JP2023520712A - タイルパネル、多数のこのようなタイルパネルから成る、床、天井または壁面用の表面カバーリング - Google Patents

Abstract

本発明は床、天井または壁を被覆する装飾タイルパネルに関する。さらに、本発明は、本発明による多数の隣接するタイルパネルによって構成される、床、天井または壁面用の表面カバーリングに関し、該複数のタイルパネルは、好ましくは、相互に接続される。

Description

本発明は装飾タイルパネルに関する。さらに、本発明は、本発明による多数の隣接するタイルパネルによって構成される、床、天井または壁面用の表面カバーリングに関する。

セメント層を表面に施した後、表面カバーリングパターンでタイルを該セメント層上に配置して固定することにより、従来の方法で、隣接するタイルの表面カバーリングを施すことが何世紀にもわたって一般的であった。この従来の方法においては、隣接する側縁部間の空隙を充填するために、隣接するタイルパネルの隣接する側縁部間にグラウトがさらに施され、充填されたギャップは、一般に、「グラウトライン」と呼ばれている。それらのグラウトラインは、隣接するタイルの隣接する上面間に存在するグラウトのわずかに凹んだ継ぎ目として可視的である。

タイルカバーリングを施すという該従来の方法に対する代替として、当技術分野においては、セラミック材料等の従来のタイル材料と同様の特性を有する合成材料から作られた上面を有しているタイルパネルを開発することが既に提案されている。このようなタイルパネルが互いに隣接して配置されて、表面に付着されると、隣接するタイルのカバーリングを、セメントまたはグラウトが必要なく異なるおよび実用的な方法で実現することができる。典型的には、それらの隣接するタイルパネルの該隣接する側縁部は、互いに当接して据え付けられ、および相互接続結合プロファイルを含んでもよい。このようにして、グラウトラインの形でグラウトを施すことを省くことができる。

しかし、最近では、従来のタイルカバーリングの全体的な外観を模倣するために、タイルパネルの該上面に矩形状溝を切削加工することにより、該タイルパネルの該側縁部にイミテーションのグラウトラインを設けることが提案されており、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在する。

上記の従来技術から分かっている該イミテーションのグラウトラインの欠点は、該イミテーションのグラウトラインの外観が、いくつかの点において損なわれているということである。第一に、該凹部は、該イミテーションのグラウトラインに、従来の方法で形成されたグラウトラインと比較して、模造的な見た目と雰囲気を与える凹部を生じる、互いに傾斜した構成になっている平坦面で構成された、上方に対向する溝面を有している。第二に、隣接するタイルパネルの結合された隣接する側縁部の境界において、該イミテーションのグラウトラインを二つの半体に分け、したがって、理想的には、二つの隣接するパネル間の該ギャップを充填するグラウトから成る一つの連続した本体に見えなければならない該イミテーションのグラウトラインの該全体的な外観を妨げる継ぎ目が見える。

本発明の目的は、特に該イミテーションのグラウトラインを考慮した、改善された特性を有する新たなタイルパネルを開発することによって、従来技術から分かっていた該欠点を低減するかまたはなくすことである。

本発明の第一の態様において、該上記の目的は、床、天井または壁面を被覆するのに適した装飾タイルパネルの装備によって実現され、このタイルパネルは、
・少なくとも一つのコア層と、
・前記コア層に直接または間接的に取付けられた、または、前記コア層と一体化された少なくとも一つの装飾上部部分であって、該上部部分が、該タイルパネルの上面を画定する、装飾上部部分と、
・前記コア層によりおよび／または前記上部部分により、少なくとも部分的に画定された複数の側縁部と、を備え、
該タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも一つの側縁部に沿って、少なくとも一つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、このグラウトラインは、該タイルパネルの該上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、
該凹部は、上向きの凹部面を有し、前記凹部面は、該凹部の幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲されている。該上向きの凹部面は、好ましくは独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成されている。

したがって、該タイルパネルは、従来の方法で形成されたグラウトラインに固有の表面により正確に似ている、少なくとも部分的におよび好ましくは、実質的に完全に丸みの付いた（湾曲した）凹部面を有するイミテーションのグラウトラインを含む。

この場合、該上部部分は、平坦であってもまたはざらつきがあってもよい（例えば、エンボス加工された、好ましくは、前記上部部分の装飾層形成部分と一致してエンボス加工された）該タイルパネルの最も高い上面を画定することに留意されたい。該上部部分によって画定されたこの上面は、該少なくとも一つの凹部に接続され、前記上面と、該上向きの凹部面は、一緒になって該タイルパネルの上面全体を形成している。該上部部分の該上面に、窪みを用いたエンボス加工等のざらつきが設けられている場合でも、該凹部の該最大深さは、典型的には、前記窪みの最大深さよりも大きくなっている。

該凹部は、例えば、デザイニング、切削加工、切断、印刷、好ましくはディジタル印刷、または、目的に合った任意の研削技術によって形成される。典型的には、該凹部は、製造プロセス中に、材料を切り取り、つまり除去することによって作られる。しかし、該凹部は、材料を取り除くことなく、該製造プロセス中にデザインによって作られることが想定可能である。

好ましくは、少なくとも一つの凹部は、該それぞれの側縁部からある距離に最深箇所を有し、前記最深箇所は、該タイルパネルの該上面よりも前記側縁部に近接して配設され、および前記凹部の該幅は、該タイルパネルの該上面に対して前記凹部の該最大深さの少なくとも二倍、好ましくは少なくとも三倍になっている。該最深箇所は、該凹部の断面図を見て分かるように、単一の最深箇所であってもよい。また、該最深箇所は、該凹部の断面図を見て分かるように、典型的には、該凹部面の最も低い水平部分によって画定される最深ゾーンであってもよい。該凹部には、断面図を見て分かるように、複数の相互に離間された最深箇所が設けられていることが想定可能である。好ましくは、前記凹部の該幅は、該タイルパネルの該上面に対して、前記凹部の該最大深さの少なくとも三倍、好ましくは少なくとも五倍、より好ましくは少なくとも六倍になっている。このことは、図を幅方向で見て分かるように、典型的には、該凹部の清掃性にとって魅力的である細長くて浅い凹部をもたらすとともに、美的観点から魅力的である、比較的大きな目に見える凹部面をもたらす。該側縁部からある距離に該最深箇所を配置することには、湿気が該側縁部から離れる方向に、ひいては二つのタイルパネル間に形成された継ぎ目から離れる方向に押しやられ、このことは、該タイルパネル間での微生物の増殖を刺激する可能性のある、前記継ぎ目内への湿気の染み込みを妨げるという利点がある。したがって、該最深箇所を該側縁部からある距離に位置させることは、衛生的観点から好適である。さらに、該最深箇所のこの方向性は、典型的には、美的観点から好適である。

好ましくは、前記凹部の該最深箇所は、該凹部を、該タイルパネルの該上面に接続している内側凹部部分と、該タイルパネルの該側縁部に接続している外側凹部部分とに分割し、該内側凹部部分の該幅は、該外側凹部部分の該幅の少なくとも二倍、好ましくは少なくとも三倍になっている。このことは、該最深箇所が、該タイルパネルの該上面よりも該側縁部に近接して配設されている該実施形態を生じ、このことは、該上面から該最深箇所へのあまり急峻ではない（より漸進的な）移行部を可能にする。好ましくは、該最深箇所に対する該内側凹部部分の最大高さは、該最深箇所に対する該外側凹部部分の該最大高さの少なくとも四倍である。このことは、該外側凹部部分の該高さが限定される該実施形態を生じ、このことは、この外側凹部部分を破損し難くする。

好ましくは、該凹部面の少なくとも一つの凹状形状部分は、該側縁部に向かう漸増的半径を有する。好ましくは、該内側凹部部分の該凹部面は、該最深箇所に向かう漸増的半径を有する。このことは、該凹部と、該タイルパネルの該上面との間の明確な移行ラインの形成を可能にするとともに、該凹部の該深さを限定的に保持する。該タイルパネルの厚さは、好ましくは、該タイルパネルの該上面に対する該凹部の該最大深さの少なくとも十倍になっている。

