JP2023520662A - 高周波デバイスのための、圧電層を転写するのに使用できる圧電構造体を製造するための方法、及びそのような圧電層を転写するための方法 - Google Patents

高周波デバイスのための、圧電層を転写するのに使用できる圧電構造体を製造するための方法、及びそのような圧電層を転写するための方法 Download PDF

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Abstract

圧電構造体(10、10’)を製造する方法であり、前記方法は、圧電材料からなる基板(20)を準備するステップと、キャリア基板(100)を準備するステップと、圧電材料からなる基板(20)のただ1つの面に誘電体接合層(1001)を300℃以下の温度で堆積させるステップと、圧電材料からなる基板(20)をキャリア基板(100)に誘電体接合層(1001)を介して接合するステップ(1’)と、キャリア基板(100)に接合された圧電材料からなる層(200)を備える圧電構造体(10、10’)を形成する薄化ステップ(2’)と、を含むことを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、高周波デバイスのための、圧電層を転写するのに使用できる圧電構造体を製造するための方法、及びそのような圧電層を転写するための方法に関する。
共振器又はフィルタなどの高周波(RF)デバイスを、一般にシリコン又はサファイアなどの材料で作られたキャリア基板と、中間接合層と、圧電層とをそのベースから表面まで連続して含む基板上に製造することは、知られている手法である。
表面弾性波(SAW)フィルタは通常、圧電層と、前記圧電層の表面に堆積された2つのインターデジタル型金属コムの形の2つの電極とを備える。SAWフィルタの動作に応じて、圧電層の厚さは数十ナノメートルから数十μmのオーダとすることができる。後者では、圧電層の厚さの中へ広がるとともに下のキャリア基板との界面で反射しやすい、寄生モードの伝搬がある。この現象は「ガタ」と呼ばれる。これらの寄生モードを回避するために、中間接合層との界面にある圧電層の表面を、寄生波を全方向に反射させるように十分に粗くする手法が知られている。共振器の企図される動作波長を考えると、圧電層の粗面の粗度は非常に大きく、動作波長(数μm)と同じ程度の大きさである。
圧電層は通常、圧電材料からなる厚い基板(例えばインゴットをスライスして得られる)をキャリア基板に転写することによって得られる。キャリア基板は、例えばシリコン基板である。
圧電層を転写することには、厚い圧電基板をキャリア基板に接合し、その後、RFデバイスを製造するのに望ましい厚さの薄い圧電層だけをキャリア基板上に残すように、厚い圧電基板を薄くすることが必然的に伴う。
圧電基板とキャリア基板との良好な接着を得るために、酸化物(例えば、酸化ケイ素SiO)からなる層が一般に、2つの基板のそれぞれに堆積され、前記基板同士が前記酸化物層を介して接合される。
一方、圧電材料及びキャリア基板の材料は熱膨張係数が非常に異なるので、このようなアニールを実施するとアセンブリが著しく変形することになる。
その一方で、厚い圧電基板に酸化膜を堆積させると前記圧電基板が大きくたわむが、こうしたことは、平坦な基板に対して設計されている後の工程の各ステップとは相容れない。
最後に、前述のように、ヘテロ構造体は、厚い圧電基板とハンドル基板との熱膨張係数が異なるために強化アニールを行うことができない。しかし、強化アニールがない状態では、2つの基板の酸化膜の結合エネルギーは、ドナー仮想基板の機械的強度が不十分であるような、非常に低いままである。その結果として、接合界面の破壊が、厚膜圧電基板を薄くするステップ中に発生することがある。
厚い圧電基板とキャリア基板との間の良好な接着を確保するには、厚い圧電基板が高レベルの粗度を有する場合に特に、現在の方法では、複数の酸化物層を堆積させた後に前記酸化物層を化学機械研磨(CMP)するなどの、多数のステップを必要とし、前記酸化物層は、接合を不可能にする大幅なたわみを回避するために、厚い圧電基板の両面に交互に堆積される。
本発明は、高周波デバイスのための、圧電層を転写するためにも使用できる圧電構造体を製造するための方法、及びそのような圧電層を転写するための方法を提案することによって、従来技術のこれらの制約を克服することを目的とする。
本発明は、圧電構造体を製造する方法に関し、前記方法は、圧電材料からなる基板を準備するステップと、キャリア基板を準備するステップと、圧電材料からなる基板のただ1つの面に誘電体接合層を300℃以下の温度で堆積させるステップと、圧電材料からなる基板をキャリア基板に誘電体接合層を介して接合するステップと、キャリア基板に接合された圧電材料からなる層を備える圧電構造体を形成する薄化ステップとを含むことを特徴とする。
