706000048
実施例20-結合選択後の突然変異の位置的可能性
いくつかの異なる濃度(6.25pM、3.125pM、及び1.5625pM)のSARS-CoV-2 RBDタンパク質への結合について、CTC445.2の飽和突然変異誘発ライブラリで酵母ディスプレイによってディープ突然変異スキャニングを実施した。ディープシーケンシングを使用して、各突然変異の濃縮値を計算し、3つの濃度の値を平均した。次に濃縮値を、各位置における各突然変異の位置可能性スコアに変換し、ロゴメイカー[参照:https://www.biorxiv.org/content/10.1101/635029v1]を使用して配列ロゴとしてプロットした。文字はそれらの可能性にしたがって、最も高い可能性(上)から低い可能性(下)の順に並べられている。CTC445.2のネイティブ配列は、黒色で陰影がつけられている。ACE2タンパク質デコイの様々な位置における好ましい置換及び好ましくない置換の選択を導くために、当業者はこの結果を用いることができる。図20A~Cを参照されたい。
実施例21-デノボACE2タンパク質デコイの例示的な臨床試験設計
デノボACE2タンパク質デコイの臨床設計は、安全性プロファイル、推奨される用量及びスケジュール、ならびにデノボACE2タンパク質デコイの臨床効果を特定するように設計される。投与経路は、噴霧化されたデノボACE2タンパク質デコイの吸入による気道(鼻咽頭及び肺を含む)への局所投与、及び/または静脈内全身投与である。ある研究では、患者集団は、SARS-CoV-2による臨床的疾病率または死亡率のリスクが高いCOVID-19患者、例えば、入院しており、かつ低酸素症のために酸素補給が必要な患者である。この試験では、陽圧換気を必要とする患者の募集を行わない場合がある。試験は、2パートで行われる。第1のパートは、入院中の低酸素COVID-19患者におけるデノボACE2タンパク質デコイの安全性を調査し、推奨されるパート2での用量及びスケジュール(RP2DS)を特定することを目的とした用量漸増試験である。第2のパートは、RP2DSで投与した際の入院中の低酸素COVID-19患者におけるデノボACE2タンパク質デコイの臨床効果を調査することを目的としたコホート拡大試験である。評価項目には、例えば、生存期間、陽圧換気の必要性、回復及び/または退院までの時間、ならびに臨床的安全性プロファイルが含まれる。あるいは、患者集団はコロナウイルス感染のリスクがある個人である場合があり、かつ投与は予防的なものである場合がある。別の試験では、患者集団はSARS-CoV-2に曝露するリスクがある健康対象または最近SARS-CoV-2に曝露された健康対象である。
実施例22:考察
2019年12月の出現と同時に世界的なパンデミックとなり、SARS-CoV-2は数百万人のCOVID-19症例を引き起こした。この疾患を予防及び治療するための効果的な戦略の必要性は、依然として満たされておらず、緊急を要している。様々なアプローチを使用する予防薬及び治療薬を開発する複数の取り組みが進行している。課題は、一本鎖陽方向鎖RNA(+ssRNA)ウイルス(8~10)の高突然変異率が、しばしばウイルスエスケープにつながる場合があり、開発中の多くのSARS-CoV-2治療薬の有効性を損なう可能性があることである。感染した集団におけるSARS-CoV-2のスパイク(S)タンパク質のいくつかの突然変異が既に発生している。受容体結合ドメイン(RBD)のディープシーケンシング研究により、単純な突然変異によって、ウイルスは既知の中和抗体から逃げることができることが明らかとなっている。したがって、SARS-CoV-2突然変異エスケープに対抗することができる新規治療薬を開発する差し迫った必要性が存在する。
ウイルスと戦う従来のアプローチ(例えば、ワクチン接種及びモノクローナル抗体)は、究極的には病原体と相互作用する分子に依存しており、これは、見方によれば病原体が細胞標的と結合する方法とは根本的に異なっている。ウイルスは、このような構造上の不一致を利用して中和から免れ、ウイルスの適応度を維持しながら中和分子(例えば、抗体)による認識を妨げるようにタンパク質の形を変えることができる。これらの課題に対処するために、本発明者らは、細胞に感染するためにウイルスが結合するタンパク質受容体界面を複製及び安定化させる超安定なデノボタンパク質「デコイ」の迅速かつ正確な設計を可能にするコンピュータタンパク質設計戦略を開発した。デコイは、結合界面の安定化に寄与することから、元のタンパク質受容体と同等またはそれ以上の親和性を達成することができる。したがって、十分に高い濃度で、細胞との相互作用で打ち勝つことによってウイルスを中和するためにデコイを使用することができる。
SARS-CoV-2は、2段階のプロセスで宿主細胞に侵入する。まず、膜関連タンパク質であるhACE2に結合することによって細胞に自身のSタンパク質RBDを結合させ、エンドサイトーシスを引き起こす。続いて、ウイルスは、プロテアーゼ切断媒介融合ペプチドを介してエンドソームから逃れる。このプロセスは、細胞への侵入にhACE2を標的とするベータコロナウイルスHCoV-NL63及びSARS-CoV-1と類似している。基本的には、ウイルスとhACE2との相互作用を阻害することで感染は防止されるはずである。SARS-CoV-2を中和するデノボhACE2デコイを設計、検証及び最適化するために設計戦略を適用した。
デノボACE2デコイの約35,000個の理にかなったコンピュータモデルを設計した。酵母ディスプレイを使用することにより、上位にランクした196の設計を、結合に関して個別に試験した。素晴らしいことに、設計の1つであるCTC-445は、SARS-CoV-2 RBDに対して強力/ナノモルかつ特異的な結合を酵母ディスプレイで示した。溶液中で、CTC-445は、18個の天然アミノ酸(システインまたはトリプトファン残基を含まない)を含む160a.a.のタンパク質であり、SARS-CoV-2に対する結合親和性(K約357nM)が、hACE2よりも(K=31nM、IC50 @ ACE2[0.4nM]=10.9nM)弱く、SARS-CoV-1に対する交差反応性が弱い(K約55μM)ことを示した。結果として、CTC-445は、hACE2に結合するSARS-CoV-2 RBDの弱い競合相手である(IC50 @ ACE2[0.4nM]=1.7μM、図1I)。CTC-445の低結合親和性及び効力は、そのフォールディング形態の不安定化をまねく可能性がある(ΔGNI約-2.7kcalmol-1、T=約75.3℃)。指向性進化の1回のラウンド及び次の最も頻繁に観察される5つの安定化及び親和性改善型突然変異(いずれかも結合界面に存在しない)の合理的な組み合わせにより、デノボタンパク質デコイCTC-445.2が導き出された。CTC-445.2は、主に単量体であり、熱力学的に超安定であり(ΔGNI約-5.0kcalmol-1、T約93℃)、SARS-CoV-2のRBDに対して低ナノモル親和性を示し(K約21.0nM)、SARS-CoV-1に対する交差反応性が高く(K約7.1μM)、SARS-CoV-2 RBDへの結合をhACE2と効果的に競合できる(IC50 @ ACE2[0.4nM]約10.4nM)。CTC-445.2の配列は、hACE2と有意な同一性がない(線形配列アラインメントまたは構造配列アラインメントの点において、それぞれ、ClustalW約22%、MICAN約34%、図S9)。CTC-445.2の連続複製(すなわち、結合活性の強化)により、好ましい生化学的特性を有する高効力分子を導き出した。例えば、CTC-445.2の二価バージョンであるCTC-445.2d(図2A)は、結合親和性が約10倍、SARS-CoV-2 RBDに対して(K約3.5nM)、及びSARS-CoV-1 RBDに対して(K約587nM)向上し、及びSARS-CoV-2 RBDへの結合をhACE2と競合する能力(IC50 @ ACE2[0.4nM]約700 pM)の同様の向上も示す。同様に、CTC-445.2の三価バージョンも、より高い(ピコモル)結合親和性及び競合効力をもたらす(K=270pM、IC50 @ ACE@[0.4nM]約110pM)。21,000を超えるヒトタンパク質を含む交差反応性結合アッセイにおいて、CTC-445.2dは、高い選択性でSARS-CoV-2 RBDに結合することが確認された。
SARS-CoV-2スパイクタンパク質を発現するVSVシュードウイルス系では、デノボデコイは、hACE2を過剰発現しているHEK 293T細胞を感染から特異的に保護した。CTC-445.2dの活性を、感染から気道を保護する可能性がある局所投与治療薬として定めるために、高用量(100μg)のCTC-445.2dを、鼻腔内液滴の吸入を介してBalb/cマウスに投与した。肺においてCTC-445.2dの完全な機能性が24時間以上にわたって持続することが観察された。CTC-445.2dはまた、血液中で観察され、吸入療法によりあるレベルの全身曝露量がもたらされる可能性が高まった。
設計通り、SARS-CoV-2 RBDとCTC-445.2との結合界面は、標的のhACE2界面を厳密に再現している。CTC-445.2のディープ突然変異スキャニングによる結果は、予想された通りであり、設計のコア及び結合界面の突然変異は、一般に好ましくないが、表面/露出残基の突然変異はほとんど無関係である。
hACE2またはCTC-445.2への結合に対する個々の突然変異の影響を比較するために、SARS-CoV-2 RBD結合界面のディープ突然変異スキャニングを実施した。分析した約1700個のSARS-CoV-2 RBD突然変異の影響は、hACE2及びCTC-445.2への結合と強い相関関係を示し、SARS-CoV-2が標的とするhACE2界面を正確に複製した結果として、デコイの突然変異エスケープに対する固有の順応性が強調された。特に、低い標的濃度(100pM)で、CTC-445.2は、多くのRBD突然変異体に対してACE2よりも大きな結合優位性を有し、これはおそらくそのより高い安定性及びより小さいサイズの両方の結果である。
最適化されたデノボタンパク質デコイの高特異的結合親和性は、SARS-CoV-2ウイルス感染の効果的かつ特異的なインビトロ中和に変換される。In vitroでは、デノボデコイの存在による哺乳動物細胞の生存率またはhACE2の酵素活性への影響は見られなかった。実施例に示したように、デノボデコイは、細胞感染のin vitroシステムでウイルス感染を完全に中和することができた。
デコイを生成するデノボタンパク質設計手法は、従来の治療法と互いに独立し、突然変異ウイルス逃避の問題をより良好に克服する可能性がある。転用される天然のタンパク質には、製造、輸送及び保管を複雑にする可能性がある低い安定性、残存/望ましくない生物学的活性、及び自己免疫反応を誘発するリスクなど、治療薬としての開発に関する重大な課題がしばしば存在する。対照的にデノボタンパク質デコイは、製造が簡単であり(すなわち、従来の細菌システムによって)、それらの熱力学的超安定性により、場合によりコールドチェーンを必要とせずに、簡略化した輸送及び保管を可能にすることができる。加えて、ウイルスエスケープに対するデノボデコイの順応性は、記載した設計戦略の固有の特徴であると考えられる。

Claims (144)