該独立したグラウト被覆層は、これを用いる場合、該コア層または該上部部分との一体部分を形成せず、および典型的には、該製造プロセス中または製造プロセス後に、独立した層として適用される。該独立したグラウト層は、モルタルに似せるための灰色の外観、および／または視覚的な奥行き効果を生み出すための、該上部部分よりも暗い外観等の適切な外観から成る該イミテーションのグラウトラインを与えるために用いられる。さらに、該独立したグラウト層は、典型的には、該タイルパネルの下にある破損し易い側縁部分を保護するための保護機能を有する。ここで、該独立したグラウト層は、例えば、該下にある層よりも高い耐擦傷性（耐摩耗性）を有していてもよく、および／または該下にある側縁部分よりも良好な耐水特性を有していてもよい。該独立したグラウト層は、該凹部の一部のみ、具体的には、該凹部の湾曲した部分（表面）の一部のみを被覆することができるであろう。しかし、典型的には、上述した理由により、該実質的に完全な湾曲凹部面が、該独立したグラウト被覆層によって形成されていることがより好適であり、および該実質的に完全な凹部面が、該独立したグラウト被覆層によって形成されていることがより好適である。必要に応じて、該独立したグラウト被覆層は省かれる。この後者の場合、該上向きの凹部面は、典型的には、該上部部分の少なくとも一部および／または該コア層のいずれかによって形成される。

該独立したグラウト被覆層は、典型的には、
・金属層としておよび／または金属粒子として施すことができるであろう、アルミニウム等の金属と、
・ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエステルまたはポリエチレン（ＰＥ）等の少なくとも１つの熱可塑性材料、および／または、
・ポリウレタン等の少なくとも一つの熱硬化性材料と、
・少なくとも一つの少なくとも部分的に硬化した樹脂、具体的には、少なくとも部分的に硬化したインクおよび／または少なくとも部分的に硬化した塗料と、
とから成る群から選択された少なくとも一つの材料で、少なくとも部分的に形成される。

該独立したグラウト層は、モノリシック層（単一層）とすることができ、または、複数の副層から成る層状で構成することができるであろう。

好ましくは、該独立したグラウト被覆層は、コーティングによって形成される。典型的には、該コーティングは、ローラまたはブラシによって、液状態で施され、該塗料は、典型的には、空気および／または赤外線放射等の放射によって、後に硬化（乾燥）される。

また、該グラウト層が、転写フィルムを用いた転写技術によって形成されることも想定可能であり、および潜在的にも好適である。好ましくは、この転写フィルム（転写箔）には、当初、転写可能なディジタルプリントが設けられている。このディジタルプリントは、転写印刷中に該凹部に転写され、その後、該凹部面の少なくとも一部を形成することとなる。該独立したグラウト層を転写印刷によって形成することは、少量生産の場合であっても、幾分経済的な方法で実現することができる。

また、該独立したグラウト被覆層が、印刷層、具体的には、ディジタル印刷した層によって形成されることも考えられる。この方法で、該凹部面の少なくとも一部を形成するために、および必要に応じて、該凹部に、その形状、そのテクスチャーおよび／またはその厚さを与えるためにも、二次元のさらには三次元の構造を印刷することができる。ディジタル印刷によって、ポジティブエンボス加工とも呼ばれる、隆起した（３Ｄ）構造を作り出すことができる。また、既に印刷されている液体ベースの層上にエッチング液が印刷され、このことが、ネガティブエンボス加工とも呼ばれる、位置が選択された窪みを生じることも想定可能である。また、このポジティブエンボス加工工程と、（好ましくは連続する）ネガティブエンボス加工工程の組合せも、被覆構造の周辺部を形成するために想定可能である。したがって、この印刷プロセスは、最終的に該凹部を形成する、エンボス加工された構造が作り出される印刷プロセスと見なすことができるであろう。

該独立したグラウト被覆層は、好ましくは実質的に一定の厚さを有する。しかし、該独立したグラウト被覆層が、該凹部の該幅方向にわたって変化する厚さを有することも想定可能である。この後者の場合、該グラウト被覆層は、（主に）該凹部それ自体ならびに該上向きの凹部面の最終的な形状を形成することに関与している。

典型的には、該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの該上面に接続している。典型的には、該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの該側縁部に接続している。該独立したグラウト被覆層は、滑らかな上方面を有していてもよく、このことは、典型的には、該グラウトの該清掃性を向上させる。また、該独立したグラウト被覆層は、（細かいかまたは粗い）質感の上方面を有することも想定可能である。この質感の表面は、従来の充填グラウトラインと比較して、より現実的な見た目や手触り感を該イミテーションのグラウトラインに与える。

該独立したグラウト被覆層は、典型的には、該タイルパネルの下にある部分に接着されおよび／または結合される。

該上部部分の少なくとも一部、例えば、一つの層が、溝状凹部が形成されている側縁部まで延在していることが想定可能である。このことは、該独立したグラウト被覆層が、該凹部内に位置するかまたは該凹部の下にある該上部部分に施されるという状況をもたらす。完成した上部部分は、該側縁部まで延在することができるであろうが、多くの場合、該上部部分が、該側縁部からある距離で終端すること、または、該上部部分の該厚さと比較して低減された厚さを有する、該上部部分の一部のみが、該側縁部まで延在していることが好適である。この後者の実施形態においては、典型的には、ポリマー層（ＰＶＣ）および必要に応じて、装飾層等の該上部部分の一つかまたは二つの層が、該側縁部まで延在している。該上部部分の典型的な摩耗層は、前記側縁部からある距離に保持される。このことは、該凹部を効果的に作り出すスペースをもたらす。該上部部分全体が、該側縁部からある距離で終端している場合には、該独立したグラウト被覆層が、（該側縁部に接続している）下にあるコア部に直接施されることが典型的には好適である。

好ましくは、該上向きの凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、少なくとも部分的に漸進的に凹状に湾曲されている。このことは、湾曲部が連続的な湾曲部であることを意味する。このことは、表面凹部での鋭い隆起（不連続部）の存在を防ぎ、そのことが、該湾曲した凹部面の外観を改善する。好ましくは、該上向きの凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、実質的に完全に凹状に湾曲している。

（該上部部分の該（最も高い）上面に対する）該凹部の該最大深さを定義する、少なくとも一つの凹部の該最深箇所は、該側縁部に、または、該側縁部からある距離に配置することができるであろう。この後者の場合、概して放物線状の凹部面が存在している。少なくとも一つの凹部が、関連の側縁部からある距離に最深箇所を有し、前記最深箇所は、該タイルパネルの該上面よりも該側縁部に近接して配設されることが想定可能である。

該凹部面の少なくとも一つの凹状部の該湾曲部は、一定の半径を有していてもよい。しかし、該凹部面の少なくとも一つの凹状部の該湾曲部が、該幅方向にわたって変化する半径を有していてもよいことも想定される。好ましくは、該凹部面の少なくとも一つの凹状部の該半径は、該側縁部に向かう方向に増加している。このことは、該凹部面部は、該上部部分の該上面に隣接して最大湾曲部を有し、および該側縁部に向かう方向には、より少ない湾曲部ができているという状況をもたらす。ここでは、例えば、該側縁部に接続している凹部面部が、低い湾曲部を有しているか、または、湾曲部を有していないことが想定可能であり、このことは、該側縁部における、実質的に平坦な凹部面部を生じさせる。好ましくは、該凹部面の少なくとも一つの凹状部（の少なくとも一部）は、３～７ｍｍ、好ましくは４～５ｍｍの少なくとも一つの半径を有する。好ましくは、該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、該凹部の（ミリメートルの）該幅を超える（ミリメートルの）半径を有する。好ましくは、該凹部の該幅は、４．５ｍｍよりも小さい。好ましくは、該溝状凹部は、（その長さ方向にわたって）該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって画定される、実質的に一定の幅を有する。該凹部の該幅が、例えば、該装飾上部部分が、例えば、木目調および／または石のパターンから成る該見た目を有している場合に魅力的である、より自然な外観を該凹部に与えるように、その長さ方向に（わずかに）変化することが想定可能である。

該凹部には、該上部部分の該上面と、該凹部面の凹状湾曲部との間に配置された面取り縁部（傾斜縁部）が設けられている。これは、（微小）斜面とも呼ばれている。この面取り縁部は、典型的には平坦であり、すなわち、湾曲されていない。該面取り縁部は、好ましくは５度～５０度、好ましくは５度～４５度で位置する該タイルパネルによって画定される平面に対して、ある角度を囲む。典型的にはこれらの（微小）斜面は、本発明による複数のタイルパネルから成るタイルパネルカバーリングの見た目および手触り感を改善するために、該上面と該凹部の該湾曲部との間に滑らかな移行部を形成するように、および多くの場合、該パネル間の高さの小さな差を補正するように、および望ましくない鋭い縁部の存在を可能な限り防ぐように施される。この面取り縁部の該幅は、典型的には、０．０５～２ｍｍであり、および好ましくは約１ｍｍである。