したがって、誘電体接合層を上記の低温(300℃以下)で堆積させることで生じる応力が低いことにより、本明細書の他の部分に記載の薄化ステップを可能にする十分な機械的安定性、及び、構成要素の製造中に引き続き用いられるパッケージングステップ中の十分な機械的安定性を確保することが可能になる。
いくつかの実施形態において、誘電体接合層は、圧電材料からなる基板の上にプラズマ支援化学気相成長によって堆積された、酸化ケイ素からなる層を備える。
有利な実施形態において、接合ステップは、誘電体接合層とキャリア基板との間の、又は誘電体接合層とキャリア基板上に形成された誘電体接合層との間の、分子接合を含む。
有利な実施形態において、前記誘電体接合層の堆積温度未満の温度での接合界面強化アニールがある。
有利な実施形態において、薄化ステップは、前記誘電体接合層の堆積温度未満の温度で実施される。
有利な実施形態において、圧電材料からなる基板は、高周波を反射するように設計された粗面を有する。
有利な実施形態において、誘電体接合層の厚さは200nm~500nmの間にある。
有利な実施形態において、誘電体接合層がキャリア基板の上に設けられている。
有利な実施形態において、薄化ステップはエッチング及び/又は化学機械研磨を含む。
本発明はまた、圧電層を最終基板に転写する方法にも関し、この方法は、先の請求項のいずれか一項に記載の製造方法を実施することによって得られた圧電構造体を準備するステップと、圧電材料からなる層に弱化ゾーンを、転写されるべき圧電層の範囲を定めるように形成するステップと、最終基板を準備するステップと、好ましくは誘電体接合層を最終基板の主面に、及び/又は圧電材料からなる層に形成するステップと、圧電材料からなる層を最終基板に接合するステップと、弱化ゾーンに沿って、誘電体接合層の堆積温度以下の温度で圧電構造体を破断及び分離するステップとを含む。
有利な実施形態において、弱化ゾーンは、圧電材料からなる層に原子種を注入することによって形成される。
有利な実施形態において、最終基板及びキャリア基板は同一の膨張係数を有する。
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解されよう。
本発明の1つの実施形態による製造工程と、本発明のこの実施形態による基板とを示す図である。 本発明の他の実施形態による製造工程と、本発明のこの他の実施形態による基板とを示す図である。 本発明の1つの実施形態による転写工程を示す図である。 本発明の他の実施形態による転写工程を示す図である。
図の見やすさを向上させるために、各層は必ずしも原寸に比例して示されていない。
図1は、好ましくはシリコン材料からなるキャリア基板100を示し、この基板に、圧電材料からなる、好ましくは単結晶圧電材料からなる、さらに具体的にはタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウム材料からなる層200が転写される。圧電材料200からなる層に他の材料が想定されてもよい。転写される活性層200はまた、強誘電体材料の、例えばLiTaO、LiNbO、LiAlO、BaTiO、PbZrTiO、KNbO、BaZrO、CaTiO、PbTiO又はKTaOを含むこともできる。
この活性層を含むドナー基板は、標準サイズの、例えば直径が150mm又は200mmの円形ウェハの形を取ることができる。しかし、本発明は、これらの寸法又はこの形に何ら限定されない。ドナー基板は、強誘電体材料のインゴットから、ドナー基板が予め定められた結晶方位を有するようにして取られてもよく、又はドナー基板は、キャリア基板に接合された強誘電体材料からなる層を含んでもよい。転写される強誘電体材料からなる活性層の結晶方位は、意図された用途に応じて選ばれる。すなわち、材料のLiTaOに関しては、特に、SAWフィルタを形成するために薄層の特性を利用したい場合には、30°~60°XY、又は40°~50°XYの方位を選ぶのが慣例である。材料のLiNbOに関しては、約128°XYの方位を選ぶのが慣例である。しかし、本発明は特定の結晶方位に決して限定されない。