  1. デコイユニットを含むACE2タンパク質デコイユニットであって、(i)少なくとも2つのαへリックスドメインH1及びH2、(ii)任意のβヘアピンドメインH3、及び(iii)少なくとも1つの構造ドメインを含み、前記ACE2タンパク質デコイは、コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質に特異的に結合し、前記少なくとも2つのαへリックスドメイン及び前記任意のβヘアピンドメインは、前記コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質と結合し、かつ前記少なくとも1つの構造ドメインは、前記αヘリックスドメイン及び前記βヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する、前記ACE2タンパク質デコイ。
  2. 2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびに任意のβヘアピンドメインH3を含むデコイユニットを含むACE2タンパク質デコイであって、
    (a) H1は、アミノ酸配列
    SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)または
    EQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、
    (b) H2は、アミノ酸配列
    NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
    (c) H3は、存在する場合、アミノ酸配列
    282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み、
    この際、
    (i) H1、H2、及び存在する場合、H3は、タンパク質内で任意の順序で存在し得、
    (ii) アミノ酸リンカーが、H1、H2、及び存在する場合、H3のうち任意の2つの間に存在する場合があり、
    (iii) X、X、X、X、X、X、X、X、X、X10、X11、X12、X13、X14、X15、X16、X17、X18、X19、X20、X21、X22、X23、X24、X25、X26、X27、X28、X29、X30、X31、X32、X33、X34、X35、及びX36はそれぞれ個別に任意のアミノ酸から選択され、
    (iv) 前記ACE2タンパク質デコイは、コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質に特異的に結合する、前記ACE2タンパク質デコイ。
  3. 前記デコイユニットは、H1、H2、及び存在する場合、H3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する1つ以上の構造ドメインをさらに含み、前記1つ以上の構造ドメインならびにH1、H2、及び存在する場合、H3は、前記タンパク質内で任意の順序で存在し得、アミノ酸リンカーは、前記1つ以上の構造ドメインのうち任意の1つと、H1、H2、及び存在する場合、H3との間に存在する場合がある、請求項2に記載のACE2結合タンパク質デコイ。
  4. 数字と表されるアミノ酸の半分以下が、配列番号1で表されるネイティブACE2の対応する位置のアミノ酸と同じである、請求項2または請求項3に記載のACE2タンパク質デコイ。
  5. 数字と表されるアミノ酸の8個以下が、ネイティブACE2の対応する位置のアミノ酸と同じである、請求項2または請求項3に記載のACE2タンパク質デコイ。
  6. H1のX数字と表されるアミノ酸の4個、3個、2個以下;H2のX数字と表されるアミノ酸のうちの4個、3個、2個以下;及び存在する場合、H3のアミノ酸の5個、4個、3個、または2個以下は、ネイティブACE2の対応する位置のアミノ酸と同じである、請求項2または請求項3に記載のACE2タンパク質デコイ。
  7. H1は、アミノ酸配列:
    SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)またはXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、
    この際、
    は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    、X、X、X11、X12及びX13は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    、X、X、及びX10それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり、
    は、A、C、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    及び
    は、A、F、I、L、M、P、V、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、請求項1~6のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  8. H1は、アミノ酸配列:
    SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)または
    EQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含み、この際、
    は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    、X、X、X11、X12及びX13は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    、X、X、X、及びX10は、それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり、
    は、A、F、I、L、M、P、V、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、請求項1~7のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  9. が、A、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸である、請求項2~8のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  10. が、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはT(好ましくはK)から選択されるアミノ酸である、請求項2~9のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  11. が、RまたはSから選択されるアミノ酸である、請求項2~10のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  12. が、R、L、A、F、I、M、P、またはVから選択されるアミノ酸である、請求項2~11のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  13. が、RまたはLから選択されるアミノ酸である、請求項12に記載のACE2タンパク質デコイ。
  14. が、AまたはTから選択されるアミノ酸である、請求項2~13のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  15. 10が、R、S、またはLから選択されるアミノ酸である、請求項2~14のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  16. が、RまたはSから選択されるアミノ酸であり;
    が、RまたはLから選択されるアミノ酸であり;
    が、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;
    10が、R、S、またはLから選択されるアミノ酸である、請求項2~10のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  17. 10が、RまたはSから選択されるアミノ酸である、請求項2~16のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  18. が、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはYから選択されるアミノ酸である、請求項2~17のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  19. が、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、請求項18に記載のACE2タンパク質デコイ。
  20. が、Fである、請求項19に記載のACE2タンパク質デコイ。
  21. が、RまたはSから選択されるアミノ酸であり;Xが、Vであり;Xが、RまたはLから選択されるアミノ酸であり;Xが、Lであり;Xが、Kであり;Xが、Aであり;Xが、AまたはTから選択されるアミノ酸であり;Xが、Fであり;Xが、Mであり;X10が、R、SまたはLから選択されるアミノ酸であり;X11が、Fであり;X12が、Aであり;かつX13が、Aである、請求項8に記載のACE2タンパク質デコイ。
  22. が、Sである、請求項2~21のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  23. が、Lである、請求項2~22のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  24. が、Sであり、Xが、Lである、請求項2~23のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  25. H1は、配列番号10に示されているアミノ酸配列、
    SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213LX37383940414243444546(配列番号10)を含み、
    この際、X37、X38、X39、X41、X42、X45、及びX46は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、P、またはVから選択されるアミノ酸であり;
    40及びX44は、それぞれ個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;かつ
    43は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、請求項2~24のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  26. H1は、配列番号11~17、177~183、198、または199:
    SRVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号11)
    SSVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号12)
    SRVREQLKTFADKTFHEMEDRFYQAAL(配列番号13)
    SRVREQLKTFADKAFHEMEDSFYQAAL(配列番号14)
    SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号15)
    SSVLEQLKTFADKTFHEMEDSFYQAAL(配列番号16)
    SRVREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号17)
    VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号177)
    VREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号178)
    VREQLKTFADKTFHEMEDRFYQAAL(配列番号179)
    VREQLKTFADKAFHEMEDSFYQAAL(配列番号180)
    VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号181)
    VLEQLKTFADKTFHEMEDSFYQAAL(配列番号182)
    VREQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号183)
    SSVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号198)
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号199)
    に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~25のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  27. 配列番号11~17もしくは198の1、5、6、9、10、12、13、16、17、19、20、23、24及び27位のアミノ酸、または配列番号177~183もしくは199の3、4、7、8、10、11、14、15、17、18、21、22及び25位のアミノ酸は、変更されない、請求項26に記載のACE2タンパク質デコイ。
  28. H1は、配列番号15に示されているアミノ酸配列(SSVLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL)(配列番号15)と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    ここで、1位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはYであり;2位のアミノ酸は、Sであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはYであり;3位のアミノ酸は、Vであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、W、またはYであり;4位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;5位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;6位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、S、T、V、またはWであり;7位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はC、I、M、T、またはVであり;8位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;9位のアミノ酸は、Tであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、V、W、またはYであり;10位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、H、V、W、またはYであり;11位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、G、L、M、S、T、またはVであり;12位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;13位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、F、H、I、L、M、N、Q、R、S、V、W、またはYであり;14位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、またはVであり;15位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;16位のアミノ酸は、Hであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;17位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;18位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、L、N、Q、S、T、V、W、またはYであり;19位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はD、M、N、P、Q、T、またはVであり;20位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、F、G、H、L、N、またはQであり;21位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはYであり;22位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はC、G、H、L、M、N、W、またはYであり;23位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はH、D、またはFであり;24位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、W、またはYであり;25位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはYであり;26位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、S、T、またはVであり;かつ27位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり、この際、位置のナンバリングは、配列番号15に基づくものである、請求項1~6のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  29. H2は、アミノ酸配列:
    NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
    この際、X15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    14、X17、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    16は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    19は、A、F、I、L、M、P、E、T、またはVから選択されるアミノ酸であり;かつ
    20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、請求項1~28のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  30. H2は、アミノ酸配列:
    NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
    この際、X15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    14、X17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    16は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;かつ
    20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、請求項1~28のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  31. 16が、A、F、I、L、M、P、E、またはVである、請求項2~30のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  32. 15が、Eであり;X18が、Rであり;X21が、Eであり;X23が、Eであり、X25が、Kであり;かつX27が、Dである、請求項2~31のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  33. 14が、AまたはVであり;X16が、AまたはEであり;かつX20が、KまたはQである、請求項2~32のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  34. 14が、AまたはVであり;X15が、Eであり;X16が、AまたはEであり;X17が、Aであり;X18が、Rであり;X19が、Aであり;X20が、KまたはQであり;X21が、Eであり;X22が、Aであり;X23が、Eであり;X24が、Aであり;X25が、Kであり;X26が、Aであり;かつX27が、Dである、請求項33に記載のACE2タンパク質デコイ。
  35. H2は、そのN末端に配列番号173に示されているアミノ酸配列:
    4748495051(配列番号173)をさらに含み、
    かつそのC末端に配列番号174に示されているアミノ酸配列:
    5253545556(配列番号174)を含み、
    この際、X49、X52、及びX55は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    50は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    54は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    かつ
    47、X48、X51、X53、及びX56は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸である、請求項2~34のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  36. 47が、GまたはEであり;X48が、Dであり;X49が、Aであり、X50が、GまたはAであり;かつX51が、Rである、請求項35に記載のACE2タンパク質デコイ。
  37. 47が、GまたはEである、請求項35に記載のACE2タンパク質デコイ。