少なくとも一つの側縁部には、溝状凹部がないことが想定可能である。この凹部のない側縁部には、該上面に接続している面取り縁部を設けてもよい。第一のタイルパネルの凹状側縁部が、第二のタイルパネルの凹部のない側縁部に隣接して位置している場合、（微小）斜面湾曲グラウトラインが、人の目には見えにくく、そのため美的観点から魅力的である、偏心的に配置された継ぎ目によって形成される。このようにして、該イミテーションのグラウトラインは、人の目には、連続的主体として見える。

好ましくは、該タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも二つの接続側縁部に沿って、少なくとも二つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、各グラウトラインは、該タイルパネルの該上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、および該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって画定されている実質的に一定の幅を有し、該凹部は、独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成されている上向きの凹部面を有し、前記凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲されている。接続するグラウトラインの該形状および／または寸法は、同一であってもよく、または、差があってもよい。

好ましくは、前記グラウト被覆層は、摩耗副層および装飾副層を備え、前記摩耗層は、該タイルパネルの該前記上面に接続し、および実質的に透明な材料を有し、その結果、前記装飾副層は、前記摩耗層を通して目に見える。該装飾（副）層は、ディジタル印刷した装飾層によって形成してもよい。この装飾層は、（例えば、中間下塗層を用いることにより）該コア層に直接または間接的に印刷してもよい。また、該装飾層は、装飾パターンを担持するフィルムまたは箔によって形成してもよい。該装飾プリントまたはパターンは、さまざまな性質を持っていてもよく、および例えば、人造大理石、人造石、擬石、人造セラミック、または模造材によって形成してもよく、あるいは、他の何らかの可能性のある空想をベースとするパターンまたはデザインとしてもよい。典型的には、該上部部分は、ポリマー層（例えば、ＰＶＣ層）等の少なくとも一つの中間層、および／またはガラス繊維層（織または不織）等の補強層も備えている。

好ましくは、前記上部部分は、摩耗層および装飾層を備え、前記摩耗は、前記装飾層が前記摩耗層を通して目に見えるように、実質的に透明な材料で形成される。また、該上部部分が、少なくとも一つのタイルから成ること、または、少なくとも一つのタイルによって全体的に形成されることも想定可能である。このタイルは、スライス可能な天然石、大理石、コンクリート、石灰石、花崗岩、粘板岩、ガラス、セラミック、木材または複合材料で形成してもよい。Monocutturaセラミック、Monoporosaセラミック、磁器セラミックまたはマルチ鋳造セラミックから成る群から選択されたタイプのセラミック材料が特に好適である。

好適な実施形態において、本発明による該タイルパネルは、木材プラスチック複合材および／または石材プラスチック複合材等の一つ以上のプラスチック複合材から実質的に形成される。これらの材料は、大理石、石材、セラミックまたは木材等の従来のタイル材料の代替として高度に適切で実現可能であることが実証済みである。

好ましくは、本発明による該タイルパネルにおいて、該凹部面は、好ましくはザラザラした（粗い）上方質感を有する、本来のグラウトラインの上方質感と似ている上方質感を有する。該凹部面の該質感は、粗い質感であってもよい。この粗い質感は、例えば、該凹部自体の形成後または形成中に実行される粗面化技術、例えば、機械的ブラッシングによって作り出してもよい。該凹部面の粗い上方質感は、該イミテーションのグラウトラインがあたかも本来のグラウトラインであるかのように、該人の目に見えることを効果的に実現する。

該独立したグラウト被覆層は、該イミテーションのグラウトラインの耐久性をさらに向上させる耐摩耗性および／または撥水性を有する材料から形成することができる。コーティング層は、例えば、転写印刷によって該構造に施される薄膜である。該グラウト被覆層は、典型的には、０．０１０ｍｍから０．１０ｍｍまでの厚さを有するが、この範囲からのずれも可能である。該コーティング層の適切な色を選択することにより、該イミテーションのグラウトラインは、あたかも本来のグラウトラインであるかのように該人の目に見える。

該コア層は、剛性、フレキシブルまたは半剛性であってもよい。該コア層は、中実または少なくとも部分的に発泡状であってもよい。該コアは、エチレン酢酸ビニル（ＥＶＡ）、ポリウレタン（ＰＵ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリイソシアヌレート（ＰＩＲ）またはこれらの混合物から成る群から選択された少なくとも一つの未使用のおよび／または再利用のポリマーを含む。該コア層は、少なくとも一つの木材ベースの材料を含んでいてもよい。該コアは、少なくとも一つのポリマー材料から成る少なくとも一つの複合材料と、少なくとも一つの非ポリマー材料とを含んでいてもよい。該少なくとも一つの非ポリマー材料は、好ましくは滑石、チョーク、木材、炭酸カルシウムおよび無機充填剤から成る群から選択される。該コアは、酸化マグネシウムおよび／または水酸化マグネシウムを含んでもよい。該コアの上側は、好ましくは実質的に平坦である。

本発明による該タイルパネルは、４．０ｍｍから１２．０ｍｍまでの範囲の好適な厚さを有する。該タイルパネルがコア層および上部部分を備えている場合、該上部部分は、０．３０ｍｍから１．２０ｍｍまでの範囲の厚さを有することができ、同時に、該コア層は、３．５０ｍｍから１１．０ｍｍまでの範囲の厚さを有することができる。該上部部分が、一つ以上のタイルによって形成されている場合、該タイルパネル自体の該上部部分の全体の厚さは、典型的には、より大きくなるであろう。

好ましくは、該凹部の該最大深さは、０．２～１．５ミリメートルであり、より好ましくは、該凹部の該最大深さは、０．２～０．８ミリメートルである。該イミテーションのグラウトの満足のいく視覚効果を獲得するためには、最大垂直方向深さは、この範囲から選択される。上部部分およびコア層の両方を備えているタイルパネルにおいては、該凹状に湾曲したグラウトラインは、該上部部分および該コア層の両方の中へ垂直方向に延在していてもよいことに留意されたい。

本発明による該タイルパネルにおいて、該凹部面の漸次的な曲線部は、好ましくは該タイルパネルの垂直ベクトルに対して、４５度未満の少なくとも一つの接線を含み、さらに好ましくは、該垂直ベクトルに対して２０度～７０度未満の接線も含み、および最も好ましくは、該垂直ベクトルに対して９０度未満の接線も含む。該タイルパネルの該垂直ベクトルは、本願明細書においては、該タイルパネルの該上面に垂直なベクトルとして定義される。上記で紹介した接線を含む該漸次的な曲線部は、三日月形状の曲線部の一部として特徴付けることができるであろう。

本発明による該タイルパネルにおいては、該側縁部が、少なくとも一組の、好ましくは２組の、対向する側縁部を備え、前記組の一方の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、前記組の他方の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていないことが好適である。より好ましくは、該側縁部は、少なくとも一組の、および好ましくは二組の、対向する側縁部を備え、組の第一の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、該組の第二の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない。隣接するタイルパネルで構成された表面カバーリングを構成した場合、該タイルパネルは、一方のタイルパネルの第一の側縁部が、別のタイルパネルの第二の側縁部に当接するパターンで配置してもよい。この状況において、二つの当接するタイルパネル間の該イミテーションのグラウトラインが、該イミテーションのグラウトラインを含む該第一の側縁部によって形成されている場合、第二の縁部は、該第一の側縁部の該イミテーションのグラウトラインを画定するにすぎない。二組の対向する側縁部が設けられている場合には、各タイルパネルが、二組のイミテーションのグラウトラインが視覚的に隣接する表面カバーリングを得ることが可能である。本発明による該タイルパネルにおいては、一組の該第一および第二の側縁部が互いに平行であること、好ましくは該タイルパネルが、矩形または六角形のフォーマットを有することが特に好適である。

本発明による該タイルパネルの一組の第一および第二の側縁部に関しては、相互に作用する結合プロファイルが設けられ、その結果、第一のタイルパネルの該第一の側縁部を、第一、第二の結合プロファイルによって、第二のパネルの該第二の側縁部に結合することができることが好適である。