ドナー基板の強誘電体材料がいかなる結晶方位であっても、この工程は、例えば、このドナー基板に水素及び/又はヘリウムの種(イオン及び/又は原子)を導入することを含む。この導入は、例えば、水素注入、すなわち、ドナー基板の平面の水素イオンボンバードメントに対応することができる。それ自体知られているように、注入されるイオンの目的は、転写されるべき強誘電体材料からなる、面側に位置する第1の層の範囲を定める弱化平面と、基板の残りの部分を形成する他の部分とを形成することである。注入される種の性質、量、及び注入されるイオンの種類、並びに注入エネルギーは、転写することが望まれる層の厚さと、ドナー基板の物理化学的性質とに応じて選ばれる。したがって、LiTaOで作られたドナー基板の場合では、約10~2000nmの第1の層を画定するために、1×1016~5×1017原子/cmの水素量を30~300keVのエネルギーで注入することを選ぶことが可能になる。
シリコン材料からなるキャリア基板100はまた、圧電材料からなる層200の圧電材料の熱膨張係数未満又は反対の熱膨張係数を有するサファイア材料、多結晶窒化アルミニウム(AlN)、ガラス、又は他の任意の材料からなるキャリア基板100で置き換えられてもよい(本発明では、熱膨張係数は、対象の基板の主面と平行な平面における熱膨張係数である)。このようにして、キャリア基板100は、圧電構造体10がさらされる温度変化の間の圧電構造体の膨張を制限する補強材の役割を果たし、これにより、圧電材料からなる層200の熱周波数係数、すなわち圧電材料からなる層200中を伝播する波の周波数が温度によって変化する程度を低減することが可能になる。シリコンは、表面トラップ層の追加により生じるRF印加に関して、電気的分離を可能にする機能を追加できるようにするので、特に好ましい。
シリコンを使用することには、300mmタイプの大規模設備に対して圧電材料膜の適用分野を開くというだけでなく、シリコン以外の外来材料、特にタンタル酸リチウム又はニオブ酸リチウムを生産ラインで受け入れることに関する要求が高い、マイクロエレクトロニクス産業に適合もさせるという利点がある。したがって、SAWフィルタ及び/又はBAWフィルタなどの、強誘電体からなる層さらには圧電材料からなる層で得られた、又は製造された構成要素を、トランジスタ、電力増幅器、さらにはネットワークスイッチなどの、シリコン基板で得られたか形成された部品と統合し、それによって、異なる種類の構成要素間の相互接続部の損失を低減し、複数の構成要素を統合しているそのようなシステムをより小型にすることを予見することもまた可能である。
図1は、圧電材料からなる基板20を、好ましくはシリコン材料からなるキャリア基板100に接合するための接合ステップ1’を概略的に示している。圧電材料からなる基板20を好ましくはシリコン材料からなるキャリア基板100に接合するための接合ステップ1’は、好ましくは分子接着ステップによって実施される。この分子接着ステップは、好ましくは室温における接着ステップを含み、接合界面の強化アニールが後に続いてもよい。
圧電材料からなる基板20の単一の面に誘電体接合層1001を、この誘電体接合層1001を介して圧電材料からなる基板20をキャリア基板100に接合するための接合ステップ1’の前に堆積しておくこともまた、概略的に示されている。この誘電体接合層1001は、300℃以下の温度で堆積される。一般に、誘電体接合層1001の堆積温度は、圧電材料からなる基板20と誘電体接合層1001との熱膨張係数が異なることによって生じるたわみが、分子接合ステップとの適合が存続するように選ばれ、圧電材料からなる基板20及び誘電体接合層1001によって構成されるアセンブリが100μm以下のたわみを有する。誘電体接合層1001の厚さが考慮されなければならない。200nm~500nmの想定された様々な厚さの範囲にわたって、300℃以下の堆積温度で良好な結果が示される。たわみ(500nmの誘電体接合層1001に対して80~90μm)が分子接合に適合する閾値(約100μm)未満にとどまるだけでなく、誘電体接合層1001の性質は、誘電体接合層1001とキャリア基板100との間に得られる結合エネルギーが改善されるようなものでもあることが判明した。したがって、結合エネルギーは、1J/mを超える高い値に達し得る。これらのエネルギーは、薄化ステップ又は強化アニールステップなどの後続のステップ中に安定した機械的強度を与えるのに十分なだけ高い。
分子接着ステップは、好ましくは室温、すなわち約20℃で実行される。しかし、この直接熱接合を20℃~50℃の温度で実行することも可能である。加えて、接合ステップは、有利には低圧で、すなわち5ミリトール以下の圧力で実行され(正確には1Torrは101325/760パスカル、すなわち約133.322Pa)、これにより接合界面を形成する面から水が脱離することが可能になる。真空下で接合ステップを実行すると、接合界面での水の脱離をさらに改善することが可能になる。