  38. 47が、Gである、請求項35~37のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  39. 54が、A、F、I、L、M、P、E、またはVである、請求項35~38のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  40. 52が、Aであり;X53が、Eであり;X54が、LまたはFまたはNであり;X55が、Aであり;かつX56が、Kである、請求項35~38のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  41. 54が、FまたはLである、請求項35~39のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  42. 54が、Lである、請求項41に記載のACE2タンパク質デコイ。
  43. H2は、配列番号21~22に示されているアミノ酸配列:
    NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY(配列番号21)
    NVENEARKAQEFAEEQAKLADMY(配列番号22)
    と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~42のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  44. 配列番号21または22の1、4、8、12、15、16、19、22及び23位のアミノ酸は、変更されない、請求項43に記載のACE2タンパク質デコイ。
  45. H2は、アミノ酸配列:
    NX1415NX161718KX192021FX2223EQX2425LX2627MY(配列番号5)を含み、
    この際、
    15、X18、X21、X23、X25、及びX27は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    14、X16、X17、X19、X22、X24、及びX26は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    20は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸である、請求項1~28のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  46. H2は、配列番号21に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    ここで、1位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;2位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、H、I、L、M、N、P、R、S、T、V、またはWであり;3位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;4位のアミノ酸は、Nであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;5位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;6位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはYであり;7位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、Y、またはWであり;8位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;9位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、G、I、L、Q、S、T、V、またはWであり;10位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、またはWであり;11位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;12位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;13位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、F、G、I、L、M、N、S、T、V、W、またはYであり;14位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;15位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;16位のアミノ酸は、Qであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、R、S、T、Y、またはVであり;17位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはWであり;18位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;19位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、Y、またはWであり;20位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、F、G、I、L、S、T、V、またはYであり;21位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;22位のアミノ酸は、Mであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、N、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;かつ23位のアミノ酸は、Yであるか、置換される場合はD、F、H、I、L、M、またはVであり;この際、位置のナンバリングは、配列番号21に基づくものである、請求項1~28のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  47. H3が存在する、請求項1~46いずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  48. H3は、アミノ酸配列:
    282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
    31は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    35は、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、V、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    29は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    33は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    30、X32、及びX36は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;
    28は、A、F、I、L、M、P、T、またはVから選択されるアミノ酸であり;
    かつ
    34は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY及び任意選択でCから選択されるアミノ酸である、請求項47に記載のACE2タンパク質デコイ。
  49. H3は、アミノ酸配列:
    282930313233KGDX34RX3536(配列番号6)を含み;この際
    31及びX35は、それぞれ個別にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択されるアミノ酸であり;
    29は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    33は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸であり;
    28、X30、X32、及びX36は、それぞれ個別にA、F、I、L、M、PまたはVから選択されるアミノ酸であり;かつ
    34は、A、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY及び任意選択でCから選択されるアミノ酸である、請求項47に記載のACE2タンパク質デコイ。
  50. 34が、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、Y、C、またはTである、請求項47~49のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  51. 33が、G、A、F、I、L、M、PまたはVである、請求項47~50のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  52. 29が、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、T、またはVである、請求項47~51のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  53. 28が、AまたはVであり;X29が、EまたはVであり;X31が、Dであり;X32が、MまたはLであり;X33が、Gであり;かつ;X34が、F、Y、KまたはCから選択されるアミノ酸である、請求項47~52のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  54. 30が、Iであり;X35が、Eであり;かつX36が、Iである、請求項47~53のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  55. 32が、Lである、請求項47~54のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  56. 31が、Dである、請求項47~55のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  57. H3は、そのN末端にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはYから選択されるアミノ酸をさらに含み;かつH3は、そのC末端にD、E、G、K、N、P、Q、R、S、CまたはTから選択されるアミノ酸をさらに含む、請求項47~56のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  58. 34が、Cではないか、あるいはX34がCの場合、XがLであるか、及び/またはX32がLである、請求項47~57のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  59. H3は、配列番号29~34または200に示されているアミノ酸配列:
    AEIDLGKGDFREI(配列番号29)
    AEIDLGKGDCREI(配列番号30)
    VVIDLGKGDFREI(配列番号31)