該本発明による該タイルパネルの好適な実施形態において、少なくとも一組の対向する第一および第二の側縁部には、相互に作用する結合プロファイルが設けられ、その結果、第一のタイルパネルの該第一の側縁部を、第二のタイルパネルの該第二の側縁部に結合することができ、該第一の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、前記イミテーションのグラウトラインの外側部分は、垂直方向面を画定し、前記第一の側縁部に配置された第一の結合プロファイルの少なくとも一部は、該イミテーションのグラウトラインの該幅よりも大きく、かつ該イミテーションのグラウトラインの該幅の三倍よりも小さい、好ましくは二倍よりも小さい水平方向距離にわたって、前記垂直方向面に対して延在する。好ましくは、第一のタイルパネル縁部は、第一の結合プロファイルを備え、および好ましくは、該第一のタイルパネル縁部に対向する第二のタイルパネル縁部は、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第二の結合プロファイルを備え、該第一の結合プロファイルと該第二の結合プロファイルは、好ましくは二つのこのようなパネルを、降下（ドロップダウンまたは垂直方向下方への）動作によって、互いに結合できるように構成される。
好ましくは、該第一の結合プロファイルは、
・上向き舌部と、
・前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上方フランクと、
・前記上向き舌部と前記上方フランクとの間に形成された上向き溝であって、該上向き溝は、隣接するパネルの第二の結合プロファイルの下向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、上向き溝と、
・好ましくは、前記上方フランクから離れて対向する前記上向き舌部の遠方側に設けられた、少なくとも一つの第一のロッキング要素と、を備え、
および前記第二の結合プロファイルは、
・第一の下向き舌部と、
・前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの第一の下方フランクと、
・前記下向き舌部と前記下方フランクとの間に形成された第一の下向き溝であって、該下向き溝は、隣接するパネルの第一の結合プロファイルの上向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、第一の下向き溝と、
・隣接するパネルの第一のロッキング要素との協働のために適合された少なくとも一つの第二のロッキング要素であって、前記第二のロッキング要素は、好ましくは前記下方フランクに設けられている、少なくとも一つの第二のロッキング要素と、を備えている。

好ましくは、該タイルパネルは、それぞれ、第三のタイルパネル縁部および第四のタイルパネル縁部に配設された、少なくとも一つの第三の結合プロファイルおよび少なくとも一つの第四の結合プロファイルを備え、該第三の結合プロファイルは、
・前記コア層の前記上側に実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
・前記側方舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランクと、
・前記側方舌部と前記第二の下方フランクとの間に形成された第二の下向き溝と、
を備え、該第四の結合プロファイルは、
・隣接するパネルの該第三の結合プロファイルの該側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成された第三の溝であって、前記第三の溝は、上方唇部および下方唇部によって画定されており、前記下方唇部には、上向きのロッキング要素が設けられている、第三の溝、を備え、
該第三の結合プロファイルと該第四の結合プロファイルは、このような二つのパネルを回転運動によって互いに結合することができ、結合状態においては、第一のパネルの該側方舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの該第三の溝に挿入され、および前記第二のパネルの該上向きのロッキング要素の少なくとも一部が、前記第一のパネルの該第二の下向き溝に挿入されるように構成される。

好ましくは、該第一のタイルパネル縁部と該第四のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、該第二のタイルパネル縁部と該第三のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない。

本発明による該タイルパネルの好適な実施形態において、第四の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、前記イミテーションのグラウトラインの外側部分は、垂直方向面を画定し、前記第一の側縁部に配置された第四の結合プロファイルの少なくとも一部は、該イミテーションのグラウトラインの該幅よりも大きく、かつ該イミテーションのグラウトラインの該幅の三倍よりも小さい、好ましくは二倍よりも小さい水平方向距離にわたって、前記垂直方向面に対して延在する。

好ましくは、該パネルの側縁部に接続している該凹部の外側部分は、同様のタイルパネルの凹部の外側部分に当接するように構成され、および該垂直方向面に延在する接合面を画定する。このことは、隣接するタイルパネルの該上部部分が、この接合面を横切らないことを、および該タイルパネルには、該タイルパネルの該上面近傍に、何らかの重なり合う縁部がないことを意味する。

好ましくは、該凹部面には、何らかの凸状に湾曲した部分がない。好ましくは、該凹部面は、全体的に凹状に湾曲している。

（より）好適な実施形態において、第一のパネル縁部は、第一の結合プロファイルと、水平方向と垂直方向の両方向において、隣接する表面被覆要素の前記第一の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第二の結合プロファイルを備える、好ましくは、該第一のパネル縁部に対向する第二のパネル縁部とを備え、該第一の結合プロファイルと該第二の結合プロファイルは、好ましくは、二つのこのような表面被覆要素を、下降動作（フォールドダウン動作）によって互いに結合することができるように構成されている。該表面被覆要素が矩形状である場合には、該第一のパネル縁部と第二のパネル縁部は、典型的には、該表面被覆要素の対向する短縁部に配置される。また、該表面被覆要素は、好ましくは、それぞれ、第三のパネル縁部および第四のパネル縁部に配設された少なくとも一つの第三の結合プロファイルおよび少なくとも一つの第四の結合プロファイルを備え、該第三の結合プロファイルは、該コアの該上側に実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、該側方舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランクと、該側方舌部と該第二の下方フランクとの間に形成された第二の下向き溝とを備え、該第四の結合プロファイルは、隣接する表面被覆要素の該第三の結合プロファイルの該側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成された第三の溝を備え、前記第三の溝は、上方唇部と下方唇部とによって画定され、前記下方唇部には、上向きのロッキング要素が設けられ、該第三の結合プロファイルと該第四の結合プロファイルは、二つのこのような表面被覆要素を、回転動作（アングリングダウン動作）によって互いに結合することができるように構成され、結合状態において、第一の表面被覆要素の該側方舌部の少なくとも一部は、隣接する第二の表面被覆要素の該第三の溝に挿入され、および前記第二の表面被覆要素の該上向きのロッキング要素の少なくとも一部は、前記第一の表面被覆要素の該第二の下向き溝に挿入される。好ましくは、相補的な結合プロファイルは、該タイルパネルによって画定される平面に平行な方向において、および／または該タイルパネルによって画定される前記平面に垂直な方向において、結合されたタイルパネルを相互にロックするように構成されている。

該タイルパネルの該上部部分および該コア層は、互いに一体化してもよく、このことは、モノリシック（単一層）タイルパネルを生じることとなり、該タイルパネルを完成させるために、一つのみまたはそれ以上の独立したグラウト被覆層が、追加的な層として施される。

本発明の第二の態様によれば、先行のクレームのうちの一つに記載の、多数の、好ましくは相互に接続された、隣接するタイルパネルによって構成される、床カバーリング、壁カバーリングまたは天井カバーリング等の表面カバーリングが提供される。タイルパネルを材料とするこのような表面カバーリングは、視覚的に満足な結果を実現し、該表面カバーリングは、人の目には、従来の方法で配置されたタイルカバーリングとして見える。

本発明による該タイルパネルの好適な実施形態は、以下に提示する条項の非限定的なセットで提示される。

１．床、天井または壁面を被覆するのに適している装飾タイルパネルであって、このタイルパネルは、
・少なくとも一つのコア層と、
・前記コア層に直接または間接的に取付けられた、少なくとも一つの装飾上部部分であって、該上部部分が、前記タイルパネルの上面を画定する、少なくとも一つの装飾上部部分と、
・前記コア層によりおよび／または前記上部部分によって少なくとも部分的に画定された複数の側縁部と、を備え、
前記タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも一つの側縁部に沿って、少なくとも一つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、該グラウトラインは、該タイルパネルの前記上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、および、好ましくは、該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって境界が定められる実質的に一定の幅を有し、
該凹部は、独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成される上向きの凹部面を有し、前記凹部面は、該凹部の幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲されている。

２．該実質的に完成した凹部面は、該独立したグラウト被覆層によって形成される、条項１に記載のタイルパネル。

３．該独立したグラウト被覆層は、コーティングによって形成される、条項１または２に記載のタイルパネル。

４．該独立したグラウト被覆層は、転写印刷を用いた、転写箔または転写フィルムによって生じる転写層によって形成される、上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

５．該独立したグラウト被覆層は、印刷層によって形成される、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