有利な実施形態では、圧電材料からなる基板20は、高周波を反射するように設計された粗面を有する。本明細書では、「粗面」とは、粗度が、寄生波が全方向に反射できるようにするために、共振器又はフィルタの圧電層中を伝播することが意図されたRF波の波長と同じ程度の大きさであり、それにより、寄生波が当の共振器又はフィルタの出力信号にもはや寄与しない表面のことを言う。本発明の文脈では、このような表面の粗度は、山から谷を測定して1.0~1.8μmの間にある。この粗度を埋めるために、誘電体接合層1001は、厚さが粗度を上回り、平坦性が化学的及び/又は機械的エッチングステップで得られる。
好ましくは、誘電体接合層1001は、圧電材料からなる基板20上に、好ましくはプラズマ支援化学的気相成長によって堆積された酸化ケイ素の層を含む。
別の実施形態によれば、誘電体接合層1001は、酸化ケイ素からなる層、又は窒化ケイ素からなる層、又は窒化ケイ素と酸化ケイ素との組み合わせを含む層、又は酸化ケイ素からなる少なくとも1つの層と窒化ケイ素からなる1つの層との重ね合わせであり、好ましくはプラズマ支援化学的気相成長によって得られる。
有利な一実施形態では、圧電構造体の機械的強度を強化するために、接合界面強化アニールが実行される。このアニールは、前記誘電体接合層1001の堆積温度未満の温度で実行され、したがって、結合エネルギーを増大させることは、そのようなアニール中に何らかの不純物(水素など)が存在することと不純物の脱ガス及び結合界面に向けての移動とに起因する欠陥を結合界面で生じさせなくても可能になる。強化アニールは通常、300℃以下の温度で、数分から数時間までの様々な期間で行われる。
図1に概略的に示されるように、圧電材料からなる基板20を薄くする薄化ステップ2’が、この基板がキャリア基板100に接合された後に続く。図1は、例えば化学的及び/又は機械的エッチング(研磨、研削、ミリングなど)によって実施されてもよい薄化ステップ2’を概略的に示している。このようにして、圧電材料からなる層200を得ることができる。薄化ステップはまた、スマートカット(SmartCut)(商標)法を適用することから構成されてもよい。この方法は、図3及び図4に概略的に示されており、転写されるべき層に弱化ゾーンを、転写のために選ばれた基板の残りの層から転写されるべき層の範囲を定めるように形成すること、一般に分子接合によって、転写されるべき層が転写される先の受け基板を準備すること(転写されるべき層を受け基板に接合するステップ)、次に、弱化ゾーンに沿って破断及び分離し、それによって、受け基板に転写されるべき層を含むヘテロ構造体を形成することを含む脱離ステップ、を含む。薄化ステップは一般に、前記誘電体接合層1001の堆積温度未満の温度で実施され、これにより、そのような薄化ステップ中に何らかの不純物(水素など)が存在することと不純物の脱ガス及び結合界面に向けての移動とに起因する、前述の欠陥が結合界面に存在しないようにすることが可能になる。
図2に概略的に示されている製造工程は、図1に概略的に示された製造工程とは、接合ステップ1’の前に、誘電体接合層1002がキャリア基板100の上に形成され、したがって、この層が、本発明による製造工程で得られた圧電構造体10’に存在する、という点で異なる。キャリア基板100用に選ばれた材料に応じて、この誘電体接合層1002は、圧電材料からなる基板20及び誘電体接合層1001から構成されるアセンブリと、キャリア基板100及び誘電体接合層1002から構成されるアセンブリ100’との間の分子接合を可能にするようにして形成される。したがって、アセンブリ200’のたわみは100μm以下のままである。
好ましくは、誘電体接合層1002は、酸化ケイ素からなる層を含む。シリコン材料で作られたキャリア基板100の場合では、層は熱酸化物としてもよいが、本発明は熱酸化物に限定されない。非限定的に、層はまた、プラズマ支援化学的気相成長によって得ることもできる。
図3は、圧電層200’を最終基板300’に転写する工程の一実施形態を概略的に示し、この工程は、圧電構造体10’(本発明がこの実施形態に限定されないことが理解されているとして、図2に概略的に示された工程を用いて得られる)を準備することと、圧電材料からなる層200に弱化ゾーン0’’を、圧電材料からなる層200の残りの層201から転写されるべき圧電層200’の範囲を定めるように形成することと、最終基板300’を準備することと、圧電材料からなる層200を最終基板300’に接合するステップ2’’と、弱化ゾーンに沿って圧電構造体10’を破断及び分離し、それによって、圧電層200’を最終基板300’の上に含むヘテロ構造体30’を形成することを含む、脱離ステップ2’’とを含む。脱離工程は、誘電体接合層1001の堆積温度以下の温度、好ましくは300℃以下の温度で実施されることが好ましい。