    VVIDLGKGDCREI(配列番号32)
    AEIDMGKGDCREI(配列番号33)
    AEIDMGKGDFREI(配列番号34)
    VEIDLGKGDFREI(配列番号200)
    と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~58のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  60. H3は、配列番号29に示されているアミノ酸配列と少なくとも70%、80%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    ここで、1位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、D、E、G、I、L、M、P、Q、R、S、T、V、またはWであり;2位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、L、M、P、R、S、T、V、またはWであり;3位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はC、F、L、M、T、V、またはWであり;4位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、M、N、S、T、またはVであり;5位のアミノ酸は、Lであるか、置換される場合はF、I、M、またはVであり;6位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はD、またはLであり;7位のアミノ酸は、Kであるか、置換される場合はI、M、N、Q、R、またはTであり;8位のアミノ酸は、Gであるか、置換される場合はD、E、M、R、またはSであり;9位のアミノ酸は、Dであるか、置換される場合はE、K、またはTであり;10位のアミノ酸は、Fであるか、置換される場合はA、C、E、G、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはYであり;11位のアミノ酸は、Rであるか、置換される場合はK、M、Q、またはSであり;12位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、G、H、K、L、M、P、R、S、T、V、W、またはYであり;かつ13位のアミノ酸は、Iであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはWであり;この際、位置のナンバリングは、配列番号29に基づくものである、請求項47に記載のACE2タンパク質デコイ。
  61. 前記デコイユニットは、前記コロナウイルススパイクタンパク質に対する前記αヘリックスドメイン及び前記βヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する2つ以上の構造ドメインを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  62. 前記コロナウイルススパイクタンパク質に対する前記αヘリックスドメイン及び前記βヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する前記2つ以上の構造ドメインは、
    D1- X(配列番号35)、及び
    D2- X(配列番号36)
    からなる群から選択されるアミノ酸配列を個別に含み、ここで、それぞれのXは、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、C、またはTから選択されるアミノ酸であり:それぞれのXは、個別にA、F、I、L、M、またはPから選択されるアミノ酸であり、それぞれのXは、個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、YまたはCから選択されるアミノ酸であり;かつそれぞれのXは、個別にA、D、E、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、YまたはC(好ましくはA、F、I、L、M、P、またはV)から選択されるアミノ酸である、請求項61に記載のACE2タンパク質デコイ。
  63. 前記デコイユニットは、前記コロナウイルススパイクタンパク質に対する前記αヘリックスドメイン及び前記βヘアピンドメインのタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する少なくとも2つの構造ドメインを含み、第1の構造ドメインが、配列番号35の配列を含み、第2の構造ドメインが、配列番号36の配列を含む、請求項62に記載のACE2タンパク質デコイ。
  64. 前記デコイユニットは、D1で表される構造ドメインを含み、前記D1は、配列番号38に示されているアミノ酸配列:
    REAAEALAEAARAMKEALEIIREIAEK(配列番号38)と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1~63のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  65. 前記デコイユニットは、D1で表される構造ドメインを含み、前記D1は、配列番号222に示されているアミノ酸配列:
    REAAEALAEAARAMKEALEILREIAEK(配列番号222)
    と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1~63のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  66. 前記デコイユニットは、D2で表される構造ドメインを含み、前記D2は、配列番号41~46に示されているアミノ酸配列:
    RASEAAKRX59AX60AIRKAADAIX6162AAKIAAR(配列番号41)、ここで、X59は、IまたはVであり、X60は、K、RまたはCであり、X61はAまたはVまたはCであり、X62は、EまたはCであり;
    RASEAAKR IAKAIRKAADAIAEAAKIAARA(配列番号42);
    RASEAAKR IACAIRKAADAIAEAAKIAARA(配列番号43);
    RASEAAKR IAKAIRKAAD AIACAAKIAA RA(配列番号44);
    RASEAAKR VARAIRKAAD AIVEAAKIAA RA(配列番号45);
    RASEAAKR VACAIRKAAD AIVEAAKIAA RA(配列番号46)と少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項1~65のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  67. 少なくとも1つの構造ドメイン(例えば、D1)は、配列番号38に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    ここで、1位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、I、K、L、M、P、S、T、V、またはW(好ましくはC、E、F、G、K、L、M、P、S、T、またはW)であり;2位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、G、K、M、V、W、またはY)であり;3位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はC、E、G、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、K、P、Q、またはV)であり;4位のアミノ酸は、Aであるか、置換される場合はD、E、G、I、K、L、M、N、P、R、S、T、V、またはW(好ましくはE、N、T、V、またはW)であり;5位のアミノ酸は、Eであるか、置換される場合はC、D、G、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、Q、S、V、W、またはY)であり;6位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、K、P、R、V、またはY)であり;7位のアミノ酸はLであるか、置換される場合はA、C、F、I、M、Q、S、T、またはV(好ましくはT)であり;8位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、Q、L、M、R、S、T、V、またはW(好ましくはD、E、G、H、I、L、Q、R、S、V、またはW)であり;9位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、R、S、V、W、またはY(好ましくはA、D、H、L、M、N、R、S、またはV)であり;10位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、G、L、M、Q、S、T、V、またはW(好ましくはC、G、M、またはS)であり;11位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、G、L、M、N、Q、R、S、T、またはV(好ましくはC、G、M、S、T、またはV)であり;12位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、K、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY)であり;13位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、K、M、R、S、またはV)であり;14位のアミノ酸はMであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、I、K、L、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、K、R、S、T、V、またはY)であり;15位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、H、M、R、S、またはY)であり;16位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、K、L、M、Q、T、V、またはW)であり;17位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、G、P、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;18位のアミノ酸はLであるか、置換される場合はC、F、H、I、K、M、N、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、H、またはV)であり;19位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;20位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、G、L、Q、R、S、T、V、またはY)であり;21位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、L、M、N、S、T、V、またはY)であり;22位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、Y、またはW(好ましくはA、C、D、E、F、G、I、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;23位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、F、H、I、M、N、P、T、またはW)であり;24位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、またはY(好ましくはC、S、T、またはV)であり;25位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、G、H、I、M、N、S、V、またはY)であり;26位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、F、I、L、S、T、またはY)であり;かつ27位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、F、G、H、M、N、S、またはY)であり;