６．該独立したグラウト被覆層は、実質的に一定の厚さを有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

７．該独立したグラウト被覆層は、該凹部の該幅方向にわたって変化する厚さを有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

８．該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの該上面に接続している、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

９．該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの該それぞれの側縁部に接続している、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１０．該独立したグラウト被覆層と、該タイルパネルの該上面は、異なる外観を有している、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１１．該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの該上面よりも色が濃い、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１２．該独立したグラウト被覆層は、滑らかな上方面を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１３．該独立したグラウト被覆層は、質感のある上方面を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１４．該独立したグラウト被覆層は、該タイルパネルの下にある部分に接着されおよび／または結合される、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１５．該上部部分の少なくとも一部は、溝状凹部が形成されている側縁部まで延在している、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１６．該上向きの凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、少なくとも部分的に漸進的に凹状に湾曲されている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１７．該上向きの凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、実質的に完全に凹状に湾曲されている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１８．少なくとも一つの凹部は、該それぞれの側縁部からある距離に最深箇所を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

１９．少なくとも一つの凹部は、該それぞれの側縁部からある距離に最深箇所を有し、前記最深箇所は、該タイルパネルの該上面よりも該側縁部の近傍に配設される、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２０．該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、該それぞれの側縁部に向かう漸増的半径を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２１．該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、一定の半径を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２２．該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、３～７ミリメートル、好ましくは４～５ミリメートルの少なくとも一つの半径を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２３．該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、該凹部の該幅を越える半径を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２４．該凹部の該幅は、４．５ミリメートルよりも小さい、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２５．該凹部の該最大深さは、０．２～１．５ミリメートル、好ましくは０．２～０．８ミリメートルである、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２６．該凹部には、該タイルパネルの上面と、該凹部面の凹状に湾曲した部分との間に配置された面取り縁部が設けられている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２７．少なくとも一つの縁部には溝状凹部がなく、前記縁部には、該上面に接続している面取り縁部が設けられている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２８．該タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも二つの接続側縁部に沿って、少なくとも二つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、各グラウトラインは、該タイルパネルの該上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、および該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって画定される実質的に一定の幅を有し、該凹部は、独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成される上向きの凹部面を有し、前記凹部面が、該凹部の該幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲されている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

２９．前記グラウト被覆層は、摩耗副層および装飾副層を備え、前記摩耗層は、該タイルパネルの該前記上面に接続し、および実質的に透明な材料を有し、その結果、前記装飾副層は、前記摩耗層を通して目に見える、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３０．前記上部部分は、摩耗層および装飾層を備え、前記摩耗層は、該タイルパネルの前記上面と一致し、および実質的に透明な材料を有し、その結果、前記装飾層は、前記摩耗層を通して目に見える、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３１．該タイルパネルの該コア層は、木材プラスチック複合材および／または石材プラスチック複合材および／または鉱物プラスチック複合材等の一つ以上のプラスチック複合材から少なくとも部分的に形成される、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３２．該タイルパネルは、４．０ｍｍから１２．０ｍｍまでの範囲の厚さを有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３３．該凹部面の漸次的な曲線部は、該タイルパネルの垂直ベクトルに対して、４５度未満の少なくとも一つの接線を含み、および好ましくは、該垂直ベクトルに対して２０度～７０度未満の接線も含み、および最も好ましくは、該垂直ベクトルに対して９０度未満の接線も含む、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３４．該側縁部は、少なくとも一組の、好ましくは二組の対向する側縁部を備え、該組の第一の側縁部にはイミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、組の第二の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３５．組の該第一および第二の側縁部は互いに平行であり、好ましくは、該タイルパネルは、矩形または六角形のフォーマットを有する、条項３４に記載のタイルパネル。

３６．組の該第一のおよび／または第二の側縁部には、相互に作用する結合プロファイルが設けられ、その結果、第一のタイルパネルの該第一の側縁部を、第二のタイルパネルの該第二の側縁部に結合することができる、条項３４または３５に記載のタイルパネル。

３７．該結合プロファイルは、該タイルパネルによって画定される平面に平行な方向において、および／または該タイルパネルによって画定される前記平面に垂直な方向において、結合されたタイルパネルを相互にロックするように構成されている、条項３６に記載のタイルパネル。

３８．前記凹部は、該それぞれの側縁部からある距離に最深箇所を有し、前記最深箇所は、該タイルパネルの該上面よりも前記側縁部に近接して配設され、および前記凹部の該幅は、該タイルパネルの該上面に関して、前記凹部の最大深さの少なくとも三倍になっている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

３９．前記凹部の該幅は、該タイルパネルの該上面に対して、前記凹部の該最大深さの少なくとも六倍である、条項３８に記載のタイルパネル。

４０．前記凹部の該最深箇所は、該凹部を、該タイルパネルの該上面に接続している内側凹部部分と、該タイルパネルの該側縁部に接続している外側凹部部分とに分割し、該内側凹部部分の該幅は、該外側凹部部分の該幅の少なくとも二倍になっている、条項３８または３９に記載のタイルパネル。

４１．該内側凹部部分の該幅は、該外側凹部部分の該幅の少なくとも三倍になっている、条項４０に記載のタイルパネル。

４２．該最深箇所に対する該内側凹部部分の最大高さは、該最深箇所に対する該外側凹部部分の該最大高さの少なくとも四倍である、条項４０または条項４１に記載のタイルパネル。

４２．該凹部面の少なくとも一つの凹状部は、該側縁部に向かう漸増的半径を有する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

４３．該内側凹部部分の該凹部面は、該最深箇所に向かう漸増的半径を有する、条項４０乃至４２のうちの一項に記載のタイルパネル。

４４．該タイルパネルの該厚さは、該タイルパネルの該上面に対する該凹部の該最大深さの少なくとも十倍になっている、該上記の条項の一項に記載のタイルパネル。

４５．該側縁部は、少なくとも一組の、好ましくは二組の対向する側縁部を備え、前記組の一方の側縁部にはイミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、前記組の他方の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない、上記の条項の一項に記載のタイルパネル。

４６．少なくとも一組の対向する第一および第二の側縁部には、相互に作用する結合プロファイルが設けられ、その結果、第一のタイルパネルの該第一の側縁部を、第二のタイルパネルの該第二の側縁部に結合することができ、該第一の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、前記イミテーションのグラウトラインの外側部分は、垂直方向面を画定し、前記第一の側縁部に配置された第一の結合プロファイルの少なくとも一部は、該イミテーションのグラウトラインの幅よりも大きく、かつ該イミテーションのグラウトラインの該幅の三倍よりも小さく、好ましくは二倍よりも小さい、ある水平方向距離にわたって、前記垂直方向面に対して延在する、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

４７．第一のタイルパネル縁部は、第一の結合プロファイルを備え、および好ましくは、該第一のタイルパネル縁部に対向する第二のタイルパネル縁部は、水平方向および垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルと連結係合するように設計されている第二の結合プロファイルを備え、該第一の結合プロファイルと該第二の結合プロファイルは、好ましくは二つのこのようなパネルを、降下動作によって互いに結合できるように構成されている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

４８．該第一の結合プロファイルが、
・上向き舌部と、
・該上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上方フランクと、
・該上向き舌部と前記上方フランクとの間に形成された上向き溝であって、該上向き溝は、隣接するパネルの第二の結合プロファイルの下向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、上向き溝と、
・好ましくは、該上方フランクから離れて対向する該上向き舌部の遠方側に設けられた、少なくとも一つの第一のロッキング要素と、を備え、
および該第二の結合プロファイルが、
・第一の下向き舌部と、
・該下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの第一の下方フランクと、
・該下向き舌部と該下方フランクとの間に形成された第一の下向き溝であって、該下向き溝は、隣接するパネルの第一の結合プロファイルの上向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、第一の下向き溝と、
・隣接するパネルの第一のロッキング要素との協働のために適合された少なくとも一つの第二のロッキング要素であって、前記第二のロッキング要素は、好ましくは該下方フランクに設けられている、少なくとも一つの第二のロッキング要素と、
を備える、条項４７に記載のタイルパネル。