図4に概略的に示されている転写工程は、図3に概略的に示された転写工程とは、接合ステップ1’’の前に、誘電体接合層2001が圧電構造体10’の上に形成され、誘電体接合層2002が最終基板300’の上に形成され、したがって、これら2つの誘電体接合層2001及び2002が、本発明による転写工程によって得られるヘテロ構造体30’’中に存在するという点で異なる。
したがって、最終構造体の誘電体層の厚さは、2つの誘電体接合層の厚さの合計になる。最終構造体の誘電体層の厚さが特定の範囲の値に適合する必要がある場合、これらの層を製造する際の特定の適応性は、圧電構造体の上又は最終基板の上のいずれかで得られる。例えば、最終基板は、上記の構成要素をすでに含んでいることもあり、したがって、これらの構成要素を損傷することがないように、特定の熱予算を超えることができない。したがって、最終基板の上のものよりも厚い誘電体層を圧電構造体の上に形成することが可能である。
本発明はこれに限定されず、圧電構造体10’の上又は最終基板300’の上のいずれかに、誘電体接合層のうちの1つを形成するだけということがあってもよい。
圧電構造体10’を好ましくはシリコン材料からなる最終基板300’に接合するための接合ステップ1’’は、好ましくは分子接着ステップで実施される。この分子接着ステップは、好ましくは室温での接合ステップを含み、接合界面の強化アニールが後に続いてもよい。
図3及び図4に概略的に示された転写工程では、弱化ゾーン0’’は、圧電材料からなる層200に原子種を注入することによって形成される。一般に、注入ステップ0’’は、水素イオンを用いて実施される。当業者によく知られている興味深い1つの代替形態には、水素イオンの全て又は一部をヘリウムイオンに置き換えることが含まれる。
タンタル酸リチウムの圧電材料からなる層200の場合、水素注入量は通常、6×1016cm-2~1×1017cm-2になる。注入エネルギーは通常、50~170keVになる。したがって、脱離は通常、150℃~300℃の温度で実施される。このようにして、10nm~500nm程度の厚さの圧電層200’が得られる。
最終基板300’及びキャリア基板100は、有利なことに同一の、又は少なくとも非常に近接の熱膨張係数を有することができ、これにより、接合界面強化アニーリング中の機械的強度の向上及び変形の低減が可能になる。これら2つの基板は、場合によって存在することがある誘電体接合層又はトラップ層とは別に、実質的にシリコンで作られた同一の性質のものとしてもよい。後者には、同じ材料からなる最終基板300’及びキャリア基板100を有する「サンドイッチ」構造体の利点に著しく影響を及ぼすだけの十分な厚さがない。
脱離作業の直後に、追加の技術的ステップが、接合界面を強化すること、又は適切なレベルの粗度を回復すること、又は注入ステップ中に発生した欠陥がもしあれば修正すること(さもなければ、例えば、SAW型デバイスの電極の形成などの他の工程ステップの再開のために表面を調製すること)を目的として、有利に追加される。これらのステップは、例えば、研磨、化学エッチング(ウェット又はドライ)、アニーリング、化学洗浄のステップである。これらのステップは、単独で、又は組み合わせて用いることができ、こうしたことは当業者であれば調整することが可能である。
有利な実施形態では、キャリア基板100及び/又は最終基板300’は、電気抵抗率が1kΩcmより大きいシリコン基板としてもよい。このキャリア基板100及び/又は最終基板300’はまた、接合されることが意図されているこのシリコン基板の表面に配置された電荷トラップ層を含むこともできる。このトラップ層は、ドープされていないポリシリコンを含んでもよい。いくつかの状況下では、特にトラップ層が十分な厚さ、例えば30μmを超える厚さを有する場合、シリコンベース基板は、1kΩcm未満の標準抵抗率を有してもよい。一般に、転位、粒界、アモルファスゾーン、間隙、介在物、細孔などの構造上の欠陥があるのは非結晶層である。これらの構造欠陥は、材料中を流れやすい電荷のトラップを、例えば不完全な化学結合又はダングリング化学結合の部位に形成する。このようにして、伝導がトラップ層で妨げられ、その結果、高い抵抗率を示すことになる。有利なことに、実施を簡単にするという理由で、このトラップ層はポリシリコンからなる層によって形成される。その厚さは、特に、電気抵抗性のあるシリコンベース基板上に層が形成される場合には、0.3μm~3μmとすることができる。しかし、この範囲を下回る、又は上回る他の厚さも、予期されるRF性能のレベルに応じて、全く実施可能である。この層の多結晶特性を、キャリア基板100又は最終基板300’に施すことがある熱処理中に保持しようとするために、この基板上に、例えば二酸化ケイ素で作られた非晶質層を電荷トラップ層の堆積前に有利に設けることができる。或いは、トラップ層は、電気トラップを構成する構造欠陥を基板中に形成するために、ある表面厚さの基板にアルゴンなどの重い化学種を注入することによって形成することができる。この層はまた、ある表面厚さの基板を多孔化することによって形成することもできる。