    少なくとも1つの構造ドメイン(例えば、D2)は、配列番号42に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、
    ここで、1位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、H、K、L、N、Q、S、またはY)であり;2位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、G、I、L、M、N、P、Q、S、T、V、またはY(好ましくはC、M、Q、T、またはV)であり;3位のアミノ酸はSであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、T、V、W、またはY(好ましくはC、E、F、G、I、L、M、Q、またはR)であり;4位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、I、N、S、またはW)であり;5位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはD、E、I、M、またはY)であり;6位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、F、G、S、またはT(好ましくはCまたはS)であり;7位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、G、H、L、M、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、R、S、T、V、W、またはY)であり;8位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、H、L、M、Q、S、T、V、またはY)であり;9位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、F、G、K、L、M、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、F、G、L、M、S、T、W、またはY)であり;10位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はD、G、T、またはV(好ましくはD、G、またはV)であり;11位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、L、M、Q、R、S、V、W、またはY)であり;12位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはE、G、I、S、またはT)であり;13位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、L、M、N、Q、S、T、V、またはY(好ましくはA、C、D、F、G、L、M、N、Q、S、T、またはV)であり;14位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、H、K、L、N、V、またはW)であり;15位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY)であり;16位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、F、G、M、P、S、T、V、またはY(好ましくはG、T、またはY)であり;17位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、T、またはV)であり;18位のアミノ酸はDであるか、置換される場合はA、C、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、F、G、I、L、N、R、S、T、W、またはY)であり;19位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはG、K、M、Q、S、またはT)であり;20位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、F、G、H、L、M、Q、T、V、W、またはY(好ましくはG、L、M、T、V、またはY)であり;21位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはD、E、G、I、K、M、N、Q、S、T、V、W、またはY)であり;22位のアミノ酸はEであるか、置換される場合はA、C、D、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、D、G、K、M、P、S、T、V、W、またはY)であり;23位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、G、N、S、T、またはV(好ましくはG、S、またはT)であり;24位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、G、K、M、N、S、T、またはV(好ましくはC、G、またはT)であり;25位のアミノ酸はKであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、E、G、I、L、P、Q、R、S、V、W、またはY)であり;26位のアミノ酸はIであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、E、K、L、M、P、Q、R、S、またはV)であり;27位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはF、G、M、N、S、T、またはV)であり;28位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、Y、またはW(好ましくはC、D、E、G、H、Q、S、T、V、またはY)であり;29位のアミノ酸はRであるか、置換される場合はA、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、S、T、V、W、またはY(好ましくはA、C、D、G、H、I、K、L、M、N、P、S、T、V、W、またはY)であり;かつ30位のアミノ酸はAであるか、置換される場合はC、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、P、Q、R、S、T、V、W、またはY(好ましくはC、D、G、H、K、N、P、Q、R、S、T、またはV)であり;この際、位置のナンバリングは、配列番号38に基づくものである、請求項61に記載のACE2タンパク質デコイ。
  68. H1は、アミノ酸配列:
    SXEQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号4)を含む、請求項1~67のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  69. H1は、アミノ酸配列:
    EQXTFXDKXHEXEDX1011YQX1213L(配列番号176)を含む、請求項1~67のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  70. 配列番号4の中でS1I;E5D;E5Q;E5V;D12V、D12E;Q24K;及びQ24Lの置換のうち1つ以上が行われ;この際、前記記載した位置は、配列番号4のナンバリングに基づくものである、請求項68に記載のACE2タンパク質デコイ。
  71. 配列番号176の中でE3D;E3Q;E3V;D10V、D10E;Q22K;及びQ22Lの置換のうち1つ以上が行われ;この際、前記記載した位置は、配列番号176のナンバリングに基づくものである、請求項69に記載のACE2タンパク質デコイ。
  72. 配列番号5の中でE15Gの置換が行われ;この際、前記記載した位置は、配列番号4のナンバリングに基づくものである、請求項1~71のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  73. VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号177)または
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号199)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH1ドメイン;
    NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY(配列番号21)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH2ドメイン;及び
    AEIDLGKGDFREI(配列番号29)またはVEIDLGKGDFREI(配列番号200)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH3ドメイン、を含む、請求項1~72のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  74. VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号177)または
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号199)
    に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH1ドメイン;
    NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY(配列番号21)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH2ドメイン;及び
    AEIDLGKGDFREI(配列番号29)またはVEIDLGKGDFREI(配列番号200)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH3ドメイン、を含む、請求項73に記載のACE2タンパク質デコイ。