４９．該タイルパネルは、それぞれ、第三のタイルパネル縁部および第四のタイルパネル縁部に配設された、少なくとも一つの第三の結合プロファイルおよび少なくとも一つの第四の結合プロファイルを備え、該第三の結合プロファイルは、
・該コアの該上側に実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
・該側方舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランクと、
・該側方舌部と該第二の下方フランクとの間に形成された第二の下向き溝と、
を備え、前記第四の結合プロファイルは、
・隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルの前記側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成された第三の溝であって、前記第三の溝は、上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には、上向きロッキング要素が設けられる、第三の溝、を備え、
該第三の結合プロファイルと前記第四の結合プロファイルは、このような二つのパネルを回転運動によって互いに結合することができ、結合状態においては、第一のパネルの該側方舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの前記第三の溝に挿入され、および前記第二のパネルの該上向きのロッキング要素の少なくとも一部が、前記第一のパネルの該第二の下向き溝に挿入されるように構成される、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

５０．該第一のタイルパネル縁部と該第四のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、該第二のタイルパネル縁部と該第三のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない、条項４８および４９に記載のタイルパネル。

５１．該パネルの側縁部に接続している該凹部の外側部分は、同様のタイルパネルの凹部の外側部分に当接するように構成され、および該垂直方向面内に拡がる接合面を画定する、上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

５２．該凹部面には、凸状に湾曲した部分が何もなく、および該凹部面は、好ましくは全体的に凹状に湾曲されている、該上記の条項のうちの一項に記載のタイルパネル。

５３．該上記の条項のうちの一項に記載の多数の隣接するタイルパネルによって構成される、特に床、天井または壁面用の表面カバーリング。

５４．該上記の条項のうちの一項に記載の隣接する相互に接続された多数のタイルパネルによって構成されている、条項５３に記載の表面カバーリング。

本発明を、いくつかの実施例により、および添付図面を参照してさらに説明する。
本発明の好適な実施形態によるタイルパネルの平面図である。 図１の該タイルパネルの断面図である。 本発明による該タイルパネルの別の好適な実施形態の断面図である。 好適な種類の結合プロファイルによって互いに連結される二つの隣接するパネルの該側縁部の細部の断面図である。 別の好適な種類の結合プロファイルによって互いに連結される二つの隣接するパネルの断面図である。 本発明によるタイルパネルの長手方向断面図である。 図６による該タイルの断面図である。 図６による該長手方向断面図の詳細な部分図である。 図７による該断面図の詳細な部分図である。

図１は、上面３と、底面（見えてない）と、複数の側縁部７ａ～７ｄとを有する実質的に平坦なフォーマットから成るタイルパネル１を示す。

該タイルパネル１には、上面３の凹部によって形成されている二つのイミテーションのグラウトライン９，９’が、該二つの側縁部７ｂ，７ｃに沿って設けられており、および該タイルパネルは、それぞれの該側縁部７ｂおよび７ｃによって境界が定められている、実質的に一定の幅を有する。

点線Ａ－Ａ’は、図２に示されている該パネルの断面を示す。

図２は、図１の線Ａ－Ａ’に沿った、図１と同じタイルパネル１の断面を示す。両図面の同一の部材は、図１と同じ参照数字を有している。

該タイルパネルは、底面５を有し、および弾性材料から成る実質的に平坦なコア層２０と、該コア層２０の上側と接続されている実質的に平坦な上部層２２とで構成されている。該上部層２２は、大理石、石材、セラミックまたは木材等の天然素材に似ている特性を有し、および木材プラスチック複合材および／または石材プラスチック複合材から形成される。該コア層２０は、熱可塑性材料、例えば、ＰＶＣで形成される。

該イミテーションのグラウトライン９は、上向きの凹部面１１を有する凹部によって形成され、この凹部面は、該凹部９の幅方向にわたって、凹型の漸進的曲線を備えている。

図３は、該それぞれの側縁部７ａおよび７ｂに設けられている舌部３０および溝３２から成る結合プロファイルによって連結されている、二つの隣接するタイルパネル１および１’の二つの当接する側縁部７ａおよび７ｂを示す。

該イミテーションのグラウトライン９は、グラウト被覆層１０を備える三日月状凹部によって形成され、この凹部の上側は、該上向きの凹部面を形成している。該グラウト被覆層１０は、粗い上方質感と、好ましくは灰色とを有する。該凹部９は、矢印ｄｍで示すような最大垂直方向深さを有する。垂直方向ベクトルＶは、該タイルパネル１の該上面に対して垂直方向に向いており、および該タイルパネルの垂直方向を示す。

該凹部面の該漸進的曲線の形態は、接線Ｔ１，Ｔ２，Ｔ３によって特徴付けられており、Ｔ１は、垂直方向ベクトルＶに対して１５度の角度を有し、Ｔ２は、該垂直方向ベクトルＶに対して４０度の角度を有し、およびＴ３は、垂直方向ベクトルＶに対して８０度の角度を有している。

図４は、舌部５１および溝６１を含む結合プロファイル５および６によって連結される、二つの隣接するタイルパネル１および１’の二つの側縁部を示す。該結合プロファイル５および６は、（矢印Ｔで示す）アングリングまたは回転運動が、該二つのプロファイルを一緒に結合することを可能にし、このことが、水平面内での噛合わせ結合をもたらすように構成されている。

図５は、それぞれの舌部７１および溝７３と、それぞれの舌部８１および溝８３とを含む結合プロファイル７および８によって連結される、二つの隣接するタイルパネル１および１’の二つの側縁部を示す。該結合プロファイル７および８は、パネル１’の（該矢印で示す）ドロップダウン運動が、該二つのプロファイルの一緒の結合を可能にし、このことが、該水平面内での噛合わせ結合をもたらすように構成されている。

図６は、該本発明によるタイルパネル１００の長手方向断面図である。該タイルパネル１００は、第一の結合プロファイル１０１ａを備えている第一のタイルパネル縁部１０１と、水平方向と垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイル１０１ａと噛合い係合するように設計されている第二の結合プロファイル１０２ａを備えている、好ましくは、該第一のタイルパネル縁部１０１の反対側の第二のタイルパネル縁部１０２とを備え、該第一の結合プロファイル１０１ａと該第二の結合プロファイル１０２ａは、好ましくは二つのこのようなパネルを、下降運動によって互いに結合することができるように構成されている。該第一の結合プロファイル１０１ａは、上向き舌部１０３と、該上向き舌部１０３からある距離にある少なくとも一つの上方フランク１０４と、該上向き舌部１０３と該上方フランク１０４との間に形成された上向き溝１０５であって、該上向き溝１０５が、隣接するパネルの該第二の結合プロファイル１０２ａの下向き舌部１０６の少なくとも一部を受け入れるように適合されている該上向き溝と、好ましくは、該上方フランク１０４から離れて対向している該上向き舌部１０３の遠方側に設けられた少なくとも一つのロッキング要素１０７と、を備え、および該第二の結合プロファイル１０２ａは、第一の下向き舌部１０６と、該下向き舌部１０６からある距離にある少なくとも一つの第一の下方フランク１０８と、該下向き舌部１０６と該下方フランク１０８との間に形成された第一の下向き溝１０９であって、該下向き溝１０９が、隣接するパネルの第一の結合プロファイル１０１ａの上向き舌部１０３の少なくとも一部を受け入れるように適合されている該第一の下向き溝と、隣接するパネルの第一のロッキング要素１０７と協働するために適合された少なくとも一つの第二のロッキング要素１１０であって、前記第二のロッキング要素１１０は、好ましくは該下方フランク１０８に設けられている該少なくとも一つの第二のロッキング要素と、を備えている。該舌部１０３，１０６の近位側は、下方向に見て分かるように、対向するフランク１０４，１０８に向かって傾斜しており、このことは、二つのタイルパネル１００の結合状態における追加的な垂直方向ロッキング効果につながる。該第一の縁部には、イミテーションのグラウトラインを構成し、図８により詳細に図示されている、凹状に湾曲した溝状凹部１１１が設けられている。