Claims (12)

  1. 高周波デバイスのための圧電構造体(10、10’)を製造する方法であって、前記方法が、圧電材料からなる基板(20)を準備するステップと、キャリア基板(100)を準備するステップと、圧電材料からなる前記基板(20)のただ1つの面に誘電体接合層(1001)を300℃以下の温度で堆積させるステップと、圧電材料からなる前記基板(20)を前記キャリア基板(100)に前記誘電体接合層(1001)を介して接合するステップ(1’)と、キャリア基板(100)に接合された圧電材料からなる層(200)を備える前記圧電構造体(10、10’)を形成する薄化ステップ(2’)と、を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記誘電体接合層(1001)が、圧電材料からなる前記基板(20)の上にプラズマ支援化学気相成長によって堆積された、酸化ケイ素からなる層を備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接合ステップ(1’)が、前記誘電体接合層(1001)と前記キャリア基板(100)との間の、又は前記誘電体接合層(1001)と前記キャリア基板(100)上に形成された誘電体接合層(1002)との間の、分子接合ステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記誘電体接合層(1001)の堆積温度未満の温度での接合界面強化アニールをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記薄化ステップ(2’)が、前記誘電体接合層(1001)の前記堆積温度未満の温度で実施される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 圧電材料からなる前記基板(20)が、高周波を反射するように設計された粗面を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記誘電体接合層(1001)の厚さが200nm~500nmの間にある、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記キャリア基板(100)の上に誘電体接合層(1002)を設けるステップをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記薄化ステップ(2’)がエッチング及び/又は化学機械研磨を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 圧電層(200’)を最終基板(300’)に転写する方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法を実施することによって得られた圧電構造体(10、10’)を準備するステップと、圧電材料からなる前記層(200)に弱化ゾーン(0’’)を、転写されるべき前記圧電層(200’)の範囲を定めるように形成するステップと、最終基板(300’)を準備するステップと、好ましくは誘電体接合層(2001、2002)を前記最終基板(300’)の主面に、及び/又は圧電材料からなる前記層(200)に形成するステップと、圧電材料からなる前記層(200)及び前記最終基板(300’)を接合するステップ(1’’)と、前記弱化ゾーンに沿って、前記誘電体接合層(1001)の堆積温度以下の温度で前記圧電構造体(10、10’)を破断及び分離することを含む脱離ステップ(2’’)と、を含む、方法。
  11. 前記弱化ゾーンが、圧電材料からなる層(200)に原子種を注入することによって形成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記最終基板(300’)及び前記キャリア基板(100)が同一の膨張係数を有する、請求項10又は11に記載の方法。
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