  75. アミノ酸配列VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAAL(配列番号177)またはVLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL(配列番号199)を含むH1ドメイン;
    アミノ酸配列NAENAARKAKEFAEEQAKLADMY(配列番号21)を含むH2ドメイン;及び
    アミノ酸配列AEIDLGKGDFREI(配列番号29)またはVEIDLGKGDFREI(配列番号200)を含むH3ドメイン、を含む、請求項73に記載のACE2タンパク質デコイ。
  76. VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号241)または
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL AVFEAAEAAAG(配列番号243)
    に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH1ドメイン;
    GDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAELAK(配列番号244)に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH2ドメイン;及び
    SAEIDLGKGDFREIR(配列番号245)またはSVEIDLGKGDFREIR(配列番号246)に対して少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH3ドメイン、を含む、請求項1~72のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  77. VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号241)または
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL AVFEAAEAAAG(配列番号243)
    に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH1ドメイン;
    GDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAELAK(配列番号44)に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH2ドメイン;及び
    SAEIDLGKGDFREIR(配列番号245)またはSVEIDLGKGDFREIR(配列番号246)に対して少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含むH3ドメイン、を含む、請求項76に記載のACE2タンパク質デコイ。
  78. アミノ酸配列
    VLEQLKTFADKAFHEMEDRFYQAALAVFEAAEAAAG(配列番号241)または
    VLEQLKTFADKAFHEMEDLFYQAAL AVFEAAEAAAG(配列番号243)を含むH1ドメイン;
    アミノ酸配列
    GDAARNAENAARKAKEFAEEQAKLADMYAELAK(配列番号44)を含むH2ドメイン;及び
    アミノ酸配列SAEIDLGKGDFREIR(配列番号245)またはSVEIDLGKGDFREIR(配列番号246)を含むH3ドメイン、を含む、請求項76に記載のACE2タンパク質デコイ。
  79. D1で表される構造ドメインを含み、前記D1ドメインは、
    REAAEALAEAARAMKEALEIIREIAEK(配列番号38)またはREAAEALAEAARAMKEALEILREIAEK(配列番号222)に対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項73~78のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  80. D2で表される構造ドメインを含み、D2は、
    RASEAAKR IAKAIRKAADAIAEAAKIAARA(配列番号42)に対して少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項73~79のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  81. 前記デコイユニットにおける前記2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびにβヘアピンドメインH3の順番が、H3、H2、及びH1である、請求項1~80のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  82. 前記デコイユニットにおける前記2つのαへリックスドメインH1及びH2、ならびにβヘアピンドメインH3の順番が、H1、H3、及びH2である、請求項1~80のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  83. 前記デコイユニットは、前記ドメイン間に少なくとも1つのリンカー(X)を含み、前記少なくとも1つのリンカー(X)、またはそれぞれのリンカー(X)は、1~100個、1~90個、1~80個、1~70個、1~60個、1~50個、1~40個、1~30個、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸を含む、請求項1~82のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  84. それぞれのリンカー(X)が、1~20個、1~10個、または1~5個のアミノ酸を含む、請求項83に記載のACE2タンパク質デコイ。
  85. 前記デコイユニットにおけるαへリックスドメインH1及びH2、ならびにβヘアピンドメインH3の順番は、H3、H2、及びH1であり、前記デコイユニットは、H3とH2との間に第1のリンカー、及びH2とH1との間に第2のリンカーを含むか;または前記順番は、H1、H3、及びH2であり、前記デコイユニットは、H1とH3との間に第1のリンカー、及びH3とH2との間に第2のリンカーを含む、請求項83または請求項84に記載のACE2タンパク質デコイ。
  86. 前記デコイユニットは、配列番号47~90、104~172、184~193、224~239、255~260、または265~266に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含み、それぞれのXは、個別のアミノ酸リンカーである、請求項1~85のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  87. 88位のアミノ酸が、A、F、I、L、M、PまたはVから選択され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86に記載のACE2タンパク質デコイ。
  88. 137位のアミノ酸が、F、D、E、G、K、N、P、Q、R、S、またはTから選択され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86または請求項87に記載のACE2タンパク質デコイ。
  89. 11位のアミノ酸がシステインの場合、6位のアミノ酸は、Lであり、及び/または126位のアミノ酸は、Lであり、及び/または124位のアミノ酸はSであり、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~88のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  90. 8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち4つ以下が置換され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~89のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  91. 8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち3つ以下が置換され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~89のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  92. 8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち2つ以下が置換され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~89のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  93. 8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸のうち1つ以下が置換され、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~89のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  94. 8、9、10、91、94、98、102、105、106、109、112、113、123、127、128、131、132、134、138、139、141、142、145、146、または149位のアミノ酸はいずれかも置換されず、位置のナンバリングは、配列番号47~90、104~172、184~187、189~192または224~239のうち任意の1つに基づくものである、請求項86~89のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  95. 前記ACE2タンパク質デコイは、100~800個のアミノ酸、100~500個のアミノ酸、または100~400個のアミノ酸、または100~350個のアミノ酸、または100~300個のアミノ酸、または100~250個のアミノ酸、または100~200個のアミノ酸、または150~500個のアミノ酸、または150~400個のアミノ酸、または150~350個のアミノ酸、または150~300個のアミノ酸、または150~250個のアミノ酸、または150~200個のアミノ酸からなる、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  96. 各デコイユニットは、100~800個のアミノ酸、100~500個のアミノ酸、または100~400個のアミノ酸、または100~350個のアミノ酸、または100~300個のアミノ酸、または100~250個のアミノ酸、または100~200個のアミノ酸、または150~500個のアミノ酸、または150~400個のアミノ酸、または150~350個のアミノ酸、または150~300個のアミノ酸、または150~250個のアミノ酸、または150~200個のアミノ酸からなる、請求項1~94のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  97. 