該凹部１１１は、該それぞれの側縁部１０１からのある距離に、最深箇所Ｄを有し、前記最深箇所は、該タイルパネル１００ａの上面よりも前記側縁部１０１に近接して配設されている。この実施例では、前記凹部１１１の幅Ｗｒは、該タイルパネルの該上面に関して、前記凹部の最大深さＤｒの少なくとも八倍になっている。図８を見てより詳細に分かるように、前記凹部の該最深箇所Ｄは、該凹部を、該タイルパネルの該上面に接続している内側凹部部分ＩＲＰと、該タイルパネルの該側縁部１０１に接続している外側凹部部分ＯＲＰとに分割し、該内側凹部部分ＩＲＰの幅は、該外側凹部部分ＯＲＰの該幅の少なくとも三倍になっている。該最深箇所に対する該内側凹部部分ＩＲＰの最大高さは、該最深箇所に対する該外側凹部部分ＯＲＰの該最大高さの少なくとも五倍になっている。このことは、該外側凹部部分の該高さが限定される実施形態につながり、このことは、この外側凹部部分を破損に対して強くしている。図示されているように、該内側凹部部分ＩＲＰの該凹部面は、該最深箇所に向かって漸増的半径を有している。このことは、該凹部と、該タイルパネルの該上面との間の明確な移行ラインの形成を可能にするとともに、該凹部の該深さを限定的に保持する。この実施例では、該タイルパネルの該厚さは、該タイルパネルの該上面に対する該凹部の該最大深さの少なくとも十倍になっている。

図７に示す該断面図においては、該タイルパネル１００が、それぞれ第三のタイルパネル縁部１２０および第四のタイルパネル縁部１２１に配設された、少なくとも一つの第三の結合プロファイル１２０ａおよび少なくとも一つの第四の結合プロファイル１２１ａを備え、該第三の結合プロファイル１２０ａは、該タイルパネル１００の上側１００ａに実質的に平行な方向に延在している側方舌部１２２と、該側方舌部１２２からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランク１２３と、該側方舌部１２２と該第二の下方フランク１２３との間に形成されている第二の下向き溝１２４とを備えていることが分かる。該第四の結合プロファイルは、隣接するタイルパネルの該第三の結合プロファイル１２０ａの該側方舌部１２２の少なくとも一部の収容のために構成された第三の溝１２５を備え、前記第三の溝１２５は、上方唇部１２６および下方唇部１２７によって画定され、前記下方唇部１２７には、上向きロッキング要素１２８が設けられ、該第三の結合プロファイル１２０ａと該第四の結合プロファイル１２１ａは、二つのこのようなパネルを、回転（アングリング）運動によって互いに結合でき、結合状態において、第一のタイルパネル１００の該側方舌部１２２の少なくとも一部は、隣接する第二のパネル１００の該第三の溝１２５に挿入され、および前記第二のタイルパネルの該上向きロッキング要素１２８の少なくとも一部が、前記第一のタイルパネル１００の該第二の下向き溝１２４に挿入されるように構成されている。該第四の縁部には、図９により詳細に図示されている、イミテーションのグラウトラインを構成し、および図６および図８に示す該凹部１１１と全く同じ形状、形状構成および寸法を有する、凹状に湾曲した溝状凹部１３０が設けられている。このため、該第一のタイルパネル縁部および該第四のタイルパネル縁部にはイミテーションのグラウトライン１１１、１３０が設けられているが、一方、該第二のタイルパネル縁部および該第三のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが何もない。

図６～図９においては、該タイルパネル１００の層が明確に図示されていないが、典型的には、このようなタイルパネルは、少なくとも一つのコア層と、前記コア層に直接または間接的に取付けられた、少なくとも一つの装飾上部分とを備え、該上部部分は、該タイルパネルの上面を画定している。該溝状凹部１１１，１３０には、好ましくは装飾被覆層が設けられている。該溝状凹部１１１，１３０は、全体的に、該装飾上部部分に、すなわち、該コア層の上に位置している。しかし、溝状凹部１１１，１３０の各々が、該上部部分に部分的に位置していること、および該コア層に部分的に位置していることも想定可能であり、および多くの場合に好適である。必要に応じて、該コア層の後側を被覆する、裏打ち層等の他の層を施してもよい。

上述した発明の概念は、いくつかの例示的な実施形態によって説明されている。個々の発明の概念は、その際に、記載されている実施例のその他の詳細を適用することもなく適用できることが想定されている。当業者は、特定の用途を実現するために、多くの発明概念を組合せることができることを理解されるため、上述した発明の概念の想定し得るすべての組合せの実施例を詳述する必要はない。

本発明は、本願明細書において示されおよび説明されている実施例に限定されないが、当業者にとっては明白であろう多くの変形例が、添付クレームの範囲内で可能であることは明らかであろう。

この特許公報において用いられている「備える（comprise）」という動詞およびその活用形は、「備える」だけを意味するものではなく、「含む（contain）」、「実質的に～から成る」、「～によって形成された」およびこれらの活用形も意味するものと理解されたい。

Claims (48)

1. 床、天井または壁面を被覆するのに適している装飾タイルパネルであって、このタイルパネルは、
   ・少なくとも一つのコア層と、
   ・前記コア層に直接または間接的に取付けられた、少なくとも一つの装飾上部部分であって、該上部部分が、前記タイルパネルの上面を画定する、少なくとも一つの装飾上部部分と、
   ・前記コア層によりおよび／または前記上部部分によって少なくとも部分的に画定された複数の側縁部と、を備え、
   前記タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも一つの側縁部に沿って、少なくとも一つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、該グラウトラインは、該タイルパネルの前記上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、および該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって境界が定められる実質的に一定の幅を有し、
   少なくとも一つの凹部は、独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成される上向きの凹部面を有し、前記凹部面は、該凹部の幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲され、前記凹部は、前記それぞれの側縁部からある距離に最深箇所を有し、前記最深箇所は、前記タイルパネルの前記上面よりも前記側縁部に近接して配設され、および前記凹部の前記幅は、該タイルパネルの該上面に関して、前記凹部の最大深さの少なくとも三倍になっていることを特徴とする装飾タイルパネル。
2. 前記凹部の前記幅は、前記タイルパネルの前記上面に対して、前記凹部の前記最大深さの少なくとも六倍である、請求項１に記載の装飾タイルパネル。
3. 前記凹部の前記最深箇所は、該凹部を、前記タイルパネルの前記上面に接続している内側凹部部分と、該タイルパネルの前記側縁部に接続している外側凹部部分とに分割し、該内側凹部部分の幅は、該外側凹部部分の幅の少なくとも二倍になっている、請求項１または２に記載の装飾タイルパネル。
4. 前記内側凹部部分の前記幅は、前記外側凹部部分の該幅の少なくとも三倍である、請求項３に記載の装飾タイルパネル。
5. 前記最深箇所に対する前記内側凹部部分の最大高さは、該最深箇所に対する前記外側凹部部分の最大高さの少なくとも四倍である、請求項３または４に記載の装飾タイルパネル。
6. 前記凹部面の少なくとも一つの凹状形状は、前記側縁部に向かう漸増的半径を有する、請求項１～５の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
7. 前記内側凹部部分の前記凹部面は、前記最深箇所に向かう漸増的半径を有する、請求項３～６の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
8. 前記タイルパネルの厚さは、該タイルパネルの前記上面に対する前記凹部の最大深さの少なくとも十倍である、請求項１～７の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
9. 前記側縁部は、少なくとも一組の、好ましくは二組の対向する側縁部を備え、前記組の一方の側縁部にはイミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、前記組の他方の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない、請求項１～８の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
10. 少なくとも一組の対向する第一および第二の側縁部には、相互に作用する結合プロファイルが設けられ、その結果、第一のタイルパネルの前記第一の側縁部を、第二のタイルパネルの前記第二の側縁部に結合することができ、該第一の側縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、前記イミテーションのグラウトラインの外側部分は、垂直方向面を画定し、前記第一の側縁部に配置された第一の結合プロファイルの少なくとも一部は、該イミテーションのグラウトラインの幅よりも大きく、かつ該イミテーションのグラウトラインの該幅の三倍よりも小さく、好ましくは二倍よりも小さい、ある水平方向距離にわたって、前記垂直方向面に関して延在する、請求項１～９の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
11. 第一のタイルパネル縁部は第一の結合プロファイルを備え、好ましくは、該第一のタイルパネル縁部の反対側の第二のタイルパネル縁部は、水平方向と垂直方向の両方向において、隣接するパネルの前記第一の結合プロファイルと噛合い係合するように設計されている第二の結合プロファイルを備え、該第一の結合プロファイルと該第二の結合プロファイルは、好ましくは二つのこのようなパネルを、下降運動によって互いに結合することができるように構成される、請求項１～１０の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
12. 前記第一の結合プロファイルは、
    ・上向き舌部と、
    ・前記上向き舌部からある距離にある少なくとも一つの上方フランクと、
    ・前記上向き舌部と前記上方フランクとの間に形成された上向き溝であって、該上向き溝は、隣接するパネルの第二の結合プロファイルの下向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、上向き溝と、
    ・好ましくは、前記上方フランクから離れて対向する前記上向き舌部の遠方側に設けられた、少なくとも一つの第一のロッキング要素と、を備え、および前記第二の結合プロファイルは、
    ・第一の下向き舌部と、
    ・前記下向き舌部からある距離にある少なくとも一つの第一の下方フランクと、
    ・前記下向き舌部と前記下方フランクとの間に形成された第一の下向き溝であって、該下向き溝は、隣接するパネルの第一の結合プロファイルの上向き舌部の少なくとも一部を受け入れるように適合されている、第一の下向き溝と、
    ・隣接するパネルの第一のロッキング要素との協働のために適合された少なくとも一つの第二のロッキング要素であって、前記第二のロッキング要素は、好ましくは前記下方フランクに設けられている、少なくとも一つの第二のロッキング要素と、を備える、請求項１１に記載の装飾タイルパネル。
13. 前記タイルパネルは、それぞれ、第三のタイルパネル縁部および第四のタイルパネル縁部に配設された、少なくとも一つの第三の結合プロファイルおよび少なくとも一つの第四の結合プロファイルを備え、該第三の結合プロファイルは、
    ・前記コア層の前記上側に実質的に平行な方向に延在する側方舌部と、
    ・前記側方舌部からある距離にある少なくとも一つの第二の下方フランクと、
    ・前記側方舌部と前記第二の下方フランクとの間に形成された第二の下向き溝と、を備え、
    前記第四の結合プロファイルは、
    ・隣接するパネルの前記第三の結合プロファイルの前記側方舌部の少なくとも一部を収容するために構成された第三の溝であって、前記第三の溝は、上方唇部および下方唇部によって画定され、前記下方唇部には、上向きロッキング要素が設けられる、第三の溝、を備え、
    前記第三の結合プロファイルと前記第四の結合プロファイルは、このような二つのパネルを回転運動によって互いに結合することができ、結合状態において、第一のパネルの前記側方舌部の少なくとも一部は、隣接する第二のパネルの前記第三の溝に挿入され、および前記第二のパネルの前記上向きロッキング要素の少なくとも一部が、前記第一のパネルの前記第二の下向き溝に挿入されるように構成される、請求項１～１２の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
14. 第一のタイルパネル縁部と第四のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられ、一方、第二のタイルパネル縁部と第三のタイルパネル縁部には、イミテーションのグラウトラインが設けられていない、請求項１２または１３に記載の装飾タイルパネル。
15. 前記パネルの側縁部に接続している前記凹部の外側部分は、同様のタイルパネルの凹部の外側部分に当接するように構成され、および前記垂直方向面内に拡がる接合面を画定する、請求項１～１４の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
16. 前記凹部面には、凸状に湾曲した部分が何もなく、および該凹部面は、好ましくは全体的に凹状に湾曲されている、請求項１～１５の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
17. 前記実質的に完全な凹部面は、前記独立したグラウト被覆層によって形成される、請求項１～１６の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
18. 前記独立したグラウト被覆層は、コーティングによって形成される、請求項１～１７の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
19. 前記独立したグラウト被覆層は、転写を用いた、転写箔または転写フィルムによって生じる転写層によって形成される、請求項１～１８の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
20. 前記独立したグラウト被覆層は印刷層によって形成される、請求項１～１９の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
21. 前記独立したグラウト被覆層は、実質的に一定の厚さを有する、請求項１～２０の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
22. 前記独立したグラウト被覆層は、前記凹部の前記幅方向にわたって変化する厚さを有する、請求項１～２１の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
23. 前記独立したグラウト被覆層は、前記タイルパネルの前記上面に接続している、請求項１～２２の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
24. 前記独立したグラウト被覆層は、前記タイルパネルの前記それぞれの側縁部に接続している、請求項１～２３の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
25. 前記独立したグラウト被覆層と、前記タイルパネルの前記上面は、異なる外観を有する、請求項１～２４の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
26. 前記独立したグラウト被覆層は、前記タイルパネルの前記上面よりも色が濃い、請求項１～２５の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
27. 前記独立したグラウト被覆層は、滑らかな上方面を有する、請求項１～２６の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
28. 前記独立したグラウト被覆層は、質感のある上方面を有する、請求項１～２７の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
29. 前記独立したグラウト被覆層は、前記タイルパネルの下にある部分に接着されおよび／または結合される、請求項１～２８の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
30. 前記上部部分の少なくとも一部は、溝状凹部が形成されている側縁部まで延在している、請求項１～２９の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
31. 前記上向きの凹部面は、前記凹部の前記幅方向にわたって、少なくとも部分的に漸進的に凹状に湾曲される、請求項１～３０の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
32. 前記上向きの凹部面は、前記凹部の前記幅方向にわたって、実質的に完全に凹状に湾曲される、請求項１～３１の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
33. 前記凹部面の少なくとも一つの凹状部は、一定の半径を有する、請求項１～３２の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
34. 前記凹部面の少なくとも一つの凹状部は、３～７ｍｍ、好ましくは４～５ｍｍの少なくとも一つの半径を有する、請求項１～３３の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
35. 前記凹部面の少なくとも一つの凹状部は、前記凹部の前記幅を越える半径を有する、請求項１～３４の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
36. 前記凹部の前記幅は、４．５ミリメートルよりも小さい、請求項１～３５の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
37. 前記凹部の前記最大深さは、０．２～１．５ミリメートル、好ましくは０．２～０．８ミリメートルである、請求項１～３６の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
38. 前記凹部には、前記タイルパネルの前記上面と、前記凹部面の凹状に湾曲した部分との間に配置された面取り縁部が設けられる、請求項１～３７の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
39. 少なくとも一つの縁部には溝状凹部がなく、前記縁部には、前記上面に接続している面取り縁部が設けられる、請求項１～３８の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
40. 前記タイルパネルには、該タイルパネルの少なくとも二つの接続側縁部に沿って、少なくとも二つのイミテーションのグラウトラインが設けられ、各グラウトラインは、該タイルパネルの前記上面に接続している溝状凹部によって形成され、この凹部は、該タイルパネルの側縁部に沿って延在し、および該タイルパネルの該それぞれの側縁部によって画定される実質的に一定の幅を有し、該凹部は、独立したグラウト被覆層によって少なくとも部分的に形成される上向きの凹部面を有し、前記凹部面は、該凹部の該幅方向にわたって、少なくとも部分的に凹状に湾曲される、請求項１～３９の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
41. 前記グラウト被覆層は、摩耗副層および装飾副層を備え、摩耗層は、前記タイルパネルの該前記上面に接続し、および実質的に透明な材料を有し、その結果、前記装飾副層は、前記摩耗層を通して目に見える、請求項１～４０の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
42. 前記上部部分は、摩耗層および装飾層を備え、摩耗層は、前記タイルパネルの前記上面と一致し、および実質的に透明な材料を有し、その結果、前記装飾層は、前記摩耗層を通して目に見える、請求項１～４１の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
43. 前記タイルパネルの前記コア層は、木材プラスチック複合材および／または石材プラスチック複合材および／または鉱物プラスチック複合材等の一つ以上のプラスチック複合材から少なくとも部分的に形成される、請求項１～４２の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
44. 前記タイルパネルは、４．０ｍｍから１２．０ｍｍまでの範囲の厚さを有する、請求項１～４３の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
45. 前記凹部面の漸次的な曲線部は、前記タイルパネルの垂直ベクトルに対して、４５度未満の少なくとも一つの接線を含み、および好ましくは、該垂直ベクトルに対して２０度～７０度未満の接線も含み、および最も好ましくは、該垂直ベクトルに対して９０度未満の接線も含む、請求項１～４４の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
46. 少なくとも二つの対向するタイルパネル縁部は互いに平行であり、好ましくは、該タイルパネルは、矩形または六角形のフォーマットを有する、請求項１～４５の何れか一項に記載の装飾タイルパネル。
47. 請求項１～４６の何れか一項に記載の多数の隣接する装飾タイルパネルによって構成される、特に床、天井または壁面用の表面カバーリング。
48. 請求項１～４７の何れか一項に記載の隣接する相互に接続された多数の装飾タイルパネルによって構成される、請求項４７に記載の表面カバーリング。

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