前記ACE2タンパク質デコイは、ACE2(配列番号1)と60%、55%、50%、45%、40%、または35%以下の配列同一性を有する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  98. 各デコイユニットは、ACE2(配列番号1)と60%、55%、50%、45%、40%、または35%以下の配列同一性を有する、請求項1~96のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  99. 前記コロナウイルスは、SARS-CoV-2である、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  100. ヒトACE2へのコロナウイルスの結合を50%超、60%超、70%超、80%超、または90%超ブロックする、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  101. コロナウイルスの宿主細胞への侵入を阻害または防止する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  102. 宿主細胞のコロナウイルス感染を低減する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  103. バイオレイヤー干渉測定で測定する際に、前記コロナウイルススパイクタンパク質に対して、約20nm未満、または約15nM未満のKdを有する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  104. バイオレイヤー干渉測定で測定する際に、前記コロナウイルススパイクタンパク質に対して約5nM未満のKdを有する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  105. 前記スパイクタンパク質とACE2との相互作用を50、40、30、20、10、または5nM以下のIC50で阻害する、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  106. 前記デコイユニットは、0~4個のシステインアミノ酸または0~2個のシステインアミノ酸を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  107. 1~4個のアミノ酸が、システインに置換される、請求項1~105のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  108. 前記デコイユニットは、1個のシステインアミノ酸を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  109. 前記システインアミノ酸は、アルキル化される、請求項106~108のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  110. 前記システインは、H1、H2、及びH3のタンパク質フォールディング及び結合受容能提示を促進する前記1つ以上の構造ドメイン中にある、請求項106~109のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  111. 前記ACE2タンパク質デコイは、安定化化合物に連結される、先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  112. 前記安定化化合物は、抗体のFc領域である、請求項111に記載のACE2タンパク質デコイ。
  113. 前記Fc領域は、前記ACE2タンパク質デコイと翻訳融合する、請求項112に記載のACE2タンパク質。
  114. 前記ACE2タンパク質デコイは、前記ACE2タンパク質デコイのシステインで安定化化合物に連結される、請求項1~113のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  115. 前記安定化化合物は、PEG分子である、請求項107または請求項114に記載のACE2タンパク質デコイ。
  116. 前記PEG分子は、前記タンパク質のシステインで前記ACE2タンパク質デコイに連結される、請求項115に記載のACE2タンパク質デコイ。
  117. 前記PEG分子は、マレイミド基を介して前記タンパク質のシステインで前記ACE2タンパク質デコイに連結される、請求項116に記載のACE2タンパク質デコイ。
  118. 前記ACE2タンパク質デコイは、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上のデコイユニットを含む、請求項1~117のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  119. 前記ACE2タンパク質デコイは、2つ以上のデコイユニットを含み、第1のデコイユニットのC末端は、第2のデコイユニットのN末端に連結される、請求項118に記載のACE2タンパク質デコイ。
  120. 前記ACE2タンパク質デコイは、2つ以上のデコイユニットを含み、前記2つ以上のデコイユニットは、異なる、請求項118または119に記載のACE2タンパク質デコイ。
  121. 前記ACE2タンパク質デコイは、2つ以上のデコイユニットを含み、前記2つ以上のデコイユニットは、同じである、請求項118または119に記載のACE2タンパク質デコイ。
  122. 前記ACE2タンパク質デコイは、2つ以上のデコイユニットを含み、ACE2タンパク質デコイは、配列番号91~95、194~197、223、または261~263に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含む、請求項118~121のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ。
  123. 前記ACE2タンパク質デコイは、環化される、請求項122に記載のACE2タンパク質デコイ。
  124. 先行請求項のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイ及び薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物。
  125. 請求項1~123のいずれか1項に記載のようなACE2タンパク質デコイをコードするポリヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
  126. 請求項125に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  127. 請求項126に記載のベクターを含む単離された宿主細胞。
  128. 請求項1~123のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイを発現する単離された宿主細胞。
  129. 請求項127または128に記載の宿主細胞を、ACE2タンパク質デコイを発現するのに適した条件下でインキュベートすることを含む、前記ACE2タンパク質デコイを作成する方法。
  130. 前記ACE2タンパク質デコイを単離することをさらに含む、請求項129に記載の方法。
  131. コロナウイルス感染を予防する方法であって、請求項1~123のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイまたは請求項124に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  132. コロナウイルス感染の少なくとも1つの症状を予防、治療または緩和する方法であって、請求項1~123のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイまたは請求項124に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  133. コロナウイルス感染の少なくとも1つの症状を予防、治療または緩和する方法であって、請求項1~123のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイをコードする核酸を投与することを含む、前記方法。
  134. 前記少なくとも1つの症状または徴候は、肺の炎症、肺胞障害、ウイルス負荷、発熱、咳、息切れ、肺炎、下痢、臓器不全、及び敗血症性ショックからなる群から選択される、請求項132または133に記載の方法。
  135. 前記医薬組成物、またはACE2タンパク質デコイ、またはACE2タンパク質デコイをコードする核酸は、予防的または治療的にそれを必要とする患者に投与される、請求項131~134のいずれか1項に記載の方法。
  136. 前記医薬組成物、ACE2タンパク質デコイ、またはACE2タンパク質デコイをコードする核酸は、第2の治療剤と組み合わせて投与される、請求項131~134のいずれか1項に記載の方法。
  137. 前記第2の治療剤は、抗炎症薬(コルチコステロイド、及び非ステロイド性抗炎症薬など)、抗ウイルス薬、抗生物質、抗酸化薬などの栄養補助食品、及びコロナウイルス感染を治療するための任意の他の緩和的治療からなる群から選択される、請求項136に記載の方法。
  138. 前記第2の治療剤は、サイトカイン放出症候群を治療するために使用される薬物である、請求項136または137に記載の方法。
  139. 前記医薬組成物または前記ACE2タンパク質デコイは、全身投与される、請求項123、124、131、132、または134~138のいずれか1項に記載の方法。
  140. 前記医薬組成物または前記ACE2タンパク質デコイは、局所的に投与される、請求項123、124、131、132、または134~138のいずれか1項に記載の方法。
  141. 前記医薬組成物または前記ACE2タンパク質デコイは、肺への吸入を介して投与される、請求項140に記載の方法。
  142. 前記感染は、SARS-CoV-2によって引き起こされる、請求項131~141のいずれか1項に記載の方法。
  143. 生体サンプルにおけるコロナウイルススパイクタンパク質SARS-CoV-2-Sを検出する方法であって、前記生体サンプルを請求項1~122のいずれか1項に記載のACE2タンパク質デコイに接触させるステップと、前記生体サンプルにおけるコロナウイルススパイクタンパク質を検出するステップと、を含む、前記方法。
  144. コロナウイルスACE2結合スパイクタンパク質SARS-CoV-2-Sに特異的に結合するACE2タンパク質デコイであって、前記ACE2タンパク質デコイは、配列番号47~95、104~172、184~197、223~239、255~263、または264~265に示されているアミノ酸配列と少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含み、それぞれのXは、個別のアミノ酸リンカーである、前記ACE2タンパク質デコイ。
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